(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023158325
(43)【公開日】2023-10-30
(54)【発明の名称】複合体製造方法、複合体製造装置、及び複合体
(51)【国際特許分類】
B23K 26/352 20140101AFI20231023BHJP
B29C 65/16 20060101ALI20231023BHJP
【FI】
B23K26/352
B29C65/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022068092
(22)【出願日】2022-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】中本 裕太
【テーマコード(参考)】
4E168
4F211
【Fターム(参考)】
4E168AB01
4E168DA02
4E168DA03
4E168DA04
4E168DA45
4E168JA02
4E168JA04
4F211AD03
4F211TA01
4F211TC01
4F211TD11
4F211TH17
4F211TN27
(57)【要約】
【課題】照射されるレーザ光の強度が接合面において不均一な場合でも、接合の不具合を抑制できる複合体製造方法を提供する。
【解決手段】実施形態に係る複合体製造方法は、表面処理工程及び接合工程を含む。表面処理工程では、第1部材の第1面にレーザ光の吸収率を変化させるための表面処理加工を行う。接合工程では、表面処理加工を行った第1面に第2部材の第2面を接触させた状態で、第2部材の第2面とは反対側の面から第1面に向けてレーザ光を照射することで、第1面と第2面とを接合する。第1面は、接合工程において照射されるレーザ光の強度が第1強度である第1部分と、接合工程において照射されるレーザ光の強度が第1強度よりも小さい第2強度である第2部分と、を有する。表面処理工程では、第2部分におけるレーザ光の吸収率である第2吸収率が、第1部分におけるレーザ光の吸収率である第1吸収率よりも大きくなるように表面処理加工を行う。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製の第1部材と、レーザ光を透過可能な樹脂製の第2部材と、が接合された複合体を製造する方法であって、
前記第1部材の第1面に前記レーザ光の吸収率を変化させるための表面処理加工を行う表面処理工程と、
前記表面処理加工を行った前記第1面に前記第2部材の第2面を接触させた状態で、前記第2部材の前記第2面とは反対側の面から前記第1面に向けて走査させずに前記レーザ光を照射することで、前記第1面と前記第2面とを接合する接合工程と、
を備え、
前記第1面は、前記接合工程において照射される前記レーザ光の強度が第1強度である第1部分と、前記接合工程において照射される前記レーザ光の強度が前記第1強度よりも小さい第2強度である第2部分と、を有し、
前記表面処理工程において、前記第2部分における前記レーザ光の吸収率である第2吸収率が、前記第1部分における前記レーザ光の吸収率である第1吸収率よりも大きくなるように前記表面処理加工を行う、複合体製造方法。
【請求項2】
前記表面処理工程において、前記第2部分にパルスレーザ光を照射することで、前記第2部分の前記レーザ光の吸収率を高める、請求項1記載の複合体製造方法。
【請求項3】
前記表面処理工程において、前記第1部分から前記第2部分に向かって前記レーザ光の吸収率が連続的に増大するように前記表面処理加工を行う、請求項1または2に記載の複合体製造方法。
【請求項4】
前記表面処理工程において、前記第1吸収率と前記第2吸収率との差は、前記接合工程において照射される前記レーザ光の前記第1面における強度分布に基づいて決定される、請求項1または2に記載の複合体製造方法。
【請求項5】
前記表面処理工程における加工条件は、前記第1部材の熱伝導率、前記第1面の前記レーザ光の吸収率、及び前記第2部材の溶融温度の少なくともいずれかに基づいて決定される、請求項1または2に記載の複合体製造方法。
【請求項6】
金属製の第1部材と、レーザ光を透過可能な樹脂製の第2部材と、が接合された複合体を製造する装置であって、
前記第1部材の第1面に前記レーザ光の吸収率を変化させるための表面処理加工を行う表面処理部と、
前記表面処理加工を行った前記第1面に前記第2部材の第2面を接触させた状態で、前記第2部材の前記第2面とは反対側の面から前記第1面に向けて走査させずに前記レーザ光を照射することで、前記第1面と前記第2面とを接合する接合部と、
を備え、
前記第1面は、前記接合部において照射される前記レーザ光の強度が第1強度である第1部分と、前記接合部において照射される前記レーザ光の強度が前記第1強度よりも小さい第2強度である第2部分と、を有し、
前記表面処理部は、前記第2部分における前記レーザ光の吸収率である第2吸収率が、前記第1部分における前記レーザ光の吸収率である第1吸収率よりも大きくなるように前記表面処理加工を行う、複合体製造装置。
【請求項7】
前記表面処理部は、前記第2部分にパルスレーザ光を照射することで、前記第2部分の前記レーザ光の吸収率を高める、請求項6記載の複合体製造装置。
【請求項8】
前記表面処理部は、前記第1部分から前記第2部分に向かって前記レーザ光の吸収率が連続的に増大するように前記表面処理加工を行う、請求項6または7に記載の複合体製造装置。
【請求項9】
前記第1吸収率と前記第2吸収率との差は、前記接合部において照射される前記レーザ光の前記第1面における強度分布に基づいて決定される、請求項6または7に記載の複合体製造装置。
【請求項10】
前記表面処理部における加工条件は、前記第1部材の熱伝導率、前記第1面の前記レーザ光の吸収率、及び前記第2部材の溶融温度の少なくともいずれかに基づいて決定される、請求項6または7に記載の複合体製造装置。
【請求項11】
第1面を有する金属製の第1部材と、
第2面を有する樹脂製の第2部材と、
を備え、
前記第1面及び前記第2面は、接合されており、
前記第1面は、第1領域と、第2領域と、を有し、
前記第2領域の少なくとも一部の表面粗さは、前記第1領域の少なくとも一部の表面粗さよりも大きい、複合体。
【請求項12】
前記第1面の表面粗さは、前記第1領域から前記第2領域に向かって連続的に増大する、請求項11記載の複合体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、複合体製造方法、複合体製造装置、及び複合体に関する。
【背景技術】
【0002】
接合面にレーザ光を照射することで金属製の部材と樹脂製の部材とを接合して複合体を製造する方法がある。レーザ光の強度は、レーザ光のビーム中心から離れるにつれて小さくなりやすい。そのため、接合面のうちビーム中心に近い中心部とビーム中心から離れた端部とで昇温の度合いが異なり、接合に不具合が生じる場合がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、照射されるレーザ光の強度が接合面において不均一な場合でも、接合の不具合を抑制できる複合体製造方法、複合体製造装置、及び複合体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る複合体製造方法は、金属製の第1部材と、レーザ光を透過可能な樹脂製の第2部材と、が接合された複合体を製造する方法であって、表面処理工程と、接合工程と、を含む。前記表面処理工程では、前記第1部材の第1面に前記レーザ光の吸収率を変化させるための表面処理加工を行う。前記接合工程では、前記表面処理加工を行った前記第1面に前記第2部材の第2面を接触させた状態で、前記第2部材の前記第2面とは反対側の面から前記第1面に向けて走査させずに前記レーザ光を照射することで、前記第1面と前記第2面とを接合する。前記第1面は、前記接合工程において照射される前記レーザ光の強度が第1強度である第1部分と、前記接合工程において照射される前記レーザ光の強度が前記第1強度よりも小さい第2強度である第2部分と、を有する。前記表面処理工程において、前記第2部分における前記レーザ光の吸収率である第2吸収率が、前記第1部分における前記レーザ光の吸収率である第1吸収率よりも大きくなるように前記表面処理加工を行う。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】実施形態に係る複合体製造装置を模式的に表す説明図である。
【
図2】実施形態に係る複合体製造方法の一例を表すフローチャートである。
【
図3】実施形態に係る複合体製造方法の接合工程におけるレーザ光の強度分布の例を模式的に表す平面図である。
【
図4】
図4(a)及び
図4(b)は、実施形態に係る複合体製造方法の表面処理加工後の第1面の一例を模式的に表す平面図及び断面図である。
【
図5】
図5(a)及び
図5(b)は、実施形態に係る複合体製造方法の表面処理工程後の第1面の一例を模式的に表す平面図及び断面図である。
【
図6】
図6(a)及び
図6(b)は、実施形態に係る複合体製造方法の表面処理工程後の第1面の一例を模式的に表す平面図及び断面図である。
【
図7】
図7(a)及び
図7(b)は、実施形態に係る複合体製造方法の表面処理工程後の第1面の一例を模式的に表す平面図及び断面図である。
【
図8】
図8(a)~
図8(c)は、レーザ光の吸収率とレーザ光照射時の第2部材の温度との関係を表すグラフである。
【
図9】実施形態に係る複合体を模式的に表す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
図1は、実施形態に係る複合体製造装置を模式的に表す説明図である。
実施形態に係る複合体製造装置100は、第1部材10と、第2部材20と、が接合された複合体30を製造する装置である。
【0009】
第1部材10は、金属製である。第1部材10は、例えば、鉄及び銅の少なくともいずれかを含む。第2部材20は、樹脂製である。第2部材20は、例えば、レーザ光を透過可能な樹脂製である。第2部材20は、例えば、波長800nm以上2000nm以下のレーザ光を透過可能な樹脂製である。第2部材20は、例えば、エポキシ樹脂及びアクリル樹脂の少なくともいずれかを含む。
【0010】
図1に表したように、実施形態に係る複合体製造装置100は、表面処理部110と、接合部120と、を有する。
【0011】
表面処理部110は、第1部材10の第1面11にレーザ光の吸収率を変化させるための表面処理加工を行う。表面処理部110は、例えば、第1レーザ照射部111と、第1載置部112と、を有する。表面処理部110では、例えば、第1載置部112に載置された第1部材10の第1面11に対して、第1レーザ照射部111からレーザ光を照射することで、表面処理加工を行う。
【0012】
第1レーザ照射部111には、例えば、パルス状の出力を一定の繰り返し周波数(パルス幅)で発振するパルスレーザが用いられる。第1レーザ照射部111にパルスレーザが用いられる場合、パルスレーザ光のパルス幅は、例えば、ナノ秒以下である第1レーザ照射部111にパルスレーザが用いられる場合、パルスレーザ光の波長は、例えば、300nm以上1000nm以下である。表面処理加工は、パルスレーザ光の照射に限定されない。表面処理加工については、後述する。
【0013】
接合部120は、表面処理加工を行った第1部材10の第1面11と第2部材20の第2面21とを接合する。接合部120は、例えば、第2レーザ照射部121と、第2載置部122と、を有する。接合部120では、第2載置部122に載置された第1部材10の第1面11に第2部材20の第2面21を接触させた状態で、第1部材10の第1面11に向けて第2レーザ照射部121からレーザ光を照射することで、第1面11と第2面21とを接合する。
【0014】
このとき、第2レーザ照射部121は、第2部材20の第2面21とは反対側の面22に向けてレーザ光を照射する。第2部材20の面22に照射されたレーザ光は、第2部材20の内部を透過して、第1部材10の第1面11に照射される。第1面11にレーザ光が照射されると、レーザ光により第1面11が加熱され、第1面11と接触する第2部材20の第2面21が溶融し、第1面11と第2面21とが接着される。第2レーザ照射部121は、走査させずにレーザ光を照射する。
【0015】
第2レーザ照射部121には、例えば、一定の出力を連続して発振するCW(Continuous Wave)レーザが用いられる。第2レーザ照射部121には、パルスレーザが用いられてもよい。第2レーザ照射部121から照射されるレーザ光の波長は、第1部材10の吸収波長に基づいて選択される。第1部材10が鉄を含む場合、第2レーザ照射部121から照射されるレーザ光の波長は、例えば、800nm以上2000nm以下である。第1部材10が銅を含む場合、第2レーザ照射部121から照射されるレーザ光の波長は、例えば、500nm以上2000nm以下である。
【0016】
以下、実施形態に係る複合体製造装置100を用いた複合体製造方法について説明する。
図2は、実施形態に係る複合体製造方法の一例を表すフローチャートである。
図2に表したように、実施形態に係る複合体製造方法は、表面処理工程と、接合工程と、を含む。
【0017】
実施形態に係る複合体製造方法では、まず、上述の表面処理部110において、表面処理工程を行う(ステップS101)。表面処理工程では、第1部材10の第1面11にレーザ光の吸収率を変化させるための表面処理加工を行う。表面処理工程については、後述する。
【0018】
実施形態に係る複合体製造方法では、次に、上述の接合部120において、接合工程を行う(ステップS102)。接合工程では、表面処理加工を行った第1部材10の第1面11と第2部材20の第2面21とを接合する。接合工程では、第1面11に第2面21を接触させた状態で、第2部材20の第2面21とは反対側の面22から第1部材10の第1面11に向けて走査させずにレーザ光を照射することで、第1面11と第2面21とを接合する。
【0019】
図3は、実施形態に係る複合体製造方法の接合工程におけるレーザ光の強度分布の例を模式的に表す平面図である。
図3では、レーザ光の強度が大きい部分を濃い色で示し、レーザ光の強度が小さい部分を薄い色で示している。
上述のように、接合工程では、走査させずにレーザ光を接合する部分の全体に照射する。レーザ光の強度は、レーザ光のビーム中心BCから離れるにつれて小さくなりやすい。そのため、
図3に表したように、第1面11において、ビーム中心BCに近い第1部分11a(中心部)とビーム中心BCから離れた第2部分11b(端部)とで照射されるレーザ光の強度の差が生じやすい。
【0020】
第1面11は、第1部分11aと、第2部分11bと、を有する。接合工程において第1部分11aに照射されるレーザ光の強度を第1強度、接合工程において第2部分11bに照射されるレーザ光の強度を第2強度とすると、第2強度は、第1強度よりも小さい。
【0021】
接合工程において照射されるレーザ光の強度が小さい第2部分11bでは、接合工程において照射されるレーザ光の強度が大きい第1部分11aと比べて、第1部材10が昇温されにくい。そのため、第2部材20のうち、第2部分11bに接する箇所では、第1部分11aに接する箇所と比べて、樹脂が溶融しにくくなり、結果として接合強度が小さくなりやすい。
【0022】
そこで、実施形態に係る複合体製造方法では、表面処理工程において、第2部分11bにおけるレーザ光の吸収率が、第1部分11aにおけるレーザ光の吸収率よりも大きくなるように表面処理加工を行う。ここでいう「レーザ光」は、接合工程において照射されるレーザ光である。以下、第1部分11aにおけるレーザ光の吸収率を「第1吸収率」、第2部分11bにおけるレーザ光の吸収率を「第2吸収率」と記載する。
【0023】
このように、第2吸収率が第1吸収率よりも大きくなるように表面処理加工を行うことで、第2部分11bに照射されるレーザ光の強度が第1部分11aに照射されるレーザ光の強度よりも小さい場合であっても、第2部分11bと第1部分11aとの間に温度差が生じることを抑制できる。これにより、接合工程における第1面11の面内の温度をより均一にすることができ、第1面11の面内の接合強度のばらつきを抑制できる。したがって、照射されるレーザ光の強度が接合面(第1面11)において不均一な場合でも、接合の不具合を抑制できる。
【0024】
表面処理工程では、例えば、第2部分11bに対してレーザ光の吸収率を高めるような表面処理加工を行うことで、第2吸収率が第1吸収率よりも大きくなるようにする。あるいは、表面処理工程では、例えば、第1部分11a及び第2部分11bの両方に対してレーザ光の吸収率を高めるような表面処理加工を行い、第2部分11bにおける加工度を第1部分11aにおける加工度よりも高くすることで、第2吸収率が第1吸収率よりも大きくなるようにする。
【0025】
レーザ光の吸収率を高める方法としては、例えば、対象部分の表面粗さを高める方法が挙げられる。このような方法として、具体的には、対象部分にパルスレーザ光を照射する方法が挙げられる。なお、レーザ光の吸収率を高める他の方法として、対象部分をヤスリなどで擦る物理的な方法、及び対象部分に薬剤などを塗布する化学的な方法などを用いてもよい。
【0026】
また、表面処理工程では、例えば、第1部分11aに対してレーザ光の吸収率を低くするような表面処理加工を行うことで、第2吸収率が第1吸収率よりも大きくなるようにしてもよい。あるいは、表面処理工程では、例えば、第1部分11a及び第2部分11bの両方に対してレーザ光の吸収率を低くするような表面処理加工を行い、第1部分11aにおける加工度を第2部分11bにおける加工度よりも高くすることで、第2吸収率が第1吸収率よりも大きくなるようにしてもよい。
【0027】
レーザ光の吸収率を低くする方法としては、例えば、対象部分のレーザ光の反射率を高める方法が挙げられる。このような方法として、具体的には、対象部分にレーザ光を照射して表面を溶融させる方法などが挙げられる。
【0028】
レーザ光の吸収率を高める方法であれば、例えば、レーザ光の吸収率を低くする方法に比べて、容易に第2吸収率を第1吸収率よりも大きくすることができる。また、パルスレーザ光を照射してレーザ光の吸収率を高める方法であれば、他の方法に比べて、所望の範囲に所望の加工度で表面処理加工を施しやすい。また、パルスレーザ光を照射してレーザ光の吸収率を高める方法であれば、他の方法に比べて、第1部分11aから第2部分11bに向かってレーザ光の吸収率が連続的に増大するような表面処理加工を行いやすい。
【0029】
第1吸収率と第2吸収率との差は、例えば、接合工程において照射されるレーザ光の第1面11における強度分布に基づいて決定される。例えば、レーザ光のビーム中心BCに近い位置(第1部分11a)におけるレーザ光の強度と、レーザ光のビーム中心BCから離れた位置(第2部分11b)におけるレーザ光の強度と、の差が大きい場合には、第1吸収率と第2吸収率との差を大きくすることが好ましい。一方、レーザ光のビーム中心BCに近い位置(第1部分11a)におけるレーザ光の強度と、レーザ光のビーム中心BCから離れた位置(第2部分11b)におけるレーザ光の強度と、の差が小さい場合には、第1吸収率と第2吸収率との差を小さくすることが好ましい。
【0030】
以下、表面処理加工の例について、説明する。
なお、以下では、第2部分11b、または、第1部分11a及び第2部分11bの両方に対してレーザ光の吸収率を高めるような表面処理加工を行った場合を例に挙げて説明する。
【0031】
図4(a)及び
図4(b)は、実施形態に係る複合体製造方法の表面処理加工後の第1面の一例を模式的に表す平面図及び断面図である。
図4(b)は、
図4(a)に示したA1-A2線による断面図である。
図4(a)及び
図4(b)に表したように、この例では、第1部分11a及び第2部分11bの両方に対して表面処理加工を行い、第2部分11bにおける加工度を第1部分11aにおける加工度よりも高くすることで、第2吸収率が第1吸収率よりも大きくなるようにしている。第2部分11bの表面粗さは、第1部分11aの表面粗さよりも大きい。
【0032】
表面粗さは、例えば、表面処理加工により形成される粒子状のナノ構造の粒径やナノ構造の密度により表される。第2部分11bにおけるナノ構造の粒径は、例えば、第1部分11aにおけるナノ構造の粒径よりも小さい。第2部分11bにおけるナノ構造の密度は、例えば、第1部分11aにおけるナノ構造の密度よりも大きい。
【0033】
図5(a)及び
図5(b)は、実施形態に係る複合体製造方法の表面処理工程後の第1面の一例を模式的に表す平面図及び断面図である。
図5(b)は、
図5(a)に示したB1-B2線による断面図である。
図5(a)及び
図5(b)に表したように、この例では、第2部分11bに対してレーザ光の吸収率を高めるような表面処理加工を行い、第1部分11aに対しては表面処理加工を行わないことで、第2吸収率が第1吸収率よりも大きくなるようにしている。第2部分11bの表面粗さは、第1部分11aの表面粗さよりも大きい。
【0034】
表面処理工程における加工条件は、例えば、第1部材10の熱伝導率、第1面11のレーザ光の吸収率、及び第2部材20の溶融温度の少なくともいずれかに基づいて決定される。ここでいう「加工条件」は、例えば、第1部分11aに表面処理加工を施すか否か、第1部分11a及び第2部分11bにおける表面処理加工の度合い(加工度)などを含む。
【0035】
例えば、第1部材10の熱伝導率が大きい場合、表面処理加工前の第1面11のレーザ光の吸収率が小さい場合、第2部材20の溶融温度が高い場合などには、第1部分11aにも表面処理加工を行うことが好ましい。また、このような場合には、第1部分11a及び第2部分11bにおける表面処理加工の度合いを高くすることが好ましい。
【0036】
一方、例えば、第1部材10の熱伝導率が小さい場合、表面処理加工前の第1面11のレーザ光の吸収率が大きい場合、第2部材20の溶融温度が低い場合などには、第1部分11aには表面処理加工を行わなくてもよい。また、このような場合には、第2部分11bにおける表面処理加工の度合いを低くすることが好ましい。
【0037】
接合面における昇温の度合いを均一にする方法として、例えば、第2レーザ照射部121から照射されるレーザ光の強度分布を均一にする方法が考えられる。しかし、このような方法では、第1部材10や第2部材20の種類、表面処理加工に使用するレーザの種類、接合に使用するレーザの種類などに応じて、適切な条件を選択することが難しい。
【0038】
これに対し、実施形態のように、表面処理加工によって、レーザ光の吸収率を第1面11の面内で異ならせる方法であれば、第1部材10や第2部材20の種類、表面処理加工に使用するレーザの種類、接合に使用するレーザの種類などに応じて、適切な条件を選択することができる。これにより、照射されるレーザ光の強度が接合面(第1面11)において不均一な場合でも、接合の不具合をより確実に抑制できる。
【0039】
図6(a)及び
図6(b)は、実施形態に係る複合体製造方法の表面処理工程後の第1面の一例を模式的に表す平面図及び断面図である。
図6(b)は、
図6(a)に示したC1-C2線による断面図である。
図6(a)及び
図6(b)に表したように、この例では、第1部分11aから第2部分11bに向かってレーザ光の吸収率が連続的に増大するように表面処理加工を行っている。つまり、第1部分11aから第2部分11bに向かってレーザ光の吸収率が徐々に大きくなるようにしている。第1面11の表面粗さは、第1部分11aから第2部分11bに向かって(すなわち、中心から端部に向かって)連続的に増大している。
【0040】
例えば、第1部分11aの中心から第1面11の端部に向かって走査させながらパルスレーザ光の強度や照射時間を変えることで、第1部分11aから第2部分11bに向かって連続的に表面粗さを増大させるように表面処理を行うことができる。
【0041】
図7(a)及び
図7(b)は、実施形態に係る複合体製造方法の表面処理工程後の第1面の一例を模式的に表す平面図及び断面図である。
図7(b)は、
図7(a)に示したD1-D2線による断面図である。
図7(a)及び
図7(b)に表したように、この例では、第1部分11a及び第2部分11bの一部に表面処理加工を行っていない。このように、第1面11のうち、第2部材20と接合しない部分には、表面処理加工を行わなくてもよい。第1部分11a及び第2部分11bは、レーザ光の吸収率の異なる複数の部分を含んでいてもよい。
【0042】
表面処理加工を行わない部分のレーザ光の吸収率は、例えば、第1吸収率よりも小さい。この場合、第1部分11aのうち、表面処理加工が行われる部分におけるレーザ光の吸収率を第1吸収率とみなし、第2部分11bのうち、表面処理加工が行われる部分におけるレーザ光の吸収率を第2吸収率とみなす。
【0043】
図8(a)~
図8(c)は、レーザ光の吸収率とレーザ光照射時の第2部材の温度との関係を表すグラフである。
図8(a)~
図8(c)では、第1部材10の第1面11におけるレーザ光の吸収率の分布を実線で表し、接合工程でレーザ光を照射した際の第2部材20における対応する位置の温度の分布を破線で表している。また、レーザ光のビーム中心を一点鎖線で表している。
【0044】
図8(a)に表したように、第2部分11bにおけるレーザ光の吸収率(第2吸収率)が第1部分11aにおけるレーザ光の吸収率(第1吸収率)と同じである場合には、接合工程においてレーザ光が照射された際に、第2部材20のうち、第2部分11bに接する箇所の温度が、第1部分11aに接する箇所の温度よりも低くなる。また、第2部材20のうち、第2部分11bに接する箇所の温度と第1部分11aに接する箇所の温度との差が大きくなりやすい。つまり、第1面11に表面処理加工を行わない場合や、第1面11の全面に一様に表面処理加工を行った場合には、第2部材20の温度が面内で不均一になりやすい。
【0045】
これに対し、
図8(b)及び
図8(c)に表したように、第2部分11bにおけるレーザ光の吸収率(第2吸収率)が第1部分11aにおけるレーザ光の吸収率(第1吸収率)よりも大きくなるように表面処理加工を行うと、第2部分11bにおけるレーザ光の吸収率(第2吸収率)が第1部分11aにおけるレーザ光の吸収率(第1吸収率)と同じである場合と比べて、第2部材20のうち、第2部分11bに接する箇所の温度と第1部分11aに接する箇所の温度との差が小さくなりやすい。つまり、第2部材20の温度が面内で均一になりやすい。
【0046】
また、
図8(c)に表したように、第1部分11aから第2部分11bに向かって連続的に表面粗さを増大させるように表面処理を行うことで、第2部材20の温度が面内でより均一になりやすい。
【0047】
なお、上述の例では、第1面11は、第1部分11a及び第2部分11bからなるが、第1面11は、第2部分11bよりも外周側に位置する第3部分をさらに有していてもよい。第3部分は、例えば、第2部分11bの外側を囲む。この場合、第3部分におけるレーザ光の吸収率(第3吸収率)は、例えば、第2部分11bにおけるレーザ光の吸収率(第2吸収率)よりも大きい。この場合、第3部分の表面粗さは、例えば、第2部分11bの表面粗さよりも大きい。第3部分の表面粗さは、例えば、第3部分内において一定である。第1面11のレーザ光の吸収率は、第2部分11bから第3部分に向かって(すなわち、中心から端部に向かって)連続的に増大していてもよい。第1面11の表面粗さは、第2部分11bから第3部分に向かって(すなわち、中心から端部に向かって)連続的に増大していてもよい。また、第3部分は、表面粗さの異なる複数の部分を含んでいてもよい。また、第1面11は、第3部分よりもさらに外周側に位置する1つ以上の部分を有していてもよい。
【0048】
以下、実施形態に係る複合体製造装置100及び実施形態に係る複合体製造方法により製造された複合体30について、説明する。
図9は、実施形態に係る複合体を模式的に表す斜視図である。
図10(a)~
図10(c)は、実施形態に係る複合体を模式的に表す断面図である。
図10(a)~
図10(c)は、
図9に示したE1-E2線による断面図の例である。
図9及び
図10(a)~
図10(c)に表したように、実施形態に係る複合体30は、第1部材10と、第2部材20と、を含む。第1部材10及び第2部材20は、第1面11及び第2面21を介して、接合されている。
【0049】
第1面11は、第1領域11xと、第2領域11yと、を有する。第1領域11xは、接合後の第1部分11aに相当する。第2領域11yは、接合後の第2部分11bに相当する。第1領域11xは、例えば、第1面11の中心CTを含む。第2領域11yは、例えば、第1領域11xよりも外周側に位置する。第2領域11yは、例えば、第1領域11xの外側を囲む。
【0050】
第2領域11yの少なくとも一部の表面粗さは、第1領域11xの少なくとも一部の表面粗さよりも大きい。第2領域11yの全体の表面粗さは、例えば、第1領域11xの全体の表面粗さよりも大きい。第2領域11yの表面粗さの平均値は、例えば、第1領域11xの表面粗さの平均値よりも大きい。
【0051】
図10(a)に表したように、第1領域11xの表面粗さは、例えば、第1領域11x内において一定である。また、第2領域11yの表面粗さは、例えば、第2領域11y内において一定である。つまり、第1面11は、例えば、異なる表面粗さを有する複数の領域を有する。例えば、
図4(a)及び
図4(b)に示したような表面処理加工、または
図5(a)及び
図5(b)に示したような表面処理加工を行うことで、
図10(a)に示したような構造を有する複合体30を製造できる。
【0052】
図10(b)に表したように、第1面11の表面粗さは、例えば、第1領域11xから第2領域11yに向かって連続的に増大していてもよい。この場合、第1領域11xの表面粗さは、例えば、第1領域11xにおいて一定ではない。また、この場合、第2領域11yの表面粗さは、例えば、第2領域11yにおいて一定ではない。例えば、
図6(a)及び
図6(b)に示したような表面処理加工を行うことで、
図10(b)に示したような構造を有する複合体30を製造できる。
【0053】
図10(c)に表したように、第1領域11xの表面粗さは、例えば、第1領域11x内において一定でなくてもよい。つまり、第1領域11xは、異なる表面粗さを有する複数の領域を有していてもよい。また、この例では、第2領域11yの表面粗さは、第2領域11y内において一定であるが、第2領域11yの表面粗さは、第2領域11y内において一定でなくてもよい。つまり、第2領域11yは、異なる表面粗さを有する複数の領域を有していてもよい。例えば、
図7(a)及び
図7(b)に示したような表面処理加工を行うことで、
図10(c)に示したような構造を有する複合体30を製造できる。
【0054】
第1面11の表面粗さは、例えば、複合体30の断面における第1面11の凹凸のピッチ(幅)、密度、深さなどにより表される。第2領域11yにおける凹凸のピッチ(幅)は、例えば、第1領域11xにおける凹凸のピッチ(幅)よりも小さい。第2領域11yにおける凹凸の密度は、例えば、第1領域11xにおける凹凸の密度よりも大きい。第2領域11yにおける凹凸の深さは、例えば、第1領域11xにおける凹凸の深さよりも大きい。
【0055】
このように、第2領域11yの表面粗さが第1領域11xの表面粗さよりも大きい複合体30であれば、第1部材10と第2部材20との接合の不具合が抑制された複合体30となる。
【0056】
なお、上述の例では、第1面11は、第1領域11x及び第2領域11yからなるが、第1面11は、第2領域11yよりも外周側に位置する第3領域をさらに有していてもよい。第3領域は、例えば、第2領域11yの外側を囲む。第3領域は、接合後の第3部分に相当する。この場合、第3領域の表面粗さは、例えば、第2領域11yの表面粗さよりも大きい。第3領域の表面粗さは、例えば、第3領域内において一定である。第1面11の表面粗さは、第2領域11yから第3領域に向かって(すなわち、中心から端部に向かって)連続的に増大していてもよい。また、第3領域は、表面粗さの異なる複数の領域を含んでいてもよい。また、第1面11は、第3領域よりもさらに外周側に位置する1つ以上の領域を有していてもよい。
【0057】
また、上述の例では、接合工程において照射されるレーザ光のビーム中心BCと第1部材10の中心CTが一致する場合を例に挙げて説明したが、ビーム中心BCと第1部材10の中心CTは一致しなくてもよい。
【0058】
実施形態は、以下の構成を含んでもよい。
【0059】
(構成1)
金属製の第1部材と、レーザ光を透過可能な樹脂製の第2部材と、が接合された複合体を製造する方法であって、
前記第1部材の第1面に前記レーザ光の吸収率を変化させるための表面処理加工を行う表面処理工程と、
前記表面処理加工を行った前記第1面に前記第2部材の第2面を接触させた状態で、前記第2部材の前記第2面とは反対側の面から前記第1面に向けて走査させずに前記レーザ光を照射することで、前記第1面と前記第2面とを接合する接合工程と、
を備え、
前記第1面は、前記接合工程において照射される前記レーザ光の強度が第1強度である第1部分と、前記接合工程において照射される前記レーザ光の強度が前記第1強度よりも小さい第2強度である第2部分と、を有し、
前記表面処理工程において、前記第2部分における前記レーザ光の吸収率である第2吸収率が、前記第1部分における前記レーザ光の吸収率である第1吸収率よりも大きくなるように前記表面処理加工を行う、複合体製造方法。
【0060】
(構成2)
前記表面処理工程において、前記第2部分にパルスレーザ光を照射することで、前記第2部分の前記レーザ光の吸収率を高める、構成1記載の複合体製造方法。
【0061】
(構成3)
前記表面処理工程において、前記第1部分から前記第2部分に向かって前記レーザ光の吸収率が連続的に増大するように前記表面処理加工を行う、構成1または2に記載の複合体製造方法。
【0062】
(構成4)
前記表面処理工程において、前記第1吸収率と前記第2吸収率との差は、前記接合工程において照射される前記レーザ光の前記第1面における強度分布に基づいて決定される、構成1~3のいずれか1つに記載の複合体製造方法。
【0063】
(構成5)
前記表面処理工程における加工条件は、前記第1部材の熱伝導率、前記第1面の前記レーザ光の吸収率、及び前記第2部材の溶融温度の少なくともいずれかに基づいて決定される、構成1~4のいずれか1つに記載の複合体製造方法。
【0064】
(構成6)
金属製の第1部材と、レーザ光を透過可能な樹脂製の第2部材と、が接合された複合体を製造する装置であって、
前記第1部材の第1面に前記レーザ光の吸収率を変化させるための表面処理加工を行う表面処理部と、
前記表面処理加工を行った前記第1面に前記第2部材の第2面を接触させた状態で、前記第2部材の前記第2面とは反対側の面から前記第1面に向けて走査させずに前記レーザ光を照射することで、前記第1面と前記第2面とを接合する接合部と、
を備え、
前記第1面は、前記接合部において照射される前記レーザ光の強度が第1強度である第1部分と、前記接合部において照射される前記レーザ光の強度が前記第1強度よりも小さい第2強度である第2部分と、を有し、
前記表面処理部は、前記第2部分における前記レーザ光の吸収率である第2吸収率が、前記第1部分における前記レーザ光の吸収率である第1吸収率よりも大きくなるように前記表面処理加工を行う、複合体製造装置。
【0065】
(構成7)
前記表面処理部は、前記第2部分にパルスレーザ光を照射することで、前記第2部分の前記レーザ光の吸収率を高める、構成6記載の複合体製造装置。
【0066】
(構成8)
前記表面処理部は、前記第1部分から前記第2部分に向かって前記レーザ光の吸収率が連続的に増大するように前記表面処理加工を行う、構成6または7に記載の複合体製造装置。
【0067】
(構成9)
前記第1吸収率と前記第2吸収率との差は、前記接合部において照射される前記レーザ光の前記第1面における強度分布に基づいて決定される、構成6~8のいずれか1つに記載の複合体製造装置。
【0068】
(構成10)
前記表面処理部における加工条件は、前記第1部材の熱伝導率、前記第1面の前記レーザ光の吸収率、及び前記第2部材の溶融温度の少なくともいずれかに基づいて決定される、構成6~9のいずれか1つに記載の複合体製造装置。
【0069】
(構成11)
第1面を有する金属製の第1部材と、
第2面を有する樹脂製の第2部材と、
を備え、
前記第1面及び前記第2面は、接合されており、
前記第1面は、第1領域と、第2領域と、を有し、
前記第2領域の少なくとも一部の表面粗さは、前記第1領域の少なくとも一部の表面粗さよりも大きい、複合体。
【0070】
(構成12)
前記第1面の表面粗さは、前記第1領域から前記第2領域に向かって連続的に増大する、構成11記載の複合体。
【0071】
以上のように、実施形態によれば、照射されるレーザ光の強度が接合面において不均一な場合でも、接合の不具合を抑制できる複合体製造方法、複合体製造装置、及び複合体を提供することができる。
【0072】
以上、本発明の実施形態を例示したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。この実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0073】
10 第1部材
11 第1面
11a 第1部分
11b 第2部分
11x 第1領域
11y 第2領域
20 第2部材
21 第2面
22 面
30 複合体
100 複合体製造装置
110 表面処理部
111 第1レーザ照射部
112 第1載置部
120 接合部
121 第2レーザ照射部
122 第2載置部
BC ビーム中心
CT 中心