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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023158331
(43)【公開日】2023-10-30
(54)【発明の名称】寝具カバー
(51)【国際特許分類】
   A47G 9/02 20060101AFI20231023BHJP
   D06F 35/00 20060101ALN20231023BHJP
【FI】
A47G9/02 K
D06F35/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022068106
(22)【出願日】2022-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】000196129
【氏名又は名称】西川株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100182006
【弁理士】
【氏名又は名称】湯本 譲司
(72)【発明者】
【氏名】浜口 貴司
(72)【発明者】
【氏名】北井 真里子
(72)【発明者】
【氏名】東野 勇介
【テーマコード(参考)】
3B102
3B168
【Fターム(参考)】
3B102BA16
3B102BA19
3B168AD06
3B168AE01
3B168AE02
3B168BA84
(57)【要約】
【課題】干すときに占有するスペースを減らせると共に、干すときの手間を軽減できる寝具カバーを提供する。
【解決手段】一実施形態に係る寝具カバーは、寝具本体を収容する内部空間、及び内部空間に寝具本体を出し入れ可能な開口を有する袋体2を備える寝具カバー1である。寝具カバー1は、袋体2の表地の内側に固定されており袋体2の開口から突出する少なくとも4本の帯状部材10を備える。各帯状部材10は、開口から直線状に延びる状態、及び開口から突出して寝具カバー1を干すための棒状体Bが通される環状部10gを形成する状態、に切替可能である。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
寝具本体を収容する内部空間、及び前記内部空間に前記寝具本体を出し入れ可能な開口を有する袋体を備える寝具カバーであって、
前記袋体の表地の内側に固定されており前記袋体の前記開口から突出する少なくとも4本の帯状部材を備え、
各前記帯状部材は、前記開口から直線状に延びる状態、及び前記開口から突出して前記寝具カバーを干すための棒状体が通される環状部を形成する状態、に切替可能である、
寝具カバー。
【請求項2】
各前記帯状部材は、被係止部と、前記被係止部から離隔した位置に設けられており前記被係止部に着脱可能に係止する係止部とを有し、
前記被係止部に前記係止部が係止することによって前記環状部が形成される、
請求項1に記載の寝具カバー。
【請求項3】
前記袋体は、長方形状を呈し、
各前記帯状部材は、前記袋体の四隅のそれぞれに位置する、
請求項1又は2に記載の寝具カバー。
【請求項4】
前記袋体は、長方形状を呈し、
各前記帯状部材は、前記袋体の四隅、及び前記袋体の2つの長辺、のそれぞれに位置する、
請求項1又は2に記載の寝具カバー。
【請求項5】
前記袋体は、長方形状を呈し、
各前記帯状部材は、前記袋体の2つの長辺のそれぞれにおける前記袋体の四隅から離隔した箇所のそれぞれに位置する、
請求項1又は2に記載の寝具カバー。
【請求項6】
前記袋体は、長方形状を呈し、
前記開口は、前記袋体の短手方向の一端及び他端の双方に形成される、
請求項1又は2に記載の寝具カバー。
【請求項7】
前記寝具カバーに前記寝具本体を接続する紐状部材を備え、
各前記帯状部材は、前記紐状部材より長く、且つ前記紐状部材よりも太い、
請求項1又は2に記載の寝具カバー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、寝具本体を収容可能、且つ洗濯をすることが可能な寝具カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2002-345615号公報には、長方形状の蒲団が記載されている。蒲団は、蒲団の四隅に取り付けられた4つのリングを備える。各リングは、蒲団の四隅のそれぞれにおいて縫製されており、縫製された部分から輪状に突き出している。4つのリングは、蒲団の短手方向の一端に位置する2つの第1のリングと、蒲団の短手方向の他端に位置しており第1のリングより小さい2つの第2のリングとを含む。
【0003】
蒲団の四隅に取り付けられた複数のリングのそれぞれは、蒲団を天日干しするときに利用される。蒲団を天日干しするときには、まず、表面が外側を向くように蒲団全体が二つ折りされ、各第1のリングが各第2のリングの内側に入り込んだ状態として、各第1のリングに物干し竿が通される。これにより、蒲団は、2つの第1のリングにより物干し竿より垂下した状態とされて天日干しされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-345615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した蒲団では、2つの第1のリングが蒲団の長手方向に沿って並んでおり、且つ2つの第2のリングが蒲団の長手方向に沿って並んでいる。従って、蒲団を干すときには、長手方向の一端に位置する第1のリングに竿等の棒状体を入れた後に、長手方向の他端に位置する第1のリングに当該棒状体を入れなければならないので、干すのに手間がかかるという現状がある。更に、第1のリングに棒状体を通す前に、第2のリングの内側に第1のリングを入り込んだ状態にしなければならないので、この点でも手間がかかる。
【0006】
上記の蒲団では、前述したように、長手方向の一端に位置する第1のリングに棒状体を入れた後に、長手方向の他端に位置する第1のリングに当該棒状体を入れる。従って、干すときに蒲団の長手方向が棒状体の延在方向に一致するので、当該棒状体における蒲団の占有スペースが広いという問題がある。よって、干すときに占有するスペースを減らすことが求められうる。
【0007】
本開示は、干すときに占有するスペースを減らせると共に、干すときの手間を軽減できる寝具カバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の要旨は、以下のとおりである。
[1]
寝具本体を収容する内部空間、及び前記内部空間に前記寝具本体を出し入れ可能な開口を有する袋体を備える寝具カバーであって、
前記袋体の表地の内側に固定されており前記袋体の前記開口から突出する少なくとも4本の帯状部材を備え、
各前記帯状部材は、前記開口から直線状に延びる状態、及び前記開口から突出して前記寝具カバーを干すための棒状体が通される環状部を形成する状態、に切替可能である、
寝具カバー。
[2]
各前記帯状部材は、被係止部と、前記被係止部から離隔した位置に設けられており前記被係止部に着脱可能に係止する係止部とを有し、
前記被係止部に前記係止部が係止することによって前記環状部が形成される、
[1]に記載の寝具カバー。
[3]
前記袋体は、長方形状を呈し、
各前記帯状部材は、前記袋体の四隅のそれぞれに位置する、
[1]又は[2]に記載の寝具カバー。
[4]
前記袋体は、長方形状を呈し、
各前記帯状部材は、前記袋体の四隅、及び前記袋体の2つの長辺、のそれぞれに位置する、
[1]又は[2]に記載の寝具カバー。
[5]
前記袋体は、長方形状を呈し、
各前記帯状部材は、前記袋体の2つの長辺のそれぞれにおける前記袋体の四隅から離隔した箇所のそれぞれに位置する、
[1]又は[2]に記載の寝具カバー。
[6]
前記袋体は、長方形状を呈し、
前記開口は、前記袋体の短手方向の一端及び他端の双方に形成される、
[1]~[5]のいずれか一項に記載の寝具カバー。
[7]
前記寝具カバーに前記寝具本体を接続する紐状部材を備え、
各前記帯状部材は、前記紐状部材より長く、且つ前記紐状部材よりも太い、
[1]~[6]のいずれか一項に記載の寝具カバー。
【0009】
本開示に係る寝具カバーは、寝具本体を収容する内部空間、及び内部空間に寝具本体を出し入れ可能な開口を有する袋体を備える寝具カバーである。寝具カバーは、袋体の表地の内側に固定されており袋体の開口から突出する少なくとも4本の帯状部材を備える。各帯状部材は、開口から直線状に延びる状態、及び開口から突出して寝具カバーを干すための棒状体が通される環状部を形成する状態、に切替可能である。
【0010】
この寝具カバーは、袋体の開口から突出する少なくとも4本の帯状部材を備える。4本の帯状部材のそれぞれは、袋体の開口から直線状に延びる状態と、寝具カバーを干すための棒状体が通される環状部を形成する状態と、に相互に切替可能である。従って、開口から直線状に延びる各帯状部材を棒状体に掛けて、その後、各帯状部材を湾曲させて当該棒状体が通された環状部を形成することにより、当該棒状体に寝具カバーを干すことができる。よって、長手方向の一端及び他端のそれぞれに位置するリングに棒状体を通す必要がなく寝具カバーを当該棒状体に容易に干すことができるので、干すときの手間を軽減できる。この寝具カバーでは、4本の帯状部材のそれぞれを湾曲させて棒状体が通された環状部を形成することにより、4つの環状部の間隔を互いに接近させることができるので、当該棒状体における寝具カバーの占有スペースを狭めることができる。従って、干すときに寝具カバーが占有するスペースを減らすことができる。
【0011】
各帯状部材は、被係止部と、被係止部から離隔した位置に設けられており被係止部に着脱可能に係止する係止部とを有してもよい。被係止部に係止部が係止することによって環状部が形成されてもよい。この場合、各帯状部材では、被係止部に係止部を係止させることによって棒状体が通された環状部を形成でき、係止部は被係止部に着脱可能とされている。従って、寝具カバーを棒状体に容易に干すことができると共に、寝具カバーが乾いた後に当該棒状体から容易に寝具カバーを外すことができる。
【0012】
袋体は、長方形状を呈してもよく、各帯状部材は、袋体の四隅のそれぞれに位置してもよい。この場合、袋体の四隅のそれぞれに帯状部材が位置する。よって、袋体の短手方向に沿って並ぶ一対の帯状部材を棒状体に掛けて当該短手方向が棒状体の延在方向と一致するように寝具カバーを干すことにより、棒状体における寝具カバーの占有スペースを一層低減させることができる。
【0013】
袋体は、長方形状を呈し、各帯状部材は、袋体の四隅、及び袋体の2つの長辺、のそれぞれに位置してもよい。この場合、6本の帯状部材のそれぞれを湾曲させて棒状体が通された環状部を形成することにより、6つの環状部の間隔を互いに接近させることができるので、当該棒状体における寝具カバーの占有スペースを狭めることができる。更に、袋体の長辺に帯状部材が位置することにより、干したときに袋体の表地のみが棒状体に支持されるので、袋体の表地と裏地との間隔を広げることができる。従って、表地と裏地との間隔が広がることによって寝具カバーを乾きやすくすることができるので、速乾性を良好にすることができる。
【0014】
袋体は、長方形状を呈し、各帯状部材は、袋体の2つの長辺のそれぞれにおける袋体の四隅から離隔した箇所のそれぞれに位置してもよい。この場合、四隅から離隔した箇所のそれぞれに帯状部材が位置することにより、干したときに、棒状体に沿って並ぶ一対の帯状部材の間の表地の部分と、帯状部材からより大きく垂れ下がる裏地の部分との間隔を広げることができる。従って、表地と裏地との間隔が広がることによって寝具カバーを乾きやすくすることができるので、速乾性を良好にすることができる。この場合、4本の帯状部材が袋体に固定されていればよく、帯状部材の数を必要最低限にすることができるので、帯状部材にかかるコストの増大を抑制できる。
【0015】
袋体は、長方形状を呈し、開口は、袋体の短手方向の一端及び他端の双方に形成されてもよい。この場合、袋体の短手方向の両側のそれぞれに開口が形成されるので、寝具カバーに対する寝具本体の出し入れを容易に行うことができる。また、袋体の短手方向の両側のそれぞれに開口が形成されていることにより、袋体をひっくり返さずに寝具カバーを干すことができる。
【0016】
寝具カバーは、寝具カバーに寝具本体を接続する紐状部材を備えてもよい。各帯状部材は、紐状部材より長く、且つ紐状部材よりも太くてもよい。この場合、棒状体に掛けられる帯状部材の長さ及び太さが紐状部材よりも大きいので、より丈夫な帯状部材とすることができる。従って、寝具カバーを干したときに帯状部材が外れる可能性を一層低減させることができる。
【発明の効果】
【0017】
本開示によれば、干すときに占有するスペースを減らせると共に、干すときの手間を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1実施形態に係る寝具カバーを示す図である。
図2図1の寝具カバーの袋体、帯状部材及び紐状部材を示す図である。
図3】(a)は、図2の帯状部材の縫製の仕方の一例を示す図である。(b)は、図2の帯状部材の縫製の仕方の他の例を示す図である。
図4】(a)は、帯状部材の一例を示す図である。(b)は、帯状部材の他の例を示す図である。
図5】帯状部材で環状部を形成して寝具カバーを棒状体に干している状態を模式的に示す図である。
図6】第2実施形態に係る寝具カバーを示す図である。
図7】第3実施形態に係る寝具カバーを示す図である。
図8図7の寝具カバーの帯状部材で環状部を形成して当該寝具カバーを棒状体に干している状態を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、図面を参照しながら本開示に係る寝具カバーの実施形態について説明する。図面の説明において同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、図面は、理解の容易化のため、一部を簡略化又は誇張して描いている場合があり、寸法比率等は図面に記載のものに限定されない。
【0020】
寝具カバーは袋体を備える。「寝具カバー」は、寝具本体を覆うカバーを示している。「寝具本体」は、寝具の寝具カバー以外の部分を示しており、例えば、寝具カバーに覆われる寝具の部分を示している。「袋体」は、内部空間を有する袋状を呈するものを示している。袋体は、例えば、表地と裏地を有する。表地は表側(又は上側)に向けられる袋体の生地を示しており、裏地は裏側(又は下側)に向けられる袋体の生地を示している。袋体は開口を有し、開口は袋体の内部空間に連通する。
【0021】
寝具カバーは、袋体の表地の内側に固定されており袋体の開口から突出する帯状部材を備える。「帯状部材」は、棒状体に寝具カバーを干すときに、当該棒状体に引っ掛けられる部品又は部分を示している。「棒状体」は、洗濯された物が干される棒状体である。棒状体は、例えば、物干し竿である。また、棒状体は、横方向(又は水平方向)に延びる手摺、又はハンガーの一部であってもよい。
【0022】
帯状部材は、直線状に延びる状態、及び棒状体が通される環状部を形成する状態、に切替可能である。「環状部」は、輪状とされた部分を示している。「棒状体が通される環状部を形成する状態」とは、帯状部材が棒状体に引っ掛けられた状態で帯状部材が曲げられ棒状体に縛り付けられて帯状部材が環状になった状態、及び、帯状部材が棒状体を囲む輪を形成した状態を示している。
【0023】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る寝具カバー1を示す図である。例えば、寝具カバー1は、寝具本体として掛け布団が収容される掛け布団カバーである。寝具カバー1は、袋体2と、棒状体B(図5参照)に引っ掛けられる4本の帯状部材10とを有する。袋体2は、第1方向D1に延びると共に第1方向D1に交差(一例として直交)する第2方向D2に沿って並ぶ一対の長辺2bと、第2方向D2に延びると共に第1方向D1に沿って並ぶ一対の短辺2cとを有する長方形状を呈する。
【0024】
第1方向D1は袋体2の長手方向に相当し、第2方向D2は袋体2の短手方向に相当する。本開示において、「長方形状」は、厳密な長方形だけでなく、隅丸長方形等、厳密には長方形ではないが長方形に見える形状を含む。また、「長方形」は、四辺の長さが互いに等しい正方形を含む。
【0025】
図2は、第2方向D2の一方側から寝具カバー1を見た図である。図1及び図2に示されるように、袋体2は、上側(例えば表側)に向けられる長方形状の表地3と、下側(例えば敷き寝具側)に向けられる長方形状の裏地4とを有する。表地3及び裏地4は、袋体2の第1方向D1の両端のそれぞれにおいて互いに縫製されている。
【0026】
袋体2は、寝具本体を出し入れ可能な開口5を有する。例えば、開口5は、袋体2の第2方向D2の一端及び他端のそれぞれに形成されている。すなわち、袋体2は、その第2方向D2の一端及び他端が開放可能とされており、第2方向D2の一端及び他端のどちらからでも開口5を介して寝具本体を袋体2に出し入れできる。
【0027】
袋体2は、開口5を開閉する開閉部材6を有する。一例として、開閉部材6はファスナー(ジッパー又は線ファスナーとも称される)である。例えば、袋体2は複数の開閉部材6を有し、各開閉部材6は袋体2の長辺2bに沿って延在している。開閉部材6は、例えば、開口5を画成する表地3の第2方向D2の端部、及び裏地4の第2方向D2の端部に固定されたエレメント6bと、エレメント6bに沿って移動させることでエレメント6bによって画成される開口5を開閉するスライダー6cと有する。スライダー6cを第1方向D1に沿って移動させることによって開口5の開閉が可能とされている。
【0028】
寝具カバー1は、寝具カバー1に寝具本体を接続する紐状部材7を有する。紐状部材7は、袋体2の内部空間8に収容される寝具本体から延び出す紐状体にとめられる。寝具カバー1は、例えば、複数の紐状部材7を有し、各紐状部材7は表地3の内側に縫製によって固定されている。
【0029】
例えば、袋体2の四隅2f、長辺2b、及び短辺2cのそれぞれに紐状部材7が縫製によって固定されている。「四隅」は、厳密な四隅だけでなく、四隅から多少(例えば数cm程度)離れた部分も含んでいる。紐状部材7の数は一例として8である。しかしながら、紐状部材7の数は8に限られず特に限定されない。一例として、長辺2bに位置する各紐状部材7は長辺2bの中点を含むように設けられており、短辺2cに位置する各紐状部材7は短辺2cの中点を含むように設けられている。
【0030】
前述したように、寝具カバー1は、寝具カバー1を棒状体Bに干すときに棒状体Bに引っ掛けられる帯状部材10を有する。帯状部材10は、例えば、帯状部材10の長手方向A1に延びると共に帯状部材10の幅方向A2に沿って並ぶ一対の長辺10dと、幅方向A2に延びると共に長手方向A1に沿って並ぶ一対の短辺10fとを有する。本実施形態において、帯状部材10は、袋体2の四隅2fのそれぞれに設けられる。各帯状部材10は、表地3の内側に固定されており、一例として、表地3の内側に縫製によって固定されている。
【0031】
例えば、帯状部材10は、袋体2の四隅2fに位置する紐状部材7の隣接位置に設けられる。より具体的には、帯状部材10は、長辺2bにおける紐状部材7よりも第1方向D1の中央寄りの位置に設けられる。帯状部材10は、紐状部材7よりも長く、且つ紐状部材7よりも太い。
【0032】
図3(a)は、帯状部材10及び紐状部材7を示す図である。図3(b)は、図3(a)とは別のとめ方をされた帯状部材10及び紐状部材7を示す図である。図3(a)及び図3(b)に示されるように、帯状部材10は、帯状部材10の一端10bが袋体2(表地3)に固定されて開口5から直線状に突出してもよいし(図3(a)参照)、帯状部材10の長手方向A1の途中部分10cが袋体2に固定されて開口5から途中部分10cの両側部分が直線状に突出してもよい(図3(b)参照)。図3(a)及び図3(b)のいずれの場合であっても、帯状部材10によって後述する環状部10g(図5参照)を形成することが可能である。
【0033】
図4(a)は、帯状部材10を示す図である。図4(a)に示される帯状部材10は、例えば、図3(a)の帯状部材10と同一である。図4(a)に示されるように、帯状部材10は、テープ状とされている。帯状部材10の長手方向A1への長さは、例えば、10cm以上且つ30cm以下であり、帯状部材10の幅方向A2への長さ(幅)は1cm以上且つ3cm以下である。例えば、帯状部材10の長手方向A1への長さは、紐状部材7の長手方向への長さの3倍以上且つ5倍以下であり、帯状部材10の幅は、紐状部材7の幅の1.1倍以上且つ3倍以下である。
【0034】
例えば、帯状部材10は布製である。すなわち、帯状部材10は繊維によって構成されている。一例として、帯状部材10の材料はポリエステルである。しかしながら、帯状部材10の材料は、ポリエステルに限られず、綿、麻、絹、羊毛若しくはレーヨン等の天然繊維、又は布帛によって構成されていてもよく、特に限定されない。帯状部材10の材料は、例えば、紐状部材7の材料と同一であってもよい。例えば、帯状部材10の厚さは紐状部材7の厚さ以上である。これにより、帯状部材10の強度を紐状部材7の強度よりも高めることができる。
【0035】
帯状部材10は、被係止部11と、被係止部11から離隔した位置に設けられており被係止部11に着脱可能に係止する係止部12とを有し、被係止部11に係止部12が係止することによって環状部10gが形成される。例えば、被係止部11は帯状部材10の長手方向A1の一方側に設けられており、係止部12は帯状部材10の長手方向A1の他方側に設けられている。一例として、被係止部11及び係止部12はホックである。
【0036】
帯状部材10の一端10bから係止部12(係止部12の中心)までの距離L1は、例えば、3cm以上且つ5cm以下であり、一例として3.5cmである。帯状部材10の他端10hから被係止部11(被係止部11の中心)までの距離L2は、例えば、距離L1よりも短い。例えば、距離L2は、1.5cm以上且つ4.5cm以下であり、一例として2.5cmである。
【0037】
図4(b)は、図4(a)とは別の例に係る帯状部材10を示す図である。図4(b)に示される帯状部材10は、例えば、図3(b)の帯状部材10と同一である。図4(b)に示される帯状部材10において、帯状部材10の一端10bから係止部12(係止部12の中心)までの距離L3は、帯状部材10の他端10hから被係止部11(被係止部11の中心)までの距離L3と同一である。距離L3は、例えば、2cm以上且つ5cm以下であり、一例として3cmである。
【0038】
次に、帯状部材10を用いて寝具カバー1を棒状体Bに干す方法について図5を参照しながら説明する。棒状体Bは、物干し竿であり、一例として丸棒状を呈する。棒状体Bの幅(棒状体Bが丸棒状である場合は直径)は、例えば、2cm以上且つ5cm以下であり、一例として3cmである。まず、袋体2の四隅2fのそれぞれに設けられた帯状部材10を開口5から直線状に引き出す(帯状部材を直線状に引き出す工程)。
【0039】
次に、帯状部材10を棒状体Bに掛けて帯状部材10を曲げて被係止部11に係止部12を係止して棒状体Bが通された環状部10gを形成する(環状部を形成する工程)。この環状部10gの形成を4本の帯状部材10のそれぞれに対して行うことによって棒状体Bに寝具カバー1が干された状態となって一連の工程が完了する。そして、寝具カバー1が乾いた後には、各帯状部材10の係止部12を被係止部11から外すことによって棒状体Bから寝具カバー1を外すことができる。
【0040】
次に、本実施形態に係る寝具カバー1から得られる作用効果について説明する。図1図2及び図5に示されるように、寝具カバー1は、袋体2の開口5から突出する4本の帯状部材10を備える。4本の帯状部材10のそれぞれは、袋体2の開口5から直線状に延びる状態と、寝具カバー1を干すための棒状体Bが通される環状部10gを形成する状態と、に相互に切替可能である。従って、開口5から直線状に延びる各帯状部材10を棒状体Bに掛けて、その後、各帯状部材10を湾曲させて棒状体Bが通された環状部10gを形成することにより、棒状体Bに寝具カバー1を干すことができる。
【0041】
よって、寝具カバー1を棒状体Bに容易に干すことができるので、干すときの手間を軽減できる。寝具カバー1では、4本の帯状部材10のそれぞれを湾曲させて棒状体Bが通された環状部10gを形成することにより、4つの環状部10gの間隔を互いに接近させることができるので、棒状体Bにおける寝具カバー1の占有スペースRを狭めることができる。
【0042】
従って、干すときに寝具カバー1が占有する占有スペースRを減らすことができ、棒状体Bの占有スペースR以外の箇所により多くの洗濯物を干すことができる。更に、寝具カバーを干すための専用のハンガーを不要にすることができ、ハンガー無しで且つ省スペースで寝具カバー1を干すことができる。
【0043】
本実施形態において、各帯状部材10は、被係止部11と、被係止部11から離隔した位置に設けられており被係止部11に着脱可能に係止する係止部12とを有する。被係止部11に係止部12が係止することによって環状部10gが形成される。従って、各帯状部材10では、被係止部11に係止部12を係止させることによって棒状体Bが通された環状部10gを形成でき、係止部12は被係止部11に着脱可能とされている。よって、寝具カバー1を棒状体Bに容易に干すことができると共に、寝具カバー1が乾いた後に棒状体Bから容易に寝具カバー1を外すことができる。
【0044】
本実施形態において、袋体2は、長方形状を呈しており、各帯状部材10は、袋体2の四隅2fのそれぞれに位置する。従って、袋体2の四隅2fのそれぞれに帯状部材10が位置する。よって、袋体2の短手方向(第2方向D2)に沿って並ぶ一対の帯状部材10を棒状体Bに掛けて当該短手方向が棒状体Bの延在方向と一致するように寝具カバー1を干すことにより、棒状体Bにおける寝具カバー1の占有スペースRを一層低減させることができる。なお、上記の例とは異なり、袋体2の長手方向(第1方向D1)に沿って並ぶ一対の帯状部材10を棒状体Bに掛けて当該長手方向が棒状体Bの延在方向と一致するように寝具カバー1を干してもよい。
【0045】
本実施形態において、袋体2は、長方形状を呈し、開口5は、袋体2の短手方向の一端及び他端の双方に形成される。よって、袋体2の短手方向の両側のそれぞれに開口5が形成されるので、寝具カバー1に対する寝具本体の出し入れを容易に行うことができる。また、袋体2の短手方向の両側のそれぞれに開口5が形成されていることにより、袋体2をひっくり返さずに寝具カバー1を干すことができる。
【0046】
本実施形態において、寝具カバー1は、寝具カバー1に寝具本体を接続する紐状部材7を備える。各帯状部材10は、紐状部材7より長く、且つ紐状部材7よりも太い。よって、棒状体Bに掛けられる帯状部材10の長さ及び太さが紐状部材7よりも大きいので、より丈夫な帯状部材10とすることができる。従って、寝具カバー1を干したときに帯状部材10が外れる可能性を一層低減させることができる。
【0047】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る寝具カバー21について図6を参照しながら説明する。寝具カバー21は、帯状部材10の数及び配置態様が前述した寝具カバー1とは異なっている。寝具カバー21の一部の構成は、前述した寝具カバー1の一部の構成と同一である。従って、以下では、寝具カバー1の説明と重複する説明を同一の符号を付して適宜省略する。
【0048】
寝具カバー21は、棒状体Bに引っ掛けられる6本の帯状部材10を有する。帯状部材10は、袋体2の四隅2f、及び袋体2の長辺2bのそれぞれに位置する紐状部材7の隣接位置に設けられる。一例として、長辺2bに位置する各帯状部材10は長辺2bの中点を含むように設けられている。
【0049】
以上、第2実施形態に係る寝具カバー21では、袋体2は、長方形状を呈し、各帯状部材10は、袋体2の四隅2f、及び袋体2の2つの長辺2b、のそれぞれに位置する。従って、6本の帯状部材10のそれぞれを湾曲させて棒状体Bが通された環状部10gを形成することにより、6つの環状部10gの間隔を互いに接近させることができるので、棒状体Bにおける寝具カバー21の占有スペースRを狭めることができる。
【0050】
更に、袋体2の長辺2bに帯状部材10が位置することにより、干したときに袋体2の表地3のみが棒状体Bに支持され、裏地4は表地3よりも大きく垂れ下がるので、干したときにおける袋体2の表地3と裏地4との間隔を広げることができる。従って、表地3と裏地4との間隔が広がることによって寝具カバー21を乾きやすくすることができるので、速乾性を良好にすることができる。
【0051】
(第3実施形態)
続いて、第3実施形態に係る寝具カバー31について図7を参照しながら説明する。寝具カバー31は、棒状体Bに引っ掛けられる4本の帯状部材10を有する。帯状部材10は、袋体2の長辺2bにおける各四隅2fから離隔した箇所2jのそれぞれに設けられる。四隅2fと箇所2jとの距離L4は、例えば、5cm以上且つ30cm以下である。但し、距離L4は、10cm以上又は12cm以上であってもよいし、25cm以下、20cm以下又は15cm以下であってもよい。
【0052】
以上、第3実施形態に係る寝具カバー31では、袋体2は、長方形状を呈し、各帯状部材10は、袋体2の2つの長辺2bのそれぞれにおける袋体2の四隅2fから離隔した箇所2jのそれぞれに位置する。よって、図8に模式的に示されるように、四隅2fから離隔した箇所2jのそれぞれに帯状部材10が位置することにより、干したときに、棒状体Bに沿って並ぶ一対の帯状部材10の間の表地3の部分と、帯状部材10からより大きく垂れ下がる裏地4の部分との間隔Wを広げることができる。
【0053】
従って、表地3と裏地4との間隔Wが広がることによって寝具カバー31を乾きやすくすることができるので、速乾性を良好にすることができる。更に、第3実施形態では、4本の帯状部材10が袋体2に固定されていればよく、帯状部材10の数を必要最低限にすることができるので、帯状部材10にかかるコストの増大を抑制できる。また、第3実施形態では、紐状部材7から離隔した箇所2jに帯状部材10が縫製によって固定される。従って、紐状部材7の隣接位置に帯状部材10を縫製する場合と比較して、帯状部材10の縫製を容易に行うことができる。
【0054】
以上、本開示に係る寝具カバーの種々の実施形態について説明した。しかしながら、本開示は、前述の各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した要旨を変更しない範囲において変形し、又は他のものに適用されるものであってもよい。すなわち、寝具カバーの各部の形状、大きさ、数、材料及び配置態様は、上記の要旨を変更しない範囲において適宜変更可能である。
【0055】
例えば、図5では、1本の棒状体Bに4本の帯状部材10が引っ掛けられる例について説明した。しかしながら、複数本の棒状体Bに4本の帯状部材10が引っ掛けられてもよい。例えば、2本の棒状体Bのうちの一方に4本の帯状部材10のうちの2本が引っ掛けられ、2本の棒状体Bのうちの他方に残り2本の帯状部材10が引っ掛けられてもよい。複数本の棒状体Bに4本の帯状部材10が引っ掛けられる場合、寝具カバーの速乾性をより高めることができる。
【0056】
前述の実施形態では、棒状体Bが物干し竿である例について説明した。しかしながら、寝具カバー1が干される棒状体は、物干し竿以外のものであってもよい。例えば、棒状体は、ハンガーの一部であってもよく、例えば、ハンガーに形成された凹状の部分に帯状部材10が引っ掛けられてもよい。このように、寝具カバーを干すときに用いられる棒状体の種類は適宜変更可能である。
【0057】
前述の実施形態では、袋体2の短手方向の両側のそれぞれに開口5が形成される例について説明した。しかしながら、袋体の短手方向の片側のみに開口が形成されていてもよい。この場合、袋体の表裏をひっくり返して当該開口から帯状部材を直線状に突出させて棒状体に引っ掛けることにより、寝具カバーを当該棒状体に干すことが可能である。
【0058】
前述の実施形態では、被係止部11及び係止部12を有する帯状部材10において、被係止部11及び係止部12がホックである例について説明した。しかしながら、被係止部及び係止部はホック以外のものであってもよく、例えば、面ファスナーであってもよい。この場合、被係止部を省略して係止部のみを備えた帯状部材とすることも可能である。このように、被係止部及び係止部の種類は適宜変更可能である。更に、被係止部及び係止部を有しない帯状部材であってもよい。この場合、帯状部材は、棒状体に縛り付けられることによって環状部を形成する。このように、帯状部材の態様は適宜変更可能である。
【0059】
前述の実施形態では、開口5に開閉部材6が設けられており、開閉部材6がファスナーである例について説明した。しかしながら、開閉部材は、ファスナー以外の開閉部材であってもよく、例えば、ボタン、紐又はゴムであってもよい。このように、開閉部材の種類は特に限定されない。更に、開口は開閉部材が設けられないものであってもよい。
【0060】
前述の実施形態では、掛け布団が収容される掛け布団カバーである寝具カバー1について説明した。しかしながら、寝具カバーは、敷き布団カバー、シーツ、枕カバー、クッションカバー、又は座布団カバーであってもよく、寝具カバーの種類、及び寝具カバーに収容される寝具本体の種類は適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0061】
1…寝具カバー、2…袋体、2b…長辺、2c…短辺、2f…四隅、2j…箇所、3…表地、4…裏地、5…開口、6…開閉部材、6b…エレメント、6c…スライダー、7…紐状部材、8…内部空間、10…帯状部材、10b…一端、10c…途中部分、10d…長辺、10f…短辺、10g…環状部、10h…他端、11…被係止部、12…係止部、21,31…寝具カバー、A1…長手方向、A2…幅方向、B…棒状体、D1…第1方向、D2…第2方向、L1,L2,L3,L4…距離、R…占有スペース、W…間隔。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8