(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023158335
(43)【公開日】2023-10-30
(54)【発明の名称】無電解銅めっき液及び前記無電解銅めっき液を利用するナノ双晶銅金属層の製造方法
(51)【国際特許分類】
C23C 18/40 20060101AFI20231023BHJP
C23C 18/16 20060101ALI20231023BHJP
【FI】
C23C18/40
C23C18/16 B
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022068112
(22)【出願日】2022-04-18
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】511252936
【氏名又は名称】台湾上村股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】TAIWAN UYEMURA CO., LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】000189327
【氏名又は名称】上村工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】鄭 景宏
(72)【発明者】
【氏名】呉 ▲ち▼裕
(72)【発明者】
【氏名】蔡 嘉慶
(72)【発明者】
【氏名】鍾 秉璋
(72)【発明者】
【氏名】許 宏裕
【テーマコード(参考)】
4K022
【Fターム(参考)】
4K022AA02
4K022AA03
4K022AA05
4K022AA13
4K022BA08
4K022CA03
4K022CA29
4K022DA01
4K022DB06
4K022DB26
4K022DB28
4K022DB29
(57)【要約】
【課題】本発明は、無電解銅めっき液及び前記無電解銅めっき液を利用するナノ双晶銅金属層の製造方法を提供する。
【解決手段】無電解銅めっき液は、錯化剤、銅イオン源、還元剤、安定剤、及び結晶核剤を含む水溶液であり、無電解でナノ双晶銅金属層を製造できる。従来の電解メッキ又はマグネトロンスパッタリングと比べて、本発明によれば、追加の電流供給が必要なく、流動場の要求が低く、給電のためにメッキ領域にリードを設ける必要がないため、プロセス及び生産の管理性を向上し、生産コストを削減することができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無電解でナノ双晶銅金属層を製造するために用いられる無電解銅めっき液であって、
(a)錯化剤0.1~30wt%、
(b)銅イオン源0.01~5wt%、
(c)還元剤0.01~5wt%、
(d)安定剤0.00001~0.1wt%、
(e)結晶核剤0.0001~0.1wt%を含み、
(f)残分が水であることを特徴とする、
無電解銅めっき液。
【請求項2】
前記錯化剤は、アミノカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、及び多価カルボン酸から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、
請求項1に記載の無電解銅めっき液。
【請求項3】
前記アミノカルボン酸は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン-N,N’,N’-三酢酸(HEDTA)、シクロヘキサンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、エチレンジアミンテトラプロピオン酸、アミン三酢酸、イミノ二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、イミノ二プロピオン酸、1,3-プロピレンジアミン四酢酸、1,3-ジアミノ-2-ヒドロキシプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、m-フェニレンジアミン四酢酸、ジアミノプロピオン酸、グルタミン酸、ジカルボキシメチルグルタミン酸、オルニチン、システイン、S-カルボキシメチル-L-システイン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グルタミン酸、(S,S)-エチレンジアミンコハク酸、及びそれらの塩から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、
請求項2に記載の無電解銅めっき液。
【請求項4】
前記ヒドロキシカルボン酸は、酒石酸、グルコン酸、クエン酸、リンゴ酸、グルコヘプトン酸、グリコール酸、乳酸、トリヒドロキシ酪酸、アスコルビン酸、イソクエン酸、ヒドロキシマロン酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、ロイシン、シトラマル酸、サリチル酸、及びそれらの塩類から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、
請求項2に記載の無電解銅めっき液。
【請求項5】
前記多価カルボン酸は、コハク酸、グルタル酸、マロン酸、アジピン酸、シュウ酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、メサコン酸、及びそれらの塩類から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、
請求項2に記載の無電解銅めっき液。
【請求項6】
前記銅イオン源は、硫酸銅、ハロゲン化銅、硝酸銅、酸化銅、酢酸銅、ピロリン酸銅、テトラフルオロホウ酸銅、アルキルスルホン酸銅、アリールスルホン酸銅、スルファミン酸銅、過塩素酸銅、及びグルコン酸銅の少なくとも1つを含むことを特徴とする、
請求項1に記載の無電解銅めっき液。
【請求項7】
前記還元剤は、ホルムアルデヒド、ジメチルアミンボラン(DMAB)、グリオキシル酸、グリオキシル酸塩、ピロ亜リン酸、ホスフィン酸塩、次リン酸塩、水素化ホウ素塩、ヒドラジド、及び糖質から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、
請求項1に記載の無電解銅めっき液。
【請求項8】
前記安定剤は、ピリジン、ビピリジン、フェナントロリン、チアゾール、チアジアゾール、イミダゾール、ジアゾール、ピリミジン、オキサゾール、イソオキサゾール、トリアゾール、テトラゾール、チオ尿素、シアン化物、チオシアン酸塩、ヨウ化物、エタノールアミン、ベンゼンジオール、トコフェロール、ヒダントイン、カプロラクタム、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、エチレンオキシドプロピレンオキシド共重合体、ポリプロピレングリコール-ブロック-ポリエチレングリコール共重合体、及びそれらの誘導体から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、
請求項1に記載の無電解銅めっき液。
【請求項9】
前記結晶核剤は、炭化水素基スルホン酸塩、炭化水素基第四級アンモニウム塩、テトラ炭化水素基ホスホニウム、イミニウム(iminium)又はその重合物、バージェス試薬、ピペリジニウム(piperidinium)、イソニトリル、ベンゾイミダゾールスルホン酸塩、メルカプトベンゾチアゾール、メルカプトトリアゾール、メルカプトベンゾオキサゾール、フェナントロリンスルホン酸塩、ジチオビス(炭化水素基スルホン酸塩)、メルカプト炭化水素基スルホン酸塩(mercaptohydrocarbylsulfonic acid salts)、チオカルボン酸塩(Thiocarboxylic acid salts)、メルカプトカルボン酸塩(mercaptocarboxylic acid salts)、フェノチアジン、又はそれらの誘導体から選ばれることを特徴とする、
請求項1に記載の無電解銅めっき液。
【請求項10】
前記結晶核剤は、4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリンジスルホン酸二ナトリウム塩、ジチオ安息香酸、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸ナトリウム塩、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムスルファート、及びポリクオタニウム-7から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、
請求項9に記載の無電解銅めっき液。
【請求項11】
前記無電解銅めっき液のpH値を8~14に調整するためのpH調整剤をさらに含むことを特徴とする、
請求項1に記載の無電解銅めっき液。
【請求項12】
前記pH調整剤は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化アンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、又はアンモニアから選ばれることを特徴とする、
請求項11に記載の無電解銅めっき液。
【請求項13】
以下の(1)~(3)の工程を有することを特徴とする、無電解でナノ双晶銅金属層を製造する方法。
(1)請求項1に記載の無電解銅めっき液を調製し、pH値を8~14に調整する。
(2)基板に対して前処理を行う。
(3)前記無電解銅めっき液を利用し、処理した前記基板にナノ双晶銅金属層を沈着させる。
【請求項14】
前記基板は、非導電性基板、或いは銅表面又は銅合金回路を有する非導電性基板又は半導体基板から選ばれることを特徴とする、
請求項13に記載の無電解でナノ双晶銅金属層を製造する方法。
【請求項15】
前記非導電性基板は、樹脂基板、セラミック基板、又はガラス基板であることを特徴とする、
請求項14に記載の無電解でナノ双晶銅金属層を製造する方法。
【請求項16】
前記半導体基板は、シリコン基板、ゲルマニウム基板、シリコンゲルマニウム基板、炭化ケイ素基板、又はIII-V半導体基板であることを特徴とする、
請求項14に記載の無電解でナノ双晶銅金属層を製造する方法。
【請求項17】
前記III-V半導体基板は、GaAs基板、GaN基板、InP基板、InGaP基板、AlN基板、InAs基板、AlAs基板、AlGaAs基板、InAsN基板、InAlGaAs基板、又はInGaAsP基板であることを特徴とする、
請求項16に記載の無電解でナノ双晶銅金属層を製造する方法。
【請求項18】
前記工程(2)は、前記基板に対して順に洗浄、マイクロエッチング、及び酸洗を行うことを特徴とする、
請求項14に記載の無電解でナノ双晶銅金属層を製造する方法。
【請求項19】
前記工程(2)の後に、前記基板を触媒で活性化する工程を有することを特徴とする、
請求項15に記載の無電解でナノ双晶銅金属層を製造する方法。
【請求項20】
前記基板は、金属基板であることを特徴とする、
請求項13に記載の無電解でナノ双晶銅金属層を製造する方法。
【請求項21】
工程(2)は、前記基板を酸洗することを特徴とする、
請求項20に記載の無電解でナノ双晶銅金属層を製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属表面処理、特に無電解銅めっき液及び前記無電解銅めっき液を利用するナノ双晶銅金属層の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体産業の発展及びチップサイズの小型化に伴ってパッケージ技術も向上している。チップ間のボンディングの鍵の1つは、3D集積回路(3DIC)パッケージ技術である。3DICとは、異なるチップを積み重ねて、複数のチップを3次元に垂直に統合させて、チップとチップの間に接点として銅スズ材料のマイクロバンプを使用する技術である。銅スズの冶金学的な反応がまた研究されているが、Cu6Sn5及びCu3Snとの2種類の金属間化合物が形成されることが知られている。
【0003】
研究によると、金属パッド層としてナノ双晶銅、半田として純スズのマイクロバンプを利用すると、260℃のリフロー温度で短時間にCu3Sn接点を形成できる。また、形成したCu3Snは、ほとんどカーケンダル(Kirkendall)ボイドが存在せず、ナノ双晶銅の柱状結晶を維持できる。なお、ナノ双晶銅のエレクトロマイグレーション寿命が銅の10倍以上であり、優れた機械的強度を有する。そのため、ナノ双晶銅を利用し、銅パッドに接点としてボイドがないCu3Snを使用すると、3DICパッケージへの活用が期待されている。
【0004】
また、単位面積あたりのI/O数を増やすためにチップサイズをさらに小さくするにつれて、接点の間隔が狭くなり、はんだボール径も小さくなる。しかしながら、リフローにおいてブリッジング不良等の問題を生じるため、はんだボールを使用せずに銅層の対向接合によって接点を形成する方法がある。
【0005】
銅/銅の接合において、銅を<1,1,1>方向に速く拡散させるために、低温で迅速に接合できるナノ双晶銅を利用すると、より低いサーマルバジェット(thermal budget)を達成できる。しかしながら、既存のナノ双晶銅の製造において、電気メッキ又はマグネトロンスパッタリングを利用しなければならない。電気メッキで(1,1,1)方向のナノ双晶銅を得るために、流動場を管理して追加の電流を供給し、さらにメッキ領域にリードを設ける必要がある。上記回路設計及び設備要求は、プロセス及びコストの負担に繋がる。
【0006】
また、ナノ双晶銅箔は、優れた熱安定性を有し、250℃でのアニールを経た後、その強度が明らかに一般的な銅箔より高くなる。銅合金を利用して強度を向上する技術もあるが、銅合金の利用と共に抵抗も向上する。ナノ双晶銅箔は、銅の優れた導電性を有し、双晶構造によって強度を向上させ、リチウム電池の充放電過程において静電容量維持率が一般的な銅箔より少なくとも20%高く、優れた機械的特性、高熱安定性、及び高導電性等を有する。そのため、電気自動車業界にとって無限の可能性を持つが、上記のように、ナノ双晶銅の製造が電気メッキ設備及び回路設計に制限されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
それを鑑みて、本発明は、無電解銅めっき液及び前記無電解銅めっき液を利用するナノ双晶銅金属層の製造方法を提供する。本発明によれば、従来のナノ双晶銅の製造方法が流動場を厳密に管理して追加の電流を供給し、さらにメッキ領域にリードを設ける必要がある等の問題を解決し、プロセス管理及び設備の要求を低減し、且つコストを低減できる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の無電解銅めっき液は、無電解でナノ双晶銅金属層を製造するために用いられ、
(a)錯化剤0.1~30wt%、
(b)銅イオン源0.01~5wt%、
(c)還元剤0.01~5wt%、
(d)安定剤0.00001~0.1wt%、
(e)結晶核剤0.0001~0.1wt%を含み、
(f)残分が水である。
【0009】
また、本発明の無電解でナノ双晶銅金属層を製造する方法は、以下の(1)~(3)の工程を有する。
1)前記無電解銅めっき液を調製し、pH値を8~14に調整する。
2)基板に対して前処理を行う。
3)前記無電解銅めっき液を利用し、処理した前記基板にナノ双晶銅金属層を沈着させる。
【発明の効果】
【0010】
従来技術と比べて、本発明は、以下の効果を有する。
(1)本発明の無電解銅めっき液の特殊な組成によれば、無電解でナノ双晶銅金属層を製造できる。
(2)本発明の無電解でナノ双晶銅金属層を製造する方法は、電気メッキ又はマグネトロンスパッタリングを利用しないため、半導体パッケージプロセスに使用できる。また、追加の電流供給が必要なく、設備の要求が低く、回路設計がより自由である等の利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施例1の無電解銅めっき液で形成した銅層のFIB-SEM像である。
【
図2】比較例1の無電解銅めっき液で形成した銅層のFIB-SEM像である。
【
図3】本発明の実施例2の無電解銅めっき液で形成した銅層のFIB-SEM像である。
【
図4】比較例2の無電解銅めっき液で形成した銅層のFIB-SEM像である。
【
図5】本発明の実施例3の無電解銅めっき液で形成した銅層のFIB-SEM像である。
【
図6】比較例3の無電解銅めっき液で形成した銅層のFIB-SEM像である。
【
図7】本発明の実施例4の無電解銅めっき液で形成した銅層のFIB-SEM像である。
【
図8】比較例4の無電解銅めっき液で形成した銅層のFIB-SEM像である。
【
図11】本発明の実施例5~7の無電解銅めっき液で形成した銅層のFIB-SEM像である。
【
図12】比較例5の無電解銅めっき液で形成した銅層のFIB-SEM像である。
【
図13】本発明の無電解銅めっき液を使用して絶縁樹脂基板に形成した銅層のFIB-SEM像である。
【
図14】本発明の無電解銅めっき液を使用して金属基板に形成した銅層のFIB-SEM像である。
【
図15】本発明の無電解銅めっき液を使用し、攪拌速度が300rpmで形成した銅層のFIB-SEM像である。
【
図16】本発明の無電解銅めっき液を使用し、攪拌なしで形成した銅層のFIB-SEM像である。
【
図17】本発明の無電解銅めっき液で形成した銅層の焼付処理前のXRDパターンである。
【
図18】本発明の無電解銅めっき液で形成した銅層を高温焼付した後のXRDパターンである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施例を開示しながら本発明の目的、技術的特徴、及び効果を詳しく説明する。
【0013】
本発明の無電解銅めっき液は、錯化剤0.1~30wt%、銅イオン源0.01~5wt%、還元剤0.01~5wt%、安定剤0.00001~0.1wt%、結晶核剤0.0001~0.1wt%を含み、残分が水である。上記無電解銅めっき液は、無電解銅めっき液のpH値を8~14に調整するためのpH調整剤をさらに含んでもよい。
【0014】
錯化剤は、アミノカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、及び多価カルボン酸から選ばれる少なくとも1つである。アミノカルボン酸は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン-N,N’,N’-三酢酸(HEDTA)、シクロヘキサンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、エチレンジアミンテトラプロピオン酸、アミン三酢酸、イミノ二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、イミノ二プロピオン酸、1,3-プロピレンジアミン四酢酸、1,3-ジアミノ-2-ヒドロキシプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、m-フェニレンジアミン四酢酸、ジアミノプロピオン酸、グルタミン酸、ジカルボキシメチルグルタミン酸、オルニチン、システイン、S-カルボキシメチル-L-システイン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グルタミン酸、(S,S)-エチレンジアミンコハク酸、及びそれらの塩類から選ばれる少なくとも1つである。ヒドロキシカルボン酸は、酒石酸、グルコン酸、クエン酸、リンゴ酸、グルコヘプトン酸、グリコール酸、乳酸、トリヒドロキシ酪酸、アスコルビン酸、イソクエン酸、ヒドロキシマロン酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、ロイシン、シトラマル酸、サリチル酸、及びそれらの塩類から選ばれる少なくとも1つである。多価カルボン酸は、コハク酸、グルタル酸、マロン酸、アジピン酸、シュウ酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、メサコン酸、及びそれらの塩類から選ばれる少なくとも1つである。
【0015】
銅イオン源は、硫酸銅、ハロゲン化銅、硝酸銅、酸化銅、酢酸銅、ピロリン酸銅、テトラフルオロホウ酸銅、アルキルスルホン酸銅、アリールスルホン酸銅、スルファミン酸銅、過塩素酸銅、及びグルコン酸銅の少なくとも1つを含む。
【0016】
還元剤は、ホルムアルデヒド、ジメチルアミンボラン(DMAB)、グリオキシル酸、グリオキシル酸塩、ピロ亜リン酸、ホスフィン酸塩、次リン酸塩、水素化ホウ素塩、ヒドラジド、及び糖質から選ばれる少なくとも1つである。
【0017】
安定剤は、ピリジン、ビピリジン、フェナントロリン、チアゾール、チアジアゾール、イミダゾール、ジアゾール、ピリミジン、オキサゾール、イソオキサゾール、トリアゾール、テトラゾール、チオ尿素、シアン化物、チオシアン酸塩、ヨウ化物、エタノールアミン、ベンゼンジオール、トコフェロール、ヒダントイン、カプロラクタム、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、エチレンオキシドプロピレンオキシド共重合体、ポリプロピレングリコール-ブロック-ポリエチレングリコール共重合体、及びそれらの誘導体から選ばれる少なくとも1つである。
【0018】
結晶核剤は、炭化水素基スルホン酸塩、炭化水素基第四級アンモニウム塩、テトラ炭化水素基ホスホニウム、イミニウム(iminium)又はその重合物、バージェス試薬、ピペリジニウム(piperidinium)、イソニトリル、ベンゾイミダゾールスルホン酸塩、メルカプトベンゾチアゾール、メルカプトトリアゾール、メルカプトベンゾオキサゾール、フェナントロリンスルホン酸塩、ジチオビス(炭化水素基スルホン酸塩)、メルカプト炭化水素基スルホン酸塩(mercaptohydrocarbylsulfonic acid salts)、チオカルボン酸塩(Thiocarboxylic acid salts)、メルカプトカルボン酸塩(mercaptocarboxylic acid salts)、フェノチアジン、又はそれらの誘導体から選ばれる。また、結晶核剤は、4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリンジスルホン酸二ナトリウム塩、ジチオ安息香酸、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸ナトリウム塩、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムスルファート、及びポリクオタニウム-7から選ばれる少なくとも1つであってもよい。
【0019】
pH調整剤は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化アンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、又はアンモニアから選ばれる
【0020】
本発明は、上記無電解銅めっき液を利用して無電解でナノ双晶銅金属層を製造する方法を提供する。前記製造方法は、以下の工程を有する。
【0021】
工程(1)上記無電解銅めっき液を調製し、pH値を8~14に調整する。
【0022】
工程(2)基板を用意し、前記基板に対して前処理を行う。前記基板は、非導電性基板、或いは銅表面又は銅合金回路を有する非導電性基板又は半導体基板から選ばれる。前処理工程は、前記基板に対して順に洗浄、マイクロエッチング、及び酸洗を行う。
【0023】
工程(3)前処理した基板を触媒で活性化する。
【0024】
工程(4)無電解銅めっき液を使用し、前処理工程及び活性化工程を行った基板にナノ双晶銅金属層を沈着させる。
【0025】
上記方法において、非導電性基板は、例えば樹脂基板、セラミック基板、又はガラス基板が挙げられる。半導体基板は、シリコン基板、ゲルマニウム基板、シリコンゲルマニウム基板、炭化ケイ素基板、又はIII-V半導体基板が挙げられる。III-V半導体基板は、GaAs基板、GaN基板、InP基板、InGaP基板、AlN基板、InAs基板、AlAs基板、AlGaAs基板、InAsN基板、InAlGaAs基板、又はInGaAsP基板が挙げられる。
【0026】
本発明は、もう1つの上記無電解銅めっき液を利用して無電解でナノ双晶銅金属層を製造する方法を提供する。前記製造方法は、以下の工程を有する。
【0027】
工程(1)上記無電解銅めっき液を調製し、pH値を8~14に調整する。
【0028】
工程(2)基板を用意し、前記基板に対して前処理を行う。前記基板は、金属基板である。前処理工程は、基板を酸洗する。
【0029】
工程(3)無電解銅めっき液を使用し、処理した基板にナノ双晶銅金属層を沈着させる。
【0030】
本発明の無電解銅めっき液の効果を実証するために、本発明の無電解銅めっき液(実施例1~3)及び従来の無電解銅めっき液(比較例1~3)を使用して無電解で銅層を製作し、得られた銅層の格子配列を分析比較する。また、集束イオンビーム走査型電子顕微鏡(FIB-SEM)によって本発明の無電解銅めっき液を異なる基板及び異なる流動場に使用して形成した格子を観察する。なお、X線回折分析(XRD)によって本発明の無電解銅めっき液で製造した銅層の高温焼付前後の構造を比較する。
【0031】
(無電解銅の格子の比較)
無電解銅めっき液を調製して温度を40~50℃に上げる。前処理を経て触媒を有する基板を前記無電解銅めっき液に30~60分浸漬する後、脱イオン水で基板の表面を洗浄し、90℃に設定したオーブンで10分間乾燥する。本発明の無電解銅めっき液でナノ双晶銅金属層を形成することを実証するために、FIB-SEMによって銅格子の配列を比較する。
【0032】
(製造方法)
基板として非導電性基板又は半導体基板を使用する例において、基板の表面を金属化するために、順に洗浄及び脱脂(50℃、5分間)、水洗浄(常温、1分間)、マイクロエッチング(常温、1分間)、水洗浄(常温、1分間)、酸洗(常温、1分間)、水洗浄(常温、1分間)、活性化(常温、1分間)、水洗浄(常温、1分間)を行った後、無電解銅めっきを行う。無電解銅めっきの条件は以下で詳しく説明する。
基板として金属基板を使用する例において、基板の表面を金属化するために、順に洗浄及び脱脂(50℃、5分間)、水洗浄(常温、1分間)、酸洗(常温、1分間)、水洗浄(常温、1分間)を行った後、無電解銅めっきを行う。無電解銅めっきの条件は以下で詳しく説明する。
【0033】
(実施例1)
実施例1の無電解銅めっき液の組成を表1に示す。水酸化ナトリウムを使用して無電解銅めっき液のpHを12に調整し、100×100mmの銅スパッタリング済のガラス基板を前記めっき液(45℃)に30分間浸漬することで、平均厚さが2μmであるナノ双晶銅金属層を形成する。前記銅層をFIB-SEMによって観察するところ、
図1に示すように層状構造及び柱状構造が見られる。FIB-SEM図において、薄い色の部分が銅層である。
図1において、dは、銅層の厚さを示す。以下、同じ説明を省略する。
【0034】
(比較例1)
比較例1の無電解銅めっき液の組成を表2に示す。ピリミジン及び4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリンジスルホン酸二ナトリウム塩を含まない以外は実施例1と同じ条件で平均厚さが2.5μmである銅層を形成する。前記銅層をFIB-SEMによって観察するところ、
図2に示すように結晶構造が見られない。
【0035】
(実施例2)
実施例2の無電解銅めっき液の組成を表3に示す。水酸化ナトリウムを使用して無電解銅めっき液のpHを13に調整し、50×50mmの銅箔基板を前記めっき液(55℃)に60分間浸漬することで、平均厚さが5μmであるナノ双晶銅金属層を形成する。前記銅層をFIB-SEMによって観察するところ、
図3に示すように層状構造及び柱状構造が見られる。
【0036】
(比較例2)
比較例2の無電解銅めっき液の組成を表4に示す。ジチオ安息香酸ジチオ安息香酸を含まない以外は実施例2と同じ条件で平均厚さが5μmである銅層を形成する。前記銅層をFIB-SEMによって観察するところ、
図4に示すように結晶構造が見られない。
【0037】
(実施例3)
実施例3の無電解銅めっき液の組成を表5に示す。水酸化ナトリウムを使用して無電解銅めっき液のpHを12に調整し、50×50mmの樹脂基板を前記めっき液(60℃)に60分間浸漬することで、平均厚さが5.5μmであるナノ双晶銅金属層を形成する。前記銅層をFIB-SEMによって観察するところ、
図5に示すように層状構造及び柱状構造が見られる。
【0038】
(比較例3)
比較例3の無電解銅めっき液の組成を表6に示す。ピリミジン及びフェニルベンズイミダゾールスルホン酸Naを含まない以外は実施例3と同じ条件で平均厚さが5.5μmである銅層を形成する。前記銅層をFIB-SEMによって観察するところ、
図6に示すように結晶構造が見られない。
【0039】
(実施例4)
実施例4の無電解銅めっき液の組成を表7に示す。水酸化ナトリウムを使用して無電解銅めっき液のpHを12に調整し、50×50mmの樹脂基板を前記めっき液(45℃)に60分間浸漬することで、平均厚さが3.5μmであるナノ双晶銅金属層を形成する。前記銅層をFIB-SEMによって観察するところ、
図7に示すように層状構造及び柱状構造が見られる。
【0040】
(比較例4)
比較例4の無電解銅めっき液の組成を表8に示す。テトラキスヒドロキシメチルホスホニウムスルファートを含まない以外は実施例4と同じ条件で平均厚さが3.5μmである銅層を形成する。前記銅層をFIB-SEMによって観察するところ、
図8に示すように結晶構造が見られない。
【0041】
(実施例5~7)
実施例5~7の無電解銅めっき液の組成を表9に示す。各成分の比率の単位がwt%である。水酸化ナトリウムを使用して無電解銅めっき液のpHを10に調整し、4インチの半導体基板を前記めっき液(55℃)に60分間浸漬することで、それぞれ異なる濃度のポリクオタニウム-7を利用して平均厚さがそれぞれ4μm、5μm、5.8μmであるナノ双晶銅金属層を形成する。前記銅層をFIB-SEMによって観察するところ、
図9~11に示すように層状構造及び柱状構造が見られる。
【0042】
(比較例5)
比較例5の無電解銅めっき液の組成を表10に示す。ポリクオタニウム-7を含まない以外は実施例6と同じ条件で平均厚さが4.5μmである銅層を形成する。前記銅層をFIB-SEMによって観察するところ、
図12に示すように結晶構造が見られない。
【0043】
(異なる基板でのメッキ構造の観察)
発明の無電解銅めっき液を使用し、メッキ条件としてめっき液温度50℃で60分間浸漬して絶縁樹脂基板及び金属基板に銅層を形成する。
図13及び
図14に示すようにいずれも層状構造及び柱状構造が見られ、本発明の無電解銅めっき液を使用して異なる基板にナノ双晶銅格子構造を有する銅層を形成できることが分かる。
【0044】
(異なる流動場でのメッキ構造の観察)
本発明の無電解銅めっき液を撹拌速度300rpm及び撹拌なしで無電解プロセスを行って銅層を形成する。メッキ条件は、めっき液温度50℃で20分間浸漬する。
図15及び
図16に示すようにいずれも層状構造及び柱状構造が見られ、本発明の無電解銅めっき液を使用して異なる撹拌速度で銅層を形成できることが分かる。
【0045】
(高温焼付前後の銅層のXRD分析)
図17及び
図18は、それぞれ本発明の無電解銅めっき液で形成した銅層の高温焼付前及び高温焼付後のXRDパターンである。焼付条件は、150℃で30分間焼付する。XRDパターンから分かるように、焼付前後の構造はほとんど違いがなく、銅層におけるCu(1,1,1)の比率が100%に近く、前記比率が96%以上であるナノ双晶銅の定義に合致する。
【0046】
上記をまとめると、本発明の無電解銅めっき液及び前記無電解銅めっき液を利用するナノ双晶銅金属層の製造方法は、特殊な組成によって無電解でナノ双晶銅金属層を製造できる。また、電気メッキ又はマグネトロンスパッタリングを利用しないため、追加の電流供給が必要なく、流動場の要求が低く、給電のためにメッキ領域にリードを設ける必要がなく、設備の要求が低く、回路設計がより自由である等の利点を有する。それによって、設備、設計、プロセス管理のコストを大幅に低減できる。
【0047】
本発明の無電解銅めっき液及び前記無電解銅めっき液を利用するナノ双晶銅金属層の製造方法は、無電解で方向(1,1,1)のナノ双晶銅を形成できる。前記ナノ双晶銅は、優れた機械的特性、高熱安定性、高導電性、エレクトロマイグレーション耐性、カーケンダルボイドが少ない等の特性を有する。チップサイズの小型化につれて、本発明は、半導体パッケージプロセス又は電池用銅箔等への利用を期待できる。また、電気メッキに必要な回路設計を省略できるため、パッケージの接着強度を向上し、ボイドを減少して信号伝送の問題を減少できる。なお、単位面積あたりのI/O数を増やし、プロセスを改善してコストを低減できる。
【0048】
本発明は、上記実施例に限定されない。本発明に基づいてなされた均等的な変更、改良は、いずれも本発明に含む。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無電解でナノ双晶銅金属層を製造するために用いられる無電解銅めっき液であって、
(a)錯化剤0.1~30wt%、
(b)銅イオン源0.01~5wt%、
(c)還元剤0.01~5wt%、
(d)安定剤0.00001~0.1wt%、
(e)結晶核剤0.0001~0.1wt%を含み、
(f)残分が水であり、
前記結晶核剤は、炭化水素基第四級アンモニウム塩、テトラ炭化水素基ホスホニウム、イミニウム(iminium)又はその重合物、バージェス試薬、ピペリジニウム(piperidinium)、イソニトリル、ベンゾイミダゾールスルホン酸塩、フェナントロリンスルホン酸塩、チオカルボン酸塩(Thiocarboxylic acid salts)、メルカプトカルボン酸塩(mercaptocarboxylic acid salts)、又はそれらの誘導体から選ばれることを特徴とする、
無電解銅めっき液。
【請求項2】
前記錯化剤は、アミノカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、及び多価カルボン酸から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、
請求項1に記載の無電解銅めっき液。
【請求項3】
前記アミノカルボン酸は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン-N,N’,N’-三酢酸(HEDTA)、シクロヘキサンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、エチレンジアミンテトラプロピオン酸、アミン三酢酸、イミノ二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、イミノ二プロピオン酸、1,3-プロピレンジアミン四酢酸、1,3-ジアミノ-2-ヒドロキシプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、m-フェニレンジアミン四酢酸、ジアミノプロピオン酸、グルタミン酸、ジカルボキシメチルグルタミン酸、オルニチン、システイン、S-カルボキシメチル-L-システイン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グルタミン酸、(S,S)-エチレンジアミンコハク酸、及びそれらの塩から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、
請求項2に記載の無電解銅めっき液。
【請求項4】
前記ヒドロキシカルボン酸は、酒石酸、グルコン酸、クエン酸、リンゴ酸、グルコヘプトン酸、グリコール酸、乳酸、トリヒドロキシ酪酸、アスコルビン酸、イソクエン酸、ヒドロキシマロン酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、ロイシン、シトラマル酸、サリチル酸、及びそれらの塩類から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、
請求項2に記載の無電解銅めっき液。
【請求項5】
前記多価カルボン酸は、コハク酸、グルタル酸、マロン酸、アジピン酸、シュウ酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、メサコン酸、及びそれらの塩類から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、
請求項2に記載の無電解銅めっき液。
【請求項6】
前記銅イオン源は、硫酸銅、ハロゲン化銅、硝酸銅、酸化銅、酢酸銅、ピロリン酸銅、テトラフルオロホウ酸銅、アルキルスルホン酸銅、アリールスルホン酸銅、スルファミン酸銅、過塩素酸銅、及びグルコン酸銅の少なくとも1つを含むことを特徴とする、
請求項1に記載の無電解銅めっき液。
【請求項7】
前記還元剤は、ホルムアルデヒド、ジメチルアミンボラン(DMAB)、グリオキシル酸、グリオキシル酸塩、ピロ亜リン酸、ホスフィン酸塩、次リン酸塩、水素化ホウ素塩、ヒドラジド、及び糖質から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、
請求項1に記載の無電解銅めっき液。
【請求項8】
前記安定剤は、ピリジン、ビピリジン、フェナントロリン、チアゾール、チアジアゾール、イミダゾール、ジアゾール、ピリミジン、オキサゾール、イソオキサゾール、トリアゾール、テトラゾール、チオ尿素、シアン化物、チオシアン酸塩、ヨウ化物、エタノールアミン、ベンゼンジオール、トコフェロール、ヒダントイン、カプロラクタム、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、エチレンオキシドプロピレンオキシド共重合体、ポリプロピレングリコール-ブロック-ポリエチレングリコール共重合体、及びそれらの誘導体から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、
請求項1に記載の無電解銅めっき液。
【請求項9】
前記結晶核剤は、4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリンジスルホン酸二ナトリウム塩、ジチオ安息香酸、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸ナトリウム塩、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムスルファート、及びポリクオタニウム-7から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、
請求項1に記載の無電解銅めっき液。
【請求項10】
前記無電解銅めっき液のpH値を8~14に調整するためのpH調整剤をさらに含むことを特徴とする、
請求項1に記載の無電解銅めっき液。
【請求項11】
前記pH調整剤は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化アンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、又はアンモニアから選ばれることを特徴とする、
請求項10に記載の無電解銅めっき液。
【請求項12】
以下の(1)~(3)の工程を有することを特徴とする、無電解でナノ双晶銅金属層を製造する方法。
(1)請求項1に記載の無電解銅めっき液を調製し、pH値を8~14に調整する。
(2)基板に対して前処理を行う。
(3)前記無電解銅めっき液を利用し、処理した前記基板にナノ双晶銅金属層を沈着させる。
【請求項13】
前記基板は、非導電性基板、或いは銅表面又は銅合金回路を有する非導電性基板又は半導体基板から選ばれることを特徴とする、
請求項12に記載の無電解でナノ双晶銅金属層を製造する方法。
【請求項14】
前記非導電性基板は、樹脂基板、セラミック基板、又はガラス基板であることを特徴とする、
請求項13に記載の無電解でナノ双晶銅金属層を製造する方法。
【請求項15】
前記半導体基板は、シリコン基板、ゲルマニウム基板、シリコンゲルマニウム基板、炭化ケイ素基板、又はIII-V半導体基板であることを特徴とする、
請求項13に記載の無電解でナノ双晶銅金属層を製造する方法。
【請求項16】
前記III-V半導体基板は、GaAs基板、GaN基板、InP基板、InGaP基板、AlN基板、InAs基板、AlAs基板、AlGaAs基板、InAsN基板、InAlGaAs基板、又はInGaAsP基板であることを特徴とする、
請求項15に記載の無電解でナノ双晶銅金属層を製造する方法。
【請求項17】
前記工程(2)は、前記基板に対して順に洗浄、マイクロエッチング、及び酸洗を行うことを特徴とする、
請求項13に記載の無電解でナノ双晶銅金属層を製造する方法。
【請求項18】
前記工程(2)の後に、前記基板を触媒で活性化する工程を有することを特徴とする、
請求項14に記載の無電解でナノ双晶銅金属層を製造する方法。
【請求項19】
前記基板は、金属基板であることを特徴とする、
請求項12に記載の無電解でナノ双晶銅金属層を製造する方法。
【請求項20】
工程(2)は、前記基板を酸洗することを特徴とする、
請求項19に記載の無電解でナノ双晶銅金属層を製造する方法。