(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023158342
(43)【公開日】2023-10-30
(54)【発明の名称】モータユニットマウント構造
(51)【国際特許分類】
B60K 1/00 20060101AFI20231023BHJP
B62D 21/00 20060101ALI20231023BHJP
B62D 25/08 20060101ALI20231023BHJP
【FI】
B60K1/00
B62D21/00 Z
B62D25/08 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022068122
(22)【出願日】2022-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石井 孝明
(72)【発明者】
【氏名】田中 慎也
【テーマコード(参考)】
3D203
3D235
【Fターム(参考)】
3D203AA02
3D203AA31
3D203AA33
3D203BA13
3D203CA04
3D203CA23
3D203CB19
3D203DA11
3D203DB07
3D235BB03
3D235CC12
3D235DD12
3D235EE03
3D235EE14
3D235EE20
3D235FF02
3D235FF07
3D235FF34
3D235HH22
(57)【要約】
【課題】衝突時におけるモータユニットの持ち上がりを防止できるとともに、衝突荷重を車両のサスペンションメンバに効率的に伝達できるモータユニットマウント構造を提供する。
【解決手段】モータユニットマウント構造10は、モータユニット30を車両のサスペンションメンバ20に固定するための構造であって、モータユニット30に固定されるマウント本体部11と、マウント本体部11と連結されてサスペンションメンバ20に固定されるマウントブラケット12とを備える。マウント本体部11はマウントブラケット12に向かう第1突起部114を有し、マウントブラケット12はマウント本体部11に向かう第2突起部124を有する。第2突起部124は第1突起部114の上方に位置し、且つ車両の前後方向から見たときに、第2突起部124の少なくとも一部が車両の上下方向において第1突起部114と重なっている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータユニットを車両のサスペンションメンバに固定するためのモータユニットマウント構造であって、
前記モータユニットに固定される第1部材と、
前記第1部材と連結されるとともに前記サスペンションメンバに固定される第2部材と、
を備え、
前記第1部材は、前記第2部材に向かう第1突起部を有し、
前記第2部材は、前記第1部材に向かう第2突起部を有し、
前記第2突起部は前記第1突起部の上方に位置し、且つ車両の前後方向から見たときに、前記第2突起部の少なくとも一部が車両の上下方向において前記第1突起部と重なっていることを特徴とするモータユニットマウント構造。
【請求項2】
前記第2部材は、前記サスペンションメンバと固定するための台座部と、前記台座部から立設される2本の支柱部とを有し、
前記第2突起部は、前記台座部の上端部が前記第1部材に向かって張り出すことにより形成され、その一端部が2本の前記支柱部の一方、その他端部が2本の前記支柱部の他方とそれぞれ連結されている請求項1に記載のモータユニットマウント構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータユニットを車両のサスペンションメンバに固定するためのモータユニットマウント構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両のモータユニットマウント構造として、例えば下記特許文献1に記載のパワーユニットマウント構造を採用することが検討されている。特許文献1に記載のパワーユニットマウント構造では、パワーユニットに固定される内筒金具と、車両のサスペンションメンバに固定される外筒金具とがゴム弾性体によって連結されており、外筒金具の一部の剛性を低くすることで、衝突時に該外筒金具の一部を変形させてパワーユニットの後部を車両の斜め下方に落し込み、これをもってパワーユニットの車室内への突出を防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述のパワーユニットマウント構造は、衝突によるパワーユニットを確実に車両の斜め下方に落し込むとは限らない。従って、該パワーユニットマウント構造を車両のモータユニットマウント構造として採用した場合、衝突時にモータユニットが車両の上方に持ち上がり、衝突荷重が効率的に車両のサスペンションメンバに伝達できない可能性がある。
【0005】
本発明は、このような技術課題を解決するためになされたものであって、衝突時におけるモータユニットの持ち上がりを防止できるとともに、衝突荷重を車両のサスペンションメンバに効率的に伝達できるモータユニットマウント構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るモータユニットマウント構造は、モータユニットを車両のサスペンションメンバに固定するためのモータユニットマウント構造であって、前記モータユニットに固定される第1部材と、前記第1部材と連結されるとともに前記サスペンションメンバに固定される第2部材と、を備え、前記第1部材は、前記第2部材に向かう第1突起部を有し、前記第2部材は、前記第1部材に向かう第2突起部を有し、前記第2突起部は前記第1突起部の上方に位置し、且つ車両の前後方向から見たときに、前記第2突起部の少なくとも一部が車両の上下方向において前記第1突起部と重なっていることを特徴とする。
【0007】
本発明に係るモータユニットマウント構造では、第2突起部は第1突起部の上方に位置し、且つ車両の前後方向から見たときに、第2突起部の少なくとも一部が車両の上下方向において第1突起部と重なっている。このため、例えば前突により衝突荷重がモータユニットに入力された場合、モータユニットが車両の前後方向に沿って後退し、サスペンションメンバの変形によってモータユニットが車両の上下方向に持ち上がろうとすると、モータユニットに固定された第1部材の第1突起部が第2部材の第2突起部と引っ掛かることで、第1部材の上方への移動が阻止される。これによって、モータユニットの車両上方への移動が規制されるので、モータユニットの持ち上がりを防止することができる。また、モータユニットの車両上方への移動が規制されることで、衝突荷重が車両の上方に逃げることなく、第1部材及び第2部材を経由してサスペンションメンバに分散することができるので、衝突荷重を車両のサスペンションメンバに効率的に伝達することが可能になる。
【0008】
本発明に係るモータユニットマウント構造において、前記第2部材は、前記サスペンションメンバと固定するための台座部と、前記台座部から立設される2本の支柱部とを有し、前記第2突起部は、前記台座部の上端部が前記第1部材に向かって張り出すことにより形成され、その一端部が2本の前記支柱部の一方、その他端部が2本の前記支柱部の他方とそれぞれ連結されていることが好ましい。このようにすれば、第2突起部の強度を高めることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、衝突時におけるモータユニットの持ち上がりを防止できるとともに、衝突荷重を車両のサスペンションメンバに効率的に伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態に係るモータユニットマウント構造が適用される場面を示す模式平面図である。
【
図2】第1実施形態に係るモータユニットマウント構造が適用される場面を示す右側面図である。
【
図3】第1実施形態に係るモータユニットマウント構造を示す斜視図である。
【
図4】第1実施形態に係るモータユニットマウント構造を示す右側面図である。
【
図5】第1実施形態に係るモータユニットマウント構造を示す前面図である。
【
図6】前突時にマウント本体部とマウントブラケットの位置変化を説明する右側面図である。
【
図7】第2実施形態に係るモータユニットマウント構造を示す右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明に係るモータユニットマウント構造の実施形態について説明する。各図において前後、左右及び上下方向及び位置は、モータユニットマウント構造が適用される車両を基準とする。また、図面の説明において同一の要素には同一符号を付し、その重複説明を省略する。
【0012】
[第1実施形態]
図1は第1実施形態に係るモータユニットマウント構造が適用される場面を示す模式平面図であり、
図2は第1実施形態に係るモータユニットマウント構造が適用される場面を示す右側面図である。本実施形態のモータユニットマウント構造10は、モータユニット30を車両のサスペンションメンバ20に固定するための構造として用いられている。
【0013】
モータユニット30は、車両走行用のモータ、モータの出力を減速するギヤ、及び、バッテリや燃料電池などの車載電源の電力をモータの駆動電力に変換するデバイス等をユニット化したものである。このモータユニット30は、サスペンションメンバ20に支持された状態で車両のフロントルーム(図示せず)に収容されている。モータユニット30の後方には、高電圧ケーブル70が配置されている(
図2参照)。
【0014】
サスペンションメンバ20は、フロントルームの下方であって、一対の前輪の間に配置されている。このサスペンションメンバ20は、車両の左右両側に配置されるとともに車両の前後方向に延設される一対のサイドレール21と、車両の左右方向(すなわち、車幅方向)に延びるとともに一対のサイドレール21の間に架設されるフロントクロスメンバ22と、フロントクロスメンバ22よりも車両の後方に配置され、一対のサイドレール21の間に架設されるリアクロスメンバ23と、を備えている。
【0015】
モータユニット30は、左右一対の前側モータユニットマウント(図示せず)、及び後側モータユニットマウントの3点でサスペンションメンバ20に固定されている。前側モータユニットマウントは、例えばモータユニット30の左前部を左側のサイドレール21、モータユニット30の右前部を右側のサイドレール21にそれぞれ固定するための構造である。一方、後側モータユニットマウントは、上述のモータユニットマウント構造10に該当するものであり、モータユニット30の後部における車幅方向の中央部をリアクロスメンバ23に固定するための構造である。
【0016】
以下、
図3~
図5を更に加え、モータユニットマウント構造10を詳細に説明する。モータユニットマウント構造10は、主に、モータユニット30に固定されるマウント本体部11と、マウント本体部11と連結されるとともにサスペンションメンバ20のリアクロスメンバ23に固定されるマウントブラケット12とを備えている。
【0017】
マウント本体部11は、特許請求の範囲に記載された「第1部材」に相当するものであって、スチールやアルミニウムなどの金属材料により形成されている。マウント本体部11は、モータユニット30と固定するためのブロック状の土台部111と、土台部111から突出するとともに中央位置に貫通孔112が形成された突出部113とを有する。
【0018】
土台部111は、その長手方向が車両の上下方向に沿って配置された状態で、モータユニット30の外壁に固定されている。具体的には、土台部111の四隅には、該土台部111の厚さ方向に延びる貫通孔115がそれぞれ形成されている。土台部111は、各貫通孔115に挿通されて更にモータユニット30の外壁に形成されたネジ孔にねじ込まれたボルト60により、モータユニット30の外壁に固定されている。土台部111のモータユニット30に向かう底面は、アーチ状に形成されている。
【0019】
突出部113は、土台部111と一体的に形成されており、その車両後方に突出する先端部が湾曲している。突出部113の略中央位置には、上述の貫通孔112が形成されている。貫通孔112は、車幅方向に延びており、その中には後述するシャフト123が挿通されている。
【0020】
一方、マウントブラケット12は、特許請求の範囲に記載された「第2部材」に相当するものであって、スチールやアルミニウムなどの金属材料により形成されている。マウントブラケット12は、リアクロスメンバ23と固定するための台座部121と、台座部121から立設される2本の支柱部122と、2本の支柱部122の先端に架設されたシャフト123とを有する。
【0021】
台座部121は、ブロック状に形成され、その長手方向が車幅方向に沿って配置された状態で、サスペンションメンバ20のリアクロスメンバ23に固定されている。より具体的には、台座部121の四隅には、車両の下方に開口するネジ孔部がそれぞれ形成されている。各ネジ孔部には、リアクロスメンバ23の下方から該リアクロスメンバ23を貫通するスタッドボルト40の一端部がねじ込まれている。スタッドボルト40の他端部には、ナット41が螺合される。
【0022】
2本の支柱部122は、台座部121と一体的に形成され、所定の距離で離れた状態で台座部121の長手方向(すなわち、車幅方向)の両端部にそれぞれ配置されている。シャフト123は、横断面矩形状に形成されており、マウント本体部11の貫通孔112に挿通した状態で、ボルト50によって2本の支柱部122の先端に固定されている(
図3参照)。
【0023】
シャフト123とマウント本体部11の貫通孔112の周壁との間には、ゴム製の弾性部材13が設けられている。すなわち、マウント本体部11とマウントブラケット12とは、該弾性部材13によって弾性変化可能に連結されている。このようにすることで、モータユニット30の振動がマウント本体部11、弾性部材13及びマウントブラケット12を経由してサスペンションメンバ20に伝達することになる。なお、弾性部材13は、接着剤などによってシャフト123及び貫通孔112の周壁とそれぞれ固定されている。
【0024】
以上のような構造を有するマウント本体部11及びマウントブラケット12は、マウント本体部11の突出部113がマウントブラケット12の2つの支柱部122の間に位置し、且つマウントブラケット12のシャフト123がマウント本体部11の貫通孔112に挿通した状態で、組み立てられている。このようにすることで、マウント本体部11の車幅方向の移動がマウントブラケット12の2つの支柱部122により規制されるので、仮に車幅方向からの衝突荷重がモータユニット30に入力されたとしても、モータユニット30の車幅方向での移動を抑制することができる。
【0025】
また、本実施形態において、マウント本体部11及びマウントブラケット12は、それぞれ突起部を有し、これらの突起部は互いに対向するように配置されている。
【0026】
例えば
図3~
図5に示すように、マウント本体部11は、マウントブラケット12に向かう第1突起部114を更に有する。第1突起部114は、土台部111の下側の2つの貫通孔115の間に位置し、車両の後方に向かって突出する略直方体状を呈する。この第1突起部114は、土台部111と一体的に形成されるとともに車両前後方向の断面が比較的大きい第1部分114aと、第1部分114aとの間で段差を形成するように車両前後方向の断面が比較的小さい第2部分114bとを有する。なお、第1突起部114の形状は、第1部分114aと第2部分114bとを有するものに限らず、同じ大きさの断面を有する直方体状、円柱状、断面が漸次変化する円錐台状等であってもよい。
【0027】
また、マウントブラケット12は、マウント本体部11に向かう第2突起部124を更に有する。第2突起部124は、台座部121の上端部が車両前方に張り出すことにより形成されている。
図5に示すように、第2突起部124は、2本の支柱部122と一体的に形成されるように、その左端部が左側に位置する支柱部122、その右端部が右側に位置する支柱部122とそれぞれ連結されている。このようにすれば、第2突起部124の強度を高めることができる。
【0028】
車両の上下方向において、第2突起部124は第1突起部114の上方に位置している。また、車両の前後方向から見たときに、第2突起部124の少なくとも一部が車両の上下方向において第1突起部114と重なっている。本実施形態では、
図5に示す車両の前方から見たときに、第2突起部124は第1突起部114の上方に配置され、且つ、上下方向において第2突起部124が第1突起部114と重なっている。
【0029】
本実施形態に係るモータユニットマウント構造10では、第2突起部124は第1突起部の上方に位置し、且つ、車両の前後方向から見たときに、第2突起部124の少なくとも一部が車両の上下方向において第1突起部114と重なっている。このようにすれば、例えば
図6の矢印に示すように、前突による衝突荷重がモータユニット30に入力された場合、モータユニット30が車両の前後方向に沿って後退し、サスペンションメンバ20の変形によってモータユニット30が車両の上方に持ち上がろうとすると、モータユニット30に固定されたマウント本体部11の第1突起部114がマウントブラケット12の第2突起部124と引っ掛かるので、マウント本体部11の上方への移動が阻止される。これによって、モータユニット30の車両上方への移動が規制されるので、モータユニット30の持ち上がりを防止することができる。
【0030】
また、モータユニット30の車両上方への移動が規制されることで、衝突荷重が車両の上方に逃げることなく、マウント本体部11、弾性部材13及びマウントブラケット12を経由してサスペンションメンバ20に分散することができるので、衝突荷重を車両のサスペンションメンバ20に効率的に伝達することができる。更に、モータユニット30の車両上方への移動が規制されることにより、マウント本体部11が高電圧ケーブル70(
図2参照)との接触を防止でき、高電圧ケーブル70の保護を図ることができる。
【0031】
[第2実施形態]
以下、
図7を用いてモータユニットマウント構造の第2実施形態を説明する。第2実施形態に係るモータユニットマウント構造10Aは、第1突起部及び第2突起部が互いに対向する斜面部をそれぞれ有する点において上記第1実施形態と異なっている。以下の説明では、その相違点のみを説明する。
【0032】
図7に示すように、マウント本体部11の第1突起部116は、マウントブラケット12に向かう斜面部116aを有するように形成されている。斜面部116aは、車両の後方に行くにつれて低くなるように、言い換えれば後下がりに傾斜している。このような斜面部116aは、例えば第1突起部116のマウントブラケット12に面する端面全体を傾斜させることにより形成されている。
【0033】
それに対応し、マウントブラケット12の第2突起部126は、マウント本体部11に向かう斜面部126aを有するように形成されている。斜面部126aも、車両の後方に行くにつれて低くなるように、言い換えれば後下がりに傾斜している。このような斜面部126aは、例えば第2突起部126のマウント本体部11に面する端面の全体又は一部(例えば、マウント本体部11の斜面部116aに対向する部分)を傾斜させることにより形成されている。そして、第2突起部126の斜面部126aの水平方向に対する傾斜角度は、第1突起部116の斜面部116aの水平方向に対する傾斜角度と同じであることが好ましい。
【0034】
なお、第2突起部126は第1突起部116の上方に位置し、且つ、車両の前後方向から見たときに、第2突起部126の少なくとも一部が車両の上下方向において第1突起部116と重なっている。
【0035】
本実施形態に係るモータユニットマウント構造10Aでは、第2突起部126は第1突起部116の上方に位置し、且つ、車両の前後方向から見たときに、第2突起部126の少なくとも一部が車両の上下方向において第1突起部116と重なっている。このようにすれば、例えば前突による衝突荷重がモータユニット30に入力された場合、モータユニット30が車両の前後方向に沿って後退し、第1突起部116の斜面部116aが第2突起部126の斜面部126aと接触する。そして、サスペンションメンバ20の変形によってモータユニット30が車両の上下方向に持ち上がろうとすると、第2突起部126の後下がりの斜面部126aが第1突起部116の斜面部116aを車両の下方に移動するようにガイドする。これによって、モータユニット30の車両上方への移動が規制されるので、モータユニット30の持ち上がりを防止することができる。
【0036】
また、モータユニット30の車両上方への移動が規制されることで、衝突荷重が車両の上方に逃げることなく、マウント本体部11、弾性部材13及びマウントブラケット12を経由してサスペンションメンバ20に分散することができるので、衝突荷重を車両のサスペンションメンバ20に効率的に伝達することができる。更に、モータユニット30の車両上方への移動が規制されることで、マウント本体部11が高電圧ケーブル70(
図2参照)との接触を防止でき、高電圧ケーブル70の保護を図ることができる。
【0037】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
【符号の説明】
【0038】
10,10A:モータユニットマウント構造、11:マウント本体部、12: マウントブラケット、13:弾性部材、20:サスペンションメンバ、21:サイドレール、22:フロントクロスメンバ、23:リアクロスメンバ、30:モータユニット、40:スタッドボルト、41:ナット、50,60:ボルト、70:高電圧ケーブル、111:土台部、112:貫通孔、113:突出部、114,116:第1突起部、115:貫通孔、116a,126a:斜面部、121:台座部、122:支柱部、123:シャフト、124,126:第2突起部