(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023158473
(43)【公開日】2023-10-30
(54)【発明の名称】ヒアラブルディバイス
(51)【国際特許分類】
H04R 1/10 20060101AFI20231023BHJP
【FI】
H04R1/10 104A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022068338
(22)【出願日】2022-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】521309086
【氏名又は名称】株式会社EBRU
(74)【代理人】
【識別番号】100168538
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 来
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 怜
(72)【発明者】
【氏名】田邊 樹美
(72)【発明者】
【氏名】先山 絵梨
【テーマコード(参考)】
5D005
【Fターム(参考)】
5D005BE03
(57)【要約】
【課題】ユーザーが気分に応じて装飾部をワンタッチで交換して異なるデザインの装飾部によってファッションを楽しむことができるヒアラブルディバイスを提供する。
【解決手段】ヒアラブルディバイスの一例であるイヤホン100は、ユーザーの耳に接触するシェル110と、シェル110の内部に設けられたイヤホン本体と、シェル110における耳と接触する側に対して反対側である外部側に取り付けられてイヤホン本体を覆う天板部130と、天板部130の外部側に接触して設けられる装飾部140とを備えている。装飾部140が、天板部130の被係合部分(131)と着脱自在に係合する係合部分(141)を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーの耳に接触するシェルとシェルの内部に設けられたヒアラブルディバイス本体とを備えたヒアラブルディバイスであって、
前記シェルにおける耳と接触する側に対して反対側である外部側に取り付けられてヒアラブルディバイス本体を覆う天板部と、
前記天板部の外部側に接触して設けられる装飾部とを備え、
前記装飾部が、前記天板部の被係合部分と着脱自在に係合する係合部分を有した構成であることを特徴とするヒアラブルディバイス。
【請求項2】
前記装飾部の係合部分としての第1係合部分が、球形状であり、
前記天板部の被係合部分としての第1被係合部分が、環状に形成された弾性体であり、第1係合部分の球形状の球面と環状に接触するとともに着脱自在に挟持する構成であることを特徴とする請求項1に記載のヒアラブルディバイス。
【請求項3】
前記装飾部の係合部分としての第2係合部分および天板部の被係合部分としての第2被係合部分の一方が、凸部分であり、他方が、凸部分と係合する凹部分であることを特徴とする請求項2に記載のヒアラブルディバイス。
【請求項4】
前記装飾部における天板部と接触する部分および天板部における装飾部と接触する部分の少なくも一方が磁石で形成され、他方が、磁石または金属で形成され、互いに磁力によって引き合う構成であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載のヒアラブルディバイス。
【請求項5】
前記天板部が、前記シェルに対して着脱自在に取り付けられ、
前記シェルの内部にバッテリーが配置されていることを特徴とする請求項4に記載のヒアラブルディバイス。
【請求項6】
前記シェルが、ヒアラブルディバイスケーブルと接続自在なコネクタを有し、
前記ヒアラブルディバイスケーブルがコネクタと接続され、電源入力ありとヒアラブルディバイス本体が判定したとき、ヒアラブルディバイス本体が、シェルの内部に設けられたバッテリーの電源を用いず、ヒアラブルディバイスケーブルからの電源入力を用いる構成であることを特徴とする請求項5に記載のヒアラブルディバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザーの耳に接触するシェルとシェルの内部に設けられたヒアラブルディバイス本体とを備えたヒアラブルディバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ヒアラブルディバイスの一例として、ユーザーの耳に接触するシェルと、シェルの内部に設けられるイヤホン本体と、シェルにおける耳と接触する側に対して反対側である外部側に取り付けられる装飾部とを有し、装飾部が、左右で異なる関係の形状または模様を有していることを特徴とするイヤホンが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来のイヤホンの装飾部は、シェルの外部側に接着などによって取り付けられた構造であったため、ユーザーがイヤホンをファッションとして楽しむ場合、異なるデザインの装飾部を有した別のイヤホンに変える必要があり、もっと手軽にイヤホンをファッションとして楽しみたいというユーザーのニーズに対応することが困難であるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、前述したような従来技術の問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、ユーザーが気分に応じて装飾部をワンタッチで交換して異なるデザインの装飾部によってファッションを楽しむことができるヒアラブルディバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本請求項1に係る発明は、ユーザーの耳に接触するシェルとシェルの内部に設けられたヒアラブルディバイス本体とを備えたヒアラブルディバイスであって、前記シェルにおける耳と接触する側に対して反対側である外部側に取り付けられてヒアラブルディバイス本体を覆う天板部と、前記天板部の外部側に接触して設けられる装飾部とを備え、前記装飾部が、前記天板部の被係合部分と着脱自在に係合する係合部分を有した構成であることにより、前述した課題を解決するものである。
【0007】
本請求項2に係る発明は、請求項1に記載されたヒアラブルディバイスの構成に加えて、前記装飾部の係合部分としての第1係合部分が、球形状であり、前記天板部の被係合部分としての第1被係合部分が、環状に形成された弾性体であり、第1係合部分の球形状の球面と環状に接触するとともに着脱自在に挟持する構成であることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0008】
本請求項3に係る発明は、請求項2に記載されたヒアラブルディバイスの構成に加えて、前記装飾部の係合部分としての第2係合部分および天板部の被係合部分としての第2被係合部分の一方が、凸部分であり、他方が、凸部分と係合する凹部分であることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0009】
本請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載されたヒアラブルディバイスの構成に加えて、前記装飾部における天板部と接触する部分および天板部における装飾部と接触する部分の少なくも一方が磁石で形成され、他方が、磁石または金属で形成され、互いに磁力によって引き合う構成であることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0010】
本請求項5に係る発明は、請求項4に記載されたヒアラブルディバイスの構成に加えて、前記天板部が、前記シェルに対して着脱自在に取り付けられ、前記シェルの内部にバッテリーが配置されていることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0011】
本請求項6に係る発明は、請求項5に記載されたヒアラブルディバイスの構成に加えて、前記シェルが、ヒアラブルディバイスケーブルと接続自在なコネクタを有し、前記ヒアラブルディバイスケーブルがコネクタと接続され、電源入力ありとヒアラブルディバイス本体が判定したとき、ヒアラブルディバイス本体が、シェルの内部に設けられたバッテリーの電源を用いず、ヒアラブルディバイスケーブルからの電源入力を用いる構成であることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明のヒアラブルディバイスは、ユーザーの耳に接触するシェルとシェルの内部に設けられるヒアラブルディバイス本体とを備えたことにより、ユーザーの耳に装着したとき、ユーザーはヒアラブルディバイスから音楽などの音を聴いて楽しむことができるばかりでなく、以下のような特有の効果を奏することができる。
【0013】
本請求項1に係る発明のヒアラブルディバイスによれば、装飾部が、シェルおよび天板部に対して着脱自在であるため、ユーザーは気分に応じて装飾部をワンタッチで交換して異なるデザインの装飾部によってファッションを楽しむことができる。
つまり、装飾部を交換自在なヒアラブルディバイスによって音楽を聞いて楽しむだけでなくヒアラブルディバイス本体を交換せずに装飾部のデザインを変更してファッションを楽しむことができる。
【0014】
本請求項2に係る発明のヒアラブルディバイスによれば、請求項1に係る発明が奏する効果に加えて、装飾部がシェルおよび天板部に対して取り付けられたときに環状の第1被係合部分が第1係合部分の球形状の球面にカチッと係合するため、天板部に対する接離方向において装飾部を精度よく位置決めすることができるとともに、ユーザーは装飾部がシェルおよび天板部に対してきちんと取り付けられたことを確認することができる。
【0015】
本請求項3に係る発明のヒアラブルディバイスによれば、請求項2に係る発明が奏する効果に加えて、天板部に対する装飾部の向き・姿勢が決まるため、シェルおよび天板部に対して装飾部の向き・姿勢を精度よく決めることができ、シェルおよび天板部の縁と装飾部の縁が揃っている状態である、所謂、ツライチにすることができる。
【0016】
本請求項4に係る発明のヒアラブルディバイスによれば、請求項1乃至請求項3のいずれか1つに係る発明が奏する効果に加えて、装飾部と天板部との間に磁力が作用して隙間なく接触するため、ユーザーが走ったりした場合であっても装飾部と天板部との間の衝突音や摩擦音などのノイズが生じてしまうことを回避して品質のよい音をユーザーに対して提供することができる。
【0017】
本請求項5に係る発明のヒアラブルディバイスによれば、請求項4に係る発明が奏する効果に加えて、バッテリーを交換する際、装飾部および天板部を取り外すだけでバッテリーにアクセス可能となるため、バッテリーを比較的簡単に交換することができる。
【0018】
本請求項6に係る発明のヒアラブルディバイスによれば、請求項5に係る発明が奏する効果に加えて、内部のバッテリー切れになった場合、ヒアラブルディバイスケーブルをコネクタに接続すると音楽プレーヤー本体から電源が入力されるため、ユーザーは有線形式でヒアラブルディバイスを使用し続けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】(A)(B)は本発明の実施例であるカナル型のイヤホンの概念を示す斜視図および装飾部を天板部から取り外したときの斜視図。
【
図2】(A)(B)は
図1(A)の2A-2Aで視た断面図および
図1(B)の2B-2Bで視た断面図。
【
図3】(A)(B)はシェルから天板部を取り外す前の状態を示す斜視図および天板部を取り外したときの状態を示す斜視図。
【
図4】本発明の実施例であるイヤホンおよびイヤホンケーブルを示す図。
【
図5】(A)(B)は本発明の実施例であるイン・イヤーモニター型のイヤホンの概念を示す斜視図および装飾部を天板部から取り外したときの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明のヒアラブルディバイスは、ユーザーの耳に接触するシェルと、シェルの内部に設けられたヒアラブルディバイス本体と、シェルにおける耳と接触する側に対して反対側である外部側に取り付けられてヒアラブルディバイス本体を覆う天板部と、天板部の外部側に接触して設けられる装飾部とを備え、装飾部が、天板部の被係合部分と着脱自在に係合する係合部分を有した構成であることにより、ユーザーは気分に応じて装飾部をワンタッチで交換して異なるデザインの装飾部によってファッションを楽しむことができるものであれば、その具体的な実施態様は、如何なるものであっても構わない。
【0021】
例えば、ヒアラブルディバイスは、イヤホン、イヤーモニター、補聴器、集音器などユーザーの耳に装着して音を聴いたり、または、振動を感じたりするものであれば、如何なるものであっても構わない。
また、シェルの材質は、ゴム、エラストマー、シリコーン、軟性樹脂など変形して耳にフィットするものや、変形せずにフィットするものであれば如何なるものであっても構わない。
さらに、装飾部は、天板部の外部側に取り付けられものであれば如何なるものであっても構わない。
ヒアラブルディバイス本体は、音楽再生機器と無線による近距離通信するものでもよいし、音楽再生機器と有線接続されたものでもよい。
また、ヒアラブルディバイスは、左右一対でもよいし、片方のみでもよい。
【実施例0022】
以下に、本発明のヒアラブルディバイスの一実施例であるイヤホン100について、
図1(A)乃至
図5(B)に基づいて説明する。
ここで、
図1(A)は、本発明の実施例であるカナル型のイヤホン100の概念を示す斜視図であり、
図1(B)は、本発明の実施例であるカナル型のイヤホン100の装飾部140を天板部130から取り外したときの斜視図であり、
図2(A)は、
図1(A)の2A-2Aで視た断面図であり、
図2(B)は、
図1(B)の2B-2Bで視た断面図であり、
図3(A)は、シェル110から天板部130を取り外す前の状態を示す斜視図であり、
図3(B)は、天板部130を取り外したときの状態を示す斜視図であり、
図4は、本発明の実施例であるイヤホン100およびイヤホンケーブル160を示す図であり、
図5(A)は、本発明の実施例であるイン・イヤーモニター型のイヤホン100の概念を示す斜視図であり、
図5(B)は、本発明の実施例であるイン・イヤーモニター型のイヤホン100の装飾部140を天板部130から取り外したときの斜視図である。
なお、左右一対のイヤホン100は、基本的に左右対称であるため、
図1(A)~
図3(B)において、左右一対のイヤホン100のうちの一方のみを図示する。
また、
図2(A)~
図3(A)において、シェル110の内部のイヤホン本体120の図示を省略する。
【0023】
本発明のヒアラブルディバイスの一実施例であるイヤホン100は、
図1(A)および
図1(B)に示すように、シェル110と、ヒアラブルディバイス本体としてのイヤホン本体120(
図3(B)参照)と、天板部130と、所謂、フェイスプレートである装飾部140とを備えている。
このうち、シェル110は、ユーザーの耳に接触するように設けられている。
シェル110は、所謂、カナル型と呼ばれるものであり、万人の耳にフィットするように形成されている。
カナル型の場合、シリコーンゴムなどで形成されたイヤーピース150が、シェル110を介してイヤホン本体120に取り付けられている。
そして、イヤホン100の装着時に、イヤーピース150が、ユーザーの耳の穴に収まるように設けられている。
【0024】
なお、シェル110が、所謂、イン・イヤーモニター型と呼ばれるものである場合、ユーザー個人の耳型を採取して一点ものとして製作し、そのユーザーの耳にフィットするように形成される。
イン・イヤーモニター型の場合、カナル型と異なりイヤーピース150を使用しない。
そして、イヤホン100の装着時に、シェル110の一部が、ユーザーの耳の穴に収まるように設けられる。
【0025】
また、イヤホン本体120は、シェル110の内部に設けられている。
さらに、天板部130は、シェル110における耳と接触する側に対して反対側である外部側に取り付けられてイヤホン本体120を覆うように設けられている。
また、装飾部140は、天板部130の外部側に接触して設けられている。
【0026】
本実施例では、装飾部140の係合部分が、天板部130の被係合部分と着脱自在に係合するように構成されている。
例えば、装飾部140の係合部分と、天板部130の被係合部分との係合関係について、装飾部140の凸状の係合部分を、天板部130の凹状の被係合部分に差し込んでから揺動させることによって互いに係合して装飾部140が取り付けられ、他方、装飾部140の凸状の係合部分を、反対方向に揺動させてから天板部130の凹状の被係合部分から引き抜くことによって互いの係合が解除され装飾部140が取り外されるように構成してもよい。
【0027】
これにより、装飾部140が、シェル110および天板部130に対して着脱自在である。
その結果、ユーザーは気分に応じて装飾部140をワンタッチで交換して異なるデザインの装飾部140によってファッションを楽しむことができる。
つまり、装飾部140を交換自在なイヤホン100によって音楽を聞いて楽しむだけでなくイヤホン本体120を交換せずに装飾部140のデザインを変更してファッションを楽しむことができる。
【0028】
さらに、本実施例では、
図1(B)~
図2(B)に示すように、装飾部140の係合部分としての第1係合部分141が、球形状である。
他方、天板部130の被係合部分としての第1被係合部分131が、環状に形成された弾性体である。
そして、天板部130の第1被係合部分131が、第1係合部分141の球形状の球面と環状に接触するとともに着脱自在に挟持するように構成されている。
【0029】
より具体的には、装飾部140の第1係合部分141が、天板部130の第1被係合部分131に入る際、第1係合部分141の球形状の球面が、環状に形成された弾性体の第1被係合部分131を押し広げる。
そして、環状の第1被係合部分131が、第1係合部分141の球形状の球面と環状に接触して、第1係合部分141の球形状の球面の最も径が大となる箇所またはその近傍を挟持する。
これが、
図2(A)に示す装飾部140が天板部130に取り付けられた状態である。
環状の第1被係合部分131の内側面は、僅かに凹状の曲面を有し、装飾部140が天板部130に取り付けられた状態では、第1係合部分141の球形状の球面の最も径が大となる箇所と環状に面接触する構成でもよい。
または、環状の第1被係合部分131の内側は、環状に小さな溝を有し、装飾部140が天板部130に取り付けられた状態では、第1係合部分141の球形状の球面の最も径が大となる箇所の近傍と2つの環状に線接触する構成でもよい。
このとき、球面の最も径が大となる箇所を2つの環状が跨いだ(挟んだ)状態で線接触する。
装飾部140を取り外す際は、ユーザーが装飾部140を外部側へ引っ張ると第1係合部分141の球形状の球面が、環状の第1被係合部分131から抜ける。
これが、
図2(B)に示す装飾部140が天板部130に取り外された状態である。
【0030】
これにより、装飾部140がシェル110および天板部130に対して取り付けられたときに環状の第1被係合部分131が第1係合部分141の球形状の球面にカチッと係合する。
その結果、天板部130に対する接離方向において装飾部140を精度よく位置決めすることができる。
さらに、ユーザーは装飾部140がシェル110および天板部130に対してきちんと取り付けられたことを確認することができる。
【0031】
また、本実施例では、
図1(B)~
図2(B)に示すように、装飾部140の係合部分としての第2係合部分142が、凸部分である。
他方、天板部130の被係合部分としての第2被係合部分132が、凹部分である。
そして、凸状の第2係合部分142が、凹状の第2被係合部分132と係合するように構成されている。
なお、装飾部140の第2係合部分142および天板部130の第2被係合部分132について、凹凸関係が逆の関係でもよい。
【0032】
これにより、天板部130に対する装飾部140の向き・姿勢が決まる。
その結果、シェル110および天板部130に対して装飾部140の向き・姿勢を精度よく決めることができる。
つまり、シェル110および天板部130の縁と装飾部140の縁が揃っている状態である、所謂、ツライチにすることができる。
【0033】
さらに、本実施例では、装飾部140における天板部130と接触する部分および天板部130における装飾部140と接触する部分の少なくも一方が磁石で形成されている。
また、装飾部140における天板部130と接触する部分および天板部130における装飾部140と接触する部分の他方が、磁石または金属で形成されている。
そして、装飾部140における天板部130と接触する部分と、天板部130における装飾部140と接触する部分とが、互いに磁力によって引き合うように構成されている。
【0034】
これにより、装飾部140と天板部130との間に磁力が作用して隙間なく接触する。
その結果、ユーザーが走ったりした場合であっても装飾部140と天板部130との間の衝突音や摩擦音などのノイズが生じてしまうことを回避して品質のよい音をユーザーに対して提供することができる。
なお、装飾部140において、天板部130と接触する平坦部分を磁石で形成し、この平坦部分を装飾部140における他の枠部分に象嵌によってはめ込み、両者の面が揃っている状態である、所謂、ツライチにしている。
また、磁石の箇所および金属の箇所は、互いに接触する部分の少なくとも一部であればよい。
【0035】
また、本実施例では、
図3(A)および
図3(B)に示すように、天板部130が、シェル110に対して着脱自在に取り付けられている。
より具体的には、天板部130は、ベース部分133と、プレート部分134とを有している。
そして、天板部130のプレート部分134は、ベース部分133に対して第1ネジ135によってネジ留めされている。
また、ベース部分133は、シェル110に対して第2ネジ136によってネジ留めされている。
さらに、シェル110の内部にバッテリー121が配置されている。
【0036】
これにより、バッテリー121を交換する際、装飾部140および天板部130を取り外すだけでバッテリー121にアクセス可能となる。
その結果、補修サービスマンが、バッテリー121を比較的簡単に交換することができる。
なお、バッテリー121は、充電自在な小型二次電池である。
バッテリー121は、一例として、電線122に半田付けされ、イヤホン本体120に電気的に接続されている。
【0037】
さらに、本実施例では、
図4に示すように、シェル110が、ヒアラブルディバイスケーブルとしてのイヤホンケーブル160と接続自在なコネクタ111を有している。
そして、イヤホンケーブル160がコネクタ111と接続され、電源入力ありとイヤホン本体120が判定したとき、イヤホン本体120が、シェル110の内部に設けられたバッテリー121の電源を用いず、イヤホンケーブル160からの電源入力を用いるように構成されている。
なお、判定は、例えば、イヤホン本体120の半導体トランジスタやICをスイッチとして機能させて、コネクタ111からの入力を検出して、バッテリー121からの電流を遮断する。
【0038】
これにより、内部のバッテリー121切れになった場合、イヤホンケーブル160をコネクタ111に接続すると音楽プレーヤー本体から電源が入力される。
その結果、ユーザーは有線形式でイヤホン100を使用し続けることができる。
つまり、ユーザーは、従来のワイヤレスタイプのイヤホンと、従来の有線タイプのイヤホンとの2台両方を持ち歩く必要がなく、本発明のイヤホン100の1台を持ち歩くだけでよい。
【0039】
なお、
図1(A)~
図4を用いて、ヒアラブルディバイスの一実施例としてのカナル型のイヤホン100について説明したが、
図5(A)および
図5(B)に示すように、シェル110が、所謂、イン・イヤーモニター型と呼ばれるイヤホン100でもよいのは、勿論である。
つまり、
図1(A)および
図1(B)に示すように、イヤーピース150が、シェル110を介してイヤホン本体120に取り付けられたカナル型のイヤホン100でもよいし、
図5(A)および
図5(B)に示すように、イヤーピース150を有さず、シェル110が、ユーザー個人の耳型を採取して一点ものとして製作された所謂、イン・イヤーモニター型のイヤホン100でもよい。
【0040】
なお、シェル110が耳型採取型である、所謂、イン・イヤーモニター型のイヤホン100は、カナル型より耳に対するフィット性が高いため、優れた音質をユーザーに提供することができる。
さらに、イン・イヤーモニター型のイヤホン100であって、イヤホンケーブル160を使用しない無線タイプのものは、有線タイプのイヤホンケーブル160による外力を耳に受けず、有線タイプより耳に対するフィット性が高く、かつ、イヤホン100の姿勢が安定するため、優れた音質をユーザーに提供することができる。
また、左右一対のイヤホン100の装飾部140について、装飾部140が、左右で異なる関係の形状または模様を有していてもよい。
言い換えると、装飾部140の形状および模様の少なくとも一方が、左右のイヤホン100で異なる関係であればよい。
例えば、左右のいずれか一方の装飾部140にのみ、突起を設けてもよい。
【0041】
これにより、左右一対のイヤホン100の外部側となる装飾部140の見た目が左右で異なる。
その結果、ユーザーは左用イヤホン100、右用イヤホン100の左右を簡単に判別することができる。
また、装飾部140がアクセントになる。
その結果、ファッションとして楽しむことができ、イヤリング形状のものを装飾部140として取り付けると、ユーザーの耳(特に耳たぶ)の負担を軽減することができる。
つまり、装飾部140を天板部130に取り付けたことによりイヤホン本体120またはシェル110に記載された左右表示が覆われて視認できない場合であっても左用イヤホン100、右用イヤホン100の左右を判別することができる。
【0042】
このようにして得られた本発明のヒアラブルディバイスの一実施例であるイヤホン100は、ユーザーの耳に接触するシェル110と、シェル110の内部に設けられたヒアラブルディバイス本体としてのイヤホン本体120と、シェル110における耳と接触する側に対して反対側である外部側に取り付けられてイヤホン本体120を覆う天板部130と、天板部130の外部側に接触して設けられる装飾部140とを備え、装飾部140が、天板部130の被係合部分と着脱自在に係合する係合部分を有した構成であることにより、ユーザーは気分に応じて装飾部140をワンタッチで交換して異なるデザインの装飾部140によってファッションを楽しむことができる。
【0043】
さらに、装飾部140の係合部分としての第1係合部分141が、球形状であり、天板部130の被係合部分としての第1被係合部分131が、環状に形成された弾性体であり、第1係合部分141の球形状の球面と環状に接触するとともに着脱自在に挟持する構成であることにより、天板部130に対する接離方向において装飾部140を精度よく位置決めすることができるとともに、ユーザーは装飾部140がシェル110および天板部130に対してきちんと取り付けられたことを確認することができる。
【0044】
また、装飾部140の係合部分としての第2係合部分142および天板部130の被係合部分としての第2被係合部分132の一方が、凸部分であり、他方が、凸部分と係合する凹部分であることにより、シェル110および天板部130に対して装飾部140の向き・姿勢を精度よく決めることができ、シェル110および天板部130の縁と装飾部140の縁が揃っている状態である、所謂、ツライチにすることができる。
【0045】
さらに、装飾部140における天板部130と接触する部分および天板部130における装飾部140と接触する部分の少なくも一方が磁石で形成され、他方が、磁石または金属で形成され、互いに磁力によって引き合う構成であることにより、ユーザーが走ったりした場合であっても装飾部140と天板部130との間の衝突音や摩擦音などのノイズが生じてしまうことを回避して品質のよい音をユーザーに対して提供することができる。
【0046】
また、天板部130が、シェル110に対して着脱自在に取り付けられ、シェル110の内部にバッテリー121が配置されていることにより、バッテリー121を比較的簡単に交換することができる。
【0047】
さらに、シェル110が、ヒアラブルディバイスケーブルとしてのイヤホンケーブル160と接続自在なコネクタ111を有し、イヤホンケーブル160がコネクタ111と接続され、電源入力ありとイヤホン本体120が判定したとき、イヤホン本体120が、シェル110の内部に設けられたバッテリー121の電源を用いず、イヤホンケーブル160からの電源入力を用いる構成であることにより、内部のバッテリー121切れになった場合であっても、ユーザーは有線形式でイヤホン100を使用し続けることができるなど、その効果は甚大である。