(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023158583
(43)【公開日】2023-10-30
(54)【発明の名称】店内呼び出しシステム、店内呼び出し方法、及び店内呼び出し用のコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
H04M 9/00 20060101AFI20231023BHJP
H04M 1/725 20210101ALI20231023BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20231023BHJP
G06Q 10/0639 20230101ALI20231023BHJP
【FI】
H04M9/00 B
H04M1/725
G06Q50/10
G06Q10/06 332
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022068509
(22)【出願日】2022-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】514267559
【氏名又は名称】ANS株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】522157413
【氏名又は名称】株式会社アローテック
(74)【代理人】
【識別番号】100140866
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 武史
(72)【発明者】
【氏名】野口 恭弘
【テーマコード(参考)】
5K038
5K127
5L049
【Fターム(参考)】
5K038FF11
5K127BA03
5K127CA33
5K127CB22
5L049AA20
5L049CC11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】来客者が簡単、かつ、便利に利用可能で、店舗事業者にとっても低コストで導入可能な店内呼び出しシステム、店内呼び出し方法及び店内呼び出し用のコンピュータプログラム提供する。
【解決手段】店舗に導入され、当該店舗の店内において来客者が商品説明や案内等のために担当者を呼び出すための店内呼び出しシステムであって、来客者通信端末3は、店内において担当者の呼び出しを要求するリクエスト情報と、当該リクエスト情報の通知先を示す通知先情報とを、読み取り可能な符号を読み取る符号読取手段31と、読み取って得られた通知先情報に基づいて通知先通信サーバ2にリクエスト情報を送信する通信手段30と、を有する。通知先通信サーバ2は、送信されたリクエスト情報を受信する通信手段20と、受信したリクエスト情報に基づいて担当者通信端末4に呼び出しを通報する呼び出し通報手段21と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店内において来客者が担当者を呼び出すための店内呼び出しシステムであって、
前記店内において、前記担当者の呼び出しを要求するリクエスト情報と、当該リクエスト情報の通知先を示す通知先情報とを、読み取り可能な符号を読み取る符号読取手段と、
前記符号読取手段により読み取って得られた前記通知先情報に基づいて、前記通知先に前記リクエスト情報を送信する情報送信手段と、
前記情報送信手段により送信された前記リクエスト情報を受信する情報受信手段と、
前記情報受信手段により受信された前記リクエスト情報に基づいて、前記担当者に呼び出しを通報する呼び出し通報手段と、を備えたことを特徴とする店内呼び出しシステム。
【請求項2】
前記リクエスト情報には、前記店内の売場を示す売場情報が含まれ、
前記通知先において、前記店内の売場ごとに複数の前記担当者を優先順位付けした売場担当者管理情報を記憶する情報記憶手段を備え、
前記呼び出し通報手段は、前記売場担当者管理情報及び前記売場情報に基づいて、呼び出しが要求された売場に対応する複数の前記担当者に対して優先順位の順に呼び出しを通報することを特徴とする請求項1に記載の店内呼び出しシステム。
【請求項3】
前記情報受信手段は、前記情報送信手段の現在位置に係る条件、前記通知先情報に予め含まれるアクセス認証情報に係る条件、又は所定の時間帯に係る条件のうち、少なくともいずれか一の条件を満たさない場合、前記リクエスト情報を受け付けないことを特徴とする請求項1又は2に記載の店内呼び出しシステム。
【請求項4】
前記リクエスト情報の受信に基づく呼び出し回数及び呼び出しが通報された前記担当者の対応結果を、要員管理のための実績情報として管理する実績情報管理手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の店内呼び出しシステム。
【請求項5】
店内において来客者が担当者を呼び出すための店内呼び出し方法であって、
前記店内において、前記担当者の呼び出しを要求するリクエスト情報と、当該リクエスト情報の通知先を示す通知先情報とを、読み取り可能な符号を読み取る符号読取ステップと、
前記符号読取ステップにより読み取って得られた前記通知先情報に基づいて、前記通知先に前記リクエスト情報を送信する情報送信ステップと、
前記情報送信ステップにより送信された前記リクエスト情報を受信する情報受信ステップと、
前記情報受信ステップにより受信された前記リクエスト情報に基づいて、前記担当者に呼び出しを通報する呼び出し通報ステップと、を含むことを特徴とする店内呼び出し方法。
【請求項6】
店内において来客者が担当者を呼び出すための店内呼び出しシステムを、
前記店内において、前記担当者の呼び出しを要求するリクエスト情報と、当該リクエスト情報の通知先を示す通知先情報とを、読み取り可能な符号を読み取る符号読取手段、
前記符号読取手段により読み取って得られた前記通知先情報に基づいて、前記通知先に前記リクエスト情報を送信する情報送信手段、
前記情報送信手段により送信された前記リクエスト情報を受信する情報受信手段、
前記情報受信手段により受信された前記リクエスト情報に基づいて、前記担当者に呼び出しを通報する呼び出し通報手段、として機能させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品販売等の店内において来客者が担当者を呼び出すための店内呼び出しシステム、店内呼び出し方法、及び店内呼び出し用のコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来において、この種の店内呼び出し用のシステムとしては、呼出ボタンの操作に応じて店舗の受付装置(レジスタ装置)から店員装置(呼出対応装置)が呼び出し通知を受け取ると、当該店員装置は、呼び出し通知への応答を受け付けるための情報を出力し、受付装置が応答を受け付けると、当該受付装置には、通信手段を介して呼び出し通知に対応する旨が返信されるシステムが提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のシステムでは、来客者が操作するための呼出ボタンを配設しなければならず、その配設箇所も商品陳列棚の端や店内の柱等に限定されるために来客者にとっては呼出ボタンを探し難いという点が指摘されている。そのため、来客者が簡単かつ便利に利用可能で、店舗事業者にとっても低コストで導入可能なシステムの提案が要請されていた。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、来客者が簡単かつ便利に利用可能で、店舗事業者にとっても低コストで導入可能な店内呼び出しシステム、店内呼び出し方法、及び店内呼び出し用のコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)
店内において来客者が担当者を呼び出すための店内呼び出しシステムであって、
前記店内において、前記担当者の呼び出しを要求するリクエスト情報と、当該リクエスト情報の通知先を示す通知先情報とを、読み取り可能な符号を読み取る符号読取手段と、
前記符号読取手段により読み取って得られた前記通知先情報に基づいて、前記通知先に前記リクエスト情報を送信する情報送信手段と、
前記情報送信手段により送信された前記リクエスト情報を受信する情報受信手段と、
前記情報受信手段により受信された前記リクエスト情報に基づいて、前記担当者に呼び出しを通報する呼び出し通報手段と、を備えたことを特徴とする店内呼び出しシステム。
【0007】
(1)の発明では、店内において来客者が担当者を呼び出すための店内呼び出しシステムは、符号読取手段と、情報送信手段と、情報受信手段と、呼び出し通報手段と、を備える。
符号読取手段は、店内において、担当者の呼び出しを要求するリクエスト情報と、当該リクエスト情報の通知先を示す通知先情報とを、読み取り可能な符号を読み取る。
情報送信手段は、符号読取手段により読み取って得られた通知先情報に基づいて、通知先にリクエスト情報を送信する。
情報受信手段は、情報送信手段により送信されたリクエスト情報を受信する。
呼び出し通報手段は、情報受信手段により受信されたリクエスト情報に基づいて、担当者に呼び出しを通報する。
【0008】
(1)の発明によれば、例えば来客者が所持する通信端末を用いて店内の適所に提示された符号を読み取るだけで、担当者の呼び出しを要求するリクエスト情報が通知先情報に基づいて通知先に送信され、当該通知先にて受信されたリクエスト情報に応じて通知先から担当者に呼び出しが通報される。これにより、来客者は、担当者を簡単かつ便利に呼び出すことができ、店舗事業者にとっては呼出ボタン等を設ける必要なく低コストで本システムを導入することができる。
【0009】
(2)
前記リクエスト情報には、前記店内の売場を示す売場情報が含まれ、
前記通知先において、前記店内の売場ごとに複数の前記担当者を優先順位付けした売場担当者管理情報を記憶する情報記憶手段を備え、
前記呼び出し通報手段は、前記売場担当者管理情報及び前記売場情報に基づいて、呼び出しが要求された売場に対応する複数の前記担当者に対して優先順位の順に呼び出しを通報することを特徴とする(1)に記載の店内呼び出しシステム。
【0010】
(2)の発明によれば、例えば店内の売場ごとに異なる符号を提示しておけば、来客者が通信端末を用いて所在の売場で提示された符号を読み取るだけで、当該売場に対応する複数の担当者に対して優先順に呼び出しが通報されるので、来客者は、売場に適した担当者を可及的速やかに呼び出すことができる。
【0011】
(3)
前記情報受信手段は、前記情報送信手段の現在位置に係る条件、前記通知先情報に予め含まれるアクセス認証情報に係る条件、又は所定の時間帯に係る条件のうち、少なくともいずれか一の条件を満たさない場合、前記リクエスト情報を受け付けないことを特徴とする(1)又は(2)に記載の店内呼び出しシステム。
【0012】
(3)の発明によれば、例えば、店外からリクエスト情報が送信された場合、アクセス認証ができないリクエスト情報が送信された場合、又は、開店時間外となる所定の時間帯にリクエスト情報が送信された場合には、いずれの場合でも通知先にて当該リクエスト情報が受け付けられないので、意図しない目的で不意に呼び出しが通報されるようなことがなく、いたずら目的等による不要な呼び出しを防止することができる。
【0013】
(4)
前記リクエスト情報の受信に基づく呼び出し回数及び呼び出しが通報された前記担当者の対応結果を、要員管理のための実績情報として管理する実績情報管理手段を備えたことを特徴とする(1)ないし(3)のいずれかに記載の店内呼び出しシステム。
【0014】
(4)の発明によれば、呼び出し回数及び対応結果を実績情報として管理し、この実績情報を用いて要員管理を行うことができるので、実際の呼び出しに対応するだけでなく例えば売場ごとの人員配置等にも応用することができる。
【0015】
(5)
店内において来客者が担当者を呼び出すための店内呼び出し方法であって、
前記店内において、前記担当者の呼び出しを要求するリクエスト情報と、当該リクエスト情報の通知先を示す通知先情報とを、読み取り可能な符号を読み取る符号読取ステップと、
前記符号読取ステップにより読み取って得られた前記通知先情報に基づいて、前記通知先に前記リクエスト情報を送信する情報送信ステップと、
前記情報送信ステップにより送信された前記リクエスト情報を受信する情報受信ステップと、
前記情報受信ステップにより受信された前記リクエスト情報に基づいて、前記担当者に呼び出しを通報する呼び出し通報ステップと、を含むことを特徴とする店内呼び出し方法。
【0016】
(6)
店内において来客者が担当者を呼び出すための店内呼び出しシステムを、
前記店内において、前記担当者の呼び出しを要求するリクエスト情報と、当該リクエスト情報の通知先を示す通知先情報とを、読み取り可能な符号を読み取る符号読取手段、
前記符号読取手段により読み取って得られた前記通知先情報に基づいて、前記通知先に前記リクエスト情報を送信する情報送信手段、
前記情報送信手段により送信された前記リクエスト情報を受信する情報受信手段、
前記情報受信手段により受信された前記リクエスト情報に基づいて、前記担当者に呼び出しを通報する呼び出し通報手段、として機能させるコンピュータプログラム。
【0017】
(5)及び(6)の発明によれば、(1)の発明と同様の作用効果を奏する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、来客者が簡単かつ便利に利用可能で、店舗事業者にとっても低コストで導入可能な店内呼び出しシステム、店内呼び出し方法、及び店内呼び出し用のコンピュータプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態に係る店内呼び出しシステムの概要を説明するための図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る店内呼び出しシステムの機能構成を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る店内呼び出しシステムにおけるデータ類の一例を説明するための図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る店内呼び出しシステムにおける来客者通信端末の表示例を説明するための図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る店内呼び出しシステムにおける来客者通信端末の表示例を説明するための図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る店内呼び出しシステムにおける担当者通信端末の表示例を説明するための図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る店内呼び出しシステムにおける担当者通信端末の表示例を説明するための図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る店内呼び出しシステムによる店内呼び出し処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。図においては、実施形態の説明の全体を通して同一又は類似の構成要素に同一の番号又は符号を付している。
【0021】
図1に示すように、本実施形態の店内呼び出しシステムは、主として商品販売等を行うホームセンター、家電量販店、ドラッグストア、食品スーパー、百貨店等といった店舗Aに導入され、当該店舗Aの店内において来客者Bが商品説明や案内等のために担当者A1を呼び出すためのものである。店内呼び出しシステムには、基本的に必要な構成要素として、呼び出し通知用の符号マーク10を提示する符号提示手段1、通知先通信サーバ2、来客者B自身が所持する来客者通信端末3、複数の担当者A1が各々携行する担当者通信端末4が用いられる。店内呼び出しシステムは、オプションとして店舗Aに別途導入された業務用の店舗管理装置5と連携している。なお、特に図示しないが、店舗Aには、受付カウンタの放送用マイクを含む店舗管理装置5と店内スピーカとを繋ぐ店内放送システムや、インターネットに担当者通信端末4及び店舗管理装置5等を繋ぐためのWi-Fi(登録商標)接続システムも既存設備として導入されている。
【0022】
符号提示手段1は、例えばQRコード(登録商標)といった符号マーク10を印刷して提示する貼紙、吊紙、ポスター、案内板等である。符号マーク10は、いわゆるスマートフォンのカメラスキャン機能によって情報を読み取り可能なディメンションコードである。符号マーク10には、後述する通知先通信サーバ2の接続サイトを示すURL(Uniform Resource Locator)やアクセス認証コード(アクセス認証情報)といった通知先情報と、担当者の呼び出しを要求するためのリクエスト情報とがコード化された画像に埋め込まれている。アクセス認証コードは、担当者等の店舗の管理者や、管理者に操作される装置(例えば、担当者通信端末4、店舗管理装置5)により、符号マーク10の変更に応じて切り替えられ、例えば、時間、日、任意のタイミングで通知先通信サーバ2と連携しつつ、担当者等が符号マーク10を変更して符号提示手段1に提示させることができる。リクエスト情報には、店内において掲示された付近の売場を示す売場情報が含まれる。
【0023】
なお、符号提示手段1としては、例えば商品が陳列された商品棚に設けられる価格表示用の表示器や、商品広告等を表示可能なサイネージ、商品ごとに付される電子タグ等といったデジタル表示式の提示手段を適用してもよい。これらのデジタル表示式の提示手段では、符号マーク10をデジタル表示させることができるほか、その表示変更を切り替え操作だけで担当者等が容易に行うことができる。また、符号提示手段1と通知先通信サーバ2とをネットワークを介して接続し、通知先通信サーバ2で符号マーク10を生成変更し、この符号マーク10を符号提示手段1に送信し、表示させてもよい。また、本実施形態においては、符号マーク10としてQRコード(登録商標)を採用しているが、例えばバーコードやシステム独自のコード等を採用するようにしてもよい。
【0024】
通知先通信サーバ2は、店内呼び出しシステムを提供するサービス事業者によって管理されるコンピュータ装置である。通知先通信サーバ2は、例えばインターネットを介して後述の来客者通信端末3や担当者通信端末4と通信可能である。なお、通知先通信サーバ2は、オプションとして店舗管理装置5に対しても通信可能である。
【0025】
図2に示すように、通知先通信サーバ2は、通信手段20、呼び出し通報手段21、実績情報管理手段22、情報記憶手段23を備える。これらの各手段は、CPU、ROM、RAM、ストレージデバイス、通信モジュール等といったハードウェアと、記憶デバイスからCPUが読み出して実行処理可能なプログラムやデータ等といったソフトウェアにより実現される。
【0026】
通信手段20は、後述する来客者通信端末3から通知先情報に基づいて送信されたリクエスト情報を受信し、受信したリクエスト情報に応じて来客者Bが呼び出し操作可能な操作画面情報を来客者通信端末3に返送する。その後、通信手段20は、来客者通信端末3から呼び出し操作に応じた呼び出しコマンドを受信すると、受信した呼び出しコマンド及びリクエスト情報に基づいて、対応すべき後述の担当者通信端末4に対して呼び出しを通報するための通報情報を送信する。通報情報には、担当者名やリクエスト情報に応じた売場情報が含まれる。さらにその後、通信手段20は、担当者通信端末4から呼び出しに対応する旨の操作に応じた対応コマンドの送信を待ち、当該対応コマンドを受信する。
【0027】
ただし、通信手段20は、店舗Aの営業時間外に来客者通信端末3からリクエスト情報が送信された場合は、当該リクエスト情報を受け付けずにその後の処理を行わない。また、来客者通信端末3からは、リクエスト情報が送信される際、当該の来客者通信端末3の現在位置を示す端末位置情報もリクエスト情報に含まれて送信されるが、通信手段20は、リクエスト情報に含まれる端末位置情報が店舗Aの外部の位置に該当する場合も、当該リクエスト情報を受け付けずにその後の処理を行わない。さらに、通信手段20は、通知先情報に含まれるアクセス認証コードが正しくない場合も、当該通知先情報を不正として受け付けずにその後の処理を行わない。すなわち、上記した時間的、位置的、通信規則的ないずれかの条件を一つでも満たさなければ、通信手段20は、来客者通信端末3から送信された情報を受け付けず、後述する呼び出し処理の主たるステップが実行されずに呼び出しの通報がされない。
【0028】
なお、通信手段20は、リクエスト情報等に応じて担当者通信端末4に通報情報を送信するのに同期して、あるいは担当者通信端末4への通報情報の送信に代えて、当該通報情報を店舗管理装置5に送信することもできる。
【0029】
呼び出し通報手段21は、リクエスト情報に応じて後述する情報記憶手段23から売場マスタテーブル及び担当者マスタテーブル(売場担当者管理情報)を読み出し、当該テーブルを参照してリクエスト情報に含まれる売場情報に応じた複数の担当者のうち、優先順位が最も高くて呼出可能な担当者を選定し、そうして選定した担当者の担当者通信端末4に通信手段20を介して通報情報を送信するように制御する。
【0030】
実績情報管理手段22は、リクエスト情報の受信に応じた呼び出し回数と、呼び出しが通報された担当者通信端末4からの対応コマンドに基づく各担当者の対応結果とを、要員管理のための呼出対応実績データ(実績情報)として後述する情報記憶手段23に記憶させ、所定期間(例えば、1週間)ごとに集計して取り扱い可能なデータとして管理する。すなわち、実績情報管理手段22は、通信手段20を介して符号マーク10をごとに呼出対応実績データを店舗管理装置5へと送信することができる。
【0031】
情報記憶手段23は、
図3の(A)~(C)に示すように、売場マスタテーブル、担当者マスタテーブル、呼出対応実績データを変更・更新可能に記憶しており、呼び出し通報手段21や実績情報管理手段22からの命令に応じてこれらテーブルやデータの内容を読み書きする。売場マスタテーブルには、売場を示す売場Noや売場名(売場情報)ごとに呼び出しの優先順位が定められた複数の担当者(A~F)が規定されている。担当者マスタテーブルには、担当者ごとに出勤状況等に応じて当日の呼び出しが可能か否かを示すように「〇」又は「×」が規定されている。呼出対応実績データは、週ごとに売場別の呼び出し回数及び担当者別の対応結果としての担当者別対応数を集計したものであり、売場Noごとに週全体の呼び出し回数及び担当者別対応数を記録している。
【0032】
なお、呼び出しの優先順位については、売場ごとの各担当者の格付け順位や呼び出しの実績回数等に応じて呼び出し通報手段21が適宜更新するようにしてもよい。そうした場合、例えば、当日の呼び出し回数が少ない担当者から呼び出し通報を優先して行うこともでき、担当者の呼び出し対応に係る労力を平準化することができる。具体的には、例えば、当日のある売場における担当者が3名所在し、当該3名の担当者が呼び出し可能な状態にあるとき、各担当者の呼び出しの優先順位が常に同一であると、呼び出しの実績回数にも不平等が生じるので、呼び出し回数が少ない担当者から呼び出し通報を優先するように優先順位を適宜変更することができる。また、ある売場の全ての担当者が呼び出しに対応できない状態、あるいはその売場に担当者が一人も所在しないような状況の場合には、通知先通信サーバ2から店舗管理装置5等に対してその旨が伝えられるとともに、呼び出し通報手段21が担当者の選定条件や売場担当条件等を広げて呼び出し通報すべき担当者を選定するようにしてもよい。
【0033】
来客者通信端末3は、来客者B自身が所持する例えばスマートフォンであり、インターネットを介して通知先通信サーバ2と通信可能である。
図2に示すように、来客者通信端末3は、本システムを実現するための主な手段として、通信手段30、符号読取手段31、表示手段32、操作手段33を備える。これらの各手段は、CPU、ROM、RAM、ストレージデバイス、タッチパネルデバイス、通信デバイス、カメラ、GPSデバイス等といったハードウェアと、記憶デバイスからCPUが読み出して実行処理可能ないわゆるアプリによるプログラムやデータ等といったソフトウェアにより実現される。
【0034】
通信手段30は、符号マーク10を読み取って得られた通知先情報に基づいて通知先通信サーバ2にリクエスト情報を送信し、それに応じて通知先通信サーバ2から返送された操作画面情報を受信する。通知先情報には、先述したように、通知先通信サーバ2のURLやアクセス認証コードが含まれる。また、リクエスト情報には、当該来客者通信端末3のGPSデバイス(図示略)により測位された端末位置情報も含まれる。また、通信手段30は、操作画面情報に基づいて後述する表示手段32に表示された呼び出し操作画面(
図5参照)において呼び出し操作がなされると、それに応じた呼び出しコマンドを通知先通信サーバ2に送信する。
【0035】
符号読取手段31は、主にカメラやコードスキャンアプリによって実現され、
図4に示すように、来客者Bがコードスキャンアプリを起動してカメラを符号提示手段1にかざすことで表示手段32に符号マーク10を写し出させるとともに、この符号マーク10を画像として読み取り、そうして読み取った画像を画像認識処理により解析し、当該画像に埋め込まれた通知先情報及びリクエスト情報を読み出す。こうして読み出された通知先情報及びリクエスト情報は、符号読取手段31から通信手段30や表示手段32に伝えられる。
【0036】
表示手段32は、
図4に示すように符号マーク10を写し出すほか、
図5に示すように、通知先通信サーバ2からの操作画面情報やリクエスト情報に基づいて呼び出し操作画面を表示する。呼び出し操作画面には、リクエスト情報に含まれる売場情報に対応する売場名320や、来客者Bが呼び出し操作をするための呼び出し操作ボタン321が表示される。呼び出し操作ボタン321は、操作手段33として機能し、呼び出し操作ボタン321をタッチ操作すると、通信手段30を介して通知先通信サーバ2に呼び出しコマンドが送信される。このような符号マーク10を読み取る画面や呼び出し操作画面は、来客者通信端末3に予めインストールされたアプリケーションにより表示されてもよいし、所謂Webアプリにより表示されてもよい。
【0037】
担当者通信端末4は、店舗Aからの支給によって担当者ごとに携行される例えばスマートフォンやタブレット等であり、インターネットを介して通知先通信サーバ2と通信可能である。
図2に示すように、担当者通信端末4は、本システムを実現するための主な手段として、通信手段40、呼び出し受付手段41、表示手段42、操作手段43を備える。これらの各手段は、CPU、ROM、RAM、ストレージデバイス、タッチパネルデバイス、通信デバイス等といったハードウェアと、記憶デバイスからCPUが読み出して実行処理可能ないわゆるアプリによるプログラムやデータ等といったソフトウェアにより実現される。なお、担当者通信端末4は、担当者がプライベートで使用するものでもよく、あるいは本システム専用に設計されたものでもよい。
【0038】
通信手段40は、通知先通信サーバ2からの通報情報を受信し、当該通報情報を呼び出し受付手段41に伝える。これにより、表示手段42には、通報情報に応じた呼び出し対応操作画面が表示される(
図6参照)。この呼び出し対応操作画面において呼び出し対応操作がなされると、通信手段40は、それに応じた対応コマンドを通知先通信サーバ2に送信する。
【0039】
呼び出し受付手段41は、通信手段40を介して通報情報を受け付けると、
図6に示すように、通報情報に応じた呼び出し対応操作画面を表示手段42に表示させる。なお、呼び出し受付手段41は、通報情報を受け付けると、呼び出し対応操作画面の表示に加えてあるいはそれに代えて、担当者通信端末4に内蔵されたバイブレーション機構を動作させたり、もしくはスピーカやイヤフォンを通じて呼出音を出力させる等といった動作によって呼び出しの通報を担当者A1に伝えるようにしてもよい。また、呼び出し受付手段41と同様の機能を店舗管理装置5にもたせ、店舗管理装置5が通知先通信サーバ2から通報情報を受け付けると、当該通報情報に含まれる担当者名や売場情報に基づき、店舗管理装置5が店内放送システムの店内スピーカを通じて自動音声で売場名や担当者名を放送するようにしてもよい。
【0040】
表示手段42は、
図6に示すように、通知先通信サーバ2からの通報情報に基づいて呼び出し対応操作画面を表示する。呼び出し対応操作画面には、通報情報に含まれる売場情報に対応する売場名で呼び出し対応すべきメッセージ420や、担当者A1が呼び出し対応する旨を伝えるための呼び出し対応操作ボタン421が表示される。呼び出し対応操作ボタン421は、操作手段43として機能し、呼び出し対応操作ボタン421をタッチ操作すると、通信手段40を介して通知先通信サーバ2に対応コマンドが送信される。
【0041】
また、表示手段42は、
図7に示すように、適宜操作に応じて呼び出し対応確認画面を表示する。呼び出し対応確認画面には、担当者A1の呼出対応状況や出退勤状況を伝えるための各種の操作ボタン422a~422dが表示される。これらの操作ボタン422a~422dも、操作手段43として機能し、例えば「呼出対応可能」操作ボタン422aをタッチ操作すると、通信手段40を介して通知先通信サーバ2にその旨が送信される。これにより、通知先通信サーバ2においては、「呼出対応可能」であるか否かに応じて売場マスタテーブル及び担当者マスタテーブルの内容が適宜変更される。その他も同様に、「呼出対応中」操作ボタン422b、「呼出対応不可」操作ボタン422c、「出社・退社」操作ボタン422dをタッチ操作すると、通信手段40を介して通知先通信サーバ2にその旨が送信され、その旨に応じて売場マスタテーブル及び担当者マスタテーブルの内容が適宜変更される。このような呼び出し対応操作画面や呼び出し対応確認画面は、担当者通信端末4に予めインストールされたアプリケーションにより表示されてもよいし、所謂Webアプリにより表示されてもよい。
【0042】
図8は、本システムの通知先通信サーバ2、来客者通信端末3、及び担当者通信端末4によって実行される店内呼び出し処理の流れを示している。なお、ステップS1,S2は、来客者通信端末3の実行処理に該当し、ステップS3,S4とステップS7,S8は、通知先通信サーバ2の実行処理に該当し、ステップS5,S6は、担当者通信端末4の実行処理に該当している。
【0043】
図8に示すように、まず、ステップS1において、来客者通信端末3の符号読取手段31は、符号提示手段1から符号マーク10を読み取る。これにより、符号読取手段31は、読み取って得られた符号マーク10の画像から通知先情報及びリクエスト情報を読み出し、これらの情報を通信手段30に伝える。
【0044】
ステップS2において、来客者通信端末3の通信手段30は、来客者Bの呼び出し操作に応じて通知先情報に含まれるURL及びアクセス認証コードに基づいて通知先通信サーバ2にアクセスし、アクセス認証コードの承認を得た場合、端末位置情報をリクエスト情報に含めて当該リクエスト情報を通知先通信サーバ2に送信する。これにより、来客者通信端末3の表示手段32には、呼び出し操作画面が表示され、それに応じて呼び出し操作がなされると、正式な呼び出し要求として呼び出しコマンドが通知先通信サーバ2に送信される。
【0045】
このとき、符号マーク10の変更に応じてアクセス認証コードが変更されている場合があり、その変更前のアクセス認証コードを用いて変更後に通知先通信サーバ2にアクセスがあった場合には、不正なアクセス認証コードとして承認されず、通知先通信サーバ2に対してリクエスト情報及び呼び出しコマンドが送信されずに受け付けられない。また、URL及びアクセス認証コードが正しいものの店舗Aの営業時間外に通知先通信サーバ2に対してアクセスがあった場合には、時間的に不正なアクセスとして承認されず、リクエスト情報及び呼び出しコマンドが送信されずに受け付けられない。さらに、端末位置情報が店舗Aの外部の位置を示している場合には、リクエスト情報が一旦送信されるものの当該リクエスト情報が位置的に不正として受け付けられず、呼び出しコマンドも送信されない。
【0046】
そうして来客者通信端末3から正しいリクエスト情報や呼び出しコマンドが送信されると、ステップS3において、通知先通信サーバ2の通信手段20は、正しい条件を満たすものとしてリクエスト情報及び呼び出しコマンドを受信する。
【0047】
そして、ステップS4において、通知先通信サーバ2の呼び出し通報手段21は、リクエスト情報に含まれる売場情報が示す売場の担当で、かつ、優先順位が最先で呼出可能な担当者A1を、売場マスタテーブル及び担当者マスタテーブルを参照して選定し、当該担当者A1の担当者通信端末4に通信手段20を介して呼び出し通報を示す通報情報を送信する。
【0048】
そうして通知先通信サーバ2から担当者通信端末4に対して通報情報が送信されると、ステップS5において、当該担当者通信端末4の通信手段40は、通報情報を受信する。
【0049】
そして、ステップS6において、担当者通信端末4の呼び出し受付手段41は、通報情報に応じた呼び出し対応操作画面を表示手段42に表示させる。この呼び出し対応操作画面において呼び出し対応操作がなされると、通信手段40を介して呼び出し対応可能を示す対応コマンドが通知先通信サーバ2に送信される。
【0050】
その後、ステップS7において、通知先通信サーバ2の通信手段20は、対応コマンドの受信有無に応じて呼び出し対応可能であることが担当者通信端末4から返信されたか否かを予め定めたタイムアウトに達するまで判断する。タイムアウトになるまでの所定時間内に対応コマンドを受信して呼び出し対応可能であることが返信された場合(ステップS7:YES)、通知先通信サーバ2は、次のステップS8の処理を行う。一方、所定時間に達しても対応コマンドを受信せずにタイムアウトとなることで呼び出し対応可能であることが返信されなかった場合(ステップS7:NO)、通知先通信サーバ2は、再びステップS4に戻って呼び出し通報手段21に所定の処理を実行させる。これにより、不測の事情等によって担当者A1が呼び出しに対応できない場合でも、速やかに適当な別の担当者が選定され、その担当者の担当者通信端末4に通報情報が送信される。
【0051】
その後、ステップS8において、通知先通信サーバ2の実績情報管理手段22は、通報情報に含まれる担当者名や売場情報に基づき、呼出対応実績データにおいて対応する売場の呼び出し回数及び担当者別対応数を更新する。このような一連のステップに係る処理を経て店内呼び出し処理が終了する。
【0052】
すなわち、店内呼び出し処理は、通知先通信サーバ2、来客者通信端末3、及び担当者通信端末4の各CPUが所定のプログラムを実行することで各手段として機能させ、一連のステップに係る処理を実行することで店内呼び出し方法を実現している。
【0053】
このような本実施形態に係る店内呼び出しシステムによれば、来客者通信端末3を用いて店内の適所に提示された符号マーク10を読み取るだけで、担当者A1の呼び出しを要求するリクエスト情報が通知先情報に基づいて通知先通信サーバ2に送信され、当該通知先通信サーバ2にて受信されたリクエスト情報に応じて担当者通信端末4に呼び出しが通報される。これにより、来客者Bは、担当者A1を簡単かつ便利に呼び出すことができ、店舗事業者にとっても低コストで本システムを導入することができる。
【0054】
また、本システムによれば、店内の売場ごとに異なる符号マーク10を提示しておき、来客者通信端末3を用いて来客者Bが所在の売場で提示された符号マーク10を読み取るだけで、当該売場に対応する複数の担当者に対して優先順に呼び出しが通報されるので、来客者Bは、売場に適した担当者A1を可及的速やかに呼び出すことができる。
【0055】
また、本システムによれば、例えば営業時間外に店外からリクエスト情報が送信されたり、変更前の符号マーク10を読み取って得られたリクエスト情報が変更後のタイミングで送信されたとしても、いずれも通知先通信サーバ2にて当該リクエスト情報が受け付けられないので、意図しない目的で不意に呼び出しが通報されるようなことがなく、いたずら目的等による不要な呼び出しを防止することができる。
【0056】
また、本システムによれば、各売場の呼び出し回数及び担当者別対応数を呼出対応実績データとして週ごとに管理し、このデータを用いて店舗管理装置5で要員管理を行うことができるので、実際の呼び出しに対応するだけでなく売場ごとの人員配置等にも対応することができる。
【0057】
具体的に、来客者Bは、来客者通信端末3を用いて簡単な読み取り操作等を行うだけで担当者A1を簡単に呼び出すことができる。また、来客者Bにとっては、呼び出しの待ち時間が可及的に少なくなり、その売場に精通した担当者に対応してもらうことができ、スムーズでストレスのない買い物を行うことができる。
【0058】
店舗Aにおいては、各担当者の状況(出勤状況や呼出対応可否等)をリアルタイムで把握した上で、的確かつ効率的に担当者の呼び出しを通報することができる。また、来客者Bを待たせるようなことがなくなるので、商品購入の機会損失を抑えることにもつながり、迅速かつ的確な呼び出し対応によって顧客満足の向上を図ることができる。
【0059】
本システムでは、呼び出し用の別途新規な機器や設備等を設ける必要が無く、システム導入費用や設備コストの低減を図ることができる。また、担当者の状況を正確にリアルタイムで把握することができるので、呼び出し対応を効率よく適確にピンポイントで行うことができる。
【0060】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の内容に限定されないことはいうまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者にとって明らかである。また、その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0061】
例えば、店舗管理装置等では、週ごとに集計された呼出対応実績データを用いて、例えば季節やイベント等による呼び出し傾向を予測したり、売場ごとに必要な担当者数を予測したり、当日必要な担当者総数を算定したりするようにしてもよい。
【0062】
呼び出しに対応した内容(商品説明、商品探し、はかり売りといった具体的対応内容、対応時間、対応後商品購入の可否、改善案等)を担当者通信端末に入力して店舗管理装置へと送信し、その対応内容と上記呼出対応実績データとを合わせて売場や商品の改善を行うようにしてもよい。これによれば、例えば、商品説明等の今後対策、不足商品や新規商品の補充にも活用することができる。
【符号の説明】
【0063】
A 店舗
A1 担当者
B 来客者
1 符号提示手段
10 符号マーク
2 通知先通信サーバ
20 通信手段(情報受信手段)
21 呼び出し通報手段
22 実績情報管理手段
23 情報記憶手段
3 来客者通信端末
30 通信手段(情報送信手段)
31 符号読取手段
4 担当者通信端末
40 通信手段
41 呼び出し受付手段