(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023158601
(43)【公開日】2023-10-30
(54)【発明の名称】ユニット挿脱型毒性対象減消装置
(51)【国際特許分類】
A61L 9/18 20060101AFI20231023BHJP
A61L 9/20 20060101ALI20231023BHJP
【FI】
A61L9/18
A61L9/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022068556
(22)【出願日】2022-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】510202167
【氏名又は名称】Next Innovation合同会社
(72)【発明者】
【氏名】道脇 裕
【テーマコード(参考)】
4C180
【Fターム(参考)】
4C180AA07
4C180AA16
4C180DD02
4C180DD03
4C180DD04
4C180DD05
4C180DD06
4C180DD09
4C180HH05
4C180HH11
4C180HH17
4C180HH19
4C180JJ01
(57)【要約】
【課題】簡易な構造によって、保守、保全作業における作業時間を著しく短縮でき、且つ現場での作業の簡略化、時短化を実現可能としつつ、作業の容易性、安定性を向上させるための手段を提供する。
【解決手段】外部から流体を流入させ、該流体中の毒性対象を減消させるユニット挿脱型毒性対象減消装置であって、本体に挿脱可能で、その内部に流体が流動し得る空間を有する挿脱ユニットを具え、該挿脱ユニットは、上記空間に毒性対象を減消させる減消手段を配する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から流体を流入させ、該流体中の毒性対象を減消させるユニット挿脱型毒性対象減消装置であって、
本体に挿脱可能で、その内部に流体が流動し得る空間を有する挿脱ユニットを具え、
該挿脱ユニットは、上記空間に毒性対象を減消させる減消手段を配することを特徴とするユニット挿脱型毒性対象減消装置。
【請求項2】
前記本体は、前記挿脱ユニットの挿入を案内する被嵌合部を有し、
前記挿脱ユニットは、上記被嵌合部に嵌合し得る嵌合部を有することを特徴とする請求項1記載のユニット挿脱型毒性対象減消装置。
【請求項3】
前記減消手段は、音波、電波、マイクロ波、赤外線、可視光線、紫外線、X線及び/又はγ線を放出することを特徴とする請求項1記載のユニット挿脱型毒性対象減消装置。
【請求項4】
前記減消手段は、紫外線を放出する紫外線光源を有し、
該紫外線光源から放出された紫外線を反射させる反射部を具えることを特徴とする請求項1記載のユニット挿脱型毒性対象減消装置。
【請求項5】
前記挿脱ユニットは、前記紫外線光源を囲繞する内周面を有し、
前記反射部は、上記内周面に配することを特徴とする請求項4記載のユニット挿脱型毒性対象減消装置。
【請求項6】
前記反射部は、前記本体の内周面に配することを特徴とする請求項4記載のユニット挿脱型毒性対象減消装置。
【請求項7】
前記挿脱ユニットは、前記紫外線光源からの紫外線を遮る紫外線漏出抑制部を有することを特徴とする請求項4記載のユニット挿脱型毒性対象減消装置。
【請求項8】
前記挿脱ユニットは、異物を捕集するフィルタを有することを特徴とする請求項1記載のユニット挿脱型毒性対象減消装置。
【請求項9】
前記挿脱ユニットは、前記空間に流体を流動させる流動発生部を配することを特徴とする請求項1記載のユニット挿脱型毒性対象減消装置。
【請求項10】
前記挿脱ユニットは、前記本体側の電源及び/又は前記本体を介して外部電源に通電可能に接続する接続部を有することを特徴とする請求項1記載のユニット挿脱型毒性対象減消装置。
【請求項11】
前記挿脱ユニットは、構成要素を保持する保持体を有し、
上記保持体は、流動方向の上流側、下流側の両側が開口を有し、且つ流体が流動し得る内部空間を有することを特徴とする請求項1記載のユニット挿脱型毒性対象減消装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毒性対象を減消させるユニット部分を本体から挿脱可能としたユニット挿脱型毒性対象減消装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、紫外線を用いて空気の除菌(細菌やウイルスを取り除いてその数を減らすこと)を行う空気清浄機が知られており、筐体下部に設けられた吸気開口から吸引室内に取り込んだ空気を清浄化して筐体上面に備える排出開口から排出している(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の空気清浄機は、プレフィルタを介してウイルスや細菌、各種汚染物質を含む空気ないしは外気を吸引室内に吸引しており、吸引室内のHEPAフィルタによって各種汚染物質を捕集している。また、吸引室内には、紫外線ランプを配しておりHEPAフィルタを通過した汚染物質のエアロゾルや飛沫核に紫外線を照射して各種汚染物質を分解又は除去等をしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1に記載された空気清浄機は、各種汚染物質を捕集するためのフィルタ或いは破壊するための紫外線ランプを本体に一体的に固定しているため、これらの洗浄や交換を行うメンテナンス作業を専門のメンテナンス業者が行っている。具体的にメンテナンス業者は、ユーザの設置場所で空気清浄機内部を開いたり、部品を取り外したりして、紫外線ランプの交換、フィルタ洗浄や交換等の作業を行っており、メンテナンス作業にはこのような現場作業が必要となる上、長い作業時間が必要となるという問題がある。またメンテナンス作業中は空気清浄機の動作を止めなくてはならないため、各種汚染物質の捕集或いは分解(又は除去)等を行うことができないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みて本発明者の鋭意研究により成されたものであり、簡易な構造によって、保守、保全作業における作業時間を著しく短縮でき、且つ現場での作業の簡略化、時短化を実現可能としつつ、作業の容易性、安定性を向上させるための手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のユニット挿脱型毒性対象減消装置は、外部から流体を流入させ、該流体中の毒性対象を減消させるユニット挿脱型毒性対象減消装置であって、本体に挿脱可能で、その内部に流体が流動し得る空間を有する挿脱ユニットを具え、該挿脱ユニットは、上記空間に毒性対象を減消させる減消手段を配することを特徴とする。
【0007】
また、本発明のユニット挿脱型毒性対象減消装置は、前記本体が、前記挿脱ユニットの挿入を案内する被嵌合部を有し、前記挿脱ユニットは、上記被嵌合部に嵌合し得る嵌合部を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明のユニット挿脱型毒性対象減消装置は、前記減消手段が、音波、電波、マイクロ波、赤外線、可視光線、紫外線、X線及び/又はγ線を放出することを特徴とする。
【0009】
また、本発明のユニット挿脱型毒性対象減消装置は、前記減消手段が、紫外線を放出する紫外線光源を有し、該紫外線光源から放出された紫外線を反射させる反射部を具えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明のユニット挿脱型毒性対象減消装置は、前記挿脱ユニットが、前記紫外線光源を囲繞する内周面を有し、前記反射部は、上記内周面に配することを特徴とする。
【0011】
また、本発明のユニット挿脱型毒性対象減消装置は、前記反射部が、前記本体の内周面に配することを特徴とする。
【0012】
また、本発明のユニット挿脱型毒性対象減消装置は、前記挿脱ユニットが、前記紫外線光源からの紫外線を遮る紫外線漏出抑制部を有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明のユニット挿脱型毒性対象減消装置は、前記挿脱ユニットが、異物を捕集するフィルタを有することを特徴とする。
【0014】
また、本発明のユニット挿脱型毒性対象減消装置は、前記挿脱ユニットが、前記空間に流体を流動させる流動発生部を配することを特徴とする。
【0015】
また、本発明のユニット挿脱型毒性対象減消装置は、前記挿脱ユニットが、前記本体側の電源及び/又は前記本体を介して外部電源に通電可能に接続する接続部を有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明のユニット挿脱型毒性対象減消装置は、前記挿脱ユニットが、構成要素を保持する保持体を有し、上記保持体は、流動方向の上流側、下流側の両側が開口を有し、且つ流体が流動し得る内部空間を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、簡易な構造によって、保守、保全作業における作業時間を著しく短縮でき、現場での作業の簡略化、時短化を実現可能とすることで、メンテナンス作業に係る毒性対象減消装置の動作停止時間を極限まで短縮することが出来、且つ作業の容易性、安定性を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明のユニット挿脱型毒性対象減消装置を示すブロック図である。
【
図2】本体及び挿脱ユニットが有する構成要素を示すブロック図である。
【
図3】ユニット挿脱型毒性対象減消装置を示す斜視図である。
【
図5】挿脱ユニットを示し、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【
図8】挿脱ユニットの下端部材を示す斜視図である。
【
図9】ユニット挿脱型毒性対象減消装置を示す断面図である。
【
図10】本体に収容される挿脱ユニットを示す図である。
【
図11】挿脱ユニットの他の構成例を示す図である。
【
図12】紫外線漏出抑制部の他の例を示す図である。
【
図15】配設穴に部分体を嵌入させた上端部材を示す図である。
【
図17】傾斜させた姿勢で部分体を嵌入させた支持体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明のユニット挿脱型毒性対象減消装置の実施形態について図を参照して説明する。
図1は本発明のユニット挿脱型毒性対象減消装置1の構成要素を示すブロック図である。ユニット挿脱型毒性対象減消装置1は、筐体を成す本体と、本体内部に挿脱可能に構成される挿脱ユニットとを具えて構成される。またユニット挿脱型毒性対象減消装置1は、流体を吸込み、流体に含まれる毒性対象を内部で減消(例えば、分解、破壊、不活化、滅菌(細菌やウイルスを完全に死滅させること)等)させて当該流体を排出する機能を有する。
【0020】
具体的にユニット挿脱型毒性対象減消装置1は、本体20に着脱可能に収容される挿脱ユニット2の他、毒性対象を減消させる減消手段であって紫外線を照射する紫外線光源4、紫外線を反射させる紫外線反射部6、紫外線の漏出を抑制する紫外線漏出抑制部8、流体の流動を発生させる流動発生部10、流体中に含まれる異物を捕集するフィルタ12、電源ユニット14、流体を流入させる際の吸入口22、流体を排出する際の吹出口24等の機能性構成要素を有して構成される。
即ち、ユニット挿脱型毒性対象減消装置1は、上記各機能性構成要素を、挿脱ユニット2及び本体20の何れかに対して適宜配置し、総合的に必要な機能を有するように構成していればよい。
【0021】
ここで、機能性構成要素は、挿脱ユニット2に所属させるメリットが大きい交換性構成要素と、挿脱ユニット2に所属させるメリットが少ない非交換性構成要素とに分類し得る。交換性構成要素とは、挿脱ユニット2に所属させていることで、挿脱ユニット2の交換と共に交換されたとき作業効率の向上や作業時間の短縮等、メンテンナンス性の大きな向上が期待される部品(構成要素)のことを示す。非交換性構成要素は、挿脱ユニット2に所属させることが可能であるが、メンテナンス性の大きな向上が見込めない部品(構成要素)のことを示す。交換性構成要素は、紫外線光源4、紫外線反射部6、紫外線漏出抑制部8、フィルタ12等があり得、非交換性構成要素は、流動発生部10、電源ユニット14、吸入口22、吹出口24等があり得る。例えば、電源ユニット14は、挿脱ユニット2に所属させ得るものの、本体側に交換可能に配置する構成にしてもよく、何れの場合でもメンテナンス性では殆ど優劣が無く、このような構成要素については非交換性構成要素に分類する。
【0022】
ここで流体とは、気体、液体、ゲル状体、スラリー状体、粉体等を含む概念である。毒性対象とは、細菌やウイルス等の病原微生物の他、有害分子を含んだホルムアルデヒドや亜硫酸ガス、亜硝酸ガス、臭気成分、揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compounds)や全有機炭素(TOC:Total Organic Carbon)等を含むものであって少なくとも人体や環境に対して毒性を有し或いは有害とされ、流体と共に移動する対象物である。
【0023】
挿脱ユニット2は、上記の構成要素の内、少なくとも紫外線光源4を有して構成される。従って、挿脱ユニット2が紫外線光源4のみを有するとき、他の構成要素は、
図2(a)に示すように、本体20側に配設される。即ち、本体20は、紫外線反射部6、紫外線漏出抑制部8、流動発生部10、フィルタ12、電源ユニット14、吸入口22、吹出口24等が配されるように構成される。
【0024】
また、挿脱ユニット2が紫外線光源4と紫外線反射部6とを有するとき、
図2(b)に示すように、本体20は、紫外線漏出抑制部8、波動発生部10、フィルタ12、電源ユニット14、吸入口22、吹出口24等を配するように構成される。
【0025】
また、挿脱ユニット2が紫外線光源4、紫外線反射部6、流動発生部10、電源ユニット14を有するとき、本体20は、
図2(c)に示すように、紫外線漏出抑制部8、フィルタ12、吸入口22、吹出口24等を配するように構成される。勿論、挿脱ユニット2は、上記の構成に限定されるものでは無く、適宜設定し得る。
【0026】
紫外線光源4は、例えば、殺菌灯、紫外線ランプ、紫外線LED等であって、装置内における流体の流動経路に紫外線を照射し得るように配される。また紫外線光源4の形状は、例えば直管形状、U字管形状、螺旋形状、球形状、バルーン形状等、適宜設定し得る。また紫外線光源4は、複数配置してもよく、少なくとも、装置内に流入してきた毒性対象に紫外線を照射可能であれば、配置箇所や配置数は適宜設定し得る。
【0027】
紫外線光源4は、ターゲットである毒性対象の分解、不活化、消毒、除菌、殺菌、滅菌等の減消が可能な波長の紫外線を放射する。このような紫外線の波長は、250~300nmであることが好ましく、250~270nm近傍に設定することがより望ましい。勿論、紫外線は、少なくとも毒性対象を減消させ得るものであれば波長が250nm未満の近紫外線(UV-C)、遠紫外線(波長10~200nm)、極端紫外線(波長10~121nm)等であってもよい。また、波長が300nmを超える近紫外線(UV-A、UV-B)であってもよい。また、相異なる波長領域の紫外線光源4を組み合わせて使用するようにしてもよい。
【0028】
紫外線反射部6は、紫外線光源4に対向するように配置される面状の部材であって、表面に紫外線反射層を有して構成される。紫外線反射層は、紫外線を高次に繰り返し反射させ得る紫外線反射性材料によって成る。紫外線反射性材料は、拡散透過率が1%/1mm以上20%/1mm以下であり、且つ紫外線領域における全反射率が60%/1mm以上99.9%/1mm以下であって、拡散透過率と紫外線領域における全反射率との和は90%/1mm以上であることが好ましい。このような紫外線反射性材料としては、銀材、アルミニウム材、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene PTFE)、シリコン樹脂、内部に0.05μm以上10μm以下の気泡を含む石英ガラス、内部に0.05μm以上10μm以下の結晶粒を含む部分結晶化石英ガラス、0.05μm以上10μm以下の結晶粒状のアルミナ焼結体、及び0.05μm以上10μm以下の結晶粒状のムライト焼結体、炭酸マグネシウムやバリウム等のうちの少なくともいずれか一つを含むもの等が有り得る。
【0029】
また、紫外線反射部6は、金属(銀、アルミニウム、ニッケル、銅等)等の適宜の母材表面に蒸着やスパッタリング等によって紫外線反射性材料を付着させて形成することができ、流体の流動経路上で紫外線光源4の紫外線を反射させるように配する。
また、紫外線反射部6に銀材、アルミニウム材を用いる場合、表面の酸化や硫化を防止する為、コーティングとして機能する保護層を表面に施してもよい。この場合の保護層には、紫外線の反射率を極力低下させない素材、例えばアクリル樹脂、石英ガラス、PTFE等を用いることが出来る。尚、PTFEで保護層を形成する方法には、蒸着やスパッタリング等が有り得る。
【0030】
また、紫外線反射部6は、薄膜を多層化させて形成するようにしてもよい。例えば、金属の薄膜、金属等を主成分とする合金の薄膜、酸化物(例えば、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム等)の膜等を重ねて多層化させることで紫外線反射部11を形成することが出来る。なお一層当たりの膜の厚みは、例えば、紫外線の波長の1/4の整数倍(即ち、波長の1/4の奇数倍又は偶数倍)等に設定する。具体的に反射させる主な紫外線の波長を253.7(nm)と設定した場合、1層の厚みを63.4(nm)や、126.8(nm)、190.3(nm)等とすることができる。勿論、一層当たりの膜厚は、適宜設定可能であり、厚みが数10μm程度の所謂厚膜であってもよく、数μm程度の所謂薄膜であってもよく、数nm以下の所謂超薄膜であってもよい。また、多層膜を形成するに当たっては、母材表面を予め鏡面状態としつつ、屈折率及び/又は誘電率の異なる層を交互に形成するものであってもよい。
【0031】
紫外線漏出抑制部8は、流体が通過し得る隙間を確保しつつ、光の通過を抑制する構造を有する。例えば、紫外線の通過を制限するように、複数の羽板を並べて成るルーバや、ハニカムによって遮光する構造等によって構成することができる。紫外線漏出抑制部8の配置は、適宜設定し得、例えば本装置における流体の吸入口や吹出口等としてもよく、装置内部であってもよい。また紫外線漏出抑制部8は、複数配してもよいことは言うまでもない。
【0032】
流動発生部10は、一つ以上のファン及び一つ以上のモータ等を有して成る。流動発生部10のファンの種類、形状等は、特に限定されるものでは無く、例えば、軸流ファン(プロペラファン)、斜流ファン、遠心ファン(多翼ファン、シロッコファン、ラジアルファン、プレートファン、ターボファン、リミットロードファン、エアフォイルファン等)、遠心軸流ファン、渦流ファン、横断流ファン(クロスフローファン等)等が有り得る。
【0033】
フィルタ12は、流体中の異物が装置内部に侵入するのを防止するために、装置における流体の吸入口やその近傍に配設される。また、フィルタは、目詰まりしたときに交換し得るように取り外し可能に配する。
【0034】
電源ユニット14は、単三型電池や単四型電池等の一次電池、リチウムイオン電池のような充電可能な二次電池等が有り得、また商用の電力系統からの外部電力を各部に供給するための回路基板等を含んでいてもよい。
【0035】
本体20は、箱形状、多面体形状、錐形状、錐台形状、柱(円柱、角柱等)形状等の形状があり得、前面、背面、側面、天面及び/又は底面を開閉可能とし、挿脱ユニット2を挿脱可能に構成される。また、本体20には、流体が流入し得る吸入口22と、流体が排出し得る吹出口24を有する。
また、本体20には、挿脱ユニット2、紫外線光源4、紫外線反射部6、紫外線漏出抑制部8、流動発生部10、フィルタ12、電源ユニット14等を配するための内部空間が形成される。更に本体20の内部空間は、吸入口22と吹出口24との間で流体が通過する流動経路としても機能する。
【0036】
次に、室内に設置され、空気中の毒性対象を減消させる本発明のユニット挿脱型毒性対象減消装置の一例について、
図3のユニット挿脱型毒性対象減消装置1を示す斜視図を参照して説明する。本体20は、略円筒形状を有し、一端の端面に吸入口22、他端部近傍の外周面に吹出口24を具える。
なお、本体20の形状は、これに限定されるものではなく、また、吸入口22及び吹出口24の位置もこれに限定されるものではなく、吸入口22を下部に、吹出口24を上端面としてもよい等、適宜設定し得る。
【0037】
本体20における吸入口22及び吹出口24の位置は、吸入口22を上方に向け、吹出口24が下部に位置するように設定する。また、本体20の上部は、上端部26が分離可能に設けられる。また吸入口22は上端部26に形成されているものとする。
本体20は、
図4に示すように上端部26を分離させたとき、挿脱ユニット2を収容するための内部空間28が露出する。また内部空間28を画定する本体20は、内周面に挿脱ユニット2の保持体40の嵌合部42(後述する)を嵌合させ、挿脱ユニット2の挿入を案内する被嵌合部30を配設する。被嵌合部30は、本体20の内周面を窪ませた断面凹形状であって軸方向に延びるように形成される。
【0038】
ここで、
図5は挿脱ユニット2を示し、(a)は斜視図、(b)は側面図、
図6は挿脱ユニット2を示すA-A断面図、
図7は挿脱ユニット2を示すB-B断面図である。挿脱ユニット2は、紫外線光源4、紫外線反射部6、紫外線漏出抑制部8を具える。即ち、挿脱ユニット2は、直管形状の紫外線光源4を保持可能なフレーム構造を具えた保持体40を有する。
【0039】
保持体40は、両端を開口させた略円筒形状であって、上端部(一端部)に紫外線漏出抑制部8を形成した上端部材44が分離可能に固定される。なお上端部材44の表面には、把持部44aが形成される。把持部44aは、本体20から上端部26を分離させたとき把持可能に露出する。従って、保持体40は、把持部44aの把持により持ち上がり得、本体20から引き出すことができる。
保持体40の下部(他端部)には、紫外線光源4を支持し得、且つ紫外線光源4と電源ユニット14とを通電可能に接続するための接点端子等を具えた下端部材46が形成される。
【0040】
保持体40は、内周面に紫外線反射部6が形成され、該紫外線反射部6によって内側に配される紫外線光源4を囲繞する。
図7に示すように、保持体40は、軸直交方向断面の中央部に複数(四本)の紫外線光源4を並列させて配する。従って保持体40の内部空間では、紫外線光源4から略軸直交方向に照射された紫外線が紫外線反射部6によって高次に反射する。これにより保持体40の内部空間には、高線量の紫外線空間が形成される。
保持体40の外周面には、径方向外側に突出して軸方向に延在する嵌合部42が配される。
【0041】
上端部材44の一部である紫外線漏出抑制部8は、互いの羽根の向きを異ならせたルーバ8a、8bを保持体40の軸方向に重ねて配設する。ルーバ8a、8bは、一方のルーバ8aを通過可能な紫外線の向きと、他方のルーバ8bを通過可能な紫外線の向きとが異なるように互いの羽根の向きを異なるように配設される。これによってルーバ8a、8b間では、空気の流動が可能となる一方で紫外線の通過が抑制される。
【0042】
下端部材46は、
図8に示すように、通気性を維持するように開口を有する。また下端部材46は、紫外線光源4を保持する接続用のランプソケット(不図示)、ランプソケットの端子に接続されている接点端子48等を有する。接点端子48は、本体20の下端部と対向する面に露出し、本体20に挿脱ユニット2を挿嵌させたとき後述する電源ユニット14に接続し得る。なお接点端子48は、適宜形状があり得、例えば板バネ形状とすることで、本体20側に配される端子を常時付勢するように接触させてもよい。
【0043】
図9は、ユニット挿脱型毒性対象減消装置1を示す断面図であり、本体20の内側であって挿脱ユニット2の下方には流動発生部10、電源ユニット14が配され、挿脱ユニット2の上方にはフィルタ12が配される。具体的に下端部材46の下方に流動発生部10のファンを配し、流動発生部10の更に下方に電源ユニット14が配される。
【0044】
なお、流動発生部10及び電源ユニット14の位置を挿脱ユニット2の上方としてもよいが、ユニット挿脱型毒性対象減消装置1が縦長形状で立設させる場合、流動発生部10及び/又は電源ユニット14を底部側に位置させて、重心の位置が装置下部となるように設定し、姿勢の安定性を向上させることが望ましい。
【0045】
フィルタ12は、空気中の塵埃を捕集するので、例えば、主に50μm以上の粒子を捕集する粗塵用フィルタ、主に25μm以上の粒子を捕集する中高性能フィルタ(MEPAフィルタ)、0.3μmの粒子を捕集するHEPAフィルタ、0.15μmの粒子を捕集するULPAフィルタ等があり得る。
【0046】
また、フィルタ12は、上端部26の裏側に固定されるが、これに限定するものではなく、保持体40内に異物が侵入するのを防止し得る箇所に配置すればよく、例えば、上端部材44上に載置されるものであってもよい。
【0047】
ユニット挿脱型毒性対象減消装置1は、流動発生部30のファン30aが回転したとき、吸入口22を介して外気が挿脱ユニット2内部に流入し、吹出口24に向かって流下して排出されるように、流動経路に沿った流動が発生する。また、紫外線光源4から照射される紫外線が紫外線反射部6によって保持体40内で複数回反射(高次に反射)し、極めて高線量の紫外線領域を作出する。従って、挿脱ユニット2の内部を流下する空気中の毒性対象は、高線量の紫外線に曝されて減消する。
【0048】
ここで、
図10は、本体20に収容される挿脱ユニット2を示す図である。ユニット挿脱型毒性対象減消装置1における挿脱ユニット2の挿着は、本体20の内部を開放した状態で行う。即ち、本体20の上端部26を取り外して挿脱ユニット2を収容可能に内側の収容空間が開放する。
【0049】
挿脱ユニット2は、本体20内に挿入される。即ち、挿脱ユニット2は、保持体40の嵌合部42が被嵌合部30に嵌合するように、本体20に対して位置合わせを行い、
図8(a)に示す矢印に沿って上方から本体20内に挿入される。
【0050】
挿脱ユニット2は、嵌合部42を被嵌合部30に挿嵌させて本体20の最奥までスライド移動したとき、
図10(b)に示すように本体20に収容される。挿脱ユニット2収容後、本体20に上端部26を取り付けて挿脱ユニット2の挿着が完了する。
【0051】
また、挿脱ユニット2の取り外しは、上端部26を本体20から分離させる。これにより、挿脱ユニット2の上方が開放される。従って、挿脱ユニット2の把持部44aを掴んで持ち上げることで、挿脱ユニット2を本体20から抜脱させて、挿脱ユニット2の本体20からの取り外しが完了する。
【0052】
以上、説明したように、紫外線光源等を含んだ挿脱ユニット2を本体20に対して挿脱可能に構成したことで、紫外線光源等の保守・保全作業を行う場合に、既設の挿脱ユニットを取り外して新たな挿脱ユニットを挿着する等の処理で作業を完了させることができる。即ち、挿脱ユニットの交換である単純なメンテナンス作業で保守、保全作業が完了するので、作業時間の著しい短縮と、作業効率の飛躍的な向上を実現し、作業の容易性、安定性を著しく向上させることができる。
【0053】
なお、吸入口22は、少なくとも本体20の上方及びその周辺の空気を吸込み可能であれば、その開口形状や形態が限定されるものではない。また、広域から空気を吸込み可能に開口を拡開させた吸入口を設けてもよい。また、単方位から空気を吸引するノズルを設けてもよく、ノズル形状や流動方向に沿って狭まるように吸入口22の形状を設定して吸込んだ空気を装置内部で噴流として流体の流動経路内で流下させてもよい。勿論、流体の流動方向に沿って流路の断面積が拡がるノズルや吸入口を設けて吸込んだ流体の流速を低下させるようにしてもよい。また吸入口22にその開口を開閉可能とするシャッタや蓋等の開閉体を設け、吸入口22を所望の開口量に調整可能に構成してもよい。
また、吸入口22を介して流体を流入させる向きは、本体20の軸方向に沿った向き、軸方向に対して傾斜させた向き(軸直交方向も含む)等とすることが有り得る。
【0054】
また、吹出口24は、本体20に設けたスリット状の孔を、全周に亘って略所定間隔で複数配することで構成される。即ち、吹出口24は、ユニット挿脱型毒性対象減消装置1の周囲に向けて、複数の方向から空気を排出する。
吹出口24の総開口面積(各孔の開口面積を足し合わせた総開口面積)を吸入口22の開口面積よりも大きく設定することも出来る。このような開口面積の設定によれば、吹出口24から排出される流体の流速が吸入口22で流入される流体の流速に比して低下させ得る。これにより、吸入口22を介して空気中に含まれる毒性対象を早期に素早く、力強く吸引することが可能となる一方で、吹出口24からはゆっくりと穏やかに空気を排出させることが可能となる。これにより浮遊ウイルス等の毒性対象を含む周辺の空気を殆どかき乱すことなく排気を行うことができる。
【0055】
また、ユニット挿脱型毒性対象減消装置1を室内に設置して使用した、吸入口22は優先的に装置上方周辺の空気(及び毒性対象)を吸い込むことができる。従って吸入口22は、人の呼気又は呼気を含んだ空気が滞留し易い高さに相当する位置或いは人の呼気又は呼気を含んだ空気が滞留している高さ以下の空間領域に位置させることが好ましい。一例として直立姿勢及び座位の人の呼気や排気が溜まり易い、口腔や鼻腔等の呼吸器の在る高さ位置(例えば、地面から70~180cm程度の位置等)の近傍に吸入口22を配することが好ましい。なお、吸入口22の位置は、地面から70cm未満の高さや、180cm以上の高さに配してもよいことは言うまでもない。
【0056】
また、フィルタ12は、吸入口22の近傍以外の箇所に設けてもよく、また複数箇所に配してもよいことは言うまでもない。例えば、吸入口22近傍と吹出口24近傍とにフィルタ12を設けることができる。
フィルタ12は、目詰まりしたときに容易に交換し得るように取り外し可能に配することが好ましい。例えば、フィルタ12を挿脱ユニット2に対して着脱可能に設けてもよい。このようにすれば、挿脱ユニット2と共にフィルタ12を外部に取り出すことができ、また挿脱ユニット2を装置1内に残したままフィルタ12のみを交換することもできる。
【0057】
また、上述したように挿脱ユニット2を構成する構成要素を適宜設定し得るので、例えば挿脱ユニット2は、
図11に示すように保持体40内において紫外線光源4の下方に流動発生部10及び電源ユニット14を配するように構成されていてもよい。
【0058】
ユニット挿脱型毒性対象減消装置1の機能並びに性能に大きく係る複数の部品(構成要素)の内、特に交換や洗浄等を必要とする頻度が高い部品類を挿脱ユニット2に組み込んで一纏めにすることで、現場でのメンテナンス作業を容易とすることができる。即ち、挿脱ユニット2の取り出し、交換に絞った作業でメンテナンスを完了させることが出来、作業の時間短縮且つ簡略化を図ることが出来る。
更に、紫外線光源の劣化、紫外線反射部の汚染や性能低下、紫外線漏出抑制部の損傷や異物による閉塞、フィルタの汚染・目詰まり、流動発生部の故障等のユニット挿脱型毒性対象減消装置1の機能若しくは性能低下、或いは機能不全の原因となる故障や欠陥が生じたとき、各構成要素を個々に取り外して清掃、修理、交換等の作業に比して、予備の挿脱ユニットへの交換のみで現場でメンテナンス作業を完了するため、ユニット挿脱型毒性対象減消装置1が運転しない時間を著しく縮めることができる。
【0059】
なお、本発明のユニット挿脱型毒性対象減消装置は、周囲の空気を取り込んで空気中の病原微生物の不活化、滅菌等を目的として利用する場合には、例えば、病院、診療所、人間ドック、研究施設、オフィス、会議室、飲食店、ショールーム、図書館、学校、幼稚園、保育園、商店、娯楽施設(カラオケボックス、水族館、プラネタリウム、映画館、美術館、博物館、ボウリング場等)、乗り物(車、飛行機、船、電車)等の人の集まる空間或いは人が密集し易い空間に設置することができる。
【0060】
また、本発明のユニット挿脱型毒性対象減消装置は、種々の装置や器具に搭載したり、埋め込んだり、組み込んだり、組み合わせたりして使用することが出来る。そのような装置や器具は、例えば、エアコン、扇風機、サーキュレータ、空気清浄機、加湿器、除湿器、換気扇、掃除機、循環ポンプ、ミストシャワー(散布機)、排気装置、プラント、浄化槽、ダクト、配管、配管同士を連結する連結部材等、流体を流動させる流路構造を有するもの全般に用いることができる。
また、少なくとも、空気の流動を確保することができれば、例えば、乗り物のルーフや、シートの背もたれ、シートヘッドレスト、ダッシュボード、インパネ、コンパネ、テーブル、デスク、椅子、壁、天井、エレベータ等に埋め込んで使用することも可能である。特に、上記の人の集まる空間或いは人が密集し易い空間に設置され、又は存する構造体や、その構造体の一部を成す部材等に埋め込んで使用することができる。
【0061】
また、毒性対象を紫外線によって減消させる場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、毒性対象を減消可能であれば、音波、電波、マイクロ波、赤外線、可視光線、X線及び/又はγ線等のような紫外線以外の波動を放出するものであってもよい。また、更に毒性対象を減消し得る程度に流路内を加熱する加熱手段や、局所的にミクロな放電現象を発生させたり、対向配置した一対の正負電極によって電極に毒性対象(特に病原微生物)を吸着させたりする電場を流路内に作出し、毒性対象を減消し得る電場作出手段を設けてもよい。勿論、紫外線光源に代えて、加熱手段及び/又は電場作出手段を配して毒性対象の減消を行うようにしてもよい。
【0062】
なお、紫外線漏出抑制部8を複数の筒状内壁からなる筒状内壁集合体を有する構造、例えばハニカム構造とする場合は、
図12に示すように略円形状の外形で内側に複数の略六角形状の筒状内壁60からなる紫外線漏出抑制部(筒状内壁集合体)8を設けることが出来る。
また、紫外線漏出抑制部8は、樹脂、金属、ゴム、セラミック又はこれらの複合材料等によって形成することができ、例えば耐紫外線の材料としてのステンレス鋼、チタニウム、アルミニウム或いはそれらの合金、その他のシリコーン樹脂やユリア樹脂等によって形成することが出来る。
【0063】
紫外線漏出抑制部8は、
図12に示すような単一の筒状内壁集合体によって成るものに限定するものではなく、複数の部分体を組み合わせて形成されるものであってもよい。例えば、
図13に示す略弧形状を成す複数の筒状内壁を並べて成る部分体50を複数組合せて紫外線漏出抑制部8を形成してもよい。
【0064】
その場合には、
図14に示すような配設穴54を内側に形成した支持体52を有する上端部材44等を用いる。配設穴54は、支持体52の内側において、周方向に沿って略等間隔に複数配することも出来る。また各配設穴54は、部分体50を嵌合させ得るように、その形状や大きさが設定される。
【0065】
従って、
図15に示すように支持体52の各配設穴54に部分体50を嵌入させることで、紫外線漏出抑制部8を具える上端部材44を成すことができる。これにより
図16に示すような、筒状内壁を含んだ上端部材44を有する保持体40を構成することもできる。
【0066】
紫外線漏出抑制部8の筒状内壁に囲繞される孔の断面形状(孔が延びる方向に直交する孔の断面形状)は、略三角形、略四角形、略五角形、略七角形、略八角形等の多角形の他、略円形、略楕円形等、適宜形状やそれらの組合せによって構成可能である。
また、複数の孔形状を成す筒状内壁を包含した紫外線漏出抑制部8を設けてることも可能である。例えば、支持体52に嵌合される複数の部分体50において、部分体50ごとにその筒状内壁の断面形状を異ならせてもよい
【0067】
筒状内壁60の内側表面には、紫外線の反射率が所定以下である低反射部を設ける。低反射部は、紫外線の反射防止や紫外線吸収のための加工として、メッキ(溶融メッキ、真空メッキ、無電解メッキ、電解メッキ等)、陽極酸化処理、樹脂塗装(アクリル系塗料、ピュアアクリル系塗料、ウレタン系塗料、シリコン系塗料、フッ素系塗料、無機系塗料)の塗布等によって設けることが出来る。特に筒状内壁表面を微細な多数の凹凸構造や樹状突起構造を設けることで極低反射率表面を構成することが可能である。また、黒色表面処理を利用した場合は、筒状内壁60において紫外線を吸収して更に紫外線の反射防止効果を向上させることも出来る。
【0068】
メッキによって筒状内壁60を被覆する薄膜の金属としては、例えば、クロム、ニッケル、クロメート、スズ、亜鉛、アルミニウム、鉄、金、銀、銅、チタン或いはこれらの合金等があり、特に限定されるものではない。
【0069】
また、黒色表面処理としては、アルカリ着色法を利用した黒染め、硫化物処理、黒色クロメート等の化成処理、アルマイト皮膜の染色等がある。また電解を用いた方法としては、黒色電解クロムメッキ、黒色電解ニッケルメッキ、黒色電解スズ合金メッキ、黒色電着塗装等がある。また無電解メッキ法を用いる黒色皮膜形成には、例えば黒色無電解ニッケルメッキがあって、無電解ニッケルメッキの状態で黒色皮膜が得られるものと酸化処理によって黒色皮膜を得るものがあり得る。
無電解ニッケルメッキの状態で黒色皮膜を得る方法は、黒色無電解ニッケル-リン-亜鉛合金メッキ、ヒドラジンを還元剤として使用した黒色無電解純ニッケルメッキ、黒色無電解Ni-Snメッキ等がある。
【0070】
また、筒状内壁の表面に、PET(ポリエチレンテレフタラート)、PP(ポリプロピレン)、PVC(ポリ塩化ビニル)のフィルム等を貼り付けて低反射部を設けてもよく、また上記フィルム等を低反射部に重ねて貼り付けるようにしてもよい。
【0071】
また、保持体40に設ける紫外線漏出抑制部8の筒状内壁による孔が延びる方向は、紫外線漏出抑制部8の厚み方向或いは保持体40の軸方向に沿って平行な方向の他、当該軸方向に対して傾斜させた方向であってもよい。例えば、保持体40の内から外に向かって軸心側に傾くように筒状内壁が延びる方向を設定し、また保持体40の内から外に向かって反軸心側に傾くように筒状内壁が延びる方向を設定することができる。
【0072】
図17は、傾斜させた姿勢で部分体50を嵌入させた支持体52の断面図であり、部分体50の筒状内壁の軸心bが保持体の内から外に向かって保持体40(不図示)の軸心a側に傾くように、支持体52の配設穴54によって部分体50を傾斜させた姿勢で保持することが出来る。
【0073】
なお、筒状内壁の低反射部は、紫外線の反射防止や紫外線吸収を目的とするものに限定するものではなく、電磁波の反射防止や吸収を目的としてもよく、この場合の電磁波とは、ガンマ線、X線、紫外線、可視光線、赤外線、電波、マイクロ波、超短波、短波、中波、長波、超長波、極超長波等である。
上記の通り、筒状内壁集合体を有する紫外線漏出抑制部(電磁波遮断フィルタ)を設けた場合に紫外線を筒状内壁によって遮って紫外線が外部に漏れるのを防止できる。また筒状内壁の内側が孔となっているので、筒状内壁が空気の流動を妨げることがなく、空気の流速を殆ど低下させることがない。
【符号の説明】
【0074】
1…ユニット挿脱型毒性対象減消装置、2…挿脱ユニット、4…紫外線光源、6…紫外線反射部、8…紫外線漏出抑制部、10…流動発生部、12…フィルタ、14…電源ユニット、20…本体、22…吸入口、24…吹出口、40…保持体、42…嵌合部、44…上端部材、46…下端部材。