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  • 特開-抗老化用組成物及び製造方法と応用 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023158607
(43)【公開日】2023-10-30
(54)【発明の名称】抗老化用組成物及び製造方法と応用
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/14 20060101AFI20231023BHJP
   A61K 8/60 20060101ALI20231023BHJP
   A61K 8/9789 20170101ALI20231023BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20231023BHJP
   A61Q 19/08 20060101ALI20231023BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20231023BHJP
【FI】
A61K8/14
A61K8/60
A61K8/9789
A61K8/49
A61Q19/08
A61Q19/00
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022079212
(22)【出願日】2022-05-13
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-06
(31)【優先権主張番号】202210404291.5
(32)【優先日】2022-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522189942
【氏名又は名称】▲コウ▼▲コウ▼▲チー▼生物科技(杭州)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】川崎 清
(72)【発明者】
【氏名】劉 麗
(72)【発明者】
【氏名】陸 宗奇
(72)【発明者】
【氏名】陳 宏磊
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA111
4C083AA112
4C083AA121
4C083AA122
4C083AB051
4C083AC071
4C083AC072
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC351
4C083AC352
4C083AC371
4C083AC372
4C083AC851
4C083AC852
4C083AC861
4C083AC862
4C083AD391
4C083AD392
4C083AD491
4C083AD492
4C083AD571
4C083AD572
4C083AD621
4C083AD622
4C083BB01
4C083BB11
4C083BB21
4C083BB41
4C083BB44
4C083BB45
4C083BB48
4C083BB51
4C083CC04
4C083CC05
4C083CC07
4C083DD08
4C083DD31
4C083DD41
4C083DD45
4C083EE12
4C083FF04
(57)【要約】
【課題】抗老化用組成物及び製造方法と応用を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、抗老化用組成物及び製造方法と応用を開示し、ナノリポソームと、前記ナノリポソームにロードされる、ジグルコシル没食子酸、グルコシルヘスペリジン、キバナオランダセンニチエキス、ビオチン、及びカフェインからなる活性成分と、を含み、本発明は、さらに抗老化用組成物の化粧品製造への応用を開示する。本発明の抗老化用組成物は、ヒト皮膚線維芽細胞の増殖及びコラーゲンの生成を促進し、抗老化用組成物の経皮吸収性能を向上させることができ、それにより、シワが改善され、肌色が良くされ、損傷を受けた肌が修復され、乾燥肌が改善される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナノリポソームと、前記ナノリポソームにロードされる、ジグルコシル没食子酸、グルコシルヘスペリジン、キバナオランダセンニチエキス、ビオチン、及びカフェインを含む活性成分と、を含むことを特徴とする、抗老化用組成物。
【請求項2】
重量パーセントで、0.011%-1.1%のジグルコシル没食子酸、0.01%-1.5%のグルコシルヘスペリジン、0.01%-0.8%のキバナオランダセンニチエキス、0.00001%-0.0005%のビオチン、0.00001%-0.0005%のカフェイン、0.6%-2.6%のコレステロール、0.1%-1.5%のベヘニルアルコール、6%-6.5%の水添レシチン、及び残部の脱イオン水を含むことを特徴とする、請求項1に記載の抗老化用組成物。
【請求項3】
重量パーセントで、0.011%-0.5%のジグルコシル没食子酸、0.01%-0.5%のグルコシルヘスペリジン、0.0447%-0.6%のキバナオランダセンニチエキス、0.00001%-0.0005%のビオチン、0.00001%-0.0005%のカフェイン、0.6%-2.6%のコレステロール、0.1%-1.5%のベヘニルアルコール、6%-6.5%の水添レシチン、及び残部の脱イオン水を含むことを特徴とする、請求項1に記載の抗老化用組成物。
【請求項4】
重量パーセントで、0.011%のジグルコシル没食子酸、0.5%のグルコシルヘスペリジン、0.0447%のキバナオランダセンニチエキス、0.0001%のビオチン、0.0001%のカフェイン、0.6%-2.6%のコレステロール、0.1%-1.5%のベヘニルアルコール、6%-6.5%の水添レシチン、及び残部の脱イオン水を含むことを特徴とする、請求項1に記載の抗老化用組成物。
【請求項5】
前記ナノリポソームの粒径が100-250nmであることを特徴とする、請求項1-4のいずれか1項に記載の抗老化用組成物。
【請求項6】
a)活性成分とナノリポソームを溶解し、混合溶液を得る工程と、
b)工程a)の混合溶液中の溶媒を蒸発させて除去し、40-60℃で、脱イオン水を加え、15-35Hzの超音波周波数で超音波処理を15-20分行い、超音波処理を完了した後、濾過して抗老化用組成物を得る工程と、を含むことを特徴とする、請求項1-5のいずれか1項に記載の抗老化用組成物の製造方法。
【請求項7】
請求項1-5のいずれか1項に記載の抗老化用組成物の化粧品製造への応用であって、化粧品が、化粧水、フェイスパック、エッセンス、アイクリーム、アイパック、スキンケアゲル、スキンケア乳液、フェイスクリーム、又はスプレーを含むことを特徴とする、抗老化用組成物の応用。
【請求項8】
前記化粧品には、溶媒、増粘剤、防腐剤、pH調整剤、保湿剤、エモリエント剤、キレート剤、乳化剤、精油、香料、色素のうちの少なくとも1つを含む添加物がさらに含まれることを特徴とする、請求項7に記載の抗老化用組成物の応用。
【請求項9】
前記化粧品が、重量部で、抗老化用組成物12.5-100部、水添ナタネ油アルコール0.1-0.8部、リンゴ酸ジイソステアリル5-10部、1,3-プロパンジオール5-10部、カプリル酸ヤシ油アルキル3-12部、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル0.01-0.1部、パルミチン酸レチノール0.01-2部、ヘスペリジンメチルカルコン0.01-0.5部及び脱イオン水50-80部を含むアイクリームであることを特徴とする、請求項8に記載の抗老化用組成物の応用。
【請求項10】
前記アイクリームの製造方法は、
1)水添ナタネ油アルコール、リンゴ酸ジイソステアリル、パルミチン酸レチノール、カプリル酸ヤシ油アルキル、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル、及びヘスペリジンメチルカルコンを加えて均一に撹拌し、50-90℃に加熱して均一に撹拌し、油相とする工程と、
2)抗老化用組成物、水、及び1,3-プロパンジオールを均一に混合して撹拌し、水相とする工程と、
3)工程1)で得られた油相と工程2)で得られた水相を混合し、得られた混合物を超臨界装置の反応釜内に入れ、超臨界装置の反応釜内の温度が45-65℃になるように二酸化炭素を注入して調整し、圧力を12-15Mpaに、時間を30-45分に設定し、減圧して二酸化炭素を放出し、室温まで冷却して、アイクリームを得る工程と、を含むことを特徴とする、請求項9に記載の抗老化用組成物の応用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品の分野に属し、抗老化用組成物、特に抗老化用組成物及び製造方法と応用に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒト皮膚の表皮組織及び細胞は、表皮のバリア作用により外部の侵襲から保護し得るだけでなく、さらに皮膚組織の水分蒸発を防ぐ保水又は保湿作用メカニズム等により、皮膚組織の老化進行を遅らせる作用を発揮することができる。皮膚の表皮組織のバリア構築と保湿・抗老化の作用は、有機体の生存と組織保護に非常に重要で、不可欠である。皮膚組織細胞は人体の他の細胞と同様に、時間の経過と有機体の加齢に伴い、構造、成分、機能等の老化と衰退も発生し、多くの代謝廃棄物、不活性化・老化した細胞、細胞下構造を効果的に除去することができず、常態と定常状態の生理学的細胞の不均衡により、皮膚の老化が加速され、病気にかかる可能性が向上する。
【0003】
老化は、有機体が性的成熟期を経た後、細胞の自己更新と修復能力が低下し、組織器官の構造と機能が退化し、最終的に死に至る過程であり、圧力ストレス能力が低下し、バランスが取られず、病気にかかるリスクが増加することを特徴とする。世界的な人口高齢化に伴い、様々な老年者退行性疾患及びそれによる巨大な医療費がますます深刻な社会的課題になってしまう。高齢者の健康状態を維持することは、人口高齢化に伴う社会的負担及び経済的負担を軽減する重要な環である。このため、簡便で容易に実行され、経済的且つ効果的であり、安全性が高く展開しやすい老化及び老化関連疾患に影響を与える措置及び方法を検討することに重要な意義を持っている。
【0004】
今まで、抗老化用薬物の使用は一般的な抗老化手段である。臨床的に使用している老化を遅らせる薬物の多くは、細胞分裂を促進し、オキシラジカルの生成を抑えることができるビタミンE、細胞の寿命を長くできるプロカイン製剤、脳の老化等を遅らせることができるピラセタム、酸化ストレスに抵抗することで、老化による有機体の機能低下を抑えるアスピリンのような合成類薬物である。
【0005】
肌老化は、自然因子又は非自然因子による肌老化現象である。人が生まれた後、皮膚組織が日々に成長し、機能が徐々に活発になっており、ある年齢になると退化し始め、皮膚の老化が知らずに進んでいる。「お肌の曲がり角」と呼ばれる皮膚組織の成長期間が一般的に25歳程度に終了し、この後、成長が老化と共に進行し、肌の弾性繊維が粗くなっていき、初老期になる40-50歳に、肌老化が明らかになるが、老化程度が人により異なる。肌老化に伴い、肌が薄くなりながら萎縮し、皮下脂肪が減少し、弾性繊維とコラーゲン繊維の変化により、肌の弾性と張力が徐々に失われ、さらに弛みとシワが発生する。
【0006】
現在、医療美容・抗老化の分野において、フェイスリフト手術及び埋め込みスレッドリフトによるプチ整形手術以外、肌へのコラーゲン、エラスチン、及びヒアルロン酸の充填、又は、Thermage等の光電気治療、注射器注射等の美容整形治療等のような光、高周波電波で細胞に刺激を与え、コラーゲンの生成を促進する手段で線維芽細胞を活性化することを採用しているが、このように細胞を活性化するには、軽度の熱傷を受けて線維芽細胞の動作に刺激を与えなければならない。熱傷部の回復は主に線維芽細胞に依存し、線維芽細胞再生医療は、培養した線維芽細胞を真皮層に直接注入することで、再生細胞を直接補充し、細胞数を増加させ、分裂速度を上げ、若い肌状態に戻るように自体の肌にコラーゲン等の物質を生成させ続けることであり、効果が持続性を持ち、自然であり、継続的に培養して使用可能である。
【0007】
年齢の増加に伴い、線維芽細胞の数が減少しているため、このような抗老化医療方法で、肌の表面に注射若しくはフェイスリフト又はスレッド埋め込みを複数回行う必要がある。
【0008】
現在、市場において肌表面用の抗老化用化粧品又はシワ改善用化粧品が現れているが、実用には、有効成分が肌を透過して備える生物学的効果を発揮しにくく、吸収が困難であり、シワ改善効果が緩慢に果たされ、効果が顕著でない等のような欠陥及び問題が存在する。
【0009】
したがって、皮膚線維芽細胞の増殖及びコラーゲンの生成を促進可能な組成物又は該組成物を含む製品が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、第1態様では、上記問題を解決するために、ヒト皮膚線維芽細胞の増殖及びコラーゲンの生成を促進し、抗老化用組成物の経皮吸収性能を向上させることができることで、シワが改善され、肌色が良くされ、損傷を受けた肌が修復され、乾燥肌が改善される抗老化用組成物を提供する。
【0011】
本発明は、第2態様では、上記抗老化用組成物の製造方法をさらに提供する。
【0012】
本発明は、第3態様では、上記抗老化用組成物の応用をさらに提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の技術的解決手段を採用する。
【0014】
本発明は、第1態様では、ナノリポソームと、前記ナノリポソームにロードされる、ジグルコシル没食子酸、グルコシルヘスペリジン、キバナオランダセンニチエキス、ビオチン、及びカフェインを含む活性成分と、を含む抗老化用組成物を提供する。
【0015】
本発明では、皮膚の微生物層がα-グルコシダーゼを生成可能であり、ジグルコシル没食子酸が、α-グルコシダーゼの作用により、ジグルコシル没食子酸のグルコース結合を切断してトリヒドロキシ安息香酸を生成し、目的とするターゲットに迅速に作用することで、メラニン色素の生成が低減され、また、トリヒドロキシ安息香酸は、フリーラジカルを低減し、チロシナーゼの活性を抑える等の面で効果が高く、さらに、転化してメラニン色素を生成する酵素の発現を抑制し、メラニン色素の肌の表層への移動を抑制することができ、メラニン色素の移動抑制により、メラニン色素を減らす等の効果が達成される。ジグルコシル没食子酸は、チロシナーゼの活性を効果的に抑制し、メラニン色素の移動を防ぐことができ、それにより、明らかにシミが消され、肌色が明るくされ、白肌度が上げられ、また、ジグルコシル没食子酸は、さらに、高い抗フリーラジカル効果を示し、抗老化作用を有する。
【0016】
グルコシルヘスペリジンは、柑橘皮から抽出された天然のバイオフラボノイドであり、水可溶性ヘスペリジンの誘導体である。血液循環を改善し、皮膚表面の循環を促進することにより、クマを改善することができ、グルコシルヘスペリジン中のフラボノイド化合物は、抗酸化、紫外線吸収及びフリーラジカル除去の効果を有するとともに、コラーゲン構造を効果的に強化することができる。
【0017】
キバナオランダセンニチエキスは、肌中のコラーゲンとラミニンの生成を促進し、顔面の筋収縮を低減し、顔面の小ジワ又はシワを低減し及び/又は防ぎ、顔面の重複する筋収縮による動的な顔面シワと額シワ(例えば、顔面シワ)を低減し、コラーゲンの生成を増加させ、マトリックスメタロプロテアーゼを低減し、ハリのある肌にし、並びに/又は、緩い、下垂、及び弛みのある肌状態を改善するために用いることができる。
【0018】
ビオチンは、ビタミンH、コエンザイムRとも呼ばれ、ビタミンB族、B7にも該当する水溶性ビタミンである。それは、ビタミンCの合成に必要なものであり、脂肪とタンパク質の正常な代謝に不可欠なものである。人体の自然な成長、発育及び正常な機能的健康の維持に必要な栄養素でもある。ビオチンは美容効果に優れ、透き通るように白くきめ細かい肌を保持することができる。
【0019】
カフェインは、白色の粉末状であり、特徴的な匂いがし、細胞の新陳代謝を促進し、局所的な微小循環を加速する作用を有する。
【0020】
カフェイン、ビオチン、キバナオランダセンニチエキス、グルコシルヘスペリジン、及びジグルコシル没食子酸を配合してなる活性成分は、肌に効果的に吸収され、メラニン色素の沈着を効果的に低減し、外部侵襲及びフリーラジカルに抵抗し、且つ炎症性因子の活性を効果的に抑え、肌の水分流出を低減することができ、それにより、目のくまを効果的に改善し、消し、肌老化を遅らせ、肌の光沢を上げる。
【0021】
さらに、ナノリポソームに活性成分をロードすれば、安定性が高く、優しく、肌への刺激性が低く、製造過程での活性成分の構造破壊を回避する。
【0022】
本発明の好適な解決手段として、前記抗老化用組成物は、重量パーセントで、0.011%-1.1%のジグルコシル没食子酸、0.01%-1.5%のグルコシルヘスペリジン、0.01%-0.8%のキバナオランダセンニチエキス、0.00001%-0.0005%のビオチン、0.00001%-0.0005%のカフェイン、0.6%-2.6%のコレステロール、0.1%-1.5%のベヘニルアルコール、6%-6.5%の水添レシチン、及び残部の脱イオン水を含む。
【0023】
本発明の好適な解決手段として、前記抗老化用組成物は、重量パーセントで、0.011%-0.5%のジグルコシル没食子酸、0.01%-0.5%のグルコシルヘスペリジン、0.0447%-0.6%のキバナオランダセンニチエキス、0.00001%-0.0005%のビオチン、0.00001%-0.0005%のカフェイン、0.6%-2.6%のコレステロール、0.1%-1.5%のベヘニルアルコール、6%-6.5%の水添レシチン、及び残部の脱イオン水を含む。
【0024】
本発明の好適な解決手段として、前記抗老化用組成物は、重量パーセントで、0.011%のジグルコシル没食子酸、0.5%のグルコシルヘスペリジン、0.0447%のキバナオランダセンニチエキス、0.0001%のビオチン、0.0001%のカフェイン、0.6%-2.6%のコレステロール、0.1%-1.5%のベヘニルアルコール、6%-6.5%の水添レシチン、及び残部の脱イオン水を含む。
【0025】
本発明の好適な解決手段として、前記ナノリポソームの粒径が100-250nmである。
【0026】
本発明は、第2態様では、
a)活性成分とナノリポソームを溶解し、混合溶液を得る工程と、
b)工程a)の混合溶液中の溶媒を蒸発させて除去し、40-60℃で、脱イオン水を加え、15-35Hzの超音波周波数で超音波処理を15-20分行い、超音波処理を完了した後、濾過して抗老化用組成物を得る工程と、を含む上記抗老化用組成物の製造方法を提供する。
【0027】
本発明は、第3態様では、上記抗老化用組成物の化粧品製造への応用を提供し、前記化粧品は、化粧水、フェイスパック、エッセンス、アイクリーム、アイパック、スキンケアゲル、スキンケア乳液、フェイスクリーム、又はスプレーを含む。
【0028】
本発明の好適な解決手段として、前記化粧品には、溶媒、増粘剤、防腐剤、pH調整剤、保湿剤、エモリエント剤、キレート剤、乳化剤、精油、香料、色素のうちの少なくとも1つを含む添加物がさらに含まれる。
【0029】
本発明の好適な解決手段として、前記化粧品は、重量部で、抗老化用組成物0.01-60部、水添ナタネ油アルコール0.1-0.8部、リンゴ酸ジイソステアリル5-10部、1,3-プロパンジオール5-10部、カプリル酸ヤシ油アルキル3-12部、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル0.01-0.1部、パルミチン酸レチノール0.01-2部、ヘスペリジンメチルカルコン0.01-0.5部及び脱イオン水50-80部を含む、アイクリームである。
【0030】
本発明の好適な解決手段として、前記アイクリームの製造方法は、
1)水添ナタネ油アルコール、リンゴ酸ジイソステアリル、パルミチン酸レチノール、カプリル酸ヤシ油アルキル、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル、及びヘスペリジンメチルカルコンを加えて均一に撹拌し、50-90℃に加熱して均一に撹拌し、油相とする工程と、
2)抗老化用組成物、水、及び1,3-プロパンジオールを均一に混合して撹拌し、水相とする工程と、
3)工程1)で得られた油相と工程2)で得られた水相を混合し、得られた混合物を超臨界装置の反応釜内に入れ、超臨界装置の反応釜内の温度が45-65℃になるように二酸化炭素を注入して調整し、圧力を12-15Mpaに、時間を30-45分に設定し、減圧して二酸化炭素を放出し、室温まで冷却すると、アイクリームを得る工程と、を含む。
【発明の効果】
【0031】
従来技術と比較して、本発明は以下の有益な効果を有する。
【0032】
1)本発明は、カフェイン、ビオチン、キバナオランダセンニチエキス、グルコシルヘスペリジン、及びジグルコシル没食子酸を配合して活性成分にし、さらにナノリポソームで活性成分をロードさせることで、安定性が高く、優しく、肌への刺激性が低く、製造過程での活性成分の構造破壊を回避し、肌により効果的に吸収され、メラニン色素の沈着を効果的に低減し、外部侵襲及びフリーラジカルに抵抗し、且つ炎症性因子の活性を効果的に抑え、肌の水分流出を低減することができ、それにより目のくまを効果的に改善し、消し、肌老化を遅らせ、肌の光沢を上げる。
【0033】
2)本発明の抗老化用組成物は、皮膚線維芽細胞の増殖及びコラーゲンの生成を促進することができ、それにより、シワが改善され、肌色が良くされ、損傷を受けた肌が修復され、乾燥肌が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の細胞増殖促進結果図である。
図2】本発明のコラーゲン生成結果図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
また、本発明をよりよく説明するために、以下の発明を実施するための形態において多くの具体的な詳細が示されている。当業者であれば理解できるように、特定の具体的な詳細がなくても、本発明は同様に実施可能である。別のいくつかの実例において、本発明の趣旨を顕在化するために、当業者に熟知の方法、手段、機器及び工程が詳しく説明されていない。
【0036】
説明しておきたいのは、本明細書において、「ことができる」又は「可能」の使用は、特定の処理をすること及び特定の処理をしないという両方が意味する。本明細書において、「値A-値B」で示される値の範囲とは、エンドポイント値A、Bを含む範囲を指すということである。
【0037】
特別な声明がない限り、本発明で使用される単位はいずれも国際単位とし、且つ本発明に現れる値、値の範囲はいずれも工業生産に許容可能な誤差を含むと理解すべきである。
【0038】
ジグルコシル没食子酸、グルコシルヘスペリジン、キバナオランダセンニチエキス、ビオチン、カフェインのような本発明に用いられる原料は、いずれも市場から購入されるものである。
【0039】
使用されるキバナオランダセンニチエキス(Acmella oleracea extract)は水-アルコール抽出物であり、溶媒は、水、エタノールと1,3-プロパンジオールの液体混合物を含み、得られた抽出液からエタノールが除去される。
【0040】
本発明では、化粧品に用いられる添加物は、溶媒、増粘剤、防腐剤、pH調整剤、保湿剤、エモリエント剤、キレート剤、乳化剤、精油、香料、色素のような従来の化粧品市場によく用いられる添加物であってもよい。
【0041】
実施例1
本実施例は、ナノリポソームと前記ナノリポソームにロードされる活性成分を含む抗老化用組成物を提供し、抗老化用組成物は、重量パーセントで、0.011%のジグルコシル没食子酸、0.5%のグルコシルヘスペリジン、0.0447%のキバナオランダセンニチエキス、0.0001%のビオチン、0.0001%のカフェイン、1.8%のコレステロール、1.2%のベヘニルアルコール、6.3%の水添レシチン、及び残部の脱イオン水を含む。
【0042】
抗老化用組成物の製造方法は、
a)混合比で、ジグルコシル没食子酸、グルコシルヘスペリジン、キバナオランダセンニチエキス、ビオチン、カフェイン、コレステロール、ベヘニルアルコール、及び水添レシチンを無水エタノールに溶解し、混合溶液を得る工程と、
b)工程a)の混合溶液中の無水エタノールを蒸発させて除去し、40℃で、脱イオン水を加え、15Hz超音波周波数で超音波処理を15分行い、超音波処理を完了した後、濾過して抗老化用組成物を得る工程と、を含む。
【0043】
実施例2
本実施例は、ナノリポソームと前記ナノリポソームにロードされる活性成分を含む抗老化用組成物を提供し、抗老化用組成物は、重量パーセントで、1.1%のジグルコシル没食子酸、1.5%のグルコシルヘスペリジン、0.8%のキバナオランダセンニチエキス、0.0005%のビオチン、0.0005%のカフェイン、2.6%のコレステロール、1.5%のベヘニルアルコール、6.5%の水添レシチン、及び残部の脱イオン水を含む。
【0044】
抗老化用組成物の製造方法は、
a)混合比で、ジグルコシル没食子酸、グルコシルヘスペリジン、キバナオランダセンニチエキス、ビオチン、カフェイン、コレステロール、ベヘニルアルコール、及び水添レシチンを無水エタノールに溶解し、混合溶液を得る工程と、
b)工程a)の混合溶液中の無水エタノールを蒸発させて除去し、50℃で、脱イオン水を加え、25Hz超音波周波数で超音波処理を18分行い、超音波処理を完了した後、濾過して抗老化用組成物を得る工程と、を含む。
【0045】
実施例3
本実施例は、ナノリポソームと前記ナノリポソームにロードされる活性成分を含む抗老化用組成物を提供し、抗老化用組成物は、重量パーセントで、0.011%のジグルコシル没食子酸、0.01%のグルコシルヘスペリジン、0.01%のキバナオランダセンニチエキス、0.00001%のビオチン、0.00001%のカフェイン、0.6%のコレステロール、0.1%のベヘニルアルコール、6%の水添レシチン、及び残部の脱イオン水を含む。
【0046】
抗老化用組成物の製造方法は、
a)混合比で、ジグルコシル没食子酸、グルコシルヘスペリジン、キバナオランダセンニチエキス、ビオチン、カフェイン、コレステロール、ベヘニルアルコール、及び水添レシチンを無水エタノールに溶解し、混合溶液を得る工程と、
b)工程a)の混合溶液中の無水エタノールを蒸発させて除去し、60℃で、脱イオン水を加え、15-35Hzの超音波周波数で超音波処理を15-20分行い、超音波処理を完了した後、濾過して抗老化用組成物を得る工程と、を含む。
【0047】
実施例4
本実施例は、ナノリポソームと前記ナノリポソームにロードされる活性成分を含む抗老化用組成物を提供し、抗老化用組成物は、重量パーセントで、0.011%のジグルコシル没食子酸、1.2%のグルコシルヘスペリジン、0.6%のキバナオランダセンニチエキス、0.0002%のビオチン、0.000078%のカフェイン、1.8%のコレステロール、0.9%のベヘニルアルコール、6.2%の水添レシチン、及び残部の脱イオン水を含む。
【0048】
抗老化用組成物の製造方法は、
a)混合比で、ジグルコシル没食子酸、グルコシルヘスペリジン、キバナオランダセンニチエキス、ビオチン、カフェイン、コレステロール、ベヘニルアルコール、及び水添レシチンを無水エタノールに溶解し、混合溶液を得る工程と、
b)工程a)の混合溶液中の溶媒を蒸発させて除去し、45℃で、脱イオン水を加え、15Hz超音波周波数で超音波処理を20分行い、超音波処理を完了した後、濾過して抗老化用組成物を得る工程と、を含む。
【0049】
実施例5
本実施例は、ナノリポソームと前記ナノリポソームにロードされる活性成分を含む抗老化用組成物を提供し、抗老化用組成物は、重量パーセントで、0.43%のジグルコシル没食子酸、1.12%のグルコシルヘスペリジン、0.0447%のキバナオランダセンニチエキス、0.0001%のビオチン、0.0004%のカフェイン、0.9%のコレステロール、1.1%のベヘニルアルコール、6%の水添レシチン、及び残部の脱イオン水を含む。
【0050】
抗老化用組成物の製造方法は、
a)混合比で、ジグルコシル没食子酸、グルコシルヘスペリジン、キバナオランダセンニチエキス、ビオチン、カフェイン、コレステロール、ベヘニルアルコール、及び水添レシチンを無水エタノールに溶解し、混合溶液を得る工程と、
b)工程a)の混合溶液中の無水エタノールを蒸発させて除去し、在55℃で、脱イオン水を加え、35Hz超音波周波数で超音波処理を15分行い、超音波処理を完了した後、濾過して抗老化用組成物を得る工程と、を含む。
【0051】
実施例6
本実施例は、重量部で、実施例1で得られた抗老化用組成物12.5部、水添ナタネ油アルコール0.5部、リンゴ酸ジイソステアリル5部、1,3-プロパンジオール10部、カプリル酸ヤシ油アルキル10部、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル0.05部、パルミチン酸レチノール0.5部、ヘスペリジンメチルカルコン0.2部、及び脱イオン水80部を含むシワ改善用アイクリームを提供する。
【0052】
該シワ改善用アイクリームの製造方法は、
1)水添ナタネ油アルコール、リンゴ酸ジイソステアリル、パルミチン酸レチノール、カプリル酸ヤシ油アルキル、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル(PHYTOSTERYL MACADAMIATE、アオケ新材料科技(上海)有限公司から購入される(訳注:「アオ」は「敖」の下に「山」、「ケ」は「禾」の右に「果」)、及びヘスペリジンメチルカルコン(ヘスペリジンメチルカルコンが複数のサプライヤーから購入可能な化合物である(国際化粧品成分辞書・ハンドブック、第12版、第1巻、第1146ページ(2008)を参照、その内容が引用により本書に組み込まれる)。一方で、該成分はEyelissTMの商品名で販売されるSederma SAS(フランス)混合物の使用により取得可能であり、該混合物は水、グリセロール、ヘスペリジンメチルカルコン、ステアレス-20、ジペプチド-2(バリン-トリプトファン)、及びパルミトイルテトラペプチド-7(Pal-GQPR)の組み合わせである)を加えて均一に撹拌し、50℃に加熱して均一に撹拌し、油相とする工程と、
2)抗老化用組成物、水、及び1,3-プロパンジオールを均一に混合して撹拌し、水相とする工程と、
3)工程1)で得られた油相と工程2)で得られた水相を混合し、得られた混合物を超臨界装置の反応釜内に入れ、超臨界装置反応釜内の温度が55℃になるように二酸化炭素を注入して調整し、圧力を12Mpaに、時間を30分に設定し、減圧して二酸化炭素を放出し、室温まで冷却すると、アイクリームを得る工程と、を含む。
【0053】
実施例7
本実施例は、重量部で、実施例1で得られる抗老化用組成物25部、水添ナタネ油アルコール0.8部、リンゴ酸ジイソステアリル10部、1,3-プロパンジオール5部、カプリル酸ヤシ油アルキル3部、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル0.01部、パルミチン酸レチノール0.01部、ヘスペリジンメチルカルコン0.01部及び脱イオン水50部を含むシワ改善用アイクリームを提供する。
【0054】
該シワ改善用アイクリームの製造方法は、
1)水添ナタネ油アルコール、リンゴ酸ジイソステアリル、パルミチン酸レチノール、カプリル酸ヤシ油アルキル、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル、及びヘスペリジンメチルカルコンを加えて均一に撹拌し、90℃に加熱して均一に撹拌し、油相とする工程と、
2)抗老化用組成物、水、及び1,3-プロパンジオールを均一に混合して撹拌し、水相とする工程と、
3)工程1)で得られた油相と工程2)で得られた水相を混合し、得られた混合物を超臨界装置の反応釜内に入れ、超臨界装置反応釜内の温度が65℃になるように二酸化炭素を注入して調整し、圧力を14Mpaに、時間を30分に設定し、減圧して二酸化炭素を放出し、室温まで冷却すると、アイクリームを得る工程と、を含む。
【0055】
実施例8
本実施例は、重量部で、実施例1で得られる抗老化用組成物50部、水添ナタネ油アルコール0.1部、リンゴ酸ジイソステアリル5部、1,3-プロパンジオール7部、カプリル酸ヤシ油アルキル12部、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル0.1部、パルミチン酸レチノール2部、ヘスペリジンメチルカルコン0.5部、及び脱イオン水75部を含むシワ改善用アイクリームを提供する。
【0056】
該シワ改善用アイクリームの製造方法は、
1)水添ナタネ油アルコール、リンゴ酸ジイソステアリル、パルミチン酸レチノール、カプリル酸ヤシ油アルキル、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル、及びヘスペリジンメチルカルコンを加えて均一に撹拌し、80℃に加熱して均一に撹拌し、油相とする工程と、
2)抗老化用組成物、水及び1,3-プロパンジオールを均一に混合して撹拌し、水相とする工程と、
3)工程1)で得られた油相と工程2)で得られた水相を混合し、得られた混合物を超臨界装置の反応釜内に入れ、超臨界装置反応釜内の温度が45℃になるように二酸化炭素を注入して調整し、圧力を15Mpaに、時間を40分に設定し、減圧して二酸化炭素を放出し、室温まで冷却すると、アイクリームを得る工程と、を含む。
【0057】
実施例9
本実施例は、重量部で、実施例1で得られる抗老化用組成物100部、水添ナタネ油アルコール0.1部、リンゴ酸ジイソステアリル5部、1,3-プロパンジオール7部、カプリル酸ヤシ油アルキル12部、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル0.1部、パルミチン酸レチノール2部、ヘスペリジンメチルカルコン0.5部、及び脱イオン水75部を含むシワ改善用アイクリームを提供する。
【0058】
該シワ改善用アイクリームの製造方法は、
1)水添ナタネ油アルコール、リンゴ酸ジイソステアリル、パルミチン酸レチノール、カプリル酸ヤシ油アルキル、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル、及びヘスペリジンメチルカルコンを加えて均一に撹拌し、80℃に加熱して均一に撹拌し、油相とする工程と、
2)抗老化用組成物、水及び1,3-プロパンジオールを均一に混合して撹拌し、水相とする工程と、
3)工程1)で得られた油相と工程2)で得られた水相を混合し、得られた混合物を超臨界装置の反応釜内に入れ、超臨界装置反応釜内の温度が45℃になるように二酸化炭素を注入して調整し、圧力を15Mpaに、時間を40分に設定し、減圧して二酸化炭素を放出し、室温まで冷却すると、アイクリームを得る工程と、を含む。
【0059】
実施例1で得られる抗老化用組成物について、細胞増殖促進効果試験及びコラーゲン生成効果試験を行う。
【0060】
対照群には、抗老化用組成物が加えられない。
【0061】
細胞として、正常ヒト皮膚線維芽細胞を使用する。
【0062】
細胞増殖促進効果試験方法は以下のとおりである。
【0063】
1)増殖した細胞をFBSが含まれるダルベッコMEM培地に分散させ、96ウェル培養プレートに接種する。続いて、細胞をCOインキュベータ(37℃の条件で)に培養する。
【0064】
2)接種した後の2日目に、培地を実施例1で得られる抗老化用組成物(質量パーセントでそれぞれ12.5%、25%、50%、100%加える)を添加した、FBSが含まれるダルベッコMEM培地及び対照群のFBSが含まれるダルベッコMEM培地に交換し、続いてCOインキュベータで培養する。
【0065】
3)培養の最後の日に、プレート内の培地を除去し、FBSが含まれるダルベッコMEMでMTT溶液を調製し、COインキュベータに入れて培養する。その後、抽出物及び微粒子を溶解し、スピードカウンターで吸光度を測定して細胞数を示すための値とする。測定結果を対照とし、100として変換し、必要に応じてスチューデントのt検定で有意差検定を行い、結果を図1に示す。
【0066】
図1と組み合わせると、25%と50%の含有量でヒト皮膚線維芽細胞の増加に対して明らかな促進作用を有する。しかし、12.5%と100%の含有量で、明らかに有意性がない。
【0067】
コラーゲン生成促進試験方法は以下のとおりである。
【0068】
1)増殖した細胞をFBSが含まれるダルベッコMEM培地に分散させ、96ウェル培養プレートに接種する。続いて、細胞をCOインキュベータに(37℃の条件で)培養する。
【0069】
2)接種後の2日目に、培地を実施例1で得られる抗老化用組成物(質量パーセントでそれぞれ12.5%、25%、50%添加する)及び対照群のFBSが含まれるダルベッコMEM培地が添加された培地に交換し、続いてCOインキュベータで培養する。
【0070】
3)その後、上澄み液を収集し、ELISA法でI型コラーゲンの量を測定する。上澄み液における1単位当たりのタンパク質のI型コラーゲン量をそれぞれ収集し、溶解細胞により算出、推算して評価し、結果を図2に示す。
【0071】
図2と組み合わせると、抗老化用組成物を含有するアイクリームを培地に添加した場合、対照群と比較し、1単位当たりのタンパク質のI型コラーゲン量が増加し、25%を添加した場合、有意差が観察される。
【0072】
以上より、本発明の抗老化用組成物は、正常ヒト皮膚線維芽細胞に対して増殖促進作用を有し、コラーゲン生成促進効果があり、I型コラーゲンが肌の弾性や強さに明らかに関連し、このため、本発明の抗老化用組成物を製品に添加して使用すれば、肌の弾性を改善し、シワを改善する効果がある。
【0073】
上述した記載は、本発明の好適な実施例に過ぎず、任意の形態で本発明を実質的に制限するものではない。当業者が、本発明に記載の方法から逸脱することなく、さらに様々な改良と補足を行うことができ、これらの改良と補足が本発明の保護範囲と見なすべきであることに留意したい。当業者が、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、以上に開示されている技術的内容を利用してなされたいくつかの変更、修飾と進化の等同変化は、いずれも本発明の等価実施例となり、また、本発明の実質的技術に基づいて上記実施例に対してなされたいかなる等同変化の変更、修飾及び進化も、依然として本発明の技術的解決手段の範囲内にあるものとする。
【0074】
[付記]
[付記1]
ナノリポソームと、前記ナノリポソームにロードされる、ジグルコシル没食子酸、グルコシルヘスペリジン、キバナオランダセンニチエキス、ビオチン、及びカフェインを含む活性成分と、を含むことを特徴とする、抗老化用組成物。
【0075】
[付記2]
重量パーセントで、0.011%-1.1%のジグルコシル没食子酸、0.01%-1.5%のグルコシルヘスペリジン、0.01%-0.8%のキバナオランダセンニチエキス、0.00001%-0.0005%のビオチン、0.00001%-0.0005%のカフェイン、0.6%-2.6%のコレステロール、0.1%-1.5%のベヘニルアルコール、6%-6.5%の水添レシチン、及び残部の脱イオン水を含むことを特徴とする、付記1に記載の抗老化用組成物。
【0076】
[付記3]
重量パーセントで、0.011%-0.5%のジグルコシル没食子酸、0.01%-0.5%のグルコシルヘスペリジン、0.0447%-0.6%のキバナオランダセンニチエキス、0.00001%-0.0005%のビオチン、0.00001%-0.0005%のカフェイン、0.6%-2.6%のコレステロール、0.1%-1.5%のベヘニルアルコール、6%-6.5%の水添レシチン、及び残部の脱イオン水を含むことを特徴とする、付記1に記載の抗老化用組成物。
【0077】
[付記4]
重量パーセントで、0.011%のジグルコシル没食子酸、0.5%のグルコシルヘスペリジン、0.0447%のキバナオランダセンニチエキス、0.0001%のビオチン、0.0001%のカフェイン、0.6%-2.6%のコレステロール、0.1%-1.5%のベヘニルアルコール、6%-6.5%の水添レシチン、及び残部の脱イオン水を含むことを特徴とする、付記1に記載の抗老化用組成物。
【0078】
[付記5]
前記ナノリポソームの粒径が100-250nmであることを特徴とする、付記1-4のいずれか1つに記載の抗老化用組成物。
【0079】
[付記6]
a)活性成分とナノリポソームを溶解し、混合溶液を得る工程と、
b)工程a)の混合溶液中の溶媒を蒸発させて除去し、40-60℃で、脱イオン水を加え、15-35Hzの超音波周波数で超音波処理を15-20分行い、超音波処理を完了した後、濾過して抗老化用組成物を得る工程と、を含むことを特徴とする、付記1-5のいずれか1つに記載の抗老化用組成物の製造方法。
【0080】
[付記7]
付記1-5のいずれか1つに記載の抗老化用組成物の化粧品製造への応用であって、化粧品が、化粧水、フェイスパック、エッセンス、アイクリーム、アイパック、スキンケアゲル、スキンケア乳液、フェイスクリーム、又はスプレーを含むことを特徴とする、抗老化用組成物の応用。
【0081】
[付記8]
前記化粧品には、溶媒、増粘剤、防腐剤、pH調整剤、保湿剤、エモリエント剤、キレート剤、乳化剤、精油、香料、色素のうちの少なくとも1つを含む添加物がさらに含まれることを特徴とする、付記7に記載の抗老化用組成物の応用。
【0082】
[付記9]
前記化粧品が、重量部で、抗老化用組成物12.5-100部、水添ナタネ油アルコール0.1-0.8部、リンゴ酸ジイソステアリル5-10部、1,3-プロパンジオール5-10部、カプリル酸ヤシ油アルキル3-12部、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル0.01-0.1部、パルミチン酸レチノール0.01-2部、ヘスペリジンメチルカルコン0.01-0.5部及び脱イオン水50-80部を含むアイクリームであることを特徴とする、付記8に記載の抗老化用組成物の応用。
【0083】
[付記10]
前記アイクリームの製造方法は、
1)水添ナタネ油アルコール、リンゴ酸ジイソステアリル、パルミチン酸レチノール、カプリル酸ヤシ油アルキル、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル、及びヘスペリジンメチルカルコンを加えて均一に撹拌し、50-90℃に加熱して均一に撹拌し、油相とする工程と、
2)抗老化用組成物、水、及び1,3-プロパンジオールを均一に混合して撹拌し、水相とする工程と、
3)工程1)で得られた油相と工程2)で得られた水相を混合し、得られた混合物を超臨界装置の反応釜内に入れ、超臨界装置の反応釜内の温度が45-65℃になるように二酸化炭素を注入して調整し、圧力を12-15Mpaに、時間を30-45分に設定し、減圧して二酸化炭素を放出し、室温まで冷却して、アイクリームを得る工程と、を含むことを特徴とする、付記9に記載の抗老化用組成物の応用。
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2022-06-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項5】
前記ナノリポソームの粒径が100-250nmであることを特徴とする、請求項に記載の抗老化用組成物。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナノリポソームと、前記ナノリポソームに封入される、ジグルコシル没食子酸、グルコシルヘスペリジン、キバナオランダセンニチエキス、ビオチン、及びカフェインを含む活性成分と、を含む皮膚の老化を抑制するための抗老化用組成物であって、
重量パーセントで、0.011%-1.1%のジグルコシル没食子酸、0.01%-1.5%のグルコシルヘスペリジン、0.01%-0.8%のキバナオランダセンニチエキス、0.00001%-0.0005%のビオチン、0.00001%-0.0005%のカフェイン、0.6%-2.6%のコレステロール、0.1%-1.5%のベヘニルアルコール、6%-6.5%の水添レシチン、及び残部の脱イオン水を含むことを特徴とする、抗老化用組成物。
【請求項2】
重量パーセントで、0.011%-0.5%のジグルコシル没食子酸、0.01%-0.5%のグルコシルヘスペリジン、0.0447%-0.6%のキバナオランダセンニチエキス、0.00001%-0.0005%のビオチン、0.00001%-0.0005%のカフェイン、0.6%-2.6%のコレステロール、0.1%-1.5%のベヘニルアルコール、6%-6.5%の水添レシチン、及び残部の脱イオン水を含むことを特徴とする、請求項1に記載の抗老化用組成物。
【請求項3】
重量パーセントで、0.011%のジグルコシル没食子酸、0.5%のグルコシルヘスペリジン、0.0447%のキバナオランダセンニチエキス、0.0001%のビオチン、0.0001%のカフェイン、0.6%-2.6%のコレステロール、0.1%-1.5%のベヘニルアルコール、6%-6.5%の水添レシチン、及び残部の脱イオン水を含むことを特徴とする、請求項に記載の抗老化用組成物。
【請求項4】
a)ジグルコシル没食子酸、グルコシルヘスペリジン、キバナオランダセンニチエキス、ビオチン、カフェイン、コレステロール、ベヘニルアルコール、及び水添レシチン溶媒中に溶解し、混合溶液を得る工程と、
b)工程a)の混合溶液中の溶媒を蒸発させて除去し、40-60℃で、脱イオン水を加え、15-35Hzの超音波周波数で超音波処理を15-20分行い、超音波処理を完了した後、濾過して抗老化用組成物を得る工程と、を含むことを特徴とする、請求項1-のいずれか1項に記載の抗老化用組成物の製造方法。
【請求項5】
請求項1-のいずれか1項に記載の抗老化用組成物の化粧品製造への応用であって、化粧品が、化粧水、フェイスパック、エッセンス、アイクリーム、アイパック、スキンケアゲル、スキンケア乳液、フェイスクリーム、又はスプレーを含むことを特徴とする、抗老化用組成物の応用。
【請求項6】
前記化粧品には、溶媒、増粘剤、防腐剤、pH調整剤、保湿剤、エモリエント剤、キレート剤、乳化剤、精油、香料、色素のうちの少なくとも1つを含む添加物がさらに含まれることを特徴とする、請求項に記載の抗老化用組成物の応用。
【請求項7】
前記化粧品が、重量部で、抗老化用組成物12.5-100部、水添ナタネ油アルコール0.1-0.8部、リンゴ酸ジイソステアリル5-10部、1,3-プロパンジオール5-10部、カプリル酸ヤシ油アルキル3-12部、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル0.01-0.1部、パルミチン酸レチノール0.01-2部、ヘスペリジンメチルカルコン0.01-0.5部及び脱イオン水50-80部を含むアイクリームであることを特徴とする、請求項に記載の抗老化用組成物の応用。
【請求項8】
前記アイクリームの製造方法は、
1)水添ナタネ油アルコール、リンゴ酸ジイソステアリル、パルミチン酸レチノール、カプリル酸ヤシ油アルキル、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル、及びヘスペリジンメチルカルコンを加えて均一に撹拌し、50-90℃に加熱して均一に撹拌し、油相とする工程と、
2)抗老化用組成物、水、及び1,3-プロパンジオールを均一に混合して撹拌し、水相とする工程と、
3)工程1)で得られた油相と工程2)で得られた水相を混合し、得られた混合物を超臨界装置の反応釜内に入れ、超臨界装置の反応釜内の温度が45-65℃になるように二酸化炭素を注入して調整し、圧力を12-15Mpaに、時間を30-45分に設定し、減圧して二酸化炭素を放出し、室温まで冷却して、アイクリームを得る工程と、を含むことを特徴とする、請求項に記載の抗老化用組成物の応用。
【外国語明細書】