(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023158619
(43)【公開日】2023-10-30
(54)【発明の名称】金型センサ冷却構造を含む金型装置
(51)【国際特許分類】
B29C 45/26 20060101AFI20231023BHJP
【FI】
B29C45/26
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022141165
(22)【出願日】2022-09-06
(31)【優先権主張番号】111114573
(32)【優先日】2022-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】506255902
【氏名又は名称】中原大學
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100093997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀佳
(72)【発明者】
【氏名】陳 夏宗
(72)【発明者】
【氏名】張 詠翔
(72)【発明者】
【氏名】梁 雁翔
(72)【発明者】
【氏名】丁 郁宏
【テーマコード(参考)】
4F202
【Fターム(参考)】
4F202AP03
4F202AP05
4F202CA11
4F202CB01
4F202CK90
4F202CM02
4F202CN30
(57)【要約】 (修正有)
【課題】より高い金型温度での検知モジュールの損傷を防止して、異なるプロセスにおいて金型装置の利用可能性を向上させるように適合された金型装置を提供する。
【解決手段】金型と、冷却流路160と、検知モジュールと、を含む金型装置が提供される。金型は、キャビティを有する。検知モジュールは、キャビティ内の温度および圧力のうちの少なくとも1つを検知するように適合されている。検知モジュールは、冷却流路によって取り囲まれている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビティを有する金型と、
冷却流路と
前記冷却流路によって取り囲まれ、前記キャビティ内の温度および圧力のうちの少なくとも1つを検知するように適合された検知モジュールと、
を備える、金型装置。
【請求項2】
軸受構造をさらに備え、前記検知モジュールが温度センサおよび圧力センサを備え、前記温度センサが検知部および当接部を有し、前記検知部が前記金型内に位置し、前記当接部が前記軸受構造内に位置し、前記圧力センサが前記軸受構造内に配置され、前記当接部に対応し、前記当接部が前記キャビティ内の前記圧力によって前記圧力センサに当接するように適合されている、請求項1に記載の金型装置。
【請求項3】
前記冷却流路が前記軸受構造に位置する、請求項2に記載の金型装置。
【請求項4】
前記温度センサが突き出しピン型温度センサであり、前記軸受構造が突き出し板構造である、請求項2に記載の金型装置。
【請求項5】
前記温度センサが光ファイバ温度センサであり、受光ユニットを備え、前記受光ユニットが前記当接部に配置されている、請求項2に記載の金型装置。
【請求項6】
保護構造をさらに備え、前記保護構造が前記当接部を覆い、前記冷却流路が前記保護構造内に位置する、請求項2に記載の金型装置。
【請求項7】
保護構造をさらに備え、前記保護構造が前記金型内に配置され、前記検知モジュールが前記金型内に配置され、前記保護構造によって覆われ、前記冷却流路が前記保護構造内に位置する、請求項1に記載の金型装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、金型装置に関し、より詳細には、金型センサ冷却構造を含む金型装置に関する。
【背景技術】
【0002】
射出成形プロセスでは、異なる材料に応じて金型の温度を特定の温度まで上昇させる。高温材料によっては、金型温度は、センサの上限を超える場合があり、または金型温度は、異なる製品要件に応じてさらに高い温度まで上昇する場合がある。このような高い金型温度はセンサを損傷するため、金型温度によってセンサの使用が制限される。したがって、センサがより高い金型温度で損傷するのをどのように防止するかが、当技術分野において解決されるべき課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示は、より高い金型温度での検知モジュールの損傷を防止して、異なるプロセスにおいて金型装置の利用可能性を向上させるように適合された金型装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一実施形態による金型装置は、金型と、冷却流路と、検知モジュールと、を備える。金型は、キャビティを有する。検知モジュールは、キャビティ内の温度および圧力のうちの少なくとも1つを検知するように適合されている。検知モジュールは、冷却流路によって取り囲まれている。
【0005】
本開示の一実施形態では、金型装置は、軸受構造をさらに含む。検知モジュールは、温度センサおよび圧力センサを含む。温度センサは、検知部および当接部を有し、検知部は金型内に配置され、当接部は軸受構造内に配置されている。圧力センサは、軸受構造内に配置され、当接部に対応し、当接部は、キャビティ内の圧力によって圧力センサに当接するように適合されている。
【0006】
本開示の一実施形態では、冷却流路は、軸受構造内に配置されている。
【0007】
本開示の一実施形態では、温度センサは、突き出しピン型温度センサであり、軸受構造は、突き出し板構造である。
【0008】
本開示の一実施形態では、温度センサは、光ファイバ温度センサであり、受光ユニットを含み、受光ユニットは、当接部に配置されている。
【0009】
本開示の一実施形態では、金型装置は、保護構造をさらに含む。保護構造は、当接部を覆い、冷却流路は、保護構造内に配置されている。
【0010】
本開示の一実施形態では、金型装置は、保護構造をさらに含む。保護構造は、金型内に配置され、検知モジュールは、金型内に配置され、保護構造によって覆われ、冷却流路は、保護構造内に位置する。
【発明の効果】
【0011】
上記に基づき、本開示の金型装置では、検知モジュールを取り囲む冷却流路によって検知モジュールが冷却される。したがって、金型装置は、より高温のプロセスで使用することができ、異なるプロセスにおける金型装置の利用可能性を向上させることができる。
【0012】
前述の内容をより理解しやすくするために、図面を伴う一部の実施形態を以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】本開示の一実施形態による金型装置の概略図である。
【0014】
【0015】
【
図2A】本開示の他の実施形態による金型装置の一部の構成要素である。
【
図2B】本開示の他の実施形態による金型装置の一部の構成要素である。
【
図2C】本開示の他の実施形態による金型装置の一部の構成要素である。
【0016】
【
図3】本開示の別の実施形態による金型装置の概略図である。
【0017】
【0018】
【
図5】本開示の別の実施形態による金型装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示は、実施形態の図面を参照してより完全に説明される。しかしながら、本開示は、様々な形態で実施されてもよく、本明細書に記載される実施形態に限定されるべきではない。同一または同様の参照符号は、同一または同様の構成要素を示し、以下の段落では繰り返し説明されない。
【0020】
図1Aは、本開示の一実施形態による金型装置の概略図である。X-Y-Z座標軸は、構成要素の説明を容易にするために本明細書で提供されている。
図1Aを参照すると、本実施形態の金型装置100aは、金型110と、軸受構造120aと、検知モジュール130a1と、を含む。
図1Aでは、金型110のキャビティ112を一点鎖線で模式的に示すが、その形状および配置はこれに限定されない。軸受構造120aは、検知モジュール130a1に構造的支持を提供するように適合されている。検知モジュール130a1は、キャビティ112内の温度および圧力のうちの少なくとも1つを検知するように適合されている。本実施形態の軸受構造120aは、突き出し板構造140aであり、検知モジュール130a1は、金型装置100aの空間利用率を向上させるために、軸受構造120a(突き出し板構造140a)内に配置されている。突き出し板構造140aは、一対の突き出し板142aと、複数の突き出しピン144と、を含む。一対の突き出し板142aは、金型110の外側に配置されており、突き出しピン144は、一対の突き出し板142aから金型110のキャビティ112に向かって延在している。突き出しピン144は、キャビティ112内の構成要素(図示せず)をキャビティ112から突き出すように適合されている。本実施形態の金型装置100aは、射出成形プロセスに適合しているが、これに限定されない。
【0021】
図1Aに示すように、金型装置100aは、2つの突き出しピン144に対応して配置された2つの検知モジュール130a1を含む。検知モジュール130a1の一部は、一対の突き出し板142aに配置され、検知モジュール130a1の別の部分は、突き出しピン144に配置され、金型110のキャビティ112まで延在している。ここで、1つの検知モジュール130a1は、キャビティ112の位置B1まで延在して位置B1の温度および圧力を測定する。別の検知モジュール130a1は、キャビティ112の別の位置B2まで延在して位置B2の温度および圧力を測定する。金型装置100aは、2つの検知モジュール130a1を介して2つの位置B1、B2の温度および圧力をそれぞれ測定する。ここで、位置B1およびB2は、キャビティ112内の任意の位置である。加えて、突き出し板構造140aの突き出しピン144の数は、これに限定されず、検知モジュール130a1の数およびその配置もこれに限定されない。ユーザは、キャビティ112の複数の位置の温度および圧力を検知するために、必要に応じて検知モジュール130a1を配置することができる。これは、金型装置100aの生産、プロセス安定性の監視、および製造コストの低減に寄与し、同時に、将来のスマート製造およびスマート成形の開発のための良好なデータソースを提供する。
【0022】
図1Bは、
図1Aの金型装置の一部の構成要素の概略図である。
図1Bは、1つの検知モジュール130a1と、軸受構造120aと、金型110との配置関係を示す
図1Aの部分断面図である。
図1Bを参照すると、検知モジュール130a1は、温度センサ132および圧力センサ136を含む。本実施形態の温度センサ132は、突き出しピン型温度センサである。温度センサ132は、延長構造133と当接部P2とを有する。延長構造133は、当接部P2から移動軸M1に沿って延在している。圧力センサ136および当接部P2は、軸受構造120a内(一対の突き出し板142a内)の収容スペース122に配置され(位置し)、延長構造133は、突き出しピン144に配置されて金型110に向かって延在している。温度センサ132の検知部P1は、延長構造133に配置され、金型110内に位置し、検知部P1は、キャビティ112内の位置B1に対応する。温度センサ132は、検知部P1を介してキャビティ112内の位置B1の温度を検知する。
【0023】
圧力センサ136は、温度センサ132の当接部P2に対応する。ここで、温度センサ132は、移動軸M1に沿って金型110および軸受構造120a内に移動可能に配置され、検知部P1および当接部P2は、移動軸M1上の温度センサ132の2つの対向する端部にそれぞれ位置する。温度センサ132の検知部P1がキャビティ112の位置B1から圧力を受けると、温度センサ132が押されて移動軸M1に沿って圧力センサ136に向かって移動するように適合され、温度センサ132の当接部P2が圧力センサ136を押すように移動する。すなわち、圧力センサ136は、温度センサ132の移動によって圧迫され、位置B1で受ける圧力を測定する。
【0024】
具体的には、圧力センサ136と温度センサ132とは同軸状(移動軸M1上)に配置されており、圧力センサ136の検知突起137も移動軸M1上に位置する。すなわち、圧力センサ136と温度センサ132とは同軸状に内蔵されている。圧力センサ136は、検知突起137が受けた圧力に基づいて圧力を検知する。
図1Bに示すように、本実施形態の検知突起137は、温度センサ132の当接部P2に面しており、当接部P2によって直接当接されるように適合されている。したがって、検知モジュール130a1は、温度センサ132および圧力センサ136を介してキャビティ112内の位置B1の温度および圧力を同時に測定するように適合されている。
【0025】
図2A~
図2Cはそれぞれ、本開示の他の実施形態による金型装置の一部の構成要素を示す。温度センサ132および圧力センサ136の配置を明確に示すために、一部の構成要素(例えば、突き出しピン144)は、
図2A~
図2Cの実施形態の図から省略されている。
図1Bおよび
図2Aを同時に参照すると、本実施形態の検知モジュール130bは、上記の実施形態と類似しており、両者の違いは、本実施形態の検知突起137が温度センサ132の当接部P2とは反対を向いており、当接部P2が圧力センサ136に当接することによって、検知突起137が軸受構造120aに当接するように適合されていることにある。具体的には、検知突起137は、軸受構造120aの内面に面し、圧力センサ136は、検知突起137に対向する当接面138を有し、当接面138は、当接部P2に面する。温度センサ132が圧力下で移動軸M1に沿って移動すると、当接部P2は、検知突起137が軸受構造120aの内面に直接当接するように当接面138に直接当接する。すなわち、このとき、検知突起137は、軸受構造120aの内面に実際に当接する。したがって、検知突起137は、圧力センサ136が圧力を検知することができるように、当接部P2によって直接的または間接的に当接されてもよいことが分かる。したがって、本実施形態の検知モジュール130bは、上記の実施形態と同様の効果を達成する。
【0026】
図1Bおよび
図2Bを同時に参照すると、本実施形態の検知モジュール130cは、上記の実施形態と類似しており、両者の違いは、本実施形態の金型装置が保護構造150aをさらに含み、保護構造150aが温度センサ132の当接部P2を覆って構造的保護を提供することにある。ここで、保護構造150aは、当接部P2を覆うように、実質的にC字形状を有している。保護構造150aは、軸受構造120a内に配置され、保護構造150aは、温度センサ132と圧力センサ136との間に位置する。
図2Bに示すように、温度センサ132、保護構造150a、および圧力センサ136は、同軸状(移動軸M1上)に配置され、保護構造150aは、軸受構造120aに移動可能に配置され、温度センサ132によって押されるように適合されている。具体的には、温度センサ132が圧力下で移動すると、保護構造150aは、温度センサ132の移動に伴って圧力センサ136に直接当接する。ここで、検知突起137は、保護構造150aに面し、保護構造150aは、検知突起137に直接当接する。もちろん、検知突起137の配置は、これに限定されない。例えば、
図2Aに示されるように、検知突起137は、検知突起137が軸受構造120aの内面に直接当接するように、保護構造150aとは反対を向いていてもよい(すなわち、軸受構造120aの内面に面していてもよい)。
【0027】
加えて、検知突起137による圧迫に起因する保護構造150aの変形を防止するために、保護構造150aの硬度は、検知突起137の硬度よりも大きい。例えば、検知突起137の硬度が38HRCである場合、保護構造150aの硬度は38HRCよりも大きい。もちろん、検知突起137の硬度は、これに限定されない。したがって、本実施形態の金型装置は、上記の実施形態と同様の効果を達成する。
【0028】
図2Bおよび
図2Cを同時に参照すると、本実施形態の検知モジュール130dおよび保護構造150bは、上記の実施形態と類似しており、両者の違いは、本実施形態の保護構造150bが、移動軸M1に沿って圧力センサ136に向かって(すなわち、温度センサ132から離れる方向に)延在する突起152を有することにある。保護構造150bは、突起152を介して圧力センサ136に当接している。ここで、検知突起137は、突起152に直接当接しているが、本開示は、これに限定されない。例えば、検知突起137は、
図2Aに示されるように、検知突起137が軸受構造120aの内面に直接当接するように、保護構造150bとは反対を向いていてもよい(すなわち、軸受構造120aの内面に面していてもよい)。したがって、本実施形態の保護構造150bは、上記の実施形態の保護構造150aと同様の効果を達成する。もちろん、保護構造150aおよび150bの構成は、上記の実施形態に限定されず、ユーザは、構造設計要件に応じて保護構造150aおよび150bを設計することができる。
【0029】
上記によると、温度センサ132および圧力センサ136は、複数の可能な仕方で配置されてもよく、金型装置は、保護構造150aおよび150bを含んでもよい。
図1Aに示す金型装置100aおよび検知モジュール130a1の配置は、
図1B~
図2Cに示す検知モジュール130a1、130b、130c、130dの配置のうちの1つ、またはこれらの組合せであってもよい。
【0030】
具体的には、検知突起137と当接部P2とは、同じ移動軸M1上に位置し、検知突起137が圧力検知面に対応する。圧力検知面は、検知突起137の配置に応じて変わる。圧力センサ136は、検知突起137が圧力検知面に当接するように、当接部P2によって加えられる当接力を受けるように適合されている。例えば、
図1Bに示す実施形態では、圧力検知面S1は、当接部P2の表面である。
図2Aに示す実施形態では、圧力検知面S2は、軸受構造120aの内面である。
図2Bに示す実施形態では、圧力検知面S3は、保護構造150aの表面である。
図2Cに示す実施形態では、圧力検知面S4は、保護構造150bの突起152の表面である。したがって、検知モジュール130a1、130b、130c、130dは、キャビティ112内の任意の位置B1の温度および圧力を同軸で測定することができる。
【0031】
図3は、本開示の別の実施形態による金型装置の概略図である。
図1Aおよび
図3を同時に参照すると、本実施形態の金型装置100bは、上記の実施形態と類似しており、両者の違いは、本実施形態の軸受構造120bが突き出し板構造140bではないことにある。一対の突き出し板142bは、貫通孔143を有し、検知モジュール130a2は、貫通孔143を貫いて突き出し板構造140b内に挿入されている。軸受構造120bは、検知モジュール130a2の一端にスリーブで接続されて構造的保護を提供し、検知モジュール130a2の他端は、金型110のキャビティ112(点線で示す)内に延在して、キャビティ112の位置B3における温度および圧力を測定する。検知モジュール130a2の温度センサ132および圧力センサ136並びに/または保護構造150aおよび150bの配置は、
図1B~
図2Cに示される検知モジュール130a1、130b、130cおよび130dの配置と同様であり、ここでは繰り返し説明しない。
【0032】
もちろん、検知モジュール130a2の配置は、これに限定されない。例えば、別の実施形態(図示せず)では、検知モジュール130a2は、突き出し板構造140bの外側に配置され、金型110上への検知モジュール130a2の突出部は、金型110上への突き出し板構造140bの突出部と重複しない。別の実施形態(図示せず)では、金型装置100bは、検知モジュール130a1および検知モジュール130a2を同時に含む。検知モジュール130a1および130a2並びに軸受構造120aおよび120bは、複数の可能な仕方で配置されてもよく、ユーザは、要件に応じてこれらを配置することができる。
【0033】
図4は、
図1Aの金型装置の断面図である。
図4は、
図1Aの線Aに沿ってとられた断面図である。
図1Aおよび
図4を参照すると、高温による温度センサ132(
図1Bに示す)の損傷、および異なるプロセスにおける温度センサ132の利用可能性の制限を防止するために、金型装置100aは、冷却流路160を含み、検知モジュール130a1が冷却流路160によって取り囲まれている。冷却流路160は、検知モジュール130a1の温度を低下させるように適合された金型センサ冷却構造とみなすことができる。より具体的には、冷却流路160は、温度センサ132の検知部P1(
図1Aに示す)以外の部分を取り囲み、温度センサ132を局所的に冷却することができる。したがって、温度センサ132は、より高い金型温度に耐えることができ、これは、異なるプロセスにおける温度センサ132の利用可能性を向上させる。ここで、温度センサ132は、光ファイバ温度センサであり、受光ユニットLR(
図1B~
図2Cに示す)を含む。受光ユニットLRは、当接部P2に配置され、検知部P1からの温度信号を受信する。温度センサ132は、光ファイバ温度センサであるため、検知部P1の温度信号は、温度センサ132の局所的な温度低下の影響を受けず、したがって、温度センサ132によって検知された温度が歪むことはない。
【0034】
図4に示すように、冷却流路160は、軸受構造120a(突き出し板構造140aの一対の突き出し板142a)内に位置し、温度センサ132の延長構造133を取り囲む。ここで、冷却流路160は、流路161を有し、流路161は、水入口162および水出口164を有する。熱の低い冷却液が水入口162を通って流路161に流入し、2つの延長構造133と熱交換した後、高温の冷却液が水出口164から出る。流路161は、実質的にC字形状を有し、2つの延長構造133を同時に取り囲み、冷却する。もちろん、冷却流路160の流路161の設計およびその配置位置は、これに限定されない。
【0035】
例えば、別の実施形態(図示せず)では、冷却流路160は、2つの延長構造133をそれぞれ取り囲み冷却するための2つの流路161を含む。別の実施形態(図示せず)では、冷却流路160は、軸受構造120aおよび120b内に位置し、当接部P2および/または延長構造133を覆う螺旋状流路を有する。別の実施形態(図示せず)では、冷却流路160は、温度センサ132の当接部P2を冷却するために、
図2Bおよび
図2Cに示す保護構造150aおよび150b内に位置する。ユーザは、構造設計要件に応じて冷却流路160を構成して、温度センサ132の温度を低下させる効果を達成することができるため、金型装置100aをより高温のプロセスで使用することができ、異なるプロセスにおける金型装置100aの利用可能性を向上させることができる。冷却流路160は、金型110内に配置されていないため、金型110の温度は、冷却流路160によって影響を受けず、金型110は、その動作温度に達することを妨げられない。
【0036】
図5は、本開示の別の実施形態による金型装置の概略図である。
図5を参照すると、本実施形態の検知モジュール130eおよび保護構造150cは、金型110内に配置されている。具体的には、検知モジュール130eは、保護構造150cによって覆われており、冷却流路160は、保護構造150c内に位置する。ここで、温度センサは、突き出しピン型温度センサでなくてもよい。本実施形態の検知モジュール130eおよび冷却流路160は、上記の実施形態と同様の効果を達成する。
【0037】
上記をまとめると、本開示の金型装置の検知モジュールでは、温度センサおよび圧力センサが同軸状(移動軸上)に配置されているため、検知モジュールは、キャビティ内の任意の位置の温度および圧力を同時に測定するように適合され、これは、金型装置のセンサの設置コストおよび製造コストを低減する。ここで、温度センサおよび圧力センサは、複数の可能な仕方で組み合わせることができる。具体的には、温度センサは、移動軸に沿って金型および軸受構造に移動可能に配置される。温度センサの検知部は、キャビティ内の任意の位置の温度を検知し、温度信号を温度センサの当接部に送信する。温度センサがこの位置から圧力を受けると、温度センサの当接部が移動軸に沿って移動し、圧力センサを圧迫してこの位置での圧力を検知する。圧力センサの検知突起と当接部とは同一の移動軸上に位置しており、検知突起が圧力検知面に対応する。圧力検知面は、検知突起の配置に応じて変わる。例えば、検知突起が当接部に面している場合、圧力検知面は、当接部の表面である。検知突起が軸受構造に面している場合、圧力検知面は、軸受構造の内面である。加えて、金型装置は、温度センサと圧力センサとの間に配置された保護構造を含み、保護構造は、当接部の保護を提供する。保護構造は、圧力センサに当接し、検知突起が当接部に面している場合、圧力検知面は、当接部の表面である。保護構造の硬度は、検知突起の硬度よりも大きい。
【0038】
加えて、本開示の金型装置は、温度センサの温度を冷却し、高温による温度センサの損傷を防止するための冷却流路をさらに含む。冷却流路は、軸受構造および/または保護構造に位置し、冷却流路は、検知部以外の温度センサを覆う部分と熱交換して温度センサの温度を局所的に低下させることができる。したがって、温度センサは、より高い金型温度に耐えることができ、その結果、異なるプロセスにおける温度センサの利用可能性を向上させることができる。
【0039】
本開示の範囲または趣旨から逸脱することなく、開示された実施形態に対して様々な修正および変形を行うことができることは、当業者には明らかであろう。上記を考慮して、本開示は、以下の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内に入るという条件で、修正および変形を包含することが意図されている。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の金型装置は、射出成形プロセスおよびスマート成形プロセスなどの成形プロセスに適用することができる。
【符号の説明】
【0041】
100a、100b、100c:金型装置
110:金型
112:キャビティ
120a、120b:軸受構造
122:収容スペース
130a1、130a2、130b、130c、130d、130e:検知モジュール
132:温度センサ
133:延長構造
136:圧力センサ
137:検知突起
138:当接面
140a、140b:突き出し板構造
142a、142b:突き出し板
143:貫通孔
144:突き出しピン
150a、150b、150c:保護構造
152:突起
160:冷却流路
161:流路
162:水入口
164:水出口
A:線
B1、B2、B3:位置
LR:受光ユニット
M1:移動軸
P1:検知部
P2:当接部
S1、S2、S3、S4:圧力検知面
【外国語明細書】