IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コリア アトミック エナジー リサーチ インスティテュートの特許一覧

特開2023-158625三重水素を含む廃水の移動式及び原位置処理装置、並びにこれを用いた処理方法
<>
  • 特開-三重水素を含む廃水の移動式及び原位置処理装置、並びにこれを用いた処理方法 図1
  • 特開-三重水素を含む廃水の移動式及び原位置処理装置、並びにこれを用いた処理方法 図2
  • 特開-三重水素を含む廃水の移動式及び原位置処理装置、並びにこれを用いた処理方法 図3
  • 特開-三重水素を含む廃水の移動式及び原位置処理装置、並びにこれを用いた処理方法 図4
  • 特開-三重水素を含む廃水の移動式及び原位置処理装置、並びにこれを用いた処理方法 図5
  • 特開-三重水素を含む廃水の移動式及び原位置処理装置、並びにこれを用いた処理方法 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023158625
(43)【公開日】2023-10-30
(54)【発明の名称】三重水素を含む廃水の移動式及び原位置処理装置、並びにこれを用いた処理方法
(51)【国際特許分類】
   G21F 9/06 20060101AFI20231023BHJP
   B01D 59/36 20060101ALI20231023BHJP
   G21F 9/18 20060101ALI20231023BHJP
【FI】
G21F9/06 591
B01D59/36
G21F9/18
G21F9/06 G
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186260
(22)【出願日】2022-11-22
(31)【優先権主張番号】10-2022-0047565
(32)【優先日】2022-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
(71)【出願人】
【識別番号】597060645
【氏名又は名称】コリア アトミック エナジー リサーチ インスティテュート
【氏名又は名称原語表記】KOREA ATOMIC ENERGY RESEARCH INSTITUTE
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【弁理士】
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 俊弘
(74)【代理人】
【識別番号】100215142
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 徹
(72)【発明者】
【氏名】イ、スンヨプ
(72)【発明者】
【氏名】クォン、チャンスン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】三重水素を含む廃水容器に微細藻類を投入して原位置で三重水素を除去して処理する方法及び装置を提供する。
【解決手段】本発明の一側面によると、LED光源を含むLEDケーブル及びガス供給ケーブルを含み、上記ガス供給ケーブルは気体バブルを供給するものである、三重水素を含む廃水の原位置処理装置が提供される。
本発明の他の側面によると、上記本発明の三重水素を含む廃水の処理装置を、三重水素を含む廃水が保管された容器に投入する段階;上記容器に微細藻類を投入する段階;及び、ガス供給ケーブルによって供給される気体バブル下でLEDケーブルの光を用いて光合成を誘導する段階を含む、三重水素を含む廃水の処理方法が提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED光源を含むLEDケーブル;及び
ガス供給ケーブルを含み、
前記ガス供給ケーブルは、空気及び二酸化炭素を含む混合気体を気体バブル形態で供給するものである、三重水素を含む廃水の原位置処理装置。
【請求項2】
前記LEDケーブルは、白色光源、赤色光源、青色光源、及び緑色光源を1つのケーブルに含むか、または各光源を別のケーブルとして含むケーブルの組み合わせを含む、請求項1に記載の三重水素を含む廃水の原位置処理装置。
【請求項3】
前記気体バブルは、平均粒径が10nm~100μmの微細バブル及び平均粒径が100μm超過~10mmの一般バブルをともに含む、請求項1に記載の三重水素を含む廃水の原位置処理装置。
【請求項4】
前記LEDケーブル、ガス供給ケーブル、またはこれら全ては折り畳み式構造で形成される、請求項1に記載の三重水素を含む廃水の原位置処理装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の三重水素を含む廃水の原位置処理装置を三重水素を含む廃水が保管された容器に投入する段階;
前記容器に微細藻類を投入する段階;及び
ガス供給ケーブルによって供給される気体バブル下でLEDケーブルの光を用いて光合成を誘導する段階;を含む、三重水素を含む廃水の原位置処理方法。
【請求項6】
前記気体バブルが1.0~20.0m/hrの量で供給される、請求項5に記載の三重水素を含む廃水の原位置処理方法。
【請求項7】
三重水素を含む廃水の処理装置は、三重水素を含む廃水が保管された容器を密閉するための密閉栓をさらに含む、請求項5に記載の三重水素を含む廃水の原位置処理方法。
【請求項8】
三重水素を含む廃水が保管された容器の上部に冷却器を配置する段階をさらに含む、請求項5に記載の三重水素を含む廃水の原位置処理方法。
【請求項9】
前記容器の廃水はpH7~8及び20~25℃の温度に維持される、請求項5に記載の三重水素を含む廃水の原位置処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三重水素を含む廃水の処理方法及び装置に関するものであって、より詳細には、水中の三重水素及びこれを含む廃水を原位置(in-situ)で浄化することができる移動式装置及び方法に関するものである。本発明によると、微細藻類の光合成を用いた生物工学的方法で水中の三重水素の除去効率を最大化させた三重水素除去方法及び装置が提供される。
【背景技術】
【0002】
一般的に重水炉原電では、原子炉の運転に必要な冷却材及び減速材として重水(D2O)を用いる。原子炉の出力運転中に、上記重水の一部が中性子と結合して三重水素(Tritium;HまたはT)に変わって放射能を発生させ、その発生濃度は発電所の稼働年数に応じて増加する。三重水素は水素同位元素の一つで、一つの陽性子及び二つの中性子からなる質量数3の人工放射性元素である。このような三重水素は、水素の同位元素の中で最も重いだけでなく、ベータ崩壊(β-decay)を行い、半減期が12.3年の放射性元素であることから、大量に使用すると放射能汚染を誘発するようになる。
【0003】
三重水素は低エネルギーのベータ線を放出して、作業者の呼吸または皮膚を通じて体内に取り込まれて内部被曝を引き起こす。三重水素による被曝の影響を低減するために、重水炉原電では三重水素除去設備(TRF;Tritium Removal Facility)が稼働している。しかし、三重水素除去設備も水蒸気形態の三重水素を完全に除去できず、海水で希釈して温排水として放出している実情である。よって、海水を飲料水源として利用する際には、海水中の三重水素(HTO)が大きな問題となるおそれがある。
【0004】
このため、日本の福島原電のように、小規模または大規模な一時保管タンクに三重水素の廃水を保管する場合もあり、このような廃水内の三重水素を除去するためには、原電敷地が非常に狭小な場合、原電敷地の外に別の三重水素処理装置及び付帯施設を設ける必要があり、廃水を当該装置及び付帯施設に移送するための移送管などを複雑且つ長く連結する必要があるという問題があり、このような状況に対する都合が良くない場合には、三重水素の廃水を処理する適切な方法がない実情である。
【0005】
一方、三重水素を除去するための装置に関する技術として、韓国登録特許第2005-0006382号(特許文献1)では三重水素処理システムを開示しているが、上記先行技術は空気中の三重水素を除去するための装置であり、水中に排出される三重水素は除去できないという問題がある。
【0006】
すなわち、現在まで国内外で液相に存在する三重水素をその場で除去する技術に対する必要性が増加している実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国登録特許第2005-0006382号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一側面は、微細藻類の光合成を用いた生物工学的方法で水中の三重水素の除去効率を最大化し、水中の三重水素及びこれを含む廃水を効果的に除去することができる方法を提供することである。
【0009】
本発明の他の側面は、上述のように微細藻類の光合成を用いた生物工学的方法で容器に保管されている三重水素を原位置で除去する装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面によると、LED光源を含むLEDケーブル及びガス供給ケーブルを含み、上記ガス供給ケーブルは気体バブルを供給するものである、三重水素を含む廃水の原位置処理装置が提供される。
【0011】
本発明の他の側面によると、上記本発明の三重水素を含む廃水の処理装置を、三重水素を含む廃水が保管された容器に投入する段階;上記容器に微細藻類を投入する段階;及び、ガス供給ケーブルによって供給される気体バブル下でLEDケーブルの光を用いて光合成を誘導する段階を含む、三重水素を含む廃水の処理方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、様々な規模及び大きさの場所に保管された三重水素含有廃水を原位置(in-situ)で高い効率で処理することができる方法及び装置が提供され、本発明の技術によると、水中の三重水素の除去とともに廃水の体積減少を成すことができ、さらに水蒸気形態で三重水素が排出されることを防止して、空気中の三重水素の汚染問題も解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の例示的な三重水素を含む廃水の処理装置を、三重水素を含む廃水が保管された容器に投入した例を図式的に示したものである。
図2】三重水素を含む廃水が保管された容器を密閉するための密閉栓をさらに含む本発明の廃水の処理装置の例を図式的に示したものである。
図3】廃水の処理装置が冷却器を含む場合、これに追加することができる冷却コイル及び水分凝縮フィルタの例示的な構造を図式的に示したものである。
図4】本発明の例示的な折り畳み式LEDケーブルの形態を図式的に示したものである。
図5】本発明の例示的な折り畳み式ガス供給ケーブルの形態を図式的に示したものである。
図6】本発明の例示的な折り畳み式ガス供給ケーブル及びLEDケーブルを廃水が保管された容器に投入した例を図式的に示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は、いくつかの他の形態に変形することができ、本発明の範囲が以下説明する実施形態に限定されるものではない。
【0015】
本発明によると、三重水素廃水を保管する容器に投入して原位置(in-situ)で三重水素を含む廃水を処理することができる装置及び方法が提供される。図1は、本発明の例示的な三重水素を含む廃水の処理装置を三重水素を含む廃水が保管された容器に投入した例を図式的に示したものである。
【0016】
より詳細には、図1に示すように、本発明の三重水素を含む廃水の処理装置100は、LED光源を含むLEDケーブル20及びガス供給ケーブル10を含み、上記ガス供給ケーブル10のバブル発生点であるバブル供給部11から供給される気体バブルは、空気及び/または二酸化炭素をバブル形態で供給するものである。上記バブルは、微細バブル及び/または一般バブルを含むことができる。
【0017】
自然界の微細藻類は光源である太陽光あるいはLEDの可視光線の領域の光を受けて水を光分解してブドウ糖を合成することができる。そして、水を光分解する過程でトリチウムを細胞内に濃縮させることができる。つまり、以下のような水の光分解及びブドウ糖の合成反応によって水中の三重水素がブドウ糖(C12)に固定及び濃縮されることができる。
6CO+12HO+光(またはLED)→C12+6O+6H
[反応式1]
【0018】
このように[反応式1]の水光分解及び三重水素の固定/濃縮反応は、豊富な一般/微細バブルの提供を介して微細藻類の細胞表面が三重水素イオン(あるいはT)及び三重水素の水分子(HTO)などによって持続的に刺激を受けながら、微細藻類の細胞内に三重水素が円滑に吸収されることができる。
【0019】
上記LEDケーブル及びガス供給ケーブルを構成するケーブルの材質は、防水材質であれば特に制限されず、柔軟性のある材質であることがより好ましく、LEDケーブルの場合、光が透過できる透明材質であることが好ましい。例えば、軟性のある高分子樹脂、例えば、ポリエチレン、PVDF(polyvinylidene fluoride)、テフロンなどの材料を用いてチューブ形態で製造されたケーブルであることができる。
【0020】
上記LEDケーブルは、白色光源、赤色光源、青色光源、及び緑色光源の組み合わせを含むことが好ましく、これら光源を任意順に一つのケーブル内に配置するか、または各光源を別のケーブルに配置してこれらケーブルの組み合わせを用いることもできる。
【0021】
白色光源、赤色光源、青色光源、及び緑色光源の比率は特に制限されるものではないが、例えば、白色光源:赤色光源:青色光源:緑色光源を10~20:50~80:20~50:0~10の割合で含むことができる。
【0022】
LEDケーブルによって放出される光の光度は50~200μmol/m・sであることが好ましく、光度がそれ未満である場合、微細藻類の成長が不十分であることがあり、光度がこれを超える場合、壊死などの問題が生じるおそれがある。
【0023】
一方、上記ガス供給ケーブルは、空気及び二酸化炭素を含む混合気体をバブル形態に供給することが好ましく、空気及び二酸化炭素の割合は必要に応じて調節することができるが、例えば、二酸化炭素は全体ガスのうち、0.03~1.0体積%の含有量で含まれることができる。二酸化炭素の量がそれ未満である場合、微細藻類の成長が不十分であることがあり、これを超える場合にはpHが劣るという傾向がある。
【0024】
本発明において、上記バブルは、平均粒径が10nm~10mmのバブルを含むものであり、上記バブルは、例えば、平均粒径が10nm~100μmの微細バブル及び/または平均粒径が100μm超過ないし10mmの一般バブルを含むことができ、これを供給するガス供給ケーブルの形態は、このようなサイズのバブルが供給できるものであれば、特に制限されるものではない。
【0025】
一方、ガス供給ケーブルは、好ましくは廃水が保管された容器の下端部に配置されるものであるが、本発明のガス供給ケーブルによって提供されるバブルの移動距離を考慮して廃水容器内に浮遊する微細藻類の細胞が適切な表面刺激を受けて、活発に動いて移動できるようにガス供給ケーブルを配置することができる。
【0026】
例えば、保管された廃水容器の体積が小さく、高さが深くない場合、図1のように特別な形態を実現することなく、廃水が保管された容器に投入されることもでき、廃水が保管された容器の大きさ及び深さに応じて、例えば、図5のようなガス供給ケーブル層を一定間隔で複数配置することができる。但し、上記図5の構造は、例示的な折り畳み式ガス供給ケーブル及びLEDケーブルを示したものであって、ガス供給ケーブルの配置形態は特に制限されない。
【0027】
一方、ガス供給ケーブルに気体が供給される場合、廃水が保管された容器内でガス供給ケーブルが浮く傾向が発生する可能性があるため、例えば、図5のガス供給ケーブル固定部(リング)13などのように鉛などの金属といった高い密度を有する材質から製造された任意の形態の重みをさらに備えることができるが、形態及び位置はこれに制限されない。
【0028】
一方、上記LEDケーブル、ガス供給ケーブル、またはこれら全ては、折り畳み式構造で形成されることができる。図6は、本発明の例示的な折り畳み式ガス供給ケーブル及びLEDケーブルを廃水が保管された容器に投入した例を図式的に示したものである。
【0029】
例えば、図4は本発明の例示的な折り畳み式LEDケーブルの形態を図式的に示したものであり、図5は本発明の例示的な折り畳み式ガス供給ケーブルの形態を図式的に示したものであるが、これに制限されるものではなく、例えば、廃水が保管された容器の上端に貫通口を設けて本発明の装置を投入する場合、投入後に貫通口よりも拡張した体積に広げられる折り畳み式傘のような構造で制限なく形成されることができる。但し、これに制限されるものではなく、廃水が保管された容器の上端の貫通口を広く形成する場合には、折り畳み式ではない形態で形成されても構わない。
【0030】
上記LEDケーブル及び/またはガス供給ケーブルを一定の3次元構造に形成するために、例えば、図4及び図5に示したように、鋼鉄ワイヤーなどで製造されたガス供給ケーブル支持部12及び/またはLEDケーブル支持部21を意図する形態で形成した後、これによってLEDケーブル及び/またはガス供給ケーブルを上記支持部にそれぞれ固定して最終形態を実現することができる。
【0031】
一方、図4に示したように、防水カム22を配置して、廃水保管容器の内部状況及び機器の作動有無などをリアルタイムで追跡及びモニタリングすることができる。
【0032】
さらに、本発明の上記三重水素を含む廃水の処理装置は、冷却器をさらに含むことができ、上記冷却器は、廃水が保管された容器の上端部、すなわち廃水と空気の気液界面を基準として空気が存在する装置側に配置されて水蒸気形態の三重水素が発生する場合、これを冷却させて再び廃水に流入するようにし、大気放出による三重水素の汚染を防止することができる。さらに、例えば、図3は、廃水の処理装置が冷却器を含む場合、これに追加され得る冷却コイル31及び水分凝縮フィルタ33の例示的な構造を図式的に示したものであり、冷却器連結部32を介して冷却器30と連結されることができる。このような冷却コイルなどの構造が廃水が保管された容器の上端部の末端の蓋の下面に配置されることができる。
【0033】
このとき、冷却器は、容器内の空気が10℃~15℃の温度に冷却されて水蒸気から廃水に回収されるように運転されることができる。
【0034】
本発明の他の側面によると、上記本発明の三重水素を含む廃水の処理装置を用いて三重水素を含む廃水を処理する方法が提供される。本発明の三重水素を含む廃水を処理する方法に適用される装置に関しては、上記装置に関して記述した内容がすべて適用されることができる。
【0035】
より詳細には、本発明の三重水素を含む廃水の処理方法は、上記本発明の三重水素を含む廃水の処理装置を三重水素を含む廃水が保管された容器に投入する段階;上記容器に微細藻類を投入する段階;及び、ガス供給ケーブルによって供給される気体バブル下でLEDケーブルの光を用いて光合成を誘導する段階を含むことである。
【0036】
本発明において、上記気体バブルは、1.0~20.0m/hrの量で供給されるものであることができ、上記気体バブルの供給がそれ未満である場合には、光合成の最大化が円滑に行われない場合があり、気体バブルの供給が過度に行われる場合、水面上の気泡の発生が多くなって、光を遮断するか、水の蒸発散量が過多になることがある。
【0037】
さらに、廃水が保管された容器の上端に貫通口を設けて本発明の装置を投入する場合、三重水素を含む廃水の処理装置は、三重水素を含む廃水が保管された容器を密閉するための密閉栓40をさらに含むことができ、図2は、三重水素を含む廃水が保管された容器を密閉するための密閉栓をさらに含む本発明の廃水の処理装置の例を図式的に示したものである。
【0038】
さらに、三重水素を含む廃水が保管された容器の上部に冷却器を配置する段階をさらに含むことができ、上記冷却器は廃水が保管された容器の上端部に配置されて水蒸気形態の三重水素を冷却させ、再び廃水に流入されるようにして空気中の三重水素の汚染を防止することができる。このとき、冷却器は、容器内の空気が10℃~15℃の温度に冷却されて水蒸気から廃水に回収されるように運転することができる。
【0039】
一方、上記容器の廃水はpH7~8及び20~25℃の温度に維持されることが好ましく、このような条件で微細藻類の光合成が最大化できる。上記pHが中性~弱アルカリの範囲を維持するように、HCl、NaOHなどの酸及び/またはアルカリを投入してpHを調節することができる。廃水の温度を維持するために、簡単な移動式冷温装置を一時的に内部に設置して、廃水の温度を外部から調節できるようにした。
【0040】
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0041】
10 ガス供給ケーブル
11 ガス供給部(バブル発生点)
12 ガス供給ケーブル支持部(鋼鉄ワイヤー)
13 ガス供給ケーブル固定部(リング)
20 LEDケーブル
21 LEDケーブル支持部(鋼鉄ワイヤー)
22 防水カム
30 冷却器
31 冷却コイル
32 冷却器連結部
33 水分凝縮フィルタ(ナノ気孔銅素材など)
40 密閉栓
100 三重水素を含む廃水の処理装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6