(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023158632
(43)【公開日】2023-10-30
(54)【発明の名称】無線通信可能なタグを備えるコンクリート部材の製造方法
(51)【国際特許分類】
B28B 23/00 20060101AFI20231023BHJP
G06K 19/077 20060101ALI20231023BHJP
【FI】
B28B23/00
G06K19/077 220
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023033476
(22)【出願日】2023-03-06
(31)【優先権主張番号】P 2022068507
(32)【優先日】2022-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000174943
【氏名又は名称】三井住友建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蓮尾 孝一
(57)【要約】
【課題】無線通信可能なタグを備えるコンクリート部材の製造方法であって、コンクリートの表面から比較的浅い位置に精度よくタグを配置でき、かつ作業性の良い方法を提供する。
【解決手段】コンクリート部材を製造する方法は、主型枠部材8及び埋め殺し型枠部材9を含む型枠5を組み立てるステップと、型枠5内にコンクリートを打設するステップと、主型枠部材8を取り外すステップとを備える。埋め殺し型枠部材9は、タグ4が固定された底壁部12と、底壁部12に立設されて主型枠部材8の内面に連結する側壁部13とを含み、タグ4が主型枠部材8から離隔するように、主型枠部材の内面に連結される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信可能なタグを備えるコンクリート部材の製造方法であって、
前記コンクリート部材の少なくとも一部の表面を画成する主型枠部材、及び前記主型枠部材に連結されるとともに前記タグが取り付けられた埋め殺し型枠部材を含む型枠を組み立てるステップであって、前記埋め殺し型枠部材は、前記タグが固定された底壁部と、前記底壁部に立設された側壁部とを含み、前記タグが前記主型枠部材から離隔するように、前記底壁部及び/又は前記側壁部を前記主型枠部材の内面に連結させる、組立ステップと、
コンクリートを前記主型枠部材内に打設するステップと、
前記主型枠部材を取り外す脱型ステップと
を備える方法。
【請求項2】
前記側壁部の立設方向の長さは、前記底壁部の主面の縦方向長さ及び/又は横方向長さよりも短く、
前記組立ステップにおいて、前記底壁部は、前記主型枠部材の内面から離隔して配置され、前記側壁部が、前記立設方向の先端部において前記主型枠部材の内面に連結される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記側壁部は、前記底壁部と前記主型枠部材との間に前記コンクリートが流入しないように前記底壁部を全周に渡って囲むように配置され、
前記方法は、前記脱型ステップの後に行われる、前記コンクリートが硬化することによって形成されたコンクリート部の表面における前記底壁部と前記側壁部とによって画成される凹部に仕上げ材を充填するステップを更に備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記タグは、前記底壁部における前記側壁部が立設している側の面に固定されている、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記側壁部は互いに対向するように1対設けられ、1対の前記側壁部の両側部間に1対の開口部が画成された、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記主型枠部材は、鉛直方向に平行な側板部を含み、
前記組立ステップにおいて、前記埋め殺し型枠部材は、1対の前記開口部が前記鉛直方向を向くように前記側板部に取り付けられる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記側壁部の立設方向の長さは、前記底壁部の主面の縦方向長さ及び/又は横方向長さよりも短く、
前記埋め殺し型枠部材は、前記底壁部に対向して前記側壁部に連結した対向壁部を更に含み、
前記組立ステップにおいて、前記底壁部及び前記対向壁部が、その側縁において前記主型枠部材の内面に連結する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記側壁部は、前記底壁部と前記対向壁部との間に前記コンクリートが流入しないように、前記主型枠部材に当接する部分を除いて前記底壁部及び前記対向壁部の周縁を囲むように配置される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記主型枠部材は、鉛直方向に平行な側板部を含み、
前記組立ステップにおいて、前記埋め殺し型枠部材は、前記側板部に取り付けられ、
前記側板部に取り付けられた前記埋め殺し型枠部材は、前記底壁部と前記対向壁部との間に前記コンクリートが流入するように、上下に開口している、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記埋め殺し型枠部材は、少なくとも部分的に、前記タグに電気的に接触した導電性材料によって形成された、請求項1~9の何れか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記埋め殺し型枠部材は、前記主型枠部材に当接させる部分から延出するフランジを更に含み、
前記導電性材料は、前記タグに電気的に接触した部分から前記フランジまで連続して延在し、
前記組立ステップにおいて、前記埋め殺し型枠部材は、前記フランジの表面が前記主型枠部材の前記内面に当接するように前記主型枠部材に連結される、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信可能なタグを備えるコンクリート部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンクリート部材に無線通信可能なタグを埋め込み、その部材の製造時や補修時の情報を追跡可能とする需要が高まっている。情報を追跡可能とすることにより、構造物の保守管理の信頼性が高まる。また、プレキャストコンクリート部材の場合は、その部材が使用されていた構造物が解体された後も、その部材を再利用することが考えられるが、情報が追跡可能であることにより、その部材の品質を保証できる。ところで、コンクリート部材は長期間使用されるため、コンクリート部材の表面にタグを接着剤等で貼り付けた場合には、使用期間中にタグがコンクリート部材から剥落する可能性がある。このため、コンクリート部材から剥落しないように、タグをコンクリート部材に埋め込む様々な方法が提案されている。
【0003】
特許文献1には、型枠の内面にタグを仮固定することにより、コンクリート部材の表面にタグを埋め込むことが記載されている。特許文献2には、鉄筋にタグを取り付けることや、モルタルからなる埋設部材にタグを埋設して、鉄筋に埋設部材を取り付けることが記載されている。特許文献3には、鉄筋と型枠との間に配置されるスペーサにタグを埋設することが記載されている。特許文献4には、型枠の底面に波板形状のタグを載置した後に、型枠内にコンクリートを打設することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-216527号公報
【特許文献2】特開2008-221774号公報
【特許文献3】特開2013-248835号公報
【特許文献4】特開2014-065145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
型枠の内面にタグを仮固定する方法では、タグが完成したコンクリート部材の表面に配置され、タグの剥離の可能性が残るとともに、コンクリート部材の使用中にタグが破損するおそれがあった。鉄筋にタグを取り付ける方法では、タグの位置が深くなり、コンクリートが電波を通し難いため、タグとの無線通信が困難となるおそれがあった。タグを埋め込んだ埋設部材やスペーサを利用する方法では、埋設部材やスペーサがタグの埋設のために大きくなるため、バイブレータ等によるコンクリートの締固め作業時に、埋設部材やスペーサの周囲にコンクリートが回り込むように注意する必要があり、作業性が低下した。型枠の底面に波板形状のタグを載置する方法では、タグが流動性を有するコンクリートによって動くおそれがあるとともに、タグが完成した部材のコンクリートの表面に配置されるため、タグが破損するおそれがあった。
【0006】
本発明は、以上の背景に鑑み、無線通信可能なタグを備えるコンクリート部材の製造方法であって、コンクリートの表面から比較的浅い位置に精度よくタグを配置でき、かつ作業性の良い方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明のある態様は、無線通信可能なタグ(4)を備えるコンクリート部材(1,21)の製造方法であって、前記コンクリート部材の少なくとも一部の表面を画成する主型枠部材(8)、及び前記主型枠部材に連結されるとともに前記タグが取り付けられた埋め殺し型枠部材(9)を含む型枠を組み立てるステップであって、前記埋め殺し型枠部材は、前記タグが固定された底壁部(12,23)と、前記底壁部に立設された側壁部(13,25)とを含み、前記タグが前記主型枠部材から離隔するように、前記底壁部及び/又は前記側壁部を前記主型枠部材の内面に連結させる、組立ステップと、コンクリートを前記主型枠部材内に打設するステップと、前記主型枠部材を取り外す脱型ステップとを備える。
【0008】
この態様によれば、タグが固定された埋め殺し型枠部材が、主型枠部材に取り付けられるため、タグをコンクリート部材の表面から比較的浅い位置に精度よく配置できる。また、埋め殺し型枠部材は、薄くすることができるため、コンクリートの打設及び締固め作業を阻害しない。
【0009】
上記の態様のコンクリート部材(1)において、前記側壁部(13)の立設方向の長さは、前記底壁部(12)の主面の縦方向長さ及び/又は横方向長さよりも短く、前記組立ステップにおいて、前記底壁部は、前記主型枠部材(8)の内面から離隔して配置され、前記側壁部が、前記立設方向の先端部において前記主型枠部材の内面に連結されても良い。
【0010】
この態様によれば、タグをコンクリート部材の表面から比較的浅い位置に精度よく配置することができる。
【0011】
上記の態様において、前記側壁部(13a,13c)は、前記底壁部(12a,12c)と前記主型枠部材(8)との間に前記コンクリートが流入しないように前記底壁部を全周に渡って囲むように配置され、前記方法は、前記脱型ステップの後に行われる、前記コンクリートが硬化することによって形成されたコンクリート部(3)の表面における前記底壁部と前記側壁部とによって画成される凹部(16a,16c)に仕上げ材(17a,17c)を充填するステップを更に備えても良い。
【0012】
この態様によれば、底壁部と主型枠部材の対面との間にコンクリートを流入させる必要がないため、作業性が良い。
【0013】
上記の態様において、前記タグ(4)は、前記底壁部(12a,12c)における前記側壁部(13a,13c)が立設している側の面に固定されていると良い。
【0014】
この態様によれば、タグは、型枠内に打設されるコンクリートに接触しないため、コンクリートの打設中に埋め殺し型枠部材から剥離しない。
【0015】
上記の態様において、前記側壁部(13b)は互いに対向するように1対設けられ、1対の前記側壁部の両側部間に1対の開口部(14b)が画成されても良い。
【0016】
この態様によれば、コンクリートが開口部を介して底壁部と主型枠部材の内面との間に流入するため、脱型後に凹部を仕上げ材で充填する作業が不要になる。
【0017】
上記の態様において、前記主型枠部材(8)は、鉛直方向に平行な側板部(11)を含み、前記組立ステップにおいて、前記埋め殺し型枠部材(9b)は、1対の前記開口部(14b)が前記鉛直方向を向くように前記側板部に取り付けられても良い。
【0018】
この態様によれば、重力の影響によってコンクリートが、底壁部と側板部の内面との間に流入し易く、作業性が良い。
【0019】
上記の態様のコンクリート部材(21)において、前記側壁部(25)の立設方向の長さは、前記底壁部(23)の主面の縦方向長さ及び/又は横方向長さよりも短く、前記埋め殺し型枠部材(22)は、前記底壁部に対向して前記側壁部に連結した対向壁部(24)を更に含み、前記組立ステップにおいて、前記底壁部及び前記対向壁部が、その側縁において前記主型枠部材の内面に連結しても良い。
【0020】
この態様によれば、埋め殺し型枠部材の内、コンクリート部材の表面に露出する部分間の幅が狭く、意匠性に優れたコンクリート部材を提供できる。
【0021】
上記の態様において、前記側壁部(25d)は、前記底壁部(23d)と前記対向壁部(24d)との間に前記コンクリートが流入しないように、前記主型枠部材(8)に当接する部分を除いて前記底壁部及び前記対向壁部の周縁を囲むように配置されても良い。
【0022】
この態様によれば、底壁部と対向壁部との間にコンクリートを流入させる必要がないため、作業性が良い。
【0023】
上記の態様において、前記主型枠部材(8)は、鉛直方向に平行な側板部(11)を含み、前記組立ステップにおいて、前記埋め殺し型枠部材(22e)は、前記側板部に取り付けられ、前記側板部に取り付けられた前記埋め殺し型枠部材は、前記底壁部(23e)と前記対向壁部(24e)との間に前記コンクリートが流入するように、上下に開口していても良い。
【0024】
この態様によれば、重力の影響によってコンクリートが、底壁部と対向壁部の内面との間に流入し易く、作業性が良い。
【0025】
上記の態様のコンクリート部材(1,21)において、前記埋め殺し型枠部材(9,22)は、少なくとも部分的に、前記タグに電気的に接触した導電性材料によって形成されても良い。
【0026】
この態様によれば、導電性材料がタグのアンテナとして機能するため、タグとの通信性が容易になる。
【0027】
上記の態様において、前記埋め殺し型枠部材(9c)は、前記主型枠部材(8)に当接させる部分から延出するフランジ(15c)を更に含み、前記導電性材料は、前記タグ(4)に電気的に接触した部分から前記フランジまで連続して延在し、前記組立ステップにおいて、前記埋め殺し型枠部材は、前記フランジの表面が前記主型枠部材(8)の前記内面に当接するように前記主型枠部材に連結されても良い。
【0028】
この態様によれば、少なくとも部分的にアンテナとして機能するフランジがコンクリート部から露出するため、タグとの通信性が容易になる。
【発明の効果】
【0029】
以上の態様によれば、コンクリート部材に無線通信可能なタグを埋設する方法であって、コンクリートの表面から比較的浅い位置に精度よくタグを配置でき、かつ作業性の良い方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】第1~第3実施形態に係るコンクリート部材を示す側面図
【
図2】第1及び第2実施形態に係るコンクリート部材の製造途中の段階(型枠内にコンクリートを打設した段階)を示す横断面図
【
図3】第1実施形態に係る埋め殺し型枠部材を示す図(A:B図におけるA-A線に沿った断面図、B:主型枠部材に取り付けられる側から見た図)
【
図4】第2実施形態に係る埋め殺し型枠部材を示す図(A:B図におけるA-A線に沿った断面図、B:主型枠部材に取り付けられる側から見た図)
【
図5】第3実施形態に係る埋め殺し型枠部材を示す断面図
【
図6】第1実施形態に係る埋め殺し型枠部材を用いたコンクリート部材におけるタグ周辺の拡大図(A:主型枠部材の脱型後の状態を示すB図におけるA-A線に沿った断面図、B:主型枠部材の脱型後の状態を示す部材の表面図、C:A図と同じ断面における仕上げ後の状態を示す図)
【
図7】第2実施形態に係る埋め殺し型枠部材を用いたコンクリート部材におけるタグ周辺の拡大図(A:主型枠部材の脱型後の状態を示すB図におけるA-A線に沿った断面図、B:主型枠部材の脱型後の状態を示す部材の表面図)
【
図8】第3実施形態に係る埋め殺し型枠部材を用いたコンクリート部材におけるタグ周辺の拡大縦断図(仕上げ後の状態)
【
図9】第4及び第5実施形態に係るコンクリート部材の製造途中の段階(型枠内にコンクリートを打設した段階)を示す横断面図
【
図10】第4実施形態に係る埋め殺し型枠部材を示す図(A:B図におけるA-A線に沿った断面図、B:対向壁部の主面に直交する方向から見た図)
【
図11】第4実施形態に係る埋め殺し型枠部材を用いたコンクリート部材におけるタグ周辺の拡大図(A:側面に配置された埋め殺し型枠部材の水平断面図、B:主型枠部材の脱型後の状態を示す部材の表面図)
【
図12】第5実施形態に係る埋め殺し型枠部材を示す図(A:B図におけるA-A線に沿った断面図、B:対向壁部の主面に直交する方向から見た図)
【
図13】第5実施形態に係る埋め殺し型枠部材を用いたコンクリート部材におけるタグ周辺の拡大図(A:側面に配置された埋め殺し型枠部材の水平断面図、B:主型枠部材の脱型後の状態を示す部材の表面図)
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照して、実施形態に係るコンクリート部材1,21及びその製造方法について説明する。
【0032】
図1は、第1~第3実施形態に係るコンクリート部材1の側面図である。
図1に示すようには、実施形態に係るコンクリート部材1は、鉄筋2と、鉄筋2の中間部を埋設したコンクリート部3と、コンクリート部3に埋設されたタグ4とを備える。コンクリート部材1は、建物の梁を構成する部材であり、プレキャストコンクリート部材である。なお、コンクリート部材1は、鉄筋コンクリート造に代えて、無筋コンクリート造であっても良く、プレストレストコンクリート造であっても良い。コンクリート部材1は、梁に代えて、床スラブや柱等の建物を構成する他の部材であっても良く、擁壁、橋梁、縁石、又は側溝等の土木構造物を構成する部材であっても良い。コンクリート部材1は、プレキャストコンクリート部材であることに代えて、ハーフプレキャストコンクリート部材や現場打のコンクリートの部材であっても良い。
【0033】
図2は、コンクリート部材1(
図1参照)を製造するために、鉄筋2を収容した型枠5内にコンクリートを打設した状態を示す。
【0034】
鉄筋2は、コンクリート部材1(
図1参照)の延在方向に延在する複数の主筋6と、主筋6に直交するように配置されて複数の主筋6を囲むせん断補強筋7とを含む。せん断補強筋7は、主筋6の延在方向に互いに離間して複数配置される。
【0035】
コンクリート部3は、流動性を有するコンクリートが、型枠5内に打設されて硬化することによって形成される。
【0036】
図1及び
図2に示すように、タグ4は、外部の機器と無線通信可能な部材であり、例えば、RFID(Radio Frequency Identification)システムにおけるICタグ(RFタグ)である。タグ4には、コンクリート部材1の材質や施工事業者、施工年月日等の施工時の情報、検査結果、検査事業者、検査年月日等の検査時の情報、及び、補修工事の内容、補修事業者、補修年月日等の補修時の情報等が保存される。なお、タグ4がこれらの情報を保存することに代えて、タグ4はコンクリート部材1の識別情報を保存し、外部の記憶機器(コンピューターのハードディスクやDVD等)が、識別情報と関連付けられた施工時、検査時及び補修時の情報等を保存しても良い。タグ4は、薄片形状又は板形状を呈する。
【0037】
型枠5は、流動性を有するコンクリートを受容し、コンクリート部3の底面及び側面を画成し、コンクリートの硬化後に取り外される主型枠部材8と、タグ4が固定された埋め殺し型枠部材9とを含む。
【0038】
主型枠部材8は、直接コンクリートに接する面板(せき板)と、面板を支持する固定器具とを含む。
図2では、主型枠部材8として面板のみを図示している。主型枠部材8の面板は、コンクリート部3の底面を画成するように水平に配置された底板部10と、底板部10から鉛直方向に立設されてコンクリート部3の側面を画成する平板形状の側板部11とを含む。コンクリート部材1(
図1参照)の形状によっては、底板部10及び側板部11の向き及び形状を変更しても良く、主型枠部材8は、コンクリート部3の上面を画成する蓋部(図示せず)を含んでも良い。現場打のコンクリートであれば、底板部10に代えて製造済みの部分のコンクリートの上面が、側板部11と協働してコンクリートを受容しても良い。図示する主型枠部材8は、鋼製型枠であるが、木製型枠であっても良い。
【0039】
図3~
図5は、第1~第3実施形態に係る埋め殺し型枠部材9a,9b,9cを示す。以下、これらを区別する必要がない場合は、単に「埋め殺し型枠部材9」と記す。埋め殺し型枠部材9を構成する部分についても同様に符号を付す。
【0040】
図3に示すように、第1実施形態に係る埋め殺し型枠部材9aは、タグ4が固定される底壁部12aと、底壁部12aの周縁から立設された側壁部13aとを含む。底壁部12aは、平板形状をなし、その主面の方向から見て矩形をなす。側壁部13aは、底壁部12aの周縁の全周を囲む筒形状をなし、底壁部12aに直交していることが好ましい。従って、埋め殺し型枠部材9aは、側壁部13aの先端側が開口した箱型をなす。環形状の側壁部13aの先端部は、全体が隙間なく主型枠部材8の側板部11に当接するように、側板部11の内面が平面であれば、1つの平面上に位置する。タグ4は、薄片形状又は板形状の主面が底壁部12aの主面に当接するように配置される。側壁部13aの立設方向の長さは、底壁部12aの主面の縦方向長さ及び/又は横方向長さ(底壁部12a辺縁に沿った方向の長さ)よりも短く、埋め殺し型枠部材9aは、扁平な箱型をなす。底壁部12aは、平板形状に代えて湾曲した形状であっても良く、主面の方向から見た形状も矩形以外の形状、例えば、円形や多角形でも良い。底壁部12aの主面の方向から見た形状が矩形以外の場合の縦方向及び横方向は、底壁部12aの主面に外接する四角形の内、その面積が最小となる四角形の縦方向及び横方向であり、底壁部12aが湾曲している場合の底壁部12aの縦方向及び横方向の長さは、底壁部12aの辺縁間の直線距離である(他の実施形態でも同様)。
【0041】
図4に示すように、第2実施形態に係る埋め殺し型枠部材9bは、タグ4が固定される底壁部12bと、底壁部12bから立設された1対の側壁部13bとを含む。底壁部12bは、平板形状をなし、その主面の方向から見て矩形をなす。1対の側壁部13bは、底壁部12bの互いに離間した辺部に立設され、互いに対向する。1対の側壁部13bは、底壁部12aに直交して、互いに平行な平板形状であることが好ましい。底壁部12bにおける側壁部13bが立設していない辺部と、1対の側壁部13bの側縁とでコ字状に囲まれた部分は開口部14bとなっている。従って、埋め殺し型枠部材9bは、1枚の平板の両端部を互いに同方向に直角に折り曲げた形状をなすことが好ましい。1対の側壁部13bは、底壁部12bからの突出長が互いに等しく、その先端部は、互いに平行であることが好ましい。タグ4は、板形状の主面が底壁部12bに当接するように配置される。側壁部13bの立設方向の長さは、底壁部12bの主面の縦方向長さ及び/又は横方向長さよりも短い。底壁部12bは、平板形状に代えて湾曲した形状であっても良く、主面の方向から見た形状は、矩形以外の形状でも良いが、1対の側壁部13bが立設する辺部は互いに平行であることが好ましい。
【0042】
図5に示すように、第3実施形態に係る埋め殺し型枠部材9cは、タグ4が固定される底壁部12cと、底壁部12aの周縁から立設された側壁部13cと、側壁部13cの先端部から外側に延出したフランジ15cとを含む。底壁部12c及び側壁部13cは、第1実施形態の底壁部12a及び側壁部13a(
図3参照)と同様の構成をなす。フランジ15cは、矩形の環形状をなす側壁部13cの上端部の辺部の各々から外側に延出している。4つのフランジ15cの表面は、全体が隙間なく主型枠部材8の側板部11に当接するように、側板部11の内面が平面であれば、互いに同一平面上に位置する。
【0043】
図3~
図5に示すように、タグ4は、底壁部12bの側壁部13が立設している側の主面に固定されていることが好ましい。埋め殺し型枠部材9は、アンテナとして機能するように金属製の板等の導電性材料によって形成されても良く、さびが生じないようにセラミックや樹脂によって形成されても良い。埋め殺し型枠部材9は、その全体が導電性材料によって形成されることに代えて、タグ4に電気的に接触する部分を含む一部が導電性材料によって形成されても良い。例えば、埋め殺し型枠部材9は、セラミックや樹脂材料の表面の一部又は全体に導電性材料としての金属メッキを施したものでも良い。埋め殺し型枠部材9の一部に導電性材料を使用する場合、導電性材料は、第1及び第2実施形態の埋め殺し型枠部材9a,9bでは、タグ4に電気的に接触する部分から側壁部13a,13bの先端部まで連続して延在することが好ましく、第3実施形態の埋め殺し型枠部材9cでは、タグ4に電気的に接触する部分からフランジ15cまで連続して延在することが好ましい。また、底壁部12にアンテナとして機能する金属等の導電性材料を用い、底壁部12よりもコンクリート部3の表面側に位置する側壁部13及びフランジ15cには、さびが生じないように炭素繊維強化プラスチック、セラミック又は樹脂等の非金属材料を用いても良い。
【0044】
コンクリート部材1(
図1参照)の製造方法について説明する。
【0045】
図2に示すように、作業員は、鉄筋2を組み立て、組み立てた鉄筋2を受容するように型枠5を組み立てる。埋め殺し型枠部材9は、鉄筋2から離間し、鉄筋2よりも主型枠部材8の内面に近い位置に配置される。例えば、底壁部12は側板部11の内面から約10mm程度離れた位置に配置され、鉄筋2のかぶり厚は約40~50mmである。埋め殺し型枠部材9は、主型枠部材8の脱型時に主型枠部材8から離脱するように、側板部11の内面に取り付けられる。例えば、脱型時に取り外せるねじや釘、脱型時にはがれる程度の粘着力を有する接着剤、又は、脱型時に切断できる程度の強度を有する糸等によって、側壁部13a,13bの先端部(
図3及び
図4参照)、又は、フランジ15c(
図5参照)が側板部11の内面に当接するように、埋め殺し型枠部材9は、側板部11に取り付けられる。第1及び第3実施形態においては、埋め殺し型枠部材9a,9cと側板部11の内面との間は、流動性を有するコンクリートに対してシールされる。第2実施形態の埋め殺し型枠部材9bにおいては、1対の側壁部13bが鉛直方向に平行となり、1対の開口部14bが上下方向を向いていることが好ましく、底壁部12と側板部11の内面との間にコンクリートが流入する。
【0046】
型枠5を組み立てた後、作業員は、流動性を有するコンクリートを型枠5内に打設し、締固め作業を行う。
【0047】
コンクリートが硬化してコンクリート部3が所要の強度を有するまでの期間が経過したら、作業員は、主型枠部材8を取り外す。この時、埋め殺し型枠部材9は、主型枠部材8から離脱して、コンクリート部3内に残置される。
【0048】
第1実施形態の埋め殺し型枠部材9aを用いた場合には、
図6(A)及び(B)に示すように、脱型後のコンクリート部3の表面に、埋め殺し型枠部材9aの底壁部12a及び側壁部13aによって画成される凹部16aが形成されている。
図6(C)に示すように、作業員は、凹部16aにモルタル等の仕上げ材17aを充填する。作業員は、コンクリート部3における凹部16a以外の表面にも仕上げ材17aを塗布しても良い。
【0049】
第2実施形態の埋め殺し型枠部材9bを用いた場合には、
図7(A)及び(B)に示すように、脱型後のコンクリート部3の表面は面一となり、埋め殺し型枠部材9bの1対の側壁部13bの先端部のみがコンクリート部3の表面に現れている。これは、埋め殺し型枠部材9bが開口部14bを有し、コンクリートの打設時にコンクリートが開口部14bから底壁部12bと主型枠部材8の側板部11の内面との間に流入するためである。なお、第2実施形態において、脱型後に、モルタルや塗料等の仕上げ材(図示せず)がコンクリート部3の表面に塗布されても良い。
【0050】
第3実施形態の埋め殺し型枠部材9cを用いた場合には、
図8に示すように、脱型後のコンクリート部3の表面に、第1実施形態と同様に、埋め殺し型枠部材9cの底壁部12c及び側壁部13cによって画成される凹部16cが形成されている。また、フランジ15cがコンクリート部3から露出している。作業員は、凹部16cにモルタル等の仕上げ材17cを充填する。作業員は、コンクリート部3における凹部16c以外の表面にも仕上げ材17cを塗布しても良い。
【0051】
上記の製造方法による作用効果を説明する。
【0052】
図2及び
図6~8に示すように、タグ4を固定した埋め殺し型枠部材9は、主型枠部材8に取り付けられる。このため、コンクリートの打設によってタグ4が移動せず、主型枠部材8に対するタグ4の位置を正確に把握できる。従って、タグ4は所望の位置に精度よく配置され、その位置を記録しておくことにより、作業員は、完成後のコンクリート部材1におけるタグ4の位置を正確に把握でき、タグ4との無線通信を容易に行える。また、コンクリート部3の表面から比較的浅い位置に配置できるため、電波を通し難いコンクリートやモルタルに覆われていてもその厚さが薄いため、タグ4との無線通信が可能となる。
【0053】
上記の方法は、埋め殺し型枠部材9を鉄筋2に取り付けるものではないため、無筋コンクリートにも適用可能である。
【0054】
埋め殺し型枠部材9は、主型枠部材8の内面からの膨出厚さが小さいため、コンクリートの打設及び締固め作業を阻害せず、比較的容易に埋め殺し型枠部材9の周囲にコンクリートが回り込む。
【0055】
埋め殺し型枠部材9の全体又は一部が導電性材料で形成されてタグ4が電気的に導電性材料に接触している場合、導電性材料がアンテナとして機能し、タグ4との通信が容易となる。特に、第3実施形態の埋め殺し型枠部材9cを使用した場合であって、フランジ15cに導電性材料が含まれる場合には、アンテナとして機能するフランジ15cが電波を通し難いコンクリート部3から大きく露出しているため、タグ4との無線通信が更に容易となる。
【0056】
タグ4は、第1及び第3実施形態の埋め殺し型枠部材9a,9cを使用した場合は、コンクリート部3及び仕上げ材17a,17cに埋設され、第2実施形態の埋め殺し型枠部材9bを使用した場合は、コンクリート部3に埋設されるため、破損し難い。
【0057】
第1及び第3実施形態の埋め殺し型枠部材9a,9cを使用した場合は、底壁部12a,12cと側板部11の内面との間にコンクリートを流入させる必要がないため、作業性が良い。また、タグ4が、底壁部12a,12cにおける側壁部13a,13cが立設している側の面に固定されているため、タグ4は、型枠5内に打設されるコンクリートに接触せず、コンクリートの打設によるタグ4の埋め殺し型枠部材9a,9cからの剥落が防止される。
【0058】
第2実施形態の埋め殺し型枠部材9bを使用した場合は、底壁部12bと側板部11の内面との間にコンクリートが流入するため、第1及び第3実施形態の埋め殺し型枠部材9a,9cを使用した場合のような、脱型後に凹部16a,16cに仕上げ材17a,17cを充填する作業が不要となる。また開口部14bが上下方向を向くように側板部11の内面に取り付けることにより、重力の影響によって底壁部12bと側板部11の内面との間にコンクリートが流入し易くなり、気泡が生じ難くなる。また、タグ4が、底壁部12bにおける側壁部13bが立設している側の面に固定されているため、型枠5内に落下中の比較的大きな運動エネルギーを有するコンクリートはタグ4にぶつかり難く、コンクリートの打設によるタグ4の埋め殺し型枠部材9bからの剥落が抑制される。
【0059】
第3実施形態の埋め殺し型枠部材9cを使用した場合は、フランジ15cが主型枠部材8の内面に当接するため、ねじ、釘又は接着剤等により、埋め殺し型枠部材9cを離脱可能に主型枠部材8の内面に固定させることが容易となる。
【0060】
図9~
図13を参照して、第4及び第5実施形態に係るコンクリート部材21について説明する。第1~3実施形態と共通する構成については、第1~第3実施形態と同じ符号を付し、説明を省略する。
【0061】
図9は、コンクリート部材21を製造するために、鉄筋2を収容した主型枠部材8内にコンクリートを打設した状態を示す。コンクリート部材21は、主筋6及びせん断補強筋7を含む鉄筋2と、コンクリート部3と、タグ4と、タグ4が取り付けられた埋め殺し型枠部材22とを備える。コンクリート部材21は、埋め殺し型枠部材22の構造及び配置を除いて、第1~第3実施形態コンクリート部材1(
図2参照)と同様の構成を有する。第1~第3実施形態では、側壁部13の先端部が主型枠部材8に取り付けられることにより、タグ4は、その主面が主型枠部材8における埋め殺し型枠部材9が取り付けられる部分と略平行になるように配置されるが(
図2参照)、第4及び第5実施形態では、底壁部23の辺縁部が主型枠部材8に取り付けられることにより、タグ4は、その主面が主型枠部材8における埋め殺し型枠部材22が取り付けられる部分に略直交するように配置される。
図10及び
図12は、第4及び第5実施形態に係る埋め殺し型枠部材22d、22eを示し、
図11及び
図13は、コンクリート部材21内における埋め殺し型枠部材22d、22eの配置を示す。以下、埋め殺し型枠部材22d、22eを区別する必要がない場合は、単に「埋め殺し型枠部材22」と記す。埋め殺し型枠部材22を構成する部分についても同様に符号を付す。
【0062】
図9~
図11を参照して、第4実施形態について説明する。第4実施形態に係る埋め殺し型枠部材22dは、主面に直交する方向から見て矩形をなす平板形状の底壁部23dと、底壁部23dと平行であり、主面に直交する方向から見て底壁部23dの外輪郭に略一致する外輪郭を有する平板形状の対向壁部24dと、底壁部23d及び対向壁部24dを連結する3つの平板形状の側壁部25dとを含む。底壁部23dにおける対向壁部24dに対向する主面には、タグ4が、その主面が当接するように取り付けられる。3つの側壁部25dは、底壁部23dの3つの辺縁に立設され、立設方向の先端部において対向壁部24dの3つの辺縁に連結する。側壁部25dは、底壁部23d及び対向壁部24dに直交していることが好ましく、底壁部23dの主面に直交する方向から見て、対向壁部24dの辺縁が、底壁部23dの辺縁に整合していることが好ましい。側壁部25dの立設方向の長さは、底壁部23d及び対向壁部24dの縦方向長さ及び/又は横方向長さよりも短く、埋め殺し型枠部材22dは、側方の一方が開口面26dである扁平な箱型をなす。開口面26dを画定する底壁部23d、対向壁部24d及び2つの側壁部25dの端縁は、共通の平面上に配置される。なお、底壁部23d及び対向壁部24dは、平板形状に代えて湾曲した形状であっても良く、主面の方向から見た形状は、矩形以外の形状、例えば、円形や多角形でも良い。また、側壁部25dは、底壁部23d及び対向壁部24dに対して傾斜していてもよい。
【0063】
埋め殺し型枠部材22dは、開口面26dにおいて主型枠部材8の内面に当接し、主型枠部材8の脱型時に主型枠部材8から離脱するように、主型枠部材8に取り付けられる。主型枠部材8内に打設されたコンクリートは、箱形状の埋め殺し型枠部材22d内には流入せず、箱形状の埋め殺し型枠部材22d内は空洞となる。脱型後、第1実施形態と同様に、埋め殺し型枠部材22d内に仕上げ材17a(
図6参照)を充填してもよい。
【0064】
図9、
図12及び
図13を参照して、第5実施形態について説明する。第5実施形態に係る埋め殺し型枠部材22eは、第4実施形態の底壁部23d及び対向壁部24d(
図10参照)と同様の底壁部23e及び対向壁部24eと、底壁部23e及び対向壁部24eを連結する1つの平板形状の側壁部25eとを含む。すなわち、第5実施形態に係る埋め殺し型枠部材22eは、第4実施形態の埋め殺し型枠部材22d(
図10参照)から互いに対向する1対の側壁部25d(
図10参照)を取り除いた形状に相当する。底壁部23eにおける対向壁部24eに対向する主面には、タグ4の主面が当接するようにタグ4が取り付けられる。
【0065】
埋め殺し型枠部材22eは、底壁部23e及び対向壁部24eにおける、側壁部25eが取り付けられた側とは反対側の辺縁において主型枠部材8の内面に当接し、主型枠部材8の脱型時に主型枠部材8から離脱するように、主型枠部材8に取り付けられる。埋め殺し型枠部材22eが、主型枠部材8の側板部11に取り付けられる場合は、底壁部23e及び対向壁部24eにおける側板部11に取り付けられる辺縁が上下方向に平行となるように配置されること、すなわち、側板部11に取り付けられた埋め殺し型枠部材22eが上下に開口していることが好ましい。このように配置されることにより、主型枠部材8内に打設されたコンクリートが、底壁部23e及び対向壁部24eの間に流入しやすくなる。
【0066】
第4及び第5実施形態では、埋め殺し型枠部材22の内、コンクリート部材21の表面に露出する部分間の幅が狭く、意匠性に優れる。
【0067】
以上で具体的な実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態や変形例に限定されることなく、幅広く変形実施することができる。第2、第4及び第5実施形態の埋め殺し型枠部材の主型枠部材に当接させる部分に、第3実施形態のフランジが設けられても良い。埋め殺し型枠部材は、型枠の組立時に主型枠部材の底板に連結されても良い。
図2及び
図9では、1つのコンクリート部材は、複数のタグを含み、2つの実施形態の埋め殺し型枠部材を含むが、1つのコンクリート部材に含まれるタグは1つでも良く、1つのコンクリート部材に複数のタグが含まれる場合は、1種類の実施形態の埋め殺し型枠部材が使用されてもよく、3種類以上の実施形態の埋め殺し型枠部材が使用されてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1,21:コンクリート部材
3 :コンクリート部
4 :タグ
5 :型枠
8 :主型枠部材
9,22:埋め殺し型枠部材
11 :側板部
12,23:底壁部
13,25:側壁部
14b :開口部
15c :フランジ
16a,16c:凹部
17a,17c:仕上げ材
24 :対向壁部