(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023158634
(43)【公開日】2023-10-30
(54)【発明の名称】トナー組成物
(51)【国際特許分類】
G03G 9/08 20060101AFI20231023BHJP
G03G 9/09 20060101ALI20231023BHJP
G03G 9/087 20060101ALI20231023BHJP
G03G 9/097 20060101ALI20231023BHJP
【FI】
G03G9/08 391
G03G9/09
G03G9/087 331
G03G9/097 375
G03G9/097 372
G03G9/097 374
G03G9/08 381
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023043960
(22)【出願日】2023-03-20
(31)【優先権主張番号】17/722,535
(32)【優先日】2022-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルン、サンビー
(72)【発明者】
【氏名】サントク、エス.、バデシャ
(72)【発明者】
【氏名】パダム、ケイ.、アングラ
【テーマコード(参考)】
2H500
【Fターム(参考)】
2H500AA01
2H500AA06
2H500AA09
2H500AA10
2H500AA14
2H500BA03
2H500BA12
2H500CA06
2H500CA36
2H500CB05
2H500CB10
2H500CB12
2H500EA38B
2H500EA39B
2H500EA42C
2H500EA44B
2H500EA52C
2H500EA53C
2H500EA54C
(57)【要約】 (修正有)
【課題】改善された白色トナー組成物及びプロセスの提供。
【解決手段】樹脂と、BaSO
4顔料であって、粒径が、スパン=(Dn90-Dn10)/(Dn50)として定義され、BaSO
4顔料が、スパンが0.75以上である、広い粒径分布を有する、BaSO
4顔料と、任意選択的なワックスと、を含む、トナー粒子を有する白色トナー。粉砕された(従来の)トナー及びエマルション凝集トナープロセス。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー粒子を有する白色トナーであって、
樹脂と、
BaSO4顔料であって、粒径が、スパン=(Dn90-Dn10)/(Dn50)として定義され、前記BaSO4顔料が、スパンが0.75以上である、広い粒径分布を有する、BaSO4顔料と、
任意選択的なワックスと、を含む、白色トナー。
【請求項2】
前記顔料が、前記BaSO4顔料から本質的になり、前記トナーが、他の顔料を含まない、請求項1に記載の白色トナー。
【請求項3】
前記BaSO4顔料が、約400ナノメートルのDn50メジアン粒径を有する、請求項1に記載の白色トナー。
【請求項4】
前記BaSO4顔料が、約250ナノメートルのDn10粒径を有する、請求項1に記載の白色トナー。
【請求項5】
前記BaSO4顔料が、約550ナノメートルのDn90粒径を有する、請求項1に記載の白色トナー。
【請求項6】
前記BaSO4顔料が、前記トナー粒子の総重量に基づいて、約10重量パーセント~約35重量パーセントの量で、前記トナー粒子中に存在する、請求項1に記載の白色トナー。
【請求項7】
前記樹脂が、非晶質ポリエステル、結晶性ポリエステル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される要素を含む、請求項1に記載の白色トナー。
【請求項8】
前記樹脂が、結晶性ポリエステルを含み、前記結晶性ポリエステルが、ポリ(エチレン-アジパート)、ポリ(プロピレン-アジパート)、ポリ(ブチレン-アジパート)、ポリ(ペンチレン-アジパート)、ポリ(ヘキシレン-アジパート)、ポリ(オクチレン-アジパート)、ポリ(エチレン-サクシネート)、ポリ(プロピレン-サクシネート)、ポリ(ブチレン-サクシネート)、ポリ(ペンチレン-サクシネート)、ポリ(ヘキシレン-サクシネート)、ポリ(オクチレン-サクシネート)、ポリ(エチレン-セバケート)、ポリ(プロピレン-セバケート)、ポリ(ブチレン-セバケート)、ポリ(ペンチレン-セバケート)、ポリ(ヘキシレン-セバケート)、ポリ(オクチレン-セバケート)、ポリ(ノニレン-セバケート)、ポリ(デシレン-セバケート)、ポリ(ウンデシレン-セバケート)、ポリ(ドデシレン-セバケート)、ポリ(エチレン-ドデカンジオエート)、ポリ(プロピレン-ドデカンジオエート)、ポリ(ブチレン-ドデカンジオエート)、ポリ(ペンチレン-ドデカンジオエート)、ポリ(ヘキシレン-ドデカンジオエート)、ポリ(オクチレン-ドデカンジオエート)、ポリ(ノニレン-ドデカンジオエート)、ポリ(デシレン-ドデカンジオエート)、ポリ(ウンデシレン-ドデカンジオエート)、ポリ(ドデシレン-ドデカンジオエート)、ポリ(エチレン-フマレート)、ポリ(プロピレン-フマレート)、ポリ(ブチレン-フマレート)、ポリ(ペンチレン-フマレート)、ポリ(ヘキシレン-フマレート)、ポリ(オクチレン-フマレート)、ポリ(ノニレン-フマレート)、ポリ(デシレン-フマレート)、コポリ(5-スルホイソフタロイル)-コポリ(エチレン-アジパート)、コポリ(5-スルホイソフタロイル)-コポリ(プロピレン-アジパート)、コポリ(5-スルホイソフタロイル)-コポリ(ブチレン-アジパート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ペンチレン-アジパート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ヘキシレン-アジパート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(オクチレン-アジパート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(エチレン-アジパート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(プロピレン-アジパート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ブチレン-アジパート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ペンチレン-アジパート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ヘキシレン-アジパート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(オクチレン-アジパート)、コポリ(5-スルホイソフタロイル)-コポリ(エチレン-サクシネート)、コポリ(5-スルホイソフタロイル)-コポリ(プロピレン-サクシネート)、コポリ(5-スルホイソフタロイル)-コポリ(ブチレン-サクシネート)、コポリ(5-スルホイソフタロイル)-コポリ(ペンチレン-サクシネート)、コポリ(5-スルホイソフタロイル)-コポリ(ヘキシレン-サクシネート)、コポリ(5-スルホイソフタロイル)-コポリ(オクチレン-サクシネート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(エチレン-セバケート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(プロピレン-セバケート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ブチレン-セバケート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ペンチレン-セバケート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ヘキシレン-セバケート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(オクチレン-セバケート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(エチレン-アジパート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(プロピレン-アジパート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ブチレン-アジパート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ペンチレン-アジパート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ヘキシレン-アジパート)、及びこれらの混合物からなる群から選択される要素を含む、請求項1に記載の白色トナー。
【請求項9】
前記樹脂が、非晶質ポリエステルを含み、前記非晶質ポリエステルが、プロポキシル化ビスフェノールAフマレート、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールAコフマレート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールAコフマレート)、ポリ(ブチルオキシレート化ビスフェノールAコフマレート)、ポリ(コプロポキシル化ビスフェノールAコエトキシル化ビスフェノールAコフマレート)、ポリ(1,2-プロピレンフマレート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールAコマレエート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールAコマレエート)、ポリ(ブチルオキシル化ビスフェノールAコマレエート)、ポリ(コプロポキシル化ビスフェノールAコエトキシル化ビスフェノールAコマレエート)、ポリ(1,2-プロピレンマレエート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールAコイタコネート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールAコイタコネート)、ポリ(ブチルオキシ化ビスフェノールAコイタコネート)、ポリ(コプロポキシル化ビスフェノールAコエトキシル化ビスフェノールAコイタコネート)、ポリ(1,2-プロピレンイタコネート)、及びこれらの混合物からなる群から選択される要素を含む、請求項1に記載の白色トナー。
【請求項10】
前記樹脂が、プロポキシル化ビスフェノールAフマル酸、及び架橋プロポキシル化ビスフェノールAフマル酸を含むゲル樹脂を含む、請求項1に記載の白色トナー。
【請求項11】
シリカ、二酸化チタン、ステアリン酸亜鉛、及びこれらの混合物からなる群から選択される要素を含む表面添加剤を更に含む、請求項1に記載の白色トナー。
【請求項12】
前記トナーが、二酸化チタンを含まない、請求項1に記載の白色トナー。
【請求項13】
白色粉砕トナーを調製するための方法であって、
樹脂と、BaSO4顔料であって、粒径がスパン=(Dn90-Dn10)/(Dn50)として定義され、前記BaSO4顔料が、スパンが0.75以上である、広い粒径分布を有する、BaSO4顔料と、任意選択的なワックスと、任意選択的な内部添加剤と、を混合して、混合物を形成することと、
前記混合物を溶融及び押出して、溶融混練物を形成することと、
前記溶融混練物を粉砕して、白色トナー粒子を形成することと、
任意選択的に、前記白色トナー粒子を分級することと、
任意選択的に、1つ以上の表面添加剤を前記白色トナー粒子上に配置することと、を含む、方法。
【請求項14】
前記顔料が、前記BaSO4顔料から本質的になり、前記トナーが、他の顔料を含まない、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記BaSO4顔料が、約400ナノメートルのDn50メジアン粒径を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記BaSO4顔料が、約250ナノメートルのDn10粒径を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記BaSO4顔料が、前記トナー粒子の総重量に基づいて、約10重量パーセント~約35重量パーセントの量で、前記トナー粒子中に存在する、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
エマルション凝集トナープロセスであって、
少なくとも1つの樹脂のラテックスを得ることと、
BaSO4顔料の水性分散体を得ることであって、粒径がスパン=(Dn90-Dn10)/(Dn50)として定義され、前記BaSO4顔料が、スパンが0.75以上である、広い粒径分布を有する、水性分散体を得ることと、
任意選択的に、任意選択的なワックスの水性分散体を得ることと、
前記少なくとも1つの樹脂のラテックスと、前記BaSO4顔料の前記水性分散体と、前記任意選択的なワックスの前記水性分散体との混合物を形成することと、
前記混合物を第1の温度に加熱することと、
前記第1の温度を維持して、凝集トナー粒子を形成することと、
シェル樹脂のラテックスを添加して、前記凝集粒子上にシェルを形成することと、
任意選択的に、キレート剤の溶液を添加することと、
更なる凝集を停止し、前記第1の温度よりも高い第2の温度まで温度を上昇させて、前記凝集粒子を合着させることと、
前記エマルション凝集トナー粒子を、冷却し、任意選択的に洗浄し、任意選択的に乾燥させ、回収することと、を含む、プロセス。
【請求項19】
前記BaSO4顔料が、約400ナノメートルのDn50メジアン粒径を有する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記顔料が、前記BaSO4顔料から本質的になり、前記トナーが、他の顔料を含まない、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
参照により全体が本明細書に組み込まれる、本願と同時に出願された同一出願人による米国特許出願第17/722,550号は、水と、任意選択的な共溶媒と、任意選択的な分散剤と、任意選択的な樹脂と、任意選択的なワックスと、BaSO4顔料であって、粒径分布が、スパン=(Dn90-Dn10)/(Dn50)として定義され、BaSO4顔料が、スパンが0.75以上である、広い粒径分布を有する、BaSO4顔料と、を含む、水性インクジェットインク組成物を記載している。
【背景技術】
【0002】
本明細書では、樹脂と、BaSO4顔料であって、粒径が、スパン=(Dn90-Dn10)/(Dn50)として定義され、BaSO4顔料が、スパンが0.75以上である、広い粒径分布を有する、BaSO4顔料と、任意選択的なワックスと、を含む、トナー粒子を有する白色トナーを開示する。
【0003】
また、本明細書では、樹脂と、BaSO4顔料であって、粒径がスパン=(Dn90-Dn10)/(Dn50)として定義され、BaSO4顔料が、スパンが0.75以上である、広い粒径分布を有する、BaSO4顔料と、任意選択的なワックスと、任意選択的な内部添加剤と、を混合して、混合物を形成することと、その混合物を溶融及び押出して溶融混練物を形成することと、その溶融混練物を粉砕して白色トナー粒子を形成することと、任意選択的に、その白色トナー粒子を分級することと、任意選択的に、1つ以上の表面添加剤を、その白色トナー粒子上に配置することと、を含む、白色粉砕トナーを製造するための方法も開示する。
【0004】
また、本明細書では、少なくとも1つの樹脂のラテックスを得ることと、BaSO4顔料の水性分散体を得ることであって、粒径がスパン=(Dn90-Dn10)/(Dn50)として定義され、BaSO4顔料が、スパンが0.75以上である、広い粒径分布を有する、水性分散体を得ることと、任意選択的に、任意選択的なワックスの水性分散体を得ることと、少なくとも1つの樹脂のラテックスと、BaSO4顔料の水性分散体と、任意選択的なワックスの水性分散体との混合物を形成することと、混合物を第1の温度に加熱することと、第1の温度を維持して、凝集トナー粒子を形成することと、シェル樹脂のラテックスを添加して、凝集粒子上にシェルを形成することと、任意選択的に、キレート剤の溶液を添加することと、更なる凝集を停止し、第1の温度よりも高い第2の温度まで温度を上昇させて、凝集粒子を合着させることと、エマルション凝集トナー粒子を冷却し、任意選択的に洗浄し、任意選択的に乾燥させ、回収することと、を含む、エマルション凝集トナープロセスも開示する。
【0005】
電子写真印刷は、様々なプロセスによって製造され得るトナー粒子を使用する。このようなプロセスの1つには、界面活性剤がラテックスエマルションの形成に使用される、トナー粒子を形成するエマルション凝集(「emulsion aggregation、EA」)プロセスを含む。例えば、参照により全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,120,967号及び同第8,617,780号を参照されたい。EAとは大きく異なる別のそのようなプロセスとしては、混合物を破砕してトナー粉末にする粉砕法が挙げられる。
【0006】
白色トナーを使用して、印刷媒体などの黒色又は着色基材上に、又はフィルムなどの透明基材上に白色背景を印刷又は作製し得る。白色トナーは、許容可能な荷電を維持しながら、基材上において十分なマスキング力又は隠蔽力を有していなければならない。
【0007】
白色トナーは、色域向上並びに包装及びラベルプレス用途に非常に望ましい。シアン、マゼンタ、イエロー、及びブラックステーションに加えて、第5のカラーステーションにおけるようなトナーマシン中に白色エマルション凝集トナーを有することが知られている。これらの白色エマルション凝集トナーは、現在は、二酸化チタン(TiO2)を使用している。
【0008】
CIELAB色空間(CIE L*a*b*としても知られているか、又は時に「Lab」色空間と略される)は、1976年におけるInternational Commission on Illumination(CIE)によって定義される色空間である。黒色(0)から白色(100)までの明度のL*、緑色(-)から赤色(+)までのa*、及び青(-)から黄色(+)までのb*の3つの値として色を表す。
【0009】
3つのパラメータが測定されるので、空間自体それ自体は、無限に多くの取り得る色を可能にする三次元実数空間である。実際には、その空間は、通常、デジタル表現のための三次元整数空間上にマッピングされ、したがって、L*、a*、及びb*値は、通常、予め定義された範囲で絶対的である。明度値L*は、L*=0で最も暗い黒色を表し、L*=100で最も明るい白色を表す。色チャネルa*及びb*は、a*=0及びb*=0で真のニュートラルグレー値を表す。a*軸は、緑色-赤色成分を表し、負方向が緑色であり、正方向が赤色である。b*軸は、青色-黄色成分を表し、負方向が青色であり、正方向が黄色である。a*軸及びb*軸のスケーリング及び限界値は、特定の実装に依存するが、多くの場合、±100又は-128~+127の範囲で実行される(符号付き8ビット整数)。更なる情報については、オンラインWikipediaのhttps://en.wikipedia.org/wiki/CIELAB_color_spaceを参照されたい。
【0010】
参照により全体が本明細書に組み込まれる米国特許第9,964,883号は、その要約において、樹脂と、押出混合物をもたらす二軸スクリュー押出機においてその樹脂と溶融混合された100~350nmの平均サイズを有する15%~45%のTiO2顔料と、を含む、白色乾燥インク粉砕トナーを製造する装置及び方法を記載している。押出された混合物は流動床ジェットミルで粉砕される。粉砕され押出された混合物の5ミクロン未満の微粉は、6~12ミクロンの平均サイズを有する粉砕粒子から除去され得る。粉砕された粒子は、ミキサー中で、シリカ及びZnStを含む表面添加剤とブレンドされ、その白色乾燥インク粉砕トナーは、5~50μC/グラムの現像剤電荷と、最大で1.2mg/cm2の、単位面積当たりのトナー質量(toner mass per unit area、TMA)で少なくとも75の明度(L*)を有する。
【0011】
参照により全体が本明細書に組み込まれる米国特許第10,705,442号は、その要約書において、トナーの30重量%を超える高充填量の白色着色剤を含有するトナー組成物及びそのプロセスを記載している。トナーは、少なくとも75の明度(L*)を示す。
【0012】
参照により全体が本明細書に組み込まれる米国特許第10,935,901号は、その要約において、バインダー樹脂と、ステアリン酸亜鉛と、フレーク形状トナー粒子の約0.1重量パーセント~約1.0重量パーセントの量で、7nm~12nm未満の粒径を有するシリカと、平板形状金属顔料と、を有するフレーク形状トナー粒子を含む金属トナーを記載している。フレーク形状トナー粒子は、6μm~20μmの平均長軸長さ、1μm~4μmの平均厚さ、及び0.5~0.97の平均円形度を有する。平板形状金属顔料は、1μm~14μmの平均長軸長さ、0.01μm~0.5μmの平均厚さを有する。
【0013】
TiO2を用いる現在のエマルション凝集トナーは、75を超えるL*目標値を満たすために、約45重量パーセントのTiO2白色顔料充填量を必要とし得る。これらのトナーは、TiO2がカテゴリー2の疑わしい発癌物質であると考えられており、欧州連合などから規制調査の対象となっていることを含む欠点を有する。トナー添加剤を含むトナー用途などのために、TiO2の代替品を開発することが望ましい。所望の色特性を達成するために、白色トナー中のTiO2の充填量が非常に多いことが特に問題である。トナー組成物には、安全かつ非毒性である白色顔料が非常に望ましい。更に、45重量%のTiO2充填量であっても、ある特定の印刷、特に黒色カード用紙上の白色印刷は、白色度及び不透明度又は隠蔽性を含む所望のL*画像品質を達成するために数回のパスを必要とし得る。L*トナー印刷画像性能を満たすか又は超えることを可能にし得る顔料が非常に望ましい。
【0014】
現在入手可能なトナーは、それらの意図される目的に好適である。しかしながら、改善された白色トナー組成物が依然として必要とされている。更に、白色トナー組成物に好適な安全かつ非毒性である白色顔料が依然として必要とされている。更に、白色度、不透明度、及び隠蔽性を含む所望のL*画像品質を有する白色印刷画像などの所望の白色印刷画像を達成するためにTiO2の使用を必要としない改善された白色トナー組成物が依然として必要とされている。
【0015】
上記の米国特許及び特許出願公開のそれぞれの適切な構成要素及びプロセスの態様は、その実施形態において本開示のために選択され得る。更に、本出願全体を通して、様々な刊行物、特許、及び公開された特許出願は、特定の引用によって参照される。本出願において参照される刊行物、特許、及び公開された特許出願の開示は、本発明が関係する最新技術をより完全に説明するために、参照により本開示に組み込まれる。
【発明の概要】
【0016】
樹脂と、BaSO4顔料であって、粒径が、スパン=(Dn90-Dn10)/(Dn50)として定義され、BaSO4顔料が、スパンが0.75以上である、広い粒径分布を有する、BaSO4顔料と、任意選択的なワックスと、を含む、トナー粒子を有する白色トナーを記載する。
【0017】
また、樹脂と、BaSO4顔料であって、粒径がスパン=(Dn90-Dn10)/(Dn50)として定義され、BaSO4顔料が、スパンが0.75以上である、広い粒径分布を有する、BaSO4顔料と、任意選択的なワックスと、任意選択的な内部添加剤と、を混合して、混合物を形成することと、その混合物を溶融及び押出して溶融混練物を形成することと、その溶融混練物を粉砕して白色トナー粒子を形成することと、任意選択的に、その白色トナー粒子を分級することと、任意選択的に、1つ以上の表面添加剤を、その白色トナー粒子上に配置することと、を含む、白色粉砕トナーを調製するための方法も記載する。
【0018】
また、少なくとも1つの樹脂のラテックスを得ることと、BaSO4顔料の水性分散体を得ることであって、粒径がスパン=(Dn90-Dn10)/(Dn50)として定義され、BaSO4顔料が、スパンが0.75以上である、広い粒径分布を有する、水性分散体を得ることと、任意選択的に、任意選択的なワックスの水性分散体を得ることと、少なくとも1つの樹脂のラテックスと、BaSO4顔料の水性分散体と、任意選択的なワックスの水性分散体との混合物を形成することと、混合物を第1の温度に加熱することと、第1の温度を維持して、凝集トナー粒子を形成することと、シェル樹脂のラテックスを添加して、凝集粒子上にシェルを形成することと、任意選択的に、キレート剤の溶液を添加することと、更なる凝集を停止し、第1の温度よりも高い第2の温度まで温度を上昇させて、凝集粒子を合着させることと、エマルション凝集トナー粒子を冷却し、任意選択的に洗浄し、任意選択的に乾燥させ、回収することと、を含む、エマルション凝集トナープロセスも記載する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】本発明実施形態による白色粉砕トナーを調製するための従来の粉砕トナープロセスを例示しているフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
電子写真現像のためのBaSO4(硫酸バリウム)顔料を含む白色トナーを提供するトナー組成物及びプロセスを記載する。実施形態では、より白色のトナーは、従来の(粉砕された)トナーである。他の実施形態では、白色トナーはエマルション凝集トナーである。このトナーは、Xerox(登録商標)iGen(登録商標)5 PressなどのプリンターのCMYKハウジングに加えて、第5のハウジング又は印刷ステーションで使用することができる。BaSO4は、安全かつ非毒性である白色結晶性固体顔料である。BaSO4顔料により、TiO2の使用しない白色トナーが可能になる。BaSO4顔料により、白色トナーが、TiO2を使用するエマルション凝集によって調製されたものなどの従来の白色トナーの白色度(L*)特性を満たすか、又はそれを有意に超えることができる。
【0021】
BaSO4を使用して作製された「超白色」塗料は、現在までに知られている最高の白色度/反射率を有することが示されている。Li,et al.,「Ultrawhite BaSO4 Paints and Films For Remarkable Daytime Subambient Radiative Cooling,」ACS Appl.Mater.Interfaces 2021,13,21733-21739を参照されたい。当該文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0022】
実施形態では、本発明のトナー組成物は、反射率を有意に高めて、より白く、より不透明な白色トナーを提供する広い粒径分布を有するBaSO4顔料を含む。本発明は、トナー中の顔料に関して狭い粒径分布を求める従来のトナーの知識に反している。
【0023】
実施形態では、白色トナーは、従来のトナー製造プロセスを使用して調製される。他の実施形態では、白色トナーは、エマルション凝集トナー製造プロセスを使用して調製される。
【0024】
BaSO4粉末は、TiO2顔料の代わりに用いられる。実施形態では、本明細書の白色トナーは、TiO2顔料を全く含まない、すなわち、含有しない。トナー表面は、追加の添加剤、例えば、流動特性、帯電特性、及びクリーニング特性を最適化するための添加剤を有していてもよい。
【0025】
図1を参照すると、硫酸バリウム(BaSO
4)顔料を含む白色トナーが示されている。本明細書におけるトナー粒子は、トナー樹脂中に埋め込まれたBaSO
4充填剤を(顔料として)含有する。トナー表面は、流動特性、帯電特性及びクリーニング特性を付与又は改善するための追加の添加剤を有してもよい。
図1は、本実施形態による白色トナー10の簡略図を提供している。白色トナー粒子10は、ポリエステル又はスチレン-アクリレート樹脂などの樹脂12、ワックス14、及びBaSO
4顔料16を含む。トナー粒子10には、様々な内部添加剤18が含まれていてもよい。シリカ、二酸化チタン、ステアリン酸亜鉛などの外部表面添加剤20が、トナー粒子10の表面上に含まれていてもよい。トナー粒子は、外部表面添加剤又は内部添加剤と考えることもできる荷電制御剤22も含むことができる。
【0026】
実施形態では、樹脂と、BaSO4顔料と、任意選択的なワックスと、を含む粒子を含む白色トナーが提供される。
【0027】
トナー樹脂は、任意の好適な又は所望の樹脂から選択され得る。実施形態では、トナー樹脂は、非晶質ポリエステル、結晶性ポリエステル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される要素を含む。
【0028】
本開示のトナーを形成する際に、任意のトナー樹脂を利用することができる。そのような樹脂は、次に、任意の好適なモノマー又はモノマーで任意の好適な重合方法によって作製されてもよい。実施形態では、樹脂は、エマルション重合以外の方法によって調製され得る。更なる実施形態では、樹脂は、縮合重合によって調製され得る。
【0029】
本開示のトナー組成物は、実施形態では、非晶質樹脂を含む。非晶質樹脂は、直鎖状又は分枝状であってもよい。実施形態では、非晶質樹脂は、少なくとも1種の低分子量非晶質ポリエステル樹脂を含み得る。多数の供給源から入手可能な低分子量非晶質ポリエステル樹脂は、例えば、約30℃~約120℃、実施形態では約75℃~約115℃、実施形態では約100℃~約110℃、又は実施形態では約104℃~約108℃の様々な融点を有し得る。本明細書で使用するとき、低分子量非晶質ポリエステル樹脂は、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(gel permeation chromatography、GPC)によって測定されるとき、例えば、約1,000~約10,000、実施形態では、約2,000~約8,000、いくつかの実施形態では、約3,000~約7,000、及び実施形態では、約4,000~約6,000の、数平均分子量(Mn)を有する。樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン標準を使用するGPCによって決定されるとき、50,000以下、例えば、実施形態では、約2,000~約50,000、実施形態では、約3,000~約40,000、いくつかの実施形態では、約10,000~約30,000、及び実施形態では、約18,000~約21,000である。低分子量非晶質樹脂の分子量分布(Mw/Mn)は、例えば、約2~約6、実施形態では約3~約4である。低分子量非晶質ポリエステル樹脂は、約8~約20mg KOH/g、実施形態では、約9~約16mg KOH/g、及び実施形態では、約10~約14mg KOH/gの酸価を有し得る。
【0030】
利用され得る直鎖状非晶質ポリエステル樹脂の例としては、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールAコフマレート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールAコフマレート)、ポリ(ブチルオキシレート化ビスフェノールAコフマレート)、ポリ(コプロポキシル化ビスフェノールAコエトキシル化ビスフェノールAコフマレート)、ポリ(1,2-プロピレンフマレート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールAコマレエート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールAコマレエート)、ポリ(ブチルオキシル化ビスフェノールAコマレエート)、ポリ(コプロポキシル化ビスフェノールAコエトキシル化ビスフェノールAコマレエート)、ポリ(1,2-プロピレンマレエート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールAコイタコネート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールAコイタコネート)、ポリ(ブチレン化ビスフェノールAコイタコネート)、ポリ(コプロポキシル化ビスフェノールAコエトキシル化ビスフェノールAコイタコネート)、ポリ(1,2-プロピレンイタコネート)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0031】
実施形態では、好適な非晶質樹脂としては、アルコキシル化ビスフェノールAフマレート/テレフタレート系ポリエステル及びコポリエステル樹脂を挙げることができる。実施形態では、好適な非晶質ポリエステル樹脂は、以下の式(I)を有するコポリ(プロポキシル化ビスフェノールAコフマレート)-コポリ(プロポキシル化ビスフェノールAコテレフタレート)樹脂であってよく、
【0032】
【化1】
式中、Rは水素又はメチル基であってもよく、m及びnはコポリマーのランダム単位を表し、mは約2~10であってよく、nは約2~10であってもよい。そのような樹脂及びその製造プロセスの例には、参照によりその開示全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,063,827号に開示されているものが含まれる。
【0033】
ラテックス樹脂として利用され得る直鎖状プロポキシル化ビスフェノールAフマレート樹脂の例は、Resana S/A Industrias Quimicas(Sao Paulo Brazil)から商品名SPARII(商標)で入手可能である。他の好適な直鎖状樹脂としては、各々が、参照により全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第4,533,614号、同第4,957,774号、及び同第4,533,614号に開示されているものが挙げられ、これらは、テレフタル酸、ドデシルコハク酸、トリメリト酸、フマル酸、及び、例えば、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物及びビスフェノールAプロピレンオキシド付加物など、アルコキシル化ビスフェノールAを含む直鎖状ポリエステル樹脂であることができる。利用され得る、市販されている他のプロポキシル化ビスフェノールAテレフタレート樹脂としては、Kao Corporation,Japanから市販されるGTU-FC115などが挙げられる。
【0034】
実施形態では、低分子量非晶質ポリエステル樹脂は、飽和又は不飽和非晶質ポリエステル樹脂であってもよい。本開示のプロセス及び粒子に選択される飽和及び不飽和非晶質ポリエステル樹脂の例示的な例として、ポリエチレン-テレフタレート、ポリプロピレン-テレフタレート、ポリブチレン-テレフタレート、ポリペンチレン-テレフタレート、ポリヘキサレン-テレフタレート、ポリヘプタデン-テレフタレート、ポリオクタレン-テレフタレート、ポリエチレン-イソフタレート、ポリプロピレン-イソフタレート、ポリブチレン-イソフタレート、ポリペンチレン-イソフタレート、ポリヘキサレン-イソフタレート、ポリヘプタデン-イソフタレート、ポリオクタレン-イソフタレート、ポリエチレン-セバケート、ポリプロピレンセバケート、ポリブチレン-セバケート、ポリエチレン-アジパート、ポリプロピレン-アジパート、ポリブチレン-アジパート、ポリペンチレン-アジパート、ポリヘキサレン-アジパート、ポリヘプタデン-アジパート、ポリオクタレン-アジパート、ポリエチレン-グルタラート、ポリプロピレン-グルタラート、ポリブチレン-グルタラート、ポリペンチレン-グルタラート、ポリヘキサレン-グルタラート、ポリヘプタデン-グルタラート、ポリオクタレン-グルタラート、ポリエチレン-ピメラート、ポリプロピレン-ピメラート、ポリブチレン-ピメラート、ポリペンチレン-ピメラート、ポリヘキサレン-ピメラート、ポリヘプタデン-ピメラート、ポリ(エトキシル化ビスフェノールA-フマレート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールA-サクシネート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールA-アジパート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールA-グルタラート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールA-テレフタレート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールA-イソフタレート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールA-ドデセニルサクシネート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールA-フマレート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールA-サクシネート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールA-アジパート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールA-グルタラート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールA-テレフタレート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールA-イソフタレート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールA-ドデセニルサクシネート)、SPAR(Dixie Chemicals)、BECKOSOL(登録商標)(Reichhold Inc.)、ARAKOTE(Ciba-Geigy Corporation)、HETRON(商標)(Ashland Chemical)、PARAPLEX(登録商標)(Rohm & Haas)、POLYLITE(登録商標)(Reichhold Inc.)、PLASTHALL(登録商標)(Rohm & Haas)、CELANEX(登録商標)(Celanese Corporation)、RYNITE(登録商標)(DuPont(商標))、STYPOL(登録商標)(Polynt Composites,Inc.)、及びこれらの組み合わせなどの、任意の様々な非晶質ポリエステルが挙げられる。樹脂はまた、カルボキシル化、スルホン化など、特に所望であれば、例えばナトリウムスルホン化のように官能化されてもよい。
【0035】
低分子量直鎖状非晶質ポリエステル樹脂は、一般に、有機ジオール、二酸又はジエステルと、重縮合触媒との重縮合によって調製される。低分子量非晶質樹脂は、一般に、トナー又は固体の約60~約90重量%、実施形態では約50~約65重量%など、様々な好適な量でトナー組成物中に存在する。
【0036】
低分子量樹脂の調製のために選択される有機ジオールの例としては、1,2-エタンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオールなどの約2~約36個の炭素原子を有する脂肪族ジオール、ソジオ2-スルホ-1,2-エタンジオール、リチオ2-スルホ-1,2-エタンジオール、ポタシオ2-スルホ-1,2-エタンジオール、ソジオ2-スルホ-1,3-プロパンジオール、リチオ2-スルホ-1,3-プロパンジオール、ポタシオ2-スルホ-1,3-プロパンジオール、これらの混合物などが挙げられる。脂肪族ジオールは、例えば、樹脂の約45~約50モル%の量で選択され、アルカリスルホ-脂肪族ジオールは、樹脂の約1~約10モル%の量で選択することができる。
【0037】
低分子量非晶質ポリエステルの調製に選択される二酸又はジエステルの例としては、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、コハク酸、無水コハク酸、ドデシルコハク酸、無水ドデシルコハク酸、ドデセニルコハク酸、無水ドデセニルコハク酸、グルタル酸、無水グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ドデカンジ二酸、ジメチルテレフタレート、ジエチルテレフタレート、ジメチルイソフタレート、ジエチルイソフタレート、ジメチルフタレート、無水フタル酸、ジエチルフタレート、ジメチルサクシネート、ジメチルフマレート、ジメチルマレエート、ジメチルグルタレート、ジメチルアジパート、ジメチルドデシルサクシネート、ジメチルドデセニルサクシネート、及びこれらの組み合わせなどの、ジカルボン酸又はジエステルが挙げられる。有機二酸又はジエステルは、例えば、樹脂の約45~約52モル%の量で選択される。
【0038】
低分子量非晶質ポリエステル樹脂又は結晶性樹脂(以下に記載)のいずれかの好適な重縮合触媒の例としては、テトラアルキルチタネート、ジブチルスズオキシドなどのジアルキルスズオキシド、ジブチルスズジラウレートなどのテトラアルキルスズ、ブチルスズオキシドヒドロキシドなどのジアルキルスズオキシドヒドロキシド、アルミニウムアルコキシド、アルキル亜鉛、ジアルキル亜鉛、酸化亜鉛、酸化第一スズ、又はこれらの混合物が挙げられ、この触媒は、ポリエステル樹脂を生成するために使用される出発材料である二酸又はジエステルに基づいて、例えば、約0.01モル%~約5モル%の量で利用され得る。
【0039】
低分子量非晶質ポリエステル樹脂は、分枝状樹脂であってもよい。本明細書で使用するとき、用語「分枝状」又は「分枝」は、分枝状樹脂及び/又は架橋樹脂を含む。これらの分枝状樹脂を形成する際に使用するための分枝剤としては、例えば、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸、1,2,4-シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ナフタレントリカルボン酸、1,2,5-ヘキサントリカルボン酸、1,3-ジカルボキシル-2-メチル-2-メチレン-カルボキシルプロパン、テトラ(メチレン-カルボキシル)メタン、1,2,7,8-オクタンテトラカルボン酸、その酸無水物、その1~約6個の炭素原子の低級アルキルエステルなどの多価ポリ酸、ソルビトール、1,2,3,6-ヘキサンテトラロール、1,4-ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、スクロース、1,2,4-ブタントリオール、1,2,5-ペンタトリオール、グリセロール、2-メチルプロパントリオール、2-メチル-1,2,4-ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5-トリヒドロキシメチルベンゼン、これらの混合物などが挙げられる。選択される分枝剤の量は、例えば、樹脂の約0.1~約5モル%である。
【0040】
得られる不飽和ポリエステルは、2つの最前部、すなわち、(i)ポリエステル鎖に沿った不飽和部位(二重結合)、及び(ii)カルボキシル基、ヒドロキシ基などの官能基、酸塩基反応に適した基において、反応性(例えば、架橋性)である。実施形態では、不飽和ポリエステル樹脂は、二酸及び/又は無水物並びにジオールを使用して、溶融重縮合又は他の重合プロセスによって調製される。
【0041】
実施形態では、低分子量非晶質ポリエステル樹脂又は低分子量非晶質樹脂の組み合わせは、約30℃~約80℃、実施形態では、約35℃~約70℃のガラス転移温度を有し得る。更なる実施形態では、組み合わせた非晶質樹脂は、約130℃で約10~約1,000,000Pa*S、実施形態では、約50~約100,000Pa*Sの融解粘度を有し得る。
【0042】
本開示のトナー粒子中の低分子量非晶質ポリエステル樹脂の量は、任意のコア、任意のシェル、又はその両方において、25~約50重量%、実施形態では、約30~約45重量%、及び実施形態では、約35~約43重量%のトナー粒子(すなわち、外部添加剤及び水を除くトナー粒子)の量で存在してもよい。
【0043】
実施形態では、トナー組成物は、少なくとも1種の結晶性樹脂を含む。本明細書で使用するとき、「結晶性」は、三次元秩序を有するポリエステルを指す。本明細書で使用するとき、「半結晶性樹脂」は、例えば、約10~約90%、実施形態では、約12~約70%の結晶率を有する樹脂を指す。更に、以下で使用するとき、「結晶性ポリエステル樹脂」及び「結晶性樹脂」は、特に指定しない限り、結晶性樹脂及び半結晶性樹脂の両方を包含する。
【0044】
実施形態では、結晶性ポリエステル樹脂は、飽和結晶性ポリエステル樹脂又は不飽和結晶性ポリエステル樹脂である。
【0045】
多くの供給源から入手可能な結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、約30℃~約120℃、実施形態では、約50℃~約90℃の様々な融点を有し得る。結晶性樹脂は、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定されるとき、例えば、約1,000~約50,000、実施形態では、約2,000~約25,000、実施形態では、約3,000~約15,000、及び実施形態では、約6,000~約12,000の数平均分子量(Mn)を有し得る。樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン標準を使用するGPCによって決定されるとき、50,000以下、例えば、約2,000~約50,000、実施形態では、約3,000~約40,000、実施形態では、約10,000~約30,000、及び実施形態では、約21,000~約24,000である。結晶性樹脂の分子量分布(Mw/Mn)は、例えば、約2~約6、実施形態では約3~約4である。結晶性ポリエステル樹脂は、約2~約20mg KOH/g、実施形態では、約5~約15mg KOH/g、及びの実施形態では、約8~約13mg KOH/gの酸価を有し得る。
【0046】
結晶性ポリエステル樹脂の例示的な例としては、ポリ(エチレン-アジパート)、ポリ(プロピレン-アジパート)、ポリ(ブチレン-アジパート)、ポリ(ペンチレン-アジパート)、ポリ(ヘキシレン-アジパート)、ポリ(オクチレン-アジパート)、ポリ(エチレン-サクシネート)、ポリ(プロピレン-サクシネート)、ポリ(ブチレン-サクシネート)、ポリ(ペンチレン-サクシネート)、ポリ(ヘキシレン-サクシネート)、ポリ(オクチレン-サクシネート)、ポリ(エチレン-セバケート)、ポリ(プロピレン-セバケート)、ポリ(ブチレン-セバケート)、ポリ(ペンチレン-セバケート)、ポリ(ヘキシレン-セバケート)、ポリ(オクチレン-セバケート)、ポリ(ノニレン-セバケート)、ポリ(デシレン-セバケート)、ポリ(ウンデシレン-セバケート)、ポリ(ドデシレン-セバケート)、ポリ(エチレン-ドデカンジオエート)、ポリ(プロピレン-ドデカンジオエート)、ポリ(ブチレン-ドデカンジオエート)、ポリ(ペンチレン-ドデカンジオエート)、ポリ(ヘキシレン-ドデカンジオエート)、ポリ(オクチレン-ドデカンジオエート)、ポリ(ノニレン-ドデカンジオエート)、ポリ(デシレン-ドデカンジオエート)、ポリ(ウンデシレン-ドデカンジオエート)、ポリ(ドデシレン-ドデカンジオエート)、ポリ(エチレン-フマレート)、ポリ(プロピレン-フマレート)、ポリ(ブチレン-フマレート)、ポリ(ペンチレン-フマレート)、ポリ(ヘキシレン-フマレート)、ポリ(オクチレン-フマレート)、ポリ(ノニレン-フマレート)、ポリ(デシレン-フマレート)、コポリ(5-スルホイソフタロイル)-コポリ(エチレン-アジパート)、コポリ(5-スルホイソフタロイル)-コポリ(プロピレン-アジパート)、コポリ(5-スルホイソフタロイル)-コポリ(ブチレン-アジパート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ペンチレン-アジパート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ヘキシレン-アジパート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(オクチレン-アジパート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(エチレン-アジパート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(プロピレン-アジパート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ブチレン-アジパート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ペンチレン-アジパート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ヘキシレン-アジパート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(オクチレン-アジパート)、コポリ(5-スルホイソフタロイル)-コポリ(エチレン-サクシネート)、コポリ(5-スルホイソフタロイル)-コポリ(プロピレン-サクシネート)、コポリ(5-スルホイソフタロイル)-コポリ(ブチレン-サクシネート)、コポリ(5-スルホイソフタロイル)-コポリ(ペンチレン-サクシネート)、コポリ(5-スルホイソフタロイル)-コポリ(ヘキシレン-サクシネート)、コポリ(5-スルホイソフタロイル)-コポリ(オクチレン-サクシネート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(エチレン-セバケート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(プロピレン-セバケート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ブチレン-セバケート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ペンチレン-セバケート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ヘキシレン-セバケート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(オクチレン-セバケート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(エチレン-アジパート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(プロピレン-アジパート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ブチレン-アジパート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ペンチレン-アジパート)、コポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ヘキシレン-アジパート)、及びこれらの組み合わせなどの任意の様々な結晶性ポリエステルを挙げることができる。
【0047】
結晶性樹脂は、重縮合触媒の存在下で、好適な有機ジオールと好適な有機二酸とを反応させることによる重縮合プロセスによって調製することができる。一般に、化学量論的等モル比の有機ジオールと有機二酸が利用されるが、場合によっては、有機ジオールの沸点は約180℃~約230℃であり、過剰量のジオールを使用し、重縮合プロセス中に除去することができる。利用される触媒の量は様々であり、例えば、樹脂の約0.01~約1モル%の量で選択することができる。追加的に、有機二酸の代わりに有機ジエステルを選択することができ、その結果アルコール副生成物が産生される。更なる実施形態では、結晶性ポリエステル樹脂は、ポリ(ドデカン二酸-コ-ノナンジオール)である。
【0048】
結晶性ポリエステル樹脂の調製のために選択される有機ジオールの例としては、1,2-エタンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオールなどの約2~約36個の炭素原子を有する脂肪族ジオール、ソジオ2-スルホ-1,2-エタンジオール、リチオ2-スルホ-1,2-エタンジオール、ポタシオ2-スルホ-1,2-エタンジオール、ソジオ2-スルホ-1,3-プロパンジオール、リチオ2-スルホ-1,3-プロパンジオール、ポタシオ2-スルホ-1,3-プロパンジオール、これらの混合物などが挙げられる。脂肪族ジオールは、例えば、樹脂の約45~約50モル%の量で選択され、アルカリスルホ-脂肪族ジオールは、樹脂の約1~約10モル%の量で選択することができる。
【0049】
結晶性ポリエステル樹脂の調製に選択される有機二酸又はジエステルの例としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸、ナフタレン-2,7ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、マロン酸及びメサコン酸、これらのジエステル又はその無水物;並びにアルカリスルホ-有機二酸、例えば、ジメチル-5-スルホ-イソフタレート、ジアルキル-5-スルホ-イソフタレート-4-スルホ-1,8-ナフタル酸無水物、4-スルホ-フタル酸、ジメチル-4-スルホ-フタレート、ジアルキル-4-スルホ-フタレート、4-スルホフェニル-3,5-ジカルボメトキシベンゼン、6-スルホ-2-ナフチル-3,5-ジカルボメトキシベンゼン、スルホ-テレフタル酸、ジメチル-スルホ-テレフタレート、5-スルホ-イソフタル酸、ジアルキル-スルホ-テレフタレート、スルホ-p-ヒドロキシ安息香酸、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタンスルホネートのナトリウム、リチウム若しくはカリウム塩、又はこれらの混合物が挙げられる。有機二酸は、例えば、樹脂の約40~約50モルパーセントの量で選択され、アルカリスルホ脂肪族二酸は、樹脂の約1~約10モルパーセントの量で選択することができる。
【0050】
好適な結晶性ポリエステル樹脂としては、米国特許第7,329,476号及び米国特許出願公開第2006/0216626号、同第2008/0107990号、同第2008/0236446号及び同第2009/0047593号において開示されているものが挙げられ、それらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。実施形態では、好適な結晶性樹脂は、エチレングリコール又はノナンジオールからなる樹脂、及び以下の式(II)を有するドデカン二酸とフマル酸コモノマーとの混合物を含んでもよく、
【0051】
【化2】
式中、bは約5~約2000であり、dは約5~約2000である。
【0052】
半結晶性ポリエステル樹脂が本明細書で使用される場合、半結晶性樹脂としては、ポリ(3-メチル-1-ブテン)、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)、ポリ(エチレン-p-カルボキシフェノキシ-ブチレート)、ポリ(エチレン-酢酸ビニル)、ポリ(ドコシルアクリレート)、ポリ(ドデシルアクリレート)、ポリ(オクタデシルアクリレート)、ポリ(オクタデシルメタクリレート)、ポリ(ベヘニルポリエトキシエチルメタクリレート)、ポリ(エチレンアジパート)、ポリ(デカメチレンアジパート)、ポリ(デカメチレンアゼラート(azelaate))、ポリ(ヘキサメチレンオキサレート)、ポリ(デカメチレンオキサレート)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリ(ブタジエンオキシド)、ポリ(デカメチレンオキシド)、ポリ(デカメチレンスルフィド)、ポリ(デカメチレンジスルフィド)、ポリ(エチレンセバケート)、ポリ(デカメチレンセバケート)、ポリ(エチレンスベラート)、ポリ(デカメチレンサクシネート、ポリ(エイコサメチレンマロネート)、ポリ(エチレン-p-カルボキシフェノキシ-ウンデカノエート)、ポリ(エチレンジチオンエソフタレート)、ポリ(メチルエチレンテレフタレート)、ポリ(エチレン-p-カルボキシフェノキシ-バレレート)、ポリ(ヘキサメチレン-4,4,-オキシジベンゾエート)、ポリ(10-ヒドロキシカプリン酸)、ポリ(イソフタルアルデヒド)、ポリ(オクタメチレンドデカンジオエート)、ポリ(ジメチルシロキサン)、ポリ(ジプロピルシロキサン)、ポリ(テトラメチレンフェニレンジアセテート)、ポリ(テトラメチレントリチオジカルボキシレート)、ポリ(トリメチレンドデカンジオエート)、ポリ(m-キシレン)、ポリ(p-キシリレンピメラミド)、及びこれらの組み合わせが挙げられ得る。
【0053】
実施形態では、本トナーのための樹脂は、プロポキシル化ビスフェノールAフマル酸である。更なる実施形態では、樹脂は、プロポキシル化ビスフェノールAフマル酸樹脂と、プロポキシル化ビスフェノールAフマル酸を架橋することによって作製されたゲル樹脂との組み合わせを含む。実施形態では、樹脂は、ポリスチレン標準を使用するGPCによって測定された12000~14000の重量平均分子重量(Mw)を有するプロポキシル化ビスフェノールAフマル酸樹脂と、プロポキシル化ビスフェノールAフマル酸を架橋することによって作製されたゲル樹脂とを含み、実施形態では、ゲル樹脂は、樹脂の総重量に基づいて約10~約30重量パーセントの量で存在する。
【0054】
白色粉砕トナーは、BaSO4顔料を含む。任意の好適な又は所望のBaSO4顔料が選択され得る。
【0055】
本明細書で使用される場合、「メジアン粒径」という用語は、母集団の半分がこの点より上にあり、半分がこの点より下にある直径を指す(別段の指定がない限り数分布基準である)。メジアン粒径はまた、「Dn50」とも称することができる。
【0056】
粒径は、SEM(走査型電子顕微鏡)又はTEM(透過型電子顕微鏡)などの顕微鏡技術を使用して撮影した顕微鏡写真の画像分析によって測定することができる。顕微鏡及び画像分析技術は、結果を粒子の数分布として報告する。粒径測定は、Nanotrac 252機器(Microtrac,Inc.製)を使用して、動的光散乱又はレーザー回折によって測定することもできる。光散乱及びレーザー回折技術は、結果を粒子の体積分布として報告する。数分布から得られる粒径は、当業者に既知の方法を使用して、体積分布に容易に変換することができ、逆もまた同様である。
【0057】
本明細書に開示されるように、数分布は、最長軸に沿って測定される粒子の直径で測定される。例えば、数分布は、最長(又は主)軸に沿った楕円形状粒子について測定される。
【0058】
実施形態では、メジアン値は、母集団の半分がこの点より上にあり、半分がこの点より下にある値として定義される。粒径分布については、メジアン値は、D50(又はある特定のISOガイドラインに従った場合はx50)と呼ばれる。D50は、この直径の上半分と下半分で分布を分割するサイズである。Dv50(又はDv0.5)は、体積分布のメジアン値であり、Dn50は数分布に使用され、Ds50は表面分布に使用される。顕微鏡/画像分析からの主たる結果は数分布であるため、本明細書で引用されるD50は、本明細書でDn50と呼ばれるラジアン数である。更なる情報については、参照により全体が本明細書に組み込まれる「A Guidebook To Particle Size Analysis,」Horiba Scientific,Copyright 2019を参照されたい。
【0059】
本明細書の実施形態では、Dn50は、粒子集団の50%がこの値未満に存在する粒径値として定義され、粒径は、顕微鏡/画像分析技術を使用して測定され、粒径分布は、数分布として報告される。
【0060】
本明細書の実施形態では、Dn10は、粒子集団の10%がこの値未満に存在する粒径値として定義され、粒径は、顕微鏡/画像分析技術を使用して測定され、粒径分布は、数分布として報告される。
【0061】
本明細書の実施形態では、Dn90は、粒子集団の90%がこの値未満に存在する粒径値として定義され、粒径は、顕微鏡/画像分析技術を使用して測定され、粒径分布は、数分布として報告される。
【0062】
本明細書の実施形態では、粒径分布幅又は「スパン」は、スパン=(Dn90-Dn10)/(Dn50)として定義され、粒径は、顕微鏡/画像解析技術を使用して測定され、粒径分布は、数分布として報告される。
【0063】
トナー粒子調製のための従来の知識は、狭い粒径分布を有する顔料を使用することである。通常のトナーの慣行は、より良好に分散し、より少ない顔料の使用を可能にする狭い粒径分布を有する顔料を使用することである。このような従来の知識に反して、本発明のトナーは、広い粒径分布を有するBaSO4顔料を用いる。
【0064】
実施形態では、本明細書の白色トナーは、BaSO4顔料を含み、粒径は、スパン=(Dn90-Dn10)/(Dn50)として定義され、BaSO4顔料は、スパンが0.75以上である、広い粒径分布を有する。ある特定の実施形態では、トナーは、広い粒径分布を有するBaSO4顔料である単一の顔料を含み、トナーは、他の顔料を含有しない。したがって、特定の実施形態では、トナーは顔料を含み、顔料は、広い粒径分布を有するBaSO4顔料から本質的になり、実施形態では、粒径は、スパン=(Dn90-Dn10)/(Dn50)として定義され、単一のBaSO4顔料は、スパンが0.75以上である、広い粒径分布を有する。この実施形態では、トナーが、広い粒径分布を有するBaSO4顔料から本質的になる単一の顔料を含む場合、トナーは、他の顔料を含まない、すなわち含有しないことを意味する。したがって、本明細書におけるトナーは、BaSO4顔料を使用して所望の高いL*白色度を可能にする白色トナーを提供し、実施形態では、単一のBaSO4顔料を使用し、BaSO4顔料は広い粒径分布を有し、トナーは、他の顔料を含まず、更にトナーはTiO2を含まない。実施形態では、本明細書の白色トナーは、TiO2を用いる従来の白色トナー(約45%)よりも少ないBaSO4顔料充填量(10~35%)で、高いL*白色度を達成する。
【0065】
特定の実施形態では、選択されたBaSO4顔料は、約400ナノメートルのメジアン粒径Dn50を有する。粒子の直径は、最長軸に沿って測定された直径を意味し、実施形態では、略楕円形状を有する粒子の最長軸に沿って測定され、実施形態では、BaSO4顔料のDn50メジアン粒径は、約400ナノメートルである。実施形態では、BaSO4顔料のDn10粒径は、約150ナノメートルである。実施形態では、BaSO4顔料のDn90粒径は、約550ナノメートルである。実施形態では、粒径分布幅又は「スパン」は1である。
【0066】
特定の実施形態では、選択されたBaSO4顔料は、約400ナノメートルのメジアン粒径Dn50を有する。粒子の直径は、最長軸に沿って測定された直径を意味し、実施形態では、略楕円形状を有する粒子の最長軸に沿って測定され、実施形態では、BaSO4顔料のDn50メジアン粒径は、約400ナノメートルである。実施形態では、BaSO4顔料のDn10粒径は、約250ナノメートルである。実施形態では、BaSO4顔料のDn90粒径は、約550ナノメートルである。実施形態では、粒径分布幅又は「スパン」は0.75である。
【0067】
BaSO4顔料粒子の粒径分布幅又はスパン値は、粒子が非常に広い粒径分布を有するように作製されていることを示す。0.75を超える広い粒径分布幅又はスパンは、均一な粒径分布と比較して、全体的な日射反射率を有意に高めることができる。BaSO4顔料の粒径分布に関する更なる詳細については、Li,et al.,「Ultrawhite BaSO4 Paints and Films For Remarkable Daytime Subambient Radiative Cooling,」ACS Appl.Mater.Interfaces 2021,13,21733-21739を参照されたい。当該文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。塗料は、ブラシで適用され、濃厚な液体コンシステンシーを有する。上述したように、トナー技術においては、狭い粒径分布を有する顔料が必要であることが知られている。トナーは、塗料とは対照的に、トナーが印刷装置において機能することを可能にする流動性、帯電挙動、安定性、転写挙動などの特性を必要とする。トナーにおいて、顔料は、樹脂、任意選択的なワックス、及び他の任意選択的な配合成分を含むトナー粒子の一部である。通常のトナーの慣行は、印刷装置において機能するのに必要なトナー挙動を達成するために、狭い粒径分布を有する顔料を使用することである。
【0068】
実施形態では、本明細書のBaSO4粒子は、広い粒径分布を有する。実施形態では、Dn50=400nm、Dn10=250nm及びDn90=550nm並びにスパン0.75の粒径分布を有することがSEM(走査型電子顕微鏡検査)によって特徴付けられるBaSO4粒子が選択される。
【0069】
実施形態では、Dn50=400nm、Dn10=150nm及びDn90=550nm並びにスパン1.0の粒径分布を有することがSEM(走査型電子顕微鏡検査)によって特徴付けられるBaSO4粒子が選択される。
【0070】
実施形態では、BaSO4顔料は、約268~約528ナノメートルの粒径(直径、最長軸)を有する。
【0071】
BaSO4顔料は、任意の好適な又は所望の量でトナー粒子中に存在することができる。実施形態では、BaSO4顔料は、トナー粒子の総重量(すなわち、外部添加剤を含まない全てのトナー粒子配合成分の総重量)に基づいて、約10重量パーセント~約35重量パーセントの量で、トナー粒子中に存在する。
【0072】
任意選択的に、ワックスはまた、樹脂と組み合わせて、トナー粒子を形成してもよい。含まれる場合、ワックスは、任意の公的な又は所望の量で、実施形態では、例えば、トナー粒子の約1重量パーセント~約25重量パーセント、実施形態では、トナー粒子の約5重量パーセント~約20重量パーセントの量で、存在し得る。
【0073】
選択され得るワックスとしては、例えば、約500~約20,000、実施形態では約1,000~約10,000の重量平均分子量を有するワックスが挙げられる。使用され得るワックスとしては、例えば、Allied Chemical and Petrolite Corporationから市販されているようなポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリブテンワックスなどのポリオレフィン、例えば、Baker Petrolite製のPOLYWAX(商標)ポリエチレンワックス、Michaelman,Inc.及びDaniels Products Companyから入手可能なワックスエマルション、Eastman Chemical Products,Inc.から市販されているEPOLENE N-15(商標)、並びにSanyo Kasei K.K.から入手可能なVISCOL 550-P(商標)、低重量平均分子量ポリプロピレン、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、ウルシワックス、及びホホバオイルなどの植物系ワックス、蜜蝋などの動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレジン、パラフィンワックス、微結晶ワックス、及びFischer-Tropschワックスなどの鉱物系ワックス及び石油系ワックス、ステアリルステアレート及びベヘニルベヘネートなどの高級脂肪酸及び高級アルコールから得られるエステルワックス、ステアリン酸ブチル、オレイン酸プロピル、グリセリドモノステアレート、グリセリドジステアレート、及びペンタエリスリトールテトラベヘネートなどの高級脂肪酸及び一価又は多価低級アルコールから得られるエステルワックス、ジエチレングリコールモノステアレート、ジプロピレングリコールジステアレート、ジグリセリルジステアレート、及びトリグリセリルテトラステアレートなどの高級脂肪酸及び多価アルコールマルチマーから得られるエステルワックス、ソルビタンモノステアレートなどのソルビタン高級脂肪酸エステルワックス、並びにコレステリルステアレートなどのコレステロール高級脂肪酸エステルワックスが挙げられる。使用され得る官能化ワックスの例としては、例えば、アミン、アミド、例えば、Micro Powder Inc.から入手可能なAQUA SUPERSLIP 6550(商標)、SUPERSLIP 6530(商標)、フッ素化ワックス、例えば、Micro Powder Inc.から入手可能なPOLYFLUO 190(商標)、POLYFLUO 200(商標)、POLYSILK 19(商標)、POLYSILK 14(商標)、混合フッ素化アミドワックス(例えば、Micro Powder Inc.から入手可能なMICROSPERSION 19(商標))、イミド、エステル、四級アミン、カルボン酸、又はアクリルポリマーエマルション(例えば、全てSC Johnson Waxから入手可能なJONCRYL 74(商標)、89(商標)、130(商標)、537(商標)、及び538(商標))、並びにAllied Chemical、及びPetrolite Corporation、及びSC Johnson waxから入手可能な塩素化ポリプロピレン及びポリエチレンが挙げられる。前述のワックスの混合物及び組み合わせもまた、実施形態で使用されてもよい。ワックスは、例えば、定着機ロール剥離剤として含まれてもよい。
【0074】
トナーは、例えば、トナーの約0.1~約10重量パーセント、実施形態ではトナーの約1~約3重量パーセントの量で正又は負の電荷制御剤を含んでもよい。好適な電荷制御剤の例としては、アルキルピリジニウムハロゲン化物を含む四級アンモニウム化合物、二硫酸塩、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第4,298,672号に開示されるものを含む、アルキルピリジニウム化合物、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第4,338,390号に開示されるものを含む、有機硫酸塩及びスルホン酸塩組成物、セチルピリジニウムテトラフルオロホウ酸塩、ジステアリルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、BONTRON E84(商標)又はE88(商標)(Orient Chemical Industries,Ltd.)などのアルミニウム塩、及びこれらの組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0075】
また、流動助剤添加剤を含む形成後に、トナー粒子外部添加剤粒子と配合することもでき、この添加剤は、トナー粒子の表面上に存在してもよい。これらの添加剤の例としては、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化スズ、これらの混合物などの金属酸化物と、AEROSIL(登録商標)などのコロイダルシリカ及びアモルファスシリカ、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムを含む金属塩及び脂肪酸金属塩、又はUNILIN(商標)700などの長鎖アルコール、並びにこれらの混合物が挙げられる。実施形態では、本明細書のトナーは、ステアリン酸塩、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される洗浄添加剤を更に含む。
【0076】
一般に、シリカは、トナー流、摩擦帯電増強、混合制御、改善された現像及び転写安定性、並びにより高いトナーブロッキング温度のために、トナー表面に適用されてもよい。チタニアは、改善された相対湿度(relative humidity、RH)安定性、摩擦帯電制御、並びに改善された現像及び転写安定性のために適用され得る。ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム及び/又はステアリン酸マグネシウムは、所望により、潤滑特性、現像剤伝導度、摩擦帯電増強を提供するための外部添加剤として使用されてもよく、これにより、トナーと担体粒子との間の接触数を増加させることによってより高いトナー電荷及び電荷安定性を可能にする。実施形態では、Ferro Corporationから入手される、Zinc Stearate Lとして知られる市販のステアリン酸亜鉛を使用してもよい。外部表面添加剤は、コーティングと共に、又はコーティングなしで使用されてもよい。
【0077】
実施形態では、トナーは、シリカ表面添加剤、チタニア表面添加剤、及びこれらの組み合わせからなる群の部類を更に含む。実施形態では、トナーは、シリカ添加剤、チタニア添加剤、又はこれらの組み合わせを含み、シリカ又はチタニア添加剤のうちの少なくとも1つは疎水性処理を有し、実施形態では、シリカ又はチタニア添加剤のうちの1つ以上は、ポリジメチルシロキサンによる疎水性処理を有する。
【0078】
これらの外部添加剤の各々は、トナーの約0重量%~約3重量%、実施形態では、トナーの約0.25重量%~約2.5重量%の量で存在し得るが、添加剤の量は、これらの範囲外とすることができる。実施形態では、トナーは、例えば、約0重量%~約3重量%のチタニア、約0重量%~約3重量%のシリカ、及び約0重量%~約3重量%のステアリン酸亜鉛を含み得る。
【0079】
実施形態では、トナーは、シリカ、二酸化チタン、ステアリン酸亜鉛、及びこれらの混合物からなる群から選択される要素を含む表面添加剤を含む。ある特定の実施形態では、トナー組成物は、二酸化チタンを含まない。
【0080】
実施形態では、本明細書の白色粉砕トナーを調製するための方法は、樹脂と、BaSO4顔料であって、粒径がスパン=(Dn90-Dn10)/(Dn50)として定義され、BaSO4顔料が、スパンが0.75以上である、広い粒径分布を有する、BaSO4顔料と、任意選択的なワックスと、任意選択的な内部添加剤と、を混合して、混合物を形成することと、その混合物を溶融及び押出して溶融混練物を形成することと、その溶融混練物を粉砕して白色トナー粒子を形成することと、任意選択的に、その白色トナー粒子を分級することと、任意選択的に、1つ以上の表面添加剤を、その白色トナー粒子上に配置することと、を含む。
【0081】
実施形態では、トナー組成物は、任意選択的なワックス、及び任意の他の所望の又は必要な添加剤の混合物と、任意選択的に上記の界面活性剤中で上記の樹脂を含むエマルションとを凝集させることと、次いで凝集混合物を合着させることと、を含むプロセスなどの、エマルション凝集プロセスによって調製され得る。混合物は、任意選択的なワックス又は他の材料(任意選択的に界面活性剤を含む分散体中にあり得る)をエマルション(樹脂を含有する2種以上のエマルションの混合物であり得る)に添加することによって調製されてもよい。得られた混合物のpHは、例えば、酢酸、硝酸などの酸によって調整することができる。実施形態では、混合物のpHは、約2~約4.5に調整され得る。追加的に、実施形態では、混合物は均質化されてもよい。混合物が均質化される場合、均質化は、毎分約4,000~約6,000回転で混合することによって達成されてもよい。均質化は、例えば、IKA ULTRA TURRAX(登録商標)T50プローブホモジナイザーを含む、任意の好適な手段によって達成してもよい。
【0082】
上記混合物の調製に続いて、凝集剤を混合物に添加してもよい。任意の好適な凝集剤を利用して、トナーを形成してもよい。好適な凝集剤としては、例えば、二価カチオン又は多価カチオン材料の水溶液が挙げられる。凝集剤は、例えば、ポリ塩化アルミニウム(polyaluminum chloride、PAC)などのポリアルミニウムハロゲン化物、又は対応する臭化物、フッ化物、若しくはヨウ化物、ポリアルミニウムスルホシリケート(polyaluminum sulfosilicate、PASS)などのポリケイ酸アルミニウム、及び塩化アルミニウム、亜硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化カルシウム、亜硝酸カルシウム、オキシ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛、臭化マグネシウム、塩化銅、硫酸銅、を含む水溶性金属塩、及びこれらの組み合わせであってよい。実施形態では、凝集剤は、樹脂のガラス転移温度(Tg)未満の温度で混合物に添加されてもよい。
【0083】
凝集剤は、混合物中の樹脂の約0.1重量%~約8重量%、実施形態では約0.2%~約5重量%、他の実施形態では約0.5%~約5重量%の量のトナーを形成するために利用される混合物に添加されてもよい。これは、凝集のために十分な量の薬剤を提供する。
【0084】
粒子の凝集及び合着を制御するために、実施形態では、凝集剤は、経時的に混合物中に計量して投入され得る。例えば、薬剤は、約5~約240分、実施形態では約30~約200分にわたって混合物中に計量して投入されてもよい。薬剤の添加は、混合物を、実施形態では約50rpm~約1,000rpm、他の実施形態では約100rpm~約500rpmの撹拌条件下で、かつ、実施形態では約30℃~約90℃、実施形態では約35℃~約70℃の上記樹脂のガラス転移温度未満の温度で維持している間に、実施し得る。
【0085】
その粒子を、所定の所望の粒径が得られるまで凝集してもよい。所定の所望の径とは、形成前に決定される際に得られる所望の粒径を指し、粒径は、そのような粒径に達するまで成長プロセス中に監視される。試料は、成長プロセス中に採取され、平均粒径について、例えば、Coulter Counterで分析してもよい。したがって、凝集は、高温を維持すること、又は温度を、例えば、温度を約40℃~約100℃へとゆっくり上昇させ、この温度で約0.5時間~約6時間、実施形態では約1~約5時間の時間にわたって混合物を保持し、撹拌を続けつつ、凝集粒子を提供することによって進行してもよい。所定の所望の粒径に達すると、成長プロセスは停止される。実施形態では、所定の所望の粒径は、上記のトナー粒径範囲内である。
【0086】
凝集剤の添加後の粒子の成長及び成形は、任意の好適な条件下で達成され得る。例えば、成長及び成形は、凝集が合着とは別に生じる条件下で行われてもよい。別の凝集段階及び合着段階について、凝集プロセスは、高温、例えば、上記樹脂のガラス転移温度未満であり得る約40℃~約90℃、実施形態では約45℃~約80℃において、剪断条件下で行われてもよい。
【0087】
実施形態では、凝集後であるが合着前に、シェルを凝集粒子に適用してもよい。
【0088】
シェルを形成するために利用され得る樹脂としては、限定するものではないが、上述した非晶質樹脂が挙げられ、コアで使用される樹脂(単数又は複数種の樹脂)を含み得る。このような非晶質樹脂は、低分子量樹脂、高分子量樹脂、又はこれらの組み合わせであってもよい。実施形態では、本開示によるシェルを形成するために使用され得る非晶質樹脂として、上記式Iの非晶質ポリエステルを挙げることができる。
【0089】
いくつかの実施形態では、シェルを形成するために使用される非晶質樹脂は、架橋されてもよい。例えば、架橋は、非晶質樹脂を、本明細書では時に実施形態において反応開始剤と称される架橋剤と組み合わせることによって達成され得る。好適な架橋剤の例としては、例えば、コア内にゲルを形成するのに好適な、上記の有機過酸化物及びアゾ化合物などのフリーラジカル又は熱反応開始剤が挙げられるが、これらに限定されない。好適な有機過酸化物の例として、ジアシルペルオキシド、例えば、デカノイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、及びベンゾイルペルオキシドなど、ケトンペルオキシド、例えば、シクロヘキサノンペルオキシド、及びメチルエチルケトンなど、アルキルペルオキシエステル、例えば、t-ブチルペルオキシネオデカノエート、2,5-ジメチル2,5-ジ(2-エチルヘキサノイルペルオキシ)ヘキサン、t-アミルペルオキシ2-エチルヘキサノエート、t-ブチルペルオキシ2-エチルヘキサノエート、t-ブチルペルオキシアセテート、t-アミルペルオキシアセテート、t-ブチルペルオキシベンゾエート、t-アミルペルオキシベンゾエート、コ-t-ブチルo-イソプロピルモノペルオキシカルボネート、2,5-ジメチル2,5-ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、コ-t-ブチルo-(2-エチルヘキシル)モノペルオキシカルボネート、及びコ-t-アミルo-(2-エチルヘキシル)モノペルオキシカルボネートなど、アルキルペルオキシド、例えば、ジクミルペルオキシド、2,5-ジメチル2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン、t-ブチルクミルペルオキシド、α-α-ビス(t-ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジ-t-ブチルペルオキシド、及び2,5-ジメチル2,5ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3など、アルキルヒドロペルオキシド、例えば、2,5-ジヒドロペルオキシ2,5-ジメチルヘキサン、クメンヒドロペルオキシド、t-ブチルヒドロペルオキシド、及びt-アミルヒドロペルオキシドなど、並びに、アルキルペルオキシケタール、例えば、n-ブチル4,4-ジ(t-ブチルペルオキシ)バレレート、1,1-ジ(t-ブチルペルオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ジ(t-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1-ジ(t-アミルペルオキシ)シクロヘキサン、2,2-ジ(t-ブチルペルオキシ)ブタン、エチル3,3-ジ(t-ブチルペルオキシ)ブチレート及びエチル3,3-ジ(t-アミルペルオキシ)ブチレート、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。好適なアゾ化合物の例として、2,2,’-アゾビス(2,4-ジメチルペンタンニトリル)、アゾビス-イソブチロニトリル、2,2,-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2,-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(メチルブチロニトリル)、1,1’-アゾビス(シアノシクロヘキサン)、他の類似の既知の化合物、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0090】
架橋剤及び非晶質樹脂は、架橋ポリエステルゲルを形成するのに十分な時間及び十分な温度で組み合わされてもよい。実施形態では、架橋剤及び非晶質樹脂を、約25℃~約99℃、実施形態では、約30℃~約95℃の温度まで、約1分~約10時間、実施形態では約5分~約5時間の時間にわたって加熱して、シェルとして使用するのに好適な架橋ポリエステル樹脂又はポリエステルゲルを形成してもよい。
【0091】
使用される場合、架橋剤は、樹脂の約0.001%重量%~約5重量%、実施形態では樹脂の約0.01%重量%~約1重量%の量で存在してもよい。CCAの量は、架橋剤又は反応開始剤の存在下で減らすことができる。
【0092】
単一のポリエステル樹脂をシェルとして利用してもよく、又は実施形態では、第1のポリエステル樹脂を他の樹脂と組み合わせてシェルを形成してもよい。複数の樹脂は、任意の好適な量で利用されてもよい。実施形態では、第1の非晶質ポリエステル樹脂、例えば上記式Iの低分子量非晶質樹脂は、全シェル樹脂の約20重量%~約100重量%、実施形態では全シェル樹脂の約30重量%~約90重量%の量で存在してもよい。したがって、実施形態では第2の樹脂は、実施形態では高分子量非晶質樹脂は、シェル樹脂の約0重量%~約80重量%、実施形態ではシェル樹脂の約10重量%~約70重量%の量でシェル樹脂中に存在してもよい。
【0093】
所望の粒径への凝集及び任意選択的なシェルの適用に続いて、粒子は、次いで、所望の最終形状へと合着されてもよく、その合着は、例えば、約45℃~約100℃、実施形態では約55℃~約99℃の温度に混合物を加熱し(この温度は、トナー粒子を形成するために利用される樹脂のガラス転移温度以上であってもよい)、及び/又は、例えば、約100rpm~約400rpm、実施形態では約200rpm~約300rpmへと撹拌を低減することによって達成される。融着された粒子は、所望の形状が達成されるまで、SYSMEX FPIA 3000アナライザなどを用いて、形状係数又は真円度について測定することができる。
【0094】
合着は、約0.01~約9時間、実施形態では約0.1~約4時間の時間にわたって達成されてもよい。
【0095】
実施形態では、凝集及び/又は合着後、トナー凝集体を更に合着するため、混合物のpHを、約3.5~約6、実施形態では約3.7~約5.5まで、例えば酸で、低下させることができる。好適な酸としては、例えば、硝酸、硫酸、塩酸、クエン酸、及び/又は酢酸が挙げられる。添加される酸の量は、混合物の約0.1~約30重量パーセント、実施形態では混合物の約1~約20重量パーセントであってもよい。
【0096】
混合物を冷却し、洗浄し、乾燥させてもよい。冷却は、約20℃~約40℃、実施形態では約22℃~約30℃の温度で、約1時間~約8時間、実施形態では約1.5時間~約5時間にわたるものであってもよい。
【0097】
実施形態では、スラリーを少なくとも1つの熱交換器に通して、合着後のスラリーの温度を急冷してもよい。合着後、混合物を樹脂のガラス転移温度未満、例えば、約40℃未満の温度に急冷してもよい。冷却は、所望に応じて急速であっても遅くてもよい。好適な冷却方法は、少なくとも1つの熱交換器の周りのジャケットに冷水を導入して急冷することを含み得る。
【0098】
次に、トナースラリーを洗浄することができる。洗浄は、約7~約12のpH、実施形態では約9~約11のpHで実施してもよい。洗浄は、約30℃~約70℃、実施形態では、約40℃~約67℃の温度であってよい。洗浄は、脱イオン水中にトナー粒子を含む濾過ケークを濾過及び再スラリー化することを含んでもよい。濾過ケークは、脱イオン水によって1回以上洗浄してもよく、又はスラリーのpHを酸で調整して約4のpHで1回の脱イオン水洗浄、続いて任意選択的に1回以上の脱イオン水洗浄によって洗浄してもよい。
【0099】
乾燥は、約35℃~約75℃、実施形態では、約45℃~約60℃の温度で実施されてよい。乾燥は、粒子の水分レベルが設定ターゲットである約1重量%、実施形態では約0.7重量%未満を下回るまで継続してもよい。
【0100】
実施形態では、本明細書におけるエマルション凝集トナープロセスは、少なくとも1つの樹脂のラテックスを得ることと、BaSO4顔料の水性分散体を得ることであって、粒径がスパン=(Dn90-Dn10)/(Dn50)として定義され、BaSO4顔料が、スパンが0.75以上である、広い粒径分布を有する、水性分散体を得ることと、任意選択的に、任意選択的なワックスの水性分散体を得ることと、少なくとも1つの樹脂のラテックスと、BaSO4顔料の水性分散体と、任意選択的なワックスの水性分散体との混合物を形成することと、混合物を第1の温度に加熱することと、第1の温度を維持して、凝集トナー粒子を形成することと、シェル樹脂のラテックスを添加して、凝集粒子上にシェルを形成することと、任意選択的に、キレート剤の溶液を添加することと、更なる凝集を停止し、第1の温度よりも高い第2の温度まで温度を上昇させて、凝集粒子を合着させることと、エマルション凝集トナー粒子を冷却し、任意選択的に洗浄し、任意選択的に乾燥させ、回収することと、を含む。
【0101】
実施形態では、本プロセスは、エマルション凝集トナー粒子をトナーキャリアと組み合わせて現像剤を形成することを更に含む。
【0102】
図2は、本実施形態による白色粉砕トナーを調製するための従来のトナー製造プロセスを例示しているフローチャートを提供している。このプロセスは、トナーバインダー樹脂(複数可)を重合する工程を含み得る。代替的に、この工程は、1つ以上の既に調製されたトナーバインダー樹脂を提供することを含み得る。このプロセスは、BaSO
4顔料、任意選択的な内部添加剤、例えば、電荷制御剤、ワックス、及びトナー粒子の一部となる任意の他の配合成分を提供することを含む。トナーバインダー樹脂(単数又は複数種)、BaSO
4顔料、任意選択的なワックス、及び任意選択的な内部添加剤は、原料の予備粉砕及びブレンドに供される。原料は、溶融混合され、押出されて、溶融混合又は溶融混練された生成物又は化合物を形成する。溶融混練化合物は粉砕される。粉砕は、溶融混合された押出化合物を予備粉砕に供して、予備粉砕された押出物又は予備粉砕された化合物を形成することを含むことができる。次に、予備粉砕された化合物を、ジェットミルなどで微粉砕に供して、初期トナー粒子を準備することができる。初期トナー粒子を分級して過大サイズのトナー粒子を単離し、更に微粒子分級に供することができ、その後、所望のサイズの白色粉砕トナー粒子が得られる。その白色粉砕トナー粒子を、添加剤ブレンディングに供して、白色粉砕トナー粒子に対して1つ以上の表面添加剤を適用することができる。次いで、白色粉砕トナー粒子は、瓶に入れられるか、又はカートリッジに充填されるなどして包装し、次いで、トナー分野において所望され、知られている任意の追加の包装を更に提供することができる。
【0103】
実施形態では、本発明のトナーは、特定の固有のL*a*b*値を有する印刷画像を提供する。CIELAB色空間(CIE L*a*b*としても知られているか、又は時に「Lab」色空間と略される)は、1976年におけるInternational Commission on Illumination(CIE)によって定義される色空間である。黒色(0)から白色(100)までの明度のL*、緑色(-)から赤色(+)までのa*、及び青(-)から黄色(+)までのb*の3つの値として色を表す。
【0104】
3つのパラメータが測定されるので、空間自体それ自体は、無限に多くの取り得る色を可能にする三次元実数空間である。実際には、その空間は、通常、デジタル表現のための三次元整数空間上にマッピングされ、したがって、L*、a*、及びb*値は、通常、予め定義された範囲で絶対的である。明度値L*は、L*=0で最も暗い黒色を表し、L*=100で最も明るい白色を表す。色チャネルa*及びb*は、a*=0及びb*=0で真のニュートラルグレー値を表す。a*軸は、緑色-赤色成分を表し、負方向が緑色であり、正方向が赤色である。b*軸は、青色-黄色成分を表し、負方向が青色であり、正方向が黄色である。a*軸及びb*軸のスケーリング及び限界値は、特定の実装に依存するが、多くの場合、±100又は-128~+127の範囲で実行される(符号付き8ビット整数)。更なる情報については、オンラインWikipediaのhttps://en.wikipedia.org/wiki/CIELAB_color_spaceを参照されたい。
【0105】
Lab値を測定するためにX-Rite ILSを用いて典型的に使用される2つの設定値は、M0(白色光及び未定義のUV)及びM1(白色光及び定義済みUV)である。M0は、基本色を評価するために最も一般的に使用されている。M1は、蛍光の尺度を評価するために最も一般的に使用されている。a*は、トナー調合物中の緑色の色相を定義する。実施形態では、本発明のトナーは、M0及びM1の設定値において、Rite ILSを用いて測定されるとき、以下の値を提供する。
【0106】
【実施例0107】
以下の実施例は、本開示の様々な種類を更に定義するために提示される。これらの実施例は、例示のみを意図しており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。また、別途記載のない限り、割合及び百分率は重量による。
【0108】
実施例1
白色粉砕トナー粒子の製造を例示する予測的実施例従来のトナープロセス工程は、上記した参照により組み込まれる米国特許第9,964,883号に記載されており、そのような工程を、本発明のトナー及びトナープロセスのために選択してもよい。原料は、ZSK-25押出機などの押出機で押出す。その混合物は、約13000pse(ポリスチレン当量)の分子量(Mw)を有する様々な量のプロポキシル化ビスフェノールAフマル酸樹脂と、プロポキシル化ビスフェノールAフマル酸樹脂を架橋することによって調製された20重量パーセントのゲル樹脂とを含む。その混合物には様々な量の白色BaSO4顔料が含まれる。顔料は、VENATORから市販されているBLANC FIXE(商標)で処理されたBaSO4であることができる。購入したBaSO4粒子は、SEM(走査型電子顕微鏡検査)によって、Dn50=400nm、Dn10=250nm、及びDn90=550nmの粒径分布幅を有すると特徴付けられた。実施形態では、最長軸に沿って測定された粒子の直径に関するDn50メジアン粒径は、400nmである。10%~35%の顔料レベルを選択する。得られた押出物は、200AFG流動床ジェットミルで7.6マイクロメートルの目標メジアン径まで粉砕することができる。目標粒径は、過剰な微粉含有量を除去した後に、平均粒径が約8.3マイクロメートルとなるように選択する。0.3パーセントのTS530シリカを、粉砕プロセス中に流動助剤として添加する。粒子を、B18 Tandem Acucutシステムで分級する。
【0109】
したがって、白色トナーが提供され、実施形態では、BaSO4を含む従来の(粉砕された)非エマルション凝集トナーが提供され、それは、TiO2に取って代わるような顔料に関する潜在的な将来の規制要件を満たすことができる非毒性顔料である。更に、BaSO4を含む白色トナーを提供し、TiO2などの従来の顔料で以前から利用可能であるものよりも低い顔料充填量にて、より高いL*白色度及び不透明度を可能にする。
【0110】
実施例2
白色エマルション凝集トナー粒子の製造を例示する予測的実施例2リットルのプラスチック容器に、200グラムの乾燥BaSO4、13.33グラムのCalfax(登録商標)(Pilot Chemical Companyから入手可能なジフェニルオキシドジスルホネートアニオン性界面活性剤)、及び1,005.77グラムの水を添加する。次いで、この溶液を3,000rpm(1分当たりの回転数)のホモジナイザー下に置き、試料をNanotrac 252機器(Microtrac,Inc.から)で試験して、顔料粒子が一次粒径まで分散される時間を測定する。4リットルのプラスチック容器に、1,211.765グラムの十分に混合されたBaSO4顔料分散体を、159.735グラムの高Mw非晶質ポリエステル樹脂エマルション(約86,000の平均分子量(Mw)、約5,600の数平均分子量(Mn)、約56℃の開始ガラス転移温度(Tg開始)、及び70nm(ナノメートル)の粒径を有するエマルション中の非晶質ポリエステル樹脂と、約35%固形分の組成物ターポリ-(プロポキシル化ビスフェノールA-テレフタレート)ターポリ-(プロポキシル化ビスフェノールA-ドデセニルサクシネート)ターポリ-(プロポキシル化ビスフェノールAフマレートとから調製された))と、161.706グラムの低Mwポリエステル非晶質樹脂エマルション(約19,400のMw、約5,000のMn、約60℃の開始Tg、約170~230nmの粒径を有するエマルション中の非晶質ポリエステル樹脂と、約35%固形分の組成物ターポリ-(プロポキシル化ビスフェノールA-テレフタレート)ターポリ-(プロポキシル化ビスフェノールA-ドデセニルサクシネート)ターポリ-(プロポキシル化ビスフェノールAフマレート)とから調製された)と、110.505グラムの結晶性樹脂エマルション(ドデカン二酸及び1,9-ノナンジオールから作製されたポリエステルを含む結晶性ポリエステル樹脂)と、1,057.855グラムの水と、一緒に添加する。次いで、52.10グラムの0.3M HNO3酸を使用して、この混合物のpHを4.2に調整する。別に、8.977グラムのAl2(SO4)3(27.85重量パーセント)及び110.712グラムの水を、3,500rpmでの均質化の下で凝集剤として添加する。次いで、その混合物を、オーバーヘッドミキサーを備えた4リットルのステンレス鋼反応器に添加し、その混合物を48℃に加熱し、200rpmで撹拌する。混合物の温度が定常状態に達したら、rpmを400に上げ、コア粒子が5.316マイクロメートルの体積平均粒径、1.233のGSD体積、及び1.419のGSD数に達するまで、粒径をCoulter Counterでモニターする。177.483グラム及び179.673グラムの上述の高Mw及び低Mwポリエステル樹脂エマルション並びに202.844グラムの水を含有するシェル材料を、45.02グラムの0.3M HNO3を使用して、3.3にpH調整し、オーバーヘッドミキサーのrpmを220に徐々に減少させながら反応スラリーに添加した。これは、7.579マイクロメートルの平均サイズ、1.226のGSD体積、及び1.272のGSD数を有するコア-シェル構造化粒子をもたらす。その後、オーバーヘッドミキサーのrpmを70に下げ、反応スラリーのpHを、57.692グラムのキレート剤Versene(商標)100(Dowから入手可能なエチレンジアミン四酢酸の四ナトリウム塩の水溶液)、及び346.154グラムの水からなる溶液を使用して、8.2に上げ、トナー粒子の成長を凍結させる。71.7グラムの03.M HNO3を使用して、この工程中、pH8.2を維持する。トナー粒子を凍結させたら、11.1グラムのCalfax(登録商標)を反応スラリーに添加する。次いで、rpmを160に上昇させ、反応スラリーを、合着のためにpHを8.2に維持するのに必要な16.3グラムの4重量パーセントNaOHと一緒に、85℃に加熱する。測定された真円度が0.950と認められるまで、粒子をこの温度で混合されたままにしておく。次いで、トナーを氷水中で急冷して、合着を停止させ、最終平均粒径7.82マイクロメートル、GSD体積1.246、GSD数1.279、真円度0.954を得た。次いで、トナースラリーを室温に冷却し、篩い分け(25マイクロメートル)、濾過によって分離し、続いて洗浄し、凍結乾燥する。
【0111】
様々な上記で開示された及び他の特徴及び機能、又はこれらの代替物が、多くの他の異なるシステム又は用途に望ましく組み合わされ得ることが理解されるであろう。また、様々な現在予期されない、又は先行例のない代替、修正、変形、又は改善が、その後、当業者によって行われ得、これらもまた、以下の「特許請求の範囲」によって包含されることが意図されている。特許請求の範囲に具体的に列挙されない限り、特許請求の範囲の工程又は構成要素は、本明細書又は任意の他の特許請求の範囲から、いかなる特定の順序、数、位置、サイズ、形状、角度、色、又は材料に関して、暗示又は意味されるべきではない。