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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023158671
(43)【公開日】2023-10-31
(54)【発明の名称】画像読取り装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/04 20060101AFI20231024BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
H04N1/04 105
G06T1/00 430E
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022068575
(22)【出願日】2022-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】黒川 孝士
【テーマコード(参考)】
5B047
5C072
【Fターム(参考)】
5B047AA01
5B047BA02
5B047BB02
5B047BC11
5B047CA07
5B047CB23
5C072AA01
5C072BA04
5C072CA02
5C072DA02
5C072DA04
5C072EA04
5C072LA02
5C072MA01
5C072MB01
(57)【要約】
【課題】画像読取りにおけるキャリッジの傾きを適切に補正する画像読取り装置及び制御方法等の提供。
【解決手段】画像読取り装置は、画像読取り部を有し、1つの駆動機構によって駆動されることで、1つの摺動軸に沿って摺動するキャリッジと、キャリッジが第1位置に移動した場合に、画像読取り部による読み取り結果に基づいてキャリッジの傾きを判定し、判定結果に基づいて、駆動機構を制御することによって、キャリッジの傾きを補正する制御を行う制御部と、を含む。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像読取り部を有し、1つの駆動機構によって駆動されることで、1つの摺動軸に沿って摺動するキャリッジと、
前記キャリッジが第1位置に移動した場合に、前記画像読取り部による読み取り結果に基づいて前記キャリッジの傾きを判定し、判定結果に基づいて、前記駆動機構を制御することによって、前記キャリッジの前記傾きを補正する制御を行う制御部と、
を含む画像読取り装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記制御部は、
原稿搬送機構によって搬送される原稿を読み取る第1読み取り制御と、前記キャリッジを前記摺動軸に沿って移動させながら原稿を読み取る第2読み取り制御とを実行し、
前記第1位置は、前記第1読み取り制御における前記キャリッジの位置に対応する画像読取り装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記制御部は、
前記摺動軸に沿った第1方向に前記キャリッジを移動させることによって前記キャリッジを前記第1位置に移動させ、前記傾きが検出された場合に、前記キャリッジを前記第1方向の逆方向である第2方向に移動させることによって前記傾きを補正する画像読取り装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記制御部は、
前記第2方向への前記キャリッジの移動量に基づいて、読み取り開始位置または読み取り開始タイミングを補正する制御を行う画像読取り装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項において、
前記第1位置に前記キャリッジが位置する状態において、前記キャリッジに対向する位置に読み取り用のオブジェクトが配置されており、
前記制御部は、
前記画像読取り部による前記オブジェクトの読み取り結果に基づいて前記キャリッジの前記傾きを判定する画像読取り装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記オブジェクトは、前記摺動軸に沿った方向、及び、前記摺動軸に垂直な方向の何れに対しても傾斜した形状を含む画像読取り装置。
【請求項7】
請求項5において、
前記オブジェクトは、前記摺動軸に垂直な方向に沿って配置される画像読取り装置。
【請求項8】
請求項5において、
前記制御部は、
前記オブジェクトの読み取り結果に基づいて前記キャリッジの傾き量を算出し、前記傾き量に応じた傾き補正量に基づいて前記キャリッジの前記傾きを補正する画像読取り装置。
【請求項9】
画像読取り部を有し、1つの駆動機構によって駆動されることで、1つの摺動軸に沿って摺動するキャリッジが第1位置に移動した場合に、前記画像読取り部による読み取り結果に基づいて前記キャリッジの傾きを判定し、
前記傾きの判定結果に基づいて、前記駆動機構を制御することによって、前記キャリッジの前記傾きを補正する制御を行う、
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取り装置及び制御方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像センサー等の画像読取り部を用いて原稿を読み取ることによって、画像データを取得する画像読取り装置が知られている。画像読取り装置とは、例えばスキャナーである。例えば特許文献1には、撮像センサーの読取りデータに基づいて、読取り光軸と原稿スケールの傾きを検知し、画像補正を行う原稿読取装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8-274951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の手法は、撮像センサーに基づいて傾きを検知した後、画像処理によって当該傾きにより生じる原稿のゆがみを補正する。そのため、例えば画像読取り部を搭載したキャリッジが正常状態に比べて傾いていた場合に、当該キャリッジを駆動することによって傾きを補正するものではない。
【0005】
本開示のいくつかの態様によれば、画像読取りにおけるキャリッジの傾きを適切に補正する画像読取り装置及び制御方法等を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、画像読取り部を有し、1つの駆動機構によって駆動されることで、1つの摺動軸に沿って摺動するキャリッジと、前記キャリッジが第1位置に移動した場合に、前記画像読取り部による読み取り結果に基づいて前記キャリッジの傾きを判定し、判定結果に基づいて、前記駆動機構を制御することによって、前記キャリッジの前記傾きを補正する制御を行う制御部と、を含む画像読取り装置に関係する。
【0007】
本開示の他の態様は、画像読取り部を有し、1つの駆動機構によって駆動されることで、1つの摺動軸に沿って摺動するキャリッジが第1位置に移動した場合に、前記画像読取り部による読み取り結果に基づいて前記キャリッジの傾きを判定し、判定結果に基づいて、前記駆動機構を制御することによって、前記キャリッジの前記傾きを補正する制御を行う制御方法に関係する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】画像読取り装置の外観を示す斜視図である。
図2】原稿送り部が回動した状態における画像読取り装置の一部の斜視図である。
図3】原稿搬送経路を説明する図である。
図4A】キャリッジ、ベルト及び摺動軸の構成を説明する図である。
図4B】原稿読取り部の表面構成を説明する図である。
図5】画像読取り装置の構成例を示す図である。
図6】本実施形態の処理を説明するフローチャートである。
図7】キャリッジに傾きが発生した状態を表す模式図である。
図8A】オブジェクトの具体例、及び傾き検出の手法を説明する図である。
図8B】オブジェクトの具体例、及び傾き補正量の算出手法を説明する図である。
図9】キャリッジのリア側とフロント側の動きを説明する図である。
図10】オブジェクトの他の例を示す図である。
図11】オブジェクトの他の例を示す図である。
図12】オブジェクトの他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態について図面を参照しつつ説明する。図面については、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本開示の必須構成要件であるとは限らない。
【0010】
1.システム構成例
図1は、本実施形態に係る画像読取り装置100の外観例を説明する図である。なお、図1では、印刷機能を有する複合機(MFP:multifunction peripheral)を例示しているが、本実施形態の画像読取り装置100は印刷機能を有さないスキャナー等であってもよい。
【0011】
図1に示すように、画像読取り装置100は、原稿送り部10、原稿読取り部20、表示部30を含む。ただし画像読取り装置100の構成はこれに限定されず、一部の構成を省略する、他の構成を追加する等の変形実施が可能である。例えば、表示部30が省略されてもよいし、印刷部等が追加されてもよい。
【0012】
以下、図1に示すように、X,Y,Zの各軸を設定する。XY軸によって規定される平面は例えば水平面であり、画像読取り装置100が正常な状態で設置された場合、画像読取り装置100の底面はXY平面に平行(略平行を含む)となる。表示部30等が設けられる側を画像読取り装置100の正面としたとき、正面側から観察した際の左右方向の軸をX軸とし、奥行き方向の軸をY軸とする。例えば正面側から観察した際の右方向がX軸正方向であり、左方向がX軸負方向である。また画像読取り装置100のフロント側がY軸正方向であり、リア側がY軸負方向である。またZ軸は鉛直上下方向に対応する軸であり、Z軸正方向が鉛直上方向に対応する。図2以降においても、図1と同様の座標軸を用いて説明を行う。
【0013】
原稿送り部10は、給紙トレイ11と、排紙トレイ13と、不図示の原稿搬送機構を含む。給紙トレイ11は、読取り対象である原稿が載置されるトレイであり、排紙トレイ13は、読取り済の原稿が排出されるトレイである。給紙トレイ11は、例えばY軸での間隔を調整可能な一組の原稿ガイドを含み、原稿は当該原稿ガイドに挟まれるように載置される。原稿搬送機構は、例えば原稿送り部10の内部に設けられる原稿搬送ローラーである。原稿搬送ローラーは、少なくとも給紙トレイ11に載置された原稿に接する位置に配置され、当該原稿搬送ローラーが回転することによって、原稿は原稿搬送経路Pに沿って移動し、排紙トレイ13に排出される。本実施形態における原稿送り部10は、例えば複数枚重なった状態で載置された原稿を、1枚ずつ原稿搬送経路Pに沿って搬送するSPF(Single pass Feeder)であってもよい。原稿搬送経路Pについては図3を用いて後述する。
【0014】
原稿読取り部20は、原稿送り部10によって搬送される原稿、または、後述する原稿台23に載置される原稿を読み取る。例えば、原稿読取り部20は、画像読取り部121を搭載するキャリッジ120と、当該キャリッジ120を駆動する駆動機構を含む。原稿読取り部20の詳細については、図4A等を用いて後述する。
【0015】
表示部30は、種々の情報を表示するインターフェイスであり、液晶ディスプレイであってもよいし、有機ELディスプレイであってもよいし、他の方式のディスプレイであってもよい。また表示部30は、操作部と一体として構成されるタッチパネルであってもよい。
【0016】
図2は、原稿送り部10を回動させた状態での画像読取り装置100の外観例を示す図である。例えば、原稿送り部10は、Y軸負方向側の端部において原稿読取り部20と接続されており、当該接続部分を回動軸として、原稿読取り部20に対してX軸周りに回動する。
【0017】
図2に示すように、原稿読取り部20は、SPF読取り部21と原稿台23を含む。例えば、図4Bを用いて後述するように、原稿読取り部20のZ軸正方向側の端部のうち、SPF読取り部21及び原稿台23に対応する位置にはガラス板が設けられており、原稿読取り部20の内部に設けられるキャリッジ120と、原稿読取り部20の外部との間で光が透過可能である。
【0018】
また原稿送り部10のうち、SPF読取り部21に対向する位置には第1白板15が設けられている。第1白板15が設けられる位置は、原稿送り部10による原稿搬送経路Pの一部に対応する。
【0019】
また原稿送り部10のうち、原稿台23に対向する位置には第2白板17が設けられている。そのため、原稿台23に原稿が載置された後、原稿送り部10が図1の位置に戻された場合、第2白板17を背景として、原稿台23に載置された原稿を読み取ることが可能である。
【0020】
図3は、原稿送り部10による原稿搬送経路Pの例を説明する図である。例えば給紙トレイ11に載置された原稿は、原稿搬送ローラーによって斜め下方(X軸負方向且つZ軸負方向)に搬送され、原稿送り部10の内部に入る。その後、原稿はY軸周りに回転し、第1白板15の下方(Z軸負方向)を回り込んだあと、斜め上方(X軸正方向且つZ軸正方向)に搬送され、排紙トレイ13に排紙される。このように、原稿送り部10によって搬送される原稿は、少なくとも第1白板15に対応する領域において原稿読取り部20側に露出する。そのため、原稿読取り部20が、第1白板15に対応するSPF読取り部21で読取りを行うことによって、第1白板15を背景として、原稿送り部10によって搬送される原稿を読み取ることが可能である。なお、図3に示す原稿搬送経路Pは一例であり、具体的な経路や、当該経路を実現するための原稿搬送ローラー等の配置については種々の変形実施が可能である。
【0021】
図4Aは、原稿読取り部20の内部の構成を示す図であって、Z軸正方向側からの平面視に対応する図である。図4Aに示すように、原稿読取り部20は、画像読取り部121を有するキャリッジ120と、キャリッジ120を支持する摺動軸133と、キャリッジ120を駆動する駆動機構130を含む。駆動機構130は、例えばベルト131と、当該ベルト131を動作させる不図示の駆動モータ等を含む。
【0022】
画像読取り部121は、例えばライン状に配置された撮像センサーである。撮像センサーは、例えば光を照射する発光部と、原稿からの反射光を受光する受光部を含んでもよい。発光部は例えばLED(light-emitting diode)であり、受光部は例えばPD(Photodiode)であるが、他の構成が用いられてもよい。また本実施形態の手法では、画像読取り部121に対向する位置が読取り対象となればよく、例えば発光部及び受光部の一方が画像読取り装置100の他の位置に配置されてもよい。
【0023】
キャリッジ120は、画像読取り部121を搭載する。例えば、キャリッジ120は、平面視において略矩形状であり、傾きが発生していない状態において、図4Aに示すように長手方向がY軸方向に対応し、短手方向がX軸方向に対応する。以下、傾きが発生していない状態を「正常状態」とも表記する。画像読取り部121の撮像センサーは、キャリッジ120の長手方向に沿って配置される。よってキャリッジ120が正常状態である場合、画像読取り部121は、X軸に垂直な方向(Y軸に平行な方向)に沿って、ライン状に撮像センサーが配置される。以下、撮像センサーが並べられる方向を「読み取り方向」とも表記する。即ち、正常状態における読取り方向はY軸に沿った方向である。
【0024】
ベルト131は、例えば長手方向がX軸方向に平行(略平行含む)に配置される環状のベルトであり、不図示の駆動モータ等に基づいて、所定方向への回転、及び逆方向への回転を行う。ベルト131は、回転方向に応じて、キャリッジ120に対してX軸正方向、または、X軸負方向の力を加える。また摺動軸133は、X軸方向に平行(略平行含む)に配置される棒状の部材であり、キャリッジ120の一部と接続される。キャリッジ120は、摺動軸133によって支持され、摺動軸133を軸として摺動可能である。即ち、本実施形態のキャリッジ120は、ベルト131及び摺動軸133によって、X軸正方向及びX軸負方向に摺動する。キャリッジ120の摺動に伴って、キャリッジ120に固定された画像読取り部121も移動する。読取り方向(Y軸に沿った方向)とは交差する方向(X軸に沿った方向)に画像読取り部121が移動することによって、面状の原稿を読み取ることが可能になる。
【0025】
なお図4Aに示すように、ベルト131及び摺動軸133は、キャリッジ120のY軸方向での中心に比べて、一方側にずれた位置に配置されてもよい。図4Aの例では、摺動軸133はキャリッジ120の中心よりもリア側(Y軸負方向側)にずれた位置に配置され、ベルト131は、摺動軸133よりもさらにリア側にずれた位置に配置される。ただし、ベルト131と摺動軸133の配置はこれに限定されず、種々の変形実施が可能である。
【0026】
図4Bは、原稿読取り部20のZ軸正方向側の面の構造を例示する図である。例えば原稿読取り部20は、光を透過する第1ガラス25及び第2ガラス27と、光を透過しないカバー部29を含む。上述したように、第1ガラス25はSPF読取り部21に対応し、第2ガラス27は原稿台23に対応する。
【0027】
例えばZ軸正方向からの平面視において、キャリッジ120は第1ガラス25から第2ガラス27に対応する範囲でX軸に沿って摺動する。このようにすれば、Y軸に沿って配置されるライン状の撮像センサーが、X軸方向に沿って移動するため、第2ガラス27に対応する範囲の移動の過程で、原稿台23に配置された原稿を適切に読み取ることが可能になる。
【0028】
またZ軸正方向からの平面視において、キャリッジ120が第1ガラス25に対応する範囲のいずれかの位置で停止し、その状態で原稿送り部10が原稿搬送経路Pに沿って原稿を搬送する。このようにすれば、Y軸に沿って配置されるライン状の撮像センサーに対向する位置を、原稿がX軸方向に沿って移動する。結果として、原稿送り部10によって搬送される原稿を適切に読み取ることが可能になる。
【0029】
図5は、本実施形態に係る画像読取り装置100の構成を示すブロック図である。画像読取り装置100は、制御部110、キャリッジ120、駆動機構130を含む。キャリッジ120は、画像読取り部121を含む。ただし画像読取り装置100は図5の例に限定されず、一部の構成を省略する、他の構成を追加する等の変形実施が可能である。例えば図5には不図示であるが、画像読取り装置100は、上述した原稿送り部10や表示部30等を含んでもよい。またキャリッジ120、画像読取り部121、駆動機構130については図4Aを用いて上述したため、詳細な説明は省略する。
【0030】
制御部110は、画像読取り装置100に関する種々の制御を実行する。例えば制御部110は、キャリッジ120の駆動を含む画像読取りに関する制御を行う。具体的には後述するように、キャリッジ120の傾きを補正する制御を行う。また制御部110は、画像読取り装置100における他の制御を行ってもよい。
【0031】
本実施形態の制御部110は、下記のハードウェアによって構成される。ハードウェアは、デジタル信号を処理する回路及びアナログ信号を処理する回路の少なくとも一方を含むことができる。例えば、ハードウェアは、回路基板に実装された1又は複数の回路装置や、1又は複数の回路素子によって構成できる。1又は複数の回路装置は例えばIC(Integrated Circuit)、FPGA(field-programmable gate array)等である。1又は複数の回路素子は例えば抵抗、キャパシター等である。
【0032】
また制御部110は、下記のプロセッサによって実現されてもよい。本実施形態の画像読取り装置100は、情報を記憶するメモリと、メモリに記憶された情報に基づいて動作するプロセッサと、を含む。情報は、例えばプログラムと各種のデータ等である。プロセッサは、ハードウェアを含む。プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等、各種のプロセッサを用いることが可能である。メモリは、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、フラッシュメモリなどの半導体メモリであってもよいし、レジスタであってもよいし、ハードディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)等の磁気記憶装置であってもよいし、光学ディスク装置等の光学式記憶装置であってもよい。例えば、メモリはコンピューターによって読み取り可能な命令を格納しており、当該命令をプロセッサが実行することによって、制御部110の機能が処理として実現される。ここでの命令は、プログラムを構成する命令セットの命令でもよいし、プロセッサのハードウェア回路に対して動作を指示する命令であってもよい。
【0033】
本実施形態に係るキャリッジ120は、図4Aに示したように、1つの駆動機構130によって駆動されることによって、1つの摺動軸133に沿って摺動する。以下、キャリッジ120が摺動する方向を「走査方向」とも表記する。図1図4Bの例において、走査方向とはX軸に沿った方向である。ここで駆動機構130が1つであるとは、キャリッジ120に接続される1つの部材によって、キャリッジ120に走査方向の力を加えることを表す。図4Aの例であれば、キャリッジ120を走査方向に移動させる力を加える部材はベルト131の1つである。なお1つの駆動機構130が、ベルト131と駆動モータ等の複数の部材を含むことは妨げられない。またキャリッジ120は画像読取り部121を含み、当該画像読取り部121の読取り方向は、正常状態において走査方向に直交する方向である。また正常状態とは、原稿と画像読取り部121の位置関係が適切であり、読取り結果のゆがみが所定以下に抑えられる状態を表す。なお正常状態において走査方向と読取り方向は厳密に直交する必要はなく、直交に対して所定角度以下のずれがある状態(略直交)も許容される。
【0034】
本実施形態の手法では、駆動機構130(例えばベルト131)及び摺動軸133がそれぞれ1つであるため、シンプルな構成によりキャリッジ120を駆動することが可能になる。例えばキャリッジ120には画像読取り部121等を制御するための基板が設けられるが、当該基板の配置や、当該基板と画像読取り装置100のメイン基板の接続等が容易になる。ここでのメイン基板とは、例えば制御部110に対応する。また駆動機構130及び摺動軸133をそれぞれ1つとすることによって部材数の削減が可能であるため、画像読取り装置100を小型化できる。
【0035】
また本実施形態の制御部110は、キャリッジ120が第1位置に移動した場合に、画像読取り部121による読み取り結果に基づいてキャリッジ120の傾きを判定する。さらに制御部110は、判定結果に基づいて、駆動機構130を制御することによって、キャリッジ120の傾きを補正する制御を行う。読取り結果とは、例えば図8A図8B図10図12を用いて後述するオブジェクトOB1~OB4等の読取り結果である。またここでの傾きの判定とは、傾きの有無を判定する処理であってもよいし、傾きの程度(例えば傾き量)を求める処理であってもよいし、その両方であってもよい。
【0036】
例えば、駆動機構130が1つである場合、キャリッジ120の一部に対して走査方向の力が加えられる。また摺動軸133が1つである場合、キャリッジ120は当該1つの摺動軸133によって支持されるため、キャリッジ120は摺動軸133との接続点まわりに回転する可能性がある。そのため、本実施形態の手法ではキャリッジ120の傾きが発生しやすい可能性があるところ、上記制御により傾きの検出及び補正が可能になる。その際、キャリッジ120の駆動により傾きが補正されるため、画像読取り結果に対して傾き補正のための画像処理を行う必要がなく、処理負荷を低くすることが可能である。
【0037】
なお本実施形態におけるキャリッジ120の傾きとは、例えばキャリッジ120の長手方向と、摺動軸133に沿った走査方向との水平面内における角度変化である。例えば正常状態では、キャリッジ120の長手方向(読取り方向に対応)は走査方向に対して直交するため、読取り方向と走査方向の間の角度が90度に対してどれだけずれているかがキャリッジ120の傾きの程度を表す。例えば傾き量は、読取り方向と走査方向の間の角度と、90度との差分値であってもよい。ただしキャリッジ120の傾きは角度で表現されるものには限定されず、図8B図9等を用いて後述するように、キャリッジ120のリア側の位置のX座標値と、フロント側の位置のX座標値の差分値等に基づいて表現されてもよい。正常状態では2つのX座標値は一致するため、X座標値の差分はずれ量を表す指標となる。なお、キャリッジ120のリア側とは、狭義にはキャリッジ120のリア側端点であるが、これには限定されない。例えばキャリッジ120のリア側とは、キャリッジ120の長手方向での中心に比べて所定距離だけリア側に離れた位置を表してもよい。キャリッジ120のフロント側についても同様である。また以下では画像読取り部121のリア側、フロント側との表現も用いるが、これについても同様である。例えば画像読取り部121のリア側は、リア側の端点でもよいし、画像読取り部121の中心よりもリア側に位置する他の点であってもよい。
【0038】
また本実施形態の制御部110は、原稿搬送機構によって搬送される原稿を読み取る第1読み取り制御と、キャリッジ120を摺動軸133に沿って移動させながら原稿を読み取る第2読み取り制御とを実行してもよい。原稿搬送機構とは、図1に示した原稿送り部10に対応する。第1読み取り制御とは、SPF読取り部21においてX軸方向に搬送される原稿を読み取る制御である。第2読み取り制御とは、原稿台23に載置された原稿を読み取る制御である。
【0039】
ここで、上述した本実施形態の第1位置とは、第1読み取り制御におけるキャリッジ120の位置に対応してもよい。例えば第1位置は、XY平面において画像読取り部121が図4Bに示した第1ガラス25と重複するようなキャリッジ120の位置を表してもよい。なお、図4Bに示すように、第1ガラス25はX軸方向にある程度の幅を有するため、第1位置とは単一の位置に限定されず、ある領域内に含まれる任意の位置であってもよい。あるいは第1位置は、XY平面において画像読取り部121が図3等に示した第1白板15と重複するようなキャリッジ120の位置を表してもよい。
【0040】
このようにすれば、原稿送り部10を用いて原稿の読み取りを行う場合において、キャリッジ120の傾きを適切に補正できる。第1読み取り制御では、原稿がX軸に沿った方向に搬送されるため、読取り中にキャリッジ120が正常状態となっていれば、X軸におけるキャリッジ120の位置ずれは大きな問題となりにくい。例えば、画像読取り部121の読取り方向がX軸に直交(略直交含む)しており、且つ、画像読取り部121が第1ガラス25に重複するという条件の範囲内であれば、画像読取り部121が移動したとしても、原稿の読み取りが可能である。またX軸方向での位置ずれは、例えば後述するように、画像の読み取り開始位置を調整するという容易な制御により補正できる。以上のように、本実施形態の手法ではキャリッジ120を走査方向に沿って駆動するという直接的な制御によって、キャリッジ120の傾きを補正できるため、読取り結果に対して傾き補正用の画像処理を行う必要がなく、処理負荷の軽減等が可能である。以下具体的な処理について説明する。
【0041】
2.処理の詳細
図6は、本実施形態の画像読取り装置100における処理の流れを説明するフローチャートである。まずステップS101において、制御部110は、ユーザーからの読取り開始要求を受信する。例えばステップS101において、制御部110は、給紙トレイ11に原稿が正しくセットされたことを不図示のセンサーにより検出する。そして制御部110は、ユーザーによるスキャン開始ボタンの選択操作を受け付けた場合に、第1読み取り制御を開始する。具体的には制御部110は、ステップS102以降の処理を実行する。
【0042】
ステップS102において、制御部110は駆動機構130を制御することによって、キャリッジ120をリターン方向へ移動させる。ここでのリターン方向とは、第1読み取り制御を行う第1位置へと向かう方向であり、上述した例におけるX軸負方向である。例えば、キャリッジ120のホームポジションは、SPF読取り部21と原稿台23の間の位置であり、ステップS102の制御は、ホームポジションにあるキャリッジ120をX軸負方向に移動させることによって第1位置へ移動させる制御であってもよい。例えばステップS102において、制御部110は、ホームポジションから、第1読み取り制御における標準的な読取り位置までの距離分だけキャリッジ120を移動させるために、ベルト131を当該距離に対応する量だけ回転させる制御を行う。以下、第1読み取り制御(SPFを用いた読取り制御)における標準的なキャリッジ120の位置を「基準位置」とも表記する。
【0043】
図7は、ステップS102の制御によって傾きが生じる場合の例を説明する図である。上述したように、本実施形態では、キャリッジ120の長手方向での中心に比べて、ベルト131及び摺動軸133がリア側に偏って配置された場合を考える。この場合、例えばステップS102において、制御部110がベルト131を所定量だけ回転させたとしても、図7に示すようにベルト131や摺動軸133が配置されるリア側だけが大きく移動し、キャリッジ120のフロント側がリア側に追従できない可能性がある。一例としては、リア側は第1読み取り制御における基準位置まで移動するが、フロント側は移動量が小さく、基準位置に比べてX軸正方向側の位置にとどまる。
【0044】
よってステップS103において、制御部110は、何らかの図形を読み取ることによって、キャリッジ120の傾きを判定する。ここでの判定は、例えば傾きの有無の判定である。例えば本実施形態の画像読取り装置100では、第1位置にキャリッジ120が位置する状態において、キャリッジ120に対向する位置に読み取り用のオブジェクトが配置されている。制御部110は、画像読取り部121によるオブジェクトの読み取り結果に基づいてキャリッジ120の傾きを判定する。このようにすれば、画像読取り部121を用いて容易にキャリッジ120の傾きを判定することが可能になる。なおここでのオブジェクトは図8A図8Bに示すオブジェクトOB1であってもよいし、変形例として後述するオブジェクトOB2-OB4であってもよいし、他の図形であってもよい。
【0045】
図8Aは、第1位置に対向する位置に設けられた図形の一例、及び読取り結果に基づく傾き判定処理を説明する図である。ここでの図形は、2つの三角形を含むオブジェクトOB1である。オブジェクトOB1は、例えば原稿送り部10の第1白板15に設けられる。原稿を読み取る際にはオブジェクトOB1は原稿に隠れるので、原稿の読み取りを阻害することはない。オブジェクトOB1は、例えば第1白板15に貼り付けられるシールであってもよい。あるいは、オブジェクトOB1は第1白板15にプリントされてもよい。当然ながら、設計上読み取り可能な最大幅の原稿のさらに外側の位置であればオブジェクトOB1を第1ガラス25に設けることも可能である。その他、オブジェクトOB1を形成する具体的な手法は種々の変形実施が可能である。このようにすれば、ステップS102の制御によってキャリッジ120が第1位置に移動した後に画像読取り部121で読取りを行うことによって、オブジェクトOB1を適切に読み取ることが可能になる。なお、原稿の読み取りを阻害しない点、シールやプリント等の種々の手法により実現できる点、第1ガラス25に設けられてもよい点は、後述するオブジェクトOB2-OB4においても同様である。
【0046】
図8Aに示すように、オブジェクトOB1は、2つのオブジェクトOB11、オブジェクトOB12を含んでもよい。オブジェクトOB11は相対的にリア側に設けられる図形であり、X軸に平行な辺と、Y軸に平行な辺と、X軸及びY軸の両方に対して傾斜する斜辺とを含む所定色の三角形である。例えばオブジェクトOB11の斜辺は、X軸正方向に行くほど、Y座標値が減少する方向に傾斜する。以下ではオブジェクトOB11が黒色塗りの三角形である例を説明するが、オブジェクトOB11はその境界が識別可能な図形であればよく、具体的な色や塗りつぶしの有無等は種々の変形実施が可能である。また色等に関する変形実施が可能である点は、オブジェクトOB12や、後述するオブジェクトOB2~OB4においても同様である。オブジェクトOB12は、相対的にフロント側に設けられる図形であり、X軸に平行な辺と、Y軸に平行な辺と、X軸及びY軸の両方に対して傾斜する斜辺とを含む三角形である。オブジェクトOB12は、X軸に平行な対称軸において、オブジェクトOB11と線対称な図形であってもよい。なお、図8Aでは説明の便宜上、オブジェクトOB11及びオブジェクトOB12を大きく記載しているが、実際のオブジェクトOB11及びオブジェクトOB12はより第1白板15の端部に近い位置に配置される相対的に小さな図形であってもよく、具体的なスケールは種々の変形実施が可能である。
【0047】
図8Aの例において、キャリッジ120が傾いていない場合、画像読取り部121の読取り方向はY軸に平行となる。そのため、画像読取り部121を表す線分とオブジェクトOB11の2つの交点a、b、及び、画像読取り部121を表す線分とオブジェクトOB12の2つの交点c、dを考えた場合、線分abの長さと線分cdの長さが等しくなる。
【0048】
一方で、キャリッジ120が傾いている場合、図8Aに示すように画像読取り部121の読取り方向もY軸に対して傾く。具体的には、図7に示すようにキャリッジ120のフロント側がX軸正方向側にとどまるため、画像読取り部121もリア側のX座標値が小さく、フロント側のX座標値が大きくなる。結果として、図8Aに示すように、線分abの長さに比べて、線分cdの長さが短くなる。
【0049】
上記のように本実施形態に係るオブジェクトは、摺動軸133に沿った方向(X軸)、及び、摺動軸133に垂直な方向(Y軸)の何れに対しても傾斜した形状を含んでもよい。オブジェクトOB1の場合、摺動軸133に沿った方向、及び、摺動軸133に垂直な方向の何れに対しても傾斜した形状とは、オブジェクトOB11及びオブジェクトOB12の斜辺である。このようにすれば、キャリッジ120が傾いたときの図形の読取り結果の変化が大きくなる。オブジェクトOB1の例であれば、オブジェクトOB11及びオブジェクトOB12が斜辺を有し、当該斜辺との交点を用いることによって、傾きが発生したときに線分ab、線分cdの長さの変化を大きくできる。結果として、キャリッジ120の傾きを精度よく検出できる。
【0050】
画像読取り部121の読取り結果は、例えば横一列に並んだ画素値の集合であり、点aよりもリア側では第1白板15に対応する画素値(例えば255)となり、点aと点bの間の範囲ではオブジェクトOB11に対応する画素値(例えば黒色に対応する0)となる。同様に、点bと点cの間の範囲では第1白板15に対応する画素値が取得され、点cと点dの間の範囲ではオブジェクトOB12に対応する画素値が取得され、点dよりもフロント側では第1白板15に対応する画素値が取得される。結果として、画像読取り部121の読取り結果は、線分abに対応する黒色の線分と、線分cdに対応する黒色の線分の2本を含む画像となる。なお、画像読取り部121は1つのラインを有するラインセンサーに限定されず、複数のラインを有するセンサー(エリアセンサー)であってもよい。この場合、制御部110は、複数のラインを用いて黒い画素の領域を判定してもよいし、何れか1つのラインを用いて処理を行ってもよい。
【0051】
ステップS104において、制御部110は、ステップS103の判定結果が、「傾きあり」であるか否かを判定する。制御部110は、読取り結果に含まれる2本の線分の長さを比較することによって、容易に傾きの有無を判定できる。例えば制御部110は、リア側において検出された連続する黒色画素の数と、フロント側において検出された連続する黒色画素の数をそれぞれ線分の長さとして取得してもよい。そして制御部110は、2本の線分の長さの差が所定以上である場合や、2本の線分の長さの比と1との差が所定以上である場合に、キャリッジ120が傾いていると判定してもよい。
【0052】
キャリッジ120が傾いていると判定した場合(ステップS104でYes)、ステップS105において、制御部110は、フィード方向へキャリッジ120を移動させることによって、キャリッジ120の傾きを補正する。フィード方向とは例えばリターン方向の逆方向であり、X軸正方向である。
【0053】
換言すれば、本実施形態の制御部110は、摺動軸133に沿った第1方向にキャリッジ120を移動させることによってキャリッジ120を第1位置に移動させ、傾きが検出された場合に、キャリッジ120を第1方向の逆方向である第2方向に移動させることによって傾きを補正する。第1方向が例えばリターン方向(X軸負方向)であり、第2方向がフィード方向(X軸正方向)である。
【0054】
本実施形態の手法では、1つの駆動機構130及び1つの摺動軸133がリア側に配置されるため、キャリッジ120の移動はリア側が先行し、フロント側が遅れる可能性がある。例えばリターン方向の移動が行われれば、図7に示したキャリッジ120の傾きが発生する可能性がある。そのため、逆方向であるフィード方向への移動によっても、主にキャリッジ120のリア側を移動させ、且つ、フロント側を相対的に移動させないことが可能であると考えられる。特に傾きが生じている場合、図7に示すようにフロント側がフィード方向に突出した状態であるため、リア側のベルト131及び摺動軸133を用いた駆動が行われた場合、フロント側をあまり移動させずに、リア側のみを主に移動させることが可能である。結果として、キャリッジ120の傾きを効率的に補正することが可能になる。なお、駆動機構130及び摺動軸133の配置はリア側には限定されないが、他の位置に配置された場合であっても、駆動機構130及び摺動軸133が1つであるため傾きが発生しやすい点、リターン方向への移動によって発生した傾きを、逆方向のフィード方向への移動により補正できる点については同様である。なお、本実施形態の手法では、傾きありと判定された場合に、所与の固定量だけ、キャリッジ120をフィード方向に移動させることも妨げられない。ただし制御部110は、キャリッジ120の具体的な傾き量を求める処理を行ってもよい。
【0055】
例えばステップS105において、制御部110は、オブジェクトの読み取り結果に基づいてキャリッジ120の傾き量を算出し、当該傾き量に応じた傾き補正量に基づいてキャリッジ120の傾きを補正してもよい。
【0056】
図8Bは傾き補正量の算出処理を説明する図である。例えば、オブジェクトOB11及びオブジェクトOB12の配置される位置や形状は設計から既知である。またキャリッジ120のリア側は、第1読み取り制御における基準位置まで移動しているものと仮定する。この場合、例えば画像読取り部121のうちのリア側の位置は設計上既知となる。上述したように、ここでのリア側とは端点を表してもよいし、読取り方向での中心からリア側に所定距離だけ離れた位置を表してもよい。画像読取り部121のリア側の位置と、オブジェクトOB1との位置が既知であるため、これらの間の相対的な位置関係も、設計上既知である。
【0057】
また、上記の通り、画像読取り部121のうち、点bに対応する画素の位置は容易に求められる。例えば制御部110は、点bに対応する画素が、画像読取り部121のリア側を表す画素から、どちらの方向に何画素分ずれた画素であるかを容易に求められる。即ち、制御部110は、読取りにおける解像度等を用いることによって、画像読取り部121のリア側から、点bに対応する位置までの距離Lを演算可能である。ここでの解像度とは、例えばdpi(dot per inch)の値である。よって制御部110は、既知の位置である画像読取り部121のリア側からの距離がLであり、且つ、位置及び形状が既知であるオブジェクトOB11の斜辺上に位置するという条件に基づいて、点bの位置を決定できる。同様に、制御部110は、点cの位置を決定することも可能である。
【0058】
そして制御部110は、キャリッジ120のリア側でのX座標値と、フロント側でのX座標値の差分を、傾き補正量として求めてもよい。例えば傾き補正量は、線分beと線分cfの差分値であってもよい。線分beは、点bからY軸に平行な基準線に下ろした垂線であり、線分cfは、点cからY軸に平行な基準線に下ろした垂線である。この基準線は予め設定された線であり、例えば原稿送り部10における部材の境界線等であってもよいし、仮想的に設定される線であってもよい。
【0059】
以上の処理を行うことによって、画像読取り結果に基づいて、傾き補正量を求められる。ただし、以上の処理は傾き補正量を求める処理の一例であり、具体的な処理はこれには限定されない。例えば、オブジェクトOB11及びオブジェクトOB12の形状、位置が既知であり、且つ、点a~dが直線上に並ぶという拘束条件があるため、線分ab及び線分cdの長さの組み合わせに基づいて画像読取り部121の位置を特定できることは当業者であれば容易に理解できることである。また画像読取り装置100の不図示の記憶部は、予め線分ab及び線分cdの長さの組に対して、傾き補正量の値が対応付けられたテーブルデータを記憶してもよい。上記の通り、オブジェクトOB1の形状や配置は既知であるため、傾きの程度が異なる複数のパターンのそれぞれについて、線分abの長さ、線分cdの長さ、適切な傾き補正量を求める処理を行うことによって、上記テーブルデータを事前に取得しておくことが可能である。この場合、制御部110は、例えばオブジェクトOB1の読取り結果によって取得された線分ab及び線分cdの長さの組に最も近い値を有するレコードを上記テーブルデータから探索することによって、傾き補正量を求める。このようにすれば、テーブルデータを参照することによって容易に傾き補正量が求められるため、処理負荷を軽減でき、傾き補正に要する時間を短縮することも可能である。
【0060】
ステップS105において、制御部110は、求めた傾き補正量に基づいて、キャリッジ120をフィード方向に駆動する。例えば、制御部110は、ベルト131が傾き補正量に相当する距離だけ移動するように、ベルト131を駆動させる制御を行う。ベルト131の移動距離(回転量)と、ベルト131を駆動する駆動モータの駆動量の関係は設計から既知であるため、制御部110は、ベルト131を傾き補正量分だけ回転させるモータ駆動量を求め、当該モータ駆動量によって駆動モータを制御する。これにより、例えばキャリッジ120のうちベルト131と噛み合う部分が、線分beと線分cfの差分である傾き補正量に相当する距離だけX軸正方向に移動するため、キャリッジ120の傾きを補正できる。
【0061】
なお、厳密に考えれば、画像読取り部121の点bに相当する位置が、傾き補正量に相当する距離だけX軸正方向に移動した場合に、キャリッジ120の傾きを0に近くできる。一方で、画像読取り部121のうちの、どの位置が点bとなるかは、キャリッジ120の傾き度合いに応じて変化するものである。そのため、ベルト131を傾き補正量分だけ回転させる制御を行った場合、画像読取り部121の点bに相当する位置の移動量は、傾き補正量とは異なってしまう可能性がある。よって本実施形態では、ベルト131の位置(例えばY座標値)と、オブジェクトOB1の読取り結果から特定された点bの位置(例えばY座標値)に基づいて、ベルト131の駆動量を補正することも妨げられない。
【0062】
ただし、図8Aに示すように、点bの変化範囲はオブジェクトOB11の位置や形状により調整可能であるため、例えばオブジェクトOB11を、ベルト131に近いリア側の端点に配置することによって、ベルト131の位置と点bの位置の差を抑制できる。また本実施形態では駆動機構130及び摺動軸133が1つであり、且つ、傾き補正が必要となるケースは図7に示したようにフロント側がX軸正方向に突出したイレギュラーな状態であるため、ベルト131を所定量だけ駆動させた際のキャリッジ120各部の動きを厳密に予測することが難しい。これらの点を考慮して、点bの実際の位置に応じた補正処理は省略されてもよい。
【0063】
なお以上ではステップS104において傾きの有無を判定し、ステップS105において傾き補正量を算出する例を説明した。このようにすれば、傾きがない場合に傾き補正量の算出処理をスキップできる。ただし、傾きの有無の判定と、傾き補正量の算出処理が合わせて実行されることも妨げられない。
【0064】
図9は、本実施形態におけるキャリッジ120のフロント側のX座標値とリア側のX座標値の変化を例示する図である。図9の横軸は時間を表す。縦軸は走査方向での位置を表し、上方向がX軸負方向に対応する。
【0065】
図7にも例示したように、リターン方向へのキャリッジ120の移動では、ベルト131及び摺動軸133が設けられるリア側は基準位置に近い位置まで移動するが、フロント側がそれに追従できず、X軸での変位が小さくなる。本実施形態では、この状態で停止している間に、図6のステップS103-105に示したように、傾き検出や、傾き補正量の算出が行われる。その後、傾き補正量に基づいてキャリッジ120はフィード方向に移動される。この際、上述したように、主にキャリッジ120のリア側が移動し、フロント側の移動量が小さいため、X座標値の差分が減少する。この後の停止期間において、ステップS106以降の処理が実行される。
【0066】
ステップS105の処理後、または、キャリッジ120に傾きがないと判定された場合(ステップS104でNo)、ステップS106において、制御部110は、原稿の読み取り開始位置を確定する。ここで原稿の読み取り開始位置とは、例えば、画像読取り部121が読取りを開始する際の原稿の位置を表す情報である。
【0067】
原稿を上部から下部まで適切に読み取るためには、原稿のうち読取り範囲の上端が画像読取り部121に対向する位置に来たときに読取りを開始し、読取り範囲の下端が画像読取り部121に対向する位置を通過したときに読取りを終了する必要がある。例えば理想的な状態であれば、ステップS102の制御によりキャリッジ120は傾きがない状態で基準位置に移動しており、制御部110は、当該基準位置に対向する位置に読取り範囲の上端が移動したときに、画像読取り部121の読取りを開始する。即ち、読み取り開始位置とは基準位置に対向する位置である。
【0068】
これに対して本実施形態では、補正処理が行われた場合、ステップS105においてキャリッジ120をフィード方向に移動させている。この移動量は傾きを補正する程度のものであるため、画像読取り部121は第1ガラス25に対向し、且つ、第1白板15に対向する状態を維持できると考えられる。即ち、フィード方向へキャリッジ120を移動しても、原稿の読み取り自体は可能である。しかし、第1読み取り制御における基準位置よりもX軸正方向側に画像読取り部121が移動しているため、そのままのタイミングで読取りを開始した場合、読取り開始時には原稿は画像読取り部121に対向する位置まで到達していない。
【0069】
よって本実施形態では、ステップS106において、制御部110は、第2方向へのキャリッジ120の移動量に基づいて、読み取り開始位置を補正する制御を行ってもよい。ここでの移動量は、ステップS105での移動量、即ち、キャリッジ120の傾き補正のためにキャリッジ120をフィード方向に移動させた量を表す。例えば、第2方向(フィード方向)への移動量がMであった場合、制御部110は、原稿送り部10が通常よりもMだけ多く原稿を搬送した位置を、画像読取り部121による原稿の読み取り開始位置に設定する。また制御部110は、第2方向へのキャリッジ120の移動量に基づいて、読み取り開始タイミングを補正する制御を行ってもよい。読取り開始タイミングとは、画像読取り部121が原稿の読取りを開始するタイミングを表す。例えば、原稿送り部10により搬送される原稿が、基準位置に対向する位置からMだけ移動するのに要する時間がTであった場合、制御部110は、画像読取り部121による読取り開始タイミングを通常よりもTだけ遅らせることによって、読取り開始タイミングを補正してもよい。
【0070】
本実施形態の手法によれば、キャリッジ120の駆動により傾きを補正した場合であっても、当該駆動が読取りに与える影響を抑止できる。例えば原稿の読み取り範囲全体を適切に読み取ることが可能になる。
【0071】
なお、キャリッジ120の傾きが検出されなかった場合(ステップS104でNo)、制御部110は、原稿の読み取り開始位置として、画像読取り部121の基準位置に対向する位置を設定する。
【0072】
原稿の読み取り開始位置の設定後、ステップS107によって制御部110は、原稿の読み取りを開始する。具体的には、原稿送り部10による原稿の搬送、及び、画像読取り部121による画像の読取りを行う。また制御部110は、必要に応じて読取り結果に対する画像処理を行ってもよい。
【0073】
そして全ての原稿の読み取りが行われたと判定した場合、ステップS108において、制御部110は、原稿の読み取りを終了する。例えば、原稿送り部10が、給紙トレイ11に載置された全ての原稿の搬送を完了した場合に、制御部110は原稿の読み取りを終了する。
【0074】
3.オブジェクトの変形例
以上では、傾き判定、及び傾き補正量の算出に用いる図形としてオブジェクトOB1を例示した。ただし、本実施形態におけるオブジェクトはこれに限定されず、種々の変形実施が可能である。
【0075】
図10は、傾き判定、及び傾き補正量の算出に用いる図形の変形例を説明する図である。例えば本実施形態における図形は、図10に示すオブジェクトOB2であってもよい。オブジェクトOB2は、オブジェクトOB21とオブジェクトOB22を含む。
【0076】
オブジェクトOB21は相対的にリア側に設けられる図形であり、X軸及びY軸の両方に対して傾斜する線分である。例えばオブジェクトOB21は、X軸正方向に行くほど、Y座標値が減少する方向に傾斜する。オブジェクトOB22は、相対的にフロント側に設けられる図形であり、X軸及びY軸の両方に対して傾斜する線分である。オブジェクトOB22は、X軸正方向に行くほどY座標値が増加する方向に傾斜する図形であって、オブジェクトOB21と線対称な図形であってもよい。オブジェクトOB21は、例えばオブジェクトOB11の斜辺に対応し、オブジェクトOB22はオブジェクトOB12の斜辺に対応する。
【0077】
この場合、制御部110は、オブジェクトOB21及びOB22の読取り結果に基づいて、点g及び点iを検出できる。点g及び点iは、例えば図8Aにおける点b及び点cと同様の処理によって検出できる。例えば制御部110は、読取り結果のうち、リア側で検出される黒色の画素と、フロント側で検出される黒色の画素の位置に基づいて傾きを検出する。例えば制御部110は、画像読取り部121の中央の画素から、2つの黒色の画素までの距離を比較し、差が所定以上である場合に傾き有りと判定する。
【0078】
また傾き量の具体的な判定は、例えば図8Bと同様であり、制御部110は、設計により既知の情報に基づいて、点g及び点iの位置を求めることが可能である。よって制御部110は、例えば線分ghと線分ijの差分に基づいて、傾き補正量を算出できる。線分ghは、点gからY軸に平行な基準線へ下ろした垂線である。線分ijは、点iからY軸に平行な基準線へ下ろした垂線である。
【0079】
図11は、傾き判定、及び傾き補正量の算出に用いる図形の他の変形例を説明する図である。例えば本実施形態における図形は、図11に示すオブジェクトOB3であってもよい。オブジェクトOB3は、例えば図8AのオブジェクトOB12に対応する。
【0080】
図8A図8B図10のように、オブジェクトがX軸に平行な直線を対称軸として線対称である複数の図形を含む場合、リア側の読取り結果とフロント側の読取り結果の比較により傾き判定等が可能である。一方、非対称な図形が用いられる場合、制御部110は、第1読み取り制御における画像読取り部121の基準位置に対応する情報と、実際の読取り結果を比較してもよい。
【0081】
図11の例では、画像読取り部121の基準位置は破線で示され、点kにおいてオブジェクトOB3と交差する。ここで基準位置、及び、オブジェクトOB3の配置は既知であるため、点kの位置は既知である。例えば画像読取り装置100の不図示の記憶部は、読取り結果のうち、リア側からフロント側に向かってカウントしたときに、何画素目から黒色の画素が開始するかを表す情報を、点kに関する情報として記憶する。
【0082】
これに対して、キャリッジ120が傾いた場合、オブジェクトOB3の斜辺との交点が変化し、例えば点mとなる。この場合、黒色の画素の開始位置がよりフロント側に変化する。よって制御部110は、キャリッジ120が基準位置にある場合の黒色の画素の開始位置と、実際の読取り結果から特定された黒色の画素の開始位置とを比較する。例えば制御部110は、差分が所定閾値以上である場合に、キャリッジ120が傾いていると判定してもよい。
【0083】
また図11において、点kの位置は既知であるため、点kから既知の基準線に下ろした垂線である線分knの長さは既知である。また制御部110は、図8Bと同様の手法により、点m及び線分moの長さを求めることが可能である。線分moは、点mから上記基準線に下ろした垂線である。
【0084】
図11に示したように、傾きが発生していない状態では、画像読取り部121のリア側から基準線までの距離と、画像読取り部121のフロント側から基準線までの距離は等しく、線分knに対応する。また、傾きが発生した場合も、画像読取り部121のリア側が基準位置にあると仮定すれば、画像読取り部121のリア側から基準線までの距離は、線分knに対応する長さになる。また線分moは、傾き発生時の、画像読取り部121のフロント側から基準線までの長さに対応する。よって図8A図8B図10と同様に、制御部110は、線分knと線分moの差分に基づいて、傾き補正量を算出できる。
【0085】
上述したように、図10に示したオブジェクトOB21及びオブジェクトOB22は、摺動軸133に沿った方向(X軸)、及び、摺動軸133に垂直な方向(Y軸)の何れに対しても傾斜した形状である。また図11に示したオブジェクトOB3の斜辺は、摺動軸133に沿った方向、及び、摺動軸133に垂直な方向の何れに対しても傾斜した形状である。よってこれらのオブジェクトOB2,OB3を用いた場合にも、キャリッジ120が傾いたときの図形の読取り結果が明確に変化するため、キャリッジ120の傾きを適切に検出できる。
【0086】
図12は、傾き判定、及び傾き補正量の算出に用いる図形の他の変形例を説明する図である。例えば本実施形態におけるオブジェクトは、摺動軸133に垂直な方向に沿って配置される図形であってもよい。例えば図12に示すオブジェクトOB4は、Y軸に平行(X軸に垂直)であって、第1読み取り制御における画像読取り部121の基準位置に比べてX軸方向にずれた位置に配置されるオブジェクトである。
【0087】
図12に示すように、キャリッジ120が傾いていない場合、画像読取り部121とオブジェクトOB4は重複しない。この際の画像読取り部121の位置は、図12に破線で示したように、例えば点qを通り、Y軸に平行な直線上となる。
【0088】
これに対して、傾きが発生した場合、例えば画像読取り部121のリア側の位置は点qと同じであるが、フロント側の位置はX軸正方向に移動する。この移動量が所定以上である場合、図12に示すように、画像読取り部121の一部がオブジェクトOB4を読み取る。例えば読取り結果のうち、図12の点pに対応する位置の画素において、黒色の画素が検出される。
【0089】
制御部110は、例えば黒色の画素が検出された場合に傾きが発生したと判定し、黒色の画素が検出されなかった場合に傾いていないと判定してもよい。図12の例では、微少な傾きが発生していても黒色の画素が検出されないが、その程度の傾きであれば原稿読取りへの影響が小さいと考えられるため、傾いていないと判定することを許容する。
【0090】
また制御部110は、読取り結果のうちの黒色の画素の位置に基づいて、線分pqの長さと線分psの長さの比率を推定できる。ここで三角形pqrと三角形pstは相似であるため、線分tsの長さは、推定した比率と、線分qrの長さから求められる。線分qrは第1読み取り制御における基準位置とオブジェクトOB4の間の距離であるため、設計上既知である。よって制御部110は、読取り結果に基づいて、線分tsの長さを決定可能である。
【0091】
図12の例では、キャリッジ120のリア側とフロント側でのX座標値の差は、線分qrと線分tsの和に相当する。よって制御部110は、線分prと線分tsを加算することによって、傾き補正量を算出できる。
【0092】
また本実施形態の手法は、上述してきた画像読取り装置100の制御方法に適用できる。制御方法は、キャリッジ120が第1位置に移動した場合に、画像読取り部121による読み取り結果に基づいてキャリッジ120の傾きを判定するステップと、傾きが検出された場合に、駆動機構130を制御することによって、キャリッジ120の傾きを補正する制御を行うステップと、を含む。キャリッジ120は、画像読取り部121を有し、1つの駆動機構130によって駆動されることで、1つの摺動軸133に沿って摺動する。
【0093】
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本実施形態の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本開示の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本開示の範囲に含まれる。また画像読取り装置等の構成及び動作等も、本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0094】
10…原稿送り部、11…給紙トレイ、13…排紙トレイ、15…第1白板、17…第2白板、20…原稿読取り部、21…SPF読取り部、23…原稿台、25…第1ガラス、27…第2ガラス、29…カバー部、30…表示部、100…画像読取り装置、110…制御部、120…キャリッジ、121…画像読取り部、130…駆動機構、131…ベルト、133…摺動軸、OB1~OB4,OB11,OB12,OB21,OB22…オブジェクト、P…原稿搬送経路
図1
図2
図3
図4A
図4B
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図8A
図8B
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図12