(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023158673
(43)【公開日】2023-10-31
(54)【発明の名称】開封機構、及び収容具
(51)【国際特許分類】
B65D 51/22 20060101AFI20231024BHJP
【FI】
B65D51/22 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022068578
(22)【出願日】2022-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】306008724
【氏名又は名称】富士レビオ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】川上 恭央
(72)【発明者】
【氏名】川田 秀信
(72)【発明者】
【氏名】大橋 直樹
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 孝
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA12
3E084AA24
3E084AB01
3E084BA03
3E084CA01
3E084CB02
3E084CC03
3E084DA01
3E084DB13
3E084DC03
3E084EA03
3E084EB02
3E084EC03
3E084FA09
3E084FC04
3E084GA08
3E084GB12
3E084HA01
3E084HB08
3E084HC02
3E084HC03
3E084HC04
3E084HD01
3E084KB01
3E084LA14
3E084LA25
3E084LB02
3E084LB07
3E084LC01
3E084LD29
(57)【要約】
【課題】シール部材の開封性を高めることが可能になる、開封機構及び収容具を提供すること。
【解決手段】開封機構20は、シール部材を開封するための機構であって、本体部21と、本体部21の端面から突出するように設けられ、且つ容器側開口部12に対して傾斜するように並設された複数の突起部24であり、容器側開口部12を介して容器10の外側から内側に至るように本体部21を移動させることによってシール部材を突き破ることを可能にする複数の突起部24と、本体部21の端面から突出するように設けられた閉塞防止部26であり、複数の突起部24によってシール部材が突き破られた際に、当該シール部材が容器10の底側端部11cに向けて落下することを回避しながら、シール部材によって容器側開口部12が閉塞されることを防止するための閉塞防止部26と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に設けられた略平面状の開口部を封止するシール部材を開封するための開封機構であって、
本体部と、
前記本体部の端面から突出するように設けられ、且つ前記開口部に対して傾斜するように並設された複数の突起手段であり、前記開口部を介して容器の外側から内側に至るように前記本体部を移動させることによって前記シール部材を突き破ることを可能にする複数の突起手段と、
前記本体部の端面から突出するように設けられた閉塞防止手段であり、前記複数の突起手段によって前記シール部材が突き破られた際に、当該シール部材が前記容器の端部のうち前記開口部とは反対側に位置する端部である底側端部に向けて落下することを回避しながら、当該シール部材によって前記開口部が閉塞されることを防止するための閉塞防止手段と、
を備える開封機構。
【請求項2】
前記複数の突起手段及び前記閉塞防止手段を、前記本体部の端面の周縁部分又はその近傍部分に設け、
前記閉塞防止手段を、前記周縁部分又はその近傍部分のうち、前記複数の突起手段のうち前記本体部の端面から最も突出している突起手段が位置する部分とは反対側の部分に配置した、
請求項1に記載の開封機構。
【請求項3】
前記閉塞防止手段における前記シール部材との接触部分の幅を、前記突起手段の基端部の幅の3倍から4倍程度にした、
請求項1又は2に記載の開封機構。
【請求項4】
前記閉塞防止手段における前記本体部の端面の内方向側の面部が、前記閉塞防止手段の基端部から先端部に向かうにつれて前記閉塞防止手段における前記本体部の端面の外方向側の面部に近づくように、当該内方向側の面部を傾斜させた、
請求項1又は2に記載の開封機構。
【請求項5】
前記突起手段は、
突起本体と、
前記突起本体と前記本体部の端面とを接続するための突起接続部と、を備え、
前記突起本体を、当該突起本体の幅が当該突起本体の基端部に向かうにつれて大きくなる切頭錐体にて形成した、
請求項1又は2に記載の開封機構。
【請求項6】
開口部と、前記開口部を封止するシール部材とを備える容器と、
請求項1又は2に記載の開封機構と、
を備える収容具。
【請求項7】
前記開封機構が取り付けられる移動手段であり、前記開口部を介して前記容器の外側から内側に至るように前記開封機構の前記本体部を移動させるための移動手段と、
前記移動手段による前記開封機構の前記本体部の移動をガイドするためのガイド手段と、を備える、
請求項6に記載の収容具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開封機構、及び収容具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、試薬容器に設けられた開口部を封止するシール部材を開封するための技術の一つとして、筒部の下端に設けられた1つの突部を備える開封部を開口部を介して試薬容器の外側から内側に移動させて、当該突部でシール部材を突き破ることにより、シール部材を開封する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上記従来の技術においては、上述したように、開封部を開口部を介して試薬容器の外側から内側に移動させることで、1つの突部でシール部材を突き破るものに過ぎないので、例えば、当該突き破られたシール部材によって開口部の一部が閉塞されることにより、試薬容器の使用性が阻害されるおそれがあった(一例として、試薬を試薬容器から出し入れする作業が、上記突き破られたシール部材によって阻害されるおそれがあった)。よって、シール部材の開封性を高める観点からは改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、シール部材の開封性を高めることが可能になる、開封機構及び収容具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の開封機構は、容器に設けられた略平面状の開口部を封止するシール部材を開封するための開封機構であって、本体部と、前記本体部の端面から突出するように設けられ、且つ前記開口部に対して傾斜するように並設された複数の突起手段であり、前記開口部を介して容器の外側から内側に至るように前記本体部を移動させることによって前記シール部材を突き破ることを可能にする複数の突起手段と、前記本体部の端面から突出するように設けられた閉塞防止手段であり、前記複数の突起手段によって前記シール部材が突き破られた際に、当該シール部材が前記容器の端部のうち前記開口部とは反対側に位置する端部である底側端部に向けて落下することを回避しながら、当該シール部材によって前記開口部が閉塞されることを防止するための閉塞防止手段と、を備える。
【0007】
請求項2に記載の開封機構は、請求項1に記載の開封機構において、前記複数の突起手段及び前記閉塞防止手段を、前記本体部の端面の周縁部分又はその近傍部分に設け、前記閉塞防止手段を、前記周縁部分又はその近傍部分のうち、前記複数の突起手段のうち前記本体部の端面から最も突出している突起手段が位置する部分とは反対側の部分に配置した。
【0008】
請求項3に記載の開封機構は、請求項1又は2に記載の開封機構において、前記閉塞防止手段における前記シール部材との接触部分の幅を、前記突起手段の基端部の幅の3倍から4倍程度にした。
【0009】
請求項4に記載の開封機構は、請求項1又は2に記載の開封機構において、前記閉塞防止手段における前記本体部の端面の内方向側の面部が、前記閉塞防止手段の基端部から先端部に向かうにつれて前記閉塞防止手段における前記本体部の端面の外方向側の面部に近づくように、当該内方向側の面部を傾斜させた。
【0010】
請求項5に記載の開封機構は、請求項1又は2に記載の開封機構において、前記突起手段は、突起本体と、前記突起本体と前記本体部の端面とを接続するための突起接続部と、を備え、前記突起本体を、当該突起本体の幅が当該突起本体の基端部に向かうにつれて大きくなる切頭錐体にて形成した。
【0011】
請求項6に記載の収容具は、開口部と、前記開口部を封止するシール部材とを備える容器と、請求項1又は2に記載の開封機構と、を備える。
【0012】
請求項7に記載の収容具は、請求項6に記載の収容具において、前記開封機構が取り付けられる移動手段であり、前記開口部を介して前記容器の外側から内側に至るように前記開封機構の前記本体部を移動させるための移動手段と、前記移動手段による前記開封機構の前記本体部の移動をガイドするためのガイド手段と、を備える。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の開封機構、及び請求項6に記載の収容具によれば、本体部の端面から突出するように設けられ、且つ開口部に対して傾斜するように並設された複数の突起手段であり、開口部を介して容器の外側から内側に至るように本体部を移動させることによってシール部材を突き破ることを可能にする複数の突起手段と、本体部の端面から突出するように設けられた閉塞防止手段であり、複数の突起手段によってシール部材が突き破られた際に、当該シール部材が容器の底側端部に向けて落下することを回避しながら、当該シール部材によって開口部が閉塞されることを防止するための閉塞防止手段と、を備えるので、従来技術(1つの突部のみを備える技術)に比べて、シール部材が突き破られる際の抵抗を抑制し、且つシール部材によって開口部が閉塞されることを防止しながら、シール部材を開封でき、シール部材の開封性を高めることができる。
【0014】
請求項2に記載の開封機構によれば、閉塞防止手段を、周縁部分又はその近傍部分のうち、複数の突起手段のうち本体部の端面から最も突出している突起手段が位置する部分とは反対側の部分に配置したので、閉塞防止手段を本体部の端面の周縁部分又はその近傍部分のうち上記反対側の部分以外の位置に配置する場合に比べて、複数の突起手段によってシール部材が突き破られてから閉塞防止手段を当該シール部材に接触させることができ、複数の突起手段及び閉塞防止手段を効果的に機能させることができる。
【0015】
請求項3に記載の開封機構によれば、閉塞防止手段におけるシール部材との接触部分の幅を、突起手段の基端部の幅の3倍から4倍程度にしたので、シール部材によって開口部が閉塞されることを確実に防止でき、シール部材の開封性を一層高めることができる。
【0016】
請求項4に記載の開封機構によれば、閉塞防止手段における本体部の端面の内方向側の面部が、閉塞防止手段の基端部から先端部に向かうにつれて閉塞防止手段における本体部の端面の外方向側の面部に近づくように、当該内方向側の面部を傾斜させたので、シール部材によって開口部が閉塞されることを効果的に防止でき、シール部材の開封性を一層高めることができる。
【0017】
請求項5に記載の開封機構によれば、突起本体を、当該突起本体の幅が当該突起本体の基端部に向かうにつれて大きくなる切頭錐体にて形成したので、突起本体を錐体に形成する場合に比べて、シール部材を押圧しながら突き破ることができ、シール部材によって開口部が閉塞されることを効果的に防止できる。
【0018】
請求項7に記載の収容具によれば、開封機構が取り付けられる移動手段であり、開口部を介して容器の外側から内側に至るように開封機構の本体部を移動させるための移動手段と、移動手段による開封機構の本体部の移動をガイドするためのガイド手段と、を備えるので、開封機構によってシール部材を開封する作業を容易且つ正確に行うことができ、当該作業の作業性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施の形態に係る収容具を示す斜視図であって、後述の開封前状態である収容具を示す図である。
【
図2】収容具を示す図であり、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は平面図、(d)は底面図である。
【
図3】収容具を示す図であり、(a)は左側面図、(b)は右側面図、(c)は
図2(a)のA-A矢視断面図である。
【
図4】容器を示す図であり、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は平面図である。
【
図5】移動部及び開封機構を示す図であり、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は平面図、(d)は底面図である。
【
図6】ガイド部を示す図であり、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は平面図、(d)は底面図である。
【
図7】開封機構を示す図であり、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は平面図、(d)は背面図である。
【
図9】後述の第1開封後状態である収容具を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は
図3(c)に対応する領域を示す断面図である。
【
図10】後述の第2開封後状態である収容具を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は
図3(c)に対応する領域を示す断面図である。
【
図11】第2開封機構を示す図であり、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は背面図である。
【
図12】第3開封機構を示す図であり、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る開封機構、及び収容具の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念について説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0021】
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、容器に設けられた略平面状の開口部を封止するシール部材を開封するための開封機構、及び収容具に関するものである。
【0022】
ここで、「容器」の具体的な種類は任意であり、例えば、円筒状の容器、逆円錐状の容器等を含む概念であるが、実施の形態では、円筒状の容器として説明する。
【0023】
また、容器に収容される収容対象とは、例えば、液状の試薬(一例として、生体試料の検出や定量に用いられる薬剤)、液状の生体試料(一例として、唾液、尿、喀痰、全血、血清、血漿)等を含む概念であるが、実施の形態では、液状の試薬として説明する。
【0024】
「収容具」とは、容器を収容するための器具である。
【0025】
また、「収容具の使用状態」とは、「開封前状態」、「第1開封後状態」、及び「第2開封後状態」を含む概念である。
【0026】
このうち、「開封前状態」とは、容器の開口部が開封されていない状態である。また、「第1開封後状態」とは、開封機構によって容器の開口部が開封されているものの、容器から収容対象を出し入れできない状態である。また、「第2開封後状態」とは、開封機構によって容器の開口部が開封された後に、容器から収容対象を出し入れできる状態である。
【0027】
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0028】
(構成)
最初に、実施の形態に係る収容具の構成について説明する。
【0029】
以下の説明では、
図1のX方向を収容具の左右方向(-X方向を収容具の左方向、+X方向を収容具の右方向)、
図1のY方向を収容具の前後方向(+Y方向を収容具の前方向、-Y方向を収容具の後方向)、
図1のZ方向を収容具の上下方向(+Z方向を収容具の上方向、-Z方向を収容具の下方向)と称する。
【0030】
収容具1は、後述の容器10を収容するための器具であり、
図1から
図3に示すように、概略的には、容器10、開封機構20、移動部30、ガイド部40、及びキャップ部50を備えている。
【0031】
(構成-容器)
まず、容器10の構成について説明する。
【0032】
容器10は、図示しない収容対象(具体的には、液状の試薬)を収容するためのものである。この容器10は、例えば円筒状の公知の容器(一例として、樹脂製又はガラス製の容器)を用いて構成されており、具体的には、
図4に示すように、容器本体11、容器側開口部12、及びシール部材(図示省略)を備えている。
【0033】
(構成-容器-容器本体)
容器本体11は、容器10の基本構造体である。この容器本体11は、中空状体(具体的には、直径が25mm程度であり、且つ上下方向の長さが58mm程度である略中空円柱状体)にて形成されており、具体的には、
図4に示すように、容器胴部11aと、容器胴部11aよりも上方に位置し、且つ容器胴部11aと連通している容器首部11bであり、当該容器首部11bの径が容器胴部11aの径よりも小さい容器首部11bと、を備えている。
【0034】
なお、以下では、容器本体11の端部のうち、容器側開口部12とは反対側に位置する端部11c(具体的には、容器本体11の下端部)を「底側端部11c」と称する。
【0035】
(構成-容器-容器側開口部)
容器側開口部12は、収容対象を出し入れするための開口部である。この容器側開口部12は、略平面状に形成されており、具体的には、
図4(c)に示すように、外径が17mm程度の略円形状に形成されている(ただし、これに限らず、略矩形状又は略楕円形状に形成されてもよい)。
【0036】
また、
図4に示すように、容器側開口部12は、容器本体11における容器首部11bの上面部において、略水平に設けられている。
【0037】
(構成-容器-シール部材)
シール部材は、容器側開口部12を封止するための部材である。このシール部材は、例えば平坦な公知のシール材(一例として、外径が20mm程度であり、且つ厚さ0.1mm程度であるアルミニウム製、樹脂製、紙製などのシール材)等を用いて構成されており、容器本体11における容器首部11bの上面部において、容器側開口部12全体を覆うように設けられている。
【0038】
(構成-開封機構)
図1に戻り、開封機構20の構成について説明する。
【0039】
開封機構20は、シール部材を開封するための機構であり、
図1から
図3に示すように、移動部30の上部に取り付けられている。なお、開封機構20の構成の詳細については、後述する。
【0040】
(構成-移動部)
図1に戻り、次に、移動部30の構成について説明する。
【0041】
移動部30は、開封機構20が取り付けられる移動手段であり、容器側開口部12を介して容器の外側から内側に至るように後述の開封機構20の本体部21を移動させるための移動手段であり、
図1から
図3、
図5に示すように、移動部本体31、移動側第1開口部32、移動側第2開口部(図示省略)、移動側スライド部33、移動側第1接続部34、移動側第2接続部35、及び移動側第3接続部36を備えている。
【0042】
(構成-移動部-移動部本体)
図2に戻り、移動部本体31は、移動部30の基本構造体である。この移動部本体31は、例えば樹脂製(又は金属製)の中空状体(具体的には、上下方向に長尺な中空状体)にて形成されており、
図2、
図9に示すように、移動部本体31の内部に移動側第1開口部32を介して容器10及びガイド部40の少なくとも一部が収容されるように設けられている。
【0043】
また、移動部本体31の具体的な大きさについては任意であるが、実施の形態では以下の通りに設定している。
【0044】
すなわち、移動部本体31の内径については、容器本体11及びガイド部40の各々の外径よりも大きく設定しており、一例として、28mmから30mm程度に設定してもよい。
【0045】
また、移動部本体31の上下方向の長さについては、開封前状態では後述の開封機構20の突起部24とシール部材とが接触せず、且つ第1開封後状態では後述の開封機構20の突起部24によってシール部材が突き破られる長さに設定している。例えば、容器本体11及びガイド部40の各々の上下方向の長さよりも長く設定してもよく(又は、容器本体11の上下方向の長さ以下であってもよく)、一例として、55mmから65mm程度に設定してもよい。
【0046】
(構成-移動部-移動側第1開口部)
図5に戻り、移動側第1開口部32は、移動部本体31に容器10及びガイド部40を出し入れするためのものであり、
図5に示すように、移動部本体31の下面部の略全体にわたって設けられている。
【0047】
(構成-移動部-移動側第2開口部)
移動側第2開口部は、後述の開封機構20における複数の突起部24及び閉塞防止部26を移動部本体31の内部に収容するためのものであり、移動部本体31の上面部の略中央部分に設けられている。
【0048】
また、移動側第2開口部の具体的な形状及び大きさについては任意であるが、実施の形態では以下の通りに設定している。
【0049】
すなわち、移動側第2開口部の平面形状については、略円形状に設定している。ただし、これに限らず、例えば、略矩形状、略楕円形状に設定してもよい。
【0050】
また、移動側第2開口部の外径については、後述の開封機構20における複数の突起部24及び閉塞防止部26を移動部本体31の内部に収容可能な大きさに設定しており、例えば、後述の開封機構20の本体部21の内径と略同一に設定している。
【0051】
(構成-移動部-移動側スライド部)
移動側スライド部33は、後述するガイド側スライド部44を介して移動部30をガイド部40に対して上下方向に沿ってスライド移動させるためのものである。この移動側スライド部33は、移動部本体31の内面の一部を凹状に加工した凹状体にて形成されており、具体的には、移動側スライド部33の上下方向の長さが移動部本体31の上下方向の長さと同一又は移動部本体31の上下方向の長さよりも短く設定されている。
【0052】
また、
図5(d)に示すように、移動側スライド部33は、移動部本体31の前面部に複数設けられている(
図5(d)では、2つ設けられている)。具体的には、複数の移動側スライド部33は、上下方向に略沿うようにそれぞれ配置されていると共に、相互に間隔を隔てて並設されている。
【0053】
(構成-移動部-移動側第1接続部)
移動側第1接続部34は、後述のガイド側第1接続部45に着脱自在に接続されるものである。この移動側第1接続部34は、例えば公知の接続部材(具体的には、係合孔)で構成されており、
図5(a)に示すように、移動部本体31の前面部に複数設けられている(
図5(a)では、2つ設けられている)。具体的には、複数の移動側第1接続部34は、相互に間隔を隔てて上下方向に略沿って並設されている。
【0054】
なお、以下では、必要に応じて、複数の移動側第1接続部34のうち、上方に位置する移動側第1接続部34aを「移動側上方第1接続部34a」と称し、下方に位置する移動側第1接続部34bを「移動側下方第1接続部34b」と称する。
【0055】
(構成-移動部-移動側第2接続部)
移動側第2接続部35は、後述のガイド側第2接続部46に着脱自在に接続されるものである。この移動側第2接続部35は、例えば公知の接続部材(具体的には、係合孔)で構成されており、
図5(b)に示すように、移動部本体31の左面部に複数設けられている(
図5(b)では、2つ設けられている)。具体的には、複数の移動側第2接続部35は、相互に間隔を隔てて上下方向に略沿って並設されている。
【0056】
なお、以下では、必要に応じて、複数の移動側第2接続部35のうち、上方に位置する移動側第2接続部35aを「移動側上方第2接続部35a」と称し、下方に位置する移動側第2接続部35bを「移動側下方第2接続部35b」と称する。
【0057】
(構成-移動部-移動側第3接続部)
図3に戻り、移動側第3接続部36は、後述のガイド側第3接続部47に着脱自在に接続されるものである。この移動側第3接続部36は、例えば公知の接続部材(具体的には、係合孔)で構成されており、
図3(b)に示すように、移動部本体31の右面部に複数設けられている(
図3(b)では、2つ設けられている)。具体的には、複数の移動側第3接続部36は、相互に間隔を隔てて上下方向に略沿って並設されている。
【0058】
なお、以下では、必要に応じて、複数の移動側第3接続部36のうち、上方に位置する移動側第3接続部36aを「移動側上方第3接続部36a」と称し、下方に位置する移動側第3接続部36bを「移動側下方第3接続部36b」と称する。
【0059】
(構成-移動部-その他の構成)
また、移動部30の形成方法については任意であるが、実施の形態では、樹脂材料を公知の成形方法(一例として、射出成形等)を用いて成形することで、移動部本体31、移動側第1開口部32、移動側第2開口部、移動側スライド部33、移動側第1接続部34、移動側第2接続部35、及び移動側第3接続部36を一体に形成している。
【0060】
(構成-ガイド部)
次に、ガイド部40の構成について説明する。
【0061】
ガイド部40は、移動部30による後述の開封機構20の本体部21の移動をガイドするためのガイド手段であり、
図3、
図6に示すように、ガイド部本体41、ガイド側第1開口部42、ガイド側第2開口部43、ガイド側スライド部44、ガイド側第1接続部45、ガイド側第2接続部46、及びガイド側第3接続部47を備えている。
【0062】
(構成-ガイド部-ガイド部本体)
図3に戻り、ガイド部本体41は、ガイド部40の基本構造体である。この移動部本体31は、例えば樹脂製(又は金属製)の中空状体(具体的には、上下方向に長尺な中空状体)にて形成されており、
図3に示すように、移動部本体31の内部に当該ガイド部本体41の少なくとも一部が収容されるように設けられていると共に、且つ容器10の前面部、左面部、右面部、及び下面部を覆うように設けられている。
【0063】
また、ガイド部本体41の具体的な大きさについては任意であるが、実施の形態では以下の通りに設定している。
【0064】
すなわち、ガイド部本体41の内径については、容器本体11の外径よりも大きく設定しており、一例として、27mmから29mm程度に設定してもよい。
【0065】
また、ガイド部本体41の上下方向の長さについては、容器本体11の上下方向の長さよりも短く設定しており、一例として、45mmから55mm程度に設定してもよい。
【0066】
(構成-ガイド部-ガイド側第1開口部)
ガイド側第1開口部42は、ガイド部本体41に容器10を出し入れするためのものであり、
図6に示すように、移動部本体31の後面部の略全体にわたって設けられている。
【0067】
(構成-ガイド部-ガイド側第2開口部)
ガイド側第2開口部43は、ガイド部本体41に容器10が収容されている状態において、容器首部11bをガイド部本体41から露出させるためのものであり、
図6に示すように、移動部本体31の上面部の略全体にわたって設けられている。
【0068】
(構成-ガイド部-ガイド側スライド部)
ガイド側スライド部44は、移動側スライド部33を介して移動部30をガイド部40に対して上下方向に沿ってスライド移動させるためのものである。このガイド側スライド部44は、例えば樹脂製(又は金属製)の長尺な棒状体にて形成されており、具体的には、ガイド側スライド部44の上下方向の長さがガイド部本体41の上下方向の長さと略同一に設定されている。
【0069】
また、
図6に示すように、ガイド側スライド部44は、ガイド部本体41の前面部の外面に複数設けられている(
図6では、2つ設けられている)。具体的には、複数のガイド側スライド部44は、上下方向に略沿うようにそれぞれ配置されていると共に、対応する移動側スライド部33と対応する位置にそれぞれ配置されている。
【0070】
(構成-ガイド部-ガイド側第1接続部)
ガイド側第1接続部45は、移動側第1接続部34(具体的には、移動側上方第1接続部34a、移動側下方第1接続部34b)と着脱自在に接続可能なものである。このガイド側第1接続部45は、例えば公知の接続部材(具体的には、係合部材であって、当該係合部材の一部がガイド部40の外側に向けて突出した係合部材)で構成されており、
図6(a)に示すように、ガイド部本体41の前面部の下方部分に設けられている。
【0071】
また、
図6に示すように、ガイド側第1接続部45の周辺には、ガイド側第1接続部45と移動側第1接続部34との着脱を容易にするための切欠部48が設けられている(なお、ガイド側第2接続部46及びガイド側第3接続部47の構成についても略同様とする)。
【0072】
(構成-ガイド部-ガイド側第2接続部)
ガイド側第2接続部46は、移動側第2接続部35(具体的には、移動側上方第2接続部35a、移動側下方第2接続部35b)と着脱自在に接続可能なものである。このガイド側第2接続部46は、例えば公知の接続部材(具体的には、一部が外側に向けて突出した係合部材)で構成されており、
図6に示すように、ガイド部本体41の左面部の下方部分に設けられている。
【0073】
(構成-ガイド部-ガイド側第3接続部)
ガイド側第3接続部47は、移動側第3接続部36(具体的には、移動側上方第3接続部36a、移動側下方第3接続部36b)と着脱自在に接続可能なものである。このガイド側第3接続部47は、例えば公知の接続部材(具体的には、一部が外側に向けて突出した係合部材)で構成されており、
図6(c)に示すように、ガイド部本体41の右面部の下方部分に設けられている。
【0074】
(構成-ガイド部-その他の構成)
また、ガイド部40の形成方法については任意であるが、実施の形態では、樹脂材料を公知の成形方法(一例として、射出成形等)を用いて成形することで、ガイド部本体41、ガイド側第1開口部42、ガイド側第2開口部43、ガイド側スライド部44、ガイド側第1接続部45、ガイド側第2接続部46、及びガイド側第3接続部47を一体に形成している。
【0075】
このようなガイド部40により、ガイド側第1接続部45、ガイド側第2接続部46、及びガイド側第3接続部47を介して移動部30を着脱自在に支持することができる。よって、例えば、ガイド側第1接続部45を移動側上方第1接続部34aに接続し、ガイド側第2接続部46を移動側上方第2接続部35aに接続し、且つガイド側第3接続部47を移動側上方第3接続部36aに接続することで、収容具1の使用状態を
図1の開封前状態にすることが可能となる。また、ガイド側第1接続部45を移動側下方第1接続部34bに接続し、ガイド側第2接続部46を移動側下方第2接続部35bに接続し、且つガイド側第3接続部47を移動側下方第3接続部36bに接続することで、収容具1の使用状態を
図9の第1開封後状態又は
図10の第2開封後状態にすることが可能となる。
【0076】
(構成-キャップ部)
図3に戻り、次に、キャップ部50の構成について説明する。
【0077】
キャップ部50は、第2開封後状態において容器10内に異物等が混入することを防止するためのものである。このキャップ部50は、例えば、キャップ部50を介して容器10の収容対象を出し入れ可能にする公知のキャップ部材等を用いて構成されており、具体的には、
図3に示すように、キャップ部本体51及び開閉弁部52を備えている。
【0078】
(構成-キャップ部-キャップ部本体)
キャップ部本体51は、キャップ部50の基本構造体である。このキャップ部本体51は、下面が開放状である中空リング状体にて形成されている。具体的には、
図3に示すように、キャップ部本体51の内縁部分の上下方向の長さがキャップ部本体51の外縁部分の上下方向の長さよりも長く設定されていると共に、キャップ部本体51の内縁部分がキャップ部本体51の外縁部分よりも下方に突出するように形成されている。
【0079】
また、このキャップ部本体51は、開封機構20に設けられている。具体的には、
図3(c)に示すように、キャップ部本体51の内縁部分の少なくとも一部が後述の開封側第1開口部22を介して後述の開封機構20の本体部21内に収容されるように配置されており、開封前状態においてキャップ部本体51の外縁部分が後述の開封機構20の本体部21に対して係合構造等によって着脱自在に接続されるように配置されている。
【0080】
(構成-キャップ部-開閉弁部)
開閉弁部52は、後述の開封側第2開口部23の開閉状態を切り替えるためのものである。この開閉弁部52は、公知の開放弁(一例として、複数のゴム製の弁体を有する開放弁)を用いて構成されており、後述の開封側第2開口部23に設けられている。
【0081】
具体的には、
図3(c)、
図9(b)、及び
図10(b)に示すように、開封前状態では、後述の開封側第2開口部23が閉鎖した状態となる位置であり、且つ第1開封後状態及び第2開封後状態では、キャップ部本体51の内縁部分によって押圧されることで後述の開封側第2開口部23が開放した状態となる位置に配置されており、後述の開封機構20の本体部21に対して嵌合構造等によって接続されている。
【0082】
このような収容具1の構成により、状況に応じた容器10の収容を行うことができ、収容具1の使用性を高めることができる。また、収容具1は、移動部30及びガイド部40を備えるので、開封機構20によってシール部材を開封する作業を容易且つ正確に行うことができ、当該作業の作業性を高めることができる。
【0083】
(構成-開封機構の構成の詳細)
図7に戻り、次に、開封機構20の構成の詳細について説明する。なお、開封機構20は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質で製造することができる。
【0084】
実施の形態では、
図7に示すように、開封機構20は、本体部21、開封側第1開口部22、開封側第2開口部23、複数の突起部24、及び閉塞防止部26を備えている。
【0085】
(構成-開封機構の構成の詳細-本体部)
本体部21は、開封機構20の基本構造体である。この本体部21は、例えば樹脂製(又は金属製)の中空状体(具体的には、中空の円柱状体)にて形成されており、移動部本体31の上面部に設けられている。具体的には、
図3に示すように、本体部21の下面部が移動側第2開口部と対応する位置に設けられており、移動部本体31に対して接続されている。
【0086】
また、本体部21の具体的な大きさについては任意であるが、実施の形態では以下の通りに設定している。
【0087】
すなわち、本体部21の内径については、移動側第2開口部の外径と略同一に設定しており、一例として、19mmから21mm程度に設定してもよい。
【0088】
また、本体部21の上下方向の長さについては、キャップ部50のキャップ部本体51の内縁部分による開閉弁部52の押圧の有無に応じて開封側第2開口部23の開閉状態を切り替えることができる長さに設定している。例えば、キャップ部本体51の外縁部分の上下方向の長さよりも長く(又は略同一に)設定してもよく、一例として、8mmから10mm程度に設定してもよい。
【0089】
(構成-開封機構の構成の詳細-開封側第1開口部)
開封側第1開口部22は、第2開封後状態において容器10内の収容対象を出し入れするためのものであり、
図7に示すように、本体部21の上面部の略全体にわたって設けられている。
【0090】
(構成-開封機構の構成の詳細-開封側第2開口部)
開封側第2開口部23は、第2開封後状態において容器10内の収容対象を出し入れするためのものであり、
図7(c)に示すように、本体部21の下面部の略中央部分に設けられている。
【0091】
また、開封側第2開口部23の具体的な形状及び大きさについては任意であるが、実施の形態では以下の通りに設定している。
【0092】
すなわち、開封側第2開口部23の平面形状については、略円形状に設定している。ただし、これに限らず、例えば、略矩形状、略楕円形状に設定してもよい。
【0093】
また、開封側第2開口部23の外径については、第1開封後状態及び第2開封後状態において、キャップ部本体51の内縁部分によって押圧されることで開封側第2開口部23を開放した状態にすることが可能な長さに設定している。例えば、キャップ部本体51の内縁部分の外径よりも大きく、且つ本体部21の下面部の外径よりも小さく設定しており、一例として、14mmから16mm程度に設定してもよい。
【0094】
(構成-開封機構の構成の詳細-突起部)
複数の突起部24は、容器側開口部12を介して容器10の外側から内側に至るように本体部21を移動させることによってシール部材を突き破ることを可能にする突起手段である。これら複数の突起部24(
図7では、12個の突起部24)は、例えば樹脂製(又は金属製)の細長状体にてそれぞれ形成されており、具体的には、
図7(a)に示すように、突起本体25aと、突起本体25aと本体部21の下面部とを接続するための突起接続部25bとをそれぞれ備えている。
【0095】
また、
図3(c)、
図7に示すように、複数の突起部24は、本体部21の端面(具体的には、本体部21の下面部)から突出するように設けられ、且つ容器側開口部12に対して傾斜するように並設されている。具体的には、本体部21の下面部の周縁部分又はその近傍部分に設けられており、より具体的には、
図8に示すように、本体部21の下面部における開封側第2開口部23の外縁部分に設けられている。
【0096】
なお、以下では、必要に応じて、複数の突起部24のうち、左側に位置する突起部24aから24fを「左側第1突起部24a」、「左側第2突起部24b」、「左側第3突起部24c」、「左側第4突起部24d」、「左側第5突起部24e」、及び「左側第6突起部24f」と称する(なお、
図7(b)、
図8に示すように、左側第1突起部24aから左側第6突起部24fは、前方から後方に至る順に配置されているものとする)。
【0097】
また、複数の突起部24のうち、右側に位置する突起部24gから24lを「右側第1突起部24g」、「右側第2突起部24h」、「右側第3突起部24i」、「右側第4突起部24j」、「右側第5突起部24k」、及び「右側第6突起部24l」と称する(なお、
図8に示すように、右側第1突起部24gから右側第6突起部24lは、前方から後方に至る順に配置されていると共に、左側第1突起部24aから左側第6突起部24fと対称に配置されているものとする)。
【0098】
また、複数の突起部24の具体的な形状及び大きさについては任意であるが、実施の形態では以下の通りに設定している。
【0099】
すなわち、複数の突起部24の形状については、以下の通りに設定している。
【0100】
具体的には、各突起部24の突起本体25aについては、
図7、
図8に示すように、後述する試験結果に基づいて、突起本体25aの幅が突起本体25aの基端部に向かうにつれて大きくなる切頭錐体(具体的には、切頭円錐体)に設定している。
【0101】
これにより、突起本体25aを錐体に形成する場合に比べて、シール部材を押圧しながら突き破ることができ、シール部材によって容器側開口部12が閉塞されることを効果的に防止できる。
【0102】
ただし、これに限らず、例えば、切頭楕円錐体又は円錐体の如き錐体に設定してもよい。
【0103】
また、各突起部24の突起接続部25bについては、
図7に示すように、略湾曲状の板状体に設定している。ただし、これに限らず、例えば、平坦な板状体に設定してもよい。
【0104】
また、各突起部24の基端部(具体的には、突起接続部25bの基端部)の幅(具体的には、水平方向且つ突起部24の長手方向の長さ)については、開封側第2開口部23の外径よりも短く、且つそれぞれ略均一に設定しており、一例として、2mmから3mm程度に設定してもよい。
【0105】
また、各突起部24の厚さ(具体的には、水平方向且つ突起部24の短手方向の長さ)については、開封側第2開口部23の外径よりも短く、且つそれぞれ略均一に設定しており、一例として、0.3mmから0.5mm程度に設定してもよい。
【0106】
また、複数の突起部24の上下方向の長さについては、以下の通りに設定している。
【0107】
具体的には、左側第1突起部24aから左側第6突起部24fについては、左側第6突起部24fから左側第1突起部24aに至るにつれて長くなるように設定しており、7mmから14mm程度に設定してもよい。ただし、左側第1突起部24aから左側第6突起部24fの各々の突起本体25aの上下方向の長さについては、それぞれ略同一に設定しており、一例として、2mmから3mm程度に設定してもよい。
【0108】
また、右側第1突起部24gから右側第6突起部24lについては、右側第6突起部24lから右側第1突起部24gに至るにつれて長くなるように設定しており、7mmから14mm程度に設定してもよい。ただし、右側第1突起部24gから右側第6突起部24lの各々の突起本体25aの上下方向の長さについては、それぞれ略同一に設定しており、一例として、2mmから3mm程度に設定してもよい。
【0109】
また、複数の突起部24のうち、位置関係が対称となる突起部24同士の上下方向の長さを同一に設定しており、具体的には、左側第1突起部24aの上下方向の長さと右側第1突起部24gの上下方向の長さとを同一に設定している。
【0110】
(構成-開封機構の構成の詳細-閉塞防止部)
閉塞防止部26は、複数の突起部24によってシール部材が突き破られた際に、当該シール部材が容器10の底側端部11cに向けて落下することを回避しながら、当該シール部材によって容器側開口部12が閉塞されることを防止するための閉塞防止手段である。この閉塞防止部26は、例えば樹脂製(又は金属製)の板状体にて形成されており、具体的には、
図7に示すように、閉塞防止本体26aと、閉塞防止本体26aと本体部21の下面部とを接続するための閉塞接続部26bとを備えている。
【0111】
また、
図7に示すように、閉塞防止部26は、本体部21の端面(具体的には、本体部21の下面部)から突出するように設けられている(
図7では、1つ設けられている)。具体的には、本体部21の端面の周縁部分又はその近傍部分に設けられており、より具体的には、
図8に示すように、本体部21の下面部における開封側第2開口部23の外縁部分に設けられている。
【0112】
また、閉塞防止部26の具体的な形状及び大きさについては任意であるが、複数の突起部24によってシール部材が突き破られた後に、閉塞防止部26が当該シール部材と接触できる限りに任意に設定することができるが、実施の形態では以下の通りに設定している。
【0113】
すなわち、閉塞防止部26の形状については、以下の通りに設定している。
【0114】
具体的には、閉塞防止本体26aについては、
図7に示すように、湾曲状の板状体であり、且つ閉塞防止本体26aの先端に向かうにつれて幅が狭くなる略台形状の板状体に設定している。ただし、これに限らず、例えば、平坦な略台形状の板状体。又は略矩形状の板状体に設定してもよい。
【0115】
また、閉塞接続部26bについては、
図7に示すように、湾曲状の板状体に設定している。ただし、これに限らず、例えば、平坦な板状体にて設定してもよい。
【0116】
また、閉塞防止部26におけるシール部材との接触部分(具体的には、閉塞防止本体26aの下端部)の幅については、突起部24の基端部の幅の3倍から4倍程度に設定している。
【0117】
これにより、シール部材によって容器側開口部12が閉塞されることを確実に防止でき、シール部材の開封性を一層高めることができる。
【0118】
ただし、これに限らず、例えば、突起部24の基端部の幅の3倍未満又は4倍を上回る長さに設定してもよい。
【0119】
また、閉塞防止部26の厚さについては、突起部24の突起接続部25bの厚さと略同一に設定している。ただし、これに限らず、例えば、突起接続部25bの厚さよりも厚く又は薄く設定してもよい。
【0120】
また、閉塞防止部26の上下方向の長さについては、複数の突起部24のうち、最も突出していない突起部24(具体的には、左側第6突起部24f、右側第6突起部24l)の上下方向の長さよりも短く設定しており、一例として、7mm程度に設定している。ただし、閉塞防止本体26aについては、突起部24の突起本体25aの上下方向の長さと略同一に設定している。
【0121】
また、閉塞防止部26の設置方法については任意であるが、実施の形態では、閉塞防止部26を、本体部21の端面の周縁部分又はその近傍部分のうち、複数の突起部24のうち本体部21の端面から最も突出している突起部24が位置する部分とは反対側の部分に配置している。
【0122】
具体的には、
図7、
図8に示すように、本体部21の下面部における開封側第2開口部23の外縁部分のうち、後方部分であり、且つ左側第6突起部24fと右側第6突起部24lとの相互間に対応する部分に配置している。
【0123】
これにより、閉塞防止部26を本体部21の端面の周縁部分又はその近傍部分のうち上記反対側の部分以外の位置に配置する場合に比べて、複数の突起部24によってシール部材が突き破られてから閉塞防止部26を当該シール部材に接触させることができ、複数の突起部24及び閉塞防止部26を効果的に機能させることができる。
【0124】
ただし、これに限らず、例えば、本体部21の下面部における開封側第2開口部23の外縁部分のうち後方部分以外の部分(一例として、左側第3突起部24cと左側第4突起部24dとの相互間に対応する部分等)に設置してもよい。
【0125】
(構成-開封機構の構成の詳細-閉塞防止部-その他の構成)
また、閉塞防止部26の具体的な構成については任意であるが、実施の形態では、後述する試験結果に基づいて、閉塞防止部26における本体部21の端面の内方向側の面部26c(以下、「内面部26c」と称する)が、閉塞防止部26の基端部から先端部に向かうにつれて閉塞防止部26における本体部21の端面の外方向側の面部26d(以下、「外面部26d」と称する)に近づくように、当該内面部26cを傾斜させている。
【0126】
具体的には、
図7(b)、
図7(d)、
図8に示すように、閉塞防止本体26aの内面部26cが閉塞防止本体26aの基端部から先端部に向かうにつれて閉塞防止本体26aの外面部26dに近づくように、当該内面部26cを傾斜させている。より具体的には、閉塞防止本体26aの内面部26cが上記傾斜するように、閉塞防止本体26aの厚さを基端部から先端部に向かうにつれて薄くなるように設定している。
【0127】
このような構成により、シール部材によって容器側開口部12が閉塞されることを効果的に防止でき、シール部材の開封性を一層高めることができる。
【0128】
(構成-開封機構の構成の詳細-その他の構成)
また、開封機構20の形成方法については任意であるが、実施の形態では、樹脂材料を公知の成形方法(一例として、射出成形等)を用いて成形することで、開封機構20(具体的には、本体部21、開封側第1開口部22、開封側第2開口部23、複数の突起部24、及び閉塞防止部26)及び移動部30を一体に形成している。
【0129】
これにより、開封機構20及び移動部30を一体に形成する場合に比べて、開封機構20を移動部30に取り付けつける手間を省略できる。
【0130】
ただし、これに限らず、例えば、開封機構20及び移動部30を別体に形成した後に、公知の取付方法(一例として、固定部材を用いた方法、又は嵌合構造を用いた方法)を用いて開封機構20及び移動部30を接続してもよい。
【0131】
以上のような開封機構20により、従来技術(1つの突部のみを備える技術)に比べて、シール部材が突き破られる際の抵抗を抑制し、且つシール部材によって容器側開口部12が閉塞されることを防止しながら、シール部材を開封でき、シール部材の開封性を高めることができる。
【0132】
(収容具の作用について)
次に、このように構成された収容具1の作用について説明する。
【0133】
ここで、収容具1の作用の前提については、容器10の容器側開口部12がシール部材に封止されており、容器10内に収容対象が収容されているものとして説明する。
【0134】
最初に、収容具1を組み立てるタイミングが到来すると、以下に示す工程で収容具1を組み立てる。
【0135】
具体的には、まず、ガイド側第1開口部42及びガイド側第2開口部43を介して容器10をガイド部本体41に取り付ける。
【0136】
また、移動部30に設けられた開封機構20の本体部21にキャップ部50を取り付ける。より具体的には、開閉弁部52を開封側第2開口部23に取り付けた後に、キャップ部本体51の内縁部分の一部を後述の開封側第1開口部22を介して開封機構20の本体部21内に収容されるように配置すると共に、キャップ部本体51の外縁部分が開封機構20の本体部21に対して係合構造等によって接続する。これにより、開閉弁部52によって開封側第2開口部23が閉鎖した状態になる。
【0137】
次いで、移動側第1開口部32を介して容器10及びガイド部40を移動部本体31内に収容した後に、ガイド側第1接続部45を移動側上方第1接続部34aに接続し、ガイド側第2接続部46を移動側上方第2接続部35aに接続し、及びガイド側第3接続部47を移動側上方第3接続部36aに接続する。これにより、シール部材によって開封側第2開口部23が密封された状態が維持される。
【0138】
このような工程により、収容具1の使用状態が
図1の開封前状態になるように、収容具1を組み立てることができる。
【0139】
次に、シール部材を開封するタイミングが到来すると、開封前状態から上記ガイド部40と移動部30との接続状態を解除する。次いで、移動側スライド部33及びガイド側スライド部44を介して移動部30をガイド部40に対して下方にスライド移動させることで、ガイド側第1接続部45を移動側下方第1接続部34bに接続し、ガイド側第2接続部46を移動側下方第2接続部35bに接続し、及びガイド側第3接続部47を移動側下方第3接続部36bに接続する。これにより、容器側開口部12を介して容器10の外側から内側に至るように開封機構20の本体部21が移動するため、開封機構20によってシール部材が開封される。特に、容器側開口部12に対して傾斜して配置された複数の突起部24によりシール部材が突き破られる際の抵抗を抑制できると共に、閉塞防止部26によりシール部材によって容器側開口部12が閉塞されることを防止でき、シール部材の開封性を高めることができる。
【0140】
このような工程により、収容具1の使用状態を
図9の第1開封後状態にすることができる。また、第1開封後状態では、シール部材が開封されるものの、開閉弁部52によって容器10内に異物等が混入することを防止できる。
【0141】
続いて、容器10から収容対象を出し入れするタイミングが到来すると、第1開封後状態からキャップ部本体51を押し下げることで、キャップ部本体51の内縁部分によって開閉弁部52が押圧されることにより、開封側第2開口部23が開放した状態になる。
【0142】
このような工程により、収容具1の使用状態を第2開封後状態にすることができる。よって、例えば、分注装置のピペット部(図示省略)を押し下げることでキャップ部本体51の内縁部分を介してピペット部を容器10内に挿入できるため、ピペット部を介して容器10内の収容対象を吸引することが可能となる。
【0143】
その後、キャップ部本体51を押し上げたり、又は押し下げたりすることにより、収容具1の使用状態を第1開封後状態又は第2開封後状態に切り替えることができる。よって、例えば、容器10から収容対象を出し入れしないタイミングが到来した際には、収容具1の使用状態を第1開封後状態にし、容器10から収容対象を出し入れするタイミングが再び到来した際には、収容具1の使用状態を
図10の第2開封後状態にすることが可能となる。
【0144】
(試験結果)
続いて、本件出願人が行った試験結果について説明する。ここでは、各種の開封機構20に関する性能確認試験について説明する。
【0145】
(試験結果-試験の概要)
最初に、性能確認試験の概要について説明する。
【0146】
「性能確認試験」とは、各種の開封機構を用いて容器10の容器側開口部12を封止するシール部材を開封した際の、シール部材の開封性を確認するための試験である。
【0147】
(試験結果-試験の概要-試験方法)
この性能確認試験の試験方法については任意であるが、以下に示す通りとなる。
【0148】
具体的には、まず、所定の器具(例えば、収容具1等)に各種の開封機構及び容器10を設置した後に、容器側開口部12を介して容器10の外側から内側に至るように当該開封機構の本体部21を移動させることによって、シール部材を開封する。そして、シール部材を開封した後のシール部材の開封状態及び突起部24の状態と、シール部材を開封する際の開封機構に作用する抵抗の度合いとを確認した。
【0149】
(試験結果-試験の概要-各種の開封機構の構成の詳細)
また、性能確認試験に用いられる各種の開封機構は、3つの種類に区分けされる(以下、「第1開封機構」から「第3開封機構201」と称する)。
【0150】
このうち、第1開封機構は、
図7に示す実施の形態に係る開封機構20の構成と同一のものである。
【0151】
また、第2開封機構101は、
図11に示すように、実施の形態に係る開封機構20の構成と略同様に構成されているものの、複数の突起部24の各々の突起本体25aが錐体に形成され、且つ閉塞防止本体26aの外面部26dが閉塞防止本体26aの基端部から先端部に向かうにつれて閉塞防止本体26aの内面部26cに近づくように、当該外面部26dを傾斜させたものである。
【0152】
また、第3開封機構201は、
図12に示すように、上記従来技術の構成と略同様に構成されたものである。具体的には、実施の形態に係る開封機構20と同様に構成された本体部21、開封側第1開口部22、及び開封側第2開口部23と、1つの突起部24(具体的には、突起本体25aの上下方向の長さが1mm程度である突起部24)とを備え、且つ閉塞防止部26を省略したものである。
【0153】
(試験結果-性能確認試験の試験結果の詳細)
続いて、性能確認試験の試験結果の詳細について説明する。
【0154】
性能確認試験の試験結果については、以下に示す結果が確認できた。
【0155】
すなわち、シール部材を開封した後のシール部材の開封状態については、
図13に示すように、第1開封機構及び第2開封機構101を用いた場合には、シール部材を開封でき、且つシール部材によって容器側開口部12が閉塞されなかった。特に、第1開封機構を用いた場合には、第2開封機構101に比べて、シール部材による容器側開口部12の閉塞を効果的に回避できた。一方で、第3開封機構201を用いた場合には、シール部材のうち突起部24に対応する部分が突き破られたものの、シール部材を開封できなかった。
【0156】
また、シール部材を開封した後の突起部24の状態については、
図13に示すように、第1開封機構及び第2開封機構101を用いた場合には、複数の突起部24には破損は生じなかったものの、第3開封機構201を用いた場合には、突起部24に破損は生じた。
【0157】
また、シール部材を開封する際の開封時の開封機構に作用する抵抗の度合いについては、
図13に示すように、第1開封機構及び第2開封機構101を用いた場合には、上記抵抗はほとんどなかった(なお、第3開封機構201を用いた場合については、シール部材を開封できなかったので、不明とした(
図13では、「-」と記載した)。
【0158】
このような試験結果より、開封機構20が、容器側開口部12に対して傾斜するように並設された複数の突起部24及び閉塞防止部26を備えることの有効性が確認できた。また、複数の突起部24の各々の突起本体25aを切頭錐体に形成することの有効性が確認できた。さらに、閉塞防止本体26aの内面部26cが閉塞防止本体26aの基端部から先端部に向かうにつれて閉塞防止本体26aの外面部26dに近づくように、当該内面部26cを傾斜させていることの有効性が確認できた。
【0159】
(実施の形態の効果)
このように実施の形態によれば、本体部21の端面から突出するように設けられ、且つ容器側開口部12に対して傾斜するように並設された複数の突起部24であり、容器側開口部12を介して容器10の外側から内側に至るように本体部21を移動させることによってシール部材を突き破ることを可能にする複数の突起部24と、本体部21の端面から突出するように設けられた閉塞防止部26であり、複数の突起部24によってシール部材が突き破られた際に、当該シール部材が容器10の底側端部11cに向けて落下することを回避しながら、当該シール部材によって容器側開口部12が閉塞されることを防止するための閉塞防止部26と、を備えるので、従来技術(1つの突部のみを備える技術)に比べて、シール部材が突き破られる際の抵抗を抑制し、且つシール部材によって容器側開口部12が閉塞されることを防止しながら、シール部材を開封でき、シール部材の開封性を高めることができる。
【0160】
また、閉塞防止部26を、周縁部分又はその近傍部分のうち、複数の突起部24のうち本体部21の端面から最も突出している突起部24が位置する部分とは反対側の部分に配置したので、閉塞防止部26を本体部21の端面の周縁部分又はその近傍部分のうち上記反対側の部分以外の位置に配置する場合に比べて、複数の突起部24によってシール部材が突き破られてから閉塞防止部26を当該シール部材に接触させることができ、複数の突起部24及び閉塞防止部26を効果的に機能させることができる。
【0161】
また、閉塞防止部26におけるシール部材との接触部分の幅を、突起部24の基端部の幅の3倍から4倍程度にしたので、シール部材によって容器側開口部12が閉塞されることを確実に防止でき、シール部材の開封性を一層高めることができる。
【0162】
また、閉塞防止部26における本体部21の端面の内方向側の面部が、閉塞防止部26の基端部から先端部に向かうにつれて閉塞防止部26における本体部21の端面の外方向側の面部に近づくように、当該内方向側の面部を傾斜させたので、シール部材によって容器側開口部12が閉塞されることを効果的に防止でき、シール部材の開封性を一層高めることができる。
【0163】
また、突起本体25aを、当該突起本体25aの幅が当該突起本体25aの基端部に向かうにつれて大きくなる切頭錐体にて形成したので、突起本体25aを錐体に形成する場合に比べて、シール部材を押圧しながら突き破ることができ、シール部材によって容器側開口部12が閉塞されることを効果的に防止できる。
【0164】
また、開封機構20が取り付けられる移動部30であり、容器側開口部12を介して容器10の外側から内側に至るように開封機構20の本体部21を移動させるための移動部30と、移動部30による開封機構20の本体部21の移動をガイドするためのガイド部40と、を備えるので、開封機構20によってシール部材を開封する作業を容易且つ正確に行うことができ、当該作業の作業性を高めることができる。
【0165】
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0166】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0167】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0168】
(収容具について)
上記実施の形態では、収容具1が、キャップ部50を備えていると説明したが、これに限らず、例えば、キャップ部50を省略してもよい。
【0169】
(移動部について)
上記実施の形態では、移動部30が、移動側第1接続部34、移動側第2接続部35、及び移動側第3接続部36を備えていると説明したが、これに限らず、例えば、移動側第1接続部34、移動側第2接続部35、又は移動側第3接続部36のいずれか1つ又は2つのみを省略してもよい。この場合には、ガイド側第1接続部45、ガイド側第2接続部46、又はガイド側第3接続部47のいずれか1つ又は2つのみを省略してもよい。
【0170】
(ガイド部について)
上記実施の形態では、ガイド部40が、ガイド側第1接続部45、ガイド側第2接続部46、及びガイド側第3接続部47を備えることで、ガイド側第1接続部45、ガイド側第2接続部46、及びガイド側第3接続部47を介して移動部30を着脱自在に支持可能としていると説明したが、これに限らない。例えば、ガイド側第1接続部45、ガイド側第2接続部46、及びガイド側第3接続部47を省略することで、移動部30を着脱自在に支持できないようにしてもよい。この場合には、移動側第1接続部34、移動側第2接続部35、及び移動側第3接続部36も省略してもよい。
【0171】
(開封機構について)
上記実施の形態では、開封機構20が、収容具1の構成要素の一つであると説明したが、これに限らない。例えば、開封機構20は、他の収容具(一例として、少なくとも容器10を含む収容具等)の構成要素の一つであってもよく、あるいは、単独で用いられてもよい。この場合において、開封機構20は、開封側第1開口部22及び開封側第2開口部23を省略してもよい。
【0172】
また、上記実施の形態では、開封側第2開口部23が、本体部21の下面部の外径よりも小さく設定されていると説明したが、これに限らず、例えば、本体部21の下面部の外径と略同一に設定されてもよい。この場合には、複数の突起部24は、本体部21の端面(具体的には、本体部21の下面部)の周縁部分に設けられてもよい。
【0173】
また、上記実施の形態では、開封機構20が移動部30と一体に形成されていると説明したが、これに限らず、例えば、開封機構20が移動部30と別体に形成してもよい。この場合には、開封機構20の本体部21が移動部本体31に対して着脱自在に接続されることで、各種のサイズで構成された開封機構20を移動部30に対して取り換え自在にしてもよい。
【0174】
(突起部について)
上記実施の形態では、複数の突起部24の設置数が12個であると説明したが、これに限らない。例えば、12個未満(ただし、2個以上)であってもよく、あるいは、13個以上であってもよい。
【0175】
(閉塞防止部について)
上記実施の形態では、閉塞防止部26の設置数が1個であると説明したが、これに限らず、例えば、複数個であってもよい。
【0176】
また、上記実施の形態では、閉塞防止本体26aの内面部26cが閉塞防止本体26aの基端部から先端部に向かうにつれて閉塞防止本体26aの外面部26dに近づくように、当該内面部26cを傾斜させていると説明したが、これに限らない。例えば、閉塞防止本体26aの外面部26dが閉塞防止本体26aの基端部から先端部に向かうにつれて閉塞防止本体26aの内面部26cに近づくように、当該外面部26dを傾斜させてもよい。あるいは、閉塞防止本体26aの内面部26c及び外面部26dが上下方向に略沿うように構成されてもよい。
【0177】
(付記)
付記1の開封機構は、容器に設けられた略平面状の開口部を封止するシール部材を開封するための開封機構であって、本体部と、前記本体部の端面から突出するように設けられ、且つ前記開口部に対して傾斜するように並設された複数の突起手段であり、前記開口部を介して容器の外側から内側に至るように前記本体部を移動させることによって前記シール部材を突き破ることを可能にする複数の突起手段と、前記本体部の端面から突出するように設けられた閉塞防止手段であり、前記複数の突起手段によって前記シール部材が突き破られた際に、当該シール部材が前記容器の端部のうち前記開口部とは反対側に位置する端部である底側端部に向けて落下することを回避しながら、当該シール部材によって前記開口部が閉塞されることを防止するための閉塞防止手段と、を備える。
【0178】
付記2の開封機構は、付記1に記載の開封機構において、前記複数の突起手段及び前記閉塞防止手段を、前記本体部の端面の周縁部分又はその近傍部分に設け、前記閉塞防止手段を、前記周縁部分又はその近傍部分のうち、前記複数の突起手段のうち前記本体部の端面から最も突出している突起手段が位置する部分とは反対側の部分に配置した。
【0179】
付記3の開封機構は、付記1又は2に記載の開封機構において、前記閉塞防止手段における前記シール部材との接触部分の幅を、前記突起手段の基端部の幅の3倍から4倍程度にした。
【0180】
付記4の開封機構は、付記1又は2に記載の開封機構において、前記閉塞防止手段における前記本体部の端面の内方向側の面部が、前記閉塞防止手段の基端部から先端部に向かうにつれて前記閉塞防止手段における前記本体部の端面の外方向側の面部に近づくように、当該内方向側の面部を傾斜させた。
【0181】
付記5の開封機構は、付記1又は2に記載の開封機構において、前記突起手段は、突起本体と、前記突起本体と前記本体部の端面とを接続するための突起接続部と、を備え、前記突起本体を、当該突起本体の幅が当該突起本体の基端部に向かうにつれて大きくなる切頭錐体にて形成した。
【0182】
付記6の収容具は、開口部と、前記開口部を封止するシール部材とを備える容器と、付記1又は2に記載の開封機構と、を備える。
【0183】
付記7の収容具は、付記6に記載の収容具において、前記開封機構が取り付けられる移動手段であり、前記開口部を介して前記容器の外側から内側に至るように前記開封機構の前記本体部を移動させるための移動手段と、前記移動手段による前記開封機構の前記本体部の移動をガイドするためのガイド手段と、を備える。
【0184】
(付記の効果)
付記1に記載の開封機構、及び付記6に記載の収容具によれば、本体部の端面から突出するように設けられ、且つ開口部に対して傾斜するように並設された複数の突起手段であり、開口部を介して容器の外側から内側に至るように本体部を移動させることによってシール部材を突き破ることを可能にする複数の突起手段と、本体部の端面から突出するように設けられた閉塞防止手段であり、複数の突起手段によってシール部材が突き破られた際に、当該シール部材が容器の底側端部に向けて落下することを回避しながら、当該シール部材によって開口部が閉塞されることを防止するための閉塞防止手段と、を備えるので、従来技術(1つの突部のみを備える技術)に比べて、シール部材が突き破られる際の抵抗を抑制し、且つシール部材によって開口部が閉塞されることを防止しながら、シール部材を開封でき、シール部材の開封性を高めることができる。
【0185】
付記2に記載の開封機構によれば、閉塞防止手段を、周縁部分又はその近傍部分のうち、複数の突起手段のうち本体部の端面から最も突出している突起手段が位置する部分とは反対側の部分に配置したので、閉塞防止手段を本体部の端面の周縁部分又はその近傍部分のうち上記反対側の部分以外の位置に配置する場合に比べて、複数の突起手段によってシール部材が突き破られてから閉塞防止手段を当該シール部材に接触させることができ、複数の突起手段及び閉塞防止手段を効果的に機能させることができる。
【0186】
付記3に記載の開封機構によれば、閉塞防止手段におけるシール部材との接触部分の幅を、突起手段の基端部の幅の3倍から4倍程度にしたので、シール部材によって開口部が閉塞されることを確実に防止でき、シール部材の開封性を一層高めることができる。
【0187】
付記4に記載の開封機構によれば、閉塞防止手段における本体部の端面の内方向側の面部が、閉塞防止手段の基端部から先端部に向かうにつれて閉塞防止手段における本体部の端面の外方向側の面部に近づくように、当該内方向側の面部を傾斜させたので、シール部材によって開口部が閉塞されることを効果的に防止でき、シール部材の開封性を一層高めることができる。
【0188】
付記5に記載の開封機構によれば、突起本体を、当該突起本体の幅が当該突起本体の基端部に向かうにつれて大きくなる切頭錐体にて形成したので、突起本体を錐体に形成する場合に比べて、シール部材を押圧しながら突き破ることができ、シール部材によって開口部が閉塞されることを効果的に防止できる。
【0189】
付記7に記載の収容具によれば、開封機構が取り付けられる移動手段であり、開口部を介して容器の外側から内側に至るように開封機構の本体部を移動させるための移動手段と、移動手段による開封機構の本体部の移動をガイドするためのガイド手段と、を備えるので、開封機構によってシール部材を開封する作業を容易且つ正確に行うことができ、当該作業の作業性を高めることができる。
【符号の説明】
【0190】
1 収容具
10 容器
11 容器本体
11a 容器胴部
11b 容器首部
11c 底側端部
12 容器側開口部
20 開封機構
21 本体部
22 開封側第1開口部
23 開封側第2開口部
24 突起部
24a 左側第1突起部
24b 左側第2突起部
24c 左側第3突起部
24d 左側第4突起部
24e 左側第5突起部
24f 左側第6突起部
24g 右側第1突起部
24h 右側第2突起部
24i 右側第3突起部
24j 右側第4突起部
24k 右側第5突起部
24l 右側第6突起部
25a 突起本体
25b 突起接続部
26 閉塞防止部
26a 閉塞防止本体
26b 閉塞接続部
26c 内面部
26d 外面部
30 移動部
31 移動部本体
32 移動側第1開口部
33 移動側スライド部
34 移動側第1接続部
34a 移動側上方第1接続部
34b 移動側下方第1接続部
35 移動側第2接続部
35a 移動側上方第2接続部
35b 移動側下方第2接続部
36 移動側第3接続部
36a 移動側上方第3接続部
36b 移動側下方第3接続部
40 ガイド部
41 ガイド部本体
42 ガイド側第1開口部
43 ガイド側第2開口部
44 ガイド側スライド部
45 ガイド側第1接続部
46 ガイド側第2接続部
47 ガイド側第3接続部
48 切欠部
50 キャップ部
51 キャップ部本体
52 開閉弁部
101 第2開封機構
201 第3開封機構