(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023158684
(43)【公開日】2023-10-31
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/639 20060101AFI20231024BHJP
H01R 13/64 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
H01R13/639 Z
H01R13/64
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022068594
(22)【出願日】2022-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】390033318
【氏名又は名称】日本圧着端子製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120628
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 慎一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】早川 明
(72)【発明者】
【氏名】松本 博幸
(72)【発明者】
【氏名】正田 進也
(72)【発明者】
【氏名】千葉 隼人
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA09
5E021FA14
5E021FA16
5E021FC36
5E021FC38
5E021FC40
5E021HC09
5E021JA05
5E021KA06
5E021KA15
(57)【要約】
【課題】コネクタ本体に対するレバーアームの延在高さを抑えることができ、コネクタの低背化を図ることが可能な構造を有するコネクタを提供すること。
【解決手段】コネクタ100は、相手側コネクタ300との嵌合時に当該相手側コネクタ300の被ロック部材にロックされる第1のロック部123を有するレバーアーム120を備えたコネクタ本体110と、相手側コネクタ300との嵌合方向に対して直交する幅方向にスライド自在であるようにコネクタ本体110に設けられ、相手側コネクタ300と嵌合した際に、相手側コネクタ300によってコネクタ本体110との係止状態が解除され、さらに幅方向にレバーアーム120と干渉する位置までスライドさせて第1のロック部123の被ロック部材からの解除動作を規制する、第2のロック部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手側コネクタとの嵌合時に当該相手側コネクタの被ロック部材にロックされる第1のロック部を有するレバーアームを備えたコネクタ本体と、
前記相手側コネクタとの嵌合方向に対して直交する幅方向にスライド自在であるように前記コネクタ本体に設けられ、前記相手側コネクタと嵌合した際に、前記相手側コネクタによって前記コネクタ本体との係止状態が解除され、さらに前記幅方向に前記レバーアームと干渉する位置までスライドさせて前記第1のロック部の前記被ロック部材からの解除動作を規制する、第2のロック部と、を備えたコネクタ。
【請求項2】
前記レバーアームは、一方側が前記コネクタ本体に接続され、他方側が前記コネクタ本体との間にアーム変位空間を形成するように、前記嵌合方向に延在しており、
前記第2のロック部は、前記幅方向における仮係止位置と本係止位置の2つの位置をとるように前記コネクタ本体に載置されており、前記仮係止位置において前記アーム変位空間の前記幅方向における外側に位置し、前記本係止位置において前記アーム変位空間に少なくとも一部が挿入されて前記レバーアームの解除動作を規制する、請求項1記載のコネクタ。
【請求項3】
前記コネクタ本体は、前記第2のロック部の前記幅方向への移動を案内する前記幅方向に延在するガイド部材、及び係止部材を有し、
前記第2のロック部は、前記ガイド部材に跨る跨座部、前記仮係止位置において前記係止部材と係止される爪部材、前記本係止位置において前記アーム変位空間に挿入されるアーム規制部材、及び前記跨座部と前記爪部材とを弾性変形可能に接続する接続部と、を有し、
前記爪部材は、前記コネクタ本体が前記相手側コネクタと嵌合した際に、前記相手側コネクタによって前記嵌合方向に押圧されることにより、前記係止部材との係止状態が解除される、請求項2記載のコネクタ。
【請求項4】
前記ガイド部材と前記跨座部は、前記第2のロック部が前記ガイド部材から脱落することを防止する脱落防止構造となっている、請求項3記載のコネクタ。
【請求項5】
前記係止部材は、前記相手側コネクタの嵌合を案内する前記嵌合方向に延在するリブの一部分として前記コネクタ本体に形成され、前記爪部材は前記仮係止位置において前記リブの一部分と係止される、請求項3又は4記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ、特に、コネクタ相互が嵌合した後に、コネクタ相互を一体に保持するロック部を備えたコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コネクタの嵌合状態を保持するため、コネクタ位置保証(CPA)部材をコネクタ嵌合方向に移動させてコネクタ本体に組み込み、動作せるタイプのものがある。
【0003】
例えば、下記特許文献1は、スライド部材を、インナーハウジングとコネクタ嵌合方向に延在するロックアームとの間に形成されたスライド通路に、コネクタ嵌合方向と平行に挿入するコネクタを開示している。このコネクタにおいては、インナーハウジングはアウターハウジングに嵌合され、ロックアームはアウターハウジングにロックされる。そして、スライド部材は、ロックされたロックアームの押下げ動作を制限し、ロック解除できないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されているような構成のコネクタ位置保証機構では、スライド部材は仮係止位置においてもロックアームの下方に配置される必要があり、低背化を実現できないという課題があった。
【0006】
従って、本発明の目的は、コネクタ本体に対するレバーアームの延在高さを抑えることができ、コネクタの低背化を図ることが可能な構造を有するコネクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明のコネクタは、
相手側コネクタとの嵌合時に当該相手側コネクタの被ロック部材にロックされる第1のロック部を有するレバーアームを備えたコネクタ本体と、
前記相手側コネクタとの嵌合方向に対して直交する幅方向にスライド自在であるように前記コネクタ本体に設けられ、前記相手側コネクタと嵌合した際に、前記相手側コネクタによって前記コネクタ本体との係止状態が解除され、さらに前記幅方向に前記レバーアームと干渉する位置までスライドさせて前記第1のロック部の前記被ロック部材からの解除動作を規制する、第2のロック部と、を備える。
【0008】
また、本発明の一態様において、前記レバーアームは、一方側が前記コネクタ本体に接続され、他方側が前記コネクタ本体との間にアーム変位空間を形成するように、前記嵌合方向に延在しており、前記第2のロック部は、前記幅方向における仮係止位置と本係止位置の2つの位置をとるように前記コネクタ本体に載置されており、前記仮係止位置において前記アーム変位空間の前記幅方向における外側に位置し、前記本係止位置において前記アーム変位空間に少なくとも一部が挿入されて前記レバーアームの解除動作を規制する。
【0009】
また、本発明の一態様において、前記コネクタ本体は、前記第2のロック部の前記幅方向への移動を案内する前記幅方向に延在するガイド部材、及び係止部材を有し、前記第2のロック部は、前記ガイド部材に跨る跨座部、前記仮係止位置において前記係止部材と係止される爪部材、前記本係止位置において前記アーム変位空間に挿入されるアーム規制部材、及び前記跨座部と前記爪部材とを弾性変形可能に接続する接続部と、を有し、前記爪部材は、前記コネクタ本体が前記相手側コネクタと嵌合した際に、前記相手側コネクタによって前記嵌合方向に押圧されることにより、前記係止部材との係止状態が解除される。
【0010】
また、本発明の一態様において、前記ガイド部材と前記跨座部は、前記第2のロック部が前記ガイド部材から脱落することを防止する脱落防止構造となっている。
【0011】
また、本発明の一態様において、前記係止部材は、前記相手側コネクタの嵌合を案内する前記嵌合方向に延在するリブの一部分として前記コネクタ本体に形成され、前記爪部材は前記仮係止位置において前記リブの一部分と係止される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の上記一態様によれば、コネクタ本体と相手側コネクタが嵌合した際に、第2のロック部はレバーアームと干渉しない仮係止位置から、レバーアームと干渉する本係止位置まで移動する構成となっている。そのため、コネクタ本体に対するレバーアームの延在高さを抑えることができ、コネクタの低背化を図ることが可能となる。
【0013】
本発明の上記一態様によれば、第2のロック部は仮係止位置においてはアーム変位空間に挿入されていないから、アーム変位空間の高さを抑えることが可能となる。
【0014】
本発明の上記一態様によれば、相手側コネクタとの嵌合時にのみ、爪部材と係止部材との係止が解除されるようにすることが可能となる。
【0015】
本発明の上記一態様によれば、第2のロック部がコネクタ本体から脱落することを防止できる。
【0016】
本発明の上記一態様によれば、コネクタ本体に第2のロック部を係止する係止部材と相手側コネクタの嵌合を案内するリブとを別個の部材として形成する必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施形態のコネクタ組立体の構成を示す分解斜視図である。
【
図4】
図4(A)はCPA部材を後方上方から見た場合の斜視図、
図4(B)は後方上方から異なる向きで見た場合の斜視図、
図4(C)は下方から見た場合の斜視図である。
【
図6】
図6(A)は雌コネクタと雄コネクタを嵌合させる場合の、CPA部材が仮係止位置にあるときのコネクタ組立体の上面図、
図6(B)は
図6(A)の後面図、
図6(C)は
図6(B)のVIC-VIC線断面図である。
【
図7】
図7(A)は雌コネクタと雄コネクタが嵌合した状態の、CPA部材が仮係止位置から本係止位置に遷移する状態にあるときのコネクタ組立体の上面図、
図7(B)は
図7(A)の後面図、
図7(C)は
図7(B)のVIIC-VIIC線断面図である。
【
図8】
図8(A)は雌コネクタと雄コネクタが完全に嵌合し、CPA部材が本係止位置にあるときのコネクタ組立体の上面図、
図8(B)は
図8(A)の後面図、
図8(C)は
図8(B)のVIIIC-VIIIC線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本実施形態のコネクタ組立体10を、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明のコネクタとしてコネクタ組立体10の雌コネクタ100を例示して説明するものであるが、本発明はこの雌コネクタ100に限定されるものではない。本発明は、特許請求の範囲に記載された他の形態のコネクタにも等しく適用されるべきものである。
【0019】
図1に示すように、コネクタ組立体10は、雌コネクタ100、本発明の第2のロック部としてのコネクタ位置保証部材200(以下、CPA部材200と呼ぶ)、及び本発明の相手側コネクタとしての雄コネクタ300を含む。雌コネクタ100は、雄コネクタ300の嵌合開口310に挿入され、雄コネクタ300と嵌合される。CPA部材200は、雄コネクタ300との嵌合方向に対して直交する幅方向にスライド自在であるように雌コネクタ100のコネクタ本体上に設けられ、雌コネクタ100が雄コネクタ300と完全に嵌合した際に、2つのコネクタが外れないようにロックする。
【0020】
なお、以下の説明においては、雌コネクタ100が雄コネクタ300に嵌合される際に移動する方向を嵌合方向と呼び、嵌合方向に直交し、CPA部材200が移動する方向を幅方向、嵌合方向と幅方向の両方に直交する方向を上下方向と呼ぶこととする。また、嵌合方向における雌コネクタ100の、雄コネクタ300に対面する側を「前」、反対側を「後」と呼ぶこととする。
【0021】
雌コネクタ100は、
図2に示すように、略直方体形状のコネクタ本体ハウジング110を含むが、コネクタ本体ハウジング110は、レバーアーム120、ガイド部材130、リブ140を含む。コネクタ本体ハウジング110は樹脂で構成され、例えば射出成型により形成される。コネクタ本体ハウジング110の後端面111には、雌端子(図示せず)を挿入する複数の端子挿入口112が形成され、内部に形成された端子収容室に導通している。
【0022】
レバーアーム120は、前端121側がコネクタ本体ハウジング110の上面113の前端に接続されており、上面113と略平行に、後方に向かって延びている。レバーアーム120の上面122における嵌合方向中央部分には、第1のロック部としてのロック突起123が上方に向けて突出して形成されている。このロック突起123は、雄コネクタ300との嵌合時に、雄コネクタ300の被ロック部材(図示せず)にロックされる。
【0023】
レバーアーム120の後端側は、係止解除釦124が形成される。係止解除釦124とコネクタ本体ハウジング110の上面113との間にはアーム変位空間125が形成され、係止解除釦124が上下方向に移動可能となっている。雌コネクタ100が雄コネクタ300に嵌合されている場合に、係止解除釦124をユーザが下方に押下する。すると、ロック突起123は、雄コネクタ300の被ロック部材との係止状態が解除され、雌コネクタ100を雄コネクタ300から嵌合方向後方に移動させて外すことが可能な状態となる。
【0024】
コネクタ本体ハウジング110の上面113の、係止解除釦124の幅方向外側の一方の側には、ガイド部材130が形成される。ガイド部材130は、幅方向に延在し、CPA部材200の幅方向への移動を案内する。ガイド部材130は、
図3(D)に示すように、側面視でL字形状であり、コネクタ本体ハウジング110の上面113から上方に突出したガイド基部131、ガイド基部131から後方に向けて突出した頭部132を有する。さらに、ガイド基部131は、
図6(C)に示すように、係止解除釦124から遠い側が嵌合方向に厚みがあり、近い側が嵌合方向に厚みが少ない形状となっており、その境界部分がガイド肩部133となっている。
【0025】
図3(A)に示すように、コネクタ本体ハウジング110の上面113には、レバーアーム120の幅方向両側に複数のリブ140が嵌合方向に延材して平行に形成されている。これらのリブ140は、雄コネクタ300の嵌合を案内するためのものである。リブ140は、嵌合方向に沿って上面113から上方に向けて突出して形成された凸条の部材であり、本実施形態では、後面側から見た場合にレバーアーム120の右側(前方から見て左側)に第一リブ141、第二リブ142が形成され、左側に第三リブ143、第四リブ144が形成される。
【0026】
第一リブ141と第二リブ142は、コネクタ本体ハウジング110の上面113の前端部分から後方に向けて、側面視でガイド部材130及び係止解除釦124よりも前方側まで形成される。特に第一リブ141の後端部分は、後述するが、CPA部材200を仮係止位置に保持する係止部材として機能する。第一リブ141及び第二リブ142と、ガイド部材130のガイド基部131との間には、後述するCPA部材200のアーム規制部材が介在及び変形移動可能なだけの間隔を有するCPA移動空間145が形成される。第一リブ141の後端部分は、レバーアーム120に面する側が後端から前方に向けて斜めに面取りされた傾斜面146となっている。また、第一リブ141とレバーアーム120の間には第一案内スロット147が形成され、第一リブ141と第二リブ142の間には第二案内スロット148が形成される。
【0027】
第三リブ143と第四リブ144は、コネクタ本体ハウジング110の上面113の前端部分から後方に向けて、コネクタ本体ハウジング110の上面113の後端部分に形成されたブロック状部114まで形成される。第三リブ143とレバーアーム120の間には第三案内スロット149が形成され、第三リブ143と第四リブ144の間には第四案内スロット150が形成される。
【0028】
次に、CPA部材200について説明する。CPA部材は、
図4(A)-
図4(C)、
図5(A)-
図5(E)に示すように、ガイド部材130に跨る跨座部210、アーム規制部材220、爪部材230、接続部240を含む。跨座部210は、嵌合方向及び幅方向に広がる天板部211を有する。天板部211の後端から下方に向けてほぼ垂直に側板部212が設けられ、上下方向及び幅方向に広がる。さらに、側板部212の下端から嵌合方向前方に向けて、天板部211と平行に延出するフランジ部213が設けられる。このフランジ部213の幅方向における一方の側端、つまりCPA部材200がガイド部材130に取り付けられた際にレバーアーム120側に位置する側には、嵌合方向前方に向けて突出するガイド爪部214が形成される。
【0029】
天板部211の下面には、嵌合方向前方側に、下方に向けて略垂直に突出する補助ガイド突起215が側板部212と平行に形成される。したがって、天板部211、側板部212、フランジ部213、補助ガイド突起215によって囲まれるL字形状の空間にガイド部材130が嵌り込む。このように、跨座部210はガイド部材130に跨るようにして取り付けられ、CPA部材200がガイド部材130に沿って幅方向に移動可能となっている。加えて、跨座部210とガイド部材130は、フランジ部213がガイド部材130の頭部132によって上方向への移動を阻止され、ガイド爪部214がガイド肩部に係止される。これにより、上方向及び幅方向外側に脱落することを防止する脱落防止構造を構成している。
【0030】
天板部211には嵌合方向に延びるスロット216が形成されている。このスロット216よりも幅方向外側の部分が天板部211から下方に向けて垂直に延出した接続部240となっており、天板部211の他の部分、及び補助ガイド突起215から隔てられており、接続部240が独立して偏移可能となっている。
【0031】
接続部240の下端部分には、幅方向に延在し、上面視で天板部211の幅方向の側端部分から中央側に突出したアーム規制部材220が設けられる。アーム規制部材220は上下方向に、コネクタ本体ハウジング110のリブ140の上面113からの突出高さと当程度かそれよりも若干小さめとなる肉厚を有している。また、アーム規制部材220の嵌合方向前方側の面には、嵌合方向前方に向けて突出し、CPA部材200が仮係止位置のときに第一リブ141と係止される爪部材230が形成されている。爪部材230は、幅方向外側に設けられた第一爪部材231と、幅方向中央側に設けられた第二爪部材232を含む。換言すれば、接続部240は、跨座部210と爪部材230が形成されたアーム規制部材220とを弾性変形可能に接続している。
【0032】
次に、相手側コネクタとしての雄コネクタ300について説明する。雄コネクタ300は、
図1に示すように、樹脂などで射出成型により形成され、嵌合方向後方に嵌合開口310が形成された略箱形状の雄ハウジング320を有する。雄ハウジング320の幅方向の側面には、プリント基板(図示せず)に実装するための実装用固定具330が取り付けられる。また、雄ハウジング320の嵌合方向前面には、導電性の材料で形成された複数の雄端子340が嵌合開口310内部に突出するように固定されている。
【0033】
さらに、雄ハウジング320の上板321の下面には、下方に向けて突出した複数のリブガイド322が嵌合方向に沿って形成されている。これらのリブガイド322は、上述した第一案内スロット147-第四案内スロット150に嵌り込んで摺動し、雌コネクタ100の、雄ハウジング320に対する挿入をガイドする。
【0034】
次に、コネクタ組立体10の組み立てと動作について説明する。まず、CPA部材200は、雌コネクタ100のコネクタ本体ハウジング110に対して、幅方向における仮係止位置と本係止位置の2つの位置をとるように載置される。つまり、CPA部材200の跨座部210がガイド部材130に跨るように取り付けられる。CPA部材200は、仮係止位置において、
図6(C)に特に示すように、ガイド爪部214がガイド肩部133に係止されてCPA部材200が幅方向外側に移動しないようになっている。また、アーム規制部材220がCPA移動空間145に位置するとともに、第一爪部材231が第一リブ141と第二リブ142の間の第二案内スロット148に入り込んで第一リブ141の後端部分に係止される。これにより、CPA部材200は、幅方向中央側への移動が阻止された仮係止位置をとる。この仮係止位置において、CPA部材200は、アーム変位空間125の幅方向における外側に位置している。つまり、アーム規制部材220の幅方向中央側の先端部分は、係止解除釦124とコネクタ本体ハウジング110の上面113との間のアーム変位空間125に到達しておらず、係止解除釦124は上下方向に移動可能となっている。
【0035】
次いで、CPA部材200を取り付けた状態で、雌コネクタ100のコネクタ本体ハウジング110を、雄コネクタ300の雄ハウジング320の嵌合開口310に挿入する。このとき、雄ハウジング320の上板321の下面に形成されたリブガイド322が第一案内スロット147-第四案内スロット150に嵌り込んで摺動し、雌コネクタ100のコネクタ本体ハウジング110の雄ハウジング320に対する挿入をガイドする。
【0036】
次いで、
図7(A)-
図7(C)に示すように、雄コネクタ300の雄ハウジング320に対して雌コネクタ100を嵌合方向前方に向けて挿入させ、嵌合状態とする。このとき、レバーアーム120のロック突起123は、雄コネクタ300の上板321の下面に形成された被ロック部材(図示せず)にロックされる。また、雌端子(図示せず)と雄端子340が互いに接続され、電気的に導通可能な状態となる。
【0037】
また、このとき、CPA部材200は、跨座部210がガイド部材130に跨るように装着されているため、嵌合方向前後には移動不可能となっている。一方、接続部240とアーム規制部材220は、スロット216により接続部240と天板部211の接続部分を支点として偏移可能となっている。そのため、
図7(C)に特に示すように、雄コネクタ300のリブガイド322の後端が第一爪部材231に当接し、嵌合方向後方に押圧される。そして、第一爪部材231は第二案内スロット148の嵌合方向後方に移動する。これにより、アーム規制部材220の幅方向中央側の先端部分が嵌合方向後方に偏移し、第一爪部材231と第一リブ141との係止状態が解除される。このとき、CPA部材200は、幅方向中央側に移動可能な状態となる。つまり、CPA部材200は、雄コネクタ300の嵌合によってコネクタ本体ハウジング110との係止状態が解除される。
【0038】
次いで、
図8(A)-
図8(C)に示すように、CPA部材200を幅方向中央側に向けてレバーアーム120の係止解除釦124と干渉する本係止位置までスライド移動させる。つまり、CPA部材200を幅方向中央側にスライド移動させると、第一爪部材231が第一リブ141を乗り越え、アーム規制部材220の偏移が元の状態に戻るとともに、第一案内スロット147に侵入する。そして、アーム規制部材220の幅方向中央側の先端部分が係止解除釦124とコネクタ本体ハウジング110の上面113との間のアーム変位空間125に到達し、係止解除釦124が下方向に移動不可能な状態となる。つまり、CPA部材200は、本係止位置においてアーム規制部材220がアーム変位空間125に挿入される。これにより、レバーアーム120は、雄ハウジング320の嵌合開口310内部で上下方向に移動できなくなり、ロック突起123を、雄コネクタ300の上板321の下面に形成された被ロック部材から解除する動作が規制される。
【0039】
雌コネクタ100と雄コネクタ300との嵌合を解除する場合、まず、CPA部材200を幅方向外側に向けて移動させる。すると、CPA部材200の第一爪部材231が第一リブ141の傾斜面146に当接することにより、第一爪部材231が嵌合方向後方に押圧され、アーム規制部材220が嵌合方向後方に移動した状態となる。また、このとき、アーム規制部材220の幅方向中央側の先端部分が係止解除釦124とコネクタ本体ハウジング110の上面113との間のアーム変位空間125から幅方向外側に退避した状態となり、係止解除釦124が下方向に移動可能な状態となる。これにより、レバーアーム120は、雄ハウジング320の嵌合開口310内部で下方向に移動できるようになり、ロック突起123を雄コネクタ300の上板321の下面に形成された被ロック部材から解除できるようになる。第一爪部材231は、第一リブ141の後端を乗り越えて第二案内スロット148の後方に移動するが、第二案内スロット148にはリブガイド322が介在しているため、第一爪部材231は、リブガイド322の後方側に押圧された状態となる。
【0040】
ここで係止解除釦124を下方向に押下げ、ロック突起123を雄コネクタ300の被ロック部材から解除し、雌コネクタ100を雄コネクタ300の嵌合開口310から嵌合方向後方に引き抜くと、雌コネクタ100を雄コネクタ300から外すことができる。
また、このとき、アーム規制部材220の嵌合方向後方への偏移がもとに戻り、第一爪部材231が第二案内スロット148に入り込んで第一リブ141の後端部分に係止される。また、アーム規制部材220はCPA移動空間145に位置する。これにより、CPA部材200は、幅方向中央側への移動が阻止された仮係止状態となる。また、ガイド爪部214がガイド肩部133に係止されてCPA部材200が幅方向外側に移動しないようになる。
【0041】
以上、本実施形態におけるコネクタ組立体10の構成、及び動作について説明した。なお、上記実施形態においては、コネクタ本体ハウジング110上に形成された第一リブ141の後端部分を係止部材とし、仮係止位置においてCPA部材200の第一爪部材231を係止させた場合について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。第二リブ142-第四リブ144のいずれかの後端部分を係止部材とし、CPA部材200に形成したいずれかの爪部材と係止させるようにしてもよい。
【0042】
また、上記実施形態においては、ガイド部材130をコネクタ本体ハウジング110の上面113上の、レバーアーム120に対して嵌合方向後方から見て右側(前方から見て左側)に配置し、ここにCPA部材200を配置した場合を説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、ガイド部材130及びCPA部材200を嵌合方向後方から見て左側に設けてもよい。また、レバーアーム120、ガイド部材130及びCPA部材200をコネクタ本体ハウジング110の下面に設けてもよい。
【0043】
また、上記実施形態においては、リブの本数をレバーアーム120の幅方向両側に2本ずつ形成した場合を説明したが、本発明はこれに限定されない。CPA部材200が配置される側に少なくとも1本形成されていればよく、2本、3本以上形成されてもよい。また、幅方向左右で異なる本数のリブが形成されてもよい。また、リブとリブの間隔を左右で異なるようにしてもよい。その場合、雄コネクタ300に、対応する数、及び幅のリブガイドを形成すれば、異なる種類のコネクタを接続したことを見分ける誤接続識別機能を付与することもできる。
【符号の説明】
【0044】
10 コネクタ組立体
100 雌コネクタ
110 コネクタ本体ハウジング
111 後端面
112 端子挿入口
113 上面
114 ブロック状部
115 当接面
120 レバーアーム
121 前端
122 上面
123 ロック突起
124 係止解除釦
125 アーム変位空間
130 ガイド部材
131 ガイド基部
132 頭部
133 ガイド肩部
140 リブ
141 第一リブ
142 第二リブ
143 第三リブ
144 第四リブ
145 CPA移動空間
146 傾斜面
147 第一案内スロット
148 第二案内スロット
149 第三案内スロット
150 第四案内スロット
200 コネクタ位置保証(CPA)部材
210 跨座部
211 天板部
212 側板部
213 フランジ部
214 ガイド爪部
215 補助ガイド突起
216 スロット
220 アーム規制部材
230 爪部材
231 第一爪部材
232 第二爪部材
240 接続部
300 雄コネクタ
310 嵌合開口
320 雄ハウジング
321 上板
322 リブガイド
340 雄端子