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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023158782
(43)【公開日】2023-10-31
(54)【発明の名称】取付構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 19/52 20060101AFI20231024BHJP
【FI】
B60R19/52 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022068767
(22)【出願日】2022-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宇佐美 博人
(57)【要約】
【課題】車両の美観を向上させる部品の取付構造を提供する。
【解決手段】アウタグリル(100)は、アウタ前面部(105)、その端部で後方に伸びるアウタ壁部(120)、アウタ前面部の延長方向に突出するアウタ凸部(110)を備える。隣接部品(500)は、アウタ壁部の両側に、一部がアウタ前面部の後方にある第1隣接部(510)と、外部に露出する第2隣接部(520)を備える。インナグリル(200)は、一部が第1隣接部(510)の後方にある第1インナ部(210)と、一部が隣接部(520)の後方にある第2インナ部(220)を備える。第1、2インナ部は、前方を向くインナ壁部(210w,220w)を備える。第1、2隣接部は後方に伸びる第1、2隣接壁部(510w,520w)を有する。第2隣接壁部の一部はアウタ凸部(110)の後方にある。第1、2隣接壁部の後端はインナ壁部(210w,220w)に接する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に取り付けられた際に外部に露出するアウタグリルと、前記アウタグリルに対して後方に配され前記アウタグリルとともにフロントグリルを構成するインナグリルと、前記車両のうち前記フロントグリルに隣接する位置において外部に露出する隣接部品と、の取付構造であって、
前記アウタグリルは、
外部に露出するアウタ前面部と、
前記アウタ前面部の端部であって、前記隣接部品のうち外部に露出する部分と隣接する端部において、後方に伸びるアウタ壁部と、
前記アウタ壁部の基部において前記アウタ前面部の延長方向に沿って前記隣接部品に向かって突出するアウタ凸部と、を備え、
前記隣接部品は、前記アウタ壁部を挟んで配される第1隣接部および第2隣接部であって、前記アウタ前面部に対して少なくとも一部が後方に配される第1隣接部と、前記アウタ前面部に隣接する位置において一部が外部に露出する第2隣接部と、を備え、
前記インナグリルは、前記アウタ壁部の少なくとも一部と前記第1隣接部の一部と前記第2隣接部の一部とを挟んで配される第1インナ部および第2インナ部であって、前記第1隣接部に対して少なくとも一部が後方に配される第1インナ部と、前記第2隣接部に対して少なくとも一部が後方に配される第2インナ部と、を備え、
前記第1インナ部と前記第2インナ部の少なくとも一方は、前方を向くインナ壁部を備え、
前記第1隣接部は、後方に伸びる第1隣接壁部を有し、
前記第2隣接部は、前記第2隣接部の端部のうちの前記アウタ前面部と隣接する前記第2隣接部の端部において後方に伸びる第2隣接壁部であって、少なくとも一部が前記アウタ凸部の後方に位置する第2隣接壁部を有し、
前記第1隣接壁部の後端と前記第2隣接壁部の後端の一方または両方は、前記インナ壁部に接している、取付構造。
【請求項2】
請求項1記載の取付構造であって、
前記アウタ壁部は、貫通孔を有しており、
前記第1インナ部と前記第2インナ部の少なくとも一方は、前記貫通孔に受け入れられる爪部を備える、取付構造。
【請求項3】
請求項1または2記載の取付構造であって、
前記インナグリルは、さらに、前記アウタ壁部の少なくとも一部を挟んで配される第3インナ部および第4インナ部であって、前記第1インナ部および第2インナ部が向かい合う方向とは異なる方向に向かい合う第3インナ部および第4インナ部を備える、取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両における部品の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の美観を向上させるために車両に取り付けられている外装部品が存在する。特許文献1において、フロントグリルは、車両の前面側に露出するように設置される樹脂製の外装部品である。このフロントグリルは、インナグリルと、アウタグリルと、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-100479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載された技術においては、アウタグリルおよびインナグリルから構成されるフロントグリルの下面と、そのフロントグリルの下に隣接する部材の表面とは、上下方向に、隙間を開けて向かい合って配されている(特許文献1の図6の下段左部参照)。このため、その隙間によって車両の美観が低下し得る。また、フロントグリルに隣接する部材と、フロントグリルとは、前後方向においても隙間を開けて配されており、相互に接触していない(特許文献1の図6の下段左部参照)。このため、フロントグリルに隣接する部材と、フロントグリルと、の相対位置が相互に固定されていない。フロントグリルに隣接する部材と、フロントグリルと、の相互の位置がずれると、車両の美観を低下させる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【0006】
(1)本開示の一形態によれば、車両に取り付けられた際に外部に露出するアウタグリルと、前記アウタグリルに対して後方に配され前記アウタグリルとともにフロントグリルを構成するインナグリルと、前記車両のうち前記フロントグリルに隣接する位置において外部に露出する隣接部品と、の取付構造が提供される。
前記アウタグリルは、外部に露出するアウタ前面部と、前記アウタ前面部の端部であって、前記隣接部品のうち外部に露出する部分と隣接する端部において、後方に伸びるアウタ壁部と、前記アウタ壁部の基部において前記アウタ前面部の延長方向に沿って前記隣接部品に向かって突出するアウタ凸部と、を備える。前記隣接部品は、前記アウタ壁部を挟んで配される第1隣接部および第2隣接部であって、前記アウタ前面部に対して少なくとも一部が後方に配される第1隣接部と、前記アウタ前面部に隣接する位置において一部が外部に露出する第2隣接部と、を備える。前記インナグリルは、前記アウタ壁部の少なくとも一部と前記第1隣接部の一部と前記第2隣接部の一部とを挟んで配される第1インナ部および第2インナ部であって、前記第1隣接部に対して少なくとも一部が後方に配される第1インナ部と、前記第2隣接部に対して少なくとも一部が後方に配される第2インナ部と、を備える。前記第1インナ部と前記第2インナ部の少なくとも一方は、前方を向くインナ壁部を備える。前記第1隣接部は、後方に伸びる第1隣接壁部を有する。前記第2隣接部は、前記第2隣接部の端部のうちの前記アウタ前面部と隣接する前記第2隣接部の端部において後方に伸びる第2隣接壁部であって、少なくとも一部が前記アウタ凸部の後方に位置する第2隣接壁部を有する。前記第1隣接壁部の後端と前記第2隣接壁部の後端の一方または両方は、前記インナ壁部に接している。
このような態様においては、互いに隣接して外部に露出するアウタグリルと隣接部品とが近接する部位において、隣接部品の第2隣接壁部の少なくとも一部は、アウタグリルにおいて隣接部品に向かって突出するアウタ凸部の後方に位置する。このため、アウタグリルと隣接部品とが近接する部位において、アウタグリルと隣接部品との隙間が外部から視認されにくい。よって、アウタグリルと隣接部品との隙間が車両の美観を低下させにくい。
また、隣接部品の第1隣接壁部の後端と第2隣接壁部の後端の一方または両方は、インナグリルのインナ壁部に接している。このため、隣接部品とインナグリルとは、相互に固定されており、相互の位置ずれを生じさせにくい。よって、隣接部品とインナグリルの相互の位置ずれが車両の美観を低下させる可能性が低い。
(2)上記形態の取付構造において、前記アウタ壁部は、貫通孔を有しており、前記第1インナ部と前記第2インナ部の少なくとも一方は、前記貫通孔に受け入れられる爪部を備える、態様とすることができる。
このような態様においては、アウタグリルのアウタ壁部の貫通孔と、その貫通孔に受け入れられるインナグリルの爪部と、により、アウタグリルとインナグリルの相対移動が制約される。また、インナグリルの少なくとも一部は、隣接部品の後方に配され、隣接部品の一部は、アウタグリルの後方に配される。すなわち、隣接部品は、インナグリルとアウタグリルによって、移動が制約される。このため、上記の態様においては、簡易な構造で、隣接部品とインナグリルとアウタグリルとの、相対位置を定めることができる。
(3)上記形態の取付構造において、前記インナグリルは、さらに、前記アウタ壁部の少なくとも一部を挟んで配される第3インナ部および第4インナ部であって、前記第1インナ部および第2インナ部が向かい合う方向とは異なる方向に向かい合う第3インナ部および第4インナ部を備える、態様とすることができる。
このような態様とすれば、第1インナ部および第2インナ部、ならびに第3インナ部および第4インナ部によって、アウタグリルのアウタ壁部の位置を、相互に異なる2方向から、制限することができる。このため、アウタグリルは、インナグリルに対して位置ずれを生じさせにくい。よって、アウタグリルとインナグリルと隣接部品の相互の位置ずれが車両の美観を低下させる可能性が低い。
本開示は、取付構造以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、部品の取付方法や車両の製造方法等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】自動車CRの前部を示す正面図である。
図2】アウタグリル100と、インナグリル200と、バンパー500と、の取付構造FSを示す説明図である。
図3】アウタグリル100と、インナグリル200と、バンパー500と、の取付構造FSを示す説明図である。
図4】第2実施形態のアウタグリル100と、インナグリル200と、バンパー500と、の取付構造FSのうちのインナグリル200を示す説明図である。
図5】第2実施形態におけるアウタグリル100と、インナグリル200と、バンパー500と、の取付構造FSを示す説明図である。
図6】第2実施形態のアウタグリル100と、インナグリル200と、バンパー500と、の取付構造FSを示す説明図である。
図7】参考例におけるアウタグリル100Cと、インナグリル200Cと、バンパー500Cと、の取付構造FSを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
A.第1実施形態:
図1は、自動車CRの前部を示す正面図である。自動車CRは、自動車CRの前部に、アウタグリル100と、インナグリル200と、バンパー500と、を備える。アウタグリル100と、インナグリル200と、バンパー500とは、図示しない一対のヘッドライトともに、自動車CRの前部の意匠を構成する。
【0009】
アウタグリル100は、自動車CRの前部の中央に配される板状の部材である(図1の中央部参照)。アウタグリル100は、上下方向の寸法が左右方向の寸法よりも小さい略四角形の外形形状を有する。
【0010】
本明細書において、「左方向」は、自動車CRにおいて想定されている左方向である。「右方向」は、自動車CRにおいて想定されている右方向である。「左方向」と「右方向」とをまとめて「左右方向」と呼ぶ。「上方向」は、自動車CRにおいて想定されている上方向である。「下方向」は、自動車CRにおいて想定されている下方向である。自動車CRにおいて想定されている上方向は、鉛直上方と一致する。自動車CRにおいて想定されている下方向は、鉛直下方と一致する。「上方向」と「下方向」とをまとめて「上下方向」と呼ぶ。「前方向」は、自動車CRにおいて想定されている前方向である。「後方向」は、自動車CRにおいて想定されている後方向である。「前方向」と「後方向」とをまとめて「前後方向」と呼ぶ。
【0011】
図1において、互いに直交するX軸、Y軸、およびZ軸を示す。Z軸方向は、鉛直上方である。X軸方向は、車両の前方向である。Y軸方向は、車両の左方向である。図2以降の図に示すX軸、Y軸、およびZ軸は、図1に示すX軸、Y軸、およびZ軸と一致する。
【0012】
アウタグリル100は、自動車CRに取り付けられた際に外部に露出する部材である。アウタグリル100の上方には、自動車CRのアウターパネル、いわゆるボンネットが接している。アウタグリル100の下方には、インナグリル200のうち外部に露出している一部が接している。アウタグリル100は、複数の箇所において、インナグリル200に対して固定される。本実施形態の取付構造FSは、インナグリル200に対して固定されるアウタグリル100およびバンパー500の取付構造である。
【0013】
アウタグリル100は、枠部100fと、メッシュ部100mとを有する(図1の中央部参照)。枠部100fは、アウタグリル100において、外縁を構成する部分である。メッシュ部100mは、アウタグリル100において、枠部100fに囲まれている部分である。メッシュ部100mは網目構造を有している。技術の理解を容易にするため、図1において、メッシュ部100mが占める部分をクロスハッチで示す。すなわち、図1は、メッシュ部100mの形状および寸法を正確に表すものではない。アウタグリル100は、透明の素材で構成されている。より具体的には、アウタグリル100は、アクリルで構成されている。アウタグリル100の後面は、着色されている。その結果、アウタグリル100を前方から見た場合、アウタグリル100の色として、アクリルの部分を介して、その後面に着色された色が見える。
【0014】
インナグリル200は、アウタグリル100に対して後方に配されアウタグリル100とともにフロントグリルを構成する。インナグリル200は、アウタグリル100を保持する機能を奏する。インナグリル200は、アウタグリル100と、インナグリル200と、バンパー500と、が組み合わせられたサブアッセンブリに、剛性を持たせる機能を奏する。インナグリル200は、ABS(Acrylonitrile、Butadiene、Styrene)樹脂で構成されている。このため、後述するインナグリル200のインナ腕部210aは、アクリルで構成されるアウタグリル100のアウタ壁部120よりも弾性変形しやすい。
【0015】
バンパー500は、自動車CRのうちフロントグリルに隣接する位置において外部に露出する。バンパー500は、自動車CRに対して前方から加えられる衝撃を吸収する機能を奏する。バンパー500は、ポリプロピレンで構成されている。
【0016】
図2は、アウタグリル100と、インナグリル200と、バンパー500と、の取付構造FSを示す説明図である。図2は、図1におけるII-II部分断面図である。図3は、アウタグリル100と、インナグリル200と、バンパー500と、の取付構造FSを示す説明図である。図3は、図1におけるIII-III部分断面図である。
【0017】
アウタグリル100は、アウタ前面部105と、アウタ壁部120と、アウタ凸部110と、を備える(図2の下段右部、上段中央部、および中央部参照)。アウタ前面部105は、アウタグリル100が自動車CRに取り付けられた際に、外部に露出する部位である。
【0018】
アウタ壁部120は、アウタ前面部105の端部105eであって、バンパー500のうち外部に露出する部分505と隣接する端部105eにおいて、後方に伸びる部位である(図2の上段中央部参照)。アウタ壁部120は、ZX平面に略平行な面である。本明細書において、「略平行」とは、二つの面の相対角度の最大値が20度以下であることを意味する。アウタ壁部120は、略四角形の外形形状を有している(図3の中央部参照)。アウタ壁部120は、中央部に貫通孔120hを有している。貫通孔120hは、インナグリル200の爪部210cを受け入れる。貫通孔120hは、略四角形の形状を有する。
【0019】
アウタ凸部110は、アウタ壁部120の基部120bにおいてアウタ前面部105の延長方向Deに沿ってバンパー500に向かって突出する部位である(図2の中央部参照)。アウタ凸部110は、アウタグリル100の枠部100fのうち、上下方向に伸びる部分の外縁に沿って、設けられている(図1参照)。
【0020】
バンパー500は、アウタグリル100のアウタ壁部120を挟んで配される第1隣接部510および第2隣接部520を備える(図2の下段右部および下段左部参照)。第1隣接部510は、アウタ壁部120に対して、自動車CRの中央部側に配される。第1隣接部510は、アウタグリル100のアウタ前面部105に対して後方に配されている(図2の下段右部参照)。技術の理解を容易にするために、図2では、第1隣接部510と、アウタグリル100とを離して示している。しかし、実際には、第1隣接部510は、アウタグリル100のアウタ前面部105を構成する部位に後方から接している。
【0021】
第1隣接部510は、後方に伸びる第1隣接壁部510wを有している(図2の中央部参照)。第1隣接壁部510wは、第1隣接部510の端部であって、第2隣接部520と隣接する端部において、後方に伸びる部位である。第1隣接壁部510wは、アウタグリル100のアウタ壁部120に沿って、後方に伸びている。
【0022】
第2隣接部520は、アウタグリル100のアウタ壁部120に対して、左右方向について、第1隣接部510とは逆の側に配される(図2の中段左部参照)。第2隣接部520の一部505は、アウタグリル100のアウタ前面部105に隣接する位置において外部に露出する(図2の下段左部参照)。
【0023】
第2隣接部520は、第2隣接部520の左右方向の端部のうちのアウタ前面部105と隣接する端部520eにおいて、後方に伸びる第2隣接壁部520wを有する(図2の中央部参照)。隣接壁部520wは、アウタグリル100のアウタ壁部120に沿って、後方に伸びている。
【0024】
第2隣接壁部520wは、前後方向の略中央部において、第1隣接壁部510wおよびアウタ壁部120に近づく向きに屈曲し、さらに、後方に向かって屈曲して、後方に伸びている(図2の中央部参照)。その結果、屈曲部分から先の第2隣接壁部520wの一部520wpは、アウタグリル100のアウタ凸部110の後方に位置する。屈曲部分から先の第2隣接壁部520wの一部520wpは、アウタグリル100のアウタ壁部120に沿って、後方に伸びている。技術の理解を容易にするために、図2では、第2隣接壁部520wの一部520wpと、アウタグリル100のアウタ壁部120とを、明示的に左右方向に離して示している。しかし、実際には、屈曲部分から先の第2隣接壁部520wの一部520wpと、アウタグリル100のアウタ壁部120とは、互いに接しているか、またはわずかに隙間を空けて配されている。
【0025】
このような構成とすることにより、互いに隣接して外部に露出するアウタグリル100とバンパー500とが近接する部位において、バンパー500の第2隣接壁部520wの一部520wpは、アウタグリル100においてバンパー500に向かって突出するアウタ凸部110の後方に位置する(図2の中央部参照)。このため、アウタグリル100とバンパー500とが近接する部位において、アウタグリル100とバンパー500との隙間が外部から視認されにくい。よって、アウタグリル100とバンパー500との隙間が自動車CRの美観を低下させにくい。
【0026】
上記の構成とすることにより、互いに隣接して外部に露出するアウタグリル100とバンパー500とが近接する部位において、両者の境界を左右方向にまたぐインナグリル200の部位は、アウタ前面部105から離れて後方に位置することとなる(図2の上段中央部参照)。このため、アウタグリル100とバンパー500との境界を左右方向にまたぐ部材が外部から視認されにくい。よって、アウタグリル100とバンパー500との隙間が自動車CRの美観を低下させにくい。
【0027】
インナグリル200は、第1インナ部210と、第2インナ部220と、を備える(図2の中段参照)。第1インナ部210および第2インナ部220は、アウタグリル100のアウタ壁部120の一部と、バンパー500の第1隣接部510の一部および第2隣接部520の一部と、を挟んで、それらの両側に配される。
【0028】
第2インナ部220の一部は、バンパー500の第2隣接部520に対して後方に配される(図2の上段左部参照)。第2インナ部220は、インナ壁部220wを備える。インナ壁部220wは、前方を向く壁部である。本明細書において、壁部が「前方を向く」とは、壁部に垂直な方向が、方向成分として車両の前方向を含むことを意味する。本実施形態において、インナ壁部220wは、X軸に垂直である。
【0029】
第1インナ部210の一部は、バンパー500の第1隣接部510に対して後方に配される(図2の右部参照)。技術の理解を容易にするために、図2では、第1インナ部210と、バンパー500の第1隣接部510とを離して示している。しかし、実際には、第1インナ部210のうち、バンパー500の第1隣接部510の後方に位置する部分は、バンパー500の第1隣接部510に後方から接している。
【0030】
第1インナ部210の他の一部であって、バンパー500の第1隣接部510の後方に位置せず、アウタグリル100のアウタ前面部105の後方に位置する部位は、前方から視認され得る。第1インナ部210のうち前方から視認される部位は、アウタグリル100とともにフロントグリルの意匠を構成する(図1参照)。
【0031】
第1インナ部210は、インナ壁部210wと、インナ腕部210aと、爪部210cと、を備える(図2の上段中央部参照)。インナ壁部210wは、前方を向く壁部である。本実施形態において、インナ壁部210wは、X軸に垂直である。第1インナ部210のインナ壁部210wと、第2インナ部220のインナ壁部220wとは、Y軸方向に間隙200gを開けて、Y方向に沿って向かい合っている(図2の上段中央部参照)。アウタグリル100のアウタ壁部120は、インナ壁部210wおよびインナ壁部220wの前方から、インナ壁部210wとインナ壁部220wとの間の間隙200gを通って、インナ壁部210wおよびインナ壁部220wよりも後方に達している。
【0032】
インナ腕部210aは、インナ壁部210wの端部であって、第2インナ部220と向かい合う端部において、後方に伸びる部位である(図2の上段中央部参照)。インナ腕部210aは、略四角形の外形形状を有している。
【0033】
爪部210cは、インナ腕部210aに設けられている(図2の上段中央部参照)。爪部210cは、インナ腕部210aから第2インナ部220に向かう向きに突出している。爪部210cは、アウタグリル100のアウタ壁部120に設けられている貫通孔120hに、受け入れられている。爪部210cは、貫通孔120hを貫通している(図2の上段中央部、および図3の中央部参照)。
【0034】
このような構成とすることにより、アウタグリル100のアウタ壁部120の貫通孔120hと、その貫通孔120hに受け入れられるインナグリル200の爪部210cと、により、アウタグリル100とインナグリル200の相対移動が制約される(図2の上段中央部、および図3の中央部参照)。また、インナグリル200の一部は、バンパー500の後方に配され、バンパー500の一部は、アウタグリル100の後方に配される(図2の下段右分参照)。すなわち、バンパー500は、インナグリル200とアウタグリル100に挟まれた、移動が制約される。このため、本実施形態によれば、簡易な構造で、バンパー500とインナグリル200とアウタグリル100との、相対位置を定めることができる。
【0035】
また、本実施形態においては、バンパー500とインナグリル200とアウタグリル100とが組み合わされた状態において、インナグリル200の爪部210cは、わずかに弾性変形しているインナ腕部210aによって、アウタグリル100の貫通孔120hの内壁に押しつけられている。より具体的には、爪部210cは、弾性変形しているインナ腕部210aによって、貫通孔120hの後面の内壁に押しつけられている(図2の上段中央部、および図3参照)。このため、インナグリル200とアウタグリル100とは、弾性力によって相互に押し付けられ、相対位置を固定されている。その結果、バンパー500とインナグリル200とアウタグリル100とは、相対位置を固定されている。
【0036】
バンパー500の第1隣接壁部510wの後端510weと、第2隣接壁部520wの後端520weとは、インナグリル200のインナ壁部210w,220wに接している(図2の上段中央部参照)。
【0037】
このような構成においては、バンパー500とインナグリル200とは、相互に固定されており、相互の位置ずれを生じさせにくい。その結果、バンパー500とインナグリル200の相互の位置ずれが自動車CRの美観を低下させる可能性が低い(図1参照)。そして、前述のように、バンパー500は、弾性力によって相互に押し付けられ、相対位置を固定されているインナグリル200とアウタグリル100に挟まれている(図2参照)。このため、バンパー500とインナグリル200とアウタグリル100とは、相対位置を強固に定められている。
【0038】
本実施形態における自動車CRを「車両」とも呼ぶ。バンパー500を「隣接部品」とも呼ぶ。
【0039】
B.第2実施形態:
第2実施形態の取付構造FS2は、アウタグリル100と、インナグリル200と、バンパー500の取り付け構造であって、第1実施形態とは異なる箇所において、三者を相互に固定する構造である(図1のII-II断面参照)。第2実施形態の取付構造FS2においては、インナグリル200のインナ壁部210wとインナ壁部220wとは、Y方向に沿って向かい合ってはいない(図2の上段中央部参照)。バンパー500の第2隣接壁部520wの後端520weは、インナグリル200のインナ壁部220wに接していない(図2の上段中央部参照)。そして、インナグリル200は、第3インナ部230および第4インナ部240を備える。第2実施形態の取付構造FS2の他の点は、第1実施形態の取付構造FSと同様である。第1実施形態の各構成に対応する第2実施形態の各構成については、第1実施形態の各構成に付した符号と同一の符号を付す。
【0040】
図4は、第2実施形態のアウタグリル100と、インナグリル200と、バンパー500と、の取付構造FS2のうちのインナグリル200を示す説明図である。図4においては、インナグリル200を正面からX軸負方向に沿って見た状態が示されている。
【0041】
第2実施形態において、インナグリル200は、第3インナ部230および第4インナ部240を備える(図4の中央部参照)。第3インナ部230および第4インナ部240は、第1インナ部210と第2インナ部220との間の間隙200gを通って配されるアウタ壁部120を挟んで配される。なお、技術の理解を容易にするため、図4において、アウタグリル100のアウタ壁部120は示されていない。
【0042】
第3インナ部230および第4インナ部240は、第1インナ部210および第2インナ部220が向かい合う方向とは異なる方向に向かい合って配されている。より具体的には、第3インナ部230および第4インナ部240は、上下方向に向かい合って配されている。これに対して、第1インナ部210および第2インナ部220は、左右方向に向かい合って配されている(図4の中央部参照)。
【0043】
第3インナ部230および第4インナ部240のX軸正方向を向く面は、第2インナ部220のインナ壁部220wとともに一つの平面を構成する。インナ壁部220wと第3インナ部230と第4インナ部240が構成する平面は、貫通孔200hを有する。この貫通孔200hが、相互に向かい合う第1インナ部210のインナ壁部210wと、第2インナ部220のインナ壁部220wとの間隙200gである。アウタグリル100のアウタ壁部120は、この貫通孔200hを通って、インナ壁部210wとインナ壁部220wと第3インナ部230と第4インナ部240よりも後方に達している。
【0044】
このような構成とすることにより、第1インナ部210および第2インナ部220、ならびに第3インナ部230および第4インナ部240によって、アウタグリル100のアウタ壁部120の位置を、相互に異なる左右方向および上下方向から、制限することができる。このため、アウタグリル100は、左右方向および上下方向の2方向について、インナグリル200に対して位置ずれを生じさせにくい。よって、アウタグリル100とインナグリル200とバンパー500の相互の位置ずれが自動車CRの美観を低下させる可能性が低い。
【0045】
また、アウタグリル100とインナグリル200とバンパー500とを組み付ける際には、アウタグリル100のアウタ壁部120をインナグリル200の貫通孔200hに挿入する際に、アウタ壁部120がガイドされる。このため、アウタグリル100とインナグリル200とバンパー500との組み付けが容易である。
【0046】
図5は、第2実施形態におけるアウタグリル100と、インナグリル200と、バンパー500と、の取付構造FS2を示す説明図である。図5は、図4におけるV-V断面図に相当する。図6は、第2実施形態のアウタグリル100と、インナグリル200と、バンパー500と、の取付構造FSを示す説明図である。図6は、図4におけるVI-VI断面図に相当する。
【0047】
第2実施形態においては、インナグリル200のインナ壁部210wは、第2インナ部220と向かい合う第1インナ部210の面に設けられている段差である(図5の中央部参照)。第2実施形態において、インナ壁部210wは、前方に対してわずかに車両の中央よりの向きを向いている。第2実施形態においても、インナ壁部210wは、前方を向く壁部である。ただし、第2実施形態の取付構造FS2においては、インナグリル200のインナ壁部210wとインナ壁部220wとは、Y方向に沿って向かい合ってはいない。
【0048】
第2実施形態においても、バンパー500の第1隣接壁部510wの後端510weは、インナグリル200のインナ壁部210wに接している(図5の中央部参照)。一方、第2実施形態においては、バンパー500の第2隣接壁部520wの後端520weは、インナグリル200のインナ壁部220wに接していない。
【0049】
このような構成においても、バンパー500とインナグリル200とは、相互に固定されており、相互の位置ずれを生じさせにくい。その結果、バンパー500とインナグリル200の相互の位置ずれが自動車CRの美観を低下させる可能性が低い(図1参照)。
【0050】
第2実施形態においても、インナグリル200の爪部210cは、アウタグリル100のアウタ壁部120に設けられている貫通孔120hに受け入れられ、貫通孔120hを貫通している(図5の上段中央部、および図6の中央部参照)。そして、バンパー500とインナグリル200とアウタグリル100とが組み合わされた状態において、インナグリル200の爪部210cは、わずかに弾性変形しているインナ腕部210aによって、アウタグリル100の貫通孔120hの内壁に押しつけられている。このため、第2実施形態によっても、簡易な構造で、バンパー500とインナグリル200とアウタグリル100との、相対位置を定めることができる。
【0051】
C.参考例:
図7は、参考例におけるアウタグリル100Cと、インナグリル200Cと、バンパー500Cと、の取付構造FSCを示す説明図である。図7は、第1実施形態の図2および第2実施形態の図5に対応する図である。第1実施形態の各構成に対応する参考例の各構成については、第1実施形態の各構成に付した符号の数字部分の次にCを付したものを付す。以下で説明する相違点を除いて、参考例の取付構造FSCは、第1実施形態の取付構造FSと同様である。
【0052】
参考例においても、バンパー500Cは、アウタグリル100Cのアウタ壁部120Cに対して、自動車CRの中央側とは逆の側に位置する第2隣接部520Cを備える(図2の左部参照)。第2隣接部520Cは、第2隣接部520Cの左右方向の端部のうちのアウタ前面部105Cと隣接する端部520Ceにおいて、後方に伸びる第2隣接壁部520Cwを有する。
【0053】
しかし、第2隣接壁部520Cwは、左右方向について、アウタグリル100Cのアウタ凸部110Cと隙間Gを空けて向かい合っている(図7の中央部参照)。第2隣接壁部520Cwは、アウタ凸部110Cの後方に位置しない(図2の520wp参照)。アウタ凸部110Cの後方には、代わりに、インナグリル200の第2インナ部220Cが位置する。このため、アウタグリル100Cとバンパー500Cとが近接する部位において、アウタグリル100Cとバンパー500Cとの隙間Gが外部から視認されやすい。よって、アウタグリル100Cとバンパー500Cとの隙間Gが自動車CRの美観を低下させる。
【0054】
これに対して、第1実施形態の取付構造FSおよび第2実施形態の取付構造FS2においては、バンパー500の第2隣接壁部520wの一部520wpは、アウタグリル100においてバンパー500に向かって突出するアウタ凸部110の後方に位置する(図2の中央部および図5の中央部参照)。このため、アウタグリル100とバンパー500との隙間が外部から視認されにくく、アウタグリル100とバンパー500との隙間が自動車CRの美観を低下させにくい。
【0055】
参考例においても、第1インナ部210Cの爪部210Ccは、アウタグリル100Cのアウタ壁部120Cに設けられている貫通孔120Chに、受け入れられている。しかし、参考例においては、バンパー500Cは、アウタグリル100Cとインナグリル200との間に配されていない。そして、バンパー500Cの端部は、インナグリル200に接していない(図7の左部参照)。このため、バンパー500Cと、インナグリル200Cとは、相互に固定されておらず、その結果、相互の位置ずれを生じさせやすい。よって、バンパー500Cとインナグリル200Cの相互の位置ずれが自動車CRの美観を低下させる。
【0056】
これに対して、第1実施形態および第2実施形態においては、バンパー500の第1隣接壁部510wの後端510weは、インナグリル200のインナ壁部210wに接している(図2の上段中央部、および図5の上段中央部参照)。このため、バンパー500とインナグリル200とは、相互の位置ずれを生じさせにくい。
【0057】
以上で説明したように、参考例において、バンパー500とインナグリル200とアウタグリル100とは、相対位置を強固に定められない。このため、参考例において、第1実施形態および第2実施形態と同程度の強度および精度で、バンパー500とインナグリル200とアウタグリル100とを相互に固定するためには、第1実施形態および第2実施形態に比べて、より多くの箇所で、相互に固定される必要がある。
【0058】
D.他の実施形態:
D1.他の実施形態1:
(1)上記第1実施形態においては、アウタグリル100は、枠部100fと、メッシュ部100mとを有する(図1参照)。メッシュ部100mは網目構造を有している。しかし、アウタグリルは、網目構造を有しない板状の構造であってもよい。
【0059】
(2)上記第1実施形態においては、自動車CRのうちフロントグリルに対して左右方向に隣接する位置において外部に露出する部材は、バンパー500である(図1参照)。しかし、車両のうちフロントグリルに隣接する位置において外部に露出する部材は、ボディパネルなど、バンパー以外の部材であってもよい。
【0060】
(3)上記第1実施形態においては、バンパー500の第1隣接部510は、アウタグリル100のアウタ前面部105に対して後方に配されている(図2の右部参照)。しかし、第1隣接部510の一部は、アウタグリル100のアウタ前面部105に対して後方に配されていなくてもよい。
【0061】
(4)上記第1実施形態においては、屈曲部分から先の第2隣接壁部520wの一部520wpは、アウタグリル100のアウタ凸部110の後方に位置する(図2の上段左部参照)。しかし、第2隣接壁部の全体が、アウタグリルのアウタ凸部の後方に位置していてもよい。
【0062】
(5)上記第1実施形態においては、インナグリル200の第1インナ部210の一部は、隣接部材としてのバンパー500の第1隣接部510に対して後方に配される(図2の右部参照)。しかし、インナグリルの第1インナ部の全部が、隣接部材の第1隣接部に対して後方に配されてもよい。
【0063】
(6)上記第1実施形態においては、インナグリル200の第2インナ部220の一部は、隣接部材としてのバンパー500の第2隣接部520に対して後方に配される(図2の左部参照)。しかし、インナグリルの第2インナ部の一部は、隣接部材の第2隣接部に対して後方に配されてもよい。
【0064】
(7)上記第1実施形態においては、第1インナ部210および第2インナ部220は、アウタグリル100のアウタ壁部120の一部を挟んで配される(図2の上段左部参照)。しかし、第1インナ部および第2インナ部は、アウタグリルのアウタ壁部の全部を挟んで配されてもよい。たとえば、アウタ壁部120は、第1インナ部210のインナ壁部210wおよび第2インナ部220のインナ壁部220wよりも後方に達していなくてもよい。
【0065】
(8)上記第1実施形態においては、インナグリル200の第1インナ部210は、インナ壁部210wを備える(図2の上段中央部参照)。インナグリル200の第2インナ部220は、インナ壁部220wを備える(図2の上段左部参照)。しかし、インナグリルの第1インナ部と第2インナ部の一方は、前方を向くインナ壁部を備えていなくてもよい。そのような態様においては、バンパー500の第1隣接壁部510wの後端510weと、第2隣接壁部520wの後端520weとは、インナグリル200が有する前方を向くインナ壁部に接していなくてもよい(図2の上段中央部参照)。
【0066】
(9)上記第1実施形態においては、インナグリル200の爪部210cは、弾性変形しているインナ腕部210aによって、アウタグリル100の貫通孔120hの後面の内壁に押しつけられている(図2の上段中央部、および図3参照)。しかし、爪部は、インナ腕部によって、アウタグリルの貫通孔の前面、上面、下面など、他の内壁に押しつけられていてもよい。また、爪部は、アウタグリルの貫通孔の内壁に押し付けられていなくてもよい。
【0067】
(10)上記2実施形態においては、第3インナ部230および第4インナ部240は、前方を向く壁状の形状で構成されており、アウタ壁部120の一部を挟んで配される(図4の上段中央部および下段中央部参照)。しかし、第3インナ部および第4インナ部は、アウタ壁部の全部を挟んで配されていてもよい。たとえば、第3インナ部および第4インナ部は、アウタ壁部120を挟んでアウタ壁部120に沿ってX軸方向に伸びる一対の壁部として構成されてもよい。
【0068】
(11)上記第1実施形態においては、技術の理解を容易にするため、第1インナ部210のインナ壁部210wと、第2インナ部220のインナ壁部220wと、の間のY軸方向の間隙200gに対して、Z軸正方向側およびZ軸負方向側に位置する構成については、説明していない(図2の上段中央部参照)。しかし、上記第1実施形態においても、間隙200gに対して、Z軸正方向に第3インナ部230が設けられ、Z軸負方向に第4インナ部240が設けられていてもよい(図4参照)。
【0069】
D2.他の実施形態2:
上記第1実施形態においては、アウタグリル100の第1インナ部210は、爪部210cを備える(図2の上段左部参照)。爪部210cは、アウタグリル100のアウタ壁部120に設けられている貫通孔120hに、受け入れられている(図3参照)。しかし、アウタグリルの第1インナ部は、爪部を備えない態様とすることもできる。たとえば、取付構造は、アウタグリル100のアウタ壁部120が、バンパー500の第1隣接部510および第2隣接部520によって両面を挟まれて保持される態様とすることもできる。
【0070】
D3.他の実施形態3:
第2実施形態において、インナグリル200は、第3インナ部230および第4インナ部240を備える(図4の上段中央部および下段中央部参照)。第3インナ部230および第4インナ部240は、上下方向に向かい合って配されている。しかし、インナグリルは、第3インナ部および第4インナ部を備えない態様とすることもできる。たとえば、第1インナ部210のインナ壁部210wと、第2インナ部220のインナ壁部220wと、の間の間隙は、上下方向に開放されていてもよい。
【0071】
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0072】
100…アウタグリル、100C…アウタグリル、100f…枠部、100m…メッシュ部、105…アウタ前面部、105C…アウタ前面部、105e…アウタ前面部の端部、110…アウタ凸部、110C…アウタ凸部、120…アウタ壁部、120C…アウタ壁部、120Ch…貫通孔、120b…基部、120h…貫通孔、200…インナグリル、200C…インナグリル、200g…間隙、200h…貫通孔、210…第1インナ部、210Cc…爪部、210a…インナ腕部、210C…第1インナ部、220C…第2インナ部、210c…爪部、210w…インナ壁部、220…第2インナ部、220w…インナ壁部、230…第3インナ部、240…第4インナ部、500…バンパー、500C…バンパー、505…バンパーの露出部分、510…第1隣接部、510w…第1隣接壁部、510we…後端、520Cw…第2隣接壁部、520…第2隣接部、520we…後端、520w…第2隣接壁部、520wp…第2隣接部の一部、520Ce…第2隣接部の端部、520C…第2隣接部、520e…第2隣接部の端部、CR…自動車、De…アウタ前面部の延長方向、FS…取付構造、FS2…取付構造、FSC…取付構造、G…隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7