(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023158786
(43)【公開日】2023-10-31
(54)【発明の名称】売価変更装置及び売価変更システム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20231024BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
G07G1/12 361E
G07G1/01 301D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022068774
(22)【出願日】2022-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】521489595
【氏名又は名称】株式会社Retail AI X
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】永井 義秀
(72)【発明者】
【氏名】篠原 恭臣
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142AA03
3E142CA13
3E142FA31
3E142FA32
3E142GA20
3E142JA01
(57)【要約】
【課題】販売機会の損失又は商品の廃棄を削減することができる売価変更装置及び売価変更システムを提供すること。
【解決手段】商品の在庫状況を検出する在庫検出部と、商品の在庫状況と、時刻とに基づいて商品の値引き率を決定する値引き率決定部と、値引き率に応じて商品の売価の変更を指示する売価変更部と、を有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の在庫状況を検出する在庫検出部と、
前記商品の在庫状況と、時刻とに基づいて前記商品の値引き率を決定する値引き率決定部と、
前記値引き率に応じて前記商品の売価の変更を指示する売価変更部と、
を有する売価変更装置。
【請求項2】
前記商品の在庫状況は、前記商品の在庫数又は在庫率であり、
前記値引き率決定部は、前記在庫数が多い場合又は前記在庫率が高い場合は、前記商品の値引きの開始時刻を早めるか又は前記値引き率を高くするかの少なくとも何れか一方を行い、前記在庫数が少ない場合又は前記在庫率が低い場合は、前記商品の値引きの前記開始時刻を遅くするか又は前記値引き率を低くするかの少なくとも何れか一方を行う請求項1に記載の売価変更装置。
【請求項3】
前記値引き率決定部は、学習済みモデルを用いて前記値引き率を決定する請求項1に記載の売価変更装置。
【請求項4】
請求項1~3の何れか一項に記載の売価変更装置と、
POS端末と、を備え、
前記売価変更部は、前記POS端末に前記売価の変更を指示し、
前記POS端末は、前記売価変更部からの指示に基づき前記商品の前記売価の設定を変更する売価変更システム。
【請求項5】
前記商品の前記売価を表示する表示装置をさらに備え、
前記売価変更部は、前記表示装置に前記売価の変更を指示し、
前記表示装置は、前記売価変更部からの指示に基づき表示内容を変更する請求項4に記載の売価変更システム。
【請求項6】
表示部を備える情報端末をさらに備え、
前記売価変更部は、前記情報端末に前記売価の変更を指示し、
前記情報端末は、前記売価変更部からの指示を前記表示部に表示する請求項4に記載の売価変更システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗などにおいて商品の売価を変更する売価変更装置及び売価変更システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケットなどの店舗において、販売機会の損失及び商品の廃棄を削減するために、賞味期限又は消費期限までの残時間に応じて、商品の値引きが行われている。従来、商品の値引きは、店員が商品ごとに賞味期限又は消費期限までの残時間を確認し、商品に「値引きシール」を貼って対応している。
【0003】
また、近年、商品の売価表示のため、紙の値札に替えて、液晶ディスプレイ又は電子ペーパーにより構成される電子棚札が導入されている。電子棚札は、ネットワークを介してPOSシステムと通信を行い、POSシステムによって表示内容が変更される。例えば、特許文献1では、商品の生産時刻からの経過時間が所定の時間を超過した場合に、電子棚札の表示内容を変更する電子棚札の制御装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、商品の在庫状況によっては、賞味期限又は消費期限までの残時間、もしくは生産時刻からの経過時間に応じて値引きを行った場合も、販売機会の損失又は商品の廃棄を削減できない場合がある。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためのものであり、販売機会の損失又は商品の廃棄を削減することができる売価変更装置及び売価変更システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る売価変更装置は、商品の在庫状況を検出する在庫検出部と、商品の在庫状況と、時刻とに基づいて商品の値引き率を決定する値引き率決定部と、値引き率に応じて商品の売価の変更を指示する売価変更部と、を有する。
【0008】
本発明に係る売価変更システムは、上記売価変更装置と、POS端末と、を備え、売価変更部は、POS端末に売価の変更を指示し、POS端末は、売価変更部からの指示に基づき商品の売価の設定を変更する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の売価変更装置及び売価変更システムによれば、商品の在庫状況と、時刻とに基づいて商品の値引き率を決定して商品の売価の変更することで、商品の在庫状況に応じた適切な値引きを行うことができ、販売機会の損失又は商品の廃棄を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1に係る売価変更システムの概略構成図である。
【
図2】実施の形態1に係る売価変更システムの制御ブロック図である。
【
図3】実施の形態1に係る処理装置の記憶部に記憶された値引き情報の一例である。
【
図4】実施の形態1に係る売価変更システムの動作を示すフローチャートである。
【
図5】実施の形態2に係る売価変更システムの制御ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態の売価変更装置及び売価変更システム100について説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付して、その説明を適宜省略又は簡略化する。また、各図に記載の構成について、その形状、大きさ及び配置等は、本発明の範囲内で適宜変更することができる。
【0012】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る売価変更システム100の概略構成図である。本実施の形態の売価変更システム100は、コンビニエンスストア又はスーパーマーケットなどの小売店舗で用いられるものであり、店舗内の商品の売価を変更するシステムである。
図1に示すように、売価変更システム100は、撮影装置1と、処理装置2と、表示装置3と、表示制御装置30と、POS端末4と、からなる。処理装置2と、撮影装置1、表示制御装置30、及びPOS端末4とは、LAN又はインターネットを介して有線又は無線で通信可能に接続されている。表示制御装置30と表示装置3とは、無線LANなどにより無線通信可能に接続されている。
【0013】
撮影装置1は、店舗の天井又は壁に設置され、棚5に陳列された商品P1及び商品P2の画像を撮影するカメラである。なお、撮影装置1は棚5に設置されてもよい。撮影装置1は、予め設定された時間間隔で商品P1及び商品P2の画像を撮影し、処理装置2に送信する。なお、商品P1及び商品P2は棚5に陳列されたものに限定されず、例えば陳列台に載置されてもよい。この場合、撮影装置1は、陳列台に載置された商品P1及び商品P2の画像を撮影して、処理装置2に送信する。
【0014】
商品P1及び商品P2は、例えば弁当又は惣菜などの1日の間に売価変更が行われる商品である。以下の説明においては、商品P1及び商品P2を単に「商品」と称することがある。
【0015】
処理装置2は、商品の在庫状況及び時刻情報に基づき、商品の売価を変更する売価変更装置として機能する。処理装置2は、例えばCPUなどのプロセッサと、メモリとを備えるPOSサーバである。処理装置2の機能については後ほど詳述する。
【0016】
表示装置3は、棚5に陳列された商品の売価を表示する装置である。表示装置3は、例えば棚5の棚板50の正面に設置されている。表示装置3は、液晶又は電子ペーパーからなる小型ディスプレイを備える電子棚札であり、表示制御装置30の制御に基づき商品の売価を表示する。表示装置3は、棚5に陳列されている商品の種類ごとに個別に設けられている。
図1の例の場合、商品P1に対応する表示装置3aと、商品P2に対応する表示装置3bとが棚5に設置されている。
【0017】
表示制御装置30は、例えばCPUなどのプロセッサと、メモリとを備え、処理装置2から商品の売価情報を受信し、売価情報に基づき表示装置3a及び3bの表示内容を制御する。なお、別の実施の形態においては、表示制御装置30の機能を処理装置2が備えてもよい。
【0018】
POS端末4は、例えば、POS専用端末、PC、タブレット、又はスマートフォン等である。POS端末4は、利用者が購入する商品の登録、精算、及び決済を行うPOSレジスタの機能を備えている。POS端末4は、店舗の店員に操作されてもよく、セルフ型のレジスタとして顧客に操作されてもよい。POS端末4は、処理装置2から売価情報を受信し、商品の売価の設定を変更する。なお、
図1では、1台のPOS端末4のみを示しているが、売価変更システム100は、複数のPOS端末4を備えてもよい。
【0019】
図2は、実施の形態1に係る売価変更システム100の制御ブロック図である。
図2に示すように、処理装置2は、記憶部21と、計時部22と、制御部23とを有する。
【0020】
記憶部21は、例えば、RAM、ROM又はフラッシュメモリなどの揮発性又は不揮発性のメモリである。記憶部21は、処理装置2で実行されるプログラム及びプログラムで用いられる各種パラメータ、並びに店舗における棚情報、商品情報、及び後述する値引き情報などを記憶する。棚情報は、店舗内における棚5の場所、棚5に陳列される商品の種類、棚5における商品の位置、及び棚5における商品と表示装置3との対応関係などを含む。商品情報は、商品の種類及び名称などの識別情報、並びに最初に棚5に陳列される数(初期数)などを含む。
【0021】
計時部22は、時刻を計測し、時刻情報を制御部23に出力する。
【0022】
制御部23は、プロセッサがプログラムを実行することによって実現される機能部として、画像取得部231と、在庫検出部232と、値引き率決定部233と、売価変更部234とを有している。なお、制御部23の各部の少なくとも何れかを、ASIC又はFPGAなどの処理回路で実現してもよい。
【0023】
画像取得部231は、定期的に撮影装置1に画像取得指示を行い、撮影装置1にて撮影された商品の画像を取得する。画像取得部231は、取得した画像を在庫検出部232に出力する。
【0024】
在庫検出部232は、取得した商品の画像に基づき、棚5に陳列される商品の在庫状況を検出する。具体的には、在庫検出部232は、取得した画像を解析し、棚5における商品の数(在庫数)を検出する。画像の解析は、棚情報及び商品情報に基づき、ディープラーニングを用いた物体検知技術及び物体認識技術などの既知の方法を用いて行われる。そして、在庫検出部232は、商品の在庫率を算出する。在庫率は、最初に棚5に陳列された商品の初期数に対する現在の在庫数の割合である。在庫検出部232は、求めた在庫率を値引き率決定部233に出力する。
【0025】
値引き率決定部233は、商品の在庫率及び計時部22から受信した時刻情報に基づいて、商品の値引き率を決定する。一例として、値引き率決定部233は、記憶部21に記憶された値引き情報に基づいて商品の値引き率を決定する。
図3は、実施の形態1に係る処理装置2の記憶部21に記憶された値引き情報の一例である。
図3に示すように、値引き情報は、時刻と、当該時刻における在庫率ごとの値引き率とを含んでいる。値引き情報は、商品の種類ごとに異なってもよいし、同じでもよい。
【0026】
図3の例では、時刻が9時(開店時刻)~17時の場合、在庫率に依らず、値引きが行われない。また、18時の時点で在庫率が70%未満の場合は値引きが行われず、在庫率が70%以上の場合、値引き率が20%に設定される。同様に、19時~20時においても、在庫率に応じて異なる値引き率が設定される。そして、21時~23時(閉店時刻)においては、在庫率に依らず、値引き率が50%に設定される。
【0027】
すなわち、値引き率決定部233は、商品の在庫率に応じて、値引き率を動的に決定する。具体的には、値引き率決定部233は、基準となる値引き開始時刻、在庫率、及び値引き率に対して、在庫率が高い場合は、値引きの開始時刻を早めるか又は値引き率を高くするかの少なくとも何れか一方を行い、在庫率が低い場合は、値引きの開始時刻を遅くするか又は値引き率を低くするかの少なくとも何れか一方を行う。例えば基準の値引き開始時刻は19時であり、在庫率は50%であり、値引き率は20%であり、値引き情報として記憶部21に記憶されている。値引き率決定部233は、決定した値引き率を売価変更部234に出力する。なお、値引きが行われない場合は、値引き率決定部233は、売価変更部234に値引き率を出力しない。
【0028】
売価変更部234は、値引き率決定部233から値引き率が出力された場合、値引き率決定部233が決定した値引き率に基づいて商品の売価を変更し、表示制御装置30及びPOS端末4に売価の変更を指示する売価情報を送信する。売価情報は、例えば売価が変更される商品の識別情報、変更後の売価、及び値引き率を含む。例えば、商品P1の値引き前の売価が500円で、決定された値引き率が20%の場合、売価変更部234は、表示制御装置30とPOS端末4とに、商品P1の識別情報、変更後の売価(400円)、及び値引き率(20%)を含む売価情報を送信し、売価の変更を指示する。
【0029】
表示制御装置30は、売価変更部234から売価情報を受信すると、売価情報に基づき、商品P1に対応する表示装置3aの表示内容を変更する。これにより、表示装置3aに表示される商品P1の売価が、自動的に値引き後の売価に変更される。また、POS端末4は、売価変更部234から売価情報を受信すると、売価情報に基づき商品P1の売価の設定を変更する。これにより、売価変更部234の変更指示後にPOS端末4に登録された商品P1の売価は、自動的に変更後の売価となる。
【0030】
図4は、実施の形態1に係る売価変更システム100の動作を示すフローチャートである。
図4の各処理は、処理装置2によって実行される。以下では、棚5の商品P1に対する処理を例に説明する。実際は、商品P2及び店舗内のその他の商品に対して、同様の処理が行われる。処理装置2の制御部23の画像取得部231は、まず、撮影装置1によって撮影された棚5に陳列される商品P1の画像を取得する(S1)。
【0031】
そして、在庫検出部232は、取得した画像を解析し、棚5における商品P1の在庫数を検出する(S2)。在庫検出部232は、検出した商品P1の在庫数と商品P1の初期数とから商品P1の在庫率を算出する(S3)。
【0032】
続いて、値引き率決定部233は、現在の時刻と、在庫検出部232が検出した在庫率とに基づいて、商品P1の値引き率を決定する(S4)。ここで、商品P1の値引きが行われない場合(S5:NO)、ステップS1に戻って以降の処理が繰り返される。一方、商品P1の値引きが行われる場合(S5:YES)、売価変更部234は、決定された値引き率に応じて商品P1の売価を変更する(S6)。そして、売価変更部234は、表示制御装置30及びPOS端末4に対して、売価の変更を指示する売価情報を送信する(S7)。
【0033】
以上のように、本実施の形態の売価変更システム100では、商品の在庫状況を用いて値引きのタイミング及び値引き率を決定することで、商品の在庫状況に応じて適切に値引きを行うことができる。これにより、商品の販売機会の損失及び廃棄を削減することができる。また、商品の売価の変更を表示装置3及びPOS端末4に自動的且つ迅速に反映させることができるため、店員による設定変更、及び値引きシールを貼るなどの作業工数を削減することができる。
【0034】
実施の形態2.
図5は、実施の形態2に係る売価変更システム100Aの制御ブロック図である。
図5に示すように、実施の形態2に係る売価変更システム100Aは、表示装置3に替えて情報端末6を備える点において、実施の形態1と相違する。売価変更システム100Aのその他の構成及び機能は、実施の形態1と同じである。
【0035】
情報端末6は、店舗の店員が使用するスマートフォン又はタブレットなどであり、タッチパネルディスプレイなどの表示部60を備えている。情報端末6は、処理装置2と無線通信可能に接続される。本実施の形態における処理装置2の売価変更部234は、売価の変更を指示する売価情報を、POS端末4及び情報端末6に送信する。
【0036】
情報端末6は、処理装置2から受信した売価情報に含まれる、値引きの対象となった商品の識別情報と、変更後の売価と、値引き率とを表示部60に表示する。これにより、店員は、情報端末6の表示部60に表示された値引き対象の商品名と値引き率とを確認し、対象商品に値引きシール、又は変更後の値札を貼付することができる。
【0037】
本実施の形態の売価変更システム100Aでは、商品の在庫率を用いて値引きのタイミング及び値引き率を設定し、店員が使用する情報端末6に通知することで、実施の形態1と同様に、商品の在庫状況に応じて適切に値引きを行うことができる。また、本実施の形態の売価変更システム100Aは、電子棚札を導入していない店舗においても適用することができる。
【0038】
以上が実施の形態の説明であるが、上記の実施の形態は変形及び組み合わせることが可能である。例えば、売価変更システム100は、実施の形態1の表示装置3と、実施の形態2の情報端末6との両方を備えるものであってもよい。また、表示装置3は、商品ごとに設置された電子棚札に限定されず、棚5に設置されたサイネージであってもよい。
【0039】
また、値引き率決定部233に用いられる値引き情報は、
図3に示すものに限定されない。例えば、値引き情報は、商品の賞味期限又は消費期限までの残時間と、当該残時間における在庫率ごとの値引き率を含むものであってもよい。この場合も、値引き率決定部233は、基準となる値引き開始時刻、在庫率、及び値引き率に対して、在庫率が高い場合は、値引きまでの時間を短くするか又は値引き率を高くするかの少なくとも何れか一方を行い、在庫率が低い場合は、値引きまでの時間を長くするか又は値引き率を低くするかの少なくとも何れか一方を行う。もしくは、値引き情報は、時刻と、当該時刻における在庫数ごとの値引き率を含むものであってもよい。この場合も、値引き率決定部233は、基準となる値引き開始時刻、在庫率、及び値引き率に対して、在庫数が多い場合は、値引きの開始時刻を早めるか又は値引き率を高くするかの少なくとも何れか一方を行い、在庫数が少ない場合は、値引きの開始時刻を遅くするか又は値引き率を低くするかの少なくとも何れか一方を行う。
【0040】
さらに、値引き情報は、季節、曜日、又は商品の売上ごとに異なるものであってもよい。例えば、季節商品については、値引きの開始時刻を遅くするか値引き率を低くし、通年商品については、標準の値引き開始時刻及び値引き率とし、季節に合わない商品については、値引きの開始時刻を早くするか値引き率を高くする。
【0041】
また、値引き率決定部233による値引き率の決定は、記憶部21に記憶された値引き情報に基づくものに限定されるものではない。例えば、値引き率決定部233は、機械学習モデルを用いて値引き率を決定するものであってもよい。この場合は、値引き率決定部233は、商品の廃棄が最小となるよう学習させた学習済みモデルに、入力情報として、商品名、在庫数又は在庫率、時間帯毎の売数、曜日、季節もしくは天候などを入力し、値引き率を出力として得る。
【0042】
また、上記実施の形態では、処理装置2は、撮影装置1により撮影された画像に基づいて商品の在庫状況を検出する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、撮影装置1に替えて又は加えて、棚5の棚板50に商品の重量を検出する重量センサ、又は商品の有無を検出する光学センサ、圧力センサ、静電センサ、超音波センサ又は測距センサ等を設けてもよい。この場合、処理装置2は、これらのセンサの検出結果を解析して商品の在庫状況を検出する。
【符号の説明】
【0043】
1 撮影装置、2 処理装置、3、3a、3b 表示装置、4 POS端末、5 棚、6 情報端末、21 記憶部、22 計時部、23 制御部、30 表示制御装置、50 棚板、60 表示部、100、100A 売価変更システム、231 画像取得部、232 在庫検出部、233 値引き率決定部、234 売価変更部、P1、P2 商品。