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特開2023-158811遠隔制御システム、情報処理装置および情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023158811
(43)【公開日】2023-10-31
(54)【発明の名称】遠隔制御システム、情報処理装置および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/09 20060101AFI20231024BHJP
【FI】
G08G1/09 V
G08G1/09 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022068821
(22)【出願日】2022-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093241
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 正昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101801
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 英治
(74)【代理人】
【識別番号】100095496
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 榮二
(74)【代理人】
【識別番号】100086531
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】110000763
【氏名又は名称】弁理士法人大同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松山 健吾
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181BB04
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF27
5H181FF32
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL09
5H181LL14
(57)【要約】
【課題】遠隔運転車同士のすれ違いを安全に行い得るようにする。
【解決手段】第1の遠隔運転車に対して遠隔操作信号を送信する第1の遠隔運転装置と、第2の遠隔運転車に対して遠隔操作信号を送信する第2の遠隔運転装置と、第1の遠隔運転装置および第2の遠隔運転装置と通信可能な支援サーバを備える。支援サーバは、第1の遠隔運転車および第2の遠隔運転車のすれ違いが発生することを検知した場合、所定情報に基づいて、第1の遠隔運転車および第2の遠隔運転車に対する車両制御の優先度を決定し、その優先度に基づく情報を含む通知情報を第1の遠隔運転装置および第2の遠隔運転装置に対して送信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の遠隔運転車に対して遠隔操作信号を送信する第1の遠隔運転装置と、
第2の遠隔運転車に対して遠隔操作信号を送信する第2の遠隔運転装置と、
前記第1の遠隔運転装置および前記第2の遠隔運転装置と通信可能な支援サーバを備え、
前記支援サーバは、
前記第1の遠隔運転車および前記第2の遠隔運転車のすれ違いが発生することを検知した場合、所定情報に基づいて、前記第1の遠隔運転車および前記第2の遠隔運転車に対する車両制御の優先度を決定し、
前記優先度に基づく情報を含む通知情報を前記第1の遠隔運転装置および前記第2の遠隔運転装置に対して送信する
遠隔制御システム。
【請求項2】
前記すれ違いは、狭道におけるすれ違いである
請求項1に記載の遠隔制御システム。
【請求項3】
前記所定情報は、前記第1の遠隔運転車および前記第1の遠隔運転装置の間のネットワーク遅延の情報と、前記第2の遠隔運転車および前記第2の遠隔運転装置の間のネットワーク遅延の情報であり、
前記支援サーバは、ネットワーク遅延が小さい側の遠隔運転車に対する車両制御の優先度を他側の遠隔運転車に対する車両制御の優先度より高く決定する
請求項1に記載の遠隔制御システム。
【請求項4】
前記支援サーバは、前記第1の遠隔運転装置から送られてくる前記第1の遠隔運転車の位置および速度の情報と、前記第2の遠隔運転装置から送られてくる前記第2の遠隔運転車の位置および速度の情報に基づいて、前記すれ違いが発生することを検知する
請求項1に記載の遠隔制御システム。
【請求項5】
前記通知情報は、相手側の遠隔運転装置のオペレータと直接連絡を取るための情報をさらに含む
請求項1に記載の遠隔制御システム。
【請求項6】
前記通知情報は、すれ違い可能位置の情報をさらに含む
請求項1に記載の遠隔制御システム。
【請求項7】
前記通知情報は、相手側の遠隔運転装置が遠隔操作信号を送る遠隔運転車を識別する固有情報をさらに含む
請求項1に記載の遠隔制御システム。
【請求項8】
前記通知情報は、相手側の遠隔運転装置が遠隔操作信号を送る遠隔運転車の位置の情報をさらに含む
請求項1に記載の遠隔制御システム。
【請求項9】
前記支援サーバは、少なくとも開始位置および終了位置の情報を含む狭道情報が保持されたデータ保持部を有し、
前記支援サーバは、前記第1の遠隔運転装置から送られてくる前記第1の遠隔運転車の位置および速度の情報と、前記第2の遠隔運転装置から送られてくる前記第2の遠隔運転車の位置および速度の情報に基づいて、狭道における前記すれ違いが発生することを検知する
請求項1に記載の遠隔制御システム。
【請求項10】
前記支援サーバは、所定の遠隔運転車に対して遠隔操作信号を送信する所定の遠隔運転装置から送られてくる狭道に係る通知情報に基づいて、前記データ保持部に保持されている狭道情報を更新する
請求項9に記載の遠隔制御システム。
【請求項11】
前記狭道に係る通知情報は、前記データ保持部に保持されている狭道情報に登録されている狭道とは異なる狭道の開始位置および終了位置を通知する情報であり、
前記支援サーバは、前記データ保持部に保持されている狭道情報に、新たな狭道を登録する
請求項10に記載の遠隔制御システム。
【請求項12】
前記狭道に係る通知情報は、前記データ保持部に保持されている狭道情報に登録されている所定の狭道の削除を通知する情報であり、
前記支援サーバは、前記データ保持部に保持されている狭道情報から前記所定の狭道を削除する
請求項10に記載の遠隔制御システム。
【請求項13】
第1の遠隔運転装置から遠隔操作信号が送信される第1の遠隔運転車および第2の遠隔運転装置から遠隔操作信号が送信される第2の遠隔運転車のすれ違いが発生することを検知する検知部と、
前記すれ違いが発生することが検知された場合、所定情報に基づいて、前記第1の遠隔運転車および前記第2の遠隔運転車に対する車両制御の優先度を決定する決定部と、
前記優先度に基づく情報を含む通知情報を前記第1の遠隔運転装置および前記第2の遠隔運転装置に対して送信する送信部を備える
情報処理装置。
【請求項14】
前記すれ違いは、狭道におけるすれ違いである
請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記検知部は、前記第1の遠隔運転装置から送られてくる前記第1の遠隔運転車の位置および速度の情報と、前記第2の遠隔運転装置から送られてくる前記第2の遠隔運転車の位置および速度の情報に基づいて、前記すれ違いが発生することを検知する
請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記所定情報は、前記第1の遠隔運転車および前記第1の遠隔運転装置の間のネットワーク遅延の情報と、前記第2の遠隔運転車および前記第2の遠隔運転装置の間のネットワーク遅延の情報であり、
前記決定部は、ネットワーク遅延が小さい側の遠隔運転車に対する車両制御の優先度を他側の遠隔運転車に対する車両制御の優先度より高く決定する
請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記通知情報は、相手側の遠隔運転装置のオペレータと直接連絡を取るための情報をさらに含む
請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記通知情報は、すれ違い可能位置の情報をさらに含む
請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項19】
少なくとも開始位置および終了位置の情報を含む狭道情報が保持されたデータ保持部をさらに備え、
前記検知部は、前記第1の遠隔運転装置から送られてくる前記第1の遠隔運転車の位置および速度の情報と、前記第2の遠隔運転装置から送られてくる前記第2の遠隔運転車の位置および速度の情報に基づいて、狭道における前記すれ違いが発生することを検知する
請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項20】
第1の遠隔運転装置から遠隔操作信号が送信される第1の遠隔運転車および第2の遠隔運転装置から遠隔操作信号が送信される第2の遠隔運転車のすれ違いが発生することを検知する手順と、
前記すれ違いが発生することが検知された場合、所定情報に基づいて、前記第1の遠隔運転車および前記第2の遠隔運転車に対する車両制御の優先度を決定する手順と、
前記決定された優先度に基づく情報を含む通知情報を前記第1の遠隔運転装置および前記第2の遠隔運転装置に対して送信する手順を有する
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、遠隔制御システム、情報処理装置および情報処理方法に関し、詳しくは、遠隔運転車同士が安全にすれ違い得るようにするための遠隔制御システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
遠隔運転車同士が、一車線道路や工事現場などの狭道ですれ違う場合や交差点ですれ違う場合には、その場で運転者同士の意思疎通ができないこと、さらにネットワーク遅延があること、などが問題となり、衝突事故が発生する可能性が高くなる。
【0003】
例えば、特許文献1には、遠隔運転において交通の妨げになりそうな工事現場、交差点等のポイントにて各遠隔運転車を一人のオペレータが運転するのではなく、ポイントごとにオペレータを割り当てて効率的に車を流すう技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-185279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本技術の目的は、遠隔運転車同士のすれ違いを安全に行い得るようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術の概念は、
第1の遠隔運転車に対して遠隔操作信号を送信する第1の遠隔運転装置と、
第2の遠隔運転車に対して遠隔操作信号を送信する第2の遠隔運転装置と、
前記第1の遠隔運転装置および前記第2の遠隔運転装置と通信可能な支援サーバを備え、
前記支援サーバは、
前記第1の遠隔運転車および前記第2の遠隔運転車のすれ違いが発生することを検知した場合、所定情報に基づいて、前記第1の遠隔運転車および前記第2の遠隔運転車に対する車両制御の優先度を決定し、
前記優先度に基づく情報を含む通知情報を前記第1の遠隔運転装置および前記第2の遠隔運転装置に対して送信する
遠隔制御システムにある。
【0007】
本技術においては、第1の遠隔運転車に対して遠隔操作信号を送信する第1の遠隔運転装置と、第2の遠隔運転車に対して遠隔操作信号を送信する第2の遠隔運転装置と、第1の遠隔運転装置および第2の遠隔運転装置と通信可能な支援サーバを備えるものである。そして、支援サーバは、第1の遠隔運転車および第2の遠隔運転車のすれ違いが発生することを検知した場合、所定情報に基づいて、第1の遠隔運転車および第2の遠隔運転車に対する車両制御の優先度を決定し、その優先度に基づく情報を含む通知情報を第1の遠隔運転装置および第2の遠隔運転装置に対して送信するものである。
【0008】
例えば、すれ違いは、狭道におけるすれ違いである、ようにされてもよい。これにより、狭道における遠隔運転車同士のすれ違いを安全に行い得るようになる。
【0009】
また、例えば、所定情報は、第1の遠隔運転車および第1の遠隔運転装置の間のネットワーク遅延の情報と、第2の遠隔運転車および第2の遠隔運転装置の間のネットワーク遅延の情報であり、支援サーバは、ネットワーク遅延が小さい側の遠隔運転車に対する車両制御の優先度を他側の遠隔運転車に対する車両制御の優先度より高く決定する、ようにされてもよい。この場合、ネットワーク遅延が小さい方が遠隔運転の操作が行い易く、ネットワーク遅延が小さい側の遠隔運転車に対する車両制御の優先度が他側のそれより高くされることで、遠隔運転車同士のすれ違いにおける衝突危険を低減することが可能となる。
【0010】
また、例えば、支援サーバは、第1の遠隔運転装置から送られてくる第1の遠隔運転車の位置および速度の情報と、第2の遠隔運転装置から送られてくる第2の遠隔運転車の位置および速度の情報に基づいて、すれ違いが発生することを検知する、ようにされてもよい。この場合、各遠隔運転車の位置および速度の情報に基づいてすれ違いが発生することを検知するものであり、すれ違いが発生することを精度よく検知することが可能となる。
【0011】
また、例えば、通知情報は、相手側の遠隔運転装置の遠隔オペレータと直接連絡を取るための情報をさらに含む、ようにされてもよい。これにより、各遠隔運転装置の遠隔オペレータ間で直接連絡をとって車両制御を行うことが可能となり、遠隔運転車同士のすれ違いをより安全に行い得るようになる。
【0012】
また、例えば、通知情報は、すれ違い可能位置の情報をさらに含む、ようにされてもよい。これにより、各遠隔運転装置の遠隔オペレータは、すれ違い可能位置ですれ違うように車両制御を行うことが可能となり、遠隔運転車同士のすれ違いを安全にかつスムーズに行い得るようになる。
【0013】
また、例えば、通知情報は、相手側の遠隔運転装置が遠隔操作信号を送る遠隔運転車を識別する固有情報をさらに含む、ようにされてもよい。これにより、遠隔運転装置の遠隔オペレータは相手側の遠隔運転車の識別を容易に行い得るようになる。
【0014】
また、例えば、通知情報は、相手側の遠隔運転装置が遠隔操作信号を送る遠隔運転車の位置の情報をさらに含む、ようにされてもよい。これにより、遠隔運転装置のオペレータは相手側の遠隔運転車の位置を容易に確認可能となる。
【0015】
また、例えば、支援サーバは、少なくとも開始位置および終了位置の情報を含む狭道情報が保持されたデータ保持部を有し、支援サーバは、第1の遠隔運転装置から送られてくる第1の遠隔運転車の位置および速度の情報と、第2の遠隔運転装置から送られてくる第2の遠隔運転車の位置および速度の情報に基づいて、狭道におけるすれ違いが発生することを検知する、ようにされてよい。これにより、狭道におけるすれ違いを精度よく検知することが可能となる。
【0016】
この場合、例えば、支援サーバは、所定の遠隔運転車に対して遠隔操作信号を送信する所定の遠隔運転装置から送られてくる狭道に係る通知情報に基づいて、データ保持部に保持される狭道情報を更新する、ようにされてもよい。これにより、データ保持部に保持される狭道情報の更新を効率的に行うことが可能となる。
【0017】
ここで、例えば、狭道に係る通知情報は、データ保持部に保持されている狭道情報に登録されている狭道とは異なる狭道の開始位置および終了位置を通知する情報であり、支援サーバは、データ保持部に保持されている狭道情報に、新たな狭道を登録する、ようにされてもよい。これにより、例えば2車線の道路の一部に工事が開始されて発生した狭道(一時的な狭道)をデータ保持部に保持されている狭道情報に新たに登録することが可能となる。
【0018】
また、ここで、例えば、狭道に係る通知情報は、データ保持部に保持されている狭道情報に登録されている所定の狭道の削除を通知する情報であり、支援サーバは、データ保持部に保持されている狭道情報から所定の狭道を削除する、ようにされてもよい。これにより、例えば2車線の道路の一部の工事が終了してなくなった所定の狭道(一時的な狭道)を、データ保持部に保持されている狭道情報から削除することが可能となる。
【0019】
このように本技術においては、支援サーバは、遠隔運転車同士のすれ違いが発生することを検知した場合、各遠隔運転車に対する車両制御の優先度を決定し、その優先度に基づく情報を含む通知情報を各遠隔運転装置に対して送信するものであり、遠隔運転車同士のすれ違いを安全に行い得るようになる。
【0020】
また、本技術の他の概念は、
第1の遠隔運転装置から遠隔操作信号が送信される第1の遠隔運転車および第2の遠隔運転装置から遠隔操作信号が送信される第2の遠隔運転車のすれ違いが発生することを検知する検知部と、
前記すれ違いが発生することが検知された場合、所定情報に基づいて、前記第1の遠隔運転車および前記第2の遠隔運転車に対する車両制御の優先度を決定する決定部と、
前記優先度に基づく情報を含む通知情報を前記第1の遠隔運転装置および前記第2の遠隔運転装置に対して送信する送信部を備える
情報処理装置にある。
【0021】
本技術において、検知部により、第1の遠隔運転装置から遠隔操作信号が送信される第1の遠隔運転車および第2の遠隔運転装置から遠隔操作信号が送信される第2の遠隔運転車のすれ違いが発生することが検知される。決定部により、すれ違いが発生することが検知された場合、所定情報に基づいて、第1の遠隔運転車および第2の遠隔運転車に対する車両制御の優先度が決定される。そして、送信部により、優先度に基づく情報を含む通知情報が第1の遠隔運転装置および第2の遠隔運転装置に対して送信される。
【0022】
例えば、すれ違いは、狭道におけるすれ違いである、ようにされてもよい。これにより、狭道における遠隔運転車同士のすれ違いを安全に行い得るようになる。
【0023】
また、例えば、検知部は、第1の遠隔運転装置から送られてくる第1の遠隔運転車の位置および速度の情報と、第2の遠隔運転装置から送られてくる第2の遠隔運転車の位置および速度の情報に基づいて、すれ違いが発生することを検知する、ようにされてもよい。この場合、各遠隔運転車の位置および速度の情報に基づいてすれ違いが発生することを検知するものであり、すれ違いが発生することを精度よく検知することが可能となる。
【0024】
また、例えば、所定情報は、第1の遠隔運転車および第1の遠隔運転装置の間のネットワーク遅延の情報と、第2の遠隔運転車および第2の遠隔運転装置の間のネットワーク遅延の情報であり、決定部は、ネットワーク遅延が小さい側の遠隔運転車に対する車両制御の優先度を他側の遠隔運転車に対する車両制御の優先度より高く決定する、ようにされてもよい。この場合、ネットワーク遅延が小さい方が遠隔運転の操作が行い易く、ネットワーク遅延が小さい側の遠隔運転車に対する車両制御の優先度が他側のそれより高くされることで、遠隔運転車同士のすれ違いにおける衝突危険を低減することが可能となる。
【0025】
また、例えば、通知情報は、相手側の遠隔運転装置のオペレータと直接連絡を取るための情報をさらに含む、ようにされてもよい。これにより、各遠隔運転装置のオペレータ間で直接連絡をとって車両制御を行うことが可能となり、遠隔運転車同士のすれ違いをより安全に行い得るようになる。
【0026】
また、例えば、通知情報は、すれ違い可能位置の情報をさらに含む、ようにされてもよい。これにより、各遠隔運転装置のオペレータは、すれ違い可能位置ですれ違うように車両制御を行うことが可能となり、遠隔運転車同士のすれ違いを安全にかつスムーズに行い得るようになる。
【0027】
また、例えば、少なくとも開始位置および終了位置の情報を含む狭道情報が保持されたデータ保持部をさらに備え、検知部は、第1の遠隔運転装置から送られてくる第1の遠隔運転車の位置および速度の情報と、第2の遠隔運転装置から送られてくる第2の遠隔運転車の位置および速度の情報に基づいて、狭道におけるすれ違いが発生することを検知する、ようにされてもよい。これにより、狭道におけるすれ違いが発生することを精度よく検知することが可能となる。
【0028】
このように本技術においては、遠隔運転車同士のすれ違いが発生することを検知した場合、各遠隔運転車に対する車両制御の優先度を所定情報に基づいて決定し、その優先度に基づく情報を含む通知情報を各遠隔運転装置に対して送信するものであり、遠隔運転車同士のすれ違いを安全に行い得るようになる。
【0029】
また、本技術の他の概念は、
第1の遠隔運転装置から遠隔操作信号が送信される第1の遠隔運転車および第2の遠隔運転装置から遠隔操作信号が送信される第2の遠隔運転車のすれ違いが発生することを検知する手順と、
前記すれ違いが発生することが検知された場合、所定情報に基づいて、前記第1の遠隔運転車および前記第2の遠隔運転車に対する車両制御の優先度を決定する手順と、
前記決定された優先度に基づく情報を含む通知情報を前記第1の遠隔運転装置および前記第2の遠隔運転装置に対して送信する手順を有する
情報処理方法にある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】実施の形態としての遠隔制御システムの構成例を示す図である。
図2】遠隔運転車の機能構成の一例を示すブロック部である。
図3】遠隔運転車のデバイス構成の一例を示すブロック図である。
図4】遠隔運転装置の機能構成の一例を示すブロック部である。
図5】遠隔運転装置のデバイス構成の一例を示すブロック図である。
図6】遠隔運転車すれ違い支援サーバの機能構成の一例を示すブロック部である。
図7】遠隔運転車すれ違い支援サーバのデバイス構成の一例を示すブロック図である。
図8】狭道におけるすれ違いの一例を示す図である。
図9】狭道の一例を示す図である。
図10】遠隔運転車すれ違い支援サーバの狭道情報管理部に保持されている狭道情報の一例を示す図である。
図11】遠隔運転車すれ違い支援サーバの車両情報管理部に保持されている遠隔運転車情報の一例を示す図である。
図12】優先度決定に使用し得る情報の一例を示す図である。
図13】遠隔制御システムにおいて2台の遠隔運転車がすれ違う場合の動作の一例を説明するためのシーケンス図である。
図14】遠隔運転車すれ違い支援サーバから遠隔運転装置に他車両情報等が通知された場合に、遠隔運転装置の表示部に表示されるUI画面の一例を示す図である。
図15】遠隔運転車すれ違い支援サーバが実行する処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図16】遠隔運転車すれ違い支支援サーバが、各遠隔運転装置にすれ違い車両(対向車両)の情報や優先度を通知する毎に行う処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図17】遠隔運転車すれ違い支援サーバの狭道情報管理部に保持されている狭道情報に新たな狭道を登録する場合の動作の一例を示すシーケンス図である。
図18】遠隔運転車すれ違い支援サーバの狭道情報管理部に保持されている狭道情報に登録されている所定の狭道を削除する場合の動作の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.変形例
【0032】
<1.実施の形態>
[遠隔運転システムの構成例]
図1は、実施の形態としての遠隔制御システム10の構成例を示している。この遠隔制御システム10は、遠隔運転車100と、遠隔運転装置200と、遠隔運転車すれ違い支援サーバ(以下、「支援サーバ」という)300とを有している。
【0033】
遠隔運転車100は、遠隔運転装置200により遠隔運転される。この際、遠隔運転車100は、セルラーネットワークを介して、遠隔運転装置200から遠隔オペレータ210による自車のハンドル、アクセル、ブレーキ等の操縦情報を受信すると共に、遠隔運転装置200に自動者登録番号、位置、速度、映像などの自車の情報を送信する。
【0034】
支援サーバ300は、図示は省略しているが、一車線の道路や工事現場の狭い道などの狭道情報が保持されたデータ保持部を有している。遠隔運転装置200は、遠隔運転車100から受信した自動者登録番号、位置、速度の情報、さらにはネットワーク遅延時間、映像品質などの情報を、支援サーバ300に送信する。
【0035】
支援サーバ300は、遠隔運転車100の順次更新される位置情報とデータ保持部に保持されている狭道情報を照合し、遠隔運転車100が狭道に入った場合には、それを検知し、さらに、遠隔運転車100の位置および速度の情報に基づき、当該遠隔運転車100の数秒後の移動位置を計算する。そして、支援サーバ300は、狭道に入っている他の遠隔運転車100とのすれ違いが発生することを検知した場合、各遠隔運転車100の車両制御の優先度を決定し、それぞれの遠隔運転装置200に通知する。
【0036】
各遠隔運転装置200では、支援サーバ300から車両制御の優先度が通知されることで、優先度の高い遠隔運転車100を先に移動させるような操作をする。これにより、狭道における遠隔運転車100同士のすれ違いを安全に行い得るようになる。
【0037】
図2は、遠隔運転車100の機能構成の一例を示している。遠隔運転車100は、通信部101と、センサデータ管理部102と、車両操作部103を有している。通信部101は、基地局を介して遠隔運転装置200との間で情報(データ)の送受信を行う。センサデータ管理部102は、カメラ等の各種センサのデータを取得する。車両操作部103は、遠隔運転装置200より指示された内容に基づいて車両の制御を行う。
【0038】
図3は、遠隔運転車100のデバイス構成の一例を示している。この例は、電気自動車を想定したものである。遠隔運転車100は、プロセッサ111、ROM112,RAM113、駆動系114、センサ群115、バッテリー116、入出力インタフェース117、通信インタフェース118および記憶媒体119がバス120に接続された構成となっている。入出力インタフェース117には、操作デバイス121および表示デバイス122が接続されている。ここで、センサ群115は、カメラ、レーダー、ライダー等、遠隔運転装置200に送信するためのデータを取得するための各種センサを含む。
【0039】
図4は、遠隔運転装置200の機能構成の一例を示している。遠隔運転装置200は、通信部201と、操作入力部202と、すれ違い制御部203と、表示部204を有している。通信部201は、遠隔運転車100および支援サーバ300との間で情報(データ)の送受信を行う。操作入力部202は、遠隔オペレータ210の運転操作を受け付ける。
【0040】
すれ違い制御部203は、支援サーバ300よりすれ違いが発生することの通知を受け取った際に、すれ違い対向車との車両制御の優先度の差から、遠隔運転車100の操作に係る運転機能や、遠隔運転車100を操作するための表示機能に指示を出す。表示部204は、遠隔運転車100より受け取った映像や、すれ違い制御部203の指示によりすれ違いに関する情報を表示する。
【0041】
図5は、遠隔運転装置200のデバイス構成の一例を示している。遠隔運装置200は、プロセッサ211、ROM212,RAM213、入出力インタフェース214、通信インタフェース215および記憶媒体216がバス217に接続された構成となっている。入出力インタフェース214には、操作デバイス218および表示デバイス219、さらには遠隔車両操作デバイス220が接続されている。ここで、遠隔車両操作デバイス220は、ハンドル、ブレークペダル、アクセルペダルなどである。
【0042】
図6は、支援サーバ300の機能構成の一例を示している。支援サーバ300は、通信部301と、車両情報管理部302と、狭道情報管理部303と、車両監視部304と、優先度決定部305を有している。通信部301は、遠隔運転装置200との間で情報(データ)の送受信を行う。車両情報管理部302は、遠隔運転車100の情報を保持する。狭道情報管理部303は、狭道情報を保持し、必要に応じて、狭道の追加または削除を行う。
【0043】
車両監視部304は、狭道を通行している遠隔運転車100の位置情報、速度情報をリアルタイムに監視し、近くの別の遠隔運転車100との距離を計算して予測する。優先度決定部305は、すれ違う2台の遠隔運転車100が決定された後、どちらの遠隔運転車100を優先してすれ違わせるかを決定し、各遠隔運転装置200に通知する。
【0044】
図7は、支援サーバ300のデバイス構成の一例を示している。支援サーバ300は、プロセッサ311、ROM312,RAM313、通信インタフェース314および記憶媒体315がバス316に接続された構成となっている。
【0045】
図8(a)~(d)は、狭道における遠隔運転車(車両)100同士のすれ違いの一例を示している。図8(a)は、一車線の場合で、片方の遠隔運転車100が端によることですれ違いが可能となる例を示している。図8(b)は、一車線で所定箇所に退避所がある場合で、片方の遠隔運転車100が退避所に退避することですれ違いが可能となる例を示している。
【0046】
図8(c)は、二車線で工事によって一車線しか使用できない区間ができている場合で、片方の遠隔運転車100がその区間に入らずに待機することですれ違いが可能となる例を示している。図8(d)は、交差点の場合で、片方の遠隔運転車100が交差点に入らずに待機することですれ違いが可能となる例を示している。
【0047】
支援サーバ300の狭道情報管理部303に保持されている狭道情報(狭道に関する保持データ)について説明する。
【0048】
図9は、狭道の一例を示している。No.1の狭道に関しては、遠隔運転車801が存在しており、No.3の狭道およびNo.4の狭道と交差し、すれ違い可能位置としての退避所がある。No.2の狭道に関しては、遠隔運転車は存在しておらず、No.4の狭道と交差している。No.3の狭道に関しては、遠隔運転車802が存在しており、No.1の狭道と交差している。No.4の狭道に関しては、遠隔運転車803が存在しており、No.1の狭道およびNo.2の狭道と交差している。No.10の狭道に関しては、交差する狭道はなく、遠隔運転車804,805が存在している。
【0049】
図10は、図9の狭道の一例に対応して、支援サーバ300の狭道情報管理部303に保持されている狭道情報の一例を示している。各狭道に関して、開始地点、中間地点、終了地点、存在する遠隔運転車、交差道路(狭道)と交差点、すれ違い可能位置などの情報(データ)が含まれている。
【0050】
図11は、支援サーバ300の車両情報管理部302に保持されている遠隔運転車801,802,803,・・・等の情報の一例を示している。各遠隔運転車に関して、自動車登録番号、位置、速度、計測遅延時間、映像の解像度、コールナンバーなどの情報が含まれている。
【0051】
自動車登録番号は、遠隔運転車を識別する固有情報を構成している。なお、遠隔運転車を識別する固有情報は、自動車登録番号に限定されない。計測遅延時間は、遠隔運転車と遠隔運転装置との間の通信におけるネットワーク遅延時間である。
【0052】
映像の解像度は、遠隔運転車のカメラで撮像されて遠隔運転装置に送られてくる映像の解像度である。この映像の解像度は、映像の品質を示す情報を構成している。なお、映像の品質を示す情報は、映像の解像度に限定されるものではなく、ビットレート情報などであってもよい。
【0053】
コールナンバーは、遠隔運転装置を操作する遠隔オペレータ同士が直接連絡を取るための情報を構成している。なお、遠隔オペレータ同士が直接連絡を取るための情報は、コールナンバーに限定されるものではなく、その他の情報、例えばWebRTCで通話するための情報などであってもよい。
【0054】
支援サーバ300の優先度決定部305における優先度の決定方法について説明する。すれ違いに係る各遠隔運転車100車両制御の優先度は、所定情報に基づいて、決定される。
【0055】
図12は、優先度決定に使用し得る所定情報の一例を示している。例えば、優先度決定に使用し得る所定情報として、契約で優先権取得オプションを取得しているか否かの情報が考えられる。この場合、契約で優先権取得オプションを取得している方の優先度は高く決定される。
【0056】
また、例えば、優先度決定に使用し得る情報として、通信品質に関する情報が考えられる。通信品質に関する情報の一例として、ネットワーク遅延時間情報が考えられる。この場合、遠隔運転車100と遠隔運転装置200との間のネットワーク遅延の小さい方が、遠隔運転操作がし易く、すれ違いにおける衝突危険性が低いという安全性の観点と、ネットワーク遅延が小さい方の遠隔運転車100を先に通すことで全体として交通の流れがスムーズになるという全体最適の観点により、ネットワーク遅延の小さい方の優先度は高く決定される。
【0057】
また、例えば、優先度決定に使用し得る情報として、映像品質情報(解像度やビットレートなど)が考えられる。この場合、遠隔運転車100から遠隔運転装置200に送られてくるカメラ映像の品質の高い方が遠隔オペレータ210は周囲の状況を認識し易く、すれ違いにおける衝突危険性が低いことから、映像品質の高い方の優先度は高く設定される。
【0058】
また、例えば、優先度決定に使用し得る情報として、車幅情報が考えられる。この場合、車幅の小さい方が、周囲の状況が認識し難くても、すれ違いにおける衝突危険性が低いことから、車幅の小さい方の優先度は高く設定される。
【0059】
また、例えば、優先度決定に使用し得る情報として、遠隔オペレータの事故歴情報が考えられる。この場合、例えば遠隔オペレータの事故数の少ない方がすれ違いにおける衝突危険性が低いことから、遠隔オペレータの事故数の少ない方の優先度は高く設定される。
【0060】
また、例えば、優先度決定に使用し得る情報として、すれ違い後、狭道内でその後に発生するすれ違いの数の情報が考えられる。この場合、すれ違いの数の少ない方の優先度は高く設定される。これにより、全体としての交通の流れがスムーズになることが期待される。
【0061】
また、例えば、優先度決定に使用し得る情報として、保険加入情報が考えられる。この場合、例えば、保険に加入している方が保険に加入していない方より、優先度が高く決定される。また、例えば、保証の高い保険に加入している方が保証の低い保険に加入している方より、優先度が高く決定される。このように保険に加入している、あるいはその保証が高い場合にあっては、万が一に衝突事故が発生していても、保険によりカバーされることが期待される。
【0062】
優先度を決定するに当たって、これらの情報のうちの一つを使用してもよく、あるいは複数の情報を組み合わせて使用することも考えられる。また、複数の情報を組み合わせて使用する場合には、重要度に応じて各情報に重みづけをすることも考えられる。
【0063】
図1に示す遠隔制御システム10において、2台の遠隔運転車100がすれ違う場合の動作の一例を、図13のシーケンス図を用いて説明する。この図において、一方の遠隔運転車100を「車両1」とし、それを操作する遠隔運転装置200を「遠隔運転装置1」とし、他方の遠隔運転車100を「車両2」とし、それを操作する遠隔運転装置200を「遠隔運転装置2」としている。
【0064】
車両1は遠隔運転装置1を介して遠隔オペレータによって運転操作されており、車両2は遠隔運転装置2を介して遠隔オペレータによって運転操作されている。ここで、車両2は、事前に狭道1に入って走行中であるとする。
【0065】
(1)遠隔運転装置1は遠隔オペレータの運転操作値を車両1に送信し、(2)車両1は、位置、速度、映像等の情報を、遠隔運転装置1に送信している。なお、遠隔運転装置1が遠隔オペレータの運転操作値を車両1に送信することは、遠隔オペレータの運転操作に伴って、その都度行われる。また、車両1が位置、速度、映像等の情報を遠隔運転装置1に送信することは、周期的に繰り返し行われる。
【0066】
(3)遠隔運転装置1は、例えば車両1から位置、速度、映像等の情報を受信する都度、車両1の自動車登録番号、位置、速度、ネットワーク遅延時間、映像品質情報等を含む車両情報更新通知を、支援サーバ300に送信する。ネットワーク遅延時間や映像品質情報は、車両制御の優先度を決定するために使用される。例えば、優先度がネットワーク遅延時間だけに基づいて決定される場合には、映像品質情報は不要となる。
【0067】
位置、速度の情報は、遠隔運転装置1が車両1から受信しているものであり、刻々と変化している。ネットワーク遅延時間は、車両1と遠隔運転装置1との間のネットワーク遅延時間であり、遠隔運転装置1において常時計測されることを想定している。映像品質情報は、遠隔運転装置1が車両1から受信している映像の品質を示す解像度やビットレート等の情報である。なお、映像品質情報は、車両1から遠隔運転装置1に送信される映像に付属されていてもよく、あるいは遠隔運転装置1に予め登録されていてもよい。
【0068】
(4)車両1が狭道1に進入すると、支援サーバ300は、狭道情報を保持しているので、車両1の位置の情報から、車両1が狭道1に進入したことを検知する。(5)そして、支援サーバ300は、遠隔運転装置1に、車両1が狭道1に入ったことを通知する。この場合、遠隔運転装置1は、表示あるいは音声等によって、遠隔オペレータに、車両1が狭道1に入ったことを通知してもよい。なお、支援サーバ300は、遠隔運転装置1に、車両1が狭道1に入ったことを通知しないことも考えられる。
【0069】
(6)支援サーバ300は、狭道を走行している全ての車両(遠隔運転車100)の情報を保持しており、現在、車両1と車両2が同じ狭道1を走行していることを把握している。支援サーバ300は、車両1と車両2の位置および速度の情報から、それぞれの数秒後の位置を計算し続ける。
【0070】
(7)支援サーバ300は、車両1と車両2のすれ違いが発生することを検知すると、(8)車両1と車両2の車両制御の優先度を決定する。この優先度は、所定の情報、例えばネットワーク遅延時間などに基づいて決定される(図12参照)。
【0071】
(9)支援サーバ300は、車両1と車両2の車両制御の優先度を決定すると、遠隔運転装置1および遠隔運転装置2に、それぞれ他車両情報等を通知することで、対向車(他車両)が近づいていることを知らせる。他車両情報等には、他車両の自動車登録番号、位置、速度、優先度、自車両の優先度、他車両の遠隔運転装置200の遠隔オペレータと直接連絡をとるためのコールナンバー、すれ違い可能位置(すれ違うための安全な位置)等の情報が含まれる。自動車登録番号は遠隔運転車を識別する固有情報を構成しているが、コールナンバーの代わりに他の遠隔運転車を識別する固有情報であってもよい。なお、ここでは、車両1の優先度が低く、車両2の優先度が高く、決定されるものとする。
【0072】
(10)遠隔運転装置1の遠隔オペレータは、支援サーバ300から通知される他車両情報等に基づいて、車両1を、安全圏に、つまり他車両とのすれ違いが可能となる位置に移動させる。(11)そして、遠隔運転装置1は、車両1が安全圏に移動した後、遠隔運転を停止し、車両1が動かないようにしてもよい。
【0073】
図14は、支援サーバ300から遠隔運転装置1に他車両情報等が通知された場合に、遠隔運転装置1の表示部204に表示されるUI画面の一例を示している。このUI画面には、車両1のカメラで撮像された映像が表示され、それに他車両情報等に基づく文字情報が重畳表示されている。なお、上述では、他車両情報等に、他車両や自車両の優先度の情報が含まれるように説明したが、必ずしも優先度そのものの情報である必要はなく、例えばその優先度に基づく情報、例えば遠隔オペレータが取るべき操作情報が含まれるようにされてもよい。
【0074】
図13に戻って、(12)一方、遠隔運転装置2の遠隔オペレータは、車両1とのすれ違いが行われるように、車両2の移動操作をする。(13)その後、支援サーバ300は、車両1と車両2の位置情報から、車両2が車両1の先に進んだこと、つまりすれ違いが終了したことを検知する。
【0075】
(14)そして、支援サーバ300は、遠隔運転装置1および遠隔運転装置2に、それぞれ、すれ違いが完了したことを通知する。(15)遠隔運転装置1は、遠隔運転を停止していた場合、そのすれ違いの完了通知を受けて、遠隔運転を復帰させる。
【0076】
図15のフローチャートは、支援サーバ300が実行する処理の手順の一例を示している。
【0077】
支援サーバ300は、ステップST1において、処理を開始する。次に、支援サーバ300は、ステップST2において、遠隔運転装置200から車両情報更新通知、を受信したか否かを判断する。
【0078】
車両情報更新通知を受信したとき、支援サーバ300は、ステップST3において、車両(遠隔運転車)100の位置情報を保持している狭道情報と照合することで、車両100が狭道内を走行中か否かを判断する。車両100が狭道内を走行中であるとき、支援サーバ300は、ステップST4において、保持している狭道情報に基づいて、狭道内を他の車両(遠隔運転車)100が走行中か否かを判断する。ここで他の車両100が走行中か否かを判断する狭道は、自車両が走行中の狭道だけでなく、その狭道と交差している狭道も含まれる。車両100同士のすれ違いには、一つの狭道でのすれ違いの他に、狭道同士の交差点におけるすれ違いも考えられるからである(図8参照)。
【0079】
その狭道内を他の車両100が走行中であるとき、支援サーバ300は、ステップST5において、その狭道を走行中の各車両100の位置と速度に基づいて、それぞれの車両100の数秒後の移動位置を計算する。そして、支援サーバ300は、ステップST6において、数秒以外にすれ違いが発生するか否かを判断する。
【0080】
数行以内にすれ違いが発生するとき、支援サーバ300は、ステップST7において、所定の情報、例えばネットワーク遅延時間等に基づいて、すれ違いに係る各車両100の車両制御の優先度を決定する。そして、支援サーバ300は、ステップST8において、各遠隔運転装置200に、すれ違い車両(対向車両)100の情報や優先度を通知する。
【0081】
その後、支援サーバ300は、ステップST2に戻り、上述したと同様の処理を繰り返し行う。なお、ステップST2で遠隔運転装置200から車両情報更新通知を受信していないとき、ステップST3で車両100が狭道内を走行中でないとき、ステップST4で狭道内を他の車両100が走行中でないとき、およびステップST6で数秒以内にすれ違いが発生しないとき、支援サーバ300は、直ちにステップST2に戻る。
【0082】
図16のフローチャートは、図15のフローチャートで、支援サーバ300がステップST8で各遠隔運転装置200にすれ違い車両(対向車両)100の情報や優先度を通知するごとに、支援サーバ300が並行して行う処理の手順の一例を示している。
【0083】
支援サーバ300は、ステップST11において、処理を開始する。次に、支援サーバ300は、ステップST12において、すれ違い実施中の遠隔運転装置200から車両情報更新通知を受信したか否かを判断する。車両情報更新通知を受信したとき、支援サーバ300は、ステップST13において、各車両100の位置情報に基づいて、すれ違いは完了したか否かを判断する。
【0084】
ステップST12で車両情報更新通知を受信していないとき、およびステップST13ですれ違いが完了していないとき、支援サーバ300は、ステップST12に戻り、上述したと同様の処理を繰り返し行う。
【0085】
ステップST13ですれ違いが完了したとき、支援サーバ300は、ステップST14の処理に移る。このステップST14において、支援サーバ300は、各遠隔運転装置200に、すれ違いの完了を通知する。その後、支援サーバ300は、ステップST15において、処理を終了する。
【0086】
次に、支援サーバ300の狭道情報管理部303に保持されている狭道情報への狭道の動的な登録、削除について説明する。狭道は、工事や荷物の積み下ろしにおける車両の停車等によって動的に作成され、その後撤去される場合がある。支援サーバ300の狭道情報管理部303に保持されている狭道情報に、これらを逐一手動で設定することは困難である。
【0087】
支援サーバ300の狭道情報管理部303に保持されている狭道情報に新たな狭道を登録する場合の動作の一例を、図17のシーケンス図を用いて説明する。
【0088】
車両(遠隔運転車)100は遠隔運転装置200を介して遠隔オペレータによって運転操作されている。
【0089】
(1)遠隔運転装置200は遠隔オペレータの運転操作値を車両100に送信し、(2)車両1は、位置、速度、映像等の情報を、遠隔運転装置200に送信している。なお、遠隔運転装置200が遠隔オペレータの運転操作値を車両100に送信することは、遠隔オペレータの運転操作に伴って、その都度行われる。また、車両100が位置、速度、映像等の情報を遠隔運転装置200に送信することは、周期的に繰り返し行われる。
【0090】
(3)遠隔運転装置200は、車両100が工事や荷物の積み下ろしにおける車両の停車等によって作成された狭道、つまり一時的な狭道に差し掛かったとき、例えば車両100から送られてくる映像に基づいて、一時的な狭道であると判断する。この判断は、例えば、遠隔オペレータが行ってもよく、あるいは画像認識処理によって自動的に判断してもよい。
【0091】
(4)一時的な狭道であると判断されるとき、遠隔運転装置200は、支援サーバ300に、位置情報を伴って、既に登録があるか問い合わせをする。この問い合わせは、例えば、一時的な狭道であるとの判断が遠隔オペレータにより行われたときには、遠隔オペレータの操作に基づいて行われ、一方一時的な狭道であるとの判断が画像認識処理によって自動的に行われたときは、自動的に、あるいは遠隔オペレータの操作に基づいて行われる。
【0092】
(5)ここでは登録がないものとして、支援サーバ300は、遠隔運転装置200に登録がないことを通知する。(6)遠隔運転装置200は、支援サーバ300からの登録なしの通知を受けて、狭道開始位置の情報を伴って、狭道開始の通知を支援サーバ300に送る。このように狭道開始の通知を支援サーバ300に送ることは、例えば遠隔オペレータの操作に基づいて、あるいは自動的に行われる。
【0093】
(7)支援サーバ300は、遠隔運転装置200からの狭道開始の通知を受けて、新たな狭道として、まず狭道の開始位置の登録をする。
【0094】
(8)その後、遠隔運転装置2の遠隔オペレータは車両100を移動操作する。(9)そして、車両100が狭道を抜けたとき、遠隔運転装置200は、狭道終了位置の情報を伴って、狭道終了の通知を支援サーバ300に送る。ここで、車両100が狭道を抜けたことの判断は、例えば、遠隔オペレータが行ってもよく、あるいは画像認識処理によって自動的に判断してもよい。
【0095】
そして、このように狭道終了の通知を支援サーバ300に送ることは、例えば、車両100が狭道を抜けたことの判断が遠隔オペレータにより行われたときには、遠隔オペレータの操作に基づいて行われ、一方狭道を抜けたことの判断が画像認識処理によって自動的に行われたときは、自動的に、あるいは遠隔オペレータの操作に基づいて行われる。
【0096】
(10)支援サーバ300は、遠隔運転装置200からの狭道終了の通知を受けて、上述したように開始位置が登録された新たな狭道に関連して、さらに狭道の終了位置を登録する。
【0097】
なお、支援サーバ300は、上述したように遠隔運転装置200からの狭道開始の通知および狭道終了の通知に基づいて、工事や荷物の積み下ろしにおける車両の停車等によって作成された一時的な狭道を新たに登録するが、道路データと組み合わせて、狭道の範囲を遠隔運転装置200からの通知による実質的な狭道範囲より広めにとっても構わない。
【0098】
この場合、登録される狭道開始位置は、遠隔運転装置200から通知される狭道開始位置より前の位置とされ、登録される狭道終了位置は遠隔運転装置200から通知される狭道開始位置より後の位置とされる。このように登録される狭道の範囲を実質的な狭道範囲より広めにとることで、車両100同士のすれ違いにおいて、すれ違い可能な個所を確保することが容易となる。
【0099】
また、上述していないが、支援サーバ300は、上述したように一次的な狭道を登録するに当たって、その狭道が複雑な場合は、開始位置や終了位置だけではなく、所定数の中間位置も登録する。遠隔運転装置200は、車両100の移動中も周期的に車両100から位置情報を受信しており、遠隔運転装置200から支援サーバ300に位置情報を伴って所定数の狭道中間の通知を送ることで、支援サーバ300では開始位置や終了位置だけでなく、所定数の中間位置の登録も可能となる。
【0100】
支援サーバ300の狭道情報管理部303に保持されている狭道情報に登録されている所定の狭道を削除する場合の動作の一例を、図18のシーケンス図を用いて説明する。
【0101】
車両(遠隔運転車)100は遠隔運転装置200を介して遠隔オペレータによって運転操作されている。
【0102】
(1)遠隔運転装置200は遠隔オペレータの運転操作値を車両100に送信し、(2)車両1は、位置、速度、映像等の情報を、遠隔運転装置200に送信している。なお、遠隔運転装置200が遠隔オペレータの運転操作値を車両100に送信することは、遠隔オペレータの運転操作に伴って、その都度行われる。また、車両100が位置、速度、映像等の情報を遠隔運転装置200に送信することは、周期的に繰り返し行われる。
【0103】
(3)遠隔運転装置200は、例えば車両100から位置、速度、映像等の情報を受信する都度、車両1の自動車登録番号、位置、速度、ネットワーク遅延時間、映像品質情報等を含む車両情報更新通知を、支援サーバ300に送信する。(4)支援サーバ300は、車両300が狭道情報に登録されている狭道に進入すると、それを検知する。(5)そして、支援サーバ300は、遠隔運転装置200に、車両300が狭道に入ったことを通知する。
【0104】
(6)ここでは、支援サーバ300からの通知に係る狭道は既に撤去されているものとし、遠隔運転装置200は、狭道の認識に失敗する。この狭道の認識は、遠隔オペレータが行ってもよく、あるいは画像認識処理によって自動的に行ってもよい。(7)遠隔運転装置200は、支援サーバ300に、位置情報を伴って、狭道削除を通知する。(8)支援サーバ300は、遠隔運転装置200からの狭道削除の通知を受けて、狭道情報から、対応する狭道を削除する。
【0105】
以上説明したように、図1に示す遠隔制御システム10において、支援サーバ300は、遠隔運転車(車両)100同士のすれ違いが発生することを検知した場合、各遠隔運転車100に対する車両制御の優先度を所定情報に基づいて決定し、その優先度に基づく情報を含む通知情報を各遠隔運転装置200に対して送信するものであり、遠隔運転車100同士のすれ違いを安全に行い得るようになる。
【0106】
<2.変形例>
なお、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0107】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0108】
また、本技術は、以下のような構成を取ることもできる。
(1)第1の遠隔運転車に対して遠隔操作信号を送信する第1の遠隔運転装置と、
第2の遠隔運転車に対して遠隔操作信号を送信する第2の遠隔運転装置と、
前記第1の遠隔運転装置および前記第2の遠隔運転装置と通信可能な支援サーバを備え、
前記支援サーバは、
前記第1の遠隔運転車および前記第2の遠隔運転車のすれ違いが発生することを検知した場合、所定情報に基づいて、前記第1の遠隔運転車および前記第2の遠隔運転車に対する車両制御の優先度を決定し、
前記優先度に基づく情報を含む通知情報を前記第1の遠隔運転装置および前記第2の遠隔運転装置に対して送信する
遠隔制御システム。
(2)前記すれ違いは、狭道におけるすれ違いである
前記(1)に記載の遠隔制御システム。
(3)前記所定情報は、前記第1の遠隔運転車および前記第1の遠隔運転装置の間のネットワーク遅延の情報と、前記第2の遠隔運転車および前記第2の遠隔運転装置の間のネットワーク遅延の情報であり、
前記支援サーバは、ネットワーク遅延が小さい側の遠隔運転車に対する車両制御の優先度を他側の遠隔運転車に対する車両制御の優先度より高く決定する
前記(1)または(2)に記載の遠隔制御システム。
(4)前記支援サーバは、前記第1の遠隔運転装置から送られてくる前記第1の遠隔運転車の位置および速度の情報と、前記第2の遠隔運転装置から送られてくる前記第2の遠隔運転車の位置および速度の情報に基づいて、前記すれ違いが発生することを検知する
前記(1)から(3)のいずれかに記載の遠隔制御システム。
(5)前記通知情報は、相手側の遠隔運転装置のオペレータと直接連絡を取るための情報をさらに含む
前記(1)から(4)のいずれかに記載の遠隔制御システム。
(6)前記通知情報は、すれ違い可能位置の情報をさらに含む
前記(1)から(5)のいずれかに記載の遠隔制御システム。
(7)前記通知情報は、相手側の遠隔運転装置が遠隔操作信号を送る遠隔運転車を識別する固有情報をさらに含む
前記(1)から(6)のいずれかに記載の遠隔制御システム。
(8)前記通知情報は、相手側の遠隔運転装置が遠隔操作信号を送る遠隔運転車の位置の情報をさらに含む
前記(1)から(7)のいずれかに記載の遠隔制御システム。
(9)前記支援サーバは、少なくとも開始位置および終了位置の情報を含む狭道情報が保持されたデータ保持部を有し、
前記支援サーバは、前記第1の遠隔運転装置から送られてくる前記第1の遠隔運転車の位置および速度の情報と、前記第2の遠隔運転装置から送られてくる前記第2の遠隔運転車の位置および速度の情報に基づいて、狭道における前記すれ違いが発生することを検知する
前記(1)から(8)のいずれかに記載の遠隔制御システム。
(10)前記支援サーバは、所定の遠隔運転車に対して遠隔操作信号を送信する所定の遠隔運転装置から送られてくる狭道に係る通知情報に基づいて、前記データ保持部に保持されている狭道情報を更新する
前記(9)に記載の遠隔制御システム。
(11)前記狭道に係る通知情報は、前記データ保持部に保持されている狭道情報に登録されている狭道とは異なる狭道の開始位置および終了位置を通知する情報であり、
前記支援サーバは、前記データ保持部に保持されている狭道情報に、新たな狭道を登録する
前記(10)に記載の遠隔制御システム。
(12)前記狭道に係る通知情報は、前記データ保持部に保持されている狭道情報に登録されている所定の狭道の削除を通知する情報であり、
前記支援サーバは、前記データ保持部に保持されている狭道情報から前記所定の狭道を削除する
前記(10)に記載の遠隔制御システム。
(13)第1の遠隔運転装置から遠隔操作信号が送信される第1の遠隔運転車および第2の遠隔運転装置から遠隔操作信号が送信される第2の遠隔運転車のすれ違いが発生することを検知する検知部と、
前記すれ違いが発生することが検知された場合、所定情報に基づいて、前記第1の遠隔運転車および前記第2の遠隔運転車に対する車両制御の優先度を決定する決定部と、
前記優先度に基づく情報を含む通知情報を前記第1の遠隔運転装置および前記第2の遠隔運転装置に対して送信する送信部を備える
情報処理装置。
(14)前記すれ違いは、狭道におけるすれ違いである
前記(13)に記載の情報処理装置。
(15)前記検知部は、前記第1の遠隔運転装置から送られてくる前記第1の遠隔運転車の位置および速度の情報と、前記第2の遠隔運転装置から送られてくる前記第2の遠隔運転車の位置および速度の情報に基づいて、前記すれ違いが発生することを検知する
前記(13)または(14)に記載の情報処理装置。
(16)前記所定情報は、前記第1の遠隔運転車および前記第1の遠隔運転装置の間のネットワーク遅延の情報と、前記第2の遠隔運転車および前記第2の遠隔運転装置の間のネットワーク遅延の情報であり、
前記決定部は、ネットワーク遅延が小さい側の遠隔運転車に対する車両制御の優先度を他側の遠隔運転車に対する車両制御の優先度より高く決定する
前記(13)から(15)のいずれかに記載の情報処理装置。
(17)前記通知情報は、相手側の遠隔運転装置のオペレータと直接連絡を取るための情報をさらに含む
前記(13)から(16)のいずれかに記載の情報処理装置。
(18)前記通知情報は、すれ違い可能位置の情報をさらに含む
前記(13)から(17)のいずれかに記載の情報処理装置。
(19)少なくとも開始位置および終了位置の情報を含む狭道情報が保持されたデータ保持部をさらに備え、
前記検知部は、前記第1の遠隔運転装置から送られてくる前記第1の遠隔運転車の位置および速度の情報と、前記第2の遠隔運転装置から送られてくる前記第2の遠隔運転車の位置および速度の情報に基づいて、狭道における前記すれ違いが発生することを検知する
前記(13)から(18)のいずれかに記載の情報処理装置。
(20)第1の遠隔運転装置から遠隔操作信号が送信される第1の遠隔運転車および第2の遠隔運転装置から遠隔操作信号が送信される第2の遠隔運転車のすれ違いが発生することを検知する手順と、
前記すれ違いが発生することが検知された場合、所定情報に基づいて、前記第1の遠隔運転車および前記第2の遠隔運転車に対する車両制御の優先度を決定する手順と、
前記決定された優先度に基づく情報を含む通知情報を前記第1の遠隔運転装置および前記第2の遠隔運転装置に対して送信する手順を有する
情報処理方法。
【符号の説明】
【0109】
10・・・遠隔制御システム
100・・・遠隔運転車(車両)
101・・・通信部
102・・・センサデータ管理部
103・・・車両操作部
200・・・遠隔運転装置
201・・・通信部
202・・・操作入力部
203・・・すれ違い制御部
204・・・表示部
210・・・遠隔オペレータ
300・・・遠隔運転車すれ違い支援サーバ
301・・・通信部
302・・・車両情報管理部
303・・・狭道情報管理部
304・・・車両監視部
305・・・優先度決定部
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