(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023158829
(43)【公開日】2023-10-31
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T   7/55        20170101AFI20231024BHJP        
【FI】
G06T7/55 
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022068848
(22)【出願日】2022-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】512209689
【氏名又は名称】SOLIZE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山内  俊哉
(72)【発明者】
【氏名】小林  祐輝
(72)【発明者】
【氏名】根津  純
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096AA02
5L096AA06
5L096CA01
5L096DA01
5L096DA04
5L096FA02
5L096FA15
5L096JA11
(57)【要約】
【課題】画像の変更部分を認識しやすくすることが可能な画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムを提供する。
【解決手段】第1画像と第2画像とを取得する取得部と、前記第1画像の色と前記第2画像の色とを比較し、差分を検出する検出部と、検出された前記差分のうち、前記第1画像にのみある第1差分、前記第2画像にのみある第2差分、及び第1画像と第2画像との色が異なる第3差分、との色を異なる色で表示部に出力する出力部と、を備える。
【選択図】
図1
 
【特許請求の範囲】
【請求項1】
  第1画像と第2画像とを取得する取得部と、
  前記第1画像の色と前記第2画像の色とを比較し、差分を検出する検出部と、
  検出された前記差分のうち、前記第1画像にのみある第1差分、前記第2画像にのみある第2差分、及び第1画像と第2画像との色が異なる第3差分、との色を異なる色で表示部に出力する出力部と、
  を備える画像処理装置。
【請求項2】
  前記検出部は、
  前記第1画像の色と前記第2画像の色とを比較した結果検出された前記差分から、前記第1画像にのみある前記第1差分及び前記第2画像にのみある前記第2差分を除いた部分を、前記第1画像と前記第2画像との色が異なる前記第3差分として検出する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
  前記検出部は、
  前記第1画像と前記第2画像との色が異なる全ての部分を前記第1画像の色と前記第2画像の色とを比較した結果検出された前記差分として検出する請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
  前記第1画像と前記第2画像とは、背景を共通する背景色で着色されており、
  前記検出部は、前記第1画像の色と前記第2画像の色との前記差分から、前記第2画像では前記背景色であるが、前記第1画像では前記背景色ではない部分を、前記第1画像にのみある前記第1差分として検出する請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
  前記第1画像と前記第2画像とは、背景を共通する背景色で着色されており、
  前記検出部は、前記第1画像の色と前記第2画像の色との前記差分から、前記第1画像では背景色であるが、前記第2画像では背景色ではない部分を、前記第2画像にのみある前記第2差分として検出する請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項6】
  前記出力部は、
  前記第1画像の色と前記第2画像の色とを比較した結果、差分がない部分については、差分の色と異なり、かつ各差分の色よりも目立たない色で前記表示部に表示させる請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項7】
  第1画像と第2画像とを取得し、
  前記第1画像の色と前記第2画像の色とを比較し、差分を検出し、
  検出された前記差分のうち、前記第1画像にのみある第1差分、前記第2画像にのみある第2差分、及び第1画像と第2画像との色が異なる第3差分、との色を異なる色で表示部に出力する
  処理をコンピュータが実行する画像処理方法。
【請求項8】
  第1画像と第2画像とを取得し、
  前記第1画像の色と前記第2画像の色とを比較し、差分を検出し、
  検出された前記差分のうち、前記第1画像にのみある第1差分、前記第2画像にのみある第2差分、及び第1画像と第2画像との色が異なる第3差分、との色を異なる色で表示部に出力する
  処理をコンピュータに実行させる画像処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
  本発明は、画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
  特許文献1には、複数の画像データを比較して差分を抽出する場合にあって、相違点を色表示する画像処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
  特許文献1の画像処理装置では、画像データを比較して差分を色表示する点が開示されているが、画像データの色についての差分を表示する点については開示されていない。
【0005】
  本発明は、2つの画像の差分がない部分、削除された部分及び追加された部分に加え、色が変更された部分についても色を分けて表示することで、画像の変更部分を認識しやすくすることが可能な画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
  第1の態様は画像処理装置であって、第1画像と第2画像とを取得する取得部と、前記第1画像の色と前記第2画像の色とを比較し、差分を検出する検出部と、検出された前記差分のうち、前記第1画像にのみある第1差分、前記第2画像にのみある第2差分、及び第1画像と第2画像との色が異なる第3差分、との色を異なる色で表示部に出力する出力部と、を備える。
【0007】
  第1の態様の画像処理装置は、2つの画像の差分がない部分、削除された部分及び追加された部分に加え、色が変更された部分についても色を分けて表示することで、画像の変更部分を認識しやすくすることができる。
【0008】
  第2の態様は、画像処理装置であって、前記検出部は、前記第1画像の色と前記第2画像の色とを比較した結果検出された前記差分から、前記第1画像にのみある前記第1差分及び前記第2画像にのみある前記第2差分を除いた部分を、前記第1画像と前記第2画像との色が異なる前記第3差分として検出する。
【0009】
  第2の態様の画像処理装置は、第1画像と第2画像との差分から、第2画像と比較した結果第1画像のみにある第1差分と、第1画像と比較した結果第2画像にのみある第2差分と、を除いた部分は、第1画像と第2画像との間で削除も追加もされていない部分であることから、削除及び追加以外の変更可能な要素である色が変更された部分であると判定することができる。
【0010】
  第3の態様は、画像処理装置であって、前記検出部は、前記第1画像と前記第2画像との色が異なる全ての部分を前記第1画像の色と前記第2画像の色とを比較した結果検出された前記差分として検出する。
【0011】
  第3の態様の画像処理装置では、第1画像と第2画像との差分を検出することができる。
【0012】
  第4の態様は、画像処理装置であって、前記第1画像と前記第2画像とは、背景を共通する背景色で着色されており、前記検出部は、前記第1画像の色と前記第2画像の色との前記差分から、前記第2画像では前記背景色であるが、前記第1画像では前記背景色ではない部分を、前記第1画像にのみある前記第1差分として検出する。
【0013】
  第4の態様の画像処理装置によれば、背景色から色が変更された部分を元に、第1画像にのみある第1差分、すなわち、第1画像から削除された部分を検出することができる。
【0014】
  第5の態様は、画像処理装置であって、前記第1画像と前記第2画像とは、背景を共通する背景色で着色されており、前記検出部は、前記第1画像の色と前記第2画像の色との前記差分から、前記第1画像では背景色であるが、前記第2画像では背景色ではない部分を、前記第2画像にのみある前記第2差分として検出する。
【0015】
  第5の態様の画像処理装置によれば、背景色から色が変更された部分を元に、第2画像にのみある第2差分、すなわち、第1画像に追加された部分を検出することができる。
【0016】
  第6の態様は、画像処理装置であって、前記出力部は、前記第1画像の色と前記第2画像の色とを比較した結果、差分がない部分については、差分の色と異なり、かつ各差分の色よりも目立たない色で前記表示部に表示させる。
【0017】
  第6の態様の画像処理装置によれば、差分がない部分については、目立たない色で表示部に表示されるため、変更箇所をより明確にユーザに伝えることができる。
【0018】
  第7の態様は、画像処理方法であって、第1画像と第2画像とを取得し、前記第1画像の色と前記第2画像の色とを比較し、差分を検出し、検出された前記差分のうち、前記第1画像にのみある第1差分、前記第2画像にのみある第2差分、及び第1画像と第2画像との色が異なる第3差分、との色を異なる色で表示部に出力する処理をコンピュータが実行する。
【0019】
  第8の態様は画像処理プログラムであって、第1画像と第2画像とを取得し、前記第1画像の色と前記第2画像の色とを比較し、差分を検出し、検出された前記差分のうち、前記第1画像にのみある第1差分、前記第2画像にのみある第2差分、及び第1画像と第2画像との色が異なる第3差分、との色を異なる色で表示部に出力する処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0020】
  本発明によれば、画像の変更部分を認識しやすくすることが可能な画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
            【
図1】実施形態に係る画像処理装置の概略構成を示す図である。
 
            【
図2】実施形態のストレージの構成を示すブロック図である。
 
            【
図3】実施形態のCPUの機能構成を示すブロック図である。
 
            【
図4】実施形態の表示装置に表示される画面を説明する図である。
 
            【
図5】実施形態の比較処理の流れを示すフローチャートである。
 
            【
図6】実施形態の表示処理の流れを示すフローチャートである。
 
            
            
            【
図9】実施形態の第1画像と第2画像との差分の一例である。
 
            【
図10】実施形態の修正前の第1画像にのみある第1差分の一例である。
 
            【
図11】実施形態の修正後の第2画像にのみある第2差分の一例である。
 
            【
図12】実施形態の色が変更された第3差分の一例である。
 
            【
図13】実施形態における差分の画像の一例である。
 
          
【発明を実施するための形態】
【0022】
  以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
  (構成)
  
図1に本発明の実施形態の画像処理装置10を示す。画像処理装置10は、パーソナルコンピュータが例示され、後述する処理プログラム100の実行により、2つの画像の差異を比較する比較処理が実行される。詳しくは、画像処理装置10は、各画像の色を比較し差分を検出する。
 
【0023】
  画像処理装置10は、CPU(Central  Processing  Unit)20A、ROM(Read  Only  Memory)20B、RAM(Random  Access  Memory)20C、ストレージ20D、入出力I/F(InterFace)20E及び通信I/F20Fを含んで構成されている。CPU20A、ROM20B、RAM20C、ストレージ20D、入出力I/F20E及び通信I/F20Fは、バス20Gを介して相互に通信可能に接続されている。
【0024】
  CPU20Aは、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU20Aは、ROM20B又はストレージ20Dからプログラムを読み出し、RAM20Cを作業領域としてプログラムを実行する。
【0025】
  ROM20Bは、各種プログラム及び各種データを記憶している。
  RAM20Cは、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。
【0026】
  ストレージ20Dは、HDD(Hard  Disk  Drive)又はSSD(Solid  State  Drive)により構成され、各種プログラム及び各種データを記憶している。
図2に示されるように、本実施形態のストレージ20Dは、処理プログラム100、画像データ110及び差分データ120を記憶している。
 
【0027】
  処理プログラム100は、比較処理を実行するためのプログラムである。この処理プログラム100は、画像処理プログラムの一例である。画像データ110には、設計図面を元に生成された画像ファイルが記憶されている。本実施形態の画像ファイルとしては、tif、png、jpg、bmp及びpdfなどの拡張子を持つファイルが適用される。差分データ120は、比較処理により生成された2つの画像の差分を示すファイルである。なお、処理プログラム100、画像データ110及び差分データ120は、ROM20Bに記憶されていてもよい。
【0028】
  図1に示されるように、入出力I/F20Eは、入力装置22及び表示装置24と通信するためのインタフェースである。なお、入力装置22及び表示装置24は、バス20Gに対して直接接続されていてもよい。
 
【0029】
  通信I/F20Fは、外部の装置と接続するためのインタフェースである。例えば、通信I/F20Fは、公衆ネットワークNに対して接続されている。
【0030】
  入力装置22は、キーボードやマウス等の入力デバイスである。
  表示部としての表示装置24は、液晶ディスプレイ等の表示デバイスである。
【0031】
  図3に示されるように、本実施形態の画像処理装置10では、CPU20Aが、処理プログラム100を実行することで、取得部200、検出部210及び出力部220として機能する。
 
【0032】
  取得部200は、比較をするための第1画像G1と第2画像G2とを取得する機能を有している。具体的に、取得部200は、ストレージ20Dに記憶された画像データ110から画像ファイルを読み込む。また、取得部200は、公衆ネットワークNを通じて画像ファイルを読み込んでもよい。そして、本実施形態の取得部200は、2つの画像ファイルを読み込むことにより、第1画像G1と、第2画像G2との2つの画像を取得する。ここで、例えば、第1画像G1は修正前の画像であり、第2画像G2は第1画像G1から修正した修正後の画像である。このため、本実施形態では、修正前の画像と修正後の画像とを比較することで、画像の修正部分を確認することが可能となる。
【0033】
  また、第1画像G1と第2画像G2とは、設計図面部分以外の背景が、共通する背景色、例えば、白で着色されている。そして、検出部210により背景色を検出可能としている。具体的には、画像の周縁部の複数地点で共通する色を背景色として検出する。なお、画像の周縁部の色を背景色であるとして検出する場合に限定されず、例えば、予め定められた色が背景色として設定されている場合は当該色を背景色であるとして検出してもよいし、又、画像のうち最も多い色を背景色であると検出してもよい。
【0034】
  検出部210は、修正前の第1画像G1の色と修正後の第2画像G2の色とを比較し、差分を検出する機能を有している。具体的には、検出部210は、第1画像G1の色と第2画像G2の色とを比較した結果検出された差分から、第1画像G1にのみある第1差分及び第2画像G2にのみある第2差分を除いた部分を、第1画像G1と第2画像G2との色が異なる第3差分として検出する。
【0035】
  ここで、検出部210により、第1画像G1と第2画像G2との色が異なる全ての部分が、第1画像G1の色と第2画像G2の色とを比較した結果検出された差分として検出される。検出部210は、色が異なるか否かを、第1画像G1と第2画像G2の同じ位置のピクセル同士のRGB値を比較し、RGB値が異なるか否かにより判定している。なお、色が異なるか否かは、RGB値を比較する場合に限定されず、他の色空間を用いて比較してもよい。
【0036】
  また、検出部210は、第1画像G1の色と第2画像G2の色との差分から、第2画像G2では背景色であるが、第1画像G1では背景色ではない部分を、第1画像G1にのみある第1差分として検出する。また、検出部210は、第1画像G1の色と第2画像G2の色との差分から、第1画像G1では背景色であるが、第2画像G2では背景色ではない部分を、第2画像G2にのみある第2差分として検出する。
【0037】
  出力部220は、検出された差分のうち、第1画像G1にのみある第1差分、第2画像G2にのみある第2差分、及び第1画像G1と第2画像G2との色が異なる第3差分、との色を異なる色で表示装置24に出力する機能を有している。例えば、第1画像G1にのみある第1差分を赤色、第2画像G2にのみある第2差分を青色、第1画像G1と第2画像G2との色が異なる第3差分を緑色で出力する。
【0038】
  また、出力部220は、第1画像G1の色と第2画像G2の色とを比較した結果、差分がない部分については、差分の色と異なり、かつ各差分の色よりも目立たない色で表示装置24に表示させる。具体的には、差分の色を、上述したように赤色、青色及び緑色で出力する場合には、当該色よりも目立たない色、例えば、灰色で出力する。
【0039】
  (画面について)
  本実施形態の表示装置24に表示される画面40を
図4に示す。
  
図4に示されるように、表示装置24に表示される画面40は、中央の画像ビュー42及び左側の操作ビュー44を含む。画像ビュー42には、比較の対象とした2つの画像(第1画像G1と第2画像G2)、及び両画像を比較した結果を示す差分の画像が表示される。
 
【0040】
  操作ビュー44は、2つの画像を比較したり、各画像を読み込んだりする場合の操作ボタンを含む画面である。操作ビュー44には、画像1(第1画像G1)の画像ファイルを選択するための選択1ボタン50、画像2(第2画像G2)の画像ファイルを選択するための選択2ボタン52と、が含まれている。また、操作ビュー44には、比較のための計算処理を実行するための計算ボタン54が含まれている。
【0041】
  また、操作ビュー44には、ラジオボタンとして、画像1を画像ビュー42に表示させる画像1ボタン60と、画像2を画像ビュー42に表示させる画像2ボタン61と、差分を画像ビュー42に表示させる差分ボタン62と、が含まれている。
【0042】
  (制御の流れ)
  本実施形態の画像処理装置10において実行される比較処理の流れについて、
図5及び
図6のフローチャートを用いて説明する。画像処理装置10における処理は、CPU20Aが、上述した取得部200、検出部210及び出力部220として機能することにより実現される。比較処理は、表示処理を含む。
 
【0043】
  図5のステップS100において、CPU20Aは比較する2つの画像(第1画像G1と第2画像G2)を取得する。
図7が第1画像G1の一例であり、
図8が第2画像G2の一例である。ここで、
図7及び
図8において、同じ塗りつぶしがされている場所は同じ色で着色されていることを示している。そして、次のステップS101に進む。
 
【0044】
  ステップS101において、CPU20Aは、ステップS100で取得した2つの画像(第1画像G1と第2画像G2)の色を比較して第1画像G1と第2画像G2との色が異なる全ての部分を、第1画像G1と第2画像G2との差分として検出する。
図9は差分を可視化した例である。
図9中の黒い部分が第1画像G1と第2画像G2との色が異なる差分である。そして、次のステップS102に進む。
 
【0045】
  ステップS102において、CPU20Aは、第2画像G2にはなく、第1画像G1にのみある第1差分を検出する。具体的には、ステップS101で検出した第1画像G1の色と第2画像G2の色との差分から、第2画像G2では背景色(
図8に示す第2画像G2中の白い部分H)であるが、第1画像G1では背景色ではない部分(
図7に示す第1画像G1中の白い部分H以外の部分)を、第1画像G1にのみある第1差分として検出する。第1差分は、第2画像G2にはなく、第1画像G1にのみある部分であるため、第2画像G2のうち第1画像G1から削除された部分である。
図10は第1差分を可視化した例である。
図10中黒い部分が、第2画像G2のうち第1画像G1から削除された第1差分である。そして、次のステップS103に進む。
 
【0046】
  ステップS103において、CPU20Aは、第1画像G1にはなく、第2画像G2にのみある第2差分を検出する。具体的には、ステップS101で検出した第1画像G1の色と第2画像G2の色との差分から、第1画像G1では背景色(
図7に示す第1画像G1中の白い部分H)であるが、第2画像G2では背景色ではない部分(
図8に示す第2画像G2中の白い部分H以外の部分)を、第2画像G2にのみある第2差分として検出する。第2差分は、第1画像G1にはなく、第2画像G2にのみある部分であるため、第2画像G2のうち第1画像G1に追加された部分である。
図11は第2差分を可視化した例である。
図11中黒い部分が、第2画像G2のうち第1画像G1から追加された第2差分である。そして、次のステップS104に進む。なお、ステップS102とステップS103とは順番が逆であってもよいし、又、同時に行われてもよい。
 
【0047】
  ステップS104において、CPU20Aは、第3差分を検出する。具体的には、ステップS101で検出した第1画像G1の色と第2画像G2の色との差分から、ステップS102で検出した第1画像G1にのみある第1差分及びステップS103で検出した第2画像G2にのみある第2差分を除いた部分を、第1画像G1と第2画像G2との色が異なる第3差分として検出する。第3差分は、第1画像G1と第2画像G2との間で削除も追加もされていない部分であることから、削除及び追加以外の変更可能な要素である色が変更された部分である。
図12は第3差分を可視化した例である。
図12中の黒い部分が第2画像G2のうち第1画像G1から色が変更された第3差分である。なお、画像中の図面の形状が変わった結果色が異なる場合についても色が異なる部分として、第3差分が検出される。そして、次のステップS105に進む。
 
【0048】
  ステップS105において、CPU20Aは表示処理を実行する。表示処理の詳細は後述する。そして、次のステップS106に進む。
【0049】
  ステップS106において、CPU20Aはプログラムを終了するか否かを判定する。CPU20Aはプログラムを終了すると判定した場合(ステップS106でYESの場合)、比較処理を終了させる。一方、CPU20Aはプログラムを終了しないと判定した場合(ステップS106でNOの場合)、ステップS100に戻る。
【0050】
  次にステップS105の表示処理について説明する。
  図6のステップS200において、CPU20Aは画像1ボタン60が選択されているか否かを判定する。CPU20Aは画像1ボタン60が選択されていると判定した場合(ステップS200でYESの場合)、次のステップS201に進む。一方、CPU20Aは画像1ボタン60が選択されていないと判定した場合(ステップS200でNOの場合)、ステップS202に進む。
 
【0051】
  ステップS201において、CPU20Aは画像ビュー42に第1画像G1を表示させる。そして、CPU20Aは表示処理を終了させる。
【0052】
  ステップS202において、CPU20Aは画像2ボタン61が選択されているか否かを判定する。CPU20Aは画像2ボタン61が選択されていると判定した場合(ステップS202でYESの場合)、次のステップS203に進む。一方、CPU20Aは画像2ボタン61が選択されていないと判定した場合(ステップS202でNOの場合)、ステップS204に進む。
【0053】
  ステップS203において、CPU20Aは画像ビュー42に第2画像G2を表示させる。そして、CPU20Aは表示処理を終了させる。
【0054】
  ステップS204において、CPU20Aは差分ボタン62が選択されているか否かを判定する。CPU20Aは差分ボタン62が選択されていると判定した場合(ステップS204でYESの場合)、次のステップS205に進む。一方、CPU20Aは差分ボタン62が選択されていないと判定した場合(ステップS204でNOの場合)、表示処理を終了させる。
【0055】
  ステップS205において、CPU20Aは第1画像G1と第2画像G2の色を比較した場合の差分を画像ビュー42に表示させる(
図13参照)。そして、CPU20Aは表示処理を終了させる。
 
【0056】
  (差分の表示について)
  図13は第1画像G1と第2画像G2との差分を可視化した例である。第1画像G1と第2画像G2との差分を画像ビュー42に表示した場合、
図13に示されるように第1画像G1及び第2画像G2において差分がない部分、すなわち変更がない箇所については灰色(
図13中C1部分)で表示される。つまり、灰色で着色されている部分は変更がない部分として表示されることになる。
 
【0057】
  また、第1画像G1にのみ存在する第1差分ついては赤色(
図13中C2部分)で表示される。つまり、赤色で着色されている部分は第1画像G1から削除された部分として表示されることになる。また、第2画像G2にのみ存在する第2差分については青色(
図13中C3部分)で表示される。つまり、青色で着色されている部分は第1画像G1に追加された部分として表示されることになる。また、色が変更された第3差分については緑色(
図13中C4部分)で表示される。つまり、緑色で着色されている部分は色が変更された部分として表示されることになる。なお、差分の色は上述した組み合わせに限定されず、他の色であってもよい。
 
【0058】
  本実施形態の画像処理装置10によれば、削除された部分(第1差分)、追加された部分(第2差分)、色が変更された部分(第3差分)及び変更がない部分を異なる色で表示装置24に表示されるため、ユーザは色を見るだけで変更された部分を認識することができる。また、変更がない部分は、目立たない色で表示装置24に表示されるため、ユーザは変更された部分をより明確に認識することができる。
【0059】
[備考]
  なお、上記実施形態では、画像同士を比較する場合を例示したが、この限りではなく、画像であれば、絵画や写真同士を比較してもよい。
【0060】
  また、上記実施形態でCPU20Aがソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した各種処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable  Gate  Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable  Logic  Device)、及びASIC(Application  Specific  Integrated  Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、上述した各処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0061】
  また、上記実施形態において、各プログラムはコンピュータが読み取り可能な非一時的記録媒体に予め記憶(インストール)されている態様で説明した。例えば、画像処理装置10における処理プログラム100は、ストレージ20Dに予め記憶されている。しかしこれに限らず、各プログラムは、CD-ROM(Compact  Disc  Read  Only  Memory)、DVD-ROM(Digital  Versatile  Disc  Read  Only  Memory)、及びUSB(Universal  Serial  Bus)メモリ等の非一時的記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0062】
  上記実施形態で説明した処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0063】
  また、上記実施形態では、修正前の画像(第1画像G1)と修正後の画像(第2画像G2)とを比較し、差分を検出していたが、これに限定されず、第1画像G1と第2画像G2とが全く異なる過程で制作された画像であってもよい。
【符号の説明】
【0064】
  10    画像処理装置
  24    表示装置(表示部)
  100  画像処理プログラム(処理プログラム)
  200  取得部
  210  検出部
  220  出力部