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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023158835
(43)【公開日】2023-10-31
(54)【発明の名称】窓パネル
(51)【国際特許分類】
   E06B 5/00 20060101AFI20231024BHJP
   E06B 9/24 20060101ALI20231024BHJP
   E06B 7/28 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
E06B5/00 Z
E06B9/24 Z
E06B7/28 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022068855
(22)【出願日】2022-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100169063
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100136722
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼木 邦夫
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 丈太郎
【テーマコード(参考)】
2E239
【Fターム(参考)】
2E239AC02
(57)【要約】
【課題】、屋外から室内への視線を遮りつつ、室内から屋外への視認性を確保することができる窓パネルを提供する。
【解決手段】窓パネル1は、光を発する発光部2と、発光部2からの光を反射する光反射層4と、光反射層4上に設けられ、光反射層4よりも光反射率が低い低反射層5と、を備えている。この窓パネル1の光反射層4及び低反射層5のそれぞれには、開口孔4a,5aが形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を発する発光部と、
前記発光部からの前記光を反射する光反射層と、
前記光反射層上に設けられ、前記光反射層よりも光反射率が低い低反射層と、
を備え、
前記光反射層及び前記低反射層のそれぞれには第1開口部が形成されている、窓パネル。
【請求項2】
前記発光部から入射される前記光を拡散する拡散板を更に備え、
前記光反射層は、前記拡散板上に設けられ、前記拡散板によって拡散された前記光を反射する、
請求項1に記載の窓パネル。
【請求項3】
前記拡散板には、前記光反射層及び前記低反射層の前記第1開口部に対応する第2開口部が形成されており、
前記発光部は、第1発光部と第2発光部とを有し、前記第1発光部は前記拡散板の第1端部側に設けられ、前記第2発光部は前記拡散板の前記第1端部とは逆の第2端部側に設けられる、
請求項2に記載の窓パネル。
【請求項4】
前記光反射層の前記第1開口部は、前記第1開口部も含めた前記光反射層の全体の表面積の30%以上に相当する面積を有する、
請求項1又は2に記載の窓パネル。
【請求項5】
前記光反射層の前記第1開口部は、複数の開口孔を有しており、
前記複数の開口孔それぞれの孔径又は孔の長手方向の幅が15mm以下である、
請求項1又は2に記載の窓パネル。
【請求項6】
前記窓パネルの外側の照度を計測する第1照度計と、
前記窓パネルにおいて前記低反射層が配置される内側の照度を計測する第2照度計と、
を更に備える、請求項1又は2に記載の窓パネル。
【請求項7】
ガラス板を更に備え、
前記拡散板が前記ガラス板上に設けられている、
請求項2に記載の窓パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、窓パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数のLEDからなる照射部と、照射部からの光が照射されるスクリーンとを備えたブラインド装置が開示されている。このブラインド装置では、照射部からの光によりスクリーンを明るく照らすことで、夜間においても屋外側からの視線を遮り、プライバシーの保護を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-281138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の装置では、窓等に配置されるスクリーンを複数の照射部で照射して室内よりも明るくすることで屋外から室内への視線を遮ることはできる。しかしながら、この装置では、室内から屋外への視線も遮ってしまう。そのため、プライバシーは守りつつ、室内から屋外への視認性は確保しておきたいという要望がある。そこで、屋外から室内への視線を遮りつつも室内から屋外への視線は遮らない手段が望まれている。
【0005】
本開示は、屋外から室内への視線を遮りつつ、室内から屋外への視認性を確保することができる窓パネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本開示の一側面に係る窓パネルは、光を発する発光部と、発光部からの光を反射する光反射層と、光反射層上に設けられ、光反射層よりも光反射率が低い低反射層と、を備えている。この窓パネルでは、光反射層及び低反射層のそれぞれに第1開口部が形成されている。
【0007】
この窓パネルは、光反射層を備えており、発光部からの光を光反射層で屋外に反射させることで、室内からの光よりも窓パネルの外側を明るくしている。これにより、この窓パネルによれば、屋外から室内への視線を遮ることができる。一方、この窓パネルでは、光反射層と低反射層とのそれぞれに第1開口部を設け、第1開口部を通して室内から屋外を視認できるようにしている。これにより、この窓パネルによれば、室内から屋外への視認性を確保することもできる。即ち、この窓パネルによれば、屋外から室内への視線を遮りつつ、室内から屋外への視認性を確保することができる。更に、この窓パネルには光反射層が設けられているため、発光部からの光の明るさを抑えたとしても、光反射層で反射される光を室内からの光よりも効率的に強くでき、省エネを図ることも可能である。
【0008】
(2)上記の(1)の窓パネルは、発光部から入射される光を拡散する拡散板を更に備え、光反射層は、拡散板上に設けられ、拡散板によって拡散された光を反射することが好ましい。この場合、窓パネルに設ける第1開口部の設計が自由となり、室内から屋外への視認性を向上させやすくなる。
【0009】
(3)上記(2)の窓パネルにおいて、拡散板には、光反射層及び低反射層の第1開口部に対応する第2開口部が形成されていてもよい。発光部は、第1発光部と第2発光部とを有し、第1発光部は拡散板の第1端部側に設けられ、第2発光部は拡散板の第1端部とは逆の第2端部側に設けられていてもよい。この場合、透明度の低い(例えば乳白色や磨りガラス状の)拡散板を用いても、室内から屋外への視認性を十分に確保することができる。
【0010】
(4)上記の(1)~(3)の何れかの窓パネルにおいて、光反射層の第1開口部は、第1開口部も含めた光反射層全体の表面積の30%以上に相当する面積を有することが好ましい。これにより、室内から屋外への視認性をより確実に確保することができる。
【0011】
(5)上記(1)~(4)の何れかの窓パネルにおいて、光反射層の第1開口部は、複数の開口孔を有しており、複数の開口孔それぞれの孔径又は孔の長手方向の幅が15mm以下であることが好ましい。これにより、屋外から室内への視線を遮りつつ、室内から屋外への視認性をより確実に確保することができる。
【0012】
(6)上記(1)~(5)の何れかの窓パネルは、窓パネルの外側の照度を計測する第1照度計と、窓パネルにおいて低反射層が配置される内側の照度を計測する第2照度計と、を更に備えてもよい。これにより、室内の明るさと屋外の明るさとに基づいて適切な明るさの光を発光部から発することができ、屋外から室内への視線を効率的に遮ることが可能となる。また、第1照度計及び第2照度計で計測された照度に応じて、発光部からの光の照射量を低減することが可能となる。
【0013】
(7)上記(1)~(6)の何れかの窓パネルは、ガラス板を更に備えてもよく、拡散板がガラス板上に設けられていてもよい。この場合、窓パネルをそのまま窓ガラスとして用いることができる。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、屋外から室内への視線を遮りつつ、室内から屋外への視認性を確保することができる窓パネルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本開示の第1実施形態に係る窓パネルを示す断面図である。
図2図2は、図1に示す窓パネルの導光板の一例を示す断面図である。
図3図3は、図1に示す窓パネルを室内側から視た平面図である。
図4図4は、本開示の第2実施形態に係る窓パネルを示す断面図である。
図5図5は、本開示の第3実施形態に係る窓パネルを示す断面図である。
図6図6は、図5に示す窓パネルの導光板の一例を示す断面図である。
図7図7は、本開示の第4実施形態に係る窓パネルを示す断面図である。
図8図8は、窓パネルに用いられる導光板の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本開示の実施形態に係る窓パネルについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を用い、重複する説明を適宜省略する。図面の寸法及び寸法比率は、必ずしも実際の寸法及び寸法比率とは一致していない。なお、本発明は以下の記述により限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0017】
[第1実施形態]
図1は、本開示の第1実施形態に係る窓パネルを示す断面図である。図1に示すように、窓パネル1は、光を発する発光部2と、発光部2から入射された光を拡散する拡散板3と、拡散板3上に設けられ、拡散板3によって拡散された光を反射する光反射層4と、光反射層4上に設けられ、光反射層4よりも光反射率が低い低反射層5と、を備えている。窓パネル1では、光反射層4及び低反射層5のそれぞれに複数の開口孔4a,5a(第1開口部)が形成されている。
【0018】
発光部2は、例えば、1又は複数のLED等を含んで構成される。発光部2は、拡散板3の一端に配置され、発した光を拡散板3へ導入できるように構成されている。
【0019】
拡散板3は、発光部2から導入された光を面方向に広げる導光機能を有すると共に、広げた光を拡散して面方向に交差する方向に出射させる板状の部材である。拡散板3は、拡散した光が窓パネル1の外側(図1の右側)及び窓パネル1の低反射層5側(図1の左側)の少なくとも一方に向けて出射(面発光)されるように構成されている。拡散板3は、図2に示すように、表面または内部に所定の凹凸形状の乱反射層3a等を設けることにより、導光した光を拡散して、面方向に交差する方向に光を出射させることができる。また、拡散板3は、透明な部材であることが好ましいが、半透明(乳白色や磨りガラス状)の部材であってもよい。拡散板3は、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ガラス、ポリスチレン、又は、ウレタン等から形成することができる。
【0020】
光反射層4は、拡散板3上に印刷された例えば金属層又は白色顔料から形成される層であり、拡散板3で拡散されて入射した光の例えば50%以上を反射するように構成されている。光反射層4は、入射した光の例えば90%以上を反射するように構成されていてもよい。光反射層4は、外光も同様に反射する。このような光反射層4は、多数の開口孔4aを有している。開口孔4aのそれぞれは、例えば、図3に示すように、円形又は楕円形状を呈している。多数の開口孔4aは千鳥状に互い違いに配置されていてもよい。開口孔4aそれぞれの直径または長軸の直径は、1mm以上であってもよく、15mm以下であってもよい。また、開口孔4aの形状は円形等に限定されるものではなく、矩形、三角形、星形、六角形等の多角形等であってもよい。この場合、最も長い幅(長手方向の幅)が1mm以上であってもよく、15mm以下であってもよい。なお、光反射層4の多数の開口孔4aの合計の開口率は、全ての開口孔4aを含めた光反射層4全体の表面積に対して、例えば30%以上であってもよく、40%以上であってもよい。
【0021】
低反射層5は、光反射層4上に印刷された例えば黒色顔料又はメタリック顔料から形成される層であり、光反射層4よりも光の反射が低い(抑えられた)層である。低反射層5は、入射された光のうち50%以下の光しか反射させない。窓パネル1の内側に低反射層5を設けることにより、屋外からの光が室内に届き易くなるため、室内からの視認性が向上する。低反射層5は、光反射層4と同様に、多数の開口孔5a(第1開口部)を有している。開口孔5aは開口孔4aと同じ位置に同じ形状で設けられることが好ましいが、形状が多少は異なっていたり、位置が多少はずれていてもよい。開口孔5aのそれぞれは、例えば、図3に示すように、円形又は楕円形状を呈している。多数の開口孔5aは千鳥状に互い違いに配置されていてもよい。開口孔5aそれぞれの直径または長軸の直径は、1mm以上であってもよく、15mm以下であってもよい。また、開口孔5aの形状は円形等に限定されるものではなく、矩形、三角形、星形、六角形等の多角形等であってもよい。この場合、最も長い幅(長手方向の幅)が1mm以上であってもよく、15mm以下であってもよい。なお、低反射層5の多数の開口孔5aの合計の開口率は、全ての開口孔5aを含めた低反射層5全体の全面積に対して、例えば30%以上であってもよく、40%以上であってもよい。
【0022】
このような構成の窓パネル1の使用方法について、以下、説明する。窓パネル1では、例えば、日中、室内よりも屋外のほうが明るい場合、発光部2の光の照射を停止し(LEDを消灯し)、光反射層4により外光の反射により、屋外から室内への視線を遮るようにすることができる。一方、窓パネル1では、例えば、夜間又は日中で暗い場合(例えば曇りの日等)、発光部2の光の照射を行い(LEDを点灯し)、発光部2からの光を光反射層4で屋外に向かって反射させる。これにより、室内のほうが屋外より明るい状況であっても、屋外から室内への視線を遮ることができる。また、この窓パネル1には、光反射層4及び低反射層5に多数の開口孔4a,5aが設けられている。このため、室内から屋外への視認性も確保することができる。
【0023】
以上、本実施形態に係る窓パネル1は光反射層4を備えており、発光部2からの光を光反射層4で屋外に反射させることで、室内からの光よりも窓パネル1の外側を明るくしている。これにより、窓パネル1によれば、屋外から室内への視線を遮ることができる。一方、窓パネル1では、光反射層4と低反射層5とのそれぞれに開口孔4a,5aを設け、開口孔4a,5aを通して室内から屋外を視認できるようにしている。これにより、窓パネル1によれば、室内から屋外への視認性を確保することもできる。即ち、窓パネル1によれば、屋外から室内への視線を遮りつつ、室内から屋外への視認性を確保することができる。更に、窓パネル1には光反射層4が設けられているため、発光部2からの光の明るさを抑えたとしても、光反射層4で反射される光を室内からの光よりも効率的に強くでき、省エネを図ることも可能である。
【0024】
本実施形態に係る窓パネル1は、発光部2から入射される光を拡散する拡散板3を更に備え、光反射層4は、拡散板3上に設けられ、拡散板3によって拡散された光を反射する。この場合、窓パネル1に設ける開口孔4a,5aの設計が自由となり、室内から屋外への視認性を向上させやすくなる。
【0025】
本実施形態に係る窓パネル1では、光反射層4の開口孔4aは、全ての開口孔4aも含めた光反射層4全体の表面積の30%以上に相当する面積を有することが好ましい。これにより、室内から屋外への視認性をより確実に確保することができる。
【0026】
本実施形態に係る窓パネル1では、光反射層4は複数の開口孔4aを有しており、複数の開口孔4aそれぞれの孔径又は孔の長手方向の幅が15mm以下であることが好ましい。これにより、屋外から室内への視線を遮りつつ、室内から屋外への視認性をより確実に確保することができる。
【0027】
[第2実施形態]
次に、図4を参照して、第2実施形態に係る窓パネル1Aについて説明する。図4に示すように、窓パネル1Aは、第1実施形態の窓パネル1と同様に、発光部2、拡散板3、光反射層4、及び、低反射層5を備えている。窓パネル1Aでは、光反射層4及び低反射層5のそれぞれに複数の開口孔4a,5aが形成されている。窓パネル1Aは、更に、第1照度計6Aと第2照度計6Bを備えている。第1照度計6Aは、窓パネル1Aの外側の照度を計測する装置であり、例えば、窓パネル1Aが設置される窓の外側に配置される。第2照度計は、窓パネル1Aにおいて低反射層5が配置される内側の照度を計測する装置であり、室内に配置される。第1照度計6A及び第2照度計6Bとしては、各種の照度計を用いることができる。
【0028】
第1照度計6A及び第2照度計6Bは、発光部2に電気的に接続されている。発光部2は、第1照度計6A及び第2照度計6Bのそれぞれによって計測される外側の照度と内側の照度との差に基づいて、発光部2からの光の照射量を調整してもよく、発光部2による照射のON/OFFの切り替えをしてもよい。
【0029】
以上、第2実施形態に係る窓パネル1Aによれば、上述した窓パネル1による作用効果に加えて、室内の明るさと屋外の明るさとに基づいて適切な明るさの光を発光部2から発することができ、屋外から室内への視線を効率的に遮ることが可能となる。また、第1照度計6A及び第2照度計6Bで計測された照度に応じて、発光部2からの光の照射量を低減することが可能となる。
【0030】
[第3実施形態]
次に、図5を参照して、第3実施形態に係る窓パネル1Bについて説明する。図5に示すように、窓パネル1Bは、第2実施形態の窓パネル1Aと同様に、光反射層4、低反射層5、第1照度計6A、及び、第2照度計6Bを備えている。窓パネル1Bでは、光反射層4及び低反射層5のそれぞれに複数の開口孔4a,5aが形成されている。窓パネル1Bは、更に、第1発光部2A及び第2発光部2Bと拡散板3Bとを備えている。第1発光部2A及び第2発光部2Bは、上述した発光部2と同様の光源であり、例えばLED等から構成される。窓パネル1Bでは、第1発光部2Aが拡散板3Bの一端3b(第1端部)側に配置され、第2発光部2Bが拡散板3Bの他端3c(第2端部)側に配置される。
【0031】
窓パネル1Bの拡散板3Bは、上述した拡散板3と略同様の構成及び機能を奏する導光部材である。但し、拡散板3Bには、複数の開口孔4a,5aと同様の形状の複数の開口孔3d(第2開口部)を多数有している。複数の開口孔3dは、複数の開口孔4a,5aに対応している。拡散板3Bがこのような多数の開口孔を有していることにより、拡散板3Bが透明な部材でなくても、室内から屋外への視認性を向上することができる。言い換えると、拡散板3Bは、半透明な部材から構成することもできる。拡散板3Bに多数の開口孔が設けられることにより、発光部からの光の導光が低下する恐れもあるが、窓パネル1Bは、異なる箇所に(例えば逆側に)第1発光部2A及び第2発光部2Bを設けることで、導光されて拡散される光の量の低下を抑制している。
【0032】
拡散板3Bに多数の開口孔3dを設ける場合、図6に示すように、拡散板3Bにおける乱反射層3aを拡散板3Bの本体部の外側(表面上)に設けることも可能である。この場合、導光した光を室内に向けて光らせないようにすることができ、室外から屋内への視線をより効率的に遮ることが可能となる。また、開口孔4a,5a及び開口孔3dによって形成される貫通孔に汚れが入り込まないように、低反射層5及び拡散板3Bの少なくとも一方の上に透明シートを更に設けてもよい。
【0033】
以上、第3実施形態に係る窓パネル1Bによれば、上述した窓パネル1,1Aによる作用効果に加えて、透明度の低い(例えば乳白色や磨りガラス状の)拡散板を用いても、室内から屋外への視認性を十分に確保することができる。なお、窓パネル1Bは、第1照度計6A及び第2照度計6Bの少なくとも一方(又は両方)を有しない構成であってもよい。
【0034】
[第4実施形態]
次に、図7を参照して、第4実施形態に係る窓パネル1Cについて説明する。図7に示すように、窓パネル1Cは、第3実施形態の窓パネル1Bと同様に、第1発光部2A及び第2発光部2B、拡散板3B、光反射層4、低反射層5、第1照度計6A、及び、第2照度計6Bを備えている。窓パネル1Cの光反射層4及び低反射層5のそれぞれには複数の開口孔4a,5aが形成されており、拡散板3Bには複数の開口孔3dが形成されている。この窓パネル1Cには、更に、ガラス板7が設けられている。
【0035】
窓パネル1Cでは、ガラス体7の上に拡散板3Bが載置されている。ガラス体7は、拡散板3Bに接着剤等により接着されていてもよい。透明な接着剤であれば、ガラス体7の全体に塗布して拡散板3Bに接着してもよく、透明でない接着剤であれば、ガラス体7のうち開口孔3dを除く領域に塗布して拡散板3Bに接着してもよい。
【0036】
以上、第4実施形態に係る窓パネル1Cによれば、上述した窓パネル1,1A,1Bによる作用効果に加えて、窓パネル1Cをそのまま窓ガラスとして用いることができる。なお、ガラス体7を更に設けるのではなく、窓パネル1B等をサッシ部分と窓パネルに固定してももちろんよい。
【0037】
以上、本開示に係る実施形態について詳細に説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく様々な実施形態に適用することができる。例えば、上記の実施形態で用いた拡散板3,3Bは、図8に示す拡散板3Cであってもよい。図8に示す拡散板3Cでは、乱反射層3aを拡散板3Cの本体から外に設けているものの、本体自体には開口部を設けないようにしている。このような拡散板3Cを用いることにより、導光した光を室内に向けて光らせないようにすることができ、室外から屋内への視線をより効率的に遮ることが可能となる。
【0038】
また、上述した何れの実施形態でも、発光部からの光を拡散板に導入して拡散した光を光反射層4で反射していたが、これに限定されない。例えば、発光部として、フィルム式のLEDなどの光源を用いて、光源からの光をそのまま光反射層4で反射させる構成であってもよい。但し、この構成の場合、LED等の光源がない領域に、複数の開口孔4a,5aを設ける。これにより、室内から屋外への視認性も確保することができる。
【0039】
また、上述した実施形態における光反射層4及び低反射層5をハーフミラーフィルムとしてもよい。ハーフミラーフィルムは、透明性を持ち、かつ明るい側が鏡面となるため開口部を設ける必要がなく、上述した光源及び拡散板との組み合わせにより、よりシンプルな構造で室内のプライバシーを保護することが可能となる。
【符号の説明】
【0040】
1,1A,1B,1C…窓パネル、2…発光部、2A…第1発光部、2B…第2発光部、3,3B,3C…拡散板、3d…開口孔(第2開口部)、4…光反射層、4a,5a…開口孔(第1開口部)、5…低反射層、6A…第1照度計、6B…第2照度計、7…ガラス体。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8