(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023158845
(43)【公開日】2023-10-31
(54)【発明の名称】キャスタ
(51)【国際特許分類】
B60B 33/00 20060101AFI20231024BHJP
【FI】
B60B33/00 501D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022068869
(22)【出願日】2022-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】596027782
【氏名又は名称】大一機材工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100126561
【弁理士】
【氏名又は名称】原嶋 成時郎
(74)【代理人】
【識別番号】100141678
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 俊夫
(72)【発明者】
【氏名】橋本 智文
(57)【要約】
【課題】ブレーキペダルの視認性を向上させつつ、誤ってブレーキペダルが物や足に当たったり操作されたりしないようにする。
【解決手段】揺動軸72を介して揺動自在に支持されるブレーキ操作ペダル6の揺動端6a寄りの位置に支軸81を介して揺動自在に支持されるフラップ部8を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
揺動軸を介して揺動自在に支持されるブレーキ操作ペダルの揺動端寄りの位置に支軸を介して揺動自在に支持されるフラップ部を有する、ことを特徴とするキャスタ。
【請求項2】
前記フラップ部は、側面視においてく字形に折り曲げられた形状に形成され、前記支軸から垂下した状態で山折れ側が車輪側を向く姿勢で配設される、ことを特徴とする請求項1に記載のキャスタ。
【請求項3】
前記フラップ部の少なくとも一部が着色される、ことを特徴とする請求項1または2に記載のキャスタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車輪の回転をロックするブレーキ機能を備えるキャスタに関する。
【背景技術】
【0002】
台車などに用いられるキャスタに、ブレーキ付きキャスタがある(特許文献1)。台車の走行面が傾斜面であったりすると、台車が自重により動き出してしまうため、ブレーキ付きキャスタのブレーキを即座にかける必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、台車が不意に動き出してしまったとき、作業者は、キャスタのブレーキペダルを咄嗟に認識できなければ、ブレーキペダルを操作することができない。そこで、作業者がキャスタのブレーキペダルを咄嗟に認識できるように、ブレーキペダルの操作部を平面視において台車の荷台枠部材よりも外側に位置させるようにブレーキペダルの長手方向の寸法を長くすることが考えられる。しかしながらその場合、キャスタのブレーキペダルの操作部の視認性は向上するものの、ブレーキペダルの操作部が台車の荷台枠部材よりも外側に張り出すため、走行中にブレーキペダルの操作部が周囲の物に当たって破損してしまう、という問題がある。
【0005】
また、台車を押している作業者の足がキャスタのブレーキペダルの操作部に当たってしまうと、足を怪我したり、台車に不意にブレーキがかかって運搬物の荷崩れが発生したりする、という問題がある。
【0006】
この発明は、上記課題を解決するため、ブレーキペダルの視認性を向上させつつ、誤ってブレーキペダル(ブレーキ操作ペダル)が物や足に当たったり操作されたりしないようにするキャスタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、この発明に係るキャスタは、揺動軸を介して揺動自在に支持されるブレーキ操作ペダルの揺動端寄りの位置に支軸を介して揺動自在に支持されるフラップ部を有する、ことを特徴とする。
【0008】
この発明に係るキャスタは、前記フラップ部は、側面視においてく字形に折り曲げられた形状に形成され、前記支軸から垂下した状態で山折れ側が車輪側を向く姿勢で配設される、ようにしてもよい。
【0009】
この発明に係るキャスタは、前記フラップ部の少なくとも一部が着色される、ようにしてもよい。
【発明の効果】
【0010】
この発明に係るキャスタによれば、ブレーキ操作ペダルの揺動端にフラップ部が揺動自在に支持される(言い換えると、ブレーキ操作ペダルの揺動端に中折れ式/折り畳み式の操作部が設けられる)ようにしているので、ブレーキをかけていないロック解除状態におけるブレーキの操作部(具体的には、ブレーキ操作ペダルやフラップ部)の張出し量を少なくすることができ、誤ってブレーキ操作ペダルが物や足に当たったり操作されたりすることを防止することが可能となる。また、台車を押しているときに誤ってブレーキの操作部に触れることがないため、台車走行時に不意にブレーキがかかることがなく、不意のブレーキによる運搬物の荷崩れの発生を防ぐことが可能となる。
【0011】
この発明に係るキャスタによれば、フラップ部が側面視においてく字形に折り曲げられた形状に形成されるようにした場合には、ロック状態になったときに作業者からの視認性を向上させることができるとともに、ロック解除状態にする際の操作性を向上させることができる。また、フラップ部の折り曲げ箇所から下側部分の後ろ面の傾斜が、ブレーキをかけていないロック解除状態と比べて、ブレーキをかけたロック状態において緩やかになるようにすることができ、フラップ部の作業者からの視認性を向上させることができ、ロックを解除するときの操作性を向上させることが可能となる。
【0012】
この発明に係るキャスタによれば、フラップ部が着色されるようにした場合には、フラップ部の視認性を向上させることができ、ブレーキ操作ペダルの操作を円滑/快調に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】この発明の実施の形態における台車の構成を示す図であり、走行状態を示す側面図である。
【
図3】この発明の実施の形態に係るキャスタを示す図であり、ロック解除状態を示す側面図である。
【
図5】
図3のキャスタのロック状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。なお、この発明の要点には関係しない構造や部品については図示および説明を適宜省略するものとし、図示や説明が為されていないとしてもブレーキ付きキャスタとして必要とされる構造や部品が適宜備えられているものとする。
【0015】
図1乃至
図5は、この発明の実施の形態を示し、
図1および
図2は、実施の形態における4輪台車(「台車1」と呼ぶ)を示す側面図であり、
図1は台車1の走行状態を示し、
図2は台車1の停止状態を示す。台車1は、矩形板状の荷台2と、この荷台2の底面の四隅に取り付けられて進行方向(尚、図中の矢印の向きとし、図中の矢印の向きを前向きとする)の前輪および後輪となる4個のキャスタ3と、を備える。
【0016】
図3乃至
図5は、この発明の実施の形態に係るキャスタ3を示す図である。なお、
図3および
図5では、軸の構造を分かり易くするため、ボルトの頭部やナットの図示を省略している。
【0017】
キャスタ3は、車輪4と、ベース部材5と、ブレーキ操作ペダル6と、固定部材7と、フラップ部8と、を備える。
【0018】
キャスタ3は、ブレーキ操作ペダル6が例えば作業者のつま先で押し込まれて(具体的には、
図3中の概ね矢印の位置が大凡前記矢印の方向に沿って押し込まれて)揺動端6aがタイヤ42へと近接してフラップ部8がタイヤ42へと当接することによってロック状態となり(
図5参照)、フラップ部8が例えば作業者のつま先で押し上げられて(具体的には、
図5中の概ね矢印の位置が大凡前記矢印の方向に沿って押し上げられて)揺動端6aがタイヤ42から離れてフラップ部8がタイヤ42から離間することによってロック解除状態となる(
図3参照)。
【0019】
車輪4は、概ね円板形状をなす金属製のホイール41と、ホイール41の外周部に設けられるタイヤ42と、を備える。
【0020】
ベース部材5は、車輪4を垂直方向軸周りに転回自在に荷台2に支持するための構造であり、荷台2の底面に取り付けられる取付部51と、取付部51から相互に対向しつつ下方へと延びる一対のアーム状のフォーク部52と、を有する。フォーク部52の下端部に、軸心方向が水平方向に沿って配設される回転軸を介して車輪4が回転自在に支持される。
【0021】
固定部材7は、ベース部材5に対して固定されてブレーキ操作ペダル6を支持するための構造であり、垂直断面形状がコ字状に形成されて下方が開口する向きで、前端部がフォーク部52の上端寄りの後部に固定されて取り付けられる。固定部材7は、前記の態様で、車輪4の上方に、平面視において車輪4の上端部分を跨るように配設される。
【0022】
固定部材7は、相互に対向する一対のアーム状のフォーク部52各々から相互に対向しつつ後方へと延びる一対の側板71を有する。これら一対の側板71どうしの間に架け渡されて、ブレーキ操作ペダル6の揺動軸心となる、軸心方向が水平方向に沿う揺動軸72が配設される。
【0023】
固定部材7の一対の側板71各々の揺動軸72の下方に、揺動軸72の軸心を中心とする概ね円弧状のカム溝73が形成される。カム溝73は、側面視において凹み形の概ね円弧状の貫通孔として形成される。カム溝73の周縁のうち上縁の中間部(即ち、下向きに凸状の箇所)を「カム山73a」と呼ぶ。
【0024】
ブレーキ操作ペダル6は、車輪4にブレーキをかけたり車輪4のブレーキを解除したりするための構造である。ブレーキ操作ペダル6は、長手方向の両端部分の垂直断面形状がコ字状に形成されて前方・下方が開口する向きで配設される。
【0025】
ブレーキ操作ペダル6は、揺動軸72を介して固定部材7に対して揺動自在に支持され、揺動軸72によって支持される側とは反対側の揺動端6aがタイヤ42に近接する位置(ロック状態)と、タイヤから離間する位置(ロック解除状態)との間で揺動する。
【0026】
ブレーキ操作ペダル6は、横幅の外寸が固定部材7の横幅の内寸よりも僅かに小さく形成されるとともにブレーキ操作ペダル6の上端部分が固定部材7の一対の側板71どうしの間に挟持され、前記挟持された部位に形成される軸孔61に揺動軸72が挿通することによって固定部材7に対して揺動自在に支持される。
【0027】
ブレーキ操作ペダル6の軸孔61の近傍の、ブレーキ操作ペダル6が固定部材7に対して揺動自在に支持された状態で側面視においてカム溝73と重なる位置に、軸心方向が水平方向に沿うとともにブレーキ操作ペダル6およびカム溝73を貫通する係止軸62が配設される。
【0028】
ブレーキ操作ペダル6が押し込まれていないロック解除状態では係止軸62はカム溝73の後側に位置する(
図3参照)。この状態からブレーキ操作ペダル6が押し込まれると、係止軸62がカム溝73内を前向きに移動しカム山73aを越えてカム山73aの前側上縁に押し付けられ、ロック状態となる(
図5参照)。
【0029】
一方、ブレーキ操作ペダル6が押し込まれているロック状態から押し上げられると、係止軸62がカム溝73内を後ろ向きに移動しカム山73aを越えてカム山73aの後側上縁に押し付けられ、ロック解除状態となる(
図3参照)。
【0030】
係止軸62とカム山73aとの係合のほかに、ブレーキ操作ペダル6が押し込まれていないロック解除状態やブレーキ操作ペダル6が押し込まれているロック状態が維持されるための仕組み/仕掛けがさらに設けられるようにしてもよい。また、ブレーキ操作ペダル6が押し込まれていないロック解除状態やブレーキ操作ペダル6が押し込まれているロック状態が維持されるようにするために、係止軸62とカム山73aとの係合とは異なる仕組み/仕掛けが設けられるようにしてもよい。
【0031】
フラップ部8は、側面視において「く」字形に折り曲げられた概ね板状の部材であり、ブレーキ操作ペダル6の揺動端6a寄りの位置に、軸心方向が水平方向に沿う支軸81を介して揺動自在に支持される。フラップ部8は、支軸81から垂下した状態で山折れ側が車輪4側を向く姿勢(言い換えると、前向きに凸む姿勢,山折れの頂点が車輪4と対向する姿勢)で配設される。
【0032】
側面視において、フラップ部8の支軸81の軸心位置は、固定部材7の揺動軸72の軸心位置よりも下方に位置する。つまり、側面視において、ブレーキ操作ペダル6は、固定部材7の揺動軸72を介して、後ろ斜め下向きの姿勢で揺動自在に支持される。これにより、ブレーキ操作ペダル6の長手方向の寸法(具体的には、固定部材7の揺動軸72の軸心位置からブレーキ操作ペダル6の係止部6bまでの寸法)を長くしつつ、ブレーキをかけていないロック解除状態におけるブレーキの操作部(具体的には、ブレーキ操作ペダル6やフラップ部8)の張出し量を少なくすることができる。ブレーキ操作ペダル6の長手方向の寸法(具体的には、固定部材7の揺動軸72の軸心位置からブレーキ操作ペダル6の係止部6bまでの寸法)を長くすることにより、ブレーキ操作ペダル6の揺動端6a側を操作することによって当該ブレーキ操作ペダル6に働く力のモーメントを大きくすることができ、延いてはブレーキ操作ペダル6を操作する際に必要とされる力を小さくして操作を容易なものとすることができる。
【0033】
ブレーキ操作ペダル6が押し込まれていないロック解除状態からブレーキ操作ペダル6が押し込まれると、フラップ部8の折り曲げ箇所から上側部分の前面がタイヤ42へと当接してフラップ部8が垂下した状態から後ろ向きに回動し、フラップ部8の折り曲げ箇所から下側部分の後ろ面8aの傾斜がロック解除状態と比べて緩やかになる(言い換えると、側面視において、フラップ部8の支軸81の軸心と揺動端8bとを結ぶ線分が、ロック解除状態と比べて水平方向に沿う向きに回動する)。これにより、台車1を後方から押す作業者からフラップ部8が認識され易くなる(
図2,
図5参照)。
【0034】
なお、フラップ部8は、当該フラップ部8の折り曲げ箇所から下側部分の幅(即ち、水平方向に沿う寸法)が上側部分の幅(即ち、水平方向に沿う寸法)よりも広く形成される。そして、ブレーキ操作ペダル6が押し込まれていないロック解除状態では、フラップ部8の折り曲げ箇所から下側部分の水平方向における両側の端部8cがブレーキ操作ペダル6の揺動端6a側の端(具体的には、下端)と当接して、フラップ部8の折り曲げ箇所から下側部分がタイヤ42側へと必要以上に揺動しないようになっている。また、ブレーキ操作ペダル6が押し込まれているロック状態からフラップ部8が押し上げられる際、フラップ部8の折り曲げ箇所から上側部分がブレーキ操作ペダル6の係止部6bと当接して、フラップ部8と一緒にブレーキ操作ペダル6の揺動端6a側が押し上げられる。
【0035】
ブレーキ操作ペダル6は、ロック状態であってもロック解除状態であっても平面視において台車1の荷台2から外側に出ないようにされ得る。例えば、
図1および
図2において、平面視における荷台2の外側線である、垂直方向に沿う一点鎖線Vよりもブレーキ操作ペダル6が外側(具体的には、後方)に出ないようにキャスタ3が設けられ得る。しかも、ロック状態のときに(
図2参照)、フラップ部8の折り曲げ箇所から下側部分の後ろ面8aの傾斜が緩やかになる(言い換えると、水平面に近づく)ため、台車1を後方から押す作業者はフラップ部8(特に、フラップ部8がロック状態であること)を容易に認識することができる(
図2中の矢印付きの破線Eは作業者の目線を示す)。
【0036】
このように、フラップ部8はブレーキ操作ペダル6の揺動端6aに対して揺動自在に支持されるので、ブレーキ操作ペダル6が押し上げられた状態でもフラップ部8は垂下した姿勢になって後方への張出し量が小さい(
図3参照)。このため、台車1の走行中、作業者がブレーキ操作ペダル6やフラップ部8に誤って接触することがなく、台車1に不意にブレーキがかかる事態の発生を防ぐことができる。
【0037】
フラップ部8の折り曲げ箇所から下側部分の後ろ面8aに着色が施されるようにしてもよい。これにより、作業者がフラップ部8を一層容易に認識することができ、ブレーキ操作ペダル6の操作(特に、フラップ部8の下方につま先を位置させてから押し上げてロックを解除する操作)を円滑/快調に行うことができる(
図2,
図5参照)。
【0038】
フラップ部8の着色は、全面に施されるようにしてもよく、或いは、折り曲げ箇所から下側部分のみに施されるようにしてもよい。フラップ部8の着色は、フラップ部8が直接塗装されるようにしてもよく、或いは、フラップ部8に色テープなどが貼着されるようにしてもよく、さらに或いは、フラップ部8に例えば樹脂製のカバーが取り付けられるようにしてもよい。
【0039】
以上のように、実施の形態に係るキャスタ3によれば、ブレーキ操作ペダル6の揺動端6a寄りの位置にフラップ部8が揺動自在に支持される(言い換えると、ブレーキ操作ペダル6の揺動端6a寄りの位置に中折れ式/折り畳み式の操作部が設けられる)ようにしているので、ブレーキをかけていないロック解除状態におけるブレーキの操作部(具体的には、ブレーキ操作ペダル6やフラップ部8)の張出し量を少なくすることができ、誤ってブレーキ操作ペダル6が物や足に当たったり操作されたりすることを防止することが可能となる。また、台車1を押しているときに誤ってブレーキの操作部に触れることがないため、台車1の走行時に不意にブレーキがかかることがなく、不意のブレーキによる運搬物の荷崩れの発生を防ぐことが可能となる。
【0040】
実施の形態に係るキャスタ3によれば、また、ブレーキをかけていないロック解除状態におけるブレーキの操作部(具体的には、ブレーキ操作ペダル6やフラップ部8)の張出し量を少なくすることができるので、台車1の荷台2が周囲の物に衝突しても、ブレーキの操作部が周囲の物に当たって破損することを防止することができる。
【0041】
実施の形態に係るキャスタ3によれば、また、フラップ部8が側面視において「く」字形に折り曲げられた形状に形成されるようにしているので、ロック状態になったときに作業者からの視認性を向上させることができるとともに、ロック解除状態にする際の操作性を向上させることができる。
【0042】
実施の形態に係るキャスタ3によれば、また、フラップ部8の折り曲げ箇所から下側部分の後ろ面8aの傾斜が、ブレーキをかけていないロック解除状態と比べて、ブレーキをかけたロック状態において緩やかになるので、フラップ部8の作業者からの視認性を向上させることができ、ロックを解除するときの操作性を向上させることが可能となる。
【0043】
実施の形態に係るキャスタ3によれば、フラップ部8が着色されるようにした場合には、フラップ部8の視認性を向上させることができ、ブレーキ操作ペダル6の操作を一層円滑/快調に行うことが可能となる。
【0044】
以上、この発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。
【0045】
例えば、上記の実施の形態ではキャスタ3として車輪4が垂直方向軸周りに転回自在なキャスタを例に挙げて説明したが、この発明はこれに限らず、車輪が垂直方向軸周りに転回不能なキャスタ(即ち、進行方向が固定の車輪)に適用することもできる。
【0046】
また、上記の実施の形態ではこの発明に係るキャスタ3が台車1に備えられるようにしているが、この発明に係るキャスタ3が備えられる対象は台車に限定されるものではなく、この発明に係るキャスタ3は、例えばストレッチャやワゴンなど、様々な機器,装備,機材,機具,装置,設備などに備えられるキャスタとして使用可能である。
【0047】
なお、フラップ部8を平面視において台車1の荷台2の枠部材よりも内側に位置させることが好ましいものの、フラップ部8が荷台2の枠部材よりも外側へ突出していてもこの発明の要旨を逸脱するものではない。
【符号の説明】
【0048】
1 台車
2 荷台
3 キャスタ
4 車輪
41 ホイール
42 タイヤ
5 ベース部材
51 取付部
52 フォーク部
6 ブレーキ操作ペダル
6a 揺動端
6b 係止部
61 軸孔
62 係止軸
7 固定部材
71 側板
72 揺動軸
73 カム溝
73a カム山
8 フラップ部
8a 下側部分の後ろ面
8b 揺動端
8c 下側部分の水平方向における両側の端部
81 支軸