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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023158880
(43)【公開日】2023-10-31
(54)【発明の名称】展示台
(51)【国際特許分類】
   A47F 5/11 20060101AFI20231024BHJP
【FI】
A47F5/11
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022068915
(22)【出願日】2022-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000115980
【氏名又は名称】レンゴー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100177644
【弁理士】
【氏名又は名称】児玉 和樹
(72)【発明者】
【氏名】田邉 航平
(72)【発明者】
【氏名】仲井間 祥吾
(72)【発明者】
【氏名】小辻 浩平
【テーマコード(参考)】
3B118
【Fターム(参考)】
3B118GA04
3B118GA27
3B118GA28
3B118GA33
(57)【要約】
【課題】所望の積載荷重を担保しながら迅速かつ簡単に変形させることができる展示台を提供する。
【解決手段】
展示台1は、正面壁3、外背面壁4および一対の側壁5を有する枠体2と、正面壁3と内背面壁7とに回動可能に連設される棚部8と、を備え、棚部8は、内背面壁7の前面に接合される接合部55と、接合部55の一部に区画される凸部57と、を有し、展示形態F1では、側壁5が伸ばされ、内背面壁7が外背面壁4の前面に重なるように配置され、棚部8の棚本体56が正面壁3と内背面壁7との間に横架され、接合部55が上方に屈曲し、凸部57が外開口部23の下縁部に当接し、折畳形態では、棚本体56が正面壁3との境界を中心に上方に回動することで接合部55を延ばすように起立し、内背面壁7が棚本体56の回動に伴って持ち上げられながら前方に移動して棚本体56の後面に重なり、側壁5をヒンジ線で谷折りする。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
展示形態(F1)と折畳形態(F2)とに変形可能に構成される展示台(1)であって、
正面壁(3)、外背面壁(4)および一対の側壁(5)を有し、前記外背面壁に外開口部(23)が穿設され、前記側壁に上下方向に延びたヒンジ線(L21)が形成される枠体(2)と、
前記外背面壁と平行に配置され、内開口部(35)が穿設される内背面壁(7)と、
前記正面壁と前記内背面壁とに回動可能に連設される棚部(8)と、を備え、
前記棚部は、
前記正面壁から前記内背面壁に向けて延設される棚本体(56)と、
前記棚本体の先端に連設され、前記内背面壁の前面に接合される接合部(55)と、
前記接合部の一部に区画される凸部(57)と、を有し、
前記展示形態では、前記側壁が前記ヒンジ線で折れずに伸ばされ、前記内背面壁が前記外背面壁の前面に重なるように配置され、前記棚本体が前記正面壁と前記内背面壁との間に横架され、前記内背面壁に接合された前記接合部が前記棚本体に対して上方に屈曲し、前記凸部が前記接合部から切り出されて後方に突出し、前記内開口部と前記外開口部とに差し込まれて前記外開口部の下縁部に当接し、
前記折畳形態では、前記棚本体が前記正面壁との境界を中心に上方に回動することで前記凸部を前記外開口部と前記内開口部とから前方に引き抜きながら前記接合部を延ばすように起立し、前記内背面壁が前記棚本体の回動に伴って持ち上げられながら前方に移動して前記棚本体の後面に重なり、前記側壁を前記ヒンジ線で谷折りすることで前記正面壁と前記外背面壁とが互いに接近することを特徴とする展示台。
【請求項2】
前記枠体は、上下方向に間隔をあけて複数の前記正面壁を有し、
前記棚部は、複数の前記正面壁と前記内背面壁との間に複数架設され、
前記外開口部および前記内開口部は、複数の前記棚部に対応して前記外背面壁および前記内背面壁に複数穿設されていることを特徴とする請求項1に記載の展示台。
【請求項3】
前記展示形態では、前記凸部は、前記内開口部の下縁部と前記外開口部の下縁部とに当接することを特徴とする請求項2に記載の展示台。
【請求項4】
前記内背面壁には、前記内開口部の下縁部を中心に下方に折り返されて前記内背面壁の前面に固定される開口補強片(34)が設けられることを特徴とする請求項3に記載の展示台。
【請求項5】
前記展示形態において、前記接合部には、前記凸部が切り出された位置に持手穴(58)が開口することを特徴とする請求項2に記載の展示台。
【請求項6】
一対の前記側壁の上端には、下方に折り返されて一対の前記側壁の内面に固定される一対の上方補強片(13)が連設され、
少なくとも前記外背面壁と一対の前記上方補強片との間には、展示パネル(70)の左右両側を嵌め込む一対の嵌合溝(73)が形成されることを特徴とする請求項2に記載の展示台。
【請求項7】
展示形態(F1)と折畳形態(F2)とに変形可能に構成される展示台(1´)であって、
少なくとも1つの正面壁(3)、外背面壁(4)および一対の側壁(5)を有し、前記外背面壁に少なくとも1つの外開口部(23)が穿設され、前記側壁に上下方向に延びたヒンジ線(L21)が形成される枠体(2)と、
前記外背面壁と平行に配置され、少なくとも1つの内開口部(35)が穿設される内背面壁(7)と、
前記正面壁と前記内背面壁とに回動可能に連設される少なくとも1つの棚部(8)と、を備え、
前記棚部は、
前記正面壁から前記内背面壁に向けて延設される棚本体(56)と、
前記棚本体の先端に連設され、前記内背面壁の前面に接合される接合部(55)と、
前記接合部の一部に区画される凸部(57)と、を有し、
前記展示形態では、前記側壁が前記ヒンジ線で折れずに伸ばされ、前記内背面壁が前記外背面壁の前面に重なるように配置され、前記棚本体が前記正面壁と前記内背面壁との間に横架され、前記内背面壁に接合された前記接合部が前記棚本体に対して上方に屈曲し、前記凸部が前記接合部から切り出されて後方に突出し、前記内開口部と前記外開口部とに差し込まれて前記外開口部の下縁部に当接し、
前記折畳形態では、前記棚本体が前記正面壁との境界を中心に上方に回動することで前記凸部を前記外開口部と前記内開口部とから前方に引き抜きながら前記接合部を延ばすように起立し、前記内背面壁が前記棚本体の回動に伴って持ち上げられながら前方に移動して前記棚本体の後面に重なり、前記側壁を前記ヒンジ線で山折りすることで前記正面壁と前記外背面壁とが互いに接近することを特徴とする展示台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品の展示(陳列)に使用される展示台に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、中空状に形成された本体の内側に、棚板部とスライド体が配置された陳列棚が開示されている。棚板部は、物品を載せる載せ部と、本体の正面部に接着される前貼付部と、スライド体に接着される後貼付部と、を有している。後貼付部は、載せ部に対して下方に折り曲げられてスライド体に接着されている。展開した陳列棚では、スライド体の下部に設けた係止片が本体の背面部の係止孔に差し込まれ、スライド体が本体に固定されている。陳列棚を折り畳む場合、事前に係止片が係止孔から引き抜かれた後、棚板部(載せ部)が前端を中心に上方に回動され、スライド体が持ち上げられながら前方に移動され、本体の側面が谷折りされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-186898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した陳列棚では、棚板部の後貼付部が下方に折り曲げられてスライド体に接着されているため、図14に示すように、棚板部の載せ部に物品を載せて積載荷重をかけると、後貼付部の上部は、斜め前下方に引っ張られ(図14の太矢印参照)、スライド体から剥がれ易くなるという問題があった。スライド体から剥がれた後貼付部の上部は、載せ部との境界線と、その境界線から下方にずれた位置との2箇所で折れ曲がることがあった。このように、後貼付部の上部が剥がれて2段階に折れ曲がると、棚板部の見た目が悪くなるだけでなく、スライド体との接着面積が減少するため、所望の積載荷重に耐えられなくなる虞があった。また、載せ部が後方に向かって下方に傾斜して水平に保てなくなるため、物品を安定して陳列することができなくなる虞もあった。
【0005】
また、上記した陳列棚では、係止片を係止孔に差し込むことでスライド体が本体に固定され、展開した陳列棚を持ち上げてもスライド体が本体から脱落しないように構成されていた。しかしながら、上記した陳列棚では、折り畳んだり展開したりする度に、本体の係止孔に対してスライド体の係止片を抜いたり差したりしなければならず、陳列棚の形態変形を迅速かつ簡単に行うことができなかった。
【0006】
本発明は、上記事情を考慮し、所望の積載荷重を担保しながら迅速かつ簡単に変形させることができる展示台を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、展示形態と折畳形態とに変形可能に構成される展示台であって、正面壁、外背面壁および一対の側壁を有し、前記外背面壁に外開口部が穿設され、前記側壁に上下方向に延びたヒンジ線が形成される枠体と、前記外背面壁と平行に配置され、内開口部が穿設される内背面壁と、前記正面壁と前記内背面壁とに回動可能に連設される棚部と、を備え、前記棚部は、前記正面壁から前記内背面壁に向けて延設される棚本体と、前記棚本体の先端に連設され、前記内背面壁の前面に接合される接合部と、前記接合部の一部に区画される凸部と、を有し、前記展示形態では、前記側壁が前記ヒンジ線で折れずに伸ばされ、前記内背面壁が前記外背面壁の前面に重なるように配置され、前記棚本体が前記正面壁と前記内背面壁との間に横架され、前記内背面壁に接合された前記接合部が前記棚本体に対して上方に屈曲し、前記凸部が前記接合部から切り出されて後方に突出し、前記内開口部と前記外開口部とに差し込まれて前記外開口部の下縁部に当接し、前記折畳形態では、前記棚本体が前記正面壁との境界を中心に上方に回動することで前記凸部を前記外開口部と前記内開口部とから前方に引き抜きながら前記接合部を延ばすように起立し、前記内背面壁が前記棚本体の回動に伴って持ち上げられながら前方に移動して前記棚本体の後面に重なり、前記側壁を前記ヒンジ線で谷折りすることで前記正面壁と前記外背面壁とが互いに接近する。
【0008】
この場合、前記枠体は、上下方向に間隔をあけて複数の前記正面壁を有し、前記棚部は、複数の前記正面壁と前記内背面壁との間に複数架設され、前記外開口部および前記内開口部は、複数の前記棚部に対応して前記外背面壁および前記内背面壁に複数穿設されてもよい。
【0009】
この場合、前記展示形態では、前記凸部は、前記内開口部の下縁部と前記外開口部の下縁部とに当接してもよい。
【0010】
この場合、前記内背面壁には、前記内開口部の下縁部を中心に下方に折り返されて前記内背面壁の前面に固定される開口補強片が設けられてもよい。
【0011】
この場合、前記展示形態において、前記接合部には、前記凸部が切り出された位置に持手穴が開口してもよい。
【0012】
この場合、一対の前記側壁の上端には、下方に折り返されて一対の前記側壁の内面に固定される一対の上方補強片が連設され、少なくとも前記外背面壁と一対の前記上方補強片との間には、展示パネルの左右両側を嵌め込む一対の嵌合溝が形成されてもよい。
【0013】
本発明は、展示形態と折畳形態とに変形可能に構成される展示台であって、少なくとも1つの正面壁、外背面壁および一対の側壁を有し、前記外背面壁に少なくとも1つの外開口部が穿設され、前記側壁に上下方向に延びたヒンジ線が形成される枠体と、前記外背面壁と平行に配置され、少なくとも1つの内開口部が穿設される内背面壁と、前記正面壁と前記内背面壁とに回動可能に連設される少なくとも1つの棚部と、を備え、前記棚部は、前記正面壁から前記内背面壁に向けて延設される棚本体と、前記棚本体の先端に連設され、前記内背面壁の前面に接合される接合部と、前記接合部の一部に区画される凸部と、を有し、前記展示形態では、前記側壁が前記ヒンジ線で折れずに伸ばされ、前記内背面壁が前記外背面壁の前面に重なるように配置され、前記棚本体が前記正面壁と前記内背面壁との間に横架され、前記内背面壁に接合された前記接合部が前記棚本体に対して上方に屈曲し、前記凸部が前記接合部から切り出されて後方に突出し、前記内開口部と前記外開口部とに差し込まれて前記外開口部の下縁部に当接し、前記折畳形態では、前記棚本体が前記正面壁との境界を中心に上方に回動することで前記凸部を前記外開口部と前記内開口部とから前方に引き抜きながら前記接合部を延ばすように起立し、前記内背面壁が前記棚本体の回動に伴って持ち上げられながら前方に移動して前記棚本体の後面に重なり、前記側壁を前記ヒンジ線で山折りすることで前記正面壁と前記外背面壁とが互いに接近する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、所望の積載荷重を担保しながら迅速かつ簡単に変形させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る展示台(展示形態)を示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る展示台(折畳形態)を示す斜視図である。
図3A】本発明の一実施形態に係る展示台の枠体(側壁)のブランクを示す平面図である。
図3B】本発明の一実施形態に係る展示台の枠体(外背面壁)のブランクを示す平面図である。
図4A】本発明の一実施形態に係る展示台の内背面壁のブランクを示す平面図である。
図4B】本発明の一実施形態に係る展示台の棚部のブランクを示す平面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る展示台の展示パネルのブランクを示す平面図である。
図6】本発明の一実施形態に係る展示台の枠体の組立手順を説明する斜視図である。
図7】本発明の一実施形態に係る展示台の棚構造体の組立手順を説明する斜視図である。
図8】本発明の一実施形態に係る展示台の枠体と棚構造体との連結手順を説明する斜視図である。
図9図1のIX-IX断面図である。
図10図1のX-X断面図である。
図11】本発明の一実施形態に係る展示台を折畳形態に変形する途中を示す斜視図である。
図12図2のXII-XII断面図である。
図13】本発明の一実施形態に係る展示台(折畳形態)を示す斜視図である。
図14】従来の陳列棚の一部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。なお、図面に示すFr、Rr、L、R、U、Dは、前、後、左、右、上、下を示している。前後方向、左右方向および上下方向は互いに直交している。本明細書では方向や位置を示す用語を用いるが、それらの用語は説明の便宜のために用いるものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。また、方向や位置を示す用語は、展示台を使用する状態での方向や位置を基準にしている。
【0017】
[展示台]
図1図2図3A図3B図4A図4Bおよび図5を参照して、実施形態に係る展示台1について説明する。図1は展示台1(展示形態F1)を示す斜視図である。図2は展示台1(折畳形態F2)を示す斜視図である。図3Aは枠体2(側壁5)のブランク2A~2Cを示す平面図である。図3Bは枠体2(外背面壁4)のブランク2Dを示す平面図である。図4Aは内背面壁7のブランク7Aを示す平面図である。図4Bは棚部8のブランク8A~8Cを示す平面図である。図5は展示パネル70のブランク70Aを示す平面図である。
【0018】
展示台1は、例えば、店頭に設置され、商品(図示せず)を展示(陳列)するために使用されるものである。図1に示すように、展示台1は、複数(例えば3つ)の正面壁3、外背面壁4および一対の側壁5を有する枠体2と、枠体2の内側に配置された棚構造体6と、を備えている。3つの正面壁3は、上下方向に間隔をあけて配置され、上下に隣接する正面壁3同士の間には正面開口部3Aが開口している。枠体2の上部後方には、展示パネル70が立設されている。棚構造体6は、外背面壁4と平行に配置される内背面壁7と、3つの正面壁3と内背面壁7との間に架設される3つの棚部8と、を有している。棚部8は、正面壁3と内背面壁7とに回転可能に連設されている。
【0019】
展示台1は、商品を展示する際の形態である展示形態F1(図1参照)と、保管したり輸送したりする際の形態である折畳形態F2(図2参照)との間で変形可能に構成されている。図1に示すように、展示形態F1では、枠体2は概ね角筒状に形成され、内背面壁7は外背面壁4の前面に重なるように配置され、棚部8は正面壁3と内背面壁7との間に略水平に架設される。図2に示すように、折畳形態F2では、棚部8は正面壁3との境界を中心に跳ね上げられ、内背面壁7は棚部8の後面に重なるように配置され、枠体2は側壁5を内側に折り込んで前後方向に潰される。
【0020】
枠体2は、図3Aおよび図3Bに示すブランク2A,2B,2C,2Dを組み立てることで形成される。棚構造体6は、図4Aおよび図4Bに示すブランク7A,8A,8B,8Cを組み立てることで形成される。展示パネル70は、図5に示すブランク70Aを組み立てることで形成される。これらのブランク2A~2D,7A,8A~8C,70Aは、それぞれ1枚の紙製の段ボールシートを抜型等で打ち抜いて形成されている。段ボールシートは、例えば、波状の中しん9Aに表ライナ9Bと裏ライナ9Cとを貼り合せた両面段ボールシートである。なお、本明細書では、段ボールシートの中しん9Aと平行な方向を「段方向」と呼び、段方向に直交する方向を「流れ方向」と呼ぶこととする。図面に示す「X」は「段方向」を示し、「Y」は「流れ方向」を示している。
【0021】
[枠体(外側面壁等)のブランク]
図3Aに示すように、枠体2のブランク2Aは、外側面壁10と、3つの正面片11と、2つの正面開口補強片12と、上方補強片13と、背面接続片14と、を有している。なお、図3Aに示すブランク2Aは枠体2の左側を構成するものであるが、枠体2の右側を構成するブランク2Aは、左側のブランク2Aを左右反転させたものと同一であるため、その説明は省略する。
【0022】
<外側面壁>
外側面壁10は、概ね縦長となる長方形状に形成されている。外側面壁10の上端(上辺)は、後方から前方に向かって下方に傾斜している。外側面壁10の前後方向(流れ方向)の略中央には、上下方向(段方向)に延びたヒンジ線L21が形成されている。外側面壁10には、前端から後方に向かって2つの外面凹部10Aが凹設されている。外面凹部10Aは、前方から後方に向かって上下方向に狭くなる略台形状に形成されている。2つの外面凹部10Aが上下方向に間隔をあけて凹設されることで、外側面壁10の前側には3つの外面凸部10Bが相対的に突設されている。外面凸部10Bは、後方から前方に向かって上下方向に狭くなる略台形状に形成されている。上段と下段の外面凸部10Bは略同一形状(同一の大きさ)に形成され、下段の外面凸部10Bは上段等の外面凸部10Bよりも上下方向に長く形成されている。外面凸部10Bの前後方向の略中央には、ヒンジ線L21と平行となる第2のヒンジ線L22が形成されている。
【0023】
<正面片>
3つの正面片11は、第1折曲線L1を介して3つの外面凸部10Bの前端に連設されている。上段と中段の正面片11は略正方形状に形成され、下段の正面片11は上段等の正面片11よりも上下方向に長い略長方形状に形成されている。
【0024】
<正面開口補強片>
2つの正面開口補強片12は、一対の第2折曲線L2を介して2つの外面凹部10Aの縦縁部(3つの外面凸部10Bを除く外側面壁10の前端)に連設されている。正面開口補強片12は上下方向に長い略長方形状に形成され、正面開口補強片12の先端は外面凸部10Bの先端と略一致している。一対の第2折曲線L2は互いに平行に形成され、一対の第2折曲線L2の間には段ボールシート1枚程度の幅となる開口額縁部12Aが形成されている。
【0025】
<上方補強片>
上方補強片13は、一対の第3折曲線L3を介して外側面壁10の上端に連設されている。上方補強片13が、外側面壁10の上端から斜め前方に延びており、略平行四辺形状に形成されている。一対の第3折曲線L3は互いに平行に形成され、一対の第3折曲線L3の間には段ボールシート1枚程度の幅となる上方額縁部13Aが形成されている。上方補強片13および上方額縁部13Aには、ヒンジ線L21の上端から斜め前方に延びた側方切断線20(切目)が形成されている。上方補強片13および上方額縁部13Aは、側方切断線20によって前後方向に略二等分に分割されている。
【0026】
<背面接続片>
背面接続片14は、一対の第4折曲線L4を介して外側面壁10の後端に連設されている。一対の第4折曲線L4は互いに平行に形成され、一対の第4折曲線L4の間には段ボールシート3枚程度の幅となる後方額縁部14Aが形成されている。
【0027】
なお、第1~第4折曲線L1~L4およびヒンジ線L21並びに第2のヒンジ線L22は、段ボールシートを裏ライナ9C側から厚み方向に潰した汎用罫線である。汎用罫線は、主に裏ライナ9Cを内側に向けるように段ボールシートを折り曲げる(正折りまたは山折りする)機能を有するが、ヒンジ線L21は、表ライナ9Bを内側に向けるように段ボールシートを折り曲げる(逆折りまたは谷折りする)ために設けられている。これらの線L1~L4、L21,L22は、汎用罫線に限らず、汎用罫線上にミシン目を入れたリード罫等、段ボールシートを所望の向きに折り曲げるための構造であれば如何なるものでもよい。
【0028】
[芯面壁のブランク]
図3Aに示すように、芯面壁15のブランク2Bは、ブランク2Aの外側面壁10と概ね同一形状に形成されている。芯面壁15のブランク2Bには、芯面分断線21と、2つの芯面凹部15Aと、3つの芯面凸部15Bと、が設けられている。なお、図3Aに示すブランク2Bは枠体2の左側を構成するものであるが、枠体2の右側を構成するブランク2Bは、左側のブランク2Bを左右反転させたものと同一であるため、その説明は省略する。
【0029】
芯面分断線21は、芯面壁15(ブランク2B)の前後方向の略中央で上下方向(段方向)に延設されている。芯面分断線21は、複数の継ぎ目と複数の切目とを交互に一列に並べてミシン目のように構成されている。2つの芯面凹部15Aは上下方向に間隔をあけて芯面壁15の前端から後方に向かって凹設され、3つの芯面凸部15Bは外側面壁10の前側に相対的に突設されている。芯面凹部15Aおよび芯面凸部15Bは、外側面壁10の外面凹部10Aおよび外面凸部10Bと概ね同様の形状を成しており、芯面凹部15Aの窪み量(芯面凸部15Bの突出量)は、第2のヒンジ線L22からの外面凹部10Aの窪み量と略同等とされている。
【0030】
[内側面壁のブランク]
図3Aに示すように、内側面壁16のブランク2Cは、芯面壁15よりも枠体2の上方補強片13の高さ分だけ上下方向に低くなっているが、芯面壁15のブランク2Bと略同一形状に形成されている。内側面壁16のブランク2Cには、内面分断線22と、2つの内面凹部16Aと、3つの内面凸部16Bと、が設けられている。なお、図3Aに示すブランク2Cは枠体2の左側を構成するものであるが、枠体2の右側を構成するブランク2Cは、左側のブランク2Cを左右反転させたものと同一であるため、その説明は省略する。
【0031】
内面分断線22は、内側面壁16(ブランク2C)の前後方向の略中央で上下方向(段方向)に延設されている。内面分断線22は、複数の継ぎ目と複数の切目とを交互に一列に並べてミシン目のように構成されている。2つの内面凹部16Aは、上下方向に間隔をあけて芯面壁15の前端から後方に向かって凹設され、3つの芯面凸部15Bは外側面壁10の前側に相対的に突設されている。内面凹部16Aは芯面凹部15Aよりも後方に深く凹んでおり、内面凹部16Aの後側は正面開口補強片12を嵌合させるための嵌合凹部16Cとなっている(詳細は後述する)。
【0032】
なお、ミシン目様に構成された芯面分断線21および内面分断線22は、段ボールシートを折り返して切断(分断)する機能を有している。芯面壁15や内側面壁16が芯面分断線21や内面分断線22に沿って折り曲げられると、芯面分断線21等の継ぎ目が破断し、芯面壁15や内側面壁16は二分割(略二等分)にされる。
【0033】
[外背面壁のブランク]
図3Bに示すように、外背面壁4のブランク2Dは、外背面本体17と、背面補強壁18と、背面巻込み片19と、を有している。
【0034】
<外背面本体>
外背面本体17は、外側面壁10の後部と略同一高さとなる略長方形状に形成されている。外背面本体17の左右方向(流れ方向)の略中央領域には、3つの外開口部23が上下方向(段方向)に間隔をあけて穿設されている。外開口部23は略長方形状の開口であり、上段の外開口部23は中段と下段の外開口部23よりも僅かに上下方向に短く形成されている。詳細は後述するが、3つの外開口部23は、3つの棚部8に対応して穿設されている。
【0035】
<背面補強壁>
背面補強壁18は、一対の第5折曲線L5を介して外背面本体17の上端に連設されている。背面補強壁18は、外背面本体17よりも僅かに幅狭い横長となる略長方形状に形成されている。背面補強壁18の高さ(段方向の寸法)は、外背面本体17の上端から上段の外開口部23の上縁部までの寸法と略同一とされている。一対の第5折曲線L5は互いに平行に形成され、一対の第5折曲線L5の間には段ボールシート1枚程度の幅となる背面額縁部18Aが形成されている。
【0036】
<背面巻込み片>
背面巻込み片19は、一対の第6折曲線L6を介して背面補強壁18の先端に連設されている。背面巻込み片19は、背面補強壁18よりも幅狭い横長となる略長方形状に形成されている。背面巻込み片19の高さ(段方向の寸法)は、背面補強壁18の高さよりも短く設定されている。一対の第6折曲線L6は互いに平行に形成され、一対の第6折曲線L6の間には段ボールシート1枚よりも薄い幅となる巻込み額縁部19Aが形成されている。
【0037】
なお、第5~第6折曲線L5~L6は、汎用罫線であるが、これに限らず、リード罫等、段ボールシートを折り曲げるための構造であれば如何なるものでもよい。
【0038】
[内背面壁のブランク]
図4Aに示すように、内背面壁7のブランク7Aは、内背面本体30と、上部補強片31と、一対の側部補強片32と、下部補強片33と、を有している。
【0039】
<内背面本体>
内背面本体30は、上記したブランク2Dの外背面本体17よりも上下方向に短い(背の低い)略長方形状に形成されている。内背面本体30の左右方向(流れ方向)の略中央領域には、3つの開口補強片34が上下方向(段方向)に間隔をあけて形成されている。開口補強片34は、内背面本体30に上方に向けて凸となる略U字状(コ字状)の開口切目線40を形成することで、内背面本体30に略長方形状に区画されている。開口補強片34の下端には、開口切目線40の両端を結ぶように第1折返し線41が形成されている。詳細は後述するが、3つの開口補強片34が第1折返し線41を中心に下方に折り返されることで、内背面本体30には3つの内開口部35が開口する。3つの内開口部35は、3つの棚部8(3つの外開口部23)に対応して穿設されている。内開口部35は、外開口部23よりも上下方向に狭く形成されている。
【0040】
<上部補強片>
上部補強片31は、一対の第2折返し線42を介して内背面本体30の上端に連設されている。上部補強片31は、基端から先端に向かって幅狭くなる略台形状に形成されている。一対の第2折返し線42は互いに平行に形成され、一対の第2折返し線42の間には段ボールシート1枚未満の幅となる上額縁部31Aが形成されている。なお、上部補強片31の先端側の左右方向の中央領域は、上部補強片31を折り返した状態で内開口部35に干渉しないように凹んでいる。
【0041】
<側部補強片>
一対の側部補強片32は、一対の第3折返し線43を介して内背面本体30の左右方向の両端に連設されている。側部補強片32は、概ね長方形状に形成されているが、上部補強片31と側部補強片32とを折り返した状態で互いに干渉しないように、側部補強片32の上部は斜めに切り欠かれている。一対の第3折返し線43は互いに平行に形成され、一対の第3折返し線43の間には段ボールシート1枚未満の幅となる側額縁部32Aが形成されている。
【0042】
<下部補強片>
下部補強片33は、第4折返し線44を介して内背面本体30の下端に連設されている。下部補強片33は、内背面本体30よりも左右幅を狭くした略長方形状に形成されている。
【0043】
なお、第1~第3折返し線41~43は、段ボールシートを、表ライナ9Bを残して裏ライナ9C側から厚み方向に切断した半切線である。第4折返し線44は、芯面分断線21等と同様のミシン目構造である。第1~第4折返し線41~44は、半切線やミシン目構造に限らず、段ボールシートを折り返す(または切断する)ための構造であれば如何なるものでもよい。
【0044】
[上段と中段の棚部のブランク]
図4Bに示すように、上段と中段の棚部8のブランク8Aは、棚壁50と、内前壁51と、外前壁52と、前補強片53と、一対の側補強片54と、接合部55と、を有している。
【0045】
<棚壁、内前壁、外前壁、前補強片>
棚壁50は、左右方向を長辺とする長方形状に形成され、商品の載せる面となる。内前壁51は、第7折曲線L7を介して棚壁50の前端(段方向の一端)に連設されている。内前壁51は、棚壁50と略同一の左右幅となる略長方形状に形成され、その高さ(段方向の寸法)はブランク2Aの正面片11の高さよりも僅かに高く設定されている。外前壁52は、一対の第8折曲線L8を介して内前壁51の先端(段方向の一端)に連設されている。外前壁52は、内前壁51よりも僅かに幅広い略長方形状に形成されている。一対の第8折曲線L8は互いに平行に形成され、一対の第8折曲線L8の間には段ボールシート1枚程度の幅となる正面額縁部52Aが形成されている。前補強片53は、第5折返し線45を介して外前壁52の先端(段方向の一端)に連設されている。前補強片53は、外前壁52よりも幅狭い略長方形状に形成され、外前壁52と左右方向の中心を一致させて配置されている。
【0046】
<側補強片>
一対の側補強片54は、一対の第9折曲線L9を介して棚壁50の左右方向の両端(流れ方向の両端)に連設されている。側補強片54は、棚壁50と略同一の前後幅となる略長方形状に形成され、その突出寸法(流れ方向の寸法)は内前壁51の高さよりも短く設定されている。一対の第9折曲線L9は互いに平行に形成され、一対の第9折曲線L9の間には段ボールシート1枚程度の幅となる側面額縁部54Aが形成されている。
【0047】
<接合部>
接合部55は、第1接合壁60と、第2接合壁61と、接合補強片62と、を有している。
【0048】
(第1接合壁)
第1接合壁60は、第10折曲線L10を介して棚壁50の後端(段方向の他端)に連設されている。第1接合壁60は、内前壁51と略同一となる略長方形状に形成されている。第1接合壁60の左右方向(流れ方向)の中央領域には、略U字状(コ字状)の接合切目線63が第10折曲線L10から突き出すように形成されている。第1接合壁60に接合切目線63を形成することで、第1接合壁60の一部に略長方形状の棚凸部64が区画される。棚凸部64は、棚壁50と一体に形成され、棚壁50の後端から第1接合壁60に食い込むように延設されている。
【0049】
(第2接合壁、接合補強片)
第2接合壁61は、一対の第11折曲線L11を介して第1接合壁60の先端(段方向の他端)に連設されている。第2接合壁61は、第1接合壁60と略同一となる略長方形状に形成されている。一対の第11折曲線L11は互いに平行に形成され、一対の第11折曲線L11の間には段ボールシート1枚程度の幅となる接合額縁部61Aが形成されている。接合補強片62は、第6折返し線46を介して第2接合壁61の先端に連設されている。接合補強片62は、第2接合壁61と略同一の前後幅となる略長方形状に形成され、その突出寸法(段方向の寸法)は第2接合壁61の突出寸法よりも僅かに短く設定されている。第2接合壁61および接合補強片62には、第6折返し線46を横断するように略長方形状の連通穴65が穿設されている。連通穴65は、接合切目線63(棚凸部64)に対応した位置で、棚凸部64が貫通可能に形成されている。
【0050】
なお、第8折曲線L8、第9折曲線L9および第11折曲線L11は汎用罫線であり、第7折曲線L7および第10折曲線L10はリード罫である。リード罫は、主に逆折り(または谷折り)する機能を有している。第7~第11折曲線L7~L11は、汎用罫線やリード罫に限らず、ミシン目等、段ボールシートを折り曲げるための構造であれば如何なるものでもよい。また、第5~第6折返し線45,46は、芯面分断線21等と同様のミシン目構造であるが、これに限らず、半切線等、段ボールシートを折り返すための構造であれば如何なるものでもよい。
【0051】
[下段の棚部のブランク]
図4Bに示すように、下段の棚部8のブランク8Bは、上記した上段と中段の棚部8のブランク8Aに近似した形状となっている。なお、ブランク8Bの説明では、ブランク8Aと異なる構成について説明し、ブランク8Aと共通する構成については同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0052】
ブランク8Bでは、上記したブランク8Aの前補強片53が省略されている。ブランク8Bでは、外前壁52が、ブランク2Aの下段の正面片11の高さに合わせて、内前壁51よりも段方向に長く(背が高く)形成されている。
【0053】
[棚補強部のブランク]
図4Bに示すように、棚補強部66のブランク8Cは、中層補強壁67と、下層補強壁68と、を有している。なお、棚補強部66のブランク8Cは、1つの棚部8に対して1枚使用される。
【0054】
中層補強壁67は、ブランク8A,8Bの棚壁50と略同一となる略長方形状に形成されている。下層補強壁68は、中層補強壁67よりも左右方向(流れ方向)に幅狭い略長方形状に形成されている。中層補強壁67および下層補強壁68には、左右方向に幅狭くなる補強連結部67A,68Aが形成されている。中層補強壁67と下層補強壁68とは、補強連結部67A,68A同士を突き合わせて段方向に並設されている。補強連結部67A,68A同士は、第7折返し線47(例えば、ミシン目構造)を介して連設されている。
【0055】
[展示パネルのブランク]
図5に示すように、展示パネル70のブランク70Aは、パネル本体71と、一対のパネル補強片72と、を有している。
【0056】
パネル本体71は、上記したブランク2Dの外背面本体17と略同一の左右幅となる略長方形状に形成されている。図示は省略するが、パネル本体71の表面(表ライナ9B)には、陳列される商品の広告等の情報(文字や絵柄等)が印刷されている。なお、パネル本体71には、印刷に代えて、ステッカー等が貼付されてもよい。一対のパネル補強片72は、一対のパネル折線L12(例えば、汎用罫線)を介してパネル本体71の左右方向の両端に連設されている。一対のパネル折線L12は互いに平行に形成され、一対のパネル折線L12の間には段ボールシート1枚未満の幅となるパネル額縁部72Aが形成されている。展示パネル70は、一対のパネル補強片72を一対のパネル折線L12に沿って裏側に折り返してパネル本体71の裏面(裏ライナ9C)に接着することで形成される。
【0057】
[展示台の組立]
次に、展示台1の組立手順の一例について説明する。ここでは、一例として、作業者が手作業で展示台1を組み立てる場合について説明する。
なお、図面には符号を付していないが、上記した複数のブランク2A~2D,7A,8A~8C,70Aには、部材同士を接合(接着)する際の位置合せに使用するマーク(切目や切り欠き等)が形成されている。また、部材同士の接合(接着)には、ホットメルト接着剤、エマルジョン系接着剤、両面テープ等が使用することができる。また、粘着テープを用いて部材同士を固定してもよい。
【0058】
<枠体の組立>
図6を参照して、枠体2の組立手順の一例について説明する。図6は枠体2の組立手順を説明する斜視図である。
【0059】
(側壁の組立)
作業者は、ブランク2Aの外側面壁10の裏面(裏ライナ9C)に芯面壁15(ブランク2B)を接着し、芯面壁15の上に内側面壁16(ブランク2C)の裏面(裏ライナ9C)を接着する。芯面壁15および内側面壁16は、外側面壁10と下端に揃え、芯面分断線21および内面分断線22をヒンジ線L21に一致させ、第2のヒンジ線L22と第4折曲線L4との間で外側面壁10に積層される。外側面壁10の第2のヒンジ線L22は、芯面凸部15Bや内面凸部16Bの前端と略一致している。外側面壁10と内側面壁16との表面(表ライナ9B)は露出する。なお、内側面壁16は、段ボールシートの表裏は問われず、外側面壁10と内側面壁16との前後・上下の向きが一致していればよい。
【0060】
作業者は、正面開口補強片12を一対の第2折曲線L2に沿って内側(後方)に折り返し、正面開口補強片12を芯面壁15に接着する。開口額縁部12Aは芯面凹部15Aの前端面を覆い隠し、正面開口補強片12は嵌合凹部16Cに嵌合して内側面壁16と略同一平面を構成する。
【0061】
作業者は、上方補強片13を一対の第3折曲線L3に沿って内側(下方)に折り返し、上方補強片13を芯面壁15に接着(固定)する。上方額縁部13Aは芯面壁15の上端面を覆い隠し、上方補強片13は先端を内側面壁16の上端に突き合わせて内側面壁16と略同一平面を構成する。なお、上方補強片13の側方切断線20は芯面分断線21に略一致している。
【0062】
以上によって、外側面壁10、芯面壁15および内側面壁16が三重壁構造となる側壁5を構成する。なお、作業者は、左右一対の側壁5を組み立てる。
【0063】
(側壁と外背面壁との連結)
作業者は、左右一対の側壁5(ブランク2A)の背面接続片14を一対の第4折曲線L4に沿って内側に折り曲げ、ブランク2Dの外背面本体17の後面(裏ライナ9C)の左右両側に接着する。作業者は、ブランク2Dの背面巻込み片19を一対の第6折曲線L6に沿って折り返して背面補強壁18の裏面(裏ライナ9C)に接着し、背面補強壁18を一対の第5折曲線L5に沿って下方(後方)に折り返して外背面本体17等に接着する。詳細には、背面補強壁18の左右両側は一対の背面接続片14の表面に接着され、背面巻込み片19は一対の背面接続片14の間に嵌合して外背面本体17の裏面に接着される。
【0064】
以上によって、外背面壁4が構成されると共に、外背面壁4と左右一対の側壁5とが連結される(後述する図8参照)。これにより、平面から見て前方を開放した略U字状(コ字状)となる枠体2の概形が構成される(後述する図8参照)。なお、芯面壁15、内側面壁16および上方補強片13の後端は外背面壁4の前面には接しておらず、一対の側壁5と外背面壁4との間には、後方額縁部14A(一対の第4折曲線L4)の幅に相当する一対の溝(後述する一対の嵌合溝73)が形成されている。
【0065】
<棚構造体の組立>
図7および図8を参照して、棚部8の組立手順の一例について説明する。図7は棚構造体6の組立手順を説明する斜視図である。図8は枠体2と棚構造体6との連結手順を説明する斜視図である。
【0066】
(棚補強部の組立)
作業者は、ブランク8Cを第7折返し線47に沿って折り返して中層補強壁67と下層補強壁68との裏面同士を接着する。以上によって、中層補強壁67と下層補強壁68とが重なり合って二重壁構造となる棚補強部66を構成する。また、補強連結部67A,68A同士は重なり合って二重壁構造となる補強凸部69を構成する。なお、作業者は、3つの棚補強部66を組み立てる。
【0067】
(棚部の組立)
作業者は、ブランク8A,8Bの棚壁50の裏面(裏ライナ9C)に、棚補強部66の中層補強壁67を接着する。また、作業者は、ブランク8A,8Bの一対の側補強片54を一対の第9折曲線L9に沿って下方に折り返し、一対の側補強片54を中層補強壁67に接着する。側面額縁部54Aは棚補強部66の側方端面を覆い隠し、側補強片54は先端を下層補強壁68の側方端に突き合わせて下層補強壁68と略同一平面を構成する。以上によって、棚壁50と棚補強部66とが重なり合って三重壁構造となる棚本体56を構成し、棚凸部64と補強凸部69が重なり合って三重壁構造となる凸部57を構成する。
【0068】
作業者は、接合部55の接合補強片62を第6折返し線46に沿って裏側に折り返し、接合補強片62を第2接合壁61の裏面(裏ライナ9C)に接着する。作業者は、第2接合壁61を一対の第11折曲線L11に沿って裏側に折り返し、接合補強片62の表面(表ライナ9B)を第1接合壁60の裏面(裏ライナ9C)に接着する。以上によって、接合補強片62、第2接合壁61および第1接合壁60が巻き込まれるように折り曲げられ、接合部55は三重壁構造となる。連通穴65は、第6折返し線46の側から切り込まれた略U字状(コ字状)の凹みとなり、接合切目線63と略一致する輪郭を成す。凸部57は、棚本体56の後端から後方に延び、接合切目線63と連通穴65との内側に配置されている。
【0069】
以上によって、概ね棚部8が完成する。棚本体56と接合部55とは、三重壁の表層(上層)となる棚壁50と第1接合壁60とで接続されており、三重壁の中層(中層補強壁67と接合補強片62)および下層(下層補強壁68と第2接合壁61)で分離されている(後述する図9参照)。なお、作業者は、上段と中段の棚部8(ブランク8A)の前補強片53を第5折返し線45で裏側に折り返し、前補強片53を外前壁52の裏面(裏ライナ9C)に接着する(図8も参照)。
【0070】
(内背面壁の組立)
作業者は、ブランク7Aの上部補強片31を一対の第2折返し線42に沿って裏側に折り返し、一対の側部補強片32を一対の第3折返し線43に沿って裏側に折り返し、下部補強片33を第4折返し線44に沿って裏側に折り返し、上部補強片31、一対の側部補強片32および下部補強片33を内背面本体30の裏面(裏ライナ9C)に接着する。以上によって、内背面本体30の外周縁部を二重壁構造とした内背面壁7が完成する。
【0071】
また、作業者は、開口補強片34を第1折返し線41に沿って下方(前方)に折り返し、開口補強片34を内背面本体30の表面(表ライナ9B)に接着する。これにより、内背面本体30には3つの内開口部35が開口する(穿設された状態になる)。開口補強片34が内開口部35の下縁部を中心に下方に折り返されて内背面壁7(内背面本体30)の前面に固定されることで、内開口部35の下側部分が二重壁構造となり、内開口部35の下縁部の厚みが増加する。
【0072】
(棚部と内背面壁の連結)
図8に示すように、作業者は、棚部8の接合部55を内背面壁7の前面に接合する。具体的には、作業者は、棚本体56を略水平な横臥姿勢とし、接合部55(第1接合壁60)を第10折曲線L10に沿って上方に屈曲させて起立させる。凸部57は、接合部55から切り出されて相対的に棚部8の後端から後方に延設される。作業者は、凸部57を内背面壁7の内開口部35に差し込んで内開口部35の下縁部に当接させつつ、接合部55(第2接合壁61)を内背面本体30の表面(表ライナ9B)に接着する。接合部55の接合切目線63(連通穴65)の輪郭は、内開口部35の輪郭に略一致している。以上によって、棚部8と内背面壁7とが連結され、棚構造体6が完成する。
【0073】
<枠体と棚構造体との連結>
図1図8ないし図10を参照して、枠体2と棚構造体6との連結手順について説明する。図9は、図1のIX-IX断面図である。図10は、図1のX-X断面図である。
【0074】
作業者は、棚構造体6を枠体2の内側に配置する。具体的には、作業者は、前方から枠体2の内部に向けて棚構造体6を移動させ、内背面壁7を外背面壁4の前面に重なる(対向する)ように配置する。内背面壁7の内開口部35を貫通した凸部57は、外背面壁4の外開口部23に差し込まれ、外開口部23の下縁部に当接する(支持される(図10参照))。
【0075】
作業者は、棚部8の内前壁51を第7折曲線L7に沿って上方に略直角に折り曲げ(図8も参照)、枠体2の正面片11を第1折曲線L1に沿って内側に略直角に折り曲げて内前壁51の裏面(裏ライナ9C)に対向させる(または接着する)。作業者は、内前壁51との間に正面片11を挟み込むように、棚部8の外前壁52を一対の第8折曲線L8に沿って下方(前方)に略直角に折り曲げ、外前壁52を正面片11の表面(表ライナ9B)に接着する(図9参照)。正面額縁部52Aは、正面片11の上端面を覆い隠す。上段と中段の棚部8では、外前壁52に接着された前補強片53が、左右一対の正面片11の間に配置され、内前壁51の裏面(裏ライナ9C)に接着される(図10参照)。上段と中段の棚部8では、内前壁51と外前壁52とが左右一対の正面片11および前補強片53を挟み込み、三重壁構造となる正面壁3が構成される(図9および図10参照)。下段の棚部8では、内前壁51と外前壁52とが左右一対の正面片11を挟み込み、左右両側を三重壁構造とする正面壁3が構成される(図9参照)。なお、内前壁51および外前壁52は、棚部8を構成する部材であるが、枠体2の正面壁3を構成する部材でもある。
【0076】
以上によって、枠体2と棚構造体6とが連結され、展示台1が完成する(図1図9および図10参照)。この状態で、展示台1は、商品を展示する際の形態である展示形態F1とされている。棚本体56は正面壁3から内背面壁7に向けて延設され、接合部55は棚本体56の先端(後端)に連設され、内背面壁7に固定されている。棚本体56と正面壁3とは表層(上層)となる棚壁50と内前壁51とで接続され、棚本体56の中層補強壁67と下層補強壁68とは正面壁3とは分離されている(図9参照)。なお、以上説明した展示台1の組立手順は一例であって、上記した手順に限らず、矛盾のない範囲で手順を入れ替えてもよい。
【0077】
[展示台の使用法]
次に、図1図9および図10を参照して、展示形態F1とされた展示台1を使用する場合について説明する。
【0078】
展示台1が展示形態F1とされた状態では、側壁5がヒンジ線L21で折れずに伸ばされ、枠体2は、平面(または底面)から見て略矩形環状に形成されている。外背面壁4、一対の側壁5および下段の正面壁3(外前壁52)は、それぞれ、下端面を設置面(床面)に当接(接地)させている。枠体2の正面には、上下方向に隣接する正面壁3同士の間に2つの正面開口部3Aが開口している(図1参照)。
【0079】
また、展示形態F1では、内背面壁7が、正面壁3から後方に離れ、外背面壁4の前面に重なる(対向する)ように配置されている。内背面壁7の下端面は、設置面(床面)に当接(接地)している。内背面壁7の内開口部35の下縁部は外背面壁4の外開口部23の下縁部と略一致しており、外開口部23は内開口部35よりも上方に長く形成されている(図10参照)。棚本体56は正面壁3と内背面壁7との間に略水平に横架され、内背面壁7に接合された接合部55は棚本体56に対して上方に屈曲し、凸部57は接合部55から切り出されて(相対的に)後方に突出する。凸部57は、内開口部35と外開口部23とに差し込まれて内開口部35の下縁部と外開口部23との下縁部に当接する。凸部57の先端(後端)は、外背面壁4から僅かに後方に突出する(外背面壁4の後面と一致させてもよい)。接合部55には、凸部57が切り出された位置に持手穴58が開口する。詳細には、持手穴58は、前方から順に、棚凸部64が接合切目線63に沿って抜け出してできた穴と、連通穴65と、内開口部35の上部とで構成されている。
【0080】
また、外背面壁4と一対の上方補強片13との間には、展示パネル70の左右両側を嵌め込む一対の嵌合溝73が形成されている。詳細には、嵌合溝73は、上段の棚部8の接合部55よりも上方であって、芯面壁15、内側面壁16および上方補強片13の後端と外背面壁4との間に後方額縁部14Aに沿って上下方向に延設されている。作業者は、展示パネル70の左右両端部を一対の嵌合溝73の上端に差し入れ、展示パネル70を嵌合溝73に沿って上方から下方に向けてスライドさせる(図8参照)。展示パネル70は、その左右両端部を一対の嵌合溝73に嵌合させ、その下端を内背面壁7の上端(上額縁部31A)に当接させることで、起立姿勢に支持される(図1参照)。なお、展示パネル70は必要に応じて取り付ければよく、不要であれば、展示パネル70や嵌合溝73は省略されてもよい。
【0081】
ユーザ(作業者)は、商品を、正面開口部3Aから枠体2の内部に差し入れ、棚本体56の上に載置(陳列)する。
【0082】
[展示台の折畳]
次に、図2図11および図12を参照して、展示台1を展示形態F1から折畳形態F2に変形する場合について説明する。図11は展示台1を折畳形態F2に変形する途中を示す斜視図である。図12は、図2のXII-XII断面図である。
【0083】
展示形態F1とされた展示台1は、折畳形態F2に変形されて、保管されたり輸送されたりする。なお、展示台1を展示形態F1から折畳形態F2に変形する場合、商品は棚本体56上から除去され、展示パネル70は取り外されているものとする。
【0084】
作業者は、上段の棚部8の持手穴58(図1および図10参照)に手を入れ、接合部55および内背面壁7(持手穴58の上縁部)に手を掛けて引き上げる。3つの棚本体56は、それぞれ、正面壁3(内前壁51)との境界(第7折曲線L7)に沿って上方に回動する(図11および図12参照)。各棚本体56は、上方に回動することで凸部57を外開口部23と内開口部35とから前方に引き抜きながら、接合部55を延ばすように起立する。凸部57は接合部55と一体となるように戻され、棚本体56、接合部55および凸部57は略同一平面上に配置される(図11参照)。内背面壁7は、3つの棚本体56の回動に伴って持ち上げられながら前方に向けて略平行に移動して3つの棚本体56の後面に重なる(対向する(図11参照))。内背面壁7は各正面壁3との間に各棚部8(棚本体56、接合部55、凸部57)を挟み込み、各棚部8および内背面壁7は各正面壁3と略平行な起立姿勢となる(図12参照)。なお、詳細には、中段の接合部55は上段の棚本体56の後面に重なり、下段の接合部55は中段の棚本体56の後面に重なっている(図12参照)。
【0085】
次に、作業者は、一対の側壁5を互いに接近するように内側に折り込む。外側面壁10の外面凸部10Bは、棚部8と内背面壁7との左右方向の端面に当接して第2のヒンジ線L22に沿って山折り(正折り)される(図2参照)。また、外面凸部10Bを除く外側面壁10は、一対の第4折曲線L4に沿って山折り(正折り)され、且つヒンジ線L21に沿って谷折り(逆折り)される(図2および図12参照)。外側面壁10がヒンジ線L21で谷折りされると、芯面壁15は芯面分断線21に沿って二分割にされ、内側面壁16は内面分断線22に沿って二分割にされ、上方補強片13は側方切断線20に沿って二分割にされる。正面壁3と外背面壁4とは、側壁5の外層となる外側面壁10で接続された状態になる。一対の側壁5をヒンジ線L21で谷折りすることで正面壁3と外背面壁4とが互いに接近する(図2および図12参照)。つまり、枠体2が一対の側壁5を内側に折り込みながら前後方向に潰れる。折り込まれた一対の側壁5は内背面壁7の後面に重なる(図12参照)。
【0086】
以上によって、展示台1は、展示形態F1から折畳形態F2に変形する(図2参照)。折畳形態F2では、起立姿勢となった棚部8と内背面壁7とは、折り込まれた一対の側壁5と共に正面壁3と外背面壁4との間に挟み込まれる。折畳形態F2となった展示台1は、外装箱(図示せず)に収容されて輸送される。
【0087】
なお、以上説明した展示形態F1の展示台1を折畳形態F2に変形する手順の逆手順を実行することで、折畳形態F2の展示台1を展示形態F1に変形することができる。例えば、作業者は、折り込まれた一対の側壁5を前後方向に広げ、3つの棚本体56を正面壁3との境界(第7折曲線L7)に沿って下方に回動させ、内背面壁7を押し下げながら後方に移動させて外背面壁4の前面に重ねる。棚本体56が下方に回動することで、接合部55は棚本体56に対して上方に屈曲し、凸部57は接合部55から抜け出して内背面壁7の内開口部35を通過する(図10参照)。棚本体56が略水平な横臥姿勢になると、接合部55は棚本体56の後端から略垂直上方に延設され、凸部57は外背面壁4の外開口部23に差し込まれる(図10参照)。凸部57は、内開口部35と外開口部23との下縁部に支持される(図10参照)。以上によって、展示台1は、折畳形態F2から展示形態F1に変形する(図1参照)。
【0088】
以上説明した本実施形態に係る展示台1では、展示形態F1において、接合部55が、横架された棚本体56に対して上方に屈曲して内背面壁7に接合される構成とした。この構成によれば、棚本体56に商品を載せた際の積載荷重は接合部55と内背面壁7との接合面と略平行に働くため、接合部55が内背面壁7から剥がれる方向(前方)に引っ張られることがなくなり、接合部55が内背面壁7から剥がれ難くなる。これにより、接合部55が内背面壁7に接合された状態を保持することができ、所望の積載荷重を担保することができる。また、剥がれた接合部55が2段階に折れ曲がる等の不具合を予防できるため、棚部8の見た目を良好に維持することができ、棚本体56を略水平に保ち物品を安定して陳列することができる。
【0089】
また、本実施形態に係る展示台1によれば、展示形態F1において、接合部55から離脱した凸部57が後方に突出して外開口部23の下縁部に当接する構成とした。この構成によれば、凸部57が外開口部23の下縁部に載っているため、仮に枠体2を持ち上げたとしても、棚部8および内背面壁7が枠体2から脱落することを阻止される。また、凸部57は外背面壁4に固定されないため、棚本体56を揺動させるだけで、開口部23,35に対して凸部57を出し入れすることができる。これにより、展示台1を迅速かつ簡単に変形させることができる。なお、各開口部23,35には、棚部8全体を差し込む必要が無く、棚部8の一部を突出させた凸部57を差し込めればよいため、各開口部23,35を左右方向に広く形成する必要が無く、外背面壁4や内背面壁7の強度を高く保つことができる。
【0090】
また、本実施形態に係る展示台1によれば、側壁5が内側に折り込まれるため、仮に側壁5が外側に突き出すように折り畳まれる場合に比べて、折畳形態F2とされた展示台1の左右方向の寸法(横幅)を小さくすることができる。これにより、輸送コストの低減や収納時の省スペース化を図ることができる。
【0091】
また、本実施形態に係る展示台1によれば、3つの棚部8を1つの内背面壁7に接合することで、3つの棚部8を連動させて揺動させることができる。また、3つの凸部57が3つの外開口部23に当接するため、枠体2からの各棚部8および内背面壁7の脱落を確りと阻止することができ、各棚本体56にかかる積載荷重を外背面壁4で確りと支持することができる。
【0092】
また、本実施形態に係る展示台1によれば、凸部57が外開口部23との下縁部に加えて、内開口部35の下縁部にも当接するため、棚本体56にかかる積載荷重を、外背面壁4に加えて内背面壁7にも負担させることができる。これにより、横架された棚本体56を確りと支えることができる。
【0093】
また、本実施形態に係る展示台1によれば、開口補強片34が内開口部35の下縁部を中心に前下方に折り返されて内背面壁7の前面に固定されることで、凸部57が当接する下縁部の面積を広げることができる。これにより、凸部57を介して棚本体56を確りと支持することができる。
【0094】
ところで、展示台1を折畳形態F2から展示形態F1に変形する過程で、内背面壁7は外背面壁4の前面に軽く接触しながら押し下げられる。このため、仮に、開口補強片34が後下方に折り返されて内背面壁7の後面に固定された場合、開口補強片34が外開口部23の下縁部に引っ掛かることがある。このような問題に対し、本実施形態に係る展示台1によれば、開口補強片34が内背面壁7の前面に固定されるため、開口補強片34が外開口部23の下縁部に引っ掛かることがなく、展示台1を折畳形態F2から展示形態F1に円滑に変形させることができる。
【0095】
また、本実施形態に係る展示台1では、展示形態F1において、凸部57が接合部55から離脱してできた開口が持手穴58とされていた。この構成によれば、棚本体56や接合部55等の任意の位置に別途の持手穴58をあける必要がなくなるため、展示台1の美粧性や棚部8の強度を向上させることができる。また、ユーザは持手穴58に手を入れて棚部8および内背面壁7を持ち上げることができるため、展示台1を展示形態F1から折畳形態F2に容易に変形させることができる。なお、本実施形態では、持手穴58が凸部57(の輪郭)と略同一の大きさで開口していたが、持手穴58(接合切目線63、連通穴65)は凸部57(棚凸部64、補強凸部69よりも大きく開口していてもよい(図示せず)。例えば、持手穴58を凸部57よりも上方に向けて大きく開口させることで、展示台1を展示形態F1から折畳形態F2に変形する過程で、凸部57が持手穴58に戻る際に、凸部57が持手穴58に入れた手に干渉することを防止することができる。
【0096】
また、本実施形態に係る展示台1によれば、枠体2の背面側の左右両角部に沿って形成された一対の嵌合溝73に展示パネル70の左右両端部を差し込むことで、外背面壁4の前面と平行に展示パネル70を立設させることができる。これにより、枠体2(外背面壁4等)に展示パネル70を取り付ける穴等を別途設ける必要がなくなるため、展示台1の美粧性を向上させることができる。
【0097】
また、本実施形態に係る展示台1によれば、棚本体56が三重壁構造とされているため、棚本体56の耐荷重性能を向上させることがでる。これにより、棚本体56を下から支える支持構造を商品の陳列空間に設ける必要が無くなるため、商品の陳列空間を広く確保することが可能になる。
【0098】
ここで、三重壁構造とされた棚本体56と接合部55とが最下層の段ボールシートで繋がり、接合部55が棚本体56に対して下方に屈曲して内背面壁7に固定されたと仮定する。この場合、展示形態F1では、棚本体56に積載荷重がかかると、最下層の段ボールシートが中層の段ボールシートから剥がれ易くなるという問題がある。また、折畳形態F2では、棚本体56と接合部55とが、最下層の段ボールシートを向き合わせた状態で重なるため、非常に分厚い六重壁となり、薄く折り畳むことができないという問題がある。これらの問題に対し、本実施形態に係る展示台1では、三重壁構造とされた棚本体56と接合部55とは最上層(棚壁50、第1接合壁60)で繋がり、接合部55が棚本体56に対して上方に屈曲して内背面壁7に固定されている(図9参照)。この構成によれば、展示形態F1では、棚本体56に積載荷重がかかっても、最上層の段ボールシート(第1接合壁60)を、中層の段ボールシート(接合補強片62)から剥がれ難くすることができる。また、折畳形態F2では、棚本体56と接合部55とが略同一平面を成すよう上下方向に一列に並ぶため、薄く折り畳むことができる(図12参照)。
【0099】
また、本実施形態に係る展示台1では、棚部8の一対の側補強片54が棚補強部66を抱え込むように折り返されていた。この構成によれば、棚壁50と棚補強部66とが一対の側補強片54によって強固に連結されるため、単に棚壁50と棚補強部66とを積層しただけの場合に比べて、棚本体56の剛性を向上させることができる。また、棚本体56の左右両端面が側面額縁部54Aで覆われるため、棚本体56の左右両端面が露出することなく、棚本体56の美粧性を向上させることができる。
【0100】
なお、本実施形態に係る展示台1では、側壁5(外側面壁10(外面凸部10B))に第2のヒンジ線L22が形成されていたが、第2のヒンジ線L22は省略されてもよい(図示せず)。仮に第2のヒンジ線L22を省略したとしても、側壁5(外側面壁10)は、起立姿勢となった棚部8と外背面壁4との側方端面に当接するため、第2のヒンジ線L22が形成されるであろう位置で山折りされることになる(図示せず)。
【0101】
[変形例]
以下、変形例について説明する。なお、以下の説明では、上記した本実施形態に係る展示台1と同様または対応する構成には同一の符号を付し、同様または対応する説明は省略する。
【0102】
以上説明した本実施形態に係る展示台1では、折畳形態F2において、側壁5をヒンジ線L21で谷折りすることで正面壁3と外背面壁4とが互いに接近する構成としたが、変形例に係る展示台1´では、図13に示すように、折畳形態F2において、側壁5をヒンジ線L21で山折りすることで正面壁3と外背面壁4とが互いに接近する構成としている。つまり、側壁5がヒンジ線L21を外側に突き出すように折り畳まれる。この場合、芯面壁15は外側面壁10の外面に固定され、内側面壁16は芯面壁15の外面に固定される。つまり、外側面壁10が側壁5の内層となり、内側面壁16が側壁5の外層となる。また、外側面壁10(外面凸部10B)には第2のヒンジ線L22が不要となる。この変形例に係る展示台1´によれば、所望の積載荷重を担保しながら迅速かつ簡単に変形させることができる等、上記した本実施形態に係る展示台1と同様の効果を得ることができる。また、側壁5が外側に折り畳まれるため、側壁5が内側に折り込まれる場合に比べて、折畳形態F2とされた展示台1´の厚み(前後方向の寸法)を薄くすることができる。
【0103】
なお、本実施形態(変形例を含む。以下同じ。)に係る展示台1,1´では、枠体2に3つの正面壁3が設けられ、3つの正面壁3と内背面壁7との間に3つの棚部8が設けられていたが、本発明はこれに限定されない。正面壁3および棚部8は、それぞれ少なくとも1つ設けられていればよい。また、外背面壁4の外開口部23や内背面壁7の内開口部35は、棚部8の数に応じて1つ以上形成されていればよい。
【0104】
また、本実施形態に係る展示台1,1´では、展示形態F1において、棚部8の凸部57が内開口部35の下縁部と外開口部23の下縁部とに当接していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、凸部57は、内開口部35の下縁部には当接せず(離間し)、外開口部23の下縁部のみに当接してもよい(図示せず)。つまり、凸部57は、少なくとも外開口部23との下縁部に当接し、少なくとも外背面壁4に支持されればよい。
【0105】
また、本実施形態に係る展示台1,1´では、側壁5が三重壁構造とされていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、芯面壁15または内側面壁16を省略して、側壁5が二重壁構造とされてもよいし、芯面壁15および内側面壁16が省略され、側壁5が外側面壁10のみで構成されてもよい(図示せず)。また、側壁5を構成する部材の積層枚数を問わず、正面開口補強片12や上方補強片13等は省略されてもよい(図示せず)。なお、上方補強片13を省略した場合、嵌合溝73(および展示パネル70)も省略される。
【0106】
また、本実施形態に係る展示台1,1´では、外側面壁10に外面凹部10A(外面凸部10B)が形成され、芯面壁15に芯面凹部15A(芯面凸部15B)が形成され、内側面壁16に内面凹部16A(内面凸部16B)が形成されていたが、これらの外面凹部10A等(外面凸部10B等)は省略されてもよい。つまり、側壁5の前端面は上端から下端まで略同一平面を成していてもよい(図示せず)。
【0107】
また、本実施形態に係る展示台1,1´では、棚補強部66のブランク8Cが、中層補強壁67と下層補強壁68とを連設して構成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、中層補強壁67と下層補強壁68とが分離されて個別のブランクとして構成されてもよい(図示せず)。また、接合部55は、第1接合壁60、第2接合壁61および接合補強片62を連設して構成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1接合壁60、第2接合壁61および接合補強片62が、それぞれ分離されて個別のブランクとして構成されてもよい(図示せず)。
【0108】
また、本実施形態に係る展示台1,1´では、棚本体56、接合部55および凸部57が三重壁構造とされていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、棚補強部66の中層補強壁67または下層補強壁68(補強連結部67A,68Aのいずれか一方を含む。)が省略され、棚本体56および凸部57が二重壁構造とされてもよい(図示せず)。この場合、接合部55も、接合補強片62を省略する等して二重壁構造とするとよい(図示せず)。また、例えば、棚補強部66を省略し、棚本体56および凸部57が一重壁構造とされ、接合補強片62および第2接合壁61を省略し、接合部55が一重壁構造とされてもよい(図示せず)。すなわち、棚本体56が棚壁50のみで構成され、接合部55が第1接合壁60のみで構成され、凸部57が棚凸部64のみで構成されてもよい(図示せず)。また、棚本体56等を構成する部材の積層枚数を問わず、一対の側補強片54は省略されてもよい(図示せず)。
【0109】
また、本実施形態に係る展示台1,1´では、棚部8に内前壁51および外前壁52が設けられていたが、外前壁52は省略されてもよい(図示せず)。この場合、例えば、左右一対の正面片11が先端同士を突き合せる長さに形成され、内前壁51が左右一対の正面片11に固定されるとよい(図示せず)。また、外前壁52は、棚部8(ブランク8A,8B)とは別のブランクとして構成され、左右一対の正面片11に固定されてもよい(図示せず)。また、上段と中段の棚部8には、前補強片53が設けられていたが、前補強片53は省略されてもよい(図示せず)。
【0110】
また、本実施形態に係る展示台1,1´には、部材(段ボールシート)の端面を覆って(隠して)美粧性の向上させるための部位が複数設けられていたが、これらは省略されてもよい。具体例としては、外背面壁4の背面補強壁18(背面額縁部18A)や背面巻込み片19(巻込み額縁部19A)、内背面壁7の上部補強片31(上額縁部31A)や側部補強片32(側額縁部32A)や下部補強片33、展示パネル70のパネル補強片72(パネル額縁部72A)等は省略されてもよい(図示せず)。
【0111】
また、本実施形態に係る展示台1,1´は、紙製の両面段ボールシートで形成されていたが、本発明はこれに限定されない。展示台1は、片面段ボール、複両面段ボール、複々両面段ボール、単紙(厚紙)または合成樹脂製の板材等で形成されていてもよい。
【0112】
なお、上記実施形態の説明は、本発明に係る展示台における一態様を示すものであって、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明は技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよく、特許請求の範囲は技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様を含んでいる。
【符号の説明】
【0113】
1,1´ 展示台
2 枠体
3 正面壁
4 外背面壁
5 側壁
7 内背面壁
8 棚部
13 上方補強片
23 外開口部
34 開口補強片
35 内開口部
55 接合部
56 棚本体
57 凸部
58 持手穴
70 展示パネル
73 嵌合溝
F1 展示形態
F2 折畳形態
L21 ヒンジ線
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14