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特開2023-158924洗濯機保守管理システム、洗濯機およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023158924
(43)【公開日】2023-10-31
(54)【発明の名称】洗濯機保守管理システム、洗濯機およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   D06F 33/30 20200101AFI20231024BHJP
【FI】
D06F33/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022068992
(22)【出願日】2022-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】田中 大輔
(72)【発明者】
【氏名】徳永 益規
(72)【発明者】
【氏名】加藤 功記
【テーマコード(参考)】
3B167
【Fターム(参考)】
3B167AE04
3B167AE05
3B167BA74
3B167BA82
3B167BA91
3B167BA92
3B167HA16
3B167HA31
3B167KA13
3B167LA08
3B167LA10
3B167LA23
3B167LA38
3B167LC11
3B167LC25
3B167MA03
3B167MA15
3B167MA17
(57)【要約】
【課題】
洗濯機の状態、つまり、実情に応じて、より適切な保守管理を支援することを課題とする。
【解決手段】
本発明は、洗濯機1、利用者端末2および洗濯機保守管理装置3を有し、前記洗濯機1の洗濯槽の保守管理を支援するための洗濯機保守管理システムにおいて、前記洗濯機1の運転状況を示し、複数の影響要素を含む運転履歴を収集する運転履歴収集部22、32と、複数の影響要素を用いて、前記洗濯槽の槽洗浄の要否を判定する洗浄要否判定部23、33と、前記洗濯槽の洗浄に用いる槽洗浄剤の発注処理行う消耗品発注部24、34を有し、洗濯槽前記洗浄要否判定部23、33の判定結果を出力する出力部27を有する洗濯機保守管理システムである。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯機、利用者端末および洗濯機保守管理装置を有し、前記洗濯機の洗濯槽の保守管理を支援するための洗濯機保守管理システムにおいて、
前記洗濯機の運転状況を示し、複数の影響要素を含む運転履歴を収集する運転履歴収集部と、
複数の影響要素を用いて、前記洗濯槽の槽洗浄の要否を判定する洗浄要否判定部と、
前記洗浄要否判定部の判定結果を、を出力する出力部を有する洗濯機保守管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の洗濯機保守管理システムにおいて、
前記複数の影響要素には、
前記洗濯機による水の汚れと、
前記洗濯機の洗濯に用いられた洗剤の種類および分量、前記洗濯に用いられた柔軟剤の種類および分量および前記洗濯での乾燥の有無のうち少なくとも1つが含まれる洗濯機保守管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の洗濯機保守管理システムにおいて、
前記洗濯機は、前記洗濯に用いられる水の硬度を検知する硬度センサを有し、
前記洗浄要否判定部は、前記水の汚れを、前記硬度センサで検知された前記洗濯機への流入前後における当該水の硬度の差分を用いて特定する洗濯機保守管理システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の洗濯機保守管理システムにおいて、
前記洗浄要否判定部で、前記槽洗浄が必要と判定した場合、当該槽洗浄を実行させる制御部をさらに有する洗濯機保守管理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の洗濯機保守管理システムにおいて、
前記槽洗浄に用いられる槽洗浄剤の発注が必要かを判定する消耗品発注部をさらに有し、
前記出力部は、前記槽洗浄剤の発注が必要と判定された場合、前記槽洗浄剤を発注するための発注情報を、販売サイトに送信する送信部である洗濯機保守管理システム。
【請求項6】
利用者端末または洗濯機保守管理装置と接続可能な洗濯機において、
前記洗濯機の運転状況を示し、複数の影響要素を含む運転履歴を取得する運転履歴取得部と、
前記利用者端末または前記洗濯機保守管理装置に前記運転履歴を送信し、
前記利用者端末または前記洗濯機保守管理装置にて、複数の影響要素を用いて、前記洗濯機の洗濯槽の槽洗浄の要否を判定が判定され、当該判定の結果に応じて制御指令を受信する通信部と、
前記制御指令に従って、前記槽洗浄の制御を行う制御部を有する洗濯機。
【請求項7】
請求項6に記載の洗濯機において、
前記複数の影響要素には、
前記洗濯機による水の汚れと、
前記洗濯機の洗濯に用いられた洗剤の種類および分量、前記洗濯に用いられた柔軟剤の種類および分量および前記洗濯での乾燥の有無のうち少なくとも1つが含まれる洗濯機。
【請求項8】
請求項7に記載の洗濯機において、
前記洗濯に用いられる水の硬度を検知する硬度センサをさらに有し、
前記利用者端末または前記洗濯機保守管理装置にて、前記水の汚れを、前記硬度センサで検知された前記洗濯機への流入前後における当該水の硬度の差分を用いて特定される洗濯機。
【請求項9】
洗濯機および洗濯機保守管理装置と接続する利用者端末をコンピュータとして機能させるためのプログラムであって、当該利用者端末を、
前記洗濯機の運転状況を示し、複数の影響要素を含む運転履歴を収集する運転履歴収集部と、
複数の影響要素を用いて、前記洗濯機の洗濯槽の槽洗浄の要否を判定する洗浄要否判定部と、
前記洗浄要否判定部の判定結果を、を出力する出力部として機能させるプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムにおいて、
前記複数の影響要素には、
前記洗濯機による水の汚れと、
前記洗濯機の洗濯に用いられた洗剤の種類および分量、前記洗濯に用いられた柔軟剤の種類および分量および前記洗濯での乾燥の有無のうち少なくとも1つが含まれるプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムにおいて、
前記洗濯機は、前記洗濯に用いられる水の硬度を検知する硬度センサを有し、
前記洗浄要否判定部は、前記水の汚れを、前記硬度センサで検知された前記洗濯機への流入前後における当該水の硬度の差分を用いて特定するプログラム。
【請求項12】
請求項9乃至11のいずれかに記載のプログラムにおいて、
前記洗浄要否判定部で、前記槽洗浄が必要と判定した場合、前記洗濯機の有する制御部が当該槽洗浄を実行させるプログラム。
【請求項13】
請求項12に記載のプログラムおいて、
前記利用者端末を、前記槽洗浄に用いられる槽洗浄剤の発注が必要かを判定する消耗品発注部としてさらに機能させ、
前記出力部は、前記槽洗浄剤の発注が必要と判定された場合、前記槽洗浄剤を発注するための発注情報を、販売サイトに送信する通信部として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機の保守管理を実現するための技術に関する。その中でも特に、槽洗浄を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機においては、洗濯に応じて消耗品が消耗、劣化する。このため、このような消耗品の管理が必要になる。例えば、洗濯には洗剤や柔軟剤が必要になる。また、洗濯による汚れが蓄積するため、洗浄剤を用いた洗浄が必要になる。そこで、洗濯機の保守管理のために、様々な技術が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ふろ水の使用回数や洗剤投入機による洗剤の投入回数、洗剤洗い回数、洗剤の種類などの情報に基づいて、槽洗浄を報知する選択運転回数のカウント数の設定値を変化させることで適切な槽洗浄タイミングを報知することが開示されている。また、特許文献2には、水槽の洗浄に必要な洗濯処理剤を自動発注することが記載されている。具体的には、前回の槽洗浄から所定の日数が経過した場合に、ユーザに槽洗浄の実行を促す通知を行う。また、槽洗浄剤を発注することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-79988号公報
【特許文献2】特開2021-83965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、現実の洗濯機においては、洗濯量や使用洗剤量や水の硬度などによって洗濯槽の汚れ状態は変化する。このため、適切に槽洗浄を含む保守管理を行うには、洗濯機の状態を把握する必要がある。
【0006】
しかしながら、特許文献1や特許文献2では、洗濯の利用期間や利用回数からユーザに槽洗浄を報知している。このため、これらでは、実際の洗濯槽の状態を確認して槽洗浄を報知し、実施するものではなかった。このため、特許文献1や2では、洗濯機の状態に応じた適切な保守管理を行うことが困難であった。そこで、本発明では、洗濯機の状態、つまり、実情に応じて、より適切な保守管理を支援することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明では、複数の影響要素を用いて判定された槽洗浄の要否を出力する。より具体的には、洗濯機、利用者端末および洗濯機保守管理装置を有し、前記洗濯機の洗濯槽の保守管理を支援するための洗濯機保守管理システムにおいて、前記洗濯機の運転状況を示し、複数の影響要素を含む運転履歴を収集する運転履歴収集部と、複数の影響要素を用いて、前記洗濯槽の槽洗浄の要否を判定する洗浄要否判定部と、前記洗浄要否判定部の判定結果を、を出力する出力部を有する洗濯機保守管理システムである。また、本発明には、洗濯機保守管理システムを用いた洗濯機保守管理方法も含まれる。さらに、本発明には、洗濯機保守管理システムを構成する各装置やこれらを用いた方法も含まれる。さらに、各装置をコンピュータとして機能させるためのプログラムも本発明に含まれる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、洗濯機の状態に応じて、より適切な保守管理を支援することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態における洗濯機保守管理システムのシステム構成図である。
図2】本発明の一実施形態における洗濯機の機能ブロック図である。
図3】本発明の一実施形態における利用者端末のハードウエア構成図である。
図4】本発明の一実施形態における洗濯機保守管理装置のハードウエア構成図である。
図5】本発明の一実施形態で用いられる利用者管理情報を示す図である。
図6】本発明の一実施形態で用いられる運転履歴情報を示す図である。
図7】本発明の一実施形態で用いられる保守基準情報を示す図である。
図8A】本発明の一実施形態における処理フローを示すフローチャート(その1)である。
図8B】本発明の一実施形態における処理フローを示すフローチャート(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について説明する。本実施形態では、洗濯機の保守を支援する技術を開示する。洗濯機では、使用や時間経過に応じて、槽や給水・排水経路を中心に汚れが蓄積されることになる。そこで、本実施形態では、洗濯機の保守として、槽洗浄や消耗品の発注の支援を行う。また、本実施形態では、水の硬度、汚れや槽洗浄履歴、洗剤使用履歴、柔軟剤使用履歴等の複数の影響要素を用いて、保守の必要性を判定する。
【0011】
<構成>
図1は、本実施形態における洗濯機保守管理システムのシステム構成図である。洗濯機保守管理システムは、洗濯機1、利用者端末2、洗濯機保守管理装置3および消耗品販売装置4で構成される。これらは、ルータ5やネットワーク6を介して接続される。
【0012】
まず、洗濯機1は、本実施形態における保守の対象であり、自身の運転により衣服の洗濯を行う。洗濯機1は、この洗濯のための洗剤や柔軟剤の自動投入機能を有することが望ましい。また、洗濯機1は、槽洗浄機能を有するとする。なお、本発明では、これら自動投入機能や槽洗浄機能は必須ではない。さらに、洗濯機1は、自身の運転状況を示す運転履歴を取得し、これを利用者端末2や洗濯機保守管理装置3に送信する。
【0013】
ここで、これらを実現するための洗濯機1の構成について説明する。図2は、本実施形態における洗濯機1の機能ブロック図である。図2において、洗濯機1は、制御部101、通信部104、表示操作パネル105、稼働部106、硬度センサ107、画像センサ108および消耗品センサ109を有する。
【0014】
まず、制御部101は、洗濯や槽洗浄といった機能を実現するための制御信号を作成、出力する制御信号作成部102および洗濯機1の運転履歴を取得する運転履歴取得部103を有する。また、運転履歴取得部103は、稼働部106や各種センサ(107~109)もしくは制御信号作成部102から運転履歴を取得する。ここで、運転履歴とは、洗濯機1の運転を示すデータであり、時間ごとの運転内容や運転に応じた各種センサ(107~109)での検知データが含まれる。運転内容には、洗濯のモードや利用した洗剤等の消耗品の使用量(分量)を用いることができる。また、検知データには、洗濯機1への流入前後の水の硬度や濁り具合を用いることができる。そして、検知データが、本実施形態での影響要素として用いられることになる。
【0015】
なお、制御部101は、MPU(Micro-Processing Unit)で実現可能であり、制御信号作成部102や運転履歴取得部103各部は専用ハードウエアやプログラムといったソフトウエアで実現できる。
【0016】
また、通信部104は、ルータ5やネットワーク6を介した通信や近距離無線通信機能を有する。そして、通信部104は、取得された運転履歴を出力したり、利用者端末2などから制御指示や運転履歴の収集指示を受け付けたりする。また、表示操作パネル105は、利用者から洗濯機1に対する操作を受け付けたり、洗濯機1の運転履歴を含む運転状況を出力したりする。
【0017】
また、稼働部106は、制御部101からの制御に従って、各種機能を実行する。具体的には、洗濯や槽洗浄を実行する。このため、稼働部106は、複数の構成であることが望ましい。例えば、洗濯槽を回転するためのモータや洗剤等を自動投入する機構として実現される。
【0018】
なお、本実施形態では、後述の利用者端末2や洗濯機保守管理装置3で、保守支援として槽洗浄の要否を判定や消耗品の発注処理を行っているが、少なくともこれらの一部を、洗濯機1で実行してもよい。この場合、表示操作パネル105が、判定結果や発注に関する情報を表示する構成としてもよい。
【0019】
また、硬度センサ107は、洗濯機1への流入前後の水の硬度を検知する。このため、硬度センサ107は、流入前用の流入前硬度センサ107-1と流入後用の流入後硬度センサ107-2を設置することが望ましい。また、流入前後とは、洗濯での使用前後の他、硬度検知のための計測運転における流入前後が含まれる。なお、硬度センサ107を洗濯機の給水弁付近と排水弁付近に設けることが可能である。
【0020】
さらに、洗濯での使用前後の硬度を検知する場合、すすぎ(特に、その終了間近)など衣服の汚れがある程度落ちた後のタイミングで行なうことが望ましい。このように計測運転やすすぎ等で行うことで、洗濯機1による水の汚れを精度よく検知することが可能となる。
【0021】
また、画像センサ108は、洗濯機1への流入前後の水を撮影する。特に、画像センサ108は、その透明度を検知できればよい。そして、画像センサ108は、硬度センサ107と同様に、流入前画像センサ108-1と流入後画像センサ108-2を設置することが望ましい。さらに、検知するタイミングも、硬度センサ107と同様に、計測運転やすすぎの際などであることが望ましい。このように、本実施形態では、運転の前後における水の汚れに対する影響要素の例として、流入前後の水の硬度や画像が用いられる。また、消耗品センサ109は、自動投入される洗剤や槽洗浄剤の量を検知するセンサである。但し、自動投入しない場合などでは、本センサは省略できる。
【0022】
またさらに、洗濯機1の保守として、給水弁や排水弁に設けられたフィルタの劣化へ対応してもよい。この場合、センサとして、フィルタの上流と下流に設けられた流速センサを用いることになる。なお、保守用のセンサとしては、上述の一部のセンサを省略してもよいし、他のセンサを用いてもよい。
【0023】
以上で図2の説明を終わり、図1の説明に戻る。次に、利用者端末2は、利用者により操作され、洗濯機1の管理機能を有する。管理機能としては、洗濯機1の洗濯や槽洗浄の制御や槽洗浄剤等の消耗品の発注が含まれる。このために、利用者端末2は、通信部21、運転履歴収集部22、洗浄要否判定部23、消耗品発注部24、制御指令作成部25、入力部26、出力部27および記憶部28を有する。
【0024】
通信部21は、近距離無線通信機能やルータ5を介した通信機能により、洗濯機1や他装置とネットワーク6を介して通信する機能を有する。運転履歴収集部22は、洗濯機1の運転に関する履歴を示す運転履歴を収集する。
【0025】
また、洗浄要否判定部23は、運転履歴に基づき、洗濯機1の槽洗浄の要否を判定する。この際、運転履歴そのものを用いてもよいし、運転履歴から作成される運転履歴情報362を用いてもよい。また、消耗品発注部24は、槽洗浄剤の他、洗濯機1の消耗品の発注に関する処理を実行する。このために、消耗品発注部24は、運転履歴や利用者の指示に基づいて発注に関する処理を実行する。
【0026】
また、制御指令作成部25は、運転履歴や利用者の指示に基づいて、洗濯機1の運転を制御するための制御指令を作成する。また、入力部26は、利用者からの操作を受け付ける。また、出力部27は、利用者端末2の処理結果などが出力され、表示部として実現できる。なお、後述のように、入力部26と出力部27は、タッチパネルのように1つの部位で構成できる。さらに、記憶部28には、利用者端末2での処理を実行するための各種情報が記憶される。これら各種情報については、<情報・データ>で後述する。
【0027】
ここで、利用者端末2の一実現例について説明する。図3は、本実施形態における利用者端末2のハードウエア構成図である。図3において、利用者端末2は、タッチパネル201、処理装置202、通信装置203、記憶装置204を有し、これらは通信路を介して互いに接続されている。
【0028】
まず、タッチパネル201は、図1の入力部26および出力部17を兼ねた構成であり、利用者の操作を受け付けたり、各種情報を表示したりする。なお、タッチパネル201は、入力デバイスと出力デバイスに分けて構成してもよい。また、処理装置202は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサで実現でき、後述する記憶装置204に記憶されている洗濯機管理プログラム205に従って演算を実行する。なお、洗濯機管理プログラム205は、洗濯機1以外の家電も含む家電機器統合管理プログラム(統合アプリ)として実現してもよい。
【0029】
そして、洗濯機管理プログラム205は、その機能ごとに、運転履歴収集モジュール206、洗浄要否判定モジュール207、消耗品発注モジュール208および制御指令作成モジュール209で構成される。なお、これら各モジュールは、個別のプログラムや一部の組合せで実現してもよい。
【0030】
ここで、各モジュールと同一の機能を実行する図1に示す構成は、以下のとおりである。
運転履歴収集モジュール206:運転履歴収集部22
洗浄要否判定モジュール207:洗浄要否判定部23
消耗品発注モジュール208:消耗品発注部24
制御指令作成モジュール209:制御指令作成部25
このため、処理装置202は、洗濯機管理プログラム205に従って、運転履歴収集モジュール206、洗浄要否判定モジュール207、消耗品発注モジュール208および制御指令作成モジュール209の処理を実行することになる。
【0031】
また、記憶装置204は、洗濯機管理プログラム205、利用者管理情報210、運転履歴情報211、保守基準情報212および硬度-汚れ相関情報213を記憶する。ここで、洗濯機管理プログラム205は、上述のように、各種家電機器を管理するためのプログラムであってもよいし、家電機器ごとの複数のプログラムで構成してもよい。
【0032】
以上で図3の説明を終わり、図1の説明に戻る。次に、洗濯機保守管理装置3は、洗濯機1の保守を支援するための装置であり、サーバ、クラウドといったコンピュータで実現できる。そして、洗濯機保守管理装置3は、通信部31、運転履歴収集部32、洗浄要否判定部33、消耗品発注部34、制御指令作成部35および記憶部36を有する。
【0033】
通信部31は、他の装置とネットワーク6を介して通信する機能を有する。運転履歴収集部32~制御指令作成部35は、利用者端末2の運転履歴収集部22~制御指令作成部25と同様の機能を実行する。このため、これらの各部は、利用者端末2や洗濯機保守管理装置3のうち少なくとも一方に設ければよい。
【0034】
また、記憶部36は、利用者管理情報361、運転履歴情報362、保守基準情報363および硬度-汚れ相関情報364を記憶する。これらについては、<情報・データ>で後述する。
【0035】
ここで、洗濯機保守管理装置3の一実現例について説明する。図4は、本実施形態における洗濯機保守管理装置3のハードウエア構成図である。図4において、洗濯機保守管理装置3は、処理装置301、通信装置302、メモリ303および副記憶装置304を有し、これらは通信路を介して互いに接続されている。
【0036】
まず、処理装置301は、CPUなどのプロセッサで実現でき、後述する副記憶装置304に記憶されている洗濯機管理プログラム305に従って演算を実行する。洗濯機管理プログラム305については、後述する。
【0037】
また、通信装置302は、図1の通信部31に該当し、ネットワーク6と接続し、他の装置との通信を行う。
【0038】
また、メモリ303および副記憶装置304が、図1の記憶部28に該当する。そして、メモリ303は、副記憶装置304に記憶されている洗濯機管理プログラム305や処理装置301での処理に用いられる情報が展開される。また、副記憶装置304は、いわゆるストレージで実現でき、洗濯機管理プログラム305、利用者管理情報361、運転履歴情報362、保守基準情報363および硬度-汚れ相関情報364を記憶する。また、副記憶装置304は、外付けのHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカードなどの各種記憶媒体で実現してもよい。また、副記憶装置304は、ファイルサーバのように洗濯機保守管理装置3とは別装置で実現してもよい。
【0039】
ここで、洗濯機管理プログラム305は、その機能ごとに、運転履歴収集モジュール306、洗浄要否判定モジュール307、消耗品発注モジュール308および制御指令作成モジュール309で構成される。なお、これら各モジュールは、個別のプログラムや一部の組合せで実現してもよい。
【0040】
ここで、各モジュールと同一の機能を実行する図1に示す構成は、以下のとおりである。
運転履歴収集モジュール306:運転履歴収集部32
洗浄要否判定モジュール307:洗浄要否判定部33
消耗品発注モジュール308:消耗品発注部34
制御指令作成モジュール309:制御指令作成部35
なお、洗濯機管理プログラム305と洗濯機管理プログラム205と同様の演算を実行するもので、少なくとも一方が存在すればよい。この際、これらを構成するモジュールについても少なくとも一方に存在すればよい。
【0041】
なお、洗濯機保守管理装置3は、さらに、表示装置や入力装置を設けてもよいし、端末装置と接続してもよい。
【0042】
以上で図4の説明を終わり、図1の説明に戻る。消耗品販売装置4は、いわゆるECサイトと呼ばれるものを実現するためのコンピュータである。そして、消耗品販売装置4は、利用者からの要求に応じた各種消耗品の販売を実現する。なお、消耗品販売装置4での販売は、消耗品に限定されるものではなく、洗濯機1等の販売を実現してもよい。また、ルータ5は、各装置を接続するための機能を有するもので、洗濯機1と同じ敷地内に設けられることが望ましい。なお、ルータ5は省略もしくは他の通信機器と説き替え可能である。また、ネットワーク6は、インターネットや公衆回線網等の通信網である。以上で、本実施形態の構成についての説明を終わる。
【0043】
<情報・データ>
次に、本実施形態で用いられる各種情報、データについて説明する。図5は、本実施形態で用いられる利用者管理情報361を示す図である。利用者管理情報361は、洗濯機1の利用者を管理するための情報である。そして、図5に示すように、利用者管理情報361は、洗濯機1の利用者ごとに、住所、連絡先、洗濯機、消耗品、残量および発注基準量を記録している。ここで、利用者管理情報361中の利用者は、該当の利用者を識別する情報であればよい。
【0044】
また、住所や連絡先は、該当の利用者の住所や連絡先である。また、洗濯機は、洗濯機1それ自身もしくはその種類を識別する。また、消耗品は、洗濯機1で用いられる洗剤、柔軟剤、槽洗浄剤やフィルタ等の各種消耗品を示す。残量は、利用者が有する消耗品の残量(ストック)を示す。発注基準量は、消耗品の発注を行う際の残量の基準値を示す。つまり、残量が発注基準量を満たした場合、該当の消耗品の発注のための処理が行われる。なお、発注のための処理とは、発注自体や発注の提案が含まれる。また、消耗品、残量および発注基準量については、利用者管理情報361から独立した情報であってもよいし、後述の運転履歴情報362として扱ってもよい。
【0045】
以上で、図5の説明を終わるが、利用者管理情報210も利用者管理情報361と同様の項目を有する。なお、利用者管理情報361は、複数の利用者の情報であるが、利用者管理情報210は利用者端末2の利用者に限定された情報である。なお、利用者管理情報361と利用者管理情報210の少なくとも一方を設ければよい。
【0046】
次に、図6は、本実施形態で用いられる運転履歴情報362を示す図である。運転履歴情報362は、洗濯機1の運転の実績を示す情報である。そして、図6に示すように、運転履歴情報362は、洗濯機ごとに、運転履歴、洗剤使用履歴、柔軟剤使用履歴、乾燥実施履歴、槽洗浄履歴、硬度差分および流速差を記録している。ここで、運転履歴情報362は、洗濯機を識別する情報であればよい。具体的には、消耗品の使用量(分量)、検知された硬度、水の流速や運転内容が記録される。まず、運転履歴は、運転履歴取得部103で取得された洗濯機1が実行した運転の履歴を示す。
【0047】
また、洗剤使用履歴や柔軟剤履歴は、洗濯機1で用いられた洗剤や柔軟剤の使用量(分量)の累計が記録される。この累計は、槽洗浄等の保守や発注の実施など所定条件が満たされるごとにクリアされることが望ましい。また、乾燥実施履歴や槽洗浄履歴は、洗濯機1で実行された乾燥運転や槽洗浄運転の累計回数が記録される。これらも槽洗浄等の保守や発注の実施など所定条件が満たされるごとにクリアされることが望ましい。特に、槽洗浄を条件とする場合、複数回数の槽洗浄の回数することが望ましい。また、累計回数の他、その頻度などこれらの実施についての量を示す情報であればよい。
【0048】
また、硬度差分は、硬度センサ107で検知された流入前後の水の硬度の差分を示す。この硬度差分も上述の所定条件を満たすまでの期間における最大値や平均値といった代表値を記録することが望ましい。さらに、流速差は、流入前後の水の流速の差分を示す。この流速差も上述の所定条件を満たすまでの期間における最大値や平均値といった代表値を記録することが望ましい。
【0049】
以上で、図6の説明を終わるが、なお、運転履歴情報211は、運転履歴情報362と同様の項目を有する。但し、運転履歴情報362は複数の洗濯機それぞれの情報であるが、運転履歴情報211は洗濯機1に限定された情報である。また、運転履歴情報362運転履歴情報362と運転履歴情報211の少なくとも一方を設ければよい。
【0050】
次に、図7は、本実施形態で用いられる保守基準情報363を示す図である。保守基準情報363は、洗濯機1に対する保守の要否を判定するための基準を示す情報である。そして、図7に示すように、保守基準情報363は、洗濯機ごとに、部品、基準および保守内容を記録している。部品は、洗濯機1を構成する部品を示す。また、基準は、部品ごとの保守の要否を判定するための基準を示す。そして、保守内容は、該当する基準を満たした場合に推奨ないし実行される保守の内容を示す。例えば、洗濯槽の保守に関しては、洗濯回数50回以上、乾燥回数45回以上・・・槽洗浄履歴は3か月で2回未満の場合に、保守内容として槽洗浄が特定される。なお、基準については、OR条件でもAND条件でもよい。また、基準や保守内容は、部品ごとでなくともよい。
【0051】
以上で、図7の説明を終わるが、なお、保守基準情報212は、保守基準情報363と同様の項目を有する。但し、保守基準情報363は複数の洗濯機それぞれの情報であるが、保守基準情報212は洗濯機1に限定された情報である。なお、保守基準情報363は複数の洗濯機で共通の内容としてもよい。また、保守基準情報363と保守基準情報212の少なくとも一方を設ければよい。
【0052】
また、硬度-汚れ相関情報364は、水の硬度差と汚れの相関関係を示す情報である。つまり、硬度の値ごとに、汚れを示す値が特定できる情報である。そして、硬度-汚れ相関情報364には、保守の要否を判定するための汚れもしくは硬度差とこれに応じた保守内容も記録されることが望ましい。例えば、保守内容として、清掃、消耗品や部品の交換、保守員への通知が特定され、これらに応じた汚れないし硬度差を示す値が閾値として対応付けられる。なお、硬度-汚れ相関情報364は、保守基準情報363の一種であり、これと一体化した情報として扱ってもよい。また、硬度-汚れ相関情報364は、複数の洗濯機それぞれに対して作成されてもよい。
【0053】
また、硬度-汚れ相関情報213は、硬度-汚れ相関情報364と同様の項目を有する。なお、硬度-汚れ相関情報213および硬度-汚れ相関情報364は、複数の洗濯機ごとに作成されてもよいし、洗濯機1に特化した情報としてもよい。さらにこれらは、少なくとも一方を設ければよい。以上で、本実施形態で用いられる各種情報やデータの説明を終わる。
【0054】
<処理フロー>
次に、本実施形態の処理フローについて説明する。図8Aおよび図8Bは、本実施形態における処理フローを示すフローチャートである。なお、本フローチャートでは、洗濯機1に対する保守支援として、洗濯槽の洗浄支援や洗濯槽洗浄剤の発注支援を行う。そして、洗浄支援や発注支援として洗浄や発注の提案や洗浄自体を実行するが、提案や実行のいずれか一方を行ってもよい。
【0055】
なお、これはあくまでも一例であり、洗浄支援や発注支援のいずれか一方を行ってもよいし、他の保守支援を行ってもよい。さらに、本実施形態では、洗濯機1、利用者端末2および洗濯機保守管理装置3が連携して処理を行うが、これらのうち少なくとも1つを用いて以下で説明する処理を実行してもよい。また、以下の処理における各ステップについても、以下で例示する装置以外で実行してもよい。
【0056】
以下、図8Aに示すフローチャートを説明するが、その処理主体は図1および2に記載した各部位を用いて説明する。ステップS201において、利用者端末2が、洗濯機1に対して運転指令を出力する。より具体的には、制御指令作成部25が入力部26を用いた利用者からの指示に応じて、運転のための制御指令を作成する。そして、通信部21が洗濯機1に制御指令を送信する。なお、本ステップの制御指令は、通常の洗濯を実行するためのものでもよく、洗濯機1の汚れを検知するための計測運転を実行するためものであってもよい。さらに、制御指令作成部25は、タイマー機能を用いて、設定された時間になった場合に制御指令を作成してもよい。またさらに、本ステップおよびステップS101の代わりに、洗濯機1自身が利用者からの操作を受け付けたり、タイマー機能を用いて運転時間を検知したりしてもよい。前者については、表示操作パネル105が、利用者からの操作を受け付ける。
【0057】
また、ステップS101において、洗濯機1の通信部104が、制御指令を受信する。そして、ステップS102において、洗濯機1が制御指令に応じた運転を実行する。より具体的には、制御信号作成部102が、制御指令に対応する制御信号を作成する。そして、制御信号作成部102が、稼働部106に対して、制御信号を出力する。この結果、稼働部106が、制御信号に応じて稼働することで、洗濯等の運転が実行されることになる。
【0058】
また、ステップS103において、運転履歴取得部103が、ステップS102での運転の運転履歴を取得する。具体的には、稼働部106での運転内容、その時間や各種センサでの検知データを取得する。運転内容には、運転モードや洗剤の使用量等が含まれる。検知データには、消耗品センサ109での洗剤等の使用量や残量が含まれる。さらに、検知データには、影響要素が含まれる。
【0059】
以下、影響要素について、説明する。硬度センサ107が、流入前後それぞれの水を計測して影響要素を検知する。具体的には、流入前硬度センサ107-1が流入前の水の硬度を検知する。また、流入後硬度センサ107-2が流入後の水の硬度を検知する。なお、硬度センサ107に代わって、もしくは、これに加えて、画像センサ108が流入前後それぞれの水の影響要素を取得してもよい。具体的には、流入前画像センサ108-1が流入前の水を撮影する。また、流入後画像センサ108-2が流入後の水を撮影する。これらでの検知データは、洗浄槽の汚れを判定する影響要素として用いられる。また、図示しないフィルタそれぞれで流入前後の水の流速を、フィルタの交換のための影響要素として検知してもよい。そして、運転履歴取得部103が、これら影響要素を取得する。
【0060】
また、ステップS104において、通信部104が、利用者端末2に、ステップS103で取得された運転履歴を送信する。そして、ステップS202において、運転履歴収集部22が、送信された運転履歴を収集する。ここで、ステップS104とステップS202は、いわゆるPUSH配信、PULL配信のいずれで実行してもよい。つまり、通信部104が能動的に運転履歴を送信してもよいし、運転履歴収集部22から指示に応じて通信部104が運転履歴を送信してもよい。さらに、ステップS104とステップS202は、周期的に実行されてもよい。
【0061】
また、ステップS203において、通信部21が、ステップS202で収集された運転履歴を、洗濯機保守管理装置3に送信する。そして、ステップS301において、運転履歴収集部32が、送信された運転履歴を収集する。そして、運転履歴収集部32が、収集された運転履歴を、運転履歴情報362に記録する。この際、運転履歴収集部32は、洗剤使用履歴、柔軟剤使用履歴や槽洗浄履歴といった各項目を算出し、これらも記録する。また、運転履歴収集部32は、消耗品センサ109で検知された各消耗品の残量を、利用者管理情報361に記憶することができる。但し、消耗品の残量の記録については、利用者からの入力に応じて、利用者端末2から残量を受け付け、これを記録してもよい。
【0062】
ここで、ステップS203とステップS301は、いわゆるPUSH配信、PULL配信のいずれで実行してもよい。つまり、通信部21が能動的に運転履歴を送信してもよいし、運転履歴収集部32から指示に応じて通信部21が運転履歴を送信してもよい。さらに、ステップS203とステップS301は、周期的に実行されてもよい。また、ステップS104~ステップS301については、洗濯機1から洗濯機保守管理装置3へ、運転履歴を送信してもよい。また逆に、ステップS301以降の処理を、利用者端末2で実行してもよい。
【0063】
また、ステップS302において、洗浄要否判定部33が、収集された運転履歴に基づく運転履歴情報362を用いて、洗濯槽の洗浄が必要かを判定する。具体的には、洗浄要否判定部33が、運転履歴情報362の硬度差分と、硬度-汚れ相関情報364を比較し、槽洗浄が必要かを判定する。また、本ステップでは、洗浄要否判定部33が、槽洗浄履歴や、洗剤使用履歴、柔軟剤使用履歴などと、保守基準情報363をさらに比較して実行することが望ましい。例えば、運転履歴情報362の硬度差分が槽洗浄の必要な値を満たさない場合でも、一定期間以上槽洗浄していない場合や洗剤の使用量が所定値以上の場合に、槽洗浄が必要と判定してもよい。
【0064】
以上のように、本ステップでは、槽洗浄履歴、洗剤使用履歴、柔軟剤使用履歴等を影響要素として用いることが望ましい。このことは、洗浄要否判定部33が、複数の影響要素を用いて、保守の必要性を判定することを意味する。この判定の結果、不要である場合(N)、ステップS303に遷移し、槽洗浄が必要である場合(Y)、ステップS304に遷移する。
【0065】
また、ステップS303において、洗浄要否判定部33が、通信部31と用いて、利用者端末2に、槽洗浄が不要であることを通知する。そして、ステップS204において、利用者端末2の出力部27が、槽洗浄が不要であることを出力する。そして、本フローを終了する。
【0066】
また、ステップS304において、洗浄要否判定部33が、通信部31と用いて、利用者端末2に、槽洗浄が必要であり、槽洗浄の提案を通知する。そして、ステップS205において、利用者端末2の出力部27が、槽洗浄の提案を出力する。
【0067】
また、ステップS206において、利用者端末2の洗浄要否判定部23が、槽洗浄の提案が利用者により受け入れられたかを判定する。つまり、洗浄要否判定部23は、入力部26が利用者から受け付けた入力が、提案を受け入れるか否かのいずれであるかを判定する。この結果、提案を受け入れられた場合(Y)、ステップS207(図8B)に遷移し、受け入れられない場合(N)、処理を終了する。
【0068】
なお、本実施形態では、ステップS206以降の処理を実行するが、これらは省略してもよい。この場合、ステップS205での提案内容に従って、利用者が洗濯機1の槽洗浄を手動で行うことが望ましい。
【0069】
次に、図8BのステップS207において、洗浄要否判定部23が、通信部21を用いて、洗濯機保守管理装置3に、洗浄要求を通知する。そして、ステップS305において、制御指令作成部35が、洗浄要求に応じた槽洗浄のための制御指令を作成する。また、ステップS306において、制御指令作成部35が、通信部31を用いて、制御指令を利用者端末2に送信する。また、利用者端末2の通信部21が、制御指令を、洗濯機1に転送する。なお、ステップS207~ステップS208については、利用者端末2で制御指令を作成し、これを洗濯機1に送信してもよい。つまり、洗濯機保守管理装置3での処理を省略し、利用者端末2でその処理を実行してもよい。
【0070】
また、ステップS105において、洗濯機1の通信部104が、ステップS208で転送された制御指令を受信する。そして、ステップS106において、制御信号作成部102が、制御指令に応じた制御信号を作成し、これに従って稼働部106が槽洗浄運転を実行する。この際、制御信号作成部102は、制御指令作成部25が作成し、槽洗浄剤の自走投入を含む制御指令に応じた制御信号を作成する。この結果、制御部101が、制御指令に応じて稼働部106を制御することになる。
【0071】
なお、保守支援として上述の槽洗浄支援を限定的に実行してもよいが、本実施形態ではさらに消耗品の一例である槽洗浄剤の発注を支援する。ステップS307において、消耗品発注部34が、利用者管理情報361の残量と発注基準量を比較して、槽洗浄剤の発注、つまり、購入が必要かを判定する。この結果、残量が発注基準量を満たす場合(Y)、ステップS308に遷移する。また、残量が発注基準量を満たさない場合(N)、処理を終了する。
【0072】
また、ステップS308において、消耗品発注部34が、通信部31を用いて利用者端末2に、槽洗浄剤の発注可否の確認通知を送信する。そして、ステップS209において、利用者端末2の消耗品発注部24が、確認通知に対して発注が可能かを判定する。このために、消耗品発注部24は、槽洗浄剤○○個を購入しますか、といった確認通知を出力部27に出力する。そして、消耗品発注部24は、入力部26に対する利用者からの確認結果の入力を用いて、当該判定を実行する。そして、ステップS209の判定の結果、発注可の場合(Y)、ステップS210に遷移し、発注不可の場合(N)、ステップS211に遷移する。
【0073】
また、ステップS210において、消耗品発注部24が、通信部21を用いて、発注指示を、洗濯機保守管理装置3に送信する。なお、ステップS209において、入力部26が槽洗浄剤の種類、個数、配達日などを利用者から受け付け、ステップS210の発注指示にはこれらを含めてもよい。また、ステップS210において、消耗品発注部24が、通信部21を用いて、発注が不要であることを示す通知を、洗濯機保守管理装置3に送信する。そして、本処理を終了する。
【0074】
また、ステップS309において、消耗品発注部34が、発注指示に応じた槽洗浄剤の発注処理を行う。つまり、消耗品発注部34が、通信部31を用いて、消耗品販売装置4に、発注指示を送信する。なお、ステップS30~ステップS210を省略して、直接的にステップS309を実行してもよい。
【0075】
以上で、本実施形態の説明を終わるが、本発明の処理は本実施形態に限定されない。特に、各処理ステップの主体は上述の例に限定されない。例えば、洗濯機1、利用者端末2や洗濯機保守管理装置3単独で行ってもよいし、洗濯機1と利用者端末2もしくは洗濯機1と洗濯機保守管理装置3で行ってもよい。さらに、洗濯機1、利用者端末2や洗濯機保守管理装置3単独で行う場合も、一部のステップの処理主体を変更してもよい。またさらに、運転履歴については、影響要素を限定的に取得、収集して、これを用いて保守支援を実現してもよい。また、制御指令作成部25や制御指令作成部35が、制御信号を作成してもよい。
【0076】
また、保守対象は、洗濯機1に限定されず、掃除機、空気清浄機やエアコン等へ適用できる。また、消耗品も槽洗浄剤や洗剤の他、フィルタなどの保守も提案できる。
【符号の説明】
【0077】
1…洗濯機、101…制御部、102…制御信号作成部、103…運転履歴取得部、104…通信部、105…表示操作パネル、106…稼働部、107…硬度センサ、108…画像センサ、109…消耗品センサ、2…利用者端末、21…通信部、22…運転履歴収集部、23…洗浄要否判定部、24…消耗品発注部、25…制御指令作成部、26…入力部、27…出力部、28…記憶部、3…洗濯機保守管理装置、31…通信部、32…運転履歴収集部、33…洗浄要否判定部、34…消耗品発注部、35…制御指令作成部、36…記憶部、361…利用者管理情報、362…運転履歴情報、363…保守基準情報、364…硬度-汚れ相関情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B