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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023158976
(43)【公開日】2023-10-31
(54)【発明の名称】レーザ墨出し器
(51)【国際特許分類】
   G01C 15/00 20060101AFI20231024BHJP
   G01C 15/02 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
G01C15/00 103C
G01C15/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022069096
(22)【出願日】2022-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永野 亘
(72)【発明者】
【氏名】中村 国法
(72)【発明者】
【氏名】後藤 匡成
(57)【要約】
【課題】小型化を図る。
【解決手段】レーザ墨出し器1は、光源10と、本体2と、脚部3と、を備える。光源10は、レーザ光を出射する。本体2は、光源10を保持する。脚部3は、設置面に設置され、本体2を支持する。脚部3は、閉位置と開位置との間で回転可能に構成されている3以上の脚31を有する。3以上の脚31のうちの一の脚31である主脚5は、収納部8を有する。収納部8は、光源10にレーザ光を出射させるための複数の電池を収納する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を出射する光源と、
前記光源を保持する本体と、
設置面に設置され、前記本体を支持する脚部と、
を備え、
前記脚部は、閉位置と開位置との間で回転可能に構成されている3以上の脚を有し、
前記3以上の脚のうちの一の脚である主脚は、前記光源に前記レーザ光を出射させるための複数の電池を収納する収納部を有する、
レーザ墨出し器。
【請求項2】
前記複数の電池の各々は、中心軸を有する円柱状の電池であり、
前記収納部は、複数の前記中心軸が平行となるように、前記複数の電池を収納する、
請求項1に記載のレーザ墨出し器。
【請求項3】
前記複数の電池は、3以上の電池であり、
前記収納部は、前記複数の中心軸が仮想円の円周上に沿って等間隔に並ぶように、前記3以上の電池を収納する、
請求項2に記載のレーザ墨出し器。
【請求項4】
前記収納部が前記複数の電池を収納し、かつ、前記3以上の脚の全てが閉位置にある場合に、前記複数の中心軸に沿った方向からの平面視において、前記本体の重心と前記脚部の重心とが重なる、
請求項2又は3に記載のレーザ墨出し器。
【請求項5】
前記収納部が前記3以上の電池を収納し、かつ、前記3以上の脚の全てが閉位置にある場合に、前記レーザ墨出し器の重心が、前記複数の中心軸と平行かつ前記仮想円の中心を通る仮想軸上にある、
請求項3に記載のレーザ墨出し器。
【請求項6】
前記複数の電池から前記光源への通電状態を切り替えるための操作を受け付ける操作部を更に備え、
前記操作部は、前記主脚に設けられている、
請求項1から3のいずれか1項に記載のレーザ墨出し器。
【請求項7】
前記脚部の形状は、前記3以上の脚の全てが前記閉位置にある場合に棒状であり、
前記操作部は、前記主脚の外周面から窪んだ位置に設けられている、
請求項6に記載のレーザ墨出し器。
【請求項8】
前記3以上の脚のうちの1以上の脚は、前記閉位置と前記開位置との間で段階的に回転可能に構成されている、
請求項1から3のいずれか1項に記載のレーザ墨出し器。
【請求項9】
前記収納部は、円柱状の前記複数の電池に含まれる一の電池に沿うように形成されている電池受け部を有し、
前記電池受け部は、前記一の電池の側周面に向かって突出する突出部を有する、
請求項1から3のいずれか1項に記載のレーザ墨出し器。
【請求項10】
前記3以上の脚から前記主脚を除いた2以上の脚のうちの1以上の脚は、前記1以上の脚が前記閉位置にある場合に前記主脚を前記閉位置に固定するストッパー部を有する、
請求項1から3のいずれか1項に記載のレーザ墨出し器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般にレーザ墨出し器に関し、より詳細には、脚部を有するレーザ墨出し器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅建設や電気工事に際して壁面や天井面に付す基準線としてライン光を出射するレーザ墨出し装置(レーザ墨出し器)が知られている(例えば特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載のレーザ墨出し装置では、墨出し用の光ビーム(レーザ光)を出射する光源と、光ビームを平行光に変換する投光レンズと、平行光を扇状のライン光に変換する円筒レンズとがフレーム上に保持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-025631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載されているようなレーザ墨出し器では、電源としての電池が複数必要な場合がある。電池が複数必要な場合には、レーザ墨出し器が大型化してしまうという問題があった。
【0006】
本開示は上記事由に鑑みてなされており、小型化を図ることが可能なレーザ墨出し器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係るレーザ墨出し器は、光源と、本体と、脚部と、を備える。前記光源は、レーザ光を出射する。前記本体は、前記光源を保持する。前記脚部は、設置面に設置され、前記本体を支持する。前記脚部は、閉位置と開位置との間で回転可能に構成されている3以上の脚を有する。前記3以上の脚のうちの一の脚である主脚は、収納部を有する。前記収納部は、前記光源に前記レーザ光を出射させるための複数の電池を収納する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の上記態様に係るレーザ墨出し器によれば、小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本実施形態に係るレーザ墨出し器の斜視図である。
図2図2は、同上のレーザ墨出し器の背面図である。
図3図3は、同上のレーザ墨出し器の側面図である。
図4図4は、同上のレーザ墨出し器の主脚の斜視図である。
図5図5は、同上の主脚の分解斜視図である。
図6図6は、図2のA-A線断面図である。
図7図7は、同上の主脚が有する収納部の分解斜視図である。
図8図8は、図2のB-B線断面図である。
図9図9は、同上のレーザ墨出し器の副脚の斜視図である。
図10図10は、図3のC-C線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態において互いに共通する要素には同一符号を付しており、共通する要素についての重複する説明は省略する場合がある。以下の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0011】
本開示において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。以下では、基本的にレーザ墨出し器1が水平な設置面に設置された状態での上下左右前後(図1における上下左右前後)を上下左右前後として説明する。上下方向と左右方向と前後方向とはそれぞれが互いに直交する。また、レーザ墨出し器1を設置する向きは上記の向きに限定されない。なお、図面中の各方向を示す矢印は一例であり、レーザ墨出し器1の使用時の方向を規定する趣旨ではない。また、図面中の各方向を示す矢印は説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。
【0012】
なお、本開示でいう「直交(垂直)」は、二者間の角度が厳密に90度である状態だけでなく、二者がある程度の誤差の範囲内で直交する状態も含む意味である。つまり、直交する二者間の角度は、90度に対してある程度の差(一例として10度以下)の範囲内に収まる。すなわち、本開示でいう「直交」は、二者でなす角度が80度以上100度以下である場合を含む。本開示でいう「平行」についても同様に、厳密に二者が交わらない状態だけでなく、二者がある程度の差の範囲内で平行である状態も含む意味である。例えば、本開示でいう「平行」は、一方に対する他方の傾きが10度以下であることを含む。すなわち、本開示でいう「平行」は、一方と他方とでなす角度が-10度以上10度以下である場合を含む。
【0013】
(1)概要
まず、本実施形態に係るレーザ墨出し器1の概要について、図1を参照して説明する。
【0014】
レーザ墨出し器1は、住宅建設又は電気工事等が行われる作業現場で使用される。レーザ墨出し器1は、作業現場の床等の設置面に設置されて使用される。設置面に設置された状態で、レーザ墨出し器1は、ポイント状のレーザ光であるポイント光L1と、水平方向に線状のレーザ光である水平ライン光L3と、鉛直方向に線状のレーザ光である垂直ライン光L2とを出射する。ポイント光L1は上方に出射され、水平ライン光L3は前方に出射され、垂直ライン光は前方上向きに出射される。このようなポイント光L1、水平ライン光L3、及び垂直ライン光L2は、住宅建設又は電気工事等が行われるのに際して壁面や天井面に付す基準点や基準線として用いられる。以下の説明において、ポイント光L1、水平ライン光L3及び垂直ライン光L2を総称して、レーザ光ということがある。
【0015】
なお、本実施形態では、本体2と脚部3とが並ぶ方向を上下方向と規定する。また、脚部3から本体2に向かう向きを上向き(上方)と規定し、本体2から脚部3に向かう向きを下向き(下方)と規定する。
【0016】
本実施形態のレーザ墨出し器1は、光源10と、本体2と、脚部3と、を備える。
【0017】
光源10は、レーザ光を出射する光源である。
【0018】
本体2は、光源10を保持する。
【0019】
脚部3は、設置面に設置され、本体2を支持する。
【0020】
脚部3は、閉位置と開位置との間で回転可能に構成されている3以上の脚31を有する。本実施形態の脚部3は、3本の脚31を有する。
【0021】
3以上の脚31のうちの一の脚である主脚5は、光源10にレーザ光を出射させるための複数の電池を収納する収納部8を有する。
【0022】
本実施形態のレーザ墨出し器1によれば、一の脚31である主脚5の収納部8に複数の電池を収納するため、レーザ墨出し器1の小型化を図ることができる。
【0023】
(2)詳細
以下、本実施形態に係るレーザ墨出し器1の詳細な構成について、図1図10を参照して説明する。
【0024】
図1に示すように、本実施形態のレーザ墨出し器1は、本体2と、脚部3と、操作部7(図2参照)と、光源10と、を備える。
【0025】
(2.1)本体
図1に示すように、本体2の外形は円柱状である。本実施形態の本体2の外側の少なくとも一部は、複数の緩衝部材(弾性部材)21によって覆われている。複数の緩衝部材21は、衝撃を緩和する材質で形成されており、例えば、ウレタン等で形成されている。本体2の外側の少なくとも一部が複数の緩衝部材21により覆われることで、例えばレーザ墨出し器1が転倒した場合、又は、レーザ墨出し器1が落下した場合等に、複数の緩衝部材21が衝撃を緩和することでレーザ墨出し器1が衝撃から守られる。なお、レーザ墨出し器1が備える緩衝部材21は、1つであってもよい。
【0026】
本体2は、光源10と、光学系と、を内部に収容(保持)している。
【0027】
上述のように、光源10は、レーザ光を出射する光源である。光源10は、例えば半導体レーザ素子等を有する。本実施形態の光源10は、緑色のレーザ光を出射する。ただし、光源10が出射するレーザ光の色は緑色に限られず、赤色や青色でもよい。
【0028】
本実施形態の光学系は、ビームスプリッタ、反射部材、及び出射レンズ等の複数の光学系部材を有する。光学系は、光源10が出射するレーザ光を、ポイント光L1と、水平ライン光L3と、垂直ライン光L2とに分ける。
【0029】
また、本実施形態の本体2は、第1出射窓22と、第2出射窓23と、第3出射窓24と、を有する。
【0030】
第1出射窓22は、本体2の上面の中心付近に設けられている。第1出射窓22の形状は、上面視(平面視)において、楕円状である。第1出射窓22は、ポイント光L1を、本体2の外部へ出射するための領域である。第1出射窓22は、例えば合成樹脂又はガラスによって形成されており、透明色である。
【0031】
第2出射窓23は、本体2の上面と側周面とに跨って形成されている凹部に設けられている。第2出射窓23の形状は、上面視において、長手方向が前後方向に沿った矩形状である。第2出射窓23は、本体2の上面の中心付近から端部(側周面側)に向かうにつれて下方に向かうように傾斜している。第2出射窓23は、垂直ライン光L2を、本体2の外部へ出射するための領域である。第2出射窓23は、例えば合成樹脂又はガラスによって形成されており、透明色である。
【0032】
第3出射窓24は、本体2の側周面の前側に設けられている。第3出射窓24の形状は、正面視(平面視)において、長手方向が左右方向に沿った矩形状である。第3出射窓24は、水平ライン光L3を、本体2の外部へ出射するための領域である。第3出射窓24は、例えば合成樹脂又はガラスによって形成されており、透明色である。
【0033】
本体2の下端には、複数(図1の例では1つ)の凹部26が形成されている。本実施形態の本体2には、3つの凹部26が形成されている。なお、以下の説明において、3つの凹部26の各々を特に区別しない場合、3つの凹部26の各々のことを単に「凹部26」と呼ぶことがある。
【0034】
凹部26は、本体2の底面から上方に凹んでいる。また、凹部26は、本体2の側周面から本体2の中心に向かって(内向きに)凹んでいる。図6に示すように、凹部26の上面260には、複数(図6の例では4つ)の突起部261が形成されている。複数の突起部261は、下向きに突出している。
【0035】
図1に示すように、複数の凹部26には、複数の凹部26と一対一に対応する複数(図1の例では2つ)の回転軸25が設けられている。本実施形態では、3つの凹部26には、3つの凹部26と一対一に対応する3つの回転軸25が設けられている。
【0036】
3つの回転軸25の各々の軸心は、上下方向と直交する仮想平面上に位置している。本実施形態の3つの回転軸25を延長した3つの仮想軸は、互いに60度で交わる。すなわち、3つの回転軸25を延長した3つの仮想軸は、正三角形を形成する。3つの回転軸25には、3つの回転軸25と一対一に対応する3つの脚31が取り付けられている。なお、以下の説明において、3つの回転軸25の各々を区別しない場合、3つの回転軸25の各々のことを、単に「回転軸25」と呼ぶことがある。
【0037】
(2.2)脚部
上述のように、脚部3は、設置面に設置され、本体2を支持する。本実施形態の脚部3は、3本の脚31を有する。本実施形態の3本の脚31は、1本の主脚5を含んでいる。なお、以下の説明において、3本の脚31の各々を区別しない場合、3本の脚31の各々のことを、単に「脚31」と呼ぶことがある。また、3本の脚31のうちの主脚5ではない2本の脚31の各々のことを、「副脚4」と呼ぶことがある。なお、本実施形態の主脚5は、収納部8に電池が収納されていない状態で、3本の脚31のうちで最も質量が大きい。
【0038】
上述のように、3本の脚31の各々は、本体2の下端に設けられている3つの回転軸25の各々に取り付けられている。
【0039】
脚31は、回転軸25を中心として、閉位置と開位置との間で回転可能に構成されている。図1は、3つの脚31が開位置に位置している状態のレーザ墨出し器1を示す図である。図2及び図3は、3つの脚31が閉位置に位置している状態のレーザ墨出し器1を示す図である。以下の説明において、脚31が閉位置から開位置へ向かう向きを「外向き」と呼ぶことがある。また、脚31が開位置から閉位置へ向かう向きを「内向き」と呼ぶことがある。図2及び図3に示すように、脚部3の形状は、3つの脚31の全てが閉位置にある場合に、棒状である。
【0040】
(2.3)主脚
図4に示すように、本実施形態の主脚5の外径は、柱状である。本実施形態の主脚5は、第1基部50と、収納部8と、緩衝部材(弾性部材)6と、を備える。
【0041】
(2.4)第1基部
図5に示すように、本実施形態の第1基部50の形状は、内面が開口の箱状である。本実施形態の第1基部50は、例えばポリカーボネート樹脂等の合成樹脂によって形成されている。
【0042】
第1基部50は、第1側板51と、一対の第2側板52と、第1底板53と、天板54と、傾斜板55と、連結部56と、第2底板57と、一対の第3側板58と、を有する。
【0043】
第1側板51は、矩形状の平板状に形成されている。また、第1側板51は、外向き(後向き)に丸みを有している。第1側板51の中央部には、丸状の孔511が形成されている。孔511は、操作部7を主脚5の外部に露出させるための孔である。
【0044】
一対の第2側板52は、上下方向と直交する方向における第1側板51の両端部から、内向き(前向き)に突出している。一対の第2側板52は、矩形状の平板状に形成されている。
【0045】
第1底板53は、第1側板51の下端から内向きに突出している。第1底板53は、第1側板51の下端、及び、一対の第2側板52の下端と連続するように形成されている。第1底板53は、平板状に形成されている。第1底板53の主面における法線は、主脚5が閉位置にある状態において、上下方向と平行である。
【0046】
傾斜板55は、第1側板51の上端から内向きに突出している。より具体的には、傾斜板55は、主脚5が閉位置にある状態において、第1側板51の上端から内向きかつ上向きに突出している。傾斜板55は、第1側板51の上端、及び、一対の第2側板52の上端と連続するように形成されている。傾斜板55は、平板状に形成されている。
【0047】
ここで、本実施形態の第1側板51、一対の第2側板52、及び傾斜板55の少なくとも一部はレーザ墨出し器1を把持するための把持部59として機能する。本実施形態では、第1側板51と、一対の第2側板52と、傾斜板55と、が把持部59として機能する。言い換えると、本実施形態の主脚5は、把持部59を有する。
【0048】
図3に示すように、一対の第2側板52及び傾斜板55は、3本の脚31の全てが閉位置に位置している状態において、本体2と脚部3とが並ぶ方向(上下方向)と交差する方向に沿って本体2の中心から離れる向きに突出している。言い換えると、主脚5の把持部59は、3本の脚31の全てが閉位置に位置している状態において、本体2と脚部3とが並ぶ方向(上下方向)と交差する方向に沿って本体2の中心から離れる向きに突出している。本体2の中心から離れる向きに突出する把持部59があることで、レーザ墨出し器1のユーザは、例えば指を把持部59にかける等してレーザ墨出し器1を持つことができる。したがって、本実施形態のレーザ墨出し器1によれば、ユーザがレーザ墨出し器1を把持した際の安定性を向上させることができる。
【0049】
また、本実施形態の把持部59は、3本の脚31の全てが閉位置に位置している状態において、上下方向と交差する方向に沿って本体2の中心から最も離れている部位を含む。上下方向と交差する方向において本体2の中心から最も離れている部位を把持部59が含むため、ユーザは、レーザ墨出し器1をより把持しやすくなる。
【0050】
また、3本の脚31のうちで最も質量が大きい主脚5が把持部59を有しているため、ユーザがレーザ墨出し器1の把持した際の安定性をより向上させることができる。
【0051】
また、上述のように、本実施形態の主脚5は収納部8を有している。収納部8を有する主脚5は副脚4と比べて質量が大きくなることが多い。質量が大きくなることが多い主脚5が把持部59を有することで、ユーザがレーザ墨出し器1を把持した際の安定性を向上させることができる。
【0052】
また、本実施形態の主脚5は、把持部59の外周面の少なくとも一部を覆う緩衝部材6を有している。緩衝部材6の詳細については後述するが、緩衝部材6は例えばウレタンで形成されている。緩衝部材6のうち把持部59を覆う部分は、把持部59として機能する。把持部59の少なくとも一部が緩衝部材6で覆われることで、ユーザがレーザ墨出し器1を把持した際の安定性をより向上させることができる。
【0053】
図5に示すように、天板54は、傾斜板55の上端から内向きに突出している。天板54は平板状に形成されている。天板54の主面における法線は、主脚5が閉位置にある状態において、上下方向と平行である。すなわち、天板54は、第1底板53と平行である。
【0054】
連結部56は、主脚5が閉位置にある状態において、天板54から上方に突出している。連結部56は、突起部561と孔562とを有する。
【0055】
孔562は、上下方向と直交する方向に沿って、連結部56を貫通する孔である。孔562には、本体2の回転軸25が通される。すなわち、孔562は、回転軸25の軸受として機能する。
【0056】
図6に示すように、突起部561は、主脚5が閉位置にある状態において、連結部56の上端から上向きかつ外向きに突出している。突起部561は、本体2の複数の突起部261に引っ掛かるように構成されている。突起部561が複数の突起部261に引っ掛かることにより、本実施形態の主脚5は、閉位置と開位置との間で段階的に回転可能である。言い換えると、突起部561が複数の突起部261に引っ掛かることにより、主脚5は、閉位置から開位置の間の少なくとも一つの中間位置で静止可能である。主脚5が閉位置と開位置との間で段階的に回転可能に構成されているため、設置面の状況に応じて主脚5の開き具合の微調整を行うことができ、レーザ墨出し器1の安定性を向上させることができる。
【0057】
図5に示すように、第2底板57は、第1側板51の内周面から内向きに突出している。第2底板57は、第1底板53と平行な平板状に形成されている。第2底板57は、主脚5が閉位置にある状態において、第1底板53より僅かに上方に配置されている。第2底板57は、第1側板51及び一対の第2側板52と連続するように形成されている。
【0058】
一対の第3側板58は、一対の第2側板52の内側の端部から、内向きに突出している。また、一対の第3側板58は、内側に近付くにつれて、互いに離れる方向に突出している。一対の第3側板58は、矩形状の平板状に形成されている。
【0059】
(2.5)緩衝部材
図5に示すように、本実施形態の緩衝部材6の形状は、内面が開口の箱状である。緩衝部材6は、衝撃を緩和する材質で形成されており、例えば、ウレタン等で形成されている。緩衝部材6は、第1基部50の少なくとも一部を覆うように配置される。例えばレーザ墨出し器1が転倒した場合、又は、レーザ墨出し器1が落下した場合等に、緩衝部材6が衝撃を緩和することで主脚5が衝撃から守られる。
【0060】
緩衝部材6は、第1側板61と、一対の第2側板62と、底板63と、傾斜板64と、を有する。
【0061】
第1側板61は、矩形状の平板状に形成されている。また、第1側板61は、外向きに丸みを有している。第1側板61は、第1基部50の第1側板51より外(後方)に配置される。より具体的には、本実施形態の第1側板61は、第1基部50の第1側板51と密着するように対向した状態で、第1基部50の第1側板51より外に配置される。
【0062】
第1側板61の中央部には、丸状の孔611と突出部612とが形成されている。孔611は、操作部7を主脚5の外部に露出させるための孔である。突出部612は、孔611の縁部から内向きに突出している。突出部612は円筒状に形成されている。
【0063】
また、図2及び図3に示すように、第1側板61の外面(外周面)には内向きに窪んでいる凹部613が形成されている。凹部613は、孔611の縁部に形成されている。凹部613の形状は、背面視において円環状である。
【0064】
一対の第2側板62は、上下方向と直交する方向における第1側板61の両端部から、内向きに突出している。一対の第2側板62は、矩形状の平板状に形成されている。一対の第2側板62は、上下方向と直交する方向において、第1基部50の一対の第2側板52の少なくとも一部を覆うように配置される。より具体的には、本実施形態の一対の第2側板62は、第1基部50の一対の第2側板52と密着するように対向した状態で、第1基部50の一対の第2側板52を覆うように配置される。
【0065】
底板63は、第1側板61の下端から内向きに突出している。底板63は、第1側板61の下端、及び、一対の第2側板62の下端と連続するように形成されている。底板63は、平板状に形成されている。底板63の主面における法線は、主脚5が閉位置にある状態において、上下方向と平行である。底板63は、第1基部50の第1底板53の下方に配置される。より具体的には、本実施形態の底板63は、第1基部50の第1底板53と密着するように対向した状態で、第1基部50の第1底板53の下方に配置される。
【0066】
傾斜板64は、第1側板61の上端から内向きに突出している。より具体的には、傾斜板64は、主脚5が閉位置にある状態において、第1側板61の上端から内向きかつ上向きに突出している。傾斜板64は、第1側板61の上端、及び、一対の第2側板62の上端と連続するように形成されている。傾斜板64は、平板状に形成されている。
【0067】
傾斜板64は、第1基部50の傾斜板55の上方かつ傾斜板55より外(後ろ)に配置される。より具体的には、本実施形態の傾斜板64は、第1基部50の傾斜板55と密着するように対向した状態で、第1基部50の傾斜板55の上方かつ傾斜板55より外に配置される。
【0068】
本実施形態の第1側板61と、一対の第2側板62と、傾斜板64とは、把持部59として機能する。
【0069】
(2.6)収納部
図4に示すように、収納部8は、第1基部50より内(前)に配置される。より具体的には、本実施形態の収納部8は、複数のねじで第1基部50の内側に固定される。本実施形態の収納部8は、上下方向において、第1基部50の天板54と第1基部50の第2底板57との間に配置される。また、収納部8は、上下方向と直交する方向(回転軸25の延伸方向又は左右方向)において、第1基部50の一対の第3側板58の間に配置される。
【0070】
収納部8は、光源10にレーザ光を出射させるための電池を収納する。より具体的には、本実施形態の収納部8は、3本の電池を収納可能に構成されている。主脚5の収納部8に複数の電池を収納することで、レーザ墨出し器1の小型化を図ることができる。
【0071】
なお、本実施形態の収納部8は、中心軸Ax1(図8参照)を有する円柱状の電池を収納する。より具体的には、本実施形態の収納部8は、3本の単3形の電池を収納する。電池は、例えば、アルカリ乾電池又はニッケル水素電池等である。
【0072】
図7に示すように、収納部8は、基部80とカバー86とを有する。
【0073】
本実施形態の基部80は、第1収納部81と、第2収納部82と、第3収納部83と、を有する。
【0074】
第1収納部81は、第1電池受け部811と、第1底板812と、第1天板813(図8参照)と、を有する。
【0075】
第1電池受け部811は、円柱状の電池に沿うように形成されている。第1電池受け部811は、矩形状の板状に形成されている。第1電池受け部811は、主脚5が閉位置にある状態において、長手方向が上下方向に沿うように形成されている。また、第1電池受け部811の電池と対向する面は、円柱状の電池の側周面に沿うように丸みを有している。
【0076】
本実施形態の第1電池受け部811は、突出部814を有する。突出部814は、第1電池受け部811の電池と対向する面から、電池の側周面に向かって突出している。なお、本実施形態の突出部814の突出量は、例えば1mm~3mm程度である。突出部814があることで、電池が第1電池受け部811から離れた状態になるため、第1収納部81から電池を取り外しやすくなる。
【0077】
また、本実施形態の突出部814は、電池の負極側に配置されている。突出部814が電池の負極側に配置されているため、電池の負極側が第1電池受け部811から離れた状態になる。そのため、ユーザは、ばね状の負極側端子84の弾性力に逆らう方向に沿って電池に力を加えて電池を手前側に引くことで、容易に電池を取り外すことができる。
【0078】
第1底板812は、電池の下方に配置されている。第1底板812は、第1電池受け部811と連続している。第1底板812は、平板状に形成されている。主脚5が閉位置にある状態において、第1底板812の主面の法線は上下方向と平行である。本実施形態の第1底板812には、ばね状の負極側端子84が設けられている。負極側端子84は、電池の負極と電気的に接続される端子である。
【0079】
図8に示すように、第1天板813は、電池の上方に配置されている。第1天板813は、第1電池受け部811と連続している。第1天板813は、平板状に形成されている。主脚5が閉位置にある状態において、第1天板813の主面の法線は上下方向と平行である。本実施形態の第1天板813には、正極側端子85が設けられている。正極側端子85は、電池の正極と電気的に接続される端子である。
【0080】
図7に示すように、第2収納部82は、第2電池受け部821(図8参照)と、第2底板822と、第2天板823(図8参照)と、を有する。
【0081】
第2電池受け部821は、円柱状の電池に沿うように形成されている。第2電池受け部821は、矩形状の板状に形成されている。第2電池受け部821は、主脚5が閉位置にある状態において、長手方向が上下方向に沿うように形成されている。また、第2電池受け部821の電池と対向する面は、円柱状の電池の側周面に沿うように丸みを有している。
【0082】
第2底板822は、電池の下方に配置されている。第2底板822は、第2電池受け部821と連続している。第2底板822は、平板状に形成されている。主脚5が閉位置にある状態において、第2底板822の主面の法線は上下方向と平行である。本実施形態の第2底板822には、正極側端子85が設けられている。
【0083】
図8に示すように、第2天板823は、電池の上方に配置されている。第2天板823は、第2電池受け部821と連続している。第2天板823は、平板状に形成されている。主脚5が閉位置にある状態において、第2天板823の主面の法線は上下方向と平行である。本実施形態の第2天板823には、負極側端子84が設けられている。
【0084】
図7に示すように、第3収納部83は、第3電池受け部831と、第3底板832と、第3天板833(図8参照)と、を有する。
【0085】
第3電池受け部831は、円柱状の電池に沿うように形成されている。第3電池受け部831は、矩形状の板状に形成されている。第3電池受け部831は、主脚5が閉位置にある状態において、長手方向が上下方向に沿うように形成されている。また、第3電池受け部831の電池と対向する面は、円柱状の電池の側周面に沿うように丸みを有している。
【0086】
第3電池受け部831と、第1収納部81の第1電池受け部811と、第2収納部82の第2電池受け部821とは平行である。したがって、第1収納部81に収納される電池と、第2収納部82に収納される電池と、第3収納部83に収納される電池とは、平行である。言い換えると、本実施形態の収納部8は、複数(3本)の電池の複数(3本)の中心軸Ax1が平行となるように、複数の電池を収納する。複数の電池の複数の中心軸Ax1が平行となるように収納部8が複数の電池を収納することで、レーザ墨出し器1の小型化をより図ることができる。
【0087】
第3底板832は、電池の下方に配置されている。第3底板832は、第3電池受け部831と連続している。第3底板832は、平板状に形成されている。主脚5が閉位置にある状態において、第3底板832の主面の法線は上下方向と平行である。本実施形態の第3底板832には、正極側端子85が設けられている。なお、第3底板832の主面と、第1収納部81の第1底板812の主面と、第2収納部82の第2底板822の主面とは、同一の仮想平面上に配置されている。
【0088】
図8に示すように、第3天板833は、電池の上方に配置されている。第3天板833は、第3電池受け部831と連続している。第3天板833は、平板状に形成されている。主脚5が閉位置にある状態において、第3天板833の主面の法線は上下方向と平行である。本実施形態の第3天板833には、負極側端子84が設けられている。なお、第3天板833の主面と、第1収納部81の第1天板813の主面と、第2収納部82の第2天板823の主面とは、同一の仮想平面上に配置されている。
【0089】
図8に示すように、本実施形態の第1収納部81、第2収納部82、及び第3収納部83は、3本の電池の3本の中心軸Ax1が仮想円C1の円周上に沿って等間隔に並ぶように配置されている。言い換えると、本実施形態の収納部8は、3本の中心軸Ax1が仮想円C1の円周上に沿って等間隔に並ぶように、3本の電池を収納する。複数の中心軸Ax1が仮想円C1の円周上に沿って等間隔に並ぶように、収納部8が3以上の電池を収納することで、レーザ墨出し器1の小型化をより図ることができる。
【0090】
また、本実施形態のレーザ墨出し器1では、収納部8が複数(3本)の電池を収納し、かつ、3本の脚31の全てが閉位置にある場合に、複数(3本)の中心軸Ax1に沿った方向からの平面視において、本体2の重心と脚部3の重心とが重なる。3本の中心軸Ax1に沿った方向からの平面視において本体2の重心と脚部3の重心とが重なるため、3本の脚31の全てが閉位置にある場合にレーザ墨出し器1を把持しやすくすることができる。
【0091】
図7に示すように、カバー86は、基部80より内(前)に配置される。カバー86は、外面が開口の箱状に形成されている。カバー86は、内から基部80を覆うように構成されている。カバー86は、第1カバー87(上カバー)と第2カバー88(下カバー)とを有する。
【0092】
第1カバー87は、基部80の上部に固定されている。第1カバー87は、収納部8の少なくとも一部を構成する。第1カバー87は、外面及び下面が開口の箱状に形成されている。
【0093】
第1カバー87は、外向き(後方)に突出している一対の突起部872を有する。一対の突起部872は、第2カバー88の後述する一対の鉤部885が引っ掛かるように構成されている。
【0094】
第2カバー88は、第1カバー87の下方に配置され、基部80の下部に取り付けられる。本実施形態の第2カバー88は、基部80及び第1カバー87に対して、着脱可能である。第2カバー88は、収納部8の少なくとも一部を構成する。第2カバー88は、外面及び上面が開口の箱状に形成されている。
【0095】
第2カバー88は、第1側板881と、一対の第2側板882と、底板883と、傾斜板884と、鉤部885とを有する。
【0096】
第1側板881は、矩形状の平板状に形成されている。また、第1側板881は、内向きに丸みを有している。第1側板881は、主脚5が閉位置にある状態において、長手方向が上下方向に沿うように形成されている。
【0097】
一対の第2側板882は、上下方向と直交する方向における第1側板881の両端部から、外向きに突出している。また、一対の第2側板882は、外側に近付くにつれて、互いに離れる方向に突出している。一対の第2側板882は、矩形状の平板状に形成されている。
【0098】
傾斜板884は、第1側板881の下端から外向きに突出している。より具体的には、傾斜板884は、主脚5が閉位置にある状態において、第1側板881の下端から外向きかつ下向きに突出している。傾斜板884は、第1側板881の上端、及び、一対の第2側板882の上端と連続するように形成されている。傾斜板884は、平板状に形成されている。
【0099】
傾斜板884の接触面(下面)886は、レーザ墨出し器1(脚部3)が設置される設置面と接触する。より具体的には、傾斜板884の接触面886は、主脚5が開位置にある状態において、設置面と接触する。収納部8の傾斜板884の接触面886が設置面と接触することで、レーザ墨出し器1を設置面に設置した場合の安定性を向上させることができる。また、接触面886が第2カバー88に形成されているため、例えば接触面886が傷んだ際には第2カバー88を付け替えることで、レーザ墨出し器1の安定性を保つことができる。
【0100】
また、本実施形態の傾斜板884の接触面886は、主脚5が開位置にある場合に、設置面と平行となるように構成されている。より具体的には、主脚5を含む3本の脚31の全てが開位置にある状態で脚部3が設置面に設置される場合に、傾斜板884の接触面886は設置面と平行となる。主脚5が開位置である場合に傾斜板884の接触面886と設置面とが平行となるため、レーザ墨出し器1の安定性をより向上させることができる。
【0101】
また、3本の脚31のうちで最も質量が大きい主脚5の収納部8に接触面886が形成されているため、レーザ墨出し器1の安定性をより向上させることができる。
【0102】
底板883は、傾斜板884の下端から外向きに突出している。底板883は平板状に形成されている。底板883の主面における法線は、主脚5が閉位置にある状態において、上下方向と平行である。
【0103】
一対の鉤部885は、第1側板881に設けられている。一対の鉤部885は、第1側板881から上方に突出し、さらに内向き(前方)に突出している。一対の鉤部885が、第1カバー87の一対の突起部872に引っ掛かることにより、第2カバー88は、第1カバー87及び基部80に対して固定される。
【0104】
(2.7)副脚
図9に示すように、本実施形態の副脚4は、第2基部40と、緩衝部材(弾性部材)9と、を有する。
【0105】
(2.8)第2基部
図9に示すように、本実施形態の第2基部40の形状は内面が開口の箱状である。本実施形態の第2基部40は、例えばポリカーボネート樹脂等の合成樹脂によって形成されている。
【0106】
第2基部40は、側板41と、底板42と、天板43と、連結部44と、を有する。
【0107】
側板41は、矩形状の平板状に形成されている。また、側板41は、外向きに丸みを有している。
【0108】
底板42は、側板41の下端から内向きに突出している。底板42は、平板状に形成されている。底板42の主面における法線は、副脚4が閉位置にある状態において、上下方向と平行である。
【0109】
底板42には、底板42を厚み方向(上下方向)に貫通する一対の孔421が形成されている。一対の孔421は、丸状に形成されている。なお、以下の説明において、一対の孔421の各々を区別しない場合、一対の孔421の各々のことを単に「孔421」と呼ぶことがある。
【0110】
天板43は、側板41の上端から内向きに突出している。天板43は、平板状に形成されている。天板43の主面における法線は、副脚4が閉位置にある状態において、上下方向と平行である。すなわち、天板43と底板42とは平行である。
【0111】
連結部44は、副脚4が閉位置にある状態において、天板43から上方に突出している。連結部44は、突起部441と孔442とを有する。
【0112】
孔442は、上下方向と直交する方向に沿って、連結部44を貫通する孔である。孔442には、本体2の回転軸25が通される。すなわち、孔442は、回転軸25の軸受として機能する。
【0113】
突起部441は、副脚4が閉位置にある状態において、連結部44の上端から上向きかつ外向きに突出している。突起部441は、主脚5の突起部561と同様に、本体2の複数の突起部261に引っ掛かるように構成されている。突起部441が複数の突起部261に引っ掛かることにより、本実施形態の副脚4は、閉位置と開位置との間で段階的に回転可能である。言い換えると、突起部441が複数の突起部261に引っ掛かることにより、副脚4は、閉位置から開位置の間の少なくとも一つの中間位置で静止可能である。副脚4が閉位置と開位置との間で段階的に回転可能に構成されているため、設置面の状況に応じて副脚4の開き具合の微調整を行うことができ、レーザ墨出し器1の安定性を向上させることができる。
【0114】
(2.9)緩衝部材
図9に示すように、本実施形態の緩衝部材9は、上下方向と直交する方向(回転軸25に沿った方向)からの平面視において、L字状である。緩衝部材9は、衝撃を緩和する材質で形成されており、例えば、ウレタン等で形成されている。緩衝部材9は、第2基部40の少なくとも一部を覆うように配置される。緩衝部材9は、レーザ墨出し器1を設置面に設置する際に、設置面に接触する。設置面に緩衝部材9が接触することで、レーザ墨出し器1を設置面に設置した場合の安定性をより向上させることができる。
【0115】
緩衝部材9は、側板91と、底板92と、一対の突出部93と、一対のストッパー部94と、を有する。なお、以下の説明において、一対の突出部93の各々を区別しない場合、一対の突出部93の各々のことを単に「突出部93」と呼ぶことがある。また、一対のストッパー部94の各々を区別しない場合、一対のストッパー部94の各々のことを単に「ストッパー部94」と呼ぶことがある。
【0116】
側板91は、矩形状の平板状に形成されている。また、側板91は、外向きに丸みを有している。側板91は、第2基部40の側板41より外に配置される。より具体的には、本実施形態の側板91は、第2基部40の側板41と密着するように対向した状態で、第2基部40の側板41より外に配置される。
【0117】
底板92は、側板91の下端から内向きに突出している。底板92は、平板状に形成されている。底板92の主面における法線は、副脚4が閉位置にある状態において、上下方向と平行である。底板92は、第2基部40の底板42の下方に配置される。より具体的には、本実施形態の底板92は、第2基部40の底板42と密着するように対向した状態で、第2基部40の底板42の下方に配置される。底板92は、副脚4を設置面に設置する際に、設置面に接触する部位である。
【0118】
一対の突出部93は、副脚4が閉位置にある状態において、底板92から上向きに突出している。一対の突出部93は、第2基部40の一対の孔421に通されている。本実施形態の突出部93は、円柱状に形成されている。
【0119】
一対のストッパー部94は、一対の突出部93の上端から外向きに突出している。ストッパー部94は、上側が丸みを有した直方体状に形成されている。ストッパー部94は、第2基部40の底板42の上方に配置される。より具体的には、本実施形態のストッパー部94は、第2基部40の底板42と密着するように対向した状態で、第2基部40の底板42の上方に配置される。なお、ストッパー部94の外側の端部は、側板91と連続している。
【0120】
本実施形態のストッパー部94は、副脚4が閉位置にある場合に主脚5を閉位置に固定するストッパーとして機能する。言い換えると、本実施形態の副脚4は、副脚4が閉位置にある場合に主脚5を閉位置に固定するストッパー部94を有する。
【0121】
図10に示すように、副脚4及び主脚5が閉位置にある場合に、副脚4のストッパー部94は、主脚5における収納部8の底板883の下面に接触する。ストッパー部94が収納部8の底板883の下面に接触することで、副脚4が閉位置にある場合に主脚5が開かないようになる。なお、本実施形態では、2本の副脚4のうちの少なくとも一本が閉位置にあれば、主脚5が開かないようになる。副脚4がストッパー部94を有することで、レーザ墨出し器1の持ち運び時等に、主脚5が開くことを低減することができる。
【0122】
(2.10)操作部
図2及び図3に示す操作部7は、収納部8に収納された3本の電池から光源10への通電状態を切り替えるための操作を受け付ける。本実施形態の操作部7は、主脚5に設けられている。より具体的には、本実施形態の操作部7は、主脚5に収納されている制御基板に設けられている。
【0123】
例えば操作部7がユーザに長押しされると、制御基板は、電池から光源10への通電状態(オンオフ)の切り替えを行う。また、例えば操作部7をユーザに短押しされると、制御基板は、光源10が出射するレーザ光の輝度を変更(調節)する。
【0124】
制御基板は、主脚5の第1基部50と収納部8との間に配置されている。より具体的には、制御基板は、第1基部50の第1側板51と、一対の第2側板52と、天板54と、第2底板57とで形成される外向きに窪んだ凹部に配置されている。
【0125】
本実施形態の操作部7は、制御基板の外面から外向きに突出している。本実施形態の操作部7は、円柱状に形成されている。図2及び図3に示すように、本実施形態の操作部7は、緩衝部材6の孔611から外部に露出している。図3に示すように、本実施形態の操作部7の端部は、緩衝部材6の第1側板61の外面及び第1基部50の第1側板51の外面より窪んだ位置にある。言い換えると、本実施形態の操作部7は、主脚5の外周面から窪んだ位置に設けられている。さらに言い換えると、本実施形態の操作部7は、把持部59の外周面から窪んだ位置に設けられている。
【0126】
収納部8を有することで副脚4より質量が大きくなりやすい主脚5に操作部7が設けられているため、操作部7が操作される際のレーザ墨出し器1の安定性を向上させることができる。また、本実施形態の操作部7は主脚5の外周面から窪んだ位置に設けられているため、レーザ墨出し器1の持ち運び時等に誤操作がなされる可能性を低減することができる。
【0127】
(3)変形例
以下、上記実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0128】
上記実施形態では、脚部3が3本の脚31を有する場合を例示したが、脚部3が有する脚31は4本以上であってもよい。
【0129】
上記実施形態では、収納部8が3本の電池を収納する場合を例示したが、収納部8が収納する電池の数は、2本以上であればよい。
【0130】
収納部8が収納する電池は単3形に限られず、例えば単4形等の他の形状、大きさの電池であってもよい。例えば収納部8が収納する電池は角筒形の電池であってもよい。
【0131】
収納部8が3以上の電池を収納し、かつ、3以上の脚31の全てが閉位置にある場合に、レーザ墨出し器1の重心が、仮想軸Ax2(図8参照)上にあるようにしてもよい。仮想軸Ax2は、複数の中心軸Ax1と平行かつ仮想円C1の中心を通る仮想軸である。複数の中心軸Ax1と平行かつ仮想円C1の中心を通る仮想軸Ax2上にレーザ墨出し器1の重心があることで、3以上の脚31の全てが閉位置にある場合にレーザ墨出し器1を把持しやすくすることができる。
【0132】
主脚5は1本でなくてもよい。例えば、脚部3は、第1主脚と第2主脚とを有していてもよい。例えば、第1主脚が収納部8を有し、第2主脚が把持部59を有していてもよい。
【0133】
上記実施形態では、主脚5は収納部8に電池が収納されていない状態で、3本の脚31のうちで最も質量が大きい場合を例示した。しかし、主脚5は、収納部8に電池が収納されていない状態で副脚4より質量が小さくてもよい。例えば、主脚5は、収納部8に電池が収納されている状態で、3本の脚31のうちで最も質量が大きくなるように構成されていてもよい。
【0134】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係るレーザ墨出し器(1)は、光源(10)と、本体(2)と、脚部(3)と、を備える。光源(10)は、レーザ光を出射する。本体(2)は、光源(10)を保持する。脚部(3)は、設置面に設置され、本体(2)を支持する。脚部(3)は、閉位置と開位置との間で回転可能に構成されている3以上の脚(31)を有する。3以上の脚(31)のうちの一の脚(31)である主脚(5)は、収納部(8)を有する。収納部(8)は、光源(10)にレーザ光を出射させるための複数の電池を収納する。
【0135】
この態様によれば、一の脚(31)である主脚(5)の収納部(8)に複数の電池を収納するため、レーザ墨出し器(1)の小型化を図ることができる。
【0136】
第2の態様に係るレーザ墨出し器(1)では、第1の態様において、複数の電池の各々は、中心軸(Ax1)を有する円柱状の電池である。収納部(8)は、複数の中心軸(Ax1)が平行となるように、複数の電池を収納する。
【0137】
この態様によれば、複数の電池の複数の中心軸(Ax1)が平行となるように、収納部(8)が複数の電池を収納するため、レーザ墨出し器(1)の小型化をより図ることができる。
【0138】
第3の態様に係るレーザ墨出し器(1)では、第2の態様において、複数の電池は、3以上の電池である。収納部(8)は、複数の中心軸(Ax1)が仮想円(C1)の円周上に沿って等間隔に並ぶように、3以上の電池を収納する。
【0139】
この態様によれば、複数の中心軸(Ax1)が仮想円(C1)の円周上に沿って等間隔に並ぶように、収納部(8)が3以上の電池を収納するため、レーザ墨出し器(1)の小型化をより図ることができる。
【0140】
第4の態様に係るレーザ墨出し器(1)では、第2又は第3の態様において、収納部(8)が複数の電池を収納し、かつ、3以上の脚(31)の全てが閉位置にある場合に、複数の中心軸(Ax1)に沿った方向からの平面視において、本体(2)の重心と脚部(3)の重心とが重なる。
【0141】
この態様によれば、複数の中心軸(Ax1)に沿った方向からの平面視において本体(2)の重心と脚部(3)の重心とが重なるため、3以上の脚(31)の全てが閉位置にある場合にレーザ墨出し器(1)を把持しやすくすることができる。
【0142】
第5の態様に係るレーザ墨出し器(1)では、第3の態様において、収納部(8)が3以上の電池を収納し、かつ、3以上の脚(31)の全てが閉位置にある場合に、レーザ墨出し器(1)の重心が、仮想軸(Ax2)上にある。仮想軸(Ax2)は、複数の中心軸(Ax1)と平行かつ仮想円(C1)の中心を通る仮想軸である。
【0143】
この態様によれば、複数の中心軸(Ax1)と平行かつ仮想円(C1)の中心を通る仮想軸(Ax2)上にレーザ墨出し器(1)の重心があるため、3以上の脚(31)の全てが閉位置にある場合にレーザ墨出し器(1)を把持しやすくすることができる。
【0144】
第6の態様に係るレーザ墨出し器(1)は、第1から第3のいずれかの態様において、操作部(7)を更に備える。操作部(7)は、電池から光源(10)への通電状態を切り替えるための操作を受け付ける。操作部(7)は、主脚(5)に設けられている。
【0145】
この態様によれば、主脚(5)は収納部(8)を有するため他の脚(副脚4)と比べて質量が大きくなることが多いため、操作部(7)の操作時のレーザ墨出し器(1)の安定性を向上させることができる。
【0146】
第7の態様に係るレーザ墨出し器(1)では、第6の態様において、脚部(3)の形状は、3以上の脚(31)の全てが閉位置にある場合に棒状である。操作部(7)は、主脚(5)の外周面から窪んだ位置に設けられている。
【0147】
この態様によれば、操作部(7)が主脚(5)の外周面から窪んだ位置に設けられているため、レーザ墨出し器(1)の持ち運び時等に誤操作がなされる可能性を低減することができる。
【0148】
第8の態様に係るレーザ墨出し器(1)では、第1から第7のいずれかの態様において、3以上の脚(31)のうちの1以上の脚(31)は、閉位置と開位置との間で段階的に回転可能に構成されている。
【0149】
この態様によれば、3以上の脚(31)のうちの1以上の脚(31)が閉位置と開位置との間で段階的に回転可能に構成されているため、設置面の状況に応じて脚(31)の開き具合の微調整を行うことができ、レーザ墨出し器(1)の安定性を向上させることができる。
【0150】
第9の態様に係るレーザ墨出し器(1)では、第1から第8のいずれかの態様において、収納部(8)は電池受け部(第1電池受け部811)を有する。電池受け部は、円柱状の電池に沿うように形成されている。電池受け部は、電池の側周面に向かって突出する突出部(814)を有する。
【0151】
この態様によれば、電池が電池受け部(第1電池受け部811)から離れた状態になるため、収納部(8)から電池を取り外しやすくなる。
【0152】
第10の態様に係るレーザ墨出し器(1)では、第1から第9のいずれかの態様において、3以上の脚(31)から主脚(5)を除いた2以上の脚(31)のうちの1以上の脚(副脚4)はストッパー部(94)を有する。ストッパー部(94)は、1以上の脚が閉位置にある場合に主脚(5)を閉位置に固定する。
【0153】
この態様によれば、レーザ墨出し器(1)の持ち運び時等に、主脚(5)が開くことを低減することができる。
【0154】
第1の態様以外の構成については、レーザ墨出し器(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0155】
1 レーザ墨出し器
10 光源
2 本体
3 脚部
31 脚
5 主脚
7 操作部
8 収納部
811 第1電池受け部(電池受け部)
814 突出部
94 ストッパー部
Ax1 中心軸
Ax2 仮想軸
C1 仮想円
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10