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特開2023-158977エクササイズメニュー管理装置、エクササイズ管理方法およびコンピュータプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023158977
(43)【公開日】2023-10-31
(54)【発明の名称】エクササイズメニュー管理装置、エクササイズ管理方法およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/00 20060101AFI20231024BHJP
   G06Q 50/22 20180101ALI20231024BHJP
   A63B 71/06 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
A63B69/00 C
A63B69/00 A
G06Q50/22
A63B71/06 M
A63B71/06 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022069097
(22)【出願日】2022-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】390030731
【氏名又は名称】朝日インテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】弁理士法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鹿子 泰宏
(72)【発明者】
【氏名】川下 和彦
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 達哉
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA00
(57)【要約】
【課題】歩行機能の向上に寄与するエクササイズメニューを作成してユーザへ提供できるようにすること。
【解決手段】本開示の装置は、歩行機能と関連する複数の所定の部位の情報である身体状態情報を記憶する身体状態情報記憶部と、複数の所定の部位のそれぞれについて歩行機能に関する重要度を記憶する歩行重要度情報記憶部と、歩行機能の向上に寄与する複数のエクササイズと複数の所定の部位との関係を示すエクササイズ情報を記憶するエクササイズ情報記憶部と、身体状態情報と歩行重要度情報に基づいて一つ以上の所定の部位を選択し、複数のエクササイズのうち選択された所定の部位と関係する所定のエクササイズを選定してエクササイズメニューを作成するエクササイズメニュー作成部と、作成されたエクササイズメニューを出力する出力部とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歩行機能の向上に関するエクササイズメニューをユーザへ提供するエクササイズメニュー管理装置であって、
ユーザの身体の各部位のうち歩行機能と関連する複数の所定の部位の情報である身体状態情報を記憶する身体状態情報記憶部と、
前記複数の所定の部位のそれぞれについて歩行機能に関する重要度を記憶する歩行重要度情報記憶部と、
歩行機能の向上に寄与する複数のエクササイズと前記複数の所定の部位との関係を示すエクササイズ情報を記憶するエクササイズ情報記憶部と、
前記身体状態情報と前記歩行重要度情報に基づいて前記複数の所定の部位のうち一つ以上の所定の部位を選択し、前記複数のエクササイズのうち前記選択された所定の部位と関係する所定のエクササイズを選定してエクササイズメニューを作成するエクササイズメニュー作成部と、
前記作成されたエクササイズメニューを出力する出力部と
を含むエクササイズメニュー管理装置。
【請求項2】
前記出力部は、前記ユーザの使用するユーザ装置へ前記エクササイズメニューを出力する
請求項1に記載のエクササイズメニュー管理装置。
【請求項3】
前記エクササイズ情報は、さらに、前記複数のエクササイズを実施する際の難易度を含んでおり、
前記エクササイズメニュー作成部は、前記複数のエクササイズのうち前記選択された所定の部位と関係するエクササイズの中から前記難易度に基づいて前記所定のエクササイズを選定する
請求項2に記載のエクササイズメニュー管理装置。
【請求項4】
歩行機能の向上に寄与するイベントへ前記ユーザが参加した場合に、前記ユーザの歩行に関連するデータを取得して管理するイベント管理部をさらに備える
請求項2に記載のエクササイズメニュー管理装置。
【請求項5】
前記ユーザ装置は、前記ユーザにより使用されるエクササイズ装置と通信する通信部を備え、
前記エクササイズ装置は、ユーザがエクササイズを実施する際の情報を検出するセンサ部と、前記センサ部で検出された情報を前記通信部へ送信する情報管理部とを含んでいる
請求項2に記載のエクササイズメニュー管理装置。
【請求項6】
前記エクササイズ装置は、さらに情報提供部を備えており、前記情報提供部は前記エクササイズに関する情報を前記ユーザへ提供する
請求項5に記載のエクササイズメニュー管理装置。
【請求項7】
前記エクササイズ装置は、床上に載置される基板部と、前記基板部上に設けられた複数の本体部と、前記各本体部に伸縮可能に設けられ、前記ユーザの身体に装着される装着部とを備えており、
前記各本体部は、前記本体部から引き離された前記装着部を前記本体部へ引き寄せる力を発揮するものであり、
前記情報提供部は、前記各本体部に設けられており、
前記各情報提供部は連動して前記エクササイズに関する情報を前記ユーザへ提供する
請求項6に記載のエクササイズメニュー管理装置。
【請求項8】
前記出力部は、前記ユーザ装置へ前記エクササイズメニューを出力すると共に、前記エクササイズメニューに関する動画を管理するエクササイズ動画管理情報記憶部から動画を読み出させて前記ユーザ装置へ配信させる
請求項2に記載のエクササイズメニュー管理装置。
【請求項9】
前記動画はユーザのタイプに応じて用意されており、
前記出力部は、前記エクササイズ動画管理情報記憶部から前記ユーザのタイプに応じた動画を読み出させて前記ユーザ装置へ配信させる
請求項8に記載のエクササイズメニュー管理装置。
【請求項10】
歩行機能の向上に関するエクササイズメニューをエクササイズメニュー管理装置で作成してユーザへ提供するエクササイズメニュー管理方法であって、
前記エクササイズメニュー管理装置は、
ユーザの身体の各部位のうち歩行機能と関連する複数の所定の部位の情報である身体状態情報を記憶し、
前記複数の所定の部位のそれぞれについて歩行機能に関する重要度を記憶する歩行重要度情報を記憶し、
歩行機能の向上に寄与する複数のエクササイズと前記複数の所定の部位との関係を示すエクササイズ情報を記憶し、
前記身体状態情報と前記歩行重要度情報に基づいて前記複数の所定の部位のうち一つ以上の所定の部位を選択し、
前記複数のエクササイズのうち前記選択された所定の部位と関係する所定のエクササイズを選定してエクササイズメニューを作成し、
前記作成されたエクササイズメニューを出力する
エクササイズメニュー管理方法。
【請求項11】
計算機に、
ユーザの身体の各部位のうち歩行機能と関連する複数の所定の部位の情報である身体状態情報を記憶するステップと、
前記複数の所定の部位のそれぞれについて歩行機能に関する重要度を記憶する歩行重要度情報を記憶するステップと、
歩行機能の向上に寄与する複数のエクササイズと前記複数の所定の部位との関係を示すエクササイズ情報を記憶するステップと、
前記身体状態情報と前記歩行重要度情報に基づいて前記複数の所定の部位のうち一つ以上の所定の部位を選択するステップと、
前記複数のエクササイズのうち前記選択された所定の部位と関係する所定のエクササイズを選定してエクササイズメニューを作成するステップと、
前記作成されたエクササイズメニューを出力するステップとを実行させる
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エクササイズメニュー管理装置、エクササイズ管理方法およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
痩身および筋肉増強を目的としたトレーニングシステム(特許文献1)、トレーニングメニュー提示システム(特許文献2)は知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6623822号公報
【特許文献2】特開2018-166885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高齢化社会では、痩身や筋肉増強よりも健康で長生きすることが求められており、歩行機能と健康長寿は密接な関係にあることが知られている。しかし、歩行機能の向上に役立つエクササイズメニューを作成してユーザへ提供する技術は知られていない。
【0005】
本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、歩行機能の向上に寄与するエクササイズメニューを作成してユーザへ提供することができるエクササイズメニュー管理装置、エクササイズ管理方法およびコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、本発明の一つの観点に従うエクササイズメニュー作成装置は、歩行機能の向上に関するエクササイズメニューをユーザへ提供する装置であって、ユーザの身体の各部位のうち歩行機能と関連する複数の所定の部位の情報である身体状態情報を記憶する身体状態情報記憶部と、複数の所定の部位のそれぞれについて歩行機能に関する重要度を記憶する歩行重要度情報記憶部と、歩行機能の向上に寄与する複数のエクササイズと複数の所定の部位との関係を示すエクササイズ情報を記憶するエクササイズ情報記憶部と、身体状態情報と歩行重要度情報に基づいて複数の所定の部位のうち一つ以上の所定の部位を選択し、複数のエクササイズのうち選択された所定の部位と関係する所定のエクササイズを選定してエクササイズメニューを作成するエクササイズメニュー作成部と、作成されたエクササイズメニューを出力する出力部とを含む。
【0007】
出力部は、ユーザの使用するユーザ装置へエクササイズメニューを出力できる。
【0008】
エクササイズ情報は、さらに、複数のエクササイズを実施する際の難易度を含むことができ、エクササイズメニュー作成部は、複数のエクササイズのうち選択された所定の部位と関係するエクササイズの中から難易度に基づいて所定のエクササイズを選定することができる。
【0009】
歩行機能の向上に寄与するイベントへユーザが参加した場合に、ユーザの歩行に関連するデータを取得して管理するイベント管理部をさらに備えてもよい。
【0010】
ユーザ装置は、ユーザにより使用されるエクササイズ装置と通信する通信部をさらに備えており、エクササイズ装置は、ユーザがエクササイズを実施する際の情報を検出するセンサ部と、センサ部で検出された情報を管理し通信部へ送信する情報管理部とを含むこともできる。
【0011】
エクササイズ装置は、さらに情報提供部を備えており、情報提供部はエクササイズに関する情報をユーザへ提供することもできる。
【0012】
エクササイズ装置は、床上に載置される基板部と、基板部上に設けられた複数の本体部と、各本体部に伸縮可能に設けられ、ユーザの身体に装着される装着部とを備えており、各本体部は、本体部から引き離された装着部を本体部へ引き寄せる力を発揮するものであり、情報提供部は各本体部に設けられており、各情報提供部は連動してエクササイズに関する情報をユーザへ提供してもよい。
【0013】
出力部は、ユーザ装置へエクササイズメニューを出力すると共に、エクササイズメニューに関する動画を管理するエクササイズ動画管理情報記憶部から動画を読み出させてユーザ装置へ配信させることができる。
【0014】
所定の動画は、ユーザのタイプに応じて用意されており、出力部は、エクササイズ動画管理情報記憶部からユーザのタイプに応じた動画を読み出させてユーザ装置へ配信させることもできる。
【0015】
本発明の他の観点にしたがうエクササイズメニュー管理方法は、歩行機能の向上に関するエクササイズメニューをエクササイズメニュー管理装置で作成してユーザへ提供する方法であって、エクササイズメニュー管理装置は、ユーザの身体の各部位のうち歩行機能と関連する複数の所定の部位の情報である身体状態情報を記憶し、複数の所定の部位のそれぞれについて歩行機能に関する重要度を記憶する歩行重要度情報を記憶し、歩行機能の向上に寄与する複数のエクササイズと複数の所定の部位との関係を示すエクササイズ情報を記憶し、身体状態情報と歩行重要度情報に基づいて複数の所定の部位のうち一つ以上の所定の部位を選択し、複数のエクササイズのうち選択された所定の部位と関係する所定のエクササイズを選定してエクササイズメニューを作成し、作成されたエクササイズメニューを出力する。
【0016】
本発明のさらに別の観点にしたがうコンピュータプログラムは、計算機に、ユーザの身体の各部位のうち歩行機能と関連する複数の所定の部位の情報である身体状態情報を記憶するステップと、複数の所定の部位のそれぞれについて歩行機能に関する重要度を記憶する歩行重要度情報を記憶するステップと、歩行機能の向上に寄与する複数のエクササイズと複数の所定の部位との関係を示すエクササイズ情報を記憶するステップと、身体状態情報と歩行重要度情報に基づいて複数の所定の部位のうち一つ以上の所定の部位を選択するステップと、複数のエクササイズのうち選択された所定の部位と関係する所定のエクササイズを選定してエクササイズメニューを作成するステップと、作成されたエクササイズメニューを出力するステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、歩行機能の向上に関するエクササイズメニューをユーザへ提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、エクササイズメニュー管理システムの全体概要図である。
図2図2は、エクササイズメニュー管理システムのシステム構成図である。
図3図3は、ユーザ基本情報の例である。
図4図4は、身体状態情報の例である。
図5図5は、歩行重要度情報の例である。
図6図6は、エクササイズ情報の例である。
図7図7は、エクササイズ動画管理情報の例である。
図8図8は、エクササイズ実施記録の例である。
図9図9は、歩行記録の例である。
図10図10は、歩行評価基準の例である。
図11図11は、エクササイズメニュー管理処理のフローチャートである。
図12図12は、図11中の身体状態評価処理のフローチャートである。
図13図13は、図11中のエクササイズメニュー作成処理を示すフローチャートである。
図14図14は、図11中のエクササイズ動画配信処理を示すフローチャートである。
図15図15は、図11中のエクササイズ活動データ取得処理のフローチャートである。
図16図16は、図11中のリマインダー送信処理のフローチャートである。
図17図17は、ユーザ装置に表示されるエクササイズメニュー管理画面の例である。
図18図18は、実施例2に係り、イベント管理処理のフローチャートである。
図19図19は、歩行データを評価する処理のフローチャートである。
図20図20は、実施例3に係り、エクササイズ動画配信処理を示すフローチャートである。
図21図21は、実施例4に係り、身体状態情報を評価する処理を示すフローチャートである。
図22図22は、実施例5に係り、ユーザ装置でエクササイズ動画を再生する処理のフローチャートである。
図23図23は、実施例6に係り、エクササイズ装置の処理を示すフローチャートである。
図24図24は、実施例7に係り、エクササイズメニュー管理システムの全体概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。本実施形態に係るエクササイズメニュー管理システムは、ユーザの歩行機能の向上に役立つエクササイズメニューをユーザの身体状態に基づいて作成し、ユーザへ提供する。ここで、本明細書にいう歩行機能の向上とは、歩行機能の改善または強化だけでなく、歩行機能の維持、歩行機能が低下することの抑制も含む。
【0020】
ユーザは、エクササイズメニュー管理システムから提供されたエクササイズメニューに示されたエクササイズを実施する。ユーザは、エクササイズを実施する際に、ユーザ装置およびエクササイズ装置を使用することができる。ユーザがエクササイズを実施した結果はエクササイズメニュー管理システムにて記録される。
【実施例0021】
図1図17を用いて第1実施例を説明する。図1は、エクササイズメニュー管理システムEMSの全体概要図である。エクササイズメニュー管理システムEMSは、例えば、エクササイズメニュー管理装置1と、少なくとも一つのユーザ装置2およびエクササイズ装置3を含んでいる。エクササイズメニュー管理装置1と各ユーザ装置2は、例えばインターネットなどの通信網CNを介して双方向通信可能に接続されている。
【0022】
エクササイズメニュー管理装置1は、例えば、スポーツジムなどのエクササイズメニュー作成拠点ST1に設けられる。エクササイズメニュー管理装置1は、エクササイズのトレーナーなどのエクササイズ管理者U1によって操作される。エクササイズ管理者U1は、ユーザU2のエクササイズを指導するトレーナーでもよいし、トレーナーの指示でエクササイズメニュー管理装置1を操作するオペレータでもよい。エクササイズ管理者U1は、医師、看護師、理学療法士、作業療法士などでもよい。
【0023】
ユーザ装置2およびエクササイズ装置3は、ユーザU2がエクササイズを実施するトレーニング拠点ST2に設けられる。ユーザU2は、エクササイズメニュー管理システムEMSの提供するエクササイズメニュー管理サービスのユーザである。トレーニング拠点ST2は、エクササイズ管理者U1のいるスポーツジムではなく、例えばユーザU2の自宅、ユーザの外出先などである。ユーザU2の外出先には、例えば、友人知人の家、職場、公園、ホテル、商業施設、病院などである。
【0024】
なお、後述のように、ユーザU2の身体状態情報をチェックするチェック拠点ST3(図24参照)をエクササイズメニュー管理システムEMSに設けてもよい。
【0025】
ユーザU2は、ユーザ装置2およびエクササイズ装置3を持って外出し、自宅以外の場所でエクササイズを実施することができる。ユーザU2は、ユーザ装置2だけを持って外出し、自宅以外の場所でエクササイズを実施することもできる。さらに、ユーザU2は、ユーザ装置2およびエクササイズ装置3のいずれも持たずに外出し、自宅以外の場所に置かれたユーザ装置2およびエクササイズ装置3を使用してエクササイズを実施することもできる。
【0026】
先にユーザ装置2およびエクササイズ装置3について説明し、次にエクササイズメニュー管理装置1について説明する。
【0027】
ユーザ装置2は、例えばラップトップ型パーソナルコンピュータ、タブレット型パーソナルコンピュータ、デスクトップ型パーソナルコンピュータ、タブレット型情報端末、携帯電話(いわゆるスマートフォンを含む。)、ウェアラブル情報端末などの、ユーザにより使用される情報処理端末である。ユーザ装置2は、一つの機器から構成されてもよいし、複数の機器が連動することで構成されてもよい。例えば、腕時計型のウェアラブル端末とスマートフォンとが連携することでユーザ装置2が構成されてもよい。
【0028】
図1中右側に示すトレーニング拠点ST2(1)では、ユーザ装置2は、テレビジョン装置4に有線または無線で接続されている。ユーザ装置2が通信網CNを介してエクササイズメニュー管理装置1から受信したエクササイズ動画は、テレビジョン装置4に転送されて表示される。
【0029】
エクササイズ装置3が通信機能を有する場合、ユーザ装置2は、エクササイズ装置3にも有線または無線で通信可能に接続可能である。後述のように、ユーザ装置2は、エクササイズ装置3に設けられたセンサ部34(図2参照)からデータを取得できる。ユーザ装置2は、ユーザ装置2の有するセンサ部203で検出されたデータとエクササイズ装置3から受信したデータとを、通信網CNを介してエクササイズメニュー管理装置1へ送信することができる。
【0030】
図1中左側に示すトレーニング拠点ST2(2)では、ユーザ装置2Aは、現実世界とは異なる世界をユーザの視覚に提供するゴーグル型装置として構成される。ゴーグル型装置2Aは、例えば、VR (Virtual Reality)、AR (Augmented Reality)、MR (Mixed Reality)、ER (Extended Reality)などと呼ばれる現実世界と異なる世界をユーザへ提供する。ユーザは、仮想世界でエクササイズすることもできるし、現実世界でエクササイズしながら、体温や脈拍などの数値を通常の視界で確認することもできる。ユーザは、エクササイズトレーナーを三次元オブジェクトとして仮想的に出現させて、トレーナーの動きを見ながらエクササイズすることもできる。ユーザは、エクササイズメニュー管理装置1から受信したエクササイズ動画を現実世界または仮想世界に表示させながら、エクササイズすることもできる。
【0031】
エクササイズ装置3について説明する。エクササイズ装置3は、例えば、床上に載置される基板部31と、基板部31上に設けられた複数の本体部32と、各本体部32に伸縮可能に設けられ、ユーザの身体に装着される装着部33とを備えている。
【0032】
エクササイズ装置3が一人用の装置である場合、基板部31には、2つの本体部32が着脱可能に設けられる。エクササイズ装置3が2人用の装置として構成される場合、4個の本体部32が基板部31に設けられる。したがって、エクササイズ装置3が有する本体部32の数に制限はないが、持ち運び時や収納時の利便性を考慮して、本実施例のエクササイズ装置3は2つの本体部32を備えているものとして説明する。
【0033】
本実施例では、エクササイズ装置3の持ち運び時や収納時の利便性を考慮して、各本体部32は基板部31に着脱可能に設けられている。各本体部32は、例えば、磁石や接着剤、ネジ、ファスナー、凹部と凸部の嵌合構造、クランプ機構などの固定手段によって、基板部31に着脱可能に取り付けることができる。しかし、各本体部32のいずれか一つまたは複数を基板部31に着脱不能に固定してもよい。この場合は、本体部32を基板部31に取り付ける作業を無くすことができ、ユーザU2の利便性が向上する。
【0034】
各本体部32は、本体部32から引き離された装着部33を本体部32へ引き寄せる力を発揮する。例えば、各本体部32には、ゼンマイバネなどの機構部(不図示)が内蔵されており、装着部33の基端側は機構部に接続されている。装着部33はその少なくとも一部が本体部32内に巻き取られている。装着部33がユーザU2によって引き出されると、引き出された装着部33を元の位置に戻そうとする力(ここでは復元力と呼ぶ。)が発動する。機構部は、ゼンマイバネ以外の動力であってもよい。モータおよび歯車を機構部として使用してもよい。機構部が電気を駆動源とする場合、電池を内蔵してもよいし、コンセントからの商用電源を利用する電源装置を備えてもよいし、電波や誘導起電力、光を利用して外部から供給される電源を利用する装置を備えてもよい。
【0035】
装着部33は、例えば、ユーザU2に把持される場合のように、ユーザU2の身体に装着される。装着部33は、ユーザU2の手に限らず、ユーザU2の腕、足首、すね、太もも、腰などに装着されてもよい。ユーザU2は、2つの装着部33を左右の手でそれぞれ把持してもよいし、2つの装着部33を左右いずれかの手で把持してもよい。
【0036】
エクササイズメニュー管理装置1について説明する。エクササイズメニュー管理装置1は、後述のようにコンピュータシステムとして構成されており、コンピュータシステムの持つハードウェア資源およびソフトウェア資源によって以下に述べる各機能部11~15を実現している。
【0037】
エクササイズメニュー管理装置1は、例えば、エクササイズメニュー作成部11、記憶部12、ユーザ管理部13、イベント管理部14、歩行評価部15と、管理者用ユーザインターフェース装置16とを備える。
【0038】
エクササイズメニュー作成部11は、身体状態情報と歩行重要度情報に基づいて複数の所定の部位のうち一つ以上の所定の部位を選択し、複数のエクササイズのうち選択された所定の部位と関係する所定のエクササイズを選定してエクササイズメニューEMを作成する機能を持つ。
【0039】
エクササイズメニュー作成部11は、身体状態情報を管理する機能と、歩行重要度情報を管理する機能と、エクササイズ情報を管理する機能と、エクササイズ動画を管理する機能と、エクササイズ実施記録を管理する機能と、歩行記録を管理する機能を備える。これらの身体状態情報管理機能、歩行重要度情報管理機能、エクササイズ情報管理機能、エクササイズ動画管理機能、エクササイズ実施記録管理機能、歩行記録管理機能は、エクササイズメニュー作成部11の外部に図示されてもよいが、図1では省略している。
【0040】
記憶部12は、エクササイズメニュー管理サービスの運営に使用される各種情報を記憶する機能を持つ。記憶部12は、例えば、ユーザ基本情報121、身体状態情報122、歩行重要度情報123、エクササイズ情報124、エクササイズ動画管理情報125、エクササイズ実施記録126、歩行記録127、歩行評価基準128を記憶する。
【0041】
各情報121~128は、それら情報121~128を記憶する記憶部と呼ぶこともできる。例えば、ユーザ基本情報121はユーザ基本情報記憶部121と、身体状態情報122は身体状態情報記憶部122と、歩行重要度情報123は歩行重要度情報記憶部123と、エクササイズ情報124はエクササイズ情報記憶部124と、エクササイズ動画管理情報125はエクササイズ動画管理情報記憶部125と、エクササイズ実施記録126はエクササイズ実施記録記憶部126と、歩行記録127は歩行記録記憶部127と、歩行評価基準128は歩行評価基準記憶部128と、それぞれ呼ぶことができる。各情報121~128の内容は後述する。
【0042】
ユーザ管理部13は、エクササイズメニュー管理サービスを利用する各ユーザU2を管理する機能を持つ。ユーザ管理部13は、後述のように、エクササイズ実施記録126に基づいてユーザU2にエクササイズ実施についてのリマインダーをユーザ装置2へ送信したり、歩行に関係するイベントについてのリマインダーをユーザ装置2へ送信したりすることができる。
【0043】
ユーザU2の健康に関する情報、例えば睡眠時間、食事の内容と量、バイタルデータなどを取得できる場合、ユーザ管理部13は、それらの健康関連情報に基づいて、ユーザU2に食事や睡眠などについての助言を与えてもよい。
【0044】
イベント管理部14は、歩行に関するイベントの情報を管理する。歩行に関するイベントとは、例えば、ハイキング、山歩き、散歩などの歩行機能の向上に寄与するイベントである。イベント管理部14は、イベントの日時、場所、参加人数、各参加者の歩行状態などを管理する。イベント管理部14は、イベントに参加するユーザU2についての歩行メニューを作成して、ユーザ装置2へ送信することもできる。イベント時の歩行メニューは、エクササイズメニュー作成部11で作成されるエクササイズメニューと別に作成されて別のタイミングでユーザ装置2へ送信されてもよい。イベント時の歩行メニューは、エクササイズメニューと一緒にユーザ装置2へ送信されてもよい。
【0045】
歩行評価部15は、歩行記録127と歩行評価基準128とを記憶部12から読み出して、ユーザU2の歩行を評価する。エクササイズメニュー作成部11は、歩行評価結果と身体状態情報122に基づいて、エクササイズを選定し、エクササイズメニューを作成することもできる。すなわち、エクササイズメニュー管理装置1は、ユーザU2の実施するエクササイズだけでなく、通勤、通学、旅行、遊びなどユーザU2の日常生活での歩行状態も評価して、そのユーザU2に適したエクササイズメニューを作成し提供することができる。
【0046】
管理者用ユーザインターフェース装置16は、エクササイズ管理者U1により操作される装置である。管理者用ユーザインターフェース装置16は、例えば、エクササイズメニュー管理装置1へ情報を入力する情報入力装置(不図示)と、エクササイズメニュー管理装置1から情報を出力してエクササイズ管理者U1に提供する情報出力装置(不図示)を備える。
【0047】
情報入力装置は、例えば、キーボード、マウスなどのポインティングデバイス、タッチパネル、マイクロフォンおよび音声認識装置、およびこれらの組み合わせである。情報出力装置は、例えば、モニタディスプレイ、プリンタ、スピーカーおよび音声合成装置、およびこれらの組み合わせである。ユーザインターフェース装置16は、ユーザ装置2Aのような、現実世界と異なる視覚世界をエクササイズ管理者U1に提供するゴーグル型装置でもよい。エクササイズ管理者U1は、仮想空間内でユーザU2の身体状態やエクササイズ実施記録を参照し、エクササイズメニューを作成することができる。
【0048】
なお、本実施例では、身体状態情報122の評価、エクササイズ実施記録126の評価、エクササイズの選定、歩行記録の評価など各種判断をエクササイズ管理者U1が行う場合を説明するが、これに限らず、人工知能を用いて判断してもよい。あるいは、人工知能の判断を参考にしてエクササイズ管理者U1が最終的に判断してもよい。例えば、あらかじめ正解か否かを人間が決定した多くの教師データをニューラルネットワークに学習させることにより、任意のデータが入力されたときに人間同様に判定させることができる。したがって、多くのユーザU2の身体状態情報122とエクササイズ実施記録126とトレーナーの評価などをニューラルネットワークに入力して学習させることで、エクササイズに関する判断を得ることができる。ニューラルネットワークに代えて、ディープラーニングを用いてもよい。
【0049】
図2は、エクササイズメニュー管理システムのシステム構成図である。エクササイズメニュー管理装置1は、例えば、プロセッサ101、記憶装置102、メモリ103、ユーザインターフェース(図中UI)部104、通信部105を備えており、これらはバスなどの通信手段106を介して接続されている。
【0050】
プロセッサ101は、中央演算処理装置に限らず、グラフィック演算などに特化した処理を行うプロセッサを含んでもよい。記憶装置102は、例えば、フラッシュメモリまたはハードディスクドライブなどの補助記憶装置であり、コンピュータプログラム102Pとデータ102Dを記憶する。メモリ103は、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)である。メモリ103は、プロセッサ101に作業領域も提供する。プロセッサ101は、コンピュータプログラム102Pおよびデータ102Dを記憶装置102から読み出してメモリ103に格納させる。プロセッサ101がデータ102Dを用いてコンピュータプログラム102Pを実行することにより、図1で述べた各機能11~15が実現される。後述する他の機能部も同様に、プロセッサ101がコンピュータプログラム102Pおよびデータ102Dを用いて実現させる。
【0051】
ユーザインターフェース部104は、エクササイズ管理者U1の使用するユーザインターフェース装置16との間で情報を送受信する回路である。通信部105は、通信網CNを介してユーザ装置2と双方向通信する回路である。通信部105は、後述するユーザ装置2の通信部205および近距離通信部206を介して、エクササイズ装置3の近距離通信部36と直接的にまたは間接的に通信することもできる。エクササイズ装置3が通信網CNに接続する通信部(不図示)を持つ場合、エクササイズ装置3はユーザ装置2を介さずにエクササイズメニュー管理装置1と直接通信することもできる。
【0052】
ユーザ装置2は、上述の通りスマートフォンまたはタブレット端末のような装置であり、ユーザU2により使用される。ユーザ装置2は、ユーザU2の私物でもよいし、エクササイズメニュー管理サービスがユーザU2に貸与してもよい。複数のユーザU2が1つのユーザ装置2を共同で使用してもよい。ユーザU2の使用するユーザ装置2が、定期的にまたは不定期に、他のユーザ装置2に変更されてもよい。
【0053】
ユーザ装置2は、例えば、プロセッサ201、メモリ202、センサ部203、ユーザインターフェース部204、通信部205、近距離通信部206を含み、これらはバスなどの通信手段207を介して接続されている。
【0054】
プロセッサ201は、グラフィック演算などに特化した処理を行うプロセッサを含んでもよい。ここでのメモリ202は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ストレージ(補助記憶装置)を含む。メモリ202には、エクササイズ管理部210およびセンサかにリブ220を実現するコンピュータプログラムとデータが記憶されている。
【0055】
エクササイズ管理部210は、ユーザがエクササイズメニュー管理サービスを利用するための機能を持つ。エクササイズ管理部210は、ユーザの指示に応じてエクササイズメニューをエクササイズメニュー管理装置1から取得し、ユーザの選択したエクササイズの手本となる動画(エクササイズ動画)をエクササイズメニュー管理装置1から取得して再生する。さらに、エクササイズ管理部210は、センサ管理部220から取得したセンシングデータをエクササイズメニュー管理装置1へ送信する。
【0056】
センサ管理部220は、センサ部203で検出されたデータを取得して記憶し、エクササイズ管理部210を介してエクササイズメニュー管理装置1へ送信させる。センサ管理部220は、エクササイズ装置3のセンサ部34から取得したデータをエクササイズ管理部210に送信することもできる。
【0057】
センサ部203は、例えば、画像センサ、加速度センサ、位置情報センサ、温度センサ、マイクロフォン、光センサ、温度センサ、圧力センサ、脈拍センサなどである。複数のセンサの組み合わせであってもよい。センサ部203は、ユーザ装置2に内蔵された内蔵センサでもよいし、ユーザ装置2に接続された外部センサでもよい。ユーザ装置2は、内蔵センサと外部センサの組み合わせでもよい。例えば、室内に設置されたカメラを外部センサとし、そのカメラで撮影した動画データをセンサデータとして使用可能である。
【0058】
ユーザインターフェース部204は、ユーザU2とユーザ装置2との間で情報交換させる装置である。ユーザインターフェース部204は、情報の入力と情報の出力とを略同時に行うことができるタッチパネルのように構成される。これに限らず、音声認識装置や音声合成装置などをユーザインターフェース部204として使用してもよい。
【0059】
通信部205は、通信網CNを介してエクササイズメニュー管理装置1と通信するための回路である。近距離通信部206は、エクササイズ装置3の近距離通信部36との間で通信するための回路である。近距離通信部206は、無線または光、あるいは音波を用いてエクササイズ装置3とデータ通信する。
【0060】
エクササイズ装置3は、ユーザU2がエクササイズする際に使用する装置である。エクササイズ装置3は、例えば、基板部31、本体部32、装着部33、センサ部34、情報提供部35および近距離通信部36を備える。
【0061】
基板部31は、1つ以上の本体部32を着脱可能に取り付けるための支持部である。各本体部32は、上述の通り、ユーザU2により引き出された装着部33を元に戻そうとする力(復元力)を発生させる。装着部33は、ユーザU2の身体に装着される。ユーザU2は基板部31に乗った状態で本体部32から装着部33を引き出すトレーニングを行う。上記上記エクササイズ装置3を用いると、装着部33が元に戻ろうとする復元力によって、基板部31から伝わる足裏の反力がユーザU2に強く意識されるため、歩行機能の改善に対してより有効なエクササイズを提供することができる。
【0062】
センサ部34は、例えば、基板部31に設けられた圧力センサ、振動センサ、温度センサなどであり、エクササイズ前の、エクササイズ中の、エクササイズ後のユーザU2の身体状態情報の一部を検出する。すなわち、センサ部34は、エクササイズ中のユーザU2の身体状態だけでなく、エクササイズ開始前の身体状態とエクササイズ終了後の身体状態も検出してもよい。センサ部34で検出されたデータは、近距離通信部36からユーザ装置2の近距離通信部206へ送られる。センサ部34は、画像センサでもよい。
【0063】
情報提供部35は、エクササイズに関する情報をユーザへ提供する。情報提供部35は、例えば、モニタディスプレイ、プロジェクター、スピーカー、三次元ホログラム投影機などの、画像、音、光のいずれかまたはそれらの組み合わせにより、エクササイズに関する情報をユーザU2へ提供する。エクササイズに関する情報とは、例えば、手本となる動画(エクササイズ動画)、エクササイズの状態の評価結果、エクササイズを応援する情報などである。エクササイズの状態の評価結果とは、例えば、ユーザU2の両足の荷重が均等であるか否か、どちらかの足の荷重が大きすぎないかといった情報である。エクササイズを応援する情報とは、応援のかけ声や拍手の音、光の点滅などの情報である。
【0064】
なお、エクササイズ装置3が通信網CNに接続する通信部(不図示)を有する場合、エクササイズ装置3はユーザ装置2を介さずにエクササイズメニュー管理装置1と直接通信することもできる。あるいは、エクササイズ装置3とユーザ装置2とを一体化し、エクササイズ装置3内にユーザ装置2の持つ機能を設ける構成でもよい。
【0065】
サーバASは、エクササイズメニュー管理装置1および/またはユーザ装置2へコンピュータプログラムまたはデータを配信するサーバコンピュータである。ユーザU2は、ユーザ装置2を用いてサーバASへアクセスすることにより、エクササイズ管理部210を実現するためのコンピュータプログラムをダウンロードすることができる。エクササイズメニュー管理装置1は、例えば、サーバASからユーザ装置2の存在する場所の天気予報、ニュース、食品の栄養素の情報などのエクササイズに関連しうる各種情報を取得して、エクササイズメニューの作成などに役立てることもできる。なお、エクササイズ装置3がサーバASからコンピュータプログラムまたはデータを受信してもよい。
【0066】
記憶媒体MMは、例えば、フラッシュメモリ、ハードディスク、光ディスク、磁気テープなどの、コンピュータプログラムを非一時的に記憶する媒体である。記憶媒体MMと記憶装置102の間でコンピュータプログラムおよびデータを送受信可能である。例えば、記憶媒体MMから記憶装置102へコンピュータプログラム102Pまたはデータ102Dの少なくとも一部を転送して記憶させることができる。逆に、記憶装置102から記憶媒体MMへコンピュータプログラム102Pまたはデータ102Dの少なくとも一部を転送して記憶させることができる。ここで、コンピュータプログラム102Pまたはデータ102Dの少なくとも一部とは、コンピュータプログラム102Pの全部、コンピュータプログラム102Pの一部、データ102Dの全部、データ102Dの一部、およびこれらの組み合わせを含む。
【0067】
図3図10を参照して、エクササイズメニュー管理システムEMSで使用するデータの構成例を説明する。以下に説明する各データは、そこに示される全ての項目が必須というわけではなく、一部の項目が省略されてもよい。さらに、各データは、明示された項目以外の項目を備えてもよい。明示されていない項目の存在は、「その他」という項目に表れている。
【0068】
図3は、ユーザ基本情報121の例を示す。ユーザ基本情報121は、エクササイズメニュー管理サービスを利用する各ユーザU2についての基本的情報を管理している。ユーザ基本情報121は、例えば、ユーザID1211、氏名1212、生年月日1213,性別1214、身長1215、体重1216、目的1217およびその他1218を含むことができる。
【0069】
ユーザID1211は、エクササイズメニュー管理サービス内でユーザU2を一意に特定する識別情報である。氏名1212は、ユーザの氏名である。生年月日1213は、ユーザの生年月日である。ユーザの生年月日と現在の日付とから、現在のユーザの年齢を算出することができる。性別1214は、ユーザの性別である。ユーザの性別1214は、ユーザの希望で割愛されてもよい。身長1215は、ユーザの身長である。体重1216は、ユーザの体重である。目的1217は、ユーザがエクササイズメニュー管理サービスを利用する目的である。目的としては、例えば、健康維持、歩行の筋力増強、体力向上などの歩行に関する目的のほかに、仲間作り、暇つぶしといった歩行筋肉に関する目的以外の精神的目的でもよい。
【0070】
その他1218には、例えば、ユーザ認証のための情報、既存会員の紹介の有無、エクササイズメニュー管理サービスを利用することで付与されるポイントの収支、ユーザU2の既往症などを記録させることができる。
【0071】
図4は、身体状態情報122の例である。身体状態情報122は、ユーザU2の身体状態についての情報を管理する。詳しくは、身体状態情報122は、ユーザU2の身体状態を示す情報のうち歩行に関連する身体状態情報(歩行関連状態と呼ぶこともできる。)を管理する。
【0072】
身体状態情報122は、例えば、ユーザID1221、計測日1222、ヒラメ筋の状態1223、大腿四頭筋の状態1224、膝の状態1225、足首の状態1226、足裏バランス(例えば、足底圧分布及び足底圧中心点COPの軌跡)の状態1227およびその他1228を含む。「状態」という語句は、図中の項目1223~1227では省略している。
【0073】
身体状態情報122は、ヒラメ筋、大腿四頭筋、膝、足首、足裏バランスの各状態を、例えばA~Cのようにアルファベットを用いて評価している。「A」は状態が良いことを、「B」は中程度の状態であることを、「C」は状態が悪いことを、それぞれ示す。アルファベットに代えて、1~3などの数字、大中小などの文字を用いてもよい。
【0074】
ユーザID1221は、図3で述べたユーザID1211と同じである。計測日1222は、ユーザU2の身体状態を計測した日付である。時刻を含んでもよい。ヒラメ筋の状態1223から足裏バランスの状態1227までは、「ユーザU2の身体の各部位のうち歩行に関連する複数の所定の部位」に相当する項目である。
【0075】
項目1223,1224は、歩行に使用する筋肉の状態を示す情報である。項目1225,1226は歩行時に使用される関節の状態を示す情報である。項目1227は、歩行全体の状況を示す情報である。その他1228は、例えば、股関節の状態、股関節の筋肉(ハムストリングス、大臀筋、中臀筋、内転筋、腸腰筋群等)、足指の関節の状態、足指の筋肉(足底筋群、長趾筋群等)の状態、足首の筋肉(腓腹筋、前脛骨筋、後脛骨筋、長腓骨筋等)や、腹筋の状態、背筋の状態などの、歩行に間接的に関連する部位の状態を示す情報である。各項目の状態確認には、項目毎にチェック方法が設けられており、例えば、足裏バランスには15秒片足立ちや足底圧分布及び足底圧中心点COPの軌跡の確認、足指の関節及び筋肉には足指のグー運動・パー運動;足首の関節及び筋肉には底屈・背屈・内返し・外返し、膝の関節及び筋肉にはうつぶせ姿勢での膝曲げ運動、椅子座位での膝伸ばし運動、スクワット運動、股関節にはディープスクワット、スプリットストレッチ、ヒップリフト運動等が挙げられる。
【0076】
図5は、歩行重要度情報123の例である。歩行重要度情報123は、歩行の関する各部位(複数の所定の部位)のそれぞれについて歩行機能に関する重要度を記憶する。
【0077】
歩行重要度情報123は、例えば、部位名1231、重要度1232、その他1233を備える。部位名1231は、歩行に関する各部位(ヒラメ筋、大腿四頭筋、膝、足首、足裏バランスなど)を示す。重要度1232は、各部位の歩行に関する重要度を示す。その他1233は、備考、注意事項などのその他の情報を示す。
【0078】
図5では、重要度を大中小として示す。「大」は、歩行に関する重要度が高い部位であることを示す。「中」は、歩行に関する重要度が中程度であることを示す。図示を省略する「小」は、歩行に関する重要度が小さいことを示す。重要度は大と中の2段階で評価してもよいし、1~4のように4段階以上で評価してもよい。
【0079】
図6は、エクササイズ情報124の例を示す。エクササイズ情報124は、歩行機能の向上に寄与する複数のエクササイズと複数の所定の部位との関係を示す。
【0080】
エクササイズ情報124は、例えば、エクササイズID1241、種別1242、難易度1243、ヒラメ筋への効果1244、大腿四頭筋への効果1245、膝への効果1246、その他1247を備える。「足首の効果」への効果と「足裏バランス」への効果は、図示を省略している。図6の項目1244~1246では、「への効果」という語句を省略している。
【0081】
エクササイズID1241は、エクササイズを識別する情報である。種別1242は、エクササイズの種別である。エクササイズの種別には、例えば、「ふくらはぎストレッチ」、「スクワット」などがある。難易度1243は、エクササイズを実施する際の難しさを示す。難易度は、例えば「1」、「2」のように数字で表現される。この例では、数字が大きくなるほど難しいエクササイズである。実施が難しいエクササイズとは、エクササイズの難易度とは、エクササイズを実施するときにユーザU2にかかる負担、負荷の大きさである。
【0082】
歩行に関する各部位への効果1244~1246は、エクササイズを実施したときに効果が生じるか否かを示す。歩行に関するエクササイズは、全ての所定の部位に効果があるわけではなく、特定の部位のみに効果を発揮することがあるため、効果の項目1244~1246を設けている。「有り」は、そのエクササイズを実施すると効果が生じることを意味する。「無し」は、そのエクササイズを実施しても効果がないことを意味する。所定部位への効果は、上述の有無に限らず、例えば1~3、A~C、大中小のように、3段階以上で評価してもよい。さらに例えば、ユーザの年齢および性別、体型などを考慮した補正係数を用意し、効果の評価を補正してもよい。
【0083】
図7は、エクササイズ動画管理情報125の例である。エクササイズ動画管理情報125は、エクササイズ動画を関する。エクササイズ動画管理情報125は、例えば、エクササイズID1251、動画ID1252、格納先アドレス1253、データサイズ1254、更新日1255、モデルタイプ1256、その他1257を備える。
【0084】
エクササイズID1251は、図6のエクササイズID1241と同一である。動画ID1252は、エクササイズ動画を識別する情報である。エクササイズ動画とは、モデルがエクササイズの手本を示す動画データである。格納先アドレス1253は、エクササイズ動画のデータを格納している場所を示す。エクササイズ動画の格納先は、エクササイズメニュー管理装置1の記憶装置102内に限らず、図示せぬ外部ストレージシステムでもよい。データサイズ1254は、エクササイズ動画のデータのサイズである。更新日1255は、エクササイズ動画の作成日または更新日である。
【0085】
モデルタイプ1256は、エクササイズの手本を実施するモデルのタイプを示す。モデルのタイプとしては、例えば、男性、女性、老人、中年、若者、やせ形、筋肉質、小太り、中肉中背、長身などがある。モデルのタイプは、上述のように、例えば、性別、年齢、体型などの1つ以上の属性によって分類される。モデルのタイプ1256は、後述の実施例で使用される。
【0086】
図8は、エクササイズ実施記録126の例である。エクササイズ実施記録126は、ユーザU2がエクササイズを実施した記録である。エクササイズ実施記録126は、例えば、エクササイズID1261、実施日時1262、実施時間1263、実施場所1264、センサデータ1265、動画データ1266、評価1267およびその他1268を備える。
【0087】
エクササイズID1261は、エクササイズID1251およびエクササイズID1241と同様である。実施日時1262は、ユーザU2がエクササイズを実施した日時である。実施場所1263は、ユーザU2がエクササイズを実施した場所である。実施日時1262および実施場所1263は、ユーザU2がユーザ装置2からエクササイズメニュー管理装置1へ手動で入力されてもよいし、エクササイズメニュー管理装置1またはユーザ装置2が自動的に取得した情報に基づいて自動入力されてもよい。例えば、ユーザU2がエクササイズ動画を再生した時刻または再生を終了した時刻を実施日時1262として記録してもよい。ユーザ装置2の位置情報取得機能(GPSなど)でユーザU2の居場所を特定し、特定された場所を実施場所1263に記録してもよい。
【0088】
センサデータ1265は、動画以外のセンシングデータ、すなわちエクササイズ中にセンサ部34,203で計測されたデータを記録する。センサデータ1265には、例えば、荷重、圧力、温度、湿度、照度といったエクササイズ中のユーザU2を取り巻く外部環境のデータ、および/または、エクササイズ中のユーザU2の心拍数、血圧、体温、発汗量、顔色などのバイタルデータが記録される。
【0089】
動画データ1266は、エクササイズ中のユーザU2の少なくとも一部を撮影した動画データが記録される。動画データは、ユーザ装置2に内蔵されたカメラ、または、ユーザ装置2に接続された外部カメラのいずれか一方または両方で撮影されてもよい(いずれも図示せず)。外部カメラは、例えば、天井または机に設置された固定カメラでもよいし、空中を浮遊するドローンまたは床上を移動するロボットに搭載された移動式カメラでもよい(いずれも図示せず)。
【0090】
評価1267は、ユーザU2の実施したエクササイズの評価である。センサデータ1265、および/または、動画データ1266に基づいて算出された評価が評価基準128に記録される。例えば、センサデータ1265と動画データ1266を解析することにより、歩行に関連する所定の筋肉に所定量の負荷がかかっているか、歩行に関連する関節が所定角度動作したかなどの評価をすることができる。この評価には、ニューラルネットワークなどの人工知能を用いてもよい。システム管理者U1がエクササイズ動画を確認し、その評価を行うこともできる。
【0091】
図9は、歩行記録127の例である。歩行記録127は、ユーザU2がエクササイズしている時間以外での歩行に関する記録である。エクササイズ以外の歩行には、例えば、通勤、通学、通院、散歩、歩行イベントなどがある。歩行イベントは後述する。
【0092】
歩行記録127は、例えば、歩行日時1271、歩行時間1272、歩行種別1273、歩行軌跡1274、歩行情報1275およびその他1276を備える。
【0093】
歩行日時1271は、ユーザU2がエクササイズ以外で歩行した日時である。歩行時間1272は、ユーザU2の歩行時間である。歩行種別1273は、通勤、散歩、山歩きなどの歩行の種別である。歩行軌跡1274は、ユーザU2が歩行した軌跡であり、複数の位置情報から構成される。位置情報は、緯度経度などの地図上の座標だけでなく、高度を含んでもよい。ユーザ装置2のセンサ部203がGPSなどの位置情報取得機能と圧力センサを有していれば、ユーザU2の歩行記録を立体的に検出することができる。
【0094】
歩行情報1275は、ユーザU2の歩行時の状態を示す。歩行時の状態には、例えば、歩幅、速度、かかと接地角度、離床角度などがある。歩行情報1275は、自動的に取得されて記録されてもよいし、手動で入力されてもよい。歩行情報1275を自動的に取得する方法には、例えば、ユーザU2の履いている靴に埋め込んだセンサ(不図示)から取得されるデータの解析、または、ユーザU2の足下を撮影するカメラからの動画データの解析などがある。歩行情報1275を手動で入力する方法には、例えば、ユーザU2本人が歩幅や速度などを自分で計測し、ユーザ装置2を介してエクササイズメニュー管理装置1に入力する方法がある。または、同伴者がユーザU2の歩行状態を目視で観察し、同伴者の持つユーザ装置2からエクササイズメニュー管理装置1へ入力する方法もある。
【0095】
図10は、歩行評価基準128の例である。歩行評価基準128は、エクササイズメニュー管理装置1がユーザU2の歩行記録127を評価する際に使用する基準である。
【0096】
歩行評価基準128は、例えば、年齢別、性別、体型別などのユーザタイプ毎に用意することができる。図10では、年齢別および身長別の歩行評価基準128を示す。歩行評価基準128は、年齢1281、身長1282、歩幅1283、速度1284、かかと接地角度1285、離床角度1286およびその他1287を備える。
【0097】
図10に示す歩行評価基準128は、年齢別かつ身長のランク別に、歩幅、速度、かかと接地角度、離床角度などの基準値を持つ。
【0098】
図11のフローチャートを用いて、エクササイズメニュー管理装置1の全体動作を説明する。幾つかの処理については、図を改めて後述する。
【0099】
エクササイズメニュー管理システムEMSの提供するサービスを受けようとするユーザU2は、ユーザ装置2を用いてエクササイズメニュー管理装置1にアクセスし、ユーザ登録を行う(S1)。ユーザU2は、ユーザ装置2を介してエクササイズメニュー管理装置1にユーザ基本情報121の各項目を入力する。
【0100】
ユーザ登録の完了したユーザU2がユーザ装置2を用いてエクササイズメニュー管理装置1にアクセスする場合、ユーザ認証が行われる(S1)。
【0101】
エクササイズメニュー管理装置1は、ユーザU2の身体状態を評価する(S2)。エクササイズメニュー管理装置1には、図4で述べた身体状態情報122の各項目の評価が設定される。
【0102】
エクササイズメニュー管理装置1は、エクササイズメニューを作成する(S3)。すなわちエクササイズメニュー管理装置1は、身体状態情報122と歩行重要度情報123に基づいて複数の所定の部位のうち一つ以上の所定の部位を選択し、複数のエクササイズのうち選択された所定の部位と関係する所定のエクササイズを選定することにより、エクササイズメニューを作成する。
【0103】
ユーザU2の大腿四頭筋の状態が良くない場合(評価Cの場合)を例に挙げて説明すると、歩行重要度情報123によれば大腿四頭筋の重要度は大きいがわかる。したがって、エクササイズメニュー管理装置1は、大腿四頭筋の状態改善に寄与するエクササイズをエクササイズ情報124に登録された各エクササイズの中から選択する。この例では、大腿四頭筋への効果があると認定されているスクワットが選択される。改善対象部位が複数或る場合、エクササイズメニュー管理装置1は、それら複数の改善対象部位の全てに効果のあるエクササイズを選択する。複数の改善対象部位の全てに効果のあるエクササイズがない場合、エクササイズメニュー管理装置1は、より多くの改善対象部位に効果のあるエクササイズを選択する。これにより、ユーザU2がエクササイズメニューに消費する時間を短くでき、効率的にユーザU2の歩行に関する機能を向上させることができる。
【0104】
このように、エクササイズメニュー管理装置1は、ユーザU2の身体状態に応じて、改善すべき部位を特定し、その特定された部位に効果のあるエクササイズを選択する。改善対象として特定された部位に複数のエクササイズを割り当てることもできる。改善対象の部位に効果のあるエクササイズは、歩行重要度に応じて選択されてもよい。例えば、重要度の高い部位ほど、その部位に効果のあるエクササイズがより多く選択されるように、エクササイズメニューを作成することができる。
【0105】
ただし、難易度の大きいエクササイズを複数含むエクササイズメニューは、ユーザU2の疲労感が増し、エクササイズ継続の意思を損ねる可能性がある。また、難易度の低いエクササイズを複数含む場合、エクササイズメニューを完了するまでの所要時間が長くなり、ユーザU2の総合的な疲労感も大きくなる可能性がある。
【0106】
そこで、エクササイズメニュー管理装置1は、以下に示す所定のメニュー生成条件を満たすように、エクササイズメニューを生成する(S3)。所定のメニュー生成条件とは、例えば、(1)できるだけ少ないエクササイズ数でできるだけ多くの改善対象部位の機能向上を図ることができること、(2)エクササイズメニューを完了したときのユーザU2の疲労度が所定の疲労度以下であること、(3)エクササイズメニューの完了に要する時間が所定の所要時間以下であること、(4)エクササイズメニューに含まれる各エクササイズの難易度の合計が所定の難易度以下であること、(5)エクササイズ装置3の使用時のユーザ姿勢にできるだけ連続性があること、などがある。
【0107】
疲労度は、例えば、1つのエクササイズ完了に要する時間と、そのエクササイズに設定された難易度と、ユーザU2の性別、年齢、身長、体重、既往症などから算出することができる。エクササイズ所要時間、難易度、ユーザU2の性別などのパラメータの全てを用いる必要はなく、それらのうちの少なくとも1つのパラメータから疲労度を算出してもよい。さらに、ユーザU2の身体状態情報またはエクササイズメニューの内容などに応じて、疲労度の算出に用いるパラメータを変更してもよい。
【0108】
エクササイズ装置3の使用時のユーザ姿勢にできるだけ連続性があることとは、例えば、エクササイズ装置3を使用するユーザU2の姿勢がエクササイズ間で大きく変化しないことと定義することができる。例えば、最初のエクササイズでは立った姿勢で行い、次のエクササイズでは座った姿勢で行う場合、エクササイズ間でのユーザU2の姿勢の変化が大きい。立った姿勢でのエクササイズを最初に実施し、次に座った姿勢でのエクササイズを実施することにより、ユーザU2が立ったり座ったりする回数を少なくできる。
【0109】
しかし、エクササイズ間でのユーザU2の姿勢変化を、エクササイズメニューに明示されていない「隠れエクササイズ」であると捉えるのであれば、上述の条件(5)は、エクササイズ装置3の使用時のユーザ姿勢ができるだけ連続しないことと書き換えることもできる。
【0110】
エクササイズメニュー管理装置1は、作成したエクササイズメニューをユーザ装置2へ送信する(S3)。エクササイズメニュー管理装置1は、ユーザ装置2からの要求を受けたときに、エクササイズメニューをユーザ装置2へ送信してもよい(S3)。ユーザは、所望の時刻に、あるいはトレーナーなどから指定された時刻に、エクササイズメニューにしたがってエクササイズを実施する。
【0111】
ユーザは、エクササイズを実施する際に、ユーザ装置2からエクササイズメニュー管理装置1にエクササイズ動画の配信を要求する。エクササイズメニュー管理装置1は、ユーザ装置2からの動画配信要求を受信すると、要求されたエクササイズに対応するエクササイズ動画をユーザ装置2へ配信する(S4)。エクササイズメニュー管理装置1から図外のストレージシステムへ送信指示を出し、そのストレージシステムからユーザ装置2へエクササイズ動画を配信させてもよい。
【0112】
エクササイズメニュー管理装置1は、定期的にまたは不定期に、ユーザU2のエクササイズ活動データをユーザ装置2から取得して管理する(S5)。エクササイズ活動データとは、ユーザU2によるエクササイズ実施時のデータおよびイベントなどでの歩行記録のデータである。エクササイズメニュー管理装置1は、エクササイズ装置3から直接ユーザU2のエクササイズ活動に伴って発生するデータを取得してもよい。さらに、エクササイズメニュー管理装置1は、ユーザU2がエクササイズする空間に設けられたカメラ(不図示)からユーザU2がエクササイズしている様子を撮影した動画データを取得することもできる。
【0113】
エクササイズ活動データを取得するステップS5は、例えば、歩行記録を取得するステップS51と、センサデータを取得するステップS52と、ユーザを撮影した動画を取得するステップS53を含む。
【0114】
歩行記録を取得するステップ51は、ユーザ装置2またはユーザU2の装着したセンサ(不図示)からユーザU2の通勤時や散歩時などの歩行についてのデータを取得し、歩行記録127に記録する。センサデータを取得するステップS52は、ユーザ装置2またはエクササイズ装置3からセンサデータを取得し、エクササイズ実施記録126のセンサデータ欄1265に記録する。ユーザを撮影した動画を取得するステップS53は、ユーザ装置2に接続されたカメラまたはユーザU2がエクササイズしている空間に設けられたカメラから、エクササイズ中のユーザU2を撮影した動画データを取得し、エクササイズ実施記録126の動画データ欄1266に記録する。
【0115】
ステップS51~S53は、連続して実行されるものではなく、取得可能なタイミングが到来したときに実行される。例えば、ユーザU2の歩行が検出されると、その歩行記録が取得されて記録される(S51)。別のタイミングで、ユーザU2がエクササイズを実施すると、エクササイズ中のユーザU2のセンサデータおよび動画が取得されて、それぞれ記録される(S52,S53)。
【0116】
エクササイズメニュー管理装置1は、エクササイズ実施記録126の実施日時1262を参照して、前回のエクササイズ実施時から所定時間以上経過しているユーザU2を見つけると、そのユーザU2のユーザ装置2へリマインダーを送信する(S6)。リマインダーは、例えば、電子メール、ショートメッセージ、合成音声、振動、およびこれらの組み合わせにより行うことができる。
【0117】
図12は、ユーザの身体状態を評価する処理(図11のステップS2)の詳細を示すフローチャートである。エクササイズメニュー管理装置1は、身体状態情報122の各項目1223~1227ごとに、すなわちユーザU2の身体の各部位のうち歩行に関連する複数の所定の部位ごとに(S21)、以下のステップS22~S24を実行する。
【0118】
エクササイズメニュー管理装置1は、対象となる所定の部位の状態を取得し(S22)、取得された所定の部位の状態を評価し(S23)、その評価結果を身体状態情報122の該当項目へ記録する(S24)。
【0119】
ユーザU2の所定の部位の状態は、スポーツジムにおいてトレーナーが計測してもよいし、後述の例のように、ユーザU2がセルフチェックで計測した結果をエクササイズメニュー管理装置1へ送信してもよい。所定の部位の状態についての評価は、トレーナーが判断してもよいし、ニューラルネットワークなどの人工知能を用いて判断してもよいし、トレーナーが人工知能による判断結果を参考にして判断してもよい。なお、ステップS22,S23,S24の実行タイミングは連続している必要はない。
【0120】
図13は、エクササイズメニューを作成する処理(図11のステップS3)の詳細を示すフローチャートである。エクササイズメニュー管理装置1は、対象となるユーザU2の身体状態情報122を参照し(S31)、ユーザU2の歩行に関連する所定の部位のうち改善すべき部位があるか判断する(S32)。改善すべき部位がない場合(S32:NO)、後述のステップS37へ移る。
【0121】
改善すべき部位がある場合(S32:YES)、エクササイズメニュー管理装置1は、改善すべき部位に効果のあるエクササイズ種別(ストレッチ、スクワットなど)を特定する(S33)。
【0122】
さらに、エクササイズメニュー管理装置1は、ユーザ基本情報121を参照して、ユーザがエクササイズする目的を確認し(S34)、ユーザの目的に適したメニュー生成条件を設定する(S35)。ユーザがエクササイズをする目的は、随時変更できる。エクササイズメニュー管理装置1は、ユーザの目的と所定のメニュー生成条件に基づいて、改善対象の部位に効果のあるエクササイズを選択する(S36)。
【0123】
例えば、ユーザの目的が健康維持または歩行の筋力増強のように、歩行機能の積極的維持または向上である場合、エクササイズメニュー管理装置1は、改善すべき部位に効果のあるエクササイズだけを効率よく実施できるように、エクササイズを選択する。これに対し、例えば、ユーザの目的が仲間づくりや暇つぶしの場合、エクササイズメニュー管理装置1は、改善対象部位の部位に効果のあるエクササイズだけでなく、難易度の低いエクササイズ、疲労度の小さいエクササイズも選択する。
【0124】
エクササイズメニュー管理装置1は、ステップS36で選択されたエクササイズに基づいて、エクササイズメニューを作成する(S37)。エクササイズメニューは、選択されたエクササイズの実施順序を示すほかに、選択されたエクササイズの手本となるエクササイズ動画を再生するためのリンク情報も含む。エクササイズメニュー管理装置1は、作成されたエクササイズメニューをユーザ装置2へ送信する(S38)。あるいは、エクササイズメニュー管理装置1は、作成されたエクササイズメニューを保存し、ユーザ装置2からの転送要求を待つ。
【0125】
図14は、エクササイズ動画を配信する処理(図11のステップS4)の詳細を示すフローチャートである。
【0126】
エクササイズメニュー管理装置1は、ユーザ装置2から動画配信要求を受信すると(S41:YES)、要求されたエクササイズIDに対応するエクササイズ動画を読み出し(S42)、読出したエクササイズ動画をユーザ装置2へ送信する(S43)。エクササイズメニュー管理装置1は、ユーザ装置2でエクササイズ動画が再生され、ユーザU2がエクササイズを実施したものとみなして、ユーザU2のエクササイズ実施記録126の実施日時1262にエクササイズ動画の送信終了時刻を設定する(S44)。エクササイズ動画の送信開始時刻を実施日時1262として設定してもよい。エクササイズ実施記録126の実施時間1263には、そのエクササイズ動画の再生時間を設定すればよい。
【0127】
図15のフローチャートは、エクササイズ活動データを取得する処理(図11中のステップS5)の詳細を示す。上述の通り、エクササイズメニュー管理装置1は、ユーザ装置2から歩行記録を取得して歩行記録127に保存する(S51)。エクササイズメニュー管理装置1は、ユーザ装置2からセンサデータを取得して、エクササイズ実施記録126のセンサデータの欄1265に保存する。さらに、エクササイズメニュー管理装置1は、ユーザ装置2からユーザを撮影した動画データを取得し、エクササイズ実施記録126の動画データの欄1266に記憶する(S53)。
【0128】
ユーザ装置2に保存されたセンサデータのうち、エクササイズ動画の再生時間に対応する時間帯のセンサデータをエクササイズ時のセンサデータとして抽出すればよい。エクササイズ動画の再生時間は、エクササイズ動画の送信開始時刻(または送信終了時刻)を再生開始時刻とし、スタート時刻にエクササイズ動画の再生所要時間を加えた時刻を再生終了時刻とすることで求めることができる。このように、エクササイズ動画の再生されている時間を特定してセンサデータを抽出する方法に代えて、ニューラルネットワークなどの人工知能を用いて、ユーザ装置2内のセンサデータの中からエクササイズ時のセンサデータを抽出しもよい。
【0129】
ユーザを撮影した動画データは、ユーザ装置2に内蔵されたカメラに限らず、ユーザ装置2に有線または無線で接続された外部カメラ、ユーザU2がエクササイズする空間に設置されたカメラ、のいずれか1つまたは複数から得ることができる。
【0130】
図16のフローチャートは、リマインダー送信処理(図11中のステップS6)の詳細を示す。エクササイズメニュー管理装置1は、各ユーザU2のエクササイズ実施記録126を参照し(S61)、最新のエクササイズ実施日から所定期間経過したユーザU2を検出する(S62)。エクササイズメニュー管理装置1は、所定期間以上エクササイズしていないユーザU2を見つけると(S62:YES)、発見されたユーザU2のユーザ装置2へリマインダーを送信する(S63)。
【0131】
図17は、エクササイズメニュー管理装置1からユーザ装置2へ提供される画面の例を示す。図17の上側に示す画面G1は、エクササイズメニュー管理装置1から受信したエクササイズメニューを表示する。
【0132】
エクササイズメニュー画面G1は、例えば、エクササイズを奨励するメッセージを表示する奨励メッセージ部GP11、選択されたエクササイズに対応するエクササイズボタンGP12~GP15、画面を閉じるボタンGP16を含む。エクササイズボタンGP12~GP15は、エクササイズ動画の再生を指示するボタンを兼ねている。ユーザU2がエクササイズボタンを操作すると、操作されたボタンに対応するエクササイズ動画がエクササイズメニュー管理装置1からユーザ装置2へ転送されて自動再生される。
【0133】
エクササイズボタンGP12~GP15は、実施の順番通りに配置されている。ユーザU2は、上から順にエクササイズ動画を再生して、エクササイズを実施する。エクササイズメニューであらかじめ決められた順番と異なる順番で、エクササイズボタンを操作できないようにすることもできる。しかし、エクササイズメニューではエクササイズの実施順序を定めず、ユーザU2が好きな順番でエクササイズボタンを操作できるように構成されてもよい。
【0134】
図17の下側は、エクササイズ終了時にユーザ装置2に表示される画面G2を示す。エクササイズ終了画面G2は、例えば、エクササイズ活動データをエクササイズメニュー管理装置1へ送信するボタンGP21と、送信データの内容を指定するラジオボタンGP22~GP24を備える。
【0135】
エクササイズ活動データをユーザ装置2からエクササイズメニュー管理装置1へ送信する際に、ユーザU2は、歩行記録(GP22)、センサデータ(GP23)、ユーザの映った動画(GP24)のいずれを含めるか決定できる。初期値では、歩行記録、センサデータ、動画の全てを送信するように設定されてもよい。または、初期値では、何も送信しない設定であってもよい。
【0136】
このように構成される本実施例によれば、ユーザU2の歩行機能の向上に役立つエクササイズメニューをユーザU2の身体状態に基づいて作成し、ユーザU2へ提供することができるため、ユーザの歩行機能を向上させて健康長寿を図ることができる。
【0137】
本実施例によれば、ユーザU2は、ユーザ装置2およびエクササイズ装置3を使用してエクササイズを実施することができ、ユーザがエクササイズを実施した結果はエクササイズメニュー管理装置1に記録される。したがって、ユーザU2およびトレーナーU1は、エクササイズ実施記録126を参照することで、エクササイズの実施状況を容易に確認できる。
【実施例0138】
図18および図19を用いて、実施例2を説明する。本実施例を含む以下の各実施例では、実施例1との相違を中心に説明する。本実施例では、歩行に関連するイベントをユーザU2に提供し、そのイベントによる効果も測定してエクササイズメニューの作成に役立てる。
【0139】
図18は、イベント管理処理S7を示すフローチャートである。トレーナーなどのエクササイズ管理者U1は、歩行イベント情報をエクササイズメニュー管理装置1の記憶装置102に登録することができる。歩行イベント情報は、図示は省略するが例えば、イベントID、イベント名、イベント開催予定日時、イベント開催場所、イベント内容、イベント実行の有無、責任者名、参加予定ユーザのID、その他の項目を備える。
【0140】
歩行イベントは、例えば、山歩き、ハイキング、登山、散歩、園遊会、町巡り、観光、花見会、ダンス、盆踊りなどの、参加者の歩行が期待できるイベントである。歩行イベントにおいて、バス、乗用車、タクシー、電車、飛行機、船、ゴンドラ、リフトなどの歩行以外の移動手段が利用されてもよい。
【0141】
エクササイズメニュー管理装置1のイベント管理部14は、定期的にまたは不定期に、登録済みの歩行イベントを参照する(S71)。イベント管理部14は、登録済みの歩行イベントの開催予定日時と現在日時とを比較し、歩行イベントの開催予定日時と現在日時との差が所定時間になると、歩行イベントについての招待状をユーザU2へ送信する(S72)。
【0142】
歩行イベントの招待状は、例えば、電子メール、ショートメッセージ、音声メッセージなどの電子的招待状としてユーザU2に送信される。しかし、電子的招待状に限らず、紙媒体の招待状を郵送してもよいし、トレーナーが電話でユーザU2を誘ってもよい。
【0143】
イベント管理部14は、現在日時と歩行イベントの開催予定日時とを比較し、歩行イベントが開催されたか判断する(S73)。イベント管理部14は、歩行イベントが開催されたと判断すると(S73:YES)、ユーザ装置2から歩行記録を取得し、歩行記録127に記憶させる(S74)。歩行イベントが実際に開催された日時が歩行イベント情報に記憶される場合、イベント管理部14は、その実際に開催された日時を確認した後で、ユーザ装置2に歩行記録の送信を要求する。
【0144】
図19は、歩行記録を評価する処理S8のフローチャートである。歩行評価部15は、ユーザ装置2から取得された歩行記録127を参照し(S81)、歩行記録を解析して診断し(S82)、その診断結果を身体状態情報122の各項目1223~1227に反映させる(S83)。
【0145】
歩行評価部15は、センサデータおよび/またはユーザを撮影した動画データから、歩行に関連する所定の部位の状態を算出し、その算出結果と歩行評価基準128とを比較して、所定の部位の状態を診断する。
【0146】
このように構成される本実施例も実施例1と同様の作用効果を奏する。さらに本実施例では、歩行を伴うイベントをユーザU2に提供し、そのイベントに参加したユーザU2の所定の部位の状態を自動的に検出して身体状態情報122に反映させるため、ユーザU2は、楽しみながら歩行機能を向上させることができる。
【実施例0147】
図20を用いて実施例3を説明する。本実施例では、ユーザU2のタイプに応じたエクササイズ動画をユーザ装置2へ配信する。図20のフローチャートは、エクササイズ動画を配信する処理S4Aを示す。
【0148】
エクササイズメニュー管理装置1は、動画配信要求を受信すると(S41)、ユーザU2の性別、身長、体重を参照し(S45)、それらの情報からユーザU2のタイプを判定する(S46)。ユーザタイプとは、ユーザの属性に基づいてあらかじめ用意されたタイプであり、例えば、「小太り中年男性」、「筋肉質中年女性」、「やせ形中年女性」などの様に区別される。これら以外のユーザタイプが含まれてもよい。ユーザタイプから性別を外してもよい。
【0149】
エクササイズメニュー管理装置1は、要求されたエクササイズIDに対応するエクササイズ動画であって、かつユーザタイプに応じたエクササイズ動画を読み出し(S42A)、読み出されたエクササイズ動画をユーザ装置2へ送信する(S43)。そして、エクササイズメニュー管理装置1は、エクササイズ実施記録126を更新する(S44)。
【0150】
図20の下側に示すように、本実施例では、あらかじめユーザタイプ別にエクササイズ動画が用意されている。ユーザタイプ別エクササイズ動画とは、エクササイズの手本を見せるモデル(トレーナー)がユーザタイプと同一タイプである動画である。つまり、小太り中年男性のユーザU2には、小太り中年男性に分類されるモデルの演じるエクササイズ動画が提供される。
【0151】
このように構成される本実施例も実施例1と同様の作用効果を奏する。さらに本実施例では、ユーザU2のタイプに応じたモデルが演じるエクササイズ動画を提供するため、ユーザU2は手本となる動作を真似しやすくなり、ユーザU2にとっての使い勝手がさらに向上する。
【実施例0152】
図21を用いて実施例4を説明する。本実施例では、身体情報の評価方法の変形例を説明する。図21は、身体状態を評価する処理のフローチャートである。
【0153】
エクササイズメニュー管理装置1は、身体状態を評価できるか判定する(S20)。ユーザU2の身体状態情報を取得できる場合は、図12で述べたように、身体状態を評価できる(S20:YES,S21~S24)。
【0154】
これに対し、例えば、ユーザU2が旅行中または出張中であり、身体状態を計測する設備のない場所にいる場合、ユーザU2の身体状態を取得できない(S20:NO)。そこで、エクササイズメニュー管理装置1は、ユーザU2に対してセルフ簡易チェックを要求する(S201)。セルフ簡易チェックとは、ユーザU2が自分自身の身体状態をチェックすることである。セルフ簡易チェックの結果は、ユーザ装置2からエクササイズメニュー管理装置1へ送信される。
【0155】
例えば、エクササイズメニュー管理装置1からユーザ装置2へセルフ簡易チェックの方法を解説したテキストまたは動画を送信する。ユーザU2は、その解説テキストまたは動画を見て、自分の筋肉や関節などの状態をチェックし、ユーザ装置2からエクササイズメニュー管理装置1へ送信する。
【0156】
エクササイズメニュー管理装置1は、セルフ簡易チェックの結果をユーザ装置2から受領したか判定する(S202)。エクササイズメニュー管理装置1は、セルフ簡易チェックの結果をユーザ装置2から受領すると(S202:YES)、セルフ簡易チェックの結果に基づいてユーザU2の身体状態を評価し(S203)、身体状態情報122に記録する(S204)。
【0157】
エクササイズメニュー管理装置1は、ユーザ装置2からセルフ簡易チェックの結果を受信できない場合(S202:NO)、身体状態情報122を取得し(S205)、さらにエクササイズ実施記録126を取得する(S206)。そして、エクササイズメニュー管理装置1は、最後に記録された身体状態情報122およびエクササイズ実施記録126に基づいて、現在のユーザU2の身体状態を評価する(S207)。身体状態を最後に評価したとき以降に実施されたエクササイズ実施記録126に基づいて、現在のユーザU2の身体状態をある程度評価することができる。この評価は、ニューラルネットワークなどの人工知能を用いてもよい。
【0158】
このように構成される本実施例も実施例1と同様の作用効果を奏する。さらに本実施例では、ユーザが出張や旅行などのために、エクササイズメニュー作成拠点ST1でのユーザU2の身体状態を評価できない場合でも、セルフ簡易チェックの結果または最新データ122,126に基づく推定により、ユーザU2の身体状態を評価できる。
【0159】
エクササイズメニュー管理装置1は、セルフ簡易チェックの結果または最新データ122,126に基づく推定値から、ユーザU2の身体状態に適したエクササイズメニューを作成してユーザU2へ提供することができる。
【0160】
これにより、ユーザU2は、エクササイズメニュー作成拠点ST1に出向かなくても、自分の身体状態の評価に適したエクササイズメニューを入手することができ、使い勝手が向上する。
【実施例0161】
図22を用いて実施例5を説明する。本実施例では、ユーザ装置2は、エクササイズ動画を再生する際に、ユーザ装置2の外部の電気機器41と連動する。さらに、本実施例のエクササイズメニュー管理装置3Aは、「情報提供部」の例としてのホログラム投影装置35を備えている。
【0162】
図22は、ユーザ装置2でエクササイズ動画を再生する際の処理を示すフローチャートである。ユーザ装置2は、エクササイズメニュー管理装置1にアクセスし、エクササイズメニュー管理サービスにログインすると、ユーザU2用のエクササイズメニューを呼び出す(S101)。
【0163】
ユーザ装置2は、エクササイズメニュー管理装置1からエクササイズメニューを取得し(S102)、ユーザU2による再生指示を待つ。ユーザU2がエクササイズ動画の再生を指示すると、ユーザ装置2は、ユーザU2により指示されたエクササイズ動画をユーザ装置2へ送信するようエクササイズメニュー管理装置1に要求する(S103)。
【0164】
ユーザ装置2は、エクササイズ動画を受信すると(S104)、エクササイズ動画の再生に際して連動する機器が周囲に存在するか判定する(S105)。例えば、照明装置、テレビジョン装置、スピーカー、自動掃除機、介護ロボットなどの電気製品のうち、ユーザ装置2と連動可能な電気機器41がユーザ装置2の所定範囲内にある場合(S105:YES)、ユーザ装置2は、電気機器41へ制御指示を送信する(S106)。
【0165】
制御指示は、例えば、電気機器41を動作させる指示である。電気機器41がテレビジョン装置の場合、ユーザ装置2は、テキストまたは音声あるいは動画の応援メッセージをテレビジョン装置で再生させる。電気機器41が照明装置の場合、ユーザ装置2は、電気機器41に照明を点滅させるための指示を送る。電気機器41がスピーカーの場合、ユーザ装置2は、電気機器41に音データを送信し、電気機器41で再生させる。音データは、例えば、拍手、楽器音、応援の声などである。電気機器41が自動掃除機の場合、ユーザ装置2は、自動掃除機を作動させるか、あるいは停止させる。電気機器41が介護ロボットの場合、ユーザ装置2は、介護ロボットの可動部の少なくとも一部を動作させたり、音声を出力させたり、ランプやディスプレイを明滅させたりする。
【0166】
ユーザ装置2は、電気機器41へ制御指示を送信した後、エクササイズ動画を再生する(S107)。一方、周囲に連動する電気機器41がない場合(S105:NO)、ユーザ装置2は、エクササイズ動画を再生する(S107)。
【0167】
エクササイズ動画は、ユーザ装置2の端末画面に表示させてもよいし、図1でも述べたように、テレビジョン装置に映し出すこともできる。さらに、本実施例のエクササイズ装置3Aは、ホログラム投影装置35を備える。ホログラム投影装置35は、ユーザ装置2から受信したエクササイズ動画の3次元ホログラム351を「エクササイズに関する情報」の例として投影する。
【0168】
このように構成される本実施例も実施例1と同様の作用効果を奏する。さらに本実施例では、ユーザ装置2の周囲に存在する電気機器41と連動してエクササイズ動画を再生することができるため、ユーザU2は楽しい環境でエクササイズを実施できる。さらに、本実施例では、エクササイズ装置3Aにホログラム投影装置35を設けるため、ユーザU2は、手本となるモデルの動きを立体的に確認でき、臨場感も増す。ホログラム投影装置35は、ユーザ装置2に接続されてもよい。
【実施例0169】
図23を用いて実施例6を説明する。本実施例のエクササイズ装置3Bでは、「情報提供部」としてのライトを有する本体部32L,32Rを備える。ライトを備える本体部32L,32Rは、例えば、検出された荷重に応じてライトを作動させる。ここでは、ユーザU2の足裏バランスに応じてライトを明滅させる例を述べる。
【0170】
図23は、エクササイズ装置3Bで実行される処理を示すフローチャートである。エクササイズ装置3Bは、センサ部34からデータを取得して(S111)、左右の荷重を計算する(S112)。エクササイズ装置3Bは、左右の荷重が略均等であるか判定する(S113)。エクササイズ装置3Bは、左右の荷重が略均等であると判定すると(S113:YES)、左右の本体部32L,32Rのライトを同じように点灯させることで、ユーザU2に対し、左右の足裏バランスが取れていることを通知する(S114)。これに対し、エクササイズ装置3Bは、左右の荷重が略均等ではないと判定すると(S113:NO)、左右の本体部32L,32Rのライトの点灯状態を異ならせることで、ユーザU2に対し、左右の足裏バランスが取れていないことを通知する(S115)。
【0171】
図23の右下に示すエクササイズ装置3B(1)は、左右の荷重がバランスしたときのライトの点灯状態を示す。図23の左下に示すエクササイズ3B(2)は、左右の荷重がバランスしていないときのライトの点灯状態を示す。
【0172】
このように構成される本実施例も実施例1と同様の作用効果を奏する。さらに本実施例では、エクササイズ装置3Bの各本体部32L,32Rにライトを設け、エクササイズ中に計測された「エクササイズに関する情報」としての荷重の状態に応じて、各本体部32L,32Rのライトを連動させて点灯させる。したがって、ユーザU2は、エクササイズ中に左右の荷重バランスが取れているかを容易に確認することができる。
【0173】
なお、ユーザU2が2つの本体部32L,32Rのうちいずれか1つのみを用いてエクササイズする場合、左右の荷重バランスは崩れているため、図23中の左下に示すような点灯状態となる。しかし、ユーザU2は、左右の荷重がバランスしないエクササイズをしていることを認識しているため、その点灯状態はユーザU2に影響を与えない。
【実施例0174】
図24を用いて実施例7を説明する。本実施例では、ユーザU2は、複数のトレーニング拠点ST2と、複数のエクササイズメニュー作成拠点ST1を適宜利用できる。さらに、本実施例では、ユーザU2は、1つ以上のチェック拠点ST3を利用して、自身の身体状態を計測させることもできる。
【0175】
実施例1では、ユーザU2は、エクササイズメニュー作成拠点ST1で身体状態に適したエクササイズメニューを入手し、自宅等のトレーニング拠点ST2でエクササイズを実施する場合を述べた。これに対し本実施例のエクササイズメニュー管理システムEMSでは、ユーザU2は、複数のエクササイズメニュー作成拠点ST1のいずれか1つのエクササイズメニュー管理装置1から、自分の身体状態に適したエクササイズメニューを受領できる。そして、ユーザU2は、複数のトレーニング拠点ST2のいずれか1つまたは複数で、エクササイズメニューに基づいたエクササイズすることができる。
【0176】
さらに、本実施例のエクササイズメニュー管理システムEMSでは、少なくとも1つのチェック拠点ST3を備えることができる。チェック拠点ST3には、ユーザU2の身体状態を計測する身体状態チェック装置5が設けられている。
【0177】
例えば、ユーザU2は、通常、勤務先近くのエクササイズメニュー作成拠点ST1でエクササイズメニューを作成してもらい、自宅等のトレーニング拠点ST2でエクササイズを実施する。ユーザU2が出張または旅行などで自宅を長時間離れる場合、ユーザU2は、宿泊先や駅構内、空港内、フェリー内などを臨時のトレーニング拠点ST2として、エクササイズを実施することができる。長期間の出張または旅行の場合、ユーザU2は、出張先または旅先のエクササイズメニュー作成拠点ST1において、最新のエクササイズメニューを作成してもらうこともできる。
【0178】
さらに、ユーザU2は、例えば、空港、駅、ホテル、百貨店、スポーツ用品店、書店などに設置されたチェック拠点ST3において、自分の身体状態を計測させ、その計測結果をユーザ装置2で受信し、ユーザ装置2からいずれかのエクササイズメニュー管理装置1へ送信させることができる。複数のエクササイズメニュー管理装置1は、互いに通信可能に接続されており、ユーザIDに紐付く各データを互いに参照できる。あるいは、図1に示す記憶部12を外部のファイルストレージ内に設け(不図示)、各エクササイズメニュー管理装置1はユーザU2の各データ121~128を共用する構成でもよい。
【0179】
このように構成される本実施例も実施例1と同様の作用効果を奏する。さらに本実施例では、ユーザU2は、複数のエクササイズメニュー作成拠点ST1と複数のトレーニング拠点ST2を用いてエクササイズを実施できるため、出張または旅行などで外出する場合でも、外出先でもエクササイズを継続でき、ユーザU2の歩行に関連する所定の部位の健康を適切に保つことができる。
【0180】
なお、本発明は上記した実施例に限定されず、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換することが可能である。さらに、各実施例は、明らかに矛盾しない限り、適宜組み合わせることができる。
【0181】
本開示は、例えば、以下のように表現可能な発明を含む。
【0182】
表現1:出力部は、ユーザ装置へエクササイズメニューを出力すると共に、エクササイズメニューに関する動画を管理するエクササイズ動画管理情報記憶部から動画を読み出させて前記ユーザ装置へ配信させる、エクササイズメニュー管理装置。
【0183】
表現2:前記動画はユーザのタイプに応じて用意されており、前記出力部は、前記エクササイズ動画管理情報記憶部から前記ユーザのタイプに応じた動画を読み出させて前記ユーザ装置へ配信させる表現1に記載のエクササイズメニュー管理装置。
【0184】
表現3:前記ユーザ装置は、前記エクササイズメニューに関する動画を再生する際に、前記ユーザ装置の外部の電気機器と連動する、表現2に記載のエクササイズメニュー管理装置。
【0185】
表現4:前記ユーザによる前記エクササイズメニューの実施状況を管理するユーザ管理部をさらに備えており、前記出力部は、前記ユーザ装置からの要求に応じて、前記エクササイズメニューに関する動画を前記エクササイズ動画管理情報記憶部から読み出させて前記ユーザ装置へ配信させるようになっており、前記ユーザ管理部は、前記エクササイズメニューに関する動画が前記ユーザ装置へ配信されると、前記ユーザにより前記エクササイズメニューの少なくとも一部が実施されたと判定する、表現1に記載のエクササイズメニュー管理装置。
【0186】
表現5:ユーザのエクササイズを管理する管理者により使用される管理者用ユーザインターフェース装置をさらに備えており、前記身体状態情報は、前記管理者用ユーザインターフェース装置の設置場所で計測されるものである、表現4に記載のエクササイズメニュー管理装置。
【0187】
表現6:前記ユーザは、前記管理者用ユーザインターフェース装置の設置場所以外の場所で前記エクササイズメニューを実施する、表現5に記載のエクササイズメニュー管理装置。
【0188】
表現7:前記身体状態情報を前記管理者用ユーザインターフェース装置の設置場所で計測できない場合、前記ユーザ装置から送信される情報を前記身体状態情報として前記身体状態情報記憶部に記憶させる、表現6に記載のエクササイズメニュー管理装置。
【0189】
表現8:前記身体状態情報を前記管理者用ユーザインターフェース装置の設置場所で計測できない場合、前記ユーザの最新の身体状態情報と前記エクササイズメニューの実施状況とから当該ユーザの身体状態情報を推定して、前記身体状態情報記憶部に記憶させる
表現6に記載のエクササイズメニュー管理装置。
【符号の説明】
【0190】
1:エクササイズメニュー管理装置、2,2A:ユーザ装置、3,3A,3B:エクササイズ装置、11:エクササイズメニュー作成部、13:ユーザ管理部、14:イベント管理部、15:歩行評価部、12:記憶部、121:ユーザ基本情報、122:身体状態情報、123:歩行重要度情報、124:エクササイズ情報、125:エクササイズ動画管理情報125、126:エクササイズ実施記録、127:歩行記録、128:歩行評価基準、EM:エクササイズメニュー、EMS:エクササイズメニュー管理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24