(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023158985
(43)【公開日】2023-10-31
(54)【発明の名称】コンクリート型枠、コンクリート型枠の造形方法及びコンクリート型枠用の3Dプリンタ
(51)【国際特許分類】
E04G 9/05 20060101AFI20231024BHJP
B33Y 80/00 20150101ALI20231024BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20231024BHJP
B29C 64/118 20170101ALI20231024BHJP
B28B 7/34 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
E04G9/05
B33Y80/00
B33Y10/00
B29C64/118
B28B7/34 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022069107
(22)【出願日】2022-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(71)【出願人】
【識別番号】598121341
【氏名又は名称】慶應義塾
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松岡 康友
(72)【発明者】
【氏名】田中 浩也
【テーマコード(参考)】
2E150
4F213
4G053
【Fターム(参考)】
2E150AA27
2E150BA14
2E150BA19
2E150BA37
2E150MA14X
4F213AG03
4F213AG15
4F213WA25
4F213WB01
4F213WF23
4F213WL02
4F213WL32
4F213WL64
4G053CA21
4G053DA01
(57)【要約】
【課題】コンクリート型枠の造形に使用する樹脂材料の使用量を削減する
【解決手段】筒状のコンクリート型枠10は、樹脂製の第一線材51が交差して重ねられ構成された網目状部40と、網目状部40の外縁部である上下に設けられた樹脂製の枠部20、21と、を有する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂製の第一線材が交差して重ねられ構成された網目状部と、
前記網目状部の外縁部に設けられた樹脂製の枠部と、
を有する、コンクリート型枠。
【請求項2】
前記網目状部に交差して重ねられると共に前記枠部に接合され、前記第一線材よりも太い樹脂製の第二線材で構成された補強部を有している、
請求項1に記載のコンクリート型枠。
【請求項3】
3次元造形物を造形する3Dプリンタによって、溶融した熱可塑性樹脂を吐出口から吐出して、請求項1又は請求項2に記載のコンクリート型枠を造形するコンクリート型枠の造形方法。
【請求項4】
前記吐出口は、列状に複数設けられており、列状に並んだ複数の前記吐出口から同方向に溶融した熱可塑性樹脂を吐出して同時に複数本の第一線材を形成する、
請求項3に記載のコンクリート型枠の造形方法。
【請求項5】
溶融した熱可塑性樹脂が流れる主流路と、
前記主流路から分岐した複数の分岐流路と、
前記分岐流路の先端部にそれぞれ設けられ、列状に並んだ複数の吐出口と、
を備えたコンクリート型枠用の3Dプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート型枠、コンクリート型枠の造形方法及びコンクリート型枠用の3Dプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、造形物の構築方法に関する技術が開示されている。この先行技術mp造形物の構築方法は、3次元造形物を造形する3Dプリンタによって、対象造形物の少なくとも一部の外枠に対応する形状を有する外枠部であって、中空空間部を囲繞する外枠部を造形する外枠部造形工程と、外枠部造形工程において造形した外枠部を補強する補強工程と、を含んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、3Dプリンタから樹脂材料を吐出してコンクリート型枠の造形は、吐出した樹脂材を重ねて積み上げて面を形成するため、樹脂材が多く必要とされ、その結果、例えば、造形時間が長時間に亘る。よって、この点において、改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記事実を鑑み、コンクリート型枠の造形に使用する樹脂材料の使用量を削減することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第一態様は、樹脂製の第一線材が交差して重ねられ構成された網目状部と、前記網目状部の外縁部に設けられた樹脂製の枠部と、を有する、コンクリート型枠である。
【0007】
第一態様のコンクリート型枠によれば、樹脂製の第一線材が交差して重ねられ構成された網目状部が打設されたコンクリートの形状を維持する。よって、樹脂製のコンクリート型枠が、面材で構成されている場合と比較し、使用する樹脂材料の使用量が削減する。
【0008】
第二態様は、前記網目状部に交差して重ねられると共に前記枠部に接合され、前記第一被線材よりも太い樹脂製の第二線材で構成された補強部を有している、第一態様に記載のコンクリート型枠である。
【0009】
第二態様のコンクリート型枠によれば、網状部を構成する第一線材よりも太い樹脂製の第二線材で構成された補強部を有しているので、コンクリート型枠の強度が大きくなる。
【0010】
第三態様は、3次元造形物を造形する3Dプリンタによって、溶融した熱可塑性樹脂を吐出口から吐出して、第一態様又は第二態様に記載のコンクリート型枠を造形するコンクリート型枠の造形方法である。
【0011】
第三態様のコンクリート型枠の造形方法によれば、コンクリート型枠の造形に使用する樹脂材料の使用量が削減されるので、造形時間が短くなる。
【0012】
第四態様は、前記吐出口は、列状に複数設けられており、列状に並んだ複数の前記吐出口から同方向に溶融した熱可塑性樹脂を吐出して同時に複数本の第一線材を形成する、第三態様に記載のコンクリート型枠の造形方法である。
【0013】
第四態様のコンクリート型枠の造形方法によれば、列状に並んだ複数の吐出口から同方向に溶融した熱可塑性樹脂を吐出して同時に複数本の第一線材を造形するので、樹脂製のコンクリート型枠の網目状部を造形する造形時間が短くなる。
【0014】
第五態様は、溶融した熱可塑性樹脂が流れる主流路と、前記主流路から分岐した複数の分岐流路と、前記分岐流路の先端部にそれぞれ設けられ、列状に並んだ複数の吐出口と、を備えたコンクリート型枠用の3Dプリンタである。
【0015】
第五態様のコンクリート型枠用の3Dプリンタによれば、複数の吐出口から溶融した熱可塑性樹脂を吐出して同時に列状の線材を造形するので、樹脂製のコンクリート型枠を造形する造形時間が短くなる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、コンクリート型枠の造形に使用する樹脂材料の使用量を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態の3Dプリンタの斜視図である。
【
図2】(A)は第一ノズルの流路の構造を模式的に示す断面図であり、(B)は吐出口を示す平面図である。
【
図3】(A)は第二ノズルの流路の構造を模式的に示す断面図であり、(B)は吐出口を示す平面図である。
【
図4】第二ノズルで格子状の補強部を構築する工程図であり、(A)は格子の一段目を造形している図であり、(B)は格子の二段目を造形している図である。
【
図5】第一ノズルで網目状部を構築する工程図であり、(A)は第一斜材を造形している図であり、(B)は第二斜材を第一斜材に交差して重ねて造形している図である。
【
図6】本発明の一実施形態の樹脂製のコンクリート型枠の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<実施形態>
本発明の一実施形態のコンクリート型枠、コンクリート型枠の造形方法及びコンクリート型枠用の3Dプリンタについて説明する。なお、水平方向の直交する二方向をX方向及びY方向とし、それぞれ矢印X及び矢印Yで示す。また、鉛直方向をZ方向とし、矢印Zで示す。
【0019】
[コンクリート型枠]
まず、本発明の一実施形態の樹脂製のコンクリート型枠について説明する。
【0020】
図6に示すように、樹脂製のコンクリート型枠10は、側面が湾曲した筒状とされている。なお、
図1に示すコンクリート型枠10は一例であって、これに限定されるものではない。
【0021】
樹脂製のコンクリート型枠10は、上下の環状の枠部20、21と、格子状の補強部30と、網目状の網目状部40と、を有して構成されている。また、枠部20、21と補強部30と網目状部40とは、一体化されている。
【0022】
格子状の補強部30は、樹脂製の太い第二線材52で構成されている。補強部30は、第二線材52で構成された縦材31と横材32とが格子状に接合されて構成されている。
【0023】
網目状の網目状部40は、細い樹脂製の第一線材51で構成されている第一斜材41と第二斜材42とが交差して重ね合わされることで網目状の織物ように構成されている。網目状部40の第一斜材41及び第二斜材42は、補強部30の縦材31及び横材32に対して斜めに、本実施形態では約45°の角度を持って補強部30の内側に重ねられている。
【0024】
なお、補強部30の格子の目は、網目状部40の網の目よりも大きい。また、網目状部40を構成する第一線材51は、補強部30を構成する第二線材52よりも細い。
【0025】
本実施形態の環状の枠部20、21は、コンクリート型枠10の上下に設けられ、網目状部40の外縁部である上下端部及び補強部30の縦材31の上下端部に接合されている。なお、本実施形態の枠部20、21は、第二線材52で構成されている。
【0026】
そして、本実施形態の筒状で樹脂製のコンクリート型枠10内にコンクリートが充填され、コンクリートが固化することで、造形物が構築される。コンクリートは高粘度であるので、コンクリート型枠10の網目状部40の網目から流れ出ることなく、形状が維持される。
【0027】
なお、本実施形態では、樹脂製のコンクリート型枠10は、コンクリートが固化後もそのまま残され、造形物の外殻部の一部を構成するが、これに限定されるものではない。コンクリート型枠10は、コンクリートが固化後に撤去してもよい。
【0028】
[3Dプリンタ]
次に、本発明の一実施形態の樹脂製のコンクリート型枠用の3Dプリンタについて説明する。
【0029】
図1に示す3Dプリンタ100は、ロボット装置102と吐出装置150とを有して構成されている。また、3Dプリンタ100は、図示されていない操作装置と制御装置とを有している。
【0030】
ロボット装置102は、架台104と、架台104の上面に設けられた旋回台106と、旋回台106に取り付けられたロボットアーム110と、を有して構成されている。
【0031】
架台104は、図示されていない車輪等を有する移動機構によって床の上を移動可能となっている。ロボットアーム110は、6軸の多関節型のアームであり、旋回台106によって架台104に対して旋回可能となっている。
【0032】
吐出装置150は、ロボットアーム110の先端部112に取り付けられている。吐出装置150は、内部に熱可塑性樹脂を溶融して貯留している。また、吐出装置150の先端部には、ノズル160が設けられている。そして、内部に設けられた図示されていないポンプによって溶融した熱可塑性樹脂がノズル160から吐出する。また、吐出装置150におけるノズル160の周囲には、ノズル160が吐出された熱可塑性樹脂に冷却風を吹き付ける吹付口152が設けられている。
【0033】
なお、吐出装置200に用いる熱可塑性樹脂は、リサイクル樹脂を使用することが可能とされている。また、熱可塑性樹脂は、樹脂材料の一例である。
【0034】
ここで、本実施形態のノズル160は、第一ノズル160A(
図2参照)と第二ノズル160B(
図3参照)とを切り替えて使用することが可能となっている。第一ノズル160Aと第二ノズル160Bとは、3Dプリンタ100の図示されていない制御装置が適宜自動的に切り替えるようになっている。第一ノズル160Aと第二ノズル160Bとを区別する必要がない場合等は、「ノズル160」と記す場合がある。
【0035】
なお、第一ノズル160A(
図2参照)と第二ノズル160B(
図3参照)とを切り替える切替機構は、どのようなものであってよい。例えば、回転部材に第一ノズル160Aと第二ノズル160Bが設けられ、回転部材が回転することで、両者を切り替える機構等を用いることができる。或いは、作業者が付け替えてもよい。
【0036】
図2に示す第一ノズル160Aは、図示されていないポンプから押し出された溶融した熱可塑性樹脂が流れる主流路161A(
図2(A)参照)と、主流路161Aから分岐した複数(本実施形態では五本)の分岐流路163A(
図2(A)参照)と、を有している。分岐流路163Aのそれぞれの先端部には、列状に並んだ複数(本実施形態では五個)の吐出口165Aが設けられている。
【0037】
図3に示す第二ノズル160Bは、図示されていないポンプから押し出された溶融した熱可塑性樹脂が流れる一つの流路162B(
図3(B)参照)を有している。この流路162Bの先端部に吐出口164Bが設けられている。
【0038】
なお、
図2に示す第一ノズル160Aの吐出口165Aは、
図3に示す第二ノズル160Bの吐出口164Bよりも小さい。
【0039】
図2に示す第一ノズル160Aの場合は、五個の吐出口165Aからそれぞれ溶解した熱可塑性樹脂が同方向に吐出し、同時に五本の第一線材51(
図5及び
図6参照)が形成される。なお、
図5は、第一ノズル160Aの五個の吐出口165Aからそれぞれ溶解した熱可塑性樹脂を同方向に吐出し、同時に五本の第一線材51が形成される様子を示している。
【0040】
図3に示す第二ノズル160Bの場合は、吐出口164Bから溶解した熱可塑性樹脂が吐出し、一本の第二線材52(
図4及び
図6参照)が形成される。
【0041】
なお、前述したように、
図2に示す第一ノズル160Aの吐出口165Aは、
図3に示す第二ノズル160Bの吐出口164Bよりも小さいので、前述したように第一線材51の方が第二線材52よりも細い。
【0042】
[造形方法]
次に、樹脂製のコンクリート型枠10の造形方法の一例について説明する。
【0043】
まず、作業者が3Dプリンタ100における図示されていない操作装置にコンクリート型枠10のデータを入力する。3Dプリンタ100における図示されていない制御装置は、3Dプリンティング処理を実行してコンクリート型枠10を自動で造形する。
【0044】
まず、3Dプリンタ100は、第二ノズル160B(
図3参照)を用いて、第二線材52で補強部30及び枠部20、21(
図6参照)を造形する。補強部30及び枠部20、21の造形方法は、どのような方法であってもよいが、その一例を以下で説明する。
【0045】
3Dプリンタ100は、先ず
図4(A)に示すように下側の枠部20を造形し、その上に補強部30の格子の一段目の縦材31を造形する。次に、3Dプリンタ100は、
図4(B)に示すように、補強部30の格子の一段目の横材32を一段目の縦材31に掛け渡す。そして、この上に、補強部30の格子の二段目の縦材31造形し、図示されてない二段目の横材32を掛け渡す。これを繰り返して枠部20、21と補強部30とを造形する。
【0046】
次に、3Dプリンタ100は、第一ノズル160Aを用いて、第二線材52で補強部30の内側に網目状部40を造形する。具体的には、3Dプリンタ100は、所定範囲において、
図5(A)に示すように、第一ノズル160AをF1方向に移動させながら五個の吐出口165Aからそれぞれ溶解した熱可塑性樹脂を同方向に吐出し、同時に五本の第一線材51を形成し第一斜材41を造形する。
【0047】
次に、3Dプリンタ100は、その内側にF1方向に対して90°の角度のF2方向に第一ノズル160Aを移動させながら五個の吐出口165Aからそれぞれ溶解した熱可塑性樹脂を同方向に吐出し、同時に五本の第一線材51を形成し、第二斜材42を造形する。このように、第一斜材41に第二斜材42を交差して重ねることで、網目状部40を造形する。
【0048】
なお、第一ノズル160Aの吐出口165A及び第二ノズル160Bの吐出口164Bから吐出された熱可塑性樹脂は、外気によって冷却され短時間で硬化する。よって、第一線材51及び第二線材52は短時間でその形状が維持されるので、網目状の網目状部40及び格子状の補強部30を造形することができる。
【0049】
また、本実施形態の3Dプリンタ100の吐出装置200では、第一ノズル160Aの吐出口165A及び第二ノズル160Bの吐出口164Bから吐出された熱可塑性樹脂は、吹付口152から吹き付けられる冷却風によって、更に短時間で冷却されて硬化する。
【0050】
なお、本実施形態の樹脂製のコンクリート型枠10は、工場等の建築現場とは別の場所で造形して、建築現場に輸送しているが、これに限定されるものではない。コンクリート型枠10を分割して造形し、建築現場で組み合わせて完成させてもよい。或いは、建築現場で3Dプリンタ100を用いてコンクリート型枠10を造形してもよい。
【0051】
[作用及び効果]
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0052】
コンクリート型枠10は、樹脂製の第二線材52で構成された上下の環状の枠部20、21及び格子状の補強部30と、樹脂製の第一線材51が交差して重ねられ構成された網目状の網目状部40と、で構成されている。よって、樹脂製のコンクリート型枠10が、面材で構成されている場合と比較し、使用する樹脂材料(本実施形態では熱可塑性樹脂)の使用量が削減される。
【0053】
また、コンクリート型枠10は、第一線材51よりも太い樹脂製の第二線材52で構成された格子状の補強部30を有しているので、コンクリート型枠10の強度が大きくなる。したがって、多くコンクリートを打設できるので、大きな造形物を造形することができる。
【0054】
また、前述のように、コンクリート型枠10の造形に使用する樹脂材料の使用量が削減されるので、3Dプリンタ100での造形時間が短くなる。したがって、樹脂製のコンクリート型枠10の製造コストを抑えることができる。
【0055】
また、網目状部40は、3Dプリンタ100の第一ノズル160Aの複数、本実施形態では五個の列状に並んだ吐出口165Aから同方向に溶融した熱可塑性樹脂を吐出して同時に五本の第一線材51を形成するので、樹脂製のコンクリート型枠10を造形する造形時間が更に短くなる。したがって、樹脂製のコンクリート型枠10の製造コストを更に抑えることができる。
【0056】
また、3Dプリンタ100の吐出装置200に用いる熱可塑性樹脂は、リサイクル樹脂を使用することが可能とされている。よって、資源循環型社会に貢献すると共に木製のコンクリート型枠が削減されることで森林資源保護に寄与する。
【0057】
また、コンクリート型枠10は、樹脂製であり、且つ使用する樹脂材料の使用量が削減されているので、軽量であり、運搬や設置等が行いやすい。
【0058】
<その他>
尚、本発明は上記実施形態に限定されない。
【0059】
上記実施形態では、コンクリート型枠10は、上下の環状の枠部20、21と格子状の補強部30と網目状部40とを有して構成されていたが、これに限定されるものではない。例えば、補強部30は、縦材31のみで構成されていてもよい。或いは、補強部30が無く、枠部20、21と網目状部40とを有して構成されていてもよい。
【0060】
また、例えば、上記実施形態では、樹脂製のコンクリート型枠10は、側面が湾曲した筒状とされていたが、これに限定されるものではない。例えば、樹脂製のコンクリート型枠は、平面視矩形状の型枠でもよい。この場合、矩形の四辺が外縁部となり、四辺に枠部が設けられる。
【0061】
また、例えば、上記実施形態では、網目状部40は、複数、上記実施形態では五個の列状に並んだ吐出口165Aから同方向に溶融した熱可塑性樹脂を吐出して同時に五本の第一線材51を形成して造形したが、これに限定されるものではない。一つの吐出口から溶融した熱可塑性樹脂を吐出して一本の第一線材51を形成して造形してもよい。要は、樹脂製の第一線材51が交差して重ねられ構成された網目状部40が造形されればよい。
【0062】
また、例えば、上記3Dプリンタ100は、第一ノズル160Aと第二ノズル160Bとを切り替えたが、これに限定されるものではない。第三のノズルを持っていてもよい。或いは、3Dプリンタ100は、第一ノズル160Aと第二ノズル160Bとのいずれか一方のみを有していてもよい。
【0063】
更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。
【符号の説明】
【0064】
10 コンクリート型枠
20 枠部
21 枠部
40 網目状部
51 第一線材
52 第二線材
30 補強部
100 3Dプリンタ
150 吐出装置
160A 第一ノズル
161A 主流路
163A 分岐流路
165A 吐出口