(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023158993
(43)【公開日】2023-10-31
(54)【発明の名称】バイオマス燃料燃焼システム
(51)【国際特許分類】
F23K 3/16 20060101AFI20231024BHJP
F23K 3/02 20060101ALI20231024BHJP
F23B 10/02 20110101ALI20231024BHJP
F23B 40/00 20060101ALI20231024BHJP
B65G 33/26 20060101ALI20231024BHJP
B65G 33/08 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
F23K3/16 302A
F23K3/02 Z
F23B10/02
F23B40/00
B65G33/26
B65G33/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022069131
(22)【出願日】2022-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】516091846
【氏名又は名称】株式会社DEMS
(71)【出願人】
【識別番号】500118436
【氏名又は名称】岡村 大
(71)【出願人】
【識別番号】520400759
【氏名又は名称】岡村 多美子
(74)【代理人】
【識別番号】100106895
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 洋一
(72)【発明者】
【氏名】岡村 大
【テーマコード(参考)】
3F040
3K046
【Fターム(参考)】
3F040BA01
3F040CA01
3F040CA02
3F040DA08
3F040DA13
3F040EA01
3K046AA05
3K046AB03
3K046BA09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】省スペース化を可能にした燃焼効率に優れたバイオマス燃料燃焼システムを提供する。
【解決手段】バイオマス燃料燃焼システム1は、燃焼器2と、スクリューコンベア3と、貯蔵槽4とから大略構成されている。スクリュー40の回転軸は空気通路45を中心部に備えた円錐形状で、空気通路45と連通する空気流路46を備えた中空の駆動軸と連設されている。スクリューケーシング43の先端とスクリュー40の先端との間にはスペース47が形成されていて、スクリュー40により搬送された粉粒体が、スペース47において、空気流路45及び空気通路46を通って噴出する圧縮空気と混合されて燃焼器2に供給される。燃焼器2と、スクリュー40、ケーシング43は、貯蔵槽4内部に配設されている。スクリューケーシング43上部には切欠孔が切欠き形成されていて、貯蔵槽4内の粉粒体が切欠孔を通してスクリュー40に導入される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオマス燃料である粉粒体を燃焼させるための複数の燃焼室を備えた燃焼器と、羽根を備えたスクリューにより粉粒体を前記燃焼器に送出するスクリューコンベアと、送出する粉粒体を貯蔵する槽とを備えたバイオマス燃料燃焼システムにおいて、
前記スクリューは、回転軸が円錐形状をなし中心部に空気通路が貫穿されていること、
前記回転軸は、前記空気通路と連通する空気流路を備えた中空の駆動軸と連設されていること、
及び前記スクリューのケーシングの先端と前記スクリューの先端との間にはスペースが形成されていて、
前記スクリューにより搬送された粉粒体が、前記スペースにおいて、前記空気流路及び前記空気通路を通って噴出する圧縮空気と混合されて、前記スペースと連通した二流体供給管を介して前記燃焼器に供給されること、
を特徴とするバイオマス燃料燃焼システム。
【請求項2】
前記スクリューのケーシング上部には切欠孔が切欠き形成されていること、
及び前記燃焼器と、前記スクリュー及び前記ケーシングは、前記貯蔵槽内部に配設されていて、前記貯蔵槽内の粉粒体が前記切欠孔を通してスクリューに導入されること、
を特徴とする請求項1に記載のバイオマス燃料燃焼システム。
【請求項3】
前記スクリュー及び前記ケーシングは、前記貯蔵槽の底部に配設されていること、
を特徴とする請求項1又は2に記載のバイオマス燃料燃焼システム。
【請求項4】
前記燃焼器は、2つの燃焼室を備え、一の燃焼室は粉粒体及び圧縮空気を供給する二流体供給ノズルと着火用の補助燃料供給ノズルとを備え、当該二流体供給ノズルは、前記二流体供給管を介して前記スクリューコンベアと接続されていること、
及び他の燃焼室は、圧縮空気供給ノズルを備えていること、
を特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載のバイオマス燃料燃焼システム。
【請求項5】
前記スクリューは多条の羽根を有する円錐状に形成されていること、
を特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載のバイオマス燃料燃焼システム。
【請求項6】
前記回転軸線方向において相対する各羽根のピッチは前記回転軸先端部に向かって大きくなること、
を特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載のバイオマス燃料燃焼システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオマス燃料、特に粉粒体のバイオマス燃料を燃焼させるためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境保護の観点から再生可能なエネルギーへの転換が求められており、その代表的なものとしてバイオマス燃料が挙げられる。バイオマス燃料の一つとして木くずなどを細粉して粉粒体化したものがある。これは木質ペレットのように圧縮成形する必要がないため、手間やコストがかからず、また乾燥していて、完全燃焼し燃焼効率が高くなるため好適であり、このような粉粒体を燃焼させる装置を出願人が様々提案している。
【0003】
例えば、特許文献1では、粉粒体と圧縮空気とを混合して燃焼室内に送出し、旋回流にて助燃料を必要としなくとも完全燃焼させることが可能なバイオマスエネルギー生産システムが開示されている。また、特許文献2では、粉粒体及び圧縮空気を効率的に混合し、燃焼器内に二流体を定量供給するためのスクリューコンベアが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-202362
【特許文献2】特願2020-173610
【0005】
しかしながら、上記バイオマスエネルギー生産システムに上記スクリューコンベアを設置する場合、それぞれ別個に配置されるため広いスペースが必要となり、小さな作業場や民家などでは設置が難しいという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、できる限り省スペース化を図り、様々な場所で設置可能とした燃焼効率に優れたバイオマス燃料燃焼システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係るバイオマス燃料燃焼システムの第1の特徴は、バイオマス燃料である粉粒体を燃焼させるための複数の燃焼室を備えた燃焼器と、羽根を備えたスクリューにより粉粒体を前記燃焼器に送出するスクリューコンベアと、送出する粉粒体を貯蔵する槽とを備えたバイオマス燃料燃焼システムにおいて、前記スクリューは、回転軸が円錐形状をなし中心部に空気通路が貫穿されていること、前記回転軸は、前記空気通路と連通する空気流路を備えた中空の駆動軸と連設されていること、及び前記スクリューのケーシングの先端と前記スクリューの先端との間にはスペースが形成されていて、前記スクリューにより搬送された粉粒体が、前記スペースにおいて、前記空気流路及び前記空気通路を通って噴出する圧縮空気と混合されて、前記スペースと連通した二流体供給管を介して前記燃焼器に供給されることを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明に係るバイオマス燃料燃焼システムの第2の特徴は、前記第1の特徴におけるバイオマス燃料燃焼システムにおいて、前記スクリューのケーシング上部には切欠孔が切欠き形成されていること、及び前記燃焼器と、前記スクリュー及び前記ケーシングは、前記貯蔵槽内部に配設されていて、前記貯蔵槽内の粉粒体が前記切欠孔を通してスクリューに導入されることにある。
【0009】
さらに、本発明に係るバイオマス燃料燃焼システムの第3の特徴は、前記第1または第2の特徴におけるバイオマス燃料燃焼システムにおいて、前記スクリュー及び前記ケーシングが前記貯蔵槽の底部に配設されていることにある。
【0010】
さらにまた、本発明に係るバイオマス燃料燃焼システムの第4の特徴は、前記第1から第3のいずれかの特徴におけるバイオマス燃料燃焼システムにおいて、前記燃焼器が、2つの燃焼室を備え、一の燃焼室は粉粒体及び圧縮空気を供給する二流体供給ノズルと着火用の補助燃料供給ノズルとを備え、当該二流体供給ノズルが、前記二流体供給管を介して前記スクリューコンベアと接続されていること、及び他の燃焼室が圧縮空気供給ノズルを備えていることにある。
【0011】
また、本発明に係るバイオマス燃料燃焼システムの第5の特徴は、前記第1から第4の特徴におけるいずれかのバイオマス燃料燃焼システムにおいて、 前記スクリューが多条の羽根を有する円錐状に形成されていることにある。
【0012】
さらに、本発明に係るバイオマス燃料燃焼システムの第6の特徴は、前記第1から第5までのいずれかの特徴におけるバイオマス燃料燃焼システムにおいて、前記回転軸線方向において相対する各羽根のピッチが前記回転軸先端部に向かって大きくなることにある。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、燃焼器、移送手段及び貯蔵設備を一体化することで、貯蔵設備のみのスペースでバイオマス燃料燃焼システムを構成することができ、いままでバイオマス燃料燃焼システムの設置が難しかった広さの場所でも利用することが可能となる。それにより、カーボンニュートラルな燃料としてのバイオマス燃料の利用が促進され、脱炭素社会の実現に貢献することができる。
【0014】
また、本発明では旋回流を発生させる燃焼器を用いているため、高い燃焼効率を有し、バイオマス燃料の完全燃焼を可能とする一方、燃焼器をシンプルな構造とすることにより部品点数も少なくすることが可能で、点検や運転の取り扱いが容易となるほか、燃焼器自体の小型化、軽量化を図ることができる。
【0015】
さらに、本発明では、バイオマス燃料と圧縮空気とを同時に供給可能なスクリューコンベアを用いているため、別途圧縮空気供給設備が不要となり、燃焼器とも相まってバイオマス燃料燃焼システム全体としてコンパクト化が図られ、一層の省スペース化と、製造コストも大幅に低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】バイオマス燃料燃焼システムを正面からみた概略説明図である。
【
図2】バイオマス燃料燃焼システムを左側面からみた概略説明図である。
【
図3】バイオマス燃料燃焼システムを正面からみた概略説明図である。
【
図4】スクリューを正面からみた概略説明図である。
【
図5】スクリューを正面からみた概略説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付図面を参照し説明する実施例により、本発明の実施形態を説明する。
【0018】
図1から
図3は、バイオマス燃料燃焼システム全体の構成の様子を示した説明図であり、
図1は貯蔵層内のスクリューコンベアのスクリュー及び燃焼器の構成が分かるように貯蔵層、スクリューのケーシング及び燃焼器のカバーを断面の状態したもの、
図2は貯蔵層内の燃焼器の構成が分かるように貯蔵層及び燃焼器のカバーを断面の状態にしてもの、
図3は
図1のうちスクリューを断面にするとともに、貯蔵槽内にバイオマス燃料が貯蔵されている様子を示したものである。また、
図4及び
図5はスクリューを示したものであって、
図4はスクリューのケーシングを断面にした状態のもの、
図5はスクリューケーシングの切欠孔の様子を示すものである。
【0019】
同図において、1は粉粒体燃焼システムであり、燃焼器2、スクリューコンベア3、貯蔵槽4から大略構成され、貯蔵槽4内に燃焼器2、スクリューコンベア3のスクリューが配設されている。
【0020】
燃焼器2は、筒状の鉄製カバー11とその内側に設置された筒状の燃焼炉本体20とから大略構成されている。カバー11は、燃焼炉本体20から生じた熱を緩衝させて安全確保をするために設けられるものであり、該カバー11と燃焼炉本体20との間には断熱材12が充填されている。また、燃焼器2はカバー11の両端の蓋体13、14を介して貯蔵槽4の壁面60と固定されている。
【0021】
燃焼炉本体20は、その内部でバイオマス燃料を圧縮空気で旋回させながら燃焼させ、高熱エネルギーを創り出すものであり、その周壁は耐火煉瓦等の耐火材で形成されている。また、燃焼炉本体20は円筒状の長手方向略中間部にオリフィス21を備え、該オリフィス21を境に第一燃焼室22と第二燃焼室23とに分かれて連通している。
【0022】
また、第一燃焼室22内の様子を覗くことができる窓14が、第一燃焼室22から連通して貯蔵槽4外に延設された覗き窓管15の先端部に取り外し可能の透明なアクリル板17で閉塞することにより形成されている。
【0023】
第一燃焼室22の周壁には第一燃焼室22の内周壁接線方向に向かって貫通穴24、25がそれぞれ穿設されており、貫通穴24にはバイオマス粉粒体燃料と圧縮空気が混合された燃料混合空気(二流体)を噴出する二流体供給ノズル26が挿入されている。また、貫通穴25には、補助燃料を噴出する補助燃料供給ノズル27が挿入されている。補助燃料供給ノズル27の先端部には、着火装置(図示せず)が取り付けられていて、該先端部より着火用の炎が噴射されるようになっている。なお、補助燃料供給ノズル27の先端部に着火装置を設けず、外部の着火機器を用いて補助燃料に直接着火するようにしてもよい。
【0024】
また、第二燃焼室23の周壁には第一燃焼室22の内周壁接線方向に向かって貫通穴28が穿設されており、当該貫通穴28には圧縮空気を噴出する圧縮空気供給ノズル29が挿入されている。
【0025】
補助燃料供給ノズル27は、補助燃料供給管30を通して補助燃料供給源(図示せず)と接続されている。補助燃料としては、プロパンガス等が望ましい。また圧縮空気供給ノズル29は、圧縮空気供給管31を通して圧縮空気供給源(図示せず)と接続されている。
【0026】
第二燃焼室23には、燃焼室内で生じた熱エネルギーを外部に送出する水平円筒状のスリーブ30が連通して設けられていて、熱エネルギーは他の熱交換器やボイラー等の熱エネルギーを必要とする装置等に送出される。
【0027】
スクリューコンベア3は、円錐状に形成された回転軸41の表面に二条の螺旋状の羽根42a、42bを備えた円錐形状のスクリュー40と、スクリュー40の形状に沿って略円錐状に形成され、表面上部に切欠孔50を備えたスクリューケーシング43と、スクリュー40を回転させるための駆動軸44とから大略構成される。
【0028】
スクリュー40は鉄などの金属又は樹脂等で形成されている。また、スクリュー40は、回転軸41の中心に貫穿して設けられた圧縮空気を通過させる空気通路45を有している。さらに、駆動軸44は、その中心に貫穿して設けられた圧縮空気を通過させる空気流路46を備え、中空に形成されている。駆動軸44の先端は、回転軸41の中心部後端に挿入されていて、空気流路46は空気通路45と連通している。空気流路46は、空気通路45に比べやや径大に形成されている。これは、スクリュー40の先端に向かって圧縮空気の圧力を高めるためである。
【0029】
図中、5はモーターであり、伝動機構により駆動力が駆動軸44の後端部に伝えられ、駆動軸44が回転する。6は空気流路46と連通する圧縮空気入口パイプであり、ロータリージョイント7を介して駆動軸44後端部と連結している。圧縮空気入口パイプ6はコンプレッサなどの流体供給源(図示せず)と連結されていて、流体供給源より供給される圧縮空気を駆動軸44の空気流路46内に導く。8は駆動軸後端部を軸支する軸受である。
【0030】
本実施例では、回転軸41の表面に羽根が二条に形成されている。すなわち、スクリュー40には、回転軸41の後端部から先端部にかけて羽根42aが、回転軸41の途中、中間やや後端部寄りから先端部にかけて羽根42bがそれぞれ配設されている。スクリューの羽根を二条にすることにより、一条よりも倍の搬送物を運ぶことができる。なお、羽根は、二条の他、三条、四条と多条にすることができ、一条としてもよい。
【0031】
二条の羽根42a、42bの垂直方向の長さは、回転軸41の先端部に向かって短くなるとともに、回転軸41の長手方向(水平方向)に対する羽根の角度は、先端部に向かって小さくなるように形成されている。すなわち、回転軸41の先端付近の羽根の角度θ1は、それよりも後端寄りの羽根の角度θ2に比べて小さくなっている。
【0032】
また、回転軸41の長手方向において相対する各羽根42a、42bのピッチは、回転軸41先端部に向かって大きくなっている。すなわち、図示の例において、回転軸41先端部に近い羽根のピッチP1と、後端部に近い羽根のピッチP2とでは、ピッチP1の方がピッチが大きい。
【0033】
スクリュー40は、いわゆるコーン形状をしており、ケーシング43はスクリュー40のコーン形状に沿って、ケーシング43の先端方向に向かって径小な円錐状に形成されている。すなわち、ケーシング43の径は、羽根42a、42bの垂直方向長さに沿って形成されている。ケーシング43の先端とスクリュー40の先端との間はスペース47が形成されているとともに、ケーシング43の先端部には雄ねじが形成されていて、当該雄ねじと螺合され、二流体供給管48をケーシング43と連結する螺子ブロック49が締結されている。二流体供給管48の先端は二流体供給ノズル26と連通して接続されている。
【0034】
ケーシング43の上部には、バイオマス燃料をスクリュー40内に取り入れるための略楕円形の切欠孔50が形成されている。また、ケーシング43の後端部には、スクリュー40と貯蔵槽4とを固定するためのフランジ51が形成されている。ケーシング43の後端は中心に駆動軸44を貫通させた蓋部52により気密に閉塞されており、粉粒体のバイオマス燃料を外部に漏れないようにしている。53は駆動軸44を軸支しつつ、スクリュー40を貯蔵槽4と固定するための固定部材である。スクリュー40は貯蔵槽4の壁面60下部に形成された孔を通して貯蔵槽4内に挿入され、ボルト等の締結手段により、固定部材53、蓋部52、フランジ51を通して貯蔵槽4と固定される。
【0035】
スクリュー40は、先端にゆくに従って各羽根間のピッチが大きくなるように形成されているので、スクリュー40の後端に搬入できる量の搬入物をそのままスクリュー先端部まで運ぶことができ、羽根を二条とした場合にはさらに二倍の搬送量を確保できるので、搬送効率を高めることが可能である。
【0036】
貯蔵槽4は箱状に形成されており、燃焼器2とスクリュー40及びそのケーシング部分が収納されている。スクリュー40及びそのケーシング部分は、燃焼器2に下方に配設されている。貯蔵槽4の上部には、他の設備と連結可能なようにフランジ61が形成されている。
【0037】
図中、貯蔵槽4内の黒の多数の点で記された部分は、木片、木チップ、パレット、茎、稲わら等を粉粒状にしたバイオマス燃料を示している。バイオマス燃料は、自重によりケーシング43の上部に形成された切欠孔50を通してスクリュー40に供給され、スクリュー40の回転よりスクリュー40の先端へと送られる。また、圧縮空気が流体入口パイプ6から駆動軸44の空気流路46内を通り、次いでスクリュー40の空気通路45内へ供給され、回転軸41の先端より噴出される。スクリュー40の先端まで運ばれたバイオマス燃料は、回転軸41の先端に形成されたスペース47において回転軸41の先端より噴出される圧縮空気と混合され、圧縮空気に乗って、ケーシング43先端部と接続された二流体供給管48及び二流体供給ノズル26を介して燃焼器2へと供給される。これによりバイオマス燃料を圧縮空気で連続的にスクリュー40外に送出することができるので、スクリュー40上にバイオマス燃料が残ったり、詰まったりすることがなくなる。
【0038】
二流体供給ノズル26より第一燃焼室22内に噴出されたバイオマス燃料と圧縮空気の二流体は、第一燃焼室22の内壁に沿って旋回するとともに、補助燃料供給ノズル27より噴出するガスに着火された炎により、二流体も着火され、バイオマス燃料は旋回流により効率よく燃焼する。補助燃料供給ノズル27により供給される炎は、バイオマス燃料着火後は、バイオマス燃料が自燃するため不要であり、ガスの供給を止めて消す。
【0039】
バイオマス燃料に着火した旋回炎は、燃焼炉本体20内に設けられたオリフィス21により狭められて流速を増し、燃焼力を高めながら第二燃焼室23へと移動し、そこでも圧縮空気供給ノズル29から供給される圧縮空気により旋回して燃焼効率を高め、1500度以上の高温へと達する。この過程でバイオマス燃料は完全燃焼する。
【0040】
燃焼炉本体内20内で生じた熱エネルギーは、スリーブ30を通してスリーブ30と直接又は間接的に接続されたボイラー等の熱動力機関に送られる。
【0041】
以上、本発明の実施の形態につき、実施例を通して説明したが、本発明は、必ずしも上述した実施例にのみ限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内において、適宜、変更実施することが可能なものである。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明によるバイオマス燃料燃焼システムは、例えばビニールハウス、工場、温泉、銭湯などの施設の暖房に好適である。また、床暖房等、特に寒冷地域の民家の暖房にも利用することができる。さらに、熱エネルギーにより蒸気を発生させて、蒸気を利用する設備にも応用可能である。
【符号の説明】
【0043】
1 バイオマス燃料燃焼システム
2 燃焼器
3 スクリューコンベア
4 貯蔵槽
22 第一燃焼室
23 第二燃焼室
26 二流体ノズル
27 補助燃料供給ノズル
29 圧縮空気供給ノズル
40 スクリュー
41 回転軸
42a、42b 羽根
43 スクリューケーシング
44 駆動軸
45 空気通路
46 空気流路
50 切欠孔