(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159004
(43)【公開日】2023-10-31
(54)【発明の名称】積層成形システムの制御方法および積層成形システム
(51)【国際特許分類】
B29C 43/58 20060101AFI20231024BHJP
B29C 43/14 20060101ALI20231024BHJP
B30B 12/00 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
B29C43/58
B29C43/14
B30B12/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022084630
(22)【出願日】2022-05-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-07-26
(31)【優先権主張番号】P 2022068931
(32)【優先日】2022-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000004215
【氏名又は名称】株式会社日本製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】山本 隆幸
(72)【発明者】
【氏名】杉崎 桂一郎
(72)【発明者】
【氏名】福本 健二
【テーマコード(参考)】
4E090
4F204
【Fターム(参考)】
4E090BA02
4E090DB01
4E090EA01
4E090HA10
4F204AC03
4F204AG03
4F204AH36
4F204AJ08
4F204AR12
4F204FA01
4F204FA15
4F204FB01
4F204FF36
4F204FG02
4F204FJ11
4F204FN11
4F204FN15
4F204FQ01
4F204FQ38
(57)【要約】
【課題】 積層成形品の積層成形を良好に行うことができる積層成形システムの制御方法および積層成形システムを提供する。
【解決手段】 積層成形システム11の制御方法は、少なくとも2基以上のプレス装置13,14が連続して設けられ、前工程のプレス装置13で加圧成形した積層成形品Pが後工程のプレス装置14で更に加圧成形される積層成形システム11の制御方法において、前記前工程のプレス装置13の加圧成形時または加圧成形終了後の物理量を測定し、前記物理量を前記後工程のプレス装置14の制御に用いる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2基以上のプレス装置が連続して設けられ、前工程のプレス装置で加圧成形した積層成形品が後工程のプレス装置で更に加圧成形される積層成形システムの制御方法において、
前記前工程のプレス装置の加圧成形時または加圧成形終了後の物理量を測定し、
前記物理量を後工程のプレス装置の制御に用いる積層成形システムの制御方法。
【請求項2】
前記物理量は、位置センサで測定される積層成形品の板厚である請求項1に記載の積層成形システムの制御方法。
【請求項3】
同一の積層成形品について前記前工程のプレス装置の加圧成形時または加圧成形終了後の物理量を測定し、
前記物理量を次に前記積層成形品を加圧成形する後工程のプレス装置の制御に用いる請求項1または請求項2に記載の積層成形システムの制御方法。
【請求項4】
少なくとも2基以上のプレス装置が連続して設けられ、前工程のプレス装置で加圧成形した積層成形品が後工程のプレス装置で更に加圧成形される積層成形システムにおいて、
前記前工程のプレス装置において加圧成形時または加圧成形後の物理量を測定するセンサと、
前記前工程のプレス装置の加圧成形時または加圧成形終了後の物理量を前記センサにより測定して記憶装置に記憶し前記後工程のプレス装置の制御に用いる制御装置と、が備えられた積層成形システム。
【請求項5】
前記センサは前工程のプレス装置の加圧ブロック間の距離、台盤間の距離、ベース盤と下盤間の距離のいずれかを測定する位置センサである請求項4に記載の積層成形システム。
【請求項6】
減圧可能なチャンバを備え駆動源にサーボモータを用いた第1のプレス装置と、駆動源にサーボモータを用いた第2のプレス装置と、駆動源にサーボモータを用いた第3のプレス装置とが備えられた、請求項4または請求項5に記載の積層成形システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2基以上のプレス装置が連続して設けられ、前工程のプレス装置で加圧成形した積層成形品が後工程のプレス装置で更に加圧成形される積層成形システムの制御方法および積層成形システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
少なくとも2基以上のプレス装置が連続して設けられ、前工程のプレス装置で加圧成形した積層成形品が後工程のプレス装置で更に加圧成形される積層成形システムとしては、特許文献1、特許文献2に記載されたものが知られている。特許文献1の積層成形装置は、真空ラミネータ1の後に、第1の平坦化プレス機2と第2の平坦化プレス機3を備えていることが記載されている。また特許文献2の積層装置は、真空積層手段1と、第1の平面プレス手段2と、第2の平面プレス手段3を備えていることが記載されている。そして第2の平面プレス手段2が、サーボモータの作動により一対のプレートの少なくとも一方が他方に向けて進退可能となっていることが記載され、更には第2の平面プレス手段において、サーボモータによって下側のプレスブロックを上昇させ、金属板(板状体)と金属板(板状体)間の距離が、仮積層体(B)の厚みより20μm少なくなるように設定し、仮積層体(B)を60秒間プレスして、積層体103を作製することが記載されている。
ただしこれらの平坦化プレス機や平面プレス手段等では、全て各プレス装置ごとにおいてプレスの状態検知を行い前記検知した値を用いて制御値を出力することが一般的に行われていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-120100号公報
【特許文献2】特開2020-28980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら前記特許文献1の積層成形装置の平坦化プレスは油圧シリンダを用いることしか記載されておらず、板厚の測定等は全く記載されていない。一方前記特許文献2の積層装置は、第1の平面プレス手段は油圧により制御を行うものであり、リニアスケール等の距離情報を検出する機構を備えていない。第2の平面プレス手段3は、リニアスケールを備えており、第1の平面プレス手段から送られてきた仮積層体(B)の板厚を測定することはできるが次のような問題があった。
【0005】
即ち特許文献2の場合では、第2の平面プレス手段において、下側のプレスブロックを上昇させて、仮積層体(B)の板厚を測定し、測定値を用いて制御値を出力する場合、仮積層体(B)は積層フィルムが軟化した状態であり、接触時の板厚を正確に測定することは難しいという問題があった。第2の平面プレス手段においては成形サイクルが長くなりすぎないように下側のプレスブロックを一定速度で上昇させ続ける必要がある。また仮積層体(B)に接触したことをサーボモータのトルクが増大したことで検出しようとしても、一定以上仮積層体(B)に圧力が加わった後でないと前記トルクの増大は検出できない。そのため第2の平面プレス手段において前記トルクの増大が検出された際には、既に軟化した仮積層体(B)を押しすぎて板厚が薄くなっている場合が多く、正確な板厚が測定できなかった。
【0006】
その結果、上記のように実際には仮積層体(B)の厚みよりも20μm少なくなるように設定しても正確な板厚の制御は困難なものとなることが十分推測される。そのため第2の平面プレス手段の加圧ストロークは安定せず、最終的な積層成形品の板厚等の品質も安定しないことが十分推測される。そこで本発明では積層成形品の積層成形を良好に行うことができる積層成形システムの制御方法および積層成形システムを提供することを目的とする。その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施の形態に係る、積層成形システムの制御方法は、少なくとも2基以上のプレス装置が連続して設けられ、前工程のプレス装置で加圧成形した積層成形品が後工程のプレス装置で更に加圧成形される積層成形システムの制御方法において、前記前工程のプレス装置の加圧成形時または加圧成形終了後の物理量を測定し、前記物理量を前記後工程のプレス装置の制御に用いる。
【発明の効果】
【0008】
前記一実施形態によれば、積層成形品の積層成形を良好に行うことができる積層成形システムの制御方法および積層成形システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施形態の積層成形システムの概略説明図である。
【
図2】第1の実施形態の積層成形システムの制御装置のブロック図である。
【
図3】第1のプレス装置による第1のプレス工程と、第2のプレス装置による第2のプレス工程における圧力と位置の関係を示すグラフ図である。
【
図4】第3のプレス装置による第3のプレス工程における圧力と位置の関係を示すグラフ図である。
【
図5】第2のプレス装置による第2のプレス工程の制御を示すフローチャート図である。
【
図6】第3のプレス装置による第3のプレス工程の制御を示すフローチャート図である。
【
図7】第2の実施形態の積層成形システムの概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の第1の実施形態の積層成形システム11について、
図1を参照して説明する。積層成形システム11は、減圧可能なチャンバVCを備え駆動源にサーボモータ15を用いた第1のプレス装置12と、第1のプレス装置12の後工程に連続して設けられ、駆動源にサーボモータ16を用いた第2のプレス装置13と、第2のプレス装置13の後工程に連続して設けられ、駆動源にサーボモータ17を用いた第3のプレス装置14を備えている。従って本発明では少なくとも2基以上のプレス装置12,13,14が連続して設けられている。
【0011】
また積層成形システム11は、第1のプレス装置12の前工程にキャリアフィルム送出装置18を備えるとともに第3のプレス装置14の後工程にキャリアフィルム巻取装置19を備えている。更に積層成形システム11は制御装置20を備えている。前記制御装置20は、第1のプレス装置12、第2のプレス装置13、第3のプレス装置14、キャリアフィルム送出装置18、およびキャリアフィルム巻取装置19に接続されていて積層成形システム11全体の制御を行う。また制御装置20は、前工程のプレス装置12,13の少なくとも加圧終了時に積層成形品Pの板厚を位置センサにより測定して記憶装置106に記憶し前記後工程のプレス装置13,14の制御に用いる機能を備えている。なお制御装置20は、積層成形システム11の装置と離隔した位置に設けられたものでもよい。一例としては同じ建屋内においては積層成形システム11の装置部分と制御装置20は通信線で接続されていればどのような距離でもよい。また積層成形システム11の装置と制御装置は、無線通信により接続されるものでもよい。そして他のエリアにある積層成形システム11と制御装置20を少なくとも一部を共用してもよい。また積層成形システム11の製造メーカに制御装置20に少なくとも一部を持たせるようにしてもよい。
【0012】
前工程から順にまずキャリアフィルム送出装置18について説明する。凹凸を有する基板と積層フィルムからなる積層成形品Pの移送装置とフィルムのテンション装置を兼ねるキャリアフィルム送出装置18は、下側の巻出ロール21および従動ロール22を備えている。前記巻出ロール21から巻き出された下キャリアフィルムF1は従動ロール22の部分で水平状態に向きが変更される。下キャリアフィルムF1が水平状態となった部分に、前工程から重ねられて送られてくる前記積層成形品Pを載置する載置ステージ部23が設けられている。またキャリアフィルム送出装置18は、上側の巻出ロール24および従動ロール25を備えており、前記巻出ロール24から巻き出された上キャリアフィルムF2は従動ロール25の部分で積層成形品Pの上に重ねられる。これらキャリアフィルムF1,F2に挟まれて積層成形品Pが移送される。そして第1のプレス装置12、第2のプレス装置13、第3のプレス装置14において順番にキャリアフィルムF1,F2を介して積層成形品Pに積層成形が行われた際に、積層フィルムの部分が溶融して装置部分に付着することを防止する。またキャリアフィルムF1,F2の使用は、特に第2のプレス装置13と第3のプレス装置14においては積層成形品(1次積層成形品と2次積層成形品)を加圧する際に一定の緩衝作用が付与されるという利点もある。
【0013】
次にキャリアフィルム送出装置18の後工程に配置される第1のプレス装置12について説明する。第1のプレス装置12は、減圧可能なチャンバVCと弾性体シート43の加圧面を備えサーボモータ15による駆動力により積層成形品が加圧される。第1のプレス装置12は、減圧可能なチャンバVC内において積層成形品Pを加圧して、1次積層成形品に積層成形するものである。第1のプレス装置12は、下方に設けられた略矩形のベース盤31と、前記ベース盤31の上方に位置する略矩形の固定盤である上盤32の四隅近傍の間にそれぞれ立設された4本のタイバ33を備えている。そして第1のプレス装置12は、略矩形の可動盤である下盤34がベース盤31と上盤32との間で昇降移動可能となっている。これら第1のプレス装置12のベース盤31、上盤32、下盤34およびタイバ33の間隔は、減圧可能なチャンバVCを設けるために、第2のプレス装置13,第3のプレス装置14の上盤や下盤等よりも大きく設けられるケースが多い。また第1のプレス装置12は、サーボモータ15等の電動モータを駆動源とするものであり、ベース盤31には加圧機構の駆動手段であるサーボモータ15が取付けられている。
【0014】
また第1のプレス装置12の加圧機構について、サーボモータ15は位置センサであるロータリエンコーダ35を備えるとともに、サーボアンプ36に接続され、サーボアンプ36は、上記制御装置20に接続されている。サーボモータ15の駆動軸には図示しない減速機を介してボールねじ37が接続されるか、または前記駆動軸自体がボールねじに直接接続されている。一方下盤34の下面にはボールねじ機構のボールねじナット38が固定され、前記ボールねじ37は、ボールねじナット38に挿通されている。更に下盤34とボールねじナット38の間には力検出手段であるロードセル39が取り付けられている。より詳細には、ボールねじナット38は、ボールねじ37が上方に移動可能なようにブラケットを介して下盤34に取り付けられるか、または下盤34の下面にボールねじ38が挿入される凹部が設けられている。ブラケットを介する場合は、ブラケットとボールねじナット38の間か、ブラケットと下盤34の間にロードセル39が取り付けられる。なおロードセル39が取り付けられる部分は、プレス工程の加圧力が受けられる部分であれば限定されず、一例としてサーボモータ15の取り付け部分であってもよい。なお力検出手段は、タイバ33に取り付けられるタイバセンサなどでもよい。
【0015】
上記構造により第1のプレス装置12は、サーボモータ15の作動により下盤34が上盤32に対して昇降されるようになっている。なお第1のプレス装置12のボールねじ機構は、サーボモータ15の駆動軸に取り付けられたプーリとボールねじ37に取り付けられたプーリの間にベルトが掛け渡されベルトを介して駆動力が伝達されるものでもよい。ベルトを用いたものや、ウォームギアを用いた減速機を用いたもので、サーボモータ15の長手方向がボールねじ37と直列方向に取り付けられないものは、第1のプレス装置12の高さを低くする上で有利である。第1のプレス装置12は金属プレスなどと比較すると、下盤34の昇降ストロークは比較的小さく、加圧時間は比較的長いので、サーボモータ15の駆動力の伝達機構に減速機、ベルトなどの変速機構を用いることが望ましい。また減速機を使用した場合とベルトを使用した場合では減速機を使用した場合のほうが騒音、ベルトを使用した場合に発生する粉塵などの点で有利な場合が多い。更には第1のプレス装置12のボールねじ機構は、ベース盤31にボールねじナットが回転自在に取付られ、ボールねじが昇降するものでもよい。またボールねじ37の部分をカバーで覆うことによりグリースの拡散を防止できクリーンルーム内のクリーン度アップに寄与する。
【0016】
更には第1のプレス装置12は、トグル機構、クランク機構、クサビ機構などの倍力機構やそれに類する機構を用いたものでもよい。また上記の例では第1のプレス装置12は、1基のサーボモータ15を用いた加圧機構により加圧成形が行われるが、2基、3基、4基など2基以上の複数のサーボモータ15または2基以上のボールねじ機構を用いた複数の加圧機構が備えられたものであってもよい。サーボモータ15が2基の場合は、加圧ブロック40,41の有効加圧面が長方形の場合、その長辺の平行となる中央線に沿って2基の加圧機構を設けることが望ましい。またサーボモータ15が4基の場合、タイバ33の部分かタイバ33の内側の矩形のベース盤31の対角線に沿ってそれぞれ4基の加圧機構を設けることが望ましい。更にはサーボモータ15以外ではクローズドループ制御可能なリニアモータ等のモータを使用したものでもよい。更に加圧機構は油圧シリンダを用いたものでもよい。そしてまた、第1のプレス装置12は、上記のような加圧機構を用いて下盤34に対して上盤32が昇降されるものでもよい。
【0017】
上盤32の側面と下盤34の側面の間にはリニアスケール42等の位置センサがサーボモータ15のロータリエンコーダ35とは別に取り付けられている。リニアスケール42は、いずれかの一方の盤にスケール42aが取り付けられ、他方の盤に測定部であるスライダ42bが取り付けられている。上盤32に対する下盤34の位置(距離)は、サーボモータ15のロータリエンコーダ35でも検出できる。しかしボールねじ37とボールねじナット38の間には僅かなバックラッシが存在するし、タイバ33やボールねじ37には熱膨張が発生する。そのためリニアスケール42により直接的に加圧ブロック40,41の間の距離、上盤32に対する下盤34の位置(台盤間の距離)、ベース盤31と下盤34の間の距離のいずれかを測定したほうが望ましい場合も多い。リニアスケール42等の位置センサの分解能としては、一例として0.002mm以下のものが望ましく、更には0.001mm以下であって実用化されている分解能0.0001mmや分解能0.000025mmなど最小の分解能の単位以上のものがより一層望ましい。
【0018】
第1のプレス装置12に取り付けられるリニアスケール42等の位置センサは1基だけでもよいが、キャリアフィルムF1,F2の進行方向に対して上盤32と下盤34の両側側面に1基ずつ合計2基、または2基ずつ合計4基を取り付けてもよい。そしてキャリアフィルムF1,F2の進行方向に沿って2基の加圧機構が設けられる場合は、キャリアフィルムF1,F2の進行方向と平行になる一側側面において、一方の加圧機構がある位置に対応して1基の位置センサが設けられる。またキャリアフィルムF1,F2の進行方向と平行になる他側側面において他方の加圧機構がある位置に対応してもう1基の位置センサが設けられる。また両側側面に合計4基の位置センサを取付けるとともに4基のサーボモータを設ける場合は、それぞれの位置センサによりサーボモータを制御することにより、上盤32に対する下盤34の平行度を検出し上盤32に対して下盤34が平行になるように制御することができる。または位置センサを設ける位置は加圧ブロック40と加圧ブロック41を接続する位置や、ベース盤31と下盤34を接続する位置でもよい。更に第1のプレス装置12は、下盤34の位置が機械設計上の下降限界点や上昇限界点を超えないようにする等の目的で図示しないリミットスイッチまたは近接スイッチなどの位置を検出可能なセーフティスイッチを備えることが一般的である。
【0019】
第1のプレス装置12の上盤32と下盤34の各対向面には図示しない断熱板を介して加圧ブロック40と加圧ブロック41がそれぞれ取付けられている。加圧ブロック40,41の構造はそれぞれほぼ同じであるので、一方の加圧ブロック40について説明する。加圧ブロック40は、カートリッジヒータ47等の温度制御手段が内部に設けられるか、表面にラバーヒータ等が設けられている。加圧ブロック40の表面には、耐熱性のゴム膜からなる弾性体シート43が貼り付けられ厚さの薄い金属製プレート44が取り付けられている。上記において弾性体シート43は、シリコーンゴムやフッ素ゴムなどの耐熱性ゴムからなり、厚みは0.2mmないし5.0mmである。そして前記弾性体シート43が加圧面を構成する。
【0020】
次に第1のプレス装置12の減圧可能なチャンバVCの構成について説明する。上盤32における加圧ブロック41が取り付けられた部分の周囲の部分にはチャンバVCの一部を構成するための上側の外枠部45が下方に向けて取り付けられている。また下盤34の加圧ブロック40が取り付けられた部分の周囲の部分にはチャンバVCの一部を構成するための下側の外枠部46が上方に向けて取り付けられている。そして前記外枠部45の当接面と、前記外枠部46の当接面とが当接した際に内部にチャンバVCが形成可能となっている。なお少なくとも一方の外枠部45等はバネやゴム等の弾性体を用いることにより高さが変更可能となっている。また少なくとも一方の外枠部46等の当接面にはOリング等のシール部材が取り付けられている。更にチャンバVCを形成する部材は、ゴム製のベローズなど別の手段でもよい。更に加圧機構のサーボモータ15の駆動によりチャンバVCが構成されるものではなく、チャンバVCを構成する部材の作動機構と、積層成形品Pの加圧機構は別の機構からなるものでもよい。第1のプレス装置12のチャンバVCは管路を介して図示しない真空ポンプに接続され、チャンバVC内の大気を吸引して真空状態のチャンバVCが形成可能となっている。従って第1のプレス装置12は真空積層装置を構成する。なお本発明において減圧可能な状態のチャンバVCの真空度は限定されない。
【0021】
次に前記第1のプレス装置12の後工程に直列方向に連続して配設される第2のプレス装置13について説明する。第2のプレス装置13は、金属製プレスプレート65の加圧面を備えサーボモータ16による駆動力により積層成形品Pが加圧される。第2のプレス装置13は、第1のプレス装置12で加圧成形され凹凸部を有する基板と積層フィルムとからなり積層フィルムの側に凹凸が残った状態の積層成形品P(1次積層成形品)を更に加圧してより平坦な積層成形品P(2次積層成形品)に加圧成形するものである。第2のプレス装置13は、下方に設けられた略矩形のベース盤51と、前記ベース盤51の上方に位置する略矩形の固定盤である上盤52の四隅近傍の間にそれぞれ立設された4本のタイバ53を備えている。そして第2のプレス装置13は、略矩形の可動盤である下盤54がベース盤51と上盤52との間で昇降移動可能となっている。また第2のプレス装置13は、サーボモータ16等の電動モータを駆動源とするものであり、ベース盤51には加圧機構の駆動手段であるサーボモータ16が取付けられている。
【0022】
また第2のプレス装置13の加圧機構について、サーボモータ16はロータリエンコーダ55を備えるとともに、サーボアンプ56に接続され、サーボアンプ56は、上記制御装置20に接続されている。サーボモータ16の駆動軸には図示しない減速機を介してボールねじ57が接続されるか、または前記駆動軸自体がボールねじ57に直接接続されている。一方下盤54の下面にはボールねじ機構のボールねじナット58が固定され、前記ボールねじ57は、ボールねじナット58に挿通されている。更に下盤54とボールねじナット58の間には力検出手段であるロードセル59が取り付けられている。より詳細には、ボールねじナット58は、ボールねじ57が上方に移動可能なようにブラケットを介して下盤54に取り付けられるか、または下盤54の下面にボールねじ58が挿入される凹部が設けられている。ブラケットを介する場合は、ブラケットとボールねじナット58の間か、ブラケットと下盤54の間にロードセル59が取り付けられる。なおロードセル59が取り付けられる部分は、プレス工程の加圧力が受けられる部分であれば限定されず、一例としてサーボモータ16の取り付け部分であってもよい。なお力検出手段は、タイバ53に取り付けられるタイバセンサなどでもよい。
【0023】
上記構造により第2のプレス装置13は、サーボモータ16の作動により下盤54が上盤52に対して昇降されるようになっている。なお第2のプレス装置13のボールねじ機構は、サーボモータ16の駆動軸に取り付けられたプーリとボールねじ57に取り付けられたプーリの間にベルトが掛け渡されベルトを介して駆動力が伝達されるものでもよい。ベルトを用いたものやウォームギアを用いた減速機を用いたもので、サーボモータ16の長手方向がボールねじ57と直列方向に取り付けられないものは、第2のプレス装置13の高さを低くする上で有利である。第2のプレス装置13は金属プレスなどと比較すると、下盤54の昇降ストロークは比較的小さく、加圧時間は比較的長いので、サーボモータ16の駆動力の伝達機構に減速機、ベルトなどの変速機構を用いることが望ましい。またまた減速機を使用した場合とベルトを使用した場合では減速機を使用した場合のほうが騒音、ベルトを使用した場合に発生する粉塵などの点で有利な場合が多い。更には第2のプレス装置13のボールねじ機構は、ベース盤51にボールねじナットが回転自在に取付られ、ボールねじが昇降するものでもよい。またボールねじ57の部分をカバーで覆うことによりグリースの拡散を防止できクリーンルーム内のクリーン度アップに寄与する。更には第2のプレス装置13は、トグル機構、クランク機構、クサビ機構などの倍力機構やそれに類する機構を用いたものでもよい。また上記の例では第2のプレス装置13は、1基のサーボモータ16を用いた加圧機構により加圧成形が行われるが、2基、3基、4基など2基以上のサーボモータ16または2基以上のボールねじ機構を用いた加圧機構であってもよい。更にはサーボモータ以外ではクローズドループ制御可能なリニアモータ等のモータを使用したものでもよい。更に加圧機構は油圧シリンダを用いたものでもよい。そしてまた、第2のプレス装置13は、上記のような加圧機構を用いて下盤54に対して上盤52が昇降されるものでもよい。
【0024】
上盤52の側面と下盤54の側面の間には位置センサであるリニアスケール62がサーボモータ16のロータリエンコーダ55とは別に取り付けられている。リニアスケール62は、いずれかの一方の盤にスケール62aが取り付けられ、他方の盤に測定部であるスライダ62bが取り付けられている。上盤52に対する下盤54の位置(距離)は、サーボモータ16のロータリエンコーダ55でも検出できる。しかしボールねじ57とボールねじナット58の間には僅かなバックラッシが存在するし、タイバ53やボールねじ57には熱膨張が発生する。そのためリニアスケール62により直接的に加圧ブロック60,61の間の距離、上盤52に対する下盤54の位置(台盤間の距離)、ベース盤51と下盤54の間の距離のいずれかを測定したほうが望ましい場合も多い。リニアスケール62等の位置センサの分解能としては、一例として0.002mm以下のものが望ましく、更には0.001mm以下であって実用化されている分解能0.0001mmや分解能0.000025mmなど最小の分解能の単位以上のものがより一層望ましい。
【0025】
第2のプレス装置13に取り付けられるリニアスケール62等の位置センサは1基だけでもよいが、キャリアフィルムF1,F2の進行方向に対して上盤52と下盤54の両側側面に1基ずつ合計2基、または2基ずつ合計4基を取り付けてもよい。そして両側側面に合計4基の位置センサを取付けるとともに4基のサーボモータを設け、それぞれの位置センサによりサーボモータを制御することにより、上盤52に対する下盤54の平行度を検出し上盤52に対して下盤54が平行になるように制御することができる。または位置センサを設ける位置は加圧ブロック60と加圧ブロック61を接続する位置や、ベース盤51と下盤54を接続する位置でもよい。更に第2のプレス装置13は、下盤34の位置が機械設計上の下降限界点や上昇限界点を超えないようにする等の目的で図示しないリミットスイッチまたは近接スイッチなどの位置を検出可能なセーフティスイッチを備えることが一般的である。
【0026】
第2のプレス装置13の上盤52と下盤54の各対向面には図示しない断熱板を介して加圧ブロック60,61がそれぞれ取付けられている。加圧ブロック60,61の構造はそれぞれほぼ同じであるので、一方の加圧ブロック60について説明する。加圧ブロック60は、カートリッジヒータ63等の温度制御手段が内部に設けられるか、表面にラバーヒータ等が設けられている。加圧ブロック60の表面にはゴム、樹脂フィルム、繊維シート等の緩衝材64が取り付けられている。前記緩衝材64の厚みは、一例として0.05mmないし3.00mmである。そして前記緩衝材64の表面には一例として0.2mmないし3.00mmの板厚の弾性変形可能なステンレス等の材質からなる金属製プレスプレート65が取り付けられている。そして前記金属製プレスプレート65の緩衝材64と接する面の反対側の表面が加圧面となっている。
【0027】
なお第2のプレス装置13の加圧面を構成する部材は、シリコーンゴムやフッ素ゴムシート等の耐熱性を備えた弾性体シートであってもよい。その場合、弾性体シートの硬度(ショアA硬度)は、これに限定されるものではないが一例として30ないし80、更に好ましくは40ないし70のものが用いられる。また
図1においては第2のプレス装置13は、真空状態とすることが可能なチャンバを備えていないが、第1のプレス装置12と同様に真空状態にすることが可能なチャンバを備え、真空チャンバ内で加圧成形を行うものでもよい。
【0028】
次に前記第2のプレス装置13の後工程に直列方向に連続して配設される第3のプレス装置14について説明する。第3のプレス装置14は、金属製プレスプレート85の加圧面を備えサーボモータ17による駆動力により積層成形品Pが加圧される。第3のプレス装置14は、第2のプレス装置13で加圧成形され積層フィルムの側に凹凸が僅かに残っている状態か既に平坦にされた状態の積層成形品P(2次積層成形品)を更に加圧してより許容範囲内の平坦な最終の積層成形品P(3次積層成形品)に加圧成形するものである。第3のプレス装置14の構成は、基本的には第2のプレス装置13と同じである。第3のプレス装置14は、下方に設けられた略矩形のベース盤71と、前記ベース盤71の上方に位置する略矩形の固定盤である上盤72の四隅近傍の間にそれぞれ立設された4本のタイバ73を備えている。そして第3のプレス装置14は、略矩形の可動盤である下盤74がベース盤71と上盤72との間で昇降移動可能となっている。また第3のプレス装置14は、サーボモータ17等の電動モータを駆動源とするものであり、ベース盤71には加圧機構の駆動手段であるサーボモータ17が取付けられている。
【0029】
また第3のプレス装置14の加圧機構について、サーボモータ17はロータリエンコーダ75を備えるとともに、サーボアンプ76に接続され、サーボアンプ76は、上記制御装置20に接続されている。サーボモータ17の駆動軸には図示しない減速機を介してボールねじ77が接続されるか、または前記駆動軸自体がボールねじ77に直接接続されている。一方下盤54の下面にはボールねじ機構のボールねじナット78が固定され、前記ボールねじ77は、ボールねじナット78に挿通されている。更に下盤74とボールねじナット78の間には力検出手段であるロードセル79が取り付けられている。より詳細には、ボールねじナット78は、ボールねじ77が上方に移動可能なようにブラケットを介して下盤74に取り付けられるか、または下盤74にボールねじ78が挿入される凹部が設けられている。ブラケットを介する場合は、ブラケットとボールねじナット78の間か、ブラケットと下盤74の間にロードセル79が取り付けられる。なおロードセル79が取り付けられる部分は、プレス工程の加圧力が受けられる部分であれば限定されず、一例としてサーボモータ17の取り付け部分であってもよい。なお力検出手段は、タイバ73に取り付けられるタイバセンサなどでもよい。
【0030】
上記構造により第3のプレス装置14は、サーボモータ17の作動により下盤74が上盤72に対して昇降されるようになっている。なお第3のプレス装置14のボールねじ機構は、サーボモータ17の駆動軸に取り付けられたプーリとボールねじ77に取り付けられたプーリの間にベルトが掛け渡されベルトを介して駆動力が伝達されるものでもよい。ベルトを用いたものやウォームギアを用いた減速機を用いたもので、サーボモータ17の長手方向がボールねじ57と直列方向に取り付けられないものは、第3のプレス装置14の高さを低くする上で有利である。第3のプレス装置14は金属プレスなどと比較すると、下盤74の昇降ストロークは比較的小さく、加圧時間は比較的長いので、サーボモータ17の駆動力の伝達機構に減速機、ベルトなどの変速機構を用いることが望ましい。またまた減速機を使用した場合とベルトを使用した場合では減速機を使用した場合のほうが騒音、ベルトを使用した場合に発生する粉塵などの点で有利な場合が多い。更には第3のプレス装置14のボールねじ機構は、ベース盤71にボールねじナットが回転自在に取付られ、ボールねじが昇降するものでもよい。またボールねじ77の部分をカバーで覆うことによりグリースの拡散を防止できクリーンルーム内のクリーン度アップに寄与する。更には第3のプレス装置14は、トグル機構、クランク機構、クサビ機構などの倍力機構やそれに類する機構を用いたものでもよい。また上記の例では第3のプレス装置14は、1基のサーボモータ17を用いた加圧機構により加圧成形が行われるが、2基、3基、4基など2基以上のサーボモータ17または2基、3基、4基など2基以上のボールねじ機構を用いた加圧機構であってもよい。更にはサーボモータ以外ではクローズドループ制御可能なリニアモータ等のモータを使用したものでもよい。更に加圧機構は油圧シリンダを用いたものでもよい。そしてまた、第3のプレス装置14は、上記のような加圧機構を用いて下盤74に対して上盤72が昇降されるものでもよい。
【0031】
上盤72の側面と下盤74の側面の間には位置センサであるリニアスケール82がサーボモータ17のロータリエンコーダ75とは別に取り付けられている。リニアスケール82は、いずれかの一方の盤にスケール82aが取り付けられ、他方の盤に測定部であるスライダ82bが取り付けられている。上盤72に対する下盤74の位置(距離)は、サーボモータ17のロータリエンコーダ75でも検出できる。しかしボールねじ77とボールねじナット78の間には僅かなバックラッシが存在するし、タイバ73やボールねじ77には熱膨張が発生する。そのためリニアスケール82により直接的に加圧ブロック80,81の間の距離、上盤72に対する下盤74の位置(台盤間の距離)、ベース盤71と下盤74の間の距離のいずれかを測定したほうが望ましい場合も多い。リニアスケール82等の位置センサの分解能としては、一例として0.002mm以下のものが望ましく、更には0.001mm以下であって実用化されている分解能0.0001mmや分解能0.000025mmなど最小の分解能の単位以上のものがより一層望ましい。
【0032】
第3のプレス装置14に取り付けられるリニアスケール82等の位置センサは1基だけでもよいが、キャリアフィルムF1,F2の進行方向に対して上盤72と下盤74の両側側面に1基ずつ合計2基、または2基ずつ合計4基を取り付けてもよい。そして両側側面に合計4基の位置センサを取付けるとともに4基のサーボモータを設ける場合は、それぞれの位置センサによりサーボモータを制御することにより、上盤72に対する下盤74の平行度を検出し上盤72に対して下盤74が平行になるように制御することができる。または位置センサを設ける位置は加圧ブロック80と加圧ブロック81を接続する位置や、ベース盤71と下盤74を接続する位置でもよい。更に第3のプレス装置14は、下盤74の位置が機械設計上の下降限界点や上昇限界点を超えないようにする等の目的で図示しないリミットスイッチまたは近接スイッチなどの位置を検出可能なセーフティスイッチを備えることが一般的である。
【0033】
第3のプレス装置14の上盤72と下盤74の各対向面には図示しない断熱板を介して加圧ブロック80,81がそれぞれ取付けられている。加圧ブロック80,81の構造はそれぞれほぼ同じであるので、一方の加圧ブロック80について説明する。加圧ブロック80は、カートリッジヒータ83等の温度制御手段が内部に設けられるか、表面にラバーヒータ等が設けられている。加圧ブロック80の表面にはゴム、樹脂フィルム、繊維シート等の緩衝材84が取り付けられている。前記緩衝材84の厚みは、一例として0.05mmないし3.00mmである。そして前記緩衝材84の表面には一例として0.2mmないし3.00mmの板厚の弾性変形可能なステンレス等の材質からなる金属製プレスプレート85が取り付けられている。そして前記金属製プレスプレート85の緩衝材84と接する面の反対側の表面が加圧面となっている。
【0034】
なお第3のプレス装置14の加圧面を構成する部材は、シリコーンゴムやフッ素ゴムシート等の耐熱性を備えた弾性体シートであってもよい。その場合、弾性体シートの硬度(ショアA硬度)は、これに限定されるものではないが一例として30ないし80、更に好ましくは40ないし70のものが用いられる。また
図1においては第3のプレス装置14は、真空状態とすることが可能なチャンバを備えていないが、第1のプレス装置12と同様に真空状態にすることが可能なチャンバを備え、真空チャンバ内で加圧成形を行うものでもよい。
【0035】
次に第3のプレス装置14の後工程に設けられるキャリアフィルム巻取装置19について説明する。キャリアフィルム巻取装置19は、キャリアフィルムF1,F2の移送装置とテンション装置を兼ねたものである。キャリアフィルム巻取装置19は、下側の巻取ロール91および従動ロール92を備えており、前記巻取ロール91により下キャリアフィルムF1が巻き取られる。またキャリアフィルム巻取装置19は、上側の巻取ロール93および従動ロール94を備えており、前記従動ロール94の部分で最終成形品である積層成形品Pから上キャリアフィルムF2が剥離され、上キャリアフィルムF2は前記上側の巻取ロール93に巻取られる。そして下キャリアフィルムF1のみが水平状態で送られる部分に積層成形品Pの取出ステージ部95が設けられている。なおキャリアフィルムF1,F2の移送装置としては、キャリアフィルムF1,F2の両側を把持して後工程に向けて引っ張る移載装置(いわゆるチャック装置)を設けてもよい。
【0036】
次に積層成形システム11の制御装置20のブロック図について
図2を参照して説明する。制御装置20は、統合制御部101、第1のプレス装置制御部102、第2のプレス装置制御部103,第3のプレス装置制御部104を備えている。なおここでは前記機能別のブロックとして判り易く説明するが、統合制御部101の機能は、各プレス装置12,13,14に設けられた各プレス装置制御部102,103,104に分散して備えられていてもよいし、各プレス装置制御部の機能は、各プレス装置12,13,14に設けられておらず、統合制御部101ともに一箇所に設けられていてもよい。
【0037】
統合制御部101は、各プレス装置12,13,14の他、キャリアフィルム送出装置18とキャリアフィルム巻取装置19からなる搬送機構を含む積層成形システム11全体のシーケンス制御を司るシーケンス制御部105が設けられている。またシーケンス制御部105に接続されて記憶装置106が設けられている。記憶装置106は、各種の成形条件の保存、成形時の実測データの保存がされている。本発明との関連では、前工程のプレス装置の少なくとも加圧終了時に積層成形品Pの板厚を位置センサにより測定して記憶装置106に記憶し後工程のプレス装置の制御に用いるために設けられている。更に統合制御部101には設定表示装置107が設けられている。
【0038】
第1のプレス装置制御部102、第2のプレス装置制御部103、第3のプレス装置制御部104の内容はほぼ共通するので、第2のプレス装置13を制御する第2のプレス装置制御部103について説明する。第2のプレス装置制御部103には、シーケンス制御部108が設けられ、シーケンス制御部108は、プレス装置の熱膨張に対応して制御値に補正を行うための熱膨張補正部109に接続されている。更にシーケンス制御部108は、力指令信号出力部110と位置指令信号出力部111に接続されている。また力指令信号出力部110は、力・位置比較切換部112に接続されるが、その接続線の途中に加算器113が設けられ、加算器113はロードセル59に接続されており力指令信号に加減算がなされる。一方、位置指令信号出力部111も力・位置比較切換部112に接続されるが、その接続線の途中に加算器114が設けられ、加算器114はリニアスケール62に接続されており位置指令信号に加減算がなされる。そして力・位置比較切換部112は、指令信号生成部115に接続され、指令信号生成部115において、サーボアンプ56に送られる指令信号が生成される。
【0039】
また第2のプレス装置13は、駆動手段であるサーボモータ16とロータリエンコーダ55を備えている。そしてサーボモータ16はサーボアンプ56に接続され、サーボモータ16を駆動する電力がサーボアンプ56から供給される。またロータリエンコーダ55もまたサーボアンプ56に接続され、サーボモータ16の回転角度(パルス数)がロータリエンコーダ55により検出されてサーボアンプ56へ送られ、サーボアンプ56内の図示しない加算器にフィードバックされ、位置指令パルスと照合されるようになっている。なお第1のプレス装置12の制御ブロックは、第2のプレス装置13の制御ブロック以外にチャンバVCを減圧するための機能を備えている。
【0040】
次に第1の実施形態の積層成形システム11を用いた、積層成形品Pの積層成形方法について
図3ないし
図6を参照して説明する。積層成形システム11において積層成形を開始する前にまずは第1のプレス装置12,第2のプレス装置13,第3のプレス装置14の位置センサであるリニアスケール42,62,82の原点設定を行う。および少なくとも第2のプレス装置13,第3のプレス装置14のサーボモータ16、17のロータリエンコーダ55、75からの信号をプレス制御部にて原点設定を行う。ここでは第2のプレス装置13を例にとって説明するが他のプレス装置12,14の原点設定も同様である。まず加圧ブロック60,61の間にキャリアフィルムF1,F2のみがある状態で、サーボモータ16を作動させる。そして下盤54と加圧ブロック60が上昇して、加圧ブロック60がキャリアリムF1,F2を介して当接し、ロードセル59が所定の値となるかまたはサーボモータ16のトルクが所定の値となった時点の位置をリニアスケール62の原点(制御原点)、およびロータリエンコーダ55の原点(制御原点)として記憶装置106または第2のプレス装置13の図示しない記憶装置に記憶する。この際にキャリアフィルムF1,F2の間には押圧により変形されない剛性を備えたダミー基板を挟んで原点位置の検出と記憶を行うようにしてもよい。またバネ等によりボールねじ57とボールねじナット58の間等のバックラッシが除去される機構を備えたものでは、下盤34が最下段まで下降した型開位置で原点位置の検出と記憶を行うようにしてもよい。積層成形システム11の原点位置の検出と記憶のタイミングは、緩衝材64,金属製プレスプレート65、図示しない断熱板等の交換時に行うことが望ましいが、所定のショット毎や積層成形品Aの種類が交換された際などに行ってもよい。
【0041】
連続成形時の積層成形システム11では、制御装置20のシーケンス制御により、第1のプレス装置12、第2のプレス装置13、第3のプレス装置14において同時にバッチ処理的に積層成形が行われる。しかしここでは1バッチ分の同一の積層成形品の成形順序に沿って説明する。
【0042】
キャリアフィルム送出装置18の載置ステージ部23に載置される積層成形品Pの被積層材は、基板表面に接着された銅箔部分の凸部と銅箔が無い部分の凹部からなる凹凸部を有するビルドアップ用の回路基板である。銅箔の厚み(基板部分に対する高さ)はこれに限定されないが数umから数十um程度であって殆どの場合0.1mm以下である。前記回路基板の上下にそれぞれ積層フィルムが重ねられてビルドアップ成形用の積層成形物が構成される。また積層成形品Pの積層フィルムは、熱硬化性樹脂を主成分とする層間絶縁フィルムであり、一例として無機質材であるSiO
2が35ないし75重量%含有され、積層フィルムが溶融状態となった場合の流動性が樹脂のみのケースよりも低くなっている。前記積層フィルムは前記回路基板の上側と下側の少なくとも一方に重ねられ、本実施形態では両面側に重ねられている。なお
図1では積層成形品Pは1個が記載されているが、同時に複数個数の積層成形品Pが載置ステージ部23に載置され、積層成形されるものでもよい。
【0043】
そして載置ステージ部23に載置された前記積層成形品Pは、巻取ロール91,93の回転駆動ともに上下キャリアフィルムF1,F2とともに移動され、開放状態の第1のプレス装置12のチャンバVC内に送られ位置決めされる。次に第1のプレス装置12による第1のプレス工程を開始する。第1のプレス装置12による第1のプレス工程については、
図3のグラフ図を用いて説明する。第1のプレス工程のサイクルが開始されると、加圧機構のサーボモータ15の駆動により下盤34が上昇し、外枠部45の当接面と外枠部46の当接面がキャリアフィルムF1,F2を介して当接されてチャンバVCが形成される。そして図示しない真空ポンプにより減圧され、真空状態(減圧状態)のチャンバVCが形成される。
【0044】
更にサーボモータ15を駆動させると、外枠部45は収縮され、積層成形品Pの上面が上盤32に固定された加圧ブロック41の弾性体シート43からなる加圧面と当接する。この時点が、
図3においては左側に記載される成形品接触(当初成形品板厚)の部分で、加圧開始される。第1のプレス工程では、ロードセル39の値を検出してサーボモータ15を駆動して力制御によるクローズドループ制御が行われる。より詳しくは力指令信号出力部110から送られる力指令信号に対してロードセル39の値が加算器113で加減算され、力・位置比較切換部112を介して指令信号生成部115で指令信号とされ、サーボアンプ56に送信される。この際の加圧力(積層成形品に加えられる面積当たりの圧力(面圧))は一例として0.3MPaないし3.0MPaである。サーボモータ15の制御上は力制御となるが、表示画面等では圧力(面圧)としたほうが判り易い。そして加圧力が設定した所定の成形圧力に到達したことがロードセル39により検出されたら昇圧完了となり、所定の圧力を維持するようにクローズドループ制御がなされる。
【0045】
この際には位置制御は行われていないが、
図3に示されるように加圧ブロック40.41の間の距離は徐々に小さくなっていく。即ち積層成形品P板厚は徐々に薄くなっていく。またこの際の第1のプレス装置12の加圧ブロック40,41の温度は、積層成形品の材質によって異なるが、50℃ないし200℃、より好ましくは80℃ないし150℃に温度制御される。第1のプレス装置12では、上下両側の加圧面は上記した硬度と厚みを備えた弾性体シート43となっているので、基板の凸部の部分だけが強く押されることは抑止され、基板の凹部に積層フィルムが埋め込まれる形で基板と積層フィルムの接着が行われ、積層成形品P(1次積層成形品)が積層成形される。しかし第1のプレス装置12により積層成形された積層成形品P(1次積層成形品)の積層フィルムの表面はまだ基板の凹凸部の形状に倣って凹凸が残った状態となっている。
【0046】
所定時間が経過すると加圧力制御は終了され、降圧を開始する。そして加圧終了となり加圧力が0になると
図3に記載されるようにその時点が成形品離型の地点であり、最終成形品板厚の厚みでもある。そこからサーボモータ15を逆方向に駆動させて下盤34および加圧ブロック40を下降させる。減圧状態のチャンバVC内への大気導入は、降圧を開始した時点からでも加圧終了の時点からでもその中間でもよい。チャンバVC内が大気圧となると、サーボモータ15の駆動により下盤34が下降し、それぞれの加圧ブロック40.41の加圧面からキャリアフィルムF1,F2を介して当接されていた積層成形品P(1次積層成形品)の離型が行われる。そしてチャンバVC内が大気圧状態となった後に、チャンバVCが開放される。そして更に前記積層成形品P(1次積層成形品)はキャリアフィルム巻取装置19によるキャリアフィルムF1,F2の送りにより、後工程の第2のプレス装置13の上盤52と下盤54の間に搬送され、所定の加圧位置に停止される。
【0047】
なお本実施形態では第1のプレス装置12の第1のプレス工程は力制御のみが行われるが、少なくとも力制御が行われるものでもよい。即ち最初から、または所定の時間経過後または所定の位置到達後から位置制御(速度制御を含む)を併用してもよい。なお第1のプレス装置12の駆動手段が油圧シリンダである場合は、力制御の部分は圧力制御に置き換えられる。第1の実施形態で力制御(圧力制御)のみが行われる場合または力制御(圧力制御)の要素を含む制御が行われる場合は、加圧成形が終了した積層成形品P(1次積層成形品)の板厚は完全に同じにコントロールされない。しかし本発明において第1のプレス装置12では必須ではないが、第1のプレス装置12の加圧成形終了時に積層成形品P(1次積層成形品)の板厚をリニアスケール42により測定するようにしてもよい。そして積層成形品Pの板厚が測定された場合は、その測定値を後工程のプレス装置である第2のプレス装置13の制御に用いる。
【0048】
なお第1のプレス装置12の加圧成形終了時の積層成形品Pの板厚の測定は、本発明のプレス装置の加圧成形時または加圧成形終了後の物理量の測定に該当する。または第1のプレス装置12においてセンサにより測定される物理量は、ロードセル(センサ)により測定される力や圧力センサにより検出される圧力であってもよい。即ち第1のプレス装置12の後半または少なくとも最後において位置制御優先の制御を行う場合、検出される力(圧力)は一定値では無い場合がある。その場合に物理量としての力(圧力)を検出して、後工程の第2のプレス装置13の制御に用いるようにしてもよい。
【0049】
次に第2のプレス装置13による第2のプレス工程については、
図3のグラフ図と
図5のフローチャート図を用いて説明する。第2のプレス装置13のサーボモータ16が作動され、下盤54および加圧ブロック60が上昇され第2のプレス工程の型閉作動が開始される(S1)。そして下盤54に取り付けられた加圧ブロック60の加圧面上の積層成形品Pと、上盤52に取り付けられた加圧ブロック60の加圧面が接触すると(S2=Y)、次に加圧が開始される。前記第2のプレス工程も第1のプレス装置12の第1のプレス工程と同様に
図3に示されるような力制御(圧力制御)を用いたクローズドループ制御が行われる。具体的にはロードセル59の検出値が、設定値になるようにサーボモータ16を駆動させるフィードバック制御による力制御が行われる(S3)。この際の
図2のブロック図との関係は、第1のプレス装置12による第1のプレス工程と同じであるのでここでは説明を省略する。
【0050】
この際の加圧力(積層成形品に加えられる面積当たりの圧力)は一例として0.3MPaないし3.0MPaである。サーボモータ16の制御上は力制御となるが、表示画面等では圧力(面圧)としたほうが判り易い。そして加圧力が設定した所定の成形圧力に到達したことがロードセル59により検出されたら昇圧完了となり、所定の圧力を維持するようにクローズドループ制御がなされる。
【0051】
またこの際の第2のプレス装置13の加圧ブロック60,61の温度は、積層成形品の材質によって異なるが、50℃ないし200℃、より好ましくは80℃ないし150℃に温度制御される。第2のプレス装置13では、上下両側の加圧面は上記したような硬度と厚みを備えた緩衝材64を介して金属製プレスプレート65が設けられている。そのため第1のプレス装置12の加圧面の弾性体シート43ほどの弾性力は備えていないものの実際の積層成形品Pの板厚と位置センサによる検出値の差はより近似したものとなる。しかし金属製プレスプレート65は完全な剛体ではないので、基板の凸部に近接する部分だけが極端に強く押されることは抑止され、基板の凹部に積層フィルムが埋め込まれる形で基板と積層フィルムの接着が行われ、積層成形品P(2次積層成形品)が加圧成形される。
【0052】
設定した加圧時間が完了すると(S4=Y)、加圧力制御は終了され、降圧を開始する。そして加圧終了となり加圧力が0になると
図3に記載されるようにその時点が成形品離型の地点であり、最終成形品板厚の厚みでもある。そこからサーボモータ15を逆方向に駆動させて下盤54および加圧ブロック60を下降させ、それぞれの加圧ブロック60,61の加圧面からキャリアフィルムF1,F2を介して当接されていた積層成形品P(1次積層成形品)の離型が行われる。
【0053】
本実施形態では第2のプレス装置13の第2のプレス工程は力制御のみが行われるが、少なくとも力制御が行われるものでもよい。即ち最初から、または所定の時間経過後または所定の位置到達後から位置制御(速度制御を含む)を併用してもよい。所定の時間経過後または所定位置到達後からは位置制御(速度制御を含む)のみを行ってもよい。なお第1のプレス装置12の駆動手段が油圧シリンダである場合は、力制御の部分は圧力制御に置き換えられる。第1の実施形態で力制御(圧力制御)のみが行われる場合または力制御(圧力制御)の要素を含む制御が行われる場合は、加圧成形が終了した積層成形品P(2次積層成形品)の板厚は完全に同じ板厚にコントロールされている訳ではない。しかし最終の積層成形品Pに向けて、徐々に積層成形品Pの表面の凹凸の状態をなだらかにし、板厚もコントロールしていくことには意味がある。積層成形品Pの板厚については最終の積層成形品Pの許容範囲に対して2次積層成形品の板厚をなるべくその値に近似するように整えておくことが、第3のプレス装置14において過剰な圧力で積層成形品Pを押圧せずに位置制御を行うために重要である。
【0054】
本発明においては、第2のプレス装置13の少なくとも加圧成形終了時に上盤52と下盤54の盤面間の距離(積層成形品P(1次積層成形品)の板厚)を位置センサであるリニアスケール62により測定して物理量の一種である基準位置Aとして制御装置20の記憶装置106に記憶する(S5)。この際に第2のプレス装置13にリニアスケール62等の位置センサが2基以上備えられている場合は、いずれか1基のリニアスケール62の測定値を後工程の第3のプレス装置14の制御に用いるようにしてもよく、どちらか測定値の小さい値、または大きい方の値を自動的に判定して制御に用いてもよい。全てのリニアスケール62の測定値の平均値を前記第3のプレス装置14の制御に用いるようにしてもよい。また第2のプレス装置13と第3のプレス装置14がいずれも複数のサーボモータを備えた同タイプのプレス装置である場合、例えば第2のプレス装置13の一方のサーボモータ16のロータリエンコーダ55の測定値を記憶し、同一の積層成形品Pを成形する第3のプレス装置14の一方(同じ位置)のサーボモータ17の制御に用い、第2のプレス装置13の他方のサーボモータ16のロータリエンコーダ55の測定値を記憶し、同一の積層成形品Pを成形する第3のプレス装置14の他方(同じ位置)のサーボモータ17の制御に用いるようにしてもよい。第2のプレス装置13と第3のプレス装置14がそれぞれ複数のリニアスケール62,82を備える場合も同様である。
【0055】
基準位置Aはサーボモータ16のロータリエンコーダ55の位置と比較してどちらの値を制御値とするか選択する事もできる。サーボモータ16のロータリエンコーダ55は、本実施形態のベース盤51と下盤54間の距離を測定する位置センサに該当する。またサーボモータ16を上盤52に取り付け、ボールねじナット58を昇降する下盤54に取り付ける場合は、サーボモータ16のロータリエンコーダ55は、上盤52と下盤54の距離を測定する位置センサとして機能する。その際通常は加圧成形終了時に盤面間の距離を測定するが、後半の何パーセントかの時間は位置制御等により板厚を追い込まない場合は、加圧成形終了時の盤面間の距離(積層成形品の板厚)ではなく、板厚が最終的にそれ以上薄くならなくなった時点の加圧前進終了時の盤面間の距離等を測定してもよい。そして前記盤面間の距離が測定された場合は、その測定値(物理量)を基準位置Aとして直後の後工程のプレス装置である第3のプレス装置14の制御に用いる。より具体的には基準位置Aから後工程のプレス装置14の位置制御値Bを生成して保存し(S6)、制御に用いる。なお後工程の第3のプレス装置14の位置制御値Bを生成は、第3のプレス装置14の加圧成形開始までに行ってもよい。従って第3のプレス装置14の制御は、積層成形品Pにそれぞれ対応して紐づけされたものとなり毎回異なるものとなる。
【0056】
そして所定時間が経過して第2のプレス装置13による第2のプレス工程が終了して積層成形品P(2次積層成形品)が積層成形されると、サーボモータ16が駆動されて下盤54が下降される型開作動を行う(S7)。この際加圧成形された2次積層成形品の表面は、第2のプレス装置13の加圧面に緩衝材64を介して弾性を備えた金属製プレスプレート65を備えた加圧ブロック60,61により加圧成形されているので、1次積層成形品の表面に残っていた凹凸はより一層平坦に加工される場合が殆どである。また1次積層成形品よりも2次積層成形品のほうが最も厚い部分の板厚が小さくなっていることが多い。
【0057】
なお上記のように第1のプレス装置12と第2のプレス装置13は、力制御のみまたは力制御の要素が過半を占める制御が行われることが多いので、特にロードセルやタイバセンサなどの力検出手段は必須となる場合が多い。
【0058】
そしてキャリアフィルム送出装置18の巻出ロール21および従動ロール22、巻出ロール24および従動ロール25によるキャリアフィルムF1,F2の送りと、巻取装置19の巻取ロール91,93によるキャリアフィルムF1,F2の巻き取りにより、前記積層成形品P(2次積層成形品)は第2のプレス装置13の後工程の第3のプレス装置14の上盤72と下盤74の間に搬送され、所定の加圧位置に停止される。
【0059】
次に第3のプレス装置14による第3のプレス工程については、
図4のグラフ図と
図6のフローチャート図を用いて説明する。第3のプレス装置14のサーボモータ17が作動され、下盤74および加圧ブロック80が上昇され第3のプレス工程の型閉作動が開始される(s1)。そして下盤74に取り付けられた加圧ブロック80の加圧面上の積層成形品Pと、上盤72に取り付けられた加圧ブロック80の加圧面が接触すると(s2=Y)、次に加圧が開始される。なおこの際、第2のプレス装置13と第3のプレス装置14が同一規格のものであれば、前工程の第2のプレス工程で測定された基準位置Aを加圧開始への切り替え位置としてもよい。そして前記第3のプレス工程の加圧制御は、
図4に示されるような位置制御(速度制御を含む)を用いたクローズドループ制御が行われる。即ち前工程の第2のプレス工程で検出し記憶装置106に記憶された物理量である板厚(基準位置A)を用いた制御が行われ、基準位置Aから生成された位置制御値Bを用いた位置制御が行われる(s3)。この点について
図2のブロック図との関係でより詳細に説明すると、位置指令信号出力部111から送られる位置指令信号に対してリニアスケール62の値が加算器114で加減算され、力・位置比較切換部112を介して指令信号生成部115で指令信号とされ、サーボアンプ56に送信される。また位置制御のみではなく、力制御も併用される場合は、力指令信号出力部110から送られる力指令信号に対してロードセル39の値が加算器113で加減算され、力・位置比較切換部112で、前記位置指令信号と力指令信号が合算され、指令信号生成部115で最終的な指令信号が生成され、サーボアンプ56に送信される。
【0060】
更に実際の積層成形品Pとの関係においては第3のプレス工程では、最初から位置制御(または速度制御)による制御を行う。そして前工程のプレス装置13で測定された積層成形品Pの板厚(基準位置A)から所定の値だけ板厚が減少されるように生成された位置制御値Bにより、同一の積層成形品P(2次積層成形品)に対してストローク制御(位置制御)が行われる。換言すれば下盤54をある前進開始前の位置からある前進完了後の位置まで所定のストロークだけ移動させる指令に基づいてクローズドループ制御を行う。この際に送られてくる多数の積層成形品P(2次積層成形品)間において、常に同じストロークだけ板厚が減少されるように制御してもよいし、測定された積層成形品P(2次積層成形品)の板厚のバラツキに応じて相対的に板厚が厚い場合はストロークを大きくし、相対的に板厚が薄い場合はストロークを小さくして、積層成形品P(最終の積層成形品)の板厚差を無くすか合格品の範囲内となるようにしてもよい。この場合は演算により最終目標位置を特定値に定めた位置制御ということもできる。そして設定されたストロークにおける加圧完了位置C(目標位置)に到達すると(s4=Y)、加圧完了位置Cに保持される(s5)。従って2次積層成形品の板厚(最も厚い部分)よりも最終の積層成形品の板厚のほうが板厚が小さくなっていることが殆どである。この間のロードセル79により検出される圧力については、
図4に示されるように最初の段階の加圧完了位置C(目標位置)まで移動するストローク制御の段階では昇圧されるが、加圧完了位置C(目標位置)に到達後はその位置を保持するだけであるので圧力は降下する。
【0061】
積層成形システム11では、第1のプレス装置12,第2のプレス装置13、第3のプレス装置14は同時にプレス成形が行われ、プレス時間も同じに設定されているので、いずれかのプレス装置が目的の位置に到達しても型閉状態を継続して位置保持が行われる。そして所定の加圧時間が完了すると(s6=Y)、次にサーボモータ16を逆方向に駆動させて下盤74および加圧ブロック80を下降させ、それぞれの加圧ブロック80,81の加圧面からキャリアフィルムF1,F2を介して当接されていた積層成形品P(最終の積層成形品)の離型が行われ、型開作動が行われる(s7)。
【0062】
なお上記において、前工程の第2のプレス装置13の加圧成形終了時または加圧前進終了時に積層成形品P(2次積層成形品)の板厚(第2のプレス装置13の物理量)を測定しておく理由は、「発明が解決しようとする課題」の欄で記載した通りであるが、後工程の第3のプレス装置14で積層成形品Pと加圧面が当接した際(加圧開始時)に積層成形品Pの板厚を正確に測定してから加圧工程を開始しようとしても、下盤74は一定速度で上昇しており、積層成形品Pの表面も柔らかいので、積層成形品Pの板厚が高精度に測定できないからである。そのため前工程の第2のプレス装置13の加圧成形終了時または加圧前進終了時に正確な板厚を測定しておく必要があるからである。
【0063】
また本実施形態では第3のプレス装置14による第3のプレス工程は位置制御(速度制御を含む)のみが行われるが、少なくとも位置制御が行われるものでもよい。即ち最初から最後まで、または最初から所定の時間経過または最初から所定位置到達までは力制御(圧力制御を含む)を併用してもよい。いずれにしても最後の段階では位置制御のみか位置制御の要素が過半を占めるようにして最終板厚を調整する。
【0064】
また第2のプレス装置と第3のプレス装置の位置制御(速度制御)については、サーボモータに送電される電流値(トルク)を検出して電流値(トルク)が所定値を超えないようにするトルクリミットを設けてもよい。取り分け第3のプレス装置の位置制御(速度制御)についてはトルクリミットを必須としてもよい。このことにより位置制御の場合であって例えば上記したストロークが大きい場合などで目標位置に到達するためにサーボモータのトルクが大きくなりすぎた場合に制限をかけ、積層成形品に一定以上の圧力がかかりすぎて、積層フィルムの溶融樹脂が側方に向けて流出するなどの不良発生を抑制することが可能となる。また位置制御は、何秒後にどの地点まで前進するという指令が送信される速度制御となる場合もあるが、上述したようにこれらも位置制御の概念に含まれる。例えば
図4の例では成形品接触から加圧完了位置Cまでのストロークは速度制御により行われ、加圧完了位置Cに到達後は位置制御に切り変えられて加圧完了位置Cを保持するようにしてもよい。
【0065】
第3のプレス装置14による第3の加圧工程は終了時の積層成形品P(最終の積層成形品)の板厚は、上記の3段階のプレス工程を行ったことと、特に前工程の第2のプレス装置13の少なくとも加圧成形終了時等に積層成形品Pの板厚を測定し、積層成形品Pの板厚の測定値を後工程の第3のプレス装置14の速度制御によるストローク制御に用いたことにより、正確な厚みとなっている。そして2次積層成形品の表面に僅かに凹凸が残っていた場合も一層平坦な積層成形品P(最終の積層成形品)に加圧成形することができる。そしてキャリアフィルム巻取装置19による次のキャリアフィルムF1,F2の送りにより、積層成形品P(最終の積層成形品)は第3のプレス装置14の後工程の取出ステージ部95に搬送され、図示しない装置により更に次工程に向けて送られる。
【0066】
なお積層成形システム11に設けられるプレス装置は少なくとも2基以上のプレス装置が連続して設けられ、前工程のプレス装置で加圧成形した積層成形品が後工程のプレス装置で更に加圧成形されるものであればよい。即ち第1のプレス装置12と第2のプレス装置13のみで積層成形システム11を構成し、第1のプレス装置12の少なくとも加圧成形終了時に積層成形品Pの板厚を測定し、積層成形品Pの板厚の測定値を第2のプレス装置13の制御に用いてもよい。または第3のプレス装置14の後に、第4のプレス装置等のプレス装置を設け、前工程のプレス装置の少なくとも加圧成形終了時に積層成形品Pの板厚を測定し、積層成形品Pの板厚の測定値を後工程のプレス装置の制御に用いてもよい。
【0067】
また上記のように第2のプレス装置13と第3のプレス装置14は、加圧面が金属製プレスプレートであり、位置制御のみまたは力制御の要素の入った制御が行われることがあるので、特に位置制御を行うための位置センサをサーボモータ16,17のロータリエンコーダ55,75以外に設けることが好ましい。
【0068】
また上記において第2のプレス装置13で加圧成形時または加圧成形終了後に物理量は、位置センサにより測定される積層成形品P(2次積層成形品)の板厚以外に、ロードセルにより測定される力や圧力センサにより検出される圧力であってもよい。即ち第2のプレス装置13の後半または少なくとも最後において位置制御優先の制御を行う場合、検出される力(圧力)は一定値では無い場合がある。その場合に物理量としての力(圧力)を検出して、後工程の第3のプレス装置14の制御に用いる。また第2のプレス装置13においてセンサにより測定される物理量は、加圧ブロック60,61や積層成形品Pの温度を測定する温度センサであってもよい。積層成形品Pの温度が高くなっている場合は、積層成形品Pにおける積層フィルムの部分はより柔らかい状態となっているため、その温度情報により後工程のプレス装置14の制御を変更するようにしてもよい。更に第2のプレス装置13においてセンサにより測定される物理量は、カメラ(センサ)により測定される積層成形品Pの側面からの樹脂のはみ出し量、積層成形品Pの表面の凹凸度合い、積層成形品Pの位置ずれ量等や、積層成形品Pに対する抵抗値等の電気的特性値等の積層成形品Pの状態であってもよい。更にまた第2のプレス装置13においてセンサにより測定される物理量は、前記物理量の少なくとも2つ以上を含むものでもよい。
【0069】
また第1のプレス装置12においてセンサにより測定される物理量を測定するタイミングは、加圧成形終了時が最も望ましいが、加圧成形終了時よりも僅かに前の状態を測定してもよい。具体的には降圧開始時以降に位置センサであるリニアスケール62を用いて積層成形品Pの板厚を測定してもよい。更には加圧成形時間全体に対して最後の20%の時間内、より好ましくは最後の10%の時間内に物理量を測定してもよい。また前記物理量の測定は、加圧成形時(加圧成形中)に限らず、カメラ等による測定等の場合には型開き後(加圧成形後)であってもよく、第2のプレス装置13に積層成形品Pが留まっていて第3のプレス装置14に向けて移動していない状態で行ってもよい。なお前記においてカメラや非接触式の温度センサなどのセンサにより積層成形品Pの物理量を直接測定する場合も、積層成形品Pが第2のプレス装置13の成形位置に留まっている限りは、第2のプレス装置13の物理量の測定に含まれる。
【0070】
更には位置(板厚)の他、力(圧力)、温度、積層成形品Pの形状、積層成形品Pの位置、積層成形品Pの電気的特性値等の性質の少なくとも一つか、複数の要素を物理量としてセンサにより検出し、前記複数の物理量を第3のプレス装置14の制御に取り入れて同一の積層成形品Pの加圧制御に用いるようにしてもよい。即ち同一の積層成形品Pについて前記前工程の第2のプレス装置13の加圧成形時または加圧成形終了後の物理量である位置(板厚)、力(圧力)、温度等を測定し、後工程の第3のプレス装置14の制御に活用することにより、積層成形品P(最終の積層成形品)の成形歩留まりを向上することができる。
【0071】
次に本実施形態の積層成形システム11における熱膨張対策について説明する。第1の熱膨張対策は、第1のプレス装置12,第2のプレス装置13,第3のプレス装置14の上盤32,52,72、下盤34、54,74、タイバ33、53,73、加圧ブロック40,41,60,61,80.81、ボールねじ37,57,77等の熱膨張対策である。積層成形システム11では上記したように積層成形前にスケール62等の原点の設定を行い、原点からの値で制御を行っている。しかし積層成形システム11において成形回数が増加すると加圧ブロック40,41,60,61,80,81の熱が上盤32,52,72や下盤34、54,74、タイバ33,53,73に熱伝達されたり、ボールねじ37,57,77が摩擦熱で昇温してそれぞれ熱膨張が発生する。例えば上盤32,52,72と、下盤34,54,74の盤面間をリニアスケール42,62,82により測定している場合、加圧ブロック40,41,60,61,80,81の熱膨張や上盤32,52,72の一部の部分と下盤34,54,74の一部の部分の熱膨張はリニアスケール42,62,82での測定に反映されない。
【0072】
従ってこれらの部材が熱膨張すると実際の加圧面同士の間隔(積層成形品Pの板厚)はリニアスケール42,62,82の検出値(制御原点からの値)よりも小さくなっている場合がある。そこで本実施形態では、検出値に対して各部の温度の実測値や成形回数等の要素を加味して、プレス装置の熱膨張に対応して制御値を補正する。熱膨張の補正は、制御装置20の第1のプレス装置制御部102、第2のプレス装置制御部103,第3のプレス装置制御部104の熱膨張補正部109において行われる。具体的には原点位置の補正は行わず、指令値の値に補正をかけることが望ましい。例えば制御原点が0として型開方向に向けて位置検出値がプラス値として増加するスケール62等を用いるケースであって、加圧時に位置制御を行う場合は、位置制御の停止位置等の指令値の値を大きく変更する。そして加圧ブロック60,61等の熱膨張分だけ停止位置を後退させる。また積層成形品Aとの当接位置からストローク制御する場合はストロークの指令値を小さくする。なお型閉時の当接位置を正確に検出できないことは上記の「発明が解決しようとする課題」の部分で記載した通りである。従って実際の成形時に積層成形品Aと加圧ブロック60等の当接位置を原点位置として補正をかけることは難しいと言える。なお本発明では、特に第3のプレス装置14は位置制御のみか位置制御の要素が過半の制御を行うので、少なくとも後工程の第3のプレス装置14の制御は、プレス装置14の熱膨張に対応して制御値に補正を行うことが望ましい。ただし当然ながら第1のプレス装置12、第2のプレス装置13も熱膨張に対応して加圧時の制御値の補正を行ってもよい。
【0073】
また積層成形システム11における熱膨張補正のタイミングは、各プレス装置12,13,14が予め定めた所定の成形数に到達した際に行うようにしてもよい。その場合、積層成形システム11では、全てのプレス装置12,13,14において同時に熱膨張補正をかけると、順次送られる積層成形品Aでは、一例として1次成形は熱膨張補正前に行ったが、2次成形と3次成形は熱膨張補正後に行われたというような積層成形品Aが生じてしまう。そのため積層成形品Aごとに全てのプレス装置12,13,14において熱膨張補正前の成形となるか、または全てのプレス装置12,13,14において熱膨張補正後の成形となるか統一されるように、プレス装置12,13,14の熱膨張補正のタイミングをずらすことも好ましい。即ちN回目の積層成形後には第1のプレス装置12のみ熱膨張補正を行い、N+1回目の積層成形後には第2のプレス装置13のみ熱膨張補正を行い、N+2回目の積層成形後には第3のプレス装置14のみ熱膨張補正を行う。また別の積層成形システム11における熱膨張補正のタイミングとしては、プレス装置12,13,14の温度を検出して所定の温度どなった時点で熱膨張補正を行ってもよい。即ち、加圧ブロック等に比べて昇温が送れる部分である上盤、タイバ,下盤、ボールねじ等に温度センサを設け、前記部分が所定の温度となったが温度センサにより検出されたプレス装置12,13,14から熱膨張補正を行うようにしてもよい。
【0074】
第2の熱膨張対策は、第1のプレス装置12,第2のプレス装置13,第3のプレス装置14で加圧成形される積層成形品Pの熱膨張対策に関するものである。第1のプレス装置12,第2のプレス装置13,第3のプレス装置14で積層成形品Pを加圧成形時に、積層成形品Pの側面が開放されていると積層成形品Pは側面方向に膨張して中央部の厚みが厚い成形品になりやすい。そのため積層成形品Pを額縁状の枠に入れて搬送し、前記額縁状の枠の内面と積層成形品Pの側面が当接された状態で第1のプレス装置12,第2のプレス装置13,第3のプレス装置14において加圧成形を行う。または前記加圧成形時に積層成形品Pの各側面からも加圧部材により加圧するなどの方策を取ることにより積層成形品Pの熱膨張対策を行うことが可能となる。またこのことは積層成形品Pに過剰な加圧力が加わった際の溶融状態の樹脂フィルムが側方に流出することを防止する効果もある。
【0075】
次に本実施形態の積層成形システム11を用いて行う積層成形品の製造方法について説明する。本実施形態の積層成形品Pは、ビルドアップ基板用の積層成形品Pであって、凹凸を有する回路基板と該回路基板の両面に重ねられた層間絶縁フィルムから構成されている。そして本実施形態の積層成形品の製造方法は、第1のプレス装置12の減圧されたチャンバVC内でサーボモータ15を用いた力制御を伴う制御により弾性体シート43からなる加圧面を前記積層成形品Pに押圧して1次積層成形品とする。更に次に第2のプレス装置13のサーボモータ16を用いた少なくとも力制御を伴う制御により金属製プレスプレート65からなる加圧面を前記1次積層成形品に押圧して2次積層成形品とする。更に次に第3のプレス装置14のサーボモータ17を用いた少なくとも位置制御を伴う制御により金属製プレスプレート85からなる加圧面を前記2次積層成形品に押圧して最終の積層成形品を得るものである。
【0076】
次に第2の実施形態の積層成形システム201について
図7を参照して説明する。第2の実施形態の積層成形システム201は、最初の成形ステージの真空積層装置202が減圧可能なチャンバVC内に加圧空気により膨出するダイアフラム203を備えたものである。そして前記真空積層装置202の後工程に、第1のプレス装置204と第2のプレス装置205が連続して設けられる。即ち、第1の実施形態の積層成形システム11の第2のプレス装置13が、第2の実施形態の積層成形システム201の第1のプレス装置204に相当し、第1の実施形態の積層成形システム11の第3のプレス装置14が、第2の実施形態の積層成形システム201の第2のプレス装置205に相当する。
【0077】
前記第1のプレス装置204、第2のプレス装置205の構造、積層成形システム201の制御装置206の機能、および前記第1のプレス装置204と第2のプレス装置205を用いた積層成形システムの制御方法については第1の実施形態とほぼ共通するので、第1の実施形態の説明を援用し、重複した説明は省略する。相違点は、真空積層装置202がダイアフラム203を用いたものであるので位置制御は行えない点である。
【0078】
本発明については、一々列挙はしないが、上記した第1の実施形態および第2の実施形態のものに限定されず、当業者が本発明の趣旨を踏まえて変更を加えたものや第1の実施形態ないし第2の実施形態の各記載を掛け合わせたものについても、適用されることは言うまでもないことである。積層成形システム11,201において積層成形される積層成形品は、ビルドアップ基板等の回路基板の他、半導体ウエハや太陽電池等の他の板状体であってもよく限定されない。
【符号の説明】
【0079】
11,201 積層成形システム
12、204 第1のプレス装置
13,205 第2のプレス装置
14 第3のプレス装置
15,16,17 サーボモータ
20、206 制御装置
32、52,72 上盤
34,54,74 下盤
36,56,76 サーボアンプ
39,59、79 ロードセル(力検出手段)
40,41,60,61,80,81 加圧ブロック
42,62,82 リニアスケール(位置センサ)
43 弾性体シート(加圧面)
65,85 金属製プレスプレート(加圧面)
P 積層成形品