(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159008
(43)【公開日】2023-10-31
(54)【発明の名称】鋼製セグメント製造設備、及び、鋼製セグメント製造設備を用いた鋼製セグメントの製造方法
(51)【国際特許分類】
E21D 11/14 20060101AFI20231024BHJP
【FI】
E21D11/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022116029
(22)【出願日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】P 2022068639
(32)【優先日】2022-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】596118530
【氏名又は名称】テクノス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141243
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 靖夫
(72)【発明者】
【氏名】田中 浩和
(72)【発明者】
【氏名】垣内 翔太
(72)【発明者】
【氏名】千葉 拓郎
【テーマコード(参考)】
2D155
【Fターム(参考)】
2D155EB10
2D155KB04
(57)【要約】
【課題】鋼製セグメントの姿勢を所望の姿勢に変更させた状態で作業を行うことができて、作業を安全かつ効率的に行えるとともに、主桁の板面と継手板の板面との成す角度が直角ではない継手板を有した鋼製セグメントに連結可能な鋼製セグメント製造設備等を提供する。
【解決手段】鋼製セグメント製造設備1は、一方の支持装置2Aと他方の支持装置2Bと有した把持装置2を備え、支持装置2A,2Bは、回転体44と、回転体に設けられて当該回転体と一緒に回転可能に構成された連結部80とを備え、把持装置2は、連結部に連結された鋼製セグメントを回転させるとともに、所定の回転位置での鋼製セグメントの姿勢を維持する回転支持機能を備え、連結部80として、鋼製セグメントの主桁の板面と継手板の板面との成す角度が直角である継手板、あるいは、鋼製セグメントの主桁の板面と継手板の板面との成す角度が直角ではない継手板に連結可能な連結部を備えた。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼製セグメントを製造するための鋼製セグメント製造設備であって、
一方の支持装置と他方の支持装置と有した把持装置を備え、
一方の支持装置及び他方の支持装置は、それぞれ、回転体と、回転体に設けられて当該回転体と一緒に回転可能に構成された連結部とを備え、
把持装置は、一方の支持装置の連結部に鋼製セグメントの一方の継手板が連結されて、かつ、他方の支持装置の連結部に鋼製セグメントの他方の継手板が連結された状態で、一方の支持装置及び他方の支持装置の回転体を回転させることにより、鋼製セグメントを回転させるとともに、所定の回転位置での鋼製セグメントの姿勢を維持する回転支持機能を備え、
連結部として、鋼製セグメントの主桁の板面と継手板の板面との成す角度が直角である継手板、あるいは、鋼製セグメントの主桁の板面と継手板の板面との成す角度が直角ではない継手板に連結可能な連結部を備えたことを特徴とする鋼製セグメント製造設備。
【請求項2】
連結部は、
継手板の板面と接触する板面を有して、当該板面を継手板の板面に接触させた状態で当該継手板に連結される連結板と、
連結板の板面の傾斜角度を継手板の板面の傾斜角度に合わせた状態に設定するとともに、連結板の板面の傾斜角度を維持する板面傾斜角度設定手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の鋼製セグメント製造設備。
【請求項3】
一方の支持装置及び他方の支持装置は、主桁の円弧に沿った長さ寸法の異なる複数種類の鋼製セグメントの継手板に連結可能な連結部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の鋼製セグメント製造設備。
【請求項4】
一方の支持装置及び他方の支持装置は、回転体の位置を上下に変更可能に設定する回転体上下位置調整手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の鋼製セグメント製造設備。
【請求項5】
一方の支持装置及び他方の支持装置は、回転体を回転させるための回転操作ハンドルを備えたことを特徴とする請求項1に記載の鋼製セグメント製造設備。
【請求項6】
一方の支持装置及び他方の支持装置は、移動手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の鋼製セグメント製造設備。
【請求項7】
一方の支持装置及び他方の支持装置の移動路となるレールと、一方の支持装置及び他方の支持装置に設けられた移動手段とを備え、
レールは、仮組立後の鋼製セグメントの継手板を支持装置の連結部に連結する作業を行うセッチングエリアと、支持装置の連結部に連結された仮組立後の鋼製セグメントに対して製品化に向けた作業を行う少なくとも1つ以上の作業エリアとに連続するように作業床に設けられ、
移動手段は、レール上を転動可能に設けられた転動部材であることを特徴とする請求項1に記載の鋼製セグメント製造設備。
【請求項8】
一方の支持装置及び他方の支持装置を移動させる際のガイドとなるガイドレールと、一方の支持装置及び他方の支持装置に設けられた移動手段とを備え、
ガイドレールは、支持装置の連結部に連結された仮組立後の鋼製セグメントに対して製品化に向けた作業を行う少なくとも1つ以上の作業エリアの作業床に設けられた左右の縦ガイド面を有した構成であり、
移動手段は、作業床上を移動可能に設けられた第1の転動部材と、左右の縦ガイド面を移動可能に設けられた第2の転動部材とを備えて構成されたことを特徴とする請求項1に記載の鋼製セグメント製造設備。
【請求項9】
一方の支持装置及び他方の支持装置は、第2の転動手段を左右の縦ガイド面に導くためのガイド手段を備えたことを特徴とする請求項8に記載の鋼製セグメント製造設備。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の鋼製セグメント製造設備を用いた鋼製セグメントの製造方法であって、
一方の支持装置の連結部に仮組立後の鋼製セグメントの一方の継手板を連結するとともに、他方の支持装置の連結部に仮組立後の鋼製セグメントの他方の継手板を連結するセッチングステップと、
鋼製セグメントを連結した一方の支持装置と他方の支持装置とを移動させることにより、鋼製セグメントを少なくとも1つの作業エリアまで移動させる移動ステップと、
少なくとも1つの作業エリアで作業を行う作業ステップと、
を備えたことを特徴とする鋼製セグメントの製造方法。
【請求項11】
作業エリアでの作業が終了した後に、鋼製セグメントを取り外した一方の支持装置及び他方の支持装置をセッチングエリアに戻すことにより、一方の支持装置及び他方の支持装置をセッチングエリアと少なくとも1つの作業エリアとに循環させて使用することを特徴とする請求項10に記載の鋼製セグメントの製造方法。
【請求項12】
作業エリアに作業ロボットを設けて、鋼製セグメントを連結した支持装置を作業エリアまで移動させた後、作業ロボットに、鋼製セグメントに対する製品化に向けた作業を行なわせることを特徴とする請求項10に記載の鋼製セグメントの製造方法。
【請求項13】
作業エリアにおいて、鋼製セグメントを複数の作業姿勢になるように回転させ、1つ1つの作業姿勢毎に、作業ロボットに作業を行なわせることを特徴とする請求項12に記載の鋼製セグメントの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネルを掘削するシールド工法で用いられる鋼製セグメントの製造設備等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鋼材を製缶加工して構成される鋼製セグメントの製造設備が知られている。
鋼製セグメントの製造設備として、一対の回転ジグを備えた製造設備が知られている。即ち、仮組立後の鋼製セグメントの各継手板に一対の回転ジグをそれぞれ着脱可能に連結し、一対の回転ジグにより、鋼製セグメントを回転させながら、溶接や塗装などのセグメント製造作業を行う製造設備が知られている(特許文献1参照)。
鋼製セグメントのサイズや形状は、壁面が構築されるトンネルのサイズや形状に応じて様々である。
例えば、
図17に示すように、シールドトンネルの1リングSRを構成する鋼製セグメントとして、A型セグメントSA、B型セグメントSB1、B型セグメントSB2、K型セグメントSKがある。
図18乃至
図21に示すように、鋼製セグメントは、円弧形の板状に形成されて互いに対向する一対の主桁M,Mと、互いに対向する一対の継手板P,Pと、円弧状に湾曲する板面を有するように形成されたスキンプレートSとを備え、一対の主桁M,Mと一対の継手板P,Pとで形成された枠体の一方の開口がスキンプレートSで塞がれて、枠体の他方の開口がそのまま開口部Aに構成された筐体、言い換えれば、少なくとも、一対の主桁M,Mと一対の継手板P,PとスキンプレートSとで囲まれた湾曲凹部を有するように構成された筐体と、筐体の一対の主桁M,M間に設置される複数の縦リブV,V…とを備えた構成である。
図18に示すように、A型セグメントSAは、主桁Mの板面と継手板Pの板面との成す角度が直角である一対の継手板P,Pを備えたセグメントである。
図19に示すように、B型セグメントSB1は、主桁Mの板面と継手板Pの板面との成す角度が直角である一方の継手板Pと、主桁Mの板面と継手板P1(P)の板面との成す角度が直角ではない他方の継手板P1(P)とを備えたセグメントである。
図20に示すように、B型セグメントSB2は、主桁Mの板面と継手板Pの板面との成す角度が直角である一方の継手板Pと、主桁Mの板面と継手板P2(P)の板面との成す角度が直角ではない他方の継手板P2(P)とを備えたセグメントである。
図21に示すように、K型セグメントSKは、主桁Mの板面と継手板P11(P)の板面との成す角度が直角ではない一方の継手板P11(P)と、主桁Mの板面と継手板P22(P)の板面との成す角度が直角ではない他方の継手板P22(P)とを備えたセグメントである。
尚、各鋼製セグメントの継手板Pには、セグメント間継手のための連結孔SHが形成されており、各鋼製セグメントの主桁Mには、リング間継手のための連結孔RHが形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の鋼製セグメント製造設備における一対の回転ジグでは、主桁の板面と継手板の板面との成す角度が直角である継手板を有した鋼製セグメントの当該継手板を連結する構成を備えているが、主桁の板面と継手板の板面との成す角度が直角ではない継手板を備えた鋼製セグメントの当該継手板を連結するために必要な構成を備えていない。
従って、特許文献1の回転ジグ(支持装置)では、主桁の板面と継手板の板面との成す角度が直角である継手板を有した鋼製セグメント(例えば上述したA型セグメントSA)を連結することはできるが、主桁の板面と継手板の板面との成す角度が直角ではない継手板を有した鋼製セグメント(例えば上述したB型セグメントSB1,SB2やK型セグメントSK)を連結することはできない。
即ち、特許文献1の鋼製セグメント製造設備では、主桁の板面と継手板の板面との成す角度が直角ではない継手板を有した鋼製セグメントを連結できないという課題があった。
本発明は、鋼製セグメントの姿勢を所望の姿勢に変更させた状態で作業を行うことができて、作業を安全かつ効率的に行えるとともに、主桁の板面と継手板の板面との成す角度が直角ではない継手板を有した鋼製セグメントに連結可能な把持装置を備えた鋼製セグメント製造設備等を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る鋼製セグメント製造設備は、鋼製セグメントを製造するための鋼製セグメント製造設備であって、一方の支持装置と他方の支持装置と有した把持装置を備え、一方の支持装置及び他方の支持装置は、それぞれ、回転体と、回転体に設けられて当該回転体と一緒に回転可能に構成された連結部とを備え、把持装置は、一方の支持装置の連結部に鋼製セグメントの一方の継手板が連結されて、かつ、他方の支持装置の連結部に鋼製セグメントの他方の継手板が連結された状態で、一方の支持装置及び他方の支持装置の回転体を回転させることにより、鋼製セグメントを回転させるとともに、所定の回転位置での鋼製セグメントの姿勢を維持する回転支持機能を備え、連結部として、鋼製セグメントの主桁の板面と継手板の板面との成す角度が直角である継手板、あるいは、鋼製セグメントの主桁の板面と継手板の板面との成す角度が直角ではない継手板に連結可能な連結部を備えたことを特徴とする。
また、連結部は、継手板の板面と接触する板面を有して、当該板面を継手板の板面に接触させた状態で当該継手板に連結される連結板と、連結板の板面の傾斜角度を継手板の板面の傾斜角度に合わせた状態に設定するとともに、連結板の板面の傾斜角度を維持する板面傾斜角度設定手段とを備えたことを特徴とする。
本発明に係る鋼製セグメント製造設備によれば、鋼製セグメントの姿勢を所望の姿勢に変更させた状態で作業を行うことができて、作業を安全かつ効率的に行えるとともに、主桁の板面と継手板の板面との成す角度が直角ではない継手板を有した鋼製セグメントに連結可能な把持装置を備えた鋼製セグメント製造設備を提供できる。
また、一方の支持装置及び他方の支持装置は、主桁の円弧に沿った長さ寸法の異なる複数種類の鋼製セグメントの継手板に連結可能な連結部を備えたことを特徴とするので、主桁の円弧に沿った長さ寸法の異なる複数種類の鋼製セグメントに対応可能な鋼製セグメント製造設備を提供できる。
また、一方の支持装置及び他方の支持装置は、回転体の位置を上下に変更可能に設定する回転体上下位置調整手段を備えたことを特徴とするので、回転体の上下位置を調整できるようになり、作業者に合わせた作業性に優れた鋼製セグメント製造設備を提供できる。
また、一方の支持装置及び他方の支持装置は、回転体を回転させるための回転操作ハンドルを備えたことを特徴とするので、回転体の連結部に連結された鋼製セグメントを容易に回転させることができるようになり、作業性に優れた鋼製セグメント製造設備を提供できる。
また、一方の支持装置及び他方の支持装置は、移動手段を備えたことを特徴とする。
また、一方の支持装置及び他方の支持装置の移動路となるレールと、一方の支持装置及び他方の支持装置に設けられた移動手段とを備え、レールは、仮組立後の鋼製セグメントの継手板を支持装置の連結部に連結する作業を行うセッチングエリアと、支持装置の連結部に連結された仮組立後の鋼製セグメントに対して製品化に向けた作業を行う少なくとも1つ以上の作業エリアとに連続するように作業床に設けられ、移動手段は、レール上を転動可能に設けられた転動部材であることを特徴とする。
また、一方の支持装置及び他方の支持装置を移動させる際のガイドとなるガイドレールと、一方の支持装置及び他方の支持装置に設けられた移動手段とを備え、ガイドレールは、支持装置の連結部に連結された仮組立後の鋼製セグメントに対して製品化に向けた作業を行う少なくとも1つ以上の作業エリアの作業床に設けられた左右の縦ガイド面を有した構成であり、移動手段は、作業床上を移動可能に設けられた第1の転動部材と、左右の縦ガイド面を移動可能に設けられた第2の転動部材とを備えて構成されたことを特徴とする。
以上のように、一方の支持装置及び他方の支持装置が、移動手段を備えた構成としたので、作業を効率的に行うことができる。
また、一方の支持装置及び他方の支持装置は、第2の転動手段を左右の縦ガイド面に導くためのガイド手段を備えたことを特徴とするので、一方の支持装置及び他方の支持装置を作業エリアの所定の位置に導く作業を容易かつ正確に行うことができるようになる。
また、上述した鋼製セグメント製造設備を用いた鋼製セグメントの製造方法によれば、一方の支持装置の連結部に仮組立後の鋼製セグメントの一方の継手板を連結するとともに、他方の支持装置の連結部に仮組立後の鋼製セグメントの他方の継手板を連結するセッチングステップと、鋼製セグメントを連結した一方の支持装置と他方の支持装置とを移動させることにより、鋼製セグメントを少なくとも1つの作業エリアまで移動させる移動ステップと、少なくとも1つの作業エリアで作業を行う作業ステップと、を備えたことを特徴とするので、作業を効率的に行うことができる鋼製セグメントの製造方法を実現できる。
また、作業エリアでの作業が終了した後に、鋼製セグメントを取り外した一方の支持装置及び他方の支持装置をセッチングエリアに戻すことにより、一方の支持装置及び他方の支持装置をセッチングエリアと少なくとも1つの作業エリアとに循環させて使用することを特徴とするので、作業を効率的に行うことができる鋼製セグメントの製造方法を実現できる。
また、作業エリアに作業ロボットを設けて、鋼製セグメントを連結した支持装置を作業エリアまで移動させた後、作業ロボットに、鋼製セグメントに対する製品化に向けた作業を行なわせることを特徴とする。
また、作業エリアにおいて、鋼製セグメントを複数の作業姿勢になるように回転させ、1つ1つの作業姿勢毎に、作業ロボットに作業を行なわせることを特徴とする。
以上のように、作業エリアにおいて、作業ロボットに、鋼製セグメントに対する製品化に向けた作業を行なわせることで、作業の自動化が可能となり、鋼製セグメントをより効率的に製造できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】(a)は鋼製セグメント製造設備の正面図、(b)は鋼製セグメント製造設備の側面図((a)の後側から見た図))。
【
図2】(a)は支持装置の連結部の詳細を示す拡大図、(b),(c)は(a)の矢視A方向から見た図。
【
図3】(a)はB型セグメントを示す図、(b)は主桁の板面と継手板の板面との成す角度が直角である継手板Pと連結板との連結状態を示す図。
【
図4】(a)はB型セグメントを示す図、(b)は主桁の板面と継手板の板面との成す角度が直角ではない継手板P1と連結板との連結状態を示す図。
【
図5】(a)はB型セグメントを示す図、(b)は主桁の板面と継手板の板面との成す角度が直角ではない継手板P2と連結板との連結状態を示す図。
【
図6】(a)は回転体を上方位置に設定した状態を示す図、(b)は回転体を下方位置に設定した状態を示す図。
【
図7】(a)は一対の支持装置にB型セグメントを連結した状態を示す図、(b)は一対の支持装置にK型セグメントを連結した状態を示す図。
【
図8】鋼製セグメント製造設備の全体構成、及び、鋼製セグメント製造設備を使用した鋼製セグメントの製造方法の説明図。
【
図9】(a)は鋼製セグメント製造設備の正面図(上部省略)、(b)は(a)のA矢視図。
【
図10】(a)は
図9(a)のB矢視図、(b)は
図9(a)のC矢視図。
【
図15】研削ロボットにおける多節アームと研削装置との関係を示す拡大図。
【
図16】支持装置と研削ロボットとによる鋼製セグメントの研削作業の手順を示す図。
【
図17】A型セグメント、B型セグメント、K型セグメントで構成されたシールドトンネルの1リングを示す図。
【
図18】(a)はA型セグメントの正面図、(b)はA型セグメントの底面図。
【
図19】(a)はB型セグメントSB1の正面図、(b)はB型セグメントSB1の底面図。
【
図20】(a)はB型セグメントSB2の正面図、(b)はB型セグメントSB2の底面図。
【
図21】(a)はK型セグメントSKの正面図、(b)はK型セグメントSKの底面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施形態1
実施形態1に係る鋼製セグメント製造設備1は、把持装置2と、レール設備3とを備える。
尚、本明細書においては、上、下、左、右、前、後の各方向は、
図1に示した方向と定義して説明する。
【0008】
把持装置2は、一対の支持装置、即ち、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bと、当該一方の支持装置2Aと他方の支持装置2Bとを連結する連結部材2Cとを備えて構成される。
レール設備3は、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bの移動路となるレール3Rと、レール3Rを作業床Fに固定する固定手段3aとで構成される。当該固定手段3aは、例えば、作業床Fのコンクリートに形成された固定孔に固定されるグリップアンカーなどのアンカーと、固定孔に固定されるグリップアンカーに締結されるボルト等とで構成される。
一方の支持装置2A、他方の支持装置2B、連結部材2C、レール3Rは、例えば鋼材を用いて構成される。
【0009】
一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bは、それぞれ、可動ベース20と、支柱部30と、回転部40と、回転操作ハンドル50と、回転ロック板60と、回転ロック手段70と、連結部80とを備える。
【0010】
可動ベース20は、可動台21と、可動台21の下面21bに設けられて支持装置2A,2Bをレール設備3のレール3R上で移動させるための移動手段としての車輪22と、可動台21の下面21bに設けられたストッパ23とを備えた構成である。即ち、移動手段としての車輪22は、レール3R上を転動可能に設けられた転動部材である。
ストッパ23は、昇降装置24により昇降可能に設けられており、例えば、作業を行う前に、ストッパ23を下降させて作業床Fの床面に着地させることにより、可動ベース20がレール3R上を移動しないように停止し、可動ベース20が停止状態に維持されるので、作業を安全に行えるようになる。
【0011】
支柱部30は、2本の支柱31,31が、左右に間隔を隔てて平行に並ぶように、可動台21の上面21tにボルト及びナット等の固定手段で固定されて構成される。
支柱31の前板31fには、上下方向に所定の間隔を隔てて複数の位置決め孔32,32…が設けられている。複数の位置決め孔32,32…は、支柱31の前板31fを貫通する貫通孔により形成され、2本の支柱31,31の同じ高さ位置の箇所に形成されている。また、2本の支柱31,31の上端が連結材33で連結されている。
【0012】
回転部40は、軸ホルダ41と、軸ホルダ41を支柱部30に取付けるための取付部42と、回転中心軸43と、回転体44とを備えて構成される。
【0013】
回転部40は、例えば以下のように構成されている。
回転中心軸43の一端側が軸ホルダ41に回転可能に保持されて、かつ、回転中心軸43の他端側が円筒状の回転体44の筒内に挿入されて回転体44が回転中心軸43の他端側に固定されたことによって、回転体44と回転中心軸43とが一緒に回転するように構成されている。
あるいは、回転中心軸43の一端側が軸ホルダ41に固定状態に保持されて、かつ、回転中心軸43の他端側が円筒状の回転体44の筒内に挿入されて回転体44が回転中心軸43に回転可能に保持されたことによって、回転体44が回転中心軸43を回転中心として回転するように構成されている。
【0014】
軸ホルダ41は、回転中心軸43を保持する例えば筒状部材である。
取付部42は、例えば板面が回転中心軸43の回転中心43Cと直交するように軸ホルダ41の周面から突出した状態に設けられた例えば矩形板により構成される。
取付部42を構成する例えば矩形板には、板を貫通する複数の取付孔43a,43aが形成されている。即ち、左右の支柱31,31の前板31fに設けられた複数の位置決め孔32,32…のうちの任意の位置決め孔32,32…に合致させるための複数の取付孔43a,43a…が形成されている。
つまり、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bの左右の支柱31,31の前板31fに設けられた複数の位置決め孔32,32…が、回転体44の位置を上下に変更可能に設定する回転体上下位置調整手段32Aとして機能する。
例えば、取付部42の取付孔43a,43a…を、左右の支柱31,31の任意の位置決め孔32,32…に合致させて、取付孔43a及び位置決め孔32にボルト(図示せず)を貫通させてボルトの先端側からナット(図示せず)を締結することにより、軸ホルダ41が支柱部30の所定の位置に固定状態に連結され、回転体44の位置を上下に変更可能に設定することが可能となる。
即ち、左右の支柱31,31には、上下方向に所定の間隔を隔てて複数の位置決め孔32,32…が、回転体上下位置調整手段32Aとして設けられているので、取付部42の取付孔43a,43a…と一致させる位置決め孔32,32…を選択することにより、回転体44の位置を上下に変更することが可能となる。
尚、軸ホルダ41は、回転中心軸43の回転中心43Cが水平方向に延長するように、左右の支柱31,31間に設置されて、軸ホルダ41の取付部42が、ボルト及びナット等の固定手段により、2本の支柱31,31に固定状態に取付けられる。
【0015】
また、軸ホルダ41の後端面には、軸ホルダ41を取付部42を介して左右の支柱31,31に取付ける際に軸ホルダ41の上下移動をスムーズにするためのスライダ41Sが設けられている。
即ち、軸ホルダ41の上下方向の取付位置を変更する際において、軸ホルダ41を上下に移動させる場合に、スライダ41Sが左右の支柱31,31の後面31bに近接して移動することで、軸ホルダ41を所定の状態のままスムーズに移動させることができる。
つまり、取付部42とスライダ41Sとで左右の支柱31,31を前後から挟み込んだ状態で軸ホルダ41を移動させることができるので、軸ホルダ41の上下方向の取付位置変更作業をスムーズに行えるようになっている。
【0016】
円筒状の回転体44の外周面には、回転操作ハンドル50と、回転ロック板60と、連結部80とが設けられている。
【0017】
回転操作ハンドル50は、作業者が操作することで、回転中心軸43の回転中心43Cを回転中心として回転体44、連結部80、連結部80に連結された鋼製セグメントを回転させるための操作ハンドルであり、例えば、円筒状の回転体44の外周面に溶接等で設けられた取付ブラケット45にボルト及びナット等の連結手段を用いて連結されている。
この回転操作ハンドル50は、回転中心軸43の回転中心43Cと直交する方向に長く延長するように設けられて、先端側に設けられた掴み部51を作業者が掴んで操作することにより、連結部80に連結された鋼製セグメントを比較的軽い力で回転できるように構成されているものである。
【0018】
回転ロック板60は、例えば、回転中心軸43の回転中心43Cを回転中心として回転体44とともに回転するように設けられた円板状部材と、当該円板状部材の円板の外周側に周方向に沿って所定の間隔を隔てて貫通するように設けられた複数の回転側ロック孔60a,60a…と備えたロック孔付き円板状部材により構成される。
回転ロック板60に形成された複数の回転側ロック孔60a,60a…が、回転停止位置設定手段として機能する。
回転ロック板60は、例えば円板の円の中央側に回転体44が貫通する中央貫通孔を備え、当該中央貫通孔に回転体44を貫通させた状態で、回転体44の外周面に溶接等で設けられた取付ブラケット46にボルト及びナット等の連結手段を用いて連結されている。
【0019】
また、回転ロック手段70を備え、当該回転ロック手段70は、固定側ロック板71と、固定側ロック板71に形成された固定側ロック孔72と、ロック部材73とを備える。
固定側ロック板71は、例えば軸ホルダ41の外周面より突出するように設けられている。この固定ロック板71は、板面が、回転ロック板60の円板の板面と平行に対向するように設けられており、回転する回転ロック板60の回転側ロック孔60aと対向する位置に固定側ロック孔72が設けられている。
従って、回転ロック板60のいずれかの回転側ロック孔60aと固定側ロック孔72とを対向させてこれらロック孔72,60aにロック部材73を貫通させることにより、回転ロック板60を回転中心軸43の軸回りの任意の位置で止めることができるので、連結部80に連結された鋼製セグメントを任意の回転位置で止めることができるようになる。
尚、ロック部材73としては、ボルト及びナットや嵌合固定軸等を用いればよい。
【0020】
即ち、把持装置2は、一方の支持装置2Aの連結部80に鋼製セグメントの一方の継手板が連結されて、かつ、他方の支持装置2Bの連結部80に鋼製セグメントの他方の継手板が連結された状態で、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bの回転体44,44を回転させることにより、鋼製セグメントを回転させるとともに、所定の回転位置での鋼製セグメントの姿勢を維持する構成として、回転ロック板60と回転ロック手段70とにより実現される回転支持機能を備えている。
従って、支持装置2A,2Bに連結された鋼製セグメントを回転させるとともに、所定の回転位置での鋼製セグメントの姿勢を維持することによって、鋼製セグメントの姿勢を所望の姿勢に変更させた状態で後述する作業を行うことができるようになり、後述する作業を効率的に行えるようになる。
【0021】
連結部80は、回転体44と一緒に回転中心軸43の回転中心43Cを回転中心として回転可能に構成される。
連結部80は、鋼製セグメントの主桁Mの板面と継手板Pの板面との成す角度が直角である当該継手板P、あるいは、鋼製セグメントの主桁Mの板面と継手板P1,P2,P11,P22の板面との成す角度が直角ではない当該継手板P1,P2,P11,P22に連結可能な構成を備えている。
即ち、
図2に示すように、連結部80は、継手板P,P1,P2,P11,P22の板面と接触する板面を有して、当該板面を継手板P,P1,P2,P11,P22の板面に接触させた状態で当該継手板にボルト81a及びナット81b等の連結手段で連結される連結板81と、連結板81を支持する連結板支持部材82と、連結板81の板面の傾斜角度を継手板P,P1,P2,P11,P22の板面の傾斜角度に合わせた状態に設定するとともに、連結板81の板面の傾斜角度を維持する板面傾斜角度設定手段90とを備えている。
【0022】
図1に示すように、連結板支持部材82は、回転中心43Cと直交する方向に延長するように、回転体44の外周面に溶接等で設けられた取付ブラケット47にボルト及びナット等の連結手段を用いて連結された第1アーム82Aと、第1アーム82Aの前面より前方に延長するように設けられた第2アーム82Bとを備える。
図2(a)に示すように、第1アーム82Aの前面には、第1アーム82Aの延長方向に沿って延長する位置決め連結板83が設けられている。位置決め連結板83には、第1アーム82Aの延長方向に沿って所定の間隔を隔てて複数の位置決め孔83a,83a…が形成されている。当該複数の位置決め孔83a,83a…が、連結位置上下調整手段83Aとして機能する。
第2アーム82Aの基端側に設けられた連結板84には、連結孔84aが形成されている。
従って、連結板84の連結孔84aを、連結位置上下調整手段83Aとしての任意の位置決め孔83aに合わせて、ボルト83B及びナット83N等の連結手段により、連結板84を位置決め連結板83に連結することで、第2アーム82Bの上下位置を調整する作業、即ち、連結板81と継手板Pとの連結位置の上下位置調整作業が可能となる。
【0023】
継手板P,P1,P2,P11,P22に連結可能な連結板81は、板面傾斜角度設定手段90を介して第2アーム82Bの先端に設けられている。
図2に示すように、板面傾斜角度設定手段90は、ヒンジ機構91と、長尺ボルト等により構成される調整軸92と、第2アーム82Bの先端側に取付けられた調整軸保持板93と、調整軸92を進退させる調整機構94とを備える。
ヒンジ機構91は、第2アーム82Bの先端側に設けられた固定側ブラケット91aと連結板81に取付けられた可動側ブラケット91bとが回転中心軸(ヒンジピン)91cで連結されて構成される。つまり、ヒンジ機構91により、可動側ブラケット91bが回転中心軸91cを回転中心として回動可能に設けられている。
調整機構94は、例えば、調整軸保持板93に形成された調整軸螺着孔95と、当該調整軸螺着孔95に螺着されて進退可能となった調整軸92に螺着されたロックナット96とにより構成される。
【0024】
よって、板面傾斜角度設定手段90の調整軸92を進退させて、連結板81の板面の傾斜角度を継手板P,P1,P2,P11,P22の板面の傾斜角度に合わせた状態に設定した後に、ロックナット96を締結することにより、連結板81の板面の傾斜角度が維持される。
尚、鋼製セグメントの継手板P,P1,P2,P11,P22の板面の傾斜角度とは、例えば、
図2(b),(c)に示したように、調整軸92の中心線と平行に延長する基準線82Cを想定した場合に、
図2(b)に示すように、連結板81と連結された状態において継手板の板面が基準線82Cと直交する状態の継手板Pは傾斜角度が0度であると定義し、
図2(c)に示すように、連結板81と連結された状態において継手板の板面が基準線82Cと直交せずに傾斜する状態の継手板P1,P2,P11,P22の傾斜角度は、基準線82Cと直交する基準面82Dと継手板P1,P2,P11,P22の板面との成す角度であると定義する。
従って、傾斜角度が維持された連結板81の板面と継手板P,P1,P2,P11,P22の何れかの板面とを接触させた状態で、ボルト81a及びナット81b等の連結手段により、連結板81と継手板P,P1,P2,P11,P22の何れかとを連結する。
即ち、連結板81に形成された連結孔81Hと継手板P,P1,P2,P11,P22に形成されたセグメント間継手のための連結孔SHとにボルト81aを貫通させて、ボルト81aの先端側からナット81bを挿入して締結することで、連結板81と継手板P,P1,P2,P11,P22の何れかとが連結される。
【0025】
つまり、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bは、
図2(a)に示すように鋼製セグメントの主桁Mの板面と継手板の板面との成す角度が直角である継手板Pに連結可能で、かつ、
図2(b)に示すように鋼製セグメントの主桁Mの板面と継手板の板面との成す角度が直角ではない継手板P1,P2,P11,P22にも連結可能な連結板81を有した連結部80を備えている。
尚、調整軸92、調整機構94、ボルト81a及びナット81bによる連結部分は、
図2(b),(c)に示すように、ヒンジ機構91の回転中心軸91cを挟んで左右に設けられる。
また、
図2(b),(c)は、
図2(a)のA矢視方向から見た図であるが、
図2(a)においては、調整軸92、及び、調整機構94の図示は省略してある。
【0026】
以上説明したように、実施形態1に係る鋼製セグメント製造設備1は、一方の支持装置2Aと他方の支持装置2Bとを有した把持装置2を備え、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bは、それぞれ、回転体44と、回転体44に設けられて当該回転体44と一緒に回転可能に構成された連結部80とを備える。
そして、把持装置2は、一方の支持装置2Aの連結部80に仮組立後の鋼製セグメントの一方の継手板が連結されて、かつ、他方の支持装置2Bの連結部80に仮組立後の鋼製セグメントの他方の継手板が連結された状態で、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bの回転体44,44を回転させることにより、鋼製セグメントを回転させるとともに、所定の回転位置での鋼製セグメントの姿勢を維持する回転支持機能を備えるとともに、連結部80として、鋼製セグメントの主桁の板面と継手板の板面との成す角度が直角である継手板P、あるいは、鋼製セグメントの主桁の板面と継手板の板面との成す角度が直角ではない継手板P1,P2,P11,P22に連結可能な連結部80を備えた構成である。
【0027】
レール3Rは、仮組立後の鋼製セグメントに対して、複数の作業を行って、製品として出荷可能な鋼製セグメントを製造するために、複数の作業エリアに跨って延長するように設けられる。
仮組立後の鋼製セグメントに対して行われる複数の作業は、例えば、仮組立後の鋼製セグメントの継手板Pを支持装置2A,2Bの連結部80の連結板81に連結するセッチング作業、支持装置2A,2Bに連結された鋼製セグメントに対する本溶接作業、本溶接作業後の鋼製セグメントの溶接部分に対する研削仕上げ作業、研削仕上げ後の鋼製セグメントの製品検査作業、製品検査後の鋼製セグメントに塗装を施す塗装作業、塗装後の鋼製セグメントの搬出作業である。
つまり、実施形態に係る鋼製セグメント製造設備1においては、例えば
図8に示すように、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bの移動路となるレール3Rが、仮組立後の鋼製セグメントの継手板を支持装置2A,2Bの連結部80に連結する作業を行うセッチングエリアと、当該支持装置2A,2Bに連結された鋼製セグメントに本溶接を行う本溶接エリアと、当該支持装置2A,2Bに連結された本溶接後の鋼製セグメントの溶接部分の研削仕上げを行う研削仕上げエリアと、当該支持装置2A,2Bに連結された研削仕上げ後の鋼製セグメントの製品検査を行う製品検査エリアと、当該支持装置2A,2Bに連結された製品検査後の鋼製セグメントに塗装を施す塗装エリアと、塗装後の鋼製セグメントを支持装置2A,2Bから取り外して搬出する搬出エリアとに連続するように作業床Fに設けられている。
【0028】
実施形態1に係る鋼製セグメント製造設備1によれば、一方の支持装置2Aの連結部80及び他方の支持装置2Bの連結部80が、それぞれ、板面傾斜角度設定手段90を備えていることにより、
図2(b),
図3に示すように、連結板81の板面が調整軸保持板93の板面と平行となるように連結板81の姿勢を固定して、当該連結板81をA型セグメントSAやB型セグメントSB1,SB2の継手板Pに連結できる。また、
図2(c),
図4,
図5に示すように、調整軸92を進退させて連結板81の左右側を調整軸保持板93の板面に近づけたり離した状態となるように連結板81の姿勢を固定して、当該連結板81をB型セグメントSB1の継手板P1やB型セグメントSB2の継手板P2に連結できるようになる。
同様に、調整軸92を進退させて連結板81の左右側を調整軸保持板93の板面に近づけたり離した状態となるように連結板81の姿勢を固定して、当該連結板81をK型セグメントSKの継手板P11や継手板P22に連結できるようになる。
即ち、特許文献1に開示された鋼製セグメント製造設備の回転ジグでは、主桁Mの板面と継手板の板面との成す角度が直角ではない継手板を有した鋼製セグメント、例えば上述したB型セグメントSB1,SB2やK型セグメントSKを回転ジグに連結できなかったが、実施形態1に係る鋼製セグメント製造設備1の支持装置2A,2Bによれば、主桁Mの板面と継手板P1,P2,P11,P22の板面との成す角度が直角ではない継手板P1,P2,P11,P22を有した鋼製セグメント、例えば上述したB型セグメントSB1,SB2やK型セグメントSKを連結できるようになった。
つまり、鋼製セグメントの姿勢を所望の姿勢に変更させた状態で作業を行うことができて、作業を安全かつ効率的に行えるとともに、主桁Mの板面と継手板P1,P2,P11,P22の板面との成す角度が直角ではない継手板P1,P2,P11,P22を有した鋼製セグメントに連結可能な把持装置2を備えた鋼製セグメント製造設備1を提供できるようになった。
【0029】
実施形態1に係る鋼製セグメント製造設備1によれば、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bの左右の支柱31,31が回転体上下位置調整手段32Aを備えていることにより、回転体44の位置を上下に変更可能となる。
例えば
図6(a)に示すように、背の高い作業者W1が操作する場合には、回転体44の位置及び回転操作ハンドル50の掴み部51の位置を上方に設定することができ、逆に、
図6(b)に示すように、背の低い作業者W2が操作する場合には、回転体44の位置及び回転操作ハンドル50の掴み部51の位置を下方に設定することができるようになるので、作業者に合わせた作業性に優れた鋼製セグメント製造設備1を提供できる。
【0030】
実施形態1に係る鋼製セグメント製造設備1によれば、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bの連結部80が連結位置上下調整手段83Aを備えていることにより、連結板81と継手板Pとの連結位置の上下位置調整作業が可能となる。
即ち、連結位置上下調整手段83Aを備えていることにより、連結板81と継手板Pとの連結位置を調整して、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bの回転中心軸43の回転中心43Cを、当該一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bに連結して回転させる鋼製セグメントの重心Cに一致させることが可能となるため、鋼製セグメントの回転バランスを最適に設定することが可能となる。
【0031】
また、A型セグメントSA、B型セグメントSB1,SB2、K型セグメントSKでは、スキンプレートSの円弧の長さが異なるので、レール3R上で一方の支持装置2Aと他方の支持装置2Bとの対向間隔を調整して、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bの連結板81,81と鋼製セグメントの継手板Pとを連結する。
例えば、
図6に示すように、A型セグメントSAを連結していた状態から、
図7(a)に示すように、B型セグメントSB1又はB型セグメントSB2を連結する場合、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2BからA型セグメントSAを取り外す。その後、レール3R上で一方の支持装置2Aと他方の支持装置2Bとの対向間隔が短くなるように調整した後に、一方の支持装置2Aと他方の支持装置2Bとの対向間隔に合わせた長さの連結部材2CAを用いて一方の支持装置2Aと他方の支持装置2Bとを連結する。
次に、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bの第2アーム82Bの位置を、連結位置上下調整手段83Aにより調整して、当該第2アーム82Bの位置を例えば
図7(a)に示すように若干上方に移動させることにより、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bの回転中心軸43の回転中心43Cが、当該一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bに連結して回転させる鋼製セグメントの重心Cと一致するように設定する。
そして、
図7(a)に示すように、一方の支持装置2Aの板面傾斜角度設定手段90を操作して、一方の連結板81の角度を調整し、当該一方の連結板81を、B型セグメントSB1の継手板P1又はB型セグメントSB2の継手板P2に連結するとともに、他方の支持装置2Bの他方の連結板81を、B型セグメントSB1又はB型セグメントSB2の継手板Pに連結する。
また、例えばA型セグメントSAやB型セグメントSB1,SB2を連結していた状態から、
図7(b)に示すように、K型セグメントSKを連結する場合、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2BからA型セグメントSAやB型セグメントSB1,SB2を取り外す。その後、レール3R上で一方の支持装置2Aと他方の支持装置2Bとの対向間隔を短くなるように調整した後に、一方の支持装置2Aと他方の支持装置2Bとの対向間隔に合わせた長さの連結部材2CBを用いて一方の支持装置2Aと他方の支持装置2Bとを連結する。
次に、K型セグメントSK専用の第2アーム82BAを用いるとともに、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bの第2アーム82Aの位置を、連結位置上下調整手段83Aにより調整して、当該第2アーム82BAの位置を例えば
図7(b)に示すように若干上方に移動させることにより、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bの回転中心軸43の回転中心43Cが、当該一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bに連結して回転させる鋼製セグメントの重心Cと一致するように設定する。
そして、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2BのK型セグメントSK専用の第2アーム82BAに設けられた板面傾斜角度調整手段90を操作して、一方の支持装置2Aの第2アーム82BAの連結板81をK型セグメントSKの継手板P11に連結するとともに、他方の支持装置2Bの第2アーム82BAの連結板81をK型セグメントSKの継手板P22に連結する。
このように、スキンプレートSの円弧の長さが異なるA型セグメントSA、B型セグメントSB1,SB2、K型セグメントSKが、全て連結可能となった鋼製セグメント製造設備1を提供できるようになった。
【0032】
このように、実施形態1に係る鋼製セグメント製造設備1によれば、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bの連結部80が、板面傾斜角度調整手段90、連結位置上下調整手段83A、連結位置上下調整手段83Aに着脱可能に設けられた第2アーム82,82BAを備えるとともに、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bを移動させるためのレール3Rを備えた構成であるので、主桁Mの円弧に沿った長さ寸法の異なる複数種類の鋼製セグメントであって、主桁Mの板面と継手板の板面との成す角度が直角である継手板Pを有した鋼製セグメント、及び、主桁Mの板面と継手板の板面との成す角度が直角ではない継手板P1,P2,P11,P22を有した鋼製セグメントの両方に対応可能な鋼製セグメント製造設備1を提供できるようになった。
つまり、A型セグメントSA、B型セグメントSB1,SB2、K型セグメントSKのすべてに対応可能な鋼製セグメント製造設備1を提供できるようになった。
【0033】
換言すれば、実施形態1に係る鋼製セグメント製造設備1における一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bは、板面傾斜角度調整手段90、連結位置上下調整手段83A、及び、連結位置上下調整手段83Aに着脱可能に設けられた第2アーム82,82BAを有した連結部80を備えたので、主桁Mの円弧に沿った長さ寸法の異なる複数種類の鋼製セグメントであるA型セグメントSA、B型セグメントSB1,SB2、K型セグメントSKのすべてに対応可能である。
つまり、実施形態1に係る鋼製セグメント製造設備1における一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bは、主桁Mの円弧に沿った長さ寸法の異なる複数種類の鋼製セグメントの継手板P,P1,P2,P11,P22に連結可能な連結部80を備えているものである。
【0034】
また、実施形態1に係る鋼製セグメント製造設備1によれば、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bは、回転体44を回転させるための回転操作ハンドル50を備えているので、後述するように回転体44の連結部80に連結された鋼製セグメントを人力により容易に回転させることができるようになり、作業性に優れた鋼製セグメント製造設備1を提供できる。
この場合、回転体44を回転させるための動力源を用いないため、コストを削減できるととともに、電源の確保を不要できる。
【0035】
また、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bの可動ベース20に設けられたストッパ23、一方の支持装置2Aと他方の支持装置2Bとを連結する連結部材2C,2CA,2CBを備えたので、作業を安全に行うことができる。
【0036】
また、例えば
図8に示すように、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bの移動路となるレール3Rを、上述したセッチングエリアと、本溶接エリアと、研削仕上げエリアと、製品検査エリアと、塗装エリアと、搬出エリアとに連続するように作業床Fに設けた鋼製セグメント製造設備1を用いたことによって、以下のような鋼製セグメントの製造方法を実現できるようになる。
【0037】
即ち、実施形態1に係る鋼製セグメント製造設備1を用いた鋼製セグメントの製造方法は、セッチングステップと、第1移動ステップと、本溶接ステップと、第2移動ステップと、研削仕上げステップと、第3移動ステップと、製品検査ステップと、第4移動ステップと、搬出ステップとを備えた製造方法である。
セッチングステップは、セッチングエリアにおいて、一方の支持装置2Aと他方の支持装置2Bとがレール3R上で対向するように当該一方の支持装置2Aの車輪22と他方の支持装置2Bの車輪22とをレール3R上に設置して、一方の支持装置2Aと他方の支持装置2Bとの対向間隔を連結対象の鋼製セグメント(A型セグメントSA、又は、B型セグメントSB1,SB2、又は、K型セグメントSK)の寸法に合わせて調整して、一方の支持装置2Aと他方の支持装置2Bとを連結部材2C(又は連結部材2CA又は連結部材2CB)で連結した後に、一方の支持装置2Aの連結部80に仮組立後の鋼製セグメントの一方の継手板を連結するとともに、他方の支持装置2Bの連結部80に仮組立後の鋼製セグメントの他方の継手板を連結するステップである。
尚、仮組立後の鋼製セグメントとは、例えば、継手板、主桁、縦リブ、スキンプレート、図外の吊手板等の鋼製セグメント構成部品を予め製作しておいて、
図8の仮組立エリアにおいて、これら構成部品を所定の状態に組立てた後にスポット溶接などの仮溶接で仮付けを行うことにより製作された鋼製セグメントのことである。
第1移動ステップは、セッチングステップにおいて鋼製セグメントを連結した支持装置2A,2Bをレール3R上で移動させることにより、鋼製セグメントを本溶接エリアまで移動させるステップである。
本溶接ステップは、本溶接エリアまで移動させた鋼製セグメントに対する本溶接作業を行うステップである。
第2移動ステップは、本溶接作業が終了した鋼製セグメントを連結した支持装置2A,2Bをレール3R上で移動させることにより、鋼製セグメントを研削仕上げエリアまで移動させるステップである。
研削仕上げステップは、研削仕上げエリアまで移動させた鋼製セグメントの溶接部に対する研削作業を行うステップである。
第3移動ステップは、研削作業が終了した鋼製セグメントを連結した支持装置2A,2Bをレール3R上で移動させることにより、鋼製セグメントを製品検査エリアまで移動させるステップである。
製品検査ステップは、製品検査エリアまで移動させた鋼製セグメントに対する製品検査を行うステップである。
第4移動ステップは、製品検査作業が終了した鋼製セグメントを連結した支持装置2A,2Bをレール3R上で移動させることにより、鋼製セグメントを搬出エリアまで移動させるステップである。
搬出ステップは、搬出エリアまで移動させた鋼製セグメントを支持装置2A,2Bから取り外して梱包エリアに送るステップである。
尚、本溶接エリア、研削仕上げエリアにおいては、エリアを囲む囲み体Gが設けられている(
図8参照)。
上述した鋼製セグメントの製造方法の場合、各作業エリアにおいては、支持装置2A,2Bに連結された鋼製セグメントを回転させるとともに、所定の回転位置での鋼製セグメントの姿勢を維持することにより、鋼製セグメントの姿勢を所望の姿勢に変更させた状態、即ち、鋼製セグメントの定点を確保した状態で作業を行うことにより、作業をより効率的に行えるようになる。
【0038】
当該鋼製セグメントの製造方法によれば、作業の終了した鋼製セグメントを次の作業エリアに移動させて作業を行うことができるので、複数の作業を時系列で効率的に行うことができるようになる。
従って、1つの作業が終了後に、次の作業エリアに作業対象の鋼製セグメントを移動させることができるので、鋼製セグメントに対する複数の作業を分業で効率的に行うことができるようになる。
一方、特許文献1に開示された鋼製セグメント製造設備では、一定の場所に固定された各回転ジグに鋼製セグメントを連結した状態のままで、溶接作業、研削作業、検査作業、塗装作業といった所定の作業を鋼製セグメントに施すようにしているので、同じ場所で、異なる作業を行わなくてはならない。従って、異なる作業を行う毎に、作業環境を変えなくてはならず、一連の製造作業を効率的に行えない。
【0039】
また、実施形態1に係る鋼製セグメント製造設備1を用いた鋼製セグメントの製造方法においては、搬出エリアにおいて鋼製セグメントを取り外した支持装置2A,2Bをセッチングエリアに戻すことにより、一対の支持装置2A,2Bを、セッチングエリアと複数の作業エリアとに循環させて使用する繰り返し循環させて使用することが好ましい。
【0040】
例えば、
図8に示すように、セッチングエリアと、本溶接エリアと、研削仕上げエリアと、製品検査エリアと、塗装エリアと、搬出エリアとに連続するように作業床Fに設ける移動路となるレール3Rとして、平行に配置された3式のレール3R,3R,3Rを設け、例えば、真ん中の1式のレール3Rを復路用のレール3Rとして使用し、かつ、真ん中の1式のレール3Rの両側の2式の3R,3Rを往路用のレール3Rとして利用する。
さらに、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bのセットを少なくとも2セット使用する。
そして、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bの第1セットを、一方の往路用のレール3R上で移動させて各作業を行うとともに、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bの第2セットを、他方の往路用のレール3R上で移動させて各作業を行う。第1セットを用いた一連の作業が終了したならば、作業の終了した第1セットをクレーン等を利用して復路用のレール3R上に移動して、セッチングエリアに戻して、再度使用する。同様に、第2セットを用いた一連の作業が終了したならば、作業の終了した第2セットをクレーン等を利用して復路用のレール3R上に移動して、セッチングエリアに戻して、再度使用する。
尚、第1セット、第2セットの往路用のレール3Rと復路用のレール3Rとの間の移動は、例えば、吊部材2Xと一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bとをワイヤ2rで連結するとともに、吊りワイヤ2yを吊部材2Xに連結して、当該吊りワイヤ2yを図外のクレーム等で吊り上げることにより行えばよい。
【0041】
尚、一対の支持装置2A,2Bのセットを3セット以上使用するようにしてもよい。
また、往路用のレール3Rを3式以上設けるようにしてもよい。また、復路用のレール3Rを2式以上設けるようにしてもよい。
【0042】
また、往路用のレール3Rと復路用のレール3Rとを1式づつ設けて、一対の支持装置2A,2Bのセットを1セット以上使用するようにしてもよい。
【0043】
以上のように、往路用のレール3Rと復路用のレール3Rとを設けて、一対の支持装置2A,2Bのセットを1セット以上使用することにより、少なくとも、一連の作業を循環方式で行うことができるようになるため、鋼製セグメントの製造作業をより効率的に行うことができるようになる。
【0044】
実施形態2
実施形態1では、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bの移動路となるレール3Rを作業床F上に設置するとともに、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bに移動手段としての車輪22等の転動部材を設け、一方の支持装置2Aの車輪22と他方の支持装置2Bの車輪22とをレール3R上に載置して、レール3R上で車輪22を転がすことにより、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bをレール3R上で移動させる構成を例示したが、この場合、支持装置2A,2Bの車輪22をレール3R上に載せるために支持装置2A,2Bを揚重するための揚重機等が必要となる。
そこで、実施形態2では、揚重機等を不要とできるようにするため、
図9に示すように、作業床Fに、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bを移動させる際の縦(壁)ガイド面101,102を形成するガイドレール100を設置するとともに、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bに、移動手段を設けるようにした。
【0045】
ガイドレール100は、支持装置2A,2Bの連結部80,80(
図1参照)に連結された仮組立後の鋼製セグメントに対して製品化に向けた作業を行う少なくとも1つ以上の作業エリアの作業床Fに設けられた左右の縦ガイド面101,102を有した構成とした。
即ち、ガイドレール100は、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bの移動方向(進行方向)Mに沿って延長する左右の縦ガイド面101,102が作業床Fに設置された構成である。左右の縦ガイド面101,102は、例えば作業床Fの床面と直交する垂直面に形成される。
ガイドレール100は、例えば、上述した、本溶接エリアと、研削仕上げエリアと、製品検査エリアと、塗装エリアとに連続するように設けることが好ましい。
【0046】
ガイドレール100は、縦ガイド面101,102を形成するガイド面板110と、固定板120と、固定手段とを備え、複数のガイド面板110,110…が、固定板120及び固定手段により、作業床Fに固定される。
図9に示すように、ガイド面板110は、縦ガイド面101,102を形成する長尺板111と、長尺板111の長手方向端部に設けられた端部連結部112とを備える。
つまり、ガイド面板110は、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bの移動方向Mに沿って延長するとともに垂直方向の高さ寸法が短い細幅の縦ガイド面101,102となる板面を有した鋼板等の板により構成され、端部連結部112、固定板120、及び、固定手段を介して作業床Fに設置される。
【0047】
図11に示すように、固定板120は、作業床Fに固定される床固定部121と、ガイド面板110の端部連結部112を挟み込んで固定する端部固定部122,122とを備える。
図10に示すように、固定手段は、床固定部121を作業床Fに固定する床側固定手段131と、端部固定部122,122とガイド面板110とを固定するガイド面板固定手段132とを備える。
床側固定手段131は、例えば、作業床Fを形成するコンクリート床に形成された固定孔に固定されたグリップアンカーなどのアンカーと、当該アンカーに締結されたボルトとで構成される(
図10参照)。
ガイド面板固定手段132は、例えば、ボルト及びナットとで構成される(
図10参照)。
【0048】
そして、床固定部121に形成された貫通孔123に通したボルトをグリップアンカーに締結することで、床固定部121が作業床Fに固定される。
さらに、端部固定部122,122の前側に一方のガイド面板110の端部連結部112を挟んで、端部固定部122に形成された貫通孔124及び端部連結部112に形成された貫通孔にボルトを貫通させた後に当該ボルトの先端側にナットを締結することで、端部固定部122に一方のガイド面板110の端部連結部112が固定される。同様に、端部固定部122,122の後側に他方のガイド面板110の端部連結部112を挟んで、端部固定部122に形成された貫通孔125及び端部連結部112に形成された貫通孔にボルトを貫通させた後に当該ボルトの先端側にナットを締結することで、端部固定部122に他方のガイド面板110の端部連結部112が固定される。
このように、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bの移動方向Mに沿って複数のガイド面板110,110が作業床Fに設置されることにより、作業床Fにガイドレール100が設置される。
【0049】
一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bに設けられる移動手段は、作業床F上を移動可能に設けられた第1の転動部材としての車輪140と、ガイドレール100の左右の縦ガイド面101,102を移動可能に設けられた第2の転動部材としての車輪(ガイドローラ)150とを備えた構成とした。
【0050】
車輪140は、例えば
図9に示すように、可動台21の下面21bの角4隅の位置に設けられている。
車輪140としては、進行方向を変更可能な自在キャスターを用いればよい。
即ち、取付座と本体と車軸と車輪140とを備え、車輪140が車軸を介して回転可能に本体に支持され、本体が取付座に対して旋回可能に取り付けられた構成の自在キャスターを用い、取付座が可動台21の下面21bにねじなどで固定されていればよい。
【0051】
車輪150は、車輪150の周面が、ガイドレール100の左右の縦ガイド面101,102と近接して対向可能なように、可動台21の下面21bの中央側に設けられている。
つまり、車輪150は、作業床Fと直交する垂直中心軸(換言すれば、ガイドレール100の左右の縦ガイド面101,102と平行な垂直中心軸)を回転中心として回転するように設けられている。
車輪150としては、進行方向が固定されている固定キャスターを用いればよい。
車輪150は、固定板160及び固定手段により、可動台21の下面21bに取付けられている。
図11に示すように、固定板160は、可動台21の下面21bに固定される装置側固定部161と、車輪150の取付座を固定する取付座固定部162と、補強部163とを備える。
図10(a)に示すように、固定手段は、装置側固定部161を可動台21の下面21bに固定する装置側固定手段171と、取付座固定部162と車輪150の取付座とを固定する車輪固定手段172とを備える。
装置側固定手段171は、例えば、ボルト及びナットとで構成され、当該ボルトを装置側固定部161に形成された貫通孔164及び可動台21の下面板に形成された貫通孔に通して、当該ボルトの先端側にナットを締結することにより、装置側固定部161が可動台21の下面21bに固定される。
車輪固定手段172は、例えば、ボルト及びナットとで構成され、当該ボルトを車輪150の取付座に形成された貫通孔及び取付座固定部162に形成された貫通孔165に通して、当該ボルトの先端側にナットを締結することにより、車輪150が取付座固定部162に固定される。
補強部163は、互いに直交する装置側固定部161の板面と取付座固定部162の板面とに溶接等で固定されている。
【0052】
また、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bに設けられた第2の転動部材としての車輪150が、ガイドレール100の左右の縦ガイド面101,102に容易に導かれるようにするために、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bに、第2の転動手段としての車輪150,150を左右の縦ガイド面101,102に導くためのガイド手段200を設けるようにした。
【0053】
ガイド手段200は、
図13に示すように、ガイド板210と、ガイド板210を可動台21の下面21bに固定する固定板220と、衝撃吸収材230(
図10(b)参照)と、固定手段とを備える。
ガイド板210は、一方の支持装置2A又は他方の支持装置2Bの可動台21の下面21bにおいて、車輪150の近傍から前端又は後端に向けて延長するように設けられた傾斜縦(壁)ガイド面211を形成する傾斜ガイド板212と、傾斜ガイド板212の前端又は後端から左方向又は右方向に延長する縦(壁)ガイド面213を形成する端部ガイド板214とを備える。
固定板220は、傾斜ガイド板212の上端縁及び端部ガイド板214の上端縁と溶接などで連結された平面板により形成される。
固定手段は、固定板220を可動台21の下面21bに固定する装置側固定手段231と、端部ガイド板214の縦ガイド面213にクッションゴム等の衝撃吸収材230を固定するための衝撃吸収材固定手段232とを備える。
装置側固定手段231は、例えば、ボルト及びナットとで構成され、当該ボルトを固定板220に形成された貫通孔221及び可動台21の下面板に形成された貫通孔に通して、当該ボルトの先端側にナットを締結することにより、ガイド板210が可動台21の下面21bに固定される(
図10(b)参照)。即ち、傾斜縦ガイド面211及び縦ガイド面213が例えば作業床Fの床面と直交する垂直面となるように、ガイド手段200が可動台21の下面21bに設けられる。
衝撃吸収材固定手段232は、例えば、ボルト及びナットとで構成され、当該ボルトを端部ガイド板214に形成された貫通孔215及び衝撃吸収材230に形成された貫通孔に通して、当該ボルトの先端側にナットを締結することにより、衝撃吸収材230が縦ガイド面213に固定される(
図10(b)参照)。
尚、衝撃吸収材230を備えているため、例えば、一方の支持装置2A又は他方の支持装置2Bの車輪150をガイドレール100の左右の縦ガイド面101,102に導く際において、ガイドレール100の一端などに衝突した場合の衝撃などを緩和できる構成となっている。
【0054】
図9に示すように、ガイド手段200は、一方の支持装置2Aの可動台21の下面21bの前後側及び他方の支持装置2Bの可動台21の下面21bの前後側において、それぞれ、左右一対に設けられている。
即ち、一方の支持装置2Aの前側及び他方の支持装置2Bの前側に設けられる左右一対のガイド手段200,200は、それぞれ、左右一対に設けられている。
同様に、一方の支持装置2Aの後側及び他方の支持装置2Bの後側に設けられる左右一対のガイド手段200,200は、それぞれ、左右一対に設けられている。
この場合、左右一対のガイド手段200,200における傾斜縦ガイド面211,211間で導入路が形成される。当該導入路は、車輪150,150をガイドレール100の縦ガイド面101,102に導くための導入路であるため、一方の支持装置2A又は他方の支持装置2Bの前端側又は後端側から車輪150,150側に近づくにつれて路幅が狭くなるように形成されている。
従って、ガイドレール100の延長方向に対して斜めの方向からでも一方の支持装置2Aや他方の支持装置2Bの車輪150,150をガイドレール100の縦ガイド面101,102に導くことができるようになるので、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bを移動方向Mに容易かつ正しく誘導できるとともに、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bを作業エリアの所定の位置に導く作業を容易かつ正確に行うことができるようになる。
さらに、一方の支持装置2Aや他方の支持装置2Bの車輪150,150がガイドレール100の縦ガイド面101,102から離れた後、一方の支持装置2Aや他方の支持装置2Bをガイドレール100の延長方向に対して斜めの方向に移動させることができるので、一方の支持装置2Aや他方の支持装置2Bをガイドレール100から容易に離脱させることができるようになる。
【0055】
実施形態2によれば、ガイドレール100によって予め決められた移動ルートに沿って一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bを正確かつ容易に作業エリアの所定の位置に移動させることができるようになる。
また、支持装置2A,2Bを揚重機等を用いて持ち上げる必要がなくなるので、移動作業を容易に行えるようになる。
また、ガイド手段200を備えたので、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bに設けられた第2の転動部材としての車輪150,150をガイドレール100の左右の縦ガイド面101,102に容易に導くことができるようになり、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bを作業エリアの所定の位置に導く作業を容易かつ正確に行うことができるようになる。
【0056】
実施形態3
実施形態2によれば、ガイド手段200を備えた構成を例示したが、ガイド手段200を備えない構成であっても構わない。
この場合、ガイドレール100の延長方向に対して一方の支持装置2Aや他方の支持装置2Bをまっすぐに移動させることで、車輪150,150をガイドレール100の縦ガイド面101,102に導くようにすればよい。
【0057】
実施形態4
上述した各実施形態では、作業床F上にレール3Rやガイドレール100を設けたので、レール3Rやガイドレール100によって予め決められた移動ルートに沿って一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bを正確に移動させることができるが、レール3Rやガイドレール100は用いないようにしてもよい。即ち、少なくとも、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bが、当該一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bを作業床F上で移動させるための移動手段としての上述した車輪22や車輪140等の転動部材を備えた構成とすればよい。
このように、レール3Rやガイドレール100を備えずに、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bが、移動手段としての上述した車輪22や車輪140等の転動部材のみを備えた構成であっても、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bを作業エリア間で移動させることができ、作業を効率的に行うことができるようになる。
【0058】
実施形態5
本溶接作業が終了した鋼製セグメントを連結した支持装置2A,2Bを研削仕上げエリアまで移動させた後、
図14に示すように、研削ロボット300を用いて、鋼製セグメントの溶接部に対する研削作業を行うようにしてもよい。
即ち、研削仕上げエリアに研削ロボット300を設けて、本溶接作業を経た鋼製セグメントを連結した支持装置2A,2Bを研削仕上げエリアまで移動させた後、研削ロボット300に、鋼製セグメントの溶接部に対する研削作業を行なわせるようにした。
【0059】
研削ロボット300は、作業床Fに固定された支持装置310と、多節アーム320と、研削装置330とを備えて構成される。
多節アーム320は、例えば、平行移動(
図14の紙面と直交する方向への平行移動)が可能なように支持装置310に取付けられている。
多節アーム320は、例えば、水平方向(
図14の紙面と直交する方向)に移動可能なように支持装置310に取付けられた第1アーム321と、第1アーム321の先端側に水平軸を回転中心と回転可能に取り付けられ第2アーム322と、第2アーム322の先端側に水平軸を回転中心と回転可能に取り付けられ第3アーム323と、第3アーム323の先端側に当該第3アーム323の延長方向に延長する軸を回転中心として回転可能に取り付けられた第4アーム324と、第4アーム324の先端側に第4アーム324の延長方向と直交する軸を回転中心として回転可能に取り付けられ第5アーム325と、第5アーム325の先端側に当該第5アーム325の延長方向に延長する軸を回転中心として回転可能に取り付けられ第6アーム326とを備えている。
研削装置330は、例えば円盤状の砥石331を備えて当該砥石331を回転させるディスクグラインダーである。
研削装置330は、取付部332を備え、当該取付部332が、第6アーム326の先端に設けられた被取付部327に取付けられていることにより、研削ロボット300の先端に設けられる。
即ち、被取付部327に形成された調整用長孔328と研削装置330の取付部332に形成された取付孔とにボルトを貫通させてナットを締結することで、研削装置300が第6アーム326の先端側に取付けられている。つまり、研削装置330は、当該調整用長孔328の長手方向、及び、取付部332に形成された取付孔の中心軸周りの回転方向に、取付姿勢を変更可能なように被取付部327に取付けられている。
【0060】
研削ロボット300による研削作業は、本溶接作業を経た鋼製セグメントの溶接部の盛り上がり部を研削して溶接部の表面を平面状に整える作業である。
コンピュータプログラムに基づいたセグメントの研削位置に対するティーチングを研削ロボットに習得させることで、研削対象部となる溶接部の盛り上がり部の研削作業を研削ロボットに行わせることができる。
即ち、作業エリアとして、少なくとも本溶接エリア(溶接作業エリア)と研削仕上げエリア(研削作業エリア)とを備える場合において、本溶接エリアでの本溶接作業が終了した鋼製セグメントを連結した支持装置2A,2Bを研削仕上げエリアまで移動させた後、研削ロボット300に、鋼製セグメントの溶接部に対する研削作業を行なわせるようにした。
【0061】
例えば、まず、
図16(a),(b)に示すように、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bに取付けられた例えばA型セグメントSAを一方向に回転させてA型セグメントSAの一方の主桁Mの外面が上面となるように設定した後、一方の主桁Mと継手板P,Pとの溶接部分の盛り上がり部を研削する。
その後、
図16(c),(d)に示すように、A型セグメントSAをさらに一方向に回転させてA型セグメントSAのスキンプレートSの外面が上面となるように設定した後、スキンプレートSと主桁M,Mとの溶接部分の盛り上がり部、及び、スキンプレートSと継手板P,Pとの溶接部分の盛り上がり部を研削する。
さらに、
図16(e),(f)に示すように、A型セグメントSAをさらに一方向に回転させてA型セグメントSAの他方の主桁Mの外面が上面となるように設定した後、他方の主桁Mと継手板P,Pとの溶接部分の盛り上がり部を研削する。
以上により、本溶接作業により生じた溶接部分の盛り上がり部が平面状に研削されたA型セグメントSAを得ることができる。
尚、B型セグメントSB1、B型セグメントSB2、K型セグメントSKに対する研削作業も同様に行える。
【0062】
このように、鋼製セグメントの姿勢を変更可能な支持装置2A,2Bと研削ロボット300とを組み合わせて用いることにより、作業者によるグラインダー等を用いた手作業の負担を大幅に軽減でき、研削作業の自動化が可能となる。
即ち、移動可能でかつ鋼製セグメントの姿勢を所定の状態に位置決めできる支持装置2A,2Bを備えているため、鋼製セグメントの姿勢に合わせて、研削ロボット300のティーチングが可能となり、鋼製セグメントの製造において、溶接部分の盛り上がり部分を研削する作業の自動化を図ることが可能となった。
つまり、支持装置2A,2Bにより、鋼製セグメントを複数の作業姿勢になるように回転させ、1つ1つの作業姿勢毎に、研削ロボットによる研削作業を行うことができるようになったので、研削作業の自動化が可能となった。
【0063】
実施形態6
本溶接エリアでの本溶接作業や塗装エリアでの塗装作業をロボットに行わせるようにしてもよい。
即ち、各作業エリアに各作業ロボットを設けて、鋼製セグメントを連結した支持装置2A,2Bを各作業エリアまで移動させた後、各作業ロボットに、鋼製セグメントに対する製品化に向けた作業を行なわせるようにしてもよい。
そして、例えば各作業エリアにおいて、鋼製セグメントを複数の作業姿勢になるように回転させ、1つ1つの作業姿勢毎に、各作業ロボットに作業を行なわせる。
このように、鋼製セグメントの姿勢を変更可能な支持装置2A,2Bと作業ロボットとを組み合わせて用いることにより、作業者による手作業の負担を大幅に軽減できて、作業の自動化が可能となり、鋼製セグメントをより効率的に製造できるようになる。
【0064】
尚、本発明の鋼製セグメント製造設備は、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bのみで構成された設備であっても構わない。
即ち、本発明の鋼製セグメント製造設備は、少なくとも、一方の支持装置2Aの連結部80に鋼製セグメントの一方の継手板が連結されて、かつ、他方の支持装置2Bの連結部80に鋼製セグメントの他方の継手板が連結された状態で、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bの回転体44,44を回転させることにより、鋼製セグメントを回転させるとともに、所定の回転位置での鋼製セグメントの姿勢を維持する回転支持機能を備えた把持装置において、連結部80として、鋼製セグメントの主桁の板面と継手板の板面との成す角度が直角である継手板、あるいは、鋼製セグメントの主桁の板面と継手板の板面との成す角度が直角ではない継手板に連結可能な連結部を備えた構成であればよい。
【0065】
また、上記では、一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bに回転操作ハンドル50を設けて回転体44を人力で回転させる構成を例示したが、回転体44をモータ等の駆動源を用いて回転させる構成としてもよい。
【0066】
また、本発明の鋼製セグメント製造設備1における一方の支持装置2A及び他方の支持装置2Bの移動路となるレール3Rは、仮組立後の鋼製セグメントの継手板を支持装置の連結部に連結する作業を行うセッチングエリアと、支持装置の連結部に連結された仮組立後の鋼製セグメントに対して製品化に向けた作業を行う少なくとも1つ以上の作業エリアとに連続するように作業床に設けられていればよい。
【0067】
また、本発明の鋼製セグメント製造設備1を用いた鋼製セグメントの製造方法は、セッチングエリアにおいて一方の支持装置と他方の支持装置とがレール上で対向するように当該一方の支持装置と他方の支持装置とをレール上に設置して、一方の支持装置の連結部に仮組立後の鋼製セグメントの一方の継手板を連結するとともに、他方の支持装置の連結部に仮組立後の鋼製セグメントの他方の継手板を連結するセッチングステップと、鋼製セグメントを連結した一方の支持装置と他方の支持装置とをレール上で移動させることにより、鋼製セグメントを少なくとも1つの作業エリアまで移動させる移動ステップと、少なくとも1つの作業エリアで作業を行う作業ステップとを備えた鋼製セグメントの製造方法であればよい。
また、当該鋼製セグメントの製造方法において、作業エリアでの作業が終了した後に、鋼製セグメントを取り外した一方の支持装置及び他方の支持装置をセッチングエリアに戻すことにより、一方の支持装置及び他方の支持装置をセッチングエリアと少なくとも1つの作業エリアとに循環させて使用するようにすれば、仮組立後の鋼製セグメントの製造作業をより効率的に行うことができるようになる。
【0068】
尚、本発明の鋼製セグメント製造設備1は、1つの作業エリアだけで使用するといった使い方も可能である。
【0069】
また、本発明の鋼製セグメント製造設備1は、一方の支持装置2Aと他方の支持装置2Bとの間の間隔を調整できるように1か所に設置しておいて、当該1か所に設置された一方の支持装置2Aと他方の支持装置2Bと構成された鋼製セグメント製造設備1により、鋼製セグメントに対する複数の作業、例えば、本溶接、研削仕上げ、製品検査、塗装を行うようにしてもよい。
【0070】
また、上記では、A型セグメントSA、B型セグメントSB1,SB2、K型セグメントSKのすべてに対応可能な鋼製セグメント製造設備1を例示したが、A型セグメントに対する作業専用の鋼製セグメント製造設備、B型セグメントSB1,SB2に対する作業専用の鋼製セグメント製造設備、K型セグメントSKに対する作業専用の鋼製セグメント製造設備を別々に設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1 鋼製セグメント製造設備、2 把持装置、2A 一方の支持装置、
2B 他方の支持装置、3R レール、22 車輪(転動部材(移動手段))、
32A 回転体上下位置調整手段、44 回転体、50 回転操作ハンドル、80連結部、81 連結板、90 板面傾斜角度設定手段、100 ガイドレール、
101,102 縦ガイド面、140 車輪(第1の転動部材(移動手段))、
150 車輪(第2の転動部材(移動手段))、200 ガイド手段、
300 研削ロボット、P,P1,P2,P11,P22 継手板、M 主桁。