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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159024
(43)【公開日】2023-10-31
(54)【発明の名称】計測装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/243 20210101AFI20231024BHJP
【FI】
A61B5/243
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023014194
(22)【出願日】2023-02-01
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2022/018156
(32)【優先日】2022-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】WO
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100163496
【弁理士】
【氏名又は名称】荒 則彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】堀田 祐有
【テーマコード(参考)】
4C127
【Fターム(参考)】
4C127AA10
4C127CC01
(57)【要約】
【課題】被験者の体動に由来するノイズを抑制しつつ、計測信号のレベルを確保することができる計測装置を提供する。
【解決手段】実施形態に係る計測装置は、第1固定体と、生体信号を検出するセンサを固定するセンサ固定体と、前記センサと、を備え、前記第1固定体と前記センサ固定体とが分離した構造を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1固定体と、
生体信号を検出するセンサを固定するセンサ固定体と、
前記センサと、
を備え、
前記第1固定体と前記センサ固定体とが分離した構造を有する、
計測装置。
【請求項2】
前記センサ固定体に、前記センサを保持するセンサ保持部を備え、
前記センサ保持部は、1以上の前記センサを保持する機構を有する、
請求項1に記載の計測装置。
【請求項3】
前記第1固定体に、前記センサに対応する位置に配置されるプレートを備える、
請求項1または請求項2に記載の計測装置。
【請求項4】
前記第1固定体に、前記センサに対応する位置に配置されるプレートを備え、
前記センサ保持部は、前記センサ固定体の端部から前記プレートの側に飛び出しており、
前記センサ保持部は、前記プレートと接触しない、
請求項2に記載の計測装置。
【請求項5】
前記センサ固定体に、前記センサ保持部の高さを調整する高さ調整部と、前記センサ保持部の高さ以外の方向の位置を調整する位置調整部と、を備える、
請求項2または請求項4に記載の計測装置。
【請求項6】
前記第1固定体の上方に台を備える、
請求項1または請求項2に記載の計測装置。
【請求項7】
前記センサ固定体に、前記センサのケーブルを保持するケーブル保持部を備える、
請求項1または請求項2に記載の計測装置。
【請求項8】
前記第1固定体と前記センサ固定体との一方または両方に、位置決め用固定具を備える、
請求項1または請求項2に記載の計測装置。
【請求項9】
さらに、計測部屋を備え、
前記第1固定体と前記センサ固定体との一方または両方は、前記計測部屋の壁面と床面との一方または両方と、前記位置決め用固定部によって固定される、
請求項8に記載の計測装置。
【請求項10】
前記センサは、磁気センサである、
請求項1または請求項2に記載の計測装置。
【請求項11】
前記第1固定体は、被験者の体勢を保持する被験者固定体であり、
前記センサは、前記被験者の前記生体信号を検出するセンサである、
請求項1または請求項2に記載の計測装置。
【請求項12】
前記センサにより検出される前記生体信号に重畳するノイズを抑制するためにリファレンス信号を検出するリファレンスセンサと、
前記リファレンスセンサを保持するリファレンスセンサ保持部と、
を備える、
請求項1または請求項2に記載の計測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人の心臓の活動に起因する心電図または心磁図のような生体信号を計測する計測装置が知られている。
このような計測装置では、例えば、被験者とセンサとが直接接触する場合、あるいは、被験者の動きが間接的にセンサに伝わる場合、被験者の呼吸または心拍動などの体動に由来するノイズが計測信号に発生することがある。
【0003】
特許文献1に記載された方法では、磁力計システムを使用して被験者の身体の領域の磁場を分析することが行われている。そして、当該方法では、フィルタを用いて、被験者の体動に由来するノイズを減衰することが行われている(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2020-521564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の方法では、体動に由来するノイズの除去が不十分な場合があった。
例えば、代表的なノイズ除去手法としてハイパスフィルタあるいはローパスフィルタを用いた周波数フィルタリングが知られているが、計測の目的となる信号(関心信号)の周波数帯と体動に由来するノイズの周波数帯とが近い場合には、周波数フィルタリングによるノイズ除去を実施すると、関心信号にも影響(減衰)が及んでしまう。
具体例として、心電図(または、心磁図)のT波(約4~7Hz)の周波数帯がフィルタリングによって除去されてしまう場合があった。
【0006】
また、従来では、被験者とセンサとを接触させずに計測を行う場合には、被験者とセンサとの距離が離れすぎて、十分な強度の計測信号を検出することができないこと、あるいは、計測中に被験者の体勢の維持が困難であることがあった。
【0007】
本開示は上記事情に鑑みてなされたものであり、被験者の体動に由来するノイズを抑制しつつ、計測信号のレベルを確保することができる計測装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様として、第1固定体と、生体信号を検出するセンサを固定するセンサ固定体と、前記センサと、を備え、前記第1固定体と前記センサ固定体とが分離した構造を有する、計測装置である。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る計測装置によると、被験者の体動に由来するノイズを抑制しつつ、計測信号のレベルを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態に係る計測装置を備える計測システムの概略的な構成例を示す図である。
図2】第1実施形態に係る計測装置を構成する被験者固定体およびセンサ固定体のそれぞれの構成例を示す図である。
図3】第1実施形態に係る計測装置をほぼ左側から見た場合の概略構成を示す図である。
図4】第1実施形態に係る計測装置をほぼ下側から見た場合の概略構成を示す図である。
図5】第1実施形態に係る計測装置の被験者固定体のセンサ保持部の配置の一例を示す図である。
図6】第1実施形態に係る計測装置により被験者(人)の計測を行う状況の一例を示す図である。
図7】第1実施形態に係る計測部屋を備える計測装置の一例を示す図である。
図8】第1実施形態における被験者固定体およびセンサ固定体が計測部屋に固定される態様の一例を示す図である。
図9】第2実施形態に係る計測装置を備える計測システムの概略的な構成例を示す図である。
図10】第2実施形態に係る計測装置を構成する被験者固定体およびセンサ固定体のそれぞれの構成例を示す図である。
図11】第3実施形態に係る計測装置を備える計測システムの概略的な構成例を示す図である。
図12】第4実施形態に係る計測装置を備える計測システムの概略的な構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本実施形態について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。
本実施形態では、それぞれの部材(構成部)の形状あるいは寸法など、または、2以上の部材の関係について例示するが、これらは、必ずしも本実施形態の例示通りに厳密に構成されなくてもよく、例えば、実用上で支障のない程度で、製造誤差などの誤差を含んでもよい。
具体例として、2以上の部材の関係を表す語としては、平行、あるいは、等しい(同じ)などがあるが、これらは、必ずしも本実施形態の例示通りに厳密に構成されなくてもよく、例えば、実用上で支障のない程度で、製造誤差などの誤差を含んでもよい。
【0012】
(第1実施形態)
本実施形態では、図1図8を参照して、同一の構成について説明する。説明の便宜上、一部の図示において、一部の構成部の省略、一部の構成部の符号の省略を行う。
【0013】
[計測システム]
図1は、第1実施形態に係る計測装置11を備える計測システム1の概略的な構成例を示す図である。
図1には、説明の便宜上、三次元直交座標系であるXYZ直交座標系を示してある。
本実施形態では、説明の便宜上、X軸の正の方向が右の方向であり、X軸の負の方向が左の方向であり、Y軸の正の方向が奥の方向であり、Y軸の負の方向が手前の方向であり、Z軸の正の方向が上の方向であり、Z軸の負の方向が下の方向である、として説明する。
【0014】
計測システム1は、計測装置11と、収録機321と、コンピューター322と、ケーブル331と、を備える。
ケーブル331は、計測装置11に備えられたセンサ311と、収録機321とを通信可能に接続する。
センサ311は、所定の物理量を計測(検出)し、計測結果の情報をケーブル331を介して収録機321に送信する。
収録機321は、メモリーを有しており、センサ311から送信された計測結果の情報をケーブル331を介して受信し、受信した情報を当該メモリーに記憶(収録)する。
コンピューター322は、収録機321と通信可能に接続され、収録機321のメモリーに記憶された計測結果の情報を読み出して所定の処理を行う。当該所定の処理は、任意の処理であってもよい。
【0015】
ここで、図1の例では、計測装置11に取り付けられた1個のセンサ311を示したが、計測装置11に複数のセンサが取り付けられてもよく、この場合、例えば、それぞれのセンサがそれぞれのケーブルを介して収録機321と通信可能に接続され、収録機321はこれら複数のセンサについて計測結果の情報を記憶する。
また、図1の例では、有線のケーブル331を示したが、有線のケーブル331の代わりに、無線回線が用いられてもよく、この場合、センサ311と収録機321との間で無線通信が行われる。
【0016】
なお、本実施形態では、収録機321とコンピューター322とケーブル331とセンサ311が計測装置11の外部の機器(装置)であるとして説明するが、他の例として、収録機321とコンピューター322とケーブル331とセンサ311のうちの1以上が計測装置11に含まれると捉えられてもよい。
また、例えば、計測装置11の一部または全部が、治具であると捉えられてもよい。
【0017】
<計測装置>
図2は、第1実施形態に係る計測装置11を構成する被験者固定体21およびセンサ固定体22のそれぞれの構成例を示す図である。
図2には、説明の便宜上、図1と同様なXYZ直交座標系を示してある。
【0018】
ここで、図1には、計測装置11が使用されるときの状態として、被験者固定体21とセンサ固定体22とが組み合わされた状態を示してある。
一方、図2には、説明の便宜上、被験者固定体21とセンサ固定体22とを分離して示してある。
【0019】
被験者固定体21の構成例を説明する。
被験者固定体21は、右脚部A1と、左脚部A2と、台部A3と、を備える。
右脚部A1は、複数の直方体状の部材が組み合わされて構成されており、全体として、所定の高さ(上下方向の距離)を有する脚状の部材となっている。
左脚部A2は、複数の直方体状の部材が組み合わされて構成されており、全体として、所定の高さ(上下方向の距離)を有する脚状の部材となっている。
ここで、右脚部A1の高さと左脚部A2の高さとは等しい。
概略的には、右脚部A1および左脚部A2は、それぞれ、上下方向に延びる2本の直方体状の部材が、水平方向(上下に対して垂直な方向)に延びる1以上の部材によって固定されたような構成を有する。
【0020】
右脚部A1は、下端の位置に、右側に突出する2個の突出部151、152を備えている。
また、右脚部A1は、上下方向の途中の位置に、右側に突出する2個の突出部153、154を備えている。
これら4個の突出部151~154が右側に突出する長さは等しい。
【0021】
左脚部A2は、下端の位置に、左側に突出する2個の突出部161、162を備えている。
また、左脚部A2は、上下方向の途中の位置に、左側に突出する2個の突出部163、164を備えている。
これら4個の突出部161~164が左側に突出する長さは等しい。
【0022】
なお、右脚部A1からの突出部151~154の位置と、左脚部A2からの突出部161~164の位置とは、必ずしもすべてが左右対称でなくてもよく、例えば、一部が左右対称で他の部分が左右対称ではない構成が用いられてもよい。また、右脚部A1からの突出部151~154の位置と、左脚部A2からの突出部161~164の位置とは、すべてが左右対称であってもよい。
【0023】
台部A3は、右脚部A1の上面および左脚部A2の上面に配置された複数の直方体状の部材が組み合わされた構成部を備える。
概略的には、台部A3は、左右方向に延びる2本の直方体状の部材が、奥行き方向(手前の側と奥の側とを結ぶ方向)に延びる1以上の部材によって固定されたような構成を有する。
また、台部A3は、当該構成部おける中央の上部に配置されたプレート111と、当該構成部における右側の上部に配置された右側手置台121と、当該構成部における左側の上部に配置された左側手置台122と、を備える。
【0024】
ここで、プレート111は、長方形状(例えば、正方形状)の面を有する枠と、当該枠の当該面に設けられたフィルム状の部材と、を備える。当該フィルム状の部材は、例えば、透明または半透明であり、センサ311による計測に影響を与えない材料を用いて構成されている。
プレート111は、当該枠の面がXZ平面に平行となり、当該枠が台部A3の手前側に位置するように、配置されている。当該枠は、台部A3から上方向に延びている。
【0025】
右側手置台121は、板状の部材であり、プレート111よりも右側に配置されている。右側手置台121の面は、XY平面に平行であり、長方形状の面である。当該面は、例えば、手前から奥に延びる長辺を持ち、左右に延びる短辺を持つ。
左側手置台122は、板状の部材であり、プレート111よりも左側に配置されている。左側手置台122の面は、XY平面に平行であり、長方形状の面である。当該面は、例えば、手前から奥に延びる長辺を持ち、左右に延びる短辺を持つ。
ここで、左側手置台122と右側手置台121とは、プレート111に対して、左右対称に配置されている。
【0026】
ここで、右側手置台121および左側手置台122は、それぞれ、例えば、台部A3に対して着脱可能な構成とされてもよく、あるいは、台部A3に対して分離不可能に固定されていてもよい。
右側手置台121および左側手置台122は、それぞれ、例えば、ネジ、固定用のバンド、片面または両面の接着テープ、面ファスナー、あるいは、接着剤などを用いて、台部A3に取り付けられてもよい。
【0027】
また、本実施形態では、右側手置台121および左側手置台122は、長方形状の板面を有するが、他の構成例として、曲線部分を含む形状の板面を有してもよい。
また、例えば、右側手置台121および左側手置台122のそれぞれの面について、台部A3の上部の面との位置関係(例えば、XY平面に平行な面における互いの角度関係)を調整することが可能な構成とされてもよい。
【0028】
また、例えば、右側手置台121および左側手置台122のうちの一方または両方が、台部A3の手前側または奥側の一方とヒンジによって繋がれてもよい。この場合、ヒンジによって繋がれた手置台(右側手置台121および左側手置台122のうちの一方または両方)は、当該ヒンジの開閉によって、台部A3に対して開閉することが可能である。これにより、例えば、被験者固定体21とセンサ固定体22とが組み合わされる作業が行われるときには当該ヒンジが開状態にされ、計測装置11による計測時には当該ヒンジが閉状態にされること、などが可能である。
【0029】
なお、本実施形態では、台部A3は、2個の手置台(右側手置台121および左側手置台122)を備える場合を示すが、他の構成例として、これら2個の手置台のうちの任意の一方が備えられて他方が備えられない構成、または、これら2個の手置台の両方が備えられない構成が用いられてもよい。
【0030】
センサ固定体22の構成例を説明する。
センサ固定体22は、右脚部B1と、左脚部B2と、台部B3と、を備える。
右脚部B1は、複数の直方体状の部材が組み合わされて構成されており、全体として、所定の高さ(上下方向の距離)を有する脚状の部材となっている。
左脚部B2は、複数の直方体状の部材が組み合わされて構成されており、全体として、所定の高さ(上下方向の距離)を有する脚状の部材となっている。
ここで、右脚部B1の高さと左脚部B2の高さとは等しい。
【0031】
右脚部B1は、下端の位置に、右側に突出する2個の突出部251、252を備えている。
また、右脚部B1は、上下方向の途中の位置に、右側に突出する2個の突出部253、254を備えている。
これら4個の突出部251~254が右側に突出する長さは等しい。
【0032】
右脚部B1は、上下方向の途中の位置に、奥側に突出する2個の突出部231、232を備えている。
これら2個の突出部231、232は、異なる高さの位置に配置されている。
これら2個の突出部231、232が奥側に突出する長さは等しい。
なお、本実施形態では、これら2個の突出部231、232については、詳しい説明を省略するが、位置決めなどに利用されてもよい。
概略的には、右脚部B1および左脚部B2は、それぞれ、上下方向に延びる2本の直方体状の部材が、水平方向(上下に対して垂直な方向)に延びる1以上の部材によって固定されたような構成を有する。
【0033】
左脚部B2は、下端の位置に、左側に突出する2個の突出部261、262を備えている。
また、左脚部B2は、上下方向の途中の位置に、左側に突出する2個の突出部263、264を備えている。
これら4個の突出部261~264が左側に突出する長さは等しい。
【0034】
なお、右脚部B1からの突出部251~254の位置と、左脚部B2からの突出部261~264の位置とは、例えば、すべてが左右対称であってもよい。また、右脚部B1からの突出部251~254の位置と、左脚部B2からの突出部261~264の位置とは、必ずしもすべてが左右対称でなくてもよく、例えば、一部が左右対称で他の部分が左右対称ではない構成が用いられてもよい。
【0035】
台部B3は、右脚部B1の上面および左脚部B2の上面に配置された複数の直方体状の部材が組み合わされた構成部を備える。
概略的には、台部B3は、左右方向に延びる2本の直方体状の部材が、奥行き方向(手前の側と奥の側とを結ぶ方向)に延びる1以上の部材によって固定されたような構成を有する。
また、台部B3は、当該構成部おける中央の上部に配置されたセンサ保持部211を備える。
【0036】
センサ保持部211は、直方体状の筐体を有しており、当該筐体の内部に、複数のセンサ(例えば、図1に示されるセンサ311と同様なセンサ)を装着する部位を備えている。
本実施形態では、センサ保持部211の手前側の面は、XZ平面に平行な面であり、上下方向と左右方向のそれぞれに2個以上のセンサが装着され得る構成となっている。つまり、センサ保持部211の手前側の面において、複数のセンサがマトリックス状に配置され得る構成となっている。マトリックス状のセンサを保持するセンサ保持部211は、例えば、センサアレイ部などと呼ばれてもよい。
【0037】
ここで、本実施形態では、プレート111の枠の面がXZ平面に平行であり、センサ保持部211の手前側の面もXZ平面に平行である場合を示すが、これらは必ずしもXZ平面に平行でなくてもよい。
例えば、プレート111の枠の面およびセンサ保持部211の手前側の面は、XZ平面に非平行な平面(つまり、XZ平面に平行でない平面)であってもよく、あるいは、曲面であってもよい。
なお、プレート111の枠の面およびセンサ保持部211の手前側の面は、例えば、同じ形状の面であってもよく、あるいは、異なる形状の面とされて、プレート111の枠の面によってセンサ保持部211の手前側の面がカバーされてもよい。
【0038】
被験者固定体21とセンサ固定体22とが組み合わされた状態において、センサ保持部211の手前側の面は、プレート111の奥側の面と、対向する位置に配置されている。
本実施形態では、これら2個の面は、ほぼ同じ形状を有する。当該形状は、例えば、長方形(正方形を含む。)の形状である。
【0039】
また、台部B3は、当該構成部から奥側に突出する2個のケーブル保持部(ケーブル受け)221、222を備える。
ケーブル保持部221は、左右方向において、センサ保持部211よりも右側に配置されている。
ケーブル保持部222は、左右方向において、センサ保持部211に重なる位置(例えば、左右方向の中央)に配置されている。
なお、台部B3には、さらに、左右方向において、センサ保持部211よりも左側に配置されるケーブル保持部が備えられてもよい。
ここで、ケーブル保持部221、222は、例えば、センサと収録機321とを接続するケーブル(例えば、図1に示されるケーブル331と同様なケーブル)を支持することが可能である。
【0040】
なお、有線のケーブル331の代わりに無線回線が用いられる場合、あるいは、有線のケーブル331が用いられるが、ケーブル331の支持が不要である場合などに、ケーブル保持部221、222が備えられない構成が用いられてもよい。
【0041】
<被験者固定体とセンサ固定体との組み合わせ>
本実施形態では、被験者固定体21とセンサ固定体22とが組み合わされて、計測装置11が構成される。
具体例として、図2に示されるセンサ固定体22の部材Q1および部材Q2が取り外された状態、かつ、図2に示される被験者固定体21の右側手置台121および左側手置台122が取り外された状態で、センサ固定体22が被験者固定体21の上方から下方へ被せられる。そして、被験者固定体21の右側手置台121および左側手置台122が取り付けられると、図1に示される計測装置11の状態となる。
本実施形態では、センサ固定体22の右脚部B1および左脚部B2は、被験者固定体21の右脚部A1および左脚部A2に対して、左右方向では外側に配置され、奥行き方向(手前側と奥側の方向)では内側に配置される。
また、センサ固定体22の台部B3の上面よりも、被験者固定体21の右側手置台121および左側手置台122の下面が、上方に配置される。
【0042】
ここで、本実施形態では、被験者固定体21とセンサ固定体22とが直脱可能(分離可能、かつ、組み合わせ可能)な構成を示すが、被験者固定体21とセンサ固定体22とは一体で構成されて分離不可能な構成とされてもよい。
つまり、図1に示されるような計測装置11が構成されればよく、必ずしも被験者固定体21とセンサ固定体22とが別々に分離されなくてもよい。
【0043】
本実施形態では、計測装置11において、被験者固定体21とセンサ固定体22とは、いずれの部分についても、互いに一切接触しない。
【0044】
図3は、第1実施形態に係る計測装置11をほぼ左側から見た場合の概略構成を示す図である。
図3には、説明の便宜上、図1と同様なXYZ直交座標系を示してある。
図4は、第1実施形態に係る計測装置11をほぼ下側から見た場合の概略構成を示す図である。
図4には、説明の便宜上、図1と同様なXYZ直交座標系を示してある。
ここで、図3および図4では、図示を見易くするために、一部の構成(例えば、右側手置台121、左側手置台122、ケーブル保持部221、222など)の図示を省略している。
【0045】
<センサ保持部の配置の例>
図5は、第1実施形態に係る計測装置11の被験者固定体21のセンサ保持部211の配置の一例を示す図である。
図5には、第1実施形態に係る計測装置11をほぼ右側から見た場合の様子を示してある。
図5には、説明の便宜上、図1と同様なXYZ直交座標系を示してある。
【0046】
本実施形態では、被験者固定体21の右脚部A1および左脚部A2の手前側の面は、上下方向に平行になっている。
そして、図5の例では、センサ保持部211の手前側の面は、右脚部A1および左脚部A2の手前側の面に対して、所定の距離P1の分、手前側に飛び出すように配置されている。
なお、被験者固定体21とセンサ固定体22とが組み合わされた状態において、センサ保持部211とプレート111とは互いに接触しない配置となっている。
【0047】
<計測装置による計測の状況の例>
図6は、第1実施形態に係る計測装置11により被験者(人)421の計測を行う状況の一例を示す図である。
図6には、説明の便宜上、図1と同様なXYZ直交座標系を示してある。
【0048】
図6には、椅子411と、被験者421と、計測装置11の概略と、を示してある。
被験者421は、人であり、椅子411に座っている。
被験者421の前面(顔がある面)と、計測装置11の手前側(プレート111がある側)の面とが対向する状態で、計測が行われる。
【0049】
図6の例では、被験者421の心臓の活動に起因する磁場(磁気信号)の情報を計測装置11により計測する場合を示してある。
センサ311として、磁気センサが用いられている。
被験者421が椅子411に座った状態で、被験者421の胸部がプレート111の枠の内部と対向している。例えば、被験者421の胸部がプレート111の手前側の面と接触した状態で、計測が行われてもよい。
被験者421は、被験者421の右腕の一部および右手を右側手置台121の上面に置くことができ、同様に、被験者421の左腕の一部および左手を左側手置台122の上面に置くことができる。
【0050】
被験者421が被験者固定体21に接触しても、被験者固定体21とセンサ固定体22とは接触していないため、センサ固定体22は動かない。これにより、計測装置11では、センサ固定体22に設置されたセンサ311による計測を安定的に行うことができる。
このように、本実施形態では、被験者固定体21によって、被験者421の体制維持を補助することができる。
【0051】
本実施形態では、計測装置11によって計測が行われているときには、被験者421はセンサ固定体22には触れず、被験者固定体21もセンサ固定体22に触れないように構成されている。
このように、本実施形態では、被験者固定体21とセンサ固定体22とは、接触という点で完全に分離している。
なお、計測装置11によって計測が行われているとき以外においては、被験者固定体21とセンサ固定体22とが接触するときがあってもよい。
【0052】
ここで、椅子411としては、特に限定はなく、例えば、被験者421が座る箇所(座面)の高さを調整することが可能な椅子が用いられてもよく、あるいは、座面の高さが一定に固定された椅子が用いられてもよい。
椅子411として座面の高さが調整可能な椅子が用いられることで、被験者421とセンサ311(あるいは、センサ保持部211)との高さ関係を調整することが可能である。
【0053】
<計測部屋を備える計測装置>
図7は、第1実施形態に係る計測部屋2011を備える計測装置11の一例を示す図である。
図7には、説明の便宜上、図1と同様なXYZ直交座標系を示してある。
【0054】
本実施形態では、計測部屋2011は、直方体状の形状を有しており、6個の面のうち1個の面が開口している。
計測部屋2011は、下側にある床面2021と、上側にある天井面2022と、右側にある側壁面2031と、左側にある側壁面2032と、奥側にある奥壁面2033と、を備える。
図7の例では、計測部屋2011の手前側が開口している。
【0055】
ここで、図7の例では、床面2021および天井面2022はXY平面に平行な面であり、2個の側壁面2031、2032はYZ平面に平行な面であり、奥壁面2033はXZ平面に平行な面であるが、これに限られない。
【0056】
計測部屋2011の内部には、計測装置11を構成する被験者固定体21およびセンサ固定体22が設置されている。
計測部屋2011では、被験者固定体21が手前側に配置され、センサ固定体22が奥側に配置されている。
【0057】
被験者421は、計測部屋2011の開口部から内部に入る。そして、被験者421が被験者固定体21の手前側に位置した状態で、計測装置11により計測が行われる。
ここで、図7では、椅子411の図示を省略しているが、被験者421が椅子411に座った状態で、計測装置11により計測が行われる。
なお、他の例として、椅子411が用いられずに、被験者421が立った状態などで、計測装置11により計測が行われてもよい。
【0058】
計測部屋2011の右側の側壁面2031の一部に、板状のシールド2111が備えられている。シールド2111の面は、側壁面2031と平行に配置されている。
計測部屋2011の左側の側壁面2032の一部に、板状のシールド2112が備えられている。シールド2112の面は、側壁面2032と平行に配置されている。
2個のシールド2112は、左右方向で互いに対向する位置に配置されている。
例えば、2個のシールド2111、2112は、少なくとも、センサ311が配置される位置(図7の例では、センサ保持部211)を左右方向で覆う部分に配置されている。
【0059】
本実施形態では、センサ311として磁気センサが用いられており、2個のシールド2111、2112のそれぞれとして磁気シールドが用いられている。
なお、センサ311として磁気センサ以外のセンサが用いられる場合に、それに合わせて、シールド2111、2112として磁気シールド以外のシールドが用いられてもよい。
また、シールド2111、2112が不要である場合には、計測部屋2011にシールド2111、2112が備えられなくてもよい。
【0060】
計測装置11を構成する被験者固定体21およびセンサ固定体22が計測部屋2011に固定される態様について説明する。
本実施形態では、計測装置11において、被験者固定体21の右脚部A1が有する4個の突出部151~154、および、センサ固定体22の右脚部B1が有する4個の突出部251~254が、計測部屋2011の右側の側壁面2031と接するように配置されている。
また、本実施形態では、計測装置11において、被験者固定体21の左脚部A2が有する4個の突出部161~164、および、センサ固定体22の左脚部B2が有する4個の突出部261~264が、計測部屋2011の左側の側壁面2032と接するように配置されている。
【0061】
また、被験者固定体21およびセンサ固定体22と計測部屋2011とは、例えば、ブラケットを用いて位置決めされている。つまり、計測部屋2011における被験者固定体21およびセンサ固定体22の位置が固定されている。
【0062】
図7の例では、被験者固定体21に関し、右脚部A1の突出部151と右側の側壁面2031とを固定するブラケット711、および、右脚部A1の突出部153と右側の側壁面2031とを固定するブラケット713などを示してある。
なお、図7の例では、被験者固定体21に関し、右脚部A1を構成する2個の部材を固定するブラケット(ブラケット911など)が用いられている場合を示してある。
ここで、被験者固定体21に関し、右脚部A1の一部について説明したが、右脚部A1の他の部分および左脚部A2についても同様である。
【0063】
図7の例では、センサ固定体22に関し、左脚部B2の突出部261と左側の側壁面2032とを固定するブラケット831、および、左脚部B2の突出部263と左側の側壁面2032とを固定するブラケット833などを示してある。
なお、図7の例では、センサ固定体22に関し、左脚部B2を構成する2個の部材を固定するブラケット(ブラケット921など)が用いられている場合を示してある。
ここで、センサ固定体22に関し、左脚部B2の一部について説明したが、左脚部B2の他の部分および右脚部B1についても同様である。
【0064】
図8は、第1実施形態における被験者固定体21およびセンサ固定体22が計測部屋2011に固定される態様の一例を示す図である。
図8の例では、センサ固定体22の左脚部B2の一部に関し、計測部屋2011と固定される態様の一例を、図7の例と比べて拡大して、示してある。
【0065】
ここで、本実施形態では、位置決め用の固定具として、ブラケットが用いられる場合を示したが、部材同士を固定する他の例として、ブラケットを使用せずネジのみを使用して部材同士を固定する態様、あるいは、接着または溶接により部材同士を固定する態様などが用いられてもよい。
また、図7および図8の例では、計測部屋2011の右側の側壁面2031および左側の側壁面2032を用いて被験者固定体21およびセンサ固定体22を固定する場合を示したが、他の例として、計測部屋2011の床面2021、天井面2022、あるいは、奥壁面2033のうちの1以上を用いて計測装置11を固定する構成が用いられてもよい。
【0066】
なお、計測部屋2011と被験者固定体21およびセンサ固定体22とは、例えば、直脱可能(分離可能、かつ、組み合わせ可能)な構成とされてもよく、あるいは、計測部屋2011と被験者固定体21およびセンサ固定体22とが一体で構成されて分離不可能な構成とされてもよい。
【0067】
ここで、図7の例では、計測部屋2011として、開口部を有する箱状の専用の部屋が用いられる場合を示したが、計測部屋2011として、例えば、通常のビルなどの建物に存在する部屋が利用されてもよい。当該部屋にシールドなどが設置されてもよい。
【0068】
また、本実施形態では、被験者固定体21およびセンサ固定体22を計測部屋2011に固定するための部位として、被験者固定体21に突出部151~154、161~164を備え、センサ固定体22に突出部251~254、261~264を備えるが、それぞれの突出部が備えられる位置としては、様々な位置が用いられてもよい。
【0069】
例えば、被験者固定体21において、右脚部A1に1個以上の突出部が備えられ、左脚部A2に1個以上の突出部が備えられる場合、これらの突出部がすべて左右対称の位置に備えられてもよく、あるいは、これらのうちの一部または全部が左右対称ではない位置に備えられてもよい。例えば、右脚部A1および左脚部A2の下側に配置される突出部と、上側に配置される突出部とで、いずれか一方が左右対称であり、他方が左右非対称であるような構成が用いられてもよい。
同様に、例えば、センサ固定体22において、右脚部B1に1個以上の突出部が備えられ、左脚部B2に1個以上の突出部が備えられる場合、これらの突出部がすべて左右対称の位置に備えられてもよく、あるいは、これらのうちの一部または全部が左右対称ではない位置に備えられてもよい。例えば、右脚部B1および左脚部B2の下側に配置される突出部と、上側に配置される突出部とで、いずれか一方が左右対称であり、他方が左右非対称であるような構成が用いられてもよい。
なお、被験者固定体21とセンサ固定体22との両方に突出部が備えられる場合には、被験者固定体21とセンサ固定体22とが組み合わされた状態では、被験者固定体21の突出部とセンサ固定体22の突出部とが互いに干渉しない(つまり、同じ位置になって衝突することを回避する)ように配置される。
【0070】
また、本実施形態では、被験者固定体21およびセンサ固定体22を計測部屋2011に固定するための部位として、被験者固定体21に突出部151~154、161~164を備え、センサ固定体22に突出部251~254、261~264を備えた場合を示したが、他の構成例として、これらの突出部の一部または全部が備えられなくてもよい。
【0071】
ここで、本実施形態では、センサ固定体22の上部にセンサ保持部211を備えて、センサ保持部211によりセンサ311を保持する場合を示したが、他の構成例として、センサ保持部211が備えられない構成が用いられてもよい。
当該構成では、例えば、センサ固定体22の台部B3の上部に1個または複数個のセンサが設置されてもよく、センサ固定体22の台部B3の上部とセンサとが任意の固定具によって固定されてもよい。当該固定具としては、例えば、ネジ、固定用のバンド、片面または両面の接着テープ、面ファスナー、あるいは、接着剤などが用いられてもよい。
【0072】
以上のように、本実施形態に係る計測システム1では、計測装置11において、被験者421の体動に由来するノイズを抑制しつつ、計測信号のレベルを確保することができる。
【0073】
本実施形態に係る計測装置11では、被験者421の体勢を保持する被験者固定体21と、被験者421の生体信号を検出するセンサ311を固定するセンサ固定体22と、を備える。
そして、被験者固定体21とセンサ固定体22とが分離した構造を有する。
【0074】
したがって、本実施形態に係る計測装置11では、被験者421がセンサ311(およびセンサ保持部211)と接触せず、被験者421の体動がセンサ311(およびセンサ保持部211)に伝わらない状態で、計測を行うことができる。これにより、計測装置11では、被験者421の体動に由来するノイズが生体信号の計測結果に重畳されることを防止することができる。
また、本実施形態に係る計測装置11では、被験者421とセンサ311との距離を近付けた状態で、計測を行うことができる。
また、本実施形態に係る計測装置11では、被験者421の体勢の維持を容易にすることができる。
【0075】
本実施形態に係る計測装置11では、センサ固定体22に、センサ311を保持するセンサ保持部211を備える。
また、センサ保持部211は、1以上のセンサ311を保持する機構を有する。
したがって、本実施形態に係る計測装置11では、センサ311の設置を容易にすることができる。
【0076】
本実施形態に係る計測装置11では、被験者固定体21に、被験者421とセンサ311との間に位置するプレート111を備える。
したがって、本実施形態に係る計測装置11では、被験者421がセンサ311(あるいは、センサ保持部211)と接触することを防止することができる。また、本実施形態に係る計測装置11では、被験者421が楽な姿勢で計測を受けることを可能とすることができる。
【0077】
本実施形態に係る計測装置11では、センサ保持部211は、センサ固定体22の端部(図5の例では、Y軸の負側の端部)からプレート111の側に飛び出している。また、センサ保持部211は、プレート111と接触しない。
したがって、本実施形態に係る計測装置11では、被験者421とセンサ311とが近い状態で計測を行うことを可能とすることができ、これにより、大きいレベルの生体信号を取得することを可能とすることができる。
【0078】
本実施形態に係る計測装置11では、被験者固定体21に、被験者421の手が置かれる手置台(右側手置台121、左側手置台122)を備える。
したがって、本実施形態に係る計測装置11では、計測中に被験者421が手置台に手を置くことができ、被験者421が安定した姿勢で計測を受けることを補助することができる。
【0079】
本実施形態に係る計測装置11では、センサ固定体22に、センサ311のケーブル331を保持するケーブル保持部221、222を備える。
したがって、本実施形態に係る計測装置11では、ケーブル保持部221、222にケーブル331に載せることができ、例えば、センサ311のケーブル331が被験者421の足等に接触することを防止することができる。
【0080】
本実施形態に係る計測装置11では、被験者固定体21とセンサ固定体22との一方または両方(本実施形態では、これらの両方)に、位置決め用固定具(本実施形態では、突出部151~154、突出部161~164、突出部251~254、突出部261~264)を備える。
したがって、本実施形態に係る計測装置11では、被験者固定体21あるいはセンサ固定体22を、任意の場所に固定することが可能である。
【0081】
本実施形態に係る計測装置11では、さらに、計測部屋2011を備える。そして、被験者固定体21とセンサ固定体22との一方または両方(図7の例では、これらの両方)は、計測部屋2011の壁面と床面との一方または両方(図7の例では、壁面である側壁面2031、2032)と、位置決め用固定部(本実施形態では、突出部151~154、突出部161~164、突出部251~254、突出部261~264)によって固定される。
【0082】
したがって、本実施形態に係る計測装置11では、被験者固定体21とセンサ固定体22との一方または両方を位置決め用固定部を介して計測部屋2011に固定することで、被験者固定体21とセンサ固定体22との一方または両方と計測部屋2011との位置関係がずれることを防止することができる。
また、本実施形態に係る計測装置11では、被験者固定体21とセンサ固定体22との両方を位置決め用固定部を介して計測部屋2011に固定することで、被験者固定体21とセンサ固定体22との位置関係がずれることを防止することができ、安定した計測を行うことができる。
【0083】
本実施形態に係る計測装置11では、センサ311は、磁気センサである。
したがって、本実施形態に係る計測装置11では、磁気センサにより生体信号を計測する場合に、被験者421の体動に由来するノイズを抑制しつつ、計測信号のレベルを確保することができる。
ここで、一般に、磁気センサの計測結果は振動による影響を大きく受けるが、本実施形態では、このような影響を抑制することができる。
【0084】
なお、本実施形態では、被験者421の生体信号の一例として、被験者421の心臓の活動に起因する磁気信号の計測に適用した場合を示したが、生体信号としては、特に限定はなく、例えば、心臓ばかりでなく脳に関する信号であってもよく、また、磁気の信号ばかりでなく、電気の信号に適用されてもよい。
【0085】
また、本実施形態では、計測という語を使用しているが、例えば、計測の代わりに、測定、検出、取得、あるいは、観測などと呼ばれてもよい。
【0086】
(第2実施形態)
本実施形態では、図9図10を参照して、同一の構成について説明する。説明の便宜上、一部の図示において、一部の構成部の省略、一部の構成部の符号の省略を行う。
【0087】
[計測システム]
図9は、第2実施形態に係る計測装置1011を備える計測システム1001の概略的な構成例を示す図である。
図9には、説明の便宜上、三次元直交座標系であるXYZ直交座標系を示してある。
本実施形態では、説明の便宜上、X軸の正の方向が右の方向であり、X軸の負の方向が左の方向であり、Y軸の正の方向が奥の方向であり、Y軸の負の方向が手前の方向であり、Z軸の正の方向が上の方向であり、Z軸の負の方向が下の方向である、として説明する。
【0088】
ここで、本実施形態に係る計測システム1001では、概略的には、計測装置1011を構成するセンサ固定体1022のセンサ保持部1211の位置を調整することが可能である点で、第1実施形態に係る計測システム1と相違しており、他の点で同様である。
このため、本実施形態では、第1実施形態と同様な点については詳しい説明を省略する。
【0089】
計測システム1001は、計測装置1011と、収録機1321と、コンピューター1322と、ケーブル1331と、を備える。
ここで、図9の例では、計測装置1011に取り付けられた1個のセンサ1311を示したが、計測装置1011に複数のセンサが取り付けられてもよい。
【0090】
なお、本実施形態では、収録機1321とコンピューター1322とケーブル1331とセンサ1311が計測装置1011の外部の機器(装置)であるとして説明するが、他の例として、収録機1321とコンピューター1322とケーブル1331とセンサ1311のうちの1以上が計測装置1011に含まれると捉えられてもよい。
【0091】
<計測装置>
図10は、第2実施形態に係る計測装置1011を構成する被験者固定体1021およびセンサ固定体1022のそれぞれの構成例を示す図である。
図10には、説明の便宜上、図9と同様なXYZ直交座標系を示してある。
【0092】
ここで、図9には、計測装置1011が使用されるときの状態として、被験者固定体1021とセンサ固定体1022とが組み合わされた状態を示してある。
一方、図10には、説明の便宜上、被験者固定体1021とセンサ固定体1022とを分離して示してある。
【0093】
被験者固定体1021の構成例を説明する。
被験者固定体1021は、右脚部A11と、左脚部A12と、台部A13と、を備える。
右脚部A11は、右側に突出する4個の突出部1151~1154を備えている。
左脚部A12は、左側に突出する4個の突出部1161~1164を備えている。
台部A13は、プレート1111と、右側手置台1121と、左側手置台1122と、を備える。
【0094】
センサ固定体1022の構成例を説明する。
センサ固定体1022は、右脚部B11と、左脚部B12と、台部B13と、を備える。
右脚部B11は、右側に突出する4個の突出部1251~1254を備えている。
右脚部B11は、奥側に突出する2個の突出部1231、1232を備えている。
なお、本実施形態では、これら2個の突出部1231、1232については、詳しい説明を省略するが、位置決めなどに利用されてもよい。
左脚部B12は、左側に突出する4個の突出部1261~1264を備えている。
【0095】
台部B13は、右脚部B11の上面および左脚部B12の上面に配置された複数の直方体状の部材が組み合わされた構成部を備える。
また、台部B13は、当該構成部の上部に配置された位置調整部1511と、位置調整部1511の上部に配置された高さ調整部1521、1522と、高さ調整部1521、1522に取り付けられているセンサ保持部1211と、を備える。
また、台部B13は、当該構成部から奥側に突出する2個のケーブル保持部(ケーブル受け)1221、1222を備える。
ここで、センサ保持部1211の構成は、例えば、第1実施形態に係るセンサ保持部211の構成と同様である。
【0096】
位置調整部1511は、板状の形状を有しており、板状の面が台部B13の上面と平行に配置されている。位置調整部1511は、台部B13の上側において、左右方向(方向P11)に移動することが可能な機構を有している。当該機構は、例えば、左右方向にの延びるレール状の機構であってもよい。
位置調整部1511の移動は、例えば、計測装置1011を扱う者(人)の手動によって行われる構成が用いられてもよく、あるいは、電動によって行われる構成が用いられてもよい。
【0097】
一例として、人が位置調整部1511に直接触れることで、位置調整部1511の位置を変化させる構成が用いられてもよい。
他の例として、センサ固定体1022の台部B13などにハンドル等を設け、人が当該ハンドル等を操作することで、位置調整部1511の位置を変化させる構成が用いられてもよい。
【0098】
他の例として、センサ固定体1022の台部B13などにスイッチを設け、人が当該スイッチを操作することで、位置調整部1511の位置を変化させる構成が用いられてもよい。
他の例として、コンピューター1322と位置調整部1511とが有線または無線で通信可能に接続されて、コンピューター1322によって位置調整部1511の移動を制御する構成が用いられてもよい。
【0099】
なお、位置調整部1511と台部B13とがネジ止めされる構成が用いられてもよい。例えば、位置調整部1511を取り付けることが可能な複数の箇所が台部B3に設けられ、これら複数の箇所のなかで位置調整部1511を取り付ける箇所を切り替えることで、位置調整部1511の位置を変えてもよい。
【0100】
本実施形態では、位置調整部1511の移動に伴って、センサ保持部1211も同様に移動する。これにより、センサ保持部1211の左右方向の位置が調整され得る。
なお、本実施形態では、位置調整部1511は、左右方向の位置を調整する機能を有するが、例えば、奥行き方向(手前側と奥側の方向)の位置を調整する機能を有してもよく、また、これら両方の機能を有してもよい。
【0101】
高さ調整部1521、1522は、それぞれ、直方体状の形状を有しており、直方体状の長辺が位置調整部1511の面から上方に延びるように配置されている。
右側の高さ調整部1521と左側の高さ調整部1522とは、左右方向に所定の間隔をもって配置されている。そして、右側の高さ調整部1521と左側の高さ調整部1522との間に、センサ保持部1211が取り付けられている。
【0102】
高さ調整部1521、1522は、取り付けられたセンサ保持部1211を上下方向(方向P12)に移動させることが可能な機構を有している。
高さ調整部1521、1522によるセンサ保持部1211の移動は、例えば、計測装置1011を扱う者(人)の手動によって行われる構成が用いられてもよく、あるいは、電動によって行われる構成が用いられてもよい。
【0103】
一例として、人が高さ調整部1521、1522に直接触れることで、センサ保持部1211の位置を変化させる構成が用いられてもよい。
他の例として、センサ固定体1022の台部B13などにスイッチを設け、人が当該スイッチを操作することで、高さ調整部1521、1522によりセンサ保持部1211の位置を変化させる構成が用いられてもよい。
他の例として、コンピューター1322と高さ調整部1521、1522とが有線または無線で通信可能に接続されて、コンピューター1322によって高さ調整部1521、1522によるセンサ保持部1211の移動を制御する構成が用いられてもよい。
【0104】
本実施形態では、高さ調整部1521、1522の機能によって、センサ保持部1211が移動する。これにより、センサ保持部1211の上下方向(高さ方向)の位置が調整され得る。
【0105】
<被験者固定体とセンサ固定体との組み合わせ>
本実施形態では、第1実施形態の場合と同様に、被験者固定体1021とセンサ固定体1022とが組み合わされて、計測装置1011が構成される。
図10の例では、センサ固定体1022に関し、図2に示される部材Q1、Q2と同様な部材Q11、Q12を示してある。
【0106】
また、図9の例では、被験者固定体1021とセンサ固定体1022とが組み合わされた後に、左側の下端に、部材Q111が嵌め込まれた構成例を示してある。
なお、計測装置1011において、部材Q111は、備えられてもよく、あるいは、備えられなくてもよい。
【0107】
本実施形態では、計測装置1011において、被験者固定体1021とセンサ固定体1022とは、いずれの部分についても、互いに一切接触しない。
【0108】
以上のように、本実施形態に係る計測システム1001では、計測装置1011において、被験者421の体動に由来するノイズを抑制しつつ、計測信号のレベルを確保することができる。
【0109】
本実施形態に係る計測装置1011では、センサ固定体22に、センサ保持部211の高さを調整する高さ調整部1521、1522と、センサ保持部211の高さ以外の方向(本実施形態では、左右方向)の位置を調整する位置調整部1511と、を備える。
【0110】
したがって、本実施形態に係る計測装置1011では、例えば、被験者421の体格あるいは目的となる生体信号の発生箇所(例えば、心臓など)などに合わせて、センサ311の高さおよび高さ以外の位置を調整することができる。
【0111】
(第3実施形態)
本実施形態では、第1実施形態に係る図1に示される計測システム1の計測装置11に対してさらにリファレンスセンサが取り付け可能な計測装置の構成例を示す。なお、リファレンスセンサは、例えば、計測装置の外部の機器(装置)であると捉えられてもよく、あるいは、計測装置に含まれると捉えられてもよい。
本実施形態では、説明の便宜上、第1実施形態の場合と同様な構成部については同一の符号を付して説明する。
【0112】
[計測システム]
図11は、第3実施形態に係る計測装置3011を備える計測システム3001の概略的な構成例を示す図である。
図11には、説明の便宜上、三次元直交座標系であるXYZ直交座標系を示してある。
本実施形態では、説明の便宜上、図1の場合と同様に、X軸の正の方向が右の方向であり、X軸の負の方向が左の方向であり、Y軸の正の方向が奥の方向であり、Y軸の負の方向が手前の方向であり、Z軸の正の方向が上の方向であり、Z軸の負の方向が下の方向である、として説明する。
【0113】
計測システム3001は、計測装置3011と、収録機321と、コンピューター322と、ケーブル331と、を備える。
ここで、収録機321、コンピューター322およびケーブル331の構成は、概略的には、図1の例と同様であり、本実施形態では、リファレンスセンサの検出信号(リファレンス信号)についても処理が行われる。
【0114】
<計測装置>
図11には、計測装置3011が使用されるときの状態として、被験者固定体21とセンサ固定体3022とが組み合わされた状態を示してある。
被験者固定体21の構成は、図1に示されるものと同様である。
【0115】
センサ固定体3022は、右脚部B1と、左脚部B2と、台部B23と、リファレンスセンサを保持するリファレンスセンサ保持部3211、3212と、を備える。
なお、リファレンスセンサ保持部は、例えば、リファレンスセンサ保持体と呼ばれてもよい。
【0116】
センサ固定体3022の構成は、概略的には、図1および図2に示されるセンサ固定体22の構成に対して、図2に示される台部B3よりも左右に延びた台部B23と、台部B23の上方に配置されるリファレンスセンサ保持部3211、3212を備える点で相違しており、他の点で同様である。
【0117】
センサ固定体3022の台部B23は、右側に支持部3121を備えており、左側に支持部3122を備えている。
右側の支持部3121は、その上部に配置される右側のリファレンスセンサ保持部3211を支持する形状を有する。本実施形態では、支持部3121は、上下方向に対して垂直な面状の形状を有するが、他の形状が用いられてもよい。
【0118】
右側のリファレンスセンサ保持部3211は、直方体状の形状を有している。本実施形態では、リファレンスセンサ保持部3211は、その直方体状の各面が上側、下側、左側、右側、手前側、および奥側のそれぞれに向くように配置されている。また、本実施形態では、上側の面および下側の面は正方形状の面であり、他の面は上下方向が長手方向に配置された長方形状の面である。
【0119】
右側のリファレンスセンサ保持部3211は、奥側の面に、リファレンスセンサを取り付けることが可能な複数の穴部を備える。
図11の例では、当該面において、上下方向に所定間隔で4個の穴部が並ぶとともに左右方向に所定間隔で2個の穴部が並んで、計8個の穴部があるが、図示の都合上、1個の穴部3311のみに符号を付してある。
また、図11の例では、穴部3311に挿入されることで取り付けられた1個のリファレンスセンサ3411のみを示してあるが、任意の数の穴部にリファレンスセンサが取り付けられてもよい。
【0120】
なお、リファレンスセンサ保持部3211の形状、それぞれのリファレンスセンサを取り付ける取付部(本実施形態では、穴部)の機構、当該機構が備えられる位置、当該機構の数などとしては、任意の態様が用いられてもよい。
【0121】
例えば、本実施形態では、リファレンスセンサ保持部3211は、複数のリファレンスセンサを取り付けることが可能な構成であるが、他の例として、1個のリファレンスセンサのみを取り付けることが可能な構成が用いられてもよい。
また、本実施形態では、リファレンスセンサ保持部3211は、リファレンスセンサを着脱することが可能な構成であるが、他の例として、リファレンスセンサ保持部3211とリファレンスセンサとが一体として構成されてもよい。
【0122】
本実施形態では、左側の支持部3122、左側のリファレンスセンサ保持部3212および穴部3312の構成については、それぞれ、右側の支持部3121、右側のリファレンスセンサ保持部3211および穴部3311の構成と比べて、左右対称である。なお、右側と左側とで、左右対称ではない構成が用いられてもよい。
【0123】
以上のように、本実施形態に係る計測システム3001では、計測装置3011において、被験者の体動に由来するノイズを抑制しつつ、計測信号のレベルを確保することができる。
本実施形態に係る計測装置3011では、例えば、リファレンスセンサ保持部3211、3212によって、関心信号(本実施形態では、生体信号)を含まない環境信号を取得する1以上のリファレンスセンサが配置されることで、環境ノイズの除去を適用することが可能であり、これにより、ノイズの抑制効果を高めることができる。
【0124】
ここで、本実施形態に係る計測装置3011では、それぞれのリファレンスセンサによって、計測センサにより検出される生体信号に重畳するノイズを抑制するためにリファレンス信号を計測(検出)する。
リファレンス信号は、例えば、計測センサ(本実施形態では、第1実施形態の場合と同様なセンサ311)によって検出された生体信号に含まれるノイズ成分を除去するために使用される。一例として、リファレンスセンサは、計測センサにより生体信号を検出する際に、生体以外の環境に起因する信号をリファレンス信号として検出する。一例として、生体に起因する磁気信号を関心信号とする場合に、環境磁場に起因する磁気信号がリファレンス信号とされてもよい。
【0125】
本実施形態では、計測センサによって検出された生体信号およびリファレンスセンサによって検出されたリファレンス信号を用いた演算処理については、特に限定はなく、任意の演算処理が実行されてもよい。
このような演算処理は、例えば、コンピューターなどの演算装置(本実施形態では、コンピューター322)によって実行される。
本実施形態に係る計測装置3011では、例えば、環境ノイズの低減のために、リファレンスセンサを用いてアダプティブノイズキャンセリング(ANC:Adaptive Noise Cancelling)等の信号処理で環境ノイズを低減させることができる。
【0126】
図11の例では図示を省略しているが、例えば、それぞれのリファレンスセンサは、計測結果の情報を有線のケーブルまたは無線により収録機321に送信してもよい。この場合、収録機321は当該情報を記憶し、コンピューター322は当該情報を処理することが可能である。
【0127】
ここで、本実施形態では、センサ固定体3022と支持部3121、3122およびリファレンスセンサ保持部3211、3212とが一体である構成について、その一例を示したが、これに限られず、他の構成が用いられてもよい。
例えば、本実施形態では、第1実施形態の構成に対してリファレンスセンサに関する構成を適用した場合を示したが、第2実施形態の構成に対してリファレンスセンサに関する構成が適用されてもよい。
【0128】
(第4実施形態)
本実施形態では、第1実施形態に係る図1に示される計測システム1の計測装置11に対してさらにリファレンスセンサが取り付け可能な計測装置の構成例を示す。なお、リファレンスセンサは、例えば、計測装置の外部の機器(装置)であると捉えられてもよく、あるいは、計測装置に含まれると捉えられてもよい。
本実施形態では、説明の便宜上、第1実施形態の場合と同様な構成部については同一の符号を付して説明する。
【0129】
[計測システム]
図12は、第4実施形態に係る計測装置4011を備える計測システム4001の概略的な構成例を示す図である。
図12には、説明の便宜上、三次元直交座標系であるXYZ直交座標系を示してある。
本実施形態では、説明の便宜上、図1の場合と同様に、X軸の正の方向が右の方向であり、X軸の負の方向が左の方向であり、Y軸の正の方向が奥の方向であり、Y軸の負の方向が手前の方向であり、Z軸の正の方向が上の方向であり、Z軸の負の方向が下の方向である、として説明する。
【0130】
計測システム4001は、計測装置4011と、収録機321と、コンピューター322と、ケーブル331と、を備える。
ここで、収録機321、コンピューター322およびケーブル331の構成は、概略的には、図1の例と同様であり、本実施形態では、リファレンスセンサの検出信号(リファレンス信号)についても処理が行われる。
【0131】
<計測装置>
計測装置4011は、被験者固定体21と、センサ固定体22と、右側のリファレンスセンサ支持部4111およびリファレンスセンサ保持部4211と、左側のリファレンスセンサ支持部4112およびリファレンスセンサ保持部4212と、を備える。
なお、リファレンスセンサ保持部は、例えば、リファレンスセンサ保持体と呼ばれてもよい。
【0132】
図12には、計測装置4011が使用されるときの状態として、被験者固定体21とセンサ固定体22とが組み合わされた状態を示してある。
被験者固定体21およびセンサ固定体22の構成は、図1に示されるものと同様である。
【0133】
また、図12には、計測装置4011が使用されるときの状態として、右側のリファレンスセンサ支持部4111およびリファレンスセンサ保持部4211と、左側のリファレンスセンサ支持部4112およびリファレンスセンサ保持部4212とが、被験者固定体21およびセンサ固定体22の付近に設置されている状態を示してある。
図12の例では、右側のリファレンスセンサ支持部4111およびリファレンスセンサ保持部4211と、左側のリファレンスセンサ支持部4112およびリファレンスセンサ保持部4212は、被験者固定体21およびセンサ固定体22と接触せずに設置されている。
【0134】
右側のリファレンスセンサ支持部4111は、その上部に配置される右側のリファレンスセンサ保持部4211を支持する形状を有する。
本実施形態では、リファレンスセンサ支持部4111は、その下方に配置される土台部と、当該土台部から上方に延びる棒状部と、を有し、当該棒状部の上方に配置されるリファレンスセンサ保持部4211を支持する構成であるが、他の構成が用いられてもよい。
【0135】
右側のリファレンスセンサ保持部4211は、直方体状の形状を有している。本実施形態では、リファレンスセンサ保持部4211は、その直方体状の各面が上側、下側、左側、右側、手前側、および奥側のそれぞれに向くように配置されている。また、本実施形態では、上側の面および下側の面は正方形状の面であり、他の面は上下方向が長手方向に配置された長方形状の面である。
【0136】
右側のリファレンスセンサ保持部4211は、奥側の面に、リファレンスセンサを取り付けることが可能な複数の穴部を備える。
図12の例では、当該面において、上下方向に所定間隔で4個の穴部が並ぶとともに左右方向に所定間隔で2個の穴部が並んで、計8個の穴部があるが、図示の都合上、1個の穴部4311のみに符号を付してある。
また、図12の例では、穴部4311に挿入されることで取り付けられた1個のリファレンスセンサ4411のみを示してあるが、任意の数の穴部にリファレンスセンサが取り付けられてもよい。
【0137】
なお、リファレンスセンサ保持部4211の形状、それぞれのリファレンスセンサを取り付ける取付部(本実施形態では、穴部)の機構、当該機構が備えられる位置、当該機構の数などとしては、任意の態様が用いられてもよい。
【0138】
例えば、本実施形態では、リファレンスセンサ保持部4211は、複数のリファレンスセンサを取り付けることが可能な構成であるが、他の例として、1個のリファレンスセンサのみを取り付けることが可能な構成が用いられてもよい。
また、本実施形態では、リファレンスセンサ保持部4211は、リファレンスセンサを着脱することが可能な構成であるが、他の例として、リファレンスセンサ保持部4211とリファレンスセンサとが一体として構成されてもよい。
【0139】
また、本実施形態では、リファレンスセンサ支持部4111と、リファレンスセンサ保持部4211とは、例えば、互いに着脱可能な構成であってもよく、あるいは、一体として構成されていてもよい。
【0140】
本実施形態では、左側のリファレンスセンサ支持部4112、左側のリファレンスセンサ保持部4212および穴部4312の構成については、それぞれ、右側のリファレンスセンサ支持部4111、右側のリファレンスセンサ保持部4211および穴部4311の構成と比べて、左右対称である。なお、右側と左側とで、左右対称ではない構成が用いられてもよい。
【0141】
以上のように、本実施形態に係る計測システム4001では、計測装置4011において、被験者の体動に由来するノイズを抑制しつつ、計測信号のレベルを確保することができる。
本実施形態に係る計測装置4011では、例えば、リファレンスセンサ保持部4211、4212によって、関心信号(本実施形態では、生体信号)を含まない環境信号を取得する1以上のリファレンスセンサが配置されることで、環境ノイズの除去を適用することが可能であり、これにより、ノイズの抑制効果を高めることができる。
【0142】
ここで、本実施形態に係る計測装置4011では、それぞれのリファレンスセンサによって、計測センサにより検出される生体信号に重畳するノイズを抑制するためにリファレンス信号を計測(検出)する。
リファレンス信号は、例えば、計測センサ(本実施形態では、第1実施形態の場合と同様なセンサ311)によって検出された生体信号に含まれるノイズ成分を除去するために使用される。一例として、リファレンスセンサは、計測センサにより生体信号を検出する際に、生体以外の環境に起因する信号をリファレンス信号として検出する。一例として、生体に起因する磁気信号を関心信号とする場合に、環境磁場に起因する磁気信号がリファレンス信号とされてもよい。
【0143】
本実施形態では、計測センサによって検出された生体信号およびリファレンスセンサによって検出されたリファレンス信号を用いた演算処理については、特に限定はなく、任意の演算処理が実行されてもよい。
このような演算処理は、例えば、コンピューターなどの演算装置(本実施形態では、コンピューター322)によって実行される。
本実施形態に係る計測装置4011では、例えば、環境ノイズの低減のために、リファレンスセンサを用いてアダプティブノイズキャンセリング(ANC)等の信号処理で環境ノイズを低減させることができる。
【0144】
図12の例では図示を省略しているが、例えば、それぞれのリファレンスセンサは、計測結果の情報を有線のケーブルまたは無線により収録機321に送信してもよい。この場合、収録機321は当該情報を記憶し、コンピューター322は当該情報を処理することが可能である。
【0145】
ここで、本実施形態では、センサ固定体22に対して、リファレンスセンサ支持部4111、4112およびリファレンスセンサ保持部4211、4212が別体であり独立している構成について、その一例を示したが、これに限られず、他の構成が用いられてもよい。
例えば、本実施形態では、第1実施形態の構成に対してリファレンスセンサに関する構成を適用した場合を示したが、第2実施形態の構成に対してリファレンスセンサに関する構成が適用されてもよい。
【0146】
なお、以上に説明した任意の装置における任意の構成部の機能を実現するためのプログラムを、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピューターシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピューターシステム」とは、オペレーティングシステムあるいは周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD(Compact Disc)-ROM(Read Only Memory)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークあるいは電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバーあるいはクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリーのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。当該揮発性メモリーは、例えば、RAM(Random Access Memory)であってもよい。記録媒体は、例えば、非一時的記録媒体であってもよい。
【0147】
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピューターシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピューターシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワークあるいは電話回線等の通信回線のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイルであってもよい。差分ファイルは、差分プログラムと呼ばれてもよい。
【0148】
また、以上に説明した任意の装置における任意の構成部の機能は、プロセッサーにより実現されてもよい。例えば、実施形態における各処理は、プログラム等の情報に基づき動作するプロセッサーと、プログラム等の情報を記憶するコンピューター読み取り可能な記録媒体により実現されてもよい。ここで、プロセッサーは、例えば、各部の機能が個別のハードウェアで実現されてもよく、あるいは、各部の機能が一体のハードウェアで実現されてもよい。例えば、プロセッサーはハードウェアを含み、当該ハードウェアは、デジタル信号を処理する回路およびアナログ信号を処理する回路のうちの少なくとも一方を含んでもよい。例えば、プロセッサーは、回路基板に実装された1または複数の回路装置、あるいは、1または複数の回路素子のうちの一方または両方を用いて、構成されてもよい。回路装置としてはIC(Integrated Circuit)などが用いられてもよく、回路素子としては抵抗あるいはキャパシターなどが用いられてもよい。
【0149】
ここで、プロセッサーは、例えば、CPUであってもよい。ただし、プロセッサーは、CPUに限定されるものではなく、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)等のような、各種のプロセッサーが用いられてもよい。また、プロセッサーは、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)によるハードウェア回路であってもよい。また、プロセッサーは、例えば、複数のCPUにより構成されていてもよく、あるいは、複数のASICによるハードウェア回路により構成されていてもよい。また、プロセッサーは、例えば、複数のCPUと、複数のASICによるハードウェア回路と、の組み合わせにより構成されていてもよい。また、プロセッサーは、例えば、アナログ信号を処理するアンプ回路あるいはフィルター回路等のうちの1以上を含んでもよい。
【0150】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0151】
[付記]
(構成例1)~(構成例12)を示す。
(構成例1)
第1固定体と、
生体信号を検出するセンサを固定するセンサ固定体と、
前記センサと、
を備え、
前記第1固定体と前記センサ固定体とが分離した構造を有する、
計測装置。
【0152】
(構成例2)
前記センサ固定体に、前記センサを保持するセンサ保持部を備え、
前記センサ保持部は、1以上の前記センサを保持する機構を有する、
(構成例1)に記載の計測装置。
【0153】
(構成例3)
前記第1固定体に、前記センサに対応する位置に配置されるプレートを備える、
(構成例1)または(構成例2)に記載の計測装置。
ここで、プレートは、例えば、計測時に、被験者とセンサとの間に位置する。
【0154】
(構成例4)
前記第1固定体に、前記センサに対応する位置に配置されるプレートを備え、
前記センサ保持部は、前記センサ固定体の端部から前記プレートの側に飛び出しており、
前記センサ保持部は、前記プレートと接触しない、
(構成例2)に記載の計測装置。
【0155】
(構成例5)
前記センサ固定体に、前記センサ保持部の高さを調整する高さ調整部と、前記センサ保持部の高さ以外の方向の位置を調整する位置調整部と、を備える、
(構成例2)または(構成例4)に記載の計測装置。
【0156】
(構成例6)
前記第1固定体の上方に台を備える、
(構成例1)から(構成例5)のいずれか1つに記載の計測装置。
ここで、例えば、台は、被験者の手が置かれる手置台である。
【0157】
(構成例7)
前記センサ固定体に、前記センサのケーブルを保持するケーブル保持部を備える、
(構成例1)から(構成例6)のいずれか1つに記載の計測装置。
【0158】
(構成例8)
前記第1固定体と前記センサ固定体との一方または両方に、位置決め用固定具を備える、
(構成例1)から(構成例7)のいずれか1つに記載の計測装置。
【0159】
(構成例9)
さらに、計測部屋を備え、
前記第1固定体と前記センサ固定体との一方または両方は、前記計測部屋の壁面と床面との一方または両方と、前記位置決め用固定部によって固定される、
(構成例8)に記載の計測装置。
【0160】
(構成例10)
前記センサは、磁気センサである、
(構成例1)から(構成例9)のいずれか1つに記載の計測装置。
【0161】
(構成例11)
前記第1固定体は、被験者の体勢を保持する被験者固定体であり、
前記センサは、前記被験者の前記生体信号を検出するセンサである、
(構成例1)から(構成例10)のいずれか1つに記載の計測装置。
【0162】
(構成例12)
前記センサにより検出される前記生体信号に重畳するノイズを抑制するためにリファレンス信号を検出するリファレンスセンサと、
前記リファレンスセンサを保持するリファレンスセンサ保持部と、
を備える、
(構成例1)から(構成例11)のいずれか1つに記載の計測装置。
【符号の説明】
【0163】
1、1001、3001、4001…計測システム、11、1011、3011、4011…計測装置、21、1021…被験者固定体、22、1022、3022…センサ固定体、111、1111…プレート、121、1121…右側手置台、122、1122…左側手置台、151~154、161~164、231、232、251~254、261~264、1151~1154、1161~1164、1231、1232、1251~1254、1261~1264…突出部、211、1211…センサ保持部、221、222、1221、1222…ケーブル保持部、311、1311…センサ、321、1321…収録機、322、1322…コンピューター、331、1331…ケーブル、411…椅子、421…被験者、711、713、831、833、911、921…ブラケット、1511…位置調整部、1521、1522…高さ調整部、2011…計測部屋、2021…床面、2031、2032…側壁面、2033…奥壁面、2111、2112…シールド、3121、3122…支持部、3211、3212、4211、4212…リファレンスセンサ保持部、3311、3312、4311、4312…穴部、3411、3412、4411、4412…リファレンスセンサ、4111、4112…リファレンスセンサ支持部、A1、A11、B1、B11…右脚部、A2、A12、B2、B12…左脚部、A3、A13、B3、B13、B23…台部、P1…距離、P11、P12…方向、Q1、Q2、Q11、Q12、Q111…部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12