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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159042
(43)【公開日】2023-10-31
(54)【発明の名称】配管支持具用スペーサー
(51)【国際特許分類】
   F16L 3/10 20060101AFI20231024BHJP
   F16L 3/14 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
F16L3/10 Z
F16L3/14 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065754
(22)【出願日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】P 2022068920
(32)【優先日】2022-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2022166240
(32)【優先日】2022-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】392018078
【氏名又は名称】日栄インテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100160314
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 公芳
(74)【代理人】
【識別番号】100087745
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 善廣
(74)【代理人】
【識別番号】100118094
【弁理士】
【氏名又は名称】殿元 基城
(74)【代理人】
【識別番号】100134038
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 薫央
(74)【代理人】
【識別番号】100150968
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 悠有子
(72)【発明者】
【氏名】米田 守
(72)【発明者】
【氏名】浦 孔介
【テーマコード(参考)】
3H023
【Fターム(参考)】
3H023AA05
3H023AC07
3H023AC09
3H023AD08
3H023AD21
3H023AD26
3H023AD35
3H023AD54
(57)【要約】
【課題】 配管支持具の腐食を防止するとともに、配管が高温の場合も低コストで配管支持具に耐熱性を付与することができる配管支持具用スペーサーを提供する。
【解決手段】 本発明に係るスペーサー1は、オレフィン系樹脂からなり配管吊金具2の支持部11aに装着される分割体18aと、オレフィン系樹脂からなり配管吊金具2の支持部11bに装着される分割体18bとを備え、分割体18aには、支持部11aの内周面9aを覆い配管3の外周面14に当接する内壁部19aが設けられ、分割体18bには、支持部11bの内周面9bを覆い外周面14に当接する内壁部19bが設けられている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管を支持する配管支持具に装着されて前記配管と前記配管支持具との間に介在する配管支持具用スペーサーであって、
前記配管支持具には、構造物に取り付けられる第一の基部、及び、前記配管の延在方向の特定位置において前記配管の外周面の一部を支持可能な第一の内周面が形成された第一の支持部を有する第一の支持片と、構造物に取り付けられる第二の基部、及び、前記特定位置において前記外周面の他部を支持可能な第二の内周面が形成された第二の支持部を有する第二の支持片とが設けられ、
オレフィン系樹脂からなり前記第一の支持部に装着される第一の樹脂体と、
オレフィン系樹脂からなり前記第二の支持部に装着される第二の樹脂体とを備え、
前記第一の樹脂体には、前記第一の内周面を覆い前記外周面に当接する第一の内壁部が設けられ、
前記第二の樹脂体には、前記第二の内周面を覆い前記外周面に当接する第二の内壁部が設けられていることを特徴とする配管支持具用スペーサー。
【請求項2】
前記オレフィン系樹脂は、ポリメチルペンテンであることを特徴とする請求項1に記載の配管支持用スペーサー。
【請求項3】
前記配管支持具は、前記構造物に吊り下げられるタンバックルを備え、
前記第一の基部及び前記第二の基部は、前記タンバックルを介して前記構造物に取り付けられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の配管支持具用スペーサー。
【請求項4】
前記第一の樹脂体には、前記第一の支持部の前記延在方向の両端面を覆う第一の端壁部が設けられ、
前記第二の樹脂体には、前記第二の支持部の前記延在方向の両端面を覆う第二の端壁部が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の配管支持具用スペーサー。
【請求項5】
前記第一の内壁部には、前記延在方向に沿って第一の溝部が設けられ、
前記第二の内壁部には、前記延在方向に沿って第二の溝部が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の配管支持具用スペーサー。
【請求項6】
前記外周面の周方向における前記第一の内壁部の一方および他方の少なくとも一の端部には、前記延在方向に沿って第一の凹所が設けられ、
前記外周面の周方向における前記第二の内壁部の一方および他方の少なくとも一の端部には、前記延在方向に沿って第二の凹所が設けられており、
前記第一の内壁部および前記第二の内壁部が前記外周面に当接する状態において、前記第一の凹所および前記第二の凹所と前記外周面との間に空間が確保されると共に、前記第一の内壁部における前記一方の端部と前記第二の内壁部における前記一方の端部とが当接し、前記第一の内壁部における前記他方の端部と前記第二の内壁部における前記他方の端部とが当接すること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の配管支持具用スペーサー。
【請求項7】
配管を支持する配管支持具に装着されて前記配管と前記配管支持具との間に介在する配管支持具用スペーサーであって、
前記配管支持具には、U字状を呈して両端に一対のねじ部が設けられたUボルトと、前記一対のねじ部が挿通する一対の挿通孔が設けられたプレートとが設けられ、
オレフィン系樹脂からなり前記Uボルトに装着される第三の樹脂体と、
オレフィン系樹脂からなり前記プレートに載置される第四の樹脂体とを備え、
前記第三の樹脂体には、前記配管の延在方向の特定位置において前記配管の外周面の一部を支持可能な第一の凹部が設けられ、
前記第四の樹脂体には、前記特定位置において前記外周面の他部を支持可能な第二の凹部が設けられていることを特徴とする配管支持具用スペーサー。
【請求項8】
前記オレフィン系樹脂は、ポリメチルペンテンであることを特徴とする請求項7に記載の配管支持用スペーサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物等の構造物に取り付けられて配管を支持する配管支持具に用いられる配管支持具用スペーサーに関する。
【背景技術】
【0002】
建築物等の構造物(「土木・建築にかかる設計の基本」(国土交通省)に定義されているように、本願では「構造物」を「目的とする機能を持ち、作用に対して抵抗することを意図として人為的に構築されるもの」として用いる。)に取り付けられて配管を支持する配管支持具として、例えば特許文献1に記載の配管支持構造を備える配管支持具がある。
【0003】
この配管支持具は、配管の周面に倣った内周面を有する半割状であってヒンジを介して互いに転回可能に連結された第1保持部及び第2保持部を有する吊下部材、並びに、第1保持部及び第2保持部に取り付けられる防振ゴムを備え、防振ゴムを介して第1保持部及び第2保持部で配管を保持して配管を天井から吊り下げて支持する。
【0004】
そして、防振ゴムは、第1保持部の内周面を被覆するとともに配管の周面に装着される第1ゴム体と、第2保持部の内周面を被覆するとともに配管の周面に装着される第2ゴム体と、第2ゴム体と第1ゴム体との間でヒンジを露出させた状態で第1ゴム体と第2ゴム体とを連結してヒンジの位置に対応する部分における第1保持部及び第2保持部の内周面を被覆するとともに配管の周面に装着される連結部とを備え、これにより、吊下部材に錆が発生することを抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-204773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ステンレス製の配管を鉄製の配管支持具で支持する場合のように異種金属を接触させると腐食の発生が懸念されるところ、特許文献1では防振ゴムにより配管支持具が配管と絶縁されて腐食が防止され、また、塩化ビニル樹脂を配管支持具にコーティングして絶縁することも行われていた。
【0007】
一方、ステンレス製の配管は給水や給湯、高温排水に用いられ、特に給湯や高温排水で高温になる場合には、配管に接する塩化ビニル樹脂の特性を考慮して60℃以下の使用条件等が課されている。しかし、近年、給湯設備の進化やレジオネラ菌の繁殖防止により、配管の温度が80~90℃に至るなど高くなって、塩化ビニル樹脂が溶け出したり、塩化ガスを発生させたりする問題が確認されている。
【0008】
そこで、施工現場では、耐熱性のあるテープを配管に巻きつけた上で配管を配管支持具に支持させる作業が行われているが、テープは施工性に難がある。
【0009】
また、配管支持具のメーカーからは、エラストマーの原料に金具をドブ漬けして乾燥させることにより、又は、インジェクションインサート成形により製造したエラストマーがコーティングされた配管支持具や、フッ素樹脂を金具に塗布して製造した配管支持具等が販売されているが、エラストマーやフッ素樹脂は一般に高価で、配管支持具の製造コストがかかるという問題がある。
【0010】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、配管支持具の腐食を防止するとともに、配管が高温の場合も低コストで配管支持具に耐熱性を付与することができる配管支持具用スペーサーを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は、配管を支持する配管支持具に装着されて前記配管と前記配管支持具との間に介在する配管支持具用スペーサーであって、前記配管支持具には、構造物に取り付けられる第一の基部、及び、前記配管の延在方向の特定位置において前記配管の外周面の一部を支持可能な第一の内周面が形成された第一の支持部を有する第一の支持片と、構造物に取り付けられる第二の基部、及び、前記特定位置において前記外周面の他部を支持可能な第二の内周面が形成された第二の支持部を有する第二の支持片とが設けられ、オレフィン系樹脂からなり前記第一の支持部に装着される第一の樹脂体と、オレフィン系樹脂からなり前記第二の支持部に装着される第二の樹脂体とを備え、前記第一の樹脂体には、前記第一の内周面を覆い前記外周面に当接する第一の内壁部が設けられ、前記第二の樹脂体には、前記第二の内周面を覆い前記外周面に当接する第二の内壁部が設けられていることを特徴とする。
【0012】
あるいは、本発明は、配管を支持する配管支持具に装着されて前記配管と前記配管支持具との間に介在する配管支持具用スペーサーであって、前記配管支持具には、U字状を呈して両端に一対のねじ部が設けられたUボルトと、前記一対のねじ部が挿通する一対の挿通孔が設けられたプレートとが設けられ、オレフィン系樹脂からなり前記Uボルトに装着される第三の樹脂体と、オレフィン系樹脂からなり前記プレートに載置される第四の樹脂体とを備え、前記第三の樹脂体には、前記配管の延在方向の特定位置において前記配管の外周面の一部を支持可能な第一の凹部が設けられ、前記第四の樹脂体には、前記特定位置において前記外周面の他部を支持可能な第二の凹部が設けられていることを特徴とする。
【0013】
前記オレフィン系樹脂は、ポリメチルペンテンであることが望ましい。
【0014】
前記配管支持具は、前記構造物に吊り下げられるタンバックルを備え、前記第一の基部及び前記第二の基部は、前記タンバックルを介して前記構造物に取り付けられてもよい。
【0015】
また、前記第一の樹脂体には、前記第一の支持部の前記延在方向の両端面を覆う第一の端壁部が設けられ、前記第二の樹脂体には、前記第二の支持部の前記延在方向の両端面を覆う第二の端壁部が設けられてもよい。
【0016】
さらに、前記第一の内壁部には、前記延在方向に沿って第一の溝部が設けられ、前記第二の内壁部には、前記延在方向に沿って第二の溝部が設けられてもよい。
【0017】
また、前記外周面の周方向における前記第一の内壁部の一方および他方の少なくとも一の端部には、前記延在方向に沿って第一の凹所が設けられ、前記外周面の周方向における前記第二の内壁部の一方および他方の少なくとも一の端部には、前記延在方向に沿って第二の凹所が設けられており、前記第一の内壁部および前記第二の内壁部が前記外周面に当接する状態において、前記第一の凹所および前記第二の凹所と前記外周面との間に空間が確保されると共に、前記第一の内壁部における前記一方の端部と前記第二の内壁部における前記一方の端部とが当接し、前記第一の内壁部における前記他方の端部と前記第二の内壁部における前記他方の端部とが当接するものであってもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、配管支持具の腐食を防止するとともに、配管が高温の場合も低コストで配管支持具に耐熱性を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】発明を実施するための形態に係るスペーサーが取り付けられた配管吊金具を示す正面図である。
図2図1のスペーサー及び配管吊金具を示す側面図である。
図3図1のスペーサー及び配管吊金具を示す平面図である。
図4図1の配管吊金具を示す正面図である。
図5図4の配管吊金具を示す側面図である。
図6図4の配管吊金具を示す平面図である。
図7図1のスペーサーが装着される配管吊金具の他の例を示す正面図である。
図8図7の配管吊金具を示す側面図である。
図9図7の配管吊金具を示す平面図である。
図10】ICP発光分析の定性元素を示す図である。
図11】溶出試験におけるブランクのGC/MS分析結果を示す図である。
図12】溶出試験における試料1のGC/MS分析結果を示す図である。
図13】溶出試験における試料2のGC/MS分析結果を示す図である。
図14】溶出試験における試料3のGC/MS分析結果を示す図である。
図15】ICP発光分析の定性分析結果を示す図である。
図16】圧縮試験装置の外観を示す説明図である。
図17】(a)はクリープ試験において差分変位量がスペーサーの厚さになるまでの引張荷重ごとの試験時間の求め方を示す説明図、(b)は引張荷重と試験時間との関係から使用荷重についての試験時間の求め方を示す説明図である。
図18】クリープ試験における引張荷重ごとの差分変位量の測定結果を示す図である。
図19図18に基づく引張荷重ごとの差分変位量と試験時間との関係を示す図である。
図20図19に基づく引張荷重と差分変位量がスペーサーの厚さになるまでの時間との関係を示す図である。
図21】発明を実施するための形態に係る他のスペーサーが取り付けられた配管吊金具を示す正面図である。
図22】発明を実施するための形態に係るさらに他のスペーサーが取り付けられた配管支持具を示す正面図である。
図23図22のスペーサーが取り付けられた配管支持具を示す斜視図である。
図24】(a)は図22のスペーサーの一方の分割体を示す斜視図、(b)は他方の分割体を示す斜視図である。
図25】発明を実施するための形態に係る他のスペーサーが取り付けられた配管吊金具を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0021】
図1乃至図3に示すように、本実施の形態に係るスペーサー1は、蝶番式立バンドの配管吊金具2に装着され、配管吊金具2がステンレス製の配管3を支持する際に、配管3と配管支持具2との間に介在する。
【0022】
配管吊金具2は、図4乃至図6にも示すように、一対のバンド片4a,4bの下部がヒンジ(蝶番)5により連結されるとともに、上部がボルト6及びナット7により締結されて構成されている。
【0023】
バンド片4aは、帯状の鋼板がプレス加工されてなり、平板状の締着部8aと、板面が円弧状に湾曲して内周面9a及び外周面10aが形成された支持部11aとを備える。締着部8aには二つの挿通孔12aが上下に並んで設けられるとともに、挿通孔12aを挟む位置に一対の凸部13が設けられ、内周面9aは、配管3が延在するX方向(図2及び図3参照。)のある特定の位置において、スペーサー1を介して配管3の外周面14の一部(図1では、外周面14の右部14a)を支持する。
【0024】
バンド片4bは、帯状の鋼板がプレス加工されてなり、平板状の締着部8bと、板面が円弧状に湾曲して内周面9b及び外周面10bが形成された支持部11bとを備える。締着部8bには二つの挿通孔12bが上下に並んで設けられ、内周面9bは、上記特定の位置において、スペーサー1を介して配管3の外周面14の他部(図1では、外周面14の左部14b)を支持する。
【0025】
バンド片4bは、ボルト6及びナット7によりバンド片4aと締結されていない状態において、ヒンジ5を支点としてR方向(図4参照)に回動可能であり、バンド片4aに対して開閉することによって、配管3の取付けに供する。
【0026】
ボルト6は、頭部15及びねじ部が設けられた軸部16を備え、軸部16が挿通孔12a,12bに挿通され、その挿通孔12bから突出した部分にナット7が螺着されることにより(一対の凸部13が頭部15を挟んで回り止めし、ナット7の螺着は容易となっている。)、締着部8aと締着部8bとを締着する。締着部8a,8bは、これらの間に構造物17(配管吊金具2を建築物に取り付けるための金具等を含む。図1図2参照。)を挟んだ状態で、二組の挿通孔12a,12bに締着される二組のボルト6及びナット7により共締めされることによって、構造物17に取り付けられる。
【0027】
スペーサー1は、二分割された分割体18a,18bにより構成されている。分割体18a,18bは、ポリメチルペンテン等のオレフィン系樹脂(例えば、融点が220℃以上で耐熱性に優れ、絶縁性にも優れた結晶性のオレフィン系ポリマーに少量の添加剤を加えた混合物)をインジェクション成形してなる。
【0028】
分割体18aは、バンド片4aの支持部11aに装着され、支持部11aの内周面9aを覆い配管3の外周面14に当接する内壁部19aと、支持部11aのX方向の端面20aを覆う端壁部21aとを有する。
【0029】
内壁部19aには、配管3が高温になった場合の外周面14近傍の通気性を確保し、配管3及び分割体18a自体の温度上昇抑制に供する溝部22aが、X方向に沿って設けられている。
【0030】
端壁部21aには、内壁部19aと反対側に一対の切込23aが形成されるとともに、切込23aに区画された係合部24aが設けられている。係合部24aには、支持部11aの端面20aから外周面10aにかけて接するように屈曲した爪部25aが形成され、係合部24aが弾性変形して支持部11aが分割体18aの一対の端壁部21aの間に嵌め込まれ、内壁部19aが内周面9aに当接して爪部25aが外周面10aに係合することにより、分割体18aが支持部11aにワンタッチで取り付けられる。
【0031】
同様に、分割体18bは、バンド片4bの支持部11bに装着され、支持部11bの内周面9bを覆い配管3の外周面14に当接する内壁部19bと、支持部11bのX方向の端面20bを覆う端壁部21bとを有する。
【0032】
内壁部19bには、配管3が高温になった場合の外周面14近傍の通気性を確保し、配管3及び分割体18b自体の温度上昇抑制に供する溝部22bが、X方向に沿って設けられている。
【0033】
端壁部21bには、内壁部19bと反対側に一対の切込23bが形成されるとともに、切込23bに区画された係合部24bが設けられている。係合部24bには、支持部11bの端面20bから外周面10bにかけて接するように屈曲した爪部25bが形成され、係合部24bが弾性変形して支持部11bが分割体18bの一対の端壁部21bの間に嵌め込まれ、内壁部19bが内周面9bに当接して爪部25bが外周面10bに係合することにより、分割体18bが支持部11bにワンタッチで取り付けられる。
【0034】
図7乃至図9は、スペーサー1が装着される蝶番式吊バンドの配管吊金具26を示す。配管吊金具26は、建築物の天井スラブ等の構造物に上端が固定される吊ボルト27に吊り下げられるタンバックル28と、タンバックル28に取り付けられるバンド片29a,29bとを備える。
【0035】
バンド片29a,29bは、バンド片4a,4bの締着部8a,8bが上下に短く挿通孔12a,12bがそれぞれ一つずつであるほかは、バンド片4a,4bと同様の構成を有するので、バンド片4a,4bの各部と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。また、バンド片29a,29bの下部はヒンジ30により連結され、上部はボルト6及びナット7により締結される。
【0036】
タンバックル28は、帯状の鋼板がプレス加工されてなり、吊ボルト27に吊り下げられる頂部31と、頂部31のY方向(X方向に直交する方向。図7図9参照。)の両端から下方に延在し、頂部31に対して弾性変形可能な吊片32a,32bとを有する。吊片32aには挿通孔33aが形成され、吊片32bには挿通孔33bが形成されている。
【0037】
吊片32a,32bの間には、挿通孔34を有する介在部材35が設けられ、これらが締着部8a,8bの間に挟まれた状態で、ボルト36の軸部37が挿通孔12b、挿通孔32b、挿通孔34、挿通孔32a及び挿通孔12aをこの順に挿通し、その挿通孔12aから突出した部分に蝶ナット(ウイングナット)38が螺着されることにより、締着部8a,8bはタンバックル28及び吊ボルト27を介して構造物に取り付けられる。なお、ボルト36の軸部37には、蝶ナット38の代わりに六角ナットが螺着されてもよい。
【0038】
ポリメチルペンテンからなるスペーサーの性能を確認するために、溶出試験及び耐熱試験を行った。
【0039】
塩化ビニル樹脂では、それに含まれる塩素が高温下で分解されて結露水と混ざることにより塩化水素を生じ、それが配管を腐食させていたところ、溶出試験では、ポリメチルペンテンに塩素は含まれていないが、高温下で溶出物がないことを確認するために行った。
【0040】
また、塩化ビニル樹脂は80℃程度で溶け出して使用が困難になる一方、設備の進化に合わせて100℃に対応しようとすると、高価なスペーサーは現場で受け入れられないため、安価なものが必要となる。しかし、一般に、安価な材料は、絶縁性は備えるものの耐熱性能が低く、開発納期を早めるための寿命予測、例えば、高温で負荷をかけて樹脂の劣化を促進させるアレニウス試験等を実施することもできず、耐熱性能を確認するには実際の使用年数である20年ほどの長期間をかけた試験を行うしかなかった。耐熱試験では、ポリメチルペンテンからなるスペーサーのアレニウス試験を行い、その耐熱性能を確認した。
【0041】
[溶出試験]
1 試験方法
試料1(新品のポリメチルペンテン)、試料2(160℃で24日間加熱したポリメチルペンテン)及び試料3(160℃で26日間加熱したポリメチルペンテン)を2個(約4.5g)ずつ採取し、純水で8時間加熱還流抽出を実施した。抽出後の液を冷却後100mLに定容し、これを試験液としてGC/MS分析(ガスクロマトグラフ質量分析)及びICP発光分析(誘導結合プラズマ発光分析)を行った(なお、試料を採取せず同様の操作を実施した試験液も作製し、ブランクとした。)。
【0042】
2 試験機器等
〔GC/MS分析〕
測定機器:株式会社島津製作所製 GCMS-QP2010 Plus
カラム:Agilent社製 DB-5ms(長さ30m、内径0.25mm、膜厚0.25μm)
カラム温度:40℃(3分)→20℃/分→320℃(8分)
スキャン測定範囲:m/z 33-550
注入量:1μL
なお、GC/MS分析により検出された物質は、質量分析用データベースを用いて物質の同定を行い、データベースと高い一致を示したものを選定した。
〔ICP発光分析〕
測定機器:島津製作所 ICPS-8100
定性元素:図10に示す63元素
【0043】
3 試験結果
〔GC/MS分析〕
試験液をアセトンで10倍に希釈して測定した結果を図11乃至図14に示す。各試料ともブランクで検出された物質以外の検出は認められなかった。
〔ICP発光分析〕
結果を図15に示す。試料1及び試料2で微量のケイ素(推定濃度範囲10~1mg/L)が検出されたが、ガラス器具等から溶出した可能性が考えられる。
【0044】
[耐熱試験]
1 試験方法
試料(ポリメチルペンテン)の使用環境100℃での寿命を予測するために、温度負荷をかけた160℃、170℃、180℃の各温度に試料を加熱し、適時に試料を取り出して強度の確認を行い、その結果をアレニウスの式に当てはめて寿命予測を行った(アレニウス試験)。
【0045】
2 試験機器等
〔促進劣化処理〕
使用装置:ADVANTEC社製 DRM320DD
試験温度:160℃、170℃、180℃
処理日数:図15に示すとおり
〔圧縮試験〕
使用装置:インストロン社製 万能試験機5966
ロードセル:10kN
試験速度:5mm/分
圧子:10mm角棒
装置外観:図16に示すとおり
【0046】
3 試験結果
初期劣化時点(初期最大荷重より最大荷重値の低下が始まる時点)に約29.2年要すると予想され、使用環境100℃で十分な耐熱性能及び寿命を有することがわかった。
【0047】
また、ポリメチルペンテンからなるスペーサーのクリープ性能を確認するために、クリープ試験を行った。クリープとは、樹脂が高温下で柔らかくなり、そこに荷重が加わり続けると潰れて薄くなる現象で、クリープ試験では、ポリメチルペンテンからなるスペーサーについて、100℃、0.137kN(14kgf)の使用環境下で潰れて最薄部の厚さが0に近づくまで(スペーサーの厚さ分だけ潰れるまで)のクリープ寿命を求めた。
【0048】
[クリープ試験]
1 試験方法
クリープ試験機により、100℃の環境下で引張荷重を1kN、2kN、3kNとしてスペーサーが装着された配管吊金具を上方に、配管吊金具に支持された配管を下方に引っ張り、スペーサーが装着された配管吊金具の変位量Dを経時的に測定した。併せて、スペーサーが装着された配管吊金具の変位量Dだけを測定したのでは、スペーサーの変位のみならず配管吊金具の変位も含まれるため、スペーサーが装着されていない配管吊金具についても変位量Dを測定し、それらの差である差分変位量D=D-Dがスペーサーの厚さ1.6mmと等しくなる時間(スペーサーが潰れて厚さが0mmになるまでの時間)をクリープ寿命とした。
【0049】
すなわち、引張荷重を1kN、2kN、3kNとして差分変位量Dを経時的に測定し、図17(a)に示すように、引張荷重が1kNのときの差分変位量Dがスペーサーの厚さ(1.6mm)に到達する試験時間T1kN、引張荷重が2kNのときの差分変位量Dがスペーサーの厚さに到達する試験時間T2kN、引張荷重が3kNのときの差分変位量Dがスペーサーの厚さに到達する試験時間T3kNを求め、図17(b)に示すように、引張荷重1kN、2kN、3kNと試験時間T1kN、T2kN、T3kNとの相関から、使用荷重0.137kNの場合の試験時間Tを破壊時間(クリープ寿命)として算出した。
【0050】
2 試験機器等
使用装置:東伸工業株式会社製 マルチ式クリープ試験機6MRT-15型
試験温度:100℃
試験数:6(荷重(1kN、2kN、3kN)3種×供試体(スペーサーありの配管吊金具、スペーサーなしの配管吊金具)2種)
試験時間:750時間(1か月)
【0051】
3 試験結果
引張荷重1kN、2kN、3kNについての差分変位量Dの変化は、図18に示すとおりであり、変化が安定した試験時間(450~750時間)の測定値から差分変位量Dが1.6mmに到達する試験時間を図19に示すように近似式で推定すると、T1kN=1.12×10(時間)、T2kN=1.96×10(時間)、T3kN=1.18×10(時間)となる。
【0052】
そして、荷重0.137kNの場合に差分変位量Dが1.6mmに到達する試験時間を図20に示すように近似式で推定すると、T=296,281(時間)となり、100℃、0.137kNの使用環境下でスペーサーが潰れてなくなるまでのクリープ寿命は約38.8年と推定される。
【0053】
本実施の形態に係るスペーサー1は、オレフィン系樹脂からなり配管吊金具2又は配管吊金具26の支持部11aに装着される分割体18aと、オレフィン系樹脂からなり配管吊金具2又は配管吊金具26の支持部11bに装着される分割体18bとを備え、分割体18aには、支持部11aの内周面9aを覆い配管3の外周面14に当接する内壁部19aが設けられ、分割体18bには、支持部11bの内周面9bを覆い外周面14に当接する内壁部19bが設けられており、オレフィン系樹脂が絶縁性を有することにより、配管3との接触に起因する配管吊金具2,26の腐食を防止することができるとともに、オレフィン系樹脂が従来の塩化ビニル樹脂と同程度のコストで高い耐熱性を有することにより、配管3が高温の場合も配管吊金具2,26自体を耐熱仕様に変更することなく低コストで配管吊金具に耐熱性を付与することができる。
【0054】
また、分割体18aには、支持部11aの端面20aを覆う端壁部21aが設けられ、分割体18bには、支持部11bの端面20bを覆う端壁部21bが設けられているので、スペーサー1の内壁部19a,19bと配管吊金具2,26の支持部11a,11b(内周面9a,9b)との間への水分の浸入が妨げられ、配管吊金具2,26のスペーサー1との接触面(内周面9a,9b)における腐食をより確実に防ぐことができる。
【0055】
以上、本発明を実施するための形態について例示したが、本発明の実施形態は上述したものに限られず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更等してもよい。
【0056】
例えば、上記実施の形態では、分割体をポリメチルペンテンにより成形したが、オレフィン系樹脂としてポリエチレンやポリプロピレン等を用いてもよい。
【0057】
また、配管支持具の一対のバンド片がヒンジで連結されて蝶番式に開閉したが、一対のバンド片の上部がタンバックルの一対の吊片にそれぞれ取り付けられるとともに、一対のバンド片の下部が互いに係合可能に形成され、その一対のバンド片の下部が係合していない状態で、一方のバンド片がタンバックルとの取付位置を起点に回動し、他方のバンド片に対して開閉する構造としてもよい。
【0058】
さらに、分割体18a,18bの内壁部19a,19bには、必ずしも溝部22a,22bが設けられなくてもよく、端壁部21a,21bは、必ずしも端面20a,20bを全体的に覆うものでなくても(端面20a,20bを円周方向に部分的に覆うものであっても)よく、その他配管や配管支持具の材質、スペーサーの形状も上述したものに限られず、図21に示すように、分割体18a,18bが連結体18cにより連結されて一体となっていてもよい。
【0059】
また、分割体18a,18bの内壁部19a,19bに対して溝部22a,22bを設けるのではなく、内壁部19a,19bの周方向の端部に、配管3の延存方向(X方向、図2参照)に続く凹所(欠落部)を設けてもよい。図25は、分割体18a,18bの内壁部19a,19bであって、内壁部19a,19bの周方向における両方の端部に、それぞれ凹所(第一の凹所および第二の凹所)40a,40b,41a,41bを設けた状態を示している。図25に示すように、分割体18a,18bの内壁部19a,19bが配管3の外周面14に当接する状態において、各凹所40a,40b,41a,41bと配管3の外周面14との間には、隙間(空間)S1,S2が確保されている。さらに、分割体18a,18bの内壁部19a,19bが配管3の外周面14に当接する状態において、内壁部19a,19bの一方の端部42a,43aが互いに当接した状態となっており、内壁部19a,19bの他方の端部42b,43bが互いに当接した状態となっている。
【0060】
このように、分割体18a,18bに対して凹所40a,40b,41a,41bを形成した場合であっても、内壁部19a,19bの両方の端部42a,43a,42b,43bがそれぞれ当接した状態となっているので、分割体18aと分割体18bの境界部分から結露等が侵入することを防ぐことができ、配管3の腐食を防止することが可能となる。
【0061】
また、分割体18a,18bの間に配管3を配置する場合には、ボルト6の先端部分までナット7を緩めて移動させることにより、分割体18aと分割体18bとの間隔を広げて、配管を挿入させる作業を行う。ここで、分割体18aが装着される支持部11aのバンド片4aと、分割体18bが装着される支持部11bのバンド片4bとは、ヒンジ5によって連結されている。このため、ナット7をボルト6の先端部分まで移動させると、分割体18aと分割体18bとの左右方向の間隔は広げることができるが、上下方向の間隔は、ほとんど広げることができない。
【0062】
しかしながら、内壁部19a,19bの周方向の端部に凹所40a,40b,41a,41bが形成されて、内壁部19a,19bの上側部分に隙間S1が確保され、下側部分に隙間S2が確保されているため、ナット7をボルト6の先端部分まで移動させた状態において、配管3の直径よりも上下方向に広い内部空間を確保することが可能となる。このため、分割体18aと分割体18bとの上下方向の間隔が、ナット7の移動に伴ってほとんど広がらない場合であっても、隙間S1および隙間S2を利用することにより、配管3の直径よりも広い上下幅および左右幅の内部空間を確保でき、分割体18aと分割体18bとの間に簡易かつ円滑に配管3を挿入させることが可能になる。
【0063】
なお、図25では、分割体18a,18bの内壁部19a,19bであって、内壁部19a,19bの周方向における両方の端部に、それぞれ凹所40a,40b,41a,41bを設けた場合を示したが、それぞれの凹所は、必ずしも、内壁部19a,19bの両方の端部に設ける必要はない。内壁部19a,19bの周方向における少なくとも一の端部(一方の端部または他方の端部のうち少なくとも一(片方)の端部)に設けられていればよい。
【0064】
図22及び図23は、配管支持具及びスペーサーの他の形態として、配管支持具30が金属製のUボルト31、ナット32及びプレート33からなり、この配管支持具30に樹脂製のスペーサー34が取り付けられる例を示す。スペーサー34は、配管支持具30がステンレス製の配管3を支持する際に、配管3と配管支持具30との間に介在する。
【0065】
詳しくは、Uボルト31は、環状部分31aと直状部分31b,31bとを備えてU字状を呈し、その両端(直状部分31b,31bの先端)には、一対のねじ部31c,31cが設けられている。プレート33は、長尺の板状を呈して長手方向の両端部に一対の挿通孔33a,33aが設けられ、挿通孔33a,33aにねじ部31c,31cが挿通されて配管3の外周面14が延在方向の特定位置においてUボルト31及びプレート33に挟持された状態で、ねじ部31cの挿通孔33aを挿通した部分にナット32が螺着される。なお、プレート33は、アングル(山形鋼)やチャンネル(溝形鋼)のような全体としては平板状ではない形状の部材(例えば、構造物に直接取り付けられる部材)の一部であってもよい。
【0066】
スペーサー34は、オレフィン系樹脂(ここでは、ポリメチルペンテン)からなる分割体35及び分割体36により構成されている。図24に示すように、分割体35は、U字状部35aと、一対のフランジ部35b,35bとを備え、U字状部35aは、U字状を呈することによりU字の内側に凹部35cが設けられるとともに、U字の外側に嵌入溝35dが設けられ、嵌入溝35dのU字に沿った略中央の位置には、係合部35e,35eが設けられている。フランジ部35b,35bは、U字状部35aの両端から外側に向けて延設され、各フランジ部35bには挿通孔35fが設けられている。分割体36は、受け部36aと、一対のフランジ部36b,36bとを備え、受け部36aには、円弧状の凹部36cが設けられている。フランジ部36b,36bは、受け部36aの側面36d,36dから外側に向けて延設され、各フランジ部36bには挿通孔36eが設けられている。
【0067】
スペーサー34を配管支持具30に取り付ける際には、まず、分割体35の嵌入溝35dにUボルト31をU字の内側から嵌入させ、Uボルト31のU字の外側に係合部35e,35eを係合させるとともに、ねじ部31c,31cを挿通孔35f,35fに挿通させて、Uボルト31に分割体35を装着させる。
【0068】
次に、挿通孔36e,36eが挿通孔33a,33aに重なり合うように分割体36をプレート33に載置し、凹部36cが配管3の外周面14を特定位置で支持した状態で、分割体35が装着されたUボルト31のねじ部31c,31c(挿通孔35f,35fを挿通した部分)を挿通孔36e,36e及び挿通孔33a,33aに挿通させる。
【0069】
そして、ねじ部31c,31c(挿通孔33a,33aを挿通した部分)にナット32,32を螺合させ、ナット32,32をプレート33に接するまで締め付けることにより、凹部35cが配管3の外周面14を特定位置で凹部36cと反対側から支持し、配管3がスペーサー34(分割体35及び分割体36)に挟持される。このとき、ナット32の締付けを阻害しないように、フランジ部35b,35bとフランジ部36b,36bとの間には間隔37,37が形成され(配管3の外周面14の径との関係で、凹部35cの深さやフランジ部36b,36bの厚さが設計されている。)、分割体35及び分割体36の横ずれ(配管3の軸に直交する方向(図22の左右方向)のずれ)を抑制するように、凹部35cと側面36d,36dとが当接又は近接する。
【0070】
このスペーサー34は、オレフィン系樹脂からなり配管支持具30のUボルト31に装着される分割体35と、オレフィン系樹脂からなり配管支持具30のプレート33に載置される分割体36とを備え、分割体35には、配管3の延在方向の特定位置において配管3の外周面14の一部を支持可能な凹部35cが設けられ、分割体36には、特定位置において外周面14の他部を支持可能な凹部36cが設けられており、オレフィン系樹脂が絶縁性を有することにより、配管3との接触に起因する配管支持具30の腐食を防止することができるとともに、オレフィン系樹脂が従来の塩化ビニル樹脂と同程度のコストで高い耐熱性を有することにより、配管3が高温の場合も配管支持具30自体を耐熱仕様に変更することなく低コストで配管支持具に耐熱性を付与することができる。
【符号の説明】
【0071】
1 スペーサー
2 配管吊金具(配管支持具)
3 配管
8a 締着部(第一の基部)
8b 締着部(第二の基部)
9a 内周面(第一の内周面)
9b 内周面(第二の内周面)
11a 支持部(第一の支持部)
11b 支持部(第二の支持部)
14 外周面
14a 右部(外周面の一部)
14b 左部(外周面の他部)
17 構造物
18a 分割体(第一の樹脂体)
18b 分割体(第二の樹脂体)
19a 内壁部(第一の内壁部)
19b 内壁部(第二の内壁部)
20a 端面
20b 端面
21a 端壁部(第一の端壁部)
21b 端壁部(第二の端壁部)
30 配管支持具
31 Uボルト
31c ねじ部
33 プレート
33a 挿通孔
35 分割体(第三の樹脂体)
35c 凹部(第一の凹部)
36 分割体(第四の樹脂体)
36c 凹部(第二の凹部)
40a,40b 凹所(第一の凹所)
41a,41b 凹所(第二の凹所)
42a 端部(第一の内壁部における一方の端部)
42b 端部(第一の内壁部における他方の端部)
43a 端部(第二の内壁部における一方の端部)
43b 端部(第二の内壁部における他方の端部)
S1,S2 隙間(空間)
X 延在方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
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図22
図23
図24
図25