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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159074
(43)【公開日】2023-10-31
(54)【発明の名称】生体磁場の検出
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/243 20210101AFI20231024BHJP
   A61B 5/24 20210101ALI20231024BHJP
【FI】
A61B5/243
A61B5/24
【審査請求】有
【請求項の数】26
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023120262
(22)【出願日】2023-07-24
(62)【分割の表示】P 2020504672の分割
【原出願日】2018-08-09
(31)【優先権主張番号】15/673,067
(32)【優先日】2017-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ANDROID
(71)【出願人】
【識別番号】517363849
【氏名又は名称】ジェネテシス インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エラサラ,ヴィニート
(72)【発明者】
【氏名】ヴォン ステイン,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】セドラック,タチアナ
(72)【発明者】
【氏名】プリンス,ジュリア
(57)【要約】      (修正有)
【課題】個体に関連した磁場を検知するための装置
【解決手段】装置は、個体に関連した磁場を検知するように構成された磁力計のアレイと、シールドの外側の環境磁場から少なくとも前記磁力計のアレイを遮蔽するように構成されたシールドであって、前記シールドは、個体の身体の少なくとも一部を、少なくとも部分的に囲む大きさに設定され、前記シールドは、開放端と閉鎖端を備え、前記開放端は、個体の身体の一部を受け入れるように構成され、前記閉鎖端は、前記シールドの外側の環境磁場からのノイズを減少させるように構成された、テーパー状、円錐形状、または実質的に円錐状を備え、前記シールドは、複数の層、パーマロイまたはミューメタルを含む、シールドと、プロセッサに磁力計のアレイにより検知された個体に関連した磁場を受信させるように構成される、非一時的なコンピューター読取り可能な媒体と、を備える。
【選択図】図18
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個体に関連した磁場を検知するための装置であって
a.移動可能な基部ユニット、
b.近位端および遠位端を有するアームであって、前記近位端は前記移動可能な基部ユニットに第1のジョイントによって連結されており、前記第1のジョイントは、前記アームが少なくとも1つの自由度で前記移動可能な基部ユニットに対して移動するように構成される、アーム、
c.前記アームの遠位端に連結された、1つ以上の光ポンピング磁力計のアレイであって、前記1つ以上の光ポンピング磁力計のアレイは、前記個体に関連した磁場を検知するように構成されている、アレイ及び、
d.以下
i.磁場を受信すること、および
ii.磁場に関連した状態を決定すること
をプロセッサにもたらすように構成された、前記プロセッサにより実行可能な命令を含むコンピュータプログラムによりエンコードされた、非一時的なコンピューター読取り可能な媒体
を備える、装置。
【請求項2】
1つ以上の環境磁場から前記装置を遮蔽するように構成されたシールドを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記シールドが、少なくとも部分的に、磁場と関連する前記個体の身体の一部を囲むように構成される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
磁場と関連する前記個体の身体の一部は、前記個体の胸部の少なくとも一部である、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記シールドは2つ以上の層を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記2つ以上の層の各々は、0.1乃至10ミリメートルの厚さを有する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記シールドはパーマロイ又はミューメタルを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項8】
前記アームは、近位セグメントおよび遠位セグメントを含み、そして第2のジョイントが、前記近位セグメントと前記遠位セグメントとの間に配置され、前記遠位セグメントが前記近位セグメントに対して関節接合されるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記1つ以上の光ポンピング磁力計のアレイが、前記アームに対して、少なくとも1つの自由度を伴って移動するように、前記1つ以上の光ポンピング磁力計のアレイが、前記アームの遠位端に移動可能に結合された、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記1つ以上の光ポンピング磁力計のアレイが、少なくとも3つの光ポンピング磁力計を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記1つ以上の光ポンピング磁力計のアレイが、前記個体の身体の一部の全体的な輪郭と一致するように配置された、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記コンピュータプログラムは、前記プロセッサーに磁場をフィルタリングさせるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
グラジオメーターを備え、前記コンピュータプログラムが、前記グラジオメーターによって検知された磁場を相殺することによって、前記プロセッサーに、磁場をフィルタリングさせる、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記コンピュータプログラムは、周波数に基づく測定を磁場から減算することにより、前記プロセッサーに、磁場をフィルタリングさせる、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記コンピュータプログラムは、前記プロセッサーに、波形を含む磁場の視覚的な表現を生成させる、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記状態は前記個体の診断を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記状態は前記個体の予後を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記状態は前記個体の循環系に関係する、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記状態は、前記個体の神経系に関係する、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記状態は、前記個体の2つ以上の器官に関係する、請求項1に記載の装置。
【請求項21】
個体に関連した磁場を検知する方法であって、
a.移動可能な電磁気検知器を前記個体に近接して配置すること
b.磁場と関連する前記個体の身体の一部に近接して前記1つ以上の光ポンピング磁力計のアレイに結合した、前記移動可能な電磁気検知器のアームを配置すること
c.磁場を検知すること、および
d.コンピューティングデバイスを使用して、磁場と関連する状態を決定すること
を含む方法。
【請求項22】
1つ以上の環境磁場から、前記個体の少なくとも一部を遮蔽することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記シールドが、磁場と関連する前記個体の身体の一部を、少なくとも部分的に囲むように構成される、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
磁場と関連する前記個体の身体の一部は、前記個体の胸部の少なくとも一部である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記シールドは2つ以上の層を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記2つ以上の層の各々が、0.1~10ミリメートルの厚さを有する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記シールドがパーマロイまたはミューメタルを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項28】
前記アームが近位セグメントおよび遠位セグメントを含み、第2のジョイントが、前記近位セグメントと前記遠位セグメントとの間に配置され、前記遠位セグメントが前記近位セグメントに対して関節接合されるように構成される、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
前記1つ以上の光ポンピング磁力計のアレイが、前記アームに対して、少なくとも1つの自由度を伴って移動するように、前記1つ以上の光ポンピング磁力計のアレイが、前記アームの遠位端に移動可能に結合される、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
前記1つ以上の光ポンピング磁力計のアレイが、少なくとも3つの光ポンピング磁力計を備える、請求項21に記載の方法。
【請求項31】
前記1つ以上の光ポンピング磁力計のアレイが、前記個体の身体の一部の全体的な輪郭と一致するように配置される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記コンピュータプログラムは、前記プロセッサーに磁場をフィルタリングさせるように構成される、請求項21に記載の方法。
【請求項33】
フィルタリング工程は、前記グラジオメーターによって検知された磁場を相殺することを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記コンピューティングデバイスを使用して、周波数に基づいた測定を磁場データから減算することにより、磁場をフィルタリングすることを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記コンピューティングデバイスを使用して、波形を含む磁場の視覚的な表現を生成することを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
前記状態は前記個体の診断を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項37】
前記状態は前記個体の予後を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項38】
前記状態は前記個体の循環系に関係する、請求項21に記載の方法。
【請求項39】
前記状態は前記個体の神経系に関係する、請求項21に記載の方法。
【請求項40】
前記状態は前記個体の2つ以上の器官に関係する、請求項21に記載の方法。
【請求項41】
個体の循環系に関連した磁場を検知する方法であって、
a.移動可能な電磁気検知器を前記個体の胸部に対して近接して配置すること
b.前記個体の胸部に近接して前記1つ以上の光ポンピング磁力計のアレイと結合された、移動可能な前記電磁気検知器のアームを配置すること
c.磁場を検知すること、および、
d.コンピューティングデバイスを使用して、磁場と関連する状態を決定すること
を含む、方法。
【請求項42】
個体の神経系に関連した磁場を検知する方法であって、
a.移動可能な電磁気検知器を前記個体に近接して配置すること;
b.前記個体に近接して前記1つ以上の光ポンピング磁力計のアレイと結合された、前記移動可能な電磁気検知器のアームを配置すること;
c.磁場を検知すること、および、
d.コンピューティングデバイスを使用して、磁場と関連する状態を決定すること
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(相互参照)
本出願は2017年8月9日に出願された、米国出願第15/673,067号の一部継続出願であり、この出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
動的磁場は、特定の哺乳動物の組織、例えば、活動電位で駆動される生理機能を有する組織に関係している。特定の組織の構造または機能の変化は、組織と関連のある、および/または組織によって生成された磁場の変化に反映されることができる。
【発明の概要】
【0003】
個体の組織、個体の身体の一部および/または個体の全身に関連した電磁場(EMF)あるいは心磁図(MCG)のなどの磁場を検知するためのシステム、装置および方法が本明細書に記述される。磁場が、本明細書に記述されるシステム、装置、および方法を使用して関連付けられ検知される組織の限定的な例には、血液、骨、リンパ、CSF、および心臓、肺、肝臓、腎臓および皮膚を包含する器官が含まる。ある実施形態では、本明細書に記述される装置およびシステムは、例えば、個体の胴体などの本体の一部に関連した磁場信号、または個体の全身に関連した磁場のような個体の本体の一部に関連した磁場信号を検知する。
【0004】
本明細書に記載されるものは、移動可能な基部ユニットと、近位端と遠位端を有するアームであって、近位端が、少なくとも1つの自由度を備え移動可能な基部ユニットに対してアームが移動するように移動可能な基部ユニット等に移動可能に連結されているアームと、アームの遠心端に連結された1つ以上の光ポンピング磁力計のアレイであって、個体に関連した磁場を検知するように構成された、光ポンピング磁力計アレイとを備える、個体に関連した磁場データを検知するための装置である。ある実施形態では、この装置は、環境に関連した単数または複数の磁場を減ずるように構成されたシールドを備える。ある実施形態では、このシールドは、磁場データに関連する個体の身体の一部を含むように構成される。ある実施形態では、磁場に関連する個体の身体の一部は、個体の胸部である。ある実施形態では、装置またはシステムのアームは、アームが関節接合されるように構成されるジョイントを含む。ある実施形態では、光ポンピング磁力計が少なくとも1つの自由度でアームに対して移動するように、光ポンピング磁力計アレイは、遠位端に移動可能に結合される。いくつかの実施形態において、光ポンピング磁力計はアレイの一部である。いくつかの実施形態において、アレイは、個体の身体の特定の部分と一致するように配置される。いくつかの実施形態において、この装置は、プロセッサと、ならびに、光ポンピング磁力計によって検知される磁場データをプロセッサに受け取らせ、そして磁場データをフィルタリングさせるように構成された、コンピュータープログラムを備える、非一時的なコンピューター読み取り可能な媒体とを備える。いくつかの実施形態において、この装置は、コンピュータープログラムが、プロセッサに、環境に関連した磁場を相殺することによりデータをフィルタリングさせるグラジオメーターを備える。いくつかの実施形態において、このコンピュータープログラムは、周波数に基づいた測定を磁場データから減算することにより、プロセッサに、データをフィルタリングさせる。いくつかの実施形態において、このコンピュータープログラムは、プロセッサに、波形を含む磁場データの視覚的な表現を生成させる。
【0005】
また本明細書に記載されているものは、個体に関連した磁場データを検知する方法であって、移動可能な電磁気検知器を個体に近接して配置すること、磁場データと関連する上記個体の身体の一部に近接して上記1つ以上の光ポンピング磁力計に近接する基部ユニットに結合した、上記移動可能な電磁気検知器のアームを配置すること、および磁場データを検知することを含む方法である。いくつかの実施形態において、この方法は、環境に関連した磁場から個体の少なくとも一部をシールドすることを含む。いくつかの実施形態において、シールドは磁場データと関連した個体の身体の一部を含有するように構成される。いくつかの実施形態において、磁場と関連する個体の身体の一部は、個体の胸部である。いくつかの実施形態において、装置またはシステムのアームは、アームが関節結合するように構成されるジョイントを含む。いくつかの実施形態において、光ポンピング磁力計が少なくとも1つの自由度をもってアームに対して移動するように、光ポンピング磁力計は、アームに移動可能に結合される。いくつかの実施形態において、光ポンピング磁力計はアレイの一部である。いくつかの実施形態において、アレイは個体の身体の特定の部分に一致されるように配置される。
【0006】
いくつかの実施形態において、この方法は、波形を含む磁場データの視覚的な表現を生成することを含む。いくつかの実施形態において、この方法は、記録されたデータの各タイムスタンプについて磁力計アレイ中の2つ以上のセンサー間の2次元の立方体補間を含む磁場データの視覚的な表現を生成することを含む。いくつかの実施形態において、視覚的な表現は、2次元(2D)空間で表示された磁場値に関連するカラー値を含む。検知された磁場データの連続の視覚的な表現の再生は、いくつかの実施形態では、個体から検出された電磁気活性を要約する動的2Dアニメーションを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲において具体的に説明される。本発明の特徴および利点のより良好な理解は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を説明する以下の詳細な説明、および以下の添付図面(本明細書では「図(”Figure” and ”FIG.”)」とも称する)を引用することによって得られる。
図1】センサーアレイ、シールド、および基部ユニットの1つの例を示す。
図2】シールドの1つの例を示す。
図3】シールドと基本ユニットの1つの例を示す。
図4】基部ユニットに作動可能に連結されたセンサーアレイの1つの例を示す。
図5】アームに作動可能に連結されたセンサーアレイの1つの例を示す。
図6】基部ユニットに作動可能に連結されたセンサーアレイの1つの例を示す。
図7】基部ユニットのアームに作動可能に連結されたセンサーアレイの1つの例を示す。
図8】本明細書で提供される方法を実施するようにプログラムされるか、または他の方法で構成されるコンピューター制御システムを示す。
図9】A-Bは、シールドの1つの例を示す。図9のAのシールドはシールドの開放端および内部体積を示すように配置される。図9のBのシールドはテーパー状または円錐状を有するシールドの閉鎖端を示すように配置される。
図10】A-Bは、シールドについての2つの異なる断面を示す。
図11A】シールドの1つの例についての複数の視野を示す。
図11B】シールドの1つの例についての複数の視野を示す。
図11C】シールドの1つの例についての複数の視野を示す。
図11D】シールドの1つの例についての複数の視野を示す。
図11E】シールドの1つの例についての複数の視野を示す。
図11F】シールドの1つの例についての複数の視野を示す。
図11G】シールドの1つの例についての複数の視野を示す。
図11H】シールドの1つの例についての複数の視野を示す。
図11I】シールドの1つの例についての複数の視野を示す。
図11J】シールドの1つの例についての複数の視野を示す。
図11K】シールドの1つの例についての複数の視野を示す。
図11L】シールドの1つの例についての複数の視野を示す。
図12】A-Bは、シールドについての外部サポートの1つの例についての複数の視野を示す。
図13】ホックの1つの例を示す。
図14A】移動可能なカート装置の複数の視野を示す。
図14B】移動可能なカート装置の複数の視野を示す。
図15A】移動可能なカート装置の多数の図を示す。
図15B】移動可能なカート装置の多数の図を示す。
図15C】移動可能なカート装置の多数の図を示す。
図16】磁気的にシールドされた環境での使用における装置の1つの例を示す。
図17】シールドへスライドする個体の例を示す。
図18】ミューメタル(3つの最内層)の3つの層およびアルミニウム合金の1つの層(外層)を含むシールドの実施形態の例を示す。
図19】シールドのセンターラインに沿った磁場測定のプロットを示す。
図20】センサーアレイの例を示す。
図21】シールドのベッド上でマウントされたセンサーヘッドケージの3Dレンダリングの例を示す。
図22】シールドの実施形態において配置された1つの内部コイルの例示的なレイアウトを示す。
図23】シールドの実施形態で配置した外部コイルの例示的なレイアウトを示す。
図24】典型的な平衡機能を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
様々な実施形態が本明細書に示され記載されているが、このような実施形態は単なる例示のために例供されていることは当業者には明らかである。本明細書における実施形態の様々な代替物が利用されることが理解されるべきである。
【0009】
本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明確に反対のことを指定していない限り、複数の言及を含む。本明細書における「または」へのあらゆる言及は、特に他に明記されない限り、「および/または」を包含することを意図する。
【0010】
用語「約」は、言及される数字の表示が、その言及される数字の表示のプラスまたはマイナス15%を意味し得る。
【0011】
磁場を検知するためのデバイスおよびシステム
個体の1つ以上の組織、1つ以上の身体の一部、1つ以上の器官、または全身に関連した磁場を検知するように構成された装置およびシステムが本明細書に記載されている。本明細書に記載された装置およびシステムによって検知される磁場を有する器官および器官系の非限定的な例は、脳、心臓、肺、腎臓、肝臓、脾臓、膵臓、食道、胃、小腸、および結腸、内分泌系、呼吸器系、心臓血管系、泌尿生殖系、神経系、血管系、リンパ系、および消化器系を含む。本明細書に記載された装置およびシステムによって検知される磁場を有する組織の非限定的な例は、炎症組織(炎症を起こした組織の領域を含む)、血管および血管内を流れる血液、リンパ管およびリンパ管内を流れるリンパ液、骨、および軟骨を含む。検知される磁場データは、検知された磁場と関連する個体の1つ以上の組織、1つ以上の身体の一部、1つ以上の器官、または個体の全身に関して、決定を行うか、または決定を行う際にユーザー(例えば、医療サービス提供者)を補助するために、さらに処理される。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているような装置は、例えば、装置を使用して検知される1つ以上の磁場に基づいて疾患または疾病を発症する個体の可能性を予測するなど、個体の予後を決定するために使用される。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているような装置は、例えば、装置を使用して検知される1つ以上の磁場に基づいて疾患または疾病に対して個体への診断を確認し、または個体への診断を提供するなど、予後を確定するために、使用される。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているような装置は、装置を使用して検知される1つ以上の磁場に基づいて、個体の疾患または状態の進行のモニタリング、個体に提供された治療の有効性のモニタリング、またはそれらの組み合わせなどのモニタリングを提供するために使用される。本明細書に記載された装置およびシステムが、任意の型の組織に関連した磁場を測定するために適切であることが理解されるべきである。
【0012】
本明細書に記載された装置およびシステムのいくつかの実施形態において、心臓に関連する検知された磁場データは、心磁図を生成するために使用される。本明細書に記載された装置およびシステムのこれらの実施形態において、装置およびシステムは、例えば、心臓の電気活性によって自然に生成される磁場を検知し、記録し、および表示するように意図される、受動的、非侵襲性の生体電気の測定ツールである磁気心電計として利用される。
【0013】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されているような装置またはシステムは、磁場に加えて1つ以上バイオマーカーを測定するように構成される。本明細書に記載される装置およびシステムの実施形態を使用して、磁場に加えて検知されるバイオマーカーの非限定的な例は、体温、心拍数、血圧、心エコー(ECG)、磁場、またはその任意の組み合わせを含む。
【0014】
いくつかの実施形態において、その磁場が検知される個体は健康である。いくつかの実施形態において、磁場が検知される個体は、疾病または疾患を有する疑いがある個体である。いくつかの実施形態において、磁場が検知される個体は、疾病または疾患を有すると過去に診断を受けた個体である。
【0015】
いくつかの実施形態において、個体において同定されている疾病または疾患は、心臓の疾病または疾患である。いくつかの実施形態において、個体において同定されている心臓の疾病または疾患は、リウマチ性心疾患、高血圧性心疾患、虚血性心疾患、脳血管疾患、炎症性心疾患、心臓弁膜症、動脈瘤、脳卒中、アテローム性動脈硬化症、不整脈、高血圧、狭心症、冠動脈疾患、冠動脈性心疾患、心臓発作、心筋症、心膜疾患、先天性心疾患、心不全、またはこれらの任意の組み合わせを含む。
【0016】
本明細書に記載されるような装置は、いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサーを含む。いくつかの実施形態において、2つ以上のセンサーがセンサーアレイの中に配置される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されているような装置は電磁気シールドを備え、本明細書に記載された装置のいくつかの実施形態はシールドを備えない。
【0017】
本明細書に記載されているようなシステムは、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているような任意の装置、ならびに1つ以上の局所的および/または遠隔プロセッサを含む。
【0018】
磁場を検知するためのセンサーおよびセンサーアレイ
本明細書に記載される装置およびシステムのいくつかの実施形態において、装置は、測定ツールとしての光ポンピング磁力計(OPM)などのセンサーを備え、このセンサーは、いくつかの実施形態では、微小磁場を測定するために閉鎖ポンピングレーザーおよび光検知器設定と連結された非放射性の内臓型アルカリ金属電池を利用する。本明細書に記載される装置およびシステムのいくつかの実施形態において、これらの装置およびシステムは、n×nアレイ(またはグリッド)中のOPM、または、例えば、胸部領域のような個体の身体の一部の上の、n個の分離した位置での磁場データを収集するために代替的な幾何学的位置を利用し、これは、いくつかの実施形態では、ピックアップ電子装置を使用してデジタル化される。
【0019】
OPMは、典型的には、微小磁場を測定するために閉鎖ポンピングレーザーおよび光検知器設定と連結された非放射性の内臓型アルカリ金属電池を利用するように構成される。これらの生体磁場を検出するためにもまた典型的に使用される、超電導量子干渉装置(SQUID)と比較して、OPMセンサーは大幅に小さく、典型的には低温冷却の使用を必要としない。
【0020】
地球の磁場は、どこでも地球上のあらゆる場所で自然に存在し、また、振幅は約50マイクロテスラである。OPMの性能は、地球の周囲の磁場の存在下で少なくとも2つの例示的な方法で増強される。第1のOPMを増強技術において、地球の磁場を表す基準値は、OPMの中で、目的のシグナルを単離するためのベクトル減法の一部として使用される。別の技術は、OPMについての活性ノイズ除去のためのグラジオメーターの使用を含む。
【0021】
センサーアレイ構成は、本明細書に記載された装置およびシステムのいくつかの実施形態で利用されるように、カスタムアレイ構成を含む。いくつかの実施形態において、センサーアレイ構成は、個体の解剖学的構造に対してカスタマイズされる。いくつかの実施形態において、センサーアレイ構成は、胸部位置または頭部位置などの、測定される個体の位置に対してカスタマイズされる。いくつかの実施形態において、センサーアレイ構成は、獲得するために装置がプログラムされる測定型にカスタマイズされる。いくつかの実施形態において、センサーアレイ構成は、シールドおよび/またはアームと作動可能に連結されるようにカスタマイズされる。いくつかの実施形態において、センサーアレイ構成は、異なるアレイ配置と交換可能であり、ユーザーが交換を伴って実施してもよい。アレイ配置は、いくつかの実施形態では、深さを有し、約20cmから約50cm、または約10cmから約60cmまでの半径を含むアーク(全体的に湾曲した形状など)を含む。アーク構成などのアレイ構成は、いくつかの実施形態では、1つ以上の可変磁力計間距離および可変センサー密度を含む。アレイ構成は、いくつかの実施形態では、凹面構造を含む(頭部または胸部などの身体部位を包むか、またはそれらの周りを形成するように構成された凹面構造)。1つ以上の磁力計は、凹面構造の表面の、少なくとも一部に配置される。凹面アレイ構成は、いくつかの実施形態では、1つ以上の可変磁力計間距離および可変センサー密度を含む。
【0022】
いくつかの実施形態において、センサーアレイはn×nセンサーである。いくつかの実施形態において、センサーアレイは、2×2アレイまたは4×4アレイなどの2D長方形アレイである。いくつかの実施形態において、センサーアレイは、2×1アレイまたは4×1アレイなどの2D非長方形アレイである。いくつかの実施形態において、センサーアレイは、円弧構造または凹面構造に配置したセンサーの3Dアレイのような、円形のまたは半円のアレイである。いくつかの実施形態において、センサーアレイは2Dアレイまたは3Dアレイである。いくつかの実施形態において、センサーアレイのセンサーは、x座標、y座標、およびz座標を含む。アレイは、いくつかの実施形態では、n×n=1×1などの単一のセンサーを含む。アレイは、いくつかの実施形態では、n×n=2×1などの2つのセンサーを含む。アレイはいくつかの実施形態では、3つのセンサーを含む。アレイは、いくつかの実施形態では、4つのセンサーを含む。アレイは、いくつかの実施形態では、9個のセンサーを含む。アレイは、いくつかの実施形態では、16個のセンサーを含む。アレイは、いくつかの実施形態では、25個のセンサーを含む。アレイは、いくつかの実施形態では、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50の、又はそれ以上のセンサーを含む。いくつかの実施形態において、センサーアレイは、8個のセンサーを含む。いくつかの実施形態において、センサーアレイは、16個のセンサーを含む。いくつかの実施形態において、センサーアレイは、単一のハウジングに収容された単一のセンサーを含む。いくつかの実施形態において、センサーアレイは、複数のセンサー配置または置き換え可能なセンサー配置を有するハウジングなどの、単一のハウジングに収容された複数のセンサーを含む。いくつかの実施形態において、センサーアレイは、複数のハウジングに収容された複数のセンサーを含む。いくつかの実施形態において、センサーアレイは、各センサーが別個のハウジングに収容された複数のセンサーを含む。いくつかの実施形態において、センサーアレイの第1のセンサーと第2のセンサーは異なる。いくつかの実施形態において、センサーアレイの第1のセンサーと第2のセンサーは同じである。いくつかの実施形態において、センサーアレイの各センサーはそれぞれ特殊である。いくつかの実施形態において、センサーアレイの各センサーはそれぞれ同一である。いくつかの実施形態において、センサーアレイ内のセンサーのサブセットは特殊である。いくつかの実施形態において、センサーアレイ内のセンサーのサブセットは同一である。センサーアレイ中のセンサーの空間的位置付けは、例えば、ユーザーによって調整可能であり、またはコントローラーによって自動化される。いくつかの実施形態において、センサーアレイ中のセンサーの空間的位置付けは固定されている。いくつかの実施形態において、センサーアレイ中のセンサーの数は、用途に基づいて選択される。いくつかの実施形態において、センサーアレイ中のセンサーの数は、測定の型または測定の位置に基づいて選択される。アレイは、いくつかの実施形態では、単一チャネルアレイまたはマルチチャネルアレイを含む。いくつかの実施形態において、センサーアレイのセンサーの数を増大させることは、アレイによって得られる測定の解像度を増大させる。いくつかの実施形態において、センサーのセンサーアレイは、互いに実質的に隣接するかまたは近接するように、密に充填される。センサーのアレイは、互いの間の間隔をあけるように、まばらに間隔を置かれる。いくつかの実施形態において、センサーアレイのセンサーのサブセットは密に充填される。いくつかの実施形態において、センサーアレイのセンサーのサブセットは、まばらに間隔を置かれるか、または密に間隔を置かれる。いくつかの実施形態において、密に充填されたセンサーのサブセットの任意の2つのセンサーの中心点は、約5、4.5、4、3.5、3、2.5、2、1.5、1、0.5、0.1センチメートル(cm)未満離れて、間隔を置かれる。いくつかの実施形態において、密に充填されたセンサーの中心点は、中心点から中心点までが、約0.1cmから約2.0cmまで、または約0.1cmから約1.5cmまで、または約1.0cmから約2.0cmまで、間隔を置かれる。いくつかの実施形態において、まばらに充填されたセンサーのサブセットの任意の2つのセンサーの中心点は、約1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、8、10センチメートルより多く離して間隔を置かれる。いくつかの実施形態において、まばらに充填されたセンサーの中心点は、中心点から中心点までが、約1.5cmから約3cmまで、または約2cmから約5cmまで、または約2.5cmから約8cmまで、間隔を置かれる。いくつかの実施形態において、中心点は、中心軸などのセンサーの中心位置である。いくつかの実施形態において、円形センサーの中心点は、すべての他の縁部の点がが等しい距離となる中心位置である。
【0023】
いくつかの実施形態において、密に充填されたアレイは、1.5cm未満の磁力計間配置を示すのに対して、約1.5cmより大きい磁力計間配置は、まばらに充填されたアレイを構成する。
【0024】
いくつかの実施形態において、ハウジングは、センサーまたはセンサーのセンサーアレイを収容するように構成される。いくつかの実施形態において、ハウジングは、ハウジング内のセンサー間隔の単一の配置に適合するように構成される。いくつかの実施形態において、ハウジングはハウジング内のセンサー間隔の複数の配置に適合するように構成される。いくつかの実施形態において、ハウジングは、(i)密な間隔またはまばらな間隔などのセンサー間隔を調節すること、または(ii)アレイ内のセンサーの数を変化させることに適合する。いくつかの実施形態において、ハウジングは、複数のアレイとアレイ構成のための汎用ハウジングである。
【0025】
いくつかの実施形態において、センサーは磁場の存在を検知するように、または磁場のパラメータを測定するように構成される。センサーは、いくつかの実施形態では、ヘルツの平方根当たり約10フェムトテスラ(fT/√Hz)の磁場への感度を含む。センサーは、いくつかの実施形態では、約1fT/√Hzから約20fT/√Hzまでの感度を含む。センサーは、いくつかの実施形態では、約5fT/√Hzから約15fT/√Hzまでの感度を含む。センサーは、いくつかの実施形態では、約0.1fT/√Hzから約30fT/√Hzまでの感度を含む。センサーは、いくつかの実施形態では、約0.5fT/√Hzから約12fT/√Hzまでの感度を含む。センサーは、いくつかの実施形態では、約1fT/√Hzから約15fT/√Hzまでの感度を含む。センサーは、いくつかの実施形態では、約0.001、0.005、0.01、0.05、0.1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20fT/√Hzの感度を含む。
【0026】
いくつかの実施形態において、センサーは、測定を収集するために低温冷却などの冷却要素を必要としない。いくつかの実施形態において、センサーは、華氏(F)約30度のから華氏約110度までの温度範囲にわたる測定を採取する。いくつかの実施形態において、センサーは、華氏約50度から華氏約110度までの温度範囲にわたって測定を収集する。いくつかの実施形態において、センサーは、冷却要素の必要なしで、約1秒から約5時間までの時限にわたる測定を収集する。いくつかの実施形態において、センサーは、冷却要素の必要なしで、約1秒から約1時間までの時限にわたって測定を収集する。いくつかの実施形態において、センサーは、冷却要素の必要なしで、約1秒から約30分間までの時限にわたって測定を収集する。
【0027】
ノイズ源は、いくつかの実施形態では、磁場強度を含む。いくつかの実施形態において、ノイズ源の磁場の強度は、テスラ(T)の単位で測定される。環境ノイズなどのノイズは、いくつかの実施形態では、約100ナノテスラ(nT)未満の磁場強度を含む。ノイズは、いくつかの実施形態では、約1000nT未満の磁場強度を含む。ノイズは、いくつかの実施形態では、約500nT未満の磁場強度を含む。ノイズは、いくつかの実施形態では、約200nT未満の磁場強度を含む。ノイズは、いくつかの実施形態では、約120nT未満の磁場強度を含む。ノイズは、いくつかの実施形態では、約80nT未満の磁場強度を含む。地球の磁場などのノイズ源は、いくつかの実施形態では、約50マイクロテスラ(mT)の磁場強度を含む。ノイズは、いくつかの実施形態では、約40mTから約60mTまでの磁場強度を含む。ノイズは、いくつかの実施形態では、約10mTから約100mTまでの磁場強度を含む。ノイズは、いくつかの実施形態では、振幅成分、周波数成分、またはこれらの組み合わせを含み、そして、いくつかの実施形態では、直流(DC)、交流(AC)両方のソース、または2つの組み合わせを含む。
【0028】
電磁気シールド
本明細書に記載される装置およびシステムのいくつかの実施形態は、地球の周囲の磁場を減少または除去する電磁気のシールドを供給するように構成される。本明細書に記載されるシールドは、いくつかの実施形態では、金属合金(例えば、パーマロイまたはミューメタル)を含み、これは、水素炉でアニールされたとき、高透磁率を例外的に提供し、それによって、シールドによって防御された領域を、地球の磁場から単離できる(例えば、チャンバーとして成形されたシールド内に)。
【0029】
本明細書に記載されるチャンバーまたはシールドは、内部の磁場を最小化し、そして、いくつかの実施形態では、1つの閉鎖端および1つの開放端で構築される。閉鎖端は、いくつかの実施形態では、平面、円錐形、またはドーム型のエンドキャップの形態をとる。
【0030】
いくつかの実施形態において、センサーアレイなどのセンサーを伴うシールドの利用は、センサーが、ノイズを実質的に含まない測定を収集するか、またはノイズが顕著に減少した測定を収集するように、ノイズの減少を提供する。ノイズは、いくつかの実施形態では、ノイズ源からのノイズを含む。いくつかの実施形態において、ノイズ源は、約20Hzより大きいなどの高周波ノイズ、約1Hzから約20Hzまでなどの中間周波数のノイズ、約0.1Hzから約1Hzまでのなどの低周波ノイズ、またはこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、ノイズ源は金属を含む任意の構造を含む。いくつかの実施形態において、金属を含む構造は、ペースメーカー、細動除去器、整形外科的移植物、人工歯根、またはその他のものを含む。いくつかの実施形態において、金属を含む構造は、金属ツール、金属製ドア、金属製椅子、またはその他のものを含む。いくつかの実施形態において、ノイズ源は、ファン、空気調節器、臨床装置、または建物の振動などの装置の作動を含む。いくつかの実施形態において、ノイズ源は、電源、またはモニターもしくはグラフィカルユーザーインターフェースを備えるコンピューターなどの電子機器の作動を含む。
【0031】
シールドまたはその部分は、いくつかの実施形態では、材料の単層を含む。シールドまたはその部分は、いくつかの実施形態では、材料の複数の層を含む。シールドまたはその部分は、いくつかの実施形態では、複数の層を含み、少なくとも2つの複数の層は、異なる材料を含む。シールドまたはその部分は、いくつかの実施形態では、2層を含む。シールドまたはその部分は、いくつかの実施形態では、3層を含む。シールドまたはその部分は、いくつかの実施形態では、4層を含む。シールドまたはその部分は、いくつかの実施形態では、5層を含む。シールドまたはその部分は、いくつかの実施形態では、6層を含む。
【0032】
シールドまたはその部分における1つの層は、いくつかの実施形態では、約0.1から約10ミリメートルまでの厚さを含む。いくつかの実施形態において、シールドの層は、約0.5から約5ミリメートルまでの厚さを有する。いくつかの実施形態において、シールドの層は、約0.1から約2ミリメートルまでの厚さを有する。いくつかの実施形態において、シールドの層は、約0.8から約5ミリメートルまでの厚さを有する。厚さは、長さまたはシールドの周面に沿って実質的に同じである。いくつかの実施形態において、シールドの層の厚さはシールドの長さまたは周面に沿って変動する。
【0033】
いくつかの実施形態において、シールドは複数の層を含む。いくつかの実施形態において、空間は複数の層の少なくとも2つの層の間に存在する。いくつかの実施形態において、空間は複数の層の各層の間に存在する。いくつかの実施形態において、空間は複数の層の、層のサブセット間に存在する。いくつかの実施形態において、シールドの第1の層はシールドの第2の層に隣接するように構成される。いくつかの実施形態において、シールドの第1の層は、シールドの第2の層に接着されるか結合されるように構成される。いくつかの実施形態において、シールドの第1の層は、第2の層から約0.1インチから約5インチまでで配置されるように構成される。いくつかの実施形態において、シールドの第1の層は第2の層の約1インチから約3インチまでで配置されるように構成される。いくつかの実施形態において、シールドの第1の層は、第2の層の約1インチから約20インチまでで配置されるように構成される。いくつかの実施形態において、シールドの第1の層は、第2の層の約1インチから約10インチまでで配置されるように構成される。
【0034】
いくつかの実施形態において、内部長さまたは外部長さなどのシールドの長さは、シールドの内径の約2倍である。いくつかの実施形態において、シールドの長さは、シールドの内径の約0.5倍から約3倍である。いくつかの実施形態において、シールドの長さは、シールドの内径の約1倍から約3倍である。いくつかの実施形態において、シールドの長さは、シールドの内径の約1.5倍から約3倍である。
【0035】
いくつかの実施形態において、シールドの長さは、個体の少なくとも一部に適合するように構成される。いくつかの実施形態において、シールドの長さは個体に適合するように構成される。いくつかの実施形態において、内径などのシールドの直径は、個体の少なくとも一部に適合するように構成される。いくつかの実施形態において、内径などのシールドの直径は個体に適合するように構成される。いくつかの実施形態において、個体はヒト被験体である。いくつかの実施形態において、ヒト被験体は、成人の被験者、小児の被験体、または新生児の被験体である。
【0036】
いくつかの実施形態において、シールドの長さは約40インチから約100インチまでである。いくつかの実施形態において、シールドの長さは約50インチから約90インチまでである。いくつかの実施形態において、シールドの長さは約40インチから約150インチまでである。いくつかの実施形態において、シールドの長さは約60インチから約90インチまでである。
【0037】
いくつかの実施形態において、シールドの直径は約40インチから約60インチまでである。いくつかの実施形態において、シールドの直径は約45インチから約55インチまでである。いくつかの実施形態において、シールドの直径は約50インチから約70インチまでである。
【0038】
いくつかの実施形態において、シールドまたはその一部は実質的に円筒形状に構成される。いくつかの実施形態において、シールドまたはその一部は実質的に円錐状に構成される。いくつかの実施形態において、シールドは第1の端部と第2の端部を含む。いくつかの実施形態において、シールドの第1の端部は実質的に円筒形状を含み、シールドの第2の端部は円錐形状を含む。いくつかの実施形態において、シールドは、円錐形状を有する第2の端部まで徐々に先細りになるなどの、テーパー状の円筒形状を有する第1の端部で構成される。
【0039】
いくつかの実施形態において、シールドは、個体、センサー、またはそれらの組み合わせを内部体積内に配置するように構成された内部体積を含む。個体がシールドの内部体積に配置される場合、内部体積の過剰分の減少は望ましい。例えば、テーパー状の末端または円錐形の端部を有するシールドを提供することは、内部体積の過剰を減少させ、センサーにより取られる測定の空間的均質性を改善し、ノイズを減少させ、またはこれらの任意の組み合わせを提供する。
【0040】
いくつかの実施形態において、センサーから採集された測定は、シールドの内部体積の内部から採取される。いくつかの実施形態において、測定は個体の不在中に採取される。いくつかの実施形態において、測定は個体の存在下において採取される。いくつかの実施形態において、シールドは、異なる一部と比較して、より大きな空間的均質性がある、または、より大量のノイズ減少を含む内部体積の一部からなる。例えば、内部空間のテーパー状の末端または円錐形で形成された末端は、円筒状で形作られた末端と比較して、測定のより大きな空間的均質性、ノイズ低減、またはそれら両方を有する。いくつかの実施形態において、センサーによって測定されることが望まれる被験体の領域が、測定のより大きな空間的均質性、ノイズの減少、またはその両方を有する内部体積の一部内に配置されるように、個体はシールドの内部体積内に配置される。
【0041】
いくつかの実施形態において、シールドの長さの変更、シールドの直径の変更、シールドの形状の変更(テーパーリングなど)は、ノイズ低減、およびシールドの内部体積内の測定品質を変化させる。各々は、ノイズ低減を最適化し、またはセンサーによって取られた測定の品質を改善を最適化するように、独立して変更されるか集合的に変更される。
【0042】
いくつかの実施形態において、シールドは、ヘルムホルツコイルなどのコイルを含む。いくつかの実施形態において、コイルは、コイル内の電流を生成する。いくつかの実施形態において、シールドへのコイルの追加は、測定の品質(測定の空間的均質性など)を改善し、ノイズを低減し、またはその組み合わせを生じさせる。いくつかの実施形態では、シールドは複数のコイルを含む。シールドは、いくつかの実施形態では、単一のコイルを含む。シールドは、いくつかの実施形態では、2個のコイルを含む。シールドは、いくつかの実施形態では、3個のコイルを含む。シールドは、いくつかの実施形態では、1から3個までのコイルを含む。いくつかの実施形態において、コイルはシールドの一部内に配置される。いくつかの実施形態において、コイルは測定が行われるシールドの一部内に配置される。いくつかの実施形態において、コイルの位置は、例えば、コントローラー、またはユーザーなどによって調整可能である。いくつかの実施形態において、コイルの位置は、センサーの各測定のために調節される。いくつかの実施形態において、コイルの位置は、センサーの測定の型に応じて予めプログラムされる。いくつかの実施形態において、コイルの位置は約0.1インチから約5インチまでの精度で調整可能である。いくつかの実施形態において、コイルは、所望の配置がコイルによって達成されるユーザーまたはコントローラーにフィードバックを提供する。いくつかの実施形態において、コイルから、ユーザーまたはコントローラーまでのフィードバックは、センサーの測定に先立って、測定の間に、または測定の後になされる。いくつかの実施形態において、コイルからのフィードバックは、所望の位置(測定されるよう望まれている個体の位置に対応する位置など)に達していることを確認する。
【0043】
いくつかの実施形態では、シールドはモジュールである。いくつかの実施形態において、シールドまたはその一部は使い捨て可能である。いくつかの実施形態において、シールドは個体の少なくとも一部、センサーアレイの少なくとも一部、またはその組み合わせを受け取るように構成される。個体の一部は、いくつかの実施形態では、シールドの内部体積に入れられる頭部、腕部、または脚部を含む。個体の一部は、いくつかの実施形態では、中央部分から頭部、または中央部分から脚部までの個体を含む。いくつかの実施形態では、シールドはモジュール状ではない。いくつかの実施形態において、シールドは1つ以上モジュラーユニットと相互作用するように構成される。例えば、基部ユニットなどのモジュラーユニットはモジュール状であり、固定されているかまたは非モジュール状のシールドとの関係において、調節するように構成される。
【0044】
いくつかの実施形態において、シールドまたはその一部は、被験体の快適性のために構成される。いくつかの実施形態において、シールドまたはその一部は、シールドの内部体積などの照明を含むように構成され、いくつかの実施形態において、光源を含む。いくつかの実施形態において、シールドまたはその一部は、シールドの内側表面に配置された1つ以上の開口部などの、1つ以上のポートまたは開口部などの通気口を伴って構成される。
【0045】
シールドは、いくつかの実施形態では、単一の材料を含む。シールドは、いくつかの実施形態では、1つ以上の材料を含む。シールドまたはその部分は、いくつかの実施形態では、金属、金属合金、またはその組み合わせを含む。シールドまたはその一部は、いくつかの実施形態では、パーマロイまたはミューメタルを含む。シールドまたはその一部は、いくつかの実施形態では、アルミニウム、銅、金、鉄、ニッケル、プラチナ、銀、スズ、亜鉛、またはこれらの任意の組み合わせを含む。シールドまたはその一部は、いくつかの実施形態では、黄銅、ブロンズ、鋼、クロムモリブデン鋼、ステンレス鋼、チタン、またはこれらの任意の組み合わせを含む。
【0046】
シールドまたはその一部は、いくつかの実施形態では、ニッケル、鉄またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、シールドまたはその一部は、約70重量%から約90重量%までのニッケルを含む。いくつかの実施形態において、シールドまたはその一部は、約75重量%から約85重量%までのニッケルを含む。いくつかの実施形態において、シールドまたはその一部は、約10重量%から約30重量%までの鉄を含む。いくつかの実施形態において、シールドまたはその一部は、約15重量%から約25重量%までの鉄を含む。いくつかの実施形態において、シールドまたはその一部は、約70重量%から約90重量%までのニッケル、および約10重量%から約30重量%までの鉄を含む。いくつかの実施形態において、シールドまたはその一部は、約40重量%から約60重量%までのニッケル、および約50重量%から約60重量%までの鉄を含む。いくつかの実施形態において、パーマロイまたはミューメタルを含むシールドまたはその一部はまた、モリブデンなどの1つ以上の追加成分もまた含む。
【0047】
シールドまたはその一部は、いくつかの実施形態では、高透磁率を有する材料を含む。例えば、材料はいくつかの実施形態では、例えば、約4,000から約12,000までの比透磁率を有する鋼と比較して、約50,000から約900,000までの比透磁率を含む。材料は、いくつかの実施形態では、約75,000から約125,000までの比透磁率を含む。材料は、いくつかの実施形態では、約400,000から約800,000までの比透磁率を含む。材料は、いくつかの実施形態では、約50,000より大きい比透磁率を含む。材料は、いくつかの実施形態では、約75,000より大きい比透磁率を含む。材料は、いくつかの実施形態では、約100,000より大きい比透磁率を含む。材料は、いくつかの実施形態では、約200,000より大きい比透磁率を含む。材料は、いくつかの実施形態では、約300,000より大きい比透磁率を含む。材料は、いくつかの実施形態では、約400,000より大きい比透磁率を含む。材料は、いくつかの実施形態では、約500,000より大きい比透磁率を含む。材料は、いくつかの実施形態では、約600,000より大きい比透磁率を含む。材料は、いくつかの実施形態では、約80,000から約900,000までの比透磁率を含む。材料は、いくつかの実施形態では、約400,000から約800,000までの比透磁率を含む。
【0048】
いくつかの実施形態において、シールドは形態における一体成型品である。いくつかの実施形態において、シールドは、一緒に構成された複数の小成分から形成される。いくつかの実施形態では、シールドは3Dプリンターで作製される。シールドは、いくつかの実施形態では、水素炉でアニールされた1つ以上の材料を含むシールドなどの、水素炉で形成された材料を含む。
【0049】
本明細書に記載されているのは、例えば、個体の組織、身体の一部、または器官に関連した磁場を検知するように構成された装置およびシステムである。本明細書に記載される装置およびシステムのいくつかの実施形態において、磁場を検知するための装置は、移動可能な基部ユニットおよび1つ以上の磁場センサーを備える。本明細書に記載される装置およびシステムのいくつかの実施形態において、磁場を検知するための装置は、移動可能な基部ユニット、1つ以上磁場センサー、および周囲の電磁気ノイズを遮蔽するためのシールドを備える。
【0050】
本明細書に記載される装置およびシステムのいくつかの実施形態において、磁場を検知するための装置は、携帯性のために構成される移動可能な基部ユニットを備える。いくつかの実施形態において、移動可能な基部ユニットは、移動可能な基部ユニットが表面上で移動される車輪またはトラックを含む。いくつかの実施形態において、移動可能な基部ユニットは携帯型である。移動可能な基部ユニットは、いくつかの実施形態では、電子部品を含有しているハウジングを備えるように構成される。
【0051】
本明細書に記載される装置およびシステムのいくつかの実施形態において、磁場を検知するための装置は、例えば、1つ以上OPMなどの1つ以上の磁場センサーを備える。
【0052】
本明細書に記載される装置およびシステムのいくつかの実施形態において、磁場を検知するための装置は、1つ以上のセンサーの受け手となり、そしてこれと連結するための、1つ以上の連結機構を備える。本明細書に記載されるシステムおよび装置のいくつかの実施形態において、磁場カプラーを検知するための装置は、移動可能な基部ユニットに接続される1つ以上のアームまたは伸長部を備える。本明細書に記載される装置およびシステムのいくつかの実施形態において、磁場を検知するための装置は、磁場が検知されるべき個体に近接して磁場を検知するための1つ以上のセンサーを配置するために、移動可能な基部ユニットに接続する、移動し、回転し、間接接合するよう構成された1つ以上の伸長部またはアームを備える。
【0053】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される装置またはシステムは、システム自体からの生体磁気的信号に見られる干渉の量を最小化するために、1つ以上の非鉄材料、例えば、アルミニウム合金、ゴム、プラスチック、木材、またはこれらの任意の組み合わせなどを含む機械的なハウジングを備える。
【0054】
例示的な実施形態
図1は、シールド107を備える、本明細書に記載されるような、磁場を検知するための装置100の例示的な実施形態を示す。磁場を検知するための装置100は、シールド107および1つ以上センサー106(光ポンピング磁力計など)を備える。いくつかの実施形態において、2つ以上のセンサー106はアレイとして配置される。
【0055】
シールド107は、開放端109および閉鎖端108を備える。いくつかの実施形態において、開放端109は、閉鎖端108に隣接して配置される。いくつかの実施形態において、開放端109は閉鎖端108の反対に配置される。シールド107は、いくつかの実施形態では、1つ以上の開口部を備える。シールド107の1つ以上の開口部は、基部ユニット101の少なくとも一部、個体114の少なくとも一部、1つ以上のセンサー106の少なくとも一部、またはこれらの任意の組み合わせを受容するように構成される。
【0056】
例えば、シールド107は、基部ユニット101の一部を受容するように構成された、陥凹開口部113などの開口部を備える。シールド107は、いくつかの実施形態では、基部ユニット101の少なくとも一部、個体114の少なくとも一部、1つ以上のセンサー106の少なくとも一部、またはこれらの任意の組み合わせを受容するように構成された開口部115を備える。シールド107は内側表面110を備える。いくつかの実施形態では、内部表面110はコーティングを備える。いくつかの実施形態において、シールド107の内部表面110は、シールドの内部体積を確定する。シールド107の内部体積は、個体114の一部、センサーの一部、基部ユニット101の一部またはこれらの任意の組み合わせが受容される体積である。シールド107は、電子ドライバーなどの磁場を検知するための装置の構成要素を収納するように構成されたシールド部分116を備える。シールド部分116は、いくつかの実施形態では、引き出し、棚、キャビネット、区画またはシールド107の部分を備える。シールド部分116は、いくつかの実施形態では、シールドの側面部に配置される。シールド部分116は、いくつかの実施形態では、シールド107の底部に配置される。
【0057】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される磁場を検知するための装置100は、基部ユニット101を備える。図1に示される例示的な実施形態では、基部ユニット101は、個体114が横たわるベッドまたは車輪付き担架を備える。
【0058】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される磁場を検知するための装置100は、基部ユニット101と作動可能に連結される。いくつかの実施形態において、シールド107は基部ユニット101の一部を受容するように構成される。例えば、図1に示されるように、シールド107の陥凹開口部は、いくつかの実施形態では、基部ユニット101の少なくとも一部を受容するように構成される。いくつかの実施形態において、基部ユニット101は、1つ以上センサー106に直接取り付け可能である。
【0059】
基部ユニット101は、いくつかの実施形態では、固定された基部ユニット101として構成される。基部ユニット101は、いくつかの実施形態では、移動可能な基部ユニット101として構成される。いくつかの実施形態において、シールド107は、基部ユニット101に対して移動可能である。いくつかの実施形態において、基部ユニット101は、シールド107に対して移動可能である。いくつかの実施形態において、基部ユニット101およびシールド107は、互いに対して移動可能である。
【0060】
図1に示される例示的な実施形態では、基部ユニット101は、移動可能な基部ユニット101として構成される。移動可能な基部ユニット101は、いくつかの実施形態では、1つ以上の自由度で可動するように(例えばシールド107に対して)構成される。いくつかの実施形態において、移動可能な基部ユニット101はx軸、y軸、z軸、またはこれらの任意の組み合わせに沿って移動するように構成される。移動可能な基部ユニット101は、いくつかの実施形態では、基部ユニット101またはその一部の動作を提供するように構成された車輪113a、113b、ローラー、コンベヤーベルト、またはこれらの任意の組み合わせなどの、1つ以上の回転要素を備える。いくつかの実施形態において、基部ユニット101は1つの回転要素を備える。いくつかの実施形態において、基部ユニット101は2つの回転要素を備える。いくつかの実施形態において、基部ユニット101は3つの回転要素を備える。いくつかの実施形態において、基部ユニット101は4つの回転要素を備える。いくつかの実施形態において、基部ユニット101は4つより多くの回転要素を備える。いくつかの実施形態において、回転要素は、基部ユニット101の一方または両方の端部に配置される。いくつかの実施形態において、基部ユニット101は、基部ユニット101がトラックまたはチャネルに沿って移動可能であるように、トラックまたはチャネルに受容されるように構成された、非回転要素を備える。いくつかの実施形態において、トラックまたはチャネルは、基部ユニット101が、トラックまたはチャネルに沿って、シールドに向かって、シールドから離れて、または両方向に移動可能なように、シールド107に隣接して配置される。
【0061】
いくつかの実施形態では、基部ユニット101は、1つ以上のピボット102a、102bを備える。いくつかの実施形態において、基部ユニット101は1つのピボットを備える。いくつかの実施形態において、基部ユニット101は2つのピボットを備える。いくつかの実施形態において、基部ユニット101は2つよりも多いピボットを備える。ピボット102a、102bは、いくつかの実施形態において、例えば、基部ユニット101上に配置されている個体に適合することによって、基部ユニット101の動作を可能にするように構成される。ピボット102a、102bは、いくつかの実施形態において、基部ユニット101がシールド107の内部体積内に配置されるように、基部ユニット101の動作を可能にするように構成される。ピボット102a、102bは、いくつかの実施形態において、基部ユニット101への動作をもたらすように構成され、1つ以上の自由度を提供する。
【0062】
いくつかの実施形態において、1つ以上のセンサー106は、アーム103に作動可能に連結される。アーム103は、いくつかの実施形態では、可動アーム103である。いくつかの実施形態において、装置は、センサーアレイ106が収容される終端において、拡張可能アーム103を有する。いくつかの実施形態において、任意の型のOPMは、1つ以上のセンサー106の1つ以上として使用される。いくつかの実施形態において、アーム103は、少なくとも1つの自由度で移動可能である。アーム103は、いくつかの実施形態において、アーム103への動作を提供するように構成されたジョイント104を備える。いくつかの実施形態において、アーム103は、1つより多くのジョイント104を備える。いくつかの実施形態において、アーム103は2つのジョイント104を備える。アーム103は、いくつかの実施形態では、図1に示されるように、1つ以上のセンサー106および基部ユニット101に作動可能に連結される。アーム103は、図1に示されるように、ビーム105によって基部ユニット101に作動可能に連結される。
【0063】
いくつかの実施形態において、図1に示されるように、本明細書に記載される磁場を検知するための装置100は、コンピュータープロセッサ112を備える。コンピュータープロセッサ112は、いくつかの実施形態では、グラフィカルユーザーインターフェースを備える。コンピュータープロセッサ112は、いくつかの実施形態では、タッチスクリーンを備える。
【0064】
磁場を検知するための装置100は、図1に示されるように、例えば、コンピュータープロセッサ112を受容するように構成されたスタンド111を備える。スタンド111は、いくつかの実施形態では、シールド107、または磁場100を検知するための装置の基部ユニット101に隣接して配置される。スタンド111は、いくつかの実施形態では、シールド107、または磁場を検知するための装置100の基部ユニット101と統合されているか、またはこれに取り付け可能である。
【0065】
図1に示される装置100のいくつかの実施形態において、装置は本質的に固定されている。本明細書に記載される装置100(およびシステム)の他の実施形態が、移動可能に構成されることが理解されるべきである。
【0066】
いくつかの実施形態において、装置100は、電子装置、コンピューターインタフェース、および電源を収容するために区画116またはテーブルトップを備え、また、他の場合では、これらの構成要素を収容する別のユニットを含み、これは有線結合によって第1の構成要素に接続される。いくつかの実施形態において、装置100は、電気取出口経由で電源を必要とする。いくつかの実施形態において、標準操作手順は、装置のアーム103を伸ばすこと、および個体の肌表面(例えば、個体の114の胸部、頭部、または他の目的の領域など)から2センチメートル以内に隣接する位置などの位置まで、センサーユニット106の底部を下げることを含む。装置100は、いくつかの実施形態では、装置とともに提供されるか、または別々に提供されるソフトウェアアプリケーションを使用して較正される。いくつかの実施形態において、対象の生体磁気シグナルは、即時的または後の分析のために表示され記録される。
【0067】
本明細書に記載されているような装置(またはシステム)100の作動は、いくつかの実施形態では、ソフトウェアユーザーインタフェース(UI)、またはマニュアルUI、またはソフトウェア要素およびマニュアル要素を備える組み合わせUIのいずれかを使用して制御される。いくつかの実施形態において、UIは、提供された付属コンピューター上に、その場でインストールされる。装置の使用は、個体の状態に関するより多くの情報を決定するために、医師のような医療従事者によって指示される。UIの中では、装置またはシステムのサンプリングレートおよび軸操作を備える、ユーザーの選好および習得パラメータが選択される。ソフトウェアユーザーインタフェースから、個体の心臓に対応するシグナルなどの個体の磁場シグナルが、表示され、ファイルに保存される。いくつかの実施形態において、装置またはシステムは、心臓の電気的活動を測定するように構成され、心臓周期における目的の点を実証できる心電計記録に類似する波形を生じる。
【0068】
1つ以上のセンサー106は、1つ以上の光ポンピング磁力計が1つ以上の波形を出力するアレイの中で配列される。アレイは、いくつかの実施形態では、アレイのセンサー当たり1つの波形を出力する。いくつかの実施形態において、個々のセンサーの個々の波形は、単一の波形へ合わせられる。アレイは、いくつかの実施形態では、アレイの各センサーからの波形の組み合わせを備える単一の波形を出力する。いくつかの実施形態において、磁場データは、センサー間の補間された磁場値から作られた一連の2Dイメージとして視覚化される。いくつかの実施形態において、アレイは、少なくとも1つのOPMおよび少なくとも1つの他の型の磁場計を備える。いくつかの実施形態において、アレイはOPMのみを備える。
【0069】
シールド107は、いくつかの実施形態では、包まれた構造で収容され、デバイス長の合計は、いくつかの実施形態では、約0.8mの穴開口部(または内部開口径)を伴って、最低で長さ約2.25メートル(m)である。
【0070】
いくつかの実施形態において、シールド107に個体を挿入するために、被験体が配置されるベッドプラットフォームのような基部ユニット101が使用される。装置使用の間、x-y-z並進運動を伴う柔軟な関節アーム103は、伸長時に全アーム長によって規定された半円内のいかなる点も占めるように構成され、目的の器官、目的の疾病もしくは疾患、またはこれらの組み合わせに基づいたセット標準操作手順を使用して、個体の一部(個体114の胸部、頭部、または他の器官など)に接して、または近傍の上方において、広範囲の幾可学的配置で、n-光ポンピング磁力計のアレイを配置するために使用される。いくつかの実施形態において、この点の後で、センサーアレイは通電され、また、被験体の少なくとも一部、基部ユニット101(例えば、ベッドプラットフォーム)の少なくとも一部、またはこれらの組み合わせは、シールド107にスライドされる。提供されたコンピューターアプリケーションを使用して、センサーの迅速な較正が行われ、その後、目的の器官の磁場が、その即時分析または後での分析のために、表示され、記録され、またはこれらの両方の組み合わせが行われる。いくつかの実施形態において、センサーのための電子ドライバーは、装置100のシールド107部分の下に収容されるか、またはコンピューター制御を用いて隣接したカートに収容される。
【0071】
システムは、いくつかの実施形態では、装置自体の側面に、または上記隣接したカートに収容されたタッチスクリーンコンピューターインタフェース(グラフィカルユーザーインターフェースなど)を備える。
【0072】
図2に示されるように、シールドは、いくつかの実施形態では、シールド枠200を備える。シールド枠200は、いくつかの実施形態において、シールドのためのマクロ構造または形状を提供する。いくつかの実施形態において、シールド枠200は、シールドの内部表面または外部表面に配置される。いくつかの実施形態において、シールド枠200は、基部ユニットの1つ以上の部分を受容するように構成される。いくつかの実施形態において、シールド枠200は、開放端201および閉鎖端203を備える。いくつかの実施形態において、開口部202は、基部ユニットの一部を受容するように構成された開口部などの開放端201に配置される。いくつかの実施形態において、陥凹開口部204などの開口部は、開放端201または閉鎖端203に配置され、基部ユニットの一部を受容するように構成される。いくつかの実施形態において、シールド枠200は、シールド枠200を形成するために作動可能に連結された個々の要素を含み、またはシールド枠200は、いくつかの実施形態では、1つの一体成型枠または3Dプリンターで作製された枠を備える。いくつかの実施形態において、シールド枠200は1つ以上の層を備える。
【0073】
図3に示されるように、本明細書に記載されているような装置またはシステム300の例示的な実施形態は、シールド301を備える。シールド301は、閉鎖端302および開放端303を備える。いくつかの実施形態において、シールド301の開放端303は、シールド301の閉鎖端302の反対側に配置される。いくつかの実施形態において、シールド301の開放端303はシールド301の閉鎖端302に隣接して配置される。いくつかの実施形態において、開放端303は、センサー、個体305、基部ユニット306(移動可能な基部ユニットなど)、またはこれらの任意の組み合わせを、シールド301の内部体積内に配置するように構成される。いくつかの実施形態において、シールド301は、内部表面304を備える。いくつかの実施形態において、シールド301の内部表面304は、シールド301の内部体積を空間的に規定する。いくつかの実施形態において、内部表面304は、個体305とインターフェース接続するように構成される。いくつかの実施形態において、内部表面304は、個体305に適合するように、通気することまたは照明することを備える。いくつかの実施形態において、基部ユニット306は、基部ユニット306の1つ以上の部分が調整可能であるように、1つ以上のピボットを備える。例えば、基部ユニット306は、いくつかの実施形態では、第1のピボット307および第2のピボット308を備える。いくつかの実施形態において、ピボットは、シールド301に対して基部ユニット306の位置を調節するように構成される。いくつかの実施形態において、ピボットは、シールド301の内部体積中に関係した基部ユニット306の位置を調節するように構成される。いくつかの実施形態において、基部ユニット306は、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、またはそれ以上のピボットを備える。いくつかの実施形態において、ピボットは、1つ以上の自由度の動作を提供する。いくつかの実施形態において、ピボットは屈曲運動を提供する。いくつかの実施形態において、ピボットは回転運動を提供する。いくつかの実施形態において、ピボットは伸長運動を提供する。いくつかの実施形態において、基部ユニット306は基部309を備える。いくつかの実施形態において、基部309は、個体305、センサー、センサーアレイ、またはこれらの組み合わせを保持する基部ユニット306の一部を支持するように構成される。いくつかの実施形態において、基部309は、シールド301の開口部310に移動するように構成され、その結果、個体305、アレイ、またはこれらの組み合わせを保持する基部ユニット306の一部が、シールド301の内部体積の中に、および内部体積から移動される。いくつかの実施形態において、シールド301の内部体積は、基部ユニット306の一部(個体305、センサー、またはその両方に関連した部分など)が、シールド301の内部体積に、および内部体積から移動されるときに、その部分を受容するよう構成されるトラック、またはチャネル、またはロッド、または突出などの構造311を備える。
【0074】
図4に示されたように、本明細書に記載されているような例示的な装置またはシステム400は、基部ユニット412(移動可能な基部ユニット412など)、および、いくつかの実施形態ではセンサー(光ポンピング磁力計など)のアレイ401を備える1つ以上のセンサーを備える。
【0075】
いくつかの実施形態において、装置400は、ユーザーがアレイ401の位置を調節することを可能にするように構成される、ハンドル、ビーム、またはロッド、または突出などの構造402を備える。
【0076】
いくつかの実施形態において、装置400は、1つ以上のピボット(403または408など)を備える。いくつかの実施形態において、ピボットは、基部ユニット412またはその従属部品の位置、アレイ401の位置、またはこれらの組み合わせを調整する。いくつかの実施形態において、ピボット(403または408)は手動、自動、またはこれらの組み合わせで調整される。いくつかの実施形態において、ピボット(403または408)は、ユーザーによって、コントローラーによって、またはこれらの組み合わせによって調整される。いくつかの実施形態において、ピボット(403または408)は1つ以上の自由度で動作を提供するように構成される。いくつかの実施形態において、ピボット(403または408)は屈曲運動を提供する。いくつかの実施形態において、ピボット(403または408)は伸長運動を提供する。いくつかの実施形態において、ピボット(403または408)は回転運動を提供する。
【0077】
いくつかの実施形態において、基部ユニット412は、1つ以上の区画(410または411など)を備える。いくつかの実施形態において、基部ユニット412は単一の区画を備える。いくつかの実施形態において、基部ユニット412は2つの区画を備える。いくつかの実施形態において、基部ユニット412は複数の区画を備える。いくつかの実施形態において、基部ユニット412は3つの区画を備える。いくつかの実施形態において、第1の区画および第2の区画は異なる。いくつかの実施形態では、第1および第2の区画は同じである。いくつかの実施形態において、第1の区画は第2の区画よりサイズがより大きい。いくつかの実施形態において、第1の区画は第2の区画に隣接して配置される。いくつかの実施形態において、第1の区画は第2の区画の上に配置される。いくつかの実施形態において、第1の区画は第2の区画内に配置される。いくつかの実施形態において、区画は1つ以上の構成要素を収容するように構成される。例えば、区画は、基部ユニット412が、壁コンセントまたは外部電源に近接してとどまるように制限されないように、電源を収容するように構成される。いくつかの実施形態において、区画は、オペレーティングシステム、データベース、モニター、グラフィカルユーザーインターフェースまたはこれらの任意の組み合わせを備えるコンピューターを収容するように構成される。いくつかの実施形態において、区画は1つ以上のセンサーまたはセンサーのためのハウジングを収容するように構成される。
【0078】
いくつかの実施形態において、基部ユニット412は、1つ以上の区画(409または410など)を備える。いくつかの実施形態において、基部ユニット412は1つの区画を備える。いくつかの実施形態において、基部ユニット412は2つの区画を備える。いくつかの実施形態において、基部ユニット412は複数の区画を備える。いくつかの実施形態において、基部ユニット412は3つの区画を備える。いくつかの実施形態において、第1の区画および第2の区画は異なる。いくつかの実施形態では、第1および第2の区画は同じである。いくつかの実施形態において、第1の区画は第2の区画よりもサイズが大きい。いくつかの実施形態において、第1の区画は第2の区画に隣接して配置される。いくつかの実施形態において、第1の区画は第2の区画の上に配置される。いくつかの実施形態において、第1の区画は第2の区画内に配置される。いくつかの実施形態において、区画は1つ以上の構成要素を収容するように構成される。例えば、区画は、基部ユニット412が、壁コンセントまたは外部電源に近接してとどまるように制限されないように、電源を収容するように構成される。いくつかの実施形態において、区画は、オペレーティングシステム、データベース、モニター、グラフィカルユーザーインターフェースまたはこれらの任意の組み合わせを備えるコンピューターを収容するように構成される。いくつかの実施形態において、区画は1つ以上のセンサーまたはセンサーのためのハウジングを収容するように構成される。
【0079】
いくつかの実施形態において、基部ユニット412は、平坦面のような表面409を備える。表面409は、コンピューターまたはシステムの他の構成要素を保持するように構成される。いくつかの実施形態において、基部ユニット412は、1つ以上の回転要素(414aまたは414bなど)を備える。いくつかの実施形態において、回転要素は、基部ユニット412の動作を提供するように構成される、車輪414a、414b、ローラー、コンベヤーベルトまたはこれらの任意の組み合わせを備える。基部ユニット412は、いくつかの実施形態では、アーム413を備える。いくつかの実施形態において、アーム413の1つの端部は、センサーのアレイ401と関連するように構成される。いくつかの実施形態において、アーム413の第2の端部は、例えば、区画410もしくは411、または表面409において、基部ユニット412と関連するように構成される。いくつかの実施形態では、アーム413は調整可能である。例えば、アーム413は、アーム413の第2の部分407から伸びるアーム413の第1の部分405のように、長さが伸長可能である。いくつかの実施形態において、アーム413の第1の部分405または第2の部分407は、アーム413、またはアーム413の第1の部分405もしくは第2の部分407が、伸長され、曲げられ、または折り畳んだ位置にあることを保証するためのロック要素(取っ手、突出、あるいは溝の中のピンなど)を備える。
【0080】
いくつかの実施形態において、ピボット408は、アーム413の第1の端部405、アーム413の第2の端部407(図4に示される)、またはこれらの組み合わせに配置される。いくつかの実施形態において、ピボット403は、アレイ401に隣接するアーム413の端部に配置される。いくつかの実施形態において、ピボット408は、区画410もしくは411、または表面409に隣接するアーム413の端部に配置される。いくつかの実施形態において、基部ユニット412は、1つ以上のワイヤーなどの配線404を備える。配線404は、アレイ401の1つ以上のセンサー、基部ユニット412の1つ以上の電源、基部ユニット412の1つ以上のコンピューター、またはこれらの任意の組み合わせと関連するように構成される。基部ユニット412は、いくつかの実施形態では、基部ユニット412の1つ以上のワイヤーを確保するために、ワイヤー確保要素406(タイまたはラッチまたはフックなど)を備える。いくつかの実施形態において、ワイヤー確保要素406は、基部ユニット412のアーム413の上に配置される。いくつかの実施形態において、ワイヤー確保要素406は、基部ユニット412の区画に配置される。いくつかの実施形態において、ワイヤー確保要素406は、アレイ401の近位、アーム413の伸長点の近位、ピボット403または408の近位、またはこれらの任意の組み合わせに配置される。
【0081】
いくつかの実施形態において、装置400は、例えば、使い捨てのシールドまたはモジュラーシールドのようなシールド(示さず)と合わせられる。いくつかの実施形態において、シールドは基部ユニット412から離れている。いくつかの実施形態において、シールドは、アレイ401の近位の位置で基部ユニット412に結合されるように、基部ユニット412と関連付けられる。
【0082】
いくつかの実施形態において、シールドは装置400に統合されている。いくつかの実施形態において、シールド、アレイ401、アーム413、またはこれらの任意の組み合わせは、コントローラーまたはコンピューターシステムに作動可能に接続される(有線または無線によって)。
【0083】
図5に示されるように、本明細書に記載される装置およびシステムのいくつかの実施形態では、移動可能なカート装置のアーム500は関節接続機構および/または伸長機構501を備える。図5に示されるように、いくつかの実施形態では、伸長機構501は、アーム500の一部が、はまりこんで出入りする、はまりこむハウジングを備える。いくつかの実施形態において、関節接続機構501はジョイントを備える。
【0084】
アーム500は、いくつかの実施形態では、アーム500のある位置に有線接続構成要素503を固定するためのホルダーなどの1つ以上のホルダー502を備える。いくつかの実施形態において、ホルダー502は、アーム500の長さに沿って任意の位置に位置する。いくつかの実施形態において、アーム500の長さに沿ったホルダー502の位置は調整可能である。いくつかの実施形態において、ハウジングまたは管材料504は、1つ以上の有線接続構成要素503を収容するように構成される。いくつかの実施形態において、有線接続構成要素503は、コンピューターまたは電源などの1つ以上の構成要素に、センサーアレイを作動可能に接続する。アーム500は、いくつかの実施形態では、第1の端部および第2の端部を備える。いくつかの実施形態において、アーム500の第1の端部はセンサーアレイ509に接続されるように構成される。第1の端部はピボット505によってセンサーアレイに接続される。いくつかの実施形態において、ピボット505は、センサーアレイ509への動作の1つ以上の自由度を提供する。いくつかの実施形態において、センサーアレイの位置は、電動ボタン506などのアクチュエータの使用により調整される。アクチュエータは、いくつかの実施形態では、個体の表面に向かう方向に、または遠ざかる方向に、センサーアレイの直線運動を調整する。いくつかの実施形態において、アクチュエータは、別個のパワーボタン507を有する。いくつかの実施形態では、電動ボタン506およびパワーボタンは同じである。いくつかの実施形態では、アクチュエータは、バーまたはハンドル508を備える。バーは、アーム500位置、センサーアレイ位置、またはこれらの組み合わせの手動調整のために構成される。
【0085】
いくつかの実施形態において、移動可能なカート装置は、図7に示されるような拡張設定から、図6に示されるような折り畳み設定に、移行するように構成される。いくつかの実施形態において、移動可能なカート装置は、1回以上、2つの設定間で移行するように構成される。いくつかの実施形態において、移動可能なカート装置は、ユーザーが、手動で装置を2つの設定間で移行するように構成される。いくつかの実施形態において、移動可能なカート装置は、コントローラーに作動的に連結されたモーターシステムによって自動化されるように2つの設定間での自動移行のために構成される。
【0086】
図6は、折り畳んだ設定における例示的な移動可能なカート装置600を示す。図6に示されるように、移動可能なカート装置600は、光ポンピング磁力計などのセンサーアレイ604を備える。センサーアレイ604は、アーム608の第1の端部に連結される。いくつかの実施形態において、アーム608の第2の端部は、垂直ビーム602または枠の上端部に、位置607で連結される。連結は、いくつかの実施形態では、ピボットを備える。いくつかの実施形態において、ピボット連結は、拡張設定から折り畳み設定まで装置600を移行させるように構成される。いくつかの実施形態において、交差ビーム601は、第1の端部と第2の端部の間の任意の位置で、アーム608に位置609で連結される。いくつかの実施形態において、交差ビーム601は、アーム608の第1の端部と第2の端部の間の中点で、アーム608に連結される。いくつかの実施形態において、交差ビーム601は、交差ビーム601に沿った中点に配置したピボットなどのピボットを備える。いくつかの実施形態において、交差ビームピボットは、拡張設定から折り畳み設定まで、装置600を移行させるように構成される。いくつかの実施形態において、交差ビーム601は、垂直ビーム602の下端部に向かってセンサーアレイ604につながれた第1の端部が移動されるように、曲がるか旋回するように構成される。装置600の1つ以上のピボットは、位置607または601、またはその両方のロック構成要素などによって、拡張設定または折り畳み設定などの設定に固定される。
【0087】
いくつかの実施形態において、移動可能なカート装置600は、アーム608に連結されるハンドルなどの、ハンドル610を備える。ハンドル610は、いくつかの実施形態では、拡張設定と折り畳み設定の間で装置600を移行させるためのアーム608の作動を促進する。いくつかの実施形態において、移動可能なカート装置600は、移動可能なカート装置600が移動するように回転するように構成された、1つ以上の回転要素(車輪605および606など)を備える。いくつかの実施形態において、移動可能なカート装置600は、所望の位置に移動可能なカート装置600を安全に固定するように構成された1つ以上のアンカー要素(ゴム足612および613など)を備える。いくつかの実施形態において、移動可能なカート装置600はハンドル611を備える。いくつかの実施形態において、ハンドル611は、装置600の1つ以上の要素を作動させるように構成される。例えば、ハンドル611は、枠に対して装置600のアーム608を作動させるように構成される。いくつかの実施形態において、ハンドル611は、アーム608に対してセンサーアレイ604を作動させるように構成される。いくつかの実施形態において、ハンドル611は、直線運動で、センサーアレイ604をアーム608に近づけるように、または遠ざけるように移動する。いくつかの実施形態において、ハンドル611は回転するように構成される。いくつかの実施形態において、ハンドル611は、ハンドル611の回転運動をセンサーアレイ604の直線運動に転換するために、ドライブねじ603に作動可能に連結される。
【0088】
図7は、図6に類似であって、拡張設定にある、例示的な移動可能なカート装置700を示す。装置700は、1つ以上の光ポンピング磁力計を備えるセンサーアレイ701を備える。センサーアレイ701は、1つ以上のシャフト(直線運動シャフト702など)によって装置700のアーム706の第1の端部に作動可能に連結される。いくつかの実施形態において、アーム706の第2の端部は、1つ以上の垂直ビーム(ビーム709およびビーム710など)に位置707で連結される。位置707にある連結は、いくつかの実施形態では、ピボットを備える。連結は拡張設定と折り畳み設定の間で、アーム706を移動させるように構成される。いくつかの実施形態において、連結は、センサーアレイ701を、垂直のビームに近づけるように、または遠ざけるように移動させるように構成される。
【0089】
アーム706は、いくつかの実施形態では、装置700の一部を作動させるように構成されたハンドル704、ハンドル703、またはこれらの両方を備える。例えば、ハンドル704は、枠に対してアーム706を動かすように構成される。ハンドル703は、アーム706に対してセンサーアレイ701を移動させるように構成される。装置700は、いくつかの実施形態では、交差ビーム713を備える。いくつかの実施形態において、交差ビーム713の第1の端部705は、中点位置などのように、アーム706の第1の端部と第2の端部の間の位置で、アーム706に連結される。いくつかの実施形態において、交差ビーム713の第2の端部711は、フレームに、例えば、垂直ビーム、または2つの垂直のビーム間に配置される交差ビーム713に連結される。交差ビーム713は、いくつかの実施形態では、ピボット708を備える。いくつかの実施形態において、ピボットは、交差ビーム713の中点に置かれる。いくつかの実施形態において、ピボット708は、曲がるように構成される。いくつかの実施形態において、ピボット708は、折り畳み設定と拡張設定の間で、装置を移行させるように構成される。いくつかの実施形態において、ピボット708は、可逆的にロック可能である。いくつかの実施形態では、装置700は、装置を位置の間で移動させるように構成された車輪712などの1つ以上の回転要素を備える。
【0090】
図8は、プログラムされるか、または、さもなくば、本明細書に記載されたように、装置もしくはシステムの操作を指示するように構成される、例示的なコンピューターシステム801を示し、この操作には、基部ユニットの動作、シールドの動作、移動可能なカートの動作、センサーアレイの動作、測定の取得、参照測定に対する測定の比較、またはこれらの任意の組み合わせを含む。コンピューターシステム801は、(a)1つ以上の装置またはシステム構成要素の動作、(b)1つ以上のセンサーの動作、(c)センサーの1つ以上のパラメータの調整、(d)装置またはシステムの1つ以上の測定の計算上評価、(e)入力パラメータ、測定の結果、またはこれらのいずれかの任意の組み合わせを含む、様々なパラメータの表示の様々な態様を規定する。いくつかの実施形態において、コンピューターシステム801は、ユーザーの電子装置(例えばスマートフォン、ラップトップ)であるか、または、いくつかの実施形態では、これは、電子装置に対して遠隔に位置する。電子装置は、いくつかの実施形態では、モバイル電子装置である。
【0091】
コンピューターシステム801は、中央処理装置(CPU、本明細書では「プロセッサ」および「コンピュータープロセッサ」とも称される)805を含み、これは、いくつかの実施形態において、シングルコアもしくはマルチコアのプロセッサ、または並行処理のための複数のプロセッサである。コンピューターシステム801は、メモリまたは記憶場所810(例えば、ランダムアクセスメモリ、読み取り専用メモリ、フラッシュメモリ)、電子記憶装置815(例えば、ハードディスク)、1つ以上の他のシステムと通信するための通信インターフェース820(例えば、ネットワークアダプタ)、およびキャッシュ、他のメモリ、データ記憶装置、および/または電子ディスプレイアダプタなどの周辺装置825もまた備える。メモリ810、記憶装置815、インターフェース820、および周辺装置825は、マザーボードなどの通信バス(実線)を通してCPU805と通信する。記憶装置815は、データを保存するためのデータ記憶装置(またはデータ収納場所)として構成される。コンピューターシステム801は、通信インターフェース820の助けを借りてコンピューターネットワーク(「ネットワーク」)830に作動可能に連結される。ネットワーク830は、インターネットであり、インターネットおよび/もしくはエクストラネットであり、またはインターネットと通信するイントラネットおよび/もしくはエクストラネットである。いくつかの実施形態におけるネットワーク830は、電気通信および/またはデータネットワークである。ネットワーク830は、クラウドコンピューティングなどの分散コンピューティングを可能にする1つ以上のコンピューターサーバーを含有する。ネットワーク830は、いくつかの実施形態では、コンピューターシステム801の助けにより、ピアツーピアネットワークを実行し、これは、コンピューターシステム801に連結されたデバイスが、クライアントまたはサーバーとして挙動することを可能にする。
【0092】
CPU805は、プログラムまたはソフトウェアの中で具体化される、一連の機械で読み取り可能な命令を実行するように構成される。命令はメモリ810などの記憶場所に保存される。命令は、CPU805に指示され、これは、引き続いて、プログラムであるか、さもなければ、CPU805を設定して、本開示の方法を実施する。CPU805により実行される動作の例は、フェッチ、デコード、実行、およびライトバックを含む。
【0093】
CPU805は、集積回路など回路の一部である。システム801における1つ以上の他の構成要素は、回路に含有されている。場合によっては、回路は特定用途向け集積回路(ASIC)である。
【0094】
記憶装置815は、ドライバー、ライブラリ、およびセーブされたプログラムなどのファイルを保存する。記憶装置815は、ユーザーデータ、例えば、ユーザー優先傾向およびユーザープログラムを保存する。コンピューターシステム801は、いくつかの実施形態において、イントラネットまたはインターネットを通じて、コンピューターシステム801と通信状態にあるリモートサーバー上に位置付けられるような、コンピューターシステム801の外部にある1つ以上の追加のデータ記憶装置を含む。
【0095】
コンピューターシステム801は、ネットワーク830を介して1つ以上のリモートコンピューターシステムと通信する。例えば、コンピューターシステム801は、ユーザー(例えば、第2のコンピューターシステム、サーバー、スマートフォン、iPad(登録商標)、またはその任意の組み合わせ)のリモートコンピューターシステムと通信する。リモートコンピューターシステムの例は、パーソナルコンピューター(例えば、ポータブルPC)、スレートまたはタブレットPC(例えば、Apple(登録商標)iPad(登録商標)、Samsung(登録商標)Galaxy Tab)、電話、スマートフォン(例えば、Apple(登録商標)iPhone(登録商標)、Android使用可能デバイス、Blackberry(登録商標))、または携帯情報端末を備える。ユーザーは、ネットワーク830を介してコンピューターシステム801にアクセスする。
【0096】
本明細書に記載されるような方法は、例えば、メモリ810または電子記憶装置815上などの、コンピューターシステム801の電子記憶場所に保存された機械(例えば、コンピュータープロセッサ)実行可能コードによって実行される。機械実行可能または機械読み取り可能コードは、ソフトウェアの形で提供される。使用の間、コードはプロセッサ805により実行される。いくつかの実施形態では、コードは記憶装置815から検索され、処理装置805による素早いアクセスのためにメモリ810上に保存される。ある状況においては、電子記憶装置815は排除され、そして機械実行可能な命令はメモリ810上に保存される。
【0097】
コンピューター実行可能コードなどの機械読み取り可能媒体は、有形記憶媒体、搬送波媒体、または物理送信媒体を含むがこれらに限定されない、多くの形態をとる。不揮発性記憶媒体には、例えば、図面に示されるデータベースなどを実行するために使用され得るものなど、任意のコンピューターなどにおける、任意の記憶デバイスといった、光ディスクまたは磁気ディスクが挙げられるがこれらに限定されない。揮発性記憶媒体は、そのようなコンピュータープラットフォームのメインメモリなどの動的メモリを備える。有形送信媒体は、コンピューターシステム内のバスを包含するワイヤーを含む、同軸ケーブル、銅線および光ファイバーを含む。搬送波送信媒体は、無線周波(RF)および赤外線(IR)データ通信中に生成されたものなどの、電気信号もしくは電磁気信号、または音波または光波の形態を取る。それゆえに、コンピューター読み取り可能媒体の共通の形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD-ROM、DVD、またはDVD-ROM、他の光学媒体、パンチカードペーパーテープ、穴のパターンを備えた他の物理的記憶媒体、RAM、ROM、PROM、およびEPROM、FLASH-EPROM、任意の他のメモリチップまたはカートリッジ、データまたは命令を運ぶ搬送波、そのような搬送波を運ぶケーブルまたはリンク、または、コンピューターが、それからプログラミングコードおよび/またはデータ読み出す任意の媒体を備える。これらの形式のコンピューター読み取り可能媒体の多くは、実行のための1つ以上の命令の1つ以上の並びをプロセッサに伝える際に関与する。
【0098】
いくつかの実施形態では、コンピューターシステム801は、ユーザーによって、またはコントローラーによって、またはこれらの任意の組み合わせによって、投入されるかまたは調節される、例えば、測定された1つ以上の信号、1つ以上の基準信号、1つ以上のパラメータのグラフ表示を提供するための、ユーザーインターフェース(UI)840を備える電子ディスプレイ835を備えているか、または上記電子ディスプレイ835と通信する。UIの例には、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)およびウェブベースのユーザーインターフェースが挙げられるがこれらに限定されない。
【0099】
いくつかの実施形態では、本開示の方法およびシステムは、1つ以上のアルゴリズムによって実施される。アルゴリズムは、いくつかの実施形態では、中央処理装置805によって実行中のソフトウェアによって実現される。アルゴリズムは、例えば、信号を基準信号に対して比較している。
【0100】
図9のA-Bは、シールドの例を示す。いくつかの実施形態において、シールドは第1の端部および第2の端部を有する。シールドの第1の端部は、いくつかの実施形態では、閉鎖テーパー端部901aまたは901bを備える。いくつかの実施形態において、シールドの第2の端部は、実質的に円筒形状の開放端904を備える。いくつかの実施形態において、第2の端部の開口部は、個体の少なくとも一部、センサーアレイ、基部ユニット、またはその任意の組み合わせをシールドに受容するように構成される。いくつかの実施形態において、シールドは一体成型品である。いくつかの実施形態において、シールドは、第1のセグメント901aまたは901b、第2のセグメント902aまたは902b、および第3のセグメント903などの、1つ以上のセグメントから形成される。いくつかの実施形態では、シールドは1つの層を含む。シールドは、いくつかの実施形態では、1つより多くの層を含む。シールドは、いくつかの実施形態では、内層905を含む。シールドは、いくつかの実施形態では、2層の間の間隔906を含む。
【0101】
図10のA-B、図9のA-Bに示されるシールドの例示的なエンジニアリング図面を示す。図10のAに示されるように、シールドの断面図は、シールドの適切な幾何学的な寸法の例を示す。付属品および支持体は当技術分野において既知の任意の非鉄材料から造られるが、シールドは、ナイロンを含む以下の支持体を用いて、画像の筒状部として示される。図10のBは、同じサンプルシールドの長手方向の図を示す。いくつかの実施形態において、シールドは、図10のA-Bによって示されるように、約2000mmから約2500mmまで、または約2200mmから約2300mmまで(約2272.5mmなど)の全長、約1500mmから約2000mmまで、または約1700mmから約1800mm(約1750.0mmなど)の内部長、直径が約500mmから約1000mmまで、または約700mmから約900mmまで(約800.0mmなど)である内層、直径が約600mmから約1100mmまで、または約800mmから約950mmまで(約883.0mmなど)である中心層、直径が約700mmから約1200mmまで、または約900mmから約1050mmまで(約986.0mmなど)である外層を有している。
【0102】
シールドは、いくつかの実施形態では、任意の2つの与えられた層の間に間隔を開けて、1つより多い層を備える。いくつかの実施形態において、シールドは、任意の2つの層の間に、不均一な間隔を有する。様々な層のセットは、いくつかの実施形態では、互いに対して不均一な間隔を有する。
【0103】
シールドまたはその部分の層は、いくつかの実施形態では、約0.1から約10ミリメートルまでの厚さを備える。いくつかの実施形態において、シールドの層は、約0.5から約5ミリメートルまでの厚さを有する。いくつかの実施形態において、シールドの層は、約0.1から約2ミリメートルまでの厚さを有する。いくつかの実施形態において、シールドの層は、約0.8から約5ミリメートルまでの厚さを有する。厚さは、シールドの長さまたは外周に沿って実質的に同じである。いくつかの実施形態において、シールドの層の厚さはシールドの長さまたは外周に沿って変動する。
【0104】
いくつかの実施形態において、シールドは複数の層を備える。いくつかの実施形態において、間隔は複数の層の少なくとも2つの層の間に存在する。いくつかの実施形態において、間隔は複数の層の各層の間に存在する。いくつかの実施形態において、間隔は複数の層のサブセットの層の間に存在する。いくつかの実施形態において、シールドの第1の層は、シールドの第2に層に隣接するように構成される。いくつかの実施形態において、シールドの第1の層は、シールドの第2の層に取り付けられるかまたは結合されるように構成される。いくつかの実施形態において、シールドの第1の層は、シールドの第2の層より、約0.1インチから約5インチに配置されるように構成される。いくつかの実施形態において、シールドの第1の層は、シールドの第2の層より、約1インチから約3インチに配置されるように構成される。いくつかの実施形態において、シールドの第1の層は、シールドの第2の層から、約1インチから約20インチに配置されるように構成される。いくつかの実施形態において、シールドの第1の層は、シールドの第2の層より、約1インチから約10インチに配置されるように構成される。
【0105】
いくつかの実施形態において、内部長さまたは外部長などのシールドの長さは、約2×シールドの内部径である。いくつかの実施形態において、シールドの長さは、約0.5×から約3×シールドの内径である。いくつかの実施形態において、シールドの長さは約1×から約3×シールドの内径である。いくつかの実施形態において、シールドの長さは約1.5×から約3×シールドの内径である。
【0106】
いくつかの実施形態において、図11A図11Lにおいて示されるように、シールドの層は、目的の用途に依存して、変動する幅、高さ、およびに長さのスペーサーを使用して離間される。いくつかの実施形態において、シールドの層を離間するために使用されるスペーサーは、円弧の形態をとる。いくつかの実施形態において、スペーサーは、2つの連続した層の部分または全周面をカバーするために使用される。いくつかの実施形態において、スペーサーは、2つの連続した層の周面の一部のみをカバーする。
【0107】
いくつかの実施形態において、図12のA-Bに示されるように、シールド支持体は、1つ以上の部品で組み立てられ、ボルト、ファスナー、ねじ、またはこれらの任意の組み合わせにより作動可能に接続されるように(接合されるように)構成される。いくつかの実施形態において、シールド支持体は、1つ以上のファスナー、ボルト、ねじ、またはこれらの任意の組み合わせによって、シールドに作動可能に接続される(例えば、取り付けられる)。いくつかの実施形態において、支持体はまた、粘着性のファスナーを使用して取り付けられる。いくつかの実施形態において、図12のAに見られるように、シールドスペーサーは、2つの連続層の外周に沿った任意の場所に配置される。いくつかの実施形態において、1つ以上のフックのシステムは、接着剤、ファスナー、ねじ、ボルト、またはこれらの任意の組み合わせによって、シールドの任意の層の任意の表面に作動可能に接続される(例えば、取り付けられる)。層は保護層を備える。内層、中間層、外層、またはこれらの任意の組み合わせは、いくつかの実施形態では、保護膜を備える。いくつかの実施形態において、層の一部は保護層を含む。保護層は、いくつかの実施形態では、非鉄材料を含む。保護層は、いくつかの実施形態では、ポリ塩化ビニルプラスチックを含む。いくつかの実施形態において、保護層は、シールドの全内面にわたる。いくつかの実施形態において、保護層は、シールドの内面の一部にわたる。
【0108】
図13は、シールドの一部または全体積にわたるように構成された例示的なフック1300を示す。いくつかの実施形態において、1つ以上のフック1300は、配線に作動可能に接続され(配線を保持するなど)、アナログ電気的信号、デジタル電気的信号、またはこれらの組み合わせを送信するように設計されている。いくつかの実施形態において、1つ以上のフック1300は、シールドの単一平面に沿って配置される。いくつかの実施形態において、フック1300は、シールドの1つより多くの面に沿って配置される。フックは複数の面に沿って配置される。いくつかの実施形態において、フック1300はシールドの内面に配置される。いくつかの実施形態において、フック1300は、1つの断面において、シールドに関して周辺に配置される。いくつかの実施形態において、フック1300は、シールドに関して周辺に配置され、シールドの長さに沿って連続している。いくつかの実施形態において、フック1300は、蓄積された磁場を除去するために設計された電気的なコイル系などの電気的なコイル系を保持するように構成される。いくつかの実施形態において、フック1300は、シールドの内部の均質な磁気環境を作製するように設計された電気的なコイル系などの、電気的なコイル系を保持するように構成される。いくつかの実施形態において、電気的なコイル系は、可変ゲージのワイヤーの使用を用いるように構成される。本明細書に記載される装置およびシステムを用いる使用に適している例示的なワイヤゲージは、図13に示される28のAWGである。
【0109】
図14A図14Bに示されるように、移動可能なカート装置は、いくつかの実施形態では、磁気的にシールドされていない環境中で作動可能である。いくつかの実施形態において、コンピューター、電子装置、またはこれらの組み合わせは、移動可能なカート装置それ自体の上に収容される。いくつかの実施形態において、電子制御モジュールは、移動可能なカート装置の区画(キャビネットなど)に収容される。いくつかの実施形態において、移動可能なカートは、バッテリー(移動可能なバッテリーなど)によって動力が供給されるように構成される。いくつかの実施形態において、装置のアームは、1つ以上の自由度での電動動作のために構成される。
【0110】
移動可能なカート装置1400の1つの例は、図14A図14Bに示される。この例は、図4に示される例に類似している。本明細書に記載される装置またはシステムは、いくつかの実施形態では、基部ユニット(移動可能な基部ユニットなど)およびセンサー(光ポンピング磁力計など)のアレイを備える。いくつかの実施形態において、センサーのアレイはハウジング1404に収容される。いくつかの実施形態では、ハウジング1404は交換可能である。いくつかの実施形態において、ハウジング1404は1つより多くのセンサーアレイ設定に適合するように、汎用的に構成される。いくつかの実施形態において、ハウジング1404は、取り外し可能であり、異なるハウジング置き換えられるように構成される。いくつかの実施形態において、センサーアレイ位置の調節がハウジング1404の上でモーター機能1403を押すことにより調整されるように、ハウジング1404はモーター機能1403を備える。いくつかの実施形態では、調整は自動である。いくつかの実施形態において、調整は、モーター機能1403を押すことでユーザーによって手動で実施される。基部ユニットは、いくつかの実施形態では、ユーザーがアレイの位置を調整することを可能にするように構成されるアーム、ビーム、ロッド、または突部などの構造を備える。いくつかの実施形態において、アームは、ブラケット1402と関連するなど、センサーアレイまたはハウジング1404と関連するように構成される。いくつかの実施形態では、アームは延長可能である。いくつかの実施形態において、アームは1つ以上の自由度において移動可能である。いくつかの実施形態において、伸長されたアーム位置などのアームの位置は、ロック部品1401によって固定される。いくつかの実施形態において、ロッキングソレノイドなどのロック部品1401は、アーム上に配置される。いくつかの実施形態において、ロック部品1401は、モーター機能1403に作動可能に統合される。基部ユニットは、いくつかの実施形態では、単一の区画1405を備える。基部ユニットは、いくつかの実施形態では、2つの区画を備える。基部ユニットは、いくつかの実施形態では、複数の区画を備える。いくつかの実施形態において、区画1405は、1つ以上の構成要素を収容するように構成される。例えば、区画1405は、基部ユニットが壁コンセントまたは外部電源に近接した位置のままであることを制限されないように、電源を収容するように構成される。いくつかの実施形態において、区画1405は、オペレーティングシステム、データベース、モニター、グラフィカルユーザーインターフェース、またはこれらの任意の組み合わせを備えるコンピューターを収容するように構成される。いくつかの実施形態において、区画1405は、1つ以上のセンサーまたはセンサーのためのハウジングを収容するように構成される。いくつかの実施形態において、区画1405は、電源、コンピューター、1つ以上のセンサー、センサーのためのハウジング、配線、またはこれらの任意の組み合わせを収容するように構成される。基部ユニットは、いくつかの実施形態では、平坦面などの表面を備える。いくつかの実施形態において、表面は、コンピューターまたはシステムの他の構成要素を保持するように構成される。基部ユニットは、いくつかの実施形態では、1つ以上の回転要素を備える。いくつかの実施形態において、回転要素は、基部ユニットの動作を供給するように構成された、車輪、ローラー、コンベヤーベルト、またはこれらの任意の組み合わせを備える。基部ユニットは、いくつかの実施形態では、アームを備える。アームの1つの終端は、センサーのアレイに関連するように構成される。いくつかの実施形態において、アームの第2の端部は、例えば、区画1405または表面において、基部ユニットと関連するように構成される。いくつかの実施形態では、アームは調整可能である。例えば、アームは、第2の位置から延びるアームの第1の位置のように、長さが伸張可能である。基部ユニットは、いくつかの実施形態では、1つ以上のワイヤーなどの配線を備える。配線は、アレイの1つ以上のセンサー、基部ユニットの1つ以上の電源、基部ユニットの1つ以上のコンピューター、またはこれらの任意の組み合わせに関連するように構成される。基部ユニットは、いくつかの実施形態では、使い捨てのシールドまたはモジュールのシールドなどのシールドを備える。いくつかの実施形態において、シールドは基部ユニットから離れている。いくつかの実施形態において、シールドは、アレイの近傍である位置として基部ユニットに取り付けられるように、基部ユニットと関連付けられる。いくつかの実施形態において、シールドは基部ユニットと一体である。いくつかの実施形態において、シールド、アレイ、アーム、またはこれらの任意の組み合わせは、コントローラーまたはコンピューターシステムに作動可能に接続される(例えば、有線で、または無線で)。
【0111】
図15Aは、センサーアレイ1500aの1つの例の拡大図である。センサーアレイ1500aは、いくつかの実施形態において、1つ以上のセンサプレートを備える。例えば、センサーアレイ1500aは、いくつかの実施形態では、底センサプレート1501を備える。いくつかの実施形態において、底センサプレート1501は、1本、2本、3本、4本、5本、6本、7本、8本、9本、10本、11本、または12本の取付ボルトなどの、1本以上の取付ボルトによって、他のセンサー構成要素に固定される、いくつかの実施形態では、センサーアレイ1500aは、上端センサプレート1502を備える。いくつかの実施形態において、上端センサプレート1502は、1本、2本、3本、4本、5本、6本、7本、8本、9本、10本、11本、または12本の取付ボルトなどの、1本以上の取付ボルトによって、他のセンサー構成要素に固定される。センサーアレイ1500aは、いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサプレートスタンドオフ1503を備える。例えば、センサーアレイ1500aは、いくつかの実施形態では、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、または12個のセンサプレートスタンドオフを備える。
【0112】
センサーアレイ1500aは、いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサー1506を備える。いくつかの実施形態では、センサーは磁力計センサーを備える。センサーは、いくつかの実施形態では、光ポンピングベクター磁力計またはゼロ磁場磁力計を備える。センサーは、いくつかの実施形態では、超伝導量子干渉デバイス(SQUID)、誘導ピックアップコイル、振動試料磁力計(VSM)、パルスフィールド抽出磁力計、磁気トルク計、ファラデー力磁力計、光学磁力計またはこれらの任意の組み合わせを備える。いくつかの実施形態では、センサーは小規模微小電気機械システム(MEMS)ベースの磁場センサーを備える。
【0113】
いくつかの実施形態において、センサーはハウジングを含まない。いくつかの実施形態において、センサーアレイ1500aの1つ以上のセンサー1506は、1つ以上のセンサーハウジング1504aまたは1504bを備える。いくつかの実施形態において、例えば、センサーアレイ1500aは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、または24のセンサーハウジングを備える。いくつかの実施形態において、センサーアレイ1500aは、アレイ中の各センサーのためのセンサーハウジングを備える。いくつかの実施形態において、センサーアレイ1500aは、アレイ中に少なくとも各2つのセンサーのためのセンサーハウジングを備える。いくつかの実施形態において、センサーハウジングは調整不可能である。いくつかの実施形態において、センサーハウジングは、1つより多くのセンサーアレイ設定に適合するセンサーアレイユニット内で移動可能である。いくつかの実施形態において、センサーハウジングは、1つ以上の取付ボルトによって、1つの位置で固定される。いくつかの実施形態において、センサーアレイ1500aは、センサーハウジングキャップ1505によって、1つの位置で固定される。
【0114】
いくつかの実施形態において、センサーアレイ1500aは、ハンドル1510を備える。いくつかの実施形態において、ハンドル1510の作動、そのような回転運動は、(i)個体から離れる、もしくは個体に向かう、(ii)移動可能なカート装置のアームから離れる、もしくはそのアームに向かう、または(iii)これらの組み合わせである、センサーアレイ1500aの運動(直線運動など)を生じさせる。ハンドル1510は手動で操作される。いくつかの実施形態において、ハンドル1510の作動は自動化される。いくつかの実施形態において、ハンドル1510が作動される場合、主ネジなどのねじ1509は回転する。ねじ1509の回転は、いくつかの実施形態では、センサーアレイ上の1つ以上のシャフトが移動することを可能にする。
【0115】
センサーは、いくつかの実施形態では、2つ以上のシャフト1508aまたは1508b(シャフト1508a(直線運動シャフトなど)およびシャフト1511(正方形運動シャフトなど)の連結のため、動作(個体から離れて、または個体に向かうセンサーの直線運動など)の伝達のための要素1512を備える。いくつかの実施形態において、シャフトはまた、ドッグクラッチなどの停止要素を備える。いくつかの実施形態において、構成要素1512は、ハンドル1510、ねじ1509、シャフト1508aおよびシャフト1511などの1個以上のシャフト、またはこれらの任意の組み合わせと作動的に連結される。
【0116】
センサーアレイ1500aは、いくつかの実施形態では、支持体ブラケットなどのブラケット1507を備える。いくつかの実施形態において、ブラケットは、互いに対してセンサーアレイの1つ以上のシャフトおよび1つ以上のねじのための、空間的な方向付けを提供する。いくつかの実施形態において、ブラケットは、シャフト1508a、シャフト1511、ねじ1509、構成要素1512またはこれらの任意の組み合わせに作動可能に連結される。
【0117】
センサーアレイ1500aは、いくつかの実施形態では、個体ストッパーなどの、ストッパー1513を備える。いくつかの実施形態において、ストッパー1513は個体の表面に配置されるように構成される。いくつかの実施形態において、ストッパー1513は個体の表面から離れた特定の距離に配置されるように構成される。いくつかの実施形態において、ストッパー1513は、特定の位置を越えて、例えば、個体の表面を越えて、センサーアレイが進行するのを防ぐように構成される。いくつかの実施形態において、ストッパー1513は、作動中、被験体に最も接近して配置されるセンサーアレイの表面に配置される。
【0118】
移動可能なカート装置1500bの1つの例は、図15Bに示される。この例は、図6および図7に示される例に類似している。移動可能なカート装置1500bは、いくつかの実施形態では、アーム1514を備える。アーム1514は、いくつかの実施形態では、第1の端部および第2の端部を備える。いくつかの実施形態において、センサーアレイは、アーム1514の第1の端部に連結される。いくつかの実施形態において、アーム1514の反対側の端部は、第1の支持体ビーム1517a、および第2の支持体ビーム1517bを有するフレームに連結される。いくつかの実施形態において、アーム1514の反対側の端部は、フレームの上部ブラケット1518においてフレームに連結される。いくつかの実施形態において、移動可能なカート装置1500bは、第2のアームを備える。いくつかの実施形態において、第2のアームは頂部支持アーム1515および底部支持アーム1516を備える。いくつかの実施形態において、アーム1514の第1の端部と第2の端部の間の位置において、第2のアームの第1の端部はアーム1514に連結される。いくつかの実施形態において、第2のアームの第2の端部は、フレームのブラケット1519(ロッカーブラケットなど)においてフレームに連結されるように、フレームに連結される。いくつかの実施形態において、移動可能なカート装置1500bは、車輪1522などの、1つ以上の回転要素を備える。いくつかの実施形態において、回転要素は、1つ以上のアクセル1521(単一のアクセルに作動可能に連結された、2つの回転要素など)、1つ以上のベアリング1523、またはこれらの組み合わせに作動可能に連結され、例えば、2つの回転要素の回転は連携して起こる。いくつかの実施形態において、移動可能なカート装置1500bは2つの回転要素を備える。いくつかの実施形態において、移動可能なカート装置1500bは1つの回転要素を備える。いくつかの実施形態において、回転要素は、1つの位置から異なる位置まで移動可能なカート装置1500bを移動させるように構成される。移動可能なカート装置1500bは、いくつかの実施形態では、所望の位置に移動可能なカート装置1500bを固定させるため、または回転要素のさらなる動作を防ぐために、ゴム足などの固定要素1524を備える。移動可能なカート装置1500bは、いくつかの実施形態では、1つの固定要素を備える。移動可能なカート装置1500bは、いくつかの実施形態では、2つまたは3つの固定要素などの1つ以上の固定要素を備える。1つ以上の回転要素、アクセル、固定要素、またはこれらの任意の組み合わせは、1つ以上のマウント1520によって、移動可能なカート装置1500bに作動可能に連結される。
【0119】
いくつかの実施形態において、移動可能なカート装置1500bは、設定を伸長設定(図15B)から閉鎖設定(図15C)まで切り替える。伸長設定を含む実施形態中で、アーム1514は、移動可能なカート装置が保存されるか、異なる位置まで容易に移動するように、フレームに隣接して折り畳まれる。
【0120】
いくつかの実施形態において、磁力計の性能は平衡に伴って改善される。これらの実施形態では、1nT/mの勾配はシールド内で達成される。平衡は、いくつかの実施形態では、消磁のプロセスを含む。
【0121】
いくつかの実施形態において、平衡工程の利用のために構成されたシールドは、コイルの配置を備える。典型的には、コイルは1つ以上の層で配置される。いくつかの実施形態において、シールドは、内部コイル層および1つ以上の外部コイル層(最内層用の内部コイルおよび外部層の各々のための外部コイル)を備える。
【0122】
いくつかの実施形態において、内部コイルは8個のコイルを有効に形成するために45度で分布する(90cm直径のシリンダーについて)。機械的な取付精度は、ワイヤー当たり、約+/-2cmである。一般的には、様々な異なる構成が、外部コイルに対し許容可能である。いくつかの実施形態では、シールドは1つの外部コイルを備える。いくつかの実施形態では、シールドは2つの外部コイルを備える。いくつかの実施形態では、シールドは3つの外部コイルを備える。いくつかの実施形態では、シールドは4つの外部コイルを備える。いくつかの実施形態では、シールドは5つの外部コイルを備える。いくつかの実施形態では、シールドは6つの外部コイルを備える。いくつかの実施形態では、シールドは7つの外部コイルを備える。いくつかの実施形態では、シールドは8つの外部コイルを備える。いくつかの実施形態では、シールドは9つの外部コイルを備える。いくつかの実施形態では、シールドは10個の外部コイルを備える。
【0123】
いくつかの実施形態において、少なくとも中間層は電気的に絶縁させられなければならない。いくつかの実施形態において、ESD PVCは、単にチャージアップ効果を免れるために、通常のプラスチックの代わりに使用される。チャージアップ効果は磁場計を乱す。
【0124】
図22は、シールドの実施形態に配置された1つの内部コイル2200の例示的なレイアウトを示す。図23は、シールドの実施形態に配置した、外部コイル2300の例示的なレイアウトを示す。
【0125】
いくつかの実施形態において、増幅器(または変圧器)への接続は、磁場プローブを用いる測定の間は開いている。いくつかの実施形態において、これは機械的リレーを使用して達成される。
【0126】
ワイヤー面積は、典型的には、少なくとも2.5mmであるが、4mmが望ましい。本発明者は、テスト装置として、コイルの各8分の1個において3回巻き、結果として24回巻きを提案する。本発明者は、透磁率を評価することができないが、しかし、これはKrupp Magnifer材料(本発明者はこれに対してより慣れている)に匹敵するはずである。したがって、24回巻きは、約1オームであり、10Aの飽和電流を伴う。これは10Vを与える。
【0127】
いくつかの実施形態において、平衡シーケンス(sequence)は、内部層の飽和からスタートし、直線的に減少する包絡線を有する30sのシーケンスになる。このシーケンスは、磁界の何らかの大きな変動が与えられるたびに毎回、必要とされる。通常的な操作の間、本発明者は、1日当たり1-3回が、理にかなっていると推測する。同じ増幅器を使用して、シールドが設置されるか、または外部場が90度程度の方向で変化するとき、外側シールドは一度だけ平衡化されなければならない(したがって、同じ設備を使用するために、コイルに対し同様の量の巻き回数がなければならない)。
【0128】
いくつかの実施形態において、平衡のためのコイルは、金めっき接点を備えた個々のワイヤーである。磁化問題により、Ni基板またはコーティングは、コネクタ内側のために使用することができない。いくつかの実施形態において、必要とされる精密さのレベル、内部シールドの平衡コイルは、特別の使用上の注意なしでランダムに置くことができるのに対して、一方、内部コイルは、60cm直径のための合理的な形状の残存する磁場を得るためには電流の分布について6倍の対称性が要求され、1mの直径のためには、8倍の対称性が要求される。実証プロジェクトのために、本発明者らは、過度の磁化を回避するために、ニッケル中間層(これはまれである!)のない金めっきされた黄銅のコネクタを選択した。すべてのコネクタは、内部シールド層の外側に配置されなければならない。それらの磁化(このレベルでの)は、内部残存磁場に対して関係がない。
【0129】
本明細書に記載されるシールドのいくつかの実施形態で用いられた平衡化プロセスは、磁化材料を周囲の磁場とともに平衡状態に置くことをもたらすプロセスである。いくつかの実施形態において、これは、磁化材料のまわりに正弦波電流を適用することによって行われる。振動は、極めて良好に0近傍に集中し、材料を両方向に飽和するのに十分に大きい。0まで振幅を減少させることによって、磁化材料(シリンダーの内部の)の外側の非常に低い磁場強度が得られる。当初の試験については、非常に信頼できる機能であるので、直線的に減少する包絡線は有用である。このモデルは、平衡ユニットへプログラムされる。指数関数的に減少する機能は将来有利になるかもしれない。プリセット関数(PC上のユーザーによって変更できる)は、以下のように示される。
【0130】
図24は典型的な平衡機能を示す。最初に、最大電流は10のサイクルの間維持され、その後、0振幅に到達するまで減少した。最終の実行レベルにおいては、変化および改良のために多くのオプションが利用可能であることに注意すべきである。
【0131】
いくつかの実施形態において、平衡コイルはツイストペアケーブルを使用して、電気設備に接続される。より高い周波数は、シールド材料のインダクタンス、およびコイル配置(mH範囲)によって減衰されるので、RFシールドまたは他の予防手段は必要とされない。
【0132】
いくつかの実施形態において、コンピューティングデバイスは、包絡線関数を伴った正弦関数をプログラムし、これはNI 6281データ取得装置によって電圧信号に変換される。電圧は電圧分割装置に供給され、その後、パワーアンプを駆動する。機能はユーザーによってセットでき、プログラム可能である。カーブのタイミング解像度は10kHzである。
【0133】
いくつかの実施形態において、コントロールボックスの内部に、ポテンショメーターを備えた箱がある。これらのポテンショメーターは、増幅器からのDAC電圧対電流に対する比率をセットするために、手動で調節されることができる。これは、残存磁場(20Vを16ビットで表すので、0.3mV解像度)のための、いかなるビット-寸法効果も最小限にする。経験上、この最適化は<0.5nTの残留磁場に対して適切である。様々な電流を調節するための2つのポテンショメーターがあり、これらはソフトウェアを介して選択され得る。ノイズの多い環境の場合には、電圧分割装置ボックスは、キャパシタによる追加的な周波数フィルタリングを加えるために有用な場所である。いくつかの実施形態において、増幅器のバンドパスフィルタリングは、ほとんどの用途に対して十分である。
【0134】
いくつかの実施形態において、パワーアンプは、大きな誘導負荷を伴って作動することができ、例えば、ショートカット、多くの誘導性スパイクなど、誤った操作に対して本質的にフェイルセーフである第4象限増幅器を備える。磁気平衡については、増幅器は電流制御モードの中で使用されるべきであるが、任意の設定によってもまた動作ができる。極端なノイズ要件により、増幅器の最大出力と一致させるために磁化材料のまわりのコイルを変更する(断面および巻数)ことが望ましい。極めて低いノイズでの動作を達成するために、出力は非常に小さいように選択される。バンドパスフィルタは、ノイズ効果を弱めるために、手動で正面側に設定できる。裏側のサブdコネクタによって、増幅器は完全に遠隔制御される。この増幅器のユニークな特徴は、信号入力と無関係に、アナログ+/-10Vの入力によって1%ずつベース・ラインを調節する可能性である。いくつかの実施形態において、DC測定を行うために、磁場プローブのノイズとドリフトは関連性がある。いくつかの実施形態において、2 3チャネル(cannel)Bartington Fluxgate型Mag03-IEL-70が、<6pTのノイズ振幅(ピークトゥピーク)とともに使用される。2つの電子ユニットは、それぞれ5mのケーブル長を有したフライングリードセンサーを伴って、3つのセンサーをそれぞれ供給する。いくつかの実施形態において、フラックスゲート アナログ信号(+/-10V)の十分な解像度をもたらすために、例えば、1つ以上のフラックスゲートの読み出しは、NI 628118-ビットアナログ入力装置を用いてなされる。電圧分割装置は範囲を一致させるためには必要とされない。USB制御部はPCへのデータ転送向けのみのためであって、NIユニットは独立してアースされ、独立した電源を有する。いくつかの実施形態において、読み出し速度は毎秒625.000サンプルまで設定される。
【実施例0135】
本明細書に記載された装置およびシステムの実施形態と要素の非限定的な例は、以下のとおりである。
磁気的にシールドされた環境は、約7フィート(foot)高さ×約7フィート深さ×約7フィート幅の最小限の次元を含む。磁気的にシールドされた環境は、いくつかの実施形態では、磁気的にシールドされた環境の各表面から少なくとも約1フィートのすべての点で、帯域幅約0.1Hzから約500Hzで約56デシベル(dB)の最小限のシールド因子を伴う少なくとも約500のDCシールド因子を含む。
コンピューターを備えたカートは、磁気的にシールドされた環境の外部に配置される。センサーの電子制御モジュールがコンピューターに接続され、これは供給された装置の一部である。いくつかの実施形態において、モジュールはそれぞれ、装置アームに配置されるアレイ中の1つのセンサーへ、パワーと制御指令をもたらす。図16に示されるように、セットアップ1600は例示的な実施形態である。
図16に示されるように、個体は、基部ユニット(ベッドなど)1607の上で背臥位をとる。センサーアレイ1606は、移動可能なカート装置のアーム1605を調節することによって、胸位置など被験体上の位置に隣接して配置される。シールド1603は、(i)被験体とセンサーアレイ1606と、(ii)電子機器、電源、コンピューター、またはこれらの任意の組み合わせなどの1つ以上の追加装置1601との間に配置される。1つ以上の追加装置およびセンサーアレイ1606を作動可能に接続するために必要な1つ以上の従属部品1602(配線など)は、管材料またはカバーリングに収容される。シールド1603中の開口部1604は、そこを通り抜ける1つ以上の従属部品1602を受容するように構成される。
図17に示されるように、いくつかの実施形態では、シールド1700は、第1の層1701および第2の層1702など1つ以上の層を備える。いくつかの実施形態において、第1の層1701および第2の層1702は互いに隣接している。いくつかの実施形態において、第1の層1701および第2の層1702は間隔によって離間される。
基部ユニット(患者ベッドなど)は、いくつかの実施形態では、個体が装置の使用前に配置される(背臥など)磁気的にシールドされた環境内に配置される。このベッドは、装置が読み取る可能性がある干渉の量を最小限化するために、非強磁性体(完全に非強磁性体から構築されるなど)および非永久磁石から造られる。
【0136】
セットアップ:使用に際し装置をセットアップするために、以下の例示的な工程の1つ以上が実行される:
・装置フレームおよび、センサーハウジングが、磁気的にシールドされた部屋の内部で位置していることを確認する。装置のアームを折り畳み、装置をストレージモードに維持する。
・制御装置が、磁気的にシールドされた部屋の1つ以上の入り口を通って、センサーハウジングおよび装置フレームに接続されることを確認する。
・コンピューターインタフェースの電源を入れて、ソフトウェアアプリケーション(Maxwellなど)を起動する。
・電子制御モジュールの電源を入れる。
図17に示すように、個体の頭部が基部ユニット1704の1つの側面に整列し、個体の足が基部ユニット1704の第2の側面に向かって整列するように、基部ユニット1704(すなわち、ベッド)に個体を配置する。磁気的にシールドされた部屋は、基部ユニット1704の少なくとも1つの側に沿って磁気心電計を配置するための十分な隙間を有している。
・個体は、少なくとも基部ユニット1704の一部が、シールド開口部へ、およびその開口部からスライドできるように構成された基部ユニット1704上に配置される。基部ユニット1704は、トラック1705上をスライドするように構成されるか、または1つ以上のローラーもしくは車輪の上をスライドしてもよい。配線など従属部品1703の少なくとも一部は、センサーアレイを1つ以上の他の装置に作動可能に接続するように、シールド1700の少なくとも一部を入れるように構成され、従属部品1703は、シールド1700内のフックまたはラッチまたはトラック構造と関連する。
・アームがハンドルによってフレームの垂直位置から約90度の角度を作るように、フレームのアームを伸長する(湾曲ハンドルなど)。
・フレーム上のハンドルを引くことにより、装置を被験体に向けて移動させる。センサーハウジングが、被験体上の目的の領域(胸部領域など)上にあるように、装置を配置する。正方形プラットフォームが最適位置におかれるように、小さな調整を行う。
・センサーアレイプラットフォームの最右端が、個体のセンターラインの直上または近接した上方にあり、かつ個体のセンターラインと平行であるように、個体の左側で、ハウジングを調節する。
・センサーハウジングの高さを調整するために、フレームのアームの末端にあるリフト機構を使用する。センサーハウジングは、個体の目的の領域(例えば胸部)の直上または近接した上方において静止する位置まで下げられる。ハンドルは、センサーハウジングを下げるために第1の方向に回転させられる。ハンドルは、センサーハウジングを上昇させるために第2の方向に回転させられる。
【0137】
起動:フレームが適切な位置に配置された後、1つ以上のセンサーは、心臓の磁気活性などの信号の記録について準備するために立ち上げられる。起動を始めるために、ユーザーはソフトウェアアプリケーション(Maxwellなど)にログインし、データ取得モジュールを選択する。以下の工程のうちの何れかのステップでトラブルがある場合、アプリケーションは閉じられ、再立ち上げを試みる。問題が解決しない場合、コンピューターインタフェースが再立ち上げされる。使用のために装置を起動するために、下記の1つ以上を着実に実行する:
・データ収集ソフトウェアのユーザーインターフェースにおいて、センサー状態を確認することによって、すべてのセンサー(8つのセンサーなど)への接続が存在することを確認する。
・データ収集ソフトウェアのユーザーインターフェースにおいて、「自動開始」を押すことにより、ソフトウェアアプリケーションを通じて自動開始手続を開始する。このプロセスは、使用のための1つ以上のセンサーを較正する。継続前に、ソフトウェアUIにおいて見つかった準備インジケータが緑に変わり、状態が「準備完了」と読めることを確認する。
【0138】
記録:起動が完了した後、装置は心臓の磁場データなどの信号を捉える準備ができている。開始するために、下記の1つ以上が実行される:
・ソフトウェアアプリケーションにおいて「収集」ボタンを選択する。このオプションの選択は、収集ソフトウェアUIの上でみられるビューウィンドウにおいて、センサーから集められた磁場をプロットする。
・収集された磁場が、心臓の電気的活動などの信号の特徴を有することを確認する。
・ファイルにデータを保存するために、「記録」オプションを選択する。データ収集の期間の長さ、ファイル名、およびファイル保存場所に対する設定を選択する。ファイルへの保存を開始するために「保存」を選択する。アプリケーションは、いくつかの実施形態では、選択された長さの時間が経過した後に自動的に保存を止める。ファイルは、被験体を同定する情報を保護するための制度上のポリシーに従って名前を付けられる。
【0139】
パワーダウンおよび保存:装置使用が完了した後、システムの電源が下記の1つ以上に従って落とされる:
・コンピューター上のアプリケーションを閉じる。
・トグルスイッチを「オフ」位置に回すことにより電子制御モジュールの電源を切る。
・コンピューターの電源を切る。
【0140】
磁気的にシールドされた筐体内では、装置のハンドルはセンサープラットフォームを上昇させるために第1の方向に回転する。アームが、被験体または基部ユニット(ベッドなど)と交差しないように、装置は、ハンドル(湾曲ハンドルなど)を引くことにより再配置される。伸長アームは、装置をストレージモードに戻すために、地面に向かって下方に移動される。被験体は、基部ユニットから起き上がる際に援助される。ユーザー、被験体、またはその組み合わせは磁気的にシールドされた筐体を有している。
【0141】
<実施例2>
セットアップ:使用のために装置をセットアップするため、1つ以上の以下の例示的な工程が実行される:
・装置フレームおよびセンサーハウジングに、欠損または損傷がないことを確認する。
・コンピューターインタフェースの電源を入れて、ソフトウェアアプリケーションを起動する。
・電子制御モジュールの電源を入れる。
・ベッドが磁気シールドチャンバーの外部に完全に出るまで、磁気シールドチャンバーから基部ユニット(ベッドなど)を引き出す。
・センサーアレイおよびアーム(伸長アームなど)のロック部品が解除されていることを確かめる。センサーアレイまたはその一部が基部ユニットよりも上にないように、基部ユニットからセンサーアレイを遠ざけるように移動させる。
・基部ユニットの表面まで個体を手伝う。図17に示されるように、個体の頭を穴の開口部に向けて整列させ、個体の足が他方に向けて整列させるように、基部ユニット上に個体を配置する。
・個体の目的の領域(個体の胸部など)の上にセンサーアレイを移動させる。
・センサーアレイプラットフォームが正確に配置されるように調整を行う。センサーアレイプラットフォームの最右端が、個体のセンターラインの上方にありかつこれと平行であるように、個体の左側において、ハウジングが整列される。
・センサーハウジングの高さを調節するために、センサーアレイプラットフォームを低くする。ハウジングは、それが被験体(例えば、胸部)の目的の位置の直上に、または近接した上方に静止し得る点まで下げられる。
・アレイの動きを制限するために、センサーアレイのピボットまたはジョイントまたは伸長点をロックする。
・装置の外部ライトが表示されるまで(点灯するか、または緑に変化するなど色が変わるなど)、シールドの陥凹開口部に基部ユニットをスライドさせる。
【0142】
起動:フレームが適切な位置に配置された後、1つ以上のセンサーは、心臓の磁気活性などの信号の記録について準備するために立ち上げられる。起動を始めるために、ソフトウェアアプリケーションにログインし、データ取得モジュールを選択する。以下の工程のうちの何れかのステップでトラブルがある場合、アプリケーションは閉じられ、再立ち上げを試みる。問題が解決しない場合、コンピューターインタフェースが再立ち上げされる。使用のために装置を起動するために、下記の1つ以上を実行する:
・データ収集ソフトウェアのユーザーインターフェースにおいて、センサー状態を確認することによって、すべてのセンサー(8つのセンサーなど)への接続が存在することを確認する。
・データ収集ソフトウェアのユーザーインターフェースにおいて、「自動開始」を押すことにより、ソフトウェアアプリケーションを通じて自動開始手続を開始する。このプロセスは、使用のための1つ以上のセンサーを較正する。継続前に、ソフトウェアUIにおいて見つかった準備インジケータが緑に変わり、状態が「準備完了」と読めることを確認する。
【0143】
記録:起動が完了した後、装置は心臓の磁場データなどの信号を捉える準備ができている。開始するために、下記の1つ以上が着実に実行される:
・ソフトウェアアプリケーションにおいて「収集」ボタンを選択する。このオプションの選択は、収集ソフトウェアUIの上で見られるビューウィンドウにおいて、センサーから集められた磁場をプロットする。
・1つ以上の収集された磁場が、心臓の電気的活動などの信号の特徴を有することを確認する。
・ファイルにデータを保存するために、「記録」オプションを選択する。データ収集の期間の長さ、ファイル名、およびファイル保存場所に対する設定を選択する。ファイルに保存を開始するために「保存」を選択する。アプリケーションは、選択された長さの経過時間の後に自動的に保存を止める。ファイルは、被験体を同定する情報から保護するための制度上のポリシーに従って名前を付けられる。
【0144】
パワーダウンおよび保存:装置使用が完了した後、システムの電源が下記の1つ以上に従って落とされる:
・コンピューター上のアプリケーションを閉じる。
・トグルスイッチを「オフ」位置に回すことにより電子制御モジュールの電源を切る。
・コンピューターの電源を切る。
【0145】
基部ユニット(ベッドなど)は磁気シールドチャンバーから移動される。センサーアレイまたはアームの、1つ以上のジョイント、またはピボット、または伸長、またはその組み合わせは、ロック解除され、運動の経路が個体の通路の外にあるように、基部ユニットから移動される。被験体は、基部ユニットから離れるように支援される。1つ以上の、センサーアレイ、センサーハウジング、シールドの内側表面、基部ユニットの表面、またはこれらの任意の組み合わせは、第1の被験体と第2の被験体の使用の間で、清掃または消毒される。
【0146】
<実施例3>
セットアップ:使用のために装置をセットアップするため、1つ以上の以下の例示的な工程が実行される。
・コンピューターインタフェースの電源を入れて、ソフトウェアアプリケーションを起動する。
・電子制御モジュールの電源を入れる。
図17に示すように、個体の頭部が基部ユニットの1つの側面に整列し、個体の足が基部ユニットの第2の側面に向かって整列するように、基部ユニット(標準的な病院のベッドなど)に個体を配置する。動作の部屋は、基部ユニットの少なくとも1つの側に沿ってセンサーアレイ(磁気心電計など)を配置するための十分な隙間を有している。
・センサーアレイが個体の上に配置されるように、装置のアームを伸長し、そしてセンサーアレイが個体の上に配置されるように、アーム上で引き上げること、またはセンサーアレイ上の「上昇/下降」ボタンを使用することのいずれかにより、装置の高さを増加させる。
・移動可能なカートを押すことにより、個体に向けて装置を移動させる。センサーハウジングが被験者の上になるように、装置を配置する(被験者の胸部の上など)。
・センサーハウジングの高さを調整するために、ハウジングのアームの末端においてリフト機構を使用する。センサーハウジングは、正常な被験体吸入の点における位置(個体の胸部など)の、直上または近接した上方に静置する位置まで下げられる。
・センサーアレイプラットフォームが正確に配置されるように調整を行う。センサーアレイプラットフォームの最右端側が、被験体のセンターラインよりも上方にありかつこれと平行であるように、個体の左側において、ハウジングが整列される。
【0147】
起動:フレームが適切な位置に配置された後、1つ以上のセンサーは、心臓の磁気活性などの信号の記録について準備するために立ち上げられる。起動を始めるために、ユーザーはソフトウェアアプリケーションにログインし、データ取得モジュールを選択する。以下の工程のうちの何れかのステップでトラブルがある場合、アプリケーションは閉じられ、再立ち上げを試みる。問題が解決しない場合、コンピューターインタフェースが再立ち上げされる。使用のために装置を起動するために、下記の1つ以上を実行する:
・データ収集ソフトウェアのユーザーインターフェースにおいて、センサー状態を確認することによって、1つ以上のセンサー(8つのセンサーなど)への接続が存在することを確認する。
・データ収集ソフトウェアのユーザーインターフェースにおいて、「自動開始」を押すことにより、ソフトウェアアプリケーションを通じて自動開始手続を開始する。このプロセスは、使用のための1つ以上のセンサーを較正する。継続前に、ソフトウェアUIにおいて見つかった準備インジケータが緑に変わり、状態が「準備完了」と読めることを確認する。
【0148】
記録:起動が完了した後、装置は心臓の磁場データなどの信号を捉える準備ができている。開始するために、下記の1つ以上が実行される:
・ソフトウェアアプリケーションにおいて「収集」ボタンを選択する。このオプションの選択は、収集ソフトウェアUIの上でみられるビューウィンドウにおいて、センサーから集められた磁場をプロットする。
・1つ以上の収集された磁場が、心臓の電気的活動などの信号の特徴を有することを確認する。
・ファイルにデータを保存するために、「記録」オプションを選択する。データ収集の期間の長さ、ファイル名、およびファイル保存場所に対する設定を選択する。ファイルへの保存を開始するために「保存」を選択する。アプリケーションは、選択された長さの時間が経過した後に自動的に保存を止める。ファイルは、被験体を同定する情報から保護するための制度上のポリシーに従って名前を付けられる。
【0149】
パワーダウンおよび保存:装置使用が完了した後、システムの電源が下記の1つ以上に従って落とされる:
・コンピューター上のアプリケーションを閉じる。
・トグルスイッチを「オフ」位置に回すことにより電子制御モジュールの電源を切る。
・コンピューターの電源を切る。
【0150】
装置のアームは、センサーアレイが被験体の胸部レベルより上にあるように、アームの上で押し上げること、またはセンサーアレイ上の「上昇/下降」ボタンを使用することにより上昇させられる。被験体は、基部ユニットから起き上がる際に援助される。
【0151】
<実施例4>
図18は、3層のミューメタル(3つの最内層)および1層のアルミニウム合金(外部層)を含むシールドの実施形態の例を示す。左は切断端、および右は開放端である。シールド円筒の1つの端は完全に開いているが、センサーアセンブリーがこの開放端から十分遠くに位置していれば、開放端を通じてシールド穴に入るEMノイズは、シールド内に配置された個体から取られた任意の磁場測定の正確さに影響を与えないように、十分に低いレベルまで減衰する。
【0152】
図19は、図18に示されるもののようなシールドのセンターラインに沿った磁場計測のプロットを示す。50nT未満の磁場レベルはシステム作動のために許容できる。環境ノイズの減衰は測定されており、図19に示される。患者の頭部は、概略的に円筒部が先細りになり始める点に大体配置されるので、EMシールド中における、例えば、個体の心臓などの、例えば、目的の器官の位置は、信頼できる装置の性能のために容認可能と見なされるバックグラウンドノイズ(50nT)のレベル内に、容易に存在すると予想することができる。
【0153】
<実施例5>
図20は、センサーアレイ(センサーを黒で示し、明確さのためにケーブルは省略)の例を示す。患者の心臓の上の、このセンサーアレイの正確な位置決めのために、ハウジングは、手動操作の歯車機構によって、上昇させられ、下降させられ、横方向(肩から肩へ)に移動させられる。
【0154】
図21は、図18のシールドなどのシールドのベッド上に取り付けられた、センサーヘッドケージの3Dレンダリングの一例を示す。(患者の頭部は左側、胸はシールド内のアーチの真下)。
【0155】
本発明の好ましい実施形態が本明細書中で示され、記載されてきたが、このような実施形態は、ほんの一例として提供されるものであることは、当業者に明らかであろう。多くの変更、変化、および置換が、本発明から逸脱することなく、当業者に考えつかれるであろう。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代替案が、本発明を実行する際に利用されることを理解されたい。以下の請求項は本発明の範囲を定義するものであり、この請求項とその均等物の範囲内の方法、および構造体がそれによって包含されるものであるということが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図11F
図11G
図11H
図11I
図11J
図11K
図11L
図12
図13
図14A
図14B
図15A
図15B
図15C
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
【手続補正書】
【提出日】2023-08-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個体に関連した磁場を検知するための装置であって、前記装置は、
個体に関連した磁場を検知するように構成された磁力計のアレイと、
シールドの外側の環境磁場から少なくとも前記磁力計のアレイを遮蔽するように構成されたシールドであって、前記シールドは、個体の身体の少なくとも一部を、少なくとも部分的に囲む大きさに設定され、前記シールドは、開放端と閉鎖端を備え、前記開放端は、個体の身体の一部を受け入れるように構成され、前記閉鎖端は、前記シールドの外側の環境磁場からのノイズを減少させるように構成された、テーパー状、円錐形状、または実質的に円錐状を備え、前記シールドは、複数の層、パーマロイまたはミューメタルを含む、シールドと、
プロセッサにより実行可能な命令を含むコンピュータープログラムによりエンコードされた非一時的なコンピューター読取り可能な媒体であって、前記命令は、前記プロセッサに磁力計のアレイにより検知された個体に関連した磁場を受信させるように構成される、非一時的なコンピューター読取り可能な媒体と、
を備える、装置。
【請求項2】
近位端と遠位端を有するアームをさらに備える請求項1に記載の装置であって、前記磁力計のアレイは、前記アームの遠位端に結合されている、装置。
【請求項3】
前記アームは、(i)近位端を含む近位セグメント、および(ii)遠位端を含む遠位セグメントを含み、ここで第2のジョイントが前記近位セグメントと遠位セグメントとの間に配置され、前記第2のジョイントは前記遠位セグメントが前記近位セグメントに対して関節接合されるように構成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記磁力計のアレイが、前記アームに対して、少なくとも1つの自由度を伴って移動するように、前記磁力計のアレイが、前記アームの遠位端に移動可能に結合されている、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
移動可能な基部ユニットをさらに備える装置であって、前記近位端が前記移動可能な基部ユニットに第1のジョイントによって連結されており、前記第1のジョイントは前記アームが少なくとも1つの自由度で前記移動可能な基部ユニットに対して移動するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記個体の身体の少なくとも一部は、前記個体の胸部の少なくとも一部である、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記シールドは、複数の層を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記シールドはパーマロイ又はミューメタルを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記磁力計のアレイは、前記個体の身体の一部の全体的な輪郭と一致するように配置された複数の磁力計からなる、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記命令は、前記プロセッサに、前記環境磁場を相殺するために、前記個体に関連する磁場をフィルタリングするように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記環境磁場を検知するためのグラジオメーターを更に備える、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記個体に関連する磁場をフィルタリングすることは、個体に関連する磁場から環境磁場の周波数に基づいた測定値を減算することを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記コンピュータープログラムは、さらに前記プロセッサにフィルタリングされた磁場の波形を生成させるように構成された命令を含む、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記磁場は、個体の心臓血管系に関連する、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記磁場は、個体の神経系に関連する、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記磁場は、個体の複数の器官に関連する、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記環境磁場は、地球の周囲の磁場、周囲の電磁気ノイズ、およびそれらの組合せのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記環境磁場は、地球の周囲の磁場を含む、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記環境磁場は、周囲の電磁気ノイズを含む、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記磁力計のアレイは、光ポンピング磁力計(OPM)、光ポンピングベクター磁力計、ゼロ磁場磁力計、超伝導量子干渉デバイス(SQUID)、誘導ピックアップコイル、振動試料磁力計(VSM)、パルスフィールド抽出磁力計、磁気トルク計、ファラデー力磁力計、光学磁力計、またはこれらの組み合わせのうち、少なくとも1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記磁力計のアレイは光ポンピング磁力計(OPM)を含む、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記閉鎖端は円錐形状を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項23】
前記閉鎖端は、実質的に円錐状を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項24】
前記シールドは、開放端から閉鎖端まで先細りになっている、請求項1に記載の装置。
【請求項25】
前記磁力計のアレイは、1つまたは複数の磁力計の空間的位置付けにおいて、調整可能であるように構成され、これにより、前記磁力計のアレイの複数の異なる構成に適合するように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項26】
テーパー状、円錐形状、または実質的に円錐状を備える前記閉鎖端は前記磁力計のアレイによる磁場の検知のノイズを減少させる、請求項1に記載の装置。
【外国語明細書】