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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159134
(43)【公開日】2023-10-31
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20231024BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20231024BHJP
   H05B 33/14 20060101ALI20231024BHJP
   H10K 59/10 20230101ALI20231024BHJP
   H01M 50/247 20210101ALI20231024BHJP
   H10K 50/844 20230101ALI20231024BHJP
   H10K 50/842 20230101ALI20231024BHJP
   H10K 59/95 20230101ALI20231024BHJP
【FI】
G09F9/00 350Z
G09F9/30 365
G09F9/30 308Z
G09F9/00 342
H05B33/14 Z
H10K59/10
H01M50/247
H10K50/844
H10K50/842
H10K59/95
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023125590
(22)【出願日】2023-08-01
(62)【分割の表示】P 2022123937の分割
【原出願日】2016-04-19
(31)【優先権主張番号】P 2015088420
(32)【優先日】2015-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2015157021
(32)【優先日】2015-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】吉谷 友輔
(72)【発明者】
【氏名】桑原 秀明
(72)【発明者】
【氏名】高瀬 奈津子
(57)【要約】
【課題】体に装着して使用する利便性の高い電子機器を提供する。
【解決手段】表示パネル、蓄電装置、回路、及び封止体を有する腕装着型電子機器である
。表示パネルは、蓄電装置から供給される電力を用いて表示を行う。回路は、アンテナを
有し、無線で蓄電装置を充電する。封止体は、内部に、表示パネル、蓄電装置、及び回路
を有する。封止体は、可視光を透過する部分を有する。封止体は、腕に装着可能であるか
、腕に装着可能な構造体に接続されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、蓄電装置と、回路と、封止体と、を有し、
前記封止体は、第1のフィルムと、第2のフィルムと、を有し、
前記表示パネルと、前記蓄電装置と、前記回路とは、前記第1のフィルムと、前記第2のフィルムとにより封止されており、
前記表示パネルは、発光素子を有し、
前記発光素子は、前記蓄電装置から供給される電力を用いて発光することができる機能を有し、
前記回路は、アンテナを有し、且つ無線で前記蓄電装置を充電することができる機能を有し、
前記封止体の少なくとも一部は、前記発光素子が発する光を透過することができる機能を有し、
前記表示パネルは、表示部を有し、
前記表示部は、平坦であり、
前記封止体は、曲面を有する第1の部分と、曲面を有する第2の部分と、を有し、且つ前記第1の部分と前記第2の部分とが互いに対向するように配置された領域を有し、
前記封止体は、腕に装着可能であり、
前記蓄電装置、前記アンテナ及び前記表示パネルが、この順で積層されている、電子機器。
【請求項2】
請求項1において、
前記封止体の内部は、減圧雰囲気である、電子機器。
【請求項3】
請求項1又は請求項2において、
前記封止体の内部に、浮力材を有する、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、電子機器に関する。本発明の一態様は、特に、装着型電子機器に関し
、例えば、腕装着型電子機器に関する。
【0002】
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本発明の一態様の技術分野と
しては、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、記憶装置、電子機器、照明装置、
入力装置(例えば、タッチセンサなど)、入出力装置(例えば、タッチパネルなど)、そ
れらの駆動方法、又は、それらの製造方法を一例として挙げることができる。
【0003】
本明細書等において、電子機器とは、電力を供給することで動作する装置全般を指し、電
源(例えば蓄電装置)を有する電気光学装置、情報端末装置などは全て電子機器である。
【0004】
本明細書等において、蓄電装置とは、蓄電機能を有する素子及び装置全般を指し、リチウ
ムイオン二次電池などの蓄電池(二次電池ともいう)、リチウムイオンキャパシタ、及び
電気二重層キャパシタなどは全て蓄電装置である。
【背景技術】
【0005】
近年、人体に装着して使用される表示装置及び電子機器が提案され、ウェアラブルディス
プレイ、ウェアラブルデバイス等と呼ばれている。例えば、頭に装着するヘッドマウント
ディスプレイ、及び腕に装着するスマートウォッチの開発が進められている。
【0006】
特許文献1には、人体に装着して使用可能な、環状の表示装置が開示されている。
【0007】
ウェアラブルデバイスは人体に装着して使用されることから、高い携帯性及び快適な装着
感を実現するため、表示パネル、駆動回路、及び電源を含めたデバイス全体の軽量化が求
められる。
【0008】
ウェアラブルデバイスには、蓄電装置が搭載されることが多い。例えば、リチウムイオン
二次電池は、高容量化及び小型化が図れるため、開発が盛んに行われている。
【0009】
また、エレクトロルミネッセンス(EL:Electroluminescence)を
利用した発光素子(EL素子とも記す)は、薄型軽量化及びフレキシブル化が容易である
、入力信号に対し高速に応答可能である、直流低電圧電源を用いて駆動可能である等の特
徴を有し、ウェアラブルディスプレイに好適な表示素子の一つである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許出願公開第2015/0077438号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
水泳、スキューバダイビングなどのウォータースポーツ(マリンスポーツを含む)、又は
入浴の際に使用可能なウェアラブルデバイスが求められている。
【0012】
また、ウェアラブルデバイスの使用環境は様々であるため、使用できる温度範囲が広い表
示パネル及び蓄電装置が求められている。例えば、自動車のダッシュボードもしくは窓際
などの直射日光の当たる場所、炎天下に駐車した車内、砂漠などの高温環境下、又は、氷
河があるような寒冷地などの低温環境下では、電子機器が正常に動作しなくなることがあ
る。
【0013】
本発明の一態様は、水中で使用可能な電子機器を提供することを目的の一とする。または
、本発明の一態様は、防水性の高い電子機器を提供することを目的の一とする。または、
本発明の一態様は、体に装着して使用する電子機器を提供することを目的の一とする。ま
たは、本発明の一態様は、全天候型の電子機器を提供することを目的の一とする。または
、本発明の一態様は、利便性の高い電子機器を提供することを目的の一とする。または、
本発明の一態様は、信頼性の高い電子機器を提供することを目的の一とする。または、本
発明の一態様は、周囲の明るさによらず、視認性の高い電子機器を提供することを目的の
一とする。
【0014】
または、本発明の一態様は、使用できる温度範囲が広い電子機器を提供することを目的の
一とする。または、本発明の一態様は、小型である、軽量である、又は可撓性を有する電
子機器を提供することを目的の一とする。または、本発明の一態様は、安全性の高い電子
機器を提供することを目的の一とする。または、本発明の一態様は、消費電力の低い電子
機器を提供することを目的の一とする。または、本発明の一態様は、1回の充電により長
時間の使用が可能な電子機器を提供することを目的の一とする。または、本発明の一態様
は、新規な電子機器を提供することを目的の一とする。
【0015】
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一
態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、明細書、図面、請
求項の記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一態様は、表示パネル、蓄電装置、回路、及び封止体を有する電子機器である。
表示パネルは、発光素子を有する。発光素子は、蓄電装置から供給される電力を用いて発
光する機能を有する。回路は、アンテナを有する。回路は、無線で蓄電装置を充電する機
能を有する。封止体は、内部に、表示パネル、蓄電装置、及び回路を有する。封止体の少
なくとも一部は、発光素子が発する光を透過する機能を有する。封止体は、腕に装着可能
である。
【0017】
上記の電子機器は、使用者が封止体を腕に装着した際、腕側から、蓄電装置、アンテナ、
及び表示パネルをこの順で積層して有していてもよい。
【0018】
または、本発明の一態様は、表示パネル、蓄電装置、回路、封止体、及び構造体を有する
電子機器である。表示パネルは、発光素子を有する。発光素子は、蓄電装置から供給され
る電力を用いて発光する機能を有する。回路は、アンテナを有する。回路は、無線で蓄電
装置を充電する機能を有する。封止体は、構造体と接続される。封止体は、内部に、表示
パネル、蓄電装置、及び回路を有する。封止体の少なくとも一部は、発光素子が発する光
を透過する機能を有する。構造体は、腕に装着可能である。
【0019】
上記の電子機器は、使用者が構造体を腕に装着した際、腕側から、蓄電装置、アンテナ、
及び表示パネルをこの順で積層していてもよい。
【0020】
または、本発明の一態様は、表示パネル、蓄電装置、回路、及び封止体を有する電子機器
である。表示パネルは、蓄電装置から供給される電力を用いて表示を行う機能を有する。
回路は、アンテナを有する。回路は、無線で蓄電装置を充電する機能を有する。封止体は
、内部に、表示パネル、蓄電装置、及び回路を有する。封止体の少なくとも一部は、可視
光を透過する機能を有する。表示パネルは、第1の表示素子及び第2の表示素子を有する
。第1の表示素子は、光を反射する機能を有する反射層を有する。第1の表示素子は、光
の透過を制御する機能を有する。反射層は、開口部を有する。第2の表示素子は、開口部
と重なる部分を有する。第2の表示素子は、開口部に向けて光を射出する機能を有する。
開口部は、反射層の面積の5%以上20%以下の面積を有することが好ましい。
【0021】
上記の電子機器において、表示パネルは、さらに、信号線、画素回路、第1の導電層、第
2の導電層、及び絶縁層を有することが好ましい。第2の表示素子は、画素回路と電気的
に接続される。第1の表示素子は、第1の導電層と電気的に接続される。第1の導電層は
、絶縁層を介して第2の導電層と重なる部分を有する。第1の導電層は、第2の導電層と
電気的に接続される。第2の導電層は、画素回路と電気的に接続される。画素回路は、信
号線と電気的に接続される。
【0022】
または、本発明の一態様は、表示パネル、蓄電装置、回路、及び封止体を有する電子機器
である。表示パネルは、蓄電装置から供給される電力を用いて表示を行う機能を有する。
回路は、アンテナを有する。回路は、無線で蓄電装置を充電する機能を有する。封止体は
、内部に、表示パネル、蓄電装置、及び回路を有する。封止体の少なくとも一部は、可視
光を透過する機能を有する。表示パネルは、液晶素子及び発光素子を有する。液晶素子は
、液晶層、第1の導電層、及び第2の導電層を有する。第1の導電層は、光を反射する機
能を有する。第1の導電層は、開口部を有する。発光素子は、発光性の物質を含む層、第
3の導電層、及び第4の導電層を有する。発光素子は、開口部と重なる部分を有する。発
光素子は、開口部に向けて光を射出する機能を有する。開口部は、第1の導電層の面積の
5%以上20%以下の面積を有することが好ましい。
【0023】
上記の電子機器において、表示パネルは、さらに、信号線、画素回路、第5の導電層、第
6の導電層、及び絶縁層を有することが好ましい。発光素子は、画素回路と電気的に接続
される。液晶素子は、第5の導電層と電気的に接続される。第5の導電層は、絶縁層を介
して第6の導電層と重なる部分を有する。第5の導電層は、第6の導電層と電気的に接続
される。第6の導電層は、画素回路と電気的に接続される。画素回路は、信号線と電気的
に接続される。
【0024】
上記各構成の電子機器において、封止体は、腕に装着可能であることが好ましい。使用者
が封止体を腕に装着した際、本発明の一態様の電子機器は、腕側から、蓄電装置、アンテ
ナ、及び表示パネルをこの順で積層して有していてもよい。
【0025】
または、上記各構成の電子機器において、構造体を有することが好ましい。封止体は、構
造体と接続される。構造体は、腕に装着可能である。使用者が構造体を腕に装着した際、
本発明の一態様の電子機器は、腕側から、蓄電装置、アンテナ、及び表示パネルをこの順
で積層して有していてもよい。
【0026】
さらに、上記各構成において、音声入力部、タッチセンサ、照度センサ、又は腕に装着す
るための部材のいずれか一つ又は複数を有していてもよい。音声入力部又はタッチセンサ
は、封止体の内部又は外部に配置することができる。音声入力部、タッチセンサ、及び照
度センサは、それぞれ、封止体の内部に配置されることが好ましい。音声入力部、タッチ
センサ、及び照度センサは、それぞれ、表示パネル、蓄電装置、又は回路等と接続されて
いてもよい。または、表示パネルが、タッチセンサを有していてもよい。腕に装着するた
めの部材は、封止体又は構造体と接続される。
【0027】
また、上記各構成において、表示パネルは、曲率半径が1mm以上150mm以下の曲面
を有していてもよい。また、上記各構成において、表示パネルは、曲率半径が150mm
より大きい曲面を有していてもよい。例えば、表示パネルは、曲率半径が150mmより
大きく1m未満の曲面、又は曲率半径が1m以上10m以下の曲面を有していてもよい。
表示パネルが有する曲面は、凹曲面もしくは凸曲面、又は、凹曲面及び凸曲面の双方、の
いずれであってもよい。また、上記各構成において、表示パネルは、可撓性を有する部分
を有していてもよい。
【0028】
また、上記各構成において、蓄電装置は、曲率半径が10mm以上150mm以下の曲面
を有していてもよい。また、上記各構成において、蓄電装置は、可撓性を有する部分を有
していてもよい。
【0029】
また、上記各構成において、封止体の内部は、減圧雰囲気であることが好ましい。または
、上記各構成において、封止体の内部に、浮力材を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0030】
本発明の一態様により、水中で使用可能な電子機器を提供できる。または、本発明の一態
様により、防水性の高い電子機器を提供できる。または、本発明の一態様により、体に装
着して使用する電子機器を提供できる。または、本発明の一態様により、全天候型の電子
機器を提供できる。または、本発明の一態様により、利便性の高い電子機器を提供できる
。または、本発明の一態様により、信頼性の高い電子機器を提供できる。または、本発明
の一態様により、周囲の明るさによらず、視認性の高い電子機器を提供できる。
【0031】
または、本発明の一態様により、使用できる温度範囲が広い電子機器を提供できる。また
は、本発明の一態様により、小型である、軽量である、又は可撓性を有する電子機器を提
供できる。または、本発明の一態様により、耐熱性の高い電子機器を提供できる。または
、本発明の一態様により、安全性の高い電子機器を提供できる。または、本発明の一態様
により、消費電力の低い電子機器を提供できる。または、本発明の一態様により、1回の
充電により長時間の使用が可能な電子機器を提供できる。または、本発明の一態様により
、新規な電子機器を提供できる。
【0032】
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一
態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、明細書、図面、請求
項の記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】電子機器の一例を示す図。
図2】電子機器の一例を示す図。
図3】電子機器の一例を示す図。
図4】電子機器の一例を示す図。
図5】電子機器の一例を示す図。
図6】電子機器の構成要素の一例を示す図。
図7】電子機器の構成要素の一例を示す図。
図8】電子機器の構成要素の一例を示す図。
図9】電子機器の一例を示す図。
図10】電子機器の一例を示す図。
図11】電子機器の装着例を示す図。
図12】蓄電装置の一例及び電極の一例を示す図。
図13】蓄電装置の一例を示す図。
図14】蓄電装置の一例を示す図。
図15】蓄電装置の一例を示す図。
図16】蓄電装置の一例を示す図。
図17】蓄電装置の一例を示す図。
図18】蓄電装置の一例を示す図。
図19】蓄電装置の作製方法の一例を示す図。
図20】蓄電装置の一例を示す図。
図21】蓄電装置の一例を示す図。
図22】蓄電装置の作製方法の一例を示す図。
図23】蓄電装置の一例を示す図。
図24】発光装置の一例を示す図。
図25】発光装置の一例を示す図。
図26】発光装置の一例を示す図。
図27】発光装置の一例を示す図。
図28】入出力装置の一例を示す図。
図29】入出力装置の一例を示す図。
図30】入出力装置の一例を示す図。
図31】入出力装置の一例を示す図。
図32】電子機器の構成要素の一例を示す図。
図33】電子機器の構成要素の一例を示す図。
図34】トランジスタの一例を示す図。
図35】電子機器の一例を示す図。
図36】電子機器の一例を示す図。
図37】電子機器の一例を示す図。
図38】電子機器の一例を示す図。
図39】電子機器の一例を示す図。
図40】電子機器の構成要素の一例を示す図。
図41】表示装置の画素回路の一例を示す図。
図42】表示装置の一例を示す図。
図43】表示装置の一例を示す図。
図44】表示装置の一例を示す図。
図45】電子機器の構成要素の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定さ
れず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し
得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の
記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0035】
なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同
一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の
機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
【0036】
また、図面において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解の簡単のため、実際
の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ず
しも、図面に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
【0037】
なお、「膜」という言葉と、「層」という言葉とは、場合によっては、又は、状況に応じ
て、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」
という用語に変更することが可能である。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「
絶縁層」という用語に変更することが可能である。
【0038】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の電子機器について図1図11を用いて説明する。
【0039】
本実施の形態では、主に、腕装着型電子機器及び腕時計型電子機器を例に挙げて説明する
が、本発明の一態様の電子機器の使用方法は特に限定されない。例えば、何にも装着せず
に使用してもよいし、腕以外(腰、足など)に装着して使用してもよい。
【0040】
本発明の一態様は、表示パネル、蓄電装置、回路、及び封止体を有する電子機器である。
表示パネルは、発光素子を有する。発光素子は、蓄電装置から供給される電力を用いて発
光する機能を有する。回路は、アンテナを有し、かつ、無線で蓄電装置を充電する機能を
有する。封止体は、内部に、表示パネル、蓄電装置、及び回路を有する。封止体の少なく
とも一部は、発光素子が発する光を透過する機能を有する。本発明の一態様の電子機器で
は、封止体を腕に装着可能であってもよいし、封止体に接続された構造体を腕に装着可能
であってもよい。
【0041】
封止体を用いることで、被封止体である表示パネル、蓄電装置、及び回路等を保護するこ
とができ、丈夫な電子機器を実現できる。また、防水性の高い封止体を用いることで、防
水性が高く、水中での使用が可能な電子機器を実現できる。
【0042】
なお、本明細書等において、本発明の一態様の電子機器の構成要素のうち、封止体の内部
に位置し、封止体によって封止されている構成要素を、まとめて被封止体とも記す。
【0043】
本発明の一態様の電子機器の作製において、表示パネルと蓄電装置をまとめて封止体によ
って覆い、封止することができる。そのため、簡便に信頼性の高い電子機器を作製するこ
とができる。そして、封止体を、帯状など人体に装着しやすい形状とすることで、封止体
自体を人体に装着し、ウェアラブルデバイスとして利用することができる。
【0044】
本発明の一態様の電子機器は、非接触電力伝送を用いて、蓄電装置を充電することができ
る。そのため、充電の際に、封止体から蓄電装置を取り出す必要がない。したがって、被
封止体全体を完全に封止体で覆うことができ、電子機器の防水性をより高めることができ
る。
【0045】
なお、本発明の一態様において、被封止体の構成要素の一種以上が可撓性を有していても
よい。例えば、表示パネルもしくは蓄電装置が可撓性を有していてもよいし、表示パネル
及び蓄電装置の双方が可撓性を有していてもよい。
【0046】
封止体は可撓性を有するため、表示パネル及び蓄電装置のうち少なくとも一方が可撓性を
有する場合に、これらの可撓性を損なうことなく、これらを保護することができる。この
ように、本発明の一態様を適用することで、信頼性及び安全性が高く、可撓性を有する電
子機器を実現することができる。電子機器が可撓性を有すると、電子機器の着脱が容易と
なる、使用者が快適な装着感を得られるなどの効果が得られ、好ましい。
【0047】
本実施の形態の電子機器では、被封止体全体が、可撓性を有する封止体によって覆われて
いる。被封止体を、可撓性を有する封止体で覆うことにより、屈曲と伸長が繰り返し行わ
れても破損しにくい電子機器を実現することができる。
【0048】
また、耐熱性の高い封止体を用いることで、高温下でも、表示パネルを駆動することがで
きる。また、高温下でも、電子機器を可逆的に曲げることができる。このとき、耐熱性の
高い発光素子及び蓄電装置を用いると、さらに好ましい。
【0049】
次に、本実施の形態の電子機器を具体的に説明する。
【0050】
図1(A)に、電子機器100の斜視図を示す。また、図1(B)に、電子機器100の
上面図を示し、図1(B)における一点鎖線A-B間の断面図を図1(C)に示し、一点
鎖線C-D間の断面図を図1(F)に示す。
【0051】
電子機器100は、表示パネル10、蓄電装置20、回路30、及び封止体40を有する
図1(A)等では、表示パネル10の表示を使用者が視認できる部分を、電子機器10
0の表示部15として記す。
【0052】
<表示部15>
電子機器100は、表示部15を有する。図1(A)において、表示部15は、曲面を有
する。なお、本実施の形態では、表示パネル10が発光素子を有する例を示す。そして、
図1(C)等では、該発光素子の発光が取り出される方向を矢印で示す。
【0053】
表示部15は可撓性を有していてもよい。つまり、表示部15を変形させて、表示部15
の曲率を図1(A)に示す状態から変えることができてもよい。また、図1(A)に示す
ような曲面を有する状態から、図1(B)に示すような平坦な状態に、表示部15を変形
できてもよい。なお、可撓性を有する表示部15は、平坦な状態にまで変形できなくても
よい。
【0054】
また、表示部15は可撓性を有していなくてもよい。可撓性を有さない表示部15は平坦
であってもよいし、曲面を有してもよい。
【0055】
表示パネルの可撓性が、封止体の可撓性に比べて低い場合、本発明の一態様の電子機器を
腕などに装着する際に、表示部15の曲率半径はほとんど変化せず、該電子機器の端部が
撓む形状とすることが好ましい。
【0056】
<封止体40>
電子機器100は、封止体40を有する。図1(A)において、封止体40は、曲面を有
する。
【0057】
封止体40は、腕に装着可能な、帯状の部分を有する。帯状の部分は、電子機器100の
バンドとして機能することができる。
【0058】
封止体40は可撓性を有する。つまり、封止体40を変形させて、封止体40の曲率を図
1(A)に示す状態から変えることができる。封止体40の曲率は、図1(A)に示す状
態より大きくできてもよいし、小さくできてもよいし、どちらも可能であってもよい。ま
た、図1(A)に示すような曲面を有する状態から、図1(B)に示すような平坦な状態
に、封止体40を変形できてもよい。なお、可撓性を有する封止体40は、平坦な状態に
まで変形できなくてもよい。
【0059】
封止体40は、フィルムを有することが好ましい。フィルムは、表面保護特性、形状維持
特性、光学特性、及びガスバリア特性から選ばれる一つ以上の特性を有する。フィルムは
、無機膜又は有機膜の一方又は双方を有する。封止体40は、単層構造であっても、積層
構造であってもよい。
【0060】
封止体40は、内部に、表示パネル10、蓄電装置20、回路30等を被封止体として有
する。被封止体は封止体40により封止され、電子機器100の外部の大気から隔離され
る。
【0061】
例えば、1つのフィルムを折り曲げた間に被封止体を配置する、又は一対のフィルムの間
に被封止体を配置して、1つもしくは一対のフィルムをラミネート加工(パウチ加工など
)することで、被封止体を封止してもよい。
【0062】
または、接着剤を用いて1つもしくは一対のフィルムを貼り合わせ、被封止体を封止して
もよい。接着剤としては、紫外線硬化型等の光硬化型接着剤、反応硬化型接着剤、熱硬化
型接着剤、嫌気型接着剤などの各種硬化型接着剤を用いることができる。これら接着剤と
してはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂
、イミド樹脂、PVC(ポリビニルクロライド)樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)樹
脂、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂等が挙げられる。特に、エポキシ樹脂等の
透湿性が低い材料が好ましい。また、二液混合型の樹脂を用いてもよい。
【0063】
なお、被封止体の形状に沿った凹凸が電子機器100の表面に生じると表示の視認性が低
下する場合がある。そこで、被封止体をプラスチックケース等のケースに入れ、該ケース
を封止体40で封止すると、電子機器100の表面を平らにでき、好ましい。
【0064】
封止体40にフィルムを用いることで、封止体40の可撓性を高めることができる。
【0065】
封止体40の材料は、使用環境の温度に耐えられる材料であれば、特に限定されない。封
止体40は、例えば、ガラス、有機樹脂、ゴム、プラスチック、金属等の各種材料を用い
て形成できる。
【0066】
例えば、封止体40には、可撓性及び可視光に対する透過性を有する、ポリエチレンテレ
フタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポ
リアクリロニトリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボ
ネート(PC)樹脂、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂、ポリアミド樹脂、シクロオ
レフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アラミ
ド樹脂等を用いることができる。
【0067】
封止体40は、防水性が高いことが好ましい。具体的には、封止体40に防水性の高い材
料を用いるか、封止体40の表面に防水加工を施すことが好ましい。これにより、表示パ
ネル10等に、電子機器100の外部の水分が侵入することを抑制し、電子機器100の
信頼性を高めることができる。また、封止体40の防水性を高めることで、電子機器10
0を水中で用いることができる。
【0068】
封止体40は、少なくとも表示部15において、可視光を透過することができる。使用者
は、封止体40を介して、表示パネル10における表示を視認することができる。さらに
、蓄電装置20及び回路30を視認することができてもよい。
【0069】
本発明の一態様において、封止体40は、表示部15以外は、可視光を透過しなくてもよ
い。例えば、表示部15以外の部分は可視光を遮る構成とし、使用者に、蓄電装置20及
び回路30のうち少なくとも一方を視認されないようにしてもよい。
【0070】
電子機器100では、表示パネル10、蓄電装置20、及び回路30が積層されている。
これらの積層順は、表示パネル10の表示を使用者が視認できれば、特に限定されない。
また、これらは積層されていなくてもよく、同一平面上に、表示パネル10、蓄電装置2
0、及び回路30のいずれか2以上が配置されていてもよい。
【0071】
例えば、図1(F)等に示すように、電子機器100は、蓄電装置20上に回路30を有
し、回路30上に表示パネル10を有していてもよい。封止体40を腕に装着した際、腕
に近い方から、蓄電装置20、回路30、及び表示パネル10が順に積層された構成であ
ると、表示パネル10における表示を使用者が視認できる。または、腕に近い方から、回
路30、蓄電装置20、及び表示パネル10が順に積層された構成としてもよい。
【0072】
封止体40によって封止された空間は、減圧雰囲気又は不活性雰囲気であることが好まし
い。これらの雰囲気とすることで、該空間が大気雰囲気である場合に比べて、表示パネル
10等の信頼性を高めることができる。
【0073】
図1(D)、(E)は、それぞれ、図1(C)とは異なる、図1(B)における一点鎖線
A-B間の断面図である。また、図1(G)は、図1(F)とは異なる、図1(B)にお
ける一点鎖線C-D間の断面図である。
【0074】
図1(C)、(F)では、電子機器100の表(表示面)側の封止体40が、被封止体の
側面を覆い、電子機器100の裏側の面が平坦な例を示すが、これに限定されない。図1
(D)、(G)に示すように、電子機器100の表(表示面)側の封止体40と裏側の封
止体40の双方が、被封止体の側面を覆い、電子機器100が、表裏ともに他の部分(バ
ンド部など)よりも突出した部分を有していてもよい。また、図1(E)に示すように、
電子機器100の裏側の封止体40が、被封止体の側面を覆い、電子機器100の表(表
示面)側の面が平坦であってもよい。また、図1(C)に示すように、電子機器100の
表示部15を含む部分が他の部分(バンド部など)よりも突出していてもよい。また、図
1(E)に示すように、電子機器100の裏側に、他の部分(バンド部など)よりも突出
している部分を有していてもよい。
【0075】
図2図5に電子機器100とは異なる電子機器を示す。
【0076】
図2(A)に電子機器100aの斜視図を示す。また、図3(A)に、電子機器100a
の上面図を示し、図3(A)における一点鎖線E-F間の断面図を図3(B)に示し、一
点鎖線G-H間の断面図を図3(F)に示す。
【0077】
電子機器100aは、表示部15を有する。また、電子機器100aは、封止体40を有
する。また、電子機器100aは、封止体40の内部に、表示パネル10、蓄電装置20
、及び回路30を有する。
【0078】
電子機器100aでは、表示パネル10が蓄電装置20と重なり、回路30が蓄電装置2
0と重なり、かつ、表示パネル10と回路30が重ならない。このように、封止体40の
バンドとして機能する部分にも、被封止体が位置していてもよい。例えば、可撓性を有す
る蓄電装置20を用いる場合は、封止体40の内部の広い領域に蓄電装置20を配置する
ことができ、1回の充電により長時間の使用が可能な電子機器を実現できる。
【0079】
封止体40の内部には、浮力材を有していてもよい。浮力材としては、例えば、固形浮力
材又は気体封入式浮力材を用いることができる。浮力材として、高分子材料(樹脂など)
、又は気体(炭酸ガスなど)を含んでいてもよい。浮力材として、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、又はスチロール等を発泡させた発泡樹脂を用いてもよい。
【0080】
浮力材を用い、本発明の一態様の電子機器を水中で浮きやすくすることで、水中で該電子
機器を紛失した際に、発見が容易となる。
【0081】
また、封止体40の内部に、ゴム弾性を有する部材を有していてもよい。ゴム弾性を有す
る部材は、変形時に生じる内部応力が分散しやすい。よって、本発明の一態様の電子機器
を曲げた際に、曲げた部分に局所的にかかる応力を緩和し、該電子機器の破損を防ぐこと
ができる。また、外部からの物理的な圧迫又は衝撃を分散する緩衝材としても機能できる
【0082】
なお、ゴム弾性とは、外力が加わったときにエネルギーを吸収し、元に戻るためのエネル
ギーとして蓄えることができる弾性のことを指す。ゴム弾性を有する部材は、可逆的な変
形が可能である。
【0083】
図3(C)~(E)は、それぞれ、図3(B)とは異なる、図3(A)における一点鎖線
E-F間の断面図である。
【0084】
例えば、図3(B)、(C)、(D)、(F)に示す空間42に、浮力材又はゴム弾性を
有する部材を有することが好ましい。
【0085】
図3(B)に示すように、表示パネル10と蓄電装置20、又は回路30と蓄電装置20
はそれぞれ接していてもよい。また、図3(C)に示すように、表示パネル10と蓄電装
置20は接していなくてもよい。同様に、回路30と蓄電装置20は接していなくてもよ
い。また、表示パネル10、蓄電装置20、及び回路30は、それぞれ封止体40と接し
ていてもよい。図3(B)、(C)では、蓄電装置20と封止体40が接している例を示
す。図3(C)では、表示パネル10と封止体40が接している例を示す。また、図3
D)に示すように、封止体40と被封止体が接していなくてもよい。なお、表示パネル1
0、蓄電装置20、回路30、及び封止体40のいずれか2以上が、互いに接する部分を
有する場合、接着剤等により固定されていてもよいし、相対的に移動可能に接していても
よい。
【0086】
また、図3(E)に示すように、封止体40の内部が十分に減圧されていてもよい。これ
により、表示パネル10、蓄電装置20、及び回路30等が不純物等によって劣化するこ
とを抑制できる。また、電子機器の薄型化及び軽量化を図ることができる。
【0087】
図3(B)、(F)では、電子機器100aの表(表示面)側の封止体40が、被封止体
の側面を覆い、電子機器100aの裏側の面が平坦な例を示すが、これに限定されない。
図3(D)に示すように、電子機器100aの表(表示面)側の封止体40と裏側の封止
体40の双方が、被封止体の側面を覆い、電子機器100aが、表裏ともに他の部分(バ
ンド部など)よりも突出した部分を有していてもよい。
【0088】
また、本発明の一態様の電子機器が有する表示パネル10、蓄電装置20、及び回路30
の数はそれぞれ1つに限られず、それぞれ独立に2つ以上であってもよい。また、本発明
の一態様の電子機器が有する表示部15の数も、1つに限られず、2つ以上であってもよ
い。
【0089】
図2(B)に、3つの表示部(表示部15a、表示部15b、及び表示部15c)を有す
る電子機器100bの斜視図を示す。
【0090】
電子機器100bの3つの表示部は、3つの表示部を有する1つの表示パネル10によっ
て構成されていてもよいし、それぞれ1つの表示部を有する3つの表示パネル10によっ
て構成されていてもよい。
【0091】
電子機器が複数の表示部を有する場合、表示の多様性を高めることができる。複数の表示
部は、それぞれ独立な表示部として用い、異なる画像を表示してもよい。また、各表示部
に同じ画像を表示してもよい。また、2以上の表示部にわたって一つの画像を表示しても
よい。
【0092】
本発明の一態様の電子機器に、使用者の視線、電子機器の上下方向、又は回転の角度もし
くは方向等を検知するセンサを設けることが好ましい。例えば、ジャイロセンサ、イメー
ジセンサ等を用いることができる。これにより、使用者にとって見やすい向きに表示を行
う、又は、使用者にとって見やすい表示部で表示を行うことができる。また、使用者から
見えにくい表示部をオフ状態とすることで、消費電力を低減することができる。なお、使
用者が電子機器を操作して、使用する表示部、又は表示部の表示内容を選択してもよい。
【0093】
図2(C)に示す電子機器100cは、電子機器100aよりも大きな表示部15を有す
る。
【0094】
大きな表示部を有する電子機器の場合であっても、上述のセンサを用いる、又は使用者が
電子機器を操作すること等によって、使用者にとって見やすい部分のみで表示を行い、他
の部分はオフ状態とすることで、消費電力を低減することができる。
【0095】
本発明の一態様の電子機器は、封止体を腕に装着する構成であってもよいし、封止体と接
続された構造体を腕に装着する構成であってもよい。構造体としては、バンド(紐、ワイ
ヤー、ネット、ベルトなど)又はバネなどが挙げられる。装着の方式としては、電子機器
を肌に直接接して装着する方式、服の上から腕に電子機器を装着する方式、服の腕に重な
る部分に縫製加工によって電子機器を縫い付ける方式、服の腕に重なる部分にマジックテ
ープ(登録商標)で代表される面状ファスナなどを設けて電子機器を貼り付ける方式など
がある。
【0096】
封止体を、フィルムと、コンベックス部材(ステンレスなど)による帯状の板バネとを組
み合わせた構造としてもよい。または、構造体として、コンベックス部材(ステンレスな
ど)による帯状の板バネを用いてもよい。これにより、電子機器を瞬間的に装着する、又
は取り外すことが可能となる。この場合、電子機器を肌に密着させ固定する、或いは服を
間に挟んで電子機器を腕に固定する。板バネを用いることにより、バンドの長さを調節す
る必要がなく、また、腕の太さによらず装着可能な電子機器とすることができる。
【0097】
図4(A)に、電子機器100dの斜視図を示す。また、図5(A)に、電子機器100
dの上面図を示し、図5(A)における一点鎖線J-K間の断面図を図5(B)に示す。
なお、図5(B)では、表示パネル10が有する発光素子の発光が取り出される方向を矢
印で示す。
【0098】
電子機器100dは、封止体40及びバンド155を有する。封止体40の内部には、表
示パネル10、回路30、蓄電装置20等が含まれている。封止体40とバンド155は
接続されている。
【0099】
封止体40とバンド155は着脱自在に接続されていることが好ましい。例えば、封止体
40と接続可能であり、それぞれデザインの異なる複数のバンドを用意し、その日のファ
ッション又は使用する場所、時間、状況等に応じて封止体40と接続するバンドを選ぶこ
とで、電子機器を使用する機会を増やすことができる。また、古くなったバンド155を
新しいバンドに交換することもできる。また、形状又は性能等が異なる複数の封止体40
を用意し、状況に応じて、バンドと接続する封止体40を選んでもよい。
【0100】
なお、図4(B)に示す電子機器100eのように、バンド155が凹部を有し、凹部の
中に封止体40が配置される構成であってもよい。バンド155に比べて封止体40が突
出していると、電子機器の使用中に、該電子機器が他の物体と擦れる、もしくは衝突する
などにより、表示部15に傷がつく、さらには該電子機器が壊れる恐れがある。そのため
、バンド155と封止体40の表面が概略同一平面を形成するようにバンド155と封止
体40を接続できると好ましい。なお、バンド155の凹部が、封止体40の厚さよりも
深くてもよい。
【0101】
図4(A)及び図5(A)では、封止体40の幅と、バンド155の幅とが等しい例を示
すが、本発明の一態様は、これに限られない。図5(C)に示すように、封止体40の幅
が、バンド155の幅よりも狭くてもよい。または、図5(D)に示すように、封止体4
0の幅が、バンド155の幅よりも広くてもよい。
【0102】
次に、本発明の一態様の電子機器の構成要素の一例を示す。
【0103】
図6(A)に示す要素150は、表示パネル10、蓄電装置20、回路30、及び封止体
40を有する。封止体40は、内部に、表示パネル10、蓄電装置20、及び回路30を
有する。以下では、表示パネル10、蓄電装置20、及び回路30をまとめて被封止体と
記す場合がある。
【0104】
要素150は、例えば、図4(A)の要素150a及び図4(B)の要素150bのよう
に、封止体40をバンド155と接続させて用いることができる。または、図3(A)~
(E)に示すように、封止体40を帯状に形成することで、封止体40自体を腕に装着し
てもよい。
【0105】
被封止体の接続関係の例を図6(B)にブロック図で示す。
【0106】
表示パネル10は、発光素子11を有する。発光素子11は、蓄電装置20から供給され
る電力を用いて発光する機能を有する。
【0107】
なお、表示パネル10は、蓄電装置20以外から供給された電力を用いて発光する機能を
有していてもよい。
【0108】
蓄電装置20は表示パネル10と重なる部分を有する。
【0109】
なお、蓄電装置20は、表示パネル10以外に電力を供給する機能を有していてもよい。
【0110】
蓄電装置20は正極、負極、セパレータ、電解質、及び外装体等を有する。
【0111】
回路30はアンテナ31を有する。アンテナ31は、表示パネル10と重なる部分を有す
る。回路30は、無線(非接触で、ともいえる)で蓄電装置20を充電することができる
【0112】
表示パネル10と回路30とが互いに重なる部分、又は表示パネル10と蓄電装置20と
が互いに重なる部分を有することで、要素150の小型化を図ることができる。特に、表
示パネル10、蓄電装置20、及び回路30の3つが互いに重なる部分を設けることが好
ましい。要素150の小型化は、封止体40とは別にバンドを設ける場合に特に有効であ
る。なお、封止体40を電子機器のバンドとして使用する場合など、要素150の小型化
が不要の場合は、表示パネル10と回路30とが互いに重なる部分、又は表示パネル10
と蓄電装置20とが互いに重なる部分を有していなくてもよい。
【0113】
蓄電装置20は、回路30と重なる部分を有することが好ましい。例えば、アンテナ31
の少なくとも一部が蓄電装置20と重なっていてもよい。アンテナ31を表示パネル10
と蓄電装置20の間に配置するなど、アンテナ31が電子機器の使用者から視認されにく
くなるように表示パネル10、蓄電装置20、及び回路30を重ねることで、電子機器の
外観が損なわれることを抑制でき、好ましい。外部のアンテナとアンテナ31の間に表示
パネル10が配置されていても、電波の送受信は可能である。つまり、外部のアンテナが
送信する電波が表示パネル10を通過し、アンテナ31が該電波を受信する。
【0114】
電子機器の使用環境が決まっている場合は、その環境下で、発光が可能な発光素子、及び
その環境下で表示パネルに電力を供給可能な蓄電装置を用いる。
【0115】
本発明の一態様の電子機器は、低温環境下及び高温環境下で使用できることが好ましい。
または、本発明の一態様の電子機器は、広い温度範囲(例えば、0℃以上100℃以下、
好ましくは-25℃以上150℃以下、より好ましくは-50℃以上200℃以下)で使
用できることが好ましい。本発明の一態様の電子機器は、屋内及び屋外のどちらで使用し
てもよい。
【0116】
本発明の一態様の電子機器が有する発光素子は、0℃の環境下及び100℃の環境下のそ
れぞれで発光することができることが好ましい。また、本発明の一態様の電子機器が有す
る蓄電装置は、0℃の環境下及び100℃の環境下のそれぞれで表示パネルに電力を供給
することができることが好ましい。
【0117】
電子機器は、スイッチを有していてもよい。図6(C)、(D)では、被封止体として、
表示パネル10、蓄電装置20、回路30、回路50、及びスイッチ51を示す。
【0118】
例えば、図6(C)に示すように、スイッチ51がオフ状態のときに、回路30は無線で
蓄電装置20を充電することができる。
【0119】
例えば、図6(D)に示すように、スイッチ51がオン状態のときに、蓄電装置20は表
示パネル10に電力を供給することができる。
【0120】
以下では、本発明の一態様の電子機器が有する構成要素の詳細について述べる。
【0121】
<表示パネル10>
表示パネル10は、発光素子11を有する。表示パネル10の構成例として、実施の形態
3では発光装置について詳述し、実施の形態4では入出力装置について詳述する。なお、
表示パネル10が有する表示素子は発光素子に限られない。また、表示パネルは、タッチ
センサ等の検知素子を有していてもよい。
【0122】
表示パネル10には、画素に能動素子(アクティブ素子、非線形素子)を有するアクティ
ブマトリクス方式、又は画素に能動素子を有しないパッシブマトリクス方式を用いること
ができる。
【0123】
表示パネル10は可撓性を有していてもよい。例えば、発光素子11の支持基板及び封止
基板のうち少なくとも一方にフィルムを用いることで、表示パネル10の可撓性を高める
ことができる。
【0124】
例えば、曲率半径5mmの曲げ伸ばし試験で10万回の曲げ伸ばしに耐えるディスプレイ
を用いることが好ましい。表示パネルを、曲率半径1mm以上150mm以下の範囲、好
ましくは曲率半径5mm以上150mm以下の範囲で曲げた状態で、電子機器を用いるこ
とができると好ましい。
【0125】
発光素子11には、低温環境下及び高温環境下で発光することができる素子を用いること
が好ましい。低温環境としては、例えば、-100℃以上0℃以下の環境、好ましくは-
100℃以上-25℃以下の環境、より好ましくは-100℃以上-50℃以下の環境が
挙げられる。高温環境としては、例えば、100℃以上300℃以下の環境、好ましくは
150℃以上300℃以下の環境、より好ましくは200℃以上300℃以下の環境が挙
げられる。なお、発光素子11は低温環境下又は高温環境下だけでなく、0℃より高く1
00℃未満の環境下で発光させることができる。例えば、発光素子11を室温(20℃以
上30℃以下)で発光させることができる。
【0126】
発光素子11としては、自発光が可能な素子を用いることができ、電流又は電圧によって
輝度が制御される素子をその範疇に含んでいる。例えば、発光ダイオード(LED)、有
機EL素子、無機EL素子等を用いることができる。また、発光素子に限らず、他の表示
素子を適用することもできる。
【0127】
発光素子11の耐熱性は高いほど好ましい。例えば、発光素子11に有機EL素子を用い
る場合、有機EL素子に含まれる各有機化合物のガラス転移温度は、100℃以上300
℃以下が好ましく、150℃以上300℃以下がさらに好ましい。
【0128】
本発明の一態様において、表示パネル10を介してアンテナ31が外部のアンテナから受
電する構成の場合、発光素子11が有する一対の電極の厚さは薄いほど好ましい。例えば
、一対の電極の厚さの和が1μm以下、好ましくは500nm以下、より好ましくは35
0nm以下、さらに好ましくは250nm以下とすることが好ましい。
【0129】
<蓄電装置20>
蓄電装置20には、低温環境下及び高温環境下で表示パネル10に電力を供給することが
できる蓄電装置を用いることが好ましい。低温環境としては、例えば、-100℃以上0
℃以下の環境、好ましくは-100℃以上-25℃以下の環境、より好ましくは-100
℃以上-50℃以下の環境が挙げられる。高温環境としては、例えば、100℃以上30
0℃以下の環境、好ましくは150℃以上300℃以下の環境、より好ましくは200℃
以上300℃以下の環境が挙げられる。なお、蓄電装置20は低温環境下又は高温環境下
だけでなく、0℃より高く100℃未満の環境下で使用することができる。例えば、蓄電
装置20を室温(20℃以上30℃以下)で使用することができる。
【0130】
蓄電装置20としては、例えば、ゲル状電解質を用いるリチウムポリマー電池(リチウム
イオンポリマー電池)等のリチウムイオン二次電池、ニッケル水素電池、ニカド電池、有
機ラジカル電池、鉛蓄電池、空気二次電池、ニッケル亜鉛電池、銀亜鉛電池などが挙げら
れる。
【0131】
高エネルギー密度が実現できるリチウムイオン二次電池を用いることで、電子機器の軽量
化及び小型化が図れるため、好ましい。
【0132】
例えば、非水電解質を有する二次電池を用いることができる。該非水電解質は、イオン液
体(常温溶融塩)とアルカリ金属塩を有する。イオン液体は、難燃性及び難揮発性である
ため、耐熱性の高い二次電池を実現できる。例えば、イオン液体は、イミダゾリウムカチ
オンと、アニオンと、を有することが好ましい。また、アルカリ金属塩は、リチウム塩で
あることが好ましい。
【0133】
ゲル状電解質を用いる二次電池、又は固体電解質を用いる全固体二次電池は、耐熱性又は
安全性が高く、好ましい。
【0134】
蓄電装置20としては、コイン型(単層偏平型)、円筒型、薄型、角型、封止型等の様々
な形状の二次電池を用いることができる。また、正極、負極、及びセパレータが複数積層
された構造、又は正極、負極、及びセパレータが捲回された構造(捲回型)であってもよ
い。
【0135】
また、本発明の一態様の電子機器は、蓄電装置20として、リチウムイオンキャパシタ、
二重層キャパシタ等を有していてもよい。
【0136】
蓄電装置20は可撓性を有していてもよい。例えば、外装体にフィルムを用いることで、
蓄電装置20の可撓性を高めることができる。外装体で囲まれる領域には正極、負極、及
び電解質(又は電解液)を少なくとも有する。
【0137】
電子機器において、発光素子11と蓄電装置20を重ねて配置する構成としてもよい。発
光素子11と蓄電装置20の互いに重なる面積が広いほど、発光素子11の発熱を利用し
て広範囲で蓄電装置20を温めることができる。高温環境下に比べて、低温環境下で動作
が難しい蓄電装置を用いる場合でも、電子機器の信頼性を高めることができる。
【0138】
蓄電装置20の構成例は、実施の形態2にて詳述する。
【0139】
<回路30>
回路30は、アンテナ31を有する。さらに、回路30は、コントローラ32を有してい
てもよい。
【0140】
アンテナ31は、外部のアンテナ(例えば充電器のアンテナ68)から受電することがで
きる。アンテナ31は、表示パネル10を介して、外部のアンテナから受電してもよい。
または、アンテナ31は、蓄電装置20を介して、外部のアンテナから受電してもよい。
【0141】
コントローラ32は、アンテナ31により受電した電力を、蓄電装置20に供給する電力
に変換し、蓄電装置20に出力する機能を有する。例えば、コントローラ32は、ACD
Cコンバータとしての機能を有していてもよい。その場合、アンテナ31により受電した
電力を、直流電力に変換し蓄電装置20に出力する。
【0142】
本実施の形態の電子機器では、充電器のアンテナ68(一次コイル)と、電子機器のアン
テナ31(二次コイル)とを磁気的に結合し、一次コイルから発生する交流磁場で二次コ
イルに電圧を発生させる電磁誘導方式によって、非接触で二次コイル側に電力が伝送され
る仕組みを用いて充電が行われる。なお、受電の方式は電磁誘導方式に限られない。
【0143】
電子機器が有するアンテナの用途は、非接触で蓄電装置20を充電することに限定されな
い。例えば、電子機器にアンテナ及びメモリを設け、電子データを送受信させてもよい。
受信したデータに応じて、表示パネル10で映像又は情報等の表示を行ってもよい。また
、GPS(Global positioning System)機能を持たせて位置
情報又はGPS時刻を取得できるようなアンテナを設けてもよい。
【0144】
安全上、蓄電装置を充電又は放電する出入力端子を電子機器の表面に露出させないことが
好ましい。出入力端子が露出していると、雨などの水によって出入力端子がショートする
恐れ、又は出入力端子が人体に触れて感電する恐れがある。アンテナ31を用いれば、非
接触で蓄電装置の充電が可能であるため、該出入力端子を電子機器の表面に露出させない
構成とすることができる。
【0145】
<回路50>
回路50は、蓄電装置20から供給された電力を、発光素子11を発光させる電力に変換
する機能を有する。例えば、蓄電装置20の出力電圧を発光素子11が発光するのに要す
る電圧に変換(昇圧又は降圧)する機能を有していてもよい。
【0146】
また、回路50は、表示パネル10を駆動するための信号を生成し、表示パネル10に出
力する機能を有していてもよい。回路50は、信号線駆動回路又は走査線駆動回路を有し
ていてもよい。また、表示パネル10が信号線駆動回路又は走査線駆動回路を有していて
もよい。
【0147】
<スイッチ51>
スイッチ51は、回路50と電気的に接続されている。また、スイッチ51は、蓄電装置
20と電気的に接続されている。また、スイッチ51は、回路30と電気的に接続されて
いる。
【0148】
スイッチ51としては、特に限定はなく、例えば、電気的スイッチ、機械的スイッチ等を
用いることができる。具体的には、トランジスタ、ダイオード、磁気スイッチ、機械的な
接点を有するスイッチ等が挙げられる。
【0149】
図7(A)、(B)に、被封止体の具体例を示す。図7(A)は被封止体の表面(表示面
)を示し、図7(B)は被封止体の裏面を示す。
【0150】
図7(A)、(B)では、蓄電装置20として、ラミネート型の二次電池を用いる例を示
す。図7(B)に示すように、蓄電装置20の中央部は、複数の電極が積層されている部
分であり、端部に比べて厚くなっている。
【0151】
電極21aは、蓄電装置20の正極又は負極の一方と電気的に接続されている。電極21
bは、蓄電装置20の正極又は負極の他方と電気的に接続されている。
【0152】
電極21a、21bは、回路基板55を介して折り曲げられ、回路基板55上の端子33
a、33bとそれぞれ電気的に接続されている。
【0153】
回路基板55には、図6(C)等に示す回路30、回路50等を構成する素子(電子部品
35として図示する)が設けられている。回路基板55には、例えば、容量素子、抵抗素
子、又はスイッチ素子等の電子部品が設けられる。回路基板55としては、例えば、プリ
ント基板を用いることができる。
【0154】
また、回路基板55には、スイッチ51が設けられている。図7(A)、(B)では、ス
イッチ51として、磁気スイッチを用いる例を示す。磁石の着脱により、スイッチのオン
オフを切り替えることができる。
【0155】
アンテナ31は、回路基板55上の端子34と電気的に接続されている。アンテナ31の
一部は、蓄電装置20と表示パネル10の間に位置している。つまり、電子機器において
、アンテナ31は、表示パネル10と重なる部分を有する。また、アンテナ31は、蓄電
装置20と重なる部分を有する。
【0156】
アンテナ31は、表示パネル10を介して、外部のアンテナから受電することができる。
【0157】
表示パネル10が有する端子12aは、配線53aを介して回路基板55上の端子52a
と電気的に接続されている。表示パネル10が有する端子12bは、配線53bを介して
回路基板55上の端子52bと電気的に接続されている。
【0158】
本発明の一態様の電子機器では、蓄電装置及びアンテナが、それぞれ独立に、表示パネル
と重なる部分を有する。また、蓄電装置と回路が重なる部分を有する。図7(A)、(B
)に示すように、例えば、アンテナ31の一部が、表示パネル10と蓄電装置20の間に
位置していてもよい。
【0159】
以上のように、蓄電装置、表示パネル、回路基板、及びアンテナ等、電子機器を構成する
要素の少なくともいずれか2つが互いに重なる部分を有すると、被封止体の小型化が可能
となり好ましい。
【0160】
例えば、蓄電装置20が、表示パネル10、回路基板55、及びアンテナ31のうち、少
なくともいずれか一と互いに重なる部分を有していることが好ましい。図7(A)、(B
)に示すように、蓄電装置20が、表示パネル10、回路基板55、及びアンテナ31の
それぞれと、互いに重なる部分を有していることが特に好ましい。
【0161】
本発明の一態様の電子機器を使用できる環境は大気雰囲気に限られない。本発明の一態様
の電子機器は、例えば、0℃以上100℃以下の水中で使用することができる。発光素子
及び蓄電装置の使用可能な温度範囲が広いこと、発光素子及び蓄電装置が封止体により封
止されていること等から、本発明の一態様の電子機器は、水中での使用に対しても高い信
頼性を確保することができる。
【0162】
また、図8(A)、(B)に示すように、本発明の一態様の電子機器は、封止体40で封
止された領域を複数有していてもよい。図8(A)、(B)に示すように、被封止体は複
数の空間に分かれて配置されていてもよく、封止領域41には、分かれて配置された要素
どうしをつなぐ配線45等が重なっていてもよい。この領域は、可撓性を有する領域70
ともいえる。図8(B)に示すように、電子機器は、可撓性を有する領域70で曲げるこ
とができる。図8(B)では表示パネル10が可撓性を有していなくても、可撓性を有す
る領域70、さらには封止体40の蓄電装置20と重なる部分を曲げることで、電子機器
を曲げ、腕等に巻くことができる。なお、表示パネル10が可撓性を有する場合は、表示
パネル10を曲げて電子機器を変形させてもよい。
【0163】
図8(A)では、上側の空間に表示パネル10が含まれ、下側の空間に蓄電装置20及び
回路30が含まれる。表示パネル10は、配線45によって、蓄電装置20及び回路30
とそれぞれ電気的に接続されている。
【0164】
また、電子機器は、封止領域を2重に有していてもよい。図8(C)に示すように、封止
領域41aを囲む封止領域41bを設け、表示パネル10等を2重に封止してもよい。封
止を2重以上に行うことで、電子機器の信頼性を高めることができる。
【0165】
また、図8(C)に示すように、表示パネル10、蓄電装置20、及び回路30は、それ
ぞれ、端部が面取りされていることが好ましい。表示パネル10、蓄電装置20、及び回
路30などの角部で封止が破られることを抑制できるため、封止体にフィルム等を用いて
も、電子機器の信頼性の低下を抑制できる。
【0166】
また、本発明の一態様の電子機器は光電変換素子を有し、該光電変換素子を用いて蓄電装
置を充電できると好ましい。例えば、太陽光発電により、蓄電装置を充電できると好まし
い。または、本発明の一態様の電子機器は、使用者の腕の動きで発電及び充電する機能を
有していてもよい。
【0167】
本発明の一態様の電子機器は、センサを1つ以上有することが好ましい。センサとしては
、例えば、力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光(可視光、赤外光
、紫外光など)、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電
力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、又はにおいを測定する機能を含むものを用いるこ
とができる。
【0168】
本発明の一態様の電子機器は、心拍数、呼吸数、脈拍、体温、又は血圧等の使用者の生体
情報を計測するセンサを有することが好ましい。
【0169】
本発明の一態様の電子機器は、生体情報及び位置情報を検知する機能と、これらの情報を
送信する機能を有することが好ましい。例えば、電子機器は、使用者の体調の変化を検知
し、他の電子機器に生体情報と位置情報を送信することができる。これにより、使用者が
体調を崩した際又は事故などに遭った際に、使用者は迅速に救助等を受けることができる
【0170】
例えば、光学センサを用いて、腕等の毛細血管の収縮から心拍数を測定することができる
【0171】
また、電子機器が使用者の腕に装着されたかどうかを、皮膚の電気伝導率から把握するセ
ンサを用いることで、自動で電子機器の電源のオン、オフ動作を行うことができてもよい
【0172】
これらのセンサは、例えば、電子機器において、使用者の肌が触れる面側に実装されてい
ることが好ましい。
【0173】
また、本発明の一態様の電子機器は、使用環境のデータを計測できてもよい。例えば、紫
外線センサ又は照度センサを有していてもよい。紫外線量を把握することで、使用者の日
焼け対策に利用することができる。また、使用環境の照度によって、自動で表示部の明る
さを調整することができてもよい。これらのセンサは、例えば、電子機器において、表示
面側に実装されていることが好ましい。
【0174】
また、本発明の一態様の電子機器は、GPS信号を受信できてもよい。
【0175】
本発明の一態様の電子機器は、表示パネルの駆動回路、蓄電装置を無線で充電するための
回路、蓄電装置の過充電などを防止する保護回路を有する。さらにその他の機能素子を制
御又は駆動するための回路、具体的には集積回路(CPUなど)を有してもよい。
【0176】
そのほか、本発明の一態様の電子機器には、撮像素子、発電素子、スピーカ、マイク等、
様々な機能素子又は部品を有していてもよい。
【0177】
本発明の一態様の電子機器は、タッチパネルを有していてもよい。
【0178】
本発明の一態様では、静電容量方式のタッチセンサもしくは感圧式のタッチセンサを表示
パネルに重ねて設ける構成、又は表示パネル自体にタッチセンサの機能を設ける構成(イ
ンセル型のタッチパネルともいう)等を適用することができる。インセル型のタッチパネ
ルには、静電容量方式又は光学式のタッチセンサ等を適用することができる。
【0179】
なお、水泳、スキューバダイビングなどのウォータースポーツ中、又は入浴中には、タッ
チ操作が行いにくい、又はタッチの検出が困難な場合がある。そこで、本発明の一態様の
電子機器では、入力手段として、音声入力部を有することが好ましい。例えば、電子機器
は、マイク、特に骨伝導マイクを有することが好ましい。骨伝導マイクは、耐騒音性に優
れるため、騒音又は雑音の多い屋外でも高感度で声を検出できる。また、骨伝導マイクは
、水中でも好適に使用することができる。さらに、マイクの位置が口の近くでなくてよい
ため、電子機器の装着位置の自由度が高く、腕装着型電子機器にも支障なく採用できる。
また、電子機器は、出力手段として、骨伝導スピーカを有していてもよい。なお、電子機
器は、水中で使用できる他のマイク又はスピーカを有していてもよい。
【0180】
また、本発明の一態様を適用して、日常生活用の防水性を有するウェアラブルデバイスを
実現することができる。例えば、本発明の一態様の電子機器は、2気圧(bar)以上、
好ましくは5気圧以上、より好ましくは10気圧以上、さらに好ましくは20気圧以上の
防水性を有する。
【0181】
また、本発明の一態様を適用して、潜水用のウェアラブルデバイスを実現することができ
る。例えば、本発明の一態様の電子機器が、100mまでの防水性、より好ましくは20
0mまでの防水性を有していると、スキューバダイビング等で、浅海で潜水する際に使用
することができる。また、本発明の一態様の電子機器が、300mまでの防水性、より好
ましくは1000mまでの防水性を有していると、浅海だけでなく、深海で潜水する際に
も使用することができる。本発明の一態様の電子機器は、発光素子を用いた表示パネルを
有するため、夜間又は水中でも表示の視認性が高いという特徴を有する。
【0182】
また、本発明の一態様の電子機器は、潜水時間又は減圧時間を測定するための回転ベゼル
、特に、逆回転防止ベゼルを有することが好ましい。
【0183】
また、本発明の一態様の電子機器は、気温、水温、水深、又はダイブログ等を測定する機
能、記録する機能、及び表示する機能、又はクロノグラフ機能を有していてもよい。また
は、GPS信号で特定した位置情報を、他の電子機器に送信する機能を有していてもよい
。これにより、マリンスポーツ又は海中での作業の安全性を高めることができる。
【0184】
また、本発明の一態様の電子機器は、耐塩水性を有すると、マリンスポーツ又は海中での
作業を行う際に好適に用いることができ、好ましい。
【0185】
図9(A)~(D)及び図10(A)~(D)に、本発明の一態様の腕装着型電子機器の
具体例を示す。
【0186】
図9(A)~(D)及び図10(A)~(D)に示す電子機器は、それぞれ、1つ以上の
表示部15と、1つ以上の封止体40と、を有する。
【0187】
図9(A)、(B)、及び図10(A)~(C)は、それぞれ、封止体40を直接腕など
に巻くことができる電子機器の例である。
【0188】
封止体40は、可撓性を有し、電子機器を装着する部位の形状に沿って曲げることができ
る。さらに、表示部15も可撓性を有していてもよい。
【0189】
留め具91は封止体40に接続されている。
【0190】
封止体40には、複数の開口93が設けられている。開口93の端部を起点に封止体40
が破損すること、又は不純物が開口93の端部から封止体40の内部に侵入することを抑
制するため、開口93の端部には、封止部95を有することが好ましい。封止部95は、
封止体40の開口93の端部近傍を補強することができる。封止部95の材料に限定はな
く、例えば、金属、合金、有機樹脂等を用いることができる。
【0191】
図9(A)及び図10(A)では、表示部15が四角形である例を示し、図9(B)、図
10(B)、(C)では、表示部15が円形である例を示す。表示部15の形状は、特に
限定されない。例えば、四角形以外の多角形、楕円形、半円形、星形、ハート形など、様
々な形状の表示部を適用することができる。
【0192】
図9(A)、(B)では、電子機器の概略中央に位置する1つの表示部を有する電子機器
を示すが、表示部の位置及び数は特に限定されない。図10(A)に示すように、3つの
表示部を有していてもよい。また、図10(B)、(C)に示すように、電子機器の中央
からずれた位置に表示部を有していてもよい。なお、電子機器が複数の表示部を有する場
合、複数の表示部の形状は同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
【0193】
また、図9(C)、(D)、及び図10(D)は、それぞれ、封止体40と接続された構
造体を腕などに巻くことができる電子機器の例である。
【0194】
電子機器は、例えば、図9(C)及び図10(D)に示すように、構造体として鎖状のバ
ンド97を有していてもよい。または、電子機器は、図9(D)に示すように、構造体と
してベルト状のバンド155を有していてもよい。
【0195】
図9(C)、(D)では、封止体40及び表示部15を1つ有する例を示し、図10(D
)では、封止体40及び表示部15を2つ有する例を示す。
【0196】
構造体には、例えば、金属、樹脂、又は天然素材等の一種以上を用いることができる。金
属としては、ステンレス、アルミニウム、チタン合金などを用いることができる。また、
樹脂としては、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂などを用いることができる。また、天然素
材としては木材、石、骨、皮革、紙、布を加工したものなどを用いることができる。
【0197】
図11(A)~(C)に、本発明の一態様の電子機器の装着例を示す。図11(A)は、
本発明の一態様の電子機器を手首に装着する例である。図11(B)は、本発明の一態様
の電子機器を服の上から装着する例であり、腕章型電子機器ともいえる。図11(C)は
、本発明の一態様の電子機器を上腕に装着する例である。
【0198】
また、本発明の一態様の電子機器は、身体の一部に取り付けることに限定されず、ロボッ
ト(工場用ロボット、人型ロボットなど)、柱状物体(建築物の柱、電柱、標識ポール)
、又は道具などに取り付けて用いてもよい。
【0199】
本発明の一態様の電子機器は、通信機能を有し、単体で電子メールの送受信等が可能であ
ってもよい。例えば、電子機器は、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生
、インターネット通信、コンピュータゲームなどの種々のアプリケーションを実行できる
ことが好ましい。
【0200】
または、本発明の一態様の電子機器を、スマートフォン等の携帯電話機又は他の携帯情報
端末と無線で接続することで電子メールの送受信等を行ってもよい。例えば、スマートフ
ォンと一緒に用いることで、本発明の一態様の電子機器の表示部をサブディスプレイとし
て用いてもよい。
【0201】
以上、本発明の一態様では、防水性の高い封止体で、表示パネル、回路、蓄電装置等を封
止することで、ウォータースポーツ又は入浴の際に使用可能なウェアラブルデバイスを実
現できる。また、本発明の一態様では、それぞれ耐熱性の高い封止体、表示パネル、及び
蓄電装置を適用することで、使用できる温度範囲が広いウェアラブルデバイスを実現でき
る。
【0202】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0203】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の電子機器に用いることができる蓄電装置について、
図12図23を用いて説明する。なお、本発明の一態様における蓄電装置は、本実施の
形態で例示する構成に限られず、様々な形状、形態を適用することができる。
【0204】
本実施の形態では、リチウムイオン二次電池を例に説明するが、本発明の一態様はこれに
限られない。本発明の一態様は、電池、一次電池、二次電池、リチウム空気電池、鉛蓄電
池、リチウムイオンポリマー二次電池、ニッケル・水素蓄電池、ニッケル・カドミウム蓄
電池、ニッケル・鉄蓄電池、ニッケル・亜鉛蓄電池、酸化銀・亜鉛蓄電池、固体電池、空
気電池、亜鉛空気電池、コンデンサ、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタ
、ウルトラ・キャパシタ、スーパー・キャパシタなどに適用してもよい。
【0205】
本発明の一態様において、蓄電装置は、電力供給源(以下、送電装置ともいう)と接触し
ていない状態において、対象物(以下、受電装置ともいう)に対して給電を行う(非接触
給電、ワイヤレス給電などともいう)方式で、給電することができる。非接触給電の方式
としては、磁界共鳴方式、電磁誘導方式、静電誘導方式等が挙げられる。
【0206】
<構成例1>
図12(A)に、電池ユニット500を示す。図12(A)では、電池ユニット500の
一例として、薄型の二次電池の形態を示すが、本発明の一態様はこれに限られない。例え
ば、捲回体を用いた二次電池、又は円筒型もしくはコイン型の二次電池を、本発明の一態
様の電子機器に適用してもよい。
【0207】
図12(A)に示すように、電池ユニット500は、正極503、負極506、セパレー
タ507、及び外装体509を有する。電池ユニット500は、正極リード510及び負
極リード511を有してもよい。
【0208】
図13(A)、(B)に、図12(A)における一点鎖線A1-A2間の断面図の一例を
それぞれ示す。図13(A)、(B)には、正極503と負極506を1組用いて作製し
た電池ユニット500の断面構造をそれぞれ示す。
【0209】
図13(A)、(B)に示すように、電池ユニット500は、正極503、負極506、
セパレータ507、電解液508、及び外装体509を有する。セパレータ507は、正
極503と負極506の間に挟まれている。外装体509で囲まれた領域は、電解液50
8で満たされている。
【0210】
正極503は、正極活物質層502と、正極集電体501とを含む。負極506は、負極
活物質層505と、負極集電体504とを含む。活物質層は、集電体の片面又は両面に形
成することができる。セパレータ507は、正極集電体501と負極集電体504の間に
位置する。
【0211】
電池ユニットは、正極及び負極をそれぞれ1つ以上有する。例えば、電池ユニットは、複
数の正極及び複数の負極からなる積層構造とすることもできる。
【0212】
図14(A)に、図12(A)における一点鎖線A1-A2間の断面図の別の例を示す。
また、図14(B)に図12(A)における一点鎖線B1-B2間の断面図を示す。
【0213】
図14(A)、(B)には、正極503と負極506を複数組用いて作製した電池ユニッ
ト500の断面構造を示す。電池ユニット500が有する電極層数に限定はない。電極層
数が多い場合には、より多くの容量を有する蓄電装置とすることができる。また、電極層
数が少ない場合には、薄型化でき、可撓性に優れた蓄電装置とすることができる。
【0214】
図14(A)、(B)では、正極集電体501の片面に正極活物質層502を有する正極
503を2つと、正極集電体501の両面に正極活物質層502を有する正極503を2
つと、負極集電体504の両面に負極活物質層505を有する負極506を3つ用いる例
を示す。つまり、電池ユニット500は、6層の正極活物質層502と、6層の負極活物
質層505を有する。なお、図14(A)、(B)では、セパレータ507が袋状の例を
示すが、これに限定されず、セパレータ507は短冊状であっても、蛇腹状であってもよ
い。
【0215】
次に、図12(B)に、正極503の外観図を示す。正極503は、正極集電体501及
び正極活物質層502を有する。
【0216】
また、図12(C)に、負極506の外観図を示す。負極506は、負極集電体504及
び負極活物質層505を有する。
【0217】
ここで、正極503及び負極506は、積層される複数の正極同士又は複数の負極同士を
電気的に接続するために、タブ領域を有することが好ましい。また、タブ領域には電極リ
ードを電気的に接続することが好ましい。
【0218】
図12(B)に示すように、正極503は、タブ領域281を有することが好ましい。タ
ブ領域281の一部は、正極リード510と溶接されることが好ましい。タブ領域281
は正極集電体501が露出する領域を有することが好ましく、正極集電体501が露出す
る領域に正極リード510を溶接することにより、接触抵抗をより低くすることができる
。また、図12(B)ではタブ領域281の全域において正極集電体501が露出してい
る例を示すが、タブ領域281は、その一部に正極活物質層502を有してもよい。
【0219】
図12(C)に示すように、負極506は、タブ領域282を有することが好ましい。タ
ブ領域282の一部は、負極リード511と溶接されることが好ましい。タブ領域282
は負極集電体504が露出する領域を有することが好ましく、負極集電体504が露出す
る領域に負極リード511を溶接することにより、接触抵抗をより低くすることができる
。また、図12(C)ではタブ領域282の全域において負極集電体504が露出してい
る例を示すが、タブ領域282は、その一部に負極活物質層505を有してもよい。
【0220】
なお、図12(A)では、正極503と負極506の端部が概略揃っている例を示すが、
正極503は、負極506の端部よりも外側に位置する部分を有していてもよい。
【0221】
電池ユニット500において、負極506の正極503と重ならない領域の面積は小さい
ほど好ましい。
【0222】
図13(A)では、負極506の端部が、正極503の内側に位置する例を示す。このよ
うな構成とすることにより、負極506を全て正極503と重ねる、又は負極506の正
極503と重ならない領域の面積を小さくすることができる。
【0223】
または、電池ユニット500において、正極503と負極506の面積は概略同じである
ことが好ましい。例えば、セパレータ507を挟んで向かい合う正極503と負極506
の面積は、概略同じであることが好ましい。例えば、セパレータ507を挟んで向かい合
う正極活物質層502の面積と負極活物質層505の面積は概略同じであることが好まし
い。
【0224】
例えば、図14(A)、(B)に示すように、正極503のセパレータ507側の面の面
積と負極506のセパレータ507側の面の面積は概略同じであることが好ましい。正極
503の負極506側の面の面積と負極506の正極503側の面の面積を概略同じとす
ることにより、負極506の正極503と重ならない領域を小さくする(あるいは理想的
にはなくす)ことができ、電池ユニット500の不可逆容量を減少させることができるた
め好ましい。または、図14(A)、(B)に示すように、正極活物質層502のセパレ
ータ507側の面の面積と負極活物質層505のセパレータ507側の面の面積は概略同
じであることが好ましい。
【0225】
また、図14(A)、(B)に示すように、正極503の端部と負極506の端部は概略
揃うことが好ましい。また、正極活物質層502と負極活物質層505の端部は概略揃う
ことが好ましい。
【0226】
また、図13(B)では、正極503の端部が、負極506の内側に位置する例を示す。
このような構成とすることにより、正極503を全て負極506と重ねる、又は正極50
3の負極506と重ならない領域の面積を小さくすることができる。負極506の端部が
正極503の端部よりも内側に位置すると、負極506の端部に電流が集中してしまう場
合がある。例えば、負極506の一部に電流が集中することで、負極506上にリチウム
が析出してしまうことがある。正極503の負極506と重ならない領域の面積を小さく
することで、負極506の一部に電流が集中することを抑制できる。これにより、例えば
、負極506上へのリチウムの析出が抑制でき、好ましい。
【0227】
図12(A)に示すように、正極リード510は、正極503に電気的に接続することが
好ましい。同様に、負極リード511は、負極506に電気的に接続することが好ましい
。正極リード510及び負極リード511は外装体509の外側に露出し、外部との電気
的接触を得る端子として機能する。
【0228】
または、正極集電体501及び負極集電体504は、外部との電気的接触を得る端子の役
割を兼ねることもできる。その場合は、電極リードを用いずに、正極集電体501及び負
極集電体504の一部を外装体509から外側に露出するように配置してもよい。
【0229】
また、図12(A)では、正極リード510と負極リード511は、電池ユニット500
の同じ辺に配置されているが、図15に示すように、正極リード510と負極リード51
1を電池ユニット500の異なる辺に配置してもよい。このように、本発明の一態様の電
池ユニットは、電極リードを自由に配置することができるため、設計自由度が高い。よっ
て、蓄電装置を用いた製品の設計自由度を高めることができる。また、蓄電装置を用いた
製品の生産性を高めることができる。
【0230】
以下では、電池ユニットの構成要素について、詳述する。
【0231】
≪集電体≫
集電体は、蓄電装置内で顕著な化学変化を引き起こさずに高い導電性を示す限り、特別な
制限はない。正極集電体及び負極集電体には、例えば、ステンレス、金、白金、亜鉛、鉄
、ニッケル、銅、アルミニウム、チタン、タンタル、マンガン等の金属、これらの合金、
又は焼結した炭素などをそれぞれ用いることができる。または、銅もしくはステンレス鋼
を炭素、ニッケルもしくはチタン等で被覆して用いてもよい。または、シリコン、チタン
、ネオジム、スカンジウム、モリブデンなどの耐熱性を向上させる元素が添加されたアル
ミニウム合金を用いることができる。または、シリコンと反応してシリサイドを形成する
金属元素で集電体を形成してもよい。シリコンと反応してシリサイドを形成する金属元素
としては、ジルコニウム、チタン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム
、モリブデン、タングステン、コバルト、ニッケル等がある。
【0232】
正極集電体の表面又は負極集電体の表面では、電解液との不可逆な反応が生じる場合があ
る。よって、正極集電体及び負極集電体は、それぞれ、電解液との反応性が低いことが好
ましい。例えば、正極集電体又は負極集電体にステンレス等を用いることにより、電解液
との反応性をより低くすることができる場合があり、好ましい。
【0233】
また、正極集電体及び負極集電体には、それぞれ、箔状、板状(シート状)、網状、円柱
状、コイル状、パンチングメタル状、エキスパンドメタル状、多孔質状、及び不織布を包
括する様々な形態の形状を適宜用いることができる。さらに、活物質層との密着性を上げ
るために、正極集電体及び負極集電体は、それぞれ、表面に細かい凹凸を有していてもよ
い。また、正極集電体及び負極集電体は、それぞれ、厚みが5μm以上30μm以下のも
のを用いるとよい。
【0234】
また、集電体の表面の一部にアンダーコート層を設けてもよい。ここでアンダーコート層
とは、集電体と活物質層との接触抵抗の低減、又は集電体と活物質層との密着性向上のた
めの被覆層をいう。なお、アンダーコート層は、集電体の一面全体に形成されていなくて
もよく、島状に(部分的に)形成されていてもよい。また、アンダーコート層が活物質と
して容量を発現しても構わない。アンダーコート層としては、例えば炭素材料を用いるこ
とができる。炭素材料としては、例えば、アセチレンブラック等のカーボンブラック、カ
ーボンナノチューブ、黒鉛などを用いることができる。また、アンダーコート層として、
金属層、炭素及び高分子を含む層、並びに金属及び高分子を含む層を用いることもできる
【0235】
≪活物質層≫
活物質層は、活物質を含む。活物質とは、キャリアであるイオンの挿入・脱離に関わる物
質のみを指し、本明細書等では、活物質が含まれている層を活物質層と呼ぶ。活物質層に
は、活物質に加えて導電助剤や結着剤が含まれていてもよい。
【0236】
正極活物質層は、1種類以上の正極活物質を有する。負極活物質層は、1種類以上の負極
活物質を有する。
【0237】
正極活物質及び負極活物質は、蓄電装置の電池反応の中心的役割を担いキャリアイオンの
放出及び吸収を行う物質である。蓄電装置の寿命を高めるためには、活物質が、電池反応
の不可逆反応に係る容量が小さい材料であることが好ましく、充放電効率の高い材料であ
ることが好ましい。
【0238】
正極活物質には、リチウムイオン等のキャリアイオンの挿入及び脱離が可能な材料を用い
ることができる。正極活物質としては、例えば、オリビン型の結晶構造、層状岩塩型の結
晶構造、スピネル型の結晶構造、NASICON型の結晶構造を有する材料等が挙げられ
る。
【0239】
例えば、正極活物質として、LiFeO、LiCoO、LiNiO、LiMn
、V、Cr、MnO等の化合物を材料として用いることができる。
【0240】
オリビン型の結晶構造を有する材料としては、リチウム含有複合リン酸塩(一般式LiM
PO(Mは、Fe(II)、Mn(II)、Co(II)、Ni(II)の一以上))
が挙げられる。一般式LiMPOの代表例としては、LiFePO、LiNiPO
、LiCoPO、LiMnPO、LiFeNiPO、LiFeCoPO
、LiFeMnPO、LiNiCoPO、LiNiMnPO(a+b
は1以下、0<a<1、0<b<1)、LiFeNiCoPO、LiFeNi
MnPO、LiNiCoMnPO(c+d+eは1以下、0<c<1、0
<d<1、0<e<1)、LiFeNiCoMnPO(f+g+h+iは1以
下、0<f<1、0<g<1、0<h<1、0<i<1)等の化合物が挙げられる。
【0241】
例えば、リン酸鉄リチウム(LiFePO)は、安全性、安定性、高容量密度、高電位
、初期酸化(充電)時に引き抜けるリチウムイオンの存在等、正極活物質に求められる事
項をバランスよく満たしているため、好ましい。
【0242】
正極活物質としてLiFePOを用いることにより、過充電などの外部負荷に対しても
安定で、安全性の高い蓄電装置を実現することができる。よって、例えば、持ち運びを行
うモバイル機器、又は身体に身に着けるウェアラブル機器等に用いる蓄電装置として、特
に優れている。
【0243】
層状岩塩型の結晶構造を有する材料としては、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO
)、LiNiO、LiMnO、LiMnO、LiNi0.8Co0.2
のNiCo系(一般式は、LiNiCo1-x(0<x<1))、LiNi0.5
Mn0.5等のNiMn系(一般式は、LiNiMn1-x(0<x<1))
、LiNi1/3Mn1/3Co1/3等のNiMnCo系(NMCともいう。一般
式は、LiNiMnCo1-x-y(x>0、y>0、x+y<1))が挙げら
れる。さらに、Li(Ni0.8Co0.15Al0.05)O、LiMnO-L
iMO(MはCo、Ni又はMn)等も挙げられる。
【0244】
特に、LiCoOは、容量が大きいこと、LiNiOに比べて大気中で安定であるこ
と、LiNiOに比べて熱的に安定であること等の利点があるため、好ましい。
【0245】
スピネル型の結晶構造を有する材料としては、例えば、LiMn、Li1+xMn
2-x(0<x<2)、LiMn2-xAl(0<x<2)、LiMn1.5
Ni0.5等が挙げられる。
【0246】
LiMn等のマンガンを含むスピネル型の結晶構造を有する材料に、少量のニッケ
ル酸リチウム(LiNiO、又はLiNi1-x(0<x<1)(M=Co、
Al等))を混合すると、マンガンの溶出を抑制する、電解液の分解を抑制する等の利点
があり好ましい。
【0247】
または、正極活物質として、一般式Li(2-j)MSiO(Mは、Fe(II)、M
n(II)、Co(II)、Ni(II)の一以上、0≦j≦2)等のリチウム含有複合
ケイ酸塩を用いることができる。一般式Li(2-j)MSiOの代表例としては、L
(2-j)FeSiO、Li(2-j)NiSiO、Li(2-j)CoSiO
、Li(2-j)MnSiO、Li(2-j)FeNiSiO、Li(2-j)
FeCoSiO、Li(2-j)FeMnSiO、Li(2-j)Ni
SiO、Li(2-j)NiMnSiO(k+lは1以下、0<k<1、0
<l<1)、Li(2-j)FeNiCoSiO、Li(2-j)FeNi
MnSiO、Li(2-j)NiCoMnSiO(m+n+qは1以下、0
<m<1、0<n<1、0<q<1)、Li(2-j)FeNiCoMnSiO
(r+s+t+uは1以下、0<r<1、0<s<1、0<t<1、0<u<1)等の
化合物が挙げられる。
【0248】
または、正極活物質として、A(XO(A=Li、Na、Mg、M=Fe、
Mn、Ti、V、Nb、Al、X=S、P、Mo、W、As、Si)の一般式で表される
NASICON型化合物を用いることができる。NASICON型化合物としては、Fe
(MnO、Fe(SO、LiFe(PO等が挙げられる。
【0249】
または、正極活物質として、LiMPOF、LiMP、LiMO(M=
Fe、Mn)の一般式で表される化合物、FeF等のペロブスカイト型フッ化物、Ti
、MoS等の金属カルコゲナイド(硫化物、セレン化物、テルル化物)、LiMV
(M=Mn、Co、Ni)等の逆スピネル型の結晶構造を有する材料、バナジウム酸
化物系(V、V13、LiV等)、マンガン酸化物、有機硫黄化合物等
の材料を用いることができる。
【0250】
また、正極活物質として、上記材料を複数組み合わせた材料を用いてもよい。例えば、上
記材料を複数組み合わせた固溶体を正極活物質として用いることができる。例えば、Li
Co1/3Mn1/3Ni1/3とLiMnOの固溶体を正極活物質として用い
ることができる。
【0251】
なお、キャリアイオンが、リチウムイオン以外のアルカリ金属イオン、又はアルカリ土類
金属イオンの場合、正極活物質として、上記リチウム化合物、リチウム含有複合リン酸塩
、及びリチウム含有複合ケイ酸塩において、リチウムを、アルカリ金属(例えば、ナトリ
ウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、ストロンチウム、バリウ
ム、ベリリウム、マグネシウム等)などのキャリアで置換した化合物を用いてもよい。
【0252】
正極活物質の一次粒子の平均粒径は、例えば5nm以上100μm以下が好ましい。
【0253】
また、例えば正極活物質としてオリビン型構造のリチウム含有複合リン酸塩を用いた場合
には、リチウムの拡散経路が一次元であるため、リチウム拡散が遅い。よって、オリビン
型構造のリチウム含有複合リン酸塩を用いた場合、充放電の速度を高めるためには正極活
物質の平均粒径は、例えば好ましくは5nm以上1μm以下とするとよい。または、正極
活物質の比表面積は、例えば好ましくは10m/g以上50m/g以下とするとよい
【0254】
オリビン構造を有する活物質では、例えば層状岩塩型の結晶構造を有する活物質などと比
較して充放電に伴う構造変化がきわめて少なく、結晶構造が安定であるため、過充電など
の動作に対しても安定であり、正極活物質として用いた場合に安全性の高い蓄電装置を実
現することができる。
【0255】
負極活物質としては、例えば炭素系材料、合金系材料等を用いることができる。
【0256】
炭素系材料としては、黒鉛、易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン)、難黒鉛化性炭素(ハー
ドカーボン)、カーボンナノチューブ、グラフェン、カーボンブラック等がある。黒鉛と
しては、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、コークス系人造黒鉛、ピッチ系人造
黒鉛等の人造黒鉛、球状化天然黒鉛等の天然黒鉛がある。また、黒鉛の形状としては鱗片
状のもの及び球状のものなどがある。
【0257】
黒鉛はリチウムイオンが黒鉛に挿入されたとき(リチウム-黒鉛層間化合物の生成時)に
リチウム金属と同程度に卑な電位を示す(0.1以上0.3V以下 vs.Li/Li
)。これにより、リチウムイオン二次電池は高い作動電圧を示すことができる。さらに、
黒鉛は、単位体積当たりの容量が比較的高い、体積膨張が小さい、安価である、リチウム
金属に比べて安全性が高い等の利点を有するため、好ましい。
【0258】
キャリアイオンがリチウムイオンである場合、合金系材料としては、例えば、Mg、Ca
、Ga、Si、Al、Ge、Sn、Pb、As、Sb、Bi、Ag、Au、Zn、Cd、
Hg、In等のうち少なくとも一つを含む材料を用いることができる。このような元素は
炭素と比べて容量が大きく、特にシリコンは理論容量が4200mAh/gと高いため、
蓄電装置の容量を高めることができる。このような元素を用いた合金系材料(化合物系材
料)としては、例えば、MgSi、MgGe、MgSn、SnS、VSn
FeSn、CoSn、NiSn、CuSn、AgSn、AgSb、Ni
MnSb、CeSb、LaSn、LaCoSn、CoSb、InSb、S
bSn等がある。
【0259】
また、負極活物質として、SiO、SnO、SnO、二酸化チタン(TiO)、リチ
ウムチタン酸化物(LiTi12)、リチウム-黒鉛層間化合物(Li)、
五酸化ニオブ(Nb)、酸化タングステン(WO)、酸化モリブデン(MoO
)等の酸化物を用いることができる。ここで、SiOとは、珪素と酸素を有する化合物で
あり、珪素と酸素の原子数比を珪素:酸素=α:βとすると、αは、βの近傍の値を有す
ることが好ましい。ここで近傍の値を有するとは、例えばαとβの差の絶対値が、βの値
に対して好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下である。
【0260】
また、負極活物質として、リチウムと遷移金属の複窒化物である、LiN型構造をもつ
Li3-xN(MはCo、Ni又はCu)を用いることができる。例えば、Li2.
Co0.4は大きな充放電容量(900mAh/g、1890mAh/cm)を
示し好ましい。
【0261】
リチウムと遷移金属の複窒化物を用いると、負極活物質中にリチウムイオンを含むため、
正極活物質としてリチウムイオンを含まないV、Cr等の材料と組み合わせ
ることができる。なお、正極活物質にリチウムイオンを含む材料を用いる場合でも、あら
かじめ正極活物質に含まれるリチウムイオンを脱離させることで、負極活物質としてリチ
ウムと遷移金属の複窒化物を用いることができる。
【0262】
また、コンバージョン反応が生じる材料を負極活物質として用いることもできる。例えば
、酸化コバルト(CoO)、酸化ニッケル(NiO)、酸化鉄(FeO)等の、リチウム
と合金化反応を行わない遷移金属酸化物を負極活物質に用いてもよい。コンバージョン反
応が生じる材料としては、さらに、Fe、CuO、CuO、RuO、Cr
等の酸化物、CoS0.89、NiS、CuS等の硫化物、Zn、CuN、G
等の窒化物、NiP、FeP、CoP等のリン化物、FeF、BiF
等のフッ化物が挙げられる。
【0263】
負極活物質の一次粒子の平均粒径は、例えば5nm以上100μm以下が好ましい。
【0264】
正極活物質層及び負極活物質層は、それぞれ、導電助剤を有してもよい。
【0265】
導電助剤としては、例えば炭素材料、金属材料、又は導電性セラミックス材料等を用いる
ことができる。また、導電助剤として繊維状の材料を用いてもよい。活物質層の総量に対
する導電助剤の含有量は、1wt%以上10wt%以下が好ましく、1wt%以上5wt
%以下がより好ましい。
【0266】
導電助剤により、電極中に電気伝導のネットワークを形成することができる。導電助剤に
より、負極活物質どうしの電気伝導の経路を維持することができる。活物質層中に導電助
剤を添加することにより、高い電気伝導性を有する活物質層を実現することができる。
【0267】
導電助剤としては、例えば天然黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ等の人造黒鉛、炭素繊
維などを用いることができる。炭素繊維としては、例えばメソフェーズピッチ系炭素繊維
、等方性ピッチ系炭素繊維等の炭素繊維を用いることができる。また炭素繊維として、カ
ーボンナノファイバー又はカーボンナノチューブなどを用いることができる。カーボンナ
ノチューブは、例えば気相成長法などで作製することができる。また、導電助剤として、
例えばカーボンブラック(アセチレンブラック(AB)など)、グラファイト(黒鉛)粒
子、グラフェン、フラーレンなどの炭素材料を用いることができる。また、例えば、銅、
ニッケル、アルミニウム、銀、金などの金属粉末もしくは金属繊維、又は導電性セラミッ
クス材料等を用いることができる。
【0268】
薄片状のグラフェンは、高い導電性を有するという優れた電気特性、及び柔軟性並びに機
械的強度という優れた物理特性を有する。そのため、グラフェンを、導電助剤として用い
ることにより、活物質間又は活物質-集電体間の電気伝導率を高めることができる。
【0269】
なお、本明細書において、グラフェンは、単層のグラフェン、又は2層以上100層以下
の多層グラフェンを含む。単層グラフェンとは、π結合を有する1原子層の炭素分子のシ
ートのことをいう。また、酸化グラフェンとは、上記グラフェンが酸化された化合物のこ
とをいう。
【0270】
グラフェンは、接触抵抗の低い面接触を可能とするものであり、また、薄くても導電性が
非常に高く、少ない量でも効率よく活物質層内で導電パスを形成することができる。
【0271】
平均粒径の小さい活物質、例えば1μm以下の活物質を用いる場合には、活物質の比表面
積が大きく、活物質同士を繋ぐ導電パスがより多く必要となる。このような場合には、導
電性が非常に高く少ない量でも効率よく導電パスを形成することができるグラフェンを用
いることが、特に好ましい。
【0272】
正極活物質層及び負極活物質層は、それぞれ、結着剤を有してもよい。
【0273】
本明細書中において、結着剤は、活物質と活物質を結着もしくは接着させる機能、及び、
活物質層と集電体を結着もしくは接着させる機能のうち少なくとも一方を有する。また、
結着剤は、電極又は電池の作製中に、その状態が変化する場合がある。例えば、結着剤は
、液体、固体、又はゲル等の少なくともいずれか一の状態をとることがある。また、結着
剤は、電極又は電池の作製中に、単量体(モノマー)から重合体(ポリマー)に変化する
場合がある。
【0274】
例えば、結着剤として水溶性の高分子を用いることができる。水溶性の高分子としては、
例えば多糖類などを用いることができる。多糖類としては、カルボキシメチルセルロース
(CMC)、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ジ
アセチルセルロース、再生セルロースなどのセルロース誘導体、又は澱粉などを用いるこ
とができる。
【0275】
また、結着剤として、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、スチレン・イソプレン・ス
チレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム、エチレ
ン・プロピレン・ジエン共重合体などのゴム材料を用いることができる。これらのゴム材
料は、前述の水溶性の高分子と併用して用いてもよい。これらのゴム材料は、ゴム弾性を
有し、伸び縮みしやすいため、充放電に伴う活物質の膨張収縮、又は電極の曲げなどに伴
うストレスに強く、信頼性の高い電極を得ることができる一方で、疎水基を有し水に溶け
にくい場合がある。このような場合には、水溶液中で粒子が水に溶解しない状態で分散す
るので、活物質層の形成に使用する溶剤を含む組成物(電極合剤組成物ともいう)を、塗
布するために適した粘度にまで高めることが難しいことがある。この際に、粘度調整機能
の高い水溶性高分子、例えば多糖類を用いると、溶液の粘度を適度に高める効果が期待で
きるうえに、ゴム材料と互いに均一に分散し、均一性の高い良好な電極、例えば電極膜厚
又は電極抵抗の均一性が高い電極を得ることができる。
【0276】
または、結着剤として、PVdF、ポリスチレン、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリ
ル酸メチル(ポリメチルメタクリレート(PMMA))、ポリアクリル酸ナトリウム、ポ
リビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキ
シド、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、イソブチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ポリア
クリロニトリル(PAN)、ポリビニルクロライド、エチレンプロピレンジエンポリマー
、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース等の材料を用いることができる。
【0277】
結着剤は上記のうち二種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0278】
活物質層の総量に対する結着剤の含有量は、1wt%以上10wt%以下が好ましく、2
wt%以上8wt%以下がより好ましく、3wt%以上5wt%以下がさらに好ましい。
【0279】
≪電解液≫
電解液508の溶媒としては、非プロトン性有機溶媒が好ましく、例えば、エチレンカー
ボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート、クロロエ
チレンカーボネート、ビニレンカーボネート(VC)、γ-ブチロラクトン、γ-バレロ
ラクトン、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチル
メチルカーボネート(EMC)、ギ酸メチル、酢酸メチル、酪酸メチル、1,3-ジオキ
サン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン(DME)、ジメチルスルホキシド、ジエ
チルエーテル、メチルジグライム、アセトニトリル、ベンゾニトリル、テトラヒドロフラ
ン、スルホラン、スルトン等の1種、又はこれらのうちの2種以上を任意の組み合わせ及
び比率で用いることができる。
【0280】
また、電解液の溶媒として、難燃性及び難揮発性であるイオン液体(常温溶融塩)を一つ
又は複数用いることで、蓄電装置の内部短絡、又は過充電等によって内部温度が上昇して
も、蓄電装置の破裂又は発火などを防ぐことができる。イオン液体は、カチオンとアニオ
ンからなり、有機カチオンとアニオンとを含む。電解液に用いる有機カチオンとして、四
級アンモニウムカチオン、三級スルホニウムカチオン、及び四級ホスホニウムカチオン等
の脂肪族オニウムカチオン、並びにイミダゾリウムカチオン及びピリジニウムカチオン等
の芳香族カチオンが挙げられる。また、電解液に用いるアニオンとして、1価のアミド系
アニオン、1価のメチド系アニオン、フルオロスルホン酸アニオン、パーフルオロアルキ
ルスルホン酸アニオン、テトラフルオロボレートアニオン、パーフルオロアルキルボレー
トアニオン、ヘキサフルオロホスフェートアニオン、又はパーフルオロアルキルホスフェ
ートアニオン等が挙げられる。
【0281】
また、上記の溶媒に溶解させる電解質としては、キャリアにリチウムイオンを用いる場合
、例えばLiPF、LiClO、LiAsF、LiBF、LiAlCl、Li
SCN、LiBr、LiI、LiSO、Li10Cl10、Li12Cl
、LiCFSO、LiCSO、LiC(CFSO、LiC(C
SO、LiN(FSO、LiN(CFSO、LiN(C
SO)(CFSO)、LiN(CSO等のリチウム塩を一種、又はこ
れらのうちの二種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いることができる。
【0282】
また、蓄電装置に用いる電解液は、粒状のごみ又は電解液の構成元素以外の元素(以下、
単に「不純物」ともいう。)の含有量が少ない高純度化された電解液を用いることが好ま
しい。具体的には、電解液に対する不純物の重量比を1%以下、好ましくは0.1%以下
、より好ましくは0.01%以下とすることが好ましい。
【0283】
また、電解液にビニレンカーボネート(VC)、プロパンスルトン(PS)、tert-
ブチルベンゼン(TBB)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、LiBOBなど
の添加剤を添加してもよい。添加剤の濃度は、例えば溶媒全体に対して0.1wt%以上
5wt%以下とすることができる。
【0284】
また、ポリマーを電解液で膨潤させたポリマーゲル電解質を用いてもよい。
【0285】
ポリマーとしては、例えばポリエチレンオキシド(PEO)などのポリアルキレンオキシ
ド構造を有するポリマー、PVdF、ポリアクリロニトリル等、及びそれらを含む共重合
体等を用いることができる。例えばPVdFとヘキサフルオロプロピレン(HFP)の共
重合体であるPVdF-HFPを用いることができる。また、ポリマーは、多孔質形状を
有してもよい。
【0286】
また、電解液に重合開始剤及び架橋剤を添加し、電解液をゲル化してもよい。例えば、イ
オン液体を構成するカチオン又はアニオンに重合性の官能基を導入し、重合開始剤を用い
てそれらを重合することで、イオン液体自体を重合してもよい。そして、重合したイオン
液体を架橋剤によりゲル化してもよい。
【0287】
また、電解液と組み合わせて、硫化物系もしくは酸化物系等の無機物材料を有する固体電
解質、又はPEO(ポリエチレンオキシド)系等の高分子材料を有する固体電解質を用い
てもよい。例えば、固体電解質を活物質層の表面に形成してもよい。また、固体電解質と
電解液を組み合わせて用いる場合には、セパレータ又はスペーサの設置が不要となる場合
がある。
【0288】
また、電解液の溶媒としてゲル化される高分子材料を用いることで、漏液性等に対する安
全性が高まる。また、蓄電装置の薄型化及び軽量化が可能である。例えば、ポリエチレン
オキシド系、ポリアクリロニトリル系、ポリフッ化ビニリデン系、ポリアクリレート系、
ポリメタクリレート系ポリマーを用いることができる。また、常温(例えば25℃)で電
解液をゲル化できるポリマーを用いることが好ましい。または、シリコーンゲルなどを用
いてもよい。なお本明細書等において、例えばポリフッ化ビニリデン系ポリマーとは、ポ
リフッ化ビニリデン(PVdF)を含むポリマーを意味し、ポリ(フッ化ビニリデン-ヘ
キサフルオロプロピレン)共重合体等を含む。
【0289】
なおFT-IR(フーリエ変換赤外分光光度計)等を用いることで、上記のポリマーを定
性分析することができる。例えばポリフッ化ビニリデン系ポリマーは、FT-IRで得た
スペクトルに、C-F結合を示す吸収を有する。またポリアクリロニトリル系ポリマーは
、FT-IRで得たスペクトルに、C≡N結合を示す吸収を有する。
【0290】
≪セパレータ≫
セパレータ507には、紙、不織布、ガラス繊維、セラミックス、あるいは、ナイロン(
ポリアミド)、ビニロン(ポリビニルアルコール系繊維)、ポリエステル、アクリル、ポ
リオレフィン、ポリウレタンといった合成繊維等を用いることができる。セパレータ50
7は、単層構造であっても積層構造であってもよい。
【0291】
より具体的には、セパレータ507には、例えば、フッ素系ポリマー、ポリエチレンオキ
シド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポ
リオレフィン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート
、ポリメチルアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリメタクリロニトリル、ポリビニ
ルアセテート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリブタジエン、ポリスチ
レン、ポリイソプレン、ポリウレタン系高分子、ポリフェニレンサルファイド、及びこれ
らの誘導体、セルロース、紙、不織布、ガラス繊維から選ばれる一種を単独で、又は二種
以上を組み合せて用いることができる。
【0292】
≪外装体≫
外装体509は、電解液508と接する面、すなわち内側の面が電解液508と顕著な反
応を生じないことが好ましい。また、電池ユニット500の外部から電池ユニット500
内に水分が混入すると、電解液508の成分等と水との反応が生じる場合がある。よって
外装体509は、水分の透過性が低いことが好ましい。
【0293】
外装体509には、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、アイオノ
マー、ポリアミド等を用いた膜上に、アルミニウム、ステンレス、銅、ニッケル等の可撓
性に優れた金属薄膜を設け、さらに該金属薄膜上に外装体の外面としてポリアミド系樹脂
、ポリエステル系樹脂等の絶縁性合成樹脂膜を設けた三層構造のフィルムを用いることが
できる。このような三層構造とすることで、電解液又は気体の透過を遮断するとともに、
絶縁性を確保し、併せて耐電解液性を有する。外装体を内側に折り曲げて重ねて、又は、
2つの外装体それぞれの内面を向かい合わせて重ねて熱を加えることにより、内面の材料
が融け2つの外装体を融着することができ、封止構造を作製することができる。
【0294】
電池ユニット500は、可撓性を有する外装体509を用いることで、可撓性を有する構
成とすることができる。可撓性を有する構成とすれば、可撓性を有する部位を少なくとも
一部有する蓄電装置又は電子機器に実装することができ、蓄電装置又は電子機器の変形に
合わせて電池ユニット500を曲げることができる。
【0295】
<構成例2>
図16(A)に二次電池200の斜視図を示し、図16(B)に二次電池200の上面図
を示す。
【0296】
図17(A)に、図16(B)における一点鎖線C1-C2間の断面図を示し、図17
B)に、図16(B)における一点鎖線C3-C4間の断面図を示す。なお、図17(A
)、(B)では図を明瞭にするため、一部の構成要素を抜粋して示す。
【0297】
二次電池200は、正極211、負極215、及びセパレータ203を有する。二次電池
200は、さらに、正極リード221、負極リード225、及び外装体207を有する。
【0298】
正極211及び負極215は、それぞれ、集電体及び活物質層を有する。正極211及び
負極215は、セパレータ203を介して、活物質層が互いに対向するように配置されて
いる。
【0299】
二次電池200が有する電極(正極211及び負極215)は、湾曲の内径側に位置する
ものより、外径側に位置するものの方が、湾曲の方向について長いことが好ましい。この
ような構成とすることで、二次電池200をある曲率で湾曲させた際、正極211及び負
極215の端部を揃えることができる。すなわち、正極211が有する正極活物質層のす
べての領域を、負極215の有する負極活物質層と対向して配置することができる。その
ため正極211が有する正極活物質を無駄なく電池反応に寄与させることができる。その
ため、二次電池200の体積当たりの容量を大きくすることができる。この構成は、二次
電池200を使用する際に二次電池200の曲率が固定される場合に特に有効である。
【0300】
正極リード221は、複数の正極211と電気的に接続されている。負極リード225は
、複数の負極215と電気的に接続されている。正極リード221及び負極リード225
は、それぞれ封止層220を有する。
【0301】
外装体207は、複数の正極211、複数の負極215、及び複数のセパレータ203を
覆う。二次電池200は、外装体207で覆われた領域に電解液(図示しない)を有する
。二次電池200は、外装体207の3辺を接着することで封止されている。
【0302】
図17(A)、(B)では、短冊状のセパレータ203を複数用い、正極211と負極2
15の間にそれぞれ1つずつセパレータ203を配置する例を示したが、本発明の一態様
はこれに限られない。1枚のシート状のセパレータをつづら折りにする(蛇腹型にする、
ともいえる)、又は捲回することで、正極と負極の間にセパレータが位置するようにして
もよい。
【0303】
例えば、図19(A)~(D)に二次電池200の作製方法を示す。この作製方法を用い
る場合の図16(B)における一点鎖線C1-C2間の断面図を、図18に示す。
【0304】
まず、セパレータ203上に、負極215を配置する(図19(A))。このとき、負極
215が有する負極活物質層が、セパレータ203と重畳するように配置する。
【0305】
次に、セパレータ203を折り曲げ、負極215の上にセパレータ203を重ねる。次に
、セパレータ203の上に、正極211を重ねる(図19(B))。このとき、正極21
1が有する正極活物質層が、セパレータ203及び負極活物質層と重畳するように配置す
る。なお、集電体の片面に活物質層が形成されている電極を用いる場合は、正極211の
正極活物質層と、負極215の負極活物質層がセパレータ203を介して対向するように
配置する。
【0306】
セパレータ203にポリプロピレン等の熱溶着が可能な材料を用いている場合は、セパレ
ータ203同士が重畳している領域を熱溶着してから次の電極を重ねることで、作製工程
中に電極がずれることを抑制できる。具体的には、負極215又は正極211と重畳して
おらず、セパレータ203同士が重畳している領域、たとえば図19(B)の領域203
aで示す領域を熱溶着することが好ましい。
【0307】
この工程を繰り返すことで、図19(C)に示すように、セパレータ203を挟んで正極
211及び負極215を積み重ねることができる。
【0308】
なお、あらかじめ繰り返し折り曲げたセパレータ203に、複数の負極215及び複数の
正極211を交互に挟むように配置してもよい。
【0309】
次に、図19(C)に示すように、セパレータ203で複数の正極211及び複数の負極
215を覆う。
【0310】
さらに、図19(D)に示すように、セパレータ203同士が重畳している領域、例えば
図19(D)に示す領域203bを熱溶着することで、複数の正極211と複数の負極2
15を、セパレータ203によって覆い、結束する。
【0311】
なお、複数の正極211、複数の負極215及びセパレータ203を、結束材を用いて結
束してもよい。
【0312】
このような工程で正極211及び負極215を積み重ねるため、セパレータ203は、1
枚のセパレータ203の中で、正極211と負極215に挟まれている領域と、複数の正
極211と複数の負極215を覆うように配置されている領域とを有する。
【0313】
換言すれば、図18図19(D)に示す二次電池200が有するセパレータ203は、
一部が折りたたまれた1枚のセパレータである。セパレータ203の折りたたまれた領域
に、複数の正極211と、複数の負極215が挟まれている。
【0314】
<構成例3>
図20(A)に二次電池250の斜視図を示し、図20(B)に二次電池250の上面図
を示す。また、図20(C1)に第1の電極組立体230の断面図を示し、図20(C2
)に第2の電極組立体231の断面図を示す。
【0315】
二次電池250は、第1の電極組立体230、第2の電極組立体231、及びセパレータ
203を有する。二次電池250は、さらに、正極リード221、負極リード225、及
び外装体207を有する。
【0316】
図20(C1)に示すように、第1の電極組立体230は、正極211a、セパレータ2
03、負極215a、セパレータ203、及び正極211aがこの順で積層されている。
正極211a及び負極215aは、それぞれ、集電体の両面に活物質層を有する構成であ
る。
【0317】
図20(C2)に示すように、第2の電極組立体231は、負極215a、セパレータ2
03、正極211a、セパレータ203、及び負極215aがこの順で積層されている。
正極211a及び負極215aは、それぞれ、集電体の両面に活物質層を有する構成であ
る。
【0318】
つまり、第1の電極組立体230及び第2の電極組立体231において、正極及び負極は
、セパレータ203を介して、活物質層が互いに対向するように配置されている。
【0319】
正極リード221は、複数の正極211と電気的に接続されている。負極リード225は
、複数の負極215と電気的に接続されている。正極リード221及び負極リード225
は、それぞれ封止層220を有する。
【0320】
図21に、図20(B)における一点鎖線C3-C4間の断面図の一例を示す。なお、図
21では図を明瞭にするため、一部の構成要素を抜粋して示す。
【0321】
図21に示すように、二次電池250は、複数の第1の電極組立体230及び複数の第2
の電極組立体231が、捲回したセパレータ203によって覆われている構成を有する。
【0322】
外装体207は、複数の第1の電極組立体230、複数の第2の電極組立体231、及び
セパレータ203を覆う。二次電池200は、外装体207で覆われた領域に電解液(図
示しない)を有する。二次電池200は、外装体207の3辺を接着することで封止され
ている。
【0323】
例えば、図22(A)~(D)に二次電池250の作製方法を示す。
【0324】
まずセパレータ203上に、第1の電極組立体230を配置する(図22(A))。
【0325】
次に、セパレータ203を折り曲げ、第1の電極組立体230の上にセパレータ203を
重ねる。次に、第1の電極組立体230の上下に、セパレータ203を介して、2組の第
2の電極組立体231を重ねる(図22(B))。
【0326】
次に、セパレータ203を、2組の第2の電極組立体231を覆うように捲回させる。さ
らに、2組の第2の電極組立体231の上下に、セパレータ203を介して、2組の第1
の電極組立体230を重ねる(図22(C))。
【0327】
次に、セパレータ203を、2組の第1の電極組立体230を覆うように捲回させる(図
22(D))。
【0328】
このような工程で複数の第1の電極組立体230及び複数の第2の電極組立体231を積
み重ねるため、これらの電極組立体は、渦巻き状に捲回されたセパレータ203の間に配
置される。
【0329】
なお、最も外側に配置される電極は、外側に活物質層を有さないことが好ましい。
【0330】
また、図20(C1)、(C2)では、電極組立体が電極3枚とセパレータ2枚を有する
構成を示したが、本発明の一態様はこれに限らない。電極を4枚以上、セパレータを3枚
以上有する構成としてもよい。電極を増やすことで、二次電池250の容量をより向上さ
せることができる。また電極を2枚、セパレータを1枚有する構成としてもよい。電極が
少ない場合、より湾曲に強い二次電池とすることができる。また、図21では、二次電池
250が第1の電極組立体230を3組、第2の電極組立体231を2組有する構成を示
したが、本発明の一態様はこれに限らない。さらに多くの電極組立体を有する構成として
もよい。電極組立体を増やすことで、二次電池250の容量をより向上させることができ
る。また、より少ない電極組立体を有する構成としてもよい。電極組立体が少ない場合、
より湾曲に強い二次電池とすることができる。
【0331】
また、図23に、図20(B)における一点鎖線C3-C4間の断面図の別の例を示す。
図23に示すように、セパレータ203を蛇腹状に折りたたむことで、第1の電極組立体
230と第2の電極組立体231の間にセパレータ203を配置してもよい。
【0332】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0333】
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様の電子機器に用いることができる発光装置について図
面を用いて説明する。本実施の形態では、主に有機EL素子を用いた発光装置を例示する
が、本発明の一態様はこれに限られない。
【0334】
<構成例1>
図24(A)に発光装置の平面図を示し、図24(A)における一点鎖線D1-D2間の
断面図の一例を図24(B)に示す。構成例1で示す発光装置は、カラーフィルタ方式を
用いたトップエミッション型の発光装置である。本実施の形態において、発光装置は、例
えば、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色の副画素で1つの色を表現する構成、R、G
、B、W(白)の4色の副画素で1つの色を表現する構成、又はR、G、B、Y(黄)の
4色の副画素で1つの色を表現する構成等が適用できる。色要素としては特に限定はなく
、RGBWY以外の色を用いてもよく、例えば、シアン又はマゼンタ等を用いてもよい。
【0335】
図24(A)に示す発光装置は、発光部804、駆動回路部806、FPC808を有す
る。
【0336】
図24(B)に示す発光装置は、可撓性基板701、接着層703、絶縁層705、複数
のトランジスタ、導電層857、絶縁層815、絶縁層817、複数の発光素子、絶縁層
821、接着層822、着色層845、遮光層847、絶縁層715、接着層713、並
びに可撓性基板711を有する。接着層822、絶縁層715、接着層713、及び可撓
性基板711は可視光を透過する。発光部804及び駆動回路部806に含まれる発光素
子及びトランジスタは可撓性基板701、可撓性基板711、及び接着層822によって
封止されている。
【0337】
発光部804は、接着層703、及び絶縁層705を介して可撓性基板701上にトラン
ジスタ820及び発光素子830を有する。発光素子830は、絶縁層817上の下部電
極831と、下部電極831上のEL層833と、EL層833上の上部電極835と、
を有する。下部電極831は、トランジスタ820のソース電極又はドレイン電極と電気
的に接続する。下部電極831の端部は、絶縁層821で覆われている。下部電極831
は可視光を反射することが好ましい。上部電極835は可視光を透過する。
【0338】
また、発光部804は、発光素子830と重なる着色層845と、絶縁層821と重なる
遮光層847と、を有する。発光素子830と着色層845の間は接着層822で充填さ
れている。
【0339】
絶縁層815は、トランジスタを構成する半導体への不純物の拡散を抑制する効果を奏す
る。また、絶縁層817は、トランジスタ起因の表面凹凸を低減するために平坦化機能を
有する絶縁層を選択することが好適である。絶縁層817として有機材料を用いる場合、
発光装置の端部に露出した絶縁層817を通ってトランジスタ又は発光素子830等に発
光装置の外部から水分等の不純物が侵入する恐れがある。不純物の侵入により、トランジ
スタ又は発光素子830が劣化すると、発光装置の劣化につながる。そのため、図24
B)等に示すように、絶縁層817に無機膜(ここでは絶縁層815)に達する開口を設
け、発光装置の外部から水分等の不純物が侵入しても、トランジスタ又は発光素子830
に到達しにくい構造とすることが好ましい。なお、絶縁層817を、発光装置の端部に位
置しないように形成してもよい。
【0340】
駆動回路部806は、接着層703及び絶縁層705を介して可撓性基板701上にトラ
ンジスタを複数有する。図24(B)では、駆動回路部806が有するトランジスタのう
ち、1つのトランジスタを示している。
【0341】
絶縁層705と可撓性基板701は接着層703によって貼り合わされている。また、絶
縁層715と可撓性基板711は接着層713によって貼り合わされている。絶縁層70
5及び絶縁層715のうち、少なくとも一方に防湿性の高い膜を用いると、発光素子83
0又はトランジスタ820に水等の不純物が侵入することを抑制でき、発光装置の信頼性
が高くなるため好ましい。
【0342】
導電層857は、駆動回路部806に外部からの信号又は電位を伝達する外部入力端子と
電気的に接続する。ここでは、外部入力端子としてFPC808を設ける例を示している
。工程数の増加を防ぐため、導電層857は、発光部又は駆動回路部に用いる電極又は配
線と同一の材料、同一の工程で作製することが好ましい。ここでは、導電層857を、ト
ランジスタ820を構成する電極と同一の材料、同一の工程で作製した例を示す。
【0343】
図24(B)に示す発光装置では、FPC808が可撓性基板711上に位置する。接続
体825は、可撓性基板711、接着層713、絶縁層715、接着層822、絶縁層8
17、及び絶縁層815に設けられた開口を介して導電層857と接続している。また、
接続体825はFPC808に接続している。接続体825を介してFPC808と導電
層857は電気的に接続する。導電層857と可撓性基板711とが重なる場合には、可
撓性基板711を開口する(又は開口部を有する基板を用いる)ことで、導電層857、
接続体825、及びFPC808を電気的に接続させることができる。
【0344】
図24(A)、(B)に示す発光装置の変形例を示す。図25(A)に発光装置の平面図
を示し、図25(A)における一点鎖線D3-D4間の断面図の一例を図25(B)に示
す。また、図25(A)における一点鎖線D5-D6間の断面図の一例を図26(A)に
示す。
【0345】
図25(A)、(B)に示す発光装置は、可撓性基板701と可撓性基板711の大きさ
が異なる場合の例である。FPC808が絶縁層715上に位置し、可撓性基板711と
重ならない。接続体825は、絶縁層715、接着層822、絶縁層817、及び絶縁層
815に設けられた開口を介して導電層857と接続している。可撓性基板711に開口
を設ける必要がないため、可撓性基板711の材料が制限されない。
【0346】
なお、ガスバリア性又は防湿性が低い有機樹脂を用いて形成する絶縁層は、発光装置の端
部に露出させないことが好ましい。このような構成とすることで、発光装置の側面から不
純物が侵入することを抑制できる。例えば、図25(B)、図26(A)に示すように、
発光装置の端部に、絶縁層817を設けない構成としてもよい。
【0347】
また、発光部804の変形例を図26(B)に示す。
【0348】
図26(B)に示す発光装置は、絶縁層817a及び絶縁層817bを有し、絶縁層81
7a上に導電層856を有する。トランジスタ820のソース電極又はドレイン電極と、
発光素子830の下部電極と、が、導電層856を介して、電気的に接続される。
【0349】
図26(B)に示す発光装置は、絶縁層821上にスペーサ823を有する。スペーサ8
23を設けることで、可撓性基板701と可撓性基板711の間隔を調整することができ
る。
【0350】
図26(B)に示す発光装置は、着色層845及び遮光層847を覆うオーバーコート8
49を有する。発光素子830とオーバーコート849の間は接着層822で充填されて
いる。
【0351】
また、発光素子830の変形例を図26(C)に示す。
【0352】
なお、図26(C)に示すように、発光素子830は、下部電極831とEL層833の
間に、光学調整層832を有していてもよい。光学調整層832には、透光性を有する導
電性材料を用いることが好ましい。カラーフィルタ(着色層)とマイクロキャビティ構造
(光学調整層)との組み合わせにより、本発明の一態様の発光装置からは、色純度の高い
光を取り出すことができる。光学調整層の厚さは、各副画素の発光色に応じて変化させる
【0353】
<構成例2>
図26(D)に示す発光装置は、可撓性基板701、接着層703、絶縁層705、導電
層814、導電層857a、導電層857b、発光素子830、絶縁層821、接着層7
13、及び可撓性基板711を有する。
【0354】
導電層857a及び導電層857bは、発光装置の外部接続電極であり、FPC等と電気
的に接続させることができる。
【0355】
発光素子830は、下部電極831、EL層833、及び上部電極835を有する。下部
電極831の端部は、絶縁層821で覆われている。発光素子830はボトムエミッショ
ン型、トップエミッション型、又はデュアルエミッション型である。光を取り出す側の電
極、基板、絶縁層等は、それぞれ可視光を透過する。導電層814は、下部電極831と
電気的に接続する。
【0356】
光を取り出す側の基板は、光取り出し構造として、半球レンズ、マイクロレンズアレイ、
凹凸構造が施されたフィルム、光拡散フィルム等を有していてもよい。例えば、樹脂基板
上に上記レンズ又はフィルムを、該基板又は該レンズもしくはフィルムと同程度の屈折率
を有する接着剤等を用いて接着することで、光取り出し構造を有する基板を形成すること
ができる。
【0357】
導電層814は必ずしも設ける必要は無いが、下部電極831の抵抗に起因する電圧降下
を抑制できるため、設けることが好ましい。また、同様の目的で、上部電極835と電気
的に接続する導電層を絶縁層821上、EL層833上、又は上部電極835上などに設
けてもよい。
【0358】
導電層814は、銅、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、クロム、ネオジム
、スカンジウム、ニッケル、アルミニウムから選ばれた材料又はこれらを主成分とする合
金材料等を用いて、単層で又は積層して形成することができる。導電層814の厚さは、
例えば、0.1μm以上3μm以下とすることができ、好ましくは、0.1μm以上0.
5μm以下である。
【0359】
<構成例3>
図25(A)に発光装置の平面図を示し、図25(A)における一点鎖線D3-D4間の
断面図の一例を図27(A)に示す。構成例3で示す発光装置は、カラーフィルタ方式を
用いたボトムエミッション型の発光装置である。
【0360】
図27(A)に示す発光装置は、可撓性基板701、接着層703、絶縁層705、複数
のトランジスタ、導電層857、絶縁層815、着色層845、絶縁層817a、絶縁層
817b、導電層856、複数の発光素子、絶縁層821、接着層713、及び可撓性基
板711を有する。可撓性基板701、接着層703、絶縁層705、絶縁層815、絶
縁層817a、及び絶縁層817bは可視光を透過する。
【0361】
発光部804は、接着層703、及び絶縁層705を介して可撓性基板701上にトラン
ジスタ820、トランジスタ824、及び発光素子830を有する。発光素子830は、
絶縁層817b上の下部電極831と、下部電極831上のEL層833と、EL層83
3上の上部電極835と、を有する。下部電極831は、トランジスタ820のソース電
極又はドレイン電極と電気的に接続する。下部電極831の端部は、絶縁層821で覆わ
れている。上部電極835は可視光を反射することが好ましい。下部電極831は可視光
を透過する。発光素子830と重なる着色層845を設ける位置は、特に限定されず、例
えば、絶縁層817aと絶縁層817bの間、又は絶縁層815と絶縁層817aの間等
に設けることができる。
【0362】
駆動回路部806は、接着層703及び絶縁層705を介して可撓性基板701上にトラ
ンジスタを複数有する。図27(A)では、駆動回路部806が有するトランジスタのう
ち、2つのトランジスタを示している。
【0363】
絶縁層705と可撓性基板701は接着層703によって貼り合わされている。絶縁層7
05に防湿性の高い膜を用いると、発光素子830、トランジスタ820、又はトランジ
スタ824に水等の不純物が侵入することを抑制でき、発光装置の信頼性が高くなるため
好ましい。
【0364】
導電層857は、駆動回路部806に外部からの信号又は電位を伝達する外部入力端子と
電気的に接続する。ここでは、外部入力端子としてFPC808を設ける例を示している
。また、ここでは、導電層857を、導電層856と同一の材料、同一の工程で作製した
例を示す。
【0365】
<構成例4>
図25(A)に発光装置の平面図を示し、図25(A)における一点鎖線D3-D4間の
断面図の一例を図27(B)に示す。構成例4で示す発光装置は、塗り分け方式を用いた
トップエミッション型の発光装置である。
【0366】
図27(B)に示す発光装置は、可撓性基板701、接着層703、絶縁層705、複数
のトランジスタ、導電層857、絶縁層815、絶縁層817、複数の発光素子、絶縁層
821、スペーサ823、接着層713、及び可撓性基板711を有する。接着層713
及び可撓性基板711は可視光を透過する。
【0367】
図27(B)に示す発光装置では、接続体825が絶縁層815上に位置する。接続体8
25は、絶縁層815に設けられた開口を介して導電層857と接続している。また、接
続体825はFPC808に接続している。接続体825を介してFPC808と導電層
857は電気的に接続する。
【0368】
<材料の一例>
次に、発光装置に用いることができる材料等を説明する。なお、本明細書中で先に説明し
た構成については説明を省略する場合がある。
【0369】
基板には、ガラス、石英、有機樹脂、金属、合金、半導体などの材料を用いることができ
る。発光素子からの光を取り出す側の基板は、該光を透過する材料を用いる。
【0370】
特に、可撓性基板を用いることが好ましい。例えば、有機樹脂、又は可撓性を有する程度
の厚さのガラス、金属、もしくは合金を用いることができる。例えば、可撓性基板の厚さ
は、1μm以上200μm以下が好ましく、1μm以上100μm以下がより好ましく、
10μm以上50μm以下がさらに好ましく、10μm以上25μm以下がさらに好まし
い。
【0371】
ガラスに比べて有機樹脂は比重が小さいため、可撓性基板として有機樹脂を用いると、ガ
ラスを用いる場合に比べて発光装置を軽量化でき、好ましい。
【0372】
基板には、靱性が高い材料を用いることが好ましい。これにより、耐衝撃性に優れ、破損
しにくい発光装置を実現できる。例えば、有機樹脂基板、又は厚さの薄い金属基板もしく
は合金基板を用いることで、ガラス基板を用いる場合に比べて、軽量であり、破損しにく
い発光装置を実現できる。
【0373】
金属材料及び合金材料は熱伝導性が高く、基板全体に熱を容易に伝導できるため、発光装
置の局所的な温度上昇を抑制することができ、好ましい。金属材料又は合金材料を用いた
基板の厚さは、10μm以上200μm以下が好ましく、20μm以上50μm以下であ
ることがより好ましい。
【0374】
金属基板又は合金基板を構成する材料としては、特に限定はないが、例えば、アルミニウ
ム、銅、ニッケル、又は、アルミニウム合金もしくはステンレス等の金属の合金などを好
適に用いることができる。半導体基板を構成する材料としては、シリコン等が挙げられる
【0375】
また、基板に、熱放射率が高い材料を用いると発光装置の表面温度が高くなることを抑制
でき、発光装置の破壊又は信頼性の低下を抑制できる。例えば、基板を金属基板と熱放射
率の高い層(例えば、金属酸化物又はセラミック材料を用いることができる)の積層構造
としてもよい。
【0376】
可撓性及び透光性を有する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET
)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル
樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂
、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン、アラミド等)、シ
クロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂等が挙げられる。特に、線膨張係数の低い
材料を用いることが好ましく、例えば、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリア
ミド樹脂、PET等を好適に用いることができる。また、繊維体に樹脂を含浸した基板(
プリプレグともいう)、又は無機フィラーを有機樹脂に混ぜて線膨張係数を下げた基板を
使用することもできる。
【0377】
可撓性基板としては、上記材料を用いた層が、装置の表面を傷などから保護するハードコ
ート層(例えば、窒化シリコン層など)、又は押圧を分散可能な材質の層(例えば、アラ
ミド樹脂層など)等と積層されて構成されていてもよい。
【0378】
可撓性基板は、複数の層を積層して用いることもできる。特に、ガラス層を有する構成と
すると、水又は酸素に対するバリア性を向上させ、信頼性の高い発光装置とすることがで
きる。
【0379】
例えば、発光素子に近い側からガラス層、接着層、及び有機樹脂層を積層した可撓性基板
を用いることができる。当該ガラス層の厚さとしては20μm以上200μm以下、好ま
しくは25μm以上100μm以下とする。このような厚さのガラス層は、水又は酸素に
対する高いバリア性と可撓性を同時に実現できる。また、有機樹脂層の厚さとしては、1
0μm以上200μm以下、好ましくは20μm以上50μm以下とする。このような有
機樹脂層を設けることにより、ガラス層の割れ又はクラックを抑制し、機械的強度を向上
させることができる。このようなガラス材料と有機樹脂の複合材料を基板に適用すること
により、極めて信頼性が高いフレキシブルな発光装置とすることができる。
【0380】
接着層には、紫外線硬化型等の光硬化型接着剤、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、嫌
気型接着剤などの各種硬化型接着剤を用いることができる。また、接着シート等を用いて
もよい。
【0381】
また、接着層には乾燥剤を含んでいてもよい。例えば、アルカリ土類金属の酸化物(酸化
カルシウム又は酸化バリウム等)のように、化学吸着によって水分を吸着する物質を用い
ることができる。または、ゼオライト又はシリカゲル等のように、物理吸着によって水分
を吸着する物質を用いてもよい。乾燥剤が含まれていると、水分などの不純物が機能素子
に侵入することを抑制でき、発光装置の信頼性が向上するため好ましい。
【0382】
また、接着層に屈折率の高いフィラー又は光散乱部材を含ませることで、発光素子からの
光取り出し効率を向上させることができる。例えば、酸化チタン、酸化バリウム、ゼオラ
イト、ジルコニウム等を用いることができる。
【0383】
絶縁層705及び絶縁層715としては、それぞれ、防湿性の高い絶縁膜を用いることが
好ましい。または、絶縁層705及び絶縁層715は、それぞれ、不純物の発光素子への
拡散を防ぐ機能を有していることが好ましい。
【0384】
防湿性の高い絶縁膜としては、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜等の窒素と珪素を含
む膜、及び窒化アルミニウム膜等の窒素とアルミニウムを含む膜等が挙げられる。また、
酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜等を用いてもよい。
【0385】
例えば、防湿性の高い絶縁膜の水蒸気透過量は、1×10-5[g/(m・day)]
以下、好ましくは1×10-6[g/(m・day)]以下、より好ましくは1×10
-7[g/(m・day)]以下、さらに好ましくは1×10-8[g/(m・da
y)]以下とする。
【0386】
発光装置において、絶縁層705又は絶縁層715の少なくとも一方は、発光素子の発光
を透過する必要がある。絶縁層705又は絶縁層715のうち、発光素子の発光を透過す
る側の絶縁層は、他方の絶縁層よりも、波長400nm以上800nm以下における光の
透過率の平均が高いことが好ましい。
【0387】
発光装置が有するトランジスタの構造は特に限定されない。例えば、スタガ型のトランジ
スタとしてもよいし、逆スタガ型のトランジスタとしてもよい。また、トップゲート型又
はボトムゲート型のいずれのトランジスタ構造としてもよい。トランジスタに用いる半導
体材料は特に限定されず、例えば、シリコン、ゲルマニウム、有機半導体等が挙げられる
。または、In-Ga-Zn系金属酸化物などの、インジウム、ガリウム、亜鉛のうち少
なくとも一つを含む酸化物半導体を用いてもよい。
【0388】
トランジスタに用いる半導体材料の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体、結
晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶半導体、単結晶半導体、又は一部に結晶領域
を有する半導体)のいずれを用いてもよい。結晶性を有する半導体を用いると、トランジ
スタ特性の劣化を抑制できるため好ましい。
【0389】
本発明の一態様では、トランジスタに用いる半導体材料として、CAAC-OS(C A
xis Aligned Crystalline Oxide Semiconduc
tor)を用いることが好ましい。CAAC-OSは非晶質とは異なり、欠陥準位が少な
く、トランジスタの信頼性を高めることができる。また、CAAC-OSは結晶粒界が確
認されないという特徴を有するため、大面積に安定で均一な膜を形成することが可能で、
また可撓性を有する発光装置を湾曲させたときの応力によってCAAC-OS膜にクラッ
クが生じにくい。
【0390】
CAAC-OSは、膜面に対して、結晶のc軸が概略垂直配向した結晶性酸化物半導体の
ことである。酸化物半導体の結晶構造としては他にナノスケールの微結晶集合体であるn
ano-crystal(nc)など、単結晶とは異なる多彩な構造が存在することが確
認されている。CAAC-OSは、単結晶よりも結晶性が低く、ncに比べて結晶性が高
い。
【0391】
トランジスタの特性安定化等のため、下地膜を設けることが好ましい。下地膜としては、
酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜などの無機
絶縁膜を用い、単層で又は積層して作製することができる。下地膜はスパッタリング法、
CVD(Chemical Vapor Deposition)法(プラズマCVD法
、熱CVD法、MOCVD(Metal Organic CVD)法など)、ALD(
Atomic Layer Deposition)法、塗布法、印刷法等を用いて形成
できる。なお、下地膜は、必要で無ければ設けなくてもよい。上記各構成例では、絶縁層
705がトランジスタの下地膜を兼ねることができる。
【0392】
発光素子としては、自発光が可能な素子を用いることができ、電流又は電圧によって輝度
が制御される素子をその範疇に含んでいる。例えば、発光ダイオード(LED)、有機E
L素子、無機EL素子等を用いることができる。
【0393】
発光素子は、トップエミッション型、ボトムエミッション型、デュアルエミッション型の
いずれであってもよい。光を取り出す側の電極には、可視光を透過する導電膜を用いる。
また、光を取り出さない側の電極には、可視光を反射する導電膜を用いることが好ましい
【0394】
可視光を透過する導電膜は、例えば、酸化インジウム、インジウム錫酸化物(ITO:I
ndium Tin Oxide)、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛(ZnO)、ガリ
ウムを添加した酸化亜鉛などを用いて形成することができる。また、金、銀、白金、マグ
ネシウム、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウ
ム、もしくはチタン等の金属材料、これら金属材料を含む合金、又はこれら金属材料の窒
化物(例えば、窒化チタン)等も、透光性を有する程度に薄く形成することで用いること
ができる。また、上記材料の積層膜を導電膜として用いることができる。例えば、銀とマ
グネシウムの合金とITOの積層膜などを用いると、導電性を高めることができるため好
ましい。また、グラフェン等を用いてもよい。
【0395】
可視光を反射する導電膜は、例えば、アルミニウム、金、白金、銀、ニッケル、タングス
テン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、もしくはパラジウム等の金属材料、又は
これら金属材料を含む合金を用いることができる。また、上記金属材料又は合金に、ラン
タン、ネオジム、又はゲルマニウム等が添加されていてもよい。また、アルミニウムとチ
タンの合金、アルミニウムとニッケルの合金、アルミニウムとネオジムの合金、アルミニ
ウム、ニッケル、及びランタンの合金(Al-Ni-La)等のアルミニウムを含む合金
(アルミニウム合金)、銀と銅の合金、銀とパラジウムと銅の合金(Ag-Pd-Cu、
APCとも記す)、銀とマグネシウムの合金等の銀を含む合金を用いて形成することがで
きる。銀と銅を含む合金は、耐熱性が高いため好ましい。さらに、アルミニウム合金膜に
接する金属膜又は金属酸化物膜を積層することで、アルミニウム合金膜の酸化を抑制する
ことができる。該金属膜、金属酸化物膜の材料としては、チタン、酸化チタンなどが挙げ
られる。また、上記可視光を透過する導電膜と金属材料からなる膜とを積層してもよい。
例えば、銀とITOの積層膜、銀とマグネシウムの合金とITOの積層膜などを用いるこ
とができる。
【0396】
電極は、それぞれ、蒸着法又はスパッタリング法を用いて形成することができる。そのほ
か、インクジェット法などの吐出法、スクリーン印刷法などの印刷法、又はメッキ法を用
いて形成することができる。
【0397】
下部電極831及び上部電極835の間に、発光素子の閾値電圧より高い電圧を印加する
と、EL層833に陽極側から正孔が注入され、陰極側から電子が注入される。注入され
た電子と正孔はEL層833において再結合し、EL層833に含まれる発光物質が発光
する。
【0398】
EL層833は少なくとも発光層を有する。EL層833は、発光層以外の層として、正
孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、正孔ブロック材料、電子輸送性の高い物質
、電子注入性の高い物質、又はバイポーラ性の物質(電子輸送性及び正孔輸送性が高い物
質)等を含む層をさらに有していてもよい。
【0399】
EL層833には低分子系化合物及び高分子系化合物のいずれを用いることもでき、無機
化合物を含んでいてもよい。EL層833を構成する層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着
法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができ
る。
【0400】
発光素子830は、2種類以上の発光物質を含んでいてもよい。これにより、例えば、白
色発光の発光素子を実現することができる。例えば2種類以上の発光物質の各々の発光が
補色の関係となるように、発光物質を選択することにより白色発光を得ることができる。
例えば、R(赤)、G(緑)、B(青)、Y(黄)、又はO(橙)等の発光を示す発光物
質、又はR、G、Bのうち2以上の色のスペクトル成分を含む発光を示す発光物質を用い
ることができる。例えば、青の発光を示す発光物質と、黄の発光を示す発光物質を用いて
もよい。このとき、黄の発光を示す発光物質の発光スペクトルは、緑及び赤のスペクトル
成分を含むことが好ましい。また、発光素子830の発光スペクトルは、可視領域の波長
(例えば350nm以上750nm以下、又は400nm以上800nm以下など)の範
囲内に2以上のピークを有することが好ましい。
【0401】
EL層833は、複数の発光層を有していてもよい。EL層833において、複数の発光
層は、互いに接して積層されていてもよいし、分離層を介して積層されていてもよい。例
えば、蛍光発光層と、燐光発光層との間に、分離層を設けてもよい。
【0402】
分離層は、例えば、燐光発光層中で生成する燐光材料の励起状態から蛍光発光層中の蛍光
材料へのデクスター機構によるエネルギー移動(特に三重項エネルギー移動)を防ぐため
に設けることができる。分離層は数nm程度の厚さがあればよい。具体的には、0.1n
m以上20nm以下、あるいは1nm以上10nm以下、あるいは1nm以上5nm以下
である。分離層は、単一の材料(好ましくはバイポーラ性の物質)、又は複数の材料(好
ましくは正孔輸送性材料及び電子輸送性材料)を含む。
【0403】
分離層は、該分離層と接する発光層に含まれる材料を用いて形成してもよい。これにより
、発光素子の作製が容易になり、また、駆動電圧が低減される。例えば、燐光発光層が、
ホスト材料、アシスト材料、及び燐光材料(ゲスト材料)からなる場合、分離層を、該ホ
スト材料及びアシスト材料で形成してもよい。上記構成を別言すると、分離層は、燐光材
料を含まない領域を有し、燐光発光層は、燐光材料を含む領域を有する。これにより、分
離層と燐光発光層とを燐光材料の有無で蒸着することが可能となる。また、このような構
成とすることで、分離層と燐光発光層を同じチャンバーで成膜することが可能となる。こ
れにより、製造コストを削減することができる。
【0404】
また、発光素子830は、EL層を1つ有するシングル素子であってもよいし、電荷発生
層を介して積層されたEL層を複数有するタンデム素子であってもよい。
【0405】
発光素子は、一対の防湿性の高い絶縁膜の間に設けられていることが好ましい。これによ
り、発光素子に水等の不純物が侵入することを抑制でき、発光装置の信頼性の低下を抑制
できる。具体的には、上記のように、絶縁層705及び絶縁層715として、防湿性の高
い絶縁膜を用いると、発光素子が一対の防湿性の高い絶縁膜の間に位置し、発光装置の信
頼性の低下を抑制できる。
【0406】
絶縁層815としては、例えば、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウ
ム膜などの無機絶縁膜を用いることができる。また、絶縁層817、絶縁層817a、及
び絶縁層817bとしては、例えば、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドア
ミド、ベンゾシクロブテン系樹脂等の有機材料をそれぞれ用いることができる。また、低
誘電率材料(low-k材料)等を用いることができる。また、絶縁膜を複数積層させる
ことで、各絶縁層を形成してもよい。
【0407】
絶縁層821としては、有機絶縁材料又は無機絶縁材料を用いて形成する。樹脂としては
、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、シロキサン樹脂、エポキシ
樹脂、又はフェノール樹脂等を用いることができる。特に感光性の樹脂材料を用い、下部
電極831上に開口部を形成し、その開口部の側壁が曲率を持って形成される傾斜面とな
るように形成することが好ましい。
【0408】
絶縁層821の形成方法は、特に限定されない。例えば、フォトリソグラフィ法、スパッ
タ法、蒸着法、液滴吐出法(インクジェット法等)、印刷法(スクリーン印刷、オフセッ
ト印刷等)等を用いることができる。
【0409】
スペーサ823は、無機絶縁材料、有機絶縁材料、金属材料等を用いて形成することがで
きる。例えば、無機絶縁材料又は有機絶縁材料としては、上記絶縁層に用いることができ
る各種材料が挙げられる。金属材料としては、チタン、アルミニウムなどを用いることが
できる。導電材料を含むスペーサ823と上部電極835とを電気的に接続させる構成と
することで、上部電極835の抵抗に起因した電位降下を抑制できる。また、スペーサ8
23は、順テーパ形状であっても逆テーパ形状であってもよい。
【0410】
トランジスタの電極もしくは配線、又は発光素子の補助電極等として機能する、発光装置
に用いる導電層は、例えば、モリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、ア
ルミニウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料又はこれらの元素を含む合金材料
を用いて、単層で又は積層して形成することができる。また、導電層は、導電性の金属酸
化物を用いて形成してもよい。導電性の金属酸化物としては酸化インジウム(In
等)、酸化スズ(SnO等)、ZnO、ITO、インジウム亜鉛酸化物(In
ZnO等)又はこれらの金属酸化物材料に酸化シリコンを含ませたものを用いることがで
きる。
【0411】
着色層は特定の波長帯域の光を透過する有色層である。例えば、赤色、緑色、青色、又は
黄色の波長帯域の光を透過するカラーフィルタなどを用いることができる。各着色層は、
様々な材料を用いて、印刷法、インクジェット法、フォトリソグラフィ法を用いたエッチ
ング方法などでそれぞれ所望の位置に形成する。また、白色の副画素では、発光素子と重
ねて透明又は白色等の樹脂を配置してもよい。
【0412】
遮光層は、隣接する着色層の間に設けられている。遮光層は隣接する発光素子からの光を
遮光し、隣接する発光素子間における混色を抑制する。ここで、着色層の端部を、遮光層
と重なるように設けることにより、光漏れを抑制することができる。遮光層としては、発
光素子からの発光を遮る材料を用いることができ、例えば、金属材料又は顔料もしくは染
料を含む樹脂材料を用いてブラックマトリクスを形成することができる。なお、遮光層は
、駆動回路部などの発光部以外の領域に設けると、導波光などによる意図しない光漏れを
抑制できるため好ましい。
【0413】
また、着色層及び遮光層を覆うオーバーコートを設けてもよい。オーバーコートを設ける
ことで、着色層に含有された不純物等の発光素子への拡散を防止することができる。オー
バーコートは、発光素子からの発光を透過する材料から構成され、例えば窒化シリコン膜
、酸化シリコン膜等の無機絶縁膜、又はアクリル膜、ポリイミド膜等の有機絶縁膜を用い
ることができ、有機絶縁膜と無機絶縁膜との積層構造としてもよい。
【0414】
また、接着層の材料を着色層及び遮光層上に塗布する場合、オーバーコートの材料として
接着層の材料に対して濡れ性の高い材料を用いることが好ましい。例えば、オーバーコー
トとして、ITO膜などの酸化物導電膜、又は透光性を有する程度に薄いAg膜等の金属
膜を用いることが好ましい。
【0415】
オーバーコートの材料に、接着層の材料に対して濡れ性の高い材料を用いることで、接着
層の材料を均一に塗布することができる。これにより、一対の基板を貼り合わせた際に気
泡が混入することを抑制でき、表示不良を抑制できる。
【0416】
接続体としては、様々な異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Con
ductive Film)、又は異方性導電ペースト(ACP:Anisotropi
c Conductive Paste)などを用いることができる。
【0417】
上述の通り、本発明の一態様は、発光装置、表示装置、入出力装置等に適用することがで
きる。表示素子としては、例えば、EL素子(有機物及び無機物を含むEL素子、有機E
L素子、無機EL素子)、LED(白色LED、赤色LED、緑色LED、青色LEDな
ど)、液晶素子、電気泳動素子、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システ
ム)を用いた表示素子等が挙げられる。
【0418】
なお、本発明の一態様の発光装置は、表示装置として用いてもよいし、照明装置として用
いてもよい。例えば、バックライト又はフロントライトなどの光源、つまり、表示装置の
ための照明装置として活用してもよい。
【0419】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0420】
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様の電子機器に用いることができる入出力装置について
図面を用いて説明する。なお、入出力装置が有する構成要素のうち、実施の形態3で説明
した発光装置が有する構成要素と同様の構成要素については、先の記載も参照することが
できる。また、本実施の形態では、発光素子を用いたタッチパネルを例示するが、これに
限られない。
【0421】
<構成例1>
図28(A)は入出力装置の上面図である。図28(B)は図28(A)の一点鎖線A-
B間及び一点鎖線C-D間の断面図である。図28(C)は図28(A)の一点鎖線E-
F間の断面図である。
【0422】
図28(A)に示すタッチパネル390は、表示部301(入力部も兼ねる)、走査線駆
動回路303g(1)、撮像画素駆動回路303g(2)、画像信号線駆動回路303s
(1)、及び撮像信号線駆動回路303s(2)を有する。
【0423】
表示部301は、複数の画素302と、複数の撮像画素308と、を有する。
【0424】
画素302は、複数の副画素を有する。各副画素は、発光素子及び画素回路を有する。
【0425】
画素回路は、発光素子を駆動する電力を供給することができる。画素回路は、選択信号を
供給することができる配線と電気的に接続される。また、画素回路は、画像信号を供給す
ることができる配線と電気的に接続される。
【0426】
走査線駆動回路303g(1)は、選択信号を画素302に供給することができる。
【0427】
画像信号線駆動回路303s(1)は、画像信号を画素302に供給することができる。
【0428】
撮像画素308を用いてタッチセンサを構成することができる。具体的には、撮像画素3
08は、表示部301に触れる指等を検知することができる。
【0429】
撮像画素308は、光電変換素子及び撮像画素回路を有する。
【0430】
撮像画素回路は、光電変換素子を駆動することができる。撮像画素回路は、制御信号を供
給することができる配線と電気的に接続される。また、撮像画素回路は、電源電位を供給
することができる配線と電気的に接続される。
【0431】
制御信号としては、例えば、記録された撮像信号を読み出す撮像画素回路を選択すること
ができる信号、撮像画素回路を初期化することができる信号、及び撮像画素回路が光を検
知する時間を決定することができる信号などを挙げることができる。
【0432】
撮像画素駆動回路303g(2)は、制御信号を撮像画素308に供給することができる
【0433】
撮像信号線駆動回路303s(2)は、撮像信号を読み出すことができる。
【0434】
図28(B)、(C)に示すように、タッチパネル390は、可撓性基板701、接着層
703、絶縁層705、可撓性基板711、接着層713、及び絶縁層715を有する。
また、可撓性基板701及び可撓性基板711は、接着層360で貼り合わされている。
【0435】
可撓性基板701と絶縁層705は接着層703で貼り合わされている。また、可撓性基
板711と絶縁層715は接着層713で貼り合わされている。基板、接着層、及び絶縁
層に用いることができる材料については実施の形態3を参照することができる。
【0436】
画素302は、副画素302R、副画素302G、及び副画素302Bを有する(図28
(C))。また、副画素302Rは発光モジュール380Rを有し、副画素302Gは発
光モジュール380Gを有し、副画素302Bは発光モジュール380Bを有する。
【0437】
例えば副画素302Rは、発光素子350R及び画素回路を有する。画素回路は、発光素
子350Rに電力を供給することができるトランジスタ302tを含む。また、発光モジ
ュール380Rは、発光素子350R及び光学素子(例えば赤色の光を透過する着色層3
67R)を有する。
【0438】
発光素子350Rは、下部電極351R、EL層353、及び上部電極352をこの順で
積層して有する(図28(C))。
【0439】
EL層353は、第1のEL層353a、中間層354、及び第2のEL層353bをこ
の順で積層して有する。
【0440】
なお、特定の波長の光を効率よく取り出せるように、発光モジュール380Rにマイクロ
キャビティ構造を配設することができる。具体的には、特定の光を効率よく取り出せるよ
うに配置された可視光を反射する膜及び半反射・半透過する膜の間にEL層を配置しても
よい。
【0441】
例えば、発光モジュール380Rは、発光素子350Rと着色層367Rに接する接着層
360を有する。着色層367Rは発光素子350Rと重なる位置にある。これにより、
発光素子350Rが発する光の一部は、接着層360及び着色層367Rを透過して、図
中の矢印に示すように発光モジュール380Rの外部に射出される。
【0442】
タッチパネル390は、遮光層367BMを有する。遮光層367BMは、着色層(例え
ば着色層367R)を囲むように設けられている。
【0443】
タッチパネル390は、反射防止層367pを表示部301に重なる位置に有する。反射
防止層367pとして、例えば円偏光板を用いることができる。
【0444】
タッチパネル390は、絶縁層321を有する。絶縁層321はトランジスタ302t等
を覆っている。なお、絶縁層321は画素回路又は撮像画素回路に起因する凹凸を平坦化
するための層として用いることができる。また、不純物のトランジスタ302t等への拡
散を抑制することができる絶縁層で、トランジスタ302t等を覆うことが好ましい。
【0445】
タッチパネル390は、下部電極351Rの端部に重なる隔壁328を有する。また、可
撓性基板701と可撓性基板711の間隔を制御するスペーサ329を、隔壁328上に
有する。
【0446】
画像信号線駆動回路303s(1)は、トランジスタ303t及び容量303cを含む。
なお、駆動回路は画素回路と同一の工程で同一基板上に形成することができる。図28
B)に示すようにトランジスタ303tは絶縁層321上に第2のゲート304を有して
いてもよい。第2のゲート304はトランジスタ303tのゲートと電気的に接続されて
いてもよいし、これらに異なる電位が与えられていてもよい。また、必要であれば、第2
のゲート304をトランジスタ308t又はトランジスタ302t等にそれぞれ設けても
よい。
【0447】
撮像画素308は、光電変換素子308p及び撮像画素回路を有する。撮像画素回路は、
光電変換素子308pに照射された光を検知することができる。撮像画素回路は、トラン
ジスタ308tを含む。例えばpin型のフォトダイオードを光電変換素子308pに用
いることができる。
【0448】
タッチパネル390は、信号を供給することができる配線311を有し、端子319が配
線311に設けられている。画像信号及び同期信号等の信号を供給することができるFP
C309が端子319に電気的に接続されている。FPC309にはプリント配線基板(
PWB)が取り付けられていてもよい。
【0449】
なお、トランジスタ302t、トランジスタ303t、トランジスタ308t等のトラン
ジスタは、同一の工程で形成することができる。または、それぞれ異なる工程で形成して
もよい。
【0450】
<構成例2>
図29(A)、(B)は、タッチパネル525の斜視図である。なお明瞭化のため、代表
的な構成要素を示す。図30は、図29(A)に示す一点鎖線X1-X2間の断面図であ
る。
【0451】
図29(A)、(B)に示すように、タッチパネル525は、表示部521、走査線駆動
回路303g(1)、及びタッチセンサ595等を有する。また、タッチパネル525は
、可撓性基板701、可撓性基板711、及び可撓性基板590を有する。
【0452】
タッチパネル525は、複数の画素及び複数の配線311を有する。複数の配線311は
、画素に信号を供給することができる。複数の配線311は、可撓性基板701の外周部
にまで引き回され、その一部が端子319を構成している。端子319はFPC529(
1)と電気的に接続する。
【0453】
タッチパネル525は、タッチセンサ595及び複数の配線598を有する。複数の配線
598は、タッチセンサ595と電気的に接続される。複数の配線598は可撓性基板5
90の外周部に引き回され、その一部は端子を構成する。そして、当該端子はFPC52
9(2)と電気的に接続される。なお、図29(B)では明瞭化のため、可撓性基板59
0の裏面側(可撓性基板701と対向する面側)に設けられるタッチセンサ595の電極
及び配線等を実線で示している。
【0454】
タッチセンサ595には、例えば静電容量方式のタッチセンサを適用できる。静電容量方
式としては、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式等がある。ここでは、投影型静電
容量方式のタッチセンサを適用する場合を示す。
【0455】
投影型静電容量方式としては、自己容量方式、相互容量方式などがある。相互容量方式を
用いると同時多点検出が可能となるため好ましい。
【0456】
なお、タッチセンサ595には、指等の検知対象の近接又は接触を検知することができる
さまざまなセンサを適用することができる。
【0457】
投影型静電容量方式のタッチセンサ595は、電極591と電極592を有する。電極5
91は複数の配線598のいずれかと電気的に接続し、電極592は複数の配線598の
他のいずれかと電気的に接続する。
【0458】
電極592は、図29(A)、(B)に示すように、一方向に繰り返し配置された複数の
四辺形が角部で接続された形状を有する。
【0459】
電極591は四辺形であり、電極592が延在する方向と交差する方向に繰り返し配置さ
れている。なお、複数の電極591は、一の電極592と必ずしも直交する方向に配置さ
れる必要はなく、90度未満の角度をなすように配置されてもよい。
【0460】
配線594は電極592と交差して設けられている。配線594は、電極592の一つを
挟む二つの電極591を電気的に接続する。このとき、電極592と配線594の交差部
の面積ができるだけ小さくなる形状が好ましい。これにより、電極が設けられていない領
域の面積を低減でき、光の透過率のムラを低減できる。その結果、タッチセンサ595を
透過する光の輝度ムラを低減することができる。
【0461】
なお、電極591、電極592の形状はこれに限られず、様々な形状を取りうる。
【0462】
図30(A)に示すように、タッチパネル525は、可撓性基板701、接着層703、
絶縁層705、可撓性基板711、接着層713、及び絶縁層715を有する。また、可
撓性基板701及び可撓性基板711は、接着層360で貼り合わされている。
【0463】
接着層597は、タッチセンサ595が表示部521に重なるように、可撓性基板590
を可撓性基板711に貼り合わせている。接着層597は、透光性を有する。
【0464】
電極591及び電極592は、透光性を有する導電材料を用いて形成する。透光性を有す
る導電性材料としては、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、
酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などの導電性酸化物を用いることができる。なお
、グラフェンを含む膜を用いることもできる。グラフェンを含む膜は、例えば膜状に形成
された酸化グラフェンを含む膜を還元して形成することができる。還元する方法としては
、熱を加える方法等を挙げることができる。
【0465】
また、電極591、電極592、配線594などの導電膜、つまり、タッチパネルを構成
する配線又は電極に用いる材料として、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛等を有する透
明導電膜(例えば、ITOなど)が挙げられる。また、タッチパネルを構成する配線又は
電極に用いることのできる材料は、抵抗値が低いことが好ましい。一例として、銀、銅、
アルミニウム、カーボンナノチューブ、グラフェン、ハロゲン化金属(ハロゲン化銀など
)などを用いてもよい。さらに、非常に細くした(例えば、直径が数ナノメートル)、複
数の導電体を用いて構成される金属ナノワイヤを用いてもよい。または、導電体を網目状
にした金属メッシュを用いてもよい。一例としては、Agナノワイヤ、Cuナノワイヤ、
Alナノワイヤ、Agメッシュ、Cuメッシュ、Alメッシュなどを用いてもよい。例え
ば、タッチパネルを構成する配線又は電極にAgナノワイヤを用いる場合、可視光におい
て透過率を89%以上、シート抵抗値を40Ω/□以上100Ω/□以下とすることがで
きる。また、上述したタッチパネルを構成する配線又は電極に用いることのできる材料の
一例である、金属ナノワイヤ、金属メッシュ、カーボンナノチューブ、グラフェンなどは
、可視光において透過率が高いため、表示素子に用いる電極(例えば、画素電極または共
通電極など)として用いてもよい。
【0466】
透光性を有する導電性材料を可撓性基板590上にスパッタリング法により成膜した後、
フォトリソグラフィ法等の様々なパターニング技術により、不要な部分を除去して、電極
591及び電極592を形成することができる。
【0467】
電極591及び電極592は絶縁層593で覆われている。また、電極591に達する開
口が絶縁層593に設けられ、配線594が隣接する電極591を電気的に接続する。透
光性の導電性材料は、タッチパネルの開口率を高めることができるため、配線594に好
適に用いることができる。また、電極591及び電極592より導電性の高い材料は、電
気抵抗を低減できるため配線594に好適に用いることができる。
【0468】
なお、絶縁層593及び配線594を覆う絶縁層を設けて、タッチセンサ595を保護す
ることができる。
【0469】
また、接続層599は、配線598とFPC529(2)を電気的に接続する。
【0470】
表示部521は、マトリクス状に配置された複数の画素を有する。画素は、構成例1と同
様であるため、説明を省略する。
【0471】
なお、図30(B)に示すように、可撓性基板590を用いず、可撓性基板701及び可
撓性基板711の2枚の基板でタッチパネルを構成してもよい。可撓性基板711と絶縁
層715が接着層713で貼り合わされており、絶縁層715に接してタッチセンサ59
5が設けられている。タッチセンサ595を覆う絶縁層589に接して、着色層367R
及び遮光層367BMが設けられている。絶縁層589を設けず、着色層367R又は遮
光層367BMを配線594に接して設けてもよい。
【0472】
<構成例3>
図31は、タッチパネル525Bの断面図である。本実施の形態で説明するタッチパネル
525Bは、供給された画像情報をトランジスタが設けられている側に表示する点及びタ
ッチセンサが表示部の可撓性基板701側に設けられている点が、構成例2のタッチパネ
ル525とは異なる。ここでは異なる構成について詳細に説明し、同様の構成を用いるこ
とができる部分は、上記の説明を援用する。
【0473】
着色層367Rは発光素子350Rと重なる位置にある。また、図31(A)に示す発光
素子350Rは、トランジスタ302tが設けられている側に光を射出する。これにより
、発光素子350Rが発する光の一部は着色層367Rを透過して、図中に示す矢印の方
向の発光モジュール380Rの外部に射出される。
【0474】
タッチパネル525Bは、光を射出する方向に遮光層367BMを有する。遮光層367
BMは、着色層(例えば着色層367R)を囲むように設けられている。
【0475】
タッチセンサ595は、可撓性基板711側でなく、可撓性基板701側に設けられてい
る(図31(A))。
【0476】
接着層597は、タッチセンサ595が表示部に重なるように、可撓性基板590を可撓
性基板701に貼り合わせている。接着層597は、透光性を有する。
【0477】
なお、ボトムゲート型のトランジスタを表示部521に適用する場合の構成を、図31
A)、(B)に示す。
【0478】
例えば、酸化物半導体、アモルファスシリコン等を含む半導体層を、図31(A)に示す
トランジスタ302t及びトランジスタ303tに適用することができる。
【0479】
例えば、多結晶シリコン等を含む半導体層を、図31(B)に示すトランジスタ302t
及びトランジスタ303tに適用することができる。
【0480】
また、トップゲート型のトランジスタを適用する場合の構成を、図31(C)に示す。
【0481】
例えば、多結晶シリコン又は単結晶シリコン基板等から転置された単結晶シリコン膜等を
含む半導体層を、図31(C)に示すトランジスタ302t及びトランジスタ303tに
適用することができる。
【0482】
実施の形態1等で説明した通り、本発明の一態様の電子機器は、表示パネルと蓄電装置を
重ねて有する。図32(A)、(B)に、タッチパネルと薄型の二次電池を重ねた場合の
断面図の一例をそれぞれ示す。図32(A)に示すタッチパネルは、図30(A)に示し
たタッチパネル525と同様の構成であり、図32(A)に示す薄型の二次電池は、図1
4(A)に示した電池ユニット500と同様の構成である。図32(B)に示すタッチパ
ネルは、図30(B)に示したタッチパネル525と同様の構成であり、図32(B)に
示す薄型の二次電池は、図14(B)に示した電池ユニット500と同様の構成である。
【0483】
図32(A)、(B)では、タッチパネルが有する可撓性基板701と電池ユニットが有
する外装体509が接する例を示したが、本発明の一態様はこれに限られない。タッチパ
ネルと電池ユニットは接着剤等により、互いに固定されていてもよい。また、タッチパネ
ルと電池ユニットの間に、回路基板等を有していてもよい。
【0484】
図32(A)における、タッチパネルの副画素302Rと走査線駆動回路303g(1)
を含むタッチパネルと薄型の二次電池の積層構造の変形例を、図33(A)、(B)に示
す。
【0485】
図33(A)では、絶縁層705と外装体509が接着層703で貼り合わされている例
を示す。このように、本発明の一態様では、作製基板上で作製したトランジスタ及び発光
素子等を、二次電池上に転置してもよい。
【0486】
また、図33(B)では、可撓性基板701と絶縁層705が接着層703aで貼り合わ
され、可撓性基板701と外装体509が接着層703bで貼り合わされている例を示す
【0487】
図34に示すトランジスタ848はバックゲート電極を有するトップゲート型のトランジ
スタの一種である。図34(A)はトランジスタ848の上面図である。図34(B)は
図34(A)中の一点鎖線X1-X2間の断面図である。図34(C)は、図34(A
)中の一点鎖線Y1-Y2間の断面図である。
【0488】
トランジスタ848では、絶縁層772に設けた凸部上に半導体層742が形成されてい
る。絶縁層772に設けた凸部上に半導体層742を設けることによって、半導体層74
2の側面も電極743で覆うことができる。すなわち、トランジスタ848は、電極74
3の電界によって、半導体層742を電気的に取り囲むことができる構造を有している。
このように、導電膜の電界によって、チャネルが形成される半導体層を電気的に取り囲む
トランジスタの構造を、surrounded channel(s-channel)
構造とよぶ。また、s-channel構造を有するトランジスタを、「s-chann
el型トランジスタ」もしくは「s-channelトランジスタ」ともいう。
【0489】
s-channel構造では、半導体層742の全体(バルク)にチャネルを形成するこ
ともできる。s-channel構造では、トランジスタのドレイン電流を大きくするこ
とができ、さらに大きいオン電流を得ることができる。また、電極743の電界によって
、半導体層742に形成されるチャネル形成領域の全領域を空乏化することができる。し
たがって、s-channel構造では、トランジスタのオフ電流をさらに小さくするこ
とができる。
【0490】
電極723は絶縁表面を有する基板771上に設けられている。電極723はバックゲー
ト電極として機能することができる。
【0491】
絶縁層729上に設けられた電極744aは、絶縁層726、絶縁層728、及び絶縁層
729に設けられた開口747cにおいて、半導体層742と電気的に接続されている。
また、絶縁層729上に設けられた電極744bは、絶縁層726、絶縁層728、及び
絶縁層729に設けられた開口747dにおいて、半導体層742と電気的に接続されて
いる。
【0492】
絶縁層726上に設けられた電極743は、絶縁層726及び絶縁層772に設けられた
開口747a及び開口747bにおいて、電極723と電気的に接続されている。よって
、電極746と電極723には、同じ電位が供給される。また、開口747a及び開口7
47bは、どちらか一方を設けなくてもよい。また、開口747a及び開口747bの両
方を設けなくてもよい。開口747a及び開口747bの両方を設けない場合は、電極7
23と電極746に異なる電位を供給することができる。
【0493】
なお、s-channel構造を有するトランジスタに用いる半導体としては、酸化物半
導体、又は、多結晶シリコン、もしくは単結晶シリコン基板等から転置された単結晶シリ
コン等のシリコンなどが挙げられる。
【0494】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0495】
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様の電子機器について図35図40を用いて説明する
【0496】
本発明の一態様は、表示パネル、蓄電装置、回路、及び封止体を有する電子機器である。
表示パネルは、蓄電装置から供給される電力を用いて表示を行う機能を有する。回路は、
アンテナを有する。回路は、無線で蓄電装置を充電する機能を有する。封止体は、内部に
、表示パネル、蓄電装置、及び回路を有する。封止体の少なくとも一部は、可視光を透過
する機能を有する。本発明の一態様の電子機器では、封止体を腕に装着可能であってもよ
いし、封止体に接続された構造体を腕に装着可能であってもよい。
【0497】
封止体を用いることで、被封止体である表示パネル、蓄電装置、及び回路等を保護するこ
とができ、丈夫な電子機器を実現できる。また、防水性の高い封止体を用いることで、防
水性が高く、水中での使用が可能な電子機器を実現できる。
【0498】
本発明の一態様の電子機器の作製において、表示パネルと蓄電装置をまとめて封止体によ
って覆い、封止することができる。そのため、簡便に信頼性の高い電子機器を作製するこ
とができる。そして、封止体を、帯状など人体に装着しやすい形状とすることで、封止体
自体を人体に装着し、ウェアラブルデバイスとして利用することができる。
【0499】
本発明の一態様の電子機器は、非接触電力伝送を用いて、蓄電装置を充電することができ
る。そのため、充電の際に、封止体から蓄電装置を取り出す必要がない。したがって、被
封止体全体を完全に封止体で覆うことができ、電子機器の防水性をより高めることができ
る。
【0500】
なお、本発明の一態様において、被封止体の構成要素の一種以上が可撓性を有していても
よい。例えば、表示パネルもしくは蓄電装置が可撓性を有していてもよいし、表示パネル
及び蓄電装置の双方が可撓性を有していてもよい。
【0501】
封止体は可撓性を有するため、表示パネル及び蓄電装置のうち少なくとも一方が可撓性を
有する場合に、これらの可撓性を損なうことなく、これらを保護することができる。この
ように、本発明の一態様を適用することで、信頼性及び安全性が高く、可撓性を有する電
子機器を実現することができる。電子機器が可撓性を有すると、電子機器の着脱が容易と
なる、使用者が快適な装着感を得られるなどの効果が得られ、好ましい。
【0502】
本実施の形態の電子機器では、被封止体全体が、可撓性を有する封止体によって覆われて
いる。被封止体を、可撓性を有する封止体で覆うことにより、屈曲と伸長が繰り返し行わ
れても破損しにくい電子機器を実現することができる。
【0503】
また、耐熱性の高い封止体を用いることで、高温下でも、表示パネルを駆動することがで
きる。また、高温下でも、電子機器を可逆的に曲げることができる。このとき、耐熱性の
高い表示パネル及び蓄電装置を用いると、さらに好ましい。
【0504】
本実施の形態では、表示パネルに、実施の形態6で詳述する表示装置を適用する場合を例
に挙げて説明する。なお、本実施の形態の電子機器には、適宜、実施の形態1で説明した
構成を適用することができる。
【0505】
本発明の一態様の表示装置は、周囲の明るさ、又は表示装置への外光の入射状況に応じて
、表示に用いる素子を切り替える(どの表示素子を用いて表示するか選択する)ことで、
使用者が、周囲の明るさによらず、表示装置の表示を十分に視認することができる。例え
ば、明るい環境下では、外光と反射型の液晶素子を用いて表示を行うことが好ましい。例
えば、薄暗い環境下では、有機EL素子等の発光素子を用いて表示を行うことが好ましい
。表示装置は、一度に複数の種類の表示素子を用いて表示を行ってもよい。
【0506】
本発明の一態様の電子機器は、電子機器が使用される環境の明るさを検知するセンサを有
することが好ましい。例えば、フォトダイオード、又はイメージセンサを有することが好
ましい。電子機器では、センサが検知した明るさによって、表示に用いる素子が自動で切
り替わることが好ましい。使用環境の明るさによって、自動で表示装置の表示状態を変え
られると、電子機器の使用者にとっての利便性を高めることができる。
【0507】
本発明の一態様の電子機器は、電子機器の使用者が、表示に用いる素子を手動で切り替え
られることが好ましい。
【0508】
次に、本実施の形態の電子機器を具体的に説明する。
【0509】
図35(A)に、電子機器101の斜視図を示す。また、図35(B)に、電子機器10
1の上面図を示し、図35(B)における一点鎖線A-B間の断面図を図35(C)に示
し、一点鎖線C-D間の断面図を図35(F)に示す。
【0510】
電子機器101は、表示パネル10、蓄電装置20、回路30、及び封止体40を有する
図35(A)等では、表示パネル10の表示を使用者が視認できる部分を、電子機器1
01の表示部15として記す。
【0511】
<表示部15>
電子機器101は、表示部15を有する。図35(A)、(C)、(F)等において、表
示部15は、平面である。図35(C)等では、電子機器101において、矢印が出てい
る側が表示面側となる。
【0512】
表示部15は可撓性を有していてもよい。つまり、表示部15を変形させて、表示部15
の曲率を図35(A)に示す状態から変えることができてもよい。また、表示部15は、
平面である状態又は曲面を有する状態から、変形できなくてもよい。
【0513】
表示パネルの可撓性が、封止体の可撓性に比べて低い場合、本発明の一態様の電子機器を
腕などに装着する際に、表示部15の曲率半径はほとんど変化せず、該電子機器の端部が
撓む形状とすることが好ましい。
【0514】
<封止体40>
電子機器101は、封止体40を有する。図35(A)において、封止体40は、曲面を
有する。図35(A)に示すような曲面を有する状態から、図35(B)に示すような平
坦な状態に、封止体40を変形できる。電子機器101に用いることができる封止体40
の詳細は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0515】
電子機器101では、表示パネル10、蓄電装置20、及び回路30が積層されている。
これらの積層順は、表示パネル10の表示を使用者が視認できれば、特に限定されない。
また、これらは積層されていなくてもよく、同一平面上に、表示パネル10、蓄電装置2
0、及び回路30のいずれか2以上が配置されていてもよい。
【0516】
例えば、図35(F)等に示すように、電子機器101は、蓄電装置20上に回路30を
有し、回路30上に表示パネル10を有していてもよい。封止体40を腕に装着した際、
腕に近い方から、蓄電装置20、回路30、及び表示パネル10が順に積層された構成で
あると、表示パネル10における表示を使用者が視認できる。または、腕に近い方から、
回路30、蓄電装置20、及び表示パネル10が順に積層された構成としてもよい。
【0517】
封止体40によって封止された空間は、減圧雰囲気又は不活性雰囲気であることが好まし
い。これらの雰囲気とすることで、該空間が大気雰囲気である場合に比べて、表示パネル
10等の信頼性を高めることができる。
【0518】
図35(D)、(E)は、それぞれ、図35(C)とは異なる、図35(B)における一
点鎖線A-B間の断面図である。また、図35(G)は、図35(F)とは異なる、図3
5(B)における一点鎖線C-D間の断面図である。
【0519】
図35(C)、(F)では、電子機器101の表(表示面)側の封止体40が、被封止体
の側面を覆い、電子機器101の裏側の面が平坦な例を示すが、これに限定されない。図
35(D)、(G)に示すように、電子機器101の表(表示面)側の封止体40と裏側
の封止体40の双方が、被封止体の側面を覆い、電子機器101が、表裏ともに他の部分
(バンド部など)よりも突出した部分を有していてもよい。また、図35(E)に示すよ
うに、電子機器101の裏側の封止体40が、被封止体の側面を覆い、電子機器101の
表(表示面)側の面が平坦であってもよい。また、図35(C)に示すように、電子機器
101の表示部15を含む部分が他の部分(バンド部など)よりも突出していてもよい。
また、図35(E)に示すように、電子機器101の裏側に、他の部分(バンド部など)
よりも突出している部分を有していてもよい。
【0520】
図36図39に電子機器101とは異なる電子機器を示す。
【0521】
図36(A)に電子機器101aの斜視図を示す。また、図37(A)に、電子機器10
1aの上面図を示し、図37(A)における一点鎖線E-F間の断面図を図37(B)に
示し、一点鎖線G-H間の断面図を図37(F)に示す。また、図36(B)に、電子機
器101bの斜視図を示す。
【0522】
図36(A)、(B)では、表示部15が平面である例を示す。図36(A)は、蓄電装
置20及び回路30がそれぞれ可撓性を有し、曲面を有する例である。図36(B)は、
蓄電装置20が可撓性を有し、曲面を有する例である。図36(A)、(B)において、
表示パネル10の可撓性は問わない。図36(B)において、回路30の可撓性は問わな
い。
【0523】
電子機器101aは、表示部15を有する。また、電子機器101aは、封止体40を有
する。また、電子機器101aは、封止体40の内部に、表示パネル10、蓄電装置20
、及び回路30を有する。
【0524】
電子機器101aでは、表示パネル10が蓄電装置20と重なり、回路30が蓄電装置2
0と重なり、かつ、表示パネル10と回路30が重ならない。このように、封止体40の
バンドとして機能する部分にも、被封止体が位置していてもよい。例えば、可撓性を有す
る蓄電装置20を用いる場合は、封止体40の内部の広い領域に蓄電装置20を配置する
ことができ、1回の充電により長時間の使用が可能な電子機器を実現できる。
【0525】
実施の形態1で詳述した通り、封止体40の内部には、浮力材及びゴム弾性を有する部材
のうち少なくとも一方を有していてもよい。
【0526】
図37(C)~(E)は、それぞれ、図37(B)とは異なる、図37(A)における一
点鎖線E-F間の断面図である。
【0527】
例えば、図37(B)、(C)、(D)、(F)に示す空間42に、浮力材又はゴム弾性
を有する部材を有することが好ましい。
【0528】
図37(B)に示すように、表示パネル10と蓄電装置20、又は回路30と蓄電装置2
0はそれぞれ接していてもよい。また、図37(C)に示すように、表示パネル10と蓄
電装置20は接していなくてもよい。同様に、回路30と蓄電装置20は接していなくて
もよい。また、表示パネル10、蓄電装置20、及び回路30は、それぞれ封止体40と
接していてもよい。図37(B)、(C)では、蓄電装置20と封止体40が接している
例を示す。図37(C)では、表示パネル10と封止体40が接している例を示す。また
図37(D)に示すように、封止体40と被封止体が接していなくてもよい。なお、表
示パネル10、蓄電装置20、回路30、及び封止体40のいずれか2以上が、互いに接
する部分を有する場合、接着剤等により固定されていてもよいし、相対的に移動可能に接
していてもよい。
【0529】
また、図37(E)に示すように、封止体40の内部が十分に減圧されていてもよい。こ
れにより、表示パネル10、蓄電装置20、及び回路30等が不純物等によって劣化する
ことを抑制できる。また、電子機器の薄型化及び軽量化を図ることができる。
【0530】
図37(B)、(F)では、電子機器101aの表(表示面)側の封止体40が、被封止
体の側面を覆い、電子機器101aの裏側の面が平坦な例を示すが、これに限定されない
図37(D)に示すように、電子機器101aの表(表示面)側の封止体40と裏側の
封止体40の双方が、被封止体の側面を覆い、電子機器101aが、表裏ともに他の部分
(バンド部など)よりも突出した部分を有していてもよい。
【0531】
図38(A)に、電子機器101cの斜視図を示す。また、図39(A)に、電子機器1
01cの上面図を示し、図39(A)における一点鎖線J-K間の断面図を図39(B)
に示す。
【0532】
電子機器101cは、封止体40及びバンド155を有する。封止体40の内部には、表
示パネル10、回路30、蓄電装置20等が含まれている。封止体40とバンド155は
接続されている。封止体40とバンド155は着脱自在に接続されていることが好ましい
【0533】
なお、図38(B)に示す電子機器101d及び図38(C)に示す電子機器101eの
ように、バンド155が凹部を有し、凹部の中に封止体40が配置される構成であっても
よい。バンド155に比べて封止体40が突出していると、電子機器の使用中に、該電子
機器が他の物体と擦れる、もしくは衝突するなどにより、表示部15に傷がつく、さらに
は該電子機器が壊れる恐れがある。そのため、バンド155と封止体40の表面が概略同
一平面を形成するようにバンド155と封止体40を接続できると好ましい。なお、バン
ド155の凹部が、封止体40の厚さよりも深くてもよい。
【0534】
電子機器101dは、表示部15が平面である例である。電子機器101eは、表示部1
5が曲面を有する例である。
【0535】
図38(A)及び図39(A)では、封止体40の幅と、バンド155の幅とが等しい例
を示すが、本発明の一態様は、これに限られない。図39(C)に示すように、封止体4
0の幅が、バンド155の幅よりも狭くてもよい。または、図39(D)に示すように、
封止体40の幅が、バンド155の幅よりも広くてもよい。
【0536】
次に、本発明の一態様の電子機器の構成要素の一例を示す。
【0537】
図40(A)に示す要素151は、表示パネル10、蓄電装置20、回路30、及び封止
体40を有する。封止体40は、内部に、表示パネル10、蓄電装置20、及び回路30
を有する。以下では、表示パネル10、蓄電装置20、及び回路30をまとめて被封止体
と記す場合がある。
【0538】
要素151は、例えば、図38(A)の要素151a、図38(B)の要素151b、及
図38(C)の要素151cのように、封止体40をバンド155と接続させて用いる
ことができる。または、図37(A)~(E)に示すように、封止体40を帯状に形成す
ることで、封止体40自体を腕に装着してもよい。
【0539】
被封止体の接続関係の例を図40(B)にブロック図で示す。
【0540】
表示パネル10は、表示素子13を有する。表示パネル10は、蓄電装置20から供給さ
れる電力を用いて表示を行う機能を有する。
【0541】
なお、表示パネル10は、蓄電装置20以外から供給された電力を用いて表示を行う機能
を有していてもよい。
【0542】
蓄電装置20は表示パネル10と重なる部分を有する。
【0543】
なお、蓄電装置20は、表示パネル10以外に電力を供給する機能を有していてもよい。
【0544】
回路30はアンテナ31を有する。アンテナ31は、表示パネル10と重なる部分を有す
る。回路30は、無線(非接触で、ともいえる)で蓄電装置20を充電することができる
【0545】
表示パネル10と回路30とが互いに重なる部分、又は表示パネル10と蓄電装置20と
が互いに重なる部分を有することで、要素151の小型化を図ることができる。特に、表
示パネル10、蓄電装置20、及び回路30の3つが互いに重なる部分を設けることが好
ましい。要素151の小型化は、封止体40とは別にバンドを設ける場合に特に有効であ
る。なお、封止体40を電子機器のバンドとして使用する場合など、要素151の小型化
が不要の場合は、表示パネル10と回路30とが互いに重なる部分、又は表示パネル10
と蓄電装置20とが互いに重なる部分を有していなくてもよい。
【0546】
蓄電装置20は、回路30と重なる部分を有することが好ましい。例えば、アンテナ31
の少なくとも一部が蓄電装置20と重なっていてもよい。アンテナ31を表示パネル10
と蓄電装置20の間に配置するなど、アンテナ31が電子機器の使用者から視認されにく
くなるように表示パネル10、蓄電装置20、及び回路30を重ねることで、電子機器の
外観が損なわれることを抑制でき、好ましい。外部のアンテナとアンテナ31の間に表示
パネル10が配置されていても、電波の送受信は可能である。つまり、外部のアンテナが
送信する電波が表示パネル10を通過し、アンテナ31が該電波を受信する。
【0547】
電子機器の使用環境が決まっている場合は、その環境下で、表示が可能な表示パネル及び
その環境下で表示パネルに電力を供給可能な蓄電装置を用いる。
【0548】
本発明の一態様の電子機器は、低温環境下及び高温環境下で使用できることが好ましい。
または、本発明の一態様の電子機器は、広い温度範囲(例えば、0℃以上100℃以下、
好ましくは-25℃以上150℃以下、より好ましくは-50℃以上200℃以下)で使
用できることが好ましい。本発明の一態様の電子機器は、屋内及び屋外のどちらで使用し
てもよい。
【0549】
本発明の一態様の電子機器が有する表示パネルは、0℃の環境下及び100℃の環境下の
それぞれで表示を行えることが好ましい。また、本発明の一態様の電子機器が有する蓄電
装置は、0℃の環境下及び100℃の環境下のそれぞれで表示パネルに電力を供給するこ
とができることが好ましい。
【0550】
電子機器は、スイッチを有していてもよい。図40(C)、(D)では、被封止体として
、表示パネル10、蓄電装置20、回路30、回路50、及びスイッチ51を示す。
【0551】
例えば、図40(C)に示すように、スイッチ51がオフ状態のときに、回路30は無線
で蓄電装置20を充電することができる。
【0552】
例えば、図40(D)に示すように、スイッチ51がオン状態のときに、蓄電装置20は
表示パネル10に電力を供給することができる。
【0553】
以下では、本発明の一態様の電子機器が有する構成要素の詳細について述べる。
【0554】
<表示パネル10>
表示パネル10は、表示素子13を有する。表示パネル10の構成例として、実施の形態
6では表示装置について詳述する。表示パネルは、タッチセンサ等の検知素子を有してい
てもよい。
【0555】
表示パネル10には、アクティブマトリクス方式、又はパッシブマトリクス方式を用いる
ことができる。
【0556】
表示パネル10は可撓性を有していてもよい。例えば、表示素子13の支持基板及び封止
基板のうち少なくとも一方にフィルムを用いることで、表示パネル10の可撓性を高める
ことができる。
【0557】
例えば、表示パネルを曲率半径1m以上10m以下の範囲、好ましくは曲率半径1m以上
5m以下の範囲で曲げた状態で、電子機器を用いることができると好ましい。なお、表示
パネルの可撓性がより高い場合には、曲率半径1mm以上1m未満の範囲で曲げた状態で
、電子機器を用いてもよい。
【0558】
表示パネル10は、低温環境下及び高温環境下で表示を行えることが好ましい。低温環境
としては、例えば、-100℃以上0℃以下の環境、好ましくは-100℃以上-25℃
以下の環境、より好ましくは-100℃以上-50℃以下の環境が挙げられる。高温環境
としては、例えば、100℃以上300℃以下の環境、好ましくは150℃以上300℃
以下の環境、より好ましくは200℃以上300℃以下の環境が挙げられる。なお、表示
パネル10は低温環境下又は高温環境下だけでなく、0℃より高く100℃未満の環境下
で表示させることができる。例えば、表示パネル10を室温(20℃以上30℃以下)で
表示させることができる。
【0559】
表示素子13としては、発光素子、液晶素子、電気泳動素子、又はMEMS(マイクロ・
エレクトロ・メカニカル・システム)を用いた表示素子等を適用することができる。発光
素子としては、自発光が可能な素子を用いることができ、電流又は電圧によって輝度が制
御される素子をその範疇に含んでいる。例えば、発光ダイオード(LED)、有機EL素
子、無機EL素子等を用いることができる。
【0560】
表示素子13の耐熱性は高いほど好ましい。例えば、表示素子13として有機EL素子を
用いる場合、有機EL素子に含まれる各有機化合物のガラス転移温度は、100℃以上3
00℃以下が好ましく、150℃以上300℃以下がさらに好ましい。
【0561】
<蓄電装置20>
蓄電装置20の詳細及び構成例は、実施の形態1、2を参照することができるため、ここ
での説明は省略する。
【0562】
電子機器において、表示素子13と蓄電装置20を重ねて配置する構成としてもよい。表
示素子13と蓄電装置20の互いに重なる面積が広いほど、表示素子13の発熱を利用し
て広範囲で蓄電装置20を温めることができる。高温環境下に比べて、低温環境下で動作
が難しい蓄電装置を用いる場合でも、電子機器の信頼性を高めることができる。
【0563】
<回路30>
回路30の詳細は、実施の形態1を参照することができるため、ここでの説明は省略する
【0564】
<回路50>
回路50は、蓄電装置20から供給された電力を、表示素子13を駆動させる電力に変換
する機能を有する。例えば、蓄電装置20の出力電圧を表示素子13を駆動させるのに要
する電圧に変換(昇圧又は降圧)する機能を有していてもよい。
【0565】
<スイッチ51>
スイッチ51の詳細は、実施の形態1を参照することができるため、ここでの説明は省略
する。
【0566】
本発明の一態様の電子機器を使用できる環境は大気雰囲気に限られない。本発明の一態様
の電子機器は、例えば、0℃以上100℃以下の水中で使用することができる。表示パネ
ル及び蓄電装置の使用可能な温度範囲が広いこと、表示パネル及び蓄電装置が封止体によ
り封止されていること等から、本発明の一態様の電子機器は、水中での使用に対しても高
い信頼性を確保することができる。
【0567】
本実施の形態の電子機器の構成要素には、図8を用いて説明した内容も適用することがで
きる。
【0568】
本実施の形態の電子機器及びその構成要素は、図9及び図10に示す腕装着型電子機器に
適用することもできる。
【0569】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0570】
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様の電子機器に用いることができる表示装置について図
面を用いて説明する。本実施の形態では、主に液晶素子及び有機EL素子を用いた表示装
置を例示するが、本発明の一態様はこれに限られない。なお、表示装置が有する構成要素
のうち、実施の形態3と同様の構成要素については、先の記載も参照することができる。
【0571】
本発明の一態様の表示装置は、第1の表示素子及び第2の表示素子を有する。第1の表示
素子は、光を反射する機能を有する反射層を有する。第1の表示素子は、光の透過を制御
する機能を有する。反射層は、開口部を有する。第2の表示素子は、開口部と重なる部分
を有する。第2の表示素子は、開口部に向けて光を射出する機能を有する。開口部は、反
射層の面積の5%以上20%以下の面積を有することが好ましい。
【0572】
例えば、表示装置に外光が十分に入射されるとき(明るい環境下など)は、外光と第1の
表示素子を用いて表示を行うことができる。これにより、表示装置の消費電力を低減させ
ることができる。また、表示装置の周囲が暗く、表示装置に入射される外光が少なくても
、第2の表示素子を用いて表示を行うことができる。なお、薄暗い環境下では、第1の表
示素子及び第2の表示素子の双方を駆動させて表示を行ってもよい。または、薄暗い環境
下では、第2の表示素子のみを用いて表示を行ってもよい。このように、本発明の一態様
により、周囲の明るさによらず、視認性が高く利便性の高い表示装置又は全天候型の表示
装置を実現できる。
【0573】
本発明の一態様の表示装置は、第1の表示素子1つに対して第2の表示素子を1つ有して
もよいし、2つ以上有してもよい。例えば、第1の表示素子で構成される画素の数と第2
の表示素子で構成される画素の数が同一であると、第1の表示素子を用いた表示と第2の
表示素子を用いた表示が同等の解像度となり、好ましい。
【0574】
上記構成の表示装置は、さらに、信号線、画素回路、第1の導電層、第2の導電層、及び
絶縁層を有することが好ましい。第2の表示素子は、画素回路と電気的に接続される。第
1の表示素子は、第1の導電層と電気的に接続される。第1の導電層は、絶縁層を介して
第2の導電層と重なる部分を有する。第1の導電層は、第2の導電層と電気的に接続され
る。第2の導電層は、画素回路と電気的に接続される。画素回路は、信号線と電気的に接
続される。画素回路は、絶縁層を挟むように配置された第1の表示素子及び第2の表示素
子の双方を駆動することができる。
【0575】
または、本発明の一態様の表示装置は、液晶素子及び発光素子を有する。液晶素子は、液
晶層、第1の導電層、及び第2の導電層を有する。第1の導電層は、光を反射する機能を
有する。第1の導電層は、開口部を有する。発光素子は、発光性の物質を含む層、第3の
導電層、及び第4の導電層を有する。発光素子は、開口部と重なる部分を有する。発光素
子は、開口部に向けて光を射出する機能を有する。開口部は、第1の導電層の面積の5%
以上20%以下の面積を有することが好ましい。
【0576】
本発明の一態様の表示装置は、反射型の液晶素子を第1の表示素子として有し、有機EL
素子を第2の表示素子として有する。
【0577】
これにより、表示装置に外光が十分に入射されるときは、外光と反射型の液晶素子を用い
て表示を行うことができる。表示装置の周囲が暗く、表示装置に入射される外光が少なく
ても、有機EL素子を用いて表示を行うことができる。このように、本発明の一態様によ
り、周囲の明るさによらず、視認性が高く利便性の高い表示装置又は全天候型の表示装置
を実現できる。
【0578】
上記構成の表示装置は、さらに、信号線、画素回路、第5の導電層、第6の導電層、及び
絶縁層を有することが好ましい。発光素子は、画素回路と電気的に接続される。液晶素子
は、第5の導電層と電気的に接続される。第5の導電層は、絶縁層を介して第6の導電層
と重なる部分を有する。第5の導電層は、第6の導電層と電気的に接続される。第6の導
電層は、画素回路と電気的に接続される。画素回路は、信号線と電気的に接続される。画
素回路は、絶縁層を挟むように配置された発光素子及び液晶素子の双方を駆動することが
できる。
【0579】
図41に、本実施の形態の表示装置が有する画素回路の回路図を示す。図41は、画素回
路630(i,j)及び画素回路630(i,j+1)の回路図である。
【0580】
図41に示す画素回路630(i,j)、630(i,j+1)は、それぞれ、スイッチ
SW1、スイッチSW2、容量素子C1、容量素子C2、及びトランジスタMを有する。
なお、図41では、画素回路を示す点線の枠内に、第1の表示素子650及び第2の表示
素子640が含まれているが、以下では、これらは、画素回路に含まれないものとして説
明する。
【0581】
図41では、スイッチSW1及びスイッチSW2が、それぞれ、トランジスタを有する例
を示す。スイッチSW1及びスイッチSW2は、それぞれ、酸化物半導体を用いたトラン
ジスタを有することが好ましい。
【0582】
図41に示す画素回路630(i,j)、630(i,j+1)における接続関係につい
て説明する。
【0583】
画素回路630(i,j)は、信号線S1(j)、信号線S2(j)、走査線G1(i)
、走査線G2(i)、配線CSCOM、及び配線ANOと電気的に接続される。
【0584】
画素回路630(i,j+1)は、信号線S1(j+1)、信号線S2(j+1)、走査
線G1(i)、走査線G2(i)、配線CSCOM、及び配線ANOと電気的に接続され
る。
【0585】
なお、信号線S2(j)に供給する信号に用いる電圧が、信号線S1(j+1)に供給す
る信号に用いる電圧と異なる場合、信号線S1(j+1)を信号線S2(j)から離して
配置する。図41では、信号線S2(j+1)を信号線S2(j)に隣接するように配置
した例を示す。
【0586】
スイッチSW1のゲートは、走査線G1(i)と電気的に接続される。スイッチSW1の
ソース又はドレインの一方は、信号線S1(j)と電気的に接続され、他方は、容量素子
C1の一方の電極及び第1の表示素子650の一方の電極と電気的に接続される。
【0587】
容量素子C1の他方の電極は、配線CSCOMと電気的に接続される。
【0588】
第1の表示素子650の他方の電極は、配線VCOM1と電気的に接続される。
【0589】
スイッチSW2のゲートは、走査線G2(i)と電気的に接続される。スイッチSW2の
ソース又はドレインの一方は、信号線S2(j)と電気的に接続され、他方は、トランジ
スタMのゲート及びバックゲート、並びに容量素子C2の一方の電極と電気的に接続され
る。
【0590】
トランジスタMのソース又はドレインの一方は、配線ANO及び容量素子C2の他方の電
極と電気的に接続され、他方は、第2の表示素子640の一方の電極と電気的に接続され
る。
【0591】
第2の表示素子640の他方の電極は、配線VCOM2と電気的に接続される。
【0592】
画素回路630(i,j)は、第1の表示素子650(i,j)と電気的に接続される。
画素回路630(i,j)は、第2の表示素子640(i,j)と電気的に接続される。
【0593】
図42(A)に、表示装置600が有する画素及び配線等の配置を説明するブロック図を
示す。図42(B-1)、(B-2)は、それぞれ、表示装置600が有する開口部65
1Hを説明する模式図である。
【0594】
図42(A)に示すように、表示装置600は、i本の走査線G1、i本の走査線G2、
j本の信号線S1、j本の信号線S2、j本の配線CSCOM、j本の配線ANO、m×
n個の画素602、駆動回路GD、及び駆動回路SDを有する。なお、iは1以上m以下
の整数であり、jは1以上n以下の整数であり、mおよびnは1以上の整数である。
【0595】
図42に示す表示装置600は、画素602(i,j)を有する。
【0596】
走査線G1(i)、走査線G2(i)、配線CSCOM、及び配線ANOは、それぞれ、
行方向(図中に矢印Rで示す方向)に配設される一群の画素602(i,1)乃至画素6
02(i,n)と電気的に接続される。
【0597】
信号線S1(j)及び信号線S2(j)は、それぞれ、列方向(図中に矢印Cで示す方向
)に配設される他の一群の画素602(1,j)乃至画素602(m,j)と電気的に接
続される。
【0598】
例えば、画素602(i,j)の行方向に隣接する画素602(i,j+1)は、画素6
02(i,j)に対する開口部651Hの配置と異なるように、開口部を備えることが好
ましい(図42(B-1))。
【0599】
または、例えば、画素602(i,j)の列方向に隣接する画素602(i+1,j)は
、画素602(i,j)に対する開口部651Hの配置と異なるように、開口部を備える
ことが好ましい(図42(B-2))。
【0600】
または、開口部651Hは、全ての画素において同一の位置に配置されていてもよい。
【0601】
駆動回路GDは、走査線G1(i)と電気的に接続される。駆動回路GDには、シフトレ
ジスタ等の様々な順序回路等を用いることができる。駆動回路GDには、トランジスタ及
び容量素子等を用いることができる。駆動回路GDが有するトランジスタは、画素回路6
30(i,j)に含まれるトランジスタと同じ工程で形成することができる。
【0602】
駆動回路SDは、信号線S1(j)と電気的に接続される。駆動回路SDには、例えば、
集積回路を用いることができる。具体的には、駆動回路SDには、シリコン基板上に形成
された集積回路を用いることができる。
【0603】
例えば、COG(Chip on glass)法を用いて、画素回路630(i,j)
と電気的に接続されるパッドに駆動回路SDを実装することができる。具体的には、異方
性導電膜を用いて、パッドに集積回路を実装できる。
【0604】
図43(A)は、表示装置600の下面図(表示面とは反対側の面の図)である。図43
(B-1)、(B-2)は、それぞれ、表示装置600の一部の構成を説明する下面図で
ある。図43(B-2)は、図43(B-1)に示す一部の構成を省略して説明する下面
図である。図43(A)では、1つのユニットが3つの画素602(i,j)を有する例
を示す。
【0605】
図44(A)は、図43(A)、(B-1)、(B-2)に示す一点鎖線X1-X2、X
3-X4、X5-X6、X7-X8、X9-X10、X11-X12における断面図であ
る。図44(B)~(D)は、それぞれ、表示装置600に用いることができるトランジ
スタの構成例である。
【0606】
図44(A)では、外光を反射する強度を制御して第1の表示素子650(i,j)が表
示をする方向を、破線の矢印で示す。また、図44(A)では、第2の表示素子640(
i,j)が表示をする方向を、実線の矢印で示す。このように、第2の表示素子640(
i,j)は、第1の表示素子650(i,j)が表示をする方向と同一の方向に表示をす
ることができる。
【0607】
図44(A)に示すように、駆動回路GDは、トランジスタMDを有する。
【0608】
図44(A)に示すように、画素602(i,j)は、第1の表示素子650(i,j)
、第2の表示素子640(i,j)、第1の導電層681、第2の導電層682、絶縁層
621、及び画素回路630(i,j)を有する。図44(A)では、画素回路630(
i,j)のうち、トランジスタM及びスイッチSW1を示す。
【0609】
第1の表示素子650(i,j)は、第1の電極651(i,j)、第2の電極652、
及び液晶材料を含む層653を有する。第2の電極652は、第1の電極651(i,j
)との間に液晶材料の配向を制御する電界が形成されるように配置される。
【0610】
表示装置600は、配向膜AF1及び配向膜AF2を有することが好ましい。液晶材料を
含む層653は、配向膜AF2と配向膜AF1との間に位置する。
【0611】
第1の表示素子650(i,j)は、入射する光を反射する機能を備える反射層を有する
。また、第1の表示素子650(i,j)は、反射する光の強さを制御する機能を有する
。反射層は、開口部651Hを備える。図44(A)では、第1の電極651(i,j)
が光を透過する導電層と、光を反射する導電層と、を積層して有する例を示す。なお、第
1の電極651(i,j)とは別に反射層を設けてもよい。
【0612】
図44(A)に示すように、第1の電極651(i,j)の側端部は、絶縁層621に埋
め込まれている。
【0613】
第2の表示素子640(i,j)には、発光素子を用いることができる。第2の表示素子
640(i,j)は、第3の電極641(i,j)、第4の電極642、及び発光性の物
質を含む層643(j)を有する。絶縁層668は、第3の電極641(i,j)の端部
を覆う。第3の電極641(i,j)の周縁に沿って形成される絶縁層668は、第3の
電極641(i,j)と第4の電極642の短絡を防止することができる。
【0614】
第2の表示素子640(i,j)は、開口部651Hに向けて光を射出する機能を有する
【0615】
第2の表示素子640(i,j)は、第1の表示素子650(i,j)が表示をする領域
に囲まれた領域に表示をすることができる(図43(B-1)、(B-2))。第1の表
示素子650(i,j)は、第1の電極651(i,j)と重なる領域に表示をし、第2
の表示素子640(i,j)は、開口部651Hと重なる領域に表示をする。
【0616】
第1の導電層681は、第1の表示素子650(i,j)と電気的に接続される。図44
(A)では、第1の導電層681と、第1の電極651(i,j)と、が電気的に接続さ
れる例を示す。第1の導電層681は、単層構造又は積層構造とすることができる。第1
の導電層681は、第1の電極651(i,j)として機能してもよい。
【0617】
第2の導電層682は、第1の導電層681と重なる領域を備える。第2の導電層682
は、単層構造又は積層構造とすることができる。
【0618】
絶縁層621は、第2の導電層682と第1の導電層681の間に挟まれる領域を備える
【0619】
領域691cにおいて、第2の導電層682は、第1の導電層681と電気的に接続され
る。
【0620】
第2の導電層682は、画素回路630(i,j)と電気的に接続される。図44(A)
では、第2の導電層682と、導電層612bと、が電気的に接続されている。
【0621】
導電層612a及び導電層612bは、一方が、スイッチSW1であるトランジスタのソ
ースとして機能し、他方がドレインとして機能する。導電層612aは、信号線S1(j
)と電気的に接続される。または、導電層612aは、信号線S1(j)の一部ともいえ
る(図41及び図44(A))。
【0622】
第1の表示素子650(i,j)が有する第1の電極651(i,j)は、第1の導電層
681及び第2の導電層682を介して、スイッチSW1が有する導電層612bと電気
的に接続されている。つまり、第1の表示素子650(i,j)は、画素回路630(i
,j)と電気的に接続されている。なお、第1の表示素子650(i,j)と、画素回路
630(i,j)とを電気的に接続させる方法は、これに限定されない。例えば、第1の
電極651(i,j)と、導電層612bと、を、第1の導電層681又は第2の導電層
682の一方を介して、電気的に接続してもよい。または、第1の電極651(i,j)
と、導電層612bと、を、直接接続してもよい。
【0623】
トランジスタMが有するソース又はドレインの一方は、配線ANOと電気的に接続される
。第2の表示素子640(i,j)が有する第3の電極641(i,j)は、接続部66
2において、トランジスタMが有するソース又はドレインの他方と電気的に接続される。
これにより、第2の表示素子640(i,j)は、画素回路630(i,j)と電気的に
接続される。トランジスタMは、絶縁層661を介して、第3の電極641(i,j)と
重なる。
【0624】
また、表示装置600は、導電層619bと、導電層611bと、を有する(図44(A
))。
【0625】
絶縁層621は、導電層619b及び導電層611bの間に挟まれる領域を備える。
【0626】
導電層619bは、領域691bにおいて導電層611bと電気的に接続される。また、
導電層611bは、画素回路630(i,j)と電気的に接続される。
【0627】
導電層619bは、接続体ACFを介して、フレキシブルプリント回路基板(FPCと記
す)と電気的に接続される。これにより、導電層619bを介して、画素回路に、電力又
は信号を供給することができる。図44(A)では、導電層619bのFPCとの接続部
が、表示装置600の表示面側に位置する例を示すが、表示面とは反対側の面に位置して
もよい。
【0628】
画素602(i,j)は、さらに、着色層CF、遮光層BM、絶縁層671、及び機能膜
670を有する。
【0629】
着色層CFは、第1の表示素子650(i,j)と重なる領域を備える。遮光層BMは、
第1の表示素子650(i,j)と重なる領域に開口部を備える。
【0630】
着色層CFは、第2の表示素子640(i,j)と重なる領域を備える。遮光層BMは、
第2の表示素子640(i,j)と重なる領域に開口部を備える。
【0631】
絶縁層671は、着色層CFと液晶材料を含む層653の間、又は遮光層BMと液晶材料
を含む層653の間に配設される。これにより、着色層CFの厚さに基づく凹凸を平坦に
することができる。または、遮光層BMもしくは着色層CF等から液晶材料を含む層65
3への不純物の拡散を、抑制することができる。
【0632】
機能膜670は、第1の表示素子650(i,j)と重なる領域を備える。機能膜670
は、第2の表示素子640(i,j)と重なる領域を備える。機能膜670は、第1の表
示素子650(i,j)との間に基板690を挟むように配設される。
【0633】
第2の表示素子640(i,j)は、接着層605及び基板610によって、封止されて
いる。第2の表示素子640(i,j)の封止方法は、これに限られない。例えば、ガス
バリア性の高い絶縁膜で、第2の表示素子640(i,j)を覆うことができる。この場
合、接着層605及び基板610を設けなくてもよい。
【0634】
基板690は、基板610と重なる領域を備える。機能層660は、基板610及び基板
690の間に配設される。機能層660は、画素回路630(i,j)、第2の表示素子
640(i,j)、絶縁層616、絶縁層618、絶縁層621、絶縁層661、及び絶
縁層668を含む。接着層695は、機能層660と基板690を貼り合わせる機能を有
する。構造体KBは、機能層660と基板690の間に所定の間隙を設ける機能を備える
【0635】
基板690の厚さは薄いことが好ましい。例えば、基板690には、厚さ0.2mm又は
0.1mmまで研磨された無アルカリガラスを好適に用いることができる。
【0636】
表示装置600は、導電層619aと、導電層611aと、導電体CPと、を有する。
【0637】
絶縁層621は、導電層619aと導電層611aとの間に挟まれる領域を備える。
【0638】
導電層619aは、領域691aにおいて導電層611aと電気的に接続される。また、
導電層611aは、画素回路630(i,j)と電気的に接続される。
【0639】
導電体CPは、導電層619aと第2の電極652の間に挟まれ、導電層619aと第2
の電極652を電気的に接続する。例えば、導電性の粒子を導電体CPに用いることがで
きる。
【0640】
以下に、表示装置に用いることができる材料の一例を挙げる。なお、表示装置が有する基
板、接着層、トランジスタ、発光素子、導電層、絶縁層、着色層、及び遮光層に用いるこ
とができる材料は、それぞれ、実施の形態3の記載を参照することができるため、詳細な
説明は省略する。
【0641】
第1の表示素子650(i,j)には、光の反射又は透過を制御する機能を備える表示素
子を用いることができる。例えば、液晶素子と偏光板を組み合わせた構成、又はシャッタ
ー方式のMEMS表示素子等を用いることができる。反射型の表示素子を用いることによ
り、表示パネルの消費電力を抑制することができる。具体的には、反射型の液晶表示素子
を第1の表示素子650(i,j)に用いることができる。
【0642】
IPS(In-Plane-Switching)モード、TN(Twisted Ne
matic)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード
、ASM(Axially Symmetric aligned Micro-cel
l)モード、OCB(Optically Compensated Birefrin
gence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Cryst
al)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Cry
stal)モードなどの駆動方法を用いて駆動することができる液晶素子を用いることが
できる。
【0643】
また、例えば垂直配向(VA)モード、具体的には、MVA(Multi-Domain
Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Ve
rtical Alignment)モード、ECB(Electrically Co
ntrolled Birefringence)モード、CPA(Continuou
s Pinwheel Alignment)モード、ASV(Advanced Su
per-View)モードなどの駆動方法を用いて駆動することができる液晶素子を用い
ることができる。
【0644】
例えば、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶、強誘電性
液晶、反強誘電性液晶等を用いることができる。または、コレステリック相、スメクチッ
ク相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す液晶材料を用いることが
できる。または、ブルー相を示す液晶材料を用いることができる。
【0645】
反射層には、可視光を反射する材料を用いる。反射層には、例えば、銀を含む材料、銀及
びパラジウムを含む材料、又は銀及び銅等を含む材料などを用いることができる。
【0646】
反射層は、液晶材料を含む層653を透過した光を反射することができる。
【0647】
反射層は、表面に凹凸を有していてもよい。これにより、入射する光を様々な方向に反射
して、白色の表示をすることができる。
【0648】
第1の電極651(i,j)を反射層に用いてもよい。または、液晶材料を含む層653
と第1の電極651(i,j)の間に反射層を配置してもよい。または、反射層と液晶材
料を含む層653の間に、透光性を有する第1の電極651(i,j)を配置してもよい
【0649】
開口部651Hの総面積は適宜設定することができる。非開口部の総面積に対する開口部
651Hの総面積の比の値が小さいと、第1の表示素子650(i,j)を用いた表示を
明るくできる。また、非開口部の総面積に対する開口部651Hの総面積の比の値が大き
いと、第2の表示素子640(i,j)を用いた表示を明るくできる。いずれの表示素子
を用いた表示でも十分な明るさが得られるように、開口部651Hの面積を決定すること
が好ましい。
【0650】
また、開口部651Hの面積が小さいと、液晶材料を含む層653に加わる電界を均一に
でき、第1の表示素子650(i,j)の表示品位の低下を抑制できる。開口部651H
の面積が大きいと、第2の表示素子640(i,j)が射出する光の、表示装置の外部に
取り出す効率を高めることができる。
【0651】
開口部651Hの形状は、特に限定されず、例えば、四角形等の多角形、楕円形、円形、
十字、細長い筋状、スリット状、市松模様状とすることができる。開口部651Hを隣接
する画素に寄せて配置してもよい。好ましくは、同じ色の副画素に開口部651Hを寄せ
て配置する。これにより、第2の表示素子640(i,j)が射出する光が隣接する他の
色の副画素に配置された着色層に入射してしまう現象(クロストークともいう)を抑制で
きる。
【0652】
第2の電極652には、可視光を透過する導電材料を用いることができる。例えば、第2
の電極652には、インジウムを含む導電性酸化物等の導電性酸化物を用いることができ
る。または、第2の電極652には、光が透過する程度に薄い(例えば、厚さ1nm以上
10nm以下)金属膜を用いることができる。または、第2の電極652には、銀を含む
ナノワイヤなどの、金属ナノワイヤを用いることができる。
【0653】
具体的には、第2の電極652には、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム
亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛、アルミニウムを添加した酸化亜鉛
などを用いることができる。
【0654】
構造体KBには、有機材料、無機材料、又は、有機材料と無機材料の複合材料を用いるこ
とができる。構造体KBは、スペーサとしての機能を有する。また、構造体KBとして、
粒状のスペーサを用いてもよい。粒状のスペーサとしては、シリカ、又は、樹脂もしくは
ゴムなどの弾性を有する材料を用いることが好ましい。粒状のスペーサは上下方向に潰れ
た形状となる場合がある。
【0655】
配向膜AF1及び配向膜AF2には、例えば、ポリイミド等を用いることができる。所定
の方向に配向するようにラビング処理又は光配向技術を用いて形成されることが好ましい
。例えば、可溶性のポリイミドを含む膜を配向膜AF1又は配向膜AF2に用いることが
できる。
【0656】
機能膜670には、偏光板、位相差板、拡散フィルム、反射防止膜、又は集光フィルム等
を用いることができる。または、2色性色素を含む偏光板を機能膜670に用いることが
できる。また、ゴミの付着を抑制する帯電防止膜、汚れを付着しにくくする撥水性の膜、
使用に伴う傷の発生を抑制するハードコート膜等を、機能膜670に用いることができる
【0657】
表示装置は、1種又は複数種の構成のトランジスタを有する。例えば、表示装置には、図
44(B)~(D)に示す構成のトランジスタの少なくとも一つを適用することができる
【0658】
図44(B)に示すスイッチSW1は、導電層604、絶縁層606、半導体層608、
導電層612a、及び導電層612bを有する。導電層604は、ゲートとして機能する
。導電層612a及び導電層612bのうち、一方がソースとして機能し、他方がドレイ
ンとして機能する。絶縁層606は、ゲート絶縁層として機能する。スイッチSW1は、
図44(B)に示す構成に限られず、図44(C)、(D)に示す構成であってもよい。
【0659】
図44(C)に示すトランジスタM及びトランジスタMDは、導電層604、絶縁層60
6、半導体層608、導電層612a、導電層612b、及び導電層624を有する。導
電層604は、ゲートとして機能する。導電層612a及び導電層612bのうち、一方
がソースとして機能し、他方がドレインとして機能する。絶縁層606は、ゲート絶縁層
として機能する。導電層624は、バックゲートとして機能する。導電層624と半導体
層608の間には、絶縁層616が位置する。導電層624及び導電層604は、半導体
層608を介して重なる部分を有する。導電層624は、絶縁層616と絶縁層618の
間に位置する。トランジスタM及びトランジスタMDは、同一の構成であってもよいし、
異なる構成であってもよい。例えば、トランジスタM及びトランジスタMDは、それぞれ
図44(B)~(D)に示す構成のいずれかとすることができる。図44(A)に示す
トランジスタMにおいて、導電層604の幅は、導電層624の幅よりも狭いが、これに
限られない。図44(A)に示すトランジスタMDにおいて、導電層604の幅は、導電
層624の幅よりも広いが、これに限られない。
【0660】
図44(D)に示すトランジスタは、導電層604、絶縁層606、半導体層608、導
電層612a、及び導電層612bを有する。導電層604は、ゲートとして機能する。
絶縁層606は、ゲート絶縁層として機能する。
【0661】
半導体層608は、導電層604と重ならない第1の領域608a及び第2の領域608
bを有する。半導体層608は、さらに、第1の領域608a及び第2の領域608bの
間の第3の領域608cを有する。第3の領域608cは、導電層604と重なる。
【0662】
第1の領域608a及び第2の領域608bは、第3の領域608cに比べて抵抗率が低
く、一方がソース領域として機能し、他方がドレイン領域として機能する。第1の領域6
08aは、導電層612aと電気的に接続される。第2の領域608bは、導電層612
bと電気的に接続される。
【0663】
実施の形態1等で説明した通り、本発明の一態様の電子機器は、表示パネルと蓄電装置を
重ねて有する。図45に、表示パネルと薄型の二次電池を重ねた場合の断面図の一例を示
す。図45に示す表示パネルは、図44(A)に示した表示装置600と同様の構成であ
り、図45に示す薄型の二次電池は、図14(A)に示した電池ユニット500と同様の
構成である。
【0664】
図45では、表示パネルが有する基板610と電池ユニットが有する外装体509が接す
る例を示したが、本発明の一態様はこれに限られない。表示パネルと電池ユニットは接着
剤等により、互いに固定されていてもよい。また、表示パネルと電池ユニットの間に、回
路基板等を有していてもよい。
【0665】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0666】
AF1 配向膜
AF2 配向膜
C1 容量素子
C2 容量素子
G1 走査線
G2 走査線
S1 信号線
S2 信号線
SW1 スイッチ
SW2 スイッチ
VCOM1 配線
VCOM2 配線
10 表示パネル
11 発光素子
12a 端子
12b 端子
13 表示素子
15 表示部
15a 表示部
15b 表示部
15c 表示部
20 蓄電装置
21a 電極
21b 電極
30 回路
31 アンテナ
32 コントローラ
33a 端子
33b 端子
34 端子
35 電子部品
40 封止体
41 封止領域
41a 封止領域
41b 封止領域
42 空間
45 配線
50 回路
51 スイッチ
52a 端子
52b 端子
53a 配線
53b 配線
55 回路基板
68 アンテナ
70 領域
91 留め具
93 開口
95 封止部
97 バンド
100 電子機器
100a 電子機器
100b 電子機器
100c 電子機器
100d 電子機器
100e 電子機器
101 電子機器
101a 電子機器
101b 電子機器
101c 電子機器
101d 電子機器
101e 電子機器
150 要素
150a 要素
150b 要素
151 要素
151a 要素
151b 要素
151c 要素
155 バンド
200 二次電池
203 セパレータ
203a 領域
203b 領域
207 外装体
211 正極
211a 正極
215 負極
215a 負極
220 封止層
221 正極リード
225 負極リード
230 電極組立体
231 電極組立体
250 二次電池
281 タブ領域
282 タブ領域
301 表示部
302 画素
302B 副画素
302G 副画素
302R 副画素
302t トランジスタ
303c 容量
303g(1) 走査線駆動回路
303g(2) 撮像画素駆動回路
303s(1) 画像信号線駆動回路
303s(2) 撮像信号線駆動回路
303t トランジスタ
304 ゲート
308 撮像画素
308p 光電変換素子
308t トランジスタ
309 FPC
311 配線
319 端子
321 絶縁層
328 隔壁
329 スペーサ
350R 発光素子
351R 下部電極
352 上部電極
353 EL層
353a EL層
353b EL層
354 中間層
360 接着層
367BM 遮光層
367p 反射防止層
367R 着色層
380B 発光モジュール
380G 発光モジュール
380R 発光モジュール
390 タッチパネル
500 電池ユニット
501 正極集電体
502 正極活物質層
503 正極
504 負極集電体
505 負極活物質層
506 負極
507 セパレータ
508 電解液
509 外装体
510 正極リード
511 負極リード
521 表示部
525 タッチパネル
525B タッチパネル
529 FPC
589 絶縁層
590 可撓性基板
591 電極
592 電極
593 絶縁層
594 配線
595 タッチセンサ
597 接着層
598 配線
599 接続層
600 表示装置
602 画素
604 導電層
605 接着層
606 絶縁層
608 半導体層
608a 領域
608b 領域
608c 領域
610 基板
611a 導電層
611b 導電層
612a 導電層
612b 導電層
616 絶縁層
618 絶縁層
619a 導電層
619b 導電層
621 絶縁層
624 導電層
630 画素回路
640 第2の表示素子
641 第3の電極
642 第4の電極
643 発光性の物質を含む層
650 第1の表示素子
651 第1の電極
651H 開口部
652 第2の電極
653 液晶材料を含む層
660 機能層
661 絶縁層
662 接続部
668 絶縁層
670 機能膜
671 絶縁層
681 第1の導電層
682 第2の導電層
690 基板
691a 領域
691b 領域
691c 領域
695 接着層
701 可撓性基板
703 接着層
703a 接着層
703b 接着層
705 絶縁層
711 可撓性基板
713 接着層
715 絶縁層
723 電極
726 絶縁層
728 絶縁層
729 絶縁層
742 半導体層
743 電極
744a 電極
744b 電極
746 電極
747a 開口
747b 開口
747c 開口
747d 開口
771 基板
772 絶縁層
804 発光部
806 駆動回路部
808 FPC
814 導電層
815 絶縁層
817 絶縁層
817a 絶縁層
817b 絶縁層
820 トランジスタ
821 絶縁層
822 接着層
823 スペーサ
824 トランジスタ
825 接続体
830 発光素子
831 下部電極
832 光学調整層
833 EL層
835 上部電極
845 着色層
847 遮光層
848 トランジスタ
849 オーバーコート
856 導電層
857 導電層
857a 導電層
857b 導電層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
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図40
図41
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