(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159169
(43)【公開日】2023-10-31
(54)【発明の名称】抗IL12/IL23抗体でループスを治療する安全かつ有効な方法
(51)【国際特許分類】
A61K 39/395 20060101AFI20231024BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20231024BHJP
C07K 16/24 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
A61K39/395 U ZNA
A61P37/02
C07K16/24
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023127505
(22)【出願日】2023-08-04
(62)【分割の表示】P 2020517105の分割
【原出願日】2018-09-24
(31)【優先権主張番号】62/562,701
(32)【優先日】2017-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/585,858
(32)【優先日】2017-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/730,748
(32)【優先日】2018-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】509087759
【氏名又は名称】ヤンセン バイオテツク,インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100149010
【弁理士】
【氏名又は名称】星川 亮
(72)【発明者】
【氏名】ローズ,ショーン
(72)【発明者】
【氏名】ワグナー,キャリー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高い安全性リスクを負うことなく、この疾患において有意な利益を提供することができる、活動性全身性エリテマトーデス(SLE)の治療法を提供する。
【解決手段】臨床的に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量の抗IL-12/IL-23p40抗体又は抗IL-23抗体、例えば抗IL-12/IL-23p40抗体のウステキヌマブを投与することによる、患者の活動性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法であって、患者が、疾患活動性の有意な改善を達成する、方法。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的に証明された安全かつ臨床的に証明さ
れた有効な量で患者に投与することを含む、前記患者の活動性全身性エリテマトーデス(
SLE)を治療する方法であって、前記抗体が、重鎖可変領域と、軽鎖可変領域と、を含
み、前記重鎖可変領域が、配列番号1の相補性決定領域重鎖1(CDRH1)アミノ酸配
列と、配列番号2のCDRH2アミノ酸配列と、配列番号3のCDRH3アミノ酸配列と
、を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号4の相補性決定領域軽鎖1(CDRL1)アミ
ノ酸配列と、配列番号5のCDRL2アミノ酸配列と、配列番号6のCDRL3アミノ酸
配列と、を含む、方法。
【請求項2】
前記抗体が、0週目に初回静脈内(IV)用量で投与され、続いて8週毎に(q8w)
皮下(SC)用量で投与されるか、あるいは、前記抗体が、初回皮下(SC)用量で投与
され、続いて8週毎に(q8w)SC用量で投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記初回IV用量が、6.0mg/kg±1.5mg/kgであり、前記SC用量が、
90mgである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記初回IV用量が、体重が≧35kg~≦55kgまでの患者に対しては260mg
であり、体重が>55kg~≦85kgまでの患者に対しては390mgであり、体重が
>85kgの患者に対しては520mgである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記患者が、前記抗体による前記治療に対する応答者であり、前記抗体による治療の2
4週目までに、≧4の全身性エリテマトーデス疾患活動性指標2000(SLEDAI-
2K)スコアにおけるベースラインからの減少(SRI-4応答)によって決定される、
疾患活動性の統計的に有意な改善を有するものとして特定される、請求項1~4のいずれ
かに記載の方法。
【請求項6】
前記患者が、前記抗体による前記治療に対する応答者であり、前記抗体による治療の2
4週目までに、新しいブリティッシュ島ループス評価グループ(BILAG)フレアのリ
スクにおける、≧1の新しいBILAG Aドメインスコア又は≧2の新しいBILAG
Bドメインスコアとして定義される、統計的に有意な低減を有するものとして特定され
る、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
プラセボで治療された患者と比べて、前記抗体による治療を受けた患者について、皮膚
エリテマトーデス疾患エリア及び重症度指標(CLASI)スコアにおけるベースライン
からの50%の改善を有する患者の比率の統計的に有意な増加がある、請求項1~4のい
ずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記患者が、前記抗体による前記治療に対する応答者であり、前記抗体による治療の2
4週目までに、ベースラインの関節疾患活動性からの50%の改善によって決定される、
疾患活動性の統計的に有意な改善を有するものとして特定される、請求項1~4のいずれ
かに記載の方法。
【請求項9】
前記患者が、前記抗体による前記治療に対する応答者であり、治療の24週目までに、
1年の治療を通じて持続される疾患活動性の統計的に有意な改善を有するものとして特定
され、疾患活動性が、≧4の全身性エリテマトーデス疾患活動性指標2000(SLED
AI-2K)スコアにおけるベースラインからの減少(SRI-4応答)、皮膚エリテマ
トーデス疾患エリア及び重症度指標(CLASI)スコアにおけるベースラインからの5
0%の改善を有する患者の比率、及びベースラインの関節疾患活動性からの50%の改善
からなる群から選択される1つ又は2つ以上の基準によって決定される、請求項1~4の
いずれかに記載の方法。
【請求項10】
IV投与で使用するための前記抗体が、10mMのL-ヒスチジン、8.5%(w/v
)のスクロース、0.04%(w/v)のポリソルベート80、0.4mg/mLのLメ
チオニン、及び20μg/mLのEDTA二ナトリウム塩、脱水和物を、pH6.0で含
む溶液を含む医薬組成物中にある、請求項2~4のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
SC投与で使用するための前記抗体が、6.7mMのL-ヒスチジン、7.6%(w/
v)のスクロース、0.004%(w/v)のポリソルベート80を、pH6.0で含む
溶液を含む医薬組成物中にある、請求項2~4のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
ループスを治療するために使用される1つ又は2つ以上の追加の薬剤を前記患者に投与
することを更に含む、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記追加の薬剤が、免疫抑制剤、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、メトトレキ
サート(MTX)、抗B細胞表面マーカー抗体、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アン
ジオテンシン受容体遮断薬、抗マラリア薬、ミコフェノール酸モフェチル、ミコフェノー
ル酸、アザチオプリン、6-メルカプトプリン、ベリムマブ、抗CD20抗体、リツキシ
マブ、コルチコステロイド、及び共刺激性調整剤からなる群から選択される、請求項12
に記載の方法。
【請求項14】
患者の活動性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法であって、抗IL-1
2/IL-23p40抗体を前記患者に、臨床的に証明された安全かつ臨床的に証明され
た有効な量で投与することを含み、前記抗体が、配列番号7のアミノ酸配列の重鎖可変領
域と、配列番号8のアミノ酸配列の軽鎖可変領域と、を含む、方法。
【請求項15】
前記抗体が、0週目に初回静脈内(IV)用量で投与され、続いて8週毎に(q8w)
皮下(SC)用量で投与されるか、あるいは、前記抗体が、初回皮下(SC)用量で投与
され、続いて8週毎に(q8w)SC用量で投与される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記初回IV用量が、6.0mg/kg±1.5mg/kgであり、前記SC用量が、
90mgである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記初回IV用量が、体重が≧35kg~≦55kgまでの患者に対しては260mg
であり、体重が>55kg~≦85kgまでの患者に対しては390mgであり、体重が
>85kgの患者に対しては520mgである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記患者が、前記抗体による前記治療に対する応答者であり、前記抗体による治療の2
4週目までに、≧4の全身性エリテマトーデス疾患活動性指標2000(SLEDAI-
2K)スコアにおけるベースラインからの減少(SRI-4応答)によって決定される、
疾患活動性の統計的に有意な改善を有するものとして特定される、請求項14~17のい
ずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記患者が、前記抗体による前記治療に対する応答者であり、前記抗体による治療の2
4週目までに、新しいブリティッシュ島ループス評価グループ(BILAG)フレアのリ
スクにおける、≧1の新しいBILAG Aドメインスコア又は≧2の新しいBILAG
Bドメインスコアとして定義される、統計的に有意な低減を有するものとして特定され
る、請求項14~17のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
プラセボで治療された患者と比べて、前記抗体による治療を受けた患者について、皮膚
エリテマトーデス疾患エリア及び重症度指標(CLASI)スコアにおけるベースライン
からの50%の改善を有する患者の比率の統計的に有意な増加がある、請求項14~17
のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記患者が、前記抗体による前記治療に対する応答者であり、前記抗体による治療の2
4週目までに、ベースラインの関節疾患活動性からの50%の改善によって決定される、
疾患活動性の統計的に有意な改善を有するものとして特定される、請求項14~17のい
ずれかに記載の方法。
【請求項22】
前記患者が、前記抗体による前記治療に対する応答者であり、治療の24週目までに、
1年の治療を通じて持続される疾患活動性の統計的に有意な改善を有するものとして特定
され、疾患活動性が、≧4の全身性エリテマトーデス疾患活動性指標2000(SLED
AI-2K)スコアにおけるベースラインからの減少(SRI-4応答)、皮膚エリテマ
トーデス疾患エリア及び重症度指標(CLASI)スコアにおけるベースラインからの5
0%の改善を有する患者の比率、及びベースラインの関節疾患活動性からの50%の改善
からなる群から選択される1つ又は2つ以上の基準によって決定される、請求項14~1
7のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
IV投与で使用するための前記抗体が、10mMのL-ヒスチジン、8.5%(w/v
)のスクロース、0.04%(w/v)のポリソルベート80、0.4mg/mLのLメ
チオニン、及び20μg/mLのEDTA二ナトリウム塩、脱水和物を、pH6.0で含
む溶液を含む医薬組成物中にある、請求項15~17のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
SC投与で使用するための前記抗体が、6.7mMのL-ヒスチジン、7.6%(w/
v)のスクロース、0.004%(w/v)のポリソルベート80を、pH6.0で含む
溶液を含む医薬組成物中にある、請求項15~17のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
ループスを治療するために使用される1つ又は2つ以上の追加の薬剤を前記患者に投与
することを更に含む、請求項14~17のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
前記追加の薬剤が、免疫抑制剤、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、メトトレキ
サート(MTX)、抗B細胞表面マーカー抗体、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アン
ジオテンシン受容体遮断薬、抗マラリア薬、ミコフェノール酸モフェチル、ミコフェノー
ル酸、アザチオプリン、6-メルカプトプリン、ベリムマブ、抗CD20抗体、リツキシ
マブ、コルチコステロイド、及び共刺激性調整剤からなる群から選択される、請求項25
に記載の方法。
【請求項27】
患者の活動性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法であって、抗IL-1
2/IL-23p40抗体を、前記患者に、臨床的に証明された安全かつ臨床的に証明さ
れた有効な量で投与することを含み、前記抗体が、配列番号10のアミノ酸配列の重鎖と
、配列番号11のアミノ酸配列の軽鎖と、を含み、前記抗体が、0週目に初回静脈内(I
V)用量で投与され、続いて8週毎に(q8w)皮下(SC)用量で投与されるか、ある
いは、前記抗体が、初回皮下(SC)用量で投与され、続いて8週毎に(q8w)SC用
量で投与される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(配列表)
本出願は、ASCIIフォーマットで電子的に提出済みであり、その全体が参照により
本明細書に組み込まれている配列表を含む。当該ASCIIのコピーは、2018年9月
6日に作成され、JBI5139WOPCTSEQLIST.txtという名称であり、
そのサイズは、13/382バイトである。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、ヒトIL-12及び/又はヒトIL-23タンパク質に結合する抗体でルー
プスを治療するための方法に関する。具体的には、本発明は、臨床的に証明された安全か
つ臨床的に証明された有効な量の抗IL-12/IL-23p40抗体又は抗IL-23
抗体、例えば抗IL-12/IL-23p40抗体のウステキヌマブ(ustekinumab)、
及び抗体の特定の医薬組成物を投与することにより、患者の活動性全身性エリテマトーデ
ス(SLE)を治療する方法に関する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
インターロイキン(Interleukin、IL)-12は、2つのジスルフィド結合グリコシ
ル化タンパク質サブユニット(それらのおおよその分子量のためにp35及びp40と表
記される)から構成される、分泌されるヘテロ二量体サイトカインである。IL-12は
主に抗原提示細胞によって産生され、T細胞又はナチュラルキラー(natural killer、N
K)細胞の表面上に発現される2鎖受容体複合体に結合することによって細胞性免疫を促
進する。IL-12受容体β-1(IL-12Rβ1)鎖は、IL-12のp40サブユ
ニットに結合し、IL-12とその受容体との間の一次相互作用をもたらす。しかしなが
ら、細胞内シグナル伝達(例えば、STAT4リン酸化)及び受容体保有細胞の活性化を
付与するのは、第2のレセプター鎖IL-12Rβ2のIL-12p35ライゲーション
である(Presky et al,1996)。抗原提示と並行するIL-12シグナ
ル伝達は、インターフェロンγ(IFNγ)産生を特徴とするTヘルパー1(Th1)表
現型に向けてT細胞分化を引き起こすと考えられる(Trinchieri,2003)
。Th1細胞は、いくつかの細胞内病原体に対する免疫を促進し、補結抗体アイソタイプ
を生成し、腫瘍免疫監視に寄与すると考えられる。これにより、IL-12は、宿主防御
免疫機構にとって重要な構成要素であると考えられる。
【0004】
IL-12のp40タンパク質サブユニットはまた、p19と表記される別個のタンパ
ク質サブユニットと会合して、新たなサイトカインIL-23を形成し得ることが発見さ
れた(Oppman et al,2000)。IL-23も2鎖受容体複合体を通して
シグナル伝達する。p40サブユニットは、IL-12とIL-23との間で共有される
ため、IL-12Rβ1鎖はIL-12とIL-23との間でも共有される。しかしなが
ら、IL-23特異的細胞内シグナル伝達(例えば、STAT3リン酸化)及びその後の
T細胞によるIL-17産生を付与するのは、IL-23受容体複合体IL-23Rの第
2の構成要素のIL-23p19ライゲーショである(Parhamら(2002年)、
Aggarwalら(2003年))。最近の研究は、IL-23の生物学的機能とIL
-12の生物学的機能は、これら2つのサイトカイン間の構造的類似性にもかかわらず、
異なることを示した(Langrish et al,2005)。
【0005】
抗体によるIL-12の中和が、乾癬、多発性硬化症(multiple sclerosis、MS)、
関節リウマチ、炎症性腸疾患、インスリン依存性(1型)真性糖尿病、及びブドウ膜炎の
動物モデルの処置において有効であるため、IL-12及びTh1細胞集団の異常な制御
は、多くの免疫媒介性疾患に関連付けられている(Leonardら(1995年)、H
ongら(1999年)、Malfaitら(1998年)、Davidsonら(19
98年))。IL-12はまた、全身性エリテマトーデスの2つの独立したマウスモデル
においてSLEの病因において重要な役割を果たすことも示されている(Kikawad
a et al.2003;Dai et al.2007)。
【0006】
全身性エリテマトーデス(SLE)は、ほとんど全ての器官系に影響を及ぼし得る未知
の病因の複雑で慢性の不均質な自己免疫疾患であり、漸増及び漸減疾患過程に従う。全身
性エリテマトーデスは、男性よりも女性ではるかに頻繁に発症し、いくつかの研究では9
倍以上頻繁に発症し、15歳~45歳の妊娠可能年齢で現れることが多い。この疾患は、
アフリカ系カリブ人、アジア系、及びヒスパニック系集団においてより多く見られる。S
LEでは、免疫系は、身体の細胞及び組織を攻撃し、結果として、心臓、関節、皮膚、肺
、血管、肝臓、腎臓、及び神経系を害し得る炎症並びに組織損傷をもたらす。器官を脅か
す疾患で存在するSLEと診断された対象の約半分は、器官関与が存在しない対象を診断
するのに数年を要する場合がある。新たに診断されたループス患者の主な症状のいくつか
は、不整脈(62%)及び皮膚症状(新たな光過敏症;20%)、持続的な発熱及び倦怠
感が続く。39ループスの推定年間発生率は、100,000人当たり1.8~7.6の
症例で変動し、世界中の罹患率は、100,000人当たり14~172の症例の範囲で
ある。39軽度疾患を有する患者は、大部分は皮膚発疹及び関節痛を有し、より積極的な
治療を必要とし;レジメンとしては、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、抗マラリ
ア薬(例えば、ヒドロキシクロロキン、クロロキン、又はキナクリン)、及び/又は低用
量コルチコステロイドが挙げられる。より重度の疾患患者は、潜在的な腎不全、心内膜炎
若しくは心筋炎、肺炎、妊娠合併症、脳卒中、神経学的合併症、血管炎、及び出血又は感
染症の関連するリスクを伴う血球減少症を含む、関与する器官系に応じて、様々な重篤な
状態を経験し得る。より重篤な疾患に対する一般的な治療としては、メトトレキサート(
MTX)、アザチオプリン、シクロホスファミド、シクロスポリン、高用量コルチコステ
ロイド、生物学的B細胞細胞傷害剤、又はB細胞調節因子、及び他の免疫調節剤が挙げら
れる。深刻なSLEを有する患者は、10~30年の寿命の短縮を有し、主に、疾患の、
標準的なケア療法の、及び/又は加速性アテローム性動脈硬化症の合併症に起因する。加
えて、SLEは、生活の質、仕事の生産性、及び医療費に実質的な影響を及ぼす。SLE
の既存の療法は、一般に、細胞傷害剤又は免疫調節剤のいずれかであり、顕著な安全性リ
スクを有し得る。SLEのためのより新しい治療は、標準的なケア療法をわずかに超える
利益しか提供していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、高い安全性リスクを負うことなく、この疾患において有意な利益を提供す
ることができる新たな代替的処置に対する、大きな未解決の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
簡単にするために、参照により本明細書に組み込まれる、本明細書に添付の独立及び従
属請求項によって、一般的かつ好ましい実施形態がそれぞれ定義される。他の好ましい実
施形態、特性、及び利点は、添付の図面と併せて、以下の発明を実施するための形態から
明らかになるであろう。
【0009】
ある特定の実施形態では、本発明は、患者に、抗IL-12及び/又は抗IL-23抗
体を静脈内(IV)及び/又は皮下(SC)投与することを含む、患者におけるループス
を治療する臨床的に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な方法を提供する。
【0010】
ある特定の実施形態では、本発明は、患者に、抗IL-12及び/又は抗IL-23抗
体を静脈内(IV)及び/又は皮下(SC)投与することを含む、患者におけるループス
を治療する臨床的に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な方法を提供し、抗IL
-12及び/又は抗IL-23抗体が、抗IL-12/23p40抗体である。
【0011】
ある特定の実施形態では、本発明は、患者に、抗IL-12及び/又は抗IL-23抗
体を静脈内(IV)及び/又は皮下(SC)投与することを含む、患者におけるループス
を治療する臨床的に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な方法を提供し、抗IL
-12及び/又は抗IL-23抗体が、抗IL-12/23p40である。
【0012】
ある特定の実施形態では、本発明は、患者に、抗IL-12及び/又は抗IL-23抗
体を静脈内(IV)及び/又は皮下(SC)投与することを含む、患者におけるループス
を治療する臨床的に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な方法を提供し、抗IL
-12及び/又は抗IL-23抗体が、(i)配列番号1、配列番号2、及び配列番号3
の重鎖CDRアミノ酸配列と、(ii)配列番号4、配列番号5、及び配列番号6の軽鎖
CDRアミノ酸配列とを含む抗IL-12/23p40抗体(ウステキヌマブ(Jans
sen Biotech,Inc.のStelara(登録商標))に相当する)である
。
【0013】
ある特定の実施形態では、本発明は、患者に、抗IL-12及び/又は抗IL-23抗
体を静脈内(IV)及び/又は皮下(SC)投与することを含む、患者におけるループス
を治療する臨床的に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な方法を提供し、抗IL
-12及び/又は抗IL-23抗体が、(i)配列番号7の重鎖可変ドメインアミノ酸配
列と、(ii)配列番号8の軽鎖可変ドメインアミノ酸配列とを含む抗IL-12/23
p40抗体(ウステキヌマブ(Janssen Biotech,Inc.のStela
ra(登録商標))に相当する)である。
【0014】
ある特定の実施形態では、本発明は、患者に、抗IL-12及び/又は抗IL-23抗
体を静脈内(IV)及び/又は皮下(SC)投与することを含む、患者におけるループス
を治療する臨床的に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な方法を提供し、抗IL
-12及び/又は抗IL-23抗体が、(i)配列番号10の重鎖アミノ酸配列と、(i
i)配列番号11の軽鎖可変ドメインアミノ酸配列とを含む抗IL-12/23p40抗
体ウステキヌマブ(Stelara(登録商標))(ウステキヌマブ(Janssen
Biotech,Inc.のStelara(登録商標))に相当する)である。
【0015】
ある特定の実施形態では、本発明は、患者に、抗IL-12及び/又は抗IL-23抗
体を含む医薬組成物を静脈内(IV)及び/又は皮下(SC)投与することを含む、患者
におけるループスを治療する臨床的に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な方法
で使用するための、抗IL-12及び/又は抗IL-23抗体を含む組成物を提供する。
【0016】
ある特定の実施形態では、本発明は、患者に、抗IL-12及び/又は抗IL-23抗
体を含む医薬組成物を静脈内(IV)及び/又は皮下(SC)投与することを含む、患者
におけるループスを治療する臨床的に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な方法
で使用するための、抗IL-12及び/又は抗IL-23抗体を含む組成物を提供し、抗
IL-12及び/又は抗IL-23抗体が、抗IL-12/23p40抗体である。
【0017】
ある特定の実施形態では、本発明は、患者に、抗IL-12及び/又は抗IL-23抗
体を含む医薬組成物を静脈内(IV)及び/又は皮下(SC)投与することを含む、患者
におけるループスを治療する臨床的に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な方法
で使用するための、抗IL-12及び/又は抗IL-23抗体を含む組成物を提供し、抗
IL-12及び/又は抗IL-23抗体が、抗IL-12/23p40抗体である。
【0018】
ある特定の実施形態では、本発明は、患者に、抗IL-12及び/又は抗IL-23抗
体を含む医薬組成物を静脈内(IV)及び/又は皮下(SC)投与することを含む、患者
におけるループスを治療する臨床的に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な方法
で使用するための、抗IL-12及び/又は抗IL-23抗体を含む組成物を提供し、抗
IL-12及び/又は抗IL-23抗体が、(i)配列番号1、配列番号2、及び配列番
号3の重鎖CDRアミノ酸配列と、(ii)配列番号4、配列番号5、及び配列番号6の
軽鎖CDRアミノ酸配列とを含む抗IL-12/23p40抗体である。
【0019】
ある特定の実施形態では、本発明は、患者に、抗IL-12及び/又は抗IL-23抗
体を含む医薬組成物を静脈内(IV)及び/又は皮下(SC)投与することを含む、患者
におけるループスを治療する臨床的に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な方法
で使用するための、抗IL-12及び/又は抗IL-23抗体を含む組成物を提供し、抗
IL-12及び/又は抗IL-23抗体が、(i)配列番号7の重鎖可変ドメインアミノ
酸配列と、(ii)配列番号8の軽鎖可変ドメインアミノ酸配列とを含む抗IL-12/
23p40抗体である。
【0020】
ある特定の実施形態では、本発明は、患者に、抗IL-12及び/又は抗IL-23抗
体を含む医薬組成物を静脈内(IV)及び/又は皮下(SC)投与することを含む、患者
におけるループスを治療する臨床的に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な方法
で使用するための、抗IL-12及び/又は抗IL-23抗体を含む組成物を提供し、抗
IL-12及び/又は抗IL-23抗体が、(i)配列番号10の重鎖アミノ酸配列と、
(ii)配列番号11の軽鎖アミノ酸配列とを含む抗IL-12/23p40抗体ウステ
キヌマブ(Stelara(登録商標))である。
【0021】
ある特定の実施形態では、本発明は、(i)配列番号1、配列番号2、及び配列番号3
の重鎖CDRアミノ酸配列と、(ii)配列番号4、配列番号5、及び配列番号6の軽鎖
CDRアミノ酸配列と、を含む、抗IL-12/23p40抗体を、10mMのL-ヒス
チジン、8.5%(w/v)スクロース、0.04%(w/v)ポリソルベート80、0
.4mg/mLのLメチオニン、及び20μg/mLのEDTA二ナトリウム塩、脱水和
物を、pH6.0で含む溶液中に含む、静脈内(IV)投与のための医薬組成物を提供す
る。
【0022】
ある特定の実施形態では、本発明は、(i)配列番号1、配列番号2、及び配列番号3
の重鎖CDRアミノ酸配列と、(ii)配列番号4、配列番号5、及び配列番号6の軽鎖
CDRアミノ酸配列と、を含む、抗IL-12/23p40抗体を、6.7mMのL-ヒ
スチジン、7.6%(w/v)スクロース、0.004%(w/v)ポリソルベート80
を、pH6.0で含む溶液中に含む、皮下(SC)投与のための医薬組成物を提供する。
【0023】
ある特定の実施形態では、本発明は、(i)配列番号7の重鎖可変ドメインアミノ酸配
列と、(ii)配列番号8の軽鎖可変ドメインアミノ酸配列と、を含む、抗IL-12/
23p40抗体を、10mMのL-ヒスチジン、8.5%(w/v)スクロース、0.0
4%(w/v)ポリソルベート80、0.4mg/mLのLメチオニン、及び20μg/
mLのEDTA二ナトリウム塩、脱水和物を、pH6.0で含む溶液中に含む、静脈内(
IV)投与のための医薬組成物を提供する。
【0024】
ある特定の実施形態では、本発明は、(i)配列番号7の重鎖可変ドメインアミノ酸配
列と、(ii)配列番号8の軽鎖可変ドメインアミノ酸配列と、を含む、抗IL-12/
23p40抗体を、6.7mMのL-ヒスチジン、7.6%(w/v)スクロース、0.
004%(w/v)ポリソルベート80を、pH6.0で含む溶液中に含む、皮下(SC
)投与のための医薬組成物を提供する。
【0025】
ある特定の実施形態では、本発明は、(i)配列番号10の重鎖アミノ酸配列と、(i
i)配列番号11の軽鎖アミノ酸配列と、を含む、抗IL-12/23p40抗体ウステ
キヌマブ(Stelara(登録商標))を、10mMのL-ヒスチジン、8.5%(w
/v)スクロース、0.04%(w/v)ポリソルベート80、0.4mg/mLのLメ
チオニン、及び20μg/mLのEDTA二ナトリウム塩、脱水和物を、pH6.0で含
む溶液中に含む、静脈内(IV)投与のための医薬組成物を提供する。
【0026】
ある特定の実施形態では、本発明は、(i)配列番号10の重鎖アミノ酸配列と、(i
i)配列番号11の軽鎖アミノ酸配列と、を含む、抗IL-12/23p40抗体ウステ
キヌマブ(Stelara(登録商標))を、6.7mMのL-ヒスチジン、7.6%(
w/v)スクロース、0.004%(w/v)ポリソルベート80を、pH6.0で含む
溶液中に含む、皮下(SC)投与のための医薬組成物を提供する。
【0027】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗IL-23特異性抗体(IL-23p19抗体
とも称される)、例えば、グセルクマブ(guselkumab)及びリサンキズマブ(risankizum
ab)(BI-655066)、チルドドラキズマブ(tildrakizumab)(MK-322)
を皮下投与することを含む、患者におけるループスの治療方法を提供する。
【0028】
ある特定の実施形態では、本発明の方法で使用される組成物は、抗IL-23特異的抗
体を、約1.0μg/ml~約1000mg/mlの量で、具体的には50mg又は10
0mgの量で含む医薬組成物を含む。好ましい実施形態では、抗IL-23特異的抗体が
、医薬組成物の100mg/mLでのグセルクマブであり、7.9%(w/v)のスクロ
ース、4.0mMのヒスチジン、6.9mMのL-ヒスチジン一塩酸塩一水和物と、0.
053%(w/v)のポリソルベート80とを含み、希釈剤は標準状態の水である。
【0029】
ある特定の実施形態では、本発明の方法で使用される組成物は、単離された抗IL23
特異的抗体、例えば、医薬組成物の100mg/mLでグセルクマブ、7.9%(w/v
)のスクロース、4.0mMのヒスチジン、6.9mMのL-ヒスチジン一塩酸塩一水和
物と、0.053%(w/v)のポリソルベート80と、を含み、希釈剤は標準状態の水
である。
【0030】
ある特定の実施形態では、本発明の方法は、単離された抗IL-23特異的抗体、例え
ば、グセルクマブを含む医薬組成物を、100mg/mLで含む医薬組成物投与すること
を含む。7.9%(w/v)のスクロース、4.0mMのヒスチジン、6.9mMのL-
ヒスチジン一塩酸塩一水和物と、0.053%(w/v)のポリソルベート80とを含み
、希釈剤は標準状態の水である。
【0031】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的
に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の
活動性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が重鎖可変領域
及び軽鎖可変領域を含み、当該重鎖可変領域が、配列番号1の相補性決定領域重鎖1(C
DRH1)アミノ酸配列と、配列番号2のCDRH2アミノ酸配列と、配列番号3のCD
RH3アミノ酸配列とを含み、当該軽鎖可変領域が、配列番号4の相補性決定領域軽鎖1
(CDRL1)アミノ酸配列と、配列番号5のCDRL2アミノ酸配列と、配列番号6の
CDRL3アミノ酸配列とを含む。
【0032】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的
に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の
活動性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が重鎖可変領域
及び軽鎖可変領域を含み、当該重鎖可変領域が、配列番号1の相補性決定領域重鎖1(C
DRH1)アミノ酸配列と、配列番号2のCDRH2アミノ酸配列と、配列番号3のCD
RH3アミノ酸配列とを含み、当該軽鎖可変領域が、配列番号4の相補性決定領域軽鎖1
(CDRL1)アミノ酸配列と、配列番号5のCDRL2アミノ酸配列と、配列番号6の
CDRL3アミノ酸配列とを含み、抗体が、0週目に初回静脈内(IV)用量で投与され
、続いて8週毎に(q8w)皮下(SC)用量で投与されるか、あるいは、抗体が、初回
皮下(SC)用量で投与され、続いて8週毎に(q8w)皮下(SC)用量で投与される
。
【0033】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的
に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の
活動性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が重鎖可変領域
及び軽鎖可変領域を含み、当該重鎖可変領域が、配列番号1の相補性決定領域重鎖1(C
DRH1)アミノ酸配列と、配列番号2のCDRH2アミノ酸配列と、配列番号3のCD
RH3アミノ酸配列とを含み、当該軽鎖可変領域が、配列番号4の相補性決定領域軽鎖1
(CDRL1)アミノ酸配列と、配列番号5のCDRL2アミノ酸配列と、配列番号6の
CDRL3アミノ酸配列とを含み、抗体が、0週目に初回静脈内(IV)用量で投与され
、続いて8週毎に(q8w)皮下(SC)用量で投与されるか、あるいは、抗体が、初回
皮下(SC)用量で投与され、続いて8週毎に(q8w)皮下(SC)用量で投与され、
初回IV用量が、6.0mg/kg±1.5mg/kgである。
【0034】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的
に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の
活動性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が重鎖可変領域
及び軽鎖可変領域を含み、当該重鎖可変領域が、配列番号1の相補性決定領域重鎖1(C
DRH1)アミノ酸配列と、配列番号2のCDRH2アミノ酸配列と、配列番号3のCD
RH3アミノ酸配列とを含み、当該軽鎖可変領域が、配列番号4の相補性決定領域軽鎖1
(CDRL1)アミノ酸配列と、配列番号5のCDRL2アミノ酸配列と、配列番号6の
CDRL3アミノ酸配列とを含み、抗体が、0週目に初回静脈内(IV)用量で投与され
、続いて8週毎に(q8w)皮下(SC)用量で投与されるか、あるいは、抗体が、初回
皮下(SC)用量で投与され、続いて8週毎に(q8w)皮下(SC)用量で投与され、
初回IV用量が、体重が≧35kgから≦55kgまでの患者に対しては260mgであ
り、体重が>55kgから≦85kgまでの患者に対しては390mgであり、体重が>
85kgの患者に対しては520mgである。
【0035】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的
に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の
活動性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が重鎖可変領域
及び軽鎖可変領域を含み、当該重鎖可変領域が、配列番号1の相補性決定領域重鎖1(C
DRH1)アミノ酸配列と、配列番号2のCDRH2アミノ酸配列と、配列番号3のCD
RH3アミノ酸配列とを含み、当該軽鎖可変領域が、配列番号4の相補性決定領域軽鎖1
(CDRL1)アミノ酸配列と、配列番号5のCDRL2アミノ酸配列と、配列番号6の
CDRL3アミノ酸配列とを含み、抗体が、0週目に初回静脈内(IV)用量で投与され
、続いて8週毎に(q8w)皮下(SC)用量で投与されるか、あるいは、抗体が、初回
皮下(SC)用量で投与され、続いて8週毎に(q8w)皮下(SC)用量で投与され、
SC用量が、90mgである。
【0036】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的
に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の
活動性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が重鎖可変領域
及び軽鎖可変領域を含み、当該重鎖可変領域が、配列番号1の相補性決定領域重鎖1(C
DRH1)アミノ酸配列と、配列番号2のCDRH2アミノ酸配列と、配列番号3のCD
RH3アミノ酸配列とを含み、当該軽鎖可変領域が、配列番号4の相補性決定領域軽鎖1
(CDRL1)アミノ酸配列と、配列番号5のCDRL2アミノ酸配列と、配列番号6の
CDRL3アミノ酸配列とを含み、抗体が、0週目に初回静脈内(IV)用量で投与され
、続いて8週毎に(q8w)皮下(SC)用量で投与されるか、あるいは、抗体が、初回
皮下(SC)用量で投与され、続いて8週毎に(q8w)皮下(SC)用量で投与され、
患者が、抗体による治療に対する応答者であり、治療の12週目で開始する改善、及び抗
体による治療の24週目までに、48週まで持続する応答を伴う、≧4の全身性エリテマ
トーデス疾患活動性指標2000(SLEDAI-2K)スコアの改善(SRI-4応答
)によって決定される、疾患活動性における統計的に有意な改善を有するものとして特定
される。
【0037】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的
に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の
活動性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が重鎖可変領域
及び軽鎖可変領域を含み、当該重鎖可変領域が、配列番号1の相補性決定領域重鎖1(C
DRH1)アミノ酸配列と、配列番号2のCDRH2アミノ酸配列と、配列番号3のCD
RH3アミノ酸配列とを含み、当該軽鎖可変領域が、配列番号4の相補性決定領域軽鎖1
(CDRL1)アミノ酸配列と、配列番号5のCDRL2アミノ酸配列と、配列番号6の
CDRL3アミノ酸配列と、を含み、抗体が、0週目に初回静脈内(IV)用量で投与さ
れ、続いて8週毎に(q8w)皮下(SC)用量で投与されるか、あるいは、抗体が、初
回皮下(SC)用量で投与され、続いて8週毎に(q8w)SC用量で投与され、患者が
、抗体による治療に対する応答者であり、治療の12週目で開始する改善、及び抗体によ
る治療の24週目までに、新しいブリティッシュ島ループス評価グループ(British Isle
s Lupus Assessment Group)(BILAG)フレアのリスクにおける、≧1の新しいBI
LAG Aドメインスコア、又は≧2の新しいBILAG Bドメインスコアとして定義
される、統計的に有意な低減を有するものとして特定される。
【0038】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的
に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の
活動性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が重鎖可変領域
及び軽鎖可変領域を含み、当該重鎖可変領域が、配列番号1の相補性決定領域重鎖1(C
DRH1)アミノ酸配列と、配列番号2のCDRH2アミノ酸配列と、配列番号3のCD
RH3アミノ酸配列とを含み、当該軽鎖可変領域が、配列番号4の相補性決定領域軽鎖1
(CDRL1)アミノ酸配列と、配列番号5のCDRL2アミノ酸配列と、配列番号6の
CDRL3アミノ酸配列とを含み、抗体が、0週目に初回静脈内(IV)用量で投与され
、続いて8週毎に(q8w)皮下(SC)用量で投与されるか、あるいは、抗体が、初回
皮下(SC)用量で投与され、続いて8週毎に(q8w)皮下(SC)用量で投与され、
患者が、抗体による治療に対する応答者であり、治療の開始後12週目で開始する改善を
有し、及びプラセボで処置した患者と比べて、抗体による治療を受けた患者について、皮
膚エリテマトーデス疾患エリア及び重症度指標(Cutaneous Lupus Erythematosus Diseas
e Area and Severity Index)(CLASI)スコアにおけるベースラインからの50%
の改善を有する患者の比率の統計的に有意な増加があると特定される。
【0039】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的
に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の
活動性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が重鎖可変領域
及び軽鎖可変領域を含み、当該重鎖可変領域が、配列番号1の相補性決定領域重鎖1(C
DRH1)アミノ酸配列と、配列番号2のCDRH2アミノ酸配列と、配列番号3のCD
RH3アミノ酸配列とを含み、当該軽鎖可変領域が、配列番号4の相補性決定領域軽鎖1
(CDRL1)アミノ酸配列と、配列番号5のCDRL2アミノ酸配列と、配列番号6の
CDRL3アミノ酸配列とを含み、抗体が、0週目に初回静脈内(IV)用量で投与され
、続いて8週毎に(q8w)皮下(SC)用量で投与されるか、あるいは、抗体が、初回
皮下(SC)用量で投与され、続いて8週毎に(q8w)皮下(SC)用量で投与され、
患者が、抗体による治療に対する応答者であり、治療の12週目で開始する改善、及び抗
体による治療の24週目までに、ベースラインの関節疾患活動性からの50%の改善によ
って決定される疾患活動性における統計的に有意な改善を有するものとして特定される。
【0040】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的
に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の
活動性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が重鎖可変領域
及び軽鎖可変領域を含み、当該重鎖可変領域が、配列番号1の相補性決定領域重鎖1(C
DRH1)アミノ酸配列と、配列番号2のCDRH2アミノ酸配列と、配列番号3のCD
RH3アミノ酸配列とを含み、当該軽鎖可変領域が、配列番号4の相補性決定領域軽鎖1
(CDRL1)アミノ酸配列と、配列番号5のCDRL2アミノ酸配列と、配列番号6の
CDRL3アミノ酸配列と、を含み、抗体が、0週目に初回静脈内(IV)用量で投与さ
れ、続いて8週毎に(q8w)皮下(SC)用量で投与されるか、あるいは、抗体が、初
回皮下(SC)用量で投与され、続いて8週毎に(q8w)SC用量で投与され、患者が
、抗体による治療に対する応答者であり、1年の治療を通じて持続される治療の24週目
までに、疾患活動性の統計的に有意な改善を有するものとして特定され、疾患活動性が、
≧4の全身性エリテマトーデス疾患活動性指標2000(SLEDAI-2K)スコアに
おけるベースラインからの減少(SRI-4応答)、皮膚エリテマトーデス疾患エリア及
び重症度指標(CLASI)スコアにおけるベースラインからの50%の改善を有する患
者の比率、及びベースラインの関節疾患活動性からの50%の改善からなる群から選択さ
れる1つ又は2つ以上の基準によって決定される。
【0041】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的
に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の
活動性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が重鎖可変領域
及び軽鎖可変領域を含み、当該重鎖可変領域が、配列番号1の相補性決定領域重鎖1(C
DRH1)アミノ酸配列と、配列番号2のCDRH2アミノ酸配列と、配列番号3のCD
RH3アミノ酸配列とを含み、当該軽鎖可変領域が、配列番号4の相補性決定領域軽鎖1
(CDRL1)アミノ酸配列と、配列番号5のCDRL2アミノ酸配列と、配列番号6の
CDRL3アミノ酸配列とを含み、抗体が、0週目に初回静脈内(IV)用量で投与され
、続いて8週毎に(q8w)皮下(SC)用量で投与されるか、あるいは、抗体が、初回
皮下(SC)用量で投与され、続いて8週毎に(q8w)皮下(SC)用量で投与され、
IV投与で使用するための抗体が、10mMのL-ヒスチジン、8.5%(w/v)のス
クロース、0.04%(w/v)のポリソルベート80、0.4mg/mLのLメチオニ
ン、及び20μg/mLのEDTA二ナトリウム塩、脱水物を、pH6.0で含む溶液を
含む医薬組成物中にある。
【0042】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的
に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の
活動性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が重鎖可変領域
及び軽鎖可変領域を含み、当該重鎖可変領域が、配列番号1の相補性決定領域重鎖1(C
DRH1)アミノ酸配列と、配列番号2のCDRH2アミノ酸配列と、配列番号3のCD
RH3アミノ酸配列とを含み、当該軽鎖可変領域が、配列番号4の相補性決定領域軽鎖1
(CDRL1)アミノ酸配列と、配列番号5のCDRL2アミノ酸配列と、配列番号6の
CDRL3アミノ酸配列とを含み、抗体が、0週目に初回静脈内(IV)用量で投与され
、続いて8週毎に(q8w)皮下(SC)用量で投与されるか、あるいは、抗体が、初回
皮下(SC)用量で投与され、続いて8週毎に(q8w)皮下(SC)用量で投与され、
SC投与で使用するための抗体が、6.7mMのL-ヒスチジン、7.6%(w/v)の
スクロース、0.004%(w/v)のポリソルベート80を、pH6.0で含む溶液を
含む医薬組成物中にある。
【0043】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的
に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の
活動性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が重鎖可変領域
及び軽鎖可変領域を含み、当該重鎖可変領域が、配列番号1の相補性決定領域重鎖1(C
DRH1)アミノ酸配列と、配列番号2のCDRH2アミノ酸配列と、配列番号3のCD
RH3アミノ酸配列とを含み、当該軽鎖可変領域が、配列番号4の相補性決定領域軽鎖1
(CDRL1)アミノ酸配列と、配列番号5のCDRL2アミノ酸配列と、配列番号6の
CDRL3アミノ酸配列とを含み、本方法が、ループスを治療するために使用される1つ
以上の追加の薬剤を患者に投与することを更に含む。
【0044】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的
に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の
活動性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が重鎖可変領域
及び軽鎖可変領域を含み、当該重鎖可変領域が、配列番号1の相補性決定領域重鎖1(C
DRH1)アミノ酸配列と、配列番号2のCDRH2アミノ酸配列と、配列番号3のCD
RH3アミノ酸配列とを含み、当該軽鎖可変領域が、配列番号4の相補性決定領域軽鎖1
(CDRL1)アミノ酸配列と、配列番号5のCDRL2アミノ酸配列と、配列番号6の
CDRL3アミノ酸配列とを含み、本方法が、ループスを治療するために使用される1つ
以上の追加の薬剤を患者に投与することを更に含み、追加の薬剤が、免疫抑制剤、非ステ
ロイド性抗炎症薬(NSAID)、メトトレキサート(MTX)、抗B細胞表面マーカー
抗体、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシン受容体遮断薬、抗マラリア薬
、ミコフェノール酸モフェチル、ミコフェノール酸、アザチオプリン、6-メルカプトプ
リン、ベリムマブ、抗CD20抗体、リツキシマブ、コルチコステロイド、及び共刺激性
調整剤からなる群から選択される。
【0045】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的
に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の
活動性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が配列番号7の
アミノ酸配列の重鎖可変領域と、配列番号8のアミノ酸配列の軽鎖可変領域とを含む。
【0046】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的
に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の
活動性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が配列番号7の
アミノ酸配列の重鎖可変領域と、配列番号8のアミノ酸配列の軽鎖可変領域とを含み、抗
体が、0週目に初回静脈内(IV)用量で投与され、続いて8週毎に(q8w)皮下(S
C)用量で投与されるか、あるいは、抗体が、初回皮下(SC)用量で投与され、続いて
8週毎に(q8w)皮下(SC)用量で投与される。
【0047】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的
に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の
活動性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が配列番号7の
アミノ酸配列の重鎖可変領域と、配列番号8のアミノ酸配列の軽鎖可変領域とを含み、抗
体が、0週目に初回静脈内(IV)用量で投与され、続いて8週毎に(q8w)皮下(S
C)用量で投与されるか、あるいは、抗体が、初回皮下(SC)用量で投与され、続いて
8週毎に(q8w)皮下(SC)用量で投与され、初回IV用量が、6.0mg/kg±
1.5mg/kgである。
【0048】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的
に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の
活動性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が配列番号7の
アミノ酸配列の重鎖可変領域と、配列番号8のアミノ酸配列の軽鎖可変領域とを含み、抗
体が、0週目に初回静脈内(IV)用量で投与され、続いて8週毎に(q8w)皮下(S
C)用量で投与されるか、あるいは、抗体が、初回皮下(SC)用量で投与され、続いて
8週毎に(q8w)皮下(SC)用量で投与され、初回IV用量が、体重が≧35kgか
ら≦55kgまでの患者に対しては260mgであり、体重が>55kgから≦85kg
までの患者に対しては390mgであり、体重が>85kgの患者に対しては520mg
である。
【0049】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的
に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の
活動性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が、配列番号7
のアミノ酸配列の重鎖可変領域と、配列番号8のアミノ酸配列の軽鎖可変領域と、を含み
、抗体が、0週目に初回静脈内(IV)用量で投与され、続いて8週毎に(q8w)皮下
(SC)用量で投与されるか、あるいは、抗体が、初回皮下(SC)用量で投与され、続
いて8週毎に(q8w)SC用量で投与され、初回SC用量が、90mgである。
【0050】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的
に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の
活動性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が、配列番号7
のアミノ酸配列の重鎖可変領域と、配列番号8のアミノ酸配列の軽鎖可変領域と、を含み
、抗体が、0週目に初回静脈内(IV)用量で投与され、続いて8週毎に(q8w)皮下
(SC)用量で投与されるか、あるいは、抗体が、初回皮下(SC)用量で投与され、続
いて8週毎に(q8w)SC用量で投与され、患者が、抗体による治療に対する応答者で
あり、治療の12週目で開始する改善、及び抗体による治療の24週目までに、≧4の全
身性エリテマトーデス疾患活動性指標2000(SLEDAI-2K)スコアにおけるベ
ースラインからの減少(SRI-4応答)によって決定される、疾患活動性の統計的に有
意な改善を有するものとして特定される。
【0051】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的
に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の
活動性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が配列番号7の
アミノ酸配列の重鎖可変領域と、配列番号8のアミノ酸配列の軽鎖可変領域とを含み、抗
体が、0週目に初回静脈内(IV)用量で投与され、続いて8週毎に(q8w)皮下(S
C)用量で投与されるか、あるいは、抗体が、初回皮下(SC)用量で投与され、続いて
8週毎に(q8w)皮下(SC)用量で投与され、患者が、抗体による治療に対する応答
者であり、治療の12週目で開始する改善、及び抗体による治療の24週目までに、新し
いブリティッシュ島ループス評価グループ(BILAG)フレアのリスクにおける、≧1
の新しいBILAG Aドメインスコア又は≧2の新しいBILAG Bドメインスコア
として定義される、統計的に有意な低減を有するものとして特定される。
【0052】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的
に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の
活動性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が配列番号7の
アミノ酸配列の重鎖可変領域と、配列番号8のアミノ酸配列の軽鎖可変領域とを含み、抗
体が、0週目に初回静脈内(IV)用量で投与され、続いて8週毎に(q8w)皮下(S
C)用量で投与されるか、あるいは、抗体が、初回皮下(SC)用量で投与され、続いて
8週毎に(q8w)皮下(SC)用量で投与され、患者が、抗体による治療に対する応答
者であり、治療の12週目で開始する改善を有し、及びプラセボで処置した患者と比べて
、抗体による治療を受けた患者について、皮膚エリテマトーデス疾患エリア及び重症度指
標(CLASI)スコアにおけるベースラインからの50%の改善を有する患者の比率の
統計的に有意な増加があると特定される。
【0053】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的
に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の
活動性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が配列番号7の
アミノ酸配列の重鎖可変領域と、配列番号8のアミノ酸配列の軽鎖可変領域とを含み、抗
体が、0週目に初回静脈内(IV)用量で投与され、続いて8週毎に(q8w)皮下(S
C)用量で投与されるか、あるいは、抗体が、初回皮下(SC)用量で投与され、続いて
8週毎に(q8w)皮下(SC)用量で投与され、患者が、抗体による治療に対する応答
者であり、治療の12週目で開始する改善と、抗体による治療の24週目までに、ベース
ラインの関節疾患活動性からの50%の改善によって決定される疾患活性の統計的に有意
な改善と、を有するものとして特定される。
【0054】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的
に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の
活動性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が、配列番号7
のアミノ酸配列の重鎖可変領域と、配列番号8のアミノ酸配列の軽鎖可変領域と、を含み
、抗体が、0週目に初回静脈内(IV)用量で投与され、続いて8週毎に(q8w)皮下
(SC)用量で投与されるか、あるいは、抗体が、初回皮下(SC)用量で投与され、続
いて8週毎に(q8w)SC用量で投与され、患者が、抗体による治療に対する応答者で
あり、1年の治療を通じて持続される治療の24週目までに、疾患活性の統計的に有意な
改善を有するものとして特定され、疾患活動性が、≧4の全身性エリテマトーデス疾患活
動性指標2000(SLEDAI-2K)スコアにおけるベースラインからの減少(SR
I-4応答)、皮膚エリテマトーデス疾患エリア及び重症度指標(CLASI)スコアに
おけるベースラインからの50%の改善を有する患者の比率、及びベースラインの関節疾
患活動性からの50%の改善からなる群から選択される1つ又は2つ以上の基準によって
決定される。
【0055】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的
に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の
活動性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が配列番号7の
アミノ酸配列の重鎖可変領域と、配列番号8のアミノ酸配列の軽鎖可変領域とを含み、抗
体が、0週目に初回静脈内(IV)用量で投与され、続いて8週毎に(q8w)皮下(S
C)用量で投与されるか、あるいは、抗体が、初回皮下(SC)用量で投与され、続いて
8週毎に(q8w)皮下(SC)用量で投与され、IV投与で使用するための抗体が、1
0mMのL-ヒスチジン、8.5%(w/v)のスクロース、0.04%(w/v)のポ
リソルベート80、0.4mg/mLのLメチオニン、及び20μg/mLのEDTA二
ナトリウム塩、脱水物を、pH6.0で含む溶液を含む医薬組成物中にある。
【0056】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的
に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の
活動性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が配列番号7の
アミノ酸配列の重鎖可変領域と、配列番号8のアミノ酸配列の軽鎖可変領域とを含み、抗
体が、0週目に初回静脈内(IV)用量で投与され、続いて8週毎に(q8w)皮下(S
C)用量で投与されるか、あるいは、抗体が、初回皮下(SC)用量で投与され、続いて
8週毎に(q8w)皮下(SC)用量で投与され、SC投与で使用するための抗体が、6
.7mMのL-ヒスチジン、7.6%(w/v)のスクロース、0.004%(w/v)
のポリソルベート80を、pH6.0で含む溶液を含む医薬組成物中にある。
【0057】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的
に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の
活動性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が、配列番号7
のアミノ酸配列の重鎖可変領域と、配列番号8のアミノ酸配列の軽鎖可変領域とを含み、
本方法が、ループスを治療するために使用される1つ又は2つ以上の追加の薬剤を患者に
投与することを更に含む。
【0058】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的
に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の
活動性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が、配列番号7
のアミノ酸配列の重鎖可変領域と、配列番号8のアミノ酸配列の軽鎖可変領域と、を含み
、本方法が、ループスを治療するために使用される1つ以上の追加の薬剤を患者に投与す
ることを更に含み、追加の薬剤が、免疫抑制剤、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)
、メトトレキサート(MTX)、抗B細胞表面マーカー抗体、アンジオテンシン変換酵素
阻害剤、アンジオテンシン受容体遮断薬、抗マラリア薬、ミコフェノール酸モフェチル、
ミコフェノール酸、アザチオプリン、6-メルカプトプリン、ベリムマブ、抗CD20抗
体、リツキシマブ、コルチコステロイド、及び共刺激性調整剤からなる群から選択される
。
【0059】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的
に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の
活動性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が(i)配列番
号10の重鎖アミノ酸配列と、(ii)配列番号11の軽鎖アミノ酸配列とを含む、抗I
L-12/23p40抗体ウステキヌマブ(Stelara(登録商標))を含む。
【0060】
特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的に証
明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の活動
性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が(i)配列番号1
0の重鎖アミノ酸配列と、(ii)配列番号11の軽鎖アミノ酸配列とを含む、抗IL-
12/23p40抗体ウステキヌマブ(Stelara(登録商標))を含み、抗体が、
0週目に初回静脈内(IV)用量で投与され、続いて8週毎に(q8w)皮下(SC)用
量で投与されるか、あるいは、抗体が、初回皮下(SC)用量で投与され、続いて8週毎
に(q8w)皮下(SC)用量で投与される。
【0061】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的
に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の
活動性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が(i)配列番
号10の重鎖アミノ酸配列と、(ii)配列番号11の軽鎖アミノ酸配列とを含む、抗I
L-12/23p40抗体ウステキヌマブ(Stelara(登録商標))を含み、抗体
が、0週目に初回静脈内(IV)用量で投与され、続いて8週毎に(q8w)皮下(SC
)用量で投与されるか、あるいは、抗体が、初回皮下(SC)用量で投与され、続いて8
週毎に(q8w)皮下(SC)用量で投与され、初回IV用量が、6.0mg/kg±1
.5mg/kgである。
【0062】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的
に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の
活動性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が、(i)配列
番号10の重鎖アミノ酸配列と、(ii)配列番号11の軽鎖アミノ酸配列と、を含む、
抗IL-12/23p40抗体ウステキヌマブ(Stelara(登録商標))を含み、
抗体が、0週目に初回静脈内(IV)用量で投与され、続いて8週毎に(q8w)皮下(
SC)用量で投与されるか、あるいは、抗体が、初回皮下(SC)用量で投与され、続い
て8週毎に(q8w)SC用量で投与され、初回IV用量が、体重が≧35kg~≦55
kgまでの患者に対しては260mgであり、体重が>55kg~≦85kgまでの患者
に対しては390mgであり、体重が>85kgの患者に対しては520mgである。
【0063】
特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的に証
明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の活動
性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が(i)配列番号1
0の重鎖アミノ酸配列と、(ii)配列番号11の軽鎖アミノ酸配列とを含む、抗IL-
12/23p40抗体ウステキヌマブ(Stelara(登録商標))を含み、抗体が、
0週目に初回静脈内(IV)用量で投与され、続いて8週毎に(q8w)皮下(SC)用
量で投与されるか、あるいは、抗体が、初回皮下(SC)用量で投与され、続いて8週毎
に(q8w)SC用量で投与され、SC用量が、90mgである。
【0064】
特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的に証
明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の活動
性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が(i)配列番号1
0の重鎖アミノ酸配列と、(ii)配列番号11の軽鎖アミノ酸配列とを含む、抗IL-
12/23p40抗体ウステキヌマブ(Stelara(登録商標))を含み、抗体が、
0週目に初回静脈内(IV)用量で投与され、続いて8週毎に(q8w)皮下(SC)用
量で投与されるか、あるいは、抗体が、初回皮下(SC)用量で投与され、続いて8週毎
に(q8w)SC用量で投与され、患者が、抗体による治療に対する応答者であり、抗体
による治療の24週目までに、≧4の全身性エリテマトーデス疾患活動性指標2000(
SLEDAI-2K)スコアにおけるベースラインからの減少(SRI-4応答)によっ
て決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有するものとして特定される。
【0065】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的
に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の
活動性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が(i)配列番
号10の重鎖アミノ酸配列と、(ii)配列番号11の軽鎖アミノ酸配列とを含む、抗I
L-12/23p40抗体ウステキヌマブ(Stelara(登録商標))を含み、抗体
が、0週目に初回静脈内(IV)用量で投与され、続いて8週毎に(q8w)皮下(SC
)用量で投与されるか、あるいは、抗体が、初回皮下(SC)用量で投与され、続いて8
週毎に(q8w)皮下(SC)用量で投与され、患者が、抗体による治療に対する応答者
であり、抗体による治療の24週目までに、新しいブリティッシュ島ループス評価グルー
プ(BILAG)フレアのリスクにおける、≧1の新しいBILAG Aドメインスコア
、又は≧2の新しいBILAG Bドメインスコアとして定義される統計的に有意な低減
を有するものとして特定される。
【0066】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的
に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の
活動性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が、(i)配列
番号10の重鎖アミノ酸配列と、(ii)配列番号11の軽鎖アミノ酸配列とを含む、抗
IL-12/23p40抗体ウステキヌマブ(Stelara(登録商標))を含み、抗
体が、0週目に初回静脈内(IV)用量で投与され、続いて8週毎に(q8w)皮下(S
C)用量で投与されるか、あるいは、抗体が、初回皮下(SC)用量で投与され、続いて
8週毎に(q8w)SC用量で投与され、プラセボで治療された患者と比べて、抗体によ
る治療を受けた患者について、皮膚エリテマトーデス疾患エリア及び重症度指標(CLA
SI)スコアにおけるベースラインからの50%の改善を有する患者の比率の統計的に有
意な増加がある。
【0067】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的
に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の
活動性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が、(i)配列
番号10の重鎖アミノ酸配列と、(ii)配列番号11の軽鎖アミノ酸配列と、を含む抗
IL-12/23p40抗体ウステキヌマブ(Stelara(登録商標))を含み、抗
体が、0週目に初回静脈内(IV)用量で投与され、続いて8週毎に(q8w)皮下(S
C)用量で投与されるか、あるいは、抗体が、初回皮下(SC)用量で投与され、続いて
8週毎に(q8w)SC用量で投与され、患者が、抗体による治療に対する応答者であり
、1年の治療を通じて持続される治療の24週目までに、疾患活性の統計的に有意な改善
を有するものとして特定され、疾患活動性が、≧4の全身性エリテマトーデス疾患活動性
指標2000(SLEDAI-2K)スコアにおけるベースラインからの減少(SRI-
4応答)、皮膚エリテマトーデス疾患エリア及び重症度指標(CLASI)スコアにおけ
るベースラインからの50%の改善を有する患者の比率、及びベースラインの関節疾患活
動性からの50%の改善からなる群から選択される1つ又は2つ以上の基準によって決定
される。
【0068】
特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的に証
明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の活動
性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が、(i)配列番号
10の重鎖アミノ酸配列と、(ii)配列番号11の軽鎖アミノ酸配列と、を含む抗IL
-12/3p40抗体ウステキヌマブ(Stelara(登録商標))を含み、抗体が、
0週目に初回静脈内(IV)用量で投与され、続いて8週毎に(q8w)皮下(SC)用
量で投与されるか、あるいは、抗体が、初回皮下(SC)用量で投与され、続いて8週毎
に(q8w)SC用量で投与され、IV投与で使用するための抗体が、10mMのL-ヒ
スチジン、8.5%(w/v)のスクロース、0.04%(w/v)のポリソルベート8
0、0.4mg/mLのLメチオニン、及び20μg/mLのEDTA二ナトリウム塩、
脱水物を、pH6.0で含む溶液を含む医薬組成物中にある。
【0069】
特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的に証
明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の活動
性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が、(i)配列番号
10の重鎖アミノ酸配列と、(ii)配列番号11の軽鎖アミノ酸配列と、を含む抗IL
-12/23p40抗体ウステキヌマブ(Stelara(登録商標))を含み、抗体が
、0週目に初回静脈内(IV)用量で投与され、続いて8週毎に(q8w)皮下(SC)
用量で投与されるか、あるいは、抗体が、初回皮下(SC)用量で投与され、続いて8週
毎に(q8w)SC用量で投与され、SC投与で使用するための抗体が、6.7mMのL
-ヒスチジン、7.6%(w/v)のスクロース、0.004%(w/v)のポリソルベ
ート80を、pH6.0で含む溶液を含む医薬組成物中にある。
【0070】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的
に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の
活動性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が(i)配列番
号10の重鎖アミノ酸配列と、(ii)配列番号11の軽鎖アミノ酸配列とを含む、抗I
L-12/23p40抗体ウステキヌマブ(Stelara(登録商標))を含み、本方
法が、ループスを治療するために使用される1つ又は2つ以上の追加の薬剤を患者に投与
することを更に含む。
【0071】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗IL-12/IL-23p40抗体を、臨床的
に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で患者に投与することを含む、患者の
活動性全身性エリテマトーデス(SLE)を治療する方法を提供し、抗体が、(i)配列
番号10の重鎖アミノ酸配列と、(ii)配列番号11の軽鎖アミノ酸配列とを含む、抗
IL-12/IL-23p40抗体ウステキヌマブ(Stelara(登録商標))を含
み、本方法が、ループスを治療するために使用される1つ以上の追加の薬剤を患者に投与
することを更に含み、追加の薬剤が、免疫抑制剤、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID
)、メトトレキサート(MTX)、抗B細胞表面マーカー抗体、アンジオテンシン変換酵
素阻害剤、アンジオテンシン受容体遮断薬、抗マラリア薬、ミコフェノール酸モフェチル
、ミコフェノール酸、アザチオプリン、6-メルカプトプリン、ベリムマブ、抗CD20
抗体、リツキシマブ、コルチコステロイド、及び共刺激性調整剤からなる群から選択され
る。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【
図1】主要試験の概略的概要を示す(16週間の安全性経過観察によるスクリーニング)を示す。略語:DBL=データベースロック;FU=経過観察;IV=静脈内;PE=プライマリーエンドポイント;PL=プラセボq8w=8週間毎;SC=皮下;SLE=全身性エリテマトーデス;SRI=SLEDAI-2K応答指標;Wk=週。
【
図2】後続試験を含む試験の概略的概要を示す。略語:DBL=データベースロック;FU=経過観察;IV=静脈内;PE=プライマリーエンドポイント;PL=プラセボq8w=8週間毎;SC=皮下;SLE=全身性エリテマトーデス;SRI=SLEDAI-2K応答指標;Wk=週。
【
図3】12週から24週までの無BILAGフレア時間のカプランマイヤープロットを示す。全分析セット。BILAGフレアは、少なくとも1の新しいBILAG A又は2の新しいBILAG Bスコア(スコア<Bから)として定義される。カウントには、所定の来院で分析するために有効な対象を含む。治療不成功基準を満たす対象についての値は、治療不成功の時点より後、欠測と設定される。*ログランク検定を使用して実施されたプラセボを超えるウステキヌマブにおけるより大きな治療効果についての試験。
【発明を実施するための形態】
【0073】
本明細書で使用される場合、ループスの治療方法は、単離された、組換え及び/又は合
成抗IL-12、IL-23、及びIL12/23p40ヒト抗体、並びに診断及び治療
組成物、方法、並びにデバイスを施すことを含む。
【0074】
本明細書で使用するとき、「抗IL-12抗体」、「抗IL-23抗体」、「抗IL-
12/23p40抗体」、「IL-12/23p40抗体」、「抗体部分」、若しくは「
抗体断片」、及び/又は「抗体変異体」などは、本発明の抗体の中に組み込むことができ
る、重鎖若しくは軽鎖の少なくとも1つの相補性決定領域(complementarity determinin
g region、CDR)若しくはそのリガンド結合部分、重鎖若しくは軽鎖可変領域、重鎖若
しくは軽鎖定常領域、フレームワーク領域、又はこれらの任意の部分、あるいはIL-1
2及び/若しくはIL-23受容体又は結合タンパク質の少なくとも一部などであるがこ
れらに限定されない免疫グロブリン分子の少なくとも一部を含む分子を含む、任意のタン
パク質又はペプチド含有分子を含む。かかる抗体は、特定のリガンドに更に影響を及ぼし
、限定されないが、かかる抗体は、任意に、インビトロで、その場で、かつ/又はインビ
ボで、少なくとも1つのIL-12/23活性若しくは結合、又はIL-12/23受容
体活性若しくは結合を、調節、減少、増加、拮抗、作動、軽減、緩和、遮断、阻害、抑止
、及び/又はそれに干渉する。非限定的な例として、本発明の好適な抗IL-12/23
p40抗体、特定された部分、又は変異体は、少なくとも1つのIL-12/23分子、
又はその特定された部分、変異体若しくはドメインに結合することができる。好適な抗I
L-12/23p40抗体、特定された部分、又は変異体はまた、任意選択的に、RNA
、DNA、若しくはタンパク質合成、IL-12/23放出、IL-12/23受容体シ
グナル伝達、膜IL-12/23切断、IL-12/23活性、IL-12/23産生、
及び/又は合成などであるが、これらに限定されない、IL-12/23活性又は機能の
うちの少なくとも1つに影響を及ぼすこともできる。
【0075】
用語「抗体」は、更に、抗体、その消化断片、特定部分及び変異体を包含することを意
図し、これには抗体模倣薬が挙げられ、あるいは抗体の構造及び/若しくは機能を模倣す
る抗体の部分若しくはその特定断片若しくは一部を含み、単鎖抗体及びその断片が挙げら
れる。機能断片としては、哺乳類のIL-12/23に結合する抗原結合断片が挙げられ
る。例えば、Fab(例えば、パパイン消化による)、Fab’(例えば、ペプシン消化
及び部分的還元による)及びF(ab’)2(例えば、ペプシン消化による)、facb
(例えば、プラスミン消化による)、pFc’(例えば、ペプシン又はプラスミン消化に
よる)、Fd(例えば、ペプシン消化、部分的還元及び再集合による)、Fv又はscF
v(例えば、分子生物学的技術による)断片が挙げられるがこれらに限定されない、IL
-12/23又はその部分に結合することができる抗体断片が、本発明に包含される(例
えば、上記のColligan,Immunologyを参照のこと)。
【0076】
このような断片は、当該技術分野において既知であるような、及び/又は本明細書に記
載のような、酵素的切断、合成又は組換え技術により生成できる。抗体はまた、1つ又は
2つ以上の終止コドンが天然の終止部位の上流に導入されている抗体遺伝子を用いて、種
々の切断型で生成できる。例えば、F(ab’)2重鎖部分をコード化する遺伝子の組み
合わせは、重鎖のCH1ドメイン及び/又はヒンジ領域をコード化するDNA配列を含む
よう設計することができる。抗体の様々な部分を従来の技術により化学的に結合でき、又
は遺伝子工学技術を用いて隣接タンパク質(contiguous protein)として調製できる。
【0077】
本明細書で使用するとき、用語「ヒト抗体」は、実質的にタンパク質の全ての部分(例
えば、CDR、フレームワーク、CL、CHドメイン(例えば、CH1、CH2、CH3
)、ヒンジ(VL、VH))が軽微な配列の変化又は変異だけで実質的にヒトにおいて非
免疫原性である抗体を指す。「ヒト抗体」はまた、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由
来するか、又は厳密に一致する抗体であってもよい。ヒト抗体は、生殖系列免疫グロブリ
ン配列にコードされていないアミノ酸残基(例えば、インビトロにおけるランダム若しく
は部位特異的突然変異誘発により、又はインビボにおける体細胞突然変異により導入され
た突然変異)を含んでもよい。多くの場合、これは、ヒト抗体がヒトにおいて実質的に非
免疫原性であることを意味する。ヒト抗体は、それらのアミノ酸配列の類似性に基づいた
グループに分類されている。したがって、配列類似性検索を使用して、類似の直鎖配列を
有する抗体がヒト抗体を作り出すためのテンプレートとして選択され得る。同様に、霊長
類(サル、ヒヒ、チンパンジー等)、げっ歯類(マウス、ラット、ウサギ、モルモット、
ハムスター等)及び他の哺乳類を指定された抗体は、かかる種、亜属、属、亜科、及び科
の特異的抗体を示す。更に、キメラ抗体は、上記の任意の組み合わせを含み得る。このよ
うな変化又は変異は、任意選択的に、また好ましくは、非改変抗体に比べて、ヒト又は他
の種における免疫原性を保持するか又は低下させる。したがって、ヒト抗体は、キメラ又
はヒト化抗体とは異なる。
【0078】
ヒト抗体は、機能的に再構成されたヒト免疫グロブリン(例えば、重鎖及び/又は軽鎖
)遺伝子を発現することができる非ヒト動物、又は原核若しくは真核細胞により生成され
得ることが指摘される。その上、ヒト抗体が単鎖抗体である場合、天然のヒト抗体では見
られないリンカーペプチドを含み得る。例えば、Fvは、重鎖の可変領域及び軽鎖の可変
領域を接続する2~約8個のグリシン又はその他のアミノ酸残基などのリンカーペプチド
を含み得る。このようなリンカーペプチドはヒト由来のものと見なされる。
【0079】
本発明の方法及び組成物において有用である抗IL-12/23p40抗体(IL-1
2/23p40抗体とも称される)(又はIL-23に対する抗体)は、IL-12/2
3p40(又はIL-23)への高親和性結合、並びに所望によりかつ好ましくは低毒性
を有することを所望により特徴とし得る。具体的には、可変領域、定常領域、及びフレー
ムワークなどの個々の構成要素が、個々に及び/又は集合的に、任意選択的にまた好まし
くは低い免疫原性を有する、本発明の抗体、その特定された断片、又は変異体が本発明に
おいて有用である。本発明で使用することができる抗体は、任意選択的に、症状の測定可
能な緩和並びに低い及び/又は許容できる毒性を備えて、長期間患者を治療する能力によ
って特徴付けられる。低い若しくは許容できる免疫原性、及び/又は高い親和性、並びに
その他の好適な特性は、得られる治療結果に寄与することができる。「低い免疫原性」は
、本明細書では、治療される患者の約75%未満、若しくは好ましくは約50%未満で有
意にHAHA、HACA若しくはHAMA応答が増加する、及び/又は治療される患者に
おいて低い力価(二重抗原酵素イムノアッセイで測定したとき約300未満、好ましくは
約100未満)が増加することとして定義される(Elliott et al.,La
ncet 344:1125-1127(1994)、参照により全体が本明細書に組み
込まれる)。「低い免疫原性」は、治療期間中の推奨療法経過の間、推奨用量で治療され
る患者の25%未満、好ましくは治療される患者の10%未満で発生するとき、抗IL-
12抗体で治療される患者における抗IL-12抗体に対する滴定レベルの抗体の発生率
としても定義することができる。
【0080】
「臨床的に証明された有効性」及び「臨床的に証明された有効な」という用語は、用量
、投与レジメン、治療又は方法の文脈において本明細書で使用するとき、特定の用量、投
与、治療レジメンの有効性を意味する。有効性は、本発明の薬剤に応答した、疾患の経過
中の変化に基づいて測定され得る。例えば、本発明の抗IL12/23p40又は抗IL
23抗体(例えば、抗IL12/23p40抗体ウステキヌマブ)は、治療される障害の
重篤度を反映する少なくとも1つの指標において改善、好ましくは持続的な改善を引き起
こすのに十分な量及び時間で、対象に対して投与される。その治療の量及び時間が十分で
あるかどうかを判定するために、対象の病気、疾患又は病状の程度を反映する様々な指標
が評価され得る。そのような指標には例えば、疾患重篤度、症状、又は対象となっている
障害の発現についての、臨床的に認識されている指標が含まれる。改善度は全体的に医師
により判定され、医師はこの判定を、徴候、症状、生検、又は他の検査結果に基づいて行
うことができ、また対象に対して行うアンケート、例えば所与の疾患に関して開発された
生活の質に関するアンケートなどを採用することもできる。例えば、本発明の抗IL12
/23p40又は抗IL23抗体は、全身性エリテマトーデス(SLE)に関連する患者
の状態の改善を達成するために投与され得る。この改善は、疾患活性指標の改善、臨床症
状の寛解、又は疾患活性の任意の他の測定によって示すことができる。このような疾患指
標の1つは、全身性エリテマトーデーデマトーデス活動性指標2000(SLEDAI-
2K)スコアである。SLEDAI-2Kは、9個の器官系における24個の特徴の存在
に基づく、全身性エリテマトーデス(SLE)に対する確立された有効性のある疾患活動
性指標であり、過去30日間のSLE患者における疾患活動性を測定する。特徴は、過去
30日以内により高いスコアを有するより重度の特徴が存在する場合にスコアリングされ
、このスコアを付加して、0~105の範囲の合計SLEDAI-2Kスコアを決定する
。全身性エリテマトーデス(SLE)疾患活動性評価のための他の疾病活動性指標として
は、例えば、皮膚エリテマトーデス疾患エリア及び重症度指標(CLASI)、及びブリ
ティッシュ島ループス評価グループ(BILAG)指標が挙げられる。CLASI指標は
、2つのスコアからなり、第1のスコアは、疾患の活動性を要約し、第2のスコアは、疾
患によって行われる損傷の尺度である。スコアは、症状の程度に基づいて単純な付加によ
って計算される。より高い活動性及び損傷スコアは、悪化した疾患活動性を示す。BIL
AG指標は、9個の器官系における97個の質問からなる疾患活動性の尺度であり、それ
ぞれは、項目の存在に応じて5つのカテゴリ(A、B、C、D、E)の1つに入れられる
。より高いスコアは、より多くの疾患の関与を示す。
【0081】
「臨床的に証明された安全性」という用語は、本発明の抗IL12/23p40又は抗
IL23抗体(例えば、抗IL12/23p40抗体ウステキヌマブ)による用量、投与
レジメン、治療又は方法に関する場合、良好なリスク:標準的なケア又は別の比較薬と比
較した治験薬投与下の有害事象(treatment-emergent adverse events)(AE又はTE
AEと称される)の許容可能な頻度及び/又は許容可能な重症度による利益比を指す。有
害事象とは、医薬品を投与された患者における好ましくない医療上の出来事である。特に
、本発明の抗IL12/23p40又は抗IL23特異的抗体による用量、投与レジメン
又は治療に関連する安全性は、有害事象が抗IL12/23p40又は抗IL23特異的
抗体の使用による可能性がある、可能性が高い、又は非常に高いと考えられる場合、抗体
の投与に関連する有害事象の許容される頻度及び/又は許容される重症度を指す。
【0082】
本明細書で使用される場合、特に断りがない限り、用語「臨床的に証明された」(独立
して、又は用語「安全性」及び/又は「有効」を修正するために使用される)は、臨床試
験によって証明されており、臨床試験が、米国食品医薬品局、EMEA、又は対応する国
家規制機関の承認基準を満たしていることを意味するものとする。例えば、臨床試験は、
薬剤の効果を臨床的に証明するために使用される、適切なサイズの無作為化二重盲検試験
であってもよい。
【0083】
有用性
本発明の単離された核酸は、細胞、組織、器官、又は動物(哺乳動物及びヒトを含む)
において測定し、又は作用して、免疫障害若しくは疾患、心血管障害若しくは疾患、感染
性、悪性及び/若しくは神経性障害又は疾患、あるいは他の既知の若しくは特定のIL-
12/23関連状態のうちの少なくとも1つから選択されるがこれらに限定されない、少
なくとも1つのIL-12/23状態の診断、監視、調節、治療、緩和、発生を予防する
のを助ける、又はその症状を低減するために使用され得る、少なくとも1つの抗IL-1
2/23p40(又は抗IL-23)抗体又はその特定された変異体を産生するために使
用され得る。
【0084】
かかる方法は、症状、作用、又は機序のかかる調節、処置、緩和、予防、若しくは低減
を必要としている細胞、組織、器官、動物、又は患者に、少なくとも1つの抗IL-12
/23p40(又は抗IL-23)抗体を含む有効な量の組成物又は医薬組成物を投与す
ることを含み得る。有効な量は、本明細書に記載のように、又は関連分野で公知のように
、公知の方法を用いて行い決定するとき、単回(例えば、ボーラス)、複数回、若しくは
持続投与あたり約0.001~500mg/kgの量、又は単回、複数回、若しくは持続
投与あたり血清濃度が0.01~5000μg/mLの血清濃度を達成する量、又はこの
中の任意の有効範囲若しくは値を含んでよい。
【0085】
引用文献
本明細書で引用する全ての刊行物又は特許は、具体的に指定されるか否かにかかわらず
、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、本発明の時点での現況技術を示し、かつ
/又は本発明の説明及び使用可能性を提供する。刊行物は、任意の科学刊行物若しくは特
許公報、又は全ての記録された電子若しくは印刷型式を含む、任意の媒体形式で利用可能
なその他の任意の情報を指す。以下の文献は、参照により全体が本明細書に組み込まれる
:Ausubel,et al.,ed.,Current Protocols in
Molecular Biology,John Wiley&Sons,Inc.,
NY,NY(1987-2001)、Sambrook,et al.,Molecul
ar Cloning:A Laboratory Manual,2nd Editi
on,Cold Spring Harbor,NY(1989)、Harlow an
d Lane,antibodies,a Laboratory Manual,Co
ld Spring Harbor,NY(1989)、Colligan,et al
.,eds.,Current Protocols in Immunology,J
ohn Wiley&Sons,Inc.,NY(1994-2001)、Collig
an et al.,Current Protocols in Protein S
cience,John Wiley&Sons,NY,NY,(1997-2001)
。
【0086】
本発明の抗体-産生及び作製
本発明の方法において使用される少なくとも1つの抗IL-12/23p40(又は抗
IL-23)は、任意選択的に、当該技術分野において周知の細胞株、混合細胞株、不死
化細胞、又は不死化細胞のクローン集団によって産生することができる。例えば、Aus
ubel,et al.,ed.,Current Protocols in Mol
ecular Biology,John Wiley&Sons,Inc.,NY,N
Y(1987-2001)、Sambrook,et al.,Molecular C
loning:A Laboratory Manual,2nd Edition,C
old Spring Harbor,NY(1989)、Harlow and La
ne,antibodies,a Laboratory Manual,Cold S
pring Harbor,NY(1989)、Colligan,et al.,ed
s.,Current Protocols in Immunology,John
Wiley&Sons,Inc.,NY(1994-2001)、Colligan e
t al.,Current Protocols in Protein Scien
ce,John Wiley&Sons,NY,NY,(1997-2001)を参照さ
れたく、各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0087】
好ましい抗IL-12/23p40抗体は、配列番号7の重鎖可変領域アミノ酸配列と
、配列番号8の軽鎖可変領域アミノ酸配列とを有し、かつ配列番号1、配列番号2、及び
配列番号3の重鎖CDRアミノ酸配列と、配列番号4、配列番号5、及び配列番号6の軽
鎖CDRアミノ酸配列とを有するウステキヌマブ(Stelara(登録商標))である
。好ましい抗IL-23抗体は、グセルクマブ(CNTO1959とも呼ばれる)である
。他の抗IL-23抗体は本明細書に列挙される配列を有し、その全内容は参照により本
明細書に組み込まれる米国特許第7,935,344号に記載されている。
【0088】
ヒトIL-12/23p40若しくはIL-23タンパク質又はその断片に特異的なヒ
ト抗体は、単離されたIL-12/23p40タンパク質、IL-23タンパク質、及び
/又はそれらの一部(合成ペプチドなどの合成分子を含む)などの適切な免疫原性抗原に
対して生じ得る。他の特定の又は一般的な哺乳類抗体も同様に生じ得る。免疫原性抗原の
調製及びモノクローナル抗体の生成は、任意の好適な技術を使用して行うことができる。
【0089】
1つのアプローチでは、適切な不死細胞株(例えば、限定されないが、Sp2/0、S
p2/0-AG14、NSO、NS1、NS2、AE-1、L.5、L243、P3X6
3Ag8.653、Sp2 SA3、Sp2 MAI、Sp2 SS1、Sp2 SA5
、U937、MLA144、ACT IV、MOLT4、DA-1、JURKAT、WE
HI、K-562、COS、RAJI、NIH 3T3、HL-60、MLA144、N
AMALWA、NEURO 2Aなどの骨髄腫細胞株、又はヘテロミローマス、その融合
産物、又はそれに由来する任意の細胞若しくは融合細胞、又は当該技術分野において既知
の任意の他の好適な細胞株)(例えば、www.atcc.org、www.lifet
ech.comなどを参照されたい)を、限定されないが、単離された又はクローン化さ
れた脾臓、末梢血、リンパ、扁桃腺、又は他の免疫若しくはB細胞含有細胞などの抗体産
生細胞、あるいは内因性又は異種核酸として、組換え若しくは内因性、ウイルス、細菌、
藻、原核生物、両生類、昆虫、爬虫類、魚、哺乳類、げっ歯類、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ヒ
ツジ、霊長類、真核生物、ゲノムDNA、cDNA、rDNA、ミトコンドリアDNA若
しくはRNA、葉緑体DNA若しくはRNA、hnRNA、mRNA、tRNA、単一、
二重若しくは三重鎖、ハイブリダイズなど、又はそれらの任意の組み合わせとしてのいず
れかで、重鎖又は軽鎖の定常若しくは可変、又はフレームワーク若しくはCDR配列を発
現する任意の他の細胞と融合することによりハイブリドーマを産生する。例えば、上記の
Ausubel及びColligan,Immunology chapter 2を参
照されたく、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0090】
抗体産生細胞はまた、目的の抗原で免疫化されたヒト又は他の好適な動物の末梢血、又
は好ましくは脾臓若しくはリンパ節から得ることもできる。任意のその他の好適な宿主細
胞も、本発明の抗体、特定された断片又はその変異体をコード化する異種若しくは内因性
の核酸を発現するために使用され得る。融合細胞(ハイブリドーマ)又は組換え細胞は、
選択的培養条件又はその他の好適な既知の方法を使用して単離され、限界希釈若しくは細
胞選別又はその他の既知の方法によってクローニングされ得る。所望の特異性を有する抗
体を生成する細胞は、好適なアッセイ(例えばELISA)によって選択することができ
る。
【0091】
ペプチド又はタンパク質ライブラリから組換え抗体を選択する(例えば、バクテリオフ
ァージ、リボソーム、オリゴヌクレオチド、RNA、cDNAなどのディスプレイライブ
ラリであるがこれに限定されない、例えば、Cambridge antibody T
echnologies,Cambridgeshire,UK、MorphoSys,
Martinsreid/Planegg,DE、Biovation,Aberdee
n,Scotland,UK、BioInvent,Lund,Sweden、Dyax
Corp.,Enzon,Affymax/Biosite、Xoma,Berkel
ey,CA、Ixsys。例えば、欧州特許第368,684号、国際出願PCT/GB
91/01134号、国際出願PCT/GB92/01755号、国際出願PCT/GB
92/002240号、国際出願PCT/GB92/00883号、国際出願PCT/G
B93/00605号、米国特許出願第08/350260号(5/12/94)、国際
出願PCT/GB94/01422号、国際出願PCT/GB94/02662号、国際
出願PCT/GB97/01835号、(CAT/MRC)、国際公開第90/1444
3号、国際公開第90/14424号、国際公開第90/14430号、国際出願PCT
/US94/1234号、国際公開第92/18619号、国際公開第96/07754
号、(Scripps)、国際公開第96/13583号、国際公開第97/08320
号(MorphoSys)、国際公開第95/16027号(BioInvent)、国
際公開第88/06630号、国際公開第90/3809号(Dyax)、米国特許第4
,704,692号(Enzon)、国際出願PCT/US91/02989号(Aff
ymax)、国際公開第89/06283号、欧州特許第371998号、欧州特許第5
50400号、(Xoma)、欧州特許第229046号、国際出願PCT/US91/
07149号(Ixsys)、又は確率論的に生成されるペプチド若しくはタンパク質-
米国特許第5723323号、同第5763192号、同第5814476号、同第58
17483号、同第5824514号、同第5976862号、国際公開第86/058
03号、欧州特許第590 689号(Ixsys、Applied Molecula
r Evolution(AME)の前身、各々は、参照により全体が本明細書に組み込
まれる)か、又は当該技術分野において既知であり、かつ/又は本明細書に記載される、
ヒト抗体のレパートリーを産生することができるトランスジェニック動物の免疫化に依存
する(例えば、SCIDマウス、Nguyen et al.,Microbiol.I
mmunol.41:901-907(1997)、Sandhu et al.,Cr
it.Rev.Biotechnol.16:95-118(1996)、Eren e
t al.,Immunol.93:154-161(1998)(各々は、参照により
全体が組み込まれる)、並びに関連する特許及び出願)方法を含むがこれらに限定されな
い、必要な特異性の抗体を生成又は単離する他の好適な方法を使用することができる。か
かる技術には、リボソームディスプレイ(Hanes et al.,Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA,94:4937-4942(May 1997)、Ha
nes et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,95:141
30-14135(Nov.1998))、単一細胞抗体生成技術(例えば、選択リンパ
球抗体方法(「SLAM」)(米国特許第5,627,052号、Wen et al.
,J.Immunol.17:887-892(1987);Babcook et a
l.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:7843-7848(1
996))、ゲルマイクロドロップレット(gel microdroplet)、及び
フローサイトメトリー(Powell et al.,Biotechnol.8:33
3-337(1990)、One Cell Systems,Cambridge,M
A、Gray et al.,J.Imm.Meth.182:155-163(199
5);Kenny et al.,Bio/Technol.13:787-790(1
995))、B細胞選択物(Steenbakkers et al.,Molec.B
iol.Reports 19:125-134(1994)、Jonak et al
.,Progress Biotech,Vol.5,In Vitro Immuni
zation in Hybridoma Technology,Borrebaec
k,ed.,Elsevier Science Publishers B.V.,A
msterdam,Netherlands(1988))が挙げられるが、これらに限
定されない。
【0092】
非ヒト抗体又はヒト抗体を工学的処理又はヒト化するための方法も同様に使用でき、当
該技術分野において周知である。一般に、ヒト化又は工学的処理された抗体は、非ヒト、
例えば、限定されないが、マウス、ラット、ウサギ、非ヒト霊長類、又は他の哺乳動物の
供給源からの1つ又は2つ以上のアミノ酸残基を有する。これらの非ヒトアミノ酸残基は
、しばしば「インポート」残基と呼ばれ、典型的には既知のヒト配列の「インポート」可
変、定常、又は他のドメインから採取される残基に置き換えられる。
【0093】
既知のヒトIg配列が開示されており、例えば、
www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi;
www.ncbi.nih.gov/igblast;
www.atcc.org/phage/hdb.html;
www.mrc-cpe.cam.ac.uk/ALIGNMENTS.php;
www.kabatdatabase.com/top.html;ftp.ncbi
.nih.gov/repository/kabat;
www.sciquest.com;
www.abcam.com;
www.antibodyresource.com/onlinecomp.htm
l;
www.public.iastate.edu/~pedro/research_
tools.html;
www.whfreeman.com/immunology/CH05/kuby0
5.html;
www.hhmi.org/grants/lectures/1996/vlab;
www.path.cam.ac.uk/~mrc7/mikeimages.htm
l;
www.mcb.harvard.edu/BioLinks/Immunology
.html;
www.immunologylink.com;pathbox.wustl.ed
u/~hcenter/index.html;
www.appliedbiosystems.com;
www.nal.usda.gov/awic/pubs/antibody;
www.m.ehime-u.ac.jp/~yasuhito/Elisa.htm
l;
www.biodesign.com;
www.cancerresearchuk.org;
www.biotech.ufl.edu;
www.isac-net.org;baserv.uci.kun.nl/~jra
ats/links1.html;
www.recab.uni-hd.de/immuno.bme.nwu.edu;
www.mrc-cpe.cam.ac.uk;
www.ibt.unam.mx/vir/V_mice.html;
www.bioinf.org.uk/abs;antibody.bath.ac.
uk;
www.unizh.ch;
www.cryst.bbk.ac.uk/~ubcg07s;
www.nimr.mrc.ac.uk/CC/ccaewg/ccaewg.htm
l;
www.path.cam.ac.uk/~mrc7/humanisation/T
AHHP.html;
www.ibt.unam.mx/vir/structure/stat_aim.
html;
www.biosci.missouri.edu/smithgp/index.h
tml;
www.jerini.de;
Kabat et al.,Sequences of Proteins of I
mmunological Interest,U.S.Dept.Health(19
83)であり、
上記の各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0094】
このようなインポートされた配列は、免疫原性を減少させるため、あるいは、当該技術
分野において既知のように、結合、親和性、オン速度、オフ速度、結合活性、特異性、半
減期、又はその他の適切な任意の特性を低減、増強又は改変するために使用することがで
きる。一般的に、CDR残基は抗原結合に対する影響において、直接的かつ最も実質的に
関与している。したがって、可変及び定常領域の非ヒト配列がヒト又は他のアミノ酸に置
き換えられ得る一方で、非ヒト又はヒトCDR配列の一部又は全てが維持される。
【0095】
抗体は、任意選択的に、ヒト化されるか、又はヒト抗体は、抗原に対する高い親和性及
び他の有利な生物学的特性を保持したまま工学的処理され得る。この目的を達成するため
に、任意選択的に、ヒト化(又はヒト)抗体を、親及びヒト化配列の3次元モデルを使用
した、親配列及び様々な概念的ヒト化産物の分析プロセスによって調製することが可能で
ある。3次元免疫グロブリンモデルが一般的に利用可能であり、当業者によく知られてい
る。選択された候補の免疫グロブリン配列について、可能性の高い3次元立体構造を図示
及び表示するコンピュータプログラムが利用可能である。これらの表示を調べることによ
り、候補の免疫グロブリン配列の機能における残基の役割として可能性の高いものの分析
、即ち候補の免疫グロブリンがその抗原に結合する能力に影響を及ぼす残基の分析が可能
となる。このようにして、標的抗原(複数可)に対する親和性の増加など、望ましい抗体
特性が達成されるように、コンセンサス及びインポート配列から、フレームワーク(FR
)残基を選択し組み合わせることができる。
【0096】
加えて、本発明の方法において使用されるヒト抗IL-12/23p40(又は抗IL
-23)特異的抗体は、ヒト生殖系列軽鎖フレームワークを含み得る。特定の実施形態で
は、軽鎖生殖系列配列は、A1、A10、A11、A14、A17、A18、A19、A
2、A20、A23、A26、A27、A3、A30、A5、A7、B2、B3、L1、
L10、L11、L12、L14、L15、L16、L18、L19、L2、L20、L
22、L23、L24、L25、L4/18a、L5、L6、L8、L9、O1、O11
、O12、O14、O18、O2、O4、及びO8を含むが、これらに限定されないヒト
VK配列から選択される。ある特定の実施形態では、軽鎖ヒト生殖系列フレームワークは
、V1-11、V1-13、V1-16、V1-17、V1-18、V1-19、V1-
2、V1-20、V1-22、V1-3、V1-4、V1-5、V1-7、V1-9、V
2-1、V2-11、V2-13、V2-14、V2-15、V2-17、V2-19、
V2-6、V2-7、V2-8、V3-2、V3-3、V3-4、V4-1、V4-2、
V4-3、V4-4、V4-6、V5-1、V5-2、V5-4、及びV5-6から選択
される。
【0097】
他の実施形態では、本発明の方法において使用されるヒト抗IL-12/23p40(
又は抗IL-23)特異的抗体は、ヒト生殖系列重鎖フレームワークを含み得る。特定の
実施形態では、この重鎖ヒト生殖系列フレームワークは、VH1-18、VH1-2、V
H1-24、VH1-3、VH1-45、VH1-46、VH1-58、VH1-69、
VH1-8、VH2-26、VH2-5、VH2-70、VH3-11、VH3-13、
VH3-15、VH3-16、VH3-20、VH3-21、VH3-23、VH3-3
0、VH3-33、VH3-35、VH3-38、VH3-43、VH3-48、VH3
-49、VH3-53、VH3-64、VH3-66、VH3-7、VH3-72、VH
3-73、VH3-74、VH3-9、VH4-28、VH4-31、VH4-34、V
H4-39、VH4-4、VH4-59、VH4-61、VH5-51、VH6-1、及
びVH7-81から選択される。
【0098】
特定の実施形態では、軽鎖可変領域及び/又は重鎖可変領域は、フレームワーク領域、
又はフレームワーク領域の少なくとも一部(例えば、FR2及びFR3などの2又は3つ
の小領域)を含む。ある特定の実施形態では、少なくともFRL1、FRL2、FRL3
、又はFRL4は、完全ヒトである。他の実施形態では、少なくともFRH1、FRH2
、FRH3、又はFRH4は、完全ヒトである。一部の実施形態では、少なくともFRL
1、FRL2、FRL3、又はFRL4は、生殖系列配列(例えば、ヒト生殖系列)であ
るか、又は特定のフレームワークのためのヒトコンセンサス配列(上述の既知のヒトIg
配列の供給源で容易に入手可能である)を含む。他の実施形態では、少なくともFRH1
、FRH2、FRH3、又はFRH4は、生殖系列配列(例えば、ヒト生殖系列)である
か、又は特定のフレームワークのためのヒトコンセンサス配列を含む。好ましい実施形態
では、フレームワーク領域は、完全ヒトフレームワーク領域である。
【0099】
本発明の抗体のヒト化又は工学的処理は、Winter(Jones et al.,
Nature 321:522(1986)、Riechmann et al.,Na
ture 332:323(1988)、Verhoeyen et al.,Scie
nce 239:1534(1988))、Sims et al.,J.Immuno
l.151:2296(1993)、Chothia and Lesk,J.Mol.
Biol.196:901(1987),Carter et al.,Proc.Na
tl.Acad.Sci.U.S.A.89:4285(1992);Presta e
t al.,J.Immunol.151-2623(1993)、米国特許第5723
323号、同第5976862号、同第5824514号、同第5817483号、同第
5814476号、同第5763192号、同第5723323号、同第5,76688
6号、同第5714352号、同第6204023号、同第6180370号、同第56
93762号、同第5530101号、同第5585089号、同第5225539号、
同第4816567号、国際出願PCT/:US98/16280号、US96/189
78号、US91/09630号、US91/05939号、US94/01234号、
GB89/01334号、GB91/01134号、GB92/01755号、国際公開
第90/14443号、国際公開第90/14424号、国際公開第90/14430号
、欧州特許第229246号(各々、参照により全体が明細書に組み込まれ、その中に引
用される文献を含む)に記載されるものなどであるがこれらに限定されない、任意の既知
の方法を使用して行うことができる。
【0100】
所定の実施形態において、抗体は、改変された(例えば、変異した)Fc領域を含む。
例えば、いくつかの実施形態において、Fc領域は、抗体のエフェクター機能を低減又は
増進するために改変されている。いくつかの実施形態において、Fc領域は、IgM、I
gA、IgG、IgE、又は他のアイソタイプから選択されるアイソタイプである。代替
的に、又は付加的に、アミノ酸修飾と、IL-23結合分子のFc領域のC1q結合及び
/又は補体依存性細胞毒性機能を変更する1つ若しくは2つ以上の更なるアミノ酸修飾と
を組み合わせることが有用であり得る。特定の目的の出発ポリペプチドは、C1qに結合
するものであってよく、補体依存性細胞毒性(CDC)を示す。既存のC1q結合活性を
有し、任意選択的に更にCDCを介在する能力を有するポリペプチドは、これらの活性の
うちの1つ又は両方が増進するように、修飾されてもよい。C1qを改変する、かつ/又
はその補体依存性細胞傷害機能を修飾するアミノ酸修飾は、例えば、国際公開第0042
072号に記載され、参照により組み入れる。
【0101】
上記に開示されるように、例えば、C1q結合及び/又はFcγR結合を修飾し、それ
により、補体依存性細胞毒性(CDC)活性及び/又は抗体依存性細胞媒介性細胞毒性(
antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity、ADCC)活性を変化させることに
よって、変更されたエフェクター機能を有する本発明のヒト抗IL-12/23p40(
又は抗IL-23)特異的抗体のFc領域を設計することができる。「エフェクター機能
」は、(例えば、対象における)生物活性を活性化又は低減させる役割を果たす。エフェ
クター機能の例として、これらに限定されるものではないが、C1q結合、CDC、Fc
受容体結合、ADCC、貪食作用、細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体、BCR)の
ダウンレギュレーションなどが挙げられる。かかるエフェクター機能は、Fc領域が、結
合ドメイン(例えば、抗体可変ドメイン)と結合することを必要とする場合があり、多種
多用な試験法(例えば、Fc結合アッセイ、ADCCアッセイ、CDCアッセイなど)を
使用して評価することができる。
【0102】
例えば、改善されたC1q結合及び改善されたFcγRIII結合を有する(例えば、
改善されたADCC活性及び改善されたCDC活性の両方を有する)ヒト抗IL-12/
23p40(又は抗IL-23)抗体の変異体Fc領域を生成することができる。あるい
は、エフェクター機能を低減又は除去することが所望される場合、変異Fc領域は、低減
されたCDC活性及び/又は低減されたADCC活性で遺伝子を操作することができる。
他の実施形態において、これらの活性の1つだけが増大されてもよく、任意選択的に、同
時に他の活性が低減されてもよい(例えば、改善されたADCC活性と低減されたCDC
活性を有するFc領域変異体、及びこの逆のFc領域変異体を生成するため)。
【0103】
Fc変異は、新生児Fc受容体(FcRn)との相互作用を改変し、それらの薬物動態
特性を改善するように遺伝子を操作して、導入することもできる。FcRnへの結合を改
善したヒトFc変異体の収集は、説明されている(Shields et al.,(2
001).High resolution mapping of the bind
ing site on human IgG1 for FcγRI,FcγRII、
FcγRIII,and FcRn and design of IgG1 vari
ants with improved binding to the FCγR、J
.Biol.Chem.276:6591-6604)。
【0104】
別の種類のアミノ酸置換は、ヒト抗IL-12/23p40(又は抗IL-23)特異
的抗体のFc領域のグリコシル化パターンを変更するのに役立つ。Fc領域のグリコシル
化は、典型的に、N連鎖又はO連鎖のいずれかである。N連鎖とは、アスパラギン残基の
側鎖への炭水化物部分の付着を言う。O連鎖グリコシル化は、5-ヒドロキシプロリン又
は5-ヒドロキシリジンも使用される可能性があるが、ヒドロキシアミノ酸、最も一般的
にはセリン又はスレオニンへの糖類、N-アセチルガラクトサミン、ガラクトース、又は
キシロースのうちの1つの付着を言う。アスパラギン側鎖ペプチド配列への炭水化物部分
の酵素的付着のための認識配列は、アスパラギン-X-セリン及びアスパラギン-X-ス
レオニンであり、Xはプロリン以外の任意のアミノ酸である。このため、ポリペプチド中
のこれらのペプチド配列のいずれかの存在は、潜在的なグリコシル化部位をもたらす。
【0105】
グリコシル化パターンは、例えば、ポリペプチドに見出される1つ又は2つ以上のグリ
コシル化部位(複数可)を欠失させること、及び/又はポリペプチドに存在しない1つ又
は2つ以上のグリコシル化部位を付加することによって変更され得る。ヒトIL-23特
異的抗体のFc領域へのグリコシル化部位の付加は、上記のトリペプチド配列の1つ又は
2つ以上を含むようにアミノ酸配列を改変することによって首尾よく達成される(N連鎖
グリコシル化部位の場合)。例示的なグリコシル化変異体は、重鎖の残基Asn297の
アミノ酸置換を有する。この改変は、本来のポリペプチドの配列への1つ又は2つ以上の
セリン又はスレオニン残基の付加、又は置換によって行われてもよい(O連鎖グリコシル
化部位の場合)。加えて、Asn 297をAlaに変更すると、グリコシル化部位の1
つを除去することができる。
【0106】
ある特定の実施形態では、本発明のヒト抗IL-12/23p40(又は抗IL-23
)特異的抗体は、GnT IIIがGlcNAcをヒト抗IL-12/23p40(又は
抗IL-23)抗体に付加するように、ベータ(1,4)-N-アセチルグルコサミニル
トランスフェラーゼIII(GnT III)を発現する細胞において発現される。かか
る様式で抗体を産生するための方法は、国際公開第9954342号、国際公開第030
11878号、特許公報20030003097A1、及びUmana et al.,
Nature Biotechnology,17:176-180,Feb.1999
に提供されており、これらの全ては、参照によりその全体が本明細書に具体的に組み込ま
れる。
【0107】
ヒト抗IL-12/23p40(又は抗IL-23)抗体はまた、任意選択的に、本明
細書に記載されかつ/又は当該技術分野において既知であるように、ヒト抗体のレパート
リーを産生することができるトランスジェニック動物(例えば、マウス、ラット、ハムス
ター、非ヒト霊長類など)の免疫化により生成することもできる。ヒト抗IL-12/2
3p40(又は抗IL-23)抗体を産生する細胞を、かかる動物から単離し、本明細書
に記載される方法などの好適な方法を使用して不死化してもよい。
【0108】
ヒト抗原に結合するヒト抗体のレパートリーを生成することができるトランスジェニッ
クマウスは、既知の方法によって生成することができる(例えば、これらに限定されない
が、Lonbergらに発行された米国特許第5,770,428号、同第5,569,
825号、同第5,545,806号、同第5,625,126号、同第5,625,8
25号、同第5,633,425号、同第5,661,016号、及び同第5,789,
650号、Jakobovitsらの国際公開第98/50433号、Jakobovi
tsらの国際公開第98/24893号、Lonbergらの国際公開第98/2488
4号、Lonbergらの国際公開第97/13852号、Lonbergらの国際公開
第94/25585号、Kucherlapateらの国際公開第96/34096号、
Kucherlapateらの欧州特許第0463 151(B1)号、Kucherl
apateらの欧州特許第0710 719(A1)号、Suraniらの米国特許第5
,545,807号、Bruggemannらの国際公開第90/04036号、Bru
ggemannらの欧州特許第0438 474(B1)号、Lonbergらの欧州特
許第0814 259(A2)号、Lonbergらのイギリス特許第2 272 44
0(A)号、Lonberg et al.Nature 368:856-859(1
994)、Taylor et al.,Int.Immunol.6(4)579-5
91(1994),Green et al,Nature Genetics 7:1
3-21(1994)、Mendez et al.,Nature Genetics
15:146-156(1997)、Taylor et al.,Nucleic
Acids Research 20(23):6287-6295(1992)、Tu
aillon et al.,Proc Natl Acad Sci USA 90(
8)3720-3724(1993)、Lonberg et al.,Int Rev
Immunol 13(1):65-93(1995)、及びFishwald et
al.,Nat Biotechnol 14(7):845-851(1996)、
これらはそれぞれ、参照により全体が本明細書に組み込まれる)。一般に、これらのマウ
スは、機能的に再配列された、又は機能的な再配列を受けることができる少なくとも1つ
のヒト免疫グロブリン遺伝子座からのDNAを含む、少なくとも1つの導入遺伝子を含む
。このようなマウスの内因性免疫グロブリン遺伝子座を分断又は欠失させて、内因性遺伝
子によりコード化されている抗体を産生する動物の能力を除去することができる。
【0109】
類似のタンパク質又は断片への特異的結合についての抗体のスクリーニングは、ペプチ
ドディスプレイライブラリを使用して首尾よく達成することができる。この方法は、望ま
しい機能又は構造を持つ個々の構成要素についてペプチドの大規模コレクションをスクリ
ーニングすることを含む。ペプチド表示ライブラリの抗体スクリーニングは当該技術分野
において周知である。ディスプレイされたペプチド配列の長さは、3~5000個以上の
アミノ酸であり、頻繁には5~100個のアミノ酸長、多くは約8~25個のアミノ酸長
であり得る。ペプチドライブラリを作成する直接的化学合成方法に加えて、いくつかの組
換えDNA方法も記述されている。1つのタイプには、バクテリオファージ又は細胞の、
表面上のペプチド配列のディスプレイが関与している。各バクテリオファージ又は細胞は
、特定のディスプレイされたペプチド配列をコード化するヌクレオチド配列を含有する。
このような方法は、国際公開第91/17271号、同第91/18980号、同第91
/19818号、及び同第93/08278号に記載されている。
【0110】
ペプチドのライブラリを作成するための他のシステムは、インビトロ化学合成及び組換
え方法の両方の局面を有する。国際公開第92/05258号、同第92/14843号
、及び同第96/19256号を参照されたい。また、米国特許第5,658,754号
及び同第5,643,768号も参照されたい。ペプチドディスプレイライブラリ、ベク
ター、及びスクリーニングキットは、Invitrogen(Carlsbad,CA)
及びCambridge Antibody Technologies(Cambri
dgeshire,UK)のような供給元から市販されている。例えば、Enzonに譲
渡された米国特許第4704692号、同第4939666号、同第4946778号、
同第5260203号、同第5455030号、同第5518889号、同第55346
21号、同第5656730号、同第5763733号、同第5767260号、同第5
856456号、Dyaxに譲渡された同第5223409号、同第5403484号、
同第5571698号、同第5837500号、Affymaxに譲渡された同第542
7908号、同第5580717号、Cambridge antibody Tech
nologiesに譲渡された同第5885793号、Genentechに譲渡された
同第5750373号、Xomaに譲渡された同第5618920号、同第559589
8号、同第5576195号、同第5698435号、同第5693493号、同第56
98417号、Colligan(上記)、上記のAusubel、又は上記のSamb
rookを参照されたく、上記特許及び刊行物の各々は、参照により全体が本明細書に組
み込まれる。
【0111】
本発明の方法に使用される抗体はまた、かかる抗体を乳中に産生するヤギ、ウシ、ウマ
、ヒツジ、ウサギなどのトランスジェニック動物又は哺乳動物を提供するために、核酸を
コード化する少なくとも1つの抗IL-12/23p40(又は抗IL-23)抗体を使
用して調製することもできる。かかる動物は、既知の方法を使用して提供することができ
る。例えば、これらに限定されないが、米国特許第5,827,690号、同第5,84
9,992号;同第4,873,316号;同第5,849,992号;同第5,994
,616号;同第5,565,362号;同第5,304,489号などを参照されたい
(それらの各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる)。
【0112】
本発明の方法に使用される抗体は、植物部分又はそれから培養された細胞において、か
かる抗体、特定された部分、又は変異体を産生するトランスジェニック植物及び培養され
た植物細胞(例えば、タバコ及びトウモロコシであるが、これらに限定されない)を提供
するために、少なくとも1つの抗IL-12/23p40(又は抗IL-23)抗体コー
ド化核酸を使用して更に調製することができる。非限定的な例として、例えば、誘導プロ
モーターを使用して、組換えタンパク質を発現するトランスジェニックタバコ葉をうまく
使用して大量の組換えタンパク質が提供されてきた。例えば、Cramer et al
.,Curr.Top.Microbol.Immunol.240:95-118(1
999)及びその中で引用される文献を参照されたい。また、トランスジェニックトウモ
ロコシは、他の組換え系において生成されるか、又は天然源から精製されるタンパク質に
等しい生物学的活性を有する、商業生成レベルで哺乳類タンパク質を発現するために使用
されてきた。例えば、Hood et al.,Adv.Exp.Med.Biol.4
64:127-147(1999)及びその中で引用される文献を参照されたい。抗体は
また、タバコ種子及びポテト塊茎を含む、一本鎖抗体(scFv)などの抗体断片を含む
トランスジェニック植物種子からも大量に生成されてきた。例えば、Conrad et
al.,Plant Mol.Biol.38:101-109(1998)及びその
中で引用される文献を参照されたい。したがって、本発明の抗体はまた、既知の方法に従
って、トランスジェニック植物を使用して生成することもできる。例えば、Fische
r et al.,Biotechnol.Appl.Biochem.30:99-1
08(Oct.,1999),Ma et al.,Trends Biotechno
l.13:522-7(1995)、Ma et al.,Plant Physiol
.109:341-6(1995);Whitelam et al.,Biochem
.Soc.Trans.22:940-944(1994);及びその中で引用される文
献も参照されたい。上記文献の各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0113】
本発明の方法において使用される抗体は、広範囲にわたる親和性(KD)でヒトIL-
12/23p40又はIL-23に結合することができる。好ましい実施形態では、ヒト
mAbは、任意選択的に、高い親和性でヒトIL-12/23p40又はIL-23に結
合することができる。例えば、ヒトmAbは、ヒトIL-12/23p40又はIL-2
3を約10-7M以下、例えば、限定されないが、0.1~9.9(又はその中の任意の
範囲若しくは値)X10-7、10-8、10-9、10-10、10-11、10-1
2、10-13、又はその中の任意の範囲若しくは値などのKDで結合することができる
。
【0114】
抗原に対する抗体の親和性又は結合活性は、任意の好適な方法を用いて実験的に決定す
ることができる。(例えば、Berzofsky,et al.,「Antibody-
Antigen Interactions,」In Fundamental Imm
unology,Paul,W.E.,Ed.,Raven Press:New Yo
rk,NY(1984)、Kuby,Janis Immunology,W.H.Fr
eeman and Company:New York,NY(1992)、及び本明
細書に記載される方法を参照されたい。)特定の抗体抗原相互作用の測定される親和性は
、異なる条件(例えば、塩濃度、pH)下で測定された場合に異なり得る。したがって、
親和性及び他の抗原結合パラメータ(例えば、KD、Ka、Kd)の測定は、好ましくは
、抗体及び抗原の標準化溶液、並びに本明細書で記載される緩衝剤などの標準化緩衝剤を
用いて行われる。
【0115】
核酸分子
本明細書に開示される他の配列の中でも、例えば、本明細書に記載される軽鎖若しくは
重鎖可変又はCDR領域のうちの少なくとも1つの隣接アミノ酸の少なくとも70~10
0%をコード化するヌクレオチド配列、特定された断片、変異体若しくはそれらのコンセ
ンサス配列、又はこれらの配列のうちの少なくとも1つを含む寄託ベクターなどの本明細
書に提供される情報を使用して、少なくとも1つのIL-12/IL-23p40又はI
L-23抗体をコード化する本発明の核酸分子は、本明細書に記載されるか、又は当該技
術において既知の方法を使用して得ることができる。
【0116】
本発明の核酸分子は、mRNA、hnRNA、tRNA若しくは任意の他の形態のよう
なRNAの形態、又はクローニングにより得られる若しくは合成的に生成されるcDNA
及びゲノムDNAが挙げられるがこれらに限定されないDNAの形態、又はこれらの任意
の組み合わせであってよい。DNAは、3本鎖、2本鎖若しくは1本鎖、又はこれらの任
意の組み合わせであってよい。DNA又はRNAの少なくとも1本の鎖の任意の部分は、
センス鎖としても知られるコード鎖であってもよいし、又はアンチセンス鎖と呼ばれる、
非コード鎖であってもよい。
【0117】
本発明の方法に使用される単離された核酸分子は、任意選択的に1つ又は2つ以上のイ
ントロンを有するオープンリーディングフレーム(open reading frame、ORF)、例え
ば、限定されないが、少なくとも1つの重鎖若しくは軽鎖のCDR1、CDR2、及び/
又はCDR3などの、少なくとも1つのCDRの少なくとも1つの特定された部分を含む
核酸分子、抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体又は可変領域のコード配
列を含む核酸分子、並びに上述の核酸分子とは実質的に異なるが、遺伝子コードの縮重に
より、本明細書に記載されかつ/又は当該技術分野において既知である少なくとも1つの
抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体をなおコード化するヌクレオチド配
列を含む核酸分子を含み得る。当然のことながら、遺伝コードは、当該技術分野において
周知である。したがって、当業者には、本発明の方法に使用される特異的な抗IL-12
/IL-23p40又はIL-23抗体をコード化する、かかる変性核酸変異体を生成す
ることは、日常的であるだろう。例えば、上記のAusubelらを参照されたく、かか
る核酸変異体は、本発明に含まれる。単離された核酸分子の非限定的な例としては、それ
ぞれ、HC CDR1、HC CDR2、HC CDR3、LC CDR1、LC CD
R2、及びLC CDR3をコード化する核酸が挙げられる。
【0118】
本明細書に記載されるように、抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体を
コード化する核酸を含む核酸分子としては、それ自体で抗体断片のアミノ酸配列をコード
化するもの、全抗体若しくはその一部のコード配列、抗体、断片若しくは部分のコード配
列、並びに追加の配列、例えば、少なくとも1つのイントロンなど、前述の追加のコード
配列を伴って、又は伴わずに、非コード5’及び3’配列、例えば、スプライシング及び
ポリアデニル化シグナル(例えば、mRNAのリボソーム結合及び安定性)を含む、転写
、mRNAプロセシングにおいて役割を果たす転写された非翻訳配列を含むがこれに限定
されない追加の非コード配列と共に、少なくとも1つのシグナルリーダー若しくは融合ペ
プチドのコード配列、更なるアミノ酸、例えば、更なる機能性を提供するアミノ酸をコー
ド化する追加のコード配列を挙げることができるが、これらに限定されない。したがって
、抗体をコード化する配列は、抗体断片又は部分を含む融合された抗体の精製を促進する
ペプチドをコード化する配列などのマーカー配列に融合させることができる。
【0119】
本明細書に記載のポリヌクレオチドに選択的にハイブリダイズするポリヌクレオチド
本発明の方法は、本明細書に開示されるポリヌクレオチドに対して、選択的なハイブリ
ダイゼーション条件下でハイブリダイズする単離された核酸を使用する。したがって、本
実施形態のポリヌクレオチドは、このようなポリヌクレオチドを含む核酸を単離、検出、
及び/又は定量化するために使用することができる。例えば、本発明のポリヌクレオチド
を使用して、蓄積されたライブラリにおける部分又は完全長クローンを同定、単離、又は
増幅することができる。いくつかの実施形態においては、ポリヌクレオチドは、単離され
た、又はそうでなければヒト若しくは哺乳類の核酸ライブラリからのcDNAに相補的な
、ゲノム配列又はcDNA配列である。
【0120】
好ましくは、cDNAライブラリは完全長配列の少なくとも80%、好ましくは完全長
配列の少なくとも85%又は90%、より好ましくは完全長配列の少なくとも95%を含
む。cDNAライブラリは、稀な配列の発現量を増大させるために正規化してよい。相補
的な配列に対して低減した配列同一性を持つ配列と共に使用される、ストリンジェンシー
が低度又は中度のハイブリダイゼーション条件が典型的であるが、排他的ではない。スト
リンジェンシーが中度及び高度の条件は、任意選択的に、より高い同一性を持つ配列に対
して使用することができる。低ストリンジェンシー条件は、約70%の配列同一性を持つ
配列の選択的ハイブリダイゼーションを可能にし、オーソロガス又はパラロガス配列を同
定するために利用できる。
【0121】
任意選択的に、ポリヌクレオチドは、抗体の少なくとも一部をコードする。ポリヌクレ
オチドは、本発明の抗体をコード化するポリヌクレオチドに対する選択的ハイブリダイゼ
ーションに利用することができる核酸配列を包含する。例えば、上記のAusubel、
上記のColliganを参照されたく、各々は、参照により全体が本明細書に組み込ま
れる。
【0122】
核酸の構築
単離された核酸は、当該技術分野において周知のように、(a)組換え方法、(b)合
成技術、(c)精製技術、及び/又はこれらの組み合わせを使用して作製することができ
る。
【0123】
核酸は、本発明のポリヌクレオチドに加えて、首尾よく配列を含むことができる。例え
ば、1つ又は2つ以上のエンドヌクレアーゼ制限部位を含むマルチクローニングサイトを
核酸に挿入して、ポリヌクレオチドの単離に役立てることができる。また、翻訳可能な配
列を挿入して、本発明の翻訳されたポリヌクレオチドの単離に役立てることができる。例
えば、ヘキサヒスチジンマーカー配列は、本発明のタンパク質を精製するための便利な手
段を提供する。本発明の核酸(コード配列を除く)は、任意選択的に、本発明のポリヌク
レオチドのクローニング及び/又は発現のためのベクター、アダプター、又はリンカーで
ある。
【0124】
追加の配列をかかるクローニング及び/又は発現配列に付加して、クローニング及び/
又は発現におけるそれらの機能を最適化し、ポリヌクレオチドの単離に役立てることがで
きるか、又は細胞へのポリヌクレオチドの導入を改善することができる。クローン化ベク
ター、発現ベクター、アダプター、及びリンカーの使用は、当該技術分野において周知で
ある。(例えば、上記のAusubel、又は上記のSambrookを参照されたい。
)
【0125】
核酸を構築するための組換え方法
RNA、cDNA、ゲノムDNA、又はこれらの任意の組み合わせなどの単離された核
酸組成物は、当業者に既知の任意の数のクローニング方法を用いて生物源から得ることが
できる。いくつかの実施形態において、本発明のポリヌクレオチドに対して厳しい条件下
で選択的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブが、cDNA又はゲノムDN
Aライブラリ内の望ましい配列を同定するために使用される。RNAの単離、並びにcD
NA及びゲノムライブラリの構築は、当業者には周知である。(例えば、上記のAusu
bel、又は上記のSambrookを参照されたい。)
【0126】
核酸のスクリーニング及び単離方法
本明細書に開示されているものなど、本発明の方法に使用されるポリヌクレオチドの配
列に基づいたプローブを使用して、cDNA又はゲノムライブラリをスクリーニングする
ことができる。プローブを使用して、同じ又は異なる生体内の相同遺伝子を単離するため
、ゲノムDNA又はcDNA配列にハイブリダイズさせることができる。当業者であれば
、アッセイに様々な度合のハイブリダイゼーションストリンジェンシーを用いることがで
き、ハイブリダイゼーション又は洗浄媒質のいずれかが厳しい可能性があることは明らか
であろう。ハイブリダイゼーションのための条件が厳しくなるにつれて、二重鎖形成が生
じるために、プローブと標的との間の相補性の程度が大きくなるはずである。ストリンジ
ェンシーの程度は、温度、イオン強度、pH、及びホルムアミドなどの部分的変性溶媒の
存在のうちの、1つ又は2つ以上によって制御することができる。例えば、ハイブリダイ
ゼーションのストリンジェンシーは、例えば、0%~50%の範囲内でのホルムアミド濃
度の操作により反応溶液の極性を変えることにより首尾よく変更される。検出可能な結合
のために必要な相補性(配列同一性)の程度は、ハイブリダイゼーション媒質及び/又は
洗浄媒質のストリンジェンシーに従って変化する。相補性の程度は、最適には100%、
又は70~100%、又はその中の任意の範囲若しくは値である。しかしながら、プロー
ブ及びプライマー内のわずかな配列変動は、ハイブリダイゼーション及び/又は洗浄媒質
のストリンジェンシーを低下させることで補償できるということを理解すべきである。
【0127】
RNA又はDNAの増幅方法は当該技術分野において周知であり、本明細書で紹介する
教示及び指針に基づいて、過度の実験なしに、本発明に従って使用可能である。
【0128】
DNA又はRNA増幅の既知の方法としては、ポリメラーゼ連鎖反応(polymer
ase chain reaction、PCR)及び関連する増幅プロセス(例えば、
Mullisらの米国特許第4,683,195号、同第4,683,202号、同第4
,800,159号、同第4,965,188号、Taborらの同第4,795,69
9号及び同第4,921,794号、Innisの同第5,142,033号、Wils
onらの同第5,122,464号、Innisの同第5,091,310号、Gyll
enstenらの同第5,066,584号、Gelfandらの同第4,889,81
8号、Silverらの同第4,994,370号、Biswasの同第4,766,0
67号、Ringoldの同第4,656,134号を参照されたい)、及び二本鎖DN
A合成のためのテンプレートとして標的配列に対してアンチセンスRNAを使用するRN
A媒介増幅(Malekらの米国特許第5,130,238号、商標名NASBAを持つ
)が挙げられるが、これらに限定されない(これらの文献の全内容は、参照により本明細
書に組み込まれる)。(例えば、上記のAusubel、又は上記のSambrookを
参照されたい。)
【0129】
例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術を使用して、ゲノムDNA又はcDNA
ライブラリから直接、本発明の方法に使用されるポリヌクレオチド及び関連する遺伝子の
配列を増幅することができる。PCR及びその他のインビトロ増幅方法はまた、例えば、
発現すべきタンパク質をコード化する核酸配列をクローニングする、サンプル中の所望の
mRNAの存在を検出するため、核酸の配列決定のため、又はその他の目的のためのプロ
ーブとして用いるための核酸を作製するのに有用であり得る。インビトロ増幅方法によっ
て当業者を導くのに十分な技術の例は、上記のBerger、上記のSambrook及
び上記のAusubel並びにMullisら米国特許第4,683,202号(198
7)、及びInnis,et al.,PCR Protocols A Guide
to Methods and Applications,Eds.,Academi
c Press Inc,San Diego,CA(1990)に見られる。ゲノムP
CR増幅用の市販キットは当該技術分野において既知である。例えば、Advantag
e-GC Genomic PCR Kit(Clontech)を参照されたい。加え
て、例えば、T4遺伝子32タンパク質(Boehringer Mannheim)を
用いて、長いPCR産物の収率を改善することができる。
【0130】
核酸を構築するための合成方法
本発明の方法に使用される単離された核酸はまた、既知の方法による直接化学合成によ
っても調製可能である(例えば、上記のAusubelらを参照されたい)。化学合成は
、一般に、相補的配列とのハイブリダイゼーションによって、又は1本鎖をテンプレート
として使用するDNAポリメラーゼとの重合によって、2本鎖DNAに変換可能な1本鎖
オリゴヌクレオチドを生成する。当業者であれば、DNAの化学合成は約100以上の塩
基の配列に限定され得るものの、より長い配列は、より短い配列の連結反応によって得る
ことができることを認識するであろう。
【0131】
組換え発現カセット
本発明は核酸を含む組換え発現カセットを使用する。核酸配列、例えば本発明の方法に
使用される抗体をコード化するcDNA又はゲノム配列を使用して、少なくとも1つの所
望の宿主細胞に導入することができる組換え発現カセットを構築することができる。組換
え発現カセットは、典型的には、意図される宿主細胞においてポリヌクレオチドの転写を
導く、転写開始調節配列に操作可能に連結される、ポリヌクレオチドを含む。異種及び非
異種(すなわち、内因性)プロモーターの両方を利用して、核酸の発現を導くことができ
る。
【0132】
一部の実施形態では、プロモーター、エンハンサー、又は他の要素として機能する単離
された核酸を、ポリヌクレオチドの発現を上方又は下方調節するために、本発明のポリヌ
クレオチドの非異種形の適切な位置(上流、下流、又はイントロン内)に導入することが
できる。例えば、インビボ又はインビトロで、突然変異、欠失及び/又は置換により、内
因性プロモーターを変えることができる。
【0133】
ベクター及び宿主細胞
本発明は、単離された核酸分子を含むベクター、組換えベクターで遺伝子工学処理され
る宿主細胞、及び当該技術分野において周知である組換え技術による少なくとも1つの抗
IL-23抗体の産生にも関する。例えば、上記のSambrookら、上記のAusu
belらを参照されたく、各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0134】
ポリヌクレオチドは、任意選択的に、宿主の増殖についての選択マーカーを含有するベ
クターに結合することができる。一般に、プラスミドベクターは、リン酸カルシウム沈殿
物のような沈殿物内、又は荷電脂質との複合体内に導入される。ベクターがウイルスであ
る場合は、適切なパッケージング細胞株を用いてインビトロでこれをパッケージングし、
その後、宿主細胞内に形質導入することができる。
【0135】
DNA挿入物は、適切なプロモーターに機能的に連結されるべきである。発現コンスト
ラクトは、転写開始部位、転写終結部位、及び転写された領域内では翻訳のためのリボソ
ーム結合部位を更に含む。構築により発現する成熟した転写産物のコード部分は、好まし
くは、翻訳されるべきmRNAの最後に適切に位置する開始及び終止コドン(例えば、U
AA、UGA、又はUAG)で始まる翻訳を含み、哺乳類又は真核生物細胞の発現ではU
AA及びUAGが好ましい。
【0136】
発現ベクターは、好ましくは少なくとも1つの選択マーカーを含むが、これは任意であ
る。かかるマーカーは、例えば、真核細胞培養のためのメトトレキサート(methotrexate
、MTX)、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(dihydrofolate reductase、DHFR、米国特
許第4,399,216号;同第4,634,665号;同第4,656,134号;同
第4,956,288号;同第5,149,636号;同第5,179,017号、アン
ピシリン、ネオマイシン(G418)、マイコフェノール酸又はグルタミンシンセターゼ
(glutamine synthetase、GS、米国特許第5,122,464号;同第5,770,3
59号;同第5,827,739号)抵抗性遺伝子、並びに大腸菌及び他の細菌又は原核
生物における培養のためのテトラサイクリン又はアンピシリン抵抗性遺伝子を含むが、こ
れらに限定されない(上記特許は、参照により全体が本明細書に組み込まれる)。上記の
宿主細胞に対して適切な培養培地及び条件は、当該技術分野において既知である。適切な
ベクターは、当事者にとって容易に明白となるであろう。宿主細胞へのベクターコンスト
ラクトの導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE-デキストラン媒介
トランスフェクション、カチオン性脂質媒介トランスフェクション、エレクトロポレーシ
ョン、形質導入、感染又は他の既知の方法により影響を受け得る。かかる方法については
、上記のSambrook、第1~4章及び第16~18章、上記のAusubel、第
1、9、13、15、16章など、当該技術分野において記載されている。
【0137】
本発明の方法に使用される少なくとも1つの抗体は、融合タンパク質などの修飾された
形態で発現され得、分泌シグナルだけでなく、追加の異種機能領域も含み得る。例えば、
追加アミノ酸の領域、特に荷電アミノ酸を抗体のN末端に追加して、精製中又は後続の処
理及び保存中に、宿主細胞における安定性及び持続性を改善することができる。また、ペ
プチド部分を本発明の抗体に追加して、精製を促進することもできる。抗体又は少なくと
も1つのその断片の最終調製前に、かかる領域を除去することができる。かかる方法は、
上記のSambrook、第17.29~17.42章及び第18.1~18.74章、
上記のAusubel、第16、17及び18章など、多くの標準的な実験室マニュアル
に記載されている。
【0138】
当業者であれば、本発明の方法に使用されるタンパク質をコード化する核酸の発現に利
用可能な多数の発現系について精通している。あるいは、核酸は、抗体をコード化する内
因性DNAを含有する宿主細胞内で、(操作により)オン切換えすることにより、宿主細
胞中で発現させることができる。このような方法は、米国特許第5,580,734号、
同第5,641,670号、同第5,733,746号、及び同第5,733,761号
に記載されているように、当該技術分野において周知であり、これらは参照により全体が
本明細書に組み込まれる。
【0139】
抗体、その特定された部分又は変異体の産生にとって有用な細胞培養の一例は哺乳動物
細胞である。哺乳類細胞系は、単層の細胞の形を取ることが多いが、哺乳類細胞の懸濁液
又はバイオリアクターも使用可能である。無傷なグリコシル化タンパク質を発現可能な多
くの好適な宿主細胞株が当該技術分野において開発されており、これにはCOS-1(例
えばATCC CRL 1650)、COS-7(例えばATCC CRL-1651)
、HEK293、BHK21(例えばATCC CRL-10)、CHO(例えばATC
C CRL1610)、及びBSC-1(例えばATCC CRL-26)細胞株、Co
s-7細胞、CHO細胞、hep G2細胞、P3X63Ag8.653、SP2/0-
Ag14、293細胞、HeLa細胞などが挙げられ、これらは例えば、America
n Type Culture Collection,Manassas,Va(ww
w.atcc.org)から容易に入手できる。好ましい宿主細胞には、骨髄腫及びリン
パ腫細胞などのリンパ系起源の細胞が挙げられる。特に好ましい宿主細胞はP3X63A
g8.653細胞(ATCC登録番号CRL-1580)及びSP2/0-Ag14細胞
(ATCC登録番号CRL-1851)である。特に好ましい実施形態では、組換え細胞
は、P3X63Ab8.653又はSP2/0-Ag14細胞である。
【0140】
これらの細胞の発現ベクターは、複製起点、プロモーター(例えば、後期又は初期SV
40プロモーター、CMVプロモーター(米国特許第5,168,062号;同第5,3
85,839号)、HSV tkプロモーター、pgk(ホスホグリセレートキナーゼ)
プロモーター、EF-1αプロモーター(米国特許第5,266,491号)、少なくと
も1つのヒト免疫グロブリンプロモーター、エンハンサー、及び/又はリボソーム結合部
位、RNAスプライス部位、ポリアデニル化部位(例えば、SV40ラージT Agポリ
付加部位)、並びに転写終結配列などのプロセシング情報部位などであるがこれらに限定
されない、発現制御配列のうちの1つ又は2つ以上を含み得る。例えば、上記のAusu
belら、上記のSambrookらを参照されたい。本発明の核酸又はタンパク質の生
成に有用な他の細胞は既知であり、並びに/あるいは例えば、American Typ
e Culture Collection Catalogue of Cell L
ines and Hybridomas(www.atcc.org)又は他の既知の
若しくは商業的供給源から入手可能である。
【0141】
真核宿主細胞が利用されるとき、典型的には、ベクター内にポリアデニル化又は転写終
結配列が組み込まれる。終結配列の一例は、ウシ成長ホルモン遺伝子からのポリアデニル
化配列である。転写の正確なスプライシングのための配列も、同様に含むことができる。
スプライシング配列の一例は、SV40由来のVP1イントロンである(Sprague
,et al.,J.Virol.45:773-781(1983))。加えて、当該
技術分野において既知であるように、宿主細胞内の複製を制御するための遺伝子配列をベ
クター内に組み込むことができる。
【0142】
抗体の精製
抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体は、プロテインA精製、硫酸アン
モニウム又はエタノール沈殿、酸抽出、アニオン又はカチオン交換クロマトグラフィー、
ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニテ
ィクロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー及びレクチンクロマ
トグラフィーが挙げられるがこれらに限定されない、周知の方法により、組換え細胞培養
物から回収し、精製することができる。高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)を
精製に利用することもできる。例えば、Colligan、Current Proto
cols in Immunology又はCurrent Protocols in
Protein Science,John Wiley & Sons,NY,NY
(1997-2001)の、例えば、第1、4、6、8、9、10章を参照されたく、そ
れぞれは参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0143】
本発明の方法に使用される抗体には、天然に精製された産物、化学合成手順の産物、並
びに例えば、酵母、高等植物、昆虫、及び哺乳類細胞を含む、真核宿主から組換え技法に
より産生された産物が含まれる。組換え産物手順に利用される宿主に応じて、抗体は、グ
リコシル化されてもグリコシル化されなくてもよいが、グリコシル化されるのが好ましい
。かかる方法は、上記のSambrook、セクション17.37-17.42、上記の
Ausubel、第10、12、13、16、18、及び20章、上記のColliga
n,Protein Science、第12~14章などの多くの標準的な実験室マニ
ュアルに記載されており、全てが参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0144】
抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体
本発明による抗IL-12/23p40又はIL-23抗体は、抗体に組み込むことが
できる、免疫グロブリン分子の少なくとも一部、例えば、限定されないが、少なくとも1
つのリガンド結合部分(ligand binding portion、LBP)、例えば、限定されないが、
重鎖若しくは軽鎖の相補性決定領域(CDR)又はそのリガンド結合部分、重鎖又は軽鎖
可変領域、フレームワーク領域(例えば、FR1、FR2、FR3、FR4、又はそれら
の断片、更に所望により、少なくとも1つの置換、挿入、又は欠失を含む)、重鎖又は軽
鎖定常領域(例えば、少なくとも1のCH1、ヒンジ1、ヒンジ2、ヒンジ3、ヒンジ4
、CH2、若しくはCH3、又はそれらの断片、更に所望により、少なくとも1つの置換
、挿入、又は欠失を含む)、又はそれらの任意の部分を含む任意のタンパク質又はペプチ
ド含有分子を含む。抗体は、ヒト、マウス、ウサギ、ラット、げっ歯類、霊長類、又はそ
れらの任意の組み合わせなどであるがこれらに限定されない、任意の哺乳動物を含むか、
又はそれに由来し得る。
【0145】
本発明の方法に使用される単離された抗体は、任意の好適なポリヌクレオチドによって
コードされる、本明細書に開示される抗体のアミノ酸配列、又は任意の単離又は調製され
た抗体を含む。好ましくは、ヒト抗体又は抗原結合断片は、ヒトIL-12/IL-23
p40又はIL-23に結合し、それにより、タンパク質の少なくとも1つの生物学的活
性を部分的又は実質的に中和する。少なくとも1つのIL-12/IL-23p40又は
IL-23タンパク質又は断片の少なくとも1つの生物学的活性を部分的に又は好ましく
は実質的に中和する抗体又はその特定された部分若しくは変異体は、タンパク質又は断片
に結合し、それによりIL-12/IL-23p40又はIL-23の、IL-12及び
/又はIL-23受容体への結合を通して、又は他のIL-12/IL-23p40又は
IL-23依存性又は媒介型機序を通して媒介される活性を阻害することができる。本明
細書で使用するとき、「中和抗体」という用語は、アッセイに応じて約20~120%、
好ましくは少なくとも約10、20、30、40、50、55、60、65、70、75
、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100
%以上、IL-12/IL-23p40又はIL-23依存活性を阻害できる抗体を指す
。抗IL-12/23p40又はIL-23抗体がIL-12/IL-23p40又はI
L-23依存活性を阻害する能力は、好ましくは、本明細書に記載されかつ/又は当該技
術分野において既知の、少なくとも1つの好適なIL-12/IL-23p40又はIL
-23タンパク質又は受容体アッセイによって評価される。ヒト抗体は、任意のクラス(
IgG、IgA、IgM、IgE、IgD等)又はアイソタイプのものであってもよく、
カッパ又はラムダ軽鎖を含み得る。一実施形態では、ヒト抗体は、IgG重鎖又は規定さ
れた断片、例えば、IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4(例えば、γ1、γγ2
、γ3、4)のうちの少なくとも1つのアイソタイプを含む。このタイプの抗体は、本明
細書に記載されかつ/又は当該技術分野において既知の、少なくとも1つのヒト軽鎖(例
えば、IgG、IgA、及びIgM)導入遺伝子を含む、トランスジェニックマウス又は
他のトランスジェニック非ヒト哺乳動物を利用することによって調製することができる。
別の実施形態において、抗IL-23ヒト抗体は、IgG1重鎖と、IgG1軽鎖とを含
む。
【0146】
抗体は、少なくとも1つのIL-12/IL-23p40又はIL-23タンパク質、
サブユニット、断片、部分、又はそれらの任意の組み合わせに特異的な少なくとも1つの
特定されたエピトープに結合する。この少なくとも1つのエピトープは、タンパク質の少
なくとも一部分を含む少なくとも1つの抗体結合領域を含むことが可能であり、このエピ
トープは好ましくは、タンパク質の少なくとも1つの細胞外、可溶性、親水性、外部、又
は細胞質部分から構成されている。
【0147】
一般に、ヒト抗体又は抗原結合断片は、少なくとも1つのヒト相補性決定領域(CDR
1、CDR2、及びCDR3)又は少なくとも1つの重鎖可変領域の変異体、及び少なく
とも1つのヒト相補性決定領域(CDR1、CDR2、及びCDR3)又は少なくとも1
つの軽鎖可変領域の変異体を含む抗原結合領域を含む。CDR配列は、ヒト生殖細胞系列
配列に由来しても、生殖細胞系列配列に厳密に一致してもよい。例えば、元の非ヒトCD
Rに由来する合成ライブラリからのCDRを使用することができる。これらのCDRは、
元の非ヒト配列からの保存的置換の組み込みによって形成され得る。別の特定の実施形態
では、抗体又は抗原結合部分又は変異体は、対応するCDR1、2及び/又は3のアミノ
酸配列を有する少なくとも1つの軽鎖CDR(すなわち、CDR1、CDR2、及び/又
はCDR3)の少なくとも一部を含む抗原結合領域を有することができる。
【0148】
かかる抗体は、組換えDNA技術の従来技術を使用して抗体をコード化する(即ち、1
つ又は2つ以上の)核酸分子を調製し発現させることによって、又は任意のその他の適切
な方法を使用することによって、従来技術を使用して抗体の様々な部分(例えば、CDR
、フレームワーク)を一緒に化学的に結合させることにより調製できる。
【0149】
抗IL-12/IL-23p40又はIL-23特異的抗体は、規定されたアミノ酸配
列を有する重鎖又は軽鎖可変領域のうちの少なくとも1つを含むことができる。例えば、
好ましい実施形態では、抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体は、配列番
号7のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と、配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領
域とを有する抗IL-12/IL-23p40抗体を含む。抗IL-12/IL-23p
40又はIL-23特異的抗体は、規定されたアミノ酸配列を有する重鎖又は軽鎖のうち
の少なくとも1つを含むことができる。別の好ましい実施形態では、抗IL-12/IL
-23p40又はIL-23抗体は、配列番号10のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番
号11のアミノ酸配列を含む軽鎖とを有する抗IL-12/IL-23p40抗体を含む
。ヒトIL-12.IL-23p40又はIL-23に結合し、画定された重鎖又は軽鎖
可変領域を含む抗体は、当該技術分野で既知及び/又は本明細書に記載の、ファージディ
スプレイ(Katsube,Y.,et al.,Int J Mol.Med,1(5
):863-868(1998))又はトランスジェニック動物を採用する方法など、好
適な方法を使用して調製することができる。例えば、機能的に再構成されたヒト免疫グロ
ブリン重鎖導入遺伝子と、機能的な再配列を受けることが可能なヒト免疫グロブリン軽鎖
遺伝子座からのDNAを含む導入遺伝子と、を含むトランスジェニックマウスを、ヒトI
L-12/IL-23p40又はIL-23若しくはその断片で免疫化して抗体の産生を
誘発することができる。所望する場合、抗体生成細胞を単離することができ、本明細書に
記載されるように、かつ/又は当該技術分野において既知であるように、ハイブリドーマ
又はその他の不死化抗体生成細胞を調製することができる。あるいは、抗体、特定された
部分又は変異体は、好適な宿主細胞内で、コード核酸又はその一部分を使用して発現させ
ることができる。
【0150】
本発明はまた、本明細書に記載されるアミノ酸配列と実質的に同じである配列内のアミ
ノ酸を含む抗体、抗原結合断片、免疫グロブリン鎖及びCDRにも関する。好ましくは、
かかる抗体又は抗原結合断片及びかかる鎖若しくはCDRを含む抗体は、高い親和性(例
えば、KDが約10-9M以下)で、ヒトIL-12/IL-23p40又はIL-23
に結合することができる。本明細書に記載されている配列と実質的に同じであるアミノ酸
配列には、保存的アミノ酸置換、並びにアミノ酸欠失及び/又は挿入を含む配列が挙げら
れる。保存的アミノ酸置換は、第1のアミノ酸のものに類似する化学的及び/又は物理的
特性(例えば、電荷、構造、極性、疎水性/親水性)を持つ第2のアミノ酸で、第1のア
ミノ酸を置換することを指す。保存的置換は、限定されないが、1個のアミノ酸を、以下
の群内の別のアミノ酸で置き換えることを含む:リジン(K)、アルギニン(R)、及び
ヒスチジン(H);アスパラギン酸塩(D)及びグルタミン酸塩(E);アスパラギン(
N)、グルタミン(Q)、セリン(S)、スレオニン(T)、チロシン(Y)、K、R、
H、D、及びE;アラニン(A)、バリン(V)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)
、プロリン(P)、フェニルアラニン(F)、トリプトファン(W)、メチオニン(M)
、システイン(C)、及びグリシン(G);F、W、及びY;C、S、及びT。
【0151】
アミノ酸コード
本発明の抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体は、略されることが多い
。アミノ酸表記は、その1文字コード、その3文字コード、名称、又は3つのヌクレオチ
ドのコドン(複数可)によりアミノ酸を表記することにより示すことができ、当該技術分
野においてよく理解されている(Alberts,B.,et al.,Molecul
ar Biology of The Cell,Third Ed.,Garland
Publishing,Inc.,New York,1994を参照されたい)。
【0152】
【0153】
配列
例示的な抗IL-12/IL-23p40抗体配列-STELARA(登録商標)(ウ
ステキヌマブ)
抗IL-12/IL-23p40抗体相補性決定領域重鎖1(CDRH1)のアミノ酸
配列:(配列番号1)
TYWLG
【0154】
抗IL-12/IL-23p40抗体相補性決定領域重鎖2(CDRH2)のアミノ酸
配列:(配列番号2)
IMSPVDSDIRYSPSFQG
【0155】
抗IL-12/IL-23p40抗体相補性決定領域重鎖3(CDRH3)のアミノ酸
配列:(配列番号3)
RRPGQGYFDF
【0156】
抗IL-12/IL-23p40抗体相補性決定領域軽鎖1(CDRL1)のアミノ酸
配列:(配列番号4)
RASQGISSWLA
【0157】
抗IL-12/IL-23p40抗体相補性決定領域軽鎖2(CDRL2)のアミノ酸
配列:(配列番号5)
AASSLQS
【0158】
抗IL-12/IL-23p40抗体相補性決定領域軽鎖3(CDRL3)のアミノ酸
配列:(配列番号6)
QQYNIYPYT
【0159】
抗IL-12/IL-23p40抗体可変重鎖領域(CDR下線部)のアミノ酸配列:
(配列番号7)
【0160】
【0161】
抗IL-12/IL-23p40抗体可変軽鎖領域(CDR下線部)のアミノ酸配列:
(配列番号8)
【0162】
【0163】
抗IL-12/IL-23p40抗体重鎖(CDR下線部)のアミノ酸配列:(配列番
号10)
【0164】
【0165】
抗IL-12/IL-23p40抗体軽鎖(CDR下線部)のアミノ酸配列:(配列番
号11)
【0166】
【0167】
アミノ酸配列IL-12
α及びβサブユニットを有するヒトインターロイキン(IL)-12のアミノ酸配列:
(配列番号9)
【0168】
【0169】
本発明の方法に使用される抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体は、本
明細書で特定されるように、自然突然変異又はヒトによる操作のいずれかによる、1つ又
は2つ以上のアミノ酸の置換、欠失、又は付加を含み得る。
【0170】
当業者が行い得るアミノ酸置換の数は、上記のものを含む数多くの要因に基づく。一般
的に言えば、所与の抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体、断片又は変異
体のアミノ酸置換、挿入又は欠失の数は、本明細書で特定されるように、40、30、2
0、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、
5、4、3、2、1、例えば、1~30又はこの中の任意の範囲若しくは値を超えない。
【0171】
機能上不可欠である抗IL-12/IL-23p40又はIL-23特異的抗体内のア
ミノ酸は、部位特異的突然変異誘発又はアラニンスキャニング突然変異誘発などの、当該
技術分野において既知の方法により特定することができる(例えば、上記のAusube
l、第8,15章;Cunningham and Wells,Science 24
4:1081-1085(1989))。後者の手順では、分子内の残基毎に1つのアラ
ニン置換変異が導入される。得られた突然変異分子は、次いで、例えば、限定されないが
、少なくとも1つのIL-12/IL-23p40又はIL-23中和活性などの生物活
性について試験される。抗体結合にとってきわめて重要である部位もまた、結晶化、核磁
気共鳴又は光親和性標識などの構造分析によって同定することができる(Smith,e
t al.,J.Mol.Biol.224:899-904(1992)及びde V
os,et al.,Science 255:306-312(1992))。
【0172】
抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体は、配列番号1、2、3、4、5
、6、7、8、10、又は11のうちの少なくとも1つの隣接アミノ酸のうちの5個~全
てから選択される、少なくとも1つの部分、配列、又は組み合わせを含むことができるが
、これらに限定されない。
【0173】
IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体又は特定の部分若しくは変異体とし
ては、上記配列番号の少なくとも3~5個の隣接アミノ酸、上記配列番号の5~17個の
隣接アミノ酸、上記配列番号の5~10個の隣接アミノ酸、上記配列番号の5~11個の
隣接アミノ酸、上記配列番号の5~7個の隣接アミノ酸、上記配列番号の5~9個の隣接
アミノ酸から選択される少なくとも1つの部分、配列、又は組み合わせを含むことができ
るが、これらに限定されない。
【0174】
抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体は、更に任意選択的に、上記配列
番号5、17、10、11、7、9、119、108、449、又は214個の隣接アミ
ノ酸の70~100%の少なくとも1つのポリペプチドを含むことができる。一実施形態
では、免疫グロブリン鎖、又はその一部分(例えば、可変領域、CDR)のアミノ酸配列
は、上記配列番号のうちの少なくとも1つの対応する鎖のアミノ酸配列と、約70~10
0%の同一性(例えば、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79
、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、
93、94、95、96、97、98、99、100、又はこの中の任意の範囲若しくは
値)を有する。例えば、軽鎖可変領域のアミノ酸配列を、上記配列番号と比較することが
でき、又は重鎖CDR3のアミノ酸配列を、上記配列番号と比較することができる。好ま
しくは、70~100%のアミノ酸同一性(即ち、90、91、92、93、94、95
、96、97、98、99、100、又はこの中の任意の範囲若しくは値)は、当該技術
分野において既知であるように、適切なコンピュータアルゴリズムを用いて決定される。
【0175】
当該技術分野において既知のように「同一性」は、配列を比較することにより判定され
る、2つ以上のポリペプチド配列間又は2つ以上のポリヌクレオチド配列間の関係である
。当該技術分野において、「同一性」はまた、そのような配列の糸の間の一致によって決
定されるような、ポリペプチド又はポリヌクレオチド配列間の配列関連性の程度を意味す
る。「同一性」及び「類似性」は、Computational Molecular
Biology,Lesk,A.M.,ed.,Oxford University
Press,New York,1988、Biocomputing:Informa
tics and Genome Projects,Smith,D.W.,ed.,
Academic Press,New York,1993、Computer An
alysis of Sequence Data,Part I,Griffin,A
.M.,and Griffin,H.G.,eds.,Humana Press,N
ew Jersey,1994、Sequence Analysis in Mole
cular Biology,von Heinje,G.,Academic Pre
ss,1987、及びSequence Analysis Primer,Gribs
kov,M.and Devereux,J.,eds.,M Stockton Pr
ess,New York,1991、並びにCarillo,H.,and Lipm
an,D.,Siam J.Applied Math.,48:1073(1988)
に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されない、既知の方法によって容易
に算出することができる。加えて、同一性の割合に関する値は、Vector NTI
Suite 8.0(Informax,Frederick,MD)の構成要素である
AlignXのセッティングのデフォルトを用いて作成される、アミノ酸及びヌクレオチ
ド配列アラインメントから得ることができる。
【0176】
同一性を決定するための好ましい方法は、試験される配列間で最大一致が得られるよう
に設計される。同一性及び類似性を決定するための方法は、公的に入手可能なンピュータ
プログラムにおいて成文化されている。2つの配列間の同一性及び類似性を決定するため
の好ましいコンピュータプログラム方法は、GCGプログラムパッケージ(Devere
ux,J.,et al.,Nucleic Acids Research 12(1
):387(1984))、BLASTP、BLASTN、及びFASTA(Atsch
ul,S.F.et al.,J.Molec.Biol.215:403-410(1
990))を含むが、これらに限定されない。BLAST Xプログラムは、NCBI及
び他の供給源(BLAST Manual,Altschul,S.,et al.,N
CBINLM NIH Bethesda,Md.20894:Altschul,S.
,et al.,J.Mol.Biol.215:403-410(1990)から公的
に入手可能である。周知のSmith Watermanアルゴリズムも同一性を決定す
るために使用され得る。
【0177】
ポリペプチド配列比較のための好ましいパラメータとしては、以下が挙げられる:
(1)アルゴリズム:Needleman and Wunsch,J.Mol Bi
ol.48:443-453(1970)比較マトリックス:BLOSSUM62 fr
om Hentikoff and Hentikoff,Proc.Natl.Aca
d.Sci,USA.89:10915-10919(1992)、
ギャップペナルティ:12
ギャップ長ペナルティ:4
これらのパラメータで有用なプログラムは、Genetics Computer G
roup,Madison Wisからの「ギャップ」プログラムとして公的に入手可能
である。前述のパラメータは、ペプチド配列比較のためのデフォルトパラメータ(末端ギ
ャップに関してペナルティがないのと同様に)である。
【0178】
ポリヌクレオチド比較のための好ましいパラメータとしては、以下が挙げられる:
(1)アルゴリズム:Needleman and Wunsch,J.Mol Bi
ol.48:443-453(1970)
比較マトリックス:一致=+10、ミスマッチ=0
ギャップペナルティ:50
ギャップ長ペナルティ:3
Genetics Computer Group,Madison Wisからの「
ギャップ」プログラムとして入手可能。これらは、核酸配列比較のデフォルトパラメータ
である。
【0179】
例として、ポリヌクレオチド配列は、他の配列と同一であり得る、つまり、100%同
一であるか、又は参照配列と比較してある特定の整数までのヌクレオチド変更を含み得る
。かかる変更は、少なくとも1つのヌクレオチドの欠失、置換(転移及び転換を含む)、
又は挿入からなる群から選択され、変更は、参照ヌクレオチド配列の5’若しくは3’末
端位置で、又はこれらの末端位置の間のどこで生じてもよく、参照配列のヌクレオチド間
に個々に、又は参照配列内の1つ又は2つ以上の隣接基のいずれかにおいて点在してもよ
い。ヌクレオチド変更の数は、配列中のヌクレオチドの総数に、対応する同一性パーセン
トの数値パーセント(100で割ったもの)を乗じ、その積を配列中のヌクレオチドの総
数から差し引くこと、又は、n.sub.n.ltorsim.x.sub.n-(x.
sub.n.y)であり、
式中、n.sub.nはヌクレオチド変更の数であり、x.sub.nは配列中のヌク
レオチドの総数であり、yは、例えば、70%に対しては0.70、80%に対しては0
.80、85%に対しては0.85、90%に対しては0.90、95%に対しては0.
95などであり、x.sub.nとyとの任意の整数ではない積は、x.sub.nから
差し引く前に最も近い整数に切り捨てる。
【0180】
上記配列番号をコード化するポリヌクレオチド配列の変更は、このコード配列中にナン
センス、ミスセンス、又はフレームシフト突然変異を作り出し、それにより、かかる変更
後にポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドを変更することができる。同様
に、ポリペプチド配列は、上記配列番号の参照配列と同一であり得る、つまり、100%
同一であるか、又は同一率が100%未満であるように、参照配列と比較してある特定の
整数までのアミノ酸変更を含み得る。かかる変更は、少なくとも1つのアミノ酸の欠失、
置換(保存的及び非保存的置換を含む)、又は挿入からなる群から選択され、変更は、参
照ポリペプチド配列のアミノ若しくはカルボキシ末端位置で、又はこれらの末端位置の間
のどこで生じてもよく、参照配列のアミノ酸間に個々に、又は参照配列内の1つ又は2つ
以上の隣接基のいずれかにおいて点在してもよい。所与の同一性%のアミノ酸の変更数は
、上記配列番号総アミノ酸数にそれぞれの同一性パーセントの数値パーセント(100で
除す)を乗じ、その後、その積を上記配列番号の総アミノ酸数から減算することによって
、又はn.sub.a.ltorsim.x.sub.a-(x.sub.a.y)(式
中、n.sub.aは、アミノ酸の変更数であり、x.sub.aは、上記配列番号の総
アミノ酸数であり、yは、例えば、70%は0.70、80%は0.80、85%は0.
85等であり、x.sub.a及びyの任意の非整数積は、x.sub.aからそれを減
算する前に整数単位に四捨五入される)によって決定される。
【0181】
例示的な重鎖及び軽鎖可変領域の配列、並びにそれらの部分は、上記配列番号に示され
る。本発明の抗体、又はその特定された変異体は、本発明の抗体から任意の数の隣接アミ
ノ酸残基を含むことができ、その数は、抗IL-12/IL-23p40又はIL-23
抗体における隣接残基数の10~100%からなる整数の群から選択される。任意選択的
に、隣接アミノ酸のこの部分列は、少なくとも約10、20、30、40、50、60、
70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170
、180、190、200、210、220、230、240、250、又はそれ以上の
アミノ酸長、又はその中の任意の範囲若しくは値である。更に、かかる部分列の数は、少
なくとも2、3、4、又は5などの、1~20からなる群から選択される任意の整数であ
り得る。
【0182】
当業者には明らかとなるように、本発明には、本発明の少なくとも1つの生物活性抗体
が含まれている。生物活性抗体は、天然(非合成)、内因性、又は関連する、及び既知の
抗体のものの、少なくとも20%、30%、又は40%、及び好ましくは少なくとも50
%、60%、又は70%、及び最も好ましくは少なくとも80%、90%、又は95%~
100%以上(限定されないが、比活性の最大10倍を含む)の比活性を有する。酵素活
性及び基質特異性のアッセイ及び定量測定の方法は、当業者にとって周知である。
【0183】
別の態様では、本発明は、有機部分の共有結合により修飾される、本明細書に記載され
るヒト抗体及び抗原結合断片に関する。かかる修飾は、改善された薬物動態特性(例えば
、増大した、インビボでの血清半減期)を有する抗体又は抗原結合断片を生成することが
できる。有機部分は、直鎖又は分枝鎖親水性ポリマー基、脂肪酸基、又は脂肪酸エステル
基であることができる。特定の実施形態では、親水性ポリマー基は、分子量が約800~
約120,000ダルトンであって、ポリアルカングリコール(例えば、ポリエチレング
リコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG))、炭水化物ポリマー、アミ
ノ酸ポリマー又はポリビニルピロリドンであり得、また、脂肪酸基又は脂肪酸エステル基
は、約8~約40の炭素原子を含み得る。
【0184】
修飾された抗体及び抗原結合断片は、直接的又は間接的に抗体に共有結合される、1つ
又は2つ以上の有機部分を含み得る。本発明の抗体又は抗原結合断片に結合される各有機
部分は、独立して、親水性ポリマー基、脂肪酸基、又は脂肪酸エステル基であり得る。本
明細書で使用するとき、「脂肪酸」という用語は、モノカルボン酸及びジカルボン酸を含
む。本明細書で使用するとき、「親水性ポリマー基」という用語は、オクタンよりも水に
対する溶解度が高い有機ポリマーを意味する。例えば、ポリリシンは、オクタンよりも水
に対する溶解度が高い。よって、ポリリシンの共有結合により修飾された抗体は、本発明
に包含される。本発明の抗体を修飾する適切な親水性ポリマーは、直線状又は分岐状であ
り得、例えば、ポリアルカングリコール(例えば、PEG、モノメトキシ-ポリエチレン
グリコール(mPEG)、PPGなど)、炭水化物(例えば、デキストラン、セルロース
、オリゴ糖、多糖など)、親水性アミノ酸のポリマー(例えば、ポリリシン、ポリアルギ
ニン、ポリアスパラギン酸など)、ポリアルカンオキシド(例えば、ポリエチレンオキシ
ド、ポリプロピレンオキシドなど)、及びポリビニルピロリドンを含む。好ましくは、本
発明の抗体を修飾する親水性ポリマーは、個別の分子体として、約800~約150,0
00ダルトンの分子量を有する。例えば、PEG5000及びPEG20,000を使用
することができ、下付き文字は、ポリマーの平均分子量(ダルトン)である。親水性ポリ
マー基は、1~約6個のアルキル基、脂肪酸基又は脂肪酸エステル基で置換することがで
きる。脂肪酸又は脂肪酸エステル基で置換される親水性ポリマー類は、適切な方法を利用
することによって調製することができる。例えば、アミン基を含むポリマーを、脂肪酸又
は脂肪酸エステルのカルボン酸塩に連結させることができ、脂肪酸又は脂肪酸エステル上
の活性化カルボン酸塩(例えば、N,N-カルボニルジイミダゾールで活性化されている
)をポリマー上のヒドロキシル基に連結させることができる。
【0185】
本発明の抗体を修飾するために好適な脂肪酸及び脂肪酸エステルは、飽和されてもよい
し、又は1つ又は2つ以上の不飽和単位を含有してもよい。本発明の抗体を修飾するのに
好適な脂肪酸としては、例えば、n-ドデカン酸塩(C12、ラウリン酸塩)、n-テト
ラデカン酸塩(C14、ミリスチン酸塩)、n-オクタデカン酸塩(C18、ステアリン
酸塩)、n-エイコサン酸塩(C20、アラキジン酸塩)、n-ドコサン酸塩(C22、
ベヘン酸)、n-トリアコンタン酸塩(C30)、n-テトラコンタン酸塩(C40)、
シス-Δ9-オクタデカン酸塩(C18、オレイン酸塩)、全てのシス-Δ5,8,11
,14-エイコサテトラエン酸塩(C20、アラキドン酸塩)、オクタンジオン酸、テト
ラデカンジオン酸、オクタデカンジオン酸、ドコサンジオン酸などが挙げられる。好適な
脂肪酸エステルは、直鎖又は分枝鎖の低級アルキル基を含む、ジカルボン酸のモノエステ
ルを含む。低級アルキル基は、1~約12個、好ましくは1~約6個の炭素原子を含んで
よい。
【0186】
修飾されたヒト抗体及び抗原結合断片は、1つ又は2つ以上の修飾剤と反応させるなど
、好適な方法を使用して調製することができる。本明細書で使用されるとき、用語「修飾
剤」は、活性化基を含む適切な有機基(例えば、親水性ポリマー、脂肪酸、脂肪酸エステ
ル)を意味する。「活性化基」とは、適切な条件下で第2の化学基と反応し、これにより
修飾剤と第2の化学基との間に共有結合を形成することのできる、化学部分又は官能基で
ある。例えば、アミン反応性活性化基としては、トシル酸、メシル酸、ハロ(クロロ、ブ
ロモ、フルオロ、ヨード)などの求電子性基、N-ヒドロキシスクシニミジルエステル(
NHS)などが挙げられる。チオール類と反応可能な活性化基としては、例えば、マレイ
ミド、ヨードアセチル、アクリロリル、ピリジルジスルフィド、5-チオール-2-ニト
ロ安息香酸チオール(TNB-チオール)などが挙げられる。アルデヒド官能基は、アミ
ン-又はヒドラジド-含有分子と連結することができ、また、アジド基は、三価リン基と
反応してホスホルアミデート又はホスホルイミド結合を形成することができる。分子中に
活性化基を導入するための好適な方法が、当該技術分野において既知である(例えば、H
ermanson,G.T.,Bioconjugate Techniques,Ac
ademic Press:San Diego,CA(1996)を参照されたい)。
活性化基は、有機基(例えば、親水性ポリマー、脂肪酸、脂肪酸エステル)に直接的に、
又はリンカー部分、例えば二価のC1~C12基(ここで、1つ又は2つ以上の炭素原子
は酸素、窒素、又は硫黄などのヘテロ原子で置換され得る)を介して、結合することがで
きる。好適なリンカー部分は、例えば、テトラエチレングリコール、-(CH2)3-、
-NH-(CH2)6-NH-、-(CH2)2-NH-及び-CH2-O-CH2-C
H2-O-CH2-CH2-O-CH-NH-を含む。リンカー部分を含む修飾剤は、例
えば1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)の存在
下で、モノ-Boc-アルキルジアミン(例えば、モノ-Boc-エチレンジアミン、モ
ノ-Boc-ジアミノへキサン)を脂肪酸と反応させることにより、遊離アミンと脂肪酸
カルボキシレートとの間のアミド結合を形成することによって生成可能である。Boc保
護基を、トリフルオロ酢酸(TFA)処理により生成物から除去し、記載されているよう
に別のカルボン酸塩にカップリングできる一級アミンを露出させることができ、又はこれ
を無水マレイン酸と反応させ、得られる生成物を環化させて脂肪酸の活性化マレイミド誘
導体を生成することができる(例えば、参照により教示の全体が本明細書に組み込まれる
、Thompsonらの国際公開第92/16221号を参照されたい)。
【0187】
修飾された抗体は、ヒト抗体又は抗原結合断片を修飾剤と反応させることによって産生
することができる。例えば、有機部分は、アミン反応性修飾剤、例えば、PEGのNHS
エステルを採用することによって、非部位特異的方法で抗体に結合させることができる。
抗体又は抗原結合断片のジスルフィド結合(例えば鎖内ジスルフィド結合)を還元するこ
とによって、修飾されたヒト抗体又は抗原結合断片を調製することもできる。このとき、
還元された抗体又は抗原結合断片をチオール反応性修飾剤と反応させて、本発明の修飾さ
れた抗体を生産することが可能である。本発明の抗体の特定の部位に結合される有機部分
を含む修飾されたヒト抗体及び抗原結合断片は、逆タンパク質分解(Fisch et
al.,Bioconjugate Chem.,3:147-153(1992)、W
erlen et al.,Bioconjugate Chem.,5:411-41
7(1994)、Kumaran et al.,Protein Sci.6(10)
:2233-2241(1997);Itoh et al.,Bioorg.Chem
.,24(1):59-68(1996)、Capellas et al.,Biot
echnol.Bioeng.,56(4):456-463(1997))及びHer
manson,G.T.,Bioconjugate Techniques,Acad
emic Press:San Diego,CA(1996)に記載される方法などの
好適な方法を使用して調製することができる。
【0188】
本発明の方法はまた、本明細書に記載されかつ/又は当該技術分野において既知である
ように、非自然発生組成物、混合物、又は形態で提供される少なくとも1つ、少なくとも
2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ以上のその抗
IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体を含む、抗IL-12/IL-23p
40又はIL-23抗体組成物も使用する。かかる組成物は、上記配列の隣接アミノ酸の
70~100%、又はその特定される断片、ドメイン、若しくは変異体からなる群から選
択される抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体のアミノ酸配列の、少なく
とも1つ又は2つの完全長、C及び/若しくはN末端欠失変異体、ドメイン、断片、又は
特定された変異体を含む非自然発生組成物を含む。好ましい抗IL-12/IL-23p
40又はIL-23抗体組成物は、例えば、上記配列番号の70~100%の、本明細書
に記載される抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体配列、又はその特定さ
れた断片、ドメイン、若しくは変異体の、少なくとも1つのCDR又はLBP含有部分と
して、少なくとも1つ又は2つの完全長、断片、ドメイン、又は変異体を含む。更に好ま
しい組成物は、例えば、上記配列番号などの70~100%、又はその特定された断片、
ドメイン、若しくは変異体のうちの少なくとも1つを40~99%含む。かかる組成物の
百分率は、当該技術分野において既知であるように、又は本明細書に記載されるように、
重量、容量、濃度、容量モル濃度、あるいは液体若しくは乾燥溶液、混合物、懸濁液、エ
マルション、粒子、粉末、又はコロイドとしての容量モル濃度によるものである。
【0189】
更なる治療活性成分を含む抗体組成物
本発明の方法に使用される抗体組成物は、任意選択的に更に、抗感染症薬、心血管(ca
rdiovascular、CV)系作用薬、中枢神経系(central nervous system、CNS)薬、自
律神経系(autonomic nervous system、ANS)薬、気道薬、消化(gastrointestinal、
GI)管作用薬、ホルモン薬、体液又は電解質平衡薬、血液作用薬、抗腫瘍薬、免疫調節
薬、眼、耳又は鼻用薬、局所作用薬、栄養薬などのうち、少なくとも1つから選択される
、有効な量の少なくとも1つの化合物又はタンパク質を含むことができる。かかる薬剤は
、本明細書に示されるそれぞれの製剤、適応症、用量、及び投与を含めて、当該技術分野
では周知である(例えば、Nursing 2001 Handbook of Dru
gs,21st edition,Springhouse Corp.,Spring
house,PA,2001、Health Professional’s Drug
Guide 2001,ed.,Shannon,Wilson,Stang,Pre
ntice-Hall,Inc,Upper Saddle River,NJ、Pha
rmcotherapy Handbook,Wells et al.,Applet
on&Lange,Stamford,CTを参照されたく、それぞれは、参照により本
明細書に組み込まれる)。
【0190】
本発明の方法の抗体と組み合わせることができる薬剤の例として、抗感染薬は、殺アメ
ーバ薬又は少なくとも1種の抗原虫薬、駆虫薬、抗真菌薬、抗マラリア薬、抗結核薬又は
少なくとも1種の抗らい菌薬、アミノグリコシド、ペニシリン、セファロスポリン、テト
ラサイクリン、スルホンアミド、フルオロキノロン、抗ウイルス薬、マクロライド抗感染
薬、及び種々の抗感染薬から選択される少なくとも1種であり得る。ホルモン薬は、コル
チコステロイド、アンドロゲン、又は少なくとも1種のアナボリックステロイド、エスト
ロゲン、又は少なくとも1種のプロゲスチン、ゴナドトロピン、抗糖尿病薬、又は少なく
とも1種のグルカゴン、甲状腺ホルモン、甲状腺ホルモン拮抗薬、下垂体ホルモン、及び
副甲状腺様薬から選択される少なくとも1種であり得る。少なくとも1種のセファロスポ
リンは、セファクロル、セファドロキシル、セファゾリンナトリウム、セフジニル、塩酸
セフェピム、セフィキシム、セフメタゾールナトリウム、セフォニシドナトリウム、セフ
ォペラゾンナトリウム、セフォタキシムナトリウム、セフォテタン二ナトリウム、セフォ
キシチンナトリウム、セフポドキシムプロキセチル、セフプロジル、セフタジジム、セフ
チブテン、セフチゾキシムナトリウム、セフトリアキソンナトリウム、セフロキシムアキ
セチル、セフロキシムナトリウム、塩酸セファレキシン、セファレキシン一水和物、セフ
ラジン、及びロラカルベフから選択される少なくとも1種であり得る。
【0191】
少なくとも1種のコルチコステロイド(coricosteroid)は、ベタメタゾン、酢酸ベタ
メタゾン又はリン酸ベタメタゾンナトリウム、リン酸ベタメタゾンナトリウム、酢酸コル
チゾン、デキサメサゾン、酢酸デキサメサゾン、リン酸デキサメサゾンナトリウム、酢酸
フルドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、シピオン酸ヒドロコル
チゾン、リン酸ヒドロコルチゾンナトリウム、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、メ
チルプレドニゾロン、酢酸メチルプレドニゾロン、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリ
ウム、プレドニゾロン、酢酸プレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム、テブト
酸プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、及
び二酢酸トリアムシノロンから選択される少なくとも1種であり得る。少なくとも1種の
アンドロゲン又はタンパク質同化ステロイド薬は、ダナゾール、フルオキシメステロン、
メチルテストステロン、デカン酸ナンドロロン、フェンプロピオン酸ナンドロロン、テス
トステロン、シピオン酸テストステロン、エナント酸テストステロン、プロピオン酸テス
トステロン、及びテストステロン経皮剤から選択される少なくとも1種であり得る。
【0192】
少なくとも1種の免疫抑制剤は、アザチオプリン、バシリキシマブ、シクロスポリン、
ダクリズマブ、リンパ球免疫グロブリン、ムロモナブ-CD3、ミコフェノール酸モフェ
チル、塩酸ミコフェノール酸モフェチル、シロリムス、6-メルカプトプリン、メトトレ
キサート、ミゾリビン、及びタクロリムスから選択される少なくとも1つであり得る。
【0193】
少なくとも1種の局所抗感染薬は、アシクロビル、アンホテリシンB、アゼライン酸ク
リーム、バシトラシン、硝酸ブトコナゾール、リン酸クリンダマイシン、クロトリマゾー
ル、硝酸エコナゾール、エリスロマイシン、硫酸ゲンタマイシン、ケトコナゾール、酢酸
マフェニド、メトロニダゾール(局所)、硝酸ミコナゾール、ムピロシン、塩酸ナフチフ
ィン、硫酸ネオマイシン、ニトロフラゾン、ナイスタチン、スルファジアジン銀、塩酸テ
ルビナフィン、テルコナゾール、塩酸テトラサイクリン、チオコナゾール、及びトルナフ
テートから選択される少なくとも1種であり得る。少なくとも1種の疥癬殺虫剤若しくは
殺シラミ薬は、クロタミトン、リンデン、ペルメトリン、及びピレトリンから選択される
少なくとも1種であり得る。少なくとも1種の局所コルチコステロイドは、ジプロピオン
酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、プロピオン酸クロベタゾール、デソニド、デスオ
キシメタゾン、デキサメサゾン、リン酸デキサメサゾンナトリウム、二酢酸ジフロラゾン
、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルランドレノリド、プロピオン酸フル
チカゾン、ハルシノニド(halcionide)、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酪
酸ヒドロコルチゾン、吉草酸ヒドロコルチゾン、フロ酸モメタゾン、及びトリアムシノロ
ンアセトニドから選択される少なくとも1種であり得る。(例えば、Nursing 2
001 Drug Handbookの1098~1136頁を参照されたい。)
【0194】
抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体組成物は、かかる調節、処置、又
は治療を必要とする細胞、組織、器官、動物、又は患者に接触されるか又は投与される少
なくとも1つの抗IL-12/23p40又はIL-23抗体を含み、所望により更に、
少なくとも1つのTNF拮抗薬(例えば、限定されないが、TNF化学若しくはタンパク
質拮抗薬、TNFモノクローナル若しくはポリクローナル抗体又は断片、可溶性TNF受
容体(例えば、p55、p70、又はp85)又は断片、その融合ポリペプチド、又は小
分子TNF拮抗薬、例えば、TNF結合タンパク質I若しくはII(TBP-1又はTB
P-II)、ネレリモンマブ(nerelimonmab)、インフリキシマブ、エタナセプト(eter
nacept)、CDP-571、CDP-870、アフェリモマブ、レネルセプトなど)、抗
リウマチ薬(例えば、メトトレキサート、オーラノフィン、アウロチオグルコース、アザ
チオプリン、エタネルセプト、金チオリンゴ酸ナトリウム、ヒドロキシクロロキン硫酸塩
、レフルノミド、スルファサラジン)、免疫化、免疫グロブリン、免疫抑制薬(例えば、
バシリキシマブ、シクロスポリン、ダクリズマブ)、サイトカイン又はサイトカイン拮抗
薬から選択される少なくとも1種を含む、任意の好適かつ有効な量の組成物又は医薬組成
物のうちの少なくとも1つを更に含むことができる。かかるサイトカインの非制限的な例
としては、IL-1~IL-23など(例えば、IL-1、IL-2等)のいずれかが挙
げられるが、これらに限定されない。適切な投与量は、当該技術分野において周知である
。例えば、Wells et al.,eds.,Pharmacotherapy H
andbook,2nd Edition,Appleton and Lange,S
tamford,CT(2000)、PDR Pharmacopoeia,Taras
con Pocket Pharmacopoeia 2000,Deluxe Edi
tion,Tarascon Publishing,Loma Linda,CA(2
000)を参照されたく、これらの各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0195】
本発明の方法に使用される抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体化合物
、組成物、又は混合物は更に、希釈剤、結合剤、安定剤、緩衝剤、塩、親油性溶媒、保存
剤、アジュバントなどであるがこれらに限定されない、任意の好適な助剤のうちの少なく
とも1つを含み得る。薬学的に許容できる助剤が好ましい。かかる滅菌溶液を調製する非
限定的な例及びその方法は、当該技術分野において周知であり、例えば、Gennaro
,Ed.,Remington’s Pharmaceutical Sciences
,18th Edition,Mack Publishing Co.(Easton
,PA),1990などであるが、これに限定されない。当該技術分野において周知であ
る、又は本明細書に記載されるように、抗IL-23抗体、断片、又は変異体組成物の投
与方法、溶解度、及び/又は安定性に好適な薬学的に許容できる担体は、日常的に選択す
ることができる。
【0196】
本組成物において有用な薬学的賦形剤及び添加剤は、これらに限定されないが、タンパ
ク質、ペプチド、アミノ酸、脂質及び炭水化物(例えば、単糖類、二糖、三糖、四糖、及
びオリゴ糖を含む糖類、アルジトール、アルドン酸、エステル化糖などの誘導体化糖、並
びに多糖類又は糖ポリマー)を含み、これらは、単独で又は組み合わせて存在してよく、
単独で又は組み合わせて1~99.99重量%又は容量%含まれる。例示的なタンパク質
賦形剤には、ヒト血清アルブミン(HSA)などの血清アルブミン、組換えヒトアルブミ
ン(rHA)、ゼラチン、カゼインなどが挙げられる。緩衝能においても機能し得る代表
的なアミノ酸/抗体構成要素には、アラニン、グリシン、アルギニン、ベタイン、ヒスチ
ジン、グルタミン酸、アスパラギン酸、システイン、リシン、ロイシン、イソロイシン、
バリン、メチオニン、フェニルアラニン、アスパルテームなどが挙げられる。好ましいア
ミノ酸の1つはグリシンである。
【0197】
本発明において使用に好適な炭水化物賦形剤として、例えば、フルクトース、マルトー
ス、ガラクトース、グルコース、D-マンノース、ソルボースなどの単糖類、乳糖、ショ
糖、トレハロース、セロビオースなどの二糖類、ラフィノース、メレジトース、マルトデ
キストリン、デキストラン、デンプン類などの多糖類、マンニトール、キシリトール、マ
ルチトール、ラクチトール、キシリトールソルビトール(グルシトール)、ミオイノシト
ールなどのアルジトールが挙げられる。本発明で使用するのに好ましい炭水化物賦形剤は
、マンニトール、トレハロース、及びラフィノースである。
【0198】
抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体組成物は、緩衝剤又はpH調整剤
も含み得、典型的には、緩衝剤は、有機酸又は塩基から調製される塩である。代表的な緩
衝剤としては、クエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、炭酸、酒石酸、コハク酸、酢酸
、又はフタル酸の塩などの有機酸塩、トリス、トロメタミン塩酸塩、又はリン酸緩衝剤が
挙げられる。本組成物における使用に適した緩衝剤は、クエン酸などの有機酸塩である。
【0199】
加えて、抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体組成物は、ポリビニルピ
ロリドン、フィコール(ポリマー糖)、デキストレート(例えば、2-ヒドロキシプロピ
ル-β-シクロデキストリンなどのシクロデキストリン)、ポリエチレングリコール、着
香剤、抗菌剤、甘味料、抗酸化剤、帯電防止剤、界面活性剤(例えば、「TWEEN20
」及び「TWEEN80」などのポリソルベート)、脂質(例えば、リン脂質、脂肪酸)
、ステロイド(例えば、コレステロール)、及びキレート剤(例えば、EDTA)などの
ポリマー賦形剤/添加剤を含み得る。
【0200】
本発明による抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体、部分又は変異体組
成物における使用に適したこれら及び追加の既知の薬学的賦形剤及び/又は添加剤は、当
該技術分野において既知であり、例えば、「Remington:The Scienc
e&Practice of Pharmacy」、19th ed.,William
s&Williams,(1995)、及び「Physician’s Desk Re
ference」、52nd ed,Medical Economics,Montv
ale,NJ(1998)に列挙されており、これらの開示は、参照により全体が本明細
書に組み込まれる。好ましい担体又は賦形剤材料は、炭水化物(例えば、単糖類及びアル
ジトール類)並びに緩衝剤(例えば、クエン酸塩)又は高分子試薬である。例示的な担体
分子はムコ多糖、ヒアルロン酸であり、これらは関節内送達に有用であり得る。
【0201】
製剤
上述したとおり、本発明は、好ましくは、生理食塩水又は選択された塩を含むリン酸緩
衝剤を含む安定した製剤、並びに保存剤を含有する保存溶液及び製剤、並びに薬学的に許
容できる製剤中に少なくとも1つの抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体
を含む薬学的又は獣医学的用途に好適な多用途保存製剤を提供する。保存製剤は、水性希
釈剤中に、少なくとも1つの既知の、即ち少なくとも1つのフェノール、m-クレゾール
、p-クレゾール、o-クレゾール、クロロクレゾール、ベンジルアルコール、硝酸フェ
ニル水銀、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド、クロロブタノール、塩化マグネシ
ウム(例えば、六水和物)、アルキルパラベン(メチル、エチル、プロピル、ブチルなど
)、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、及びチメロ
サール、又はそれらの混合物からなる群から任意に選択される保存剤を含有する。当該技
術分野において既知であるように、0.001~5%、又は0.001、0.003、0
.005、0.009、0.01、0.02、0.03、0.05、0.09、0.1、
0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、
1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、
2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、
3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.3、
4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、又はその中の任意の範囲若しくは値などであ
るがこれらに限定されない、その中の任意の範囲若しくは値の、任意の好適な濃度又は混
合物が使用され得る。非限定的な例としては、保存剤無添加、0.1~2%m-クレゾー
ル(例えば、0.2、0.3、0.4、0.5、0.9、1.0%)、0.1~3%のベ
ンジルアルコール(例えば、0.5、0.9、1.1、1.5、1.9、2.0、2.5
%)、0.001~0.5%のチメロサール(例えば、0.005、0.01)、0.0
01~2.0%のフェノール(例えば、0.05、0.25、0.28、0.5、0.9
、1.0%)、0.0005~1.0%のアルキルパラベン(複数可)(例えば、0.0
0075、0.0009、0.001、0.002、0.005、0.0075、0.0
09、0.01、0.02、0.05、0.075、0.09、0.1、0.2、0.3
、0.5、0.75、0.9、1.0%)などが挙げられる。
【0202】
上述のとおり、本発明の方法は、包装材と、所望により水性希釈剤中に処方された緩衝
剤及び/又は保存剤を伴う少なくとも1つの抗IL-12/IL-23p40又はIL-
23抗体の溶液を含む少なくとも1つのバイアルと、を含む製品を使用し、この包装材は
、かかる溶液を1、2、3、4、5、6、9、12、18、20、24、30、36、4
0、48、54、60、66、72時間以上にわたり保持することができることを記した
ラベルを含む。本発明は、包装材と、凍結乾燥された抗IL-12/IL-23p40又
はIL-23抗体を含む第1のバイアルと、処方された緩衝剤又は保存剤の水性希釈剤を
含む第2のバイアルと、を含む製品を更に使用し、この包装材は、抗IL-12/IL-
23p40又はIL-23抗体を水性希釈剤でもどして、24時間以上にわたって保持す
ることができる溶液を形成するように患者に指示するラベルを含む。
【0203】
本発明により使用される抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体は、本明
細書に記載されるか又は当該技術分野において既知の、哺乳類細胞又はトランスジェニッ
ク製剤から産生することを含む組換え手段により産生され得るか、又は他の生物源から精
製され得る。
【0204】
抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体の範囲は、湿式/乾式系の場合、
もどすときに約1.0μg/ml~約1000mg/mlの濃度が得られる量で含まれる
が、より低い濃度及び高い濃度でも作業可能であり、意図される送達ビヒクルに依存し、
例えば溶液製剤では、経皮パッチ、肺、経粘膜、又は浸透圧性若しくはマイクロポンプ方
法とは異なる。
【0205】
好ましくは、水性希釈剤は任意選択的に、薬学的に許容できる保存剤を更に含む。好ま
しい保存剤には、フェノール、m-クレゾール、p-クレゾール、o-クレゾール、クロ
ロクレゾール、ベンジルアルコール、アルキルパラベン(メチル、エチル、プロピル、ブ
チルなど)、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、デヒドロ酢酸ナトリウム及び
チメロサール又はこれらの混合物からなる群から選択されるものが含まれる。製剤中で使
用される保存剤の濃度は、抗菌効果を生み出すのに十分な濃度である。このような濃度は
選択された保存剤によって異なり、当業者により容易に決定される。
【0206】
他の賦形剤、例えば、等張剤、緩衝剤、抗酸化剤、及び保存剤エンハンサーは、任意選
択的にかつ好ましくは希釈剤に添加することができる。グリセリンなどの等張剤が、既知
の濃度で一般に使用される。好ましくは、生理学的に耐容性の緩衝剤を添加して、改善さ
れたpH制御を提供する。製剤は、約pH4~約pH10、及び好ましくは約pH5~約
pH9の範囲、及び最も好ましくは約6.0~約8.0の範囲などの、広範囲のpH範囲
を対象にすることができる。好ましくは、本発明の処方は、約6.8~約7.8のpHを
有する。好適な緩衝剤には、リン酸緩衝剤を含み、最も好ましくは、リン酸ナトリウム、
特にリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を含む。
【0207】
他の添加剤、例えばTween20(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウ
レート)、Tween40(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート)
、Tween80(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート)、Plur
onic F68(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー)、及
びPEG(ポリエチレングリコール)などの、薬学的に許容できる可溶化剤、又はポリソ
ルベート20若しくは80又はポロキサマー184若しくは188、Pluronic(
登録商標)polylsなどの非イオン性界面活性剤、その他のブロックコポリマー、並
びにEDTA及びEGTAなどのキレート剤を製剤又は組成物に任意に添加することで、
凝集を低減させることができる。(登録商標)これらの添加物は、製剤を投与するために
ポンプ又はプラスチック容器が使用される場合に特に有用である。薬学的に許容できる界
面活性剤の存在により、タンパク質が凝集する傾向が軽減される。
【0208】
製剤は、少なくとも1つの抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体と、フ
ェノール、m-クレゾール、p-クレゾール、o-クレゾール、クロロクレゾール、ベン
ジルアルコール、アルキルパラベン(メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)、塩化ベ
ンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、及びチメロサール又は
これらの混合物からなる群から選択される保存剤と、を水性希釈剤中で混合することを含
むプロセスにより調製することができる。少なくとも1つの抗IL-12/IL-23p
40又はIL-23特異的抗体と保存剤との水性希釈剤中での混合は、従来の溶解及び混
合手順を使用して実施される。好適な製剤を調製するために、例えば、緩衝溶液中の一定
量の少なくとも1つの抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体を、所望の濃
度のタンパク質及び保存剤を提供するのに十分な量の緩衝溶液中で所望の保存剤と組み合
わせる。このプロセスの変化形態は、当業者によって認識されるであろう。例えば、構成
成分の添加順序、追加の添加剤の使用の有無、製剤調製時の温度及びpHは全て、使用す
る投与濃度及び投与手段に関して最適化することのできる因子である。
【0209】
製剤は、透明な溶液として、又は水、保存剤及び/若しくは賦形剤、好ましくはリン酸
塩緩衝剤及び/若しくは生理食塩水、並びに選択された塩を水性希釈剤中に含有する第2
のバイアルでもどされる、凍結乾燥された抗IL-12/IL-23p40又はIL-2
3特異的抗体のバイアルを含む併用バイアル(dual vial)として患者に提供することが
できる。単一溶液バイアル又は再構成を必要とする併用バイアルはいずれも複数回再利用
することができ、単一又は複数の患者治療サイクルを満たすことができ、したがって、現
在使用できるよりも便利な治療レジメンを提供することができる。
【0210】
本製品は、即時から24時間以上の範囲の期間にわたる投与に有用である。したがって
、本発明により特許請求される製品は、患者に大きな利益を提供する。本発明の製剤は、
約2℃~約40℃の温度で任意選択的に安全に保管し、タンパク質の生物学的活性を長期
間保持することができ、したがって包装ラベルは、溶液が6、12、18、24、36、
48、72、又は96時間以上の期間にわたって保持及び/又は使用できることを示すこ
とができる。保存されている希釈剤を使用する場合には、このようなラベルに最高1~1
2か月、半年、1年半及び/又は2年までの使用を含むことができる。
【0211】
抗IL-12/IL-23p40又はIL-23特異的抗体の溶液は、少なくとも1つ
の抗体を水性希釈剤中で混合することを含むプロセスにより調製することができる。混合
は、従来の溶解及び混合手順を使用して実施される。好適な希釈剤を調製するために、例
えば、水又は緩衝剤中の一定量の少なくとも1つの抗体を、所望の濃度のタンパク質、及
び任意選択的に保存剤又は緩衝剤を提供するのに十分な量で組み合わせる。このプロセス
の変化形態は、当業者によって認識されるであろう。例えば、構成成分の添加順序、追加
の添加剤の使用の有無、製剤調製時の温度及びpHは全て、使用する投与濃度及び投与手
段に関して最適化することのできる因子である。
【0212】
特許請求される製品は、透明な溶液として、又は水性希釈剤を含有する第2のバイアル
でもどされる、凍結乾燥された少なくとも1つの抗IL-12/IL-23p40又はI
L-23特異的抗体のバイアルを含む併用バイアルとして、患者に提供することができる
。単一溶液バイアル又は再構成を必要とする併用バイアルはいずれも複数回再利用するこ
とができ、単一又は複数の患者治療サイクルを満たすことができ、したがって、現在使用
できるよりも便利な治療レジメンを提供する。
【0213】
特許請求される製品は、透明な溶液、又は水性希釈剤を含有する第2のバイアルでもど
される、凍結乾燥された少なくとも1つの抗IL-12/IL-23p40又はIL-2
3特異的抗体のバイアルを含む併用バイアルを、薬局、診療所、又はその他のかかる機関
及び施設に提供することによって、患者に対し間接的に提供することができる。この場合
の透明溶液は最高1リットル又は更にはそれ以上の容量であってよく、この大きな容器か
らより少量の少なくとも1つの抗体溶液を1回又は複数回取り出してより小さなバイアル
に移し、かつ薬局又は診療所により顧客及び/又は患者に提供できる。
【0214】
単一バイアル系を含む承認済みデバイスとしては、BD Pens、BD Autoj
ector(登録商標)、Humaject(登録商標)、NovoPen(登録商標)
、B-D(登録商標)Pen、AutoPen(登録商標)、及びOptiPen(登録
商標)、GenotropinPen(登録商標)、Genotronorm Pen(
登録商標)、Humatro Pen(登録商標)、Reco-Pen(登録商標)、R
oferon Pen(登録商標)、Biojector(登録商標)、Iject(登
録商標)、J-tip Needle-Free Injector(登録商標)、In
traject(登録商標)、Medi-Ject(登録商標)、Smartject(
登録商標)などの溶液送達用のペン型インジェクタデバイス(例えば、Becton D
ickensen(Franklin Lakes、NJ、www.bectondic
kenson.com)、Disetronic(Burgdorf、Switzerl
and、www.disetronic.com)、Bioject,Portland
,Oregon(www.bioject.com);National Medica
l Products,Weston Medical(Peterborough,U
K,www.weston-medical.com)、Medi-Ject Corp
(Minneapolis,MN,www.mediject.com)によって製造又
は開発されている)、及び類似の好適なデバイスが挙げられる。併用バイアル系を含む承
認済みデバイスとしては、HumatroPen(登録商標)などの、もどした溶液を送
達するためのカートリッジ内で凍結乾燥された薬剤をもどすためのペン型インジェクタシ
ステムが挙げられる。好適な他のデバイスの例としては、予め充填された注射器、自動注
射器、針なし注射器、及び針なしIV注入セットが挙げられる。
【0215】
製品は、包装材を含み得る。包装材は、規制当局によって必要とされる情報に加えて、
製品を使用できる条件を提供する。本発明の包装材は、該当する場合、少なくとも1つの
抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体を水性希釈剤でもどして溶液を形成
し、2~24時間以上の期間にわたって、この溶液を湿式/乾式の2つのバイアル製品に
使用する、という指示を患者に提供する。単一バイアルの溶液製品、予め充填された注射
器、又は自動注射器の場合、ラベルは、かかる溶液が2~24時間以上の期間にわたって
使用できることを示す。製品は、ヒト用医薬製品用途に有用である。
【0216】
本発明の方法に使用される製剤は、抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗
体及び選択された緩衝剤、好ましくは生理食塩水又は選択された塩を含有するリン酸塩緩
衝剤を混合することを含むプロセスにより調製することができる。抗23抗体と緩衝剤と
の水性希釈剤中での混合は、従来の溶解及び混合手順を使用して実施される。好適な製剤
を調製するために、例えば、水又は緩衝剤中の一定量の少なくとも1つの抗体を、所望の
濃度のタンパク質及び緩衝剤を提供するのに十分な量の水中で所望の緩衝剤と組み合わせ
る。このプロセスの変化形態は、当業者によって認識されるであろう。例えば、構成成分
の添加順序、追加の添加剤の使用の有無、製剤調製時の温度及びpHは全て、使用する投
与濃度及び投与手段に関して最適化することのできる因子である。
【0217】
本発明の方法は、ヒト又は動物患者に投与するのに有用かつ許容できる種々の製剤を含
む医薬組成物を提供する。かかる医薬組成物は、希釈剤として「標準状態」の水、及び当
該者に周知の日常的な方法を使用して調製される。例えば、ヒスチジン及びヒスチジン一
塩酸塩水和物などの緩衝構成要素が最初に提供され、続いて適切な非最終容量の「標準状
態」の水希釈剤、ショ糖、及びポリソルベート80が添加され得る。次いで、単離された
抗体を添加することができる。最後に、水を希釈剤として使用する「標準状態」条件の下
で、医薬組成物の容量を所望の最終容量に調整する。当業者は、医薬組成物の調製に適し
たいくつかの他の方法を認識する。
【0218】
医薬組成物は、水の容量単位当たりの示される質量の各構成成分を含むか、又は「標準
状態」の示されるpHを有する水溶液又は懸濁液であってよい。本明細書で使用されると
き、「標準状態」という用語は、25℃+/-2℃の温度及び1気圧の圧力を意味する。
「標準状態」という用語は、当該技術分野では、単一技術分野が認識する一連の温度又は
圧力を指すように使用されないが、代わりに参照「標準状態」条件下の特定の組成物を含
む溶液又は懸濁液を説明するために使用される温度及び圧力を特定する参照状態である。
これは、溶液の容量が一部温度及び圧力の関数であるためである。当業者は、本明細書に
開示されるものと同等の医薬組成物が他の温度及び圧力で製造され得ることを認識する。
かかる医薬組成物が本明細書に開示されるものと同等であるかは、上記に定義された「標
準状態」条件下(例えば、25℃+/-2℃及び1気圧の圧力)で決定されるべきである
。
【0219】
重要なことに、かかる医薬組成物は、医薬組成物の単位容積当たり「約」ある特定の値
(例えば、「約0.53mgのL-ヒスチジン」)の構成要素質量を含有するか、又は約
ある特定の値のpH値を有し得る。医薬組成物中に存在する構成要素質量又はpH値は、
単離された抗体が医薬組成物に存在するか、又は単離された抗体が医薬組成物から除去さ
れた後(例えば、希釈により)に、医薬組成物中に存在する単離された抗体がペプチド鎖
に結合することができる場合の、「約」所与の数値である。つまり、構成要素の質量値又
はpH値などの値は、単離された抗体を医薬組成物に配置した後に単離された抗体の結合
活性が維持され、検出可能であるときの、「約」所定の数値である。
【0220】
競合結合分析を行って、抗IL-12/IL-23p40又はIL-23特異的mAb
が類似の若しくは異なるエピトープに結合し、かつ/又は互いに競合するかを決定する。
ELISAプレート上にAbを個々にコーティングする。競合するmAbを添加し、続い
てビオチン化hrIL-12又はIL-23を添加する。陽性対照には、コーティングに
同じmAbを競合mAb(「自己競合」)として使用してもよい。IL-12/IL-2
3p40又はIL-23結合は、ストレプトアビジンを使用して検出される。これらの結
果は、mAbがIL-12/IL-23p40又はIL-23上の類似の又は部分的に重
複するエピトープを認識するかどうかを示す。
【0221】
本発明の方法の一態様は、医薬組成物を患者に投与する。
【0222】
医薬組成物の一実施形態では、単離された抗体濃度は、1mlの医薬組成物当たり約7
7~約104mgである。医薬組成物の別の実施形態では、pHは約5.5~約6.5で
ある。
【0223】
安定又は保存製剤は、透明な溶液として、又は水性希釈剤中に保存剤若しくは緩衝剤及
び賦形剤を含有する第2のバイアルでもどされる、凍結乾燥された少なくとも1つの抗I
L-23抗体のバイアルを含む併用バイアルとして、患者に提供することができる。単一
溶液バイアル又は再構成を必要とする併用バイアルはいずれも複数回再利用することがで
き、単一又は複数の患者治療サイクルを満たすことができ、したがって、現在使用できる
よりも便利な治療レジメンを提供する。
【0224】
抗IL-23抗体を安定化するその他の処方又は方法は、抗体を含む凍結乾燥粉末の透
明溶液以外のものであってよい。非透明溶液としては微粒子懸濁液を含む処方があり、こ
のような微粒子は、ミクロスフェア、微小粒子、ナノ粒子、ナノスフェア、又はリポソー
ムとして様々に知られる種々の大きさの構造内に、抗IL-23抗体を含有する組成物で
ある。活性薬剤を含有するこうした比較的均質な本質的に球状の微粒子処方は、米国特許
第4,589,330号に教示されるとおり、活性薬剤及びポリマーを含有する水相と非
水相とを接触させ、次いで非水相を蒸発させて水相からの粒子の合体を引き起こすことに
より形成することができる。多孔性微小粒子は、米国特許第4,818,542号に教示
されるとおり、連続溶媒中に分散された活性薬剤とポリマーとを含有する第1相を使用し
、凍結乾燥又は希釈-抽出-沈殿により懸濁液からこの溶媒を除去することで調製するこ
とができる。こうした調製に好ましいポリマーは、ゼラチン寒天、デンプン、アラビノガ
ラクタン、アルブミン、コラーゲン、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、グリコリド-L(-
)ラクチドポリ(エプシロン-カプロラクトン、ポリ(エプシロン-カプロラクトン-C
O-乳酸)、ポリ(エプシロン-カプロラクトン-CO-グリコール酸)、ポリ(β-ヒ
ドロキシ酪酸)、ポリエチレンオキシド、ポリエチレン、ポリ(アルキル-2-シアノア
クリレート)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリアミド、ポリ(アミノ酸
)、ポリ(2-ヒドロキシエチルDL-アスパルトアミド)、ポリ(エステル尿素)、ポ
リ(L-フェニルアラニン/エチレングリコール/1,6-ジイソシアナトヘキサン)及
びポリ(メチルメタクリレート)からなる群から選択される、天然又は合成のコポリマー
又はポリマーである。特に好ましいポリマーは、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、グリコリ
ド-L(-)ラクチドポリ(エプシロン-カプロラクトン)、ポリ(エプシロン-カプロ
ラクトン-CO-乳酸)、及びポリ(エプシロン-カプロラクトン-CO-グリコール酸
)などのポリエステルである。ポリマー及び/又は活性物質を溶解させるのに有用な溶媒
としては水、ヘキサフルオロイソプロパノール、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、へ
キサン、ベンゼン、又はヘキサフルオロアセトンセスキ水和物がある。活性物質を含有す
る相を第2相に分散させるプロセスには、この第1相をノズル内のオリフィスに圧力で強
制的に通過させて液滴形成に作用する工程を含むことができる。
【0225】
乾燥粉末処方は、例えば、噴霧乾燥法、又は蒸発による溶媒抽出法、若しくは水性又は
非水性溶媒を除去するための1つ又は2つ以上の工程が後続する結晶性組成物の沈殿によ
る溶媒抽出法などの、凍結乾燥以外のプロセスの結果として得てもよい。噴霧乾燥抗体製
剤の調製は、米国特許第6,019,968号に教示される。抗体ベースの乾燥粉末組成
物は、抗体の溶液又はスラリーを、及び任意選択的に、呼吸用乾燥粉末を提供するための
条件下で溶媒中の、賦形剤を、噴霧乾燥させることによって生産できる。溶媒には、容易
に乾燥可能な、例えば水及びエタノールなどの極性化合物が挙げられる。抗体の安定性は
、酸素不在下、例えば窒素ブランケット下において噴霧乾燥手順を実施すること、又は乾
燥用気体として窒素を使用することにより増強させることができる。別の比較的乾燥した
処方は、国際公開第9916419号中で教示されているような、典型的にヒドロフルオ
ロアルカン噴射剤を含む懸濁培地中に分散した、複数の有孔微細構造の分散物である。安
定化された分散物は、定量吸入器を用いて患者の肺に投与できる。噴霧乾燥された薬剤の
商業的製造において有用な機器は、Buchi Ltd.又はNiro Corp.によ
り製造されている。
【0226】
本明細書に記載される安定若しくは保存製剤又は溶液のいずれかの抗IL-23抗体は
、当該技術分野において周知のように、SC若しくはIM注射、経皮、経肺、経粘膜、埋
め込み、浸透圧ポンプ、カートリッジ、マイクロポンプ又は当該技術分野において周知で
あり当業者により理解されるその他の手段などの様々な送達方法を介して、本発明により
患者に投与することができる。
【0227】
治療適用
本発明はまた、当該技術分野において既知又は本明細書に記載のように、少なくとも1
つの本発明のIL-23抗体を用いて、例えば、細胞、組織、器官、動物、又は患者に、
治療上有効な量のIL-12/IL-23p40又はIL-23特異的抗体を投与又は接
触させて、細胞、組織、器官、動物、又は患者におけるループスを調節又は治療するため
の方法をも提供する。
【0228】
本発明のいずれの方法も、かかる調節、処置、又は治療を必要としている細胞、組織、
器官、動物、又は患者に、抗IL-23抗体を含む組成物又は医薬組成物を有効な量で投
与することを含み得る。かかる方法は、任意選択的に、かかる疾患又は障害の治療のため
の同時投与又は併用療法を更に含むことができ、ここで、この少なくとも1つの抗IL-
23抗体、その特定部分、又は変異体を投与することは、少なくとも1つのTNF拮抗薬
(例えば、限定されないが、化学物質性若しくはタンパク質性TNF拮抗薬、TNFモノ
クローナル若しくはポリクローナル抗体若しくは断片、可溶性TNF受容体(例えば、p
55、p70、又はp85)若しくは断片、その融合ポリペプチド、又は低分子TNF拮
抗薬、例えば、TNF結合タンパク質I又はII(TBP-1又はTBP-II)、ネレ
リモンマブ、インフリキシマブ、エタネルセピト(eternacept)(Enbrel(商標)
)、アダリムマブ(Humira(商標))、CDP-571、CDP-870、アフェ
リモマブ、レネルセピトなど)、抗リウマチ薬(例えば、メトトレキサート、オーラノフ
ィン、アウロチオグルコース、アザチオプリン、金チオリンゴ酸ナトリウム、硫酸ヒドロ
キシクロロキン、レフルノミド、スルファサラジン)、筋弛緩薬、麻薬、非ステロイド性
抗炎症薬(non-steroid anti-inflammatory drug、NSAID)、鎮痛薬、麻酔薬、鎮静
薬、局所麻酔薬、神経筋遮断薬、抗菌薬(例えば、アミノグリコシド、抗真菌薬、抗寄生
虫薬、抗ウイルス薬、カルバペナム、セファロスポリン、フルオロキノロン、マクロライ
ド、ペニシリン、スルホンアミド、テトラサイクリン、その他抗菌薬)、乾癬治療薬、コ
ルチコステロイド、アナボリックステロイド、糖尿病関連薬、ミネラル、栄養薬、甲状腺
剤、ビタミン、カルシウム関連ホルモン、止瀉薬、鎮咳薬、制吐剤、抗腫瘍薬、緩下剤、
抗凝固薬、エリスロポエチン(例えば、エポエチンアルファ)、フィルグラスチム(例え
ば、G-CSF、Neupogen)、サルグラモスチム(GM-CSF、Leukin
e)、免疫付与剤、免疫グロブリン、免疫抑制剤(例えば、バシリキシマブ、シクロスポ
リン、ダクリズマブ)、成長ホルモン、ホルモン補充薬、エストロゲン受容体調節薬、散
瞳剤、毛様体筋麻痺薬、アルキル化剤、代謝拮抗薬、分裂阻害剤、放射性医薬品、抗うつ
薬、抗躁薬、抗精神病薬、抗不安薬、睡眠薬、交感神経刺激薬、刺激薬、ドネペジル、タ
クリン、ぜんそく治療薬、ベータ作用薬、吸入ステロイド、ロイコトリエン阻害剤、メチ
ルキサンチン、クロモリン、エピネフリン若しくは類似体、ドルナーゼアルファ(Pulmoz
yme)、サイトカイン若しくはサイトカイン拮抗薬から選択される少なくとも1つを、前
に、同時に、及び/又は後に投与することを更に含む。適切な投与量は、当該技術分野に
おいて周知である。例えば、Wells et al.,eds.,Pharmacot
herapy Handbook,2nd Edition,Appleton and
Lange,Stamford,CT(2000)、PDR Pharmacopoe
ia,Tarascon Pocket Pharmacopoeia 2000,De
luxe Edition,Tarascon Publishing,Loma Li
nda,CA(2000)、Nursing 2001 Handbook of Dr
ugs,21st edition,Springhouse Corp.,Sprin
ghouse,PA,2001、Health Professional’s Dru
g Guide 2001,ed.,Shannon,Wilson,Stang,Pr
entice-Hall,Inc,Upper Saddle River,NJ,を参
照されたく、これらの参考文献の各々は参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0229】
治療処置
典型的には、ループスの処置は、組成物中に含有される活性薬剤の比活性に応じ、平均
して、合計、1回の投与あたり患者の体重1kgあたり少なくとも約0.01~500ミ
リグラムの範囲の抗IL-12/23p40又は抗IL-23抗体、及び好ましくは、単
回又は複数回投与あたり患者の体重1kgあたり少なくとも約0.1~100ミリグラム
の範囲の抗体の抗IL-12/23p40又は抗IL-23抗体組成物の有効な量又は投
与量を投与することにより影響を受ける。あるいは、有効な血清濃度は、単回又は複数回
投与当たり、0.1~5000μg/mLの血清濃度を含み得る。適切な投与量は、医療
実践者には既知であり、当然のことながら、具体的な疾患状態、投与される組成物の比活
性、及び処置を受けている具体的な患者に依存する。場合によっては、望ましい治療量を
得るために、反復投与、即ち、特定の監視された量又は定量の反復個別投与を提供するこ
とが必要となる場合があり、この場合、個別投与は、望ましい日用量又は作用が得られる
まで繰り返される。
【0230】
好ましい用量は、任意選択的に、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、
0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、1
3、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26
、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、
40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、5
3、54、55、56、57、58、59、60、62、63、64、65、66、67
、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、
81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、9
4、95、96、97、98、99及び/若しくは100~500mg/kg/投与、又
はその任意の範囲、値若しくは分画を含むか、あるいは単回若しくは複数回投与あたり0
.1、0.5、0.9、1.0、1.1、1.2、1.5、1.9、2.0、2.5、2
.9、3.0、3.5、3.9、4.0、4.5、4.9、5.0、5.5、5.9、6
.0、6.5、6.9、7.0、7.5、7.9、8.0、8.5、8.9、9.0、9
.5、9.9、10、10.5、10.9、11、11.5、11.9、20、12.5
、12.9、13.0、13.5、13.9、14.0、14.5、4.9、5.0、5
.5、5.9、6.0、6.5、6.9、7.0、7.5、7.9、8.0、8.5、8
.9、9.0、9.5、9.9、10、10.5、10.9、11、11.5、11.9
、12、12.5、12.9、13.0、13.5、13.9、14、14.5、15、
15.5、15.9、16、16.5、16.9、17、17.5、17.9、18、1
8.5、18.9、19、19.5、19.9、20、20.5、20.9、21、22
、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、
60、65、70、75、80、85、90、96、100、200、300、400、
500、600、700、800、900、1000、1500、2000、2500、
3000、3500、4000、4500、及び/若しくは5000μg/mlの血清濃
度、又はその任意の範囲、値若しくは分画を得るように含み得る。
【0231】
あるいは、投与される用量は、特定の薬剤の薬物動態特徴並びにその投与方法及び経路
、レシピエントの年齢、健康及び体重、症状の性質及び程度、同時処置の種類、処置頻度
、並びに所望の作用などの既知の因子により異なり得る。活性成分の投与量は、通常、体
重1キログラム当たり約0.1~100ミリグラムであり得る。通常、0.1~50、好
ましくは0.1~10ミリグラム/キログラム/投与、又は徐放性形態が、望ましい結果
を得るために有効である。
【0232】
非限定的な例として、ヒト又は動物の処置は、単回、注入、又は反復投与を使用して、
1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、1
7、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30
、31、32、33、34、35、36、37、38、39若しくは40日目のうちの少
なくとも1日に、あるいは又は追加的に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、
11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、2
4、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37
、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、
51若しくは52週目のうちの少なくとも1週に、あるいは又は追加的に、1、2、3、
4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、1
9若しくは20年目のうちの少なくとも1年に、又はこれらの任意の組み合わせで、1日
あたり0.1~100mg/kg、例えば、0.5、0.9、1.0、1.1、1.5、
2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、
18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、4
0、45、50、60、70、80、90、又は100mg/kgの、本発明の少なくと
も1つの抗体の1回又は周期的な投与量として提供され得る。
【0233】
体内投与に適した剤形(組成物)は、一般に、1単位又は容器あたり約0.001ミリ
グラム~約500ミリグラムの活性成分を含む。これらの医薬組成物において、活性成分
は、組成物の総重量に基づいて、通常、約0.5~99.999重量%の量で存在する。
【0234】
非経口投与には、抗体は、薬学的に許容できる非経口ビヒクルと合わせて、又は別個に
提供される、溶液、懸濁液、エマルション、粒子、粉末、若しくは凍結乾燥粉末として、
製剤化され得る。かかるビヒクルの例は、水、生理食塩水、リンゲル液、デキストロース
溶液及び1~10%ヒト血清アルブミンである。リポソーム及び固定油などの非水性ビヒ
クルを使用することもできる。ビヒクル又は凍結乾燥粉末は、等張性及び化学安定性を維
持する添加剤(例えば、等張性に関しては塩化ナトリウム、マンニトール;化学安定性に
関しては緩衝剤及び保存剤)を含有することができる。製剤は、既知の又は適切な技術に
よって滅菌される。
【0235】
適切な薬学的担体は、この分野での標準的参考テキストであるRemington’s
Pharmaceutical Sciences,A.Osolの最新版の中で記載
されている。
【0236】
代替的投与
抗IL-23抗体の薬学的に有効な量を投与するために、本発明に従って、多くの既知
の及び開発された方式を使用することができる。以下の記述では経肺投与が使用されてい
るが、本発明に従ってその他の投与方式を使用して、適切な結果を得てもよい。本発明の
IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体は、担体中で、溶液、エマルション、
コロイド若しくは懸濁液として、又は乾燥粉末として、吸入によるか、又は本明細書に記
載される若しくは当該技術分野において既知である他の方式による投与に適した様々なデ
バイス及び方法のいずれかを使用して、送達することができる。
【0237】
非経口処方及び投与
非経口投与用処方は、一般的な賦形剤として滅菌水又は生理食塩水、ポリエチレングリ
コールなどのポリアルキレングリコール、植物性油、水素化ナフタレンなどを含有してよ
い。注射用の水性又は油性懸濁液は、既知の方法に従って、適切な乳化剤又は加湿剤及び
懸濁剤を使用することによって調製可能である。注射剤は、例えば水溶液、無菌注射液又
は溶媒中懸濁液などの非毒性の非経口投与可能な希釈剤であってよい。使用可能なビヒク
ル又は溶媒としては、水、リンゲル液、等張生理食塩水などが可能であり、通常の溶媒又
は懸濁溶媒としては、無菌の不揮発性油を使用することができる。これらの目的では、天
然又は合成若しくは半合成の、脂肪油又は脂肪酸、天然又は合成若しくは半合成の、モノ
グリセリド又はジグリセリド又はトリグリセリドを含む、あらゆる種類の不揮発性油及び
脂肪酸を使用することができる。非経口投与は当該技術分野において既知であり、従来の
注射手段、米国特許第5,851,198号に記載されているようなガス加圧式無針注射
デバイス、及び米国特許第5,839,446号に記載されているようなレーザー穿孔機
デバイスが挙げられるが、これらに限定されず、これらは参照によって全体が本明細書に
組み込まれる。
【0238】
代替的送達
本発明は更に、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、関節内、気管支内、腹内、包内、軟骨
内、洞内、腔内、小脳内、脳室内、結腸内、頚管内、胃内、肝内、心筋内、骨内、骨盤内
、心膜内、腹腔内、胸膜内、前立腺内、肺内、直腸内、腎臓内、網膜内、脊髄内、滑液嚢
内、胸郭内、子宮内、膀胱内、病巣内、ボーラス、膣内、直腸、口腔内、舌下、鼻腔内、
又は経皮手段による抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体の投与に関する
。抗IL-12/IL-23p40又はIL-23抗体組成物は、非経口(皮下、筋肉内
、又は静脈内)又は任意の他の投与、特に、液体溶液若しくは懸濁液の形態で使用するた
めに、特に、クリーム及び座薬などであるがこれらに限定されない半固体形態で、膣若し
くは直腸の投与における使用のために、錠剤若しくはカプセルなどであるがこれらに限定
されない形態で、口腔若しくは舌下投与用に、あるいは粉末、点鼻薬若しくはエアロゾル
、又はある特定の薬剤などであるがこれらに限定されない形態で、鼻腔内に、あるいは皮
膚構造を改変するか、又は経皮パッチ中の薬剤濃度を増加させるかのいずれかのために、
ジメチルスルホキシドなどの化学的促進剤を用いて(Junginger,et al.
In「Drug Permeation Enhancement;」Hsieh,D.
S.,Eds.,pp.59-90(Marcel Dekker,Inc.New Y
ork 1994、参照により全体が本明細書に組み込まれる)、又はタンパク質及びペ
プチドを含有する製剤の皮膚への適用(国際公開第98/53847号)、又はエレクト
ロポレーションなどの一過性の輸送経路を作り出すための、若しくはイオントフォレシス
などの皮膚を通して荷電薬剤の移動度を増加させるための電界の適用、又は超音波導入な
どの超音波の適用(米国特許第4,309,989号及び同第4,767,402号)を
可能にする酸化剤を用いて、ゲル、軟膏、ローション、懸濁液若しくはパッチ送達系など
であるが、これらに限定されない形態で、経皮的に、調製することができる(上記の刊行
物及び特許は、参照により全体が本明細書に組み込まれる)。
【0239】
本発明を全般的に記述したことから、同様物は、実例として提供されるが制限すること
を意図していない以下の実施例を参照することにより、より容易に理解されるであろう。
更に、本発明の詳細は、以下の非限定例によって例示される。本明細書の全ての引用の開
示は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【実施例0240】
活動性全身性エリテマトーデスを有する対象におけるウステキヌマブの、多施設、無作
為化、二重盲検、プラセボ対照の概念実証試験
概要
STELARA(登録商標)(ウステキヌマブ)は、ヒトインターロイキン(IL)-
12及びIL-23サイトカインの共有p40サブユニットに対して高親和性及び特異性
で結合する完全ヒトG1κモノクローナル抗体である。IL-12/23p40サブユニ
ットへのウステキヌマブの結合は、天然キラー及びCD4+T細胞の表面におけるIL-
12又はIL-23のIL-12Rβ1受容体への結合を遮断し、IL-12及びIL-
23特異的細胞内シグナル伝達及びその後の活性化及びサイトカイン産生を阻害する。I
L-12及びIL-23の異常な調節は、全身性エリテマトーデス(SLE)を含む複数
の免疫介在性疾患に関連している。したがって、IL-12及びIL-23の阻害は、S
LEの治療に有効である可能性を有する。
【0241】
目的及び仮説
主目的
主目的は、活動性SLEを有する対象の疾患活動性の低下によって測定される、ウステ
キヌマブの有効性を評価することである。
【0242】
副次的目的
副次的目的は、以下を評価することである。
・SLEを有する対象におけるウステキヌマブの安全性及び忍容性。
・SLEを有する対象における健康に関連する生活の質に対するウステキヌマブ投与の
効果。
・SLEの皮膚症状に対するウステキヌマブの効果。
・SLEを有する対象におけるウステキヌマブの薬物動態及び免疫原性。
【0243】
探索的目的
探索的目的は、以下を評価することである。
・ウステキヌマブの長期投与中の安全性及び有効性。
・ウステキヌマブの長期投与中のコルチコステリドの低減。
・SLEの改善及び/又は悪化に対する感度を高める可能性がある臨床応答の更なる複
合臨床エンドポイント又は臨床的応答の計算方法。
・ループス疾患に関連するバイオマーカー(遺伝的、全身性、及び皮膚関連)。
【0244】
仮説
仮説は、ウステキヌマブを用いた投与が、第24週目の全身性エリテマトーデス疾患活
動性指標2000(SLEDAI-2K)応答者指標(SRI-4)総合的活動性指標(
composite measure)によって測定されるプラセボよりも有意に優れていることである。
【0245】
試験設計の概要
CNTO1275SLE2001は、活動性SLEを有する対象における標準的治療背
景に付加されたウステキヌマブの有効性及び安全性の第2a相、概念実証、多施設、無作
為化、二重盲検、プラセボ対照試験である。登録すべき対象は、従来の治療(例えば、免
疫調節薬、抗マラリア薬、コルチコステロイド、非ステロイド性抗炎症薬、抗高血圧薬、
及び/又は局所薬)にもかかわらず、全身性エリテマトーデス国際協力クリニック(Syst
emic Lupus International Collaborating Clinics(SLICC)基準及び全身性エリテ
マトーデス疾患活動性指標2000(SLEDAI-2K)スコア≧6に従ってSLEを
有する必要がある。加えて、対象は、スクリーニング中に観察された少なくとも1つの陽
性自己抗体試験(抗核抗体[ANA]、抗二重鎖デオキシリボ核酸(抗dsDNA)抗体
、及び/又は抗スミス抗体)、並びに医療歴において十分に実証された陽性の自己抗体試
験を有する必要がある。対象はまた、スクリーニング中に観察される少なくとも1つのブ
リティッシュ島ループス評価グループ(BILAG)A及び/又は2つのBILAG B
ドメインスコアを実証する必要がある。加えて、対象は、無作為化の前に、0週目に臨床
的SLEDAI-2Kスコア≧4(検査室結果を除く)を有する必要がある。
【0246】
およそ100人の対象を、24週間ウステキヌマブ又はプラセボのいずれかを受容する
ように、3:2の比で割り当てることになる。0週目の無作為化後、対象は、6mg/k
gのウステキヌマブに近似する初期体重範囲ベースのIV用量を受けることになる(ウス
テキヌマブ260mg[体重≧35kg~≦55kg];ウステキヌマブ390mg(体
重>55kgかつ≦85kg);ウステキヌマブ520mg[体重>85kgの後、8週
毎に(q8w)90mgをSC投与されることになる。
【0247】
24週目に、プラセボを受けた対象はクロスオーバーし、全ての対象は、24、32、
及び40週目に、ウステキヌマブ90mgのSCを受け、続いて、最後の試験薬のSC投
与後に、盲検様式で16週間(およそ5半減期)、安全性経過観察を56週目まで受ける
ことになる。
【0248】
プラセボ比較物(標準的治療背景療法に付加された)は、SLEを有する対象における
ウステキヌマブの有効性及び安全性の評価のために、24週目まで使用されることになる
。24週目から40週目まで、プラセボ群はクロスオーバーして、ウステキヌマブ90m
gのSCを受容することになる(q8w)。このクロスオーバー設計により、プラセボ対
象は、試験薬を受容し、SLEを有する対象におけるIV負荷用量を伴わずにウステキヌ
マブ90mgのSCを使用した経験を提供することを可能にする。40週間投与期間は、
SLE集団におけるウステキヌマブの潜在的臨床応答の長期的な安全性及び経時変化を理
解するのに有用であろう。
【0249】
全ての合理的な努力は、プロトコルに定義されるように、付随する薬剤を安定した状態
に保つために行われるべきである。全ての併用療法は、スクリーニングへの登録から開始
した試験全体を通して記録されなければならず、いずれの変化も試験全体をとおして記録
されなければならない。
【0250】
皮膚疾患を有する全ての対象は、皮膚エリテマトーデス疾患エリア及び重症度指標(C
LASI)スコアリングを使用して評価される。更に、皮膚ループスサブ試験に参加する
ことを同意した皮膚疾患を有する対象は、活動性疾患の皮膚生検の採取(任意の同意)及
び/又は活動性疾患の皮膚病変若しくは領域の写真の採取(任意の同意)を含む他の評価
を有するであろう。主要試験又は皮膚ループス試験のいずれかに登録することができる、
皮膚疾患を有する対象の数に対するいかなる制限も存在しないであろう。
【0251】
中間解析(IA)は、対象のおよそ1/3及び2/3が24週に達したときに行われる
ことになる。第1のIAでは、顕著な効能の評価のみが行われるであろう。第2のIAで
は、顕著な効能並びに処置無効が分析されるであろう。データベースロック(DBL)は
、24週目及び最後の対象の第56週目の来院後、又は主要試験からの最終の対象の16
週目の安全性経過観察のための来院で行われることになる。加えて、独立したデータモニ
タリングリング委員会(DMC)は、被検者のおよそ1/3及び2/3が24週目に達し
た時点で、並びに24週目のDBL時に、公式審査を含む中間安全性データを定期的に審
査することになる。DMCは、その試験が、無効又は安全性の懸念のために中止されるべ
きか、又はデータが顕著な有効性を実証する予め定められた基準を満たしているかどうか
に関する推奨を行うであろう。概要の内容、DMCの役割及び責任、並びに一般的な手順
(コミュニケーションを含む)は、DMCの手順書(DMC charter)に定義されているで
あろう。
【0252】
補正された試験設計は、104週を通してウステキヌマブ90mg、q8w SC投与
を非盲検で提供し続けるであろう。対象が、下記を含む試験組み入れ基準(セクション4
.1.3):
・40週目の来院時又はその前に、永続的に中断された試験処置を有してはならないこ
と、及び
・40週目の来院後、およそ8週間(±2週間)でq8週の試験処置を継続することが
できること、
あるいは、
・40週目の来院後、16週間(±2週間)以下の試験処置を再開することができるこ
と、を満たす場合、対象は、104週目まで試験処置を継続することが適格であろう。
【0253】
最終的な対象の56週目の来院後、又は最後の対象の16週目の安全性経過観察のため
の来院後の計画されたDBLに加えて、後続試験の終了時に(後続試験の16週目の安全
性経過観察後に)追加的なDBLが存在することになる。
【0254】
対象集団
適格な対象のスクリーニングは、無作為化のための来院(0週目)の前6週間以内に実
施しなければならない。標的試験集団は、従来の治療(例えば、免疫調節剤抗、マラリア
薬、コルチコステロイド、非ステロイド性抗炎症薬、抗高血圧薬、及び/又は局所薬)に
関わらず、SLICC基準及びSLEDAI-2Kスコア≧6に従ったSLEを有する対
象である。加えて、対象は、スクリーニング中に観察された少なくとも1つの陽性自己抗
体試験(ANA、抗dsDNA抗体、及び/又は抗スミス抗体)、並びに医療歴において
十分に実証された陽性の自己抗体試験を有する必要がある。対象はまた、試験薬剤の初回
投与の前にスクリーニング中に観察される少なくとも1つのBILAG A及び/又は2
つのBILAG Bドメインスコアを有しなければならない。
【0255】
加えて、試験参加について適格であるために、対象は、0週目(無作為化前)の臨床的
特徴について臨床的SLEDAI-2Kスコア≧4を有し(試験室結果は除外)、治験依
頼者及び/又は治験依頼者が選択した独立した審査官(複数可)によるスクリーニングル
ープス評価の審査及び確認後の試験無作為化の承認を受けなければならない。
【0256】
活動性皮膚ループスを有する主要試験に登録しているSLE対象(円板状エリテマトー
デス、亜急性皮膚エリテマトーデス、脱毛症、又はSLE頬部紅斑、若しくは紅斑及び/
又は鱗屑によって特徴付けられる他のSLE皮膚病変を有する対象を含む)を、CLAS
Iスコアリングを使用して評価するであろう。加えて、同意を提供する対象は、皮膚生検
及び/又は皮膚写真の組織学を評価する皮膚ループスサブ試験に登録されることになる。
皮膚ループスサブ試験に参加している対象は、生検を受ける必要がなく、活動性疾患の特
定された病変又は領域における変化を実証するために写真のみを許可してもよい。
【0257】
投与量及び投与
全ての対象は、0週目に試験薬剤(プラセボ又はウステキヌマブ)の体重範囲に基づく
IV投与を受容し、続いて、8週目及び16週目におけるプラセボ又はウステキヌマブの
SC投与、続いて、全ての対象が、24、32、及び40週目におけるウステキヌマブ投
与を受けている。プロトコルで定義されたように、併用治療を少なくとも28週目まで安
定して維持するために、ある程度の調節が、28週目を超えて8週目の安全性経過観察又
はプロトコルで定義された後続試験を可能にすることを伴って、薬剤を安定させた状態に
維持するために、全ての妥当な努力を行うべきである。併用薬投与量は低減されてもよく
、又は異常な検査室値、副作用、同時病気、又は手術治療の性能のために一時的に中断さ
れ得るが、変化及び変化及び理由は、対象の医療記録において明確に文書化されているべ
きである。併用薬が、プロトコル毎に許容された無作為化後に調節された場合、対象の第
12週目の来院までに、対象をベースライン(0週目)の投与量レベルに戻すためにあら
ゆる努力がなされるべきであるか、又は薬剤の使用の増加は、対象を治療不成功と見なす
場合がある。
【0258】
後続試験中に登録された対象は、ウステキヌマブ90mgのSC投与を、8週間毎に1
04週まで受け続けることになる。コルチコステロイドを除いて、併用薬は、後続試験を
通して安定した用量で維持されるべきである。
【0259】
0週目から最長24週目(盲検試験薬投与期)
群1:対象は、0週目に約6mg/kgのウステキヌマブの体重範囲ベースのIV投与
を受け、続いて、8週目及び16週目にウステキヌマブ90mgのSC投与を受ける。
【0260】
群2:対象は、0週目にプラセボの体重範囲ベースのIV投与を受け、続いて、8週目
及び16週目にプラセボのSC投与を受ける。
【0261】
24週目~40週目(クロスオーバー投与期)
群1:対象は、ウステキヌマブ90mgのSC投与を24週目に受け、続いて40週ま
でq8w投与を受ける。
【0262】
群2:プラセボ投与群における対象は、ウステキヌマブ90mgのSC投与を24週目
にクロスオーバーし、続いて40週までq8w投与を受ける。
【0263】
40週後から16週の経過観察(安全性経過観察期)
群1及び2:後続試験に参加しない対象は、44週目での安全性経過観察のための来院
及び8週並びに16週の安全性経過観察に戻ると全性フォローアップ訪問のために戻ると
予測される。
【0264】
後続試験(48週目/56週目~120週目)
後続試験組込み基準(セクション4.1.3)を満たす対象は、安全性の経験を広げ、
ウステキヌマブ90mgにq8wで曝露されたループス患者における有効性を維持する目
的で、更なる1年の非盲検のウステキヌマブ投与を受けることになる。48週目又は56
週目から開始した後続試験における投与を継続した対象は、104週目を介して非盲検の
ウステキヌマブSC投与を受けることになる。SLEにおけるウステキヌマブの開発が終
了した場合、後続試験も中断されることになる。
【0265】
有効性の評価
本試験の一次有効性エンドポイントは、プラセボ治療と比較して、ウステキヌマブを受
けた対象に対する、24週目における複合SRI-4応答と比較することである。
【0266】
有効性評価及び患者報告生活の質尺度としては、下記が含まれる。
・SLEDAI-2K
・S2K RI-50
・BILAG
・CLASI
・医師の疾患活動性の全般的評価
・患者の疾患活動性の全般的評価
・ショートフォーム36質問票
・疲労重症度スケール
・患者の疼痛評価
【0267】
薬物動態及び免疫原性評価
血清サンプルを使用して、ウステキヌマブの薬物動態、並びにウステキヌマブ(ウステ
キヌマブに対する抗体)の免疫原性を評価するであろう。
【0268】
バイオマーカー評価及び血清学的マーカー
皮膚生検、血液、血清、及び尿の収集、調製、保管、及び輸送は、検査室マニュアルに
詳述されている。バイオマーカーとしては、炎症マーカー、リボ核酸(RNA)、細胞表
面マーカー、自己抗体、T細胞並びにB細胞レパートリー、標的特異マーカー、及びルー
プスの発症及び進行に関与する可能性があるバイオマーカーの他のカテゴリーが挙げられ
るが、これらに限定されない。
【0269】
血清分析
血清は、可溶性CD40リガンド(sCD154)、インターロイキン(IL)-6、
IL-12p40、IL-17、IL-21、IL-22、IL-23p19、C-X-
Cモチーフケモカイン10(CXCL10)、B細胞活性化因子(BAFF)、インター
フェロン、自己抗体、及び他の炎症関連分子が挙げられるが、これらに限定されない特定
のタンパク質のレベルについて分析されるであろう。
【0270】
皮膚生検分析
皮膚生検は、細胞、分子、及び遺伝子発現分析に利用されるであろう。
【0271】
全血遺伝子発現分析
全血は、RNA、フローサイトメトリー、T細胞並びにB細胞レパートリー、及びエピ
ジェネティクス分析(例えば、デオキシリボ核酸[DNA]メチル化)のために、全対象
から採取されるであろう。
【0272】
血清学的マーカー
自己抗体(例えば、ANA、抗dsDNAなど)、補体C3及びC4は、事象の表(表
1)に記載されるように採取されるであろう。
【0273】
薬理遺伝学的(DNA)評価
DNAサンプルは、この試験(CNTO1275SLE2001)に関連する研究に使
用されるであろう。特定のゲノム検査は、対象の同意を得るために行われるであろう(こ
の試験の一部に参加している対象は、別個インフォームドコンセントに署名しなければな
らない。この手順は、ループスで役割を果たし得る特定の標的遺伝子について分析され得
る血液サンプルを採取することを伴うであろう。いかなるゲノム評価も、遺伝子検査に関
する現行の対象の機密保持規定を厳守して実行されるであろう。ゲノム検査の参加を拒む
ことは、臨床試験の残りに参加することを不適格にするものではない。
【0274】
皮膚ループスサブ試験
皮膚疾患を有する全ての対象は、CLASIスコアリングを使用して評価されることに
なる。更に、皮膚ループスサブ試験に参加することを同意した皮膚疾患を有する対象は、
活動性疾患の皮膚生検の採取(任意の同意)及び/又は活動性疾患の特定された皮膚病変
若しくは領域の写真の採取(任意の同意)を含む他の評価を有するであろう。主要試験又
は皮膚ループス試験のいずれかに登録することができる、皮膚疾患を有する対象の数に対
するいかなる制限も存在しないであろう。
【0275】
同意を提供する対象は、皮膚生検及び/又は皮膚写真の組織学を評価する皮膚ループス
サブ試験に登録されることになる。同意する対象からの生検サンプル(2つのサンプル、
4mmのサイズ)は、活動性皮膚疾患の1つの病変又は領域から、0週目及び24週目の
投与の前に、採取されるであろう。写真及び皮膚生検は、活動性疾患の異なる領域を標的
とすることができるが、経過観察写真又は生検は、最初に0週目に評価された活動性疾患
の同じ領域を再評価するべきである。皮膚ループスサブ試験に参加している対象は、生検
を受ける必要がなく、活動性疾患の特定された病変又は領域における変化を実証するため
に写真のみを許可してもよい。生検に不適切と思われる皮膚ループスを有する対象(例え
ば、頬部紅斑又は脱毛症)もまた、サブ試験に登録することができ、写真撮影によって評
価することができる。
【0276】
皮膚生検採取とは無関係に、皮膚ループスサブ試験に参加する対象は、写真が活動性疾
患の特定された病変又は領域から採取されることに同意するよう求められることになる。
写真は、探索目的のためだけのものである。写真は、臨床応答の定性的評価を支援するた
めに使用されるであろう。本試験に関与する対象の機密保護が維持され、具体的には、本
試験における対象の写真は、個人を特定することができないように、対象の顔又は身体の
適切な部分を遮断することなく公開されることはないか、ないしは別の方法で公表される
ことはない。
【0277】
安全性の評価
安全性の評価には、バイタルサイン、全身の身体検査及び皮膚評価、有害事象(AE)
、重篤なAE、併用薬調査、妊娠検査、急性輸液反応、化学検査及び血液検査、並びにウ
ステキヌマブに対する抗体が挙げられる。胸部X線及び結核、ヒト免疫不全ウイルス、B
型肝炎、及びC型肝炎検査は、スクリーニング時に必要とされるであろう。試験の最後に
持続しているあらゆる臨床上の有意な異常は、解決まで又は臨床上安定したエンドポイン
トに達するまで、治験責任医師によって追跡されるであろう。対象の日誌カードは、本試
験の主要部分中の試験来院時の間で生じる薬剤変更を捕らえるために使用されるであろう
。試験薬剤の最終投与の最長16週間後に採取された安全性データを評価するであろう。
【0278】
統計的方法
試料サイズ決定
およそ100人の対象を、24週間ウステキヌマブ又はプラセボのいずれかを受容する
ように、3:2の比で割り当てることになる。ウステキヌマブで処置されたおよそ60人
の対象及びプラセボで処置されたおよそ40人の対象を、0.1のアルア水準で、プラセ
ボと比較して奏効率の有意差を検出するためにおよそ80%の検定力を与えるように見積
もられる(プラセボ及びウステキヌマブにおけるそれぞれ35%及び60%奏効率を仮定
し、これは、プラセボに対する25%の絶対的増加又は2.79のオッズ比と解釈される
)。
【0279】
効力解析
この試験の主要エンドポイントは、24週目のSLE疾患活動性の複合尺度(SLE応
答者指標[SRI]-4応答)を有する対象の比率である。一次分析は、主要エンドポイ
ントに基づくものであり、修正した治療意図の原理による(intent-to-treat(mITT
))集団に対して行われ、これは、少なくとも1用量の試験薬剤を受ける全ての無作為化
された対象が、投与前に少なくとも1回の測定を有し、かつ少なくとも1つのベースライ
ン後のSRI-4測定値を有することを含む。
【0280】
対象が24週目に少なくとも1つのSRI-4構成要素についてのデータを有する場合
は、最終観測代入(LOCF)手順を使用して、欠落しているSRI-4構成要素を帰属
させる。対象が24週目に任意のSRI構成要素についてのデータを有しない場合、対象
はSRI-4応答を達成しなかったと見なされる。
【0281】
加えて、ベースライン時よりも24週目により高い免疫調節剤の用量を受けるか、又は
コルチコステロイドによる禁止された処置(用量又はタイミング)を開始したか、あるい
は有効性の欠如のために試験薬剤を中断したなどの、様々な治療失敗基準のいずれかを満
たす対象は、24週目に、主要エンドポイント、SRI-4応答を達成しなかったと見な
されるであろう。
【0282】
ベースライン階層化及びベースラインSLEDAIを調整するロジスティック回帰が、
主要エンドポイントを分析するために使用されるであろう。ベースラインSLEDAI値
は、0週目の注入前に採取された最も近い非欠損測定値として定義される。有意な非正規
性が観察される場合、適切なノンパラメトリック試験を使用して、処置間の差異を評価す
ることになる。
【0283】
一次分析が0.1(両側)の有意水準で統計的有意性を達成し、かつウステキヌマブが
プラセボ処置に対して良好な効果を示す場合には、試験はポジティブと見なされるであろ
う。
【0284】
安全性の分析
安全性は、AE、SAE、合理的に関連するAE、感染、及び急性輸液反応の発生率及
び種類の分析によって評価される。安全性評価はまた、検査室パラメータの分析、及び検
査室パラメータ(血液学及び化学)におけるベースラインからの変化、並びに異常な検査
室パラメータ(血液学及び化学)の発生率も含む。
【0285】
【0286】
【0287】
【0288】
【0289】
【0290】
【0291】
【0292】
【0293】
1.導入
STELARA(登録商標)(ウステキヌマブ)は、ヒトインターロイキン(IL)-
12及びIL-23サイトカインの共有p40サブユニットに対して高親和性及び特異性
で結合する完全ヒトG1κモノクローナル抗体である。IL-12/23p40サブユニ
ットへのウステキヌマブの結合は、天然キラー及びCD4+T細胞の表面におけるIL-
12又はIL-23のIL-12Rβ1受容体への結合を遮断し、IL-12及びIL-
23特異的細胞内シグナル伝達及びその後の活性化及びサイトカイン産生を阻害する。I
L-12及びIL-23の異常な調節は、全身性エリテマトーデス(SLE)を含む複数
の免疫介在性疾患に関連している。したがって、IL-12及びIL-23の阻害は、S
LEの治療に有効である可能性を有する。
【0294】
全身性エリテマトーデスは、ほとんど全ての器官系に影響を及ぼし得る未知の病因の複
雑で慢性の不均質な自己免疫疾患であり、漸増及び漸減疾患過程に従う。全身性エリテマ
トーデスは、男性よりも女性ではるかに頻繁に発症し、いくつかの研究では9倍以上頻繁
に発症し、15歳~45歳の妊娠可能年齢で現れることが多い。この疾患は、アフリカ系
カリブ人、アジア系、及びヒスパニック系集団においてより多く見られる。SLEでは、
免疫系は、身体の細胞及び組織を攻撃し、結果として、心臓、関節、皮膚、肺、血管、肝
臓、腎臓、及び神経系を害し得る炎症並びに組織損傷をもたらす。器官を脅かす疾患で存
在するSLEと診断された対象の約半分は、器官関与が存在しない対象を診断するのに数
年を要する場合がある。新たに診断されたループス患者の主な症状のいくつかは、不整脈
(62%)及び皮膚症状(新たな光過敏症;20%)、持続的な発熱及び倦怠感が続く3
9。ループスの推定年間発生率は、100,000人当たり1.8~7.6の症例で変動
し、世界中の罹患率は、100,000人当たり14~172の症例の範囲である39。
軽度疾患を有する患者は、大部分は皮膚発疹及び関節痛を有し、より積極的な治療を必要
とし;レジメンとしては、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、抗マラリア薬(例え
ば、ヒドロキシクロロキン、クロロキン、又はキナクリン)、及び/又は低用量コルチコ
ステロイドが挙げられる。より重度の疾患患者は、潜在的な腎不全、心内膜炎若しくは心
筋炎、肺炎、妊娠合併症、脳卒中、神経学的合併症、血管炎、及び出血又は感染症の関連
するリスクを伴う血球減少症を含む、関与する器官系に応じて、様々な重篤な状態を経験
し得る。より重篤な疾患に対する一般的な治療としては、メトトレキサート(MTX)、
アザチオプリン、シクロホスファミド、シクロスポリン、高用量コルチコステロイド、生
物学的B細胞細胞傷害剤、又はB細胞調節因子、及び他の免疫調節剤が挙げられる。深刻
なSLEを有する患者は、10~30年の寿命の短縮を有し、主に、疾患の、標準的なケ
ア療法の、及び/又は加速性アテローム性動脈硬化症の合併症に起因する。加えて、SL
Eは、生活の質、仕事の生産性、及び医療費に実質的な影響を及ぼす。SLEの既存の療
法は、一般に、細胞毒性又は免疫調節性のいずれかであり、顕著な安全性リスクを有し得
る。SLEのためのより新しい治療は、標準的なケア療法をわずかに超える利益しか提供
していない。したがって、高い安全性リスクを負うことなく、この疾患において有意な利
益を提供することができる新たな代替的処置に対する、大きな未解決の必要性が存在する
。
【0295】
ループスを有する患者の長期転帰は、器官病変を有するかどうか、特定の検査室尺度(
抗リン脂質抗体など)、人種、性別、同意の年齢、保険医療へのアクセス、治療の遵守、
教育、及び他の併存症の存在を含む、様々な要因に依存する。SLEと診断された患者の
約5%のみが、治療なしの自然寛解を示すであろう。様々な新たな治療薬は、難治性ルー
プスを有する対象の治療について評価されているが、今日までは、この疾患を有する患者
のための標準治療の現在考慮されているこれらの薬剤を超える顕著な臨床的有効性をほと
んど実証していない。
【0296】
この試験では、標的集団は、従来の治療(例えば、免疫調節薬、抗マラリア薬、コルチ
コステロイド、NSAID、抗高血圧薬、及び/又は局所薬)にもかかわらず、全身性エ
リテマトーデス国際協力クリニック(Systemic Lupus International Collaborating Cli
nics(SLICC))基準及び全身性エリテマトーデス疾患活動性指標(SLEDAI)
11スコア≧6に従ってSLEを有する対象である。加えて、対象は、スクリーニング中
に観察された少なくとも1つの陽性自己抗体試験(抗核抗体[ANA]、抗二重鎖デオキ
シリボ核酸[抗dsDNA]抗体、及び/又は抗スミス抗体)、並びに医療歴において十
分に実証された陽性の自己抗体試験を有する必要がある。対象はまた、スクリーニング中
の少なくとも1つのブリティッシュ島ループス評価グループ(BILAG)38A及び/
又は2つのBILAG Bドメインスコアを実証する必要がある。加えて、対象は、臨床
的特徴(検査室結果を除く)について、0週目で≧4のSLEDAIスコアを有さねばな
らない。この疾患活動性レベルは、全身性ループス36についての実験療法を調査した従
来の試験と一致する。
【0297】
1.1.背景
今日までに、ウステキヌマブは、慢性中程度から重度のプラーク乾癬及び/又は活動性
乾癬性関節炎を含む成人患者の治療のために、北米、ヨーロッパ、南米、及びアジア太平
洋地域の国々を含む世界中で販売承認を受けている。ウステキヌマブはまた、クローン病
(CD)についての第3相試験においても評価されている。
【0298】
1.2.研究の全体的な根拠
1.2.1.全身性エリテマトーデスにおける抗IL-12/23p40療法の使用に
関する科学的根拠
全身性エリテマトーデスは、破壊的自己抗体を産生する、調節不全Bリンパ球を示す、
複合免疫媒介性炎症性障害である。しかしながら、SLEのためのB細胞標的化療法(例
えば、ベリムマブ)は、限定された標準的なケア制御を超える、適度な臨床結果のみを示
しており22、これは、更なる免疫経路がSLEの病因において重要な役割を果たすこと
を示唆している。SLEにおける慢性免疫活性化は、局所炎症に積極的に寄与する炎症性
サイトカインの産生の増加、及び組織損傷を媒介するプロセスにつながる。例えば、多く
のSLE患者は、血液細胞において観察される特徴的なI型インターフェロンシグネチャ
を有する2。インターフェロンシグネチャは、ループス家系においてより頻繁に発生する
ことが観察されており、SLE.の発症のリスク因子であり得る23。いくつかの研究は
、患者の血清及び組織の両方におけるIL-12、IL-6、及びIL-23の上昇も報
告しており4、20、24、26、30、44、SLEにおける炎症性環境が、Tヘルパ
ー(Th)1及びTh17細胞を誘発しやすいことを示唆している。血清中のIL-17
のレベルの増加は、SLE患者で観察されているが3、31、36、44、45、46、
IL-17レベルと疾患活動性との相関は、強くはない37、46。SLEにおいてIL
-12/IL-23/Th17経路への直接の遺伝的リンクは確立されていないが18、
28、29、SLEにおける遺伝子ワイド関連解析は、白人及びアジア人種の両方の感受
率遺伝子としてIL-12シグナル伝達を媒介するSTAT4を同定している12、16
。活動性SLEを有する患者では、p19、p40、及びp35のメッセンジャーRNA
レベルは、非活動性SLE患者におけるレベルと比べて有意に高かった14。ウステキヌ
マブを用いたIL-12/23p40の標的化は、3つの別個の症例報告において、皮膚
ループスの顕著な改善と関連付けられることが示されている5、6、43。総合すれば、
SLE病因におけるIL-12及びIL-23サイトカイン経路の重要性を実証するため
の累積証拠が存在し、この疾患における介入療法としての、ウステキヌマブの更なる臨床
的検討を正当化している。
【0299】
加えて、2つの疾患関連グループ、Alliance for Lupus Rese
arch及びLupus Research Instituteは、独立して、市販さ
れているループス薬候補の大規模なセットの科学的審査を委託され、ループス薬候補の中
から、ウステキヌマブが推奨され、その分子機構に基づいて評価されており、これは、活
動性SLEを有する対象におけるウステキヌマブの有効性及び安全性を評価するために、
プラセボ制御臨床試験の科学的根拠を更に支持している。
【0300】
1.1.2.1.全身性エリテマトーデスの活動性皮膚症状を有する対象のサブグルー
プ
ウステキヌマブ治療に応答する難治性皮膚ループスを有する患者の上述した症例報告は
、皮膚病変に対するウステキヌマブの効果の評価を促す。SLEにおける皮膚症状の比較
的一般的な発生、活動性疾患の特定された病変又は領域の繰り返しパンチ生検及び/又は
写真の実現可能性、並びに皮膚エリテマトーデス(CLE)特異的疾患評価ツールの利用
可能性を考えると、この患者集団は、SLE及び皮膚疾患の症状に対するウステキヌマブ
の効果に関する有用なデータを提供し得る。皮膚疾患を有する全ての対象は、CLASI
スコアリングを使用して評価されることになる。更に、皮膚ループスサブ試験に参加する
ことを同意した皮膚疾患を有する対象は、活動性疾患の皮膚生検の可能な採取(任意の同
意)及び/又は活動性疾患の特定された病変若しくは領域の写真(任意の同意)を含む他
の評価を有するであろう。主要試験又は皮膚ループスサブ試験のいずれかについて、皮膚
疾患を有する、登録されるべき予め指定された数の対象は存在しない。
【0301】
1.3.投与レジメンの正当化
この試験についての投与レジメンは、中等度から重度に活動性のCD(C0743T2
6、CNTO1275CRD3001、及びCNTO1275CRD3002)の治療に
おけるウステキヌマブの使用による経験に基づいて選択された。CD及びSLEは両方と
も免疫介在性炎症性疾患であり、これらは一般に、メトトレキサート(MTX)、アザチ
オプリン、及びコルチコステロイドなどの免疫調節剤で一般に治療され、したがってこの
指標は、ループスにおけるウステキヌマブのリスク評価に有用なモデルとして機能する。
投与量の理論的根拠は変更されていないが、追加の安全性及び有効性情報は、ウステキヌ
マブ第3相CD(UNITI)試験から入手可能となっており、これは、更に1年にわた
って、ウステキヌマブ90mgのSCのq8wで更に延長して治療を行うためのプロトコ
ルの修正を支援する。UNITI CD試験からのこれらの結果は、このセクションで後
にまとめられる。
【0302】
投与量の理論的根拠は変更されていないが、いくつかの追加の安全性及び有効性情報は
、ウステキヌマブ第3相CD(UNITI)試験から入手可能となっており、これは、こ
の試験で計画された治療延長を支援する。UNITI CD試験からのこれらの結果は、
このセクション(セクションで後にまとめられる(セクション1.3)。
【0303】
第2b相用量範囲の試験C0743T26では、6mg/kgの単回IVウステキヌマ
ブの用量は、CDを有する対象で試験した最大負荷用量であった。この試験では、6mg
/kgのIV用量が、8週目までの臨床応答を誘導するのに有効であることが示され、他
の治療群と概ね同等の安全性プロファイルで十分に忍容された。また、ウステキヌマブC
D試験からの結果はまた、IV負荷用量が、IL-12及びIL-23阻害後の臨床応答
の迅速な開始をもたらし得ることも示唆している。第3相試験CNTO1275CRD3
001及びCNTO1275CRD3002では、体重範囲投与量アプローチ(ウステキ
ヌマブ260mg[体重≦55kg];ウステキヌマブ390mg(体重>55kgかつ
≦85kg);ウステキヌマブ520mg[体重>85kg])を使用して、6mg/k
gのIV負荷用量を概算した。体重範囲に基づく投与量は、用量計算を単純化し、投与中
の誤差の可能性を低減するために、患者への完全なバイアルの投与を可能にする。この体
重範囲投与量は、6mg/kgの体重調整された投与量で観察されたものと同様の薬剤曝
露を達成することが意図される。したがって、この試験では、0週目における体重範囲に
基づくIV負荷用量の戦略を評価して、以前の研究から得られたデータに基づいて安全性
リスクの増加に関する重大な懸念を引き起こすことなく、薬剤の疾患活性を迅速に低減す
る能力を評価することができる。
【0304】
8週間毎に(q8w)90mgのSCのウステキヌマブ維持投与レジメンを、CDを有
する対象において試験した(C0743T26)。C0743T26試験の結果は、ウス
テキヌマブ90mgのSC q8wが、対象を臨床寛解で維持するのに安全かつ有効であ
ったことを示唆している。q8w投与頻度は、十分なウステキヌマブ曝露を維持して、ウ
ステキヌマブによる治療が持続的な臨床応答を提供できるかどうかを判定するように選択
される。加えて、SC投与は、IV投与と比較してより便利であると考えられる。最後の
ウステキヌマブ試験用量後の16週間の経過観察期間を選択して、薬剤除去及び適切な安
全性経過観察のために5を超える半減期を可能にした。
【0305】
加えて、2011年に開始されたCDを有する対象における3つの第3相試験も、更な
る安全性及び有効性データを最近提供した;UNITI-1、UNITI 2、及びIM
UNITI。UNITI-1及びUNITI-2は、8週間の誘導試験であり、設計にお
いて同一であるが、別個の患者集団を試験した。UNITI-1は、抗TNF薬に失敗で
あったか、又は不耐性であった対象を試験し、一方で、UNITI-2は、TNFアンタ
ゴニストに失敗しなかったが、従来の免疫調節剤又はステロイド療法に失敗した対象を試
験した。IM-UNITI試験は、UNITI-1及びUNITI-2試験の両方から登
録された患者の維持治療を評価した。UNITI試験は、プラセボ、130mgのIV、
又は約6mg/kgのIVのいずれかに無作為化した1,367人の対象を試験した。治
療の8週後、UNITI-1及びUNITI-2試験の両方の対象は、誘導応答者におけ
るプラセボと比較して、8週又は12週毎に90mgの2つの維持レジメンを評価したI
M-UNITIに参加することができた。IM-UNITI試験は依然として長期後続試
験期に進行中であるが、3つ全ての試験の主要な結果が公表されており7、これらの結果
は、活動性の中等度から重度のCDを有する患者において、ウステキヌマブの承認を支持
した。誘導において承認された用量は、6mg/kgに近似する単回IV体重ベース用量
であり、承認された維持用量は、承認領域に応じて8週毎又は12週毎に90mgである
。これらの試験の結果は、類似の用量が評価されている点で、CNTO1275SLE2
001 SLE試験に特に関連している。加えて、SLE集団と同様に、UNITI試験
に登録されたCD患者の約1/3は、併用する免疫調節剤(例えば、MTX、AZA、6
-MP)を使用し、約46%はグルココルチコイドを併用していた。これらの試験の結果
は、主要文献7において詳細に審査され、最重要点が以下に提示される:
・2つのUNITI誘導試験では、主要エンドポイント及び全ての主要な二次エンドポ
イントは、6mg/kg用量を含む試験された両方の用量について満たされた。
・IM-UNITI維持試験では、90mgの8週毎又は12週毎のレジメン毎の両方
は、44週目のプラセボと比較して、応答の維持又は寛解の達成においてプラセボよりも
優れていた。
・重要なことに、両方の維持用量の安全性プロフィールは、44週間にわたってプラセ
ボに匹敵し、新たな安全性シグナルは特定されなかった。安全性プロフィールは、乾癬の
指標で見られるものと類似していた。
【0306】
要約すると、これらのCD試験は、IL-12/23の作用を阻害するためのウステキ
ヌマブの高レベルの全身曝露を確実にするにするために、6mg/kgに近似する体重範
囲ベースのIV負荷用量、続いて90mgのSC q8wを含むこの概念実証SLE試験
の計画された投与レジメンを支持している。
【0307】
非盲検、90mgのSC q8wのウステキヌマブ投与量は、24週目から開始して4
0週目まで、患者に提供されるであろう。補正された試験計画によって、40週目の来院
後に、およそ8週目(±2週間)にq8w試験処置を継続することができるか、又は対象
の40週目の来院が、90mgのSC q8wのウステキヌマブ処置を104週目まで継
続することが適格であるために、16週間以下(±2週間)で試験処置を再開することが
できる対象は、更なる16週の経過観察期間に続く。
【0308】
2.目的及び仮説
2.1.目的
主目的
主目的は、活動性SLEを有する対象の疾患活動性の低下によって測定される、ウステ
キヌマブの有効性を評価することである。
【0309】
副次的目的
副次的目的は、以下を評価することである。
・SLEを有する対象におけるウステキヌマブの安全性及び忍容性。
・SLEを有する対象における健康に関連する生活の質に対するウステキヌマブ投与の
効果。
・SLEの皮膚症状に対するウステキヌマブの効果。
・SLEを有する対象におけるウステキヌマブの薬物動態及び免疫原性。
【0310】
試験的目的
探索的目的は、以下を評価することである。
・ウステキヌマブの長期投与中の安全性及び有効性。
・ウステキヌマブの長期投与中のコルチコステリドの低減。
・SLEの改善及び/又は悪化に対する感度を高める可能性を有する応答を計算するた
めの追加の複合臨床エンドポイント又は方法。
・ループス疾患に関連するバイオマーカー(遺伝的、全身性、及び皮膚関連)。
【0311】
2.2.仮説
仮説は、ウステキヌマブが、24週目の全身性エリテマトーデス疾患活動性指標200
0(SLEDAI-2K)応答者指標(SRI-4)総合的活動性指標(composite meas
ure)によって測定されるプラセボよりも有意に優れていることである。
【0312】
3.試験計画及び理論的根拠
全ての有効性評価及びエンドポイントを記述する完全なリスト、及びどの評価が複合エ
ンドポイントに含まれるかが、付録1に提供される。主要試験は、主要試験の8週目及び
16週目の安全性経過観察のための来院を介したスクリーニングとして、元のプロトコル
から定義される。主要試験の8週目及び16週目の安全性経過観察のための来院が、最初
のプロトコルにおいて、48週目及び56週目の来院として以前に記載されたものである
ことに留意されたい。しかしながら、この補正により、48週目及び56週目の来院は、
後続試験に参加している対象に対する処置のための来院を説明するためにのみ使用される
であろう。後続試験(組み入れ基準を満たす対象に適用可能)は、48週目又は56週目
の来院から後続試験の16週目の安全性経過観察のための来院までと定義される。
【0313】
3.1.試験デザインの概要
CNTO1275SLE2001は、活動性SLEを有する対象における標準的治療背
景療法に付加されたウステキヌマブの有効性及び安全性の第2a相、概念実証、多施設、
無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験である。18~75歳の対象は、従来の治療(例
えば、免疫調節剤抗、マラリア薬、コルチコステロイド、NSAID、抗高血圧薬、及び
/又は局所薬)に関わらず、SLICC基準及びSLEDAI-2Kスコア≧6に従った
SLEを有する必要がある。加えて、対象は、スクリーニング中に観察された少なくとも
1つの陽性自己抗体試験(ANA、抗dsDNA抗体、及び/又は抗スミス抗体)、並び
に彼らの医療歴において十分に実証された陽性の自己抗体試験を有する必要がある。対象
はまた、スクリーニング中に観察される少なくとも1つのBILAG A及び/又は2つ
のBILAG Bドメインスコアを実証する必要がある。加えて、対象は、無作為化の前
に、0週目に臨床的SLEDAI-2Kスコア≧4(検査室結果を除く)を有する必要が
ある。
【0314】
対象の無作為化は、セクション8に記載されるように、皮膚生検収集の同意(y/n)
、及び他の特徴(例えば、ループス腎炎[y/n]の存在、ベースラインSLE薬剤及び
SLEDAIスコア)、部位/領域、及び人種、又は併用薬の存在)に従って階層化され
る。
【0315】
約100人の対象を、24週間ウステキヌマブ又はプラセボのいずれかを受容するよう
に、3:2の比により無作為に割り当てることになる。0週目の無作為化後、対象は、6
mg/kgのウステキヌマブに近似する初期体重範囲ベースのIV用量(ウステキヌマブ
260mg[体重≧35kg~≦55kg];ウステキヌマブ390mg(体重>55k
gかつ≦85kg);ウステキヌマブ520mg[体重>85kg])を受け、続いて9
0mgのSCがq8wで投与されることになる(セクション6)。24週目に、プラセボ
を受容した対象はクロスオーバーし、全ての対象は、24、32、及び40週目に、ウス
テキヌマブ90mgのSCを受容し、続いて、最後の試験薬のSC投与後に、盲検様式で
16週間(およそ5半減期)、安全性経過観察を56週目まで受けることになる。
【0316】
プラセボ比較物(標準的治療背景療法に付加された)は、SLEを有する対象における
ウステキヌマブの有効性及び安全性の評価のために、24週目まで使用されることになる
。24週目から40週目まで、プラセボ群は、ウステキヌマブ90mgのSC q8wに
クロスオーバーすることになる。このクロスオーバー設計により、プラセボ対象は、試験
薬を受容し、SLEを有する対象におけるIV負荷用量を伴わずにウステキヌマブ90m
gのSCを使用した経験を提供することを可能にする。40週間投与期間は、SLE集団
におけるウステキヌマブの潜在的臨床応答の長期的な安全性及び経時変化を理解するのに
有用であろう。
【0317】
全ての合理的な努力は、プロトコルに定義されるように、付随する薬剤を安定した状態
に保つために行われるべきである。全ての併用療法は、スクリーニングへの登録から開始
した試験全体を通して記録されなければならず、いずれの変化も試験全体をとおして記録
されなければならない。
【0318】
皮膚疾患を有する全ての対象は、CLASIスコアリングを使用して評価されることに
なる。更に、皮膚ループスサブ試験に参加することを同意した皮膚疾患を有する対象は、
活動性疾患の皮膚生検の採取(任意の同意)及び/又は活動性疾患の特定された皮膚病変
若しくは領域の写真の採取(任意の同意)を含む他の評価を有するであろう。主要試験又
は皮膚ループス試験のいずれかに登録することができる、皮膚疾患を有する対象の数に対
するいかなる制限も存在しないであろう。
【0319】
中間解析(IA)は、対象の約1/3及び2/3が24週に達したときに行われること
になる。第1のIAでは、顕著な有効性の証拠のみが評価されるであろう。第2のIAで
は、顕著な有効性の証拠並びに処置無効が分析されるであろう。領域にわたるプラセボ効
果の変動は、中間解析に組み込まれることになる。データベースロック(DBL)は、2
4週目及び最後の対象の第56週目の来院後又は主要試験からの最終の対象の16週目の
安全性経過観察のための来院で行われることになる。加えて、独立したデータモニタリン
グリング委員会(DMC)は、被検者のおよそ1/3及び2/3が24週目に達した時点
で、並びに24週目のDBL時に、公式審査を含む中間安全性データを定期的に審査する
ことになる。DMCは、その試験が、無効又は安全性の懸念のために中止されるべきか、
又はデータが顕著な有効性を実証する予め定められた基準を満たしているかどうかに関す
る推奨を行うであろう。概要の内容、DMCの役割及び責任、並びに一般的な手順(コミ
ュニケーションを含む)は、DMCの手順書(DMC charter)に定義されているであろう
。
【0320】
補正された試験設計は、104週目までのウステキヌマブ90mg、q8w SC投与
を非盲検で提供し続けるであろう(後続試験)。対象が、下記の試験組み入れ基準を満た
す場合(セクション4.13):
・40週目の来院時又はその前に、永続的に中断された試験処置を有してはならないこ
と、及び
・40週目の来院後、約8週間(±2週間)でq8週の試験処置を継続することができ
ること、
あるいは、
・40週目の来院後、16週間(±2週間)以下の試験処置を再開することができるこ
と、を満たす場合、対象は、104週目まで試験処置を継続することが適格であろう。
【0321】
最終的な対象の56週目の来院後又は最後の16週目の安全性経過観察のための来院後
の計画されたDBLに加えて、後続試験の16週目の安全性経過観察後に、追加的なDB
Lが存在することになる。
【0322】
主要な試験設計の図が
図1に提供され、後続試験の図が
図2に提供されている。
【0323】
3.2.試験計画の理論的根拠
盲検、対照、試験期/期間、治療群
積極的治療がないときに起こり得る臨床的エンドポイントにおける変化の頻度及び大き
さを確立するために、プラセボ対照が使用される。無作為化は、治療群に対する対象の評
価における偏りを最小限に抑え、既知及び未知の対象属性(例えば人口統計学的及びベー
スライン特性)が治療群全体に均等にバランスがとれるようにする可能性を高め、治療群
にわたる統計的比較の妥当性を高めるために、使用される。盲検処置は、データ収集中及
び臨床的エンドポイントの評価中の潜在的な偏りを低減するために使用される。
【0324】
DNA及びバイオマーカーの採取
遺伝的変異は、薬物分布及び応答における個人差に寄与する重要な要素であり得ること
が知られており、疾患感受性及び予後を知るマーカーの役割を果たし得る。薬理遺伝学的
研究は、臨床的結果における個人差を説明するのに役立つ可能性があり、また、薬物に対
して異なる応答をする母集団サブ群を特定するのに役立つ可能性がある。薬理遺伝学的構
成要素の目標は、デオキシリボ核酸(DNA)を採取して、ウステキヌマブの薬物動態、
薬力学、有効性、安全性、又は忍容性に影響を与え得る遺伝因子を特定し、また、SLE
に関係する遺伝因子を特定することである。
【0325】
バイオマーカーサンプルは、臨床転帰における個体間変動の作用機序を評価するために
採取され、これは、薬物に異なる応答を示す集団サブグループを特定するのに役立ち得る
。バイオマーカー分析の目的は、ウステキヌマブの薬力学を評価し、かつ薬物臨床応答関
係の評価を助けることである。
【0326】
DNA及びバイオマーカーサンプルはまた、新たな問題に対処するのに役立て、より安
全で、より効果的で、最終的に個別化された療法の開発を可能にするために使用されても
よい。
【0327】
4.対象集団
標的試験集団は、従来の治療(例えば、免疫調節剤抗、マラリア薬、コルチコステロイ
ド、NSAID、抗高血圧薬、及び/又は局所薬)に関わらず、SLICC基準及びSL
EDAI-2Kスコア≧6に従ったSLEを有する対象である。対象は、スクリーニング
中に観察される少なくとも1つのBILAG A及び/又は2つのBILAG Bドメイ
ンスコアを有する必要がある。加えて、対象は、スクリーニング中に観察された少なくと
も1つの陽性自己抗体試験(ANA、抗dsDNA抗体、及び/又は抗スミス抗体)、並
びに彼らの医療歴において十分に実証された陽性の自己抗体試験を有する必要があり、か
つ彼らは、0週目の無作為化の前に、臨床的SLEDAI-2Kスコア≧4(検査室の結
果を除外する)も有する必要がある。
【0328】
この試験に対象を登録するための組み入れ基準及び除外基準は、以下の2つのサブセク
ションに記述される。組み入れ又は除外基準について疑問がある場合、治験責任医師は、
この研究に対象を登録する前に適切な治験依頼者担当者に相談しなければならない。
【0329】
活動性皮膚ループスを有する主要試験に登録しているSLEの対象(円板状エリテマト
ーデス、亜急性皮膚エリテマトーデス、又はSLE頬部紅斑、若しくは紅斑及び/又は鱗
屑によって特徴付けられる他のSLE皮膚病変を有する対象を含む)を、CLASIスコ
アリングを使用して評価するであろう。加えて、同意を提供する対象は、皮膚生検及び/
又は皮膚写真の組織学を評価する皮膚ループスサブ試験に登録されることになる。同意す
る対象からの生検サンプル(2つのサンプル、4mmのサイズ)は、活動性皮膚疾患を実
証する病変から、0週目及び24週目の投与の前に、採取されるであろう。皮膚ループス
サブ試験に参加している対象は、生検を受ける必要がなく、活動性疾患の特定された皮膚
病変又は領域における変化を実証するために写真のみを許可してもよい。生検に不適切と
思われる皮膚ループスを有する対象(例えば、頬部紅斑又は脱毛症)もまた、サブ試験に
登録することができ、写真撮影によって評価することができる。
【0330】
対象がスクリーニングに失敗し、治験責任医師が対象を再スクリーニングすることを望
む場合、これは、治験依頼者及び/又はその指定者によって論議されるべきである。1つ
の再スクリーニングのみが対象毎に許容される(セクション9.1.2を参照)。
【0331】
後続試験集団は、40週目の投与前又はその時点で、永続的に試験処置を中断していな
い対象、及び治験責任医師が、継続したウステキヌマブ治療に対する潜在的リスクを上回
る潜在的な利益が存在すると判断した対象から構成されることになる。
【0332】
対象選択の統計的考慮事項の論議については、セクション11.2のサンプルサイズ決
定を参照する。
【0333】
4.1.組み入れ基準
4.1.1.全ての対象に適用可能な組み入れ基準
可能性のある対象はそれぞれ、この試験に登録されるために、下記の基準全てを満たす
必要がある。
1.対象は、18歳(又は現地の要件にしたがって18歳以上)~75歳、及び少なく
とも35kgの体重でなければならない。
2.対象は、SLEについてのSLICC分類基準を第1の用量の最低3ヶ月間満たす
ために、確認された医療履歴を有する必要がある(表3)。
本試験に登録するために適格な対象は、以下のうちの1つ又は両方に基づいて、SLE
25についてのSLICC分類基準を満たすことによってSLEを有すると見なされる必
要がある。
・少なくとも1つの臨床基準及び少なくとも1つの免疫学的基準を有する4つの基準を
満たすこと、又は
・免疫学的変数の少なくとも1つの存在下でのループス腎炎の診断があることである。
【0334】
【0335】
【表9-2】
3.試験登録のために適格であるために、対象は以下を有する必要がある:
・以下:ANA、及び/又は抗dsDNA抗体、及び/又は抗スミス抗体のいずれか
を含む、医療履歴における自己抗体についての、少なくとも1つの十分に文書化された(
対象のファイル、委託医師紹介状、又は検査成績書)の、明確に陽性の確認された試験(
セクション9.1.2)。
・スクリーニング中に検出された、ANA及び/又は抗dsDNA抗体及び/又は抗
スミス抗体を含む、少なくとも1つの明確に陽性の自己抗体試験(セクション9.1.2
)。
・試験薬剤の初回投与の前のスクリーニング中に観察される少なくとも1つのBIL
AG A及び/又は2つのBILAG Bドメインスコア。
4.スクリーニング中に観察されたSLEDAI-2Kスコア≧6に基づく活動性疾患
を実証し、無作為化の前に約2~6週間評価した。臨床的特徴についてのSLEDAI-
2K≧4(すなわち、検査室結果を除くSLEDAI)もまた、試験薬剤の初回投与の前
に0週目に有さねばならない。
5.SLICC、SLEDAI、及びBILAG評価からのデータは、治験依頼者及び
/又は治験依頼者に選択された独立した審査官(複数可)によって審査かつ判断される。
試験薬剤の初回投与を受ける対象者については、承認は治験依頼者及び/又は治験依頼者
が選択した独立した審査官によって受領されなければならない。
6.経口コルチコステロイドを使用する場合、対象は、試験薬剤の初回投与前に、この
薬剤を少なくとも6週間受け、かつ少なくとも4週間にわたって、平均用量の≦20mg
/日のプレドニゾンに相当する安定な用量で受けていなければならない。現在コルチコス
テロイドを使用していない場合、試験薬剤の初回投与前の少なくとも6週間にわたって、
経口コルチコステロイドを受けていてはならない。
7.抗マラリア薬(例えば、クロロキン、ヒドロキシクロロキン、又はキナクリドン)
を使用する場合、対象は、試験薬剤の初回の投与前の≧8週間この薬剤を使用し、かつ少
なくとも6週間にわたって安定用量を受けていなければならない。
8.免疫調節剤(ミコフェノール酸モフェチル[MMF]/ミコフェノール酸[MPA
]≦2g/日、アザチオプリン/6メルカプトプリン(AZA/6MP)≦2mg/kg
/日、及び/又は葉酸を併用する[推奨≧5mg/週]MTX≦25mg/週)を使用す
る場合、対象は、試験薬剤の初回投与の少なくとも6週間前に安定投与量を受けなければ
ならない。
9.NSAID又は他の鎮痛剤による定期的な治療を受けている場合、対象は、試験薬
剤の初回投与の少なくとも2週間前に、安定した投与量を受けていなければならない。
10.無作為化の前に、女性は以下のいずれかでなければならない:
妊娠する可能性がない場合:月経前、閉経後(少なくとも12ヶ月間無月経の>45歳
)、永久不妊(例えば、卵管閉塞、子宮摘出術、両側卵管摘出術)、又はそうでなければ
妊娠不能ではないこと。
妊娠の可能性があり、臨床試験に参加している対象に対する避妊法の使用に関する現地
の規制に一致する、非常に効果的な避妊方法を実践している場合:例えば、確立された経
口使用、排卵の抑制に関連する注射又は埋め込みホルモン法による避妊、子宮内装置又は
子宮内システムの配置;男性パートナーの断種(精管切除したパートナーは、その対象の
唯一のパートナーであるべきである);真の禁欲(これが対象の好みの通常の生活様式と
一致している場合)。
注記:試験開始後に妊娠の可能性が変更する場合(例えば、異性と性的関係を持たない
女性が性的に活動的になり、初経前の女性が初経を経験する)、上述のように、非常に有
効な避妊方法を開始しなければならない。
11.妊娠の可能性がある女性は、スクリーニング時に血清妊娠検査β-ヒト線毛性性
腺刺激ホルモン[β-hCG]に陰性、及び試験薬剤の初回投与前0週目に尿妊娠検査に
陰性でなければならない。
12.妊娠の可能性がある女性は、試験中及び最後の試験薬剤を受けてから4ヶ月間は
、非常に有効な避妊方法を継続する意思がなければならない。また、妊娠の可能性がある
女性は、試験期間中及び試験薬剤の最後の投与を受けてから4ヶ月間は、生殖補助医療の
目的で卵(卵子、卵母細胞)を提供しないことに同意しなければならない。
13.妊娠の可能性がある女性と性的に活動的であり、精管切除を受けていない男性は
、試験中及び試験剤の最後の投薬後4ヶ月間は、例えば、殺精子剤フォーム/ジェル/フ
ィルム/クリーム/座薬付きのコンドーム又はパートナーによる殺精子剤フォーム/ジェ
ル/フィルム/クリーム/座薬付きの閉塞キャップ(隔壁又は頚管/ボールトキャップ)
の使用といった、受胎調節の障壁法を使用することに同意する必要があり、また全ての男
性は、精子の提供をしてはならない。
14.以下の結核(tuberculosis、TB)スクリーニング基準に従って適格であると考
えられること:
a.スクリーニング前に、潜在性又は活動性TBの病歴がないこと。潜在性TBの病
歴を有し、潜在性TBの治療を現在受けている対象については、試験薬剤の最初の投与の
前に潜在性TBに対する治療を開始するか、又は試験薬剤の最初の投与前の3年以内に潜
在性TBに適切な治療を完了したことを実証する。以前の抗結核治療の妥当性を検証し、
適切な文書を提供することは、治験責任医師の責任である。
b.医療履歴及び/又は身体的検査の際に活動性TBを示唆する徴候又は症状を有し
ないこと。
c.活動性TBを有する人と最近密接な接触がなかったこと、又はそのような接触が
あった場合は、TB専門医師に紹介して追加評価を受け、保証された場合は、研究薬剤の
初回投与前に、潜在性TBのための適切な治療を受けること。
d.試験薬剤の初回投与前6週間以内に、陰性のQuantiFERON(登録商標
)-TB Gold試験結果を有するか、又は活動性TBが除外され、潜在性TBのため
の適切な治療が研究薬剤の初回投与前に開始されている、新たに同定された陽性のQua
ntiFERON(登録商標)-TB Gold試験結果を有すること。QuantiF
ERON(登録商標)-TB Gold試験がその国で承認/登録されていないか、又は
ツベルクリン皮膚検査が現地の健康機関によって義務付けられている場合には、試験薬剤
の初回投与の6週間以内に、ツベルクリン皮膚検査陰性、又は活動性TBが除外され、潜
在性TBに対する適切な治療が試験薬剤の初回投与の前に開始された、新たに同定された
ツベルクリン皮膚検査陽性が更に必要とされる。
i.持続的に不確定なQuantiFERON(登録商標)-TB Gold試験
結果を有する対象は、潜在的TBが除外され、彼らの胸部X線写真がTB(活動性又は陳
旧性、非活動性TB)を示唆する異常を示さず、対象が治験責任医師によって判断される
ようなTBの更なる危険因子を有しない場合、潜在性TBのための治療なしに登録され得
る。この判定は、治験依頼者のメディカルモニターに速やかに報告され、対象のソースド
キュメントに記録され、治験責任医師によって頭文字で略式署名されなければならない。
ii.QuantiFERON(登録商標)-TB Gold試験及びツベルクリ
ン皮膚検査は、潜在性TBの履歴及び潜在性TBのための進行中の治療、又は上記のよう
に十分な治療を完了したという文書を有する対象に対しては、スクリーニング時に必要と
されない。潜在性TBのための更なる治療を開始するために、上記のように十分な治療を
完了したことを実証した対象は必須ではない。
e.QuantiFERON(登録商標)-TB Gold及びTB皮膚反応以外の
TB試験によってTBに対して陽性であり、かつ胸部X線写真上にTBの証拠を有さない
対象は、このプロトコルに照らして潜在的なTB陽性と見なされ、TB専門家による評価
を受け、TBに対する治療を受ける必要があり、本試験に適格になるようにTBについて
の治療を受ける必要がある。
f.試験薬剤の初回投与の前3ヶ月以内に行った胸部X線写真(前後方向の像及び側
面像の両方)があり、適格な放射線医又は呼吸器科医の読み取りを受け、現在活動性のT
B又は古い非活動性TBの証拠がないこと。
15.スクリーニングにおいて、以下のパラメータ内の検査結果を有すること:
ヘモグロビン ≧8.5g/dL (SI:≧85g/L)
リンパ球 ≧0.5×103/μL (SI:≧0.5GI/L)
好中球 ≧1.0×103/μL (SI:≧1.0GI/L)
血小板 ≧75×103/μL (SI:≧75GI/L)
血清クレアチニン ≦1.8mg/dL (SI:≦159μmol/L)
白血球 ≧2.0×103/μL (SI:≧2.0GI/L)
【0336】
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、アラニンアミノトランスフェラーゼ、及び
アルカリホスファターゼのレベルは、試験を実施する検査室については、正常値上限(U
LN)範囲の2倍以内でなければならない。1.5~2×ULNの範囲内の対象について
は、対象は、治験責任医師が異常若しくは正常からの逸脱を臨床的に有意でないか、又は
試験下の集団に適切かつ妥当であると判断した場合にのみ、対象は含まれてもよい。この
判定は、治験依頼者のメディカルモニターに速やかに報告され、対象のソースドキュメン
トに記録され、治験責任医師によって頭文字で略式署名されなければならない。
【0337】
他のマークされた疾患関連検査室異常を有する対象は、治験責任医師が、異常若しくは
正常からの逸脱を臨床的に有意でないか、又は試験中の集団に適切かつ妥当であると判断
した場合にのみ含まれてもよい。この判定は、治験依頼者のメディカルモニターに速やか
に報告され、対象のソースドキュメントに記録され、治験責任医師によって頭文字で略式
署名されなければならない。
16.対象は、このプロトコルに指定された禁止事項及び制限事項を守る意思があり、
それが可能でなければならない。
17.それぞれの対象は、各自が研究の目的とそれに必要な手順を理解し、研究に参加
する意思があることを示す、インフォームドコンセントフォーム(ICF)に署名する必
要がある。
18.研究のために任意選択のDNAサンプルを提供することに同意する場合は、各対
象は別々のインフォームドコンセントフォームに署名しなければならない(現地の規制が
許す場合)。任意選択のDNA研究試料に対して許諾を拒否しても、この試験への参加か
ら対象を除外することはない。
【0338】
4.1.2.皮膚ループスサブ試験のための追加の組み入れ基準
皮膚ループスサブ試験に登録するために、SLE対象は、以下に列挙される基準に加え
て、以前に列挙された全ての組み入れ基準(セクション4.1.1)を満たさなければな
らない。
1.スクリーニング時の活動性CLE、並びに試験登録前に実証された皮膚疾患の診断
を有し、これには、円板状エリテマトーデス、亜急性皮膚エリテマトーデス、又はSLE
頬部紅斑、又は紅斑及び/若しくはスケールによって特徴付けられるものを含む他のSL
E皮膚病変を有する対象が含まれる。
2.CLEのための全身性、局所的、又は病変内の薬剤を服用する対象は、初回の試験
薬剤投与前の4週間にわたって、安定した用量又は治療レジメンでなければならない。
3.皮膚ループスサブ試験に参加することを同意した被験者は、0週目及び24週目の
投与前に、活動性CLE標的病変の生検を提供するように求められるであろう。活動性C
LE病変は、以前に瘢痕化された組織を除いて、スケール及び/又は紅斑によって特徴付
けられる。加えて、表1に定義されたスケジュールに従って、活動性疾患の皮膚病変又は
領域の写真を収集するために、別個の同意が得られるであろう。
4.生検に不適切と思われる皮膚ループスを有する対象(例えば、頬部紅斑又は脱毛症
)もまた、サブ試験に登録することができ、写真撮影によって評価することができる。
【0339】
4.1.3.後続試験(48週目又は56週目の来院)に入る全ての対象に適用可能な
組み入れ基準
後続試験のための組み入れ基準を満たさないいかなる対象も、主要試験設計(表1)に
ついての時間及び事象のスケジュールに従う必要があり、また、それらの40週目又は最
終試験投与後の8週目及び16週目に行われる安全性経過観察の来院を受けねばならない
。
1.対象は、40週目の来院時又はその前に、試験処置が永続的に中断されていなけれ
ばならず、40週目の来院後に約8週間(±2週間)でq8w SC投与を継続すること
ができるか、あるいは40週目の来院から16週間(±2週間)以下で56週目に投与を
再開することができるかのいずれかである。
2.治験責任医師の判断において、ウステキヌマブ長期治療を継続する潜在的な利益が
、対象に対する潜在的リスクを上回る。
3.各対象は、後続試験に参加する合意を示す、改訂されたインフォームドコンセント
に署名しなければならない。
【0340】
4.2.除外基準
以下の基準のうちのいずれかを満たす任意の潜在的な対象は、この研究の参加から除外
される:
1.関節リウマチ(RA)、乾癬性関節炎(PsA)、RA/ループスの重なり、乾癬
、又は活動性ライム病が挙げられるが、これらに限定されない、有効性の評価を混乱させ
得る他の炎症性疾患を有すること。
2.研究中に登録されている間、又は試験薬剤の最後の投与を受けた4ヶ月以内に、妊
娠している、授乳している、又は妊娠を計画している。
3.試験薬剤の初回投与の前に過去3ヶ月以内に、シクロスポリンA、又は組み入れ基
準に記載されているもの以外の他の全身性免疫調節剤の全身性又は局所用クリーム/軟膏
製剤を受けていること(セクション4.1)。コルチコステロイドはこの基準には含まれ
ない。コルチコステロイドに関するセクション4.3及び8.3を参照されたい。
4.試験薬剤の初回投与前の3ヶ月以内に、単一のB細胞標的化剤を受けているか、あ
るいは試験薬剤の初回投与前の6ヶ月以内に、ベリムマブ又はエプラツズマブを含む2つ
以上の以前のB細胞標的化療法を受けているか、あるいは試験薬剤の初回投与前の12ヶ
月以内にB細胞枯渇療法(例えば、リツキシマブ)を受けているか、又はそのような治療
後に継続したB細胞枯渇の証拠を有すること。
5.ウステキヌマブをこれまでに受けていた場合。
6.試験薬剤の初回投与前にトシリズマブ、アレファセプト、エファリズマブ、ナタリ
ズマブ、アバタセプト、アナキンラ、ブロダルマブ、セクキヌマブ、イキセキズマブ、又
はTNF、IL-1、IL-6、IL-17、若しくはインターフェロン経路の阻害剤が
挙げられるが、これらに限定されない除外基準#4には記載されていないループスのため
の先行する免疫調節生物学的療法を、5半減期未満又は3ヶ月未満のいずれか長い方の期
間受けていた場合。
7.ヒト免疫グロブリン(Ig)タンパク質(例えば、静脈内Ig)に対する既知の過
敏症を有する場合。
8.スクリーニングの開始から90日以内に経口シクロホスファミド、又は180日以
内にIVシクロホスファミドを使用した場合。
9.スクリーニングの前に、ヒストプラスマ症又はコクシジオイデス症を含む活発な肉
芽腫性感染症の病歴がある。潜在的TBの病歴の適格性に関する情報は、組み入れ基準を
参照されたい。
10.12ヶ月間のスクリーニングにおいて、カルメット・ゲラン桿菌(Bacille Calm
ette Guerin、BCG)ワクチン接種を有していた。
11.TBを含む悪性疾患又は現在の活動性感染症の異常な示唆を示す、試験薬剤の最
初の投与の3ヶ月前の胸部X線写真を有する。
12.スクリーニング前の6ヶ月以内に非結核性のマイコバクテリア感染症又は日和見
感染症(例えば、サイトメガロウイルス、肺気胞症、アスペルギロシス症)を有していた
こと。
13.試験薬剤の最初の投与前の3ヶ月以内、試験中、又は試験薬剤の最後の投与後3
ヶ月以内に、任意のライブウイルス又は細菌ワクチン接種を受けたか、又は受けることが
望まれる。BCGワクチン接種基準については、除外基準10及び禁止/制限基準8を参
照されたい。
14.深刻な感染症を有する(限定するものではないが、肝炎、肺炎、敗血症、若しく
は腎盂腎炎を含むが、これらに限定されない)か、又は感染症のために入院されているか
、又は試験薬剤の最初の投与前の2ヶ月以内に感染用の静脈内抗生物質で治療された。そ
れほど重篤でない感染症(例えば、急性上気道感染症、単純尿路感染症)の場合は、治験
責任医師の裁量により、必ずしも除外とは見なされない。
15.慢性腎臓感染症、慢性胸部感染症(例えば、気管支拡張症)、副鼻腔炎、再発性
尿路感染症(例えば、再発性腎盂腎炎)、開放性、排出性、又は感染性の皮膚創傷、又は
潰瘍を含むがこれらに限定されない、慢性又は再発性の感染症の病歴がある、又は継続し
ている。
16.対象が、ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus、HIV)抗体
陽性であるか、スクリーニング時にHIV検査結果が陽性であること。
17.B型肝炎感染を有する。対象は、B型肝炎ウイルス(hepatitis B virus、HB
V)のスクリーニングを受けなければならない。最低でも、これには、HBsAg(HB
V表面抗原)、抗HBs(HBV表面抗体)、及び総抗HBc(総HBVコア抗体)を試
験することを含む。
18.スクリーニング前に2つの負のHCV RNA試験結果を有することがない限り
、C型肝炎ウイルス(HCV)に対する抗体に対して血清陽性である対象は、スクリーニ
ング前に6ヶ月間離れており、スクリーニング時に第3の負のHCV RNA試験結果を
有する。
19.過去4ヶ月以内に最近の単皮膚分節性帯状疱疹の発疹を経験した対象は除外され
る。過去5年以内に、多皮膚分節性帯状疱疹又は中枢神経系(CNS)帯状疱疹を有する
ものは除外される。
20.薬剤誘発性ループスの発生の履歴又は疑いがある対象。
21.尿タンパク質>4g/日又はタンパク質/クレアチニン比>4を有する場合。
22.先天性補体欠乏症又は分類不能型免疫不全を有する場合。
23.最近の生検及び/又は活動性尿沈渣などの他の評価において報告されている重度
の活動性ループス腎炎、急速に増加するクレアチニン、又は重度の若しくは急速に進行す
る腎炎を示唆する他の因子を含む、末期の腎疾患、又は重度な若しくは急速な進行性の糸
球体腎炎を有する場合(組み入れ基準#15における血清クレアチニンの制限もまた参照
されたい)。
24.発作、精神病、横断性脊髄炎、CNS血管炎、及び視神経炎が挙げられるが、こ
れらに限定されない重度のCNSループスを有する場合。
25.重篤、進行性、又は制御されていない、肝臓、血液学的、胃腸、内分泌、肺、心
臓、神経系/脳、又は精神疾患、又はその現在の徴候と症状を有する場合。
26.リンパ腫、又は異常な大きさ若しくは位置のリンパ性増殖性疾患、臨床的に有意
な巨脾症、又は意義不明の単クローン性免疫グロブリン血症の病歴などの、リンパ増殖性
疾患の可能性のあるリンパ腫、又は徴候と症状を含む、リンパ増殖性疾患の既知の病歴を
有する場合。
27.対象が、スクリーニング前に5年以内に悪性疾患の病歴を有する(例外は、外科
的に硬化された子宮頸部の場で、試験薬剤の最初の投与及び癌の少なくとも3ヶ月前の再
発の証拠なしで治療された皮膚の扁平上皮癌及び基底細胞癌である)。
28.既知のアレルギー、過敏症、又はウステキヌマブ、その賦形剤若しくはラテック
ス(注射器針カバーに含まれる、セクション14.1を参照のこと)に対する不耐性を有
する場合。
29.現在、ハチ毒免疫療法(ミツバチ、アシナガバチ、ススメバチホーネット、又は
アカヒアリ)を受容している場合。
30.5半減期又は3ヶ月以内のいずれか長い方の期間に、他の除外基準で以前に定義
されていない治験薬(セクション4.3、禁止/制限No.3に指定された治験ワクチン
又は他の薬剤を含む)を受けていたか、又は計画された第1の用量の試験薬の3ヶ月以内
に侵襲性治験医療装置を使用しているか、若しくは介入試験で現在登録されている場合。
31.治験責任医師及び/又は治験依頼者の意見において、参加が、対象の最善に利益
ではない(例えば、健康を損なう)か、又は医療的経過観察に対する非遵守の以前のパタ
ーン若しくは試験来院スケジュールを遵守する可能性が低いことを含む、プロトコル指定
された評価を妨げ、制限し、又は混乱させ得る、任意の条件を有すること。
32.スクリーニング前1ヶ月以内に大手術(例えば、全身麻酔を必要とする)を受け
たか、又は手術から完全に回復していないか、又は対象が試験に参加する予定の期間若し
くは最後の容量の試験薬投与後1ヶ月以内に大手術を計画した場合。
注:局所麻酔下で施行される軽微な外科的処置が計画されている対象は、参加可能であ
る。
33.移植器官を有する(試験薬剤の最初の投与の3ヶ月前に実施された角膜移植を除
く)。
34.過去3年以内に薬物乱用(薬物又はアルコール)問題を抱えていたか又は抱えて
いる。
35.不良な忍容性、又は静脈へのアクセスが困難であるために、複数の静脈穿刺を受
ける意思がない、又は受けることができない。
36.対象が、治験責任医師又は試験実施機関の被雇用者(すなわち、治験責任医師が
試験を実施するために役割又は責任を委託した職員)治験責任者又は試験実施機関の指示
に基づいて提案された試験若しくは他の試験に直接的に関与している者、並びにそのよう
な被雇用者又は治験責任者の家族である場合。
37.自治体の規制によって許可されていない限り、裁判所又は当局の命令で施設の住
人である場合。
注記:治験責任医師は、全ての試験登録基準がスクリーニング時に満たされていること
を確実にするべきである。スクリーニング後であるが、試験薬の最初の投与量が、全ての
適格性基準を満たすことができないように、スクリーニング後であるが、第1の用量の試
験薬が投与される前に、対象の状態が変化する場合(検査結果又は追加の医療記録の受領
を含む)、対象は、研究への参加から除外されるべきである。治験依頼者は、いかなる操
作上又は安全性上の理由に対しても、対象を中断させる権利を留保する。
【0341】
4.3.禁止及び制限
潜在的な対象は、試験における連続擦る投与に適格であるために、試験(後続試験を含
む)の過程中に以下の禁止及び制限を遵守することができなければならない。
1.女性が妊娠の可能性がある場合は、試験中及び最後の試験薬剤を受けてから4ヶ月
間は、非常に有効な避妊方法を継続しなければならない。この制限に対する例外は、対象
又は男性パートナーが生殖不能である場合、この状況は、避妊を必要としない。女性は、
試験中、及び試験薬剤の最後の用量を受けた後4ヶ月間、生殖補助の目的で卵(卵子、卵
母細胞)を提供してはならない。
2.また、男性の場合には、試験中及び試験薬剤の最後の用量を受けた後4ヶ月間は、
有効な避妊方法を使用するべきであり、かつ精子を提供してはならない。この制限に対す
る例外は、対象又は女性パートナーが生殖不能である場合、この状況は、避妊を必要とし
ない。
3.組み入れ/排除基準において明示的に許容されるもの以外の追加の免疫抑制剤又は
免疫調節剤の使用は禁止され、これらには、限定されないが、以下が含まれる:
・TNFαの低減を標的とした生物学的薬剤(インフリキシマブ、ゴリムマブ、セル
トリズマブぺゴール、エタネルセプト、yisaipu、CT-P13[Remsima
(登録商標)]及びアダリムマブが挙げられるが、これらに限定されない)
・B細胞枯渇剤(抗CD20[例えば、リツキシマブ]、抗B細胞活性化因子[BA
FF]、Bリンパ球刺激剤[BLyS]、[例えば、ベリムマブ]、又は抗CD22[例
えば、エプラツズマブ]としても知られる)
・インターロイキン-1阻害剤(例えば、カナキヌマブ)
・インターフェロン阻害剤
・IL-1ra(例えば、アナキンラ)
・トシリズマブ、又はIL-6又はIL-6受容体を標的とする任意の他の生物学的
標的化
・トファシチニブ又は任意の他のヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤
・アバタセプト
・抗IL-17剤(例えば、ブロダルマブ、セクキヌマブ、及びイキセキズマブ)
・レフルノミド
・シクロスポリンA(経口又は局所軟膏/クリーム製剤)
・タクロリムス又はピクロリムス、経口又は局所製剤
・Toll様受容体阻害剤
・サリドマイド又はレナリドミド
・ダプソン
・注射による副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)
4.シクロホスファミド、クロラムシル、ナイトロジェンマスタード、又は他のアルキ
ル化剤が挙げられるが、これらに限定されない、細胞傷害性薬剤の使用は、禁止される。
5.高用量のコルチコステロイドの複数回の投与、及び中効力又は高効力の局所コルチ
コステロイドの開始は、第8.3.節に定義されるように、試験中に禁じられている。
6.進行中の免疫調節療法に加えて、新しい許可された免疫調節剤(MTX、アザチオ
プリン、6-メルカプトプリン、ミコフェノール酸モフェチル/ミコフェノール酸)の開
始が禁じられている。
7.第1の用量の試験薬剤後に、新しいアンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)
又はアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤治療が、28週目までループス関連疾患
の治療のために開始されることは許可されない。
8.研究中に生ウイルス又は生細菌ワクチン接種を受けないことに同意しなければなら
ない。対象はまた、試験薬剤の最後の投与を受けた後、12ヶ月間のBCGワクチン接種
、又は試験薬剤の最後の投与を受けた3ヶ月間の任意の他の生ワクチンを受容しないこと
にも同意しなければならない。
9.試験薬剤以外の治験医療装置又は治験薬を、研究期間にわたって受けないことに同
意しなければならない。
10.伝統的な薬剤(例えば、ハーブ/ループスの活動化を誘発するか、又はSLEの
症状を緩和することができる補完療法の使用と、伝統的な薬剤(例えば、ハーブ/代替製
剤[例えば、エキナシア(Echinacea)]、漢方薬、鍼、アーユルベーダ(ayurvedic))
は、40週目まで禁止されている。
11.試験対象は、過剰な日光曝露を回避するべきであり、試験中に商業的な紫外線日
焼け療法又は紫外線光線療法に関わり得ない。
12.皮膚コンシーラー又は局所用日焼け製剤は、皮膚疾患の活動性を不明瞭にする可
能性のために回避されるべきである。
13.サルファベース抗生物質は、妥当な場合であっても、一般的には回避されるべき
である。
【0342】
5.処置割り付け及び盲検化
5.1.無作為化の手順
この試験を行う上で、動的中央無作為化が実施される。対象は、試験前に、自動ウェブ
応答システム(IWRS)で実施された最小化無作為化アルゴリズムに基づいて、2つの
処置群のうちの1つに割り当てられる。動的中央無作為化は、対象の分布を標的としてバ
ランスを取り、試験レベルにおいて、かつ各個々の層別因子:皮膚生検(y/n、yにつ
いてn<16のとき)、ループス腎炎の存在(y/n)、ベースラインSLE薬剤及びS
LEDAI-2Kスコア(組み合せ因子)*、部位、領域(およそ4つのカテゴリ)、及
び人種(3つのカテゴリー)のレベル内で無作為化比率(3:2)を得る。アルゴリズム
に基づいて、各対象は、高確率で最小の総不均衡スコアを生成する治療群に割り当てられ
、ここで、総不均衡スコアは、各層別因子及び全試験についての不均衡スコアの加重平均
である。IWRSは、対象に対する処置割り当てを決定する固有の処置コードを割り当て
ることになる。
*ベースラインSLE薬剤及びSLEDAI-2Kスコアは、以下を含む、組み合わせ
因子として計算される。
・SLEDAI-2Kスコア(<10又は≧10)が、
・ベースラインの薬剤と組み合わされる。
-高投薬は、≧15mg/週のMTX、又は≧1.5mg/kg/日のAZA/6-
MP、又は≧1.5g/日のMMF/MPA、及び/又は≧15mg/日プレドニゾンと
して定義される。
-低投薬は、<15mg/週のMTX、又は<1.5mg/kg/日のAZA/6-
MP、又は<1.5g/日のMMF/MPA、及び/又は<15mg/日プレドニゾンと
して定義される。
【0343】
5.2.盲検
治験責任医師には無作為化コードは提供されない。このコードは、IWRS内に維持さ
れる。このコードは、治験責任医師が個々の対象に対する盲検を破ることを可能にする機
能を有する。
【0344】
通常の状況下では、盲検は、全ての対象が、56週目で試験を完了するまで、又は試験
の参加が終了し、データベースが画定するまで解除されるべきではない。そうでない場合
には、対象の治療ステータスを知ることによって特定の緊急治療/一連の対処が示され得
る場合に限り、盲検は解除されるべきである。そのような場合、治験責任医師は緊急時に
IWRSに連絡することにより治療の内容を判断することができる。治験責任医師は、盲
検を解除する前に、可能であれば治験依頼者又は被指名人に連絡して、具体的な状況につ
いて検討することが推奨される。治験依頼者又はその被指名人との電話連絡は、毎日24
時間、週7日間可能である。盲検が解除された場合、治験依頼者には可及的速やかに通知
しなければならない。非盲検の日付及び理由は、IWRSによって文書化されなければな
らない。IWRSから受け取ったコード解除を示す文書は、セキュリティが確実な方法で
対象の情報源文書と共に保持される。
【0345】
処置割当てが非盲検であった対象は、試験薬剤の更なる投与から中断されてよく、安全
性経過観察のために戻るべきである。
【0346】
一般に、無作為化コードは、試験が完了し、臨床データベースが閉じられている場合に
のみ、完全に開示されるであろう。治験依頼者は、24週の評価まで、及び計画された分
析のためにデータベースがクリーニングされて確定するまで、盲検化される。臨床現場、
対象、治験責任医師、及び施設担当者は、56週目のデータが画定されるまで、試験の終
了まで盲検化されたままであろう。処置割り当てを潜在的に非盲検とすることができるデ
ータは、特別な注意を払って取り扱うことになる。
【0347】
6.投与量及び投与
6.1.IV投与
IV投与の場合、試験薬剤は、1時間以上の期間にわたって各対象に投与される。
【0348】
ウステキヌマブ5mg/mL最終バイアル入り製品(FVP)は、30mLバイアルに
、1用量強度単回使用の滅菌溶液として供給される(すなわち、公称容量26mL中に1
30mg)。ウステキヌマブに加えて、この溶液は、10mMのL-ヒスチジン、8.5
%(w/v)スクロース、0.04%(w/v)ポリソルベート80、0.4mg/mL
のL-メチオニン、及び20μg/mLのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)二ナトリ
ウム塩、二水和物を、pH6.0で含有する。防腐剤は存在しない。
【0349】
FVP(IV)のプラセボは、26mLの公称容量を有する30mLバイアルに、単回
仕様の滅菌溶液として供給される。プラセボの組成は、10mMのL-ヒスチジン、8.
5%(w/v)スクロース、0.04%(w/v)ポリソルベート80、0.4mg/m
LのL-メチオニン、及び20μg/mLのEDTA二ナトリウム塩二水和物、pH6.
0である。防腐剤は存在しない。
【0350】
体重範囲に基づく投与量は、用量計算を単純化し、投与中の誤差の可能性を低減するた
めに、患者への完全なバイアルの投与を可能にするであろう。この体重範囲に基づくIV
投与量は、6mg/kgの体重調整された投与量で観察されたものと同様の薬剤曝露を達
成することが意図される。同等の数のバイアルは、その体重範囲に基づいてプラセボを受
ける対象に投与されるであろう。体重範囲用量は、以下に基づく。
・体重≧35kg~≦55kg:260mgのウステキヌマブ(2バイアル)
・体重>55kg~≦85kg:390mgのウステキヌマブ(3バイアル)
・体重>85kg:520mgのウステキヌマブ(4バイアル)
【0351】
6.2.SC投与
ウステキヌマブはまた、SC投与のための1mLの公称容量中で、90mgの強度で、
単回使用のラテックスを含まないプレフィルドシリンジ(PFS)として供給される。P
FS中の各1mLのウステキヌマブ溶液は、6.7mMのL-ヒスチジン、7.6%(w
/v)スクロース、0.004%(w/v)ポリソルベート80の公称賦形剤濃度をpH
6.0で有する90mgのウステキヌマブを含有する。防腐剤は存在しない。PFSの針
カバーは乾燥天然ゴム(ラテックスの誘導体)を含み、これはラテックス感受性の人にア
レルギー反応を引き起こす可能性がある。
【0352】
プラセボ投与は、ウステキヌマブ投与のそれぞれと同様の外観を有する。液体プラセボ
はまた、1mLのPFS中に供給され、pH6.0で10mMのL-ヒスチジン、8.5
%(w/v)スクロース、0.004%(w/v)ポリソルベート80を有する。防腐剤
は存在しない。PFSの針カバーは乾燥天然ゴム(ラテックスの誘導体)を含み、これは
ラテックス感受性の人にアレルギー反応を引き起こす可能性がある。
【0353】
0週目から最長24週目(盲検試験薬投与期)
群1:対象は、0週目に約6mg/kgのウステキヌマブの体重範囲ベースのIV投与
を受け、続いて、8週目及び16週目にウステキヌマブ90mgのSC投与を受ける。
【0354】
群2:対象は、0週目にプラセボの体重範囲ベースのIV投与を受け、続いて、8週目
及び16週目にプラセボのSC投与を受ける。
【0355】
24週目~40週目(クロスオーバー投与期)
群1:対象は、ウステキヌマブ90mgのSC投与を24週目に受け、続いて40週ま
でq8w投与を受ける。
【0356】
群2:対象は、ウステキヌマブ90mgのSC投与を24週目にクロスオーバーし、続
いて40週までq8w投与を受ける。
【0357】
40週後から16週の経過観察(安全性経過観察期)
群1及び2:後続試験に参加しない対象は、44週目での安全性経過観察のための来院
及び8週並びに16週の安全性経過観察に戻ると全性フォローアップ訪問のために戻ると
予測される。
【0358】
後続試験(48週目/56週目~120週目)
後続試験組込み基準を満たす対象は、安全性の経験を広げ、ウステキヌマブ90mgに
q8wで連続して曝露されたループス患者における有効性を維持する目的で、非盲検のウ
ステキヌマブ投与を受けることになる。48週目又は56週目から開始した後続試験にお
ける投与を継続した対象は、104週目を介して非盲検のウステキヌマブSC投与を受け
ることになる。SLEにおけるウステキヌマブの開発が終了した場合、後続試験も中断さ
れることになる。
【0359】
7.治療コンプライアンス
試験担当者は、全ての試験薬剤投与のログを維持する。各対象への試験薬剤供給は、目
録に記入し、報告する。スクリーニング時に施される全ての進行中の療法を記録しなけれ
ばならない。
【0360】
処置スケジュールの遵守は、強く促される。処置は、健康関連又は安全性上の理由のた
めに中断され得ることが理解される。0、24、及び48週目の来院は、活動性SLEに
対する治療としてのウステキヌマブの有効性及び安全性を評価するために必須である。
【0361】
したがって、いずれかの理由で、予定された来院において、対象がある用量の試験薬剤
を受け取ることができない場合、対象は、予定された評価のために全ての努力を行なわな
ければならない。32週目の来院まで、来院及び試験薬剤の投与は、予定された来院日の
±7日以内に(0週に対して)行われるべきである。32週目の来院後には、試験薬剤の
投与は、予定された来院日の±2数週間以内に(0週に対して)行われるべきである。試
験薬剤投与は、約8週間離して行われるように計画され、14日間離して行うことはでき
ない。処置での遅延がある場合、対象は、ベースライン来院(0週目)に対して通常の試
験スケジュールを再開せねばならない。
【0362】
全ての対象は、治験依頼者によって指名された監視担当者によってモニターされるであ
ろう。これらのモニタリング来院の間、全ての手順は、プロトコルを遵守するために評価
されるであろう。対象のチャートを審査し、正確性を確保するために、以前のデータ入力
と比較することになる。治験依頼者は、上記の時間枠に対するいかなる逸脱に関しても連
絡しなければならない。
【0363】
8.併用療法
スクリーニングに入る前に最大90日間投与された全ての試験前療法は、スクリーニン
グ時に記録されなければならない。有効な既存の治療法の修正は、対象が試験に入る明示
的な目的のために行われるべきではない。全ての併用療法は、スクリーニングへの登録か
ら開始した試験全体を通して記録されなければならず、いずれの変化も試験全体をとおし
て記録されなければならない。
【0364】
全ての妥当な努力は、少なくとも28週目まで併用薬剤を安定に保持するために、また
可能な場合には、主要試験の8週目の安全性経過観察、又は後続試験まで(適用可能であ
れば)を通じて、同時に安定した薬剤を維持するために行われるべきである。コルチコス
テロイドを除いて(コルチコステロイドの漸減に関しては、セクション8.3を参照され
たい)、全ての他の併用薬剤は、試験全体を通して安定した用量で維持されるべきである
。併用薬投与量は低減されてもよく、又は異常な検査室値、副作用、同時病気、又は手術
治療の性能のために一時的に中断され得るが、変化及び変化及び理由は、対象の医療記録
において明確に文書化されているべきである。併用薬が、プロトコル毎に許容された無作
為化後に調節された場合、対象の第12週目の来院までに、対象をベースライン(0週目
)の投与量レベルに戻すためにあらゆる努力がなされるべきであるか、又は薬剤の使用の
増加(ベースラインに対する)は、対象を治療不成功と見なす場合がある。セクション8
.3定義されるように、正当な理由によるコルチコステロイド調節は許可される。
【0365】
治験依頼者は、禁止療法が施されるいかなる事例も事前に(又はその後できるだけ早く
)通知されなければならない。
【0366】
試験薬剤とは異なる全ての薬理学的療法(ワクチン、ビタミン、ハーブ栄養補助薬を含
む全ての処方薬又は一般用医薬品)を記録しなければならない。対象の日誌カードは、本
試験の主要部分中の試験来院時の間で生じる対象に投与される薬剤変更を捕らえるために
使用される、これらの変更も記録されねばならない。
【0367】
8.1.免疫調節剤
免疫調節剤を受容する場合、対象は、スクリーニングから28週目まで安定した投与を
受けるべきである。対象は、スクリーニングから28週目までの間、MMF/MPA(≦
2g/日)、アザチオプリン/6-メルカプトプリン(≦2mg/kg/日)及び/又は
葉酸(推奨≧5mg/週)MTX(≦25mg/週を受容することができる。12週目か
ら28週目までの免疫調節剤の低減は、対象が容認できない副作用を生じた場合にのみ許
容され、このことは、対象の臨床データの解釈に影響を及ぼす可能性があることを意味す
る。(ベースライン用量に対して)より高い用量の免疫調節剤又は新たな免疫調節剤を、
12週目の来院と24週目の来院との間の既存の治療レジメンに付加することにより、対
象は、主要エンドポイント分析の目的のために治療失敗と見なされることになる。試験処
置の永続的中断は、(ベースラインに対して)増加した免疫調節剤用量を受けた対象につ
いて考慮されなければならない。28週目以降には、免疫調節剤は、8週目の安全性経過
観察又は後続試験(該当する場合)まで可能な限り安定したままであるべきである。しか
しながら、用量調整は、許容できない副作用に対して派可能である。
【0368】
8.2.抗マラリア薬
ヒドロキシクロロキン、クロロキン、又はキナクリンによる安定な処置は、8週目の安
全性経過観察まで許容される。28週目以降には、抗マラリア薬の導入又は投与量を調節
することが可能である。国の管理の下で医薬品グレードの成分を使用して許可を受けた調
剤薬局によって製造された抗マラリア薬(例えば、キナクリン)が許容される。
【0369】
8.3.コルチコステロイド治療
不必要な用量変化が抑制され、任意の用量調整が増分で行われるべきである。8週目の
安全性経過観察まで又は後続試験(該当する場合)までのコルチコステロイドの変更は、
医療の必要性のために許容されるが、調節の程度及びタイミングは、特に12週目~28
週目の期間の間、試験結果に影響を及ぼし得るため、慎重に考慮すべきである。
【0370】
経口コルチコステロイド*
経口コルチコステロイドを使用する場合、試験薬剤の初回投与前に、この薬剤を少なく
とも6週間受け、かつ少なくとも4週間にわたって、平均用量≦20mgのプレドニゾン
/日に相当する安定な用量で受けていなければならない。5mg以下のプレドニゾン(等
量/日)から25mg/日の最大容量までのコルチコステロイド用量調節(増加又は減少
)は、6週目まで許容される。6週目から12週目に、コルチコステロイド用量の増加は
認められず、この窓内では、ベースライン用量に向かって最大5.0mgのプレドニゾン
(等量/日)調節の漸減のみが、12週目の来院まで許容される。SLE疾患の治療のた
めのコルチコステロイドの用量の更なる調節は、12週目と28週目との間では許容され
ない。28週目以降、8週目の安全性経過観察までのコルチコステロイド投与量の変更は
、医療の必要性のために許容されるが、調節の程度及びタイミングは、これが試験に影響
を及ぼし得るために注意深く考慮されるべきである。40mg/日以上の経口コルチコス
テロイドの用量増加は、医療用モニターで考察されるべきであり、試験薬剤投与の中断を
もたらし得る。
【0371】
対象は、手術前の予防療法(ストレス用量のコルチコステロイド)又は限定された感染
症の治療、喘息の憎悪、又は慢性閉塞性肺疾患の治療などの理由から、経口コルチコステ
ロイドの短いコース(2週間以下)を受容し得る。
【0372】
SLE以外の理由でステロイドの複数のコースを必要とする可能性がある対象は、試験
参加から除外されるべきである。
【0373】
後続試験における経口コルチコステロイド投与量の漸進的減少(週1回の当初用量の1
0~20%以下の推奨される減少)は、試験の治験責任医師の裁量で48週目後に開始す
るよう促される。可能な場合、コルチコステロイドの完全な離脱を含む、コルチコステロ
イドの最低の考えられる維持投与量への漸減が推奨される。ステロイドの漸減の期間中に
、必要に応じて、ステロイド欠乏症の症状(例えば、アジソン病症状)について、試験ス
タッフによって対象が教育及び監視されるべきであることが推奨される。
【0374】
コルチコステロイドを漸減している間に、対象がそれらの疾患活動性の悪化を経験する
場合、治験責任医師によって必要と見なされるならば、更なる用量減少を一時停止させる
ことができ、及び/又はその経口コルチコステロイド用量を一時的に増加させることがで
きる。コルチコステロイドの漸減が中断されている対象については、治験責任医師により
、4週間以内に漸減を再開するよう促される。
【0375】
コルチコステロイド投与量の増加の場合には、平均用量は、医療的に必要でない限り、
ベースライン用量を上回って増加されるべきではないことが推奨される。いかなるコルチ
コステロイドの増加も、対象を治療失敗又はステロイド漸減失敗と見なし得る裁量が使用
されるべきである。40mg/日以上の持続的な経口コルチコステロイド用量は、試験薬
剤の中断をもたらし得る。
【0376】
*必要に応じて、コルチコステロイドの直腸投与は、短期間であり、局所製剤を使用し
なければならない。
【0377】
硬膜外、静脈内、筋肉内、関節内、及び病巣内コルチコステロイド
コルチコステロイドの硬膜外、IV、IM、IA、又は病巣内投与は、試験薬剤の初回
投与前の4週間以内には極力避け、28週目までSLEの治療には許可されていない。注
射によって投与されるACTHなどの内因性ステロイドの放出を誘発する薬物は、試験薬
剤の初回投与前の3ヶ月以内かつ試験全体にわたって許容されない。SLE以外の指標に
使用される短期(≦2週間)硬膜外、IV、IM、IA又は病巣内コルチコステロイドは
、治療医師の意見において、適切な代替物が存在しない状況に限定されるべきである。臨
床的に必要であれば、合計1回又は2回のIA注入が、最長16週目の投与まで許容され
得るが、これは、後続の評価のためにそれらの関節を評価不能にする。SLE以外の条件
では、コルチコステロイド療法は、治療医師の意見において、適切な代替物が存在しない
状況に限定されるべきである。24週間の期間中の>625mgのプレドニゾン等量/日
の合計で2日以上の静脈内コルチコステロイドは、統計分析計画(SAP)に従って治療
失敗について評価されるであろう。
【0378】
吸入コルチコステロイド
SLE以外の状態の治療のために気管支又は鼻吸入によって投与されるコルチコステロ
イドは、必要に応じて与えられてもよい。
【0379】
皮膚ループスサブ試験でのコルチコステロイドの使用
皮膚ループスサブ試験の対象について、強力な局所コルチコステロイドの使用、又は病
巣内コルチコステロイド注射の使用の開始、又はそのベースラインからの増加は、許容さ
れず、8週目の安全性経過観察又は後続試験において回避されるべきである。
【0380】
8.4.非ステロイド性抗炎症薬
アスピリン及び選択的シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害剤を含むNSAI
Dで治療された対象、及び他の鎮痛剤は、研究が行われている国で承認された通常の市販
用量を受けるべきである。NSAID及び他の定期的に投与される鎮痛剤の処方は、試験
薬の最初の投与前の少なくとも2週間調節されるべきではなく、28週目まで、対象が容
認できない副作用を生じた場合にのみ変更されてもよい。16週目から28週目後に、新
しいNSAIDを治療レジメンに付加することは許可されていない。NSAID療法にお
ける微量調節は、28週目後に許容されるが、任意のNSAIDSの使用が可能な限り安
定したままであることが推奨され、いかなる顕著な変更も記録するべきである。
【0381】
8.5.抗高血圧性薬
対象は、高血圧及びループスの治療のために、ARB又はACE阻害剤の安定した用量
を受けることが許容される。第1の用量の試験薬剤後に、新しいARB又はACE阻害剤
治療が、28週目までループス関連疾患の治療のために開始されることは許可されない。
対象は、無作為化と28週目との間にいかなる新たなARB又はACE阻害剤治療も開始
するべきではない。新しい又は調節されたARB又はACE阻害剤療法は、28週目以降
も許容される。
【0382】
8.6.局所的薬剤
局所的な薬剤が許可されるが、局所用化合物は、禁止薬を含むことができない。シクロ
スポリンAの局所軟膏又はクリームは、28週目まで禁止されている。しかしながら、眼
用使用は許容される。試験の来院の日を除いて、低効力の局所ステロイドが許容される。
8週目の安全性経過観察をまで全ての対象に対して、中等度から高い効力の局所コルチコ
ステロイドは禁止され、高効力の局所コルチコステロイドは、後続試験中に許容されない
。皮膚ループスサブ試験の対象については、標的病変の局所処置は、皮膚ループスサブ試
験期間中に安定したままであるべきである。試験来院前の72時間は、評価下の病変に局
所的薬剤は適用されるべきではない。
【0383】
9.研究評価
9.1.研究手順
9.1.1.概要
時間及び事象スケジュールは、有効性、薬物動態、ウステキヌマブに対する抗体、薬力
学、薬理遺伝学、健康関連生活の質、安全性、及び本試験に適用可能な他の測定値の頻度
及びタイミングをまとめる。
【0384】
治験責任医師によって必要と判断されるか、又は地方規制によって必要とされる場合、
追加の血清又は尿妊娠検査が実施されて、対象の試験への参加中の任意の時点で妊娠がな
いことを確証することができる。
【0385】
試験の主部分の過程で各対象から採取される全血量は、約640mLであろう。48週
目~120週目の後続試験において採取される全血量は、約250mLである。
【0386】
反復又は予定されていないサンプルは、安全性上の理由で、又は特定のサンプルの採取
又は分析に関する技術的問題のために採取され得る。
【0387】
全血サンプルは、試験の薬理遺伝学的要素に参加することに同意した対象から収集され
ることになる。DNA抽出に失敗した場合、対象から代替の薬理ゲノム学的血液試料が要
求され得る。別個のインフォームドコンセントは、代替サンプルを得るために必要とされ
ない。
【0388】
皮膚ループスサブ試験に参加することに同意した対象は、0週目及び24週目に皮膚生
検サンプルの採取を可能にするように要求される。更に、時間及び事象スケジュール(表
1)に記載されているように、活動性疾患の標的の皮膚病変又は領域の写真が撮影される
ことになる。皮膚ループス試験に関する更なる詳細については、セクション9.7を参照
されたい。
【0389】
9.1.2.スクリーニングフェーズ
9.1.2.1.スクリーニング手順
書面によるインフォームドコンセントは、任意のスクリーニングデータが収集される前
に、治験責任医師によって取得及び審査されなければならない。
【0390】
スクリーニング手順は、時間及び事象スケジュール(表1)に示されるように実行され
る。スクリーニングのための来院は、無作為化のための来院(0週目)の前6週間以内に
実施しなければならない。加えて、試験参加について適格であるために、対象は、0週目
の臨床的特徴についてSLEDAIスコア≧4を有し、治験依頼者及び/又は治験依頼者
が選択した独立した審査官(複数可)によるスクリーニングループス評価の審査及び確認
後の試験無作為化の承認を受けなければならない。
【0391】
対象は、どのように日誌カードを完成させるかについて訓練を受けるであろう。日記カ
ードは、スクリーニング期間中に完成させように対象に配布される。
【0392】
妊娠の可能性がある女性は、スクリーニング時に血清β-hCG妊娠検査に陰性、及び
無作為化前の尿β-hCG妊娠検査に陰性でなければならない。妊娠の可能性がある女性
及び男性は、非常に有効な避妊方法を使用することに同意しなければならず(組み入れ基
準、セクション4.1を参照されたい)、試験期間中及び最後の試験薬剤投与後から4ヶ
月間は、避妊方法の使用を継続しなければならない。各対象によって使用される避妊法(
複数可)は、文書化されなければならない。
【0393】
対象の適格性を確立する全てのスクリーニング評価は、対象が無作為化され得る前に、
治験責任医師によって実施及び審査される。SLICC基準は、正式に評価されていない
場合があるが、登録に適格であるためには、対象が試験薬剤の初回投与前に最低でも3ヶ
月間、SLICC基準を満たすのに十分なSLEの症状(対象ファイルで文書化されてい
る)を実証しなければならない。本試験に登録するために適格な対象は、(組み入れ基準
#2に記載されるように)以下のうちの1つ又は両方に基づいて、SLEについてのSL
ICC分類基準を満たすことによってSLEを有すると見なされる必要がある。
・少なくとも1つの臨床基準及び少なくとも1つの免疫学的基準を有する4つの基準を
満たすこと、又は
・免疫学的変数の少なくとも1つの存在下でのループス腎炎の診断があることである。
【0394】
対象はまた、1つの十分に文書化された(対象のファイル、医師の紹介状、又は検査室
の結果)明確に要請のANA、抗dsDNA抗体、及び/又は抗スミス抗体に関する医療
履歴値を有しなければならない。ANAの陽性試験(例えば、HEp-2力価によるAN
A、酵素結合免疫吸着アッセイによるANA)又は抗dsDNA(例えば、Farrアッ
セイ又はELISAによる抗dsDNA)の医療履歴文書は、試験の日付及び種類、試験
検査室名、数値基準範囲、及び提供された値が陰性/境界域又は境界線に対して陽性であ
ることを説明する手がかりを含む必要がある。検査室の基準範囲内に定義されるような、
明らかに要請の値のみが許容可能であり、境界値は許容されないであろう。
【0395】
加えて、SLE疾患活動性の安定性を評価するために、対象は、従来の治療(例えば、
免疫調節薬、抗マラリア薬、コルチコステロイド、NSAID、抗高血圧薬、及び/又は
局所薬)にもかかわらず、SLEDAI-2Kスコア≧6を実証しなければならない。加
えて、対象は、スクリーニング中に観察された少なくとも1つの陽性自己抗体試験(AN
A、抗dsDNA抗体、及び/又は抗スミス抗体)を有する必要がある。対象はまた、試
験薬剤の初回投与の前に観察された、少なくとも1つのBILAG A及び/又は2つの
BILAG Bドメインスコアを実証しなければならない。
【0396】
9.1.2.2.再試験
対象がICFに署名し、少なくとも1つのエントリ要件を満たすことができなかった場
合、サンプル採取又は分析性能において疑われる誤差がある場合に、スクリーニング検査
室試験(複数可)の1回の再試験が許容されるか、又は必要に応じてスクリーニング期間
中に試験エントリ手順を繰り返してもよい。中央検査室試験に代えて治験を実施する(lo
cal)試験を使用する要求は、再試験の前に医療用モニターと共に論じられるべきである
。これは、追加の試験室値が範囲外であることが見出されるかどうかにかかわらず、再試
験のために完了するために1回のみの追加の採血を含む。再試験手順の目標は、対象がス
クリーニングウィンドウ内の無作為化のために適格であるか、又はスクリーニングが失敗
したかどうかを評価することである。再試験後にエントリ基準を満たさないか、又は繰り
返し手順後の疾患活動性基準を満たさない試験室値を有する対象は、スクリーニング失敗
と見なされるべきである。これに対する例外は、陽性QuantiFERON(登録商標
)-TB Gold、C型若しくはB型肝炎、又はHIV試験であり、サンプル採取又は
分析性能において疑われる誤差がない限り、これらの試験は、適格基準を満たすために繰
り返されなくともよい。
【0397】
9.1.2.3.再スクリーニング
対象がスクリーニングに失敗し、治験責任医師が対象を再スクリーニングすることを望
む場合、これは、治験依頼者及び/又はその指定者によって論議されるべきである。対象
毎に、1回の再スクリーニングが可能である。再スクリーニングされた対象者は、新しい
対象番号が割り当てられ、インフォームドコンセントプロセスを受け、次いで新しいスク
リーニング段階を再開する。
【0398】
9.1.3.二重盲検処置期間
9.1.3.1.0週目/無作為化の日
0週目に、適格な対象を、ウステキヌマブ又はプラセボのいずれかを盲検様式で受容す
るように、IWRSによって3:2の比で割り当てることになる。評価は、時間及び事象
スケジュール(表1)に示されるように実行される。皮膚ループスサブ試験に参加してい
る対象は、ベースラインの、処置前の写真及び/又は採取された皮膚生検を有するであろ
う。スクリーニング中に配布された対象の日誌カードは、0週目に審査され、新しいカー
ドは、試験の主部分までの後続する4週間中に薬剤変更を記録するために、各試験の来院
時に提供される。
【0399】
9.1.3.2.プラセボ対照処置期間(24週目まで)
無作為化及びIV注入による試験薬剤の初回投与の後、対象は、第24週目まで盲検の
試験薬剤投与SC q8wを有することになる。評価は、時間及び事象スケジュール(表
1)に示されるように実行される。
【0400】
9.1.4.クロスオーバー処置(40週目まで)
24週目に、プラセボ群における対象は、ウステキヌマブ投与を受けるためにクロスオ
ーバーし、全ての対象は、40週目までSC投与q8wを受容し続ける。全ての対象は、
セクション9.1.3.2に記載されているように、プラセボ対照処置期間中に受容され
た試験処置に盲検化され続ける。
【0401】
9.1.5.後続試験(48週目/56週目~104週目)
104週目までの後続試験に参加する資格を有する対象は、対象の40週目の来院後お
よそ8週間(±2週間)でウステキヌマブ90mg、q8wのSC投与を継続するか、あ
るいは対象の40週目の来院から16週間(±2週間)以下で56週目にウステキヌマブ
の投与を再開する。
【0402】
9.1.6.試験参加から離脱した対象
試験参加から離脱した対象は、いかなる経過観察評価に対しても戻るように要求されな
いであろう。
【0403】
9.1.7.処置後の安全性経過観察
40週目に又は40週目前に試験薬剤を永続的に中断するか、若しくは彼らが後続試験
に参加しているが、試験参加から離脱していない場合には、104週目に又は104週目
前に永続的に中断する対象は、適切な時間及び事象スケジュール(表1及び表2)に示さ
れる来院スケジュール及び評価に従って、最後の試験薬剤投与後に、約16週間(5半減
期)、約16週間(5半減期)見守るべきである。経過観察のための来院は、最後の試験
薬剤投与後の約8週間及び16週間行われるべきである。40週目前又は40週目の時点
で試験薬剤を永続的に中断する対象は、後続試験に参加することが適格ではないことにな
る。
【0404】
電話による連絡は、対象が経過観察を受けないでいるか、又は同意を取り下げない限り
、試験薬剤の最後の投与後、最長16週間、試験中断の理由を決定するために行われる。
中断のための情報が電話での連絡により得られる場合、ソースドキュメントでの審査を行
うために通話内容を書き取った記録がなければならない。対象が死亡した場合、死亡の日
付及び原因が収集され、文書化される。
【0405】
9.2.有効性
全ての効能評価は、治験責任医師又は副治験責任医師によって一貫して実施されて、経
時的な同等の尺度を達成するべきである。治験依頼者又は治験依頼者によって指名された
独立した審査官(複数可)による独立した判定は、重要なループス評価(例えば、SLE
DAI、BILAG、及びCLASI)のために実行される。これらのデータは、これら
のデータが収集され、評価全体にわたる不一致の調整を必要とし得る全ての来院において
審査される。
【0406】
9.2.1.評価
全ての有効性評価及びエンドポイントを記述する完全なリスト、及びどの評価が複合エ
ンドポイントに含まれるかが、付録1に提供される。
【0407】
9.2.1.1.SLEDAI-2K及びS2K RI-50
SLE疾患活動性指標2000(SLEDAI-2K/S2K RI-50[ベースラ
イン])が確立され、妥当性が確認されたSLE活動性指標である。これは、9つの器官
系における24の特徴の存在に基づくものであり、以前の30日間のSLE患者における
疾患活動を測定する。これは、特徴にしたがって重み付けされる。スクリーニング時には
、特徴は、より高いスコアを有するより重篤な特徴が、過去30日以内に存在するならば
、評価医師によって特徴がスコアリングされ、次いで、単純に付加して、0~105の範
囲である総SLEDAI-2kスコアを決定する33。ベースラインにおいて、SLED
AI-2Kで評価された特徴は、以下に記載されるS2K RI-50指標と比較するた
めに使用される。
【0408】
SLEDAI-2Kは、SLEDAI-2K応答者指標(S2K RI-50[経過観
察])35に適合かつ展開されており、これは、SLEDAI-2K評価の間の24の疾
患特徴における部分的な改善を文書化することができる尺度である34。50%の改善の
閾値は、臨床的に有意な改善を反映すると判断され、特徴の重みの半分としてスコアリン
グされる。「初回来院時に記述子が存在するものとして記録される場合、3つの状況のう
ちの1つは、次のとおりであり得る:(1)記述子が、経過観察において完全寛解を達成
する場合、スコアは「0」であり、(2)記述子が、経過観察において最低50%の改善
を達成しない場合、スコアは、その対応するSLEDAI-2K値と同一であり、あるい
は(3)記述子が、≧50%まで改善するが(S2k RI-50の定義に従って)、完
全寛解を達成していない場合、スコアは、SLEDAI-2Kに割り当てられるスコアの
半分として評価される。」32。S2K RI-50スコアは、0~105の範囲である
24の採点項目の合計である。
【0409】
9.2.1.2.BILAG
BILAG13,17指標は、治療の変更又は強化の必要性に基づいて、対象をスコア
リングする。評価医師は、以下の9つの器官/システムドメインに分割された97の項目
を評価するであろう。
・体質性
・皮膚粘膜
・神経精神
・筋骨格
・心呼吸器
・胃腸
・眼
・腎
・血液学
【0410】
評価医師は、各項目を過去4週間のその存在と見なすべきであり、答えは、0=存在せ
ず、1=改善中、2=同じ、3=悪化、又は4=指定された参考のための来院と比べて新
しいと見なすべきである。各器官/システムドメインは、器官/システム固有の項目及び
ドメインに固有の基準に基づいて、BILAG A、B、C、D、又はEとして分類され
る。
【0411】
9.2.1.3.CLASI
皮膚エリテマトーデスの活動性は、CLASIによって測定されるであろう。CLAS
Iは、評価する医師が、全身性関与を伴うか又は伴わないCLE患者の皮膚に引き起こさ
れる疾患活動性及び損傷を評価するために使用される器具である。CLASIは、2つの
スコアからなり、第1のスコアは、疾患の活動性を要約し、第2のスコアは、疾患によっ
て行われる損傷の尺度である。活動性は、紅斑、スケール/過角化症、粘膜の関与、急性
脱毛、及び非瘢痕性脱毛症に基づいてスコアリングされる。損傷は、色素沈着症及び瘢痕
性脱毛症を含む瘢痕化に関してスコアリングされる。スコアは、症状の程度に基づいて単
純な付加によって計算される1。より高い活動性及び損傷スコアは、悪化した疾患活動性
を示す。
【0412】
9.2.1.4.医師の疾患活動性の全般的評価
医師は、対象の評価とは無関係に、医師の疾患活動性の全般的評価8を完了しなければ
ならない。評価は、視覚的アナログスケール(VAS;0~10cm)で記録されるであ
ろう。評価のスケールは、「ループス活動性がない」(0)から非常に活動性のループス
」(10)までの範囲である。
【0413】
医師評価者は、好ましくは、所与の対象についての全ての試験来院において同じ人物で
あるべきである。
【0414】
9.2.1.5.患者の全般的評価
対象は、患者の疾病活動性の全般的評価、及び患者の疼痛評価を、医師の疾患活動性の
全般的評価とは無関係に完成させねばならない。
【0415】
9.2.1.5.1患者の疾患活動性の全般的評価
疾患活動性の全般的評価は、視覚的アナログスケール(VAS;0~10cm)で記録
されるであろう。評価のスケールは、「非常に良い」(0)から「非常に悪い」(10)
までの範囲である。
【0416】
9.2.1.5.2.患者の疼痛評価
患者の疼痛評価は、患者が報告した疼痛強度を評価するために使用される。患者は、過
去1週間の彼らの平均的な疼痛を視覚的アナログスケール(VAS;0~10cm)で記
録されるように依頼されるであろう。器具のアンカーは、「疼痛なし」を表す0から「最
悪の可能な疼痛」を表す10を含む。
【0417】
9.2.1.6.ショートフォーム-36
RANDショートフォーム(SF)-36質問票は、36項目を有する自己管理マルチ
ドメインスケールである。8つの健康ドメインは、機能する範囲を網羅する:
・身体機能の制限
・通常の役割活動の制限
・身体の痛み
・全般的な精神的健康状態(心理的窮迫及び健康な状態)
・活力(エネルギー及び疲労)
・身体的又は精神的健康問題による社会的機能の制限
・個人的又は感情的な問題による日常的役割の活動の制限
・全般的な健康状態の認識。
【0418】
サブスケールは、0~100でスコアリングされる。スコアリングは、身体的側面のサ
マリースコア並びに精神的側面のサマリースコア、合計スコア、及びサブスケールスコア
をもたらす。より高いスコアは、より良好な転帰を表す。14歳を超える人が適切であり
、5~10分で完了することができる。翻訳は、ほとんどの言語で利用可能であり、器具
は、広範な言語及び文化的な検証を受けている。バージョン2アキュートは、本試験で使
用されるであろう。
【0419】
SF-36によって測定される概念は、任意の年齢、疾患、又は治療群に特有ではなく
、異なる疾患の相対的な負担と、異なる治療の利益との比較を可能にする42。サブスケ
ールのいずれかにおける3店の変化又は側面スコアについての5点の変化は、臨床的に意
味のある変化に関連付けられる27、41、40。SF-36は、精神測定学的特性の証
拠を提供するために臨床試験において広く使用されている。身体的及び精神的側面のサマ
リースコアの信頼性推定値は、初期の研究21において0.90を超えており、後の研究
で更に確認されている。いくつかの他の全身性健康調査との比較を通して構築物の検証を
確立した。
【0420】
9.2.1.7.疲労重症度スケール
疲労重症度スケール(FSS)は、7回の応答選択肢(1=全く同意しない、7=完全
に同意)を使用して、疲労の重症度及び日常生活へのその影響を評価するように設計され
た9項目質問票である。これは、対象によって5分以内に完了することができる。63の
合計可能スコアの36を超えるスコアは、疲労の重症度を増加させることを反映している
。このスケールは、SLEで使用するために開発された19。このスケールのスコアは、
患者が報告した疼痛、睡眠、うつ病、及びSF-36の各サブスケールと相関させる。F
SSは、高い内部整合性を示し、SLE対象の試験において対照から患者を差異化させる
。器具は元々の英語版から翻訳され、いくつかの言語で利用可能である。
【0421】
9.2.2.定義
全ての有効性評価及びエンドポイントを記述する完全なリスト、及びどの評価が複合エ
ンドポイントに含まれるかが、付録1に提供される。
【0422】
9.2.2.1.SRI-4
全身性エリテマトーデス活性指標2000 SRI-4応答は、SLEDAI 2Kス
コア(セクション9.2.1.1)における少なくとも4点減少を必要とする複合エンド
ポイントとして定義され、医師の疾患活動性スコアの全般的な評価(PGA)(セクショ
ン9.2.1.4)のベースラインから悪化がなく(<10mmの増加)、及び新しいB
ILAGドメインAがなく、かつ1超の新しいBILAGドメインBスコア(セクション
9.2.1.2)9がない。SRI-5及びSRI-6は、同様に、それぞれSLEDA
I 2Kにおける≧5点の減少又は≧6点の減少を必要とする応答で定義される。SRI
-5及びSRI-6は、同様に、それぞれSLEDAI 2Kにおける≧5点の減少又は
≧6点の減少を必要とする応答で定義される。
【0423】
9.2.2.2.BILAGベースの複合ループス評価
BILAGベースの複合ループス評価(BICLA)は、3つの評価ツール:(1)B
ILAG-2004指標、(2)SLEDAI指標、及び(3)PGAにわたって応答基
準を満たすための患者を必要とする。患者は、以下の要件に基づいて応答者又は非応答者
として識別される:39
【0424】
【0425】
9.2.2.3.フレア
この試験についてのフレアは、以下のように定義される。
・SLEDAIフレア:SLEDAI-2Kスコアにおける少なくとも4+点の増加(
重度のフレアを含む)
・重度SLEDAIフレア:SLEDAI-2Kスコアにおける少なくとも7+点の増
加
・BILAGフレア:少なくとも1つの新しいBILAG A又は2つのBILAG
Bスコア(スコア<Bから)
【0426】
9.2.2.4.S2K RI-50応答
S2K RI-50応答は、SLEDAI-2Kスコアにおけるベースラインからの少
なくとも6点の減少として定義される。
【0427】
9.2.2.5.PGA中の悪化なし
PGAにおける悪化は、100mmのVASで10mm未満の増加と定義される。
【0428】
9.2.3.エンドポイント
主要エンドポイント
この試験の主要エンドポイントは、24週目に複合SRI-4応答を有する対象の割合
である。
【0429】
主要な二次エンドポイント
主要な二次エンドポイントは、以下に指定されるように重要な順序で列挙される。
1.24週目でのSLEDAI-2Kにおけるベースラインからの変化。
2.24週目でのPGAにおけるベースラインからの変化。
3.24週目におけるBICLA応答を有する患者の割合。
【0430】
他のエンドポイント
フレア:
4.12週目~24週目及び24週目~主要試験の8週目の安全性経過観察の来院/4
8週目並びに48週目~から104週目までの第1のフレア(SLEDAIフレア、重度
SLEDAIフレア、BILAGフレア)への時間。
5.12週目~24週目の自由来院及び24週目~主要試験の8週目の安全性経過観察
の来院/48週目並びに48週目~から104週目までのフレア(SLEDAIフレア、
重度SLEDAIフレア、BILAGフレア)の数。
【0431】
SLE疾患活動性:
6.SRI-4、SRI-5、SRI-6における応答、S2K RI-50応答及び
BICLAを有する対象の経時的な割合。
7.SLEDAI、BILAG、PGA、及び患者の疾患活動性の全般的な評価(Pt
GA)における経時的な悪化がない対象の割合。
8.SLEDAI(4、5、及び6点)、BILAG、及びPGAにおける経時的な改
善を有する対象の割合。
9.SLEDAI-2K、S2K RI-50、PGAにおける経時的なベースライン
からの絶対変化。
10.血清学的活動性(例えば、ANA、抗dsDNA,他の自己抗体、C3、C4)
又はSLEDAI機能測定値の経時的な変化率。
11.器官ドメインによる経時的なBILAGのシフトテーブル。
12.皮膚疾患を有する対象におけるCLASIスコア(活動性及び損傷)の経時的な
変化率。
【0432】
PROの転帰:
13.患者報告転帰(PRO)(疼痛VASスケール、FSS、SF-36身体的並び
に精神的側面のサマリースコア及び個々のドメイン)における経時的な変化。
14.PRO(すなわち、FSS、SF-36における改善)における臨床的に(最小
限の臨床的に重要な差)を経時的に有する対象の割合。
15.24週目のPtGAにおけるベースラインからの変化。
【0433】
服薬:
16.主12週目から要試験の8週目の安全性経過観察の来院/48週目までの選択さ
れたSLE投薬における意味のある変化を有する対象の割合。
17.後続試験に参加する対象に対する、48週目から104週目までのコルチコステ
ロイド用量における変化。
新しいエンドポイント(複数可)の展開及び分析は、別個の技術レポートに含まれる。
【0434】
9.3.薬剤動態及び免疫原性
血清サンプルを使用して、ウステキヌマブの薬物動態(PK)、並びにウステキヌマブ
(ウステキヌマブに対する抗体)の免疫原性を評価するであろう。PK及び免疫原性分析
のために採取された血清は、試験期間中又は試験期間後に生じる懸念に対処する安全性又
は有効性の態様を評価するために、更に使用されてもよい。これらの血清サンプルについ
ては遺伝子解析は行われない。対象の秘密が保持される。
【0435】
9.3.1.血清採取及び取り扱い
血清ウステキヌマブ濃度及びウステキヌマブに対する抗体を決定するために、時間及び
事象スケジュールに示される時点で静脈血サンプルを採取する。また、血清サンプルは、
試験の参加を早期に中止した対象の最終来院時にも採取すべきであろう。PK及び免疫原
性が評価される来院において、十分な体積の1回の採血を使用することができる。各サン
プルは、3つのアリコート(血清ウステキヌマブ濃度用の1つのアリコート、ウステキヌ
マブに対する抗体用の1つのアリコート、及びバックアップとして1つのアリコート)に
分割する。試験薬剤投与が予定されたときに、来院時の試験薬剤投与前にサンプルを採取
せねばならない。血液サンプル採取の正確な日付及び時間は、検査室の要請文書で記録さ
れなければならない。
【0436】
9.3.2.分析手順
血清サンプルを分析して、治験依頼者の生物分析施設によるか、又は治験依頼者の監視
下で、検証され、特異的、かつ高感度のイムノアッセイ法を使用して、ウステキヌマブ濃
度を決定する。対象のアイデンティティが隠された状態で、治験依頼者又はその被指名人
は、これらのサンプルをアッセイする。
【0437】
9.3.3.免疫原性評価
ウステキヌマブに対する抗体は、全ての対象から採取された血清サンプルにおいて検証
されたイムノアッセイ法を使用して検出される。ウステキヌマブに対する抗体について陽
性である血清サンプルは、ウステキヌマブに対する抗体が、インビトロでのウステキヌマ
ブの生物学的効果を無効にすることができるかどうか(すなわち、ウステキヌマブに対す
る中和抗体[NAbs])を決定するために更に特性化されるであろう。これらのサンプ
ルは、治験依頼者又は治験依頼者の被指名人により試験されることになる。
【0438】
9.4.バイオマーカー
皮膚生検、血液、血清、及び尿の採取、調製、保管、及び輸送は、時間及び事象スケジ
ュール(表1)並びに検査室マニュアルに詳述されている。バイオマーカーとしては、炎
症性マーカー、RNA、細胞表面マーカー、自己抗体、T細胞並びにB細胞レパートリー
、標的特異マーカー、及びループスの発症及び進行に関与する可能性があるバイオマーカ
ーの他のカテゴリーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0439】
血清分析
血清は、可溶性CD40リガンド(sCD154)、インターロイキン(IL)-6、
IL-12p40、IL-17、IL-21、IL-22、IL-23p19、C-X-
Cモチーフケモカイン10(CXCL10)、BAFF、インターフェロン、自己抗体、
及び他の炎症関連分子が挙げられるが、これらに限定されない特定のタンパク質のレベル
について分析されるであろう。
【0440】
尿サンプル
尿サンプルは、SLEに関連性を有すると考えられる排泄物タンパク質又は他のマーカ
ーについて評価されるであろう。
【0441】
皮膚生検分析
皮膚生検は、細胞、分子、及び遺伝子発現分析に利用されるであろう。
【0442】
全血遺伝子発現分析
全血は、RNA、フローサイトメトリー(選択された部位からのサンプルを中央検査室
又は他の分析検査室で分析する)、T細胞及びB細胞レパートリー(特定のT細胞及びB
細胞受容体のみの核酸分析[RNA及びDNA])及びエピジェネティクス分析(例えば
、DNAメチル化)について分析される。
【0443】
9.5.薬理学的評価
DNAサンプルは、この試験(CNTO1275SLE2001)に関連する研究に使
用されるであろう。特定のゲノム検査は、対象の同意を得るために行われるであろう(こ
の試験の一部に参加している対象は、別個ICFに署名しなければならない。この手順は
、ループスで役割を果たし得る特定の標的遺伝子について分析され得る血液サンプルを採
取することを伴うであろう。いかなるゲノム評価も、遺伝子検査に関する現行の対象の機
密保持規定を厳守して実行されるであろう。ゲノム検査の参加を拒むことは、臨床試験の
残りに参加することを不適格にするものではない。
【0444】
9.6.血清学的マーカー
自己抗体のサンプル(ANA、抗dsDNA、抗スミスを含む)、補体C3、C4、及
び他の検体のサンプルは、事象の表(表1)及びセクション9.8の安全性評価(臨床検
査室試験)に記載されるように採取される。
【0445】
9.7.皮膚ループスサブ試験
皮膚疾患を有する対象は、CLASIスコアリングを使用して評価されることになる。
更に、皮膚ループスサブ試験に参加することを同意した皮膚疾患を有する対象は、事象の
表(表1)に示したように実施される、0週目及び24週目での試験薬剤投与前の皮膚生
検の採取(任意の同意)及び/又は活動性疾患の皮膚病変若しくは領域の写真の採取(任
意の同意)を含む追加の評価を有するであろう。主要試験又は皮膚ループス試験のいずれ
かに登録することができる、皮膚疾患を有する対象の数に対するいかなる制限も存在しな
いであろう。
【0446】
任意の生検採取に同意した対象は、0週目の活動性標的病変から切除された2つの皮膚
生検(4mm)と、続いて24週目における同じ病変の2つの追加的な生検(皮膚疾患の
活動性に無関係に有する(皮膚ループスサブ試験マニュアル)。皮膚生検は、細胞、分子
、及び遺伝子発現分析に利用されるであろう。
【0447】
皮膚生検採取とは無関係に、皮膚ループスサブ試験に参加する対象は、写真が活動性疾
患の特定された皮膚病変又は領域から採取されることに同意するよう求められることにな
る。生検に適していない皮膚ループス(例えば、を有する同意対象(例えば、頬部紅斑又
は脱毛症)は、写真撮影によって評価されてもよい。写真は、探索目的のためだけのもの
である。写真は、臨床応答の定性的評価を支援するために使用されるであろう。写真及び
皮膚生検は、活動性疾患の異なる領域を標的とすることができるが、経過観察写真又は生
検は、最初に0週目に評価された活動性疾患の同じ領域を再評価するべきである。本試験
に関与する対象の機密保護が維持され、具体的には、本試験における対象の写真は、個人
を特定することができないように、対象の顔又は身体の適切な部分を遮断することなく公
開されることはないか、ないしは別の方法で公表されることはない。
【0448】
9.8.安全性の評価
安全性の評価には、バイタルサイン、全身の身体検査及び皮膚評価(S2K RI-5
0及びCLASI評価中に判断された)、有害事象、併用薬調査、妊娠検査(セクション
12.3.3を参照)、投与反応、化学検査及び血液検査、並びにウステキヌマブに対す
る抗体が挙げられる。胸部X線及びTB、HIV、B型肝炎、及びC型肝炎検査は、スク
リーニング時に必要とされるであろう(表1)。結核スクリーニング基準のセクション4
.1を参照されたい。対象の日誌カードは、本試験の主要部分中の試験来院時の間で生じ
る薬剤変更を捕らえるために使用されるであろう。
【0449】
試験の最後に持続しているあらゆる臨床上の有意な異常は、解決まで又は臨床上安定し
たエンドポイントに達するまで、治験責任医師によって追跡されるであろう。
【0450】
本研究は、後続試験について表1及び表2に提供される時点による安全性及び忍容性の
以下の評価を含むであろう。
【0451】
有害事象
有害事象(AE)は、対象によって(又は適切な場合、介護者によって)報告され、治
験責任医師によって追跡されるであろう。
【0452】
感染症
対象には、感染の徴候及び症状の警告カードが提供され、予定された来院の間に部位に
接触するように指示されることになる。各施設の訪問において、治験責任医師又は他の施
設担当者は、感染のいずれかの徴候又は症状について対象を評価し、施設訪問の間で発生
し得る感染症又は他のAEの症状を尋ねる必要がある。
【0453】
試験薬剤は、臨床的に重要な活動性感染を有する対象に投与されるべきではない。重篤
な及び/又は重度の感染が完全に解決されるまで、試験薬剤による治療を中止するべきで
ある。対象が、敗血症又は肺炎が挙げられるが、これらに限定されない重篤な又は重度の
感染を発症する場合、試験処置の中止を考慮しなければならない。処置は、日和見的感染
を発症する対象に対して、永続的に中断されなければならない。活動性の水痘帯状疱疹感
染、又は水痘の病歴を有さない対象における水痘帯状疱疹感染については、対象は、感染
の症状について評価されるべきであり、対象が適切な治療を受けたか、及び/又は回復し
たか、又は感染症状がない場合には、治験依頼者との話し合い後に試験投与を継続しても
よい。
【0454】
臨床検査
血清化学及び血液学の血液サンプルは、時間及び事象スケジュールに従って採取される
(表1及び後続試験については表2)。治験責任医師は、検査室レポートを利用可能な直
後に審査しなければならず、この審査を文書化し、試験中に生じるいかなる臨床的に関連
する変化も記録しなければならない。クームスの直接試験、尿試験紙法、尿沈降顕微鏡検
査、及び尿妊娠検査は、現場スタッフ又は治験を実施する(local)検査室によって行わ
れる。治験依頼者の承認により、治験を実施する検査室の使用もまた、処置又は安全性経
過観察の開始が時間的に重要であり、中央検査機関(central laboratory)の結果が、試
験薬剤処置を提供することが必要である前に利用可能であることが予想されない場合、又
は安全性上の理由のために措置を講じる必要がある場合には、許容され得る。
【0455】
中央検査機関によって分析されたスクリーニング検査室試験の1回の再試験は、サンプ
ル採取又は分析性能における誤差が疑われる場合に許容される。
・血液学パネル
-ヘモグロビン
-ヘマトクリット値
-白血球(WBC)百分率数(好塩基球、好酸球、リンパ球、単球、好中球)
-血小板数
-B細胞枯渇療法に以前に曝露された対象に対してのみ、スクリーニング中のCD1
9 B細胞分析(セクション4.1.3)
-クームスの直接試験(利用可能な場合、治験を実施する(local)検査室)
・血清検査室
-Igアイソタイププロファイル(IgG、IgM、IgAレベル)
-C3及びC4補体
-ANA
-抗dsDNA
-ループス抗凝固因子、抗カルジオリピン、及び抗β2-糖タンパク質-I抗体を含
む抗リン脂質抗体
-抗スミス、抗シェーグレン症候群関連抗原A(SSA[抗Ro]及びB(SSB[
抗LA])、抗リボ核タンパク質(抗RNP)を含む他の自己抗体
・凝固検査室
-プロトロンビン時間
-部分トロンボプラスチン時間
-国際正規化比
・血清化学的パネル
【0456】
【表11】
・尿分析-フレッシュスポット尿
・尿試験紙法を使用した検尿。尿サンプルは、中央検査室で更に分析される。
・尿タンパク質/クレアチニン比
9は、対象から採取されたスポット尿のアリコート
を使用して、中央検査室で分析される。
・尿スコア顕微鏡法(スポット尿サンプルを使用する治験を実施する(local)検査
室評価)
-赤血球
-WBC、尿路感染が存在する/不在であることに留意して
-上皮細胞
-結晶
-赤血球、WBC、又はヘム顆粒円柱
-細菌
・妊娠の可能性がある女性のみに対する血清及び尿妊娠検査
・ウイルス血清学(HIV抗体、HBsAg、抗HBs、総抗HBc、及びC型肝炎ウ
イルス抗体)
バイタルサイン
体重及び体温を評価する。血圧及び心拍数測定を評価する。
【0457】
身体検査
全身の診察は、処置前及び試験中に、表1に示されるように、後続試験については、表
2に示されるように実施される。
【0458】
9.9.サンプルの採取及び取り扱い
サンプル採取の正確な日付及び時間は、検査室の要請文書で記録されなければならない
。
【0459】
全てのサンプル採取のタイミング及び頻度についての時間及び事象スケジュール(表1
及び後続試験については表2)を参照されたい。
【0460】
サンプルの収集、取り扱い、及び輸送のための指示は、サンプル採取及び取り扱いのた
めに提供される検査室マニュアルに見られる。
【0461】
10.対象の完了/離脱
10.1.完了
後続試験に入らない対象は、主要試験の16週間の安全性経過観察までに評価を完了し
た場合、主要試験を完了したと見なされる。後続試験に登録した対象は、主要試験の8週
間の安全性経過観察のための来院までに評価を完了した場合、この試験の主要部分を完了
したと見なされる。8週目又は16週目の安全性経過観察のための来院前に何らかの理由
で試験処置を永続的に中断する対象は、試験の主要部分を完了しているとは見なされない
であろう。後続試験に登録した対象は、120週目までに評価を完了した場合には、後続
試験を完了したと見なされるであろう。
【0462】
研究処置の中断
対象の試験処置が、40週目前に、又は40週目で中断しなければならない場合(後続
試験に参加していない対象について)若しくは104週目より前に中断しなければならな
い場合(後続試験に参加している対象について)、これは、対象の試験からの自動的な離
脱の結果にはならず、経過観察評価は、試験薬剤の最後の投与後約8週間及び16週間取
得されるべきである。
【0463】
以下のいずれかが生じる場合、対象の試験処置は、永続的に中止されなければならない
。
1.喘鳴を伴う気管支痙攣及び/又は補助換気を必要とする呼吸困難、若しくは収縮期
血圧における40mmHg超の減少を伴う症候性低血圧をもたらす、試験薬剤注入又は注
射に一次的に関連するAE。
2.対象が、試験薬剤の投与の離脱に同意した場合。
3.試験期間内、又は最後の試験薬剤注射後16週間以内の妊娠及び妊娠する計画があ
る場合。
4.禁止された薬剤又は処置(セクション4.3に従って)を開始した場合。
5.再発性又は残存病変の証拠なしで治療される、2つ以下の局所的な基底細胞皮膚癌
を除く、悪性疾患。
6.日和見感染症。
7.治験責任医師又は治験依頼者の医療用モニターが、それが対象の最善の利益である
と見なされる場合。
8.対象が、以下のTB基準に従って不適格であると見なされる場合。
・活動性TBの診断がなされること。
・対象が、経過観察評価質問及び/若しくは身体検査に基づき活動性TBを示唆する
症状を有するか、又は活動性TBを有する人と最近密接に接触していて、追加の評価を受
け続けることができないか、若しくは続けないこと。
・継続スクリーニングを受ける対象は、活動性TBが除外され得、潜在性TBのため
の適切な治療が、試験薬剤の次の投与前に又はそれと同時に開始され、完了まで継続され
得ない限り、現在の活動性TBの兆候を有する胸部X線写真、及び/又は陽性のQuan
tiFERON(登録商標)-TB Gold試験、及び/又はQuantiFERON
(登録商標)-TB Gold試験が承認/登録されていない結果である国における要請
のツベルクリン皮膚検査結果、及び/又は繰り返し検査時に未定のQuantiFERO
N(登録商標)-TB Gold試験結果を有する。
・潜在性TBのための治療を受けている対象は、この治療を早期に中断するか、又は
治療に不適合である。
9.全体的な臨床評価に基づいて、ベースラインからのSLE疾患活性の有意な悪化、
又は、16週目から開始した2回以上の連続する来院に対して高い疾患活動性を有するか
、又は対象が、16週目以降に既存の治療レジメンに新しい免疫調節剤を付加する必要が
ある場合。
【0464】
加えて、試験薬剤処置の永続的中断は、下記の対象者について考慮されなければならな
い。
・免疫調節剤用量の増加を(ベースラインに対して)受けた対象。
・重篤又は重度として報告される以下の有害事象のいずれかを発症する対象:試験薬剤
急性輸液反応、注射部位反、又は感染症。
【0465】
10.3.試験からの離脱
以下の理由のいずれかの場合、対象は試験から離脱させられる。
・フォローアップの喪失
・同意の撤回
・死亡
【0466】
対象がフォローアップまで失われた場合、対象に接触し、中止/離脱の理由を決定する
ために、試験実施機関の担当者によってあらゆる合理的な努力が行われなければならない
。以下のように取られた測定値は文書化されなければならない。
【0467】
対象が試験を完了する前に離脱する場合、離脱の理由は、文書化されるべきである。離
脱した対象に割り当てられた試験薬は、別の対象に割り当てられなくてもよい。本試験か
ら離脱する対象は交代されない。
【0468】
試験から離脱する対象者は、任意の研究サンプルに関する以下の選択肢を有する。
・採取されたサンプルは、任意の研究サンプルに対して、対象の元のインフォームドコ
ンセントに従って保持され、使用される。
・対象は、任意の研究サンプルについて同意を撤回してもよく、その場合、サンプルは
破棄され、更なる試験は行わない。サンプル破棄プロセスを開始するために、治験責任医
師は、任意の研究サンプルの同意の撤回を治験依頼者試験現場担当者(又は適切な被指名
人)に通知し、サンプル破棄を要求しなければならない。治験依頼者試験現場担当者は、
次に、サンプル破棄を実行するためにバイオマーカー担当者に連絡する。要請があれば、
治験責任医師は、サンプルが破棄されたことを治験依頼者から確認書を受領するであろう
。
【0469】
主要試験に残ったまま任意選択の研究サンプルからの撤回
対象は、試験に残ったまま、任意選択の研究試料についての同意を撤回することができ
る。そのような場合、任意の研究試料が破棄される。試料破壊プロセスは、上記のように
進む。
【0470】
将来の研究における試料の使用の撤回
対象は、研究のためにサンプルを使用するための同意を撤回することができる(セクシ
ョン16.2.5、追加的な将来の研究のためのサンプルの長期保持を参照)。そのよう
な場合、試料は、臨床試験に必要とされなくなった後に破棄される。研究のための試料保
持の詳細は、任意の研究試料について、主ICF及び別個のICFに提示される。
【0471】
11.統計的方法
統計解析は、治験依頼者によって、又は治験依頼者の権限のもとで行われる。効力及び
安全性データを分析するために使用される統計的方法の一般的な記述が、下記に示される
。統計解析計画には、具体的な詳細が提供される。
【0472】
11.1.対象情報
少なくとも1用量の試験薬剤を受ける全ての対象について、記述統計が、以前の療法及
び基礎両方を含む、人工統計データ及びベースライン特性のために提供されるであろう。
無作為化され、少なくとも1用量の試験薬剤を受ける全ての対象は、その割り当てられた
処置群に従って、有効性分析に含まれる。安全性分析集団は、少なくとも1用量の試験薬
剤を受けた対象を含み、受けた実際の試験薬剤に従って分析されるであろう。
【0473】
11.2.サンプルサイズの決定
サンプルサイズの計算は、主要エンドポイントの、24週目におけるSRI-4応答者
の比率に基づく。ウステキヌマブで処置された約60人の対象及びプラセボで処置された
約40人の対象を、0.1のアルア水準で、プラセボと比較して奏効率の有意差を検出す
るために約80%の検定力を与えるように見積もられる(プラセボ及びウステキヌマブに
おけるそれぞれ35%及び60%奏効率を仮定し、これは、プラセボに対する25%の絶
対的増加又は2.79のオッズ比と解釈される)。プラセボに対する35%応答者率の仮
定は、同様のSLE集団が処置された以前の試験基づく36。最近の試験は、特定の領域
において非常に高いプラセボ率を示し、したがって、試験のための検定力(power)は、
低減され得る。14
【0474】
α=0.1(両側)における有意な処置差を検出するための検定力は、様々な仮定下で
計算される(表4を参照されたい)。
【0475】
【0476】
11.3.有効性分析
全ての有効性分析は、修正した治療意図の原理による(intent-to-treat)(mITT
)解析セットで実施される。mITT解析セットは、無作為化され、少なくとも1用量の
試験薬剤を受けた全ての対象を含む。有効性分析は、割り当てられた処置群に従って計算
される。
【0477】
11.3.1.主要エンドポイント分析
この試験の主要エンドポイントは、24週目のSLE疾患活動性の複合尺度(SRI-
4応答)を有する対象の比率である(セクション9.2.2.1.)。一次分析は、主要
エンドポイントに基づくものであり、(mITT)集団に対して行われ、これは、少なく
とも1用量の試験薬剤を受ける全ての無作為化された対象が、投与前に少なくとも1回の
測定を有し、かつ少なくとも1つのベースライン後のSRI-4測定値を有することを含
む。
【0478】
対象が24週目に少なくとも1つのSRI-4構成要素についてのデータを有する場合
は、最終観測代入手順を使用して、欠落しているSRI-4構成要素を帰属させる。対象
が24週目に任意のSRI構成要素についてのデータを有しない場合、対象はSRI-4
応答を達成しなかったと見なされる。加えて、以下の基準のうちのいずれか1つを満たす
対象は、一次のエンドポイント、24週目におけるSRI-4応答を達成しないと見なさ
れる(完全な詳細は、SAPに提供される):
・12週目のラインと24週目の来院との間に、免疫調節剤の用量がベースラインより
も高いか、又は新たな免疫調節剤が既存の治療レジメンに付加されていること。
・12週目以前の既存の治療レジメンへの新たな免疫調節剤の付加及び対象が、12週
目以降に免疫調節剤をなお受けていること。
・経口、IV若しくはIM、又はSLEに対する他の種類のコルチコステロイド投与の
禁止された用量若しくは禁止された使用で治療を開始するか、あるいは、12週目と24
週目との間にベースラインを超えるSLEに対する経口コルチコステロイドの用量を増加
させること。
・ARB又はACE阻害剤療法を受けていなかった対象で、その後、12週目と24週
目との間に新たなARB又はACE阻害剤療法を開始した対象。同等の薬剤に対するAR
B又はACE阻害剤を代用する対象は、治療失敗とは見なされない。
・24週目以前に、SLEの悪化のAEに対する有効性の欠如により、試験薬剤を中断
すること。
【0479】
別の適応症のために全身性コルチコステロイドを使用する対象については、有効性測定
は、処置の開始前の最後の観察から、処置の開始後2週間の期間にわたって繰り越される
。2週間の期間後、対象の計算値が測定される。
【0480】
他の状況は、16週目以降にNSAIDを開始する対象、又は、硬膜外、IV、IM、
IA、若しくは病巣内、吸入コルチコステロイド、及び局所薬を使用する対象などの、主
要エンドポイントを混乱させる場合がある。データ取扱規則は、統計的分析プランにおい
て指定される。
【0481】
ベースライン階層化及びベースラインSLEDAIを調整するロジスティック回帰が、
主要エンドポイントを分析するために使用されるであろう。ベースラインSLEDAI値
は、0週目の注入前に採取された最も近い非欠損測定値として定義される。有意な非正規
性が観察される場合、適切なノンパラメトリック試験を使用して、処置間の差異を評価す
ることになる。
【0482】
一次分析が0.1(両側)の有意水準で統計的有意性を達成し、かつウステキヌマブが
プラセボ処置に対して良好な効果を示す場合には、試験はポジティブと見なされるであろ
う。
【0483】
一次分析に加えて、感度分析を実行して、異なるデータ取扱規則による効果を探索する
。必要と見なされれば、主要エンドポイントは、プロトコル集団毎に分析される。プロト
コル集団毎の組み入れ/除外規則の詳細は、SAPに提供される。
【0484】
領域に基づくサブグループ分析が実行される。これは、有効性を評価する際の潜在的な
地域差、及び特定の領域における高いプラセボ奏効率に起因する。他の選択されたベース
ライン特性による主要エンドポイントのサブグループ分析が提示される。詳細は、SAP
に概説される。
【0485】
11.3.2.主要な二次分析
・24週目でのSLEDAI-2Kにおけるベースラインからの変化。
・24週目でのPGAにおけるベースラインからの変化。
・週目でBICLA応答を有する対象の比率。
【0486】
連続応答は、固定因子としての処置群及び共変数としてのベースライン層別化(例えば
、領域)を有する共分散モデルの分析を使用して分析される。正規化仮定が違反している
場合、ノンパラメトリック方法が採用される。
【0487】
11.3.3.他の計画された有効性分析
セクション9.2.3に列挙される他の有効性エンドポイントについて、以下の統計的
方法を適用する。
【0488】
バイナリデータは、一次有効性分析と同じ統計的方法を使用して分析される。連続応答
は、固定因子としての処置群及び共変数としてのベースライン層別化(例えば、領域)を
有する共分散モデルの分析を使用して分析される。正規化仮定が違反している場合、ノン
パラメトリック方法が採用される。ログランク検定は、終点に至るまでの期間(time to
an event)によって定義されたエンドポイントを比較するために使用される。
【0489】
11.3.4.後続試験における有効性分析
SRI-4、SLEDAI-2K、PGA、コルチコステロイド投与量の低減、及び経
時的なフレアの評価を含む有効性の長期評価もまた、後続試験に参加する対象に対して行
われる。
【0490】
11.4.中間解析
中間解析(IA)は、対象の約1/3及び2/3が24週に達したときに行われること
になる。第1のIAでは、顕著な有効性の証拠のみが評価されるであろう。第2のIAで
は、顕著な有効性の証拠並びに処置無効が分析されるであろう。領域にわたるプラセボ効
果の変動は、中間解析に組み込まれることになる。IAに関する詳細は、IA統計分析プ
ランに記載されている。
【0491】
11.5.薬物動態分析
血清ウステキヌマブ濃度を、各処置群について経時的にまとめる。相加平均、標準偏差
、中央値、四分位範囲、最小値、及び最大値を含む記述統計は、各サンプリング時点で計
算される。
【0492】
可能であれば、非線形混合効果モデリングを用いた母集団PK解析を使用して、現在の
試験におけるウステキヌマブ動態(disposition)特性を特徴付けることができる。体重
及びウステキヌマブに対する抗体などの重要な変数の母集団PKパラメータ推定に及ぼす
影響を評価することができる。詳細は、母集団PK解析計画に提供され、母集団PK解析
の結果は別の技術報告に提示される。
【0493】
11.6.免疫原性分析
ウステキヌマブに対する抗体の発生率及び力価は、ウステキヌマブの少なくとも1回の
投与を受け、かつウステキヌマブに対する抗体の検出に適切なサンプルを有する対象(す
なわち、ウステキヌマブの初回投与後に取得された少なくとも1つのサンプルがある対象
)についてまとめられる。
【0494】
ウステキヌマブに対するNAbの発生率は、抗体に対して陽性であり、NAbについて
評価可能なサンプルを有する対象についてまとめられる。
【0495】
11.7.バイオマーカー分析
処置された、及び未処置のSLE対象からの以下の結果をまとめる:
・個々の血清及び尿マーカーの濃度。
・RNAシークエンシング及び免疫組織化学法により、皮膚生検組織内の選択されたバ
イオマーカーの結果。
・全血遺伝子発現プロファイリング、フローサイトメトリー、T細胞並びにB細胞レパ
ートリー、及びエピジェネティクスによる結果。
・データの評価に続いて、追加的な探索的分析を実行することができる。
【0496】
他の進行中の臨床試験から収集されたサンプルもまた、バイオマーカーデータ分析に含
まれてもよい。バイオマーカー分析の結果は、別個の報告で提示され得る。
【0497】
11.8.薬理遺伝学的分析
DNA研究は、この試験に関する、1つ又は2つ以上の候補遺伝子の解析、又は(必要
に応じて)ゲノム全体にわたる遺伝子マーカーの解析からなってもよい。
【0498】
ゲノム解析の結果は、他の供給源から採取されたものを含むサンプルの総数が適切であ
ると、別個の報告で提示される。
【0499】
11.9.薬物動態及び薬力学分析
データが許可される場合、血清ウステキヌマブ濃度と有効性又は薬力学的尺度との間の
関係をグラフで分析することができる。
【0500】
11.10.安全性分析
安全性分析は、いずれかの試験薬剤のうちの少なくとも1用量を受けた全ての対象の集
団に基づくであろう。対象は、実際に受けた処置によってまとめられる。
【0501】
有害事象(AE)
AEを特定するために使用される報告者が使用した用語(verbatim terms)は、医薬品
規制用語集(Medical Dictionary for Regulatory Activities)を使用してコード化され
る。処置期間中の発症を伴う全ての報告されたAE(すなわち、処置期間中に発生したA
E、及びベースラインから悪化したAE)は、分析に含まれる。各AEについて、所与の
事象の少なくとも1つの発生を経験する対象の割合は、処置群によってまとめられる。日
常的な安全性評価が行われる。有害事象、重篤なAE(SAE)、合理的に関連するAE
、及び重症度によるAEは、処理群によってまとめられる。
【0502】
感染、急性輸液反応、及び注射部位反応の発生及び種類を、この試験について分析する
。急性輸液反応は、検査室の異常を除いて、試験薬剤の注入中又は注入後1時間以内に起
こるAEとして定義される。
【0503】
これらの死亡した対象、又は有害事象により治療を中断した対象、又は重度若しくは重
篤な有害事象を経験した対象に対して特別な注意が払われる(例えば、必要に応じて、要
約書、リスト表、及び説明書作成が提供され得る)。
【0504】
臨床検査
検査室試験の種類によって、検査室データをまとめる。参照範囲及び有害事象共通用語
規準(Common Terminology Criteria for Adverse Events)(CTCAE)は、検査室デ
ータの概要に使用される。記述統計は、ベースライン及び各計画された時間点における各
検査室の検体について計算される。ベースライン結果からの変化は、治療前対治療後のク
ロス集計で提示される(検査室基準範囲に基づいて、正常範囲より下、正常範囲内、及び
正常範囲を超えるクラスを有する)。ベースラインは、無作為化処置の初回用量の前の最
後の測定値として定義される。最大CTCAEグレードによる対象の数及び割合は、各検
査室検体の各処置群についてまとめられる。検査室パラメータ及び選択された検査室パラ
メータ(血液学及び化学)におけるベースラインからの変化、並びにCTCAE毒性等級
付けに基づく異常な検査室パラメータ(血液学及び化学)を有する対象の数は、まとめら
れた処置群である。SAEのリストも提供される。全ての安全性分析は、いずれかの試験
薬剤のうちの少なくとも1用量を受けた対象の集団に基づくであろう。対象は、実際に受
けた処置によってまとめられる。
【0505】
尿タンパク質及びクレアチニン測定を使用して、尿タンパク質対クレアチニン比を計算
する。記述統計は、ベースライン及び各計画された時間点におけるこれらの比について計
算される。
【0506】
バイタルサイン
各計画された時間点におけるバイタルサイン測定値及びベースラインからのそれらの変
化は、記述統計を使用してまとめられる。ベースラインは、無作為化処置の初回用量の前
の最後の測定値として定義される。
【0507】
11.11.データ監視委員会
独立したDMCを設立して、継続してデータを監視し、この試験に登録した対象の継続
した安全性を確実にし、中間有効性解析を実行した。この委員会は、対象の1/3及び2
/3が24週目に達したときを含む、中間データを審査するために、少なくとも2回開か
れる。各審査後に、DMCは、安全性に関する懸念のために試験を停止すべきかどうかを
、治験依頼者委員会に勧告する。第1回目のIAでは、治験依頼者には、次の試験に進む
ために顕著な有効性も通知される。第2回目のIAでは、治験依頼者には、顕著な有効性
並びに無用性について通知される。詳細は、別個のDMC許可証及びIA統計計画書に提
供される。
【0508】
DMCは、治験依頼者とは独立した3~6人の構成員を有する。DMCは、少なくとも
1人の該当する治療分野の医療専門家と、少なくとも1人の統計学者とからなるであろう
。DMCの責任、権限、及び手順は、その許可証に文書化される。
【0509】
DMCは、本試験における主要エンドポイントの評価後に、もはや活動しない。
【0510】
12.有害事象の報告
臨床試験からの安全性情報の適時の、正確、かつ完全な報告及び分析は、対象、治験責
任医師、及び治験依頼者の保護にとって重要であり、世界中の規制機関によって命じられ
ている。治験依頼者は、安全性情報の適切な報告を確実にするために世界的な規制要件に
準拠して標準業務手順書を確立し、治験依頼者又はその関連会社によって行われる全ての
臨床試験は、これらの手順書に従って行われる。
【0511】
12.1.定義
12.1.1.有害事象の定義及び分類
有害事象
有害事象とは、医薬品(治験用又は非治験用医薬品)を投与された臨床試験対象におけ
る任意の好ましくない医療上の出来事である。有害事象は、必ずしも治療と因果関係を有
するわけではない。したがって、有害事象とは、医薬品(治験用又は非治験用)医薬品の
使用と時間的に関連のある、あらゆる好ましくない、意図しない徴候(例えば、臨床検査
値の異常)、症状又は疾患のことであり、医薬品(治験用又は非治験用)医薬品のとの因
果関係の有無は問わない。(医薬品規制調和国際会議(International Conference on Ha
rmonisation[ICH]による定義)
【0512】
これには、新たな発症又はベースライン状態からの重症度若しくは頻度における悪化で
ある任意の発症、あるいは検査室試験の異常を含む診断手順の異常な結果が含まれる。
【0513】
注記:治験依頼者は、ICFの署名から開始して、有害事象を収集する(最後の有害事
象記録の時間については、セクション12.3.1の全ての有害事象を指す)。
【0514】
重篤な有害事象
ヒト使用のための医薬品の安全性情報監視のICH及びEUガイドライン(ICH and EU
Guidelines on Pharmacovigilance for Medicinal Products for Human Use)に基づく
重篤な有害事象は、下記の用量に関係なく、好ましくないあらゆる医療上の出来事:
・死に至るもの
・生命を脅かすもの
(ここでいう「生命を脅かすもの」とは、その事象の発現時点において対象が死の危険
にさらされている場合をいう。仮にもっと重度であれば死を招いたかもしれないという意
味ではない。)
・入院又は現行の入院期間の延長が必要となるもの
・永続的又は重大な障害/機能不全に至るもの
・先天異常/先天性欠損を来すもの
・医薬品を介した任意の感染因子の疑いのある伝播を来すもの
・医学的に重要な状態を来すもの*
【0515】
*医学的及び科学的判断は、直ちに生命を脅かしたり、又は死や入院に至らなくとも、
対照を危険にさらす恐れがあったり、又は上記の定義に挙げられている他の結果の1を防
止するための介入が必要となり得る重要な医学的事象などの他の状況においても適切であ
るかどうかを決定する際に、医学的及び科学的判断を実行するべきである。これらは通常
、重篤であると見なされるべきである。
【0516】
試験薬剤と事象(例えば、アナフィラキシーからの死)との間の因果関係を示唆する証
拠が存在する重篤な有害事象が発生した場合、事象は重篤かつ予測できない治験薬との関
連が疑われる有害反応として報告されなければならない。
【0517】
未記載の(予測できない)有害事象/安全に関する参考情報
性質又は重症度が適用可能な製品参照安全性情報と一致しない場合、有害事象は、列挙
されていないと考えられる。
【0518】
薬剤の使用に関連する有害事象
因果関係が考えられ、確率が高いか、又は定義によって非常に高い場合、有害事象が薬
剤の使用に関連していると考えられる。
【0519】
12.1.2.因果関係定義
関連なし
薬剤の使用に関連しない有害事象。
【0520】
ほぼ関連なし
代替的な説明がより可能性が高い有害事象、例えば、併用薬剤(複数可)、併発症(複
数可)、又は時間の関係は、因果関係がおそらくないことを示唆する。
【0521】
可能性あり
薬剤の使用に起因し得る有害事象。代替的な説明、例えば、併用薬剤(複数可)、併発
症(複数可)は決定的ではない。時間の関係は合理的であり、したがって、因果関係を除
外することができない。
【0522】
多分関連あり
薬剤の使用に起因し得る有害事象。時間の関係は、暗示的である(例えば、薬剤の投与
中断によって確認される)。代替的な説明、例えば、併用薬剤(複数可)、併発症(複数
可)は可能性が低い。
【0523】
非常に可能性が高い
有害事象は、可能な有害反応として列挙され、代替的な説明、例えば、併用薬剤(複数
可)、併発症(複数可)によって合理的に説明することができない。時間の関係は、非常
に暗示的である(例えば、薬剤の投与中断及び再開によって確認される)。
【0524】
12.1.3.重症度基準
重症度グレードの評価は、以下の一般的なカテゴリー記述子を使用して行われる:
【0525】
軽度:
容易に許容され、最小限の不快感を引き起こし、日常活動を妨害しない症状の認識。
【0526】
中等度:
通常の活動の妨害を引き起こすような十分な不快感が存在する。
【0527】
重度:
機能の重大な障害又は機能不全を引き起こす、極度な苦痛。正常な日常活動が妨害され
る。
【0528】
治験責任医師は、対象が直接経験していない事象の重症度(例えば、検査室の異常)を
評価する際に臨床的判断を使用するべきである。
【0529】
12.2.特別な報告状況
緊急報告及び/又は安全性評価を必要とし得る治験依頼者試験薬に対する関心の安全性
事象としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
・治験依頼者試験薬の過剰投与
・治験依頼者試験薬の乱用/誤用の疑い
・治験依頼者試験薬への不注意又は偶発的曝露
・治験依頼者製剤に関与する投薬エラー(治験依頼者試験薬への対象/患者の曝露を伴
うか又は伴わない、例えば、名前の混乱)
・特別な関心の有害事象:任意の新たに特定された悪性疾患、日和見感染症(すなわち
、通常は病原性でないか、又は免疫適格宿主において侵襲性感染を引き起こさない生物に
よる感染)、又はこの臨床試験に参加している対象における試験薬剤の初回投与後に起こ
る活動性TBの症例は、処置後に治験責任医師によって報告されなければならない。治験
責任医師はまた、ほとんどの国では、活動性TBが報告可能な疾患と見なされることも助
言されている。これらの事象は、SAEの定義を満たす場合にのみ重篤であると見なされ
るべきである。
【0530】
特別な報告状況も記録されるべきである。重篤な有害事象の基準を満たす任意の特別な
報告状況を記録する必要がある。
【0531】
12.3.手順
12.3.1.全ての有害事象
重篤であるか非重篤であるかにかかわらず、全ての有害事象及び特別な報告状況は、署
名され、かつ日付を記入したICFが取得された時間から、対象の最後の試験関連処置の
完了まで(安全性の経過観察のための連絡を含み得る)報告される。試験薬の最後の投与
後16週間以内に、治験責任医師に自発的に報告されたものを含む重篤な有害事象は、重
篤な有害事象フォームを使用して報告されなければならない。治験依頼者は、プロトコル
に指定された時間枠を越えて、治験担当医師によって自発的に報告される任意の安全性情
報を評価する。
【0532】
重篤な有害事象の定義を満たす全ての事象は、それらがプロトコル特異的評価であるか
どうかにかかわらず、重篤な有害事象として報告される。
【0533】
全ての有害事象は、試験薬剤に対する重篤性、重症度、又は推定される関係にかかわら
ず、ソース文書内の医療専門用語を使用して記録されなければならない。可能な場合はい
つでも、徴候及び症状が、一般的な病因のために、診断を行うべきである(例えば、咳、
鼻音、くしゃみ、咽頭炎、及び鼻詰まりが「上気道感染」として報告されるべきである)
。治験責任医師は、試験療法に対する有害事象の関係に関する意見を記録しなければなら
ない。有害事象管理に必要な全ての測定は、ソース文書に記録され、治験依頼者命令に従
って報告されなければならない。
【0534】
治験依頼者は、規制当局への有害事象の適切な報告の責任を負う。治験依頼者はまた、
治験責任医師(及び必要な場合、治験施設の所長)に、列挙されておらず(予想されず)
かつ試験薬の使用に関連する全ての重篤な有害事象を報告する。治験責任医師(又は必要
な場合、治験依頼者)は、別途必要とされ、IEC/IRBによって文書化されない限り
、プロトコルを承認した適切な独立倫理委員会/施設内審査委員会(Independent Ethics
Committee/Institutional Review Board)(IEC/IRB)に報告しなければならな
い。
【0535】
対象には、「ウォレット(試験)カード」を提供しなければならず、このカードを、以
下を示す試験の持続時間にわたって携帯する指示されなければならない。
・試験番号
・現地の言語(複数可)において、対象が臨床試験に参加していることの記述
・治験責任医師の名前及び24時間の連絡先電話番号
・実際の治験の治験依頼者の名前及び24時間の連絡先電話番号(医療スタッフのみ)
・施設番号
・対象番号
・盲検の緊急制動を行うために必要な任意の他の情報
【0536】
12.3.2.重篤な有害事象
試験中に生じる全ての重篤な有害事象は、試験施設担当者が、その事象の認識後24時
間以内に、適切な治験依頼者連絡担当者に報告されなければならない。
【0537】
重篤な有害事象に関する情報は、重篤有害事象フォームを使用して治験依頼者に送信さ
れ、これは、試験施設から医師によって全て記入及び署名され、24時間以内に治験依頼
者に送信されなければならない。重篤な有害事象の初期及び経過観察報告は、ファクシミ
リ(ファックス)によって行われるべきである。
【0538】
試験の終了までに解明されていないか、又は試験における対象の参加の中断時に解明さ
れていない全ての重篤な有害事象は、以下のいずれかが生じるまで追跡されなければなら
ない。
・事象が解消すること
・事象が安定化すること
・ベースライン値/状態が利用可能である場合、事象はベースラインに戻ること
・事象が、試験薬剤以外の薬剤、又は試験行為に無関係な因子に起因し得ること。
・いかなる追加情報も得られる可能性が低くなること(対象又は医療従事者が、追加情
報を提供することを断り、経過観察の取り組みによる適切な注意の表明後に追跡不能とな
った場合)。
【0539】
医薬品による感染因子の疑わしい伝播は、重篤な有害事象として報告される。試験にお
ける対象の参加の過程で生じる入院(又は入院の延長)を必要とするいずれの事象も、以
下の入院を除いて重篤な有害事象として報告されなければならない:
・急性疾患又は有害事象を治療することを意図しない入院(例えば、長期療養施設にお
ける配置待機などの社会的理由)
・試験への参入前に計画された手術又は処置(文書化されなければならない)。
【0540】
試験薬剤の最後の投与から16週間以内の試験における対象の死亡の原因は、事象が予
測されるか、又は試験薬剤に関連しているかどうかに関わらず、重篤な有害事象であると
見なされる。
【0541】
12.3.3.妊娠
全ての妊娠の最初の報告は、適切な妊娠通知フォームを使用して、その事象の認識の2
4時間以内に、研究施設担当者によって治験依頼者に報告されなければならない。これは
、積極的な自宅での店頭販売の妊娠検査の対象報告を含む。異常な妊娠結果(例えば、自
然流産、死産、及び先天異常)は、重篤な有害事象と見なされ、重篤有害事象フォームを
使用して報告されなければならない。試験中に妊娠するいかなる対象も、更なる試験処置
を中止しなければならず、最後の試験投与後4ヶ月間続けなければならない。
【0542】
精子に対する試験薬の影響は不明であるため、試験に含まれる男性対象のパートナーに
おける妊婦は、適切な妊娠通知フォームを使用して、その事象の認識から24時間以内に
、試験施設担当者によって報告されるであろう。
【0543】
妊娠の結果及び乳児のいかなる出生後遺症の結果に関する情報も追跡することが必要と
される。
【0544】
13.製品品質の苦情処理
製品品質の苦情(PQC)は、製造、ラベル付け、又は包装に関連する製品欠陥のあら
ゆる疑い、すなわち、製品のラベル付け又は包装の整合性を含む、製品の同一性、品質、
耐久性、又は信頼性に対するあらゆる不満として定義される。PQCは、製品の安全性及
び有効性に影響を及ぼし得る。試験からのPQC性情報の適時の、正確、かつ完全な報告
及び分析は、対象、治験責任医師、及び治験依頼者の保護にとって重要であり、世界中の
規制機関によって命じられている。治験依頼者は、PQC情報の適切な報告を確実にする
ために世界的な規制要件に準拠して手順書を確立し、治験依頼者又はその関連会社によっ
て行われる全ての試験は、これらの手順書に従って行われる。
【0545】
13.1.手順
全ての初期PQCは、事象を認識した後24時間以内に、研究施設担当者によって治験
依頼者に報告されなければならない。
【0546】
欠陥が重篤な有害事象と組み合わされる場合、試験施設担当者は、重篤な有害事象報告
タイムラインに従ってPQCを治験依頼者に報告しなければならない(セクション12.
3.2.の重篤な有害事象を参照されたい)。疑わしい製品のサンプルは、治験依頼者に
よって要求される場合、更なる調査のために保持されるべきである。
【0547】
14.試験薬物情報
14.1.試験薬の物理的記述
14.1.1.IV投与
ウステキヌマブ5mg/mL(FVP)(IV)は、30mLバイアルに、1用量強度
単回使用の滅菌溶液として供給される(すなわち、公称容量26mL中に130mg)。
ウステキヌマブに加えて、この溶液は、10mMのL-ヒスチジン、8.5%(w/v)
スクロース、0.04%(w/v)ポリソルベート80、0.4mg/mLのL-メチオ
ニン、及び20μg/mLのEDTA二ナトリウム塩、二水和物を、pH6.0で含有す
る。防腐剤は存在しない。
【0548】
FVP(IV)のプラセボは、26mLの公称容量を有する30mLバイアルに、単回
仕様の滅菌溶液として供給される。プラセボの組成は、10mMのL-ヒスチジン、8.
5%(w/v)スクロース、0.04%(w/v)ポリソルベート80、0.4mg/m
LのL-メチオニン、及び20μg/mLのEDTA二ナトリウム塩二水和物、pH6.
0である。防腐剤は存在しない。
【0549】
14.1.2.SC投与
ウステキヌマブはまた、SC投与のための1mLの公称容量中で、90mgの強度で、
単回使用のラテックスを含まないPFSとして供給される。PFS中の各1mLのウステ
キヌマブ溶液は、6.7mMのL-ヒスチジン、7.6%(w/v)スクロース、0.0
04%(w/v)ポリソルベート80の公称賦形剤濃度をpH6.0で有する90mgの
ウステキヌマブを含有する。防腐剤は存在しない。PFSの針カバーは乾燥天然ゴム(ラ
テックスの誘導体)を含み、これはラテックス感受性の人にアレルギー反応を引き起こす
可能性がある。
【0550】
プラセボ投与は、ウステキヌマブ投与のそれぞれと同様の外観を有する。液体プラセボ
はまた、1mLのPFS中に供給され、pH6.0で10mMのL-ヒスチジン、8.5
%(w/v)スクロース、0.004%(w/v)ポリソルベート80を有する。防腐剤
は存在しない。PFSの針カバーは乾燥天然ゴム(ラテックスの誘導体)を含み、これは
ラテックス感受性の人にアレルギー反応を引き起こす可能性がある。
【0551】
結論
全身性エリテマトーデスを有する患者におけるウステキヌマブの安全性及び有効性:第
2相、無作為化、プラセボ対照試験の結果
背景/目的:
IL-12/23経路は、全身性エリテマトーデス(SLE)の病因に関与している。
抗IL-12/IL-23p40抗体ウステキヌマブは、乾癬、乾癬性関節炎、及びクロ
ーン病の治療に使用される。ここでは、ウステキヌマブの安全性及び有効性を、活動性S
LEを有する患者において評価した。
【0552】
方法:
第2相、プラセボ対照試験は、従来の療法にもかかわらず、SLICC基準及び活動性
疾患(SLEDAI-2K≧6及び≧1のBILAG A及び/又は≧2のBILAG
Bスコア)によって、血清陽性(ANA、抗dsDNA、及び/又は抗スミス抗体)SL
Eを有する成人102人で実施した。患者(n=102)を無作為化(3:2)して、0
週目に約6mg/kgのウステキヌマブ静脈内(IV)又はプラセボを受容し、次いで、
ウステキヌマブ90mg又はプラセボの皮下(SC)注射をq8wで、標準的なケアに加
えた。層別因子は、皮膚生検(はい/いいえ)、疾患特徴、(例えば、LN、ベースライ
ン併用SLE薬、SLEDAIスコアの存在)、施設/領域、及び人種に同意した。24
週目に、プラセボ患者に、ウステキヌマブ(90mg、SC、q8w)にクロスオーバー
させた。主要エンドポイントは、24週目のSLE応答指標(SRI-4)応答であった
。24週目における主要な副次的エンドポイントには、SLEDAI-2Kにおけるベー
スラインからの変化、医師の全般的評価(Physician's Global Assessment)(PGA)
におけるベースラインからの変化、及びBICLA応答を有する患者の比率が含まれた。
エンドポイント分析には、≧1用量の試験薬剤を受け、投与前に≧1回の測定を有し、か
つ≧1回のベースライン後測定を有した全ての患者が含まれた。SLE疾患活性度尺度に
対する修正した治療意図の原理による(mITT)解析を実施して、24週目と48週目
との間のウステキヌマブによる応答の維持を評価した。プラセボからSCウステキヌマブ
へとクロスオーバーさせた対象もまた、疾患活動性の尺度に対するデノボ臨床応答につい
て評価した。安全性は56週目まで評価した。欠測データ及び治療失敗を有する患者は、
非応答者として解釈された。
【0553】
結果:
患者の人口統計及び疾患特性は、処置群間でバランスがとれていた(女性=91%、平
均年齢=41(18~66)歳、平均SLEDAI-2K=10.9)。24週目におい
て、ウステキヌマブ群の患者の61.7%は、12週目に開始するウステキヌマブの好ま
しい治療効果を伴い、プラセボ群における33.3%に対比してSRI-4応答を有した
(p=0.0057)。ウステキヌマブ群の患者は、プラセボに対比して、SLEDAI
-2Kにおける0週目から24週目までのより大きな中央値改善を有した(表5)。更に
、SLEDAI-2K(24週での65%対1年目での66.7%)、PGA(24週目
での67.9%対1年目での75%)、及び活動性関節(24週目での86.5%対1年
目での86.5%)応答の割合もまた、ウステキヌマブ群において24週目から1年目ま
で持続した(表6)。CLASI奏効率(24週目での53.1%対28週目での67.
7%)は28週目までに頭打ちになり、ウステキヌマブ群(68.6%)において1年に
わたって維持した(表6)。BICLA非応答者間でBiLAGが悪化しない患者の比率
に顕著な差が認められたが、24週目にBICLA複合応答を達成した患者の割合に差は
観察されなかった。新しいBILAGフレアのリスク(≧1の新しいBILAG A又は
≧2の新しいBILAG B)は、プラセボに対比してウステキヌマブ群では有意に低か
った(HR 0.12[95% CI 0.01-0.94];p=0.0119)。ま
た、ウステキヌマブは、プラセボと対比して筋骨格及び粘膜皮膚疾患の特徴における改善
も実証した。抗dsDNA及びC3レベルにおける改善もまた、ウステキヌマブを用いて
、24週目にも留意された。24週目までに、ウステキヌマブ患者の78%及びプラセボ
患者の67%は、≧1の有害事象を有した(表5)。24週目でSCウステキヌマブにク
ロスオーバーされたプラセボ患者(n=33)の中で、54.5%は1年目にSRI-4
応答を達成した。24週目にSCウステキヌマブにクロスオーバーされたプラセボ患者は
また、ベースラインSLEDAI-2Kからの≧4点の改善を有する患者の比率(24週
目での46%対1年目での55%)、ベースラインからの≧30%の改善を有する患者の
比率(24週での56%対1年目での77%)、ベースラインにおける活動性関節の数に
おいて≧50%の改善を有する患者の比率(24週目での61%対1年目での82%)、
及びベースラインCLASI活動性スコアから≧50%の改善を有する患者の比率(24
週目での35%対1年目での47%)を含む多数の有効性尺度に対するより大きな奏効率
を実証した。ウステキヌマブ曝露患者のうちの、81.7%は≧1のTEAEを有し、1
5.1%は≧1のSAEを有し、7.5%は1年目までに≧1の重篤な感染を有した(表
7)。試験において観察された死亡、悪性腫瘍、日和見感染、又は結核症例は存在しなか
った。ウステキヌマブ安全性プロフィールは、他の疾患における以前の試験と一致した。
【0554】
結論
ウステキヌマブは、プラセボと比較して、活動性SLEにおける多くの臨床及び検査室
パラメータにおいて有意に良好な有効性、及び24週目での同等の安全性を示した。ウス
テキヌマブはまた、1年目まで、全体的な持続した臨床利益及び器官特異的SLE活動性
尺度を提供した。疾患活動性尺度に対する奏効率におけるデノボ増加が、24.目にプラ
セボからSCウステキヌマブにクロスオーバーさせた患者において観察された。ウステキ
ヌマブの安全性プロファイルもまた、他の適用症と一致した。したがって、ウステキヌマ
ブは、SLEの治療のための新規な作用機序を有する臨床的に証明された安全な、かつ臨
床的に証明された有効な療法である。
【0555】
【0556】
【0557】
【0558】
【0559】
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【0560】
【0561】
付録2:QuantiFERON(登録商標)-TB Gold試験
The QuantiFERON(登録商標)-TB Gold試験は、TBスクリー
ニングのためのインターフェロン-γ(IFN-γ)系血液アッセイのうちの1つである
(Cellestis,2009)。これは、標準フォーマットで最近同定された結核菌
(M. tuberculosis)特異抗原ESAT-6及びCFP-10、並びにインチューブ形式
のTB7.7(p4)を利用して、感染した個体におけるインビトロでの細胞媒介性免疫
応答を検出する。QuantiFERON(登録商標)-TB Goldアッセイは、合
成M.tuberculosis特異抗原で刺激したときに、増感T細胞によって産生さ
れるIFN-γの量を測定する。結核菌感染者では、増感Tリンパ球は、M.tuber
culosis特異抗原による刺激に応答してIFN-γを分泌し、したがって、Qua
ntiFERON(登録商標)-TB Gold試験は、陽性であるべきである。試験に
使用される抗原は、BCGにおいては見られないM.tuberculosisに特異的
であるため、試験は、ツベルクリン皮膚検査とは異なり、BCGワクチン接種によって交
絡されない。しかしながら、3つのマイコバクテリウム(Mycobacterium)種、マイコバ
クテリウム・カンサシ(M. kansasii)、マイコバクテリウム・マリヌム(M. marinum)
、及びマイコバクテリウム・ツルガイ(M. szulgai)といくつかの交差反応性がある。し
たがって、陽性試験は、M.tuberculosis感染の不在下で、これら3種のマ
イコバクテリウムのうちの1種を感染させた結果であり得る。
【0562】
活動性TBを有する対象におけるQuantiFERON-(登録商標)-TBゴール
ド試験(標準フォーマット)の研究では、感度はおよそ89%であることが示されている
(Mori et al,2004)。健康なBCG-ワクチン接種個体における試験の
特異性は、98%超であることが実証されている。対照的に、ツベルクリン皮膚検査の感
度及び特異性は、活動性TB及び健康なBCG-ワクチン接種若年成人を有する日本の患
者の研究において、それぞれ約66%及び35%のみであることに留意された。しかしな
がら、ツベルクリン皮膚検査の感度及び特異性は、研究されている集団に依存し、ツベル
クリン皮膚検査は、BCG-ワクチン接種されていない健常な若年成人において最良に機
能する。
【0563】
免疫抑制集団におけるQuantiFERON(登録商標)-TBゴールドアッセイの
性能を調査する限定された数の公表された研究からのデータは、QuantiFERON
(登録商標)-TBゴールド試験の感度が、免疫抑制患者においてもツベルクリン皮膚検
査よりも良好であることを示唆している(Ferrara et al,2005;Ko
bashi et al,2007;Matulis et al,2008)。潜在感
染を検出するためのIFN-γベースの試験の能力は、ゴールドスタンダード診断試験の
欠如により、研究が困難であった。しかしながら、いくつかのTBアウトブレイク研究は
、試験が、接触がTB初発症例(index TB case)に達した曝露の程度と、
ツベルクリン皮膚検査よりも良好に相関したことを実証した(Brock et al,
2004;Ewer et al,2003)。加えて、TB接触トレーシング試験は、
陽性のQuantiFERON(登録商標)-TB Gold試験結果を有し、潜在性T
B感染のために治療されなかった患者が、陽性のツベルクリン皮膚検査及び陰性のQua
ntiFERON(登録商標)-TB Gold試験結果を有する患者よりも、長期追跡
調査中に活動性TBを発症する可能性がはるかに高かったことを示している(Higuc
hi et al,2007;Diel et al,2008)。
【0564】
活動性又は潜在性M.tuberculosis感染に対する新たなIFNγベースの
血液試験の性能は、免疫抑制集団において十分に検証されていないが、これらの新たな試
験は、ツベルクリン皮膚検査よりも、少なくとも、同じくらい、感受性、及び明確に具体
的ではない場合には、これらの新たな試験は、少なくとも、それ以上、感受性、及び明確
により特異的であると専門家は考えている(Barnes,2004;personal
communication,April,2008 TB Advisory Bo
ard)。
【0565】
QuantiFERON(登録商標)-TB Goldのインチューブ試験の実施
この試験のために、QuantiFERON(登録商標)-TB Gold試験インチ
ューブ形式が提供される。インチューブ形式は、試験の特異性を増加させると考えられる
、1つの追加のM.tuberculosis特異的抗原、TB7.7(p4)を含有す
る。
【0566】
インチューブ形式を使用して試験を実施するために、血液は、標準的な静脈穿刺を通し
て、M.tuberculosis特異抗原を既に含有する供給管に引き込む。対象毎に
およそ3本のチューブが必要であり、それぞれ1mLの血液を必要とする。1つのチュー
ブは、M.tuberculosis特異的抗原を含有し、残りのチューブは陽性対照試
薬及び陰性対照試薬を含有する。血液を抗原と完全に混合することが、インキュベーショ
ン前に必要である。次いで、血液を37℃で16~24時間インキュベートし、その後、
管を2000~3000gでおよそ15分間遠心分離する。遠心分離後、血漿を各チュー
ブから採取し、凍結し、ドライアイス上で中央検査室に搬送する。中央検査室は、分光光
度法及びコンピュータソフトウェア分析を使用して、血漿中に存在するIFN-γの量を
定量化する。
【0567】
中央検査室は、各対象について結果を分析及び報告し、施設は結果の通知を受ける。不
確定な結果を有する対象には、試験を繰り返すべきである。
【0568】
ローカルガイドラインへのアドヒアランス
免疫不全患者に対する現地の国ガイドラインは、潜在性TBの容認可能な抗結核治療レ
ジメンに関して相談する必要がある。免疫不全患者に対する現地の国ガイドラインが存在
しない場合、米国ガイドラインを遵守しなければならない。
【0569】
QuantiFERON(登録商標)-TB Gold試験が承認/登録されていない
国では、ツベルクリン皮膚検査が更に必要とされている。
【0570】
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【0571】
付録3:ツベルクリン皮膚検査
マントーツベルクリン皮膚検査の施行
マントーツベルクリン皮膚検査(CDC、2000)は、結核菌(Mycobacterium tube
rculosis)に感染した人を特定する標準的な方法である。複数の穿刺試験(Tine及び
Heaf)は、皮内注射されたツベルクリンの量が正確に制御することができないため、
ヒトが感染しているかどうかを判定するために使用されるべきではない。ツベルクリン皮
膚検査は、妊娠過程全体にわたって安全かつ信頼性が高い。0.1mLのツベルクリンの
皮内注射を前腕の内側表面に配置することによって、マントーツベルクリン皮膚検査を実
施する。この検査は、世界保健機関によって推奨されるように、標準的な精製タンパク質
誘導体(PPD)Sの5ツベルクリン単位(TU)、又はPPD RT23、State
ns Seruminstitutの2TUのいずれかと少なくとも同じ強度を有するツ
ベルクリンを用いて実施しなければならない。1 TU又は250 TUのPPD強度は
許容できない(Menzies,2000)。注射は、針ベベルを上向きにした使い捨て
のツベルクリン注射器を使用して、皮膚の表面の真下で行われるべきである。これは、直
径6mm~10mmの皮膚(皮内丘疹)のはっきりと区別される青白い隆起部を作り出す
はずである。針刺し創を防止するために、針は、使い捨て注射器から再キャップされ、意
図的に屈曲若しくは破壊されるか、又は取り外されるべきではなく、ないしは別の方法で
手で操作されるべきではない。それらが使用された後、使い捨て針及び注射器は、廃棄の
ために耐穿刺性容器内に配置されるべきである。感染制御(例えば、手袋の使用)のため
の普遍的予防策に関する施設ガイドラインに従うべきである。訓練された医療従事者、好
ましくは治験責任医師は、注射の48~72時間後に、マントー試験対する反応を読み取
るべきである。対象自身でツベルクリン検査結果を読み取ることを、決して許可するべき
ではない。対象が計画された読み取りのために来院しなかった場合、陽性反応は、試験後
に最長1週間まで測定可能であり得る。しかしながら、72時間以内に戻ることができな
い対象が試験が陰性である場合、ツベルクリン検査を繰り返すべきである。注射部位の周
囲の硬結(触診可能な隆起した硬化領域)の面積は、ツベルクリンへの反応部である。標
準化のために、硬結の直径は、前腕の長軸に対して横方向(垂直)に測定されるべきであ
る。紅斑(発赤)は測定されるべきではない。全ての反応は、陰性として分類されたもの
であっても、ミリメートル単位で記録されるべきである。
【0572】
ツベルクリン皮膚検査結果の解釈
米国及び多くの他の国では、ツベルクリン皮膚検査に対する陽性の最も保存的な定義は
、免疫不全患者のために確保されており、この定義は、対象がベースラインにおいて免疫
不全でない場合であっても、潜在性TBを検出する可能性を最大化するために、この試験
において適用されるべきである。
【0573】
米国及びカナダでは、皮内ツベルクリン皮膚検査に反応して5mm以上の硬結は、潜在
性又は活動性TBのいずれかの陽性結果及び証拠であると見なされる。
【0574】
米国及びカナダ以外の国では、免疫不全患者に対する各国毎のガイドラインが、ツベル
クリン皮膚検査結果の解釈について相談するべきである。免疫不全患者に対する現地の国
ガイドラインが存在しない場合、米国ガイドラインを遵守しなければならない。
【0575】
潜在性結核の治療
免疫不全患者に対する現地の国ガイドラインは、潜在性TBの容認可能な抗結核治療レ
ジメンに関して相談する必要がある。免疫不全患者に対する現地の国ガイドラインが存在
しない場合、米国ガイドラインを遵守しなければならない。
【0576】
参考文献
Centers for Disease Control and Prevent
ion.Core curriculum on tuberculosis:What
the clinician should know(Fourth Editio
n)。Atlanta,GA:Department of Health and H
uman Services;Centers for Disease Contro
l and Prevention;National Center for HIV
,STD,and TB Prevention;Division of Tuber
culosis Elimination;2000:25-86。
Menzies RI.Tuberculin skin testing.Reic
hman LB,Hershfield ES(eds).Tuberculosis,
a comprehensive international approach.2
nd ed.New York,NY:Marcel Dekker,Inc;2000
:279-322。
【0577】
付録4:HBVスクリーニング及びモニタリング
対象は、B型肝炎ウイルス(hepatitis B virus、HBV)のスクリーニングを受けな
ければならない。最低でも、これには、HBsAg(HBV表面抗原)、抗HBs(HB
V表面抗体)、及び総抗HBc(HBVコア抗体の合計)を試験することを含む。
1)全てのHBVスクリーニング検査(すなわち、HBsAg、抗HBc、及び抗HB
s)に関して陰性である対象が、この試験に適格である。
2)表面抗原検査が陰性(HBsAg-)で、かつコア抗体検査陽性(抗HBc+)で
表面抗体検査陽性(抗HBs+)である対象は、この試験に適格である。
3)表面抗体検査のみが陽性(抗HBs+)の対象は、この試験に適格である。
4)表面抗原検査が陽性(HBsAg+)である対象は、他のB型肝炎検査の結果にか
かわらず、この試験には不適格である。
5)コア抗体検査のみが陽性(抗HBc+)の対象は、更にB型肝炎ウイルスデオキシ
リボ核酸の存在について更なる検査(HBV DNA試験)を受けなければならない。H
BV DNAの検査が陽性であれば、その対象はこの試験に適格ではない。HBV DN
Aの検査が陰性であれば、その対象はこの試験に適格である。HBV DNAの検査がで
きない場合には、その対象はこの試験に適格ではない。
【0578】
HBVの検査結果によりこの試験に不適格となった対象については、B型肝炎ウイルス
感染の治療に関して専門家と医師とが相談することが推奨される。
【0579】
【0580】
本発明の更なる実施形態
本明細書の他の箇所の開示に従う、本発明の特定の更なる実施形態を以下に記載する。
本明細書に開示される本発明に関連するものとして上述された本発明の実施形態の特徴は
、これらの番号付けされた更なる実施形態のうちのそれぞれ1つ1つにもまた関係する。
1.SLEなどのループスを有する対象又は患者を、静脈内(IV)及び/又は皮下(
SC)で投与される臨床的に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量で治療する
際に使用するための抗IL-12及び/又はIL-23抗体、若しくは抗IL-12/2
3p40抗体。
2.臨床的に証明された安全かつ臨床的に証明された有効な量でSLEを有する対象又
は患者を治療する際に使用するための抗IL-12/IL-23p40抗体であって、抗
体が、下記を含む、重鎖及び軽鎖と共に重鎖及び軽鎖可変領域を含み、
(i)重鎖が、配列番号1の相補性決定領域重鎖1(CDRHI)アミノ酸配列と、
配列番号2のCDRH2アミノ酸配列と、配列番号3のCDRH3アミノ酸配列と、を含
み、かつ軽鎖可変領域が、配列番号4の相補性決定領域軽鎖1(CDRL1)アミノ酸配
列と、配列番号5のCDRL2アミノ酸配列と、配列番号6のCDRL3アミノ酸配列と
、を含むか、あるいは、
(ii)重鎖可変領域が、配列番号7のアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖可変領域が、
配列番号8のアミノ酸配列を含むか、あるいは、
(iii)重鎖が、配列番号10のアミノ酸配列を含み、かつ軽鎖が、配列番号11
のアミノ酸配列を含む、抗IL-12/IL-23p40抗体。
3.初回投与が、0週目に静脈内(IV)用量であり、続いて8週毎に(q8w)皮下
(SC)用量で投与されるか、あるいは、初回SC用量で投与され、続いて8週毎に(q
8w)SC用量で投与される、実施形態2に記載の使用。
4.初回IV用量が、6.0mg/kg±1.5mg/kgであり、SC用量が、90
mgである、実施形態3に記載の使用。
5.初回IV用量が、体重が≧35kg~≦55kgまでの患者に対しては260mg
であり、体重が>55kg~≦85kgまでの患者に対しては390mgであり、体重が
>85kgの患者に対しては20mgである、実施形態4に記載の使用。
6.患者が、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに
、≧4の全身性エリテマトーデス疾患活動性指標2000(SLEDAI-2K)スコア
におけるベースラインからの減少(SRI-4応答)によって決定される疾患活動性の統
計的に有意な改善を有するものとして特定される、実施形態1~5のいずれかに記載の使
用。
7.患者が、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに
、新しいブリティッシュ島ループス評価グループ(BILAG)フレアのリスクにおける
、≧1の新しいBILAG Aドメインスコア又は≧2の新しいBILAG Bドメイン
スコアとして定義される、統計的に有意な低減を有するものとして特定される、実施形態
1~5のいずれかに記載の使用。
8.プラセボで治療された患者と比べて、抗体による治療を受けた患者について、皮膚
エリテマトーデス疾患エリア及び重症度指標(CLASI)スコアにおけるベースライン
からの50%の改善を有する患者の比率の統計的に有意な増加がある、実施形態1~5の
いずれかに記載の使用。
9.患者が、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに
、ベースラインの関節疾患活動性からの50%の改善によって決定される疾患活動性の統
計的に有意な改善を有するものとして特定される、実施形態1~5のいずれかに記載の使
用。
10.患者が、抗体による治療に対する応答者であり、1年の治療を通じて持続される
治療の24週目までに、疾患活動性の統計的に有意な改善を有するものとして特定され、
疾患活動性が、≧4の全身性エリテマトーデス疾患活動性指標2000(SLEDAI-
2K)スコアにおけるベースラインからの減少(SRI-4応答)、皮膚エリテマトーデ
ス疾患エリア及び重症度指標(CLASI)スコアにおけるベースラインからの50%の
改善を有する患者の比率、及びベースラインの関節疾患活動性からの50%の改善からな
る群から選択される1つ又は2つ以上の基準によって決定される、実施形態1~5のいず
れかに記載の使用。
11.IV投与で使用するための抗体が、10mMのL-ヒスチジン、8.5%(w/
v)のスクロース、0.04%(w/v)のポリソルベート80、0.4mg/mLのL
メチオニン、及び20μg/mLのEDTA二ナトリウム塩、脱水和物を、pH6.0で
含む溶液を含む医薬組成物中にある、実施形態1~5のいずれかに記載の使用。
12.SC投与で使用するための抗体が、6.7mMのL-ヒスチジン、7.6%(w
/v)のスクロース、0.004%(w/v)のポリソルベート80を、pH6.0で含
む溶液を含む医薬組成物中にある、実施形態1~5のいずれかに記載の使用。
13.使用が、ループスを治療するために使用される1つ又は2つ以上の追加の薬剤を
更に含む、実施形態1~5のいずれかに記載の使用。
14.追加の薬剤が、免疫抑制剤、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、メトトレ
キサート(MTX)、抗B細胞表面マーカー抗体、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、ア
ンジオテンシン受容体遮断薬、抗マラリア薬、ミコフェノール酸モフェチル、ミコフェノ
ール酸、アザチオプリン、6-メルカプトプリン、ベリムマブ、抗CD20抗体、リツキ
シマブ、コルチコステロイド、及び共刺激性調整剤からなる群から選択される、実施形態
1~5のいずれかに記載の使用。