(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159208
(43)【公開日】2023-10-31
(54)【発明の名称】スマート加湿のためのシステム、方法、およびデバイス
(51)【国際特許分類】
A61M 16/16 20060101AFI20231024BHJP
A61B 5/08 20060101ALI20231024BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20231024BHJP
A61M 16/00 20060101ALN20231024BHJP
【FI】
A61M16/16
A61B5/08
A61B5/00 102A
A61M16/00 305A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023130074
(22)【出願日】2023-08-09
(62)【分割の表示】P 2022525814の分割
【原出願日】2020-10-30
(31)【優先権主張番号】62/928,911
(32)【優先日】2019-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】522102697
【氏名又は名称】レズメド センサー テクノロジーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ショルディス、レドモンド
(57)【要約】 (修正有)
【課題】個別加湿レベルを提供する方法、システム、およびデバイスを提供する。
【解決手段】制御システムは、第1のセンサから、環境の条件に関する1つ以上の環境パラメータを受信する。この制御システムは、第2のセンサから、その環境内のユーザと関連付けられた1つ以上の生理学的パラメータを受信する。この制御システムは、その1つ以上の環境パラメータおよびその1つ以上の生理学的パラメータに少なくとも部分的に基づいて、その環境内の湿度の所望の変更と関連付けられた動作を判断する。この制御システムは、加湿器モジュールによって出力された水分に少なくとも部分的に基づいて、その環境における湿度の変更と関連付けられた動作の実施を少なくとも部分的にもたらす。これらの方法およびデバイスは、この制御システムと同じ機能を実行する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個別加湿レベルを提供するように構成されたシステムであって、
前記システムの環境における湿度を変更するための水分を出力するように構成された加湿器モジュールと、
機械可読命令を記憶しているメモリと、
第1のセンサから、前記環境の条件に関する1つ以上の環境パラメータを受信するため、
第2のセンサから、前記環境内のユーザと関連付けられた1つ以上の生理学的パラメータを受信するため、
前記1つ以上の環境パラメータおよび前記1つ以上の生理学的パラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記環境内の前記湿度の所望の変更と関連付けられた動作を判断するため、および
前記加湿器モジュールによって出力された水分に少なくとも部分的に基づいて、前記環境における前記湿度の前記変更と関連付けられた前記動作の実施を少なくとも部分的にもたらすために
前記機械可読命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサを有する制御システムと、を備える、システム。
【請求項2】
前記動作が、前記環境内での前記加湿器モジュールの所在箇所変更であるか、又は前記1つ以上のプロセッサによって出力された勧奨によってもたらされた前記所在箇所変更に基づいて前記加湿器モジュールを移動するように前記ユーザに指示することである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記1つ以上のプロセッサが、
前記1つ以上の環境パラメータおよび前記1つ以上の生理学的パラメータを処理して、前記環境内の前記ユーザを基準とする前記加湿器モジュールの位置を判断するために前記
機械可読命令を実行するように構成されており、
前記所在箇所変更が、前記ユーザを基準とする前記加湿器モジュールの前記位置に基づく、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記1つ以上の環境パラメータが、前記環境と関連付けられたオーディオ情報を備えるか、前記1つ以上の生理学的パラメータが、前記ユーザと関連付けられたオーディオ情報を備えるか、又はその両方である、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記環境が、1人以上の他のユーザを含み、前記1つ以上のプロセッサが、
前記環境内の前記1人以上の他のユーザに比して前記ユーザが脆弱性の高い人であると判断するように構成されている、請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記1つ以上のプロセッサが、
前記ユーザの前記環境の外の条件を示す1つ以上の気象パラメータを受信するため、および
前記1つ以上の環境パラメータおよび前記1つ以上の気象パラメータに基づいて前記加湿器モジュールの1つ以上の最適条件を判断するために
前記機械可読命令を実行するように構成されており、
前記湿度の所望の変更と関連付けられた前記判断された動作が、前記最適条件に少なくとも部分的に基づく、請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記1つ以上の生理学的パラメータが、心拍数、体温、活動レベル、水和レベル、前記ユーザによって生成された1つ以上の音、またはそれらの組み合わせを含み、前記1つ以上の環境パラメータが、温度、大気圧、空気の質、風冷、所在箇所、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記ユーザと関連付けられた電子デバイスをさらに備え、前記1つ以上のプロセッサが、前記電子デバイスから1つ以上の他の生理学的パラメータを受信するために前記機械可読命令を実行するように構成されており、前記環境内の前記湿度の所望の変更と関連付けられた動作を判断することが、1つ以上の環境パラメータ、生理学的パラメータ、他の生理学的パラメータ、またはそれらの組み合わせに基づく、請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記電子デバイスからの前記1つ以上の他の生理学的パラメータが、年齢、性別、ボディマス指数、1つ以上の病状、1つ以上の基礎疾患、以前の快適性レベルに関する現在の自己申告レベル、またはそれらの組み合わせを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記1つ以上の音が、呼吸速度、呼吸深度、呼吸の質、咳、喘鳴、口笛、いびき、またはそれらの組み合わせに相関する、請求項7から請求項9までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記1つ以上のプロセッサが、前記ユーザの前記1つ以上の生理学的パラメータに基づいて前記湿度の変更の効果を特定するために前記機械可読命令を実行するように構成されている、請求項1から請求項10までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記第2のセンサが、パッシブ音響センサ、アクティブ音響センサ、パッシブ無線周波数センサ、アクティブ無線周波数センサ、パッシブ赤外線センサ、アクティブ赤外線センサ、光学センサ、または映像センサのうちの1つである、請求項1から請求項11までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1のセンサ、前記第2のセンサ、またはそれらの組み合わせが、腕時計、指輪、ブレスレット、ネックレス、パッチ、衣類、マットレス、車両用シート、またはそれらの組み合わせに統合されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
スマート加湿を提供するように構成されたシステムであって、
加湿器モジュールの環境における湿度を変更するための水分を出力するように構成された加湿器モジュールと、
機械可読命令を記憶しているメモリと、
第1の組の条件で前記加湿器モジュールを制御するため、
前記第1の組の条件を受けて前記環境における前記湿度の変更の有無を監視するため、および
前記湿度の前記変更の有無を前記監視することに少なくとも部分的に基づいて、前記環境内で前記加湿器モジュールを再配置するためのアラートを少なくとも部分的に出すために
前記機械可読命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサを有する制御システムと、を備える、システム。
【請求項15】
前記湿度の前記変更の有無を前記監視することが、1つ以上のセンサから前記湿度の前記変更を示す情報を受信することを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記1つ以上のプロセッサが、
前記1つ以上のセンサまたはユーザを基準とする前記加湿器モジュールの所在箇所を示す所在箇所情報を、前記1つ以上のセンサのうちの少なくとも1つから受信するために前記機械可読命令を実行するように構成されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記1つ以上のプロセッサが、
前記所在箇所情報に少なくとも部分的に基づき、前記環境において、前記1つ以上のセンサまたは前記ユーザを基準として前記加湿器モジュールを再配置する新たな所在箇所を判断するために前記機械可読命令を実行するように構成されている、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記1つ以上のプロセッサが、
前記環境内の音を検出するように構成された1つ以上の音センサから音情報を受信するため、
前記音情報を処理して、前記環境内での前記加湿器モジュールの所在箇所を判断するため、および
前記音情報に少なくとも部分的に基づいて、前記加湿器モジュールを再配置する新たな所在箇所を判断するために
前記機械可読命令を実行するように構成されている、請求項14から請求項17までのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
個別加湿レベルを最適化するように構成されたシステムであって、
前記システムの環境における湿度を変更するための水分を出力するように構成された加湿器モジュールと、
機械可読命令を記憶しているメモリと、
1つ以上のセンサから、前記環境内のユーザと関連付けられた第1の組の1つ以上の生理学的パラメータを受信するため、
前記環境の前記湿度の変更をもたらすように前記加湿器モジュールの1つ以上の稼働条件を調整するため、
前記1つ以上のセンサから、前記環境内の前記ユーザと関連付けられた第2の組の1つ以上の生理学的パラメータを受信するため、
前記第1の組と第2の組の1つ以上の生理学的パラメータの比較に少なくとも部分的に基づいて、前記湿度の前記変更に伴う前記ユーザへの効果を判断するために
前記機械可読命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサを有する制御システムと、を備える、システム。
【請求項20】
前記第1の組または前記第2の組の生理学的パラメータのうちの前記1つ以上が呼吸パラメータを含む、請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年10月31日に出願された米国仮特許出願第62/928,911号の便益およびその優先権を主張するものであり、同仮出願の全体が、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
(技術分野)
本開示は概して、スマート加湿を提供するシステム、方法、およびデバイスに関するものである。
【背景技術】
【0003】
暖房、換気、および空調システム(HVAC)など別のデバイスまたはシステムに統合されたスタンドアロン型の加湿器デバイスまたは加湿器モジュールであり得る従来の加湿器デバイスは、湿度センサだけを含み、目標湿度設定点に達するように加湿を調整するだけである。しかし、設定点に従って湿度を調整することを試みるだけでは、ユーザに便益を提供するには不十分であり得る。なぜなら、その設定点が加湿器デバイスの環境にとって正しくなかったり、その環境における加湿器デバイスの所在箇所が正しくなかったり、加湿器デバイスが、ユーザの体調が悪い、かつ/または呼吸器系の病気や疾患に罹患しているといったユーザの具体的な状況を考慮していないからである。
【0004】
そのため、上記の問題を軽減または是正するスマート加湿を提供する方法、システム、およびデバイスに対するニーズが存在する。
【発明の概要】
【0005】
本開示の一実装形態によれば、個別加湿レベルを提供する方法が開示される。この方法の各種態様は、第1のセンサから、ある環境の条件に関する1つ以上の環境パラメータを受信することを含む。この方法の各種態様は、第2のセンサから、その環境内のユーザと関連付けられた1つ以上の生理学的パラメータを受信することも含む。この方法の各種態様は、その1つ以上の環境パラメータおよび1つ以上の生理学的パラメータに少なくとも部分的に基づいて、その環境内の湿度の所望の変更と関連付けられた動作を判断することも含む。この方法の各種態様は、加湿器モジュールによって出力された水分に少なくとも部分的に基づいて、その環境における湿度の変更と関連付けられた動作の実施を少なくとも部分的にもたらすことも含む。加湿器モジュールは、その環境における湿度を変更するための水分を出力するように構成されている。
【0006】
この実装形態のさらなる態様は、その動作が、その環境内での加湿器モジュールの所在箇所変更であることを含む。この実装形態のさらなる態様は、その動作が、その所在箇所変更に基づいた加湿器モジュールの移動先についての勧奨をユーザに示すことを含む。この実装形態のさらなる態様は、その方法が、1つ以上の環境パラメータおよび1つ以上の生理学的パラメータを処理して、その環境内のユーザを基準とする加湿器モジュールの位置を判断することを含む。この所在箇所変更は、ユーザを基準とする加湿器モジュールの位置に基づく。この実装形態のさらなる態様は、その1つ以上の環境パラメータが、その環境と関連付けられたオーディオ情報を含むことを含む。この実装形態のさらなる態様は、その1つ以上の生理学的パラメータが、ユーザと関連付けられたオーディオ情報を含むことを含む。この実装形態のさらなる態様は、その環境が1人以上の他のユーザを含むことを含む。この態様に関しては、この方法が、その環境内の1人以上の他のユーザに比してそのユーザが脆弱性の高い人であると判断することを含む。この実装形態のさらなる態様は、そのユーザが、喘息発作、咳発作、慢性閉塞性肺疾患、または別の呼吸疾患を有することに少なくとも部分的に基づく脆弱性の高い人であることを含む。この実装形態のさらなる態様は、そのユーザの環境の外の条件を示す1つ以上の気象パラメータを受信することと、1つ以上の環境パラメータおよび1つ以上の気象パラメータに基づいて加湿器モジュールの1つ以上の最適条件を判断することと、を含む。湿度の所望の変更と関連付けられている判断された動作は、その最適条件に少なくとも部分的に基づく。この実装形態のさらなる態様は、その1つ以上の生理学的パラメータが、心拍数、体温、活動レベル、水和レベル、ユーザによって生成された1つ以上の音、またはそれらの組み合わせを含むことを含む。この実装形態のさらなる態様は、ユーザと関連付けられた電子デバイスを含む。この方法は次に、その電子デバイスから1つ以上の他の生理学的パラメータを受信することを含む。その環境内の湿度の所望の変更と関連付けられた動作の判断は、1つ以上の環境パラメータ、生理学的パラメータ、他の生理学的パラメータ、またはそれらの組み合わせに基づく。この実装形態のさらなる態様は、その電子デバイスからの1つ以上の他の生理学的パラメータが、年齢、性別、ボディマス指数、1つ以上の病状、1つ以上の基礎疾患、以前の快適性レベルに関する現在の自己申告レベル、またはそれらの組み合わせであることを含む。この実装形態のさらなる態様は、第1のセンサおよび第2のセンサのうちの1つ以上がその電子デバイスに統合されていることを含む。この実装形態のさらなる態様は、呼吸速度、呼吸深度、呼吸の質、咳、喘鳴、口笛、いびき、またはそれらの組み合わせに相関する1つ以上の音を含む。この実装形態のさらなる態様は、1つ以上の環境パラメータが、温度、大気圧、空気の質、風冷、所在箇所、またはそれらの組み合わせを含むことを含む。この実装形態のさらなる態様は、ユーザの1つ以上の生理学的パラメータに基づいて湿度の変更の効果を特定するステップを含む。この実装形態のさらなる態様は、加湿器モジュールが呼吸療法システムに統合されていることを含む。この実装形態のさらなる態様は、その呼吸療法システムが気道陽圧デバイスであることを含む。この実装形態のさらなる態様は、加湿器モジュールが暖房、換気、および/または空調システムに統合されていることを含む。この実装形態のさらなる態様は、第2のセンサが、パッシブ音響センサ、アクティブ音響センサ、パッシブ無線周波数センサ、アクティブ無線周波数センサ、パッシブ赤外線センサ、アクティブ赤外線センサ、光学センサ、または映像センサのうちの1つであることを含む。この実装形態のさらなる態様は、第1のセンサ、第2のセンサ、またはそれらの組み合わせが、腕時計、指輪、ブレスレット、ネックレス、パッチ、衣類、マットレス、車両用シート、またはそれらの組み合わせに統合されていることを含む。この実装形態のさらなる態様は、このシステムがスタンドアロンデバイスであることを含む。
【0007】
本開示の別の実装形態によれば、スマート加湿を提供する方法が、第1の組の条件で加湿器モジュールの環境における湿度を変更するための水分を出力するように構成された加湿器モジュールを制御することを含む。この方法は、第1の組の条件を受けてその環境における湿度の変更の有無を監視することをさらに含む。この方法は、湿度の変更の有無を監視することに少なくとも部分的に基づいて、その環境内で加湿器モジュールを再配置するためのアラートを少なくとも部分的に出すことをさらに含む。
【0008】
この実装形態のさらなる態様は、湿度の変更の有無を監視することが、1つ以上のセンサから湿度の変更を示す情報を受信することを含むことを含む。この実装形態のさらなる態様は、その1つ以上のセンサまたはユーザを基準とする加湿器モジュールの所在箇所を示す所在箇所情報を、この1つ以上のセンサのうちの少なくとも1つから受信するステップを含む。この実装形態のさらなる態様は、この所在箇所情報に少なくとも部分的に基づき、その環境において、1つ以上のセンサまたはユーザを基準としてその加湿器モジュールを再配置する新たな所在箇所を判断するステップを含む。この実装形態のさらなる態様は、その環境内の音を検出するように構成された1つ以上の音センサから音情報を受信するステップを含む。この実装形態は、その音情報を処理して、その環境内でのその加湿器モジュールの所在箇所を判断するステップをさらに含む。この実装形態は、その音情報に少なくとも部分的に基づいて、その加湿器モジュールを再配置する新たな所在箇所を判断するステップをさらに含む。この実装形態のさらなる態様は、その音情報が、その環境内でのユーザの所在箇所を示す情報を含むことを含む。この実装形態のさらなる態様は、その新たな所在箇所が、ユーザを基準とすることを含む。
【0009】
本開示の別の実装形態によれば、個別加湿を最適化する方法が、1つ以上のセンサから、ある環境内のユーザと関連付けられた第1の組の1つ以上の生理学的パラメータを受信することを含む。この方法は、水分を出力してその環境の湿度の変更をもたらすように構成された加湿器モジュールの1つ以上の稼働条件を調整することをさらに含む。この方法は、1つ以上のセンサから、その環境内のユーザと関連付けられた第2の組の1つ以上の生理学的パラメータを受信することをさらに含む。この方法は、第1の組と第2の組の1つ以上の生理学的パラメータの比較に少なくとも部分的に基づいて、湿度の変更に伴うユーザへの効果を判断することをさらに含む。
【0010】
この実装形態のさらなる態様は、呼吸パラメータを含む第1の組または第2の組の生理学的パラメータのうちの1つ以上を含む。この実装形態のさらなる態様は、その環境の湿度の変更が事前に定義された範囲内であることを含む。この実装形態のさらなる態様は、第1の組の1つ以上の生理学的パラメータ、第2の組の1つ以上の生理学的パラメータ、湿度の変更に伴うユーザへの効果、またはそれらの組み合わせに少なくとも部分的に基づいて、その環境内の空気から微粒子を除去するように構成された空気清浄機の1つ以上の稼働条件の変更を少なくとも部分的にもたらすステップを含む。
【0011】
本開示の別の実装形態によれば、この方法は、ユーザインターフェースを介してユーザの気道に呼吸治療用の空気流を提供するように構成され、その空気流に水分を出力するように構成された加湿器ユニットを備える呼吸療法システムから、その加湿器ユニットの稼働に関する情報を受信するステップを含む。この方法は、第1のセンサから、その呼吸療法システムの環境の条件に関する1つ以上の環境パラメータを受信するステップをさらに含む。この方法は、加湿器ユニットの稼働に関する情報および1つ以上の環境パラメータに少なくとも部分的に基づいて、加湿器ユニットまたは加湿器モジュールの1つ以上の稼働パラメータを調整するステップをさらに含み、加湿器モジュールは、加湿器ユニットの環境内の湿度を変更するための水分を出力するように構成されている。
【0012】
この実装形態のさらなる態様は、第2のセンサから、そのデバイスの環境内のユーザと関連付けられた1つ以上の生理学的パラメータを受信するステップを含む。この1つ以上の稼働パラメータの調整は、この1つ以上の生理学的パラメータに少なくとも部分的に基づく。この実装形態のさらなる態様は、この1つ以上の生理学的パラメータが、ユーザインターフェースにおける漏れと関連付けられていることと、この1つ以上の稼働パラメータの調整が、その漏れに基づいてユーザの気道の乾燥を最小限に抑えることに基づくことと、を含む。この実装形態のさらなる態様は、加湿器ユニットが無水加湿器ユニットであることを含む。
【0013】
本開示の別の実装形態によれば、個別環境条件を提供する方法が開示される。この方法は、第1のセンサから、ある環境の条件に関する1つ以上の環境パラメータを受信するステップを含む。この方法は、第2のセンサから、その環境内のユーザと関連付けられた1つ以上の生理学的パラメータを受信するステップを含む。この方法は、その1つ以上の環境パラメータおよびその1つ以上の生理学的パラメータに少なくとも部分的に基づいて、その環境内での条件の所望の変更と関連付けられた動作を判断するステップを含む。この方法は、環境改変モジュールの稼働に少なくとも部分的に基づいて、その環境における条件の変更と関連付けられた動作の実施を少なくとも部分的にもたらすステップを含む。環境改変モジュールは、システムの環境の条件を改変するように構成されている。
【0014】
この実装形態のさらなる態様は、その動作が、環境改変モジュールを移動するようにユーザに指示することであることを含む。この実装形態のさらなる態様は、その1つ以上の環境パラメータおよびその1つ以上の生理学的パラメータを処理して、その環境内のユーザを基準とする環境改変モジュールの位置を判断するステップを含む。所望の所在箇所変更は、ユーザを基準とする環境改変モジュールの現在位置に少なくとも部分的に基づく。この実装形態のさらなる態様は、ユーザの環境の外の条件を示す1つ以上の気象パラメータを受信するステップを含む。この方法は、その1つ以上の環境パラメータおよびその1つ以上の気象パラメータに基づいて環境改変モジュールの1つ以上の最適条件を判断するステップをさらに含む。この動作は、環境改変モジュールの稼働に少なくとも部分的に基づいて稼働出力を変更することを含み、その稼働出力は、加湿、除湿、暖房、冷却、および空気の質の改変のうちの少なくとも1つである。この実装形態のさらなる態様は、ユーザと関連付けられた電子デバイスから1つ以上の他の生理学的パラメータを受信するステップを含む。その環境内での条件の所望の変更と関連付けられた動作を判断することは、1つ以上の環境パラメータ、生理学的パラメータ、他の生理学的パラメータ、またはそれらの組み合わせに基づく。
【0015】
本開示の別の実装形態によれば、個別加湿レベルを提供するシステムが開示される。このシステムは、1つ以上のプロセッサを含む制御システムと、機械可読命令を記憶しているメモリと、を含む。制御システムはメモリに連結され、メモリ内の機械実行可能命令がその制御システムの1つ以上のプロセッサのうちの少なくとも1つによって実行されると、上記実装形態のうちの任意の1つ以上が実行される。
【0016】
本開示の別の実装形態によれば、個別加湿レベルを提供するシステムが開示される。このシステムは、上記実装形態のうちのいずれか1つ以上の方法を実施するように構成された制御システムを含む。
【0017】
本開示の別の実装形態によれば、コンピュータによって実行ると、上記実装形態のうちの任意の1つ以上の方法をコンピュータに実行させる命令を含むコンピュータプログラム製品が開示される。そのコンピュータプログラム製品は、非一時的コンピュータ可読媒体であり得る。
【0018】
本開示の一実装形態によれば、システムが、個別加湿レベルを提供するように構成されている。このシステムは、そのシステムの環境における湿度を変更するための水分を出力するように構成された加湿器モジュールを含む。このシステムは、機械可読命令を記憶しているメモリと、1つ以上のプロセッサを有する制御システムと、をさらに含む。この1つ以上のプロセッサは、第1のセンサからその環境の条件に関する1つ以上の環境パラメータを受信するためにそれらの機械可読命令を実行するように構成されている。この1つ以上のプロセッサは、その環境内のユーザと関連付けられた1つ以上の生理学的パラメータを第2のセンサから受信するためにそれらの機械可読命令を実行するようにさらに構成されている。この1つ以上のプロセッサは、その1つ以上の環境パラメータおよびその1つ以上の生理学的パラメータに少なくとも部分的に基づいて、その環境内の湿度の所望の変更と関連付けられた動作を判断するためにそれらの機械可読命令を実行するようにさらに構成されている。この1つ以上のプロセッサは、加湿器モジュールによって出力された水分に少なくとも部分的に基づいて、その環境における湿度の変更と関連付けられた動作を少なくとも部分的にもたらすためにそれらの機械可読命令を実行するようにさらに構成されている。
【0019】
この実装形態のさらなる態様は、その動作が、その環境内での加湿器モジュールの所在箇所変更であることを含む。この実装形態のさらなる態様は、その動作が、この1つ以上のプロセッサによって出力された勧奨によってもたらされた所在箇所変更に基づいて加湿器モジュールを移動するようにユーザに指示することを含む。この実装形態のさらなる態様は、この1つ以上のプロセッサが、その1つ以上の環境パラメータおよびその1つ以上の生理学的パラメータを処理して、その環境内のユーザを基準とする加湿器モジュールの位置を判断するためにそれらの機械可読命令を実行するように構成されていることを含む。この所在箇所変更は、ユーザを基準とする加湿器モジュールの位置に基づく。この実装形態のさらなる態様は、その1つ以上の環境パラメータおよびその1つ以上の生理学的パラメータが、ユーザおよび環境と関連付けられたオーディオ情報を含むことを含む。この実装形態のさらなる態様は、その環境が1人以上の他のユーザを含むことを含む。この1つ以上のプロセッサは、ユーザがその環境内の1人以上の他のユーザに比して脆弱性の高い人であると判断するためにそれらの機械可読命令を実行するように構成されている。この実装形態のさらなる態様は、そのユーザが、喘息発作、咳発作、慢性閉塞性肺疾患、または別の呼吸疾患を有することに少なくとも部分的に基づく脆弱性の高い人であることを含む。この実装形態のさらなる態様は、この1つ以上のプロセッサが、ユーザの環境の外の条件を示す1つ以上の気象パラメータを受信するため、ならびにその1つ以上の環境パラメータおよびその1つ以上の気象パラメータに基づいて加湿器モジュールの1つ以上の最適条件を判断するためにそれらの機械可読命令を実行するように構成されていることを含む。この動作は、この最適条件に少なくとも部分的に基づいて加湿出力を変更することを含む。この実装形態のさらなる態様は、その1つ以上の生理学的パラメータが、心拍数、体温、活動レベル、水和レベル、ユーザによって生成された1つ以上の音、またはそれらの組み合わせを含むことを含む。この実装形態のさらなる態様は、このシステムが、ユーザと関連付けられた電子デバイスを含むことを含む。この1つ以上のプロセッサは、その電子デバイスから1つ以上の生理学的パラメータを受信するためにそれらの機械可読命令を実行するように構成されている。この実装形態のさらなる態様は、その電子デバイスからの1つ以上の生理学的パラメータが、年齢、性別、ボディマス指数、1つ以上の病状、1つ以上の基礎疾患、自己申告された睡眠の質、以前の快適性レベルに関する現在の自己申告レベル、またはそれらの組み合わせを含むことを含む。この実装形態のさらなる態様は、第1のセンサおよび第2のセンサのうちの1つ以上がその電子デバイスに統合されていることを含む。この実装形態のさらなる態様は、呼吸速度、呼吸深度、呼吸の質、咳、喘鳴、口笛、いびき、またはそれらの組み合わせに相関する1つ以上の音を含む。この実装形態のさらなる態様は、1つ以上の環境パラメータが、温度、大気圧、空気の質、風冷、所在箇所、またはそれらの組み合わせを含むことを含む。この実装形態のさらなる態様は、この1つ以上のプロセッサが、ユーザの1つ以上の生理学的パラメータに基づいて湿度の変更の効果を特定するためにそれらの機械可読命令を実行するように構成されていること含む。この実装形態のさらなる態様は、加湿器モジュールが呼吸療法システムに統合されていることを含む。この実装形態のさらなる態様は、この呼吸療法システムが連続気道陽圧デバイスであること含む。この実装形態のさらなる態様は、この加湿器モジュールがHVACシステムに統合されていることを含む。この実装形態のさらなる態様は、第2のセンサが、パッシブ音響センサ、アクティブ音響センサ、パッシブ無線周波数センサ、アクティブ無線周波数センサ、パッシブ赤外線センサ、アクティブ赤外線センサ、光学センサ、または映像センサのうちの1つであることを含む。この実装形態のさらなる態様は、第1のセンサ、第2のセンサ、またはそれらの組み合わせが、腕時計、指輪、ブレスレット、ネックレス、パッチ、衣類、マットレス、車両用シート、またはそれらの組み合わせに統合されていることを含む。この実装形態のさらなる態様は、このシステムがスタンドアロンデバイスであることを含む。
【0020】
本開示のいくつかの実装形態によれば、スマート加湿を提供するように構成されているシステムが開示されている。このシステムは、加湿器モジュールの環境における湿度を変更するための水分を出力するように構成された加湿器モジュールを含む。このシステムは、機械可読命令を記憶しているメモリと、1つ以上のプロセッサを有する制御システムと、も含む。この1つ以上のプロセッサは、第1の組の条件で加湿器モジュールを制御するためにそれらの機械可読命令を実行するように構成されている。この1つ以上のプロセッサは、第1の組の条件を受けてその環境における湿度の変更の有無を監視するためにそれらの機械可読命令を実行するようにさらに構成されている。この1つ以上のプロセッサは、湿度の変更の有無を監視することに少なくとも部分的に基づいて、その環境内でその加湿器モジュールを再配置するためのアラートを少なくとも部分的に出すためにそれらの機械可読命令を実行するようにさらに構成されている。
【0021】
この実装形態のさらなる態様は、1つ以上のセンサがその環境内に所在することを含む。その場合、湿度の変更の有無を監視することは、この1つ以上のセンサのうちの少なくとも1つから湿度の変更を示す情報を受信することを含む。この実装形態のさらなる態様は、この1つ以上のプロセッサが、その1つ以上のセンサまたはユーザを基準とするその加湿器モジュールの所在箇所を示す所在箇所情報をこの1つ以上のセンサのうちの少なくとも1つから受信するためにそれらの機械可読命令を実行するように構成されていることを含む。この実装形態のさらなる態様は、この1つ以上のプロセッサが、この所在箇所情報に少なくとも部分的に基づき、その環境において、その1つ以上のセンサまたはユーザを基準としてその加湿器モジュールを再配置する新たな所在箇所を判断するためにそれらの機械可読命令を実行するように構成されていることを含む。この実装形態のさらなる態様は、この1つ以上のプロセッサが、その環境内の音を検出するように構成された1つ以上の音センサから音情報を受信するため、その音情報を処理してこの環境内の加湿器モジュールの位置を判断するため、およびその音情報に少なくとも部分的に基づいて加湿器モジュールを再配置する新たな所在箇所を判断するためにそれらの機械可読命令を実行するように構成されていることを含む。この実装形態のさらなる態様は、その音情報が、その環境内でのユーザの所在箇所を示す情報を含むことを含む。この実装形態のさらなる態様は、その新たな所在箇所が、ユーザを基準とすることを含む。
【0022】
本開示の一実装形態によれば、システムが、個別加湿レベルを最適化するように構成されている。このシステムは、このデバイスの環境における湿度を変更するための水分を出力するように構成された加湿器モジュールを含む。このシステムは、機械可読命令を記憶しているメモリと、1つ以上のプロセッサを有する制御システムと、をさらに含む。この1つ以上のプロセッサは、この1つ以上のセンサから、その環境内のユーザと関連付けられた第1の組の1つ以上の生理学的パラメータを受信するためにそれらの機械可読命令を実行するように構成されている。この1つ以上のプロセッサは、その環境の湿度の変更をもたらすようにその加湿器モジュールの1つ以上の稼働条件を調整するためにそれらの機械可読命令を実行するようにさらに構成されている。この1つ以上のプロセッサは、この1つ以上のセンサから、その環境内のユーザと関連付けられた第2の組の1つ以上の生理学的パラメータを受信するためにそれらの機械可読命令を実行するようにさらに構成されている。この1つ以上のプロセッサは、第1組と第2の組の1つ以上の生理学的パラメータの比較に少なくとも部分的に基づいて、湿度の変更に伴うユーザへの効果を判断するためにそれらの機械可読命令を実行するようにさらに構成されている。
【0023】
この実装形態のさらなる態様は、この1つ以上の生理学的パラメータが呼吸パラメータであることを含む。この実装形態のさらなる態様は、その環境の湿度の変更が事前に定義された範囲内であることを含む。この実装形態のさらなる態様は、このシステムが、その環境内の空気から微粒子を除去するように構成された空気清浄機を含むことを含む。その場合、この1つ以上のプロセッサは、第1の組の1つ以上の生理学的パラメータ、第2の組の1つ以上の生理学的パラメータ、湿度の変更に伴うユーザへの効果、またはそれらの組み合わせに少なくとも部分的に基づいて、空気清浄機の1つ以上の稼働条件の変更を少なくとも部分的にもたらすためにそれらの機械可読命令を実行するように構成されている。
【0024】
本開示の一実装形態によれば、加湿器デバイスが、呼吸治療のためにユーザに空気流を提供するように構成された呼吸治療システムと連携して稼働するように構成されており、この呼吸治療システムは、空気流内に水分を出力するように構成された加湿器ユニットを備える。この加湿器デバイスは、その加湿器ユニットの環境内の湿度を変更するための水分を出力するように構成された加湿器モジュールを含む。この加湿器デバイスは、機械可読命令を記憶しているメモリと、1つ以上のプロセッサを有する制御システムと、をさらに含む。この1つ以上のプロセッサは、その加湿器ユニットの稼働に関する情報を呼吸療法システムから受信するためにそれらの機械可読命令を実行するように構成されている。この1つ以上のプロセッサは、その呼吸療法システムの環境の条件に関する1つ以上の環境パラメータを第1のセンサから受信するためにそれらの機械可読命令を実行するようにさらに構成されている。この1つ以上のプロセッサは、その加湿器ユニットの稼働に関する情報およびその1つ以上の環境パラメータに少なくとも部分的に基づいて、その加湿器ユニットまたはその加湿器デバイスの1つ以上の稼働パラメータを調整するためにそれらの機械可読命令を実行するようにさらに構成されている。
【0025】
この実装形態のさらなる態様は、この1つ以上のプロセッサが、そのデバイスの環境内のユーザと関連付けられた1つ以上の生理学的パラメータを第2のセンサから受信するためにそれらの機械可読命令を実行するように構成されていることを含む。この1つ以上の稼働パラメータの調整は、この1つ以上の生理学的パラメータに少なくとも部分的に基づき得る。この実装形態のさらなる態様は、この1つ以上の生理学的パラメータが、ユーザインターフェースにおける漏れと関連付けられていることを含み、その1つ以上の稼働パラメータの調整は、漏れに基づいてユーザの気道の乾燥を最小限に抑えることに基づく。この実装形態のさらなる態様は、加湿器ユニットが無水加湿器ユニットであることを含む。
【0026】
本開示の一実装形態によれば、個別環境条件を提供するように構成されたシステムが提供される。このシステムは、このシステムの環境の条件を改変するように構成された環境改変モジュールを含む。このシステムは、機械可読命令を記憶しているメモリと、1つ以上のプロセッサを有する制御システムと、をさらに含む。この1つ以上のプロセッサは、その環境の条件に関する1つ以上の環境パラメータを第1のセンサから受信するためにそれらの機械可読命令を実行するように構成されている。この1つ以上のプロセッサは、その環境内のユーザと関連付けられた1つ以上の生理学的パラメータを第2のセンサから受信するためにそれらの機械可読命令を実行するようにさらに構成されている。この1つ以上のプロセッサは、その1つ以上の環境パラメータおよびその1つ以上の生理学的パラメータに少なくとも部分的に基づいて、その環境内での条件の所望の変更と関連付けられた動作を判断するためにそれらの機械可読命令を実行するようにさらに構成されている。この1つ以上のプロセッサは、環境改変モジュールの稼働に少なくとも部分的に基づいて、その環境における条件の変更と関連付けられた動作を少なくとも部分的にもたらすためにそれらの機械可読命令を実行するようにさらに構成されている。
【0027】
この実装形態のさらなる態様は、その動作が、この1つ以上のプロセッサによって出力された勧奨によってもたらされた所在箇所変更に基づいて環境改変モジュールを移動するようにユーザに指示することを含む。この実装形態のさらなる態様は、この1つ以上のプロセッサが、その1つ以上の環境パラメータおよびその1つ以上の生理学的パラメータを処理し、その環境内のユーザを基準とする環境改変モジュールの位置を判断するためにそれらの機械可読命令を実行するように構成されていることを含む。所望の所在箇所変更は、ユーザを基準とする環境改変モジュールの現在位置に少なくとも部分的に基づき得る。この実装形態のさらなる態様は、この1つ以上のプロセッサが、ユーザの環境の外の条件を示す1つ以上の気象パラメータを受信するため、ならびにその1つ以上の環境パラメータおよびその1つ以上の気象パラメータに基づいて環境改変モジュールの1つ以上の最適条件を判断するためにそれらの機械可読命令を実行するように構成されていることを含む。この動作は、環境改変モジュールの稼働に少なくとも部分的に基づいて稼働出力を変更することであり得る。この稼働出力は、加湿、除湿、暖房、冷却、および空気の質の改変のうちの少なくとも1つであり得る。この実装形態のさらなる態様は、ユーザと関連付けられた電子デバイスを含む。この1つ以上のプロセッサは、その電子デバイスから1つ以上の他の生理学的パラメータを受信するためにそれらの機械可読命令を実行するように構成することができる。その環境内での条件の所望の変更と関連付けられた動作を判断することは、1つ以上の環境パラメータ、生理学的パラメータ、他の生理学的パラメータ、またはそれらの組み合わせに基づき得る。
【0028】
上記の要旨は、本発明の各実施形態または各態様を示すことを意図していない。本発明のさらなる特徴および便益は、下記の詳細な説明および図から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本開示のいくつかの実装形態に係る、個別加湿を提供するシステムの機能ブロック図である。
【
図2】本開示のいくつかの実装形態に係る、システムのユーザおよびそのユーザの同床者が描かれた、
図1のシステムの環境の斜視図である。
【
図3】本開示のいくつかの実装形態に係る、睡眠セッションの例示的な時系列を表している。
【
図4】本開示のいくつかの実装形態に係る、
図3の睡眠セッションと関連付けられた例示的な睡眠経過図を表している。
【
図5】本開示のいくつかの実装形態に係る、個別加湿レベルを提供する方法のプロセスフロー図である。
【
図6】本開示のいくつかの実装形態に係る、スマート加湿を提供する方法のプロセスフロー図である。
【
図7】本開示のいくつかの実装形態に係る、個別加湿レベルを最適化する方法のプロセスフロー図である。
【
図8】本開示のいくつかの実装形態に係る、呼吸療法システムと連携して個別加湿を提供する方法のプロセスフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本開示は、様々な変更および代替形態が可能であるが、本開示の具体的な実装形態および実施形態が図面に例として示されており、本明細書において詳述される。ただしそれは、開示された特定の形態に本開示を限定することを意図するものではなく、本開示は、添付の請求項によって定義される本開示の精神および範囲内に属するすべての改変物、均等物、および代替物を網羅するということを理解すべきである。
【0031】
説明を簡略化するために、適切な場合には、本明細書に開示されているすべての構成要素に単数形が使用されるが、単数形の使用によって説明が各構成要素のうちの1つだけに限定されるわけではない。
【0032】
本開示の方法、システム、およびデバイスは、ユーザ(単数または複数)の個人的な要件に基づいた個別加湿を提供する。例えば、一般集団においては、乾燥空気(相対湿度(RH)が40%未満)が、種々のレベルで誘発される問題を引き起こし得る。30%RHで悪影響を受けない(例えば、乾燥肌になるだけの)人もいれば、鼻道の乾燥および気道炎症の悪化により、(特に低温と組み合わさった場合に)呼吸悪化を起こす可能性が高まる人もいる。そのため、本方法、システム、およびデバイスの個別加湿は、呼吸悪化を軽減または防止することができる。個別加湿は、加湿レベルを、例えば、アレルギー、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、睡眠呼吸障害(SDB)など、不快感または呼吸問題の症状に最も良好に対処できるようにすることを含み得る。本開示の方法、システム、およびデバイスは、湿度に対する自動化された個別制御を提供することができ、最終目標は呼吸の改善である。呼吸の改善は、例として、快適性の向上および病気または疾患の頻度または重症度の低減と関連付けることができる。
【0033】
本開示の方法、システム、およびデバイスは、ユーザの生理学的パラメータを測定し、ユーザの環境の湿度を制御することができる。1つ以上の実装形態において、この生理学的パラメータを、部屋もしくは領域もしくは建物の管理センサおよび/もしくはシステムを使用して検出すること、ならびに/または電子デバイスを通じてなど、ユーザが入力することができる。
【0034】
1つ以上の実装形態において、この方法、システム、およびデバイスは、ユーザの呼吸の質に関連する生理学的パラメータおよび/または環境パラメータに基づく湿度の変更を学習することができる。この生理学的パラメータは、可聴音や、検出された呼吸によるモーションなどに基づき得る。1つ以上の実装形態において、呼吸の質は、呼吸速度、呼吸深度に基づき得、単独のものであり得るか、年齢、性別、(空気の質、温度、天候、気候などに関連する)所在箇所、または個別目標である「良好な」呼吸曲線およびパラメータに基づく集団規範値と比較したものであり得る。この生理学的パラメータは、心拍数、体温、ボディマス指数(BMI)、活動レベル、水和レベル、病状、基礎疾患、実施中の療法などであり得る。
【0035】
1つ以上の実装形態において、呼吸の質は、吸気、一時停止、および呼気の検出によって、ならびに(例えば、浅い呼吸、浅速呼吸、または正常な呼吸を検出するための)呼吸速度と呼吸深度を含む他の指標とを推定することによって判断することができる。これは、下記のとおり、多数の接触または非接触センサによって達成することができる。睡眠中の咳、喘鳴、口笛、いびきなど他のマーカも検出することができる。
【0036】
1つ以上の実装形態において、加湿器モジュールの稼働を調整することなどにより、個別加湿をユーザに提供してユーザの環境内の湿度を調整し、ユーザの所望の生理学的状態を達成することができる。例えば、ユーザは、自身の呼吸に影響する風邪または他の疾患を有し得る。所望の生理学的状態は、例えば、ユーザの呼吸の快適性レベルに関連し得る。環境内の湿度は、例えば、ユーザの呼吸を改善したり、ユーザの咳を軽減したり、他の何らかの呼吸関連疾患を改善したりする所望の湿度レベルを達成するために、加湿器モジュールの動作を通じて制御することができる。本開示の各種態様は、この処理を自動化して、どの湿度レベルが生理学的状態を改善するかをユーザが知らなくても済むようにすることを可能にする。むしろこの処理により、この生理学的状態に関連するユーザの疾患を独立して検出し、その後、環境内の湿度を制御してこの生理学的状態を改善することができる。
【0037】
本開示の方法により、他の生理学的状態も改善することができる。例えば、1つ以上の実装形態において、ユーザの生理学的状態が、所望の睡眠状態(例えば、覚醒または睡眠)または所望の睡眠段階(例えば、N1、N2、レムなど)であり得、この両方について、以下でさらに説明する。空気中の周囲湿度、および/または呼吸療法システムの加湿器によって生成された湿度など、環境内の湿度は、1つ以上の睡眠セッション全体を通じて所望の睡眠状態および/または睡眠段階を達成するように制御することができる。ユーザの睡眠状態および/または睡眠段階を検出することと関連付けられているユーザの生理学的パラメータを検出することができる。本開示の実装形態はその後、例えば、呼吸療法デバイスの加湿器モジュールおよび/または加湿器の1つ以上の稼働条件を調整してその環境の湿度の変更をもたらすことができ、ひいては、睡眠セッションの一部分または睡眠セッション全体を通じた所望の睡眠状態(例えば睡眠中)および/もしくは所望の睡眠段階(例えば、レムまたはN3)または所望の睡眠段階パターンを達成する。睡眠状態および/または睡眠段階への効果は、風邪を引いているなど、特定の生理学的状態を有するユーザと結び付けること、または正常で健康なユーザが夜間に十分な休息をとっているなど、特定の生理学的状態を有するユーザから独立させることができる。
【0038】
1つ以上の実装形態において、これらの方法、システム、およびデバイスは、環境における加湿器モジュールまたは加湿器の所在箇所に基づいて勧奨を行うこと、ならびに湿度目標範囲を適合させること、を含み得る。例えば、正しい目標湿度レベルが存在しても、部屋などの環境における加湿器モジュールまたは加湿器デバイスの正しい目標所在箇所が存在しない場合がある。加湿器モジュールまたは加湿器デバイスの所在箇所は、例えば、湿度の変更に関連する、ユーザによって発せられた可聴音またはユーザの呼吸を検出するのに使用されるのと同じ音検出に基づいて感知することができる。
【0039】
図1を参照すると、本開示のいくつかの実装形態に係る、個別加湿レベルを提供するシステム100が表されている。システム100は、加湿器モジュール102と、制御システム110と、メモリデバイス114と、電子インターフェース119と、を含む。システム100は、1つ以上のセンサ130をさらに含む。システム100は、環境108に所在する。環境108内には、1人以上のユーザ109がいる。
【0040】
加湿器モジュール102は、フィルタ芯およびファンを使用する蒸発器、回転ディスクを使用するインペラ加湿器、水を暖房して蒸気を作り出す蒸気気化器、振動を用いて蒸気を生み出す超音波加湿器、または家庭用もしくは商用の暖房、換気および/または空調ユニット(HVACユニット)に統合された集中加湿器など、部屋または領域固有の加湿器モジュールであり得る。
【0041】
1つ以上の実装形態において、加湿器モジュール102は、システム100内の連続気道陽圧(CPAP)デバイスなどの呼吸療法システム120に含めることができる。代替または追加として、加湿器モジュール102は、呼吸療法システム120とは別個であり得る。代替として、加湿器モジュール102は、暖房、換気、および/または空調システム、局所加湿器、または湿度に影響を及ぼす別個のデバイス内にあり得る。そのため、加湿器モジュール102は、スタンドアロンデバイスであり得るか、またはその中にあり得る。このスタンドデバイスは、加湿器デバイスとも称され、制御システム110、メモリデバイス114、1つ以上のセンサ130(例えば、後述する第1のセンサおよび/または第2のセンサ)、ならびに電子デバイスおよび/またはユーザデバイス116(後述)のうちの1つ以上も含み得る。かかるスタンドアロンデバイスは、特に呼吸療法システム120が加湿能力を有する場合に、ユーザ109が使用する呼吸療法システム120と連携して稼働するように構成することができる。
【0042】
湿度が高い(例えば、60%RH超)場合には、除湿器機能を利用して、管理しなければ呼吸疾患を悪化させる可能性のある環境108(部屋など)におけるカビの蓄積、チリダニの発生などの可能性を低減することができる。1つ以上の実装形態において、加湿器モジュール102は、除湿を行うユニット(非図示)も含み得る。かかる除湿ユニットは、金属プレートを冷却し、凝縮した水分を空気から捕捉するファン、空気から水を吸収した後に温まって、収集される水分を追い出すホイール上の乾燥剤、ならびに/または家庭用もしくは商用の暖房および換気システムに統合された集中除湿器を含み得る。
【0043】
加湿器モジュール102として全体を通じて開示されているが、1つ以上の実装形態において、加湿器モジュール102は、任意のタイプの環境改変デバイスまたはデバイス内のモジュールであり得る。加湿器モジュール102は他にも、例えば、加湿器、除湿器、加湿器付きまたは加湿器なしのヒータ、加湿器付きまたは加湿器なしの空調ユニット、空気清浄機などであり得る。そのため、加湿器モジュール102は他にも、その環境の環境パラメータを改変できる任意のユニットであり得る。さらに、湿度の変更または制御に関する説明は他にも、環境改変デバイスの稼働条件の変更であり得る。稼働条件の変更は、加湿、除湿、加熱、冷却、空気の質の改変などのうちの少なくとも1つの出力の変更に基づき得る。
【0044】
環境108は、部屋(例えば、家屋内、オフィス内、ホテル内などの部屋)、建物、車両(例えば、乗用車、トラック、列車、飛行機の客室など)など、閉鎖されているか部分的に閉鎖されている任意の領域であり得る。例えば、環境108は、家屋全体やマンションなど、または特定の部屋(例えば、HVACが多数の領域を網羅する場合)であり得る。
【0045】
環境108は、外部領域118によって囲まれている。外部領域は一般に、加湿器モジュール102によって制御または左右された湿度を有していないとみなされる。そのため、外部領域118は、例えば、部屋の外または家の外であり得る。
【0046】
制御システム110は、1つ以上のプロセッサ112(以下、プロセッサ112)を含む。制御システム110は概して、システム100の様々な構成要素を制御(例えば、作動)し、かつ/またはシステム100の構成要素によって取得および/または生成されたデータを分析するのに使用される。プロセッサ112は、汎用または特殊用途のプロセッサまたはマイクロプロセッサであり得る。
図1には1個のプロセッサ112が示されているが、制御システム110は、単一のハウジング内に存在し得るか、互いに離れて所在し得る任意の適切な数のプロセッサ(例えば、1個のプロセッサ、2個のプロセッサ、5個のプロセッサ、10個のプロセッサなど)を含み得る。制御システム110は、例えば、ユーザデバイス116のハウジング、および/またはセンサ130うちの1つ以上のハウジングに連結すること、および/またはそれらの内部に位置付けることができる。制御システム110は、(1つのかかるハウジング内に)集中させるか、(物理的に別個である2つ以上のかかるハウジング内に)分散させることができる。制御システム110を格納する2つ以上のハウジングを含むかかる実装形態においては、かかるハウジングが、互いに近接して、かつ/または遠隔で所在することができる。
【0047】
制御システム110は概して、システム100の様々な構成要素を制御し、かつ/またはシステム100の構成要素によって取得および/または生成されたデータを分析する。制御システム110は、メモリデバイス114または異なるメモリデバイスに記憶されている機械可読命令を実行する。制御システム110は、システム100の1つ以上のエンジンを実装することができる。エンジンは、特定の機能を実行するように構成されたハードウェアとソフトウェアとの組み合わせである。制御システム110の1つ以上のプロセッサは、汎用または特殊用途のプロセッサおよび/またはマイクロプロセッサであり得る。
【0048】
制御システム110は、システム100の別々かつ別個の構成要素として
図1に記載および図示されているが、いくつかの実装形態において、加湿器モジュール102に統合および/または直接連結されている。例えば、制御システム110は、加湿器モジュール102のハウジングまたはそれらの任意の組み合わせに連結すること、および/またはその中に位置付けることができる。
【0049】
メモリデバイス114は、制御システム110のプロセッサ112によって実行可能な機械可読命令を記憶する。メモリデバイス114は、例えば、ランダムまたはシリアルアクセスメモリデバイス、ハードドライブ、ソリッドステートドライブ、フラッシュメモリデバイスなど、任意の適切なコンピュータ可読ストレージデバイスまたはメディアであり得る。システム100は、単一のメモリデバイス114を含むものとして示されているが、任意の適切な数のメモリデバイス(例えば、1個のメモリデバイス、2個のメモリデバイス、5個のメモリデバイス、10個のメモリデバイスなど)を含み得るものと企図されている。メモリデバイス114は、例えば、ランダムまたはシリアルアクセスメモリデバイス、ハードドライブ、ソリッドステートドライブ、フラッシュメモリデバイスなど、任意の適切なコンピュータ可読ストレージデバイスまたはメディアであり得る。メモリデバイス114は、加湿器モジュール102のハウジングに連結すること、および/もしくはその中に位置付けること、ならびに/またはセンサ130のうちの任意の1つ以上のハウジング内に位置付けることができる。制御システム110と同様に、メモリデバイス114は、(1つのかかるハウジング内に)集中させるか、(物理的に異なる2つ以上のかかるハウジング内に)分散させることができる。
【0050】
いくつかの実装形態においては、メモリデバイス114(
図1)が、ユーザと関連付けられたユーザプロファイルを記憶する。ユーザプロファイルは、例えば、ユーザと関連付けられた人口統計情報、ユーザと関連付けられたバイオメトリック情報、ユーザと関連付けられた医療情報、自己申告によるユーザフィードバック、ユーザと関連付けられた睡眠パラメータ(例えば、1つ以上の以前の睡眠セッションから記録された睡眠関連パラメータ)、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。人口統計情報は、例えば、ユーザの年齢、ユーザの性別、ユーザの人種、家族歴、ユーザの雇用状況、ユーザの教育状況、ユーザの社会経済的状況、またはそれらの任意の組み合わせを示す情報を含み得る。医療情報は、例えば、ユーザと関連付けられた1つ以上の病状、ユーザによる薬の使用状況、またはその両方を示す情報を含み得る。医療情報データは、反復睡眠潜時検査(MSLT)の検査結果またはスコアおよび/もしくはピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)のスコアまたは値をさらに含み得る。自己申告によるユーザフィードバックは、自己申告による主観的な睡眠スコア(劣悪、普通、良好など)、自己申告によるユーザの主観的なストレスレベル、自己申告によるユーザの主観的な疲労レベル、自己申告によるユーザの主観的な健康状態、ユーザが経験した最近のライフイベント、またはそれらの任意の組み合わせを示す情報を含み得る。
【0051】
電子インターフェース119は、1つ以上のセンサ130からデータ(例えば、生理学的データおよび/またはオーディオデータ)を受け取るように構成されており、そのデータは、メモリデバイス114に記憶すること、および/または制御システム110のプロセッサ112によって分析することができる。電子インターフェース119は、有線接続または無線接続を使用して(例えば、RF通信プロトコル、WiFi通信プロトコル、Bluetooth(登録商標)通信プロトコル、IR通信プロトコルを使用して、セルラーネットワークを経て、任意の他の光通信プロトコルを経て、など)1つ以上のセンサ130と通信することができる。電子インターフェース119は、アンテナ、受信機(例えば、RF受信機)、送信機(例えば、RF送信機)、トランシーバ、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。電子インターフェース119は、本明細書に記載のプロセッサ112およびメモリデバイス114と同一または同様であるもう1つのプロセッサおよび/またはもう1つのメモリデバイスも含み得る。いくつかの実装形態においては、電子インターフェース119が、ユーザデバイス116および/または加湿器モジュール102に連結または統合されている。他の実装形態においては、電子インターフェース119が、制御システム110および/またはメモリデバイス114に連結されているか、それらと(例えば、ハウジング内で)統合されている。
【0052】
上記のとおり、いくつかの実装形態においては、システム100が、(呼吸療法システムとも称される)呼吸システム120を任意選択的に含む。呼吸システム120は、デバイス122(呼吸圧力療法デバイスとも称される)、ユーザインターフェース124、導管126(チューブまたは空気回路とも称される)、ディスプレイデバイス128、加湿タンクおよび/もしくは加湿器129、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。いくつかの実装形態においては、制御システム110、メモリデバイス114、ディスプレイデバイス128、センサ130のうちの1つ以上、および加湿器129が、呼吸デバイス122の一部である。
【0053】
呼吸圧力療法とは、(例えば、タンクベンチレータや陽陰圧体外式人工呼吸器(cuirass)などの陰圧療法とは異なり、)ユーザの呼吸サイクル全体を通じて大気に対して名目上陽である制御された目標圧力で、ユーザの気道の入口に空気供給を印加することを指す。呼吸システム120は、1つ以上の睡眠関連呼吸障害(例えば、閉塞性睡眠時無呼吸、中枢性睡眠時無呼吸、または混合型睡眠時無呼吸)、COPDなど他の呼吸障害、または睡眠中もしくは覚醒中に現れ得る他の障害で、呼吸不全に至るものに罹患している個人を治療するのに使用されるのが一般的である。
【0054】
呼吸デバイス122は一般に、(例えば、1つ以上のコンプレッサを駆動する1つ以上のモータを使用して)ユーザに送達される加圧空気を生成するのに使用される。いくつかの実装形態においては、呼吸デバイス122が、ユーザに送達される連続的な一定の空気圧を生成する。他の実装形態においては、呼吸デバイス122が、2つ以上の所定の圧力(例えば、第1の所定の空気圧および第2の所定の空気圧)を生成する。さらに他の実装形態においては、呼吸デバイス122が、所定の範囲内の様々な異なる空気圧を生成するように構成されている。例えば、呼吸デバイス122は、少なくとも約6cmH2O、少なくとも約10cmH2O、少なくとも約20cmH2O、約6cmH2Oから約10cmH2O、約7cmH2Oから約12cmH2Oなどを送達することができる。呼吸デバイス122は、(周囲圧力に対して)陽圧を維持しながら、例えば、約-20L/分と約150L/分との間の所定の流量で加圧空気を送達することもできる。いくつかの実装形態においては、制御システム110、メモリデバイス114、電子インターフェース119、またはそれらの任意の組み合わせを、呼吸デバイス122のハウジングに連結すること、および/またはその中に位置付けることができる。
【0055】
ユーザインターフェース124は、ユーザ109の顔の一部分と係合し、呼吸デバイス122からユーザ109の気道に加圧空気を送達して、睡眠中に気道が狭窄および/または閉塞しないように支援する。これにより、睡眠中のユーザ109の酸素摂取量も増加し得る。適用される療法に応じて、ユーザインターフェース124は、例えばユーザ109の顔の領域または部分との密着を形成し得、これにより、周囲圧力に対して約10cmH2Oの陽圧など、周囲圧力に対して十分に異なり、治療効果をもたらせる圧力でのガスの送達を促進する。酸素送達などの、他の療法の形態において、ユーザインターフェースは、約10cmH2Oの陽圧において気道へのガス供給の送達を促進するのに充分な密閉を含まない場合がある。
【0056】
図2に示すとおり、いくつかの実装形態においては、ユーザインターフェース124が、ユーザの鼻および口を覆う顔面マスクであるか、それを含む。代替として、ユーザインターフェース124は、ユーザの鼻に空気を提供する鼻マスク、またはユーザの鼻孔に空気を直接送達する鼻ピローマスクであるか、それを含む。ユーザインターフェース124は、ユーザの所望の位置(例えば顔)上にあるユーザインターフェース124の一部分上でユーザインターフェース124を位置付けおよび/または安定化するための(例えば、面ファスナを含む)複数のストラップと、ユーザインターフェース124とユーザとの間の気密シールを提供するのを支援する形状適合性クッション(例えば、シリコーン、プラスチック、発泡体など)と、を有するストラップアセンブリを含み得る。ユーザインターフェース124は、ユーザ210によって吐き出された二酸化炭素および他の気体を逃がせるようにするためのうちの1つ以上の通気孔も含み得る。他の実装形態においては、ユーザインターフェース124が、マウスピース(例えば、ユーザの歯に適合するように成形されたナイトガードマウスピース、下顎骨位置変更デバイスなど)を含む。
【0057】
導管126は、呼吸デバイス122およびユーザインターフェース124など、呼吸システム120の2つの構成要素間で空気が流れるようにする。いくつかの実装形態においては、この導管126に吸気および呼気用の別々の枝管が存在し得る。他の実装形態においては、単枝型導管が吸気および呼気の両方に使用される。
【0058】
呼吸デバイス122、ユーザインターフェース124、導管126、ディスプレイデバイス128、ならびに加湿タンクおよび/または加湿器129のうちの1つ以上が、1つ以上のセンサ(例えば、圧力センサ、流量センサ、より一般的には、本明細書に記載されている他のセンサ130のいずれか)を含み得る。これらの1つ以上のセンサは、例えば、呼吸デバイス122によって供給される加圧空気の空気圧および/または流量を測定するのに使用することができる。
【0059】
ディスプレイデバイス128は概して、静止画、動画、もしくはその両方を含む画像(単数または複数)、および/または呼吸デバイス122に関する情報を表示するのに使用される。例えば、ディスプレイデバイス128は、呼吸デバイス122の状態に関する情報(例えば、呼吸デバイス122がオンかオフか、呼吸デバイス122によって送達されている空気の圧力、呼吸デバイス122によって送達されている空気の温度など)および/または他の情報(例えば、(myAir(商標)スコアとも称される)睡眠スコアまたは療法スコア、現在の日付/時刻、ユーザ210の個人情報など)を提供することができる。いくつかの実装形態においては、ディスプレイデバイス128が、入力インターフェースとして画像(単数または複数)を表示するように構成されたグラフィックユーザインターフェース(GUI)を含むヒューマンマシンインターフェース(HMI)の働きをする。ディスプレイデバイス128は、LEDディスプレイ、有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイ等であり得る。入力インターフェースは、例えば、タッチスクリーンまたは接触感知基板、マウス、キーボード、または呼吸デバイス122とやりとりする人間ユーザによって行われる入力を感知するように構成された任意のセンサシステムであり得る。
【0060】
加湿タンクおよび/または加湿器129は、呼吸デバイス122に連結または統合されており、呼吸デバイス122から送達された加圧空気を加湿するのに使用できる貯水器を含む。呼吸デバイス122は、ユーザに提供された加圧空気を加湿するために加湿タンク129内の水を加熱するヒータを含み得る。加えて、いくつかの実装形態においては、導管126が、ユーザに送達された加圧空気を加熱する加熱要素(例えば、導管126に連結され、かつ/または埋め込まれたもの)も含み得る。他の実装形態においては、呼吸デバイス122または導管126が、無水加湿器129(例えば、水タンクのない加湿器)を含み得る。無水加湿器129は、システム100における他の場所に位置付けられた他のセンサを仲介するセンサを組み込むことができる。
【0061】
呼吸システム120は、例えば、連続気道陽圧(CPAP)システム、自動気道陽圧システム(APAP)、二相性または可変気道陽圧システム(BPAPまたはVPAP)、またはそれらの任意の組み合わせなどのベンチレータまたは気道陽圧(PAP)システムとして使用することができる。CPAPシステムは、(例えば、睡眠医によって判断される)所定の空気圧をユーザに送達する。APAPシステムは、例えば、ユーザと関連付けられた呼吸データに少なくとも部分的に基づいて、ユーザに送達される空気圧を自動的に変化させる。BPAPまたはVPAPシステムは、第1の所定圧力(例えば、吸気気道陽圧またはIPAP)および第1の所定圧力より低い第2の所定圧力(例えば、呼気気道陽圧またはEPAP)を送達するように構成されている。
【0062】
図2を参照すると、いくつかの実装形態に係るシステム100(
図1)の一部分が表されている。呼吸システム120のユーザ210(例えば、
図1のユーザ(単数または複数)109のうちの1人)および同床者220(例えば、
図1のユーザ(単数または複数)109のうちの1人)が、ベッド230に所在し、マットレス232に横たわっている。ユーザインターフェース124(例えばフルフェイスマスク)は、睡眠セッション中のユーザ210によって着用され得る。ユーザインターフェース124は、導管126を介して呼吸デバイス122に流体的に連結および/または接続されている。呼吸デバイス122は、導管126およびユーザインターフェース124を介してユーザ210に加圧空気を送達してユーザ210の喉における空気圧を高め、睡眠中に気道が閉塞および/または狭窄しないように支援する。呼吸デバイス122は、
図2に示すとおり、ベッド230に直に隣接するナイトスタンド240上か、より一般的には、ベッド230および/またはユーザ210に概ね隣接する任意の表面または構造物上に位置付けることができる。
【0063】
改めて
図1を参照すると、以下でさらに詳述するとおり、センサ130は、第1のセンサ130aと第2のセンサ130bとを含み得る。第1のセンサ130aは、環境108の条件に関する環境パラメータを検出できるセンサ130のうちの任意の1つ以上であり得る。これらの環境パラメータは、オーディオベース、光ベース、タッチベース、モーションベースなどであり得る。1つ以上の実装形態において、第1のセンサ130aは、温度センサおよび/または湿度センサであり得る。湿度センサは、静電容量センサ(湿度依存型コンデンサ)と、抵抗センサ(導電性ポリマー/処理された基板における電気的変化を測定)と、熱伝導式センサ(乾燥空気と湿潤空気との熱伝導率の差)を含み得る。1つ以上の実装形態において、第1のセンサ130aは、システム100に付属するか、環境108(例えば、スマートビルディングの壁/天井)に組み込まれているか、またはユーザ109および加湿器モジュール102の所在箇所を検出するためのマイクロフォンを有するスマートスピーカまたはテレビなど、環境108内の別の電子デバイスに統合されているか、のいずれかであるスタンドアロンセンサであり得る。
【0064】
第2のセンサ130bは、ユーザ(単数または複数)109の1つ以上の生理学的パラメータを検出できるセンサ130のうちの任意の1つ以上であり得る。例えば、第2のセンサ130bは、音響センサ、抵抗センサ、静電容量センサ、圧電センサ、MEMS加速度計センサ、光学センサ、圧力センサ、温度センサ、帯電薄膜センサ、または他のタイプのセンサであり得る。この生理学的パラメータは、例えば、心拍数、体温、活動レベル、水和レベル、ユーザによって生成された1つ以上の音、もしくはそれらの組み合わせ、または他の任意の生理学的パラメータであり得る。
【0065】
1つ以上の実装形態において、第2のセンサ130bは、ユーザ109によって入力された、この1つ以上の生理学的パラメータに対応する情報を含み得、かつ提供することができる。例えば、ユーザ109は、呼吸に関する自身の快適性レベルなど、呼吸に関連する主観的情報を含む自身の快適性レベルに関する情報を第2のセンサ130bに入力することができる。第2のセンサ130bに入力された自己申告情報は、病状の重症度/進行度に関するデータも含み得る。
【0066】
第2のセンサ130bは、システム100に付属するか、環境108(例えば、スマートビルディングの壁/天井)に組み込まれているか、環境108内の別の電子デバイスに統合されているスタンドアロンセンサであり得る。そのため、第2のセンサ130bは、パッシブ音響センサ、アクティブ音響センサ、パッシブ無線周波数センサ、アクティブ無線周波数センサ、パッシブ赤外線センサ、アクティブ赤外線センサ、光学センサ、または映像センサのうちの1つ以上であり得る。例えば、第2のセンサ130bは、呼吸音を聴く1つ以上のパッシブオーディオセンサ、物体からの反射オーディオおよび/または超音波信号を処理する1つ以上のアクティブ音響センサ、電磁信号(例えば、Wi-Fi、セルラー、衛星、デジタルTVまたは他の信号)における反射を処理する1つ以上のパッシブ無線周波数センサ、(例えば、飛行時間、位相変化、ドップラーシフトなどを用いるCW、パルスCW、FSKCW、PSKCW、FMCW、UWB、RFイメージングなど)1つ以上のアクティブ無線周波数センサ、エコーを処理する1つ以上のパッシブ赤外線および/またはアクティブ赤外線、映像フォトプレチスモグラフィ(PPG)など1つ以上の光学センサであり得る。アクティブおよび/またはパッシブ音響センサは、例えば、スマートフォン、タブレット、スマートスピーカ、カーステレオ、ラジオ、テレビなどの内部に存在し得る。第2のセンサ130bは、追加または代替として、上記または代替の感知機能/モダリティを実行できる1つ以上の接触センサでもあり得る。
【0067】
1つ以上の実装形態において、第1のセンサ130a、第2のセンサ130b、またはその両方を、以下でさらに説明するとおり、腕時計、指輪、イヤリング、イヤホン、ブレスレット、ネックレス、パッチ、衣類、マットレス、車両用シート、またはそれらの組み合わせなどのウェアラブルデバイスと別々にすること、または統合することができる。
【0068】
さらに詳しくは、システム100の1つ以上のセンサ130(例えば、第1のセンサ130aおよび第2のセンサ130b)が、圧力センサ132、流量センサ134、温度センサ136、モーションセンサ138、マイクロフォン140、スピーカ142、無線周波数(RF)受信機146、RF送信機148、カメラ150、赤外線(IR)センサ152、光電式容積脈波(PPG)センサ154、心電図(ECG)センサ156、脳波記録(EEG)センサ158、静電容量センサ160、力センサ162、歪みゲージセンサ164、筋電図(EMG)センサ166、酸素センサ168、分析物センサ174、水分センサ176、光検出および測距(LiDAR)センサ178、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。一般に、1つまたはセンサ130のそれぞれが、メモリデバイス114または1つ以上の他のメモリデバイスに受信および記憶されたセンサデータを出力するように構成されている。センサ130は、眼電図(EOG)センサ、末梢酸素飽和度(SpO2)、ガルバニック皮膚反応(GSR)センサ、二酸化炭素(CO2)センサ、またはそれらの任意の組み合わせも含み得る。
【0069】
1つ以上のセンサ130は、圧力センサ132、流量センサ134、温度センサ136、モーションセンサ138、マイクロフォン140、スピーカ142、RF受信機146、RF送信機148、カメラ150、IRセンサ152、PPGセンサ154、ECGセンサ156、EEGセンサ158、静電容量センサ160、力センサ162、歪みゲージセンサ164、EMGセンサ166、酸素センサ168、分析物センサ174、水分センサ176、およびLidARセンサ178のそれぞれを含むものとして図示および記載されているが、1つ以上のセンサ130は、省略されているセンサのうちの1つ以上を含めて、本明細書に記載および/図示されたセンサのそれぞれの任意の組み合わせおよび任意の個数を含み得るのが、より一般的である。
【0070】
1つ以上のセンサ130は、例えば、生理学的データ、オーディオデータ、またはその両方を生成するのに使用することができる。センサ130のうちの1つ以上によって生成された生理学的データは、制御システム110により、睡眠セッション中のユーザと関連付けられた睡眠/覚醒信号および1つ以上の睡眠関連パラメータを判断するのに使用することができる。睡眠/覚醒信号は、睡眠、覚醒、リラックスした覚醒、微小覚醒、または別個の睡眠段階、例えば急速眼球運動(レム)段階、第1のノンレム段階(「N1」と称されることが多い)、第2のノンレム段階(「N2」と称されることが多い)、第3のノンレム段階(「N3」と称されることが多い)、またはそれらの任意の組み合わせを含む1つ以上の睡眠段階を示すことができる。
【0071】
睡眠/覚醒信号には、ユーザの就床時刻、ユーザの起床時刻、ユーザの入眠試行時刻などを示すタイムスタンプを付与することもできる。睡眠/覚醒信号は、睡眠セッション中に、例えば、1秒につき1サンプル、30秒につき1サンプル、1分につき1サンプルなど所定のサンプリングレートでセンサ130のうちの1つ以上によって測定することができる。睡眠/覚醒信号に少なくとも部分的に基づいて睡眠セッション中のユーザについて判断できる1つ以上の睡眠関連パラメータの例としては、全就床時間、全睡眠時間、全覚醒時間、入眠潜時、中途覚醒パラメータ、睡眠効率、断片化指標、入眠までの時間、呼吸速度の一貫性、入眠時刻、覚醒時刻、睡眠障害率、運動回数、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0072】
1つ以上のセンサ130によって生成された生理学的データおよび/またはオーディオデータは、睡眠セッション中のユーザと関連付けられた呼吸信号を判断するのに使用することもできる。この呼吸信号は概して、睡眠セッション中のユーザの呼吸を示す。呼吸信号は、例えば、呼吸数、呼吸数変動、吸気振幅、呼気振幅、吸気対呼気振幅比、吸気対呼気持続時間比、1時間当たりの事象数、事象パターン、呼吸デバイス122の圧力設定、またはそれらの任意の組み合わせを示すことができる。この事象(単数または複数)は、いびき、無呼吸、中枢性無呼吸、閉塞性無呼吸、混合性無呼吸、低呼吸、(例えば、ユーザインターフェース124からの)マスク漏れ、下肢静止不能、睡眠障害、窒息、心拍数増、心拍数変動、呼吸困難、喘息発作、てんかん層間症、発作、発熱、咳、くしゃみ、いびき、息切れ、感冒またはインフルエンザなどの病気の存在、ストレスレベルの上昇などを含み得る。
【0073】
圧力センサ132は、メモリデバイス114に記憶すること、および/または制御システム110のプロセッサ112によって分析することのできる圧力データを出力する。いくつかの実装形態においては、圧力センサ132が、呼吸システム120のユーザの呼吸(例えば、吸気および/もしくは呼気)ならびに/または周囲圧力(例えば環境108の圧力)を示すセンサデータを生成する空気圧センサ(例えば大気圧センサ)である。かかる実装形態においては、圧力センサ132が、呼吸デバイス122に連結または統合することができる。圧力センサ132は、例えば、静電容量センサ、電磁センサ、誘導センサ、抵抗センサ、圧電センサ、歪みゲージセンサ、光学センサ、電位差センサ、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。一例においては、圧力センサ132が、ユーザの血圧を判断するのに使用することができる。
【0074】
流量センサ134は、メモリデバイス114に記憶すること、および/または制御システム110のプロセッサ112によって分析することのできる流量データを出力する。いくつかの実装形態において、流量センサ134は、呼吸デバイス122からの空気流量、導管126を通過する空気流量、ユーザインターフェース124を通過する空気流量、またはそれらの任意の組み合わせを判断するのに使用される。かかる実装形態においては、流量センサ134が、呼吸デバイス122、ユーザインターフェース124、または導管126に連結または統合することができる。流量センサ134は、例えば、回転流量計(例えば、ホール効果流量計)、タービン流量計、オリフィス流量計、超音波流量計、熱線センサ、渦流センサ、膜センサ、またはそれらの任意の組み合わせなどの質量流量センサであり得る。
【0075】
温度センサ136は、メモリデバイス114に記憶すること、および/または制御システム110のプロセッサ112によって分析することのできる温度データを出力する。いくつかの実装形態においては、温度センサ136が、ユーザ109の核心体温、ユーザ109の皮膚温度、呼吸デバイス122から、および/または導管126を通過して流れる空気の温度、ユーザインターフェース124内の温度、周囲温度、またはそれらの任意の組み合わせを示す温度データを生成する。温度センサ136は、例えば、熱電対センサ、サーミスタセンサ、シリコンバンドギャップ温度センサもしくは半導体ベースのセンサ、抵抗温度検出器、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。
【0076】
モーションセンサ138は、メモリデバイス114に記憶すること、および/または制御システム110のプロセッサ112によって分析することのできるモーションデータを出力する。モーションセンサ138は、睡眠セッション中のユーザ109の移動を検出するのに、および/または呼吸デバイス122、ユーザインターフェース124、または導管126など、呼吸システム120の構成要素のいずれかの移動を検出するのに使用することができる。モーションセンサ138は、加速度計、ジャイロスコープ、および磁力計など1つ以上の慣性センサを含み得る。モーションセンサ138は、ユーザ109の顔の中または周囲およびユーザインターフェース124の近位の脈拍など、動脈拍動と関連付けられたモーションまたは加速度を検出するのに使用することができ、脈拍の形状、速度、振幅、または容量の特徴を検出するように構成することができる。
【0077】
マイクロフォン140は、メモリデバイス114に記憶すること、および/または制御システム110のプロセッサ112によって分析することのできる音データを出力する。マイクロフォン140によって生成されたオーディオデータは、本明細書においてさらに詳述されているとおり、(例えば、制御システム110を使用して)1つ以上の睡眠関連パラメータを判断するために、睡眠セッション中の1つ以上の音(単数または複数)(例えば、ユーザ109からの音)として再現可能である。マイクロフォン140からのオーディオデータは、本明細書でさらに詳述するとおり、睡眠セッション中のユーザが経験した事象を(例えば、制御システム110を使用して)特定するのに使用することもできる。マイクロフォン140は、呼吸デバイス122、ユーザインターフェース124、導管126、またはユーザデバイス116に連結または統合することができる。
【0078】
スピーカ142は、システム100のユーザ109に聞こえる音波を出力する。スピーカ142は、例えば、目覚まし時計として使用すること、または(例えば、事象を受けて)ユーザ109にアラートまたはメッセージを再生する目的で使用することができる。いくつかの実装形態においては、スピーカ142が、マイクロフォン140によって生成されたオーディオデータをユーザ109に伝えるのに使用することができる。スピーカ142は、呼吸デバイス122、ユーザインターフェース124、導管126、またはユーザデバイス116に連結または統合することができる。
【0079】
マイクロフォン140およびスピーカ142は、別々のデバイスとして使用することができる。一部の実装形態においては、マイクロフォン140およびスピーカ142を、例えば、参照により全体が本明細書に組み込まれるWO2018/050913に記載のとおり、音響センサ141に組み入れることができる。かかる実装形態においては、スピーカ142が、所定の間隔で音波を生成または放出し、マイクロフォン140が、スピーカ142から放出された音波の反射を検出する。スピーカ142が生成または放出する音波は、ユーザ109(または
図2の同床者220)の睡眠を妨げないように、人間の耳には聞こえない周波数(例えば、20Hz未満または約18kHz超)を有する。マイクロフォン140および/またはスピーカ142からのデータに少なくとも部分的に基づいて、制御システム110は、ユーザ109の位置および/または本明細書に記載されている睡眠関連パラメータのうちの1つ以上を判断することができる。いくつかの実装形態においては、スピーカ142が骨伝導スピーカである。いくつかの実装形態においては、1つ以上のセンサ130が、(i)マイクロフォン140と同一または同様であり、音響センサ141に統合されている第1のマイクロフォンと、(ii)マイクロフォン140と同一または同様だが、音響センサ141に統合されている第1のマイクロフォンとは別々かつ別個である第2のマイクロフォンと、を含む。
【0080】
RF送信機148は、所定の周波数および/または所定の振幅(例えば、高周波帯域内、低周波帯域内、長波信号、短波信号など)を有する電波を生成および/または放射する。RF受信機146は、RF送信機148から放射された電波の反射を検出し、このデータは、制御システム110によって分析することにより、ユーザ109の位置および/または本明細書に記載されている睡眠関連パラメータのうちの1つ以上を判断することができる。RF受信機(RF受信機146およびRF送信機148のどちらか、または別のRFペア)は、制御システム110、呼吸デバイス122、1つ以上のセンサ130、ユーザデバイス116、またはそれらの任意の組み合わせの間での無線通信に使用することもできる。RF受信機146およびRF送信機148は、
図1において別々かつ別個の要素として示されているが、いくつかの実装形態においては、RF受信機146およびRF送信機148がRFセンサ147の一部として組み合わせられている。一部のかかる実装形態においては、RFセンサ147が制御回路を含む。RF通信の具体的な形式は、WiFiやBluetooth(登録商標)などであり得る。
【0081】
いくつかの実装形態においては、RFセンサ147がメッシュシステムの一部である。メッシュシステムの一例がWiFiメッシュシステムであり、このシステムは、メッシュノード、メッシュルータ(単数または複数)、およびメッシュゲートウェイ(単数または複数)を含み得、これらのそれぞれが移動式/可動式または固定式であり得る。かかる実装形態においては、WiFiメッシュシステムが、WiFiルータおよび/またはWiFiコントローラ、ならびに1つ以上の衛星(例えばアクセスポイント)を含み、これらのそれぞれが、RFセンサ147と同一または同様であるRFセンサを含む。WiFiルータおよび衛星は、WiFi信号を使用して互いに常時通信する。WiFiメッシュシステムは、物体や人が移動して信号を部分的に妨害することによってルータと衛星(単数または複数)との間で生じるWiFi信号の変化(例えば、受信信号強度の差)に少なくとも部分的に基づいてモーションデータを生成するのに使用することができる。このモーションデータは、モーション、呼吸、心拍数、歩行、転倒、挙動など、またはそれらの任意の組み合わせを示し得る。
【0082】
カメラ150は、メモリデバイス114に記憶できる1つ以上の画像(例えば、静止画、動画、熱画像、またはそれらの組み合わせ)として再現可能な画像データを出力する。カメラ150からの画像データは、制御システム110により、本明細書に記載されている睡眠関連パラメータのうちの1つ以上を判断するのに使用することができる。例えば、カメラ150からの画像データを使用して、ユーザの位置を特定し、ユーザ109がベッド230(
図2)に入る時刻を判断し、ユーザ109がベッド230から出る時刻を判断するのに使用することができる。カメラ150は、眼球運動、瞳孔拡張(ユーザ109の片眼または両眼が開いている場合)、瞬目率、またはレム睡眠中の任意の変化を追跡するのに使用することもできる。カメラ150は、体位性閉塞性睡眠時無呼吸を有するユーザ109における無呼吸発作の持続時間および/または重症度に影響を及ぼし得るユーザ109の位置を追跡するのに使用することもできる。
【0083】
IRセンサ152は、メモリデバイス114に記憶できる1つ以上の赤外線画像(例えば、静止画、動画、またはその両方)として再現可能な赤外線画像データを出力する。IRセンサ152からの赤外線データは、ユーザ109の温度および/またはユーザ109の移動を含む、睡眠セッション中の1つ以上の睡眠関連パラメータを判断するのに使用することができる。IRセンサ152は、ユーザ109の存在、位置、および/または移動を測定する際に、カメラ150と組み合わせて使用することもできる。IRセンサ152が、例えば、約700nmと約1mmとの間の波長を有する赤外光を検出することができるのに対し、カメラ150は、約380nmと約740nmとの間の波長を有する可視光を検出することができる。
【0084】
PPGセンサ154は、例えば、心拍数、心拍数パターン、心拍数変動、心周期、呼吸数、吸気振幅、呼気振幅、吸気対呼気比、推定血圧パラメータ(単数または複数)、またはそれらの任意の組み合わせなど1つ以上の睡眠関連パラメータを判断するのに使用できる、ユーザ109と関連付けられた生理学的データを出力する。PPGセンサ154は、ユーザ109が着用すること、ユーザ109が着用する衣類および/または織地に埋め込むこと、ユーザインターフェース124および/またはその関連ヘッドギア(例えばストラップなど)に埋め込むことおよび/または連結すること、などができる。
【0085】
ECGセンサ156は、ユーザ109の心臓の電気的活動と関連付けられた生理学的データを出力する。いくつかの実装形態においては、ECGセンサ156が、睡眠セッション中のユーザ109の一部分の上または周囲に位置付けられている1つ以上の電極を含む。ECGセンサ156からの生理学的データは、例えば、本明細書に記載されている睡眠関連パラメータのうちの1つ以上を判断するのに使用することができる。
【0086】
EEGセンサ158は、ユーザ109の脳の電気的活動と関連付けられた生理学的データを出力する。いくつかの実装形態において、EEGセンサ158は、睡眠セッション中のユーザ109の頭皮の上または周囲に位置付けられている1つ以上の電極を含む。EEGセンサ158からの生理学的データは、例えば、睡眠セッション中の任意の所与の時期におけるユーザ109の睡眠段階を判断するのに使用することができる。いくつかの実装形態においては、EEGセンサ158は、ユーザインターフェース124および/またはその関連ヘッドギア(例えばストラップなど)に統合することができる。
【0087】
静電容量センサ160、力センサ162、および歪みゲージセンサ164は、メモリデバイス114に記憶でき、かつ本明細書に記載されている睡眠関連パラメータのうちの1つ以上を判断するのに制御システム110が使用できるデータを出力する。EMGセンサ166は、1つ以上の筋肉によって生み出された電気的活動と関連付けられた生理学的データを出力する。酸素センサ168は、(例えば、導管126内またはユーザインターフェース124における)気体の酸素濃度を示す酸素データを出力する。酸素センサ168は、例えば、超音波酸素センサ、電気酸素センサ、化学酸素センサ、光学式酸素センサ、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。いくつかの実装形態においては、1つ以上のセンサ130が、ガルバニック皮膚反応(GSR)センサ、血流センサ、呼吸センサ、脈拍センサ、血圧計センサ、オキシメトリセンサ、またはそれらの任意の組み合わせも含む。
【0088】
分析物センサ174は、ユーザ109の吐出息における分析物の存在を検出するのに使用することができる。分析物センサ174によって出力されたデータは、メモリデバイス114に記憶することができ、ユーザ109の息に含まれる任意の分析物の同一性および濃度を判断するために制御システム110によって使用することができる。いくつかの実装形態においては、分析物センサ174が、ユーザ109の口付近に位置付けられ、ユーザ109の口から吐き出された息に含まれる分析物を検出する。例えば、ユーザインターフェース124が、ユーザ109の鼻および口を覆う顔面マスクである場合、分析物センサ174は、ユーザ109の口呼吸を監視するためにその顔面マスク内に位置付けられ得る。ユーザインターフェース124が鼻マスクまたは鼻枕マスクである場合など、他の実装形態においては、分析物センサ174が、ユーザ109の鼻を通じて吐き出される息に含まれる分析物を検出するために、ユーザ109の鼻付近に位置付けられ得る。さらに他の実装形態においては、ユーザインターフェース124が鼻マスクまたは鼻枕マスクである場合に、分析物センサ174が、ユーザ109の口付近に位置付けられ得る。この実装形態においては、分析物センサ174を、ユーザ109の口から不用意に空気が漏れていないかどうかを検出するのに使用することができる。いくつかの実装形態においては、分析物センサ174が、二酸化炭素などの炭素系化学物質または化合物を検出するのに使用できる揮発性有機化合物(VOC)センサである。いくつかの実装形態においては、分析物センサ174を、ユーザ109が鼻または口のどちらで呼吸しているかを検出するのに使用することもできる。例えば、ユーザ109の口付近または(ユーザインターフェース124が顔面マスクである実装形態において)顔面マスク内に位置付けられた分析物センサ174によって出力されたデータによって分析物の存在が検出された場合、制御システム110は、ユーザ109が口で呼吸しているという指標としてこのデータを使用することができる。
【0089】
水分センサ176は、メモリデバイス114に記憶でき、かつ制御システム110が使用できるデータを出力する。水分センサ176は、ユーザ109を取り巻く様々な領域(例えば、導管126またはユーザインターフェース124の内部、ユーザ109の顔付近、導管126とユーザインターフェース124との間の接続部付近、導管126と呼吸デバイス122との間の接続部付近など)において水分を検出するのに使用することができる。そのため、いくつかの実装形態においては、水分センサ176を、呼吸デバイス122からの加圧空気の湿度を監視するために、ユーザインターフェース124に連結または統合すること、または導管126に統合することができる。他の実装形態においては、水分センサ176が、水分レベルを監視する必要がある任意の領域付近に配置されている。水分センサ176は、例えばユーザ109の寝室内の空気など、ユーザ109を取り巻く周囲環境の湿度を監視するのに使用することもできる。水分センサ176は、環境変化に対するユーザ109のバイオメトリック反応を追跡するのに使用することもできる。
【0090】
1つ以上のLiDARセンサ178は、深度感知に使用することができる。このタイプの光学センサ(例えばレーザセンサ)は、物体を検出し、生活空間など周囲環境の3次元(3D)マップを作成するのに使用することができる。LiDARは一般に、パルスレーザを利用して飛行時間を計測する。LiDARは、3Dレーザスキャンとも称される。かかるセンサの一使用例においては、LiDARセンサ178を有する固定または(スマートフォンなどの)モバイルデバイスが、センサから5メートル以上離れた領域を測定およびマッピングすることができる。LiDARデータは、例えば電磁式RADARセンサによって推定されたポイントクラウドデータと融合させることができる。LiDARセンサ178は、人工知能(AI)を使用して、(RADARに対して高反射性であり得る)ガラス窓など、RADARシステムにとっての問題をもたらし得る空間内の特徴を検出および分類することにより、RADARシステムのジオフェンスを自動的に作成することもできる。LiDARは、人の身長に加え、人が座ったとき、倒れたときなどに生じる身長の変化を推定するのに使用することもできる。LiDARは、環境の3Dメッシュ表現を形成するのに使用され得る。さらなる用途では、電波が通過する固体表面(例えば電波透過性材料)にLiDARが反射し得ることにより、異なるタイプの障害物の分類が可能となる。
【0091】
図1では別々に示されているが、1つ以上のセンサ130の任意の組み合わせを、呼吸デバイス122、ユーザインターフェース124、導管126、加湿タンク/加湿器129、制御システム110、ユーザデバイス116、またはそれらの任意の組み合わせを含むシステム100の構成要素のうちの任意の1つ以上に統合および/または連結することができる。例えば、音響センサ141および/またはRFセンサ147は、ユーザデバイス116に統合および/または連結することができる。かかる実装形態においては、ユーザデバイス116を、本開示のいくつかの態様に係るシステム100(例えば制御システム110)が使用する追加または二次データを生成する二次デバイスとみなすことができる。いくつかの実装形態においては、圧力センサ132および/または流量センサ134が、呼吸デバイス122に統合および/または連結されている。いくつかの実装形態においては、1つ以上のセンサ130のうちの少なくとも1つが、呼吸デバイス122、制御システム110、またはユーザデバイス116に連結されておらず、睡眠セッション中のユーザ109に概ね隣接して位置付けられている(例えば、ユーザ109の一部分の上に位置付けられているか接触している、ユーザ109によって着用されている、ナイトスタンド240(
図2)に連結されているか位置付けられている、マットレス232(
図2)に連結されている、(例えば、環境108の)天井に連結されている、など)。1つ以上のセンサ130は、1つ以上のセンサ(単数または複数)130が1つ以上の睡眠セッション中のユーザ(単数または複数)109(例えば、
図2のユーザ210および/または同床者220)と関連付けられた生理学的データを生成できるようにユーザ109を基準とする任意の適切な箇所に位置付けられるのが、より一般的である。
【0092】
1つ以上のセンサ130からのデータを分析して、呼吸信号、呼吸数、呼吸パターン、吸気振幅、呼気振幅、吸気対呼気比、1つ以上の事象の発生、1時間当たりの事象数、事象のパターン、事象の平均持続時間、事象持続時間の範囲、異なる事象数間の比、睡眠段階、無呼吸-低呼吸指標(AHI)、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る1つ以上の睡眠関連パラメータを判断することができる。この1つ以上の事象は、いびき、無呼吸、中枢性無呼吸、閉塞性無呼吸、混合性無呼吸、低呼吸、意図的なユーザインターフェースからの漏れ、意図しないユーザインターフェースからの漏れ、口からの漏れ、咳、下肢静止不能、睡眠障害、窒息、心拍数増、呼吸困難、喘息発作、てんかん層間症、発作、血圧上昇、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。これらの睡眠関連パラメータの多くは生理学的パラメータであるが、これらの睡眠関連パラメータの一部は、非生理学的パラメータとみなすことができる。他のタイプの生理学的パラメータおよび非生理学的パラメータも、1つ以上のセンサ130からのデータまたは他のタイプのデータから判断することができる。
【0093】
ユーザデバイス116(
図1)は、ディスプレイデバイス172を含む。ユーザデバイス116は、例えば、スマートフォン、タブレット、ノートパソコン等のモバイルデバイスであり得る。代替として、ユーザデバイス116は、外部感知システム、テレビ(例えばスマートテレビ)、または別のスマートホームデバイス(例えば、Google Home、Amazon Echo、Alexaなどのスマートスピーカ(単数または複数))であり得る。いくつかの実装形態においては、このユーザデバイスがウェアラブルデバイス(例えばスマートウォッチ)である。ディスプレイデバイス172は概して、静止画、動画、またはその両方を含む画像(単数または複数)を表示するのに使用される。いくつかの実装形態においては、ディスプレイデバイス172が、画像(単数または複数)および入力インターフェースを表示するように構成されたグラフィックユーザインターフェース(GUI)を含むヒューマンマシンインターフェース(HMI)の働きをする。ディスプレイデバイス172は、LEDディスプレイ、有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイ等であり得る。入力インターフェースは、例えば、タッチスクリーンまたは接触感知基板、マウス、キーボード、またはユーザデバイス116とやりとりする人間ユーザによって行われる入力を感知するように構成された任意のセンサシステムであり得る。いくつかの実装形態においては、1つ以上のユーザデバイスが、システム100によって使用され得、かつ/またはシステム100に含まれ得る。
【0094】
血圧デバイス180は、ユーザと関連付けられた1つ以上の血圧測定値を判断するための生理学的データの生成を支援するのに使用されるのが一般的である。血圧デバイス180は、例えば、収縮期血圧成分および/または拡張期血圧成分を測定するための1つ以上のセンサ130のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0095】
いくつかの実装形態においては、血圧デバイス180が、ユーザが着用できる膨張式カフと、圧力センサ(例えば、本明細書に記載されている圧力センサ132)と、を含む血圧計である。例えば、
図2の例に示すとおり、血圧デバイス180は、ユーザ210の上腕に着用することができる。血圧デバイス180が血圧計であるかかる実装形態においては、血圧デバイス180が、カフを膨張させるためのポンプ(例えば手動操作バルブ)も含む。いくつかの実装形態においては、血圧デバイス180が、呼吸システム120の呼吸デバイス122に連結され、これによって加圧空気が送達されてカフが膨張する。血圧デバイス180は、制御システム110、メモリデバイス114、呼吸システム120、ユーザデバイス116、および/または活動トラッカー190と通信可能に連結すること、および/または物理的に(例えばハウジング内に)統合することができるのがより一般的である。
【0096】
活動トラッカー190は、ユーザと関連付けられた活動測定値を判断するための生理学的データの生成を支援するのに使用されるのが一般的である。この活動測定値は、例えば、歩数、移動距離、登坂歩数、身体活動の持続時間、身体活動のタイプ、身体活動の強度、立って過ごした時間、呼吸数、平均呼吸数、安静時呼吸数、最大呼吸数、呼吸数変動、心拍数、平均心拍数、安静時心拍数、最大心拍数、心拍数変動、燃焼カロリー数、血中酸素飽和度、皮膚電気活動(皮膚コンダクタンスまたはガルバニック皮膚反応とも称される)、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。活動トラッカー190は、例えば、モーションセンサ138(例えば、1つ以上の加速度計および/またはジャイロスコープ)、PPGセンサ154、および/またはECGセンサ156など、本明細書に記載されているセンサ130のうちの1つ以上を含む。
【0097】
いくつかの実装形態においては、活動トラッカー190が、スマートウォッチ、リストバンド、指輪、またはパッチなど、ユーザ109が着用できるウェアラブルデバイスである。例えば、
図2を参照すると、活動トラッカー190がユーザ210の手首に着用されている。活動トラッカー190は、ユーザ109が着用する衣服または衣類に連結または統合することもできる。代替として、活動トラッカー190は、ユーザデバイス116に連結または(例えば同じハウジング内に)統合することもできる。活動トラッカー190は、制御システム110、メモリデバイス114、呼吸システム120、ユーザデバイス116、および/または血圧デバイス180と通信可能に連結すること、または物理的に(例えばハウジング内に)統合することができる。
【0098】
制御システム110およびメモリデバイス114は、システム100の別々かつ別個の構成要素として
図1に記載および図示されているが、いくつかの実装形態においては、制御システム110および/またはメモリデバイス114が、ユーザデバイス116および/または呼吸デバイス122に統合されている。代替として、いくつかの実装形態においては、制御システム110またはその一部分(例えばプロセッサ112)がクラウドに所在し得(例えば、サーバに統合され、モノのインターネット(IoT)デバイスに統合され、クラウドに接続され、エッジクラウド処理を受け得るなど)、1つ以上のサーバ(例えば、リモートサーバ、ローカルサーバなど、またはそれらの任意の組み合わせ)に所在し得る。
【0099】
システム100は、上記構成要素のすべてを含むものとして示されているが、本開示の実装形態によれば、個別加湿を提供するために、より多数または少数の構成要素をシステム100に含めることができる。例えば、第1の代替システムは、加湿器モジュール102、制御システム110と、メモリデバイス114と、1つ以上のセンサ130のうちの少なくとも1つと、を含む。別の実施例として、第2の代替システムは、加湿器モジュール102と、制御システム110と、メモリデバイス114と、1つ以上のセンサ130のうちの少なくとも1つと、ユーザデバイス116と、を含む。さらに別の実施例として、第3の代替システムは、加湿器モジュール102と、制御システム110と、メモリデバイス114と、呼吸システム120と、1つ以上のセンサ130のうちの少なくとも1つと、ユーザデバイス116と、を含む。さらなる実施例として、第4の代替システムは、加湿器モジュール102と、制御システム110と、メモリデバイス114と、呼吸システム120と、1つ以上のセンサ130のうちの少なくとも1つと、ユーザデバイス116と、血圧デバイス180および/または活動トラッカー190と、を含む。さらなる実施例においては、1つ以上のセンサ130に含まれるマイクロフォン140が、マイクロフォン242、フィードバックマイクロフォン、またはその両方を含み得る。そのため、ユーザによる呼吸システム120の使用と関連付けられたデータを分析するための様々なシステムを、本明細書に図示および記載されているシステム100の構成要素の任意の部分(単数または複数)を使用して、かつ/または1つ以上の他の構成要素と組み合わせて形成することができる。
【0100】
上記のとおり、1つ以上のユーザデバイス116もその環境内にあり得る。1つ以上のユーザデバイス116は、ユーザデバイスなど、ユーザが加湿器モジュール102、メモリデバイス114、制御システム110、第1のセンサ130a、または第2のセンサ130bのうちの1つ以上に情報を提供できるようにする任意の電子デバイスであり得る。例えば、1つ以上の電子デバイス116は、携帯電話(スマートフォン)、携帯情報端末、タブレット、ラップトップコンピュータ、スマートテレビ、モニタ、端末、健康トラッカー、フィットネストラッカー、スマートスピーカ、スマートサウンドバー、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。ユーザデバイス116は、第1のセンサ130aおよび第2のセンサ130bとは別のものとして表されているが、1つ以上の実装形態において、第1のセンサ130a、第2のセンサ130b、またはその両方をユーザデバイス116に統合することができる。例えば、ユーザデバイス116は、繰り返しになるが、環境108の湿度と、フィットネストラッカーを着用しているユーザ109の心電図(ECG)信号および/もしくは呼吸信号ならびに/または水和レベルを(赤外線を使用するなどして)検出できるスマートフォンまたは活動トラッカー190であり得る。1つ以上の実装形態において、ユーザデバイス116内の1つ以上のセンサが、センサ130aおよび130bのうちの1つ以上であり得る。例えば、1つ以上の実装形態において、スマートフォン内のマイクロフォンおよび/またはスピーカは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際特許出願公開第WO2018/050913号に開示されているとおり、ユーザ109の呼吸を測定することができる。
【0101】
ユーザデバイス116は、それ自体は感知されなくても、例えばユーザデバイス116のユーザインターフェースを使用することによってユーザ109から提供され得る付加的な生理学的パラメータを提供することができる。かかる付加的な主観的パラメータは、年齢、性別、ボディマス指数、1つ以上の病状、1つ以上の基礎疾患、またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含み得る。これらのパラメータは、ユーザデバイス116上のユーザ109のプロファイルに記憶することができる。これらの生理学的パラメータは、報告された鼻水、呼吸困難、乾燥肌、胸部絞扼感、咳払い、粘液/痰の量および色、エネルギー不足、呼吸器感染症、自己申告された睡眠の質、以前の快適性レベルに関する現在の自己申告レベルなどを含む、ユーザデバイス116を通じて報告されたユーザ109からの主観的情報も含み得る。
【0102】
1つ以上の実装形態において、ユーザデバイス116は、ユーザ109によって入力された、この1つ以上の生理学的パラメータ、1つ以上の環境センサ、またはそれらの組み合わせに対応する情報を含み得、その情報を、制御システム110に提供することができる。かかる実装形態においては、ユーザデバイス116をセンサとみなすことができる。上記と同様に、ユーザ109は、呼吸に関するユーザの快適性レベルなど、呼吸に関する主観的情報を含むユーザの快適性レベルに関する情報をユーザデバイス116に入力することができる。ユーザ109は、その環境に関する特定のパラメータも入力することができる。ユーザデバイス116に入力された自己申告情報は、電子健康記録から読み取られたものなど、病状の重症度/進行度に関するデータも含み得る。
【0103】
この1つの環境108には1つの加湿器モジュール102だけが表されているが、1つ以上の実装形態において、環境108に複数の加湿器モジュール102が存在し得るか、別々の加湿器モジュール102を有する複数の別々の環境108が存在し得る。1つ以上の実装形態において、それぞれが
図1に示すものと同様の構成を有する複数の環境108が存在し得る。例えば、別々の各環境108は、加湿器モジュール102と、制御システム110と、メモリデバイス114と、を有する独自のシステム100を含み得る。複数の制御システム110間の処理は、(クラウド内など、局所的または遠隔的に)一元化することができる。そのため、1つ以上の実装形態において、
図1の要素のそれぞれが、スタンドアロンデバイスもしくはネットワーク接続されたデバイス、またはホームシステムの一部であり得る。別々の各環境108は、1つ以上の制御システム106によって制御のされ方を変えることができる。その違いは、特定の環境内のユーザ109に予想される出来事に基づき得る。代替として、加湿器モジュール102が、建物内の異なる部屋または車両(車、列車、飛行機、船など)内の異なる区画など、いくつかの異なる環境108を網羅し得る。この場合には、出力(加湿、除湿、暖かい空気または熱い空気)の変更が、標的ユーザ109がいるそれぞれの環境の局所センサ(例えば、センサ130(130aおよび130b))によって測定されたパラメータに基づき得る。かかる場合における加湿器モジュール102の出力の変更は、種々の組の通気孔を開閉して、加湿器モジュール102の出力を運ぶ空気流をある部屋/区画から別の部屋/区画へと方向転換することによって行われ得る。
【0104】
本明細書で使用されている睡眠セッションは、例えば、初回の開始時刻および終了時刻に少なくとも部分的に基づいていくつかの方法で定義することができる。いくつかの実装形態においては、睡眠セッションが、ユーザが眠っている持続時間であり、すなわち睡眠セッションは、開始時刻と終了時刻とを有し、睡眠セッション中はユーザが終了時刻まで覚醒しない。すなわち、ユーザが覚醒している時間は、睡眠セッションに含まれない。睡眠セッションの第1の定義からは、ユーザが一晩で複数回覚醒および入眠した場合、それらの覚醒期間によって隔てられたそれぞれの睡眠期間が睡眠セッションとなる。
【0105】
代替として、いくつかの実装形態においては、睡眠セッションが、開始時刻と終了時刻とを有し、その睡眠セッション中は、ユーザが覚醒している連続時間が覚醒持続時間閾値未満である限り、そのユーザは、睡眠セッションが終了せずに覚醒することができる。覚醒持続時間閾値は、睡眠セッションの百分率と定義することができる。覚醒持続時間閾値は、例えば、睡眠セッションの約20パーセント、睡眠セッション持続時間の約15パーセント、睡眠セッション持続時間の約10パーセント、睡眠セッション持続時間の約5パーセント、睡眠セッション持続時間の約2パーセント等、または他の任意の閾値パーセントであり得る。いくつかの実装形態においては、覚醒持続時間閾値が、例えば、約1時間、約30分、約15分、約10分、約5分、約2分など、または他の任意の量の時間と定義される。
【0106】
いくつかの実装形態においては、睡眠セッションが、ユーザが最初に就床した夜の時刻から、ユーザが最後に起床した翌朝の時刻までの総時間と定義される。別の言い方をすれば、睡眠セッションは、(ユーザが寝る前に最初にテレビを見たりスマートフォンをいじったりすることを意図した場合ではなく)ユーザが寝るという意図を持って最初に就床した、現在の夜と称せる第1の日付(例えば、2020年1月6日月曜日)の第1の時刻(例えば午後10:00)に始まり、ユーザがその翌朝に再び寝ないという意図を持って最初に起床した、翌朝と称せる第2の日付(例えば2020年1月7日火曜日)の第2の時刻(例えば午前7:00)に終わる時間と定義することができる。
【0107】
いくつかの実装形態においては、ユーザが睡眠セッションの開始を手動で定義し、かつ/または睡眠セッションを手動で終了させることができる。例えば、ユーザは、ユーザデバイス116(
図1)のディスプレイデバイス172に表示される1つ以上のユーザ選択可能要素を(例えば、クリックすること、またはタップすることによって)選択して、睡眠セッションを手動で開始または終了させることができる。
【0108】
図3を参照すると、ある睡眠セッションの例示的な時系列300が表されている。時系列300は、就床時刻(t
bed)と、入眠時刻(t
GTS)と、初回就眠時刻(t
sleep)と、第1の微小覚醒MA
1および第2の微小覚醒MA
2と、覚醒Aと、覚醒時刻(t
wake)と、起床時刻(t
rise)と、を含む。
【0109】
就床時刻t
bedは、ユーザが入眠する前に最初に就床(例えば、
図2のベッド230)する(例えば、ユーザがベッドに横になったり座ったりする)時刻と関連付けられている。就床時刻t
bedは、ユーザが寝るために就床する時刻と、ユーザが他の理由で(例えば、テレビを見るために)就床する時刻と、を区別するために、就床閾値持続時間に少なくとも部分的に基づいて特定することができる。例えば、就床閾値持続時間は、少なくとも約10分間、少なくとも約20分間、少なくとも約30分間、少なくとも約45分間、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間などであり得る。本明細書においては、ベッドを参照して就床時刻t
bedを説明しているが、就床時刻t
bedは、ユーザが寝るために最初に何らかの箇所(例えば、ソファ、椅子、寝袋など)に就いた時刻を表し得るのが、より一般的である。
【0110】
入眠時刻(GTS)は、ユーザが、床に就いた後、最初に入眠を試行する時刻(tbed)と関連付けられている。例えば、ユーザは、床に就いた後、眠ろうとする前に、くつろぐために1つ以上の活動(例えば、読書、テレビ視聴、音楽鑑賞、ユーザデバイス116の使用など)をし得る。初回就眠時刻(tsleep)は、ユーザが最初に入眠した時刻である。例えば、初回就眠時刻(tsleep)は、ユーザが最初にノンレム睡眠段階に入った時刻であり得る。
【0111】
覚醒時刻twakeは、(例えば、ユーザが夜中に目覚めて眠りに戻るのではなく、)ユーザが眠りに戻ることなく目覚めた時期と関連付けられた時刻である。ユーザは、最初に入眠した後、短い持続時間(例えば、5秒、10秒、30秒、1分など)を有する、より多くの無意識の微小覚醒(例えば、微小覚醒MA1およびMA2)のうちの1つを経験し得る。ユーザは、覚醒時刻twakeではなく、微小覚醒MA1およびMA2のそれぞれを経て、再び眠る。同様に、ユーザは、最初に入眠した後、1つ以上の意識的な覚醒(例えば、覚醒A)(例えば、トイレに行くために起きる、子供やペットの世話をする、夢中歩行するなど)を有し得る。ただし、ユーザは覚醒Aの後、眠りに戻る。そのため、覚醒時刻twakeは、例えば、(例えば、ユーザが少なくとも15分間、少なくとも20分間、少なくとも30分間、少なくとも1時間等にわたって覚醒している)覚醒閾値持続時間に少なくとも部分的に基づいて定義することができる。
【0112】
同様に、起床時刻triseは、(例えば、ユーザが夜中にトイレに行くこと、子供やペットの世話をすること、夢中歩行することなどではなく、)睡眠セッションを終了するという意図を持ってユーザがベッドを後にし、離れた時刻と関連付けられている。言い換えれば、起床時刻triseは、ユーザが次の睡眠セッション(例えば、翌日の夜)までベッドに戻ることなく、最後にベッドを離れた時刻である。そのため、起床時刻triseは、例えば、(例えば、ユーザが少なくとも15分間、少なくとも20分間、少なくとも30分間、少なくとも1時間などにわたって離床している)起床閾値持続時間に少なくとも部分的に基づいて定義することができる。睡眠セッション後の第2の就床時刻tbedも、(例えば、ユーザが少なくとも4時間、少なくとも6時間、少なくとも8時間、少なくとも12時間などにわたって離床している)起床閾値持続時間に少なくとも部分的に基づいて定義することができる。
【0113】
上記のとおり、ユーザは、初回のtbedから最終のtriseまでの夜間にもう1回目覚めて離床し得る。いくつかの実装形態においては、事象(例えば、入眠または離床)後の所定の閾値持続時間に少なくとも部分的に基づいて特定または判断される最終覚醒時刻twakeおよび/または最終起床時刻trise。かかる閾値持続時間は、ユーザに合わせてカスタマイズすることができる。夜就床し、朝覚醒および起床する標準的なユーザの場合には、約12時間から約18時間の間の任意の時間(ユーザが覚醒(twake)または起床(trise)してから就床(tbed)、入眠(tGTS)または就眠(tsleep)するまでの間)を用いることができる。ベッドで過ごす時間が長いユーザであれば、より短い閾値時間(例えば、約8時間から約14時間)が使用され得る。この閾値時間は、ユーザの睡眠挙動を監視するシステムに少なくとも部分的に基づいて、最初に選択および/または後で調整され得る。
【0114】
全就床時間(TIB)は、就床時刻t
bedから起床時刻t
riseまでの持続時間である。全睡眠時間(TST)は、初回就眠時刻から覚醒時刻までの持続時間から、その間の意識的または無意識的な覚醒および/または微小覚醒を除外した時間と関連付けられている。全睡眠時間(TST)は、全就床時間(TIB)よりも短く(例えば、1分短く、10分短く、1時間短くなど)なるのが一般的である。例えば、
図3の時系列300を参照すると、全睡眠時間(TST)は、初回就眠時刻t
sleepから覚醒時刻t
wakeまでであるが、第1の微小覚醒MA
1、第2の微小覚醒MA
2、および覚醒Aの持続時間が除外されている。図示のとおり、本例においては、全睡眠時間(TST)が全就床時間(TIB)よりも短い。
【0115】
いくつかの実装形態においては、全睡眠時間(TST)を、全持続睡眠時間(PTST)と定義することができる。かかる実装形態においては、全持続睡眠時間が、第1のノンレム段階(例えば、軽睡眠段階)の所定の初期部分または初期時間を除外している。例えば、この所定初期部分は、約30秒間から約20分間、約1分間から約10分間、約3分間から約5分間などであり得る。全持続睡眠時間は、持続した睡眠の測定値であり、睡眠/覚醒睡眠経過図を滑らかにする。例えば、ユーザの初回入眠時に、そのユーザは、非常に短い時間(例えば約30秒間)にわたる第1のノンレム段階に入り、短時間(例えば1分間)の覚醒段階に戻った後に、第1のノンレム段階に戻り得る。本例においては、全持続睡眠時間が、第1のノンレム段階の最初の事例(例えば約30秒間)を除外している。
【0116】
いくつかの実装形態においては、睡眠セッションが、就床時刻(tbed)に始まり、起床時刻(trise)に終わる時間、すなわち全就床時間(TIB)と定義されている。いくつかの実装形態においては、睡眠セッションが、初回就眠時刻(tsleep)に始まり、覚醒時刻(twake)に終わるものと定義されている。いくつかの実装形態においては、睡眠セッションが、全睡眠時間(TST)と定義されている。いくつかの実装形態においては、睡眠セッションが、入眠時刻(tGTS)に始まり、覚醒時刻(twake)に終わるものと定義されている。いくつかの実装形態においては、睡眠セッションが、入眠時刻(tGTS)に始まり、起床時刻(trise)に終わるものと定義されている。いくつかの実装形態においては、睡眠セッションが、就床時刻(tbed)に始まり、覚醒時刻(twake)に終わるものと定義されている。いくつかの実装形態においては、睡眠セッションが、初回就眠時刻(tsleep)に始まり、起床時刻(trise)に終わるものと定義されている。
【0117】
図4を参照すると、いくつかの実装形態に係る、時系列300(
図3)に対応する例示的な睡眠経過
図400が表されている。図示のとおり、睡眠経過
図400は、睡眠/覚醒信号401と、覚醒段階軸410と、レム段階軸420と、軽睡眠段階軸430と、深睡眠段階軸440と、を含む。睡眠/覚醒信号401と軸410~440のうちの1つとの交点は、睡眠セッション中の任意の所与の時刻における睡眠段階を示している。
【0118】
睡眠/覚醒信号401は、ユーザと関連付けられた(例えば、本明細書に記載されているセンサ130のうちの1つ以上によって生成された)生理学的データに少なくとも部分的に基づいて生成することができる。睡眠/覚醒信号は、覚醒、リラックスした覚醒、微小覚醒、レム段階、第1のノンレム段階、第2のノンレム段階、第3のノンレム段階、またはそれらの任意の組み合わせを含む1つ以上の睡眠段階を示し得る。いくつかの実装形態においては、第1のノンレム段階、第2のノンレム段階、および第3のノンレム段階のうちの1つ以上をひとまとめにし、軽睡眠段階または深睡眠段階として分類することができる。例えば、軽睡眠段階は、第1のノンレム睡眠段階を含み得、深睡眠段階は、第2のノンレム睡眠段階と第3のノンレム睡眠段階とを含み得る。睡眠経過
図400は、
図4において、軽睡眠段階軸430と深睡眠段階軸440とを含むものとして示されているが、いくつかの実装形態において、睡眠経過
図400は、第1のノンレム段階、第2のノンレム段階、および第3のノンレム段階のそれぞれを表す軸を含み得る。他の実装形態においては、睡眠/覚醒信号が、呼吸信号、呼吸数、吸気振幅、呼気振幅、吸気対呼気振幅比、吸気対呼気持続時間比、1時間当たりの事象数、事象パターン、またはそれらの任意の組み合わせも示し得る。睡眠/覚醒信号について記述している情報は、メモリデバイス114に記憶することができる。
【0119】
睡眠経過
図400は、例えば、入眠潜時(SOL)、中途覚醒(WASO)、睡眠効率(SE)、睡眠断片化指数、睡眠ブロック、またはそれらの任意の組み合わせなど、1つ以上の睡眠関連パラメータを判断するのに使用することができる。
【0120】
入眠潜時(SOL)は、入眠時刻(tGTS)と初回就眠時刻(tsleep)との間の時間と定義される。言い換えれば、入眠潜時は、ユーザが最初に入眠を試行してから実際に入眠するまでに要した時間を示す。いくつかの実装形態においては、入眠潜時が持続的入眠潜時(persistent sleep onset latency:PSOL)と定義される。持続的入眠潜時は、入眠時刻から所定量の持続的睡眠までの持続時間と定義されるという点で、入眠潜時とは異なる。いくつかの実装形態においては、所定量の持続的睡眠が、例えば、第2のノンレム段階内、第3のノンレム段階内、ならびに/または2分間以下の覚醒、第1のノンレム段階、および/もしくはその間の移動を伴うレム段階内の少なくとも10分間の睡眠、を含み得る。言い換えれば、持続的入眠潜時は、例えば、第2のノンレム段階内、第3のノンレム段階内、および/またはレム段階内での最大8分間の持続的睡眠を要する。他の実装形態においては、所定量の持続的睡眠が、初回就眠時刻後の第1のノンレム段階内、第2のノンレム段階内、第3のノンレム段階内、および/またはレム段階内の少なくとも10分間の睡眠を含み得る。かかる実装形態においては、所定量の持続的睡眠が、一切の微小覚醒を除外し得る(例えば、10秒間の微小覚醒後に、その10分間が再開されることはない)。
【0121】
中途覚醒(WASO)は、初回就眠時刻から覚醒時刻までの間でユーザが覚醒している全持続時間と関連付けられている。そのため、中途覚醒は、意識的か無意識的かを問わず、睡眠セッション中の短時間覚醒と微小覚醒と(例えば、
図4に示す微小覚醒MA
1とMA
2と)を含む。いくつかの実装形態においては、中途覚醒(WASO)が、所定の長さ(例えば、10秒間超、30秒間超、60秒間超、約5分間超、約10分間超など)を有する全覚醒持続時間だけを含む持続的中途覚醒(PWASO)と定義される。
【0122】
睡眠効率(SE)は、全就床時間(TIB)と全睡眠時間(TST)との比率と判断される。例えば、全就床時間が8時間で、全睡眠時間が7.5時間であれば、その睡眠セッションの睡眠効率は93.75%である。睡眠効率は、ユーザの睡眠衛生を表す。例えば、ユーザが就床し、睡眠前に他の活動(例えば、テレビの視聴)に時間を費やすと、睡眠効率が低下する(例えば、そのユーザが罰則を受ける)。いくつかの実装形態においては、全就床時間(TIB)と、ユーザが入眠を試行する全時間と、に少なくとも部分的に基づいて睡眠効率(SE)を計算することができる。かかる実装形態においては、ユーザが入眠を試行する全持続時間が、本明細書に記載されている入眠時刻(GTS)から起床時刻までの時間と定義される。例えば、全睡眠時間が8時間(例えば、午後11時から午前7時まで)、入眠時刻が午後10:45、起床時刻が午前7:15であれば、かかる実装形態においては、睡眠効率パラメータが約94%と計算される。
【0123】
断片化指標は、睡眠セッション中の覚醒回数に少なくとも部分的に基づいて判断される。例えば、ユーザが2回の微小覚醒(例えば、
図4に示す微小覚醒MA
1および微小覚醒MA
2)を有していた場合には、断片化指標を2と表すことができる。いくつかの実装形態においては、この断片化指標が、所定範囲の整数間(例えば、0から10の間)でスケーリングされる。
【0124】
睡眠ブロックは、任意の睡眠段階(例えば、第1のノンレム段階、第2のノンレム段階、第3のノンレム段階、および/またはレム)と覚醒段階との間での移行と関連付けられる。睡眠ブロックは、例えば、30秒の分解能で計算することができる。
【0125】
いくつかの実装形態においては、本明細書に記載されているシステムおよび方法が、就床時刻(tbed)、入眠時刻(tGTS)、初回就眠時刻(tsleep)、1回以上の第1の微小覚醒(例えば、MA1およびMA2)、覚醒時刻(twake)、起床時刻(trise)、またはそれらの任意の組み合わせを睡眠経過図の睡眠/覚醒信号に少なくとも部分的に基づいて判断または特定するために、睡眠/覚醒信号を含む睡眠経過図を生成または分析することを含み得る。
【0126】
他の実装形態においては、センサ130のうちの1つ以上を使用して、就床時刻(tbed)、入眠時刻(tGTS)、初回就眠時刻(tsleep)、1回以上の第1の微小覚醒(例えば、MA1およびMA2)、覚醒時刻(twake)、起床時刻(trise)、またはそれらの任意の組み合わせを判断または特定することができ、ひいては睡眠セッションを定義することができる。例えば、就床時刻tbedは、モーションセンサ138、マイクロフォン140、カメラ150、またはそれらの任意の組み合わせなどによって生成されたデータに少なくとも部分的に基づいて判断することができる。入眠時刻は、例えば、モーションセンサ138からのデータ(例えば、ユーザによる動きがないことを示すデータ)、カメラ150からのデータ(例えば、ユーザによる動きがないこと、および/またはユーザが照明を消したことを示すデータ)、マイクロフォン140からのデータ(例えば、使用がテレビを消したことを示すデータ)、ユーザデバイス116からのデータ(例えば、ユーザがユーザデバイス116をもう使用していないことを示すデータ)、圧力センサ132および/または流量センサ134からのデータ(例えば、ユーザが呼吸デバイス122の電源を投入したことを示すデータ、ユーザがユーザインターフェース124を着用したことを示すデータなど)、またはそれらの任意の組み合わせなどに少なくとも部分的に基づいて判断することができる。
【0127】
連続気道陽圧(CPAP)システムは、睡眠関連呼吸器疾患に罹患している個人を治療するのに使用されることが多い。CPAPシステムのユーザは、呼吸デバイスからユーザの喉に加圧空気を送達して、睡眠中に気道が狭窄および/または閉塞しないように支援し、それによってユーザの酸素摂取量を増やすユーザインターフェース(マスクなど)を着用するのが一般的である。多くのCPAPシステムが、ユーザの睡眠を妨害または中断し得る可聴ノイズを使用中に生成する。このノイズは、加圧空気を生成する呼吸デバイス内のモータの稼働から生じることが多い。さらには、CPAPシステムにおける空気漏れから(例えば、CPAPシステムのマスクから)も騒音が生じ得る。かかるノイズをCPAPシステムの稼働中に検出および相殺することは、ユーザおよび同床者が、かかるノイズによって中断されない質の高い睡眠をとるのを支援するのに有用である。
【0128】
上記のとおり、呼吸療法システム120は、ユーザ210の気道(例えば、口および/または鼻)に連結するユーザインターフェース128に接続された導管126を介するなどしてユーザ210への気流に水分を出力するように構成された加湿器129を含み得る。以下でさらに説明するとおり、加湿器モジュール102および加湿器129は、協働して加湿器129の使用を軽減することができる。1つ以上の実装形態において、呼吸療法システム120は加湿器129を完全に欠き得る。1つ以上の実装形態において、呼吸療法システム120は、睡眠障害呼吸(SDB)疾患の気道陽圧(PAP)治療を提供するように、または非侵襲的換気(NIV)を提供するように構成することができる。制御システム110は、NIV加湿が提供されていない場合に、NIVの快適性および有効性を最大化するように湿度レベルを調整することができる。
【0129】
図5を参照すると、個別加湿レベルを提供する方法500が表されている。本明細書に記載されている方法500のステップのうちの1つ以上は、加湿器モジュール102、制御システム110、メモリデバイス114、および1つ以上のセンサ130(例えば、第1のセンサ130aおよび第2のセンサ130b)など、
図1の1つまたは要素を使用して実施することができる。
【0130】
ステップ502で、制御システム110が、第1のセンサ130aから、環境108の条件に関する1つ以上の環境パラメータを受信する。この1つ以上の環境パラメータは、温度、大気圧、空気の質、風冷、所在箇所、または本明細書に開示されている任意の他の環境パラメータ、およびそれらの組み合わせを含み得る。1つ以上の実装形態において、この1つ以上の環境パラメータは、環境108と関連付けられたオーディオ情報であり得る。
【0131】
ステップ504で、制御システム110は、第2のセンサ130bから、環境108内のユーザ109と関連付けられた1つ以上の生理学的パラメータを受信する。この生理学的パラメータは、本明細書に開示されている生理学的パラメータおよび/またはそれらの組み合わせのいずれかであり得る。1つ以上の実装形態において、この1つ以上の生理学的パラメータは、ユーザと関連付けられたオーディオ情報であり得る。このオーディオ情報は、呼吸速度、呼吸深度、呼吸の質、咳、喘鳴、口笛、いびき、またはそれらの組み合わせに相関する1つ以上の音に関する情報であり得る。1つ以上の実装形態において、呼吸の検出は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際特許出願公開第WO2007/143535号および第WO2018/050913号に記載されているように起こり得る。
【0132】
追加または代替として、この1つ以上の生理学的パラメータは、ユーザ109の呼吸疾患に関連し得る任意の他の生理学的状態を含む、心拍数、体温、活動レベル、水和レベル、ユーザによって生成された1つ以上の音、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0133】
1つ以上の実装形態において、環境108は、ユーザ109に加え、1人以上の他のユーザも含み得る。制御システム110は、ユーザ109が環境108内の1人以上の他のユーザに比して脆弱性の高い人であると判断するように構成することができる。例えば、ユーザ109は、喘息発作、咳発作、慢性閉塞性肺疾患、または別の呼吸疾患を有することに少なくとも部分的に基づく脆弱性の高い人であり得る。そのため、制御システム110は、呼吸問題に関して最も脆弱な人の要件に合うようにシステム自体を構成することができる。すなわち、(目標RHなどの)設定が、喘息発作、咳発作、COPD増悪、または他の呼吸器疾患などの呼吸問題をすでに有するか、有する可能性が最も高い人に合わせて最適化される。
【0134】
1つ以上の実装形態において、システム100は、ユーザ109と関連付けられたユーザデバイス116を含み得る。制御システム110は、ユーザデバイス116からユーザ109の1つ以上の生理学的パラメータを受信することができる。ユーザデバイス116から受信したこの1つ以上の生理学的パラメータは、ユーザ109の年齢、性別、ボディマス指数、1つ以上の病状、1つ以上の基礎疾患、またはそれらの組み合わせを含み得る。例えば、本文中で先に述べた「呼吸問題を有する可能性が最も高い」推定は、ユーザデバイス116のユーザインターフェースを介して提供された主観的情報としてユーザが提供した1つ以上の生理学的パラメータに基づき得る。
【0135】
ステップ504で、制御システム110は、ユーザデバイス116から、環境108内のユーザ109と関連付けられた1つ以上の他の生理学的パラメータを任意選択的に受信することができる。この他の生理学的パラメータは、年齢、体重、およびユーザの現在の気分など、ユーザデバイス116に関して上述した他の生理学的パラメータのいずれかであり得る。1つ以上の実装形態において、利用可能なすべてのパラメータが、ステップ506で下記の判断を行うために制御システム110によって利用可能となり、分類器に入力できるようになる。
【0136】
ステップ506で、制御システム110は、その1つ以上の環境パラメータおよびその1つ以上の生理学的パラメータに少なくとも部分的に基づいて、環境108内の湿度の所望の変更と関連付けられた動作を判断する。1つ以上の実装形態において、この動作は、環境108内での加湿器モジュール102の所在箇所変更であり得る。かかる実装形態においては、制御システム110が、その1つ以上の環境パラメータおよびその1つ以上の生理学的パラメータを処理して、環境108内のユーザ109を基準とする加湿器モジュール102の位置を判断することができる。この所在箇所変更は、ユーザ109を基準とする加湿器モジュール102の位置に基づき得る。1つ以上の実装形態において、この動作は、制御システム110によって出力された勧奨によってもたらされた所在箇所変更に基づいて加湿器モジュールを移動するようにユーザに指示することであり得る。この出力は、制御システム110および/または加湿器モジュール102と関連付けられたディスプレイ上などの視覚的なものであり得る。この出力は、制御システム110および/または加湿器モジュール102と関連付けられたスピーカからの出力など、聞き取ることができる。
【0137】
1つ以上の実装形態において、加湿器モジュール102は、湿度を変更するために出力された水分を方向付ける1つ以上のファンを含み得る。この判断された動作は、加湿空気流を具体的な方向に向けるために1つ以上のファンの速度および/または方向を変更すると判断することを含み得る。その具体的な方向は、ユーザ109を基準にして、環境108の境界を基準にして、またはそれらの組み合わせで判断することができる。1つ以上の実装形態において、この1つ以上のファンは、湿度を提供するか否かに関係なく、環境108に換気を提供するように制御することができる。加湿器モジュール102が商用の暖房、換気および/または空調システムの一部である場合には、高温/低温/乾燥/湿潤空気を方向付ける種々の組の通気孔を開閉するなど、水分/冷気または熱をある領域(車両内の乗員室の一部、部屋または建物の一部など)から別の領域に方向転換することにより、加湿器モジュール102の上記再配置が等しく達成され得る。
【0138】
ステップ508で、制御システム110は、加湿器モジュール102によって出力された水分に少なくとも部分的に基づいて、その環境における湿度の変更と関連付けられた動作の実施を少なくとも部分的にもたらす。その動作は、ユーザにとっての最適湿度に従ってその環境における湿度を変更するように加湿器モジュール102の設定点を調整することであり得る。これらの生理学的パラメータに基づいた最適湿度は、風邪などの呼吸器疾患に現在罹患しているユーザ109に利するなど、ユーザ109の現在の状態に利することができる。
【0139】
1つ以上の実装形態において、制御システム110は、ユーザの1つ以上の生理学的パラメータに基づいた湿度の変更の効果をさらに特定することができる。制御システム110は、
図7に関して以下でさらに論じるとおり、生理学的状態の変更に基づいて最適条件を見つけられるように、ステップ504、506、および508を繰り返せるフィードバックループを作成することができる。
【0140】
1つ以上の実装形態において、制御システム110は、ユーザ109の家の外など、ユーザ109の環境108の外の領域118の状態を示す1つ以上の気象パラメータを受信することができる。制御システム110は、その1つ以上の環境パラメータおよびその1つ以上の気象パラメータに基づいて加湿器モジュール102の1つ以上の最適条件をさらに判断することができる。この場合、この動作は、最適条件に少なくとも部分的に基づいて加湿出力を変更することであり得る。これにより、ユーザ109が外(または加湿器モジュール102の制御下にない別の領域)に出る可能性が高いと制御システム110が判断した場合に、ユーザ109にとっての理想的なレベルと外部環境118との間のどこかを湿度値の目標とすることができる。そのため、制御システム110は、その環境と環境108の外の領域118との両方を対象とする適応型の手法を用いて、個別理想レベルを目標とすることができる。例えば、ユーザ109の呼吸の健康状態の最適レベルは45%RHであり得、屋外では80%RHであり得る。制御システム110は、加湿出力を徐々に変更し(例えば上げ)て、変更の衝撃を低減するなどの目的で湿度を外部レベルまで引き上げることができる。この動作は、温度の変更(暖房もしくは冷却)または空気浄化レベルの低下(例えば、ファン速度の低下)を伴い得る。
【0141】
1つ以上の実装形態において、ユーザが環境108から離れるという判断は、統計モデルに基づいて、ユーザ109の電子日記/カレンダーを仲介して、またはユーザ109の入力に基づいて行うことができる。
【0142】
1つ以上の実装形態において、制御システム110は、ユーザ109が環境108に出入りする際に、個人的に好ましい1組の設定を環境108内の加湿器モジュール102に伝達することができる。例えば、加湿器モジュール102は、加湿制御機能と、制御システム110と通信するネットワークに接続された有線または無線インターフェースと、を有する自動車空調システム内にあり得る。代替として、加湿器モジュール102は、車両内の電源に接続された、通信機能を有するスタンドアロンユニットであり得る。これにより、ユーザ109は、在宅中および移動中の両方で自身の疾患増悪リスクを最小限に抑える設定を有することができる。1つ以上の実装形態において、制御システム110は、(ユーザが乗車する前にシステムが稼働できる電気自動車などにおいて、)ユーザ109が乗車する前に加湿機能を起動することができる。
【0143】
1つ以上の実装形態において、ステップ508の動作は、ユーザ109の所望の生理学的状態を達成するために、環境108における湿度(例えば、加湿器モジュール102を通じて)および/または呼吸療法システム120の加湿器129によって生成された湿度を調整することであり得る。ユーザ109の生理学的状態は、湿度に関連し、かつ/または湿度によって左右される所望の快適性レベルに関連し得る。この所望の快適性レベルは、ユーザ109と関連付けられた一般的または既定の快適性レベルであり得る。代替として、この快適性レベルは、ユーザ109の具体的な状態または具体的な期間と結び付けることができる。例えば、ユーザ109の具体的な状態は、そのユーザが風邪を引いている、アレルギーに苦しんでいる、熱がある、などであり得る。環境108内の湿度または加湿器129によって生成された湿度は、例えば、呼吸速度や咳といった呼吸逼迫などの呼吸疾患、ガルバニック皮膚反応や心拍数変動などのストレス反応、(例えば、ユーザフィードバックを介して提供される)鼻孔などの気道の乾燥、睡眠状態、睡眠段階などに関連する所望の生理学的状態を達成するために、ステップ508の動作によって制御することができる。例えば、ユーザ109は風邪を引いている可能性があり、ステップ508の動作は、ユーザ109の呼吸速度を改善するため、および/またはユーザ109の咳の数もしくは量を低減するために環境108内の湿度を制御することであり得る。ユーザは、呼吸逼迫が軽減されることにより、より快適な状態になり得る。
【0144】
図6を参照すると、スマート過失を提供する方法が提供されている。本明細書に記載されている方法600のステップのうちの1つ以上は、加湿器モジュール102、制御システム110、メモリデバイス114、および1つ以上のセンサ130(例えば、第1のセンサ130aおよび第2のセンサ130b)など、
図1の1つまたは要素を使用して実施することができる。
【0145】
ステップ602で、制御システム110は、第1の組の条件で加湿器モジュール102を制御する。第1の組の条件は、例えば、環境108内の湿度の設定点に基づき得る。この設定点は、検出された湿度および温度、ならびに/またはユーザによって提供された所定の加湿設定に基づき得る。
【0146】
ステップ604で、制御システム110は、第1の組の条件に基づく加湿器モジュール102の稼働を受けて、環境108における湿度の変更の有無を監視する。この監視は、加湿器モジュール102が、環境108内の箇所に所在して湿度の変更をもたらせるようになっているかどうかの判断へと至り得る。湿度の変更への影響は、環境108における加湿器モジュール102の所在箇所に依存し得る多くの変数によって左右され得る。
【0147】
1つ以上の実装形態において、第1のセンサ130aおよび第2のセンサ130bなど、1つ以上のセンサ130がその環境に所在する。この監視は、1つ以上のセンサ130のうちの少なくとも1つから湿度の変更を示す情報を受信することを含み得る。制御システム110は、1つ以上のセンサ130(例えば、センサ130aおよび130b)のうちの少なくとも1つから、1つ以上のセンサ130またはユーザ109にを基準とする加湿器モジュール102の所在箇所を示す所在箇所情報をさらに受信することができる。この所在箇所情報は、部屋の壁など、環境108の境界を基準とする加湿器モジュール102の所在箇所にも基づき得る。
【0148】
1つ以上の実装形態において、制御システム110は、音を検出するように構成された環境108内の1つ以上の音センサ130から音情報を受信することができる。この音情報は、上述の呼吸など、環境108内でのユーザ109の所在箇所を示す情報を含み得る。これを受け、制御システム110は、この音情報を処理して、ユーザ109を基準とする環境108内での加湿器モジュール102の所在箇所を判断することができる。さらに、制御システム110は、この音情報に少なくとも部分的に基づいて、加湿器モジュール102を再配置する新たな所在箇所を判断することができる。1つ以上の実装形態において、この新たな所在箇所は、ユーザを基準とし得る。加湿器モジュール102の再配置に関する決定は、ユーザ109が代替所在箇所で少なくとも所定の時間を過ごしたことに基づき得る。加湿器モジュール102を再配置することは、例えば、加湿器モジュール102を移動させるためにユーザ109にメッセージを送信すること、モバイル加湿器の場合には、加湿器モジュール102をあちこちに移動させることを司るシステムに命令を送信すること、によって達成され得る。多部屋または多区画環境の場合に加湿器モジュール102の出力を「再配置すること」は、種々の組の通気孔を開閉して、加湿器モジュール102の出力を運ぶ空気流をある部屋/区画から別の部屋/区画に方向転換することによって行われ得る。
【0149】
ステップ606で、制御システム110は、湿度の変更の有無を監視することに少なくとも部分的に基づいて、加湿器モジュール102を環境108内で再配置するためのアラートを少なくとも部分的に出す。1つ以上の実装形態において、このアラートは、環境108内の場所を指定せずに加湿器モジュール102をただ移動させることだけを目的とし得る。この場合、
図6の方法は、停止すること、またはアラートが生成されなくなるまで繰り返すことができる。
【0150】
1つ以上の実装形態において、このアラートは、加湿器モジュール102を移動させる箇所に関する指示を含み得る。この箇所は、環境108を基準とし得、例えば、環境108内での加湿器モジュール102の所在箇所を判断するために処理される、制御システム110によって受信された情報に基づく。代替として、この箇所は、ユーザ109を基準とし得、例えば、ユーザ109に対する加湿器モジュール102の所在箇所を判断するために制御システム110によって処理された情報に基づく。ユーザを基準とする所在箇所を判断するために処理された情報は、
図5に関して上述した1つ以上の生理学的パラメータによって判断され得る。例えば、制御システム110は、ユーザ109および加湿器モジュール102によって生成された音に基づいて、加湿器モジュール102がユーザ109に近すぎるか遠すぎるかを判断することができる。そのため、
図6の方法により、ユーザ109は、環境108内のさらに理想的な箇所に加湿器モジュール102を位置付けて、環境108内の湿度をより良好に制御すること、または環境108内の湿度に影響を及ぼすことができるようになる。国際特許出願公開第WO2018/050913号に、音に基づいて物体までの距離を判断することに関するさらなる詳細が開示されており、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0151】
1つ以上の実装形態において、ユーザへの効果の判断は、上記のステップ508と同様、ユーザ109の所望の生理学的状態を達成することであり得る。ユーザ109の具体的な状態は、そのユーザが風邪を引いている、アレルギーに苦しんでいる、熱がある、などであり得る。加湿器モジュール102および/または加湿器129の1つ以上の稼働条件は、環境108の湿度の変更をもたらすように調整することができ、環境108におけるこの変更は、ユーザ109の生理学的状態を改善するためのものである。例えば、環境108における湿度または加湿器129によって生成された湿度は、ユーザの呼吸速度、咳、または他の呼吸逼迫状態を改善するように制御することができる。
【0152】
1つ以上の実装形態において、
図6の方法または本明細書に開示されている任意の方法に係るユーザ109の所望の生理学的状態は、
図3および
図4に関して上述したとおり、所望の睡眠状態(例えば、覚醒もしくは睡眠)または所望の睡眠段階(例えば、N1、N2、レムなど)であり得る。環境108内の湿度および/または加湿器129によって生成された湿度は、1つ以上の睡眠セッションを通じて所望の睡眠状態および/または睡眠段階を達成するように制御することができる。ステップ602および606におけるユーザの第1および第2の組の1つ以上の生理学的パラメータは、ユーザ109の睡眠状態および/または睡眠段階を検出することと関連付けることができる。加湿器モジュール102および/または加湿器129の1つ以上の稼働条件の調整は、睡眠セッションの一部分または睡眠セッション全体を通じて所望の睡眠状態(例えば睡眠)および/もしくは所望の睡眠段階(例えばレムまたはN3)または所望の睡眠段階パターンを達成するために、その環境の湿度の変更をもたらすことであり得る。
【0153】
図7を参照すると、個別加湿レベルを最適化する方法が提供されている。本明細書に記載されている方法700のステップのうちの1つ以上は、加湿器モジュール102、制御システム110、メモリデバイス114、および1つ以上のセンサ130(例えば、第1のセンサ130aおよび第2のセンサ130b)など、
図1の1つまたは要素を使用して実施することができる。
【0154】
ステップ702で、制御システム110は、第2のセンサ130bなど1つ以上のセンサ130から、環境108内のユーザ109と関連付けられた第1の組の1つ以上の生理学的パラメータを受信する。1つ以上の実装形態において、この1つ以上の生理学的パラメータは、呼吸療法システム120からの1つ以上の呼吸パラメータを含み得る。第1の組の1つ以上の生理学的パラメータは、個別加湿レベルを最適化するための基底点または開始点を定義するのに使用することができる。
【0155】
ステップ704で、制御システム110は、加湿器モジュール102の1つ以上の稼働条件を、環境108の湿度の変更をもたらすように調整する。環境108の湿度の変更は、事前に定義された範囲内である。この1つ以上の稼働条件の調整は、受信した第1の組の1つ以上の生理学的パラメータに基づいて、環境108内の湿度をユーザ109にとって一層最適な条件にすることである。
【0156】
ステップ706で、制御システム110は、1つ以上のセンサ130から、環境108内のユーザ109と関連付けられた第2の組の1つ以上の生理学的パラメータを受信する。この1つ以上の生理学的パラメータは、その人についての検出された呼吸速度および呼吸深度など、ステップ702と同じであり得る。
【0157】
ステップ708で、制御システム110は、第1の組と第2の組の1つ以上の生理学的パラメータの比較に少なくとも部分的に基づいて、湿度の変更に伴うユーザ109への効果を判断する。ステップ702~708は、最適化された呼吸パターンをユーザが示すなど、生理学的パラメータが最適化されるまで繰り返すことができる。
【0158】
1つ以上の実装形態において、制御システム110は、第1の組の1つ以上の生理学的パラメータ、第2の組の1つ以上の生理学的パラメータ、湿度の変更に伴うユーザへの効果、またはそれらの組み合わせに少なくとも部分的に基づいて、空気清浄機として構成されたユーザデバイス116の1つ以上の稼働条件の変更を少なくとも部分的にもたらす。空気清浄機の制御と湿度との組み合わせは、ユーザ109にとって最適な呼吸状態を見つけるのをさらに支援することができる。
図7に記載のフィードバックループは、ユーザの呼吸を改善するという最終目標を加速するためのフィードバックを提供する。
【0159】
スマート加湿器を利用している環境108内のユーザ109のうちの1人が、夜間に呼吸療法システム120を加湿器129と併用している場合には、湿度設定を同期させて、ユーザ109の快適性を最大化し、呼吸器疾患が悪化する可能性を最小化するために共通の設定が使用されるようにしても良い。呼吸療法システム120を有するユーザが1人存在する場合、制御システム110は、呼吸療法システム120の稼働に関する情報を受信することができる。その結果、制御システム110は、ユーザ109が呼吸療法システム120を使用している間、加湿器モジュール102を低電力モードまたはスタンバイモードに変更し、ユーザ109が覚醒時刻に近づくと、高電力モードに戻ることができる(すなわち、ユーザ109がPAP療法を介して加湿空気を受けている間は水およびエネルギーを節約するが、ユーザが大幅な湿度変化を経験しないように、ユーザがPAP療法を終了する前に環境108を目標個別湿度レベルに向けて準備する)。
【0160】
呼吸療法システム療法と併せたこの方法、システム、およびデバイスの個別加湿の1つの大きな便益は、口漏れを低減すること、および鼻づまりもしくは乾燥性鼻炎または咽頭炎に対処できることである。加湿器129が存在しない場合には、呼吸療法システム120の空気流が、ユーザ109の肺に入る空気を加熱および加湿する身体能力を上回るため、鼻腔に炎症をもたらし、ひいては口呼吸をもたらし、口漏れを悪化させ得る。個別加湿が本開示の方法およびシステムによって提供された場合には、ユーザ109に必要なレベルの快適性を依然として与え(例えば、乾燥性の鼻詰まりを回避し)つつ、呼吸療法システム120の加湿器129のリザーバを頻繁に満たすことを回避するために、呼吸療法システム120の加湿を省略または低減し得る。制御システム110は、呼吸の快適性を高めることや、鼻詰まりを回避することなどにより、呼吸療法システムを使用していないときでも、人々が口呼吸を回避したり、最小限に抑えたりするのを支援することもできる。
【0161】
図8を参照すると、呼吸療法システムと連携して個別加湿を提供する方法が提供されている。本明細書に記載されている方法800のステップのうちの1つ以上は、加湿器モジュール102、制御システム110、メモリデバイス114、呼吸療法システム120、および1つ以上のセンサ130(例えば、第1のセンサ130aおよび第2のセンサ130b)など、
図1のシステム100の1つまたは要素を使用して実施することができる。
【0162】
ステップ802で、制御システム110は、加湿器129の稼働に関する情報を呼吸療法システム120から受信する。この情報は、例えば、加湿器129が存在するかどうか、オンになっているどうか、設定点、稼働条件などを含み得る。
【0163】
ステップ804で、制御システム110は、第1のセンサ130aなど第1のセンサから、呼吸療法システム120の環境108の状態に関する1つ以上の環境パラメータを受信する。この環境パラメータは、湿度、温度、圧力など、上記のパラメータのいずれかであり得る。
【0164】
ステップ806で、制御システム110は、加湿器129の稼働に関する情報およびこの1つ以上の環境パラメータに少なくとも部分的に基づいて、加湿器129または加湿器モジュール102の1つ以上の稼働パラメータを調整する。
【0165】
1つ以上の実装形態において、制御システム110は、センサ130bなど第2のセンサから、環境108内のユーザ109と関連付けられた1つ以上の生理学的パラメータを受信する。この1つ以上の稼働パラメータの調整は、この1つ以上の生理学的パラメータに少なくとも部分的に基づき得る。この1つ以上の生理学的パラメータは、ユーザインターフェース124における漏れと関連付けられており、この1つ以上の稼働パラメータの調整は、その漏れに基づいてユーザ109の気道の乾燥を最小限に抑えることに基づく。1つ以上の実施形態において、加湿器129は無水加湿器であり得る。この漏れは、呼吸療法システム120上の1つ以上のセンサ130、またはユーザインターフェース124における漏れによって生成されたノイズに基づいて検出することができる。
【0166】
本開示について1つ以上の特定の実施形態または実装形態を参照して説明してきたが、当業者であれば、本開示の意図および範囲から逸脱すること無く多数の変更が可能であり得ることを認識する。これらの実装形態およびその明確な変更例はそれぞれ、本開示の意図および範囲に収まるものとして企図される。そして、本開示の各種態様によるさらなる実装形態が、本明細書に記載された実装形態のいずれかから任意の数の特徴を組み合わせ得ることも企図されている。