IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社カプコンの特許一覧

特開2023-159213コンピュータシステム、情報処理装置およびプログラム
<>
  • 特開-コンピュータシステム、情報処理装置およびプログラム 図1
  • 特開-コンピュータシステム、情報処理装置およびプログラム 図2
  • 特開-コンピュータシステム、情報処理装置およびプログラム 図3
  • 特開-コンピュータシステム、情報処理装置およびプログラム 図4
  • 特開-コンピュータシステム、情報処理装置およびプログラム 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159213
(43)【公開日】2023-10-31
(54)【発明の名称】コンピュータシステム、情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20231024BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20231024BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20231024BHJP
【FI】
G06Q30/06
A63F13/69 510
A63F13/79 520
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023130402
(22)【出願日】2023-08-09
(62)【分割の表示】P 2021157832の分割
【原出願日】2021-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135677
【弁理士】
【氏名又は名称】澤井 光一
(72)【発明者】
【氏名】綾野 智章
(57)【要約】      (修正有)
【課題】価値媒体の一次、二次流通を制御しつつ、ユーザ間取引を簡略化するコンピュータシステム、情報処理装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】プラットフォームシステム1は、複数のユーザ装置5とサーバ装置2を含むコンピュータシステムであって、サーバ装置は、第1価値媒体を第1ユーザに関連付ける手段2341と、第1期間内に、第1価値媒体に関連付けられるユーザを示す第1履歴情報を一元管理する手段233と、第1期間が経過した後、第1価値媒体に対応する第2価値媒体を、第1価値媒体に替えて第1ユーザに関連付ける手段2342と、を備える。第1期間の後の第2期間内に、第2価値媒体に関連付けられるユーザの履歴情報は、複数のユーザ装置夫々で分散管理される。ユーザ装置の第2管理手段565は、第1ユーザ又は第2ユーザの指示に応じて第2価値媒体と第1ユーザとの関連付けを解除して、第2価値媒体を第2ユーザに関連付ける。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザそれぞれが使用する複数のユーザ装置と、前記ユーザ装置と通信可能に接続されたコンピュータを含むシステムであって、
第1価値媒体を第1ユーザに関連付ける第1関連付け手段と、
第1期間内において、前記第1価値媒体に関連付けられるユーザを示す第1履歴情報を一元管理する第1管理手段と、
前記第1期間が経過した後において、前記第1価値媒体に対応する第2価値媒体を、前記第1価値媒体に替えて前記第1ユーザに関連付ける第2関連付け手段と、を備え、
前記第1期間が経過した後の第2期間内において、前記第2価値媒体に関連付けられるユーザの履歴を示す第2履歴情報が第2管理手段において分散管理され、前記第2管理手段においては、前記第1ユーザまたは第2ユーザの指示に応じて前記第2価値媒体と前記第1ユーザとの関連付けを解除して前記第2価値媒体を前記第2ユーザに関連付けることが許可される、
コンピュータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータシステム、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、価値媒体ゲームに関する価値媒体(例えば、トークンなど)について、企業からユーザ(消費者)に販売される一次流通と、この販売された価値媒体をユーザ間で取引する二次流通と、を共存させるためにそれぞれの流通を制御する技術が知られている。
【0003】
特許文献1には、予め定められた取引開始日時に基づいて取引対象の販売可否を判定し、販売可能であると判定された場合、セット販売する取引対象をランダムに選択して販売する情報取引プログラムが開示されている。この情報取引プログラムは、さらに、この取引開始日時以降に、販売された取引対象についてユーザ間の取引を受け付けるよう制御する。この情報取引プログラムは、このように一次流通で販売する期間と二次流通でユーザ間の取引を受け付ける期間とを取引開始日時により棲み分けることで、それぞれの流通を制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-119306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、ユーザ間の取引の実行を簡略化したいという要望がある。上記従来技術では、価値媒体を販売する度に取引開始日時に基づき販売可否を判定し、さらに、ユーザ間の取引の度に、予め定められた取引開始日時以降か否かを判定する必要がある。このため、ユーザ間の取引の実行を簡略化するにあたって改善の余地がある。
【0006】
本開示は、価値媒体の一次流通と二次流通とを制御しつつ、ユーザ間の取引の実行を簡略化することができるコンピュータシステム、情報処理装置およびプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の側面は、
複数のユーザそれぞれが使用する複数のユーザ装置と、前記ユーザ装置と通信可能に接続されたコンピュータを含むシステムであって、
第1価値媒体を第1ユーザに関連付ける第1関連付け手段と、
第1期間内において、前記第1価値媒体に関連付けられるユーザを示す第1履歴情報を一元管理する第1管理手段と、
前記第1期間が経過した後において、前記第1価値媒体に対応する第2価値媒体を、前記第1価値媒体に替えて前記第1ユーザに関連付ける第2関連付け手段と、を備え、
前記第1期間が経過した後の第2期間内において、前記第2価値媒体に関連付けられるユーザの履歴を示す第2履歴情報が第2管理手段において分散管理され、前記第2管理手段においては、前記第1ユーザまたは前記第2ユーザの指示に応じて前記第2価値媒体と前記第1ユーザとの関連付けを解除して前記第2価値媒体を前記第2ユーザに関連付けることが許可される、
コンピュータシステムである。
【0008】
また、第1の側面において、前記第1管理手段は、前記第1ユーザまたは前記第2ユーザの指示に応じて前記第1価値媒体と前記第1ユーザとの関連付けを解除して前記第1価値媒体を第2ユーザに関連付けることを制限することができる。
【0009】
また、第1の側面において、前記第1関連付け手段は、ユーザと関連付けられていない複数の第1価値媒体の中から、前記第1ユーザに関連付ける第1価値媒体を特定し、特定された前記第1価値媒体を前記第1ユーザに関連付けることができる。
【0010】
また、第1の側面において、前記第2管理手段において管理される前記第2価値媒体には、
前記第1履歴情報が関連付けられている第1種媒体と、
前記第1履歴情報が関連付けられていない第2種媒体と、
が含まれることができる。
【0011】
また、第1の側面において、前記コンピュータシステムは、前記第1履歴情報が関連付けられていることを条件として、前記第2価値媒体に特典を関連付ける第3関連付け手段、を備えることができる。
【0012】
また、第1の側面において、前記第1価値媒体および前記第2価値媒体は、同一のゲームで使用可能なゲーム媒体であり、
前記特典は、前記ゲームにおけるプレイヤにとって有利な効果であり、
前記第3関連付け手段は、所定の制限条件の成立に基づいて、前記第2価値媒体に関連付けられた前記効果を制限することができる。
【0013】
また、第1の側面において、前記第2関連付け手段は、前記第1期間が経過した後に前記第2価値媒体を生成し、前記第2期間内において、前記第2価値媒体を前記第1価値媒体に替えて前記第1ユーザに関連付けることができる。
【0014】
また、第1の側面において、前記第1関連付け手段は、前記第1期間内において第2価値媒体を生成し、
前記第2関連付け手段は、前記第1期間内においては前記第1価値媒体に替えて前記第2価値媒体を前記第1ユーザに関連付けることを制限し、前記第1期間が経過したことを条件として、前記第2価値媒体を前記第1ユーザに関連付けることに対する制限を解除することができる。
【0015】
また、第1の側面において、前記第2ユーザが購入対価を支払うことを条件として前記第2価値媒体と前記第1ユーザとの関連付けを解除して前記第2価値媒体を前記第2ユーザに関連付けることが検出された場合に、前記購入対価の一部を前記第1ユーザに支払う決済処理を実行する決済手段であって、前記購入対価の他の一部を前記第1ユーザおよび前記第2ユーザと異なる第三者のために徴収される徴収料金として支払う決済処理を実行する決済手段を備えることができる。
【0016】
また、第1の側面において、前記第三者は、前記第1価値媒体の発行者であることができる。
【0017】
また、第1の側面において、前記第1価値媒体の価値および前記第2価値媒体の相場の少なくともいずれかに基づいて、前記購入対価の候補額を特定する特定手段と、
前記第1ユーザと前記第2ユーザとの間の合意に基づいて、前記購入対価の額を設定する設定手段と、
前記購入対価の候補額と前記購入対価の額との差分が所定の差分条件を満たす場合、前記徴収料金の額および前記徴収料金の徴収方法の少なくともいずれかを変更する変更手段と、を備えることができる。
【0018】
第2の側面は、
複数のユーザそれぞれが使用する複数のユーザ装置と通信可能に接続された情報処理装置であって、
第1価値媒体を第1ユーザに関連付ける第1関連付け部と、
第1期間内において、前記第1価値媒体に関連付けられるユーザを示す第1履歴情報を一元管理する第1管理部と、
前記第1期間が経過した後において、前記第1価値媒体に対応する第2価値媒体を、前記第1価値媒体に替えて前記第1ユーザに関連付ける第2関連付け部と、を備え、
前記第1期間が経過した後の第2期間内において、前記第2価値媒体に関連付けられるユーザの履歴を示す第2履歴情報が第2管理部において分散管理され、前記第2管理部においては、前記第1ユーザまたは前記第2ユーザの指示に応じて前記第2価値媒体と前記第1ユーザとの関連付けを解除して前記第2価値媒体を前記第2ユーザに関連付けることが許可される、
情報処理装置である。
【0019】
第3の側面は、
複数のユーザそれぞれが使用する複数のユーザ装置と通信可能に接続されたコンピュータを、
第1価値媒体を第1ユーザに関連付ける第1関連付け手段と、
第1期間内において、前記第1価値媒体に関連付けられるユーザを示す第1履歴情報を一元管理する第1管理手段と、
前記第1期間が経過した後において、前記第1価値媒体に対応する第2価値媒体を、前記第1価値媒体に替えて前記第1ユーザに関連付ける第2関連付け手段と、して機能させ、
前記第1期間が経過した後の第2期間内において、前記第2価値媒体に関連付けられるユーザの履歴を示す第2履歴情報が第2管理手段において分散管理され、前記第2管理手段においては、前記第1ユーザまたは前記第2ユーザの指示に応じて前記第2価値媒体と前記第1ユーザとの関連付けを解除して前記第2価値媒体を前記第2ユーザに関連付けることが許可される、
プログラムである。
【0020】
本開示によれば、価値媒体の一次流通と二次流通とを制御しつつ、ユーザ間の取引の実行を簡略化することができるコンピュータシステム、情報処理装置およびプログラムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本実施形態におけるプラットフォームシステムの構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態におけるプラットフォームシステムの概要を説明するための図である。
図3】本実施形態におけるプラットフォームシステムのデータ構成の一例を示す図である。
図4】第1実施形態におけるゲームシステムの一連の動作を表すシーケンス図である。
図5】第1実施形態におけるゲームシステムの一連の動作を表すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本開示の実施形態(以下、「本実施形態」ともいう)にかかるプラットフォームシステム1について、図面を参照して説明する。
【0023】
<プラットフォームシステムの説明>
プラットフォームシステム1は、コンピュータシステムの一態様であり、価値媒体を発行し、それを流通させるプラットフォームを提供するシステムである。価値媒体は、デジタルデータによって定義される(表される)。
【0024】
価値媒体は、例えば、デジタルトレーディングカード(以下、「デジタルカード」または単に「カード」ともいう)である。また、価値媒体は、例えば、ノンファンジブルトークン(Non-Fungible Token、以下「NFT」ともいう)によって定義されてもよい。本実施形態では、この価値媒体をデジタルカードとし、NFTで定義された価値媒体を、NFTで定義されたデジタルカードとする例を説明する。しかしながら、本発明にかかる価値媒体やNFTで定義された価値媒体をこれらに限る趣旨ではない。NFTで定義されたデジタルカード、すなわちNFT化されたデジタルトレーディングカードを、以下、「NFTトレカ」ともいう。なお、以下、価値媒体を定義するNFTを、単に「NFT」ともいう。
【0025】
「NFT化」とは、例えば、価値媒体を定義するデジタルデータに、このデジタルデータの真正性を証明する情報(例えば、電子証明書や電子鑑定書など)、および/または現在の所有者がこのデジタルデータの真正の所有者であることを証明する情報を付加する(対応付ける)ことをいう。デジタルデータの真正の所有者であることを証明する情報は、例えば、分散型台帳技術を利用して分散管理される、所有者であるユーザの履歴を示す第2履歴情報であってもよい。第2履歴情報は、言い換えれば、取引の履歴を示す情報でもある。このようにNFT化することで、ユーザが所有する価値媒体を定義するデジタルデータが唯一無二の本物であることを証明可能にする。
【0026】
本実施形態にかかる価値媒体は、ゲームで使用可能なゲーム媒体であってもよい。例えば、価値媒体がデジタルカードの場合、この価値媒体は、カードゲームで使用可能なゲーム媒体であってもよい。「ゲーム媒体」とは、ゲームに関する要素である。ゲーム媒体は、例えば、デジタルカード、プレイヤキャラクタとして使用するキャラクタの名称、プレイヤキャラクタが仮想ゲーム空間内にて使用するアイテム(武器、防具、道具)などが含まれる。
【0027】
プラットフォームシステム1では、一次流通として、プラットフォームシステム1を運営する企業やゲームの運営会社、または小売業者などが、デジタルカードなどをオンライン上で販売することができる。以下、プラットフォームシステム1における一次流通を実現するための環境(例えば、ハードウェアやソフトウェアなどの動作環境)を、「第1プラットフォーム」ともいう。また、プラットフォームシステム1では、二次流通として、一次流通で販売されたデジタルカードを、ユーザ間の取引で売買(転売)することができる。以下、プラットフォームシステム1における二次流通を実現するための環境を、「第2プラットフォーム」ともいう。
【0028】
本実施形態にかかるゲームは、例えば、複数のプレイヤの操作によって進行される対戦ゲームであり、いわゆるeスポーツである。しかしながら、本実施形態にかかるゲームをこれに限定する趣旨ではない。
【0029】
図1に示すように、プラットフォームシステム1は、複数のユーザそれぞれが使用する複数のユーザ装置5と、ユーザ装置5と通信可能に接続されたサーバ装置2を含むシステムである。プラットフォームシステム1では、サーバ装置2および複数のユーザ装置5が通信ネットワーク6を介して互いに通信可能に接続されている。
【0030】
サーバ装置2は、プラットフォームシステム1を運営する運営者(以下、「システム運営者」ともいう)が使用する情報処理装置である。サーバ装置2は、所定のプログラムを実行することにより、NFTをユーザに販売するためのECサーバの機能やユーザ間の取引の一部を制御する機能を実現する。
【0031】
ユーザ装置5は、ユーザが使用する情報処理装置である。ユーザ装置5は、スマートフォンやラップトップなどの汎用的な端末装置であってもよいし、プラットフォームシステム1専用の装置であってもよい。
【0032】
ユーザ装置5は、所定のプログラムを実行することにより、価値媒体を管理したり価値媒体の取引をするための機能をユーザに提供したりする。所定のプログラムとは、例えば、プラットフォームシステム1専用のアプリケーションプログラム(以下、「トレカアプリ」ともいう)であってもよいし、情報処理装置に汎用的に備わっているWebブラウザであってもよい。ユーザ装置5は、例えば、通信ネットワーク6を介して、サーバ装置2やアプリケーションストアからトレカアプリを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。トレカアプリは、例えば、ユーザが所有する価値媒体や価値媒体に関連付けられた各種情報を格納し、管理するウォレット機能を備えてもよい。
【0033】
プラットフォームシステム1では、ユーザのアカウント認証のために、ユーザ識別情報およびパスワードを含むアカウント情報が、ユーザごとに割り当てられている。このアカウント情報は、トレカアプリやWebブラウザからのログイン時、ユーザ装置5からサーバ装置2に送信され、サーバ装置2においてアカウント認証の処理が実行される。そして、アカウント認証を経て、サーバ装置2とユーザ装置5との相互通信が可能となる。ログイン後、ユーザ装置5は、サーバ装置2からNFTトレカの取引に必要なデータをサーバ装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてNFTトレカの画像や音声をディスプレイおよびスピーカに出力させる。
【0034】
ここで図2を参照して、プラットフォームシステム1における、第1期間と第2期間それぞれで行われる価値媒体の流通の一例を説明する。第1期間とは、第1価値媒体を一次流通させるための期間である。また、第2期間とは、第1期間が経過した後の期間であり、第1価値媒体に対応する第2価値媒体を二次流通させるための期間である。第1期間は、例えば、第1価値媒体ごとに設定されてもよい。また、第2期間は、第2価値媒体ごとに設定されてもよい。本例では、第1価値媒体をデジタルカードC1とし、第2価値媒体をNFTトレカN1とする。NFTトレカN1は、デジタルカードC1に対応する価値媒体であり、例えば、NFT化されたデジタルカードC1である。また、デジタルカードC1およびNFTトレカN1は、例えば、同一のカードゲームで使用可能なゲーム媒体であってもよい。
【0035】
図2に示すように、プラットフォームシステム1では、第1期間において、デジタルカードC1を一次流通させる。言い換えれば、第1期間においては、企業と消費者であるユーザとの間の価値媒体の取引、すなわちBtoC(Business to Consumer)取引が行われる。具体的には、デジタルカードC1などのゲーム媒体がゲームの運営会社などが運営する公式ショップで販売されており、この販売されているゲーム媒体をユーザは購入することができる。この公式ショップは、第1プラットフォームが実現するオンラインショップサービスの一つであり、一次流通市場である。
【0036】
プラットフォームシステム1では、具体的には、サーバ装置2が提供するWebサイト(ECサイト)やトレカアプリの公式ショップの画面に表示された販売されているデジタルカードC1に対して、第1ユーザが希望するものを選択して購入を指示(以下、「購入指示」ともいう)する。そして、この購入指示に応じて第1ユーザに購入されたデジタルカードC1を関連付ける(付与する)。また、プラットフォームシステム1では、例えば、公式ショップの画面に表示された抽選(いわゆる、ガチャ)に対して第1ユーザが選択して購入指示をしてもよい。この購入指示に応じて抽選が実行され、抽選の結果により選択されたデジタルカードC1を第1ユーザに関連付けてもよい。この抽選は複数のデジタルカードを選択する、いわゆるパックガチャであってもよい。
【0037】
第1期間において、プラットフォームシステム1は、デジタルカードC1を第1ユーザに関連付けるための対価(以下、「第1購入対価」ともいう)が設定される。第1購入対価は、公式ショップでゲームの運営会社などから第1ユーザ(消費者)がゲーム媒体を購入するために支払われる対価である。また、第1購入対価は、第1ユーザおよび第2ユーザとは異なる第三者(以下、単に「第三者」ともいう)に対して支払われるものである。この第三者とは、例えば、小売り業者などの第1価値媒体を販売する販売者(販売元)やゲーム運営者などの第1価値媒体を発行する発行者(発行元)、またはシステム運営者などである。なお、この販売者や発行者などが第1購入対価を設定してもよい。例えば、ユーザは、この公式ショップでデジタルカードC1を購入するにあたって、第三者に対して第1購入対価を支払う。
【0038】
プラットフォームシステム1では、第1期間において、サーバ装置2が、第1履歴情報を一元管理する。「第1履歴情報」とは、第1価値媒体に関連付けられるユーザを示す情報である。第1履歴情報は、例えば、第1価値媒体が第1ユーザにより購入された履歴を示す購入履歴であってもよい。サーバ装置2が、第1履歴情報を管理する。言い換えればサーバ装置2が、第1価値媒体を所有する真正な所有者が誰であるかを管理する。このように、サーバ装置2は、第1期間において第1履歴情報を後述するブロックチェーン技術などの分散管理の技術(分散型台帳技術)を用いることなく、データベースを用いて一元管理する。すなわち、サーバ装置2は第1期間において第1履歴情報をオフチェーンで管理する。
【0039】
プラットフォームシステム1では、第1価値媒体のユーザ間の取引を制限する。具体的には、サーバ装置2が、第1ユーザまたは第2ユーザの指示に応じてデジタルカードC1と第1ユーザとの関連付けを解除してデジタルカードC1を第2ユーザに関連付けることを制限する。すなわち、第1期間において、デジタルカードC1を第1ユーザから第2ユーザに移転することを制限する。本例では、この制限を、デジタルカードC1のユーザ間の取引(移転)を不可とする。
【0040】
プラットフォームシステム1は、第1期間が経過した後において、デジタルカードC1をNFTトレカN1に替えて第1ユーザに関連付ける。プラットフォームシステム1は、例えば、第1ユーザが所有するデジタルカードC1を、NFT化させてNFTトレカN1に変換する。
【0041】
プラットフォームシステム1では、第1期間が経過した後の第2期間において、NFTトレカN1を二次流通させる。具体的には、プラットフォームシステム1では、二次流通として、第1ユーザが、自身が所有するNFTトレカN1を第2ユーザに販売(転売)することができる。言い換えれば、第2期間においては、NFTトレカN1について、消費者であるユーザの間の取引、すなわちCtoC(Consumer to Consumer)取引が行われる。
【0042】
プラットフォームシステム1では、具体的には、まず、第2期間になると、第1ユーザは、NFTの電子商取引市場(以下、「NFTマーケットプレイス」ともいう)に、NFTトレカN1を出品することができる。次に、NFTマーケットプレイスの画面に表示された出品済みのNFTトレカN1に対して、購入を希望する第2ユーザが選択して購入指示する。そして、この購入指示に応じて、第1ユーザとNFTトレカN1との関連付けを解除して、第2ユーザにNFTトレカN1を関連付ける(移転する)。
【0043】
NFTマーケットプレイスは、いわゆる二次流通市場(転売市場)である。NFTマーケットプレイスでは、例えば、取引対象のデジタルデータが、NFTのみに限定されていてもよい。すなわち、NFTマーケットプレイスでは、取引対象のデータを、データの真正性やデータの所有者の真正性が一定程度確保されたものに限定してもよい。マーケットプレイスは、例えば、サーバ装置2が提供するWebサイトやトレカアプリによって実現される。
【0044】
プラットフォームシステム1では、上記のようなユーザ間の取引において、スマートコントラクトなどの技術を用いて、予め設定された取引条件に従ってユーザ間の取引を自動実行させることができる。この取引条件は、例えば、販売価格の値下げを許容するか否か、また許容する場合はその許容範囲を示す条件、または販売先を特定のユーザに限定する条件などを含む。
【0045】
第2プラットフォームでは、第1ユーザから第2ユーザがNFTトレカN1を購入するにあたって支払う対価(以下、「第2購入対価」ともいう)が、第1ユーザと第2ユーザとの間で合意に基づいて設定される。第2購入対価は、ユーザ(消費者)間でNFTトレカN1を購入するために支払われる対価である。このような構成によれば、システム運営者やゲーム運営者などの中央管理者がデジタルカードの価値を一方的に設定するのではなく、第1ユーザと第2ユーザとの間の合意形成により設定できるため、取引を行うユーザによりそった価値設定を行うことができる。
【0046】
プラットフォームシステム1では、第2期間内において、第2履歴情報が複数のユーザ装置5それぞれの第2管理手段565において分散管理される。「第2履歴情報」とは、NFTトレカN1(第2価値媒体)に関連付けられるユーザの履歴、すなわちNFTトレカN1の所有者の履歴を示す情報である。プラットフォームシステム1は、第1ユーザから第2ユーザにNFTトレカN1が移転された際に、NFTトレカN1の所有者の変更の履歴として第2履歴情報を複数のユーザ装置5それぞれの記憶部55に記憶させる。
【0047】
プラットフォームシステム1では、第2期間において、分散型台帳技術(例えば、ブロックチェーン技術)などを用いて、複数のユーザ装置5それぞれが、第2価値媒体の第2履歴情報を管理する。例えば、スマートコントラクトなどの技術を利用して取引の自動実行を行う場合、取引条件を満たせば取引が実行されてしまうため、取引条件の設定内容によっては不適切な取引が実行されてしまうリスクがある。このようなリスクに対して、取引に対するサーバ装置2(中央管理者)による承認処理がなくとも、ユーザ装置5側で取引の履歴の更新をそれぞれ拒否、すなわち取引に対する許可を与えないことができる。また、取引の履歴が改ざんされるリスクに対しても、ユーザ装置5で分散して管理されるため、このリスクを低減することができる。このため、プラットフォームシステム1に参加するユーザ相互での取引に対する検証が可能になり、セキュリティ性の高いユーザ間の取引を実現することができる。このように、第2期間において第2履歴情報はオンチェーンで管理される。
【0048】
プラットフォームシステム1では、このようなユーザ間の取引において、取引の仲介手数料、または販売するカードの著作権料やカードの画像に掲載されたeスポーツ選手の肖像権料などのロイヤリティに関する料金を徴収することができる。以下、プラットフォームシステム1でのユーザ間の取引において徴収するこれらの料金を、総称して「徴収料金」ともいう。なお、この徴収料金について、サーバ装置2は、例えば、NFTトレカN1の販売価格に基づいて設定してもよい。例えば、サーバ装置2は、NFTトレカの販売価格に所定の掛け率(例えば、30%)を掛けて算出した金額を徴収料金の金額として設定して徴収してもよい。
【0049】
上記構成によれば、プラットフォームシステム1は、第1期間においてはデジタルカードC1を流通させ、第1期間経過した後の第2期間ではデジタルカードC1に替えてNFTトレカN1を流通させることができる。このため、プラットフォームシステム1では、第2期間には、デジタルカードC1は流通(取引)されず、デジタルカードC1に替わってNFTトレカN1のみ流通されるため、NFTトレカN1の取引の度に第2期間か否かを判定する必要がない。したがって、価値媒体の一次流通と二次流通とを制御しつつ、履歴が分散管理されたユーザ間の取引の実行を簡略化することができる。
【0050】
例えば、価値媒体が抽選によりユーザに関連付けられた場合、賭博罪の構成要件である、「偶然の勝敗により」「財物」を付与することに該当することがある。さらに同時期に、ユーザ間でこの価値媒体の取引が行われるとなると、ユーザ間の合意形成でこの価値媒体の価格が決定されうる価格が変動し、賭博罪の構成要件である「得喪を争う行為」に該当してしまうリスクがある。上記構成によれば、第1期間と第2期間とで一次流通をする期間と二次流通をさせる期間を棲み分け、さらに第1期間では付与されるのはデジタルカードC1であり、二次流通で流通対象となっているNFTトレカN1はユーザに付与されないため、より確実にこのリスクを回避することができる。
【0051】
<サーバ装置の構成>
図1に戻って説明を続ける。以下、サーバ装置2のハードウェア構成および機能構成について説明する。
【0052】
サーバ装置2は、ネットワークインターフェース21、記憶部22および制御部23を有する。ネットワークインターフェース21および記憶部22は、バス29を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0053】
ネットワークインターフェース21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク6を介して各ユーザ装置5と通信可能接続されている。
【0054】
記憶部22は、主記憶装置、補助記憶装置または外部記憶装置などのプログラムやデータを記憶する装置である。記憶部22は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成される。記憶部22には、本実施形態にかかるプログラムの一部を含む各種プログラムの他、ユーザDB221、カードDB222、抽選テーブルなどの各種データなどが記憶されている。
【0055】
本実施形態にかかるプログラムは、記憶媒体に格納することができる。当該プログラムを格納した記憶媒体は、非一時的な記憶媒体(Non-transitory computer readable medium)であってもよい。非一時的な記憶媒体は特に限定されないが、例えば、USBメモリ又はCD-ROM等の記憶媒体であってもよい。
【0056】
ユーザDB221には、ユーザのユーザ識別情報ごとに、ユーザが所有するデジタルカードを識別するカード識別情報(カード番号かつシリアル番号)、プラットフォームシステム1内にて使用可能な電子的価値の残高、ユーザの属性を示す属性情報などが、対応付けられて記憶されている。以降、これらの情報を総称して「ユーザ情報」ともいう。ここで「電子的価値」とは、例えば、デジタル通貨(電子マネーや暗号資産(仮想通貨))であってもよい。
【0057】
カードDB222には、プラットフォームシステム1で流通するデジタルカードのカード番号かつシリアル番号ごとに、パラメータ、カードに関する画像データや音声ファイル、発売日時(発行日時)、販売元(発行元)、総発行数、所有者、取引の履歴などが、対応付けられて記憶されている。ここで「カード番号」とは、カードの種類を示す番号である。また「シリアル番号」とは、同じ種類のカードにおいて発行されたカードそれぞれに割り振られた固有の番号である。また、未販売のNFTトレカなどの場合、カードDB222には、NFT、すなわち価値媒体を定義する、シリアル番号ごとに固有のデジタルデータそのものが対応付けられて記憶されていてもよい。NFTには、その真正性を証明する電子証明書および現在の所有者を証明する情報(例えば、電子証明書や第2履歴情報など)が関連付けられてもよい(含まれていてもよい)。そしてユーザに関連付けられた際に、このNFTがユーザ装置5に移動し(送信され)、カードDB222から削除されてもよい。以降、これらの情報を総称して「カード情報」ともいう。
【0058】
「パラメータ」とは、例えば、NFTトレカなどのゲーム媒体の戦力、攻撃力、防御力、体力(HP)、賢さ、スキルレベル、スキルの種類、ランク、またはレアリティなどである。
【0059】
カードDB222には、第1履歴情報が、デジタルカード(第1価値媒体)に関連付けて記憶されている。
【0060】
記憶部22には、例えば、後述する抽選手段が用いる抽選テーブル(不図示)が記憶されていてもよい。抽選テーブルは、一般にガチャと呼ばれる抽選を抽選手段が行う際に用いるものであって、選択対象となる第1価値媒体に関する情報を複数含む。抽選テーブルには、第1価値媒体に関する情報(例えば、名称、パラメータなど)と、抽選による選択割合(いわゆる、当選確率や提供割合)とが、対応付けられている。
【0061】
「ガチャ」とは、サーバ装置2にて、抽選テーブルの中から、所定の選択割合に基づき任意の第1価値媒体を抽選により選択する方法である。選択された任意の第1価値媒体は、第1ユーザに付与される。“ガチャで選択した第1価値媒体を、ユーザに付与する/ユーザが所有する”とは、「抽選処理で選択された第1価値媒体が定義するゲーム媒体を、ユーザを示す識別情報と関連付ける/関連付けられている」ことと同義である。
【0062】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置2の動作を制御する、すなわちデータの演算、加工及び転送並びにプログラムの実行や他の装置の制御などを担う処理装置(例えば、プロセッサなど)である。制御部23は、記憶部22に格納されているプログラムを実行することにより、サーバ装置2における様々な機能を実現することができる。
【0063】
制御部23は、各種プログラムを実行することにより、情報処理手段231、照合手段232、第1管理手段233、関連付け手段234、決済手段235、特定手段236、設定手段237、および変更手段238として機能する。
【0064】
―情報処理手段―
情報処理手段231は、各ユーザ装置5との間で各種データを送受信する。情報処理手段231が受信する主なデータとしては、表示情報の要求、ユーザの操作に応じた各種指示や要求(例えば、デジタルカードの指定やガチャの抽選指示、デジタルカードを購入する際の購入指示など)、ユーザ情報、カード情報(NFTそのものを含む)などが挙げられる。情報処理手段231が送信する主なデータとしては、トレカアプリ、カード情報などが挙げられる。また、情報処理手段231は、例えば、Webサイトやトレカアプリを介してデジタルカードなどをユーザ装置5に表示させるための表示情報を生成してもよい。
【0065】
-照合手段―
照合手段232は、ユーザ装置5から受信したユーザの識別情報を用いて、ユーザアカウントの認証を行う。
【0066】
-第1管理手段―
第1管理手段233は、記憶部22に記憶されている各種情報を管理する。第1管理手段233は、例えば、各種情報の完全性を確保するために、その更新(例えば、新規登録、変更または削除)を制御してもよい。この制御とは、例えば、制御部23の各手段から要求された情報の更新に対して、許可したり制限(例えば、拒否など)したりすることであってもよい。また、第1管理手段233は、この制御にあたって、排他制御(いわゆる、ロック)などの技術を用いてもよい。
【0067】
第1管理手段233は、第1期間内において、第1価値媒体に関連付けられるユーザの情報である、第1履歴情報を記憶部22で一元管理する。第1管理手段233は、例えば、後述する第1関連付け手段2341が第1価値媒体と第1ユーザとを関連付けることを許可する、言い換えると、第1関連付け手段2341が第1価値媒体に関連付けられるユーザを示す第1履歴情報を記憶部22に登録することを許可する。
【0068】
第1管理手段233は、例えば、第1関連付け手段2341により第1ユーザまたは第2ユーザの指示に応じて第1価値媒体と第1ユーザとの関連付けを解除して、第1価値媒体を第2ユーザに関連付けることを制限してもよい。第1管理手段233は、例えば、デジタルカードC1と第1ユーザとの関連付けを解除して、デジタルカードC1を第2ユーザに関連付けること、すなわちデジタルカードC1を第1ユーザから第2ユーザに移転することを制限してもよい。このような構成によれば、第2価値媒体に替えられる前の第1価値媒体のユーザ間の取引を制限することができる。このため、第1期間内において第1価値媒体がユーザ間で取引(転売)されることを抑止することができる。
【0069】
-関連付け手段―
関連付け手段234は、ユーザからの指示に応じて、ユーザと価値媒体とを関連付ける。
【0070】
-第1関連付け手段―
関連付け手段234は、第1関連付け手段2341を備える。第1関連付け手段2341は、第1価値媒体を第1ユーザに関連付ける。第1関連付け手段2341は、この関連付けの結果を、第1履歴情報として第1価値媒体に関連付けてカードDB222に記憶する。
【0071】
第1関連付け手段2341は、例えば、第1ユーザからのデジタルカードC1の購入指示を受け付ける。この購入指示に応じてデジタルカードC1を第1ユーザに関連付ける。言い換えれば、第1関連付け手段2341は、デジタルカードC1を第1ユーザに付与する。また、第1関連付け手段2341は、この関連付けの際に、後述の決済手段235に対して、この関連付けの対価を支払う決済処理を指示してもよい。
【0072】
第1関連付け手段2341は、例えば、第1プラットフォームにおいて、第1価値媒体が第1ユーザに関連付けられたことを示す第1履歴情報を生成し、この第1関連付け報を第1ユーザに関連付けてもよい。具体的には、第1関連付け手段2341は、第1ユーザのユーザ情報と第1履歴情報とを関連付けて記憶部22に記憶させてもよい。
【0073】
第1関連付け手段2341は、例えば、第1プラットフォームにおいて、第1価値媒体の第1購入対価が支払われたことを条件に、第1価値媒体を第1ユーザに関連付けてもよい。このような構成によれば、一次流通において、第1価値媒体をユーザが購入するにあたって対価を要することができる。
【0074】
第1関連付け手段2341は、例えば、ユーザと関連付けられていない複数の第1価値媒体の中から、第1ユーザに関連付ける第1価値媒体を特定し、特定された第1価値媒体を第1ユーザに関連付けてもよい。第1関連付け手段2341は、例えば、同じ種類のデジタルカードC1が100枚発行された場合、100枚の中からユーザに関連付けられていないシリアル番号をもつデジタルカードC1を特定し、特定されたデジタルカードC1を第1ユーザに関連付けてもよい。
【0075】
例えば、デジタルカードなどの価値媒体を定義するのはデータであるため、複製が容易にできてしまう。このため、既に特定のユーザに関連付けられている価値媒体であっても複製したものを他のユーザに関連付けることができてしまうリスクがある。上記構成によれば、このような重複して複数のユーザに同じ第1価値媒体を関連付けてしまうリスクを回避することができる。特に、その後第2価値媒体であるNFTトレカなどの唯一無二のデジタルデータに替えるにあたって、複数のユーザに関連付けられてしまっているが故に唯一無二ではなくなってしまう状態を回避することができる。
【0076】
第1関連付け手段2341は、例えば、第1ユーザまたは第2ユーザの指示に応じて第1価値媒体と第1ユーザとの関連付けを解除して第1価値媒体を第2ユーザに関連付けてもよい。
【0077】
第1関連付け手段2341は、例えば、抽選手段2344により抽選を実行し、抽選の実行結果により第1価値媒体を第1ユーザに関連付けてもよい。第1関連付け手段2341は、例えば、抽選手段2344が選択した第1価値媒体のカード情報と、抽選要求の送信元となる操作を行ったユーザの識別情報とを、カードDB222にて関連付ける。これにより、このユーザには、この抽選した(ガチャを引いた)結果当選した第1価値媒体が付与される。
【0078】
―抽選手段-
関連付け手段234は、例えば、抽選手段2344を含んでもよい。抽選手段2344は、ユーザの抽選の実行指示に応じて抽選を実行する。抽選手段2344は、例えば、ユーザの抽選指示に応じて、記憶部22に記憶されている抽選テーブル(不図示)の中から、第1価値媒体ごとの選択割合に基づいて1以上の第1価値媒体を抽選により選択する。
【0079】
-第2関連付け手段―
関連付け手段234は、第2関連付け手段2342を備える。第2関連付け手段2342は、第1価値媒体に対応する第2価値媒体を、第1価値媒体に替えて第1ユーザに関連付ける。第2関連付け手段2342は、例えば、デジタルカードC1に対応するNFTトレカN1を、デジタルカードC1に替えて第1ユーザに関連付ける。このように、第2価値媒体は第1価値媒体に関連付けられた第1履歴情報が第2価値媒体に引き継がれる、または、同期されるように、第2価値媒体を生成する。
【0080】
第2関連付け手段2342は、例えば、第1期間が経過した後に第2価値媒体を生成(発行)し、第2期間内において、第2価値媒体を第1価値媒体に替えて第1ユーザに関連付けてもよい。第2関連付け手段2342は、例えば、第1期間が経過した後にNFTトレカN1を生成し、第2期間内において、生成したNFTトレカN1をデジタルカードC1に替えて第1ユーザに関連付けてもよい。このような構成によれば、第1期間が経過した後に第2期間が生成されるため、第1期間においては第2価値媒体を存在させないようにすることができる。このため、例えば第1期間において第2価値媒体が誤って流通されてしまうことを生じないようにすることができる。
【0081】
-第3関連付け手段―
関連付け手段234は、第3関連付け手段2343を備える。第3関連付け手段2343は、第1履歴情報が関連付けられていることを条件として、第2価値媒体に特典を関連付ける。
【0082】
特典は、例えば、ゲームにおけるプレイヤにとって有利な効果であってもよい。他の例として、特典は、公式ショップから第1価値媒体をユーザが購入する際の第1購入対価として、またはユーザ間の取引で支払う第2購入対価として使用可能なポイントであってもよい。また、他の例として、特典は、価値媒体のパラメータの強化、徴収料金の割引チケット、ゲームに関する他のゲーム媒体の提供などであってもよい。
【0083】
上記構成によれば、一次流通市場を経て二次流通市場である転売市場に流入された価値媒体と、一次流通市場を経ずにこの転売市場に流入された価値媒体とで所有者のユーザに対する待遇の差別化を図ることができる。すなわち、転売市場でのみ流通された価値媒体を所有することと比較して、一次流通で流通させ、かつ二次流通市場の転売市場で流通された価値媒体を所有することを優遇することができる。このため、一次流通、すなわち公式ショップから販売される価値媒体をユーザが購入するモチベーションを向上させることができ、一次流通における価値媒体の流通を促進することができる。
【0084】
第1価値媒体および第2価値媒体は、同一のゲームで使用可能なゲーム媒体である場合、第3関連付け手段2343は、所定の制限条件が成立した場合(例えば、所定時間が経過した場合、ゲームの進捗状況が所定の状況まで到達した場合、プレイヤレベルが所定値まで到達した場合、等)には、第2価値媒体に特典として関連付けられた、ゲームにおけるプレイヤにとって有利な効果(以下、単に「効果」ともいう)を制限してもよい。第3関連付け手段2343は、例えば、効果を関連付けた日から3か月経過した場合、第2価値媒体に関連付けた効果を無効(効果の消滅を含む)にしてもよい。例えば、無期限に効果が続くと、一次流通の第1期間が経過してしばらく経った後であっても二次流通を転々流通しつくした価値媒体であってもその効果が続くことになる。このため、一次流通と二次流通との両方で流通された価値媒体を優遇し過ぎてしまうおそれがある。このような構成によれば、一次流通における第1価値媒体の流通の促進とそのための優遇措置の適切なバランスがとれるようすることができる。
【0085】
-決済手段―
決済手段235は、プラットフォームシステム1での各種支払い決済のための処理を実行する。決済手段235は、例えば、第1ユーザが第1購入対価を支払うことを条件として第1価値媒体を第1ユーザに関連付けることが検出された場合に、第1ユーザが指定した決済方法により、第1価値媒体を販売する販売者に第1購入対価を支払う決済処理を実行する。この決済方法とは、例えば、カード決済、電子マネー決済、または銀行振込決済などが考えられる。決済手段235は、例えば、第1ユーザが指定した決済方法がクレジットカード決済であれば、決済処理として、クレジットカード会社のシステムに、クレジットカード情報を含むクレジットカード決済の指示を送信してもよい。
【0086】
決済手段235は、例えば、第2ユーザが第2購入対価を支払うことを条件として第2価値媒体と第1ユーザとの関連付けを解除して第2価値媒体を第2ユーザに関連付けることが検出された場合に、第2購入対価の一部を第1ユーザに支払う決済処理を実行し、さらに、第2購入対価の他の一部を第三者のために徴収される徴収料金として支払う決済処理を実行してもよい。決済手段235は、例えば、第1ユーザの第1ユーザ装置5aと第2ユーザの第2ユーザ装置5bとの間で第2価値媒体の移転(移動)が実行される場合、少なくともいずれかのユーザ装置5から、この移転の旨と移転にあたって第2購入対価を支払う旨の通知を受信してもよい。決済手段235は、この通知を受信することにより、第2価値媒体と第1ユーザとの関連付けを解除して第2価値媒体を第2ユーザに関連付けることが検出してもよい。このような構成によれば、第2購入対価から仲介手数料や著作権料などの徴収料金を差し引いて徴収するため、ユーザ間の取引において徴収料金を確実に徴収することができる。
【0087】
第三者は、例えば、第1価値媒体の発行者であってもよい。なお、第三者は、発行者の他に、第1価値媒体の発行に関するその他の権利をもつ権利者(例えば、デジタルカードC1にeスポーツ選手の顔が掲載された場合、肖像権をもつeスポーツ選手など)を含めてもよい。このような構成によれば、第1価値媒体を発行した発行者などに徴収料金を支払うことができる。
【0088】
-特定手段―
特定手段236は、第1価値媒体の価値および第2価値媒体の相場の少なくともいずれかに基づいて、購入対価の候補額を特定する。第1価値媒体の価値とは、例えば、第1購入対価(第1価値媒体の公式ショップでの販売価格)である。また、第2価値媒体の相場とは、例えば、NFTマーケットプレイスにおける第2価値媒体の相場価格であってもよい。第2価値媒体の相場価格は、例えば、NFTマーケットプレイスに出品された、第2価値媒体と同一または同種の価値媒体における所定の期間での販売価格の統計値(例えば、中央値または平均値など)、または実際に支払われた購入価格(第2購入対価)の統計値であってもよい。
【0089】
-設定手段―
設定手段237は、第1ユーザと第2ユーザとの間の合意に基づいて、第2購入対価の額を設定する。まず、設定手段237は、例えば、第1ユーザから、第2価値媒体に対するNFTマーケットプレイスの出品の際の販売価格(出品価格)の指示を受け付ける。設定手段237は、この指示された価格を第2価値媒体の出品の際の販売価格として設定する。次に、設定手段237は、例えば、第2ユーザから、この設定された出品の際の販売価格に対する要求を受け付ける。この要求とは、例えば、出品の際の販売価格で購入を要求するものであったり、この販売価格からの値下げを要求するものであったりしてもよい。次に、設定手段237は、この要求に基づいて、第1ユーザと第2ユーザとの間で合意された価格を最終的な第2価値媒体の販売価格として設定する。そして、設定手段237は、この設定した販売価格に徴収料金を加算した金額を、第2購入対価の額として設定する。
【0090】
-変更手段―
変更手段238は、特定手段236により特定された購入対価の候補額と第2購入対価の額との差分が所定の差分条件を満たす場合、徴収料金の額および徴収料金の徴収方法の少なくともいずれかを変更する。この所定の差分条件は、例えば、第2購入対価が購入対価の候補額と比較して安価過ぎるか(または高価過ぎるか)否かを判定するための条件、すなわちこれらの差分が設定された閾値を超えるか否かを判定するための条件であってもよい。例えば、この閾値を300円とし、購入対価の候補額が500円で第2購入対価の額が100円でこれらの差分が400円とする場合の例を説明する。この場合、購入対価の候補額と第2購入対価の額との差分が閾値の300円を超えるため、変更手段238は、徴収料金の額を初期値(標準値)より高くするよう変更してもよい。例えば、販売価格に所定の掛け率3%を掛けた金額を徴収料金の初期値とする場合、この所定の掛け率を5%に変更してもよい。また、他の例として、変更手段238は、(ア)第2購入対価から差し引く他に、別途、手数料などを徴収料金として徴収する、(イ)徴収料金の額を、販売金額に応じて変動させた額ではなく固定の額とする、など徴収方法を変更してもよい。
【0091】
一次流通で設定された第1価値媒体の価格や二次流通の第2価値媒体の相場と比較して第2購入対価が著しく低い金額の場合、かつ販売価格に応じて徴収料金の額が算定される場合、徴収料金の徴収が適切に行われないおそれがある。上記構成によれば、変更手段238は、このような場合において、徴収料金の額や徴収方法を変更することで、第2購入対価が低くなった分をカバーさせることができる。このため、変更手段238は、手数料やロイヤリティなどの徴収料金を安定的に徴収して、第三者に還元することができる。
【0092】
<ユーザ装置の構成>
以下、ユーザ装置5のハードウェア構成および機能構成について説明する。
【0093】
ユーザ装置5には、ディスプレイ61、スピーカ62およびタッチパッド63が外部接続または内蔵される。また、ユーザ装置5は、ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、記憶部55および制御部56を有する。ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54および記憶部55は、バス59を介して制御部56と電気的に接続されている。
【0094】
ネットワークインターフェース51は、ユーザ装置5とサーバ装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク6に通信可能に接続される。
【0095】
グラフィック処理部52は、制御部56から出力されるカード情報に従って、デジタルカードC1やNFTトレカN1の画像(以下、「カード画像」ともいう)を、静止画形式または動画形式で描画する。グラフィック処理部52は、例えば液晶型であるディスプレイ61と接続されており、描画されたカードゲーム画像は、ディスプレイ61上に表示される。
【0096】
オーディオ処理部53は、スピーカ62と接続され、制御部56の指示に従ってデジタルカードC1やNFTトレカN1の音声を再生および合成すると、これをスピーカ62から出力させる。
【0097】
操作部54は、タッチパッド63と接続され、操作入力に関するデータをタッチパッド63との間で送受信する。ユーザは、タッチパッド63をタッチすることで、ユーザ装置5に操作信号を入力する。
【0098】
記憶部55は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成される。記憶部55には、サーバ装置2からダウンロードしたユーザ情報、カード情報、トレカアプリの一部を含む各種プログラム、自装置5のアカウント情報などが格納されている。ユーザ情報は、サーバ装置2の記憶部22で記憶するユーザDB221の少なくとも一部の情報である。ユーザDB221でユーザ情報のマスタを管理し、ユーザ装置5の記憶部55は、このマスタの少なくとも一部の情報をサーバ装置2から配信されて記憶する。
【0099】
本実施形態にかかるプログラムは、記憶媒体に格納することができる。当該プログラムを格納した記憶媒体は、非一時的な記憶媒体(Non-transitory computer readable medium)であってもよい。非一時的な記憶媒体は特に限定されないが、例えば、USBメモリ又はCD-ROM等の記憶媒体であってもよい。
【0100】
制御部56は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置5の動作を制御する。
【0101】
制御部56は、各種プログラムを実行することにより、通信手段561、音声制御手段562、表示制御手段563、入力受付手段564、第2管理手段565、および第4関連付け手段566として機能する。
【0102】
―通信手段561―
通信手段561は、ネットワークインターフェース51を介してサーバ装置2との通信を行う機能である。
【0103】
通信手段561は、操作部54がタッチパッド63から受信した各種操作信号に応じて、サーバ装置2が把握可能な情報を生成して送信する。例えば、通信手段561は、アカウント情報、デジタルカードのデータのダウンロード要求情報、デジタルカードの購入指示などを、サーバ装置2に送信する。また、通信手段561は、ダウンロード要求や購入指示に応じてサーバ装置2から送られてきた新たなデータ、購入された価値媒体に関する情報などを、サーバ装置2から受信する。
【0104】
―音声制御手段-
音声制御手段562は、デジタルカードの音声出力にあたり、自装置5のユーザの操作などに応じてスピーカ62の音声出力制御を行う。
【0105】
―表示制御手段-
表示制御手段563は、デジタルカードのカード画像の表示にあたり、自装置5のユーザの操作などに応じてディスプレイ61の表示出力制御を行う。
【0106】
―入力受付手段-
入力受付手段564は、ユーザから、購入指示を含むデジタルカードに対する各種の入力を受け付ける。入力受付手段564は、ユーザから受け付けた各種の入力について、ネットワークインターフェース51を介して、サーバ装置2の各手段に連携する。
【0107】
―第2管理手段-
第2管理手段565は、第1期間が経過した後の第2期間内において、第2履歴情報を他のユーザ装置5と分散管理する。また、第2管理手段565は、第1ユーザまたは第2ユーザの指示に応じて第2価値媒体と第1ユーザとの関連付けを解除して第2価値媒体を第2ユーザに関連付けることを許可する。第2管理手段565は、例えば、第1ユーザまたは第2ユーザの指示に応じてNFTトレカN1と第1ユーザとの関連付けを解除して、NFTトレカN1を第2ユーザに関連付けることを許可する。
【0108】
第2管理手段565において管理される第2価値媒体には、例えば、(1)第1履歴情報が関連付けられた第1種媒体と、(2)第1履歴情報が関連づけられていない第2種媒体と、が含まれてもよい。(1)第1履歴情報が関連付けられた第1種媒体とは、言い換えれば、一次流通として公式ショップからユーザに販売された履歴(第1履歴情報)をもつ媒体である。他方、(2)第1履歴情報が関連づけられていない第2種媒体とは、一次流通でユーザに関連付けられた、すなわち公式ショップからユーザに販売された履歴をもたない媒体である。第2種媒体は、例えば、一次流通において公式ショップからユーザに販売された媒体ではなく、はじめから二次流通市場のNFTマーケットプレイスに出品された媒体である。第2種媒体は、例えば、一次流通市場である公式ショップで売れ残ったデジタルトレカC1に対応するNFTトレカN1であり、NFTマーケットプレイスで初めて市場に出されたNFTトレカN1である。このような構成によれば、一次流通を経て二次流通市場に出た価値媒体であるか否か識別することができる。このため、価値媒体の流通経路を識別可能にすることができる。
【0109】
―第4関連付け手段-
第4関連付け手段566は、第1ユーザまたは第2ユーザの指示に応じて、第2価値媒体と第1ユーザとの関連付けを解除して第2価値媒体を第2ユーザに関連付ける
【0110】
<第1履歴情報および第2履歴情報>
ここで、図3を参照して、第1履歴情報および第2履歴情報の一例を説明する。本例では、第1履歴情報および第2履歴情報がカード情報に含まれているものとする。カード情報は、カード番号とシリアル番号とを複合キーとして、各デジタルカード(NFTトレカを含む)を一意に識別する。
【0111】
(1)図3(a)の破線の枠で囲まれた部分が示すように、第1関連付け手段2341は、例えば、第1プラットフォームにおいて、デジタルカードC1(カード番号「c-1」およびシリアル番号「001」)が第1ユーザに関連付けられた場合、第1履歴情報として、所有者が第1ユーザであることを示す情報(「所有者の履歴」の欄)、およびこの関連付けを示す付与情報(「付与/移転の履歴」の欄の「#付与」のタグと付与日時)をデジタルカードC1に関連付けてもよい。
【0112】
(2)図3(b)の一点鎖線の枠で囲まれた部分が示すように、第4関連付け手段566は、例えば、デジタルカードC1に対応するNFTトレカC2を第1ユーザとの関連付けを解除して第2ユーザに関連付けられた場合、第2履歴情報として、所有者が第2ユーザに変更されたことを示す情報(「所有者の履歴」の欄)、およびこの関連付けと解除を示す情報(「付与/移転の履歴」の欄の「#移転」のタグと移転日時)をNFTトレカC2に関連付けてもよい。
【0113】
<プラットフォームシステムの動作の流れ>
図4~5を参照して、プラットフォームシステム1における一次流通および二次流通それぞれでの取引の処理の一例について説明する。
【0114】
図4は、一次流通として第1価値媒体が販売されていから第1ユーザが購入し、第2価値媒体に変換するまでの処理の流れ・相互作用を示すシーケンス図である。
【0115】
図4に示すように、第1期間内において、サーバ装置2とユーザ装置5とは、複合フラグメントopt1(Option1)が示すエリア内の処理を実行する。
【0116】
具体的には、まず、サーバ装置2の情報処理手段231は、第1価値媒体をオンラインショップで販売するための表示情報を生成する(ステップst10)。情報処理手段231は、生成した表示情報を各ユーザ装置5に送信する(ステップst11)。各ユーザ装置5は、ユーザの指示に応じて、オンラインショップにおける第1価値媒体の販売を表示する(ステップst12)。
【0117】
次いで、第1ユーザ装置5aは、第1ユーザから、購入指示として、第1価値媒体を、第1ユーザに関連付ける要求を受け付ける(ステップst13)。次いで、第1ユーザ装置5aは、この要求をサーバ装置2に送信する(ステップst14)。
【0118】
次いで、サーバ装置2の第1管理手段233は、第1価値媒体を第1ユーザに関連付ける要求を受け付ける(ステップst15)。次いで、第1関連付け手段2341は、この要求に基づいて、第1価値媒体と第1ユーザを関連付ける(ステップst16)。
【0119】
次いで、サーバ装置2の第1関連付け手段2341は、第1ユーザに関連付けた第1価値媒体のカード情報を第1ユーザ装置5aに送信する(ステップst15)。第1ユーザ装置5aは、カード情報を受信すると、カード情報が示す第1価値媒体の画像や音声、および関連付けの結果を出力させる(ステップst16)。
【0120】
第1期間が経過した後において、サーバ装置2とユーザ装置5とは、複合フラグメントopt2(Option2)が示すエリア内の処理を実行する。
【0121】
具体的には、まず、サーバ装置2の第2関連付け手段2342は、第1価値媒体に対応する第2価値媒体を、第1価値媒体に替えて第1ユーザに関連付ける(ステップst17)。第2関連付け手段2342は、第2価値媒体に替えた旨と第2価値媒体のカード情報(第2価値媒体を定義するNFTを含む)を第1ユーザ装置5aに送信する(ステップst21)。第1ユーザ装置5aの第2管理手段565は、この第2価値媒体に替えた旨と第2価値媒体のカード情報を受信すると、カード情報を記憶部55に格納する(ステップst22)。第1ユーザ装置5aの第2管理手段565は、第1ユーザに対して、第1ユーザを第2価値媒体に替えて関連付けた旨を出力する(ステップst22)。
【0122】
図5は、二次流通として第1ユーザから第2価値媒体が出品されてから第2ユーザが購入するまでの処理の流れ・相互作用を示すシーケンス図である。
【0123】
図5に示すように、第1期間が経過した後の第2期間内において、サーバ装置2とユーザ装置5とは、複合フラグメントopt3(Option3)が示すエリア内の処理を実行する。
【0124】
具体的には、まず、第1ユーザ装置5aの第2管理手段565は、第2価値媒体のユーザ間の取引を許容するため、第1ユーザから、関連付けられた第2価値媒体を転売するために、NFTマーケットプレイスに出品するための要求(以下、「出品要求」ともいう)を受け付ける(ステップst30)。次いで、第1ユーザ装置5aの第2管理手段565は、この出品要求をサーバ装置2に送信する(ステップst31)。
【0125】
次いで、サーバ装置2の第1管理手段233は、第2価値媒体の出品要求を受け付ける(ステップst32)。サーバ装置2の情報処理手段231は、この出品要求に基づいて、NFTマーケットプレイスにおいて第2価値媒体を出品表示させるための表示情報を生成する(ステップst33)。情報処理手段231は、生成した表示情報を各ユーザ装置5に送信する(ステップst34)。各ユーザ装置5それぞれは、受信した表示情報に基づいて、Webサイトやトレカアプリを介して、NFTマーケットプレイスへの第2価値媒体の出品を表示させる(ステップst35)。
【0126】
次いで、第2ユーザ装置5bの第2管理手段565は、第2ユーザから、表示された第2価値媒体を第1ユーザから購入するために、第2価値媒体と第2ユーザとを関連付ける要求を受け付ける(ステップst36)。次いで、第2ユーザ装置5bは、サーバ装置2にこの要求を送信する(ステップst37)。次いで、サーバ装置2の第1管理手段233は、第2ユーザ装置5bから受信したこの要求を、第1ユーザ装置5aに送信する(ステップst38)。なお、サーバ装置2の決済手段235は、例えば、この要求を受信したことにより、第2ユーザが第2購入対価を支払うことを条件として第2価値媒体と第1ユーザとの関連付けを解除して第2価値媒体を第2ユーザに関連付けることを検出してもよい。
【0127】
次いで、第1ユーザ装置5aの第2管理手段565は、サーバ装置2から送信された、第2価値媒体と第2ユーザとを関連付ける要求を受け付ける(ステップst38)。第4関連付け手段566は、この要求に基づいて、第2価値媒体と第1ユーザとの関連付けを解除する(ステップst40)。第4関連付け手段566は、第2価値媒体を第2ユーザに移転させるために、第2価値媒体を定義するNFT含むカード情報を、サーバ装置2に送信する(ステップst41)。次いで、サーバ装置2の第1管理手段233は、第2ユーザ装置5bから受信したこのカード情報を、第2ユーザ装置5bに送信する(ステップst42)。第2ユーザ装置5bの第4関連付け手段566は、このカード情報に基づいて、第2価値媒体と第2ユーザとを関連付ける(ステップst43)。第4関連付け手段566は、この関連付けの結果を第2履歴情報としてサーバ装置2に送信する(ステップst44)。サーバ装置2は、受信したこの第2履歴情報を第1ユーザ装置5aに送信する(ステップst45)。
【0128】
以上をまとめると、複数のユーザそれぞれが使用する複数のユーザ装置5と、ユーザ装置5と通信可能に接続されたサーバ装置2を含むコンピュータシステムであって、第1価値媒体を第1ユーザに関連付ける第1関連付け手段2341と、第1期間内において、第1価値媒体に関連付けられるユーザを示す第1履歴情報を一元管理する第1管理手段233と、第1期間が経過した後において、第1価値媒体に対応する第2価値媒体を、第1価値媒体に替えて第1ユーザに関連付ける第2関連付け手段2342と、を備え、第1期間が経過した後の第2期間内において、第2価値媒体に関連付けられるユーザの履歴を示す第2履歴情報が複数のユーザ装置それぞれの第2管理手段565において分散管理され、第2管理手段565においては、第1ユーザまたは第2ユーザの指示に応じて第2価値媒体と第1ユーザとの関連付けを解除して第2価値媒体を第2ユーザに関連付けることが許可される、コンピュータシステムである。
【0129】
<効果>
本実施形態によれば、第1期間においては第1価値媒体を流通させ、第1期間経過した後の第2期間では第1価値媒体に替えて第2価値媒体を流通させることができる。このため、プラットフォームシステム1では、第2期間には、第1価値媒体は流通(取引)されず、第2価値媒体のみ流通されるため、第2価値媒体の取引の度に第2期間か否かを判定する必要がない。したがって、価値媒体の一次流通と二次流通とを制御しつつ、履歴が分散管理されたユーザ間の取引の実行を簡略化することができる。
【0130】
[変形例]
なお、本発明を上記実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上記実施形態に限定されない。以下のような場合も本発明に含まれる。
【0131】
[第1変形例]
上記実施形態では、価値媒体がデジタルカードである例を説明したが、本発明にかかる価値媒体はこれに限定されない。価値媒体は、例えば、ゲームで使用するアイテムやキャラクタなどであってもよい。また、価値媒体は特定のゲーム内で使用されるものではない、単に収集やユーザ間における取引を目的としたデジタルカードなどであってもよい。この場合、NFTが定義するゲーム媒体には媒体画像が対応付けられる一方、ゲームで使用するためのゲームパラメータなどは対応付けられない。
【0132】
[第2変形例]
上記実施形態では、第1期間が経過した後に第2価値媒体を生成する例を説明したが、本発明にかかる第2価値媒体の生成の形態はこれに限定されない。第2価値媒体は、例えば、予め第1期間内に生成されてもよい。
【0133】
第1関連付け手段2341は、例えば、第1期間内において第2価値媒体を生成してもよい。第1関連付け手段2341は、例えば、第1期間内においてNFTトレカN1を生成してもよい。
【0134】
第2関連付け手段2342は、例えば、第1期間内においては第1価値媒体に替えて第2価値媒体を第1ユーザに関連付けることを制限してもよい。第2関連付け手段2342は、第1期間が経過したことを条件として、第2価値媒体を第1ユーザに関連付けることに対する制限を解除してもよい。このような構成によれば、第2期間が開始される前に予め第2価値媒体を生成しつつ、第1期間においては第1ユーザに第1価値媒体に替えて関連付けることを制限することができる。このため、第1期間内においては第2価値媒体が流通されないよう、すなわちユーザ間で取引されないよう制限することができる。
【0135】
第2価値媒体は第1価値媒体に関連付けられた第1履歴情報を引き継ぐように、第2価値媒体を生成してもよい。この場合、第1期間内において第2価値媒体が第1ユーザに関連付けられる一方で、第1期間中は第1ユーザが第2価値媒体を認識不可能、または、認識可能であっても使用不可能な状態で第2価値媒体が第1ユーザに関連付けられていてもよい。そして、第1期間が経過した後に、第2価値媒体を第1ユーザが認識可能、または、使用可能な状態としてもよい。
【0136】
また、第2価値媒体は、第1価値媒体が第1ユーザに付与されるのに先立って生成されていてもよい。この場合、第1価値媒体に関連付けられた第1履歴情報が第2価値媒体に同期されるようにしてもよい。この場合にも、第1期間内において第2価値媒体が第1ユーザに関連付けられる一方で、第1期間中は第1ユーザが第2価値媒体を認識不可能、または、認識可能であっても使用不可能な状態で第2価値媒体が第1ユーザに関連付けられていてもよい。そして、第1期間が経過した後に、第2価値媒体を第1ユーザが認識可能、または、使用可能な状態としてもよい。一方、第1期間の経過後に第1履歴情報が第2価値媒体に引き継がれるようにしてもよい。この場合には、第1期間が経過するまでは第2価値媒体が第1ユーザに付与されない。
【0137】
[第3変形例]
上記実施形態では、第1価値媒体をそれぞれ個別に第1ユーザに関連付ける例を説明したが、本発明にかかる第1価値媒体のユーザへの関連付けの形態はこれに限定されない。例えば、第1価値媒体を複数組み合わせて第1価値媒体の集合(いわゆる、セットやパックなど)を生成し、生成した第1価値媒体の集合ごとにユーザに付与してもよい。
【0138】
制御部23は、組み合わせ手段(不図示)として機能してもよい。組み合わせ手段は、複数の第1価値媒体を組み合わせることで複数の第1価値媒体の集合を生成する。第1価値媒体の集合とは、例えば、デジタルカードC1のパックやセットなどである。組み合わせ手段は、例えば、eスポーツ大会の決勝リーグかつファイナルラウンドのパックとして、eスポーツ大会の決勝リーグが全部で10試合あった場合、この10試合それぞれでプレイされたゲームのファイナルラウンドそれぞれの媒体画像が対応付けられた10個のデジタルカードC1を集めたパックを生成してもよい。
【0139】
組み合わせ手段は、例えば、いわゆるパックガチャとして、組み合わせる複数の第1価値媒体を、抽選手段2344の抽選により選択された第1価値媒体としてもよい。
【0140】
[他の実施形態]
上記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であり、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0141】
ゲームは、アクションゲーム、シューティングゲーム、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、ボードゲーム、およびパズルゲームなどであってもよく、様々な種類のゲームに適用することができる。
【0142】
上記実施形態では、サーバ装置2および複数のユーザ装置5が一体となってプログラムを機能させる場合を例示したが、これに限定されない。プログラムのすべての手段、すなわち、第1管理手段、第2管理手段、関連付け手段、決済手段、特定手段、設定手段、変更手段などが、サーバ装置2単体、ユーザ装置5単体、サーバ装置およびユーザ装置5とは別の通信端末単体、これらのうち組み合わせられる2つの装置(例えば、サーバ装置2とユーザ装置5での分散処理など)、に備えられていてもよい。また、サーバ装置、ユーザ装置、通信端末を一体となって機能させる場合、どの手段をどの装置にて機能させるかも、適宜変更が可能である。
【0143】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本実施形態の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0144】
1 プラットフォームシステム
2 サーバ装置
23 制御部
233 第1管理手段
234 関連付け手段
2341 第1関連付け手段
2342 第2関連付け手段
2343 第3関連付け手段
5 ユーザ装置
56 制御部
565 第2管理手段
図1
図2
図3
図4
図5