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特開2023-159244湾曲した車両用ディスプレイの製造方法、及び湾曲した車両用ディスプレイ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159244
(43)【公開日】2023-10-31
(54)【発明の名称】湾曲した車両用ディスプレイの製造方法、及び湾曲した車両用ディスプレイ
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20231024BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20231024BHJP
   C03C 27/12 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
G09F9/00 338
G09F9/30 308A
C03C27/12 R
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023132218
(22)【出願日】2023-08-15
(62)【分割の表示】P 2020515252の分割
【原出願日】2018-09-13
(31)【優先権主張番号】62/558,337
(32)【優先日】2017-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100163050
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 眞由美
(74)【代理人】
【識別番号】100224775
【弁理士】
【氏名又は名称】南 毅
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー エム ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】ジョーダン トーマス ボッグス
(72)【発明者】
【氏名】アチュール クマール
(72)【発明者】
【氏名】チォン-チュン リー
(72)【発明者】
【氏名】ヤーウェイ スゥン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ディスプレイ表面を有するディスプレイモジュールと、ガラス基板の冷間曲げを使用してディスプレイ表面に配置された湾曲したガラス基板とを含む湾曲した車両用ディスプレイを製造する方法、並びに湾曲した車両用ディスプレイ。
【解決手段】車両内部構成部品積層システムは、車両内部システムの構成部品を受け入れるように構成されたチャンバ500、該チャンバの下部510に配置された湾曲した支持面520、及び、チャンバの上部540に配置された上側ステージ530を含み、上側ステージは、車両内部システムの構成部品を保持するように構成されている。チャンバの内部は、制御可能な第1の圧力を有する。上側ステージ530及び湾曲した支持面520は、上側ステージが、車両内部システムを冷間成形するために車両内部システムの構成部品を湾曲した支持面に位置付けることができるように、相対的に移動可能である。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
湾曲した車両用ディスプレイの形成方法において、
第1の主面と該第1の主面の反対側の第2の主面とを有する基板を提供する工程;
前記基板を支持面上に位置づける工程であって、前記第1の主面が前記支持面に面している、工程;
前記基板の前記第1の主面を前記支持面に適合させる工程;及び
前記第1の主面が前記支持面と適合接触している間に、前記基板の前記第2の主面に後面パネルを取り付ける工程であって、前記後面パネルと前記第2の主面の間の第1の接着剤を、前記第1の接着剤の周囲環境を第1の真空に供している間に硬化させることを含む、工程
を含み、
前記支持面が、100mm以上である第1の曲率半径を含む、
方法。
【請求項2】
前記適合させた第1の主面が、前記第1の曲率半径の10%以内の第2の曲率半径を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記支持面が該支持面上に前記基板を一時的に保持するように構成された保持機構を含み、前記基板が前記保持機構によって前記支持面に少なくとも部分的に適合している、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記保持機構が真空チャック又は静電チャックである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記基板を前記支持面上に位置づける工程が、前記基板を前記支持面と位置合わせするように構成された位置決め装置によって前記基板を搬送及び配置することを含み、
前記位置決め装置が、変形可能な係合面を含み、
前記基板を前記支持面上に配置するときに、前記基板が前記支持面に適合すると、前記変形可能な係合面が一時的に前記基板とともに変形する、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記支持面が第3の曲率半径を含み、
前記第1の曲率半径及び前記第3の曲率半径が、それぞれ異なる曲率軸を中心とする半径である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記適合させた第1の主面がさらに、前記第3の曲率半径の10%以内の第4の曲率半径を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記支持面が真空チャックを含む場合、前記真空チャックの第2の圧力が、前記第1の真空の第1の圧力とは独立して制御可能であり、
前記第1の接着剤を硬化する間に前記第1の圧力を初期圧力から減圧状態へと低下させる工程、及び前記第1の接着剤を硬化する間に前記真空チャックの前記第2の圧力を前記第1の圧力を上回るまで上昇させる工程
をさらに含み、
周囲圧力が、前記減圧状態で0.1気圧(10132.5Pa)まで低下する、請求項4に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、その内容が依拠され、その全体がここに参照することによって本願に援用される、2017年9月13日出願の米国仮特許出願第62/558,337号の米国法典第35編特許法119条に基づく優先権の利益を主張する。
【技術分野】
【0002】
本開示は、湾曲した車両用ディスプレイ及びその形成方法に関し、より詳細には、湾曲したカバーガラスを備えた湾曲したディスプレイを含む車両内部システム及びその形成方法に関する。
【背景技術】
【0003】
車両内部には湾曲した表面が含まれており、このような湾曲した表面にディスプレイを(タッチ機能の有無にかかわらず)組み込むことができる。このような湾曲した表面の形成に用いられる材料は、通常、ガラスの耐久性及び光学性能を示さないポリマーに限定される。そのようなものとしては、とりわけディスプレイ及び/又はタッチパネルのカバーとして用いられる場合には、湾曲したガラス基板が望ましい。このような湾曲したガラス基板を形成する、熱成形などの既存の方法は、高コスト、光学的歪み、及び表面マーキングを含めた欠点を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、費用効果の高い方法で、ガラスの熱成形プロセスに通常関連する問題なしに、湾曲したガラス基板を組み込むことができる湾曲した車両ディスプレイが必要とされている。さらには、このような湾曲した車両用ディスプレイが優れたディスプレイ光学特性を示すことが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様は、湾曲した車両用ディスプレイに関する。1つ以上の実施形態では、湾曲した車両用ディスプレイは、ディスプレイ表面を有するディスプレイモジュール、及びディスプレイ表面に配置された湾曲したガラス基板を含み、該ガラス基板は、第1の主面、第2の表面積を有する第2の主面、第1の主面と第2の主面とを接続する非主面、及び0.05mm~2mmの範囲の厚さを備えており、第2の主面は200mm以上の第1の曲率半径を含み、ディスプレイモジュールが光を放射したときに、ガラス基板を透過した光は、第2の表面から0.5メートルの視野角で見たときに、第2の表面積の75%以上に沿って実質的に均一な色を有する。
【0006】
本開示の第2の態様は、第1の主面と該第1の主面の反対側の第2の主面とを有する基板を提供する工程;支持面上に基板を位置づける工程であって、該第1の主面が支持面に面している、工程;第1の主面が支持面と適合接触している間に基板の第1の主面を支持面に適合させる工程;及び、後面パネルを基板の第2の主面に取り付ける工程を含む、湾曲した車両用ディスプレイの形成方法に関し、該取り付ける工程は、第1の接着剤の周囲環境が第1の真空に供されている間に、後面パネルと第2の主面の間の第1の接着剤を硬化させることを含み、支持面は第1の曲率半径を含む。
【0007】
本開示の第3の態様は、車両内部システムの構成部品を受け入れるように構成されたチャンバであって、チャンバの内部の第1の圧力が制御可能である、チャンバ;チャンバの下部に配置された湾曲した支持面;及び、チャンバの上部に配置された上側ステージ、を含む、車両内部構成部品積層システムに関し、ここで、上側ステージは車両内部システムの構成部品を保持するように構成されており、かつ、上側ステージが車両内部システムを冷間成形するために湾曲した支持面上に車両内部システムの構成部品を位置付けることができるように、上側ステージと湾曲した支持面とは相対的に移動可能である。
【0008】
本開示の第4の態様は、支持面にガラス基板を位置づける工程であって、該ガラス基板が第1の主面と該第1の主面の反対側の第2の主面とを有し、該第1の主面が支持面に面しており、支持面が可撓性であり、三次元又は湾曲した表面形状を有することができる、工程;ガラス基板の第2の主面上の接着剤によってバックパネルをガラス基板に取り付ける工程であって、ガラス基板、接着剤、及びバックパネルが積層構造を形成する、工程;積層構造のバックパネル側の複数の圧電曲げアクチュエータを使用して積層構造を曲げる工程を含む、湾曲した車両用ディスプレイの形成方法に関し、ここで、積層構造の曲げは、ガラス基板のガラス転移温度未満で行われ、積層構造は、曲げの後に第1の曲率半径を有し、かつ、支持面には、積層構造の第1の曲率半径に適合する湾曲した表面形状が想定されている。
【0009】
本開示の第5の態様は、第1の主面と該第1の主面の反対側の第2の主面とを有するガラス基板を提供する工程;ガラス基板をプラットフォームの変形可能な表面に位置付ける工程であって、第1の主面が変形可能な表面に面している、工程;ガラス基板の第2の主面に接着剤を提供する工程;第2の主面上の接着剤によってディスプレイパネルをガラス基板に取り付ける工程、ガラス基板、接着剤、及びディスプレイパネルを含む積層構造を形成する工程;積層構造のディスプレイユニット側にダイの湾曲した表面を適用することによって積層構造を冷間曲げし、湾曲した積層構造を形成する工程であって、ダイの湾曲した表面が第1の曲率半径を含み、プラットフォームの変形可能な表面が積層構造の冷間曲げに適応するように変形する、工程;及び、予め湾曲させたバックライトユニットと予め湾曲させたフレームとを湾曲した積層構造のディスプレイパネルに適用する工程を含む、湾曲した車両用ディスプレイの形成方法に関する。
【0010】
追加の特徴及び利点は、以下の詳細な説明に記載され、一部には、その説明から当業者に容易に明らかとなり、あるいは、以下の詳細な説明、特許請求の範囲、並びに添付の図面を含めた本明細書に記載される実施形態を実施することによって認識されよう。
【0011】
前述の概要及び後述する詳細な説明はいずれも、単なる例示であり、特許請求の範囲の性質及び特徴を理解するための概観又は枠組みを提供することが意図されていることが理解されるべきである。添付の図面は、さらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれて、その一部を構成する。図面は、1つ以上の実施形態を例証しており、その説明とともに、さまざまな実施形態の原理及び動作を説明する役割を担う。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】1つ以上の実施形態による車両内部システムを備えた車両内部の斜視図
図2】1つ以上の実施形態による、ガラス基板とディスプレイモジュールとを備えた湾曲した車両用ディスプレイの側面図
図3図2の湾曲した車両用ディスプレイに用いられるガラス基板の側面図
図4図3のガラス基板の正面斜視図
図5】1つ以上の実施形態の湾曲した車両用ディスプレイの側面図
図6】1つ以上の実施形態の湾曲した車両用ディスプレイの平面図
図7】湾曲した車両用ディスプレイの代替の実施形態の側面図
図8】湾曲した車両用ディスプレイの代替の実施形態の側面図
図8A】導光板を備えた湾曲した車両用ディスプレイの代替の実施形態の側面図
図9】1つ以上の実施形態による、車両内部構成部品積層システム及び湾曲した車両用ディスプレイの形成方法を示す図
図10】1つ以上の実施形態による、湾曲した車両用ディスプレイの形成方法を示す図
図11】1つ以上の実施形態による、湾曲した車両用ディスプレイの形成方法を示す図
図12】1つ以上の実施形態による、湾曲した車両用ディスプレイの形成方法を示す図
図13】1つ以上の実施形態による、湾曲した車両用ディスプレイの形成方法を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
これより、添付の図面に例が示されている、さまざまな実施形態を詳細に参照する。一般に、車両ディスプレイは、周囲の車両内部(例えば、ダッシュボード又はセンターコンソール)の輪郭を追従するように設計された湾曲した表面を含みうる。本開示は、ガラス材料を使用してこれらの湾曲した車両ディスプレイを形成するための物品及び方法を提供する。ガラス材料から湾曲した車両用ディスプレイを形成することにより、車両用ディスプレイに従来見られる典型的な湾曲したプラスチックパネルと比較して、多くの利点を提供することができる。例えば、ガラスは、通常、プラスチックカバー材料と比較して、ディスプレイ用途及びタッチスクリーン用途など、多くの湾曲したカバー材料用途に強化された機能とユーザー体験を提供するとみなされている。
【0014】
本明細書に記載される実施形態は、熱間成形プロセス又は冷間成形プロセスを使用して湾曲させることができる、湾曲したガラス基板を組み込んでいる。出願人は、本明細書で論じられるシステム及び方法が、経済的かつ効率的なプロセスで、湾曲した車両ディスプレイを具体的に提供することを見出した。結果として得られる湾曲した車両ディスプレイは、色の均一性に関して優れた光学性能も示す。
【0015】
本出願の第1の態様は、さまざまな車両内部で使用することができる湾曲した車両ディスプレイシステムに関する。湾曲した車両用ディスプレイのさまざまな実施形態は、列車、自動車(例えば、乗用車、トラック、バス等)、船舶(ボート、船、潜水艦等)、並びに航空機(例えば、ドローン、飛行機、ジェット機、ヘリコプター等)などの車両に組み込むことができる。
【0016】
図1は、車両内部システム100、200、300の3つの異なる実施形態を含む例示的な車両内部10を示している。車両内部システム100は、湾曲した車両用ディスプレイ130を含む、湾曲した表面120を備えたセンターコンソールベース110を含む。車両内部システム200は、湾曲した車両用ディスプレイ230を含む、湾曲した表面220を備えたダッシュボードベース210を含む。ダッシュボードベース210は、通常、湾曲した車両用ディスプレイも含みうる計器パネル215を含む。車両内部システム300は、湾曲した表面320と湾曲した車両用ディスプレイ330とを備えたステアリングホイールベース310を含む。1つ以上の実施形態では、車両内部システムは、アームレスト、ピラー、背もたれ、床板、ヘッドレスト、ドアパネル、又は湾曲した表面を含む車両内部の任意の部分であるベースを備えることができる。
【0017】
本明細書に記載される湾曲した車両用ディスプレイの実施形態は、車両内部システム100、200及び300のそれぞれにおいて互換的に使用することができる。さらには、本明細書で論じられる湾曲したガラス物品は、車両内部システム100、200及び/又は300での使用を含めた本明細書で論じられる湾曲した車両用ディスプレイの実施形態のいずれかの湾曲したカバーガラスとして使用することができる。
【0018】
図2に示されるように、1つ以上の実施形態では、湾曲した車両用ディスプレイ130は、第1の曲率半径を有する湾曲したガラス基板140と、その上にガラス基板が配置された、ディスプレイ表面151を有するディスプレイモジュール150とを含み、該ディスプレイモジュールが光を放射したときに、ガラス基板を透過した光は実質的に均一な色を有する。
【0019】
図3及び図4を参照すると、ガラス基板140は、第1の主面142と該第1の主面の反対側の第2の主面144とを含む。ガラス基板は、第2の主面144で測定して、第1の曲率半径を示す。
【0020】
1つ以上の実施形態では、湾曲したガラス基板は熱間成形される。このような実施形態では、熱間成形された湾曲したガラス基板は、別の材料によって支持されずに、恒久的に湾曲している。幾つかの実施形態では、熱間成形された湾曲したガラス基板は、第1の主面142及び第2の主面144上で実質的に同じ応力を示す。言い換えれば、一方の主面は、曲率に起因する反対側の主表面よりも大きい圧縮応力を経験しないか、又は示さない。
【0021】
1つ以上の実施形態では、湾曲したガラス基板は冷間成形される。本明細書で用いられる場合、「冷間曲げ」、「冷間曲げする」、「冷間成形した」、又は「冷間成形する」という用語は、(本明細書に記載されるように)ガラスの歪み点未満又はガラスの軟化点未満の冷間成形温度でガラス基板を湾曲させることを指す。冷間成形されたガラス基板の属性は、第1の主面142と第2の主面144との間で圧縮される非対称表面である。非主面146は第1の主面142と第2の主面144とを接続する。1つ以上の実施形態では、冷間成形プロセスの前又は冷間成形される前のガラス基板の第1の主面142及び第2の主面144におけるそれぞれの圧縮応力は、実質的に等しい。ガラス基板が強化されていない1つ以上の実施形態では、第1の主面142及び第2の主面144は、冷間成形前に、感知できるほどの圧縮応力を示さない。ガラス基板が(本明細書に記載されるように)強化された1つ以上の実施形態では、第1の主面142及び第2の主面144は、冷間成形の前に、互いに実質的に等しい圧縮応力を示す。1つ以上の実施形態では、冷間成形後(例えば、図2及び図7に示される)は、曲げ後に凹形状を有する表面(例えば、図2及び図7の第2の主面144)の圧縮応力が増加する。言い換えれば、凹面(例えば、第2の主面144)の圧縮応力は、冷間成形前よりも冷間成形後の方が大きい。理論に縛られるわけではないが、冷間成形プロセスは、曲げ及び/又は成形動作中に加えられる引張応力を補償するために、成形されているガラス基板の圧縮応力を増加させる。1つ以上の実施形態では、冷間成形プロセスにより、凹面(第2の主面144)に圧縮応力を生じさせる一方、冷間成形後に凸形状(すなわち、図2及び図7の第1の主面142)を形成する表面には引張応力が発生する。冷間成形後に凸面(すなわち、第1の主面142)に発生する引張応力は、表面圧縮応力の正味の減少をもたらし、その結果、冷間成形後の強化ガラスシートの凸面(すなわち、第1の主面142)の圧縮応力は、ガラスシートが平坦なときの同じ面(すなわち、第1の主面142)の圧縮応力よりも小さくなる。
【0022】
強化ガラス基板を利用する場合には、第1の主面及び第2の主面(142、144)はすでに圧縮応力下にあり、したがって、第1の主面は、破壊の危険なしに、曲げたときにより大きい引張応力を被りうる。これにより、強化されたガラス基板を、よりきつく湾曲した表面に適応させることができる。
【0023】
1つ以上の実施形態では、ガラス基板の厚さは、冷間成形から所望の曲率半径を達成できるように、ガラス基板がより柔軟になるように調整されている。さらには、より薄いガラス基板140は、より容易に変形することができ、それにより、ディスプレイモジュール150の形状によって生じうる形状の不一致及びギャップを潜在的に補償することができる。1つ以上の実施形態では、薄い強化ガラス基板140は、とりわけ、冷間成形中により大きい柔軟性を示す。本明細書で論じられるガラス基板のより大きい柔軟性は、本明細書で論じられるような空気圧ベースの曲げプロセスを介して、十分な程度の曲げを生成可能にし、また、加熱することなく、一貫した曲げ形成も可能にする。1つ以上の実施形態では、ガラス基板140とディスプレイモジュール150の少なくとも一部とは、第1の主面142とディスプレイモジュール150との間に実質的に均一な距離(これは、接着剤で満たすことができる)を提供するために、実質的に同様の曲率半径を有する。
【0024】
1つ以上の実施形態では、湾曲したガラス基板、ディスプレイ、又は湾曲したガラス基板とディスプレイの両方が、主半径と交差曲率とを含む複心曲線を有しうる。複雑に湾曲したガラス基板、ディスプレイ、又はガラス基板とディスプレイの両方が、2つの独立した方向に異なる曲率半径を有しうる。したがって、1つ以上の実施形態によれば、複雑に湾曲した冷間成形されたガラス基板、ディスプレイ、又はガラス基板とディスプレイの両方は、「交差曲率」を有するものとして特徴付けることができ、このようなガラス基板及び/又はディスプレイは、所与の次元に平行な軸(すなわち、第1の軸)に沿って湾曲しており、これは、同じ次元に垂直な軸(すなわち、第2の軸)に沿っても湾曲している。ガラス基板及び/又はディスプレイの曲率は、有意な最小半径を有意な交差曲率及び/又は曲げの深さと組み合わせると、さらに複雑になりうる。
【0025】
示される実施形態では、ガラス基板は、実質的に一定であり、第1の主面142と第2の主面144との間の距離として画成される厚さ(t)を有する。本明細書で用いられる場合、厚さ(t)とはガラス基板の最大厚さを指す。図3~4に示される実施形態では、ガラス基板は、厚さ(t)に直交する第1又は第2の表面の一方の第1の最大寸法として定義される幅(W)と、厚さ及び幅の両方に直交する第1又は第2の表面の一方の第2の最大寸法として定義される長さ(L)とを含む。他の実施形態では、本明細書で論じられる寸法は平均寸法でありうる。
【0026】
1つ以上の実施形態では、ガラス基板は約1.5mm以下の厚さ(t)を有する。例えば、厚さは、約0.1mm~約1.5mm、約0.15mm~約1.5mm、約0.2mm~約1.5mm、約0.25mm~約1.5mm、約0.3mm~約1.5mm、約0.35mm~約1.5mm、約0.4mm~約1.5mm、約0.45mm~約1.5mm、約0.5mm~約1.5mm、約0.55mm~約1.5mm、約0.6mm~約1.5mm、約0.65mm~約1.5mm、約0.7mm~約1.5mm、約0.1mm~約1.4mm、約0.1mm~約1.3mm、約0.1mm~約1.2mm、約0.1mm~約1.1mm、約0.1mm~約1.05mm、約0.1mm~約1mm、約0.1mm~約0.95mm、約0.1mm~約0.9mm、約0.1mm~約0.85mm、約0.1mm~約0.8mm、約0.1mm~約0.75mm、約0.1mm~約0.7mm、約0.1mm~約0.65mm、約0.1mm~約0.6mm、約0.1mm~約0.55mm、約0.1mm~約0.5mm、約0.1mm~約0.4mm、又は約0.3mm~約0.7mmの範囲でありうる。
【0027】
1つ以上の実施形態では、ガラス基板は、約5cm~約250cm、約10cm~約250cm、約15cm~約250cm、約20cm~約250cm、約25cm~約250cm、約30cm~約250cm、約35cm~約250cm、約40cm~約250cm、約45cm~約250cm、約50cm~約250cm、約55cm~約250cm、約60cm~約250cm、約65cm~約250cm、約70cm~約250cm、約75cm~約250cm、約80cm~約250cm、約85cm~約250cm、約90cm~約250cm、約95cm~約250cm、約100cm~約250cm、約110cm~約250cm、約120cm~約250cm、約130cm~約250cm、約140cm~約250cm、約150cm~約250cm、約5cm~約240cm、約5cm~約230cm、約5cm~約220cm、約5cm~約210cm、約5cm~約200cm、約5cm~約190cm、約5cm~約180cm、約5cm~約170cm、約5cm~約160cm、約5cm~約150cm、約5cm~約140cm、約5cm~約130cm、約5cm~約120cm、約5cm~約110cm、約5cm~約110cm、約5cm~約100cm、約5cm~約90cm、約5cm~約80cm、又は約5cm~約75cmの範囲の幅(W)を有する。
【0028】
1つ以上の実施形態では、ガラス基板は、約5cm~約250cm、約10cm~約250cm、約15cm~約250cm、約20cm~約250cm、約25cm~約250cm、約30cm~約250cm、約35cm~約250cm、約40cm~約250cm、約45cm~約250cm、約50cm~約250cm、約55cm~約250cm、約60cm~約250cm、約65cm~約250cm、約70cm~約250cm、約75cm~約250cm、約80cm~約250cm、約85cm~約250cm、約90cm~約250cm、約95cm~約250cm、約100cm~約250cm、約110cm~約250cm、約120cm~約250cm、約130cm~約250cm、約140cm~約250cm、約150cm~約250cm、約5cm~約240cm、約5cm~約230cm、約5cm~約220cm、約5cm~約210cm、約5cm~約200cm、約5cm~約190cm、約5cm~約180cm、約5cm~約170cm、約5cm~約160cm、約5cm~約150cm、約5cm~約140cm、約5cm~約130cm、約5cm~約120cm、約5cm~約110cm、約5cm~約110cm、約5cm~約100cm、約5cm~約90cm、約5cm~約80cm、又は約5cm~約75cmの範囲の長さ(L)を有する。
【0029】
1つ以上の実施形態では、ガラス基板は強化されていてもよい。1つ以上の実施形態では、ガラス基板は、表面から圧縮深さ(DOC)まで延びる圧縮応力を含むように強化することができる。圧縮応力領域は、引張応力を示す中央部分によって平衡化されている。DOCにおいて、応力は正の(圧縮)応力から負の(引張)応力へと移行する。
【0030】
1つ以上の実施形態では、ガラス基板は、圧縮応力領域と引張応力を示す中央領域とを作り出すために、物品の部分間の熱膨張率の不一致を利用することによって機械的に強化することができる。幾つかの実施形態では、ガラス基板は、ガラスをガラス転移点未満の温度へと加熱し、次いで急冷することによって、熱的に強化することができる。
【0031】
1つ以上の実施形態では、ガラス基板は、イオン交換によって化学強化することができる。イオン交換プロセスでは、ガラス基板の表面又はその近くのイオンは、同じ原子価又は酸化状態を有する、より大きなイオンで置き換えられるか、又はそれらと交換される。ガラス基板がアルカリアルミノケイ酸塩ガラスを含む実施形態では、物品の表面層内のイオン及びより大きなイオンは、Li、Na、K、Rb、及びCsなどの一価のアルカリ金属カチオンである。あるいは、表面層内の一価のカチオンを、アルカリ金属カチオン以外の一価のカチオン、例えばAgなどで置き換えてもよい。このような実施形態では、ガラス基板内へと交換された一価のイオン(又はカチオン)は、応力を生じさせる。
【0032】
イオン交換プロセスは、典型的には、ガラス基板中のより小さなイオンと交換されるべきより大きいイオンを含有する1つの溶融塩浴(若しくは2つ以上の溶融塩浴)中にガラス基板を浸漬することによって行われる。水性塩浴も利用することができることに留意すべきである。加えて、浴の組成は、2種類以上のより大きいイオン(例えば、Na+及びK+)又は単一のより大きいイオンを含みうる。浴組成及び温度、浸漬時間、(一又は複数の)塩浴へのガラス板の浸漬回数、複数の塩浴の使用、アニーリングなどの追加の工程、洗浄などを含むが、それらに限定されない、イオン交換プロセスのためのパラメータは、一般に、ガラス基板の組成(物品の構造及び存在するあらゆる結晶相を含む)、並びに強化から生じるガラス基板の所望のDOC及びCSによって決定されることは、当業者にとって認識されるであろう。例示的な溶融浴組成物は、より大きいアルカリ金属イオンの硝酸塩、硫酸塩、及び塩化物を含みうる。典型的な硝酸塩としては、KNO、NaNO、LiNO、NaSO、及びそれらの組合せが挙げられる。溶融塩浴の温度は、典型的には、約380℃から最高で約450℃までの範囲であり、一方浸漬時間は、ガラス基板の厚さ、浴温度、及びガラス(又は一価のイオン)の拡散性に応じて、約15分から最長約100時間の範囲である。しかしながら、上述のものとは異なる温度及び浸漬時間も使用することができる。
【0033】
1つ以上の実施形態では、ガラス基板は、約370℃~約480℃の温度を有する、100%のNaNO、100%のKNO、又はNaNOとKNOの組合せの溶融塩浴に浸漬することができる。幾つかの実施形態では、ガラス基板は、約5%~約90%のKNO及び約10%~約95%のNaNOを含む溶融混合塩浴に浸漬することができる。1つ以上の実施形態では、ガラス基板は、第1の浴に浸漬させた後に第2の浴に浸漬させてもよい。第1及び第2の浴は、互いに異なる組成及び/又は温度を有していてもよい。第1及び第2の浴への浸漬時間は変動させることができる。例えば、第1の浴への浸漬は、第2の浴への浸漬よりも長くすることができる。
【0034】
1つ以上の実施形態では、ガラス基板は、約420℃未満(例えば、約400℃又は約380℃)の温度を有する、NaNO及びKNO(例えば、49%/51%、50%/50%、51%/49%)を含む溶融混合塩浴に、約5時間未満、さらには約4時間以下の時間、浸漬することができる。
【0035】
イオン交換条件は、「スパイク」を提供するように、又は得られるガラス基板の表面又はその近くの応力プロファイルの勾配を増加させるように、調整することができる。スパイクは、より大きい表面CS値をもたらすことができる。このスパイクは、本明細書に記載されるガラス基板に用いられるガラス組成物の独特の性質に起因して、単一浴、若しくは、単一組成又は混合組成を有する複数の浴によって達成することができる。
【0036】
2以上の一価のイオンがガラス基板内へと交換される1つ以上の実施形態では、異なる一価のイオンは、ガラス基板内の異なる深さへと交換されうる(かつ、異なる深さにおいて、ガラス基板内に異なる大きさの応力を生じさせる)。応力を発生するイオンの結果的に得られる相対深さは、決定することができ、応力プロファイルの異なる特性を引き起こすことができる。
【0037】
CSは、折原製作所(日本所在)製造のFSM-6000などの市販の機器を使用する表面応力計(FSM)によってなど、当技術分野で知られている手段を使用して測定される。表面応力測定は、ガラスの複屈折に関連する応力光学係数(SOC)の正確な測定に依拠している。SOCは、その両方が、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、ASTM規格C770-98(2013)に「ガラス応力-光学係数の測定のための標準試験方法(Standard Test Method for Measurement of Glass Stress-Optical Coefficient)」に記載される、ファイバ法及び4点曲げ法、並びに及びバルクシリンダ法などの当技術分野で知られている方法によって測定される。本明細書で用いられるCSとは、圧縮応力層内で測定される最高の圧縮応力値である「最大圧縮応力」でありうる。幾つかの実施形態では、最大圧縮応力は、ガラス基板の表面に位置している。他の実施形態では、最大圧縮応力は、表面下のある深さにおいて生じ、圧縮プロファイルに「埋没ピーク」の出現をもたらすことがある。
【0038】
DOCは、強化方法及び条件に応じて、FSM又は散乱光偏光器(SCALP)(エストニア国タリン所在のGlasstress Ltd.社から入手可能なSCALP-04散乱光偏光器など)によって測定することができる。ガラス基板がイオン交換処理によって化学的に強化されている場合、どのイオンがガラス基板内へと交換されるかに応じて、FSM又はSCALPを用いることができる。カリウムイオンをガラス基板内へと交換することによってガラス基板の応力が発生する場合には、DOCの測定にはFSMが用いられる。ナトリウムイオンをガラス基板内へと交換することによって応力が発生する場合には、DOCの測定にはSCALPが用いられる。カリウムとナトリウムの両方のイオンをガラス内へと交換することによってガラス基板の応力が生じる場合には、ナトリウムの交換深さはDOCを示し、カリウムイオンの交換深さは圧縮応力の大きさの変化(ただし、圧縮から引張への応力変化ではない)を示すと考えられていることから、DOCはSCALPで測定される;このようなガラス基板中のカリウムイオンの交換深さは、FSMによって測定される。中央張力又はCTは最大引張応力であり、SCALPで測定される。
【0039】
1つ以上の実施形態では、ガラス基板は、(本明細書で説明されているように)ガラス基板の厚さtの一部として説明されるDOCを示すように強化することができる。例えば、1つ以上の実施形態では、DOCは、約0.05t以上、約0.1t以上、約0.11t以上、約0.12t以上、約0.13t以上、約0.14t以上、約0.15t以上、約0.16t以上、約0.17t以上、約0.18t以上、約0.19t以上、約0.2t以上、約0.21t以上でありうる。幾つかの実施形態では、DOCは、約0.08t~約0.25t、約0.09t~約0.25t、約0.18t~約0.25t、約0.11t~約0.25t、約0.12t~約0.25t、約0.13t~約0.25t、約0.14t~約0.25t、約0.15t~約0.25t、約0.08t~約0.24t、約0.08t~約0.23t、約0.08t~約0.22t、約0.08t~約0.21t、約0.08t~約0.2t、約0.08t~約0.19t、約0.08t~約0.18t、約0.08t~約0.17t、約0.08t~約0.16t、又は約0.08t~約0.15tの範囲でありうる。場合によっては、DOCは約20μm以下であってもよい。1つ以上の実施形態では、DOCは、約40μm以上(例えば、約40μm~約300μm、約50μm~約300μm、約60μm~約300μm、約70μm~約300μm、約80μm~約300μm、約90μm~約300μm、約100μm~約300μm、約110μm~約300μm、約120μm~約300μm、約140μm~約300μm、約150μm~約300μm、約40μm~約290μm、約40μm~約280μm、約40μm~約260μm、約40μm~約250μm、約40μm~約240μm、約40μm~約230μm、約40μm~約220μm、約40μm~約210μm、約40μm~約200μm、約40μm~約180μm、約40μm~約160μm、約40μm~約150μm、約40μm~約140μm、約40μm~約130μm、約40μm~約120μm、約40μm~約110μm、又は約40μm~約100μm)でありうる。
【0040】
1つ以上の実施形態では、強化されたガラス基板は、約200MPa以上、300MPa以上、400MPa以上、約500MPa以上、約600MPa以上、約700MPa以上、約800MPa以上、約900MPa以上、約930MPa以上、約1000MPa以上、又は約1050MPa以上のCSを有しうる(これはガラス基板の表面又はある深さにおいて見られうる)。
【0041】
1つ以上の実施形態では、強化されたガラス基板は、約20MPa以上、約30MPa以上、約40MPa以上、約45MPa以上、約50MPa以上、約60MPa以上、約70MPa以上、約75MPa以上、約80MPa以上、又は約85MPa以上の最大引張応力又は中央張力(CT)を有しうる。幾つかの実施形態では、最大引張応力又は中央張力(CT)は、約40MPa~約100MPaの範囲でありうる。
【0042】
ガラス基板での使用に適したガラス組成物には、ソーダ石灰ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、ホウアルミノケイ酸ガラス、アルカリ含有アルミノケイ酸ガラス、アルカリ含有ホウケイ酸ガラス、及びアルカリ含有ホウアルミノケイ酸ガラスが含まれる。
【0043】
特に指定しない限り、本明細書に開示されるガラス組成物は、酸化物基準で分析した、モルパーセント(モル%)で記載される。
【0044】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、SiOを、約66モル%~約80モル%、約67モル%~約80モル%、約68モル%~約80モル%、約69モル%~約80モル%、約70モル%~約80モル%、約72モル%~約80モル%、約65モル%~約78モル%、約65モル%~約76モル%、約65モル%~約75モル%、約65モル%~約74モル%、約65モル%~約72モル%、又は約65モル%~約70モル%の範囲、並びにそれらの間のすべての範囲及び部分範囲の量で含みうる。
【0045】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、Alを、約4モル%超、又は約5モル%超の量で含む。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、Alを、約7モル%超~約15モル%、約7モル%超~約14モル%、約7モル%~約13モル%、約4モル%~約12モル%、約7モル%~約11モル%、約8モル%~約15モル%、9モル%~約15モル%、約9モル%~約15モル%、約10モル%~約15モル%、約11モル%~約15モル%、又は約12モル%~約15モル%の範囲、並びにそれらの間のすべての範囲及び部分範囲で含む。1つ以上の実施形態では、Alの上限は、約14モル%、14.2モル%、14.4モル%、14.6モル%、又は14.8モル%でありうる。
【0046】
1つ以上の実施形態では、ガラス物品は、アルミノケイ酸ガラス物品として、又はアルミノケイ酸ガラス組成物を含むものとして説明される。このような実施形態では、ガラス組成物又はそれから形成される物品は、SiO及びAlを含み、ソーダ石灰ケイ酸塩ガラスではない。この点について、それらから形成されるガラス組成物又は物品は、Alを、約2モル%以上、2.25モル%以上、2.5モル%以上、約2.75モル%以上、約3モル%以上の量で含む。
【0047】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物はBを含む(例えば、約0.01モル%以上)。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、Bを、約0モル%~約5モル%、約0モル%~約4モル%、約0モル%~約3モル%、約0モル%~約2モル%、約0モル%~約1モル%、約0モル%~約0.5モル%、約0.1モル%~約5モル%、約0.1モル%~約4モル%、約0.1モル%~約3モル%、約0.1モル%~約2モル%、約0.1モル%~約1モル%、約0.1モル%~約0.5モル%の範囲、並びにそれらの間のすべての範囲及び部分範囲の量で含む。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、実質的にBを含まない。
【0048】
本明細書で用いられる場合、組成物の成分に関して語句「実質的に含まない」とは、その成分が、最初のバッチ処理中に組成物に積極的に又は意図的には添加されないが、不純物として約0.001モル%未満の量で存在しうることを意味する。
【0049】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、任意選択的にPを含む(例えば、約0.01モル%以上)。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、ゼロではない量から最大でその値を含めて2モル%、1.5モル%、1モル%、又は0.5モル%までのPを含む。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、実質的にPを含まない。
【0050】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、ROの総量(LiO、NaO、KO、RbO、及びCsOなどのアルカリ金属酸化物の総量である)を、約8モル%以上、約10モル%以上、又は約12モル%以上含みうる。幾つかの実施形態では、ガラス組成物は、ROの総量を、約8モル%~約20モル%、約8モル%~約18モル%、約8モル%~約16モル%、約8モル%~約14モル%、約8モル%~約12モル%、約9モル%~約20モル%、約10モル%~約20モル%、約11モル%~約20モル%、約12モル%~約20モル%、約13モル%~約20モル%、約10モル%~約14モル%、又は11モル%~約13モル%の範囲、並びにそれらの間のすべての範囲及び部分範囲で含む。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、RbO、CsO又はRbOとCsOの両方を実質的に含まない場合がある。1つ以上の実施形態では、ROは、LiO、NaO、及びKOのみの総量を含みうる。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、LiO、NaO、及びKOから選択される少なくとも1つのアルカリ金属酸化物を含んでよく、該アルカリ金属酸化物は約8モル%以上の量で存在する。
【0051】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、NaOを、約8モル%以上、約10モル%以上、又は約12モル%以上の量で含む。1つ以上の実施形態では、組成物は、NaOを、約8モル%~約20モル%、約8モル%~約18モル%、約8モル%~約16モル%、約8モル%~約14モル%、約8モル%~約12モル%、約9モル%~約20モル%、約10モル%~約20モル%、約11モル%~約20モル%、約12モル%~約20モル%、約13モル%~約20モル%、約10モル%~約14モル%、又は11モル%~約16モル%の範囲、並びにそれらの間のすべての範囲及び部分範囲で含む。
【0052】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、約4モル%未満のKO、約3モル%未満のKO、又は約1モル%未満のKOを含む。場合によっては、ガラス組成物は、KOを、約0モル%~約4モル%、約0モル%~約3.5モル%、約0モル%~約3モル%、約0モル%~約2.5モル%、約0モル%~約2モル%、約0モル%~約1.5モル%、約0モル%~約1モル%、約0モル%~約0.5モル%、約0モル%~約0.2モル%、約0モル%~約0.1モル%、約0.5モル%~約4モル%、約0.5モル%~約3.5モル%、約0.5モル%~約3モル%、約0.5モル%~約2.5モル%、約0.5モル%~約2モル%、約0.5モル%~約1.5モル%、又は約0.5モル%~約1モル%の範囲、並びにそれらの間のすべての範囲及び部分範囲の量で含みうる。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、KOを実質的に含まない場合がある。
【0053】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、LiOを実質的に含まない。
【0054】
1つ以上の実施形態では、組成物中のNaOの量はLiOの量より多くてもよい。幾つかの事例では、NaOの量は、LiOとKOを合わせた量よりも多くなりうる。1つ以上の代替的な実施形態では、組成物中のLiOの量は、NaOの量又はNaOとKOを合わせた量よりも多くなりうる。
【0055】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、ROの総量(これはCaO、MgO、BaO、ZnO及びSrOなどのアルカリ土類金属酸化物の総量である)を、約0モル%~約2モル%の範囲で含みうる。幾つかの実施形態では、ガラス組成物は、ゼロではない量から最大で約2モル%までのROを含む。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、ROを、約0モル%~約1.8モル%、約0モル%~約1.6モル%、約0モル%~約1.5モル%、約0モル%~約1.4モル%、約0モル%~約1.2モル%、約0モル%~約1モル%、約0モル%~約0.8モル%、約0モル%~約0.5モル%、並びにそれらの間のすべての範囲及び部分範囲の量で含む。
【0056】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、CaOを、約1モル%未満、約0.8モル%未満、又は約0.5モル%未満の量で含む。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、実質的にCaOを含まない。
【0057】
幾つかの実施形態では、ガラス組成物は、MgOを、約0モル%~約7モル%、約0モル%~約6モル%、約0モル%~約5モル%、約0モル%~約4モル%、約0.1モル%~約7モル%、約0.1モル%~約6モル%、約0.1モル%~約5モル%、約0.1モル%~約4モル%、約1モル%~約7モル%、約2モル%~約6モル%、又は約3モル%~約6モル%、並びにそれらの間のすべての範囲及び部分範囲の量で含む。
【0058】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、ZrOを、約0.2モル%以下、約0.18モル%未満、約0.16モル%未満、約0.15モル%未満、約0.14モル%未満、約0.12モル%未満の量で含む。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、ZrOを、約0.01モル%~約0.2モル%、約0.01モル%~約0.18モル%、約0.01モル%~約0.16モル%、約0.01モル%~約0.15モル%、約0.01モル%~約0.14モル%、約0.01モル%~約0.12モル%、又は約0.01モル%~約0.10モル%の範囲、並びにそれらの間のすべての範囲及び部分範囲で含む。
【0059】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、SnOを、約0.2モル%以下、約0.18モル%未満、約0.16モル%未満、約0.15モル%未満、約0.14モル%未満、約0.12モル%未満の量で含む。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、SnOを、約0.01モル%~約0.2モル%、約0.01モル%~約0.18モル%、約0.01モル%~約0.16モル%、約0.01モル%~約0.15モル%、約0.01モル%~約0.14モル%、約0.01モル%~約0.12モル%、又は約0.01モル%~約0.10モル%の範囲、並びにそれらの間のすべての範囲及び部分範囲で含む。
【0060】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、ガラス物品に色又は色味を与える酸化を含みうる。幾つかの実施形態では、ガラス組成物は、該ガラス物品が紫外線に曝露されたときにガラス物品の変色を防止する酸化物を含む。このような酸化物の例としては、限定はしないが、次の酸化物が含まれる:Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ce、W、及びMo。
【0061】
1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、Feとして表されるFeを含み、ここで、Feは、最大で約1モル%の量で存在する(及び含む)。幾つかの実施形態では、ガラス組成物は実質的にFeを含まない。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、Feを、約0.2モル%以下、約0.18モル%未満、約0.16モル%未満、約0.15モル%未満、約0.14モル%未満、約0.12モル%未満の量で含む。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、Feを、約0.01モル%~約0.2モル%、約0.01モル%~約0.18モル%、約0.01モル%~約0.16モル%、約0.01モル%~約0.15モル%、約0.01モル%~約0.14モル%、約0.01モル%~約0.12モル%、又は約0.01モル%~約0.10モル%の範囲、並びにそれらの間のすべての範囲及び部分範囲で含む。
【0062】
ガラス組成物がTiOを含む場合、TiOは、約5モル%以下、約2.5モル%以下、約2モル%以下、又は約1モル%以下の量で存在しうる。1つ以上の実施形態では、ガラス組成物は、TiOを実質的に含まない場合がある。
【0063】
例示的なガラス組成物は、約65モル%~約75モル%の範囲の量のSiO、約8モル%~約14モル%の範囲の量のAl、約12モル%~約17モル%の範囲の量のNaO、約0モル%~約0.2モル%の範囲の量のKO、及び約1.5モル%~約6モル%の範囲の量のMgOを含む。任意選択的に、SnOは、本明細書に他に開示されている量で含まれうる。
【0064】
1つ以上の実施形態では、湾曲したガラス基板140は、ある曲率(第1の曲率半径)を有する。幾つかの実施形態では、ディスプレイ表面151は平坦であり、ガラス基板140のみが湾曲している。1つ以上の実施形態では、図5に示されるように、ガラス基板140及びディスプレイ表面151の両方が湾曲している。1つ以上の実施形態では、図2に示されるように、ガラス基板140、ディスプレイ表面151、及びディスプレイ150は湾曲している。1つ以上の実施形態では、第1の曲率半径は、ディスプレイ表面151の少なくとも一部の曲率(第2の曲率半径)と一致する。1つ以上の実施形態では、ディスプレイ表面151の少なくとも一部は、湾曲したガラス基板140の曲率に近づく又は一致するように湾曲している。1つ以上の実施形態では、ディスプレイモジュール150は、第2のガラス基板、バックライトユニット、及び他の構成要素を含み、それらのいずれも、可撓性であり得るか、又は永続的に曲率を示しうる。幾つかの実施形態では、ディスプレイモジュール全体が第2の曲率半径へと湾曲している(図2を参照)。1つ以上の実施形態では、ガラス基板140は、ディスプレイ表面151の少なくとも一部の曲率に近づく又は一致する曲率へと湾曲している。1つ以上の実施形態では、ディスプレイモジュール150の少なくとも一部は、ガラス基板140の第1の曲率半径に近づく又は一致する曲率へと冷間成形される。
【0065】
本明細書で用いられる場合、ガラス基板の第1の曲率半径がその領域にわたって変化するとき、本明細書で言及される曲率半径はガラス基板の最小の第1の曲率半径である。同様に、ディスプレイモジュールの第2の曲率半径がその領域にわたって変化するとき、本明細書で言及される第2の曲率半径はディスプレイモジュールの最小の曲率半径である。
【0066】
1つ以上の実施形態では、ガラス基板140は、約60mm以上の第1の曲率半径を有する。例えば、第1の曲率半径は、約60mm~約1500mm、約70mm~約1500mm、約80mm~約1500mm、約90mm~約1500mm、約100mm~約1500mm、約120mm~約1500mm、約140mm~約1500mm、約150mm~約1500mm、約160mm~約1500mm、約180mm~約1500mm、約200mm~約1500mm、約220mm~約1500mm、約240mm~約1500mm、約250mm~約1500mm、約260mm~約1500mm、約270mm~約1500mm、約280mm~約1500mm、約290mm~約1500mm、約300mm~約1500mm、約350mm~約1500mm、約400mm~約1500mm、約450mm~約1500mm、約500mm~約1500mm、約550mm~約1500mm、約600mm~約1500mm、約650mm~約1500mm、約700mm~約1500mm、約750mm~約1500mm、約800mm~約1500mm、約900mm~約1500mm、約9500mm~約1500mm、約1000mm~約1500mm、約1250mm~約1500mm、約60mm~約1400mm、約60mm~約1300mm、約60mm~約1200mm、約60mm~約1100mm、約60mm~約1000mm、約60mm~約950mm、約60mm~約900mm、約60mm~約850mm、約60mm~約800mm、約60mm~約750mm、約60mm~約700mm、約60mm~約650mm、約60mm~約600mm、約60mm~約550mm、約60mm~約500mm、約60mm~約450mm、約60mm~約400mm、約60mm~約350mm、約60mm~約300mm、又は約60mm~約250mmの範囲でありうる。
【0067】
1つ以上の実施形態では、ディスプレイ表面151及びディスプレイモジュール150の一方又は両方は、約60mm以上の第2の曲率半径を有する。例えば、第2の曲率半径は、約60mm~約1500mm、約70mm~約1500mm、約80mm~約1500mm、約90mm~約1500mm、約100mm~約1500mm、約120mm~約1500mm、約140mm~約1500mm、約150mm~約1500mm、約160mm~約1500mm、約180mm~約1500mm、約200mm~約1500mm、約220mm~約1500mm、約240mm~約1500mm、約250mm~約1500mm、約260mm~約1500mm、約270mm~約1500mm、約280mm~約1500mm、約290mm~約1500mm、約300mm~約1500mm、約350mm~約1500mm、約400mm~約1500mm、約450mm~約1500mm、約500mm~約1500mm、約550mm~約1500mm、約600mm~約1500mm、約650mm~約1500mm、約700mm~約1500mm、約750mm~約1500mm、約800mm~約1500mm、約900mm~約1500mm、約9500mm~約1500mm、約1000mm~約1500mm、約1250mm~約1500mm、約60mm~約1400mm、約60mm~約1300mm、約60mm~約1200mm、約60mm~約1100mm、約60mm~約1000mm、約60mm~約950mm、約60mm~約900mm、約60mm~約850mm、約60mm~約800mm、約60mm~約750mm、約60mm~約700mm、約60mm~約650mm、約60mm~約600mm、約60mm~約550mm、約60mm~約500mm、約60mm~約450mm、約60mm~約400mm、約60mm~約350mm、約60mm~約300mm、又は約60mm~約250mmの範囲でありうる。
【0068】
1つ以上の実施形態では、ガラス基板は、第1の曲率半径が、ディスプレイ表面151又はディスプレイモジュール150の第2の曲率半径の10%以内(例えば、約10%以下、約9%以下、約8%以下、約7%以下、約6%以下、又は約5%以下)を示すように湾曲している。例えば、ディスプレイ表面151又はディスプレイモジュール150が1000mmの曲率半径を示す場合、ガラス基板は約900mm~約1100mmの範囲の曲率半径を有するように湾曲している。
【0069】
1つ以上の実施形態では、湾曲した車両用ディスプレイ130は実質的に均一な色を示す。図6に示されるように、1つ以上の実施形態では、ディスプレイモジュールが光を発するとき、ガラス基板を透過した光が、(ビューア300から観察又は測定されるように)実質的に均一な色を有する。本明細書で用いられる場合、実質的に均一な色とは、CIE L色空間及び式(1)を使用して測定して、光が約10以下、約9以下、約8以下、約7以下、約6以下、約5以下、約4以下、又は約3以下のデルタEを有する色を示すことを意味する。
【0070】
式(1):デルタ(Δ)E=[(L -L )2+(b -b )2+(b -b )2]1/2、ここで、L 、a 及びb は、第1の表面の1平方センチメートルの領域で測定された最大の色座標であり、L 、a 及びb は、第2の表面積の別の1平方センチメートルの領域で測定された最大の色座標である。1つ以上の実施形態では、第2の主面144の75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、99%以上、又は表面積全体(第2の表面積)に沿って実質的に均一な色が示されうる。1つ以上の実施形態では、均一な色はさまざまな視野角αで存在する。例えば、均一な色は、視野角が中心点200に関する法線である場合に存在する。1つ以上の実施形態では、均一な色は、法線方向から該法線方向に対して60度離れるまで、法線方向から該法線方向に対して55度離れるまで、法線方向から該法線方向に対して50度離れるまで、法線方向から該法線方向に対して45度離れるまで、法線方向から該法線方向に対して40度離れるまで、法線方向から該法線方向に対して35度離れるまで、法線方向から該法線方向に対して30度離れるまで、法線方向から該法線方向に対して25度離れるまで、法線方向から該法線方向に対して20度離れるまで、法線方向から該法線方向に対して15度離れるまで、又は法線方向から該法線方向に対して10度離れるまでの範囲の視野角(中心点200に対して)で見たときに、湾曲した車両用ディスプレイ130によって示される。
【0071】
1つ以上の実施形態では、光は、ディスプレイモジュール内の光源から放出される。例えば、光源は、発光ダイオード(LED)、エレクトロルミネセントパネル(ELP)、冷陰極蛍光ランプ(CCFL)、熱陰極蛍光ランプ(HCFL)、及び外部電極蛍光ランプ(EEFL)のうちの1つでありうる。1つ以上の実施形態では、ディスプレイはOLEDディスプレイであり、光はこのようなディスプレイから放出される。
【0072】
1つ以上の実施形態では、ディスプレイモジュールは、ガラス基板を介してアクセス可能なタッチ機能を有しうる。1つ上の特定の実施形態では、ディスプレイモジュールはタッチパネルを含みうる。1つ以上の実施形態では、ディスプレイモジュール150は、第2のガラス基板152とバックライトユニット154とを含む。図7及び図8に示されるように、第2のガラス基板は、ガラス基板の第1の主面142に隣接して配置される。したがって、第2のガラス基板152は、バックライトユニット154と第1の主面142との間に配置される。1つ以上の実施形態では、第1の主面142は、第2のガラス基板152と直接接触している。1つ以上の実施形態では、第1の主面142は第2のガラス基板と直接接触しておらず、第1の主面と第2のガラス基板との間にエアギャップが存在する。示される実施形態では、バックライトユニット154は、任意選択的に、湾曲したディスプレイ150の第2の曲率半径を示すように湾曲する。1つ以上の実施形態では、バックライトユニット154は、第2の曲率半径へと湾曲するように可撓性でありうる。1つ以上の実施形態では、第2のガラス基板152は第2の曲率半径へと湾曲しうる。1つ上の特定の実施形態では、第2のガラス基板は、第2の曲率半径を示すように冷間成形されうる。このような実施形態では、第2の曲率半径は、ガラス基板140に隣接した第2のガラス基板152の表面で測定される。1つ以上の実施形態では、ディスプレイモジュール150(バックライトユニット、第2のガラス基板、及びフレームのうちのいずれか1つ以上を含む)は、湾曲したディスプレイ150の第2の曲率半径へと恒久的に湾曲している。1つ以上の実施形態では、第2のガラス基板は、積層前又は積層中に冷間成形されうる。
【0073】
1つ以上の実施形態では、第2のガラス基板は、ガラス基板の第1の主面142と直接接触している。このような実施形態では、図8Aに示されるように、バックライトユニットの代わりに湾曲した導光板154Aが第2のガラス基板152に取り付けられる。端部光源156が導光板154に結合される。第2のガラス基板は、湾曲した導光板へと冷間成形される。ガラス基板もまた、湾曲した導光板へと冷間成形される。1つ以上の実施形態では、光学的に透明な接着剤160が導光板と第2のガラス基板との間に塗布される。1つ以上の実施形態では、光学的に透明な接着剤は、互いに異なる屈折率を有する2つの層を含む。第1の光学的に透明な接着剤層161は、比較的大きい屈折率と、湾曲した導光板に沿ってプリズム層を生成する光散乱テクスチャ構造とを有する。理論に縛られるわけではないが、この第1の光学的に透明な接着剤層は、導光板からの光を、(第1の光学的に透明な接着剤層と比較して)比較的低い屈折率を有する第2の光学的に透明な接着剤層162へと導く。第2の光学的に透明な接着剤層は第2のガラス基板と接触し、一方、第1の光学的に透明な接着剤層は導光板と接触する。理論に縛られるわけではないが、より薄い第2のガラス基板を利用する場合、導光板は、湾曲した形状を維持するのに役立つ剛性を提供する。
【0074】
1つ以上の実施形態では、第2のガラス基板は、ガラス基板の厚さより大きい厚さを有しうる。1つ以上の実施形態では、厚さは1mm超、又は約1.5mm以上である。1つ以上の実施形態では、第2のガラス基板の厚さは、ガラス基板と実質的に同じ厚さを有しうる。1つ以上の実施形態では、第2のガラス基板は、約0.1mm~約1.5mm、約0.15mm~約1.5mm、約0.2mm~約1.5mm、約0.25mm~約1.5mm、約0.3mm~約1.5mm、約0.35mm~約1.5mm、約0.4mm~約1.5mm、約0.45mm~約1.5mm、約0.5mm~約1.5mm、約0.55mm~約1.5mm、約0.6mm~約1.5mm、約0.65mm~約1.5mm、約0.7mm~約1.5mm、約0.1mm~約1.4mm、約0.1mm~約1.3mm、約0.1mm~約1.2mm、約0.1mm~約1.1mm、約0.1mm~約1.05mm、約0.1mm~約1mm、約0.1mm~約0.95mm、約0.1mm~約0.9mm、約0.1mm~約0.85mm、約0.1mm~約0.8mm、約0.1mm~約0.75mm、約0.1mm~約0.7mm、約0.1mm~約0.65mm、約0.1mm~約0.6mm、約0.1mm~約0.55mm、約0.1mm~約0.5mm、約0.1mm~約0.4mm、又は約0.3mm~約0.7mmの範囲の厚さを有する。
【0075】
第2のガラス基板は、ガラス基板140と同じガラス組成を有していてもよく、ガラス基板140に用いられるガラス組成とは異なっていてもよい。1つ以上の実施形態では、第2のガラス基板は、無アルカリガラス組成物を有しうる。第2のガラス基板での使用に適したガラス組成物には、ソーダ石灰ガラス、無アルカリアルミノケイ酸ガラス、無アルカリホウケイ酸ガラス、無アルカリホウアルミノケイ酸ガラス、アルカリ含有アルミノケイ酸ガラス、アルカリ含有ホウケイ酸ガラス、及びアルカリ含有ホウアルミノケイ酸ガラスが含まれうる。1つ以上の実施形態では、第2のガラス基板は強化されていてもよい(ガラス基板140に関して本明細書で上述したように)。幾つかの実施形態では、第2のガラス基板は、強化されていないか、あるいは機械的及び/又は熱的強化によってのみ強化されている(すなわち、化学的強化によっては強化されていない)。幾つかの実施形態では、第2のガラス基板はアニールされてもよい。
【0076】
1つ以上の実施形態では、湾曲したディスプレイは、ガラス基板140とディスプレイモジュール150との間に接着剤又は接着剤層160を含む。接着剤は光学的に透明でありうる。幾つかの実施形態では、接着剤はガラス基板140及び/又はディスプレイモジュール150の一部に配置される。例えば、図4に示されるように、ガラス基板は、内側部分148を画成する非主面146に隣接した周辺部147を含むことができ、接着剤は、該周辺部の少なくとも一部に配置することができる。接着剤の厚さは、ディスプレイモジュール150(より具体的には第2のガラス基板)とガラス基板140との間の積層を確実にするように調整することができる。例えば、接着剤は約1mm以下の厚さを有しうる。幾つかの実施形態では、接着剤は、約200μm~約500μm、約225μm~約500μm、約250μm~約500μm、約275μm~約500μm、約300μm~約500μm、約325μm~約500μm、約350μm~約500μm、約375μm~約500μm、約400μm~約500μm、約200μm~約475μm、約200μm~約450μm、約200μm~約425μm、約200μm~約400μm、約200μm~約375μm、約200μm~約350μm、約200μm~約325μm、約200μm~約300μm、又は約225μm~約275μmの範囲の厚さを有する。
【0077】
1つ以上の実施形態では、ガラス基板の第1の主面142及び第2の主面144のいずれか一方又は両方は表面処理を含む。表面処理は、第1の主面142及び第2の主面144の少なくとも一部を覆うことができる。例示的な表面処理には、清掃容易な表面、防眩表面、反射防止表面、及び顔料デザインが含まれる。1つ以上の実施形態では、表面処理は、触覚表面(すなわち、隆起したテクスチャ表面)を含みうる。1つ以上の実施形態では、触覚表面は、触覚フィードバックシステム(振動モータを含む)と組み合わせて使用することができる。1つ以上の実施形態では、第1の主面142及び/又は第2の主面144のうちの少なくとも一方は、防眩表面、反射防止表面、及び顔料デザインのうちのいずれか1つ、いずれか2つ、又は3つすべてを含みうる。例えば、第1の主面142は防眩表面を含むことができ、第2の主面144は反射防止表面を含みうる。別の例では、第1の主面142は反射防止表面を含み、第2の主面144は防眩表面を含む。さらに別の例では、第1の主面142は、防眩表面及び反射防止表面のいずれか一方又は両方を含み、第2の主面144は顔料デザインを含む。
【0078】
顔料デザインは、顔料(例えば、インク、ペイントなど)から形成される任意の美的デザインを含むことができ、木目デザイン、つや消し金属デザイン、グラフィックデザイン、ポートレート、又はロゴを含むことができる。顔料デザインはガラス基板上に印刷することができる。1つ以上の実施形態では、防眩表面はエッチングされた表面を含む。1つ以上の実施形態では、反射防止表面は多層コーティングを含む。1つ以上の実施形態では、清掃容易な表面は、指紋防止特性を付与する疎油性コーティングを含む。
【0079】
1つ以上の実施形態では、表面処理(すなわち、清掃容易な表面、防眩表面、反射防止表面、及び/又は顔料デザイン)は、周辺部147の少なくとも一部に配置され、内側部分148は表面処理を実質的に含まない。
【0080】
本開示の第2の態様は、車両内部構成部品積層システムに関する。車両内部構成部品は、説明されるガラス基板及びディスプレイモジュールのさまざまな実施形態を含むことができる。1つ以上の実施形態では、積層システムは、真空ラミネータ内に一時的(又は非恒久的)に湾曲したガラス基板を保持するための装置を含むものとして説明することができる。該装置は、真空ラミネータ内にある間に、該真空ラミネータから分離された機能又はプロセスを実行する真空チャック又は静電チャックを含みうる。例えば、装置が真空チャックの場合、ガラス基板に適用される真空は、プロセス工程に基づいて変化する。理論に縛られるわけではないが、積層システム1つ以上の実施形態によれば、湾曲した車両用ディスプレイを形成する方法は、ガラス基板と積層体との湾曲、又はガラス基板とディスプレイモジュールとの湾曲を1つのプロセス動作において組み合わせることから、低コストソリューションとなる可能性を有している。さらに、ディスプレイモジュールとガラス基板との積層は真空条件下で行うことができることから、任意の接着剤から気泡を除去するプロセス(例えば、オートクレーブ処理)を排除することができる。さらには、真空の使用により、ガラス基板の第1の表面の表面積のかなりの部分又はすべてにわたって均一に圧力を印加することができるようになり、プロセスに固有の堅牢性を提供する。結果として得られるプロセス及び湾曲した車両用ディスプレイは、より大きい魅力、信頼性、及び設計空間を提供する。
【0081】
図9を参照すると、車両内部構成部品積層システムは、車両内部システムの構成部品を受け入れるように構成されたチャンバ500、該チャンバの下部510に配置された湾曲した支持面520、及び、チャンバの上部540に配置された上側ステージ530を含み、上側ステージは、車両内部システムの構成部品を保持するように構成されている。1つ以上の実施形態では、チャンバの内部は、制御可能な第1の圧力を有する。1つ以上の実施形態では、上側ステージ530及び湾曲した支持面520は、上側ステージが、車両内部システムを冷間成形するために車両内部システムの構成部品を湾曲した支持面に位置付けることができるように、相対的に移動可能である。
【0082】
1つ以上の実施形態では、湾曲した支持面は、車両内部システムの所望の曲率半径に等しい曲率半径を有する。この曲率半径は、本明細書に別途記載されているように、第1の曲率半径に等しくなりうる。1つ以上の実施形態では、湾曲した支持面は、チャンバの第1の圧力とは別個に制御可能な第2の圧力を示すか又は提供する真空チャックを含みうる。真空チャックは、プラスチック材料(例えば、PC/ABS、PVC、Delrin等)、金属(Al合金、Fe合金等)などから形成されうる。幾つかの実施形態では、基板上の引っかき傷を最小限にするために、湾曲した支持面にコーティングを施すことができる。鋳造、機械加工、スタンピング、射出成形などの幾つかのプロセスを利用して、真空チャックを作ることができる。1つ以上の実施形態では、湾曲した支持面は、チャンバの第1の圧力とは別個に制御可能な静電力を示すか又は提供する静電チャックを含みうる。1つ以上の実施形態では、車両内部構成部品積層システムは、車両内部システムの接着剤を熱硬化するためにヒータ550を含みうる。1つ以上の実施形態では、上側ステージ530は、湾曲した支持面によって湾曲したときに、車両内部システムの構成部品(例えば、ガラス基板又はディスプレイ表面/ディスプレイモジュール)の湾曲した形状に適合するように構成された可撓性表面を備えている。
【0083】
本開示の第3の態様は、車両内部システムの形成方法に関する。図9を参照すると、本方法は、ステップ400で第1の主面と該第1の主面の反対側の第2の主面とを有する、実質的に平坦な(又は2D)基板を提供すること、第1の主面が支持面に面するように支持面520に基板を位置づけること、及び、ステップ410で基板の第1の主面を支持面に適合させることを含む。1つ以上の実施形態では、支持面上に基板を位置づける工程は、基板を支持面と位置合わせするように構成された位置決め装置によって基板を搬送及び配置することを含む。図9に示されるように、基板は上側ステージ530によってピックアップされ、該基板は、レーザ/光学センサ又は他の位置決め装置を使用して支持面520に位置合わせされる。1つ以上の実施形態では、位置決め装置は、変形可能な係合面を含み、支持面上に基板を配置するときに、基板が支持面に適合すると、変形可能な係合面が一時的に基板とともに変形する。図9に示されるように、ステップ400は、周囲圧力で(真空なしに)行われる。1つ以上の実施形態では、支持面は、(本明細書で他に説明されているように)第1の曲率半径を含む。1つ以上の実施形態では、第1の曲率半径は100mm以上である。1つ以上の実施形態では、適合させた第1の主面は、第1の曲率半径の10%以内の第2の曲率半径を含む。1つ以上の実施形態では、支持面は第3の曲率半径を含む。1つ以上の実施形態によれば、第1の曲率半径及び第3の曲率半径は、それぞれ異なる曲率軸を中心とする半径である。基板の適合させた第1の主面は、任意選択的に、第3の曲率半径の10%以内の第4の曲率半径を含みうる。
【0084】
1つ以上の実施形態では、支持面520は、該支持面上に基板を一時的に保持するように構成された保持機構を含み、基板は、保持機構によって支持面に少なくとも部分的に適合している。1つ以上の実施形態では、保持機構は真空チャック又は静電チャックである。示される実施形態では、基板が基板支持体に適合すると、保持機構は、真空又は力(例えば、1atm(101325Pa)未満、又は約0.1atm(10132.5Pa))を基板に適用する。
【0085】
1つ以上の実施形態では、本方法は、ステップ420、430、及び440において、第1の主面が支持面と適合接触している間に、ディスプレイ又はタッチパネルを基板の第2の主面に取り付ける工程を含む。これらのステップの間、真空又は力は、基板が基板支持体に適合するように、基板上に維持される。1つ以上の実施形態では、取り付ける工程は、ステップ430で、第1の接着剤の周囲環境が第1の真空に供されている間に、ディスプレイ又はタッチパネルと第2の主面との間に接着剤を塗布することを含む。接着剤は、ドラム又はセクションドラムダイを利用して塗布されうる。1つ以上の実施形態では、第1の接着剤は光学的に透明な接着剤(OCA)であるが、本明細書に記載される他の接着剤もまた利用することができる。1つ以上の実施形態では、取り付ける工程は、ステップ440で、第1の接着剤の周囲環境が第1の真空の第1の圧力に供されている間に(すなわち、チャンバは第1の圧力下にある)、ディスプレイ又はタッチパネルと第2の主面との間の第1の接着剤を硬化させる工程を含む。本明細書に記載されるように、保持機構(例えば、真空チャック又は静電チャック)の圧力又は力は、チャンバの第1の圧力とは独立して制御可能である。ステップ440では、第1の接着剤を硬化するときに、チャンバの第1の圧力は1atm(101325Pa)未満又は約0.1気圧(10132.5Pa)である。1つ以上の実施形態では、本方法は、第1の接着剤を硬化する間にチャンバの第1の圧力から減圧状態へと低下させる工程、及び、ステップ440で、第1の接着剤を硬化する間に真空チャックの第2の圧力を、第1の圧力を上回るまで上昇させる工程を含む。言い換えれば、周囲圧力(又はチャンバの真空)は、減圧状態ででは0.1気圧(10132.5Pa)まで低下する。1つ以上の実施形態では、本方法は、第1の接着剤の硬化中に第1及び第2の圧力の圧力値を切り替える工程を含む。図9に示されるように、ステップ420及び430で接着剤を塗布した後、上側ステージは、ディスプレイ又はタッチパネルを含み、該ディスプレイ又はタッチパネルが接着剤上に配置されるように、基板支持体の方へと移動する。真空チャックの第2の圧力は、もはや、基板を支持面に適合させるために必要ではない(上側ステージは、基板を支持面に十分適合させることができる)。静電チャックが保持機構として用いられる場合には、真空平衡化は不要であることに留意すべきである。
【0086】
任意選択的に、ステップ450に示されるように、接着剤が硬化した後、チャンバ圧力を解放することができる。基板に加えられる真空又は力は、任意選択的に、ステップ450で維持される。
【0087】
1つ以上の実施形態では、本方法は、基板のための構造支持体、装飾パネル、又は積層構造のうちの少なくとも1つを備えた後面パネルを取り付ける工程を含む。ディスプレイパネルがステップ420、430で適用され、そのようなディスプレイパネルがLCDディスプレイパネルである実施形態では、本方法は、ステップ460で、バックライトユニット(BLU)をLCDディスプレイパネル後面パネルに取り付ける工程を含みうる。ディスプレイパネルがOLEDディスプレイであるか、又はタッチパネルがステップ420、430で適用される1つ以上の実施形態では、本方法は、ステップ460で、第2の接着剤を使用して、フレームの形態の構造支持体をディスプレイパネル又はタッチパネルに取り付ける工程を含む。ステップ460では、基板に加えられる真空又は力は、任意選択的に維持される。取り付けた後、ステップ470では、基板に加えられる真空又は力は解放され、結果として生じるシステムは、車両に車両内部システムを搭載するように構成される。任意選択的に、後面パネルを基板の第2の主面に接着させた後、本方法は、第1の圧力を初期圧力に戻し、真空チャックによって第2の圧力を再び印加する工程を含む。1つ以上の実施形態では、後面パネルを基板に取り付ける工程は、位置決め装置を使用して後面パネルを基板に搬送及び配置する工程を含み、かつ、後面パネルを基板に配置した時に、後面パネルが基板に適合すると、変形可能な係合面が、一時的に後面パネルとともに変形する。1つ以上の実施形態では、後面パネルを基板に取り付ける工程は、位置決め装置を使用して後面パネルを基板に搬送及び配置する工程を含み、かつ、フレームを後面パネルに取り付けたときに、フレームが後面パネルに適合すると、変形可能な係合面が一時的にフレームとともに変形する。1つ以上の実施形態では、構造用接着剤は、後面パネルを取り付けるために用いられる。構造用接着剤は、限定はしないが、次のカテゴリの1つ以上から選択される接着剤を含みうる:(a)強化エポキシ(例えば、Masterbond EP21TDCHT-LO、3MスコッチウェルドエポキシDP460オフホワイト);(b)可撓性エポキシ(例えば、Masterbond EP21TDC-2LO、3Mスコッチウェルドエポキシ2216);(c)アクリル樹脂及び/又は強化アクリル樹脂(例えば、LORD接着剤403、406、又は410アクリル樹脂接着剤と、LORD促進剤19又は19GBと、LORD AP134下塗剤、LORD接着剤850又は852/LORD促進剤25GB、Loctite HF8000、Loctite AA4800);(d)ウレタン樹脂(例えば、3MスコッチウェルドウレタンDP640 Brown、Sikaflex552、並びに、ポリウレタン(PUR)ホットメルト接着剤,例えば、Technomelt PUR 9622-02 UVNA、Loctite HHD3542、Loctite HHD3580、3Mホットメルト接着剤3764及び3748など);及び、(e)シリコーン(ダウ・コーニング995、ダウ・コーニング3-0500シリコーンアセンブリ接着剤、ダウ・コーニング7091、SikaSil-GP)。場合によっては、シート又はフィルムとして利用可能な構造用接着剤(例えば、限定はしないが、3M構造用接着剤フィルムAF126-2、AF163-2M、SBT 9263及び9214、Masterbond FLM36-LO)を利用することができる。場合によっては、シート形式で利用可能な構造用接着剤(Bステージエポキシ接着剤など)を利用して、プロセスを簡略化することができる。さらに、3M VHBテープなどの感圧式の構造用接着剤を利用することもできる。このような実施形態では、感圧接着剤を利用することにより、硬化ステップを必要とせずに湾曲したガラス基板をフレームに結合することが可能になる。液体接着剤の場合、スポット硬化とともに(熱、赤外線、又はUVを介して)分注機構をラミネータに提供することができる。
【0088】
1つ以上の実施形態では、支持面の形状は、車両内部システムのための所望の形状又は曲率半径を達成するように制御することができる。本方法の1つ以上の実施形態では、基板は、0.05mm~2mmの範囲の第1の主面と第2の主面との間の平均厚さを備えているガラス基板である。1つ以上の実施形態では、第1及び第2の主面間で測定したガラス基板の最大厚さは、1.5mm以下、又は約0.3mm~0.7mmの範囲である。
【0089】
1つ以上の実施形態では、本明細書に記載される車両内部構成部品積層システム及び車両内部システムの形成方法は、硬化(すなわち、冷間成形)ステップ及びディスプレイの積層を単一のステップで実行し、それによって、2つの別個のプロセスの必要性を低減する。これにより、サイクルタイムが短縮され、より簡単な操作が可能になる。理論に縛られるわけではないが、積層は真空条件下で行われるため、用いられる接着剤から気泡を取り除くステップが不要になる。加えて、積層システムはまた、光学的に透明な接着剤をその場で熱硬化するためのヒータも備えることができる。光学センサ及び/又はレーザセンサを活用して、積層前に構成部品を(上側ステージと下側ステージとの間で)すばやく位置合わせすることができる。さらには、積層システムにロボットグルーガンを取り付けて、チャンバ内に構造用接着剤(構造用シートテープの代替)を施すことができる。付属のヒータを利用して、構造用接着剤を硬化させてもよい。さらには、真空チャンバを使用することにより、曲げている間のガラスの破損を低減することができる。
【0090】
本開示の第4の態様は、圧電ベースの冷間成形モジュールフレームを使用してシステムの表面の曲率を動的に変化させて、所望の機能、外観、又は属性を達成する、車両内部システムの形成方法に関する。1つ以上の実施形態では、モジュールフレームは、圧電ベースのアクチュエータ、曲げセンサ、及びプログラマブルロジックコントローラ(PLC)を使用する。圧電アクチュエータは、電気エネルギーを直接、高速、力、及び高分解能で、運動に変換する精密電気機械装置である。曲げセンサは、歪みの変化を(歪みゲージと同様に)抵抗の変化に変換する。圧電アクチュエータと曲げセンサの両方がプログラマブルロジックコントローラに接続される。圧電アクチュエータと曲げセンサを利用して、車両内部システムの曲率及び/又は位置を変更することができる。理論に縛られるわけではないが、圧電アクチュエータは、機械的アクチュエータよりも正確に運動を制御することができると考えられる。加えて、曲げセンサは、圧電アクチュエータにリアルタイムのフィードバックを提供して、局所的な歪み又は反りを修正すると考えられる。
【0091】
幾つかの実施形態では、圧電アクチュエータと曲げセンサを使用して、車両内部システムの形状を動的に変更したり、及び/又はディスプレイ構成部品又はシステム全体を下にあるベース(例えば、ダッシュボードベース、ステアリングホイールベース、センターコンソールベースなど)の平面に取り込んだり取り出したりすることができる。
【0092】
1つ以上の実施形態では、圧電ベースのフレームを利用して、車両内部システム(又はディスプレイモジュール)の角度を変更し、車両の外部からの光による光反射を最小限に抑えることができる。
【0093】
1つ以上の実施形態では、圧電ベースのフレームを利用して、車両の窓ガラス(又は窓)の角度を動的に変更し、運転中の空力抵抗係数を低減することができる。
【0094】
図10は、圧電ベースの冷間成形モジュールフレーム500、及びこのようなモジュールフレームを使用する車両内部システムの形成方法を示している。モジュールフレームは、ガラス基板512、ディスプレイパネル(例えば、フレキシブルLCD、OLEDなど)514、任意選択的なバックライトユニット(BLU)(LCDの場合)516、及びバックフレーム(フレキシブル)518を含む、ディスプレイスタック510の周囲フレームとして取り付けられる。1つ以上の接着剤層519を使用して、ディスプレイスタックを一緒に結合することができる。モジュールフレーム500は、ディスプレイスタック510を縁部の周りで保持して、ディスプレイスタックの周りに少なくとも部分的な周辺部を形成する。モジュールフレームには、一連の圧電ベースの曲げアクチュエータ502が取り付けられている。ディスプレイスタックのバックフレーム518には、曲げ歪みを(抵抗の変化を通じて)電気信号に変換する曲げセンサ504のアレイが取り付けられている。電気信号に基づいて、PLC504は、1つ以上の曲げアクチュエータ502にフィードバックを提供し、所望の均一な曲率(最小限の変形又は反りを有する)を実現する。圧電ベースの冷間成形モジュールフレーム500を使用して、ディスプレイスタック510の形状を、平面(又は2D)から湾曲(又は3D、凹又は凸のいずれか)へと、正確に、すばやく、大きい力で変更することができる。
【0095】
本開示の第4の態様は、圧電ベースの冷間成形モジュールフレームを使用する湾曲した車両用ディスプレイの形成方法に関する。1つ以上の実施形態では、本方法は、支持面にガラス基板を位置づける工程、及び接着剤によってバックパネルをガラス基板に取り付ける工程を含み、ここで、ガラス基板、接着剤、及びバックパネルは積層構造を形成する(ステップ520)。1つ以上の実施形態では、本方法は、積層構造のバックパネル側の複数の圧電曲げアクチュエータを使用して積層構造を曲げる工程(ステップ560A~560D)を含み、ここで、積層構造を曲げる工程はガラス基板のガラス転移温度未満で行われ、積層構造は曲げの後に第1の曲率半径を有し、支持面には、積層構造の第1の曲率半径に適合する湾曲した表面形状が想定されている。
【0096】
1つ以上の実施形態では、積層構造の曲げのステップは、支持構造上に配置された圧電曲げアクチュエータでスタックを冷間成形するステップを含む。1つ以上の実施形態では、ステップ540に示されるように、曲げアクチュエータは、支持構造の露出表面に配置される。1つ以上の実施形態では、圧電曲げアクチュエータは、少なくとも1つの位置センサ又は歪みゲージを含む。1つ以上の実施形態では、本方法は、少なくとも1つの位置センサ又は歪みゲージからの信号を測定する工程を含み、該信号はスタックの局所曲げ半径の測定に用いられる。1つ以上の実施形態では、本方法は、プロセッサを有するコントローラに信号を送信する工程、及び、信号からのフィードバックに基づいてコントローラによって冷間成形を制御する工程を含む。
【0097】
1つ以上の実施形態では、ガラス基板は第1の主面と該第1の主面の反対側の第2の主面とを有し、第1の主面は支持面に面している。1つ以上の実施形態では、ガラス基板は、0.05mm~2mmの範囲の第1の主面と第2の主面との間の平均厚さを有する。1つ以上の実施形態では、支持面は、可撓性であり、三次元又は湾曲した表面形状を有することができる。1つ以上の実施形態では、接着剤はガラス基板の第2の主面に配置される。
【0098】
1つ以上の実施形態では、本方法は、ステップ520及び530に示されるように、支持構造をバックパネルに取り付けて、ガラス基板、接着剤、バックパネル、及び支持構造を含むスタックを形成する工程を含む。1つ以上の実施形態に用いられる支持構造は、車両に車両内部システムを搭載するためのフレームを含みうる。1つ以上の実施形態では、バックパネルは、液晶マトリクスと1つ以上の装飾層とを含みうる。1つ以上の実施形態では、バックパネルは、ディスプレイパネル(LCD、OLEDディスプレイ、透過型ディスプレイ又は反射型ディスプレイを含みうる)、若しくはタッチパネル、若しくはディスプレイとタッチパネルの組合せを含みうる。1つ以上の実施形態では、支持構造は、ディスプレイユニット又はフレームのためのバックライトユニットを含みうる。
【0099】
1つ以上の実施形態では、本方法は、チャンバ内に積層体を配置する工程、チャンバ内の圧力を低下させる工程、及び冷間成形の前に接着剤を部分的に硬化する工程を含む。1つ以上の実施形態では、本方法は、積層構造を冷間成形した後に接着剤を完全に熱硬化する工程を含む。
【0100】
本開示の第5の態様は、2ステージの接着剤硬化、及び可撓性の真空チャックとダイ機構の一方又は両方を使用し、圧電曲げアクチュエータとセンサ(本明細書に記載される圧電ベースの冷間成形モジュールフレームを含みうる)を含む、湾曲した車両用ディスプレイの形成方法に関する。この方法の実施形態は、ガラス基板とディスプレイパネルとが単一のステップで冷間成形される、湾曲した車両ディスプレイを提供するための低コストソリューションを提供する。1つ以上の実施形態では、ガラス基板及びディスプレイパネルは、スタックに位置合わせされる。スタックは、真空ラミネータを使用して又はロールラミネータによって積層され、積層構造を形成する。光学的に透明な接着剤を使用してガラス基板とディスプレイパネルとを積層する;しかしながら、接着剤はこのステップでは部分的にのみ硬化される。接着剤が完全に硬化されないため、ガラス基板とディスプレイパネルは、(単一のユニットとしてではなく)後続の冷間成形中に個別の構成部品として機能する。次いで、湾曲した積層された構造内の接着剤が完全に硬化される。理論に縛られるわけではないが、本方法の実施形態は、接着剤層の曲げ応力を防止し、それによって、ディスプレイ領域の光学的歪みを排除すると考えられる。光学的歪みの欠如は、本明細書に記載されるように、実質的に均一な色を示す湾曲した車両用ディスプレイをもたらす。
【0101】
任意選択的に、積層された構造は、冷間成形するために(接着剤層を部分的に硬化した後かつ接着剤層を完全に硬化する前に)、本明細書に記載される圧電ベースの冷間成形モジュールフレームに配置される。したがって、積層構造は、圧電ベースの冷間成形モジュールフレームを使用して、湾曲した形状へと冷間成形される。
【0102】
1つ以上の実施形態では、部分的に硬化された接着剤層を有する積層された構造は、真空チャック(可撓性でありうる)上に配置され、それによってガラス基板はチャックと接触する。このような実施形態では、真空チャックは積層された構造を冷間成形する。
【0103】
位置センサを使用して、冷間成形された積層体の局所曲げ半径についてのフィードバックを提供することができ、これは、次に、PLC及びソフトウェアインターフェースに供給される。インターフェースは、曲げアクチュエータにフィードバックを提供して、所望の湾曲した形状を実現する。その後、接着剤層は完全に熱硬化される。
【0104】
図11を参照すると、湾曲した車両用ディスプレイの形成方法が示されている。ステップ600には、第1の主面と該第1の主面の反対側の第2の主面とを有するガラス基板をプラットフォームの変形可能な表面に位置付ける工程であって、第1の主面が変形可能な表面に面している、工程、ステップ610には、ガラス基板の第2の主面に接着剤を提供する工程、ステップ620には、第2の主面上の接着剤によってディスプレイパネルをガラス基板に取り付ける工程、ステップ630には、ガラス基板、接着剤、及びディスプレイパネルを含む積層構造を形成する工程が示されている。1つ以上の実施形態では、積層構造を形成する工程は、ディスプレイパネルをガラス基板に取り付けた後かつ積層構造を冷間曲げする前に、接着剤を部分的に硬化する工程を含む。
【0105】
1つ以上の実施形態では、本方法は、ステップ640において、積層構造のディスプレイユニット側にダイの湾曲した表面を適用することによって積層構造を冷間曲げし、湾曲した積層構造を形成する工程を含む。1つ以上の実施形態では、ダイの湾曲した表面は第1の曲率半径を含み、プラットフォームの変形可能な表面は積層構造の冷間曲げに適応するように変形する。
【0106】
ステップ660では、本方法は、予め湾曲させたバックライトユニット及び/又は予め湾曲させたフレームを湾曲した積層構造のディスプレイパネルに適用する工程を含む。
【0107】
1つ以上の実施形態では、プラットフォームが、チャンバ内の周囲圧力を制御するように構成された第1の圧力制御機構を備えたチャンバ内に配置され、ステージは、真空レベルを制御して変形可能な表面に吸引を提供するように構成された第2の圧力制御機構を備えた真空チャックを含む。
【0108】
1つ以上の実施形態では、ディスプレイパネルを取り付けた後に接着剤を部分的に硬化する間に、チャンバ内の周囲圧力は、初期圧力から低い圧力へと低下する。初期圧力は約1atm(101325Pa)であってよく、低い圧力は1atm(101325Pa)未満(例えば約0.1atm(10132.5Pa))である。
【0109】
1つ以上の実施形態では、積層構造を冷間曲げするためにダイの湾曲した表面を適用後、接着剤を完全に熱硬化する。1つ以上の実施形態では、積層構造を冷間曲げする間又は後に、本方法は、ステージの真空チャックに少なくとも部分真空を適用して、ステージ上の所定の位置に湾曲した積層構造を保持する工程;及び、湾曲した積層構造との接触からダイを取り外す工程を含みうる。
【0110】
1つ以上の実施形態では、本方法は、予め湾曲させたバックライトユニット及び予め湾曲させたフレームが湾曲した積層構造に取り付けられるまで、真空チャックの部分真空を維持する工程を含む。
【0111】
図12に示される実施形態では、圧電ベースの冷間成形モジュールフレームが積層構造の冷間成形に用いられる。ステップ700に示されるように、ガラス基板は、最初に、平坦な真空チャック(可撓性でありうる)上に配置される。ステップ710では、接着剤層がガラス基板に適用され、ステップ720では、接着剤層がガラス基板とディスプレイパネルとの間になるように、ガラス基板上にディスプレイパネルが配置される。1つ以上の実施形態では、本方法は、バックライトユニット及び/又はフレームをディスプレイパネルに適用する工程を含む。図12に示されるように、ガラス基板、ディスプレイパネル、及びバックライトユニット又はフレームは平坦であり、湾曲していない。ステップ720では、平坦なバックライトユニット又はフレームは、(本明細書に記載されるように)チャンバの上側ステージ上に配置され、位置合わせされている;さらには、圧電曲げアクチュエータと位置センサとがバックライトユニット又はフレームに取り付けられている。ステップ740に示されるように、上側ステージを下げて、バックライトユニット又はフレームをディスプレイパネルの上にアセンブリする。次に、任意選択的に、接着剤は、ステップ740において部分的に硬化される。理論に縛られるわけではないが、接着剤層の部分的硬化によって積層された構造がもたらされるが、ガラス基板及びディスプレイパネルは、2つの個別の又は分離された層として振る舞う。本方法は、ステップ750において、ガラス基板の下の可撓性の真空チャックと、位置センサを備えた圧電曲げアクチュエータ(又は圧電ベースの冷間成形モジュールフレーム)とを使用して、積層された構造を冷間成形する工程を含む。1つ以上の実施形態では、本方法は、位置センサを使用して局所曲げ半径に関するフィードバックを提供することと、そのフィードバックを位置センサ及びアクチュエータと通信するPLC/ソフトウェアインターフェースに提供することとを含む。インターフェースは、曲げアクチュエータにフィードバックを提供して、所望の形状を実現する。ステップ760では、接着剤層は、次に、加熱ヒータを使用して完全に硬化される。ステップ770では、チャンバ及び真空チャック内の真空が解除される。ステップ770から結果的に得られた湾曲した車両用ディスプレイは、次に、チャンバから取り出され、PCB及びドライバーボードが取り付けられる。完成した湾曲した車両用ディスプレイは、車両内部(又は他の用途)に搭載する準備ができている。
【0112】
本明細書に記載される車両内部システム及び車両内部構成部品積層システムを形成する方法の実施形態は、本明細書にも記載されるように、実質的に均一な色を示す湾曲した車両用ディスプレイを提供する。特に、このようなディスプレイのディスプレイモジュールが光を放射したときに、ガラス基板を透過した光は、(本明細書に記載されるように)実質的に均一な色を有する。1つ以上の実施形態では、第1の表面142の75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、99%以上、又は表面積全体に沿って実質的に均一な色が示されうる。1つ以上の実施形態では、均一な色はさまざまな視野角αで存在する。例えば、均一な色は、視野角が中心点200に関する法線である場合に存在する。1つ以上の実施形態では、均一な色は、法線方向から該法線方向に対して60度離れるまで、法線方向から該法線方向に対して55度離れるまで、法線方向から該法線方向に対して50度離れるまで、法線方向から該法線方向に対して45度離れるまで、法線方向から該法線方向に対して40度離れるまで、法線方向から該法線方向に対して35度離れるまで、法線方向から該法線方向に対して30度離れるまで、法線方向から該法線方向に対して25度離れるまで、法線方向から該法線方向に対して20度離れるまで、法線方向から該法線方向に対して15度離れるまで、又は法線方向から該法線方向に対して10度離れるまでの範囲の視野角(中心点200に対して)で見たときに、湾曲した車両用ディスプレイ130によって示される。1つ以上の実施形態では、光は、ディスプレイモジュール内の光源から放出される。例えば、光源は、発光ダイオード(LED)、エレクトロルミネセントパネル(ELP)、冷陰極蛍光ランプ(CCFL)、熱陰極蛍光ランプ(HCFL)、及び外部電極蛍光ランプ(EEFL)のうちの1つでありうる。1つ以上の実施形態では、ディスプレイはOLEDディスプレイであり、光はこのようなディスプレイから放出される。
【0113】
本開示の態様(1)は、第1の主面と該第1の主面の反対側の第2の主面とを有する基板を提供する工程;支持面上に基板を位置づける工程であって、該第1の主面が支持面に面している、工程;第1の主面が支持面と適合接触している間に基板の第1の主面を支持面に適合させる工程;及び、後面パネルを基板の第2の主面に取り付ける工程であって、該工程が、第1の接着剤の周囲環境が第1の真空に供されている間に、後面パネルと第2の主面の間の第1の接着剤を硬化させることを含み、支持面が第1の曲率半径を含む、工程を含む、湾曲した車両用ディスプレイの形成方法に関する。
【0114】
本開示の態様(2)は、第1の曲率半径が100mm以上である、態様(1)に記載の方法に関する。
【0115】
本開示の態様(3)は、適合させた第1の主面が、第1の曲率半径の10%以内の第2の曲率半径を含む、態様(1)又は態様(2)に記載の方法に関する。
【0116】
本開示の態様(4)は、支持面が、該支持面上に基板を一時的に保持するように構成された保持機構を含み、基板が保持機構によって支持面に少なくとも部分的に適合している、態様(1)から(3)のいずれかに記載の方法に関する。
【0117】
本開示の態様(5)は、保持機構が真空チャック又は静電チャックである、態様(4)に記載の方法に関する。
【0118】
本開示の態様(6)は、後面パネルが、基板のための構造支持体、装飾パネル、積層構造、及びディスプレイパネルのうちの少なくとも1つを含む、態様(1)から(5)のいずれかに記載の方法に関する。
【0119】
本開示の態様(7)は、後面パネルがディスプレイパネルを含む場合に、バックライトユニット(BLU)を後面パネルに取り付ける工程をさらに含む、態様(6)に記載の方法に関する。
【0120】
本開示の態様(8)は、第2の接着剤を使用してフレームを後面パネルに取り付ける工程をさらに含み、該フレームが車両に車両内部システムを搭載するように構成されている、態様(1)から(7)のいずれかに記載の方法に関する。
【0121】
本開示の態様(9)は、第1の接着剤が、光学的に透明な接着剤(OCA)であり、基板の第1の主面が支持面と適合接触している間に塗布される、態様(1)から(8)のいずれかに記載の方法に関する。
【0122】
本開示の態様(10)は、支持面上に基板を位置づける工程が、基板を支持面と位置合わせするように構成された位置決め装置によって基板を搬送及び配置することを含む、態様(1)から(9)のいずれかに記載の方法に関する。
【0123】
本開示の態様(11)は、位置決め装置が変形可能な係合面を含み、支持面上に基板を配置するときに、基板が支持面に適合すると、変形可能な係合面が一時的に基板とともに変形する、態様(10)に記載の方法に関する。
【0124】
本開示の態様(12)は、後面パネルを基板に取り付ける工程が、位置決め装置を使用して後面パネルを基板に搬送及び配置することを含み、かつ、後面パネルを基板に配置したときに、後面パネルが基板に適合すると、変形可能な係合面が一時的に後面パネルとともに変形する、態様(11)に記載の方法に関する。
【0125】
本開示の態様(13)は、後面パネルを基板に取り付ける工程が、位置決め装置を使用して後面パネルを基板に搬送及び配置することを含み、かつ、フレームを後面パネルに取り付けたときに、フレームが後面パネルに適合すると、変形可能な係合面が一時的にフレームとともに変形する、態様(11)に記載の方法に関する。
【0126】
本開示の態様(14)は、支持面が第3の曲率半径を含む、態様(1)から(13)のいずれかに記載の方法に関する。
【0127】
本開示の態様(15)は、第1の曲率半径及び第3の曲率半径が、それぞれ異なる曲率軸を中心とする半径である、態様(14)に記載の方法に関する。
【0128】
本開示の態様(16)は、適合させた第1の主面がさらに、第3の曲率半径の10%以内の第4の曲率半径を含む、態様(14)又は態様(15)に記載の方法に関する。
【0129】
本開示の態様(17)は、第1の接着剤を硬化するときに、真空の圧力が0.1気圧(10132.5Pa)である、態様(1)から(16)のいずれかに記載の方法に関する。
【0130】
本開示の態様(18)は、支持面が真空チャックを含む場合に、真空チャックの第2の圧力が第1の真空の第1の圧力とは独立して制御可能である、態様(5)に記載の方法に関する。
【0131】
本開示の態様(19)は、第1の接着剤を硬化する間に、第1の圧力を初期圧力から減圧状態へと低下させる工程、及び、第1の接着剤を硬化する間に、真空チャックの第2の圧力を、第1の圧力を上回るまで上昇させる工程をさらに含む、態様(18)に記載の方法に関する。
【0132】
本開示の態様(20)は、周囲圧力が減圧状態で0.1気圧(10132.5Pa)まで低下する、態様(19)に記載の方法に関する。
【0133】
本開示の態様(21)は、後面パネルが基板の第2の主面に接着した後に、第1の圧力を初期圧力に戻し、真空チャックによって第2の圧力を再び印加する工程をさらに含む、態様(19)又は態様(20)に記載の方法に関する。
【0134】
本開示の態様(22)は、第1の接着剤の硬化中に第1及び第2の圧力の圧力値を切り替える工程をさらに含む、態様(18)に記載の方法に関する。
【0135】
本開示の態様(23)は、支持面の形状を、車両内部システムのための所望の形状又は曲率半径を達成するように制御することができる、態様(1)から(22)のいずれかに記載の方法に関する。
【0136】
本開示の態様(24)は、支持面が静電チャックの場合、基板に印加される力が基板の第1の主面に印加される静電力を含む、態様(5)に記載の方法に関する。
【0137】
本開示の態様(25)は、基板が、0.05mm~2mmの範囲の第1の主面と第2の主面との間の平均厚さを備えたガラス基板を含む、態様(1)から態様(24)のいずれかに記載の方法に関する。
【0138】
本開示の態様(26)は、第1及び第2の主面間で測定したガラス基板の最大厚さが1.5mm以下である、態様(25)に記載の方法に関する。
【0139】
本開示の態様(27)は、第1及び第2の主面間で測定したガラス基板の最大厚さが0.3mm~0.7mmである、態様(25)に記載の方法に関する。
【0140】
本開示の態様(28)は、車両内部構成部品積層システムにおいて、車両内部システムの構成部品を受け入れるように構成されたチャンバであって、該チャンバの内部の第1の圧力が制御可能である、チャンバ;チャンバの下部に配置された湾曲した支持面;及び、チャンバの上部に配置された上側ステージを含む、車両内部構成部品積層システムに関し、ここで、上側ステージは車両内部システムの構成部品を保持するように構成されており、上側ステージが車両内部システムを冷間成形するために湾曲した支持面上に車両内部システムの構成部品を位置付けることができるように、上側ステージと湾曲した支持面とが相対的に移動可能である。
【0141】
本開示の態様(29)は、湾曲した支持面が、車両内部システムの所望の曲率半径に対応する曲率半径を有する、態様(28)の車両内部構成部品積層システムに関する。
【0142】
本開示の態様(30)は、湾曲した支持面が真空チャックを含み、該真空チャックの第2の圧力がチャンバの第1の圧力とは別に制御可能である、態様(28)又は態様(29)の車両内部構成部品積層システムに関する。
【0143】
本開示の態様(31)は、湾曲した支持面が静電チャックを含み、該静電チャックの静電力がチャンバの第1の圧力とは別に制御可能である、態様(28)又は態様(29)の車両内部構成部品積層システムに関する。
【0144】
本開示の態様(32)は、車両内部システムの接着剤を熱硬化するためのヒータをさらに含む、態様(30)又は態様(31)の車両内部構成部品積層システムに関する。
【0145】
本開示の態様(33)は、上側ステージが、湾曲した支持面によって湾曲したときに、車両内部システムの構成部品の湾曲した形状に適合するように構成された可撓性表面を備えている、態様(28)から(32)のいずれかに記載の車両内部構成部品積層システムに関する。
【0146】
本開示の態様(34)は、支持面にガラス基板を位置づける工程であって、該ガラス基板が第1の主面と該第1の主面の反対側の第2の主面とを有し、該第1の主面が支持面に面しており、支持面が可撓性であり、かつ三次元又は湾曲した表面形状を有することができる、工程;ガラス基板の第2の主面上の接着剤によってバックパネルをガラス基板に取り付ける工程であって、ガラス基板、接着剤、及びバックパネルが積層構造を形成する、工程;積層構造のバックパネル側の複数の圧電曲げアクチュエータを使用して積層構造を曲げる工程を含む、湾曲した車両用ディスプレイの形成方法に関し、ここで、積層構造の曲げは、ガラス基板のガラス転移温度未満で行われ、積層構造は、曲げの後に第1の曲率半径を有し、かつ、支持面には、積層構造の第1の曲率半径に適合する湾曲した表面形状が想定されている。
【0147】
本開示の態様(35)は、支持構造をバックパネルに取り付けて、基板、接着剤、バックパネル、及び支持構造を備えたスタックを形成する工程をさらに含み、該支持構造が、車両に車両内部システムを搭載するためのフレームを備えている、態様(34)に記載の方法に関する。
【0148】
本開示の態様(36)は、バックパネルが、液晶マトリクス及び1つ以上の装飾層のうちの少なくとも一方を含む、態様(34)に記載の方法に関する。
【0149】
本開示の態様(37)は、バックパネルがディスプレイパネルである、態様(34)に記載の方法に関する。
【0150】
本開示の態様(38)は、支持構造が、ディスプレイパネルのためのバックライトユニット及びフレームのうちの少なくとも一方を含む、態様(34)から(37)のいずれかに記載の方法に関する。
【0151】
本開示の態様(39)は、圧電曲げアクチュエータによって積層構造を曲げる工程が、スタックを冷間成形することを含み、圧電曲げアクチュエータが支持構造の裏側に配置されている、態様(34)から(38)のいずれかに記載の方法に関する。
【0152】
本開示の態様(40)は、圧電曲げアクチュエータが少なくとも1つの位置センサ又は歪みゲージを含む、態様(34)から(39)のいずれかに記載の方法に関する。
【0153】
本開示の態様(41)は、少なくとも1つの位置センサ又は歪みゲージからの信号を測定する工程をさらに含み、該信号がスタックの局所曲げ半径の測定に用いられる、態様(40)に記載の方法に関する。
【0154】
本開示の態様(42)は、プロセッサを有するコントローラに信号を送信する工程;及び、信号からのフィードバックに基づいてコントローラによって冷間成形を制御する工程をさらに含む、態様(39)に記載の方法に関する。
【0155】
本開示の態様(43)は、積層構造を含むチャンバ内の圧力を低下させる工程;及び、冷間成形の前に接着剤を部分的に硬化する工程をさらに含む、態様(34)から(42)のいずれかに記載の方法に関する。
【0156】
本開示の態様(44)は、積層構造を冷間成形した後に、接着剤を完全に熱硬化する工程をさらに含む、態様(34)から(43)のいずれかに記載の方法に関する。
【0157】
本開示の態様(45)は、ガラス基板が、0.05mm~2mmの範囲の第1の主面と第2の主面との間の平均厚さを備えている、態様(34)から(44)のいずれかに記載の方法に関する。
【0158】
本開示の態様(46)は、第1の主面と該第1の主面の反対側の第2の主面とを有するガラス基板を提供する工程;ガラス基板をプラットフォームの変形可能な表面に位置付ける工程であって、第1の主面が変形可能な表面に面している、工程;ガラス基板の第2の主面に接着剤を提供する工程;第2の主面上の接着剤によってディスプレイパネルをガラス基板に取り付け、ガラス基板、接着剤、及びディスプレイパネルを含む積層構造を形成する工程;積層構造のディスプレイユニット側にダイの湾曲した表面を適用することによって積層構造を冷間曲げし、湾曲した積層構造を形成する工程であって、ダイの湾曲した表面が第1の曲率半径を含み、プラットフォームの変形可能な表面が積層構造の冷間曲げに適応するように変形する、工程;及び、予め湾曲させたバックライトユニットと予め湾曲させたフレームとを湾曲した積層構造のディスプレイパネルに適用する工程を含む、湾曲した車両用ディスプレイの形成方法に関する。
【0159】
本開示の態様(46)は、ディスプレイパネルをガラス基板に取り付けた後かつ積層構造を冷間曲げする前に、接着剤を部分的に硬化する工程をさらに含む、態様(45)に記載の方法に関する。
【0160】
本開示の態様(47)は、プラットフォームが、チャンバ内の周囲圧力を制御するように構成された第1の圧力制御機構を備えたチャンバ内に配置されており、ステージが、真空レベルを制御して、変形可能な表面に吸引を提供するように構成された第2の圧力制御機構を備えた真空チャックを含む、態様(45)又は態様(46)に記載の方法に関する。
【0161】
本開示の態様(48)は、ディスプレイパネルを取り付けた後に接着剤を部分的に硬化する間に、チャンバ内の周囲圧力が初期圧力から低い圧力へと低下する、態様(46)又は態様(47)に記載の方法に関する。
【0162】
本開示の態様(49)は、初期圧力が1atm(101325Pa)であり、低い圧力が0.1atm(10132.5Pa)である、態様(48)に記載の方法に関する。
【0163】
本開示の態様(50)は、積層構造を冷間曲げするためにダイの湾曲した表面を適用後に、接着剤を完全に熱硬化する工程をさらに含む、態様(47)に記載の方法に関する。
【0164】
本開示の態様(51)は、積層構造を冷間曲げする間又は後に、ステージの真空チャックに少なくとも部分真空を適用して、ステージ上の所定の位置に湾曲した積層構造を保持する工程;及び、湾曲した積層構造との接触からダイを取り外す工程をさらに含む、態様(50)に記載の方法に関する。
【0165】
本開示の態様(52)は、予め湾曲させたバックライトユニット及び予め湾曲させたフレームが湾曲した積層構造に取り付けられるまで、真空チャックの部分真空を維持する工程をさらに含む、態様(51)に記載の方法に関する。
【0166】
本開示の態様(53)は、態様(34)から(52)のいずれかに従って形成された湾曲した車両内部構成部品に関する。
【0167】
本開示の態様(54)は、ディスプレイ表面を有するディスプレイモジュール;ディスプレイ表面に配置された湾曲したガラス基板であって、第1の主面、第2の表面積を有する第2の主面、第1の主面と第2の主面とを接続する非主面、及び0.05mm~2mmの範囲の厚さを備えたガラス基板、を含む、湾曲した車両用ディスプレイに関し、ここで、第2の主面は200mm以上の第1の曲率半径を含み、ディスプレイモジュールが光を放射したときに、ガラス基板を透過した光は、第2の表面から0.5メートルの視野角で見たときに、第2の表面積の75%以上に沿って実質的に均一な色を有する。
【0168】
本開示の態様(55)は、ディスプレイ表面が湾曲しており、かつ、第1の曲率半径の10%以内の第2の曲率半径を有する、態様(54)に記載の湾曲した車両用ディスプレイに関する。
【0169】
本開示の態様(56)は、実質的に均一な色が、CIE L色空間及び式ΔE=[ΔL2+Δa2+Δb2]1/2を使用して測定して、ΔEが約10未満であることを意味する、態様(54)又は(55)に記載の湾曲した車両用ディスプレイに関する。
【0170】
本開示の態様(57)は、視野角が、第1の主面の中心点で測定して、法線から45度以内である、態様(54)から(56)のいずれかに記載の湾曲した車両用ディスプレイに関する。
【0171】
本開示の態様(58)は、ディスプレイが、発光ダイオード(LED)、エレクトロルミネセントパネル(ELP)、冷陰極蛍光ランプ(CCFL)、熱陰極蛍光ランプ(HCFL)、及び外部電極蛍光ランプ(EEFL)からなる群より選択される光源を含む、態様(54)から(57)のいずれかに記載の湾曲した車両用ディスプレイに関する。
【0172】
本開示の態様(59)は、ディスプレイがOLEDディスプレイを含む、態様(54)から(58)のいずれかに記載の湾曲した車両用ディスプレイに関する。
【0173】
本開示の態様(60)は、ディスプレイモジュールがタッチパネルを含む、態様(54)から(59)のいずれかに記載の湾曲した車両用ディスプレイに関する。
【0174】
本開示の態様(61)は、第1及び第2の主面間で測定したガラス基板の最大厚さが1.5mm以下である、態様(54)から(60)のいずれかに記載の湾曲した車両用ディスプレイに関する。
【0175】
本開示の態様(62)は、第1及び第2の主面間で測定したガラス基板の最大厚さが0.3mm~0.7mmである、態様(54)から(61)のいずれかに記載の湾曲した車両用ディスプレイに関する。
【0176】
本開示の態様(63)は、ガラス基板が強化ガラスを含む、態様(54)から(62)のいずれかに記載の湾曲した車両用ディスプレイに関する。
【0177】
本開示の態様(64)は、防眩コーティング、反射防止コーティング、触覚層、及び清掃容易なコーティングのうちの少なくとも1つが、ガラス基板の第1の主面に配置される、態様(54)から(63)のいずれかに記載の湾曲した車両用ディスプレイに関する。
【0178】
本開示の態様(65)は、表面を有するベース;及び、態様(54)から(64)のいずれかに記載の湾曲した車両用ディスプレイを含む、車両内部システムに関する。
【0179】
本開示の態様(66)は、ベースが、センターコンソールベース、ダッシュボードベース、及びステアリングホイールベースのうちの1つを含む、態様(65)に記載の車両内部システムに関する。
【0180】
本開示の態様(67)は、ベースが、アームレスト、ピラー、背もたれ、床板、ヘッドレスト、及びドアパネルのうちの1つを含む、態様(65)に記載の車両内部システムに関する。
【0181】
本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、さまざまな修正及び変更を加えることができることは、当業者にとって明らかであろう。
【0182】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0183】
実施形態1
湾曲した車両用ディスプレイの形成方法において、
第1の主面と該第1の主面の反対側の第2の主面とを有する基板を提供する工程;
前記基板を支持面上に位置づける工程であって、前記第1の主面が前記支持面に面している、工程;
前記基板の前記第1の主面を前記支持面に適合させる工程;及び
前記第1の主面が前記支持面と適合接触している間に、前記基板の前記第2の主面に後面パネルを取り付ける工程であって、前記後面パネルと前記第2の主面の間の第1の接着剤を、前記第1の接着剤の周囲環境を第1の真空に供している間に硬化させることを含む、工程
を含み、
前記支持面が第1の曲率半径を含む、
方法。
【0184】
実施形態2
前記第1の曲率半径が100mm以上である、実施形態1に記載の方法。
【0185】
実施形態3
前記適合させた第1の主面が、前記第1の曲率半径の10%以内の第2の曲率半径を含む、実施形態1又は2に記載の方法。
【0186】
実施形態4
前記支持面が該支持面上に前記基板を一時的に保持するように構成された保持機構を含み、前記基板が前記保持機構によって前記支持面に少なくとも部分的に適合している、実施形態1~3のいずれかに記載の方法。
【0187】
実施形態5
前記保持機構が真空チャック又は静電チャックである、実施形態4に記載の方法。
【0188】
実施形態6
前記後面パネルが、前記基板用の構造支持体、装飾パネル、積層構造、及びディスプレイパネルのうちの少なくとも1つを含む、実施形態1~5のいずれかに記載の方法。
【0189】
実施形態7
前記後面パネルがディスプレイパネルを含む場合に、バックライトユニット(BLU)を前記後面パネルに取り付ける工程をさらに含む、実施形態6に記載の方法。
【0190】
実施形態8
第2の接着剤を使用して前記後面パネルにフレームを取り付ける工程をさらに含み、該フレームが車両に車両内部システムを搭載するように構成されている、実施形態1~7のいずれかに記載の方法。
【0191】
実施形態9
前記第1の接着剤が、光学的に透明な接着剤(OCA)であり、前記基板の前記第1の主面が前記支持面と適合接触している間に塗布される、実施形態1~8のいずれかに記載の方法。
【0192】
実施形態10
前記基板を前記支持面上に位置づける工程が、前記基板を前記支持面と位置合わせするように構成された位置決め装置によって前記基板を搬送及び配置することを含む、実施形態1~9のいずれかに記載の方法。
【0193】
実施形態11
前記位置決め装置が、変形可能な係合面を含み、
前記基板を前記支持面上に配置するときに、前記基板が前記支持面に適合すると、前記変形可能な係合面が一時的に前記基板とともに変形する、
実施形態10に記載の方法。
【0194】
実施形態12
前記後面パネルを前記基板上に取り付ける工程が、前記位置決め装置を使用して前記後面パネルを前記基板上に搬送及び配置することを含み、
前記後面パネルを前記基板上に配置するときに、前記後面パネルが前記基板に適合すると、前記変形可能な係合面が一時的に前記後面パネルとともに変形する、
実施形態11に記載の方法。
【0195】
実施形態13
前記後面パネルを前記基板上に取り付ける工程が、前記位置決め装置を使用して前記後面パネルを前記基板上に搬送及び配置することを含み、
フレームを前記後面パネルに取り付けるときに、前記フレームが前記後面パネルに適合すると、前記変形可能な係合面が一時的に前記フレームとともに変形する、
実施形態11に記載の方法。
【0196】
実施形態14
前記支持面が第3の曲率半径を含む、実施形態1~13のいずれかに記載の方法。
【0197】
実施形態15
前記第1の曲率半径及び前記第3の曲率半径が、それぞれ異なる曲率軸を中心とする半径である、実施形態14に記載の方法。
【0198】
実施形態16
前記適合させた第1の主面がさらに、前記第3の曲率半径の10%以内の第4の曲率半径を含む、実施形態14又は15に記載の方法。
【0199】
実施形態17
前記第1の接着剤を硬化するときに、前記真空の圧力が0.1気圧(10132.5Pa)である、実施形態1に記載の方法。
【0200】
実施形態18
前記支持面が真空チャックを含む場合、前記真空チャックの第2の圧力が、前記第1の真空の第1の圧力とは独立して制御可能である、実施形態5に記載の方法。
【0201】
実施形態19
前記第1の接着剤を硬化する間に前記第1の圧力を初期圧力から減圧状態へと低下させる工程、及び前記第1の接着剤を硬化する間に前記真空チャックの前記第2の圧力を前記第1の圧力を上回るまで上昇させる工程
をさらに含む、実施形態18に記載の方法。
【0202】
実施形態20
周囲圧力が、前記減圧状態で0.1気圧(10132.5Pa)まで低下する、実施形態19に記載の方法。
【0203】
実施形態21
前記後面パネルが前記基板の前記第2の主面に接着した後に、前記第1の圧力を前記初期圧力まで戻し、前記真空チャックによって前記第2の圧力を再び印加する工程
をさらに含む、実施形態19又は20に記載の方法。
【0204】
実施形態22
前記第1の接着剤の硬化中に前記第1及び第2の圧力の圧力値を切り替える工程
をさらに含む、実施形態18に記載の方法。
【0205】
実施形態23
前記支持面の形状を、前記車両内部システムのための所望の形状又は曲率半径を達成するように制御することができる、実施形態1~22のいずれかに記載の方法。
【0206】
実施形態24
前記支持面が静電チャックの場合、前記基板に印加される力が前記基板の前記第1の主面に印加される静電力を含む、実施形態5に記載の方法。
【0207】
実施形態25
前記基板が、0.05mm~2mmの範囲の第1の主面と第2の主面との間の平均厚さを備えたガラス基板を含む、実施形態1~24のいずれかに記載の方法。
【0208】
実施形態26
前記第1及び第2の主面間で測定した前記ガラス基板の最大厚さが1.5mm以下である、実施形態25に記載の方法。
【0209】
実施形態27
前記第1及び第2の主面間で測定した前記ガラス基板の前記最大厚さが0.3mm~0.7mmである、実施形態25に記載の方法。
【0210】
実施形態28
車両内部構成部品積層システムにおいて、
車両内部システムの構成部品を受け入れるように構成されたチャンバであって、該チャンバの内部の第1の圧力が制御可能である、チャンバ;
前記チャンバの下部に配置された湾曲した支持面;及び
前記チャンバの上部に配置された上側ステージであって、前記車両内部システムの構成部品を保持するように構成された上側ステージ
を含み、
前記上側ステージが、前記車両内部システムを冷間成形するために前記車両内部システムの前記構成部品を前記湾曲した支持面に位置付けることができるように、前記上側ステージと前記湾曲した支持面とが相対的に移動可能である、
システム。
【0211】
実施形態29
前記湾曲した支持面が、前記車両内部システムの所望の曲率半径に対応する曲率半径を有する、実施形態28に記載のシステム。
【0212】
実施形態30
前記湾曲した支持面が真空チャックを含み、該真空チャックの第2の圧力が前記チャンバの前記第1の圧力とは別に制御可能である、実施形態28又は29に記載のシステム。
【0213】
実施形態31
前記湾曲した支持面が静電チャックを含み、該静電チャックの静電力が前記チャンバの前記第1の圧力とは別に制御可能である、実施形態28又は29に記載のシステム。
【0214】
実施形態32
前記車両内部システムの接着剤を熱硬化するためのヒータをさらに含む、実施形態30又は31に記載のシステム。
【0215】
実施形態33
前記上側ステージが、前記湾曲した支持面によって湾曲したときに前記車両内部システムの前記構成部品の湾曲した形状に適合するように構成された可撓性表面を備えている、実施形態28~32のいずれかに記載のシステム。
【0216】
実施形態34
湾曲した車両用ディスプレイの形成方法において、
支持面にガラス基板を位置づける工程であって、前記ガラス基板が第1の主面と該第1の主面の反対側の第2の主面とを有し、前記第1の主面が前記支持面に面しており、前記支持面が可撓性であり、かつ三次元又は湾曲した表面形状を有することができる、工程;
前記ガラス基板の前記第2の主面上の接着剤によってバックパネルを前記ガラス基板に取り付ける工程であって、前記ガラス基板、前記接着剤、及び前記バックパネルが積層構造を形成する、工程;
前記積層構造のバックパネル側の複数の圧電曲げアクチュエータを使用して前記積層構造を曲げる工程
を含み、
前記積層構造を曲げる工程が前記ガラス基板のガラス転移温度未満で行われ、
前記積層構造が曲げ工程の後に第1の曲率半径を有し、前記支持面には、前記積層構造の前記第1の曲率半径に適合する湾曲した表面形状が想定されている、
方法。
【0217】
実施形態35
前記バックパネルに支持構造を取り付けて、前記基板、前記接着剤、前記バックパネル、及び前記支持構造を含むスタックを形成する工程
をさらに含み、
前記支持構造が、車両に前記車両内部システムを搭載するためのフレームを備えている、
実施形態34に記載の方法。
【0218】
実施形態36
前記バックパネルが、液晶マトリクス及び1つ以上の装飾層のうち少なくとも一方を含む、実施形態34に記載の方法。
【0219】
実施形態37
前記バックパネルがディスプレイパネルである、実施形態34に記載の方法。
【0220】
実施形態38
前記支持構造が、前記ディスプレイパネルのためのバックライトユニット及びフレームの少なくとも一方を含む、実施形態34~37のいずれかに記載の方法。
【0221】
実施形態39
前記圧電曲げアクチュエータによって前記積層構造を曲げる工程が、前記スタックを冷間成形することを含み、前記圧電曲げアクチュエータが前記支持構造の裏側に配置される、実施形態34~38のいずれかに記載の方法。
【0222】
実施形態40
前記圧電曲げアクチュエータが、少なくとも1つの位置センサ又は歪みゲージを含む、実施形態34~39のいずれかに記載の方法。
【0223】
実施形態41
前記少なくとも1つの位置センサ又は歪みゲージからの信号を測定する工程をさらに含み、
前記信号がスタックの局所曲げ半径の測定に用いられる、
実施形態40に記載の方法。
【0224】
実施形態42
プロセッサを有するコントローラに前記信号を送信する工程;及び
前記信号からのフィードバックに基づいて前記コントローラによる前記冷間成形を制御する工程
をさらに含む、実施形態39に記載の方法。
【0225】
実施形態43
前記積層構造を含むチャンバ内の圧力を低下させる工程;及び
冷間成形の前に前記接着剤を部分的に硬化する工程
をさらに含む、実施形態34~42のいずれかに記載の方法。
【0226】
実施形態44
前記積層構造の冷間成形後に前記接着剤を完全に熱硬化する工程をさらに含む、実施形態34~43のいずれかに記載の方法。
【0227】
実施形態45
前記ガラス基板が、0.05mm~2mmの範囲の前記第1の主面と前記第2の主面との間の平均厚さを備えている、実施形態34~44のいずれかに記載の方法。
【0228】
実施形態46
湾曲した車両用ディスプレイの形成方法であって、
第1の主面と該第1の主面の反対側の第2の主面とを有するガラス基板を提供する工程;
前記ガラス基板をプラットフォームの変形可能な表面に、前記第1の主面が前記変形可能な表面に面した状態で位置づける工程;
前記ガラス基板の前記第2の主面に接着剤を供給する工程;
前記第2の主面上の前記接着剤によって前記ガラス基板にディスプレイパネルを取り付け、前記ガラス基板、前記接着剤、及び前記ディスプレイパネルを含む積層構造を形成する工程;
前記積層構造のディスプレイユニット側にダイの湾曲した表面を適用することによって前記積層構造を冷間曲げし、湾曲した積層構造を形成する工程であって、前記ダイの前記湾曲した表面が第1の曲率半径を含み、前記プラットフォームの変形可能な表面が前記積層構造の前記冷間曲げに適応するように変形する、工程;及び
前記湾曲した積層構造の前記ディスプレイパネルに予め湾曲させたバックライトユニットと予め湾曲させたフレームとを適用する工程
を含む、方法。
【0229】
実施形態47
前記ガラス基板に前記ディスプレイパネルを取り付けた後かつ前記積層構造を冷間曲げする前に、前記接着剤を部分的に硬化する工程をさらに含む、実施形態46に記載の方法。
【0230】
実施形態48
前記プラットフォームが、チャンバ内の周囲圧力を制御するように構成された第1の圧力制御機構を備えたチャンバ内に配置され、かつ
ステージが、真空レベルを制御して前記変形可能な表面に吸引を提供するように構成された第2の圧力制御機構を備えた真空チャックを含む、
実施形態46又は47に記載の方法。
【0231】
実施形態49
前記ディスプレイパネルを取り付けた後に前記接着剤を部分的に硬化する間に、前記チャンバ内の前記周囲圧力が初期圧力から低い圧力へと低下する、実施形態47又は48に記載の方法。
【0232】
実施形態50
前記初期圧力が1atm(101325Pa)であり、前記低い圧力が0.1atm(10132.5Pa)である、実施形態49に記載の方法。
【0233】
実施形態51
前記積層構造を冷間曲げするために前記ダイの前記湾曲した表面を適用後に、前記接着剤を完全に熱硬化させることをさらに含む、実施形態48に記載の方法。
【0234】
実施形態52
前記積層構造を冷間曲げする間又は後に、前記ステージの前記真空チャックに少なくとも部分真空を適用して前記湾曲した積層構造をステージ上の所定の位置に保持する工程;及び
前記湾曲した積層構造との接触から前記ダイを取り外す工程
をさらに含む、実施形態51に記載の方法。
【0235】
実施形態53
前記予め湾曲させたバックライトユニットと前記予め湾曲させたフレームとが前記湾曲した積層構造に取り付けられるまで、前記真空チャックの前記部分真空を維持する工程をさらに含む、実施形態52に記載の方法。
【0236】
実施形態54
実施形態34~53のいずれかに記載の方法によって形成された、湾曲した車両内部構成部品。
【0237】
実施形態55
湾曲した車両用ディスプレイにおいて、
ディスプレイ表面を有するディスプレイモジュール;及び
前記ディスプレイ表面に配置された湾曲したガラス基板であって、第1の主面、第2の表面積を有する第2の主面、前記第1の主面と前記第2の主面とを接続する非主面、及び0.05mm~2mmの範囲の厚さを備えており、前記第2の主面が200mm以上の第1の曲率半径を含む、ガラス基板
を含み、
前記ディスプレイモジュールが光を放射したときに、前記ガラス基板を透過した前記光が、前記第2の表面から0.5メートルの距離の視野角で見たときに、前記第2の表面積の75%以上に沿って実質的に均一な色を有する、
湾曲した車両用ディスプレイ。
【0238】
実施形態56
前記ディスプレイ表面が湾曲しており、かつ、前記第1の曲率半径の10%以内の第2の曲率半径を有する、実施形態55に記載の湾曲した車両用ディスプレイ。
【0239】
実施形態57
実質的に均一な色が、CIE L色空間及び式ΔE=[ΔL2+Δa2+Δb2]1/2を使用して測定して、前記ΔEが約10未満であることを意味する、実施形態55又は56に記載の湾曲した車両用ディスプレイ。
【0240】
実施形態58
前記視野角が、前記第1の主面の中心点で測定して、法線から45度以内である、実施形態55~57のいずれかに記載の湾曲した車両用ディスプレイ。
【0241】
実施形態59
前記ディスプレイが、発光ダイオード(LED)、エレクトロルミネセントパネル(ELP)、冷陰極蛍光ランプ(CCFL)、熱陰極蛍光ランプ(HCFL)、及び外部電極蛍光ランプ(EEFL)からなる群より選択される光源を含む、実施形態55~58のいずれかに記載の湾曲した車両用ディスプレイ。
【0242】
実施形態60
前記ディスプレイがOLEDディスプレイを含む、実施形態55~59のいずれかに記載の湾曲した車両用ディスプレイ。
【0243】
実施形態61
前記ディスプレイモジュールがタッチパネルを含む、実施形態55~60のいずれかに記載の湾曲した車両用ディスプレイ。
【0244】
実施形態62
前記第1及び第2の主面間で測定した前記ガラス基板の最大厚さが1.5mm以下である、実施形態55~61のいずれかに記載の湾曲した車両用ディスプレイ。
【0245】
実施形態63
前記第1及び第2の主面間で測定した前記ガラス基板の前記最大厚さが0.3mm~0.7mmである、実施形態55~62のいずれかに記載の湾曲した車両用ディスプレイ。
【0246】
実施形態64
前記ガラス基板が強化ガラスを含む、実施形態55~63のいずれかに記載の湾曲した車両用ディスプレイ。
【0247】
実施形態65
防眩コーティング、反射防止コーティング、触覚層、及び清掃容易なコーティングのうちの少なくとも1つが、前記ガラス基板の前記第1の主面に配置される、実施形態55~64のいずれかに記載の湾曲した車両用ディスプレイ。
【0248】
実施形態66
表面を有するベースと、実施形態55~65のいずれかに記載の湾曲した車両用ディスプレイとを備えた、車両内部システム。
【0249】
実施形態67
前記ベースが、センターコンソールベース、ダッシュボードベース、及びステアリングホイールベースのうちの1つを含む、実施形態66に記載の車両内部システム。
【0250】
実施形態68
前記ベースが、アームレスト、ピラー、背もたれ、床板、ヘッドレスト、及びドアパネルのうちの1つを含む、実施形態66に記載の車両内部システム。
【符号の説明】
【0251】
10 車両内部
100、200、300 車両内部システム
110 センターコンソールベース
120 湾曲した表面
130,230,330 湾曲した車両用ディスプレイ
140 湾曲したガラス基板
142 第1の主面
144 第2の主面
146 非主面
147 周辺部
148 内側部分
150 ディスプレイモジュール
151 ディスプレイ表面
160 接着剤又は接着剤層
210 ダッシュボードベース
215 計器パネル
310 ステアリングホイールベース
320 湾曲した表面
500,540 チャンバ
500 モジュールフレーム
502 アクチュエータ
504 曲げセンサ/PLC
510 チャンバの下部
510 ディスプレイスタック
512 ガラス基板
514 ディスプレイパネル
516 バックライトユニット/BLU
518 バックフレーム
519 接着剤層
520 湾曲した支持面
530 上側ステージ
図1
図2
図3
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図5
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図8A
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