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特開2023-159333低抵抗気流経路を備えたエアロゾル発生物品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159333
(43)【公開日】2023-10-31
(54)【発明の名称】低抵抗気流経路を備えたエアロゾル発生物品
(51)【国際特許分類】
   A24D 1/20 20200101AFI20231024BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20231024BHJP
【FI】
A24D1/20
A24F40/20
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023135396
(22)【出願日】2023-08-23
(62)【分割の表示】P 2022004475の分割
【原出願日】2014-12-04
(31)【優先権主張番号】13195923.1
(32)【優先日】2013-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】マルガ アレクサンドル
(72)【発明者】
【氏名】ルーディエ ステファーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ボルヘス デ クラサ アナ カロリーナ
(72)【発明者】
【氏名】ラヴァンシー フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー セドリック
(57)【要約】      (修正有)
【課題】伝統的紙巻たばこの方法による着火が困難なように設計されたエアロゾル発生装置と併用するための加熱式エアロゾル発生物品を提供する。
【解決手段】加熱式エアロゾル発生物品10は、ラッパー60内部で組み立てられて、口側の端70および口側の端70の上流にある遠位端80を持つロッドを形成するエアロゾル形成基体20を含む複数の構成要素を備えている。加熱式エアロゾル発生物品10は、口側の端70を通してエアロゾル発生物品10に引き出された空気がエアロゾル形成基体20を通過する第1の気流経路と、口側の端70を通してエアロゾル発生物品10に引き出された空気がエアロゾル形成基体20を通過しない第2の気流経路とを画定する。加熱式エアロゾル発生物品10がエアロゾル発生装置に結合されていない時、第2の気流経路の引き出し抵抗RTDは第1の気流経路のRTDよりも小さい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置を使用して加熱した時に吸入可能なエアロゾルを発生させるためのエアロゾル形成基体を含む加熱式エアロゾル発生物品であって、前記加熱式エアロゾル発生物品が、ラッパー内部で組み立てられて、口側の端と前記口側の端の上流にある遠位端を持つロッドを形成する前記エアロゾル形成基体を含めた複数の構成要素を備え、前記加熱式エアロゾル発生物品が、前記口側の端を通して前記エアロゾル発生物品に引き込まれた空気が前記エアロゾル形成基体を通過する第1の気流経路と、前記口側の端を通して前記エアロゾル発生物品に引き込まれた空気が前記エアロゾル形成基体を通過しない第2の気流経路とを画定し、前記第2の気流経路の引き込み抵抗が、前記第1の気流経路の引き込み抵抗よりも低く、
前記エアロゾル形成基体はエアロゾル形成剤を含み、前記エアロゾル形成基体の前記エアロゾル形成剤の含有量は、乾燥質量ベースにおいて5%~30%の間である、
加熱式エアロゾル発生物品。
【請求項2】
前記第2の気流経路の引き込み抵抗が前記第1の気流経路の引き込み抵抗の0.9倍を超えない、請求項1に記載の加熱式エアロゾル発生物品。
【請求項3】
前記第2の気流経路の引き込み抵抗が前記第1の気流経路の引き込み抵抗の0.3~0.5倍の間である、請求項2に記載の加熱式エアロゾル発生物品。
【請求項4】
前記複数の構成要素が中空管状要素およびマウスピースをさらに備え、前記中空管状要素が前記マウスピースの上流かつ前記エアロゾル形成基体のすぐ下流に位置する、請求項1~3のいずれか1項に記載の加熱式エアロゾル発生物品。
【請求項5】
前記中空管状要素の半径方向の壁を通して、前記第2の気流経路の一部を形成する穴が画定される、請求項4に記載の加熱式エアロゾル発生物品。
【請求項6】
前記ラッパーが穿孔性の高いラッパーであり、空気が前記エアロゾル形成基体の下流にある前記ラッパーを通して前記加熱式エアロゾル発生物品に引き込まれることを許容し、前記中空管状要素の半径方向の壁を通して、前記第2の気流経路の一部を形成する穴が画定される、請求項4に記載の加熱式エアロゾル発生物品。
【請求項7】
前記中空管状要素がボール紙から成る、請求項4~6のいずれか1項に記載の加熱式エアロゾル発生物品。
【請求項8】
前記中空管状要素が少なくとも5ミリメートルの長さを有する、請求項4~7のいずれか1項に記載の加熱式エアロゾル発生物品。
【請求項9】
前記マウスピースが、酢酸セルローストウから形成されるフィルターを含む、請求項4~8のいずれか1項に記載の加熱式エアロゾル発生物品。
【請求項10】
前記マウスピースが、5ミリメートル~20ミリメートルの間の長さを有する、請求項4~9のいずれか1項に記載の加熱式エアロゾル発生物品。
【請求項11】
前記エアロゾル形成基体は、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリン、グリセロールモノアセテート、グリセロールジアセテート、グリセロールトリアセテートアセテート、ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルのいずれかから選択されるエアロゾル形成剤を、前記エアロゾル形成剤の乾燥質量ベースにおいて5%~およそ30%の間で含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の加熱式エアロゾル発生物品。
【請求項12】
前記エアロゾル形成基体は、前記ロッドの前記遠位端に、またはそれに向かって位置し、前記エアロゾル形成基体の下流の前記ラッパーを通る1つ以上の穿孔が、前記第2の気流経路の一部を画定する、請求項1~11のいずれか1項に記載の加熱式エアロゾル発生物品。
【請求項13】
前記ラッパーが穿孔性の高いラッパーであり、空気が前記エアロゾル形成基体の下流にある前記ラッパーを通して前記加熱式エアロゾル発生物品に引き込まれることを許容する、請求項1~12のいずれか1項に記載の加熱式エアロゾル発生物品。
【請求項14】
前記加熱式エアロゾル発生物品が請求項1~13のいずれか1項に記載されているエアロゾル発生物品、および、
前記エアロゾル形成基体を加熱するための手段を含むエアロゾル発生装置、
を備える、加熱式エアロゾル発生システム。
【請求項15】
前記エアロゾル形成基体を加熱するための手段がサセプタを加熱するためのインダクタを備える、請求項14に記載の加熱式エアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、エアロゾル発生装置を使用して加熱した時に吸入可能なエアロゾルを発生させるためのエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品に関連する。エアロゾル発生装置によって係合されていない時、エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体を通過しない低抵抗気流経路を画定する。本明細書はまた、こうしたエアロゾル発生物品の使用方法にも関連する。
【背景技術】
【0002】
たばこ含有基体などのエアロゾル形成基体が燃焼されるのではなく加熱されるエアロゾル発生物品が当業界で周知である。このような加熱式エアロゾル発生物品の1つの目的は、従来的な紙巻たばこにおけるたばこの燃焼および熱分解によって生成される周知の有害な煙成分を減少させることである。
【0003】
従来的な紙巻たばこは、ユーザーが炎を紙巻たばこの一方の端に付けて、他方の端を通して空気を引き出す時に点火される。炎と紙巻たばこを通して引き出された空気中の酸素によって提供される局部的な熱が、紙巻たばこの端部を着火させ、その結果生じる燃焼が吸入可能な煙を発生する。それに対して、加熱式エアロゾル発生物品では典型的に、吸入可能なエアロゾルは、熱源の中、周りまたは下流に位置し得る、熱源から物理的に離れたエアロゾル形成基体または材料への熱伝達によって生成される。消費中、揮発性化合物は、熱源からの熱伝達によってエアロゾル形成基体から放出され、エアロゾル発生物品を介して引き出された空気中に一緒に運ばれる。放出された化合物が冷めるにつれて凝結してエアロゾルを形成し、これが消費者によって吸い込まれる。
【0004】
燃焼ではなく加熱によってエアロゾルを発生させるためのたばこを含む加熱式エアロゾル発生物品が、当業界で周知である。例えば、第WO2013/102614号は、加熱式エアロゾル発生物品と、加熱式エアロゾル発生物品を加熱してエアロゾルを生成するためのヒーターとを持つエアロゾル発生装置を備えたエアロゾル発生システムを開示している。
【0005】
加熱式エアロゾル発生物品でエアロゾル形成基体の一部として使用されるたばこは、燃焼された時ではなく加熱された時にエアロゾルを生成するよう設計される。従って、こうしたたばこは一般に、グリセリンまたはプロピレングリコールなどの高レベルのエアロゾル形成剤を含む。ユーザーが、加熱式エアロゾル発生物品に点火して従来的な紙巻たばこであるかのように喫煙する場合、そのユーザーは意図されたユーザー体験をすることはない。炎着火の傾向性が低いか全くない加熱式エアロゾル発生物品を製造することが望ましいであろう。こうした加熱式エアロゾル発生物品は、物品をライター(炎など)で伝統的な紙巻たばこの方法で着火を試みた時に、着火が困難であることが好ましい。
【発明の概要】
【0006】
加熱式エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置と併用するために提供されてもよい。加熱式エアロゾル発生物品は、ラッパー内部で組み立てられて、口側の端および口側の端の上流にある遠位端を持つロッドを形成するエアロゾル形成基体を含む複数の構成要素を備えうる。加熱式エアロゾル発生物品は、口側の端を通してエアロゾル発生物品に引き出された空気がエアロゾル形成基体を通過する第1の潜在的な気流経路と、口側の端を通してエアロゾル発生物品に引き出された空気がエアロゾル形成基体を通過しない第2の潜在的な気流経路とを画定する。加熱式エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置に結合されていない時、第2の気流経路の引き出し抵抗(RTD)は第1の気流経路のRTDよりも小さい。第2の気流経路は、第1の気流経路と比較して低抵抗である。
【0007】
加熱式エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置に結合されていない時、口側の端を通して加熱式エアロゾル発生物品に引き出される空気にとって好ましい気流経路は第2の気流経路である。従って、ユーザーが、加熱式エアロゾル発生物品をエアロゾル発生装置と係合させることなく、加熱式エアロゾル発生物品の口側の端で吸った場合、エアロゾル形成基体を通しては実質的に全く空気が引き出されない。ユーザーが従来的な紙巻たばこと同じ方法で、すなわち、炎をロッドの遠位端に近づけて加熱式エアロゾル発生物品の着火を試み、口側の端から吸った場合、エアロゾル形成基体を通しては実質的に全く空気は流れない。この空気の流れがないことが、エアロゾル形成基体の着火を困難なものにする。
【0008】
加熱式エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置に連結されていない時、低い有効引き出し抵抗(RTD)を持ちうる。例えば、有効RTDはゼロに近くてもよい。これにより、エアロゾル形成基体を着火させるためにユーザーが十分なだけエアロゾル形成基体を通して空気を引き出すことを妨げうる。第2の気流経路は、物品の着火を試みた時に、基体の自立的な燃焼を阻止するエアロゾル形成基体を通した十分な空気の流れを妨げる任意の気流経路としうる。
【0009】
加熱式エアロゾル発生物品とエアロゾル発生装置の間の相互作用は、第1の気流経路に沿った空気の流れが優先されるように、第2の気流経路に沿ってRTDを増大させることが好ましい。加熱式エアロゾル発生物品とエアロゾル発生装置の係合は、第2の気流経路が第1の気流経路よりも高い抵抗であるように、部分的にまたは完全に第2の気流経路を塞いでもよい。従って、加熱式エアロゾル発生物品を通して引き出された空気は、エアロゾル形成基体を通して第1の気流経路に沿って優先的に流れうる。
【0010】
加熱式エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体は、ロッド遠位端に、またはそれに向かって位置しうる。エアロゾル形成基体の下流にあるラッパーを通して画定される、1つ以上の穴または穿孔は、第2の気流経路の部分を画定しうる。従って、加熱式エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置と係合していない時、抵抗が最も小さい気流経路は、エアロゾル形成基体の下流にあるラッパーにある穴または穿孔を通して物品に入るものである。次に、この経路を通して物品に流れ込む空気は、ロッドの口側の端を通して引き出され、エアロゾル形成基体を越えてまたはそれを通過しては流れない。
【0011】
ラッパーは、空気をエアロゾル形成基体の下流にあるラッパーを通して加熱式エアロゾル発生物品に引き出されるようにできる穿孔性の高いラッパーであることが好ましい。穿孔のあるラッパーは、加熱式エアロゾル発生物品のRTDをほぼゼロに低下させうる。
【0012】
中空のアセテート管などの支持要素は、エアロゾル形成基体の下流に位置させうる。半径方向に延びる穴は、第2の気流経路の一部を形成する支持要素の半径方向の壁を通して画定されうる。こうした穴は、加熱式エアロゾル発生物品のRTDをほぼゼロに低下させるのに十分大きいことが好ましい。ラッパーが半径方向に延びる穴と重なり合う穴を画定してもよい。別の方法として、ラッパーは穿孔性の高いラッパーでもよい。
【0013】
望ましい実施形態においては、エアロゾル形成基体は、少なくとも一つの材料シートの集合体を含むエアロゾル発生ロッドの形態である。材料シートの集合体は均質化されたたばこのシートとしうる。エアロゾル形成基体は、第WO 2012/164009号に記載されているたばこ集合体のロッドでもよい。
【0014】
加熱式エアロゾル発生システムは、上述のいずれか1つの実施形態による加熱式エアロゾル発生物品と、エアロゾル形成基体を加熱するための手段を含むエアロゾル発生装置とを備えうる。エアロゾル発生装置は、ユーザーがロッドの口側の端で吸い込む時に、第2の気流経路が中断されて空気がエアロゾル形成基体を通して引き出されるように、加熱式エアロゾル発生物品と係合するように配置される。
【0015】
エアロゾル発生物品との加熱式エアロゾル発生装置の係合によって、第2の気流経路に沿った抵抗が増えることが好ましい。従って、好ましい気流経路は、エアロゾル形成基体を通した第1の気流経路となる。
【0016】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品を受けるためのチャンバーを画定しうる。チャンバーは、第2の気流経路に沿った空気の流れに対する抵抗を増やすか、または完全に妨げるのに十分なだけ、エアロゾル発生物品の外側表面の少なくとも一部分をシールしうる。装置によって、空気は、加熱式エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置と係合している時に、エアロゾル形成基体を通過できる。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品と相互作用して、エアロゾル発生物品内に画定された1つ以上の気流の穴または穿孔をシールしうる。
【0017】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体を加熱するための手段を含む。こうした手段は、例えば、エアロゾル発生物品に挿入可能な発熱体またはエアロゾル発生物品に隣接して配置できる発熱体といった発熱体を備えうる。加熱手段は、例えば誘導コイルなど、サセプタと相互作用するためのインダクタを備えうる。
【0018】
本明細書で説明したエアロゾル発生物品を喫煙または消費する方法は、第2の気流経路が中断するように加熱式エアロゾル発生物品をエアロゾル発生装置と係合させる工程と、エアロゾル発生装置を作動させてエアロゾル形成基体を加熱する工程と、ロッドの口側の端で吸い込んで第1の気流経路に沿って流れるようにする工程とを含みうるが、エアロゾル形成基体を通過する時に、エアロゾル形成基体の加熱によって発生したエアロゾルが空気に混入される。
【0019】
本明細書に使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を加熱に応じて放出することができる基体を記述するために使用される。本明細書において記述したエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体から生成されるエアロゾルは、見えても見えなくてもよく、蒸気(例えば、通常室温にて液体または固体である物質の微粒子が気体状態にある)ならびに気体および凝縮された蒸気の液体の液滴を含んでもよい。
【0020】
本明細書に使用される「上流」および「下流」という用語は、ユーザーがそれらの使用中、エアロゾル発生物品で吸う方向に関して加熱式エアロゾル発生物品の要素または要素の部分の相対位置を記述するために使用される。
【0021】
加熱式エアロゾル発生物品は、それを通してエアロゾルがエアロゾル発生物品を出る近位端と、ユーザーに送達される遠位端の2つの端部を含む。使用において、ユーザーは、エアロゾル発生物品によって生成されるエアロゾルを吸入するために近位端で引き出してもよい。
【0022】
また、近位端は、口側の端または下流端と言われてもよく、遠位端の下流にある。また、遠位端は、上流端と言われてもよく、近位端の上流にある。
【0023】
本明細書に使用される「エアロゾル冷却要素」という用語は、大きな表面領域および低引き出し抵抗を有する要素を記述するために使用される。使用において、エアロゾル形成基体から放出される揮発性化合物によって形成されるエアロゾルは通過して過ぎ、ユーザーによって吸入される前にエアロゾル冷却要素によって冷却される。高引き出し抵抗フィルターおよびその他のマウスピースとは対照的に、エアロゾル冷却要素は、低引き出し抵抗を有する。また、エアロゾル発生物品内のチャンバーおよび空洞は、エアロゾル冷却要素であるとは見なされない。
【0024】
加熱式エアロゾル発生物品は、ユーザーの口を通ってユーザーの肺に直接吸入可能なエアロゾルを生成する喫煙物品であることが好ましい。さらに、加熱式エアロゾル発生物品はユーザーの口を通ってユーザーの肺に直接吸入可能なニコチン含有エアロゾルを生成する喫煙物品であることが好ましい。
【0025】
本明細書に使用される「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体と相互作用してエアロゾルを生成する装置を記述するために使用される。エアロゾル発生装置は、加熱式エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体と相互作用してユーザーの肺にユーザーの口を通して直接吸入可能なエアロゾルを発生する喫煙装置であることが好ましい。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品と相互作用して、空気をエアロゾル形成基体を通して流れるようにすることが好ましい。
【0026】
誤解を避けるために、以下の記述において、「発熱体」という用語は、1つ以上の発熱体を意味するために使用される。
【0027】
望ましい実施形態において、エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の上流端に位置する。
【0028】
本明細書に使用される「直径」という用語は、エアロゾル発生物品の横方向での最大寸法を説明するために使用される。本明細書に使用される「長さ」という用語は、エアロゾル発生物品の長軸方向における最大寸法を記述するために使用される。
【0029】
エアロゾル形成基体は固体のエアロゾル形成基体であることが好ましい。エアロゾル形成基体は、固体の、および液体の成分を含んでもよい。
【0030】
好ましくは、エアロゾル形成基体はニコチンを含む。より好ましくは、エアロゾル形成基体は、たばこを含む。
【0031】
別の方法として、または追加的に、エアロゾル形成基体はエアロゾル形成材料を含む非たばこを含んでもよい。
【0032】
エアロゾル形成基体が固体のエアロゾル形成基体である場合、固体のエアロゾル形成基体は、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎、膨化たばこおよび均質化されたたばこのうち1つ以上を含む、例えば、粉末、顆粒、ペレット、断片、より糸、細片またはシートのうち1つ以上を含みうる。
【0033】
随意に、固体のエアロゾル形成基体は、たばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含んでもよく、それは固体のエアロゾル形成基体の加熱に応じて放出される。また、固体のエアロゾル形成基体は、例えば、さらなるたばこ揮発性風味化合物または非たばこ揮発性風味化合物を含む1つ以上のカプセルを含んでもよく、このようなカプセルは、固体のエアロゾル形成基体の加熱の間、溶解してもよい。
【0034】
随意に、固体のエアロゾル形成基体は、熱的に安定な担体上に提供されてもまたはその中に包埋されてもよい。担体は、粉末、顆粒、ペレット、断片、より糸、細片またはシートの形態をとってもよい。固体のエアロゾル形成基体は、例えば、シート、泡、ゲルまたはスラリーの形態で担体の表面上に沈着してもよい。固体のエアロゾル形成基体は、担体の全表面上に沈着してもよく、または代わりに、使用中、均一でない風味送達を提供するために一定のパターンにおいて沈着してもよい。
【0035】
好ましい実施形態において、エアロゾル形成基体は均質化されたたばこ材料を含む。
【0036】
本明細書に使用される「均質化されたたばこ材料」という用語は、粒子状のたばこを凝集することによって形成される材料を意味する。
【0037】
エアロゾル形成基体は、均質化されたたばこ材料のシートの集合体を含むことが好ましい。
【0038】
本明細書に使用される「シート」という用語は、実質的にその厚さより大きい幅および長さを有する薄層状の要素を意味する。
【0039】
本明細書に使用される「集められた」という用語は、巻き込まれ、折り畳まれ、または別途エアロゾル発生物品の長軸方向軸に対して実質的に横方向に圧縮され、または収縮したシートを記述するために使用される。
【0040】
均質化されたたばこ材料を集合させたシートを含むエアロゾル形成基体の使用は有利にも、たばこ材料の断片を含むエアロゾル形成基体(すなわち、ロッドの端部からのたばこ材料の断片の喪失がある)と比較して「端部の緩み」のリスクを著しく低減させる。端部の緩みは、不利なことに、エアロゾル発生物品と併用するためのエアロゾル発生装置や製造設備のより頻繁な清掃の必要性につながりうる。
【0041】
好ましい実施形態において、エアロゾル形成基体は均質化されたたばこ材料のきめのあるシートの集合体を含む。
【0042】
本明細書に使用される「きめのあるシート」という用語は、捲縮され、型押しされ、デボス加工され、穿孔され、または別途変形されたシートを意味する。エアロゾル形成基体は、複数の間隔を置いたへこみ、突起、穿孔またはそれらの組み合わせを含む均質化されたたばこ材料のきめのあるシートの集合体を含んでもよい。
【0043】
特に好ましい実施形態において、エアロゾル形成基体は均質化されたたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含む。
【0044】
均質化されたたばこ材料のきめのあるシートの使用は、均質化されたたばこ材料のシートの集結を都合よく容易にしてエアロゾル形成基体を形成してもよい。
【0045】
本明細書に使用される「捲縮したシート」という用語は、複数の実質的に平行した隆起またはしわを有するシートを意味する。エアロゾル発生物品が組み立てられた時に、実質的に平行した隆起またはしわは、エアロゾル発生物品の長軸方向軸に沿って、または平行に延びることが好ましい。これは、均質化されたたばこ材料の捲縮したシートの集合を都合よく容易にしてエアロゾル形成基体を形成する。しかし、エアロゾル発生物品に含めるための均質化されたたばこ材料の捲縮したシートが、別の方法としてまたは加えて、エアロゾル発生物品が組み立てられた時に、エアロゾル発生物品の長軸方向軸に鋭角または鈍角で配置される複数の実質的に平行した隆起またはしわを有してもよいことが認識される。
【0046】
一定の実施形態において、エアロゾル形成基体は、実質的にその全表面上で実質的に均一にきめのある均質化されたたばこ材料のシートの集合体を含んでもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、シートの幅にわたって実質的に均一に間隔を置いている複数の実質的に平行した隆起またはしわを含む均質化されたたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含んでもよい。
【0047】
エアロゾル形成基体は、紙またはその他のラッパーによって取り囲まれたエアロゾル形成材料を含むプラグの形態であってもよい。エアロゾル形成基体がプラグの形態である場合、任意のラッパーを含めてプラグ全体がエアロゾル形成基体であると考えられる。
【0048】
好ましい一つの実施形態において、エアロゾル発生基体は、ラッパーによって取り囲まれた均質化されたたばこ材料のきめのあるシートの集合体を含むプラグを含む。特に好ましい実施形態において、エアロゾル発生基体は、ラッパーによって取り囲まれた均質化されたたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含むプラグを含む。
【0049】
一定の実施形態において、エアロゾル発生基体における使用のための均質化されたたばこ材料のシートは、乾燥質量ベースにおける重量のおよそ70%またはそれ以上のたばこの含有量を有してもよい。
【0050】
エアロゾル発生基体における使用のための均質化されたたばこ材料のシートは、粒子状のたばこを凝集するのを補助するための、たばこ内因性結合剤である1つ以上の固有の結合剤、たばこ外来性結合剤である1つ以上の外因性結合剤であり、それはまたはそれらの組み合わせである。別の方法として、または加えて、エアロゾル発生基体における使用のための均質化されたたばこ材料のシートは、たばこおよび非たばこ繊維、エアロゾル形成剤、湿潤剤、可塑剤、風味剤、充填剤、水性および非水性の溶媒およびこれらの組み合わせを含むが限定されないその他の添加剤を含んでもよい。
【0051】
エアロゾル発生基体における使用のための均質化されたたばこ材料のシートにおける封入体のための適切な外因性結合剤は当業界で周知であり、ゴム、例えば、グアーガム、キサンタンガム、アラビアゴムおよびローカストビーンガムなど;セルロース結合剤、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースおよびエチルセルロースなど;多糖類、例えば、デンプン、アルギン酸などの有機酸、アルギン酸ナトリウム、寒天およびペクチンなどの有機酸の共役塩基塩など;およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0052】
エアロゾル発生基体における使用のための均質化されたたばこ材料のシートに含めるための適切な非たばこ繊維は当業界で周知であり、セルロース繊維;柔らかい木材繊維;堅い木材繊維;ジュート繊維およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。エアロゾル発生基体における使用のための均質化されたたばこ材料のシートに含める前に、非たばこ繊維は、当業界で周知の適切なプロセスによって処理されてもよく、それには機械式パルプ化;精製;化学的パルプ化;脱色;硫酸塩パルプ化;およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0053】
エアロゾル発生基体における使用のための均質化されたたばこ材料のシートは、エアロゾル発生基体を形成するための集合に耐え抜くために、十分に高い引張強さを有しなくてはならない。一定の実施形態において、適切な引張強さを達成するために、エアロゾル発生基体における使用のための均質化されたたばこ材料のシートに非たばこ繊維が含まれてもよい。
【0054】
例えば、エアロゾル発生基体における使用のための均質化されたたばこ材料のシートは、乾燥質量ベースにおいて重量のおよそ1%~およそ5%の間の非たばこ繊維を含んでもよい。
【0055】
エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成剤を含むことが好ましい。
【0056】
本明細書で使用される「エアロゾル形成剤」という用語は、使用において、エアロゾルの形成を容易にし実質的にエアロゾル発生物品の使用温度にて熱分解に対して抵抗性である任意の適切な周知の化合物または化合物の混合物を記述するために使用される。
【0057】
適切なエアロゾル形成剤は当業界で周知であり、多価アルコール(プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールおよびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノ-、ジ-またはトリアセテートなど)、およびモノ-、ジ-またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)を含むが、これらに限定されない。
【0058】
好ましいエアロゾル形成剤は、多価アルコールまたはその混合物(例えばプロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールおよび最も好ましくはグリセリン)である。
【0059】
エアロゾル形成基体は単一のエアロゾル形成剤を含んでもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は、2つ以上のエアロゾル形成剤の組み合わせを含んでもよい。
【0060】
エアロゾル形成基体は、乾燥質量ベースにおいて5%を超えるエアロゾル形成剤の含有量を有することが好ましい。
【0061】
エアロゾル形成基体は、乾燥質量ベースにおいておよそ5%~およそ30%の間のエアロゾル形成剤の含有量を有してもよい。
【0062】
好ましい実施形態において、エアロゾル形成基体は乾燥質量ベースにおいておよそ20%のエアロゾル形成剤の含有量を有する。
【0063】
エアロゾル発生物品で使用するための均質化されたたばこのシートの集合体を含むエアロゾル形成基体は、当業界で周知の、例えばWO 2012/164009 A2号で開示されている方法によって製造しうる。
【0064】
好ましい実施形態において、エアロゾル発生物品における使用のための均質化されたたばこ材料のシートは、鋳造プロセスによって粒子状のたばこ、グアーガム、セルロース繊維およびグリセリンを含むスラリーから形成される。
【0065】
エアロゾル形成要素は、エアロゾル発生物品の外径にほぼ等しい外径を有することが好ましい。
【0066】
エアロゾル形成基体の外径は少なくとも5ミリメートルであることが好ましい。エアロゾル形成基体は、およそ5ミリメートル~およそ12ミリメートルの間、例えば、およそ5ミリメートル~およそ10ミリメートルの間、またはおよそ6ミリメートル~およそ8ミリメートルの間の外径を有してもよい。好ましい実施形態において、エアロゾル形成基体は7.2ミリメートル+/-10%の外径を有する。
【0067】
エアロゾル形成基体は、およそ7ミリメートル~およそ15mmの間の長さを有してもよい。一つの実施形態において、エアロゾル形成基体は、およそ10ミリメートルの長さを有してもよい。好ましい実施形態において、エアロゾル形成基体は、およそ12ミリメートルの長さを有する。
【0068】
エアロゾル形成基体は実質的に円柱状であることが好ましい。
【0069】
例えば、中空の支持要素といった支持要素はエアロゾル形成基体のすぐ下流に位置しうる。
【0070】
支持要素は任意の適切な材料または材料の組み合わせから形成されてもよい。例えば、支持要素は、酢酸セルロース;ボール紙;捲縮された耐熱紙または捲縮された硫酸紙などの捲縮した紙;および低密度ポリエチレン(LDPE)などの重合体材料から成る群より選択される1つ以上の材料から形成されてもよい。好ましい実施形態において、支持要素は酢酸セルロースから形成される。
【0071】
支持要素は中空管状要素を含んでもよい。好ましい実施形態において、支持要素は中空酢酸セルロース管を含む。
【0072】
支持要素はエアロゾル発生物品の外径にほぼ等しい外径を有することが好ましい。
【0073】
支持要素は、およそ5ミリメートル~およそ12ミリメートルの間、例えばおよそ5ミリメートル~およそ10ミリメートルの間またはおよそ6ミリメートル~およそ8ミリメートル間の外径を有してもよい。好ましい実施形態において、支持要素は7.2ミリメートル+/-10%の外径を有する。
【0074】
支持要素は、およそ5ミリメートル~およそ15mmの間の長さを有してもよい。好ましい実施形態において、支持要素は、およそ8ミリメートルの長さを有する。
【0075】
エアロゾル冷却要素は、エアロゾル形成基体の下流に位置しうる。例えば、一部の実施形態で、エアロゾル冷却要素はエアロゾル形成基体の下流にある支持要素のすぐ下流に位置してもよい。
【0076】
エアロゾル冷却要素は、支持要素とエアロゾル発生物品の最端の下流端に位置するマウスピースとの間に位置してもよい。
【0077】
エアロゾル冷却要素は、ミリメートル長さあたりおよそ300~1000平方ミリメートルの間の総表面積を有してもよい。好ましい実施形態において、エアロゾル冷却要素は、ミリメートル長さあたりおよそ500平方ミリメートルの総表面積を有する。
【0078】
エアロゾル冷却要素は、あるいは熱交換器と称され得る。
【0079】
エアロゾル冷却要素は低引き出し抵抗を有するのが好ましい。すなわち、エアロゾル冷却要素は、エアロゾル発生物品を介して空気の通過に低抵抗性を提供することが好ましい。エアロゾル冷却要素はエアロゾル発生物品の引き出し抵抗に実質的に影響を及ぼさないことが好ましい。
【0080】
好ましくは、エアロゾル冷却要素は、長軸方向において50%~90%の間の空隙率を有する。長軸方向におけるエアロゾル冷却要素の空隙率は、エアロゾル冷却要素の位置にてエアロゾル冷却要素対エアロゾル発生物品の内部断面積を形成する材料の断面積の比によって定義される。
【0081】
エアロゾル冷却要素は複数の長軸方向に延びる経路を含んでもよい。複数の長軸方向に延びる経路は、捲縮、ひだ付け、集合、折り畳みのうち1つ以上の加工がなされて経路を形成するシート材料によって画定されうる。複数の長軸方向に延びる経路は、捲縮、ひだ付け、集合、折り畳みのうち1つ以上の加工がなされて複数の経路を形成する単一のシートによって定義され得る。別の方法として、複数の長軸方向に延びる経路は、捲縮、ひだ付け、集合、折り畳みのうち1つ以上の加工がなされて複数の経路を形成する複数のシートによって定義され得る。
【0082】
いくつかの実施形態において、エアロゾル冷却要素は、金属箔、重合体材料および実質的に非多孔性の紙またはボール紙から成る群より選択される材料シートの集合体を含んでもよい。いくつかの実施形態において、エアロゾル冷却要素は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)、酢酸セルロース(CA)およびアルミ箔から成る群より選択される材料のシートの集合体を含んでもよい。
【0083】
エアロゾル冷却要素は、およそ5ミリメートル~およそ10ミリメートルの間、例えばおよそ6ミリメートル~およそ8ミリメートル間の外径を有してもよい。好ましい実施形態において、エアロゾル冷却要素は7.2ミリメートル±10%の外径を有する。
【0084】
エアロゾル冷却要素は、およそ5ミリメートル~およそ25mmの間の長さを有してもよい。好ましい実施形態において、エアロゾル冷却要素は、およそ18ミリメートルの長さを有する。
【0085】
いくつかの実施形態において、エアロゾル冷却要素は、金属箔、重合体材料および実質的に非多孔性の紙またはボール紙から成る群より選択される材料シートの集合体を含んでもよい。いくつかの実施形態において、エアロゾル冷却要素は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)、酢酸セルロース(CA)およびアルミ箔から成る群より選択される材料のシートの集合体を含んでもよい。
【0086】
好ましい実施形態において、エアロゾル冷却要素は、ポリ乳酸またはMater-Bi(登録商標)の等級(デンプンベースのコポリエステルの市販のファミリー)などの生物分解可能な重合体材料のシートの集合体を含む。
【0087】
特に好ましい実施形態において、エアロゾル冷却要素は、ポリ乳酸のシートの集合体を含む。
【0088】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生物品の下流端に位置するマウスピースを含んでもよい。
【0089】
マウスピースは、エアロゾル冷却要素の下流に直接位置しても、エアロゾル冷却要素に隣接してもよい。
【0090】
マウスピースはフィルターを含んでもよい。フィルターは、1つ以上の適切な濾過材料から形成されてもよい。多くのこのような濾過材料は当業界で周知である。一つの実施形態において、マウスピースは酢酸セルローストウから形成されるフィルターを含んでもよい。
【0091】
マウスピースはエアロゾル発生物品の外径にほぼ等しい外径を有することが好ましい。
【0092】
マウスピースは、およそ5ミリメートル~およそ10ミリメートルの間、例えばおよそ6ミリメートル~およそ8ミリメートルの間の外径を有してもよい。好ましい実施形態において、マウスピースは7.2ミリメートル+/-10%の外径を有する。
【0093】
マウスピースは、およそ5ミリメートル~およそ20ミリメートルの間の長さを有してもよい。好ましい実施形態において、マウスピースは、およそ14ミリメートルの長さを有する。
【0094】
マウスピースは、およそ5ミリメートル~およそ14ミリメートルの間の長さを有してもよい。好ましい実施形態において、マウスピースは、およそ7ミリメートルの長さを有する。
【0095】
エアロゾル形成基体、および加熱式エアロゾル発生物品のその他任意の構成要素は、それを囲むラッパー内で組み立てられる。ラッパーは任意の適切な材料または材料の組み合わせから形成されてもよい。外側ラッパーは紙巻たばこ用紙であることが好ましい。
【0096】
ラッパーの下流端部分は、チッピングペーパーの帯によって取り囲まれてもよい。
【0097】
加熱式エアロゾル発生物品の外見は、従来型の点火端のある紙巻たばこの外見をまねてもよい。
【0098】
エアロゾル発生物品は、およそ5ミリメートル~およそ12ミリメートルの間、例えばおよそ6ミリメートル~およそ8ミリメートルの間の外径を有してもよい。好ましい実施形態において、エアロゾル発生物品は7.2ミリメートル+/-10%の外径を有する。
【0099】
エアロゾル発生物品は、およそ30ミリメートル~およそ100ミリメートルの間の全長を有してもよい。好ましい実施形態において、エアロゾル発生物品は、およそ45ミリメートルの全長を有する。
【0100】
エアロゾル発生装置は:ハウジング;発熱体;発熱体に接続する電力供給源;および電力供給源から発熱体への電力の供給を制御するように構成された制御要素を含んでもよい。
【0101】
ハウジングは、発熱体を取り囲むくぼみを画定しうるが、そのくぼみは加熱式エアロゾル発生物品を受け、エアロゾル発生物品と相互作用して第2の気流経路を中断するかまたは閉じて、空気がエアロゾル形成基体を通して引き出されるように構成されている。
【0102】
エアロゾル発生装置は、ユーザーが単一の手の指の間に持ちやすい、携帯用またはハンドヘルドのエアロゾル発生装置であることが好ましい。
【0103】
エアロゾル発生装置は形状において実質的に円柱状でもよい。
【0104】
エアロゾル発生装置は、およそ70ミリメートル~およそ120ミリメートルの間の長さを有してもよい。
【0105】
電力供給源は、任意の適切な電力供給源、例えば電池などの直流電圧供与源でもよい。一つの実施形態において、電力供給源はリチウムイオン電池である。あるいは、電力供給源は、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池またはリチウムベースの電池、例えばリチウムコバルト、リチウム鉄リン酸、リチウムチタン酸またはリチウムポリマー電池でもよい。
【0106】
制御要素は、単純なスイッチでもよい。あるいは、制御要素は電気回路でもよく、1つ以上のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを含んでもよい。
【0107】
エアロゾル発生装置の発熱体は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体の中に挿入することができる任意の適切な発熱体でもよい。例えば、発熱体は、ピンまたはブレードの形態であってもよい。
【0108】
発熱体は、先細りにされた、とがった、または鋭くされた端を有してエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体の中への発熱体の挿入を容易にしてもよい。
【0109】
エアロゾル発生物品と係合させる前のエアロゾル発生物品の引き出し抵抗(RTD)は、ゼロに近いこと(例えば10mmWG未満)が好ましい。エアロゾル発生装置と係合させた後のRTDは、およそ80mmWG~およそ140mmWGとすることができ、110~115mmWGであることが好ましい。
【0110】
本明細書に使用される場合、引き出し抵抗は、圧力「mmWG」または「水位計のmm」の単位で表され、ISO 6565:2002に従って測定される。
【0111】
別の態様で、エアロゾル発生装置と併用するための加熱式エアロゾル発生物品が提供されており、加熱式エアロゾル発生物品は、ラッパー内部で組み立てられて、口側の端と口側の端の上流にある遠位端を持つロッドを形成するエアロゾル形成基体を含めた複数の構成要素を備え、その加熱式エアロゾル発生物品は、口側の端を通してエアロゾル発生物品に引き出された空気がエアロゾル形成基体を通過する第1の気流経路と、口側の端を通してエアロゾル発生物品に引き出された空気がラッパーを通してロッドに引き出される第2の気流経路とを画定し、ここで第2の気流経路は、第1の気流経路とエアロゾル形成基体の下流の位置で合流し、ラッパーを通した第2の気流経路の引き出し抵抗(RTD)は、エアロゾル形成基体を通した第1の気流経路のRTDよりも小さい。
【0112】
第2の気流経路のRTDは、第1の気流経路のRTDの0.9倍を超えないことが好ましく、第1の気流経路のRTDの0.2~0.7倍であることがより好ましく、また第1の気流経路のRTDの0.3~0.5倍であることがさらに好ましい。
【0113】
さらなる態様において、エアロゾル発生装置と併用するための加熱式エアロゾル発生物品が提供されており、加熱式エアロゾル発生物品は、ラッパー内部で組み立てられて、口側の端と口側の端の上流にある遠位端を持つロッドを形成するエアロゾル形成基体を含めた複数の構成要素を備え、その加熱式エアロゾル発生物品は、口側の端を通してエアロゾル発生物品に引き出された空気がエアロゾル形成基体を通過する第1の気流経路と、口側の端を通してエアロゾル発生物品に引き出された空気がラッパーを通してロッドに引き出される第2の気流経路とを画定し、ここで第2の気流経路はエアロゾル形成基体の下流の位置で第1の気流経路に合流し、またエアロゾル発生物品は、ロッドの口側の端に対して吸込みがなされた時、第1または第2の気流経路のいずれも塞がれず、第1の気流経路を通して引き出されるよりも大きな容積の空気が第2の気流経路を通して引き出されるように構成されている。
【0114】
第2の気流経路を通して引き出される空気の容積は、第1の気流経路を通して引き出される空気の容積の少なくとも2倍であることが好ましい。
【0115】
また、一つの態様または実施形態に関して記述される特徴は、その他の態様および実施形態に適用できるかもしれない。例えば、上記のエアロゾル発生物品およびエアロゾル発生システムに関して記述される特徴はまた、上記のエアロゾル発生物品およびエアロゾル発生システムを使用する方法と併せて使用されてもよい。
【0116】
具体的な実施形態について、ここで図を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0117】
図1図1は、エアロゾル発生装置と併用するための加熱式エアロゾル発生物品の実施形態の概略断面図である。
図2図2は、エアロゾル発生装置と併用するためのさらなる加熱式エアロゾル発生物品の実施形態の概略断面図である。
図3図3は、発熱体および図1に図示した実施形態に従ったエアロゾル発生物品を含む電気加熱式のエアロゾル発生装置を含むエアロゾル発生システムの実施形態の概略断面図である。
図4図4は、図3に図示したエアロゾル発生装置の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0118】
図1は好ましい実施形態による加熱式エアロゾル発生物品10を図示したものである。エアロゾル発生物品10は、エアロゾル形成基体20、支持要素30、エアロゾル冷却要素40およびマウスピース50という、同軸に整列して配置される4つの要素を含む。これらの4つの要素は連続して配置され、外側ラッパー60によって取り囲まれ、加熱式エアロゾル発生物品10を形成する。エアロゾル発生物品10は、近位または口側の端70を有し、ユーザーは使用中、ユーザーの口の中に挿入し、遠位端80は口側の端70に対してエアロゾル発生物品10の反対側の端に位置する。外側ラッパー60は、紙を通した気流に対してわずかしかまたは全く抵抗のない穿孔性の高い紙である。穿孔のないチッピングペーパー紙65が物品10のマウスピース端を囲む。
【0119】
また、エアロゾル発生物品の遠位端80はエアロゾル発生物品10の上流端として記述してもよく、エアロゾル発生物品10の口側の端70はまた、エアロゾル発生物品10の下流端として記述してもよい。口側の端70と遠位端80との間に位置するエアロゾル発生物品10の要素は、口側の端70の上流に、または代わりに、遠位端80の下流にあると記述することができる。
【0120】
エアロゾル形成基体20は、エアロゾル発生物品10の最端の遠位端または上流端に位置する。図1に図示した実施形態において、エアロゾル形成基体20は、ラッパーによって取り囲まれる捲縮され均質化されたたばこ材料のシートの集合体を含む。均質化されたたばこ材料の捲縮したシートはエアロゾル形成剤としてグリセリンを含む。
【0121】
支持要素30はエアロゾル形成基体20の下流に直接位置し、エアロゾル形成基体20に隣接する。図1に示した実施形態において、支持要素は中空酢酸セルロース管である。支持要素30は、それがエアロゾル発生装置の発熱体によって貫通されることができるように、エアロゾル発生物品10の最端の遠位端80にてエアロゾル形成基体20を位置する。また、支持要素30は、エアロゾル発生装置の発熱体がエアロゾル形成基体20に挿入される時に、エアロゾル形成基体20がエアロゾル冷却要素40の方へエアロゾル発生物品10内に下流へと押し込まれるのを防ぐように働く。支持要素30はまた、エアロゾル形成基体20からエアロゾル発生物品10のエアロゾル冷却要素40に間隔を開けるスペーサーとして働く。
【0122】
エアロゾル冷却要素40は支持要素30の下流に直接位置し、支持要素30に隣接する。使用において、エアロゾル形成基体20から放出される揮発性物質は、エアロゾル発生物品10の口側の端70の方へエアロゾル冷却要素40に沿って通過する。揮発性物質は、エアロゾル冷却要素40内で冷却してユーザーによって吸入されるエアロゾルを形成してもよい。図1に図示した実施形態において、エアロゾル冷却要素は、ラッパー90によって取り囲まれたポリ乳酸の捲縮したシートの集合体を含む。ポリ乳酸の捲縮したシートの集合体は、エアロゾル冷却要素40の長さに沿って延びる複数の長軸方向経路を定義する。
【0123】
マウスピース50はエアロゾル冷却要素40の下流に直接位置し、エアロゾル冷却要素40に隣接する。図1に示す実施形態で、マウスピース50は低濾過効率の従来の酢酸セルローストウフィルターを含む。
【0124】
エアロゾル発生物品10を組み立てるために、上記の4つの要素は、穿孔のある外側ラッパー60内で整列させられ、密接に包まれる。図1に示した実施形態において、エアロゾル発生物品10の外側ラッパー60の遠位端部分は、穿孔のないチッピングペーパー65の帯によって取り囲まれる。
【0125】
ユーザーが、加熱式エアロゾル発生物品をエアロゾル発生装置に係合させることなく、装置のマウスピースを通して空気を引き出す場合、引き出し抵抗はわずかしかない。図1で矢印で示すとおり、空気は穿孔のある外側ラッパー60を通して物品10に入る。空気は、エアロゾル形成基体を通して流れることができるよりも簡単にラッパーを通して流れることができるため、エアロゾル形成基体を通しては実質的に空気は流れない。従って、ユーザーが、炎を遠位端80に当てて、口側の端70を吸うことにより、加熱式エアロゾル発生物品を点火しようと試みた場合、エアロゾル形成基体を通した気流は不十分で容易に燃焼が抑えられ、着火のリスクが最小限となる。
【0126】
図2は、加熱式エアロゾル発生物品の第2の実施形態を図示する。すべての要素は、管31の内側表面と管32の外側表面の間の半径方向に延びる穴37を画定する支持要素30が中空管を例外として、図1で説明した通りである。穴は、エアロゾル発生物品の内側部分と穿孔のあるラッパー60の間へのアクセスを許容する追加的な気流経路を提供する。従って、図2に図示した物品のRTDは、図1に図示するよりもさらに小さいこともある。
【0127】
エアロゾル形成基体を通した気流と穿孔のあるラッパーを通した気流の相対的容積は、数多くのパラメータに依存する。
【0128】
多孔性の本体を通した流れに関するダルシーの法則を用いて、エアロゾル形成基体を通した気流を推定することができる。エアロゾル形成基体を通した空気流量Qpは以下の通り計算できる。
【数1】
式中、Apはエアロゾル形成基体の断面積であり、
pは、エアロゾル形成基体の浸透性であり、
μは空気の動粘性であり、
(ΔP)pは、エアロゾル形成基体での圧力降下であり、
pは、空気の流れ方向でのエアロゾル形成基体の長さである。
【0129】
ラッパーにある穿孔1つを通した空気流量は、層状の流体流についてのハーゲン・ポアズイユの式を用いて近似値を求めることができる。
【数2】
式中、(ΔP)vは、穿孔での圧力降下であり、
μは空気の動粘性であり、
vはラッパーの厚さであり、
v,iは穿孔1つを通した空気流量であり、
vは穿孔の直径である。
【0130】
穿孔がn個ある場合には、すべての穿孔を通した合計流量は次の通りである。
【数3】
【0131】
よって、第1の気流経路を通した気流と第2の気流経路を通した気流の配分は次の通りである。
【数4】
【0132】
(ΔP)pが(ΔP)vと等しいと推定される場合には、次の通り簡略化できる。
【数5】
【0133】
よって、穿孔のサイズおよび数、およびエアロゾル形成基体およびラッパーのサイズおよび形状のどちらも重要であることが理解できる。プラグの浸透性も重要な要因であり、エアロゾル形成基体の空隙率および使用される捲縮したたばこシートの厚さに依存する。
【0134】
これらのパラメータを変動させることにより、ラッパーを通した気流とプラグを通した気流の望ましい比を得ることができる。例えば、ラッパーにある穿孔のサイズまたは数を増加させると、ラッパーを通したRTDが低下する。エアロゾル形成基体の長さを増加させると、エアロゾル形成基体を通したRTDが増大する。
【0135】
図1または図2に図示したエアロゾル発生物品10は、ユーザーによって喫煙または消費されるために発熱体を含むエアロゾル発生装置と係合するように設計される。使用において、エアロゾル発生装置の発熱体は、エアロゾルを形成するのに十分な温度までエアロゾル発生物品10のエアロゾル形成基体20を加熱し、これがエアロゾル発生物品10を介して下流に引き出され、ユーザーによって吸入される。
【0136】
図3は、上に記述し図1に図示した実施形態に従ったエアロゾル発生装置110およびエアロゾル発生物品10を含むエアロゾル発生システム100の部分を図示する。
【0137】
エアロゾル発生装置は発熱体120を含む。図3に示したように、発熱体120は、エアロゾル発生装置110のエアロゾル発生物品受けチャンバー内に取り付けられる。使用において、ユーザーは、発熱体120が図3に示したエアロゾル発生物品10のエアロゾル形成基体20の中に直接挿入されるように、エアロゾル発生装置110のエアロゾル発生物品受けチャンバーの中にエアロゾル発生物品10を挿入する。図3に示した実施形態において、エアロゾル発生装置110の発熱体120は、ヒーターブレードである。エアロゾル発生装置110は、発熱体120を作動させることができる電源および電子機器を含む。このような作動は、手動でもよく、またはエアロゾル発生装置110のエアロゾル発生物品受けチャンバーの中に挿入されるエアロゾル発生物品10でのユーザーの引き出しに応答して自動的に起きうる。
【0138】
加熱式エアロゾル発生物品10がエアロゾル発生装置と正しく係合する時、受けチャンバーのリップが物品10の外側表面と係合する。物品とリップの間の円周方向の係合は、受けチャンバーへの気流を実質的に妨げ、そのため受けチャンバーへの気流を実質的に制限する。複数の開口部は、エアロゾル発生装置に提供されて空気がエアロゾル発生物品10の遠位端に流れるのを可能にする。従って、ユーザーが物品の口側の端で吸った時、最も抵抗が小さい気流経路は、物品の遠位端を通して流れるもの、またエアロゾル発生基体を通して流れるものであり、この空気の流れの方向を図3の矢印で示す。
【0139】
エアロゾル発生物品10の支持要素30は、エアロゾル形成基体20の中へのエアロゾル発生装置110の発熱体120の挿入中、エアロゾル発生物品10によって経験される貫通力に抵抗する。これにより、エアロゾル発生物品10の支持要素30は、エアロゾル形成基体の中へのエアロゾル発生装置の発熱体の挿入中、エアロゾル発生物品10内のエアロゾル形成基体の下流への移動に抵抗する。
【0140】
内部発熱体120がエアロゾル発生物品10のエアロゾル形成基体10の中に挿入され、作動されると、エアロゾル発生物品10のエアロゾル形成基体20は、エアロゾル発生装置110の発熱体120によっておよそ摂氏375度の温度に加熱される。この温度にて、揮発性化合物は、エアロゾル発生物品10のエアロゾル形成基体20から放出される。ユーザーがエアロゾル発生物品10の口側の端70で吸い込むにつれ、エアロゾル形成基体20から放出された揮発性化合物は、エアロゾル発生物品10を介して下流に引き出され、凝縮してユーザーの口の中にエアロゾル発生物品10のマウスピース50を介して引き出されたエアロゾルを形成する。
【0141】
エアロゾルがエアロゾル冷却要素40を介して下流へ通過するにつれ、エアロゾルの温度は、エアロゾルからエアロゾル冷却要素40への熱エネルギーの伝達のために低下する。エアロゾルがエアロゾル冷却要素40に入る時、その温度はおよそ摂氏60度である。エアロゾル冷却要素40の中での冷却のため、エアロゾルがエアロゾル冷却要素を出る時のその温度はおよそ摂氏40度である。
【0142】
上記および図1に図示した実施形態に従ったエアロゾル発生物品の支持要素は、酢酸セルロースから形成されるが、これは必須でなく、その他の実施形態に従ったエアロゾル発生物品が、その他の適切な材料または材料の組み合わせから形成される支持要素を含んでもよいことが認識されるだろう。
【0143】
同様に、上述の実施形態によるもので図1に図示したエアロゾル発生物品が、ポリ乳酸の捲縮したシートの集合体を含むエアロゾル冷却要素を含むが、これは必須でなく、また他の実施形態によるエアロゾル発生物品がその他のエアロゾル冷却要素を含んでもよいことが認識されるだろう。
【0144】
さらに、上述の実施形態によるもので図1に図示したエアロゾル発生物品は外側ラッパーによって取り囲まれる4つの要素を有するが、これは必須でなく、また他の実施形態によるエアロゾル発生物品がさらなる要素またはより少ない要素を含んでもよいことが認識されるだろう。
【0145】
上述の実施形態によるもので図1に図示したエアロゾル発生物品の要素、および上述の実施形態によるもので図3に図示したエアロゾル発生装置の部分のために提供される寸法は単に例示的なだけであり、適切な代わりの寸法が選択されてもよいことがさらに認識されるだろう。
【0146】
図4において、エアロゾル発生装置110の構成要素は、簡略化した様式にて示している。特に、エアロゾル発生装置110の構成要素は、図4におけるスケールで描かれていない。実施形態の理解に関連しない構成要素は、省略して図4を簡略化した。
【0147】
図4に示したように、エアロゾル発生装置110はハウジング6130を含む。発熱体6120は、ハウジング6130内のエアロゾル発生物品受けチャンバー内に取り付けられる。エアロゾル発生物品10(図4に破線で示す)は、発熱体6120がエアロゾル発生物品10のエアロゾル形成基体20の中に直接挿入されるように、エアロゾル発生装置110のハウジング6130内のエアロゾル発生物品受けチャンバーの中に挿入される。
【0148】
ハウジング6130内に、電気的なエネルギー供給6140、例えば再充電可能なリチウムイオン電池がある。コントローラ6150は、発熱体6120、電気的なエネルギー供給6140およびユーザーインタフェース6160、例えばボタンまたはディスプレイに接続される。コントローラ6150は、その温度を調節するために発熱体6120に供給される電力を制御する。
【0149】
上述の例示的な実施形態は限定するものではない。上述の模範的実施形態と一貫性のあるその他の実施形態が、当業界の当業者にとって明らかとなる。
【0150】
1. エアロゾル発生装置と併用するための加熱式エアロゾル発生物品であって、前記加熱式エアロゾル発生物品が、ラッパー内部で組み立てられて、口側の端と前記口側の端の上流にある遠位端を持つロッドを形成するエアロゾル形成基体を含めた複数の構成要素を備え、前記加熱式エアロゾル発生物品が前記口側の端を通して前記エアロゾル発生物品に引き出された空気が前記エアロゾル形成基体を通過する第1の気流経路と、前記口側の端を通して前記エアロゾル発生物品に引き出された空気が前記エアロゾル形成基体を通過しない第2の気流経路とを画定し、また前記加熱式エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置に結合されていない時に、前記第2の気流経路の引き出し抵抗(RTD)が前記第1の気流経路のRTDよりも小さい、加熱式エアロゾル発生物品。
2. 前記加熱式エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置に結合されていない時に、前記第2の気流経路のRTDが10mmWG未満である、1に記載の加熱式エアロゾル発生物品。
3. 前記第2の気流経路のRTDが前記第1の気流経路のRTDの0.9倍を超えず、前記第1の気流経路のRTDの0.2~0.7倍であることが好ましく、また前記第1の気流経路のRTDの0.3~0.5倍であることがさらに好ましい、1または2に記載の加熱式エアロゾル発生物品。
4. 前記第1の気流経路に沿って優先されるように、前記加熱式エアロゾル発生物品とエアロゾル発生装置の間の相互作用が前記第2の気流経路に沿ったRTDを増大させる、1、2または3に記載の加熱式エアロゾル発生物品。
5. 前記エアロゾル形成基体が、前記ロッドの前記遠位端に位置するかまたはそれに向けて位置し、かつ前記エアロゾル形成基体の下流にある前記ラッパーを貫通する1つ以上の穿孔が前記第2の気流経路の一部を形成する、1~4のいずれかに記載の加熱式エアロゾル発生物品。
6. ラッパーが穿孔性の高いラッパーであり、空気が前記エアロゾル形成基体の下流にある前記ラッパーを通して前記加熱式エアロゾル発生物品に引き出されることを許容する、1~5のいずれかに記載の加熱式エアロゾル発生物品。
7. 支持要素が前記エアロゾル形成基体の下流に位置し、前記支持要素の半径方向の壁を貫いて画定される穴が前記第2の気流経路の一部を形成する、1~6のいずれかに記載の加熱式エアロゾル発生物品。
8. 前記エアロゾル形成基体が均質化されたたばこのシートの集合体を含む、1~7のいずれかに記載の加熱式エアロゾル発生物品。
9. ラッパー内部で組み立てられて、口側の端と前記口側の端の上流にある遠位端を持つロッドを形成するエアロゾル形成基体を含めた複数の構成要素を備える加熱式エアロゾル発生物品であって、前記加熱式エアロゾル発生物品が、前記口側の端を通して前記エアロゾル発生物品に引き出された空気が前記エアロゾル形成基体を通過する第1の気流経路と、前記口側の端を通して前記エアロゾル発生物品に引き出された空気が前記エアロゾル形成基体を通過しない第2の気流経路とを画定し、前記加熱式エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置に結合されていない時に前記第2の気流経路の引き出し抵抗(RTD)が前記第1の気流経路のRTDよりも小さく、
前記エアロゾル形成基体を加熱する手段を備えたエアロゾル発生装置であって、前記エアロゾル発生装置が、ユーザーが前記ロッドの前記口側の端で吸い込んだ時に、前記第2の気流経路が中断されて空気が前記エアロゾル形成基体を通して引き出されるように、前記加熱式エアロゾル発生物品と係合するよう配置されているものとを備えた加熱式エアロゾル発生システム。
10. 前記加熱式エアロゾル発生物品が1~8のいずれかに記載のエアロゾル発生物品である、8に記載の加熱式エアロゾル発生システム。
11. 前記加熱式エアロゾル発生物品が前記エアロゾル発生装置と係合された時に、前記第2の気流経路のRTDが前記第1の気流経路のRTDよりも大きい、9または10のいずれかに記載の加熱式エアロゾル発生システム。
12. 前記エアロゾル形成基体を加熱するための前記手段が前記エアロゾル形成基体に挿入可能な1つ以上の発熱体を含む、9~11のいずれかに記載の加熱式エアロゾル発生装置。
13. 前記エアロゾル形成基体を加熱するための前記手段が、前記エアロゾル発生物品が前記エアロゾル発生装置と係合された時に、前記エアロゾル発生物品と半径方向に間隔を置かれている1つ以上の発熱体を含む、9~12のいずれかに記載の加熱式エアロゾル発生装置。
14. 前記エアロゾル形成基体を加熱するための前記手段がサセプタを加熱するためのインダクタを含む、9~13のいずれかに記載の加熱式エアロゾル発生装置。
15. ラッパー内部で組み立てられて、口側の端と前記口側の端の上流にある遠位端を持つロッドを形成するエアロゾル形成基体を含めた複数の構成要素を備える加熱式エアロゾル発生物品を喫煙する方法であって、前記加熱式エアロゾル発生物品が、前記口側の端を通して前記エアロゾル発生物品に引き出された空気が前記エアロゾル形成基体を通過する第1の気流経路と、前記口側の端を通して前記エアロゾル発生物品に引き出された空気が前記エアロゾル形成基体を通過しない第2の気流経路とを画定し、前記加熱式エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置に結合されていない時に前記第2の気流経路の引き出し抵抗(RTD)が前記第1の気流経路のRTDよりも小さく、前記方法が、
a)前記第2の気流経路が中断されるように、前記加熱式エアロゾル発生物品をエアロゾル発生装置と係合させる工程と、
b)前記エアロゾル発生装置を作動させて前記エアロゾル形成基体を加熱する工程と、
c)前記ロッドの前記口側の端で吸って空気が前記第1の気流経路に沿って流れるようにする工程を含み、前記エアロゾル形成基体の加熱によって発生するエアロゾルが前記エアロゾル形成基体を通過する時に前記空気に混入される、方法。
16. 前記加熱式エアロゾル発生物品が1~9のいずれかで定義されるエアロゾル発生物品である、15に記載の方法。
17. エアロゾル発生装置と併用するための加熱式エアロゾル発生物品であって、前記加熱式エアロゾル発生物品が、ラッパー内部で組み立てられて、口側の端と前記口側の端の上流にある遠位端を持つロッドを形成するエアロゾル形成基体を含めた複数の構成要素を備え、前記加熱式エアロゾル発生物品が、前記口側の端を通して前記エアロゾル発生物品に引き出された空気が前記エアロゾル形成基体を通過する第1の気流経路と、前記口側の端を通して前記エアロゾル発生物品に引き出された空気が前記ラッパーを通して前記ロッドに引き出される第2の気流経路とを画定し、前記第2の気流経路は前記エアロゾル形成基体の下流の位置で前記第1の気流経路に合流し、前記ラッパーを通した前記第2の気流経路の引き出し抵抗(RTD)が前記エアロゾル形成基体を通した前記第1の気流経路のRTDよりも小さい、加熱式エアロゾル発生物品。
18. 前記第2の気流経路のRTDが前記第1の気流経路のRTDの0.9倍を超えない、17に記載の加熱式エアロゾル発生物品。
19. エアロゾル発生装置と併用するための加熱式エアロゾル発生物品であって、前記加熱式エアロゾル発生物品は、ラッパー内部で組み立てられて、口側の端と前記口側の端の上流にある遠位端を持つロッドを形成するエアロゾル形成基体を含めた複数の構成要素を備え、前記加熱式エアロゾル発生物品が、前記口側の端を通して前記エアロゾル発生物品に引き出された空気が前記エアロゾル形成基体を通過する第1の気流経路と、前記口側の端を通して前記エアロゾル発生物品に引き出された空気が前記ラッパーを通して前記ロッドに引き出される第2の気流経路とを画定し、前記第2の気流経路は前記エアロゾル形成基体の下流の位置で前記第1の気流経路に合流し、また前記エアロゾル発生物品が、吸込みが前記ロッドの前記口側の端に対してなされ、前記第1または第2の気流経路のどちらも塞がれていない時に、前記第1の気流経路を通して引き出されるよりも大きな容積の空気が前記第2の気流経路を通して引き出されるように構成されている、加熱式エアロゾル発生物品。
20. 前記第2の気流経路を通して引き出される前記空気の容積が、前記第1の気流経路を通して引き出される空気の容積の少なくとも2倍である、19に記載の加熱式エアロゾル発生物品。
図1
図2
図3
図4