(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159372
(43)【公開日】2023-10-31
(54)【発明の名称】マニホールド
(51)【国際特許分類】
G01F 1/84 20060101AFI20231024BHJP
F16L 41/02 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
G01F1/84
F16L41/02
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023137089
(22)【出願日】2023-08-25
(62)【分割の表示】P 2021504416の分割
【原出願日】2018-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】500205770
【氏名又は名称】マイクロ モーション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スキンクル, デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】パンクラッツ, アンソニー ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】フォスター, ジェフリー ディー.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】渦離脱と音響ノイズが低減されたコリオリ流量計用のマニホールドを提供する。
【解決手段】渦離脱が低減されたマニホールド400、600、700、それを含む振動計5、および両方の製造方法が記載されている。マニホールド400、600、700は、第1の導管セクション202、第2の導管セクション204、および第1の導管セクション202と第2の導管セクション204との間に配置されたスプリッターセクション406、606、706であって第1の導管セクション202に面する第1のスプリッター面408a、608a、708と、少なくともその一部が第1のスプリッター面408a、608a、708に配置されている第1の突起412a、612a、712と、を含むスプリッターセクション406、606、706を備えている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
渦離脱が低減されたマニホールド(400、600、700)であって、
第1の導管セクション(202)と
第2の導管セクション(204)と、
第1の導管セクション(202)と第2の導管セクション(204)との間に配置されたスプリッターセクション(406、606、706)であって、第1の導管セクション(202)に面する第1のスプリッター面(408a、608a、708)を含むスプリッターセクション(406、606、706)と、
その少なくとも一部が第1のスプリッター面(408a、608a、708)に配置されている第1の突起(412a、612a、712)と
を備える、マニホールド(400、600、700)。
【請求項2】
前記第1の突起(412a、612a、712)が、丸い形状を有している、請求項1に記載のマニホールド(400、600、700)。
【請求項3】
前記第1の突起(612a)が、細長い形状を有している、請求項1または2に記載のマニホールド(400、600、700)。
【請求項4】
前記第1の突起(612a)が、陥凹領域(614a)を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のマニホールド(400、600、700)。
【請求項5】
前記第1の突起(712)が、前記スプリッターセクション(706)の縁(710)を越えて延びている、請求項1から4のいずれか一項に記載のマニホールド(400、600、700)。
【請求項6】
前記スプリッターセクション(406、606、706)が、前記第2の導管セクション(204)に面する第2のスプリッター面(408b、608b)をさらに含み、
前記マニホールド(400、600、700)が、その少なくとも一部が前記第2のスプリッター面(408b、608b)に配置されている第2の突起(412b、612b)をさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のマニホールド(400、600、700)。
【請求項7】
前記第1の突起(412a、612a、712)が第1のサイズであり、前記第2の突起(412b、612b)が第2のサイズである、請求項6に記載のマニホールド(400、600、700)。
【請求項8】
前記第1の突起(412a、612a、712)が第1の形状であり、前記第2の突起(412b、612b)が第2の形状である、請求項6または7に記載のマニホールド(400、600、700)。
【請求項9】
前記第1のスプリッター面(408a、608a、708)または前記第2のスプリッター面(408b、608b)の少なくとも1つに配置されている少なくとも1つの追加の突起をさらに含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のマニホールド(400、600、700)。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載のマニホールド(400、600、700)を備える振動計であって、
第1の導管(130)と、
第2の導管(130’)と、
前記第1の導管(130)または前記第2の導管(130’)の少なくとも1つに結合されたピックオフ(170l、170r)と、
前記第1の導管(130)または前記第2の導管(130’)の少なくとも1つに結合されたドライバー(180)と
をさらに備える、振動計。
【請求項11】
渦離脱が低減されたマニホールド(400、600、700)の製造方法であって、
第1の導管セクション(202)を形成するステップと、
第2の導管セクション(204)を形成するステップと、
第1の導管セクション(202)と第2の導管セクション(204)との間に配置された前記スプリッターセクション(406、606、706)であって前記第1の導管セクション(202)に面する第1のスプリッター面(408a、608a、708)を含むスプリッターセクション(406、606、706)を形成するステップと、
その少なくとも一部が前記第1のスプリッター面(408a、608a、708)に配置されている第1の突起(412a、612a、712)を形成するステップと
を含む、製造方法。
【請求項12】
前記第1の突起(412a、612a、712)が、丸い形状を有している、請求項11に記載の製造方法。
【請求項13】
前記第1の突起(412a、612a、712)が、細長い形状を有している、請求項11または12に記載の製造方法。
【請求項14】
前記第1の突起(412a、612a、712)が、陥凹領域(614a)を含む、請求項11から13のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項15】
前記第1の突起(712)が、前記スプリッターセクション(706)の縁(710)を越えて延びている、請求項11または12に記載の製造方法。
【請求項16】
前記スプリッターセクション(406、606、706)が、前記第2の導管セクション(204)に面する第2のスプリッター面(408b、608b)をさらに含み、
前記第2のスプリッター面(408b、608b)に配置された第2の突起(412b、612b)を形成するステップをさらに含む、請求項11から13のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項17】
前記第1の突起(412a、612a、712)が第1のサイズであり、前記第2の突起(412b、612b)が第2のサイズである、請求項16に記載の製造方法。
【請求項18】
前記第1の突起(412a、612a、712)が第1の形状であり、前記第2の突起(412b、612b)が第2の形状である、請求項16または17に記載の製造方法。
【請求項19】
請求項11から18のいずれか一項に記載の、渦離脱が低減されたマニホールド(400、600、700)を備える振動計(5)の製造方法であって、さらに
前記マニホールド(400、600、700)の前記第1の導管セクション(202)を第1の導管(130)に結合するステップと、
前記マニホールド(400、600、700)の前記第2の導管セクション(204)を第2の導管(130’)に結合するステップと、
ピックオフ(170l、170r)を前記第1の導管(130)または前記第2の導管(130’)の少なくとも1つに結合するステップと、
ドライバー(180)を前記第1の導管(130)または前記第2の導管(130’)
のうちの少なくとも1つに結合するステップであって前記ドライバー(180)が前記第1の導管(130)および前記第2の導管(130’)を振動させるように構成されているステップと
を含む、製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下に記載されている例は、マニホールドおよびマニホールドの製造方法に関する。より具体的には、例は、突起を含むスプリッターを備えたマニホールドに関する。
【背景技術】
【0002】
二重導管コリオリ質量流量計は、流動材料を含む一対の振動導管または流管の動きを検出することによって動作する。質量流量、密度などの導管内の材料に関連する特性は、導管に付随するピックオフまたは動作変換器から受信された測定信号を処理することによって決定することができる。
【0003】
振動計には、直線導管または曲線導管を備えたアセンブリを含めることができる。材料が導管を流れ始めると、コリオリ力により、導管に沿った各点の位相が異なる。例えば、流量計の入口端部の位相は、中央ドライバー位置の位相より遅れるが、出口の位相は、中央ドライバー位置の位相よりも進む。導管のピックオフは、導管の動きを表す正弦波信号を生成する。ピックオフから出力された信号は、ピックオフ間の時間遅延を決定するために処理される。2つ以上のピックオフ間の時間遅延は、導管を流れる材料の質量流量に比例する。
【0004】
ドライバーに接続されたメーター電子機器は、ドライバーを操作し、ピックオフから受信された信号からプロセス材料の質量流量および/または他の特性を決定するための駆動信号を生成する。ドライバーは、多くの周知の装置のいずれも含むことができるが、磁石と対向駆動コイルは最も一般的な形式のうちの1つである。交流は、所望の導管の振幅および周波数で導管を振動させるために駆動コイルに流される。ピックオフには、多くの場合、ドライバーに類似の磁石とコイルの装置も含まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
二重導管コリオリセンサーは、流れを入口マニホールドで2つの経路に分割し、各導管に1つの流れを提供し、センサーの出口の前の第2のマニホールドで流れに再結合する。出口の前の第2のマニホールドでの2つの流路の収束は、多くの場合、プロセスパイプラインの直径に一致するより大きな移行体積で発生する。2つの流路は、再結合すると、マニホールドの後端であるマニホールドスプリッター上を流れる。特にガスの流れを測定している場合に、スプリッター上の流れは流体流に渦離脱を引き起こす可能性がある。渦離脱は、空気や水などの流体が、本体のサイズと形状に応じて、特定の速度で鈍い本体を流れ過ぎるときに発生する振動流である。渦離脱は、さらに振動や望ましくない可聴ノイズを引き起こす可能性がある。
【0006】
したがって、渦離脱と音響ノイズが低減されたコリオリ流量計用のマニホールドが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様によれば、渦離脱が低減されたマニホールドが提供される。マニホールドは、第1の導管セクション、第2の導管セクション、第1の導管セクションと第2の導管セクションとの間に配置されたスプリッターセクションであって、第1の導管セクションに面する第1のスプリッター面を含むスプリッターセクションと、その少なくとも一部が第1のスプリッター面に配置されている第1の突起とを備えている。
【0008】
第2の態様によれば、渦離脱が低減されたマニホールドの製造方法が提供される。本方法は、第1の導管セクションを形成するステップと、第2の導管セクションを形成するステップと、第1の導管セクションと第2の導管セクションとの間に配置されたスプリッターセクションであって、第1の導管セクションに面する第1のスプリッター面を含むスプリッターセクションを形成するステップと、その少なくとも一部が第1のスプリッター面に配置されている第1の突起を形成するステップとを含む。
(態様)
さらなる態様では、第1の突起は丸い形状を有し得る。
【0009】
さらなる態様では、第1の突起は細長い形状を有し得る。
【0010】
さらなる態様では、第1の突起は陥凹領域を含むことができる。
【0011】
さらなる態様では、第1の突起は、スプリッターセクションの縁を越えて延びることができる。
【0012】
さらなる態様では、スプリッターセクションは、第2の導管セクションに面する第2のスプリッター面をさらに含むことができ、マニホールドは、その少なくとも一部が第2のスプリッター面に配置されている第2の突起をさらに含むことができる。
【0013】
さらなる態様では、第1の突起は第1のサイズであり得、第2の突起は第2のサイズであり得る。
【0014】
さらなる態様では、第1の突起は第1の形状であり得、第2の突起は第2の形状であり得る。
【0015】
さらなる態様では、マニホールドは、第1のスプリッター面または第2のスプリッター面の少なくとも1つに配置されている少なくとも1つの追加の突起をさらに含むことができる。
【0016】
さらなる態様では、第1の態様によるマニホールドを備えた振動計が提供される。振動計は、第1の導管、第2の導管、第1の導管または第2の導管の少なくとも1つに結合されたピックオフと、第1の導管または第2の導管の少なくとも1つに結合されたドライバーとをさらに備えることができる。
【0017】
さらなる態様では、第1の突起は丸い形状を有し得る。
【0018】
さらなる態様では、第1の突起は細長い形状を有し得る。
【0019】
さらなる態様では、第1の突起は陥凹領域を含むことができる。
【0020】
さらなる態様では、第1の突起はスプリッターセクションの縁を越えて延びることができる。
【0021】
さらなる態様では、スプリッターセクションは、第2の導管セクションに面する第2のスプリッター面をさらに含むことができ、本方法は、第2のスプリッター面に配置された第2の突起を形成するステップをさらに含むことができる。
【0022】
さらなる態様では、第1の突起は第1のサイズであり得、第2の突起は第2のサイズであり得る。
【0023】
さらなる態様では、第1の突起は第1の形状であり得、第2の突起は第2の形状であり得る。
【0024】
さらなる態様では、第2の態様に従って製造されたマニホールドを備える振動計の製造方法が提供される。本方法は、マニホールドの第1の導管セクションを第1の導管に結合するステップと、マニホールドの第2の導管セクションを第2の導管に結合するステップと、ピックオフを第1の導管または第2の導管の少なくとも1つに結合するステップと、ドライバーを第1の導管または第2の導管のうちの少なくとも1つに結合するステップであってドライバーが第1の導管および第2の導管を振動させるように構成されているステップとをさらに含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
同じ参照番号は、すべての図面で同じ要素を表す。図面は必ずしも縮尺どおりではない。
【
図4】一例によるマニホールドの斜視断面図を示す図である。
【
図4A】一例によるマニホールドの斜視断面図を示す図である。
【
図5】一例によるマニホールドの斜視図を示す図である。
【
図5A】一例によるマニホールドの斜視図を示す図である。
【
図6】一例によるマニホールドの斜視図を示す図である。
【
図7】一例によるマニホールドの斜視図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本出願は、渦離脱が低減されたマニホールド、前記マニホールドを含む振動計、およびマニホールドと振動計の両方の製造方法を記載している。
【0027】
図1は、一例によるマニホールド150を備えた振動計5を示している。
図1に示されるように、振動計5は、メーターアセンブリ10およびメーター電子機器20を備えている。メーターアセンブリ10は、プロセス材料の質量流量および密度に応答する。メーター電子機器20は、リード100を介してメーターアセンブリ10に接続されて、通信経路26を介して密度、質量流量、および温度情報、ならびに他の情報を提供する。情報およびコマンドは、通信経路26を介してメーター電子機器20でさらに受信され得る。
【0028】
コリオリ流量計の構造が記載されているが、これは、限定的であるよう意図されているものではない。当業者は、本出願が、振動管密度計、音叉密度計などとして実施できることを容易に理解するであろう。
【0029】
メーターアセンブリ10は、一対のマニホールド150および150’、フランジ103および103’、一対の平行な第1および第2の導管130および130’、ドライバー180、一対のピックオフセンサー170lおよび170r、およびケース190を含む。
【0030】
第1および第2の導管130、130’は、それらの長さに沿った2つの対称的な位置で曲がり、それらの長さ全体にわたって本質的に平行である。
【0031】
ブレースバー140および140’は、各第1および第2の導管130、130’がその周りを振動する軸(図示せず)を規定するのに役立つ。第1および第2の導管130、
130’の脚部は、マニホールド150および150’にしっかりと取り付けられている。これは、メーターアセンブリ10を通る連続的な閉じた材料経路をもたらす。
【0032】
フランジ103および103’がプロセス材料を運ぶプロセスライン(図示せず)に接続されると、材料は、フランジ103のオリフィスを通ってメーターの入口端部104に入り、マニホールド150を通って導かれる。マニホールド150内で、材料は分割され、第1および第2の導管130、130’を通って送られる。第1および第2の導管130、130’を出ると、プロセス材料は、マニホールド150’内の単一の流れに再結合され、その後、出口端部104’に送られ、プロセスライン(図示せず)に戻る。
【0033】
ケース190は、導管130、130’、ドライバー180、およびピックオフ170l、170rの少なくとも一部を囲む。マニホールド150および150’は、ケース190に結合することができる。
【0034】
第1および第2の導管130、130’は、ブレースバー140、140’によって規定される、それらの曲げ軸の周りの実質的に同じ質量分布、慣性モーメント、およびヤング率を有するように選択される。
【0035】
第1および第2の導管130、130’の両方は、ドライバー180によって、各曲げ軸の周りで反対方向に、そして、いわゆる流量計の第1位相外れ曲げモードで駆動される。このドライバー180は、例えば、第1の導管130’に取り付けられた磁石と、第2の導管130に取り付けられた対向コイルとを備えることができる。交流がコイルに流されて、第1および第2の導管130、130’の両方を振動させる。適切な駆動信号が、メーター電子機器20によって、リード185を介して、ドライバー180に印加される。
【0036】
メーター電子機器20は、リード165l、165rに各々発生する左右のピックオフ信号を受信する。メーター電子機器20は、リード185を介して信号を供給し、ドライバー180を介して第1および第2の導管130、130’を振動させる。左右のピックオフ170l、170r信号は、メーター電子機器20によって使用されて、質量流量および/またはメーターアセンブリ10を流れる材料の密度を計算する。この情報は、他の情報とともに、通信経路26を介してメーター電子機器20によって送信され得る。
【0037】
図1は、メーター電子機器20と通信する単一のメーターアセンブリ10を示しているが、当業者は、複数のセンサーアセンブリがメーター電子機器20と通信し得ることを容易に理解するであろう。さらに、メーター電子機器20は、種々のセンサータイプを作動させることができ得る。メーター電子機器20と通信するメーターアセンブリ10などの各センサーアセンブリは、メーター電子機器20内の記憶システムの専用セクションを有し得る。
【0038】
メーター電子機器20は、当業者によって理解されるように、他の種々のコンポーネントおよび機能を含むことができる。これらの追加機能は、簡潔さと明快さのために、説明と図から省略され得る。
【0039】
図2および
図3は、従来の方法によるマニホールド200を示している(
図2は斜視図を示しており、
図3は断面図を示している)。見られるように、マニホールド200は、第1の導管セクション202、第2の導管セクション204、第1と第2の導管セクション202、204間のスプリッターセクション206、および組み合わされた流れセクション208を含む。第1および第2の導管セクション202および204は各々、各導管130、130’に結合することができる。組み合わされた流れセクション208は、第
1の導管セクション202および第2の導管セクション204に流体結合されている。
【0040】
従来のマニホールドスプリッターセクション206は、第1および第2の導管セクション202、204と組み合わされた流れセクション208間のスムーズな移行をもたらす。従来のスプリッターセクション206は、スプリッターの長さ全体にわたって均一である端半径および厚さを有する縁210を、第1と第2の導管セクション202と204間に含む。縁210の鈍い端は、特にマニホールド200がガスパイプラインに設置されている場合に、渦離脱および流れノイズをもたらす可能性がある。
【0041】
図4は、本出願の例によるマニホールド400の断面図を示している。マニホールド400はまた、第1の導管セクション202、第2の導管セクション204、および組み合わされた流れセクション208を含む。しかし、マニホールド400は、第1の導管セクション202と第2の導管セクション204との間に配置されたスプリッターセクション406を含むため、マニホールド200とは異なる。スプリッターセクション406は、縁410を含む。
【0042】
スプリッターセクション406は、第1の導管セクション202に面する第1のスプリッター面408aを含む。第1のスプリッター面408aは、縁410の第1の導管セクション202側に配置された表面である。例では、第1のスプリッター面408aは、サドル形状の表面の断面を含むことができる。さらなる例では、第1のスプリッター面408aは、円錐、平面、または当業者に知られている任意の他の形状の断面を含むことができる。
【0043】
マニホールド400は、その少なくとも一部が第1のスプリッター面408aに配置されている第1の突起412aをさらに含む。第1の突起412aは、スプリッターセクション406での流体流を乱すまたは壊すのに役立つことができ、より少ないコヒーレント渦を生成する流れへの流体の分離をもたらす。
【0044】
例では、第1の突起412aは、丸い形状を有し得る。例えば、
図4および
図5に示されるように、第1の突起412aは、球の断面を含む。
【0045】
例では、マニホールド400は、メーターアセンブリ10の出口端部104’に配置することができる。さらなる例では、マニホールド400は、代わりに、2つの流路が収束するYフィッティングの下流端など、2つの流路が単一の流路に合流するプロセス経路の他の点に配置することができる。しかし、さらなる例では、マニホールド400は、入口端部104に配置することができる。当業者によって理解されるように、マニホールド400の他の位置も可能である。
【0046】
例では、
図5に見られるように、マニホールド400のスプリッターセクション406は、第2の導管セクション204に面する第2のスプリッター面408bと、第2のスプリッター408b面に配置された第2の突起412bとをさらに備えることができる。第1の突起412aと同様に、第2の突起412bも丸形であり得る。しかし、さらなる実施形態では、第2の突起412bは、スプリッターセクション406での流体流を乱すように動作可能な任意の形状であり得る。
【0047】
例では、第1および第2の突起412a、412bは、同じ形状であっても、異なる形状であってもよい。さらなる例では、第1および第2の突起412a、412bは、同じサイズまたは異なるサイズであってもよい。2つの異なる形状またはサイズの突起を提供することによって、スプリッターセクション406上の流体流をさらに乱すことが可能であり得る。
【0048】
さらなる例では、第1の突起412aは、正方形、楕円形、不規則、または他の任意の形状であり得る。例えば、
図6は、マニホールド600の斜視図を示している。マニホールド600は、スプリッターセクション606および縁610を含む。スプリッターセクション606は、その少なくとも一部が第1のスプリッター面608aに配置されている第1の突起612aを含む。第1の突起612aは、最長寸法が縁610に実質的に平行になるように配置されている細長い形状を有する。細長い第1の突起612aを提供することによって、マニホールド600は、スプリッターセクション606上の流体流を乱すのにさらに役立つことができる。
【0049】
例では、第1の突起612aは、第1の陥凹領域614aを含むことができる。陥凹領域614aは、マニホールド600においてコヒーレント渦を生成する可能性のある流れの形成を低減するのにさらに役立つことができる。
【0050】
例では、マニホールド600は、第2のスプリッター面608bに配置された第2の突起612bをさらに含むことができる。第2の突起612bは、コヒーレント渦の形成を低減するように動作可能な第2の陥凹領域614bを含むことができる。例では、第1および第2の陥凹領域(protrusion)614aおよび614bは、
図6に示されるように、スプリッターセクション606にサドル形状の特徴を形成することができる。
【0051】
図7はさらに、スプリッターセクション706を含む例示的なマニホールド700を示している。スプリッターセクション706は、第1のスプリッター面708に配置された第1の突起712を含む。第1の突起712は、縁710を越えて、組み合わされた流れセクション208の方向に延びている。第1の突起712は縁710を越えて延びているため、それは、スプリッターセクション706の両側の流体流を乱すのに役立つことができる。例では、マニホールド700は、第2の突起(図示せず)をさらに含むことができる。
【0052】
1つまたは2つの突起の例が提供されているが、当業者は、マニホールド400、600、または700が、3つまたはそれ以上の数の突起を含むことができることを容易に理解するであろう。
【0053】
図8は、渦離脱が低減されたマニホールドを製造するために実行することができる方法800を示している。
【0054】
方法800は、ステップ802および804から始まる。ステップ802では、第1の導管セクション202が形成され、ステップ804では、第2の導管セクション204が形成される。
【0055】
方法800は、ステップ806に続く。ステップ806では、スプリッターセクション406、606、706が形成され、第1の導管セクション202と第2の導管セクション204との間に配置され、スプリッターセクション406、606、706は、第1の導管セクション202に面する第1のスプリッター面408a、608aを含む。
【0056】
方法800は、ステップ808に続く。ステップ808では、第1の突起412a、612a、712が形成され、第1のスプリッター面408a、608aに配置される。
【0057】
例では、方法800は、ステップ810をさらに含むことができる。ステップ810では、第2の突起412b、612bが形成され得、第2のスプリッター面408b、608bに配置され得る。
【0058】
例では、第1または第2の導管セクション202、204、スプリッターセクション406、606、706、第1の突起412a、612a、712、または第2の突起412b、612bのいずれも、機械加工、鋳造、溶接、三次元印刷または当業者に知られている他の任意の製造技術によって形成することができる。例では、マニホールド400、600、700を、単一の一体型本体として形成することができ、または第1または第2の導管セクション202、204、スプリッターセクション406、606、706、第1の突起412a、612a、712、または第2の突起412b、612bの任意の部分を別々に形成し、溶接、ろう付け、にかわ付けなどを介して連結して、マニホールド400、600、700を形成することができる。
【0059】
図9は、方法800のいずれかのステップに従って、渦離脱が低減されたマニホールドを備える振動計を製造するために実行することができる方法900を示している。
【0060】
方法900は、ステップ902および904から始まる。ステップ902では、マニホールドの第1の導管セクションが第1の導管に結合される。ステップ904では、マニホールドの第2の導管セクションが第2の導管に結合される。例えば、第1の導管セクション202は、第1の導管130に結合することができ、第2の導管セクション204は、第1の導管130に結合することができる。例では、第1または第2の導管130、130’は、当業者によって理解されるように、溶接、ろう付け、または、にかわ付けを介してマニホールド400、600、700に結合することができる。
【0061】
方法900は、ステップ906に続く。ステップ906では、ピックオフは、第1の導管130または第2の導管130’の少なくとも1つに結合される。例えば、左右のピックオフ170l、170rは、各々、各第1の導管130または第2の導管130’に溶接、ろう付け、にかわ付け、または別の方法で取り付けることができる。
【0062】
方法900は、ステップ908に続く。ステップ908では、ドライバー180は、第1の導管130または第2の導管130’の少なくとも1つに結合され、ドライバー180は、第1の導管130および第2の導管130’を振動させるように構成されている。例えば、ドライバー180は、第1の導管130および/または第2の導管130’に溶接、ろう付け、にかわ付け、または別の方法で取り付けることができる。
【0063】
本明細書に記載のマニホールド、振動計、および両方の製造方法は、渦離脱を低減するのに役立つことができ、それによって、コリオリ流量計内の流体流によって引き起こされる可聴ノイズおよび振動を低減することができる。
【0064】
上記の例の詳細な説明は、本出願の範囲内であると本発明者が考えるすべての例の網羅的な説明ではない。実際、当業者は、上記の例の特定の要素を種々組み合わせたり、排除したりしてさらなる例を作成することができ、このようなさらなる例は、本出願の範囲および教示の範囲に入ることを認識するであろう。上記の例を全体的または部分的に組み合わせて、本出願の範囲および教示の範囲内で追加の実施例を作成することができることも当業者には明らかであろう。したがって、本出願の範囲は、以下の特許請求の範囲から決定されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
渦離脱が低減されたマニホールド(400、600、700)であって、
第1の導管セクション(202)と
第2の導管セクション(204)と、
第1の導管セクション(202)と第2の導管セクション(204)との間に配置されたスプリッターセクション(406、606、706)であって、隆起部のために縁(410、610、710)を有するサドル形状を備え、第1の導管セクション(202)に面する前記縁下の第1のスプリッター面(408a、608a、708)および前記第2の導管セクション(204)に面する前記縁下の第2のスプリッター面(408b、608b)を含むスプリッターセクション(406、606、706)と、
その少なくとも一部が第1のスプリッター面(408a、608a、708)に配置されている第1の突起(412a、612a、712)と、
その少なくとも一部が前記第2のスプリッター面(408b、608b)に配置されている第2の突起(412b、612b)と、
を備え、
前記第1の突起(412a、612a、712)および第2の突起(412b、612b)は、より少ないコヒーレント渦を生成する流れへの流体の分離をもたらすよう、前記スプリッターセクションでの流体流を乱すまたは壊すように構成されている、マニホールド(400、600、700)。
【請求項2】
前記第1の突起(712)が、丸い形状を有している、請求項1に記載のマニホールド(700)。
【請求項3】
前記第1の突起(612a)が、細長い形状を有している、請求項1に記載のマニホールド(600)。
【請求項4】
前記第1の突起(612a)が、陥凹領域(614a)を含む、請求項1または3に記載のマニホールド(600)。
【請求項5】
前記第1の突起(712)が、前記スプリッターセクション(706)の縁(710)を越えて延びている、請求項1または2に記載のマニホールド(700)。
【請求項6】
前記第1の突起(412a、612a、712)が第1のサイズであり、前記第2の突起(412b、612b)が第2のサイズである、請求項1に記載のマニホールド(400、600、700)。
【請求項7】
前記第1の突起(412a、612a、712)が第1の形状であり、前記第2の突起(412b、612b)が第2の形状である、請求項1から6のいずれか一項に記載のマニホールド(400、600、700)。
【請求項8】
前記第1のスプリッター面(408a、608a、708)または前記第2のスプリッター面(408b、608b)の少なくとも1つに配置されている少なくとも1つの追加の突起をさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のマニホールド(400、600、700)。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のマニホールド(400、600、700)を備える振動計であって、
第1の導管(130)と、
第2の導管(130’)と、
前記第1の導管(130)または前記第2の導管(130’)の少なくとも1つに結合されたピックオフ(170l、170r)と、
前記第1の導管(130)または前記第2の導管(130’)の少なくとも1つに結合されたドライバー(180)と
をさらに備える、振動計。
【請求項10】
渦離脱が低減されたマニホールド(400、600、700)の製造方法であって、
第1の導管セクション(202)を形成するステップと、
第2の導管セクション(204)を形成するステップと、
第1の導管セクション(202)と第2の導管セクション(204)との間に配置されたスプリッターセクション(406、606、706)を形成するステップであって、隆起部のために縁(410、610、710)を有するサドル形状を備え、前記第1の導管セクション(202)に面する前記縁下の第1のスプリッター面(408a、608a、708)および前記第2の導管セクション(204)に面する前記縁下の第2のスプリッター面(408b、608b)を含むスプリッターセクション(406、606、706)を形成するステップと、
その少なくとも一部が前記第1のスプリッター面(408a、608a、708)に配置されている第1の突起(412a、612a、712)を形成するステップと、
その少なくとも一部が前記第2のスプリッター面(408b、608b)に配置された第2の突起(412b、612b)を形成するステップと、
を含み、
前記第1の突起(412a、612a、712)および第2の突起(412b、612b)は、より少ないコヒーレント渦を生成する流れへの流体の分離をもたらすよう、前記スプリッターセクションでの流体流を乱すまたは壊すように構成されている製造方法。
【請求項11】
前記第1の突起(712)が、丸い形状を有している、請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
前記第1の突起(612a)が、細長い形状を有している、請求項10に記載の製造方法。
【請求項13】
前記第1の突起(612a)が、陥凹領域(614a)を含む、請求項10または12に記載の製造方法。
【請求項14】
前記第1の突起(712)が、前記スプリッターセクション(706)の縁(710)を越えて延びている、請求項10または11に記載の製造方法。
【請求項15】
前記第1の突起(412a、612a、712)が第1のサイズであり、前記第2の突起(412b、612b)が第2のサイズである、請求項10に記載の製造方法。
【請求項16】
前記第1の突起(412a、612a、712)が第1の形状であり、前記第2の突起(412b、612b)が第2の形状である、請求項10から15のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項17】
請求項10から16のいずれか一項に記載の、渦離脱が低減されたマニホールド(400、600、700)を備える振動計(5)の製造方法であって、さらに
前記マニホールド(400、600、700)の前記第1の導管セクション(202)を第1の導管(130)に結合するステップと、
前記マニホールド(400、600、700)の前記第2の導管セクション(204)を第2の導管(130’)に結合するステップと、
ピックオフ(170l、170r)を前記第1の導管(130)または前記第2の導管(130’)の少なくとも1つに結合するステップと、
ドライバー(180)を前記第1の導管(130)または前記第2の導管(130’)のうちの少なくとも1つに結合するステップであって前記ドライバー(180)が前記第1の導管(130)および前記第2の導管(130’)を振動させるように構成されているステップと、
を含む、製造方法。
【外国語明細書】