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  • 特開-抗酸化特性を有する化粧品組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159394
(43)【公開日】2023-10-31
(54)【発明の名称】抗酸化特性を有する化粧品組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/29 20060101AFI20231024BHJP
   A61K 8/25 20060101ALI20231024BHJP
   A61K 8/28 20060101ALI20231024BHJP
   A61K 8/26 20060101ALI20231024BHJP
   A61K 8/67 20060101ALI20231024BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20231024BHJP
   A61K 8/365 20060101ALI20231024BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20231024BHJP
   A61K 8/9789 20170101ALI20231024BHJP
【FI】
A61K8/29
A61K8/25
A61K8/28
A61K8/26
A61K8/67
A61K8/49
A61K8/365
A61Q17/04
A61K8/9789
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023137605
(22)【出願日】2023-08-25
(62)【分割の表示】P 2020533377の分割
【原出願日】2018-08-30
(31)【優先権主張番号】102017119863.6
(32)【優先日】2017-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】520070426
【氏名又は名称】シャンハイ ペチョイン バイオテック カンパニー,リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI PECHOIN BIOTECH CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Room 302-170, Block 9, No 696, Weihai Rd, Shanghai City, China
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(74)【代理人】
【識別番号】100189429
【弁理士】
【氏名又は名称】保田 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213849
【弁理士】
【氏名又は名称】澄川 広司
(72)【発明者】
【氏名】ラーデマン,ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】ザストロウ,レオンハルト
(72)【発明者】
【氏名】メインケ,マルティナ
(72)【発明者】
【氏名】アルブレヒト,シュテファニ
(72)【発明者】
【氏名】ズバービア,トシュテン
(72)【発明者】
【氏名】ラン,アレクサンドラ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】全スペクトル領域において、光線からの暗色皮膚タイプ用の、特異的かつ有効な防止をする化粧品用日焼け防止及びサンスクリーン剤用組成物を提供する。
【解決手段】下記物質の混合物を含む抗酸化で可視及び近赤外線防護特性を有する組成物:(以下重量パーセント)a)5~24%の1つ以上のUVA及びUVBフィルター剤、b)2~30%の、ミクロ及びナノの範囲で異なる粒子サイズを有するルチル、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料、c)0.1~20%の1つ以上の冷却剤、d)0.1~48%の、植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー、及びe)化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下に記載の物質の混合物を含むかまたはそれからなり、抗酸化で可視および近赤外線防護特性を有する組成物:
a) 重量パーセントで5~24%の範囲の1つ以上のUVAおよびUVBフィルター剤
b) 重量パーセントで2~30%の、ミクロおよびナノの範囲で異なる粒子サイズを有するルチル(二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料
c) 重量パーセントで0.1~20%の1つ以上の冷却剤
d) 重量パーセントで0.1~48%の、植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー、及び
e) 化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合
ここで、それぞれの重量パーセントは組成物の総重量に対するパーセントである。
【請求項2】
下に記載の物質の混合物を含むかまたはそれからなる、請求項1に記載の組成物:
a) 重量パーセントで5~24%の範囲の1つ以上のUVAおよびUVBフィルター剤
b) 重量パーセントで2~30%の、ミクロおよびナノの範囲で異なる粒子サイズを有するルチル(二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料
c) 重量パーセントで0.1~20%の1つ以上の冷却剤
d) 重量パーセントで0.1~5%の、植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー
e) 化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合
ここで、それぞれの重量パーセントは組成物の総重量に対するパーセントである。
【請求項3】
下に記載の物質の混合物を含むかまたはそれからなる、請求項1に記載の組成物:
a) 重量パーセントで5~24%の範囲の1つ以上のUVAおよびUVBフィルター剤
b) 重量パーセントで3~6.5%の、ミクロおよびナノの範囲で異なる粒子サイズを有するルチル(二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料
c) 重量パーセントで0.5~4.5%の1つ以上の冷却剤
d) 重量パーセントで2~48%の、植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー
e) 化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合
ここで、それぞれの重量パーセントは組成物の総重量に対するパーセントである。
【請求項4】
化粧用日焼け防止およびサンスクリーン組成物である、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
アンチエイジング組成物である、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
アンチダークスポット組成物である、請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
下に記載の物質の混合物を含むかまたはそれからなる、請求項1~6のいずれか1項に記載の組成物:
a) 重量パーセントで14.5%の範囲の1つ以上のUVAおよびUVBフィルター剤
b) 重量パーセントで2~30%の、ミクロおよびナノの範囲で異なる粒子サイズを有するルチル(二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料
c) 重量パーセントで0.1~20%の1つ以上の冷却剤
d) 重量パーセントで0.1~5%の、植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー
e) 化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合
ここで、それぞれの重量パーセントは組成物の総重量に対するパーセントである。
【請求項8】
下に記載の物質の混合物を含むかまたはそれからなる、請求項1~7のいずれか1項に記載の組成物:
a) 重量パーセントで5~24%の範囲の1つ以上のUVAおよびUVBフィルター剤
b) 重量パーセントで10.5%の、ミクロおよびナノの範囲で異なる粒子サイズを有するルチル(二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料
c) 重量パーセントで0.1~20%の1つ以上の冷却剤
d) 重量パーセントで0.1~5%の、植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー
e) 化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合
ここで、それぞれの重量パーセントは組成物の総重量に対するパーセントである。
【請求項9】
下に記載の物質の混合物を含むかまたはそれからなる、請求項1~8のいずれか1項に記載の組成物:
a) 重量パーセントで5~24%の範囲の1つ以上のUVAおよびUVBフィルター剤
b) 重量パーセントで2~30%の、ミクロおよびナノの範囲で異なる粒子サイズを有するルチル(二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料
c) 重量パーセントで16%の1つ以上の冷却剤
d) 重量パーセントで0.1~5%の、植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー
e) 化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合
ここで、それぞれの重量パーセントは組成物の総重量に対するパーセントである。
【請求項10】
下に記載の物質の混合物を含むかまたはそれからなる、請求項1~9のいずれか1項に記載の組成物:
a) 重量パーセントで5~24%の範囲の1つ以上のUVAおよびUVBフィルター剤
b) 重量パーセントで2~30%の、ミクロおよびナノの範囲で異なる粒子サイズを有するルチル(二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料
c) 重量パーセントで0.1~20%の1つ以上の冷却剤
d) 重量パーセントで0.18%の、植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー
e) 化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合
ここで、それぞれの重量パーセントは組成物の総重量に対するパーセントである。
【請求項11】
別のアンチエイジング剤と組み合わせて用いる、請求項1~10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
美白剤と組み合わせて用いる、請求項1~11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
別のアンチエイジング剤および美白剤と組み合わせて用いる、請求項1~12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
UVフィルター剤がビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ドロメトリゾールトリシロキサン、テレフタリリデンジカンフルスルホン酸、エチルヘキシルトリアゾン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、エチルヘキシルサリチラート、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、オクトクリレン、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、またはこれらの混合物である、請求項1~13のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
顔料が大小の粒子サイズでのTiO2およびZnOの混合物であり、粒子サイズが100~500μmである2~5重量部のTiO2および1~2重量部のZnO が存在し、さらに粒子サイズが10~600nmである12~24重量部のTiO2および8~10重量部のZnOが存在する、請求項1~14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
顔料がナノメータサイズの粒子とマイクロメートルサイズの粒子との混合物であり、ナノ粒子とマイクロ粒子の重量比が5:1~8:1である、請求項1~15のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
小さい粒子サイズが10~300nmの範囲であり、大きい粒子サイズが100~250μmの範囲である組成物である、請求項15または16に記載の組成物。
【請求項18】
顔料が10~600nmの範囲の粒子サイズのTiO2である、請求項1~14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項19】
顔料が10~600nmのTiO2と100~500μmのTiO2との混合物であり、ナノ粒子とマイクロ粒子の重量比が5:1~10:1である、請求項1~14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項20】
顔料が少なくともナノ粒子を含む混合物である、請求項1~19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項21】
顔料がナノ粒子のみの混合物である、請求項1~14、18または20のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項22】
下に記載の物質の混合物を含むかまたはそれからなる、請求項1~6または11~21のいずれか1項に記載の組成物:
a) 重量パーセントで12.5%の範囲の1つ以上のUVAおよびUVBフィルター剤
b) 重量パーセントで7.5%の、ミクロおよびナノの範囲で異なる粒子サイズを有するルチル(二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料
c) 重量パーセントで15.1%の1つ以上の冷却剤
d) 重量パーセントで0.12%の、植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー
e) 化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合
ここで、それぞれの重量パーセントは組成物の総重量に対するパーセントである。
【請求項23】
下に記載の物質下に記載の物質の混合物を含むかまたはそれからなる、請求項1~21のいずれか1項に記載の組成物:
a) 重量パーセントで14.5%の範囲の1つ以上のUVAおよびUVBフィルター剤
b) 重量パーセントで10.5%の、ミクロおよびナノの範囲で、異なる粒子サイズを有するルチル(二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料
c) 重量パーセントで16%の1つ以上の冷却剤
d) 重量パーセントで0.18%の、植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー
e) 化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合
ここで、それぞれの重量パーセントは組成物の総重量に対するパーセントである。
【請求項24】
冷却剤がL-メントングリセロールケタール、DL-メントングリセロールケタール、これら2つの混合物、N-エチル-p-メンタン-3-カルボキサミド、メントール、イソプレゴール、グルタル酸モノメチル、3-L-(メンチルオキシ)プロパン-1,2-ジオール、エトキシカルボノチオイル-3-p-メンタンカルボアミド、樟脳のエッセンシャルオイル、ミントのエッセンシャルオイル、ラベンダーのエッセンシャルオイル、これらの混合物からなる群から選択される、請求項1~23のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項25】
ラジカルスカベンジャーが単独でまたは混合物で40~100,000のラジカル防御指標を有する、請求項1~24のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項26】
ラジカルスカベンジャーが単独でまたは混合物で40~40,000のラジカル防御指標を有する、請求項1~25のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項27】
ラジカルスカベンジャーが単独でまたは混合物で500~100,000のラジカル防御指標を有する、請求項1~25のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項28】
20~4,000の、好ましくは900~3,600の、特に1,100~3,000のラジカル防御指標を有する、請求項1~27のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項29】
40超えの、特に40~50+の日光防御指数を有する、請求項1~28のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項30】
ラジカルスカベンジャーが親水性化合物である、請求項1~29のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項31】
ラジカルスカベンジャーがイワベンケイ(ロジオラ サクラの根の抽出物、またはロジオラロセアの抽出物)、ジュズダマ(コイックスラクリマ-ジョビの種の抽出物)、ラン(デンドロビウム ノビレ リンドルの花の抽出物)、トウヒレン(サウスレア インボルクラタの抽出物)、普通のキンセンカ(カレンデュラ オフィシナリスの花の抽出物)、ボタン(パエオニア ラクチフローラの根の抽出物)、タツナミソウ(スクテラリア ラテリフローラの根の抽出物、またはスクテラリア バイカレンシスの抽出物)、サルビア(サルビア ミルチオラヒザの根の抽出物)、ラン(ブレティラ ストリアータの根の抽出物)、緑茶(カメリア シネンシスの葉の抽出物)、スノーフレーク(ロイコジュム アエスチバムの球根の抽出物)、レンゲ(アストラガルス メンブラナセウスの根の抽出物)、ボウフウ(サポスニコビア ジバリカータの根の抽出物)、ネムノキ(アルビジアジュリブリッシンの花の抽出物)、オニノヤガラ(ガストロディア エラータの根の抽出物)、ミチコレンゲ(マグノリア セイボルディ)の抽出物、トコフェリルアセテート、これらの混合物からなる群から選択される、請求項1~30のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項32】
ラジカルスカベンジャーがイワベンケイ(ロジオラ サクラの根の抽出物)、ジュズダマ(コイックス ラクリマ-ジョビの種の抽出物)、ラン(デンドロビウム ノビレ リンドルの花の抽出物)、緑茶(カメリアシネンシスの葉の抽出物)の混合物である、請求項1~31のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項33】
ラジカルスカベンジャーがトウヒレン(サウスレア インボルクラタの抽出物)、キンセンカ(カレンデュラ オフィシナリスの花の抽出物)、ボタン(パエオニア ラクチフローラの根の抽出物)、緑茶(カメリア シネンシスの葉の抽出物)の混合物である、請求項1~31のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項34】
ラジカルスカベンジャーがタツナミソウ(スクテラリア ラテリフローラの根の抽出物)、サルビア(サルビア ミルチオラヒザの根の抽出物)、ラン(ブレティラ ストリアータの根の抽出物)、緑茶(カメリア シネンシスの葉の抽出物)の混合物である、請求項の1~31のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項35】
UVフィルター剤がメトキシケイ皮酸エチルヘキシル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、オクトクリレン、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸の混合物である、請求項1~34のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項36】
顔料が二酸化チタンと酸化亜鉛との混合物である、請求項1~17および20~35のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項37】
冷却剤がメントールである、請求項1~36のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項38】
ラジカルスカベンジャーが緑茶の抽出物、スクテラリア バイカレンシスの抽出物、サウスレア インボルクラタの抽出物、ロイコジュム アエスチバムの球根の抽出物、アストラガルス メンブラナセウスの根の抽出物、サポスニコビア ジバリカータの根の抽出物、カレンデュラ オフィシナリスの花の抽出物、アルビジア ジュリブリッシンの花の抽出物、ガストロディア エラータの根の抽出物の混合物である、請求項1~31および35~37のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項39】
UVフィルター剤がメトキシケイ皮酸エチルヘキシル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、オクトクリレン、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸の混合物であり、顔料が二酸化チタンと酸化亜鉛とであり、冷却剤がメントールであり、ラジカルスカベンジャーが緑茶の抽出物、スクテラリア バイカレンシスの抽出物、サウスレア インボルクラタの抽出物、ロイコジュム アエスチバムの球根の抽出物、アストラガルス メンブラナセウスの根の抽出物、サポスニコビア ジバリカータの根の抽出物、カレンデュラ オフィシナリスの花の抽出物、アルビジア ジュリブリッシンの花の抽出物、ガストロディア エラータの根の抽出物の混合物である、請求項1~33または36~38のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項40】
ミルク、ジェル、ローション、スティック、油中水滴エマルジョン、水中油型エマルジョン、または流体エマルジョンの形態である、請求項1~39のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項41】
百分率を下に記載の物質の混合物の日焼け防止およびサンスクリーン組成物としての使用:
a) 重量パーセントで5~24%の範囲の1つ以上のUVAおよびUVBフィルター剤
b) 重量パーセントで2~30%の、ミクロおよびナノの範囲で異なる粒子サイズを有するルチル(二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料
c) 重量パーセントで0.1~20%の1つ以上の冷却剤
d) 重量パーセントで0.05~48%の、植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー
e) 皮膚タイプIVおよびVのヒトの皮膚を保護する化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合
ここで、それぞれの重量パーセントは組成物の総重量に対するパーセントである。
【請求項42】
請求項41に記載の日焼け防止およびサンスクリーン組成物としての使用:
a) 重量パーセントで5~24%の範囲の1つ以上のUVAおよびUVBフィルター剤
b) 重量パーセントで2~30%の、ミクロおよびナノの範囲で異なる粒子サイズを有するルチル(二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料
c) 重量パーセントで0.1~20%の1つ以上の冷却剤
d) 重量パーセントで0.1~5%の、植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー
e) 化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合
ここで、それぞれの重量パーセントは組成物の総重量に対するパーセントである。
【請求項43】
下に記載の物質の混合物の請求項41に記載の日焼け防止およびサンスクリーン組成物としての使用:
a) 重量パーセントで5~24%の範囲の1つ以上のUVAおよびUVBフィルター剤
b) 重量パーセントで3~6.5%の、ミクロおよびナノの範囲で異なる粒子サイズを有するルチル(二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料
c) 重量パーセントで0.5~4.5%の1つ以上の冷却剤
d) 重量パーセントで2~48%の、植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー
e) 化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合
ここで、それぞれの重量パーセントは組成物の総重量に対するパーセントである。
【請求項44】
下に記載の物質の混合物のアンチエイジング組成物としての使用:
a) 重量パーセントで5~24%の範囲の1つ以上のUVAおよびUVBフィルター剤
b) 重量パーセントで2~30%の、ミクロおよびナノの範囲で異なる粒子サイズを有するルチル(二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料
c) 重量パーセントで0.1~20%の1つ以上の冷却剤
d) 重量パーセントで0.05~48%の、植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー
e) 皮膚タイプIVおよびVのヒトの皮膚を保護する化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合
ここで、それぞれの重量パーセントは組成物の総重量に対するパーセントである。
【請求項45】
下に記載の物質の混合物の請求項44に記載のアンチエイジング組成物としての使用:
a) 重量パーセントで5~24%の範囲の1つ以上のUVAおよびUVBフィルター剤
b) 重量パーセントで2~30%の、ミクロおよびナノの範囲で、異なる粒子サイズを有するルチル(二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料
c) 重量パーセントで0.1~20%の1つ以上の冷却剤
d) 重量パーセントで0.1~5%の、植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー
e) 化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合
ここで、それぞれの重量パーセントは組成物の総重量に対するパーセントである。
【請求項46】
下に記載の物質の混合物の請求項44に記載のアンチエイジング組成物としての使用:
a) 重量パーセントで5~24%の範囲の1つ以上のUVAおよびUVBフィルター剤
b) 重量パーセントで3~6.5%の、ミクロおよびナノの範囲で異なる粒子サイズを有するルチル(二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料
c) 重量パーセントで0.5~4.5%の1つ以上の冷却剤
d) 重量パーセントで2~48%の、植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー
e) 化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合
ここで、それぞれの重量パーセントは組成物の総重量に対するパーセントである。
【請求項47】
下に記載の物質の混合物のアンチダークスポット組成物としての使用:
a) 重量パーセントで5~24%の範囲の1つ以上のUVAおよびUVBフィルター剤
b) 重量パーセントで2~30%の、ミクロおよびナノの範囲で異なる粒子サイズを有するルチル(二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料
c) 重量パーセントで0.1~20%の1つ以上の冷却剤
d) 重量パーセントで0.05~48%の、植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー
e) 皮膚タイプIVおよびVのヒトの皮膚を保護する化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合
ここで、それぞれの重量パーセントは組成物の総重量に対するパーセントである。
【請求項48】
下に記載の物質の混合物の請求項47に記載のアンチダークスポット組成物としての使用:
a) 重量パーセントで5~24%の範囲の1つ以上のUVAおよびUVBフィルター剤
b) 重量パーセントで2~30%の、ミクロおよびナノの範囲で異なる粒子サイズを有するルチル(二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料
c) 重量パーセントで0.1~20%の1つ以上の冷却剤
d) 重量パーセントで0.1~5%の、植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー
e) 化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合
ここで、それぞれの重量パーセントは組成物の総重量に対するパーセントである。
【請求項49】
下に記載の物質の混合物の請求項47に記載のアンチダークスポット組成物としての使用:
a) 重量パーセントで5~24%の範囲の1つ以上のUVAおよびUVBフィルター剤
b) 重量パーセントで3~6.5%の、ミクロおよびナノの範囲で異なる粒子サイズを有するルチル(二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料
c) 重量パーセントで0.5~4.5%の1つ以上の冷却剤
d) 重量パーセントで2~48%の、植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー
e) 化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合
ここで、それぞれの重量パーセントは組成物の総重量に対するパーセントである。
【請求項50】
顔料が大小の粒子サイズでのTiO2およびZnOの混合物であり、粒子サイズが100~500μmである2~5重量部のTiO2および1~2重量部のZnO が存在し、さらに粒子サイズが10~600nmである12~24重量部のTiO2および8~10重量部のZnOが存在する、請求項40~49のいずれか1項に記載の使用。
【請求項51】
ラジカルスカベンジャーがイワベンケイ(ロジオラ サクラの根の抽出物)、ジュズダマ(コイックス ラクリマ-ジョビの種の抽出物)、ラン(デンドロビウム ノビレリンドルの花の抽出物)、トウヒレン(サウスレア インボルクラタの抽出物)、キンセンカ(カレンデュラ オフィシナリスの花の抽出物)、ボタン(パエオニア ラクチフローラの根の抽出物)、タツナミソウ(スクテラリア ラテリフローラの根の抽出物)、サルビア(サルビア ミルチオラヒザの根の抽出物)、ラン(ブレティラ ストリアータの根の抽出物)、緑茶(カメリア シネンシスの葉の抽出物)、これらの混合物からなる群から選択される、請求項40~50のいずれか1項に記載の使用。
【請求項52】
UVフィルター剤がメトキシケイ皮酸エチルヘキシル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、オクトクリレン、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸の混合物である、請求項1~40のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【請求項53】
顔料が二酸化チタンと酸化亜鉛との混合物である、請求項1~17および20~40のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【請求項54】
冷却剤がメントールである、請求項1~40のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【請求項55】
ラジカルスカベンジャーが緑茶の抽出物、スクテラリア バイカレンシスの抽出物、サウスレア インボルクラタの抽出物、ロイコジュムア エスチバムの球根の抽出物、アストラガルス メンブラナセウスの根の抽出物、サポスニコビア ジバリカータの根の抽出物、カレンデュラ オフィシナリスの花の抽出物、アルビジア ジュリブリッシンの花の抽出物、ガストロディア エラータの根の抽出物の混合物である、請求項1~31および35~40のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【請求項56】
UVフィルター剤がメトキシケイ皮酸エチルヘキシル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、オクトクリレン、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸の混合物であり、顔料が二酸化チタンと酸化亜鉛とであり、冷却剤がメントールであり、ラジカルスカベンジャーが緑茶の抽出物、スクテラリア バイカレンシスの抽出物、サウスレア インボルクラタの抽出物、ロイコジュム アエスチバムの球根の抽出物、アストラガルス メンブラナセウスの根の抽出物、サポスニコビア ジバリカータの根の抽出物、カレンデュラ オフィシナリスの花の抽出物、アルビジア ジュリブリッシンの花の抽出物、ガストロディア エラータの根の抽出物の混合物である、請求項1~33および36~40のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【請求項57】
ヒトに、特に色黒のヒトに、より詳しくは皮膚タイプIVおよびVのヒトにおけるフリーラジカルに起因する損傷防護に使用する、請求項1~40のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項58】
下に記載の物質の混合物を含む日焼け防止およびサンスクリーン組成物にて、放射線中のUV光線、IR光線、可視光線からヒトの、特に色黒のヒトの、より詳しくは皮膚タイプIVおよびVのヒトの皮膚を保護する方法:
a) 重量パーセントで5~24%の範囲の1つ以上のUVAおよびUVBフィルター剤
b) 重量パーセントで2~30%の、ミクロおよびナノの範囲で異なる粒子サイズを有するルチル(二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料
c) 重量パーセントで0.1~20%の1つ以上の冷却剤
d) 重量パーセントで0.05~48%の、植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー
e) 化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合
ここで、それぞれの重量パーセントは組成物の総重量に対するパーセントである。
【請求項59】
請求項1~40のいずれか1項に記載の組成物をヒト、特に色黒のヒト、より詳しくは皮膚タイプIVおよびVのヒトの皮膚に塗布することからなる化粧学的処理の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一定の皮膚タイプに関して特異的有効性を有する化粧品用日焼け防止およびサンスクリーン剤に関する。更に一般的には、本発明は抗酸化特性を有して各種の皮膚タイプに好適な化粧品組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
紫外線A(UVA)と紫外線B(UVB)領域用のUVフィルターと、皮膚に有益な別の成分とが通常含まれている多くのサンスクリーン剤が既に知られている。これらの薬剤においては特定の保護的および安定的効果を例えば、改質メチルピロリドン類により、またはデキストリン脂肪酸エステルの添加、あるいはトリアジン類によるアクリル重合体などにより行う。米国特許第7,892,523 B2号などの文献では植物エキスの添加、または国際公開第2016/087948 A2号などの文献では感光性カプセルへのカプセル化が述べられている。
また、フリーラジカルが皮膚に生成され、可視および赤外スペクトル領域では細胞および細胞成分がこの高度反応性分子により破壊されることも知られている(Schroder et al., Skin Pharmacol Physiol. 2010;23(1):15-7)。この対処のために欧州特許第2129357号はUVAとUVBフィルターの混合物に、シーバックソーン油、特殊なタイプのガラスと鉱物、さらに日焼け防止剤としてラジカルスカベンジャーの使用を提案している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
科学界によって全範囲の日焼け防止については、ほとんど研究がされてこなかった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は光の全スペクトル領域において、つまり赤外、可視、UVスペクトル領域において光線からの暗色皮膚タイプ用の、特異的かつ有効な防止をする化粧品用日焼け防止およびサンスクリーン剤の提供である。
本発明の別の目的は赤外、可視、UV光線から守る組成物の提供である。
本発明の別の目的は良好な抗酸化特性を有する組成物の提供である。
本発明の別の目的は良好な抗酸化特性を有する天然抽出物を含む組成物の提供である。
本発明の別の目的は色黒のヒト用に特殊に設計され、同時にすべての皮膚タイプのヒトにも有効である防止方法の提供である。
本発明の別の目的は日焼け防止およびサンスクリーン剤により放射線中のUV、赤外、可視光線から色黒のヒトの皮膚を保護する方法を提供する、暗色皮膚タイプ用の日焼け防止およびサンスクリーン剤の使用である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明の第1の目的は下に記載の物質の混合物を含むかまたはそれからなり、抗酸化で可視および近赤外線防護特性を有する組成物である
a) 重量パーセントで5~24%の範囲の1つ以上のUVAおよびUVBフィルター剤
b) 重量パーセントで2~30%の、ミクロおよびナノの範囲で異なる粒子サイズを有するルチル(二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料
c) 重量パーセントで0.1~20%の1つ以上の冷却剤
d) 重量パーセントで0.1~48%の、植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー
e) 化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合
ここで、それぞれの重量パーセントは組成物の総重量に対するパーセントである。
【0006】
発明者らは予想外にも色黒のヒトと、特に光タイプIV-Vのヒトは可視および近赤外光線に対してより感受性が高く、結果的に放射線に暴露されると別の光タイプを有するヒトよりも多くのROS(活性酸素種)を生成することを見出した。
【0007】
特定の実施形態では、本発明の組成物は下に記載の物質の混合物を含むかまたはそれからなる:
a) 重量パーセントで5~24%の範囲の1つ以上のUVAおよびUVBフィルター剤
b) 重量パーセントで2~30%の、ミクロおよびナノの範囲で異なる粒子サイズを有するルチル(二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料
c) 重量パーセントで0.1~20%の1つ以上の冷却剤
d) 重量パーセントで0.1~5%の、植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー
e) 化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合
ここで、それぞれの重量パーセントは組成物の総重量に対するパーセントである。
【0008】
特定の実施形態では、本発明の組成物は下に記載の物質の混合物を含むかまたはそれからなる:
a) 重量パーセントで5~24%の範囲の1つ以上のUVAおよびUVBフィルター剤
b) 重量パーセントで3~6.5%の、ミクロおよびナノの範囲で、異なる粒子サイズを有するルチル(二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料
c) 重量パーセントで0.5~4.5%の1つ以上の冷却剤
d) 重量パーセントで2~48%の、植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー
e) 化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合
ここで、それぞれの重量パーセントは組成物の総重量に対するパーセントである。
【0009】
特定の実施形態では、本発明の組成物は化粧品用日焼け防止およびサンスクリーン組成物である。
【0010】
特定の実施形態では、本発明の組成物はアンチエイジング組成物である。
【0011】
特定の実施形態では、本発明の組成物はアンチダークスポット組成物である。
【0012】
特定の実施形態では、本発明の組成物はUVAおよびUVBが組成物の総重量に対する量で5~24%の、特に5~7%、7~10%または7~15%、10~15%、15~20%、20~24%の重量パーセントを有する組成物である。
【0013】
特定の実施形態では、本発明の組成物は顔料が組成物の総重量に対する量で2~30%、特に2~3%、3~6.5%、6.5~7%、7~10%、10~15%、15~20%、20~25%、25~30%の重量パーセントを有する組成物である。
【0014】
特定の実施形態では、本発明の組成物は冷却剤が組成物の総重量に対する量で0.1~20%、特に0.1~0.5%、0.5~4.5%、4.5~7%、7~10%、10~13%、13~16%、16~20%の重量パーセントを有する組成物である。
【0015】
特定の実施形態では、本発明の組成物はラジカルスカベンジャーが組成物の総重量に対する量で0.05~48%、0.1~5%、特に0.05~0.1%、0.1~0.5%、0.5~1%、1~2%、2~5%、5~10%、10~15%、15~20%、20~30%、30~40%、40~48%の重量パーセントを有する組成物である。
【0016】
特定の実施形態では、本発明の組成物は下に記載の物質の混合物を含むかまたはそれからなる:
a) 重量パーセントで14.5%の範囲の1つ以上のUVAおよびUVBフィルター剤
b) 重量パーセントで2~30%の、ミクロおよびナノの範囲で異なる粒子サイズを有するルチル(二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料
c) 重量パーセントで0.1~20%の1つ以上の冷却剤
d) 重量パーセントで0.1~5%の、植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー
e) 化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合
ここで、それぞれの重量パーセントは組成物の総重量に対するパーセントである。
【0017】
特定の実施形態では、本発明の組成物は下に記載の物質の混合物を含むかまたはそれからなる
a) 重量パーセントで5~24%の範囲の1つ以上のUVAおよびUVBフィルター剤
b) 重量パーセントで10.5%の、ミクロおよびナノの範囲で異なる粒子サイズを有するルチル(二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料
c) 重量パーセントで0.1~20%の1つ以上の冷却剤
d) 重量パーセントで0.1~5%の、植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー
e) 化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合
ここで、それぞれの重量パーセントは組成物の総重量に対するパーセントである。
【0018】
特定の実施形態では、本発明の組成物は下に記載の物質の混合物を含むかまたはそれからなる:
a) 重量パーセントで5~24%の範囲の1つ以上のUVAおよびUVBフィルター剤
b) 重量パーセントで2~30%の、ミクロおよびナノの範囲で、異なる粒子サイズを有するルチル(二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料
c) 重量パーセントで16%の1つ以上の冷却剤
d) 重量パーセントで0.1~5%の、植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー
e) 化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合
ここで、それぞれの重量パーセントは組成物の総重量に対するパーセントである。
【0019】
特定の実施形態では、本発明の組成物は下に記載の物質の混合物を含むかまたはそれからなる:
a) 重量パーセントで5~24%の範囲の1つ以上のUVAおよびUVBフィルター剤
b) 重量パーセントで2~30%の、ミクロおよびナノの範囲で異なる粒子サイズを有するルチル(二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料
c) 重量パーセントで0.1~20%の1つ以上の冷却剤
d) 重量パーセントで0.18%の植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー
e) 化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合
ここで、それぞれの重量パーセントは組成物の総重量に対するパーセントである。
【0020】
特定の実施形態では、本発明の組成物は別のアンチエイジング剤と組み合わされて用いる。
【0021】
特定の実施形態では、本発明の組成物は美白剤と組み合わされて用いる。
【0022】
特定の実施形態では、本発明の組成物は別のアンチエイジング剤および美白剤と組み合わされて用いる。
【0023】
特定の実施形態では、本発明の組成物はUVフィルター剤がビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ドロメトリゾールトリシロキサン、テレフタリリデンジカンフルスルホン酸、エチルヘキシルトリアゾン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、エチルヘキシルサリチラート、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、オクトクリレン、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、またはこれらが混合された組成物である。
【0024】
特定の実施形態では、本発明の組成物は顔料が大小の粒子サイズでのTiO2およびZnOの混合物であり、粒子サイズが100~500μmである2~5重量部のTiO2および1~2重量部のZnO が存在し、さらに粒子サイズが10~600μmである12~24重量部のTiO2および8~10重量部のZnOが存在する組成物である。
【0025】
特定の実施形態では、本発明の組成物は顔料がナノメータサイズの粒子とマイクロメートルサイズの粒子との混合物であり、そのナノ粒子とマイクロ粒子の重量比が5:1~8:1である組成物である。
【0026】
特定の実施形態では、本発明の組成物は小さい粒子サイズが10~300nmの範囲であり、大きい粒子サイズが100~250μmの範囲である組成物である。
【0027】
特定の実施形態では、本発明の組成物は顔料が10~600nmの範囲の粒子サイズのTiO2である組成物である。
【0028】
特定の実施形態では、本発明の組成物は顔料が10~600nmのTiO2と100~500μmのTiO2との混合物であり、ナノ粒子とマイクロ粒子の重量比が5:1~10:1である組成物である。
【0029】
特定の実施形態では、本発明の組成物は顔料が少なくともナノ粒子を含む混合物である組成物である。
【0030】
特定の実施形態では、本発明の組成物は顔料がナノ粒子のみの混合物である。
【0031】
特定の実施形態では、本発明の組成物は下に記載の物質の混合物を含むかまたはそれからなる:
a) 重量パーセントで12.5%の範囲の1つ以上のUVAおよびUVBフィルター剤
b) 重量パーセントで7.5%の、ミクロおよびナノの範囲で、異なる粒子サイズを有するルチル(二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料
c) 重量パーセントで15.1%の1つ以上の冷却剤
d) 重量パーセントで0.12%の、植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー
e) 化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合
ここで、それぞれの重量パーセントは組成物の総重量に対するパーセントである。
【0032】
特定の実施形態では、本発明の組成物は下に記載の物質の混合物を含むかまたはそれからなる:
a) 重量パーセントで14.5%の範囲の1つ以上のUVAおよびUVBフィルター剤
b) 重量パーセントで10.5%の、ミクロおよびナノの範囲で、異なる粒子サイズを有するルチル(二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料
c) 重量パーセントで16%の1つ以上の冷却剤
d) 重量パーセントで0.18%の、植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー
e) 化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合
ここで、それぞれの重量パーセントは組成物の総重量に対するパーセントである。
【0033】
特定の実施形態では、本発明の組成物は冷却剤がL-メントングリセロールケタール、DL-メントングリセロールケタール、これら2つの混合物、N-エチル-p-メンタン-3-カルボキサミド、メントール、イソプレゴール、グルタル酸モノメンチル、3-L-(メンチルオキシ)プロパン-1,2-ジオール、エトキシカルボニルメチル-3-p-メンタンカルボアミド、樟脳のエッセンシャルオイル、ミントのエッセンシャルオイル、ラベンダーのエッセンシャルオイル、これらの混合物からなる群から選択される組成物である。
【0034】
特定の実施形態では、本発明の組成物はラジカルスカベンジャーが単独または混合物で40~100,000のラジカル防御指標を有する組成物である。
【0035】
特定の実施形態では、本発明の組成物はラジカルスカベンジャーが単独または混合物で40~40,000のラジカル防御指標を有する組成物である。
【0036】
特定の実施形態では、本発明の組成物はラジカルスカベンジャーが単独または混合物で500~100,000のラジカル防御指標を有する組成物である。
【0037】
特定の実施形態では、本発明の組成物は20~4,000の、好ましくは900~3,600、特に1,100~3,000のラジカル防御指標を有する。
【0038】
特定の実施形態では、本発明の組成物は40超えの、特に40~50+の日光防御指数を有する。
【0039】
特定の実施形態では、本発明の組成物はラジカルスカベンジャーが親水性化合物である組成物である。
【0040】
特定の実施形態では、本発明の組成物はラジカルスカベンジャーがイワベンケイ(roseroot)(ロジオラ サクラ{Rhodiola sacra}の根の抽出物、またはロジオラ ロセア{Rhodiola Rosea}の抽出物)、ジュズダマ(Job's tear)(コイックス ラクリマ-ジョビ{Coix Lacryma-Jobi}の種の抽出物)、ラン(orchid)(デンドロビウム ノビレリンドル{Dendrobium nobile Lindl}の花の抽出物)、トウヒレン(Saussurea)(サウスレア インボルクラタ{Saussurea involucrata}の抽出物)、キンセンカ(common marigold)(カレンデュラ オフィシナリス{Calendula officinalis}の花の抽出物)、ボタン(peony)(パエオニア ラクチフローラ{Paeonia lactiflora}の根の抽出物)、タツナミソウ(Scutellaria)(スクテラリア ラテリフローラ{Scutellaria lateriflora}の根の抽出物、またはスクテラリア バイカレンシス{Scutellaria baicalensis}の抽出物)、サルビア(Salvia)(サルビア ミルチオラヒザ{Salvia miltiorrhiza}の根の抽出物)、ラン(ブレティラ ストリアータ{Bletilla striata}の根の抽出物)、緑茶(green tea)(カメリア シネンシス{Camellia sinensis}の葉の抽出物)、スノーフレーク(leucojum)(ロイコジュム アエスチバム{Leucojum aestivum}の球根の抽出物)、レンゲ(astragalus)(アストラガルス メンブラナセウス{astragalus membranaceus}根の抽出物)、ボウフウ(saposhnikovia)(サポスニコビア ジバリカータ{saposhnikovia divaricata}の根の抽出物)、ネムノキ(albizia)(アルビジア ジュリブリッシン{albizia julibrissin}の花の抽出物)、オニノヤガラ(gastrodia)(ガストロディア エラータ{gastrodia elata}の根の抽出物)、ミチコレンゲ(マグノリア セイボルディ{magnolia seiboldii})の抽出物、トコフェリルアセテート、これらの混合物からなる群から選択される組成物である。
【0041】
特定の実施形態では、本発明の組成物はラジカルスカベンジャーがイワベンケイ(ロジオラ サクラの根の抽出物)、ジュズダマ(コイックス ラクリマ-ジョビの種の抽出物)、ラン(デンドロビウム ノビレ リンドルの花の抽出物)、緑茶(カメリア シネンシスの葉の抽出物)の混合物の組成物である。
【0042】
特定の実施形態では、本発明の組成物はラジカルスカベンジャーがトウヒレン(サウスレア インボルクラタの抽出物)、キンセンカ(カレンデュラ オフィシナリス花の抽出物)、ボタン(パエオニア ラクチフローラの根の抽出物)、緑茶(カメリア シネンシスの葉の抽出物)の混合物の組成物である。
【0043】
特定の実施形態では、本発明の組成物はラジカルスカベンジャーがタツナミソウ(スクテラリア ラテリフローラの根の抽出物)、サルビア(サルビア ミルチオラヒザの根の抽出物)、ラン(ブレティラ ストリアータの根の抽出物)、緑茶(カメリア シネンシスの葉の抽出物)の混合物の組成物である。
【0044】
特定の実施形態では、本発明の組成物はUVフィルター剤がメトキシケイ皮酸エチルヘキシル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、オクトクリレン、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸が混合された組成物である。
【0045】
特定の実施形態では、本発明の組成物は顔料が二酸化チタンと酸化亜鉛とが混合された組成物である。
【0046】
特定の実施形態では、本発明の組成物は冷却剤がメントールである組成物である。
【0047】
特定の実施形態では、本発明の組成物はラジカルスカベンジャーが緑茶の抽出物、スクテラリア バイカレンシスの抽出物、サウスレア インボルクラタの抽出物、ロイコジュム アエスチバムの球根の抽出物、アストラガルス メンブラナセウスの根の抽出物、サポスニコビア ジバリカータの根の抽出物、カレンデュラ オフィシナリスの花の抽出物、アルビジア ジュリブリッシンの花の抽出物、ガストロディア エラータの根の抽出物の混合物である。
【0048】
特定の実施形態では、本発明の組成物はUVフィルター剤がメトキシケイ皮酸エチルヘキシル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、オクトクリレン、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸の混合物であり、顔料が二酸化チタンと酸化亜鉛とであり、冷却剤がメントールであり、ラジカルスカベンジャーが緑茶の抽出物、スクテラリア バイカレンシスの抽出物、サウスレア インボルクラタの抽出物、ロイコジュム アエスチバムの球根の抽出物、アストラガルス メンブラナセウスの根の抽出物、サポスニコビア ジバリカータの根の抽出物、カレンデュラ オフィシナリスの花の抽出物、アルビジア ジュリブリッシンの花の抽出物、ガストロディア エラータの根の抽出物の混合物である。
【0049】
特定の実施形態では、本発明の組成物はミルク、ジェル、ローション、スティック、油中水滴エマルジョン、水中油型エマルジョン、または流体エマルジョンの形態である。
【0050】
上に列挙の異なる形態の準備のためにゲル化剤の次のリストを使用する:カルボマー、キサンタン、ガム、カラギーナン、グアーガムおよび誘導体、セルロース誘導体、ポリビニルアルコールポリアクリレート。
【0051】
本発明の組成物は室温で少なくとも6か月間、特に6か月間は安定的である。
【0052】
本発明の意味で用語「室温」とは約20℃~約25℃という意味である。
【0053】
上に記載の化粧料に使用するエマルジョンは例えば直鎖C8-C22脂肪アルコールと、直鎖C12-C22脂肪アルコールと、C8-C15アルキルフェノールとのエチレンオキシドの付加生成物;グリセロールとのエチレンオキシドの付加生成物のC12-C22モノ脂肪酸およびジエステル。
【0054】
上に記載の化粧料に使用される別のエマルジョンは例えば、ひまし油とのエチレンオキシドの付加生成物;C12-C22脂肪酸およびグリセロールのエステル;ポリグリセロール、ペンタエリトリトール、糖アルコール(例えばソルビトール)、ポリグルコシド(例えばセルロース);ポリアルキレングリコール;羊脂アルコール;ポリシロキサン‐ポリアルキルポリエーテルの共重合体である。
【0055】
本発明の第2の目的は下に記載の物質の混合物の日焼け防止およびサンスクリーン組成物としての使用である:
a) 重量パーセントで5~24%の範囲の1つ以上のUVAおよびUVBフィルター剤
b) 重量パーセントで2~30%の、ミクロおよびナノの範囲で異なる粒子サイズを有するルチル(二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料
c) 重量パーセントで0.1~20%の1つ以上の冷却剤
d) 重量パーセントで0.05~48%の、植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー
e) 皮膚タイプIVおよびVのヒトの皮膚を保護する化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合
ここで、それぞれの重量パーセントは組成物の総重量に対するパーセントである。
【0056】
特定の実施形態では下に記載の物質の混合物の日焼け防止およびサンスクリーン組成物としての使用である:
a) 重量パーセントで5~24%の範囲の1つ以上のUVAおよびUVBフィルター剤
b) 重量パーセントで2~30%の、ミクロおよびナノの範囲で異なる粒子サイズを有するルチル(二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料
c) 重量パーセントで0.1~20%の1つ以上の冷却剤
d) 重量パーセントで0.1~5%の、植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー
e) 化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合
ここで、それぞれの重量パーセントは組成物の総重量に対するパーセントである。
【0057】
特定の実施形態では下に記載の物質の混合物の日焼け防止およびサンスクリーン組成物としての使用である:
a) 重量パーセントで5~24%の範囲の1つ以上のUVAおよびUVBフィルター剤
b) 重量パーセントで3~6.5%の、ミクロおよびナノの範囲で異なる粒子サイズを有するルチル(二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料
c) 重量パーセントで0.5~4.5%の1つ以上の冷却剤
d) 重量パーセントで2~48%の、植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー
e) 化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合
ここで、それぞれの重量パーセントは組成物の総重量に対するパーセントである。
【0058】
本発明の第3の目的は下に記載の物質の混合物のアンチエイジング組成物としての使用である:
a) 重量パーセントで5~24%の範囲の1つ以上のUVAおよびUVBフィルター剤
b) 重量パーセントで2~30%の、ミクロおよびナノの範囲で、異なる粒子サイズを有するルチル(二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料
c) 重量パーセントで0.1~20%の1つ以上の冷却剤
d) 重量パーセントで0.05~48%の、植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー
e) 皮膚タイプIVおよびVのヒトの皮膚を保護する化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合
ここで、それぞれの重量パーセントは組成物の総重量に対するパーセントである。
【0059】
特定の実施形態では下に記載の物質の混合物のアンチエイジング組成物としての使用である:
a) 重量パーセントで5~24%の範囲の1つ以上のUVAおよびUVBフィルター剤
b) 重量パーセントで2~30%の、ミクロおよびナノの範囲で異なる粒子サイズを有するルチル(二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料
c) 重量パーセントで 0.1~20%の1つ以上の冷却剤
d) 重量パーセントで0.1~5%の、植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー
e) 化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合
ここで、それぞれの重量パーセントは組成物の総重量に対するパーセントである。
【0060】
特定の実施形態では下に記載の物質の混合物のアンチエイジング組成物のとしての使用である:
a) 重量パーセントで5~24%の範囲の1つ以上のUVAおよびUVBフィルター剤
b) 重量パーセントで3~6.5%の、ミクロおよびナノの範囲で異なる粒子サイズを有するルチル(二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料
c) 重量パーセントで 0.5~4.5%の1つ以上の冷却剤
d) 重量パーセントで2~48%の、植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー
e) 化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合
ここで、それぞれの重量パーセントは組成物の総重量に対するパーセントである。
【0061】
本発明の別の目的は下に記載の物質の混合物のアンチダークスポット組成物としての使用である:
a) 重量パーセントで5~24%の範囲の1つ以上のUVAおよびUVBフィルター剤
b) 重量パーセントで2~30%の、ミクロおよびナノの範囲で異なる粒子サイズを有するルチル(二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料
c) 重量パーセントで 0.1~20%の1つ以上の冷却剤
d) 重量パーセントで0.05~48%の、植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー
e) 皮膚タイプIVおよびVのヒトの皮膚を保護する化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合
ここで、それぞれの重量パーセントは組成物の総重量に対するパーセントである。
【0062】
特定の実施形態では下に記載の物質の混合物のアンチダークスポット組成物としての使用である:
a) 重量パーセントで5~24%の範囲の1つ以上のUVAおよびUVBフィルター剤
b) 重量パーセントで2~30%の、ミクロおよびナノの範囲で異なる粒子サイズを有するルチル(二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料
c) 重量パーセントで 0.1~20%の1つ以上の冷却剤
d) 重量パーセントで0.1~5%の、植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー
e) 化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合
ここで、それぞれの重量パーセントは組成物の総重量に対するパーセントである。
【0063】
特定の実施形態では下に記載の物質の混合物のアンチダークスポット組成物としての使用である:
a) 重量パーセントで5~24%の範囲の1つ以上のUVAおよびUVBフィルター剤
b) 重量パーセントで3~6.5%の、ミクロおよびナノの範囲で異なる粒子サイズを有するルチル(二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料
c) 重量パーセントで0.5~4.5%の1つ以上の冷却剤
d) 重量パーセントで2~48%の、植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー
e) 化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合
ここで、それぞれの重量パーセントは組成物の総重量に対するパーセントである。
【0064】
特定の実施形態では、本発明の組成物は別のアンチエイジング剤と組み合わされる。
【0065】
特定の実施形態では、本発明の組成物は美白剤と組み合わされる。
【0066】
特定の実施形態では、本発明の組成物は別のアンチエイジング剤および美白剤と組み合わされる。
【0067】
特定の実施形態では顔料が大小の粒子サイズでのTiO2およびZnOの混合物であり、粒子サイズが100~500μmである2~5重量部のTiO2および1~2重量部のZnO が存在し、さらに粒子サイズが10~600nmである12~24重量部のTiO2および8~10重量部のZnOが存在する、本発明の使用である。
【0068】
特定の実施形態ではラジカルスカベンジャーがイワベンケイ(ロジオラ サクラの根の抽出物)、ジュズダマ(コイックス ラクリマ-ジョビの種の抽出物)、ラン(デンドロビウム ノビレ リンドルの花の抽出物)、トウヒレン(サウスレアインボルクラタの抽出物)、キンセンカ(カレンデュラ オフィシナリス花の抽出物)、ボタン(パエオニア ラクチフローラの根の抽出物)、タツナミソウ(スクテラリア ラテリフローラの根の抽出物)、サルビア(サルビア ミルチオラヒザの根の抽出物)、ラン(ブレティラ ストリアータの根の抽出物)、緑茶(カメリア シネンシスの葉の抽出物)、これらの混合物からなる群から選択される本発明の使用。
【0069】
特定の実施形態ではUVフィルター剤がメトキシケイ皮酸エチルヘキシル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、オクトクリレン、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸の混合物である本発明の使用。
【0070】
特定の実施形態では顔料が二酸化チタンと酸化亜鉛との混合物である本発明の使用。
【0071】
特定の実施形態では冷却剤がメントールである本発明の使用である。
【0072】
特定の実施形態ではラジカルスカベンジャーが緑茶の抽出物、スクテラリア バイカレンシスの抽出物、サウスレア インボルクラタの抽出物、ロイコジュム アエスチバムの球根の抽出物、アストラガルス メンブラナセウスの根の抽出物、サポスニコビア ジバリカータの根の抽出物、カレンデュラ オフィシナリスの花の抽出物、アルビジア ジュリブリッシンの花の抽出物、ガストロディア エラータの根の抽出物の混合物である本発明の使用。
【0073】
特定の実施形態ではUVフィルター剤がメトキシケイ皮酸エチルヘキシル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、オクトクリレン、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸の混合物であり、顔料が二酸化チタンと酸化亜鉛とであり、冷却剤がメントールであり、ラジカルスカベンジャーが緑茶の抽出物、スクテラリア バイカレンシスの抽出物、サウスレア インボルクラタの抽出物、ロイコジュム アエスチバムの球根の抽出物、アストラガルス メンブラナセウスの根の抽出物、サポスニコビア ジバリカータの根の抽出物、カレンデュラ オフィシナリスの花の抽出物、アルビジア ジュリブリッシンの花の抽出物、ガストロディア エラータの根の抽出物の混合物である本発明の使用。
【0074】
本発明の別の目的はヒトに、特に色黒のヒトに、より詳しくは皮膚タイプIVおよびVのヒトにおけるフリーラジカルに起因する損傷防護に使用する本発明の組成物である。
【0075】
本発明の別の目的は下に記載の物質の混合物を含む日焼け防止およびサンスクリーン組成物にて、UV光線、IR光線、可視光線からヒトの、特に色黒のヒトの、より詳しくは皮膚タイプIVおよびVのヒトの皮膚を保護する方法:
a) 重量パーセントで5~24%の範囲の1つ以上のUVAおよびUVBフィルター剤
b) 重量パーセントで2~30%の、ミクロおよびナノの範囲で異なる粒子サイズを有するルチル(二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料
c) 重量パーセントで0.1~20%の1つ以上の冷却剤
d) 重量パーセントで0.05~48%の、植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー
e) 化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合
ここで、それぞれの重量パーセントは組成物の総重量に対するパーセントである。
【0076】
本発明の別の目的は本発明の組成物をヒト、特に色黒のヒト、より詳しくは皮膚タイプIVおよびVのヒトの皮膚に塗布することからなる化粧学的処理の方法である。
【0077】
本発明の化粧品用日焼け防止およびサンスクリーン剤は、下に記載の物質の混合物を含む:
a) 重量パーセントで5~24%の範囲の1つ以上のUVAおよびUVBフィルター剤
b) 重量パーセントで2~7%の、ミクロおよびナノの範囲で異なる粒子サイズを有するルチル(二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料
c) 重量パーセントで0.5~4.5%の1つ以上の冷却剤
d) 重量パーセントで2~48%の、植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー
e) 化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合
ここで、それぞれの重量パーセントは組成物の総重量に対するパーセントである。
【0078】
色白のヒトと比べて色黒のヒトにおけるラジカルの形成はIR放射領域において際立って高いことを見出されており、特別なサンスクリーンが必要である。
【0079】
さらに従来の組成物のサンスクリーン剤と比較してUVフィルター剤、冷却剤、顔料、ラジカルスカベンジャーの混合物はUVおよびIR線の領域において、また可視光の領域(UV + IR + Vis)において皮膚タイプIVおよびVに対する日焼け防止を著しく向上させることが見出されている。この事実はSPF30または50の非常に高い日光防御指数の従来の薬剤と比較しても同様である。いまここで重要な点はフィルター剤の数の多さではなく、日光防御指数SPFも高めず、事実としてはUVフィルター剤、顔料、ラジカルスカベンジャー、冷却剤のバランスが重要なのである。
【0080】
一般的に皮膚タイプの分類はフィッツパトリックスケール(Fitzpatrick scale)により導き出されたタイプI~VIのvon Luschanの色スケール(chromatic scale)に従う。
皮膚タイプI: 皮膚がとても明るく、そばかす、明るい目、赤みがかった金髪
皮膚タイプII: 皮膚が明るく、一部にそばかす、明るい目、明るい色の髪
皮膚タイプIII: 皮膚が中くらいに明るく、明るいか茶色の目、褐色の髪
皮膚タイプIV: 褐色の皮膚、褐色の目、暗褐色から黒い髪
皮膚タイプV: 黒い皮膚、褐色の目、暗褐色から黒い髪
皮膚タイプVI: 最も暗褐色の皮膚、褐色の目、黒い髪
加えてI. Moll (Ed.) Dermatologie, Thieme Verlag 2005 p. 534 ffを参照。
【0081】
UVA、UVBおよび/または広帯域フィルター剤を本発明に使用する。これらは例えばブチルメトキシジベンゾイルメタン、3-ベンジリデンカンファー、これらのスルホン酸誘導体、オクチルジメチルPABA、ホモサラート、オクチサレート、ベンゾフェノン-3、ベンゾフェノン-4、およびこれらの混合物である。
【0082】
低いアレルゲン可能性の、ホルモン副作用の無いUVフィルター剤は特に好ましい。有利に使用できるのは次に示す2つ以上の混合物である:ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(Tinosorb S(登録商標))、ドロメトリゾールトリシロキサン(Mexoryl XL(登録商標))、テレフタリリデンジカンフルスルホン酸(Mexoryl SX(登録商標))、エチルヘキシルトリアゾン(Uvinul T 150(登録商標))、ブチルメトキシジベンゾイルメタン(Avobenzone(登録商標))、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート(Uvinul A Plus(登録商標))、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン(Iscotrizinol(登録商標))、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸(Enzulisol(登録商標))。
【0083】
化学フィルターと供に混合物中に使用できるTi、Si、Zn、Fe(III)、Zr、Al、Mnの酸化物などのミネラルフィルターなども好ましい。粒子サイズは500μmまでの範囲であるが、特に好ましくは200~800nmの範囲である。
【0084】
顔料として使用されて特にその反射挙動により、本発明のミネラルフィルターは二つの目的を果たす。特定の実施形態では、このことから1:8~1:20の比率(大きい粒子サイズと小さい粒子サイズの比)にて100~500μmの範囲の粒子と400~800nmの範囲の粒子で、同一または異なる顔料の混合物が使用される。
【0085】
粒子サイズの違いにより顔料の著しく向上した全般的な反射挙動の達成が見出されたが、これはUVと可視領域の反射が粒子サイズ増加で減少する一方、赤外線領域で反射が増加するからである。加えて反射指数が著しく異なる顔料が使用された場合には、例えばルチル n=2.8およびZnO n=2.10で、反射も増加する。
【0086】
このことから好ましい顔料は大小のサイズでのTiO2およびZnOの混合物である。好ましくは、かかる顔料はTiO2およびZnOの顔料混合物であり、2~5重量部のTiO2、また1~2重量部のZnOが存在し、これらの粒子サイズが200~500μmであり、さらに12~24重量部のTiO2または8~10重量部のZnOが存在し、これらの粒子サイズが400~600nmである組成物である。特に、これは例えば粒子サイズが200~500μmである2重量部のTiO2および1重量部のZnOと、粒子サイズは400~600nmである12重量部のTiO2および8重量部のZnOとの混合物である。これにより、皮膚に侵入する全般的な放射線の主な部分を防止してサンスクリーン調製の有効性を優位に向上させる。
好ましくは、顔料の存在は3~6.0wt%、特に3.5~5.5wt%の範囲である。
【0087】
特に好ましいフィルター混合物は顔料が大小のサイズでのTiO2およびZnOの混合物であり、2~5重量部のTiO2、また1~2重量部のZnOが存在し、これらの粒子サイズが200~500μmであり、さらに12~24重量部のTiO2または8~10重量部のZnOが存在し、これらの粒子サイズが400~600nmであり、重量比が1:2.2~2.8:0.8~1.1(フィルターに対する顔料の比率)の範囲でブチルメトキシジベンゾイルメタンおよびビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンと、相応する顔料としてTiO2/ZnOからなる。
【0088】
本発明の別の実施形態では、顔料は200~600nmの範囲の粒子サイズのTiO2であるが、特に200~600nmのTiO2と、100~500μmのTiO2の混合物で、ナノ粒子とミクロ粒子が5~10:1の重量比で存在する。
【0089】
好ましいラジカルスカベンジャーは植物および植物の部分、特に植物エキスである。好ましい植物エキスにはタンニン酸、ローズマリー油、ローズマリーの抽出物、緑茶の抽出物、グレープフルーツの抽出物、カレーの抽出物、アセロラの抽出物、海棠(aronia)の皮の抽出物、コーヒー豆の抽出物、アンゼリカの根の抽出物、これらに加えて次の植物の抽出物:イワベンケイ(ロジオラ サクラの根の抽出物)、ジュズダマ(コイックス ラクリマ-ジョビの種の抽出物)、ラン(デンドロビウム ノビレ リンドルの花の抽出物)、トウヒレン(サウスレア インボルクラタの抽出物)、キンセンカ(カレンデュラ オフィシナリスの花の抽出物)、ボタン(パエオニア ラクチフローラの根の抽出物)、タツナミソウ(スクテラリア ラテリフローラの根の抽出物)、サルビア(サルビア ミルチオラヒザの根の抽出物)、ラン(ブレティラ ストリアータの根の抽出物)が含まれる。
【0090】
本発明の好適な実施形態によるとラジカルスカベンジャーはイワベンケイ(ロジオラ サクラの根の抽出物)、ジュズダマ(コイックス ラクリマ-ジョビの種の抽出物)、ラン(デンドロビウム ノビレ リンドルの花の抽出物)、緑茶(カメリア シネンシスの葉の抽出物)の混合物である。
本発明の別の好適な実施形態によるとラジカルスカベンジャーはトウヒレン(サウスレア インボルクラタの抽出物)、キンセンカ(カレンデュラ オフィシナリスの花の抽出物)、ボタン(パエオニア ラクチフローラの根の抽出物)、緑茶(カメリア シネンシスの葉の抽出物)の混合物である。
本発明の第3の好適な実施形態によるとラジカルスカベンジャーはタツナミソウ(スクテラリア ラテリフローラの根の抽出物)、サルビア(サルビア ミルチオラヒザ根の抽出物)、ラン(ブレティラ ストリアータの根の抽出物)、緑茶(カメリア シネンシスの葉の抽出物)の混合物である。
この3つの好適な実施形態のラジカルスカベンジャーに関して、それぞれの混合物中の分布はほぼ等しく、つまり1:1:1である。
好ましくは、好適な実施形態のラジカルスカベンジャーは日焼け防止およびサンスクリーン剤の重量に対して2~12wt%で存在する。
【0091】
植物エキスは水分または水/グリセロールにて15~35℃の温度で、新鮮な、または乾燥させた植物または植物の部分の抽出により調製される。
【0092】
別の好適なラジカルスカベンジャーはビタミン、例えばビタミンC、BビタミンA、SOD(スーパーオキシドジスムターゼ)である。
【0093】
本発明が想定したように有効にするためにラジカルスカベンジャーは単独でまたは混合物で500~100,000のラジカル防御指標を有する。
【0094】
ラジカル防御指標(RPF)は抗酸化剤を含む物質または生成物のラジカル捕捉活性を示す値である。例えば、この値はMagnettech (Berlin, Germany)社製のMiniScope MS400 X-band EPRスぺクトロメーターを使用して測定される。標準資料DPPH(2,2-ジフェニル-1-ピペリジルヒドラジル)(Sigma Aldrich, St. Louis, USA)はエタノール中の1mMのDPPHで、BioSpin GmbH 社製(Karlsruhe, Germany)のBruker Elexsys E500 X-band EPRスぺクトロメーターを使用して測定される。RPF測定は「MiniScopeControl 6.51.exe」ソフトウェアの支援にて1mMのDPPHの標準資料に対して25~50℃の範囲の一定温度で、下に記載の測定パラメーターについて実施される:
BOフィールド: 3350.84 G; スウィープ: 95.25 G; スウィープ時間: 20 s; モジュレーション:2000 mG; MW atten: 15 dB;ゲイン: 1; E: 2; スムース: 0.10 s; ステップ:4086.
精巧な計測方法についてはMeineke et alによるPhotochemistry and Photobiology, 2011, 87:452-456に記載されている。
還元テストラジカルの数は、ラジカル捕捉活性1mgの測定された生成物または抗酸化剤へ正規化されているラジカル捕捉活性を表す。RPFは次の式により計算される
【0095】
RPF = RC × RF / PI
【0096】
ここでRCはテストラジカルの濃度(mg当たりのラジカル)である;RFは未処理テストラジカルの強度と、処理テストラジカルの信号に正規化された、抗酸化剤または生成物で処理後の減少した信号強度との差により決定される減少因子である;PIは測定された生成物または物資(抗酸化剤)の量(mg/ml)で表される生成物投入量である。
【0097】
Nを正の数としてRPFはmg当たりの、10の14乗を掛けたフリーラジカルの数で、RPF=N x 〔mg当たり、10の14乗ラジカル〕を示す。本明細書でしばしば記載されるように、一般的にはこの値は10の14乗を付けずに文献で使用される。
【0098】
本発明の日焼け防止およびサンスクリーン剤には冷却成分も含まれる。なお実際の冷却剤の代わりに、植物エキスの形態の保湿剤が部分的に使用される。しかしL-メントングリセロールケタール(FEMA GRAS 3807)、DL-メントングリセロールケタール(FEMA GRAS 3808)、これら2つの混合物、N-エチル-p-メンタンカルボキサミド(WS-5)、メントール、イソプレゴール、グルタル酸モノメンチル、3-L-(メンチルオキシ)プロパン-1,2-ジオール(MPD)、エトキシカルボニルメチル-3-p-メンタンカルボアミド(WS-5)、樟脳のエッセンシャルオイル、ミントのエッセンシャルオイル、ラベンダーのエッセンシャルオイル、これらの混合物からなる群から選択される通常の冷却剤を使用したときに冷却効果は向上する。
【0099】
乳化剤としてホウ砂入りのコールドクリームを添加して水の冷却効果も利用可能である。
【0100】
本発明の処方された日焼け防止およびサンスクリーン剤のラジカル防御指標は100~4,000の範囲で、好ましくは900~3,600で、特に1,100~3,000の範囲である。
【0101】
本発明の日焼け防止およびサンスクリーン剤はO/Wエマルジョンとして、またはW/Oエマルジョンとして調製できる。このために既知のエマルジョンを使用するが、例えばO/Wエマルジョンにはグリセロールとの1~30molのエチレンオキシドの吸収生成物のC12-C22モノ脂肪酸およびジエステルであり、また例えばW/Oエマルジョンには、ひまし油との2~15molのエチレンオキシドの吸収生成物のポリグリセロール、ペンタエリスリトール、ポリエチレングリコールである。
【0102】
本発明の薬剤はまた調製において通常使用されるように化粧品賦形剤および担体を含むが例えば水、保存剤、染料、濃厚剤、可塑化物質、保湿物質、香味、アルコール、ポリオール、電解液、極性および非極性油、ポリマー、共重合体、乳化剤、および/または安定剤などである。
【0103】
本発明に使用される油はミネラルオイル、水素化ポリイソブテン(INCI名称:水素化ポリイソブテン)、合成スクアランまたは天然産物から調製されるスクアラン(INCI名称:スクアラン、Synthesqual(登録商標)、Cosbiol(登録商標))、分枝または無分枝、飽和または不飽和である化粧品用エステルなどの従来の化粧品油、植物油に、これらの2つ以上の混合物である。
【0104】
特に好適な油は例えば水素化ポリイソブテン、ポリイソプレン、スクアラン、トリメリト酸トリトリデシル、トリメチルプロパン‐トリイソステアリン酸、クエン酸イソデシル、ネオペンチルグリコール-ジヘプタン酸、PPG‐15ステアリル、カレンデュラ油、ホホバ油、アボカド油、マカナミヤンナッツ油、これらの混合物である。透明度、柔らかさ、硬さ、波及効果などの固形調製の化粧品特性は選択される油により影響される。
【0105】
本発明の化粧品用日焼け防止およびサンスクリーン剤は日焼け止めクリーム、日焼け止めジェル、日焼け止めローション、日焼け止めスプレー、日焼け止めミルクとして使用できる。これらの製品は当業者に周知の方法で調製される。
【0106】
本発明の目的はまた上に記載の物質の日焼け防止およびサンスクリーン剤の使用である。
【0107】
本発明の更なる目的は上に記載の日焼け防止およびサンスクリーン剤を用いてUV、赤外、可視光線から色黒のヒトの皮膚を保護する方法である。
【0108】
異なる皮膚質の被験者におけるラジカル生成は比較分析で分析された。この試験ではI~IIIの皮膚タイプの被験者はIV~Vの皮膚タイプの被験者と比較された。この試験により紫外スペクトル領域において明るい皮膚色(皮膚タイプI~III)の被験者は太陽の放射により、その皮膚中に有意により多くのラジカルを生成することが示された。その一方でIV~Vの皮膚タイプの被験者においては、ラジカルの生成は著しく低いことが示された。この点については暗い皮膚色が防止系であり、明るい皮膚色の被験者が褐色に変わる系に類似しているから理解は可能である。
【0109】
明るい皮膚と暗い皮膚色の被験者が可視スペクトル領域では、ほとんど違いを示さない一方で、色白の被験者と比べて色黒の被験者は赤外スペクトル領域において著しく高いラジカル生成を示す。これは色白の被験者の2倍に上る。
【0110】
50%以上の太陽の放射が赤外スペクトル領域(熱放射)において皮膚に到達することを考慮すれば、この領域にも有効な防止策を明らかに提供しなければならない。この効果の説明につては色黒の被験者がより多くの赤外線を、つまり熱放射を吸収することから、色黒の被験者の皮膚温度が色白の被験者と比べて高い。
【0111】
明細書中のパーセントまたは部分における数字の全ては対重量比である。
【図面の簡単な説明】
【0112】
図1図1: 処方LCとLC1の光学特性吸収μaおよび散乱有効係数μs’グラフのX軸はナノメートル単位の波長を表す。グラフのY軸は(1/mm)単位の吸収または散乱係数を表す。
図2図2: VIS/NIRスペクトル領域における42.6 J/cm2を用いた照射後の相対的ラジカル生成。データはクリーム未処理のラジカル生成に対して計算される。平均± SEM, ** p ≦ 0.01, *** p ≦ 0.001。グラフのX軸は検査された3つの試料を表す:未処理対照、LC、LC1。グラフのY軸はa.uでの未処理対照に対する相対累積ラジカル生成を表す。
図3図3: 未処理およびサンスクリーン処理(LC1; LC, 2mg/cm2)の皮膚についてNIR照射(60mW/cm2)前後の皮膚における相対的カルチノイド濃度。* p≦ 0.05 (n=6)。グラフのX軸は検査された3つの試料を表す:未処理対照、LC、LC1。グラフのY軸は相対的カルチノイド濃度を表す。
【0113】
ここで本発明は実施例を用いて詳しく説明する。
【実施例0114】
実施例1
日焼け防止およびサンスクリーン処方I
別途調製されたフェーズA、B、Cが形成される。フェーズAおよびBは一緒に75℃で攪拌され、この温度で3,000rpmで15分間かけて均質化する。40℃にまで低下したら、攪拌中にフェーズCを加えて攪拌は更に数分間継続する。フェーズ組成はwt%単位で下に記載の通りである。
フェーズA: 100%までの水、プロピレングリコール2.2、アクリレートクロスポリマー0.5、キサンタンガム0.3。
フェーズB: メトキシケイ皮酸エチルヘキシル5.0、Tinosorb M(登録商標)(メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール)3.0、TiO2 4.0 (100~200 nm)、TiO2 0.8 (200~300 μm)、ZnO 1.0 (100~200 nm)、ZnO 0.2 (100~150 μm)、エチルヘキシルサリチラート4.0、ブチルメトキシジベンゾイルメタン3.0、炭酸ジカプリリル6.0。
フェーズC: Colhibin(登録商標)(加水分解米蛋白質)0.5、抗酸化抽出物4.5(シタン(ロジオラ サクラの根の抽出物)、ジュズダマ(コイックス ラクリマ-ジョビの種の抽出物)、ラン(デンドロビウム ノビレ リンドルの花の抽出物)、緑茶(カメリア シネンシスの葉の抽出物))の混合物、イソプレゴール2.0、大豆蛋白質0.7、保存剤0.8、香料0.8。
【0115】
実施例2
日焼け防止およびサンスクリーン処方II
調製は実施例1に類似している。フェーズ組成はwt%単位で下に記載の通りである。
フェーズA: 100%までの水、プロピレングリコール2.0、アクリレートクロスポリマー0.6、グアーガム0.4。
フェーズB: Mexoryl(登録商標) XL(ドロメトリゾールトリシロキサン)2.0、Mexoryl(登録商標) S(テレフタリリデンジカンフルスルホン酸)1.0、Uvinul(登録商標) T150(エチルヘキシルトリアゾン)2.0、Uvinul(登録商標) A+(ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート)2.8、TiO2 3.4 (100~200 nm)、TiO2 0.4 (200~300 μm)、ZnO 0.4 (100~200 nm)、ZnO 0.1 (100~150 μm)、炭酸ジカプリリル5.5。
フェーズC: Colhibin(登録商標)(加水分解米蛋白質)0.6、抗酸化抽出物4.5(トウヒレン(サウスレア インボルクラタの抽出物)、キンセンカ(カレンデュラ オフィシナリスの花の抽出物)、ボタン (パエオニア ラクチフローラの根の抽出物)、緑茶(カメリア シネンシスの葉の抽出物))の混合物、グリセロール2.0、メントール1.0、コメ蛋白質0.9、保存剤0.8、香料0.5。
【0116】
実施例3
日焼け防止およびサンスクリーン処方III
調製は実施例1に類似している。フェーズ組成はwt%単位で下に記載の通りである。
フェーズA: 100%までの水、プロピレングリコール2.1、アクリレートクロスポリマー0.6、グアーガム0.4。
フェーズB: Mexoryl(登録商標) SX(テレフタリリデンジカンフルスルホン酸)2.0、Uvinul(登録商標) T150(エチルヘキシルトリアゾン)1.0、Avobenzone(ブチルメトキシジベンゾイルメタン)2.5、Enzulisol(フェニルベンズイミダゾールスルホン酸)1.6、TiO2 4.3 (100 to 300 nm), TiO2 0.6 (200 to 250 μm)、(フェニルベンズイミダゾールスルホン酸)5.0。
フェーズC: Colhibin(登録商標)(加水分解米蛋白質)0.5、抗酸化抽出物4.5(タツナミソウ(スクテラリア ラテリフローラ根の抽出物)、サルビア(サルビア ミルチオラヒザ根の抽出物)、ラン(ブレティア ストリアータ根の抽出物)、緑茶(カメリア シネンシス葉の抽出物)の混合物)、N-エチル-3-p-メンタンカルボキサミド2.0、尿素6.0、大豆蛋白質0.9、保存剤0.7、香料0.9。
【0117】
実施例4:比較例
10人の色黒の皮膚タイプVである被験者に対して日焼け止めクリームIを約20 cm2の皮膚面積に塗布し、日焼け止めクリームIIを同じサイズの面積に塗布する。この塗布量は2 mg/cm2の標準量に対応する。両方の面積はLOT QuantumDesign太陽シミュレーターを使用してIR放射に15分間、70 mW/cm2の強度で暴露される。5分間の中断後に上に記載のRPF法を使用して生成されたラジカルの数を測定する。
【0118】
日焼け止めクリームI(商用): UVフィルターMexoryl(登録商標) XL 2.0、Mexoryl(登録商標) SX 1.0、Uvinul(登録商標) T150 2.0、Uvinul(登録商標) A+ 2.80、TiO2 2.0 (100~200 nm);ラジカルスカベンジャートコフェリルアセテート0.8;別の一般的な付随物質。
【0119】
日焼け止めクリームII: 実施例2に記載の組成物
【0120】
皮膚上のフリーラジカルの数が本発明の日焼け止めクリームIIにより著しい低下が認められる。
【0121】
太陽シミュレーターか、または水濾IRランプのそれぞれで放射線を受けて、未処理皮膚は皮膚タイプI~IIIにおいて高いラジカル生成を示す。V領域においてラジカル生成は皮膚タイプV(ラジカル生成=0.12相対的単位)よりも3倍(ラジカル生成=0.4相対単位)高い。しかし近赤外波長の領域においてみると、明るい皮膚に比べて浅黒い皮膚では生成は2倍以上である。
【0122】
UV領域における商用の日焼け止めクリームIの塗布により、明るい皮膚のラジカル生成はUVフィルターにより0.01相対単位以下に低下することが試験により示された。同様の塗布を浅黒い皮膚にも行った。近赤外線領域において両方の皮膚タイプのラジカル生成の低下は未処理皮膚と比べて僅かである。近赤外線領域におけるラジカル生成は明るい皮膚では0.18相対単位(10%の低下)で、浅黒い皮膚では0.36相対単位(10%の低下)ある。
【0123】
本発明の日焼け止めクリームIIが皮膚に塗布されると、UV領域においても良好な防御が証明される。しかし赤外スペクトル領域においてもラジカル生成の有意な低下が認められる。明るい皮膚ではラジカル生成の値は0.0028相対単位(86%の低下)まで低下し、浅黒い皮膚では0.0036相対単位(91%の低下)まで低下する。放射前後に非接触IR温度計にて皮膚温度は測定され、日焼け止めクリームIIの塗布後の値は40℃未満である。
【0124】
近赤外線領域での照射は600~1,400nmのスペクトル領域において水濾IRランプで実施した。
【0125】
実施例5
クリーム処方LCおよびLC1の検査がなされた。
組成物:
【0126】
【表1】
【0127】
【表2】
【0128】
【表3】
【0129】
組成物の調製:
フェーズA、B、Eは別途調製され、70℃に加熱して混合物を乳化するのに攪拌しながら注意深く混ぜる。30~35℃に冷却したらフェーズCおよびDを加える。
【0130】
LC1の日光防御指数(SPF)の測定:
44のSPFはガイドライン(ISO 24444)に則って処方LC1について測定された。
【0131】
実施例5-1: in vitroでのラジカル防御指標(RPF)の決定
方法:
RPF技術の原則は抗酸化剤を含む物質/生成物のラジカル捕捉活性の測定である(T. Herrling, L. Zastrow, and N. Groth, "Classification of cosmetic products - The Radical Protection Factor (RPF)," STMFW-Journal 5(124), 282-284 (1998).)。
この試験は抗酸化系により還元しているテストラジカルを使用してEPRスペクトロスコピーにて実施される。還元テストラジカルの数は1mgの抗酸化物質/生成物に正規化されたラジカル捕捉活性を表す。RPFは次の式(1)により計算される:
【0132】
RPF = RC × RF / PI (1)

RC= テストラジカルの濃度[ラジカル/ml]
RF= 減少因子は、未処理テストラジカルの強度と、未処理テストラジカルの信号に対して規格化された、抗酸化剤で処理後の減少した信号強度との差を表す。
PI= 生成物投入量は[mg/ml]単位で測定された物質/生成物の量を表す。
RPFは1014ラジカル/mgの測定単位を用いて正の数Nで表され、RPF=N・[1014ラジカル/mg]である。
【0133】
RPF分析にはX-band EPRスぺクトロメーター(MS5000, Magnettech GmbH by Freiberg Instruments GmbH, Freiberg, Germany)が使用され、抗酸化系によりテストラジカル2,2-ジフェニル-1-ピクリルヒドラジル(DPPH)(Sigma-Aldrich, Steinheim, Germany)の還元を分析した。1mMのエタノールDPPH溶液のスピン濃度の計算は、上に記載のBruker BioSpin GmbH社製の(Bruker Elexsys E500, Karlsruhe, Germany)X-band EPRスぺクトロメーターにより実施された。EPRデータの分析はBrukerデバイスコントロールソフトウェアXepr(Bruker Biospin, Karlsruhe, Germany)を使用して実施された。スピン定量化はXepr社のマニュアル(Bruker Biospin, Karlsruhe, Germany)に記載された手順で実施された。絶対的スピン濃度とスピン量は3回、計算された。
試料のRPF分析には500mgの処方は10mLのエタノールに可溶化され、さらに既知のスピン濃度の1mM DPPHエタノール溶液で希釈(1:1)された。試料は暗室に一定のパンニングをして室温で保管された。測定は試料のインキュベーション後に、試料調整後(0時間)とDPPH信号が安定化する23~28時間後に実施した。RPF値の計算はEPRソフトウェア「ESR Studio」(Freiberg Instruments GmbH, Freiberg, Germany)と、計算プログラムのMicrosoft Excel 2016(Microsoft Office 2016))とで実施された。
【0134】
結果:
【0135】
【表4】
【0136】
LCおよびLC1は良好なRPF値を示す。
【0137】
実施例5-2::(in vitroでの)光学特性の評価
方法:
光学パラメーターμaおよびμs’は逆モンテカルロシミュレーション(iMCS)により計算された(参照:M. Friebel et al., "Determination of optical properties of human blood in the spectral range 250 to 1100 nm using Monte Carlo simulations with hematocrit-dependent effective scattering phase function," Journal of Biomedical Optics 11(3), (2006))。
所与の位相関数と、反射および透過(Rt MおよびTt M)についての実験的測定値とをベースにして、光学パラメーターμaおよびμs’の計算のためにiMCSはフォワード・モンテカルロシミュレーションを反復使用する。i MCSはμaおよびμs‘の開始セットを使用して得られるシミュレーション反射率と透過値Rt SおよびTt Sを計算する。次に、これらの値は実験的に測定されるRt MおよびTt M値と比較される。μaおよびμs’の系統的変化により、測定値からのシミュレーションRt SおよびTt S値の偏差は偏差が0.20%の誤差閾値以内にて、一連の光学パラメーターが見つかるまで最小化する。処方に係る屈折率については水の値が使用され、また等方散乱を使用してμs‘を計算した。
サンスクリーン処方LCおよびLC1について研究がなされた。
【0138】
結果:
LCとLC1の2つのクリームは2回、調製され、それぞれの試料は3回、測定された。それぞれの試料のスペクトルは平均化し、依存してシミュレーションした。
クリームLCは波長が長くなると低下する中程度の散乱パラメーターを示し、クリームLC1は散乱特性が倍化する様子を表す(図1を参照)。
【0139】
実施例5-3: (ex vivoでの)VIS/NIR照射後のラジカル生成
方法: EPR研究: VIS/NIRスペクトル領域におけるラジカル生成の防止
【0140】
試料調製およびEPR測定
EPR技術によりスピンマーカーPCA(3-カルボキシ-2,2,5,5-テトラメチルピロリジン-1-オキシ)を使用した照射などで、外因性ストレッサーにより誘導された皮膚内のフリーラジカルの測定ができる。この方法により、異なるスペクトル領域がin vivoとex vivoにおいてラジカル生成の強い傾向が有るのを示せる。紫外線は最も強いラジカル生成を促進し、さらにVISおよびNIR照射された。UVは少なくとも50%のROS生成に関与し、残存ラジカルはVIS/NIR放射により生成される。
この試験ではヒトの皮膚のための適切なモデルであるブタ耳皮膚が使用されており、2つのサンスクリーン処方(LCおよびLC1)のラジカル保護効果を分析する。
X-band EPRは分かりやすい形での照射下または非照射下の皮膚試料の分析において、適切で再現可能な技術である。この方法は確立済みであり、すでに文献に記載されている(C. Souza et al., "Radical-Scavenging Activity of a Sunscreen Enriched by Antioxidants Providing Protection in the Whole Solar Spectral Range," Skin Pharmacol Physiol 30(2), 81-89 (2017))。
種々のクリーム処方の検査にはCOLIPA標準手順により、2分間マッサージしながら皮膚の表面に2.0mg/cm2を均一に分布させる(Rehaforum Medical GmbH, Elmshorn,Germany)。EPR研究が塗布後の30分間、実施された。皮膚生検は上に記載したように処理され、さらにEPR研究をした。
【0141】
評価についてはPCAの信号振幅が評価ソフトウェア「ESR Studio」を用いて、それぞれのスペクトルから測定された。PCA量が測定時間中はEPRスペクトルの線形が変わらないので、スペクトル中央線の信号高さから導出される。ラジカル生成の計算には、照射試料のEPR強度は非照射下の試料から差し引かれた。またクリームを塗布していない照射および非照射対照生検が分析された。
6つのブタ耳について各実験を2回、繰り返した。
【0142】
結果:
LC1は未処理皮膚に比べて皮膚にできるラジカル生成を53%減少させ、LCは28%減少させる(図2参照)。
【0143】
実施例5-4
方法: 皮膚の抗酸化ネットワークに対するNIR照射の影響の測定
サンスクリーン処方LCおよびLC1のNIR防御を分析するために、in vivoでの皮膚のカルチノイド濃度は共鳴ラマン分光法(RRS)により測定された。
6人の女性ボランティアの2つの皮膚領域はカルチノイド濃度に関して分析された(フィッツパトリックスケールによる皮膚タイプIV~V (T. B. Fitzpatrick, "The Validity and Practicality of Sun-Reactive Skin Type-I Through Type-Vi," Arch.Dermatol. 124(6), 869-871 (1988)))。1つの皮膚領域は未処理にしておき、別の領域はクリーム処方LCおよびLC1のそれぞれで均等に処理した(COLIPA標準手順により)。カルチノイド濃度は照射前の30分間の浸透時間後と、NIR照射の60分間後に測定された。放射照度は60mW/cm2であり、30分間適用された。
【0144】
結果:
抗酸化状態に関してNIR照射用域におけるクリーム処方LCおよびLC1の防護効果を分析するために、カルチノイド濃度はin vivoでの非侵襲的に共鳴ラマン分光法により検査された(図3参照)。
従来の研究により、カルチノイド濃度はヒトの皮膚の抗酸化状態指標成分として働くことが示された。
【0145】
未処理皮膚ではNIR照射の60分間後にカルチノイド濃度が減少する。この結果と対照的にクリーム処方LCおよびLC1の適用は両方のケースのそれぞれにおいて、有意にカルチノイド濃度上昇を促進させる(p≦ 0.05、図3を参照)。このことから抗酸化状態が安定化しただけでなく、抗酸化状態はより向上した。この結果はサンスクリーン処方のLCおよびLC1がNIR照射領域において良好なラジカル防御を提供して、LC1は僅かに強く抗酸化ネットワークを支持することを明確に示す。NIR照射は皮膚のカルチノイド濃度を低下させる。クリーム処方内の含まれる抗酸化剤は抗酸化ネットワークを支持しており、皮膚の抗酸化剤が新しく開発されたサンスクリーン処方の局所適用による効果的な強化を示している。
【0146】
実施例6:日焼け止めミルク処方の実施例
【0147】
【表5】
【0148】
実施例7:日焼け止めジェル処方の実施例
【0149】
【表6】
【0150】
実施例8:日焼け止めローション処方の実施例
【0151】
【表7】
【0152】
実施例9:RPF評価
次の試料について上に記載の方法でROS(活性酸素種)生成の評価を行った:
・ 1%のメントール
・ LC1組成物に使用される以下の抗酸化剤の混合物:スクテラリア バイカレンシスの根の抽出物、サウスレア インボルクラタの抽出物、ロイコジュム アエスチバムの球根の抽出物、緑茶の抽出物
・ 上記に記載の抗酸化剤の混合物と1%のメントールの組み合わせ
これにより組成物成分の相乗効果を得る。
【0153】
実施例10:RPF評価
次の試料について上に記載の方法でROS生成の評価を行った:
・ 組成物LC1
・ 1%のメントールを含まない組成物LC1
これにより組成物成分の相乗効果を得る。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2023-08-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下に記載の物質の混合物を含むかまたはそれからなり、抗酸化で可視および近赤外線防護特性を有する組成物:
a) 重量パーセントで5~24%の範囲の1つ以上のUVAおよびUVBフィルター剤
b) 重量パーセントで2~30%の、ミクロおよびナノの範囲で異なる粒子サイズを有するルチル(二酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上の顔料
c) 重量パーセントで0.1~20%の1つ以上の冷却剤
d) 重量パーセントで0.1~48%の、植物、植物エキス、ビタミン、アミノ酸、フラボノイド、カロチノイド、α-ヒドロキシ酸、これらの混合物からなる群から選択される1つ以上のラジカルスカベンジャー、及び
e) 化粧品の担体、賦形剤、活性物質、これらの混合物の100重量%に至るまでの残りの割合
ここで、それぞれの重量パーセントは組成物の総重量に対するパーセントである。