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▶ 株式会社東洋新薬の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159411
(43)【公開日】2023-10-31
(54)【発明の名称】アルコール含有組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/34 20060101AFI20231024BHJP
   A61Q 17/00 20060101ALI20231024BHJP
   A61K 9/12 20060101ALI20231024BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20231024BHJP
   A61P 31/02 20060101ALI20231024BHJP
【FI】
A61K8/34
A61Q17/00
A61K9/12
A61K47/10
A61P31/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023139023
(22)【出願日】2023-08-29
(62)【分割の表示】P 2022145410の分割
【原出願日】2021-05-24
(31)【優先権主張番号】P 2020090894
(32)【優先日】2020-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】398028503
【氏名又は名称】株式会社東洋新薬
(74)【代理人】
【識別番号】100120086
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼津 一也
(72)【発明者】
【氏名】森山 昌明
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 智佳
(72)【発明者】
【氏名】小林 伸次
(72)【発明者】
【氏名】高垣 欣也
(72)【発明者】
【氏名】田中 夏子
(72)【発明者】
【氏名】本岡 香奈
(57)【要約】
【課題】
本発明の課題は、低級アルコールを含有しながらも、泡持ちが良く、使用感に優れ、かつ、殺菌・消毒作用に優れた組成物を提供することにある。
【解決手段】
フォーマー容器から泡状に吐出させて使用される組成物であって、低級アルコール及びノニオン界面活性剤を含有することを特徴とする組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォーマー容器から泡状に吐出させて使用される組成物であって、低級アルコール、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤及びポリオールを含有し、前記低級アルコールの含有量が30~60質量%であることを特徴とする組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低級アルコール並びにノニオン界面活性剤を含有する組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
例年、インフルエンザウイルスやノロウイルス等、様々なウイルスによる感染症が問題となっている。これらの感染症は、飛沫感染や接触感染で感染が拡大する。感染拡大を防ぐための対策として消毒液による手指の消毒が重要であるが、その多くは液状である。消毒液を手指に均一に塗布するためには、多量に噴霧又は塗布するケースが多い。また、消毒液は、使用時に手指から液剤が流れ落ちてしまう現象(液だれ)が生じるため、液の一部が無駄になる、衣服や床などを汚すといった原因となる。また、消毒液をゲル状にした組成物も開発されている(例えば特許文献1)。ゲル状組成物では、液だれは生じにくいものの、塗布後にべたつきが残る、均一な塗布が難しいといった課題がある。また、近年では均一な塗布を目的とし、フォーム状の組成物が開発されているが、有効成分である低級アルコールは消泡作用を有することから、低級アルコールを含有しながらも、泡持ちが良く、均一に塗布できる組成物の開発が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-199476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、低級アルコールを含有しながらも、泡持ちが良く、使用感に優れた組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願人は、上記課題を解決するために、種々の物質について鋭意検討を積み重ねたところ、驚くべきことに、低級アルコール並びにノニオン界面活性剤を含有する本発明の組成物は、フォーマー容器から泡状に吐出させたところ泡持ちが良く、液だれが起こらず、優れた使用感であることを見出した。また、本出願人は、上記課題を解決するために、種々の物質について鋭意検討を積み重ねたところ、驚くべきことに、本発明の組成物は、低級アルコールを高濃度含有するにもかかわらず、フォーマー容器から泡状に吐出させたところ泡持ちが良く、液だれが起こらず、優れた使用感であることを見出した。本発明は、かかる知見に基づき、完成された発明である。
【0006】
本発明の概要は、以下の通りである。
<1>フォーマー容器から泡状に吐出させて使用される組成物であって、低級アルコール及びノニオン界面活性剤を含有し、前記低級アルコールの含有量が30~60質量%であることを特徴とする組成物。
<2>前記ノニオン界面活性剤がポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリエーテル変性シリコーンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする<1>に記載の組成物。
<3>酸又はその塩を含有することを特徴とする、<1>又は<2>のいずれかに記載の組成物。
<4>さらに、カチオン界面活性剤を含有することを特徴とする、<1>~<3>のいずれかに記載の組成物。
<5>さらに、水を含有する<1>~<4>のいずれかに記載の組成物。
<6>さらに、保湿剤を含有する<1>~<5>のいずれかに記載の組成物。
<7>皮膚の殺菌、除菌、消毒用であることを特徴とする、<1>~<6>のいずれかに記載の組成物。
<8>硬質表面の殺菌、除菌、消毒用であることを特徴とする、<1>~<6>のいずれかに記載の組成物。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、泡持ちが良いために液だれが起こらず、使用感に優れた組成物を得ることができる。特に、本発明によれば、低級アルコールを高濃度含有するにもかかわらず、泡持ちが良いために液だれが起こらず、使用感に優れた組成物を得ることができる。また、本発明の組成物は手指など皮膚の殺菌、除菌、消毒だけでなく、硬質表面でも使用できることから、接触感染拡大防止効果が期待できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
[1.低級アルコール]
本発明は、低級アルコールを必須成分とする。本発明において使用できる低級アルコールとしては、通常皮膚外用剤として使用されるものであれば特に制限されず、例えば、エタノール、イソプロパノールが挙げられる。本発明においては、泡持ちや使用時の塗布の容易さ、均一さなどといった使用感と、殺菌、除菌、消毒作用の両立の観点から、エタノールが好ましい。
【0010】
本発明で使用する低級アルコールは、1種のみを使用しても良いし、2種以上を用いることもできる。本発明の組成物に配合される低級アルコールの含有量としては泡持ちや使用時の塗布の容易さ、均一さなどといった使用感と、殺菌、除菌、消毒作用の両立の観点から、例えば、30質量%、好ましくは35質量%以上、より好ましくは40質量%以上の範囲で選択される。また、同様の観点から、消毒剤の含有量は、例えば95質量%以下、好ましくは60質量%以下、より好ましくは55質量%以下、特に好ましくは50質量%以下の範囲で選択される。但し、低級アルコールを2種以上含有する場合は、その総量である。
【0011】
[2.ノニオン界面活性剤]
本発明の組成物は、低級アルコールと共にノニオン界面活性剤を含有することを特徴とする。低級アルコールと共にノニオン界面活性剤を配合することにより、泡持ちや使用時の塗布の容易さ、均一さなどといった使用感と、殺菌、除菌、消毒作用の両立が可能となる。
【0012】
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンなどのグリセリン脂肪酸エステル;ソルビタン脂肪酸エステル;ペンタエチレングリコールモノドデシルエーテル、オクタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレン2-ヘキシルデシルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルあるいはポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテルなどのポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、オクチルフェノールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレートなどのアルキルフェノールアルキレート;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンヘキシタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルポリエチレングリコールなどのポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコ-ルモノステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート等のポリオキシアルキレン脂肪酸エステル;モノラウリン酸ポリグリセリル、モノステアリン酸ポリグリセリルなどのポリグリセリン脂肪酸エステル;ステアリン酸スクロースなどのショ糖脂肪酸エステル;カプリル酸グリセリルなどのグリセリン脂肪酸エステル;ラウリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、コカミドDEAなどのアルカノールアミド;オクチルグルコシド、デシルグルコシド、ラウリルグルコシドなどのアルキルグルコシド;オキシエチレン/オキシプロピレンブロックコポリマー;フッ素系界面活性剤;ポリグリセリル変性シリコーン、ジグリセル変性シリコーン、グリセリル変性シリコーン、糖変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン(PEG/PPG-25/25ジメチコン、ビス(PEG/PPG-20/20)ジメチコン、ビスPEG-18メチルエーテルジメチルシラン、PEG-12ジメチコン)、カルボン酸変性シリコーン等のシリコーン系界面活性剤;デシルグルコシド、ラウリルグリコシド等のアルキルグリコシド等が挙げられ、泡持ちや使用時の塗布の容易さ、均一さなどといった使用感と、殺菌、除菌、消毒作用の両立の観点から、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリエーテル変性シリコーンが好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが特に好ましい。
【0013】
本発明において界面活性剤を使用する場合、界面活性剤は1種のみを使用しても良いし、2種以上を用いることもできる。本発明の組成物に界面活性剤を配合する場合、その含有量としては泡持ちや使用時の塗布の容易さ、均一さなどといった使用感と、殺菌、除菌、消毒作用の両立ができる範囲であれば特に制限はなく、その含有量を適宜設定できる。例えば、0.0001質量%、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上の範囲で選択される。また、同様の観点から、界面活性剤の含有量は、例えば15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、特に好ましくは5質量%以下の範囲で選択される。但し、界面活性剤を2種以上含有する場合は、その総量である。本発明においては、市販品を使用してもよく、また当該分野で公知の方法で製造したものを使用することもできる。
【0014】
[3.酸又はその塩]
本発明の組成物は、酸又はその塩を配合することが好ましい。酸又はその塩を配合することにより、組成物の安定性が向上すると共に、泡の安定性向上も可能となる。本発明の組成物において使用できる酸又はその塩としては特に制限されず、通常pH調整に使用する酸又はその塩を使用することができる。具体的には、有機酸又はその塩、無機酸又はその塩が挙げられ、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸等の無機酸又はその塩;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、スルファミン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、フェルラ酸、コハク酸、フィチン酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、カプリル酸、アジピン酸、フマル酸、エチドロン酸、エデト酸又はこれらの塩を挙げることができ、好ましくは塩酸、硫酸、乳酸、グルコン酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、エチドロン酸、エデト酸及びリン酸又はこれらの塩であり、より好ましくは塩酸、硫酸、乳酸、グルコン酸、クエン酸、リンゴ酸、エチドロン酸、エデト酸及びリン酸又はこれらの塩である。
【0015】
本発明において酸又はその塩を使用する場合、酸又はその塩は1種のみを使用しても良いし、2種以上を用いることもできる。本発明の組成物に酸又はその塩を配合する場合、その含有量としては泡持ちや使用時の塗布の容易さ、均一さなどといった使用感と、殺菌、除菌、消毒作用の両立ができる範囲であれば特に制限はなく、その含有量を適宜設定できる。例えば、0.0001質量%、好ましくは0.0005質量%以上、より好ましくは0.001質量%以上の範囲で選択される。また、同様の観点から、酸又はその塩の含有量は、例えば20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下の範囲で選択される。但し、酸又はその塩を2種以上含有する場合は、その総量である。本発明においては、市販品を使用してもよく、また当該分野で公知の方法で製造したものを使用することもできる。
【0016】
[4.カチオン性界面活性剤]
本発明の組成物は、カチオン性界面活性剤を配合することが好ましい。カチオン性界面活性剤としては、例えば、オレイルアミン、ステアリルアミン、テトラデシルアミン、1-ヘキセニルアミン、1-ドデセニルアミン、9,12-オクタデカジエニルアミン(リノールアミン)、9,12,15-オクタデカトリエニルアミン、リノレイルアミン等の、アルキルアミンなどの脂肪族アミン;塩化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化オクチルトリメチルアンモニウム、塩化デシルトリメチルアンモニウム、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化テトラデシルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化アルキルトリメチルアンモニウム、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム(塩化ドデシルジメチルベンジルアンモニウム)、臭化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムなどの第四級アンモニウム塩;塩化ブチルピリジニウム、塩化ドデシルピリジニウム、塩化セチルピリジニウムなどのアルキルピリジニウム塩;モノメチルアミン塩酸塩、ジメチルアミン塩酸塩、トリメチルアミン塩酸塩などの脂肪族アミン塩;等が挙げられる。本発明においては、第四級アンモニウム塩が好ましく、泡持ちや使用時の塗布の容易さ、均一さなどといった使用感と、殺菌、除菌、消毒作用の両立の観点から、塩化ベンザルコニウムが特に好ましい。
【0017】
[5.水]
本発明の組成物は、低級アルコール及びノニオン界面活性剤に加えて水を含有することができる。本発明の組成物に水を配合する場合、その含有量としては泡持ちや使用時の塗布の容易さ、均一さなどといった使用感と、殺菌、除菌、消毒作用の両立ができる範囲であれば特に制限はなく、その含有量を適宜設定できる。例えば、1質量%、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上の範囲で選択される。また、同様の観点から、水の含有量は、例えば80質量%以下、好ましくは75質量%以下、より好ましくは70質量%以下の範囲で選択される。
【0018】
[6.保湿剤]
本発明の組成物は、低級アルコールに加えて保湿剤を含有することができる。使用できる保湿剤としては、例えば、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ヘキシレングリコール、ジグリセリン、ポリグリセリン、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール・プロピレングリコール共重合体等のポリオール類及びその重合体;ジエチレングリコールモノエチルエーテル(エトキシジグリコール)、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のグリコールアルキルエーテル類;(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリル-10、テトラデカン二酸ポリグリセリル-10、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール等の水溶性エステル類;ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、マルチトール等の糖アルコール類;グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、トレオース、キシロース、アラビノース、フコース、リボース、デオキシリボース、マルトース、トレハロース、ラクトース、ラフィノース、グルコン酸、グルクロン酸、シクロデキストリン類(α-、β-、γ-シクロデキストリン、及び、マルトシル化、ヒドロキシアルキル化等の修飾シクロデキストリン)、β-グルカン、キチン、キトサン、ヘパリン及び誘導体、ペクチン、アラビノガラクタン、デキストリン、デキストラン、グリコーゲン、エチルグルコシド、メタクリル酸グルコシルエチル重合物若しくは共重合物等の糖類及びその誘導体類;ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム;コンドロイチン硫酸ナトリウム;ムコイチン硫酸、カロニン硫酸、ケラト硫酸、デルマタン硫酸;シロキクラゲ抽出物、シロキクラゲ多糖体;イヌリン、レバン等のフルクタン類;フコイダン;チューベロース多糖体、天然由来多糖体;クエン酸、酒石酸、乳酸等の有機酸及びその塩;尿素;2-ピロリドン-5-カルボン酸及びそのナトリウム等の塩;ベタイン(トリメチルグリシン)、プロリン、ヒドロキシプロリン、アルギニン、リジン、セリン、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、チロシン、β-アラニン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、トリプトファン、ヒスチジン、タウリン等のアミノ酸類及びその塩;コラーゲン、魚由来コラーゲン、アテロコラーゲン、ゼラチン、エラスチン、コラーゲン分解ペプチド、加水分解コラーゲン、塩化ヒドロキシプロピルアンモニウム加水分解コラーゲン、エラスチン分解ペプチド、ケラチン分解ペプチド、加水分解ケラチン、コンキオリン分解ペプチド、加水分解コンキオリン、シルク蛋白分解ペプチド、加水分解シルク、ラウロイル加水分解シルクナトリウム、大豆蛋白分解ペプチド、小麦蛋白分解ペプチド、加水分解小麦蛋白、カゼイン分解ペプチド、アシル化ペプチド等の蛋白ペプチド類及びその誘導体;パルミトイルオリゴペプチド、パルミトイルペンタペプチド、パルミトイルテトラペプチド等のアシル化ペプチド類;シリル化ペプチド類;乳酸菌培養液、酵母抽出液、卵殻膜タンパク、牛顎下腺ムチン、ヒポタウリン、ゴマリグナン配糖体、グルタチオン、アルブミン、乳清;塩化コリン、ホスホリルコリン;胎盤抽出液、エアラスチン、コラーゲン、アロエ抽出物、ハマメリス水、ヘチマ水、カモミラエキス、カンゾウエキス、コンフリーエキス、シルクエキス、イザヨイバラエキス、セイヨウノコギリソウエキス、ユーカリエキス、メリロートエキス等の動物・植物抽出成分;天然型セラミド(タイプ1、2、3、4、5、6)、ヒドロキシセラミド、疑似セラミド、スフィンゴ糖脂質、セラミド及び糖セラミド含有エキス等のセラミド類;等が挙げられる。その中でも、ポリオール類及びその重合体、糖アルコール類が好ましく、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、1,3-プロパンジオール、ジグリセリンがより好ましい。
【0019】
本発明において保湿剤を使用する場合、保湿剤は1種のみを使用しても良いし、2種以上を用いることもできる。本発明の組成物に保湿剤を配合する場合、その含有量としては泡持ちや使用時の塗布の容易さ、均一さなどといった使用感と、殺菌、除菌、消毒作用の両立ができる範囲であれば特に制限はなく、その含有量を適宜設定できる。例えば、0.01質量%、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上の範囲で選択される。また、同様の観点から、保湿剤の含有量は、例えば20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは8質量%以下、特に好ましくは10質量%以下の範囲で選択される。但し、保湿剤を2種以上含有する場合は、その総量である。本発明においては、市販品を使用してもよく、また当該分野で公知の方法で製造したものを使用することもできる。
【0020】
[6.フォーマー容器]
本発明の組成物は、フォーマー容器に充填されて使用されるものであり、フォーマー容器から泡状に吐出されて使用されることを特徴とする。フォーマー容器とは、吐出時に組成物と気体とを一定割合にて混合することで泡を形成できる容器である。吐出時に組成物と混合され、泡を形成する気体としては、例えば、空気;液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテルなどの液化ガス;二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素などの圧縮ガス;等が挙げられる。吐出方法は特に限定されず、容器の構造に応じて適宜選択でき、例えば、ノズル部分を押す、ボトル本体を握る等により圧をかける;赤外線などのセンサーにより対象物を感知し、吐出する;噴射ボタンを押す、握る等により容器内の組成物と噴霧ガスとを混合し、吐出する;等の方法が挙げられる。吐出量は吐出方法に応じて適宜変更できる。本発明においては、殺菌、除菌、消毒作用の観点からノズル部分を押す構造、又は赤外線などのセンサーにより対象物を感知し、吐出する構造のフォーマー容器を用いることが好ましい。また、フォーマー容器は蓋を取り外して組成物を充填することにより、繰り返し使用できる構造であることが、経済的な観点から好ましい。
【0021】
[7.本発明の組成物]
本発明の組成物は、低級アルコール及びノニオン界面活性剤のみを含むものであってもよく、低級アルコール及びノニオン界面活性剤に加えて、酸、カチオン界面活性剤、水、保湿剤のうちいずれか1種以上を含むものであってもよいし、これらに加えてその他の成分を含んでもよい。その他の成分としては、例えば、増粘剤、植物由来成分、動物由来成分、香料を挙げることができる。また、本発明の組成物はフォーマーに充填し、泡を形成した状態で殺菌、除菌、消毒に必要な量を吐出でき、吐出した組成物を殺菌、除菌、消毒したい箇所に塗布して使用することができる。
【0022】
本発明の組成物により形成される泡は、塗布した箇所になじみやすく、泡持ちに優れるものである。本発明において泡持ちとは、フォーマー容器からの吐出時に形成された泡が消えずに一定時間以上維持されることをいう。形成された泡の維持時間は、5秒以上が好ましく、10秒以上がより好ましく、吐出した組成物を均一に塗布できる観点から、15秒以上が特に好ましい。
【0023】
また、本発明の組成物は、酸性に調整されていることが好ましい。具体的には、本発明の組成物はpH6以下が好ましく、pH5.5以下であることがより好ましく、pH5以下であることが特に好ましい。pHの下限は制限されず、通常pH1以上、好ましくはpH2以上、より好ましくはpH3以上である。
【0024】
[8.本発明の組成物の使用]
本発明の組成物は、殺菌、除菌、消毒用組成物として使用できる。殺菌とは、細菌を殺す効果のことを言い、除菌とは、菌を減らす効果のことを言い、消毒とは、ウイルス等の病原性のある微生物を死滅(不活性化)・除去させて害のない程度にする(無毒化する)ことを言う。本発明の組成物は、殺菌、除菌、消毒作用の機能がある旨の表示が可能であり、本発明に係る製品の本体、包装、説明書、宣伝物にその機能を記載することができる。本発明の組成物は、殺菌、除菌、消毒作用を得ることを目的とした範囲で利用され得るものであり、例えば、皮膚や硬質表面が挙げられる。皮膚としては、具体的には手、手首、指、爪などが挙げられる。硬質表面としては、例えばパソコン、マウス、キーボード、スマートフォン、タブレット、電話、プリンター、複写機、複合機、電卓、音響機器、映像機器などの情報機器;コップ、皿、スプーン、フォーク、箸などの食器;ペン、定規などの文房具;コップや皿などの食器;机、椅子、テーブル、カウンター、ロッカー、キャビネットなどの家具;ドア、ドアノブ、窓などの建具;リモコン等の備品;冷蔵庫、電子レンジなどの家電;スイッチ;蛇口;便器;手すり;床;など表面が硬く、日常生活において人の皮膚に触れるものが挙げられる。
【0025】
本発明の組成物を殺菌、除菌、消毒用組成物として使用する場合、その殺菌、除菌、消毒対象は特に制限されないが、例えばインフルエンザウイルス(例えばA型、B型等)、風疹ウイルス、エボラウイルス、コロナウイルス、麻疹ウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルス、ヘルペスウイルス、ムンプスウイルス、アルボウイルス、RSウイルス、SARSウイルス、肝炎ウイルス(例えば、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス等)、黄熱ウイルス、エイズウイルス、狂犬病ウイルス、ハンタウイルス、デングウイルス、ニパウイルス、リッサウイルス等のエンベロープウイルス(エンベロープを有するウイルス); アデノウイルス、ノロウイルス、ロタウイルス、ヒトパピローマウイルス、ポリオウイルス、エンテロウイルス、コクサッキーウイルス、ヒトパルボウイルス、脳心筋炎ウイルス、ライノウイルス等の非エンベロープウイルス(エンベロープを有さないウイルス);コレラ菌、サルモネラ菌、大腸菌、レジオネラ菌、炭疽菌、ヘリコバクターピロリ菌、リステリア菌、結核菌、非結核性抗酸菌、ブドウ球菌、連鎖球菌、肺炎球菌、髄膜炎菌、肺炎桿菌、セラチア菌、ジフテリア菌、ブルセラ菌、バルトネラ-ヘンセレ、エリジペロスリックス-ルシオパシエ、放線菌、ライム病菌、ウェルシュ菌、赤痢菌、ペスト菌、破傷風菌、エンテロバクター菌等の感染症に係る細菌;カンジダ、アスペルギルス、クリプトコッカス、ブラストミセス、コクシジオイデス、ヒストプラスマ、パラコクシジオイデス、スポロトリクス等の感染症に係る真菌等が挙げられる。これらの中でも、好ましくはエンベロープウイルスが挙げられ、より好ましくはインフルエンザウイルス、ヘルペスウイルス、コロナウイルス等が挙げられる。
【実施例0026】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、本発明の課題を解決し得る限り、本発明は種々の態様をとることができる。
【0027】
実施例1~2:抗ウイルス作用の評価
下記表1に記載の組成に従って、低級アルコール及びノニオン界面活性剤を含有する組成物を製造した。表に記載の配合量は、質量%を示す。具体的には、各成分を常温で均一に撹拌し、組成物を得た。得られた組成物について、抗ウイルス作用の評価を行った。
【0028】
<抗ウイルス作用>
SARS-CoV-2 Inhibitor screening Kit(Acro Biosystems)を使用し、新型コロナウイルスSARS-CoV-2のスパイク(S)タンパク質とヒト細胞膜に局在するアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)タンパク質の結合阻害活性を評価した。具体的には以下の手順によって評価した。まず、以下の通りにバッファーを調製した。コーティングバッファー:15mM 炭酸ナトリウム(ナカライテスク)、35mM 炭酸水素ナトリウム(SIGMA)を超純水に溶解した(pH9.6)。洗浄バッファー:Phosphate Buffered Saline with Tween 20 Tablets(タカラバイオ) 1錠を超純水1Lに溶解した。ブロッキングバッファー:Blocker(TM) BSA(10X) in PBS(Thermo Scientific(TM))を洗浄バッファーで5倍希釈した。サンプルバッファー:ブロッキングバッファーを洗浄バッファーで4倍希釈した。次に、SARS-CoV-2Sタンパク質RBDワーキング溶液(0.5 μg / mL)をブランク以外の各ウェルに100 μlずつ添加し、4℃で一晩インキュベートしてSタンパク質をウェルにコーティングした。ウェルを洗浄し、ブロッキングバッファーを300 μlずつ添加し、37℃で1.5時間インキュベートしてブロッキングした。ウェルを洗浄し、ビオチン化ヒトACE2ワーキング溶液(0.12μg / mL)をブランク以外の各ウェルに50 μlずつ(ブランクウェルにはサンプルバッファー 50 μlを添加)、サンプルバッファーで2倍希釈した被験物質をポジティブコントロール及びブランク以外の各ウェルに50 μlずつ添加し(ポジティブコントロールとブランクのウェルにはサンプルバッファー 50 μlを添加)、37℃で1時間インキュベートしてSタンパク質とACE2を結合させた。ウェルを洗浄し、ストレプトアビジン-HRPワーキング溶液(0.1 μg/mL)を100 μlずつ添加し、遮光して37℃で1時間インキュベートしてビオチン化ヒトACE2を標識した。ウェルを洗浄し、TMB溶液(富士フィルム和光純薬)を100 μlずつ添加し、遮光して37℃で20分間インキュベートしてHRPに反応させた。0.3M 硫酸を100 μlずつ添加して反応を停止させ、プレートリーダー(SpectraMax i3x、モレキュラーデバイス)で450 nmの吸光度を測定した。以下の計算式を用いて、阻害率を算出した。
阻害率(%) = 100-{(Date sample-Date blank)/(Date positive control-Date blank)}×100
(Date sample:被験物質ありでSタンパク質とACE2を反応させた吸光度
Date blank:被験物質ありでSタンパク質を添加せずに同じ操作をした吸光度
Date positive control:被験物質なしでSタンパク質とACE2を反応させた吸光度
Date blank:被験物質なしでSタンパク質を添加せずに同じ操作をした吸光度)
結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
抗ウイルス作用の評価は、病原性のあるウイルスをどの程度無毒化できるかを示すため、消毒作用の評価として使用できる。ウイルス感染は、ウイルスが宿主細胞表面に結合し、細胞内に侵入することで起こるため、ウイルスと宿主細胞の結合を阻害する成分等は、ウイルス感染に対して抑制作用をもつと考えられる。新型コロナウイルスSARS-CoV-2は、ウイルスのエンベロープに存在するSタンパク質とヒト細胞膜上に存在するACE2タンパク質の特異的な結合を介して、ヒト細胞と結合することが知られている。本試験では、新型コロナウイルスSARS-CoV-2をモデルとして用いたSタンパク質とACE2タンパク質間の相互作用試験により、組成物の抗ウイルス作用を評価した。本試験結果より、エタノールが30質量%~50質量%であり、ノニオン界面活性剤を配合した本願発明の組成物実施例1,2は、ノニオン界面活性剤のみを配合する比較例1や、エタノールが20質量%である比較例2と比べて優れた抗ウイルス活性を示すことがわかる。このことから、低級アルコールを30~60質量%、及び、ノニオン界面活性剤を含有する本願発明の組成物は、優れた抗ウイルス作用(すなわち、消毒作用)を示すことがわかる。
【0031】
実施例3~10:使用感の評価
下記表2に記載の組成に従って、低級アルコール及びノニオン界面活性剤を含有する組成物を製造した。表に記載の配合量は、質量%を示す。具体的には、各成分を常温で均一に撹拌し、組成物を得た。得られた組成物を、フォーマー容器に充填し、吐出時の泡質、泡吐出時の使用感を下記の要領で評価した。結果を表2に示す。
<泡質>
・〇:保形性のある泡ができる(15秒以上保持)
・△:気泡するが、泡に十分な保形性がない(5~14秒)
・×:気泡しない/気泡してもすぐに消泡する
<泡吐出時の使用感>
・〇:皮膚への塗布時にべたつかない
・△:皮膚への塗布時にややべたつく
・×:皮膚への塗布時にべたつく
【0032】
【表2】
【0033】
表2より、比較例3~5は気泡せず、泡吐出時の使用感は評価できなかった。一方、エタノールを30~40質量%配合し、ノニオン界面活性剤を配合する実施例3~10は、比較例3~5と比べて保形成のある泡を形成でき、べたつきがほとんどなく、使用感に優れるものであった。このことから、低級アルコールを30~60質量%、及び、ノニオン界面活性剤を含有する本願発明の組成物は、泡質、吐出時の使用感に優れた組成物であることがわかる。
【0034】
実施例11~17:使用感の評価
下記表3に記載の組成に従って、低級アルコール、ノニオン界面活性剤、酸、カチオン界面活性剤及び保湿剤を含有する組成物を製造した。表に記載の配合量は、質量%を示す。具体的には、各成分を常温で均一に撹拌し、組成物を得た。得られた組成物を、フォーマー容器に充填し、吐出時の泡質、泡吐出時の使用感を下記の要領で評価した。結果を表3に示す。
<泡質>
・〇:保形性のある泡ができる(15秒以上保持)
・△:気泡するが、泡に十分な保形性がない(5~14秒)
・×:気泡しない/気泡してもすぐに消泡する
<泡吐出時の使用感>
・〇:皮膚への塗布時にべたつかない
・△:皮膚への塗布時にややべたつく
・×:皮膚への塗布時にべたつく
【0035】
【表3】
【0036】
表3より、エタノールを40質量%配合し、ノニオン界面活性剤を配合する実施例11~17は、保形成のある泡を形成でき、べたつきがなく、使用感に優れるものであった。このことから、低級アルコール30~60質量%、ノニオン界面活性剤、酸、カチオン界面活性剤及び保湿剤を含有する本願発明の組成物は、泡質、吐出時の使用感に優れた組成物であることがわかる。
【0037】
実施例18
エタノール40質量%、塩化ベンザルコニウム0.05質量%、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル1.0質量%、グリセリン2質量%、 及び水(残部)を常温で均一に撹拌して本発明の組成物を製造し、得られた組成物をフォーマー容器に充填した。得られた組成物をフォーマー容器から吐出したところ、泡の状態で吐出され、その保持時間は15秒以上と長いものであった。泡状の組成物は液だれを起こさず、皮膚や硬質表面に均一に塗布が可能であり、殺菌・消毒作用を有するものである。
【0038】
実施例19
エタノール50質量%、イソプロパノール5質量%、塩化ベンゼトニウム0.05質量%、ソルビタン脂肪酸エステル1.0質量%、グリセリン2質量%、 ジグリセリン1質量%及び水(残部)を常温で均一に撹拌して本発明の組成物を製造し、得られた組成物をフォーマー容器に充填した。得られた組成物をフォーマー容器から吐出すると、泡の状態で吐出され、その保持時間は長いものである。泡状の組成物は液だれを起こさず、皮膚や硬質表面に均一に塗布が可能であり、殺菌・消毒作用を有するものである。
【0039】
実施例20
エタノール60質量%、次亜塩素酸ナトリウム0.04質量%、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル1.5質量%、グリセリン2質量%及び水(残部)を常温で均一に撹拌して本発明の組成物を製造し、得られた組成物をフォーマー容器に充填した。得られた組成物をフォーマー容器から吐出すると、泡の状態で吐出され、その保持時間は長いものである。泡状の組成物は液だれを起こさず、皮膚や硬質表面に均一に塗布が可能であり、殺菌・消毒作用を有するものである。
【0040】
実施例23
エタノール60質量%、ラウリルジメチルアミンN-オキシド0.1質量%、ポリオキシエチレンラウリルエーテル1質量%、クエン酸0.2質量%、グリセリン2質量%及び水(残部)を常温で均一に撹拌して本発明の組成物を製造し、得られた組成物をフォーマー容器に充填した。得られた組成物をフォーマー容器から吐出すると、泡の状態で吐出され、その保持時間は長いものである。泡状の組成物は液だれを起こさず、皮膚や硬質表面に均一に塗布が可能であり、殺菌・消毒作用を有するものである。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明の組成物は、低級アルコールを含有しながらも、泡持ちが良く、使用感に優れ、かつ、殺菌・抗ウイルスに優れたものであることから、産業上の有用性は高い。