(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159464
(43)【公開日】2023-10-31
(54)【発明の名称】昇降システム
(51)【国際特許分類】
B64U 10/14 20230101AFI20231024BHJP
B61B 13/00 20060101ALI20231024BHJP
B64C 19/02 20060101ALI20231024BHJP
B64D 27/24 20060101ALI20231024BHJP
B64C 39/02 20060101ALI20231024BHJP
B64U 101/67 20230101ALN20231024BHJP
【FI】
B64U10/14
B61B13/00 D
B64C19/02
B64D27/24
B64C39/02
B64U101:67
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023143319
(22)【出願日】2023-09-05
(62)【分割の表示】P 2021525906の分割
【原出願日】2020-02-07
(31)【優先権主張番号】62/861,733
(32)【優先日】2019-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/877,026
(32)【優先日】2019-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/968,542
(32)【優先日】2020-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】P 2019147334
(32)【優先日】2019-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】大嶋 光昭
(72)【発明者】
【氏名】高浜 拓也
(72)【発明者】
【氏名】村松 史雄
(72)【発明者】
【氏名】北澤 一磨
(72)【発明者】
【氏名】青山 秀紀
(72)【発明者】
【氏名】林 伸昭
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 樂
(72)【発明者】
【氏名】天海 了輔
(72)【発明者】
【氏名】加藤 竜也
(72)【発明者】
【氏名】谷内 直行
(57)【要約】
【課題】さらなる改善を図ることができる昇降システムを提供する。
【解決手段】昇降システム(1100)は、無人航空機と、荷物を運搬する第1装置と、第1装置と無人航空機とを繋ぐ第1ワイヤと、第1ワイヤを巻き取り可能な第1リールと、制御部とを備え、第1装置は、筐体と、筐体に配置されるとともに、第1方向に延びる回転軸を有する第1プロペラと、筐体に配置されるとともに、第2方向に延びる回転軸を有する第2プロペラと、第1プロペラを駆動する第1モータと、第2プロペラを駆動する第2モータと、を備え、地面に垂直な方向から見て、第1方向と第2方向とは異なり、制御部は、無人航空機が地上から離れた位置に存在する場合、無人航空機から第1装置を離脱させ、第1リールを制御して第1ワイヤを繰り出させ、第1ワイヤを繰り出させた後に、第1モータ及び/又は第2モータを駆動して、第1装置を第1方向及び/又は第2方向に移動させる。
【選択図】
図80
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人航空機と、
荷物を運搬する第1装置と、
前記第1装置と前記無人航空機とを繋ぐ第1ワイヤと、
前記第1ワイヤを巻き取り可能な第1リールと、
制御部とを備え、
前記第1装置は、
筐体と、
前記筐体に配置されるとともに、第1方向に延びる回転軸を有する第1プロペラと、
前記筐体に配置されるとともに、第2方向に延びる回転軸を有する第2プロペラと、
前記第1プロペラを駆動する第1モータと、
前記第2プロペラを駆動する第2モータと、を備え、
地面に垂直な方向から見て、前記第1方向と前記第2方向とは異なり、
前記制御部は、前記無人航空機が地上から離れた位置に存在する場合、
前記無人航空機から前記第1装置を離脱させ、
前記第1リールを制御して前記第1ワイヤを繰り出させ、
前記第1ワイヤを繰り出させた後に、前記第1モータ及び/又は前記第2モータを駆動して、前記第1装置を前記第1方向及び/又は前記第2方向に移動させる、
昇降システム。
【請求項2】
地面に垂直な方向から見て、前記第1方向と前記第2方向とは垂直に交わる、
請求項1に記載の昇降システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1ワイヤを繰り出させた後に、前記第1モータ及び/又は前記第2モータを駆動して、前記第1装置を前記第1方向及び/又は前記第2方向に移動させて、これにより、地面に垂直な方向から見て、前記第1装置を、前記荷物を降ろすべき場所に移動させる、
請求項1又は2に記載の昇降システム。
【請求項4】
地面に垂直な方向から見て、前記無人航空機が存在する位置と、前記荷物を降ろすべき場所とは重ならない、
請求項3に記載の昇降システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、昇降システムに関する。
【背景技術】
【0002】
無人航空機であるドローンの飛行時における安全性を高めるための制御方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1は、ドローンの飛行の異常を各種手段により検知して電線または電柱等に設けられた回収手段を使用して、異常飛行を行うドローンを回収する技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の無人航空機を用いたシステムには改善の余地がある。
【0006】
そこで、本開示では、従来よりも改善を図られた昇降システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る昇降システムは、無人航空機と、荷物を運搬する第1装置と、前記第1装置と前記無人航空機とを繋ぐ第1ワイヤと、前記第1ワイヤを巻き取り可能な第1リールと、制御部とを備え、前記第1装置は、筐体と、前記筐体に配置されるとともに、第1方向に延びる回転軸を有する第1プロペラと、前記筐体に配置されるとともに、第2方向に延びる回転軸を有する第2プロペラと、前記第1プロペラを駆動する第1モータと、前記第2プロペラを駆動する第2モータと、を備え、地面に垂直な方向から見て、前記第1方向と前記第2方向とは異なり、前記制御部は、前記無人航空機が地上から離れた位置に存在する場合、前記無人航空機から前記第1装置を離脱させ、前記第1リールを制御して前記第1ワイヤを繰り出させ、前記第1ワイヤを繰り出させた後に、前記第1モータ及び/又は前記第2モータを駆動して、前記第1装置を前記第1方向及び/又は前記第2方向に移動させる。
【0008】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、無人航空機、格納装置、1つ又は複数のスラスタ装置、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、それらの任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本開示の昇降システムは、さらなる改善を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態1における飛行システムを例示した模式図である。
【
図2】
図2は、実施の形態1における飛行システムの構成を説明するブロック図である。
【
図3】
図3は、実施の形態1における、飛行エリア内の建物に設置されたレールを例示した図である。
【
図4】
図4は、実施の形態1における、建物に設置したレールに子ドローンを連結し、子ドローンに親ドローンをワイヤで連結した状態を例示した図である。
【
図5】
図5は、実施の形態1における飛行システムにおける落下防止用の制御の第1を例示したフローチャートである。
【
図6】
図6は、実施の形態1における飛行システムにおける落下防止用の制御の第2を例示したフローチャートである。
【
図7A】
図7Aは、実施の形態1における飛行システムにおける落下防止用の制御の第3を例示したフローチャートである。
【
図7B】
図7Bは、実施の形態1における飛行システムにおける落下防止用の制御の第3を例示したフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施の形態1における、子ドローンにワイヤで連結した親ドローンの外観を模式的に示す図である。
【
図9】
図9は、ワイヤを接続する回転リングを有する親ドローンを、上面と側面から見た図である。
【
図10】
図10は、ワイヤを接続する回転リングを有する親ドローンを、ワイヤ接続部が下面にある場合に、上面と側面から見た図である。
【
図11】
図11は、ワイヤに接続されている回転リングの動きを例示した図である。
【
図12】
図12は、実施の形態1における、親ドローンの落下時における回転リングの役割を説明するための模式図である。
【
図13】
図13は、実施の形態1における、親ドローンによる子ドローンの回収手順を模式的に示す図である。
【
図14】
図14は、親ドローンに側面から積荷を積載する様子を表した図である。
【
図15】
図15は、実施の形態1における、飛行エリア内の建物に設置された2本のレールを例示した図である。
【
図16】
図16は、実施の形態1における、二車線型のレールでの、二つの子ドローンの一方が他方を追い抜く様子を例示した図である。
【
図17】
図17は、実施の形態1における、二車線型のレールの配置例を示す図である。
【
図18】
図18は、実施の形態1における、二車線型のレールの配置例を示す図である。
【
図19】
図19は、2本のレールが設置される場合の親子ドローンの配置を例示した模式図である。
【
図20】
図20は、実施の形態1における、一体の親ドローンに連結された二体の子ドローンを例示した図である。
【
図21】
図21は、実施の形態1における、二体の子ドローンに連結した一体の親ドローンが、前方の別の親ドローンおよび子ドローンを追い越す様子を例示した図である。
【
図22】
図22は、実施の形態1における、親ドローンと子ドローンを連結するワイヤの表面上にアドレス三次元位置情報と航行用データを記載し、それを読み取るセンサの構成図である。
【
図23】
図23は、実施の形態1におけるレール上に記載したデータの内容を例示した図である。
【
図24】
図24は、実施の形態1における、子ドローンによるレール位置情報の取得に関する制御を例示したフローチャートである。
【
図25A】
図25Aは、実施の形態1における、親ドローンの位置情報の取得に関する制御を例示したフローチャートである。
【
図25B】
図25Bは、実施の形態1における、親ドローンの位置情報の取得に関する制御を例示したフローチャートである。
【
図26】
図26は、実施の形態1における、レール間の飛行制御を例示した模式図である。
【
図27】
図27は、実施の形態1における、レール間の飛行制御を例示したフローチャートである。
【
図28】
図28は、実施の形態1における、子ドローンに設けられたアームの開閉の一例を模式的に示す図である。
【
図29】
図29は、実施の形態1における、子ドローンに設けられたアームの開閉の他の例を模式的に示す図である。
【
図30】
図30は、本開示の一態様に係る無人飛行体の制御方法を例示したフローチャートである。
【
図31】
図31は、実施の形態2における飛行システムを例示した模式図である。
【
図32】
図32は、実施の形態2における飛行システムの構成を説明するブロック図である。
【
図33】
図33は、実施の形態2における飛行システムが配送元から配送先の目的地点までの動作を例示したフローチャートである。
【
図34A】
図34Aは、実施の形態3における子ドローンのアームがレールに固定された状態を例示した模式図である。
【
図34B】
図34Bは、実施の形態3における子ドローンのアームがレールに固定された状態で降下する様子を例示した模式図である。
【
図35】
図35は、実施の形態4における飛行システムの子ドローンを例示した模式図である。
【
図36】
図36は、実施の形態4における飛行システムの構成を説明するブロック図である。
【
図37】
図37は、実施の形態4における飛行システムにおける子ドローンのアームを例示した模式図である。
【
図38】
図38は、実施の形態4における飛行システムにおける子ドローンの別のアームを例示した模式図である。
【
図39】
図39は、実施の形態4における飛行システムの構成を説明するブロック図である。
【
図40】
図40は、実施の形態4における飛行システムにおける子ドローンのさらに別のアームを縮めた状態および伸ばした状態を例示した模式図である。
【
図41】
図41は、実施の形態4における飛行システムの構成を説明するブロック図である。
【
図42】
図42は、実施の形態4における飛行システムにおける子ドローンを例示した模式図である。
【
図43A】
図43Aは、実施の形態4における飛行システムにおける子ドローンがアームを縮めた状態を例示した模式図である。
【
図43B】
図43Bは、実施の形態4における飛行システムにおける子ドローンがアームを伸ばした状態を例示した模式図である。
【
図44】
図44は、実施の形態4における飛行システムにおける子ドローンのさらに別のアームを例示した模式図である。
【
図45】
図45は、実施の形態4の変形例1における飛行システムにおける子ドローンを例示した模式図である。
【
図46】
図46は、実施の形態4の変形例1における飛行システムにおける子ドローンを例示した模式図である。
【
図47】
図47は、実施の形態4の変形例2における飛行システムにおける子ドローンを正面から見た場合を例示した模式図と、側面から見た場合を例示した模式図である。
【
図48】
図48は、実施の形態4の変形例2における飛行システムにおける別の子ドローンを正面から見た場合を例示した模式図である。
【
図49】
図49は、実施の形態4の変形例3における飛行システムの構成を説明するブロック図である。
【
図50】
図50は、実施の形態4の変形例3における飛行システムにおける別の子ドローンを例示した模式図である。
【
図51】
図51は、実施の形態4の変形例4における飛行システムの構成を説明するブロック図である。
【
図52】
図52は、実施の形態5における飛行システムが配送元から配送先の目的地点までの動作を例示したフローチャートである。
【
図53】
図53は、実施の形態5における飛行システムが配送元から配送先の目的地点までの動作を例示した模式図である。
【
図54】
図54は、実施の形態6における飛行システムが配送元から配送先の目的地点までの動作を例示したフローチャートである。
【
図55】
図55は、実施の形態7における配送システムの構成を説明するブロック図である。
【
図56】
図56は、実施の形態7における配送システムのドローンが配送元から配送先に荷物を配送する様子を例示したイメージ図である。
【
図57】
図57は、実施の形態7における配送システムのドローンを例示した正面図および側面図である。
【
図58】
図58は、実施の形態7における配送システムの動作を例示したフローチャートである。
【
図59】
図59は、風によって荷物が第3方向に流される場合に、宅配ボックスの開口と荷物との位置を補正する様子を例示した模式図である。
【
図60】
図60は、風によって荷物が第3方向に流される場合に、宅配ボックスの開口と荷物との位置を補正する別の様子を例示した模式図である。
【
図61】
図61は、実施の形態7における配送システムのドローンが配送元から配送先の中継地点に荷物を配送する様子を例示したイメージ図である。
【
図62A】
図62Aは、実施の形態7における配送システムのドローンが移動する際の、地面からの高さを例示した模式図である。
【
図62B】
図62Bは、実施の形態7における配送システムのドローンハイウェイの位置を例示した模式図である。
【
図63】
図63は、実施の形態7における配送システムのドローンが引き込み支柱および引き込みワイヤを介して、宅配ボックスに荷物を格納する様子を例示した模式図である。
【
図64】
図64は、実施の形態7における配送システムのドローンが引き込み支柱および引き込みワイヤを介して、宅配ボックスに荷物を格納する様子を例示した斜視図である。
【
図65】
図65は、実施の形態7における配送システムのドローンの本体が鉛直方向と略平行な姿勢となって、引き込み支柱および引き込みワイヤを介して、宅配ボックスに荷物を格納する様子を例示した模式図である。
【
図66】
図66は、実施の形態7における配送システムにおいて、レールが無い場所を飛行する場合を例示した模式図である。
【
図67】
図67は、実施の形態7の変形例1における配送システムの引き込み支柱、第1引き込みワイヤおよび第2引き込みワイヤが集合住宅施設に設置されている場合を例示した模式図である。
【
図68】
図68は、実施の形態7の変形例1における集合住宅施設にドローンが荷物を配送する様子を例示した模式図である。
【
図69】
図69は、実施の形態7の変形例2における配送システムの支柱が街路灯の場合を例示した模式図である。
【
図70】
図70は、実施の形態7の変形例2における配送システムの支柱が街路灯の場合のドローンハイウェイの位置を例示した模式図である。
【
図71】
図71は、実施の形態7の変形例3における配送システムのドローンを例示した斜視図である。
【
図72】
図72は、実施の形態7の変形例3における配送システムのドローンの本体の姿勢を変更する様子を例示した斜視図である。
【
図73】
図73は、実施の形態8における配送システムの構成を説明するブロック図である。
【
図74】
図74は、実施の形態8における配送システムのドローンを例示した正面図である。
【
図75】
図75は、実施の形態8における配送システムのドローンおよびレールを上面から見た場合に、第1レールから第2レールに接続体の接続を切換える様子を例示した上面図である。
【
図76】
図76は、実施の形態8における配送システムのドローンの接続体を、第1レールから第2レールに切換える動作を例示したフローチャートである。
【
図77】
図77は、実施の形態8における配送システムのドローンおよびレールの正面側において、第1レールから第2レールに接続体の接続を切換える様子を例示した正面図である。
【
図78】
図78は、実施の形態8における配送システムのドローンの接続体を、第1レールから第2レールに切換える動作の例を詳細に示すフローチャートである。
【
図79】
図79は、実施の形態8における配送システムのドローンの第1フックおよびレールの側面図、上面図および正面図である。
【
図80】
図80は、実施の形態9における配送システムのスラスタ装置およびスラスタ装置に装着された荷物を例示した斜視図である。
【
図81】
図81は、実施の形態9における配送システムの構成を説明するブロック図である。
【
図82】
図82は、実施の形態9における配送システムのスラスタ装置が宅配ボックスに荷物を格納する様子を例示した模式図である。
【
図83】
図83は、実施の形態9における配送システムのスラスタ装置と宅配ボックスの上面図である。
【
図84】
図84は、実施の形態9における配送システムのスラスタ装置が集合住宅施設にドローンが荷物を配送する様子を例示した模式図である。
【
図85】
図85は、実施の形態10におけるスラスタ装置を例示したブロック図である。
【
図86】
図86は、実施の形態10におけるスラスタ装置を例示した模式図である。
【
図87】
図87は、実施の形態10の変形例1におけるスラスタ装置を例示した模式図である。
【
図88】
図88は、実施の形態10の変形例1におけるスラスタ装置の縦桟及び横桟がスライドした様子を例示した模式図である。
【
図89】
図89は、実施の形態10の変形例2におけるスラスタ装置の複数のモータにおけるプロペラの回転方向を例示した模式図である。
【
図90】
図90は、実施の形態11におけるスラスタ装置を例示した模式図である。
【
図91】
図91は、実施の形態12におけるスラスタ装置を例示したブロック図である。
【
図92】
図92は、実施の形態12におけるスラスタ装置が宅配ボックスに荷物を格納する様子を例示した模式図である。
【
図93】
図93は、実施の形態12におけるスラスタ装置が宅配ボックスに荷物を格納する動作を例示するフローチャートである。
【
図94】
図94は、実施の形態12におけるスラスタ装置が宅配ボックスに荷物を格納する別の様子を例示した模式図である。
【
図95】
図95は、実施の形態13におけるスラスタ装置のプロペラの形状を例示する図である。
【
図96】
図96は、実施の形態14における昇降システムのスラスタ装置が荷物を降ろす様子を例示する図である。
【
図97】
図97は、実施の形態14における昇降システムのスラスタ装置が荷物を降ろした後の様子を例示する図である。
【
図98】
図98は、実施の形態14における昇降システムを例示したブロック図である。
【
図99】
図99は、実施の形態14の変形例1における昇降システムのスラスタ装置が荷物を降ろす様子を例示する図である。
【
図100】
図100は、実施の形態14の変形例1における昇降システムのスラスタ装置が荷物を降ろした後の様子を例示する図である。
【
図101】
図101は、実施の形態14の変形例2における昇降システムの第1スラスタ装置及び第2スラスタ装置が集合住宅施設に荷物を配送する様子を例示した模式図である。
【
図102】
図102は、実施の形態14の変形例3における昇降システムを例示した模式図である。
【
図103】
図103は、実施の形態14の変形例4における昇降システムのスラスタ装置を例示した模式図である。
【
図104】
図104は、実施の形態15における宅配ボックスを例示した模式図である。
【
図105】
図105は、実施の形態16におけるシステムの宅配ボックスの上面図である。
【
図106】
図106は、実施の形態16におけるシステムの昇降装置が荷物を降ろす様子を例示した模式図である。
【
図107】
図107は、実施の形態17における無人航空機を例示した模式図である。
【
図108】
図108は、実施の形態17における無人航空機の第1アームを閉状態から開状態に変更する動作を例示するフローチャートである。
【
図109】
図109は、実施の形態17における無人航空機の第1アームを閉状態から開状態に変更する別の動作を例示するフローチャートである。
【
図110】
図110は、実施の形態17の変形例1における無人航空機を例示した模式図である。
【
図111】
図111は、実施の形態17の変形例2における無人航空機及びレールのシステムを例示した模式図である。
【
図112】
図112は、実施の形態18における無人航空機を例示した模式図である。
【
図113】
図113は、実施の形態18における無人航空機がレールを移動する様子を例示した模式図である。
【
図114】
図114は、実施の形態18における無人航空機の前進時と逆走時とを示す様子を例示した模式図であり、実施の形態18の変形例1、2における無人航空機の逆走時を示す様子を例示した模式図である。
【
図115】
図115は、実施の形態18の変形例1における無人航空機の接続体を例示した模式図である。
【
図116】
図116は、実施の形態18の変形例2における無人航空機の接続体を例示した模式図である。
【
図117】
図117は、実施の形態18の変形例2における無人航空機の前進時とブレーキ時のプロペラの回転方向を例示した模式図である。
【
図118】
図118は、実施の形態19における無人航空機および宅配ボックスを例示した模式図である。
【
図119】
図119は、実施の形態20における無人航空機および宅配ボックスを例示した模式図である。
【
図120】
図120は、実施の形態20における無人航空機および宅配ボックスを例示した斜視図である。
【
図121】
図121は、実施の形態20における無人航空機がレールに吊下がった場合の宅配ボックスの動きを例示した側面図である。
【
図122】
図122は、実施の形態20における無人航空機が宅配ボックスに荷物の配送を開始してから終了するまでの処理を例示したフローチャートである。
【
図123】
図123は、実施の形態20における無人航空機が宅配ボックスに荷物の格納を開始してから第2アームが荷物を切り離すまでを例示した模式図である。
【
図124】
図124は、実施の形態20における無人航空機が宅配ボックスに格納された荷物をカメラが撮像してから無人航空機がレールから離脱するまでを例示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の一態様に係る無人航空機の制御方法は、第1の無人航空機と、前記第1の無人航空機に連結線で連結された第2の無人航空機とを含むシステムにおいて、前記第1および第2の無人航空機を制御する制御方法であって、(A)前記第1および第2の無人航空機を前進させ、(B)前記第2の無人航空機の飛行に異常が生じたときに、前記第1の無人航空機の前進を止めさせる。
【0012】
これにより、第2の無人航空機の墜落の可能性を低減でき、その結果、さらなる改善を図ることができる。
【0013】
前記(B)において、前記第1の無人航空機の動作を前記前進からホバリングに変更してもよい。
【0014】
これにより、第2の無人航空機に異常が発生したときに、第1の無人航空機は、所定の位置にとどまることができる。
【0015】
前記(A)において、前記第1の無人航空機に前記連結線にかかる張力を監視させ、前記(B)において、前記第1の無人航空機は、前記張力の変化に基づいて、前記第2の無人航空機の飛行の異常を検知してもよい。
【0016】
これにより、第1の無人航空機は、第2の無人航空機に飛行の異常が起きた場合に、即時に異常を検知することができる。
【0017】
前記(B)において、前記第1の無人航空機は、前記張力が所定値以上となった場合に、記第2の無人航空機の飛行が異常であると判断してもよい。
【0018】
これにより、第1の無人航空機は、第2の無人航空機に飛行の異常が起きた場合に、異常の有無を定量的に判断することができる。第1の無人航空機は、第2の無人航空機に飛行の異常が起きた場合に、即時に異常を検知することができる。
【0019】
前記(B)において、前記第2の無人航空機の飛行に異常が生じたときに、前記第2の無人航空機に異常信号を出力させ、前記第1の無人航空機は、前記異常信号を受信することによって前記第2の無人航空機の飛行に異常が生じたことを検知してもよい。
【0020】
これにより、第1の無人航空機は、第2の無人航空機に飛行の異常が起きた場合に、電気的に、異常を検知できる。第1の無人航空機は、無線通信または有線通信によって、信号を受信できる。第1の無人航空機は、第2の無人航空機に飛行の異常が起きた場合に、即時に異常を検知することができる。
【0021】
前記連結線は、通信ケーブルを含み、前記異常信号は、前記通信ケーブルを介して前記第2の無人航空機から前記第1の無人航空機に伝送してもよい。
【0022】
これにより、第1の無人航空機は、第2の無人航空機に飛行の異常が起きた場合に、電波状況に依存することなく、即時に異常を検知することができる。
【0023】
前記第1の無人航空機はカメラを含み、前記(B)において、前記第1の無人航空機は、前記カメラの映像に基づいて、前記第2の無人航空機に異常が生じたことを検知してもよい。
【0024】
これにより、第1の無人航空機は、第2の無人航空機に飛行の異常が起きた場合に、連結線の張力に著しい変化が起こらない場合等でも、映像によって具体的な状況を把握した上で、異常を検知することができる。
【0025】
前記(B)において、前記第2の無人航空機に異常が生じたときに、さらに、前記連結線の長さを短くしてもよい。
【0026】
これにより、第2の無人航空機に異常が発生したときに、第2の無人航空機の落下または飛行の異常の範囲を小さくすることができる。
【0027】
前記(B)において、前記第1の無人航空機に前記連結線の一部を巻き取らせることによって、延びている前記連結線の長さを短くしてもよい。
【0028】
これにより、第2の無人航空機に異常が発生したときに、効率的に、連結線の長さを短くすることができる。
【0029】
前記システムは、地面から離れた位置に固定された第1のレールをさらに含み、前記(A)において、前記第1の無人航空機を、前記第2の無人航空機よりも前記第1のレールに近い位置で前進させてもよい。
【0030】
これにより、第1の無人航空機は、飛行ルートが限定され、空間的により精度の高い飛行を行うことができる。
【0031】
前記(A)において、前記第1の無人航空機を、前記第1のレールよりも低い位置で前進させてもよい。
【0032】
これにより、第1の無人航空機は、飛行を安定させることができる。
【0033】
前記(A)において、前記第1の無人航空機を、前記第1のレールに移動可能に連結された状態で、前記第1のレールに沿って前進させてもよい。
【0034】
これにより、第1の無人航空機は、第1のレールに沿って安定して飛行することができる。
【0035】
前記(B)において、前記第2の無人航空機の飛行に異常が生じたときに、さらに、前記第1の無人航空機を前記第1のレールに連結させてもよい。
【0036】
これにより、第2の無人航空機に異常が生じたときでも、第1の無人航空機の飛行を安定させることができる。第1の無人航空機と連結線で連結された第2の無人航空機の墜落を防ぐことができる。
【0037】
前記第1の無人航空機は、開閉可能なアームを含み、前記(A)において、前記第1の無人航空機を前記アームが開いた状態で前進させ、前記(B)において、前記アームを前記第1のレールを囲むように閉じさせることによって、前記第1の無人航空機を前記第1のレールに連結させてもよい。
【0038】
これにより、(A)の場合は、第1の無人航空機の飛行中に、第1の無人航空機とレールが接触することを避けることができる。(B)の場合は、第2の無人航空機に異常が生じた場合でも、第1の無人航空機の飛行を安定させることができる。
【0039】
前記アームは、第1アームと第2アームとを含み、前記アームが開いた状態において、前記第1アームの一端と前記第2アームの一端との間の距離は、前記第1のレールの幅よりも大きく、前記アームが閉じた状態において、前記第1アームの一端と前記第2アームの一端との間の前記距離は、前記第1のレールの幅よりも小さくなってもよい。
【0040】
これにより、アームが開いた状態において、第1無人航空機はレールから外れ、アームが閉じた状態において、第1無人航空機はレールから外れないようにすることができる。
【0041】
前記第1の無人航空機は、第2の無人航空機よりも小さくてもよい。
【0042】
これにより、第1の無人航空機は、第2の無人航空機の飛行を妨害せず、騒音等も軽減できる。
【0043】
前記連結線の一端は、前記第1の無人航空機の飛行状態において、前記第1の無人航空機の下面に連結されてもよい。
【0044】
これにより、第1の無人航空機と第2の無人航空機を結ぶ連結線が、第1の無人航空機の飛行を妨害しないようにすることができる。
【0045】
前記第2の無人航空機は、前記第2の無人航空機の本体を囲み、かつ、前記本体に対して回転可能なリングを含み、前記リングの外周面は、前記第2の無人航空機の飛行状態において、前記第2の無人航空機の前記本体の下面と第1側面と上面と第2側面とを横切り、前記連結線の他端は、前記第2の無人航空機の飛行状態において、前記第2の無人航空機の前記リングの前記外周面に連結されていてもよい。
【0046】
これにより、第2の無人航空機は、飛行中に落下した場合でも、体勢を反転させずに、第1の無人航空機から垂れ下がることができる。
【0047】
前記システムは、管理サーバを含み、前記第1のレールは、前記第1のレールを特定するための第1の識別情報が記録された第1の記録面を含み、前記第1の無人航空機は、前記第1の記録面から前記第1の識別情報を読み出すための少なくとも1つの読み出しセンサを含み、前記(A)において、さらに、前記第1の無人航空機に、前記少なくとも1つの読み出しセンサを介して前記第1の識別情報を連続的または断続的に読み出させ、前記第1の無人航空機に、前記第1の識別情報に基づいて、自身の位置を特定させ、前記第1の無人航空機に、前記自身の位置を示す第1の位置情報を、前記管理サーバに無線を介して連続的または断続的に送信させてもよい。
【0048】
これにより、第1の無人航空機は、自身の位置を特定することができるため、空間的により精度の高い飛行を行うことができる。
【0049】
前記(A)において、さらに、前記第1の無人航空機に、前記第1の無人航空機と前記第2の無人航空機との間の相対的な位置を示す第2の位置情報を、前記管理サーバに無線を介して連続的または断続的に送信させ、前記管理サーバに、前記第1および第2の位置情報に基づいて、前記第2の無人航空機の位置を特定させてもよい。
【0050】
これにより、管理サーバは、第2の無人航空機の位置を把握することができる。第2の無人航空機は、空間的により精度の高い飛行を行うことができる。
【0051】
前記(A)の前に、前記第1および第2の無人航空機が飛行予定ルートに配置された複数のレールに関するレール情報を、前記管理サーバから前記第1の無人航空機にダウンロードさせ、前記(A)において、前記第1の無人航空機に、前記第1の識別情報と前記レール情報を照合させることによって、自身の位置を特定させてもよい。
【0052】
これにより、第1の無人航空機は、レール情報を取得し、取得したレール情報から自身の位置を特定することで、空間的により精度の高い飛行を行うことができる。
【0053】
前記レール情報は、前記複数のレールのそれぞれの識別情報と、前記複数のレールのそれぞれの地理座標を示す座標情報とを含んでいてもよい。
【0054】
これにより、第1の無人航空機は、それぞれのレールを識別し、レールの位置を示す座標情報を取得することで、空間的により精度の高い飛行を行うことができる。
【0055】
前記少なくとも1つの読み出しセンサは、少なくとも1つの光学センサであってもよい。
【0056】
これにより、第1の無人航空機は、レールの位置を把握することができ、空間的により精度の高い飛行を行うことができる。
【0057】
前記記録面は、前記第1のレールの外周面に配置され、前記少なくとも1つの光学センサは、複数の光学センサであり、前記(A)において、前記複数の光学センサは、互いに異なる方向から前記記録面をセンシングしてもよい。
【0058】
これにより、第1の無人航空機は、複数のセンサを用いて、異なる方向からレールの識別情報等を読み出すことで、確実にレールの識別情報を読み出すことができる。
【0059】
前記第1の記録面には、前記第1のレールの高度を示す高度情報がさらに記録されていてもよい。
【0060】
これにより、第1の無人航空機は、それぞれのレールの高度情報を取得することで、空間的により精度の高い飛行を行うことができる。
【0061】
さらに、(C)前記第2の無人航空機の後ろを飛行する後続航空機が、前記第2の無人航空機を追い越すときに、前記第2の無人航空機の飛行コースを変更させてもよい。
【0062】
これにより、第2の無人航空機の後ろを飛行する無人航空機は、第2の無人航空機の飛行コースを変更させることで、衝突をすることなく第2の無人航空機を追い越すことができる。
【0063】
前記(C)において、前記第2の無人航空機の前記飛行コースを、前記第1の無人航空機から離れる方向に変更させてもよい。
【0064】
これにより、第2の無人航空機は、後続航空機に追い越される際に、第1の無人航空機に衝突することを避けることができる。
【0065】
前記(C)において、前記後続航空機が前記第2の無人航空機を追い越した後に、前記第2の無人航空機を元の飛行コースに復帰させてもよい。
【0066】
これにより、第2の無人航空機は、後続航空機に追い抜かれた後に、元の飛行コースに戻ることで、追い越される前の飛行ルートを継続して飛行できる。
【0067】
前記(C)において、前記後続航空機が前記第2の無人航空機を追い越す前に、前記第1の無人航空機から前記第2の無人航空機まで延びている前記連結線の長さを長くしてもよい。
【0068】
これにより、第2の無人航空機は、後続航空機に追い越されるときに、スムーズに自身の飛行コースを変更することができる。
【0069】
前記システムは、さらに、前記第1の無人航空機と前記第1のレールを共用する第3の無人航空機と、前記第3の無人航空機に連結線で連結された第4の無人航空機とをさらに含み、前記制御方法は、さらに、(D)前記第1の無人航空機の後ろを飛行する前記第3の無人航空機が、前記第1の無人航空機を追い越すときに、前記第1の無人航空機の飛行コースを変更させてもよい。
【0070】
これにより、第1の無人航空機の飛行コースを変更させることで、第3の無人航空機と第3の無人航空機と連結線で連結された第4の無人航空機は、衝突をすることなく、第1の無人航空機を追い越すことができる。
【0071】
前記(D)において、前記第1の無人航空機の前記飛行コースを、前記第1のレールから離れる方向に変更させてもよい。
【0072】
これにより、第3の無人航空機と第3の無人航空機と連結線で連結された第4の無人航空機は進路を変更せずに、第1の航空機を追い越すことができる。
【0073】
前記システムは、さらに、前記地面から離れた位置に固定され、かつ、前記第1のレールと平行に延びる第2のレールをさらに含み、前記(D)において、前記第1の無人航空機の前記飛行コースを、前記第2のレールに近づける方向に変更させてもよい。
【0074】
これにより、第1の無人航空機の飛行コースを第2のレールに近づくように変更させることで、第3の無人航空機と第3の無人航空機と連結線で連結された第4の無人航空機は、第1の無人航空機を衝突することなく追い越すことができる。
【0075】
前記(A)において、前記第1の無人航空機を、前記第1のレールに移動可能に連結された状態で、前記第1のレールに沿って前進させ、前記(D)において、前記第3の無人航空機が前記第1の無人航空機を追い越す前に、前記第1の無人航空機に、前記第1のレールから前記第2のレールへ連結を変更させ、前記第3の無人航空機が前記第1の無人航空機を追い越した後に、前記第1の無人航空機に、前記第2のレールから前記第1のレールへ連結を変更させてもよい。
【0076】
これにより、第3の無人航空機と第3の無人航空機と連結線で連結された第4の無人航空機は、第1の無人航空機と衝突を起こすことなく、第1の無人航空機を追い越すことができる。
【0077】
前記地面に垂直な方向から見たときに、前記第1のレールと前記第2のレールとの間の距離は、前記第1の無人航空機の幅よりも大きくてもよい。
【0078】
これにより、第1の無人航空機は第1のレールと第2のレールの間で、レールとの接触を起こさずに移動できる。第1の無人航空機が後続の無人航空機に追い越される際に、第1の武人航空機が後続の無人航空機と衝突する可能性を低減できる。
【0079】
前記第1および第2のレールは、前記地面から同じ高さに配置されていてもよい。
【0080】
これにより、複数の親子ドローンは、追い越しが発生する際に、同じ高度で飛行をすることができる。
【0081】
前記システムは、さらに、前記第2の無人航空機に連結線で連結され、かつ、前記第1の無人航空機と前記第1のレールを共有する第3の無人航空機と、前記第1および第3の無人航空機と前記第1のレールを共用する第4の無人航空機と、前記第4の無人航空機に連結線で連結された第5の無人航空機とをさらに含み、前記(A)において、前記第1および第3の無人航空機のそれぞれを、前記第1のレールに移動可能に連結された状態で、前記第1のレールに沿って前進させ、前記制御方法は、さらに、(E)前記第1および第3の無人航空機が前記第4の無人航空機の後ろを飛行しており、かつ、前記第2の無人航空機が前記第5の無人航空機の後ろを飛行している場合において、前記第2の無人航空機が前記第5の無人航空機を追い越すときに、前記第1の無人航空機に、前記第1のレールへの連結を解除させ、前記第1の無人航空機を、前記第4の無人航空機よりも前に移動させ、前記第1の無人航空機に、前記第1のレールに再連結させ、前記第1の無人航空機が前記第1のレールに再連結された後、前記第2の無人航空機を前記第5の無人航空機よりも前に移動させ、前記第1の無人航空機が前記第1のレールに再連結された後、前記第3の無人航空機に、前記第1のレールの連結を解除させ、前記第3の無人航空機を前記第4の無人航空機よりも前に移動させ、前記第3の無人航空機に、前記第1のレールに再連結させてもよい。
【0082】
これにより、第2の無人航空機は、連結線が絡むことなく、第5の無人航空機を追い越すことができる。
【0083】
前記システムは、さらに、前記地面から離れた位置に固定され、かつ、前記第1のレールから離間して隣り合う第2のレールをさらに含み、前記制御方法は、さらに、(F)前記第1の無人航空機が前記第1のレールに沿って前進しており、かつ、前記第2のレールが、前記第1の無人航空機の前進する方向に位置している場合に、前記第1の無人航空機を、前記第1のレールの周囲から前記第2のレールの周囲に移動させてもよい。
【0084】
これにより、第2の無人航空機は、第1の無人航空機と衝突することなく、第1の無人航空機を追い越すことができる。
【0085】
前記(F)において、前記第1の無人航空機が前記第1のレールから離れるときに、前記第1の無人航空機の高度を一時的に上げさせてもよい。
【0086】
これにより、第1の無人航空機は、スムーズに第1のレールから離れることができる。
【0087】
前記(F)において、前記第1の無人航空機の前記高度を、前記第1および第2のレールのいずれの高さよりも高くしてもよい。
【0088】
これにより、第1の無人航空機は、レールと衝突することなく、自身の位置を変えることができる。
【0089】
前記制御方法は、さらに、(G)前記第2の無人航空機が飛行中において、前記第1の無人航空機の飛行を停止させ、前記第2の無人航空機に前記連結線を巻き取らせて、前記第1の無人航空機を前記第2の無人航空機に対して固定させてもよい。
【0090】
これにより、第2の無人航空機は、第1の無人航空機を、第2の無人航空機との間の所定の位置に固定することができる。
【0091】
前記(G)において、前記第2の無人航空機は前記第1の無人航空機内に格納されてもよい。
【0092】
これにより、第1の無人航空機と第2の無人航空機は、レールの存在しない場所で、合体した状態で飛行することができる。
【0093】
前記第2の無人航空機は、荷物を格納するための格納口を含み、前記格納口は、前記第2の無人航空機の飛行状態における側面に設けられていてもよい。
【0094】
これにより、第2の無人航空機は、格納口に荷物を格納し、運搬することができる。
【0095】
無人航空機の制御方法をコンピュータに実行させてもよい。
【0096】
これにより、上述の無人航空機の制御方法は、コンピュータにより実行されることができる。
【0097】
加えて、無人航空機と、前記無人航空機に連結線で連結された他の無人航空機とを含むシステムにおける前記無人航空機であって、前記無人航空機は、第1のコントローラを含み、前記第1のコントローラは、前記無人航空機を前進させ、前記他の無人航空機の飛行に異常が生じたときに前記無人航空機の前進を止めさせてもよい。
【0098】
これにより、第1の無人航空機は、第1のコントローラによって、前進や前進の停止を制御されることができるため、遠隔による操作等も受けることができる。
【0099】
加えて、第1の無人航空機と、前記第1の無人航空機に連結線で連結された第2の無人航空機とを含むシステムであって、前記第1の無人航空機は、第1のコントローラを含み、前記第2の無人航空機は、第2のコントローラを含み、前記第1のコントローラは、前記第1の無人航空機を前進させ、前記第2の無人航空機の飛行に異常が生じたときに前記第1の無人航空機の前進を止めさせてもよい。
【0100】
これにより、第1の無人航空機と第2の無人航空機は、第1のコントローラと第2のコントローラによって、前進や前進の停止を制御されることができるため、遠隔による操作等も受けることができる。
【0101】
無人航空機は、荷物を配送する無人航空機であって、複数の回転翼と、前記複数の回転翼をそれぞれ回転させる複数の第1モータと、前記複数の第1モータを支持する本体と、前記本体を吊下げた状態で、地面から離れた位置にあるレールに接続するための接続体と、前記接続体が前記レールに支持されたときの支持方向に対する、前記複数の回転翼を含む仮想平面の傾きを設定する可動部と、前記複数の第1モータおよび前記可動部を制御する制御回路と、を備え、前記接続体は、前記本体に接続された第1端と、前記レールにスライド自在に接続するための第2端とを有し、前記支持方向は、前記接続体の前記第1端から前記第2端に向かう方向であり、前記制御回路は、前記接続体の前記第2端が前記レールに接続されている場合に、(i)前記複数の第1モータの回転数を、前記無人航空機を浮遊させるための最小の回転数よりも小さく、かつ、前記無人航空機を前記レールの延びる方向に推進するための最小の回転数よりも大きい、回転数にし、(ii)前記可動部によって、前記接続体の前記支持方向に対して前記仮想平面の法線方向がなす角度を大きくする。
【0102】
これによれば、無人航空機は、接続体がレールに接続した状態で、無人航空機がレールに沿って移動することができる。(i)の場合では、制御回路が、複数の第1モータの回転数を制御することで、無人航空機を浮遊させるための最小の回転数よりも小さく、かつ、無人航空機を推進するための最小の回転数よりも大きくするため、無人航空機は、レールに沿って適切な速度で移動することができる。(ii)の場合では、制御回路がアクチュエータを制御することで、接続体の支持方向に対する複数の回転翼を含む仮想平面の傾きを変更することで、無人航空機の速度を調節することができる。
【0103】
配送システムは、無人航空機と、複数の支柱と、前記複数の支柱のうちの隣り合う2つの間に張り渡された前記レールと、を備えてもよい。
【0104】
前記可動部は、前記本体と前記接続体との間に配置されていてもよい。
【0105】
これによれば、可動部は、本体に対して接続体の角度を容易に変更することができる。
【0106】
例えば、接続体を本体の重心部分およびその近傍に配置した場合に、可動部も本体の重心部分およびその近傍に配置されることとなる。このため、無人航空機の重心の釣り合いを取ることができる。
【0107】
無人航空機は、さらに、一対の翼を備えていてもよい。
【0108】
これによれば、例えば、一対の翼がヨー翼であれば、無人航空機を水平方向に回転させたり、一対の翼がピッチ翼であれば、無人航空機を鉛直方向に回転させたりすることができる。その結果、無人航空機の進行方向を自由に操舵することができるため、無人航空機は安定した移動を実現することができる。
【0109】
前記制御回路は、前記可動部によって前記角度を大きくした後、前記無人航空機の推進速度が所定値を超えた場合に、前記接続体を前記レールから外してもよい。
【0110】
これによれば、接続体とレールとの接触を抑制することができるため、無人航空機の安全性を高めることができる。
【0111】
前記制御回路は、前記接続体が前記レールから外れている場合に、前記可動部によって前記角度を小さくしてもよく、前記無人航空機を浮遊させるための前記最小の回転数よりも大きくするように、前記複数の第1モータの回転数を制御してもよい。
【0112】
これによれば、接続体がレールから外れている場合に、角度を小さくすることで、無人航空機が地面から所定高さの位置まで浮遊することができるようになる。このため、物体と接触したりすることが抑制されるため、無人航空機の安全性を高めることができる。
【0113】
前記制御回路は、前記(ii)において、前記角度を15°よりも大きくするように、前記複数の第1モータの回転数を制御してもよい。
【0114】
これらによれば、無人航空機の速度を適切にすることができる。
【0115】
前記制御回路は、前記(ii)において、前記角度を45°よりも大きくするように、前記複数の第1モータの回転数を制御してもよい。
【0116】
前記制御回路は、前記(ii)において、前記角度を65°よりも大きくするように、前記複数の第1モータの回転数を制御してもよい。
【0117】
前記制御回路は、前記(ii)において、前記角度を80°よりも大きくするように、前記複数の第1モータの回転数を制御してもよい。
【0118】
前記接続体は、前記本体に揺動自在に接続された支持部と、前記支持部の一端に接続された第1アームとを有してもよい。
【0119】
これによれば、支持部の揺動とともに第1アームを揺動させることができる。このため、レールに接続し易くなる。
【0120】
前記第1アームは、前記無人航空機を前記レールに吊下げるためのハンガであってもよい。
【0121】
これによれば、無人航空機の停止時に、第1アームがレールから吊下がることができる。このため、無人航空機がレールに吊下がった状態で、荷物を配送先に載置することができる。
【0122】
前記接続体は、さらに、前記第1アームに接続されており、前記レールに回転自在に接触するための車輪を有してもよい。
【0123】
これによれば、無人航空機がレールに接続された際に、車輪がレールに接触した状態で移動することができる。車輪はレールとの摩擦によって回転を始めるため、無人航空機は、回転翼の回転による進行方向への推進力だけでレールの上を走行することができる。このため、無人航空機は、回転翼の回転力を、自身を持ち上げるための揚力に使用しなくてもよくなる。その結果、無人飛行機の省エネルギー化を実現することができる。
【0124】
前記接続体は、さらに、前記支持部の前記一端に接続された第2アームを有してもよい。
【0125】
これによれば、第1アームだけでなく、第2アームもレールに対して接続することができるため、無人航空機がレールから落下することが抑制され、無人航空機を用いたシステムにおける安全性をより高めることができる。
【0126】
前記第1アームは、前記無人航空機を前記レールに吊下げるための第1のハンガであってもよく、前記第2アームは、前記無人航空機を前記レールに吊下げるための第2のハンガであってもよく、前記接続体は、さらに、前記支持部に対する前記第1アームの角度を設定する第1アクチュエータと、前記支持部に対する前記第2アームの角度を設定する第2アクチュエータとを有してもよい。
【0127】
これによれば、無人航空機では、レールに対して確実に吊下がることができるため、無人航空機がレールから落下することが抑制され、無人航空機を用いたシステムにおける安全性をより高めることができる。
【0128】
前記接続体は、さらに、前記支持部と前記第1アームおよび前記第2アームとの間に配置されるベースと、前記支持部に対する前記ベースの角度を設定する第3アクチュエータとを有してもよい。
【0129】
これによれば、ベースの角度を変えるだけで、本体に対する第1アームの高さを変更したり、第2アームの高さを変更したりすることができる。このため、本体を傾けなくても、第1アームおよび第2アームの高さを変更することができるため、無人航空機の安定性を保つことができる。
【0130】
前記第1アームは、前記第1アクチュエータに接続される第1接続端から第1開放端まで延びる第1フックを有してもよく、前記第2アームは、前記第2アクチュエータに接続される第2接続端から第2開放端まで延びる第2フックを有してもよく、前記第1フックは、前記第1接続端から前記第1開放端に至るまでに第1方向に折れ曲がる第1屈曲部を有してもよく、前記第2フックは、前記第2接続端から前記第2開放端に至るまでに、前記第1方向とは反対向きの第2方向に折れ曲がる第2屈曲部を有してもよい。
【0131】
これによれば、第1フックがレールに吊下がった場合に、本体を水平な姿勢で保つことができ、第2フックがレールに吊下がった場合も、本体を水平な姿勢で保つことができる。このため、第1フックおよび第2フックは、無人航空機を適切な姿勢で保持することができるようになる。
【0132】
第1フックおよび第2フックによりレールに引っ掛け易くなる。
【0133】
前記制御回路は、前記無人航空機が、前記第1フックによって第1レールにスライド自在に吊下がっている場合に、前記第2アクチュエータを制御して、前記第1レールに隣接した状態で前記第1レールに沿って隣に延びる第2レールに、前記第2フックを引っ掛けてもよく、前記第1アクチュエータを制御して、前記第1フックを前記第1レールから外してもよい。
【0134】
これによれば、例えば、無人航空機の第1フックが第1レールに接続されているとき、第2フックを第2レールに接続した後に、第1フックを第1レールから外すことで、無人航空機は、第1レールから別のレールである第2レールに接続を切換えて移動することができる。このため、無人航空機は、レールとレールとの分岐点において、確実にレールを切換えることができるため、無人航空機の落下が抑制されることで、無人航空機を用いたシステムにおける安全性をより高めることができる。
【0135】
配送システムは、無人航空機と、複数の支柱と、前記複数の支柱のうちの隣り合う2つの支柱の間に張り渡された前記第1レールおよび前記第2レールと、を備えてもよい。
【0136】
前記制御回路は、前記無人航空機が、前記第1フックおよび前記第2フックによって第1レールにスライド自在に吊下がっている場合に、前記第2アクチュエータを制御して、前記第2フックを、前記第1レールから外して、前記第1レールに沿って隣に延びる第2レールに引っ掛けさせてもよく、前記第1アクチュエータを制御して、前記第1フックを、前記第1レールから外して、前記第2レールに引っ掛けさせてもよい。
【0137】
これによれば、例えば、無人航空機の第1フックおよび第2フックが第1レールに接続されているとき、第2フックを第1レールから外して第2レールに接続した後に、第1フックを第1レールから外して第2レールに接続することで、無人航空機は、第1レールから別のレールである第2レールに接続を切換えて移動することができる。このため、無人航空機は、レールとレールとの分岐点において、確実にレールを切換えることができるため、無人航空機の落下が抑制されることで、無人航空機を用いたシステムにおける安全性をより高めることができる。
【0138】
前記制御回路は、前記第2フックを前記第2レールに引っ掛けるときに、前記本体または前記支持部を前記第2方向に傾けて、前記第2接続端を前記第1接続端よりも高くしてもよく、前記第1フックを前記第1レールから外すときに、前記本体または前記支持部を前記第1方向に傾けて、前記第1接続端を前記第2接続端よりも高くしてもよい。
【0139】
これによれば、本体または支持部を傾けることで、第1フックおよび第2フックをレールに簡易に引っ掛けたり、第1フックおよび第2フックをレールから簡易に外したりすることができる。
【0140】
無人航空機は、さらに、前記本体に接続された、前記荷物を吊下げるための吊下げワイヤと、前記吊下げワイヤを巻き取り可能なリフトモータとを備えてもよく、前記制御回路は、前記接続体が前記レールに接続されている状態で、前記荷物を収容するための格納装置の鉛直上方に前記無人航空機を位置取らせ、前記リフトモータを駆動して、前記吊下げワイヤを繰り出すことで、前記本体に対して前記荷物を降下させて前記格納装置に格納させてもよい。
【0141】
これによれば、無人航空機が目的地点に到着したときに、制御回路がリフトモータを制御して吊下げワイヤを繰り出すことで、荷物を降下させて格納装置に格納させることができる。このため、無人航空機は、配送先に荷物を配送することができる。
【0142】
前記制御回路は、前記吊下げワイヤを繰り出す間、前記格納装置に対する前記荷物の相対位置に応じて、前記本体の位置および向きの少なくとも一方を調整してもよい。
【0143】
これによれば、無人航空機が格納装置の直上に対して位置ズレが生じても、制御回路が本体の位置および向きの少なくとも一方を調整することで、格納装置に対する本体を位置合わせすることができる。このため、無人航空機は、確実に荷物を降下させて格納装置に格納させることができるため、確実に配送先に荷物を配送することができる。
【0144】
特に、この無人航空機では、風などによって無人航空機が格納装置の直上から移動してしまう場合があっても、格納装置に対する本体を位置合わせすることができる。
【0145】
前記制御回路は、前記荷物の位置が前記格納装置の鉛直上方の位置から第3方向に変位している場合に、前記レールの延びる方向に沿って、前記無人航空機を前記第3方向とは反対の第4方向に移動させてもよい。
【0146】
これによれば、風などによって吊下げワイヤを介して荷物が第3方向に流されることで位置が変位(移動)しても、制御回路が無人航空機を第3方向と反対方向の第4方向に変位させることができる。このため、無人航空機は、確実に荷物を降下させて格納装置に格納させることができるため、より確実に配送先に荷物を配送することができる。
【0147】
前記制御回路は、前記荷物の位置が前記格納装置の鉛直上方の位置から第5方向に変位している場合に、前記レールを支点として前記無人航空機をスイングさせて、前記無人航空機の重心を前記第5方向とは反対の第6方向に移動させてもよい。
【0148】
これによれば、風などによって吊下げワイヤを介して荷物が第5方向に変位しても、制御回路が無人航空機の重心を移動させることで、荷物を第5方向と反対方向の第6方向に変位させることができる。このため、無人航空機は、確実に荷物を降下させて格納装置に格納させることができるため、より確実に配送先に荷物を配送することができる。
【0149】
無人航空機は、さらに、前記荷物に着脱可能に取り付けられたスラスタ装置を備えてもよく、前記スラスタ装置は、複数のプロペラと、前記複数のプロペラをそれぞれ回転させる複数の第2モータと、前記複数の第2モータを支持する支持体と、を有してもよい。
【0150】
これによれば、無人航空機が格納装置の直上に対して位置ズレが生じても、スラスタ装置が荷物を格納装置に誘導することができる。このため、無人航空機は、確実に荷物を降下させて格納装置に格納させることができるため、より確実に配送先に荷物を配送することができる。格納装置の開口が狭く、荷物を挿入し難い状況でも、無人航空機では、確実に荷物を格納装置に挿入することができる。これにより、無人航空機を着陸させる広い場所を必要としない。
【0151】
特に、この無人航空機では、風などによって無人航空機が格納装置の直上から移動してしまう場合があっても、スラスタ装置が荷物を格納装置に格納させることができる。
【0152】
前記複数のプロペラは、前記支持体の第1側面部に配置された第1プロペラと、前記支持体の前記第1側面部とは異なる第2側面部に配置された第2プロペラとを含んでもよい。
【0153】
これによれば、格納装置に対するスラスタ装置の位置および向きを調節することができる。このため、この無人航空機では、スラスタ装置が、より確実に荷物を格納装置に格納させることができる。
【0154】
前記制御回路は、前記吊下げワイヤを繰り出す期間の少なくとも一部の期間において、前記スラスタ装置が前記複数の第2モータの少なくとも1つを駆動するよう制御してもよい。
【0155】
これによれば、無人航空機から荷物を降下させる際に、格納装置に対するスラスタ装置の位置および向きを調節することができる。このため、この無人航空機では、スムーズに荷物を格納装置に格納させることができる。
【0156】
配送システムは、前記複数の支柱のそれぞれは、電柱であってもよい。
【0157】
これによれば、既存の電柱を支柱として用いることとができるため、レールを張り渡すための新たな支柱を設置する必要もない。このため、このシステムでは、設置に際するコストの高騰化を抑制することができる。
【0158】
配送システムは、さらに、所定敷地内に配置された引き込み支柱と、前記レールに張り渡された引き込みワイヤと、を備えてもよく、前記地面から、前記引き込みワイヤと前記引き込み支柱とが接続される第1接続点までの高さは、前記地面から、前記引き込みワイヤと前記レールとが接続される第2接続点までの高さよりも低くてもよい。
【0159】
これによれば、レールは第1接続点よりも高い位置に配置されるため、無人航空機は高い位置を移動することができる。無人航空機は、人に視認され難い位置を走行するため、配送先のユーザのプライバシーおよびレールに面して設置されている住宅などの施設の人のプライバシーを保護することができる。
【0160】
前記電柱は、送電線を支持し、前記レールは、前記送電線よりも下方であり、かつ、前記引き込み支柱の先端よりも高い位置に設けられてもよい。
【0161】
これによれば、送電線の下方にレールを配置するため、送電線と接触しない位置にレールを配置し、かつ、無人航空機を走行させることができる。このため、荷物を配送する無人航空機の安全性を確保することができる。
【0162】
前記複数の支柱は、街路灯であってもよい。
【0163】
これによれば、既存の街路灯を支柱として用いることとができるため、レールを張り渡すための新たな支柱を設置する必要もない。このため、このシステムでは、設置に際するコストの高騰化を抑制することができる。
【0164】
配送システムは、さらに、前記第1レールと前記第2レールとの近接領域の鉛直下方に張られた防護ネットを備えてもよく、前記近接領域は、前記第1レールと前記第2レールとの間の距離が前記無人航空機の幅以下に近接する領域であってもよい。
【0165】
これによれば、第1レールと第2レールとの間の距離が本体の幅(サイズ)よりも小さいため、無人航空機が第1レールから第2レールに容易に切換えて移動することができる。
【0166】
第1レールと第2レールとの近接領域の鉛直下方に防護ネットが設けられることで、無人航空機が第1レールおよび第2レールから外れても、無人航空機が地面に落下することを抑制することができる。このため、無人航空機を用いたシステムにおける安全性をより高めることができる。
【0167】
前記第2レールの少なくとも一部の高さは、隣り合う前記第1レールの高さよりも高くてもよい。
【0168】
これによれば、第1レールを2つの無人航空機が対向して走行する場合、2つの無人航空機のうちの一方の無人航空機が第2レールに退避することができる。つまり、第2レールを退避路線として用いることができる。このため、無人航空機が衝突したり、混雑したりすることを抑制することができる。
【0169】
装置は、荷物を着脱可能に取り付ける支持体と、一端が前記支持体に接続され、他端が地面から離れた位置に配置される物体に接続されることで、前記支持体を吊下げ可能なワイヤと、前記支持体の側面部に配置された複数のモータと、前記複数のモータによって駆動される複数のプロペラと、前記複数のモータを制御する制御部とを備え、前記複数のプロペラのそれぞれの中心を通る仮想面に対して、前記複数のモータの回転軸が成す角度は、-45度以上、かつ、+45度以下であってもよい。
【0170】
これによれば、仮想面に対する複数のモータの回転軸の角度を制御することで、荷物を所定位置に載置する際に、所定位置に対する荷物の位置合わせを行うことができる。当該装置を所望の方向に進行させることで、所定位置に対する装置の位置を微調整することができる。
【0171】
支持体がワイヤを介して物体に吊下げられた状態で、装置が降下する際、鉛直方向から見て荷物が所定位置と合わさるように、位置合わせを行うことができるため、装置の位置を微調整することができる。
【0172】
したがって、この装置では、所定位置に荷物を配置することができる。特に、屋外で当該装置を使用する場合、風などによって所定位置に対して装置が位置ズレしても、位置ズレを補正するように、装置が所定位置に向かって移動することができるため、所定位置に荷物を配置することができる。
【0173】
前記角度は、-30度以上、かつ、+30度以下であってもよい。
【0174】
これによれば、装置の浮遊する推力が大きくなり難くなるため、例えば、装置の急な上昇によるワイヤの弛みを抑制することができる。
【0175】
前記装置は、さらに、前記仮想面に対する前記複数のモータの回転軸が成す前記角度を調節する1以上のアクチュエータを備えてもよい。
【0176】
これによれば、支持体に対する複数のモータの姿勢を調節することができる。このため、装置が水平方向に移動したり、鉛直方向に移動したりすることができる様になる。これにより、荷物が所定位置と合わさるように、より正確に位置合わせを行うことができるようになる。
【0177】
前記制御部は、前記1以上のアクチュエータを制御することで、前記仮想面に対する前記1以上の回転軸が成す前記角度を調節し、前記角度が0度となるように前記1以上の回転軸を傾斜させる第1モードと、前記角度が仰角となるように前記1以上の回転軸を傾斜させる第2モードとを有してもよい。
【0178】
これによれば、複数のモータの回転軸のうちの1以上のモータの回転軸の姿勢を個々に制御することができる。このため、装置が所定位置に移動するべく、装置の姿勢及び進行方向等を細かく制御することができるため、装置の位置をより精度よく微調整することができる。
【0179】
前記ワイヤは、前記支持体の少なくとも1つの接続点に直接接続されてもよい。
【0180】
これによれば、支持体に1つの接続点を設けるだけで、ワイヤを介して支持体を吊下げることができる。このため、ワイヤの構成を簡素化することができる。
【0181】
前記ワイヤは、メインワイヤと、複数のサブワイヤとを有し、前記複数のサブワイヤの一端は、前記支持体の複数の接続点に直接接続され、前記複数のサブワイヤの他端は、1つの共通の接続点である前記メインワイヤの一端と接続され、前記メインワイヤは、前記複数のサブワイヤを介して前記支持体を前記物体に吊下げて支持してもよい。
【0182】
これによれば、複数の接続点を介して、一対一で複数のサブワイヤを支持体に接続することができる。このため、ワイヤによって支持体を吊下げた状態での支持体の姿勢を安定させることができる。
【0183】
前記支持体は、前記荷物の周囲に配置される多角形状の枠体を有し、前記複数の接続点は、複数の頂点に相当する前記枠体の複数の部分に配置されてもよい。
【0184】
これによれば、ワイヤによって支持体を吊下げた状態での支持体の姿勢をより確実に安定させることができる。
【0185】
前記支持体は、前記荷物の周囲に配置される多角形状の枠体を有し、前記1つの接続点は、前記仮想面に平行な前記枠体内の面上で移動可能であってもよい。
【0186】
これによれば、支持体に対する1つの接続点の位置を変更することができる。このため、例えば荷物を保持した状態の支持体の重心位置が中心からズレても、当該接続点の位置を重心に合わせるように、当該接続点の位置を変更することができる。このため、ワイヤに吊下げられた支持体の姿勢を、所望の姿勢に正すことができる。
【0187】
前記支持体の前記側面部は、第1側面部と、前記第1側面部に前記支持体および/または前記荷物を挟んで対向する第2側面部とを有し、前記複数のモータは、前記第1側面部に設けられ、第1回転軸を有する第1モータと、前記第2側面部に設けられ、第2回転軸を有する第2モータとを有し、前記制御部は、前記第1回転軸を第1回転方向に回転させ、かつ、前記第2回転軸を前記第1回転方向とは反対の第2回転方向に回転させる第3モードと、前記第1回転軸および前記第2回転軸を前記第2回転方向に回転させる第4モードとを有してもよい。
【0188】
これによれば、第1モータの第1回転軸と第2モータの第2回転軸との回転方向を反転させることで、装置は、所望の方向に進む推力を得ることができる。これにより、装置は、所定位置に対する装置の位置を、精度よく微調整することができる。
【0189】
前記複数のモータは、前記第1側面部において、前記仮想面内で前記第1モータと隣り合う位置に設けられ、第3回転軸を有する第3モータと、前記第2側面部において、前記仮想面内で前記第2モータと隣り合う位置に設けられ、第4回転軸を有する第4モータとをさらに有し、前記第3モードにおいて、前記制御部は、前記第3回転軸を前記第2回転方向に回転させ、かつ、前記第4回転軸を前記第1回転方向に回転させ、前記第4モードにおいて、前記第3回転軸および前記第4回転軸を前記第1回転方向に回転させてもよい。
【0190】
これによれば、第3モータの第3回転軸および第4モータの第4回転軸の回転方向を反転させることで、所望の方向に進む推力を得ることができる。第1モータの第1回転軸および第2モータの第2回転軸の回転方向を制御することもできるため、所定位置に対する装置の位置を、より精度よく微調整することができる。
【0191】
前記装置は、前記複数のプロペラを囲む防護体をさらに有してもよい。
【0192】
これによれば、防護体が回転するプロペラを保護することができるため、プロペラが他の物体と接触することを抑制することができる。
【0193】
前記装置は、前記ワイヤの他端が接続されたリールと、前記リールを回転させて前記ワイヤを繰り出すリフトモータとをさらに備え、前記荷物を収容するための格納装置の鉛直上方に前記リールが位置する場合、繰り出された前記ワイヤの部分の長さが所定の長さを超えた後に、前記制御部は、前記複数のモータを駆動し始めてもよい。
【0194】
これによれば、装置が格納装置に近づくと、所定位置に対する装置の位置の調整を開始するため、所定位置に対する装置の位置合わせを行い易くなる。
【0195】
前記装置は、前記荷物を収容するための格納装置の鉛直上方に前記リールが位置するとき、前記格納装置の位置を検知するセンサをさらに備えてもよい。
【0196】
これによれば、格納装置に対する装置の位置を精度よく検知することができるため、格納装置に対する装置の位置を、より精度よく微調整することができる。
【0197】
前記所定の長さは、前記格納装置から前記リールまでの距離の半分に相当してもよい。
【0198】
これによれば、装置が格納装置の近くに位置すると、所定位置に対する装置の位置の調整を開始するため、所定位置に対する装置の位置合わせをより行い易くなる。
【0199】
前記複数のプロペラのそれぞれは、複数のブレードを有し、前記複数のブレードのそれぞれの表面には、複数の凸部が設けられ、前記複数の凸部は、前記複数のブレードの回転方向に沿って延びる縞状パターンであってもよい。
【0200】
これによれば、装置の飛行中における風の影響を抑制することができる。このため、風が吹いている環境下でも、装置の姿勢を安定にすることができるため、所定位置に対する装置の位置合わせをより行い易くなる。
【0201】
昇降システムは、無人航空機と、前記無人航空機に着脱可能に取り付けられる第1装置と、前記第1装置と前記無人航空機とを繋ぐ第1ワイヤと、前記第1ワイヤを巻き取り可能な第1リールと、荷物に着脱可能に取り付けられ、かつ、前記第1装置に着脱可能に取り付けられる第2装置と、前記第1装置と前記第2装置の間を繋ぐ第2ワイヤと、前記第2ワイヤを巻き取り可能な第2リールと、制御部とを備え、前記制御部は、前記無人航空機が地上から離れた位置に存在する場合、前記無人航空機から第1装置および第2装置を離脱させ、前記第1リールを制御して前記第1ワイヤを繰り出させ、前記第1装置から前記第2装置を離脱させ、前記第2リールを制御して前記第2ワイヤを繰り出させてもよい。
【0202】
これによれば、所定位置の鉛直上方に障害物がある場合等、荷物を所定位置に運ぶ難い場合であっても、第1装置および第2装置が障害物を迂回するように移動することができる。このため、第2装置を所定位置の鉛直上方まで移動させることができるため、荷物を所定位置まで確実に配送することができる。
【0203】
前記第1装置は、前記無人航空機に着脱可能に取り付けられる第1支持体と、前記第1支持体の複数の側面部に配置された複数の第1モータと、前記複数の第1モータによって駆動される複数の第1プロペラとを有し、前記第2装置は、前記第1装置に着脱可能に取り付けられる第2支持体と、前記第2支持体の複数の側面部に配置された複数の第2モータと、前記複数の第2モータによって駆動される複数の第2プロペラとを有してもよい。
【0204】
これによれば、無人航空機に対する第1装置の位置を調節し、かつ、第1装置に対する第2装置の位置を調節することができる。このため、第1装置および第2装置が障害物を迂回するように移動させることができる。その結果、荷物を所定位置まで確実に配送することができる。
【0205】
前記制御部は、前記無人航空機から第1装置および第2装置を離脱させた後に、前記複数の第1モータおよび/または前記複数の第2モータを駆動させ、前記第1装置から前記第2装置を離脱させた後に、前記複数の第1モータおよび前記複数の第2モータを駆動させてもよい。
【0206】
これによれば、障害物を迂回するための目的位置まで、第1装置および第2装置が一体的に移動することができる。このため、制御部は、複数の第1モータおよび複数の第2モータを駆動制御する処理負担の増大を抑制することができる。
【0207】
前記制御部は、前記第1装置から前記第2装置を離脱させた後に、前記複数の第1モータおよび前記複数の第2モータに対して異なる制御を行うことによって、前記無人航空機と前記第1装置との間で前記第1ワイヤが延びる第1吊下げ方向と、前記第1装置と前記第2装置との間で前記第2ワイヤが延びる第2吊下げ方向とを異ならせてもよい。
【0208】
これによれば、所定位置の鉛直上方に障害物があっても、障害物を確実に迂回するように、第1装置および第2装置を位置させることができる。その結果、この昇降システムでは、荷物を所定位置まで確実に配送することができる。
【0209】
前記制御部は、前記第1装置から前記第2装置を離脱させた後に、前記複数の第1モータおよび前記複数の第2モータに対して異なる制御を行うことによって、地面に垂直な方向から見て、前記第1装置と前記第2装置との重なる面積を減少させる、または、前記第1装置と前記第2装置との重なりを無くしてもよい。
【0210】
これによれば、第2装置の鉛直上方に第1装置が配置されないように、第1装置と第2装置との相対位置を変更することができる。このため、所定位置の鉛直上方に障害物があっても、障害物を確実に迂回するように、第1装置および第2装置を位置させることができる。その結果、荷物を所定位置まで確実に配送することができる。
【0211】
前記制御部は、前記第2装置から前記荷物を離脱させた後、前記第2リールによって前記第2ワイヤを巻き取り、前記第2装置を前記第1装置に装着させ、前記第1リールによって前記第1ワイヤを巻き取り、前記第1装置および前記第2装置を前記無人航空機に装着させてもよい。
【0212】
これによれば、荷物を所定位置に配送した後、第2ワイヤを巻き取りながら第2装置を第1装置に装着でき、第1ワイヤを巻き取りながら第1装置および第2装置を無人航空機に装着できる。このため、第1ワイヤおよび第2ワイヤが障害物と接触したりすることで、これらワイヤが損傷したり、絡まったりすることを抑制することができる。このため、昇降システムの稼働効率の低下を抑制することができる。
【0213】
前記無人航空機は、レールを把持可能なアームを有し、前記制御部は、前記無人航空機が地上から離れた位置に存在し、かつ、前記アームが前記レールを把持している状態にある場合、前記無人航空機から第1装置および第2装置を離脱させてもよい。
【0214】
これによれば、アームによって無人航空機をレールに保持することができる。このため、第1装置および第2装置を無人航空機から離脱させても、第1ワイヤ及び第2ワイヤを介して第1装置および第2装置を保持することができる。このため、第1装置および第2装置が落下することを抑制することができる。
【0215】
無人航空機を飛行させなくても、レールに保持することができるため、無人航空機によるエネルギー消費を抑制することができる。
【0216】
前記昇降システムは、前記第1装置と前記第2装置の間に着脱可能に取り付けられる第3装置と、前記第1装置と前記第3装置との間をつなぐ第3ワイヤと、前記第3ワイヤを巻き取り可能な第3リールと、前記第3装置と前記第2装置との間をつなぐ第4ワイヤと、前記第4ワイヤを巻き取り可能な第4リールと、をさらに備えてもよい。
【0217】
これによれば、荷物を所定位置に配送した後、第4ワイヤを巻き取りながら第2装置を第3装置に装着でき、第3ワイヤを巻き取りながら第2装置および第3装置を第1装置に装着でき、第1ワイヤを巻き取りながら第2装置、第3装置および第1装置を無人航空機に装着できる。このため、第1ワイヤ、第3ワイヤおよび第4ワイヤが障害物と接触したりすることで、これらワイヤが損傷したり、絡まったりすることを抑制することができる。このため、昇降システムの稼働効率の低下を抑制することができる。
【0218】
格納装置は、荷物を格納するための空間を画定する容器と、前記容器の上面部に設けられ、上面開口から前記空間内に前記荷物を入れるために前記上面開口を開閉可能な上蓋と、前記容器の側面部に設けられ、前記空間内の前記荷物を側面開口から取り出すために前記側面開口を開閉可能な横蓋とを備えてもよい。
【0219】
これによれば、荷物を格納装置の上方から格納装置の空間内に入れることができ、空間に格納された荷物を格納装置の側方から取り出すことができる。このため、荷物を容易に取り出すことができる。
【0220】
システムは、格納装置と、前記荷物に着脱可能に取り付けられ、前記格納装置の鉛直上方から降下可能な昇降装置と、を備えるシステムであって、前記昇降装置は、凸部を有し、前記格納装置は、前記上面部に設けられた、前記凸部を挿入可能な穴部と、前記穴部に前記凸部が挿入されたときに前記上蓋を空ける機構とを有してもよい。
【0221】
これによれば、昇降装置が荷物を格納装置に格納する際に、凸部を穴部に挿入することで、格納装置の上面開口に対して昇降装置を位置合わせすることができる。このため、格納装置の空間に荷物を確実に格納することができる。
【0222】
無人航空機は、複数の回転翼と、前記複数の回転翼をそれぞれ回転させる複数のモータと、前記複数のモータを支持する本体と、前記本体を吊下げた状態で、地面から離れた位置にあるレールに接続するための接続体とを備え、前記接続体は、固定部と一端が前記固定部に接続され、他端が前記固定部に対して開閉する第1アームと、一端が前記固定部に接続され、他端が前記固定部に対して開閉する第2アームと、前記第1アームを開閉させる第1アクチュエータと、前記第2アームを開閉させる第2アクチュエータと、前記第1アクチュエータと前記第2アクチュエータとを制御する制御部とを有し、閉状態の前記第1アームと前記固定部とによって囲まれる第1領域は、閉状態の前記第2アームと前記固定部とによって囲まれる第2領域と離れてもよい。
【0223】
これによれば、無人航空機の第1アームがレールである第1レールに接続されているとき、第2アームを第2レールに接続した後に、第1アームを第1レールから外すことができる。このため、無人航空機は、第1レールから別のレールである第2レールに接続を切換えて移動することができる。
【0224】
前記固定部は、前記本体から上方に向かって延び、かつ、前記第1領域と前記第2領域を隔てる仕切部を有してもよい。
【0225】
これによれば、1つの接続体で2つのレールに接続することができる。このため、2つの接続体を用いる場合よりも、接続体の姿勢を保持することができる。
【0226】
前記制御部は、前記第1アームおよび前記第2アームの少なくとも一方が閉状態となるように、前記第1アクチュエータおよび前記第2アクチュエータを制御してもよい。
【0227】
これによれば、閉状態となった第1領域および第2領域の少なくとも一方にレールが配置されていれば、無人航空機をレールに確実に吊下げることができる。
【0228】
前記制御部は、前記第1アームを閉状態から開状態に変更する指示を受けた場合、前記第2アームが閉状態にあるか否かを判定し、前記第2アームが閉状態にある場合には、前記第1アームを開状態に変更させ、前記第2アームが開状態にある場合には、前記第1アームを閉状態のまま維持させてもよい。
【0229】
これによれば、閉状態の第2アームに第2レールが接続されている場合、第1アームに第1レールを接続することができる。第2アームが開状態の場合、閉状態の第1アームに第1レールが接続されていれば、第1アームを開状態とせずに、第1アームの閉状態を維持することができる。このように、無人航空機を確実にレールに吊下げることができるため、無人航空機の落下を抑制することができる。
【0230】
前記制御部は、前記第2アームを閉状態から開状態に変更する指示を受けた場合、前記第1アームが閉状態にあるか否かを判定し、前記第1アームが閉状態にある場合には、前記第2アームを開状態に変更させ、前記第1アームが開状態にある場合には、前記第2アームを閉状態のまま維持させてもよい。
【0231】
これによれば、閉状態の第1アームに第1レールが接続されている場合、第2アームに第2レールを接続することができる。第1アームが開状態の場合、閉状態の第2アームに第2レールが接続されていれば、第2アームを開状態とせずに、第2アームの閉状態を維持することができる。このように、無人航空機を確実にレールに吊下げることができるため、無人航空機の落下を抑制することができる。
【0232】
前記制御部は、さらに、前記複数のモータの回転速度を制御し、前記第1アームが開状態、前記第2アームが閉状態であって、かつ、前記第2アームが前記第2領域を通る前記レールに吊下がっている場合、前記制御部は、前記複数のモータのうち、前記第1アームに最も近い第1モータの第1回転速度を、前記第2アームに最も近い第2モータの第2回転速度よりも大きくし、または、前記第2アームが開状態、前記第1アームが閉状態であって、かつ、前記第1アームが前記第1領域を通る前記レールに吊下がっている場合、前記制御部は、前記複数のモータのうち、前記第2アームに最も近い第2モータの第2回転速度を、前記第1アームに最も近い第1モータの第1回転速度よりも大きくしてもよい。
【0233】
これによれば、第2アームが閉状態であり、第1アームが開状態であれば、第1アームの重みによって第1アーム側に重心が移動する。このため、第1アーム側の第1モータの第1回転速度を第2アーム側の第2モータの第2回転速度よりも大きくすることで、第1アーム側にズレた重心分の重みに相当する浮力を、無人航空機に付与することができる。
【0234】
第1アームが閉状態であり、第2アームが開状態の場合も同様であり、第2アームの重みによって第2アーム側に重心が移動する。このため、第2アーム側の第2モータの第2回転速度を第1アーム側の第1モータの第1回転速度よりも大きくすることで、第2アーム側にズレた重心分の重みに相当する浮力を、無人航空機に付与することができる。
【0235】
このため、この無人航空機では、重心が無人航空機の本体の中心からズレても、無人航空機の本体の姿勢を水平方向と略平行に保つことができる。
【0236】
前記接続体は、前記本体に対する前記固定部の角度を変更する第3アクチュエータをさらに有し、前記制御部は、さらに、前記第3アクチュエータを制御し、前記第1アームが開状態、前記第2アームが閉状態であって、かつ、前記第2アームが前記第2領域を通る前記レールに吊下がっているとき、前記制御部は、前記第3アクチュエータを介して、前記第2領域が前記本体の中心の直上に位置するように前記角度を変更させ、または、前記第2アームが開状態、前記第1アームが閉状態であって、かつ、前記第1アームが前記第1領域を通る前記レールに吊下がっている場合、前記制御部は、前記第3アクチュエータを介して、前記第1領域が前記本体の中心の直上に位置するように前記角度を変更させる。
【0237】
これによれば、第1アームが開状態であり、第2レールに吊下がった第2アームが閉状態であれば、無人航空機の本体に対する固定部の姿勢(角度)を変更するだけで、第1領域に存在していた第1レールを第1領域の外側に開放することができてもよい。
【0238】
第2アームが開状態であり、第1レールに吊下がった第1アームが閉状態であれば、無人航空機の本体に対する固定部の姿勢(角度)を変更するだけで、第2領域に存在していた第2レールを第2領域の外側に開放することができる。
【0239】
このように、当該本体に対する固定部を傾かせるだけで、第1レールを接続体から切り離したり、第2レールを接続体から切り離したりすることが容易にできる。第1レールに接続されている接続体を第2レールに切換えたり、第2レールに接続されている接続体を第1レールに切換えたりすることも容易にできる。
【0240】
システムは、前記無人航空機と、前記レールとを備えるシステムであって、前記レールには、所定の情報を含むマーカが設けられてもよい。
【0241】
これによれば、レールに付されたマーカが示す所定の情報を無人航空機が読み取ることができる。例えば、所定の情報には、住所、位置情報等の情報を含ませることで、より正確に荷物を所定位置に配送することができるようになる。
【0242】
システムは、前記無人航空機と、前記レールとを備えるシステムであって、前記レールには、所定の情報を含む凹凸部分が設けられてもよい。
【0243】
これによれば、無人航空機がレールを移動する際に、レールに付された凹凸部分から、所定の情報を取得することができる。例えば、所定の情報には、住所、位置情報等の情報を含ませることで、より正確に荷物を所定位置に配送することができるようになる。
【0244】
無人航空機は、複数の回転翼と、前記複数の回転翼をそれぞれ回転させる複数のモータと、前記複数のモータを支持する本体と、前記本体を吊下げた状態で、地面から離れた位置にあるレールに接続するための接続体と、前記接続体が前記レールに支持されたときの支持方向に対して、前記複数の回転翼を含む仮想平面の法線方向がなす角度を変化させるアクチュエータと、前記複数のモータおよび前記アクチュエータを制御する制御部と、を備え、前記接続体は、前記本体に接続された第1端と、前記レールにスライド自在に接続するための第2端とを有し、前記支持方向は、前記接続体の前記第1端から前記第2端に向かう方向であり、前記制御部は、第1モードにおいて、前記アクチュエータを介して、前記仮想平面の前記法線方向を前記支持方向に一致させ、第2モードにおいて、前記アクチュエータを介して、前記仮想平面の前記法線方向を前記支持方向に直交させてもよい。
【0245】
これによれば、制御部は、レールを走行する際に、支持方向に対する無人航空機の本体の姿勢を変更することができる。例えば、無人航空機がレールを走行する場合、第2モードを実行したり、無人航空機がレールから離れる場合、第1モードを実行したりすることができる。このため、無人航空機は、状況によって適宜飛行態様を変更することができる。
【0246】
前記制御部は、第3モードにおいて、前記アクチュエータを介して、前記角度を、10度以上、かつ、30度以下にしてもよい。
【0247】
これによれば、レールと支持体とが接触せずに、無人航空機は、レールに沿って移動することができる。
【0248】
前記無人航空機は、前記レールの傾きを検知するセンサをさらに備え、前記制御部は、前記レールの傾きに応じて、前記角度を変化させてもよい。
【0249】
これによれば、レールが水平方向に対して傾斜している場合でも、無人航空機は、傾斜したレールに沿って移動することができる。
【0250】
前記制御部は、前記アクチュエータを介して、前記仮想平面の前記法線方向を前記レールの傾きに一致させてもよい。
【0251】
これによれば、接続体がレールに沿って移動することができるようになるため、レールと支持体とが接触することを抑制することができる。
【0252】
前記制御部は、前記無人航空機を前記レールに沿って第1方向に推進させる第1指示を受け取った場合、前記仮想平面の前記法線方向を、前記支持方向から第2方向に傾斜させ、前記複数のモータのうち、前記本体の中心よりも前記第1方向に位置する第1モータの回転翼を第1回転方向に回転させ、前記複数のモータのうち、前記本体の中心よりも前記第2方向に位置するに第2モータの回転翼を第2回転方向に回転させ、前記第2方向は、前記第1方向の反対であり、前記第2回転方向は、前記第1回転方向の反対であってもよい。
【0253】
これによれば、支持方向に対する無人航空機の本体に対する姿勢を所望の状態に維持しながら、前進することができる。
【0254】
前記制御部は、前記無人航空機を前記レールに沿って前記第2方向に推進させる第2指示を取得した場合、前記第1モータの回転翼を前記第2回転方向に回転させ、前記第2モータの回転翼を前記第1回転方向に回転させてもよい。
【0255】
これによれば、第1モータおよび第2モータを逆回転させることで、無人航空機は、逆走することができる。例えば、荷物を配送した後は、移動してきたレールに沿って戻ることができる。
【0256】
前記制御部は、前記第2指示を取得した場合、さらに、前記アクチュエータを介して、前記仮想平面の前記法線方向を、前記支持方向から前記第1方向に傾斜させ、前記第1モータの回転翼を前記第1回転方向に回転させ、前記第2モータの回転翼を前記第2回転方向に回転させてもよい。
【0257】
これによれば、支持方向に対して無人航空機の本体の傾きを反対にすることができる。仮想平面の法線方向が支持方向に対して第2方向側から第1方向側に傾く。これにより、無人航空機は、逆走することができる。例えばこの場合でも、荷物を配送した後は、移動してきたレールに沿って戻ることができる。
【0258】
前記接続体は、本体に接続された固定部と、前記レールに接続されるアームと、前記固定部と前記アームとの間に配置され、前記支持方向を回転軸として回転可能な第2アクチュエータとを有し、前記制御部は、前記無人航空機を前記レールに沿って前記第2方向に推進させる第2指示を取得した場合、前記第2アクチュエータを介して、前記支持方向を回転軸として本体の向きを反転させてもよい。
【0259】
これによれば、支持方向を回転軸として固定部がアームに対して回転することで、支持方向に対して無人航空機の本体の傾きを反転対称にすることができる。これにより、無人航空機は、逆走することができる。例えばこの場合でも、荷物を配送した後は、移動してきたレールに沿って戻ることができる。
【0260】
前記接続体は、前記レールに接続され、開閉可能なアームと、前記アームを開閉させる第3アクチュエータとを有し、前記制御部は、前記無人航空機を前記レールに沿って前記第2方向に推進させる第2指示を取得した場合、前記第3アクチュエータを介して、前記アームを閉状態から開状態に変更させ、前記複数のモータを制御して、前記支持方向を中心に前記本体の向きを反転させ、前記第3アクチュエータを介して、前記アームを開状態から閉状態に変更させてもよい。
【0261】
これによれば、一端、無人航空機がレールから切り離されて、無人航空機が向きを反転させて、無人航空機の接続体とレールとを再度接続する。例えばこの場合でも、荷物を配送した後は、移動してきたレールに沿って戻ることができる。
【0262】
前記接続体は、前記レールに接続されるアームと、前記アームの内周面に設けられ、前記レールに回転可能に接触するローラとを有してもよい。
【0263】
これによれば、無人航空機の接続体がレールに接続されている場合、ローラがレールに接触することで、無人航空機がレールに沿って移動することができる。無人航空機は、自身の進行方向への推進力だけでレールに沿って移動することができる。無人航空機は、自身を持ち上げるための揚力にエネルギーを費やさなくてもよくなるため、無人飛行機の省エネルギー化を実現することができる。
【0264】
前記接続体は、一対のブレーキパッドと、前記一対のブレーキパッドの間隔を変化させて、前記一対のブレーキパッドで前記レールを挟み込むブレーキ機構とを有してもよい。
【0265】
これによれば、無人航空機の接続体がレールに接続されている場合、一対のブレーキパッドでレールを挟むことができる。このため、移動する無人航空機を容易に減速させたり、停止させたりすることができる。
【0266】
前記制御部は、前記無人航空機を停止させる停止指示を取得した場合、前記第1モータの回転翼を前記第2回転方向に回転させ、前記第2モータの回転翼を前記第1回転方向に回転させてもよい。
【0267】
これによれば、前進時の第1モータの回転翼および第2モータの回転翼の回転方向に対して、停止指示の第1モータの回転翼および第2モータの回転翼の回転方向を反転させることができる。これにより、無人航空機の移動を停止させることができる。
【0268】
格納装置は、無人航空機によって配送された荷物を格納可能な格納装置であって、底面部と側面部とを有する容器と、前記容器の上方に設けられた上蓋と、前記荷物を有する前記無人航空機の荷重を支持可能な荷重支持体とを備え、前記無人航空機は、前記荷重支持体の上に着地可能な複数の脚を有し、前記荷重支持体は、前記複数の脚を支持可能な複数の凹部を有し、前記複数の凹部のそれぞれは、上方に開口したすり鉢状または円錐状の凹部であってもよい。
【0269】
これによれば、複数の凹部は、無人航空機が降下する際に、複数の脚と係合することで、複数の脚を案内することができる。このため、荷重支持体は、無人航空機を所定の姿勢で保持することができる。このため、無人航空機が荷物を配送する場合、無人航空機が容器の鉛直上方に容易に位置することができる。このため、荷物を確実に格納装置に格納させることができる。
【0270】
格納装置は、無人航空機によって配送された物品を格納可能な格納装置であって、底面部と側面部とを有する容器と、前記容器に対して回転可能に連結された蓋と、前記物品を有する前記無人航空機の荷重を支持可能な荷重支持体と、前記荷重支持体と前記蓋との間に連結された1以上のリンクロッドとを備え、前記1以上のリンクロッドは、前記無人航空機が前記荷重支持体に荷重を加えた場合、当該荷重を前記蓋に伝達して前記蓋を開いてもよい。
【0271】
これによれば、無人航空機が荷重支持体に吊下がるだけで、自動的に容器の蓋を開くことができる。このため、無人航空機が配送した物品を容器に格納することができる。
【0272】
方法では、無人航空機によって配送された物品を格納装置に格納する方法であって、前記無人航空機を前記格納装置の荷重支持体に支持させるステップと、前記格納装置の蓋が開いた後、前記無人航空機からワイヤを介して前記物品を降ろして、前記物品を前記容器の中に格納させるステップと、前記物品と前記ワイヤとの接続を解除するステップと、前記ワイヤを巻き取るステップと、前記無人航空機を前記荷重支持体から離れさせるステップと、を含んでもよい。
【0273】
前記蓋は、前記荷重支持体に加わった荷重が失われたときに、前記容器の上部を覆うように閉まってもよい。
【0274】
これによれば、無人航空機が荷重支持体から離れて飛び立てば、自動的に容器の蓋を示すことができる。
【0275】
前記荷重支持体は、前記容器の上方に配置されてもよい。
【0276】
これによれば、無人航空機が荷重支持体に吊下がれば、容器の蓋が開くため、無人航空機が配送した物品を容易に容器に格納することができる。
【0277】
前記荷重支持体は、前記無人航空機を吊下げ可能な吊り棒であってもよい。
【0278】
これによれば、荷重支持体に吊下がる無人航空機の荷重を確実に支えることができる。
【0279】
前記吊り棒は、前記容器の直上にV字状またはU字状の屈曲部を有してもよい。
【0280】
これによれば、無人航空機が屈曲部に掴まり易くなるため、無人航空機を容易に位置決めすることができる。このため、無人航空機が荷重支持体に吊下がれば、容器の蓋が開くため、無人航空機が配送した物品を、より容易に容器に格納することができる。
【0281】
前記1以上のリンクロッドは、第1リンクロッドと、第2リンクロッドと、第3リンクロッドとを有し、前記第1リンクロッドの第1端は、前記吊り棒に対して回転可能に連結され、前記第1リンクロッドの第2端は、前記第2リンクロッドの第3端に対して回転可能に連結され、前記第2リンクロッドの第4端は、前記第3リンクロッドの第5端に対して回転可能に連結され、前記第3リンクロッドの第6端は、前記蓋に対して回転可能に連結されてもよい。
【0282】
これによれば、吊り棒に無人航空機が吊下がると、無人航空機の荷重により吊り棒が鉛直下方に撓む。これにより、吊り棒を介してその荷重が第1リンクロッド、第2リンクロッド、および、第3リンクロッドを介して容器の蓋に伝達される。このため、無人航空機が吊り棒に吊下がるだけで、確実に容器の蓋を開けることができる。したがって、この格納装置では、無人航空機が配送した物品を、より容易に容器に格納することができる。
【0283】
前記格納装置は、前記吊り棒の両端の間の位置で、前記荷重支持体の回転を支持する第1軸と、前記第3リンクロッドの前記第5端と前記第6端との間の位置で、前記第3リンクロッドの回転を支持する第2軸と、をさらに備えてもよい。
【0284】
これによれば、無人航空機の荷重が第1軸を介して第1リンクロッドに確実に伝達することができる。第3リンクロッドに伝達された無人航空機の荷重を、第2軸を介して容器の蓋に確実に伝達することができる。このため、容器の蓋を開放することができる。
【0285】
前記第1軸と前記第2軸との位置を固定させる支持部材をさらに備えてもよい。
【0286】
これによれば、吊り棒に吊下がった無人航空機の重みを、第1リンクロッド、第2リンクロッド、および、第3リンクロッドを介して容器の蓋に確実に伝達することができるため、確実に容器の蓋を開けることができる。
【0287】
前記格納装置は、前記容器の側面部に設けられた扉と、前記蓋が開いたときに、前記扉をロックする第1連動部とをさらに備えてもよい。
【0288】
これによれば、物品を容器に格納する際に、扉から物品の飛び出しを抑制することができる。扉をロックすることで、扉の施錠忘れを抑制することができるため、格納装置に格納された荷物の盗難を抑制することができるため、利便性に優れている。
【0289】
前記格納装置は、前記蓋が閉まったときに、前記蓋をロックする第2連動部をさらに備えてもよい。
【0290】
これによれば、蓋が閉まれば自動的に蓋をロックすることができる。このため、蓋を施錠するなどのロックする手間が生じ難くなる。蓋をロックすることで、蓋の施錠忘れを抑制することができるため、格納装置に格納された荷物の盗難を抑制することができるため、利便性に優れている。
【0291】
システムは、前記格納装置と、前記無人航空機とを備えてもよい。
【0292】
前記無人航空機は、前記荷重支持体に吊下がるための第1アームを有してもよい。
【0293】
これによれば、無人航空機は、荷重支持体に確実に吊下がることができるため、例えばモータ駆動などを停止させても、姿勢を維持することができる。
【0294】
前記システムにおいて、前記無人航空機は、ワイヤと、前記ワイヤの一端に接続され、前記物品を保持する第2アームと、前記ワイヤの他端に接続され、前記ワイヤを巻き取り可能なリールと、制御部とを有し、前記制御部は、前記蓋が開いた後に、前記ワイヤを繰り出して前記物品を前記容器の中に搬入し、前記物品が前記容器の前記底面部に置かれた後に、前記第2アームによる前記物品の保持を解除させて、前記リールに前記ワイヤを巻き取らせてもよい。
【0295】
これによれば、無人航空機が荷重支持体に吊下がったときに、ワイヤを繰り出すことで、第2アームおよび物品を容器に向けて降下させることができる。物品が容器の底面部に載置されると、第2アームを物品から離間させることができる。このため、このシステムでは、物品を容器の内部に確実に格納することができる。
【0296】
前記システムにおいて、前記無人航空機は、前記容器の中を撮影可能なカメラをさらに有してもよい。
【0297】
これによれば、無人航空機が容器の中に荷物を格納したか否かを確認することができる。このため、物品を容器の内部に格納できていなければ、第2アームを物品から離間させないようにすることもできる。再度、荷物を引き上げた後に容器の中に荷物を格納することもできる。
【0298】
前記システムにおいて、前記制御部は、前記カメラを介して前記格納装置の内部の画像を取得し、前記画像に基づいて、前記無人航空機が前記物品を格納したことを確証する認証処理を実行してもよい。
【0299】
これによれば、物品を格納装置に格納したことを証明することができるため、物品を容器に格納したことの確実性を担保することができる。
【0300】
前記複数の第1プロペラのそれぞれの中心を通る仮想面に対して、前記複数の第1モータのそれぞれの回転軸が成す角度は、-45度以上、かつ、+45度以下としてもよい。
【0301】
前記昇降システムは、さらに、前記仮想面に対する前記複数の第1モータのそれぞれの回転軸が成す前記角度を調節する1以上のアクチュエータを備えてもよい。
【0302】
前記1以上のアクチュエータは、第1モードにおいて、前記角度が0度となるように前記回転軸を傾斜させ、第2モードにおいて、前記角度が仰角となるように前記回転軸を傾斜させてもよい。
【0303】
前記第1ワイヤは、前記第1支持体の少なくとも1つの接続点に直接接続されてもよい。
【0304】
前記第1ワイヤは、第1メインワイヤと、複数の第1サブワイヤとを有し、前記複数の第1サブワイヤの一端は、前記第1支持体の複数の接続点と一対一で直接接続され、前記複数の第1サブワイヤの他端は、1つの共通の接続点である前記第1メインワイヤの一端と接続され、前記第1メインワイヤは、前記複数の第1サブワイヤを介して前記第1支持体を前記無人航空機に吊下げて支持してもよい。
【0305】
前記第1支持体は、多角形状の第1枠体を有し、前記複数の接続点は、複数の頂点に相当する前記第1枠体の複数の部分に配置されてもよい。
【0306】
前記第1支持体は、多角形状の第1枠体を有し、前記1つの接続点は、仮想面に平行な前記第1枠体内の面上で移動可能であってもよい。
【0307】
前記第1支持体の前記側面部は、第1側面部と、前記第1側面部に前記第1支持体および/または前記荷物を挟んで対向する第2側面部とを含み、前記複数の第1モータは、前記第1側面部に設けられ、第1回転軸を有する第1の第1モータと、前記第2側面部に設けられ、第2回転軸を有する第2の第1モータとを有し、前記制御部は、前記第1回転軸を第1回転方向に回転させ、かつ、前記第2回転軸を前記第1回転方向とは反対の第2回転方向に回転させる第3モードと、前記第1回転軸および前記第2回転軸を前記第2回転方向に回転させる第4モードとを実行してもよい。
【0308】
前記複数の第1モータは、前記第1側面部において、仮想面内で前記第1の第1モータと隣り合う位置に設けられ、第3回転軸を有する第3の第1モータと、前記第2側面部において、前記仮想面内で前記第2の第1モータと隣り合う位置に設けられ、第4回転軸を有する第4の第1モータとをさらに含み、前記制御部は、前記第3モードにおいて、前記第3回転軸を前記第2回転方向に回転させ、かつ、前記第4回転軸を前記第1回転方向に回転させ、前記第4モードにおいて、前記第3回転軸および前記第4回転軸を前記第1回転方向に回転させてもよい。
【0309】
前記第2装置は、前記荷物を収容するための格納装置の位置を検知するセンサをさらに備えてもよい。
【0310】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0311】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0312】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0313】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1における飛行システム10を例示した模式図である。
図1を参照しながら、本実施の形態における飛行システム10について説明する。本実施の形態における飛行システム10は、レール400の位置情報またはドローンの飛行状態を示す情報等を管理する管理部100と、無人航空機である親ドローン200と、無人航空機であり、親ドローン200よりも小さな形状をしている子ドローン300とを含む。管理部100は、サーバまたはクラウドサーバによって実現されてもよい。子ドローン300はレール400に連結してもよく、親ドローン200は積荷500を格納してもよい。親ドローン200と子ドローン300はそれぞれ管理部100に無線で接続されている。親ドローン200と子ドローン300は互いに例えばワイヤ600などの連結線によって連結されている。
【0314】
子ドローン300と親ドローン200は、連結線で互いに連結されたまま飛行する。親ドローン200と子ドローン300が連結線で互いに連結されたまま飛行することを、以下、親子連結飛行と呼ぶ。親ドローン200に飛行の異常が発生したときに、子ドローン300は前進を止める。子ドローン300または親ドローン200はコントローラを含んでもよく、親ドローン200に飛行の異常が発生したときに、コントローラは、子ドローン300の前進を止めさせる。
【0315】
図2は、実施の形態1における飛行システム10の構成を説明するブロック図である。管理部100は、通信部110とディスプレイ120とメモリ130とを備える。通信部110は、送信機111と受信機112とを備える。通信部110は、親ドローン200と子ドローン300と通信を行う。メモリ130は、レール400の識別情報等の情報を格納(記憶)するための記録媒体である。
【0316】
親ドローン200は、制御部230と駆動部210と通信部220とを備える。通信部220は、受信機221と送信機222とを備える。駆動部210は、バッテリ211とワイヤ制御モジュール212とを備える。制御部230は、フライトコントローラ231、ジャイロセンサ232、GPS(Global Positioning System)センサ233、および速度センサ234で構成されている。
【0317】
通信部220は、受信機221と送信機222とを用いて、管理部100と通信を行う。バッテリ211は、親ドローン200を駆動するための電池であり、リチウムバッテリ等によって実現される。ワイヤ制御モジュール212は、親ドローン200と子ドローン300とを連結するワイヤ600を制御する。ワイヤ制御モジュール212は、リフトモータの一例であってもよい。フライトコントローラ231は、飛行中の機体の傾きおよび角度などを検出し、それらの情報をもとに様々な演算処理を行い、機体に対して、飛行中の姿勢等について指示を出す。ジャイロセンサ232は、飛行中の機体の角速度と加速度を検出する。GPSセンサ233は、緯度経度情報等の地理空間情報等を検出する。速度センサ234は、親ドローン200の速度を検出する。
【0318】
子ドローン300は、通信部320と駆動部310と制御部330とアーム340とを備える。通信部320は、受信機321と送信機322とを備える。駆動部310は、ワイヤ制御モジュール311、レール制御モジュール312およびバッテリ313を備える。制御部330は、ジャイロセンサ331、GPSセンサ332、張力センサ333、カメラセンサ334、速度センサ335およびレーザーセンサ336で構成されている。なお、制御部330は、フライトコントローラを備えていてもよい。アーム340は、第1アーム341と第2アーム342で構成されている。
【0319】
通信部320は、受信機321と送信機322とを用いて、管理部100と通信を行う。バッテリ313は、子ドローン300を駆動するための電池であり、リチウムバッテリ等によって実現される。ワイヤ制御モジュール311は、親ドローン200と子ドローン300とを接続するワイヤ600を制御する。レール制御モジュール312は、子ドローン300がレール400と連結する際に、子ドローン300を制御するモジュールである。ジャイロセンサ331は、飛行中の機体の角速度と加速度を検出する。GPSセンサ332は、緯度経度情報等の地理空間情報等を検出する。速度センサ335は、子ドローン300の速度を検出する。張力センサ333は、子ドローン300のワイヤ制御モジュール311と親ドローン200のワイヤ制御モジュール212とを連結しているワイヤ600の張力を検出するセンサである。カメラセンサ334は、カメラで撮影された画像から、親ドローン200の飛行の異常を検知するセンサである。レーザーセンサ336は、物体の位置を検出するセンサであり、親ドローン200の飛行の異常の有無等を検知する。アーム340は、第1アーム341と第2アーム342とを駆動することで、レール400に連結する。
【0320】
親ドローン200と子ドローン300は、親ドローン200のワイヤ制御モジュール212および子ドローン300のワイヤ制御モジュール311を介してワイヤ600で連結されている。
【0321】
レール400は、アドレス部401jと始端部402kと終端部403とを含む。アドレス部401jは、レール400の識別情報等を格納している。始端部402kはレール400の始まる地点であり、終端部403は、レール400の終わる地点である。レール400は、金属または樹脂で形成される。レール400の表面にレール400の識別情報、または位置情報等のデータを書き込むことができる。なお、レール400の識別情報、または位置情報等のデータは、アドレス部401jとしてレール400に保持されている。
【0322】
図3は、実施の形態1における、飛行エリア内の建物700に設置されたレール400を例示した図である。
図3では、3軸の座標軸が設定されており、X軸方向は、ドローンの進行方向であって、ドローンの前向きがX軸方向正側であり、ドローンの後ろ向きがX軸方向負側である。Y軸方向は、X軸方向と鉛直方向とに垂直な方向であって、建物700またはレール400から離れる向きがY軸方向正側であり、近づく向きがY軸方向負側である。Z軸方向は、鉛直方向であって、鉛直方向上向きがZ軸方向正側であり、鉛直方向下向きがZ軸方向負側である。建物700の側壁にレール400が水平方向に設置されている。レール400は、地面から離れて固定されて設置される。レール400は、
図3では、建物700の上半分に設置されている。なお、レール400は建物700の下半分に設置されていてもよい。例えば、本実施の形態における飛行システム10では、子ドローン300を親ドローン200よりも、レール400に近い位置で飛行させる。子ドローン300は、レール400よりも低い位置を飛行する。これにより、子ドローン300の上部に設けられたアーム340によって子ドローン300をレール400に容易に連結することができる。子ドローン300は、設置されたレール400に沿って飛行するか、子ドローン300に設置されたアーム340をレール400に連結させることによって、落下を防止しながら飛行を行う。子ドローン300は、子ドローン300に設けられたアーム340によってレール400に移動可能に連結することができ、レール400に連結したまま飛行してもよい。
【0323】
図4は、実施の形態1における、建物700に設置したレール400に子ドローン300を連結し、子ドローン300に親ドローン200をワイヤ600で連結した状態を例示した図である。
図4では、子ドローン300は、建物700に設置されているレール400に連結している。子ドローン300は、ワイヤ600で親ドローン200と連結している。子ドローン300は、レール400の摩耗を避けるため、レール400と子ドローン300のアーム340とが非接触の状態で飛行する。親ドローン200は、ワイヤ600を介した子ドローン300との連結点を起点に、ワイヤ600の届く範囲内で自由に飛行することが可能である。一方、子ドローン300は、建物700に設置されているレール400に沿って直線的に飛行し、アーム340でレール400に連結しているため、子ドローン300または親ドローン200に飛行の異常が発生した場合でも、落下の恐れが少ない。
【0324】
図5は、実施の形態1における飛行システム10における落下防止用の制御の第1を例示したフローチャートである。子ドローン300は、親ドローン200と無線接続が行われているかどうか判断する(S5001)。子ドローン300が、親ドローン200と無線接続を行っていた場合(S5001でYes)、子ドローン300は飛行を行う(S5002)。子ドローン300が、親ドローン200と無線接続が行っていなかった場合(S5001でNo)、ステップS5001に戻る。次に、子ドローン300は、張力センサ333によって、ワイヤ600の張力に異変がないか検知を行う(S5003)。子ドローン300は、ワイヤ600の張力に異変を検知した場合(S5003でYes)、子ドローン300の前進を停止する(S5004)。次に、子ドローン300は、子ドローン300と親ドローン200をつなぐワイヤ600が所定の長さ以下であるかどうか判断する(S5005)。ワイヤ600が所定の長さ以下であった場合(S5005でYes)、子ドローン300はレール400に連結する(S5007)。ワイヤ600が所定の長さ以下でなかった場合(S5005でNo)、子ドローン300は、ワイヤ制御モジュール311により、ワイヤ600の巻き取りを行う(S5006)。その後、子ドローン300はレール400に連結する(S5007)。次に子ドローン300は、子ドローン300が下降圧力を検知したかどうかの判断をおこなう(S5008)。例えば、制御部230に圧力センサが具備されている場合には、子ドローン300は、その圧力センサによって検知される下降圧力が閾値以上であるか否かを判断する。子ドローン300が下降圧力を検知していた場合(S5008でYes)、子ドローン300は、子ドローン300のプロペラの回転を停止する(S5009)。
【0325】
親ドローン200は、子ドローン300と無線接続が行われているかどうか判断する(S5010)。子ドローン300と無線接続が行われていた場合(S5010でYes)、親ドローン200は飛行を行う(S5011)。次に、親ドローン200に、緊急の電源オフが生じたかを判断する(S5012)。緊急の電源オフが起きた場合(S5012でYes)、親ドローン200は落下する(S5013)。このとき、子ドローン300は、ステップS5003で張力の異変を察知する。次に、落下した親ドローン200は、子ドローン300と親ドローン200を連結していたワイヤ600によって宙づりになる(S5014)。
【0326】
以上の一連の動きによって、子ドローン300は、飛行中に親ドローン200に緊急の電源オフが起きた場合、親ドローン200と子ドローン300をつなぐワイヤ600の張力の変化から、親ドローン200が落下したことを検知することができる。ワイヤ600の張力が所定の閾値以上となったときに、親ドローン200の飛行が異常であると判断してもよい。親ドローン200が落下した場合、子ドローン300は、ワイヤ制御モジュール311によって親ドローンとの間にあるワイヤ600を巻き取り、ワイヤ600の長さを短くした上で、レール400に連結する。これにより、子ドローン300と親ドローン200の距離が近づき、子ドローン300および親ドローン200の墜落を抑制することができる。最後に子ドローン300は、プロペラの回転を停止し、飛行を取りやめる。
【0327】
図6は、実施の形態1における飛行システム10における落下防止用の制御の第2を例示したフローチャートである。子ドローン300は、親ドローン200と無線接続が行われているかどうか判断する(S6001)。親ドローン200と無線接続が行われていた場合(S6001でYes)、子ドローン300は飛行を行う(S6002)。親ドローン200と無線接続が行われていなかった場合(S6001でNo)、ステップS6001に戻る。次に、子ドローン300は、親ドローン200からの転倒信号を受信したかどうかの判断を行う(S6003)。親ドローン200からの転倒信号を受信した場合(S6003でYes)、子ドローン300は前進を停止する(S6004)。次に、子ドローン300は、親ドローン200と子ドローン300を連結しているワイヤ600が所定の長さ以下であるかどうか判断する(S6005)。ワイヤ600が十分に短かった場合(S6005でYes)、子ドローン300はレール400に連結する(S6007)。ワイヤ600が十分に短くなかった場合、子ドローン300は、ワイヤ制御モジュール311によって、親ドローン200との間にあるワイヤ600を巻き取る。その後、子ドローン300は、レール400に連結する(S6007)。次に、子ドローン300は、親ドローン200から回復信号を受信したかどうかを判断する(S6008)。子ドローン300が、親ドローン200から回復信号を受信した場合(S6008でYes)、子ドローン300はレール400から離脱する(S6010)。子ドローン300が、親ドローン200から回復信号を受信しない場合(S6008でNo)、子ドローン300はプロペラを停止する(S6009)。
【0328】
親ドローン200は、子ドローン300と無線接続が行われているかどうか判断する(S6011)。子ドローン300と無線接続が行われていた場合(S6011でYes)、親ドローン200は飛行を行う(S6012)。子ドローン300と無線接続が行われていなかった場合(S6011でNo)、ステップS6011に戻る。次に、親ドローン200は、自身が転倒したかどうかを判断する(S6013)。ここで、転倒とは、親ドローン200の機体が飛行中に体勢が上下反転に近い状態となることをいう。親ドローン200が転倒していた場合(S6013でYes)、子ドローン300に転倒信号を送信する(S6014)。その後、親ドローン200は復帰処理を行う(S6015)。ここで、復帰処理とは、転倒した自身の体勢を立て直すための情報を集める処理のことである。そして、親ドローン200は、自身が回復可能か判断する(S6016)。ここで、回復とは、親ドローン200が転倒した自身の体勢を、通常の飛行状態での体勢に戻すことをいう。親ドローン200が回復可能だった場合(S6016でYes)、親ドローン200は飛行体制に復帰する(S6017)。親ドローン200が回復可能でなかった場合(S6016でNo)、親ドローン200はプロペラを停止する(S6018)。ステップS6017で、親ドローン200が飛行体制に復帰した後、親ドローン200は回復信号を子ドローン300に送信する(S6019)。
【0329】
これにより、子ドローン300は、親ドローン200から送られてくる電気信号によって、親ドローン200の転倒を検知することができる。子ドローン300は、親ドローン200の転倒を検知した場合、子ドローン300のワイヤ制御モジュール311によって、親ドローン200と子ドローン300の間を連結しているワイヤ600を巻取る。こうすることで、親ドローン200と子ドローン300の間にあるワイヤ600の長さを短くする。その後、子ドローン300がレール400に連結することで、親ドローン200と子ドローン300は墜落を免れることができる。親ドローン200が飛行体制に復帰した場合、子ドローン300は、親ドローン200から送信された回復信号を受信することで、レール400からの離脱を行う。これにより、親ドローン200および子ドローン300は、再び自由度の高い飛行を行うことができる。子ドローン300が、親ドローン200から送信された回復信号を受信しなかった場合は、親ドローン200および子ドローン300はプロペラの停止を行い、子ドローン300はレール400に連結したままとなる。よって、親ドローン200および子ドローン300は墜落を免れ、安全に停止することができる。
【0330】
図7Aと
図7Bは、実施の形態1における飛行システム10における落下防止用の制御の第3を例示したフローチャートである。
【0331】
まず、ドローンを操作する管理部100は、無線を通じて親ドローン200と子ドローン300に飛行準備の指示を送る(S1000)。子ドローン300が飛行準備指示を受信する(S1001)。親ドローン200が飛行準備指示を受信する(S1002)。次に、子ドローン300は親ドローン200と、無線または有線を通じて相互接続を試みる(S1003)。親ドローン200は子ドローン300と、無線または有線を通じて相互接続を試みる(S1004)。子ドローン300は、親ドローン200との接続が完了したかどうか判断する(S1005)。親ドローン200は、子ドローン300との接続が完了したか判断する(S1006)。子ドローン300が、親ドローン200との接続が完了したと判断した場合(S1005でYes)、子ドローン300は、管理部100へ準備完了の信号を送信する(S1007)。管理部100は、子ドローン300から準備完了信号を受信すると、子ドローン300の飛行準備がOKかどうか判断する(S1008)。管理部100が、子ドローン300の飛行準備がOKであると判断した場合(S1008でYes)、管理部100は子ドローン300に飛行指示を出す(S1009)。子ドローン300は、管理部100から飛行指示を受信すると、飛行する(S1010)。管理部100が、子ドローン300の飛行準備がOKであると判断しなかった場合(S1008でNo)、管理部100は、無線を通じて親ドローン200と子ドローン300に飛行準備の指示を送る(ステップS1000に戻る)。子ドローン300が、親ドローン200との接続が完了したと判断しなかった場合(S1005でNo)、子ドローン300は親ドローン200と、無線または有線を通じて相互接続を試みる(ステップS1003に戻る)。次に、親ドローン200が、子ドローン300との接続が完了したと判断した場合(S1006でYes)、親ドローン200は、飛行する(S1011)。親ドローン200が、子ドローン300との接続が完了したと判断しなかった場合(S1006でNo)、親ドローン200は子ドローン300と、無線または有線を通じて相互接続を試みる(ステップS1004に戻る)。
【0332】
飛行中は、子ドローン300はGNSS(Global Navigation Satellite System)を利用して取得した自身の位置情報を管理部100に断続的に送信し続ける(S1012)。親ドローン200も、GNSSを利用して取得した自身の位置情報を管理部100に断続的に送信し続ける(S1013)。
【0333】
図7Bに示すように、飛行中に、親ドローン200に異変が起こる、すなわち、何らかの事情により安定的な飛行が妨げられる事態が起きたとき(S1017でYes)であるか、まず、親ドローン200は自身の電源がONであるかを判定し(S1018)、電源がOFFになった場合(S1018でNo)、親ドローン200は強制的にプロペラが停止され、自身の荷重により落下していく(S1020)。
【0334】
これは、具体的には親ドローン200のバッテリ211の残量が失われたとき、または、障害物と衝突などして瞬時に電源系統が破壊された場合などが考えられる。
【0335】
電源をONに維持できた場合(S1018でYes)、親ドローン200は、次に子ドローン300との電気的接続が維持されており、異変を伝える信号を子ドローン300に送信可能かを判定する(S1019)。
【0336】
子ドローン300に異変を伝える信号を送信できない場合(S1019でNo)、親ドローン200は自力で飛行復帰のための処理を行う(S1022)。
【0337】
信号を送信できない場合とは、具体的には例えば、障害物との衝突などにより、親ドローン200の通信部220が破壊された場合、または、電波干渉などで無線接続が途切れている場合などである。
【0338】
ここでの復帰処理とは、親ドローン200のフライトコントローラ231が、親ドローン200に搭載したセンサ群を用いて飛行状況や位置情報を測定および分析し、安定的な飛行状態へと回復しようと試みる処理のことを指す。この復帰処理は、親ドローン200が単体で自律的に試みる場合と、管理部100が遠隔で操作して試みる場合とが考えられる。
【0339】
この復帰処理を経て、親ドローン200の飛行状態が回復したかどうかを判定し(S1024)、回復した場合は(S1024でYes)、一時的にホバリングを行い(S1025)、子ドローン300との電気的な再接続の処理を試みる(S1039)。一定時間がたっても飛行状態が回復しなかった場合(S1024でNo)、親ドローン200は自動で自身のプロペラを停止させ、地表へ向けて落下していく(S1026)。この際、管理部が遠隔で緊急のプロペラ停止の信号を送信して落下させる場合も考えられる。
【0340】
子ドローン300への再接続処理を試みた結果(S1039)、電気的な接続が実現し、信号が送信可能になったかを判定し(S1040)、送信可能になった場合は(S1040でYes)、親ドローン200は、子ドローン300に親ドローン200の飛行状態についての信号を送信し(S1041)、再び当初の飛行計画に基づいた飛行を行う準備をする(S1043)。一定時間がたっても送信が可能にならない場合、親ドローン200は自動、または管理部100による手動で、プロペラを停止させ、落下していく(S1042)。
【0341】
異変信号を当初から送信可能だった場合は(S1019でYes)、子ドローン300に異変信号を送信し(S1021)、復帰処理を行う(S1023)。その結果、親ドローン200が飛行状態を回復したかどうかを判定し(S1035)、回復した場合は再飛行の準備を行い(S1037)、回復しなかった場合は、子ドローン300に落下を伝える信号を送信し(S1036)、プロペラを手動、または自動で停止して落下していく(S1038)。子ドローン300は親ドローン200の異変信号の受信を常時判断しており(S1014)、異変信号を受信した場合(S1014でYes)、子ドローン300は飛行計画に基づいた前進を停止し(S1015)、親ドローン200の落下に向けた準備に入る。
【0342】
まず、子ドローン300は親ドローン200と連結しているワイヤ600の長さを計測し、現在の親ドローン200の速度または位置情報を勘案して、地面に激突しない程度に十分に短いかどうかを判定する(S1027)。もしも十分に短くないと判断した場合は、子ドローン300はワイヤ600を必要な長さの分だけ巻き取った上で(S1044)、自身の付近にあるレール400に連結を試みる(S1028)。ここでのレール400との連結とは、子ドローン300のレール制御モジュール312によって、アーム340がレール400と物理的に連結することを指す。
【0343】
その後、子ドローン300は親ドローン200から落下信号を受信したかどうか、または、ワイヤ制御モジュール311において落下を検知したかどうかを判定する(S1029)。落下を検知した場合は(S1029でYes)、子ドローン300もプロペラを停止し(S1030)、管理部100に自身も落下したことを伝える信号を送信する(S1034)。ただし、ここでの落下では、子ドローン300がプロペラによる揚力を失ったことによって高度が一定程度下がるが、レール400との連結があるために、地面には激突しない。親ドローン200が落下する場合も同じく、地面には激突しないことを意味する。
【0344】
一定時間がたっても落下を検知しなかった場合には(S1029でNo)、親ドローン200が復帰に成功したと判断し、再飛行の準備を行う(S1031)。
【0345】
親ドローン200からの異変信号を受信しなかった場合でも(S1014でNo)、子ドローン300が親ドローン200の落下を検知した場合は(S1016でYes)、管理部100に自身の落下を示す信号を送信したのち、自身もプロペラを停止する(S1033)。
【0346】
図8は、実施の形態1における、子ドローン300にワイヤ600で連結した親ドローン200の外観を模式的に示す図である。
図8の(a)は、親ドローン200を上面からみた図である。親ドローン200は、上面に4つのプロペラを備えている。4つのプロペラには、プロペラの周囲を囲うように、輪の形状をしたプロペラガード800が備えられている。プロペラガード800が備えられていることで、親ドローン200が、飛行中にワイヤ600等をプロペラに巻き込むことを防止できる。親ドローン200の下面には、親ドローン200と子ドローン300を連結するワイヤ600が連結されている。ワイヤ600は、親ドローン200の胴体を囲うように、回転可能に取り付けられた回転リング240に設けられているワイヤ接続部241に取り付けられている。回転リング240を回転させることで、ワイヤ接続部241は、親ドローン200の上面に設置されることも可能であるし、親ドローン200の下面に設置されることも可能である。よって、ワイヤ600は、親ドローン200に対して、親ドローン200の上面から延びる形態をとることも可能であり、親ドローン200の下面から垂れ下がる形態をとることも可能である。
図8の(b)に示すように、親ドローン200は、ワイヤ接続部241に連結されたワイヤ600を介して、子ドローン300に連結されている。
【0347】
図9は、ワイヤ600を連結する回転リング240を有する親ドローン200を、上面と側面から見た図である。
図9の(a)は、親ドローン200を上面から見た図である。親ドローン200は、上面に4つのプロペラを備えている。なお、親ドローン200の保有するプロペラは4つに限らず、複数個であればよい。親ドローン200は、回転リング240を備えており、回転リング240は親ドローン200の胴体を覆うように、回転可能に取り付けられている。回転リング240にはワイヤ接続部241を介してワイヤ600が連結されている。
図9の(a)においては、回転リング240のワイヤ600との接続部であるワイヤ接続部241は、親ドローン200の上面に来るように、回転リング240が設置されている。
図9の(b)は、親ドローン200を側面から見た図である。親ドローン200は、胴体の下面が鉛直方向に膨らんだ形状をしていてもよい。親ドローン200の胴体は、円筒状に近い形状をしていてもよい。親ドローン200は、地面に立つための足を単数または複数備えていてもよい。親ドローン200に設置されたプロペラは、親ドローン200の中心から放射状に配置されていてもよい。
図9の(b)において、親ドローン200に連結されているワイヤ600は、回転リング240にあるワイヤ接続部241を介して、親ドローン200の上面に設置されている。このように、ワイヤ600は、親ドローン200の上面から延びる形をとってもよい。
【0348】
図10は、ワイヤ600を連結する回転リング240を有する親ドローン200を、ワイヤ接続部241が下面にある場合に、上面と側面から見た図である。
図10の(a)は、親ドローン200を上面からみた図である。親ドローン200は、上面に4つのプロペラを備えている。なお、親ドローン200の保有するプロペラは4つに限らず、複数個であればよい。親ドローン200は、回転リング240を備えており、回転リング240は親ドローン200の胴体を覆うように、回転可能に取り付けられている。回転リング240にはワイヤ接続部241を介してワイヤ600が連結しており、
図10の(a)においては、回転リング240のワイヤ600との接続部であるワイヤ接続部241は、親ドローン200の下面に来るように、回転リング240が設置されている。
図10の(b)は、親ドローン200を側面から見た図である。回転リング240にはワイヤ600が連結しており、
図10の(b)では、親ドローン200に回転可能に取り付けられた回転リング240に備えられているワイヤ接続部241は、親ドローン200の下面に設置されている。このように、ワイヤ600は、親ドローン200の下面から垂れ下がる形をとってもよい。
【0349】
図11は、ワイヤ600に連結されている回転リング240の動きを例示した図である。
図11において、座標軸は、左右方向をx軸、奥行き方向をy軸、上下方向をz軸と設定されている。親ドローン200には、回転リング240が取り付けられている。回転リング240は、親ドローン200の胴体を囲うように取り付けられている。回転リング240は、X軸方向に沿う軸を回転中心にして回転する。回転リング240は、リング状の形状である。回転リング240は、金属または樹脂等で実現される。回転リング240の一部には、ワイヤ接続部241が設置されている。ワイヤ接続部241は、回転リング240上に形成された筒状の突起状の形状をしていてもよい。ワイヤ接続部241には、ワイヤ600が取り付けられる。ワイヤ600にかかる張力に従って、回転リング240は回転する。そのため、ワイヤ600にかかる張力に関わらず、親ドローン200は姿勢をある程度保つことが可能となる。
【0350】
図12は、実施の形態1における、親ドローン200の落下時における回転リング240の役割を説明するための模式図である。通常時においては、回転リング240に備えられているワイヤ接続部241は、親ドローン200の機体の下端にある。通常時は、親ドローン200の機体の下端にあるワイヤ接続部241から子ドローン300にワイヤ600を介して親ドローン200が連結している状態である。回転リング240は、親ドローンの機体中央部付近に装着されている。ワイヤ接続部241は、回転リング240に装着される。そのため、ワイヤ600が引っ張られた方向に、回転リング240が回転する。
【0351】
親ドローンが落下するときには、親ドローン200に設置されたワイヤ接続部を備える回転リング240が半周回転し、親ドローン200が子ドローン300の下部に垂れ下がる形となる。回転リング240が回転することにより、ワイヤ600が親ドローン200に絡まる可能性が低くなる。落下する際に、親ドローンの機体がさかさまに回転することを防ぐことができ、親ドローン200の機体や親ドローン200が積載している積荷500の破損を防止できる。
【0352】
親ドローン200に回転リング240が備えられていない場合、親ドローン200の落下時には、親ドローンはワイヤ接続部241がある下端を上にして、さかさまになった状態で、子ドローン300から垂れ下がる状態となる。
【0353】
図13は、実施の形態1における、親ドローン200による子ドローン300の回収手順を模式的に示す図である。子ドローン300には、ワイヤを連結するための回転リングが備えられていてもよい。
図13の(a)において、子ドローン300は、何らかの理由により、プロペラを停止する。そして、
図13の(b)に示されるように、子ドローン300は親ドローン200に垂れ下がった形で、宙づりとなる。その後、
図13の(c)に示されるように、親ドローン200は、駆動部210のワイヤ制御モジュール212によって、親ドローン200と子ドローン300を接続しているワイヤ600を巻き上げる。この動作により、子ドローン300は、親ドローン200に回収される。この状態を親ドローン200と子ドローン300の合体とする。子ドローン300は、親ドローン200の内部に格納されてもよい。親ドローン200と子ドローン300が合体することで、郊外などのレール400が設置されていない場所での高速飛行が実現される。親ドローン200が運搬する積荷の集配所等でも、合体した状態での飛行を行うことで、ワイヤ600が他の親ドローン200や子ドローン300の邪魔にならないため、多くのドローンが効率的に集配所を出入りできる。
【0354】
図14は、親ドローン200に側面から積荷500を積載する様子を表した図である。親ドローン200には、胴体の空洞部に積荷500を格納できるように、側面に開口部250が設けられている。開口部250の形状は、矩形状でもよいし、円形状でもよい。積荷500を格納するのは、親ドローン200の胴体の空洞部ではなく、親ドローン200の胴体の下部に取り付けられた箱状の容器でもよい。親ドローン200は、下部に、子ドローン300を格納することができる。子ドローン300のプロペラを停止した状態で、親ドローン200のワイヤ制御モジュール212によって、親ドローン200と子ドローン300を連結しているワイヤ600を巻き上げることにより、親ドローン200は、子ドローン300を親ドローン200の下部に格納することができる。
【0355】
親ドローン200に子ドローン300を格納した状態で、親子連結飛行よりも高速で飛行することを、合体高速飛行とする。合体高速飛行は、親ドローン200に子ドローン300を格納している状態だけでなく、親ドローン200と子ドローン300を連結する連結線を短くして、親ドローン200と子ドローン300が一体となって飛行できる状態のことも指す。
【0356】
図15は、実施の形態1における、飛行エリア内の建物700に設置された2本のレール400を例示した図である。
図3と同様に、建物の側壁にレール400が水平方向に設置されている。ただし、設置されているレール400の本数は2本である。レール400は水平方向に2本並べられてもよいし、上下方向にずらして並べられてもよい。互いに連結された親ドローン200と子ドローン300からなる飛行体を親子ドローン30と呼ぶ。親子ドローン30が2つ以上、レール400に沿って飛行している場合、2本のレールを使用して、一方の親子ドローン30が他方の親子ドローン30を追い越すことができる。
【0357】
図16では、2本のレール400を用いた2台のドローンの追い越しの仕組みについて説明する。
図16は、実施の形態1における、二車線型のレール400での、2つの子ドローン300の一方が他方を追い抜く様子を例示した図である。
図16に示すレール400aおよび400bは、
図15に示す2本のレール400である。例えば、レール400aは、レール400bよりも建物の側壁側にある。
図16による子ドローン300aおよび300bは、子ドローン300と同様の機能および構成を有する。
図16の1)では、レール400に子ドローン300aと子ドローン300bが連結している。子ドローン300aは子ドローン300bの前を進んでいる。
【0358】
子ドローン300bが子ドローン300aを追い越す場合、以下のような手順を取る。
図16の2)のように、まず、追い抜かされる方の子ドローン300aは、一度、追い越し用のレール400bに退避する。この時、子ドローン300aとワイヤ600で連結されている親ドローン200a(図示せず)は、子ドローン300aから離れる方向に移動させてもよい。次に、
図16の3)のように、レール400aに残った子ドローン300bは、レール400aに沿って進む。
図16の4)のように、子ドローン300bがレール400aに沿って十分に進んだのち、子ドローン300aは、レール400bからレール400aに戻る。この時、追い抜かされる方の親ドローン200aと子ドローン300を連結しているワイヤ600の長さを長くしてもよい。以上の動作により、子ドローン300bが子ドローン300aを追い越す動作が完了する。その後、子ドローン300aとワイヤ600で連結されている親ドローン200a(図示せず)を、元の飛行コースに戻してもよい。
【0359】
図17は、実施の形態1における、二車線型のレール400の配置例を示す図である。この時、2本のレール400aと400bの間の距離は、子ドローン300の幅より大きくてもよい。
図17では、低い位置にあるレール400aは建物に近く設置され、高い位置にあるレール400bは、レール400aよりも建物から離れて設置されている。子ドローン300bはレール400aに連結し、子ドローン300aはレール400bに連結している。
【0360】
複数台のドローンがレールに沿って飛行している状態におけるドローン同士の追い越しに、複数本のレールを使用する場合は、
図17に示すように、レール400aとレール400bは鉛直方向に高さをずらして設置されていてもよい。このように、レール400aとレール400bを、鉛直方向に高さをずらして設置した場合、子ドローン300aと連結している親ドローン200a(図示せず)と、子ドローン300bと連結している親ドローン200b(図示せず)とが衝突する可能性を低減できる。
【0361】
図18は、実施の形態1における、二車線型のレール400の配置例を示す図である。
図18では、レール400aは建物に近く設置され、レール400bは、レール400aよりも建物から離れて設置されている。レール400aとレール400bは水平に並べられており、鉛直方向における高さは同じである。子ドローン300bはレール400aに連結し、子ドローン300aはレール400bに連結している。
【0362】
複数台のドローンがレールに沿って飛行している状態におけるドローン同士の追い越しに、複数本のレールを使用する場合は、
図18に示すように、レール400aとレール400bは鉛直方向の高さを等しく設置されていてもよい。このように、レール400aとレール400bを、水平に並べ、鉛直方向における高さを等しく設置した場合、子ドローン300aと、子ドローン300bは、レール400aと400bの間をスムーズに移動できる。
【0363】
図19は、2本のレール400が設置される場合の親子ドローン30の配置を例示した模式図である。
図19の(a)に示すように、建物700にレール400aと400bが水平に設置されている。このとき、建物700に近い側に設置されているレール400には、子ドローン300bが連結しており、建物から遠い側のレール400bには、子ドローン300aが連結している。これに対して、子ドローン300bにはワイヤ600を介して、親ドローン200bが連結しており、子ドローン300aには、親ドローン200aがワイヤ600を介して連結している。ゆえに、子ドローン300aと親ドローン200aは、子ドローン300bと親ドローン200bの内側に入ることになる。よって、建物700に一番近いレール400aに連結している子ドローン300bとワイヤ600で連結されている親ドローン200bは、すべてのドローンのうちで一番外側、すなわち建物から一番離れた場所を飛行することになる。
【0364】
図19の(b)に示すように、建物700にレール400aと400bが、鉛直方向に高さをずらして設置した場合を説明する。建物700に近い場所に設置されているレール400aには、子ドローン300bが連結している。建物700から離れた場所に位置し、レール400aよりも高い位置に設置されているレール400bには、子ドローン300aが連結している。子ドローン300bにはワイヤ600を介して親ドローン200bが連結している。子ドローン300aには、ワイヤ600を介して親ドローン200aが連結している。子ドローン300bと親ドローン200bは、子ドローン300aと親ドローン200aより、低い位置に位置する。子ドローン300bと親ドローン200bは、子ドローン300aと親ドローン200aより、建物700に近い位置に位置する。よって、子ドローン300aおよび親ドローン200aは、子ドローン300bおよび親ドローン200bの右斜め上空を飛行することとなる。子ドローン300aおよび親ドローン200aを連結するワイヤ600の長さと、子ドローン300bおよび親ドローン200bを連結するワイヤ600の長さは等しい状態となる。このため、追い越す側の親子ドローンと追い越される側の親子ドローンの間で、ワイヤ600の制御について変更しなくてもよい。親子ドローンは、上下方向にずれて飛行しているため、追い越しの際に衝突する恐れが少なくなる。
【0365】
図20は、実施の形態1における、一体の親ドローン200に連結された二体の子ドローン300を例示した図である。
図21は、実施の形態1における、二体の子ドローン300に連結した一体の親ドローン200が、前方の別の親ドローン200および子ドローン300を追い越す様子を例示した図である。
【0366】
図20のように、レール400と連結した子ドローン300aとワイヤ600で連結された親ドローン200aが飛行しており、その後ろに、レール400に連結した子ドローン300baおよびレール400に連結した子ドローン300bbの二つとワイヤ600で連結された親ドローン200bが飛行している。子ドローン300aと親ドローン200aを、それらの後ろを飛行している子ドローン300baと子ドローン300bbおよび親ドローン200bが追い越す場合の手順について説明する。
【0367】
図21に示すように、親子ドローン20は、親ドローン200bに2台の子ドローン300ba、300bbが連結している。
図21のように、まず、管理部100は、前を飛行している親子ドローン30の親ドローン200aの飛行コースを変更させる。変更させる方向は、親ドローン200aがレール400から離れる方向であってもよい。後を飛行している親子ドローン20の子ドローン300baが、レール400から離れ前を飛んでいる子ドローン300aを追い越して、子ドローン300aよりも前の位置で、レール400に連結する。次に、後を飛行している子ドローン300bbも、子ドローン300baと同様に、レール400から離れ、子ドローン300baよりも後ろの位置で、かつ、子ドローン300aよりも前の位置でレール400に連結する。その後、親ドローン200bは、子ドローン300baおよび300bbに近い位置まで飛行して移動し、親ドローン200aを追い越す。
【0368】
親ドローン200bが親ドローン200aを追い越すために、このような手順を踏むことで、親ドローン200aと子ドローン300aを連結しているワイヤ600と、親ドローン200bと子ドローン300baと300bbを連結しているワイヤ600が絡まることなく、親ドローン200bが親ドローン200aを追い越すことができる。
【0369】
図22は、実施の形態1における、親ドローン200と子ドローン300を連結するワイヤ600の表面上にアドレス三次元位置情報と航行用データを記載し、それを読み取るセンサの構成図である。
図22の(a)に示すように、レール400の表面にはデータ900が記録されている。データ900は、例えば、レール400の識別情報と三次元における位置情報と子ドローン300の航行用のデータ等を含む。データ900はレール400の表面にリング状に記録されてもよい。この時、CD―ROM等の光学ドライブや磁気ディスク等の記録媒体へのデータの書き込みに使用される技術等を用いてもよい。
【0370】
子ドローン300のアーム340は、検知部901、検知部902、検知部903、検知部904が取り付けられている。検知部901、902,903および904は、光学センサ等により実現される。なお、検知部の個数は4個に限らない。複数個の検知部によって、レール400に対して異なる角度から、レール400に記録されたデータ900の読み出しを行う。複数個の検知部901、902、903および904によって、データ900の読み出しを行うことで、レール400上に記録されたデータ900に欠損箇所があった場合でも、子ドローン300は必要なデータ900を読み出すことが可能となる。反対に、複数の検知部901、902、903および904のいずれかが破損した場合でも、子ドローン300は、レール400からデータ900を読み出すことができる。
【0371】
図22の(b)に示すように、レール400を断面視すると、その輪郭の部分にデータ900が記録されている。検知部901、902、903および904は、それぞれ、光学検出装置905として構成されている。光学検出装置905は、光センサー906を備える。光学検出装置905は、光センサー906によってデータ900を読み取る。データ900は例えば、レール400の位置情報を示すアドレスや、子ドローン300のための航行用データ等を含む。無線電波によって、親ドローン200の子ドローン300に対する相対的な位置を割り出すことができ、レール400に記録された絶対位置を表すアドレス情報と照合することで、親ドローン200の3次元における絶対位置を表す位置情報を特定することができる。子ドローン300は、レール400から読み出したデータまたは、それらの情報を用いて特定した子ドローン300の位置または親ドローン200の位置についての情報を、管理部100に断続的に送信する。
【0372】
図23は、実施の形態1におけるレール400上に記載したデータ900の内容を例示した図である。なお、レール400には正方向と逆方向が定められている。レール400に記録されているデータ900は、アドレス、正方向の軌道情報、逆方向の軌道情報、無線位置情報の入手情報およびGPS情報、等を含む。アドレスは、クロックおよび位置データを含む。正方向の軌道情報または、逆方向の軌道情報は、障害物情報やレール400の終端情報、レール400の分岐情報やレール400の直径情報等が含む。無線位置情報の入手情報は、周波数およびチャンネル変調方式を含む。GPS情報は、GPSの有無およびGPSの精度を含む。なおデータ900は、レール400の存在する場所を示す地理座標の情報またはレール400の高度を示す高度情報が記録されていてもよい。
【0373】
図24は、実施の形態1における、子ドローン300によるレール位置情報の取得に関する制御を例示したフローチャートである。
【0374】
まず、子ドローン300の飛行前に、管理部100はエリア内レール情報をデータベースからダウンロードし(S4001)、ルート内レール情報を子ドローン300へと送信する(S4002)。
【0375】
子ドローン300は、そのルート内レール情報を受信し、メモリに格納(記憶)しておく(S4003)。
【0376】
なお、レール400の上面と下面には、数字、文字または記号などの情報を一定の規則に従って一次元のコードに変換して、それを縞模様状の線で表現したものが記載されている。ここでのレール情報とは、複数のレール400が地図データにおけるどの場所に設置されており、かつ、レール400の各点におけるコードがいかなる位置情報と対応しているかを記載した情報である。
【0377】
またそれぞれレール400の両端は、一定の規則に従って、始端部402kと終端部403が定まっている。レール400に記載された各コードは、直前のコードとの差分を利用して情報を割り出すこともできるような規則に従って設定され、始端部402kから終端部403に向けて飛行した場合と、その逆に飛行した場合とで、それぞれ異なる情報を取得することが可能である。
【0378】
子ドローン300が飛行を開始すると(S4004)、子ドローン300は、自身の付近にあるレール400の縞模様を赤外線のレーザーセンサ336で検知し(S4005)、その読み取ったコードをもとに、メモリ内を検索し(S4006)、位置情報を割り出す(S4007)。
【0379】
そして、子ドローン300は、その位置情報を管理部100へと送信し(S4008)、管理部100はそれを受信する(S4009)。
【0380】
レール400にLEDなどの発光部を設け、発光部の輝度を変化させることにより、子ドローン300等に対して、信号を送信してもよい。即ち、可視光通信により、レール400から子ドローン300に信号を送信してもよい。発光部は、1つのレール400の中を貫通する形状で設けてもよい。このような方法を取ることで、発光領域が広いほど、通信エラーを減らすことが可能となる。レール400の所定の範囲に、発光部を設けてもよい。夜間においては、レール位置を認識することが難しく、縞模様の検知の精度が低くなるが、レール400と子ドローン300との間で可視光通信を行うことで、高い精度でレール位置を認識することが可能となる。
【0381】
可視光通信の際、子ドローン300は、撮像素子により、レール400に設けられた発光部の輝度変化を撮影し、可視光通信画像を取得する。撮像素子には、複数の露光ラインを有するCMOSセンサを用いてもよい。CMOSセンサの各露光ラインの露光時間を所定の時間よりも短く設定し、発光部を撮影することにより、露光ラインごとに、発光部の輝度変化を撮影することが可能となる。ここでは、露光ラインに対応する輝度変化による画像を輝線と呼ぶ。可視光通信画像は、1フレームにおいて、複数の露光ラインに対応する複数の輝線を含み、縞模様上の複数の輝線から、信号を復号することができる。
【0382】
CMOSセンサを用いた可視光通信には、以下のステップが含まれる。可視光通信画像に輝線が現れるように、露光時間を所定の時間よりも短く設定する第1ステップと、設定した露光時間により、複数の露光ラインを順次露光することにより、発光部を撮像し、可視光通信画像を取得する第2ステップと、可視光通信画像の輝線から信号を復号する第3ステップである。なお、露光時間は、通常撮影時の露光時間よりも短く設定されればよく、1/2000秒以下に設定されることにより、鮮明な輝線を得ることが可能となる。
【0383】
図25Aと
図25Bは、実施の形態1における、親ドローン200の位置情報の取得に関する制御を例示したフローチャートである。
【0384】
まず、子ドローン300と親ドローン200は管理部100からの指示を受けて飛行を開始した後(S2001、S2000)、子ドローン300は自身の付近にあるレール400のアドレスをレーザーセンサ336で読み取り(S2002)、それによって割り出した子ドローン300の位置情報を管理部100へと送信する(S2003)。管理部100は、子ドローン300の位置情報を受信し(S2007)、事前に作成しておいた子ドローン300の飛行計画と照合する(S2009)。管理部100は、当初計画していた飛行ルートと整合しているかどうかを判定する(S2010)。当初の飛行ルートと現在の位置が整合していない場合(S2010でNo)、管理部100は正規ルートへと修正するための補正情報を作成し(S2011)、子ドローン300に飛行指示を送信する(S2012)。
【0385】
当初ルートと整合している場合は(S2010でYes)、管理部100は、補正情報は作成せずに、子ドローン300に飛行継続を指示する(S2012)。
【0386】
一方、親ドローン200は、飛行中において、GPSの信号を受信できているかを判定し(S2004)、信号を受信して自身の位置情報を測定できた場合(S2004でYes)、その情報を管理部100に送信する(S2005)。受信できない場合(S2004でNo)、親ドローン200は、GPS検知が不可であるという旨の情報を作成し、管理部100に送信する(S2008)。子ドローン300は、親ドローン200と連結しているワイヤ600についての張力センサ333を用いて、子ドローン300に対する親ドローン200の相対的な方角、速度および距離などを検知し(S2013)、その情報を用いて、子ドローン300に対する親ドローン200の相対的な位置および速度情報を計算する(S2015)。なお、この際、子ドローン300が何らかのセンサを用いて親ドローンの相対的な位置および速度情報を算出できればよいため、子ドローン300は、例えばカメラセンサ334を用いた親ドローンの光学的な情報、あるいは受信機321を用いて親ドローンから送られる無線の強度および方向情報、または、ワイヤ600において有線で伝達される電気信号などを用いて、相対的な位置および速度情報を測定してもよい。
【0387】
子ドローン300が親ドローン200の相対的な位置・速度情報を算出したら、
図25Bに示すように、子ドローン300は、それを管理部100へと送信する(S2018)。管理部100は、親ドローン200のGPS情報を受信できているかを判定し(S2014)、受信できている場合(S2014でYes)、子ドローン300から親ドローン200の相対位置および速度情報を受信したのちに(S2006)、GPSによる親ドローン200の位置情報との差分を算出し(S2016)、それに基づいてGPSでの測定誤差を補正する情報を親ドローン200に送信する(S2019)。
【0388】
親ドローンのGPS情報を受信できなかった場合は(S2014でNo)、管理部100は、親ドローン200の相対位置情報を子ドローン300から受信したのちに(S2017)、その情報を地図データに参照して親ドローン200の絶対的な位置情報を算出し(S2020)、親ドローン200の当初の飛行計画と照合する(S2021)。
【0389】
そして、管理部100は、当初の飛行計画と整合しているかを判定し(S2022)、何らかのずれが生じていた場合は(S2022でNo)、その誤差を補正する飛行計画修正の情報を作成し、親ドローン200に飛行指示を送信する(S2025)。整合していた場合は(S2022でYes)、管理部100は、補正情報は作成せずに親ドローン200に飛行継続を指示する(S2025)。
【0390】
親ドローン200はその飛行指示を受信し(S2027)、その指示の通りに飛行計画を修正して飛行する(S2028)。
【0391】
他方で、子ドローン300は、管理部100から飛行指示を受信したか判定し(S2023)、受信したら、その情報を生かして、親ドローン200と連結するためのワイヤ600について、長さおよび方向などを調整する必要があるかどうかを判定する(S2026)。調整が必要であれば、子ドローン300は、ワイヤ600を調整し(S2029)、自身の飛行計画を修正して飛行する(S2030)。必要でなければ、子ドローン300は、調整はせずに(S2026でNo)、飛行計画を必要に応じて修正して飛行する。
【0392】
図26は、実施の形態1における、レール間の飛行制御を例示した模式図である。子ドローン300がレール400aに沿って飛行しているときに、レール400aの終端部に差し掛かり、その先に、レール400aと離間してレール400bの始端部がある場合に、子ドローン300は、レール400aの周囲からレール400bの周囲に移動する。この時、子ドローン300は、レール400aから離れて400bに移動するときに、一時的に高度を上げてもよい。子ドローン300は、レール400aから離れて400bに移動するときに、レール400aおよびレール400bよりも高い高度で飛行してもよい。このようにすることで、子ドローン300がレール400aから離れて400bに移動する間に、子ドローン300に十分な高さがあれば、万が一飛行の異常が起きても、飛行の異常が起きた地点から落下することによってレール400bに到達できる。レール400aからレール400bに移動する間に飛行の異常が起こった場合でも、飛行の異常が起きた地点からの落下によってレール400bに到達できるような高度とコースを算出して、子ドローン300を飛行させてもよい。
【0393】
図27は、実施の形態1における、レール間の飛行制御を例示したフローチャートである。
【0394】
子ドローン300は、飛行を行う(S3000)。親ドローン200も飛行を行う(S3001)。次に、子ドローン300は、親ドローン200の子ドローンに対する相対位置をセンサ等で検知する(S3002)。続いて、子ドローン300は、レール400の位置をセンサ等で検知する(S3003)。ここで、子ドローン300は、レール400の終端間際であるかどうか判断する(S3004)。子ドローン300の存在する位置が、レール400の終端間際でなかった場合(S3004でNo)、子ドローン300は飛行を継続する(ステップS3000に戻る)。子ドローン300の存在する位置が、レール400の終端間際であった場合(S3004でYes)、子ドローン300は管理部100宛に飛翔信号を送信する(S3005)。管理部100は、子ドローン300から送信された飛翔信号を受信する(S3006)。次に、管理部100は、子ドローン300と親ドローン200の飛行ルートを算出する(S3007)。管理部100は、子ドローン300と親ドローン200に飛翔指示を送信する(S3008)。子ドローン300は、飛翔指示を受信したかどうか判断する(S3009)。子ドローン300は、飛翔指示を受信しなかった場合(S3009でNo)、ステップS3009に戻る。親ドローン200は、飛翔指示を受信したかどうか判断する(S3010)。親ドローン200は、飛翔指示を受信しなかった場合(S3010でNo)、ステップS3010に戻る。子ドローン300は、飛翔指示を受信した場合(S3009でYes)、子ドローン300は飛翔する(S3011)。親ドローン200は、飛翔指示を受信した場合(S3010でYes)、親ドローン200は飛翔する(S3012)。次に、親ドローン200は、親ドローン200が落下したかどうか判断する(S3013)。親ドローン200が落下しなかった場合(S3013でNo)、親ドローン200は、ステップS3013に戻る。親ドローン200が落下した場合(S3013でYes)、親ドローン200は、子ドローン300に落下信号を送信する(S3016)。その後、親ドローン200は、子ドローン300に対して、ワイヤ600で宙づりとなる(S3018)。子ドローン300は、親ドローン200からの落下信号を受信したかどうか判断する(S3015)。子ドローン300が、親ドローン200からの落下信号を受信していない場合(S3015でNo)、子ドローン300はステップS3015に戻る。子ドローン300が、親ドローン200からの落下信号を受信した場合(S3015でYes)、子ドローン300は、レール400に緊急連結する(S3017)。
【0395】
子ドローン300は、管理部100との通信によって、飛行予定ルートのレール400に関するレール情報を取得し、レール情報と飛行中に取得したレール400の識別情報を照合することによって、子ドローン300の位置を特定してもよい。
【0396】
図28は、実施の形態1における、子ドローン300に設けられたアーム340の開閉の一例を模式的に示す図である。子ドローン300は、開閉可能なアーム340を有している。通常時には、子ドローン300は、開閉可能なアーム340を開いた状態で、レール400に沿って飛行しながら前進する。この時、開いたアーム340によって囲まれた空間の中央部付近にレール400があってもよい。親ドローン200に飛行の異常が生じた際には、子ドローン300は、開いていたアーム340でレール400を囲むように閉じる。このとき、アーム340を閉じることで、子ドローン300はレール400と連結する。よって、親ドローン200に飛行の異常が発生した場合でも、親ドローン200と連結している子ドローン300は、レール400と連結することで、飛行の異常に陥ることや、墜落を免れることができる。
【0397】
図29は、実施の形態1における、子ドローン300に設けられたアーム340の開閉の他の例を模式的に示す図である。子ドローンが有するアーム340は、第1アーム341と第2アーム342を含んでおり、第1アーム341と第2アーム342が連結することで、リング状の形状を形作り、レール400と連結する。アーム340が開いた状態では、第1アーム341と第2アーム342の端部間の距離が、レール400の直径よりも大きい。よって、子ドローン300は、レール400から外れることが可能な状態である。アーム340が閉じた状態では、第1アーム341と第2アーム342の端部間の距離が、レール400の直径よりも小さい。よって、子ドローン300は、レール400から外れることがなく、子ドローン300とレール400は、連結された状態となる。
【0398】
図30は、本開示の一態様に係る無人飛行体の制御方法を例示したフローチャートである。まず、互いに連結された親ドローン200と子ドローン300を前進させる(S7000)。次に、親ドローン200に異常が生じたかどうかを判断する(S7001)。親ドローンに異常が生じていた場合(S7001でYes)、子ドローン300の前進を止めさせる(S7002)。親ドローンに異常が生じていなかった場合(S7001でNo)、互いに連結された親ドローン200と子ドローン300を前進させる(ステップS7000に戻る)。
【0399】
(実施の形態2)
以下では、本実施の形態における飛行体の制御方法、飛行体および飛行システム2aの基本的な構成は、実施の形態1等の基本的な構成と同じであるため、本実施の形態における飛行体の制御方法、飛行体および飛行システム2aの基本的な構成について適宜説明を省略し、主に、実施の形態1とは異なる部分について説明する。
【0400】
図31は、実施の形態2における飛行システム2aを例示した模式図である。
図32は、実施の形態2における飛行システム2aの構成を説明するブロック図である。
【0401】
図31および
図32に示すように、本実施の形態における飛行システム2aは、親ドローン200および子ドローン300を用いて配送元から配送先に積荷を送り届けることが可能なシステムである。配送元は物体を送り出す側であり、配送先は物体を受けとる側である。親ドローン200および子ドローン300のそれぞれは、飛行体の一例である。親ドローン200は第2の飛行体の一例であり、子ドローン300は第1の飛行体の一例である。飛行体は、例えば、無人航空機である。ここでいう積荷は、物体の一例である。
【0402】
親ドローン200および子ドローン300は、単に空中を飛行するだけでなく、地上に張り巡らされたレール400に沿って移動する。親ドローン200は、子ドローン300にワイヤ600で互いに連結されたまま、子ドローン300に追従するように、レール400に沿って飛行する。親ドローン200には、積荷が積載される。
【0403】
具体的には、子ドローン300は、リング3401を有するアーム340がレール400に掴まるような状態でレール400に沿いながら、配送元から配送先に飛行する。より具体的には、子ドローン300は、アーム340のリング3401がレール400と連結(以下、アーム340がレール400と連結ということがある)した状態で、配送元から配送先に飛行する。ここで、レール400に沿って移動とは、子ドローン300のアーム340が必ずしもレール400の上を直接、滑るわけではない。アーム340がレール400の上を直接滑れば、アーム340およびレール400が摩耗することがあるため、レール400と子ドローン300のアーム340とは、非接触の状態で飛行してもよい。
【0404】
子ドローン300の制御部330の処理部337は、子ドローン300が配送先付近に近づいた際に、カメラセンサ334が撮像した画像情報に示される第1位置と、GPSセンサ332aから取得した位置情報に示す第2位置とを比較する。カメラセンサ334は、イメージセンサの一例である。第1位置と第2位置とが一致しない場合、処理部337は、第1位置と第2位置とが一致するように、子ドローン300の飛行を制御する(つまり、プロペラの回転を制御する。)。具体的には、子ドローン300が配送先の上空付近に近づいた際に、カメラセンサ334は、宅配ボックス470の上面に張られるコード化された媒体471a1を撮像する。コード化された媒体471a1には、宅配ボックス470の位置を示す第1位置が含まれる。カメラセンサ334がコード化された媒体471a1を読み取ることで、処理部337は、第1位置と第2位置とが一致するように、子ドローン300の飛行を制御する。なお、コード化された媒体471a1は、例えば二次元バーコードであるが、カメラセンサ334が認識することが可能な単なるマークでもよい。GPSセンサ332aは、センサの一例である。カメラセンサ334がセンサの一例であってもよい。宅配ボックス470は、格納基地の一例である。
【0405】
こうして、子ドローン300は、配送先の上空に到着する。
【0406】
なお、親ドローン200および子ドローン300の少なくとも一方が、カメラセンサ334を有していればよい。本実施の形態では、子ドローン300がカメラセンサ334を有する。
【0407】
なお、GPSセンサ332aの代わりに、カメラセンサ334を用いて、宅配ボックス470から子ドローン300までの相対的な位置を測定してもよい。イメージセンサを用いて取得した周辺の画像から、子ドローン300の位置を測定してもよい。
【0408】
子ドローン300が配送先の上空に到着すると、処理部337は、アーム340によってレール400を掴むように駆動部310を制御する。こうして子ドローン300は、所定の位置でレール400に固定される。なお、例えば、アーム340に電磁石を搭載していれば、処理部337が駆動部310に電磁石のコイルに電流を流させることによって、アーム340がレール400に固定されてもよい。このように、子ドローン300が配送先の上空に到着した際に、アーム340がレール400に固定されるため、グランドエフェクトによる影響による位置ズレを抑制できる。本実施の形態では、配送先の上空は、宅配ボックス470の上空である。
【0409】
子ドローン300が配送先の上空に到着してレール400に固定されると、親ドローン200を降下の準備に入らせるために、処理部337は、通信部320を介して、親ドローン200に対して下降指示を送信する。
【0410】
親ドローン200は、子ドローン300から下降指示を受信すると、目的地点に設置される宅配ボックス470に向かって下降する。具体的には、親ドローン200の制御部230は、駆動部210にプロペラの回転を制御することで、親ドローン200が子ドローン300の直下に移動するように制御する。親ドローン200の制御部230は、子ドローン300の直下に移動したかどうかを判断する。
【0411】
親ドローン200が子ドローン300の下方に移動した場合、親ドローン200の制御部230は、駆動部210にプロペラの回転を停止させる。親ドローン200の制御部230は、駆動部210のワイヤ制御モジュール212を制御して、ワイヤ600の繰り出しを開始させる。これにより、親ドローン200は、子ドローン300から下降する。こうして、親ドローン200は、宅配ボックス470の開口から侵入し、目的地点である宅配ボックス470に着陸する。ここで、目的地点は、親ドローン200が着陸するための地点である。
【0412】
なお、親ドローン200は、測距センサ、気圧センサ等を搭載してもよい。これにより、親ドローン200は、下降する際に、測距センサ、気圧センサ等によって、周囲の環境を検査することで、宅配ボックス470に適切に着陸できる。
【0413】
レール400は、例えば、地表から数メートル~数十メートルの高さの位置に張られ、地面に設置される支柱、施設等によって固定される。なお、レール400は、地上の全域に張り巡らされてもよく、少なくとも配送先の周辺に張り巡らされるだけでもよい。レール400は、例えば道路に沿って張られる。
【0414】
レール400は、接続点Pを有する。接続点Pは、一のレールに他のレールが接続される部分である。接続点Pの直下には、載置構造体450が配置される。
【0415】
載置構造体450は、少なくとも接続点Pの直下の地表と接続点Pとの間に子ドローン300を載置することが可能である。載置構造体450は、地面に直接配置されてもよいが、レール400に接続されてもよい。地面に直接配置される場合、載置構造体450は、例えば載置台であってもよい。レール400に接続される場合、載置構造体450は、レール400と直交する開口が形成された箱状の構造体であってもよい。開口は、親ドローン200および子ドローン300が通過することが可能な大きさである。載置構造体450は、例えばクッション性のある網状の構造体であってもよい。
【0416】
宅配ボックス470は、配送先の目的地点に配置される。宅配ボックス470の構成は如何様でもよい。本実施の形態の宅配ボックス470は、少なくとも親ドローン200が内部に侵入することができる程度の開口と、収容空間とが形成される。
【0417】
本実施の形態では、宅配ボックス470には、子ドローンが上空からカメラセンサで検知できる位置に、コード化された媒体471a1が設けられる。
【0418】
本実施の形態では、宅配ボックス470は、レール400の直下に配置される。なお、宅配ボックス470は、レール400の直下から離れた位置に配置されてもよい。宅配ボックス470は、子ドローン300がレール400を掴んだ状態で、親ドローン200が宅配ボックス470の収容空間に侵入できる距離にあればよい。
【0419】
[動作]
次に、本実施の形態における飛行体の制御方法、飛行体および飛行システム2aの動作について説明する。
【0420】
図33は、実施の形態2における飛行システム2aが配送元から配送先の目的地点までの動作を例示したフローチャートである。
【0421】
図33に示すように、まず、管理部100は、地図データに基づいて、配送元から配送先までの飛行ルートを選定する。管理部100は、選定した飛行ルートを子ドローン300に送信する。そして、配送元で親ドローン200に積荷を積載した後に、ユーザの操作によって、子ドローン300は、飛行を開始する。例えば、子ドローン300は、
図22等の検知部901、902、903および904によってレール400の位置を検知する。アーム340は、レール400を掴むように第1アーム341と第2アーム342とを駆動することで、レール400に連結される(S8001)。
【0422】
これにより、親ドローン200および子ドローン300は、レール400に沿って移動する(S8002)。
【0423】
親ドローン200および子ドローン300は、GPSセンサ233a、332aで検知したそれぞれの現在位置を示す位置情報(例えば、上述の緯度経度情報等の地理空間情報である)を、所定の時間間隔で管理部100に送信し続ける。このとき、管理部100は、親ドローン200および子ドローン300のそれぞれの位置情報を逐次受信するため、親ドローン200および子ドローン300の現在位置を即時に取得できる。
【0424】
次に、子ドローン300の処理部337は、配送先の上空に到着したかどうかを判断する(S8003)。処理部337は、GPSセンサ332aから得られる現在位置と、管理部から取得している配送先の上空とを比較し、これらが一致するかどうかを判断する。現在位置と目的地点とが一致する場合、処理部337は、配送先の上空に到着したと判断し、アーム340によってレール400を掴むように駆動部310を制御する。こうして、子ドローン300は、レール400に固定される(S8004)。
【0425】
次に、処理部337は、通信部320を介して親ドローン200に下降指示を送信する(S8005)。処理部337は、プロペラを停止させる(S8006)。この場合、子ドローン300は、レール400に連結されたアームによって宙吊りの状態となる。なお、子ドローン300が配送先の上空に到着すると、子ドローン300は、アーム340によってレール400を掴むことなく、アームをレール400に連結した状態でホバリングさせてもよい。
【0426】
次に、親ドローン200は、下降指示を受信すると(S8011)、下降指示に基づいて、着陸態勢に入る。具体的には、親ドローン200の制御部230は、駆動部210にプロペラの回転を制御させ、子ドローン300の直下に移動する(S8012)。
【0427】
親ドローン200の制御部230は、親ドローン200が子ドローン300の直下に移動したかどうかを判断する(S8013)。例えば、親ドローン200のGPSセンサ233aで得た位置情報と、子ドローン300のGPSセンサ332aで得た位置情報とが一致するかそうかで判断してもよく、子ドローン300がカメラセンサ334等で検知した信号等で判断してもよい。
【0428】
次に、親ドローン200が子ドローン300の下方に移動した場合(S8013でYes)、親ドローン200の制御部230は、駆動部210にプロペラの回転を停止させる(S8014)。親ドローン200が子ドローン300の下方に移動していない場合(S8013でNo)、親ドローン200の制御部230は、S8012に処理を戻す。
【0429】
親ドローン200の制御部230は、駆動部210のワイヤ制御モジュール212を制御して、ワイヤ600の繰り出しを開始させる(S8015)。これにより、親ドローン200は、子ドローン300から下降する。こうして、親ドローン200は、宅配ボックス470の開口から侵入し、目的地点である宅配ボックス470に着陸する。
【0430】
親ドローン200が宅配ボックス470に着陸すると、親ドローン200の制御部230は、ワイヤ制御モジュール212を制御してワイヤ600の繰り出しを停止する。親ドローン200は、積荷を外す。具体的には、親ドローン200の制御部230は、駆動部210を制御することで、親ドローン200に積載されている積荷を外す。こうして、積荷は、宅配ボックス470の収容空間に収容される。
【0431】
親ドローン200が積荷を外すと、親ドローン200は、宅配ボックス470の開口から退出する。具体的には、親ドローン200の制御部230は、駆動部210のワイヤ制御モジュール212を制御して、ワイヤ600の巻き取りを開始する。そして、ワイヤ600が所定長になれば、親ドローン200および子ドローン300のプロペラが回転し、親ドローン200および子ドローン300が飛行可能な状態になる。処理部337は、駆動部310を制御して、子ドローン300のアーム340をレール400から離間させる。そして、親ドローン200および子ドローン300は、配送元から配送先まで来た飛行ルートを辿って、配送元に引き返す。なお、次の配送先が存在する場合、上述と同様の処理によって、次の配送先に積荷が配送される。
【0432】
[作用効果]
次に、本実施の形態における飛行体の制御方法および飛行システムの作用効果について説明する。
【0433】
上述したように、本実施の形態に係る飛行体の制御方法は、第1の飛行体と連結線で連結された第2の飛行体とを制御する飛行体の制御方法であって、前記第1の飛行体は、固定されたレールが中を通るリングを有するアームと、前記第1の飛行体の位置を計測するセンサとを備え、前記センサを用いて、前記第1の飛行体の位置を計測し、前記位置が第1所定位置(配送先の一例)であるか否かを判定し、前記位置が前記第1所定位置である場合に、前記第1の飛行体の飛行を停止し、前記リングと前記レールとを連結させ、前記連結線の長さを伸ばす制御を行うことで、前記第2の飛行体を第2所定位置(目的地点の一例)に着陸させる。
【0434】
例えば、従来の飛行体の制御方法において、飛行する飛行体が着陸する際に、グランドエフェクトと呼ばれる風の影響によって、第2所定位置である目的地点から半径1m程度の誤差が生じて、着陸してしまうことがある。着陸する際に、飛行体が大勢を崩して墜落したり、物体に接触事故を起こしたりする可能性がある。このため、飛行体を安全に配送元から配送先に移動させることが求められている。
【0435】
この飛行体の制御方法によれば、第1の飛行体がレールに連結されながら移動するため、グランドエフェクトが生じても、第1の飛行体はレールに沿って安全に第1所定位置まで移動することができる。第2の飛行体は、第1の飛行体と連結線で連結されるため、第1の飛行体から遠く離れてしまうこともない。第1の飛行体が配送先に到達した場合には、第1の飛行体がレールに接触された状態であるため、グランドエフェクトが生じても、第1の飛行体も第2の飛行体も、目的地点から離間し難い。このため、第2の飛行体は、その指示に基づいて荷物を目的地点に配送し易い。
【0436】
したがって、この飛行システムによれば、第2の飛行体が目的地点に荷物を配送することができる。
【0437】
本実施の形態に係る飛行システムは、配送先から配送元に荷物を配送する飛行システムであって、地面から離れた位置に固定されたレールに連結されながら移動する第1の飛行体と、前記第1の飛行体に連結線で連結された第2の飛行体と備え、前記第1の飛行体は、固定された前記レールが中を通るリングを有するアームと、前記第1の飛行体が配送先に到達したかどうかを判断する制御部と、配送先の目的地点に荷物を配送するための配送指示を、前記第2の飛行体に送信する通信部とを有し、前記第1の飛行体が配送先に到達した場合、前記制御部は、前記リングが前記レールに連結された状態で、配送先の目的地点に荷物を配送するための配送指示を、前記通信部を介して前記第2の飛行体に送信する。
【0438】
本実施の形態に係る飛行体の制御方法において、前記第1の飛行体の飛行を停止した後、前記第2の飛行体の飛行を停止する。
【0439】
このため、第2の飛行体が第1の飛行体に追従するように移動することができる。
【0440】
本実施の形態に係る飛行体の制御方法において、前記センサは、イメージセンサであり、前記イメージセンサを用いて取得した、周辺の画像から、前記第1の飛行体の位置を測定する。
【0441】
このため、周辺の画像に基づいて、第1の飛行体の位置を正確に把握することができる。イメージセンサによって第2所定位置を撮像すれば、第2所定位置を正確に把握することができる。
【0442】
本実施の形態に係る飛行体の制御方法において、前記センサは、GPSセンサであり、前記GPSセンサにより、前記第1の飛行体の位置を測定する。
【0443】
このため、第1の飛行体の位置を正確に把握することができる。
【0444】
本実施の形態に係る飛行体の制御方法において、前記第2所定位置は、前記第2の飛行体を格納する格納基地が設置されている位置である。
【0445】
このため、第1の飛行体の位置を正確に把握することができる。
【0446】
本実施の形態に係る飛行体の制御方法において、前記第2の飛行体は、前記格納基地に着陸後、前記第2の飛行体が保持していた荷物を前記格納基地に格納する。
【0447】
このため、前記第2の飛行体は、目的地点に荷物を、確実に格納することができる。
【0448】
本実施の形態に係る飛行システムは、さらに、地面から離れた位置に固定された、一のレールと、前記一のレールとは別のレールとを有し、前記一のレールは、前記別のレールと接続点Pで接続される。
【0449】
これによれば、第1の飛行体および第2の飛行体が飛行するための複数の飛行ルートを作ることができる。
【0450】
本実施の形態に係る飛行システムは、さらに、少なくともレールとレールとを接続する接続点の直下の地表と前記接続点との間には、前記第1の飛行体を載置することが可能な載置構造体を備える。
【0451】
これによれば、接続点において、例えば一のレールに連結されている第1の飛行体が別のレールに連結される際に、不意に第1の飛行体がレールから落下しても、載置構造体がこれらを受け止めることができる。このため、少なくとも第1の飛行体の破損を抑制することができる。
【0452】
本実施の形態に係る飛行システムにおいて、配送先の目的地点には、前記第2の飛行体が着陸するための目的地点を示すコード化された媒体が設けられ、前記第1の飛行体および前記第2の飛行体の少なくとも一方は、さらに、カメラセンサを有し、前記第2の飛行体は、前記カメラセンサが前記媒体を撮像することで得られた画像情報に基づいて、前記目的地点に着陸する。
【0453】
これによれば、配送先に到着した第1の飛行体および第2の飛行体は、画像情報に基づいて、荷物を格納すべき箇所を簡易に認識することができる。このため、第2の飛行体は、目的地点に正確に着陸し易くなる。
【0454】
本実施の形態に係る飛行システムにおいて、さらに、前記第1の飛行体の位置情報を取得するGPSセンサをさらに備え、前記制御部は、前記画像情報に示される第1位置と、前記GPSセンサから取得した前記位置情報に示す第2位置とを比較し、前記第1位置と前記第2位置とが一致しない場合、前記第1位置と前記第2位置とが一致するように、前記第1の飛行体の飛行を制御する。
【0455】
これによれば、目的地点の鉛直上から第2の飛行体がズレても、画像情報を読み取ることで、第2の飛行体の位置ズレを補正することができる。このため、第2の飛行体は、より正確に目的地点に着陸することができる。
【0456】
本実施の形態に係る飛行システムは、さらに、前記第1の飛行体が配送先に到着すると、前記レールを掴むように前記アームを駆動制御する駆動部とを備える。
【0457】
これによれば、第1の飛行体が配送先に到着した際に、アームがレールに固定されるため、グランドエフェクトによる影響による第1の飛行体および第2の飛行体の位置ズレを抑制できる。
【0458】
(実施の形態3)
以下では、本実施の形態における飛行体の制御方法および飛行体の基本的な構成は、実施の形態1等の基本的な構成と同じであるため、本実施の形態における飛行体の制御方法および飛行体の基本的な構成について適宜説明を省略する。本実施の形態では、上記の実施の形態1のような親ドローンは存在しない。
【0459】
図34Aは、実施の形態3における子ドローン300aを例示した模式図である。
図34Bは、実施の形態3における子ドローン300aのアーム340aがレール400に固定された状態で降下する様子を例示した模式図である。
【0460】
図34Aおよび
図34Bに示すように、子ドローン300aは、さらに、アーム340aと子ドローン本体301aとを連結するワイヤ611を有する。アーム340aは、子ドローン本体301aおよびワイヤ611を介して接続されており、子ドローン本体301aから離間できる。
【0461】
ワイヤ制御モジュールは、ワイヤ611の巻き取りを行ったり、ワイヤ611の繰り出しを行ったりする。
【0462】
本実施の形態の飛行システム2aでは、子ドローン300aが配送先に到着すると、処理部337が駆動部310を制御して、アーム340aにレール400を掴ませ、アーム340aをレール400に固定させる。処理部337は、ワイヤ制御モジュールを制御して、ワイヤ611の繰り出しを行なう。こうして、
図34Bに示すように、子ドローン本体301aは、レール400から降下して、宅配ボックスの収容空間に着陸する。これにより、子ドローン300aは、積荷を宅配ボックスに格納することができる。
【0463】
(実施の形態4)
以下では、本実施の形態における飛行体の制御方法、飛行体および飛行システム2bの基本的な構成は、実施の形態1等の基本的な構成と同じであるため、本実施の形態における飛行体の制御方法、飛行体および飛行システム2bの基本的な構成について適宜説明を省略し、主に、実施の形態1とは異なる部分について説明する。
【0464】
図35は、実施の形態4における飛行システム2bの子ドローン300cを例示した模式図である。
図36は、実施の形態4における飛行システム2bの構成を説明するブロック図である。
図37は、実施の形態4における飛行システム2bにおける子ドローン300cのアーム340cを例示した模式図である。
図37では、第2アーム3421が第1アーム3411の開口部3411kを開放または閉鎖した状態を例示する。
【0465】
図35~
図37に示すように、本実施の形態における飛行システム2bを構成する子ドローン300cのアームは、第1アーム3411および第2アーム3421の他に、バネ349と、支持する支持部344と、第1電動モータ315と、第1センサ391を有する。第1アーム3411および第2アーム3421は、リングの一例である。
【0466】
第1アーム3411は、支持部344と一体的に構成される。第1アーム3411は、子ドローン300cの進行方向から見てリング状の一部が欠損したC形状をなしたフック状である。第1アーム3411には、その外殻部分が切り欠かれることで、レール400の侵入を許容する開口部3411kが設けられる。
【0467】
開口部3411kは、レール400の侵入を許容するため、開口部3411kの長さ(
図37の第1アーム3411の一方側の端部aから他方側の端部bまでの長さ)は、レール400の直径よりも大きい。第1アーム3411の一方側の端部は第2アーム3421と当接し、第1アーム3411の他方側の端部は第2アーム3421が収容される収容部341aが形成される。収容部341aは、第1アーム3411の形状に沿った円弧状である。
【0468】
第1アーム3411の一方側の端部には、第2アーム3421の一方側の端部が挿入される凹部341bが形成される。これにより、第2アーム3421が第1アーム3411の開口部3411kを閉鎖した場合、第2アーム3421にレール400側から力が加わっても、凹部341bに第2アーム3421が嵌るため、第2アーム3421が第1アーム3411から離間し難くなる。
【0469】
収容部341aには、第2アーム3421がスライド移動によって収容される。収容部341aは、第2アーム3421の全てを収容してもよく、一部を収容してもよい。収容部341aの内部には、第1アーム3411の開口部3411kを第2アーム3421によって閉鎖するように、第2アーム3421に付勢力をかけるバネ349が設けられる。バネ349の一端は、第2アーム3421の他方側の端部に接続され、バネ349の他端は、収容部341aの奥側の底部に接続される。バネ349は、例えば、コイルバネ、ゴム等の弾性体である。
【0470】
第1アーム3411および第2アーム3421を子ドローン300cの進行方向から見た場合に、円形状に見えるが、アーム340cが直立の場合、第1アーム3411の開口部3411kは、この円形状の中心軸を通過する水平線よりも下側に形成される。このため、第1アーム3411の開口部3411kが開放していても、第1アーム3411がフックの役割を果たすため、レール400に連結された第1アーム3411が離間し難い。
【0471】
第2アーム3421は、第1アーム3411の開口部3411kを開放または閉鎖するように、第1電動モータ315によってスライド移動させられる。第2アーム3421が開口部3411kを閉鎖する際には、第1アーム3411および第2アーム3421がリング状となり、第2アーム3421が開口部3411kを開放する際には、アーム340cがC形状(円弧状)となる。第2アーム3421は、収容部341aの形状と対応するような円弧状である。
【0472】
支持部344は、第1アーム3411および第2アーム3421を子ドローン本体301aに支持する支柱である。支持部344の一端には、第1アーム3411が接続され、支持部344の他端には、子ドローン本体301aが接続される。支持部344の一端と第1アーム3411との接続部分の近傍には、第1電動モータ315が取り付けられる。支持部344は、子ドローン本体301aを上から見た場合に、その中央部分から立上るように設けられる。
【0473】
第1電動モータ315は、制御部330の処理部337によって駆動制御されるモータである。第1電動モータ315は、第2アーム3421を収容部341aに収容するようにスライド移動させる。具体的には、第1電動モータ315の回転軸に備えられたギア等が、第2アーム3421の外周面に形成された歯部と噛み合うことで、第2アーム3421がスライド移動する。当然のことながら、第1電動モータ315の駆動力は、バネ349のバネ力よりも強い。
【0474】
第1電動モータ315は、第2アーム3421をスライド移動させることが可能な位置、つまり、支持部344と第1アーム3411との接続部分に設置される。接続部分は、第1アーム3411の開口部3411kの近傍、かつ、収容部341aの外周側である。
【0475】
第1センサ391は、レール400とアーム340cとの第1距離を計測する。第1センサ391は、アーム340cのリングの少なくとも上側部分または下側部分に設置される。第1センサ391は、計測した第1距離を示す第1距離情報を制御部330の処理部337に出力する。
【0476】
処理部337は、第1距離情報が示す第1距離に応じて、アーム340cを上下に移動させる制御を行う。具体的には、処理部337は、第1距離が所定値よりも大きいかどうかを判定する。第1センサ391がアーム340cのリングの上側部分に設置される場合、処理部337は、第1距離が所定値よりも大きいときに、アーム340cを上方向に移動させるように、駆動部310を制御する。処理部337は、第1距離が所定値以下である場合に、アーム340cを下方向に移動させるように、駆動部310を制御する。第1センサ391がアーム340cのリングの下側部分に設置される場合、処理部337は、第1距離が所定値よりも大きい場合に、アーム340cを下方向に移動させるように駆動部310を制御し、第1距離が所定値以下である場合に、アーム340cを上方向に移動させるように駆動部310を制御する。
【0477】
処理部337は、第1アーム3411の開口部3411kを開放するときだけ、第1電動モータ315を駆動させて第2アーム3421をスライド移動させて収容部341aに収容する。第1アーム3411の開口部3411kを閉鎖するときには、処理部337は、第1電動モータ315を駆動させない、つまり第1電動モータ315の駆動を停止する。この際、第2アーム3421は、バネ349の付勢力によって、第1アーム3411の開口部3411kを閉鎖する。
【0478】
なお、本実施の形態では、バネ349を用いなくてもよく、第1電動モータ315によって第2アーム3421をスライド移動させることで、第1アーム3411の開口部3411kの開放および閉鎖を行ってもよい。
【0479】
このような子ドローン300cは、アーム340cをレール400に連結する際に、第1アーム3411の開口部3411kを開放した状態でレール400の斜め上にアーム340cを配置してから、または、第1アーム3411の開口部3411kを開放した状態で水平方向に移動してレール400と連結する。
【0480】
アームのリング部分の形状は、上述には限定されない。
【0481】
図38は、実施の形態4における飛行システムにおける子ドローンの別のアーム340dを例示した模式図である。
【0482】
例えば、
図38に示すように、第1アーム3411aがU形状であってもよい。この場合、レール400の侵入を許容する第1アーム3411aの開口部3411kは、第1アーム3411aの側方側に形成される。第1アーム3411aは、開口部3411kから水平方向に膨出した形状である。
【0483】
第2アーム3421aは、直線状の柱状部材である。第2アーム3421aは、バネ349によって鉛直方向にスライド移動可能に支持部344に支持される。第2アーム3421aは、バネ349によって、鉛直上方向に付勢力がかけられる。
【0484】
図38では、支持部344には、第2アーム3421aを収容する収容部344dが形成される。
【0485】
このように、子ドローンがレール400に連結する際に、子ドローンは、第1アーム3411aの開口部3411kを開放した状態で水平方向に移動して、レール400と連結する。このため、レール400とアーム340dとが接触し難く、レール400とアーム340dとを容易に連結することができる。
【0486】
アーム340dの機能は、上述には限定されない。
【0487】
図39は、実施の形態4における飛行システム2bの構成を説明するブロック図である。
図40は、実施の形態4における飛行システム2bにおける子ドローン300eのさらに別のアーム340eを縮めた状態および伸ばした状態を例示した模式図である。
【0488】
例えば、
図39および
図40に示すように、アーム340e(つまり、第1アーム3411および第2アーム3421)をスライド移動させてもよい。具体的には、子ドローン300eは、さらに、子ドローン本体301aに接続される管状の案内部344bと、第2電動モータ316と、バネ348とを有する。案内部344bには、支持部344aを収容する収容部344dが形成される。
【0489】
支持部344aの一端は、第1アーム3411に接続され、支持部344aの他端は、バネ348に接続される。バネ348は、支持部344aと反対側の端部は、案内部344bまたは子ドローン本体301aに接続される。バネ348は、支持部344aを案内部344bの収容部344dに収容するように、付勢力をかける。言い換えれば、バネ348の付勢力は、支持部344aに対して鉛直下方向に付勢力をかける。
【0490】
第2電動モータ316は、制御部330の処理部337によって駆動制御されるモータである。第2電動モータ316は、支持部344aを案内部344bから伸ばすようにスライド移動させる。具体的には、第2電動モータ316の回転軸に備えられたギア等が、支持部344aの外周面に形成された歯部と噛み合うことで、支持部344aが鉛直上方向にスライド移動する。
【0491】
第2電動モータ316は、支持部344aをスライド移動させることが可能な位置、つまり、案内部344bの先端側に設置される。
【0492】
処理部337は、子ドローン300eからアーム340eを伸ばす時だけ第2電動モータ316を駆動させて、支持部344aを案内部344bから伸ばすようにスライド移動させる。アーム340eを縮めるときには、処理部337は、第2電動モータ316を駆動させない、つまり第2電動モータ316の駆動を停止する。この際、バネ348の付勢力によって支持部344aが案内部344bに収容され、アーム340eが縮まる。
【0493】
アームは、複数設けられてもよい。
【0494】
図41は、実施の形態4における飛行システム2bの構成を説明するブロック図である。
図42は、実施の形態4における飛行システム2bにおける子ドローン300fのさらに別のアーム340fを例示した模式図である。
図43Aは、実施の形態4における飛行システム2bにおける子ドローン300fがアーム340fを縮めた状態を例示した模式図である。
図43Bは、実施の形態4における飛行システム2bにおける子ドローン300fがアーム340fを伸ばした状態を例示した模式図である。
【0495】
例えば、
図41、
図42、
図43Aおよび
図43Bに示すように、子ドローン本体301aに鉛直上方向に延びるアーム340f(以下、一方のアーム340fと言うことがある)と、子ドローン本体301aに鉛直下方向に延びるアーム340f(以下、他方のアーム340fと言うことがある)と、カウンタバランス3441と、第1電動モータ315とを有する。
【0496】
一方のアーム340fおよび他方のアーム340fのそれぞれは、上述と同様の構成である。一方のアーム340fは、子ドローン本体301aに対して他方のアーム340fと対称に配置される。
【0497】
カウンタバランス3441は、子ドローン300fの重心の釣り合いを取るためのバランサである。カウンタバランス3441は、管状である。カウンタバランス3441の内部には、一方のアーム340fの支持部344と他方のアーム340fの支持部344とが挿入される収容部344dが形成され、第3電動モータ317が収容される。
【0498】
第3電動モータ317は、一方のアーム340fの支持部344と他方のアーム340fの支持部344との間に配置される。第3電動モータ317は、一方のアーム340fの支持部344と他方のアーム340fの支持部344をカウンタバランス3441から伸ばすようにスライド移動させ、一方のアーム340fの支持部344と他方のアーム340fの支持部344をカウンタバランス3441に収容するようにスライド移動させる。つまり、第3電動モータ317は、子ドローン300fの重心の位置が変化しないように、一方のアーム340fおよび他方のアーム340fを移動させる。
【0499】
第3電動モータ317は、一方のアーム340fの支持部344、他方のアーム340fの支持部344、または、カウンタバランス3441のいずれかに固定される。
【0500】
本実施の形態では、一方のアーム340fおよび他方のアーム340fが子ドローン本体301aの中央部分に設けられているが、例えば、一方のアーム340fおよび他方のアーム340fは、子ドローン本体301aの端縁側に配置されてもよい。この場合、子ドローン300fの重心に対して一方のアーム340fおよび他方のアーム340fと対角上に位置する箇所に、子ドローン300fの重心を均等にするように、カウンタバランスをさらに配置してもよい。
【0501】
なお、他方のアーム340の代わりに、別のカウンタバランスを用いてもよい。このため、2つのアーム340fを用意することが必須の構成要件ではない。
【0502】
図44は、実施の形態4における飛行システム2bにおける子ドローン300gのさらに別のアーム340gを例示した模式図である。
【0503】
例えば、
図44に示すように、カウンタバランスの先端には、ワイヤ600を結ぶことが可能な挿通孔が形成される。挿通孔には、ワイヤ600が挿通されて、結び付けられる。ワイヤ600は、親ドローン200に接続される。
【0504】
子ドローン300gは、カウンタバランスの代わりに、ジンバルを有していてもよい。
【0505】
例えば、子ドローン本体301aとアーム340fとが接続されている部分にジンバルが配置されている。つまり、子ドローン本体301aは、ジンバルを介してアーム340fと接続される。この場合、子ドローン300gが飛行する際に、子ドローン本体301aが傾いたとしても、アーム340fが鉛直方向に対して傾き難くなる。このため、子ドローン300gは、安定した飛行を行える。
【0506】
[作用効果]
次に、本実施の形態における飛行体の制御方法および飛行体の作用効果について説明する。
【0507】
上述したように、本実施の形態に係る飛行体の制御方法は、他の飛行体と連結線で連結された飛行体を制御する飛行体の制御方法であって、前記飛行体は、固定されたレールが中を通るリングを有するアームと、前記レールと前記リングとの第1距離を計測する第1センサとを備えており、前記第1センサを用いて、前記第1距離を計測し、前記第1距離に応じて、前記アームを上下に移動させる制御を行う。
【0508】
このため、飛行体のアームがレールと連結した状態で移動する際に、アームとレールとが接触しないように、飛行体がレールに沿って適切に移動することができる。
【0509】
本実施の形態に係る飛行体は、他の飛行体と連結線で連結された飛行体であって、固定されたレールが中を通るリングを有するアームと、前記リングの上側部分、または、下側部分に設置されており、前記レールと前記リングとの第1距離を計測する第1センサとを備える。
【0510】
本実施の形態に係る飛行体の制御方法において、前記第1センサは、前記リングの上側部分に設置されており、前記第1距離が所定値よりも大きい場合に、前記アームを上方向に移動させ、前記第1距離が所定値以下である場合に、前記アームを下方向に移動させる。
【0511】
このため、飛行体のアームにおけるリングの上側または下側がレールに近づき過ぎれば、リングとレールとが接触しないように、リングとレールとの距離を保つことができる。このため、飛行体の飛行中に、リングとレールとが接触し難くなる。
【0512】
本実施の形態に係る飛行体の制御方法において、前記第1センサは、前記リングの下側部分に設置されており、前記第1距離が所定値よりも大きい場合に、前記アームを下方向に移動させ、前記第1距離が所定値以下である場合に、前記アームを上方向に移動させる。
【0513】
本実施の形態に係る飛行体において、前記アームは、開口部を有する略円弧状の第1アームと、前記第1アームとでリング状を形成する略円弧状の第2アームと、前記第2アームをスライド移動させることで前記開口部を少なくとも開放する第1電動モータとを備え、前記開口部が開放されている際にレールの侵入が許容されることで、前記アームは、前記レールと連結される。
【0514】
これによれば、第1アームの開口部を開放し、この開口部からレールを侵入させることで、アームとレールとを容易に連結することができる。
【0515】
本実施の形態に係る飛行体において、さらに、前記アームは、第1アームの開口部を閉鎖するように、第2アームに付勢力をかけるバネをさらに有し、前記レールが前記第1アームの内周側に配置された際に、前記第1電動モータは、前記第2アームをスライド移動させて前記開口部の開放するために、駆動を停止させる。
【0516】
これによれば、第1電動モータがアームをレールに連結する場合だけ駆動すればよく、第1電動モータを停止すれば、第2アームはバネの付勢力によって、自動的に第1アームの開口部を閉鎖するため、飛行体の使用電力の増大を抑制することができる。
【0517】
(実施の形態4の変形例1)
以下では、本変形例における飛行体の制御方法、飛行体および飛行システムの基本的な構成は、実施の形態1等の基本的な構成と同じであるため、本変形例における飛行体の制御方法、飛行体および飛行システムの基本的な構成について適宜説明を省略する。
【0518】
図45は、実施の形態4の変形例1における飛行システムにおける子ドローンを例示した模式図である。
【0519】
図45に示すように、本変形例の子ドローンは、さらに、車輪390と、車軸390aとを有する。
【0520】
車輪390は、レール400に回転自在に接触するための車輪であり、第1アーム3411の上端部に回転可能に設けられる。具体的には、車輪390は、第1アーム3411の上端部に設けられた車軸390aに軸支され、車軸390aを軸心として回動する。ここで車軸390aの軸心は、アーム340hがレール400に連結されて子ドローンが飛行する際に、レール400の延びる方向と直交する方向であり、水平方向と略平行な方向である。車軸390aは、第1アーム3411の一部を構成し、両端が固定される。
【0521】
なお、車輪390の代わりに球状のボールが設けられてもよい。複数の車輪390、ボール等がアーム340hのリングの内周側に設けられてもよい。
【0522】
第1アーム3411の上端側の内周には、レール400と第1アーム3411との接触を回避するための凹状の切り欠き部3411hが形成される。車輪390の車軸390aは、第1アーム3411の内周面よりも外周面側に配置される。車輪390の外周面は、第1アーム3411の内周面から外周面までの間に配置される。
【0523】
図46は、実施の形態4の変形例1における飛行システムにおける子ドローン300hがレール400を走行中に子ドローン本体301aが直立の姿勢になる場合を例示した模式図である。
【0524】
図46に示すように、回転軸350は、子ドローン本体301aとアーム340hとを接続する接続部分に設けられる。具体的には、アーム340hがレール400に連結されて子ドローン300hが飛行する際に、回転軸350は、アーム340hの姿勢を保ったまま、子ドローン本体301aを直立の姿勢にさせる。具体的には、アーム340hがレール400に連結されて子ドローン300hが飛行する際、アーム340hの姿勢は、アーム340hの長手方向が鉛直方向と略平行な姿勢となる。子ドローン本体301aは平板状であるため、子ドローン本体301aが直立の姿勢は、子ドローン本体301aが鉛直方向と略平行な姿勢となる。このように、回転軸350は、主に、子ドローン本体301aが水平の姿勢から直立の姿勢までの間を回動する。
【0525】
制御部330の処理部337は、アーム340hがレール400に連結されて子ドローン300hが飛行する際、子ドローン本体301aを直立の姿勢となるように制御する。具体的には、処理部337は、駆動部310によって回転軸350を駆動させることで、子ドローン本体301aを回転軸350の軸心周りに回動させる。本変形例では、駆動部310は、回転軸350を180°回転させることが可能である。
【0526】
このような子ドローン300hでは、アーム340hがレール400に連結されて飛行する際に、車輪390がレール400に接触した状態で飛行することができる。車輪390は、レール400との摩擦によって回転を始めるため、子ドローン300hは、プロペラの回転による進行方向への推進力だけでレール400の上を走行することができる。このため、子ドローン300hは、プロペラの回転力を、自身を持ち上げるための揚力に使用しなくてもよくなる。
【0527】
この子ドローン300hでは、処理部337が駆動部310を制御することで、子ドローン本体301aが回転軸350の軸心周りに回動するため、子ドローン本体301aの姿勢を変えることができる。
【0528】
子ドローン300hは、アーム340hがレール400に連結されて飛行する際に、回転軸350が子ドローン本体301aを直立の姿勢にすることで、プロペラの回転力をそのまま進行方向への推進力に変換することができる。このため、子ドローン300hは、レール400の上をスムーズに走行することができる。
【0529】
さらに、切り欠き部3411hにレール400が配置されるため、子ドローン300hがレール400の上を走行中に揺れ動いても、レール400が車輪390から離れ難くなる。このため、子ドローン300hは、安定的にレール400を走行することができる。
【0530】
(実施の形態4の変形例2)
以下では、本変形例における飛行体の制御方法、飛行体および飛行システムの基本的な構成は、実施の形態1等の基本的な構成と同じであるため、本変形例における飛行体の制御方法、飛行体および飛行システムの基本的な構成について適宜説明を省略する。
【0531】
図47は、実施の形態4の変形例2における飛行システムにおける子ドローン300iを正面から見た場合を例示した模式図と、側面から見た場合を例示した模式図である。
【0532】
図47に示すように、本変形例の子ドローン本体301iは、リング状である。子ドローン本体301iがレール400と連結する。このため、子ドローン300iの本体の形状は、アームの機能を兼ねている。子ドローン本体301iの4方向には、プロペラ801が配置される。
【0533】
子ドローン本体301iは、一対のヨー翼371と、一対のピッチ翼372と、図示しない方向舵制御部とをさらに備える。
【0534】
一対のヨー翼371は、子ドローン本体301iの外周部分に設けられる。子ドローン本体301iが直立の姿勢である場合において、一対のヨー翼371は、子ドローン本体301iの重心に対して鉛直方向上に対称に配置される。一対のヨー翼371のそれぞれは、鉛直方向を軸心として第1軸部371aと、第1軸部371aによって回動可能に支持される第1羽部371bとを有する。第1羽部371bは、鉛直方向を軸心として回転する。第1羽部371bが回転することで左右方向の風力を制御する。進行方向から見て、第1羽部371bを左に回転させれば左方向に舵をとり、第1羽部371bを右に回転させれば右方向に舵をとる。
【0535】
一対のピッチ翼372は、子ドローン本体301iの外周部分に設けられる。子ドローン本体301iが直立の姿勢である場合において、一対のピッチ翼372は、子ドローン本体301iの重心に対して水平方向に対称に配置される。一対のピッチ翼372のそれぞれは、水平方向を軸心として第2軸部372aと、第2軸部372aによって回動可能に支持される第2羽部372bとを有する。第2羽部372bは、水平方向を軸心として回転する。第2羽部372bが回転することで上下方向の風力を制御する。進行方向から見て、第2羽部372bを上に回転させれば上方向に舵をとり、第2羽部372bを下に回転させれば下方向に舵をとる。
【0536】
方向舵制御部は、一対のヨー翼371のそれぞれの第1羽部371bと、一対のピッチ翼372のそれぞれにおける第2羽部372bとの回動を制御する。
【0537】
制御部330の処理部337は、子ドローン本体301iがレール400に連結されて子ドローン300iが飛行する際、子ドローン本体301iを傾斜した姿勢となるように制御する。具体的には、処理部337は、方向舵制御部を駆動させることで、一対のピッチ翼372のそれぞれにおける第2羽部372bの回動を制御する。
【0538】
このような子ドローン300iでは、ヨー翼371では、第1羽部371bを回動させることで、水平方向に回転することができ、ピッチ翼372では、第2羽部372bを回動させることで、鉛直方向に回転できる。子ドローン300iは、レール400と連結した状態で飛行する際、水平面に対して傾いた状態で飛行する。
【0539】
なお、
図48は、実施の形態4の変形例2における飛行システムにおける別の子ドローン300iを正面から見た場合を例示した模式図である。本変形例において、
図48に示すように、子ドローン本体301iは、第1アーム3411および第2アーム3421のような機能および構成を適用してもよい。子ドローン本体301iは、フック状の第1本体301i1と、円弧状の第2本体301i2とを有する。第2本体301i2は、第1本体301i1の収容部341a2に対してスライド移動することで、第1本体301i1の外周側の開口部3411k1を閉鎖および開放する。
【0540】
このような、本変形例に係る飛行体は、前記飛行体の上部および下部に第1の翼を備え、前記飛行体の進行方向に対し左側部および右側部に第2の翼を備える。
【0541】
これによれば、4つの翼によって第1の飛行体をより適切に移動させることができる。
【0542】
本変形例に係る前記飛行体は、固定されたレールが中を通るリングを有する本体(例えば、子ドローン本体301iである)と、前記本体を挟んで対称となるように前記本体に配置される4つのプロペラと、前記本体を挟んで対称となるように、それぞれの前記プロペラの間に1つずつ前記本体に配置される4つの翼(例えば、一対のヨー翼および一対のピッチ翼)とを有し、第1規定方向に配置された2つの翼(例えば、一対のピッチ翼)は、前記本体を鉛直方向に操舵し、前記第1規定方向と異なる第2規定方向に配置された2つの翼(例えば、一対のヨー翼)は、前記本体を水平方向に操舵する。
【0543】
これによれば、4つの翼を操舵することで、第1の飛行体の進行方向を自由に操舵することができるため、第1の飛行体は安定した移動を実現することができる。
【0544】
(実施の形態4の変形例3)
以下では、本変形例における飛行体の制御方法、飛行体および飛行システム2cの基本的な構成は、実施の形態4の変形例2等と基本的な構成が同じであるため、本変形例における飛行体の制御方法、飛行体および飛行システム2cの基本的な構成について、適宜説明を省略する。
【0545】
図49は、実施の形態4の変形例3における飛行システム2cにおける別の子ドローン300jを例示した模式図である。
図50は、実施の形態4の変形例3における飛行システム2cにおける別の子ドローン300jを例示した模式図である。
【0546】
図49および
図50に示すように、本変形例では、子ドローン300jは、さらに、第1センサ391と、間隔検出部392と、リング位置制御部393と、リング位置変更部394とを有する。子ドローン300jのアーム340jには、一対のヨー翼371と、一対のピッチ翼372と、第1センサ391と、間隔検出部392と、リング位置制御部393と、リング位置変更部394とが設けられる。
【0547】
一対のヨー翼371は、アーム340jの外周部分に設けられる。一対のヨー翼371は、アーム340jの鉛直方向に対称に配置される。一対のヨー翼371のそれぞれは、鉛直方向を軸心として第1軸部371a1と、第1軸部371a1によって回動可能に支持される第1羽部371b1とを有する。第1羽部371b1は、鉛直方向を軸心として回転する。
【0548】
一対のピッチ翼372は、アーム340jの外周部分に設けられる。一対のピッチ翼372は、アーム340jの水平方向に対称に配置される。一対のピッチ翼372のそれぞれは、水平方向を軸心として第2軸部372a1と、第2軸部372a1によって回動可能に支持される第2羽部372b1とを有する。第2羽部372b1は、水平方向を軸心として回転する。
【0549】
第1センサ391は、例えばレール400とリングとを連結する場合、レール400とリングとを撮像する。第1センサ391は、撮像した画像情報を間隔検出部392に出力する。本変形例では、第1センサ391は、カメラセンサであり、直接的に距離を計測しない。なお、
図50における第1センサ391の位置は一例である。第1センサ391は、リングの下側、左側、右側等に配置されていてもよい。第1センサ391は、1つに限らず複数設けられていてもよい。例えば、第1センサ391は、少なくとも、リングの上側、下側、左側および右側の4箇所に設けられていてもよい。
【0550】
間隔検出部392は、第1センサ391が撮像した画像情報に基づいて、レール400とリングとの第1距離を算出する。間隔検出部392は、算出した第1距離を示す距離情報をリング位置制御部393に出力する。
【0551】
リング位置制御部393は、第1距離に基づいて、レール400とリングとが適切に連結されるように、リング位置変更部394を制御する。リング位置変更部394は、例えば電動モータである。
【0552】
リング位置変更部394は、レール400とリングとが適切に連結されるように、アーム340jの姿勢を変更する。リング位置変更部394は、子ドローン本体301jがレール400に連結されて子ドローン300jが飛行する際、水平方向に対して子ドローン本体301jを傾斜した姿勢となるようにピッチ翼372等を制御する。具体的には、リング位置制御部393は、リング位置変更部394を駆動させることで、一対のピッチ翼372のそれぞれにおける第2羽部372b1の回動を制御する。リング位置制御部393は、リング位置変更部394を駆動させることで、鉛直方向に対して子ドローン本体301jを傾斜した姿勢となるようにヨー翼371等を制御する。具体的には、リング位置制御部393は、リング位置変更部394を駆動させることで、一対のピッチ翼372のそれぞれにおける第2羽部372b1の回動を制御する。
【0553】
なお、リング位置変更部394は、アーム340jを子ドローン本体301jから伸ばしたり縮めたりすることができてもよい。つまり、リング位置変更部394は、支持部344の長さを調節してもよい。
【0554】
これによれば、4つの翼を操舵することで、飛行体の進行方向を自由に操舵することができるため、飛行体は安定した移動を実現することができる。
【0555】
(実施の形態4の変形例4)
以下では、本変形例における飛行体の制御方法、飛行体および飛行システム2dの基本的な構成は、実施の形態1等の基本的な構成と同じであるため、本変形例における飛行体の制御方法、飛行体および飛行システム2dの基本的な構成について適宜説明を省略する。
【0556】
図51は、実施の形態4の変形例4における飛行システム2dの構成を説明するブロック図である。
【0557】
図51に示すように、本変形例では、子ドローン300mのアーム340mが第1センサを有さない代わりに親ドローン200mが、第2センサ291を有していてもよい。第1センサと第2センサ291とは同様の構成であってもよい。
【0558】
第2センサ291は、レール400とアーム340mのリングとの第2距離を計測する。第2センサ291は、子ドローン300mの進行方向に対して、アーム340mのリングの少なくとも左側部分または右側部分に設置される。第2センサ291は、計測した第2距離を示す第2距離情報を、通信部220を介して子ドローン300mに送信する。第2センサ291は、間隔検出部と同様であってもよい。
【0559】
リング位置制御部393は、受信した第2距離情報を取得する。リング位置制御部393は、第2距離情報が示す第2距離に応じて、親ドローン200mの進行方向に対して左右に移動させる制御を行う。このとき、リング位置制御部393は、第2距離が所定値よりも大きいかどうかを判定する。
【0560】
具体的には、進行方向に対して第2センサ291がリングの左側部分に設置されている場合で第2距離が所定値よりも大きい場合、または、進行方向に対して第2センサ291がリングの右側部分に設置されている場合で第2距離が所定値以下であるとき、リング位置制御部393は、子ドローン300mを進行方向に対して、右方向に移動させるように、リング位置変更部394を制御する。具体的には、リング位置変更部394は、ヨー翼371の第1羽部371b1を右に回転させることで、子ドローン300mのアーム340mが進行方向に対して右方向に移動する。
【0561】
具体的には、進行方向に対して第2センサ291がリングの左側部分に設置されている場合で第2距離が所定値以下である場合、または、進行方向に対して第2センサ291がリングの右側部分に設置されている場合で第2距離が所定値よりも大きい場合、リング位置制御部393は、子ドローン300mを進行方向に対して、左方向に移動させるように、リング位置変更部394を制御する。具体的には、リング位置変更部394は、ピッチ翼372の第2羽部372b1を左に回転させることで、子ドローン300mのアーム340mが進行方向に対して左方向に移動する。
【0562】
なお、図示はしていないが、子ドローン300mのアーム340mが上述の第1アームおよび第2アームを有し、第1アームの開口部は、第2アームがスライド移動することによって、開放および閉鎖されてもよい。
【0563】
このような本変形例に係る飛行体の制御方法において、前記他の飛行体は、前記レールと前記リングとの第2距離を計測する第2センサを備えており、前記第2距離に応じて、前記飛行体を進行方向に対して左右に移動させる。
【0564】
このため、飛行体のアームがレールと連結した状態で移動する際に、アームとレールとが接触しないように、飛行体がレールに沿って適切に移動することができる。
【0565】
本変形例に係る飛行体は、さらに、前記飛行体の進行方向に対して、前記リングの左側部分、または、右側部分に設置されており、前記レールと前記リングとの第2距離を計測する第2センサを更に備える。
【0566】
本変形例に係る飛行体の制御方法において、前記第2センサは、前記飛行体の進行方向に対して、前記リングの左側部分に設置されており、前記第2距離が所定値よりも大きい場合に、前記飛行体を進行方向に対して、右方向に移動させ、前記第2距離が所定値以下である場合に、前記飛行体を進行方向に対して、左方向に移動させる。
【0567】
このため、飛行体のアームにおけるリングの右側または左側がレールに近づき過ぎれば、リングとレールとが接触しないように、リングとレールとの距離を離すように、飛行体の進行を制御することができる。このため、飛行体の飛行中に、リングとレールとが接触し難くなる。
【0568】
本変形例に係る飛行体の制御方法において、前記第2センサは、前記飛行体の進行方向に対して、前記リングの右側部分に設置されていてもよい。この場合、飛行体の制御方法では、前記第2距離が所定値よりも大きい場合に、前記飛行体を進行方向に対して、左方向に移動させ、前記第2距離が所定値以下である場合に、前記飛行体を進行方向に対して、右方向に移動させてもよい。
【0569】
(実施の形態5)
以下では、本実施の形態における飛行体の制御方法、飛行体および飛行システムの基本的な構成は、実施の形態1等の基本的な構成と同じであるため、本実施の形態における飛行体の制御方法、飛行体および飛行システムの基本的な構成について説明を省略する。
【0570】
本実施の形態の飛行システムでは、親ドローンは存在しない。後述する
図53の符号を用いて説明する。子ドローン3000は、第1延長アーム5340aと、第2延長アーム5340bと、を有する。
【0571】
第1延長アーム5340aと第2延長アーム5340bとは、それぞれ同様の構成である。第1延長アーム5340aと第2延長アーム5340bとは、子ドローン本体とワイヤ611a、611bで接続され、ワイヤ611a、611bを巻き取ったり送り出したりすることが可能である。子ドローン3000は、第1延長アーム5340aと第2延長アーム5340bと子ドローン本体とを接続するそれぞれのワイヤ611a、611bと、それぞれのワイヤ611a、611bの巻き取りまたは繰り出しによるワイヤ611a、611bの長さを制御するそれぞれのワイヤ駆動制御部とを有する。
【0572】
ワイヤ駆動制御部は、ワイヤ制御モジュールと同様の構成である。ワイヤ駆動制御部は、処理部の制御によって、子ドローン3000とレールとの距離に応じてワイヤ611a、611bの長さを調節する。
【0573】
[動作]
次に、本実施の形態における飛行体の制御方法、飛行体および飛行システムの動作について説明する。
【0574】
図52は、実施の形態5における飛行システムが配送元から配送先の目的地点までの動作を例示したフローチャートである。
図53は、実施の形態5における飛行システムが配送元から配送先の目的地点までの動作を例示した模式図である。
【0575】
本実施の形態では、建物に設置されている第1レール400aを経由して配送元から配送先に積荷を送り届ける場合を想定する。
【0576】
図52および
図53の(a)に示すように、まず、子ドローン3000は、建物に設置されている第1レール400aに向かって飛行する。子ドローン3000が第1レール400aに近づくと、子ドローン3000は、第1延長アーム5340aと第1レール400aとを連結させる(S8021)。
【0577】
図52および
図53の(b)に示すように、次に、子ドローン3000は、第1延長アーム5340aが連結している第1レール400aを有する建物の近傍に位置する別の建物の第2レール400bに向かって飛行する(S8022)。このとき、子ドローン3000は、ワイヤ611aが垂れ下がらないように、一端上昇してから、別の建物の第2レール400bに向かって飛行する。子ドローン3000は、第1延長アーム5340aと第1レール400aとが連結した状態で別の建物の第2レール400bに向かって飛行する。この際に、子ドローン3000の処理部は、第1延長アーム5340aと子ドローン本体とを接続するワイヤ611aを繰り出すように、ワイヤ制御モジュールを制御して、ワイヤ611aの長さを調節する。そして、子ドローン3000は、別の建物の第2レール400bに近づくと、第2延長アーム5340bと第2レール400bとを連結させる(S8023)。
【0578】
具体的には、処理部は、電動モータを駆動させて第2延長アーム5340bの第2アームをスライド移動させ、第1アームの開口部を開放させる。こうして、子ドローン3000は、第2レール400bとアームとを連結させる。処理部は、アームと第2レール400bとが連結すると、電動モータに供給する電力を停止する。こうすることで、第2アームがバネの付勢力で第1アームの開口部を閉鎖する。
【0579】
なお、子ドローン3000が別の建物に向かって飛行する前に、制御部の処理部は、第1延長アーム5340aが現在掴まっている建物から、子ドローン3000が第2延長アーム5340bで掴まろうとする別の建物までの距離をカメラセンサ等で認識し、第1延長アーム5340aおよび第2延長アーム5340bのそれぞれのワイヤ611bの長さの総和と別の建物までの距離とを比較し、子ドローン3000が別の建物まで届くかどうかを判断してもよい。
【0580】
図52および
図53の(c)に示すように、次に、子ドローン3000は、第2延長アーム5340bと第2レール400bとを連結させると(例えば第1センサ等によって連結を検知すると)、子ドローン3000は、ワイヤ611bが垂れ下がらないように、一端上昇してから、第1延長アーム5340aと第1レール400aとの連結を解除する。処理部は、第1延長アーム5340aの電動モータを駆動させて第2アームをスライド移動させ、第1アームの開口部を開放させる(S8024)。こうして、子ドローン3000の第1延長アーム5340aは、第1レール400aから離れる。処理部は、第1延長アーム5340aが第1レール400aから離れると、電動モータに第2延長アーム5340bの第2アームに付与する駆動力を停止させる。すると、第2アームがバネの付勢力で第1アームの開口部を閉鎖する。
【0581】
このようにして、子ドローン3000は、ステップS8021~S8024を繰り返すことで、雲梯を伝うかのように、飛行ルートに従って配送元から配送先まで移動する。
【0582】
[作用効果]
次に、本実施の形態における飛行体の制御方法および飛行体の作用効果について説明する。
【0583】
上述したように、本実施の形態に係る飛行体の制御方法は、飛行ルートに従って飛行する、第1の飛行体を制御する飛行体の制御方法であって、前記第1の飛行体は、飛行する本体と、固定された第1レールが中を通るリングを有する第1延長アームと、固定された第2レールが中を通るリングを有する第2延長アームと、前記本体と前記第1延長アームに連結される第1ワイヤと、前記本体と前記第2延長アームに連結される第2ワイヤとを有し、前記第1延長アームが前記第1レールに連結することと、前記第1延長アームが前記第1レールに連結した状態で、第1ワイヤの長さを伸ばしながら前記第1の飛行体が前記第2レールに向かって飛行し、前記第2レールと前記第2延長アームとを連結することと、前記第2レールと前記第2延長アームとが連結した後に、前記第1延長アームと前記第1レールとの連結を解除することを含む。
【0584】
このため、第1の飛行体は、第1レールまたは第2レールに連結されているため、故障しても地表に落下し難くなる。このため、この飛行体の制御方法では、安全性が高い。
【0585】
(実施の形態6)
以下では、本実施の形態における飛行体の制御方法、飛行体および飛行システムの基本的な構成は、実施の形態1の基本的な構成と同様であるため、本実施の形態における飛行体の制御方法、飛行体および飛行システムの基本的な構成について、適宜説明を省略する。
【0586】
なお、本実施の形態における親ドローン200は、子ドローン300と同様の構成を有する。つまり、親ドローン200も、アーム、アームを制御する処理部等を有する。
【0587】
[動作]
次に、本実施の形態における飛行体の制御方法、飛行体および飛行システムの動作について説明する。
【0588】
図54は、実施の形態6における飛行システムが配送元から配送先の目的地点までの動作を例示したフローチャートである。
図54についても、
図53の様な模式図となるため図示は省略する。
【0589】
本実施の形態では、建物に設置されているレール400を経由して配送元から配送先に積荷を送り届ける場合を想定する。
【0590】
図54に示すように、まず、子ドローン300および親ドローン200は、建物に設置されているレール400に向かって飛行する。子ドローン300がレール400に近づくと、子ドローン300は、アームとレール400とを連結させる(S8031)。子ドローン300は、親ドローン200に飛行連結指示を送信する(S8032)。
【0591】
次に、親ドローン200は、飛行連結指示を受信すると、子ドローン300が接続しているレール400を有する建物の近傍に位置する別の建物のレール400に向かって飛行する(S8041)。子ドローン300は、建物のレール400に掴まった状態で、親ドローン200が子ドローン300から離れて、別の建物に向かって飛行する。この際に、子ドローン300の処理部は、ワイヤ制御モジュールを制御して、ワイヤを繰り出させる。そして、親ドローン200は、レール400に近づくと、アームとレール400とを連結させる(S8042)。
【0592】
具体的には、処理部は、電動モータを駆動させて第2アームをスライド移動させ、第1アームの開口部を開放させる。こうして、子ドローン300は、レール400とアームとを連結させる。処理部は、アームとレール400とが連結すると、電動モータに供給する電力を停止する。すると、第2アームがバネの付勢力で第1アームの開口部を閉鎖する。
【0593】
なお、親ドローン200が別の建物に向かって飛行する前に、制御部の処理部は、現在掴まっている建物から、親ドローン200が掴まろうとする別の建物までの距離をカメラセンサ等で認識し、レール400の長さと別の建物までの距離とを比較し、親ドローン200が別の建物まで届くかどうかを判断してもよい。
【0594】
次に、親ドローン200は、アームとレール400とを連結させると、連結完了を示す情報を子ドローン300に送信する(S8043)。
【0595】
次に、子ドローン300が連結完了を示す情報を受信すると、子ドローン300の処理部は、アームとレール400との連結を解除する(S8033)。処理部は、電動モータを駆動させて第2アームをスライド移動させ、第1アームの開口部を開放させる。こうして、子ドローン300は、レール400から離れる。処理部は、アームがレール400から離れると、電動モータにアームの第2アームに付与する駆動力を停止させる。こうすることで、第2アームがバネの付勢力で第1アームの開口部を閉鎖する。
【0596】
このようにして、親ドローン200と子ドローン300は、S8031~S8033、ステップS8041~S8043を繰り返すことで、配送元から配送先まで移動する。
【0597】
[作用効果]
次に、本実施の形態における飛行体の制御方法および飛行体の作用効果について説明する。
【0598】
上述したように、本実施の形態に係る飛行体の制御方法は、飛行ルートに従って飛行する、第1の飛行体と連結線で連結された第2の飛行体とを制御する飛行体の制御方法であって、前記第1の飛行体および前記第2の飛行体のそれぞれは、固定されたレールが中を通るリングを有するアームを有し、前記第1の飛行体が前記レールに連結することと、前記第1の飛行体が前記レールに連結した後に、前記連結線の長さを伸ばしながら、前記第2の飛行体が別のレール向かって飛行し、前記別のレールと前記第2の飛行体のアームとを連結することと、前記別のレールと前記第2の飛行体のアームとが連結した後に、前記第1の飛行体のアームと前記レールとの連結を解除することを含む。
【0599】
このため、第1の飛行体および第2の飛行体の少なくとも一方は、レールに連結されているため、いずれか一方が故障しても地表に落下し難くなる。第1の飛行体および第2の飛行体は、雲梯を伝うかのように、飛行ルートに従って移動する。このため、この飛行体の制御方法では、安全性が高い。
【0600】
(実施の形態7)
以下では、本実施の形態におけるドローン701および配送システム3aの基本的な構成は、実施の形態1等のドローンおよび飛行システムと基本的な構成と同じであるため、本実施の形態におけるドローン701および配送システム3aの基本的な構成について適宜説明を省略し、主に、実施の形態1等とは異なる部分について説明する。
【0601】
図55は、実施の形態7における配送システム3aの構成を説明するブロック図である。
図56は、実施の形態7における配送システム3aのドローン701が配送元から配送先に荷物を配送する様子を例示したイメージ図である。
【0602】
図55および
図56に示すように、配送システム3aは、ドローン701と、管理部100と、複数の支柱791aと、レール400とを備える。
【0603】
配送システム3aは、ドローン701を用いて配送元から配送先に積荷となる荷物を送り届けることが可能なシステムである。ドローン701は、無人航空機の一例である。
【0604】
本実施の形態では、配送元は、配送センターであり宅配業者の施設、中継地点となるコンビニエンスストア等である。配送先は、荷物を受けとる側つまり届け先であり、例えば住宅、中継地点となるコンビニエンスストア等である。中継地点は、コンビニエンスストアまたはコンビニエンスストアに併設して設けている施設であるが、これに限定されない。
【0605】
一例として、配送元が配送センターである場合、中継地点までは荷物を多く運ぶために大きさが中型のドローン701を用い、中継地点から配送先の住宅までは大きさが小型のドローン701を用いる。この場合、中型のドローン701は、配送センターから中継地点まで、多くの荷物を運び、中継地点から各住宅に向けて個別に配送するために、小型のドローン701を用いる。
【0606】
本実施の形態におけるこの配送システム3aでは、主に、近距離の配送を行ってもよい。例えば、近距離は、配送元から配送先までの距離が数百メートル程度である。ドローン701は、配送元を中心とした半径数百メートルの範囲内を移動する。なお、本実施の形態では、半径が約500m乃至1000m以内である。本実施の形態では半径約400mを想定している。
【0607】
[ドローン701の構成]
この配送システム3aのドローン701は、配送元の管理部100から、地図データに示される配送元から配送先までの飛行ルートを示すルート情報を取得する。ドローン701は、積載した荷物を、管理部100から取得したルート情報に基づいて、配送元から配送先まで移動する。
【0608】
図57は、実施の形態7における配送システム3aのドローン701を例示した正面図および側面図である。具体的には、
図57は、接続体730の延びる方向と仮想平面の法線方向とを略直交する姿勢におけるドローン701を示す正面図および側面図である。
【0609】
図55および
図57に示すように、ドローン701は、複数のプロペラ709aと、複数の第1モータ711と、本体712と、一対の翼713と、接続体730と、可動部740と、制御部330とを備える。
【0610】
複数のプロペラ709aは、複数の第1モータ711と一対一で対応し、それぞれの第1モータ711の回転駆動によって、第1モータ711の回転軸心周りで回転することで、ドローン701本体712に推力を与える。プロペラ709aは、回転翼の一例である。複数のプロペラ709aは、本体712に固定される。本実施の形態では、本体712が平面視で矩形状であるため、本体712の各角部にそれぞれ配置される。
【0611】
複数の第1モータ711は、複数のプロペラ709aをそれぞれ回転させる電動モータである。それぞれの第1モータ711は、制御部330の処理部734によって駆動制御される。
【0612】
本体712は、複数の第1モータ711、複数のプロペラ709a、一対の翼713、接続体730等を支持するドローン701の機体本体である。本体712には、制御部330、通信部320、駆動部310等が格納される。
【0613】
一対の翼713は、本体712の外周部分に設けられる。一対の翼713は、上述した一対のヨー翼または一対のピッチ翼として機能する。なお、本体712の外周部分には、上述した一対のヨー翼および一対のピッチ翼が設けられてもよい。
【0614】
接続体730は、本体712を吊下げた状態で、地面から離れた位置にあるレール400に接続することが可能である。接続体730は、本体712に対して離れる方向(鉛直上方向)に延びる長尺状の支持接続部材である。
【0615】
接続体730は、第1端730aと、第2端730bとを有する。
【0616】
第1端730aは、接続体730の本体712側の端部であり、本体712に対して揺動可能に軸支されて、本体712に接続される。第2端730bは、第1端730aと反対側の端部であり、レール400にスライド自在に接続する。
【0617】
接続体730は、第1アーム731と、支持部732と、ベース733と、角度駆動部743と、第1アクチュエータ741とを有する。
【0618】
第1アーム731は、支持部732の一端に接続される。本実施の形態の第1アーム731は、ベース733を介して支持部732と接続される。第1アーム731は、ドローン701をレール400に吊下げるためのハンガである。
【0619】
第1アーム731は、第1フック731aを有する。
【0620】
第1フック731aは、第1アクチュエータ741に接続される第1接続端731a1から他端側の第1開放端731b1まで延び、第1接続端731a1から第1開放端731b1に至るまでに第1方向に折れ曲がる第1屈曲部731cを有する。第1フック731aは、ドローン701の進行方向から見てリング状の外殻部分の一部が欠損した略C形状、略F形状、略J形状または略U形状等をなしている。第1フック731aには、その外殻部分が切り欠かれることで、レール400の侵入を許容する開口部731dが設けられる。開口部731dは、第1開放端731b1と第1接続端731a1との間である。第1フック731aが、接続体730の第2端730bに相当する。なお、第1フック731aには、上述したように、レール400に回転自在に接触するための車輪が設けられていてもよい。
【0621】
支持部732は、一端側が本体712に対して揺動自在に接続され、かつ、他端側がベース733を介して第1アーム731に接続されることで、第1アーム731を本体712に支持する。本実施の形態では、支持部732は、本体712に対して直立した姿勢に対して±90°揺動する。支持部732は、本体712に対して離れる方向に延びる長尺状の支柱である。支持部732が本体712と接続される部分が、第1端730aに相当する。
【0622】
ベース733は、支持部732と第1アーム731とを接続する部分であり、支持部732と第1アーム731との間に配置され、第1アーム731を支持する支持体である。ベース733は、第1アーム731の第1接続端731a1と支持部732の他端とに接続される。ベース733には、角度駆動部743が設けられる。
【0623】
角度駆動部743は、支持部732の延びる方向(または本体712)に対するベース733の角度を変更することで、支持部732に対してベース733を揺動させることができる。角度駆動部743は、第3アクチュエータの一例である。
【0624】
第1アクチュエータ741は、支持部732に対する第1フック731aの角度を設定する。第1アクチュエータ741は、支持部732と第1フック731aとの間に配置され、第1フック731aの第1接続端731a1を揺動可能に軸支する。本実施の形態では、第1アクチュエータ741は、ベース733に配置される。
【0625】
なお、接続体730は、上述した実施の形態1~6およびその変形例のアームであってもよく、本実施の形態のドローン701に適用することは言うまでもない。例えば、第1アーム731は、開口部731dを開閉する開閉部を有していてもよい。これにより、レール400を第1アーム731に接続した後に、第1アーム731がレール400から離間しないように開口部731dを閉鎖してもよい。
【0626】
可動部740は、接続体730がレール400に支持されたときの支持方向に対する、複数のプロペラ709aを含む仮想平面の傾きを設定する。可動部740は、処理部734の指示を受けて能動的に傾きを変更可能なアクチュエータであってもよい。あるいは、可動部740は、複数の第1モータ711のそれぞれの回転数の差異によって本体712が受ける回転力を利用して受動的に傾きを変更可能な回転自在の部材であってもよい。可動部740は、本体712と接続体730との間に配置されるが、本体712に収容されてもよい。支持方向は、接続体730の第1端730aから第2端730bに向かう方向であり、支持部732の延びる方向でもある。
【0627】
可動部740は、本体712に軸支されている支持部732の一端を軸心周りで揺動させることで、本体712に対する支持部732の姿勢を制御することができる。ここで、仮想平面は、本体712が水平な姿勢となるとき水平方向と略平行となり、本体712が直立の姿勢となるとき鉛直方向と略平行となる平面である。
【0628】
制御部330は、カメラセンサ334、処理部734等の他に、さらに、風速センサ735を備える。
【0629】
風速センサ735は、ドローン701の周囲の風速を検知するセンサであり、主に、ホバリング状態時におけるドローン701の周囲の風速を検知する。より具体的には、処理部734によってワイヤ制御モジュール311が制御されて、荷物を吊下げるための吊下げワイヤ792の繰り出しを行う際に、風速センサ735は、ドローン701の周囲の風速を検出する。風速センサ735は、ドローン701の周囲の風速を示す情報である風速情報を処理部734に出力する。ワイヤ制御モジュール311は、リフトモータの一例である。
【0630】
制御部330は、カメラセンサ334を有する。カメラセンサ334は、本体712に設けられ、荷物および宅配ボックスを上空から撮像することが可能である。カメラセンサ334は、荷物および宅配ボックスを撮像し、撮像した画像である画像情報を処理部734に出力する。例えば、画像情報には、荷物と宅配ボックスとの相対位置(距離)、本体712から荷物までの距離、本体712から宅配ボックスまでの距離、地面から宅配ボックスの開口までの高さ等を示す情報が含まれる。カメラセンサ334は、例えば、TOF(Time-of-Flight)カメラ、測距センサ等であってもよい。宅配ボックスは、格納装置の一例である。
【0631】
制御部330は、処理部734を有する。処理部734は、複数の第1モータ711、可動部740および第1アクチュエータ741等を制御する制御装置であり、制御部330に設けられる。なお、処理部734は、制御部330と別の装置であってもよく、本実施の形態には限定されない。処理部734は、制御回路の一例である。
【0632】
処理部734は、レール400に接続体730を接続する場合、カメラセンサ334等から取得した画像情報に示されるレール400を認識することで、接続体730をレール400に接続する。
【0633】
処理部734は、レール400から接続体730を外す場合、第1アクチュエータ741を駆動させることで、仮想平面の法線方向に対する接続体730を傾ける。処理部734は、法線方向に対して接続体730の延びる方向の角度を大きくするように、第1アクチュエータ741を制御することで、接続体730がレール400から外れる。処理部734は、角度駆動部743を制御することで、支持部732の延びる方向に対するベース733の角度を変更することで、第1フック731aを高くし、第1フック731aを揺動させて第1フック731aをレール400から外すこともできる。なお、処理部734は、第1アクチュエータ741および可動部740等を制御することで、レール400から接続体730を外してもよい。処理部734は、ドローン701をスイングさせたり、飛行高度を変更したりすることで、レール400から接続体730を外してもよい。
【0634】
処理部734は、接続体730の第1フック731aがレール400に接続されている場合において、(i)複数の第1モータ711の回転数を、ドローン701を浮遊させるための最小の回転数よりも小さく、かつ、ドローン701をレール400の延びる方向に推進するための最小の回転数よりも大きい、回転数にし、(ii)可動部740によって、接続体730の支持方向に対して仮想平面の法線方向がなす角度θを大きくする。
【0635】
(i)において、処理部734は、レール400に沿ってドローン701が移動できるように、適切な速度を保ちながら、それぞれの第1モータ711の回転数を制御する。例えば、処理部734は、接続体730とレール400とが接触しない状態を保ちながらドローン701の移動を制御する。処理部734は、この角度θを調節することで、ドローン701の速度を調節したり、レール400と第1フック731aとの距離を調節したりする。(ii)において、処理部734が角度θを大きくすることで、ドローン701は直立の姿勢に近づくため、ドローン701の推力が増すため、ドローン701の速度が速くなる。
【0636】
例えば、(ii)において、処理部734は、角度θを15°、45°、65°または80°よりも大きくするように、複数の第1モータ711の回転数を制御する。
【0637】
(i)の動作は、(ii)の動作よりも前に実行されてもよく、後に実行されてもよく、あるいは、両者の動作の少なくとも一部が並行して実行されてもよい。
【0638】
処理部734は、第1アクチュエータ741によって角度θを大きくした後、推進力によるドローン701の速度が所定値を超えた場合に、接続体730をレール400から外す。言い換えれば、処理部734は、ドローン701の速度を所定値よりも大きくする場合に接続体730をレール400から外し、複数の第1モータ711の回転数を増加させて、ドローン701の速度を上昇させる。処理部734は、速度センサ335から速度情報を取得することで、速度が所定値を超えているかどうかを判定する。
【0639】
処理部734は、接続体730がレール400から外れている場合に、可動部740によって角度θを小さくし、ドローン701を浮遊させるための最小の回転数よりも大きくするように、複数の第1モータ711の回転数を制御する。例えば、処理部734は、複数の第1モータ711の回転数を増加させて、速度を上昇させたり、飛行高度を上昇させたりする。
【0640】
処理部734は、吊下げワイヤ792を繰り出す間、宅配ボックスに対する荷物の相対位置に応じて、ドローン701の位置を調整(補正)する。具体的には、処理部734は、風速センサ735から風速情報および画像情報を取得すると、画像情報に示される宅配ボックスと荷物との相対位置(距離)、および、宅配ボックスの開口と荷物の向きなどを認識する。例えば、処理部734は、荷物の位置が宅配ボックスの鉛直上方の位置から第3方向に変位している場合に、レール400の延びる方向に沿って、ドローン701を第3方向とは反対の第4方向に移動させる。このように、処理部734は、ドローン701の位置を補正する。
【0641】
[動作]
次に、本実施の形態におけるドローン701および配送システム3aの動作について説明する。この動作では、ドローン701が目的地点に到着した場合の吊下げワイヤ792の繰り出しから、積荷である荷物の切り離しまで説明する。
【0642】
図58は、実施の形態7における配送システム3aの動作を例示したフローチャートである。
【0643】
図55~
図58に示すように、まず、ドローン701は、接続体730がレール400に接続されている状態で、配送先である宅配ボックスの鉛直上方に到着する(位置取らせる)と、処理部734は、ワイヤ制御モジュール311を制御して吊下げワイヤ792の繰り出しを開始する(S8101)。荷物が降下する。この際、処理部734は、カメラセンサ334から画像情報を取得し、荷物と宅配ボックスとの距離を算出する。
【0644】
次に、処理部734は、荷物と宅配ボックスとの距離が第1規定距離に到達したかどうかを判定する(S8102)。例えば、第1規定距離は、本体712から宅配ボックスまでの距離の1/2、1/3等の距離である。第1規定距離は、処理部734が宅配ボックスと荷物との相対的な位置の誤差を算出できる程度の距離であってもよいため、本体712から宅配ボックスまでの距離の1/2、1/3等の距離に限定されない。なお、処理部734は、ワイヤ制御モジュール311を制御して吊下げワイヤ792の繰り出し速度が速い速度である第1速度で荷物を降下させてもよい。処理部734は、吊下げワイヤ792の繰り出しを開始してから、荷物が第1規定距離に到達するまでの間、第1速度で荷物を降下させてもよい。
【0645】
荷物と宅配ボックスとの距離が第1規定距離に到達したかどうかの判定は、カメラセンサ334から取得した画像情報、または、吊下げワイヤ792の繰り出し長さなどから第1規定距離を算出することができる。
【0646】
処理部734は、荷物と宅配ボックスとの距離が第1規定距離に到達していないと判定した場合(S8102でNO)、ステップS8101に処理を戻す。
【0647】
処理部734は、荷物と宅配ボックスとの距離が第1規定距離に到達したと判定した場合(S8102でYES)、カメラセンサ334から取得した画像情報に基づいて、荷物および宅配ボックスを測位し、宅配ボックスから荷物の相対的な位置の誤差(位置ズレ)を算出する。ここでは、処理部734は、荷物と宅配ボックスとを俯瞰した場合における、宅配ボックスの開口と荷物との誤差を算出する。ここで、誤差とは、宅配ボックスの開口の縦方向および横方向を基準としたXY平面に対する荷物のX軸、Y軸およびロール角のズレを意味する。
【0648】
ステップS8102でYESの場合、処理部734は、ワイヤ制御モジュール311を制御して吊下げワイヤ792の繰り出し速度が遅い速度である第2速度で荷物を降下させてもよい。処理部734は、吊下げワイヤ792の繰り出しを開始してから第1速度で降下させ、荷物が第1規定距離に到達した後に、第2速度で荷物を降下させてもよい。第2速度は、第1速度よりも遅い速度である。
【0649】
次に、処理部734は、誤差が規定値以上であるかどうかを判定する。誤差が大きい場合は、荷物が宅配ボックスとの位置ズレにより離間し、このままでは、荷物が宅配ボックスに格納できなくなる恐れがある。規定値は、荷物を宅配ボックスの開口から挿入できるかどうかの指標である。
【0650】
処理部734は、誤差が規定値以上であると判定した場合(S8104でYES)、ワイヤ制御モジュール311を制御して吊下げワイヤ792の繰り出しを停止する(S8105)。
【0651】
処理部734は、荷物と宅配ボックスの開口とが重なる、つまり、荷物が宅配ボックスの開口に納まるように、荷物の位置を補正(誤差を修正)する。具体的には、処理部734は、画像情報に基づいて複数の第1モータ711を制御することで、宅配ボックスの開口に対する荷物の位置を補正するように、ドローン701を移動させる(S8106)。そして、処理部734は、ステップS8103に処理を戻す。このように、宅配ボックスの開口に対する荷物位置の補正を繰り返す。
【0652】
ここで、宅配ボックスの開口に対する荷物の位置を補正する場合を例示する。
【0653】
図59は、風によって荷物が第3方向に流される場合に、宅配ボックス470の開口471と荷物との位置を補正する様子を例示した模式図である。
図59のaは、宅配ボックス470の鉛直上方にドローン701が移動し、吊下げワイヤ792を繰り出して荷物を降下させている様子を例示している。
図59のaでは、矢印の方向(第3方向の一例)に風が吹いており、宅配ボックス470の鉛直上方の位置から風下に向かって変位している。このため、
図59のbでは、ドローン701が風上(第4方向の一例)に向かって移動した様子を例示している。
【0654】
図60は、風によって荷物が矢印の方向(第3方向の一例)に流される場合に、宅配ボックス470の開口471と荷物との位置を補正する別の様子を例示した模式図である。
図60のaは、風が吹いていない状態である。この場合では、そのまま荷物を宅配ボックス470に格納させることができる。
図60のbおよびdは、矢印の方向に風が吹いており、荷物が宅配ボックス470の開口471の鉛直上方から風下(第5方向の一例)に変位している(ズレている)様子を示す。
図60のcおよびeでは、処理部734が複数の第1モータ711および可動部740を制御して本体712の姿勢を傾ける、つまり本体712を矢印の方向にスイングさせることで、吊下げワイヤ792に連結されている荷物を風上((第6方向の一例))に移動させる。具体的には、処理部734が複数の第1モータ711および可動部740を制御して、荷物を風上に向けて変位させるように、本体712の姿勢を風上に向けて傾斜させる。処理部734は、荷物の位置が宅配ボックス470の鉛直上方の位置から第5方向に変位している場合に、レール400を支点としてドローン701をスイングさせて、ドローン701の重心を第5方向とは反対の第6方向に移動させる。
【0655】
これらのように、処理部734は、画像情報に基づいて複数の第1モータ711および可動部740を制御して、ドローン701を移動させたりスイングさせたりすることで、宅配ボックス470の開口471と荷物との位置を補正する。
【0656】
なお、吊下げワイヤ792の繰り出しを継続させながら、宅配ボックス470の開口471と荷物との位置を補正してもよい。この場合、ステップS8105を省略してもよい。宅配ボックス470の開口471と荷物との位置を補正する際に、処理部734は、ワイヤ制御モジュール311を制御して吊下げワイヤ792の繰り出し速度を第2速度よりも遅い第3速度にしてもよい。
【0657】
処理部734は、誤差が規定値未満であると判定した場合(S8104でNO)、吊下げワイヤ792の繰り出しを継続させる(S8111)。
【0658】
次に、処理部734は、荷物と宅配ボックス470との距離が第1規定距離よりも短い距離である第2規定距離に到達したかどうかを判定する(S8112)。例えば、第2規定距離は、本体712から宅配ボックス470までの距離の1/5、1/10、または1/10以下等の距離である。なお、処理部734は、ワイヤ制御モジュール311を制御して吊下げワイヤ792の繰り出し速度を第2速度または第3速度で荷物を降下させてもよい。処理部734は、吊下げワイヤ792の繰り出しを開始してから、荷物が第1規定距離から第2規定距離に至る間、第2速度または第3速度で荷物を降下させてもよい。
【0659】
荷物と宅配ボックス470との距離が第2規定距離に到達したかどうかの判定は、カメラセンサ334から取得した画像情報、または、吊下げワイヤ792の繰り出し長さなどがから第2規定距離を算出することができる。
【0660】
処理部734は、荷物と宅配ボックス470との距離が第2規定距離に到達していないと判定した場合(S8112でNO)、ステップS8111に処理を戻す。
【0661】
次に、処理部734は、荷物と宅配ボックス470との距離が第2規定距離に到達したと判定した場合(S8112でYES)、ワイヤ制御モジュール311を制御して吊下げワイヤ792の繰り出しを停止し、カメラセンサ334から取得した画像情報に基づいて、荷物と宅配ボックス470とを測位し、宅配ボックス470から荷物の相対的な位置の誤差を算出する。ここでは、処理部734は、荷物と宅配ボックス470とを俯瞰した場合における、宅配ボックス470の開口471と荷物との誤差(位置ズレ)を算出する。
【0662】
処理部734は、荷物が宅配ボックス470の開口471に納まるように、複数の第1モータ711を制御することで、宅配ボックス470の開口471と荷物との位置を補正するように、ドローン701を移動させる。なお、ステップS8104のように、処理部734は、誤差が規定値以上であるかどうかを判定してもよい。
【0663】
次に、処理部734は、ワイヤ制御モジュール311を制御して吊下げワイヤ792の繰り出しを開始する(S8114)。
【0664】
次に、処理部734は、カメラセンサ334から取得した画像情報に基づいて、荷物が宅配ボックス470の開口471を通過し、宅配ボックス470に格納されたかどうかを判定する(S8115)。例えば、処理部734は、カメラセンサ334から取得した画像情報から宅配ボックス470の開口471と荷物との重なりを算出し、張力センサ333によって吊下げワイヤ792の張力の弛緩を検出することで、張力センサ333から取得した張力情報に基づいて、荷物が宅配ボックス470の底部に配置されたと判定する。
【0665】
処理部734は、荷物が宅配ボックス470に格納されたと判定した場合(S8115でYES)、吊下げワイヤ792先端の図示しない荷物取付部を制御して荷物取付部が荷物を外す(切離す)。これにより、荷物は宅配ボックス470に格納される(S8116)。荷物取付部は、荷物を連結保持するまたは掴むことが可能である。処理部734は、ワイヤ制御モジュール311を制御して吊下げワイヤ792の巻き取りを行い、巻き取りが完了すると、配送元へと戻る。そして、処理部734は、処理を終了する。
【0666】
一方、処理部734は、荷物が宅配ボックス470に格納されていないと判定した場合(S8115でNO)、カメラセンサ334から取得した画像情報から宅配ボックス470の開口471と荷物との重なりを算出できず、かつ、張力センサ333から取得した張力情報に基づいて、吊下げワイヤ792の張力の弛緩を検出できない。このため、処理部734は、規定量だけ、吊下げワイヤ792の巻き取りをワイヤ制御モジュール311に行わせることで、荷物を宅配ボックス470の開口471から遠ざける(S8117)。ここで、規定量は、例えば、数センチメートル以下、数十センチメートル以下である。そして、処理部734は、ステップS8111に戻る。
【0667】
[配送システム3aの構成]
次に、本実施の形態におけるドローン701および配送システム3aを用いて、荷物を配送する様子を例示する。
【0668】
図61は、実施の形態7における配送システム3aのドローン701が配送元から配送先の中継地点に荷物を配送する様子を例示したイメージ図である。
【0669】
図56および
図61に示すように、配送先が中継地点である場合、中継地点に荷物が届けられると、その中継地点が配送元となって、輸送手段によって次の配送先に配送する。中継地点は、各住宅等の配送先に向けて個別に配送するための配送元でもあり、中継地点を中心として所定距離内に存在する各配送先の荷物が集められる配送先でもある。中継地点では、集められた荷物を振り分け、例えばドローン701等の配送手段を用いて、各配送先に向けて荷物が配送される。この場合、中継地点にも
図55の管理部100が設けられていてもよく、ドローン701がこの管理部100からルート情報を取得してもよく、ドローン701が配送センターの管理部100からルート情報を取得してもよい。ここで、輸送手段は、上述したドローン701だけでなく、宅配ロボット、車両、人等であってもよい。
【0670】
なお、中継地点では、配送先に送る荷物の重さによってドローン701で配送するか、宅配ロボット等で配送するかを振り分けてもよい。荷物の重さが所定値未満であればドローン701で配送し、荷物の重さが所定値以上であれば宅配ロボットで配送してもよい。例えば、荷物の重量が5Kg未満ではドローン701で配送し、荷物の重量が5Kg以上では、宅配ロボットで配送してもよい。
【0671】
配送システム3aは、複数のドローン701を同時に管理して、複数個所の配送先に荷物を配送することができる。なお、1台のドローン701は、1箇所の配送先に荷物を送り届ければ、配送元に戻るが、2箇所以上の配送先に荷物を送り届けてもよい。
【0672】
図62Aは、実施の形態7における配送システム3aのドローン701が移動する際の、地面からの高さを例示した模式図である。
【0673】
図56および
図62Aに示すように、配送システム3aは、さらに、レール支持部793、後述する
図63の防護ネット794と、引き込み支柱791bと、引き込みワイヤ795と、
図59の宅配ボックス470とを備える。
【0674】
複数の支柱791aのそれぞれは、電柱または街路灯である。それぞれの支柱791aは、地面に設置される。それぞれの支柱791aには、配送システム3aに用いられるレール400が固定される。例えば、複数の支柱791aのそれぞれには、レール支持部793が固定されている。具体的には、レール支持部793は、配送システム3aのレール400を支持する支持部材であり、支柱791aの延びる方向から突出するように固定され、支柱791aから離間した状態でレール400を保持できる。
【0675】
配送システム3aのレール400は、例えば、複数の支柱791a、施設等に張り渡されて固定される。レール400は、ドローン701の接続体が接続された状態でレール400に沿ってドローン701が移動するように、ドローン701の移動を案内する。レール400は、ドローン701が接続体を介してレール400に吊下がってもドローン701およびドローン701に積載されている荷物を支持できる。例えば、レール400は、細長い棒状の部材、ワイヤ等である。
【0676】
図62Aに示すように、レール400は、複数の支柱791aのそれぞれの間において、地面から離れた位置に設置される。例えば、レール400は、ドローン701が地表から約10メートル以上約13メートル以下の高さであるドローンハイウェイを移動できるように、約10メートル以上約13メートル以下の高さに張られる。このため、レール400は、地表から約12メートル以上約13メートル以下の高さに張られていてもよい。
【0677】
これは、支柱791aが電柱の場合、電柱は、避雷針、送電線等が設けられる。通常、避雷針は、電柱の先端に取り付けられ、その下方に高圧用の送電線が配置され、高圧用の送電線のさらに下方であり、かつ、約13メートル以上の高さに低圧用の送電線が配置されることがある。そして、一般的な住宅などの高さが約10メートルとすると、約10メートル以上約13メートル以下の高さにスペースがあると考えられる。ドローン701が住宅の高さよりも高い位置を飛行することで、住宅および送電線に接触し難く、配送先のユーザのプライバシーおよび住宅などの施設の人のプライバシーを保護する。
【0678】
なお、これらの高さの数値は一例であり、周辺環境によって変化するため、これらの高さの数値に限定されない。このため、ドローンハイウェイは、約10メートルよりも下方に設置されることもあり得る。
【0679】
図62Bは、実施の形態7における配送システム3aのドローンハイウェイの位置を例示した模式図である。
図62Bのaは、ドローン701の移動方向から見た場合であり、
図62Bのbは、ドローン701の移動方向と直交する方向から見た場合である。
【0680】
図62Bのaおよびbに示すように、例えば、地面からの高さが17mの電柱などの支柱791aの場合、レール400は、約15メートル以上約16メートル以下となる位置に配置する。ドローン701は、荷物を合わせて約13メートル以上約16メートル以下の範囲に位置する。
【0681】
ドローンハイウェイは、横幅が約2メートルである。このため、レール400の向かい側にも別のレール400を設置する場合、横幅も考慮してレール400が設置される。
【0682】
支柱791aには、地面から約13メートルの地点に防護ネット794が設けられる。防護ネット794は、レール支持部793の鉛直下方に張られ、支柱791aに支持される。具体的には、防護ネット794は、支柱791aの長手方向と直交する平面と略平行となる姿勢で、支柱791aに支持される。防護ネット794は、支柱791aから張り出すように、ドローンハイウェイの鉛直下方に配置される。
図62Bでは、防護ネット794の大きさは、支柱791aから約2.5メートル張り出ており、かつ、ドローン701が移動する移動方向(レール400の延びる方向)に約6メートル以上の長さである。防護ネット794とドローン701とを平面視した場合に、防護ネット794の大きさは、ドローン701よりも大きい。防護ネット794は、例えばクッション性のある網状または布状の構造体であり、レール400から接続体730が外れても、ドローン701が地面に衝突することを抑制する。
【0683】
図63は、実施の形態7における配送システム3aのドローン701が引き込み支柱791bおよび引き込みワイヤ795を介して、宅配ボックス470に荷物を格納する様子を例示した模式図である。
図64は、実施の形態7における配送システム3aのドローン701が引き込み支柱791bおよび引き込みワイヤ795を介して、宅配ボックス470に荷物を格納する様子を例示した斜視図である。
【0684】
図63および
図64に示すように、引き込み支柱791bは、所定敷地内に配置され、例えば地面または施設に設置される。
図63および
図64では、引き込み支柱791bが地面に設置されている場合を例示している。引き込み支柱791bは、支柱791aよりも高さが低く、引き込みワイヤ795の一端を固定している。引き込み支柱791bの先端は、レール400および送電線よりも下方に設けられる。
【0685】
引き込みワイヤ795は、レール400に張り渡される。具体的には、引き込みワイヤ795の一端は引き込み支柱791bに接続されて固定され、引き込みワイヤ795の他端は、レール400に張り渡されて接続される。引き込みワイヤ795の他端とレール400との接続点(分岐点)では、ドローン701の接続体がフックを有するため、レール400から引き込みワイヤ795に直接接続できる。この接続点は、複数の支柱791aのうちの隣り合う第1支柱と第2支柱との間に設けられるが、第1支柱または第2支柱に設けられてもよい。
【0686】
接続点の鉛直下方には、防護ネット794が配置され支柱791aに支持される。接続点から接続体が外れても、防護ネット794によって、ドローン701が地面に衝突することが抑制される。
【0687】
接続点ではレール400と接続している接続体が引き込みワイヤ795に切換わることで、引き込みワイヤ795が、接続体と接続して、接続体を引き込み支柱791bまで案内する。これにより、ドローン701は、引き込み支柱791bに到着する。この場合、引き込み支柱791bが実質的な配送先となる。
【0688】
なお、本実施の形態では、配送システム3aは、防護ネット794、引き込み支柱791bおよび引き込みワイヤ795を備えているが、引き込み支柱791bおよび引き込みワイヤ795を備えていなくてもよい。ドローン701は配送先に到着した際に、そのまま荷物を降ろしてもよく、引き込み支柱791bおよび引き込みワイヤ795は、配送システム3aの必須の構成要件ではない。
【0689】
宅配ボックス470は、住宅等の配送先に設置される。
図63および
図64では、引き込み支柱791bの根元部分に設置されるが、ドローン701が荷物を格納できればよいため、設置位置は特に限定されない。宅配ボックス470は、ドローン701が運んできた荷物を格納するための目的地点となる。
【0690】
図63および
図64に示すように、引き込み支柱791bは、所定敷地内に配置され、例えば地面に設置される。引き込み支柱791bは、支柱791aよりも高さが低く、引き込みワイヤ795の一端を固定している。
【0691】
引き込みワイヤ795は、レール400に張り渡される。具体的には、引き込みワイヤ795の一端は引き込みワイヤ795に接続されて固定され、引き込みワイヤ795の他端は、レール400に張り渡されて接続される。引き込みワイヤ795の他端とレール400との接続点では、ドローン701の接続体がフックを有するため、レール400から引き込みワイヤ795に直接接続できる。この接続点は、複数の支柱791aのうちの隣り合う第1支柱と第2支柱との間に設けられるが、第1支柱または第2支柱に設けられてもよい。より具体的には、設置面から、引き込みワイヤ795と引き込み支柱791bとが接続される第1接続点P1までの高さは、設置面から、引き込みワイヤ795と支柱791aまたはレール400とが接続される第2接続点P2までの高さよりも低い。設置面は、本実施の形態では、地面である。なお、建物に支柱791aまたは引き込み支柱791bが接地される場合、接続される建物の部分が設置面となる。
【0692】
図65は、実施の形態7における配送システム3aのドローン701の本体712が鉛直方向と略平行な姿勢となって、支柱791aおよびレール400を介して、宅配ボックス470に荷物を格納する様子を例示した側面図である。
【0693】
宅配ボックス470の開口471が小さい場合、ドローン701が支柱791a(引き込み支柱でもよい)と接触し、荷物を宅配ボックス470に格納できなくなる場合がある。このため、
図55および
図65に示すように、ドローン701の処理部734は、アクチュエータを制御して、本体712の姿勢を鉛直方向と略平行な姿勢にすることで、本体712を直立させる。処理部734は、接続体の支持方向(鉛直方向)に対して、
図57のような複数のプロペラ709aを含む仮想平面の法線方向がなす角度θを大きくするように、アクチュエータを制御することで、本体712を直立させる。
【0694】
宅配ボックス470の開口471が小さいかどうかは、ドローン701に搭載されるカメラセンサ334等から取得した画像情報等によって判定する。
【0695】
例えば、
図55、
図65のaおよびbで示すように、ドローン701は、レール400に沿って移動する。ドローン701の処理部734は、宅配ボックス470の開口471をカメラセンサ334等によって撮像し、撮像した画像情報から本体712の仮想平面が水平方向と略平行な姿勢で、宅配ボックス470に荷物を格納できるかどうかを判定する。判定した結果、本体712の仮想平面が水平方向と略平行な姿勢で、宅配ボックス470に荷物を格納できないと判定すると、処理部734は、可動部740を制御して、本体712の姿勢を鉛直方向と略平行な姿勢にする。
図65のcで示すように、ドローン701は、宅配ボックス470の鉛直上方に到着する。
図65のdで示すように、処理部734は、ワイヤ制御モジュール311を制御することで、吊下げワイヤ792を繰り出して荷物を下降させ、宅配ボックス470に荷物を格納する。このような配送システム3aでは、確実に荷物を宅配ボックス470に格納する。
【0696】
図66は、実施の形態7における配送システム3aにおいて、レール400がない場所を飛行する場合を例示した模式図である。河川などのように幅の長さによってはレール400を設置できない場合があるため、
図66では、ドローン701が河川を横断する場合等を例示している。
【0697】
図55、
図66のa~cに示すように、可動部740は、本体712の仮想平面と略水平な姿勢から直立の姿勢となるように本体712を傾ける。ドローン701は、河川を横断するために加速する。
【0698】
図55、
図66のcおよびdに示すように、接続体730がレール400から離間する。
【0699】
図55、
図66のdおよびeに示すように、ドローン701は、加速による推進力と、一対の翼713によって、河川を横断する。処理部734が画像情報等によってレール400の位置を算出し、ドローン701がレール400に近づくと、可動部740を制御することによって、直立の姿勢から本体712の仮想平面と略水平な姿勢となるように本体712を傾ける。これにより、ドローン701は減速する。
【0700】
図55、
図66のeおよびfに示すように、処理部734が画像情報等によってレール400の位置を算出し、ドローン701の接続体730が対岸に設置されているレール400に接続する。
【0701】
図55、
図66のf、gおよびhに示すように、ドローン701が減速して接続体730をレール400に接続した後に、処理部734が可動部740を制御することによって、本体712の仮想平面と略水平な姿勢から直立の姿勢となるように本体712を傾ける。これにより、ドローン701はレール400を安全に走行できる速さに加速する。このように、ドローン701は、河川など、レール400を設置できない場所でも横断する。
【0702】
[作用効果]
次に、本実施の形態におけるドローン701および配送システム3aの作用効果について説明する。
【0703】
ドローン701は、荷物を配送する無人航空機であって、複数の回転翼と、複数の回転翼をそれぞれ回転させる複数の第1モータ711と、複数の第1モータ711を支持する本体712と、本体712を吊下げた状態で、地面から離れた位置にあるレール400に接続するための接続体730と、接続体730がレール400に支持されたときの支持方向に対する、複数の回転翼を含む仮想平面の傾きを設定する可動部740と、複数の第1モータ711および可動部740を制御する処理部734と、を備え、接続体730は、本体712に接続された第1端730aと、レール400にスライド自在に接続するための第2端730bとを有し、支持方向は、接続体730の第1端730aから第2端730bに向かう方向であり、処理部734は、接続体730の第2端730bがレール400に接続されている場合に、(i)複数の第1モータ711の回転数を、ドローン701を浮遊させるための最小の回転数よりも小さく、かつ、ドローン701をレール400の延びる方向に推進するための最小の回転数よりも大きい、回転数にし、(ii)可動部740によって、接続体730の支持方向に対して仮想平面の法線方向がなす角度θを大きくする。
【0704】
これによれば、ドローン701は、接続体730がレール400に接続した状態で、ドローン701がレール400に沿って移動することができる。(i)の場合では、処理部734が、複数の第1モータ711の回転数を制御することで、ドローン701を浮遊させるための最小の回転数よりも小さく、かつ、ドローン701を推進するための最小の回転数よりも大きくするため、ドローン701は、レール400に沿って適切な速度で移動することができる。(ii)の場合では、処理部734が可動部740を制御することで、接続体730の支持方向に対する複数の回転翼を含む仮想平面の傾きを変更することで、ドローン701の速度を調節することができる。
【0705】
配送システム3aは、ドローン701と、複数の支柱791aと、複数の支柱791aのうちの隣り合う2つの間に張り渡されたレール400と、を備える。
【0706】
可動部740は、本体712と接続体730との間に配置されている。
【0707】
これによれば、可動部740は、本体712に対して接続体730の角度θを容易に変更することができる。
【0708】
例えば、接続体730を本体712の重心部分およびその近傍に配置した場合に、可動部740も本体712の重心部分およびその近傍に配置されることとなる。このため、ドローン701の重心の釣り合いを取ることができる。
【0709】
ドローン701は、さらに、一対の翼713を備える。
【0710】
これによれば、例えば、一対の翼713がヨー翼であれば、ドローン701を水平方向に回転させたり、一対の翼713がピッチ翼であれば、ドローン701を鉛直方向に回転させたりすることができる。その結果、ドローン701の進行方向を自由に操舵することができるため、ドローン701は安定した移動を実現することができる。
【0711】
処理部734は、可動部740によって角度θを大きくした後、ドローン701の推進速度が所定値を超えた場合に、接続体730をレール400から外す。
【0712】
これによれば、接続体730とレール400との接触を抑制することができるため、ドローン701の安全性を高めることができる。
【0713】
処理部734は、接続体730がレール400から外れている場合に、可動部740によって角度θを小さくし、ドローン701を浮遊させるための最小の回転数よりも大きくするように、複数の第1モータ711の回転数を制御する。
【0714】
これによれば、接続体730がレール400から外れている場合に、角度θを小さくすることで、ドローン701が地面から所定高さの位置まで浮遊することができるようになる。このため、物体と接触したりすることが抑制されるため、ドローン701の安全性を高めることができる。
【0715】
処理部734は、(ii)において、角度θを15°よりも大きくするように、複数の第1モータ711の回転数を制御してもよい。
【0716】
処理部734は、(ii)において、角度θを45°よりも大きくするように、複数の第1モータ711の回転数を制御する。
【0717】
処理部734は、(ii)において、角度θを65°よりも大きくするように、複数の第1モータ711の回転数を制御する。
【0718】
処理部734は、(ii)において、角度θを80°よりも大きくするように、複数の第1モータ711の回転数を制御する。
【0719】
可動部740の角度を適切に設定することにより、ドローン701に働く推力と浮力の比率を調整することができる。角度θが大きくなるほど、複数の第1モータ711の回転による力が、ドローン701の略水平方向の推力に寄与する割合が高まる。これにより、複数の第1モータ711の回転数を落としても、ドローン701は十分な推力を得ることができる。
【0720】
接続体730は、本体712に揺動自在に接続された支持部732と、支持部732の一端に接続された第1アーム731とを有する。
【0721】
これによれば、支持部732の揺動とともに第1アーム731を揺動させることができる。このため、レール400に接続し易くなる。
【0722】
第1アーム731は、ドローン701をレール400に吊下げるためのハンガである。
【0723】
これによれば、ドローン701の停止時に、第1アーム731がレール400から吊下がることができる。このため、ドローン701がレール400に吊下がった状態で、荷物を配送先に載置することができる。
【0724】
ドローン701は、さらに、本体712に接続された、荷物を吊下げるための吊下げワイヤ792と、吊下げワイヤ792を巻き取り可能なリフトモータとを備え、処理部734は、接続体730がレール400に接続されている状態で、荷物を収容するための宅配ボックス470の鉛直上方にドローン701を位置取らせ、リフトモータを駆動して、吊下げワイヤ792を繰り出すことで、本体712に対して荷物を降下させて宅配ボックス470に格納させる。
【0725】
これによれば、ドローン701が目的地点に到着したときに、処理部734がリフトモータを制御して吊下げワイヤ792を繰り出すことで、荷物を降下させて宅配ボックス470に格納させることができる。このため、ドローン701は、配送先に荷物を配送することができる。
【0726】
処理部734は、吊下げワイヤ792を繰り出す間、宅配ボックス470に対する荷物の相対位置に応じて、本体712の位置および向きの少なくとも一方を調整する。
【0727】
これによれば、ドローン701が宅配ボックス470の直上に対して位置ズレが生じても、処理部734が本体712の位置および向きの少なくとも一方を調整することで、宅配ボックス470に対する本体712を位置合わせすることができる。このため、ドローン701は、確実に荷物を降下させて宅配ボックス470に格納させることができるため、確実に配送先に荷物を配送することができる。
【0728】
特に、このドローン701では、風などによってドローン701が宅配ボックス470の直上から移動してしまう場合があっても、宅配ボックス470に対する本体712を位置合わせすることができる。
【0729】
処理部734は、荷物の位置が宅配ボックス470の鉛直上方の位置から第3方向に変位している場合に、レール400の延びる方向に沿って、ドローン701を第3方向とは反対の第4方向に移動させる。
【0730】
これによれば、風などによって吊下げワイヤ792を介して荷物が第3方向に流されることで位置が変位(移動)しても、処理部734がドローン701を第3方向と反対方向の第4方向に変位させることができる。このため、ドローン701は、確実に荷物を降下させて宅配ボックス470に格納させることができるため、より確実に配送先に荷物を配送することができる。
【0731】
処理部734は、荷物の位置が宅配ボックス470の鉛直上方の位置から第5方向に変位している場合に、レール400を支点としてドローン701をスイングさせて、ドローン701の重心を第5方向とは反対の第6方向に移動させる。
【0732】
これによれば、風などによって吊下げワイヤ792を介して荷物が第5方向に変位しても、処理部734がドローン701の重心を移動させることで、荷物を第5方向と反対方向の第6方向に変位させることができる。このため、ドローン701は、確実に荷物を降下させて宅配ボックス470に格納させることができるため、より確実に配送先に荷物を配送することができる。
【0733】
配送システム3aは、複数の支柱791aのそれぞれは、電柱である。
【0734】
これによれば、既存の電柱を支柱791aとして用いることとができるため、レール400を張り渡すための新たな支柱791aを設置する必要もない。このため、このシステムでは、設置に際するコストの高騰化を抑制することができる。
【0735】
配送システム3aは、さらに、所定敷地内に配置された引き込み支柱791bと、レール400に張り渡された引き込みワイヤ795と、を備え、地面から、引き込みワイヤ795と引き込み支柱791bとが接続される第1接続点P1までの高さは、地面から、引き込みワイヤ795とレール400とが接続される第2接続点P2までの高さよりも低い。
【0736】
これによれば、レール400は第1接続点P1よりも高い位置に配置されるため、ドローン701は高い位置を移動することができる。ドローン701は、人に視認され難い位置を走行するため、配送先のユーザのプライバシーおよびレール400に面して設置されている住宅などの施設の人のプライバシーを保護することができる。
【0737】
電柱は、送電線を支持し、レール400は、送電線よりも下方であり、かつ、引き込み支柱791bの先端よりも高い位置に設けられる。
【0738】
これによれば、送電線の下方にレール400を配置するため、送電線と接触しない位置にレール400を配置し、かつ、ドローン701を走行させることができる。このため、荷物を配送するドローン701の安全性を確保することができる。
【0739】
接続体730は、さらに、第1アーム731に接続されており、レール400に回転自在に接触するための、実施の形態4の変形例1のような車輪を有していてもよい。
【0740】
これによれば、ドローン701がレール400に接続された際に、車輪がレール400に接触した状態で移動することができる。車輪はレール400との摩擦によって回転を始めるため、ドローン701は、回転翼の回転による進行方向への推進力だけでレール400の上を走行することができる。このため、ドローン701は、回転翼の回転力を、自身を持ち上げるための揚力に使用しなくてもよくなる。その結果、ドローン701の省エネルギー化を実現することができる。
【0741】
(実施の形態7の変形例1)
以下では、本変形例におけるドローン701および配送システムの基本的な構成は、実施の形態7等のドローンおよび配送システムと基本的な構成と同じであるため、本変形例におけるドローン701および配送システムの基本的な構成について適宜説明を省略する。
【0742】
図67は、実施の形態7の変形例1における配送システムの引き込み支柱791b、第1引き込みワイヤ795aおよび第2引き込みワイヤ795bが集合住宅施設に設置されている場合を例示した模式図である。
【0743】
図67では、引き込み支柱791bが施設(本変形例では集合住宅施設)における天井部の側壁に設置されている場合を例示している。
図67では、引き込みワイヤとして、第1引き込みワイヤ795aおよび第2引き込みワイヤ795bが用いられる。
【0744】
第1引き込みワイヤ795aは、天井部の側壁に設置されたそれぞれの引き込み支柱791bによって、各階における天井部の側壁に張り巡らされている。第2引き込みワイヤ795bは、一端が引き込み支柱791bまたは第1引き込みワイヤ795aと接続し、他端が施設の外壁に接続される。なお、外壁にも支柱791bが設けられていてもよい。第2引き込みワイヤ795bは、施設における一戸ごとに接続されていてもよく、接続されていなくてもよい。
【0745】
図68は、実施の形態7変形例1における集合住宅施設にドローン701が荷物を配送する様子を例示した模式図である。
【0746】
例えば、
図68のaおよびbに示すように、ドローン701は、接続体730が第1引き込みワイヤ795aに接続された状態で、第1引き込みワイヤ795aに沿って移動する。
図68のcに示すように、ドローン701は、配送先に接続される第2引き込みワイヤ795bと第1引き込みワイヤ795aまたは引き込み支柱791bとの接続点で、接続体730を第2引き込みワイヤ795bに切換える。
図68のdに示すように、ドローン701は、第2引き込みワイヤ795bに案内されて目的の配送先に到着し荷物を降ろす。
【0747】
なお、
図67では、第1引き込みワイヤ795aおよび第2引き込みワイヤ795bが集合住宅施設に張り巡らされているが、レール400が張り巡らされていてもよい。
【0748】
(実施の形態7の変形例2)
以下では、本変形例におけるドローン701および配送システムの基本的な構成は、実施の形態7等のドローンおよび配送システムと基本的な構成と同じであるため、本変形例におけるドローン701および配送システムの基本的な構成について適宜説明を省略する。
【0749】
図69は、実施の形態7の変形例2における配送システムの支柱791cが街路灯の場合を例示した模式図である。
【0750】
図69に示すように、宅配ボックス470は、歩道に配置され、施設ごとに配置されている。引き込み支柱791bおよび引き込みワイヤ795によって、荷物は、施設における各階に配送される。引き込み支柱791bおよび引き込みワイヤ795は、例えば、施設の2階以上の場合に設置してもよい。
【0751】
図70は、実施の形態7の変形例2における配送システムの支柱791cが街路灯の場合のドローンハイウェイの位置を例示した模式図である。
図70のaは、ドローン701の移動方向から見た場合であり、
図70のbは、ドローン701の移動方向と直交する方向から見た場合である。
【0752】
図70のaおよびbに示すように、本変形例では、街路灯の照明装置の鉛直上方に防護ネット794が設けられる。防護ネット794は、支柱791cの有する照明装置を支持するポールに支持されて固定される。
図70では、防護ネット794の大きさは、ポールから約3メートル張り出ており、かつ、ドローン701が移動する移動方向(レール400の延びる方向)に約4メートルの長さである。防護ネット794の大きさは照明装置の設置環境によって変化してもよい。
【0753】
このような、本変形例におけるドローン701および配送システムの作用効果について説明する。
【0754】
複数の支柱791cは、街路灯である。
【0755】
これによれば、既存の街路灯を支柱791cとして用いることとができるため、レール400を張り渡すための新たな支柱791cを設置する必要もない。このため、このシステムでは、設置に際するコストの高騰化を抑制することができる。
【0756】
(実施の形態7の変形例3)
以下では、本変形例におけるドローン701bおよび配送システムの基本的な構成は、実施の形態7等のドローンおよび配送システムと基本的な構成と同じであるため、本変形例におけるドローン701bおよび配送システムの基本的な構成について適宜説明を省略する。本変形例では接続体730cの構成が実施の形態7等と異なる点で相違する。
【0757】
本変形例のドローン701bの接続体730cは、第1アーム731と、支持部732と、第1アクチュエータ741とを有する。本変形例では、接続体730cは、実施の形態7のようなベース733および角度駆動部743を有さない。
【0758】
図71は、実施の形態7の変形例3における配送システムのドローン701bを例示した斜視図である。
【0759】
図71に示すように、本変形例の第1アーム731の第1フック731aは、ドローン701bの進行方向から見てリング状の外殻部分の一部が欠損した略C形状をなしている。第1フック731aの第1接続端731a1は、支持部732の他端と接続されている。
【0760】
図72は、実施の形態7の変形例3における配送システムのドローン701bの本体712の姿勢を変更する様子を例示した斜視図である。
【0761】
図72のa、bおよびcに示すように、
図55の処理部734は、可動部740、複数のプロペラ709aおよび一対の翼713を制御することで、接続体730cの支持部732の姿勢を保ったまま、本体712の姿勢を変更する。具体的には、支持部732の延びる方向に対する仮想平面の法線方向の角度を変更する。
【0762】
(実施の形態8)
以下では、本実施の形態におけるドローン701cおよび配送システム4の基本的な構成は、実施の形態7等の基本的な構成と同じであるため、本実施の形態におけるドローン701cおよび配送システム4の基本的な構成について適宜説明を省略する。本実施の形態では、さらに、第2アーム751が設けられている点で実施の形態7等と相違する。
【0763】
図73は、実施の形態8における配送システム4の構成を説明するブロック図である。
図74は、実施の形態8における配送システム4のドローン701cを例示した正面図である。具体的には、
図74は、実施の形態8における配送システム4のドローン70acを示す正面図である。
【0764】
図73および
図74に示すように、本実施の形態の接続体730dは、さらに、第2アーム751と、第2アクチュエータ752とを有する。
【0765】
第2アーム751は、支持部732の一端に接続される。具体的には、第2アーム751は、第1アーム731と対向するように、ベース733を介して支持部732と接続される。第1アーム731および第2アーム751は、互い違いとなるようにベース733に配置されている。第2アーム751は、ドローン701cをレール400に吊下げるためのハンガである。
【0766】
第2アーム751は、第2フック751aを有する。
【0767】
第2フック751aは、第2アクチュエータ752に接続される第2接続端751a2から他端側の第2開放端751b2まで延び、第2接続端751a2から第2開放端751b2に至るまでに、第1方向とは反対向きの第2方向に折れ曲がる第2屈曲部751cを有する。第2フック751aは、ドローン701cの進行方向から見てリング状の外殻部分の一部が欠損した略C形状、略F形状、略J形状または略U形状等をなしている。第2フック751aには、その外殻部分が切り欠かれることで、レール400の侵入を許容する開口部が設けられる。開口部は、第2開放端751b2と第2接続端751a2との間である。第2フック751aが、接続体730dの第2端の一例である。なお、第2フック751aには、上述したように、レール400に回転自在に接触するための車輪が設けられていてもよい。
【0768】
第2フック751aと第1フック731aとが対向し、かつ、第2フック751aおよび第1フック731aをドローン701cの進行方向から見て、第2フック751aの第2開放端751b2および第2接続端751a2と第1フック731aの第1開放端731b1および第1接続端731a1とは、レール400を介して対向する。
【0769】
ベース733は、支持部732と第1アーム731および第2アーム751とを接続する部分であり、支持部732と第1アーム731および第2アーム751との間に配置される。ベース733は、第1アーム731の第1接続端731a1および第2アーム751の第2接続端751a2と支持部732の他端側とに接続される。
【0770】
第2アクチュエータ752は、支持部732に対する第2フック751aの角度を設定する。第2アクチュエータ752は、支持部732と第2フック751aとの間に配置され、第2フック751aの第2接続端751a2を揺動可能に軸支する。本実施の形態では、第2アクチュエータ752は、ベース733に配置される。
【0771】
図75は、実施の形態8における配送システム4のドローン701cおよびレール400を上面から見た場合に、第1レール401から第2レール402に接続体730dの接続を切換える様子を例示した上面図である。
図75では、支柱791aに支持される第1レール401、第2レール402等を例示している。
【0772】
図74および
図75に示すように、本実施の形態の処理部734は、第1アクチュエータ741および第2アクチュエータ752を制御することで、第1レール401に接続されている接続体730dを第2レール402に切換えることができる。レール400の切換については、後述する。レール400は、第1レール401および第2レール402の総称であり、本実施の形態において、単にレール400と言う場合は、第1レール401および第2レール402を含む意味である。
【0773】
本実施の形態の配送システム4は、複数の支柱791aのうちの隣り合う2つの支柱791aの間に張り渡された第1レール401および第2レール402と、防護ネット794とを備える。
【0774】
第1レール401を基本レールとすると、第2レール402は、第1レール401から分岐するレールであり、第1レール401と離間した状態で第1レール401に接近して配置される、つまり第1レール401に沿って隣に延びる。第1レール401と第2レール402とが接近した部分は、近接領域であり、ドローン701cがレール400を切換え可能な分岐点となる分岐器である。例えるなら、第2レール402は、先端軌条である。近接領域は、第1レール401と第2レール402との間の距離がドローン701cの幅H1以下に近接する領域(距離H2)である。例えば、近接領域は、第1レール401と第2レール402とが最接近している領域である。
【0775】
防護ネット794は、第1レール401と第2レール402との近接領域の鉛直下方に張られ、支柱791aに支持される。
【0776】
[動作]
次に、本実施の形態におけるドローン701cおよび配送システム4の動作について説明する。この配送システム4のドローン701cでは、2つのアームである第1アーム731および第2アーム751を用いて、第1レール401から第2レール402に接続を切換えることができる。
図76は、実施の形態8における配送システム4のドローン701cの接続体730dを、第1レール401から第2レール402に切換える動作を例示したフローチャートである。ここでは、第1レール401に沿って移動しているドローン701cが、第1レール401から第2レール402に経路を切換える場合について説明する。
【0777】
まず、
図73、
図75のaおよび
図76に示すように、ドローン701cの接続体730dの第1フック731aおよび第2フック751aが第1レール401と接続されている場合、ドローン701cが第1フック731aおよび第2フック751aによって第1レール401にスライド自在に吊下がっている。この場合に、
図75のb、cおよび
図76に示すように、処理部734は、画像情報等に基づいて、ドローン701cが第2レール402の先端部に接近してこの先端部を通過すると、第2アクチュエータ752を制御することで第2フック751aを揺動させて第1レール401から外して第2レール402に引っ掛ける(S8201)。処理部734は、画像情報等に基づいて、第2レール402が第1レール401に沿って接近している近接領域を認識し、近接領域で第2アクチュエータ752を制御することで第2フック751aを揺動させて第2レール402に引っ掛けることで、第2フック751aと第2レール402とを接続することで、
図75のcの状態となる。
【0778】
次に、
図75のc、dおよび
図76に示すように、処理部734は、第1アクチュエータ741を制御することで第1フック731aを揺動させて、第1レール401から第1フック731aを外す(S8202)ことで、
図75のdの状態となる。
【0779】
次に、
図75のd、eおよび
図76に示すように、処理部734は、第1アクチュエータ741を制御することで第1フック731aを揺動させて、第2レール402に第1フック731aを引っ掛けることで、第1フック731aと第2レール402とを接続する(S8203)。その後、処理部734は、第2アクチュエータ752を制御することで第2フック751aを揺動させて、第2レール402から第2フック751aを外すことで、
図75のeの状態となる。そして、ドローン701cは、第2レール402に沿って移動したり、第2レール402から第3レールに接続体730dの接続を切換えたりする。
【0780】
ドローン701cが第2レール402をそのまま移動する場合、
図75のgおよび
図76に示すように、レール支持部793を通過した後に、処理部734は、第2アクチュエータ752を制御することで第2フック751aを揺動させて、第2レール402に引っ掛けることで、第2フック751aと第2レール402とを接続する(S8204)。第2レール402に第1フック731aおよび第2フック751aを接続することで、ドローン701cは、第2レール402から離間しないように接続される。
【0781】
次に、接続体730dを第1レール401から第2レール402に切換える際における、接続体730dの動きを詳細に説明する。
【0782】
図77は、実施の形態8における配送システム4のドローン701cおよびレール400の背面側において、第1レール401から第2レール402に接続体730dの接続を切換える様子を例示した背面図である。
図78は、実施の形態8における配送システム4のドローン701cの接続体730dを、第1レール401から第2レール402に切換える動作の例を詳細に示すフローチャートである。
【0783】
図77では、支柱791aに支持される第1レール401、第2レール402等を例示している。
図77では、ドローン701cの進行方向側(正面側)からドローン701c、第1レール401および第2レール402を見た場合を例示している。
【0784】
図73、
図77のa、bおよび
図78に示すように、処理部734は、第2フック751aを第2レール402に引っ掛けるときに、角度駆動部743を制御することで、支持部732に対してベース733の角度を変更し、第2フック751aが第1フック731aよりも高くなるようにベース733を傾ける(S8301)。このとき、第2接続端751a2は第1接続端731a1よりも高くなる。なお、ベース733を傾ける代わりに本体712を傾けてもよい。
【0785】
図73、
図77のb、cおよび
図78に示すように、第2フック751aが第1レール401から離れるため、処理部734は、角度駆動部743を制御することでベース733の姿勢を基に戻しながら、第2アクチュエータ752を制御することで第2フック751aを第1レール401と第2レール402との間を通して、第2フック751aを揺動させることで第1レール401から外す(S8302)。
【0786】
図73、
図77のdおよび
図78に示すように、処理部734は、第2アクチュエータ752を制御することで第2フック751aを揺動させて第2レール402に引っ掛けるように近づけ、角度駆動部743を制御することで、支持部732に対してベース733の角度を変更し、第2フック751aが第1フック731aよりも高くなるようにベース733を傾ける(S8303)。
【0787】
図73、
図77のeおよび
図78に示すように、処理部734は、角度駆動部743を制御することでベース733の姿勢を基に戻しながら、第2アクチュエータ752を制御することで第2フック751aを揺動させて第2レール402に引っ掛けることで、第2フック751aと第2レール402とが接続される(S8304)。
【0788】
図73、
図77のfおよび
図78に示すように、処理部734は、第1フック731aを第1レール401から外すときに、角度駆動部743を制御することで、支持部732に対してベース733の角度を変更し、第1フック731aが第2フック751aよりも高くなるようにベース733を傾ける(S8305)。このとき、第1接続端731a1は第2接続端751a2よりも高くなる。なお、ベース733を傾ける代わりに本体712を傾けてもよい。
【0789】
図73、
図77のf、gおよび
図78に示すように、第1フック731aが第1レール401から離れるため、処理部734は、角度駆動部743を制御することでベース733の姿勢を基に戻しながら、第1アクチュエータ741を制御することで第1フック731aを揺動させて第1レール401から外す(S8306)。
【0790】
図73、
図77のhおよび
図78に示すように、処理部734は、第2アクチュエータ752を制御することで、第1レール401と第2レール402との間を通して第2レール402に引っ掛けるように近づけ、角度駆動部743を制御することで、支持部732に対してベース733の角度を変更し、第1フック731aが第2フック751aよりも高くなるようにベース733を傾ける(S8307)。
【0791】
図73、
図77のiおよび
図78に示すように、処理部734は、角度駆動部743を制御することでベース733の姿勢を基に戻しながら、第1アクチュエータ741を制御することで第1フック731aを揺動させて第2レール402に引っ掛けることで、第1フック731aと第2レール402とが接続される(S8308)。これにより、第2レール402には、第1フック731aおよび第2フック751aが接続される。
【0792】
[作用効果]
次に、本実施の形態におけるドローン701cおよび配送システム4の作用効果について説明する。
【0793】
接続体730dは、さらに、支持部732の一端に接続された第2アーム751を有する。
【0794】
これによれば、第1アーム731だけでなく、第2アーム751もレール400に対して接続することができるため、ドローン701cがレール400から落下することが抑制され、ドローン701cを用いたシステムにおける安全性をより高めることができる。
【0795】
第1アーム731は、ドローン701cをレール400に吊下げるための第1のハンガであり、第2アーム751は、ドローン701cをレール400に吊下げるための第2のハンガであり、接続体730dは、さらに、支持部732に対する第1アーム731の角度を設定する第1アクチュエータ741と、支持部732に対する第2アーム751の角度を設定する第2アクチュエータ752とを有する。
【0796】
これによれば、ドローン701cでは、レール400に対して確実に吊下がることができるため、ドローン701cがレール400から落下することが抑制され、ドローン701cを用いたシステムにおける安全性をより高めることができる。
【0797】
接続体730dは、さらに、支持部732と第1アーム731および第2アーム751との間に配置されるベース733と、支持部732に対するベース733の角度を設定する第3アクチュエータとを有する。
【0798】
これによれば、ベース733の角度を変えるだけで、本体712に対する第1アーム731の高さを変更したり、第2アーム751の高さを変更したりすることができる。このため、本体712を傾けなくても、第1アーム731および第2アーム751の高さを変更することができるため、ドローン701cの安定性を保つことができる。
【0799】
第1アーム731は、第1アクチュエータ741に接続される第1接続端731a1から第1開放端731b1まで延びる第1フック731aを有し、第2アーム751は、第2アクチュエータ752に接続される第2接続端751a2から第2開放端751b2まで延びる第2フック751aを有し、第1フック731aは、第1接続端731a1から第1開放端731b1に至るまでに第1方向に折れ曲がる第1屈曲部731cを有し、第2フック751aは、第2接続端751a2から第2開放端751b2に至るまでに、第1方向とは反対向きの第2方向に折れ曲がる第2屈曲部751cを有する。
【0800】
これによれば、第1フック731aがレール400に吊下がった場合に、本体712を水平な姿勢で保つことができ、第2フック751aがレール400に吊下がった場合も、本体712を水平な姿勢で保つことができる。このため、第1フック731aおよび第2フック751aは、ドローン701cを適切な姿勢で保持することができるようになる。
【0801】
第1フック731aおよび第2フック751aによりレール400に引っ掛け易くなる。
【0802】
処理部734は、ドローン701cが、第1フック731aによって第1レール401にスライド自在に吊下がっている場合に、第2アクチュエータ752を制御して、第1レール401に隣接した状態で第1レール401に沿って隣に延びる第2レール402に、第2フック751aを引っ掛け、第1アクチュエータ741を制御して、第1フック731aを第1レール401から外す。
【0803】
これによれば、例えば、ドローン701cの第1フック731aが第1レール401に接続されているとき、第2フック751aを第2レール402に接続した後に、第1フック731aを第1レール401から外すことで、ドローン701cは、第1レール401から別のレール400である第2レール402に接続を切換えて移動することができる。このため、ドローン701cは、レール400とレール400との分岐点において、確実にレール400を切換えることができるため、ドローン701cの落下が抑制されることで、ドローン701cを用いたシステムにおける安全性をより高めることができる。
【0804】
配送システム4は、ドローン701cと、複数の支柱791aと、複数の支柱791aのうちの隣り合う2つの支柱791aの間に張り渡された第1レール401および第2レール402と、を備える。
【0805】
処理部734は、ドローン701cが、第1フック731aおよび第2フック751aによって第1レール401にスライド自在に吊下がっている場合に、第2アクチュエータ752を制御して、第2フック751aを、第1レール401から外して、第1レール401に沿って隣に延びる第2レール402に引っ掛けさせ、第1アクチュエータ741を制御して、第1フック731aを、第1レール401から外して、第2レール402に引っ掛けさせる。
【0806】
これによれば、例えば、ドローン701cの第1フック731aおよび第2フック751aが第1レール401に接続されているとき、第2フック751aを第1レール401から外して第2レール402に接続した後に、第1フック731aを第1レール401から外して第2レール402に接続することで、ドローン701cは、第1レール401から別のレール400である第2レール402に接続を切換えて移動することができる。このため、ドローン701cは、レール400とレール400との分岐点において、確実にレール400を切換えることができるため、ドローン701cの落下が抑制されることで、ドローン701cを用いたシステムにおける安全性をより高めることができる。
【0807】
処理部734は、第2フック751aを第2レール402に引っ掛けるときに、本体712または支持部732を第2方向に傾けて、第2接続端751a2を第1接続端731a1よりも高くし、第1フック731aを第1レール401から外すときに、本体712または支持部732を第1方向に傾けて、第1接続端731a1を第2接続端751a2よりも高くする。
【0808】
これによれば、本体712または支持部732を傾けることで、第1フック731aおよび第2フック751aをレール400に簡易に引っ掛けたり、第1フック731aおよび第2フック751aをレール400から簡易に外したりすることができる。
【0809】
配送システム4は、さらに、第1レール401と第2レール402との近接領域の鉛直下方に張られた防護ネット794を備え、近接領域は、第1レール401と第2レール402との間の距離がドローン701cのサイズ以下に近接する領域である。
【0810】
これによれば、第1レール401と第2レール402との間の距離H2が本体712の幅H1(サイズ)よりも小さいため、ドローン701cが第1レール401から第2レール402に容易に切換えて移動することができる。
【0811】
第1レール401と第2レール402との近接領域の鉛直下方に防護ネット794が設けられることで、ドローン701cが第1レール401および第2レール402から外れても、ドローン701cが地面に落下することを抑制することができる。このため、ドローン701cを用いたシステムにおける安全性をより高めることができる。
【0812】
(実施の形態8の変形例)
以下では、本変形例におけるドローン701cおよび配送システムの基本的な構成は、実施の形態7等のドローンおよび配送システムの基本的な構成と同じであるため、本変形例におけるドローン701cおよび配送システムの基本的な構成について適宜説明を省略する。
【0813】
図79は、実施の形態8の変形例における配送システムのドローン701cの第1フック731aおよびレールの上面図、側面図および正面図である。
図79のaは、配送システムのドローン701cの第1フック731a、第1レール401および第2レール402を側面から見た側面図である。
図79のbは、配送システムのドローン701cの第1フック731a、第1レール401および第2レール402を上面から見た上面図である。
図79のcは、配送システムのドローン701cの進行方向側から、ドローン701cの第1フック731a、第1レール401および第2レール402を見た正面図である。
【0814】
図79に示すように、本変形例では、第2レール402の少なくとも一部の高さは、隣り合う第1レール401の高さよりも高い。第2レール402は、第1レール401から分岐する線であり、第2レール402の先端部が、第1レール401の延びる方向に沿って配置される。第2レール402は、その一部が第1レール401よりも高く配置され、第1レール401に対して迂回するように延びる行き違い線である。第2レール402は、第1レール401を2つのドローン701cが互いに対向して走行してきた場合に、2つのドローン701cのうちの一方のドローン701cを離合させるためのレールである。なお、第1レール401および第2レール402は、送電線であってもよい。
【0815】
本変形例の配送システムでは、2つのドローン701cのうちの第1ドローンが第1レール401に沿って第1移動方向に走行し、かつ、2つのドローン701cのうちの第2ドローンが第1レール401に沿って第1移動方向と反対方向の第2移動方向に走行する場合、第1ドローンは、第2ドローンの接近をカメラセンサ334などによって検出すると、第1レール401から第2レール402に接続体730dの接続を切換える。第2レール402は、第1レール401よりも高いため、第1レール401を走行する第2ドローンと第2レール402を走行する第1ドローンとがすれ違うことができる。第1レール401と第2レール402との高さを変えることで、第1ドローンの本体712または荷物と第2ドローンの本体712または荷物とが接触し難くなる。
【0816】
なお、第1ドローンと第2ドローンとが行き違うことができればよいため、第1レール401と第2レール402とを離間させて第1ドローンと第2ドローンとの距離を確保してもよい。
【0817】
このような、本変形例におけるドローン701cおよび配送システムの作用効果について説明する。
【0818】
第2レール402の少なくとも一部の高さは、隣り合う第1レール401の高さよりも高い。
【0819】
これによれば、第1レール401を2つのドローン701cが対向して走行する場合、2つのドローン701cのうちの一方のドローン701cが第2レール402に退避することができる。第2レール402を退避路線として用いることができる。このため、ドローン701cが衝突したり、混雑したりすることを抑制することができる。
【0820】
(実施の形態9)
以下では、本実施の形態におけるドローン701および配送システム5の基本的な構成は、実施の形態7等のドローンおよび配送システムの基本的な構成と同じであるため、本実施の形態におけるドローン701および配送システム5の基本的な構成について適宜説明を省略する。本実施の形態では、さらに、スラスタ装置910に荷物が設けられている点で実施の形態7等と相違する。
【0821】
図80は、実施の形態9における配送システム5のスラスタ装置910およびスラスタ装置910に装着された荷物を例示した斜視図である。
図81は、実施の形態9における配送システム5の構成を説明するブロック図である。
【0822】
図80および
図81に示すように、配送システム5は、さらに、スラスタ装置910を備える。
【0823】
スラスタ装置910は、荷物を着脱可能に取り付け、宅配ボックスに対して荷物の位置を補正することが可能な装置である。スラスタ装置910は、吊下げワイヤ792を介してドローン701の本体712と通信可能であるが、通信モジュールなどを用いて無線通信してもよい。なお、スラスタ装置910は、ドローン701であってもよい。
【0824】
スラスタ装置910は、支持体911と、複数のプロペラ912と、複数の第2モータ913と、カメラセンサ914とを有する。
【0825】
支持体911は、荷物の上部と係合することで、荷物を所定の姿勢で保持することが可能な支持部材である。支持体911の中央部には、吊下げワイヤ792の下端が連結される。本実施の形態では、荷物の上端縁を囲む枠状体である。支持体911は、荷物の上端縁を囲み、荷物を挟むように掴むまたは荷物と接続することで、荷物を所定の姿勢で保持することができる。本実施の形態では、支持体911は、矩形の枠状体である。
【0826】
支持体911は、複数の第2モータ913と、複数のプロペラ912とを支持する。支持体911の外周側面部911aには、複数の第2モータ913と、複数のプロペラ912とが設けられる。本実施の形態では、支持体911の一辺ごとに、2つのプロペラ912と2つの第2モータ913とが設けられる。
【0827】
複数のプロペラ912のそれぞれは、支持体911の外周側面部911aに配置され、水平方向に推力を発生させるように、支持体911に設けられる。複数のプロペラ912のそれぞれは、プロペラ912の回転平面と鉛直方向とが略平行となる姿勢で支持体911に設けられ、空気を支持体911の外側に送出する。回転平面とは、プロペラ912の羽根が回転する平面であり、プロペラ912の回転軸(第2モータ913の回転軸)と直交する平面である。
【0828】
複数のプロペラ912は、支持体911の外周側面部911aに含まれる第1側面部911a1に配置された第1プロペラ912aと、支持体911の第1側面部911a1とは異なり、外周側面部911aに含まれる第2側面部911a2に配置された第2プロペラ912bとを含む。本実施の形態では、第1プロペラ912aは、外周側面部911aのうちの前側の第1側面部911a1と後側の第1側面部911a1とにそれぞれ設けられ、第2プロペラ912bは、外周側面部911aのうちの右側の第2側面部911a2と左側の第2側面部911a2とにそれぞれ設けられる。前側とは図面のスラスタ装置910の前側、後側とは図面のスラスタ装置910の後側、右側は図面のスラスタ装置910の右側、左側は図面のスラスタ装置910の左側である。
【0829】
複数の第2モータ913は、複数のプロペラ912をそれぞれ回転させる電動モータである。第2モータ913は、例えば、吊下げワイヤ792を介してドローン701の本体のバッテリ313から電力が供給される。なお、支持体911にバッテリが搭載されていてもよく、複数の第2モータ913のそれぞれは、そのバッテリから電力が供給されてもよい。
【0830】
カメラセンサ914は、支持体911の荷物側、つまり、鉛直下方側に設けられ、宅配ボックス470を撮像することで取得した画像情報を処理部734に出力する。カメラセンサ914は、複数設けられていてもよい。
【0831】
ドローン701に搭載される制御部330の処理部734は、吊下げワイヤ792を繰り出す期間の少なくとも一部の期間において、スラスタ装置910の複数の第2モータ913の少なくとも1つを駆動するように制御する。具体的には、処理部734は、スラスタ装置910のカメラセンサ914から取得した画像情報およびドローン701の本体のカメラセンサ334から取得した画像情報に基づいて、宅配ボックス470と荷物の位置を算出する。処理部734は、宅配ボックスの開口の鉛直上方に荷物を配置させるように、スラスタ装置910の複数の第2モータ913を制御することで、俯瞰した状態で宅配ボックスの開口内に荷物が納まるように、スラスタ装置910および荷物を移動させる。具体的には、処理部734は、宅配ボックスの開口と荷物との誤差(位置ズレ)を算出し、算出した誤差を修正するように、宅配ボックスの開口に対する荷物の位置を補正する。
【0832】
次に、スラスタ装置910を用いて荷物を宅配ボックス470に格納する手順を説明する。なお、
図58と同様の部分については、適宜説明を省略する。
【0833】
図82は、実施の形態9における配送システム5のスラスタ装置910が宅配ボックス470に荷物を格納する様子を例示した模式図である。
【0834】
図81、
図82のaおよびbに示すように、まず、ドローン701は、配送先である宅配ボックス470の鉛直上方に到着すると、処理部734は、ワイヤ制御モジュール311を制御して吊下げワイヤ792の繰り出しを開始する。ワイヤ制御モジュール311が吊下げワイヤ792を繰り出し、荷物と宅配ボックス470との距離が規定距離になると、宅配ボックス470は、蓋を開き、開口を開放する。
【0835】
次に、処理部734は、ワイヤ制御モジュール311を制御して吊下げワイヤ792を繰り出す際に、荷物と宅配ボックス470とを測位し、宅配ボックス470から荷物の相対的な位置の誤差を算出する。誤差が規定値以上である場合、処理部734は、スラスタ装置910の複数の第2モータ913をそれぞれ制御することで宅配ボックス470の開口471に対する荷物の位置を補正する。処理部734は、複数の第1モータ711を制御することで宅配ボックス470の開口471に対する荷物の位置を補正するように、ドローン701を移動させてもよい。スラスタ装置910を用いた荷物位置の補正の詳細については、後述する。
【0836】
図81、
図82のcに示すように、処理部734は、スラスタ装置910と宅配ボックス470の開口471との誤差の補正を繰り返しながら、宅配ボックス470の開口471に対するスラスタ装置910を位置合わせし、宅配ボックス470の開口471とスラスタ装置910とを一致させる。処理部734は、スラスタ装置910によって、荷物を宅配ボックス470に格納させる。具体的には、スラスタ装置910は、宅配ボックス470の開口471に被さるように降下し、宅配ボックス470に荷物を格納する。
【0837】
図81、
図82のdおよびeに示すように、スラスタ装置910は、宅配ボックス470に荷物を格納後、荷物を切離した後に上昇しドローン701の本体に装着される。そして、ドローン701は配送元に戻る。
【0838】
次に、スラスタ装置910による荷物の位置を補正する場合を例示する。
【0839】
図83は、実施の形態9における配送システム5のスラスタ装置910と宅配ボックス470の上面図である。
図83では、スラスタ装置910と宅配ボックス470とを俯瞰した状態を示す。
【0840】
図81、
図83のaでは、宅配ボックス470の開口471とスラスタ装置910とが一部が重なっているが、このままでは、宅配ボックス470に荷物を格納することはできないため、処理部734は、複数の第2モータ913をそれぞれ制御することで、スラスタ装置910をX軸方向およびY軸方向を合成したXY方向に移動させる。例えば、処理部734は、左側の第2側面部911a2の2つの第2モータ913をそれぞれ制御することで、ドローン701をXY方向に移動させ、
図83のbの状態となる。
【0841】
図81、
図83のbでは、宅配ボックス470の開口471とスラスタ装置910とが一部が重なっているが、宅配ボックス470の開口471と荷物との間に位置ズレが生じている。処理部734は、複数の第2モータ913をそれぞれ制御することで、スラスタ装置910をXY平面上で所定のロール角だけ回転させる。例えば、処理部734は、後側の第1側面部911a1の右側の第2モータ913を制御し、前側の第1側面部911a1の左側の第2モータ913を制御することで、スラスタ装置910をXY平面で回転移動させ、
図83のcの状態となる。
【0842】
図81、
図83のcでは、まだ、宅配ボックス470の開口471とスラスタ装置910とが一部が重なっているが、宅配ボックス470の開口471と荷物とに位置ズレが生じている。処理部734は、複数の第2モータ913をそれぞれ制御することで、スラスタ装置910をY軸方向に移動させる。例えば、処理部734は、前側の第1側面部911a1の2つの第2モータ913をそれぞれ制御することで、ドローン701をY軸方向に移動させ、宅配ボックス470の開口471に荷物が納まるように宅配ボックス470の開口471とスラスタ装置910とを一致させる。これにより、スラスタ装置910は、荷物を宅配ボックス470に格納できる。
【0843】
図84は、実施の形態9における配送システム5のスラスタ装置910が集合住宅施設に荷物を配送する様子を例示した模式図である。
【0844】
図81、
図84に示すように、レール400の鉛直下方に宅配ボックス470が存在していない場合、処理部734は、カメラセンサ914から取得した画像情報に基づいて、宅配ボックス470を認識し、スラスタ装置910の複数の第2モータ913を制御することで、宅配ボックス470に荷物を格納させる。
【0845】
具体的には、
図81、
図84のaでは、処理部734は、ワイヤ制御モジュール311を制御して吊下げワイヤ792の繰り出しを開始し、画像情報に基づいて宅配ボックス470を算出し、複数の第2モータ913を制御する。これにより、スラスタ装置910は、宅配ボックス470に向かって移動する。そして、スラスタ装置910は、宅配ボックス470の開口471の鉛直上方に移動する。
【0846】
図81、
図84のbでは、処理部734は、スラスタ装置910に荷物を宅配ボックス470に格納させる。具体的には、スラスタ装置910は、宅配ボックス470の開口471に向けて降下し、宅配ボックス470に荷物を格納する。
【0847】
図81、
図84のcに示すように、スラスタ装置910は、宅配ボックス470に荷物を格納後、荷物を切離した後に上昇し本体712に装着される。そして、ドローン701は配送元に戻る。
【0848】
[作用効果]
次に、本実施の形態におけるドローン701および配送システム5の作用効果について説明する。
【0849】
ドローン701は、さらに、荷物に着脱可能に取り付けられたスラスタ装置910を備え、スラスタ装置910は、複数のプロペラ912と、複数のプロペラ912をそれぞれ回転させる複数の第2モータ913と、複数の第2モータ913を支持する支持体911と、を有する。
【0850】
これによれば、ドローン701が宅配ボックス470の直上に対して位置ズレが生じても、スラスタ装置910が荷物を宅配ボックス470に誘導することができる。このため、ドローン701は、確実に荷物を降下させて宅配ボックス470に格納させることができるため、より確実に配送先に荷物を配送することができる。宅配ボックス470の開口471が狭く、荷物を挿入し難い状況でも、ドローン701では、確実に荷物を宅配ボックス470に挿入することができる。これにより、ドローン701を着陸させる広い場所を必要としない。
【0851】
特に、このドローン701では、風などによってドローン701が宅配ボックス470の直上から移動してしまう場合があっても、スラスタ装置910が荷物を宅配ボックス470に格納させることができる。
【0852】
複数のプロペラ912は、支持体911の第1側面部911a1に配置された第1プロペラ912aと、支持体911の第1側面部911a1とは異なる第2側面部911a2に配置された第2プロペラ912bとを含む。
【0853】
これによれば、宅配ボックス470に対するスラスタ装置910の位置および向きを調節することができる。このため、このドローン701では、スラスタ装置910が、より確実に荷物を宅配ボックス470に格納させることができる。
【0854】
処理部734は、吊下げワイヤ792を繰り出す期間の少なくとも一部の期間において、スラスタ装置910が複数の第2モータ913の少なくとも1つを駆動するよう制御する。
【0855】
これによれば、ドローン701から荷物を降下させる際に、宅配ボックス470に対するスラスタ装置910の位置および向きを調節することができる。このため、このドローン701では、スムーズに荷物を宅配ボックス470に格納させることができる。
【0856】
(実施の形態10)
[構成]
以下では、本実施の形態におけるスラスタ装置1001の基本的な構成は、実施の形態9等のスラスタ装置の基本的な構成と同じであるため、本実施の形態におけるスラスタ装置1001の基本的な構成について適宜説明を省略する。本実施の形態では、スラスタ装置1001のモータ1010が枠体に対して揺動する点で実施の形態9等と相違する。
【0857】
図85は、実施の形態10におけるスラスタ装置1001を例示したブロック図である。
図86は、実施の形態10における配送システムのスラスタ装置1001を例示した模式図である。
図86のaは、スラスタ装置1001を鉛直上方から見た場合、モータ1010の回転軸1012が仮想面V1と平行な場合の平面図であり、
図86のbは、スラスタ装置1001の側面から見た場合、モータ1010の回転軸1012が仮想面V1と平行な場合の側面図である。
図86のcは、スラスタ装置1001を鉛直上方から見た場合、モータ1010の回転軸1012が仮想面V1に対して傾いた場合の平面図であり、
図86のdは、スラスタ装置1001の側面から見た場合、モータ1010の回転軸1012が仮想面V1に対して傾いた場合の側面図である。スラスタ装置1001は、装置の一例である。
図86の水平方向と鉛直方向を示す矢印は、
図86のb、dに対応する。
【0858】
図85及び
図86に示すように、スラスタ装置1001は、支持体1015と、ワイヤ1016と、複数のモータ1010と、複数のプロペラ1013と、制御部1020と、1以上のアクチュエータ1030とを備える。
【0859】
支持体1015は、荷物を着脱可能に取り付ける。支持体1015は、平面視で荷物の形状に応じた形状であり、荷物の周囲を囲む多角形状の枠体を有する。本実施の形態では、支持体1015は、多角形状の一例である矩形状をなしている。
【0860】
支持体1015は、内部に荷物を収容し、荷物の上端縁を囲み荷物を挟むように掴む、または、荷物と接続することで、荷物を所定の姿勢で保持することができる。本実施の形態では、支持体1015は、後述する仮想面V1が水平面と平行な姿勢となった場合、支持体1015の鉛直方向(後述するメインワイヤ1016aの長さ方向と平行な方向)下側に形成される、荷物を挿入する開口部を有する。
【0861】
ワイヤ1016は、支持体1015を吊下げ可能であり、支持体1015の少なくとも1つの接続点Pに直接接続される。ワイヤ1016は、一端側が支持体1015に接続され、他端側が地面から離れた位置に配置される物体に接続されることで、支持体1015を吊下げる。物体は、例えば上述したレール、ドローン等の無人航空機である。本実施の形態では、仮想面V1が水平面と平行になる場合、ワイヤ1016は、支持体1015の鉛直上側に接続される。ワイヤ1016は、スラスタ装置1001を物体に吊下げる場合、スラスタ装置1001を水平な姿勢で保持する。
【0862】
ワイヤ1016は、メインワイヤ1016aと、複数のサブワイヤ1016bとを有する。
【0863】
メインワイヤ1016aの一端が複数のサブワイヤ1016bと接続され、メインワイヤ1016aの他端が物体と接続される。メインワイヤ1016aは、複数のサブワイヤ1016bを介して支持体1015を物体に吊下げて支持する。スラスタ装置1001が物体に吊下げられる場合、メインワイヤ1016aは、支持体1015によって、鉛直方向に沿って引っ張られる。
【0864】
複数のサブワイヤ1016bの一端は、支持体1015の複数の接続点Pに直接接続されて固定される。具体的には、複数のサブワイヤ1016bの各々の一端は、平面視で多角形状である支持体1015の複数の角部分と一対一で接続される。複数のサブワイヤ1016bの他端は、1つの共通の接続点Pであるメインワイヤ1016aの一端と接続される。複数の接続点Pは、平面視で複数の頂点に相当する枠体の複数の角部分(枠体の部分)に配置される。本実施の形態では、支持体1015が平面視で矩形状であるため、複数のサブワイヤ1016bは、矩形状の頂点に相当する4角の各々に一対一で接続される。
【0865】
なお、支持体1015に配置される複数の接続点Pのうちの一部は、支持体1015上で移動してもよい。
【0866】
複数のモータ1010は、支持体1015の外周を構成する側面部に配置される。複数のモータ1010は、支持体1015の周囲を囲むように分散配置され、支持体1015に支持される。複数のモータ1010は、アクチュエータ1030によって、枠体に対して回動可能に支持される。本実施の形態では、複数のモータ1010は、仮想面V1が水平面と平行な姿勢となった場合、支持体1015の鉛直方向上側に配置される。
【0867】
複数のモータ1010は、モータ本体が回転軸1012を回転させることで、複数のプロペラ1013をそれぞれ回転させる電動モータである。モータ1010は、例えば、ワイヤ1016を介してスラスタ装置1001のバッテリから電力が供給されてもよい。なお、スラスタ装置1001を吊下げる物体がドローンである場合、ドローンの本体のバッテリから電力が供給されてもよい。複数のモータ1010のそれぞれは、これらのバッテリから電力が供給されてもよい。
【0868】
複数のプロペラ1013は、複数のモータ1010の回転軸1012と一対一で対応し、複数のモータ1010の回転軸1012と一対一で固定される。複数のプロペラ1013のそれぞれは、複数のモータ1010によって駆動され、回転軸1012の長さ方向に沿って推力を発生させる。複数のプロペラ1013の回転平面は、複数のモータ1010の回動と同期して、仮想面V1に対して傾斜する。仮想面V1とは、支持体1015に対する複数のモータ1010のそれぞれの姿勢が同一となる場合に、複数のプロペラ1013のそれぞれの中心を含む面である。仮想面V1は、仮想平面であることが好ましい。プロペラ1013の中心とは、モータ1010の回転軸1012の軸心J1とプロペラ1013の回転平面とが交差する点である。
【0869】
仮想面V1に対して複数のモータ1010の回転軸1012(つまり軸心J1)が成す角度θは、-45度以上、かつ、+45度以下である。当該角度θは、複数のモータ1010の回転軸1012が仮想面V1に対して揺動する可動範囲であり、仮想面V1を基準面として、仮想面V1に対する回転軸1012の軸心J1の角度θが-45度から+45度までの範囲である。特に、当該角度θは、-30度以上、かつ、+30度以下であることが好ましい。
【0870】
制御部1020は、複数のモータ1010を制御する。
【0871】
具体的には、制御部1020は、1以上のアクチュエータ1030を制御することで、仮想面V1に対する複数のモータ1010の回転軸1012が成す角度θを調節する。制御部1020は、アクチュエータ1030を制御することで、支持体1015に対して複数のモータ1010を回動させることで、複数のモータ1010の姿勢を制御する。制御部1020は、支持体1015に対して複数のモータ1010を回動させる角度θ、仮想面V1に対する複数のモータ1010の回転軸1012の角度θを制御する。なお、制御部1020は、仮想面V1に対する複数のモータ1010の角度θを個別に制御できる。
【0872】
制御部1020は、複数のモータ1010の回転軸1012の回転数も制御する。制御部1020は、複数のモータ1010に供給する電流値を変更することで、回転軸1012の回転数を制御する。なお、制御部1020は、複数のモータ1010の回転軸1012の回転数も個別に制御できる。
【0873】
制御部1020は、第1モードと、第2モードとを有する。
【0874】
第1モードは、仮想面V1に対する複数のモータ1010の回転軸1012の角度θが0度となるように、回転軸1012を傾斜させる。第2モードは、角度θが仰角となるように、仮想面V1に対する1以上の回転軸1012を傾斜させる。
【0875】
1以上のアクチュエータ1030は、仮想面V1に対する複数のモータ1010の回転軸1012が成す角度θを調節する。具体的には、1以上のアクチュエータ1030は、制御部1020に駆動されて複数のモータ1010を回動させることで、支持体1015に対する複数のモータ1010の姿勢を変更する。1以上のアクチュエータ1030は、例えば、ギア、プーリ、ベルト等の駆動機構で構成される。
【0876】
[動作]
このスラスタ装置1001では、ワイヤ1016を介して物体に接続されている場合では、例えば、回転軸1012の軸心J1と水平面とが平行となるように、制御部1020が1以上のアクチュエータ1030を介して複数のモータ1010の姿勢を制御する。例えば、スラスタ装置1001が水平面に移動した場合、
図86のa及びbに示すように、制御部1020は、複数のモータ1010の回転軸1012の軸心J1を水平面と平行となるように、複数のモータ1010の姿勢を制御する。制御部1020は、進行したい方向と反対方向に配置されている1以上のモータ1010を駆動させる。これにより、スラスタ装置1001は、所望の方向に進むことができる。
【0877】
このスラスタ装置1001では、ワイヤ1016を介して物体に接続されている場合では、例えば、水平面に対して回転軸1012の軸心J1を傾かせるように、制御部1020が1以上のアクチュエータ1030を介して複数のモータ1010の姿勢を制御する。例えば、スラスタ装置1001を上昇又は浮遊させたい場合、
図86のc及びdに示すように、制御部1020は、複数のモータ1010の回転軸1012の軸心J1を水平面に対して傾斜させるように、複数のモータ1010の姿勢を制御する。制御部1020は、1以上のモータ1010を駆動させる。これにより、スラスタ装置1001は、上昇又は浮遊することができる。
【0878】
このように、荷物を宅配ボックスに収納したい場合、鉛直方向から見て、荷物が宅配ボックスの開口に収まるように、スラスタ装置1001が宅配ボックスの開口に対して位置合わせを行える。
【0879】
[作用効果]
次に、本実施の形態に係るスラスタ装置1001の作用効果について説明する。
【0880】
上述したように、本実施の形態に係るスラスタ装置1001は、荷物を着脱可能に取り付ける支持体1015と、一端が支持体1015に接続され、他端が地面から離れた位置に配置される物体に接続されることで、支持体1015を吊下げ可能なワイヤ1016と、支持体1015の側面部に配置された複数のモータ1010と、複数のモータ1010によって駆動される複数のプロペラ1013と、複数のモータ1010を制御する制御部1020とを備える。そして、複数のプロペラ1013のそれぞれの中心を通る仮想面V1に対して、複数のモータ1010の回転軸1012が成す角度θは、-45度以上、かつ、+45度以下である。
【0881】
これによれば、仮想面V1に対する複数のモータ1010の回転軸1012の角度θを制御することで、荷物を所定位置に載置する際に、所定位置に対する荷物の位置合わせを行うことができる。当該スラスタ装置1001を所望の方向に進行させることで、所定位置に対するスラスタ装置1001の位置を微調整することができる。
【0882】
支持体1015がワイヤ1016を介して物体に吊下げられた状態で、スラスタ装置1001が降下する際、鉛直方向から見て荷物が所定位置と合わさるように、位置合わせを行うことができるため、スラスタ装置1001の位置を微調整することができる。
【0883】
したがって、このスラスタ装置1001では、所定位置に荷物を配置することができる。特に、屋外で当該スラスタ装置1001を使用する場合、風などによって所定位置に対してスラスタ装置1001が位置ズレしても、位置ズレを補正するように、スラスタ装置1001が所定位置に向かって移動することができるため、所定位置に荷物を配置することができる。
【0884】
本実施の形態に係るスラスタ装置1001において、角度θは、-30度以上、かつ、+30度以下である。
【0885】
これによれば、スラスタ装置1001の浮遊する推力が大きくなり難くなるため、例えば、スラスタ装置1001の急な上昇によるワイヤ1016の弛みを抑制することができる。
【0886】
本実施の形態に係るスラスタ装置1001は、さらに、仮想面V1に対する複数のモータ1010の回転軸1012が成す角度θを調節する1以上のアクチュエータ1030を備える。
【0887】
これによれば、支持体1015に対する複数のモータ1010の姿勢を調節することができる。このため、スラスタ装置1001が水平方向に移動したり、鉛直方向に移動したりすることができる様になる。これにより、荷物が所定位置と合わさるように、より正確に位置合わせを行うことができるようになる。
【0888】
本実施の形態に係るスラスタ装置1001において、制御部1020は、1以上のアクチュエータ1030を制御することで、仮想面V1に対する1以上の回転軸1012が成す角度θを調節し、角度θが0度となるように1以上の回転軸1012を傾斜させる第1モードと、角度θが仰角となるように1以上の回転軸1012を傾斜させる第2モードとを有する。
【0889】
これによれば、複数のモータ1010の回転軸1012のうちの1以上のモータ1010の回転軸1012の姿勢を個々に制御することができる。このため、スラスタ装置1001が所定位置に移動するべく、スラスタ装置1001の姿勢及び進行方向等を細かく制御することができるため、スラスタ装置1001の位置をより精度よく微調整することができる。
【0890】
本実施の形態に係るスラスタ装置1001において、ワイヤ1016は、メインワイヤ1016aと、複数のサブワイヤ1016bとを有する。複数のサブワイヤ1016bの一端は、支持体1015の複数の接続点Pに直接接続される。複数のサブワイヤ1016bの他端は、1つの共通の接続点Pであるメインワイヤ1016aの一端と接続される。そして、メインワイヤ1016aは、複数のサブワイヤ1016bを介して支持体1015を物体に吊下げて支持する。
【0891】
これによれば、複数の接続点Pを介して、一対一で複数のサブワイヤ1016bを支持体1015に接続することができる。このため、ワイヤ1016によって支持体1015を吊下げた状態での支持体1015の姿勢を安定させることができる。
【0892】
本実施の形態に係るスラスタ装置1001において、支持体1015は、荷物の周囲に配置される多角形状の枠体を有する。そして、複数の接続点Pは、複数の頂点に相当する枠体の複数の部分に配置される。
【0893】
これによれば、ワイヤ1016によって支持体1015を吊下げた状態での支持体1015の姿勢をより確実に安定させることができる。
【0894】
(実施の形態10の変形例1)
以下では、本変形例におけるスラスタ装置1001aの基本的な構成は、実施の形態10等のスラスタ装置の基本的な構成と同じであるため、本変形例におけるスラスタ装置1001aの基本的な構成について適宜説明を省略する。本変形例では、接続点Pが移動(変異)する点で実施の形態10等と相違する。
【0895】
図87は、実施の形態10の変形例1におけるスラスタ装置1001aを例示した模式図である。
図87のaは、スラスタ装置1001aを鉛直上方から見た場合の支持体1015及びワイヤ1016等を例示する平面図であり、
図87のbは、スラスタ装置1001aの側面を見た場合の支持体1015及びワイヤ1016等を例示する側面図である。
図87の水平方向と鉛直方向を示す矢印は、
図87のbに対応する。
【0896】
本変形例では、支持体1015の中心に接続点Pが配置される。具体的には、仮想面V1が水平面と平行になる場合、接続点Pは、支持体1015の鉛直上面の中心に配置される。
【0897】
支持体1015は、外枠1015aと、縦桟1015bと、横桟1015cとを有する。
【0898】
外枠1015aは、支持体1015の外郭部を構成し、荷物を所定の姿勢で保持する。外枠1015aは、荷物の周囲に配置される多角形状である。縦桟1015b及び横桟1015cは、格子状に外枠1015aの内側に配置され、仮想面V1が水平面と平行になる場合、支持体1015の鉛直上側に配置される。外枠1015aを鉛直方向に見た場合、縦桟1015bと横桟1015cとが、外枠1015aの中心で交差する。上述の接続点Pは、縦桟1015bと横桟1015cとの交差部分に配置される。
【0899】
図88は、実施の形態10の変形例1におけるスラスタ装置1001aの縦桟1015b及び横桟1015cがスライドした様子を例示した模式図である。
図88の水平方向と鉛直方向を示す矢印は、
図88のbに対応する。
【0900】
縦桟1015b及び横桟1015cは、外枠1015a内でスライド可能である。縦桟1015bと横桟1015cとの交差部分の位置は、外枠1015aの内部で変異する。具体的には、縦桟1015bは、横桟1015cの長さ方向に対して直交する方向にスライド可能である。言い換えれば、横桟1015cは、縦桟1015bの長さ方向に対して直交する方向にスライド可能である。縦桟1015b及び横桟1015cが外枠1015a内でスライドすることで、1つの接続点Pは、仮想面V1に平行な面内で移動可能である。仮想面V1に平行な面内は、外枠1015a内側において、縦桟1015b及び横桟1015cがスライド可能な領域である。
【0901】
このような、本変形例に係るスラスタ装置1001aにおいて、ワイヤ1016は、支持体1015の少なくとも1つの接続点Pに直接接続される。
【0902】
これによれば、支持体1015に1つの接続点Pを設けるだけで、ワイヤ1016を介して支持体1015を吊下げることができる。このため、ワイヤ1016の構成を簡素化することができる。
【0903】
本変形例に係るスラスタ装置1001aにおいて、支持体1015は、荷物の周囲に配置される多角形状の枠体を有する。そして、1つの接続点Pは、仮想面V1に平行な枠体内の面上で移動可能である。
【0904】
これによれば、支持体1015に対する1つの接続点Pの位置を変更することができる。このため、例えば荷物を保持した状態の支持体1015の重心位置が中心からズレても、当該接続点Pの位置を重心に合わせるように、当該接続点Pの位置を変更することができる。このため、ワイヤ1016に吊下げられた支持体1015の姿勢を、所望の姿勢に正すことができる。
【0905】
(実施の形態10の変形例2)
以下では、本変形例におけるスラスタ装置1001aの基本的な構成は、実施の形態10の変形例1等のスラスタ装置の基本的な構成と同じであるため、本変形例におけるスラスタ装置1001aの基本的な構成について適宜説明を省略する。本変形例では、スラスタ装置1001aの複数のモータ1010の一部が時計回りに回転し、複数のモータ1010の他の一部が反時計回りに回転する点で実施の形態10の変形例1等と相違する。
【0906】
図89は、実施の形態10の変形例2におけるスラスタ装置1001aの複数のモータ1010におけるプロペラ1013の回転方向を例示した模式図である。
【0907】
図89に示すように、支持体1015の側面部は、第1側面部1015dと、第1側面部1015dに支持体1015および/または荷物を挟んで対向する第2側面部1015eとを有する。第1側面部1015d及び第2側面部1015eは、外枠1015aの一部を構成する。本変形例では、支持体1015の外枠1015aは矩形状であるため、第1側面部1015dは外枠1015aの一辺であり、第2側面部1015eは第1側面部1015dの他方側の一辺である。
【0908】
複数のモータ1010のうちの一部のモータ1010である第1モータ1010aは、第1側面部1015dに設けられ、第1回転軸1012aを有する。複数のモータ1010のうちの一部のモータ1010である第2モータ1010bは、第2側面部1015eに設けられ、第2回転軸1012bを有する。複数のモータ1010のうちの一部のモータ1010である第3モータ1010cは、第1側面部1015dにさらに設けられ、仮想面内で第1モータ1010aと隣り合う位置に設けられる。第3モータ1010cは、第3回転軸1012cを有する。複数のモータ1010のうちの一部のモータ1010である第4モータ1010dは、第2側面部1015eにさらに設けられ、仮想面内で第2モータ1010bと隣り合う位置に設けられる。第4モータ1010dは、第4回転軸1012dを有する。
【0909】
本変形例では、第1モータ1010a及び第3モータ1010cは、第1側面部1015dの長さ方向に沿って配置され、第2モータ1010b及び第4モータ1010dは、第2側面部1015eの長さ方向に沿って配置される。
【0910】
制御部1020は、第3モードと、第4モードとを有する。
【0911】
第3モードは、制御部1020が、第1回転軸1012aを第1回転方向に回転させ、かつ、第2回転軸1012bを第1回転方向とは反対の第2回転方向に回転させる。例えば、制御部1020は、第1側面部1015dの第1モータ1010aの第1回転軸1012aの軸心J1を時計回りに回転させ、かつ、第2側面部1015eの第2モータ1010bの第2回転軸1012bの軸心J1を反時計回りに回転させる。時計回りは、プロペラを対向して見た場合の回転方向である。
【0912】
第3モードは、制御部1020が、第3回転軸1012cを第2回転方向に回転させ、かつ、第4回転軸1012dを第1回転方向に回転させる。例えば、制御部1020は、第1側面部1015dの第3モータ1010cの第3回転軸1012cの軸心J1を反時計回りに回転させ、かつ、第2側面部1015eの第4モータ1010dの第4回転軸1012dの軸心J1を時計回りに回転させる。
【0913】
第4モードは、制御部1020が、第1回転軸1012aおよび第2回転軸1012bを第2回転方向に回転させる。例えば、制御部1020は、第1側面部1015dの第1モータ1010aの第1回転軸1012aの軸心J1を反時計回りに回転させ、かつ、第2側面部1015eの第2モータ1010bの第2回転軸1012bの軸心J1も反時計回りに回転させる。
【0914】
また第4モードは、制御部1020が、第3回転軸1012cおよび第4回転軸1012dを第1回転方向に回転させる、例えば、制御部1020は、第1側面部1015dの第3モータ1010cの第3回転軸1012cの軸心J1を時計回りに回転させ、かつ、第2側面部1015eの第4モータ1010dの第4回転軸1012dの軸心J1も時計回りに回転させる。
【0915】
本変形例では、
図89のaに示すように、第1側面部1015dの一方の第1モータ1010aの第1回転軸1012aを時計回りに回転させ、第1側面部1015dの他方の第3モータ1010cの第3回転軸1012cを反時計回りに回転させる。第2側面部1015eの一方の第2モータ1010bの第2回転軸1012bを反時計回りに回転させ、第2側面部1015eの他方の第4モータ1010dの第4回転軸1012dを時計回りに回転させる。この場合、推力は、
図89のaの実線の矢印で示すようになる。この場合、第1側面部1015d側では、第1側面部1015dから第2側面部1015e側の方向に小さい推力が発生し、第2側面部1015e側では、第2側面部1015eから第1側面部1015d側の方向に大きい推力が発生する。これにより、スラスタ装置1001aは、第2側面部1015eから第1側面部1015dへの方向にゆっくりと進む。
【0916】
本変形例では、
図89のbに示すように、第1側面部1015dの一方の第1モータ1010aの第1回転軸1012aを反時計回りに回転させ、第1側面部1015dの他方の第3モータ1010cの第3回転軸1012cを時計回りに回転させる。第2側面部1015eの一方の第2モータ1010bの第2回転軸1012bを反時計回りに回転させ、第2側面部1015eの他方の第4モータ1010dの第4回転軸1012dを時計回りに回転させる。この場合、推力は、
図89のbの実線の矢印で示すようになる。この場合、第1側面部1015d側では、第2側面部1015e側と反対方向に小さい推力が発生し、第2側面部1015e側では、第2側面部1015eから第1側面部1015d側の方向に大きい推力が発生する。これにより、スラスタ装置1001aは、第2側面部1015eから第1側面部1015dへの方向に進む。
【0917】
このような、本変形例に係るスラスタ装置1001aにおいて、支持体1015の側面部は、第1側面部1015dと、第1側面部1015dに支持体1015および/または荷物を挟んで対向する第2側面部1015eとを有する。複数のモータ1010は、第1側面部1015dに設けられ、第1回転軸1012aを有する第1モータ1010aと、第2側面部1015eに設けられ、第2回転軸1012bを有する第2モータ1010bとを有する。そして、制御部1020は、第1回転軸1012aを第1回転方向に回転させ、かつ、第2回転軸1012bを第1回転方向とは反対の第2回転方向に回転させる第3モードと、第1回転軸1012aおよび第2回転軸1012bを第2回転方向に回転させる第4モードとを有する。
【0918】
これによれば、第1モータ1010aの第1回転軸1012aと第2モータ1010bの第2回転軸1012bとの回転方向を反転させることで、スラスタ装置1001aは、所望の方向に進む推力を得ることができる。これにより、スラスタ装置1001aは、所定位置に対するスラスタ装置1001aの位置を、精度よく微調整することができる。
【0919】
本変形例に係るスラスタ装置1001aにおいて、複数のモータ1010は、第1側面部1015dにおいて、仮想面内で第1モータ1010aと隣り合う位置に設けられ、第3回転軸1012cを有する第3モータ1010cと、第2側面部1015eにおいて、仮想面内で第2モータ1010bと隣り合う位置に設けられ、第4回転軸1012dを有する第4モータ1010dとをさらに有する。複数のモータ1010は、第3モードにおいて、第3回転軸1012cを第2回転方向に回転させ、かつ、第4回転軸1012dを第1回転方向に回転させる。そして、複数のモータ1010は、第4モードにおいて、第3回転軸1012cおよび第4回転軸1012dを第1回転方向に回転させる。
【0920】
これによれば、第3モータ1010cの第3回転軸1012cおよび第4モータ1010dの第4回転軸1012dの回転方向を反転させることで、所望の方向に進む推力を得ることができる。第1モータ1010aの第1回転軸1012aおよび第2モータ1010bの第2回転軸1012bの回転方向を制御することもできるため、所定位置に対する装置の位置を、より精度よく微調整することができる。
【0921】
(実施の形態11)
[構成]
以下では、本実施の形態におけるスラスタ装置1001bの基本的な構成は、実施の形態10等のスラスタ装置の基本的な構成と同じであるため、本実施の形態におけるスラスタ装置1001bの基本的な構成について適宜説明を省略する。本実施の形態では、スラスタ装置1001bの周囲を囲む防護体1014が設けられる点で実施の形態10等と相違する。
【0922】
図90は、実施の形態11におけるスラスタ装置1001bを例示した模式図である。
【0923】
図90に示すように、スラスタ装置1001bは、支持体1015、ワイヤ1016、複数のモータ1010、複数のプロペラ1013、
図85の制御部1020、及び、1以上のアクチュエータ1030の他に、防護体1014をさらに備える。
【0924】
防護体1014は、仮想面V1と交差し、かつ、スラスタ装置1001bの周囲を囲むように、支持体1015に固定される。具体的には、防護体1014は、少なくとも複数のモータ1010の周囲を囲むように配置され、スラスタ装置1001bを側面視した場合に回転するプロペラ1013を覆っている。言い換えれば、防護体1014は、スラスタ装置1001bを側面視した場合に、複数のプロペラ1013の回転面を覆っている。
【0925】
防護体1014は、平面視で、支持体1015の形状に応じた多角形状である。防護体1014は、どのような構造であってもよいが、空気抵抗及び重量等を考慮すると、網状体であることが好ましい。本実施の形態では、防護体1014として防護網を用いている。
【0926】
防護体1014は、支持体1015と連結体1017によって接続されて固定される。具体的には、連結体1017の一端は支持体1015の角部分に接続され、連結体1017の他端は防護体1014の角部分に連結される。本実施の形態では、支持体1015も防護体1014も、平面視で矩形状であるため、4つの連結体1017が防護体1014を支持体1015に接続して固定する。なお、支持体1015が防護体1014を支持することができればよく、連結体1017の数は、支持体1015の角部分の数に依存しない。
【0927】
[作用効果]
次に、本実施の形態におけるスラスタ装置1001bの作用効果について説明する。
【0928】
上述したように、本実施の形態におけるスラスタ装置1001bは、複数のプロペラ1013を囲む防護体1014をさらに有する。
【0929】
これによれば、防護体1014が回転するプロペラ1013を保護することができるため、プロペラ1013が他の物体と接触することを抑制することができる。
【0930】
(実施の形態12)
[構成]
以下では、本実施の形態におけるスラスタ装置1001cの基本的な構成は、実施の形態10等のスラスタ装置の基本的な構成と同じであるため、本実施の形態におけるスラスタ装置1001cの基本的な構成について適宜説明を省略する。本実施の形態では、スラスタ装置1001cがリール1018等を有する点で実施の形態10等と相違する。
【0931】
図91は、実施の形態12におけるスラスタ装置1001cを例示したブロック図である。
図92は、実施の形態12におけるスラスタ装置1001cが宅配ボックス1004に荷物を格納する様子を例示した模式図である。
【0932】
図91および
図92に示すように、本実施の形態では、スラスタ装置1001cは、親機として無人航空機1003(上述のドローン)とワイヤ1016を介して連結される。なお、
図91では、一例として無人航空機1003を用いているが、上述したレールに、ワイヤ1016が接続されていてもよく、無人航空機1003に限定されない。
【0933】
スラスタ装置1001cは、支持体、ワイヤ1016、複数のモータ1010、複数のプロペラ1013、制御部1020、及び、1以上のアクチュエータ1030の他に、リール1018と、リフトモータ1040と、センサ1019とをさらに備える。
【0934】
リール1018は、ワイヤ1016の他端が接続され、回転することによって、ワイヤ1016を繰り出したり、巻き取ったりすることができる。リール1018は、リフトモータ1040によって回転が制御される。
【0935】
リフトモータ1040は、リール1018を回転させてワイヤ1016を繰り出したり、巻き取ったりする。リフトモータ1040は、制御部1020に駆動制御されることで、リール1018を回転させる回転速度を変更したりする。
【0936】
センサ1019は、荷物を収容するための宅配ボックス1004の鉛直上方にリール1018が位置するとき、宅配ボックス1004の位置を検知する。センサ1019は、支持体に設けられ、荷物および宅配ボックス1004を上空から検知することが可能である。例えば、センサ1019が撮像装置である場合、荷物および宅配ボックス1004を撮像し、撮像した画像である画像情報を制御部1020に出力する。画像情報には、荷物と宅配ボックス1004との相対位置(距離)、宅配ボックス1004とリール1018との相対位置(距離)、宅配ボックス1004から支持体までの距離、荷物から宅配ボックス1004までの距離等を示す情報が含まれる。センサ1019は、例えば、TOF(Time-of-Flight)カメラ、測距センサ等である。
【0937】
制御部1020は、画像情報に基づいて、荷物を収容するための宅配ボックス1004の鉛直上方にリール1018が位置するか否かを判定する。荷物を収容するための宅配ボックス1004の鉛直上方にスラスタ装置1001cが位置する場合、繰り出されたワイヤ1016の部分の長さが所定の長さを超えた後に、制御部1020は、複数のモータ1010の駆動を開始させる。所定の長さは、宅配ボックス1004からリール1018までの距離の半分に相当する。
【0938】
制御部1020は、リフトモータ1040を介してリール1018を回転させることでワイヤ1016を繰り出し、スラスタ装置1001cを無人航空機1003から降下させる。これにより、スラスタ装置1001cの荷物が宅配ボックス1004に収納される。制御部1020は、宅配ボックス1004に荷物を降ろすと、リフトモータ1040を介してリール1018を回転させることでワイヤ1016を巻き取り、スラスタ装置1001cを上昇させて無人航空機1003に近づける。
【0939】
[動作]
図93は、実施の形態12におけるスラスタ装置1001cが宅配ボックス1004に荷物を格納する動作を例示するフローチャートである。
図92及び
図93では、無人航空機1003が宅配ボックス1004の鉛直上方に到着した場合を想定して説明する。
【0940】
図93および
図92のaに示すように、まず、無人航空機1003は、配送先である宅配ボックス1004の鉛直上方まで飛行し到着する(S1101)。
【0941】
次に、
図93および
図92のaおよびbに示すように、制御部1020は、リフトモータ1040を制御してリール1018を回転させ、ワイヤ1016の繰り出しを開始する。これにより、スラスタ装置1001cは、降下を開始する(S1102)。
【0942】
次に、制御部1020は、リフトモータ1040を制御することでワイヤ1016を繰り出し、繰り出されたワイヤ1016の部分の長さが所定の長さを超えた(Q1>Q2/2)か否かを判定する(S1103)。
【0943】
繰り出されたワイヤ1016の部分の長さが所定の長さを超えていない場合(S1103でNO)、制御部1020は、ステップS1103に処理を戻す。
【0944】
繰り出されたワイヤ1016の部分の長さが所定の長さを超えた場合(S1103でYES)、複数のモータ1010を駆動させる(S1104)。これにより、宅配ボックス1004に対する上方のスラスタ装置1001cの位置が補正され、宅配ボックス1004の開口に対する荷物の位置が補正される。制御部1020は、鉛直方向におけるスラスタ装置1001cと宅配ボックス1004の開口との重なり誤差の補正を繰り返しながら、宅配ボックス1004の開口に対するスラスタ装置1001cを位置合わせし、宅配ボックス1004の開口とスラスタ装置1001cつまり荷物とを一致させる。
【0945】
図93および
図92のcに示すように、スラスタ装置1001cは、宅配ボックス1004内に荷物を降ろす(S1105)。具体的には、スラスタ装置1001cは、宅配ボックス1004の開口に被さるように降下し、宅配ボックス1004に荷物を格納する。
【0946】
図93および
図92のdに示すように、スラスタ装置1001cは、宅配ボックス1004に荷物を格納後、荷物を切離した後に上昇して無人航空機1003の本体に装着される。そして、無人航空機1003は、配送元に戻る。
【0947】
なお、
図94では、スラスタ装置1001cを固定する物体がレールである場合を例示する。
図94は、実施の形態12におけるスラスタ装置1001cが宅配ボックス1004に荷物を格納する別の様子を例示した模式図である。この場合においても、
図92および
図93と同様の処理および動作となる。
【0948】
[作用効果]
次に、本実施の形態におけるスラスタ装置1001cの作用効果について説明する。
【0949】
上述したように、本実施の形態に係るスラスタ装置1001cは、ワイヤ1016の他端が接続されたリール1018と、リール1018を回転させてワイヤ1016を繰り出すリフトモータ1040とをさらに備える。そして、荷物を収容するための宅配ボックス1004の鉛直上方にリール1018が位置する場合、繰り出されたワイヤ1016の部分の長さが所定の長さを超えた後に、制御部1020は、複数のモータ1010を駆動し始める。
【0950】
これによれば、スラスタ装置1001cが宅配ボックス1004に近づくと、所定位置に対するスラスタ装置1001cの位置の調整を開始するため、所定位置に対するスラスタ装置1001cの位置合わせを行い易くなる。
【0951】
本実施の形態に係るスラスタ装置1001cは、荷物を収容するための宅配ボックス1004の鉛直上方にリール1018が位置するとき、宅配ボックス1004の位置を検知するセンサ1019をさらに備える。
【0952】
これによれば、宅配ボックス1004に対するスラスタ装置1001cの位置を精度よく検知することができるため、宅配ボックス1004に対するスラスタ装置1001cの位置を、より精度よく微調整することができる。
【0953】
本実施の形態に係るスラスタ装置1001cにおいて、所定の長さは、宅配ボックス1004からリール1018までの距離の半分に相当する。
【0954】
これによれば、スラスタ装置1001cが宅配ボックス1004の近くに位置すると、所定位置に対するスラスタ装置1001cの位置の調整を開始するため、所定位置に対するスラスタ装置1001cの位置合わせをより行い易くなる。
【0955】
(実施の形態13)
[構成]
以下では、本実施の形態におけるスラスタ装置の基本的な構成は、実施の形態10等のスラスタ装置の基本的な構成と同じであるため、本実施の形態におけるスラスタ装置の基本的な構成について適宜説明を省略する。本実施の形態では、スラスタ装置のプロペラ1013のブレード1013a1が凸部1013a2を有する点で実施の形態10等と相違する。
【0956】
図95は、実施の形態13におけるスラスタ装置のプロペラ1013の形状を例示する図である。
図95のaは、プロペラ1013の斜視図であり、
図95のbは、プロペラ1013のブレード1013a1の断面を示す部分断面図である。
【0957】
図95に示すように、複数のプロペラ1013のそれぞれは、複数のブレード1013a1を有する。本実施の形態では、複数のプロペラ1013のそれぞれは、2つのブレード1013a1を有するが、ブレード1013a1を3つ以上有していてもよく、1つ有していてもよい。
【0958】
複数のブレード1013a1のそれぞれの表面には、複数の凸部1013a2が設けられる。複数の凸部1013a2は、複数のブレード1013a1の回転方向に沿って延びる縞状パターンである。複数の凸部1013a2は、複数のブレード1013a1のそれぞれの表面に、等間隔に形成される。
【0959】
[作用効果]
次に、本実施の形態におけるスラスタ装置の作用効果について説明する。
【0960】
上述したように、本実施の形態に係るスラスタ装置において、複数のプロペラ1013のそれぞれは、複数のブレード1013a1を有する。複数のブレード1013a1のそれぞれの表面には、複数の凸部1013a2が設けられる。そして、複数の凸部1013a2は、複数のブレード1013a1の回転方向に沿って延びる縞状パターンである。
【0961】
これによれば、スラスタ装置の飛行中における風の影響を抑制することができる。このため、風が吹いている環境下でも、スラスタ装置の姿勢を安定にすることができるため、所定位置に対するスラスタ装置の位置合わせをより行い易くなる。
【0962】
(実施の形態14)
[構成]
以下では、本実施の形態における昇降システム1100の基本的な構成は、実施の形態9等の配送システムの基本的な構成と同じであり、スラスタ装置の基本的な構成は、実施の形態10等のスラスタ装置の基本的な構成と同じであるため、本実施の形態における昇降システム1100及びスラスタ装置の基本的な構成について適宜説明を省略する。本実施の形態では、2つのスラスタ装置を用いる点で実施の形態9等と相違する。
【0963】
図96は、実施の形態14における昇降システム1100のスラスタ装置が荷物を降ろす様子を例示する図である。
図97は、実施の形態14における昇降システム1100のスラスタ装置が荷物を降ろした後の様子を例示する図である。
【0964】
図96に示すように、昇降システム1100では、隣り合う2つの建物の間であり、かつ、建物の軒下に宅配ボックス1004が配置されている宅配環境を例示する。
図96では、建物の軒が障害物となり得るため、無人航空機1103が宅配ボックス1004の上に移動することは困難である。この昇降システム1100では、2つのスラスタ装置である第1スラスタ装置1001d1と第2スラスタ装置1001d2とを用いて、宅配ボックス1004に荷物を配送する。
図97では、荷物を配送した後、第1スラスタ装置1001d1および第2スラスタ装置1001d2を回収する。
【0965】
図98は、実施の形態14におけるスラスタ装置を例示したブロック図である。
【0966】
図98に示すように、昇降システム1100は、無人航空機1103と、第1スラスタ装置1001d1と、第1ワイヤ1016a1と、第1リール1018aと、第2スラスタ装置1001d2と、第2ワイヤ1016b1と、第2リール1018bと、制御部とを備える。
【0967】
無人航空機1103は、例えば親機となるドローンであり、上述のドローンと実質的に同様の構成である。
【0968】
第1スラスタ装置1001d1は、無人航空機1103の第1子機であり、無人航空機1103に着脱可能に取り付けられる。第1スラスタ装置1001d1は、第1支持体と、複数の第1モータ1010d1と、複数の第1プロペラとを有する。第1支持体は、無人航空機1103に着脱可能に取り付けられる。複数の第1モータ1010d1は、第1支持体の外周を構成する複数の側面部に配置される。複数の第1プロペラは、複数の第1モータ1010d1の回転軸と一対一で対応し、複数の第1モータ1010d1によって駆動される。第1スラスタ装置1001d1は、上述のスラスタ装置と実質的に同様の構成である。第1支持体および第1プロペラは、上述の支持体およびプロペラと同様の構成である。
【0969】
第1ワイヤ1016a1は、第1スラスタ装置1001d1と無人航空機1103とを繋ぐ。第1ワイヤ1016a1は、一端が無人航空機1103と連結され、他端が第1スラスタ装置1001d1と連結される。
【0970】
第1リール1018aは、回転することによって、第1ワイヤ1016a1を繰り出したり、巻き取ったりすることができる。第1リール1018aは、リフトモータ1040によって回転が制御される。本実施の形態では、第1リール1018aは、第1スラスタ装置1001d1に搭載されるが、無人航空機1103に搭載されてもよい。
【0971】
第2スラスタ装置1001d2は、無人航空機1103の第2子機である。第2スラスタ装置1001d2は、荷物を着脱可能に取り付け、かつ、第1スラスタ装置1001d1に着脱可能に取り付けられる。第2スラスタ装置1001d2は、第2ワイヤ1016b1を介して第1スラスタ装置1001d1と連結される。第2スラスタ装置1001d2は、第2支持体と、第2モータ1010d2と、第2プロペラとを有する。
【0972】
第2支持体は、無人航空機1103に着脱可能に取り付けられる。複数の第2モータ1010d2は、第2支持体の外周を構成する複数の側面部に配置される。複数の第2プロペラは、複数の第2モータ1010d2の回転軸と一対一で対応し、複数の第2モータ1010d2によって駆動される。第2スラスタ装置1001d2は、第1スラスタ装置1001d1と同様の構成である。第2支持体および第2プロペラは、上述の支持体およびプロペラと同様の構成である。
【0973】
第2ワイヤ1016b1は、第1スラスタ装置1001d1と第2スラスタ装置1001d2とを繋ぐ。第2ワイヤ1016b1は、一端が第1スラスタ装置1001d1と連結され、他端が第2スラスタ装置1001d2と連結される。
【0974】
第2リール1018bは、回転することによって、第2ワイヤ1016b1を繰り出したり、巻き取ったりすることができる。第2リール1018bは、リフトモータ1040によって回転が制御される。本実施の形態では、第2リール1018bは、第2スラスタ装置1001d2に搭載されるが、第1スラスタ装置1001d1に搭載されてもよい。
【0975】
制御部は、無人航空機1103、第1スラスタ装置1001d1および第2スラスタ装置1001d2の少なくともいずれかに搭載されている。なお、本実施の形態では、
図98に示すように、無人航空機1103に搭載される制御部1021が発揮する機能として説明するが、制御部は、無人航空機1103、第1スラスタ装置1001d1および第2スラスタ装置1001d2の少なくともいずれかに搭載されていれば、本実施の形態に限定されない。制御部の搭載機器は、特に限定されない。
【0976】
[動作]
次に、第1スラスタ装置1001d1および第2スラスタ装置1001d2の動作について、
図96~
図98を用いて説明する。
【0977】
制御部1021は、
図96の矢印Aに示すように、無人航空機1103が地上から離れた位置に存在する場合、リフトモータ1040を介して第1リール1018aを制御して、第1ワイヤ1016a1を繰り出させ、無人航空機1103から第1スラスタ装置1001d1および第2スラスタ装置1001d2を離脱させる。このとき、制御部1021は、無人航空機1103から第1スラスタ装置1001d1および第2スラスタ装置1001d2を離脱させた後に、複数の第1モータ1010d1、および、複数の第2モータ1010d2の少なくとも一方を駆動させる。制御部1021は、無人航空機1103から第1スラスタ装置1001d1および第2スラスタ装置1001d2が離脱すると、宅配ボックス1004に対して位置合わせを行うために、第1スラスタ装置1001d1及び第2スラスタ装置1001d2の少なくとも一方の移動を制御する。当然のことながら、制御部1021は、無人航空機1103、第1スラスタ装置1001d1および第2スラスタ装置1001d2のそれぞれに対する宅配ボックス1004の距離および位置を認識している。
【0978】
制御部1021は、無人航空機1103から第1スラスタ装置1001d1および第2スラスタ装置1001d2が離脱した場合、リフトモータ1040を介して第2リール1018bを制御して第2ワイヤ1016b1を繰り出させ、
図96の矢印B、Cに示すように、第1スラスタ装置1001d1から第2スラスタ装置1001d2を離脱させる。このとき、制御部1021は、第1スラスタ装置1001d1から第2スラスタ装置1001d2を離脱させた後に、複数の第1モータ1010d1および複数の第2モータ1010d2を駆動させる。制御部1021は、第1スラスタ装置1001d1から第2スラスタ装置1001d2が離脱すると、第2スラスタ装置1001d2が宅配ボックス1004に対して位置合わせを行うために、第1スラスタ装置1001d1及び第2スラスタ装置1001d2の移動を制御する。
【0979】
制御部1021は、第1スラスタ装置1001d1から第2スラスタ装置1001d2を離脱させた後に、複数の第1モータ1010d1および複数の第2モータ1010d2に対して異なる制御を行う。制御部1021は、
図96の矢印Dに示すように、無人航空機1103と第1スラスタ装置1001d1との間で第1ワイヤ1016a1が延びる第1吊下げ方向を調節し、第1スラスタ装置1001d1と第2スラスタ装置1001d2との間で第2ワイヤ1016b1が延びる第2吊下げ方向を調節する。制御部1021は、少なくとも第1スラスタ装置1001d1および第2スラスタ装置1001d2の位置を調節することで、第1吊下げ方向と第2吊下げ方向とを異ならせる。制御部1021は、さらに、無人航空機1103の位置を調節することで、第1吊下げ方向と第2吊下げ方向とを異ならせてもよい。
【0980】
このとき、制御部1021は、第1スラスタ装置1001d1から第2スラスタ装置1001d2を離脱させた後に、複数の第1モータ1010d1および複数の第2モータ1010d2に対して異なる制御を行うことによって、地面に垂直な方向(例えば、鉛直方向)から見て、第1スラスタ装置1001d1と第2スラスタ装置1001d2との重なる面積を減少させる、又は、第1スラスタ装置1001d1と第2スラスタ装置1001d2との重なりを無くす。制御部1021は、無人航空機1103から第1スラスタ装置1001d1が離脱し、かつ、第1スラスタ装置1001d1から第2スラスタ装置1001d2が離脱すると、第1スラスタ装置1001d1と第2スラスタ装置1001d2とが鉛直方向で重ならないように、第1スラスタ装置1001d1と第2スラスタ装置1001d2との位置を調節する。これにより、鉛直方向に対する第1スラスタ装置1001d1と第2スラスタ装置1001d2との位置を相対的に異ならせるため、無人航空機1103と第1スラスタ装置1001d1と第2スラスタ装置1001d2とを結ぶ直線が折れ線状になる。無人航空機1103と第2スラスタ装置1001d2とを結ぶ直線上に、第1スラスタ装置1001d1が配置されなくなる。このように、制御部1021は、無人航空機1103と第2スラスタ装置1001d2とを結ぶ直線に対して、障害物を迂回するように第1スラスタ装置1001d1を配置する。
【0981】
制御部1021は、
図96の矢印Eに示すように、第2スラスタ装置1001d2から荷物を離脱させた後、
図97の矢印F、G、Hに示すように、リフトモータ1040を制御することで、第2リール1018bによって第2ワイヤ1016b1を巻き取り取らせて、第2スラスタ装置1001d2を第1スラスタ装置1001d1に装着させる。制御部1021は、第2リール1018bによる第2ワイヤ1016b1の巻き取りによって、第2スラスタ装置1001d2を第1スラスタ装置1001d1の位置まで導かせる(引っ張る)ことで、第1スラスタ装置1001d1に第2スラスタ装置1001d2を回収させる。
【0982】
制御部1021は、
図97の矢印Iに示すように、リフトモータ1040を制御することで、第1リール1018aによって第1ワイヤ1016a1を巻き取り、第1スラスタ装置1001d1および第2スラスタ装置1001d2を無人航空機1103に装着させる。制御部1021は、第2スラスタ装置1001d2を第1スラスタ装置1001d1に装着させた後に、第1スラスタ装置1001d1および第2スラスタ装置1001d2を無人航空機1103に装着させるが、第2スラスタ装置1001d2を第1スラスタ装置1001d1に装着させると同時に、第1スラスタ装置1001d1および第2スラスタ装置1001d2を無人航空機1103に装着させてもよい。
【0983】
[作用効果]
次に、本実施の形態における昇降システム1100の作用効果について説明する。
【0984】
上述したように、本実施の形態に係る昇降システム1100は、無人航空機1103と、無人航空機1103に着脱可能に取り付けられる第1スラスタ装置1001d1と、第1スラスタ装置1001d1と無人航空機1103とを繋ぐ第1ワイヤ1016a1と、第1ワイヤ1016a1を巻き取り可能な第1リール1018aと、荷物に着脱可能に取り付けられ、かつ、第1スラスタ装置1001d1に着脱可能に取り付けられる第2スラスタ装置1001d2と、第1スラスタ装置1001d1と第2スラスタ装置1001d2の間を繋ぐ第2ワイヤ1016b1と、第2ワイヤ1016b1を巻き取り可能な第2リール1018bと、制御部1021とを備える。そして、制御部1021は、無人航空機1103が地上から離れた位置に存在する場合、無人航空機1103から第1スラスタ装置1001d1および第2スラスタ装置1001d2を離脱させ、第1リール1018aを制御して第1ワイヤ1016a1を繰り出させ、第1スラスタ装置1001d1から第2スラスタ装置1001d2を離脱させ、第2リール1018bを制御して第2ワイヤ1016b1を繰り出させる。
【0985】
これによれば、所定位置の鉛直上方に障害物がある場合等、荷物を所定位置に運ぶ難い場合であっても、第1スラスタ装置1001d1および第2スラスタ装置1001d2が障害物を迂回するように移動することができる。このため、第2スラスタ装置1001d2を所定位置の鉛直上方まで移動させることができるため、荷物を所定位置まで確実に配送することができる。
【0986】
本実施の形態に係る昇降システム1100において、第1スラスタ装置1001d1は、無人航空機1103に着脱可能に取り付けられる第1支持体と、第1支持体の複数の側面部に配置された複数の第1モータ1010d1と、複数の第1モータ1010d1によって駆動される複数の第1プロペラとを有する。そして、第2スラスタ装置1001d2は、第1スラスタ装置1001d1に着脱可能に取り付けられる第2支持体と、第2支持体の複数の側面部に配置された複数の第2モータ1010d2と、複数の第2モータ1010d2によって駆動される複数の第2プロペラとを有する。
【0987】
これによれば、無人航空機1103に対する第1スラスタ装置1001d1の位置を調節し、かつ、第1スラスタ装置1001d1に対する第2スラスタ装置1001d2の位置を調節することができる。このため、第1スラスタ装置1001d1および第2スラスタ装置1001d2が障害物を迂回するように移動させることができる。その結果、荷物を所定位置まで確実に配送することができる。
【0988】
本実施の形態に係る昇降システム1100において、制御部1021は、無人航空機1103から第1スラスタ装置1001d1および第2スラスタ装置1001d2を離脱させた後に、複数の第1モータ1010d1および/または複数の第2モータ1010d2を駆動させる。そして、制御部1021は、第1スラスタ装置1001d1から第2スラスタ装置1001d2を離脱させた後に、複数の第1モータ1010d1および複数の第2モータ1010d2を駆動させる。
【0989】
これによれば、障害物を迂回するための目的位置まで、第1スラスタ装置1001d1および第2スラスタ装置1001d2が一体的に移動することができる。このため、制御部1021は、複数の第1モータ1010d1および複数の第2モータ1010d2を駆動制御する処理負担の増大を抑制することができる。
【0990】
本実施の形態に係る昇降システム1100において、制御部1021は、第1スラスタ装置1001d1から第2スラスタ装置1001d2を離脱させた後に、複数の第1モータ1010d1および複数の第2モータ1010d2に対して異なる制御を行うことによって、無人航空機1103と第1スラスタ装置1001d1との間で第1ワイヤ1016a1が延びる第1吊下げ方向と、第1スラスタ装置1001d1と第2スラスタ装置1001d2との間で第2ワイヤ1016b1が延びる第2吊下げ方向とを異ならせる。
【0991】
これによれば、所定位置の鉛直上方に障害物があっても、障害物を確実に迂回するように、第1スラスタ装置1001d1および第2スラスタ装置1001d2を位置させることができる。その結果、この昇降システム1100では、荷物を所定位置まで確実に配送することができる。
【0992】
本実施の形態に係る昇降システム1100において、制御部1021は、第1スラスタ装置1001d1から第2スラスタ装置1001d2を離脱させた後に、複数の第1モータ1010d1および複数の第2モータ1010d2に対して異なる制御を行うことによって、地面に垂直な方向から見て、第1スラスタ装置1001d1と第2スラスタ装置1001d2との重なる面積を減少させる、または、第1スラスタ装置1001d1と第2スラスタ装置1001d2との重なりを無くす。
【0993】
これによれば、第2スラスタ装置1001d2の鉛直上方に第1スラスタ装置1001d1が配置されないように、第1スラスタ装置1001d1と第2スラスタ装置1001d2との相対位置を変更することができる。このため、所定位置の鉛直上方に障害物があっても、障害物を確実に迂回するように、第1スラスタ装置1001d1および第2スラスタ装置1001d2を位置させることができる。その結果、荷物を所定位置まで確実に配送することができる。
【0994】
本実施の形態に係る昇降システム1100において、制御部1021は、第2スラスタ装置1001d2から荷物を離脱させた後、第2リール1018bによって第2ワイヤ1016b1を巻き取り、第2スラスタ装置1001d2を第1スラスタ装置1001d1に装着させ、第1リール1018aによって第1ワイヤ1016a1を巻き取り、第1スラスタ装置1001d1および第2スラスタ装置1001d2を無人航空機1103に装着させる。
【0995】
これによれば、荷物を所定位置に配送した後、第2ワイヤ1016b1を巻き取りながら第2スラスタ装置1001d2を第1スラスタ装置1001d1に装着でき、第1ワイヤ1016a1を巻き取りながら第1スラスタ装置1001d1および第2スラスタ装置1001d2を無人航空機1103に装着できる。このため、第1ワイヤ1016a1および第2ワイヤ1016b1が障害物と接触したりすることで、これらワイヤが損傷したり、絡まったりすることを抑制することができる。このため、昇降システム1100の稼働効率の低下を抑制することができる。
【0996】
(実施の形態14の変形例1)
以下では、本変形例における昇降システム1100の基本的な構成は、実施の形態14等の配送システムの基本的な構成と同じであり、スラスタ装置の基本的な構成は、実施の形態14等のスラスタ装置の基本的な構成と同じであるため、本変形例における昇降システム1100及びスラスタ装置の基本的な構成について適宜説明を省略する。本変形例では、3つのスラスタ装置を用いる点、第2ワイヤおよび第2リールの代わりに、第3ワイヤ1016c、第3リール、第4ワイヤ1016dおよび第4リールが用いられる点で実施の形態14等と相違する。
【0997】
図99は、実施の形態14の変形例1における昇降システム1100のスラスタ装置が荷物を降ろす様子を例示する図である。
図100は、実施の形態14の変形例1における昇降システム1100のスラスタ装置が荷物を降ろした後の様子を例示する図である。
【0998】
図99および
図100に示すように、昇降システム1100は、無人航空機1103、第1スラスタ装置1001d1、第1ワイヤ1016a1、第1リール1018a、第2スラスタ装置1001d2、および、制御部1021の他に、第3スラスタ装置1001d3と、第3ワイヤ1016cと、第3リールと、第4ワイヤ1016dと、第4リールとを備える。
【0999】
第3スラスタ装置1001d3は、第1スラスタ装置1001d1と第2スラスタ装置1001d2の間に着脱可能に取り付けられる。第3スラスタ装置1001d3は、無人航空機1103の第3子機であり、第1スラスタ装置1001d1に着脱可能に取り付けられる。第3スラスタ装置1001d3は、第3支持体と、複数の第3モータと、複数の第3プロペラとを有する。第3支持体は、第1スラスタ装置1001d1に着脱可能に取り付けられる。複数の第3モータは、第3支持体の外周を構成する複数の側面部に配置される。複数の第3プロペラは、複数の第3モータの回転軸と一対一で対応し、複数の第3モータによって駆動される。第3スラスタ装置1001d3は、上述のスラスタ装置と実質的に同様の構成である。
【1000】
第3ワイヤ1016cは、第1スラスタ装置1001d1と第3スラスタ装置1001d3とを繋ぐ。第3ワイヤ1016cは、一端が第1スラスタ装置1001d1と連結され、他端が第3スラスタ装置1001d3と連結される。
【1001】
第3リールは、回転することによって、第3ワイヤ1016cを繰り出したり、巻き取ったりすることができる。第3リールは、リフトモータ1040によって回転が制御される。本変形例では、第3リールは、第3スラスタ装置1001d3に搭載されるが、第1スラスタ装置1001d1に搭載されてもよい。第3リール、第3プロペラおよび第3モータは、上述のリール、プロペラおよびモータと同様の構成である。
【1002】
第4ワイヤ1016dは、第3スラスタ装置1001d3と第2スラスタ装置1001d2とを繋ぐ。第4ワイヤ1016dは、一端が第3スラスタ装置1001d3と連結され、他端が第2スラスタ装置1001d2と連結される。
【1003】
第4リールは、回転することによって、第4ワイヤ1016dを繰り出したり、巻き取ったりすることができる。第4リールは、リフトモータ1040によって回転が制御される。第4リール、第4プロペラおよび第4モータは、上述のリール、プロペラおよびモータと同様の構成である。
【1004】
このような、本変形例に係る昇降システム1100は、第1スラスタ装置1001d1と第2スラスタ装置1001d2の間に着脱可能に取り付けられる第3スラスタ装置1001d3と、第1スラスタ装置1001d1と第3スラスタ装置1001d3との間をつなぐ第3ワイヤ1016cと、第3ワイヤ1016cを巻き取り可能な第3リールと、第3スラスタ装置1001d3と第2スラスタ装置1001d2との間をつなぐ第4ワイヤ1016dと、第4ワイヤ1016dを巻き取り可能な第4リールと、をさらに備える。
【1005】
これによれば、
図99の矢印A~Fのように、荷物を所定位置に配送した後、
図100の矢印G~Lのように、第4ワイヤ1016dを巻き取りながら第2スラスタ装置1001d2を第3スラスタ装置1001d3に装着でき、第3ワイヤ1016cを巻き取りながら第2スラスタ装置1001d2および第3スラスタ装置1001d3を第1スラスタ装置1001d1に装着でき、第1ワイヤ1016a1を巻き取りながら第2スラスタ装置1001d2、第3スラスタ装置1001d3および第1スラスタ装置1001d1を無人航空機1103に装着できる。このため、第1ワイヤ1016a1、第3ワイヤ1016cおよび第4ワイヤ1016dが障害物と接触したりすることで、これらワイヤが損傷したり、絡まったりすることを抑制することができる。このため、昇降システム1100の稼働効率の低下を抑制することができる。
【1006】
(実施の形態14の変形例2)
以下では、本変形例における昇降システム1100の基本的な構成は、実施の形態14等の配送システムの基本的な構成と同じであり、スラスタ装置の基本的な構成は、実施の形態14等のスラスタ装置の基本的な構成と同じであるため、本変形例における昇降システム1100およびスラスタ装置の基本的な構成について適宜説明を省略する。本変形例では、昇降システム1100がマンションなどの集合住宅に荷物を配送する様子を例示している点で実施の形態14等と相違する。
【1007】
図101は、実施の形態14の変形例2における昇降システム1100の第1スラスタ装置1001d1及び第2スラスタ装置1001d2が集合住宅施設に荷物を配送する様子を例示した模式図である。
【1008】
図101のaでは、制御部1021は、第1スラスタ装置1001d1のリフトモータ1040を制御して第1リール1018aに第1ワイヤ1016a1の繰り出しを開始させ、複数の第1モータ1010d1および/または複数の第2モータ1010d2を制御する。これにより、第1スラスタ装置1001d1および第2スラスタ装置1001d2は、無人航空機1103から離脱し、宅配ボックス1004に近づくように降下する。
【1009】
制御部1021が宅配ボックス1004に対して第1スラスタ装置1001d1および第2スラスタ装置1001d2が所定距離内に近づいたことを検知すると、第2スラスタ装置1001d2は、第1スラスタ装置1001d1から離脱する。制御部1021は、第2スラスタ装置1001d2のリフトモータ1040を制御して第2リール1018bに第2ワイヤ1016b1の繰り出しを開始させ、複数の第2モータ1010d2を制御する。そして、第2スラスタ装置1001d2は、宅配ボックス1004の開口の鉛直上方に移動する。
【1010】
図101のaおよびbでは、制御部1021は、第2スラスタ装置1001d2に対して荷物の切離しを実行させることで、荷物を宅配ボックス1004に格納させる。
【1011】
図101のbおよびcに示すように、制御部1021は、第2スラスタ装置1001d2リフトモータ1040を制御して第2リール1018bに第2ワイヤ1016b1の巻き取りを開始させ、複数の第2モータ1010d2を制御する。これにより、第2スラスタ装置1001d2は、第1スラスタ装置1001d1の鉛直下方に移動し、第1スラスタ装置1001d1に装着される。制御部1021は、第1スラスタ装置1001d1リフトモータ1040を制御して第1リール1018aに第1ワイヤ1016a1の巻き取りを開始させ、複数の第1モータ1010d1および/または複数の第2モータ1010d2を制御する。これにより、第1スラスタ装置1001d1および第2スラスタ装置1001d2が一体となって上昇し、無人航空機1103の鉛直下方に移動し、無人航空機1103に第1スラスタ装置1001d1および第2スラスタ装置1001d2が装着される。
【1012】
(実施の形態14の変形例3)
以下では、本変形例における昇降システム1100の基本的な構成は、実施の形態14等の配送システムの基本的な構成と同じであり、スラスタ装置の基本的な構成は、実施の形態14等のスラスタ装置の基本的な構成と同じであるため、本変形例における昇降システム1100及びスラスタ装置の基本的な構成について適宜説明を省略する。本実施の形態では、スラスタ装置がアーム1119を有する点で実施の形態14等と相違する。
【1013】
図102は、実施の形態14の変形例3における昇降システム1100を例示した模式図である。
【1014】
制御部1021は、アーム1119がレール400を把持している状態にある場合、無人航空機1104から第1スラスタ装置1001d1および第2スラスタ装置1001d2を離脱させる。制御部1021は、センサなどによって、アーム1119によるレール400の把持に関する情報を取得すると、取得した当該情報に基づいて、無人航空機1104から第1スラスタ装置1001d1および第2スラスタ装置1001d2を離脱させる。制御部1021は、リフトモータ1040を制御して第1リール1018aに第1ワイヤ1016a1の繰り出しを開始させ、複数の第1モータ1010d1および/または複数の第2モータ1010d2を制御する。これにより、第1スラスタ装置1001d1および第2スラスタ装置1001d2は、無人航空機1104に対して離脱することができる。
【1015】
このような、本変形例に係る昇降システム1100において、無人航空機1104は、レール400を把持可能なアーム1119を有する。そして、制御部1021は、無人航空機1104が地上から離れた位置に存在し、かつ、アーム1119がレール400を把持している状態にある場合、無人航空機1104から第1スラスタ装置1001d1および第2スラスタ装置1001d2を離脱させる。
【1016】
これによれば、アーム1119によって無人航空機1104をレール400に保持することができる。このため、第1スラスタ装置1001d1および第2スラスタ装置1001d2を無人航空機1104から離脱させても、第1ワイヤ1016a1及び第2ワイヤ1016b1を介して第1スラスタ装置1001d1および第2スラスタ装置1001d2を保持することができる。このため、第1スラスタ装置1001d1および第2スラスタ装置1001d2が落下することを抑制することができる。
【1017】
無人航空機1104を飛行させなくても、レール400に保持することができるため、無人航空機1104によるエネルギー消費を抑制することができる。
【1018】
(実施の形態14の変形例4)
以下では、本変形例におけるスラスタ装置1001fの基本的な構成は、実施の形態14等のスラスタ装置の基本的な構成と同じであるため、本変形例における昇降システム1100及びスラスタ装置1001fの基本的な構成について適宜説明を省略する。本実施の形態では、スラスタ装置1001fがアーム1119aを有する点で実施の形態14等と相違する。
【1019】
図103は、実施の形態14の変形例4における昇降システム1100のスラスタ装置1001fを例示した模式図である。
【1020】
図103に示すように、スラスタ装置1001fは、さらに、アーム1119aを有する。アーム1119aは、上述したように、レール400に掴まる(把持する)ことで、レール400に沿いながら、移動することが可能である。アーム1119aは、スラスタ装置1001fの移動を停止させる場合、レール400に連結されたアーム1119aによって宙吊りの状態となることも可能である。
【1021】
なお、本変形例では、アーム1119aを例示いているが、アーム1119aの代わりにワイヤであってもよい。
【1022】
(実施の形態15)
[構成]
以下では、本実施の形態における宅配ボックス1004aの基本的な構成は、実施の形態2等の宅配ボックスの基本的な構成と同じであるため、本実施の形態における宅配ボックス1004aの基本的な構成について適宜説明を省略する。本実施の形態では、宅配ボックス1004aが上蓋1004a2と横蓋1004a3とを有する点で実施の形態2等と相違する。
【1023】
図104は、実施の形態15における宅配ボックス1004aを例示した模式図である。
【1024】
図104に示すように、宅配ボックス1004aは、容器1004a1と、上蓋1004a2と、横蓋1004a3とを備える。
【1025】
容器1004a1は、荷物を格納するための空間Kを画定する。容器1004a1は、荷物を格納する筐体である。容器1004a1は、直方体状であるが、荷物を格納することができれば、いかような形状あってもよい。容器1004a1の鉛直上方の上面部1004a6には、上蓋1004a2が閉じることで覆われる上面開口1004a5が形成される。容器1004a1の側面部1004a7には、横蓋1004a3が閉じることで覆われる側面開口1004a4が形成される。上面開口1004a5及び側面開口1004a4は、容器1004a1の空間Kと連通する。
【1026】
上蓋1004a2は、容器1004a1の上面部1004a6に設けられ、上面開口1004a5から空間K内に荷物を入れるために上面開口1004a5を開閉可能である。上蓋1004a2は、閉じたときに上面開口1004a5を覆い、開いたときに上面開口1004a5を開放する。上蓋1004a2は、容器1004a1に対して所定の軸心周りで回動可能に保持される。
【1027】
横蓋1004a3は、容器1004a1の側面部1004a7に設けられ、空間K内の荷物を側面開口1004a4から取り出すために側面開口1004a4を開閉可能である。横蓋1004a3は、閉じたときに側面開口1004a4を覆い、開いたときに側面開口1004a4を開放する。横蓋1004a3は、容器1004a1に対して所定の軸心周りで回動可能に保持される。
【1028】
なお、上蓋1004a2及び横蓋1004a3は、容器1004a1に対して外側に向けて開く構成であるが、空間K内に向けて内側に開く構成でもよい。上蓋1004a2及び横蓋1004a3は、片開きに限定されず、両開きでもよい。
【1029】
[作用効果]
次に、本実施の形態に係る宅配ボックス1004aの作用効果について説明する。
【1030】
上述したように、本実施の形態に係る宅配ボックス1004aは、荷物を格納するための空間Kを画定する容器1004a1と、容器1004a1の上面部1004a6に設けられ、上面開口1004a5から空間K内に荷物を入れるために上面開口1004a5を開閉可能な上蓋1004a2と、容器1004a1の側面部1004a7に設けられ、空間K内の荷物を側面開口1004a4から取り出すために側面開口1004a4を開閉可能な横蓋1004a3とを備える。
【1031】
これによれば、荷物を宅配ボックス1004aの上方から宅配ボックス1004aの空間K内に入れることができ、空間Kに格納された荷物を宅配ボックス1004aの側方から取り出すことができる。このため、荷物を容易に取り出すことができる。
【1032】
(実施の形態16)
[構成]
以下では、本実施の形態におけるシステム1101に含まれる宅配ボックス1004bの基本的な構成は、実施の形態15等の宅配ボックスの基本的な構成と同じであるため、本実施の形態における宅配ボックス1004bの基本的な構成について適宜説明を省略する。本実施の形態では、宅配ボックス1004bが穴部1004a8等を有する点で実施の形態15等と相違する。
【1033】
図105は、実施の形態16におけるシステム1101の宅配ボックス1004bの上面図である。
図106は、実施の形態16におけるシステム1101の昇降装置1001gが荷物を降ろす様子を例示した模式図である。
図106のaは、昇降装置1001gが宅配ボックス1004bの鉛直上方から降下する様子を示し、
図106のbは、昇降装置1001gの凸部1004g1が宅配ボックス1004bの穴部1004a8に挿入され、昇降装置1001gが宅配ボックス1004bに接続された様子を示す。
【1034】
図105及び
図106に示すように、本実施の形態のシステム1101は、宅配ボックス1004bと、昇降装置1001gとを備える。
【1035】
宅配ボックス1004bは、容器1004a1、上蓋1004b2、及び、横蓋の他に、穴部1004a8と、開閉部とを備える。穴部1004a8は、容器1004a1の上面部に設けられ、凸部1004g1を挿入可能である。穴部1004a8は、上面部に形成される凹部であるが、例えばねじ穴であってもよい。穴部1004a8は、鉛直上方から容器1004a1を見て、容器1004a1の角部に形成される。
【1036】
上蓋1004b2は、空間内(内側)に向けて開く内開きであり、かつ、両開きである。なお、上蓋1004b2は、片開きであってもよい。
【1037】
開閉部は、穴部1004a8に凸部1004g1が挿入されたときに上蓋1004b2を空ける機構である。開閉部は、アクチュエータなどの機械式の機構であってもよく、穴部1004a8に挿入された凸部1004g1を検知することで上蓋1004b2を開く電動式の機構であってもよい。
【1038】
昇降装置1001gは、荷物に着脱可能に取り付けられ、宅配ボックス1004bの鉛直上方から降下可能である。昇降装置1001gは、穴部1004a8が挿入されることで係合する凸部1004g1を有する。昇降装置1001gは、例えば上述した、無人航空機、スラスタ装置等である。本実施の形態では、昇降装置1001gは、スラスタ装置を例示している。
【1039】
凸部1004g1は、昇降装置1001gの下端面から下方に突出する。凸部1004g1は、例えば、ねじ、単なる脚でもよく、穴部1004a8に挿入可能であればよい。
【1040】
図106のaで示すように、昇降装置1001gは、宅配ボックス1004bの鉛直上方から宅配ボックス1004bに向けて降下する際に、凸部1004g1と宅配ボックス1004bの穴部1004a8とが鉛直方向で一致するように移動する。昇降装置1001gは、凸部1004g1を穴部1004a8に挿入させることで、宅配ボックス1004bの上面部と位置合わせされる。これにより、宅配ボックス1004bの上面開口を覆うように、昇降装置1001gが宅配ボックス1004bの上面部に接続される。そして、昇降装置1001gは、荷物を切離して、荷物を宅配ボックス1004bの空間に収納する。
【1041】
[作用効果]
次に、本実施の形態におけるシステム1101の作用効果について説明する。
【1042】
上述したように、本実施の形態に係るシステム1101は、宅配ボックス1004bと、荷物に着脱可能に取り付けられ、宅配ボックス1004bの鉛直上方から降下可能な昇降装置1001gと、を備えるシステム1101である。そして、昇降装置1001gは、凸部1004g1を有する。そして、宅配ボックス1004bは、上面部に設けられた、凸部1004g1を挿入可能な穴部1004a8と、穴部1004a8に凸部1004g1が挿入されたときに上蓋1004b2を空ける機構とを有する。
【1043】
これによれば、昇降装置1001gが荷物を宅配ボックス1004bに格納する際に、凸部1004g1を穴部1004a8に挿入することで、宅配ボックス1004bの上面開口に対して昇降装置1001gを位置合わせすることができる。このため、宅配ボックス1004bの空間に荷物を確実に格納することができる。
【1044】
(実施の形態17)
[構成]
以下では、本実施の形態における無人航空機1105の基本的な構成は、実施の形態3等の無人航空機(ドローン)の基本的な構成と同じであるため、本実施の形態における無人航空機1105の基本的な構成について適宜説明を省略する。本実施の形態では、無人航空機1105が第1アーム1121及び第2アーム1122を有する点で実施の形態3等と相違する。
【1045】
図107は、実施の形態17における無人航空機1105を例示した模式図である。
【1046】
無人航空機1105は、複数の回転翼1112と、複数の回転翼1112をそれぞれ回転させる複数のモータ1113と、複数のモータ1113を支持する本体1111と、接続体1120とを備える。
【1047】
接続体1120は、本体1111を吊下げた状態で、地面から離れた位置にあるレールに接続する。接続体1120は、固定部1123と、第1アーム1121と、第2アーム1122と、第1アクチュエータ1122aと、第2アクチュエータ1122bと、制御部1124とを有する。接続体1120は、上述の接続体1120と同様の構成を有するため、同様の構成については適宜説明を省略する。
【1048】
固定部1123は、第1アーム1121及び第2アーム1122を回動可能に支持し、無人航空機1105の本体1111に接続されて固定されている。固定部1123は、側面視で英文字逆T字状をなしている。
【1049】
固定部1123は、モータ1113の並び方向に延びる第1ベース部1123aと、第1アーム1121と第2アーム1122との間に配置される第2ベース部1123bとを有する。第2ベース部1123bは、第1ベース部1123aから上方に向かって延び、かつ、後述する第1領域R1と第2領域R2を隔てる。具体的には、第2ベース部1123bは、第1ベース部1123aの中心部分から第1アーム1121および第2アーム1122のそれぞれの先端部(後述する第1アーム1121の他端および第2アーム1122の他端)まで立ち上がるように延びる。固定部1123は、仕切部の一例である。
【1050】
第1アーム1121および第2アーム1122は、無人航空機1105をレールに吊下げるためのハンガである。第1アーム1121および第2アーム1122は、互い違いとなるように固定部1123に配置される。
【1051】
具体的には、第1アーム1121は、一端が固定部1123に接続され、他端が固定部1123に対して開閉する。第2アーム1122も、一端が固定部1123に接続され、他端が固定部1123に対して開閉する。第1アーム1121の一端は、第1ベース部1123aの一端に回動可能に固定され、第2アーム1122の一端は、第1ベース部1123aの他端に回動可能に固定される。第1アーム1121の他端および第2アーム1122の他端は、第2ベース部1123bの先端を挟むように、当該先端と当接および離間可能である。
【1052】
第1アーム1121が第2ベース部1123bの先端と当接する閉状態では、第1アーム1121と固定部1123とによって囲まれる第1領域R1が形成される。第2アーム1122が第2ベース部1123bの先端と当接する閉状態では、第2アーム1122と固定部1123とによって囲まれる第2領域R2が形成される。第1領域R1は、第2領域R2と離れ、第2ベース部1123bによって区切られる。
【1053】
第1アクチュエータ1122aは、第1アーム1121を開閉させる。第2アクチュエータ1122bは、第2アーム1122を開閉させる。第1アクチュエータ1122aは、第1アーム1121の一端に接続されて、第1アーム1121を回動させる。第2アクチュエータ1122bは、第2アーム1122の一端に接続されて、第2アーム1122を回動させる。
【1054】
制御部1124は、第1アクチュエータ1122aと第2アクチュエータ1122bとを制御する。制御部1124は、第1アクチュエータ1122aおよび第2アクチュエータ1122bを制御することで、第1レール(レールの一例)に接続されている接続体1120を第1レールとは別の第2レール(レールの一例)に切換える。制御部1124は、第1アクチュエータ1122aおよび第2アクチュエータ1122bを制御することで、第2レールに接続されている接続体1120を第1レールに切換える。
【1055】
制御部1124は、第1アーム1121と第2アーム1122の少なくとも一方が閉状態となるように第1アクチュエータ1122aおよび第2アクチュエータ1122bを制御する。
【1056】
具体的には、制御部1124は、第1アーム1121を閉状態から開状態に変更する指示を受けた場合、第2アーム1122が閉状態にあるか否かを判定する。制御部1124は、第2アーム1122が閉状態にある場合には、第1アーム1121を開状態に変更させる。第2アーム1122が閉状態にある場合、第2領域R2が閉じられた領域となるため、第2領域R2に第2レールが配置されていれば、無人航空機1105は、第2レールに接続されているため、第2レールからの落下が抑制される。
【1057】
一方、制御部1124は、第2アーム1122が開状態にある場合には、第1アーム1121を閉状態のまま維持させる。第2アーム1122が開状態にある場合、第2領域R2が開放された領域となっているため、無人航空機1105は、第2レールに接続されておらず、閉状態の第1アーム1121に第1レールが接続されて保持されている。このため、制御部1124は、第1アーム1121を開状態にせず、閉状態を維持させる。これにより、無人航空機1105は、第1レールに接続されて保持されるため、第1レールからの落下が抑制される。
【1058】
具体的には、制御部1124は、第2アーム1122を閉状態から開状態に変更する指示を受けた場合、第1アーム1121が閉状態にあるか否かを判定する。制御部1124は、第1アーム1121が閉状態にある場合には、第2アーム1122を開状態に変更させる。第1アーム1121が閉状態にある場合、第1領域R1が閉じられた領域となるため、第1領域R1に第1レールが配置されていれば、無人航空機1105は、第1レールに接続されて保持されるため、第1レールからの落下が抑制される。
【1059】
一方、制御部1124は、第1アーム1121が開状態にある場合には、第2アーム1122を閉状態のまま維持させる。第1アーム1121が開状態にある場合、第1領域R1が開放された領域となっているため、無人航空機1105は、第1レールに接続されておらず、閉状態の第2アーム1122に第2レールが接続されて保持されている。このため、制御部1124は、第2アーム1122を開状態にせず、閉状態を維持させる。これにより、無人航空機1105は、第2レールに接続されて保持されるため、第2レールからの落下が抑制される。
【1060】
制御部1124は、第1アーム1121が閉状態にあるか否か、第2アーム1122が閉状態にあるか否かを判定する手段は、第1アクチュエータ1122aおよび第2アクチュエータ1122bに出力する指示などの有無、第1アクチュエータ1122aおよび第2アクチュエータ1122bの可動状態などによって判定できる。第1アーム1121および第2アーム1122の開閉状態を検知するセンサなどを設けることで、第1アーム1121が閉状態にあるか否か、第2アーム1122が閉状態にあるか否かを制御部1124が判定してもよい。
【1061】
[動作]
次に、本実施の形態における無人航空機1105の動作について説明する。
【1062】
図108は、実施の形態17における無人航空機1105の第1アーム1121を閉状態から開状態に変更する動作を例示するフローチャートである。
【1063】
図108に示すように、制御部1124は、第1アーム1121を閉状態から開状態に変更する指示を取得する(S1110)。この指示は、例えば、第2アーム1122に第2レールが接続されている場合、第2レールから第1レールに接続を切換える際に、制御部1124が取得する。
【1064】
次に、制御部1124は、第1アーム1121を閉状態から開状態に変更する指示を受けた場合、第2アーム1122が閉状態にあるか否かを判定する(S1111)。
【1065】
制御部1124は、第2アーム1122が閉状態にある場合(S1111でYES)、第1アーム1121を閉状態から開状態に変更する(S1112)。制御部1124は、第1アクチュエータ1122aを制御することで、第1アーム1121を第2ベース部1123bの先端部から遠ざける様(時計回り)に回動させて、第1アーム1121を開状態にする。この場合、開放された第1領域R1に第1レールを配置させることができる。そして、制御部1124は、第1アーム1121を閉状態から開状態に変更する動作の処理を終了する。
【1066】
一方、制御部1124は、第2アーム1122が開状態にある場合(S1111でNO)、第1アーム1121を閉状態のまま維持させる。そして、制御部1124は、第1アーム1121を閉状態から開状態に変更する動作の処理を終了する。
【1067】
本実施の形態における無人航空機1105は、以下の
図109に示す動作をしてもよい。以下の
図109の動作について、
図108と同様の処理については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
【1068】
図109は、実施の形態17における無人航空機1105の第1アーム1121を閉状態から開状態に変更する別の動作を例示するフローチャートである。
【1069】
図108に示すように、制御部1124は、ステップS1110、S1111の処理を経て、第2アーム1122が開状態にある場合(S1111でNO)、第2アーム1122を開状態から閉状態に変更する(S1113)。制御部1124は、第2アクチュエータ1122bを制御することで、第2アーム1122を第2ベース部1123bの先端部に近付ける様(時計回り)に回動させて、第2アーム1122を閉状態にする。この場合、閉じられた第2領域R2に第2レールを配置させることもできる。そして、制御部1124は、ステップS1112に進み、第1アーム1121を閉状態から開状態に変更する動作の処理を終了する。
【1070】
なお、
図108および
図109では、第1アーム1121を閉状態から開状態に変更する指示の場合について説明したが、第2アーム1122を閉状態から開状態に変更する指示の場合についても同様であるため、説明を省略する。
【1071】
[作用効果]
次に、本実施の形態における無人航空機1105の作用効果について説明する。
【1072】
上述したように、本実施の形態に係る無人航空機1105は、複数の回転翼1112と、複数の回転翼1112をそれぞれ回転させる複数のモータ1113と、複数のモータ1113を支持する本体1111と、本体1111を吊下げた状態で、地面から離れた位置にあるレールに接続するための接続体1120とを備える。接続体1120は、固定部1123と一端が固定部1123に接続され、他端が固定部1123に対して開閉する第1アーム1121と、一端が固定部1123に接続され、他端が固定部1123に対して開閉する第2アーム1122と、第1アーム1121を開閉させる第1アクチュエータ1122aと、第2アーム1122を開閉させる第2アクチュエータ1122bと、第1アクチュエータ1122aと第2アクチュエータ1122bとを制御する制御部1124とを有する。そして、閉状態の第1アーム1121と固定部1123とによって囲まれる第1領域R1は、閉状態の第2アーム1122と固定部1123とによって囲まれる第2領域R2と離れている。
【1073】
これによれば、無人航空機1105の第1アーム1121がレールである第1レールに接続されているとき、第2アーム1122を第2レールに接続した後に、第1アーム1121を第1レールから外すことができる。このため、無人航空機1105は、第1レールから別のレールである第2レールに接続を切換えて移動することができる。
【1074】
本実施の形態に係る無人航空機1105において、固定部1123は、本体1111から上方に向かって延び、かつ、第1領域R1と第2領域R2を隔てる仕切部を有する。
【1075】
これによれば、1つの接続体1120で2つのレールに接続することができる。このため、2つの接続体1120を用いる場合よりも、接続体1120の姿勢を保持することができる。
【1076】
本実施の形態に係る無人航空機1105において、制御部1124は、第1アーム1121および第2アーム1122の少なくとも一方が閉状態となるように、第1アクチュエータ1122aおよび第2アクチュエータ1122bを制御する。
【1077】
これによれば、閉状態となった第1領域R1および第2領域R2の少なくとも一方にレールが配置されていれば、無人航空機1105をレールに確実に吊下げることができる。
【1078】
本実施の形態に係る無人航空機1105において、制御部1124は、第1アーム1121を閉状態から開状態に変更する指示を受けた場合、第2アーム1122が閉状態にあるか否かを判定する。制御部1124は、第2アーム1122が閉状態にある場合には、第1アーム1121を開状態に変更させる。そして、制御部1124は、第2アーム1122が開状態にある場合には、第1アーム1121を閉状態のまま維持させる。
【1079】
これによれば、閉状態の第2アーム1122に第2レールが接続されている場合、第1アーム1121に第1レールを接続することができる。第2アーム1122が開状態の場合、閉状態の第1アーム1121に第1レールが接続されていれば、第1アーム1121を開状態とせずに、第1アーム1121の閉状態を維持することができる。このように、無人航空機1105を確実にレールに吊下げることができるため、無人航空機1105の落下を抑制することができる。
【1080】
本実施の形態に係る無人航空機1105において、制御部1124は、第2アーム1122を閉状態から開状態に変更する指示を受けた場合、第1アーム1121が閉状態にあるか否かを判定する。当該指示を受けた場合、制御部1124は、第1アーム1121が閉状態にある場合には、第2アーム1122を開状態に変更させる。そして、当該指示を受けた場合、制御部1124は、第1アーム1121が開状態にある場合には、第2アーム1122を閉状態のまま維持させる。
【1081】
これによれば、閉状態の第1アーム1121に第1レールが接続されている場合、第2アーム1122に第2レールを接続することができる。第1アーム1121が開状態の場合、閉状態の第2アーム1122に第2レールが接続されていれば、第2アーム1122を開状態とせずに、第2アーム1122の閉状態を維持することができる。このように、無人航空機1105を確実にレールに吊下げることができるため、無人航空機1105の落下を抑制することができる。
【1082】
(実施の形態17の変形例1)
以下では、本変形例における無人航空機1105の基本的な構成は、実施の形態17等の無人航空機の基本的な構成と同じであるため、本変形例における無人航空機1105の基本的な構成について適宜説明を省略する。本変形例では、無人航空機1105の接続体1120が軸心O周りで回動する点で実施の形態17等と相違する。
【1083】
図110は、実施の形態17の変形例1における無人航空機1105を例示した模式図である。
図110のaは、無人航空機1105の第2アーム1122を開状態にした場合を例示し、
図110のbは、無人航空機1105の第2アーム1122を開状態にした場合に、軸心O周りで接続体1120が回動した場合を例示する。
【1084】
制御部1124は、複数のモータ1113の回転速度を制御する。具体的には、制御部1124は、第1アーム1121が開状態であり、第2アーム1122が閉状態であり、かつ、第2アーム1122が第2領域R2を通るレールに吊下がっている場合、複数のモータ1113のうち、第1アーム1121に最も近い第1モータ1113aの第1回転速度を、第2アーム1122に最も近い第2モータ1113bの第2回転速度よりも大きくする。
【1085】
制御部1124は、第2アーム1122が開状態であり、第1アーム1121が閉状態であり、かつ、第1アーム1121が第1領域R1を通るレールに吊下がっている場合、複数のモータ1113のうち、第2アーム1122に最も近い第2モータ1113bの第2回転速度を、第1アーム1121に最も近い第1モータ1113aの第1回転速度よりも大きくする。制御部1124は、第1アーム1121又は第2アーム1122の回動によって重心がズレることによる、無人航空機1105の姿勢の傾きを補正するように、重心がズレた側(開状態の第1アーム1121側又は第2アーム1122側)に浮力を付加することで、無人航空機1105の姿勢を略水平に保つ。
【1086】
接続体1120は、本体1111に対する固定部1123の角度を変更する第3アクチュエータ1122cをさらに有する。本体1111に対する固定部1123の角度とは、本体1111に対する固定部1123の姿勢を示し、本体1111の表面(例えば水平面に平行な面)に対する固定部1123の第2ベース部1123bの延びる方向(長さ方向)の角度である。
【1087】
制御部1124は、さらに、第3アクチュエータ1122cを制御する。具体的には、制御部1124は、第1アーム1121が開状態であり、第2アーム1122が閉状態であり、かつ、第2アーム1122が第2領域R2を通るレールに吊下がっている場合、第3アクチュエータ1122cを介して、第2領域R2が本体1111の中心の直上に位置するように角度を変更させる。
【1088】
制御部1124は、第2アーム1122が開状態であり、第1アーム1121が閉状態であり、かつ、第1アーム1121が第1領域R1を通るレールに吊下がっている場合、第3アクチュエータ1122cを介して、第1領域R1が本体1111の中心の直上に位置するように角度を変更させる。
【1089】
制御部1124は、第3アクチュエータ1122cによって無人航空機1105の本体1111に対して固定部1123を傾かせた姿勢にすることで、例えば、第1アーム1121だけが開状態であれば第1領域R1から第1レール401を離間させたり、第2アーム1122だけが開状態であれば第2領域R2から第2レール402を離間させたりする。
【1090】
このような、本変形例に係る無人航空機1105において、制御部1124は、さらに、複数のモータ1113の回転速度を制御する。第1アーム1121が開状態、第2アーム1122が閉状態であって、かつ、第2アーム1122が第2領域R2を通るレールに吊下がっている場合、制御部1124は、複数のモータ1113のうち、第1アーム1121に最も近い第1モータ1113aの第1回転速度を、第2アーム1122に最も近い第2モータ1113bの第2回転速度よりも大きくする。または、第2アーム1122が開状態、第1アーム1121が閉状態であって、かつ、第1アーム1121が第1領域R1を通るレールに吊下がっている場合、制御部1124は、複数のモータ1113のうち、第2アーム1122に最も近い第2モータ1113bの第2回転速度を、第1アーム1121に最も近い第1モータ1113aの第1回転速度よりも大きくする。
【1091】
これによれば、第2アーム1122が閉状態であり、第1アーム1121が開状態であれば、第1アーム1121の重みによって第1アーム1121側に重心が移動する。このため、第1アーム1121側の第1モータ1113aの第1回転速度を第2アーム1122側の第2モータ1113bの第2回転速度よりも大きくすることで、第1アーム1121側にズレた重心分の重みに相当する浮力を、無人航空機1105に付与することができる。
【1092】
第1アーム1121が閉状態であり、第2アーム1122が開状態の場合も同様であり、第2アーム1122の重みによって第2アーム1122側に重心が移動する。このため、第2アーム1122側の第2モータ1113bの第2回転速度を第1アーム1121側の第1モータ1113aの第1回転速度よりも大きくすることで、第2アーム1122側にズレた重心分の重みに相当する浮力を、無人航空機1105に付与することができる。
【1093】
このため、この無人航空機1105では、重心が無人航空機1105の本体1111の中心からズレても、無人航空機1105の本体1111の姿勢を水平方向と略平行に保つことができる。
【1094】
本変形例における無人航空機1105において、接続体1120は、本体1111に対する固定部1123の角度を変更する第3アクチュエータ1122cをさらに有し、制御部1124は、さらに、第3アクチュエータ1122cを制御し、第1アーム1121が開状態、第2アーム1122が閉状態であって、かつ、第2アーム1122が第2領域R2を通るレールに吊下がっているとき、制御部1124は、第3アクチュエータ1122cを介して、第2領域R2が本体1111の中心の直上に位置するように角度を変更させ、または、第2アーム1122が開状態、第1アーム1121が閉状態であって、かつ、第1アーム1121が第1領域R1を通るレールに吊下がっている場合、制御部1124は、第3アクチュエータ1122cを介して、第1領域R1が本体1111の中心の直上に位置するように角度を変更させる。
【1095】
これによれば、第1アーム1121が開状態であり、第2レール402に吊下がった第2アーム1122が閉状態であれば、無人航空機1105の本体1111に対する固定部1123の姿勢(角度)を変更するだけで、第1領域R1に存在していた第1レール401を第1領域R1の外側に開放することができる。
【1096】
第2アーム1122が開状態であり、第1レール401に吊下がった第1アーム1121が閉状態であれば、無人航空機1105の本体1111に対する固定部1123の姿勢(角度)を変更するだけで、第2領域R2に存在していた第2レール402を第2領域R2の外側に開放することができる。
【1097】
このように、当該本体1111に対する固定部1123を傾かせるだけで、第1レール401を接続体1120から切り離したり、第2レール402を接続体1120から切り離したりすることが容易にできる。第1レール401に接続されている接続体1120を第2レール402に切換えたり、第2レール402に接続されている接続体1120を第1レール401に切換えたりすることも容易にできる。
【1098】
(実施の形態17の変形例2)
[構成]
以下では、本変形例におけるシステム1102が有する無人航空機1105及びレール400の基本的な構成は、実施の形態17等の無人航空機及びレールの基本的な構成と同じであるため、本変形例における無人航空機1105及びレール400の基本的な構成について適宜説明を省略する。本変形例では、レール400に情報が付加されている点で実施の形態17等と相違する。
【1099】
図111は、実施の形態17の変形例2における無人航空機1105及びレール400のシステム1102を例示した模式図である。
図111のaは、レール400に所定の情報を含む凹凸部分400a1が設けられており、
図111のbは、レール400に所定の情報を含むマーカ400a2が付されている。
図111のbでは、二点鎖線で示す無人航空機1105からレール400の下面側を見た様子を例示している。
【1100】
図111に示すように、システム1102は、無人航空機1105と、レール400とを備える。
【1101】
レール400は、
図111のaに示すように、所定の情報を含む凹凸部分400a1が設けられている。無人航空機1105の接続体1119a1と接触するレール400の上面部分に、凹凸部分400a1が設けられている。なお、接続体1119a1が凹凸部分400a1に示される所定の情報を読み取ることができればよいため、凹凸部分400a1は、レール400の上面以外に形成されていてもよく、場所は限定されない。無人航空機1105は、レール400を移動する際に、凹凸部分400a1を通過するため、凹凸部分400a1の形状から、所定の情報を読み取る。所定の情報は、接続体1119a1または無人航空機1105の本体1111に設けられたセンサ1118によって読み取られる。所定の情報は、例えば、住所、位置情報等の情報である。なお、センサ1118は、接続体1119a1のアームに設けられていてもよい。
【1102】
レール400は、
図111のbに示すように、所定の情報を含むマーカ400a2が設けられていてもよい。無人航空機1105の接続体1119a1と接触するレール400の下面部分に、マーカ400a2が設けられている。なお、接続体1119a1がマーカ400a2に示される所定の情報を読み取ることができればよいため、マーカ400a2は、レール400の下面以外に形成されていてもよく、場所は限定されない。無人航空機1105は、レール400を移動する際に、マーカ400a2を通過するため、マーカ400a2の模様から、所定の情報を読み取る。所定の情報は、接続体1119a1または無人航空機1105の本体1111に設けられたセンサ1118によって読み取られる。所定の情報は、例えば、住所、位置情報等の情報である。
【1103】
このような、本変形例におけるシステム1102は、無人航空機1105と、レール400とを備えるシステム1102であって、レール400には、所定の情報を含むマーカ400a2が設けられている。
【1104】
これによれば、レール400に付されたマーカ400a2が示す所定の情報を無人航空機1105が読み取ることができる。例えば、所定の情報には、住所、位置情報等の情報を含ませることで、より正確に荷物を所定位置に配送することができるようになる。
【1105】
本変形例におけるシステム1102は、無人航空機1105と、レール400とを備えるシステム1102であって、レール400には、所定の情報を含む凹凸部分400a1が設けられている。
【1106】
これによれば、無人航空機1105がレール400を移動する際に、レール400に付された凹凸部分400a1から、所定の情報を取得することができる。例えば、所定の情報には、住所、位置情報等の情報を含ませることで、より正確に荷物を所定位置に配送することができるようになる。
【1107】
(実施の形態18)
[構成]
以下では、本実施の形態における無人航空機1106の基本的な構成は、実施の形態7等の無人航空機(ドローン)の基本的な構成と同じであるため、本実施の形態における無人航空機1106の基本的な構成について適宜説明を省略する。本実施の形態では、無人航空機1106の本体1106aがレール400の傾きに応じて姿勢を変更する点で実施の形態3等と相違する。
【1108】
図112は、実施の形態18における無人航空機1106を例示した模式図である。
図112のaは、無人航空機1106の本体1106aが仮想平面V2に対して水平方向と平行となる姿勢であり、支持方向に対して仮想平面V2の法線方向がなす角度が0°の場合を示す。
図112のbは、無人航空機1106の本体1106aが仮想平面V2に対して水平方向から所定角度傾いた姿勢であり、支持方向に対して仮想平面V2の法線方向がなす角度が所定角度の場合を示す。
図112のcは、無人航空機1106の本体1106aが仮想平面V2に対して水平方向と垂直になる姿勢であり、支持方向に対して仮想平面V2の法線方向がなす角度が90°の場合を示す。
【1109】
図112に示すように、無人航空機1106は、複数の回転翼1112と、複数の回転翼1112をそれぞれ回転させる複数のモータと、複数のモータを支持する本体1106aと、接続体1130と、アクチュエータ1133と、複数のモータおよびアクチュエータ1133を制御する制御部1134と、センサ1135とを備える。
【1110】
接続体1130は、本体1106aを吊下げた状態で、地面から離れた位置にあるレール400に接続する。接続体1130は、本体1106aに接続された第1端と、レール400にスライド自在に接続するための第2端とを有する。
【1111】
アクチュエータ1133は、
図112のaからcに示すように、接続体1130がレール400に支持されたときの支持方向に対して、複数の回転翼1112を含む仮想平面V2の法線方向がなす角度を変化させる。支持方向は、接続体1130の第1端から第2端に向かう方向である。
【1112】
センサ1135は、レール400の傾きを検知する。レール400の傾きは、水平方向に対するレール400の傾きであり、特に水平方向に対するレール400の上面の傾きである。センサ1135は、検知したレール400の傾きを示すレール傾き情報を制御部1134に出力する。
【1113】
制御部1134は、第1モードと第2モードと第3モードとを有する。
【1114】
図112のaに示すように、第1モードは、アクチュエータ1133を介して、仮想平面V2の法線方向を支持方向に一致させる。
図112のcに示すように、第2モードは、アクチュエータ1133を介して、仮想平面V2の法線方向を支持方向に直交させる。第3モードは、
図112のbに示すように、アクチュエータ1133を介して、角度θを、10度以上、かつ、30度以下にする。
【1115】
図113は、実施の形態18における無人航空機1106がレール400を移動する様子を例示した模式図である。
図113のaからcでは、水平方向に対するレール400の傾き(レール400の長さ方向)と仮想平面V2の法線とが平行であることを示す。
図113のaでは、上り傾斜するレール400i1を走行する無人航空機1106を示し、
図113のbでは、水平方向と平行なレール400i2を走行する無人航空機1106を示し、
図113のcでは、下り傾斜するレール400i3を走行する無人航空機1106を示す。
【1116】
制御部1134は、
図113に示すように、センサ1135から取得したレール傾き情報に示されるレール400の傾きに応じて、角度を変化させる。具体的には、制御部1134は、アクチュエータ1133を介して、仮想平面V2の法線方向をレール400の傾きに一致させる。
【1117】
図114は、実施の形態18における無人航空機1106の前進時と逆走時とを示す様子を例示した模式図であり、変形例1、2における無人航空機1106の逆走時を示す様子を例示した模式図である。
図114のaは、無人航空機1106の本体1106aを支持方向に対して傾かせた場合に無人航空機1106を前進させる様子を例示している。
図114のbは、
図114のaの状態から、第1モータ1136a及び第2モータ1136bを逆回転させることで、無人航空機1106を逆走させる様子を例示している。
図114のcは、
図114のbの状態から、支持方向に対して無人航空機1106の本体1106aの傾きを反対にし、さらに、第1モータ1136a及び第2モータ1136bをさらに逆回転(第1モータ1136a及び第2モータ1136bの回転方向を元に戻す)することで、無人航空機1106を逆走させる様子を例示している。
【1118】
図114のaに示すように、制御部1134は、無人航空機1106をレール400に沿って第1方向に推進させる第1指示を取得した場合、仮想平面V2の法線方向を、支持方向から第1方向に傾斜させる。ここで、第1方向は、無人航空機1106を前進させる場合であり、第2方向は、第1方向の反対である。この指示を取得した場合、制御部1134は、複数のモータのうち、本体1106aの中心よりも第1方向に位置する第1モータ1136aのプロペラを第1回転方向に回転させる。さらに、この指示を取得した場合、制御部1134は、複数のモータのうち、本体1106aの中心よりも第2方向に位置するに第2モータ1136bのプロペラを第2回転方向に回転させる。ここで、第2回転方向は、第1回転方向の反対である。これにより、無人航空機1106は、前進する。
【1119】
図114のbに示すように、制御部1134は、無人航空機1106をレール400に沿って第2方向に推進させる第2指示を取得した場合、第1モータ1136aのプロペラを第2回転方向に回転させ、かつ、第2モータ1136bのプロペラを第1回転方向に回転させる。制御部1134は、第1モータ1136aおよび第2モータ1136bの回転方向を逆にすることで、無人航空機1106をレール400に沿って逆走させる。第1指示および第2指示は、例えば、飛行状態を管理する管理部から送信されることで取得したり、目的地に向かうための現在位置を検知するセンサ1135などに基づいて取得したりする。
【1120】
図114のcに示すように、制御部1134は、第2指示を取得した場合、さらに、アクチュエータ1133を介して、仮想平面V2の法線方向を、支持方向から第1方向に傾斜させる。制御部1134は、仮想平面V2の法線方向が支持方向に対して第2方向側に傾斜していた無人航空機1106の本体1106aの姿勢を、その反対側の、仮想平面V2の法線方向が支持方向に対して第1方向側に傾斜させる。制御部1134は、第1モータ1136a及び第2モータ1136bをさらに逆回転させる、第1モータ1136aを第1回転方向及び第2モータ1136bを第1回転方向に回転させる。これにより、無人航空機1106は逆走する。
【1121】
(変形例1)
図114のdは、
図114のaの状態から、支持方向を軸心とした回転方向に沿って固定部1132を回転させることで、無人航空機1106を逆走させる様子を例示している。
図114のdは、本実施の形態の
図114のaからcの変形例である。
【1122】
接続体1130は、本体1106aに接続された固定部1132と、レール400に接続されるアーム1131と、第2アクチュエータ1133とを有する。なお、接続体1130は、さらに上記それぞれの実施の形態の構成を有していてもよい。
【1123】
第2アクチュエータ1133は、固定部1132とアーム1131との間に配置され、支持方向を回転軸の軸心として回転可能である。
【1124】
図114のdに示すように、制御部1134は、無人航空機1106をレール400に沿って第2方向に推進させる第2指示を取得した場合、第2アクチュエータ1133を介して、支持方向を回転軸として本体1106aの向きを反転させる。
【1125】
このような、本変形例における無人航空機1106では、支持方向を回転軸の軸心として、固定部1132がアーム1131に対して回転することで、支持方向に対して無人航空機1106の本体1106aの傾きを反転対称させることができる。これにより、無人航空機1106は、逆走することができる。この場合でも、荷物を配送した後は、移動してきたレール400に沿って戻ることができる。
【1126】
(変形例2)
図114のeは、
図114のaの状態から、接続体1130をレール400から切り離して、無人航空機1106の姿勢を水平方向に判定させることで、無人航空機1106を逆走させる様子を例示している。
図114のeは、本実施の形態の
図114のaからdの変形例である。
【1127】
本変形例では、接続体1130は、レール400に接続され、開閉可能なアーム1131と、アーム1131を開閉させる第3アクチュエータ1133とを有する。なお、接続体1130は、さらに上記それぞれの実施の形態の構成を有していてもよい。
【1128】
図114のeに示すように、制御部1134は、無人航空機1106をレール400に沿って第2方向に推進させる第2指示を取得した場合、第3アクチュエータ1133を介して、アーム1131を閉状態から開状態に変更させる。さらに、制御部1134は、複数のモータを制御して、支持方向を中心に本体1106aの向きを反転させる。さらに、制御部1134は、第3アクチュエータ1133を介して、アーム1131を開状態から閉状態に変更させる。
【1129】
このような、本変形例における無人航空機1106では、一旦、無人航空機1106がレール400から切り離されて、無人航空機1106が方向を逆転させてから、無人航空機1106の接続体1130とレール400とを再度接続する。これにより、無人航空機1106は、逆走することができる。この場合でも、荷物を配送した後は、移動してきたレール400に沿って戻ることができる。
【1130】
[作用効果]
次に、本実施の形態に係る無人航空機1106の作用効果について説明する。
【1131】
上述したように、本実施の形態に係る無人航空機1106は、複数の回転翼1112と、複数の回転翼1112をそれぞれ回転させる複数のモータと、複数のモータを支持する本体1106aと、本体1106aを吊下げた状態で、地面から離れた位置にあるレール400に接続するための接続体1130と、接続体1130がレール400に支持されたときの支持方向に対して、複数の回転翼1112を含む仮想平面V2の法線方向がなす角度を変化させるアクチュエータ1133と、複数のモータおよびアクチュエータ1133を制御する制御部1134と、を備え、接続体1130は、本体1106aに接続された第1端と、レール400にスライド自在に接続するための第2端とを有し、支持方向は、接続体1130の第1端から第2端に向かう方向であり、制御部1134は、第1モードにおいて、アクチュエータ1133を介して、仮想平面V2の法線方向を支持方向に一致させ、第2モードにおいて、アクチュエータ1133を介して、仮想平面V2の法線方向を支持方向に直交させる。
【1132】
これによれば、制御部1134は、レール400を走行する際に、支持方向に対する無人航空機1106の本体1106aの姿勢を変更することができる。例えば、無人航空機1106がレール400を走行する場合、第2モードを実行したり、無人航空機1106がレール400から離れる場合、第1モードを実行したりすることができる。このため、無人航空機1106は、状況によって適宜飛行態様を変更することができる。
【1133】
制御部1134は、第3モードにおいて、アクチュエータ1133を介して、角度を、10度以上、かつ、30度以下にする。
【1134】
これによれば、レール400と支持体とが接触せずに、無人航空機1106は、レール400に沿って移動することができる。
【1135】
無人航空機1106は、レール400の傾きを検知するセンサ1135をさらに備え、制御部1134は、レール400の傾きに応じて、角度を変化させる。
【1136】
これによれば、レール400が水平方向に対して傾斜している場合でも、無人航空機1106は、傾斜したレール400に沿って移動することができる。
【1137】
制御部1134は、アクチュエータ1133を介して、仮想平面V2の法線方向をレール400の傾きに一致させる。
【1138】
これによれば、接続体1130がレール400に沿って移動することができるようになるため、レール400と支持体とが接触することを抑制することができる。
【1139】
制御部1134は、無人航空機1106をレール400に沿って第1方向に推進させる第1指示を受け取った場合、仮想平面V2の法線方向を、支持方向から第2方向に傾斜させ、複数のモータのうち、本体1106aの中心よりも第1方向に位置する第1モータ1136aの回転翼1112を第1回転方向に回転させ、複数のモータのうち、本体1106aの中心よりも第2方向に位置するに第2モータ1136bの回転翼1112を第2回転方向に回転させ、第2方向は、第1方向の反対であり、第2回転方向は、第1回転方向の反対である。
【1140】
これによれば、支持方向に対する無人航空機1106の本体1106aに対する姿勢を所望の状態に維持しながら、前進することができる。
【1141】
制御部1134は、無人航空機1106をレール400に沿って第2方向に推進させる第2指示を取得した場合、第1モータ1136aの回転翼1112を第2回転方向に回転させ、第2モータ1136bの回転翼1112を第1回転方向に回転させる。
【1142】
これによれば、第1モータ1136aおよび第2モータ1136bを逆回転させることで、無人航空機1106は、逆走することができる。例えば、荷物を配送した後は、移動してきたレール400に沿って戻ることができる。
【1143】
制御部1134は、第2指示を取得した場合、さらに、アクチュエータ1133を介して、仮想平面V2の法線方向を、支持方向から第1方向に傾斜させ、第1モータ1136aの回転翼1112を第1回転方向に回転させ、第2モータ1136bの回転翼1112を第2回転方向に回転させる。
【1144】
これによれば、支持方向に対して無人航空機1106の本体1106aの傾きを反対にすることができる。仮想平面V2の法線方向が支持方向に対して第2方向側から第1方向側に傾く。これにより、無人航空機1106は、逆走することができる。例えばこの場合でも、荷物を配送した後は、移動してきたレール400に沿って戻ることができる。
【1145】
接続体1130は、本体1106aに接続された固定部1132と、レール400に接続されるアーム1131と、固定部1132とアーム1131との間に配置され、支持方向を回転軸として回転可能な第2アクチュエータ1133とを有し、制御部1134は、無人航空機1106をレール400に沿って第2方向に推進させる第2指示を取得した場合、第2アクチュエータ1133を介して、支持方向を回転軸として本体1106aの向きを反転させる。
【1146】
これによれば、支持方向を回転軸として固定部1132がアーム1131に対して回転することで、支持方向に対して無人航空機1106の本体1106aの傾きを反転対称にすることができる。これにより、無人航空機1106は、逆走することができる。例えばこの場合でも、荷物を配送した後は、移動してきたレール400に沿って戻ることができる。
【1147】
接続体1130は、レール400に接続され、開閉可能なアーム1131と、アーム1131を開閉させる第3アクチュエータ1133とを有し、制御部1134は、無人航空機1106をレール400に沿って第2方向に推進させる第2指示を取得した場合、第3アクチュエータ1133を介して、アーム1131を閉状態から開状態に変更させ、複数のモータを制御して、支持方向を中心に本体1106aの向きを反転させ、第3アクチュエータ1133を介して、アーム1131を開状態から閉状態に変更させる。
【1148】
これによれば、一端、無人航空機1106がレール400から切り離されて、無人航空機1106が向きを反転させて、無人航空機1106の接続体1130とレール400とを再度接続する。例えばこの場合でも、荷物を配送した後は、移動してきたレール400に沿って戻ることができる。
【1149】
(実施の形態18の変形例1)
以下では、本変形例における無人航空機1106の基本的な構成は、実施の形態18等の無人航空機の基本的な構成と同じであり、本変形例における接続体1150の基本的な構成は、実施の形態4の変形例1等の接続体の基本的な構成と同じであるため、本変形例における無人航空機1106および接続体1150の基本的な構成について適宜説明を省略する。本変形例では、接続体1150にローラ1154が設けられている点で実施の形態18等と相違し、ローラ1154に凹部1154aが形成されている点で実施の形態4の変形例1等と相違する。
【1150】
図115は、実施の形態18の変形例1における無人航空機1106の接続体1150を例示した模式図である。
【1151】
本変形例の接続体1150は、レール400に接続されるアーム1131と、アーム1131の内周面に設けられ、レール400に回転可能に接触するローラ1154と、モータ1159とを有する。なお、接続体1150は、モータ1159を有していなくてもよく、モータ1159は、接続体1150の必須の構成要件ではない。
【1152】
アーム1131は、レール400に接続される第1アーム1152と、第1アーム1152の開口部1152bを開放または閉鎖する第2アーム1158とを有する。第2アーム1158は、モータ1159によってスライド移動させられる。
【1153】
ローラ1154は、レール400に回転自在に接触するための車輪であり、第1アーム1152に回転可能に設けられる。具体的には、ローラ1154は、第1アーム1152の内周側の切欠き部1152aに設けられた回転軸1153に軸支され、回転軸1153を軸心として回動する。回転軸1153は、両端が第1アーム1152に固定される。
【1154】
ローラ1154は、レール400をガイドするように、回転軸1153の回転方向(周方向)に沿って凹む凹部1154aを有する。凹部1154aは、レール400の形状に応じて形成される。例えば、レール400の長さ方向と直交する平面でレール400を切断した場合の断面が円形状であれば、ローラ1154を平面視して半円状に形成され、当該断面が方形状であれば、ローラ1154を平面視して方形状に形成される。
【1155】
モータ1159は、制御部1134によって駆動制御される。モータ1159は、第2アーム1158を第1アーム1152の内部に収容するようにスライド移動させる。
【1156】
このような、本変形例における無人航空機1106において、接続体1150は、レール400に接続されるアーム1131と、アーム1131の内周面に設けられ、レール400に回転可能に接触するローラ1154とを有する。
【1157】
これによれば、無人航空機1106の接続体1150がレール400に接続されている場合、ローラ1154がレール400に接触することで、無人航空機1106がレール400に沿って移動することができる。無人航空機1106は、自身の進行方向への推進力だけでレール400に沿って移動することができる。無人航空機1106は、自身を持ち上げるための揚力にエネルギーを費やさなくてもよくなるため、無人飛行機の省エネルギー化を実現することができる。
【1158】
(実施の形態18の変形例2)
[構成]
以下では、本変形例における無人航空機1106の基本的な構成は、実施の形態18等の無人航空機の基本的な構成と同じであり、本変形例における接続体1160の基本的な構成は、実施の形態18の変形例1等の接続体の基本的な構成と同じであるため、本変形例における無人航空機1106および接続体1160の基本的な構成について適宜説明を省略する。本変形例では、接続体1160に一対のブレーキパッド1166が設けられている点で実施の形態18の変形例1等と相違する。
【1159】
図116は、実施の形態18の変形例2における無人航空機1106の接続体1160を例示した模式図である。
【1160】
本変形例の接続体1160は、第1アーム1152、第2アーム1158、ローラ1164、モータ1159および制御部1134の他に、筐体1165と、一対のブレーキパッド1166と、ブレーキ機構1167とを有する。なお、接続体1160は、第1アーム1152、第2アーム1158、ローラ1164、モータ1159、制御部1134および筐体1165を有していなくてもよく、第1アーム1152、第2アーム1158、ローラ1164、モータ1159、制御部1134および筐体1165は、接続体1160の必須の構成要件ではない。
【1161】
筐体1165は、第1アーム1152の内周側の切欠き部1152aに設けられる。筐体1165は、回転軸1153およびローラ1164を収容する。筐体1165は、回転軸1153の両端を固定する。
【1162】
一対のブレーキパッド1166は、軸心X1、X2周りで回動可能に、筐体1165または第1アーム1152に固定される。一対のブレーキパッド1166は、ブレーキ機構1167に駆動制御されることによって、レール400を挟むように軸心X1、X2周りで回動したり、レール400から離間するように軸心X1、X2周りで回動したりする。一対のブレーキパッド1166は、連動して動作する。
【1163】
ブレーキ機構1167は、一対のブレーキパッド1166の間隔を変化させて、一対のブレーキパッド1166でレール400を挟み込む。ブレーキ機構1167は、一対のブレーキパッド1166の回動を制御するアクチュエータ1133などの駆動部を有する。ブレーキ機構1167は、例えば、制御部1134などによって制御されることで、一対のブレーキパッド1166の回動を制御する。
【1164】
図117は、実施の形態18の変形例2における無人航空機1106の前進時とブレーキ時のプロペラの回転方向を例示した模式図である。
図117のaは、無人航空機1106の前進時に第1モータ1136aがプロペラを第1回転方向に回転させ、かつ、第2モータ1136bがプロペラを第2回転方向に回転させる様子を例示している。
図117のbは、無人航空機1106のブレーキ時に第1モータ1136aがプロペラを第2回転方向に回転させ、かつ、第2モータ1136bがプロペラを第1回転方向に回転させる様子を例示している。
【1165】
図117のaに示すように、制御部1134は、無人航空機1106を前進する状態から、
図117のbに示すように、無人航空機1106を停止する状態へ遷移するとき、第1モータ1136aのプロペラのおよび第2モータ1136bのプロペラの回転方向を反転させる。制御部1134は、無人航空機1106を停止させる停止指示を取得した場合、第1モータ1136aのプロペラを第2回転方向に回転させ、第2モータ1136bのプロペラを第1回転方向に回転させる。停止指示は、例えば、目的地(配送先)に近づくと、飛行状態を管理する管理部から送信されることで取得したり、目的地(配送先)に近づくことを検知したセンサなどに基づいて取得したりする。
【1166】
制御部1134は、当該停止指示を取得した場合、ブレーキ機構1167を制御することで、一対のブレーキパッド1166を回動させて、一対のブレーキパッド1166にレール400を挟み込ませる。
【1167】
このような、本変形例における無人航空機1106において、接続体1160は、一対のブレーキパッド1166と、一対のブレーキパッド1166の間隔を変化させて、一対のブレーキパッド1166でレール400を挟み込むブレーキ機構1167とを有する。
【1168】
これによれば、無人航空機1106の接続体1160がレール400に接続されている場合、一対のブレーキパッド1166でレール400を挟むことができる。このため、移動する無人航空機1106を容易に減速させたり、停止させたりすることができる。
【1169】
本変形例における無人航空機1106において、制御部1134は、無人航空機1106を停止させる停止指示を取得した場合、第1モータ1136aの回転翼1112を第2回転方向に回転させ、第2モータ1136bの回転翼1112を第1回転方向に回転させる。
【1170】
これによれば、前進時の第1モータ1136aの回転翼1112および第2モータ1136bの回転翼1112の回転方向に対して、停止指示の第1モータ1136aの回転翼1112および第2モータ1136bの回転翼1112の回転方向を反転させることができる。これにより、無人航空機1106の移動を停止させることができる。
【1171】
(実施の形態19)
[構成]
以下では、本実施の形態における宅配ボックス1004hの基本的な構成は、実施の形態15等の宅配ボックスの基本的な構成と同じであり、無人航空機1170の基本的な構成は、実施の形態1等の無人航空機の基本的な構成と同じであるため、本実施の形態における宅配ボックス1004hおよび無人航空機1170の基本的な構成について適宜説明を省略する。本実施の形態では、宅配ボックス1004hが荷重支持体1006hを有する点、無人航空機1170の複数の脚1170aを荷重支持体1006hに接続する点で実施の形態15等と相違する。
【1172】
図118は、実施の形態19における無人航空機1170および宅配ボックス1004hを例示した模式図である。
図118のaは、無人航空機1170が宅配ボックス1004hの荷重支持体1006hに着陸する様子を例示している。
図118のaでは、荷重支持体1006hに着陸前の無人航空機1170を実線で示し、荷重支持体1006hに着陸後の無人航空機1170を二点鎖線で示す。
図117のbは、無人航空機1170が宅配ボックス1004hの荷重支持体1006hに着陸際に、無人航空機1170の脚1170aが凹部1004h3に案内される様子を例示している。
図118のaでは、脚1170aが凹部1004h3に係合する様子を二点鎖線で示し、脚1170aが凹部1004h3に案内されて移動した様子を実線で示す。
【1173】
宅配ボックス1004hは、無人航空機1170によって配送された荷物を格納可能である。宅配ボックス1004hは、容器1004h1と、上蓋1005hと、荷重支持体1006hとを備える。
【1174】
容器1004h1は、底面部1005h1と、底面部1005h1から立ち上がる複数の側面部1005h2とを有する。容器1004h1は、荷物を格納するための空間を画定する。容器1004h1は、荷物を格納する筐体である。容器1004h1の鉛直上方の上面部には、上蓋1005hが閉じることで覆われる上面開口が形成される。
【1175】
上蓋1005hは、容器1004h1の上方である上面部に設けられ、空間内に荷物を入れるために上面開口を開閉可能である。上蓋1005hは、閉じたときに上面開口を覆い、開いたときに上面開口を開放する。
【1176】
荷重支持体1006hは、水平方向に沿ってまたは地表面に沿って配置され、荷物を有する無人航空機1170を支持可能である。宅配ボックス1004hの容器1004h1に設けられる荷重支持体1006hは、支持部1004h2と、複数の凹部1004h3とを有する。
【1177】
支持部1004h2は、容器1004h1の複数の側面部1005h2の少なくとも1つに固定される。支持部1004h2は、鉛直方向に長尺であり、容器1004h1の上面部から立ち上がる。支持部1004h2は、下端が容器1004h1の上面部に接続され、上端が複数の凹部1004h3に接続される。本実施の形態では、支持部1004h2は、4つの凹部1004h3を支持する。
【1178】
複数の凹部1004h3は、無人航空機1170の複数の脚1170aと一対一で対応し、無人航空機1170の複数の脚1170aを支持可能である。複数の凹部1004h3のそれぞれは、上方に開口したすり鉢状または円錐状をなした凹部1004h3である。複数の凹部1004h3は、容器1004h1の鉛直上方、つまり容器1004h1の上面開口の鉛直上方に配置される。複数の凹部1004h3は、容器1004h1の上面部に対して上蓋1005hが開いた場合、上蓋1005hと接触しない位置に配置される。
【1179】
本実施の形態では、4つの凹部1004h3が支持部1004h2に支持される。4つの凹部1004h3は、それぞれが容器1004h1の上面部の角部に対応するように分散して配置される。無人航空機1170の荷物の障害とならないように、それぞれが離れて配置される。このため、容器1004h1の上面開口の鉛直上方には、凹部1004h3および支持部1004h2が配置されていないことが好ましい。なお、本実施の形態では、荷重支持体1006hは、4つの凹部1004h3を有するが、凹部1004h3の数は限定されない。
【1180】
無人航空機1170は、宅配ボックス1004hの荷重支持体1006hの上に着地可能な複数の脚1170aを有する。複数の脚1170aは、無人航空機1170の本体1170bに設けられ、無人航空機1170が飛行する際に、鉛直下方側に配置される。無人航空機1170は、複数の凹部1004h3の鉛直上方まで飛行すると、降下を開始して複数の脚1170aと複数の凹部1004h3とを一対一で対応させる。これにより、複数の脚1170aが複数の凹部1004h3と係合し、複数の凹部1004h3に一対一で案内される。これにより、無人航空機1170は、荷重支持体1006hによって所定の位置に保持される。本実施の形態では、無人航空機1170は、4つの脚1170aを有するが、脚1170aの数は限定されない。
【1181】
[作用効果]
次に、本実施の形態に係る宅配ボックス1004hの作用効果について説明する。
【1182】
上述したように、本実施の形態における宅配ボックス1004hは、無人航空機1170によって配送された荷物を格納可能な宅配ボックス1004hであって、底面部1005h1と側面部1005h2とを有する容器1004h1と、容器1004h1の上方に設けられた上蓋1005hと、荷物を有する無人航空機1170の荷重を支持可能な荷重支持体1006hとを備える。無人航空機1170は、荷重支持体1006hの上に着地可能な複数の脚1170aを有する。荷重支持体1006hは、複数の脚1170aを支持可能な複数の凹部1004h3を有する。そして、複数の凹部1004h3のそれぞれは、上方に開口したすり鉢状または円錐状の凹部1004h3である。
【1183】
これによれば、複数の凹部1004h3は、無人航空機1170が降下する際に、複数の脚1170aと係合することで、複数の脚1170aを案内することができる。このため、荷重支持体1006hは、無人航空機1170を所定の姿勢で保持することができる。このため、無人航空機1170が荷物を配送する場合、無人航空機1170が容器1004h1の鉛直上方に容易に位置することができる。このため、荷物を確実に宅配ボックス1004hに格納させることができる。
【1184】
(実施の形態20)
[構成]
以下では、本実施の形態における宅配ボックス1140、システム1107および方法の基本的な構成は、実施の形態7等の配送システムの基本的な構成と同じであり、宅配ボックス1140の基本的な構成は、実施の形態15等の宅配ボックスの基本的な構成と同じであるため、本実施の形態におけるシステム1107および宅配ボックス1140の基本的な構成について適宜説明を省略する。本実施の形態では、システム1107が宅配ボックス1140等を有する点で実施の形態7等と相違する。
【1185】
図119は、実施の形態20における無人航空機1171および宅配ボックス1140を例示した模式図である。
図120は、実施の形態20における無人航空機1171および宅配ボックス1140を例示した斜視図である。
【1186】
図119および
図120のaに示すように、システム1107は、宅配ボックス1140と、無人航空機1171とを備える。
【1187】
宅配ボックス1140は、無人航空機1171によって配送された物品を格納可能である。宅配ボックス1140は、容器1140aと、蓋1140bと、扉1140cと、荷重支持体1401と、1以上のリンクロッド1416と、一対のロッド支持体1141aと、第1軸L1と、第2軸L2と、第1連動部1161と、第2連動部1162と、操作表示部1145とを備える。
【1188】
容器1140aは、底面部1140dと、底面部1140dから立ち上がる複数の側面部1144aとを有する。容器1140aは、荷物を格納するための空間を画定する筐体である。
【1189】
蓋1140bは、容器1140aの上面部1143aに設けられる上蓋であり、容器1140aに対して回転可能に連結される。蓋1140bは、上面開口1143bから空間内に荷物を入れるために容器1140aの上面開口1143bを開閉可能である。蓋1140bは、荷重支持体1401に無人航空機1171の荷重が加わると、容器1140aの上面部1143aを開放するように開く。蓋1140bは、荷重支持体1401に加わった無人航空機1171の荷重が失われたときに、容器1140aの上面開口1143bを覆うように閉まる。
【1190】
扉1140cは、容器1140aの側面開口1144bに設けられる横蓋であり、容器1140aに対して回転可能に連結される。扉1140cは、側面開口1144bから空間内の荷物を取り出すために容器1140aの側面開口1144bを開閉可能である。
【1191】
荷重支持体1401は、水平方向に沿ってまたは地表面に沿って配置され、物品を有する無人航空機1171の荷重を支持可能である。荷重支持体1401は、容器1140aの鉛直上方に配置される。荷重支持体1401は、上述のレール400の一部であり、無人航空機1171を吊下げ可能な吊り棒である。荷重支持体1401は、鉛直方向に屈曲するV字状またはU字状の屈曲部1402を有する。屈曲部1402は、容器1140aの直上に配置され、鉛直方向に屈曲する。屈曲部1402は、無人航空機1171の第1アーム1172が接続され、第1アーム1172を保持可能である。
【1192】
1以上のリンクロッド1416は、荷重支持体1401と宅配ボックス1140の蓋1140bとの間に連結、荷重支持体1401と宅配ボックス1140の蓋1140bとを接続する。具体的には、1以上のリンクロッド1416は、一端が荷重支持体1401に接続され、他端が宅配ボックス1140の蓋1140bに接続される。1以上のリンクロッド1416は、無人航空機1171が荷重支持体1401に荷重を加えた場合、当該荷重を宅配ボックス1140の蓋1140bに伝達して、蓋1140bを開かせる。
【1193】
具体的には、1以上のリンクロッド1416は、第1リンクロッド1416aと、第2リンクロッド1416bと、第3リンクロッド1416cとを有する。
【1194】
第1リンクロッド1416aは、荷重支持体1401と第2リンクロッド1416bとを接続し、荷重支持体1401に加わった無人航空機1171の荷重を第2リンクロッド1416bに伝達する。第1リンクロッド1416aの第1端は、荷重支持体1401に対して回転可能に連結される。第1リンクロッド1416aの第2端は、第2リンクロッド1416bの第3端に対して回転可能に連結される。本実施の形態では、第1リンクロッド1416aは、鉛直方向に沿って直立する。
【1195】
第2リンクロッド1416bは、第2リンクロッド1416bと第3リンクロッド1416cとを接続し、第1リンクロッド1416aから伝達された無人航空機1171の荷重を、第3リンクロッド1416cに伝達する。第2リンクロッド1416bの第4端は、第3リンクロッド1416cの第5端に対して回転可能に連結される。本実施の形態では、第2リンクロッド1416bは、第1リンクロッド1416aの長さ方向と直交するように、水平方向に沿って配置される。
【1196】
第3リンクロッド1416cは、第3リンクロッド1416cと宅配ボックス1140の蓋1140bとを接続し、第1リンクロッド1416aおよび第2リンクロッド1416bから伝達された無人航空機1171の荷重を、宅配ボックス1140の蓋1140bに伝達する。第3リンクロッド1416cの第6端は、宅配ボックス1140の蓋1140bに対して回転可能に連結される。
【1197】
一対のロッド支持体1141aは、第1リンクロッド1416a、第2リンクロッド1416bおよび第3リンクロッド1416cを上述の姿勢で支持するための長尺な棒である。一対のロッド支持体1141aは、鉛直方向に沿って、または、地表面に対して直立する姿勢で地面に配置される。なお、一対のロッド支持体1141aは、一方のロッド支持体1141aによって、第1リンクロッド1416a、第2リンクロッド1416bおよび第3リンクロッド1416cを支持してもよい。
【1198】
一対のロッド支持体1141aは、互いに平行な姿勢で配置され、一方のロッド支持体1141aと他方のロッド支持体1141aとの間に、1以上のリンクロッド1416が配置される。本実施の形態では、第1リンクロッド1416a及び第2リンクロッド1416bが配置される。
【1199】
一対のロッド支持体1141aは、一対の連結体1142を有する。本実施の形態では、一対の連結体1142は、水平方向に沿って延びる円柱状の棒である。
【1200】
一対の連結体1142は、一方のロッド支持体1141aと他方のロッド支持体1141aとを連結することで、一対のロッド支持体1141aの姿勢を保持する。一方の連結体1142は、一対のロッド支持体1141aの上方側に配置されて、一方のロッド支持体1141aと他方のロッド支持体1141aとを連結する。他方の連結体1142は、一対のロッド支持体1141aの下方側に配置されて、一方のロッド支持体1141aと他方のロッド支持体1141aとを連結する。他方の連結体1142は、第2リンクロッド1416bの第3端側で第2リンクロッド1416bと直交するように挿通している。他方の連結体1142は、第2リンクロッド1416bを回転可能に軸支し、無人航空機1171の荷重によって、第2リンクロッド1416bが回転する際の支点となる。なお、一方の連結体1142が第1軸L1として機能する支持部材であってもよく、他方の連結体1142が第2軸L2として機能する支持部材であってもよい。
【1201】
なお、一方のロッド支持体1141aが荷重支持体1401と直交するように挿通していてもよい。この場合、一方の連結体1142は、荷重支持体1401を回転可能に軸支し、無人航空機1171の荷重によって、荷重支持体1401が回転する際の支点としてもよい。この場合、一対のロッド支持体1141aは、第1軸L1として機能する一方の連結体1142を固定する支持部材の一例であってもよい。
【1202】
第1軸L1は、吊り棒である荷重支持体1401の両端の間の位置で、荷重支持体1401の回転を支持する。第1軸L1は、荷重支持体1401に対する第1リンクロッド1416aを回転可能に軸支する。なお、第1軸L1は、一対のロッド支持体1141aに固定されていてもよい。
【1203】
第2軸L2は、第3リンクロッド1416cの第5端と第6端との間の位置で、第3リンクロッド1416cの回転を支持する。第2軸L2は、第3リンクロッド1416cに対する宅配ボックス1140の蓋1140bを回転可能に軸支する。なお、第2軸L2は、宅配ボックス1140の容器1140aまたは蓋1140bに固定されていてもよい。この場合、容器1140aまたは蓋1140bは、第2軸L2を固定する支持部材の一例となる。なお、第2軸L2は、容器1140aまたは蓋1140b以外の別の支持部材によって固定されていてもよい。
【1204】
第1連動部1161は、蓋1140bが開いたときに扉1140cをロックする。第1連動部1161は、1以上のリンクロッド1416を介して無人航空機1171の荷重が宅配ボックス1140の蓋1140bに伝達されると、扉1140cをロックする、つまり扉1140cが開放されないように施錠する。第1連動部1161は、蓋1140bが開かれる前、同時または直後に扉1140cをロックしてもよい。第1連動部1161は、容器1140aに荷物を格納する際に、容器1140aの扉1140cが開かないように、扉1140cをロックする。第1連動部1161は、扉1140cをロックする鍵、アクチュエータなどの駆動機構である。
【1205】
第2連動部1162は、蓋1140bが閉まったときに蓋1140bをロックする。第2連動部1162は、1以上のリンクロッド1416を介して無人航空機1171の荷重が失われたことが宅配ボックス1140の蓋1140bに伝達されると、蓋1140bが閉まった直後に蓋1140bをロックする、つまり蓋1140bが開放されないように施錠する。第2連動部1162は、扉1140cをロックする鍵、アクチュエータなどの駆動機構である。
【1206】
操作表示部1145は、宅配ボックス1140に荷物が格納された場合、宅配ボックス1140の利用者が鍵を用いて解錠処理を行うための入力部である。操作表示部1145は、例えば、宅配ボックス1140に荷物が格納された場合、「使用中」などの表示がされてもよく、操作表示部1145は、表示部を有する。
【1207】
図119に示すように、無人航空機1171は、荷重支持体1401に吊下がるための第1アーム1172を有する。第1アーム1172は、上述した接続体または接続体が有するアームと同様であるため、説明を省略する。
【1208】
無人航空機1171は、さらに、ワイヤ1174と、第2アーム1173と、リール1175と、リフトモータ1176と、制御部1177と、カメラ1178とを有する。
【1209】
ワイヤ1174は、第2アーム1173を吊下げ可能であり、第2アーム1173の一端(例えば、鉛直上端)に接続される。
【1210】
第2アーム1173は、ワイヤ1174の一端に接続され、荷物を保持する。本実施の形態での第2アーム1173は、一対の把持部と、モータとを有し、荷物の一部を両側から挟むことで、荷物を所定の姿勢で保持する。第2アーム1173は、制御部1177がモータの駆動を制御することによって、一対の把持部により荷物を挟み込んで掴むことで荷物を持ち上げたり、一対の把持部を開放することで、挟んだ荷物を切り離したりする。なお、第2アーム1173は、モータの駆動によって、一対の把持部を可動させることで、荷物を保持したり、開放したりすることができればよいため、本実施の形態に限定されない。
【1211】
リール1175は、ワイヤ1174の他端に接続され、回転することによって、ワイヤ1174を繰り出したり、巻き取ったりすることができる。リール1175は、リフトモータ1176によって回転が制御される。
【1212】
制御部1177は、蓋1140bが開いた後に、リフトモータ1176を制御することでリール1175を回転させてワイヤ1174を繰り出し、荷物を容器1140aの中に搬入させる。制御部1177は、荷物が容器1140aの底面部1140dに置かれた後に、第2アーム1173による荷物の保持を解除させて、リール1175にワイヤ1174を巻き取らせる。制御部1177は、第2アーム1173のモータを制御することで、第2アーム1173を回動させて、第2アーム1173から荷物の切離しをさせる。
【1213】
制御部1177は、第2アーム1173のモータを制御して第2アーム1173から荷物の切り離しを実行すると、カメラ1178に撮像指示を出力する。制御部1177は、カメラ1178を介して宅配ボックス1140の容器1140aの内部(空間)の画像を取得する。制御部1177は、カメラ1178が撮像した容器1140a及び容器1140aの内部の状態を示す画像に基づいて、無人航空機1171が荷物を格納したことを確証する認証処理を実行する。
【1214】
例えば、制御部1177は、撮像された画像に荷物に相当する物体が含まれているかどうかを判定してもよい。制御部1177は、荷物が容器1140aに格納されていれば認証処理として配送完了とし、荷物が容器1140aに格納されていなければ未認証処理として、リフトモータ1176を制御することでリール1175を回転させてワイヤ1174を巻き取り、再度、リール1175を回転させてワイヤ1174を繰り出して、荷物を容器1140aの中に搬入させてもよい。
【1215】
制御部1177は、配送完了すると、リフトモータ1176を制御することでリール1175を回転させてワイヤ1174を巻き取り、無人航空機1171をレール400から離脱させる。
【1216】
カメラ1178は、容器1140aの中を撮影可能である。カメラ1178は、無人航空機1171の本体の下方側に設けられ、本体の鉛直下方を撮像する。カメラ1178は、制御部1177の撮像指示を取得することによって撮像するが、常時撮像していてもよい。
【1217】
[動作]
無人航空機1171が荷物を宅配ボックス1140に格納する動作を説明する。
【1218】
図122は、実施の形態20における無人航空機1171が宅配ボックス1140に荷物の配送を開始してから終了するまでの処理を例示したフローチャートである。
図123は、実施の形態20における無人航空機1171が宅配ボックス1140に荷物の格納を開始してから第2アーム1173が荷物を切り離すまでを例示した模式図である。なお、
図123と
図120および
図121とは完全に整合しているわけではないが、少なくとも無人航空機1171が荷重支持体1401に吊下がれば、宅配ボックス1140の蓋1140bが開く点で共通している。また、
図123では、宅配ボックス1140の蓋1140bの外周を囲み、かつ、無人航空機1171と宅配ボックス1140との間に案内部1149を配置している。
【1219】
まず、
図122および
図123のaに示すように、無人航空機1171は、配送先である宅配ボックス1140の鉛直上方に到着すると、無人航空機1171の制御部は、複数のモータの運転を停止する。無人航空機1171は、荷重支持体1401に接触することで、荷重を加える。無人航空機1171は、荷重支持体1401の屈曲部1402に吊下がることで、荷重支持体1401に支持される(S1201)。ステップS1201は、無人航空機1171を宅配ボックス1140の荷重支持体1401に支持させるステップの一例である。
【1220】
次に、宅配ボックス1140が蓋1140bを開放する動作を、
図120および
図121を用いて説明する。
【1221】
図121は、実施の形態20における無人航空機1171がレール400に吊下がった場合の宅配ボックス1140の動きを例示した側面図である。
【1222】
図120のa及び
図121のaは、無人航空機1171が荷重支持体1401に接続された状態を示す。
図120のa及び
図121のaの次の状態として、
図120のb及び
図121のbは、無人航空機1171がレール400の荷重支持体1401に接続され、無人航空機1171の荷重が荷重支持体1401に加わっている状態を示す。
図120のb及び
図121のbでは、無人航空機1171の荷重が荷重支持体1401に加わると、荷重支持体1401が無人航空機1171の荷重によって撓み、第1軸L1を介して、荷重支持体1401に対して回動した第1リンクロッド1416aが鉛直上方に引き上げられる。第1リンクロッド1416aは、第2リンクロッド1416bを鉛直上方に引き上げる。第2リンクロッド1416bは、第1リンクロッド1416aに対して回動しながら、他方の連結体142を支点に回動し、第3リンクロッド1416cを鉛直下方側に押し下げる。第3リンクロッド1416cは、第2リンクロッド1416bに対して回動しながら、宅配ボックス1140の蓋1140bを押し下げる。蓋1140bは、第3リンクロッド1416cに対して回動することで、第2軸L2心周りで回動し容器1140aの上面開口1143bを開放させる。こうして、
図120のc及び
図121のcのように、無人航空機1171の荷重によって蓋1140bが容器1140aに対して直立し、容器1140aの上面開口1143bを完全に開放する。
【1223】
図122および
図123の説明に戻る。
図122および
図123のbに示すように、宅配ボックス1140は、蓋1140bを開き、上面開口1143bを開放する。第1連動部1161は、1以上のリンクロッド1416を介して無人航空機1171の荷重が宅配ボックス1140の蓋1140bに伝達されると、扉1140cをロックすることで、扉1140cが開放されないように施錠する(S1202)。
【1224】
次に、
図122および
図123のcに示すように、制御部は、リフトモータ1176を制御してワイヤ1174の繰り出しを開始することで、荷物を容器1140aの中に格納する(S1203)。制御部は、リフトモータ1176を制御することでリール1175を回転させてワイヤ1174を繰り出して荷物を降下させ、荷物を容器1140aの中に搬入させる。このとき、案内部1149に荷物が案内されるため、宅配ボックス1140に対して荷物の位置合わせを行うことができる。このため、案内部1149は、荷物を宅配ボックス1140に格納させることができる。案内部1149は、例えば、網状の枠体、板状の枠体などである。ステップS1203は、物品を容器1140aの中に格納させるステップの一例である。
【1225】
図124は、実施の形態20における無人航空機1171が宅配ボックス1140に格納された荷物をカメラ1178が撮像してから無人航空機1171がレール400から離脱するまでを例示した模式図である。
【1226】
次に、
図122、
図123のdおよび
図124のaに示すように、制御部は、ステップS1203を実行すると、カメラ1178に撮像指示を出力する。荷物が宅配ボックス1140に格納されたかどうかの確認を行う。これにより、カメラ1178は、荷物および容器1140aを撮像する(S1204)。カメラ1178は、撮像した画像を制御部に出力する。
【1227】
制御部は、撮像された画像に基づいて、容器1140a内に荷物が格納されたかどうかを判定する(S1205)。制御部は、容器1140a内に荷物が格納された場合(S1205でYES)、物品とワイヤ1174との接続を解除する(S1206)。制御部は、第2アーム1173のモータを制御することで、第2アーム1173を回動させることで、一対の把持部を開かせて、第2アーム1173から荷物の切離しをさせる。ステップS1206は、物品とワイヤ1174との接続を解除するステップの一例である。
【1228】
なお、制御部は、荷物が容器1140aに格納されていない場合(S1205でNO)、未認証処理として、リフトモータ1176を制御することでリール1175を回転させてワイヤ1174を巻き取り、再度、リール1175を回転させてワイヤ1174を繰り出して、荷物を容器1140aの中に搬入させる。この処理を所定回数繰り返してもよい。
【1229】
次に、制御部は、荷物が容器1140aに格納されていれば認証処理として配送完了とし、無人航空機1171が荷物を格納したことを確証する認証処理を実行する(S1207)。
【1230】
次に、
図122および
図124のbに示すように、制御部は、配送完了すると、リフトモータ1176を制御することでリール1175を回転させてワイヤ1174を巻き取る(S1208)。ステップS1208は、ワイヤ1174を巻き取るステップの一例である。
【1231】
次に、
図122および
図124のcに示すように、制御部は、複数のモータを駆動させることで、無人航空機1171を浮遊させ、無人航空機1171を荷重支持体1401から離間させる(S1209)。このとき、荷重支持体1401への無人航空機1171の荷重が失われるため、宅配ボックス1140の蓋1140bは、容器1140aの上面開口1143bを覆うように閉まる。ステップS1209は、無人航空機1171を荷重支持体1401から離れさせるステップの一例である。
【1232】
次に、
図122および
図124のdに示すように、第2連動部1162は、蓋1140bが閉まったときに蓋1140bをロックする(S1210)。これにより、宅配ボックス1140の蓋1140bは、宅配ボックス1140の利用者が鍵を用いて解錠処理を実行することで、蓋1140bのロックが解錠されて、蓋1140bを開くことができる。そして、このシステム1107は、処理を終了する。
【1233】
[作用効果]
次に、本実施の形態に係る宅配ボックス1140、システム1107および方法の作用効果について説明する。
【1234】
上述したように、本実施の形態に係る宅配ボックス1140は、無人航空機1171によって配送された物品を格納可能な宅配ボックス1140であって、底面部1140dと側面部1144aとを有する容器1140aと、容器1140aに対して回転可能に連結された蓋1140bと、物品を有する無人航空機1171の荷重を支持可能な荷重支持体1401と、荷重支持体1401と蓋1140bとの間に連結された1以上のリンクロッド1416とを備える。そして、1以上のリンクロッド1416は、無人航空機1171が荷重支持体1401に荷重を加えた場合、当該荷重を蓋1140bに伝達して蓋1140bを開く。
【1235】
これによれば、無人航空機1171が荷重支持体1401に吊下がるだけで、自動的に容器1140aの蓋1140bを開くことができる。このため、無人航空機1171が配送した物品を容器1140aに格納することができる。
【1236】
本実施の形態に係る方法は、無人航空機1171によって配送された物品を宅配ボックス1140に格納する方法であって、無人航空機1171を宅配ボックス1140の荷重支持体1401に支持させるステップと、宅配ボックス1140の蓋1140bが開いた後、無人航空機1171からワイヤ1174を介して物品を降ろして、物品を容器1140aの中に格納させるステップと、物品とワイヤ1174との接続を解除するステップと、ワイヤ1174を巻き取るステップと、無人航空機1171を荷重支持体1401から離れさせるステップと、を含む。
【1237】
本実施の形態に係る宅配ボックス1140において、蓋1140bは、荷重支持体1401に加わった荷重が失われたときに、容器1140aの上部を覆うように閉まる。
【1238】
これによれば、無人航空機1171が荷重支持体1401から離れて飛び立てば、自動的に容器1140aの蓋1140bを閉めることができる。
【1239】
本実施の形態に係る宅配ボックス1140において、荷重支持体1401は、容器1140aの上方に配置されている。
【1240】
これによれば、無人航空機1171が荷重支持体1401に吊下がれば、容器1140aの蓋1140bが開くため、無人航空機1171が配送した物品を容易に容器1140aに格納することができる。
【1241】
本実施の形態に係る宅配ボックス1140において、荷重支持体1401は、無人航空機1171を吊下げ可能な吊り棒である。
【1242】
これによれば、荷重支持体1401に吊下がる無人航空機1171の荷重を確実に支えることができる。
【1243】
本実施の形態に係る宅配ボックス1140において、吊り棒は、容器1140aの直上にV字状またはU字状の屈曲部1402を有する。
【1244】
これによれば、無人航空機1171が屈曲部1402に掴まり易くなるため、無人航空機1171を容易に位置決めすることができる。このため、無人航空機1171が荷重支持体1401に吊下がれば、容器1140aの蓋1140bが開くため、無人航空機1171が配送した物品を、より容易に容器1140aに格納することができる。
【1245】
本実施の形態に係る宅配ボックス1140において、1以上のリンクロッド1416は、第1リンクロッド1416aと、第2リンクロッド1416bと、第3リンクロッド1416cとを有する。第1リンクロッド1416aの第1端は、吊り棒に対して回転可能に連結される。第1リンクロッド1416aの第2端は、第2リンクロッド1416bの第3端に対して回転可能に連結される。第2リンクロッド1416bの第4端は、第3リンクロッド1416cの第5端に対して回転可能に連結される。そして、第3リンクロッド1416cの第6端は、蓋1140bに対して回転可能に連結される。
【1246】
これによれば、吊り棒に無人航空機1171が吊下がると、無人航空機1171の荷重により吊り棒が鉛直下方に撓む。これにより、吊り棒を介してその荷重が第1リンクロッド1416a、第2リンクロッド1416b、および、第3リンクロッド1416cを介して容器1140aの蓋1140bに伝達される。このため、無人航空機1171が吊り棒に吊下がるだけで、確実に容器1140aの蓋1140bを開けることができる。したがって、この宅配ボックス1140では、無人航空機1171が配送した物品を、より容易に容器1140aに格納することができる。
【1247】
本実施の形態に係る宅配ボックス1140は、吊り棒の両端の間の位置で、荷重支持体1401の回転を支持する第1軸L1と、第3リンクロッド1416cの第5端と第6端との間の位置で、第3リンクロッド1416cの回転を支持する第2軸L2と、をさらに備える。
【1248】
これによれば、無人航空機1171の荷重が第1軸L1を介して第1リンクロッド1416aに確実に伝達することができる。第3リンクロッド1416cに伝達された無人航空機1171の荷重を、第2軸L2を介して容器1140aの蓋1140bに確実に伝達することができる。このため、容器1140aの蓋1140bを開放することができる。
【1249】
本実施の形態に係る宅配ボックス1140は、第1軸L1と第2軸L2との位置を固定させる支持部材をさらに備える。
【1250】
これによれば、吊り棒に吊下がった無人航空機1171の重みを、第1リンクロッド1416a、第2リンクロッド1416b、および、第3リンクロッド1416cを介して容器1140aの蓋1140bに確実に伝達することができるため、確実に容器1140aの蓋1140bを開けることができる。
【1251】
本実施の形態に係る宅配ボックス1140は、容器1140aの側面部1144aに設けられた扉1140cと、蓋1140bが開いたときに、扉1140cをロックする第1連動部1161とをさらに備える。
【1252】
これによれば、物品を容器1140aに格納する際に、扉1140cから物品の飛び出しを抑制することができる。扉1140cをロックすることで、扉1140cの施錠忘れを抑制することができるため、宅配ボックス1140に格納された荷物の盗難を抑制することができるため、利便性に優れている。
【1253】
本実施の形態に係る宅配ボックス1140は、蓋1140bが閉まったときに、蓋1140bをロックする第2連動部1162をさらに備える。
【1254】
これによれば、蓋1140bが閉まれば自動的に蓋1140bをロックすることができる。このため、蓋1140bを施錠するなどのロックする手間が生じ難くなる。蓋1140bをロックすることで、蓋1140bの施錠忘れを抑制することができるため、宅配ボックス1140に格納された荷物の盗難を抑制することができるため、利便性に優れている。
【1255】
本実施の形態に係るシステム1107は、宅配ボックス1140と、無人航空機1171とを備える。
【1256】
本実施の形態に係るシステム1107において、無人航空機1171は、荷重支持体1401に吊下がるための第1アーム1172を有する。
【1257】
これによれば、無人航空機1171は、荷重支持体1401に確実に吊下がることができるため、例えばモータ駆動などを停止させても、姿勢を維持することができる。
【1258】
本実施の形態に係るシステム1107において、無人航空機1171は、ワイヤ1174と、ワイヤ1174の一端に接続され、物品を保持する第2アーム1173と、ワイヤ1174の他端に接続され、ワイヤ1174を巻き取り可能なリール1175と、制御部1177とを有し、制御部1177は、蓋1140bが開いた後に、ワイヤ1174を繰り出して物品を容器1140aの中に搬入し、物品が容器1140aの底面部1140dに置かれた後に、第2アーム1173による物品の保持を解除させて、リール1175にワイヤ1174を巻き取らせる。
【1259】
これによれば、無人航空機1171が荷重支持体1401に吊下がったときに、ワイヤ1174を繰り出すことで、第2アーム1173および物品を容器1140aに向けて降下させることができる。物品が容器1140aの底面部1140dに載置されると、第2アーム1173を物品から離間させることができる。このため、このシステム1107では、物品を容器1140aの内部に確実に格納することができる。
【1260】
本実施の形態に係るシステム1107において、無人航空機1171は、容器1140aの中を撮影可能なカメラ1178をさらに有する。
【1261】
これによれば、無人航空機1171が容器1140aの中に荷物を格納したか否かを確認することができる。このため、物品を容器1140aの内部に格納できていなければ、第2アーム1173を物品から離間させないようにすることもできる。再度、荷物を引き上げた後に容器1140aの中に荷物を格納することもできる。
【1262】
本実施の形態に係るシステム1107において、制御部1177は、カメラ1178を介して宅配ボックス1140の内部の画像を取得し、画像に基づいて、無人航空機1171が物品を格納したことを確証する認証処理を実行する。
【1263】
これによれば、物品を宅配ボックス1140に格納したことを証明することができるため、物品を容器1140aに格納したことの確実性を担保することができる。
【1264】
(その他変形例)
例えば、上記実施の形態または上記実施の形態の変形例において、子ドローンは、車両の様にレールの上を走行する車輪を有していてもよい。子ドローンは、建物のレールを走行する間だけ、車輪によって自走してもよい。この場合、レールは、子ドローンが走行可能な板状であってもよい。レールは、子ドローンが落下しないように建物と反対側の端縁にガイドレールが配置されていてもよい。このため、安全性を確保することができる。
【1265】
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。ここで、上記各実施の形態の画像復号化装置などを実現するソフトウェアは、次のようなプログラムである。
【1266】
すなわち、このプログラムは、コンピュータに、第1の無人航空機と、前記第1の無人航空機に連結線で連結された第2の無人航空機とを含むシステムにおいて、前記第1および第2の無人航空機を制御する制御方法であって、(A)前記第1および第2の無人航空機を前進させ、(B)前記第2の無人航空機の飛行に異常が生じたときに、前記第1の無人航空機の前進を止めさせることを実行させる。
【1267】
上記に説明された技術は、例えば、無人航空機の代わりに、自律運転航空機(autonomous aerial vehicle)に適用されてもよい。この場合、上記の説明における「無人航空機」または「ドローン」が適宜「自律運転航空機」に読み替えられる。あるいは、上記に説明された技術は、無人/有人、自律運転/手動運転を問わず、航空機に適用されてもよい。
【1268】
[補足]
第1の態様に係る制御方法は、第1の無人航空機と、前記第1の無人航空機に連結線で連結された第2の無人航空機とを含むシステムにおいて、前記第1および第2の無人航空機を制御する制御方法であって、(A)前記第1および第2の無人航空機を前進させ、(B)前記第2の無人航空機の飛行に異常が生じたときに、前記第1の無人航空機の前進を止めさせる。
【1269】
第2の態様に係る制御方法は、第1の態様に従う(according to)制御方法であって、前記(B)において、前記第1の無人航空機の動作を前記前進からホバリングに変更させる。
【1270】
第3の態様に係る制御方法は、第1または第2の態様に従う制御方法であって、前記(A)において、前記第1の無人航空機に前記連結線にかかる張力を監視させ、前記(B)において、前記第1の無人航空機は、前記張力の変化に基づいて、前記第2の無人航空機の飛行の異常を検知する。
【1271】
第4の態様に係る制御方法は、第3の態様に従う制御方法であって、前記(B)において、前記第1の無人航空機は、前記張力が所定値以上となった場合に、前記第2の無人航空機の飛行が異常であると判断する。
【1272】
第5の態様に係る制御方法は、第1または第2の態様に従う制御方法であって、前記(B)において、前記第2の無人航空機の飛行に異常が生じたときに、前記第2の無人航空機に異常信号を出力させ、前記第1の無人航空機は、前記異常信号を受信することによって前記第2の無人航空機の飛行に異常が生じたことを検知する。
【1273】
第6の態様に係る制御方法は、第5の態様に従う制御方法であって、前記連結線は、通信ケーブルを含み、前記異常信号は、前記通信ケーブルを介して前記第2の無人航空機から前記第1の無人航空機に伝送される。
【1274】
第7の態様に係る制御方法は、第1または第2の態様に従う制御方法であって、前記第1の無人航空機はカメラを含み、前記(B)において、前記第1の無人航空機は、前記カメラの映像に基づいて、前記第2の無人航空機に異常が生じたことを検知する。
【1275】
第8の態様に係る制御方法は、第1から第7の態様のいずれか1つに従う制御方法であって、前記(B)において、前記第2の無人航空機に異常が生じたときに、さらに、前記連結線の長さを短くする。
【1276】
第9の態様に係る制御方法は、第8の態様に従う制御方法であって、前記(B)において、前記第1の無人航空機に前記連結線の一部を巻き取らせることによって、延びている前記連結線の長さを短くする。
【1277】
第10の態様に係る制御方法は、第1から第9の態様のいずれか1つに従う制御方法であって、前記システムは、地面から離れた位置に固定された第1のレールをさらに含み、前記(A)において、前記第1の無人航空機を、前記第2の無人航空機よりも前記第1のレールに近い位置で前進させる。
【1278】
第11の態様に係る制御方法は、第10の態様に従う制御方法であって、前記(A)において、前記第1の無人航空機を、前記第1のレールよりも低い位置で前進させる。
【1279】
第12の態様に係る制御方法は、第10または第11の態様に従う制御方法であって、前記(A)において、前記第1の無人航空機を、前記第1のレールに移動可能に連結された状態で、前記第1のレールに沿って前進させる。
【1280】
第13の態様に係る制御方法は、第10または第11の態様に従う制御方法であって、前記(B)において、前記第2の無人航空機の飛行に異常が生じたときに、さらに、前記第1の無人航空機を前記第1のレールに連結させる。
【1281】
第14の態様に係る制御方法は、第13の態様に従う制御方法であって、前記第1の無人航空機は、開閉可能なアームを含み、前記(A)において、前記第1の無人航空機を前記アームが開いた状態で前進させ、前記(B)において、前記アームを前記第1のレールを囲むように閉じさせることによって、前記第1の無人航空機を前記第1のレールに連結させる。
【1282】
第15の態様に係る制御方法は、第14の態様に従う制御方法であって、前記アームは、第1アームと第2アームとを含み、前記アームが開いた状態において、前記第1アームの一端と前記第2アームの一端との間の距離は、前記第1のレールの幅よりも大きく、前記アームが閉じた状態において、前記第1アームの一端と前記第2アームの一端との間の前記距離は、前記第1のレールの幅よりも小さくなる。
【1283】
第16の態様に係る制御方法は、第1から第15の態様のいずれか1つに従う制御方法であって、前記第1の無人航空機は、第2の無人航空機よりも小さい。
【1284】
第17の態様に係る制御方法は、第1から第16の態様のいずれか1つに従う制御方法であって、前記連結線の一端は、前記第1の無人航空機の飛行状態において、前記第1の無人航空機の下面に連結される。
【1285】
第18の態様に係る制御方法は、第17の態様に従う制御方法であって、前記第2の無人航空機は、前記第2の無人航空機の本体を囲み、かつ、前記本体に対して回転可能なリングを含み、前記リングの外周面は、前記第2の無人航空機の飛行状態において、前記第2の無人航空機の前記本体の下面と第1側面と上面と第2側面とを横切り、前記連結線の他端は、前記第2の無人航空機の飛行状態において、前記第2の無人航空機の前記リングの前記外周面に連結されている。
【1286】
第19の態様に係る制御方法は、第10から15の態様のいずれか1つに従う制御方法であって、前記システムは、管理サーバを含み、前記第1のレールは、前記第1のレールを特定するための第1の識別情報が記録された第1の記録面を含み、前記第1の無人航空機は、前記第1の記録面から前記第1の識別情報を読み出すための少なくとも1つの読み出しセンサを含み、前記(A)において、さらに、前記第1の無人航空機に、前記少なくとも1つの読み出しセンサを介して前記第1の識別情報を連続的または断続的に読み出させ、前記第1の無人航空機に、前記第1の識別情報に基づいて、自身の位置を特定させ、前記第1の無人航空機に、前記自身の位置を示す第1の位置情報を、前記管理サーバに無線を介して連続的または断続的に送信させる。
【1287】
第20の態様に係る制御方法は、第19の態様に従う制御方法であって、前記(A)において、さらに、前記第1の無人航空機に、前記第1の無人航空機と前記第2の無人航空機との間の相対的な位置を示す第2の位置情報を、前記管理サーバに無線を介して連続的または断続的に送信させ、前記管理サーバに、前記第1および第2の位置情報に基づいて、前記第2の無人航空機の位置を特定させる。
【1288】
第21の態様に係る制御方法は、第19または第20の態様に従う制御方法であって、前記(A)の前に、前記第1および第2の無人航空機が飛行予定ルートに配置された複数のレールに関するレール情報を、前記管理サーバから前記第1の無人航空機にダウンロードさせ、前記(A)において、前記第1の無人航空機に、前記第1の識別情報と前記レール情報を照合させることによって、自身の位置を特定させる。
【1289】
第22の態様に係る制御方法は、第21の態様に従う制御方法であって、前記レール情報は、前記複数のレールのそれぞれの識別情報と、前記複数のレールのそれぞれの地理座標を示す座標情報とを含む。
【1290】
第23の態様に係る制御方法は、第19から第22の態様のいずれか1つに従う制御方法であって、前記少なくとも1つの読み出しセンサは、少なくとも1つの光学センサである。
【1291】
第24の態様に係る制御方法は、第19から第23の態様のいずれか1つに従う制御方法であって、前記記録面は、前記第1のレールの外周面に配置され、前記少なくとも1つの光学センサは、複数の光学センサであり、前記(A)において、前記複数の光学センサは、互いに異なる方向から前記記録面をセンシングする。
【1292】
第25の態様に係る制御方法は、第19から第24の態様のいずれか1つに従う制御方法であって、前記第1の記録面には、前記第1のレールの高度を示す高度情報がさらに記録されている。
【1293】
第26の態様に係る制御方法は、第1から第25の態様のいずれか1つに従う制御方法であって、(C)前記第2の無人航空機の後ろを飛行する後続航空機が、前記第2の無人航空機を追い越すときに、前記第2の無人航空機の飛行コースを変更させることをさらに含む。
【1294】
第27の態様に係る制御方法は、第26の態様に従う制御方法であって、前記(C)において、前記第2の無人航空機の前記飛行コースを、前記第1の無人航空機から離れる方向に変更させる。
【1295】
第28の態様に係る制御方法は、第26または第27の態様に従う制御方法であって、前記(C)において、前記後続航空機が前記第2の無人航空機を追い越した後に、前記第2の無人航空機を元の飛行コースに復帰させる。
【1296】
第29の態様に係る制御方法は、第26から28の態様のいずれか1つに従う制御方法であって、前記(C)において、前記後続航空機が前記第2の無人航空機を追い越す前に、前記第1の無人航空機から前記第2の無人航空機まで延びている前記連結線の長さを長くする。
【1297】
第30の態様に係る制御方法は、第10の態様に従う制御方法であって、前記システムは、さらに、前記第1の無人航空機と前記第1のレールを共用する第3の無人航空機と、前記第3の無人航空機に連結線で連結された第4の無人航空機とをさらに含み、前記制御方法は、さらに、(D)前記第1の無人航空機の後ろを飛行する前記第3の無人航空機が、前記第1の無人航空機を追い越すときに、前記第1の無人航空機の飛行コースを変更させる。
【1298】
第31の態様に係る制御方法は、第30の態様に従う制御方法であって、前記(D)において、前記第1の無人航空機の前記飛行コースを、前記第1のレールから離れる方向に変更させる。
【1299】
第32の態様に係る制御方法は、第31の態様に従う制御方法であって、前記システムは、さらに、前記地面から離れた位置に固定され、かつ、前記第1のレールと平行に延びる第2のレールをさらに含み、前記(D)において、前記第1の無人航空機の前記飛行コースを、前記第2のレールに近づける方向に変更させる。
【1300】
第33の態様に係る制御方法は、第32の態様に従う制御方法であって、前記(A)において、前記第1の無人航空機を、前記第1のレールに移動可能に連結された状態で、前記第1のレールに沿って前進させ、前記(D)において、前記第3の無人航空機が前記第1の無人航空機を追い越す前に、前記第1の無人航空機に、前記第1のレールから前記第2のレールへ連結を変更させ、前記第3の無人航空機が前記第1の無人航空機を追い越した後に、前記第1の無人航空機に、前記第2のレールから前記第1のレールへ連結を変更させる。
【1301】
第34の態様に係る制御方法は、第32または第33の態様に従う制御方法であって、前記地面に垂直な方向から見たときに、前記第1のレールと前記第2のレールとの間の距離は、前記第1の無人航空機のサイズよりも大きい。
【1302】
第35の態様に係る制御方法は、第32から第34の態様のいずれか1つに従う制御方法であって、前記第1および第2のレールは、前記地面から同じ高さに配置されている。
【1303】
第36の態様に係る制御方法は、第10の態様に従う制御方法であって、前記システムは、さらに、前記第2の無人航空機に連結線で連結され、かつ、前記第1の無人航空機と前記第1のレールを共有する第3の無人航空機と、前記第1および第3の無人航空機と前記第1のレールを共用する第4の無人航空機と、前記第4の無人航空機に連結線で連結された第5の無人航空機とをさらに含み、前記(A)において、前記第1および第3の無人航空機のそれぞれを、前記第1のレールに移動可能に連結された状態で、前記第1のレールに沿って前進させ、前記制御方法は、さらに、(E)前記第1および第3の無人航空機が前記第4の無人航空機の後ろを飛行しており、かつ、前記第2の無人航空機が前記第5の無人航空機の後ろを飛行している場合において、前記第2の無人航空機が前記第5の無人航空機を追い越すときに、前記第1の無人航空機に、前記第1のレールへの連結を解除させ、前記第1の無人航空機を、前記第4の無人航空機よりも前に移動させ、前記第1の無人航空機に、前記第1のレールに再連結させ、前記第1の無人航空機が前記第1のレールに再連結された後、前記第2の無人航空機を前記第5の無人航空機よりも前に移動させ、前記第1の無人航空機が前記第1のレールに再連結された後、前記第3の無人航空機に、前記第1のレールの連結を解除させ、前記第3の無人航空機を前記第4の無人航空機よりも前に移動させ、前記第3の無人航空機に、前記第1のレールに再連結させる。
【1304】
第37の態様に係る制御方法は、第10から第15の態様のいずれか1つに従う制御方法であって、前記システムは、さらに、前記地面から離れた位置に固定され、かつ、前記第1のレールから離間して隣り合う第2のレールをさらに含み、前記制御方法は、さらに、(F)前記第1の無人航空機が前記第1のレールに沿って前進しており、かつ、前記第2のレールが、前記第1の無人航空機の前進する方向に位置している場合に、前記第1の無人航空機を、前記第1のレールの周囲から前記第2のレールの周囲に移動させる。
【1305】
第38の態様に係る制御方法は、第37の態様に従う制御方法であって、前記(F)において、前記第1の無人航空機が前記第1のレールから離れるときに、前記第1の無人航空機の高度を一時的に上げさせる。
【1306】
第39の態様に係る制御方法は、第38の態様に従う制御方法であって、前記(F)において、前記第1の無人航空機の前記高度を、前記第1および第2のレールのいずれの高さよりも高くする。
【1307】
第40の態様に係る制御方法は、第1から第39の態様のいずれか1つに従う制御方法であって、前記制御方法は、さらに、(G)前記第2の無人航空機が飛行中において、前記第1の無人航空機の飛行を停止させ、前記第2の無人航空機に前記連結線を巻き取らせて、前記第1の無人航空機を前記第2の無人航空機に対して固定させる。
【1308】
第41の態様に係る制御方法は、第40の態様に従う制御方法であって、前記(G)において、前記第2の無人航空機は前記第1の無人航空機内に格納される。
【1309】
第42の態様に係る制御方法は、第40または第41の態様に従う制御方法であって、前記第2の無人航空機は、荷物を格納するための格納口を含み、前記格納口は、前記第2の無人航空機の飛行状態における側面に設けられている。
【1310】
第43の態様に係るプログラムまたは非一時的記録媒体は、第1から第42の態様のいずれか1つの制御方法をコンピュータに実行させる。
【1311】
第44の態様に係る無人航空機は、無人航空機と、前記無人航空機に連結線で連結された他の無人航空機とを含むシステムにおける前記無人航空機であって、前記無人航空機は、第1のコントローラを含み、前記第1のコントローラは、前記無人航空機を前進させ、前記他の無人航空機の飛行に異常が生じたときに前記無人航空機の前進を止めさせる。
【1312】
第45の態様に係る飛行システムは、第1の無人航空機と、前記第1の無人航空機に連結線で連結された第2の無人航空機とを含むシステムであって、前記第1の無人航空機は、第1のコントローラを含み、前記第2の無人航空機は、第2のコントローラを含み、前記第1のコントローラは、前記第1の無人航空機を前進させ、前記第2の無人航空機の飛行に異常が生じたときに前記第1の無人航空機の前進を止めさせる。
【1313】
第46の態様に係る無人航空機は、荷物を配送する無人航空機であって、複数の回転翼と、前記複数の回転翼をそれぞれ回転させる複数の第1モータと、前記複数の第1モータを支持する本体と、前記本体を吊下げた状態で、地面から離れた位置にあるレールに接続するための接続体と、前記接続体が前記レールに支持されたときの支持方向に対する、前記複数の回転翼を含む仮想平面の傾きを設定する可動部と、前記複数の第1モータおよび前記可動部を制御する制御回路と、を備え、前記接続体は、前記本体に接続された第1端と、前記レールにスライド自在に接続するための第2端とを有し、前記支持方向は、前記接続体の前記第1端から前記第2端に向かう方向であり、前記制御回路は、前記接続体の前記第2端が前記レールに接続されている場合に、(i)前記複数の第1モータの回転数を、前記無人航空機を浮遊させるための最小の回転数よりも小さく、かつ、前記無人航空機を前記レールの延びる方向に推進するための最小の回転数よりも大きい、回転数にし、(ii)前記可動部によって、前記接続体の前記支持方向に対して前記仮想平面の法線方向がなす角度を大きくする。
【1314】
第47の態様に係る無人航空機は、第46の態様に従う無人航空機であって、前記可動部は、前記本体と前記接続体との間に配置されている。
【1315】
第48の態様に係る無人航空機は、第46または47の態様に従う無人航空機であって、さらに、一対の翼を備える。
【1316】
第49の態様に係る無人航空機は、第48の態様に従う無人航空機であって、前記制御回路は、前記可動部によって前記角度を大きくした後、前記無人航空機の推進速度が所定値を超えた場合に、前記接続体を前記レールから外す。
【1317】
第50の態様に係る無人航空機は、第49の態様に従う無人航空機であって、前記制御回路は、前記接続体が前記レールから外れている場合に、前記可動部によって前記角度を小さくし、前記無人航空機を浮遊させるための前記最小の回転数よりも大きくするように、前記複数の第1モータの回転数を制御する。
【1318】
第51の態様に係る無人航空機は、第46から第50の態様のいずれか1つに従う無人航空機であって、前記制御回路は、前記(ii)において、前記角度を15°よりも大きくするように、前記複数の第1モータの回転数を制御する。
【1319】
第52の態様に係る無人航空機は、第51の態様に従う無人航空機であって、前記制御回路は、前記(ii)において、前記角度を45°よりも大きくするように、前記複数の第1モータの回転数を制御する。
【1320】
第53の態様に係る無人航空機は、第52の態様に従う無人航空機であって、前記制御回路は、前記(ii)において、前記角度を65°よりも大きくするように、前記複数の第1モータの回転数を制御する。
【1321】
第54の態様に係る無人航空機は、第53の態様に従う無人航空機であって、前記制御回路は、前記(ii)において、前記角度を80°よりも大きくするように、前記複数の第1モータの回転数を制御する。
【1322】
第55の態様に係る無人航空機は、第45から第54の態様のいずれか1つに従う無人航空機であって、前記接続体は、前記本体に揺動自在に接続された支持部と、前記支持部の一端に接続された第1アームとを有する。
【1323】
第56の態様に係る無人航空機は、第55の態様に従う無人航空機であって、前記第1アームは、前記無人航空機を前記レールに吊下げるためのハンガである。
【1324】
第57の態様に係る無人航空機は、第55または第56の態様に従う無人航空機であって、前記接続体は、さらに、前記第1アームに接続されており、前記レールに回転自在に接触するための車輪を有する。
【1325】
第58の態様に係る無人航空機は、第55の態様に従う無人航空機であって、前記接続体は、さらに、前記支持部の前記一端に接続された第2アームを有する。
【1326】
第59の態様に係る無人航空機は、第58の態様に従う無人航空機であって、前記第1アームは、前記無人航空機を前記レールに吊下げるための第1のハンガであり、前記第2アームは、前記無人航空機を前記レールに吊下げるための第2のハンガであり、前記接続体は、さらに、前記支持部に対する前記第1アームの角度を設定する第1アクチュエータと、前記支持部に対する前記第2アームの角度を設定する第2アクチュエータとを有する。
【1327】
第60の態様に係る無人航空機は、第59の態様に従う無人航空機であって、前記接続体は、さらに、前記支持部と前記第1アームおよび前記第2アームとの間に配置されるベースと、前記支持部に対する前記ベースの角度を設定する第3アクチュエータとを有する。
【1328】
第61の態様に係る無人航空機は、第59または第60の態様に従う無人航空機であって、前記第1アームは、前記第1アクチュエータに接続される第1接続端から第1開放端まで延びる第1フックを有し、前記第2アームは、前記第2アクチュエータに接続される第2接続端から第2開放端まで延びる第2フックを有し、前記第1フックは、前記第1接続端から前記第1開放端に至るまでに第1方向に折れ曲がる第1屈曲部を有し、前記第2フックは、前記第2接続端から前記第2開放端に至るまでに、前記第1方向とは反対向きの第2方向に折れ曲がる第2屈曲部を有する。
【1329】
第62の態様に係る無人航空機は、第61の態様に従う無人航空機であって、前記制御回路は、前記無人航空機が、前記第1フックによって第1レールにスライド自在に吊下がっている場合に、前記第2アクチュエータを制御して、前記第1レールに隣接した状態で前記第1レールに沿って隣に延びる第2レールに、前記第2フックを引っ掛け、前記第1アクチュエータを制御して、前記第1フックを前記第1レールから外す。
【1330】
第63の態様に係る無人航空機は、第61の態様に従う無人航空機であって、前記制御回路は、前記無人航空機が、前記第1フックおよび前記第2フックによって第1レールにスライド自在に吊下がっている場合に、前記第2アクチュエータを制御して、前記第2フックを、前記第1レールから外して、前記第1レールに沿って隣に延びる第2レールに引っ掛けさせ、前記第1アクチュエータを制御して、前記第1フックを前記第1レールから外して、前記第2レールに引っ掛けさせる。
【1331】
第64の態様に係る無人航空機は、第62または第63の態様に従う無人航空機であって、前記制御回路は、前記第2フックを前記第2レールに引っ掛けるときに、前記本体または前記支持部を前記第2方向に傾けて、前記第2接続端を前記第1接続端よりも高くし、前記第1フックを前記第1レールから外すときに、前記本体または前記支持部を前記第1方向に傾けて、前記第1接続端を前記第2接続端よりも高くする。
【1332】
第65の態様に係る無人航空機は、第46から第64の態様のいずれか1つに従う無人航空機であって、さらに、前記本体に接続された、前記荷物を吊下げるための吊下げワイヤと、前記吊下げワイヤを巻き取り可能なリフトモータとを備え、前記制御回路は、前記接続体が前記レールに接続されている状態で、前記荷物を収容するための格納装置の鉛直上方に前記無人航空機を位置取らせ、前記リフトモータを駆動して、前記吊下げワイヤを繰り出すことで、前記本体に対して前記荷物を降下させて前記格納装置に格納させる。
【1333】
第66の態様に係る無人航空機は、第65の態様に従う無人航空機であって、前記制御回路は、前記吊下げワイヤを繰り出す間、前記格納装置に対する前記荷物の相対位置に応じて、前記本体の位置および向きの少なくとも一方を調整する。
【1334】
第67の態様に係る無人航空機は、第66の態様に従う無人航空機であって、前記制御回路は、前記荷物の位置が前記格納装置の鉛直上方の位置から第3方向に変位している場合に、前記レールの延びる方向に沿って、前記無人航空機を前記第3方向とは反対の第4方向に移動させる。
【1335】
第68の態様に係る無人航空機は、第67の態様に従う無人航空機であって、前記制御回路は、前記荷物の位置が前記格納装置の鉛直上方の位置から第5方向に変位している場合に、前記レールを支点として前記無人航空機をスイングさせて、前記無人航空機の重心を前記第5方向とは反対の第6方向に移動させる。
【1336】
第69の態様に係る無人航空機は、第65の態様に従う無人航空機であって、さらに、前記荷物に着脱可能に取り付けられたスラスタ装置を備え、前記スラスタ装置は、複数のプロペラと、前記複数のプロペラをそれぞれ回転させる複数の第2モータと、前記複数の第2モータを支持する支持体と、を有する。
【1337】
第70の態様に係る無人航空機は、第69の態様に従う無人航空機であって、前記複数のプロペラは、前記支持体の第1側面部に配置された第1プロペラと、前記支持体の前記第1側面部とは異なる第2側面部に配置された第2プロペラとを含む。
【1338】
第71の態様に係る無人航空機は、第70の態様に従う無人航空機であって、前記制御回路は、前記吊下げワイヤを繰り出す期間の少なくとも一部の期間において、前記スラスタ装置が前記複数の第2モータの少なくとも1つを駆動するよう制御する。
【1339】
第72の態様に係る配送システムは、第46から第71の態様のいずれか1つに従う無人航空機と、複数の支柱と、前記複数の支柱のうちの隣り合う2つの支柱の間に張り渡された前記レールと、を備える。
【1340】
第73の態様に係る配送システムは、第72の態様に従う配送システムであって、前記複数の支柱のそれぞれは、電柱である。
【1341】
第74の態様に係る配送システムは、第73の態様に従う配送システムであって、さらに、所定敷地内に配置された引き込み支柱と、前記レールに張り渡された引き込みワイヤと、を備え、前記地面から、前記引き込みワイヤと前記引き込み支柱とが接続される第1接続点までの高さは、前記地面から、前記引き込みワイヤと前記レールとが接続される第2接続点までの高さよりも低い。
【1342】
第75の態様に係る配送システムは、第74の態様に従う配送システムであって、前記電柱は、送電線を支持し、前記レールは、前記送電線よりも下方であり、かつ、前記引き込み支柱の先端よりも高い位置に設けられる。
【1343】
第76の態様に係る配送システムは、第72の態様に従う配送システムであって、前記複数の支柱は、街路灯である。
【1344】
第77の態様に係る配送システムは、第62から第64の態様のいずれか1つに従う無人航空機と、複数の支柱と、前記複数の支柱のうちの隣り合う2つの支柱の間に張り渡された前記第1レールおよび前記第2レールと、を備える。
【1345】
第78の態様に係る配送システムは、第77の態様に従う配送システムであって、さらに、前記第1レールと前記第2レールとの近接領域の鉛直下方に張られた防護ネットを備え、前記近接領域は、前記第1レールと前記第2レールとの間の距離が前記無人航空機のサイズ以下に近接する領域である。
【1346】
第79の態様に係る配送システムは、第77または第78の態様に従う配送システムであって、前記第2レールの少なくとも一部の高さは、隣り合う前記第1レールの高さよりも高い。
【1347】
以上、無人航空機の制御方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【1348】
実施の形態1~6において説明された構成のうち、親ドローンを前提としない子ドローンの構成、あるいは、子ドローンを前提としない親ドローンの構成は、親子ドローンのシステム以外に、実施の形態7~9に示されるような単独のドローンの構成として適用されうる。この場合、実施の形態1~6において説明された親ドローンおよび子ドローンの一方を、任意のオブジェクト(例えば、荷物、または、無人航空機以外の移動手段)に読み替えたものも、本開示に含まれうる。例えば、
図31における親ドローンが、荷物に読み替えられてもよい。
【産業上の利用可能性】
【1349】
本開示は、例えば、市街地でのドローンによる荷物配送システムなどに利用可能である。
【符号の説明】
【1350】
2a、2b、2c、2d、10 飛行システム
3a、4、5 配送システム
100 管理部
110 通信部
111 送信機
112 受信機
120 ディスプレイ
130 メモリ
200、200a、200b 親ドローン
210、310、1177、1124、1134 駆動部
211、313 バッテリ
212、311 ワイヤ制御モジュール(212 リフトモータ)
220、320 通信部
221、321 受信機
222、322 送信機
230、330、1020、1021 制御部
231 フライトコントローラ
232、331 ジャイロセンサ
233、233a、332、332a GPSセンサ
234、335 速度センサ
240 回転リング
241 ワイヤ接続部
250、1152b 開口部
300、300a、300b,300ba、300bb、300c、300e、300f、300g、300h、300i、300j、3000 子ドローン
301a、301i、301j 子ドローン本体
301i1 第1本体
301i2 第2本体
312 レール制御モジュール
333 張力センサ
334 カメラセンサ
336 レーザーセンサ
337、734 処理部(制御回路)
340、340a、340c、340d、340e、340f、340g、340h、340j、1119、1119a、1131、1152、1158、1172 アーム
341、3411、3411a、731、1121 第1アーム
341a、341a2 収容部
341b 凹部
342、3421、3421a、751、1122、1173 第2アーム
344、344a、1004h2 支持部
344b 案内部
344d 収容部
348、349 バネ
350、1012、1153 回転軸
371 ヨー翼
371a、371a1 第1軸部
371b、371b1 第1羽部
372 ピッチ翼
372a、372a1 第2軸部
372b、372b1 第2羽部
390 車輪
390a 車軸
391 第1センサ
392 間隔検出部
393 リング位置制御部
394 リング位置変更部
400、400i1、400i2、400i3 レール
400a、401 第1レール(レール)
400a1 凹凸部分
400a2 マーカ
400b、402 第2レール(レール)
401j アドレス部
402k 始端部
403 終端部
450 載置構造体
470、1004、1004a、1004b、1004h、1140 宅配ボックス(格納装置)
471 媒体
500 積荷
600、611、611a、611b、1016、1174 ワイヤ
700 建物
701、701b、701c ドローン
709a、801、912、1013 プロペラ(709a 回転翼)
711、1010a、1010d1、1113a、1136a 第1モータ
712、1106a、1111、1170b 本体
713 翼
730、730c、730d、1119a、1120、1130、1150、1160 接続体
730a 第1端
730b 第2端
731a 第1フック
731a1 第1接続端
731b1 第1開放端
731c 第1屈曲部
731d 開口部
732 支持部
733 ベース
740 可動部
741 第1アクチュエータ
743 角度駆動部(第3アクチュエータ)
751a 第2フック
751a2 第2接続端
751b2 第2開放端
751c 第2屈曲部
752 第2アクチュエータ
791a、791c 支柱
791b 引き込み支柱
792 吊下げワイヤ
793 レール支持部
794 防護ネット
795 引き込みワイヤ
795a 第1引き込みワイヤ
795b 第2引き込みワイヤ
800 プロペラガード
900 データ
901、902、903、904 検知部
905 光学検出装置
906 光センサー
910 スラスタ装置
911、1015 支持体
911a 外周側面部
911a1 第1側面部
911a2 第2側面部
912a 第1プロペラ
912b 第2プロペラ
913、1010b、1010d2、1113b、1136b 第2モータ
1001、1001f スラスタ装置
1001a スラスタ装置
1001b スラスタ装置
1001c スラスタ装置
1001d1 第1スラスタ装置
1001d2 第2スラスタ装置
1001d3 第3スラスタ装置
1003、1103、1104、1105、1106、1170 無人航空機
1004a1、1004h1、1140a 容器
1004a2、1004b2、1005h 上蓋
1004a3 横蓋
1004a4、1144b 側面開口
1004a5、1143b 上面開口
1004a6、1143a 上面部
1004a7、1005h2、1144a 側面部
1004a8 穴部
1004h3、1154a 凹部
1005h1、1140d 底面部
1006h、1401 荷重支持体
1010、1113、1159 モータ
1010c 第3モータ
1010d 第4モータ
1012a 第1回転軸
1012b 第2回転軸
1012c 第3回転軸
1012d 第4回転軸
1013a1 ブレード
1013a2 凸部
1014 防護体
1015a 外枠
1015b 縦桟
1015c 横桟
1015d 第1側面部
1015e 第2側面部
1016a メインワイヤ
1016a1 第1ワイヤ
1016b サブワイヤ
1016b1 第2ワイヤ
1016c 第3ワイヤ
1016d 第4ワイヤ
1017、1142 連結体
1018、1175 リール
1018a 第1リール
1018b 第2リール
1019、1118、1135 センサ
1030、1133 アクチュエータ
1040、1176 リフトモータ
1100 昇降システム
1101、1102、1107 システム
1112 回転翼
1122a 第1アクチュエータ
1122b 第2アクチュエータ
1122c 第3アクチュエータ
1123、1132 固定部
1123a 第1ベース部
1123b 第2ベース部
1140b 蓋
1140c 扉
1141a ロッド支持体
1145 操作表示部
1152a 切欠き部
1154、1164 ローラ
1161 第1連動部
1162 第2連動部
1165 筐体
1166 ブレーキパッド
1167 ブレーキ機構
1170a 脚
1178 カメラ
1402 屈曲部
1416 リンクロッド
1416a 第1リンクロッド
1416b 第2リンクロッド
1416c 第3リンクロッド
3401 リング
3411h 切り欠き部
3411k、3411k1 開口部
3441 カウンタバランス
5340a 第1延長アーム
5340b 第2延長アーム
a 一方側の端部
b 他方側の端部
J1 軸心
K 空間
L1 第1軸
L2 第2軸
O 軸心
P 接続点
P1 第1接続点
P2 第2接続点
R1 領域
R2 領域
V1 仮想面
V2 仮想平面
X1 軸心