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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159476
(43)【公開日】2023-11-01
(54)【発明の名称】圧縮機カバー
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/56 20110101AFI20231025BHJP
   F24F 1/12 20110101ALI20231025BHJP
【FI】
F24F1/56
F24F1/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020154117
(22)【出願日】2020-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】505461072
【氏名又は名称】東芝キヤリア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】弁理士法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平沢 祐太
【テーマコード(参考)】
3L054
【Fターム(参考)】
3L054BA01
3L054BB01
3L054BB03
(57)【要約】
【課題】冷凍サイクルを構成する圧縮機及び熱交換器等を収納する筐体内で、強度を確保可能な前部寄りに、重量物である圧縮機を配置することができること。
【解決手段】冷凍サイクルを構成する圧縮機12、室外熱交換器13及び電装品箱14が室外ユニット10の筐体11内に設置され、この筐体内で圧縮機を覆う圧縮機カバー20であって、圧縮機12の前方に位置づけられる前面パネル21を備え、この前面パネル21は正面視で、筐体11内で前方上部に配置された電装品箱14と重なる部分が奥行き方向Aに凹んで形成されたものである。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷凍サイクルを構成する圧縮機、熱交換器及び電装品箱が筐体内に設置され、この筐体内で前記圧縮機を覆う圧縮機カバーであって、
前記圧縮機の前方に位置づけられる前面パネルを備え、この前面パネルは正面視で、前記筐体内で前方上部に配置された前記電装品箱と重なる部分が奥行方向に凹んで形成されたことを特徴とする圧縮機カバー。
【請求項2】
前記前面パネルは、奥行方向に凹んだ垂直面を形成する前面第1パネルと、上面部及び前面部を備えてなる前面第2パネルとを有し、前記上面部が前記前面第1パネルに連続して設けられたことを特徴とする請求項1に記載の圧縮機カバー。
【請求項3】
前記前面第2パネルの上面部が、水平面に対し前面部側に下方へ傾斜して形成されたことを特徴とする請求項2に記載の圧縮機カバー。
【請求項4】
前記圧縮機を覆う前面パネル、後面パネル及び側面パネルの少なくとも1つのパネルの下部には、下方に開口して、前記圧縮機に接続された配管を外部へ取り出すための配管取出口が形成されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の圧縮機カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷凍サイクルの一構成要素である圧縮機を覆う圧縮機カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和装置の室外ユニットの筐体内には、冷凍サイクルを構成する圧縮機、室外熱交換器及び電装品箱などが収納されている。このうちの圧縮機は、特許文献1にも記載のように、騒音低減等を目的として圧縮機カバーにより覆われて、筐体内に設置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2018/012556号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の圧縮機は、重量物であるため、筐体において前部または後部の強度が確保されやすい位置に配置される必要がある。しかしながら、室外ユニット内の部品の配置制約上、電装品箱の配置位置によっては、圧縮機及び圧縮機カバーを筐体の中央位置寄りに配置せざるを得ない場合がある。この場合には、筐体の中央位置に特別な強度確保手段を施す必要が生ずる。
【0005】
本発明の実施形態は、上述の事情を考慮してなされたものであり、冷凍サイクルを構成する圧縮機及び熱交換器等を収納する筐体内で、強度を確保可能な前部寄りに、重量物である圧縮機を配置することができる圧縮機カバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態における圧縮機カバーは、冷凍サイクルを構成する圧縮機、熱交換器及び電装品箱が筐体内に設置され、この筐体内で前記圧縮機を覆う圧縮機カバーであって、前記圧縮機の前方に位置づけられる前面パネルを備え、この前面パネルは正面視で、前記筐体内で前方上部に配置された前記電装品箱と重なる部分が奥行方向に凹んで形成されたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によれば、冷凍サイクルを構成する圧縮機及び熱交換器等を収納する筐体内で、強度を確保可能な前部寄りに、重量物である圧縮機を配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る圧縮機カバーを室外ユニットにおける筐体の底板と共に示す斜視図。
図2図1の圧縮機カバーの分解斜視図。
図3図1の圧縮機カバー及び底板を含む室外ユニットの内部構成を示し、圧縮機カバーの天面パネルを除いて示す平面図。
図4図1の室外ユニットの内部構成を示し、圧縮機カバーの前面パネルを透視状態で示す正面図。
図5図1の圧縮機カバーを、他側面パネルを除いて示す側面図。
図6図1図2及び図5の前面パネルを示す斜視図。
図7図2の圧縮機カバーの一側面パネル及び後面パネルを、配管が接続された圧縮機と共に示す斜視図。
図8図7のVIII矢視図。
図9図7及び図8の後面パネルを示す正面図。
図10図9の後面パネルの配管取出口と配管との位置関係を示す正面図。
図11図9の配管取出口から配管が斜めに取り出された状態を示し、図8に対応した平面図。
図12】第2実施形態に係る圧縮機カバーの一側面パネル及び後面パネルを、配管が接続された圧縮機と共に示す斜視図。
図13図12の後面パネルを防水メインシートと共に示す正面図。
図14】第3実施形態に係る圧縮機カバーの一側面パネル及び後面パネルを、配管が接続された圧縮機と共に示す斜視図。
図15図14の後面パネルに貼着された防水メインシートに接触する防水サブシートを示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態を、図面に基づき説明する。
【0010】
[A]第1実施形態(図1図11
図1は、第1実施形態に係る圧縮機カバーを室外ユニットにおける筐体の底板と共に示す斜視図である。また、図3は、図1の圧縮機カバー及び底板を含む室外ユニットの内部構成を示し、圧縮機カバーの天面パネルを除いて示す平面図であり、図4は、図1の室外ユニットの内部構成を示し、圧縮機カバーの前面パネルを透視状態で示す正面図である。図3及び図4に示すように、空気調和装置の室外ユニット10における筐体11内には、冷凍サイクルを構成する圧縮機12、室外熱交換器13及び電装品箱14等が収納されて設置されている。
【0011】
室外熱交換器13は、筐体11の両側面及び後面の範囲に亘って上下方向に形成される。また、電装品箱14は、筐体11内の前方上部に配置され、支柱15を備えたフレーム16により支持される。
【0012】
圧縮機12は、図2及び図5にも示すように、騒音低減等を目的として、冷媒一時貯溜用のサクションカップ17と共に圧縮機カバー20に覆われる。この圧縮機カバー20は、図1及び図2に示すように、例えば前面パネル21、後面パネル22、一側面パネル23、他側面パネル24及び天面パネル25を有してなる。
【0013】
後面パネル22は、前面パネル21に対向して配置される。一側面パネル23と他側面パネル24は、前面パネル21と後面パネル22との間で互いに対向配置される。天面パネル25は、前面パネル21、後面パネル22、一側面パネル23及び他側面パネル24により形成される筒形状体の上部開口を閉塞する。上述の圧縮機カバー20は、本実施形態では、筐体11の底板18から立設されており、一側面パネル23及び他側面パネル24が、固定片26を用いて底板18に固定される。従って、圧縮機12は、圧縮機カバー20内で底板18に支持される。なお、圧縮機カバー20は、圧縮機12を支持するための底板を、筐体11の底板18とは別に設けてもよい。
【0014】
圧縮機カバー20を構成するパネルのうちの前面パネル21は、図2及び図5に示すように、圧縮機12の前方に位置づけられる。この前面パネル21は、図3図5に示すように、正面視で電装品箱14と重なる部分が圧縮機カバー20の奥行き方向Aに凹んで形成されている。図4及び図5の符号L1は、前面パネル21における上下方向の凹み長さを示す。
【0015】
更に前面パネル21は、図5及び図6に示すように、前面第1パネル27と前面第2パネル28とを有して構成される。前面第1パネル27が、圧縮機カバー20の奥行き方向Aに凹んだ垂直面を形成する。つまり、この前面第1パネル27の垂直面の上下方向長さL2は、上記凹み長さL1に相当する。
【0016】
また、前面第2パネル28は、上面部28A及び前面部28Bが一体に形成され、上面部28Aが、前面第1パネル27と共に前面パネル21の上述の凹みを形成する。また、前面第2パネル28の上面部28Aは、圧縮機カバー20の組立状態では、前面第1パネル27に隙間なく連続して設けられる。更に、前面第2パネル28の上面部28Aは、図5に示すように、水平面29に対し角度θだけ、前面部28B側に下方へ傾斜して形成されて、水の流れが促進される。
【0017】
上述の圧縮機カバー20を構成する前面パネル21、後面パネル22、一側面パネル23及び他側面パネル24のうちの少なくとも1つのパネルの下部、本実施形態では図7図9に示すように、後面パネル22の下部に配管取出口30が形成されている。この配管取出口30は、直線部を含む逆U字形状の切欠きであり、下方に開口して、圧縮機12に接続された配管31を挿通し、外部へ取り出すものである。
【0018】
この配管取出口30の開口面積は、図10に示すように、配管31の断面積よりも2~5倍程度大きく設定される。これにより、配管取出口30内に挿通される配管31と配管取出口30の縁との隙間Tが、配管31の略直径寸法程度に設定される。このため、例えば、図11に示すように、圧縮機カバー20の後面パネル22が平面ではなく屈曲面として形成され、この屈曲面の後面パネル22の配管取出口30に配管31が斜めに挿通される場合でも、配管31と配管取出口30の縁との干渉が回避される。
【0019】
以上のように構成されたことから、本第1実施形態によれば、次の効果(1)~(6)を奏する。
(1)図1図3及び図4に示すように、空気調和装置における室外ユニット10の筐体11内で圧縮機12を覆う圧縮機カバー20では、圧縮機12の前方に位置づけられる前面パネル21は正面視で、筐体11内で前方上部に配置された電装品箱14と重なる部分が奥行き方向Aに凹んで形成されている。従って、圧縮機12のメンテナンス時や部品交換時に、電装品箱14を取り外さず設置した状態で、圧縮機カバー20の前面パネル21の前面第2パネル28を着脱することができるので、重量物である圧縮機12を、筐体11のセンターライン19よりも前方の、筐体11内で強度を確保可能な前部寄りに配置することができる。
【0020】
(2)図1及び図2に示すように、圧縮機12を覆う圧縮機カバー20の前面パネル21が前面第1パネル27と前面第2パネル28とを有して構成されたので、例えば、圧縮機12のメンテナンス時に前面第2パネル28を取り外すだけで、圧縮機12のターミナル部32の状態などを確認することができる。
【0021】
(3)図5に示すように、圧縮機カバー20の前面パネル21を構成する前面第2パネル28のうち、上面部28Aが水平面29に対し角度θだけ、前面部28B側に下方へ傾斜して形成されたので、上面部28Aに落下した水の流動が促進される。これにより、前面第2パネル28の上面部28Aに雨水が溜まることで生ずる錆の進行を抑制できる。
【0022】
(4)図7及び図9に示すように、圧縮機カバー20を構成する前面パネル21、後面パネル22、一側面パネル23及び他側面パネル24の少なくとも1つのパネル、例えば後面パネル22の下部に、下方に開口して、圧縮機12に接続された配管31を挿通し外部へ取り出すための配管取出口30が形成されている。このため、圧縮機カバー20の天面パネル25に配管取出口30が形成される場合や、前面パネル21、後面パネル22、一側面パネル23または他側面パネル24の上部に配管取出口30が形成される場合に比べて、圧縮機カバー20の防水性を向上させることができる。
【0023】
(5)圧縮機カバー20の例えば後面パネル22の下部に配管取出口30が形成されることで、室外ユニット10の製造時に圧縮機12に配管31を溶接した後、後面パネル22を含む圧縮機カバー20を設置することができるので、室外ユニット10の製造時の作業性を向上させることができる。
【0024】
(6)図10及び図11に示すように、圧縮機カバー20における後面パネル22の下部に形成された配管取出口30の開口面積が、この配管取出口30に挿通される配管34の断面積よりも2~5倍程度大きく設定されて、配管31と配管取出口30の縁との隙間Tが配管31の略直径寸法程度に設定されている。これにより、配管31の製造時のバラツキに対しても、また配管31が配管取出口30に対し斜めに挿通される場合に対しても、配管31に配管取出口30の縁から過大な負荷が作用することを防止できる。
【0025】
[B]第2実施形態(図12図13
図12は、第2実施形態に係る圧縮機カバーの一側面パネル及び後面パネルを、配管が接続された圧縮機と共に示す斜視図である。この第2実施形態において第1実施形態と同様な部分については、第1実施形態と同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
【0026】
本第2実施形態の圧縮機カバー40が第1実施形態と異なる点は、圧縮機カバー40を構成する前面パネル21、後面パネル22、一側面パネル23及び他側面パネル24のうちの少なくとも1のパネルの下部、例えば後面パネル22の下部に配管取出口30が形成されると共に、この配管取出口30の周囲を含む後面パネル22の下部内面に防水メインシート41が貼着された点である。
【0027】
この防水メインシート41は、図13に示すように、ゴムや樹脂などの弾性材料から構成され、配管挿通孔42と、この配管挿通孔42に連通するスリット43とを備える。配管挿通孔42は、円形状、または長軸が例えば後面パネル22の幅方向に位置する楕円形状に形成されている。また、防水メインシート41の配管挿通孔42は、開口面積が配管31の断面積とほぼ同一に設定される。更に、防水メインシート41が後面パネル22の内面に貼着された状態で、防水メインシート41の配管挿通孔42は、後面パネル22の配管取出口30に対応する位置に位置づけられる。また、スリット43は、配管挿通孔42に連通すると共に、防水メインシート41の下縁まで下方に延びて形成されている。
【0028】
この圧縮機カバー40では、図12に示すように、筐体11の底板18に圧縮機12が設置され、この圧縮機12に配管31が接続された後に、後面パネル22を上方から降ろし、この際に配管31を、防水メインシート41のスリット43を経て配管挿通孔42内に導き、この後面パネル22と共に、前面パネル21、一側面パネル23、他側面パネル24及び天面パネル25により圧縮機カバー40を構成して、この圧縮機カバー40により圧縮機10を覆う。
【0029】
以上のように構成されたことから、本第2実施形態によれば、第1実施形態の効果(1)~(6)と同様な効果を奏するほか、次の効果(7)及び(8)を奏する。
【0030】
(7)圧縮機カバー40の例えば後面パネル22の下部内面で、配管取出口30の周囲を含む範囲に防水メインシート41が貼着され、この防水メインシート41には、配管取出口30に対応する位置に、圧縮機12に接続された配管31を挿通する配管挿通孔42が形成されると共に、この配管挿通孔42に連通するスリット43が、防水メインシート41の下縁まで延びて形成されている。このように、配管31の断面積に対して比較的大きな開口である配管取出口30を防水メインシート41が塞ぐことで、この配管取出口30の水浸入領域を減少させることができる。また、筐体11の底板11に落下した水滴が跳ね上がりにより、配管取出口30を通して圧縮機カバー40内に浸入することも防止できる。これらのことから、圧縮機カバー40の防水性能を向上させることができる。
【0031】
(8)防水メインシート41に形成された配管挿通孔42は、円形状または楕円形状に形成されている。特に楕円形状の配管挿通孔42では、この配管挿通孔42に挿通される配管31にバラツキがあっても防水メインシート41に捲れを生じさせ難くなるので、防水メインシート41の防水性能を良好に確保できる。
【0032】
[C]第3実施形態(図14図15
図14は、第3実施形態に係る圧縮機カバーの一側面パネル及び後面パネルを、配管が接続された圧縮機と共に示す斜視図である。この第3実施形態において第1及び第2実施形態と同様な部分については、第1及び第2実施形態と同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
【0033】
本第3実施形態の圧縮機カバー50が第1及び第2実施形態と異なる点は、圧縮機カバー50を構成する前面パネル21、後面パネル22、一側面パネル23及び他側面パネル24のうちの少なくとも1のパネルの下部、例えば後面パネル22の下部に配管取出口30が形成され、この配管取出口30の周囲を含む後面パネル22の下部内面に防水メインシート41が貼着されると共に、この防水メインシート41の内面に防水サブシート51が接触して設けられた点である。
【0034】
防水サブシート51は、図15に示すように、ゴムや樹脂などの弾性材料から構成され、配管挿通孔52と、この配管挿通孔52に連通するスリット53とを備える。配管挿通孔52は、円形状に形成されると共に、開口面積が配管31の断面積とを同一に設定される。また、スリット53は、配管挿通孔52に連通すると共に、防水サブシート51の上縁まで上方へ延びて形成されている。
【0035】
防水サブシート51は、図14に示すように、筐体11の底板18に圧縮機12が設置され、この圧縮機12に配管31が接続された後に、この配管31に防水サブシート51の配管挿通孔52を、スリット53を通して嵌め込み、配管31に防水サブシート51を装着しておく。次に、後面パネル22を上方から降ろし、防水サブシート51が装着された配管31を、後面パネル22に貼着された防水メインシート41の配管挿通孔42内にスリット43を通して導き、防水サブシート51を防水メインシート41に接触させる。そして、この後面パネル22と共に、前面パネル21、一側面パネル23、他側面パネル24及び天面パネル25により圧縮機カバー50を構成して、この圧縮機カバー50により圧縮機12を覆う。
【0036】
以上のように構成されたことから、本第3実施形態によれば、第1及び第2実施形態の効果(1)~(8)と同様な効果を奏するほか、次の効果(9)を奏する。
【0037】
(9)後面パネル22の下部内面で配管取出口30の周囲を含む範囲に貼着された防水メインシート41の内面に防水サブシート51が接触して設けられ、この防水サブシート51の配管挿通孔52に連通するスリット53は、防水メインシート41の配管挿通孔42に連通するスリット43と反対方向の上方へ延びて形成されている。従って、防水メインシート41のスリット43が万一開口して防水メインシート41が捲れてしまった場合でも、そのスリット43の開口を防水サブシート51が塞ぐことができるので、配管31の周囲から圧縮機カバー50内への水の浸入を確実に防止することができる。
【0038】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができ、また、それらの置き換えや変更は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0039】
例えば、本実施形態では、圧縮機カバー20、40、50が、空気調和装置の室外ユニットの筐体内に設置されるものを述べたが、冷凍機器の筐体内に設置されるものでもよい。
【符号の説明】
【0040】
11…筐体、12…圧縮機、13…室外熱交換器、14…電装品箱、20…圧縮機カバー、21…前面パネル、22…後面パネル、23…一側面パネル、24…他側面パネル、27…前面第1パネル、28…前面第2パネル、28A…上面部、28B…前面部、30…配管取出口、31…配管、A…奥行き方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15