(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159490
(43)【公開日】2023-11-01
(54)【発明の名称】感光性着色組成物、それを用いたカラーフィルタ、画像表示装置、及び固体撮像素子
(51)【国際特許分類】
G03F 7/004 20060101AFI20231025BHJP
C08F 2/50 20060101ALI20231025BHJP
C08F 2/44 20060101ALI20231025BHJP
C08F 290/06 20060101ALI20231025BHJP
G03F 7/031 20060101ALI20231025BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20231025BHJP
【FI】
G03F7/004 504
C08F2/50
C08F2/44 C
C08F290/06
G03F7/004 505
G03F7/031
G03F7/004 501
G02B5/20 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022069160
(22)【出願日】2022-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000222118
【氏名又は名称】東洋インキSCホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】吉田 寛之
【テーマコード(参考)】
2H148
2H225
4J011
4J127
【Fターム(参考)】
2H148BE03
2H148BE09
2H148BE12
2H148BE23
2H148BE24
2H148BF16
2H148BG02
2H148BG11
2H148BH03
2H148BH17
2H225AC36
2H225AC37
2H225AC43
2H225AC44
2H225AC46
2H225AC47
2H225AC58
2H225AC63
2H225AC72
2H225AD02
2H225AD06
2H225AD15
2H225AE06P
2H225AE12P
2H225AM22P
2H225AM23P
2H225AM25P
2H225AM32P
2H225AM38P
2H225AM66P
2H225AM67P
2H225AM86P
2H225AM92P
2H225AM95P
2H225AM96P
2H225AN22P
2H225AN23P
2H225AN34P
2H225AN38P
2H225AN39P
2H225AN42P
2H225AN49P
2H225AN51P
2H225AN56P
2H225AN58P
2H225AN72P
2H225AN79P
2H225AN82P
2H225AN94P
2H225AN98P
2H225BA09P
2H225BA10P
2H225BA13P
2H225BA16P
2H225BA17P
2H225BA32P
2H225BA33P
2H225BA35P
2H225CA17
2H225CB05
2H225CC01
2H225CC13
4J011AA05
4J011AC04
4J011CA02
4J011CC10
4J011PA43
4J011PA69
4J011PB25
4J011PC02
4J011PC08
4J011QA23
4J011QB24
4J011SA65
4J011UA01
4J011VA01
4J011WA01
4J127AA03
4J127BB051
4J127BB111
4J127BB221
4J127BC061
4J127BD421
4J127BE241
4J127BE24Y
4J127BF631
4J127BF63Y
4J127BG051
4J127BG05Y
4J127BG05Z
4J127BG121
4J127BG12X
4J127BG12Y
4J127BG12Z
4J127BG271
4J127BG27Z
4J127CB151
4J127CB362
4J127CB363
4J127CC112
4J127CC113
4J127CC151
4J127CC172
4J127DA10
4J127DA21
4J127DA28
4J127DA41
4J127DA52
4J127EA13
4J127FA30
(57)【要約】
【課題】本発明は、高感度で、保存安定性に優れ、かつ異物の発生、明度低下が少ないカラーフィルタを形成できる感光性着色組成物の提供を目的する。
【解決手段】上記課題は、着色剤(A)、分散樹脂(B)、重合性化合物(C)、及びオキシム系光重合開始剤(D)を含む感光性着色組成物であって、
前記分散樹脂(B)が、酸性基を有する分散樹脂(B1)を含み、
前記感光性着色組成物に含まれるLi、Na、K、Mg、Ca、Fe、Al、及びCrの合計含有量が500質量ppm以下であり、かつ水の含有量が2.0質量%以下である感光性着色組成物によって解決できる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着色剤(A)、分散樹脂(B)、重合性化合物(C)、及びオキシム系光重合開始剤(D)を含む感光性着色組成物であって、
前記分散樹脂(B)が、酸性基を有する分散樹脂(B1)を含み、
前記感光性着色組成物に含まれるLi、Na、K、Mg、Ca、Fe、Al、及びCrの合計含有量が500質量ppm以下であり、かつ水の含有量が2.0質量%以下である感光性着色組成物。
【請求項2】
更に、前記感光性着色組成物に含まれるジルコニウム化合物の含有量が、800質量ppm以下である請求項1に記載の感光性着色組成物。
【請求項3】
更に、分散樹脂(B)が、塩基性基を有する分散樹脂(B2)を含む請求項1又は2に記載の感光性着色組成物。
【請求項4】
前記オキシム系光重合開始剤(D)が、下記一般式(1)で表される化合物(D1)を含む請求項1~3のいずれか1項に記載の感光性着色組成物。
一般式(1)
【化1】
(一般式(1)中、R
1は、水素原子、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数6~30のアリール基、炭素原子数7~30のアリールアルキル基、又は炭素原子数2~20の複素環基を表す。
R
2は、炭素原子数3~20のアルキル基、炭素原子数6~30のアリール基、炭素原子数7~30のアリールアルキル基、又は炭素原子数2~20の複素環基を表す。
R
3は、炭素原子数3~20のアルキル基、炭素原子数6~30のアリール基、炭素原子数7~30のアリールアルキル基、又は炭素原子数2~20の複素環基を表す。
R
4は、任意の1価の置換基を表す。nは、0~3の整数を表す。)
【請求項5】
更に、スルホ基を有するキノフタロン化合物の銅塩(E)を含む請求項1~4のいずれか1項に記載の感光性着色組成物。
【請求項6】
基板、及び請求項1~5のいずれか1項に記載の感光性着色組成物を用いて形成されてなるフィルタセグメントを備えるカラーフィルタ。
【請求項7】
請求項6に記載のカラーフィルタを備える液晶表示装置。
【請求項8】
請求項6に記載のカラーフィルタを備える固体撮像素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
感光性着色組成物、それを用いたカラーフィルタ、画像表示装置、及び固体撮像素子
【背景技術】
【0002】
画像表示装置や固体撮像素子等に使用するカラーフィルタを製造するために用いる感光性着色組成物は、通常製造後、数週間から数ヵ月保管したのちに使用される。その場合、保管期間の違いで感光性着色組成物の粘度や感度が変化する問題があった。
【0003】
感光性着色組成物の感度が変化すると現像性やパターン形状などにばらつきが生じ、カラーフィルタの品質が低下する。
【0004】
また、カラーフィルタに要求される重要な品質項目としては、コントラスト比と明度が挙げられるが、カラーフィルタの製造工程における加熱処理で、異物が発生しコントラスト、明度が低下する問題があった。また、緑色顔料として広く用いられているC.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン58、C.I.ピグメントグリーン59、C.I.ピグメントグリーン62、C.I.ピグメントグリーン63、特開2008-19383号公報、特開2007-320986号公報、特開2004-70342号公報等に記載の亜鉛フタロシアニン顔料、特許第4893859号公報、特開2016-153481号公報、特開2017-197685号公報等のフタロシアニン顔料と、黄色顔料を使用した緑色フィルタセグメントは、液晶表示装置に組み込まれバックライトが当たると、明度が低下する問題(非特許文献1)があった。
【0005】
上記の問題を解決するために、例えば、特許文献1には、感度の経時安定性に優れた感放射性樹脂組成物として、分岐アルキル基及び環状アルキル基から選ばれる少なくとも1種類の基を有するオキシムエステル化合物を含み、水の含有量が、感放射性樹脂組成物の質量に対して0.1~2質量%である感放射性樹脂組成物が開示されている。また、特許文献2には、高コントラストで高輝度の液晶表示装置が得られる耐熱性に優れたカラーフィルタ顔料組成物として、顔料組成物中の遊離銅を低減することが開示されている。また、特許文献3には、粘度安定性に優れたハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を含有する着色組成物として、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の質量に対する第2族元素イオンの含有量が30~300質量ppmである着色組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2017/099019号
【特許文献2】特開2008-308605号公報
【特許文献3】特開2015-166445号公報
【0007】
【非特許文献1】Journal of Photopolymer Science and Technology, Volume7, Number1(1994) p.151-158
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1~3に記載のいずれの組成物も、保存安定性(粘度、感度)、異物
発生の抑制を全て満足するものはない。また、液晶表示装置に組み込まれ、バックライトがあった場合の明度低下に関しては、考慮されていない。
【0009】
本発明は、高感度で、保存安定性に優れ、かつ異物の発生、明度低下が少ないカラーフィルタを形成できる感光性着色組成物の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、着色剤(A)、分散樹脂(B)、重合性化合物(C)、及びオキシム系光重合開始剤(D)を含む感光性着色組成物であって、
前記分散樹脂(B)が、酸性基を有する分散樹脂(B1)を含み、
前記感光性着色組成物に含まれるLi、Na、K、Mg、Ca、Fe、Al、及びCrの合計含有量が500質量ppm以下であり、かつ水の含有量が2.0質量%以下である感光性着色組成物に関する。
【発明の効果】
【0011】
上記の本発明によれば、高感度で、保存安定性に優れ、かつ異物の発生、明度低下が少ないカラーフィルタを形成できる感光性着色組成物を提供できる。また、本発明は、カラーフィルタ、液晶表示装置、及び固体撮像素子を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の感光性着色組成物を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではなく、課題を解決可能な範囲内で変形して実施できる。
【0013】
本発明において、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、又は「(メタ)アクリルアミド」とは、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタアクリロイル」、「アクリル及び/又はメタアクリル」、「アクリル酸及び/又はメタアクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、又は「アクリルアミド及び/又はメタアクリルアミド」を意味する。また、「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 発行)を意味する。重合性不飽和基は、エチレン性不飽和二重結合である。
また、本発明における化合物の分子量に関しては、分子量が特定できる低分子化合物については、計算により算出した値(式量)、若しくはESI-MS(エレクトロスプレーイオン化質量分析法)により測定した分子量であり、分子量の分布を持つ化合物については、テトラヒドロフランを溶剤とした場合のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
【0014】
<感光性着色組成物>
本発明の一実施形態は、感光性着色組成物に係わる。本発明の感光性着色組成物は、着色剤(A)、分散樹脂(B)、重合性化合物(C)、及びオキシム系光重合開始剤(D)を含む感光性着色組成物であって、
前記分散樹脂(B)が、酸性基を有する分散樹脂(B1)を含み、
前記感光性着色組成物に含まれるLi、Na、K、Mg、Ca、Fe、Al、及びCrの合計含有量が500質量ppm以下であり、かつ水の含有量が2.0質量%以下である感光性着色組成物である。
【0015】
[着色剤(A)]
本発明の感光性着色組成物は、着色剤(A)を含む。着色剤(A)は、特に限定されるものではなく、顔料、及び染料のいずれでもよく、併用して用いることもできる。
【0016】
(顔料)
顔料は、特に限定されず、例えば、カラーインデックスにおいてピグメントに分類されている化合物が挙げることができる。
【0017】
本発明に用いることができる赤色顔料は、例えば、C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,12,14,15,16,17,21,22,23,31,32,37,38,41,47,48,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,50:1,52:1,52:2,53,53:1,53:2,53:3,57,57:1,57:2,58:4,60,63,63:1,63:2,64,64:1,68,69,81,81:1,81:2,81:3,81:4,83,88,90:1,101,101:1,104,108,108:1,109,112,113,114,122,123,144,146,147,149,151,166,168,169,170,172,173,174,175,176,177,178,179,181,184,185,187,188,190,193,194,200,202,206,207,208,209,210,214,216,220,221,224,230,231,232,233,235,236,237,238,239,242,243,245,247,249,250,251,253,254,255,256,257,258,259,260,262,263,264,265,266,267,268,269,270,271,272,273,274,275,276,277,278,279,280,281,282,283,284,285,286,287,291,295,296、特開2014-134712号公報に記載された顔料、特許第6368844号公報に記載された顔料等を挙げることができる。これらの中でも、耐熱性、耐光性、及び透過率の観点から、C.I.ピグメントレッド48:1,122,177,224,242,269,254,291,295,296、特開2014-134712号公報に記載された顔料、特許第6368844号公報に記載された顔料が好ましく、C.I.ピグメントレッド177,254,291,295,296、特開2014-134712号公報に記載された顔料、特許第6368844号公報に記載された顔料が特に好ましい。
【0018】
本発明で用いることができる橙色顔料は、例えば、C.I.ピグメントオレンジ36,38,43,64,71,73等が挙げられる。
【0019】
本発明で用いることができる黄色顔料は、例えば、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,10,12,13,14,15,16,17,18,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,126,127,128,129,138,139,147,150,151,152、153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,192,193,194,196,198,199,213,214,231,233、特開2012-226110号公報に記載された顔料等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントイエロー138,139,150,185,231,233、特開2012-226110号公報に記載された顔料が好ましい。
【0020】
本発明で用いることができる緑色顔料は、例えば、C.I.ピグメントグリーン1,2,4,7,8,10,13,14,15,17,18,19,26,36,37,45,
48,50,51,54,55,58,59,62,63等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントグリーン36、58、59、62、63が好ましい。
【0021】
本発明で用いることができる青色顔料は、具体的には、C.I.ピグメントブルー1,1:2,9,14,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,17,19,25,27,28,29,33,35,36,56,56:1,60,61,61:1,62,63,66,67,68,71,72,73,74,75,76,78,79等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントブルー15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6が好ましい。
【0022】
本発明で用いることができる紫色顔料は、具体的には、C.I.ピグメントバイオレット1,1:1,2,2:2,3,3:1,3:3,5,5:1,14,15,16,19,23,25,27,29,31,32,37,39,42,44,47,49,50等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントバイオレット19,23が好ましい。
【0023】
本発明で用いることができる黒色顔料は、具体的には、C.I.ピグメントブラック1,6,7,12,20,31等が挙げられる。また、赤色顔料、黄色顔料、青色顔料、緑色顔料、及び紫色顔料から選ばれる少なくとも2種以上の顔料を用いて黒色着色剤としてもよい。
【0024】
本発明の感光性着色組成物は、着色剤(A)として無機顔料も用いることができる。例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、合成鉄黒等が挙げられる。
【0025】
(染料)
染料は、例えば、酸性染料、直接染料、塩基性染料、造塩染料、油溶性染料、分散染料、反応染料、媒染染料、建染染料、硫化染料等が挙げられる。また、これらの誘導体や、染料をレーキ化したレーキ顔料も挙げられる。
【0026】
酸性染料は、スルホン酸やカルボン酸等の酸性基を有することが好ましい。また、酸性染料と、四級アンモニウム塩化合物、三級アミン化合物、二級アミン化合物、または一級アミン化合物等の含窒素化合物との塩である造塩化合物が好ましい。また、これらの官能基を有する樹脂成分と酸性染料との塩である造塩化合物も好ましい。また、造塩化合物は、スルホンアミド化してスルホン酸アミド化合物に変性することで耐性(耐光性、耐溶剤性)に優れた感光性組成物を得やすい。
また、酸性染料とオニウム塩基を有する化合物との造塩化合物も、耐性(耐光性、溶剤耐性)に優れるため好ましい。なお、オニウム塩基を有する化合物は、カチオン性基を有する樹脂が好ましい。
【0027】
塩基性染料は、そのままでも使用できるが、有機酸や過塩素酸またはその金属塩と塩を形成する造塩化合物が好ましい。塩基性染料の造塩化合物は、耐性(耐光性、耐溶剤性)や、顔料との親和性が優れているため好ましい。また、塩基性染料の造塩化合物で、カウンタイオンとしてはたらくアニオン成分は、有機スルホン酸、有機硫酸、フッ素基含有リンアニオン化合物、フッ素基含有ホウ素アニオン化合物、シアノ基含有窒素アニオン化合物、ハロゲン化炭化水素基を有する有機酸の共役塩基を有するアニオン化合物、酸性染料とを造塩した造塩化合物が好ましい。なお、造塩化合物は、分子中に重合性不飽和基を含有すると耐性がより向上する。
【0028】
染料の化学構造は、例えば、アゾ系染料、ジスアゾ系染料、アゾメチン系染料(インドアニリン系染料、インドフェノール系染料など)、ジピロメテン系染料、キノン系染料(ベンゾキノン系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、アントラピリドン系染料など)、カルボニウム系染料(ジフェニルメタン系染料、トリフェニルメタン系染料、キサンテン系染料、アクリジン系染料など)、キノンイミン系染料(オキサジン系染料、チアジン系染料など)、アジン系染料、ポリメチン系染料(オキソノール系染料、メロシアニン系染料、アリーリデン系染料、スチリル系染料、シアニン系染料、スクアリリウム系染料、クロコニウム系染料など)、キノフタロン系染料、フタロシアニン系染料、サブフタロシアニン系染料、ペリノン系染料、インジゴ系染料、チオインジゴ系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、ニトロソ系染料、ローダミン系染料、及びそれらの金属錯体系染料等から選ばれる染料に由来する色素構造が挙げられる。
【0029】
これらの中でも、色相、色分離性、色むらなどの色特性の観点から、アゾ系染料、キサンテン系染料、シアニン系染料、トリフェニルメタン系染料、アントラキノン系染料、ジピロメテン系染料、スクアリリウム系染料、キノフタロン系染料、フタロシアニン系染料、サブフタロシアニン系染料から選ばれる色素に由来する色素構造が好ましく、キサンテン系染料、シアニン系染料、トリフェニルメタン系染料、アントラキノン系染料、ジピロメテン系染料、フタロシアニン系染料から選ばれる色素に由来する色素構造がより好ましい。
【0030】
着色剤(A)は、単独、または2種類以上を併用して使用することができ、所望の色になるように混合して使用する。
【0031】
本発明の感光性着色組成物は、着色剤(A)としてハロゲン化フタロシアニン顔料とキノフタロン顔料を併用する場合、より高い効果が期待できる。
【0032】
ハロゲン化フタロシアニン顔料は、C.I.ピグメントグリーン36、58、59、62、63が好ましく、C.I.ピグメントグリーン58、59がより好ましい。
【0033】
キノフタロン顔料は、下記一般式(2)で表わされる化合物が好ましい。
一般式(2)
【化1】
【0034】
一般式(2)において、R1~R13は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシル基、置換基を有しても良いアリール基を示す。R1~R4、及び/又は、R5~R8の隣接した基は、一体となって、置換基を有してもよい芳香環を形成してもよい。
【0035】
一般式(2)におけるR1~R13の置換基について説明する。
【0036】
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
【0037】
また、置換基を有しても良いアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ネオペンチル基、n-へキシル基、n-オクチル基、ステアリル基、2-エチルへキシル基等の直鎖又は分岐アルキル基の他、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、2,2-ジブロモエチル基、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル基、2-エトキシエチル基、2-ブトキシエチル基、2-ニトロプロピル基、ベンジル基、4-メチルベンジル基、4-tert-ブチルベンジル基、4-メトキシベンジル基、4-ニトロベンジル基、2,4-ジクロロベンジル基等の置換基を有するアルキル基が挙げられる。
【0038】
また、置換基を有しても良いアルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、2,3-ジメチル-3-ペントキシ、n-へキシルオキシ基、n-オクチルオキシ基、ステアリルオキシ基、2-エチルへキシルオキシ基等の直鎖又は分岐アルコキシル基の他、トリクロロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2,2-トリフルオロエトキシ基、2,2,3,3-テトラフルオロプロピルオキシ基、2,2-ジトリフルオロメチルプロポキシ基、2-エトキシエトキシ基、2-ブトキシエトキシ基、2-ニトロプロポキシ基、ベンジルオキシ基等の置換基を有するアルコキシル基が挙げられる。
【0039】
また、置換基を有しても良いアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基等のアリール基の他、p-メチルフェニル基、p-ブロモフェニル基、p-ニトロフェニル基、p-メトキシフェニル基、2,4-ジクロロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、2-アミノフェニル基、2-メチル-4-クロロフェニル基、4-ヒドロキシ-1-ナフチル基、6-メチル-2-ナフチル基、4,5,8-トリクロロ-2-ナフチル基、アントラキノニル基、2-アミノアントラキノニル基等の置換基を有するアリール基が挙げられる。
【0040】
一般式(2)のR1~R4、及び/又は、R5~R8の隣接した基は、一体となって、置換基を有してもよい芳香環を形成する。ここでいう芳香環とは、炭化水素芳香環及び複素芳香環が挙げられる。炭化水素芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環等が挙げられる。また、複素芳香環としては、ピリジン環、ピラジン環、ピロール環、キノリン環、キノキサリン環、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、インドール環、カルバゾール環等が挙げられる。
【0041】
キノフタロン顔料は、C.I.ピグメントイエロー138、又は下記一般式(3)~(5)で表されるキノフタロン顔料のいずれかであることが好ましい。ここで、R14~R28、R29~R43、R44~R60における、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシル基、置換基を有しても良いアリール基は、一般式(2)で説明した基と同義である。
【0042】
【0043】
一般式(3)~(5)中、R14~R28、R29~R43、R44~R60は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシル基、置換基を有しても良いアリール基を示す。
【0044】
さらに、本発明の着色組成物に用いられるキノフタロン顔料は、一般式(3)~(5)のR14~R28、R29~R43、R44~R60が、水素原子又はハロゲン原子がより好ましい。
【0045】
一般式(2)で表わされるキノフタロン顔料は、例えば、特開平4-226163号公報、特開2012-226110号公報記載の方法で合成できる。
【0046】
着色剤(A)の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、5~70質量%が好ましく、10~60質量%がより好ましい。
【0047】
(顔料の微細化)
顔料は、微細化して用いることが好ましい。微細化方法は、特に限定されるものではなく、例えば、湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法いずれも使用できる。これらの中でも、湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理が好ましい。微細化顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)により求められる平均一次粒子径は、5~90nmが好ましい。なお、分散性、コントラスト比の観点から、平均一次粒子径は10~70nmがより好ましい。
【0048】
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等の混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
【0049】
水溶性無機塩は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等が挙げられ、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)が好ましい。水溶性無機塩の使用量は、処理効率と生産効率の両面から、顔料100質量部に対して、50~2,000質量部が好ましく、300~1,000質量部がより好ましい。
【0050】
水溶性有機溶剤は、顔料および水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2-メトキシエタノール、2-ブトキシエタノール、2-(イソペンチルオキシ)エタノール、2-(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤の使用量は、顔料100質量部に対して、5~1,000質量部が好ましく、50~500質量部がより好ましい。
【0051】
ソルトミリング処理には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。前記樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等が挙げられる。これらの中でも、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることが好ましい。樹脂の添加量は、顔料100質量部に対して、2~200質量部が好ましい。
【0052】
[分散樹脂(B)]
(酸性基を有する分散樹脂(B1))
本発明の感光性着色組成物は、分散樹脂(B)として酸性基を有する分散樹脂(B1)を含む。これにより、保存安定性に優れ、異物の発生が少ない感光性着色組成物を得ることができる。
【0053】
酸性基としては、例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基等が挙げられる。なかでも、保存安定性、異物の抑制の観点から、カルボキシル基、リン酸基であることが好ましく、カルボキシル基がより好ましい。
【0054】
酸性基を有する分散樹脂(B1)は、カルボキシル基を有する分散樹脂を含むことが好ましい。例えば、下記(B1-1)、又は(B1-2)で示される分散樹脂が挙げられる。
【0055】
〔酸性基を有する分散樹脂(B1-1)〕
酸性基を有する分散樹脂(B1-1)は、テトラカルボン酸二無水物、およびトリカルボン酸無水物の群から選ばれる一種以上の酸無水物中の酸無水物基と水酸基含有化合物中の水酸基とを反応させてなる、カルボキシル基を有するポリエステル部分、並びに、単量
体をラジカル重合してなるビニル重合体部分、を含む樹脂である。
まず、前記ポリエステル部分の説明をする。ポリエステル部分は、酸無水物基と水酸基との反応に由来するエステル基が複数存在する部位である。
【0056】
前記テトラカルボン酸二無水物は、例えば、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3-ジメチル-1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5-トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6-トリカルボキシノルボルナン-2-酢酸二無水物、2,3,4,5-テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロフラル)-3-メチル-3-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]-オクト-7-エン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、エチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、プロピレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、ブチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’-パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p-フェニレン-ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m-フェニレン-ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)-4,4’-ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)-4,4’-ジフェニルメタン二無水物、9,9-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物、9,9-ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]フルオレン二無水物、3,4-ジカルボキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレンコハク酸二無水物、又は3,4-ジカルボキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-メチル-1-ナフタレンコハク酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。これらの中でも顔料に対する吸着性の観点から、芳香族テトラカルボン酸二無水物が好ましい。
【0057】
前記テトラカルボン酸二無水物は上記に例示した化合物に限らず、カルボン酸無水物基を2つ持てばどのような構造をしていてもかまわない。これらは単独で用いても、併用してもかまわない。テトラカルボン酸二無水物は、水酸基含有化合物との反応により、テトラカルボン酸二無水物一単位に二個のカルボキシル基を有する分散樹脂を形成するため、顔料吸着性の観点から、本発明の分散樹脂の構成要素として好ましい。
【0058】
前記トリカルボン酸無水物としては、脂肪族トリカルボン酸無水物、または芳香族トリカルボン酸無水物等が挙げられる。
【0059】
前記脂肪族トリカルボン酸無水物は、例えば、3-カルボキシメチルグルタル酸無水物、1,2,4-ブタントリカルボン酸-1,2-無水物、cis-プロペン-1,2,3-トリカルボン酸-1,2-無水物、1,3,4-シクロペンタントリカルボン酸無水物等が挙げられる。
【0060】
前記芳香族トリカルボン酸無水物は、例えば、ベンゼントリカルボン酸無水物(1,2,3-ベンゼントリカルボン酸無水物、トリメリット酸無水物[1,2,4-ベンゼントリカルボン酸無水物]等)、ナフタレントリカルボン酸無水物(1,2,4-ナフタレントリカルボン酸無水物、1,4,5-ナフタレントリカルボン酸無水物、2,3,6-ナフタレントリカルボン酸無水物、1,2,8-ナフタレントリカルボン酸無水物等)、3,4,4’-ベンゾフェノントリカルボン酸無水物、3,4,4’-ビフェニルエーテルトリカルボン酸無水物、3,4,4’-ビフェニルトリカルボン酸無水物、2,3,2’-ビフェニルトリカルボン酸無水物、3,4,4’-ビフェニルメタントリカルボン酸無水物、又は3,4,4’-ビフェニルスルホントリカルボン酸無水物等が挙げられる。これらの中でも顔料に対する吸着性の観点から、芳香族トリカルボン酸無水物である。
【0061】
前記テトラカルボン酸二無水物、およびトリカルボン酸無水物から選ばれる一種以上の酸無水物中の酸無水物基と、水酸基含有化合物中の水酸基のモル比率は、酸無水物基/水酸基=0.5~1.5が好ましい。適度な比率で反応させると分散性が良好な分散樹脂を得易い。
【0062】
前記水酸基含有化合物は、モノオール、ポリオールの中でも複数の水酸基を有するジオールなどのポリオールが好ましい。ポリオール中の水酸基は、ビニル重合体部分との結合起点として機能する。
ビニル重合体部分との結合起点となるポリオールとして、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基を有する化合物および片末端水酸基含有ビニル重合体の群から選ばれる少なくとも一種の水酸基含有化合物等が挙げられる。例えば、1-メルカプト-1,1-メタンジオール、1-メルカプト-1,1-エタンジオール、3-メルカプト-1,2-プロパンジオール(チオグリセリンあるいは1-チオグリセロール)、2-メルカプト-1,2-プロパンジオール、2-メルカプト-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-メルカプト-2-エチル-1,3-プロパンジオール、1-メルカプト-2,2-プロパンジオール、2-メルカプトエチル-2-メチル-1,3-プロパンジオール、又は2-メルカプトエチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール等が挙げられる。
【0063】
酸性基を有する分散樹脂(B1-1)としては、下記(B1-1-1)、又は(B1-1-2)も挙げられる。
【0064】
≪酸性基を有する分散樹脂(B1-1-1)≫
酸性基を有する分散樹脂(B1-1-1)のビニル重合体部位は、(i)水酸基、オキセタン基、t-ブチル基、およびブロックイソシアネート基からなる群より選ばれる少なくとも1種の熱架橋性基を有する単量体と、(ii)カルボキシル基含有単量体と、必要に応じて、(iii)その他の単量体とをラジカル重合して得られる。
【0065】
(i-1)〔水酸基含有単量体〕
熱架橋性基として水酸基を有する単量体は、水酸基を有する(メタ)アクリレート系単量体、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2(又は3)-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2(又は3又は4)-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート及びシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、及びエチル-α-ヒドロキシメチルアクリレートなどのアルキル-α-ヒドロキシアルキルアクリレート、
あるいは水酸基を有する(メタ)アクリルアミド系単量体、例えば、N-(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミドなどのN-(ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミド、
あるいは、水酸基を有するビニルエーテル系単量体、例えば、2-ヒドロキシエチルビニ
ルエーテル、2-(又は3-)ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2-(又は3-又は4-)ヒドロキシブチルビニルエーテルなどのヒドロキシアルキルビニルエーテル、
あるいは水酸基を有するアリルエーテル系単量体、例えば、2-ヒドロキシエチルアリルエーテル、2-(又は3-)ヒドロキシプロピルアリルエーテル、2-(又は3-又は4-)ヒドロキシブチルアリルエーテルなどのヒドロキシアルキルアリルエーテルが挙げられる。
【0066】
また、上記のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アルキル-α-ヒドロキシアルキルアクリレート、N-(ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシアルキルビニルエーテルあるいはヒドロキシアルキルアリルエーテルにアルキレンオキサイド及び/又はラクトンを付加して得られる単量体も好ましい。付加されるアルキレンオキサイドは、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2-、1,4-、2,3-又は1,3-ブチレンオキサイド及びこれらの2種以上の併用系が用いられる。2種以上のアルキレンオキサイドを併用するときの結合形式はランダム及び/又はブロックのいずれでもよい。付加されるラクトンは、例えば、δ-バレロラクトン、ε-カプロラクトン、炭素原子数1~6のアルキル基で置換されたε-カプロラクトン及びこれらの2種以上の併用系が用いられる。アルキレンオキサイドとラクトンを両方とも付加したものでも構わない。
【0067】
(i-2)〔オキセタン基含有単量体〕
熱架橋性基としてオキセタン基を有する単量体は、(ビニルオキシアルキル)アルキルオキセタン、(メタ)アクリロイルオキシアルキルオキセタン、〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕アルキルオキセタン等が挙げられる。中でも好ましくは、メタクリル酸(3-エチルオキセタン-3-イル)メチル等が挙げられる。市販品は、例えば、ETERNACOLL OXMA(メタクリル酸(3-エチルオキセタン-3-イル)メチル)(宇部興産社製)が挙げられる。
【0068】
(i-3)〔t-ブチル基含有単量体〕
熱架橋性官能基としてt-ブチル基を有する単量体は、例えば、t-ブチルメタクリレート、t-ブチルアクリレート等が挙げられる。
【0069】
(i-4)〔ブロックイソシアネート基含有単量体〕
熱架橋性基としてブロックイソシアネート基を有する単量体は、メタクリル酸2-(0-[1‘-メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル、2-[(3,5-ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチルメタクリレート等が挙げられる。市販品は、例えば、カレンズMOI-BM(メタクリル酸2-(0-[1‘-メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル)(昭和電工社製)、カレンズMOI-BP(2-[(3,5-ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチルメタクリレート)(昭和電工社製)等が挙げられる。
【0070】
オキセタン基含有単量体、t-ブチル基含有単量体、およびブロックイソシアネート基含有単量体の含有量は、全単量体中に5~90質量%が好ましく、20~60質量%がよい好ましい。5質量%以上であれば、架橋の効果により耐性に優れた感光性着色組成物を得ることが可能となり、90質量%以下であれば、組成物の安定性も良好であるために好ましい。
【0071】
(ii)〔カルボキシル基含有単量体〕
カルボキシル基含有単量体は、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α-クロルアクリル酸、けい皮酸等が挙げられる。これらの中でも、共重合性が良く、入手が容易な(メタ)アクリル酸が好ましい。
【0072】
(iii)〔その他の単量体〕
酸性基を有する分散樹脂(B1-1-1)のビニル重合体部分には、熱架橋性含有単量体、カルボキシル基含有単量体以外のその他の単量体を使用できる。
その他の単量体は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート類;
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の複素環式(メタ)アクリレート類;
メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン等のN置換型(メタ)アクリルアミド類;
N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート類;
及び、(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類が挙げられる。
【0073】
また、スチレン、α-メチルスチレン等のスチレン類、エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類が挙げられる。
【0074】
≪酸性基を有する分散樹脂(B1-1-2)≫
酸性基を有する分散樹脂(B1-1-2)は、ビニル重合体部分に、重合性不飽和基を有する。
【0075】
酸性基を有する分散樹脂(B1-1-2)の製造方法は、例えば、重合性不飽和基である(メタ)アクリロイル基と官能基とを有する化合物と、前記官能基と反応する官能基含有単量体を含む単量体の重合体とを反応させて合成できる。例えば、グリシジルメタクリレートと、水酸基またはカルボキシル基を有する重合体と反応物、メタクリロイルオキシエチルイソシアネートと、水酸基またはカルボキシル基を有する重合体との反応物等が挙げられる。
水酸基またはカルボキシル基を有する重合体は、グリシジル基を有する重合体を、酸無水物化合物と開環反応させて得る、または酸無水物基を有する重合体を開環反応させて得ることもできる。例えば、特開2011-157416号公報記載の分散樹脂が挙げられる。
【0076】
〔酸性基を有する分散樹脂(B1-2)〕
酸性基を有する分散樹脂(B1-2)は、下記一般式(6)で表される分散樹脂であり、具体的には、特開2007-140487号公報に記載された分散樹脂である。
【0077】
一般式(6)
(HOOC-)m-R2-(-COO-[-R4-COO-]n-R5)t
(一般式(6)中、R2は4価のテトラカルボン酸化合物残基、R5はモノアルコール残基、R4はラクトン残基、mは2、または3、nは1~50の整数、tは(4-m)を表す。)
【0078】
酸性基を有する分散樹脂(B1)の酸価は、保存安定性、異物抑制の観点から、20~250mgKOH/gであることが好ましく、30~200mgKOH/gであることがより好ましい。
【0079】
酸性基を有する分散樹脂(B1)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0080】
酸性基を有する分散樹脂(B1)の含有量は、保存安定性、異物抑制の観点から、着色剤(A)100質量部に対して、3~200質量部が好ましく、5~100質量部がより好ましい。
【0081】
[塩基性基を有する分散樹脂(B2)]
本発明の感光性着色組成物は、保存安定性の観点から、更に塩基性基を有する分散樹脂(B2)を含むことが好ましい。
【0082】
塩基性基としては、例えば、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、4級アンモニア塩基、及び含窒素複素環など窒素原子を含有する基等が挙げられる。
【0083】
塩基性基を有する分散樹脂(B2)は、塩基性基として、下記一般式(7)、一般式(8)、及び一般式(9)で表される群より選ばれる少なくとも一つの単位を有することが好ましい。
【0084】
【0085】
(一般式(7)中、R1~R3は、相互に独立に、水素原子、又は置換基を有していてもよい鎖状若しくは環状の炭化水素基を示し、R1~R3のうち2つ以上が互いに結合して環状構造を形成してもよい。R4 は水素原子又はメチル基を示し、Xは2価の連結基を示し、Y-は対アニオンを示す。)
【0086】
一般式(8)
【化4】
( 一般式(8)中、R
5、およびR
6は、相互に独立に、水素原子、又は置換基を有していてもよい鎖状若しくは環状の炭化水素基を示し、R
5、およびR
6が互いに結合して環状構造を形成してもよい。R
4は水素原子又はメチル基を示し、Xは2価の連結基を示す。)
【0087】
一般式(9)
【化5】
( 一般式(9)中、R
7は水素原子、炭素数1~18のアルキル基、炭素数6~20のアリール基、炭素数7~12のアラルキル基、アシル基、オキシラジカル基、またはOR
12を表し、R
12は、水素原子、炭素数1~18のアルキル基、炭素数6~20のアリール基、炭素数7~12のアラルキル基、またはアシル基を表し、R
8、R
9、R
10、R
11はそれぞれ独立に、メチル基、エチル基、またはフェニル基を示す。R
4は水素原子又はメチル基を示し、Xは2価の連結基を示す。)
【0088】
一般式(7) におけるR1~R3は、例えば、置換基を有していてもよい炭素数1~4のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数7~16のアラルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ベンジル基が特に好ましい。
【0089】
一般式(8)におけるR5、R6は、例えば、置換基を有していてもよい炭素数1~4のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が特に好ましい。
【0090】
一般式(9)のR7において、炭素数1~18のアルキル基は、例えば、直鎖状、分岐状、環状のアルキル基が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基、n-オクチル基、ヘキサデシル基等が挙げられる。
炭素数6~20のアリール基は、例えば、例えば、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基等が挙げられる。
炭素数7~12のアラルキル基は、例えば、例えば、炭素数6~10のアリール基に炭
素数1~8のアルキル基が結合した基が挙げられ、具体的には、ベンジル基、フェネチル基、α-メチルベンジル基、2-フェニルプロパン-2-イル基等が挙げられる。
またアシル基は、例えば、炭素数2~8のアルカノイル基及び、アロイル基が挙げられ、具体的にはアセチル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
この中でも特に、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、オキシラジカル基が好ましく、水素原子、メチル基がより好ましく、メチル基が最も好ましい。
【0091】
一般式(7)~(9)において、2価の連結基Xは、例えば、メチレン基、炭素数2~10のアルキレン基、アリーレン基、-CONH-R13-、-COO-R14-(但し、R13、およびR14は単結合、メチレン基、炭素数2~10のアルキレン基、又は炭素数2~10のエーテル基(アルキルオキシアルキル基)である)等が挙げられ、好ましくは-COO-R1 4-である。また、一般式(7)において、対アニオンのY-は、例えば、Cl-、Br-、I-、ClO4
-、BF4
-、CH3COO-、PF6
-等が挙げられる。
【0092】
一般式(7)の前駆体・部分構造となる、4級アンモニウム塩基含有単量体は、例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルメチルモルホリノアンモニウムクロライド等のアルキル(メタ)アクリレート系第4級アンモニウム塩、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチルトリエチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等のアルキル(メタ)アクリロイルアミド系第4級アンモニウム塩、ジメチルジアリルアンモニウムメチルサルフェート、トリメチルビニルフェニルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
【0093】
一般式(8)の前駆体・部分構造となる、3級アミン基含有単量体は、例えば、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等の三級アミノ基を有する(メタ)アクリレート類;
N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、及びN,N-ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の三級アミノ基を有する(メタ)アクリルアミド類等が挙げられる。
【0094】
一般式(9)の前駆体・部分構造となる、単量体は、例えば、下記一般式(9-1)~(9-11)で表される化合物等が挙げられる。
【0095】
【0096】
一般式(9-1)~(9-11)において、R4は水素、またはメチル基を表す。
【0097】
これらのうち、2,2,6,6-テトラメチルピペリジルメタクリレート(一般式(9-1)において、R4がメチル基である化合物)、1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジルメタクリレート(一般式(9-2)においてR4がメチル基である化合物)が好ましく、特に1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジルメタクリレートが好ましい。
【0098】
一般式(7)~(9)で表される単位は、単独または2種以上含有されていても良く、ランダム共重合、ブロック共重合またはグラフト共重合いずれかの態様で含有されていても良く、ブロック共重合体の態様で含有されることがより好ましい。
【0099】
一般式(7)~(9)で表される単位は、共重合可能な単量体を共重合させた構造であれば特に限定されず、用途に応じて適宜選択することができる。以下に共重合可能な単量体を示す。
【0100】
例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)、ターシャリブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、及びイソステアリル(メタ)アクリレート等の直鎖又は分岐アルキル(メタ)アクリレート類;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ターシャリブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、及びイソボルニル(メタ)アクリレート等の環状アルキル(メタ)アクリレート類;
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、及び3-メチル-3-オキセタニル(メタ)アクリレート等の複素環を有する(メタ)アクリレート類;
ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートの芳香族環を有する(メタ)アクリレート類;2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、2-メトキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル(
メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノラウリルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノステアリルエーテル(メタ)アクリレート、及びオクトキシポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等の、(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート類;
フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート 、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、及びノニルフェノキシポリ(エチレングリコール-プロピレングリコール)(メタ)アクリレート等の芳香族環を有する(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート類;
3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、及び3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアルキルオキシシリル基を有する(メタ)アクリレート類;
トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、及びテトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等のフルオロアルキル(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリロキシ変性ポリジメチルシロキサン(シリコーンマクロマー)類;
(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、及びアクリロイルモルホリン等のN置換型(メタ)アクリルアミド類;並びに、(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類等が挙げられる。
また、スチレン、及びα-メチルスチレン等のスチレン類;エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、及びイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;並びに、酢酸ビニル、及びプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類等が挙げられる。
【0101】
更に、カルボキシル基含有単量体を併用することもできる。カルボキシル基含有単量体は、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ダイマー、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルフタレート、2-(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート、2-(メタ)アクリロイロキシプロピルヘキサヒドロフタレート、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、及びω-カルボキシポリカプロラクトン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0102】
また、本発明の効果を損なわない範囲で、一般式(7)~(9)で表される単位以外のアミノ基含有単量体を併用してもよい。
【0103】
また、塩基性基を有する分散樹脂(B2)の塩基性基の一部が、下記一般式(10)、又は(11)で表される化合物が結合して塩を形成した樹脂も好適に用いることができる。
【0104】
一般式(10)
【化8】
(一般式(10)中、R
1、およびR
2はそれぞれ独立に、水素原子、水酸基、炭素数1~20の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基、ビニル基、置換基を有してもよいフェニル基またはベンジル基、または-O-R
4を表し、R
4は、炭素数1~20の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基、ビニル基、置換基を有してもよいフェニル基またはベンジル基、または炭素数1~4のアルキレン基を介した(メタ)アクリロイル基を表す。但し、R
1、およびR
2の少なくとも一つは炭素原子を含む基である。)
【0105】
一般式(11)
【化9】
(一般式(11)中、R
3は、炭素数1~20の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基、ビニル基、置換基を有してもよいフェニル基またはベンジル基、または-O-R
4を表し、R
4は、炭素数1~20の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基、ビニル基、置換基を有してもよいフェニル基またはベンジル基、または炭素数1~4のアルキレン基を介した(メタ)アクリロイル基を表す。)
【0106】
前記一般式(10)で表される化合物は、例えば、モノブチルリン酸、ジブチルリン酸、メチルリン酸、ジベンジルリン酸、ジフェニルリン酸、フェニルホスフィン酸、フェニルホスホン酸、ジメタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート等が挙げられる。
【0107】
前記一般式(11)で表される化合物は、例えば、ベンゼンスルホン酸、ビニルスルホン酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、モノメチル硫酸、モノエチル硫酸、モノn-プロピル硫酸等が挙げられる。なお、p-トルエンスルホン酸一水和物のような水和物を用いても良い。
【0108】
塩基性基を有する分散樹脂(B2)のアミン価は、保存安定性の観点から、20~250mgKOH/gであることが好ましく、30~150mgKOH/gであることがより好ましい。
【0109】
塩基性基を有する分散樹脂(B2)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0110】
塩基性基を有する分散樹脂(B2)の含有量は、保存安定性の観点から、着色剤(A)100質量部に対して、3~200質量部が好ましく、5~100質量部がより好ましい。
【0111】
酸性基を有する分散樹脂(B1)と塩基性基を有する分散樹脂(B2)との質量比は、
保存安定性、異物抑制の観点から、100:0~30:70が好ましく、70:30~30:70がより好ましい。
【0112】
分散樹脂(B)の含有量は、保存安定性、異物抑制の観点から、着色剤(A)100質量部に対して、3~200質量部が好ましく、5~100質量部がより好ましい。
【0113】
[重合性化合物(C)]
本発明の感光性着色組成物は、重合性化合物(C)を含む。
【0114】
重合性化合物(C)は、モノマー、オリゴマーが挙げられる。重合性不飽和基は、例えば、ビニル基、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等が挙げられる。重合性化合物(C)は、例えば、ラクトン変性された重合性化合物、酸性基を有する重合性化合物、ウレタン結合を有する重合性化合物、その他重合性化合物等が挙げられる。
【0115】
(ラクトン変性された重合性化合物)
本発明の感光性着色組成物は、塗膜耐性の観点から、ラクトン変性された重合性化合物を含むことが好ましい。
【0116】
ラクトン変性された重合性化合物は、分子内にラクトンで変性された構造を有する化合物である。ラクトン変性された重合性化合物は、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエチスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、ジグリセロール、トリメトロールメラミン等の多価アルコールと、(メタ)アクリル酸およびε-カプロラクトンもしくはその他のラクトン化合物をエステル化することにより得られる。ラクトン変性された重合性化合物は、下記一般式(12)で表される化合物が好ましい。
【0117】
【0118】
一般式(12)中、6個のRは全て下記一般式(13)で表される基、または6個のRのうち1~5個が下記一般式(13)で表される基であり、残りが下記一般式(14)で表される基である。
【0119】
【0120】
一般式(13)中、R1は水素原子、またはメチル基を表し、mは1、または2の整数であり、*は一般式(12)の酸素原子と結合する結合手である。
【0121】
【0122】
一般式(14)中、R1は水素原子、またはメチル基を表し、*は一般式(12)の酸素原子と結合する結合手である。
【0123】
ラクトン変性された重合性化合物は、例えば、日本化薬社製のKAYARAD DPCAシリーズとして市販されており、DPCA-20(上記一般式(12)~(14)において、m=1、一般式(13)に表される基の数=2、R1が全て水素原子である化合物)、DPCA-30(上記一般式(12)~(14)において、m=1、一般式(13)に表される基の数=3、R1が全て水素原子である化合物)、DPCA-60(上記一般式(12)~(14)において、m=1、一般式(13)に表される基の数=6、R1が全て水素原子である化合物)、DPCA-120(上記一般式(12)~(14)において、m=2、一般式(13)に表される基の数=6、R1が全て水素原子である化合物)等が挙げられる。
【0124】
ラクトン変性された重合性化合物は、塗膜耐性の観点から、上記一般式(12)~(14)において、m=1、一般式(13)に表される基の数=2~6、R1が全て水素原子である化合物が好ましく、上記一般式(12)~(14)において、m=1、一般式(13)に表される基の数=2又は3、R1が全て水素原子である化合物がより好ましい。
【0125】
ラクトン変性された重合性化合物の含有量は、塗膜耐性の観点から、重合性化合物(C)100質量%中、5~80質量%が好ましく、10~70質量%がより好ましく、20~60質量%であることがさらに好ましい。
【0126】
(酸性基を有する重合性化合物)
本発明の感光性着色組成物は、アルカリ現像性、パターン形成の観点から、酸性基を有する重合性化合物を含むことが好ましい。酸性基は、例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基等を挙げられる。これらの中でも、カルボキシル基が好ましい。
【0127】
酸性基を有する重合性化合物は、例えば、多価アルコールと(メタ)アクリル酸との遊離水酸基含有ポリ(メタ)アクリレート類と、ジカルボン酸類とのエステル化物;多価カルボン酸と、モノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類とのエステル化物等を挙げられる。
多価アルコールは、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
ジカルボン酸類は、例えば、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、グルタル酸、フタル酸イタコン酸等が挙げられる。
多価カルボン酸は、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
モノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類は、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイロキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
【0128】
酸性基を有する重合性化合物の市販品は、大阪有機社製のビスコート#2500P、東
亞合成社製アロニックスM-5300,M-5400,M-5700,M-510,M-520,M-521等が挙げられる。
【0129】
酸性基を有する重合性化合物の含有量は、アルカリ現像性、パターン形成性の観点から、重合性化合物(C)100質量%中、5~80質量%が好ましく、10~70質量%であることがより好ましく、20~60質量%であることがさらに好ましい。
【0130】
(ウレタン結合を有する重合性化合物)
本発明の感光性着色組成物は、パターン形成性の観点から、重合性化合物(C)としてウレタン結合を有する重合性化合物を含むことが好ましい。
【0131】
ウレタン結合を有する重合性化合物は、例えば、水酸基を有する(メタ)アクリレートに多官能イソシアネートを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートや、多価アルコールに多官能イソシアネートを反応させ、さらに水酸基を有する(メタ)アクリレートを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0132】
上記水酸基を有する(メタ)アクリレートは、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールプロピレンオキサイド変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールアクリレートメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイルプロピルメタクリレート、エポキシ基含有化合物とカルボキシ(メタ)アクリレートの反応物、水酸基含有ポリオールポリアクリレート等が挙げられる。
【0133】
上記多官能イソシアネートは、例えば、芳香族ジイソシアネートであるトリレンジイソシアネート、ジフェニルメチレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネートであるトリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、脂環式ジイソシアネートであるイソホロンジイソシアネートや、これらのビュレット体、イソシアネートヌレート体、トリメチロールプロパンアダクト体等が挙げられる。
【0134】
ウレタン結合を有する重合性化合物は、現像性の観点から、更に、酸性基を有することもできる。酸性基は、例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基等を挙げられる。なかでも、カルボキシル基が好ましい。
【0135】
ウレタン結合を有する重合性化合物に酸性基を導入する方法は、例えば、まず、上記水酸基を有する(メタ)アクリレートと上記多官能イソシアネートとを反応させる。次いで、生成物にカルボキシル基を有するメルカプト化合物を付加させる方法で合成できる。
【0136】
上記カルボキシル基を有するメルカプト化合物は、例えば、メルカプト酢酸、2-メルカプトプロピオン酸、3-メルカプトプロピオン酸、o-メルカプト安息香酸、2-メルカプトニコチン酸、メルカプトコハク酸等が挙げられる。
【0137】
ウレタン結合を有する重合性化合物の重合性不飽和基数は、パターン形成性の観点から、3~15個が好ましく、5~12個がより好ましい。
【0138】
ウレタン結合を有する重合性化合物の含有量は、パターン形成性の観点から、重合性化
合物(C)100質量%中、5~80質量%が好ましく、10~70質量%がより好ましく、20~60質量%がさらに好ましい。
【0139】
(その他重合性化合物)
その他重合性化合物は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオ-ルジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロ-ルプロパントリ(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロ-ルプロパンPO変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロ-ルプロパンEO変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロ-ルプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオ-ルジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、メチロ-ル化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。
【0140】
その他重合性化合物の市販品は、例えば、日本化薬社製のKAYARAD R-128H、R526、PEG400DA、MAND、NPGDA、R-167、HX-220、R-551、R712、R-604、R-684、GPO-303、TMPTA、DPHA、DPEA-12、DPHA-2C、D-310、D-330、及び東亞合成社製のアロニックスM-303、M-305、M-306、M-309、M-310、M-321、M-325、M-350、M-360、M-313、M-315、M-400、M-402、M-403、M-404、M-405、M-406、M-450、M-452、M-408、M-211B、M-101A、大阪有機社製のビスコート#310HP、#335HP、#700、#295、#330、#360、#GPT、#400、#405、大阪ガスケミカル社製のOGSOL EA-0200,EA-0300,GA-5060P,GA-2800、Miwon Specialty Chemical Co.,Ltd社製のMiramer HR6060,6100,6200、新中村化学工業社製のNKエステルABE-300,A-DOG,A-DCP,A-BPE-4,A-9300、ダイセル・オルネクス社製のEBECRYL40,130,140,145等が挙げられる。
【0141】
重合性化合物(C)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0142】
重合性化合物(C)は、塗膜耐性、パターン形成の観点から、ラクトン変性された重合性化合物、酸性基を有する重合性化合物、及びウレタン結合を有する重合性化合物からなる群から選ばれるいずれか1種以上を含むことが好ましい。
【0143】
重合性化合物(C)の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、1~6
0質量%が好ましく、2~50質量%がより好ましい。
【0144】
[オキシム系光重合開始剤(D)]
本発明の感光性着色組成物は、オキシム系光重合開始剤(D)を含む。これにより、高感度の感光性着色組成物が得られる。
【0145】
オキシム系光重合開始剤(D)は、市販品としては、BASFジャパン社製のIRGACURE OXE-01,02,03,04、ADEKA社製のアデカアークルズN-1919,NCI-730,831,930、常州強力新材料社製のTRONLY TR-PBG-301,304,305,309,314,345,346,358,365,380,610,3054,3057、IGM Resins社製のOMNIRAD1312,1314,1316、サムヤンコーポレーション社製のSPI-02,03,04,05,06,07、ダイトーケミックス社製のDFI-020,306、EOX-01等が挙げられる。また、特開2001-233842号公報の記載の化合物、特開2000-080068号公報に記載の化合物、特開2006-342166号公報に記載の化合物、特開2000-066385号公報に記載の化合物、特開2000-080068号公報に記載の化合物、特表2004-5347797号公報に記載の化合物、特開2006-342166号公報に記載の化合物、特開2017-019766号公報に記載の化合物、特許第6065596号公報に記載の化合物、国際公開第2015/152153号に記載の化合物、国際公開第2017/051680号に記載の化合物、特開2017-198865号公報に記載の化合物、国際公開第2017/164127号に記載の化合物、特開2014-137466号公報に記載の化合物、特開2010-262028号公報に記載の化合物、特表2014-500852号公報に記載の化合物、特開2013-164471号公報に記載の化合物、特開2013-114249号公報に記載の化合物、特開2014-137466号公報に記載の化合物、特許第4223071号公報に記載の化合物、国際公開第2015/036910号に記載の化合物、特表2012-526185号公報に記載の化合物、特表2012-519191号公報に記載の化合物、特表2017-512886号公報に記載の化合物、特表2015-523318号公報に記載の化合物、特表2016-519675号公報に記載の化合物、特開2017-061498号公報に記載の化合物、特表2017-523465号公報に記載の化合物等が挙げられる。
【0146】
(一般式(1)で表される化合物(D1))
オキシム系光重合開始剤(D)は、感度、及び保存安定性の観点から、下記一般式(1)で表される化合物(D1)を含むことが好ましい。
一般式(1)
【化13】
(一般式(1)中、R
1は、水素原子、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数6~30のアリール基、炭素原子数7~30のアリールアルキル基、又は炭素原子数2~20の複素環基を表す。
R
2は、炭素原子数3~20のアルキル基、炭素原子数6~30のアリール基、炭素原子数7~30のアリールアルキル基、又は炭素原子数2~20の複素環基を表す。
R
3は、炭素原子数3~20のアルキル基、炭素原子数6~30のアリール基、炭素原子数7~30のアリールアルキル基、又は炭素原子数2~20の複素環基を表す。
R
4は、任意の1価の置換基を表す。nは、0~3の整数を表す。)
【0147】
一般式(1)中、R1は、水素原子、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数6~30のアリール基、炭素原子数7~30のアリールアルキル基、又は炭素原子数2~20の複素環基を表す。
炭素原子数1~20のアルキル基としては、直鎖状でも、分岐状でも、環状でも、それらが結合したものであってもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルメチル基等が挙げられる。
炭素原子数6~30のアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、ナフチル基、アンスリル基等が挙げられる。
炭素原子数7~30のアリールアルキル基としては、例えば、ベンジル基、α―メチルベンジル、α,α―ジメチルベンジル基、フェニルエチル基等が挙げられる。
炭素原子数2~20の複素環基としては、例えば、ピリジル基、ピリミジル基、フリル基、テトラヒドロフリル基、ジオキソラニル基、イミダゾリジル基、オキサゾリジル基、ピペリジル基、モルホリニル基等が挙げられる。
上記の中でも、反応性の観点から、メチル基、エチル基、又はフェニル基が好ましく、メチル基、又はエチル基がより好ましい。
【0148】
一般式(1)中、R2は、炭素原子数3~20のアルキル基、炭素原子数6~30のアリール基、炭素原子数7~30のアリールアルキル基、又は炭素原子数2~20の複素環基を表す。
炭素原子数3~20のアルキル基としては、直鎖状でも、分岐状でも、環状でも、それらが結合したものであってもよく、例えば、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルメチル基等が挙げられる。
炭素原子数6~30のアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、ナフチル基、アンスリル基等が挙げられる。
炭素原子数7~30のアリールアルキル基としては、例えば、ベンジル基、α―メチルベンジル、α,α―ジメチルベンジル基、フェニルエチル基等が挙げられる。
炭素原子数2~20の複素環基としては、例えば、ピリジル基、ピリミジル基、フリル基、テトラヒドロフリル基、ジオキソラニル基、イミダゾリジル基、オキサゾリジル基、ピペリジル基、モルホリニル基等が挙げられる。
上記の中でも、保存安定性の観点から、炭素原子数3~20のアルキル基が好ましく、炭素原子数3~8のアルキル基がより好ましく、ペンチル基が特に好ましい。
【0149】
一般式(1)中、R3は、炭素原子数3~20のアルキル基、炭素原子数6~30のアリール基、炭素原子数7~30のアリールアルキル基、又は炭素原子数2~20の複素環基を表す。
炭素原子数3~20のアルキル基としては、直鎖状でも、分岐状でも、環状でも、それらが結合したものであってもよく、例えば、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オク
チル基、イソオクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルメチル基等が挙げられる。
炭素原子数6~30のアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、ナフチル基、アンスリル基等が挙げられる。
炭素原子数7~30のアリールアルキル基としては、例えば、ベンジル基、α―メチルベンジル、α,α―ジメチルベンジル基、フェニルエチル基等が挙げられる。
炭素原子数2~20の複素環基としては、例えば、ピリジル基、ピリミジル基、フリル基、テトラヒドロフリル基、ジオキソラニル基、イミダゾリジル基、オキサゾリジル基、ピペリジル基、モルホリニル基等が挙げられる。
上記の中でも、保存安定性の観点から、炭素原子数3~15の分岐状のアルキル基が好ましく、炭素原子数5~12の分岐状のアルキル基がより好ましく、3-メチルブチル基、2-エチルヘキシル基が特に好ましい。
【0150】
一般式(1)中、R4は、任意の1価の置換基を表す。
任意の1価の置換基としては、メチル基、エチル基等の炭素原子数1~20のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素原子数1~20のアルコキシ基;F、Cl、Br、I等のハロゲン原子;炭素原子数1~20のアシル基;炭素原子数1~20のアルキルエステル基;炭素原子数1~20のアルコキシカルボニル基;炭素原子数1~20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数4~20の芳香族環基;アミノ基;炭素原子数1~20のアミノアルキル基;水酸基;ニトロ基;シアノ基;置換基を有してよいベンゾイル基;置換基を有してよいテノイル基等が挙げられる。ベンゾイル基、又はテノイル基が有してよい置換基としては、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数1~10のアルコキシカルボニル基等が挙げられ、1~3個の範囲で有してよい。
上記の中でも、反応性の観点から、置換基を有してよいベンゾイル基が好ましく、置換基がアルコキシカルボニル基であるベンゾイル基がより好ましい。
【0151】
一般式(1)中、nは、0~3の整数を表す。
nは、ラジカル生成効率の観点から、0、又は1であることが好ましく、1であることがより好ましい。
【0152】
一般式(1)で表される化合物(D1)の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えば、国際公開第2008/078678号、国際公開第2014/050738号、特表2016-519675号公報等に記載の方法を用いることができる。
【0153】
以下、一般式(1)で表される化合物の具体例を示す。なお、本発明はこれらに限定されない。
【0154】
【0155】
【0156】
化学式(15)~(20)の化合物の中でも、金属イオンや水に対する安定性が高く、経時で分解しにくい化学式(20)の化合物が好ましい。
【0157】
オキシム系光重合開始剤(D)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0158】
オキシム系光重合開始剤(D)の含有量は、光硬化性、現像性の観点から、着色剤(A)100質量部に対して、2~50質量部であることが好ましく、2~30質量部であることがより好ましい。
【0159】
(その他光重合開始剤(F))
本発明の感光性着色組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、オキシム系光重合開始剤(D)以外の光重合開始剤(F)(以下、その他光重合開始剤(F)ともいう)を含有できる。
【0160】
その他光重合開始剤(F)は、光により重合性化合物(C)の重合が開始可能な化合物であれば、特に制限はなく、公知の光重合開始剤を使用することができる。
【0161】
その他光重合開始剤(F)は、具体的には、4-フェノキシジクロロアセトフェノン、4-t-ブチル-ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-(ジメチルアミノ)-1-[4-(4-モルホリノ)フェニル]-2-(フェニルメチル)-1-ブタノン、又は2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン等のアセトフェノン系光重合開始剤;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、又はベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、ヒ
ドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、又は3,3’,4,4’-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系光重合開始剤;
2,4,6-トリクロロ-s-トリアジン、2-フェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-トリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-ピペロニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-スチリル-s-トリアジン、2-(ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシ-ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-トリクロロメチル-(ピペロニル)-6-トリアジン、又は2,4-トリクロロメチル-(4’-メトキシスチリル)-6-トリアジン等のトリアジン系光重合性開始剤;
2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、又はジフェニル-2,4,6-トリメチルベンゾイルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤;
2,2’-ビス(o-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール、2,2’-ビス(o-ブロモフェニル))4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール、2,2’-ビス(o,p-ジクロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール、2,2’-ビス(o-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラ(m-メトキシフェニル)ビイジダゾール、2,2’-ビス(o,o’-ジクロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール、2,2’-ビス(o-ニトロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール、2,2’-ビス(o-メチルフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール、2,2’-ビス(o-トリフルオロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール等のイミダゾール系光重合開始剤等が挙げられる。
これらの中でも、現像性、パターン形成性の観点から、アセトフェノン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系重合開始剤が好ましい。
【0162】
アセトフェノン系光重合開始剤の市販品として、IGM Resins社製のOmnirad907,369,379EG等が挙げられる。
アシルホスフィンオキサイド系重合開始剤の市販品として、IGM Resins社製のOmnirad819,TPO等が挙げられる。
【0163】
その他光重合開始剤(F)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0164】
[スルホ基を有するキノフタロン化合物の銅塩(E)]
本発明の感光性着色組成物は、明度低下の抑制の観点から、スルホ基を有するキノフタロン化合物の銅塩(E)を含むことが好ましい。
【0165】
キノフタロン化合物とは、下記化学式(21)で表される構造を有する化合物である。具体的には、C.I.アシッドイエロー3、5等の市販されている染料、及びC.I.ピグメントイエロー138、C.I.ソルベントイエロー33,114,157、C.I.ディスパースイエロー54,64,67等の市販されている顔料及び染料が挙げられる。
【0166】
【0167】
スルホ基を有するキノフタロン化合物は、化学式(21)で表される構造を有する化合物を公知の方法を用いてスルホン化した化合物であり、具体的に、下記に示すものが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0168】
【0169】
スルホ基を有するキノフタロン化合物の銅塩(E)は、上述した例示化合物の-SO3Hを、公知の方法で銅塩にカウンター交換することで得られる。
【0170】
スルホ基を有するキノフタロン化合物の銅塩(E)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0171】
スルホ基を有するキノフタロン化合物の銅塩(E)の含有量は、明度低下の抑制の観点から、着色剤(A)100質量部に対して、1~40質量部が好ましく、5~30質量部がより好ましい。
【0172】
また、本発明の感光性着色組成物は、スルホ基を有するキノフタロン化合物の銅塩(E)の銅以外の金属塩を含むことができる。金属としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、鉄等が挙げられる。
【0173】
[バインダ樹脂(G)]
本発明の感光性着色組成物は、バインダ樹脂(G)を含有できる。これにより、硬化膜の耐熱性、耐薬品性等の耐性が向上する。
【0174】
バインダ樹脂(G)は、特に制限がなく、公知の樹脂を用いることができる。
【0175】
バインダ樹脂(G)は、非感光性バインダ樹脂、及び感光性バインダ樹脂に分類でき、現像性の観点から、アルカリ可溶性基を有することが好ましい。アルカリ可溶性基としては、例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、フェノール性ヒドロキシル基などが挙げられ、これらの中でも、カルボキシル基が好ましい。
また、バインダ樹脂(G)は、エポキシ基やオキセタニル基等の熱硬化性基を含有できる。
【0176】
(非感光性バインダ樹脂)
非感光性バインダ樹脂は、例えば、酸性基を有するアクリル樹脂、α-オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、又はイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。これらの中でも、酸性基を有するアクリル樹脂、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体が好ましい。
【0177】
(感光性バインダ樹脂)
感光性バインダ樹脂は、重合性不飽和基を有するバインダ樹脂である。感光性バインダ樹脂は、例えば、以下の(i)または(ii)の方法で合成する樹脂が好ましい。活性エネルギー線による硬化で樹脂は、3次元架橋して架橋密度が向上し薬品耐性が向上する。
【0178】
[方法(i)]
方法(i)は、例えば、まず、エポキシ基含有単量体、およびその他単量体の重合体を合成する。次いで、前記重合体のエポキシ基に、モノカルボキシル基含有単量体を付加し、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させて感光性バインダ樹脂を得る方法が挙げられる。
【0179】
エポキシ基含有単量体は、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2-グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4-エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中でも、反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0180】
その他単量体は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド(EO)変性クレゾールアクリレート、n-ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、エトキシ化フェニルアクリレート、フェノールのEO変性(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールのEO又はプロピレンオキサイド(PO)変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのEO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのPO変性(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、又はアクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド類;
スチレン、又はα-メチルスチレン等のスチレン類;
エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、又はイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;
酢酸ビニル、又はプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類;
シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、1,2-ビスマレイミドエタン1,6-ビスマレイミドヘキサン、3-マレイミドプロピオン酸、6,7-メチレンジオキシ-4-メチル-3-マレイミドクマリン、4,4’-ビスマレイミドジフェニルメタン、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン、N,N’-1,3-フェニレンジマレイミド、N,N’-1,4-フェニレンジマレイミド、N-(1-ピレニル)マレイミド、N-(2,4,6-トリクロロフェニル)マレイミド、N-(4-アミノフェニル)マレイミド、N-(4-ニトロフェニル)マレイミド、N-ベンジルマレイミド、N-ブロモメチル-2,3-ジクロロマレイミド、N-スクシンイミジル-3-マレイミドベンゾエ-ト、N-スクシンイミジル-3-マレイミドプロピオナ-ト、N-スクシンイミジル-4-マレイミドブチラ-ト、N-スクシンイミジル-6-マレイミドヘキサノア-ト、N-[4-(2-ベンゾイミダゾリル)フェニル]マレイミド、9-マレイミドアクリジン等のN-置換マレイミド類;
2-(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、後述する水酸基含有単量体の水酸基に、たとえば5酸化リンやポリリン酸等のリン酸エステル化剤を反応させた化合物等のリン酸エステル基含有単量体が挙げられる。
【0181】
モノカルボキシル基含有単量体は、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o-、m-、p-ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられる。
【0182】
多塩基酸無水物は、例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられる。また、必要に応じて、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物、ピロメリット酸無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いて、残った無水物基を加水分解することもできる。
【0183】
また、方法(i)に似た方法として、例えば、カルボキシル基含有単量体、およびその他単量体の重合体を合成する。次いで、前記重合体のカルボキシル基の一部にエポキシ基含有単量体を付加し、感光性バインダ樹脂を得る方法が挙げられる。
【0184】
[方法(ii)]
方法(ii)は、例えば、水酸基含有単量体、モノカルボキシル基含有単量体、およびその他単量体の重合体を合成する。次いで、前記重合体の水酸基に、イソシアネート基含有単量体のイソシアネート基を反応させる方法が挙げられる。
【0185】
水酸基含有単量体は、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-若しくは3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-若しくは3-若しくは4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキルメタクリレート類が挙げられる。また、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、ポリγ-バレロラクトン、ポリε-カプロラクトン、及び/又はポリ12-ヒドロキシステアリン酸等を付加したポリエステルモノ(メタ)アクリレートも挙げられる。これらの中でも被膜中に異物が生じ難い面で2-ヒドロキシエチルメタクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレートが好ましい。また、光感度の面でグリセロールモノ(メタ)アクリレートが好ましい。
【0186】
イソシアネート基含有単量体は、2-(メタ)アクリロイルエチルイソシアネート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、又は1,1-ビス〔メタアクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられる。
【0187】
モノカルボキシル基含有単量体、およびその他単量体は、上述したものを使用できる。
【0188】
感光性バインダ樹脂の合成に使用する原料は、それぞれ単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0189】
バインダ樹脂(G)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0190】
バインダ樹脂(G)の重量平均分子量(Mw)は、現像性の観点から、2,000~40,000が好ましく、3,000~300,00がより好ましく、4,000~20,000が特に好ましい。また、Mw/Mnの値は10以下が好ましい。適度な重量平均分子量(Mw)により基板に対する密着性、及び現像性が向上する。
【0191】
バインダ樹脂(G)の酸価は、50~200mgKOH/gが好ましく、70~180mgKOH/gがより好ましく、90~170mgKOH/gがさらに好ましい。適度な酸価により基板に対する密着性、及び現像性が向上する。
【0192】
バインダ樹脂(G)の含有量は、着色剤(A)100質量部に対して、20~400質量部が好ましく、50~250質量部がより好ましい。
[増感剤(H)]
本発明の感光性着色組成物は、増感剤(H)を含有できる。
【0193】
増感剤(H)は、例えば、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2-ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノール誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリ-ルメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレ-ン錯体、有機ルテニウム錯体、又はミヒラ-ケトン誘導体、α-アシロキシエステル、アシルオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’-ジエチルイソフタロフェノン、3,3’又は4,4’-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。
【0194】
増感剤(H)の中で、チオキサントン誘導体、ミヒラ-ケトン誘導体、カルバゾール誘導体が好ましい。具体的な化合物は、2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン、N-エチルカルバゾール
、3-ベンゾイル-N-エチルカルバゾール、3,6-ジベンゾイル-N-エチルカルバゾール等が好ましい。
【0195】
増感剤(H)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0196】
増感剤(H)の含有量は、オキシム系光重合開始剤(D)100質量部に対して、3~60質量部が好ましく、5~50質量部がより好ましい。適量含有すると光硬化性、現像性が向上する。
【0197】
[熱硬化性化合物(I)]
本発明の感光性着色組成物は、熱硬化性化合物(I)を含有できる。これにより、加熱工程で熱硬化性化合物(I)が反応し、架橋密度が高まるため耐熱性が向上する。
【0198】
熱硬化性化合物(I)は、低分子化合物や、樹脂のような高分子量化合物でもよい。熱硬化性化合物(I)は、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ベンゾグアナミン化合物、ロジン変性マレイン酸化合物、ロジン変性フマル酸化合物、メラミン化合物、尿素化合物、及びフェノール化合物が挙げられる。これらの中でもエポキシ化合物およびオキセタン化合物が好ましい。
【0199】
(エポキシ化合物(I1))
エポキシ化合物(I1)は、例えば、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、ビスフェノールAD等)、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド等)との重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物(ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノールボルナジエン、ビニルノールボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等)との重合物、フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジメタノール類(ベンゼンジメタノール、α,α,α’,α’-ベンゼンジメタノール、ビフェニルジメタノール、α,α,α’,α’-ビフェニルジメタノール等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジクロロメチル類(α,α’-ジクロロキシレン、ビスクロロメチルビフェニル等)との重縮合物、ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物、アルコール類等をグリシジル化したグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0200】
市販品は、例えば、油化シェルエポキシ社製のエピコート807,815,825,827,828,190P,191P、三井化学社製のTECHMORE VG3101L、日本化薬社製のEPPN-201,501H,502H、EOCN-102S,103S,104S,1020ジャパンエポキシレジン社製のエピコート1004,1256、JER1032H60,157S65,157S70,152,154、ダイセル化学工業社製のセロキサイド2021、EHPE-3150、ナガセケムテックス社製のデナコールEX-211,212,252,313,314,321,411,421,512,521,611,612,614,614B,622,711,721、日産化学工業社製のTEPIC-L,H,S等が挙げられる。
【0201】
エポキシ化合物(I1)の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、0.5~50質量%が好ましく、1~40質量%がより好ましい。
【0202】
(オキセタン化合物(I2))
オキセタン化合物(I2)は、オキセタン基を有する公知の化合物である。オキセタン化合物は、1官能オキセタン化合物、2官能オキセタン化合物、3官能以上のオキセタン化合物が挙げられる。
【0203】
1官能オキセタン化合物は、例えば、(3-エチルオキセタン-3-イル)メチルアクリレート、 (3-エチルオキセタン-3-イル)メチルメタクリレート、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、3-エチル-3-(2-エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-(フェノキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-(2-メタクリロキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-{[3-(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン等が挙げられる。
【0204】
市販品は、例えば、大阪有機化学工業社製のOXE-10,30、東亞合成社製のOXT-101,212等が挙げられる。
【0205】
2官能オキセタン化合物は、例えば、4,4’-ビス[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル)、1,4-ビス[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン、1,4-ビス{[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ジ[1-エチル(3-オキセタニル)]メチルエーテル、ジ[1-エチル(3-オキセタニル)]メチルエーテル3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、3-エチル-3-(2-エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-(2-フェノキシメチル)オキセタン、3,7-ビス(3-オキセタニル)-5-オキサ-ノナン、1,2-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコ-スビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、1,4-ビス(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6-ビス(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ポリエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、エチレンオキシド(EO)変性ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、プロピレンオキシド(PO)変性ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールF(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。
【0206】
市販品は、例えば、宇部興産社製のOXBP、OXTP、東亞合成社製OXT-121,221等が挙げられる。
【0207】
3官能以上のオキセタン化合物は、例えば、ペンタエリスリトールトリス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサ(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(3
-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロ-ルプロパンテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、オキセタン基を含有する樹脂(例えば、特許第3783462号記載のオキセタン変性フェノールノボラック樹脂等)や前述のOXE-30のような(メタ)アクリルモノマーをラジカル重合させて得られる重合体が挙げられる。
【0208】
オキセタン化合物(I2)の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、0.5~50質量%が好ましく、1~40質量%がより好ましい。
【0209】
メラミン化合物は、メラミン環構造を有する化合物である。メラミン化合物は、メチロ-ル型やエーテル型の化合物が好ましく、メラミン環1個当たりのメチロ-ル基および/またはエーテル基数が平均5.0以上のメラミン化合物がより好ましい。適度にメチロ-ル基やエーテル基数を有すると過不足ない耐熱性が得やすい。
【0210】
市販品は、例えば、三和ケミカル社製の二カラックMW-30HM,MW-390,MW-100LM,MX-750LM,MW-30M,MW-30,MW-22,MS-21,MS-11,MW-24X,MS-001,MX-002,MX-730,MX-750,MX-708,MX-706,MX-042,MX-45,MX-500,MX-520,MX-43,MX-417,MX-410、日本サイテックインダストリーズ社製のサイメル232,235,236,238,285,300,301,303,350,370等が挙げられる。
【0211】
これらの中でもメラミン環1個当たりのメチロ-ル基、及び/又は、エーテル基数が平均5.0以上である、三和ケミカル社製の二カラックMW-30HM、MW-390、MW-100LM、MX-750LM、MW-30M、MW-30、MW-22、MS-21、MS-11、MW-24X、MX-45、日本サイテックインダストリ-ズ社製のサイメル232,235,236,238,300,301,303,350等は、架橋密度を高められる面で好ましい。
【0212】
熱硬化性化合物(I)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0213】
[硬化剤(硬化促進剤)]
本発明の感光性着色組成物は、熱硬化性化合物(I)の硬化を補助するため、硬化剤(硬化促進剤)を併用できる。硬化剤は、例えば、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物等が挙げられる。硬化剤は、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4-(ジメチルアミノ)-N,N-ジメチルベンジルアミン、4-メトキシ-N,N-ジメチルベンジルアミン、4-メチル-N,N-ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩(例えば、イミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、4-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-(2-シアノエチル)-2-エチル-4-メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、S-トリアジン誘導体(例えば、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-S-トリアジン、2-ビニル-2,4-ジアミノ-S-トリアジン、2-ビニル-4,6-ジアミノ-S-トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-S-トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)等が挙げられる。
【0214】
硬化剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0215】
硬化剤の含有量は、熱硬化性化合物(I)100質量部に対して、0.01~15質量部が好ましい。
【0216】
[チオール系連鎖移動剤(J)]
本発明の感光性着色組成物は、チオール系連鎖移動剤(J)を含有できる。チオール系連鎖移動剤(J)は、オキシム系光重合開始剤(D)と併用すると光照射後のラジカル重合の際、酸素による重合阻害を受けにくいチイルラジカルが発生し、感光性着色組成物の光感度が向上する。
チオール系連鎖移動剤(J)は、チオール基(SH基)を2以上有する多官能チオールが好ましく、4以上有する多官能チオールがより好ましい。官能基数が増えると膜の表面から最深部まで光硬化し易くなる。
【0217】
多官能チオールは、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4-ブタンジオ-ルビスチオプロピオネート、1,4-ブタンジオ-ルビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロ-ルプロパントリスチオグリコレート、トリメチロ-ルプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロ-ルプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4-ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6-トリメルカプト-s-トリアジン、2-(N,N-ジブチルアミノ)-4,6-ジメルカプト-s-トリアジンなどが挙げられ、好ましくは、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロ-ルプロパントリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート等が挙げられる。
【0218】
チオール系連鎖移動剤(J)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0219】
チオール系連鎖移動剤(J)の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%に対して、1~10質量%が好ましく、2~8質量%がより好ましい。適量含有すると光感度が向上し、硬化膜の表面にシワが発生し難くなる。
【0220】
[重合禁止剤(K)]
本発明の感光性着色組成物は、重合禁止剤(K)を含有できる。
【0221】
重合禁止剤(K)は、例えば、カテコール、レゾールシノール、1,4-ヒドロキノン、2-メチルカテコール、3-メチルカテコール、4-メチルカテコール、2-エチルカテコール、3-エチルカテコール、4-エチルカテコール、2-プロピルカテコール、3-プロピルカテコール、4-プロピルカテコール、2-n-ブチルカテコール、3-n-ブチルカテコール、4-n-ブチルカテコール、2-t-ブチルカテコール、3-t-ブチルカテコール、4-t-ブチルカテコール、3,5-ジ-t-ブチルカテコール等のアルキルカテコール系化合物、2-メチルレゾールシノール、4-メチルレゾールシノール、2-エチルレゾールシノール、4-エチルレゾールシノール、2-プロピルレゾールシノール、4-プロピルレゾールシノール、2-n-ブチルレゾールシノール、4-n-ブチルレゾールシノール、2-t-ブチルレゾールシノール、4-t-ブチルレゾールシノール等のアルキルレゾールシノール系化合物、メチルヒドロキノン、エチルヒドロキノーン、プロピルヒドロキノーン、t-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-t-ブチルヒドロキノン等のアルキルヒドロキノーン系化合物、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリベンジルホスフ
ィン等のホスフィン化合物、トリオクチルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイドなどのホスフィンオキサイド化合物、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト等のホスファイト化合物、ピロガロ-ル、フロログルシン等が挙げられる。
【0222】
重合禁止剤(K)の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、0.01~0.4質量%が好ましい。
【0223】
[紫外線吸収剤(L)]
本発明の感光性着色組成物は、紫外線吸収剤(L)を含有できる。
【0224】
紫外線吸収剤(L)は、紫外線吸収機能を有する有機化合物であり、ベンゾトリアゾール系有機化合物、トリアジン系有機化合物、ベンゾフェノン系有機化合物、サリチル酸エステル系有機化合物、シアノアクリレート系有機化合物、及びサリシレート系有機化合物等が挙げられる。
【0225】
ベンゾトリアゾール系化合物は、例えば、2-(5メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α, α-ジメチルベンジル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-(3-tブチル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、5%の2-メトキシ-1-メチルエチルアセテートと95%のベンゼンプロパン酸,3-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ,C7-9側鎖及び直鎖アルキルエステルの混合物、2-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-6-(1-メチル-1-フェニルエチル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール、メチル 3-(3-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-5-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート/ポリエチレングリコール300の反応生成物、2-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール、2,2’-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール]、2-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-p-クレゾール、2-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-6-t-ブチル-4-メチルフェノール、2-(3,5-ジ-t-アミル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-5-[2-(メタクリロイルオキシ)エチル]フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、オクチル-3-[3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール2-イル)フェニル]プロピオネート、2-エチルヘキシル-3-[3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール2-イル)フェニル]プロピオネートが挙げられる。
【0226】
市販品は、例えば、BASFジャパン社製のTINUVIN P,PS,234,326,329,384-2,900,928,99-2,1130、ADEKA社製のアデカスタブLA-29,LA-31RG,LA-32,LA-36、ケミプロ化成社製のKEMISORB71,73,74,79,279、大塚化学社製のRUVA-93等が挙げられる。
【0227】
トリアジン系化合物は、例えば、2,4-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-6-(2-ヒドロキシ-4-n-オクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-5
-[3-(ドデシルオキシ)-2-ヒドロキシプロポキシ]フェノール、2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジンと(2-エチルヘキシル)-グリシド酸エステルの反応生成物、2,4-ビス「2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル」-6-(2,4-ジブトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-(ヘキシルオキシ)フェノール、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[2-(2-エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ]フェノール、2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシ-3-メチルフェニル)-1,3,5-トリアジン等が挙げられる。
【0228】
市販品は、例えば、ケミプロ化成社製のKEMISORB 102、BASFジャパン社製のTINUVIN 400,405,460,477,479,1577ED、ADEKA社製のアデカスタブLA-46,LA-F70、サンケミカル社製のCYASORB UV-1164等が挙げられる。
【0229】
ベンゾフェノン系化合物は、例えば、2,4-ジ-ヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン5-スルホン酸-3水温、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノーン、2,2’-ジ-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、4-ドデシロキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-2’-カルボキシベンゾフェノン等が挙げられる。
【0230】
市販品は、例えば、ケミプロ化成社製のKEMISORB 10,11,11S,12,111、シプロ化成社製のSEESORB 101,107、ADEKA社製のアデカスタブ1413、サンケミカル社製のUV-12等が挙げられる。
【0231】
サリチル酸エステル系化合物は、例えば、サリチル酸フェニル、サリチル酸p-オクチルフェニル、サリチル酸p-tertブチルフェニル等が挙げられる。
【0232】
紫外線吸収剤(L)の含有量は、オキシム系光重合開始剤(D)と紫外線吸収剤(L)との合計100質量%中、5~70質量%が好ましい。
【0233】
[酸化防止剤(M)]
本発明の感光性着色組成物は、酸化防止剤(M)を含有できる。
【0234】
酸化防止剤(M)は、感光性着色組成物中のオキシム系光重合開始剤(D)や熱硬化性化合物(I)が、熱硬化やITOアニ-ル時の熱工程によって酸化する黄変を防ぐ。特に、感光性着色組成物の着色剤(A)濃度が高い場合、相対的に重合性化合物(C)の含有量が減少するため、オキシム系光重合開始剤(D)の増量や、熱硬化性化合物の配合で対応すると硬化膜が黄変し易い。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の酸化による硬化膜の黄変を防止する。酸化防止剤(M)は、ハロゲン原子を含有しない化合物が好ましい。
【0235】
酸化防止剤(M)は、例えば、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系、およびヒドロキシルアミン系の化合物等が挙げられる。これらの中でも、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤が好ましい。
【0236】
ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、例えば、1,3,5-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、1,1,3-トリス-(2’-メチル-4’-ヒドロキシ-5’-t-ブチルフェニル)-ブタン、4,4’-ブチリデン-ビス-(2-t-ブチル-5-メチルフェノール)、3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリル、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9-ビス[2-[3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ]-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニルメチル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、1,3,5-トリス(3-ヒドロキシ-4-t-ブチル-2,6-ジメチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、2,2’-メチレンビス(6-t-ブチル-4-エチルフェノール)、2,2’-チオジエチルビス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート、N,N-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナムアミド)、i-オクチル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,6-ビス(ドデシルチオメチル)-o-クレゾール、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホン酸モノエチルエステルのカルシウム塩、4,6-ビス(オクチルチオメチル)-o-クレゾール、ビス[3-(3-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)プロピオン酸]エチレンビスオキシビスエチレン、1,6-ヘキサンジオ-ルビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4-ビス-(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2,2’-チオ-ビス-(6-t-ブチル-4-メチルフェノール)、2,5-ジ-t-アミル-ヒドロキノーン、2,6-ジ-t-ブチル-4-ノニルフェノール、2,2’-イソブチリデン-ビス-(4,6-ジメチル-フェノール)、2,2’-メチレン-ビス-(6-(1-メチル-シクロヘキシル)-p-クレゾール)、2,4-ジメチル-6-(1-メチル-シクロヘキシル)-フェノール等が挙げられる。
【0237】
市販品は、例えば、ADEKA社製のアデカスタブAO-20,AO-30,AO-40,AO-50,AO-60,AO-80,AO-330、ケミプロ社製のKEMINOX101,179,76,9425、BASFジャパン社製のIRGANOX1010,1035,1076,1098,1135,1330,1726,1425WL,1520L,245,259,3114,5057,565、サンケミカル社製のサイアノックスCY-1790,CY-2777等が挙げられる。
【0238】
ヒンダードアミン系酸化防止剤は、例えば、テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1-ウンデカノキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)カルボネート、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルメタクリレート、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルメタクリレート、コハク酸ジメチルと1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンとの重縮合物、ポリ[[6-[(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ]-s-トリアジン-2,4-ジイル]-[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]-ヘキサメチレン-[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]]、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジンエタノールと3,5,5-トリメチルヘキサン酸のエステル、N,N’-4,7-テトラキス〔4,6-ビス{N-ブチ
ル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)アミノ}-1,3,5-トリアジン-2-イル〕-4,7-ジアザデカン-1,10-ジアミン、デカン二酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1-(オクチルオキシ)-4-ピペリジニル)エステル,1,1-ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピリペリジル)[[3,5-ビス(1,1ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネートメチル1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピリペリジルセバケート、ポリ[[6-モルホリノ-s-トリアジン-2,4-ジイル]-[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]-ヘキサメチレン-[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]]、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル-C12-21およびC18不飽和脂肪酸エステル、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,6-ヘキサメチレンジアミン、2-メチル-2-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)アミノ-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)プロピオンアミド等が挙げられる。
【0239】
市販品は、例えば、ADEKA社製のアデカスタブLA-52,LA-57,LA-63P,LA-68,LA-72,LA-77Y,LA-77G,LA-81,LA-82,LA-87,LA-402F,LA-502XP、ケミプロ化成社製のKAMISTAB29,62,77,94、BASFジャパン社製のTinuvin111FDL,123,144,249,292,5100、サンケミカル社製のサイアソ-ブUV-3346,UV-3529,UV-3853等が挙げられる。
【0240】
リン系酸化防止剤は、例えば、ジ(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)2-エチルヘキシルホスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、テトラ(C12~C15アルキル)-4,4’-イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、ジフェニルモノ(2-エチルヘキシル)ホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、トリス(イソデシル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)-4,4-ビフェニルジフォスホニト、トリス(トリデシル)ホスファイト、フェニルイソオクチルホスファイト、フェニルイソデシルホスファイト、フェニルジ(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジフェニルトリデシルホスファイト、4,4’-イソプロピリデンジフェノールアルキルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリスジノニルフェニルホスファイト、トリス(ビフェニル)ホスファイト、ジ(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジホスファイト、テトラトリデシル4,4’-ブチリデンビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサトリデシル1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスファイトジエチルエステル、ソジウムビス(4-t-ブチルフェニル)ホスファイト、ソジウム-2,2-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)-ホスファイト、1,3-ビス(ジフェノキシフォスフォニロキシ)-ベンゼン、亜リン酸エチルビス(2,4-ジt-ブチル-6-メチルフェニル)等が挙げられる。
【0241】
市販品は、例えば、ADEKA社製のアデカスタブPEP-36,PEP-8,HP-10,2112,1178,1500,C,135A,3010,TPP、BASFジャパン社製のIRGAFOS168、クラリアントケミカルズ社製のHostanoxP-EPQ等が挙げられる。
【0242】
イオウ系酸化防止剤は、例えば、2,2-ビス{〔3-(ドデシルチオ)-1-オキソプロポキシ〕メチル}プロパン-1,3-ジイルビス〔3-(ドデシルチオ)プロピオネート〕、3,3’-チオビスプロピオン酸ジトリデシル、2,2-チオ-ジエチレンビス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4-ビス〔(オクチルチオ)メチル〕-o-クレゾール、2,4-ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕-o-クレゾール等が挙げられる。
【0243】
市販品は、例えば、ADEKA社製のアデカスタブAO-412S,AO-503、ケミプロ化成社製のKEMINOXPLS等が挙げられる。
【0244】
酸化防止剤(M)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0245】
酸化防止剤(M)の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、0.5~5.0質量%が好ましい。適量含有すると透過率、分光特性、及び感度が向上する。
【0246】
[レベリング剤(N)]
本発明の感光性着色組成物は、レベリング剤(N)を含有できる。これにより、塗工時の基板に対する濡れ性、及び乾燥性がより向上する。
【0247】
レベリング剤(N)は、例えば、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
【0248】
シリコーン系界面活性剤は、例えば、シロキサン結合からなる直鎖状ポリマーや、側鎖や末端に有機基を導入した変性シロキサンポリマーが挙げられる。
【0249】
市販品は、例えば、ビックケミー社製のBYK-300,306,310,313,315N,320,322,323,330,331,333,342,345,346,347,348,349,370,377,378,3455,UV3510,3570、東レ・ダウコ-ニング社製のFZ-7002,2110,2122,2123,2191,5609、信越化学工業社製のX-22-4952、X-22-4272、X-22-6266、KF-351A、KF-354L、KF-355A、KF-945、KF-640、KF-642、KF-643、X-22-4515、KF-6004、KP-341等が挙げられる。
【0250】
フッ素系界面活性剤は、例えば、フルオロカーボン鎖を有する界面活性剤又はレベリング剤が挙げられる。
【0251】
市販品は、例えば、AGCセイミケミカル社製のサーフロンS-242,243,420,611,651,386、DIC社製のメガファックF-253,477,551,552,555,558,560,570,575,576、R-40-LM、R-41、RS-72-K、DS-21、住友スリーエム社製のFC-4430,4432、三菱マテリアル電子化成社製のEF-PP31N09、EF-PP33G1、EF-PP32C1、ネオス社製フタージェントの602A等が挙げられる。
【0252】
ノニオン性界面活性剤は、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンミリステルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシアルキレンアル
キルエーテル、ポリオキシフェニレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテ-ト、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリオレート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテ-ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタントリイソステアレート、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、グリセロ-ルモノステアレート、グリセロ-ルモノオレート、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド、アルキルイミダゾリン等が挙げられる。
【0253】
市販品は、例えば、花王社製のエマルゲン103,104P,106,108,109P,120,123P,130K,147,150,210P,220,306P,320P,350,404,408,409PV,420,430,705,707,709,1108,1118S-70,1135S-70,1150S-60,2020G-HA,2025G,LS-106,LS-110,LS-114,MS-110,A-60,A-90,B-66,PP-290、ラテムルPD-420,PD-430,PD-430S,PD-450、レオドールSP-L10,SP-P10,SP-S10V,SP-S20,SP-S30V,SP-O10V,SP-O30V、スーパーSP-L10,AS-10V,AO-10V,AO-15V,TW-L120,TW-L106,TW-P120,TW-S120V,TW-S320V,TW-O120V,TW-O106V,TW-IS399C、スーパーTW-L120,430V,440V,460V,MS-50,MS-60,MO-60,MS-165V、エマノーン1112,3199V,3299V,3299RV,4110,CH-25,CH-40,CH-60(K),アミ-ト102,105,105A,302,320、アミノーンPK-02S、L-02、ホモゲノールL-95、ADEKA社製のアデカプルロニック(登録商標)L-23,31,44,61,62,64,71,72,101,121、TR-701,702,704,913R、共栄社化学社製の(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフロ-No.75,No.90,No.95等が挙げられる。
【0254】
カチオン性界面活性剤は、例えばアルキルアミン塩やラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライドなどのアルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。
【0255】
市販品は、例えば、花王社製のアセタミン24、コータミン24P、60W、86Pコンク等が挙げられる。
【0256】
アニオン性界面活性剤は、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン-アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン-アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等が挙げられる。
【0257】
市販品は、例えば、ネオス社製のフタージェント100,150、ADEKA社製のアデカホープYES-25、アデカコールTS-230E,PS-440E,EC-8600等が挙げられる。
【0258】
両性界面活性剤は、例えば、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ステアリルベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等のアルキルアミンオキサイド等が挙げられる。
【0259】
市販品は、花王社製のアンヒトール20AB,20BS,24B,55AB,86B,20Y-B,20N等が挙げられる。
【0260】
レベリング剤(N)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0261】
レベリング剤(N)の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、0.001~2.0質量%が好ましく、0.005~1.0質量%がより好ましい。適量含有すると感光性着色組成物の塗工性と密着性のバランスがより向上する。
【0262】
[貯蔵安定剤(O)]
本発明の感光性着色組成物は、貯蔵安定剤(O)を含有できる。これにより、感光性着色組成物の経時粘度が安定化する。
【0263】
貯蔵安定剤(O)は、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t-ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。
【0264】
貯蔵安定剤(O)の含有量は、着色剤(A)100質量部に対して、0.1~10質量部が好ましい。
【0265】
[密着向上剤(P)]
本発明の感光性着色組成物は、密着向上剤(P)を含有できる。これにより、硬化膜と基材の密着性が向上する。また、フォトリソグラフィー法で幅が狭いパターンを形成し易くなる。
【0266】
密着向上剤(P)は、例えば、シランカップリング剤等が挙げられる。シランカップリング剤は、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルシラン類、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸
塩等のアミノシラン類、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト類、p-スチリルトリメトキシシラン等のスチリル類、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイド類、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィド類、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート類などのシランカップリング剤が挙げられる。
【0267】
密着向上剤(P)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0268】
密着向上剤(P)の含有量は、着色剤(A)100質量部に対して、0.01~10質量部が好ましく、0.05~5質量部がより好ましい。
【0269】
[有機溶剤(Q)]
本発明の感光性着色組成物は、有機溶剤(Q)を含有できる。
【0270】
有機溶剤(Q)は、例えば、1,2,3-トリクロロプロパン、1-メトキシ-2-プロパノール、乳酸エチル、1,3-ブタンジオ-ル、1,3-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコールジアセテート、1,4-ジオキサン、2-ヘプタノーン、2-メチル-1,3-プロパンジオ-ル、3,5,5-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-オン、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノン、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-メチル-1,3-ブタンジオ-ル、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、3-メトキシ-3-メチルブチルアセテート、3-メトキシブタノール、3-メトキシブチルアセテート、4-ヘプタノーン、m-キシレン、m-ジエチルベンゼン、m-ジクロロベンゼン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、n-ブチルアルコール、n-ブチルベンゼン、n-プロピルアセテート、N-メチルピロリドン、o-キシレン、o-クロロトールエン、o-ジエチルベンゼン、o-ジクロロベンゼン、p-クロロトールエン、p-ジエチルベンゼン、sec-ブチルベンゼン、tert-ブチルベンゼン、γ-ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n-アミル、酢酸n-ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられる。これらの中で
も、顔料の分散性、アルカリ可溶樹脂の溶解性の観点から、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類、ベンジルアルコール、ダイアセトンアルコール等のアルコール類やシクロヘキサノン等のケトン類が好ましい。
【0271】
有機溶剤(Q)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0272】
[特定金属元素の含有量]
本発明の感光性着色組成物は、感光性着色組成物に含まれるLi、Na、K、Mg、Ca、Fe、Al、及びCr(以下、特定金属元素ともいう)の合計含有量が、500質量ppm以下である。
【0273】
特定金属元素の合計量が、上記範囲内の感光性着色組成物であると、経時保存後でも分散安定性・感度に優れる。また、特定金属元素の合計量が、上記範囲内の感光性着色組成物を用いて作成したカラーフィルタは、耐熱性に優れ、加熱しても異物の発生が少なく、かつバックライトによる明度低下も抑制できる。
【0274】
感光性着色組成物に含まれる特定金属元素の合計量は、300質量ppm以下がより好ましく、200質量ppm以下が特に好ましい。また、特定金属元素の合計量の下限は、特に限定されないが、1質量ppm以上が好ましく、5質量ppm以上がより好ましい。上記範囲内であれば、コストも抑制でき、保存安定性に優れ、かつ異物の発生、明度低下が少ないカラーフィルタを形成できる感光性着色組成物を得ることができる。
【0275】
感光性着色組成物に含まれる各特定金属元素の量は、各々100質量ppm以下であることが好ましく、各々50質量ppm以下であることがより好ましい。
また、特定金属元素のなかでも、オキシム系光重合開始剤(D)との反応性が高いLiの含有量は、30質量ppm以下であることが好ましく、15質量ppm以下であることがより好ましい。
【0276】
感光性着色組成物に含まれる特定金属元素を低減させる方法は、特に限定されないが、特定金属元素は、着色剤(A)に多く含まれることから、着色剤(A)の特定金属元素を除去することが好ましい。また、感光性着色組成物を製造する装置からも混入するため、装置からの混入を抑えることも好ましい。
【0277】
着色剤(A)に含まれる特定金属元素の低減方法、除去方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、製造過程での装置からの混入を避ける方法としては、特開2010-83997号公報、特開2018-36521号公報等に記載の方法が挙げられる。また、例えば、着色剤(A)からの除去する方法としては、特開平7-198928号公報、特開平8-333521号公報、特開2009-7432号公報、特開2010-83997号公報等に記載の方法が挙げられる。これらの中でも、着色剤(A)を特定金属元素の含有量が少ない水、例えば、イオン交換水等で洗浄する方法が好ましい。
【0278】
着色剤(A)の洗浄の方法は、特に制限がなく、公知の方法を用いることができる。例えば、合成後の着色剤(A)を、イオン交換水が入った容器に投入し、撹拌する。一定時間撹拌後、フィルタープレスにてろ過し、着色剤(A)とイオン交換水をと分離する。特定金属元素量が所望の値になるまで、この作業を繰り返し行う。洗浄は、加温しながら行うことが好ましい。その後、着色剤(A)を熱風乾燥及び粉砕する。
【0279】
特定金属元素の含有量は、誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP)によって、測定できる。
【0280】
本発明の感光性着色組成物は、保存安定性、異物発生の抑制、及び明度低下の抑制の観点から、特定金属元素以外の金属元素の含有量も低減することが好ましい。特定金属元素以外の金属は、例えば、Mn、Cs、Ti、Co、Ni、Si、Pd等が挙げられる。
【0281】
[水の含有量]
本発明の感光性着色組成物は、感光性着色組成物に含まれる水の含有量が2.0質量%以下である。
【0282】
水の含有量が、上記範囲内の感光性着色組成物であると、経時保存後でも分散安定性・感度に優れる。
【0283】
感光性着色組成物に含まれる水の含有量は、1.8質量%以下が好ましく、1.6質量%以下がより好ましい。また、水の含有量の下限は、少ないほど好ましく、特に制限はない。上記範囲内であれば、経時保存後でも分散安定性・感度に優れる。
【0284】
水の含有量を制御する方法は、特に制限がなく、公知の方法を用いることができる。例えば、乾燥した空気や不活性ガス、それらの混合ガスを吹き込みながら、感光性着色組成物を製造する方法や、製造後、モレキュラーシーブを投入し脱水する方法等が挙げられる。その中でも、乾燥した空気や不活性ガスを吹き込みながら、製造する方法が好ましい。
【0285】
水の含有量は、カールフィッシャー法などの公知の方法により測定することができる。
【0286】
上記構成の感光性着色組成物で、本発明の課題を解決できるメカニズムは明らかではないが、以下のように推測している。
【0287】
特定金属元素の量及び水の量を低減することによって、特定金属元素のイオン化を抑え、オキシム系光重合開始剤との経時保管中での反応を抑制したと推測する。また、酸性基を有する分散樹脂が、イオン化した特定金属元素と塩を形成することで、オキシム系光重合開始剤との経時保管中での反応を抑制したと推測する。
【0288】
[ジルコニウム化合物の含有量]
本発明の感光性着色組成物は、感光性着色組成物に含まれるジルコニウム化合物の含有量が800質量ppm以下であることが好ましい。
【0289】
ジルコニウム化合物は、着色剤(A)を分散処理する際の分散機に用いられる分散メディアが粉砕されたもので、これらの粉砕物が核となり加熱で異物が発生する。そのため、感光性着色組成物に含まれるジルコニウム化合物の含有量を低減することが好ましい。
【0290】
ジルコニウム化合物の含有量が、上記範囲内の感光性着色組成物であると、加熱での異物の発生が少ないカラーフィルタが得られる。
【0291】
感光性着色組成物に含まれるジルコニウム化合物の含有量は、700質量ppm以下がより好ましく、600質量ppm以下が特に好ましい。また、ジルコニウム化合物の下限は、特に限定されないが、1質量ppm以上が好ましく、5質量ppm以上がより好ましい。上記範囲内であれば、コストも抑制でき、加熱での異物の発生が少ないカラーフィルタが得られる。
【0292】
ジルコニウム化合物の含有量を低減する方法は、特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。例えば、分散メディアレスの分散機による分散方法、分散時にかかるシェアを低くすることや分散時間を短くすることによる摩耗を抑制する方法、分散後に遠心分離を行う方法等が挙げられる。
【0293】
ジルコニウム化合物の含有量は、誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP)によって、測定できる。
【0294】
[感光性着色組成物の製造方法]
本発明の感光性着色組成物は、例えば、着色剤(A)、酸性基を有する分散樹脂(B1)、スルホ基を有するキノフタロン化合物の銅塩(E)、及び有機溶剤(Q)等を加えて、乾燥した不活性ガス下で分散処理を行うことで、分散体を製造する。その後、乾燥した不活性ガス下で、前記分散体に、重合性化合物(C)、オキシム系光重合開始剤(D)、及びバインダ樹脂(G)等を配合し混合することで製造できる。なお、各材料を配合するタイミングは、任意である。また、大気からの水の混入を避けるため、湿度が制御された場所で作業することが好ましい。
【0295】
分散処理を行う分散機は、例えば、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、又はアトライター等が挙げられる。
【0296】
分散体中の顔料の平均分散粒子径(二次粒子径)は、30~200nmが好ましく、40~200nmがより好ましい。適度な粒子径を有すると分散安定性が高い感光性着色組成物が得やすい。
【0297】
平均分散粒子径(二次粒子径)の測定方法は、例えば、動的光散乱法(FFTパワ-スペクトール法)を採用した日機装社のマイクロトラックUPA-EX150を用い、粒子透過性を吸収モ-ド、粒子形状を非球形とし、D50粒子径を平均径とする。測定用の希釈溶剤は分散に使用した有機溶剤をそれぞれ用い、超音波で処理したサンプルについてサンプル調整直後に測定するとバラツキが少ない結果が得られやすく好ましい。
【0298】
感光性着色組成物は、焼結フィルタやメンブレンフィルタによる濾過等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子、および混入した塵の除去を行うことが好ましい。本発明の感光性着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましく、0.3μm以下の粒子を含まないことがより好ましい。
【0299】
<カラーフィルタ>
本発明のカラーフィルタは、基板、および本発明の感光性着色組成物から形成されるフィルタセグメントを備える。カラーフィルタセグメントは、使用する着色剤(A)の種類を適宜選択することで、赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、および青色フィルタセグメントを有することが好ましい。また、カラーフィルタは、前記カラーフィルタセグメントに代えてまたは加え、マゼンタ色フィルタセグメント、シアン色フィルタセグメント、イエロー色フィルタセグメントを有することができる。
基板は、透明基板、および反射基板が挙げられる。透明基板は、例えば、ガラス基板が挙げられる。反射基材は、例えばアルミ電極や金属薄膜を反射面として使用する基板が挙げられる。
【0300】
[カラーフィルタの製造方法]
カラーフィルタ製造方法は、特に限定されず、例えば、基板上に感光性着色組成物を塗
布し組成物の層を形成する工程(1)、前記層に、マスクを介してパターン状に露光する工程(2)、未露光部分をアルカリ現像しパターン状の硬化膜を形成する工程(3)、前記パターンを加熱処理(ポストベーク)する工程(4)を行い作製できる。
【0301】
以下、カラーフィルタの製造方法を詳細に説明する。
(工程(1))
組成物の層を形成する工程(1)は、感光性着色組成物を基板上に、例えば、回転塗布、ロ-ル塗布、スリット塗布、流延塗布、またはインクジェット塗布等の方法で塗布し、必要に応じてオーブン、ホットプレート等を用いて、50~120℃の温度で10~120秒乾燥(プリベーク)する。
前記基板は、例えば、ガラス基板、シリコン基板等が挙げられる。シリコン基板は、例えば、表面にCCD、CMOS等の撮像素子が形成されていてもよい。また、基板上には、必要に応じて、上部との層との密着改良、物質の拡散防止、基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。
層の膜厚は、乾燥後0.05~10.0μmとなるように塗布することが好ましく、0.3~5μmとなるように塗布することがより好ましい。
【0302】
(工程(2))
露光工程は、工程(1)で得られた層を、例えば、ステッパー等の露光装置を用い、マスクを介して特定のパターンを露光する。これにより硬化膜が得られる。
露光に用いる放射線は、例えば、g線、h線、i線等の紫外線が挙げられる。
【0303】
(工程(3))
工程(2)で得られた硬化膜は、アルカリ現像処理を行うことで、未露光部分の組成物の層がアルカリ水溶液に溶出し、硬化部分のみが残りパターン状の硬化膜が得られる。
現像液は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム,硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロ-ル、ピペリジン、1,8-ジアザビシクロ-〔5.4.0〕-7-ウンデセン等のアルカリ性化合物が挙げられる。
現像液の濃度は、0.001~10質量%が好ましく、0.01~1質量%がより好ましい。
アルカリ現像液のpHは、11~13が好ましく、11.5~12.5がより好ましい。適度なpHで使用するとパターンの荒れや剥離を抑制し、現像後の残膜率が向上する。
【0304】
現像方法は、例えば、ディップ法、スプレー法、パドル法等が挙げられる。現像温度は15~40℃が好ましい。なお、アルカリ現像後は、純水で洗浄することが好ましい。
【0305】
(工程(4))
加熱処理(ポストベーク)は、工程(3)で得られたパターン状の硬化膜を加熱により十分に硬化させる。ポストベークの加熱温度は、100~300℃が好ましく、150~250℃がより好ましい。また、加熱時間は、2分間~1時間程度が好ましく、3分間~30分間程度がより好ましい。
【0306】
<画像表示装置>
本発明の画像表示装置は、本発明のカラーフィルタを備える。
画像表示装置に用いる形態は、画像表示装置として機能すればよく、特に制限されない。例えば、「次世代液晶ディスプレイ技術(内田龍男著、(株)工業調査会、1994年発行)に記載されている構成等が挙げられる。
画像表示装置の定義や各画像表示装置の詳細については、例えば、「電子ディスプレイ
デバイス(佐々木昭夫著、(株)工業調査会、1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹順章著、産業図書(株)、平成元年発行)」等に記載されている。
【0307】
<固体撮像素子>
本発明の固体撮像素子は、本発明のカラーフィルタを備える。
固体撮像素子に用いる形態は、特に制限されないが、例えば、基材上に、固体撮像素子(CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ等)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオードおよびポリシリコン等からなる転送電極を有し、フォトダイオードおよび転送電極上にフォトダイオードの受光部のみ開口した遮光膜を有し、遮光膜上に遮光膜全面およびフォトダイオード受光部を覆うように形成された窒化シリコン等からなるデバイス保護膜を有し、デバイス保護膜上に、カラーフィルタを有する構成である。さらに、デバイス保護膜上であってカラーフィルタの下(基材に近い側)に集光手段(例えば、マイクロレンズ等。以下同じ)を有する構成や、カラーフィルタ上に集光手段を有する構成等であってもよい。また、カラーフィルタは、隔壁により例えば格子状に仕切られた空間に、各着色画素を形成する硬化膜が埋め込まれた構造を有していてもよい。この場合の隔壁は、各着色画素に対して低屈折率であることが好ましい。
本発明の固体撮像素子を備えた撮像装置は、デジタルカメラや、撮像機能を有する電子機器(携帯電話、スマートフォン等)の他、車載カメラや監視カメラ用としても用いることができる。
【実施例0308】
以下、実施例で本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されない。なお、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」である。
また、本発明において、不揮発分もしくは不揮発分濃度は、280℃で30分間オーブン静置後の、質量残分をいう。
【0309】
実施例に先立ち、各測定方法について説明する。
【0310】
樹脂の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、酸価(mgKOH/g)、及びアミン価(mgKOH/g)は、以下の通りである。
【0311】
(バインダ樹脂、及び分散樹脂の平均分子量)
バインダ樹脂、及び分散樹脂の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)は、RI検出器を装備したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した。装置としてHLC-8220GPC(東ソー社製)を用い、分離カラムを2本直列に繋ぎ、両方の充填剤には「TSK-GEL SUPER HZM-N」を2連でつなげて使用し、オーブン温度40℃、溶離液としてテトラヒドロフラン(THF)溶液を用い、流速0.35ml/minで測定した。サンプルは1質量%の上記溶離液からなる溶剤に溶解し、20マイクロリットール注入した。分子量は、ポリスチレン換算値である。
【0312】
(バインダ樹脂、及び分散樹脂の酸価)
バインダ樹脂、及び分散樹脂溶液0.5~1gに、アセトン80ml及び水10mlを加えて攪拌して均一に溶解させ、0.1mol/LのKOH水溶液を滴定液として、自動滴定装置(「COM-555」平沼産業社製)を用いて滴定し、酸価(mgKOH/g)を測定した。そして、樹脂溶液の酸価と樹脂溶液の不揮発分濃度から、樹脂の不揮発分あたりの酸価を算出した。
【0313】
(分散樹脂のアミン価)
分散樹脂のアミン価は、ASTM D 2074の方法に準拠し、測定した全アミン価(mgKOH/g)を不揮発分換算した値である。
【0314】
(特定金属元素の含有量測定)
ICP発光分光分析装置(島津製作所社製ICPE-9800)を用いて、感光性着色組成物に含まれるLi、Na、K、Mg、Ca、Fe、Al、及びCrの含有量を測定した。
【0315】
(水の含有量測定)
カールフィッシャー滴定装置(三菱化学社製の容量滴定式水分測定装置KF-06型)を用いて、感光性着色組成物に含まれる水の含有量を測定した。
【0316】
(ジルコニウム化合物の含有量測定)
ICP質量分析装置(島津製作所社製ICPMS-2030)を用いて、感光性着色組成物に含まれるジルコニウム濃度換算の含有量を測定した。
【0317】
<着色剤(A)の製造>
(微細化した着色剤(A-1))
300mLフラスコに、塩化スルフリル91部、塩化アルミニウム109部、塩化ナトリウム15部、亜鉛フタロシアニン30部、臭素59部を仕込んだ。130℃まで40時間かけて昇温し、水に取り出した後、ろ過することにより1分子中のハロゲン原子数が平均12.71個であり、そのうち臭素原子数が平均10.22個、塩素原子数が平均2.49個であるハロゲン化亜鉛フタロシアニン化合物を得た。
前記ハロゲン化亜鉛フタロシアニン化合物を100部、塩化ナトリウム1,200部、及びジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、70℃で6時間混練した。次に、この混練物を3,000部のイオン交換水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌後、濾過した(洗浄工程)。この洗浄工程を3回繰り返した後、80℃で一昼夜乾燥し、微細化した着色剤(A-1)を得た。
【0318】
(微細化した着色剤(A-2))
特開2012-226110号公報の実施例8の合成方法に従って、下記化学式(22)で表されるキノフタロン化合物を得た。
化学式(22)で表されるキノフタロン化合物100部、塩化ナトリウム700部、及びジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次に、この混合物をイオン交換水3,000部に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌後、濾過した(洗浄工程)。この洗浄工程を3回繰り返した後、80℃で一昼夜乾燥し、微細化した着色剤(A-2)を得た。
化学式(22)
【化19】
【0319】
(微細化した着色剤(A-3))
300mLフラスコに、塩化スルフリル91部、塩化アルミニウム109部、塩化ナト
リウム15部、亜鉛フタロシアニン30部、臭素59部を仕込んだ。130℃まで40時間かけて昇温し、水に取り出した後、ろ過することにより1分子中のハロゲン原子数が平均12.71個であり、そのうち臭素原子数が平均10.22個、塩素原子数が平均2.49個であるハロゲン化亜鉛フタロシアニン化合物を得た。
前記ハロゲン化亜鉛フタロシアニン化合物を100部、塩化ナトリウム1200部、及びジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、70℃で6時間混練した。次に、この混練物を水道水3,000部に投入し、室温で1時間撹拌後、濾過した。その後、80℃で一昼夜乾燥し、微細化した着色剤(A-3)を得た。
【0320】
(微細化した着色剤(A-4))
特開2012-226110号公報の実施例8の合成方法に従って、上記化学式(22)で表されるキノフタロン化合物を得た。
化学式(22)で表されるキノフタロン化合物100部、塩化ナトリウム700部、及びジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次に、この混練物を水道水3,000部に投入し、室温で1時間撹拌後、濾過した。その後、80℃で一昼夜乾燥し、微細化した着色剤(A-4)を得た。
【0321】
<分散樹脂(B)の製造>
(酸性基を有する分散樹脂(B1-1)溶液)
ガス導入管、温度、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メタクリル酸10部、メチルメタクリレート100部、i-ブチルメタクリレート70部、ベンジルメタクリレート20部、PGMAc50部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を50℃に加熱撹拌し、3-メルカプト-1,2-プロパンジオール12部を添加した。90℃に昇温し、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.1部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMAc)90部に加えた溶液を添加しながら7時間反応した。不揮発分測定により95%が反応したことを確認した。ピロメリット酸無水物19部、PGMAc50部、シクロヘキサノン50部、触媒として1,8-ジアザビシクロ-[5.4.0]-7-ウンデセン0.4部を追加し、100℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了し、不揮発分測定で不揮発分30%となるようPGMAcを加えて希釈し、酸価70mgKOH/g、重量平均分子量8,500の酸性基を有する分散樹脂(B1-1)溶液を得た。
【0322】
(酸性基を有する分散樹脂(B1-1-2)溶液)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、1-チオグリセロール108部、ピロメリット酸無水物174部、PGMAc650部、触媒としてモノブチルスズオキシド0.2部を仕込み、窒素ガスで置換した後、120℃で5時間反応させた(第一工程)。酸価の測定で95%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認した。次に、第一工程で得られた化合物を不揮発分換算で160部、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート200部、エチルアクリレート200部、t-ブチルアクリレート150部、2-メトキシエチルアクリレート200部、メチルアクリレート200部、メタクリル酸50部、PGMAc663部を仕込み、反応容器内を80℃に加熱して、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)1.2部を添加し、12時間反応した(第二工程)。不揮発分測定により95%が反応したことを確認した。最後に、第二工程で得られた化合物の50%PGMAc溶液を500部、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(MOI)27.0部、ヒドロキノン0.1部を仕込み、IRにてイソシアネート基に基づく2270cm-1のピークの消失を確認するまで反応を行った(第三工程)。ピーク消失の確認後、反応溶液を冷却して、PGMAcで不揮発分調整することにより不揮発分30%の酸性基を有する分散樹脂(B1-1-2)溶液を得た。得られ
た酸性基を有する分散樹脂(B1-1-2)の酸価は68mgKOH/g、不飽和二重結合当量は1,593、重量平均分子量は13,000であった。
【0323】
(塩基性を有する分散樹脂(B2-1)溶液)
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応装置に、メチルメタクリレート30部、nーブチルメタクリレート30部、ヒドロキシエチルメタクリレート20部、テトラメチルエチレンジアミン13.2部を仕込み、窒素を流しながら50℃で1時間撹拌し、系内を窒素置換した。次に、ブロモイソ酪酸エチル9.3部、塩化第一銅5.6部、PGMAc133部を仕込み、窒素気流下で、110℃まで昇温して第一ブロック(Bブロック)の重合を開始した。4時間重合後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して重合転化率が98%以上であることを確認した。
次に、この反応装置に、PGMAc61部、第二ブロック(Aブロック)モノマーとして1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジルメタクリレート20部(日立化成工業社製、ファンクリルFA-711MM)を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、反応を継続した。1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジルメタクリレート投入から2時間後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して第二ブロック(Aブロック)の重合転化率が98%以上であることを確認し、反応溶液を室温まで冷却して重合を停止した。不揮発分測定で不揮発分30%となるようPGMAcを加えて希釈し、不揮発分当たりのアミン価が57mgKOH/g、数平均分子量4,500(Mn)の塩基性を有する分散樹脂(B2-1)溶液を得た。
【0324】
(塩基性を有する分散樹脂(B2-2)溶液)
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた500mL丸底4口セパラブルフラスコに、テトラヒドロフラン(THF)250質量部及び開始剤のジメチルケテンメチルトリメチルシリルアセタール5.81質量部を、添加用ロートを介して加え、充分に窒素置換を行った。触媒のテトラブチルアンモニウムm-クロロベンゾエートの1モル/Lアセトニトリル溶液0.5質量部を、シリンジを用いて注入し、親溶剤性を有するブロック用モノマーのメタクリル酸2-ヒドロキシエチル19.7質量部、メタクリル酸2-エチルヘキシル7.5質量部、メタクリル酸n-ブチル12.9質量部、メタクリル酸ベンジル10.7質量部、メタクリル酸メチル30.9質量部を、添加用ロートを用いて60分かけて滴下した。反応フラスコを氷浴で冷却することにより、温度を40℃未満に保った。1時間後、色材吸着機能ブロック用モノマーであるジメチルアミノプロピルメタクリルアミド18.3質量部を20分かけて滴下した。1時間反応させた後、メタノール1質量部を加えて反応を停止させた。得られたブロック共重合体THF溶液はヘキサン中で再沈殿させ、濾過、真空乾燥により精製を行った。
続いて、100mL丸底フラスコ中でPGMAc35質量部に、得られたブロック共重合体15.0質量部を溶解させ、塩形成成分であるフェニルホスフィン酸1.1質量部(ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドに対し、0.5モル等量)加え、反応温度30℃で20時間攪拌し、PGMAcを添加して調整し、不揮発分30%の塩基性を有する分散樹脂(B2-2)溶液を得た。
【0325】
<重合性化合物(C)の製造>
(ウレタン結合を有する重合性化合物(C-4)溶液)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下管を備えた5口フラスコに、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート400部、PGMAc100部、N,N-ジメチルベンジルアミン0.5部を仕込み、70℃に昇温し、滴下管からトルエンジイソシアネート66部とPGMAc66部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下後、50~70℃の温度で8時間反応させ、IRにより2180cm-1のイソシアネートの吸収の消失を確認した。ついで、メルカプト酢酸35部、4-メトキシフェノール0.6部を仕込み、50~60℃の温度で6時間反応させた。不揮発分が50質量%となるように調整し、ウレタ
ン結合を有する重合性化合物(C-4)溶液を得た。
【0326】
<スルホ基を有するキノフタロン化合物の金属塩(E)の製造>
(スルホ基を有するキノフタロン化合物の銅塩(E-1))
キノフタロン化合物であるC.I.ピグメントイエロー138(BASFジャパン社製「パリオトールイエロー K0960-HD」)30部を101%硫酸300部中に溶解し、70℃にて8時間攪拌し、スルホン化反応を行った。反応の終点は、硫酸溶液の分光スペクトルを測定し、スペクトルの変化が見られなくなる点とした。次いで、この反応溶液を氷水3,000部中に注入し、析出物を濾別、水洗後、80℃で乾燥し、スルホ基を有するキノフタロン化合物を得た。
次に、スルホ基を有するキノフタロン化合物10gを、水500部に加え25℃で2時間撹拌し再分散させた。次いで、この溶液に硫酸銅(II)5水和物4.8部を徐々に添加し、60℃で2時間反応させた。反応物を濾別し、イオン交換水に投入し、70℃で加熱しながら1時間撹拌後、濾過した(洗浄工程)。この洗浄工程を3回繰り返した後、80℃で乾燥し、下記化学式(23)で表されるスルホ基を有するキノフタロン化合物の銅塩(E-1)を得た。
化学式(23)
【化20】
【0327】
<バインダ樹脂(G)の製造>
(バインダ樹脂(G-1)溶液)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン100部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、n-ブチルメタクリレート37.2部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート12.9部、メタクリル酸12.0部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成社製「アロニックスM110」)20.7部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル1.1部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、樹脂溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分間加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにPGMAcを添加してバインダ樹脂(G-1)溶液を調製した。重量平均分子量(Mw)は26,000であった。
【0328】
(バインダ樹脂(G-2)溶液)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン100部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、メタクリル酸20部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)20部、メタクリル酸メチル45部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート8.5部、及び2,2-アゾビスイソブチロニトリル1.33部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、共重合体樹脂溶液を得た。次に得られた共重合体溶液全量に対して、窒素
ガスを停止し乾燥空気を1時間注入しながら攪拌したのちに、室温まで冷却した後、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズMOI)6.5部、ラウリン酸ジブチル錫0.08部、シクロヘキサノン26部の混合物を70℃で3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に1時間反応を継続し、樹脂溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分間加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにシクロヘキサノンを添加してバインダ樹脂(G-2)溶液を調製した。重量平均分子量(Mw)は18,000であった。
【0329】
(バインダ樹脂(G-3)溶液)
温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管及び撹拌装置を備えたセパラブル4口フラスコにシクロヘキサノン200部を仕込み、80℃に昇温し、フラスコ内を窒素置換した後、滴下管より、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)18部、ベンジルメタクリレート10部、グリシジルメタクリレート18.2部、メタクリル酸メチル25部、及び2,2-アゾビスイソブチロニトリル2.0部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下後、更に100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン20部で溶解させたものを添加し、更に100℃で1時間反応を続けた。次に、容器内を空気置換にし、アクリル酸9.3部(グリシジル基の100%)にトリスジメチルアミノフェノール0.5部及びハイドロキノーン0.1部を上記容器内に投入し、120℃で6時間反応を続け不揮発分酸価0.5となったところで反応を終了した。更に、引き続きテトラヒドロ無水フタル酸19.5部(生成した水酸基の100%)、トリエチルアミン0.5部を加え120℃で3.5時間反応させ樹脂溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにPGMAcを添加してバインダ樹脂(G-3)溶液を調製した。重量平均分子量(Mw)は19,000であった。
【0330】
(バインダ樹脂(G-4)溶液)
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、他方、モノマー滴下槽として、ジメチル-2,2’-[オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエート40部、メタクリル酸40部、メタクリル酸メチル120部、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート(日本油脂製「パーブチルO」)4部、PGMAc40部をよく攪拌混合したものを準備し、連鎖移動剤滴下槽として、n-ドデカンチオール8部、PGMAc32部をよく攪拌混合したものを準備した。
反応槽にPGMAc200部を仕込み、窒素置換した後、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。反応槽の温度が90℃に安定してから、モノマー滴下槽および連鎖移動剤滴下槽から滴下を開始した。滴下は、温度を90℃に保ちながら、それぞれ135分間かけて行った。滴下が終了してから60分後に昇温を開始して反応槽を110℃にした。3時間110℃を維持した後、セパラブルフラスコにガス導入管を付け、酸素/窒素=5/95(体積比)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、メタクリル酸グリシジル70部、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)0.4部、トリエチルアミン0.8部を仕込み、そのまま110℃で12時間反応させた。その後、PGMAc150部を加えて室温まで冷却し、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにPGMAcを添加してバインダ樹脂(G-4)溶液を得た。樹脂の重量平均分子量は18,000、不揮発分当たりの酸価は2mgKOH/gであった。
【0331】
(バインダ樹脂(G-5)溶液)
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えたフラスコに、PG
MAc150部を導入し、フラスコ内雰囲気を空気から窒素にした後、100℃に昇温後、ベンジルメタクリレート70.5部(0.40モル)、グリシジルメタクリレート71.1部(0.50モル)、ジシクロペンタニルメタクリレート22.0部(0.10モル)および、PGMAc164部からなる混合物にアゾビスイソブチロニトリル3.6部を添加した溶液を滴下ロ-トから2時間かけてフラスコに滴下し、さらに100℃で5時間撹拌し続けた。次に、フラスコ内雰囲気を窒素から空気にし、メタクリル酸43.0部[0.5モル、(本反応に用いたグリシジルメタクリレートのグリシジル基に対して100モル%)]、トリスジメチルアミノメチルフェノール0.9部およびハイドロキノーン0.145部をフラスコ内に投入し、110℃で6時間反応を続け不揮発分酸価が1mgKOH/gとなったところで反応を終了した。次に、テトラヒドロフタル無水フタル酸60.9部(0.40モル)、トリエチルアミン0.8部を加え、120℃で3.5時間反応させ酸価80mgKOH/gの樹脂溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにPGMAcを添加してバインダ樹脂(G-5)溶液を調製した。重量平均分子量(Mw)は12,000であった。
【0332】
(バインダ樹脂(G-6)溶液)
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えたフラスコに、PGMAc150部を導入し、フラスコ内雰囲気を空気から窒素にした後、100℃に昇温後、ベンジルメタクリレート70.5部(0.40モル)、メタクリル酸43.0部(0.5モル)、ジシクロペンタニルメタクリレート22.0部(0.10モル)およびPGMAc136部からなる混合物にアゾビスイソブチロニトリル3.6部を添加した溶液を滴下ロ-トから2時間かけてフラスコに滴下し、さらに100℃で5時間撹拌し続けた。次に、フラスコ内雰囲気を窒素から空気にし、グリシジルメタクリレート35.5部[0.25モル、(本反応に用いたメタクリル酸のカルボキシル基に対して50モル%)]、トリスジメチルアミノメチルフェノール0.9部およびハイドロキノーン0.145部をフラスコ内に投入し、110℃で6時間反応を続け、酸価が79mgKOH/gの樹脂溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにPGMAcを添加してバインダ樹脂(G-6)溶液を調製した。重量平均分子量(Mw)は13,000であった。
【0333】
<分散体の製造>
(分散体1)
下記の原料を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビ-ズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM-250 MKII」)で3時間分散した後、孔径1.0μmのフィルタで濾過し、分散体1を作製した。有機溶剤(Q-1)は、PGMAcである。
微細化した着色剤(A1-1) :10.0部
酸性基を有する分散樹脂(B1-1-2)溶液 :10.0部
塩基性を有する分散樹脂(B2-1)溶液 :7.0部
バインダ樹脂(G-1)溶液 :10.0部
有機溶剤(Q-1) :63.0部
【0334】
(分散体2~7)
表1に記載した原料、量を変えた以外は、分散体1と同様にして分散体2~7を作製した。
【0335】
【0336】
<感光性着色組成物の製造>
[実施例1]
(感光性着色組成物1)
容器に、乾燥した窒素ガスを吹き込みながら、以下の原料を投入し、2時間攪拌した。その後、孔径1.0μmのフィルタで濾過して感光性着色組成物1を得た。
分散体1 :30.0部
分散体2 :12.5部
分散体3 :12.5部
重合性化合物(C) :2.0部
オキシム系光重合開始剤(D1-1):0.5部
バインダ樹脂(G) :5.0部
増感剤(H) :0.2部
熱硬化性化合物(I) :1.0部
チオール系連鎖移動剤(J) :0.1部
重合性禁止剤(K) :0.1部
紫外線吸収剤(L) :0.1部
酸化防止剤(M) :0.1部
レベリング剤(N) :1.5部
貯蔵安定剤(O) :0.1部
有機溶剤(Q) :34.3部
【0337】
得られた感光性着色組成物1を、遠心分離機(日立工機社製himacCP-NX)で遠心分離を行った。
【0338】
得られた感光性着色組成物1について、特定金属元素の含有量、水の含有量、及びジルコニウム化合物の含有量を測定した。
【0339】
[実施例2~11、比較例1~3]
(感光性着色組成物2~11、13~15)
実施例1の感光性着色組成物1を、表2-1、表2-2に記載した原料、量に変えた以外は、実施例1と同様にして感光性着色組成物2~11、感光性着色組成物13~15を作製し、特定金属元素の含有量、水の含有量、及びジルコニウム化合物の含有量を測定した。
【0340】
[実施例12、比較例4]
(感光性着色組成物12、16)
実施例12の感光性着色組成物12については、遠心分離を行わなかった以外は、実施例1の感光性着色組成物1と同じ方法で作成した。また、比較例4の感光性着色組成物1
6については、感光性着色組成物を作製する際に、乾燥した窒素ガスの吹き込みを行わなかった以外は、実施例1の感光性着色組成物1と同じ方法で作成した。
【0341】
【0342】
【0343】
表2-1、表2-2に記載したそれぞれの原料については、以下の通りである。
【0344】
[重合性化合物(C)]
(C-1):アロニックスM-521(東亞合成社製、酸性基を有するアクリレート)(C-2):KAYARAD DPCA-30(日本化薬社製、ラクトン変性アクリレート)
(C-3):KAYARAD DPHA(日本化薬社製、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物)
(C-4):上述のウレタン結合を有する重合性化合物(C―4)溶液
以上、(C-1)~(C-4)をそれぞれ同量混合し、重合性化合物(C)とした。
【0345】
[オキシム系光重合開始剤(D)]
(一般式(1)で表される化合物(D1))
(D1-1):上述の化学式(15)の化合物
(D1-2):上述の化学式(16)の化合物
(D1-3):上述の化学式(17)の化合物
(D1-4):上述の化学式(18)の化合物
(D1-5):上述の化学式(19)の化合物
(D1-6):上述の化学式(20)の化合物
【0346】
(一般式(1)で表される化合物(D1)以外のオキシム系光重合開始剤)
(D-1):IRGACURE OXE-01(BASFジャパン社製、オキシム系光重合開始)
(D-2):IRGACURE OXE-04(BASFジャパン社製、オキシム系光重合開始剤)
【0347】
[その他光重合開始剤(F)]
(F-1):Omnirad 369(IGM Resins社製、アセトフェノン系光重合開始剤)
(F-2):Omnirad 907(IGM Resins社製、アセトフェノン系光重合開始剤)
【0348】
[バインダ樹脂(G)溶液]
バインダ樹脂(G-1)~(G-6)溶液をそれぞれ同量にて混合し、バインダ樹脂(G)溶液とした。
【0349】
[増感剤(H)]
(H-1):カヤキュアDETX-S(日本化薬社製)
(H-2):CHEMARK DEABP(Chemark Chemical社製)
以上、(H-1)、(H-2)をそれぞれ同量にて混合し、増感剤(H)とした。
【0350】
[熱硬化性化合物(I)]
(エポキシ化合物(I1)
(I1-1):EHPE-3150(ダイセル社製)
(I1-2):デナコールEX611(ナガセケムテックス社製)
(I1-3):イソシアヌル酸トリグリシジル
以上、(I1-1)~(I1-3)をそれぞれ同量混合し、熱硬化性化合物(I)とした。
【0351】
[チオール系連鎖移動剤(J)]
(J-1):トリメチロ-ルエタントリス(3-メルカプトブチレート)
(J-2):トリメチロ-ルプロパントリス(3-メルカプトブチレート)
(J-3):ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)
(J-4):トリメチロ-ルプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)
(J-5):トリス[(3-メルカプトプロピオニルオキシ)-エチル]-イソシアヌレート
以上、(J-1)~(J-5)をそれぞれ同量にて混合し、チオール系連鎖移動剤(J)とした。
【0352】
[重合禁止剤(K)]
(K-1):4-メチルカテコール
(K-2):メチルヒドロキノン
(K-3):t-ブチルヒドロキノン
以上、(K-1)~(K-3)をそれぞれ同量にて混合し、重合禁止剤(K)とした。
【0353】
[紫外線吸収剤(L)]
(L-1):TINUVIN400(BASFジャパン社製)
(L-2):TINUVIN900(BASFジャパン社製)
以上、(L-1)、(L-2)をそれぞれ同量にて混合し、紫外線吸収剤(L)とした。
【0354】
[酸化防止剤(M)]
(M-1):ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート
(M-2):3,3-チオジプロパン酸ジオクタデシル
(M-3):トリス[2,4-ジ-(t)-ブチルフェニル]ホスフィン
(M-4):ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート
(M-5):サリチル酸p-オクチルフェニル
以上、(M-1)~(M-5)をそれぞれ同量にて混合し、酸化防止剤(M)とした。
【0355】
[レベリング剤(N)]
(N-1):BYK-330(ビックケミー社製)
(N-2):メガファックF-551(DIC社製)
以上、(N-1)、(N-2)をそれぞれ1部混合し、PGMAc98部に溶解させた混合溶液をレベリング剤(N)とした。
【0356】
[貯蔵安定剤(O)]
(O-1):2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-メチルフェノール
(O-2):トリフェニルホスフィン
以上、(O-1)、(O-2)をそれぞれ同量にて混合し、貯蔵安定剤(O)とした。
【0357】
[有機溶剤(Q)]
(Q-1):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 30部
(Q-2):シクロヘキサノン 30部
(Q-3):3-エトキシプロピオン酸エチル 10部
(Q-4):プロピレングリコールモノメチルエーテル 10部
(Q-5):シクロヘキサノールアセテート 10部
(Q-6):ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート 10部
以上、(Q-1)~(Q-6)をそれぞれ上記質量部にて混合し、有機溶剤(Q)とした。
【0358】
<感光性着色組成物の評価>
得られた感光性着色組成物1~16(実施例1~12、比較例1~4)について、下記の評価を行った。評価結果を表3に示す。
【0359】
[初期感度評価]
得られた感光性着色組成物を、ガラス基板上に、スピンコーターを用いて乾燥膜厚が1.2μmとなるように回転塗工し、120℃で120秒間プリベークを行った。次いで、この基板を室温に冷却後、超高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介して紫外線を露光した。その後、この基板を23℃の炭酸ナトリウム水溶液を用いてスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄して風乾し、クリーンオーブン中で、230℃で30分間熱処理を行い、基板上にストライプ状の着色画素を形成した。
形成された着色画素のパターンがフォトマスクの画像寸法どおりに仕上がる最低照射露光量により、感光性着色組成物の感度を評価した。3以上が実用可能である。
5:50mJ/cm2未満
4:50以上、80mJ/cm2未満
3:80以上、120mJ/cm2未満
2:120以上、150mJ/cm2未満
1:150mJ/cm2以上
【0360】
[保存安定性評価(1):粘度変化率]
得られた感光性着色組成物を、密閉した容器に入れ40℃1週間保管し、保管前後の粘度の変化率を下記式で算出し評価した。粘度は、E型粘度計(東機産業社製「ELD型粘度計」)を用いて、25℃において回転数50rpmという条件で測定した。2以上が実用可能である。
[経時粘度変化率]=|([初期粘度]-[経時粘度])/[初期粘度]|×100
3: 変化率5%未満のもの
2: 変化率5%以上10%未満のもの
1: 変化率10%以上のもの
【0361】
[保存安定性評価(2):経時感度]
得られた感光性着色組成物を、密閉した容器に入れ40℃1週間保管し、保管後の感光性着色組成物を初期感度評価と同じ条件でパターンを作成した。
形成されたパターンについて、走査線電子顕微鏡を用いて、パターンの幅を測定し、以下の基準で評価した。2以上が実用可能である。
3:保管後の感光性着色組成物を用いたパターン幅が、初期感度評価のパターン幅の95~105%の範囲
2:保管後の感光性着色組成物を用いたパターン幅が、初期感度評価のパターン幅の90~110%の範囲
1:保管後の感光性着色組成物を用いたパターン幅が、初期感度評価のパターン幅の90%を下回るか、110%を超える
【0362】
[異物評価]
得られた感光性着色組成物をガラス基板上に、熱処理後の塗膜の色度値がC光源でy=0.60となるようにスピンコーターを用いて塗布した。次に、70℃20分乾燥させ、所定のマスクと超高圧水銀ランプを用いて照度30mW/cm2、50mJ/cm2で露光を行い、23℃の炭酸ナトリウム水溶液でスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄、風乾しパターン画素を形成した。
その後、オーブンで230℃40分間の熱処理を行い、パターン画素の間のガラス基板上の異物の数を計測した。評価は、金属顕微鏡「BX60」(オリンパスシステム社製)を用いて表面観察を行った。倍率は500倍とし、透過にて任意の5視野で観測可能な異物の数を積算で計測した。3以上が実用可能である。
5:異物の数が5個未満
4:異物の数が5個以上、10個未満
3:異物の数が10個以上、20個未満
2:異物の数が20個以上、50個未満
1:異物の数が50個以上
【0363】
[明度評価]
得られた感光性着色組成物をガラス基板上に、熱処理後の塗膜の色度値がC光源でy=0.60となるようにスピンコーターを用いて塗布し、70℃20分乾燥させた。次いで、超高圧水銀ランプを用いて照度30mW/cm2、50mJ/cm2で露光を行い、23℃の炭酸ナトリウム水溶液でスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄・風乾し、オーブンで230℃40分間熱処理を行い、ガラス基板上に着色組成物層を形成した。
次いで、着色組成物層上に、スピンコーターを用いてオーバーコート剤を塗布し、減圧乾燥機で有機溶剤を除去した。その後、ホットプレートで90℃2分間焼成後、230℃60分間熱処理を行い、明度評価用基板を得た。
得られた明度評価用基板のXYZ表色系における初期明度を、LVmicroZ(ラムダビジョン社製)で測定した。その後、470W/m2のキセノンランプを用いて紫外線を200時間照射した後、再度明度を測定した。下記式より、明度変化率を求めた。3以
上が実用可能である。
明度変化率=|200時間後明度-初期明度|/初期明度×100
5:3%未満
4:3%以上、5%未満
3:5%以上、10%未満
2:10%以上、15%未満
1:15%以上
【0364】