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特開2023-159553支援システム、支援方法及び支援プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159553
(43)【公開日】2023-11-01
(54)【発明の名称】支援システム、支援方法及び支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20231025BHJP
【FI】
G16H20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】28
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022069298
(22)【出願日】2022-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】501138622
【氏名又は名称】エムスリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】居山 大輔
(72)【発明者】
【氏名】谷 春菜
(72)【発明者】
【氏名】山根 有紀子
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】運動の支援を可能にする支援システム、支援方法及び支援プログラムを提供する。
【解決手段】支援システム100において、処理装置は、ユーザの運動耐容能情報を含む取得情報に基づいて、ユーザの運動プランを生成する処理部を備える。運動耐容能情報は、身体活動能力質問表(Specific Activity Scale)結果、ニューヨーク心臓協会(New York Association)心機能分類結果及び30秒椅子立ち上がりテスト(Chari Stand 30)結果の少なくとも1つを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの運動耐容能情報を含む取得情報に基づいて、前記ユーザの運動プランを生成する処理部、
を備える、
支援システム。
【請求項2】
前記運動耐容能情報は、SAS結果、NYHA心機能分類結果及びCS30結果の少なくとも1つを含む、
請求項1に記載の支援システム。
【請求項3】
前記取得情報は、前記ユーザの連続歩行の情報を含み、
前記連続歩行の情報は、歩数の情報、歩行速度の情報、歩行時間の情報及び歩行距離の情報の少なくとも1つを含む、
請求項1に記載の支援システム。
【請求項4】
前記取得情報は、前記ユーザの血液検査結果を含み、
前記血液検査結果は、EF値及びBNP値の少なくとも一方を含む、
請求項1に記載の支援システム。
【請求項5】
前記運動プランは、有酸素運動及び筋力運動の少なくとも一方を含む、
請求項1に記載の支援システム。
【請求項6】
前記運動プランは、運動動画を含む、
請求項1に記載の支援システム。
【請求項7】
前記処理部は、前記取得情報に基づいて、運動指標を決定し、決定した前記運動指標に基づいて、前記運動プランを生成する、
請求項1に記載の支援システム。
【請求項8】
前記運動指標は、運動強度を含み、
前記処理部は、前記取得情報に基づいて、前記運動強度を決定する、
請求項7に記載の支援システム。
【請求項9】
前記運動指標は、運動強度及び有酸素運動の目標運動頻度を含み、
前記処理部は、決定した前記運動強度に基づいて、前記有酸素運動の目標運動頻度を決定する、
請求項7に記載の支援システム。
【請求項10】
前記取得情報は、前記ユーザの運動禁忌の情報を含み、
前記運動指標は、筋力運動の目標運動頻度を含み、
前記処理部は、前記ユーザの運動禁忌の情報に基づいて、前記筋力運動の目標運動頻度を決定する、
請求項7に記載の支援システム。
【請求項11】
前記運動指標は、運動強度及び有酸素運動の目標運動時間を含み、
前記処理部は、決定した前記運動強度に基づいて、前記有酸素運動の目標運動時間を決定する、
請求項7に記載の支援システム。
【請求項12】
前記取得情報は、前記ユーザの安静時心拍数の情報、前記ユーザの年齢の情報及び前記ユーザの薬の情報を含み、
前記運動指標は、運動強度及び有酸素運動の目標心拍数を含み、
前記処理部は、前記ユーザの安静時心拍数の情報、前記ユーザの年齢の情報、前記ユーザの薬の情報及び決定した前記運動強度に基づいて、前記有酸素運動の目標心拍数を決定する、
請求項7に記載の支援システム。
【請求項13】
前記取得情報は、前記ユーザのペースメーカの情報を含み、
前記運動指標は、筋力運動の目標心拍数を含み、
前記処理部は、前記ユーザのペースメーカの情報に基づいて、前記筋力運動の目標心拍数を決定する、
請求項7に記載の支援システム。
【請求項14】
前記取得情報は、前記ユーザの疼痛箇所の情報を含み、
前記運動指標は、有酸素運動の運動種類を含み、
前記処理部は、前記ユーザの疼痛箇所の情報に基づいて、前記有酸素運動の運動種類を決定する、
請求項7に記載の支援システム。
【請求項15】
前記取得情報は、前記ユーザの疼痛箇所の情報及び前記ユーザの強化箇所の情報の少なくとも一方を含み、
前記運動指標は、筋力運動の運動種類を含み、
前記処理部は、前記ユーザの疼痛箇所の情報及び前記ユーザの強化箇所の情報の少なくとも一方に基づいて、前記筋力運動の運動種類を決定する、
請求項7に記載の支援システム。
【請求項16】
前記取得情報は、前記ユーザに提示された前記運動プランについてのフィードバック情報を含み、
前記処理部は、前記フィードバック情報を含む前記取得情報に基づいて、前記運動プランを変更する、
請求項1に記載の支援システム。
【請求項17】
前記フィードバック情報は、前記ユーザの自覚的運動強度の情報を含む、
請求項16に記載の支援システム。
【請求項18】
前記自覚的運動強度の情報は、ボルグスケールの値を含む、
請求項17に記載の支援システム。
【請求項19】
前記処理部は、前記フィードバック情報を含む前記取得情報に基づいて、運動指標を変更し、変更した前記運動指標に基づいて、前記運動プランを変更する、
請求項16に記載の支援システム。
【請求項20】
前記取得情報は、前記ユーザの睡眠時間の情報、前記ユーザの皮膚温度の情報、前記ユーザの血圧の情報、前記ユーザの体重の情報、前記ユーザの心拍変動の情報、前記ユーザの呼吸数の情報、前記ユーザの血中酸素濃度の情報、前記ユーザの運動頻度の情報、前記ユーザの運動時心拍数の情報、前記ユーザの運動時間の情報、前記ユーザの睡眠スコアの情報、前記ユーザの基礎疾患の情報、前記ユーザの合併症の情報、前記ユーザの心不全自覚症状の情報、前記ユーザの自覚的運動強度の情報、前記ユーザの運動動画評価の情報及び前記ユーザの運動動画再生時間の情報の少なくとも1つを含む、
請求項19に記載の支援システム。
【請求項21】
前記運動指標は、有酸素運動の目標心拍数、目標運動頻度、目標運動時間及び運動強度の少なくとも1つを含む、
請求項19に記載の支援システム。
【請求項22】
前記取得情報は、前記ユーザの運動時心拍数の情報及び前記ユーザの自覚的運動強度の情報を含み、
前記運動指標は、有酸素運動の目標心拍数を含み、
前記処理部は、前記ユーザの運動時心拍数の情報及び前記ユーザの自覚的運動強度の情報に基づいて、前記有酸素運動の目標心拍数を変更する、
請求項19に記載の支援システム。
【請求項23】
前記取得情報は、前記ユーザの運動頻度の情報、前記ユーザの運動時間の情報及び前記ユーザの自覚的運動強度の情報を含み、
前記運動指標は、目標運動頻度、目標運動時間及び運動強度を含み、
前記処理部は、前記ユーザの運動頻度の情報、前記ユーザの運動時間の情報及び前記ユーザの自覚的運動強度の情報に基づいて、前記目標運動頻度、前記目標運動時間及び前記運動強度の少なくとも1つを変更する、
請求項19に記載の支援システム。
【請求項24】
前記取得情報は、前記ユーザの安静時心拍数の情報及び前記ユーザの睡眠スコアの情報を含み、
前記運動指標は、目標運動時間及び運動強度を含み、
前記処理部は、前記ユーザの安静時心拍数の情報及び前記ユーザの睡眠スコアの情報に基づいて、前記目標運動時間及び前記運動強度の少なくとも一方を変更する、
請求項19に記載の支援システム。
【請求項25】
前記処理部は、前記取得情報に基づいて、前記ユーザの運動のレポートを生成する、
請求項1に記載の支援システム。
【請求項26】
前記処理部によって生成された前記運動プランを、変更可能な態様で医療従事者に提示する表示部、
を備える、
請求項1に記載の支援システム。
【請求項27】
ユーザの運動耐容能情報を含む取得情報に基づいて、前記ユーザの運動プランを生成すること、
を含む、
支援方法。
【請求項28】
コンピュータに、
ユーザの運動耐容能情報を含む取得情報に基づいて、前記ユーザの運動プランを生成する処理、
を実行させる、
支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、支援システム、支援方法及び支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1は、医療機関により確認されていない運動を患者が行うことを防止するために、担当医師による確認結果情報を医療機関から取得する技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-72036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
適切な運動負荷を決めるためには、例えばCPX試験(心肺運動負荷試験)を実施する必要があるが、実施負担が大きいという問題がある。適切な負荷の運動を提案して患者の運動を支援する技術について、検討の余地がある。
【0005】
本開示の一側面は、運動の支援を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面に係る支援システムは、ユーザの運動耐容能情報を含む取得情報に基づいて、ユーザの運動プランを生成する処理部、を備える。
【0007】
本開示の一側面に係る支援方法は、ユーザの運動耐容能情報を含む取得情報に基づいて、ユーザの運動プランを生成すること、を含む。
【0008】
本開示の一側面に係る支援プログラムは、コンピュータに、ユーザの運動耐容能情報を含む取得情報に基づいて、ユーザの運動プランを生成する処理、を実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る支援システム100の概略構成の例を示す図である。
図2】ユーザ端末2によるアンケート情報の取得の例を示す図である。
図3】ユーザ端末2によるアンケート情報の取得の例を示す図である。
図4】取得情報331の例を示す図である。
図5】運動指標332の例を示す図である。
図6】運動強度の決定の例を示すフローチャートである。
図7】運動強度の決定の別の例を示すフローチャートである。
図8】有酸素運動の目標運動頻度の決定の例を示すフローチャートである。
図9】筋力運動の目標運動頻度の決定の例を示すフローチャートである。
図10】有酸素運動の目標運動時間の決定の例を示すフローチャートである。
図11】筋力運動の目標心拍数の決定の例を示すフローチャートである。
図12】有酸素運動の運動種類の決定の例を示すフローチャートである。
図13】筋力運動の運動種類の決定の例を示すフローチャートである。
図14】動画データ333のデータフォーマットの例を示す図である。
図15】マトリクス管理される運動動画の例を示す図である。
図16】ユーザ端末2による運動プラン334の提示の例を示す図である。
図17】運動動画の再生の例を示す図である。
図18】取得情報331の例を示す図である。
図19】ユーザ端末2によるフィードバック情報の取得の例を示す図である。
図20】有酸素運動の目標心拍数の変更の例を示すフローチャートである。
図21A】目標運動頻度、目標運動時間及び運動強度の変更の例を示すフローチャートである。
図21B】目標運動頻度、目標運動時間及び運動強度の変更の例を示すフローチャートである。
図22】目標運動時間及び運動強度の変更の例を示すフローチャートである。
図23】ユーザ端末2による変更提案の提示の例を示す図である。
図24】ユーザ端末2による変更提案の提示の例を示す図である。
図25】ユーザ端末2による変更提案の提示の例を示す図である。
図26】ユーザ端末2によるレポートの提示の例を示す図である。
図27】医療従事者端末4によるユーザUの管理の例を示す図である。
図28】医療従事者端末4によるユーザUの運動プラン334の変更の例を示す図である。
図29】医療従事者端末4によるユーザUの運動プラン334の変更の例を示す図である。
図30】支援システム100において実行される処理(支援方法)の例を示すフローチャートである。
図31】ハードウェア構成の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本開示の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の各実施形態において、同一の要素には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0011】
以下に示す項目順序に従って本開示を説明する。
1.実施形態
2.変形例
3.ハードウェア構成の例
4.効果の例
【0012】
1.実施形態
図1は、実施形態に係る支援システム100の概略構成の例を示す図である。支援システム100のユーザを、ユーザUと称し図示する。ユーザUは、疾患を有する患者であってよい。疾患の例は、心疾患、高齢者特有の疾患であるサルコペニア、フレイル等である。矛盾の無い範囲において、ユーザ及び患者は適宜読み替えられてよい。
【0013】
支援システム100では、ユーザUに適した負荷の運動プランが生成され、ユーザUに提示される。また、運動プランについてのフィードバック情報に基づいて、運動プランが変更され、ユーザUに提示される。まずは初回の運動を含む運動プランの生成までについて説明する。
【0014】
支援システム100は、センサ1と、ユーザ端末2と、支援装置3と、医療従事者端末4とを含む。これらの装置は、ネットワークNを介して通信可能に構成される。なお、センサ1及びユーザ端末2は、近距離無線通信等によって通信可能であってよく、センサ1は、ユーザ端末2を介してネットワークNに接続されてもよい。
【0015】
センサ1は、ユーザUの生体情報等を取得する。センサ1によって得られる情報を、センシング情報とも称する。センシング情報は、センサ1によって取得されたデータそのものであってもよいし、センサ1によって取得されたデータに基づく演算等によって取得された情報(特徴量等)であってもよい。センサ1には、後述の具体的なセンシング情報を取得することが可能な種々の公知のセンサが用いられてよい。センサ1は、生体センサ等を含んで構成されたウェアラブルセンサであってもよい。なお、センサ1の少なくとも一部の機能は、ユーザ端末2に組み入れられてもよい。
【0016】
ユーザ端末2は、ユーザUが利用する端末である。ユーザ端末2の例は、スマートフォン、タブレット端末、PC、テレビ等であり、医療従事者端末4も同様であってよい。ユーザ端末2のユーザインタフェースの一例として、表示部2aが符号を付して例示される。表示部2aは、例えばタッチパネルディスプレイを含んで構成される。ユーザ端末2は、開示される技術に必要な処理を実行できるように構成される。例えば専用のアプリケーションプログラムが、ユーザ端末2にインストールされている。
【0017】
ユーザ端末2は、センサ1では取得困難な情報を取得する。そのような情報の一例は、アンケート情報である。アンケート情報は、問診情報等を含んでよい。ユーザ端末2によるアンケート情報の取得について、図2及び図3を参照して説明する。
【0018】
図2及び図3は、ユーザ端末2によるアンケート情報の取得の例を示す図である。ユーザ端末2の表示部2aは、アンケートQ-1、アンケートQ-2及びアンケートQ―3のような各種のアンケートを、ユーザUに提示する。アンケートQ―1が選択されると、図3のようにアンケートQ-1の詳細が表示され、ユーザUが回答する。同様の処理がアンケートQ-2及びアンケートQ-3等でも行われる。例えばこのようにして、アンケート情報が取得される。
【0019】
図1に戻り、センサ1によって取得されたセンシング情報、及び、ユーザ端末2によって取得されたアンケート情報は、センサ1及びユーザ端末2から支援装置3に送信される。
【0020】
図1には、支援装置3の機能ブロックの例も示される。支援装置3は、取得部31と、処理部32と、記憶部33とを含む。記憶部33に記憶される情報として、取得情報331、運動指標332、動画データ333、運動プラン334、レポート335及び支援プログラム336が例示される。これらの情報のうち、支援プログラム336は、コンピュータを支援装置3として機能させるためのプログラム(ソフトウェア)である。他の情報についてはこの後で適宜説明する。
【0021】
取得部31は、ユーザUの情報を取得する。具体的に、取得部31は、センサ1及びユーザ端末2から支援装置3に送信された情報を取得する。取得部31によって取得された情報が、取得情報331として、記憶部33に記憶され蓄積(保存等)される。取得情報331について、図4も参照して説明する。
【0022】
図4は、取得情報331の例を示す図である。取得情報331は、センシング情報と、アンケート情報とを含む。先に述べたように、センシング情報はセンサ1によって取得された情報であり、アンケート情報はユーザ端末2によって取得された情報である。
【0023】
センシング情報として、安静時心拍数の情報、連続歩行の情報、睡眠時間の情報、皮膚温度の情報、血圧の情報、体重の情報、心拍変動の情報、呼吸数の情報及び血中酸素濃度の情報が例示される。安静時心拍数の例は、安静時の1分間における心拍数(回/分)である。連続歩行の情報の例は、連続歩行が可能であるか否かの情報、歩数の情報、歩行速度の情報、歩行時間の情報、歩行距離の情報等である。歩数の例は、1分間における歩数(歩数/分)等である。歩行速度の例は、一定時間における歩行平均速度等である。歩行時間の例は、4m歩行の時間等である。歩行距離の例は、6分間における歩行距離等である。その他の情報は名称のとおりである。なお、心拍変動は、HRV(Heart rate variability)等とも称される。
【0024】
アンケート情報として、運動耐容能情報、ユーザ・疾患情報及び血液検査結果情報が例示される。
【0025】
運動耐容能情報として、SAS結果、NYHA心機能分類結果及びCS30結果が例示される。SAS結果は、身体活動能力質問表(Specific Activity Scale)の結果である。NYHA心機能分類結果は、ニューヨーク心臓協会(New York Association)によって規定された心機能分類の結果である。CS30結果は、30秒椅子立ち上がりテスト(Chari Stand 30)の結果である。
【0026】
ユーザ・疾患情報として、年齢の情報、薬の情報、ペースメーカの情報、基礎疾患の情報、合併症の情報、心不全自覚症状の情報、疼痛箇所の情報、強化箇所の情報、環境の情報、及び運動禁忌の情報が例示される。なお、薬は、処方薬や服用薬のことであり、例えばβ遮断薬等である。疼痛箇所の例は、上半身、下半身、全身等であり、より具体的には肩、膝、腰、腕等である。強化箇所は、強化希望箇所又は強化推奨箇所であり、疼痛箇所と同様に特定されてよい。環境は、ユーザUの自宅の運動環境や指導環境を示す。運動環境の例は、空間の広さ、運動器具、椅子、階段の有無等である。指導環境の例は、指導者、指導設備、指導機関等の情報である。
【0027】
血液検査結果として、EF値及びBNP値が例示される。EF値は、駆出率(Ejection Fraction)の値である。BNP値は、脳性ナトリウム利尿ペプチド(Brain Natriuretic Peptide)濃度の値である。
【0028】
例えば上記のようなさまざまなセンシング情報及びアンケート情報を含む取得情報331が、記憶部33に記憶される。なお、いくつかのセンシング情報、例えば連続歩行の情報等は、アンケート情報として取得されてもよい。
【0029】
図1に戻り、処理部32は、取得情報331に基づいて、運動指標332を決定する。運動指標332は、ユーザUにとって適切な負荷の運動を特定等するための運動負荷指標である。運動指標332について、図5も参照して説明する。
【0030】
図5は、運動指標332の例を示す図である。運動指標332は、有酸素運動の運動指標と、筋力運動(筋力トレーニング)の運動指標とを含む。有酸素運動の運動指標として、運動強度、目標運動頻度、目標運動時間、目標心拍数及び運動種類が例示される。筋力運動の運動指標として、運動強度、目標運動頻度、目標心拍数及び運動種類が例示される。なお、以下では、運動強度の単位は、Metsであるものとして説明する。各運動指標の決定について、順に説明する。
【0031】
<運動強度の決定>
処理部32は、取得情報331の少なくとも一部に基づいて運動強度を決定してよい。例えば、処理部32は、ユーザUの運動耐容能情報に基づいて、運動強度を決定してよい。処理部32は、ユーザUの連続歩行の情報に基づいて運動強度を決定してよく、また、ユーザUの血液検査結果に基づいて運動強度を決定してよい。両方の情報、すなわちユーザUの連続歩行の情報及び血液検査結果の組合せに基づいて運動強度が決定されてもよい。図6を参照して説明する。
【0032】
図6は、運動強度の決定の例を示すフローチャートである。とくに説明がある場合を除き、各処理は、処理部32によって実行されるものとする。各処理で用いられる「閾値」、「所定値」等は、処理ごとに異なる値であってよい。以下で述べる閾値、所定値等の具体的な数値は例示に過ぎず、他の値が用いられてもよい。他の決定フローについても同様である。
【0033】
ステップS1において、運動耐容能情報に基づく判断、この例ではSAS結果に対する閾値判断が行われる。SAS結果が閾値以上の場合、ステップS2に処理が進められる。SAS結果が閾値未満の場合、ステップS5に処理が進められる。閾値の例は、1.5Mets、2.0Mets、2.5Mets等である。
【0034】
ステップS2において、連続歩行の情報に基づく判断、この例では歩数/分に対する閾値判断が行われる。歩数/分が閾値未満の場合、ステップS3に処理が進められる。歩数/分が閾値以上の場合、ステップS4に処理が進められる。閾値は、ユーザU(の例えば年齢等)に応じて適宜設定されてよい。閾値の例は、90、95、100、105、110等である。
【0035】
ステップS3、ステップS4又はステップS5において、暫定運動強度が設定される。ステップS3において、暫定運動強度は、所定値に設定される。所定値は、ユーザU(の例えば年齢等)に応じて適宜設定されてよい。所定値の例は、2.0Mets、2.5Mets、3.0Mets等である。ステップS4において、暫定運動強度は、ステップS3での値よりも所与の値αだけ大きい値に設定される。例えば歩数/分が大きくなるにつれて、αも大きくなる。ステップS5において、暫定運動強度は、SAS結果と同じ値に設定される。
【0036】
取得情報331に血液検査が含まれる場合、ステップS6において、血液検査結果に基づく判断により、上述の暫定運動強度をさらに調整することが可能である。この例ではEF値に対する閾値判断が行われる。閾値として、第1の閾値及び第2の閾値が例示される。第2の閾値は、第1の閾値よりも大きい。EF値が第1の閾値未満の場合、ステップS7に処理が進められる。EF値が第1の閾値よりも大きく且つ第2の閾値未満の場合、ステップS8に処理が進められる。EF値が第2の閾値以上又は不明の場合、ステップS9に処理が進められる。第1の閾値の例は、20、25、30、35、40等である。第2の閾値の例は、30、35、40、45、50等である。
【0037】
ステップS7、ステップS8又はステップS9において、運動強度が決定される。ステップS7において、運動強度は、暫定運動強度よりも所定値だけ小さい値に決定される。ステップS8において、運動強度は、暫定運動強度よりも所定値だけ小さい値に決定される。ステップS9において、運動強度は、暫定運動強度と同じ値に決定される。ステップS7における所定値の例は、0.5Mets、1.0Mets、1.5Mets等である。ステップS8における所定値は、ステップS7における所定値よりも少しだけ(例えば0.5Mets、1.0Mets等だけ)小さくてよい。
【0038】
なお、上記では、EF値に対する閾値として、2つの閾値を用いる場合を例に挙げて説明した。ただし、EF値に対する閾値は1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。閾値の数に応じて処理が分岐され、異なる運動強度が決定される。
【0039】
また、取得情報331に血液検査結果が含まれない場合には、上記のステップS6~ステップS9の処理は実行されなくてよい。運動強度は、ステップS3、ステップS4又はステップS5で設定された暫定運動強度と同じ値に決定されてよい。
【0040】
ユーザUが歩行を行えない場合もあり得る。そのような場合を想定して、運動強度の決定において、まず、連続歩行の可否の判断が行われてもよい。図7を参照して説明する。
【0041】
図7は、運動強度の決定の別の例を示すフローチャートである。図7に示されるフローチャートは、先に説明した図6と比較して、ステップS1及びステップS6に代えて、ステップS1A及びステップS6Aを含む点において相違する。
【0042】
ステップS1Aにおいて、連続歩行情報の情報に基づく判断、より具体的に、連続歩行が可能であるか否かの判断が行われる。連続歩行が可能な場合、ステップS2に処理が進められる。連続歩行が不可能な場合、ステップS5に処理が進められる。
【0043】
取得情報331に血液検査が含まれる場合、ステップS6Aにおいて、血液検査結果に基づく判断が行われる。この例では、EF値が第1の閾値未満の場合、ステップS7に処理が進められる。EF値が第1の閾値よりも大きく且つ第2の閾値未満の場合、ステップS8に処理が進められる。EF値が第2の閾値以上の場合、ステップS9に処理が進められる。
【0044】
上述の図7のフローによれば、連続歩行が不可能なユーザUの運動強度を決定することができる。
【0045】
<有酸素運動の目標運動頻度の決定>
処理部32は、決定した運動強度に基づいて、有酸素運動の目標運動頻度を決定してよい。図8を参照して説明する。
【0046】
図8は、有酸素運動の目標運動頻度の決定の例を示すフローチャートである。
【0047】
ステップS11において、運動強度に対する閾値判断が行われる。運動強度が閾値未満の場合、ステップS12に処理が進められる。運動強度が閾値以上の場合、ステップS13に処理が進められる。閾値の例は、4.5Mets、5.0Mets、5.5Mets、6.0Mets、6.5Mets等である。
【0048】
ステップS12又はステップS13において、有酸素運動の目標運動頻度が決定される。ステップS12及びステップS13それぞれにおいて、有酸素運動の目標運動頻度は、所定回/週に決定される。ステップS12における所定回の例は、3回、4回、5回等である。ステップS13における所定回は、ステップS13における所定回よりも少しだけ(例えば1~2回程度だけ)少なくてよい。運動強度が高い分、目標運動頻度は低くされる。
【0049】
なお、ユーザUの外出頻度が高い、ユーザUの日常的な移動手段が徒歩である、ユーザUが運動を伴う仕事をしている等の事情がある場合には、目標運動頻度が減らされてよい。そのような事情を示す情報も、アンケート情報に含まれてよい。
【0050】
<筋力運動の目標運動頻度の決定>
処理部32は、ユーザUの運動禁忌の情報に基づいて、筋力運動の目標運動頻度を決定してよい。図9を参照して説明する。
【0051】
図9は、筋力運動の目標運動頻度の決定の例を示すフローチャートである。
【0052】
ステップS21において、運動禁忌の情報に基づく判断が行われる。運動禁忌が有る場合、ステップS22に処理が進められる。運動禁忌が無い場合、ステップS23に処理が進められる。
【0053】
ステップS22又はステップS23において、筋力運動の目標運動頻度が決定される。ステップS22において、筋力運動の目標運動頻度は、0回/週に決定される。すなわち筋力運動は行われない。ステップS23において、筋力運動の目標運動頻度は、所定回/週に決定される。所定回の例は、1回、2回、3回等である。
【0054】
<有酸素運動の目標運動時間の決定>
処理部32は、決定した運動強度に基づいて、有酸素運動の目標運動時間を決定してよい。図10を参照して説明する。
【0055】
図10は、有酸素運動の目標運動時間の決定の例を示すフローチャートである。この例では、目標運動時間の下限値、上限値及び初期値が決定される。初期値は下限値と同じであってよい。
【0056】
ステップS31において、運動強度に対する閾値判定が行われる。運動強度が第1の閾値未満の場合、ステップS32に処理が進められる。運動強度が第1の閾値以上且つ第2の閾値未満の場合、ステップS33に処理が進められる。運動強度が第2の閾値以上の場合、ステップS34に処理が進められる。第2の閾値は、第1の閾値よりも大きい。第1の閾値の例は、2.5Mets、3.0Mets、3.5Mets、4.0Mets等である。第2の閾値の例は、4.5Mets、5.0Mets、5.5Mets、6.0Mets等である。
【0057】
ステップS32、ステップS33又はステップS34において、有酸素運動の目標運動時間の下限値、上限値及び初期値が、所定時間/回に決定される。所定時間の例は、10分、20分、30分、40分、50分、60分等である。
【0058】
基本的には、ステップS32、ステップS33及びステップS34の順に、所定回/分が大きくなってよい。ただし、ステップS34における下限値は、ステップS33における下限値よりも小さくてよい。ステップS34の方がステップS33よりも運動強度が高く、過負荷にならないようにするためである。また、ユーザUの外出頻度が高い、ユーザUの日常的な移動手段が徒歩である、ユーザUが運動を伴う仕事をしている等の事情が場合には、目標運動時間が減らされてよい。
【0059】
<有酸素運動の目標心拍数の決定>
処理部32は、ユーザUの安静時心拍数の情報に基づいて、有酸素運動の目標心拍数を決定してよい。処理部32は、ユーザUの薬の情報に基づいて有酸素運動の目標心拍数を決定してよく、ユーザUのペースメーカの情報に基づいて有酸素運動の目標心拍数を決定してよく、ユーザUの年齢の情報に基づいて有酸素運動の目標心拍数を決定してよく、また、上述の決定した運動強度に基づいて有酸素運動の目標心拍数を決定してよい。これらの任意の組合せに基づいて有酸素運動の目標心拍数が決定されてもよい。
【0060】
例えば、β遮断薬の服用が有る場合、有酸素運動の目標心拍数は、安静時心拍数よりも少しだけ大きい値(例えば5~25程度大きい値)に決定されてよい。ペースメーカが有る場合、有酸素運動の目標心拍数は、ひとまず空欄(null)に決定されてよい。後述のボルグスケールの値(ユーザUの自覚的運動強度の一例)の情報が取得された後は、有酸素運動の目標心拍数は、ボルグスケールの値が所定値に該当する場合の心拍数に決定される。所定値の例は、11~13等である。
【0061】
β遮断薬の服用が無くペースメーカも無い場合には、有酸素運動の目標心拍数は、カルボーネン法に従って決定されてよい。カルボーネン法自体は公知であるので、詳細な説明は省略する。例えば、先に決定した運動強度に応じて、カルボーネンの式に用いる係数が使い分けられてよい。例えば運動強度が大きくなるにつれて、係数も大きくなる。
【0062】
<筋力運動の目標心拍数の決定>
処理部32は、ユーザUのペースメーカの情報に基づいて、筋力運動の目標心拍数を決定してよい。図11を参照して説明する。
【0063】
図11は、筋力運動の目標心拍数の決定の例を示すフローチャートである。
【0064】
ステップS51において、ペースメーカに基づく判断が行われる。ペースメーカが有る場合、ステップS52に処理が進められる。ペースメーカが無い場合、ステップS53に処理が進められる。
【0065】
ステップS52又はステップS53において、有酸素運動の目標心拍数が決定される。ステップS52において、筋力運動の目標心拍数は、空欄(null)に決定される。なお、ボルグスケールの値が取得された後は、筋力運動の目標心拍数は、ボルグスケールの値が所定値に該当する場合の心拍数に決定される。所定値の例は、11~13等である。ステップS53において、筋力運動の目標心拍数は、予め定められた上限値に決定される。
【0066】
<有酸素運動の運動種類の決定>
処理部32は、ユーザUの疼痛箇所の情報に基づいて、有酸素運動の運動種類を決定してよい。図12を参照して説明する。
【0067】
図12は、有酸素運動の運動種類の決定の例を示すフローチャートである。
【0068】
ステップS61において、疼痛箇所の情報に基づく判断が行われる。疼痛箇所が上半身に有る場合、ステップS62に処理が進められる。疼痛箇所が無い場合、ステップS63に処理が進められる。疼痛箇所が下半身に有る場合、ステップS64に処理が進められる。
【0069】
ステップS62、ステップS63又はステップS64において、有酸素運動の運動種類が決定される。ステップS62において、有酸素運動の運動種類は、下半身中心運動に決定される。ステップS63において、有酸素運動の運動種類は、全身運動に決定される。ステップS64において、有酸素運動の運動種類は、上半身中心運動に決定される。
【0070】
有酸素運動の例は、体操運動、ウォーキング運動、ジョギング運動、自転車運動、ヨガ運動等である。例えば事前調査で得られたユーザUの好みが反映されるようにそれらの運動が組み合わされてよい。そのような事前調査結果も、アンケート情報等として取得情報331に含まれてよい。
【0071】
<筋力運動の運動種類の決定>
処理部32は、ユーザUの疼痛箇所の情報及びユーザUの強化箇所の情報に基づいて、筋力運動の運動種類を決定してよい。図13を参照して説明する。
【0072】
図13は、筋力運動の運動種類の決定の例を示すフローチャートである。
【0073】
ステップS71において、疼痛箇所の情報に基づく判断が行われる。疼痛箇所が下半身に有る場合、ステップS73に処理が進められる。疼痛箇所が無い場合、ステップS72に処理が進められる。疼痛箇所が上半身に有る場合、ステップS75に処理が進められる。
【0074】
ステップS72において、強化箇所の情報(この例では強化希望(推奨)箇所)に基づく判断が行われる。強化箇所が上半身に有る場合、ステップS73に処理が進められる。強化箇所が無い場合、ステップS74に処理が進められる。強化箇所が下半身に有る場合、ステップS75に処理が進められる。
【0075】
ステップS73、ステップS74又はステップS75において、筋力運動の運動種類が決定される。ステップS73において、筋力運動の運動種類は、上半身中心運動に決定される。ステップS74において、筋力運動の運動種類は、全身運動に決定される。ステップS75において、筋力運動の運動種類は、下半身中心運動に決定される。
【0076】
なお、疼痛箇所の情報及び強化箇所の情報の一方のみに基づいて筋力運動の運動種類が決定されてもよい。疼痛箇所の情報のみに基づく場合は、ステップS72の処理はスキップされる。ステップS71において疼痛箇所が無い場合は、例えばステップS74に処理が進められる。強化箇所の情報のみに基づく場合は、ステップS71の処理は不要である。筋力運動は、運動器具を用いた運動、椅子を用いた運動、階段を用いた運動等を含んでよい。それらの組合せは、アンケート情報に含まれるユーザUの環境に基づいて定められてよい。
【0077】
例えば以上のようにして、運動指標332が決定される。なお、上記の例に限らず、取得情報331に含まれるさまざまな情報に基づいて運動指標332が決定されてよい。
【0078】
図1に戻り、処理部32は、決定した運動指標332に基づいて、ユーザUの運動プラン334を生成する。運動プラン334は、有酸素運動、筋力運動等を含む。上述のように決定した有酸素運動の運動強度、目標運動頻度、目標運動時間、目標心拍数、運動種類等に対応する有酸素運動が、運動プラン334に含まれる。上述のように決定した筋力運動の運動強度、目標運動頻度、目標心拍数、運動種類等に対応する筋力運動が、運動プラン334に含まれる。他にも、準備運動、ユーザUへのメッセージ等が、運動プラン334に含まれてよい。運動プラン334は、支援装置3からユーザ端末2に送信され、ユーザUに提示される。
【0079】
なお、運動プラン334は、ユーザUに提示される前に、ユーザUの主治医等、例えば、医療従事者端末4を利用する医療従事者Dによって確認されたり、必要に応じて変更されたりしてよい。詳細は後述する。
【0080】
一実施形態において、処理部32は、運動動画を含む運動プラン334を生成してよい。図1に示される例では、予め準備されたさまざまな運動動画(のデータ)が、動画データ333として記憶部33に記憶されている。処理部32は、取得情報331や運動指標332に基づいて、運動プラン334に含める運動動画を、動画データ333から選択する。動画データ333について、図14及び図15も参照して説明する。
【0081】
図14は、動画データ333のデータフォーマットの例を示す図である。動画データ333に含まれる複数の運動動画が、動画A-a等として示される。この例では、各運動動画は、運動強度、運動時間、対象箇所、運動種類、自宅環境、指導環境及びバランス向上に対応付けられる。これらの項目の少なくとも一部の項目が対応付けられていていればよく、すべての項目が対応付けられる必要はない。なお、バランス向上は、バランス向上の期待の大きさを示し、例えば運動体位(体操体位等)に基づいて定められる。この例では、臥位、座位及び立位の順に、バランス向上が大きくなる。
【0082】
上記のデータフォーマットの各項目の内容を参照することで、処理部32は、適切な運動動画を動画データ333から選択し、選択した運動動画を含む運動プラン334を生成する。例えば、データフォーマットにおける運動強度及び運動時間の内容を参照することで、処理部32は、運動指標332に含まれる運動強度及び目標運動時間に対応する運動動画を選択する。
【0083】
データフォーマットにおける対象箇所の内容を参照することで、処理部32は、取得情報331に含まれる疼痛箇所に対応する運動動画を選択する。例えば、疼痛箇所を対象箇所に含まない運動動画が選択されたり、強化箇所を対象箇所に含む運動動画が選択されたりする。
【0084】
データフォーマットにおける運動種類の内容を参照することで、処理部32は、運動指標332に含まれる運動種類に対応する運動動画を選択する。例えば、筋力運動ができないユーザUの場合には、有酸素運動を含む運動動画は選択されない。
【0085】
データフォーマットにおける自宅環境の内容を参照することで、処理部32は、取得情報331に含まれるユーザUの自宅環境に対応する運動動画を選択する。例えば、自宅に階段の無いユーザUの場合には、階段を必要とする運動動画(階段有の動画)は選択されない。
【0086】
データフォーマットにおける指導環境の内容を参照することで、処理部32は、取得情報331に含まれるユーザUの指導環境に対応する運動動画を選択する。例えば、ユーザUがオフラインで通った指導設備や指導機関と一致する指導環境の運動動画が選択される。
【0087】
一実施形態において、動画データ333に含まれる複数の運動動画がマトリクス管理されてよい。図15を参照して説明する。
【0088】
図15は、マトリクス管理される運動動画の例を示す図である。理解を容易にするために、上述のデータフォーマットの各項目のうち、運動強度及び運動時間の2つの項目だけを例に挙げて説明する。複数の運動動画がマトリクス状に示される。この例では、上に進むに従い運動強度は小さくなり、下に進むに従い運動強度は大きくなる。左に進むに従い運動時間は短くなり、右に進むに従い運動時間は長くなる。このように複数の運動動画をマトリクス管理することで、例えば運動プラン334の変更(後述)の際の運動動画の選択が行い易くなる。
【0089】
図1に戻り、例えば上述のような運動動画を含む運動プラン334が、ユーザ端末2によってユーザUに提示される。図16及び図17も参照して説明する。
【0090】
図16は、ユーザ端末2による運動プラン334の提示の例を示す図である。ユーザ端末2の表示部2aは、ウォーミングアップ、体操・ウォーキング、筋力トレーニング及びメッセージを含む運動プラン334を提示する。ウォーミングアップは、準備運動に相当する。体操・ウォーキングは、これまで説明した有酸素運動に相当する。筋力トレーニングは、これまで説明した筋力運動に相当する。メッセージは、ユーザUへのメッセージである。メッセージは、医療従事者Dからのメッセージであってもよい。運動が行われる際に、運動動画が再生される。
【0091】
図17は、運動動画の再生の例を示す図である。運動動画が、ユーザ端末2の表示部2a上で再生される。ユーザUは、再生された運動動画を見ながら運動を行う。
【0092】
以上で説明した支援システム100によれば、センサ1によって取得されたセンシング情報や、ユーザ端末2によって取得された運動耐容能情報等のアンケート情報を含む取得情報331に基づいて、ユーザUの運動プラン334が生成される。例えばCPX試験を実施しなくとも、ユーザUに適した負荷(運動強度、目標運動頻度、目標運動時間、目標心拍素、運動種類等)の運動プラン334を生成することができる。生成された運動プラン334をユーザUに提示することで、ユーザUにとって適切な負荷で運動が行われるように、ユーザUの運動を支援することができる。
【0093】
以上では、初回の運動を含む運動プラン334の提示までの動作を説明した。支援システム100では、その後さらに、ユーザUに提示された運動プラン334についてのフィードバック情報に基づいて、運動プラン334が変更される。具体的に説明する。
【0094】
再び図1を参照し、センサ1は、引き続きセンシング情報を取得する。センシング情報は、提示された運動プラン334に従って運動を行ったユーザUの運動時の生体情報等も含む。ユーザ端末2は、後述するように、ユーザUに提示された運動プラン334についてのフィードバック情報を取得する。なお、ユーザ端末2は、最新のアンケート情報を改めて取得してもよい。センサ1及びユーザ端末2によって取得されたそれらの情報は、センサ1及びユーザ端末2から支援装置3に送信され、取得部31によって取得される。こうして取得部31によって取得された情報も、取得情報331に含まれるものとする。図18も参照して説明する。
【0095】
図18は、取得情報331の例を示す図である。先に説明した図4と比較して、とくに、センシング情報が増えている点、及び、フィードバック情報をさらに含む点において相違する。なお、アンケート情報の例は、図18では図示を省略している。
【0096】
センシング情報として、先に説明した安静時心拍数の情報乃至血中酸素濃度の情報の他に、運動頻度の情報、運動時心拍数の情報、運動時間の情報及び睡眠スコアの情報も例示される。運動頻度、運動時心拍数及び運動時間は、ユーザUの実際の運動頻度、運動時心拍数及び運動時間である。睡眠スコアは、睡眠の質を示し、例えば睡眠の質が悪いほど睡眠スコアが高くなる。なお、運動頻度の情報から、目標運動頻度に対するユーザUの実際の運動頻度の割合(比率)等が処理部32によって算出されてよい。同様に、運動時間の情報から、目標運動時間に対するユーザUの実際の運動時間の割合等が算出されてよい。
【0097】
フィードバック情報として、自覚的運動強度の情報、運動動画評価の情報、運動動画再生時間の情報が例示される。自覚的運動強度(RPE:Rate of perceived exertion))は、ユーザUによる運動の負荷についての自覚症状(運動所感)であり、複数のレベルで段階的に特定される。自覚的運動強度の一例は、ボルグ(Borg)スケールの値であり、その場合、自覚的運動強度は、6~20の数値で段階的に特定される。以下、とくに説明がある場合を除き、自覚的運動強度はボルグスケールの値であるものとする。ボルグスケールの値は、5段階、7段階等で特定できるように簡略化して用いられてもよい。なお、運動動画評価及び運動動画再生時間についてはその名称のとおりである。
【0098】
上述のいくつかの情報、例えば運動頻度の情報、運動時間の情報等は、ユーザUがユーザ端末2を操作して入力してよい。その場合の情報は、アンケート情報として取得されてよい。
【0099】
図19は、ユーザ端末2によるフィードバック情報の取得の例を示す図である。この例では、自覚的運動強度の情報が取得される。ユーザUの運動が終わると、ユーザ端末2の表示部2aは、ユーザUの運動所感、すなわち自覚的運動強度の入力を促すメッセージ等をユーザUに提示する。この例では、ボルグスケールの値に対応する複数のアイコン(表情画像)が表示される。アイコンの数は、ボルグスケールの値の数(数値6~20の15通りの数)よりも少なくてよく、その場合は、1つのアイコンが複数のボルグスケールの値に対応する。いずれかのアイコンがユーザUによって選択されると、対応するボルグスケールの値が、自覚的運動強度の情報として取得される。
【0100】
他のフィードバック情報の取得についても簡単に述べる。例えば、上述の自覚的運動強度の情報と同様にして、運動動画評価の情報が取得される。実際の運動動画の再生時間が、運動動画再生時間の情報として取得される。
【0101】
ここで、先に図11等を参照して説明したように、ペースメーカが有る場合には、有酸素運動の目標心拍数及び筋力運動の目標心拍数はいずれも空欄になっている(図11のステップS52)。先に説明したように、それらの目標心拍数は、例えばボルグスケールの値が所定値(11~13等)に該当する場合の心拍数に決定される。
【0102】
図1に戻り、支援装置3の処理部32は、フィードバック情報等を含む取得情報331に基づいて、運動プラン334を変更する。変更頻度はとくに限定されないが、例えば1週間ごと、隔週ごと、1日ごと等で運動プラン334が変更されてよい。とくに説明がある場合を除き、変更は、1週間ごとの変更であるものとする。
【0103】
例えば、処理部32は、取得情報331に基づいて、より具体的にはフィードバック情報等を含む取得情報331に基づいて、運動指標332を変更する。運動指標332の変更のいくつかの例について説明する。
【0104】
<有酸素運動の目標心拍数の変更>
処理部32は、ユーザUの運動時心拍数の情報及びユーザUの自覚的運動強度の情報に基づいて、有酸素運動の目標心拍数を変更してよい。図20を参照して説明する。
【0105】
図20は、有酸素運動の目標心拍数の変更の例を示すフローチャートである。
【0106】
ステップS81において、自覚的運動強度、この例では運動時平均Borgに対する閾値判断が行われる。運動時平均Borgは、行われた複数の運動それぞれに対応するボルグスケール値の平均値である。運動時平均Borgが第1の閾値以上の場合、ステップS82に処理が進められる。運動時平均Borgが第2の閾値以上且つ第1の閾値未満の場合、ステップS83に処理が進められる。運動時平均Borgが第2の閾値未満の場合、ステップS84に処理が進められる。第2の閾値は、第1の閾値よりも小さい。第1の閾値の例は、12、13、14等である。第2の閾値の例は、10、11、12等である。
【0107】
ステップS82、ステップS83又はステップS84において、有酸素運動の目標心拍数が変更される。ステップS82において、有酸素運動の目標心拍数は、運動時平均心拍数よりも所定値だけ低い値に変更される。ステップS83において、有酸素運動の目標心拍数は、運動時平均心拍数と同じ値に変更される。ステップS84において、有酸素運動の目標心拍数は、運動時平均心拍数よりも所定値だけ高い値に変更される。ステップS83及びステップS84における所定値の例は、5、10、15、20等である。
【0108】
<目標運動頻度、目標運動時間及び運動強度の変更>
運動の達成度、運動後のアンケート等に基づいて、いくつかの運動指標が変更されてよい。例えば、処理部32は、ユーザUの運動頻度の情報、ユーザUの運動時間の情報及びユーザUの自覚的運動強度の情報に基づいて、目標運動頻度、目標運動時間及び運動強度の少なくとも1つを変更する必要性を判断し、必要な場合に変更プラン(変更した運動プラン)を出力してよい。
【0109】
図21A及び図21Bは、目標運動頻度、目標運動時間及び運動強度の変更の例を示すフローチャートである。なお、この変更は、有酸素運動の運動指標及び筋力運動の運動指標のいずれに適用されてもよい。
【0110】
ステップS91(図21A)において、運動頻度の目標達成率に対する閾値判断が行われる。運動頻度の目標達成率は、先に決定した運動指標332に含まれる目標運動頻度に対する、ユーザUの実際の運動頻度の割合(%)である。運動頻度の目標達成率が基準値以上の場合、ステップS92に処理が進められる。運動頻度の目標達成率が基準値未満の場合、ステップS101に処理が進められる。基準値の例は、70%、75%、80%、85%等である。
【0111】
ステップS92において、運動時間、この例では1回あたりの運動時間(分/回)に対する閾値判断が行われる。閾値の時間は、目標運動時間よりも所定時間だけ短い時間に設定される。所定時間の例は、5分、10分、15分等である。運動時間が閾値の時間よりも長い場合、ステップS93に処理が進められる。運動時間が閾値の時間以下の場合、ステップS97に処理が進められる。
【0112】
ステップS93において、運動時平均Borgに対する閾値判断が行われる。運動時平均Borgが第1の閾値以上の場合、ステップS94に処理が進められる。運動時平均Borgが第2の閾値以上且つ第1の閾値未満の場合、ステップS95に処理が進められる。運動時平均Borgが第1の閾値未満の場合、ステップS96に処理が進められる。第1の閾値及び第2の閾値は、先に説明した図20のステップS81における第1の閾値及び第2の閾値と同じであってよい。
【0113】
ステップS97において、運動時平均Borgに対する閾値判断が行われる。運動時平均Borgが第1の閾値以上の場合、ステップS98に処理が進められる。運動時平均Borgが第2の閾値以上且つ第1の閾値未満の場合、ステップS99に処理が進められる。運動時平均Borgが第2の閾値未満の場合、ステップS100に処理が進められる。第1の閾値及び第2の閾値は、先に説明した図20のステップS81における第1の閾値及び第2の閾値と同じであってよい。
【0114】
ステップS101において、運動変更提案が行われる。詳細は後述するが、ユーザ端末2を介してユーザUに運動の変更が提案され、ユーザUの選択結果に応じて処理が分岐する。先週と同じ運動が選択されると、ステップS102に処理が進められる。楽な運動への変更が選択されると、後述のステップS103(図21B)に処理が進められる。
【0115】
ステップS94、ステップS95、ステップS96、ステップS98、ステップS99、ステップS100又はステップS102において、目標運動頻度、目標運動時間及び運動強度が維持又は変更される。
【0116】
ステップS94において、目標運動頻度及び目標運動時間は維持され、運動強度は下げられる。高負荷が是正される。ステップS95において、目標運動頻度は維持され、目標運動時間は長くされ、運動強度は維持される。時間を延ばすことで体力増強が期待される。ステップS96において、目標運動頻度及び目標運動時間は維持され、運動強度は上げられる。負荷が高められる。
【0117】
ステップS98において、目標運動頻度は維持され、目標運動時間は短くされ、運動強度は下げられる。高負荷が是正され、時間も短縮される。ステップS99において、目標運動頻度は維持され、目標運動時間は短くされ、運動強度は維持される。負荷は適切であるため維持するが、時間を減らすことで目標達成が期待される。ステップS100において、目標運動頻度は維持され、目標運動時間は短くされ、運動強度は上げられる。負荷を高める一方で、時間が減らされる。
【0118】
ステップS102において、目標運動頻度、目標運動時間及び運動強度はいずれも維持される。
【0119】
ステップS103(図21B)において、上述のステップS92と同様に、運動時間に対する閾値判断が行われる。運動時間が閾値の時間よりも長い場合、ステップS104に処理が進められる。運動時間が閾値の時間以下の場合、ステップS108に処理が進められる。
【0120】
ステップS104において、運動時平均Borgに対する閾値判断が行われる。運動時平均Borgが第1の閾値以上の場合、ステップS105に処理が進められる。運動時平均Borgが第2の閾値以上且つ第1の閾値未満の場合、ステップS106に処理が進められる。運動時平均Borgが第2の閾値未満の場合、ステップS107に処理が進められる。第1の閾値及び第2の閾値は、先に説明した図20のステップS81における第1の閾値及び第2の閾値と同じであってよい。
【0121】
ステップS108において、運動時平均Borgに対する閾値判断が行われる。運動時平均Borgが第1の閾値以上の場合、ステップS109に処理が進められる。運動時平均Borgが第2の閾値以上且つ第1の閾値未満の場合、ステップS110に処理が進められる。運動時平均Borgが第2の閾値未満の場合、ステップS111に処理が進められる。第1の閾値及び第2の閾値は、先に説明した図20のステップS81における第1の閾値及び第2の閾値と同じであってよい。
【0122】
ステップS105、ステップS106、ステップS107、ステップS109、ステップS110又はステップS111において、目標運動頻度、目標運動時間及び運動強度が維持又は変更される。変更は、先のステップS94、ステップS95、ステップS96、ステップS98、ステップS99又はステップS100よりも負荷が低くなるような変更である。
【0123】
ステップS105において、目標運動頻度は下げられ、目標運動時間は維持され、運動強度は下げられる。ステップS106において、目標運動頻度は下げられ、目標運動時間は短くされ、運動強度は維持される。ステップS107において、目標運動頻度は下げられ、目標運動時間は維持され、運動強度は下げられる。
【0124】
ステップS109において、目標運動頻度は下げられ、目標運動時間は維持され、運動強度は下げられる。ステップS110において、目標運動頻度は下げられ、目標運動時間は短くされ、運動強度は維持される。ステップS111において、目標運動頻度は下げられ、目標運動時間は維持され、運動強度は上げられる。
【0125】
<目標運動時間及び運動強度の変更>
運動前或いは通常時の取得情報331(センシング情報等)に基づいて、いくつかの運動指標が変更されてもよい。例えば、処理部32は、ユーザUの安静時心拍数の情報及び睡眠スコアに基づいて、目標運動時間及び運動強度の少なくとも一方を変更する。図22を参照して説明する。
【0126】
図22は、目標運動時間及び運動強度の変更の例を示すフローチャートである。
【0127】
ステップS121において、安静時心拍数に対する閾値判断が行われる。安静時心拍数が通常時+所定値以上の場合、ステップS122に処理が進められる。安静時心拍数が通常時-所定値以下の場合、ステップS123に処理が進められる。所定値は標準偏差で表されてよく、所定値の例は、2σ、3σ等である。
【0128】
ステップS123において、睡眠スコアに対する閾値判断が行われる。睡眠スコアが所定の基準値以上の場合、ステップS122に処理が進められる。睡眠スコアが基準値未満の場合、ステップS124に処理が進められる。
【0129】
ステップS124において、運動変更提案が行われる。詳細は後述するが、ユーザ端末2を介してユーザUに運動の変更が提案され、ユーザUの選択結果に応じて処理が分岐する。楽な運動への変更が選択されると、ステップS122に処理が進められる。いつもの運動の実施が選択されると、ステップS125に処理が進められる。
【0130】
ステップS122又はステップS125において、目標運動時間及び運動強度が維持又は変更される。ステップS122において、目標運動時間は短くされ、運動強度は低くされる。疲労の蓄積等に応じた負荷の低減が行われる。ステップS125において、運動時間及び運動強度はいずれも維持される。
【0131】
例えば以上のようにして、処理部32は、運動指標332を変更する。なお、上記の例に限らず、取得情報331に含まれるさまざまな情報に基づいて運動指標332が変更されてよい。処理部32は、変更した運動指標332に基づいて、運動プラン334を変更する。
【0132】
<運動変更提案>
上述の図21AのステップS101や図22のステップS124のように、運動の変更の提案がユーザUに対して行われてよい。その場合、支援装置3の処理部32は、例えば、運動の変更を提案するメッセージ等を含む変更提案の情報を生成する。生成された情報は、支援装置3からユーザ端末2に送信され、ユーザUに提示される。図23図25を参照して説明する。
【0133】
図23図25は、ユーザ端末2による変更提案の提示の例を示す図である。ユーザ端末2の表示部2aは、運動の変更を提案するメッセージ及び選択肢を表示する。ユーザUによる選択の結果は、ユーザ端末2から支援装置3に送信される。先に図21A及び図22を参照して説明したように、選択結果に応じてステップS101やステップS124の処理が分岐し、処理が進められる。
【0134】
図23に示される変更提案は、先に説明した図21AのステップS101における運動変更提案に相当する。メッセージとともに、楽な運動に変更するか、先週と同じ運動にするかの選択肢が提示され、ユーザUがいずれかを選択する。
【0135】
図24に示される変更提案は、先に説明した図22のステップS124における運動変更提案に相当する。メッセージとともに、楽な運動に変更するか、いつもの運動を実施するかの選択肢が提示され、ユーザUがいずれかを選択する。
【0136】
図25に示されるように、負荷を上げる提案も可能である。この例では、メッセージとともに、負荷を上げてみるか、先週と同じ運動にするかの選択肢が提示され、ユーザUがいずれかを選択する。例えば、負荷を上げることが選択されると、次週以降の運動の負荷が高くなるように、運動指標332及び運動プラン334が変更される。
【0137】
例えば以上のようにして、処理部32は、運動プラン334を変更する。変更された運動プラン334は、支援装置3からユーザ端末2に送信され、ユーザUに提示される。ユーザUは、提示された変更後の運動プラン334に従って運動を行う。その変更後の運動プラン334についてのフィードバック情報等がさらに取得される。これらの動作が繰り返されることで、常にユーザUに適した負荷の運動プラン334を生成し、ユーザUに提示すること、すなわちユーザUの運動を支援し続けることが可能になる。
【0138】
<レポート生成>
図1に戻り、処理部32は、取得情報331に基づいて、ユーザUの運動のレポート335を生成してよい。例えば、1週間においてユーザUが行った運動に関するさまざまなメッセージ、データ等を含むレポート335が生成される。レポート335は、支援装置3からユーザ端末2に送信され、ユーザUに提示される。図26を参照して説明する。
【0139】
図26は、ユーザ端末2によるレポート335の提示の例を示す図である。ユーザ端末2の表示部2aは、レポート335を表示する。例示されるレポート335は、直近の1週間のユーザUの運動(今週の活動)に関するレポートであり、この例では、フィードバック内容、活動データ及び来週に向けてのメッセージを含む。フィードバック内容には、具体的なフィードバックのメッセージ等の他に、ユーザUをねぎらうメッセージ、運動前後の生体情報の数値等が含まれてよい。活動データは、例えばグラフ化された生体情報の数値等を含む。来週に向けてのメッセージには、医療従事者Dからのメッセージが含まれてよい。このようなレポート335の提示により、例えばユーザUの運動継続のモチベーションを向上させることができる。
【0140】
<医療従事者の関与>
図1に戻り、医療従事者端末4について説明する。医療従事者端末4は、医療従事者Dが利用する端末である。医療従事者Dの例は、医師、理学療法士等である。なお、図1には、医療従事者端末4の表示部4aも符号を付して示される。医療従事者端末4は、開示される技術に必要な処理を実行できるように構成される。例えば専用のアプリケーションプログラムが、医療従事者端末4にインストールされている。
【0141】
これまで説明した支援装置3で扱われる情報の一部又は全部は、支援装置3と医療従事者端末4との間で共有されてよい。例えば、取得情報331、運動指標332、動画データ333、運動プラン334、レポート335等の情報が、支援装置3から医療従事者端末4に送信され、医療従事者端末4において医療従事者Dに提示可能な状態に置かれる。
【0142】
医療従事者Dは、医療従事者端末4を利用して、ユーザUの運動の支援に関与(介入等)する。例えば、医療従事者Dは、支援装置3の処理部32によって生成されたユーザUの運動プラン334に問題が無いかどうかを確認する。確認結果は、医療従事者端末4から支援装置3に送信される。問題が無いと確認された後の運動プラン334が、支援装置3からユーザ端末2に送信され、ユーザUに提示される。運動プラン334に問題がある場合には、運動プラン334が変更されてからユーザUに提示される。
【0143】
医療従事者Dは、その後のユーザUの状況や運動プラン334も管理する。例えば、医療従事者Dは、ユーザUの状況に応じて運動プラン334を変更する。図27図29を参照して説明する。
【0144】
図27は、医療従事者端末4によるユーザUの管理の例を示す図である。医療従事者端末4の表示部4aは、医療従事者Dが担当するユーザUを、患者一覧としてリスト表示する。なお、各ユーザU(患者)は、ユーザU-1等として模式的に示される。この例では、ユーザUごとに、アラート、目標達成度、歩数、歩行距離、運動量、目標心拍数、心拍数、体重等が対応付けて表示される。アラートについては後述する。歩数、心拍数及び体重はその名称のとおりである。目標達成度は、目標達成率である。歩行距離は、例えば1日における歩行距離であり、より具体的に運動時間(例えば30分)における歩行距離である。運動量は、例えば1日における運動時間とその運動強度(Mets)とを乗じた値である。
【0145】
アラートは、例えばいずれかの項目が想定範囲からはずれた場合に表示される。図27に示される例では、ユーザU-2の心拍数が想定範囲からはずれており、心拍数のアラートが表示される。ユーザU-5の目標達成度、心拍数及び体重が想定範囲からはずれており、目標達成度、心拍数及び体重それぞれに対応するアラートが表示される。とくにアラートが表示されているユーザUについては、運動プラン334が適切でなく、変更の必要性が高い。
【0146】
医療従事者端末4の表示部4aは、ユーザUの運動プラン334を変更可能な態様で提示する。医療従事者Dは、リスト表示された複数のユーザUから、運動プラン334を変更するユーザUを選択し、また、運動プラン変更ボタンを選択する。表示部4aに表示される画面が、運動プランを変更するための画面に遷移する。図28を参照して説明する。
【0147】
図28は、医療従事者端末4によるユーザUの運動プラン334の変更の例を示す図である。この例では、運動プラン334に含まれる運動動画が変更される。運動強度を下げて運動時間を長くすることを推奨するメッセージとともに、複数の運動動画が、先に図15を参照して説明したようなマトリクスで示される。運動動画が選択されると、選択された運動動画を含むように運動プラン334が変更される。
【0148】
この例では、現在の運動プラン334に含まれる運動動画の位置に、「実施中」の文字が表示される。推奨される運動動画の位置に、「推奨」の文字が表示される。運動強度が高すぎる運動動画の位置に、「高負荷」の文字が表示され、選択できないようにされる。例えばこのような表示を参考にすることで、適切な運動動画の選択及び運動プラン334の変更が行い易くなる。
【0149】
選択の際に、運動強度及び運動時間以外の項目が考慮されてもよい。一例について、図29を参照して説明する。
【0150】
図29は、医療従事者端末4によるユーザUの運動プラン334の変更の例を示す図である。先に説明した図28と比較すると、ユーザUの疼痛箇所の情報に基づくフィルタリング機能が追加される。疼痛箇所として、肩、腰、腕及び膝が例示される。この例では、肩が選択される。対象箇所に肩を含む運動動画に対応するマトリクス中の位置に、「非該当」の文字が表示され、選択できないようになる。これにより、疼痛箇所を回避しつつ適切な運動動画を選択し、運動プラン334を変更することができる。
【0151】
例えば上記のように医療従事者Dが医療従事者端末4を利用してユーザUの運動プラン334を変更することで、医療従事者Dの判断に基づくより適切な運動プラン334でユーザUの運動を支援することができる。
【0152】
なお、ユーザ端末2及び医療従事者端末4を利用して、ユーザUと医療従事者Dとの間で直接コミュニケーション(面談、メッセージ送信等)が行われてもよい。また、取得情報331と同様の情報が、ユーザ端末2から医療従事者端末4に送信されてもよい。
【0153】
図30は、支援システム100において実行される処理(支援方法)の例を示すフローチャートである。具体的な処理はこれまで説明したとおりであるので、詳細な説明は省略する。
【0154】
ステップS201において、ユーザの運動耐容能情報を含む情報が取得される。センサ1は、センシング情報を取得する。ユーザ端末2は、アンケート情報を取得する。支援装置3の取得部31は、それらの情報を取得する。取得された情報が、取得情報331として記憶部33に記憶される。
【0155】
ステップS202において、取得情報に基づいてユーザの運動プランが生成される。支援装置3の処理部32は、取得情報331に基づいて運動指標332を決定し、決定した運動指標332に基づいてユーザUの運動プラン334を生成する。
【0156】
なお、上記のステップS202までの処理が、初回の運動を提案するまでの処理(初回運動処方ロジック)に相当する。ステップS201の処理は、運動の提案に先立って行われる事前アセスメントアンケート等の情報を取得する処理ともいえる。
【0157】
ステップS203において、運動プランがユーザに提示される。処理部32によって生成された運動プラン334が、支援装置3からユーザ端末2に送信され、ユーザUに提示される。ユーザUは、提示された運動プラン334に従って運動を行う。
【0158】
ステップS204において、フィードバック情報等を含む情報が取得される。センサ1は、引き続きセンシング情報を取得する。ユーザ端末2は、ユーザUに提示された運動プラン334についてのフィードバック情報を取得する。支援装置3の取得部31は、それらの情報を取得する。取得されたこの情報も、取得情報331として記憶部33に記憶される。
【0159】
ステップS205において、取得情報に基づいて運動プランが変更される。処理部32は、フィードバック情報等を含む取得情報331に基づいて運動指標332を変更し、変更した運動指標332に基づいて、ユーザUの運動プラン334を変更する。その後、ステップS203に処理が戻される。
【0160】
なお、上記のステップS203~ステップS205の処理は、初回の運動を提案した後のユーザUの状況をモニタリングしたり運動を変更したりする処理(運動状況モニタリング・運動処方修正)に相当する。
【0161】
ステップS203~ステップS205の処理が繰り返し実行され、それによってユーザUの運動の支援が継続的に行われる。
【0162】
2.変形例
開示される技術は、上記実施形態に限定されない。いくつかの変形例について説明する。ユーザUは、心疾患患者、サルコペニア患者、フレイル患者以外の患者であってもよい。患者に限らず、運動を行おうとするあらゆる人物がユーザUとなり得る。
【0163】
医療従事者端末4以外の端末が存在していてもよい。他の端末の例は、コミュニティメンバー端末であり、ネットワークNを介してユーザ端末2、支援装置3等と通信可能である。コミュニティメンバーは、ユーザUと同じコミュニティに属するメンバーが利用する端末であり、例えばユーザUの家族、ユーザUと同様の疾患を有する他の患者等である。例えば、支援装置3の処理部32によって生成された運動プラン334やレポート335が、支援装置3からコミュニティメンバー端末に送信され、コミュニティメンバーに提示される。コミュニティメンバーでの情報共有が可能になる。
【0164】
処理部32による処理の少なくとも一部の処理に、学習済みモデルが用いられてよい。例えば、運動指標332の決定に、学習済みモデルが用いられてよい。その場合の学習済みモデルは、例えば、取得情報331等に対応するデータが入力されると、運動指標332に対応するデータを出力するように、訓練データを用いて機械学習されている。運動プラン334の生成に、学習済みモデルが用いられてよい。その場合の学習済みモデルは、例えば、運動指標332に対応するデータが入力されると、運動プラン334に対応するデータを出力する。運動指標332の決定を経ずに運動プラン334を生成する学習済みモデルが用いられてもよく、その場合の学習済みモデルは、取得情報331等に対応するデータが入力されると、運動プラン334に対応するデータを出力する。運動指標332の変更及び運動プラン334の変更についても同様である。
【0165】
支援装置3の一部又は全部の機能は、ユーザ端末2に設けられてもよし、医療従事者端末4に設けられてもよい。また、支援装置3の一部又は全部の機能は、複数の装置(例えばサーバ装置等)に分散して設けられてもよい。
【0166】
3.ハードウェア構成の例
図31は、ハードウェア構成の例を示すブロック図である。以下では、支援装置3を例に挙げて説明する。ユーザ端末2及び医療従事者端末4についても同様の説明が可能である。支援装置3による各種処理は、ソフトウェアと、以下に説明するハードウェアとの協働により実現される。
【0167】
図31に示されるように、支援装置3は、CPU(Central Processing Unit)901、ROM(Read Only Memory)902、RAM(Random Access Memory)903及びホストバス904aを備える。また、ユーザ端末2は、ブリッジ904、外部バス904b、インタフェース905、入力装置906、出力装置907、ストレージ装置908、ドライブ909、接続ポート911、通信装置913及びセンサ915を備える。支援装置3は、CPU901に代えて、又はこれとともに、DSP若しくはASIC等の処理回路を有してもよい。
【0168】
CPU901は、演算処理装置及び制御装置として機能し、各種プログラムに従って支援装置3内の動作全般を制御する。また、CPU901は、マイクロプロセッサであってもよい。ROM902は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM903は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。CPU901は、例えば、支援装置3処理部32を具現し得る。
【0169】
CPU901、ROM902及びRAM903は、CPUバス等を含むホストバス904aにより相互に接続されている。ホストバス904aは、ブリッジ904を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バス等の外部バス904bに接続されている。なお、ホストバス904a、ブリッジ904及び外部バス904bは、お互いから分離した構成を必ずしも有する必要はなく、単一の構成(例えば1つのバス)において実装されてもよい。
【0170】
入力装置906は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチ及びレバー等、実施者によって情報が入力される装置によって実現される。また、入力装置906は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール装置であってもよいし、支援装置3の操作に対応した携帯電話やPDA等の外部接続機器であってもよい。さらに、入力装置906は、例えば、上記の入力手段を用いて実施者により入力された情報に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路等を含んでいてもよい。ユーザUは、この入力装置906を操作することにより、支援装置3に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
【0171】
出力装置907は、取得した情報を実施者に対して視覚的又は聴覚的に通知することが可能な装置で形成される。このような装置として、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、ELディスプレイ装置及びランプ等の表示装置や、スピーカ及びヘッドホン等の音響出力装置や、プリンタ装置等がある。
【0172】
ストレージ装置908は、データ格納用の装置である。ストレージ装置908は、例えば、HDD等の磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス又は光磁気記憶デバイス等により実現される。ストレージ装置908は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置及び記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置等を含んでもよい。このストレージ装置908は、CPU901が実行するプログラムや各種データ及び外部から取得した各種のデータ等を格納する。ストレージ装置908は、例えば、支援装置3の記憶部33を具現し得る。
【0173】
ドライブ909は、記憶媒体用リーダライタであり、支援装置3に内蔵、或いは外付けされる。ドライブ909は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記憶媒体に記録されている情報を読み出して、RAM903に出力する。また、ドライブ909は、リムーバブル記憶媒体に情報を書き込むこともできる。
【0174】
接続ポート911は、外部機器と接続されるインタフェースであって、例えばUSB(Universal Serial Bus)等によりデータ伝送可能な外部機器との接続口である。
【0175】
通信装置913は、例えば、ネットワーク920(例えば図1のネットワークNに相当)に接続するための通信デバイス等で形成された通信インタフェースである。通信装置913は、例えば、有線若しくは無線LAN(Local Area Network)、LTE(Long Term Evolution)、Bluetooth(登録商標)又はWUSB(Wireless USB)用の通信カード等である。また、通信装置913は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ又は各種通信用のモデム等であってもよい。この通信装置913は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、例えばTCP/IP等の所定のプロトコルに則して信号等を送受信することができる。通信装置913は、例えば、支援装置3の取得部31を具現し得る。
【0176】
なお、ネットワーク920は、ネットワーク920に接続されている装置から送信される情報の有線又は無線の伝送路である。例えば、ネットワーク920は、インターネット、電話回線網、衛星通信網等の公衆回線網や、Ethernet(登録商標)を含む各種のLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等を含んでもよい。また、ネットワーク920は、IP-VPN(Internet Protocol - Virtual Private Network)等の専用回線網を含んでもよい。
【0177】
以上、支援装置3の機能を実現可能なハードウェア構成例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて実現されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより実現されていてもよい。従って、本開示を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用するハードウェア構成を変更することが可能である。
【0178】
なお、上記のような支援装置3の各機能を実現するためのコンピュータプログラム(例えば図1の支援プログラム336に相当)を作製し、PC等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等を含む。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。そのようなコンピュータプログラムが記録されたコンピュータが読み取り可能な非一時的(non-transitory)な記録媒体も、開示される技術の1つである。
【0179】
4.効果の例
以上で説明した技術は、例えば次のように特定される。開示される技術の1つは、支援システム100である。図1図17等を参照して説明したように、支援システム100は、ユーザUの運動耐容能情報を含む取得情報331に基づいて、ユーザUの運動プラン334を生成する処理部32、を備える。
【0180】
上記の支援システム100によれば、例えばCPX試験を実施しなくとも、ユーザUに適した負荷の運動プラン334を生成することができる。これにより、ユーザUの運動の支援が可能になる。
【0181】
図3等を参照して説明したように、運動耐容能情報は、SAS結果、NYHA心機能分類結果及びCS30結果の少なくとも1つを含んでよい。例えばこのような運動耐容能情報に基づいて、適切な運動プラン334を生成することができる。
【0182】
図4等を参照して説明したように、取得情報331は、ユーザUの連続歩行の情報を含み、連続歩行の情報は、歩数の情報、歩行速度の情報、歩行時間の情報及び歩行距離の情報の少なくとも1つを含んでよい。また、取得情報311は、ユーザUの血液検査結果を含み、血液検査結果は、EF値及びBNP値の少なくとも一方を含んでよい。このような情報も含む取得情報331に基づくことで、より適切な運動プラン334を生成することができる。
【0183】
図16及び図17等を参照して説明したように、運動プラン334は、有酸素運動(例えば体操・ウォーキング)及び筋力運動(筋力トレーニング)の少なくとも一方を含んでよい。また、運動プラン334は、運動動画を含んでよい。例えばこのような運動プラン334を生成することで、ユーザUの運動を支援することができる。
【0184】
図5図13等を参照して説明したように、処理部32は、取得情報331に基づいて、運動指標332を決定し、決定した運動指標332に基づいて、運動プラン334を生成してよい。例えばこのようにして、運動プラン334を生成することができる。例えば下記のようにさまざまな運動指標332が決定されてよい。
【0185】
図5図7等を参照して説明したように、運動指標332は、運動強度を含み、処理部32は、取得情報331に基づいて、運動強度を決定してよい。
【0186】
図5及び図8等を参照して説明したように、運動指標332は、運動強度及び有酸素運動の目標運動頻度を含み、処理部32は、決定した運動強度に基づいて、有酸素運動の目標運動頻度を決定してよい。
【0187】
図4図5及び図9等を参照して説明したように、取得情報331は、ユーザUの運動禁忌の情報を含み、運動指標332は、筋力運動の目標運動頻度を含み、処理部32は、ユーザUの運動禁忌の情報に基づいて、筋力運動の目標運動頻度を決定してよい。
【0188】
図5及び図10等を参照して説明したように、運動指標332は、運動強度及び有酸素運動の目標運動時間を含み、処理部32は、決定した運動強度に基づいて、有酸素運動の目標運動時間を決定してよい。
【0189】
図4及び図5等を参照して説明したように、取得情報331は、ユーザUの安静時心拍数の情報、ユーザUの年齢の情報及びユーザUの薬の情報を含み、運動指標332は、運動強度及び有酸素運動の目標心拍数を含み、処理部32は、ユーザUの安静時心拍数の情報、ユーザUの年齢の情報、ユーザUの薬の情報及び決定した運動強度に基づいて、有酸素運動の目標心拍数を決定してよい。
【0190】
図4図5及び図11等を参照して説明したように、取得情報331は、ユーザUのペースメーカの情報を含み、運動指標332は、筋力運動の目標心拍数を含み、処理部32は、ユーザUのペースメーカの情報に基づいて、筋力運動の目標心拍数を決定してよい。
【0191】
図4図5及び図12等を参照して説明したように、取得情報331は、ユーザUの疼痛箇所の情報を含み、運動指標332は、有酸素運動の運動種類を含み、処理部32は、ユーザUの疼痛箇所の情報に基づいて、有酸素運動の運動種類を決定してよい。
【0192】
図4図5及び図13等を参照して説明したように、取得情報331は、ユーザUの疼痛箇所の情報及びユーザUの強化箇所の情報を含み、運動指標は、筋力運動の運動種類を含み、処理部32は、ユーザUの疼痛箇所の情報及びユーザUの強化箇所の情報に基づいて、筋力運動の運動種類を決定してよい。
【0193】
図18図25等を参照して説明したように、取得情報331は、ユーザUに提示された運動プラン334についてのフィードバック情報を含み、処理部32は、フィードバック情報に基づいて、運動プラン334を変更してよい。これにより、ユーザUに適した負荷となるように運動プラン334を変更することができる。適切な運動プラン334でユーザUの運動を支援し続けることができる。
【0194】
図18及び図19等を参照して説明したように、フィードバック情報は、ユーザUの自覚的運動強度の情報を含んでよい。自覚的運動強度の情報は、ボルグスケールの値を含んでよい。例えばこのようなフィードバック情報に基づいて、運動プラン334を適切に変更することができる。
【0195】
図5及び図18図25等を参照して説明したように、処理部32は、フィードバック情報を含む取得情報331に基づいて、運動指標332を変更し、変更した運動指標332に基づいて、運動プラン334を変更してよい。例えば、図4及び図18等を参照して説明したように、取得情報331は、ユーザUの睡眠時間の情報、ユーザUの皮膚温度の情報、ユーザUの血圧の情報、ユーザUの体重の情報、ユーザUの心拍変動の情報、ユーザUの呼吸数の情報、ユーザUの血中酸素濃度の情報、ユーザUの運動頻度の情報、ユーザUの運動時心拍数の情報、ユーザUの運動時間の情報、ユーザUの睡眠スコアの情報、ユーザUの基礎疾患の情報、ユーザUの合併症の情報、ユーザUの心不全自覚症状の情報、ユーザUの自覚的運動強度の情報、ユーザUの運動動画評価の情報及びユーザUの運動動画再生時間の情報の少なくとも1つを含んでよい。図5図20図21A及び図21B等を参照して説明したように、運動指標は、有酸素運動の目標心拍数、目標運動頻度、目標運動時間及び運動強度の少なくとも1つを含んでよい。例えばこのようにして、運動プラン334を変更することができる。例えば下記のようにさまざまな運動指標332が変更されてよい。
【0196】
図5図18及び図20等を参照して説明したように、取得情報331は、ユーザUの運動時心拍数の情報及びユーザUの自覚的運動強度の情報を含み、運動指標は、有酸素運動の目標心拍数を含み、処理部32は、ユーザUの運動時心拍数の情報及びユーザUの自覚的運動強度の情報に基づいて、有酸素運動の目標心拍数を変更してよい。
【0197】
図5図18図21A及び図21B等を参照して説明したように、取得情報331は、ユーザUの運動頻度の情報、ユーザUの運動時間の情報及びユーザUの自覚的運動強度の情報を含み、運動指標332は、目標運動頻度、目標運動時間及び運動強度を含み、処理部32は、ユーザUの運動頻度の情報、ユーザUの運動時間の情報及びユーザUの自覚的運動強度の情報に基づいて、目標運動頻度、目標運動時間及び運動強度の少なくとも1つを変更してよい。
【0198】
図5図18及び図22等を参照して説明したように、取得情報331は、ユーザUの安静時心拍数の情報及びユーザUの睡眠スコアの情報を含み、運動指標は、目標運動時間及び運動強度を含み、処理部32は、ユーザUの安静時心拍数の情報及びユーザUの睡眠スコアの情報に基づいて、目標運動時間及び運動強度の少なくとも一方を変更してよい。
【0199】
図5及び図26等を参照して説明したように、処理部32は、取得情報331に基づいて、ユーザUの運動のレポート335を生成してよい。これにより、例えば、ユーザUは、自身の運動の成果を把握し、運動継続のモチベーションを向上させることができる。
【0200】
図1及び図27図29等を参照して説明したように、支援システム100は、処理部32によって生成された運動プラン334を、変更可能な態様で医療従事者Dに提示する表示部4a、を備えてよい。これにより、医療従事者Dの判断に基づくより適切な運動プラン334でユーザUの運動を支援することができる。
【0201】
図30等を参照して説明した支援方法も、開示される技術の1つである。支援方法は、ユーザUの運動耐容能情報を含む取得情報331に基づいて、ユーザUの運動プラン334を生成すること(例えばステップS201、ステップS202)、を含む。このような支援方法によっても、これまで説明したように、ユーザUの運動の支援が可能になる。
【0202】
図1及び図31等を参照して説明した支援プログラム336も、開示される技術の1つである。支援プログラム336は、コンピュータに、ユーザUの運動耐容能情報を含む取得情報331に基づいて、ユーザUの運動プラン334を生成する処理、を実行させる。このような支援プログラム336によっても、これまで説明したように、ユーザUの運動の支援が可能になる。
【0203】
なお、本開示に記載された効果は、あくまで例示であって、開示された内容に限定されない。他の効果があってもよい。
【0204】
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示の技術的範囲は、上述の実施形態そのままに限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、異なる実施形態及び変形例にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0205】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
ユーザの運動耐容能情報を含む取得情報に基づいて、前記ユーザの運動プランを生成する処理部、
を備える、
支援システム。
(2)
前記運動耐容能情報は、SAS結果、NYHA心機能分類結果及びCS30結果の少なくとも1つを含む、
(1)に記載の支援システム。
(3)
前記取得情報は、前記ユーザの連続歩行の情報を含み、
前記連続歩行の情報は、歩数の情報、歩行速度の情報、歩行時間の情報及び歩行距離の情報の少なくとも1つを含む、
(1)又は(2)に記載の支援システム。
(4)
前記取得情報は、前記ユーザの血液検査結果を含み、
前記血液検査結果は、EF値及びBNP値の少なくとも一方を含む、
(1)~(3)のいずれかに記載の支援システム。
(5)
前記運動プランは、有酸素運動及び筋力運動の少なくとも一方を含む、
(1)~(4)のいずれかに記載の支援システム。
(6)
前記運動プランは、運動動画を含む、
(1)~(5)のいずれかに記載の支援システム。
(7)
前記処理部は、前記取得情報に基づいて、運動指標を決定し、決定した前記運動指標に基づいて、前記運動プランを生成する、
(1)~(6)のいずれかに記載の支援システム。
(8)
前記運動指標は、運動強度を含み、
前記処理部は、前記取得情報に基づいて、前記運動強度を決定する、
(7)に記載の支援システム。
(9)
前記運動指標は、運動強度及び有酸素運動の目標運動頻度を含み、
前記処理部は、決定した前記運動強度に基づいて、前記有酸素運動の目標運動頻度を決定する、
(7)又は(8)に記載の支援システム。
(10)
前記取得情報は、前記ユーザの運動禁忌の情報を含み、
前記運動指標は、筋力運動の目標運動頻度を含み、
前記処理部は、前記ユーザの運動禁忌の情報に基づいて、前記筋力運動の目標運動頻度を決定する、
(7)~(9)のいずれかに記載の支援システム。
(11)
前記運動指標は、運動強度及び有酸素運動の目標運動時間を含み、
前記処理部は、決定した前記運動強度に基づいて、前記有酸素運動の目標運動時間を決定する、
(7)~(10)のいずれかに記載の支援システム。
(12)
前記取得情報は、前記ユーザの安静時心拍数の情報、前記ユーザの年齢の情報及び前記ユーザの薬の情報を含み、
前記運動指標は、運動強度及び有酸素運動の目標心拍数を含み、
前記処理部は、前記ユーザの安静時心拍数の情報、前記ユーザの年齢の情報、前記ユーザの薬の情報及び決定した前記運動強度に基づいて、前記有酸素運動の目標心拍数を決定する、
(7)~(11)のいずれかに記載の支援システム。
(13)
前記取得情報は、前記ユーザのペースメーカの情報を含み、
前記運動指標は、筋力運動の目標心拍数を含み、
前記処理部は、前記ユーザのペースメーカの情報に基づいて、前記筋力運動の目標心拍数を決定する、
(7)~(12)のいずれかに記載の支援システム。
(14)
前記取得情報は、前記ユーザの疼痛箇所の情報を含み、
前記運動指標は、有酸素運動の運動種類を含み、
前記処理部は、前記ユーザの疼痛箇所の情報に基づいて、前記有酸素運動の運動種類を決定する、
(7)~(13)のいずれかに記載の支援システム。
(15)
前記取得情報は、前記ユーザの疼痛箇所の情報及び前記ユーザの強化箇所の情報を含み、
前記運動指標は、筋力運動の運動種類を含み、
前記処理部は、前記ユーザの疼痛箇所の情報及び前記ユーザの強化箇所の情報に基づいて、前記筋力運動の運動種類を決定する、
(7)~(14)のいずれかに記載の支援システム。
(16)
前記取得情報は、前記ユーザに提示された前記運動プランについてのフィードバック情報を含み、
前記処理部は、前記フィードバック情報に基づいて、前記運動プランを変更する、
(1)~(15)のいずれかに記載の支援システム。
(17)
前記フィードバック情報は、前記ユーザの自覚的運動強度の情報を含む、
(16)に記載の支援システム。
(18)
前記自覚的運動強度の情報は、ボルグスケールの値を含む、
(17)に記載の支援システム。
(19)
前記処理部は、前記フィードバック情報を含む前記取得情報に基づいて、運動指標を変更し、変更した前記運動指標に基づいて、前記運動プランを変更する、
(16)~(18)のいずれかに記載の支援システム。
(20)
前記取得情報は、前記ユーザの睡眠時間の情報、前記ユーザの皮膚温度の情報、前記ユーザの血圧の情報、前記ユーザの体重の情報、前記ユーザの心拍変動の情報、前記ユーザの呼吸数の情報、前記ユーザの血中酸素濃度の情報、前記ユーザの運動頻度の情報、前記ユーザの運動時心拍数の情報、前記ユーザの運動時間の情報、前記ユーザの睡眠スコアの情報、前記ユーザの基礎疾患の情報、前記ユーザの合併症の情報、前記ユーザの心不全自覚症状の情報、前記ユーザの自覚的運動強度の情報、前記ユーザの運動動画評価の情報及び前記ユーザの運動動画再生時間の情報の少なくとも1つをさらに含む、
(19)に記載の支援システム。
(21)
前記運動指標は、有酸素運動の目標心拍数、目標運動頻度、目標運動時間及び運動強度の少なくとも1つを含む、
(19)に記載の支援システム。
(22)
前記取得情報は、前記ユーザの運動時心拍数の情報及び前記ユーザの自覚的運動強度の情報を含み、
前記運動指標は、有酸素運動の目標心拍数を含み、
前記処理部は、前記ユーザの運動時心拍数の情報及び前記ユーザの自覚的運動強度の情報に基づいて、前記有酸素運動の目標心拍数を変更する、
(19)に記載の支援システム。
(23)
前記取得情報は、前記ユーザの運動頻度の情報、前記ユーザの運動時間の情報及び前記ユーザの自覚的運動強度の情報を含み、
前記運動指標は、目標運動頻度、目標運動時間及び運動強度を含み、
前記処理部は、前記ユーザの運動頻度の情報、前記ユーザの運動時間の情報及び前記ユーザの自覚的運動強度の情報に基づいて、前記目標運動頻度、前記目標運動時間及び前記運動強度の少なくとも1つを変更する、
(19)~(22)のいずれかに記載の支援システム。
(24)
前記取得情報は、前記ユーザの安静時心拍数の情報及び前記ユーザの睡眠スコアの情報を含み、
前記運動指標は、目標運動時間及び運動強度を含み、
前記処理部は、前記ユーザの安静時心拍数の情報及び前記ユーザの睡眠スコアの情報に基づいて、前記目標運動時間及び前記運動強度の少なくとも一方を変更する、
(19)~(23)のいずれかに記載の支援システム。
(25)
前記処理部は、前記取得情報に基づいて、前記ユーザの運動のレポートを生成する、
(1)~(24)のいずれかに記載の支援システム。
(26)
前記処理部によって生成された前記運動プランを、変更可能な態様で医療従事者に提示する表示部、
を備える、
(1)~(25)のいずれかに記載の支援システム。
(27)
ユーザの運動耐容能情報を含む取得情報に基づいて、前記ユーザの運動プランを生成すること、
を含む、
支援方法。
(28)
コンピュータに、
ユーザの運動耐容能情報を含む取得情報に基づいて、前記ユーザの運動プランを生成する処理、
を実行させる、
支援プログラム。
【符号の説明】
【0206】
100 支援システム
1 センサ
2 ユーザ端末
2a 表示部
3 支援装置
31 取得部
32 処理部
33 記憶部
331 取得情報
332 運動指標
333 動画データ
334 運動プラン
335 レポート
336 支援プログラム
4 医療従事者端末
4a 表示部
901 CPU
902 ROM
903 RAM
904 ブリッジ
904a ホストバス
905 インタフェース
906 入力装置
907 出力装置
908 ストレージ装置
909 ドライブ
911 接続ポート
913 通信装置
920 ネットワーク
図1
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図3
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図21A
図21B
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