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特開2023-159555軸状部材を着磁させる着磁体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159555
(43)【公開日】2023-11-01
(54)【発明の名称】軸状部材を着磁させる着磁体
(51)【国際特許分類】
H01F 13/00 20060101AFI20231025BHJP
B25B 23/12 20060101ALI20231025BHJP
H01F 7/02 20060101ALI20231025BHJP
【FI】
H01F13/00
B25B23/12
H01F7/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022069302
(22)【出願日】2022-04-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-16
(71)【出願人】
【識別番号】591057441
【氏名又は名称】アネックスツール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛
(72)【発明者】
【氏名】兼古 耕一
【テーマコード(参考)】
3C038
【Fターム(参考)】
3C038BB02
(57)【要約】
【課題】本発明は、従来にない商品価値の高い画期的な軸状部材を着磁させる着磁体を提供することを目的とする。
【解決手段】軸状部材50を着磁させる着磁体であって、内面に凹所1a,2aを有する2つの半体1,2から成り、この2つの半体1,2を該半体1,2夫々の所定部位同士をスライド自在に連結して合体させ、前記両凹所1a,2aにより所定長の軸状部材挿通孔3が形成されるように構成され、更に、前記両半体1,2は相対的に前記軸状部材挿通孔3の径が拡縮するように可動可能に構成され、前記両半体1,2には着磁用磁石4,5が設けられたものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸状部材を着磁させる着磁体であって、内面に凹所を有する2つの半体から成り、この2つの半体を該半体夫々の所定部位同士をスライド自在に連結して合体させ、前記両凹所により所定長の軸状部材挿通孔が形成されるように構成され、更に、前記両半体は相対的に前記軸状部材挿通孔の径が拡縮するように可動可能に構成され、前記両半体には着磁用磁石が設けられ、前記両半体同士は前記着磁用磁石同士の反発により、前記軸状部材挿通孔の径が拡大するように付勢されていることを特徴とする軸状部材を着磁させる着磁体。
【請求項2】
請求項1記載の軸状部材を着磁させる着磁体であって、前記両半体は同構造であり、スライド係止突部及びガイド凹溝部が設けられ、一方の前記半体のスライド係止突部を他方の前記半体のガイド凹溝部に挿入係止すると共に、前記他方の半体の前記スライド係止突部を前記一方の半体の前記ガイド凹溝部に挿入係止することで、前記一方の半体と前記他方の半体とがスライド自在に連結される構成であることを特徴とする軸状部材を着磁させる着磁体。
【請求項3】
請求項2記載の軸状部材を着磁させる着磁体において、前記両半体は、夫々水平部と該水平部と交差方向に突出する垂直部とを有し、前記水平部に前記スライド係止突部が設けられ、また、前記垂直部に前記ガイド凹溝部が設けられていることを特徴とする軸状部材を着磁させる着磁体。
【請求項4】
請求項2記載の軸状部材を着磁させる着磁体において、前記両半体は、夫々水平部と該水平部と交差方向に突出する垂直部とを有し、前記垂直部に前記スライド係止突部が設けられ、また、前記水平部に前記ガイド凹溝部が設けられていることを特徴とする軸状部材を着磁させる着磁体。
【請求項5】
請求項3,4いずれか1項に記載の軸状部材を着磁させる着磁体において、前記水平部は前記着磁用磁石を収納する磁石収納部を有し、この磁石収納部へ前記着磁用磁石を挿入収納する磁石挿入口部が前記水平部の端面部に設けられ、前記スライド係止突部を前記ガイド凹溝部に挿入係止した場合、前記垂直部により前記磁石挿入口部が閉塞されるように構成されていることを特徴とする軸状部材を着磁させる着磁体。
【請求項6】
請求項2~4いずれか1項に記載の軸状部材を着磁させる着磁体において、前記スライド係止突部は可撓性を有し、前記ガイド凹溝部に挿入係止してスライド自在に連結するように構成されていることを特徴とする軸状部材を着磁させる着磁体。
【請求項7】
請求項5記載の軸状部材を着磁させる着磁体において、前記スライド係止突部は可撓性を有し、前記ガイド凹溝部に挿入係止してスライド自在に連結するように構成されていることを特徴とする軸状部材を着磁させる着磁体。
【請求項8】
請求項1記載の軸状部材を着磁させる着磁体において、前記軸状部材はドライバー杆であることを特徴とする軸状部材を着磁させる着磁体。
【請求項9】
請求項1記載の軸状部材を着磁させる着磁体において、前記2つの半体は、合成樹脂製であることを特徴とする軸状部材を着磁させる着磁体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸状部材を着磁させる着磁体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、軸状部材を着磁させる着磁体として特許文献1に開示される着磁体(以下、従来例)を提案している。
【0003】
この従来例は、左右端部の可撓性アームを介して上下に連結される上ブロック部及び下ブロック部で構成され、この上ブロック部と下ブロック部との間に軸状部材を挿通する軸状部材挿通孔が設けられ、更に、上ブロック部及び下ブロック部夫々には着磁用のマグネットが設けられたものである。
【0004】
従って、従来例は、この上ブロック部と下ブロック部との間に設けられる軸状部材挿通孔に挿通させた軸状部材は着磁されることになり、しかも、可撓性アームの撓みにより上ブロック部と下ブロック部とが接近移動して軸状部材挿通孔が縮径する為、径寸法の異なる軸状部材に対応して確実に固定することができて非常に便利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者は、前述した着磁体について更なる鋭意研究を行った結果、従来にない商品価値の高い画期的な軸状部材を着磁させる着磁体を開発した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0008】
軸状部材50を着磁させる着磁体であって、内面に凹所1a,2aを有する2つの半体1,2から成り、この2つの半体1,2を該半体1,2夫々の所定部位同士をスライド自在に連結して合体させ、前記両凹所1a,2aにより所定長の軸状部材挿通孔3が形成されるように構成され、更に、前記両半体1,2は相対的に前記軸状部材挿通孔3の径が拡縮するように可動可能に構成され、前記両半体1,2には着磁用磁石4,5が設けられ、前記両半体1,2同士は前記着磁用磁石4,5同士の反発により、前記軸状部材挿通孔3の径が拡大するように付勢されていることを特徴とする軸状部材を着磁させる着磁体に係るものである。
【0009】
また、請求項1記載の軸状部材を着磁させる着磁体であって、前記両半体1,2は同構造であり、スライド係止突部1c,2c及びガイド凹溝部1b,2bが設けられ、一方の前記半体1のスライド係止突部1cを他方の前記半体2のガイド凹溝部2bに挿入係止すると共に、前記他方の半体2の前記スライド係止突部2cを前記一方の半体1の前記ガイド凹溝部1bに挿入係止することで、前記一方の半体1と前記他方の半体2とがスライド自在に連結される構成であることを特徴とする軸状部材を着磁させる着磁体に係るものである。
【0010】
また、請求項2記載の軸状部材を着磁させる着磁体において、前記両半体1,2は、夫々水平部1’,2’と該水平部1’,2’と交差方向に突出する垂直部1”,2”とを有し、前記水平部1’,2’に前記スライド係止突部1c,2cが設けられ、また、前記垂直部1”,2”に前記ガイド凹溝部1b,2bが設けられていることを特徴とする軸状部材を着磁させる着磁体に係るものである。
【0011】
また、請求項2記載の軸状部材を着磁させる着磁体において、前記両半体1,2は、夫々水平部1’,2’と該水平部1’,2’と交差方向に突出する垂直部1”,2”とを有し、前記垂直部1”,2”に前記スライド係止突部1c,2cが設けられ、また、前記水平部1’,2’に前記ガイド凹溝部1b,2bが設けられていることを特徴とする軸状部材を着磁させる着磁体に係るものである。
【0012】
また、請求項3,4いずれか1項に記載の軸状部材を着磁させる着磁体において、前記水平部1’,2’は前記着磁用磁石4,5を収納する磁石収納部1d,2dを有し、この磁石収納部1d,2dへ前記着磁用磁石4,5を挿入収納する磁石挿入口部1d’,2d’が前記水平部1’,2’の端面部に設けられ、前記スライド係止突部1c,2cを前記ガイド凹溝部1b,2bに挿入係止した場合、前記垂直部1”,2”により前記磁石挿入口部1d’,2d’が閉塞されるように構成されていることを特徴とする軸状部材を着磁させる着磁体に係るものである。
【0013】
また、請求項2~4いずれか1項に記載の軸状部材を着磁させる着磁体において、前記スライド係止突部1c,2cは可撓性を有し、前記ガイド凹溝部1b,2bに挿入係止してスライド自在に連結するように構成されていることを特徴とする軸状部材を着磁させる着磁体に係るものである。
【0014】
また、請求項5記載の軸状部材を着磁させる着磁体において、前記スライド係止突部1c,2cは可撓性を有し、前記ガイド凹溝部1b,2bに挿入係止してスライド自在に連結するように構成されていることを特徴とする軸状部材を着磁させる着磁体に係るものである。
【0015】
また、請求項1記載の軸状部材を着磁させる着磁体において、前記軸状部材50はドライバー杆であることを特徴とする軸状部材を着磁させる着磁体に係るものである。
【0016】
また、請求項1記載の軸状部材を着磁させる着磁体において、前記2つの半体1,2は、合成樹脂製であることを特徴とする軸状部材を着磁させる着磁体に係るものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明は上述のように構成したから、部品点数が少なくシンプルな構造故に製造面及びコスト面に秀れるなど、従来にない商品価値の高い画期的な軸状部材を着磁させる着磁体となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【発明を実施するための形態】
【0019】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0020】
本発明は、軸状部材50を軸状部材挿通孔3(凹所1a,2a同士の間)に挿通させていない未使用時の場合、着磁用磁石4,5同士の反発により軸状部材挿通孔3は拡径状態が保持されており、よって、この軸状部材挿通孔3に適したサイズの軸状部材50を挿通することができる。
【0021】
一方、軸状部材50を着磁する場合、軸状部材50を軸状部材挿通孔3に挿通すると、軸状部材50に対する着磁用磁石4,5夫々の吸着作用が生じることで、両半体1,2は相対的に可動して軸状部材挿通孔3が縮径することになり、よって、軸状部材50は着磁され、また、径寸法の異なる軸状部材50に対応して確実に固定することができる。
【0022】
また、本発明は、2つの半体1,2を該半体1,2夫々の所定部位同士をスライド自在に連結して合体させる構成であり、よって、一方の半体1と他方の半体2とを連結するだけで組み立てが完了するといった極めてシンプルな構造の為、製造面及びコスト面に秀れることになる。
【実施例0023】
<実施例1>
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0024】
本実施例は、軸状部材50を着磁させる着磁体であって、内面に凹所1a,2aを有する2つの半体1,2から成り、この2つの半体1,2を該半体1,2夫々の所定部位同士をスライド自在に連結して合体させ、両凹所1a,2aにより所定長の軸状部材挿通孔3が形成されるように構成され、更に、両半体1,2は相対的に軸状部材挿通孔3の径が拡縮するように可動可能に構成され、両半体1,2には着磁用磁石4,5が設けられ、両半体1,2同士は着磁用磁石4,5同士の反発により、軸状部材挿通孔3の径が拡大するように付勢されたものである。
【0025】
尚、本実施例では、着磁する(磁気を付与する)軸状部材50として軸径寸法が1.8~3.0mm程度の細い精密ドライバー(ドライバー杆)を対象としているが、種々のサイズや種類(電動工具に付設されるドライバービット(段付きビット))など、本実施例の特性を発揮する構成であれば適宜採用し得るものである。
【0026】
以下、本実施例に係る構成各部について詳細な説明をする。
【0027】
本実施例に係る2つの半体1,2は同一構造であり、一方の半体1には、スライド係止突部1cが一体成形されると共にガイド凹溝部1bが設けられ、他方の半体2には、スライド係止突部2cが一体成形されると共にガイド凹溝部2bが設けられ、一方の半体1のスライド係止突部1cを他方の半体2のガイド凹溝部2bに挿入係止すると共に、他方の半体2のスライド係止突部2cを一方の半体1のガイド凹溝部1bに挿入係止することで、一方の半体1と他方の半体2とが挿入係止方向と直交する方向にスライド自在に連結される構成である。
【0028】
具体的には、両半体1,2は、
図1~4に図示したように適宜な合成樹脂製の部材(例えばポリカーボネート)で型成形したものであり、方形板状の水平部1’,2’と該水平部1’,2’と交差方向に突出する方形板状の垂直部1”,2”とがL字状に連設して成り、水平部1’,2’の端面左右位置に複数(一対)のスライド係止突部1c,2cが突出状態に設けられ、垂直部1”,2”の表裏面左右位置に複数(一対)のガイド凹溝部1b,2bが貫通状態に設けられている。尚、本明細書では、一方の半体1の凹所1aが上方に位置した状態(
図1の状態)を基準に両半体1,2の部位(水平部1’,2’及び垂直部1”,2”)を規定している。
【0029】
また、スライド係止突部1c,2cは、可撓性を有して倒伏可能な係止片であり、鉤状先端部1c’,2c’をガイド凹溝部1b,2bに挿入係止して該挿入係止方向と直交する方向にスライド自在に連結するように構成されている。
【0030】
また、垂直部1”,2”の外面にしてガイド凹溝部1b,2bの間には、凸条6a,7aが複数並設された滑り止め部6,7が設けられている。
【0031】
従って、この滑り止め部6,7に指を当てた状態とすることで、軸状部材50を後述する軸状部材挿通孔3(凹所1a,2a同士)の間に挿入する作業が良好に行える。
【0032】
また、水平部1’,2’の内面には、前後の端面部に開口する所定長の凹所1a,2a(凹条)が設けられている。
【0033】
この凹所1a,2aは、両半体1,2を連結した場合に対向位置に配されることになり、この両凹所1a,2aにより軸状部材50を挿通する所定長の正面視多角形状の軸状部材挿通孔3が形成される。
【0034】
また、水平部1’,2’の外面は、軸状部材50を脱磁する(磁気を取り除く若しくは低減する)為の部位として構成されている。
【0035】
具体的には、この合成樹脂製の水平部1’,2’の外面に軸状部材50を擦って垂直に離すことで脱磁が行われる。
【0036】
また、水平部1’,2’は着磁用磁石4,5を収納する磁石収納部1d,2dを有し、この磁石収納部1d,2dへ着磁用磁石4,5を挿入収納する磁石挿入口部1d’,2d’が水平部1’,2’の端面部にしてスライド係止突部1c,2c同士の間に設けられており、スライド係止突部1c,2cをガイド凹溝部1b,2bに係止した場合、垂直部1”,2”の内面により磁石挿入口部1d’,2d’が閉塞されるように構成されている。
【0037】
また、この磁石収納部1d,2dに着磁用磁石4,5を配する場合、互いに同一極が対向位置となる状態(反発力が生じる状態)に配される。
【0038】
従って、両半体1,2同士は、この着磁用磁石4,5同士の反発により、軸状部材挿通孔3の径が拡大するように付勢されている。
【0039】
また、磁石収納部1d,2d夫々に収納された着磁用磁石4,5は凹所1a,2a内に露出している。
【0040】
従って、着磁用磁石4,5は、軸状部材挿通孔3に挿通された軸状部材50に当接する。
【0041】
また、本実施例の着磁用磁石4,5は、直方体形状の磁石(例えばネオジム磁石)である。
【0042】
本実施例は上述のように構成したから、軸状部材50を軸状部材挿通孔3(凹所1a,2a同士の間)に挿通させていない未使用時の場合、着磁用磁石4,5同士の反発により軸状部材挿通孔3は拡径状態が保持されており、よって、この軸状部材挿通孔3に適したサイズの軸状部材50を挿通することができる。
【0043】
一方、軸状部材50を着磁する場合、軸状部材50を軸状部材挿通孔3に挿通すると、軸状部材50に対する着磁用磁石4,5夫々の吸着作用が生じることで、両半体1,2は相対的に可動して軸状部材挿通孔3が縮径することになり、よって、軸状部材50は着磁され、また、径寸法の異なる軸状部材50に対応して確実に固定することができる。
【0044】
その後、軸状部材挿通孔3から軸状部材50を引き抜くと、着磁用磁石4,5同士の反発により軸状部材挿通孔3は拡径する(凹所1a,2aが離反するよう一方の半体1と他方の半体2同士はスライド移動する)。
【0045】
また、本実施例は、2つの半体1,2を該両半体1,2夫々の所定部位同士をスライド自在に連結して合体させる構成であり、よって、両半体1,2同士を連結するだけで組み立てが完了するといった極めてシンプルな構造の為、製造面及びコスト面に秀れることになる。
【0046】
<実施例2>
本実施例は、
図8,9,10に図示したように一方の半体1は、方形板状の水平部1’と該水平部1’と交差方向に突出する方形板状の垂直部1”とがL字状に連設して成り、水平部1’にガイド凹溝部1bが設けられ、垂直部1”にスライド係止突部1cが設けられ、他方の半体2は、方形板状の水平部2’と該水平部2’と交差方向に突出する方形板状の垂直部2”とがL字状に連設して成り、水平部2’にガイド凹溝部2bが設けられ、垂直部2”にスライド係止突部2cが設けられたものであり、一方の半体1のスライド係止突部1cを他方の半体2のガイド凹溝部2bに挿入係止すると共に、他方の半体2のスライド係止部2cを一方の半体1のガイド凹溝部1bに挿入係止することで、一方の半体1と他方の半体2とが挿入係止方向と同一方向にスライド自在に連結される構成としたものである。
【0047】
また、水平部1’,2’には、ガイド凹溝部1b,2b夫々の近傍位置に板状の支承部1e,2eが突設されている。
【0048】
この支承部1e,2eは、ガイド凹溝部1b,2b夫々に挿入係止するスライド係止突部1c,2cが設けられる垂直部1”,2”夫々を外側で支承するように構成されている。
【0049】
従って、一方の半体1と他方の半体2とにおけるガタつきの無い良好なスライドが可能となる。
【0050】
また、本実施例では、支承部1e,2e夫々の外面に凸条6a,7aを並設して成る滑り止め部6,7が設けられている。
【0051】
尚、本実施例は、着磁する(磁気を付与する)軸状部材50として比較的軸径寸法の大きい電動工具に付設されるドライバービット(段付きビット)を対象としているが、精密ドライバー(ドライバー杆)でも良い。
【0052】
その余は実施例1と同様である。
【0053】
尚、本発明は、実施例1,2に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0054】
1 半体
1’ 水平部
1” 垂直部
1a 凹所
1b ガイド凹溝部
1c スライド係止突部
1d 磁石収納部
1d’ 磁石挿入口部
2 半体
2’ 水平部
2” 垂直部
2a 凹所
2b ガイド凹溝部
2c スライド係止突部
2d 磁石収納部
2d’ 磁石挿入口部
3 軸状部材挿通孔
4 着磁用磁石
5 着磁用磁石
50 軸状部材
【手続補正書】
【提出日】2023-08-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸状部材を着磁させる着磁体であって、内面に凹所を有する2つの半体から成り、この2つの半体を該半体夫々の所定部位同士をスライド自在に連結して合体させ、前記両凹所により所定長の軸状部材挿通孔が形成されるように構成され、更に、前記両半体は相対的に前記軸状部材挿通孔の径が拡縮するように可動可能に構成され、前記両半体には着磁用磁石が設けられ、前記両半体同士は前記着磁用磁石同士の反発により、前記軸状部材挿通孔の径が拡大するように付勢される構成であり、また、前記両半体は、夫々水平部と該水平部と交差方向に突出する垂直部とを有する同構造であり、前記水平部にスライド係止突部が設けられ、また、前記垂直部にガイド凹溝部が設けられ、一方の前記半体のスライド係止突部を他方の前記半体のガイド凹溝部に挿入係止すると共に、前記他方の半体の前記スライド係止突部を前記一方の半体の前記ガイド凹溝部に挿入係止することで、前記一方の半体と前記他方の半体とがスライド自在に連結される構成であり、更に、前記水平部は前記着磁用磁石を収納する磁石収納部を有し、この磁石収納部へ前記着磁用磁石を挿入収納する磁石挿入口部が前記水平部の端面部に設けられ、前記スライド係止突部を前記ガイド凹溝部に挿入係止した場合、前記垂直部により前記磁石挿入口部が閉塞されるように構成されていることを特徴とする軸状部材を着磁させる着磁体。
【請求項2】
軸状部材を着磁させる着磁体であって、内面に凹所を有する2つの半体から成り、この2つの半体を該半体夫々の所定部位同士をスライド自在に連結して合体させ、前記両凹所により所定長の軸状部材挿通孔が形成されるように構成され、更に、前記両半体は相対的に前記軸状部材挿通孔の径が拡縮するように可動可能に構成され、前記両半体には着磁用磁石が設けられ、前記両半体同士は前記着磁用磁石同士の反発により、前記軸状部材挿通孔の径が拡大するように付勢される構成であり、また、前記両半体は、夫々水平部と該水平部と交差方向に突出する垂直部とを有する同構造であり、前記垂直部にスライド係止突部が設けられ、また、前記水平部にガイド凹溝部が設けられ、一方の前記半体のスライド係止突部を他方の前記半体のガイド凹溝部に挿入係止すると共に、前記他方の半体の前記スライド係止突部を前記一方の半体の前記ガイド凹溝部に挿入係止することで、前記一方の半体と前記他方の半体とがスライド自在に連結される構成であり、更に、前記水平部は前記着磁用磁石を収納する磁石収納部を有し、この磁石収納部へ前記着磁用磁石を挿入収納する磁石挿入口部が前記水平部の端面部に設けられ、前記スライド係止突部を前記ガイド凹溝部に挿入係止した場合、前記垂直部により前記磁石挿入口部が閉塞されるように構成されていることを特徴とする軸状部材を着磁させる着磁体。
【請求項3】
請求項1,2いずれか1項に記載の軸状部材を着磁させる着磁体において、前記スライド係止突部は可撓性を有し、前記ガイド凹溝部に挿入係止してスライド自在に連結するように構成されていることを特徴とする軸状部材を着磁させる着磁体。
【請求項4】
請求項1,2いずれか1項に記載の軸状部材を着磁させる着磁体において、前記軸状部材はドライバー杆であることを特徴とする軸状部材を着磁させる着磁体。
【請求項5】
請求項3記載の軸状部材を着磁させる着磁体において、前記軸状部材はドライバー杆であることを特徴とする軸状部材を着磁させる着磁体。
【請求項6】
請求項1,2いずれか1項に記載の軸状部材を着磁させる着磁体において、前記2つの半体は、合成樹脂製であることを特徴とする軸状部材を着磁させる着磁体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸状部材を着磁させる着磁体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、軸状部材を着磁させる着磁体として特許文献1に開示される着磁体(以下、従来例)を提案している。
【0003】
この従来例は、左右端部の可撓性アームを介して上下に連結される上ブロック部及び下ブロック部で構成され、この上ブロック部と下ブロック部との間に軸状部材を挿通する軸状部材挿通孔が設けられ、更に、上ブロック部及び下ブロック部夫々には着磁用のマグネットが設けられたものである。
【0004】
従って、従来例は、この上ブロック部と下ブロック部との間に設けられる軸状部材挿通孔に挿通させた軸状部材は着磁されることになり、しかも、可撓性アームの撓みにより上ブロック部と下ブロック部とが接近移動して軸状部材挿通孔が縮径する為、径寸法の異なる軸状部材に対応して確実に固定することができて非常に便利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者は、前述した着磁体について更なる鋭意研究を行った結果、従来にない商品価値の高い画期的な軸状部材を着磁させる着磁体を開発した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0008】
軸状部材50を着磁させる着磁体であって、内面に凹所1a,2aを有する2つの半体1,2から成り、この2つの半体1,2を該半体1,2夫々の所定部位同士をスライド自在に連結して合体させ、前記両凹所1a,2aにより所定長の軸状部材挿通孔3が形成されるように構成され、更に、前記両半体1,2は相対的に前記軸状部材挿通孔3の径が拡縮するように可動可能に構成され、前記両半体1,2には着磁用磁石4,5が設けられ、前記両半体1,2同士は前記着磁用磁石4,5同士の反発により、前記軸状部材挿通孔3の径が拡大するように付勢される構成であり、また、前記両半体1,2は、夫々水平部1’,2’と該水平部1’,2’と交差方向に突出する垂直部1”,2”とを有する同構造であり、前記水平部1’,2’にスライド係止突部1c,2cが設けられ、また、前記垂直部1”,2”にガイド凹溝部1b,2bが設けられ、一方の前記半体1のスライド係止突部1cを他方の前記半体2のガイド凹溝部2bに挿入係止すると共に、前記他方の半体2の前記スライド係止突部2cを前記一方の半体1の前記ガイド凹溝部1bに挿入係止することで、前記一方の半体1と前記他方の半体2とがスライド自在に連結される構成であり、更に、前記水平部1’,2’は前記着磁用磁石4,5を収納する磁石収納部1d,2dを有し、この磁石収納部1d,2dへ前記着磁用磁石4,5を挿入収納する磁石挿入口部1d’,2d’が前記水平部1’,2’の端面部に設けられ、前記スライド係止突部1c,2cを前記ガイド凹溝部1b,2bに挿入係止した場合、前記垂直部1”,2”により前記磁石挿入口部1d’,2d’が閉塞されるように構成されていることを特徴とする軸状部材を着磁させる着磁体に係るものである。
【0009】
また、軸状部材50を着磁させる着磁体であって、内面に凹所1a,2aを有する2つの半体1,2から成り、この2つの半体1,2を該半体1,2夫々の所定部位同士をスライド自在に連結して合体させ、前記両凹所1a,2aにより所定長の軸状部材挿通孔3が形成されるように構成され、更に、前記両半体1,2は相対的に前記軸状部材挿通孔3の径が拡縮するように可動可能に構成され、前記両半体1,2には着磁用磁石4,5が設けられ、前記両半体1,2同士は前記着磁用磁石4,5同士の反発により、前記軸状部材挿通孔3の径が拡大するように付勢される構成であり、また、前記両半体1,2は、夫々水平部1’,2’と該水平部1’,2’と交差方向に突出する垂直部1”,2”とを有する同構造であり、前記垂直部1”,2”にスライド係止突部1c,2cが設けられ、また、前記水平部1’,2’にガイド凹溝部1b,2bが設けられ、一方の前記半体1のスライド係止突部1cを他方の前記半体2のガイド凹溝部2bに挿入係止すると共に、前記他方の半体2の前記スライド係止突部2cを前記一方の半体1の前記ガイド凹溝部1bに挿入係止することで、前記一方の半体1と前記他方の半体2とがスライド自在に連結される構成であり、更に、前記水平部1’,2’は前記着磁用磁石4,5を収納する磁石収納部1d,2dを有し、この磁石収納部1d,2dへ前記着磁用磁石4,5を挿入収納する磁石挿入口部1d’,2d’が前記水平部1’,2’の端面部に設けられ、前記スライド係止突部1c,2cを前記ガイド凹溝部1b,2bに挿入係止した場合、前記垂直部1”,2”により前記磁石挿入口部1d’,2d’が閉塞されるように構成されていることを特徴とする軸状部材を着磁させる着磁体に係るものである。
【0010】
また、請求項1,2いずれか1項に記載の軸状部材を着磁させる着磁体において、前記スライド係止突部1c,2cは可撓性を有し、前記ガイド凹溝部1b,2bに挿入係止してスライド自在に連結するように構成されていることを特徴とする軸状部材を着磁させる着磁体に係るものである。
【0011】
また、請求項1,2いずれか1項に記載の軸状部材を着磁させる着磁体において、前記軸状部材50はドライバー杆であることを特徴とする軸状部材を着磁させる着磁体に係るものである。
【0012】
また、請求項3記載の軸状部材を着磁させる着磁体において、前記軸状部材50はドライバー杆であることを特徴とする軸状部材を着磁させる着磁体に係るものである。
【0013】
また、請求項1,2いずれか1項に記載の軸状部材を着磁させる着磁体において、前記2つの半体1,2は、合成樹脂製であることを特徴とする軸状部材を着磁させる着磁体に係るものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明は上述のように構成したから、部品点数が少なくシンプルな構造故に製造面及びコスト面に秀れるなど、従来にない商品価値の高い画期的な軸状部材を着磁させる着磁体となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【発明を実施するための形態】
【0016】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0017】
本発明は、軸状部材50を軸状部材挿通孔3(凹所1a,2a同士の間)に挿通させていない未使用時の場合、着磁用磁石4,5同士の反発により軸状部材挿通孔3は拡径状態が保持されており、よって、この軸状部材挿通孔3に適したサイズの軸状部材50を挿通することができる。
【0018】
一方、軸状部材50を着磁する場合、軸状部材50を軸状部材挿通孔3に挿通すると、軸状部材50に対する着磁用磁石4,5夫々の吸着作用が生じることで、両半体1,2は相対的に可動して軸状部材挿通孔3が縮径することになり、よって、軸状部材50は着磁され、また、径寸法の異なる軸状部材50に対応して確実に固定することができる。
【0019】
また、本発明は、2つの半体1,2を該半体1,2夫々の所定部位同士をスライド自在に連結して合体させる構成であり、よって、一方の半体1と他方の半体2とを連結するだけで組み立てが完了するといった極めてシンプルな構造の為、製造面及びコスト面に秀れることになる。
【実施例0020】
<実施例1>
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0021】
本実施例は、軸状部材50を着磁させる着磁体であって、内面に凹所1a,2aを有する2つの半体1,2から成り、この2つの半体1,2を該半体1,2夫々の所定部位同士をスライド自在に連結して合体させ、両凹所1a,2aにより所定長の軸状部材挿通孔3が形成されるように構成され、更に、両半体1,2は相対的に軸状部材挿通孔3の径が拡縮するように可動可能に構成され、両半体1,2には着磁用磁石4,5が設けられ、両半体1,2同士は着磁用磁石4,5同士の反発により、軸状部材挿通孔3の径が拡大するように付勢されたものである。
【0022】
尚、本実施例では、着磁する(磁気を付与する)軸状部材50として軸径寸法が1.8~3.0mm程度の細い精密ドライバー(ドライバー杆)を対象としているが、種々のサイズや種類(電動工具に付設されるドライバービット(段付きビット))など、本実施例の特性を発揮する構成であれば適宜採用し得るものである。
【0023】
以下、本実施例に係る構成各部について詳細な説明をする。
【0024】
本実施例に係る2つの半体1,2は同一構造であり、一方の半体1には、スライド係止突部1cが一体成形されると共にガイド凹溝部1bが設けられ、他方の半体2には、スライド係止突部2cが一体成形されると共にガイド凹溝部2bが設けられ、一方の半体1のスライド係止突部1cを他方の半体2のガイド凹溝部2bに挿入係止すると共に、他方の半体2のスライド係止突部2cを一方の半体1のガイド凹溝部1bに挿入係止することで、一方の半体1と他方の半体2とが挿入係止方向と直交する方向にスライド自在に連結される構成である。
【0025】
具体的には、両半体1,2は、
図1~4に図示したように適宜な合成樹脂製の部材(例えばポリカーボネート)で型成形したものであり、方形板状の水平部1’,2’と該水平部1’,2’と交差方向に突出する方形板状の垂直部1”,2”とがL字状に連設して成り、水平部1’,2’の端面左右位置に複数(一対)のスライド係止突部1c,2cが突出状態に設けられ、垂直部1”,2”の表裏面左右位置に複数(一対)のガイド凹溝部1b,2bが貫通状態に設けられている。尚、本明細書では、一方の半体1の凹所1aが上方に位置した状態(
図1の状態)を基準に両半体1,2の部位(水平部1’,2’及び垂直部1”,2”)を規定している。
【0026】
また、スライド係止突部1c,2cは、可撓性を有して倒伏可能な係止片であり、鉤状先端部1c’,2c’をガイド凹溝部1b,2bに挿入係止して該挿入係止方向と直交する方向にスライド自在に連結するように構成されている。
【0027】
また、垂直部1”,2”の外面にしてガイド凹溝部1b,2bの間には、凸条6a,7aが複数並設された滑り止め部6,7が設けられている。
【0028】
従って、この滑り止め部6,7に指を当てた状態とすることで、軸状部材50を後述する軸状部材挿通孔3(凹所1a,2a同士)の間に挿入する作業が良好に行える。
【0029】
また、水平部1’,2’の内面には、前後の端面部に開口する所定長の凹所1a,2a(凹条)が設けられている。
【0030】
この凹所1a,2aは、両半体1,2を連結した場合に対向位置に配されることになり、この両凹所1a,2aにより軸状部材50を挿通する所定長の正面視多角形状の軸状部材挿通孔3が形成される。
【0031】
また、水平部1’,2’の外面は、軸状部材50を脱磁する(磁気を取り除く若しくは低減する)為の部位として構成されている。
【0032】
具体的には、この合成樹脂製の水平部1’,2’の外面に軸状部材50を擦って垂直に離すことで脱磁が行われる。
【0033】
また、水平部1’,2’は着磁用磁石4,5を収納する磁石収納部1d,2dを有し、この磁石収納部1d,2dへ着磁用磁石4,5を挿入収納する磁石挿入口部1d’,2d’が水平部1’,2’の端面部にしてスライド係止突部1c,2c同士の間に設けられており、スライド係止突部1c,2cをガイド凹溝部1b,2bに係止した場合、垂直部1”,2”の内面により磁石挿入口部1d’,2d’が閉塞されるように構成されている。
【0034】
また、この磁石収納部1d,2dに着磁用磁石4,5を配する場合、互いに同一極が対向位置となる状態(反発力が生じる状態)に配される。
【0035】
従って、両半体1,2同士は、この着磁用磁石4,5同士の反発により、軸状部材挿通孔3の径が拡大するように付勢されている。
【0036】
また、磁石収納部1d,2d夫々に収納された着磁用磁石4,5は凹所1a,2a内に露出している。
【0037】
従って、着磁用磁石4,5は、軸状部材挿通孔3に挿通された軸状部材50に当接する。
【0038】
また、本実施例の着磁用磁石4,5は、直方体形状の磁石(例えばネオジム磁石)である。
【0039】
本実施例は上述のように構成したから、軸状部材50を軸状部材挿通孔3(凹所1a,2a同士の間)に挿通させていない未使用時の場合、着磁用磁石4,5同士の反発により軸状部材挿通孔3は拡径状態が保持されており、よって、この軸状部材挿通孔3に適したサイズの軸状部材50を挿通することができる。
【0040】
一方、軸状部材50を着磁する場合、軸状部材50を軸状部材挿通孔3に挿通すると、軸状部材50に対する着磁用磁石4,5夫々の吸着作用が生じることで、両半体1,2は相対的に可動して軸状部材挿通孔3が縮径することになり、よって、軸状部材50は着磁され、また、径寸法の異なる軸状部材50に対応して確実に固定することができる。
【0041】
その後、軸状部材挿通孔3から軸状部材50を引き抜くと、着磁用磁石4,5同士の反発により軸状部材挿通孔3は拡径する(凹所1a,2aが離反するよう一方の半体1と他方の半体2同士はスライド移動する)。
【0042】
また、本実施例は、2つの半体1,2を該両半体1,2夫々の所定部位同士をスライド自在に連結して合体させる構成であり、よって、両半体1,2同士を連結するだけで組み立てが完了するといった極めてシンプルな構造の為、製造面及びコスト面に秀れることになる。
【0043】
<実施例2>
本実施例は、
図8,9,10に図示したように一方の半体1は、方形板状の水平部1’と該水平部1’と交差方向に突出する方形板状の垂直部1”とがL字状に連設して成り、水平部1’にガイド凹溝部1bが設けられ、垂直部1”にスライド係止突部1cが設けられ、他方の半体2は、方形板状の水平部2’と該水平部2’と交差方向に突出する方形板状の垂直部2”とがL字状に連設して成り、水平部2’にガイド凹溝部2bが設けられ、垂直部2”にスライド係止突部2cが設けられたものであり、一方の半体1のスライド係止突部1cを他方の半体2のガイド凹溝部2bに挿入係止すると共に、他方の半体2のスライド係止部2cを一方の半体1のガイド凹溝部1bに挿入係止することで、一方の半体1と他方の半体2とが挿入係止方向と同一方向にスライド自在に連結される構成としたものである。
【0044】
また、水平部1’,2’には、ガイド凹溝部1b,2b夫々の近傍位置に板状の支承部1e,2eが突設されている。
【0045】
この支承部1e,2eは、ガイド凹溝部1b,2b夫々に挿入係止するスライド係止突部1c,2cが設けられる垂直部1”,2”夫々を外側で支承するように構成されている。
【0046】
従って、一方の半体1と他方の半体2とにおけるガタつきの無い良好なスライドが可能となる。
【0047】
また、本実施例では、支承部1e,2e夫々の外面に凸条6a,7aを並設して成る滑り止め部6,7が設けられている。
【0048】
尚、本実施例は、着磁する(磁気を付与する)軸状部材50として比較的軸径寸法の大きい電動工具に付設されるドライバービット(段付きビット)を対象としているが、精密ドライバー(ドライバー杆)でも良い。
【0049】
その余は実施例1と同様である。
【0050】
尚、本発明は、実施例1,2に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。