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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159586
(43)【公開日】2023-11-01
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/249 20180101AFI20231025BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20231025BHJP
   F21S 43/241 20180101ALI20231025BHJP
   F21S 43/245 20180101ALI20231025BHJP
   F21V 8/00 20060101ALI20231025BHJP
   F21W 103/00 20180101ALN20231025BHJP
   F21W 103/10 20180101ALN20231025BHJP
   F21W 103/55 20180101ALN20231025BHJP
   F21W 103/45 20180101ALN20231025BHJP
   F21W 103/20 20180101ALN20231025BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231025BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20231025BHJP
【FI】
F21S43/249
F21S43/14
F21S43/241
F21S43/245
F21V8/00 330
F21W103:00
F21W103:10
F21W103:55
F21W103:45
F21W103:20
F21Y115:10
F21Y115:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022069359
(22)【出願日】2022-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】福田 将平
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 長範
【テーマコード(参考)】
3K244
【Fターム(参考)】
3K244AA05
3K244BA08
3K244CA02
3K244CA03
3K244DA01
3K244DA02
3K244EA08
3K244EA12
3K244EA16
3K244ED02
3K244ED13
(57)【要約】
【課題】長尺の導光体の発光部をより均一に発光させることを可能とした車両用灯具を提供する。
【解決手段】導光体3は、棒状の第1の導光部4と、第1の導光部4の基端側に位置する第1の入射部と、第1の導光部4の背面側に位置する複数の第1の反射カット7aと、第1の導光部4の正面側に位置する発光部8と、第1の導光部4の背面側に接続部10を介して第1の導光部4の先端側に向かう方向に斜めに接続された第2の導光部5と、第2の導光部5の基端側に位置する第2の入射部と、第2の導光部5の第1の導光部4の背面側との間に位置して、空気層Kを形成する開口部11と、第2の導光部5の開口部11を挟んで第1の導光部4の背面側と対向する側に位置する導光出射部12とを有し、開口部11を挟んだ第1の導光部4の背面側に複数の第2の反射カット7bが設けられている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光源及び第2の光源と、
前記第1の光源及び第2の光源から出射された光を導光させる導光体とを備え、
前記導光体は、棒状の第1の導光部と、
前記第1の導光部の基端側に位置して、前記第1の光源から出射した光を前記第1の導光部の内部へと入射する第1の入射部と、
前記第1の導光部の背面側に位置して、前記第1の導光部の先端側に向かって導光される光を前記第1の導光部の正面側に向けて反射する複数の第1の反射カットと、
前記第1の導光部の正面側に位置して、前記複数の第1の反射カットにより反射された光を前記第1の導光部の外部へと出射することにより発光する発光部と、
前記第1の導光部の背面側に接続部を介して前記第1の導光部の先端側に向かう方向に斜めに接続された第2の導光部と、
前記第2の導光部の基端側に位置して、前記第2の光源から出射した光を前記第2の導光部の内部へと入射する第2の入射部と、
前記第2の導光部の前記第1の導光部の背面側との間に位置して、空気層を形成する開口部と、
前記第2の導光部の前記開口部を挟んで前記第1の導光部の背面側と対向する側に位置して、前記第2の導光部の先端側に向かって導光される光を前記空気層へと出射する導光出射部とを有し、
前記開口部を挟んだ前記第1の導光部の背面側に複数の第2の反射カットが設けられていることを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記導光出射部から前記空気層へと出射された後、前記開口部を挟んだ前記第1の導光部の背面側から前記第1の導光部の内部に入射した光のうち、一部の光が前記第1の導光部の先端側に向かって導光され、一部の光が前記第1の導光部の正面側から前記第1の導光部の外部へと出射されることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記第2の入射部と前記第2の反射カットと前記発光部とが、前記第2の光源から出射した光の光路上に並ぶように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記導光出射部は、前記第1の導光部の軸線方向と平行となるように前記第2の導光部の軸線方向に対して斜めに傾斜した導光出射面を含むことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記導光出射部は、前記第2の導光部の軸線方向に対して直交した導光出射面を含むことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の車両用灯具。
【請求項6】
前記接続部は、前記開口部を挟んだ両側に位置する一対の連結部を介して前記第1の導光部の背面側と前記第2の導光部の先端側との間を連結していることを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の車両用灯具。
【請求項7】
前記導光出射部から前記空気層へと出射された光のうち、一部の光が前記一対の連結部により反射された後、前記開口部を挟んだ前記第1の導光部の背面側から前記第1の導光部の内部へと入射することを特徴とする請求項6に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両に搭載される車両用灯具として、発光ダイオード(LED)などの光源と、棒状の導光体(導光棒)とを組み合わせたものが知られている(例えば、下記特許文献1を参照。)。
【0003】
このような車両用灯具では、光源から出射された光を導光体の基端側に設けられた入射部から導光体の内部へと入射し、導光体の内部で反射を繰り返しながら、導光体の先端側に向けて光を導光させる。また、導光体の背面側に設けられた複数の反射カットで反射された光を導光体の正面側から導光体の外部へと出射する。これにより、導光体の正面側に設けられた発光部をライン状に発光させることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-212988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年の車両用灯具では、デザインの多様化によって、例えば方向指示器(ウィンカーランプ、ターンランプ)や車幅灯(ポジションランプ)、昼間点灯ランプ(DRL:Daytime Running Lamps)などをライン状の発光とするデザインが増加している。
【0006】
しかしながら、上述した棒状の導光体では、その基端側から先端側に向けて導光される光の光路長の違いによって、発光部に輝度ムラが生じることがあった。すなわち、導光体の発光部に輝度ムラが生じた場合は、導光体の軸線方向において、光源からの光路長が短い基端側よりも光源からの光路長が長い先端側の方が光の減衰によって相対的に暗くなってしまう。したがって、このような輝度の明暗が発光部の輝度ムラとして認識されてしまう。
【0007】
このため、棒状の導光体をライン状に発光させる場合、上述した輝度ムラの発生などによって、発光部の視認性や見栄えが低下するなどの点灯フィーリングの悪化が問題となっている。
【0008】
そこで、上記特許文献1に記載の発明では、上述した導光体の基端側に設けられた入射部とは別に、導光体の背面側に導光体の先端側に向かう方向に斜めに接続した導光部を設けて、この導光部の基端側に設けられた入射部から別の光源から出射された光を入射することが行われている。これにより、導光体が長尺の場合でも、導光体の基端側から先端側に向けて十分な光を導光させることが可能となっている。
【0009】
しかしながら、導光体の背面側に導光部を接続した場合、この導光部が接続された部分には、上述した複数の反射カットを設けることができない。このため、導光部が接続された部分が他の部分よりも暗くなる暗部(発光ムラ)が発生してしまう。したがって、この場合も、長尺の導光体の発光部をより均一に発光させることが困難となる。
【0010】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、長尺の導光体の発光部をより均一に発光させることを可能とした車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔1〕 第1の光源及び第2の光源と、
前記第1の光源及び第2の光源から出射された光を導光させる導光体とを備え、
前記導光体は、棒状の第1の導光部と、
前記第1の導光部の基端側に位置して、前記第1の光源から出射した光を前記第1の導光部の内部へと入射する第1の入射部と、
前記第1の導光部の背面側に位置して、前記第1の導光部の先端側に向かって導光される光を前記第1の導光部の正面側に向けて反射する複数の第1の反射カットと、
前記第1の導光部の正面側に位置して、前記複数の第1の反射カットにより反射された光を前記第1の導光部の外部へと出射することにより発光する発光部と、
前記第1の導光部の背面側に接続部を介して前記第1の導光部の先端側に向かう方向に斜めに接続された第2の導光部と、
前記第2の導光部の基端側に位置して、前記第2の光源から出射した光を前記第2の導光部の内部へと入射する第2の入射部と、
前記第2の導光部の前記第1の導光部の背面側との間に位置して、空気層を形成する開口部と、
前記第2の導光部の前記開口部を挟んで前記第1の導光部の背面側と対向する側に位置して、前記第2の導光部の先端側に向かって導光される光を前記空気層へと出射する導光出射部とを有し、
前記開口部を挟んだ前記第1の導光部の背面側に複数の第2の反射カットが設けられていることを特徴とする車両用灯具。
〔2〕 前記導光出射部から前記空気層へと出射された後、前記開口部を挟んだ前記第1の導光部の背面側から前記第1の導光部の内部に入射した光のうち、一部の光が前記第1の導光部の先端側に向かって導光され、一部の光が前記第1の導光部の正面側から前記第1の導光部の外部へと出射されることを特徴とする前記〔1〕に記載の車両用灯具。
〔3〕 前記第2の入射部と前記第2の反射カットと前記発光部とが、前記第2の光源から出射した光の光路上に並ぶように配置されていることを特徴とする前記〔1〕に記載の車両用灯具。
〔4〕 前記導光出射部は、前記第1の導光部の軸線方向と平行となるように前記第2の導光部の軸線方向に対して斜めに傾斜した導光出射面を含むことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の車両用灯具。
〔5〕 前記導光出射部は、前記第2の導光部の軸線方向に対して直交した導光出射面を含むことを特徴とする前記〔1〕~〔3〕の何れか一項に記載の車両用灯具。
〔6〕 前記接続部は、前記開口部を挟んだ両側に位置する一対の連結部を介して前記第1の導光部の背面側と前記第2の導光部の先端側との間を連結していることを特徴とする前記〔1〕~〔3〕の何れか一項に記載の車両用灯具。
〔7〕 前記導光出射部から前記空気層へと出射された光のうち、一部の光が前記一対の連結部により反射された後、前記開口部を挟んだ前記第1の導光部の背面側から前記第1の導光部の内部へと入射することを特徴とする前記〔6〕に記載の車両用灯具。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明によれば、長尺の導光体の発光部をより均一に発光させることを可能とした車両用灯具を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る車両用灯具の構成を示す斜視図である。
図2図1中に示す囲み部分Aを拡大した車両用灯具の上面図である。
図3図2中に示す線分B-Bによる車両用灯具の断面図である。
図4図2に示す車両用灯具の光の光路を示す斜視図である。
図5図4に示す開口部を挟んだ第1の導光部の背面側に入射した光の光路を示すための部分拡大断面図である。
図6図2に示す開口部の別の形状を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがあり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0015】
本発明の一実施形態として、例えば図1図6に示す車両用灯具1について説明する。
なお、図1は、車両用灯具1の構成を示す斜視図である。図2は、図1中に示す囲み部分Aを拡大した車両用灯具1の上面図である。図3は、図2中に示す線分B-Bによる車両用灯具1の断面図である。図4は、車両用灯具1の光L1,L2の光路を示す斜視図である。図5は、開口部11を挟んだ第1の導光部4の背面側に入射した光L2b,L2cの光路を示すための部分拡大断面図である。図6は、開口部11の別の形状を示す上面図である。
【0016】
また、以下に示す図面では、XYZ直交座標系を設定し、X軸方向を車両用灯具1の前後方向(長さ方向)、Y軸方向を車両用灯具1の左右方向(幅方向)、Z軸方向を車両用灯具1の上下方向(高さ方向)として、それぞれ示すものとする。
【0017】
本実施形態の車両用灯具1は、第1の光源2A及び複数(本実施形態では4つ)の第2の光源2Bと、第1の光源2A及び複数の第2の光源2Bから出射された光L1,L2を導光させる導光体3とを備えている。
【0018】
第1の光源2A及び第2の光源2Bと、例えばLEDからなり、このLEDを駆動する駆動回路が設けられた回路基板(図示せず。)の面上に実装されて、車両用灯具1の正面側に向けて光L1,L2を放射状に出射する。
【0019】
導光体3は、例えばポリカーボネイトやアクリル等の透明樹脂やガラスなどの光透過性部材からなり、棒状の第1の導光部4と、第1の導光部4の背面側に接続された複数(本実施形態では4つ)の第2の導光部5とを有している。
【0020】
第1の導光部4は、車幅方向に延在し、且つ、車両の前端又は後端側のコーナー部に付与されるスラント形状に合わせて、車幅方向の内側よりも外側が後退する方向に向かって湾曲又は傾斜した長尺形状を有している。
【0021】
複数の第2の導光部5は、第1の導光部4の軸線方向に所定の間隔で並んで配置されると共に、第1の導光部4の背面側に第1の導光部4の先端側に向かう方向に斜めに接続されている。各第2の導光部5は、その基端(後端)側から先端(前端)側に向かって漸次幅が大きくなる長板形状を有している。
【0022】
導光体3は、第1の導光部4の基端側に位置する第1の入射部6と、第1の導光部4の背面側に位置する複数の第1の反射カット7aと、第1の導光部4の正面側に位置する発光部8と、各第2の導光部5の基端側に位置する第2の入射部9とを有している。
【0023】
第1の入射部6は、第1の導光部4の基端側に位置して、第1の光源2Aと対向する平坦(平面)な第1の入射面6aを有している。第1の入射部6では、この第1の入射面6aから第1の光源2Aから出射された光L1を第1の導光部4の内部へと入射する。これにより、第1の入射面6a(第1の入射部6)から入射した光L1は、第1の導光部4の内部で反射を繰り返しながら、第1の導光部4の先端側に向けて導光されることになる。
【0024】
なお、第1の入射部6については、上述した平坦(平面)な第1の入射面6aを有する構成に限らず、第1の光源2Aから放射状に出射された光L1を平行化又は集光しながら、第1の導光部4の内部へと入射するレンズ形状を有する構成であってもよい。
【0025】
複数の第1の反射カット7aは、第1の導光部4の背面側に入射した光L1,L2を第1の導光部4の正面側から外部へと出射(透過)する角度で反射させるものであればよく、その形状や大きさ、数等について、特に限定されるものではない。
【0026】
本実施形態では、例えば、第1の導光部4の背面側を第1の導光部4の軸線方向とは直交する鉛直方向(本実施形態では上下方向)に切り欠く断面略三角形状の第1の反射カット7aが第1の導光部4の軸線方向(本実施形態では左右方向)に並ぶことによって構成されている。
【0027】
各第1の反射カット7aは、互いに逆向きに傾斜した第1の傾斜面70aと第2の傾斜面70bとを有している。第1の傾斜面70aは、第1の導光部4の先端側に向かう方向に斜めに傾斜している。一方、第2の傾斜面70bは、第1の導光部4の基端側に向かう方向に斜めに傾斜している。また、第1の傾斜面70aは、第2の傾斜面70bよりも緩やかに傾斜し、且つ、第2の傾斜面70bよりも長く設けられている。
【0028】
また、本実施形態では、第1の反射カット7aの隣り合う間隔が等しくなっている。一方、第1の反射カット7aは、後述する発光部8をより均一に発光させるため、第1の導光部4の基端側から先端側に向かって(隣り合う第2の導光部5の間で)、第1の反射カット7aの隣り合う間隔が漸次狭くなっていてもよく、若しくは、第1の反射カット7aを形成する溝部の深さが漸次深くなっていてもよい。
【0029】
発光部8は、第1の導光部4の正面側に位置して、第1の導光部4の軸線方向に連続した出射面8aを有している。出射面8aは、第1の導光部4の鉛直断面において、円弧状に湾曲した凸状の曲面により構成されている。発光部8では、この出射面8aから光L1,L2を外部へと出射することにより発光する。
【0030】
なお、出射面8aには、この出射面8aから外部に向けて出射される光L1,L2を拡散させるための複数の拡散カット(図示せず。)が設けられた構成であってもよい。拡散カットとしては、例えば、フルートカットや魚眼カットと呼ばれるレンズカットや、ローレット加工やシボ加工等を施すことによって形成された凹凸構造などを挙げることができる。また、この拡散カットの形状等を調整することによって、出射面8aから出射される光L1,L2の拡散度合いを制御することが可能である。また、出射面8aの正面側に別の拡散レンズを配置した構成としてもよい。
【0031】
第2の入射部9は、第2の導光部5の基端側に位置して、第2の光源2Bと対向する平坦(平面)な第2の入射面9aを有している。第2の入射部9では、この第2の入射面9aから第2の光源2Bから出射された光L2を第2の導光部5の内部へと入射する。これにより、第2の入射面9a(第2の入射部9)から入射した光L2は、第2の導光部5の内部で反射を繰り返しながら、第1の導光部4の先端側に向けて導光されることになる。
【0032】
導光体3は、第1の導光部4と第2の導光部5とを接続する接続部10と、第2の導光部5の第1の導光部4の背面側との間に位置する開口部11と、第2の導光部5の開口部11を挟んで第1の導光部4の背面側と対向する側に位置する導光出射部12とを有している。
【0033】
接続部10は、開口部11を挟んだ幅方向の両側に位置する一対の連結部10a,10bを介して第1の導光部4の背面側と第2の導光部5の先端側との間を連結している。
【0034】
開口部11は、第2の導光部5の第1の導光部4の背面側との間に空気層Kを形成する凹部又は孔部(本実施形態では孔部)により構成されている。
【0035】
導光出射部12は、第2の導光部5の開口部11を挟んで第1の導光部4の背面側と対向する側の面(以下、「導光出射面」という)12aにより構成されている。また、導光出射面12aは、第1の導光部4の軸線方向と平行となるように第2の導光部5の軸線方向に対して斜めに傾斜している。すなわち、この導光出射面12aは、開口部11を挟んだ第1の導光部4の背面側の傾斜に合わせて、第1の導光部4の先端側に向かう方向に斜めに傾斜している。
【0036】
導光出射部12では、第2の導光部5の先端側に向かって導光される光L2を導光出射面12aから空気層Kへと光L2を出射する。これにより、空気層Kに出射された光L2は、開口部11を挟んだ第1の導光部4の背面側から第1の導光部4の内部へと入射する。
【0037】
また、空気層Kへと出射された光L2のうち一部の光L2aは、連結部10a,10bにより反射された後、開口部11を挟んだ第1の導光部4の背面側から第1の導光部4の内部へと入射する。
【0038】
開口部11を挟んだ第1の導光部4の背面側には、上述した第1の反射カット7aと同じ形状(第1の傾斜面70a及び第2の傾斜面70b)を有する複数の第2の反射カット7bが設けられている。
【0039】
第2の反射カット7bについては、上述した第1の反射カット7aと基本的に同じ形状を有するものの、その形状や大きさ、数等について、適宜変更を加えることが可能である。
【0040】
これにより、開口部11を挟んだ第1の導光部4の背面側から第1の導光部4の内部に入射した光Lのうち、第2の反射カット7bの第2の傾斜面70bに入射した一部の光L2bが第1の導光部4の先端側に向かって導光されることになる。一方、第2の反射カット7bの第1の傾斜面70aに入射した一部の光L2cが第1の導光部4の正面側から第1の導光部4の外部へと出射される。なお、本実施形態では、上述した光L2b,L2c以外にも、第2の反射カット7bに入射する光L2の角度によっては、上記方向とは異なる方向へ向かう光L2が生じることになる。
【0041】
本実施形態の車両用灯具1では、第2の入射部9と第2の反射カット7bと発光部8とが、第2の光源2Bから出射した光L2の光路上に並ぶように配置されている。開口部11は、このような第2の光源2Bから出射した光L2の光路上に設けられている。
【0042】
この場合、第2の入射部9から入射して、開口部11の空気層Kを介して第1の導光部4に入射した一部の光L2cが、第1の導光部4の正面側にある発光部8から出射される。
【0043】
なお、開口部11の形状については、特に限定されないものの、導光出射面12aと第2の反射カット7bのベース面との関係は、上述した光L2cの光路を成立させるものであればよい。
【0044】
以上のように、本実施形態の車両用灯具1では、第1の導光部4の背面側に第2の導光部5を接続した場合でも、上述した開口部11を挟んだ第1の導光部4の背面側に複数の第2の反射カット7bを設けることによって、この第2の導光部5が接続された部分の発光部8が他の部分の発光部8よりも暗くなる暗部(発光ムラ)が発生することを防ぐことが可能である。
【0045】
また、本実施形態の車両用灯具1では、第1の導光部4が長尺の場合でも、この第1の導光部4の背面側に第2の導光部5を接続し、この第2の導光部の基端側に設けられた第2の入射部から第2の光源2Bから出射された光Lを入射することで、第1の導光部4の基端側から先端側に向けて十分な光L1,L2を導光させることが可能である。
【0046】
また、本実施形態の車両用灯具1では、第1の導光部4に繋がる第2の導光部5の先端側に開口部11を設けることにより、第1の導光部4に第2の反射カット7bが設けられるベース面を追加して形成することができる。
【0047】
これにより、第1の入射部6や後方に位置する第2の入射部9から入射し導光してきた光L1,L2は、第2の反射カット7bにあたって、第1の導光部4の先端側へと一部を導光させ、一部を発光部8から出射することが可能となる。このように、開口部11の第1の導光部4の本体に形成される辺に対して、内部導光と正面発光との2つの光学効果を持たせることが可能である。
【0048】
また、本実施形態の車両用灯具1では、第2の反射カット7bのベース面と対向して導光出射面12aを設けることにより、第2の導光部5の第2の入射部9から入射する光L2を受光する面を形成しながら、第2の反射カット7bのベース面を形成することが可能である。
【0049】
以上のようにして、本実施形態の車両用灯具1では、長尺の導光体3の発光部8をより均一に明るく発光させることが可能である。
【0050】
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記開口部11については、上述した図2に示すように、導光出射面12aが第1の導光部4の先端側に向かう方向に斜めに傾斜した構成となっているが、例えば図6に示すように、導光出射面12aが第2の導光部5の軸線方向に対して直交した構成であってもよい。
【0051】
すなわち、導光出射面12aと第2の反射カット7bのベース面とは平行であってもよく、導光出射面12aと第2の反射カット7bのベース面とを所定の角度をなすように設け、第2の反射カット7bへ入射する光L2が特定の角度なるようにしてもよい。
【0052】
このように、導光出射面12aの傾きを変えることによって、第1の導光部4の背面側を経由して第1の導光部4に入射した光L2bと光L2cとの割合を調整することが可能である。
【0053】
また、上記導光体3については、上述した第1の導光部4の基端側に位置する第1の入射部6を省略し、第2の入射部9のみで構成することも可能である。この場合、第1の導光部4の最も基端側に位置する第2の入射部9が第1の入射部に相当したものとなる。
【0054】
また、上記車両用灯具1では、実際の車両のデザイン等に合わせて、上記導光体3の形状や長さ、第2の光源2B(第2の導光部)の形状や数などを適宜変更することが可能である。
【0055】
なお、本発明が適用される車両用灯具については、特に限定されるものではなく、例えば、尾灯(テールランプ)や車幅灯(ポジションランプ)、昼間点灯用ランプ(DRL)、バックランプ、方向指示器(ターンランプ、ウィンカーランプ)、サイドマーカーランプなど、本発明を幅広く適用することが可能である。
【0056】
特に、上記車両用灯具1をターンランプに適用した場合には、複数の第2の光源2Bを順次点灯させながら、第1の導光部4の発光部8において車幅方向に発光の流れを演出するシーケンシャル発光を行うことも可能である。
【0057】
また、上記第1及び第2の光源2A,2Bについては、光L1,L2を放射状に出射するものであればよく、上述したLED以外にも、例えばレーザーダイオード(LD)などの発光素子を用いることができる。また、第1及び第2の光源2A,2Bが発する光の色については、赤色光や白色光、橙色光など、その車両用灯具1の用途に応じて適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0058】
1…車両用灯具 2A…第1の光源 2B…第2の光源 4…第1の導光部 5…第2の導光部 6…第1の入射部 7a…第1の反射カット 7b…第2の反射カット 8…発光部 9…第2の入射部 10…接続部 10a,10b…連結部 11…開口部 12…導光出射部 K…空気層 L1,L2…光
図1
図2
図3
図4
図5
図6