(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159598
(43)【公開日】2023-11-01
(54)【発明の名称】外装箱および外装装置
(51)【国際特許分類】
B65D 85/68 20060101AFI20231025BHJP
B65D 81/05 20060101ALI20231025BHJP
B65D 81/02 20060101ALI20231025BHJP
B65D 5/50 20060101ALI20231025BHJP
【FI】
B65D85/68 Z
B65D81/05 530
B65D81/02
B65D5/50 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022069380
(22)【出願日】2022-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】森田 哲弘
【テーマコード(参考)】
3E037
3E060
3E066
【Fターム(参考)】
3E037AA20
3E037BA03
3E037BB03
3E037BB20
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA03
3E060BC02
3E060CC03
3E060CC18
3E060DA23
3E060EA16
3E066AA08
3E066FA06
3E066HA01
3E066JA03
3E066MA09
3E066NA60
(57)【要約】
【課題】用紙ガイドの外れや破損発生の少ない給紙カセットの輸送のための外装箱を提供することである。
【解決手段】実施形態の外装箱は、用紙のサイズに合わせて給紙方向に直交する方向に連動して接近離間される一対のサイドガイドを有する給紙カセットを梱包する。外装箱は、一枚のシート部材から組み立てられる。給紙カセットは、用紙を出し入れする開口を上にして外装箱に収容される。外装箱は、外装箱の底面部を構成する一対の底部内側フラップと一対の底部外側フラップと、外装箱の上面部を構成する一対の上部内側フラップと一対の上部外側フラップを有する。一対の上部内側フラップの一方は、下方に折り曲げられて給紙カセットの底部に接触して給紙カセットの浮き上がりを防止する浮き上がり防止部と、一対のサイドガイドの間に配置され、一対のサイドガイドの接近を防止する移動防止部を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に装着され、収容される用紙のサイズに合わせて給紙方向に直交する方向に連動して接近離間される一対のサイドガイドを有する給紙カセットを梱包する、一枚のシート部材から組み立てられる外装箱であって、
前記給紙カセットは、用紙を出し入れする開口を上にして前記外装箱に収容され、前記外装箱は、前記外装箱の底面部を構成する一対の底部内側フラップと一対の底部外側フラップと、前記外装箱の上面部を構成する一対の上部内側フラップと一対の上部外側フラップを有し、
前記一対の上部内側フラップの一方は、下方に折り曲げられて前記給紙カセットの底部に接触して前記給紙カセットの浮き上がりを防止する浮き上がり防止部と、前記一対のサイドガイドの間に配置され、前記一対のサイドガイドの接近を防止する移動防止部を有する、
外装箱。
【請求項2】
前記移動防止部は、前記浮き上がり防止部から連続しており、中央方向に折り曲げられることで前記一対のサイドガイドの間に配置される、
請求項1に記載の外装箱。
【請求項3】
前記一枚のシート部材は、前記外装箱の側面部を構成する連続する四つの側面部と、前記四つの側面部の並び方向の前記四つの側面部の一方の端に位置する側面部に連続し、前記四つの側面部の並び方向の前記四つの側面部の他方の端に位置する側面部に接着される接着部を有し、前記一対の底部内側フラップと前記一対の底部外側フラップは、それぞれ、前記四つの側面部の並び方向に直交する方向における前記四つの側面部の一方の辺に交互に連続し、前記四つの側面部の並び方向に互いに離間しており、前記一対の上部内側フラップと前記一対の上部外側フラップは、それぞれ、前記四つの側面部の並び方向に直交する方向における前記四つの側面部の他方の辺に交互に連続し、前記四つの側面部の並び方向に互いに離間している、
請求項2に記載の外装箱。
【請求項4】
前記四つの側面部と前記一対の底部内側フラップと前記一対の底部外側フラップと前記一対の上部内側フラップと前記一対の上部外側フラップは、前記浮き上がり防止部と前記移動防止部を有する前記上部内側フラップを除いて、矩形形状をしており、前記浮き上がり防止部と前記移動防止部は、前記浮き上がり防止部と前記移動防止部の作成前の前記浮き上がり防止部と前記移動防止部を有する前記上部内側フラップの一部を切り欠いて作成されている、
請求項3に記載の外装箱。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれかひとつに記載の外装箱と、
前記外装箱の上側と下側の四隅に配置され、前記給紙カセットを保持する緩衝材とを有し、
前記一対の底部内側フラップと前記一対の上部内側フラップは、内側に折り曲げられて前記緩衝材を上下から挟んで前記緩衝材を固定する、
外装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、外装箱および外装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ワークプレイスに置かれる画像形成装置の部品のひとつに給紙カセットがある。給紙カセットとしては、カセットモジュ-ルや封筒カセット等がある。給紙カセットは、画像形成装置に装着され、画像が形成される用紙や封筒を収容する装置である。以下では、便宜上、封筒も含めて単に用紙と称する。給紙カセットは、用紙を位置決めする用紙ガイドを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、給紙カセットの梱包仕様は、外装箱と、給紙カセットと外装箱の間に配置される緩衝材にて構成されている。給紙カセットの用紙ガイドは内側から着脱する構造となっていることから、輸送時には外側の位置でテープを使用して複数箇所で固定した状態で出荷している。ただ、用紙ガイドの固定はテープの粘着力だけによることから、輸送中の振動や衝撃、輸送環境により、粘着力が低下したり、テープの浮きや剥がれが発生したりしたときに、用紙ガイドの外れや破損発生の要因になってしまうことがある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、用紙ガイドの外れや破損発生の少ない給紙カセットの輸送のための外装箱および外装装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の外装箱は、画像形成装置に装着され、用紙のサイズに合わせて給紙方向に直交する方向に連動して接近離間される一対のサイドガイドを有する給紙カセットを梱包する。外装箱は、一枚のシート部材から組み立てられる。給紙カセットは、用紙を出し入れする開口を上にして外装箱に収容される。外装箱は、外装箱の底面部を構成する一対の底部内側フラップと一対の底部外側フラップと、外装箱の上面部を構成する一対の上部内側フラップと一対の上部外側フラップを有する。一対の上部内側フラップの一方は、下方に折り曲げられて給紙カセットの底部に接触して給紙カセットの浮き上がりを防止する浮き上がり防止部と、一対のサイドガイドの間に配置され、一対のサイドガイドの接近を防止する移動防止部を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、給紙カセットを梱包する前の状態における、給紙カセットと外装装置の一例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、外装箱の組み立て前のシート部材を示す図である。
【
図3】
図3は、外装箱の底面部が閉じられた状態を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、上部内側フラップが半ば閉じられ、浮き上がり防止部と移動防止部が折り曲げられた状態を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、上部内側フラップが完全に閉じられた状態を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、
図4の状態に対応する上部内側フラップと給紙カセットの相対的位置関係を示している。
【
図7】
図7は、
図5の状態に対応する上部内側フラップと給紙カセットの相対的位置関係を示している。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、画像形成装置の給紙カセットを梱包する実施形態に係る外装装置について説明する。画像形成装置は、たとえば、複合機、言い換えれば、MFP(Multi Function Peripheral)である。
図1は、給紙カセットを梱包する前の状態における、給紙カセット50と外装装置1の一例を示す斜視図である。外装装置1は、一枚のシート部材から組み立てられる外装箱10と、外装箱10の上側と下側の四隅に配置され、給紙カセット50を保持する緩衝材61,62,63,64とを有する。
【0009】
まず、給紙カセット50について説明する。給紙カセット50は、画像形成装置に装着され、画像が形成される用紙を収容する装置である。給紙カセット50は、用紙を位置決めする用紙ガイドを有する。用紙ガイドは、給紙カセット50に収容される用紙の位置決めのために用紙サイズに合わせて、給紙方向に直交する方向に連動して接近離間される一対のサイドガイド51と、給紙方向の用紙の後端位置に設置されるエンドガイド55を有する。
【0010】
一対のサイドガイド51は、
図1に加え、詳しくは
図6と
図7に示すように、一対の奥側ガイド壁52と一対の前側ガイド壁53を有する。ここで、奥側と前側は、給紙カセット50が画像形成装置に装着された状態における位置関係を意味している。一対の奥側ガイド壁52と一対の前側ガイド壁53は、給紙カセット50に収容された用紙を給紙方向に直交する方向の中央に位置決めするために、図示しないギヤ機構を介して連結している。ギヤ機構は、たとえば、ラックアンドピニオンを利用した機構である。たとえば、互いに対向する一対のラックが一つのピニオンを介して係合する機構である。
【0011】
一対の前側ガイド壁53の一方(
図1の右側の前側ガイド壁53)には、一対のサイドガイド51の間隔を調節するための操作部54が設けられている。この操作部54を操作することによって、一対の奥側ガイド壁52と一対の前側ガイド壁53は、給紙方向に直交する方向に連動して接近離間される。
【0012】
一方、エンドガイド55は、たとえば、給紙カセット50の底部に給紙方向に延在する溝に立てて嵌め込まれ、クリック機構によって位置決めされる。梱包の際、エンドガイド55は、給紙カセット50に取り付けたまま、または、取り外して給紙カセット50にテープ止めされる。
【0013】
エンドガイド55は単純な構造体であるため、エンドガイド55は、給紙カセット50に取り付けたまま梱包された場合であっても、給紙カセット50の輸送中に、エンドガイド55が破損する恐れは少ない。
【0014】
これに対して、一対のサイドガイド51、特に一対のサイドガイド51を連結するギヤ機構は、複雑な構造体である。このため、給紙カセット50の輸送中に、一対のサイドガイド51、および、一対のサイドガイド51を連結するギヤ機構は、破損することが懸念される。
【0015】
外装箱10は、外装箱10の側面部を構成する四つの側面部11,12,13,14を有する。外装箱10はまた、外装箱10の底面部を構成する一対の底部内側フラップ21,23と底部外側フラップ22,24を有する。
図1では、底部外側フラップ22,24は見えないため、底部外側フラップ22,24の符号は表記していない。
【0016】
給紙カセット50は、用紙を出し入れする開口を上にして、緩衝材61~64と共に外装箱10に収容される。緩衝材61~64によって給紙カセット50は、外装箱10の内部空間の一定位置に保持される。
【0017】
外装箱10はまた、外装箱10の上面部を構成する一対の上部内側フラップ31,33と上部外側フラップ32,34を有する。一対の底部内側フラップ21,23と一対の上部内側フラップ31,33は、内側に折り曲げられて緩衝材61~64を上下から挟んで緩衝材61~64を固定する。
【0018】
一対の上部内側フラップ31,33の一方(
図1の右側の上部内側フラップ31)は、浮き上がり防止部41と、移動防止部42を有する。
【0019】
浮き上がり防止部41は、下方に折り曲げられて、用紙が置かれる給紙カセット50の底部に接触して給紙カセット50の浮き上がりを防止する。移動防止部42は、浮き上がり防止部41から連続している。移動防止部42は、中央方向に折り曲げられて一対のサイドガイド51の間に配置され、一対のサイドガイド51の接近すなわち内側への移動を防止する。
【0020】
次に、
図2を参照して、外装箱10の組み立て前のシート部材の構造について説明する。
図2は、外装箱10の組み立て前のシート部材、言い換えれば、展開された外装箱10のシート部材を示す図である。
【0021】
外装箱10のシート部材は、外装箱10の側面部を構成する連続する四つの側面部11,12,13,14と、接着部15を有する。接着部15は、四つの側面部11~14の並び方向の四つの側面部の一方の端に位置する側面部14に連続し、四つの側面部11~14の並び方向の四つの側面部の他方の端に位置する側面部11に接着される部分である。
【0022】
外装箱10のシート部材はまた、四つの側面部11~14の並び方向に直交する方向における四つの側面部11~14の一方の辺(下辺)に交互に連続する一対の底部内側フラップ21,23と一対の底部外側フラップ22,24を有する。一対の底部内側フラップ21,23と一対の底部外側フラップ22,24は、それぞれ、狭いスリットを置いて、四つの側面部11~14の並び方向に互いに離間している。
【0023】
すなわち、底部内側フラップ21は側面部11と連続し、底部外側フラップ22は側面部12と連続し、底部内側フラップ23は側面部13と連続し、底部外側フラップ24は側面部14と連続している。また、底部内側フラップ21と底部外側フラップ22、底部外側フラップ22と底部内側フラップ23、底部内側フラップ23と底部外側フラップ24は、それぞれ、狭いスリットを置いて、互いに離間している。
【0024】
外装箱10のシート部材はまた、四つの側面部11~14の並び方向に直交する方向における四つの側面部11~14の他方の辺(上辺)に交互に連続する一対の上部内側フラップ31,33と一対の上部外側フラップ32,34を有する。一対の上部内側フラップ31,33と一対の上部外側フラップ32,34は、それぞれ、狭いスリットを置いて、四つの側面部11~14の並び方向に互いに離間している。
【0025】
すなわち、上部内側フラップ31は側面部11と連続し、上部外側フラップ32は側面部12と連続し、上部内側フラップ33は側面部13と連続し、上部外側フラップ34は側面部14と連続している。また、上部内側フラップ31と上部外側フラップ32、上部外側フラップ32と上部内側フラップ33、上部内側フラップ33と上部外側フラップ34は、それぞれ、狭いスリットを置いて、互いに離間している。
【0026】
外装箱10のシート部材はまた、接着部15から連続して下方に延出する下部延出部16と、接着部15から連続して上方に延出する上部延出部17を有する。下部延出部16は、狭いスリットを置いて、底部外側フラップ24から離間している。また、上部延出部17は、狭いスリットを置いて、上部外側フラップ34から離間している。下部延出部16と上部延出部17は、接着されることなく折り返される部分である。
【0027】
側面部11~14と底部内側フラップ21,23と底部外側フラップ22,24と上部内側フラップ33と上部外側フラップ32,34と接着部15と下部延出部16と上部延出部17はいずれも矩形形状である。これに対して、上部内側フラップ31は、浮き上がり防止部41と移動防止部42を有するため、矩形形状でない。
【0028】
浮き上がり防止部41と移動防止部42は、浮き上がり防止部41と移動防止部42の作成前の上部内側フラップ31の一部を切り欠いて作成されている。詳しくは、浮き上がり防止部41と移動防止部42の作成前の上部内側フラップ31は、上部内側フラップ33と同様に矩形形状である。この矩形形状の上部内側フラップ31に一対の狭いスリットを形成し、さらに、スリット間の部分の上部両端部を切り欠くことによって、浮き上がり防止部41と移動防止部42が作成される。このため、移動防止部42の上辺は、上部内側フラップ33と上部外側フラップ32,34の上辺よりも上方に突出していない。
【0029】
外装箱10のシート部材を折り曲げやすくするため、側面部11~14と、底部内側フラップ21,23および底部外側フラップ22,24との間、および、接着部15と下部延出部16との間には、リード罫25が形成されている。また、側面部11~14と、上部内側フラップ31,33および上部外側フラップ32,34との間、および、接着部15と上部延出部17との間には、リード罫35が形成されている。また、側面部11~14の相互間にもリード罫18が形成されている。また、上部内側フラップ31と浮き上がり防止部41との間には、リード罫43が形成されている。また、浮き上がり防止部41と移動防止部42との間には、リード罫44が形成されている。
【0030】
たとえば、外装箱10のシート部材は、段ボールシートである。
図2において、底部外側フラップ22の上側のシートの一部を仮想的に半円に切り欠いて示すように、段ボールシートの中芯の溝は上下に延びている。
【0031】
次に、
図3~
図5を参照して、外装箱10の組み立てについて説明する。
図3は、外装箱10の底面部が閉じられた状態を示す斜視図である。言い換えれば、
図3は、給紙カセット50の収容準備が整った状態を示す斜視図である。
図4は、上部内側フラップ31が半ば閉じられ、浮き上がり防止部41と移動防止部42が折り曲げられた状態を示す斜視図である。
図5は、上部内側フラップ31が完全に閉じられた状態を示す斜視図である。
【0032】
便宜上、
図4と
図5では、給紙カセット50の図示は省略している。さらに、上部内側フラップ31と浮き上がり防止部41と移動防止部42の折り曲げだけを図示している。
【0033】
図2の状態から
図3の状態への組み立ては次の通りである。まず、側面部11~14と接着部15をリード罫18に沿って折り曲げる。次に、接着部15を側面部11の端部の内側に接着する。続いて、一対の底部内側フラップ21,23をリード罫25に沿って内側に略90度折り曲げる。これに伴い、下部延出部16も内側に略90度折り曲がる。さらに、一対の底部外側フラップ22,24をリード罫25に沿って内側に略90度折り曲げるとともに、底部外側フラップ22,24を底部内側フラップ21,23に接着する。さらに、上部内側フラップ31,33と上部外側フラップ32,34をリード罫35に沿って外側に略90度折り曲げて、
図3に示される底面部が閉じた外装箱10が形成される。
【0034】
図3に示される外装箱10の中に、給紙カセット50を緩衝材61~64と共に収容した後、
図4に示すように、上部内側フラップ31を内側に折り曲げる。これに加えて、浮き上がり防止部41を下方に折り曲げるとともに、移動防止部42を中央方向に折り曲げる。
図6は、この状態に対応する上部内側フラップ31と給紙カセット50の相対的位置関係を示している。この状態では、浮き上がり防止部41はまだ、給紙カセット50の底部に接触していない。
【0035】
図4の状態から、上部内側フラップ31を内側にさらに折り曲げ、
図5に示すように、最終的に内側に略90度折り曲げる。
図7は、この状態に対応する上部内側フラップ31と給紙カセット50の相対的位置関係を示している。この状態では、浮き上がり防止部41は、給紙カセット50の底部に接触して給紙カセット50の浮き上がりを防止する。移動防止部42は、浮き上がり防止部41から連続している。移動防止部42は、中央方向に折り曲げられて一対のサイドガイド51の間に配置され、一対のサイドガイド51の接近すなわち内側への移動を防止する。
【0036】
浮き上がり防止部41が給紙カセット50の浮き上がりを防止するため、一対のサイドガイド51が給紙カセット50から外れることが防止される。
【0037】
輸送中における外装箱10の急な傾けや外装箱10の横置きに対して、一対のサイドガイド51は急速に互いに接近する傾向が強い。これは、一対のサイドガイド51の破損発生、特に一対のサイドガイド51を連結するギヤ機構の破損発生の要因になりやすい。
【0038】
一対のサイドガイド51は、移動防止部42の幅寸法に近い間隔に配置された状態で外装箱10の中に梱包される。しかも、一対のサイドガイド51の間には移動防止部42が配置され、一対のサイドガイド51の接近すなわち内側への移動を防止するため、一対のサイドガイド51の破損発生、特に一対のサイドガイド51を連結するギヤ機構の破損発生が防止される。
【0039】
なお、輸送中の振動や衝撃によって、一対のサイドガイド51が離間する動きをすることも考えられるが、その動きは緩やかなものであり、また、サイドガイド51の移動ストロークは大きい。このため、一対のサイドガイド51が最大限に離間して、一対のサイドガイド51、特に一対のサイドガイド51を連結するギヤ機構が破損することは起こりにくい。
【0040】
実施形態では、外装箱10と緩衝材61~64とを有する外装装置1について説明したが、緩衝材61~64は必ずしも必要な部品ではない。すなわち、外装箱10が給紙カセット50に合わせた寸法に設計され、給紙カセット50が外装箱10の内部空間の一定位置に保持されさえすれば、緩衝材61~64は省かれても一向に構わない。
【0041】
以上に説明したように、実施形態によれば、用紙ガイド、特にサイドガイド51(およびギヤ機構)の外れや破損発生の少ない給紙カセットの輸送のための外装箱10および外装装置1が提供される。
【0042】
浮き上がり防止部41と移動防止部42は、従来の外装箱のシート部材の一つの上部内側フラップ(本実施形態では上部内側フラップ31)を切り欠いて作成される。このため、従来の外装箱のシート部材の展開寸法から拡大することなく、浮き上がり防止部41と移動防止部42は形成可能である。
【0043】
また、外装箱10は、リード罫18,25,35,43,44に沿った簡単な折り曲げ作業によって組み立て可能である。また、外装箱10は、廃棄時も簡単に平面に展開して積み重ねることが可能である。浮き上がり防止部41と移動防止部42は上部内側フラップ31に形成されるので、外装箱10は、封緘、積み重ね等に関する制約はない。
【0044】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0045】
1…外装装置、10…外装箱、11…側面部、12…側面部、13…側面部、14…側面部、15…接着部、16…下部延出部、17…上部延出部、18…リード罫、21…底部内側フラップ、22…底部外側フラップ、23…底部内側フラップ、24…底部外側フラップ、25…リード罫、31…上部内側フラップ、32…上部外側フラップ、33…上部内側フラップ、34…上部外側フラップ、35…リード罫、41…防止部、42…移動防止部、43…リード罫、44…リード罫、50…給紙カセット、51…サイドガイド、52…奥側ガイド壁、53…前側ガイド壁、54…操作部、55…エンドガイド、61…緩衝材、62…緩衝材、63…緩衝材、64…緩衝材。