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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159665
(43)【公開日】2023-11-01
(54)【発明の名称】ボールねじ装置
(51)【国際特許分類】
   F16H 25/22 20060101AFI20231025BHJP
【FI】
F16H25/22 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022069511
(22)【出願日】2022-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡 渓太郎
【テーマコード(参考)】
3J062
【Fターム(参考)】
3J062AB22
3J062BA14
3J062BA17
3J062CD06
3J062CD22
(57)【要約】
【課題】脚部の回動方向への位置ずれを抑制するボールねじ装置を提供する。
【解決手段】ボールねじ装置は、ねじ軸、ナット、複数のボール、循環部品、台座部品、及び固定部品を備える。ナットには組み付け方向に貫通する貫通孔が設けられている。循環部品は、円筒部と脚部と屈曲部を有する。台座部品は、円筒部と屈曲部に沿って延在する本体部を有する。本体部は、溝状の座面を有する。座面の断面形状は、円筒部と2つの屈曲部の中心線を中心に円弧状を成す。座面のうち円筒部と当接する部位は、円筒部の中心線と平行な回動軸方向から視て、組み付け方向と反対方向に開放した円弧状の支持面を成す。座面のうち屈曲部と当接する部位は、組み付け方向から視て、貫通孔の方に開放した円弧状の規制面を成す。規制面は、第1回動方向から屈曲部に当接する第1規制部と、第2回動方向から屈曲部に当接する第2規制部を有する。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ねじ軸と、
前記ねじ軸に貫通されるナットと、
前記ねじ軸と前記ナットの間に配置された複数のボールと、
断面形状が円形状を成し、前記ボールを循環させる循環部品と、
前記ナットの外周面と前記循環部品との間に配置された台座部品と、
前記循環部品を前記台座部品とで挟み込む固定部品と、
を備え、
前記ナットには、前記循環部品を前記ナットの外周面に組み付ける組み付け方向に、前記ナットを貫通する2つの貫通孔が設けられ、
前記循環部品は、
前記ナットの外周側に配置された円筒状の円筒部と、
前記貫通孔に挿入される2つの脚部と、
前記円筒部と前記脚部とを接続する2つの屈曲部と、
を有し、
前記台座部品は、前記円筒部と2つの前記屈曲部に沿って延在する本体部を有し、
前記本体部は、前記円筒部と2つの前記屈曲部が重ねられる溝状の座面を有し、
前記座面の断面形状は、前記円筒部と2つの前記屈曲部の中心線を中心に円弧状を成し、
前記座面のうち前記円筒部と当接する部位は、前記円筒部の中心線と平行な回動軸方向から視て、前記組み付け方向と反対方向に開放した円弧状の支持面を成し、
前記座面のうち前記屈曲部と当接する部位は、前記組み付け方向から視て、前記貫通孔が配置される方に開放した円弧状の規制面を成し、
前記規制面は、
前記円筒部の中心線を中心とする第1回動方向から前記屈曲部に当接する第1規制部と、
前記第1回動方向の反対方向の第2回動方向から前記屈曲部に当接する第2規制部と、
を有している
ボールねじ装置。
【請求項2】
前記ナットの外周面であって前記貫通孔の縁部には、2つの前記屈曲部との接触を回避する凹部が設けられ、
前記台座部品は、前記本体部の端部から前記組み付け方向に突出し、前記凹部に嵌合する2つの嵌合部を有する
請求項1に記載のボールねじ装置。
【請求項3】
前記嵌合部は、前記組み付け方向から視て前記貫通孔の方を向く内側面を有し、
前記座面は、前記内側面に延長されており、
前記嵌合部は、前記屈曲部又は前記脚部と当接している
請求項2に記載のボールねじ装置。
【請求項4】
前記台座部品は、樹脂製である
請求項1に記載のボールねじ装置。
【請求項5】
2つの前記脚部は、前記ナットと前記ねじ軸の間の軌道に対して接線方向に延びている
請求項1に記載のボールねじ装置。
【請求項6】
前記本体部には、前記本体部を貫通する貫通孔が設けられている
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のボールねじ装置。
【請求項7】
前記本体部は、前記本体部の長さ方向の中央部を分割した2つの分割本体部を有し、
2つの前記分割本体部の間には、隙間が設けられている
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のボールねじ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ボールねじ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ボールねじ装置は、回転運動を直線運動に、又は直線運動を回転運動に変換する装置である。ボールねじ装置は、ねじ軸と、ナットと、ねじ軸とナットの間の軌道を転動する複数のボールと、軌道の一端から他端に転動したボールを軌道の一端に戻す循環部品と、を備えている。
【0003】
循環部品の一例として、特許文献1に示すようなチューブ状のものがある。このチューブ状の循環部品は、ナットの外周面に沿って延びる円筒部と、円筒部から屈曲する屈曲部と、屈曲部から延びる脚部と、を備える。脚部は、ナットの外周面と内周面を貫通する貫通孔に挿入される。そして、脚部の先端で軌道からボールを掬い上げたり、脚部の先端から軌道にボールを戻したりしている。
【0004】
ところで、ナットの貫通孔は、ナットに循環部品を組み付ける方向(以下、組み付け方向という)に貫通している。また、特許文献1の脚部も組み付け方向に延在している。つまり、脚部と貫通孔が同方向に延び、脚部が貫通孔に嵌合している。この嵌合によれば、円筒部を中心に脚部が回動する、ということが規制される。以下、円筒部を中心に回動することを、単に回動すると称する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003-269564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、軌道に対し接線方向からボールを掬い上げる循環部品が開発されている。この循環部品の脚部は、循環部品の組付け方向に対し傾斜している。つまり、脚部が貫通孔に嵌合せず、脚部が回動し易い。仮に脚部が回動すると、脚部の先端が位置ずれし、滑らかなボールの掬い上げやボールの戻しを達成できなくなる。
【0007】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであり、脚部による回動方向への位置ずれを抑制するボールねじ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本開示の一態様に係るボールねじ装置は、ねじ軸と、前記ねじ軸に貫通されるナットと、前記ねじ軸と前記ナットの間に配置された複数のボールと、断面形状が円形状を成し、前記ボールを循環させる循環部品と、前記ナットの外周面と前記循環部品との間に配置された台座部品と、前記循環部品を前記台座部品とで挟み込む固定部品と、を備える。前記ナットには、前記循環部品を前記ナットの外周面に組み付ける組み付け方向に、前記ナットを貫通する2つの貫通孔が設けられている。前記循環部品は、前記ナットの外周側に配置された円筒状の円筒部と、前記貫通孔に挿入される2つの脚部と、前記円筒部と前記脚部とを接続する2つの屈曲部と、を有している。前記台座部品は、前記円筒部と2つの前記屈曲部に沿って延在する本体部を有している。前記本体部は、前記円筒部と2つの前記屈曲部が重ねられる溝状の座面を有している。前記座面の断面形状は、前記円筒部と2つの前記屈曲部の中心線を中心に円弧状を成している。前記座面のうち前記円筒部と当接する部位は、前記円筒部の中心線と平行な回動軸方向から視て、前記組み付け方向と反対方向に開放した円弧状の支持面を成している。前記座面のうち前記屈曲部と当接する部位は、前記組み付け方向から視て、前記本体部の端部が指す方向が開放した円弧状の規制面を成している。前記規制面は、前記円筒部の中心線を中心とする第1回動方向から前記屈曲部に当接する第1規制部と、前記第1回動方向の反対方向の第2回動方向から前記屈曲部に当接する第2規制部と、を有している。
【0009】
本開示によれば、循環部品をナットに組み付ける際、屈曲部は、第1規制部と第2規制部とに当接する。これにより、屈曲部が第1回動方向又は第2回動方向に回動した状態で組み付けられる、ということが回避される。この結果、屈曲部と接続する脚部の回動方向への位置ずれが抑制される。また、従来の円筒部は、ナットの外周面と固定部品とに挟持されている。従来のナットの外周面は平面であり、循環部品に対する固定力が小さい。そしてボールが循環部品内を転動すると、循環部品が振動し、循環部品の摩耗が発生する。一方で、本開示の円筒部は、円弧状の座面に支持されている。つまり、台座部品と円筒部との接触面積が増加し、円筒部を固定する固定力が高い。よって、循環部品の振動が発生し難く、循環部品の摩耗が抑制される。
【0010】
また、本開示の一態様に係るボールねじ装置の望ましい態様として、前記ナットの外周面であって前記貫通孔の縁部には、2つの前記屈曲部との接触を回避する凹部が設けられている。前記台座部品は、前記本体部の端部から前記組み付け方向に突出し、前記凹部に嵌合する2つの嵌合部を有する。
【0011】
前記構成によれば、本体部と循環部品がナットの外周面に沿って位置ずれした状態で組み付けられる、ということが回避される。つまり、脚部の位置決め精度が向上する。また、嵌合部が嵌合する部位として、凹部を利用している。これによれば、嵌合部を嵌合するための凹部を別途形成する必要がなく、ナットの強度低下を回避できる。
【0012】
また、本開示の一態様に係るボールねじ装置の望ましい態様として、前記嵌合部は、前記組み付け方向から視て前記貫通孔の方を向く内側面を有している。前記座面は、前記内側面に延長されている。前記嵌合部は、前記屈曲部又は前記脚部と当接している。
【0013】
前記構成によれば、屈曲部又は脚部を支持する部位が増える。よって、脚部の位置決め精度が向上する。
【0014】
また、本開示の一態様に係るボールねじ装置の望ましい態様として、前記台座部品は、樹脂製である。
【0015】
前記構成によれば、固定部品で荷重を加え、本体部を圧縮した状態でナットに組み付けることができる。これによれば、循環部品の円筒部に摩耗が生じても、円筒部と本体部との間に隙間が生じない。よって、固定部品と台座部品による挟持力が長期間に亘って持続する。以上から、循環部品に振動が発生して循環部品が摩耗する、ということが発生し難くなっている。
【0016】
また、本開示の一態様に係るボールねじ装置の望ましい態様として、2つの前記脚部は、前記ナットと前記ねじ軸の間の軌道に対して接線方向に延びている。
【0017】
また、本開示の一態様に係るボールねじ装置の望ましい態様として、前記本体部には、前記本体部を貫通する貫通孔が設けられている。
【0018】
台座部品が高温下に晒された場合、本体部が長さ方向に熱膨張する。そして、本体部の規制面は屈曲部を互いに離隔する方向に押圧する。一方で、本体部は、押圧した2つの屈曲部から反力を受ける。よって、貫通孔が潰れるように本体部が変形する。以上から、熱膨張した本体部が屈曲部を押圧し脚部の先端が位置ずれする、ということが回避される。
【0019】
また、本開示の一態様に係るボールねじ装置の望ましい態様として、前記本体部は、前記本体部の長さ方向の中央部を分割した2つの分割本体部を有している。2つの前記分割本体部の間には、隙間が設けられている。
【0020】
分割本体部が熱膨張した場合、2つの分割本体部の間にある隙間の方に延びる。よって、熱膨張した本体部が屈曲部を押圧し脚部の先端が位置ずれする、ということが回避される。
【0021】
前記構成によれば、ボールの掬い上げやボールの戻しが滑らかとなる。
【発明の効果】
【0022】
本開示のボールねじ装置によれば、脚部の回動方向への位置ずれが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、実施形態1のボールねじ装置を循環部品の組み付け方向から視た図である。
図2図2は、実施形態1のボールねじ装置からナット、台座部品、及び循環部品を抽出し、かつ分解した状態を示す分解斜視図である。
図3図3は、実施形態1のナットを組み付け方向から視た図である。
図4図4は、実施形態1において、ナットに対する台座部品と循環部品との組み付け状態を示す図である。
図5図5は、実施形態1において、台座部品と循環部品を図4の矢印Vの指す方向から視た図である。
図6図6は、図1のVI-VI線矢視断面図である。
図7図7は、図1のVII-VII線の矢視断面図である。
図8図8は、台座部品を組み付け方向から視た平面図である。
図9図9は、台座部品を中心線で切った場合の断面図である。
図10図10は、図8のX-X線矢視断面図である。
図11図11は、図8のXI-XI線矢視断面図である。
図12図12は、図9のXII-XII線の矢視断面図である。
図13図13は、変形例1に係る台座部品を組み付け方向から斜視した斜視図である。
図14図14は、変形例2に係る台座部品を組み付け方向から視た図である。
図15図15は、変形例2に係る台座部品を側方から視た側面図である。
図16図16は、変形例3に係る台座部品を組み付け方向から視た図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
発明を実施するための形態につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の説明で記載した内容により本開示が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0025】
(実施形態1)
図1は、実施形態1のボールねじ装置を循環部品の組み付け方向から視た図である。図2は、実施形態1のボールねじ装置からナット、台座部品、及び循環部品を抽出し、かつ分解した状態を示す分解斜視図である。図3は、実施形態1のナットを組み付け方向から視た図である。図4は、実施形態1において、ナットに対する台座部品と循環部品との組み付け状態を示す図である。図5は、実施形態1において、台座部品と循環部品を図4の矢印Vの指す方向から視た図である。図6は、図1のVI-VI線矢視断面図である。図7は、図1のVII-VII線の矢視断面図である。図8は、台座部品を組み付け方向から視た平面図である。図9は、台座部品を中心線で切った場合の断面図である。図10は、図8のX-X線矢視断面図である。図11は、図8のXI-XI線矢視断面図。図12は、図9のXII-XII線の矢視断面図である。
【0026】
図1に示すように、実施形態1のボールねじ装置100は、ねじ軸1と、ナット2と、複数のボール3(図6参照)と、循環部品4と、固定部品5と、台座部品6と、を備えている。以下の説明において、ねじ軸1と平行な方向を軸方向と称する。
【0027】
ねじ軸1は、中実の棒状部品である。ねじ軸1の外周面には、外周軌道面10が設けられている。ナット2は、円筒状の部品である。ナット2の内周面には、内周軌道面20(図2参照)が設けられている。ねじ軸1はナット2を貫通し、外周軌道面10と内周軌道面20が対向している。外周軌道面10と内周軌道面20との間は、ボール3が転動する螺旋状の軌道7(図6参照)となっている。
【0028】
ナット2の外周面21は、Dカット加工されている。よって、外周面21は、平面22と、軸方向から視て円弧状(略C字状)の円弧面23と、を有している。平面22は、循環部品4が設置される面である。よって、平面22に対する垂線と平行な方向であり、かつ平面22に対して近づく方向は、循環部品4をナット2に組み付ける方向となる(図2の矢印A参照。以下、組み付け方向Aと称する)。
【0029】
平面22と円弧面23との境界には、軸方向に延びる2つの稜線24が設けられている。以下、稜線24が延びる方向を平面22の長さ方向Xという。また、平面22と平行であり、かつ平面22の長さ方向Xと直交する方向を平面22の幅方向Yという。ナット2には、ナット2の外周面21と内周面とを貫通する2つの貫通孔25が設けられている。
【0030】
なお、本実施形態において、2つの貫通孔25、循環部品4、固定部品5、及び台座部品6は、組み付け方向Aから視て、平面22の点P(図1参照)を基準に点対称な形状となっている。平面22の点Pとは、平面22上の任意の点である。よって、循環部品4と固定部品5と台座部品6のうちいずれか1つが、平面22の点Pを中心に回転した状態でも、ナット2に組み付け可能となっている。よって、以下の説明においては、点Pに対し一方にある構成を代表例として説明し、点Pに対し他方にある構成の説明を省略する。
【0031】
図2に示すように、貫通孔25は、組み付け方向Aから、ナット2の外周面21を切削して成る。つまり、貫通孔25は、組み付け方向Aに延びている(図5図6参照)。なお、本開示において、貫通孔の形成方法は、切削加工以外の加工方法であってもよい。
【0032】
図3に示すように、貫通孔25は、稜線24を跨ぎ、平面22と円弧面23を貫通している。また、貫通孔25は、平面22の長さ方向Xよりも平面22の幅方向Yに長い。これにより、循環部品4の脚部42を、平面22の幅方向Yに傾斜した状態で、貫通孔25に配置することができる。
【0033】
ナット2の外周面21であって貫通孔25の縁部には、ナット2の内周側に窪んだ凹部26が設けられている。この凹部26は、循環部品4の屈曲部43との接触を回避するためのものである(図6参照)。なお、図6においては、凹部26を見易くするため、凹部26に配置される台座部品6の嵌合部61を省略している。また、凹部26は、円弧状の嵌合面28が設けられている。そのほか、平面22には、固定部品5を取り付けるためのねじ59が螺合する雌ねじ穴29が2つ設けられている。
【0034】
循環部品4は、筒状の部品であり、内部空間が戻り路40(図7参照)となっている。図4図5に示すように、循環部品4は、ナット2の外周側に配置される円筒部41と、貫通孔25に挿入される2つの脚部42と、円筒部41と脚部42とを接続する2つの屈曲部43と、を備えている。
【0035】
円筒部41と脚部42と屈曲部43の断面形状は、それぞれ円形状となっている(図7参照)。以下、円筒部41と脚部42と屈曲部43のそれぞれの断面形状(円形状)の中心を連続して繋げたものを、循環部品4の中心線Mと称する。また、実施形態1においては、金属製の円筒状部品をプレス加工により折り曲げることで、循環部品4を製造している。
【0036】
なお、実施形態1の循環部品4は、金属製であるが、本開示は、樹脂製の循環部品であってもよい。また、本開示において、金属製の円筒状部品から循環部品4を製造する場合、その加工方法はプレス加工に限定されない。また、実施形態1の循環部品4は、単一部品から成るが、本開示は、複数の部品を接合して成る循環部品であってもよい。
【0037】
円筒部41の中心線M41は直線状である。つまり、円筒部41は円筒形状となっている。なお、上記した「回動」とは、円筒部41の中心線M41を中心とした回動である。以下、中心線M41と平行方向を回動軸方向と称する。また、中心線M41を中心とする回動方向に関し、一方を第1回動方向L1と称し、他方を第2回動方向L2と称する(図10図11参照)。
【0038】
図6に示すように、脚部42の中心線M42は略直線状である。よって、脚部42は、略円筒状となっている。脚部42は、貫通孔25に配置されている。脚部42の中心線M42は、組み付け方向Aに対し傾斜している。よって、脚部42は、貫通孔25に嵌合できない形状となっている。
【0039】
脚部42の先端部には、ボール3を軌道7から掬い上げる掬い上げ部42aが設けられている。脚部42の中心線M42は、軌道7を転動するボール3の中心同士を結ぶピッチ円Cに対し、接線となっている。これにより、脚部42の先端から滑らかにボール3を掬い上げたり、戻したりすることができる。
【0040】
図5に示すように、屈曲部43の中心線M43は、図4の矢印Vの方向から視ると、円弧状(四分円状)を成している。よって、屈曲部43内をボール3が転動すると、ボール3の進行方向が略90°が変わる。図6に示すように、屈曲部43の一部は、ナット2の凹部26に配置されている。
【0041】
図7に示すように、固定部品5は、抑え部50と、2つの被締結部51と、を備えている。抑え部50の断面形状は、円筒部41の外周面に沿って円弧状の円弧部52と、円弧部52の端部から組み付け方向Aの方に直線状に延びる2つの壁部53と、を備えている。被締結部51は、ねじ59により、平面22の方に締め付けている。これにより、円筒部41は、台座部品6の本体部60に押圧されている。また、本実施形態においては、ねじ59の締め付けにより、台座部品6の本体部60が圧縮変形した状態で組み付けられている。
【0042】
実施形態1の台座部品6は、樹脂製品である。図5に示すように、台座部品6は、ナット2の平面22に沿って延びる本体部60と、本体部60の両端部から組み付け方向Aに突出する2つの嵌合部61と、を備えている。
【0043】
図8に示すように、組み付け方向Aから視ると、本体部60は、2つの貫通孔25の間を延在している。よって、本体部60が延びる方向は、稜線24(平面22の長さ方向X)に対し傾斜している。以下、本体部60が延びる方向を長さ方向Zと称する。また、平面22と平行な方向であり、本体部60の長さ方向Zと直交する方向を本体部60の幅方向Wと称する。
【0044】
図9に示すように、本体部60は、組み付け方向Aを向く底面62と、底面62と反対方向を向く面に設けられた座面63と、を有している。底面62は、平坦であり、ナット2の平面22と当接している(図5参照)。
【0045】
座面63は、循環部品4に向かって開放する凹面(円弧面)である。座面63は、本体部60の一端から他端まで延びており、溝状となっている。図9に示すように、座面63の底部(最も窪んでいる部分)63aは、本体部60の長さ方向Zの中央部では、平面22と平行な方向に延在している。一方、座面63の底部63aは、本体部60の端部に向かうにつれて、平面22の方に近づくように湾曲している。よって、座面63は、本体部60の長さ方向Zに直線状となっている部分と、本体部60の長さ方向Zに湾曲している部分と、に分かれる。以下、座面63において直線状となっている部分を支持面70と称する。座面63において湾曲している部分を規制面71と称する。
【0046】
図7に示すように、支持面70は、円筒部41が重ねられている。そして、支持面70は、固定部品5と協働して円筒部41を挟持している。支持面70の断面形状は、円筒部41の中心線M41を中心に円弧状となっている。よって、円筒部41は、本体部60の幅方向Wに位置ずれすることなく、本体部60に支持される。
【0047】
図5に示すように、規制面71は、屈曲部43が重ねられ、屈曲部43と当接している。また、規制面71は湾曲していることから、規制面71が屈曲部43と当接する範囲は、屈曲部43が延びる方向の一部でなく、ある程度の長さに亘って当接している。さらに、2つの屈曲部43は、2つの規制面71を本体部60の長さ方向Zから挟むように当接している。このため、循環部品4は、本体部60の長さ方向Zに位置ずれすることなく、本体部60に支持される。なお、本実施形態において、規制面71は嵌合部61にも設けられている。よって、嵌合部61の説明した後に、規制面71の詳細を説明する。
【0048】
図8に示すように、嵌合部61は、凹部26に配置されている。嵌合部61は、凹部26の嵌合面28と対向する外側面65を有している。外側面65は、円弧状を成し、嵌合面28と同一形状となっている。よって、嵌合部61は凹部26に嵌合している。また、この嵌合により、本体部60は、平面22と平行な方向に位置ずれすることなく、ナット2に組み付けられる。
【0049】
組み付け方向Aから視た場合、嵌合部61は、円形状の一部が切り欠かれた形状となっている。この切り欠かれた部分は、組み付け方向Aから視て、貫通孔25と重なる範囲である。以下、切り欠かれた部分を内側面66と称する。嵌合部61の内側面66には、本体部60の座面63(規制面71)が設けられている。つまり、座面63は、嵌合部61の内側面66に延長している。そして、嵌合部61の内側面66(座面63、規制面71)は、屈曲部43の外周面と当接している。
【0050】
次に規制面71の詳細について説明する。なお、規制面71は、嵌合部61に設けられた規制面71と、本体部60の端部に位置する規制面71と、の2つある。説明の都合上、嵌合部61に設けられた規制面71から説明する。
【0051】
図8に示すように、嵌合部61に設けられた規制面71は、屈曲部43の中心線M43を中心に円弧状となっている。よって、組み付け方向Aから視ると、嵌合部61に設けられた規制面71は、貫通孔25(脚部42)が配置される方に開放している。また、2つのうち嵌合部61のうち、一方の嵌合部61の規制面71Aと、他方の嵌合部61の規制面71Bは、互いに反対方向を向くように開口している。
【0052】
図10に示すように、規制面71Aは、回動軸方向から視ると、中心線M42及び中心線M43を跨いで、屈曲部43の外周面に円弧状に当接している。つまり、規制面71Aは、中心線M42及び中心線M43を境界線として、第1回動方向L1から当接する第1規制部72と、第2回動方向L2から当接する第2規制部73と、を有している。よって、屈曲部43による第1回動方向L1への回動(位置ずれ)は、第1規制部72によって規制される。また、屈曲部43による第2回動方向L2への回動(位置ずれ)は、第2規制部73によって規制される。
【0053】
なお、第1規制部72は、規制面71Aのうち、境界線(中心線M42及び中心線M43)よりも第1回動方向L1に配置されている部分である。また、第2規制部73は、規制面71Aのうち、境界線(中心線M42及び中心線M43)よりも第2回動方向L2に配置されている部分である。図8図10に示すように、規制面71Aにおいて、屈曲部43と当接する周方向の長さは、第1規制部72よりも第2規制部73の方が長い。つまり、屈曲部43を支持する支持力は、規制面71Aにおいては第1規制部72よりも第2規制部73の方が大きい。
【0054】
一方、図11に示すように、他方の嵌合部61に設けられた規制面71Bに関し、屈曲部43と当接する周方向の長さは、境界線(中心線M42及び中心線M43)よりも第2回動方向L2に配置された第2規制部73よりも、第1回動方向L1に配置された第1規制部72の方が長い。つまり、屈曲部43を支持する支持力は、規制面71Bにおいては第2規制部73よりも第1規制部72の方が大きい。よって、規制面71による支持力は、回動方向の一方に偏ることなく、均一となっている。
【0055】
また、図12に示すように、本体部60の端部に設けられた規制面71は、屈曲部43の中心線M42を中心に円弧状となっている。つまり、本体部60の端部に位置する規制面71においても、中心線M42を境界線として、第1回動方向L1から当接する第1規制部72と、第2回動方向L2から当接する第2規制部73と、を有している。よって、本体部60に設けられた規制面71によっても、屈曲部43の回動が規制される。
【0056】
以上から、座面63の断面形状は、循環部品4の中心線Mを中心に同一形状(円弧状)となっているものの、当接する対象が異なるため(円筒部41又は屈曲部43)、支持面70と規制面71の開放する向きが異なる。つまり、支持面70は、円筒部41を本体部60の幅方向Wへの位置ずれを規制し、規制面71は、屈曲部43の回動方向への位置ずれを規制している。
【0057】
次に本実施形態1のボールねじ装置100の効果について説明する。循環部品4を組み付ける前に、ナット2の平面22に台座部品6を配置する。この際、台座部品6の2つの嵌合部61を、ナット2の凹部26に嵌合する。これにより、台座部品6は、平面22と平行な方向に位置ずれすることなく、ナット2に組み付けられる。
【0058】
次に循環部品4を組み付ける。循環部品4、循環部品4の脚部42を貫通孔25に挿入させる。この時、円筒部41と2つの屈曲部43が、台座部品6の座面63と重なるように配置する。これによれば、円筒部41が支持面70に支持され、本体部60の幅方向Wの位置ずれが抑制される。また、2つの屈曲部43が2つの規制面71と当接し、本体部60の長さ方向Zの位置ずれが抑制される。以上から、循環部品4は、平面22と平行な方向に位置ずれすることなく、台座部品6に組み付けられる。
【0059】
また、屈曲部43は、規制面71と当接し、回動方向への位置ずれが抑制される。よって、脚部42による回動方向に位置ずれも抑制される。この結果、脚部42の先端は、所定の組み付け位置に配置され、滑らかにボール3を掬い上げたり、戻したりすることができる。
【0060】
また、支持面70は、円筒部41の外周面と同一形状となっており、隙間なく円筒部41の外周面と当接している。従来の円筒部は、ナット2の平面22と固定部品5とに挟持されているが、支持面70と固定部品5で挟持する本実施形態によれば、円筒部41に対する摩擦力が大きい。よって、従来よりも円筒部41を固定する固定力が大きい。これにより、循環部品4が振動し難くなり、循環部品4の摩耗が抑制される。
【0061】
また、循環部品4の円筒部41が摩耗しても、固定部品5と台座部品6との間に隙間が発生しないようになっている。言い換えると、摩耗により円筒部41の外周面が縮径しても、圧縮変形した本体部60が弾性変形するため、隙間が発生しない。よって、固定部品5と台座部品6との挟持力は、長期間に亘って持続する。
【0062】
また、嵌合部61が嵌合する部位として、屈曲部43との接触を回避するための凹部26を利用している。これによれば、嵌合部61を嵌合するための凹部を別途形成する必要がなく、ナット2の強度低下を回避できる。
【0063】
以上、実施形態1のボールねじ装置100は、ねじ軸1と、ねじ軸1に貫通されるナット2と、ねじ軸1とナット2の間に配置された複数のボール3と、断面形状が円形状を成し、ボール3を循環させる循環部品4と、ナット2の外周面21と循環部品4との間に配置された台座部品6と、循環部品4を台座部品6とで挟み込む固定部品5と、を備える。ナット2には、循環部品4をナット2の外周面21に組み付ける組み付け方向Aに、ナット2を貫通する2つの貫通孔25が設けられている。循環部品4は、ナット2の外周側に配置された円筒状の円筒部41と、貫通孔25に挿入される2つの脚部42と、円筒部41と脚部42とを接続する2つの屈曲部43と、を有している。台座部品6は、円筒部41と2つの屈曲部43に沿って延在する本体部60を有している。本体部60は、円筒部41と2つの屈曲部43が重ねられる溝状の座面63を有している。座面63の断面形状は、円筒部41の中心線M41と2つの屈曲部43の中心線M43を中心に円弧状を成している。座面63のうち円筒部41と当接する部位は、円筒部41の中心線M41と平行な回動軸方向から視て、組み付け方向Aと反対方向に開放した円弧状の支持面70を成している。座面63のうち屈曲部43と当接する部位は、組み付け方向Aから視て、貫通孔25が配置される方に開放した円弧状の規制面71を成している。規制面71は、円筒部41の中心線M41を中心とする第1回動方向L1から屈曲部43に当接する第1規制部72と、第1回動方向L1の反対方向の第2回動方向L2から屈曲部43に当接する第2規制部73と、を有している。
【0064】
実施形態1のボールねじ装置100によれば、脚部42は回動方向へ位置ずれしない。また、循環部品4を固定する固定力が高く、循環部品4の摩耗が抑制される。
【0065】
また、実施形態1において、ナット2の外周面21であって貫通孔25の縁部には、2つの屈曲部43との接触を回避する凹部26が設けられている。台座部品6は、本体部60の端部から組み付け方向Aに突出し、凹部26に嵌合する2つの嵌合部61を有する。
【0066】
実施形態1によれば、循環部品4は、ナット2の平面22と平行な方向に位置ずれしない。また、ナット2の強度低下を回避できる。
【0067】
また、実施形態1において、嵌合部61は、組み付け方向Aから視て貫通孔25の方を向く内側面66を有している。座面63は、内側面66に延長されている。嵌合部61は、屈曲部43又は脚部42と当接している。
【0068】
実施形態1によれば、台座部品6は、屈曲部43又は脚部42と当接する部位が増える。よって、脚部42の回動方向への位置ずれをより確実に抑制できる。
【0069】
また、実施形態1において、台座部品6は、樹脂製である。
【0070】
実施形態1によれば、台座部品6を組み付け方向Aに圧縮させた状態で組み付けることができる。よって、仮に円筒部41が摩耗しても、固定部品5と台座部品6との間に隙間が発生しない。
【0071】
また、実施形態1において、2つの脚部42は、ねじ軸1とナット2の間の軌道7に対して接線方向に延びている。
【0072】
実施形態1によれば、ボール3の掬い上げ及びボール3の戻しが滑らかとなる。
【0073】
以上、実施形態1について説明したが、本開示は、実施形態1で説明した例に限定されない。例えば、台座部品6は、樹脂材料でなく、黄銅などのナット2及び循環部品4に比べ軟質の金属材料を利用してもよい。軟質の金属材料で製造された台座部品であれば、固定部品5からの荷重により圧縮する。そして、円筒部41が摩耗した場合、軟質の金属材料で製造された台座部品が変形し、固定部品5と台座部品6との間に隙間が発生しない。よって、実施形態1の樹脂製の台座部品6と同等な作用効果を発揮できる。
【0074】
また、本開示は、樹脂製の本体部60の内部に、本体部60の長さ方向Zに延びるガラス繊維を含むようにしてもよい。これによれば、台座部品6が熱膨張し難くなる。よって、金属製のナット2との線膨張係数の差が小さくなり、クリープ変形が抑制される。
【0075】
また、本開示の台座部品は、上記した樹脂材料や軟質の金属材料以外の材料で製造されていてもよい。このような台座部品であっても、実施形態1と同様な作用効果を発揮でき、脚部42の回動方向へ位置ずれや平面22と平行な方向の位置ずれを抑制できる。また、循環部品4を固定する固定力が高く、循環部品4の摩耗も抑制できる。
【0076】
また、実施形態1の循環部品4は、脚部42が組付け方向Aに傾斜しているが、本開示は、脚部42が組付け方向Aと平行な(貫通孔25に脚部42が嵌合可能な)循環部品であってもよい。このような循環部品であっても、製造誤差により脚部42と貫通孔25との間に隙間が発生する可能性がある。よって、本開示の台座部品によれば、脚部42を支持し、脚42部の回動方向への位置ずれを抑制できる。
【0077】
次に変形例に係る台座部品について説明する。なお、以下の説明においては、実施形態1との相違点に絞って説明する。
【0078】
(変形例1)
図13は、変形例1に係る台座部品を組み付け方向から斜視した斜視図である。図13に示すように、変形例1に係る台座部品6Aは、嵌合部61を有していない点で、実施形態1の台座部品6と相違する。このような台座部品6Aによれば、本体部60の端部に設けられた規制面71(71A、71B)により、屈曲部43及び脚部42の回動方向への位置ずれが規制される。また、循環部品4を固定する固定力が高く、循環部品4の摩耗も抑制できる。ただし、台座部品6Aが位置決めされないため、台座部品6に支持される循環部品4は、ナット2の平面22と平行な方向へ位置ずれする可能性がある。
【0079】
(変形例2)
図14は、変形例2に係る台座部品を組み付け方向から視た図である。図15は、変形例2に係る台座部品を側方から視た側面図である。図14図15に示すように、変形例2に係る台座部品6Bは、円形状の貫通孔75が設けられている点で、実施形態1の台座部品6と相違する。貫通孔75は、本体部60を組み付け方向Aと平行な方向に貫通している。つまり、支持面70(座面63)の一部を貫通している。
【0080】
変形例2の台座部品6Bによれば、ボールねじ装置100の使用時、台座部品6Bが高温下に晒された場合、本体部60が長さ方向Zに熱膨張する。これにより、台座部品6Bは、規制面71に当接する2つの屈曲部43を互いに離隔する方向に押圧する。また、本体部60は、2つの屈曲部43から反力を受け、貫通孔75が潰れるように本体部60が変形する。よって、変形例2によれば、台座部品6Bの熱膨張による屈曲部43の位置ずれが抑制される。
【0081】
なお、変形例2の貫通孔75は円形状となっているが、本開示はこれに限定されない。また、貫通孔75は複数設けられていてもよい。
【0082】
(変形例3)
図16は、変形例3に係る台座部品を組み付け方向から視た図である。図16に示すように、変形例3に係る台座部品6Cは、本体部60が2分割されている点で、実施形態1の台座部品6と相違する。本体部60は、本体部60の長さ方向Zの中央部で分割された2つの分割本体部76を有している。また、2つの分割本体部76を合わせた本体部60の長さ方向の長さは、実施形態1の本体部60よりも短い。つまり、2つの分割本体部76の間には、隙間Sが発生する。
【0083】
以上、変形例3の台座部品6Cによれば、分割本体部76が熱膨張した場合、隙間Sが小さくなるように膨張する。よって、屈曲部43の位置ずれを抑制することができる。
【符号の説明】
【0084】
100 ボールねじ装置
1 ねじ軸
2 ナット
3 ボール
4 循環部品
5 固定部品
6 台座部品
21 外周面
22 平面
25 貫通孔
26 凹部
40 戻り路
41 円筒部
42 脚部
43 屈曲部
60 本体部
61 嵌合部
63 座面
66 内側面
70 支持面
71、71A、71B 規制面
72 第1規制部
73 第2規制部
75 貫通孔
76 分割本体部
M、M41、M42、M43 中心線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16