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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023159683
(43)【公開日】2023-11-01
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/123 20060101AFI20231025BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20231025BHJP
   G06Q 50/30 20120101ALI20231025BHJP
【FI】
G08G1/123 A
G08G1/09 F
G08G1/09 V
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022069543
(22)【出願日】2022-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三宅 基治
(72)【発明者】
【氏名】武市 真知
(72)【発明者】
【氏名】平尾 拓也
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼岡 香那
(72)【発明者】
【氏名】金子 庸平
(72)【発明者】
【氏名】富張 金剛
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
5H181AA14
5H181AA24
5H181BB04
5H181BB05
5H181FF05
5H181FF22
5H181FF33
5H181MA07
5H181MA14
5H181MA17
5L049CC42
(57)【要約】
【課題】自動運転車両に適した乗車の意思確認を行う。
【解決手段】サーバ装置30は、車両がユーザの乗車する乗車地点に到着する到着予定時刻を算出する算出部32と、到着予定時刻の所定時間前に相当する基準時刻以降において、乗車地点を基準とした基準範囲内にユーザが所在しているか否かを判断する判断部34と、基準時刻以降に基準範囲内にユーザが所在していると判断された場合に、当該ユーザの通信端末からの要求に応じて、当該ユーザが車両に乗車するための案内情報を当該通信端末に送信する送信部35とを備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両がユーザの乗車する乗車地点に到着する到着予定時刻を算出する算出部と、
前記到着予定時刻の所定時間前に相当する基準時刻以降において、前記乗車地点を基準とした基準範囲内に前記ユーザが所在している場合に、当該ユーザの通信端末からの要求に応じて、当該ユーザが車両に乗車するための案内情報を当該通信端末に送信する送信部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記車両の挙動を遠隔で制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記基準時刻以降に前記基準範囲内に前記ユーザが所在している場合に、当該ユーザが乗車する車両を第1の期間にわたって前記乗車地点に待機させ、
前記基準時刻以降に前記基準範囲内に前記ユーザが所在していない場合、又は、前記ユーザの通信端末からの前記要求がなかった場合には、前記車両を前記乗車地点に待機させない、又は、前記第1の期間よりも短い第2の期間にわたって前記乗車地点に待機させる
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記基準時刻以降に前記基準範囲内に前記ユーザが所在していない場合、又は、前記ユーザの通信端末からの前記要求がなかった場合において、
前記基準範囲よりも小さい範囲内に前記ユーザが所在していないときには、前記車両を前記第1の期間よりも短い第2の期間にわたって前記乗車地点に待機させる
ことを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記送信部により前記案内情報が前記ユーザの通信端末に送信された後に、当該ユーザが前記基準範囲外に移動した場合には、前記車両を前記第1の期間よりも長い第3の期間にわたって前記乗車地点に待機させる
ことを特徴とする請求項2又は3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ユーザが前記乗車地点に移動するときの移動のしやすさ、移動の速さ、又は、前記ユーザが前記乗車地点において前記車両の見つけるときの容易さのうち、少なくともいずれか1つに関係する条件に応じて、前記基準時刻又は前記基準範囲が変動する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記条件は、前記ユーザの属性に基づく条件である
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記条件は、前記到着予定時刻に基づく条件である
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記条件は、前記乗車地点の周囲の環境に基づく条件である
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記条件は、前記到着予定時刻及びその前後において前記乗車地点から各ユーザがそれぞれ車両に乗車する予定の数に基づく条件である
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが乗車する車両に関する情報をそのユーザに案内するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1において、利用者がタクシーの利用ルートの出発地点を含むエリアに到達した際に、その利用ルートでタクシーに乗車する意思を利用者に対して確認し、利用者が、この確認に対して乗車意思を示すと、利用者がタクシーの相乗りの利用を許諾したとみなすことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-119441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年において車両の自動運転の技術が急速に進んでいる。このため、ユーザの乗車の意思確認についても、自動運転を行う車両をいわゆるタクシーやバスのような輸送車両として利用するシーンに適した仕組みが望まれる。
【0005】
そこで、本発明は、自動運転車両に適した乗車の意思確認の仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、車両がユーザの乗車する乗車地点に到着する到着予定時刻を算出する算出部と、前記到着予定時刻の所定時間前に相当する基準時刻以降において、前記乗車地点を基準とした基準範囲内に前記ユーザが所在している場合に、当該ユーザの通信端末からの要求に応じて、当該ユーザが車両に乗車するための案内情報を当該通信端末に送信する送信部とを備えることを特徴とする情報処理装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、自動運転車両に適した乗車の意思確認を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る車両管理システム1の構成の一例を示すブロック図である。
図2】同実施形態に係るユーザ端末10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3】同実施形態に係る車両装置20のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4】同実施形態に係るサーバ装置30のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図5】サーバ装置30の機能構成の一例を示すブロック図である。
図6】サーバ装置30が記憶する配車情報を例示する図である。
図7】サーバ装置30が記憶する車両情報を例示する図である。
図8】サーバ装置30の動作を例示するフローチャートである。
図9】ユーザ端末10の表示画像を例示する図である。
図10】ユーザ端末10の表示画像を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[構成]
図1は、本実施形態の車両管理システム1の一例を示す図である。車両管理システム1は、自動運転によって走行する車両によって乗客を輸送する交通サービスを提供するためのシステムである。車両管理システム1は、車両に乗降する乗客(つまり交通サービスの提供対象となるユーザ)が利用する通信端末としてそれぞれ機能する複数のユーザ端末10と、複数の車両にそれぞれ搭載された車両装置20と、本発明に係る情報処理装置として機能するサーバ装置30とを備える。ネットワーク2は、これらユーザ端末10、車両装置20及びサーバ装置30を相互に通信可能に接続する。ネットワーク2は、例えばLAN(Local Area Network)又はWAN(Wide Area Network)、若しくはこれらの組み合わせであり、有線区間及び無線区間を含んでいる。ネットワーク2は、例えば第5世代移動通信システムに準拠したネットワークを含むことが望ましいが、必ずしもこれに限らない。
【0010】
車両管理システム1において、ユーザは自身のユーザ端末10を操作して、例えば予め用意された複数の乗降車地点群から選択した任意の乗車地点から任意の目的地点までの乗車の予約を要求する。この乗車予約はユーザ端末10からサーバ装置30にネットワーク2経由で送信される。車両装置20をそれぞれ搭載した複数の車両は分散して走行又は待機しており、サーバ装置30は、上記乗車予約における乗車地点の近辺に居る車両群又はその乗車地点の近辺を走行する予定の車両群から、そのユーザの乗車予約に合致する車両を選択する。サーバ装置30は、車両の現在地点から上記乗車地点を経由して上記目的地点に至るまでの経路を特定し、その経路に従って車両装置20に対して遠隔制御を指示する。車両装置20は、この制御に従って車両の自動運転を行う。
【0011】
サーバ装置30は、ユーザ端末10に対して、ユーザが乗車するべき車両やその車両が乗車地点及び目的地点に到着する到着予定時刻等に関する情報を通知する。本実施形態では、ユーザが乗車地点の近傍に到着してから車両に乗車するまでの処理に特徴があるが、これについては後に詳述する。
【0012】
図2は、ユーザ端末10のハードウェア構成の一例を示す図である。ユーザ端末10は、例えばスマートホン、携帯電話機、タブレット又はウェアラブル端末等のコンピュータである。ユーザ端末10は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、測位装置1007及びこれらを接続するバスなどを含むコンピュータ装置として構成されている。なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。ユーザ端末10のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0013】
ユーザ端末10における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0014】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。また、例えばベースバンド信号処理部や呼処理部などがプロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0015】
プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、後述する動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。ユーザ端末10の機能ブロックは、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよい。各種の処理は、1つのプロセッサ1001によって実行されてもよいが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワーク2からユーザ端末10に送信されてもよい。
【0016】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本実施形態に係る方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0017】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
【0018】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、送受信アンテナ、アンプ部、送受信部、伝送路インターフェースなどは、通信装置1004によって実現されてもよい。送受信部は、送信部と受信部とで、物理的に、または論理的に分離された実装がなされてもよい。
【0019】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キー、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチスクリーン)であってもよい。
【0020】
測位装置1007は、ユーザ端末10の位置を測定する装置であり、例えばGPS(Global Positioning System)と呼ばれる技術を用いて測位を行う。
【0021】
プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバスによって接続される。バスは、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0022】
また、ユーザ端末10は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0023】
図3は、車両装置20のハードウェア構成の一例を示す図である。車両装置20のハードウェア構成は、図3に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。また、それぞれ筐体が異なる複数の装置が通信接続されて、車両装置20を構成してもよい。
【0024】
車両装置20は、物理的にはユーザ端末10と同様に、プロセッサ2001、メモリ2002、ストレージ2003、通信装置2004、入力装置2005、出力装置2006、測位装置2007、施錠機構2008、自動運転装置2009及びこれらを接続するバスなどを含むコンピュータ装置として構成されている。車両装置20における各機能は、プロセッサ2001、メモリ2002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ2001が演算を行い、通信装置2004による通信を制御したり、メモリ2002及びストレージ2003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。プロセッサ2001、メモリ2002、ストレージ2003、通信装置2004、入力装置2005、出力装置2006、測位装置2007及びこれらを接続するバスは、ユーザ端末10について説明したプロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、測位装置1007及びこれらを接続するバスと、ハードウェアとしては同様であるため、その説明を省略する。
【0025】
施錠機構2008は、車両のドアに設けられた鍵の施錠/解錠を行う機構である。
【0026】
自動運転装置2009は、車両の自動運転を実現する装置であり、例えばLidar(Light Detection and Ranging)装置等の各種センサ等を含む。
【0027】
図4は、サーバ装置30のハードウェア構成を示す図である。サーバ装置30のハードウェア構成は、図4に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。また、それぞれ筐体が異なる複数の装置が通信接続されて、サーバ装置30を構成してもよい。
【0028】
サーバ装置30は、物理的には、プロセッサ3001、メモリ3002、ストレージ3003、通信装置3004、及びこれらを接続するバスなどを含むコンピュータ装置として構成されている。サーバ装置30における各機能は、プロセッサ3001、メモリ3002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ3001が演算を行い、通信装置3004による通信を制御したり、メモリ3002及びストレージ3003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。プロセッサ3001、メモリ3002、ストレージ3003、通信装置3004、及びこれらを接続するバスは、ユーザ端末10について説明したプロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、及びこれらを接続するバスと、ハードウェアとしては同様であるため、その説明を省略する。ただし、通信装置3004は、無線通信の通信規格に従って通信を行うためのハードウェアである必要はなく、任意の有線通信の通信規格に従ってネットワーク2を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であってもよい。
【0029】
図5は、サーバ装置30の機能構成の一例を示すブロック図である。図5に示すように、サーバ装置30において、取得部31と、算出部32と、記憶部33と、判断部34と、送信部35と、制御部36という機能が実現される。
【0030】
前述したように、ユーザが自身のユーザ端末10を操作して、任意の乗車地点から任意の目的地点までの乗車の予約を要求すると、この乗車予約はユーザ端末10からネットワーク2経由でサーバ装置30に送信される。ユーザ端末10は、ユーザの操作に応じて又は定期的に測位装置1007によって自端末の位置を測位する。上記乗車予約には、測位されたユーザ端末10の位置を示す位置情報が含まれている。サーバ装置30において、取得部31は、この乗車予約をユーザ端末10からネットワーク2経由で取得する。また、ユーザ端末10は、乗車予約を送信したのちにおいても定期的に測位装置1007によって自端末の位置を測位し、その位置を示す位置情報をネットワーク2経由でサーバ装置30に送信する。サーバ装置30において、取得部31は、この位置情報をユーザ端末10からネットワーク2経由で取得する。また、車両装置20は、定期的に測位装置2007によって自装置の位置を測位し、その位置を示す位置情報をネットワーク2経由でサーバ装置30に送信する。サーバ装置30において、取得部31は、この車両の位置情報を車両装置20からネットワーク2経由で取得する。
【0031】
サーバ装置30において、算出部32は、車両の配車に関する各種の算出処理を行う。より具体的には、算出部32は、上記乗車予約に含まれる乗車地点の近辺に居る車両群又はその乗車地点の近辺を走行する予定の車両群から、そのユーザの乗車予約に合致する車両を選択し、選択した車両の現在地点から上記乗車地点を経由して上記目的地点に至るまでの経路を算出する。この経路は、車両がどの位置をいつ通過するといった情報を含む概念であり、例えば、ユーザが乗車する車両として選択された車両が上記乗車地点に到着する予定となる到着予定時刻に関する情報を含んでいる。つまり、算出部32は、車両がユーザの乗車する乗車地点に到着する到着予定時刻を算出する。
【0032】
前述したように本実施形態において、ユーザが車両に対して乗降することが可能な場所、つまり車両への乗降地点の位置は予め決まっている。従って、ユーザが車両に乗車する乗車地点は予め決められた乗降地点の中から指定されることになるし、また、ユーザが車両から降車する目的地点は予め決められた乗降地点の中から指定されることになる。記憶部33は、これら複数の乗降地点に関する乗降地点情報を記憶している。この乗降地点情報には、乗降地点の位置やその利用可能条件(例えば乗降地点として利用可能な日時に関する情報、具体的には、日又は時と、当該日又は時において各乗降地点が利用可能であるか否かを示す情報)等に関する情報が含まれている。さらに、記憶部331は、全ての交通サービスエリア内の地図データ及び交通データを記憶している。地図データには、全ての交通サービスエリア内の各道路の位置、各道路において走行可能な方向及び車線数、及び各道路における信号等に関する情報が含まれる。交通データには、全ての交通サービスエリア内の各道路における渋滞や事故等に関する情報が含まれる。また、交通データには、各地域において所定のセンシング装置によってセンシングされた交通量に関する情報や、日時等の条件に応じて道路上の車両群がどのような移動をするのかというマクロ的な観点からの統計情報を含んでいてもよい。これら地図データ及び交通データは、算出部32が車両の経路を算出するために用いられる。
【0033】
また、記憶部33は、どの車両がどの経路上のどの位置をいつ通過するか、また、どの車両においてどのユーザがどの乗降地点から乗車するか/どの乗降地点において降車するか等の、各車両の配車に関する配車情報を記憶する。図6は、サーバ装置30の記憶部33が記憶する配車情報を例示する図である。図6に例示するように、各車両の車両ID、各車両の現在位置(車両位置)、各車両に乗車している又は乗車する予定のユーザのユーザID、ユーザの現在位置(ユーザ位置)、及び、その車両の経路を示す経路データが対応付けて記憶されている。経路データには、乗車地点及び降車地点を含む経路上において車両がいつどの地点を通過するかといった情報が含まれている。
【0034】
本実施形態では、ユーザが乗車地点に到着した車両に乗車するためには、その車両のボディ側面等に記された識別番号を視認してユーザ端末10に入力し、その識別番号が正当なものである場合に、車両の鍵が解錠されてユーザが乗車し得るようになっている。そこで、記憶部33は、図7に例示するように、各車両の車両ID及び各車両に記された識別番号を対応付けた車両情報を記憶している。例えば車両ID「f001」の車両に記された識別番号は「1001」という4桁の数字である。
【0035】
ユーザは車両に乗車する乗車地点に到着すると、ユーザ端末10を操作して、車両に乗車するための案内情報をサーバ装置30に要求する。この要求にはユーザ端末10の位置(つまりユーザの位置)が含まれている。この要求に応じて、サーバ装置30の判断部34は、現在時刻と記憶部33の記憶内容とを参照して、到着予定時刻の所定時間前に相当する基準時刻以降(例えば到着予定時刻の10分前の時点以降)において、乗車地点を基準とした基準範囲内(例えば乗車地点を中心とした半径100m以内)にユーザが所在しているか否かを判断する。
【0036】
送信部35は、各種の情報をネットワーク2経由でユーザ端末10又は車両装置20に送信する。例えば送信部35は、判断部34により基準時刻以降に基準範囲内にユーザが所在していると判断された場合に、そのユーザのユーザ端末からの要求に応じて、そのユーザが車両に乗車するための案内情報をそのユーザ端末10に送信する。ここでいう案内情報は、例えば、ユーザが乗車するべき車両、その車両が乗車地点に到着する到着予定時刻、及び、車両において識別番号が記された位置等に関する情報等である。
【0037】
制御部36は、車両の挙動を遠隔で制御する。主に制御部36は、記憶部33に記憶された経路データに従って車両の走行を制御したり、車両の鍵の施錠/解錠を行ったりする。
【0038】
[動作]
次に、サーバ装置30の動作について説明する。図8に示す各処理の手順は、サーバ装置30に記憶されているプログラムに記述されている。図8において、まず、取得部31は、ユーザ端末10から送信されてくる乗車予約をネットワーク2経由で取得する(ステップS11)。この乗車予約には、ユーザ端末10の位置と、ユーザによって指定された乗車希望時刻、乗車地点及び目的地点に関する情報とが含まれている。
【0039】
次に、算出部32は、取得部31により取得された乗車予約に応じて配車処理を開始する(ステップS12)。具体的には、算出部32は、乗車予約における乗車地点の近辺に居る車両群又はその乗車地点の近辺を走行する予定の車両群から、そのユーザの乗車予約に合致する車両を選択し、選択した車両が現在地点からいつ上記乗車地点に到着していつ上記目的地点に至るかといった内容を含む経路を算出する。算出部32による算出結果に応じた配車情報が記憶部33に記憶される(図6参照)。制御部36は、記憶部33に記憶された配車情報に従って車両の走行を制御する。この制御により、車両は現在位置から乗車地点に対して自動運転によって走行する。
【0040】
ユーザは乗車地点に到着すると、ユーザ端末10を操作して、自身が車両に乗車するための案内情報をサーバ装置30に要求する。
【0041】
図9は、このときユーザ端末10に表示される表示画像を例示する図である。図9に例示するように、この表示画像100には、例えばユーザ現在位置から乗車地点に至るまでの道順を地図上に表示する地図表示エリア101のほか、「乗車地点への到着を伝える」と表記されたソフトボタン102が含まれている。このソフトボタン102は、車両に乗車するための案内情報をサーバ装置30に要求するための操作子であり、図9に記されているように、ユーザの乗車予定時刻(つまり車両の乗車地点への到着予定時刻)の10分前(基準時刻以降)から押せる(つまりソフトボタン102がアクティベートされる)ようになっている。例えば到着予定時刻が10:00である場合には、9:50以降において、ソフトボタン102がアクティベートされることになる。
【0042】
ユーザがアクティベートされたソフトボタン102を選択すると、ユーザ端末10からサーバ装置30に対して案内情報が要求される。この要求にはユーザ端末10の位置(つまりユーザの位置)が含まれている。サーバ装置30において、取得部31はこの要求を取得すると(ステップS13;YES)、判断部34は、その要求に含まれる位置を参照してユーザの位置を特定するとともに、記憶部33の記憶内容を参照して乗車地点及びその乗車地点に対する車両の到着予定時刻を特定する(ステップS14)。
【0043】
そして、判断部34は、到着予定時刻である10:00の10分前に相当する基準時刻9:50以降であるか否かを判断し(ステップS15)、さらに、ユーザ端末10の位置が乗車地点を基準とした基準範囲内(乗車地点を中心とした半径100m以内)であるか否かを判断する(ステップS16)。
【0044】
送信部35は、判断部34により基準時刻以降に基準範囲内にユーザが所在していると判断された場合には(ステップS15;YES、ステップS16;YES)、ユーザが車両に乗車するための案内情報をユーザ端末10に送信する(ステップS17)。ユーザ端末10において、この案内情報に応じた画像が表示される。
【0045】
図10は、このときユーザ端末10に表示される案内情報に応じた表示画像を例示する図である。図10に例示するように、この表示画像100には、車両の号車を表示する表示エリア103と、車両が乗車地点に到着するまでの時間を含むメッセージと、車両において4桁の識別番号が記されている箇所を示す車両画像104と、識別番号の入力エリア105と、ユーザが乗車を要求するためのソフトボタン106とが含まれている。ユーザはこの案内情報を参考にして、乗車地点にて自身が乗車すべき車両を探し、その車両を見つけたらその車両の側面に記されている識別番号を入力エリア105に入力してソフトボタン106を選択する。これに応じて、ユーザ端末10は、入力された識別番号を含む乗車要求をサーバ装置30に送信する。
【0046】
なお、ユーザが乗車地点に移動する前に車両がその乗車地点に到着している場合もあり得る。そこで、制御部36は、ステップS15,S16にて判断部34により基準時刻以降に基準範囲内にユーザが所在していると判断された場合には、そのユーザが乗車する車両を或る期間(例えば10分間)にわたって乗車地点に待機させる。そして、この待機中にユーザが乗車地点に到着すると、乗車すべき車両を見つけてその車両の側面に記されている識別番号を入力エリア105に入力してソフトボタン106を選択すればよい。
【0047】
サーバ装置30において、取得部31が上記識別番号を含む乗車要求を取得すると(ステップS18;YES)、制御部36は、記憶部33の記憶内容を参照してその識別番号が正当なものであるか否かを判断し、識別番号が正当であれば、車両の鍵を解錠してユーザを乗車させ(ステップS19)、以降、降車地点まで、車両の自動運転を制御する(ステップS20)。
【0048】
なお、ステップS15,S16で、判断部34により基準時刻以降において基準範囲内にユーザが所在していないと判断されないまま(ステップS15;YES、ステップS16;NO)、一定期間が経過すると、タイムアウトと判断し(ステップS21;YES)、サーバ装置30は乗車予約のキャンセル処理を行う(ステップS23)。同様に、取得部31が上記識別番号を含む乗車要求を取得せずに(ステップS18;NO)、一定期間が経過するとタイムアウトと判断し(ステップS22;YES)、サーバ装置30は乗車予約のキャンセル処理を行う(ステップS23)。
【0049】
以上説明した実施形態によれば、ユーザが、車両の到着予定時刻よりも所定時間前に相当する基準時刻以降に乗車地点の基準範囲内に所在した段階で、自身の乗車地点への到着をサーバ装置30に通知することにより、車両は乗車地点で或る期間待機することになるので、ユーザが車両を見つけて乗車するという、ユーザ及び車両の待ち合わせが確実に行い得るようになる。また、ユーザの乗車地点への到着を明示的にサーバ装置30に通知することにより、ユーザの乗車の意思確認を確実に行う一方、このような明示的な通知がなされない場合には乗車のキャンセルを自動的に行うことが可能となる。
【0050】
[変形例]
本発明は、上述した実施形態に限定されない。上述した実施形態を以下のように変形してもよい。また、以下の2つ以上の変形例を組み合わせて実施してもよい。
【0051】
[変形例1]
上記実施形態では、サーバ装置30の判断部34が、ユーザ端末10から送信されてくるそのユーザ端末10の位置が乗車地点を基準とした基準範囲内であるか否かを判断していた。ただし、ユーザ端末10の位置(つまりユーザの位置)は個人情報に該当するためにユーザ端末10の外部に出力したくないという場合には、ユーザ端末10が、自らの位置が乗車地点を基準とした基準範囲内であるか否かを判断するようにしてもよい。この場合、ユーザ端末10は、乗車予約に含まれる乗車地点の位置を記憶しておき、ユーザ端末10自身の位置が乗車地点を基準とした基準範囲内であるか否かを判断する。これによりユーザ端末10の位置が乗車地点を基準とした基準範囲内であると判断された場合には、基準時刻以降に、ユーザ端末10は、案内情報をサーバ装置30に要求するためのソフトボタン102(図9)をアクティベートする。なお、本変形例1においては、ユーザ端末10の位置を外部に出力しないので、実施形態で説明した、ユーザ端末10からサーバ装置30に対する位置の送信処理は行われない。よって、例えば図6に例示した配車情報にはユーザ端末の位置は含まれないことになり、ユーザ端末10の位置に基づく処理はユーザ端末10自身が行うことになる。以上のように、ユーザ端末10の位置が乗車地点を基準とした基準範囲内であるか否かを判断する処理はサーバ装置30又はユーザ端末10のいずれが行ってもよい。また、基準時刻以降であるか否かの判断についても同様に、サーバ装置30又はユーザ端末10のいずれが行ってもよい。いずれにしろ、本発明の情報処理装置に相当するサーバ装置30は、車両の到着予定時刻の所定時間前に相当する基準時刻以降において、乗車地点を基準とした基準範囲内に前記ユーザが所在している場合に、ユーザ端末10からの要求に応じて、ユーザが車両に乗車するための案内情報をユーザ端末に送信する。
【0052】
[変形例2]
実施形態においては、制御部36は、基準時刻以降に基準範囲内にユーザが所在していると判断された場合に、ユーザが乗車する車両を第1の期間(例えば10分間)にわたって乗車地点に待機させていた。一方、基準時刻以降に基準範囲内にユーザが所在していると判断されなかった場合、又は、ユーザ端末からの要求がなかった場合には、制御部36は、車両を乗車地点に待機させない、又は、第1の期間よりも短い第2の期間にわたって乗車地点に待機させるようにしてもよい。これにより、例えばユーザが到着予定時刻の10分前以降において乗車地点の100m以内で「乗車地点への到着を伝える」というソフトボタン102を選択したときには、車両は第1の期間(例えば10分間)待機する一方、上記以外の時刻及び地点でソフトボタン102を選択したとき、又は、ソフトボタン102の選択が一切なかった場合には、制御部36は、車両を乗車地点に待機させない、又は、第1の期間よりも短い第2の期間(例えば5分間)にわたって車両を乗車地点に待機させることができる。これにより乗車意思の確認が適切に取れないユーザに対する乗車のキャンセルを迅速に行うことができる。
【0053】
[変形例3]
ただし、ユーザが「乗車地点への到着を伝える」というソフトボタン102を選択していないときでも、そのユーザが乗車地点の極めて近い位置に居れば、例えば第1の期間よりも短い第2の期間(例えば5分間)だけ車両を乗車地点に待機させてもよい。つまり、制御部36は、基準時刻以降に基準範囲内にユーザが所在していると判断されなかった場合、又は、ユーザ端末10からの要求がなかった場合において、基準範囲よりも小さい範囲内にユーザが所在していると判断されたときには、車両を第1の期間よりも短い第2の期間にわたって乗車地点に待機させるようにしてもよい。これにより乗車地点のごく近くにいるユーザに対しては、乗車の機会を与えることができる。
【0054】
[変形例4]
例えばユーザが「乗車地点への到着を伝える」というソフトボタン102を選択した後にその乗車地点近傍から短距離だけ移動する場合(例えば乗車地点近傍のコンビニエンスストアまで買い物に行った場合)は、第1の期間よりも長い期間車両を待機させててもよい。つまり、制御部36は、案内情報がユーザ端末10に送信された後に、ユーザが基準範囲外に移動した場合には、車両を第1の期間よりも長い第3の期間(例えば15分間)にわたって乗車地点に待機させるようにしてもよい。これにより、乗車の意思確認がとれたユーザにとっては、乗車地点近傍での行動の自由度を高めることができる。
【0055】
[変形例5]
前述した基準時刻又は基準範囲が条件に応じて変動してもよい。具体的には、判断部34は、ユーザが乗車地点に移動するときの移動のしやすさ、移動の速さ、又は、ユーザが乗車地点において車両の見つけるときの容易さのうち、少なくともいずれか1つに関係する条件に応じて、基準時刻又は基準範囲を変動させるようにしてもよい。
【0056】
[変形例5-1]
基準時刻又は基準範囲は、ユーザが乗車地点に移動するときの移動のしやすさ、移動の速さ、又は、ユーザが乗車地点において車両の見つけるときの容易さのうち少なくともいずれか1つに関係すると考えられる、ユーザの属性(年齢、性別、障がいの有無、旅行者であるか否か)に応じて変動してもよい。ここでは、ユーザが所持する荷物や同乗者もそのユーザの属性とする。例えばこれらのユーザの属性からユーザの徒歩の平均速度を推測し、その平均速度が閾値以上の場合には、その平均速度が閾値未満の場合に比べて、基準時刻を遅く、又は、基準範囲を広くする。例えば、徒歩の平均速度が閾値以上の場合の基準時刻が車両の乗車地点への到着予定時刻の10分前であるのに対し、徒歩の平均速度が閾値未満の基準時刻が車両の乗車地点への到着予定時刻の5分前であるとか、徒歩の平均速度が閾値以上の場合の基準範囲が車両の乗車地点を中心とした半径100mの範囲内であるのに対し、徒歩の平均速度が閾値未満の基準範囲が車両の乗車地点を中心とした半径200mの範囲内である、といった具合である。
【0057】
[変形例5-2]
基準時刻又は基準範囲は、ユーザが乗車地点に移動するときの移動のしやすさ、移動の速さ、又は、ユーザが乗車地点において車両の見つけるときの容易さのうち少なくともいずれか1つに関係すると考えられる、到着予定時刻に基づく条件(例えば朝夕等の渋滞時とかイベント開催時)に応じて変動してもよい。例えば、到着予定時刻が朝夕等の渋滞時とかイベント開催時である場合の基準時刻が到着予定時刻の5分前であるのに対し、到着予定時刻が上記の例示以外である場合の基準時刻が到着予定時刻の10分前であるとか、到着予定時刻が朝夕等の渋滞時とかイベント開催時である場合の基準範囲が車両の乗車地点を中心とした半径200mの範囲内であるのに対し、到着予定時刻が上記の例示以外である場合の基準範囲が車両の乗車地点を中心とした半径100mの範囲内である、といった具合である。
【0058】
[変形例5-3]
基準時刻又は基準範囲は、ユーザが乗車地点に移動するときの移動のしやすさ、移動の速さ、又は、ユーザが乗車地点において車両の見つけるときの容易さのうち少なくともいずれか1つに関係すると考えられる、乗車地点の周囲の環境に基づく条件(例えば天候、事件/事故の有無)に応じて変動してもよい。例えば、乗車地点の周囲の環境として天候が悪いとか事件/事故があった場合の基準時刻が到着予定時刻の5分前であるのに対し、到着予定時刻が上記の例示以外である場合の基準時刻が到着予定時刻の10分前であるとか、乗車地点の周囲の環境として天候が悪いとか事件/事故があった場合の基準範囲が車両の乗車地点を中心とした半径200mの範囲内であるのに対し、到着予定時刻が上記の例示以外である場合の基準範囲が車両の乗車地点を中心とした半径100mの範囲内である、といった具合である。
【0059】
[変形例5-4]
基準時刻又は基準範囲は、ユーザが乗車地点に移動するときの移動のしやすさ、移動の速さ、又は、ユーザが乗車地点において車両の見つけるときの容易さのうち少なくともいずれか1つに関係すると考えられる、到着予定時刻及びその前後において乗車地点から各ユーザがそれぞれ車両に乗車する予定の数(例えば乗車地点における乗車予約の数が多い/少ない)に基づく条件に応じて変動してもよい。例えば、乗車地点における乗車予約の数が閾値以上である場合の基準時刻が到着予定時刻の5分前であるのに対し、乗車地点における乗車予約の数が閾値未満である場合の基準時刻が到着予定時刻の10分前であるとか、乗車地点における乗車予約の数が閾値以上である場合の基準範囲が車両の乗車地点を中心とした半径200mの範囲内であるのに対し、乗車地点における乗車予約の数が閾値未満である場合の基準範囲が車両の乗車地点を中心とした半径100mの範囲内である、といった具合である。
【0060】
[変形例6]
基準時刻及び基準範囲の条件を満たしていても、例えばシステム障害、車両の故障や事故、車両に乗車中又は乗車予定のユーザの急病や体調不良等の何らかの事由に該当する場合には、「乗車地点への到着を伝える」というソフトボタン102をアクティベートしないようにしてもよい。
【0061】
[変形例7]
本発明は自動運転車両に適した乗車意思の確認を実現するものであるが、必ずしも自動運転車両にのみ本発明が適用されなくてもよい。
【0062】
[変形例8]
本発明に係る情報処理装置の一例としてサーバ装置30を例示したが、図5に例示した機能ブロックを実現するコンピュータであれば本発明を適用可能である。また、サーバ装置30が記憶部33を有している必要はなく、サーバ装置以外の他の装置が記憶部を有していてもよい。この場合、サーバ装置が他の装置に対して記憶部内の情報の検索を要求し、その検索結果を取得すればよい。
【0063】
[そのほかの変形例]
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0064】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0065】
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0066】
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0067】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0068】
情報等は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0069】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0070】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0071】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0072】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0073】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0074】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0075】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0076】
本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0077】
ユーザ端末10又は車両装置20は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。
【0078】
「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0079】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」され経路考えることができる。
【0080】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0081】
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0082】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0083】
本開示において、例えば、英語でのa,an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0084】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【符号の説明】
【0085】
1…車両管理システム、2…ネットワーク、10…ユーザ端末、1001…プロセッサ、1002…メモリ、1003…ストレージ、1004…通信装置、1005…入力装置、1006…出力装置、1007…測位装置、20…車両装置、2001…プロセッサ、2002…メモリ、2003…ストレージ、2004…通信装置、2005…入力装置、2006…出力装置、2007…測位装置、2008…施錠機構、2009…自動運転装置、30…サーバ装置、31…取得部、32…算出部、33…記憶部、34…判断部、35…送信部、3001…プロセッサ、3002…メモリ、3003…ストレージ、3004…通信装置、100…表示画像、101…地図表示エリア、102…ソフトボタン、103…表示エリア、104…車両画像、105…入力エリア、106…ソフトボタン。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10